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2011年10月7日 第81回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

○議事

23/10/7 第81回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

1 日時及び場所 平成23年10月7日(金)
9時00分から12時00分
東海大学校友会館「阿蘇・朝日・東海の間」

2 出席委員:池田、大島、大森、勝田、木村、久保田(藤原参考人)、高智、木間、小林、齋藤(訓)、齋藤(秀)、佐藤、志賀(野口参考人)、篠原(伊藤参考人)、武久、田中(滋)、田中(雅)、馬袋、福田(和田参考人)、藤原、三上、村上、山田(敬称略)

○宇都宮老人保健課長 それでは、定刻になりましたので、第81回「社会保障審議会介護給付分科会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出席状況でございますが、大西委員、村川委員から御欠席の連絡をいただいております。また、久保田委員に代わり藤原参考人、志賀委員に代わり野口参考人、篠原委員に代わり伊藤参考人、福田委員に代わり和田参考人に御出席いただいております。
 以上より本日は23名の委員に御出席いただいておりますので「社会保障審議会介護給付費分科会」として成立することを御報告いたします。
 また、本日、辻副大臣が出席してございますので、一言ごあいさつをお願いいたします。

○辻副大臣 皆様、おはようございます。御紹介いただきました副大臣を拝命しております、参議院議員の辻泰弘でございます。
 御承知のとおり9月の初旬に新野田政権が発足したわけでございますけれども、小宮山新厚生労働大臣の下で牧副大臣ともどもお支えをさせていただき、政務官の藤田政務官、また津田政務官ともども皆様方の御指導を賜りながら、厚生労働行政の前進を期して頑張らせていただくことになった次第でございます。
 大森先生を始めとする皆様方にお世話になるわけでございますが、何とぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 今更申し上げるまでもございませんけれども、介護保険制度発足以来、11年目を迎えておるわけでございます。介護の社会化というものは重要であった、成功したと、その思いを新たにするわけでございますし、今日、高齢者の皆様方の生活を支える大きな生活の基盤となっている介護の保険制度だと思っております。
 折しも来年は医療・介護の同時改定という、6年の大きな節目に当たる年でもございまして、皆様方におかれましては更に御検討を深めていただきまして、国民生活の大きな基盤の確立と全身に向けてお力を賜りますように、これからお願いを申し上げる次第でございます。
 今日は介護の事業経営実態調査結果などもお示しをさせていただいて、それに基づいた御議論を賜るわけでございますが、何とぞお力添えのほどお願いを申し上げる次第でございます。
 なお、私事で恐縮でございますけれども、三十数年前、大森分科会長に政治学を教えていただいた、その政治のテクニックを持って今、頑張らせていただいていることをこの場をおかりいたしまして、御報告をさせていただきたいと思っております。
 年末まで、また来年までお世話になりますが、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○宇都宮老人保健課長 なお、辻副大臣は公務のため、後ほど、途中で退席させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。

○大森分科会長 何か予期しないごあいさつをいただきまして、痛み入っておりますけれども、余り政治がうまくいかないと、元の先生が悪いような気にもなりますので、頑張っていただきたいなと思っています。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
 本日、皆様方のお手元にございます議題は5つございますので、それに即して議事を進めさせていただきます。
 それでは、資料の確認からいたしましょう。

○宇都宮老人保健課長 では、資料の確認をさせていただきます。
 座席表
 議事次第
 資料1−1 平成23年介護事業経営実態調査(速報値)の概要(案)
 資料1−2 (案)平成23年介護事業経営実態調査(速報値)結果
 資料1−3 他産業の売上高経常利益率(案)
 資料2 介護報酬の地域区分の見直しについて
 資料3 介護サービスの質の評価について
 資料4 中央社会保険医療協議会及び介護給付費分科会打合せ会について
 資料5 介護給付費分科会における議論の整理(主な論点)
 大西委員提出資料
 村上委員提出資料
 名簿
でございます。
 資料の不足等ございましたら、事務局にお申し付けいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 それでは、早速議題1の事業経営の実態調査結果につきまして御議論いただきますけれども、まず、私どもの分科会の下に調査実施委員会がございまして、この委員長は田中滋先生でございますので、田中委員から資料の御説明をいただきます。
 よろしくお願いします。

