ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 健康局が実施する検討会等 > 地域保健対策検討会 > 第5回地域保健対策検討会議事録




2011年10月28日 第5回地域保健対策検討会議事録

健康局総務課地域保健室

○日時

平成23年10月28日(金)12:00〜12:00


○場所

ホテルフロラシオン青山   クレール(3F)
東京都港区南青山4−17−58


○出席者

構成員

大場 エミ (横浜市南福祉保健センター長)
岡   紳爾 (山口県健康福祉部審議監)
尾形 裕也 (九州大学大学院医学研究院医療経営・管理学講座教授)
小澤 邦壽 (群馬県衛生環境研究所長)
曽根 智史 (国立保健医療科学院国際協力研究部長)
中 由美 (大阪府藤井寺保健所地域保健課主査)
名越 究 (栃木県保健福祉部保健医療監)
羽佐田 武 (静岡県駿東郡小山町住民福祉部健康課長)
秦 榮子 (愛媛県食生活改善推進連絡協議会会長)
林 謙治 (国立保健医療科学院長)
廣田 洋子 (北海道空知総合振興局技監(北海道岩見沢保健所長))
松崎 順子 (千葉県市川市保健スポーツ部保健センター健康支援課長)
山本 都 (国立医薬品食品衛生研究所安全情報部研究員)
吉田 和仁 (愛知県尾張旭市健康福祉部健康課長)

事務局

外山 千也 (健康局長)
木村 博承 (大臣官房参事官)
堀江 裕 (生活衛生課長)
政田 敏裕 (総務課地域保健室長)
尾田 進 (総務課保健指導室長)
岡田 就将 (総務課地域保健室室長補佐)

