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2011年2月24日 第15回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年2月24日(木) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

新垣構成員、小川構成員、河崎構成員、田尾構成員、高木構成員、中島構成員、
長野構成員、西田構成員、野村構成員、広田構成員、福田構成員、堀江構成員
小杉構成員、山田構成員 (ピアスピーカー)
磯部構成員、久保野構成員、白石構成員、町野構成員 (法律等アドバイザー)

○議題

(1) 保護者制度について
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第15回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 本検討チームは公開のため、検討チームでの審議内容は、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定ですので、あらかじめ御了解くださいますようお願いいたします。
 また、本日の構成員の出欠状況でございますが、岡崎構成員、佐久間構成員、野澤構成員から御欠席との御連絡をいただいております。
 それでは、早速ですが、議事の方に入らせていただきます。
 本日の検討チームは、保護者制度について検討していただくわけですが、昨年11月25日開催の第13回の検討チームの中でも御説明いたしましたが、保護者制度、入院制度につきましては、テーマが専門的であることから、検討チームでの御議論をいただくために、論点を整理するため、作業チームを設置いたしております。本年1月から2月の間に3回作業チームを開催し、保護者制度に関する法律の個別規定一つひとつにつきまして、論点の洗い出しを行ってまいりました。
 具体的には、医療保護入院は入院なので、この部分はまた別の機会に議論をするということで、この部分を除きまして、残りの7つ、具体的には、医療に関する義務、これは治療を受けさせる義務、医師に協力する義務、医師の指示に従う義務。
 2つ目として、財産上の利益を保護する義務。
 3つ目として、回復した措置入院患者等を引き取る義務と、相談し、必要な援助を求める権利。
 4番目として、退院請求等、請求する権利といった観点からまとめ、議論をしてまいりました。
 これらの規定につきまして、作業チームでの議論を踏まえ、論点をまとめ、まずは、本日、事務局から御説明をさせていただきます。
 説明に当たっては、作業チームの座長も務めていただいております。町野構成員からも事務局の説明の都度、また、補足をいただきながら進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、まとめて、今、申し上げました幾つかの点について説明をさせていただいた後に、意見交換を行うという形で議論を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まずは資料の説明を事務局からお願いします。

○本後課長補佐 それでは、まず、資料の御説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料「保護者制度の見直しについての論点」という資料をご覧ください。
 この論点の資料ですけれども、先ほど課長の方から御説明がありましたとおり、検討チームで、この場での議論に資するために、1月7日、それから20日、2月9日に行われた作業チームで御検討いただきました内容を基にまとめたものでございます。
 医療保護入院に同意することに関しましては、入院制度の中で追って検討するということにしておりますので、今回の検討の論点には含まれておりません。
 まず、最初、現行制度についてでございます。現行の保護者の制度、どういう制度かということですけれども、これは精神保健福祉法の詳解の中の文章でありますけれども、精神障害者に必要な医療を受けさせ、財産上の保護を行うなど、患者の生活行動一般における保護の任に当たらせるために設けられた制度ということでございます。
 全部で8項目について規定をされておりまして、22条の関係で、22条の第1項、治療を受けさせる義務。
 22条の第2項、医師の診断に協力する義務。
 22条の第3項、医師の指示に従う義務。
 それで、22条の第1項の一部であります財産上の利益を保護する義務。
 回復した措置入院患者等を引き取る義務。引き取りの際に、精神病院の管理者あるいは精神障害者社会復帰施設の長に相談し、必要な援助を求めること。
 退院請求等の請求をすること。
 もう一つは、医療保護入院の同意をすること。この8項目がございます。
 本日、御用意した論点は、(マル1)、(マル2)、(マル3)をまとめて、医療に関する義務として論点でまとめてございます。
 それから、(マル4)番の財産上の利益を保護する義務。これが大きな2つ目。
 (マル5)と(マル6)の引き取り義務と、その際に相談援助を求めると、これが大きな3番目の義務。
 それから、退院請求という、この4つの大きな項目で論点を整理させていただいております。
 それで、保護者になり得る人とその順位ということにつきましては、これも法律の中で規定がされております。第1順位にある人が、後見人または保佐人。
 第2順位が、配偶者。
 第3順位が、親権を行う者。
 第4順位が、扶養義務者のうちから家庭裁判所が選任した者ということになっておりまして、基本的には、保護者の任を行う人は、この順位の高い人、誰か1人が行うという形になってございます。
 2ページ目は、参考として現在の条文を載せております。全体の説明は、以上なんですけれども、ここからは個別の義務規定、先ほどの大きなくくりに沿いまして、まとめた論点を御説明したいと思います。
 まず、3ページ目ですけれども、医療に関する義務規定についてということで、治療を受けさせる義務と、医師に協力する義務、医師の指示に従う義務、この3つについてでございます。
 治療を受けさせる義務については、保護者は、精神障害者に治療を受けさせなければならないという規定がございます。
 この中に括弧書きがありますけれども、任意入院及び病院または診療所に入院しないで行われる精神障害の医療を継続して受けている者を除くということで、任意入院の方と通院など、医療を継続して受けている方は、この対象からは除かれております。
 したがいまして、措置入院あるいは医療保護入院あるいは治療中断になっている方、そういう方が対象になるのであろうと考えられます。
 医師に協力する義務につきましては、精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力しなければならない。
医師の指示に従う義務につきましては、精神障害者に医療を受けさせるに当たっては、医師の指示に従わなければならないという義務が定められております。
 これらの規定につきまして、大きく現在の規定をどうするかという論点と、作業チームの中では、十分議論の整理ができていない論点。
 具体的には、もし、廃止するのであれば、その場合にどうするかというところの論点について、大きく分けて整理をしております。
 まず、1つ目は、規定の存廃に関する論点というところでございます。これらの義務規定につきましては、昭和25年の制定当初、精神病者監護法における私宅監置、いわゆる座敷牢を廃止して、適切に医療機関につなげるために設けられたものと考えられるところ、そうした時代背景のない現在においては、具体的な意義を失っているのではないかということでございます。
 個々の義務規定について見ますと、治療を受けさせる義務につきましては、通常、保護者から医療的な観点から治療を受けさせる必要があるかどうかを判断することは極めて困難である。この規定では、治療を受けさせる必要のある病状や行動の具体的な内容まで規定されているわけではない。義務の内容が必ずしも明確になっていないのではないかということが1点です。
 2点目は、保護者が本人に治療を勧めるのは、本人に早く治療をしてもらって回復してほしい、あるいは悪化して他害につながることを防ぐという気持ちからであって、そういったことを、敢えて法定の義務として規定することは適切かどうかということでございます。
 3点目が、保護者の全てが精神障害者と身近に生活をしているわけではない。保護者のみが治療を受けさせなければならない義務を負うことは、現実にそぐわないのではないか。
 4点目が、保健所は、現にこの規定をよりどころに保護者に受診を勧めることはあるけれども、この規定があるからといって、受診を拒否している人が受診に応じるわけではないのではないかということでまとめております。
 それから、医師に協力する義務というところでございます。
 1つ目は、診断は、本来、本人と医師との関係で行われることが基本ではないか。
 診断に当たり、医師が本人だけではなく周囲の人から情報を収集しようとする場合、本人のことをよく知っている人が必ずしも保護者だとは限らないのではないか。
 本人と保護者の関係が様々であることも踏まえると、保護者を診断に参加させることが適切ではない場合もあるのではないか。
 こうした診療現場における実際の対応に関することは、法律によって定めることはなじまないのではないか。もう少しソフトな形で定めるということはあるにしても、法律で定めるということにはなじまないのではないかということでございます。
 医師の指示に従う義務につきましては、本規定では、保護者がどのような事項に関して医師の指示に従うことが求められているのか明確ではない。
 それから、現在において、医療はインフォームド・コンセントや治療計画に基づいて行われるのが原則であるという中で、この規定があるということで、薬物療法を含むいかなる治療行為について、本人の意思に反してでも行われるということを認めていると解するのは難しいのではないか。
 5ページ目ですけれども、治療が円滑に行われるためには、医師と本人、家族が信頼関係を築くことは有効であるが、実際にはそのようにならない場合もあり、そうした診療現場における実際の対応に関することを保護者に対する義務規定として法律によって定めることは適当ではないのではないか。
 以上の個々の論点ごとにまとめた論点を踏まえますと、保護者にのみ義務を課すことは適当ではなく、保護者の義務規定として存置する必要はないのではないかというふうに論点をまとめてございます。
 一方で、治療を受けさせる義務につきましては、選任された1人の保護者、先ほど保護者の選任のところで、基本的には順位の高い1人が行うということを申し上げましたけれども、選任された1人の保護者にのみ、この義務を課すことによって、その保護者以外の保護者になり得る様々な人から治療を受けさせるということを強要されることを防いでいるという考え方もあるけれども、どう考えるかということを論点として挙げてございます。
 それから、論点に関連しまして、民法の規定との関係も少し作業チームの中で議論をいただきましたので、それもまとめてございます。
 医療を受けさせる義務につきましては、民法上の監督義務者の損害賠償責任との関係についてということが問題になります。
 民法の713条ですと、精神上の障害により責任を弁識する能力を欠く人については、賠償の責任を負わないという規定がございます。
 それに対して、714条で、責任無能力者が責任を負わない場合には、その責任無能力者を監督する法定の義務を負うものは、第三者に加えた損害を賠償する責任を負うと、こういう規定がございます。
 6ページ目ですけれども、従来からの解釈でいきますと、保護者は監督する法定の義務を負う者として責任を負うというふうにされてきておりますが、平成11年の改正で、自傷他害防止義務が削除されております。それ以降、法定の監督義務者に該当するかについては、議論はあり得るところでありまして、裁判例においては、保護者に選任されていない近親者等に監督責任を負わせているものもありますけれども、ただ、その根底には、保護者であれば、どうこの責任を負うという考え方が根底にあるのではないか。
 民法上、父母などの近親者は、一般的な不法行為責任、これは709条に定められております。この責任を負う場合は別として、父母などの地位にあること自体を根拠として損害賠償責任を課されることはないというのが民法の原則でありますので、自傷他害防止監督義務に加えて、この治療を受けさせる義務というところが、もし、なくなるということでありますと、父母等が損害賠償の責任を課されるというケースは限定されるのではないかと整理をいたしております。
 作業チームで、これらの現在の規定の存廃についてという論点とは別に、作業チームでまだ十分に整理できていない論点がございますので、そこについてもまとめてございます。
 3点ありまして、1点目は、これらの規定については、本人が治療を受けることによって早期に回復ができるという利益、言わば医療にアクセスする利益を保護しているとも考えられるわけですが、本人が治療を受けなくてもよいという権利と相反する場合もある。病識が乏しいという精神障害の特性を踏まえると、治療によって得られる本人の利益を何らかの形で保護する必要があるかどうか。保護する必要があるとすれば、どういう形で保護するかという論点があろうかと思います。
 2点目は、では、御家族など保護者の位置づけをどう考えるかということでございます。今までの保護者の規定ですと、保護者が本人の診療に関わることができることが前提となっているわけですけれども、本人のプライバシーの観点から考えると、本人が保護者に診療に関わることを拒むという権利があるとも考えられます。
 この規定を削除した場合に、保護者が診療に関わらなくてもいい、あるいは保護者の支えが必要な場合であっても、診断、診療の過程に関わることができないといった印象を与えることにならないだろうか。あるいは、保護者はむしろ支援されるべき立場だという御意見もございました。診療における保護者の立場を何らかの形で位置づける必要はないかということも論点として挙げられます。
 なお、医師法の23条においては、医師の責務として診療したときには、本人またはその保護者に対し、必要な事項の指導をしなければならないという規定がございます。
 この保護者というのは、一般的な意味での、定義なく使われている保護者でありますけれども、医師法においては、こういう規定があるということでございます。
 3点目が、医師の指示に従うという義務が、本人の意思に反するような治療行為に対してまで保護者が行わなければならないことを認めているというわけではないにしても、そのような本人の意思に反するような治療行為についてどう考えるかということは検討する必要があるのではないかということでございます。
 これは、昨年の6月の閣議決定の中で強制入院の在り方と併せて、強制医療介入についても検討すべきというふうにされたところに該当するところだと思われます。
 医療に関する義務について、以上の形で論点をまとめさせていただいております。
 この点、町野作業チーム座長の方から補足する点があれば、お願いいたします。