○田中(滋)委員 それでは、10分ほど時間をちょうだいして、説明をさせていただきます。
 お手元の資料1−1をごらんください。細かいデータはその次に付いています。
 この経営実態調査は各介護サービスごとに収益、費用、収支差、人件費などの実態を明らかにし、介護報酬改定のための基礎資料を得ることが目的です。
 今年3月のデータを4月に調査いたしました。
 各サービスごとに一定数の回答が得られるように、3年前の前回調査と比べて約5,000事業所多い3万事業所に質問票を配布しています。
 ただし、今回の調査時期が東日本大震災の直後であったことを考慮し、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県は調査対象から外す対応をとっております。
 なお、回収率と有効回答率を向上させるため、財務諸表等の既存情報を活用できるようにするなど、調査記入者の負担軽減を図っています。しかし、残念ながら有効回答率は36.1%にとどまりました。次のページに出ています。とはいえ、一定の傾向把握はできる数のデータが得られたと思います。
 まずは主な調査結果を報告し、その後で多少の解釈を述べることにいたします。
 資料1−1、1ページ目の「4.主な調査結果」に書いてあるとおりであります。
 各介護サービス別に見ると、収支はおおむね黒字でした。
 多くのサービスで前回調査に比べて収支状況は改善されていました。ただし、グループホーム、短期入所生活介護、通所リハビリ、特定施設入居者生活介護、訪問介護については少しですが、悪化しています。
 総収入の伸びが給与費の伸びに比べて大きくなっていることから、収入に占める給与費の割合はおおむね減少している状況です。
 例えば特養では給与費割合が57.5%、老健だと52.2%、療養病床ですと55.2%などの数値が出ています。4枚目などにそれらのまとめが載ってございます。
 これらのデータは4ページをごらんください。
 各サービスの収支差率について見ると、居宅介護支援以外が黒字となっています。一番最後の行です。介護3施設、認知症対応型共同生活介護の収支差率は、おおむね9%前後となっています。
 訪問介護系でいきますと、ここの収支差率は2%台から6%台になっています。特に訪問看護、訪問リハビリテーションの医療系サービスでは、収支差率が2〜3%と低い値でした。
 通所系サービスが次に載っていますが、通所系サービスの収支差率は認知症対応型通所介護、通所リハビリテーションが4〜6%程度であったのに対し、通所介護では11.6%と高い値が示されました。
 短期入所系サービスの収支差率は、短期入所生活介護が5%台、短期入所療養介護が2%台でありました。
 居宅介護支援の収支差率は−2.6%と唯一の赤字でしたが、前回に比べると大分よくなっています。その他のサービスの収支差率では福祉用具貸与、小規模多機能型居宅介護が約6%でした。
 また、特定施設入居者生活介護は地域密着型を含め3%台にとどまりました。
 収入に対する給与費の割合については、介護3施設、認知症対応型共同生活介護、通所介護、短期入所生活介護、地域密着型を含む特定施設入居者生活介護では50%台後半でした。
 訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問看護、居宅介護支援では7割以上。
 その他のサービスのうち、福祉用具貸与はビジネスの性質が違いますから除きますと、ほかは大体6割台と計算されました。
 これらの結果をめぐり、調査委員会では池田委員を始め多くの方から意見を出していただきまして、次のようなことが議論されましたので、報告いたします。
 ここに書いていませんが、私から御報告いたしますと、そもそも統計調査ですから誤差があります。平均値の周りに分布があります。偏差が大きければ当然平均値周りにどのぐらい広がるかはいろいろとあります。平均値だけで語ることはできませんので、例えば地域差とか規模別という要素を加味しなければ、正しい把握はできないという意見もありました。
 また、収入に対する比率で見ると下がっているけれども、1ベッド当たりの賃金など別な計算をすると上がっている統計も出せるので、調査結果は更に深める必要があるとの指摘もありました。
 利益率ですが、利益率は次の建替え費用を考えないと、特に社福とか医療法人のように資本調達手段に限りがある分野については、建替え費用がほかの方法がない場合にはどうしても利益が高めに出るので、その点も考慮する必要があるとの意見もありました。
 後で説明が出ると思いますが、他産業との比較はどうかという御意見もありまして、他産業との比較との場合には資本の回転率を見なくてはいけない。本当は資本利益率で比べるべきであって、売上高利益率だけだと回転率の差が出てしまうなどの議論も行われました。
 まとめて言いますと、平均値はこのような状況でした。しかし、そのほかに例えば稼働率が低いから利益率が低い場合はどうするか、こういった資本の回転率、細かいデータが載っておりますが、地域区分別なども加味して、今後、分科会ではきちんと委員、私たちが改めて読んでいく必要がある。それに値するような一応のデータは出せたと思うが結論でございます。
 以上です。

