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2011年1月7日 新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)「保護者制度・入院制度の検討」に係る第1回作業チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成23年1月7日(金) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 共用第7会議室(5階)


○出席者

磯部構成員、岩上構成員、上原構成員、河崎構成員、久保野構成員、鴻巣構成員、
白石構成員、千葉構成員、野村構成員、広田構成員、堀江構成員、町野構成員、
良田構成員、六本木構成員

○議題

(1) 保護者制度について
(2) その他

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回「保護者制度・入院制度の検討」に係る作業チームを開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、大変御多忙中のところを御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 私、しばらくの間ですけれども、進行役を務めさせていただきます厚生労働省精神・障害保健課長の福田でございます。よろしくお願いいたします。
 「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」におきましては、第1ラウンドとして昨年ですが、平成22年5月31日から6月17日まで4回にわたりまして、主として精神障害者の訪問支援、アウトリーチにつきまして、またはその後、平成22年9月2日から12月15日までは第2ラウンドということで、認知症の患者さんの精神科医療について検討してまいったところでございます。
 一方、平成22年10月21日からは、平成22年6月29日に閣議決定されました「障害者制度改革推進のための具体的な方向について」を踏まえまして、第3ラウンドとして保護者制度・入院制度について検討を始めているところでございます。
 第1ラウンドの構成員の皆様に加え、ピアスピーカーや法律アドバイザー等に新たに御参加いただき、検討を進めることといたしております。この保護者制度・入院制度につきましては非常に多くの論点がございますため、論点の整理や資料の作成等は私ども事務局のみではなかなか限界がございます。そこで、第3ラウンドの議論に資するため、「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」の下に本作業チームを設置させていただきまして、法律的な観点も含め、専門的議論、論点の整理等をお願いすることといたしました。皆様方、大変お忙しい中ではございますけれども、重ねましてよろしくお願い申し上げます。
 それでは、構成員の皆様方を御紹介させていただきます。お手元に構成員名簿がございますので、詳しくはそちらを御参照いただければと思いますが、五十音順に御紹介をさせていただきます。
 まず、慶応義塾大学法科大学院准教授の磯部哲さんでございます。
 特定非営利活動法人じりつ代表理事の岩上洋一さんでございます。
 社会福祉法人聖隷福祉事業団地域活動支援センターナルドセンター長の上原久さんでございます。
 社団法人日本精神科病院協会の河崎建人さんでございます。
 東北大学大学院法学研究科准教授の久保野恵美子さんでございます。
 埼玉県立精神保健福祉センター主幹の鴻巣泰治さんでございます。
 東洋大学ライフデザイン学部教授の白石弘巳さんでございます。
 医療法人青仁会青南病院理事長の千葉潜さんでございます。
 東京都精神障害者家族会連合会の野村忠良さんでございます。
 精神医療サバイバーの広田和子さんでございます。
 特定非営利活動法人世田谷さくら会理事の堀江紀一さんでございます。
 上智大学法学研究科教授の町野朔さんでございます。
 特定非営利活動法人全国精神保健福祉会連合会事務局長の良田かおりさんでございます。
 岩手県県央保健所長の六本木義光さんでございます。
 なお、本作業チームは公開のため、作業チームの審議内容は厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定でございますので、あらかじめ御了解いただきますようお願い申し上げます。
 それでは、作業チームの作業に先立ちまして、まずは本作業チームの座長を選出いただきたいと思いますけれども、事務局より提案がございます。昨年まで行われておりました「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」の委員でもございました町野先生にお願いをいたしたいと考えておりますが、町野構成員を座長とすることで御異議ございませんでしょうか。

              (「異議なし」と声あり)

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。それでは、町野構成員に座長をお願いいたしたいと思います。恐縮でございますが、町野先生、真ん中の座長の方のお席に御移動いただければと思います。

             (町野構成員 座長席へ移動)

○福田精神・障害保健課長 それでは、ここからの進行は町野座長にお願いいたしたいと思います。町野座長、よろしくお願いいたします。

○町野座長 座長を務めさせていただくことになりました町野と申します。よろしくお願いします。
 先ほど福田課長より説明がありましたが、本作業チームは「新たな地域精神保健福祉体制の構築に向けた検討チーム」というところにおいて、保護者制度・入院制度について議論するため、法律的な観点も含め、専門的議論、論点の整理等を行うために設置されたものでございます。もちろんいろいろ御議論をいただきまして、論点の抽出ということはお願いしたいと思いますが、何らかの結論をここで出すというものではなく、検討チームで十分に議論していただくための論点を提供するというのが大きな役割でございます。是非様々な観点から闊達な御意見をいただければと思います。
 まず、検討チーム、作業チームの検討の体制、スケジュールについて事務局から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○本後課長補佐 事務局の精神・障害保健課の課長補佐をしております本後と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、検討の体制、スケジュールについて御説明させていただきたいと思います。資料1をご覧ください。この検討を行うに至った経緯といったものを、まず御説明させていただきたいと思います。
 精神保健福祉・医療に関しましては、平成16年9月に精神保健福祉施策の改革ビジョンというものを厚生労働省でまとめました。それで、この中で入院医療中心から地域生活中心に改革を進めるために、これらのことを今後10年間で進めるといったビジョンを示しております。
 それで、これが10年間ということですので、ちょうど平成21年が5年間、半分の年に当たるということで、次のスライドの2ページ目でございますが、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」というものを設置いたしまして、全部で24回御議論いただきまして、一昨年の9月に報告書をまとめていただいたという形になります。
 基本的にはビジョンの考え方を踏襲しつつ、必要な施策について改めて検討したという形になっております。平成22年の診療報酬改定ですとか、あるいは予算の中で盛り込むべきところは盛り込んでおりますけれども、3ページ目、4ページ目にありますとおり、宿題になっていた点も幾つかございます。
 4ページ目を見ていただきますと、「以下の点をはじめとする精神保健福祉法の課題に関する検討の場を設け、検討に着手すべきである」ということで、「家族の同意による入院制度のあり方について」、「医療保護入院への同意も含めた保護者制度のあり方」について、そういった点につきましては検討会の方で宿題事項になっていたということでございます。
 検討会の中では実は宿題事項になっていたことが何点か他にもございまして、そういった点を含めて検討するという観点からこの「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を今年度、昨年の5月に立ち上げまして検討を進めてきたということでございます。
 最初のテーマがアウトリーチ、訪問支援ということで5月から6月にかけて、それから第2ラウンドということで認知症と精神科医療について、まさにこの保護者制度と入院制度についてという議論が宿題の3番目ということで第3ラウンドの議論になっているということでございます。こういった時系列で見たときの流れというものがございます。
 次の6ページから10ページまでは、その報告の概要を簡単に紹介するために載せさせていただいているものでございます。
 この時系列のいわば縦の流れと合わせて、横の流れとして出てきましたのが11ページからあります障害者制度改革推進会議の議論でございます。これは、政権が変わった後に内閣府に置かれました障害者制度改革推進会議というところで様々な議論がなされておりまして、13ページですけれども、昨年の6月に第一次意見というものが取りまとめられております。この中でも「精神障害者に対する強制入院等の見直し」ということで項目が挙げられておりまして、こういった御指摘を踏まえて昨年の6月29日に閣議決定をいたしました「障害者制度改革の推進のための基本的な方向」という中で、これは内容について閣議決定をするものではありませんで、検討のテーマと、それから時期について政府としてお約束をするというものでございます。
 入院制度保護者制度につきましては強制入院、強制医療介入などについて、いわゆる保護者制度の見直しなども含め、そのあり方を検討し、平成24年内をめどに結論を得るということで閣議決定をいたしておるところでございます。
 いわば、改革ビジョンからの流れと推進会議の議論、その縦と横の流れが合わさってこの議論をすることになっているということでございます。
 続きまして、14ページ以降が検討の体制ということになります。検討の体制につきましては、大きな議論としては保護者制度をどうしていくかということが1つと、入院制度のあり方ということが1つ、その大きく2つの論点がございます。その検討につきましては先ほどもお話がありましたとおり、検討チームの第3ラウンドということで、15ページにある方々で検討をいただくということをしながら論点を整理していただくということで、16ページにある作業チームということで皆様にお集まりをいただいているということでございます。
 検討の進め方につきましては、14ページの3番の「検討の進め方」というところにございます。全体としては24年内をめどに結論を得ることを目指すということですけれども、当面、本年の夏をめどに保護者制度について検討を行う。そのときには、保護者の義務の規定が全部で8個ありますので、その8個の義務の規定ごとに法的にどういった方が対象になるのか。実際に現場でどういう意味を果たしているのか。そういったところについて詳細に分析、検討をしていただいた上で、その義務のあり方、それぞれの規定のあり方について検討いただくということにしたいと考えております。
 それで、入院制度のあり方は保護者制度と深く結び付くところではありますが、この保護者の議論が一たんめどがついた以降、本年の夏以降ということになると思いますが、それに続いて検討していくということにしたいと考えております。
 17ページですけれども、今日を皮切りに20日、それから2月9日の3回、作業チームを開催させていただきまして、そこで論点をまとめていただいて、2月24日が第1回の検討チームという形になります。こういったことを恐らくもう1回くらい、第2回の検討チームに向けて検討を行いまして、第3回の検討チーム以降で方向性の整理に向けた議論をしていくのかなと、これは予定でありますが、大まかなイメージとしてそういったことを考えてございます。
 説明としては、以上でございます。