○町野構成員 非常によくまとめていただいたと思いますので、あまり付け加えることはないんですけれども、一般的には義務規定を存置する意味はないのではないかということは、ほぼ皆さん一致している。
 もう一つは、保護者が精神障害者に医療を与える義務といいますか、それの反射的な効果として、保護者の損害賠償義務が生じているんではないだろうかという議論で、それとの関係をどう考えるか、これはかなり重要な論点だったと思います。
 この中で書かれております民法714条の監督義務者、それに保護者が当たるかという議論のわけでございます。
 先ほど御紹介がありましたとおり、裁判例では保護者でなくても714条の監督義務者とするという判例、これは定着しているところです。
 したがいまして、形式的にいいますと、監督義務者とするかどうかということは、保護者となるかどうかということによって問題が変わってくるということではないということは、形式的には言えるわけでございます。
 そして、更に、先ほど御紹介がありましたとおり、平成11年度の改正によって他害行為防止義務というのが取れていると、そうすると、保護者の義務として残っているのは、精神障害者に治療を与える義務というのが残っていて、その義務を十分果たさなかったことによって、損害賠償の責任を負うんではないかという構成が現在の考えられているところでございます。
 しかし、このような義務というのは、非常に間接的であって、その義務の違反によって、精神障害者に対して損害賠償義務を負うというのは理解できますけれども、そこから発生して他人を傷つけたときに、それについて義務を負うというのは、かなり間接的なことですから、それを言えるかどうかについては、かなり異論があり、しかも民法上の学説の中では、現在、消極説が非常に強いという具合に承りました。しかし、判例は、一応まだこれを維持しているところはあります。
 そして、そのようなことですと、先ほど整理がありましたとおり、治療を与える義務というのが取れることによって、最終的に714条から保護者というのが当たらないという解釈が出てくるということは、かなりあり得る話です。
 しかし、それだからといって、片がつくわけではございませんで、民法の709条の方には、一般的な不法行為責任を認めるものがありますから、こちらの方の問題というのは、いずれにしても残っているということです。
 しかし、いずれにいたしましても、これは精神保健福祉法の方の対応だけで解決がつく問題ではなくて、民法の方の議論で非常に大きく影響されておりますから、そこらも考慮しなければいけないということでございます。しかし、これらの点を考慮しても、この損害賠償義務の観点からしても、この義務規定を取った方が適切ではないだろうかというのが、おおよその一致でございます。

○本後課長補佐 ありがとうございました。医療に関する義務については、以上でございます。
 続けて、財産上の利益を保護する義務について御説明をさせていただきたいと思います。資料の8ページをお開きください。
 財産上の利益を保護する義務につきましては、22条の第1項に規定されております。保護者は、精神障害者の財産上の利益を保護しなければならないという規定でございます。これにつきましても、規定の存廃に関する論点と、まだ、検討できていない論点という形でまとめております。
 まず、規定の存廃に関する論点というところですけれども、この規定については、民法上は、あくまで自分の財産は、自分で管理するということが原則であると。本人の所有物の処分や、賃貸借契約の解除は、許されるものではない。
 長期入院の際などでの財産の処分などに当たっては、本人の同意を得て行うか、判断能力が十分でない場合には、成年後見制度によることが本来ではないか。
 この規定は、一見、本人の利益を保護しているというような規定でありますけれども、保護者による保護義務の濫用防止のための仕組みが設けられていない。成年後見制度につきましては、後見人あるいは保佐人、補助人の他に、そういう方々の活動を監督する役割として家庭裁判所による監督あるいは成年後見監督人などの仕組みが設けられております。
 こういう保護義務をしているようでいて、濫用防止のための仕組みが設けられていないというところが1つ課題としてある。
 2番目としては、判断能力の程度など、対象者がどのような人であるか明確ではない。ひとくくりに精神障害者のという形にしておりまして、対象者について明確に規定がない。
 3番目といたしまして、保護者が負う義務の程度や範囲も書かれていない。こういうことがございまして、以上のことから、権利擁護のための規定としては不十分な規定ではないかという意見がございました。
 こういった点を踏まえれば、財産上の利益を保護する義務につきましても、保護者の義務規定として存置する必要はないのではないかということでございます。
 この財産上の利益を保護する義務につきましても、民法上の事務管理という規定がございます。その規定との関係も論点として整理してございます。
 9ページ目をご覧いただければと思いますけれども、事務管理、民法の697条にございます。これは、義務なく他人のために事務の管理を始めたものは、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によってその事務の管理をしなければならないという規定がございます。
 この規定は、その下の○のところにありますけれども、民法上の事務管理は、本来は義務ではなくて、むしろそれを行えば違法となる可能性がある。他人のものに少し手を出すという形になりますので、一般的に考えると、違法となる可能性がある行為について、当該その行為を巡る権利義務関係を調整すると、この事務管理の規定の範囲の中であれば、やっても構わないと、やることは認められるということを規定したものであるということで、例えば保護者のような、誰かに何をしてくださいという義務を負わせるという根拠になるものではないということでございます。
 事務管理によって、この規定、保護者のこの財産上の利益を保護するという規定で想定される事例における問題点が解決されるものではないけれども、その一方で、他の民法の規定、成年後見制度ですとか、あるいは不在者の財産管理という制度がございます。行方不明になった方等の、いない方の財産を管理するという仕組みも民法の中で用意されておりますが、そういった規定で対応できるかということについては、検討を要するということでございます。
 基本的には、民法の存在を前提としながら、どの範囲はできて、どの範囲はできないのかということは、今の保護者規定の中でも、今一つ明確にはなっていないということであろうと思います。
 そういった点を踏まえまして、(2)の「作業チームで十分に整理できていない論点」ということで、現行制度においては、民法上の成年後見制度が存在するけれども、それを前提としながら、財産上の利益を何らかの形で保護しなければいけない、保護すべき状態として、どのような人が想定されるのか。
 具体的にどのように財産上の利益を保護するべきか。そういうところをもう一度、言わばゼロベースに立ち返って検討する必要があるんではないかという御意見が作業チームの中でもございました。
 では、町野座長の方からお願いします。

○町野構成員 たびたび申し訳ございません。このところは、かなり悩ましいところではあるんです。この義務規定は要らないだろうと、少なくとも精神保健福祉法の方に置いておいて、それほど意味のあるものではないということについては、みんな一致するんですけれども、だからどうすると、次にどうするかということについては非常にわからない。
 現在のやり方は、病院とか医療機関とか福祉関係、それから保護者、それらが本人の意向を推測しながらいろんなことをして、それで何となくうまくいっているということだろうと思います。ですから、このままでいいのだという考えも1つあり得るわけです。
 しかし、それでは、ちょっといろんなところで問題が起きたときに対応できないんではないだろうか、どうしたらいいだろうかということが次に問題になる。
 もし、この義務規定を取りますと、事務管理の規定というのがありまして、一応、それは義務なくしてと書いてありますから、保護義務者がいなくなってしまうと、義務なくしてに当たるということなんですけれども、これは、先ほど御説明がありましたとおり、何か始めたときについて、例えば人の住居の中に立ち入って何か始めたときについて、それなら最後までできるところまでやりなさいと、その代わり責任は取りませんと、そういう規定なのであって、何をしたらいいかということについて何も言っていない規定なんです。
 そのために、別に何か必要なんではないだろうかというわけですけれども、それをどのような格好でつくったらいいのかというのが、先ほどありましたとおり、一番近いもので考えられるのは、成年後見の制度なんですけれども、これが使い勝手がいいのか、あるいは成年後見制度というのは、こういうような場合まで想定したものなのか、いろんな議論がありますので、これはまたちょっと考えなければいけないだろうという話でございます。