○大森分科会長 では、引き続き企画官から御説明をお願いしましょう。

○高橋企画官 引き続きまして、資料1−3をお願いいたします。
 先ほど田中先生から御説明がありましたように、30日の調査実施委員会におきまして、適正な収支差の水準とはどのようなものであろうかという議論から、ほかの産業での利益率はどうなっているのかということで御指摘がございました。それを踏まえて、今回事務局で用意させていただいた資料でございます。
 他産業の統計としましては、3つ政府関係の統計から取ってきております。法人企業統計、企業活動基本調査、中小企業実態基本調査ということでございます。
 下の平成21年度というところで各統計ごとに全産業、それから、業種ごと。業種によって利益率は差がある。例えば小売業は薄利多売型ですので、概して利益率が低い傾向とか、業種によって利益率は変わってくるわけですけれども、今回は代表例としまして製造業とサービス業を掲げさせていただきました。
 各統計を見ていただきますと、平成21年は全産業ではおおむね1.3%、高いものでは3.0%程度。
 製造業、サービス業で見ますと、製造業の方が低い傾向で2.7〜0.8%程度。サービス業ですと、真ん中のところ、資本金10億円以上では高くなっていますけれども、それ以外は2〜3%台という状況になってございます。
 下の方には過去のトレンドをとってございますけれども、平成19年度以前は今よりはよかったということで、20年度以降、利益率が落ちてきている傾向が見てとれるのではないかという状況でございます。
 下の方には今回の我々の介護事業経営実態調査、平成23年の各サービスごとの収支差比率。他産業の方では売上高を分母に持ってきていますけれども、介護の方につきましては収入を分母にもってきていまして、それとの収支差を分子に置いて割ったものでございます。
 平成20年度は、その下の欄に参考として掲げさせていただきました。
 2ページ「収支差と処遇改善交付金の関係について」でございます。
 平成23年、今回の実態調査における収支差比率を各サービスごとに、2段にわたって横に並べさせていただいております。収入に占める収支差の比率でございます。
 その下の平成20年、前回調査との収支差の比較は今回の調査と前回調査との収支差比率の差分、一部前回より悪くなっているのが▲というサービスでございます。おおむね多くのサービスでは、収支差率が前回調査よりは改善してございます。
 一番最後の処遇改善交付金/介護料収入という欄ですけれども、資料1−2の1ページをお願いいたします。「1−(マル1) 介護老人福祉施設(総括表)」というページでございます。
 左側に1という欄があるかと思いますけれども「(1)介護料収入」、これは介護保険からの介護報酬の収入でございます。平成23年ですと、22,870という数字がございます。それを分母に持ってきまして、分子に持ってきたのは、その下の「(6)介護職員処遇改善交付金」という486でございます。
 つまり、介護保険の介護収入に占める介護報酬の総額と処遇改善交付金との比率が、どの程度であるかというものを見た数字でございます。元の資料1−3、特養を例にいたしますと2.1%程度になるということでございます。
 処遇改善交付金の制度は各サービスごとに人件費率が違いますので、それを踏まえて各サービスごとに交付率に差がついているわけですけれども、今回の調査ではおおむねその交付率と連動している。交付金よりは落ちているというのは、交付金を請求していない事業所も一部ございますので、その影響ではないかと思われます。
 その上で2.1%程度の介護報酬との比率であるということと、一番上の収支差の欄、特養でいきますと9.3%でございます。処遇改善交付金が仮になくなった場合で、しかも、現在の給与費水準を維持するということになった場合には、9.3%から下の処遇改善交付金と介護料収入の比率2%程度が引かれることになります。
 実際には介護料収入の比率は全収入に占める比率2.1より小さいので、もっと影響は小さくなるわけでございますけれども、この給与費を維持したまま処遇改善交付金がなくなるということになりますと、9.3から2%弱が落ちるということに数字上はなるのではないか。
 説明は以上でございます。

○大森分科会長 今の最後の意味は、どうなるのですか。

○高橋企画官 最後の意味は、処遇改善交付金も入って、その上、1.5万円給与が上がった上での収支差は9.3%あるということでございます。
 仮に処遇改善交付金がなくなってしまった。しかし、給与は今のまま維持しなければいけないといったことを考えた場合、どのぐらい収支差が悪くなるかということを考えた場合、2%弱程度は落ちることになるのではないかという意味でございます。