○町野座長 どうもありがとうございました。今の内容につきましてわからないところとかいろいろあるだろうと思いますけれども、御質問等をいただければと思います。よろしゅうございましょうか。
 それでは、ここから保護者制度についての議論に入っていきたいと思います。まず事務局の方から保護者制度に関する資料が用意されておりますので、その説明をお願いいたします。
 なお、保護者制度を把握するために入院制度についても理解しておくことが必要ですので、議題そのものではありませんが、入院制度についても説明の中で触れさせていただきたいと思います。先ほどの御説明にありましたとおり、入院制度ということについて最終的には議論をやはりするということになると思いますけれども、その前提として現在保護者の同意による入院ですから、保護者というものはどのような扱いになっていてどこに問題があるかというところから入っていくという順番でやるという話でございます。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○本後課長補佐 それでは、続きまして御説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料2をご覧いただければと思います。
 資料2は「保護者制度について」ですが、制度の概要をまとめたものでございます。「これまでの経緯」ということで、資料のスライドの2ページ目、3ページ目ですけれども、保護者制度入院制度、それぞれのこれまでの経緯をまとめております。
 保護者制度につきましては、昭和25年に精神衛生法ができましたときに、保護義務者の制度ということで創設をされております。同時に、このときに措置入院ですとか、あるいは保護義務者の同意入院制度が医療保護入院の前身でありますけれども、それも創設をされております。
 ただ、明治33年の精神病者監護法のときに現在の保護義務者の制度の元となるような規定というものは設けられているということでございます。
 入院制度につきましては、昭和25年の精神衛生法以降、様々な改正をその都度しておりますけれども、保護者の制度につきましては平成5年のときに「保護義務者」という名称を「保護者」という名前に変えるということ。それから措置入院から退院した場合に社会復帰施設等に対して保護者が支援を求めることができるという権利的な規定を1つ加えたという改正を平成5年のときにしています。
 それから、平成11年のときに保護者の保護の対象から任意入院者ですとか通院患者などを除外するという改正、それから保護者の義務のうち自傷他害防止監督義務というものがございまして、これを削除するという改正を行っています。平成5年のときは名称ということですので、実際に内容ということで変わったのは平成11年のときのみといった経緯が保護者についてはございます。
 「保護者制度について」ということで、4ページ目以降の資料でございます。保護者制度で「保護者とは」とありますが、精神障害者に必要な医療を受けさせ、財産上の保護を行うなど、患者の生活行動一般における保護の任に当たらせるため設けられた制度ということで、これは精神保健福祉法の詳解の中にそういった文章で書かれてございます。
 法律の中には義務、あるいは権利的なものも含めて全部で8項目の規定がなされております。治療を受けさせること、財産上の利益を保護すること、診断に関して医師に協力すること、それから医療を受けさせるに当たって医師の指示に従うこと、回復した措置入院患者を引き取ること、医療保護入院の同意をすること、退院請求等の請求をすること、それから措置入院から退院するときに社会復帰施設等に必要な援助を求めること、そういった8項目の規定がございます。具体的には、これらの項目について一つひとつ検討を加えていっていただくという形になろうかと思います。
 6ページ目、7ページ目辺りはこの条文を載せているものでございます。関連する制度といたしまして、8ページ目、9ページ目以降に成年後見制度の紹介をいたしております。
 10ページ目が、現在の成年後見制度の利用の状況ということになります。申立ての件数でいきますと年間約3万件という形になっておりますので、アンケート調査などを見ましてもまだまだ普及の余地があるのかなという状況でございます。
 制度的には、「成年後見制度利用支援事業」といった事業も地域生活支援事業の中で用意をいたしまして、利用が進むように様々な制度的な取組みを行っているということでございます。
 それから、関連する制度といたしましては15ページになりますけれども、日常生活自立支援事業、昔で言いますと地域福祉権利擁護事業と言われていたものですが、下の箱にありますけれども、非常に軽い福祉サービスの申請の助言や同行ですとかサービスの利用料の支払い、公共料金の支払いといった日常的な金銭管理を実施するといった、主に各地区の社協でやられている事業もございます。
 16ページ以降は、5年前、6年前に全家連の方で家族のニーズ調査ということで、その中で保護者についても調査をされたものでございます。
 「保護者の置かれている現状」というところですけれども、保護者の続柄という意味で言いますと約7割が父母という形になっております。続いて兄弟、それから祖父母といった方々が続いております。
 それで、「家族が果たせる保護者の任務」、それから保護者制度についてどう考えるかということもこのアンケートの中で聞かれております。18ページ、19ページですけれども、治療を受けさせる義務、それから医師の指示に従う義務、そういったところについては果たせるというお答えが多くなっております。
 その一方で、財産上の権利保護ですとか措置入院患者の引取り、そういったところは割合が小さくなっている。損害賠償責任とありますけれども、後で説明の中に出てきますが、これは民法の714条の関係ですけれども、精神障害のある方が起こした事件に関して損害賠償責任を保護者が負うといったケースもありますので、そういったことについてはなかなか追いにくいという答えが出ております。
 「今後の保護者制度に関する期待」ということで言いますと、この中で無回答という割合が高いのですが、「制度続行−保護者の義務を軽減−」という方が一番多く23.3%、その後、制度続行ということに関する項目が幾つか並んでおります。
 成年後見制度についても聞いておりまして、潜在的な利用をしたいというケースもあるのではないかという結果が出ております。
 合わせて、ちょっと資料は飛びまして入院制度について参考資料の1がございますので、それも簡単に触れたいと思います。入院制度に関しましては、大きく言いますと措置入院、医療保護入院、任意入院という大きな3つのパターンがございます。2ページから3ページ、4ページにかけまして、その入院の形態の一つひとつについて流れを説明しております。
 措置入院に関しましては都道府県知事の決定という行為が入りますので、入院のときに指定医2名による診察と都道府県知事の決定、あるいは退院のときにも都道府県知事の決定という手続きが入ります。
 医療保護入院に関しましては、保護者の同意と指定医による診察ということが条件になっておりまして、退院のときには病院の管理者の判断あるいは精神医療審査会における審査、そういったものを通じて退院に結び付いていくといった流れになっております。
 精神医療審査会につきましては都道府県知事、都道府県の下に置かれております精神科の医療の関係者、それから法律の関係者等々から構成されますけれども、6ページ目になりますが、実際には精神医療審査会で審査をされるというところになりますと、それによって他の入院形態へ移行するですとか、入院継続をしないといった判断が出るということは非常に割合としては少なくなっているということでございます。
 7ページ目以降が、実際にどういった割合で入院されているかということですけれども、大まかに言いますと任意入院が6割、医療保護入院が4割、措置入院は非常に少ない数になっております。平成11年を境に任意入院が減り、医療保護入院の割合が非常に大きくなっております。これは、平成11年のときに任意入院の状態にない方が医療保護入院になるといったことを法律上明記したということもありまして、医療保護入院の割合が大きくなっているということが考えられます。
 入院形態別の在院期間については、8ページにあるとおりでございます。措置入院については1 か月未満あるいは3か月未満といった割合が大きくなっておりますけれども、任意入院につきましては1年以上5年未満、あるいは5年以上10年未満といったところの方の割合も非常に高くなっているということでございます。
 年齢別の入院形態別の入院者数というところで見てみますと、最初の9ページ目が措置入院ですけれども、数は年々減っておりますが、その割合、65歳以上、40歳以上、それからそれ以下、未満ということで見ますと、それほど割合は変わっていないという傾向にございます。
 一方で、次のページの医療保護入院の入院者数というところで見てみますと、65歳以上の方の割合というものが平成10年から平成19年までで見ましても非常に変化しております。認知症の方が非常に増えているということとも関係しているものと考えられます。
 任意入院につきましても、割合としてはさほど変わっていないという状況にございます。医療保護入院の中で見ますと12ページですけれども、統合失調症の方の数というのは右のグラフですが、それほど変わっておりませんが、認知症と診断されるケースでいきますと年々その数が増えている。それで、認知症の方の中で見ますと56.1%の方が医療保護入院という形になっているということでございます。
 入院制度につきましては、そういった外観になっております。保護者に関する議論が終わりました後には入院制度という議論になりますし、非常に関係してくるところでもありますので、参考として御説明をさせていただきました。
 続きまして、資料3について簡単に御説明をさせていただきたいと思います。これは、11月25日に第3ラウンドの構成員になる先生方、第1ラウンドのアウトリーチの検討をしたときに検討をいただいた構成員の方々から御意見を伺うという機会がございましたので、そのときに出された御意見をまとめたものでございます。
 その中では、保護者制度をなくすという結論をそろそろ出すべきではないかという御意見が何人かの方から出されております。その一方で、保護者制度あるいは入院制度を検討するときには、地域の医療の体制もきちんとあわせて考えていくことが必要であるという御意見が出されております。そういったことをおっしゃる方が何人もいらっしゃいました。
 それから、強制入院のあり方と保護者制度のあり方というのはやはり切り離せないということで、医療保護入院ということがやはり保護者制度の一番根幹にあることだといった御意見もございました。そういった御意見を踏まえまして、作業チームにおいても検討を進めていただくということになろうかと思います。
 続きまして、少し長くなりますが、引き続き説明をさせていただきたいと思います。資料の4でございます。これがいわば本作業チームで御検討いただく一番メインの資料になるということでございます。保護者制度の見直しについて、項目ごとに論点を検討していくというものでございます。先ほど8項目、義務規定があるというふうに申し上げましたけれども、医療保護入院に関する同意につきましては非常に入院制度と関係が深いということがありますので、この検討の中では医療保護入院に対する同意については項目として含めてございません。それ以外の7つの規定について資料を作成しております。
 最初の20条につきましては、保護者の規定について御紹介をするというものでございます。1ページ目、2ページ目、それから3ページ目からが市町村長に関する規定ということで、扶養義務者ですとか、そういった20条に定める保護者がいないというときには市町村長が保護者になるという規定がございます。これは、20条、21条は制度の説明ということでございます。
 3番目、4ページ目からが論点までまとめたものでございます。「治療を受けさせること」というのがまず第1番目、22条の第1項でございます。保護者は精神障害者に治療を受けさせなければならないといった規定がございます。これに関しましては平成11年改正のときにこの後ろに、「精神障害者が自身を傷つけ又は他人に害を及ぼさないように監督」という文言がありましたけれども、これは先ほどもお話をしましたとおり削除をされております。
 理由といたしましては、4ページ目の下から2番目のポツにありますけれども、そもそも精神障害者の自傷他害について予測することは、専門の精神科医師でも困難であると言われている。その下のポツですけれども、したがって自傷他害防止監督義務は保護者の精神障害者に医療を受けさせる義務と実質的には同じであると考えられるということで、5ページ目の2つ目の丸になりますけれども、精神保健福祉法の性格から考えると精神障害者に治療を受けさせるという保健医療に関する機能で十分であり、それ以上要求するのは過大な負担であるのではないかという議論もあったということで、自傷他害防止監督義務については11年改正のときに削除されているということでございます。
