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2011年7月27日 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第6回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年7月27日(水) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室(12階)


○出席者

磯部構成員、岩上構成員、上原構成員、河崎構成員、久保野構成員、鴻巣構成員、
笹井構成員、白石構成員、千葉構成員、野村構成員、広田構成員、堀江構成員、
町野構成員、良田構成員

○議題

(1) 保護者制度について
(2) その他

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第6回保護者制度・入院制度に関する作業チームを開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 早速ですが、ここからは町野座長の方に御進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○町野座長 前回の第5回では、退院請求、処遇改善請求について、精神科医療における保護者、主に家族等の位置づけについて御議論いただきました。
 本日の作業チームは、まず前回の作業チームにおいて時間の都合により議論できなかった問題を議論し、それから引き続き更に議論していただきたいと思います。
 強制入院中の患者に対する医療の強制の問題に関する入院時の強制医療介入の在り方について、まず御議論いただきたいと思います。
 これは従来、保護者の代諾によってカバーし得るという具合に漠然と考えられてきた問題の再検討ですし、将来保護者制度というものが改正をされるとき、これはどうなるかというのはかなり問題のところでございます。他方これは、精神障害者の自立性、自己決定権の尊重という内閣府の障がい者制度改革推進本部の提起した問題を検討するものでもあります。
 続きまして、前回の作業チームにおいて事務局の宿題とされました事項についての検討をお願いいたします。
 最初に退院時の請求を成し得る代理人の問題についてでございます。退院請求は入院中の精神障害者の退院、地域精神医療への移行を促すという自主的な意味を持つものでございます。このような機能に着目したときに、退院請求というフォーマルな方法以外も検討すべきではないかということももう一つの問題でございます。
 これに続きまして、家族等への病状説明と個人情報保護の関係について、事務局から御説明いただきたいと思います。
 保護者の医療への協力義務を法律から削除したとき、残るのは家族ということになります。したがいまして問題は、精神医療の側が家族に患者の病状などを説明してその協力を求めることが、個人の情報保護の原則に抵触しないかという問題でございます。
 そして最後に治療へのアクセスに関する権利の保障の在り方について検討していただきたく思います。
 これは医療保護入院の制度をどのようにするかという一番難しい問題の検討のために、避けることのできない課題でございます。
 まずは、入院時の強制医療介入の在り方について、事務局より説明をお願いいたします。

○本後課長補佐 それでは説明をさせていただきたいと思います。
 恐縮ですが、お手元の資料の14ページをお開きください。
 「入院時の強制医療介入の在り方」ということで、前回6月16日に開催をしたときに最後に駆け足で御説明だけさせていただいた資料と同じ資料でございます。大分時間も経っていますので、もう一回改めて御説明をさせていただきます。
 強制医療介入ということで、これは平成22年、昨年の閣議決定の中で強制入院と並んで検討すべき課題というふうに挙げられております。具体的には医師の指示に従う義務が、真ん中の3というところですけれども、「医師の指示に従う義務が、本人の意思に反するような治療行為に対してまで保護者が従わなければならないことを認めているわけではないとしても、そのような本人の意思に反するような治療行為のあり方について、検討する必要があるのではないか」ということでございます。
 閣議決定の中でどういう趣旨でこの強制医療介入の在り方を検討せよということを推進会議の方から何らかの提言があったかというと、具体的なところはないわけでございますけれども、それは、具体的には強制入院の下で強制医療介入、同意によらない治療をどう考えるかということだと理解をしまして検討を進めていきたいということでございます。
 1番目ですけれども、「現状の整理」というところでございます。
 「治療行為に関する手続きについて」。医療はインフォームド・コンセントに基づいて行われることが原則であり、精神科医療においても同様。一方で、精神科医療の場合には、自らがかかっている精神疾患に対する正しい認識や自覚、いわゆる病識がなく、治療行為に対して適切に同意することができない場合も多い。
 入院そのものについては、本人の同意によらない場合の入院の手続きとして、措置入院、医療保護入院が法定されており、詳細な手続きが法令、あるいは関係の通知において示されているというところでございます。
 これに対して、入院をしている場合でも、個々の治療行為については、本人の同意によらない治療行為の手続きが定められているわけではございません。現行制度では、医療の必要があるからこそ、措置入院のような強制入院の下で治療が行われているということであり、本人の同意を得られないということのみをもって治療を行わないということは、本人の利益に反するということで、そういう考え方の下に、同意によらない治療行為ということは特段の手続きを設けられていない。言わば強制入院の下では、ある程度強制的に治療を行うということが含まれているという解釈をされているということでございます。
 一方で、全ての場合にインフォームド・コンセントの原則を貫くことは現実的ではないといたしましても、とりわけ措置入院のような強制入院の下では、任意入院と比較して、より人権的な配慮に基づいた、言わば手続き的な保障が必要なのではないかという御意見もございます。むしろ、閣議決定にいう「強制医療介入」というのは、こうした問題意識が盛り込まれているというふうに考えております。
 この点につきまして、平成17年に施行されました医療観察法の中で、新たな手続きが設けられてございます。
具体的には、医療観察法の指定入院医療機関に入院している方について、「入院処遇ガイドライン」という、これは厚生労働省の通知でございます。これが定められておりまして、その中では、基本的な考え方として、治療者は十分な説明を行い、入院対象者の理解による同意を得られるように努めると。
 治療方針などに関する説明を尽くした上でなお対象者の同意を得られない場合、代替となる治療行為の可能性についてよく相談し、更に対象者の治療意欲を引き出す取組を行わなければいけないということとされております。
 「治療意欲を引き出す取組」ということですと、具体的には参考資料の9ページの下の段に例を挙げております。
 例えば、言語による試みだけではなくて、身体ケアとか、病棟内の活動などを通じて患者との信頼関係を構築する。治療を受ける場合、受けない場合に分けて、それぞれのメリット・デメリットを患者とともに比較する。自らのためだけではなく、被害者のためにも、治療を受けることで病状を改善させるということを対象者とともに考える。そういった様々な説得の手段を、現場においてされているということでございます。
 資料にお戻りいただきまして16ページの(マル3)ですけれども、十分な時間をかけて対象者の治療意欲を引き出す取組を行ったにもかかわらず治療の同意が得られない場合、対象者の同意を得ずに治療行為を開始することにおいて、事前に倫理会議において決議を行うということが定められております。
 倫理会議と言いますのはその下の箱にございますけれども、医療観察法の指定入院医療機関の中に設ける会議体でございまして、精神医学の専門家の外部委員1名以上を中に入っていただくという形になっております。言わば、外部の客観性を取り入れた医療機関の中の組織ということになります。
 この倫理会議において決議を行うということですけれども、特に電気けいれん療法ですとか、デポ剤の使用に関しては、倫理会議での事前協議と全会一致が必要ということにされております。
 (マル5)ですけれども、症状が重篤であり、治療の開始を遅らせることにより入院対象者の心身に著しい不利益を来すおそれが高いと判断される場合には、緊急的に同意によらない治療行為を行うこともあるとされております。
 その場合には、事後に開催される倫理会議において報告、評価を受けるという形で、緊急性の高い場合には、その事前承認という手続きではなくて事後評価という形で客観性を担保しているという形になっております。
 17ページですけれども、こうした医療観察法における手続きについては、一般医療にも導入すべきではないかという御指摘が各方面からなされております。ということもありまして、一般医療に導入する際の患者の立場から見たメリット、デメリットを整理してみたものでございます。
 まず、メリットということで考えますと、精神医療の専門家である外部委員が判断に加わるということで、同意によらない治療行為の必要性・妥当性の判断が、第三者的、客観的な観点から行われるということでございます。
 そういったことで、入院患者の最善の利益が考慮され得るという、言わば適正な手続きを設けるということで、人権擁護に寄与する、そういったメリットが大きいと考えられます。
 一方でデメリットのところですけれども、手続きを十分に踏むということになりますと、治療行為を行うまでに時間を要する可能性があり、その結果として症状が、あるいは悪化してしまったり、あるいは入院期間が長くなるという可能性が出て来るということで、医療を受けるということに関して言いますと、時間が長くなるということが大きなデメリットとして考えられます。
 また、倫理会議を通すということで、逆に同意によらない治療への抵抗感を軽減させる可能性があるですとか、入院患者さんが実際に治療行為を行う決定をより強い圧力に感じるといったこともデメリットとして考えられます。
 こうしたメリット、デメリットを踏まえまして検討が必要な論点としてまとめたのが18ページでございます。
 「強制入院における手続き面での保障を充実する観点から、措置入院において、入院そのものについてだけでなく、同意によらない治療を行う場合に関して、何らかの手続きを設ける必要があるのではないか」。
 設けるとした場合に、治療の客観性、透明性を確保するという必要性がある一方で、治療行為を行うまでに時間を要すれば患者に不利益になる可能性があるというデメリットがあるということも踏まえて、具体的にどのような手続きを設けることが適当かということが論点として挙げさせていただいております。
 なお「※」のところですけれども、同じく同意によらない入院という意味で言いますと、医療保護入院ということも関係するわけでございますが、その点については、医療保護入院自体の在り方と大きく関係いたしますために、ここでは論点としてはおりません。措置入院の過程においてどう考えるかということを論点とさせていただいております。
 説明は以上でございます。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 この問題、前回は議論がなされないで今回持ち越しということですので、いろいろ御議論があるだろうと思います。
 ただいまの事務局からの説明を受けまして、御意見等ある方の発言をお願いいたします。これまでと同様、できるだけ3分以内ということでお願いいたしたいと思います。
 どうぞ、どちらからでもお願いいたします。
 医療保護入院の方は一応外したということは、どういうことですか。ちょっと私がまだ理解できないところがあるけれども。

○本後課長補佐 医療保護入院につきましては、1つはその医療保護入院の性格をどういうふうに考えるかということがございます。措置入院の場合には、都道府県知事による措置ということで強制入院ということになっておりますけれども、医療保護入院の場合には、形式上は保護者と医療期間の契約という関係の中で、ただ本人にとってみれば強制性があるという関係になっているという点で、措置入院とは性格上一応異なるというふうな整理がされているという点が1点ありますのと、そもそも医療保護入院の中でどういう治療が行われるかということにつきましても、やはり医療保護入院の在り方全体と合わせて検討していただく必要があろうということですので、医療保護入院全体の在り方については、これから秋以降御検討いただくということになっていますので、今日の時点では、それは検討の論点としては含めていないということでございます。