○本後課長補佐 ありがとうございました。財産上の利益を保護することについては、以上のような感じでございます。
 続きまして、11ページからの回復した措置入院患者等を引き取る義務あるいはその際に相談し、必要な援助を求める権利という3番目の論点でございます。
 現行の規定ですと、回復した措置入院患者等を引き取る義務、41条に書かれてございます。
 保護者は、29条の3もしくは29条の4第1項の規定により退院する者または前条の規定により仮退院する者を引き取り、かつ、仮退院した者の保護に当たっては病院の管理者の指示に従わなければいけないという規定でございます。
 それから、相談し、必要な援助を求める権利、これは保護者第41条の規定による義務を行うに当たり、必要があるときは、精神科病院もしくは障害福祉サービス事業を行っている者に対して、社会復帰の促進に関し、相談及び必要な援助を求めることができるという規定でございます。
 規定上は、ここの41条と22条の2は、言わばセットのような形になっております。ここにつきまして、規定の存廃に関する論点というところでございます。
 まず、回復した措置入院患者等を引き取る義務につきましては、保護者に自傷他害防止監督義務が存在していた時代においては、この規定は、措置入院から退院した患者さんにつき、保護者に自傷他害防止の監督を引き継ぐ趣旨のある規定ととらえることができるが、平成11年の改正において、当該義務規定が削除された現在、本規定は、実質的な意義を失っているのではないかということでございます。
 これは、精神保健福祉法の詳解の中では、措置入院の間は、言わば行政が責任を持っているという規定になっているのを、退院した後においては、言わば義務、果たすべき責務が保護者に移るということを入念的に規定したものという解釈がされております。
 そのまさに、誰が保護義務をやるかということを入念的に書いているという観点からすると、一番大きなものであった、自傷他害防止監督義務について削除されているという現在においては、実質的な意義は失っているのではないかということが、まず、1点でございます。
 ただ、そのような観点から、医療保護入院への移行などを通じて措置を行った行政から保護者による保護への移行を担保する機能を果たしている。依然として22条に定められた治療を受けさせる義務とは、規定としては残っておりますので、そういった行政から保護者による保護という形での移行を担保する機能も果たしているならば、何らかの形で残すべきではないかという見解もあるけれども、22条に規定される義務を保護者にのみ課すものとして存置する必要がないというふうに考えるのであれば、措置入院からの移行についても入念的に規定したとされるこの規定について、22条と同様に考えるべきではないか。
 こういった点を踏まえますと、保護者にのみ義務を課すということは適当ではなく、保護者の義務規定として存置する必要はないのではないかということでございます。
 それから、相談し、必要な援助を求める権利につきましては、この規定は、第41条の引き取り義務あっての権利であり、引き取り義務について廃止すべきものであるならば、この規定も廃止すべきではないか。言わばセットで考えるべきではないかという論点でございます。
 一方で、この規定は、保護者が措置入院患者等の退院後の調整を行うということを前提に規定されている。保護者が調整をするということを前提に、それに対して相談し、援助をするという形を前提に規定されているけれども、措置入院患者が退院する際、どのような形で退院するかは、まず、本人の意思を尊重して行われるべきであり、保護者のみを相談し、必要な援助を求める対象として規定するのは、適当ではないのではないかという御意見もありました。
 そういった点を踏まえれば、保護者のみに義務を課す、あるいは権利を付与することは適当ではなく、保護者の義務規定、権利規定として存置することは必要ないのではないかという論点でまとめております。
 ここにつきましては、引き取り義務と、民法上の扶養義務との関係について整理をしております。民法上の扶養義務は、877条に規定がございます。直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある。そういった規定がございます。
 ここにつきましては、13ページにありますけれども、民法上の扶養義務は、金銭的な給付を内容とするものであり、保護者の引き取り義務のようなものが、民法上の扶養義務に含まれると考えることは不適切であると。この義務がなくなったということで、民法上の扶養義務の中に含めて引き取り義務があるのだと解することは難しいということでございます。
 引き取り義務等に関しまして、作業チームで十分に整理できていない論点として、2点まとめてございます。
 まず、1つ目は、行政が行った措置入院につき、身寄りのない精神障害者がいることも踏まえ、退院後の調整を何らかの形で行う必要があるのではないか。それで、行う必要があるとすれば、誰がその責任を負うべきかということが1点でございます。
 もう一点は、退院後の受け入れ先に関して問題になるのは、措置入院に限ったことではない。そう考えると、現行の22条の2のように、保護者が措置入院等の退院の際に相談できるという内容にとどまらず、医療保護入院等も含めた、より広い場合に保護者に限らず、より様々な主体が活用できる規定としていくべきではないか。
 むしろ実際に悩ましい問題になるのは、医療保護入院であったり、任意入院であったり、そういうケースが多いという御発言もございました。そういった点を含めて論点としてまとめてございます。
 では、町野座長から、また補足をお願いします。

○町野構成員 この規定の意味そのものが非常に難しいところがあるんですけれども、恐らくいろんな注釈書、先ほど御紹介がありましたとおり、一般的に精神障害者については、保護者が医療を与える義務を負うと。しかし、措置入院のときには、行政が一回引き取るんだから、そこのところでその義務がなくなるように見える。しかし、退院したときは、再び義務が戻るんだよというような確認規定だというのが、恐らく立法者の趣旨はそうだっただろうと思います。
 そういたしますと、他の医療保護入院だとか、そういうときについて、退院したときについては、これは行政が関与していないから、前からずっと義務を負っているので、引き取り義務を負うのは当然だというのが一般の理解ということになるだろうと、恐らくこれは立案者の方の趣旨でもあっただろうということを考えます。
 ただ、このような考え方が、現在、維持すべきかということであって、やはり基本的には保護者の方に引き取り義務、措置入院ばかりではなくて、全ての場合について、それを課すというのは、やはり不適切ではないだろうかと。むしろ、措置入院のところでは行政が1回引き受けているんですから、最後までやれということは言えますけれども、それ以上に更に一般的なことについても、一般的な退院後の引き取りについても、基本はそこら辺のケアをするのは、社会だとか、行政の方の役割であって、保護者だけに負わせるのは適切ではないんではないかということになる。そういうことで、これを取った方がいいだろうという話になったわけでございます。
 そして、先ほどありましたとおり、扶養義務というのは、これはなくても扶養義務があるから、引き取り義務があるから大丈夫と、引き取る義務が扶養義務の方から生ずるから大丈夫という誤解があるようですが、それはそうではないというのが、それは明らかなことでございます。
 同時に、援助を求める権利についてなんですけれども、これは誠にもっともなんですけれども、先ほどありましたとおり、引き取るときの退院のときに援助を求めるということであったとしても、それが措置ばかりではなくて、他のところも恐らく認められるべき問題であって、更に広げていうと、一般的に保護者の側に、いろいろこれから医療を精神障害者のためにやらなければいけないようなときがあると、協力してやるようなことがあったときについては、一般的に援助を求める義務というのはあるんですから、もう少し広く、この場所だけに置いておくのは適切ではないだろうと、そういうことになったというわけでございます。

○本後課長補佐 ありがとうございました。引き取り義務等に関しましては、以上でございます。
 それでは、最後に、13ページの最後になりますけれども、退院請求及び処遇改善請求をする権利というところでございます。
 ここは、38条の4に規定されております。精神科病院に入院中の者またはその保護者は都道府県知事に対し、入院中の者を退院させ、精神科病院の管理者に対して、その者を退院させることを命じ、処遇改善のために必要な措置を採ることを命じることを求めることができるという規定でございます。
 これは、本人と並んで保護者についても退院請求あるいは処遇改善請求を認めているという規定でございます。
 この規定につきましては、入院患者の権利擁護として必要な規定ではあるということでありますが、ただ、退院請求及び処遇改善請求を行うことができるのは、これも先ほどの話と関連しますけれども、選任された1人の保護者に限定されるということでありまして、その他の保護者になり得る人に拡大する余地があるかどうかについては、検討するべきではないかということでございます。
 なお、この退院請求につきまして、実際に保護者が行っているケースがあるがどうかということですけれども、平成18年度の調査でいきますと、全体は、退院請求の数が2,451件ありまして、ほとんどが本人またはその代理人によるものですけれども、保護者によるものは、9件出てきております。ですので、必ずしも全く使われていないという規定ではないということでございます。
 退院請求等に関しましては、まとめた論点は以上ですが、町野座長から、また補足をお願いします。

○町野構成員 今の御説明のとおりでございまして、趣旨としては、これで結構だろうと。ですから、存置すべきであろうということですが、同時に考えなければいけないのは、先ほどありましたとおり、退院の請求権を持つものを保護者だけにとどめる、これは前のときに、これを新しく改正のところで入った規定なんですけれども、そのときもどこまで広げるべきかについては、かなり議論があったことは事実です。しかし、どこで切るかということについては、非常に難しい点があるので、保護者にとどめておいて、そして精神障害者の、言わば代理人、弁護士さんたち、そういう人たちにこれを委ねると、恐らくあまり問題は生じないんではないかということで、こういうことになったということでございます。
 もう一つは、権利擁護の観点から見ると、これだけで済むものだろうかという話でございます。
 これは、精神医療審査会への申立ての手続と連動しているので、このような格好になっていますけれども、その他、より広く権利擁護についての規定を考慮すべきではないだろうかということはあります。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。それでは、ここからは意見交換とさせていただきたいと思います。これまでの事務局の説明は、大きく4つに分かれた説明でしたので、意見交換につきましても、時間の制約はありますけれども、これに沿った形で行っていきたいと思っております。
 まず、初めに、医療に関する義務についてでございます。御意見、御質問に先立ちまして、本日は、ピアスピーカーとして、お二人の方に御出席をいただいておりますので、まずは、お二人から御自身の体験を踏まえながら、御発言をいただければと思います。
 それでは、まず、小杉さんの方からお願いできますでしょうか。

