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2011年6月16日 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第5回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年6月16日(木) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室(19階)


○出席者

磯部構成員、岩上構成員、上原構成員、河崎構成員、久保野構成員、鴻巣構成員、
笹井構成員、白石構成員、千葉構成員、野村構成員、広田構成員、堀江構成員、
町野構成員、良田構成員

○議題

(1) 保護者制度について
(2) その他

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第5回、「保護者制度・入院制度の検討」に係る作業チームを開催いたします。
 本日の構成員の皆様の出欠状況ですが、全員の御出席の予定になっております。ただ、白石構成員が若干遅れるという御連絡をいただいております。
 なお、お手元には堀江構成員提出資料として、ケアラーを支えるための実態調査をまとめた資料をお配りしております。
 それでは、ここからは町野座長に進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○町野座長 前回の作業チームでは、保護者の現行法上の義務を削除した後の問題について、財産上の利益の保護の規定、これは22条1項。それから、措置患者の引取り義務41条。その際の援助を求める権利22条の2を削除した場合、どのような対応になるかについて御議論をいただきました。その結果をまとめておきました。次のようなことになるだろうと思います。
 一番最初に財産上の利益の保護の規定22条1項が削除された後には、精神障害者の意思能力の程度に応じて、そして必要に応じて民法の成年後見等の一般法で対応すべきである。その際には、成年後見制度利用促進に向けての行政の援助に期待すべきである。
 第2点が措置患者の引取り義務は、その際の援助を求める権利については、措置入院患者については行政のトータルな関与を求める他、医療保護入院、任意入院についても障害者自立支援法による支援体制の充実によって保護者とともに、支援していく方向をとるべきであるというような方向性であったと思います。
 本日の作業チームは、前回の第4回において、時間の都合で議論できなかった、1つは退院請求・処遇改善請求についてまず検討を行い、続いて精神医療における保護者、主に家族等の位置付けについて、そして最後に入院時の強制医療介入のあり方について、それぞれ検討するということにいたしたいと思います。
 それでは、まず退院請求・処遇改善請求について、事務局より説明をお願いいたします。この38条の4の規定は入院中の者、つまり医療保護入院だけでなく、措置入院、任意入院にも適用があることに注意すべきです。では、よろしくお願いします。

○本後課長補佐 事務局でございます。それでは、資料の「退院請求・処遇改善請求について」というところで御説明させていただきます。
 退院請求・処遇改善請求につきましては、現行の規定は38条の4に規定されておりまして、「精神科病院に入院中の者又はその保護者は、都道府県知事に対し、当該入院中の者を退院させ、又は精神科病院の管理者に対し、その者を退院させることを命じ、若しくはその者の処遇の改善のために必要な措置を採ることを命じることを求めることができる」という規定になっておりまして、先ほど座長からお話がございましたとおり、医療保護入院、措置入院だけでなく任意入院の方も、対象になっているということでございます。
 この点につきましては、2月の検討チームの方では、この規定は入院患者の権利擁護として必要な規定であるということで、存置はするべきであるということとした上で、退院請求・処遇改善請求を行うことができるのは、今は選任された一人の保護者ということで限定されているので、他の保護者になり得る人に拡大する余地があるかどうか。具体的に言いますと、親族の方、そういった方に拡大する余地があるかどうかについて検討するべきではないかということが、残された論点として提示されております。
 現状の整理でございます。退院請求・処遇改善請求の状況についてですけれども、これは少し古いのですが、平成18年度の調査でございます。退院請求・処遇改善請求いずれにつきましても、御本人あるいは御本人の代理人の方からの請求が大部分となっておりますけれども、退院請求については、保護者からの請求が、2,451件のうち9件で、処遇改善請求については234件のうち4件ございます。これは数としては少ないですけれども、確実に存在はしているということであろうというふうに思います。
 そういった上で次の2ページ目ですけれど、検討が必要な論点といたしまして、退院請求・処遇改善請求を行う主体を選任された人以外の保護者になり得る人。例えば親族の方までに拡大することは、形式的には入院患者さんの権利擁護が拡充した形になる一方で、とりわけ医療保護入院について見ますと、選任された保護者(医療保護入院の同意を行う方)と退院請求・処遇改善請求を行う主体が異なる可能性があるということで、現実に生じ得る課題について、慎重に検討することが必要ではないかという論点を挙げさせていただいております。説明は以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。保護者以外を追加したらどうすべきか。そういうことが問題なんですが、ただいまの事務局からの説明を受けまして、これから御議論をいただきたいと思います。
 この点は家族・当事者に大きく関係いたしますので、まずその立場からの御発言をお願いしたいと思います。御家族関係の方のうち、野村構成員、良田構成員、続いて広田構成員、それぞれ順番にお願いしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。では野村構成員の方からお願いします。

○野村構成員 野村です。保護者として裁判所から定められた人は、常識的には本人にとって最も身近な人で利益と権利を大切に思ってくれる役割をする人と考えています。
 しかし、退院請求など審査の現状では、誰が請求しようと、ほとんどの請求は却下されています。どのような基準で判断しているのか。その基準は、明確で公平でなければなりませんが、判断の結果は公表されません。判断は何よりも本人の権利と利益を守る立場からなされなければなりません。
 精神医療審査会の判断の基準の明確化と判断プロセスの透明性が重要です。それには精神医療審査会の運営に当事者団体、家族会の代表を加えて、本人の権利と利益を守るための意見が言えるようにし、その記録を残して、裁判を起こされたり、人権擁護団体から請求があったときには閲覧できるようにすべきです。
 次に退院などの請求で重要なのは、本人以外で請求できる人の範囲をどうするかではなく、誰からでも請求されたときに、それを審査する精神医療審査会が、本人の人権や利益を守るための公正な判断ができるかどうかであると思います。特に保護者の役割で重要なのは、本人の退院を審議する際に、本人についての詳しい情報を提供することです。
 本人以外で1名の保護者が退院請求をする権利を独占すると、弊害としては例えば、本人に自分の生活について考える意欲がないために、本人が退院請求をせず、精神科病院が漫然と入院させ続けているような場合に、その保護者が退院させると、自分の心配が増えるので退院請求をせずに、入院させ続けているというようなことが考えられます。
 その保護者以外の親族や友人が、不適切な入院をやめさせるために退院請求をすることができなくなります。
 逆に、入院治療の継続が必要であるのに、精神疾患への理解がない保護者が強硬に退院請求をして退院させてしまい、本人が再発する事態も考えられるということがあります。請求は本人のことをよく知っている人なら、誰もが自由に行っても構わないと思いますが、その請求を精神医療審査会がどう判断し、対応するかが最も重要です。本人の権利と利益のため、社会的正義のためという明確な基準と判断が必要です。
 結論としましては、親などの保護者と本人しか退院請求・処遇改善請求をする権利を有しない現行の制度は、本人の権利と利益を正しく守るためには不完全で、改善が必要です。なぜなら本人と保護者が本人の権利と利益のために、常に正しい判断ができるとは限らないからです。本人と保護者に加えて他の親族、友人、職場の同僚、上司などが退院請求や処遇改善請求をすることができる制度にした方が、本人の権利が守られる可能性が広がると思います。
 それには1名の保護者だけに限定している現行の規定を変更して、本人をよく知っている親族とか市民であれば誰でも退院請求と処遇改善請求をできるようにした方がよいと考えます。
 大切なのはその請求に対して、精神医療審査会で誰よりも適切な判断がなされることです。それには本人の利益と権利を守る公的第三者機関を地域に設置して、客観的な立場から精神医療審査会の審議に関わり、意見を言えるようにすべきです。権利を擁護する第三者機関は、責任を持って本人の権利と利益を守ります。
 また、精神医療審査会と権利擁護の第三者機関との運営には、それぞれ当事者団体の代表や家族会の代表を加えてほしいと思います。以上です。

○町野座長 ありがとうございます。続きまして、良田構成員、お願いします。

○良田構成員 良田でございます。やはりこの数字を見ますと、非常に家族の処遇改善請求は少ないということが分かります。少ないのもそうだろうなというような気がします。といいますのは、例えば家族、親の立場からしますと、処遇改善請求というものをした場合、そんなに不満ならよその病院に行ってくださいと言われてしまうかもしれないと恐れることもあるかもしれません。あるいはそういうことをすると、審査会の人たちが、例えばある県で審査会があったとしたら、他の病院に行っても、あの人たちは退院請求をした人たちだというふうに、もうレッテルを張られてしまうのではないかというような不安があります。そういう内容を私どもは、相談なども結構聞いています。ですから、なかなかしにくいだろうなと思っていたら、やはりこんなような数字でした。 
 こうしたことはともかくとして、では、家族、保護者はともかく親族だけに限るべきかということに関しては、私も野村さんの意見と同じで、これは家族とか保護者とか親族に限るべきではないと思います。単身の方もいらっしゃいますし、親御さんが亡くなってしまっている人もいるだろうし、親兄弟が全然ない人とか身内のいない人もいらっしゃると思います。その人たちのことはどうなるのかということもあります。それからこれからは家族や親だけが関わる時代ではなくて、様々な関係者の方、関係機関の方が関わっていって、その人を見守っていったり支援していくという、そういう地域生活の時代になるときに、親族、親族というふうにこだわるのは、あまり適切ではないのではないかというふうに私は思います。
 ただ、野村さんのお話にもありましたが、精神医療審査会が本当に公正できちんとした判断を、守秘義務を持ってしているのかということも、大事な点ではないかと思います。例えば地方なんかに行きますと、自分たちのことがツーカーになっているというような不安感がとてもあります。例えばある県ならば、別の県から委員、構成員が入るとか、そういった細かい配慮をされた機関でなければ、そのぐらいの厳密な配慮がされた機関でなければいけないのではないかというふうに思っています。以上です。