○町野座長 ありがとうございました。
 今のことを整理いたしますと、これまで精神保健福祉法の中で、医療はどの範囲で強制できて、どういうときにインフォームド・コンセントが要らないかということについて非常に不分明なまま来たわけでございます。そして、旧精神衛生法のころからありました行動の制限、処遇と言われるところ、あの条項によってカバーされているのではないかという意見もかなりあったわけです。
 しかし、実際の法律家の考え方等は、あれとは別だろうと。行動の制限というのは保護室に入れるとか、ベット拘束とかそういうようなことを言っているので、医療の強制とは別だろうということで、判例の方もそのような考え方で動いてきたように私は思います。
 第2の問題は、措置入院と医療保護入院のそれぞれの強制の性格なんですが、これは法律家の方はかなり同じだという具合に実は考える傾向があります。しかし法律家と言いましても刑法の人は同じと考える傾向はありますが、民法の方では少し違って、契約のうちの1つだという具合に医療保護入院をとらえるということもあるために、強制の根拠が違っているんではないかという具合に考えられる傾向があるということがあります。
 他方では、国連の人権準則というのがありまして、それは1991年だったと思いますが、宇都宮病院事件の後で成立したものでございます。勿論その影響があったわけですが、そのところでは、一般的に精神病院の中で強制的に入院させられている患者について、どういうときにインフォームド・コンセントがなくて大丈夫かという観点で整理したものがあります。
 そして、それを参考にしながら、措置入院のウルトラ措置としてつくられたと思われます医療観察法における入院による医療ですが、そちらのところでその原則をほぼ参考にしながら持ってきたのが、現在の、先ほどの入院処遇ガイドラインでございます。
 したがいまして、今、措置入院のところでこれがつくられたという経緯が日本ではあるために、実は国連の人権準則というのはそのようなものではございませんで、一般的に強制入院中の患者についてのものでございますからそうではなかったんですが、日本ではこういう経緯でつくられたために、今、御説明ありましたとおり、医療保護入院についてはちょっとまた別に考えた方が、もう一回議論した方がいいんではなかという御趣旨だろうと思います。
 さて、いかがでございましょうか。またややこしいこと言うという。
 広田さんどうですか。

○広田構成員 考え中。充電中です。

○町野座長 では、皆さん充電されている間ですが、これは、医療観察法において、このような入院処遇ガイドラインとして導入したときに、いずれはこれは一般の精神医療の方でも考えなければいけない問題であるということは当然認識されていたわけです。というのは、国連の人権準則というのは、これは条約ではございませんから、強制力というのが日本には働かないと。しかしながら、国連の加盟国である以上、これから、やはりそれに従った行き方を取らなければいけないというような、加盟国は大体倫理的な義務としてこれを負っていると考えられるわけです。
 したがいまして、国連準則を議論したときも、日本政府の方としてもいろいろ議論をしているということは私も知っております。したがいまして、今のようなことを考えると、この医療観察法においてつくられたようなそれを、一般の精神医療の方にもこれを及ぼすというのは、必然的なことであったわけでございます。問題はしかし、これが実際に可能であるかという、非常にそういうことになるわけでございます。
 医療観察法の場合については、一応かちっとしたスキームができておりまして、それが全部つくられているところがあるわけですけれども、これまでの日本の精神病院における医療というのは必ずしもそのようなものでないわけですから、こんなところで急にこれを持ち込むことが実際的であるか。もしそうでないとすれば、どのような方法を取るべきかということになるだろうと思います。
 今のようなことが一応バックグラウンドでございますけれども。

○広田構成員 要するに意見ではなくて、つまり医療観察法というのは多くの仲間が反対していますということを前提にした上で、医療観察法のやり方が、一般の精神科医療の措置入院にやれますかというのを患者に言われても、私は医者ではないから、医療側はやれているんですかということをまず伺いたいと思うんです。

○町野座長 では、今の点は、医療観察法に関係されているどなたか。
 では、千葉構成員お願いします。

○千葉構成員 私の方でお答えできる分だけ。
 医療観察法については、入院治療のガイドライン及び通院治療のガイドラインと、非常に詳細に治療の経過をプログラム化、構造化と言いますか、しておりまして、当初より予想されている入院期間がきちんと定められています。勿論例外的には延びていくことも会議をして必要であれば延びるわけですけれども、本来的には1年半という期間の中で、「急性期の治療」、「回復期の治療」、そしてその戻るための「社会復帰のための治療」と、病棟もまたそれらに応じて内部で病棟を色分けをしながら、つまりそういうのに適するような病棟の構造にしたりして、関わり方も、ある意味お耳にされたことがあるかと思うんですけれども、クリニカルパスという形を原則として治療の仕方をはっきりさせています。
 いつの時点でそういう他職種による評価会議を行い、つまり治療の効果を評価しながら次のステップへ進む、といったような、大変構造的にでき上がっているということはあろうかと思います。
 これらを行えるには、まず第一に潤沢にスタッフがいることになるかと思います。いつもこういう話で恐縮ですが、そのスタッフを用意できるだけの費用が投入されているかということになります。
 単純に言えば、一般医療の1日当たり患者さんの入院費用の6倍ぐらいの費用がかけられているということになろうかと思います。いつも精神医療の現場の中で、いわゆる「精神科の医療スタッフは少ないではないか」ということが持ち上がるわけでございますけれども、精神科医療の現場をしている者にしてみれば、もっともっと人は欲しいんですけれども、生活を保障するだけの費用が入ってこないので、人を入れたら1人当たりのお給料が減ってしまうということになるわけでして、「成り立たないですよ」ということを申し上げているだけですが、普通の精神科医療の現場でもスタッフを多くして、そしてまたそれなりのトレーニングを施していけば、まずは同じような治療の形、ヒューマンウェアとしてはでき上がると思います。
 ハードウェアはつくり方ですから、それはそれで建物や構造等が決まればそれは可能かと思います。問題はソフトウェアです。何をどういうふうにするという治療のスタイルであったり、進行していくプロセスであったり、その辺のところをどのように組み立てるかということと、それが可能かということになります。
 ただ、後でまたその辺の話も論議になると思いますが、片方は、法によって入院処遇が決定をされている方々ということになって、措置入院も同じように知事の命令により入院を決定しているということはあるのですが、その処遇をやめると言いますか、処遇解除するということについての決定権は、実は現場のスタッフ、医師にはないわけで、それの判定は判定会議等で行われることになるわけですが、措置入院の場合は、診ている主治医のいわゆる措置症状消退届なるものが一番大きな比率を占めて、診ている先生が「もう大丈夫ですね」と言うか言わないかにかかっているところがあります。
 この辺のところで、主治医として治療を進める医師にとっては、できるだけ早く本人が良くなって、いい方向に向かっていただくということに努力をするということと、措置症状の消退を見届けて、その決定と言いますか、その判断を申請するという2つの矛盾した間に挟まることになるわけで、そういった点でもやはり一般精神科医療では問題になるのかなと、負担になるのかなと、思います。ざっと考えてそんなところかと思うんですが。

○町野座長 ありがとうございました。
 では、良田構成員どうぞ。

○良田構成員 ますます難しくなってしまって、何を聞こうかと、今、考え直してしまったんですけれども、医療観察法の患者さんも、措置入院の患者さんも、ある行為はしてしまったけれども、必ずしも治療を拒否しているというふうな前提に立ってはいない方だと思うんです。強制的に入院はさせられたけれども。
 医療保護入院の患者さんというのは、明らかに治療を拒否しているんですね。私の考え方違うのかもしれないんですけれども、医療保護入院の患者さんというのは、自分は嫌だというのを家族の同意で入院しているわけですから、私の知り合いの方で、薬をのまないのは自分の信念だと言って入院をされた方で、本当に薬をのまないでずっといて、そのまま3か月経って退院されたのかどうかわからないんですけれども、そういう患者さんもたくさんいるわけですね、どうしても嫌だと、薬をのまないという人も。
 そういう人の場合、ではどうしているのか、私の家族の立場から見えないんです。きっといろいろな努力を病院でしているんだろうと思うんです。説得するなり何なりは当然やっているんだろうと思うんですけれども、そういう人たちの治療というのは、本当にどういうところで行われているのかと逆にお伺いしたいんですけれども、先生方に。

○町野座長 ありがとうございました。
 今のことについて、では、河崎構成員お願いします。

○河崎構成員 今、良田さんの方からの御質問に関してなんですが、確かに医療保護入院の患者さんは原則的には治療に対する同意を自らができない。そのために今、保護者制度という制度を用いながら入院治療を行うという形ですが、ただ、そういうような医療保護入院という形で入院されている患者さん全員が、いろいろな意味で治療ということに対して納得をなされていない人ばかりなのかというと、現状はそうでないことはよく見られるかと思うんです。
 それは確かに、治療ということの必要性を根気よく治療者側の方が説得もし、そして説明もし、ということの中で、ある日突然「それじゃあ私、お薬のんでいきましょう」というような形になるのかというと、そうでない場合もあると思うんです。
 やはり徐々に徐々に、そういう治療的な枠組みの中に、御本人が最初は納得は十分になされていなくても、時間を経過するに伴ってそういう形へ自らも入ってこられるというようなケースは結構多いのかなと思います。
 ですので、確かに今回の強制医療介入を措置入院という形態の方にまず限定して考えてみようというのが、今回事務局からの提案なんですが、それは先ほどの町野座長の御説明のように、措置入院と医療保護入院の、そういう治療契約とか、あるいは法的な位置づけからして、一緒に議論すること自身が少し難しい部分があるのでしょうから、この段階では措置入院の方への強制医療介入をどうするのかということにまず限定して考えていけばいいと私は思っていますが、ただ、この医療観察法の手法をそのまま措置入院の方に適用できるのかというのは、先ほどの千葉先生の説明のように、今の日本のいわゆる医療費の問題であったり、あるいは現状のマンパワーの問題から言えば、到底そういうことは不可能なんだろうと思うんです。
 そうしますと、医療観察法のこの手続きというのは1つの参考にはなるでしょうが、もし措置入院の方たちに強制医療介入というようなものを何らかの形で導入していくとすると、ある意味モデル的なことをどこかでやってみてから検証をしていかなければいけないんではないかと私は思っております。
 ですので、現状の措置入院という入院の方たちに対する強制医療介入をどういうような形でつくり上げていけばいいのか、それをみんなが合意ができるようなものがつくり上げていくことができるのかというのは、今、こういう机上の話だけではなかなか難しいんだろうと思っていますし、どこかある、例えばそれこそ措置入院は知事等の強制入院であるわけですから、そういう国立もしくは国公立等、県立等で、一度モデル的にどういう形であれば可能なのかというようなことをやってみることが必要なんではないかと、そういうふうに思っております。