○小杉氏 皆さん、こんばんは。私は、民間保育園に勤める保育士です。6年前にうつ病を発病して、1年半の病休をとりました。今は、復帰して普通に勤務をしています。ただ、いつもお守りのように頓服の薬を持ち歩いて、焦燥感とか不安に襲われたときは服用することもあるような状態です。
 私は、よい医師や医療に恵まれて、苦しかった時期とは裏腹に、今ではうつになったからこそ、また、病休という時間が与えられたからこそ、今の自分がいるのだという、うつ病になったことを肯定的に感じることができています。
 本日の論点が保護者制度と先日知って戸惑っています。それは、私の病気の真最中の時期に、夫はほとんど海外、国内出張で留守であり、夫や家族と、医師、病院との直接の関わりもありませんでした。ただ病気のことを理解して話したところ、家にいるときは、私が寝てばかりで家事をしなくなっても黙って家事をしてくれたり、ただ、ただ見守ってくれたことに助けられました。
 家族に支えられる代わりに、医師から与えられた私の居場所があったことで、私の話が伝わればと思い、発言をさせていただきます。
 人それぞれ個性があるだけに、うつ病もそれぞれの症状があり、治療法も画一的にはいかないというのは、言うまでもありません。私の場合は、突然の病休を受けとめることができず、仕事で時間のない日々からギャップに戸惑い、働けるのにサボっている自分、時間があるから何かやらなくてはという、病休そのものを受けとめることに、まず、時間を要しました。職場から離れられたという救いを感じるとともに、孤立感や不安感が増大する日々でもありました。こう感じる人は多いと聞いています。
 そんなときに、認知療法セミナーを主治医から勧められ参加することになりました。そこには、NPOのメンタルサービスのスタッフを中心に、精神科医、研修の大学生、そして、同じうつ病の方が5、6人いました。初めてのときは緊張もしましたけれども、不思議なほどの安心感がありました。知らない人たちの中なのに、自分の病気を受けとめてわかってくれようとしている人たち、同じ悩みを抱える人たちの中で、素直な自分の感情や思っていることを泣きながらも正直に話すことができました。
 医師の言葉かけに助けられながら、ゆっくりと認知療法で自分と向き合うことができて、思考の癖を見つけたりとか、違う考え方を見つけたりする中で、気分は少しでも楽になるのだということがわかりました。
 昨年から認知療法が医療報酬の対象になったと聞いて喜んでいます。ただ、それをできる医師がいなくて、なかなか実施されるところが少ない。医師ではなくても、実施できるように、認知療法専門の資格を得たものが広く行えるようなことが実現されればいいなと個人的に思いました。
 また、臨床心理士の格上げや、私のように認知療法を体験した者も、何かしらのお役に立てるような気もしています。
 医療報酬だから医師が行わなければならないという現制度では、認知療法は広がらないのではないかと、そういう制度を知らない自分ですが、そのように思いました。
 認知療法セミナーは短時間でしたけれども、私にとっても大切な居場所でもありました。家族に代わる安心できる場、私の場合は、家族には心配もかけたくない、普通にしていてほしいという願いもあり、家族の前では極力普通にしていようと頑張っていましたが、場合によっては、家族への理解のために、認知療法の場で家族または近い人に見守られるのもあってもいいかなと、今、感じています。
 もう一つの経験としては、医師が病院に併設するお年寄りのリハビリセンターのボランティアも紹介してくれました。お年寄りの世話をしたり、ピアノの伴奏をして、お年寄りが歌を歌ったりとか、職場とは違う場で役に立てていることに喜びや幸福感を感じることができました。
 私は、本当に精神医療の詳しいことはほとんど知りません。でも、うつ病を体験してきた者として、一番助かったことは、自分の居場所を与えられたことでした。それも自分が肯定感で包まれる場、そして、医師が身近に感じられたことです。
 今、医師不足の中で、一般的な診察時間は、8分から10分くらいなのでしょうか。前もって自分の考えをまとめておかないと、あっという間に終了して、泣くだけで伝え切れないむなしさで落ち込むだけの診察では意味がありません。医師ではなくてもじっくりと聞いてくれるカウンセリングの時間がどんなにほしかったでしょうか。診察のみでは、うつ病治療は済まないことを実感しました。
 最後に、躁うつを抱えた知り合いのことに触れさせていただきます。
 ある日、本人から手首を切ったという電話が入って、救急車をとにかく呼んでアパートに駆けつけました。一人暮らしでした。大した傷ではなかったのですが、精神的に不安定で、一人にしておくわけにはいかずに、病院に今すぐにでも入院させるか、誰かが見守ってくれるところへと、救急隊の人や病院の医師にも電話で相談しましたが、緊急入院は無理と、どうすることもできませんでした。夜中で行政対応を受けるすべも、わからず、勿論、その方の家族や親戚にも来てあげてくれないか、入院手続をしてくれないかと何人かに電話をしても、家族や親戚の方は「関わりたくない、あなたも関わらないでくれ」との言葉が返ってきて途方に暮れました。家族や周囲がさんざん苦労してきたことも身近に知っていたので、家族、親族を責めることはできません。家族の苦悩、本人の孤独感も痛いほど伝わってきて、とても辛い思いをした経験でした。家族にも見放された人の居場所の確保、行政の対応で、家庭に代わるグループホームのようなところで安定してほしい、孤立した病人を緊急に対応できる充実した施設や病院がほしいと痛感した出来事でした。
 
○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。それでは、続きまして、山田さんからお願いしたいと思います。

○山田氏 山田と申します。神奈川県内で働いております。よろしくお願いいたします。
 まず、時間の方も限られておりますが、最初に、私の入院体験を振り返ったまとめといったようなものを述べた後で、それまでのプロセスを述べさせていただきたいと思います。
 たまたまなんですけれども、昨日、私、2回、非任意入院を体験しておるんですけれども、今回は、最初の入院が保護者の制度の議論にふさわしいケースだと思いますので、そこに絞って話をさせていただきます。
 昨日、父の最初に入院するときまでの手帳だとか、書類が出てきたんですけれども、本当に大変な思いをさせてしまったなという気持ちが、前にも何度もそう思ったことがあるんですけれども、改めて本当に大変な思いをして治療へとつなぐ動きをしてくれたんだなと思いました。それは、可能な限りの社会資源を頼ったわけなんです。会社にいた保健師さんですとか、病院ですとか、保健所ですとか、警察ですとか、ありとあらゆるところにお話を聞けるところには行ったんですけれども、結果から言えば、結局、私もまた私の父、母、保護者に当たる者が孤立無縁であったなということを改めて認識させられた状況です。
 なぜ、孤立無縁かといいますと、どこへ行っても結局は、治療をするにせよ、入院させるにせよ、本人を連れてきなさいということになります。もしくは、一番わかりやすい意味でのポリスパワーの方に関わるようなことになって、そこから治療なり入院の方に、簡単に言えば、その2つの選択肢しかないわけです。後者の方には、ない方がいいわけですけれども、前者の方で、ある意味ではその保護者の義務を果たそうと思って一生懸命頑張ったんですけれども、結果的にどのような形で入ったかと、入院するわけですけれども、その入院の形というのも芝居といいますか、騙されて病院の方に連れて行かれてといいますか、誘導されて、そこで病院の中でのやりとりがあって、結局、入院しなさいということになりました。これが最初の入院の簡単な大枠の話です。
 それで、私が最初、精神疾患の治療の服薬を始めたのは学生のときで、そのときは、うつだったんですけれども、それから躁なりないしは激しい陽性症状といったものがあり、その症状を見て、これは病院に連れていかないと、治療をしないと困ったことになってしまうということで、親はいろんな手を尽くしたわけです。
 結局、入院するときには、芝居といいますか、うそというのは、私は本来は具合が悪かったわけですけれども、母親の方が、私が具合が悪いから病院に付き添ってくれないかと言われまして、私は、その当時は病識もありませんで、他の人から何を言われても、病院に入らなくてもいい、治療をしなくてもいい、服薬もしていたんですけれども、服薬をしていても、今の状態でどうにか生活はできているんだから大丈夫だという勝手な判断で生活していたわけですけれども、でも、母親が調子が悪いといっても、その母親の言動等を接していると、母親の方は、むしろ具合が悪くても病院にかかるべきではないかということを思っていたので、そう言われたときに、すぐさま119番に電話して、当時何と言ったからわからないんですけれども、母が分裂症か統合失調症か、そういうものだからどうにかしてくださいというお話をしたんですけれども、救急の方でそういうものは対応できませんと言われました。
 ですけれども、そこの段階では、私の友人ですとか、友人の母ですとかというのは、病院に騙して連れていくにもセッティングができていまして、友人の車が来て、私が乗って、母が乗って、それで母の友達でもあり、私の友人の母も行って、そして病院に行き、そこで診察を、最初は母が受けているわけですけれども、そこで私も部屋に入りなさいと言われて、そこで、今回、ここに来てもらったのはお母さんではなくて、あなたがというふうになりまして、それで何で私なんですかというような言い合い等があったんですけれども、結局、私は任意ではないんですけれども、入院に至ったわけです。
 それで、本当にそのときの入院は初めてだったんですけれども、何が起きているのかもわからない、自分がどういう処遇を受けるのかわからない。とにかくとても怖かった覚えがあります。はっきりいって死を意識する、殺されてしまうんではないか、処分されてしまうんではないかと、それくらい怖い体験でした。
 それで、その入院に際して、家族の同意があったんでしょうけれども、家族もわからないといいますか、自分もわからないですし、家族もどういう入院になっているのかわからない、とにかく助けなければいけないということで、医者の言うとおりに動いているというのが実際でした。
 実際、私が治療を受けるために、本当に家族はいろんなところに行って、助けを求めたんですけれども、結局、芝居、うそ、騙して入院させるという手立て、苦肉の策として、もうそれしかなかったわけです。
 それから、退院して、普通に生活をして、書籍を読んでいたときに、そういう患者の方を入院なり病院に連れていくときは、騙して連れていくのはいけませんというふうに書いてあった記述を読みました。その後、父と母に、本を読んでいたんだけれども、あなたたちが最初にやった病院へのつなげ方は信頼関係を損なう最もやってはいけない行為だったようだよと言ったんですけれども、でも、それ以外に手はあったかなというような問いに、私も親も立たされて、結局なかったんですけれども、そのような状況に置かれました。
 今、思えば、例えば連れていかれるとか、病院に入れられてしまうという恐怖感もありますけれども、逆に誰か信頼してくれる人が来てくれて、それで説得されるなり、ないしは入院しないで、入院する必要がない方法でいい治療の方向に向かっていく方法、よりよい危機介入への方策があればよかったのかなと思っております。
 入院なり治療に行くときに、よりソフトなランディングですとか、グランディングといいましょうか、そういう形があればよかったのかもしれませんけれども、現状、最初のまとめにまた戻りますけれども、現在ではわかりませんけれども、当時、6、7年前でしょうか、そのときには、結局、保護者が患者に対して支えになるんではなくて、保護者にも支えが必要だったという思いに至らされます。やはり、本当に繰り返しになりますけれども、自分も大変でしたけれども、そこの治療までに至るプロセスも本当に大変な思いをさせてしまったなという気持ちは、本当に今までもときどき強く思います。
 以上で、一応、まとめと総論と、最初に総論を述べて、後で次に各論を述べて、もう一回最初の話に戻るというような形になりましたが、今回の保護者制度に関しては、保護者制度に絡む話になるよう努力して話を構成したつもりではありますけれども、何分慣れないところなので、思ったようにいったかどうかは、自分でもわかりませんが、以上でございます。ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。ただいまお二人から御発言をいただきましたけれども、その御発言も踏まえ、当事者として参加いただいています、広田構成員自身の御意見、また、医療を受けさせる義務についての御意見等をお伺いできればと思います。

○広田構成員 私は、作業チームでかなりお話ししましたから、作業チームの方たちは、とても紳士で、ここはユーモアのあるドクターが多いんですけれど、高木先生と中島先生ですけれど、今日は是非紳士的にやりたいと思います。
 それで、今、お話を伺って、私の意見は後でお話しさせていただきますけれど、お二人が、私、この間、厚生労働省のいろんな委員をさせていただいて10年目です。内閣府もさせていただいていますし、横浜市とは14年です。神奈川県もやっていますが、行政というところ、地方自治体ですが、最初は広田さん、広田さんと持ち上げますが、人間関係が対等になってちょっと批判し出すと、その人のお膳をひっくり返すのは、決まって神奈川県だったし、今もそうですけれど、横浜市はちゃんと、「職員があなたの意識に影響を受けてしまうから、あなたを外しました」とあいさつに来られましたけれど、神奈川県の方は、本人に言わずに、他の人に「広田さんを出さないでください」というやり方をします。是非お二人が出られたことでそういうことがない事を願っています。
 それと、これは議事録に載りますから、議事録を見ただけで、物すごいバッシングに遭うんです。それを脅すわけではありませんけれど、議事録に向かって、これは発言しています。せっかくお二人が出てくださったんですから、日本は民主主義の国で、どこぞの独裁国家とは違いますから、是非言論の自由が守られるようにしていただきたい。そうしないと、多くの仲間たちが出て来られないと思いますから、それでも、ここに来ている方たちは、紳士、淑女ですから申すまでもないことですが、議事録の向こうに向かって、多くの仲間たちがこれからも発言できるように、お二人の御意見とかは、私は反対のところも多くありますけれど、それが民主主義だと思いますから、ということで、考え方は後ほどお話しさせていただこうと思います。
 以上です。お二人には、ありがとうございました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。それでは、これから、まず、最初の部分、医療に関する義務規定について、構成員の皆様方から御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。
 高木構成員、お願いします。