 本規定の解釈ということでありますけれども、この規定で対象としている精神障害のあり方は、法文上は任意入院の患者または入院をしないで行われる医療を継続して受けている方、例えば通院の患者さんですとか、そういった方々を除いた方ということになりますので、措置入院の患者さんあるいは医療保護入院の患者さん、それから継続して治療を受けていない方、そういった方が対象になると考えられます。医療を受けさせるという規定ですので、これは未治療の方、それから治療中断の方が主な対象になると考えられます。
 こういった方々を対象にした規定について、実際にどういう場面でどういうふうに使われるのか、あるいはどういう課題、論点があるのかということをまとめたのが(3)の「論点」ということでございます。ここはあえて具体的なケースに落とし込んで少し紹介をさせていただいております。精神障害者と言いましても、神経症ということで代表しておりますが、軽い症状の方、治療を中断している精神障害の方などは必ずしも保護者が治療を受けさせる必要のない類型が存在するのではないかということで、症状ですとか程度に関してはこの規定では記述されていないということでございます。
 それから、母親、保護者の方の判断で通院させなかったり、薬の量を減らしたりといったことで他人を傷つけるなどの損害を与えてしまった場合に、保護者の義務違反というものは問われるのかどうか。それから、大きい声を出すとか、そういった大抵の方が迷惑と感じる行為を行うような症状であれば、通報といったことによって医療機関につながることになるのではないか。
 一方で、そういった状況、状態ではない方ですと、本人にとって医療が必要であっても医療機関につながりづらくなる可能性があるのではないか。風邪を引いたとき、あるいは重たい病気であっても、一般の医療の場合には強制的に病院に行かせることはできないということになりますけれども、精神障害の場合には本人は行きたがらなくても医療的な観点から考えると医療にかかった方がよい場合も考えられるのではないかということでございます。
 そういう意味で、本規定がなくなった場合に医療を受けたくないという精神障害のある方は、本人の意思を尊重して保護者から何の働きかけもしなくていいということになるのかどうかということが論点になろうと思います。
 それから次の丸ですけれども、本人が受診を拒否するというケースで家族が困ってしまっているような場合、例えば保健所、行政などでこの規定をもとに本人あるいは御家族に対して受診を勧めるという場合があるということも伺っております。受診拒否をしている本人を家族が説得するための規定としてのよりどころをどこに求めるかということも課題になろうかと思います。
 あるいは、民法上の監督義務が民法の714条にございます。これは、次のページに条文の紹介をいたしております。精神の障害により損害を与えた場合には、その損害賠償の責任は負わないという一方、714条で責任無能力者がその責任を負わない場合において監督する法定の義務を負う者はその責任を負うといった規定がございます。この保護者の医療を受けさせる義務ということを削除した場合に、この民法との関係で影響が生じるのかどうかということが課題になろうかと思います。
 以上の点が、治療を受けさせることに関して我々として考えている論点ということでございます。
 続きまして、財産上の利益を保護すること、同じく22条の第1項の規定でございます。「精神障害者の財産上の利益を保護しなければならない」といった規定がございます。この規定については、解釈、(2)のところですけれども、これも同様に継続して医療を受けていない精神障害者は本規定の対象になるということですが、主に対象になりますのは財産の管理を要する場合ということになりますので、在宅でおられる方というよりは措置入院あるいは医療保護入院で入院している方ということになろうかと思います。
 それで、この規定では基本的には精神障害のある方の身の回りの財産を散逸しないように看守する義務、それから入院した精神障害のある方の荷物をまとめて保管する。そういったような事実上の保護を想定しているというのが基本的な考え方であろうと思います。
 次のページの「論点」のところですけれども、入院によってそのままになっている部屋の中で本人が大切にしている様々なものがあります。部屋を引き払うということと同時に、保護者たる保護者の方が部屋の片付けということでそういったものを処分してしまうということも考えられる。保護者としては、処分することが本人の利益であると考えて行動していても、精神障害のある方、本人にとっては不利益になることが考えられるのではないかということが1点でございます。
 一方で、その次の次の丸ですけれども、精神障害のある方が1人で生活していて入院するということに至った場合には、家賃ですとか光熱費を払うという負担がございます。そういった負担を課すことになってしまうのではないか。一方で、部屋を引き払うということをしてしまいますと、再度入居するということが困難になって退院後の住まいをどうするのかという課題も生じるといった問題もございます。
 精神障害のある方、本人が保護者により財産上の損害を受けた場合、そういったケースも想定されると思いますけれども、この規定をもって保護者の方の責任を問えるのかどうかという課題も出てくると考えられます。
 それから、御家族がおられる場合はいいんですけれども、身近に扶養義務者の親族がいない場合に、市町村長が保護者となっている場合がございます。そういった方について、そういった方の財産の保全について問題は生じないのかということが論点としてあります。
 それから、財産の管理は本来的には成年後見人等の役割ではないか。あるいは、民法との関係で言いますと、民法に事務管理という規定がございます。これは、義務なく他人のために事務の管理を始めた者に関して規定を定めているものでありますけれども、その民法上の事務管理を超えた義務を課しているということになるのかどうかということも論点として挙げられます。これが、財産上の利益の保護というところに関する論点でございます。
 5番目、12ページ目からが「医師に協力すること」に関する論点でございます。これは22条の2項というところですけれども、「保護者は、精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力しなければならない」という規定がございます。これは任意入院の患者さん、それから通院の患者さんも含めまして、精神障害のある方、全てが対象になる規定になっております。
 この規定につきましては、治療ということではなくて「診断」が正しく行われるようにするという規定でありますので、未治療の方、治療中断の方が受診する際に医師が病名を診断するに当たって御本人の性格、日常生活の様子、そういったことを医師に対して必要な情報提供を行うことを規定したものととらえてよいか。また、既に入院治療、または継続した治療を受けている方については入院あるいは治療の終了の際の確認を取るということが義務になるのかということでございます。
 保護者は、医師が正しく判断できるように、同行したりですとか手紙を書いたりといった具体的な協力をすることが求められるのか。
 患者が医師の診察を受けたがらないというケースもあると思いますけれども、きちんと受けさせる。受けるようにする。例えば、逃げようとする患者さんを押さえて診療を受けさせるといったことまで想定されるのか。あるいは、後見人などの場合のように保護者が必ずしも御本人の日常生活を把握している場合ばかりではないケースもございます。そういったときに保護者に限らず家族、周りの方々の御意見を聞くべきだ、聞くべきと判断する場合があるのではないか。
 診断につきましては、一般医療との関係でも言いますと、本人と医師との関係で行われることが基本であるということで考えますと基本であるわけですけれども、精神障害のある方の場合には適切な診断を行うためには本人だけではなく、家族などの関係者から意見を聞く必要がある場合もあるのではないか。例えば、個人情報の保護といった関係で言いますと、なかなか本人と医師との間で行うことに御家族がどういった形で参画していくかといった、医師が御家族から話を聞く、あるいは家族が本人について医師へ話をする。そういったよりどころが必要ではないかということも論点としてあると考えられます。
 一方で、本人と保護者の関係は様々ですので、保護者を診断に参加させることが不適切、適切ではないような場合もあるのではないかといったことも論点として挙げられます。
 以上が、「医師に協力すること」に関して考えられる論点ということでございます。
 続きまして、22条の3項で「医師の指示に従うこと」という規定でございます。この規定は、医療を受けさせるに当たっては医師の指示に従わなければならないということですけれども、これにつきましては論点のところですが、具体的にどういうケースを想定しているかということが非常に明確になかなかなっていない規定でございます。医師が薬を増やす、作業療法をしてくれない、そういった保護者の希望と異なる医療を提供する場合についても医師が治療上、必要と判断する場合には保護者は応じる義務があるのかどうか。
 現実問題としては、保護者の意向を無視した医療を行うということは難しいのではないか。本規定による義務は、医師の指示に従わなければならないということであって、診療に同意するということではない。そう考えますと、保護者に対する医師の指示としてどのようなものが考えられるか。診療そのものではなくて、その周辺に関わること、帰りたいと言っても今の状態では難しいので同意しないでくださいですとか、寂しがっているので会いに来てくださいですとか、差し入れをしないでください。そういったものは指示として考えられるのかどうか。そういったことが論点になろうかと思います。
 続きまして、41条の「回復した措置入院者等を引き取ること」ということで、保護者は措置入院の方で退院する方を引き取るという義務が課せられております。ここにつきましては、本規定の解釈の丸の2つ目ですけれども、退院後の行き先として任意入院または医療保護入院への入院形態の変更による入院継続、そういったケースも考えられます。引取り義務を果たすということの中には、医療保護入院に同意するといったことも含まれているというふうに解釈いたしております。
 そういう場合ではなくて、自宅と言いますか、地域生活に戻る場合で受け入れ先がなかなかないという場合については、保護者にかかる義務あるいは責務が大きくなると考えられます。
 「論点」といたしましては、保護者については御両親がその役割を担うことが多い中で高齢化が進行しており、実際に引き取って保護することは困難になっていることもあるのではないか。あるいは、家庭環境、家族関係、様々ありますので、自宅で引き取ることが困難な場合もあるのではないか。それで、後見人ですとか生活をともにしていない家族の場合に関しましては、自宅に引き取ることは難しいということになります。医療保護入院への移行ですとか、施設等への入所による対応が中心になるのではないか。その場合、負担はどのくらいあるのかといったことが論点になります。
 その次のページですけれども、この規定がなくなった場合に措置入院者、措置入院の患者さんが退院する際に退院後の受け入れ先がどこにもないという事態はやはり避けなければいけない。そういうことを考えますと、いずれかの方が受け入れ先を調整するという機能は必要となるのではないかということでございます。
 22条の2は、措置入院の方が退院されるときに社会復帰の施設等に必要な支援を求めるという規定でございます。これは、いわば退院の引取り義務と先ほど説明した41条の義務とセットだということになりますので、41条の義務とセットで検討すべきではないかということでございます。
 それからもう一つ、最後のページですけれども、38条の4という規定がございます。退院請求等の請求をすることができる。御本人とともに保護者に関しましては都道府県知事に対して退院請求ですとか、処遇改善の請求をすることができます。これらに関しましては、入院患者の権利擁護という機能を果たしているのではないかということで、どちらかというと義務ということではなくて権利というふうに位置付けられるのではないかということでございます。
 以上、やや長い説明になりましたけれども、こういった論点で規定の一つひとつについて検討を深めていただければと考えております。我々の考えられる限りで論点を出しましたけれども、まだまだやはり現場の方々、あるいは御本人、御家族、そういったお立場から足りない、あるいはこういった検討が必要ということがあろうかと思いますので、そういったところを様々な御意見をいただければと考えております。
 少し長くなりましたが、説明は以上でございます。