○町野座長 ありがとうございました。
 では、千葉構成員。

○千葉構成員 措置入院というものがどういう方々なのかというところで、あまり誤解があってもいけないかと思うんですが、自傷他害のおそれのある方ということであって、医療観察法の方々はやはり犯罪行為として対象行為がある方ということですから、そこのところで、まず事件を起こしている、起こしていないというところだけの違いではなくて、かなり軽いものまで、実は措置入院となっている事実はわかってほしいと思うんです。
 例えば万引をした。それで捕まって、そこで言うことを聞かずワーワー言ってると、警察を呼ばれた、鑑定をした、それで措置になる。あるいは重度のうつ病で、自殺の危険があって、とても目が離せなかったり、実際に自殺の行動を起こっていてなかなか大変だといった、目が離せないというような方も、自傷の方ですからこれも措置になるんです。
 ですから、そういったようなものが措置入院になっている対象者はもっと広い、つまり、誰かを殴ってしまったみたいな大変な人もいるんですけれども、これがいわゆる検察ルートで医療観察法に乗ったのか乗らないのかとか、起訴したとかしないとかそういう話でどちら側かになるというギリギリの線の人たちから、もっとずっと軽い人たちまであります。ですから、措置で入院されても1か月以内にもう措置解除をしてしまって、そして3か月以内に退院してしまったりすることというのは、決して今の状況の中ではそんなに多い話ではないんです。
 ただ、医療観察法で入院しますと一定のプログラムをかけますから、実は軽くても、あるいは治療奏効性といって非常によくなるのが早くても、一定の期間は今度は逆に入院期間としてなってしまったりするわけです。また、倫理会議をやって治療するしない、どうするというのを決めていくので、プロセスとしてはいいように見えても、実はかっちり決まっているので、そこまで経過しないと次のステップが決まらないということになりますと、一定の入院期間はどうしても出来てしまうと。
 ですから、そういう意味でも措置と医療観察法は大分違うということをわかっていただきたいと思います。

○町野座長 堀江構成員、どうぞ。

○堀江構成員 済みません、教えてほしいんですけれども、河崎先生が、モデル的事業をやってみないとというふうにおっしゃって、私は例えばマツダなんかのを見て、あれモデル的な事業としてやっているのかなと。物すごい金も人も入れているように見えているものですから、そういう意味では、国はモデル的事業としてはこの強制に対してどこでどういうモデル事業をされているのかというのを出していただかないと、実はそこって本当はないんですっていう話だったらば議論にもならないようなところが、ちょっと教えてください。

○町野座長 では事務局の方から、今の御質問に対する。

○本後課長補佐 ここの強制医療介入につきましては、冒頭の説明の中でもございましたとおり、今の手続き上は強制入院ということであれば、基本的に医療の必要があってそういう入院ということに至っているので、その中で行われる治療行為というのは基本的には同意有無に関わらず行ってもいいという考え方の下に医療が通常行われております。
 ですので、今の現時点でそういうことに関してモデル事業をやっているということではございません。

○町野座長 よろしいですか。
 では、次、白石構成員、お願いします。

○白石構成員 確かに難しいお話になってしまっているんですけれども、措置入院のことについて議論をするということなので、何らかの治療同意が形成できない場合に規定を設けるかどうかという問題提起として受け止めますと、その必要性と効果を何を想定しているのかということが問題になるのではないかと思います。
 やはり変えるということは、ただ形式がないから変えるということになるのか、それとも現在の措置入院の在り方では、何らかのやりとりがあった後治療が行われているという今のやり方ではまずいという現状があるのかどうか。例えば外国の国連原則とかに照らすと、一部手直しをしなければいけないということがあるとすれば、それはどちらかというと形式ということに近いのではないかと思うんです。
 それよりも、本来問題にすべきは実質だと思うんです。今の措置入院の同意のない状況での治療の仕方では、決定的にうまくいかない、あるいは改善を要求することがあるのかどうかと、この点の確認が1つだと思います。
 そのためには、今どんな問題があるのかということについての、先ほど来、医療の従事者でないとわからないというような御意見もあるので、問題点があるならば、あるということで議論すべきだと思います。
 それからこれは1つ先のお話になりますけれども、私は医療観察法で行われていることをすぐ持ってくるというのがいいかどうかについては、若干疑問がございます。
 国連原則を遵守しなければいけないということはありますけれども、一部はドメスティック、その国内の状況によって国内法をつくっていくということはどこの国でもやっていることでありますので、例えば私は、あるアフリカの国の精神科の病院に行ったことがあるんですけれども、そこの病院は日本の何十年前の状況だったんですけれども、そこの国に視察に来た人たちに、国連原則に従ってきちんとやっていると説明してわかってもらえたというふうに言っていました。
 これならば、日本でやっている医療の方がきちんとやられている部分が多いというふうに思いましたので、そういうようなことで、やはり主張すべきは主張すると、対外的に形式的な問題では、そのようにして、今やられていることを基にしてあまり現場に負担にならないような形で問題点を矯正するというような手法で、もし変えるのであれば、やっていくのがいいのではないかというのが私の意見です。

○町野座長 ありがとうございました。
 医療現場の方からとか、いろいろお話を伺いたいと思うんですけれども、先ほどのことで、医療保護入院を一応別にするという話なんですけれども、基本的に現在の医療保護入院というのは、保護者の同意によらなければ入院できないという格好になっていますから、それを将来どうするかという問題があって、もしこれが取れて、保護者の同意がなくても入れられるという話になりますと、今日、今現在の措置入院についての議論というのがそっちに妥当してくるという話になるわけです。
 そこらのことがありますので、今の点を踏まえながら、措置入院の患者さんについて、医療現場においてどのようなことがインフォームド・コンセントとしてなされていて、どこに不都合があるか、どこに問題があるかということについて、情報提供していただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
 何も問題がないということだとすると。よろしいですか。ではお願いします。

○笹井構成員 ちょっとまとまっていないので。現状では、以前の歴史的は経済措置と呼ばれていた時代があって、お金のない人たちが治療を受けるために、公費でしたので保険関係なく入れたということもあったりして多かった時代はありました。
 だから、そういった意味では今の措置入院の制度は、医療審査会等がきちんと整備をされて、稼働していない、稼働しているとか、いろいろな不備だとかたくさんの問題をいろいろ提起はされるところですが、一応その辺のものがきちんとあるために、非常に適正な措置入院制度というか、措置入院の経過をとるようになったと、昔から精神科の医者をやっている私としては、その流れの中で言えばまず、現在の措置入院制度はずっと従来の措置入院制度よりも精度が上がっていると。
 また、3カ月目の報告というようなことも追加されて、その後出てきて、それまでよりもより一層審査会としては審査の仕方を厳密にし始めてきているということはあります。
 ただ、私も審査会の委員を長いことやらせていただいたことがあるので言いますと、まあ制度がどうするかですけれども、現在の審査会が見れる限度は多分今の形であれば、それがようやっとぎりぎりというようなことになるのかなと思います。
 何らかの新しいものをそこに入れるということになった場合には、かなり多大な費用と人員と処理の仕方ということを求めなければならない。だから現状で精神科医がそんなにいるわけではないのに、本来は昔の方が精神科医があちこちの精神科に入っている比率が多かったりしていたんですけれども、それも比率を少し、なかなか現実に仕事をしている精神科の先生が兼任でその審査会の委員をするわけですから、当然として何かが、処遇改善とかそういうような、あるいは退院請求があってもそれに対しての日にちがどうしてもなかなかうまく取れない、即時的に対応できないというようなことから少し構成を変えたりはしているんですけれども、それでもやはり十分にリアルタイムに、今日言ったから明日来てくれるという体制にはなっていないというようなところは現状ではあるかと思いますが。
 治療を行っている側といたしますと、実は以前にもお話ししましたように、患者さんは医療保護入院なのか措置入院なのか、あまり認識をされておられない方の方が多いわけで、それは入院時の行政の関わり方のところでお話を申し上げたとおりです。
 ですから、あまりそこのところで治療をしていくところで、患者さんと医療保護入院だから、措置入院だから治療の仕方が違うというようなことは現場の中ではない。同じように治療をきちんと施していくことによって、やはり同じように治療効果が得られている。治療の効果がいけば当然なぜ治療を受けなければならないのか、それからそのメリットについても、理解をされてくださる方が非常に多いし、また自傷・他害というような状況に判断されるような行動をとっていた自分への振り返りもできてくることによって、実はその辺のところがどのぐらいできているかということを基準として、措置、消退を我々ははかっている1つの要素になるわけですけれども、そういうことができてきて行われていますので、特に措置入院だから、医療保護入院だからということで現場で差分のある治療の仕方はしていないとお考えいただいていいかと思います。
 また問題点も、医療保護入院における問題点は措置入院が含む問題点とあまり変わりがないということになろうかと思います。

○町野座長 済みません、そうすると、精神科の治療をするときに、医療保護入院と措置入院の場合それぞれについて、患者が同意しないと言ったときのやり方も同じだということでしょうか。

○千葉構成員 はい。そこのところで違う手続きを行っていることはないと言えます。ただ、先ほど言いましたけれども、医療を施す側として、医療サービスを提供する側としては、できるだけ早くよくなってもらいたいということが最大の目的になるわけで、そこと本人の治療拒絶・拒否という問題が常に相反する中で精神科の医療が行われているということがあります。
 ただ、その判断やそういうことが、手が着くのが遅れるということは、昨今のいろいろな精神医療の進歩、画像診断の進歩等でよくわかってきていることですが、突き詰めていけば、脳細胞レベルでの不調ということが病気の基なわけですから、治療がそれだけ遅れるということは後手後手に回るということであって、そこに時間が要されるということは決して有益なことではないと我々は考えて、そこの中で判断をしながら最適に、ある意味必要な治療を本人の非同意の下であっても行うというようなことをしていると考えていいかと思います。

○町野座長 では、河崎構成員どうぞ。

○河崎構成員 先ほど白石先生がおっしゃられた形式論的な問題なのか、あるいは実際的にこのあとにしっかりと何らかの関わりをしていかなければだめですよという問題点があるのかという部分がやはり非常に重要かと思ってお聞きしておりました。
 今、千葉先生がおっしゃっているように、極端な言い方をしますと、任意入院の患者さんであっても、急性期の治療という意味では、措置であれ、医療保護であれ、任意入院であれ、入院形態に関係なくやはり我々が行うことということは、やはり一定のものはほとんど変わらないんだというふうに思っております。
 ですので、その治療的な関わりの部分での、やはりここで問題になってくるのは、急性期の医療をどのように提供するのか、そのときにどういうようなクリニカスパス的な概念を導入をしていくのかということの方が、実は非常に重要なのかなと、今、聞いていて思っていました。
 ただ、今回の閣議決定の中での強制医療介入について云々という部分は、やはりかなり人権擁護という意味での形式的なところをしっかりと押さえていきなさいという意味合いが強いと思うんです。それが意味があることなのかどうなのかという議論に収れんしていっているわけなんですが、そこは非常に難しい問題かと。
 ただ、臨床の現場で治療的関わりをしている立場からしますと、どういう入院形態であれ、やはりその人の急性期の症状に対してどのような形のきっちりとしたクリニカルパス的なものを入れながら、治療の質を上げていくのかということが望まれているということだろうと思います。
 そこに貢献できるような形のものが何かあれば、それは非常に必要でありますでしょうし、そういうことを、逆に言うとまたそれをしっかりと診療報酬上で評価をしていうということも一方では必要になってくると思います。