○町野座長 ありがとうございました。広田委員、お願いいたします。

○広田構成員 広田です。自分のことをまずお話ししようと思います。これは後半戦で入院制度をこの検討会はやるわけですね。つまり、他の医療と精神科が違うのは、強制入院制度を持っているということなんです。ここでは医療保護入院が将来どうなるかはともかくとして、医療保護入院も含めて、私が1988年3月1日に打たれた医療ミスの注射の副作用で緊急入院をするんです。その緊急入院をしたときに、医者が私に任せてください、緊急入院をしてくださいと言って、はいと言ったにもかかわらず、退院しましたら、裁判所から母親に保護者通知というのが来たのを見て、また私は余計激怒したという経緯があります。
 4月21日から5月19日までの29日間の入院でした。週末は家に帰ったりしていましたけれども、非常にひどい症状だったと言っていますけれども、22時間歩き回っているぐらいの状態で家に退院というか外泊していますと、近所の目があってとても大変なんです。4畳半1間と6畳1間、2間の家の中で夜中中歩いているというのもとても負担なことで、私は、歩くために入院させてもらったのに、結果的には医者が強引に自分が出産を控えていて退院ですといって、5月19日に退院させられたんですけれども、もしあのまま入院していたら、今ここに座っていないで社会的入院になっていたかと思うと、退院できてよかったんですけれども。
 いろんなところでいろんな話を、入院のことに関しては聞きます。ここにはすばらしい御家族がそろっていますけれども、医者が患者を退院させようとすると議員にまで圧力をかけて退院させないでくれという意見もあるし、または家族が出してよと言っても、医者が不安になって出さないという例もあります。
 私の友人の例ですけれど、私は相談者です。その人を退院させるために、相談者ではない男性友人が面会に行って、私が責任を持つから退院させてくれと、何度もある横浜市内の病院にかけ合いますが、結局だめでどうしたかというと、法的に養子縁組をしたんです。養子縁組をした結果、めでたく法的に保護者になって、そして退院ができた。ここまでしなければ退院ができないという入院は、おかしいと思います。ですから、そうじゃなくて今お二方がお話になったように、ただ単に家族だけではなくて現行上の…。
 私の母親は保護者として一番不適切な人でした。母の愚痴による医療ミスの注射で、また心配症の母親ですから、同じ家族であっても、どちらかといえば、裁判に訴えてやるって、一昨年自殺されちゃいましたけれども、そういう弟の方が、退院に対する保護者として適任かなというふうに思いますから、家族の中であっても、家族自身が病むときもあるし、それから家族自身が心配性の人もいます。そういう意味においては、広げる場合には、本人が人権擁護人という形で指定できるぐらいの交流関係があれば、一番望ましいと思います。入院する前に、誰か親しい人でも信頼できる人がいて、私はこの人を人権擁護人に指名したいと、そういうふうなものがあればいいと思います。
 さっき野村さんがおっしゃったときに聞き逃しましたけれども、何か組織をつくるときに、家族会の団体とか当事者の団体、もう団体はやめにして、それにふさわしい家族とか、それにふさわしい本人とか当事者という方が、時代にマッチしていると思います。
 そういう意味で、現行の保護者制度が残るならば、この項目が、私は家族プラス本人が信頼できる人を指名できると。家族を含めて指名できると、それが本当の意味での本人の、アメリカなんかで使われている、患者の権利法という医者との関係で本人が契約して医療を使うわけですけれども、日本はそういう法律はないんですけれども、是非本人が治療に専念して安心して入院できて退院できるための、本人が主役のそういうふうなものにしていただきたい。以上です。広田でした。

○町野座長 ありがとうございました。大体拡張すべきだという御意見が強かったようですが、この問題は医療機関、更には先ほど御発言がありましたとおり、審査会の審議の問題とかなりリンクしているところがありますので、河崎構成員、千葉構成員、続きまして鴻巣構成員でよろしいですか。お願いしたいと思います。では河崎先生、よろしくお願いいたします。

○河崎構成員 河崎です。この問題は非常にいろんな問題をはらんでいるんだろうというふうに思っています。まず、今、広田構成員がおっしゃったように、保護者制度そのものをなくしていくのかどうか。その方向がどういうふうになっていくのかによっても随分変わってくると思います。保護者の権利、これは一応権利だということだろうと思いますが、権利そのものも保護者制度がなくなれば、なくなってしまうというようなことになるのかなというふうにも思いますし、もし保護者制度そのものがそのまま存続していくといった場合に、今までのような義務規定をなくして権利規定だけ残すのか。
 もしそうだとすれば、保護者としての権利として残るのであるわけですから、その場合に事務局の方から論点として示されているように、やはり選任された保護者の人と退院請求や処遇改善請求を行う主体が異なった場合に、どういう問題が生じてくるのかというところまで議論をしておかないと、先ほど野村構成員から例示がいろいろございましたが、逆のこともあり得るだろうと思うんです。保護者の方が非常に医療にも理解を示し、本人のためを思ってきっちりとした対応をなされていると。しかしながら、他の立場の方が、いろんな、そこはどういう問題があるかわかりませんが、例えば財産上の問題、あるいは相続の問題とかそういうような問題によって、他の親族の方たちが退院請求なりを行うというようなことだって想定ができるのではないか。つまりいろんな場合があり得ると思います。やはりこれは患者さん本人が、どれだけその方を信頼しているのかというところの確認が、最も大事じゃないかというふうに思うんです。
 今回のデータを見ましても、代理人の方が退院請求をなされる、あるいは処遇改善請求をなされるというのが、それほど多くはございませんがあります。この代理人の方を、本人が今の法体系の中で、どなたであっても指名すれば、これは代理人になり得るんじゃないでしょうかというふうに、私は理解をしております。ですから本人さんが、例えば保護者である配偶者の方以外に、自分の兄弟を代理人として指名することも可能であるならば、現在の法体系の中でも、この問題というのは少しは解決をするところがあるんじゃないのかなというふうにも思ったりしています。ただこのあたりは、また法律の先生方の方から教えていただかなければいけないところかもわかりません。
 もう一点、現実に医療を提供している者の立場からしますと、このような状況がいろんな方たちから退院請求が出る。あるいは御本人の思いというものしっかりと確認していない上でこういう問題が起こってきた際に、医療に混乱を来たす一番の被害者は、当事者の患者さんではないかなというふうにも思ったりします。そのあたりをどういうふうにきっちりと対応していくのかというところまで考えていかないと、単に退院請求ができる、処遇改善請求ができる人たちを広げていったらいいんだという単純なことで果たしていいのかなという思いがございます。以上です。

○町野座長 ありがとうございました。事務局に確認したいんですけれども、代理人が請求しているというのは、どういう場合なんでしょうか。

○本後課長補佐 どういう方が代理人になっているかというデータは、特段とっておりませんで、御本人との関係で代理ということが認められた方であるというふうに思います。

○町野座長 今のような代理というのを38条の4の枠内でのってくるという話でよろしいわけですね。

○本後課長補佐 解釈上は、本人の関係として代理ということで認められていますので、今の制度上もそれは代理人ということで認められているということでございます。

○町野座長 ありがとうございます。続きまして、千葉構成員、よろしくお願いいたします。

○千葉構成員 あらかた河崎構成員が医療の立場を申し上げたところなんですが、率直に医療サービスを提供する側とすると、できるだけ混乱のないように医療サービスを円滑に提供したいという思いの一言に尽きるのかなと思います。
 そういった方々、ごたごたといえば何ですけれども、現在の保護者の方、あるいはそれ以外の方々がいろんな意味で、我々にとっては対岸の火事に近い話になろうかと思いますけれども、がちゃがちゃともめておられるということが、本人の治療に支障を来たすという部分が、一番私たちとしては面倒な話ですし、またそれがスムーズに退院等に結びつかない云々ということも、大変負担に感じる部分ではあるわけです。
 医療側とすれば、そういうところに入っていくことがいいのか悪いのか、先ほど広田構成員の方からもお話がありましたけれども、以前はかなりパターナリスティックに意見を述べ、またそれに対しての介入も行ったりしていたところもあると思います。
 そこの部分も、どの分でいいのか悪いのかというのは、ケース・バイ・ケースで悩ましいところがあるんですが、例えばこれを広げた場合に、その他の方々がどのぐらいその後の御本人の、つまり面倒といいますか、ちゃんとケアをしていただけるのかということも非常に心配になるところなんです。そこの部分だけで関わられて、その後また投げられてしまっては、大変本人のためにはならないだろうというところも危惧するところなので、やはりしかるべききちんとした立場を持たれた方であるべきだろうと。最低限本人がその方に自分をゆだねることが原則的に必要なことで、了承がなければならないと思います。
 とすると、現行で代理人というのは一体何なんだということになってしまうわけで、代理人が特に規定された資格を持っていない以上、誰でもいいということになりますから、そこに必要な要件が本人からの依頼、委任であるということになれば、そうでない方々は、本人の委任なく、本人の了承なく関わってくるというとこれはまたまずいだろうと思うことであります。とすれば現行の代理人ということの考え方の幅、あるいはそういうことをもっときちんと通用させるといいますか、周知させることが必要で、それを使えばあえてこれ以上に、この枠組みをつくり、広げ、そしてその解釈をまた広げることが、果たしていいのかというようには感じています。 以上です。

○町野座長 ありがとうございました。鴻巣構成員の方から、先ほどから御発言の中で医療審査会との関係とか審査会の審議の中で、例えば親族とかそういう人を関与させるべきではないかという御意見も出ましたので、そこらも含めた上でコメントをお願いできたらと思います。

○鴻巣構成員 非常にコメントしづらいです。医療審査会の事務局をやっておりまして、医療審査会で退院請求にも意見聴取に赴いていますので、その立場からすると、今の現行法を順守するということしかできないわけです。
 ただ、やっていていろいろ実際に従事していますと、個人的な所感はいろいろ思い浮かぶわけです。ただいま、代理人の話がありましたけれども、精神福祉法詳解によりますと、解釈なんですが、代理人というのは、本条に定めるものの他、弁護士も行い得ると書いてあるんです。ですから弁護士という形で、我々の医療審査会の方は理解をしております。というふうに解釈で、法律にプラス解釈です。

○千葉構成員 多分その解釈の中に、弁護士でなくてもよいという解釈も出ていると思うんですが。必ずしも弁護士でなければならないという解釈ではなかったと思うんですけれども、事務局いかがですか。

○本後課長補佐 確かに鴻巣構成員のおっしゃるとおり、精神保健福祉法の詳解の中では、代理人である弁護士も行い得るというふうに書いてございます。ただ、現状どのような、実際どういう範囲の方が代理人として請求をされているかどうかというところは、ちょっとここは今、我々もデータは持っておりませんので、そこはまたこの議論が引き続くときに調べてお答えしたいというふうに思います。