○町野座長 ありがとうございました。いろいろ御質問したいことがおありになるだろうと思いますけれども、後ほどまとめてということにさせていただきたいと思います。
 そういうことで、資料の説明を続けさせていただきます。独立行政法人国立精神・神経医療センター精神保健研究所社会精神保健研究部の伊藤部長より、保護者制度・入院制度の国際比較についての資料を提出していただいておりますので、その御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○伊藤参考人 ありがとうございます。海外における入院医療に関して、研究班で調査してまいりました結果について御紹介いたします。お手元にあります参考資料2に基づいて御説明をさせていただきます。
 調査方法でありますが、各国の状況を同じ基準で整理するために、調査方法はできる限り根拠が追える方法で実施いたしました。
 第1に、既に発表されている多国間比較の調査結果をまとめました。
 第2に、それぞれ注目されている国に詳しい研究者へ協力依頼をいたしました。この2つの方法で集約された内容をまとめたものであります。
 3枚目のスライドでございます。まず非任意入院に関する法律です。資料には、7か国の根拠法を示しました。備考につきましては、英国やフランスなど、入院形態の種類を整理している国と、フィンランドやイタリアなど、非任意入院の要件を示している国があります。
 4枚目でございます。保護者制度につきましては、保護者制度の有無、保護者の順位、権利、義務についてまとめました。保護者に関する記述は英国、フランス、オランダ、韓国やオーストラリアにおいて存在していました。
 次から、各国についての状況を簡単に見ていきたいと思います。5枚目でございます。英国は主に4つの入院形態が存在しています。
 スライドの6でありますが、それぞれの入院の判断者、提案者、決定者と手続きを示しています。提案者で注目すべきことは、直近の親族が評価、治療、緊急評価のための入院において示されているということです。判断者を主にしてあるということも特徴でありました。
 なお、承認を受けた精神保健従事者という記載があります。次のスライドで御説明をいたします。スライドの7であります。
 ここにAMHPと書かれていますのが、この従事者を示しています。左の下に説明がありますように、非入院手続に関与するための国家承認を受けた精神保健従事者のことで、一定期間以上の臨床経験を持ち、半年にわたる専門研修を受講し、国家認定を受けた者です。多くはソーシャルワーカーですが、近年の法改正で認定職種を拡大しています。具体的には看護職や心理職、OTなどが加わったと聞いております。非任意入院は、このAMHPを介しての申請が主流となるということでありました。
 8枚目でございます。フィンランドでありますが、この国は医療圏が明確であります。非任意入院というのは3段階で行われています。
 次の9枚目のスライドがわかりやすいと思いますので、これに基づいて御説明いたします。非同意入院のための診断は、まずかかりつけ医による判断によるM1という入院、その次に精神科医によるM2、そして上級精神科医によるM3で分類されています。それぞれの受入れ施設や機関も明確となっています。
 スライド10からはフランスです。ここでは4つの入院形態があります。権限主体を見ますと、行政官が権限を持つ場合と、精神科医が権限を持つ場合があることが特徴的であります。
 11枚目に入院の申立者についてありますが、ここは行政官、警察、そして保護者があり、申立てを受けて医師が提案をし、行政官もしくは医師が決定するということになっていました。
 12枚目がイタリアでございます。イタリアの入院制度は簡素でして、非任意入院は主治医及び別の公立病院医師の判断によって市長が入院決定を行う1類型があるとのことでした。
 13枚目からはオランダについてです。オランダには入院の仮命令、収容延長命令、そしてこの2つの類型で危険が切迫している場合の緊急命令の3類型がありました。
 14枚目のスライドで、非任意入院の判断や同意手続について、仮命令では配偶者、親、保護者が請求し、裁判所が決定するという流れが記載されていました。緊急性がある場合は医師が判断して、決定した市長が配偶者や近親者へ通知する努力が示されています。
 15枚目に移ります。オランダの法律で、入院ではないのですが、強制力を持つ形態がありましたので御紹介をいたします。まず、条件付命令とは精神科病院以外での管理が可能な場合を定めているものです。観察命令とは、検察官からの請求による観察入院についてです。
 興味深いのは、前者の条件付き命令の判断や同意についてです。これでは精神科病院以外での管理は6か月の有効期間があり、命令条件を対象者が遵守しなかった場合は精神科病院への入院をするということが明記されています。精神科の通院を義務付ける通院措置の制度のある国も存在し、より制限的でない制度づくりの参考事例となるかもしれません。
 16枚目は、韓国です。韓国では、非任意入院には保護義務者による入院、知事による入院及び応急入院があります。仮退院や通院措置の制度も精神保健法上で規定されているとのことでした。
 17枚目からは、オーストラリアのビクトリア州についてであります。こちらにおきましても非入院の制度が確認されています。18枚目をご覧ください。まず精神疾患の診断のための評価命令が必要となります。評価命令が出されると精神保健施設に移送され、そこで認定された精神科医が入院治療命令、コミュニティ治療命令、評価命令取消しのいずれかを選択するということになります。
 19枚目から続く4つのスライドは、英国、ヨーロッパ諸国での非任意入院の概要です。頻度、評価者、基準、決定者、通院措置の有無、期間などを、既存研究成果をベースに作成しております。
 20枚目については、特に期間についてまとめております。
 21枚目のスライドは、緊急非任意入院の提案者と決定者、入院期間や監督官庁についてまとめたものです。決定者は医師である場合がほとんどですが、提案者は医師や親族、後見人など、多様でありました。
 22枚目のスライドも同様でありまして、これは通常の非任意入院ですが、緊急入院と同様の傾向を見てとることができます。
 最後に、23枚目でございます。以上の分析をまとめます。大変多くの情報がありますが、今回議論されているテーマに関連しては2つのポイントを挙げることができるのではないかと考えています。1つは、親族等の申立てによる非任意入院制度のある国が複数存在しているということです。もう一つは、医師の判断による非入院制度のある国がやはり存在していました。
 なお、本報告は家族の医師が非任意入院プロセスに関係するかという観点からの分析で、我が国における保護者制度と同等の制度の存否に関する分析ではありません。また、どの程度運用されている制度であるかについても今回の調査では明らかにするに至りませんでした。
 以上の限界はありますが、非任意入院制度については各国で合意の得られる範囲で、より制限的でない処遇となるよう、それぞれの国で工夫が続けられているということが、今回まとめるに当たり感じた次第です。以上で終わります。