○高木構成員 紳士な話をいたします。
 まず、最初に大前提として、この前出ました障害者基本法の案に対しますコメントを見させていただいたら、やはりこの会議で全てやるんだと、全部コメントしておられる。ということは、この会議もやはり医療の問題だけではなくて、障害者の問題として考えていくということを宣言しておられることだなということを確認した上で、保護者問題を扱いたいと思うんです。
 まず、障害者の問題として保護者問題を扱う場合に、一番大事なのは、障害者の世話というか、障害者の保護ということに関して、これまで家族機能に全て任せられてきた。それをいかに社会化するかということが、障害者基本法の大きな流れです。家族機能をちゃんと社会化していく、それが障害者の支援ということですから、家族問題に関しても民法との関係で難しいとか、いろいろ言われますけれども、民法自体がえらい家父長制なもので、先ほどの町野先生のお話にもあった判例でもそうですけれども、保護者に賠償責任を負わせるその基準を見ましたら、家族を統率する者である者とか、全く旧来の家父長制民法の上にのっとったようなものが家族問題にはかぶされてくるわけですね。それを精神保健福祉法の中で、民法に気を遣っていく必要があるのかどうかということを考えていかないといけないと思うんです。
 それと、大きく言って、この医療を受けさせる問題というのは、保護者の義務とそれに対して、どう受け皿ができているかという問題だと思うんですが、今、御家族にそういう義務を負わせたとしても、それを受けるサービスとして何もないわけです。医療を受けさせると言いながら、行政的なサービスが全て連れてこないと何もできませんというようなことをおっしゃる。つまり、そういう義務に対する受け皿が整っていないところで、こういう義務規定というのがどれほどの意味があるのかと思います。
 それから、同意能力の問題が、勿論、保護者というのを付けるからには、前提としてその方が無能力であるということですが、その能力の問題も、実際には民法上の能力にしても、意思能力、同意能力、治療行為に対する同意能力と、それから財産の問題の意思能力、そういうものが全然別個のもののはずなんですが、なぜか保護者制度の中では1つのものにまとめられて、全部一緒くたにされている、この辺を法律家の方はどのように考えるのかということです。
 それと、医療を受けさせる問題ということに関してなんですが、そもそも治療のための同意能力というのは、あることが法律上前提なんです。それは、町野先生、よろしいですね。確かに、まずはあることを前提にして、それぞれの治療行為に対してそれを応諾する能力がないということを定めていくものだと思うんですけれども、この場合、未治療者、治療中断者に対して、そこの保護義務が生じると、この辺が一番保護者の方の苦心している問題の点だと思うんですけれども、そもそも未治療者であり、治療中断者であれば、その時点で、同意能力がないということを、保護者を定めるのであれば、同意能力がないということを一体誰が証明したのかということで、全く精神障害であるというだけで、同意無能力であるということを前提にしていて、これは非常にまずい、法律上、私はまずいんではないかと思うんですが、その辺についても、法律家の人の意見が聞きたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございます。その他、御意見はございますでしょうか。
 田尾構成員、お願いします。

○田尾構成員 私は、1〜8までのうち6つは最初からなくていいんではないかと申し上げていたので、全体的な作業チームの議論が、存置の必要はないんではないかと来ていることに関しては、非常によかったなと思いますし、それで、議論が進めていけるといいなと思っています。
 2つ確認なんですけれども、1つは、今、高木先生もおっしゃったように、推進会議の議論から精神が、こちらの会議で受けるというか、いろんなことが決められるようになっていくということについての、今後の見通しというか、それがどうなるのかということを1つお尋ねしたいということ。
 それから、この作業チームの中で、十分に整理されていない論点というのがありますね。例えばもっとこうなったらいいだろうなとか、こんな法律ができたらいいだろうなということというのはあると思うんです。幾つか、これでは不足だなと思うようなことというのは、こうやって読んでくるとあると思うんですけれども、今回の作業というのは、どこまでやる作業になりますかね。例えば新しい、これを存置の必要がないとした場合、もっとこうあったら理想的だというものまでつくるというところまで考えていくのでしょうか。それとも、とりあえず、廃止するというところで終わっていいのでしょうか。その辺の確認をさせていただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 では、事務局から少しコメントいたします。

○本後課長補佐 今の田尾構成員からのお尋ねにつきましては、やや繰り返しになるかもしれませんけれども、今、我々がどのようなスケジュールに従って検討を進めているかということについての確認、参考資料として、ちょっと分厚い資料を用意させていただいておりますけれども、その7ページをお開きいただければと思います。
 7ページの上の段のところに「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」ということで、昨年の6月に閣議決定されたものがございます。
 これは、そこの冒頭にも書いてございますけれども、その直前に障害者制度改革推進会議の方で障害者制度改革の推進のための基本的な方向「第一次意見」というのをまとめられましたので、それを踏まえて閣議決定をしたものでございます。
 個別の分野における基本的方向と今後の進め方ということで、2行目辺りですけれども、改革の工程表として、それぞれ検討期間を定め、事項ごとに関係府省において検討し、所要の期間内に結論を得た上で、必要な措置を講ずるものとするということで、その中で医療につきましては、いわゆる保護者制度の見直しなども含め、24年内を目途に結論を得るということで検討を進めているということでございます。
 総合福祉部会、推進会議あるいはその下にあります総合福祉部会の方でも検討を進められておりまして、この次に、12月にも第二次意見ということでいただいていたり、あるいは推進会議と総合福祉部会の合同のチームということで、医療ということをテーマに10月から12月まで議論されていた報告書が1月にまとまったり、そういう動きがございますけれども、そういうものも並行して見ながら、我々として政府として関係府省において検討していくということになっておりますので、政府の中、要は厚生労働省として必要な検討を進め、24年を目途に必要な検討を進めていくということになろうかと思います。
 それが1点目ですけれども、整理されていない論点につきまして御質問がございましたけれども、これは今後、論点がありますので、この論点を一つひとつ詰めていっていただくという作業を、また、作業チームの方でしていただいて、検討チームの方で議論していただくという形になっていこうかと思います。
 ただ、今の規定について、存置する必要がないのではないかという方向を出していますけれども、もし、その方向で行くとしても、ではどうするんだということは、必ず、これは法改正になったときあるいは平場に出ていったときに必ず議論になることですので、それは、やはりセットで検討をしっかりしていただくということが必要になろうかと思います。

○福田精神・障害保健課長 田尾構成員の御質問についてですけれども、もともといわゆる町野先生に座長になっていただいて、技術的な部分の検討をしつつ、なるべく頻繁にこちらの検討チーム自体に、一定の考えが作業の部分で出てきた時点で、また報告をし、また、御意見を伺いながら、更に詰める部分とか、残っている部分は詰めていきましょうと、そういう形でやりとりをしながらということでしたので、勿論、論点整理の部分で全部詰め切っているのではなくて、医療に係る部分の保護者の部分についての存置については、先ほど御説明があったような形での方向性が、ある程度作業の方の中では出てきているので、その議論を御報告させていただいて、こちらで御議論いただき、引き続き詰める部分、残っている部分についてどういう方向で、また、法的なことも含めて詰めるべきだと、そういった点を、ここでまた御示唆をいただいた上で、更にまた法的な部分を含めて、細かいところは、また別途詰めさせていただき、また報告をすると、そういうような形でやりとりをしていきたいと、そういう、もともとの発足がそういうことでやってくれという話であったと理解をしておりますので、そういった文脈に沿って、今回、ある意味では中間的な部分ではありますけれども、御報告をさせていただいて、その点について、では、この方向でいいのか、ここで説明した中での欠けている視点はないのかどうか、更に、今、疑問としてどういうことがあり得るのかと、ここで勿論、やりとりで全部答えるというのは時間の関係でありませんので、そこはまた、作業チームの方で引き取って、そこのところも含めて更に検討して、次のときにまたお返しすると。
 そして、全体的なタイムスパンとすると、24年内、一応閣議で決められていますから、そういった全体のスケジュールを見ながら進めさせていただくという形になるということでございます。今後の御意見や御質問をいただく際の参考にさせていただければと思います。
 その他、御意見はございますでしょうか。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 検討チームのメンバーでもあるんですが、作業チームのメンバーでもありますので、今、課長がおっしゃられたようなこれまでの流れがございますので、是非、検討チームのメンバーの方たちから、今回、作業チームとして、今日提示しております論点について、この内容についてどうなのか、あるいはこれをもう少しこういう方向で議論すべきではないかというような御意見を出していただきたい。
 この中には、作業チームのメンバーも重複している人たちもたくさんいるわけですけれども、この検討チームの意見としてそういうものを今日出していただくというような流れであったと、私も認識をしております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。小川構成員、お願いします。

○小川構成員 検討チームの意見をということですけれども、1の医療に関する義務規定について、作業チームの方が、もう意義はないのではないかとまとめられたことについては私も同意見でございます。
 では、どうすればよいのかということですけれども、医師に協力する義務だとか、医師の指示に従う義務といったものについて、ではどうすればよいのかという議論は、あまり意味がないのかなと思いますが、治療を受けさせる義務については、現場の問題としては、先ほどもお話があったように、非常に御家族が困っている状況の中で、御本人をいかに治療に結び付けていくのかという課題があるということでございます。
 そのときに、実際にこのような義務を規定したとしても、あまり意味はなくて、むしろ大事なのは、いかに治療に結び付けられるような援助をしていくのか、あるいは御家族が精神疾患に対する正しい知識がないということが、もしあるのであれば、そこは普及・啓発等の問題になるのではないかと思います。
 法律からこの規定を外すからといって、新たに法律を設けるということではなくて、これは地域精神保健福祉施策の中できちんと対応していくということが私は必要ではないかと思っております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。新垣構成員、お願いします。