○鴻巣構成員 代理人については、引き続き事務局で調べたいということなんですが、今千葉委員、河崎委員からもありましたが、例えば保護者というふうな位置付けで請求ができるというのは、医療保護入院の場合は本人に代わって入院契約をしている。その契約をしている者から、この入院は、入院中の処遇はどうなんだろうか。本人がよくなったのに退院できないのはどうなんだろうかというような解釈で私はとらえていて、その退院請求、同意した者が入院しているけれども、今よくなったのに退院ができないのではないか。あるいは、状態がよくなったのに処遇の、例えば自由度の問題、外出、そういったものについて制限されているのはいかがなものかというような部分での処遇改善請求というのは、当然起こり得る。
 ただし、河崎委員のお話の中にもありましたけれども、丸っきり逆の立場の場合、例えば、職場の上司とかというお話がありました。職場でこの仕事に従事した者が病気らしいものになって今休職をしている。その方が今どうなのかを調べるために、退院請求して情報を得ようと。そうすると退院請求をして、その人が病院に足を運ぶことができる。本人と会うことができれば、そこで確認できるというようなことがもし発生すれば、これは人権侵害以外の何ものでもなくなってしまうというところもあって、拡大するかどうかというのは、非常に微妙だと、実際にやっていると思います。
 そういった医療内容等についても言及するということを考えますと、本当に本人と関係のない第三者にそういう情報を提供する。あるいは実際に医療審査会委員が会って、それを伺うということはどうなんだろうというのは、常に今のお話を聞いていますと、思い描いています。
 現状としては、法に規定された中に、精神医療審査会運営マニュアルというのがありまして、そこに沿って実際に各都道府県あるいは政令市は行っているというふうに認識しています。その中で学識経験者の中に、最近では精神保健福祉士が随分役割を担っていて、医療審査会の中に関与しているということもあります。今までクローズド的、外から見るとなかなかわかりにくいという部分に、そういった福祉の立場、しかも精神科の福祉の部分に精通した方が入られているということが、非常に私は好ましいことではないかと思っている次第です。
 それ以上の意見というのは、本当に我々は厚労省の指導に従ったまま、マニュアルに沿って行っているとしか言いようのない部分でございます。

○町野座長 ありがとうございました。それでは、議論をよろしくお願いいたします。かなり意見が分かれているようなところもありますけれども、いかがでしょうか。岩上構成員お願いします。

○岩上構成員 岩上でございます。まず、この作業チームは何を求められているかというと、現行法に問題があるというところからスタートしていると、私は認識しているんです。つまり、ここでは、この権利擁護の視点をどう加えていくかということが課題であって、入院制度の話もありますけれども、現状では入院する人の自由が剥奪されているかどうかというところが論点になっているというのは間違いないと思います。そうなるとこの規定に加えて、きちんと権利をどのように擁護していくかという視点で話し合っていかなければいけない。それがこのチームに求められていることです。
 その視点で考えると、広田構成員がおっしゃったような、御本人が指名できるというのも一つの選択肢であると思いますし、鴻巣構成員がおっしゃったように第三者機関を入れることだと思います。今の保護者が、この規定にのっとって権利を擁護できているかというと、これがうまく使えていない現実もあるというふうに認識しています。特に、市町村同意になったときに、市町村が必ず御本人に会いにいって御本人の希望を聞いて、保護者としての役割をとるかというと、これは現実的になされていない。ということになりますと、やはり第三者としての、自由を守るというか、権利を擁護することに特化した役割を担う人が今後必要になっていくと、理解をしたいところでございます。以上です。

○町野座長 立法論としてもしそれをつくるということになると、第三者機関というと、どういう格好になるんですか。

○岩上構成員 それは先生にお願いしたいですけれど。それは多分今後の入院の仕方にもよってくるところだろうと思います。医療保護入院、措置入院の規定についても、現状ではやはり問題が生じていると思っておりますので、例えば入院を決めた時点で、必ず第三者機関の人と会える機会がある。あるいは第三者機関と会う権利を行使できる。そこで御本人を支援する立場の人を別途置くことができるというようなことが必要になるのではないかと思います。

○町野座長 ありがとうございます。外国のようなアドボカシーのシステムがあるとよろしいんですけれども、日本ではまだそこがつくられていないわけです。そうなってくると公的なそれが関与するということになると、要するに病院とか患者さんとは別の公的な立場。例えば検察官が出てくるとか、ほとんど役には立ちませんけれども、あと行政の方がやるかという話になって、行政はそうなってくると、今、一応審査会というのは、行政の機関として位置付けられていますから、もう一つそういうことが理屈として合ってくるのかという議論があるわけです。確かにおっしゃるとおり、保護者と本人だけに任せていいのか。そうかといって親族まで拡張して問題の解決がつくのかという、確かにそのとおりだと思いますけれども、かなり難しい問題があるように思います。何かまたいい考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。

○広田構成員 システムじゃないんですけれど、私はいっぱい相談者で入院している人から電話をもらいますけれども、そうすると患者さんと一緒に医者に会いにいきます。そこで医者を説得というか、退院させてやってくださいと。退院請求をかける前に。するとかなりさせてくれるし、申し訳ないんですが、おかしな医者がいっぱいいます。私もおかしな人ですけど。すると、大げんかになります。大げんかになったところで信頼関係ができて大体退院ということで、この委員会の中で大げんかをしている人がいますから。なった段階で信頼ということですから。大げんかまで行かない人が多いんです。で、あの先生はどうした、病院はどうしたという。私は、大体8割方は退院させていただいています。最終的には10割させてくださっているから、少し期間が先生と私どもで変わるぐらいで、でも広田さんが言うならと言う医者もかなりいますから、それでただで講演までしてもらうこともあるというぐらいの信頼関係です。
 ここに載っている数字が、最初に私もこの業界に入ったときに、少ないから結局これは機能していないんじゃないかと見たんですけれど、私のようなやり方をとって、そういう形でここに載せないで。勿論御本人の決定事項ですから、他のことであなたが頑張ることが大事よと言いますけれども、ここに載せることまで全てゆだねるのではなく、その前の段階で行って、大丈夫ですよ、先生、そうですかねということになって、時々医者よりも、看護師が登場して、医者と入院患者と私との関係をじゃまをするんです。だけどそれは医者と私との関係の方が信頼関係が上回っていることが大体多いですから、そういう形の数、大阪の精神医療人権センターなんかも多分そういうとり方をとっていると思いますから。いろんなところでそういう形の数字の少なさというのがあるということ。
 それから、公務員というのは、個人情報保護条例がある前から当然守秘義務があるけれども、神奈川の精神保健福祉センターを見ていると本当に口が軽いです。精神医療審査会の中身がしゃべっているとは思わないけれども、お願いします。みんなも口が軽いのは信頼できないと言っています。ですから神奈川ということは私は自分のところを言っているだけの話で、いろんなところの人が言っていますから、それはあながち被害的になって言っているわけではないです。是非患者の視点に立って、秘密を守るということで、鴻巣構成員、全国を代表して、よろしくお願いします。以上です。

○鴻巣構成員 ありがとうございます。激励されるとは思いませんでした。やっていて個人的な所感ですが、精神保健福祉法に変わってから、随分時間が経つわけですけれども、足を運ぶ病院のお医者さんたちが、あるいは職員さんたちがこの制度は何たるものか。なぜ起きたのか、なぜ必要なのかという部分がなかなか浸透しにくいのかなという部分が、時々見え隠れする。
 あるいは医療委員の方が、何でこんな具合の悪い人の退院請求に行かなければいけないのということも、所感があります。というのは、厚労省の方の御指導もあるんですけれども、30日以内で申請があってから通知を出しなさいということからしますと、入院したばかり、入院した翌日とか3日後ぐらいに退院請求される。その方に速やかに行くと、10日後、2週間後ぐらいに行くと。まだ治療の途中で妄想がままあってという場合に、確かに退院の請求はありますけれども、病状も悪いという場合に、医療委員の判断としては、もう少し入院治療が必要ですと結果的になってしまうんです。そういう諸刃の剣があるという部分がひとつこの制度の中には常に見え隠れしている。
 それから長い入院を経ていて、社会的入院に近いような、引取り家族もいない。本人1人でも暮らせない。ただし、社会福祉施設に行くスキルもないという方が退院請求をしてきた場合なんかを考えますと、そういう仮定をしますと、病院さんとしてはもう退院してもらってもいいんです。早く退院していただくとベッドが開くしという考え方がある。だけど医療審査会の委員が退院が適当だと、その場で判断はしませんけれども、その結果が出たときにその人を引き取ってくれるのかということを、逆に病院さんはおっしゃいます。
 ですから、そういった受け皿としての社会福祉施設なりあるいは受け皿としてのベッドなりという部分が担保されていると、恐らく思い切った結果がもう出せるのではないかという部分がどうしても見え隠れしている。

○広田構成員 その心配性が関係者に多いんです。医者は法律でがんじがらめだと思うんです。何かあったら、出したことによって訴えられる、裁判も起こる話ですから。だけどそこで私は聞き逃した。精神医療審査会、何とか団体とおっしゃった、家族会とか。
 そうだとすると入れた方がいいと思います。医者の安定剤のためにも。先生、大丈夫ですよと患者とか家族が言えばいいんです。是非入れた方が。医者同士は、縄張り争いじゃないけれども、医者同士、医者が決めたことを、先生それは違うんじゃないですかと、例えば河崎先生と千葉先生が同格かどうか知らないけれども、ここに若手の30歳ぐらいのがいて、河崎先生、いいじゃないですかとは、日本の文化では言えないですね。だから是非入れた方が、生たちのためにも、患者のためだけではなく、是非入れた方が、厚生労働省の方々よろしくお願いいたします。以上です。

○町野座長 良田構成員。

○良田構成員 全然違う話になりますが、代理人の話がさっきから出ているんですけれども、詳解には、代理人は弁護士と書いてありますけれども、代理人は弁護士でなければいけないのですか。ちょっと法律的なことが私はわからないんです。
 さっき私は非常に抽象的なことを言いましたが、本人が信頼していて本人のことをよく知っていて本人が委任した人とかあるいは頼んだ人であれば、私は、別に家族ではなくてもいいというふうに思っています。それを代理人という言葉で言えるなら、確かに先生方がおっしゃったように、変える必要はないわけです。実際、法律的にはどうなんですか。代理人は弁護士さんじゃないとだめなんでしょうか。

○本後課長補佐 一般的な意味で代理ということですと、本人から明確な、あなたにお願いしますという意思表示があれば、基本的には代理になることになります。
 精神保健福祉法上は、詳解の中では先ほど申し上げたとおり、代理人である弁護士が請求できるというふうになっているんですけれども、先ほど鴻巣構成員から出ました審査会のマニュアルの中にはこういう記載があります。請求者としては法第38条の4に定める者及びその代理人とする。ただし、代理人は弁護士とするが、精神科病院に入院中の者が請求する場合で、弁護士を代理人に請求することが困難な場合は、弁護士でない者を代理人とすることができるという規定がございます。
 取扱い上は弁護士でなくても代理人となることはできるですから。代理するという意思表示があって、この方にお願いしますという意思表示があれば、代理ということになるのではないかと思います。このあたりはまた、久保野構成員にも補足をお願いできればと思います。