○町野座長 どうもありがとうございました。
 それでは、残された時間を使いましてフリートーキングといいますか、いろいろな質問や御議論をいただきたいと思います。では、堀江先生どうぞ。

○堀江構成員 まず伺いたいのですが、私はここで言う保護者なのですけれども、この構成員の方たちの中で保護者に今なっていらっしゃる方はいらっしゃいますか。もし差し支えなければ、1人だけだったら非常に心細いと思いまして。

             (良田構成員挙手)

○堀江構成員 わかりました。
 まず、自己紹介からさせていただきます。娘が20年前に発症しまして、7年前に入院をいたしました。そのときに、初めて保護者になることに病院の方から言われてなったわけです。家裁に出かけて行って審査されるんです。なぜなったかといいますと、十何年薬を飲まされ続けてきているうちに、どうやっても回復していかない。どんどん上乗せされていく。今になってみると、多剤大量投与によって混乱していたんだということがとてもわかるのですが、その当時はそういうことは全くわかりませんでしたので、保護者制度を活用することになりました。
 これから話すのは、向精神病薬はいろいろな薬があるものですから、その薬をクロルプロマジン換算値で出した話でいたしますけれども、当初入院していたときは1,200ミリくらいまで飲まされました。それから信頼できるセカンドオピニオンと遭遇をして、現在は発達障害系だったのではないかということで、去年の1月1日、私の手帳を見てみましたらCP換算で100ミリになっていました。その後、1年かけて今10ミリ以下になりました。ですから、千何百ミリというものから見ますと驚くべき数字になります。
 その保護者になってから、私も知識がなくて右往左往したわけですけれども、その保護者制度で保護者と言われた後、何らかの支援というものが全くなかったんです。ですから、全くわからないままで結局20年を過ごしてきています。医者からも詳しい説明というのは、診療報酬から見ればとてもペイする話ではないわけで、そういう説明もない状態でした。
 それは、私個人だけの経験ではなく、一昨年、家族の有志で早期支援の実態調査を実施したのですが、全国から1,485名の方たちに答えていただいて、その方たちのデータを見ましても発症時に家族は何らかの精神疾患の知識を持っていたかという質問に、9割の方たちが持っていませんでした。全く持っていないでこの状態に突入をするという現状です。それがはっきりわかりまして、私の体験も実は意外と普遍的な意味があるということがよくわかりました。
 それからもう一つの私の根拠は、現在は娘の母親がインターネットを通じて1,000人くらいのカルテの公開グループと交流をしています。そのカルテの公開グループは何かというと、現在の治療現場が薬の多剤大量、または適した医療サービスになっていないものですから、そこで悩み苦しんでいる人たちがインターネットを通じて医師や専門家たちと一緒に実態を明らかにしながら、どうしたらいいだろうかという相談をするものです。そこに参加をしておりまして、非常にきつい状況にいる方たちが各地で十数名ぐらいづ直接の交流をしています。私の妻も毎月1回ずつ都内の会議室などを借りながら情報交換をしています。
 この二つの体験のみでは非常に狭いですから、野村さんのような家族会でずっと経験をされてきている方がオーソドックスな情報はあるんだろうと思いますので、野村さんにお譲りするところは結構あると思います。
 それで、ちょっと長いのですが、もうお1人と2人だけが体験者ということのようですから、少し時間を取らせていただいて話します。まずこの保護者制度についての検討の前提ですけれども、第1に患者に対して最新で最適な保健医療サービスを提供するためにどうするか、ということだと考えます。
 それから、精神疾患を罹患し、現在治療中の人たちというのは全国民の40人に1人と言われていますが、生涯に1度はかかるであろうという人が4人に1人ぐらいいる。ですから第2は、精神疾患は国民的課題だということを前提に議論を進めていただきたい。
 それから、私は早期支援の調査をしたときに、思春期精神病様体験という幻聴、幻覚ですけれども、これを思春期に体験している人たちが14%いるというのが日本の調査結果です。ヨーロッパではもっと高い率です。言ってみれば7人に1人は今、学校で大変苦しい状況の中にあるということを意味しているわけで、世田谷でも1万人の子どもたちが今現在、幻聴、幻覚を体験しながら学校に通っている、または引きこもりをしている。思春期精神病様体験の問題が重要であるというのが第3の前提です。
 この三つを前提において、保護者制度そのものについて3点意見を言わせていただきます。
 治療同意に対する無能力というんでしょうか、いわば治療必要性の認識が混乱している状況の人に対して、最適な情報を得ていない家族たちが保護者になる理由というのはどこにあるのでしょうか。それがまず1番目です。
 それから、2番目は身体拘束というのですか、人身拘束というのでしょうか、後で専門家の委員の方たちに教えていただきたいが、近代社会の中で身体拘束をする根拠は司法処分、行政処分、緊急避難という3つの方法以外にあるのでしょうか。なぜ成人の身体拘束を家族合意をベースにしないといけないのでしょうか。家族でなくても、社会の側が人権を守るべく、専門的に最適な知識を持っている方たちが、これは今、入院が必要だとか、治療が必要だという判断をすべきではないのでしょうか。
 それを、90%の全く知らなかった人たちに合意をさせていくルールというのは一体何なんだろうかということがです。私は行政処分というのは警察が入ってくるとか、そういうことではなくて、行政という責任者が患者の心身の保護をする。権利を擁護するという前提に立つわけですから、そういう意味での行政の執行権限を持つべきだと思います。これが2番目です。
 それから、3番目は行政が人権擁護者として登場するという前提でこれからの仕組みを考えていただくとすれば、今年初めて予算化されたような地域精神保健、地域での生活支援体制をもっともっと充実させていく。そのことを抜きにして問題のある旧来の保護者制度を、現状追認で議論してほしてほしくない。
 それから、幾つか派生する問題として、例えば医療費の取りはぐれがあるかが医療機関の本音にあるようですが、どこの国でも保護者制度同様の制度がありますというような説明をされています。これは大変な誤解を招くわけでありまして、多くの国にあるのだったらそのまま続ければいいじゃないかとなりますけれども、それはないでしょう。これは具体的にこれからの議論の中で実態をはっきりさせていった方がいいと思いますけれども、海外調査報告の最後でこの研究報告の保護者制度は我が国と同等のものではないと言っているわけですから、同等なものでないのなら、保護者制度はありますよと頭からやられますと、何かこのまま続くのかというふうに受け取られます。そこのところは丁寧な審議をお願いしたいと思います。

○町野座長 ありがとうございます。今、幾つか出ましたけれども、海外調査の点についてです。先ほど堀江構成員が言われましたように、日本では保護者の承諾がなければ入れられないという制度になっていますけれども、このような国としては、つまり申請する人というのは親族だとか友人だったりいろいろな人がやる。それが何かなければ強制入院の手続は取れないというのは、恐らく全ての国にある制度だろうと思いますけれども、その申請した人あるいは保護者といいますか、その親族が同意しなければ入れられない。強制入院できない国というのは、日本以外には韓国くらいじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤参考人 結論から申し上げますと、座長のご指摘のとおりです。限られた時間の中で正確なまとめを努力してまいりましたが、法文を専門家が読めば読むほど、なかなか判断がつかなくなってくるところがありました。
 その結果、何らかの形で入院のプロセスに家族が関わるというかなり幅広い意味で、保護者的な役割があるという観点からまとめることにいたしました。
 実際に入院の同意まである国は、座長がおっしゃられた韓国のみが確認できました。他の国については、確認ができていません。