○新垣構成員 私も意見ということで述べさせていただきます。
 最初の治療を受けさせる義務など、医師の診断に協力させる、この3つについては、確かにおっしゃられるように、特に罰則規定もないわけですし、普通に生活をしている者たちがやっていくためには、特に法律は必要ないのかなとは思いました。
 では、どうしたらいいのかというところなんですけれども、今、おっしゃったように、普及、そういう知識、そういうものを啓蒙していくだけではなくて、やはり精神医療に導入というところでは、多分、御家族だけに負わす、もしくは本人だけに負わすのではなく、別のボーダーができて、そこが介入してくるというか、こういうものについては、こういうことがあるのだから、こういうふうな方法があるんだということで、出かけていけるようなものがあれば、また、それが強制、非同意の治療開始であっても、そこが担保するものであれば、非常にそういうものがあれば楽なのではないかと思いました。
 財産上の権利なんですけれども、ここも非常に難しい、確かにその人の利益を保護しているのかどうかというところは、立場によってかなり変わるものですので、それもまた、まさに家族であるからというだけで、それが要るのかという意味では、また別のものが要るだろうと。
 それで、私は精神科病院の院長をしておりますので一番思うのは、措置入院なんですけれども、これがなくなると返せないですね。私たちが退院してもらうときには、御家族に聞くわけですね。どうでしょうかと、これで、もう大丈夫ではないですかというと、御家族の方が、ちょっと外泊させてみてくださいと、それで帰ってきて、これだったら大丈夫ですと、このこれだったら大丈夫ですということを言ってもらえないと、かなり難しいことになるのかなというところは危惧するところです。
 最後の退院請求等、それは確かにあってしかるべきものですけれども、それをどこまで広げるのかというところは、やはりまた詰めていきたい。
 それと、最後に高木先生がおっしゃったんですけれども、精神障害者であるから、全て保護者が必要であるということではなくて、どこが欠けているので、こういうところを補わないといけないという幾つかのステップが必要なんだろうとも思いました。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。今、新垣構成員から全体にわたっていただきましたけれども、まずは医療に関する義務を中心に御意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 その他、御意見はございますでしょうか。
 福田構成員。

○福田構成員 この案につきましては、基本的には賛成なんですけれども、議論の進め方について2つ申し上げたいと思います。
 1つは、この作業チームの議論というのが、形式的にボトムアップといいますか、そういう形で進められていると思うんです。つまり、個々の義務規定について、これは必要であるとか、必要でないかと議論して、それが撤廃できるか、撤廃できないかと、それで撤廃した場合にどういう問題があるかということで、一個一個のことについてボトムアップで議論していますけれども、そういうことと同時に、トップダウンといいますか、そもそも本来、こういう制度はどうあるべきなのかという理念というか、議論というか、それがないと、恐らくこれを聞いている方からは非常に見えにくい。つまり、現状、どういう問題があるかということはわかるけれども、そういうことだけで、そもそも本来、これはどうあるべきかということがないとわかりにくい。
 実は、そういうふうなボトムアップの議論をしたからこそ、家族が保護者になれという話になってしまったわけですね。つまり、精神障害について治療がなかなかうまくいかないということがあるんだけれども、それをとりあえずどうするかという、理念を抜きにしてとりあえずどうするかという議論から出発してしまったから、では身近にいる家族が何とかしろという話が、現状の保護者制度の根本だろうと思うんです。
 ですから、当然ボトムアップの議論も必要ですけれども、それと同時に、本来的に、それがどういう理念に基づいて設計されるべきなのかという議論も併せて行わないと、これが同じ轍を踏んでしまう。結局、これを撤廃したから、困るから、ではどうしようという話になってしまって、それを誰に押し付けようかなという話になってしまうわけですね。ですから、是非、そういうふうにして、トップダウンの議論も、本来の理念の議論も含めてやっていただきたいと思います。
 もう一点は、これは、とりあえずは法律の改正ということを考えているわけですけれども、当然法律を改正した場合に、やはりそれを実行できるようなベースといいますか、それが当然必要だと思います。法律を改正したからといって、それが実際の社会で実現するわけではなくて、それが実際に行えるためには、それなりの財政的な措置であるとか、制度的な措置が必要になると思いますので、そういったものが、どういうものが必要かということも併せて議論していただかないと、単に法律の文言を変えるとか、法律の条項を撤廃するとか、そういうだけでは、それはまさに法律の中では整合的でしょうけれども、実際に世の中では整合的ではなくなってしまうでしょうから、そういった点について、御議論をいただければと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。長野構成員、お願いします。

○長野構成員 同感の部分もたくさんあるんですけれども、難しい問題なんですが、私たちが現場の感覚でずっと進めていることは、基本的には、高木先生がおっしゃったように、精神障害を持つ方も、全部おっしゃったかどうかわからないですけれども、基本的には、何ら他の疾患と変わらずに、御自身のことがおわかりで、全くわからない方は絶対にいらっしゃらないという前提の下で、通常と同じアプローチで行きたいと、ずっと20年と続けてきています。
 その中で、やはり患者さんが変わっていらっしゃったし、本当に以前だったら医療保護入院に自分たちの理解でしていたものも、ほとんどそういうものが減ってきたのも事実ですし、お互いに変わっていけるものだろうと思うし、最後は、こんな規定は全く要らないというふうに言いたいというのが、実際のところだし、近づいていけるというふうには信じています。
 そのためには、やはり、地域にメンタルヘルスの方、御本人も含めて十分な情報があったりとか、アプローチできる十分な仕組み、健診であったり、何とかと全く同じで、日本で糖尿病のこと、高血圧のこと、みんながどれくらい一番初めに理解をしていたかというところを含めて、そういうような仕組み、健診がいいかどうかは別にして、御本人がアプローチできる仕組み、そんなことと、先ほど小杉さんがおっしゃっていたように、私たちの地域では、うつ病の方が回復していくもの、そういうしっかりした居場所的なものは、私たちの地域では本当につくれていないなという不十分さ。
 逆に山田さんのおっしゃったような、騙して連れてくるというようなところも横行していましたけれども、最近では、ここ数年間は、私たちがアプローチ、外に出ていくことで、そういうのをほとんどなくしてきたりという、逆にやれることもまだあったりして、その十分な支援が日本でまだまだ十分できていない中で、今の日本の現状に合わせた、また、新たな義務規定みたいなものは、もう必要がないのかなと思うし、保護者の方に、これ以上、実際は、先ほどの家族機能の社会化という言葉が出てきましたけれども、保護者の方が、これを背負うというのは、現実的には、現場では全く当てにできないなと思っていますし、するべきではないと思っているので、医療が変わってくれば、絶対に要らなくなる規定であるだろうと、現場感覚では思うんですが、そこまで日本全国が行くまでに、本当にしっかりと目標を見据えてやっていかなければいけないし、その目標をしっかり設定することと、今の現実論と合わせた見直しが今回あって、やはり段階的な部分もひょっとしたら要るのかなと思ったりとか、そんなことを思いながらしています。
 やはり行くべき道は必ず皆さん、同じようにおわかりで、かつ、その上で、しっかり一般の疾患と同じようにアプローチをして、それが十分できるという実感の下で、この義務規定がなくなっていくということが理想だし、やはりそうしなければいけないんではないかなと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。西田構成員、お願いします。

○西田構成員 今、複数の構成員の方からお話がありましたけれども、この治療を受けさせる義務というところについて、法律の存廃について議論して、なくしていくということは非常に重要なポイントだと思うんですけれども、なくした後どうするのかというところを、やはりしっかり考えていかないと、これを議論してほしいと思っている御家族の方々が、なかなか安心してこの先、展望を持てないんではないかと思っています。
 それで、まさに、今、長野先生がおっしゃったように、今の医療のまま、掲載する義務をなくすということにしても、なかなか本当の苦労というものは少なくなっていかないと。
 その中で、どういう支援とかサービスというものを増やしていくことで、この受けさせる義務というのが、なくてもきちんと家族も当事者の方も支えられる地域になるのかというところをやはり詰めていかなければいけないと思うんですけれども、ちょっとそういう前提の下で、先ほど事務局の方に田尾構成員が御質問されていましたけれども、この第3ラウンドにおいて、そういった存廃、廃止ということを検討した際の後の制度設計ということについて、どれくらい踏み込んで、このテーブルもしくはその作業チームでのテーブルで、議論する予定なのかというところをお教えいただければ、非常にありがたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 では、事務局からコメントいたします。

○本後課長補佐 今、西田構成員を始めとして、皆様から御意見をいただきましたとおり、やはり義務を単に削除する、存廃という意味では廃止するということだけでは、これはやはり御本人、御家族、いろいろな方に影響があるというのは、やはり考えられるところですので、その後、どうするのかということは、やはり検討をしていただく必要があるんだろうなと思っております。
 具体的にどこまでどういうふうに検討するかというのは、やはりその論点が、今、お出ししている論点というのは、言わば例えば本人の治療にアクセスするという権利をどういう形で保護するのか、あるいは治療を受ける必要がない、治療を受けたくないという権利を逆にどのくらい重視するのか、そういうことを併せて考えたときに、では、どういう仕組みが必要なのかというのを、幾つかのパターンは考えられると思いますし、そういったことを言わば、今日の皆様の御発言の中からも、今、幾つかいただいておりますし、そういったものを踏まえて、また、作業チームの方で御検討をいただいて、ある程度論点として皆様に提供できる段階になったら、また、こういった形で御意見をいただくと、こういった形で検討を進めていくことになるのかなと思っております。
 行く先としてどういう形になるのかというのは、今、なかなか申し上げるのは難しいと思いますけれども、そうやって、論点を一つひとつやはり出していって検討を深めていくという作業をやっていく、それであくまで全体のスケジュールとしては24年内、入院制度の検討も含めて24年内ということを政府として閣議決定の中でお約束をしておりますので、そのスケジュールに沿ってやっていきたいと思っています。

○福田精神・障害保健課長 なるべく一つひとつ詰めつつも、その詰めた中身というか、要するに今あるものへの議論のときと、これからつくるときのものについて、アイデア、いろいろと御疑問や御提言をいただいていることに対して、次の機会にはまた論点を提言することにはなるんだと思うんですけれども、そのときには、今度は、福田構成員がおっしゃられたように、もう少しあるべき姿とか、理念的なことも含めての議論になると思うので、そういったやりとりも含めながら、これから議論を深めていくと、そんなイメージで、こういうやり方なので、お互いに協力し合いながらという形にはなるんだと思います。御疑問はもっともなので、では、西田構成員。