○町野座長 ちょっとよろしいですか。今、急性期のお話が出ましたけれども、先ほどの資料の15ページ〜16ページまで書いてありますが、16ページの(マル6)のところというのが、これが急性期に当たると考えてよろしいわけでしょうか。16ページの(マル5)。
 つまりこれは、国連準則は2種類のそれをやっておりまして、それは他害の方も広域連合準則の方はあるんですけれども、その治療を受けないことによって、即時に治療しなければ本人の病状がめちゃくちゃ悪くなるといったときについては、事前の手続きは要らないんですね。ただ、事後にこれをチェックしろというのが(マル6)ですから、その(マル1)〜(マル5)までの間とかなり異質なものなんです。
 だから、河崎先生が今、言われた急性期というのは、主に(マル5)に当たるとするならば、もし医療観察法のガイドラインと同じものを使ったとしても、あと要求されるのは事後のチェックで、なるべく客観性といいますか、これでレビューをしようという要請が残るだけだと思うんです。だから、あまり大きな問題と言いますか、医療の現場についてこれはつくったとしても、それほど大変なことではないと。問題は、(マル1)〜(マル4)までの間の非常にルーチン的な治療のやり方について、本人の承諾を得られないときのどうするかということです。
 そして、先ほどクリニカルパスの問題だとおっしゃられましたけれども、恐らくはその観点から医療観察法のガイドラインもつくられていて、全体的に見ると、ガイドラインは非常に長いものなので、そのうちの一部なんです。その中でまず、本人の治療へのコンプライアンスを引き出すような努力をすることが最初で、それをやりながら進んでいって、どうしてもだめなときはこれでやりなさいというような手続きなんで、これによって遅れるということがあるんだろうかということがあります。私は、ちょっとそこがわからないところがありまして。
 では、どうぞ。済みません。

○広田構成員 済みません。町野座長。日本語でなるべく言っていただきたい。ルーチンとか私はわかりません、定時制高校卒業だから。
 それで、話がすごく難しくなってきたんですけれど、私、今日も多分ここから帰ると、地元の警察に行って、13年間行っていますけれども、警察官、今日資料お出ししています。ちょうど偶然一致していますけれど、大きい方の資料で83ページです。一番下の方に出ています。
 一昨年度も県警、神奈川県警です。うわさの。神奈川県警の、警職法3条に基づく、これも多くの患者仲間がこの言葉をきらいますけれど、精神錯乱者保護は2,026件で、保護カードというものを書いた保護です、正式な。それ以外の保護もいっぱいしていますけれど。その中から警察官通報を830件、約3分の1かけています。精神保健福祉法24条より、きわめて厳密な通報のかけ方だと感心しています。
 今、お話伺っていると、脳がどうだとか言うんですけれど、次回か次々回に資料を出させていただきますけれど、急性期状態の人の入院にたくさんお付き合いしています。寝れていないかどうかだと思うんです。寝れていれば。これは別に精神疾患者だけではなくて、千葉先生も河崎先生も同じです。麻雀で3日も4日も寝れなかったら人間おかしくなりますから、寝れていて、相手に対して人間としての尊厳を持って接すれば、薬物で自分の人格をなくしている人以外は、なんとかなります。お酒が残っていれば警察官通報かかりませんから。警察が一番困っているのは、救急医療がなくて、行き先がないのと、アルコールの残っている人を診てくれる医療機関がないことです。
 そういう中で、寝れていないことが急性期に一番該当すると思います。寝れていて人間らしい尊厳を持って、移送チームであれ、いろいろな形で関わってくだされば、その人らしくなってきます。これは家庭内暴力、いっぱい相談を受けても同様です。警察の現場でも、「警察官通報かかりますか」と相談受けて、患者さんを紹介される例がありますけれど。24条にせずに本人との信頼関係で回復した人はたくさんいます。それで付き添っていくこともあります。警察官通報には付き添わないけれど、救急車で行く場合には付き添って行って、医者が御本人に丁寧に人間としての尊厳を持って聞いてくださって、そして例えば「任意入院です」とか言って、更に私に「これでよろしいでしょうか」と。つまり付き添っていった人権擁護人、危機介入相談員の私に言われます。
 これをあちこちで言っていますが、しかし、これ仕事にしていただいては困る。私は地域住民として警察官との信頼関係の中でやっているボランティア活動ですから、税金を使って仕事にしてもらっては困るんですけれど、鴻巣委員なんかも盛んにいろいろ大変だと言うんですけれど、そういう形でかかわることによって、結果的に24条が奪回なんですね。果たしている役割が。
 ここは起きたことを話し合う場なんですけれど、私はいかに警察官通報とか措置入院を減らすかということを考えたときに、現状の精神科救急医療は、ほとんど全国救急車が搬送できていませんから、きちんと明日開催される救急の検討会からでも総務省に働きかけて、救急車がきちんと行くというような国家的な形でやらないと、自殺の未遂者の問題でも、総合病院の中に精神科がないばっかりに、外科的な治療を受けた患者さんが生々しい包帯姿で警察の現場に帰ってきているのが実態ですから。
 その方がもし総合病院の精神科に回っていて心のケアができていれば死ななくても済んだかもしれないけれど、結局死んでしまっている。そういういろいろな問題があるんです。
 この厚労省の前のあり方検討会でやった時、家庭内のトラブルを、起きたときに、何度も言っていますが、「世帯分離を生活保護でなんとかしてほしい」と言ったら、生活保護世帯でなくてもそういうふうな制度が厚生労働省の4階にある保護課とこちらの5階で、契約書ができて、私もいただいています。そういう、いろいろなものをつくって、いかに措置入院を回避するか。措置入院と医療保護入院と任意入院は同じだと言っていますけれど、私は違うと思います。措置診察があるから精神保健指定医が必要になってくるわけだし、その精神保健指定医が少ないからいろいろな各都道府県の精神科救急の現場が回っていない実態がいっぱいあるわけです。
 そういうふうないろいろな問題が表面化しないで、確かに千葉先生が言ったように人手も少ない。それはいつも言っているように社会的入院を開放して、きちんとベッドを削減して、それでマンパワーをつけて診療報酬を上げるという国家的な一大プロジェクトぐらいのことをやらないと変わらない。
 今日は、30年前に韓国の男性と付き合っていましたので、和子とハングル語で入った手縫いの洋服を着てきましたけれど、そういうふうな被害者を生んでしまいます。そういうふうな、被害者がここに1人しかいないから、迫力はすごく10人前ぐらいあるんですけれど、いろいろなことを踏まえて、立体的に考えたときに、本当に措置入院をどうするかということはものすごく大きな問題で、やはり措置入院をしたという患者はいい気持ちしません。警察ルートで行くことだっていい気持ちではありません。
 警察官ルートで行くというのは、もっと不思議な話です。犯罪を起こした場合でも、何で警察官ルートで強制入院するのかな。殺人をしたある仲間が、「裁判にかけられていればちゃんと刑期が決まっていたのに、おれは裁判にかけられなかったから何十年も入院しているんだ」というふうな嘆きをいっぱい聞いてきました。医療観察法は、多くの仲間が反対しています。生命をかけて反対している仲間もいますが。
 ただ、医療観察法を反対している仲間でも、「イギリスなどでは日本の倍お金がかかっている」ということですから、医療観察法が、それが是か否かはこちらに置いておいて、そういうことで立体的にいろいろなことが話し合える場が必要だと思います。
 起きてしまった措置入院のところをどうするかではなくて、いかに措置入院を減らすかということが今、日本の家庭が崩壊しているけれど、もっとコミュニケーションが取れる地域社会があったり、家庭があったり、昔よりもものすごく管理社会で厳しい時代ではないですか。いわゆるもうみんなが探偵者みたいな感じになってしまって、すぐ通報という現場を10年以上目の当たりにしています。
 そうすると、警察がたたかれている時代、昔だと「まあいいんじゃないの」と帰ってこれたところが、今、たたかれている神奈川県警は出て行きます。行かざるを得ない、110番受けたら。行けば、家族が切々と訴えるわけです。こんなに大変、あんなに大変と。そうすると、お巡りさん優しいからすっかり同情するんです。すると本人はますます孤立して、結果として、ますます最悪の状態になっていく。
 そのときにたまたま私のような精神医療の被害者がいれば、御本人の言い分を聞いているけれど、本当にそういう意味で、私は先生方にお願いしたいのは、そこに措置入院という形にしろ何にしろ、精神的急性期状態であらわれた御本人の側に立った視点を持っていただいて、なぜ彼、彼女はこんな状態になっているのかという視点で、自分がもしこの相手の立場だったらという形の診察をしていただきたい。そうすることによって、私のような、医師自身が恋愛等で悩み不安定だったということで医療ミスの注射を打たれてしまったというような被害がなくなると思うんです。他人事でやっているから、いつまで経っても被害は減らないし、ということだと思います。
 ですから是非、そういう形で、警察官通報を反対している仲間もたくさんいます。警察官の多くもやりたくない。メンタルディスオーダーと言います、精神障害の直訳で。昔は「マルセイ」とか、「マルシン」とかという無線用語を使っていましたが、「はっきり言ってMDはやりたくない」と内心思っています。「何で、何でもかんでも警察なんだ」と私も感じています。かわいい統合失調症だけではないですから。人格障害あり、解離性障害あり、依存症と発達障害ダブルあり、いろいろな形で警察の現場って物すごく大変なんです。本来の仕事以上に関わる事が万屋のごとくで、神奈川県警の課題は、うつになってしまいました。
 そういう意味で、前にも言いましたけれど、私、胃潰瘍の自覚なかったけれど、自覚がない人を胃潰瘍の病識がないなんて言い方ないんです。だから、精神科だけ特有の「病識」なんていう言い方はされたくないんです。多くの病気の自覚がない人がたくさんいるんです。
 ただ、大事なことは、医療にかかるよりも、かかる前よりも不幸になってはいけない。出てきたら、よかったと本人が思えるような医療であってほしい。そうすることにはどうしたらいいかということだと思います。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。
 では、法律家の方から。

○磯部構成員 時間がないのに済みません。ちょっと形式論に戻ってしまうかもしれないんですけれども、やはり海外の法制度を見ましても、どのように制度を改変するときであれ、やはり措置入院的な制度が残り続けるということであるとするなら、それはやはり公権力の行使をもって人の自由を奪うということになりますので、やはりそれは形式的に明らかに違うことだと思うんです。
 そのような制度が残る以上は、そこにおける患者さんの保護の手続きの在り方といった問題は残り続けるだろうと思うので、勿論実態に即して考えることとか、どんな問題があるのかといったことも大事ではありますが、形式もやはり大事であろうと思ったのです。
 その際やはり入院と強制治療ということですと、やはり問題となる移動の自由が制約されるということと、体の完全性が侵害を受けるかということの問題の性質は違うわけですから、もしそれがあいまいに一緒くたに考えられているとするのであれば、そこはやはり分けて考えるという、そういう問題意識でこの閣議決定を把握されて、このような論点を出されたのは必要なことだったのではないかと思います。
 そしてその際に、倫理会議とか医療観察法の簡単に持ってくるという趣旨ではおそらくないはずで、可能な限り本人の自発的な同意ということを原則に考えながら、しかしそれでもだめな場合に客観的な手続きでその必要性を判断しようという、そういうプロセスだと、この(マル1)〜(マル4)を考えるのであれば、それは本質的には正しいことなんではないかと思います。
 ただやはり、最初に千葉先生おっしゃったように、この対象の要件も違うわけですから、固有の手続き的な配慮、工夫が必要になってくるとは思うわけで、おそらくその際には、治療の必要性があるかないかについての判断を、正確・迅速にどのようにできるのか。一定の場合にはもう退院させなければならないというような形で、ある程度目安となる基準をつくれというと厳しいかもしれませんが、目安を設けることで患者さんにも予測可能性を担保するといったこと。
 あるいは入院期間について期間を区切る、延長するなら延長するで、その必要性を第三者的な立場で見るとか、更には医療観察法と違うだろうと思われるのは、やはり退院についてです。要するに不服申立のようなことを患者さんにきちんと言えるという手続きをするということは必要ではないかと。幾つか手続き的な工夫という意味で思い付いたことをコメントだけしておこうと思いました。
 以上です。