○議題

1 開会
2 議事
(1)東日本大震災への対応を踏まえた健康危機管理のあり方について
(2)その他

○議事

○木村大臣官房参事官 皆様、おはようございます。
 第5回「地域保健対策検討会」、定刻より少し早いわけでございますけれども、少しでも議論の時間を長くとる観点から、これから開催させていただきたいと思います。
 本日は、構成員の皆様方には御多忙の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 震災等の影響もございまして、前回の開催から間隔が幾分開きましたけれども、この度、改めて再開をさせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、開会に先立ちまして、前回の開催以降、構成員に変更がございましたので、御紹介申し上げます。
 まず、愛知県健康福祉部健康担当局長の五十里構成員の後任としまして、栃木県健康福祉部保健医療監の名越構成員でございます。
○名越構成員 よろしくお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 また、事務局側の方にも異動がございましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 健康局総務課保健指導室長の尾田でございます。
○尾田保健指導室長 よろしくお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 健康局総務課地域保健室長の政田でございます。
○政田地域保健室長 政田でございます。よろしくお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 続きまして、本日の構成員の出欠状況でございますけれども、大井田構成員、岡部構成員の2名の構成員の方から御欠席との報告を受けてございます。
 それでは、林座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。
○林座長 おはようございます。
 震災があって久しぶりの会になりましたけれども、そこで本日、震災のことを踏まえてということでございますが、地域保健体制をどうやって再構築していくか、そういうことになろうかと思いますが、具体的な議事に入る前に、まず、事務局より本日の資料の確認についてお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 承知いたしました。
 それでは、お手元にある資料について御確認させていただきたいと思います。
 まず初めに、議事次第、地域保健対策検討会の名簿、座席表のほかに、
 資料1、東日本大震災への対応等について
 資料2、被災地における地域保健活動について
 資料3、東日本大震災への対応を踏まえた健康危機管理のあり方に関する論点(案)
 提出資料1、名越構成員提出資料
 提出資料2、廣田構成員提出資料
 提出資料3、小澤構成員提出資料
 提出資料4、曽根構成員提出資料
 参考資料1、東日本大震災に関連する地域保健関連予算の概要
 参考資料2、健康危機管理に関連する法令等
 参考資料3、東日本大震災被災者の健康状態等について
 参考資料4、地域保健関連分野での対応
 それ以外にもお手元にファイルでとじたものがございますが、これは前回までの検討会で出された資料を一式出させていただいております。適宜御活用いただければと思います。
 ただいま申した資料でもし足らないもの等がございましたら、事務局の方にお申し付けいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 ございませんでしょうか。
 それでは、座長、ひとつよろしくお願いいたします。
○林座長 本日の議題でございますが、たしか昨年7月に健康危機管理の在り方について最初のときから検討課題に入っていたと思います。しかし、今回、更に東日本大震災で今まで想像していなかった大規模な震災が起きたということを踏まえて、今後どうしていこうかということを本日議論させていただきたいと思います。
 現在まだオンゴーイングの状態が続いておりますけれども、メンタルヘルスの問題もございますし、仮設住宅にまだいらっしゃる方もおられますし、そういうことも踏まえながら、具体的な活動として今後どのようにすればよいのか御議論いただくわけでございます。恐らく皆さんの頭の中で非常に多くの問題意識を持っておられるかと思うんですけれども、しかし、1つずつ具体的な活動について取り上げますと、恐らく今日の会議ではおさまらないかと思いますので、今日の会議はむしろ地域保健全体の体制としてどのように持っていくべきかという観点からお話、御議論していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 それではまず、事務局からこれまでの取り組みについて説明していただきたいと思います。その後、構成員の方々から資料の提出がございますので、全国衛生部長会・名越構成員、保健所長会・廣田構成員、地衛研全国協議会・小澤構成員、被災地の支援にも従事しました国立保健医療科学院・曽根構成員からプレゼンテーションしていただき、その後に事務局から論点案を今、まとめていただいておりますので、資料3でございますけれども、それについて議論したいと思います。
 そういう流れで今日は行きまして、各発表について若干のそのことのみについての御意見をいただきたいと思いますが、全体の討議は最後に時間をとってまとめてやりたいと思いますので、議事進行の方向として時間内におさめたいと思いますので、よろしく御協力をお願いしたいと思います。かように思っております。
 では、まず、事務局より資料の説明をお願いしたいと思います。
○政田地域保健室長 地域保健室の政田でございます。
 まず、資料1「東日本大震災への対応等について」、参考資料1「東日本大震災に関連する地域保健関連予算の概要」の2点について御説明をしたいと思います。
 まず、資料1、1ページ、これは警察庁の調べでございますが、10月25日現在の被害状況が記載されております。現在の死亡者数は約1万5,829名になっております。行方不明者は3,700名余りと上っておりまして、本年4月19日に警察庁から発表されておりますが、検死結果、1万3,135人のうち水死者が92.5%ということで、ほとんどが水死によるものということでございます。阪神・淡路は約8割が住宅倒壊による窒息死と圧死であったことと異なっておりまして、ほとんどが津波の影響ということが明らかになっております。また、建物被害につきましても、11万8,000戸余りということで、甚大な被害の状況となっております。
 2ページ目、施設関係の被害状況でございます。病院関係も全壊が被災3県で10件、診療所関係も166件の全壊が出ております。多くの医療機関や下段にございます社会福祉施設関係の被害も大きな被害となっております。
 3ページ目、保健衛生関係、要は社会保険の拠点となる施設でございますが、上段にございますように、全壊が7施設でございます。そのうち市町村保健センター6か所が全壊しておりまして、内訳を申しますと、岩手県では宮古市、陸前高田市、野田村と3市町村。宮城県では女川町と南三陸町の歌川、志津川、6施設が全壊をしております。保健所の方もかなりの被害が出ておりますが、一部損壊が出ておりまして、地方衛生研究所の方も6施設が一部損壊という状況でございます。
 4ページ目、水道施設関係でございます。全体では230万5,000戸に及ぶ被害が発生しておりますが、発災直後からの復旧活動によりまして、赤いグラフでございますけれども、比較的早い段階での復旧が進んでおります。現在では津波で家屋が流された地域を除いて断水被害がすべて復旧しておりまして、家屋の流出地域は復興に併せて今後整備をする予定となっている状況でございます。
 5ページ目、災害救助法の適用地域でございますが、ごらんのように10県241市町村ということで、かなり広範に及んでおりまして、東日本一帯が災害救助法の適用になっているという状況にございます。
 次のページ、仮設住宅の設置状況でございます。上段のグラフでございますが、入居戸数、完成戸数、必要戸数ということで、それぞれ色分けがされてございますが、岩手県ではすべて完成しております。宮城県、福島県もほぼ完成し、全体的には避難所から応急仮設住宅への移行が順調に進んでいる状況にございますが、真ん中ほどにございます緑の部分でございますが、民間の借り上げが宮城県、福島県ではまだ相当数に上っているという状況にございます。
 7ページから9ページにかけまして、各ステージごとに取り組み状況を整備したものでございます。説明は割愛させていただきたいと思いますが、7ページ目には、政府関係機関の動き、医療の提供の関係。
 8ページは、医薬品の提供関係、介護・福祉・生活の関係、子どもへの対応。
 次ページは、雇用の関係、その他ということでございます。
 10ページ目が原発事故に伴う放射線の関係での対応で、食品や水道の関係の原発事故対応ということで整理させていただいております。
 11ページ目、地域保健関係を整理させていただいたものでございまして、災害対応の応急対応のものは、災害対策基本法に基づいて作成されております厚生労働省の防災計画で具体的に初動体制が示されておりますが、対人の一番下の方にございますが、発災直後からはDMATによる救護活動が開始され、ブルーの部分がございますけれども、人工透析患者への救急対応や難病患者、人口呼吸器患者への周知なども併せて行われております。避難生活が長期化、避難所での健康管理が非常に重要だということで、中ほどにございますけれども、「こころの健康を守るために」というものについても発出してございます。6月ぐらいには夏場に向けて熱中症予防の関係。一番下段にございますけれども、仮設住宅の空気環境、ハエ蚊対策に取り組むとともに、避難所生活の長期化で健康状態の悪化が懸念されておりましたので、分野横断的に留意事項をとりまとめた避難所生活の健康管理に関するガイドラインを6月3日に発出し、避難所管理者に対して周知を図っているところでございます。
 12ページは、それぞれの個々の活動が具体的に示されているものでございまして、保健師の活動と管理栄養関係の活動について後ほど詳細な御説明をいたしたいと思います。割愛させていただきます。
 参考資料1、予算の概要について説明をさせていただきたいと思います。
 めくっていただきまして、左側の一次補正につきましては、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律等によりまして、保健衛生施設の復旧に係る施設に対する補助率のかさ上げを行っておりまして、従来の2分の1から保健所は3分の2、市町村保健センターは3分の1から2分の1、地方衛生研究所は今まで補助対象となっていなかったのですが、補助率3分の2ということで追加をして措置をしております。合計13億円の予算措置になっております。
 右肩、第三次補正でございます。被災地健康支援事業ということで、29億円ほど現在計上おりまして、その下のメニューでございますが、潜在保健師の活用による継続的な保健指導の確保、応急仮設住宅への継続的な巡回保健指導の関係、その他自治体が必要と認められる事業について認めるということでございまして、現在の介護基盤緊急整備等臨時特例基金というのがございまして、こういうメニューを新たに追加することで措置をしております。実施期間は24年度末までの予算計上になっております。併せて保健衛生施設の災害復旧についても三次補正で82億円追加しておりまして、保健衛生施設の復旧に係る施設整備、プラス設備についても追加措置ということにしております。
 私からの説明は簡単でございますが、以上で終わらせていただきます。
 よろしくお願いします。
○尾田保健指導室長 続きまして、資料2、保健師の派遣につきまして、私、保健指導室長の尾田の方から御説明させていただきます。
 資料2、1ページ目、今回の震災に際しまして、全国の自治体に御協力いただきまして、被災地の方に保健師の方々に入っていただきました。その枠組みでございますが、右側の箱を中心にごらんいただければと思います。一番上が被災地の都道府県、真ん中が厚生労働省、下にその他の都道府県とございます。法令的な枠組みといたしましては、災害対策基本法がございまして、その30条の2項で被災地の都道府県知事が地方公共団体の職員の派遣について政府に対してあっせんを求めることができるという規定がございます。左にございます中央防災基本計画の方でこの業務が厚生労働省に落ちておりまして、具体的には厚生労働省保健指導室の方で全国の自治体と調整をいたしまして、被災地の方に保健師の派遣をお願いしているという仕組みでございます。
 2ページ目、実績でございますが、発災直後から被災地に入っていただきまして、4月にピークを迎えまして、全体で451名の方。これは保健師以外の方も含んでおりまして、保健師の方は299名、最大で現地に応援に入っていただいたということでございます。右肩に保健師以外の方の職種の内訳がございますが、大半は事務職の方、それ以外には管理栄養士、医師、看護師、薬剤師、獣医師といった方々にも入っていただいております。この事務職の方は車の運転だとかデータ処理あるいは事務処理、そういったことで保健師の方々とチームを組んで現地に入っていただいたという実態がございます。10月21日現在で合計35名、保健師で25名の方々が引き続き、被災地の方で応援をしていただいているという状況にございます。
 3ページ目、被災地で保健活動の対象となった方。これは応援派遣に入られた方々からの報告に基づくものでございますが、全体の大半は高齢者の方々、乳幼児、障害者の方にも一定のニーズがあり、感染症への対応はグラフをごらんいただければわかるとおり、発災当初に集中して、その後は落ち着きを見せているということでございます。
 4ページ以下、3ページにわたってお示ししておりますのは、保健師の方々に活動終了後、厚労省の方に御報告いただいております。その報告に基づきまして、3つの期間に区切りまして、特徴的な状況についてお示ししたものでございます。恐縮ですが、はしょって御説明させていただきます。
 まず、震災直後から1か月までの特徴といたしまして、避難所の水が不足しており、トイレなどの衛生状態が悪く、下痢、嘔吐など体調を崩している方が多い。健康面の訴えよりも被災のときの話をされる。そういったことで、うつ、パニック、不安神経症状、不眠を訴える方が増加しつつある。高齢者や糖尿病、経管栄養、人工透析等、個別の専門的な対応を必要とするケースも出てきている。中ほどの下に保健師活動の実際というのがございます。実際保健師がどのような活用をしたかという主なものでございますが、室内喚起、マスク着用やうがい・手指消毒の励行など、感染症予防、環境整備を行った。あるいは健康相談、ラジオ体操など、エコノミークラス症候群の予防に努めたということでございます。
 次のページ、震災2か月後まで、徐々に避難所生活が長期化してきた時期でございますが、徐々にPTSDあるいは家族等を亡くして、避難所生活の長期化に伴うストレス、不安等の心の問題が徐々に増加してきている。高齢者の活動意欲の低下、うつ傾向、閉じこもり、認知症の進行、夜間せん妄といった高齢者の問題が見られてきた。慢性疾患を持つ方の個別支援は引き続き多い。保健師活動の方でございますが、引き続き感染症予防の指導を行っている。徐々に梅雨の時期が近付いておりますので、食中毒の防止など、環境整備を実施した。PTSDなど心の問題を抱えている方、子どもたちを心のケアチームへ紹介したということでございます。