○町野座長 久保野構成員、今何かありますか。

○久保野構成員 代理して行う退院請求の性質をどう見るかということに関わってきますので、それが法的な、まさに弁護士が代理しなければならないような性質の事柄かということ自体の解釈になるので、ちょっと直ちに今判断はつきにくい。ただ、先ほど来出ておりますとおり、御本人が自分の意思に基づいて依頼してお願いした方が確保できれば、本当はできていい事柄ではないかと直感的にはいたしますけれども、ただこれは、財産管理のところでも出てきましたとおり、そして先ほど来議論に出ていますとおり、その方がどのくらい信頼のおける方かといいますか、本人が、一たん頼んだとしても、その後どの程度誠実に確実に行動してくれるかということを、本人がずっとちゃんとチェックできるかということの問題がありますので、どなたにでも任意にお願いできれば代理できると、直ちに言ってしまうことは難しいのではないかというのが、今のところでございます。

○町野座長 ありがとうございました。今の問題はかなり普通の代理とは違うんです。代行なんです。ですから、法律行為とはちょっと違う議論だろうと思います。私は民法はよく知りませんけれども。

○堀江構成員 いろんな問題があると思います。まず第一に大問題と思うのは、保護者に守られてすがってその庇護のもとで生きていかなければならない、現在の精神障害者の置かれている状況は、大問題だと思います。
 この前提があって全てを構築していくと、不合理なことを不合理なままで続けていかざるを得ないんです。ですから本来は、地域で自分の好きなところにいて自由に住めるという前提があってこそ、適切な法律になっていると思うんですが、現状肯定から出発すると、今のままでいいのではないかという議論に傾く。これは大変問題があると思います。
 それから、医療審査会で本人の意思で退院したいという請求があった場合に、それをどう考えるかということがあると思いますが、それを判断するときに、勿論判断は専門家がしますが、私は当事者の感覚も非常に重要だと思うんです。御本人が判断して退院したいというときに当事者からの助言というものが、医療審査会の判断に必要ではないかと思うんです。その関わりをどのようにしてつくるかということが、これからは必要になってくると思います。
 それから、都道府県知事に対して退院請求をするわけですけれども、私は求めることは誰でもしていいと思うんですが、その求められたことが適切であるかどうかということの判断をどこかでしなければいけないんです。それを誰が判断するのか。医療と福祉上、あるいは法律上の判断、当事者の権利と利益を守るための判断を保護者と本人以外の誰かがしなければいけないのではないかと思うんです。これは誰がするんでしょうか。第三者機関とか権利擁護機関とかいろいろ考えられるんですけれども、客観的に第三者の立場から御本人の利益と権利を守るための、判断をどこかが下さなければならないと思うんです。これを保護者だけに求められても困るし、当事者の責任だけにされても困るので、これはどうしたらいいんでしょうか。これは大問題だと思っております。

○町野座長 ありがとうございました。これはどうも簡単に決着がつく問題ではないように思います。今、問題なのは、ここの条文では精神医療審査会への申し立ての問題なんですね。ただ、先ほどの広田構成員とか、かなりの方がおっしゃいましたとおり、その前の段階で病院との間に入って、いろんなことを話し合いながら、退院の方向に持っていくというやり方。これは大分前からスタートした相談弁護士というのが、たしかそれをやっていたと思うんですが、それがどうなったか私はわからないんですけれども、今の、そういう団体がそういう行動をしていると。

○広田構成員 団体及び個人。

○町野座長 団体及び個人がやっていると。それを踏まえた上で、次のステップを考えたらいいのかという問題が、まだあるように思います。
 実際に問題なのは、現場で一体どのようになっているかということだろうと思います。確かにかなりの医療関係者がおっしゃいましたとおり、我々もちょっとそう思うんですけれども、いろんな人に申し立て権を与えたときの混乱というのは、やはりちょっと無視しがたいように思われる。その前にいろいろ問題が起こったときについて、今のような病院の側も無理やり置いておこうという話ではなくて、とにかく出せるものは出したいという意識は当然あるわけですから。そのところで話し合いをしながら、そこで解決がつくならついた方がいいのではないだろうか。
 もしそうでなければ、そのときに、任意団体なり何なりと代行のことで話を持っていくという順序かなという具合に思いましたけれども、こういうふうにまとめてしまうのがちょっとまだ早いような気がいたしますので、次回もう一回この問題を議論を、済みませんけれどもやらせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、次に精神医療における保護者、特に家族等の位置付けについて、事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐 それでは資料の3ページをお開きいただければと思います。
 「精神科医療における保護者及び家族の位置付け」についてということでございます。これは医療に関する保護者の責務規定が3つございました。治療を受けさせる義務、診断が正しく行われるように医師に協力する義務、医師の指示に従う義務、この3つがございましたけれども、これらの規定では保護者が本人の診療に関わるということが前提になっているが、本人のプライバシーの観点から考えると、本人が保護者に診療に関わることを拒む権利もあると考えられる。これらの規定を削除した場合、保護者は診療に関わらなくてもよい、あるいは、診療の過程に適切に関わることができなくなるのではないか。こういった観点でございます。また、保護者はむしろ支援されるべき立場でもあるとの考え方もあるのではないか。こういったことを、少し資料の中で整理してみました。
 まず、現状の整理というところでございます。最初に、保護者と家族という言葉について法令における取扱いをまとめております。各種法令においては、「保護者」という言葉が使われている場合には、「親権を行うもの」あるいは「後見人」のように何らかの別の根拠に基づいて使われている。あるいは「現に保護を行う者」といったように、本人の身近に実際に保護している人という形で規定されております。
 いわば、身近にいる人、何らかの権限のある人という意味でいうと、保護者という言葉と家族という言葉は、一般の法律においては、大体ニアリーイコールかなというふうに思います。
 一方で、精神保健福祉法における「保護者」は、まさに法律の中で設けられている制度であります。本人の身近にいない保護者というのも存在する。精神保健福祉法の中では保護者に対する責務規定の他に、都道府県や市町村などが相談への対応や、必要な指導を行う対象として、別に「家族等」ということが規定されております。「保護者」とは別に、「家族等」が支援の主体になるものとして規定されているということでございます。
 この法の47条の1と48条の第1項なんですけれども、参考資料の5ページに改正の経緯をまとめてございます。基本的には47と48は一緒ですので、上の段の47条について御説明いたします。
 平成5年改正前、平成5年、平成7年、これがトピックでありまして、平成5年の改正前にどういう規定だったかといいますと、しばらく行きまして、第29条第1項及び第29条の2第1項の規定による入院をさせられなかった者。措置の診察をしたけれども、措置は不要ということで入院が必要ないというふうにされた人。それから、29条の3または29条の4第1項の規定により退院した者で、なお精神障害が続いている者。措置の解除された人、そういう人を対象として、保健所長が必要な指導助言をするという規定が平成5年以前にございました。平成5年の改正で変わったのは、ここでいいますと、実線の部分でございます。点線の後の「又は」の後です。「当該精神障害者と同居する保護等については」ということで「同居する保護者等」というのが加わっております。この平成5年の改正は、引取り義務に際して関係者からの助言を求めることができるという規定が22条の2に新たに加わっております。引取りの義務の際にセットで議論されていた規定ですけれども、これも平成5年の改正で加わっておりまして、いわば保護者の措置の、解除の際の引取り義務を補完する改正の一部として、22条の2と加えたのと並んでこの規定が加わったという経緯がございます。
 更に平成7年で、これが改正されておりまして、平成7年の改正へのときには、平成5年の改正の点線の部分です。措置が不要にされた人とか措置解除された人とか、そういう精神障害者に対する限定が、まずひとつ外れているということ。
 それから、「精神障害者と同居する保護者等」という言葉は、一般的な「家族等」という言葉に置きかわっているということで、まさに、措置の引取り義務ということではなくて、幅広い相談指導ということで、一般の精神障害者あるいは家族等という言葉に置きかえられたという、そういった改正の経緯をたどっております。
 資料に戻っていただいて、5ページでございます。少し時間をかけて御説明させていただきましたが、精神保健福祉法の中では第47条第1項48条第1項のように、保護者とは別に、今の改正の経緯にもありましたとおり、「家族等」が別に位置付けられている。精神医療における診断や診療への関わりを検討するに当たっては、制度としての保護者という立場ではなくて、まさに「家族等」ということで、そういう立場を前提に検討を行いたいということでございます。
 続きまして、「医療一般における家族等の位置付け」ということで整理をしております。医療一般においてはまず医療法の中で、医療提供施設の開設者及び管理者に対する義務として、患者またはその家族からの相談に適切に応じる努力義務というのが規定されております。また、医師法には、医師に対して本人またはその保護者に対し、療養の方法その他の事項の指導義務がそれぞれ規定されております。したがいまして、医療の提供における「家族等」の位置付けが、一定程度明確になっているということでございます。
 6ページが、個人情報保護法との関係でございます。個人情報保護法の中では、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないという規定がございます。この場合は、本人、患者さん御本人で、御家族は第三者ということになります。「法令に基づく場合」の他、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときは」、同意を得ないで第三者提供をしてはならないという、その例外というふうにされております。
 その例外の例として、「意識不明の患者の病状や重度の認知症の高齢者の状況を家族等に説明する場合などが挙げられており、本人に同意を求めても同意しない場合も、『本人の同意を得ることが困難であるとき』に含まれる」というふうな解釈がガイドラインで示されております。
 それから、家族等に対するがんの告知に関する裁判例が出ております。これは平成14年の最高裁の判例の中ですけれども、点線の中をずっと見ていていただければと思います。7ページです。下線部のところです。「告知を受けた家族等の側では、医師側の治療方針を理解した上で、物心両面において患者の治療を支え、また、患者の余命がより安らかで充実したものとなるように家族等としてのできる限りの手厚い配慮することができる」。「このような家族等の協力と配慮は、患者本人にとって法的保護に値する利益である」ということで、本人の治療、あるいは本人を支えるという意味で患者を位置付けている。告知による家族等の協力と配慮が本人にとって法的に保護すべき利益だということが、判示の中で述べられております。
 「医療一般においては、家族等は、最も身近な立場から患者が医療を受けることをサポートし、必要に応じて医師等から様々な情報提供を受けるべき存在」ということで位置付けられておりまして、個人情報保護の観点からも一定の整理がなされているというのが医療一般の状況であろうかと思います。
 一方で、精神科医療におきましては、これは以前にもこの会で御議論をいただきましたが、診断の客観性というか多面性といった方がいいかもしれません。これを担保する観点から、家族等身近な人からの情報が特に必要になる。あるいは本人と家族の関係は様々といった特徴、一般医療とは異なる点も存在しているということでございます。
 ただ、そういったことを前提とした上で、8ページ目でございますけれども、保護者に対する医療に関する責務規定を削除した場合に、本人、家族等、医師それぞれの立場、あるいは現実の多様から考えると、実際に診察、診療に支障が生じることは想定しにいのではないか。具体的に言いますと、本人の立場からいきますと、診療は本来、本人と医師との関係で行われることが基本。同意能力があると認められるのであれば、本人の意思を尊重すべきということが、基本的スタンスであろう。
 家族等の立場からいたしますと、家族等が本人の病状について医師に相談したり、説明を行ったりすることは、今の規定の有無に関わらず可能。まず家族の側から能動的に相談に行ったり説明に行ったりすることは、可能。実際に家族に対する診療報酬ですとか保険外でも家族相談を行っているという医療機関もあります。
 9ページ目ですけれど、本人が明確に家族等の関わりを拒んでいる場合にまで診療に関与するということは、なかなか実際には難しいことがあるということでございます。
 医師の立場、医療の立場からですと、医療の現場では医師に協力的な家族とそうでない家族がいるということで、個々の状況に応じて対応を行っている。法的な規定がなくても、診療の一環として家族等から患者の病状を聞き取る、話を聞くということは可能。ただ、家族には言わないでほしいという、患者から明確な拒絶の意思表示がなされているときには、医師が患者の意思に反してまで家族等から聞き取りをする。そういう場合であっても、個人情報保護法上は整理がなされておりまして、例外規定に該当すれば家族等に本人の病状について説明した上で診療に協力してもらうことは、制度上は可能というふうに整理がなされているということでございます。
 「検討が必要な論点」というところですけれども、「医療一般における家族等の位置付けについては、医療法等の中で一定の位置付けがなされている。それは精神科医療においても当てはまる」ということでありますので、「保護者の責務規定を削除したとしても、精神科医療における家族等の位置付けについて新たな規定を設ける必要はないのではないか」。
 ただ、「検討する必要があるとすれば、本人の同意がないときに家族等が診療に関わる必要がある場合について」、医師が病状を家族等に説明した上で診療に関わってもらう必要があるというような場合について、「入念的に」、「医師が家族等からの協力が求めることができる旨の規定を設けることが必要か、という論点は」あるということではないかということでございます。
 最後の○は今までの医療の中の位置付けということとは別に、基本的な理念として先ほど47条のところで御説明しましたとおり、精神保健福祉法の中にも、一定程度、家族等が本人を支える存在だけではなく、支えられるべき存在であるということが理念的には盛り込まれているということではないかということもありまして、そういった形。これは直接の給付に反映させるとか、具体的にどうこうということとしては難しいかもしれませんが、基本的な理念として何らかの形で明確にする必要はないかということも論点の1つであろうというふうに考えております。以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。保護者の義務規定を削除するということになりますと、まさに家族が正面から出てきて、本来の形に戻ったといえば、そういうことだということから、御説明をいただいたというわけです。御意見のある方、よろしくお願いいたします。河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 今の事務局からの説明で、ひとつ確認をしたいと思っているんですが、6ページ目の個人情報保護に関するところなんですが、真ん中あたりのアンダーラインが入っています。意識不明の患者さんや重度の認知症の高齢者の状況を家族等に説明する場合などが挙げられていると。本人に同意を求めても同意しない場合も、「本人の同意を得ることが困難であるとき」に含まれるとされているということの意味するところは、意識不明の患者さんがあるいは重度の認知症のために、本人に同意を求めても同意しない場合というふうに読むのか。あるいは一般的に、例えば精神障害者の方たちの中で、家族の方に対していわゆる病状としての被害妄想が活発な方は、結構おられるかと思います。そういうような場合に、家族には絶対言わないでとか、あるいは家族との接触を拒むような場合もあるわけです。
 それは病識がないから同意をしないという形でとらえたら、「本人の同意を得ることが困難であるとき」に含まれるのかどうか、そのあたりの整理はいかがでしょうか。