○町野座長 では、岩上構成員。

○岩上構成員 岩上です。磯部委員の意見に同意するところが多いです。医療観察法ができたときに、政府が、精神医療等の水準の向上と精神保健福祉全般の水準の向上というのを附則に挙げています。
 とすると、その際に必要だと言われてきたことを、ここで強制介入として考えていかないといけないと思います。それを進めていくために幾つか今、あった議論が必要だという組み立てをしていただきたいと思います。
 実情から入ってしまうと、実情の困難さだけで何も進まなくなってしまうと思います。それよりも、御本人の権利をどう擁護するかという視点がとても大切なところで、そのためにこの措置入院についても、医療観察法等で使ってきたものが使えるかどうかということを論点として置いておかなければいけないと。しかし、それを使うとすると倫理会議がどの程度機能しているのかどうかということも示していかなければいけないと思います。
そういう中で、今の医療の現状としてなかなかそれは厳しいと。先ほど千葉委員がおっしゃったように国家的なプロジェクトとして、福祉も医療も水準を上げるということを考えていただくべきだと思います。
 ここでの論点はあくまであるべき姿をきちんと示しておくことが必要ではないかと思います。あるべき姿というのは、本人の同意を得られないことを進めるわけですから、権利擁護の視点でそれに合った手続きを示していくことが、一番大切なことだと思います。

○町野座長 事務局の方から、医療観察法の入院による医療、指定入院機関、どの中での倫理会議の機能、現状はどのようになっていて、スムーズに行っているのかとか、そこらもし御存じの方があれば教えていただければと思いますが、あるいは伊藤先生の方がよろしいですか。どちらでも。

○本後課長補佐 倫理会議の実績につきましては、参考資料の方の10ページをお開きください。大きい参考資料ではない方です。こちらの方です。参考と書いてある。「7月27日参考資料1」という方です。それの10ページに「倫理会議の決議・評価の実績」ということで調査した結果が書かれております。
 これは施行以来各年度で、幾つかの医療機関の方にどういうことでやられているかということを書いてございます。事前評価については、ECT、電気けいれん療法について審議回数がこれだけありますと。デポ剤の使用について審議回数がこれだけあって、途中年度からは、承認された件数ということで載せております。デポ剤の使用に関しては、事前審査した2008年から審議回数と承認の回数が載っておりますけれども、これ、審議回数と承認回数、同じ方について繰り返しやっている場合もございますので、その1回が承認されていないかどうかというのは、これは審議回数が15回で承認が14回ですので、それが承認されていないということかどうかというのはわからないんですけれども、その方について。
 そこまで詳細な状況はわからないんですが、審議を15回やって承認14回と。あるいは2009年だと13回やって承認が13回、2010年だと21回やって承認が21回、そういったことが数字として出てきております。
 事後評価ということも審議をしておりまして、例えば注射による強制投薬というところで、これも2008年から数字が出てきておりますけれども、審議回数と承認とありますけれども、これは事後評価ですので、厳密に言うと承認という手続きはないんですけれども、一応事後評価でこれは妥当だというふうに後から評価したということであろうと思いますけれども、そういった数の中ですと、審議回数13回で、2008年ですと承認が13回と、2009年、これ数が36回、37回と、調査そのまま引いてきていますので詳細わからないんですが、こんな数字になっております。
 ということで、これだけを見て適切に行われているかとか、数がどうかということはわかりませんけれども、手続きとしては、実際こんな感じで行われているということでございます。

○町野座長 これは全国の集計ですね。

○本後課長補佐 はい、全国の集計です。

○町野座長 年ごとの。

○本後課長補佐 全部ではなくて、全医療機関ではなくて、一部についてのアンケート調査でございます。

○町野座長 一部というのは、最初からアンケート調査したところの一部だということですか、それとも回収率がですか。

○針田医療観察法医療体制整備推進室長 今の資料の左側の方に調査期間というのがあるんですけれども、それぞれの年度の調査、年度によって違うものですから、調査期間に基づいて変わっておりまして、全数というわけではありません。各調査年度に基づくものです。

○町野座長 わかりました。
 では、全ての期間をカバーした調査の数ではないという話ですね。わかりました。
 他、いかがでしょうか。
 では、野村構成員お願いします。

○野村構成員 御本人の権利を守るということで、精神医療審査会というのがありますけれども、精神医療審査会に退院請求と処遇改善請求を行ったときに、本当に本人の立場に立って権利を守るように、それをきちんと対応するにはどうしたらいいかということがあるんです。
 今の精神医療審査会は、私はどうも何をやっているのかわからないんですけれども、そこの御本人の権利を守って御本人の立場から判断をするということが精神医療審査会でできていれば、今の問題のかなりの部分が解決していくんではないかと思います。
 代理人というのは弁護士というふうになっていますけれども、弁護士が御本人の権利を守るという立場からそのことに関わるのであれば。

○町野座長 済みません。今の問題は、もしかしたら代理人の位置づけ、家族へのそちらの問題に今、入られているわけですか。

○野村構成員 それはちょっと考えてなかったんですけれども。

○町野座長 いや、今、代理人のことを言われましたので。

○野村構成員 代理人というのは、精神医療審査会に関してのということです。

○町野座長 恐縮ですが、精神医療審査会についての議論は、ちょっとまた後で。よろしくお願いします。
 では、白石構成員、お願いします。

○白石構成員 今の議論の最初の御説明のところで、障がい者制度推進会議での問題意識を受けてという15ページのところですか。閣議決定に言う「強制医療介入は、こうした問題意識から盛り込まれている」という文言で、このように理解されているんだなということを私は理解したんですけれども。
 昨年横浜で、世界青年後見法会議というのがあったときに、みんな口々に、障害者権利条約を批准すると成年後見制度そのものが成立たないというようなことを言うことに対して、成年後見制度に関わる人たちが自分たちの意見を述べたわけです。そこで私も専門家の立場から同意ができることなんですけれども、必要性と補充性とか妥当性、そういう原理原則をまず建てる必要がある。その上で、成年後見制度が必要のある人で、妥当な範囲において成り立つ。それが原理だということで、多分今、こういう強制入院が行われるとしたらという前提ですけれども、障害者権利条約との関係で言えば、そこのところをまずはっきりさせないと、この制度についてのこの委員会の、この会議の基本的なスタンスが確認されないといけないんではないかというふうに私は思いました。
 それから私は、あまり臨床は今やっておりませんけれども、医者の端くれとしてものを言っているんですが、そういうときに、医者が幾ら患者さんのためであると言っても、それを信じてもらえる土壌がないのであれば、それはそういうことが必要だと言う人たちとあるところで町政をして妥協をするような結論を得なければいけないと思います。
 所詮治療を強制ということになると、その利害が対立しているわけですので、その別の人たち、それは広い意味では国民の方だと思うんですけれども、そういう制度があることについて、批准みたいなことをここで言うのはあれですけれども、そういう制度があることについて理解してもらえるとすれば、国民の理解があるときに限られるんではないかと思います。
 だから、ここでは当事者の立場でいろいろ議論して、それを公正の立場で何らかの形にして国民なり、もっとこの会議に出ていない人も含めて了解を得ていくというプロセスが必要ではないかと思います。

○町野座長 ありがとうございました。
 またいろいろあると思いますけれども、おおむね私の感じとしては、皆さんそれほど大きな考え方の相違はないように思われますので、ちょっとここで整理させていただきたいと思います。
 まず、今の議論というのは、措置入院中の患者についての強制的な医療、要するにインフォームド・コンセントなしの医療を許すかどうか、その手続きいかんという問題であって、この議論というのはこれから後の入院、任意入院まで恐らく入った、そこについての議論にも恐らく反映してくる問題だろうと。しかし少なくとも、現在のところは措置入院をモデルとして議論をしているということだろうと思います。
 それともう一つは、恐らくは、先ほど河崎構成員が言われましたとおり、医療現場の考え方としては、どのような入院の形式によっているかによって、中の患者に対する処遇が異なってくることは恐らくないということだろうと思うんです。ただし、広田構成員が言われますとおり、スティグマの問題だとか、最初の手続きの問題での本人についてのダメージの大きさということは、それは無視することはできない。

○広田構成員 拘束とかあるではないですか。

○町野座長 それはそうです。そのとおりです。それは無視してはいけない。しかし、入った以上は、入院した以上は同じようなやり方をする。たとえはよろしくないですけれども、大学に入ってくるのに一般入試で入るか、推薦入試で入るか。それによって聞く授業が違うわけはない。それと同じだということでやられているという具合に私は理解しています。

○広田構成員 ちょっと座長。

○町野座長 ちょっと待ってください。今、広田構成員と違ったことを言ったつもりはないんですが、また後でお願いします。
 そして、今のようなことで考えましたときについては、おおむね中でのインフォームド・コンセントとの関係での強制医療については、医療観察法がつくったような、提案しているような、医療観察法のガイドラインが提案しているようなやり方というのは、ある範囲では基本的には妥当なんではないだろうかということが言えると。だから、それを形式的に全てに押し及ぼすかどうかということについては、幾つかの問題があるだろうと。
 1つは、これが危惧されているように、医療の実現についてはマイナスにならないだろうかという話がある。もう一つは、恐らくこれは実際的な問題で、全ての施設において、全ての入院機関において、このようなボディ、そういうとまた怒られますけれども、そんな機関をつくるということ、審査のための委員会をつくるということについて、やはりそれだけの余裕が、全ての医療機関にあるだろうという問題もある。そこらを考えながらやっていかなければいけないだろうという話がある。
 そういうことで、モデル事業と言うと、また本当にやる気があるのかとかいろいろな議論はありますけれども、そのようなやり方というのを少し最初のうちは考えられるかなというような話だろうというところに、大体まとまったと私は思いますけれども。
 では、広田構成員どうぞ。

○広田構成員 それではこの検討会は持ちこたえられないんです。全国の仲間は強制入院反対です。強制入院と任意入院は同じではないんです。違うんです、拘束されるんだから。される側になれば。入院されられる側とさせる側です。そこをはっきりしておかないと、全部同じですと言ったら、盲腸で入院したのと同じになってしまう。違うんです、それは。