 最後でございますが、震災2か月後以降、仮設住宅入居へ移行される時期。これは地域ごとにかなり時期についてはばらつきが出ておりますが、総括して申しますと、夏場にかかりましたので、害虫の発生による衛生管理、熱中症予防対策が新たな健康問題として上がってきている。避難所生活で蓄積された身体状況の悪化が顕在化してきた。新たな生活環境の変化による適応障害、認知症あるいはアルコール依存といった心身の変化が生じてきた。保健師の活動といたしましては、暑さへの適応力が弱い高齢者や乳幼児、慢性疾患のある方など、徴候に留意しながら熱中症に留意して健康管理をしたと。小まめな水分摂取や屋外作業の留意点について健康教育を行った。あるいは健康体操教室など、閉じこもり予防に努め、住民同士の交流も併せて図ったということでございます。
 次のページ、ここからの4ページは全国で地域ごとにブロック会議を開いておりまして、その中でアンケートをさせていただきました。派遣をされた側の御意見としていただいたものの主なものを掲げたものでございます。
 まず、派遣開始までの対応について。1つ目ですが、派遣直前に派遣先が決定したので、交通手段、物品の確保が大変だった。情報が乏しい中での派遣期間の設定や、人選に困難を感じた。平時より庁内連携を図っていたので、翌日には対応できた。これは逆に御提案で、派遣要請があってからの派遣決定は遅くて、実際、早く入ったら評価されたという心強い御意見もございました。
 次に、派遣先自治体との関係につきましては、時間が経過しても市町の状況把握が不十分で派遣活動の見通しがつきにくかった。あるいは支援者をコーディネートする人材が不足して、市町村間の調整を派遣した側が行った。市町村と県保健所の連携が課題と感じて、保健所のフォロー体制が整っていなかったという御意見がございました。
 次のページ、情報把握について。ライフラインや宿泊地の情報、交通機関、物資の流通等の情報が不足していた。現地の保健活動体制や社会資源に関する情報が不足していた。災害直後は回線がつながらず、携帯、メール、インターネットの使用ができず、情報の入手が困難であったという御意見がございました。
 次に、保健活動の記録や報告について。これは国の方に報告を求めておりましたので、その関係ですが、フェーズごとに報告様式や報告頻度の変更が必要ではないか。国、そして派遣元・派遣先、それぞれから報告を求められているけれども、これによって負担が生じているので、様式を統一してほしいという御意見もございました。今回は、避難所に多数の方がいらっしゃる、あるいは原発の影響で避難所が点々としている状況の中で、詳細な報告は負担が重かったという御意見もございました。
 次のページ、派遣自治体内の連携、調整につきましては、まず、経験年数、災害支援経験の有無、県・市町村のペアなど、効果的な活動ができるようなチーム編成を工夫されたという御意見。さまざまな方を組み合わせるためには、県と市町村の合同チームが必要だったけれども、そのためには活動マニュアルなどの共通ツールが必要であるという御意見でございます。派遣者の交代や申し送りにつきまして、対象者の状況把握や保健指導の継続のためには1週間の派遣期間では短く、住民側には戸惑いが感じられた。この1週間と申しますのは、私どもでそのようにと言っていることでもないのですが、以前、保健師長会におまとめいただきましたマニュアルの方でも大体1週間の交代が送り出し側のことを考えれば望ましいということで、大体の標準を示していただいておりまして、送り出し側の負担を考慮して、そのような形で派遣していただいている自治体が基本的には多くなっています。それを前提とした御意見でございます。他方で、各班ごとの「派遣の手引き」と現地での引き継ぎ書により、円滑に引き継ぎが実施できたという御意見もございましたし、事務職員と保健師の派遣時期をずらすことによってうまく引き継ぎができたという御意見もございました。他職種とのチーム編成につきましては、事務職員が現地での調整・不測の事態への対応を担当したので、保健師が保健活動に専念できたという御意見がございました。
 次のページ、長期的な派遣についてでございますが、もともと派遣元の自治体の現場の業務に余裕がなく、保健師、派遣された方の仕事をカバーできる人員配置になっていない。また、代替職員の人材確保が難しいという御意見。中堅層の一番活動していただける保健師は年齢的に子育て世代にあるので、長期派遣に応じられる保健師は限られているという御意見がございました。その他の意見といたしまして、今回の厚労省のあっせん以外にも全国知事会等、さまざまな複数ルートで派遣の要請があったので、できれば窓口を一本化していただきたいという御意見です。初動の派遣は、被災地に近い都道府県が原則として対応すべきではないかという御意見がございました。支援活動が通常業務の支援が主になるというステージに至った場合には、国主導で短期ではなくて長期派遣のスキームに切り替えることが必要ではないかという御意見をいただいています。
 次のページは説明を割愛させていただきます。
 私からは以上です。
○河野栄養・食育指導官 続きまして、被災地における栄養改善対策につきまして、私、生活習慣病対策室の河野から御説明させていただきます。
 12ページ、これまでの取り組みということで、被災後から5か月まで、大きく管理栄養士の人材確保、避難所等の栄養改善の観点から整理をしたものでございます。
 保健師の方々の派遣に併せまして、初めて管理栄養士につきましても国として派遣のあっせん調整を行いました。また、社団法人日本栄養士会に対しても栄養・食生活支援を要請いたしまして、栄養士会としても初めて組織的に管理栄養士・栄養士の派遣を行っていただきました。
 避難所等の栄養改善につきましては、食事状況が極めて厳しい状況にありましたので、そうした避難所を中心に巡回指導、個別栄養相談を進めるとともに、また国としましては、被災後1か月、更に被災後3か月にそれぞれ目標とする栄養量の提示を行いました。これらにつきましては、平時には食事摂取基準という詳細なものがありますが、それを有事に適用して栄養の参照量を国として初めて提示したものであります。また、各県では避難所での食事点検が実施されました。
 13ページ、被災地への管理栄養士の派遣状況をお示ししております。赤線の部分につきましては、自治体と日本栄養士会の合計をお示ししたものです。また青線につきましては、そのうちの自治体からの派遣者数を示したものです。先ほどの保健師の方々の派遣は4月がピークでしたが、管理栄養士の派遣については5月がピークとなっております。
 14ページ、被災地における栄養改善対策の考え方ということで、被災直後1か月以内、1〜3か月、3〜6か月及び6か月以上に分けて対策を整理し、ステージごとの提示を行うこととしました。また、食事のアセスメントの実施につきましては、県の調査結果を活用することといたしました。
 1か月未満につきましては、エネルギーの確保として、基本的には食事回数の確保に努めることとなりました。1〜3か月につきましては、最低限の必要量の確保ということで、特に体内貯蔵期間が短い栄養素の補給を優先、更に3〜6か月では、対象特性に応じた栄養素の摂取不足への配慮ということで、カルシウムやビタミンAなどの摂取不足、更にはエネルギーや食塩の過剰摂取への配慮も行うこととしました。
 これらについての具体的な提示内容を15ページ、16ページにお示ししております。
 被災後1か月の4月21日時点では、栄養量の底上げの観点から目標とする参照量を1つの値としてエネルギー、たんぱく質等の主要栄養素についてお示しをしました。
 また、16ページにつきましては、被災後3か月以降の参照量の提示ということで、6月14日の内容をお示ししております。この時点では、食事の回数も3回に落ち着いてまいりましたので、平時の給食管理の考え方に近付けるということで、エネルギー・栄養素については幅あるいはこれぐらいの数値以上ということで、弾力的に運用できる形でのお示しを図るとともに、特に対象特性に応じて問題となる栄養素については、左側下になりますが、配慮事項について記述を行うという形になりました。また、右側になりますが、この時点での栄養管理については、ボランティア等の炊き出しあるいは仮設調理場での炊き出し、業者による弁当の利用と、提供方法が多様であり、1回100食以上の食事を提供している避難所もまだ100か所を超えてございましたので、食中毒の防止等も含めまして、栄養管理についての徹底を図る意味でその留意事項についての提示を行いました。
 最後、17ページ、国のこうした動きに伴いまして、各県においては避難所の食事状況調査が行われましたので、その結果を示しております。宮城県では4月、5月の2回調査が行われ、中央左側の帯グラフになりますが、4月の時点では3回食事の提供がなされていなかったところが2割弱ございまして、エネルギー、たんぱく質等の栄養素につきましても、当面の目標提供量である赤線の部分に対して著しく不足がありましたが、5月には改善の傾向が見られております。また、福島県、岩手県についても同様の食事状況の調査が行われておりました。
 今回の震災では、管理栄養士の派遣や、栄養参照量の提示など、国として初めて取り組んだこともございまして、今後は保健活動等、全体の評価に併せてこうした栄養改善に関する取り組みについても記録として確実に残すとともに、評価・検証を行っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 今までの活動経過及びさまざまなセクターから出た意見について御紹介があったかと思いますが、冒頭で本日のタイムスケジュールについて紹介させていただきましたが、とりあえず、まず、構成員から御説明いただく予定です。
○外山健康局長 ちょっとその前に、さっき予算の関係で参考資料1で説明いたしましたけれども、地域保健法による地域保健関係予算としては、そのほか対物サービスの方もあるわけでございまして、ざっと申し上げますけれども、水道の復旧で一次補正で160億円であるとか、あるいは三次補正の方で310数億円、生活衛生の方でも当初、理美容といいますか、被災者である人が床屋さんのキットを持って自分が回るようなことをやっておりましたけれども、そういったところへの補助金であるとか、あるいはクリーニング施設への補助であるとか、そういった重要な問題。日本政策銀行への融資を通じて向上を図るであるとか、そういったところで三次補正を34億円上げておりまして、地域保健という観点では、対人のサービスも重要ですけれども、今、申し上げましたような、全体に目を配ってやっているところでございます。
○林座長 ということでございますので、これにプラス34億円ということでしょうか。
○外山健康局長 いえ、生活衛生は34億円ですけれども、水道であれば一次でも160億円、三次で310数億円。さっき沿岸部の本当に津波のところがまだ残っておりまして、そこは戸数は少ないんですけれども、まちづくりという形で下水とか水道をセットでやらなければいけないものですから、そういうところはもっと莫大なお金がかかるということで、それはまた24年度当初に向けて、復興財源との関係もありますけれども、きちっと環境も整備していきたいと考えてございます。
○林座長 ありがとうございました。
 したがって、先ほど紹介したのはごく一部ということです。
 それでは、名越構成員からプレゼンテーションをお願いいたします。
○名越構成員 ただいま紹介いただきました、栃木県の保健医療監をしております名越と申します。
 実は、地震が起きたとき岩手県の現地対策本部に1週間派遣で行って、県庁での健康危機管理対策の会議に参加をしたり、市町村の方から直接お話を聞く、あるいは避難所でお世話をしておられるボランティアの方からお話を聞くといった機会にも恵まれました。 当時、私が岩手県に参りましたときは5月でございまして、栄養状態も改善し、各避難所に各自治体あるいはボランティア、そういった方々が非常に多くおられて、これから来る夏を迎えて衛生対策をどうしていくのか、熱中症対策をどうしていくのかといった対策を考えていたころでございました。
 この後、仮設住宅のフェーズになるわけですが、人的な戦力をいかに確保していくのか、という点が今後重要になるということで、県の方々、市町村の方々がどう人を確保していくのかというところを議論した記憶があります。
 今も人集めに関しては苦労されているという状況と伺いますが、現在は、冬に向けて各仮設住宅の防寒対策が重要になっているという話です。先週、全国衛生部長会で被災3県の部長さんたちがお話になっておられましたが、次は冬の対策についてまた国の方からご支援をいただければということでございました。
 今日は、発災から数か月間、主に急性期でどういうことが行われたかというところを中心にお話をさせていただこうと思います。
 私が勤務しております栃木県ですが、保健師のグループ、心のケアチームのグループ、診療放射線のグループ、獣医師のグループが現地に派遣されまし。
 保健師のグループに関しては宮城県亘理町に合計10班、21名が派遣をされ、心のケアチームは福島県相馬市に7班、28名、診療放射線技師は11名、獣医師等は4名という形で派遣をされております。
 実は、栃木県も、震源地から近かったというところもありまして、震度6以上を記録した場所も非常に多くあります。被災された職員も大変多かったわけではありますが、隣県で大変な被害が出ているということで、快く現地に赴いていただいたということであります。
 そうはいっても、人事の観点で、どういう人を指名して、どのくらいの期間行っていただくのかという調整は県庁において非常に困難であったとのことです。
 全国的にはどうだったのか。全国衛生部長会の研究班において7月末に、全国の派遣状況について報告書をまとめています。
 この報告書は、6月22日現在の派遣状況について横断的に調査するものであります。今日の資料2でもありますとおり、当時は各地に派遣されていた各自治体からの職員がだんだんと撤退していく時期でありまして、被災地としては今後いかに各自治体からの派遣を維持していくのかというところが問題でした。派遣を維持するにはどういう条件が必要なのかというのを急遽調べるのが目的だったそうです。
 保健師、医師、管理栄養士等の派遣状況を各自治体、政令指定都市に対して聞いているほか、被災地への支援を通じて把握した課題等について、現地派遣された方々から意見を聞いています。
 当時は気仙沼市が23件の自治体が入っていて、次いで石巻市が17件、陸前高田市で13件といった形で他の自治体からのグループを受け入れていたということです。
 この後、避難している人が仮設住宅に移って、一方で今では他の自治体からの派遣はほとんどなくなってしまいました。
 2つ目の調査で指摘された課題、代表的なものを4つここに並べております。一つは疲弊した被災地の自治体を支援する側が逆に引っ張っていく、支援の方向性を提案する必要があるといった意見がありました。
 次に、現地に多くの自治体が効率的に活動できていない。重複があって同じ仕事をするグループが同じ場所に集まってしまうということが散見されたということで、全体の調整機能をどこかが発揮しないといけないという意見がありました。
 さらに、1週間ずつ交代していくという各グループの引き継ぎ方法について工夫が必要であるという意見。
 最後に、継続的に支援できる派遣体制を構築していく必要があるだろうという意見がございます。
 調整の話に絞って1つの図をお示しいたしますけれども、これは川崎市健康福祉局医務監の坂本医務監が提供してくれたものです。
 川崎市では、福島県の浪江町に対して支援を行ったということであります。浪江町は地域からの避難を余儀なくされて、二本松市に町全体が移っているという状況でした。直接支援を行っていたのは長崎県、川崎市といったところですが、調整に入るに当たって介在したのは福島県庁、厚生労働省あるいは二本松市などがあり、緊急の事態とはいえ、急に付き合う相手が大変多かったとのこと。緊急時とはいえ、被災自治体自体の戦力も災害によって失われているという状態で、外からの支援に対するマネジメントの面についても大変だったいうことであります。
 なお、現在、衛生部長会の研究班では発災以来の人の派遣の状況について縦断的な調査を実施中です。年末ぐらいまでに結果が出るということでございますので、その結果につきましては、各自治体あるいは国の方でも御活用いただければと考えております。
 最後のスライドになります。災害発生後の自治体支援についての論点をまとめました。
 