○本後課長補佐 今、御指摘いただいた点は、実際に大変整理が難しいところでございます。法律上は、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難」ということなので、要件としては、生命、身体、財産の保護のために必要がある場合、いわば意識不明の患者さんですとか認知症の高齢者、そういった方については、こういった場合に該当するということが、例示されております。
 本人の同意を得ることが困難というのは、まさに同意を求めても同意しない場合ということが、要件としては2つかかっておりますので、そこは生命、身体、財産のために必要がある場合に該当するかどうかというのは、一般的に例示として、このガイドラインか何かで挙げられているということではありませんので、実際にはかなり現実一つ一つに即して考えていく必要があるんだろうというふうに考えています。
 非常に明確にこれが全体として入る、あるいは入らないという判断は、大変難しいところかなというふうに思っています。

○町野座長 ガイドラインは法律の2号の解釈ですね。ガイドライン自体は、法律を変えることはできませんから、この解釈が法律に違反しているという議論もあり得るわけです。要するに本人が承諾しないときについては困難であるときに入るというのは、ちょっと普通、法律的に見たら理解できないところなんですけれど、しかしこのようなガイドラインができているという話でございます。とにかくこの個人情報保護法は、前の方は2号の方は、必要がある場合だけでは足りなくて、それでも本人の同意が得られないとき。意識不明とかそういうときが入るのは、恐らくまず問題はないんですけれども、そうではなくて本人がちょっと嫌だと言っているときも、全部できるかというような解釈は、かなり難しいなと私も思います。

○河崎構成員 追加でよろしいでしょうか。ここの論点に関しては、私ども精神科医療を提供している立場からしますと、今、事務局の方で整理をしていただいているような形で、医療法の中にもあるいは医師法の中にも基本となるような規定がございますし、わざわざ何かを設けなくてはというようなところの必要性に関しては、ないのではないかというふうに思っております。
 ただ、最後の検討が必要な論点というところの10ページ目の2つ目の○でしょうか。検討する必要があるとすれば云々というこのあたりに関しては、何らかの形でこういうような規定があれば、医療的な関わりからすると、私どもとするとスムーズな形の医療的な関わりができるのではないかなと思います。
 ただ、基本は御家族の方にどれだけ治療に協力していただくか。あるいは治療に参加していただくか。その観点をどういうふうに実現していくかという部分での、法整備であればいいんじゃないかなというふうに思っています。

○町野座長 広田構成員。

○広田構成員 この保護者規定の検討会に出ていると、私が精神医療の被害者になったのがわかったというくらい過去をずっと思い出させてくれるというか、思い出さないといけないというんですか。
 これを見ていると、家族が支援を受けるというのも含まれると入っているんですけれど、これだけ言われているということは、私の母は浮かばれると思います。本当に不適切な保護者だったと私だけではなく、私の父に対してもそうです。そのぐらい不適切な人でした。
 確かに精神科の患者だけでなく行政のある職員さんが、私とあるとき何人かで一緒に飲んでいたら、帰りに一緒になった。奥様ががんなので「私を支えてください」と寄っかかってきたから、私はそこで叱咤激励をした。「ふざけんな。あなたは立ちなさい」と怒鳴ったら、それ以後ピッとなったんです。そういうことってありますから、奥さんががんで私はどうしたらいいんだろうということを思い患っていたときに、別に精神疾患だけでなくて、その人の支え手というのが必要なんだけれど、じゃ異性である私が支えていたら、私がしっかりしているから不倫関係にはならないけれど、精神的な不倫関係になり得る場合が多々ある。これが精神疾患も同じ病気ではあると思います。
 私も去年、プライベートなことで、大騒ぎされて相手は誰かということで、3か月間病気になって多くの人に御迷惑をかけたんですけれど、そのときにわかりました。心配することが愛なのかどうか。それともうちの母のような心配性なのかどうか。これを医者が、私の場合ですとカルテに何回か書いているんです。心配性の母親だと。といいながら、母の愚痴を聞いて御自分が精神的に恋愛で悩んでおられたから、それで注射を打っちゃったという非常に人間的な話があります。
 そういう意味で考えると、保護者が健全なときとそれからそういうふうに精神的に揺れるとき。勿論、医者もそういうときがありますね。それと、なぜ家族に嫌がっている被害妄想なのかということ考えないと。配偶者の場合の保護者というと、不倫をされている方もいらっしゃるんです。不倫をされていて患者さんが入院をされているから、そういう形の方もいます。そうすると、ところが奥さんが入院させられていて、医者が男で、非常に如才ないだんなが来たりすると、医者はころっと参っちゃうんです。私なんかは見抜きます。これはもう被害妄想ではなくて、完全に奥様が言っていらっしゃることが背景にあって、こういうことになっているということで、精神科というのは、すぐに病識がないと結びつけるんですけれど、強力に本人が言っているときには洞察して、そういうふうに言っているのか。また過去のトラウマにとらわれているのかということで、それを打ち明けられたときに、信頼関係を結んでいただいて、丁寧に聞いていただきたいというふうに思います。
 基本的には、河崎先生も御存じのように、内閣府の非公開の打ち合わせをしたとき、叔父の緊急連絡先ということで2回呼び出されました。叔父を退院させるのにどうしたらいいか。人工呼吸ですから、「在宅酸素をつけなければ、生活できない」と。「先生、それを言ってくれたんですか」と言ったら、「これから言います」というわけです。「そうじゃなくて、本人にインフォームド・コンセントしてください」と言いました。他科でもそういうことがあります。
 私の相談は、徹底して本人の健康なところに光を当てて、可能性を信じたやりとりです。そうすると今まで出会った中で、100%誇大妄想の方が、何万人の中でお1人いらっしゃったけれども、あとはもう医者が音を上げて、家族が音を上げても大体意思の疎通ができるということです。前提はそういうことではないかと思います。よろしくお願いします。

○町野座長 他にいかがでしょうか。

○広田構成員 そういうときにそういうふうな、例えば家族が揺れている状態のときに何か判断したことを、私は母に生涯言ったことはありません。心配性の母、それも病気の一種ですから。そういう例えば家族が、御病気で判断を間違ったことを殊さらあげつらうことは、私自身戒めなければいけないということを、去年病気してしみじみわかりました。これは補足です。

○町野座長 広田構成員にお伺いしたいのですが、事務局の方で10ページにあります一番最後の○ですが、これは妥当なんでしょうか。「家族等は、精神障害者本人を支える存在であるだけでなく、支えられるべき存在であること」というのは。