○千葉構成員 まさしくおっしゃるとおりで、ただ、先ほど河崎構成員が発言されたのは、医療という、医療サービスというか、「医療を行うということ」については変わりがない。ただ、実は、文言の定義がどうあれ、「保護ということ」も一緒に、普通の一般医療ではないものをさせられている。その保護の度合いが大分違ってきてしまうということはあります。
 ただ、治療を行うということについては、任意入院だから楽な治療をしているとかそういう話ではない。治療を行うというのは、入院の種別に関わらず、医師としては治療として全力を尽くすということに変わりがないし、やり方に違いはないですよということだったと思います。
 ただ、「保護」ということになりますと、確かに措置入院者は、つまり病院外に外出等をする場合にも特別な配慮を求められるわけだし、手続きを求められるといったようなことがありますし、当然として、病院側が背負う保護責任の度合いは随分違ってきます。またそれによって行動制限等もかける場合の問題もあります。
 ですから、「医療を行う」という問題と「保護を行う」・・・安全に保護を実施していく・・・適切に行うということとの二重の話があるので、そこの部分は広田構成員にもわかってほしいんですが。

○広田構成員 同じなら任意入院だけでいいんです。違うから。任意入院と強制入院が必要な現状があって、同じだったら全部任意入院で行ってくださいって感じで言います。行けないから。私も任意入院だけでは行けない現実を見ています、日々。だから、同じではないんです。だって拘束があるんです。だから措置入院と、任意入院で行きますけれど、次回に資料を出しますけれど、「任意入院で入院できても、この状態ですと中で医療保護入院に切り替わる可能性があります」ということもあります。それは外に出られないという拘束の問題なんです。いいか悪いかこっちに置いておいて。だから違うんです。質が。患者からすれば。

○町野座長 恐らく、最終的なところで医療保護入院の運用と、それは要するに、措置入院との関係、今日は措置入院のことを議論して、そして他の方を少しそっちから見ているということで、次には医療保護入院のいよいよ問題の焦点に移るわけですけれども、当然のことだから、そちらで措置入院のこと。

○広田構成員 両方だろうと措置だろうと、任意入院といわゆる本人の同意のない入院は違うということです。同じではないということ、そこをはっきりしておかないと。違うからこそこの作業チームでやっているということです。

○町野座長 最後といいますか、そちらの方でもう一回更に議論をしなければいけないだろうと思います。
 済みません、では1分だけで。

○笹井構成員 私の管内では、医療観察法を担当している病院がありまして、そこから状況等をお聞きしていますが、まず、先ほど治療プログラムというお話もありましたが、医療観察法で入院されている方にはしっかりした治療プログラムを整えて、かなり多くの人手をかけて治療効果を評価しながらずっと見ていって、ミーティングもしょっちゅうやって、その効果はどうかということを検討しながら治療を続けているという状況です。
 先ほど来のお話で、18ページの手続きということなのですが、例えば先ほどの倫理審査会のような、何か形式的なお墨付きを与えると言いますか、ちょっと語弊がありますが、そういう手続きという意味に限定されているのか、あるいはもっと治療効果を高めるためのいろいろなツールまで導入をして、措置入院患者も、入院の入り口は全然違いますけれども、きちんと入院後の治療をもっとよいものにしようという意味合いも込めた手続きというものなのか、その辺が私聞いていて、よくわからなかった点です。
 もしそういう入院後の治療のプログラムをきっちりとつくって効果を上げて、できるだけ早期に退院していただけるようなものを目指すのであれば、河崎構成員がおっしゃったように、今の人員体制では非常に難しいと感じております。
 以上でございます。

○町野座長 今の問題について、済みません、時間かなり押していますけれども、事務局の方から何かございますか。

○本後課長補佐 ここで18ページで御提案している手続きというのは、むしろ強制入院の下で人権をどう保護する、擁護するためにどういった手続きが必要かという観点からの論点の提案の仕方ということになっておりますので、やはり同意をできないということに対して、どういう手続きがあればそういったことをカバーして、人権上擁護した上で適切な治療に結び付けていけるかという、そういう意味では今、笹井構成員のおっしゃった形式的と、ある程度該当するだろうと思います。
 ただ、その中身はあくまで形式的ということで御提案しているわけではなくて、それが実質的には、効果としては今まで皆様からの御意見ございましたとおり、強制入院という下で人権を擁護するためには、それは非常に大切な手続きなのではないかと。それが言わば意味のある手続きということになるのではないかという観点で御提案をさせていただいていたということでございます。

○町野座長 済みません、いろいろ不手際がございまして、遅れまして。
では、よろしゅうございますか。次の方に入らせていただきまして、「代理人の位置づけ、家族への病状説明について」というところでございます。
 事務局の方から前回宿題事項とされましたこの問題について御説明をいただいて、それぞれのテーマごとに議論をいただくということになります。
 では、まずよろしくお願いいたします。

○本後課長補佐 では、資料の1ページ目からになります。「退院請求・処遇改善請求について」ということで、これは一部追加してございます。
 最初の1ページ目の資料は前回と変わらないままお出ししておりますが、2ページ目、網かけになっている【追補】というところからが追加になってございます。
 前回の作業チームで御議論いただいている中で、「本人が信頼し、指名した人」というのは、本人及び保護者、またはその保護者が退院等の請求を行うことができる人ということになっていますけれども、「本人が信頼し、指名した人」という人を主体に加えるべきではないかという意見が出されまして、これに対して現行でも、本人の代理人による退院請求等は可能だと。これをもっと明確にすべきではないかと御意見をいただきまして、制度的、あるいは現状の位置づけについても整理をしてくれということでありましたので、整理をしたものでございます。
 まず、「代理人による請求の状況」ということでございます。
 制度的には、「代理人による退院等の請求は、精神保健福祉法には明確な規定はないものの、通知において認められている」ということでございます。これは、精神医療審査会の運営マニュアルにおきまして、退院等の請求については、「法38条の4に定める者」、これが本人または保護者です。及びその代理人。「及び」と言いましても、保護者の代理人ということではありませんので、本人の代理人ということであろうと思います。「ただし、代理人は弁護士とするが、精神科病院に入院中の者が請求する場合で、弁護士を代理人に選任することが困難な場合は、弁護士でない者を代理人とすることができる」という規定になっております。
 これは、平成12年に現在のマニュアルに改正する際に、弁護士以外の代理人を可能とするということで、そのときに追加されているものでございます。
 実際にどうかということを見てみますと、1ページに載せた平成18年度の実績で、代理人による請求が退院請求だと38件、処遇改善請求だと3件ございましたけれども、これについて調べてみたところ、いずれも弁護士による請求ということになっておりました。
 したがって、この年度について、ちょっと限界がありますのでこの年度についてのみの調査になりましたが、実際に活用されているのは限定的なのであろうと考えられます。
 この場合における代理ですけれども、これは退院等の請求というのは契約などの法律行為とは異なって、私人が行政に対してある措置の解除ですとか、退院命令といった行政上の措置を求めるものであるということで、契約をするということを代理する民法上の代理とは異なる性格ではないかと整理ができると思います。
 代理をすることができる人の範囲についても、これは弁護士以外の人にまで拡大されているということで、それ以外の方、何らかの限定をするという趣旨であるとは考えられないということでございます。
 ここまで代理人という手続きに関して、制度に関しての説明でございます。
 もう一つ、前回御議論になりましたのは、こういったフォーマル、あるいはハードな仕組み、行政に対して請求するというハードな仕組みの他に、入院患者さんと、あるいは患者さんに関係する方等、精神科病院さんの方の関係で、すぐに退院等の請求に至るのではなく、両者の間の協議により解決に至る場合も多い。実際にそういったことを医療機関さんの方で受け止められて対応しているということも多いのではないかと考えております。
 「病院内において苦情・相談等の処理は行われているか」ということは、今、実際に精神科病院に対する指導監督を都道府県が行う上で、指導項目の1つとなっておりまして、精神科病院の方でも必要な対応が求められているということになっております。
 具体的には4ページになりますけれども、指導監督に関する、このようにしてくださいということを都道府県にお示しした通知の中でも、指導項目についてということで病院内において苦情・相談等の処理は行われているかということがその項目の1つになっております。
 したがいまして、「検討が必要な論点」ということで更に追加をさせていただきまして、「退院等の請求を行うことができる主体については、これまでの本人及びその保護者に加え、本人が信頼し、指名する人を含めるべきではないか。その際、現在でも、本人の『代理人』による請求は、弁護士などの資格の有無に関わらずに認められており、その趣旨をより明確にすればよいのではないか」と。
 「また、現在でも、病院による苦情・相談への対応が行われているが、退院等の請求のようなハードな形態だけではなく、よりソフトな形態として、こうした病院による苦情・相談への対応の取扱いや位置づけをより明確にするということが考えられないか」ということでございます。
 以上が退院請求等についてですけれども、ここは後ほど御議論いただければと思います。
 5ページ目から、「精神科医療における保護者(主に家族等)の位置付け」ということで、家族への説明と個人情報保護に関して、これは御議論いただきたいという趣旨ではなくて、前回の若干の補足をさせていただきたいということでございます。
 8ページをお開きいただければと思います。
 医療機関、ドクターが家族に対して御本人の病状を説明するということができる場合、できない場合ということで、個人情報保護との関係で整理されております。
 まず一つは、院内掲示であらかじめ公表しておくということで包括的な同意を得ている場合。家族への病状の説明を行いますよということを院内掲示している場合には、本人から特段の異義がない場合は、家族への病状説明は可能ということにされております。
 9ページに行きまして、「本人と家族等に対し同時に説明を行う場合には、本人の同意が得られたものと考えられる」ということでございます。
 (マル3)ですけれども、法律上の除外事項に当たる「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき」、これには意識不明の患者の病状や重度の認知症の高齢者の状況を家族等に説明する場合ということが含まれるということでございます。
 難しいのは(マル4)ですけれども、「本人の同意を得ることが困難であるとき」、先ほどの除外要件の後段のみに該当するかどうかということについては、本人に同意を求めても同意しない場合、かたくなに拒絶する場合も含まれるということになりますが、その場合には前段の要件、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合」に当たるかどうかということが判断基準になります。
 この場合に、ここから先はガイドラインにはないんですけれども、本人が拒んでいるということを考慮に入れますと、「生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合」に該当するかどうかについては、これは精神疾患の方についても、ある程度限定的に判断されるべきなのではないかと。例えば医療機関に外来といった形で関わられている精神疾患の方であれば該当するということではなくて、そこはある程度限定的に判断されるべきではないかということでございます。
 この家族等への説明については、説明の補足ということにさせていただければと思います。