 まず、被災自治体が喪失している能力をいかに補うのか。被災した自治体が必要とする人員をいかに確保していくのかを議論する必要があろうと思います。
 被災自治体の業務としては、被災状況・支援ニーズの把握、保健・医療活動、他の自治体から入ってくるスタッフの調整、今後復興していく自治体自身が立てる復興計画の策定がありますが、ダメージを負った中で実際にこれをどうやってこなすか。全国衛生部長会では公衆衛生版のDMATを使ってはどうかという提案をしております。
次に、被災自治体が必要とする人員をいかに確保するのか。
 今日の資料の中では災害救助法に基づく派遣というのがありましたが、このほかに自治体間での相互援助協定、学会、NPO、既に活躍いただいているところの援助、被災自治体自身の取り組みとして緊急雇用といった手段があるわけです。今回の震災に関して実際に起きたことを検証するとともに、今後起こる災害のときにどういう対応がとれるのか、実際に準備をしていくということが必要だと思っています。
 都道府県においても、手をつけられるところで退職される方の登録でありますとか、事前の相互援助協定をより進めていくとか考えられると思っておりますので、また都道府県の現場においても取り組んでまいりたいと思います。
 私からは以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 この後まだ論点の提案、それに続くディスカッションの時間を確保したいと思いますので、次に廣田構成員から御説明いただくわけですけれども、大変申し訳ないのですが、それぞれの構成員のプレゼンテーションは資料がございますので、それをじっくり皆さんの方でごらんいただくこととして、プレゼンテーションの方はエッセンスをなるべくコンパクトにお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○廣田構成員 保健所長会の方では、震災から7か月以上がたちまして、いろいろな健康問題が次々発生して、いろいろ苦労されているということでございますが、先週、総会がありまして、被災地の保健所長から報告がありましたので、その話を中心にお伝えしたいと思います。また、全国の保健所からもアンケートをとっておりますので、若干その内容にも触れたいと思います。今後の危機管理及び平時の体制に関する提言を行えればと思っております。
 これはよく言われることですけれども、阪神・淡路大震災、中越の震災との違いは何かということですが、津波による県境を超える広域同時多発災害であったということが一番大きいと思います。そして、市町村や保健所が被災しておりまして、行政の人・物・情報が壊滅的な被害を受けたということが大きいのではないかと思います。通信と交通の遮断もありましたし、4つ目にありますように、内陸部におきましても県の本庁は直接大きな被害はなかったけれども、いろいろな問題で本庁主導のシステムも難しかったということがございました。
 想定外の大震災だったために、既存の防災計画が余り役に立たなかったということで、被災した保健所の半数以上がマニュアルが活用できなかったとしております。2番目ですけれども、地域保健法以後の組織体制の諸問題が今までいろいろ論議されてきたことですが、市町村と保健所の関係が必ずしもうまくいっていない。縦割りの役割分担が進み過ぎていて、全部ではないのですけれども、日ごろからの連携が余りよくないところがあった。そういうことが影響を与えたと言われております。
 先ほども述べましたけれども、行政自らの被災ということが大きかったということです。そして、支援を受ける側の指揮・命令系統を前提とした保健師派遣ということはあったけれども、要するにだれが指示をするのかという、指示をする方も混乱していたり、あるいはどこに責任者がいるのかわからないということで、その司令塔を支援する仕組みがなかったということが上げられると思います。
 岩手県釜石と大船渡保健所というのは、これは1つの保健所ではないんですけれども、1人の保健所長さんが兼務されております。通信手段が遮断され、交通も遮断され、災害拠点機関の施設や職員が被災ということで、地域防災計画が働かない。県からも指示が来なかったということですけれども、保健所が自らの意思決定により住民の健康を守るために行動せざるを得なかったということでございました。
 保健所がいろいろな再編・統合により所管区域が広域化していること、人員が不足していること、保健所長が兼務していること、政令指定都市の仙台市では、市町村保健センターと福祉事務所と保健所が統合されていて、保健所業務よりも市町村業務、福祉事務所業務が優先されていたということです。
 市町村の中でも縦割り・業務分担が進んでいて、横の連携がなかなかとれなかったということがございました。
 これは岩手県と宮城県で津波の被害があって、非常に甚大な被害を受けたところの保健師の数ですけれども、ほとんどの保健所で全国平均よりもたくさんの受け持ち人口であったということで、仙台市を除きましてほとんどの保健所で全国平均よりも多かったということです。
 岩手のDという保健所ですけれども、保健師が2人しかいらっしゃいませんでした。岩手では、ほかの保健所もすべて県の保健所は5人以下ということです。
 宮城のAという保健所ですけれども、保健師は15人いるんですが、管内人口が44万人もいたということです。
 福島県は平均以下ですけれども、原発の事故のために沿岸部から内陸部に人が移動していますので、その辺でまた変だったのではないかと思っております。
 保健所長ですけれども、このスライドのように何か所か兼務のところがありまして、沿岸の保健所で、今、言った大船渡市、釜石市の一番大きな被害のところが兼務でした。
 宮城県ですけれども、津波で4日間孤立していたという保健所ですが、そこの保健所長さんも兼務で、もう1か所の内陸部の保健所には1か月以上行けなかったとおっしゃっていました。
 これが宮城県の石巻保健所の先生の報告ですけれども、組織体制が左のように保健福祉事務所となっていまして、保健所長だけが保健所職員です。保健所長はこの組織の中でラインにいなかったということですが、1か月以上かかって災害に対応できるように保健所長の下に統括保健師を置き、保健グループ、栄養グループ、リハグループという体制にすることができたということでした。
 釜石保健所の話ですけれども、平成10年ごろから釜石医療圏の病院、消防などと協力して、津波はある程度予想していたので、合同訓練をしていたことが役に立ったということです。
 石巻保健所では、管内の石巻市に保健師を常駐させるということで市に支援するようにして、それが効果的だったということです。
 支援に入った県外の保健所長などの多くからの感想ですけれども、日ごろから顔の見える関係性の構築の重要性を実感したということでした。
 釜石保健所ですが、このように県外からの医療救護活動チーム、DMATが岩手県内で128もあったということで、それを統括するのが非常に大変だったということをおっしゃっていました。医療救護チームを保健医療圏ごとに設定して、保健所がその調整を行ったということでございます。
 このスライドのようにコーディネートのための打ち合わせを持ちまして、今、立って話している方が釜石市の保健医療班の方です。隣にいらっしゃるのは医師会の先生ということでございました。
 釜石保健所では、このように医療救護活動及び医療提供体制の確保を行っていったということで、災害医療活動の拠点・コーディネート機能の確保が課題であると述べていらっしゃいました。
 今後の在り方についての保健所長会からの提言としましては、危機管理ということを考えたときに、しっかり県や市町村の防災計画に保健所の役割を明記して、平常時からの合同訓練などを実施していくこと。また、健康危機管理ガイドラインに大規模自然災害を含めて記載するということを見直していくこと。被災地の災害時受援システムと公衆衛生版DMATのシステムづくりなどが必要であると考えております。
 今後の在り方の中で組織体制ですけれども、先ほど述べましたように、保健所長の権限がはっきりしていないところがあったということで、災害時に外からの応援が当分の間来ないあるいは指示が来ないということを想定して、保健所長が判断して危機管理ができる権限が必要である、そのための組織と機能が必要だということを申し上げたいと思います。保健所長の兼務による問題や、所管区域の広さの問題、医療圏の設定の問題もございます。平常時からの保健医療福祉のシステム構築、顔の見える関係が重要だと考えております。
 健康危機管理で必要なのは、平常時からの関係ということで、ふだんできていないことが災害のときにできるはずはないというのがいろいろなところからの意見でした。地域保健法の中で市町村の求めに応じてということが書かれておりますけれども、このように災害が起きて市町村がSOSを発することもできないということを考えますと、ふだんから求めに応じてではなく、地域住民の求めを把握する段階から保健所と市町村が重層的に連携することが必要であるということ。圏域単位の保健医療福祉にも連携システムが医療連携などを中心に必要であると考えております。
 災害医療等のあり方に関する検討会の方でも保健所のコーディネートに期待する声がありますけれども、こういったことはふだんの圏域ごとに圏域連携協議会を保健所が行っておりますが、それと表裏一体でございますので、そういったことを基礎に災害時にも対応できる体制をつくっていくことが必要であると考えております。
 以上です。
○林座長 ありがとうございます。
 大変貴重な御指摘があったかと思います。
 次に、地衛研の代表として小澤構成員、お願いいたします。
○小澤構成員 地方衛生研究所全国協議会長で群馬県衛生環境研究所長をしております小澤です。
 まず、地方衛生研究所の業務というのは四本柱がございまして、この中で非常時、大災害時に関係する業務としては、試験・検査です。これは病原微生物の検査ですとか、理化学の検査、放射線量測定というのがあります。
 公衆衛生情報の収集・解析・提供。これは地方感染症情報センター機能です。感染症が流行したときあるいは大災害時に必要な機能でありますし、平常時の感染症サーベランス体制を維持するあるいは迅速に復旧させる。今回、東日本大震災で行われました避難所サーベランスというのがありますが、これを支援する。こういったことではないかと思います。
 東日本大震災における地方衛生研究所の対応の事例と課題ということで、岩手県・宮城県、仙台市の衛生研究所の報告から要点を抜き出してみますと、感染症サーベランス、特に情報収集機能が破綻している。保健所ですとか、定点医療機関が機能不全に陥っている。平時のサーベランス体制への復旧が急務になったということですが、あとは避難所サーベランスへの協力の支援。
 微生物の検査としては、建物の損壊といったものがある。検査体制の維持・復旧。これはかなり重要だと思うんですが、病原体株の安全な保管体制をきちっとしておく必要があるということ。
 災害時に今回多発した感染症としては、レジオネラ・破傷風・ノロウイスル・インフルエンザ、こういったものの発生が報告をされておりますけれども、幸いにして大きなアウトブレークはありませんでした。
 ということで、平常時から災害時の対応訓練とか、シミュレーションの必要性があるだろうということでございます。
 一方、地方衛生研究所が現状どうなっているかということでございますが、5年間に職員数、予算、研究費といったものが非常に減っておりまして、それだけではなくて、地方衛生研究所間の格差が大きいということがございます。一部には最低限のレベルの維持が困難になっている地方衛生研究所もあるかもしれないということです。
 地方衛生研究所は基本的に、調査をしてみますと、大体、オプティマルな職員数とか予算というのがありまして、人口10万人当たりの平均職員数は大体3人、住民1人当たりの予算は大体280円前後ということで一定をしております。
 ところが、47都道府県と指定都市を見てみますと、常勤の職員数については非常に大きなばらつきがあるということがわかります。
 予算に関しても、予算はいろいろ計上の仕方があるので多少差が出るのかもしれませんが、かなり大きな差があるということがわかります。