○広田構成員 支えられるべきではなくて、支えないといけないときがあったでしょうという話を、さっきがんの方の、行政の職員の話をしたのと。私が去年プライベートなことで具合が悪くなったということで私は体験をしました。支え手が、それが患者の主治医であってはならないと私は思います。精神領域では本人の支え手と同じでは、それは間違いを起こしやすいと、私は思います。
 本当に家族が病気、うつ病のような感じで御相談に見えたときには、「お母さんは、御本人とは違う主治医にかかったらいかがですか」というアドバイスはしますけれど、かなり親子で同じ主治医にかかっている相談も受けます。つまり「息子のことを聞きたいために、主治医を同じにしている」と言っています。でもそれは「私は別個の主治医の方が、お互いの秘密が保てるし医者も混乱しないんじゃないですか」と言っています。
 支えられるべき存在、と言うより、支えを必要としている時もあるでしょうねというふうに思います。個人的な見解ですが。

○町野座長 今の点、野村構成員、いかがでしょうか。

○野村構成員 当然、支えられる存在です。

○町野座長 法律上にこれを明確に書く必要があるかどうかということで。

○野村構成員 法律上に書かれると、いろいろ大変なことが起きるかもしれませんね。簡単には答えられません。

○町野座長 良田構成員はいかがですか。

○良田構成員 法律上に書くべきかどうかというのは、ちょっと私今はわからないんですけれども、今の精神医療は、外来で、例えば1人入院の人がそのための診療に入ってしまうと他の患者さんがずっと待つということもあります。あまり時間をかけられないということもあります。入院時の診察というのは、手早くしないと大変なようです。先生もそうだし、他の患者さんもそうですし、待っている人も大変です。
 そういうところで何だかわからないうちに入院をしてしまって。家族に対してもあまり情報が得られない。本人は勿論病棟に連れていって、やれ、洋服に名前を書くだの何だのという話が始まってというふうにして、とりあえず入院をするという形になるんだと思います。私はその時家族というのは、病名を告げられたり、入院をするということでショックを受けたり動揺したりということが、あると思います。
 そういう家族の気持ちを、ケアするというのか、しっかりとした情報を与えるとか話を聞くとか、そういうことが、今はできない状況にあるのではないかと、私自身の体験からも思っています。
 ですから、法律上かどうかはわかりませんけれども、私は医療サービスか何のサービスになるのかわからないんですけれども、入院をしたりそれから診療を受けた人の家族や当事者に対しては、きちんとした情報提供とか精神的な個別的なケアというのはあっていいのではというか、欲しいと思います。だったらもっと家族と当事者の関係性は改善されるだろうし、治療もうまくいくのではないかというふうに思うんです。そういう意味で、家族を支援するということは、重要な要素になるのではないかというふうに、ひとつは思っています。
 もう一つ、全然関係ないんですけれど、現実的な問題として、本人だけが診察室に入って、親は全然行かないという人もたくさんいるわけです。本人が嫌だという人もいるし、1人で行けるからいいやと思って行かないというのもあると思うんですが、実際の診察室の中で見れる本人の生活状況というのは、そんなにわかるものではないと思うんです。
 障害年金とか手帳の診断書のときには非常に困ります。そのときになって、いきなり家族が困りごとを言うのは言いにくいものですから、後になって不支給になったとかそういう問題が出てきて、大問題になるということがあるんです。
 私は通院医療のあり方にもう少しゆとりがあって、しっかりと家族からも本人からも話が聞けるということと同時に、これは現実的にできるかどうかわかりませんけれども、例えば訪問看護に行っている人と外来との連携とか、あるいは訪問医療みたいなものがもしできたとしたら、そちらとの連携とか。とにかく行ってみれば一目瞭然なので、あまりいろいろ聞かなくてもわかるわけですから、そういう外来医療の充実というのがもう少しできないかなということを、つくづく感じます。

○町野座長 堀江構成員が先に手を挙げられましたので。

○堀江構成員 言いたいことをずっと我慢していたんですけれど、後でケアラーの報告があるものですから、そこで丁寧に短時間に言おうと思っています。
 要は家族は支える支えられる存在であり、支える存在なんですけれども、そこには今、良田さんもおっしゃっているように条件があります。きちんとした情報がお互いにあった上で、そこで支えたり支えられたりするのであって、全く情報のないところで、支えるの支えられないの、今の状態の中でどうだこうだというのは、ちょっと議論の詰め方に難点があるというふうに思いました。

○野村構成員 家族が支えられるということは、本当に新しい考え方だと思います。障害者権利条約では御本人の権利を守るためには、家族もしっかり支援されなければいけないということが書いてあると思いますが、あれを批准する方向になってくれば、当然、精神保健福祉法にもそのようなことが書かれてもいいのかなというふうに思います。今、考えましたところ、御本人のよりよい医療のためには、そのことを入れておいた方がいいのかなというふうに思いました。

○広田構成員 さっき良田さんが病名とか入院を告げられるときに家族がショックを起こすと言っていたんですけれども、そういうこともあって精神分裂病が統合失調症に変わったのかと思うんですけれども、それは、そのためのケアとか病名の告知に対して医療側が医者の側が、相手が負担に感じたりショックを受けないように、例えば統合失調症に変わったって何ですかと聞かれたら、やはり精神分裂病ですよと言う人がいっぱいいるわけです。病名が変わっても病気が治るわけではないから、患者側にとっては大してメリットはないんです。
 そういう中で100人に1人だったら、100人にかかる思春期ごろから発病するメジャーな病気で、そういう病気にかかりましたから、一緒にこれから治療をやりませんかというような先行きの展望を示すやり方が大事で、そのやり方を抜きにして病名とかということではないと思います。ですから患者に対する徹底したインフォームド・コンセントで御家族に対しても本人に対しても明るい。今の日本もそうです。明るくないじゃないですか、暗くて。明るい見通しを示すということをお願いしたいということと。
 私は家族の支援ということですと、横浜市で言って実現しても、実際には窓口が昼間だけだから何なんだと思っていますけれども、レスパイトケアだと思うんです。家族のための一時休息所、そういうものは必要だと思います。本人と家族を切り離す意味でも、一たん切り離してその関係が良好だったら、前のあり方検討会で、厚生労働省の中でやっていただいた、生活保護世帯じゃないところを世帯分離できるような形、そういう形に発展的に持っていくための、レスパイトケアだと思うんです。それを何でもかんでも法律に盛り込んで、支援が精神障害者に必要だということは、結局昼間の就労もそうでしたけれども、何でもかんでも重装備にするということは、精神障害者が当たり前の病気です。他の病気と同じです。理解してくださいと言っている側が、理解しないでくださいと。こんなに大変なんですよということですから、私は法律に盛り込む必要は、私も家族ですから。父親も精神障害者、叔父も精神障害者。兄弟にも患者がいますから、家族であり当事者ですけれども、私は家族のために、そんなものを設けることは、他の病気と区別することであって、私は反対です。

○町野座長 他に御意見がありますか。お願いします。

○磯部構成員 支えるか、支えられるかにつながるとは思うんですが、ただここでの問題は保護者という形で支えるべき存在であったと考えられていたのが、そうじゃなくていいんだというふうにしたときに、本当にそれで大丈夫かということを一度確認をしておきたいというふうに思いました。
 つまり7ページのところで、通常の家族等の位置付けでベースは等しく考えても、問題なかろうということは、それで私も同意はするんですが、やはり診断の客観性を担保するという観点から、身近な情報が特に重要だと。しかし協力が得られにくい場合もあるというこの相克状況で、やはり保護者に協力する義務があるというようなことがあることが、実際には診療上役に立つというようなものなのか、そうでないのかということは、少し気になります。
 その後の8ページから先もいろいろ書いてあって、本人がその気であったり、家族が能動的に関わりを持とうとしたりという場合であればいいということは書いてあるわけですけれども、家族が積極的に協力したくないというふうなことを言われてしまうことはないか。もしそういうときに、何か取り返しがつかないようなことはないのか。それをあるいは支えるために、今までの保護者制度は、場合によってはきいていたという面が、本当にないのかというようなことを確認として聞いてみたいというふうに思ったんですけれど、ちょっと抽象的な質問で恐縮なんですが、お医者様に聞くべきことかちょっと。

○町野座長 家族の方とか。これまでの議論では、恐らく法律の上で義務を規定しても、あまり意味がないのではないだろうかというようなそれが強くて、法律上の義務を取ったとしても大丈夫じゃないだろうかという議論になったわけですけれども、基本的な点について本当にそうなのかを確認しておきたいという御趣旨だろうと思います。この点について、良田構成員、お願いします。

○良田構成員 私は法律で書かれてあってもなくても、熱心な方は熱心だし、熱心じゃない方は熱心じゃないと思うんです。ですから、法律で幾ら書いても、意味がありません。法律で書くということは、ただ重荷を背負わせるだけで何の意味もないと思います。逆に言ってみれば、もっと自由な立場で家族が関われるような環境とかドクターの関わりを持てるようなお互いの信頼関係とか、そういうものが当事者にとっては必要なわけですから、法律の問題では全然ないというふうに思っています。

○白石構成員 遅れてきて申し訳ございません。保護者の義務の規定を取ったときに、問題が起こるかどうかということですけれども、先ほど御説明していただいた医療法に書かれている家族の規定で済まないのかどうかという検討ではないかというふうに思います。
 5ページにこういうふうに取り出して見せていただいているので、非常にわかりやすいんですけれども、家族という言葉と保護者という言葉が、使い分けられているというふうに思います。勿論ここでいう保護者というのは、精神保健福祉法の保護者以外のものも含むというふうに思われますけれども、家族一般に対して、6条の2の第2項がうまく適用されるのであれば、通常の一般の診療で困ることはないし、精神科の方でも困ることは恐らくないのではないかと思います。
 義務で言いたくないのを無理に言わせるということが、保護者の趣旨では当然ないと私は思いますし、今むしろ問題なのは、先ほど良田構成員がおっしゃいましたように、家族が臨床の場から締め出されるといいますか。あまり治療に関わらせてもらっていないという、そういう不安なり不満があることではないかと思います。
 その1つの理由は、個人情報の保護ということが、法律でうたわれて以来の傾向ではないかと思うんですけれども、ある情報を受け取ることまでは、個人情報の保護というのは制限していないと私は思うのですが、既に家族に会うことから、個人情報の保護に反しているというふうに考えてしまうとすると、家族に会うこと自体がよくないことだというような解釈がなされるのではないか。そういう余地があるのではないか。でもこの医療法に書いてあるように、会うこと自体はむしろ、相談に適切に応ずるよう努めなければならないと書いてあるので、これは本来は医療の側でやるべきことなわけです。個人情報の保護にのっとって問題が起きないように配慮するのは、医療側に求められていることだと思います。
 そういう流れの中で、積極的に関わりたいという家族の情報を医療の側が受けるような仕組みというのがあり、逆に指導とかなんかというときには保護者という枠を使って、23条できちんとをやるという、そこの書き分けが医療法でなされていると思います。ですから、今ここで議論をしている保護者の義務というものを取っても、私は特段、問題はないと思います。
 一つ法律家の先生や厚労省の御意見を伺いたいのは、そういう家族の位置付けに関して、例えば医療法6条2の第2項の最後の方です。「患者又はその家族からの相談に」というのは、家族の独立性、主体性を認めている書きぶりになっていると思います。それに対して5ページの同じ上の方ですね。精神保健福祉法の47条とか48条の場合は、「精神障害者及びその家族等」となっているわけです。一方は、「又は」というふうなつながりで、ある程度独立した存在として関わり合うことが認められているように見え、一方は「及び」となっていることで、何らかの差異が生じるのかどうかというあたりのところは、少し考える余地があると思います。
 私はこの条文ができたときに家族の方が、御本人の意思に必ずしもよらなくても、相談を受けることは保証するという、そういう意味合いがあったのではないかというふうに思うので、それがこの「及び」でそういう精神が生きているのかどうかということは、確認しておいていただければというふうに思います。以上です。