○町野座長 ありがとうございました。
 その後の方の問題について、今ありましたとおり、ほぼ前回のところで議論が終わっているというところですが、簡単にまとめますと、精神科医療における家族の位置づけというのは、一般医療とこれ変わるところはない。そして、これからも家族は保護者というそれが取れたとしても、家族として皆関与しなければいけない。そして医療の情報の提供だとかそういうことについても、一般医療と同様でこれは可能であるという話だろうと思います。
 その最初の方の代理人の問題。これについては何かございますでしょうか。法律の方の構成員の方いかがですか。つまり、法律の方の条文には、これは保護者しかないんですね。しかし、そのときでも代理人をということを解釈によってやっているというのが行政の方のガイドラインなんですが。これがそもそも許されるのかという問題はあるんですね、本当は。しかし、悪いことではないというのでそれをやっているわけですが、他方では、保護者の場合の請求権の行使と、それからこちらの方の代理人、弁護士がなるにしても、代理人のそれとはかなりタイプが違うことは確かです。保護者の場合というのは、本人の意思に関係なくこれはできますけれども、恐らくは弁護士がなったときは、本人が別に何も言っていないのにやることは恐らくできないので、タイプとしてはかなり違うと。だから、これをガイドラインでやってしまったということについて、反対はないけれども、幾つかの問題は、もしかしたら法律的には整理すべき問題があるんではないかという具合に思いますけれども。
磯部構成員、何かございますか。いいですか。
 久保野構成員いかがですか。

○久保野構成員 今お話しいただいたことの繰り返しになってしまいますけれども、ここで問題にされている代理人というのは、民法の代理人とは異なるとしても、患者本人が有効に依頼した方が現れて初めて請求する立場が認められるという位置づけなので、依頼がきちんとされているか、本人の希望、あるいは意思に基づいているかということ、それが前提になるという確認がまず一つですけれども、それ今、座長からお話があったとおりで、そして実務的にはそれをどのように確認していくのかという手続き面も問題になっていくんであろうと思います。
 その際に、前提となる状況と言いますか、患者さんの判断能力なり状況なりがどのような状態であればということを前提と考えるのかというところも、本当に整理が必要なところかと思います。

○町野座長 現在、弁護士さんしか今のところ代理というのがなっていることはないわけですけれども、これは実務上はどのように処理されているわけですか。本人がちゃんと依頼したかとか、それは何かありますか。

○本後課長補佐 鴻巣構成員に実務的なところを言っていただければ。

○鴻巣構成員 その辺は逆に事務局側にお願いをしたいところでございます。というのは、やはり困りますとこの種の他の方に電話をして、どうしたらいいのか指示を仰ぐところでございます。この部分については、何ら文章として文字がないんです。ですから、ケース・バイ・ケースだと思われるんです。
 そうしますと、例えばどなたでもできると、本人が依頼すれば。それが書面であればいいのか、口頭であればいいのか、例えば署名なつ印がいるのかとか、例えば有効期間はあるのかとかという部分も非常に問題になってきます。
 例えば、誰でもできるとなれば、主治医がその代理人としてそれもできるのかということにもなってしまうわけです。本末顛倒な話になりますが、誰でもとなりますと。その部分の確認の仕方等が整理されていれば、技術的助言等で各県の方に周知していただければ、こちらとしてもやりやすいというところでございます。その辺がうまく行きませんと広田さんからまた怒られますので、是非よろしくお願いいたします。

○町野座長 それでもう一つは、この代理人というのが、前、弁護士に限られていたのが、先ほど御紹介ありましたとおり弁護士という枠を取っ払ってできるようになったと。これはもともとマニュアルがつくられたときについても、弁護士だけに限っていたんですが、これに問題がないわけではないと。というのは、いろいろなところで弁護士さんの数が足りていないので、そういうところではこれは不都合になるんではないかという議論を、このマニュアルをつくったときの関係者の中で書かれているところでございます。そういうことを考慮して、恐らくは後で広げたということだろうと思いますけれども。
 それでまた他方、代理人を弁護士だけに限らないということになりますと、そうすると幾つかの点で申し立て権者を増やすと、もうちょっと加えたらということも、これで恐らくは解決がつくんではないかというのが前回の議論だっただろうと思いますけれども、この点、白石構成員、どうぞ。

○白石構成員 私が想定できるのは、内縁の関係の人で、実際に生計はともにしているんだけれども保護者になれないでいるような人の場合に、やはり退院とか、処遇の改善について、真摯な思いで申し入れたいということはあるんではないかと思います。
 ある程度幅を広げるにしても、何らかの縛りというのか、生計をともにするとか、それだけでは狭いかもしれませんが、何かがやはり必要なんではないかという気はします。

○町野座長 他ございますですか。
 恐らくこれは、この条文についての誰が申し立て権を持つか、請求権を持つかという話なので、それ以外にも先ほど御紹介ありましたとおり、事前のそれで調整をしながら退院の方に結び付けるとか、そういうことは誰が言ってきてもそんな話は聞かないというようなことは、恐らく病院側もないだろうと思いますから、そっちの方のルートというのをきちんと付けていくということも、1つ必要だろうという具合に思いますが。
 はい、どうぞ。

○広田構成員 私は患者で、何度も言ってますが、裁判所から選任されて保佐人をやっています。この代理人というのは。今、同一世帯とおっしゃったけれど、そうではなくて、御本人の精神障害者手帳1級の方の自己決定に基づいて私が保佐人に頼まれて、裁判所が選任している、こんな感じなんですか。広げるということは。
 同一世帯とかになってしまうとまた家族になっていってしまうから。もっと広がるわけでしょう。

○町野座長 では、久保野構成員どうぞ。

○久保野構成員 今の話は先ほどの内縁の配偶者とも関係すると思うんですけれども、本人が依頼した代理人が請求するという場合は、これは入院中のものというのを拡張するという議論だと思うんですけれども、内縁の妻の方が単に法的には配偶者ではないというだけで配偶者と実質的には同様の地位があるから、本人のために内縁の妻が自発的にと言いますか、配偶者と同等の立場で請求できてもいいんではないかというときには、どちらかというと保護者という方の拡張の議論だと思うので、その辺りの本人を拡張するのか、むしろ、ちょっと言葉難しいですが、独自の立場でと言いますか、保護者が配慮していく義務を負っている者として、あるいは責任を負っている者として行動していくというのを拡張するのかというところはちょっと区別と整理が錯そうしているような気がいたします。

○町野座長 今のはまたややこしい話を法律家がするという。結局代理人の概念を、今、私などはずっと考えておりましたのは、本人が依頼すれば、例えば民間の人でも、無関係の人でも、本人がちゃんと依頼すればOKだろうという話だったんですが、それに対して白石構成員の方は、やはり少し限定が必要ではないかという御議論だったわけです。
 もし限定をするということになると、今の御議論では、保護者となるべき人間のそれになるのかという話ですか。

○久保野構成員 どちらもあると思うんですけれども、本人が依頼するという枠組みで考えていったときにも、私は具体的な例は思い付かないんですけれども、本当に本人が一筆書いて依頼していれば、どなたでもとするのがこの制度の枠組みとの関係で妥当なのかというところは、恐らく慎重な、むしろ現場の方ですとか、配慮が必要かと。ちょっとそれで予習を細かくしてきていないんですけれども、介護保険法の条文などを見ますと、申請について、下位の法令のレベル、あるいはガイドライン等で請求できるものに限っているような場面もあるようですので、ちょっと性質が同じかどうかまで確認していないんですけれども、その制度の恐らく趣旨ですとか、あるいは実務上の観点等から、本人の意思に基づく場合でも制限するというのも両方あり得るとは思いますけれども。

○町野座長 では、どうぞ。

○本後課長補佐 ポジティブリストなのか、ネガティブリストなのかという、だめな人を決定するのか、では他の人は全部いいですよと。こういう人だけはだめと、本人と利害が相反をしているとか、かなり関係が悪化しているとか、そういうような、関係が悪化していれば頼まないような気もするんですけれども、本人は。そういった、やはりこういう人はだめですよというものを明らかにして、それ以外はいいですよとするのか、それともこういう方々がそういう代理人となれますよという形にするのか、ということもあるのかなと思ってます。

○町野座長 まだちょっと整理を要するところがあるのは確かでございますけれども。
 どうぞ。

○磯部構成員 代理人について、誰がなり得るかという資格の問題と、もう一つあり得るのはやはり代理権の内容・範囲だろうと思うのですね。
 例えば、行政不服審査法などであれば、不服審査の取り下げについては、特別に本人の同意が別に要るというふうな具合にしていますけれども、退院請求を代理人に頼んだつもりが、退院請求を知らない間に取り下げられたということがあったらどうなるんだろうとか考えますと、ある程度、何について代理人は自分の判断でできるのかといったことを画一的に決めておくという必要もあるのではないかと。だとすると、だんだんそれは法律マターになってくるのではないかと。同時に、迅速大量な手続きを処理するためにも、何らかの目安をきちんとしておかないといけないのではないかという感想を持ちました。資格と権限の範囲という、どちらも論点だろうと思っています。