 こういった平均値から外れた地方衛生研究所というものが特に低く外れているものがかなり多いだろうということが今後問題になってくる可能性があります。
 一方、地方衛生研究所の所長が最近、この5年間ぐらいで非常に人事異動が激しくなっておりまして、平成22年には77か所のうち31か所。今年は29か所の所長が変わりました。1年で異動しているのも10か所ありますし、異動がないといいますか、この3年間同じ所長がやっているというのは3分の1しかないんです。
 職種を見ても、医師が大体3分の1、あとはそのほかですが、最近は事務職の方がこの地方衛生研究所の所長をされるところが増えてきているということ。
 一方、環境研究所と合併している地方衛生研究所というのが大体3分の2あるということでございます。
 地方衛生研究所と地方感染症情報センターの関係ですが、47都道府県の地研のうち感染症情報センターが併設されているのは、ここにある39か所です。残り8か所は本庁の衛生部局ですとか、基幹保健所などに設置をされております。こういった県が地方衛生研究所に感染症情報センターが設置されていない県で、こういったところには地方衛生研究所に感染症情報センターを併設してくださいという働きかけをいたしております。
 また、政令指定都市は大体半分ぐらいしか設置をされておりません。
 今回幸いにして、岩手・宮城・福島・仙台市衛研は地方感染症情報センターが併設をされている地方衛生研究所でございました。
 なぜそういうことを言うかといいますと、この地方衛生研究所に地方感染症情報センターが併設されていませんと、患者の情報と病原体の情報が別々の系統で来ますので、これが地方衛生研究所でリンクされないということになります。感染症情報センターが別の部局になりますと病原体情報と患者情報の乖離が起こってくるということで、広域的な、いわゆるディフューズアウトブレイクという状況が起こりますと、情報が全然リンクされないという状況が起こってくるということです。
 地方衛生研究所の機能維持が次第に困難になっているということですが、その要因として、先ほど申しましたように、地衛研間の格差が非常に著しくなっている。特にそれが拡大傾向であって、県型の地研にそれが顕著であるということです。
 予算・人員の減少というのは、これはどこの部署も同じですけれども、特に自治体の非常時ですとか、健康危機管理体制確保への姿勢、理解度、首長のそういったことに対する理解度の差がこの予算や人員にじかに反映されてくるということです。
 地研の業務というのは基本的にクライアントが住民ではありません。対住民の直接業務サービス業務というのはありませんので、クライアントは国の検査研究機関であったり、保健所であったりあるいは行政機関であったりという、間接的に住民と相対している部署ですので、予算や人員を非常に切りやすいというところがあります。
 これは最近の傾向で、地方衛生研究所長は衛生行政の専門家ではない。こういった方がなられるということで、指揮命令系統が不明確になる。あるいはリーダーが不在のまま各部署がばらばらに動くといったことが危惧される。
 一部の地研には感染症情報センターが併設されていないということです。今回、災害時に当然、本庁業務が非常に大混乱を来すわけですから、感染症サーベランス業務までは手が回らないということになります。今回は幸いにして地方衛生研究所にすべて感染症情報センターが併設されておりましたので、この感染症サーベランス業務に関して特に大混乱を来すということはありませんでしたけれども、これがもし本庁ですとか、基幹保健所に設置されていれば、これは完全に後回しになるだろうということが予想されます。
 地方衛生研究所の機能低下が起こってくると、当然、自治体で連携をしたらどうかという話が起こってくるのですが、自治体連携、地域内連携、地域間連携、こういう連携というのは、言うは易し、行うは難しでございまして、自治体間で物や人を融通し合うというのは非常に難しいです。情報の連携というのはかなり簡単にできます。これは情報ネットワークを整備すればできますけれども、物や人をやりとりする連携というのは非常に難しいということです。
 以上です。
○林座長 ありがとうございました。
 引き続きまして、曽根構成員からお願いいたします。
○曽根構成員 国立保健医療科学院の曽根でございます。
 今回、総論的な話になりますけれども、考えていることを若干お話させていただきます。
 今回の震災後、私ども国立保健医療科学院の研究班、私の研究班も含めて幾つかの研究班で被災された市町村の関係者あるいは派遣されて支援した側の保健師、管理栄養士あるいは歯科医師、環境衛生監視員のグループ等にヒアリングを行いました。
 皆様が今までおっしゃっているように、広域の被害であり、行政機能に大きな打撃があったというのが今回の震災の大きな特徴かと思います。
 ヒアリングでは、多くの方から市町村と県保健所、本庁との情報共有、連携に課題があったという指摘がありました。
 また、地域によっては、先ほど廣田先生もおっしゃっていたように、特に県保健所の役割が周りから見えにくかったという指摘もありました。
 平時の市町村と保健所の関係あるいは市町村と本庁との関係、そういう連携状況というのが有事に顕在化しているのではないかと考えられます。
 先ほど廣田先生がおっしゃったように、有事に機能する仕組みというのは、平時の連携協力関係の基盤の上に成り立つものであって、平時にできないことは有事にもできないということは今回のいろいろなヒアリングで感じたことでございます。
 この機能する仕組みをつくらなければいけないというときに、仕組みの構築の入り口を有事にするのか。つまり、有事の仕組みを整備することによって平時の機能を強化していくという方法論をとるのか、あるいは構築の入り口を平時にするのか。つまり、平時の仕組みを強化することによって有事に備えるのか。2つの考え方があると思うんですけれども、恐らくどちらか一方というわけではなくて、どちらも存在して、両方やっていかなければいけないのではないかと考えます。ですから、有事の仕組みだけを考えていては、恐らく余り機能しないシステムができてしまうのではないかなと思います。
 人材育成の視点も大変重要だと思います。
 今回、派遣された側の支援自治体の方では、若手とベテランを組ませて派遣したということを幾つか聞きました。今後の危機管理対応等については、地域保健を担う若手を育てる機会としてとらえる必要があると思います。
 保健師のグループにヒアリングしますと、最近の若手の方はあまり家庭訪問をしていない。今回も家庭訪問をして何を聞いたらいいのかということに戸惑う若手の派遣保健師もいたと聞きました。
 こういう震災対応というのは、地域保健あるいは公衆衛生活動の原点ですので、そういう機会を通じて若手も育ってほしいと思います。
 ただ、現状では全国すべての保健所や市町村に同じレベルの対応を求めるのは現実的ではないとも感じております。例えば幾つかのモデル危機管理機能保健所を整備して、人材育成を含めて、少数精鋭主義で施行してみて、その後そのモデルを広げていくというやり方もあるのかなと感じております。
 また、情報収集や共有・発信の仕組みですけれども、今回の震災では直後からさまざまな役立ち情報がネット上で、メールやウェブで提供されておりました。一方、ローカル、現場での刻々と変化する情報の共有がうまくいかない面もありました。現場での現状把握を情報共有につなげて、それを対応にうまくスムーズにつなげていくという流れをいかにして向上させるのかというのが1つ大変重要なポイントだと思います。
 現在、厚労省には、H-CRISIS(健康危機管理支援ライブラリーシステム)がございますが、これをどう発展させて活用させていくかというところも1つ論点だと思いました。
 最後になりますが、今後、この検討会も含めて新たな対策の実施が行われると思います。勿論それも大切ですけれども、それぞれの具体策を貫く方針とか考え方を国なり、あるいは自治体の本庁がきちんと示す必要があると思います。
 地域保健法第4条に地域保健対策の推進に関する基本指針、いわゆる基本指針がございます。その最初に「地域保健対策の推進の基本的な方向」という項がありますが、ここに例えば健康危機管理体制の今後の数年間の方向性を示す等の行動計画、アクションプラン的な性格を持たせて、そういう方針を示したらどうかと思います。
 基本指針は平成15年に大幅な改定がされて以降、特に現在まで大きな改定がされていないということで、この機会にぜひもう一度、見直しをしてはどうかと考えました。
 以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 これで予定されたプレゼンテーションをしていただいたわけでございますが、とりあえず、構成員の皆さんから質問があれば1つ、2つ受け付けたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 それぞれ大変鋭い指摘、内容が幾つかあったかと思います。後ほどまた総合討論の中で質問していただければ、あるいは意見を提出していただければと思います。
 次に進みたいと思います。
 それでは、資料3に基づいて事務局の方から論点案について御説明をお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 承知いたしました。
 ただいま各構成員の方々から貴重な御意見、論点などについていろいろと御指摘があったところでございますけれども、私ども事務局も今までの御意見、特に情報の断絶あるいは流れ組織の調整機能、人材育成といったことが先ほど構成員の方々からあったわけですけれども、同じような観点になるかもしれませんが、このたびの論点としてまとめさせていただきまして、議論に供させていただきたいと思います。
 それでは、お手元の資料3の1ページをお開きいただきたいと思います。
 先ほど今回の震災の現状等々をお話いただきましたけれども、議論の前提として、今回の東日本大震災では、未曾有の人的、また物的被害とともに、特に沿岸部を中心とした市町村等の行政機能にも著しい被害が生じたという状況があるかと思います。
 その証拠に、災害対策基本法に基づきまして緊急災害対策本部が今回、設置されたわけでございますけれども、それについてはお手元の資料の一番後ろの参考資料4ページをお開きいただきたいと思います。
 災害対策基本法で災害対策本部の設置規定がございますけれども、24条のところでは非常災害対策本部の設置、28条の2によりまして緊急災害対策本部の設置ということでございますが、近年、非常災害対策本部の設置というのは、下の方にございますように、火山の噴火でありますとか、地震でありますとか、その他のものでごらんのような本部が設置されているわけでございますけれども、緊急災害対策本部が設置されたのは今回が初めてということでございます。
 緊急災害対策本部の設置について、どういうときに設置するかと申しますと、そこに記載してございますように、著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に設置するということで、今回、そういう意味で異常にして激甚な災害であったという認識になろうかと思います。
 お手元の資料をもう一度、1ページ目の方に戻っていただきまして、また一方で、近年、地方分権の潮流がございます。多くの地域保健業務が市町村に移管されている状況になってきてございます。
 今回、震災において被災地での保健活動等の支援に当たった方々からのお話によりますと、震災発生の早期段階からの迅速な対応という面、被災地における保健に関わる人材等の調整機能の確保、被災者の健康に関わる情報の効果的な把握及びその活用といった面についていろいろと問題があったというお話を伺っているところでございます。
 そこで私ども事務局の方でその下にありますように、このような状況を踏まえて、特に緊急災害対策本部が設置されるようなすなわち地元の行政機能が崩壊してしまって機能しないような状況下での地域保健体制の在り方というものについて御議論させていただきたいということで、3点、論点を出させていただきました。
 まず1点目が、発災後、速やかに保健ニーズを把握する枠組みについてでございます。