○町野座長 今ので、事務局から何かありますか。

○本後課長補佐 ちょっとお待ちください。

○町野座長 それでは、その時間を利用というか。

○磯部構成員 質問といいますか、私がコメントしたことにお答えいただきありがとうございました。ここでの保護義務というのは、昔から国家に対する公法上の義務であるという説明の仕方をしてきたものを、やはり通常の医療の一般の家族のそれと考えをベースに考えるというのは大きな思想の転換なので、慎重に考えたくなったということでしたけれども、むしろ主たる論点がそちらの御指摘のようなところにあるということは、私も理解しましたので、ありがとうございました。

○町野座長 よろしいですか。それともさっきのにお答えになりますか。

○本後課長補佐 先ほどの御質問ですけれども、これはちょっと異なる法律であるということもありますので、「及び」というところと「又は」というところで明確に使い分けがなされているかどうかというのは、ちょっと判然としないところであります。ただ、この「精神障害者及びその家族等からの相談に応じさせ」なければいけないというこの規定を設けたときの趣旨としては、従来であれば、先ほども御説明したとおり、措置の関係の引取りとその保護者という位置付けだったのを、本人と家族という形でいわば幅広く相談指導をする。相談を受けて指導するという対象にするということでありますので、これは基本的には家族という立場で家族として相談をする。あるいは、それに答えていただくということも十分想定に入れた上での改正であっただろうというふうに考えております。

○町野座長 ありがとうございました。これは確かによくわからないんですけれども、感じとしては、精神保健福祉法の方は、どうも精神障害者と家族とセットになって考えている。そういうニュアンスですよね。白石構成員がおっしゃったとおり、医療法の方は、患者と家族をそれぞれ別々に考えている。そういうニュアンスの差はあるだろうという感じはいたしますけれども、これは単純に感想だけでございます。
 そこで、堀江構成員の方から提供いただいています、「ケアラーへの支援がよいケアにつながります」というこれについて、若干御説明をいただけますか。

○堀江構成員 耳新しいケアラーという言葉を使っています。介護者というと、介護保険の方で高齢者の問題かというふうに限定されて受け止められるので、家族など無償の介護者全体をケアラーという言葉を使いました。
 いろんな意図があって調査をいたしました。2万世帯の調査をして1万世帯の回答を得ました。地域の中で精神疾患の方、知的または身体障害、また引きこもりの方、認知症の方とかいろいろな方たちがいてその方々を介護している人たちがどのくらいいるのかという調査をしてみました。
 国のデータでは1割程度と言われていますけれど、実際は2割。家族の単位が小さくなってきていますから、当然家族はこうした現実をしょうわけですから、かなり負担が大きい。
 報告書は260ページにおよびますが、簡易なパンフをつくりましてケアラーの存在を国民各層に普及しようと思っています。
 内容を一部紹介しますと、ケアラーの約半数が身体的不調を訴え、そのうち7割は受診しています。心の問題の方になりますと、まず3割の方が不調を訴えていても受診する方はそのうちのまた3割ということで、身体の不調はやむを得ず対応するけれども、心のことは後回しです。
 高齢者の認知症の方たちのデータですと、6割以上の方は地域に信頼している、相談できる人、行政の窓口があるというふうに答えています。6割です。しかしそれ以外の障害の介護者の方たちは、孤立感が高い。認知症の方たちが信頼関係について高いというのは、介護保険以来の国の政策がしっかり根づいてきていることと分析できます。だから6割の方たちは地域に信頼できる人がいる。ところが、そういうものがなければ、信頼できる人がいないというのは当たり前のことだと。それは政策を考える上でポイントだと思っています。
 このパンフレットは全体像しか出していませんが、調査報告書の方から少し精神疾患の介護者の問題に絞って要点だけを言っておきます。精神疾患のケアラーの方たちは自らの健康だという回答は低いです。それから精神疾患のケアラーと依存症、知的障害の方たちをケアしている方たちは、相手をしている時間が他に比べて長いです。それから睡眠中断も多いです。精神疾患と知的病気を持つ子どもの育児、この方たちは家庭が成り立ちにくくなっているという悲鳴のような声が高い。危険水域の方が多いです。精神疾患と知的依存症は、孤立感がとても強いです。サポート体制の整備というのが非常に強く求められている。
 病気の子どもや、精神障害の介護者は、自分自身のことよりも、子どもへの不安、将来への不安、悩み、それから進学や兄弟に対する影響、こういったもので悩んでいます。一度で言えば、精神疾患のケアラーの方たちは、他に比べてヘビーな体験をしているというのが、このデータから出てまいりました。
 とても大事なことは、パンフの6ページに書いておきましたけれども、ケアラー自身への支援策と、それからケアをしている相手に対する日常的な、または緊急時の支援策を求めています。いわば本人と家族と両方をともに心配している。レスパイトとか、手当てとかがないわけではないのですが、それよりも高いのは、やはり両方、当事者のことも何とかしてほしいんだ。その心配と自分たちがとても耐えられない状態にいるということの両方がある。その支援を求めているということが出てきました。これは報告です。この結果から支援策について2点だけ言わせてください。
 そのうち1つは、入院等の医療機関に対する情報です。もう一つは、疾患の情報です。医療機関に対する情報を強く求めているんですが、それは今までさんざん言われているように、結局、精神科特例があって、他科に比べて少ない医師と看護師たちで病院が運営されていることを知らずに入院してくる。そこで他の総合科に入院していたらこんなことはないのに、こんなところに入れられるのかという、そういう衝撃を受けている方たちが多い。そういう意味では、医療機関に対する情報というのは、家族会等にもどんどん問い合わせが来ますけれども、でも答えようがないというのがありまして、そういう意味で、精神科の医療機関の水準を一般病院並みにしてほしいという期待があります。
 それから精神疾患の情報です。4〜5年ぐらい前から随分精神疾患についての情報というのが変わってきて、私どもがした他の調査で、9割の人たちが精神疾患のことを知らずに精神疾患の当事者とぶつかるという。そういうことから、広田さんが言われるように、親が敵になったりするという不幸な事態が起こる。家族は全然情報を知らないところから家族の精神疾患の症状に直面するのです。私たちはいま、世田谷の地元で検討会をやっているんです。その中で一般医たちに、内科、小児科の医師たちに、地域で精神疾患症状があらわれたとき、幻聴、幻覚、妄想というふうに限定していますが、幻聴、幻覚、妄想があったときに、それを直ちに精神科の専門医療機関に渡すのではなくて、なぜ小児科、内科でやらないのだろうかということを議論しています。
 今まで精神科医以外がそういう勉強をしてこなかったということはわかるけれども、これから先は、これだけ増えている精神疾患症状を持つ患者さんたちのことを考えれば、まず、幻聴、幻覚、妄想の症状があらわれるのは、いわば発熱と同じだ。発熱をした人に対して、熱冷ましの薬を飲ませるのか、それともその前に、こういうことは自然治癒力でもっとストレスが低くなれば何とかなるから少し休んでみたらとか、いろんな考え方があるわけです。それを地元の地域の内科、小児科医が真剣に対処するべきではないか。そのための再研修をすべきではないか。そうやって地域そのものが、精神失調を来たし始めていても、普通に受け止められる。そういう保健医療環境が形成されるべきではないか。そういう情報提供を小学校、中学校の段階でも取り組むべきだ。同じように家族たちにもそういう最新・最適の情報を教えてほしい。この3つのセットで、今精神保健を地元の地域で充実させていくことが必要で、こうした政策に取り組めば、家族も当事者との間に不幸な関係をつくらないで、よりいい関係ができていくのではないか、そういうふうに思っています。今回の調査でわかったことです。以上です。

○町野座長 ありがとうございました。かなりいろいろあると思いますけれど、結局保護者というタイトルを取った家族が正面に出てこざるを得なくなるということになって、それは、1つは、先ほど磯部構成員も言われましたとおり、旧精神病者看護法のそれを引き継いでおりました保護者の規定、公法上の義務というのは、その当時の教科書というか注釈書に出ているようなそれが、完全にもうこれで要するに医療の場面が変わったという話だろうと思います。
 そしてそのところで見たときに一つの問題というのは、今お話のあったケアラーの問題をもうちょっと考慮する必要があるのではないだろうか。それは皆さん全て同意されるだろうと思います。ただ、それを法律の上で、例えばどこかに明文で規定するかどうかについては、若干の議論が出てくるというところだろうと思います。
 それ以外に、もう一つの問題は、個人情報保護の問題なんですが、それは事務局が整理されましたように、大体これは大丈夫じゃないだろうかと。少なくともこれが個人情報保護法がネックになるということ、つまり保護者の規定があったときについては、保護者はこういう義務を持っているから、情報提供を受けたり提供したりするのは当然の権利であるということが言えたわけですが、それがなくなったとき大丈夫だろうかという危惧は、勿論多くの人が持つところなんだけれども、これは大丈夫だろうという話で、医療法6条の2の第2項とか医師法23条の一般的規定というのがあって、これでOKだろうと。
 そして、それ以外に最高裁の判例というのは,先ほど引かれましたのは、個人情報保護法が施行される前の判例なんです。最高裁の判例は、この前にはもう一つ家族に対するがん告知についてのそれもありました。その判例自体は、本人及び家族についてなんですけれども、本人にも家族にも言わなかったことが、不法行為になるんじゃないかということが争われた規定で、それはなりませんよと、言わなくてもいい場合もありますということを言ったんですが、その次の事件では、本人に言わなくても家族には言わなくては不法行為になりますというのが、先ほど紹介された判例なんです。
 このように診療契約上の義務ということで、最高裁は言ったわけですけれども、現在のところでは、これらの診療契約上の義務という言葉を使うよりはむしろ個人情報保護法の規定する法令のうちの一つにこれらが当たると、医療法上の義務とか医師法上の義務です。それに当たるということで、これはもう問題はないだろうと。家族の側が本人の情報を相手に与えるということも、これは、本人の医療及び保護について必要であって、その解釈については、いろいろ議論がありますけれども、本人の同意を得ることが非常に困難な場合に含まれるからこれも問題ないだろうということで、これらの点には問題はないという話だろうという具合になります。
 そうすると、先ほどのような,それでは家族の立場を法律上はっきりさせる必要があるか。これについてはまだ議論の余地はあるだろうという話だろうと思います。他方では更に、精神障害者の…。