○町野座長 わかりました。
 では、今の点、もう一回ちょっと整理いたしまして、結局保護者の申し立て権と、それは本当に本人のためにやるということですから、本人の意思に反してということはあまり多くはないと思いますけれども、本人の意思と無関係にやることはできるという話なんですね。それに対して代理人はそうではありませんから、その範囲をどのあれにするかという限定する必要があるかどうかという問題だろうと思います。
 実際にはあまり大きなと言いますか、申立人がほとんど弁護士さんだということで問題は生じていないようですけれども、やはりちょっと考えておく必要はあるのかなと思います。
 この点、ちょっとまた宿題とさせていただきまして。
 では、時間が押しておりまして、済みません。
 次は、「治療へアクセスする権利の保障の在り方」というところでございます。
 この部分というのは、これから説明していただく資料にもありますとおり、医療保護入院の在り方と大きく関係するところでございます。
 今回の議論の方向性については、したがいまして、時間の関係もありますが、論点整理をしようというのではなくて、医療保護入院へのブリッジとなるものと考えております。
 それでは、事務局より説明をいただきまして、若干時間がもしあれば、何点か御質問とか御議論いただくということにさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐 それでは、資料の19ページをお開きください。
 「治療へアクセスする権利の保障の在り方について」ということでございます。
 ここについての論点は、この1というところにありますとおり、「これらの規定(とりわけ、治療を受けさせる義務の規定)では、本人が治療を受けることによって早期に回復できるという利益を保護しているとも考えられるが、本人が治療を受けなくてもよい権利と相反する場合もある。病識が乏しいという精神障害の特性を踏まえ、治療によって得られる本人の利益を何らかの形で保護する必要があるか。仮に必要があるとすれば、どのような形で保護するか(誰がその責任を負うべきか)」という論点を挙げさせていただいております。
 現状の制度ですけれども、治療を受けさせるための制度としての医療保護入院ということで、「医療保護入院は、治療を受けさせる義務を具体的に実施する」、保護者が実施するという意味ですけれども、「実施するために精神保健福祉法上用意された唯一の制度である」ということがまず現状としてございます。
 その上で、これは議論の御参考にということで、治療へアクセスするための方法について、精神医療以外の制度、あるいは他国の制度も含めて少し挙げてみたものでございます。
 1つ目、精神障害者アウトリーチ推進事業、これはまさに精神保健医療の中の仕組みでございます。厚生労働省で今年度から新たに精神障害者アウトリーチ推進事業というものを開始しております。予算額は7億円で都道府県が実施主体。病院などに委託して行うということになっております。
 全国25か所で実施しておりまして、国10分の10、都道府県の負担なしという形で行われていますので、形としてはモデル事業的な要素が強い事業として、将来的に一般制度にしていくということを念頭において事業化しているものでございます。
 この事業ですけれども、未治療の人とか、治療中断している人などに対して、病院等の専門職の方々がチームを組んで訪問支援、アウトリーチを行うことにより、診療報酬による医療の提供ですとか、自立支援法に基づくサービスを受けることにつなげると。在宅生活の継続、病状の安定を図ることを目的にしております。強制性を伴わない形で医療へつなげる方法として、推進をしていきたいと考えているサービス形態でございます。
 病院を主体としてアウトリーチ(訪問支援)を実施するに当たっては、抱えこみですとか、入院への誘引を危惧する声があると。これは、昨年この新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チームの第1ラウンドで、アウトリーチについて御検討いただいたときにもかなり出された課題でありまして、その中の御議論を踏まえまして、この事業を実施するに当たっては、問題の解決を入院に頼らないということを原則として行っております。
 措置入院や医療保護入院といった非自発的入院に至ることは原則として防ぐことが必要である。細かい話ですが、非自発的入院に至った場合には、入院に至った原因、背景、防止できた方法について詳細なレポートを作成してください。ということを県、あるいは委託する病院さんの方にお願いをしているということでございます。
 この事業の実施による効果を検証するために、例えば非自発的入院の増減ですとか、必要な項目について調査を行うこととしております。
 時間の関係で御説明は省略しますけれども、参考資料の11ページ以降にそういった関係の資料を載せております。また、13ページの下段以降に、これは先日6月29日に都道府県を対象にして情報交換会を開いたときに、聖路加看護大学の萱間教授の方から、こういった例があるということで、都道府県に対してわかりやすい事例ということで提供したものがございますので、後ほどご覧をいただければと思っております。
 まず一つ、こういった精神障害者アウトリーチ推進事業というものが始まっているということが1つでございます。
 それから、20ページの(マル2)のところですけれども、「諸外国における継続通院処遇」というものを御紹介をさせていただきたいと思います。
 諸外国においては、退院後の治療の継続や入院に代替する観点から、治療につなげていくための手段として、継続通院処遇の仕組みがあるところがございます。これは、資料の19ページをお開きください。ちょっと見にくいんですけれども、19ページの表がございます。「諸外国での継続通院処遇(概要)」ということで、これも後に、それぞれの国の制度を載せておりますけれども、例えばカナダ、権限が「警察?」となっておりますけれども、治療計画を遵守しない場合は警察が入院させると。遵守しない場合は入院ということで、本人が同意した上で退院するときに計画をつくって、その治療計画を本人が遵守しない場合は入院につなげるということをプログラムの中に織り込んでいると。そういう処遇のプログラムでございます。
 同じようにオランダについても、同じように退院させるときに本人の同意を得て、継続通院のプログラムをつくり、命令条件を遵守しなかった場合には入院するという、これを裁判所の権限で行うという制度がございます。
 イギリス(イングランド)の仕組みですと、これも同じように退院する際にプログラムをつくって、遵守しない場合は入院ということを織り込んだプログラムをつくられるわけですけれども、これは調べていただいた限りでは、家族は反対ができないという形になっておりまして、決定する権限は、医師と認定精神保健専門職ということで、行政とか裁判所ではなくて、医師ということが決定するという仕組みになっております。
 様々な仕組みはあるにしましても、本文の21ページに戻っていただきまして、カナダ・オーストラリア・イギリスなどの例では、命令条件を対象者が遵守しなかった場合には入院につなげるということが治療計画の中に組み込まれている。そういった継続通院処遇の仕組みがあるということでございます。
 それから、3番目として「結核治療に関する例」というのがございます。これはいわゆる「DOTS」というものでありまして、結核患者さんが退院されるときに、継続的に抗結核薬を服用させるということを担保するために、保健所によるDOTS、直接服薬確認療法が実施されております。
 DOTSの中には入院中に行う院内DOTSと退院後に行う地域DOTSというものがありますけれども、地域DOTSとしては、ここの下の表にあります3類型がございます。
 外来・訪問・連絡確認ということで、外来が一番関与度合いとしては強いものになります。これは、ここに挙げております退院患者さんが毎日基本的に外来、あるいは保健所に通うという形で、保健師さん、あるいは看護師さんの目の前で服薬するということで、まさに目の前で確認するということをやるというものでございます。
 訪問DOTSというものは、それよりやや緩いものでありまして、家庭で確認すると。保健所の保健師さんなどが週に1〜2回訪問をして服薬を見届けると。のんだ後の袋がありますかというようなことを確認しているということでございます。
 結核の治療の場合には、退院しても引き続きしばらくは治療を必要とするということで、それが確実に行われるように、保健所あるいは医療機関の関与の下に、こういった仕組みが行われているということでございます。
 22ページですけれども、「今後の検討に向けた考え方」というところですが、これは先ほど座長からもお話がございましたとおり、現行制度上治療にアクセスする権利に直接対応している仕組みは医療保護入院のみであるということから、治療にアクセスする権利の保障の在り方については、医療保護入院の在り方をどう考えるかと。あるいは医療保護入院を代替する手段があるかどうか。そういった医療保護入院に関する検討の中で検討を進めていくことが必要ではないかと考えております。
 以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。
 それでは、済みません、お2人、1分ずつでお願いできますか。
 広田構成員どうぞ。

○広田構成員 厚生労働省に伺いたいんですけれど、何か体が震えてきましたね。全ての道は精神科医療に行ってしまうということで。私は精神医療の被害者として、人は寝て、食べて生活が成り立っていればいいんじゃないか。先ほどポジティブとネガティブの話が出ましたが、昼間車いすの青年にあったら、「欧米に行ってきたら、『足が使えないんではなくて、足だけが使えないんではないか。』向こうの人はこう考える」と言いました。悪いところを取り立てて治療するところではなくて、御本人の持つ、この冊子を読んでいただきたいと思いますが、健康度と可能性にかけた危機介入の相談をやっています、私は。
 悪いことばかりとりたてている今のこの日本と全く同じようになってしまいますから、非常に怖い話だと思います。

○町野座長 野村構成員、お願いします。

○野村構成員 本人の権利を守るということで、本人とともに本人を守る。どのようにしたら権利を守れるか、利益を守れるか、精神医療審査会しかないのではないかと今ちょっと思えるんですけれども、保護者制度がなくなっていった場合に、家族がそれに関わらなくなってきた場合に、関わるんですけれども、保護者としては関わらなくなった場合に、一体誰がどう本人を守るのか。これが今後残された重要な課題と思いますが、それは精神医療審査会の改革も含めて、かなり重大な問題として、入院そのもの、あるいは治療方法そのものについて常に本人の利益と権利を一緒に守っていく体制をどのようにつくるか、これは考えていかなければいけない問題だと思います。
 以上です。

○町野座長 では、済みません、1分で。

○鴻巣構成員 精神医療審査会の話が出ましたので、1つ付け加えさせていただきますが、精神医療審査会をやっていますと、やはり危惧するところは1つありまして、現状の部分を少し改善というか、いい方に向けていただきたい。1つは、市町村長同意でございますが、今21条に条文が書いてありまして、実際に仲間と言いますか、知人だったり、元同僚だったりが市町村に仕事を代わって業務を行っている者からお話を伺ったんですが、非常に危惧していることは、各市町村によって非常にばらつきが大き過ぎると。
 市町村長同意の一応ガイドラインと言いますか、事務処理要領は、昭和62年、それから13年に改正が出ておりますけれども、その期間ですとか、判断基準ですとか、非常にそういうものがわかりにくいというところがあって、こういった部分も今後改正になって入院形態が変わっていく中でその保護者という部分の市町村同意がなくなるかもしれませんけれども、現状についてやはり、クオリティーだったり、そういった質を高めていく的な努力を是非していただきたいというところが1つあります。
 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。
 今、出ました権利保護の在り方という、全体的に考えなければいけないところがまだあるんではないかということについては、ちょっとまたこれから医療保護入院の問題に次に入ったときに、改めてこのことも考慮しながらやろうという具合に思います。
 済みません、時間がもう過ぎておりまして、この多くのテーマについて3回にわたって検討を進めてきたんで、これでかなりの時間を実は費やしているんですが、恐らく構成員の皆さんも、そして傍聴されている方も、それだけの意味があったと、特に今日の議論なんかを聞いていますと、そういう感じがいたします。この時間は必要であったと思います。
 しかし、3回もやったということですので、ここらで1回検討チームの方、親の方の会に問題をそこで議論して、それからまた再び始めるということになるだろうと思います。そして、医療保護入院の問題とか、積み残された問題、そちらで更に議論するという話になろうかと思いますが、そのようなこととしてよろしゅうございますか。
 はい、どうぞ。

○堀江構成員 私は治療へアクセスする権利のところで、アウトリーチ事業を推進しようということと、それから事例として結核治療に関するものを出したというのは非常に意味があると思っています。
 余計な話ですが、これから予算をどうやって今年、来年に向けてこういう体制をつくっていくのかということが、非常に切実に我々としては心配なところで、やっとこさその7億ということになっていますけれども、それ以外に震災地では、3県で20億ぐらいずつのアウトリーチを中心とした事業に動き始めているわけですね。
 総務省関係で言えば1,000億の金がもう動き始めているという、こういうふうになってくると、一体厚労省の中でこの辺をどういうふうにこれから、実質的に地域の中でたらい回しがないような体制をつくっていくのかということは非常に切実だと思いますので、是非よろしくお願いしたい。

○町野座長 ありがとうございます。
 今の点、当然のことなんですけれども、精神衛生法ができたときは、治療へのアクセスの手段というのは入院しかなかった、そういう時代なんですね。ところがその後、地域精神医療というのが出てまいりまして、入院をなるべく回避するという方向は当然のように出てまいりまして、その中で医療保護入院の制度をどのようにするかという、更にもうかなり難しい問題が入っているということでございます。
 それでは、以上のようにして、次に親会と言いますか、検討チームの方へもう一回議論した上で次に進めたいと思います。
 検討チームへ提出する論点整理については、これまでの議論を踏まえた上で、事務局と私とで作成いたしまして、検討チームに提出する前に皆さんに御報告させていただくことにしたいと思います。
 では最後に、今後のスケジュールについて、事務局の方からお話ししていただきたいと思います。

○本後課長補佐 次回の作業チームですけれども、今お話をいただきましたとおり、検討チーム、親会を1回経た後ということになりますので、またこれは追って調整をさせていただきたいと思います。

○町野座長 ありがとうございました。
 本日はお忙しい中、長時間にわたりましてありがとうございました。
 それではこれをもちまして、第6回保護者制度・入院制度に関する作業チームを閉会します。
 どうも、御苦労さまでした。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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