○西田構成員 わかりました。ただ、今、治療を受けさせる義務という、このテーマを詰めていくと、この後議論を予定している非自発的な入院制度との問題というのも非常に絡んできますし、この各論的な問題を突きつめていくと同時に、非常に大きい問題とリンクしながら、常に議論をせざるを得ないなというのが実感としてあります。
 そういう中で、少しだけお話ししますと、先ほどいろいろな先生からもお話が出ていますけれども、やはり非自発的入院であるとか、強制的な治療というのは、本当に最後の手段にしなければいけないという前提の上で、やはり地域で、どういうふうに御本人さんに丁寧に関わって、最大限地域での生活をしながら治療に結び付けていくかという、そういう丁寧な関わり、丁寧に治療へと誘導していくという最大限の努力というものを地域でしていくことが非常に重要な点だと思います。
 そういうことが、今、なかなか体制としてない中で、その負担が全部御家族の方にいっていて、先ほどお話ししていただきました山田さんのような体験が様々なところで生じていると思います。
 そういう意味で、治療を受けさせる義務ということについては、入院制度の問題とも絡んできますし、地域での任意の治療を最大限仕掛けていくという仕組みづくりと同時に検討していかないといけない課題で、非常に大事なポイントだなと思いました。

○福田精神・障害保健課長 では、まず、最初に高木構成員、その後、田尾構成員、その後、時間の都合もありますので、財産上の利益の方も含めての議論に移りたいと思います。

○高木構成員 私は、ちょっと議論が後退しているとしか思えないんですけれども、今、法律の、保護者がなくなったらどうなるかを考えないといけないとおっしゃるけれども、今の現体制の貧しさがあるから保護者が苦労しているわけです。これをなくしたって、今の制度をきちんと整えていく義務は厚生労働省に残るわけです。
 今の体制の中で、治療を受けさせる義務を家族に押し付ける限り、精神医療をよくする力はなくなってくる。やはりこれはなくしていかないといけない。
 そうすると、西田先生のおっしゃった、入院のときにどうするかというのは、これは入院の代諾権の問題であって、それを保護者問題全体に広げて考えると、話が混乱すると思うんです。
 ですから、少なくとも、上の治療を受けさせる義務その他についてはなしでよいと、その上で、受け皿は問題とは別途にちゃんとつくっていく。それで、強制医療に関する代諾権の問題だけは、どうしても抜けてこないと思うんですけれども、これを保護者に過剰な義務を負わせないような強制入院の形をきちんと整えるという議論に入っていくしかないんだと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。田尾構成員、お願いします。

○田尾構成員 そうした議論をいろいろしていくに当たって、議論の仕方の問題もありますが、次回が4月の日程を取っていましたけれども、少ないと思うんです。こういう話を本当にきちんと、ですから、作業チームが、さっき福田先生がおっしゃったように、ボトムアップの作業だけにもしとどまるのであれば、もう少しそういうあるべき姿も含めた議論をするには、もう少しこの検討チームの回数というのは必要なんではないかという気がちょっとしております。

○福田精神・障害保健課長 では、ありがとうございました。時間の関係もありますので、医療の方も含めて、次は財産上の利益のところまで御意見をいただければと思います。
 広田構成員、お願いします。

○広田構成員 さっきお二人に反対でと言ったんですけれど、少しショックがあったと思いますけれど、そういう体験も大事だと思います。これからもっとバッシングが来るかもしれません。予行練習です。
 それで、反対だと言ったところは、反対というよりも、恵まれている家族だと率直な感想です。
 私は、今日も昼間寝ていました。昨日も説明を受けて、10時ごろここからタクシーでうちへ帰ったんです。お金がうちに置いてありましたら、タクシーの運転手さんに待っててもらって払ったような感じです。
 それで、やはり相談がいっぱい仲間を含めた多くの人からかかってきます。それは、医者を信用できていないというのが圧倒的に多いんです。家族関係はとても御不幸です。
 私は、ここにいらっしゃる方も含めて、聞いた人は何度でも聞いていただくんですけれど、私の弟が、私の母親を史上最悪の母親だと、私はその最大の被害者だというんです。それで、精神科の患者の前は、ニートになっていたんですけれど、ニートの前は、私が一家の保護者だったんです。小学生というか、子どものころから、父と母が今で言うDVですから、そういうふうな家庭の中で、金銭的にも一家の大黒柱を15歳からやっています。
 それで、私がニートになって、これは後でプレゼントしますが、「自衛隊でパーティーでも行わないと心の病になってしまいますよ」と言いに行きましたら、反自衛隊というふうな行動にとらえられたときがあって、1982年に、それで警察に保護されたという経緯があるんです。時代的背景の中でですよ、これは海上自衛隊のナンバー2に聞いたんですけれど、そういうふうな中で、はからずも精神科に行ったわけです。はからずもというか、ある意味では信用して、自分の人生が拓かれるんではないかと思って、そうしましたら、5年後に1988年の3月1日に無診察の注射です。無診察の注射を打たれて、しかもそれが医療ミスです。その注射を打たれた副作用で入院しているんです。
 私は、その先生は信頼できませんし、病院も信頼できなかったんですけれど、その後、後任の医者たちがすごくよくて、その先生に、何で私注射を打たれたのかと言ったときに、「きちんとしたインフォームド・コンセントが行われるべきでした。カルテを見る限り、そのときに注射を打つ必要はなかったと思います。お母さんが何か愚痴ったんではないですか」と、それでカルテは20年間開示していますが、愚痴の多い母親と書いてあるんです。その愚痴の多い母親に乗っかって医者は注射を打ったんです。これが保護者規定の怖さなんです。
 そういうふうなことがありましたけれど、22年8か月ぶりに、去年の11月22日に、現在の神奈川県立医療センター、芹香病院の前の院長の岩成先生が「不適切な医療だった、御迷惑をおかけしました」という謝罪を共同通信の記者の前でしたんです。広田和子にとっては小さな一歩だけれど、日本の精神医療で被害を受けた精神医療サバイバーにとっては大きな一歩になってほしいと思っています。私は91年にアメリカに行きましたが、アメリカのクリニックには、あなたは治療を受ける権利がある、当然のことです。あなたは治療の説明を受ける権利がある、インフォームド・コンセント、91年です。あなたは治療を拒否する権利がある、インフォームド・チョイスです。21年前です。アメリカにも強制入院はありますが。
それで、私は向こうに行って、結果として広田和子でいいのだという確認ができて帰ってきました。患者同士が支え合う、ピアカウンセリングとかピアサポートは、あなたはあなたでいいのよだけれど、アメリカに行って、私は広田和子でいいのよと、日本にいては広田和子ではよくなかったんですね。さっきお話をしたように、発言すればひっくり返すから。それが、精神医療サバイバーになって一般の企業にも務めました。企業の中ではなかった。スウェーデン系の大きな会社、エレクトロラックス、アポイントの仕事をしましたけれど、私が発言すると、先輩の健常者と呼ばれるアポインターが全員私のところに紙を持ってきて、「あなたの発言はとても的確でわかりやすいから、全員の分をあなたが発言してください」と、これが民間企業ですよ、私が精神病院に行っているとカミングアウトしていましたが。
 ところが、この世界は、いつまで経っても患者、障害者です。お二人は違う世界にいるからちょうどいいと思います。この世界にいる限り。私は4年間で23kg落とせたんです。向精神薬で30kg太ったものが、それできれいになったと言われるんですけれど、昔に戻ってきているんです。一流の仕事をして、一流のサークル活動をして、一流のファッションをして、一流の恋愛をして、母親は五流で、この世界も五流ですねと、この前言ったんですけれど、そういうふうな中で、私が、今、危機介入の相談員をやっていて、決して保護者健全で、いわゆる当事者とか患者とか、未治療だとか、医療中断と言われている本人が不健全ではないと、私は思います。ある意味では家庭病理だし、社会病理。
 今、支援だとか、すぐそういうふうな言い方をされるんですけれど、私は内閣府の方でも言っていますが、やはり愛が乏しい、地域1つとったって、いわゆる昔のような貸し借りがあるわけではない、「こんにちは」とか、「このお魚おいしそうですね」と、そういう会話のある商店もなくて大型スーパーになったりしているわけですね。
 そういうふうな中で、明治時代の大家族制度の中でできた精神病者監護法、多くの仲間が言ってきます。「国の委員に出ている精神医療被害者のサバイバーの広田和子さん、精神病者監護法の監は、いわゆる我々を見てくれる看護ではないね、監獄の監だね」。この名残をとどめた保護者制度です。今は核家族なんて言えないくらいの、物すごい家族が大分裂ですよ。ここにいるお二人のお父さんとは大違いです。うちの父親は15歳で私たちを捨てて出ていきました。出ていったから父親は幸せになりましたけれど、そういう中で、抜本的に考えて、これから行く精神医療、いわゆる社会的入院の患者を帰していただいて、病床を削減して、きちんとしたマンパワーを付けて、診療報酬も他科並みくらい付けて、それでさっき言ったように安心してかかれる精神医療にしていただきたいという、これがセットで、私はしょっちゅう言っていますが、神奈川県立芹香病院ですよ。危機介入の相談員として面会に行っても、友人として行っても病棟に入れないんです。「入れるのは家族だけです」と主治医も言っています。私の主治医ではないですよ、相談者のです。それがいわゆる保護者制度なんです。
 それで、家族はどこまで入れるかと言ったら4親等ですよ、でもお見舞いに行く他の仲間も言っています。「広田さん、家族がいない人もいるし、家族より仲間が大事という仲間の面会をどうして拒むんでしょうか」と、これが私は保護者制度の弊害だと思います。
 ですから、財産の問題はこちらに置いておいて、私はこの法文を見ていて、本当に何で今までこれが手付かなかったのか、この作業チーム3回出ていて、国の委員会で一番いい会だと思っているんですけれど、そういう中で、本当に精神科ではなくて小児科だな、しかも小児科だって、15歳のときに、私は昼間の学校に行かないで夜間高校に行って、昼間働くという選択をしていますから、この保護者制度は幼稚園並みの医療ですよ。そういうふうに私は思いますから、財産のところまでは踏み込みませんけれど、医療のところは、私は外していただきたい。
 それで、高木先生のような地域の中で勢いよくやっている先生も大事なんですけれど、本音は、現在、入院とかそういうところの担い手の側が、何が困るのかということと、盛んに御家族の負担がと同情されているんですけれど、精神医療の被害者は本人たちだということで終わらせていただこうと思います。私は医療に関するところは外していただきたい。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。予定された時間は8時までですので、ちょっと時間が足りなくなってきておりますので、財産上、それから措置入院患者等を引き取る義務、その際に必要な援助を求める権利、それから権利的な規定として位置づけられていますけれども、退院請求等の請求をする権利、こういったところにつきましても、併せまして、特にこちらの方の作業チームの方からの報告に欠けている点や、更に強調すべき点といった新たな視点がございましたら、そういった点を中心に御意見をいただければと思います。
 小川構成員、その後、中島構成員。