 東日本大震災におきましては、先ほど申しましたように市町村が著しい被害を受けて、避難所等の状況を把握して、必要な支援者数の算出あるいは支援者の効果的な配置につながるような状況が把握できなかったということでございました。したがいまして、危機発生後、速やかに、保健に関する被害実態を把握し、そしてそれをもって計画的に支援を行う枠組みといったものが必要ではないかという問題提起でございます。
 2点目は、急性期以後、被災地での地域保健に関する調整機能を確保する枠組みについてでございます。
 先ほど構成員の方の説明からもございましたけれども、被災地において人材配置などに関する調整機能の確保の重要性が、指摘されているところでございます。急性期以後、被災地での保健活動の調整機能について、市町村の主体性を確保しつつも、おおむね保健所圏域ごとに災害時の保健調整役、いわゆるコーディネーターというものを配置し、調整に当たる体制を構築するという必要性があるのではないかという問題提起でございます。
 3点目に、被災地での活動を効果的に行うための方策についてでございます。
 保健資源を有効活用するために避難所ごとのニーズ、資源供給状況などの情報を迅速に把握・共有・活用するための枠組みを確保するといったこと。そして、それとともに保健活動に従事する者や調整に当たるものが活用できるようにするということが必要ではないかという問題提起でございます。最後に、先ほど曽根構成員の方からも話がございましたけれども、人材育成についても被災地における保健活動を効果的に行うために被災地保健活動に関する一定の方法を事前に広く共有できるようにするといったような研修を事前に広く提供しておくことが必要なのではないかという問題提起、あわせて3点をさせていただきました。
 次のページをおめくりいただきたいと思います。
 まず、1点目を中心としたものでございますけれども、今の問題提起だけで議論をしても議論が発散するかと思いますので、事務局でもう少したたき台案として具体的な仕組みのようなものを今回、提示させていただきました。それを基に御議論いただければということで、このページを見ていただければと思います。
 まず、地域保健における限られた支援資源、すなわち人材とか物的なものを、これらを効果的に地域に配置、配属していくためには、被害全体が俯瞰され、状況がまず把握できることが大前提であろうと。そういう仕組みづくりが必要だろうということでございます。
 既存の関係の諸法令、特に災害対策基本法などを中心としたものにおきましては、今でも派遣する仕組みというのがございます。例えば厚生労働省から国の職員を被災地に派遣していくような流れ。あるいは自治体同士で情報をお互いにやり合って、派遣の求めに応じて派遣していくような流れ。あるいは国があっせんをすることで被災地の方が国に依頼し、国が求めに応じて派遣依頼をしていく流れ。こういった大きな流れがあろうかと思います。
 こういう流れの中で、特に健康支援先遣隊と仮称を付けてございますけれども、災害時の保健ニーズ把握に関する研修などを事前に日ごろから行っておいて、一定の方々を登録しておいて、このような重大なかつ広域的な健康危機事案が発生したときには、チームをつくって速やかに被災地の方に派遣する。そして、現地のニーズ、全体を公衆衛生学的な見地から、現地がどのようになっているのかといった情報を収集・把握して、しかるべきところにその情報を流して共有化を図っていく。こういった仕組みづくりが必要ではないかということで、御議論のたたき台として御提案させていただいたところでございます。
 3ページ目でございます。
 もう一つは、調整機能が欠けたというところについてどのように対応していくかということ。現地での情報を一元的、共有的に情報を共有していくという流れも必要ではないかということでのたたき台をつくってみました。
 下の方でございますけれども、一番下のところに非常に壊滅的打撃を受けた地域があると。そこでの情報を保健所管内のところで調整機能を確保するという形で災害時の保健調整役を配置し、そのコーディネーターが情報の全体的な調整をやっていくということ。それからまた、災害時の保健調整会議のようなものも日ごろから開催をし、訓練もやって、このようなものが機能していくようにする。そして災害が実際にあったときには都道府県の災害対策本部などに情報を上げることにより、現地のある程度の情報が行政側に広まって、それを基に派遣の適任者でありますとか、量的なものや質的なものが決められて、的確な行動につながっていく。
 そういうことを補完するために、情報共有をそれぞれがやっていく。これについては、昨今、非常に進んできておりますIT技術などを活用して、例えばクラウドシステムだとか、そういうようなものも活用して、現場で入力したものが全体的に、一度にみんなが共有できるシステムといったものを用いていってはどうかといったたたき台でございます。
 まだまだ詰めていくべきものはいろいろあろうかと思いますが、まず、事務局側からこのような論点を御提起し、併せてたたき台を提示させていただいた次第でございます。
 説明は以上でございます。
○林座長 ありがとうございます。
 今までのプレゼンテーションの中で指摘された点を今の事務局から提出された案の中に一定部分含まれているのではないかという気がしますけれども、これから皆さんの御発言、御意見をいただきたいところでございます。
 今までのお話を伺っておりますと、一番コアになる問題は、結局やはり連携の問題かなという気がしました。国と県との関係、県と市町村の関係、県同士の関係というディメンションがあって、その辺をどのようにスムーズにこういった大災害のときに情報を共有し、協力関係を築いてやっていけばいいか。そんなことが今までのお話の中で出てきたかと思います。
 さて、いかがでしょう。今の論点の提案の案について、重大なことは3つ、最初のページにあるわけですけれども、実態把握をどうやって行い、そして支援を行う枠組みをつくっていくか。保健調整役のコーディネーターを保健所圏域ごとにつくったらどうか。そのネットワークづくりをしたらどうかということと、3番目に人材育成ということでございますが、この3つに絡めて皆さんから御意見を承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
○羽佐田構成員 よろしいでしょうか。
○林座長 どうぞ。
○羽佐田構成員 小山町は昨年局地激甚災害を受けております。そのときに県の保健所に保健師派遣の応援をお願いし避難所5か所開設して対応をしました。
 概要を申し上げますと、昨年9月に台風被害によりまして9時間で約590ミリの降雨があり、全半壊49戸、短時間に5避難所で延べ170世帯、366人の避難民を抱え、対応をしましたが保健センターといいましても、保健師は6人しかおりません。災害対策本部で救護衛生部を立ち上げ、避難所の状況把握がまず第一という形で、小山町では必ず避難所を開くときに保健師を派遣して、そこで生活弱者というか、透析患者、乳幼児、障害者、認知症の方の把握に努め、それを本部でリアルタイムに上げていくという形をとっています。
本町では、保健師等の人数がいないので発災初日は徹夜をさせるしかないものですから、発災後2日目に静岡県の保健所に対して応援要請をしました。3日目からは保健所、静岡県本課の方から保健師の派遣、事務職の派遣、土木とかそういうものも近隣市町で派遣を受けたわけです。
 先ほど先生方から御指摘がありました保健調整役のコーディネーターの方が先乗りしていただければ非常にスムーズに行くのではないかなと思います。受ける側の市町村として、私どもでは保健師長を必ず本部に置いておりますが、派遣を受ける側の市町村として本部に保健師長クラスを置いて、コーディネーターの方とセットで対応し、そこを事務職がサポートするという形がまず初動体制としては必要なのではないかなと。昨年の台風を経験してみて感じたことです。
 以上です。
○林座長 ありがとうございます。
 コーディネーターをあらかじめ決めておいて、そして派遣してもらえれば動くのではないかという御発言かと思います。
 どうぞ、尾形構成員。
○尾形構成員 コメントを2点と質問を1点したいと思います。
 最初に論点に入る前の一般的なコメントですが、先ほど廣田構成員あるいは曽根構成員の御発表の中で非常に印象的だったのは、両方に共通して、平時にできないことは有事にできないという、これはまさに本当にそのとおりだろうと思うんですが、どうもお話を伺っていると、例えば保健所等が有事に姿が見えなかったというのは、平時には姿が見えていたんだけれども、有事には見えなくなったのではなくて、平時にも見えていなかったんだという、どうもそういうことのようなので、実はそこは非常に問題ではないかと思うんです。
 そういう意味では、平時も含めた問題点をきちんと整理し、分析することは非常に重要だと思うんです。ただ一方で、保健所あるいは地方衛研も含めて問題点ばかりを出すと、縮小均衡に陥ることを恐れます。つまり、機能しなかったのだから、それを機能させようというのではなくて、もうそれは要らないのではないかとか、要するに機能しなかっただけではないかというところに行くことを恐れるので、こういう問題点をいろいろ指摘して、改善したいというのは勿論大事ですが、それと併せて、先ほど釜石市の保健所の事例もありましたように、そういう中でも頑張ったということ、あるいはこういうふうにやったらうまくいったという部分をもう少し出していった方がいいのではないか。それを踏まえて今後改善をしていきたいと持っていったほうがいいのではないかなと考えます。それが1点、コメントです。
 論点の方に入ってですが、たたき台ということで非常に美しい絵が2枚出ているんですけれども、これはこれで結構だと思うんですが、これはでき上がりの姿ということでこう出ているのですが、現行のシステムとどこがどう違うのだというのをきちんと示すべきだと思います。つまり、現行のシステムのここが動かなかったとか、ここのところに問題があるからこうするのだと。つまり、今のシステムが全部だめで、これに切り替えてしまうという印象ではまずいのではないかと思います。そういう意味で、現行のシステムはどこが問題で、どこを直そうとしているのかというのを明確にするということ。
 併せて、多少矛盾しますけれども、先ほど言ったこととも関連して言うと、できれば、今回、一部の地域ではここについてこういうことが行われて、それを今度は全体のシステムに取り入れていったらどうだという、そうしないと、また新しい絵をかきましたというだけで、説得力に欠けるのではないかと。厳しく言えばですが、そんな印象を持っております。というのがコメント2点です。
 1点質問ですが、今回の東日本大震災の関連でいろいろな保健医療施策の見直しが要請されていると思います。例えば私が多少関係しているところでは、医療計画の5事業の中の災害医療の在り方というのを根本的に見直さなければいけないという話になっているのですが、私が理解しているところでは、災害医療の在り方の検討会が行われて、既にもう数回議論が行われていると思うんですが、その中で保健所の役割とか、あるいはこういったところを見直すべきではないかということについてはどういう議論が行われているのか、この辺について事務局から紹介していただいてはどうかなと思います。
 以上です。
○林座長 では、最後に質問がございましたけれども、いかがでしょう。
○木村大臣官房参事官 最後の質問のところを御説明申し上げたいと思います。
 今、構成員が御指摘のように、医政局の方では医療計画の改正という観点で災害医療についての検討を進めているという状況でございます。保健所についても今回災害医療の中に深くかかわっていく必要があると。すなわち、キーポイントになっていく必要があるという議論がなされてございまして、その位置づけについて医療計画の中にも盛り込んでいく方向で現在、検討されていると聞いてございます。
 詳細については、参考資料4をお開きいただきたいと思います。2ページ。今、口頭で申し上げましたけれども、ここにより詳しく記載されております。検討スケジュールとしましては、4月からスタートしまして、9月末で第3回目、23年度中に報告書をとりまとめて対応するという形で検討会を進めてございます。