○町野座長 ありがとうございました。それからもう一点は、医療保護入院のときに医療費についてどれぐらい国が負担することができるかどうか。即答は難しいと思いますけれども、何か感じだけでもございますでしょうか。

○本後課長補佐 制度的には、措置入院の場合には負担はほとんどの場合ないという形になっておりまして、医療保護入院の場合には通常の入院という形とイコールですので、通常の入院と同じ自己負担が生じるという形になります。
 ですので、やはり現場の中ではいろいろな場合で取りはぐれといいますか、利用者の負担を払わないケースがあるだろうとは思いますけれども、個々の医療機関のことでもありますので、その定量的な把握は難しいとは思います。

○町野座長 ありがとうございます。この点も、恐らく医療費の問題というのは、それぞれの比較的な考察の中でそれぞれの国が強制入院についてどのような費用負担をしているかというようなことも、いずれ調べなければいけない問題だろうと思います。
 それでは、お願いいたします。

○野村構成員 家族の野村と申します。非任意入院というときに家族がこれを申し立てる。その申立てのことに関して申し上げますと、申立てをする時点で拒否を本人がしている場合には非常に大きな対立となります。というのは、本人は自分を病気と思っていない場合が多くて、自由な生活をずっと続けていたい。それで、周りに迷惑をかけていても本人は迷惑をかけていることの認識がない。家族とか隣人は大変な思いをしていますが、それが耐え切れなくなったときに、あるいは不安が非常に大きくなったときに家族は申立てをしますけれども、そのことを本人は非常に怒ることがよくあります。
 それで、本人は、自分はこのまま家に置いておいてほしいのになぜそんな電話をしたりして病院を呼んでどこかに私を隔離しようとするのか。自分の生活する権利を脅かそうとするのかという意識を非常に強く持って、そこで家族との間に非常に大きな対立が起きるんです。ですから、申立てをする時点で前の会議のまとめにも書かれておりますが、入院に同意するのと同じようなトラブルが本人と家族の間に発生するということです。これは非常にその後の家族関係に大きな影響を与えていきます。
 それと、家族が申立てをするときにもう一つ事例がありました。ある女の方がアパートを借りていて非常に状態が悪くなって隣の人にいろいろな要求をしてどなったりして大変なことになってまいりまして、アパートから退去してほしいということがありました。それで、家族を探したのですが、誰からも拒否されて絶交されていた方ですが、ようやく妹さんが見つかって、妹さんがお姉さんに会いにきてお姉さんの話を聞いているうちに、姉は正常だから私は入院は全く反対ですと言って妹さんはそれを拒絶してしまわれたものだから、お姉さんは結局入院しないでずっとそのアパートにいるわけです。仕方がないので、不動産屋さんが自分でお金を払って他のアパートにお願いして移っていただいたという例があります。
 こんなこともありまして、家族は入院の判断をしたりすること、あるいは申立てをするというときに非常に大きな問題を抱えることになる。このことに関しては入院の承諾もそうですが、その家族と本人の間に中立に立っている公的機関が判断をし、決めるということの方がよほどすっきりするのではないか。
 というのは、家族の方に非常に恣意性というか、自分を中心とした勝手なことを言う立場にもありますので、一たん病院に押し込んでずっと出てきてほしくない。早く病院に入れてしまいたい。自分の生活を防衛するために強制的に病院に押し込んでしまおうというようなことがあるわけです。
 それから、非任意入院というとガードマンを雇って本人は嫌がるのに、病院の許可を取っておいて強制的に病院に連れ込んで病院にずっと押し込んでおく。退院したらどうですかという話があっても絶対受け取らないと家族が言い張って、本人はずっとそこで社会的入院を続けていくことになる。私は家族会で長いこといろいろな状況を見ておりますが、いろいろな面で不都合なことがたくさんあるんですね。ですから、これは法律家も交えた中立の第三者機関、精神科の医師も入っていただいている機関できちんとやる方がいいのではないかと思います。
 それから、精神医療審査会が今ありますが、本当に機能をきちんと果たしているのだろうかと思います。いろいろな申立てがあってもせいぜい5%くらいは退院したり、処遇改善、環境改善とかしてもらえるのですが、多くの場合にはそれが何も聞き入れてもらえないでそのまま入院が続くということがありますから、本人の人権を守るということにおいて精神医療審査会はもう少し、例えばそこに家族と当事者の代表を入れてもいいのではないか。そして、病院の支援する側だけの意見ではない当事者側に立って弁護する人たちもそこの審査会に入っていいのではないかと私は考えます。
 それから、この問題とちょっと離れるのですが、一般的に保護者ということで家族は負わされていますが、その役割は非常に重過ぎると思います。というのは、地域のいろいろな機関が寄ってたかってお世話をしても大変な一つひとつのケースを、さっき堀江さんのお話もありましたが、何の専門知識もない家族がいきなりその立場に立たされて保護者になって、精神科病院の代わりもやっているんですね。
 というのは、急性症状が起きても家族で対応するんですね。病院に行こうと言っても本人が嫌だと言ったら強制的にどうやって病院に連れて行くんでしょうか。それから、家庭には保護室もないんですよ。スタッフも家族しかいない。もうへとへとになってくたびれながら、状態がよくなったり悪くなったりするのを見守っているわけです。
 ですから、申立てを家族がするというのは、そもそもそういうところに家族が置かれているから申立てをせざるを得なくなる。だったら、普段その方本人が暮らしていることを地域の医療機関がちゃんと病状の把握をしていて、何も家族が大変になりましたと申立てをしなくてもこの方は放っておくと病状が悪くなって入院になるなと思ったら、悪くなりかけた時点で医療機関からしばらく休息しませんかとか、あるいは一時ショートステイの施設とかを用意しておいていただいて、そこにしばらく休みませんかという声かけをしていただいて、医療関係者と本人でそういった事前の入院に至る前のメンタルケアをしてもらうというようなことを家族は非常に強く望みます。
 それで、また先ほどの話に戻りますが、家族は精神科病院の一部分の代わりもやって、ずっと24時間365日お世話をし続けますし、家族は何も交代、交代で勤務しているわけではないんです。本人と一緒に365日一緒に暮らしながら交代もなく、休息もなく、ずっと見ているわけです。これは非常に疲れることです。
 特に一人親で一緒に暮らしていたり、二人親でもそうですが、家族が年々年老いていって60歳、70歳、80歳を迎えていき、自分も大変なのに、「預かっている」という言い方を私はしたくなるんですが、本人は行くところがないから家に置いておいて、それをずっと見守って養って、お医者さんの言うことを聞きながら言ったとおりに一生懸命見守っていって、何かあったら病院に通報するというような役割は過酷過ぎると思うんです。
 生活費だって、本人が年金をもらっている人もいればもらっていない人もおります。もらっていない場合は特に悲惨です。生活保護も受けたくない。ぎりぎりの親の年金と、本人の作業所の収入があればいい方で、引きこもりが多いですから、本当に親の年金と障害年金をもらえる人は障害年金で暮らしているわけです。それで、収入もない。入院すると、仕方がないから家族が何とか貯金を下ろしたり、年金で普段から節約したものを入院費に充てるわけです。これは、大変な負担です。
 それから、本人は障害年金を自分のものだと思って全部お小遣いに使ってしまう人がいます。それを家計に入れなさいと言うと乱暴が始まったりして、親はそれ以上言えなくて仕方がないから全ての負担を同居している親族がしている場合もたくさんあるんです。
 それから、家族は御飯を三度三度つくって出しますし、洗濯をしている場合もある。本人にやりなさいと言ってもやらないです。甘えの関係もあるし、本人はやる気が全く起きないような状況で家の中でふせっていたり、部屋に閉じこもっているケースが非常に多いです。そうすると、家族はヘルパーもやらなければいけないし、ともかく全ての公的機関の代わりをその1軒の家の中で孤立した中でこなしているわけです。これをやはり地域に移して、地域の公的機関が協力し合いながら家族が果たしている役割を社会保障も含めてやっていくべきであると、私は非常に強く訴えたいと思います。
 医療費は、家族が大変な入院費を、時々入院することがあるときにはガードマンを雇って車で病院に連れて行ってもらいますが、移送制度が東京都では1件しか年間しかやらない地域ですから、病院に本人が行くと言わない場合にはガードマンを雇って、1回安くて10万円です。多くて30万円、昔は百何十万も家族が払ったんです。入院するときにガードマンを雇うわけですが、そのお金も家族負担で何にも保険が効かないんです。全額家族負担です。
 そして、一回病院に入ってもらうとまた3か月後に出てくるわけです。そして、またあの病院に押し込むときにはまたガードマンを雇ってお金がかかるわけです。それで、退院してくると、はい、これからは家族の方が見るんですよということで退院してくるわけです。そうすると、今まで果てしなく続いていた介護をまた家族が続けなきゃいけないんです。引き取る義務というのを一体どうしたものだろうかと私は強く思います。
 それで、なぜ医療費は公的負担でやらなきゃいけないかというと、放置して置いておくと病状が非常に悪くなって地域の中のいろいろな事件につながるんですね。家族も年間80人くらいは亡くなっているんです。障害の方が錯乱して、急性症状で本当に心身喪失でもって家族が死ぬことがよくある。それが年間80人くらいいるんです。それを家族は耐えながら見ているわけで、医療を受けないなんて言い始めたら家族が死ぬ率がもっともっと増えていくし、地域だって被害に遭う方がたくさん増えていくんです。
 そうすると、医療費というものは払えない人が払わないから病院に行かないということは絶対に起きてはいけないことです。そうすると、これは公的負担で通院費と入院費は払うべきではないかと私は考えております。
 長くなりましたが、以上です。