○小川構成員 時間もないので、1から7についてお話ししますけれども、基本的には保護者制度というのは廃止をすべきだと思います。
 これまで、保護者制度がどのように機能していたのかということ、あるいは機能していないのかというのは、この作業チームで議論をされておりますけれども、ここでは措置入院が行政の責任で、行政が行われてきたというふうに書いていますけれども、決して行政がきちんと対応していたのかということではなくて、丸投げといってはあれですけれども、その病院に責任を負わされていたということも、これは確かであると思います。
 このように、精神障害者の処遇というのは、保護者と病院に過度な負担あるいは責任を負わされてきたということで、私はそういう評価をしております。
 これまで自己決定の尊重だとか、あるいは社会全体で支えるということが重要になってきている、そういう流れの中で、この精神保健福祉法の保護者制度については、時代遅れのものだと私は考えております。ではどうすればよいのかという議論について、議論を早く開始すべきだと、私も思います。
 以上でございます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。中島構成員、お願いします。

○中島構成員 今日は、軽いうつでございますので、あまり言うこともないんですけれども、このまとめは大変よくできていると思います。
 ただし、現在の保護者規定で、誰がなれるかというところに、最も身近で生活している人とか、あるいはその人の生活を最もよく知っている人とか、こういう現実的な具体的なものが全くないんですね。ただ、外形的に形を整えている人の順番だけを付けているというやり方では、今後は成り立っていかなくなるんではないかと、社会の変化とともとに、その辺りを念頭に置きながら議論していく必要があると思いました。
 それから、今日おまとめいただいたものを読んでみますと、8番目の医療保護入院の同意をすることと、これは入院制度との関連になりますので、今日の議題ではございませんが、医療保護入院制度を廃止するということが、もう既に透けて見えているような気がいたします。透けて見えているのであれば、そのことに対して、どういう手を打っていくかということを念頭に置いた議論というものを今後進めていけばいいんではないかというふうに思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。それでは、堀江構成員、お願いします。

○堀江構成員 今日、ピアスピーカーの小杉さんと山田さんに来ていただいて、私は自分が保護者になったときの気持ちに戻りまして、涙が出てきそうになりました。貴重なお話をしていただいて感謝します。ありがとうございました。
 論点整理を聞いて保護者制度の廃止が透けて見えるという実感があります。これからの検討では地域でどうするのかと、そのときに、ピアスタッフとか、現実に精神疾患の体験をしてこられた方たちがもう少し発言をする必要があるのではないかと思うのです。
 広田さんは、なるほど、おっしゃっていることは、そういう体験をされたんだろうなと思うのですけれども、広田さんだけではないのです。親がひどいというのは、確かにあるけれども、それだけではなくて、異なった体験をしている保護者や当事者たちがおられる。40代くらいの人たちはとてもたくましくなっているし、いろんな課題を抱えながら生きていらっしゃる。
 そういう人たちは、これから先どのような地域支援体制や入院制度をつくっていかないといけないのかという検討については、専門家以上に意味のある体験をされているのではないかと思いますので、是非、そういう方たちが議論に加わっていただきたい。これまで提供する側が中心で、建前論、あるべき論だけを話されて、現実はそうではなかったというのが今まででしたから、その被害を受けてきた御当人たちが、もっと発言する場が保障されてほしいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。では、野村構成員の後、高木構成員ということでお願いします。

○野村構成員 山田さん、小杉さん、ありがとうございました。お二人から学ぶところがたくさんあると思うんです。勿論、いつも同じ話を私たちはたくさん聞いておりますけれども、やはり当事者の方が、本当に仲間とともに憩う場所とかは、とても必要だと小杉さんのお話から学ぶことができますし、また、家族とか伴侶を助けようとするときに、それを支える社会体制が絶対に必要であるということもお話から大変学ぶことができます。
 それから、山田さんからは、家族がうそをついてでも病院に押し込んでしまうと、どうしようもないからそうなるんですけれども、それを伺って、そのお話の中から心から信頼して安心できる方からお話を聞いてもらったり、いろんなことを教えてもらえると、素直な気持ちになって、任意入院とかの方法で入院できるんではないか。あるいは、できれば在宅で治したいとおっしゃっていましたが、往診とか、チームが出かけていって診療すれば、もしかすると、在宅のままで入院しなくても治療できるんではないかという辺りの心のこもった細やかな、これは堀江さんが、今、おっしゃった当事者支援も含めて御本人たちを支えること、家族のことも支えるという地域の制度が絶対に必要であるということを、山田さん、小杉さんから私は学んだ気がします。是非、今後は地域で、さっき新垣先生からこれだったら大丈夫、入院して外泊するときに、泊ってきて帰ってきた話を聞いて、これなら大丈夫と、それは何も看護婦ではなくてもいいと思うんです。グループホーム、それも3年とかのグループホームではなくて、一生涯いられるようなホームをつくって、あるいは家族の代わりにその方をお世話するワーカーさんでもいいと思うんです。
 当事者と家族があまりにも密着し過ぎていると思うんです。どうして密着して生きなければいけないんだろう。広田さんがおっしゃっていますけれども、別々に暮らしたっていいんではないだろうかと思います。そして、その方の御本人を家族よりも知っているワーカーさんが地域にたくさんいたっていいだろうと思うんです。そういう方が見守って外泊を見届けて、これだったら退院して大丈夫ということが言えるんではないかと思いますので、これから先、地域に必要な支援とはどんな支援だろう、それからどういうサービスが提供されるべきであるかということは、特に当事者の方のお話を伺いながら、これから地域に引き継いでいかなければいけないと、私は思いました。
 ありがとうございます。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。高木構成員、お願いします。

○高木構成員 2点あります。ピアの話がもっと出てきていいというのは、勿論賛成です。ただ、そのときに我々の方が聞くときに気を付けないといけないのは、本当に長期入院で、精神病院の片隅に長期入院で沈んでいった本当に重症の人のニーズ、そういう人の思いというのは、やはりこういう場所には出てこないということをわかった上で聞かないといけないんではないかと、そこは思います。
 もう一つ、最後の措置入院の引き取り義務のことですけれども、この話のたびに不思議に思うのは、同じ厚生労働省の精神障害者の医療制度の中で、より強い拘束のある医療観察法の中で、こんな話がちっとも出なくて、ちゃんと社会復帰調整官が頑張ってやっているということは、措置入院に至っては、その病院できちんと社会復帰調整官に匹敵するPSWが、きちんと社会的な視点から動けば、保護者制度は要らないんではないかと、それを医療観察法が証明しているんではないかと思うんですが、中島先生、いかがでしょうかね。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。時間が過ぎていますが、最後に田尾構成員。

○田尾構成員 私も、今、まさにそれを言いたかったので、医療観察法がきちんと入院期間が1年なり1年半なりに決められているのに、この間データ見たら、措置入院で20年という人がいるんです。それはあり得ないと思うんですけれども、それがあるとしたら、やはり制度にきちんとした歯止めというか、ルールをつくるべきだと思います。医療観察法でやれているのであったら、措置入院が逆にそんなに長い入院が必要あるはずがないんです。きちんと行政の措置で入院したんだったら、行政の権利できちんと入院期間を決めて、その後の治療の体制もつくるべきだと、私も思いますので、高木先生に大賛成です。

○福田精神・障害保健課長 では、最後、中島先生。

○中島構成員 医療観察法の話が出ましたので申し上げますと、医療観察法では、通常のスーパー救急と呼ばれている入院制度の更に倍から3倍の人手を投入しているわけです。
 こういう投入の仕方と、それからやはり裁判所をかませてあるということ。それから、通院について一定の義務化を図っておるというような様々なものがあって、非常に運用がやりやすくなっているという点はございます。
 ですから、やはり現在の医療に対する人手の投入だけでは、やはり難しいんだろうなという気はいたします。今の3倍人手をかける、入院についてもかける、アウトリーチについてもかける、ということが、財政の許す限り必要ではないでしょうか。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。時間が過ぎておりますので、構成員の御意見を伺いますと、全体としては、本日、御検討いただいた各規定の部分、権利規定の部分は除きましても、大体存置する、しないの部分については作業チームからの大体御提言に沿った形での御意見だったかと思います。
 一方で、加えて、幾つか更に検討すべきことということや、これから作業チームとしても検討しなければいけない残された点というものも議論としては得られたかなというふうに思っておりますが、作業チームの方で座長をしておられます町野先生から何かコメントがございましたら、お願いしたいと思います。

○町野構成員 本日は、いろいろな御意見を聞かせていただきまして、大変どうもありがとうございました。これから恐らくは、透けて見えるとおっしゃられましたけれども、廃止するかどうかは別の問題として、医療保護入院の現在の制度をどうするかは議論するということになるだろうと思います。ですから、かなり大きなことを、やはりこの会でも議論しなければいけないということだろうと思います。
 同時に、このような議論の中では、先ほど御指摘がありました理念が欠けている議論というのはできない話です。そういうことで考えていかなければいけないわけで、今日のお話の中にありますとおり、その背後にある理念というのは、やはり幾つかあるわけで、それは、まず、精神障害者本人がとにかく医療の主役であるという話です。その人たちをサポートすることが1つ。
 もう一つは、精神障害者の権利を保護して、そして、その人たちの医療へのアクセスをどのようにしたらよく保障できるかという自主的なことで考えなければいけないということがあるわけです。
 そして、保護者の方に、言わば義務を認めていたというのは、今、御指摘がありましたとおり、既にこれはかなりアウトオブデートで考え直さなければいけない、その基本があるだろうと思います。
 医療観察法の問題が出ましたけれども、まさに医療観察法は、最初は犯罪の防止のためだから国がお金を使うんだということであったわけですが、国会の審議でそうではないという具合になって、つまり、精神障害者の社会復帰のためにこの法律はあるんだということになったわけですから、そうなってくると、精神保健福祉法も同じでなければならないはずです。そのような観点から全体的に見直さなければいけないだろうと思います。
 ですから、保護者をどうするかということも、この中での位置づけということになるだろうと思います。同時に、保護者がどのような役割とか、それを負わされるかということとの関係で、保護者として誰を任命したら適切か、いつ任命すべきか、そういう議論が出てくるんだろうという具合に思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。本日の議論を踏まえまして、これから議論を深めてまいりたいと思っております。
 最後に、事務局の方から今後のスケジュールについて御報告をお願いします。

○本後課長補佐 次回の検討チームにつきましては、また、日程を調整いたしまして、改めて御連絡をいたしますので、よろしくお願いいたします。

○福田精神・障害保健課長 それでは、本日も大変お忙しい中、長時間にわたり活発な御議論をどうもありがとうございました。以上をもって終了いたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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