 その中で3ページ目、先ほど申しましたように、災害医療における保健所の役割についてということで、今後、さらに重要になっていくという観点で現在、検討がこのような形で進められているという状況でございます。
 4ページ目、ポンチ絵の上から3つ目の箱があると思いますけれども、そこに保健所または市町村単位と小さな字で書いてございますが、災害医療対策会議などのようなものを設置して、このコーディネート機能を保健所などが担っていくべきではないかという具体的な御提案も出てきているという状況でございます。
 先ほど、コメントの中の論点で、新たに置き換えるという議論はすべきではないという御指摘がございました。私どももそのような考え方で出しているわけでございまして、例えば2ページ目、派遣の仕組みについては、既存の法律の体系の中で行われているものもございまして、厚生労働省が被災地の地方自治体と被被災地の地方自治体の間のあっせんを取り持って、災害対策基本法に基づく形でされているものもございます。また、自治体間同士のものについても、既存の法律で対応されているものでございます。
 私どもが申し上げたかったのは、特に発災の直後、勿論直後といっても、DMATが派遣されるよりは少し後ぐらいになると思いますけれども、そのような状況下においても、現地での情報が全く入手できませんでした。それぞれの国だけというわけではなくて、各都道府県レベル、市町村レベルそれぞれの行政組織において、情報がほとんど収集できなかった。その一因は、先ほど申しましたように、現地における行政機能が完全に崩壊してしまって、通常ですと収集できる状況ができない状況になっていたと。そういう状況の中での対応ということで、早期の状況のときに健康分野で公衆衛生学的に現地を早急に把握して、その情報の下に行政機関がより的確な対応がとれるような、そんな仕組みづくりをしていったらどうかという観点からの御提案でございます。
 説明は以上でございます。
○林座長 尾形構成員からの指摘では、結局従来の枠組みとどう違うのか。そういう質問に対する今のお答えかと思いますが、もともと、今もお答えになったように、端的に言えば、災害対策基本法というのは、国から直接乗り出すということをまず前提としていなくて、市町村からまず出発して、県に応援を求めて、県が国に応援を求めて、そして国が調整業務なり、救援活動を始めるという仕組みになっている。ですが、今回の特徴は、結局、基礎自治体のところが破壊されてしまったものだから、いろいろなことを災害対策基本法の枠組みで行うのはそごを来してしまう。それが一番大きな違いかな。多分、今までですと、もっと小規模、今般ほど大きい災害でなければ、今までの災害対策基本法の枠組みで稼働してきた事実もありますし、稼働してきたわけです。今回はそうではなかった。それを踏まえて今後どうしようか。
 そういう趣旨で提案されておるのだと思いますが、事務局からの考え方としては、恐らくまず基本的に、現在、法改正ということはまた大きな話になってしまいますので、災害対策基本法の現状の中で何ができるか。さっき言った問題点を乗り越えるのに何ができるか。そういった発想に基づいているかと私は推測しますが、皆さんからの御意見をいただきたいと思います。
○秦構成員 先ほど4名の先生方の御発表をお聞きしていて、廣田先生の御発表が私にはとても感じ入りました。平時からこういう危機管理というか、有事に関しての防災を常にやっておくということがいかに大切かと、まず思いました。御発表でどこが問題であったか、何をどうしなければいけないかというのは今回でよくよく国民がわかったと思います。
 愛媛県ですが、それぞれ派遣された消防士の方、保健師の方、炊き出しに行った方などなどから御意見をお伺いしていて、現地の情報をいろいろな人がいろいろな立場でおっしゃるので、一本化していただく、先ほど窓口を一本化というのがあったのですが、一本化して、こうだよ、ああです、こうなっていますと言ってほしいというのを私は切実に思っております。
 今回の未曾有の災事もだれでも、どこでも、すぐわかり、それが実行できるような連携の在り方のテキストですね。誰でも、簡単にこれだけは起こった時にこうしましょう。というテキストやマニュアルを作っていただいて、私達、食生活改善推進協議会などのボランティア団体を使っていただいて国民に周知徹底して、それを平時から訓練していけばいいのかと思います。をだれでも、どこでもすぐわかり、それが実行できるような連携の在り方と、テキストですね。だれでも簡単にこれだけは起きたときにはこうしましょうというテキスト、マニュアルをつくっていただいて、それを平時からしていただきたいと思っております。
 さらに、4月、5月、6月の時点で消防士さんが現地に行って、連携がとれていなかったよとか、炊き出しの部分がこうだったよとか、消防士さん、保健師さんの研修会というんですか、講演会を至るところで行いました。そして、市民一人ひとりがこうでなくてはいけないというのを聞いて肌で感じました。ボランティアの在り方など、今だからこそみんなが徹底してできるということを踏まえて人材育成をお願いしたいと思います。
○林座長 どうぞ。
○大場構成員 今、平時のお話が出ましたけれども、私も是非それが大事かなと思います。今回の論点の中の3つの丸のところの3つ目のポチ辺りに平時への対応というところを加えていただけるといいのかなと。
 具体的には、廣田先生から御提案がありましたように、平時から市町村との重層的な連携の共同ということで、今、地域保健法の中では、市町村の求めに応じ、求めがなければ保健所がなかなか市町村に入っていけないという現実がありますので、そこを今回、地域保健法の体制の検討ですので、その辺りをこの地域保健法の中に是非加えていただきたいということが1つ、丸ポチとして加えていただきたいなと思っております。
 もう一点ですけれども、応援する側の視点ということで、こういうポイントが示されていますけれども、私は、復興ということを考えると、被災した側の人たちも応援慣れしてしまうというか、支援慣れしてしまうというか、非常にそれは危険で、自分たちは自立していくんだという視点、そして地域が人との関係性が壊れるわけですから、人との関係性を再生し、地域との関係づくりを再構築していくんだという、そういう視点が被災した側の人たちの意識にも必要ですし、応援する側もそういった視点での支援がとても重要になってくるのではないかなと思います。それは、ある落ち着いたときからということにはなるとは思うんですけれども、ただ、支援する側の意識としては、常に被災した側の人たちが自立するということを意識した支援を第一、そして地域との関係づくりをつくるという視点を第一にしていく必要があるのではないかなと思います。
 話が変わりますけれども、私は横浜市で、大きな指定都市なわけですが、今回、厚生労働省からの依頼で保健師等は横浜市の場合は陸前高田市に派遣をいたしました。それ以外に指定都市の関係で、別のルートで例えば社会福祉職が宮城県へ行ったり、違う部署の者が福島県へ行ったり、結構ばらばらに派遣をされた現実がございます。その中で、横浜市の職員が、被災地に行った職員が口をそろえて言いましたのは、横浜市だったら横浜市が丸ごと、例えば陸前高田市を支援するという、そういった仕組みがあると非常にやりやすいねという意見が多くの人から出ましたので、提案させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○林座長 先ほどおっしゃった、被災地の自立ということですけれども、それは公務員というか、行政機関のことをおっしゃっているんでしょうか。それとも住民も含めてのことをおっしゃっているんでしょうか。
○大場構成員 住民も含めてです。例えば避難所で3食食事が出ると、仮設に行ってから食事もつくれなくて、それからの支援をするとか、さまざまな意味で住民も含めての支援です。自立という視点が必要かなと思いました。
○林座長 なるほど。
 実は、私は先週、ソウルで国際学会がありまして、災害に関するシンポジウム、ジョンズ・ホプキンスの大学教授がおっしゃったのは、とにかく津波の話というのは、そこの住民の教育が必要だと、一番重要だという意見がありました。というのは、津波のサイレンが鳴ってから実際に襲ってきたのは30分後ですね。ですから、そのときは行政とか何とかという話ではなくて、とにかくどうやって逃げ切るかということに尽きるわけです。そういう事態を考えた場合に、たしか被災地の住民の防災教育というか、逃げる教育というのも含めて必要かなと。ただそれが行政としてはどこが担当するかということは保健所ということもあるでしょうけれども、そういういろいろな行政に絡んだ組織が担当することになるのかなという気がします。
 そのほか。どうぞ。
○岡構成員 県の立場から非常に実務的な話ですけれども、2点ほど。
 1つは、平素からの連携とか調整役という意味では、保健師さんの役割は非常に重要だと思うんです。曽根先生が、人材育成の視点も重要と言われていましたが、基本的な指針の「健康危機管理における人材の確保」という中で、県の保健所における保健師の位置づけをもっと強く書きこめないかなと思います。というのも県がまとめて保健師チームを派遣している場合に、まとめ役を担う県の保健師が、保健所の統廃合等で非常に人数が少なくなっていますから、同じ人が何度も派遣されているんです。そういった意味で、県の保健師の災害における役割がもっと重視されて、その視点からの人員配置があってもいいのではないのかなというのが1点の感想です。
 2点目は、論点整理の中で書いていただいている健康支援先遣隊というのは非常にありがたい制度だなと思いました。といいますのは、派遣する側からすると福島に派遣するときに、県庁内ではけんけんがくがくの議論となるわけです。いろいろ情報が出てくる中に、行かせていいのか・・・・、派遣された保健師の健康については誰が保証してくれるのかという、そういった議論が延々と重なっている中で厚労省からも派遣するのであれば・・・という議論もあり得る。そういう意味で、こういった専門的な知識をもっている方に先発で行っていただいて、そこの情報を提供してもらいでも検討して、支援をしていくというのが非常にリーズナブルな体制であると思いました。それは感想です。
○林座長 そういう場合は、県からは派遣命令は出せないわけですね。派遣命令というか、形式的な派遣命令という強制は。
○岡構成員 要請が来て出すんですけれども、命令では出せませんから、あくまでも希望をとるしかありません。行ってもらえませんかと。そうしたら、派遣先の情報がきちんとないとやはりなかなか難しいですね。参事官は福島県派遣の調整で大分苦労されて、県にいろいろ要請はされたとは思うんですが。
○林座長 たしか保健指導室がとったデータでは、保健師の派遣に関しては、50%以上は厚労省からの要請によるというデータが出ておりました。厚労省からチームが出るのであれば県も決断するというお話。
○岡構成員 それも1つの助けに、参考にはなったということです。
○林座長 厚労省といってもそんなに人数はおりませんから非常に苦しいところではあるんですが。
 どうぞ、松崎構成員。
○松崎構成員 市川市の松崎です。
 市川市は千葉県旭市というところに2週間派遣いたしました。依頼の方法が私たちは受け身ですので、私たちは千葉県市長会からの要請があって、人事課が窓口になると。あとは、9月に入ってから県の保健師の方から厚労省の保健指導室からの要請があったということで、もう1週間ぐらいで決めないといけないというところがありました。それは仕方がないんですけれども、どこからどういうふうにそういう要請があるのかなというのは、非常に一番心配していたところです。今、希望をとるという話がありましたけれども、命令ができないので、希望をまずとってから2週間の人数割り当てをして、宿泊場所を確保してという形でした。
 そこで1つ、ニーズ把握という前に、県が窓口になってくださるとあとは情報が、どの市がどこに行っているかということがあると非常にわかりやすいので、私たち自治体からは、もう旭市に行ったのだからもう行かなくていいんじゃないのみたいな話にもなりますので、その辺が迷ったところかなというところがあります。そういう仕組み。