○町野座長 ありがとうございました。それでは、お願いいたします。

○六本木構成員 先ほどの海外の入院医療に関しての資料の確認です。19枚目の最後の部分ですが、患者割合100万人対というところですけれども、これは入院患者のうちの非任意入院が何%で、それは100万人に対して何人に当たる数値ということでしょうか。

○伊藤参考人 前半はその通りです。患者さん当たりで、100万人というのは人口100万人当たりで実施された数字でございます。

○六本木構成員 それで、日本の数値を見て同じように計算すると非同意入院が人口100万人当たり1,000くらいになるんです。諸外国と比べても非常に高いということがこの資料からわかったんですけれども、今回は保護者制度の部分なのでそれはさておきなのですが、先ほどの資料4の方に入ってよろしいでしょうか。保健所の立場で言わせてもらいますけれども、「治療を受けさせること」という、ページで言うと4ページ以降の部分で、7ページの下から2つ目の丸なのですが、本人が受診を拒否している際に確かに保健所の方では家族に受診させるようにということで申し上げるんですけれども、なかなかそこはうまくいきません。先ほども発言がございましたとおり、これを無理にやっていくと結局、家族関係が悪くなるということが起こります。
 だから、ここがよりどころになっているのではありますけれども、実際はこの部分も十分に機能していない。保健所は確かにここをよりどころとして、家族に対して治療を受けさせるように指導はしますけれども、これがあるからうまくいっているということでもないということですので、十分検討が必要だと考えています。

○町野座長 ありがとうございました。それでは、お願いいたします。

○河崎構成員 日精協の河崎です。先ほどから堀江さんあるいは野村さんの方から、御家族のお立場でいろいろと本当に御苦労なされたり、あるいは心を痛めておられるというお話があったわけですけれども、1点は先ほど町野先生の方からいわゆる諸外国で非自発的な入院の際の医療費がどういうふうになっているのか、一度調べてみる必要があるとおっしゃっておられましたが、まさしくそのとおりだと思うんです。私も詳しいことはわかりませんが、聞くところによると非自発的入院の多くは公費によって入院費用が賄われている諸外国が多いということは聞いております。
 ただ、日本の場合には医療保護入院は約4割あるわけです。これは、先ほど六本木構成員の方からも御指摘がありましたが、諸外国に比べて非常にその率が高い。これをどのようにして、もしこういう非自発的入院の費用を公費で賄うというようなことが現実的に可能なのかどうかという検討は別にして、この辺りを今後どういうふうに考えていくのかということは極めて重要な一つの方向性のお話があったのかなというふうに思います。
 それからもう一点ですけれども、今回のこの作業チームの役割としていろいろな論点を浮き彫りにしていくということで、最初に事務局の方からもお話があったと思っていますけれども、それはもう一度確認をしたいのですが、今回の資料4の部分を一つひとつ、こういうことに対して他に考え方がないかとか、そういうことを主たる仕事としてこの作業チームが行っていくという位置づけとして考えてよろしいですか。

○本後課長補佐 保護者の検討を今年の夏までをめどにするということになっていますけれども、その中では今、河崎構成員がおっしゃったように、この規定の一つひとつについてどうかという論点を深めていっていただければということでございます。おっしゃるとおりでございます。

○河崎構成員 そうしますと、いわゆる保護者制度を今後も存続をしていくのか、なくすのか、あるいはそれに取って代わるようなシステムをつくり上げていくのかというようなことは、この上のいわゆる第3ラウンドの検討チームの方がそういう具体的なことに対して話を進めて結論を出していくというような位置づけだということでよろしいのですね。

○本後課長補佐 作業チームの中ではまさにこういう論点があるということを挙げていただいて、そこに対して結論を出すということではなくて、結論、方向性を決めていただくのは検討中という場になると思います。
 ただ、様々な御議論をいただく中で、方向性を持った論点というのは議論の中では出てこようかと思いますので、そういったことも論点という形で様々な観点から出していただければと考えております。

○町野座長 それでは、お願いいたします。

○広田構成員 精神医療サバイザーの広田です。今日は1月7日ということで、20代のときに自分で買った着物を着てきましたけれど、くらくらする思いでこの資料を読み、くらくらする思いで御家族の話を聞いて、いわゆる強制入院にしてお金をただにしようとかという話をしていますが、今日も共同の記者が来ていますけれど、私は去年、22年8か月ぶりに「精神医療の不適切な医療だった」と謝罪された。それで、医者も「医療ミスでした」と自分で言っていました。でも、カルテを20年間開示したらミスなんて書いていなくて、韓国の男性と恋愛していたことを恋愛妄想ととらえ、それで注射を打たれ、その注射の副作用で入院をし、退院しても薬を飲まなければ眠れなくなってしまい、薬を飲んでも音がすれば眠れないという日本の精神医療の被害者はなぜできたのかということが今日わかりました。つまり、この保護者制度が大きな1つです。
昭和63年3月1日の注射です。私の診察をせずに、カルテに書いてあります。愚痴の多い母親と。愚痴の多い母親と書きながら、愚痴を聞いて本人の診察をせず、私が入ってにこやかに、「おはようございます」と言ったら、「あなたはたまに薬を飲み忘れることがあるんじゃない?」 。飲んでいませんから何げなく、「えぇ」と答えたら「注射を打ちます」と、やりとりはそれだけです。
 私はアレルギー体質だから困りますといすを引いたんですけれど、そばにいた看護師さんになる前の看護婦さんが、先生のおっしゃるようにするのと言って医師に協力し、注射を打ってしまったら22時間歩き回り、当時働いていましたが、それこそ仕事どころではなくなった。
 それが、さっき堀江お父さんがおっしゃった、親が病気を知らない。私は知らなくていいと思います。知らない幸せというのはいっぱいあります。私などは知り過ぎた不幸せだらけです。あちらの組織、こちらの組織。
 そうしますと、何でもこの業界は症状で見るんです。今日も午前中から県の精神保健福祉センターへ行って参りました。私は、池田小学校事件が起きたときの法務省と厚労省の合同検討会の参考人に依頼されました。それをつぶしたのは誰か。もちろん仲間が夜中にファックスを送ってきたりとか、意見の違いはいろいろあります。最終的には神奈川県の精神保健福祉センターです。それを2002年に言いました。私は2001年に命をかけて出ようとしていた。池田小で12のマスコミからアクセスがあったわけです。
 それで、当時、患者会にファックスがありませんから、センターのファックスを使ってやり取りし、電話で確認していたら、今、相談課長の笹川さんという人です。私も実名で発言し、彼女も責任ある立場です。当時は職員だった笹川課長が、「センターの電話を使わないで」。「今、私は命がけだからわかって」と。その時点で近所の人も交番のおまわりさんも、連日のように新聞に出るしワイドショーも出ているわけですから一般の人は皆、応援しているんです。それが、精神保健福祉センターの職員が、センターの電話を使わないでと。命がけだからわかってと言ったときに、私の個人的な命がけじゃないです。この国の精神障害者のための命がけです。「私は広田さんの活動には何の関心もない。私に関心があるのは患者会のことよ」。
 今日もそうです。忙しいさなか、一たん戻って着物に着替えてきているわけです。そのさなかに電話が入っている。障害者支援が、働いたのにもらっているお金が合わない。それで、障害者支援担当に付き添ってもらって行ったら何と言ったと思いますか。御本人は興奮したらしいです。そうしたら、「福祉事務所はあなたの病気がわかっていないから」と。そうじゃないんです。問題が起こっているから行っているんです。でも、私に電話がかかってきましたから、ではあなたが言う数字と福祉事務所が言う数字の明細を書いてもらってください。つき合わせたらどうですかと言ったら合っていたらしいです。
 そのくらいのことは保健所にやってほしいんです。やらないんですよ。やれない保健所、障害者支援担当、精神保健福祉センター、「厚生労働省はいろいろな隔離収用政策を取ったりして謝罪してほしい」とずっとこの間、言ってきました。だけど、ここへ来てみたらうつ病になりそうなくらい仕事をしているわけです。
 ところが、地方公務員は組合にあぐらをかいてしまってやっていないという実態がありますから、私も警察に任せないでも行政にやらせるべきだと思います。でも、実態はそうです。
 それと、入院制度のところで詳しく話しますが、私は13年前から警察と救急隊周りを夜中までしています。それで、あるとき、夜中の12時32分です。倒れそうになった人が警察に入って行ったんです。それで、私も入っていったんです。それで、「どうされたの?」と聞いたらその人は「死にたい」と言うから、「どうしたいのか」と聞いたら、「入院したい」と言うから神奈川県の精神科のソフト救急に電話したんです。
 一人暮らしの人は保護者がいないから警察官通報にかけてください。ソフト救急ですよ。今は警察にいるわけだから、「警察官はどう判断しているんですか」と聞くので、「警察官は事件を解決する人ですよ。医者でもなければ看護師でもない」わけです。警察官の判断を聞くより私の判断です。しかも、窓口は私が電話した瞬間に「声でわかったわ」と、2回線あるから隣の人と話しているんです。声でわかったら何とかしてほしいわけです。
 それで却下されて、その人は警察に一晩泊まりました。それでこの間よたよたと商店街で何か寝っ転がっていたから、どうされたの? と私はもう一回声をかけましたけれど、そういうふうな現状が神奈川県の実態であるんです。だらしない衛生行政です。