○広田構成員 後で、少し意見いいですか。

○町野座長 これが終わったところで、一言お願いします。
 精神障害者の診察に当たっては、医師は家族の協力を求めることができる旨を規定するというのは、かなりこれがあった方がやはりやりやすいのではないかというような御議論があったという具合に了解しております。
 どうぞ。

○広田構成員 堀江さんに一言、勘違いされているから。うちの家族が精神疾患のことを理解していれば、私の被害が防げたという話ではないんです。私の主治医が、今度、チョゴリを着てきますが、自分で手縫いでつくったものですけれど。私の主治医が、10歳年下の韓国の男性と私が恋愛していたことを、恋愛妄想ととらえた。それで心配性の母親が、自分の心配を主治医にも相談にいっている中で私の話をしているわけです。
 そういう中で、さっきお話ししたように、御自分が恋愛をしていて、そのことで悩み、私のことで悩んでいるうちに注射を打ったと、こういうことで、それを22年8か月ぶりに去年の11月22日に共同通信の厚生労働省記者クラブの若手記者の前で、そこの病院の責任者が、「不適切な医療だった、御迷惑をおかけしました」ということが、謝罪を受けて、私はここで言ったと思いますけれども、広田和子にとっては、これまで多くの精神科医が、「医療ミスの注射だった」と。主治医本人も「ミスでした」と言いました。そして「誤診だった」というふうに言われているわけです。
 私にとっては小さな一歩だけれども、日本の精神障害者、とりわけ精神医療の被害者、誤診だけではなく、つらい体験をした人を含めて、そういう人も含めて大きな前進であってほしいということは、何も学校教育の中で精神疾患を学ぶということではありません。
 私はいろんな相談を受けている。解決していますけれど、全部相手の方の症状に光を当てるのではなく、御本人の持つ健康度と可能性にかけて、食べて眠れていればいいということで、今度精神障害者リハビリテーション学会に頼まれて、8,000字の原稿を書いていますが、100%オウムの被害妄想の84歳の方を6か月間うちに泊めたんです。そのことと信頼というテーマと大事なのは環境ですということで、できましたらここで配らせていただきますけれど、そういうことで、ここに書いてあることについて、今日は論議はしませんけれど、そういうことではないということを堀江さんに、広田さんは違いますということです。

○堀江構成員 広田さんが、医師の誤診によって、されたということは、僕は十分何度も聞いて、その点は誤解はありません。
 それからおっしゃっている中で、御家族との関係の不幸な状況というのは、御家族の方も情報をほとんど知らないままで、ずっと直面したという、そういうことがあるのではないんですか。またはそういう意味であなた自身もおっしゃっていることですね。そのことを確認しただけのことですから、その意味では何の違和感もないです。

○広田構成員 ここは大事なところです。要するに家族に情報を出す必要はないんです。私の心配性の母に。私の母が医者のところに行ったことが失敗のもとなんです。弟が行っていれば失敗はしなかった。「裁判で訴えてやるぞ」と叫んだぐらいですから。それを心配性の母親が行って愚痴るから、御自分のプライベートな問題で心配を抱えていた主治医が、心配性の母親の愚痴を聞いて注射を打ったということです。それはもう本当に三吉劇場でやれるくらいの。あの光景をはっきり覚えています。
 私は健康な部分を見てそして可能性を信じる。いっぱい事例がありますから、いろんな若者の話が、ただ、ここでは時間がないからやめますけれど、そういうことです。私は、被害者を増やしたくないだけです。

○堀江構成員 一言だけ。

○町野座長 じゃ10秒ぐらいでお願いできますか。

○堀江構成員 じゃ10秒じゃ無理だ。

○町野座長 じゃ済みません。私はお2人の議論を聞いていてわかるところもあり、わからないところもまだ十分ありますので、またちょっと後でこの議論をさせていただきたいと思います。何だったらこの後、番外でも私は結構でございますけれども、よろしくお願いいたします。
 やはり、この法律をどうするかという。今のような議論。現在は現行法上問題はないし、このままでいいだろうと、あるいは少し何か各規定を、そういう議論はあるけれども、堀江構成員が言われたし、広田構成員との間の御議論の中にも出てまいりましたように、やはり問題は、みんなが要するに意思の疎通がおかしくなくなってくれればいいので、それがまず基盤がなければ、ほとんど意味がないというのは、まさにお2人のおっしゃるところだろうという具合に思います。
 次にもう5分しかありませんけれども、どのようにいたしましょうか。次に入りましょうか。それとも。

○本後課長補佐 さすがに御議論をいただくのはあれなので、さわりだけ概略だけ説明を2分ぐらいでさせていただければ。

○町野座長 ではその前に1分使わせていただいてよろしいでしょうか。
 つまり、ここから先、「入院時の強制医療介入の在り方」というところに入るんですが、これが意味としては入院中の医療のあり方、本人の同意の問題なんですが、どうしてこれを議論するかというと、最終的には医療保護入院の、保護者の同意によって入院させることができるという制度をどうするかということに関わってくるわけです。これは全般的な医療の提供そのものについて、誰の意思を尊重すべきか。そしてそれによって決定すべきかという問題なので、この一般論の中でまず御議論をいただくという話で、それで事務局の方にお願いをするということで、よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐 資料11ページ目からが、「入院時の強制医療介入の在り方」ということですけれども、ここは閣議決定の中で強制入院と並んで強制医療介入の問題についても、検討すべきというふうにされているところであります。12ページをお開きいただければと思います。
 上のところに、入院そのものについては、同意によらない入院の手続きとして、措置入院、医療保護入院が法定されている。これに対して個々の治療行為については、同意によらない治療行為の手続きが定められているわけではない。
 現行上は、医療の必要性があるから、措置入院のような強制入院の下で治療が行われているので、同意を得られないということだけをもって治療を行わないことは、本人の利益に反するという考え方から、そういったことになっているのであろうと。
 一方で、措置入院のような強制入院のもとでは、より人権的な配慮に基づいた手続きが必要という、こういった意見もありまして、閣議決定はどちらかというと、そういった問題意識から盛り込まれているものであります。
 細かい説明は次回にさせていただきますが、この点について、平成17年に施行された医療観察法の中では、同意によらない治療ということに関して、倫理会議という手続きを設けたり、事前あるいは事後の評価という手続きをかなり細かに規定しております。この議論の中では、14ページに書いてございますけれども、こういった医療観察法の手続きを一般医療にも導入すべきという議論がある中で、メリット、デメリットを整理した上でどうするかということを、御検討いただければというふうに考えております。
 メリットとしては、外部の方の目が入るということになりますので、第三者的、客観的な観点が担保される。一方デメリットとしては、手続きをかなり詳細に規定しておりますので、治療を行うまでに時間を要する場合がある。入院期間が長くなる可能性があるといったことがあるのではないかということでございます。
 検討が必要な論点ということで、最後の15ページですけれども、措置入院において、入院そのものについてだけでなく、同意によらない治療を行う場合に、何らかの手続きを設ける必要があるのではないか。そのメリット、デメリットを踏まえた上で、具体的にどのような手続きを設けることが適当かということについて御意見を次回ちょうだいできればというふうに考えております。

○町野座長 ありがとうございました。白石先生、10秒で何か。

○白石構成員 20秒ぐらい。今、堀江さんがお話しされたことについて、私なりの理解を申し上げますと、家族が、身内に病気の人がいるときに、そのケアをするのは当たり前のことなわけです。当たり前の感情とそれにもう一つ、家族は扶養の義務によって縛られているという、その両方の側面があると思います。
 今、議論をしている保護者の制度というのは、成人の場合には扶養の義務を背景にして成立しているということで、保護者の制度云々とは別に、扶養の義務に対してどう扱うかというその問題が出てくると思うんですが、民法の、私は法律の先生の前でこんなことを言うのはあれですけれども、そこを今どうこうという議論の場ではないと思います。結局お金がなければ生活保護というのと同じように、例えば介護は社会化というようなことで進めている。その流れをどんどん家族の人たちが望むようにしていくというのが、今、堀江さんがおっしゃったことの解決法になるのではないか。
 保護者の義務の議論とは、少し次元の違うところで解決を目指せるのではないか。そういうふうに思いました。

○町野座長 どうもいろいろと、司会の不手際でうまくいきませんで、申し訳ございませんでした。そういたしますと、事務局の方から今後の予定について、ちょっと時間をオーバーしておりますけれども、よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐 次回の作業チームにつきましては、現在最終の調整を行っているところですけれども、皆様の確認させていただきますと、7月27日水曜日、予定ですと18時ですが、場合によってはもう少し遅らせるかもしれません。ここは調整中でございます。
 一応日程としては7月27日水曜日の18時から、場所は12階の専用第12会議室を予定いたしております。
 本日の引き続きの御議論をお願いしたいというふうに思っておりますとともに、もう一つ論点として残っておりますが、治療へアクセスする権利の保障のあり方というものがテーマとして残っておりますので、そちらにも入れればというふうに思っております。
 また、7月ということで大変暑くなってまいります。厚生労働省ではスーパークールビズを励行しておりますので、皆様も是非軽装で御出席くださいますよう、よろしくお願いいたします。

○河崎構成員 1点確認、3秒で終わります。今の7月27日6時からというのは、後に云々というのは、時間が遅くなるという意味ですか、あるいは7月27日という日程が遅くなるという意味ですか。

○本後課長補佐 失礼しました。開始時間が場合によっては、18時30分からかもしれない。先生方の日程の関係でございますので、そこは最終的に調整を。遅くとも開始時間が18時30分でございます。20時30分まで。

○町野座長 18時30分から開始しても20時30分までという話になるわけですね。
 次回はいろいろ盛りだくさんで、今日も退院の請求の権者について、まだ議論が整理されていないところがありますから、それを若干整備して御議論いただく。それから次にかなり盛りだくさんのところがありますけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは今日は遅くまで時間をオーバーいたしまして、どうも大変ありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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