 それと、行ったときに、旭市も3交代で避難所に泊っていましたので、直接その人たちからなかなかニーズ把握というのはできないので、行った引き継ぎでノートから把握したりして、同じようなことはできないけれどもという、課長職が先に行って現場調整をしたという形で2週間何とか過ごしてきたということで、コーディネーター機能がだれがいいのかというところを定めていただきたいなと思います。
 行った保健師は、大体、保健センターは母子が中心になってしまって、高齢者は地域包括、子どもの虐待は子どもとなって、初めて避難所に子どもから高齢者、障害者、精神障害者、さまざまいらしたと。改めて地域というので分散しないで、地域を持つという意味がよくわかったという保健師の感想があった。また、人材育成という面でその研修というのはきちんとしていかなければいけないなというのは感じました。
 以上です。
○岡構成員 先ほどお話した保健師の派遣について、支援隊がいいというのは特に福島派遣での経験に基づく話なんです。その例でさっきお話をさせていただきました。福島に派遣して良いかどうかというのを県としてどこまで責任を持ってお願いできるのかといった意味でこういう先遣隊というものが行って、ある程度情報が入ってくる中で大丈夫なんだとわかると、とても助かる。若い保健師さんを出すわけですから。今回放射線でそういう例がありましたけれども、今後、感染症とかいろいろな災害があった場合に、果たして県としてそこに人を派遣できるのかといった場合に、こういった先遣隊というのが非常に有用なのではないかなということで先ほど言わせていただきました。福島の例で想定した場合です。
○林座長 なるほど。
 どうぞ。
○吉田構成員 尾張旭市です。
 私たち市町村の現場でいきますと、非常時で何が大事かというと、やはり情報だと思うんです。情報がしっかりしていないと住民も混乱するということがありまして、いかにその情報をやるか。しかし、激甚災害になった場合はなおさら情報をどう整理するかというのでは、こういった健康支援隊は非常に有効ではないかなと思います。特に福島の例などはまさにそのとおりだなと思ったんです。
 ただ、情報を集めるということになりますと、現場の方だと市町村また保健所、その辺りが積み上げていくことになるものですから、その辺は平時からという議論も十分大事なのではないかなと思います。
 この先遣隊については非常にいいなと。先ほどの小山町の例によっても、そういったニーズを把握して、どうコーディネートするかという専門家が行くというのは、特に激甚災害では非常にいいのではないかなと思います。
 ただ、その基の積み上げ、我々現場でいきますと、いかに情報を速やかに上げられるかということでいくと、市町村という単位と保健所という単位がうまくかみ合っていかないと情報がうまく上がっていかないのではないかなと思います。
 平時からのという話とか、その辺については、実はもう既に20年度ですか、地域保健対策の推進に係る基本的な指針の見直しということで、全国保健所長さんが出している中にまさにそのようなことが書いてあって、これが地域保健の大事な部分だというところもあるものですから、そういうところは大事にした上でこういう先遣隊がうまく回るようにということが必要ではないかなと思います。
 以上です。
○林座長 ありがとうございます。
 先遣隊についてお二方から先ほどもありましたけれども、非常に意味のあるものではないかという話をされておりましたが、もう一つ、先ほども出ましたのは、コーディネーターとして、保健所の県内でお互いに人を融通し合おうという発想もございました。行政の立場としてなかなか難しいというのは市川市の方から話が出ましたけれども、しかし、石巻の例を見ますと、どこが一番ネットワークとして先遣隊的な機能を発揮したかというのは日赤チームですね。日赤は非常にそういう点では強固ですね。そういう発想があるわけでございます。
 どうぞ。
○廣田構成員 保健所の調整機能の中でやはり今回、非常にたくさんの医療チームが現地に入ったんです。先ほど岩手県でDMAT128チームということだったんですけれども、それを調整していけるのはふだんから保健所と地元の医師会、医療機関との関係、市町村との関係というのがベースになると思うんです。福島県の保健所の話でも新型インフルエンザのときの連携体制が今回も非常に役に立ったとおっしゃっていましたので、そういうところで災害医療のコーディネート役に保健所ということをきちっとどこかに書いていただきたいなと思います。
○林座長 具体的には例えば地域保健法でいくと。
○廣田構成員 地域保健法、医療計画のところでも医療連携を進めるに当たって保健所がきちっと役割を果たすようにということを言っていただきましたけれども、地域保健法の基本指針の中にもそれをきちんと明記していただきたいなと思っております。
○林座長 山本構成員、どうぞ。
○山本構成員 私は化学物質の安全性の情報を扱っていた関係でいろいろな分野、例えば災害医療や救急医療、消防、警察、いろいろな分野の方と仕事をしたことがあるんですけれども、それぞれの分野の中では情報の共有とかネットワークがあるんですが、異なる分野間のやりとり、特に保健分野の方とファーストリスポンダーの方達とのやりとりが少ないということを感じておりました。
 今ちょっと思いましたのは、既存の保健医療科学院のH-CRISIS、これは発足のときから関連する研究班にも入っていて、いろいろ拝見してきました。そのときどきのニーズによって在り方がいろいろ変わってきたかなと思うんですが、情報共有をこれから考えていくときに、先ほどの曽根先生のプリントにもありましたけれども、H-CRISISを更に拡大して活用するという、それによってまた情報共有の点で新しい部分が出てくるのではないかなと感じておりますので、是非、H-CRISISの活用ということを考えてはいかがかと思います。
○林座長 そうですね。今まで使い勝手が悪いというような批判もあったわけでございますけれども、そのことも含めて再構築をどうすればいいか。
 先ほども吉田構成員の方から情報の把握の問題の話がありましたけれども、情報の蓄積が果たして、県のレベルで当然おやりになるんでしょうが、国のレベルでどうしていくか。重複があってもいいのかどうか。多分あってもいいのではないかという気もするんですけれども、その辺を階層別、事務局の方からも例えばクラウドコンピュータの活用というのを考えられないかという話もありましたが、情報関係もいろいろ整理すべき問題があろうかと思いますけれども、その辺も考えていく必要があるのかなと思います。
 まだ発言されていない方、いかがでしょうか。
○中構成員 大阪府の中です。
 私、3月下旬に岩手県の山田町の方に支援で行ってまいりまして、そこで感じたことですけれども、廣田所長がおっしゃったように、まだ急性期という段階でしたので、保健所の役割として医療の確保というのがとても大切な時期でした。医師の保健所長がいらっしゃいましたけれども、保健所として市町村をたくさん抱えているので、それぞれのところでの医療確保というところに本当に大変忙しく動き回っていらっしゃったり、DMATさんたちの連携・調整というところで大変労力を使われていたということで、全体的に公衆衛生的に全体を把握して、指揮命令するという役割がなかなかとりにくい状況にあるというのもすごく感じました。そこで、このコーディネーターという役割を考えていくというところはとても大切なのかなと思います。
 保健所としても、私は新潟の中越沖地震のときにも現地に参りましたけれども、規模が全然違いますので、そのときには保健所がこの調整役というものをすべて担われていたかと。避難所の支援については市町村の保健師さんが中心になり、その情報を収集して、応援に来た保健師たちにそれを伝えるであるとか、どこにどういう人が入るという調整等を全部保健所の方がされていたかと思うんですけれども、今回、東日本大震災では、保健所もその機能がなかなかできていなかったというところがありましたので、この調整役を大変期待します。
 今、情報を集めるということと、発信というところがとても大切かなと思います。現場の情報はそこの保健師なりが把握しているのですけれども、現場ではファクス、インターネット等を使える状況になかったので、情報をあげていく方法や情報を集約する場所が明確でなかったというところで苦労されていたかと思います。そういう何もない状況で、どのような方法で、どこに集約するのかというところも考えていかないといけないと思いました。
 以上です。
○林座長 今、保健所の重要性の話についてお話していただいたわけでございますけれども、保健所ごとのコーディネーターという発想も重要ですが、1つ疑問がその発想だけでいくとちょっとまずいのかなという気がしているのは、例えば石巻の場合、市町村の合併で以前よりずっと面積が大きくなってしまったんです。あの近所だけでは、たしか合併されていないのは女川町だけなんです。石巻市に入っていないんです。しかも、石巻の保健所長さんは気仙沼保健所長と兼務している。
○廣田構成員 気仙沼は違います。
○林座長 違うんですか。
○廣田構成員 石巻と登米が兼務です。
○林座長 いずれにしても、別の保健所ですね。
○廣田構成員 登米保健所は南三陸町が近かったので、南三陸町に支援を出していたようです。
○林座長 いずれにしても、どこかと兼務されていたんですね。
○廣田構成員 石巻保健所長はほかを兼務されていました。石巻保健所の管内人口が22万人ぐらいです。塩釜市保健所が44万5,000人ぐらいですので、非常に管内人口が多いですね。そこで保健所長1人でとても賄い切れないと思います。ですから、やはり規模に応じてだれが応援するのかというのを段階に応じて決めておいた方がいいと思います。
○林座長 つまり、県全体のいろいろな保健所が連携してやるというスタイル、そういう発想も事務局から出ているのではないかという気がするんですけれども、そういう意味で、多分、一連の問題は国が努力すべき部分で、県が努力すべき部分と市町村が努力すべき部分、それぞれあるのではないかという気がしますが、しかし、余り強調し過ぎますと尾形構成員が言われたように、そんなに機能していないならやめてしまった方がいいという話に。
○尾形構成員 私はやめるべきだということを言っているんではないんです。
○林座長 議論になってもまずいのではないかということだと思います。バランスよく案をまとめていく必要があるのかなという気がします。
 そろそろ時間が来ましたけれども、いかがでしょうか。皆さん、発言されましたでしょうか。どうしてももう一言、発言したいという方がいらっしゃったらお伺いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○曽根構成員 支援などの在り方はフェーズによって大分ニーズが違います。今だとだんだん平常業務が出てきて、回復していくフェーズだと思うのですが、その平常業務をどう支援していくのか。勿論それは各自治体、市町村なり、保健所が努めなければいけないのですが、そこのところを先ほど言われた自立に向けてどう支援していくかという視点も1つ必要だと思います。
 以上です。
○林座長 いろいろ御意見をいただいてありがとうございます。
 表現の仕方は違いますが、皆さんの御意見を承っている限り、事務局の論点案とほぼ沿っているのではないかという気がします。それをもっと論点案に基づいてまとめるときにより具体的にまとめていただきたいというのが皆さんの発言の中からかいま見ることができたような気がしました。
 長時間どうもありがとうございます。
 それでは、マイクを事務局の方にお渡ししたいと思います。
○木村大臣官房参事官 それでは、次回の開催についきましては、また皆様方の御日程等を調整させていただきまして、後日御連絡させていただきたいと思います。
 事務局からは以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 では、本日の検討会はこれで終了させていただきます。
 どうも御苦労様でした。


(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 健康局が実施する検討会等 > 地域保健対策検討会 > 第5回地域保健対策検討会議事録

ページの先頭へ戻る