○町野座長 広田構成員、すみません。他に発言される方もおりますので、あと1分くらいでお願いします。

○広田構成員 相談員と名乗っても友達と名乗っても病棟に入れない神奈川県立芹香病院。公立でもそうです。それが実態なんです。誰が入れるか。家族です。家族ならばどこまで入れますか。四親等、今時はとこなんかと付き合っている人はいません。そういう実態があります。
 それから、ある人が逆に神奈川県立芹香病院で親が死んで退院させてもらった。兄弟から、私たちは仲間として喜んだ。そうしたら神奈川県のワーストワンの病院に家族が入院させたんです。そうしたら、病院と組んで禁治産者にしちゃったんです。これが医療保護入院の怖さなんです。
 家族が保護者になっていることの怖さですね。

○町野座長 他にございますでしょうか。では、お願いいたします。

○良田構成員 良田でございます。先ほどの御説明にもありましたように、全体的にずっとこの保護者制度を見ていますと、歴史的なことからも考えていきますと、やはり公的な責任が本当になかった精神障害者、精神医療の世界に非常に公の責任がきわめて少なかったということがすごく大きいと思うんです。民間病院にいろいろなものを追いかぶせてきてしまったということがあって、その中で民間病院が何とか病院を守っていこうとする姿勢とか、何とか医療をしやすくしようとか、あるいは社会防衛的なことも含まれていると思うんですけれども、そういうことが背景になって私はこんな義務やら何やら、ほとんど法律にこんなものはのるのかなと思うようなものが入っているわけですね。そういうものができてしまったんじゃないかと思いますと、今、障害者権利条約などが言われている世の中で、こういったようなものが残り続けていくこと自体あり得ないんじゃないかと思います。
 ですから、あまり上手には言えないんですけれども、本当にこの精神障害者の病気の方の健康と人権を守るような法律の条文に変えていけるような、そういうことができないだろうか。それを、公的責任であるべきものも病院がするべきものも、全部家族がやりなさいよというのはもう無理があるのはわかって、誰もが言っていることなので、これを大きく転換するようなきっかけに今回のこのチームが皆で知恵を合わせて考えていけないかと思います。以上です。

○町野座長 ありがとうございました。他にございますでしょうか。では、お願いします。

○堀江構成員 先ほどの本後さんの説明ですけれども、各論ごとの検討というのは当然そのとおりで、私たちも協力しながらやっているんですけれども、前回の第3ラウンドの最初の議論のときに、この問題は地域の実情とか、家族の状況とか、いろいろなものが錯綜している問題なので、この法律の議論を中心にしてというよりも、法律の専門家の方たちは是非実態との関係を正しく把握していただきたい。そして、方向性を見つけ出していただきたいと思いますので、ここの逐条をどうしましょうかというだけではないですよということを改めてお願いしたいと思います。

○町野座長 では、時間としてあと1分でよろしいですか。どうぞ。

○広田構成員 今日は前の厚労省精神障害保健課にいて法務省に戻られた方も見えていますから、さっき80に亡くなっているということですけれど、私はここのペーパーに出ていますが、非常に短文ですけれども、本当に暴れた精神障害者はいっぱい話を聞いています。精神障害者だけでなくて、皆ほとんど99%理由があります。そういうふうな状況の中で、そういう環境の中で、そういう環境因子が精神障害だと思います。そういうものが変えられる社会にしなければいけないと思います。
 それから、いわゆる世田谷に子どもたちがいっぱいいると言ったけれど、現に今日も製薬会社が見えていますが、リスパダールを飲んでもジブレキサを飲んでも幻聴、幻覚、妄想が消えないでさっきも電話を掛けてきているんです。だから、早期発見早期治療ではないと思います。

○町野座長 ありがとうございました。
 先ほどからいろいろな御議論の中で、要するに議論の進め方として個々の条文が問題ではないんだという御指摘はそのとおりだろうと思いますけれども、私の理解ではこの検討会というのは精神保健福祉政策の改革ビジョンの延長線上にあるものでございまして、その中で考えていくということで、第1ラウンドのところでアウトリーチのことをやられたということは地域精神医療に向かってどのように歩み出すかという問題であり、第2ラウンドで認知症の問題をやられたということは、その認知症の患者さんについてどのような地域精神医療が可能か、あるいはどのような入院医療がもし必要ならばそれが必要かという観点できて、そして第3ラウンドでこちらで保護者制度について扱うということは、現在のこれまでの日本の精神医療体制というのは保護者にある意味では非常に頼って、地域精神医療と入院医療との間をつないできたというやり方だろうと思うんです。
 だから、その点がやはりこのままでいいのかという議論だろうと思います。その点についての流れというのはあるわけですから、個々の条文の検討というのも当然のことながら実態といいますか、今のような大きなイメージの中で議論されるということになるだろうと思います。
 では、どうぞ。

○白石構成員 白石と申します。錯綜していて難しい議論だと思って皆様のお話を伺わせていただいていたのですけれども、1つ保護者制度というのが当然に家族とリンクしてきたということはあるにしても、保護者制度というものが当然に家族と今後もリンクすべきものかということについては検討の余地があると私は思っております。
 家族もその一員であるような制度の構成、あるいは家族が排除されるような形での制度の構成というのもあるのではないか。それから、そうなったときの保護者制度の存廃ということを考える場合には、保護者の義務と言われているものについてやはり一つずつ考えていくということがここの場での重要な検討事項だろうと思います。
 それからもう一つ、そこと別にして精神障害の方と関わる家族の立場について、これは必ずしも制度そのものの中で考えること、特に保護者制度の中で考えるべきことかどうかということを慎重に吟味しながら、家族を支援するということが保護者制度によるべきなのかどうか。特別な家族に対する支援というものがどういう形で実現できるのか。そういうことを考えていくことはとても大事だと思います。
 そういうところで、保護者制度をどうするかは別にして、家族に特別の立場を認めるか、認めないかによって、例えば先ほど堀江構成員が言ったように、何も知らされない家族に判断しろというのは無理だということなんですけれども、今の医療のあり方をどんどん敷衍していけば、保護者制度がなくなった場合に特別に家族に情報を提供するというような状況がますますなくなるという可能性もあるかもしれない。そうすると、家族が情報を必要としている現状があるのであれば、それを保護者制度で保障するのか。それとも、それ以外の制度で保障するのか。そういうことについても、家族の立場という観点から十分に考えるべきではないかと思います。
 今日の皆さんの御意見を伺って感じたことを述べさせていただきました。

○広田構成員 伊藤先生に一言聞きたいんですけれども、ここに出ている韓国に私は10年前に2回行ってもう4回行っていますが、そのときには日本の精神保健法を丸写しだったんですけれども、現在がそうかどうか調べておいてください。私が行ったときには厚生省の人に会ってそうでした。

○伊藤参考人 10年前からも随分変わっていまして、以前ありました強制的な処遇の一部をなくすなど、かなり制度は変化しているということです。

○町野座長 どうも司会の不手際で時間が押してまいりまして申し訳ございません。
 それでは、事務局の方から、次回の作業チームのテーマ及び予定について御説明をお願いいたします。

○本後課長補佐 次回の作業チームですけれども、1月20日木曜日の18時から、場所は厚生労働省の専用第22会議室、18階になりますが、そちらで開催を予定しております。
 次回ですけれども、本日お示しをいたしました資料4に基づきまして、規定の一つひとつについて次回以降、順番に検討をしていただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

○町野座長 ありがとうございました。本日は非常にお忙しい中、しかも夕方、長時間にわたりまして闊達な御意見をいただきましてどうも大変ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第1回「保護者制度・入院制度の検討」に係る作業チームを閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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