○大森分科会長 わかりました。
 それでは、これは非常に重要な内容になっていますので、しばらくの間、御質疑いただくことにいたします。
 御質問なり御意見なり、どうぞお出しいただければと思います。

○馬袋委員 何点かあるのですけれども、1つは先ほど追加で御説明がありました他産業との売上経常利益率の表と収支差比率の表の対比であります。
 通常、経営の観点から言いますと、介護の経営実態の収支差比率については経営上では売上総利益、すなわち粗利と言われる数値であり、他産業の経常利益は、販売管理費であるとか、さまざまな内容が入ったものとの比較になるので、単純にこれを見て比較をしてどうかという判断はなかなか難しいのではないかと思います。
 その点を1点、そういう形で見るべきものの表ではないかということを申し上げたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 何かありますか。

○高橋企画官 売上高に占める利益率でどういう利益をとるかというのは御指摘のとおりでございまして、総利益率、つまり粗利を分子に持ってくるか、あるいは営業利益を持ってくるか。それから、経常利益です。経常利益は営業活動と財務活動を合わせた全体の収益でございます。どれを持ってくるかというのはあると思います。今回は経常利益をもってきさせていただいたこととでございます。

○大森分科会長 答えているかどうか。

○馬袋委員 他産業によっても違いますけれども、例えば通常企業で10%の粗利があって、販売管理費、本社等の費用を引いて7%としたら、残りが3%。これを経常利益として出してきます。
 そういった面では、今回の実態調査の中では各データを見た中で本部管理費とか本部繰入れという費用が入っている事業と入っていない事業のばらつきがかなりありますので、これをすべて経常利益としての比較をするには、数字的に判断がするのには難しい。要するに、判断の対象とするべきではないと思います。
 経常利益と収支差比率をこの表だけをもって、他産業と比べてどうだという内容は乱暴ではないかなと思います。

○大森分科会長 企画官、もう一回答えますか。

○高橋企画官 介護経営実態調査の方の支出の欄は、すべての支出が一応入っているということでございますので、粗利というよりはむしろ最終利益。税金を払っているようなサービスについては税金も払った後の支出ベースですので、最終利益に近いものかと思います。

○大森分科会長 馬袋委員、どうぞ。

○馬袋委員 調査の内容の中で、実は例えばこういったイレギュラーの数字も入っているということで、多分調査のばらつきがあったのではないかなと思います。
 実態調査の速報値のデータの中で23ページ、例えば夜間対応型の区分表がありますけれども、地域区分別集計表。サンプルが少ないので一概に言えないのですけれども、介護保険収入、その他保険利用料等が入って実際の中身を見ますと、本部の繰入れも計上されず、利益率が44.7%。これは多分統計的な問題で、データの取り方として間違えているなというのはわかります。
 ですので、実態調査を送っていただいた内容を分析したときに、書き方によって本社経費、租税などを含めてどう書き込むかというのは、かなりばらつきが出る調査であったというのが実態だと思います。ですから、これをすべて経常利益として判断するには無理があるのではないか。
 ただ、過去とどれぐらいの差かと比較として見るのではいいですが、他産業と比べてどうだと判断として使う数字までにはならないのではないかということを申し上げたいということです。

○大森分科会長 今の点はどうですか。

○高橋企画官 それは単純に比較するものではないということは、そのとおりでございまして、業種が違えば単純にこの利益率が高いか低いかかというのは比較できないのと同じです。
 そういう意味ではそうなのですけれども、ここで言いたかったことは、他産業はどのぐらいの利益率で再生産というか、建替え、再投資ができているか。その場合の適切な水準はこのぐらいで他産業は再生産というか、再投資でできているということの例として、参考して今回出させていただいたということでございます。

○福本総務課長 補足をいたしたいと思います。
 この調査、例えば資料1−2の17ページの訪問介護のところですけれども、この上の方の書き方でありますが、介護事業収益が(ローマ数字1)、介護事業費用が(ローマ数字2)でございます。これは通常の企業会計で言えば、介護事業収益は営業の収益。介護事業費用の方は営業費用に該当するかと思います。
 その下(ローマ数字3)介護事業外収益、(ローマ数字4)介護事業外費用、これは営業外収益、営業外費用であります。
 (ローマ数字4)までのところで収支差を出しますと、企業会計では経常損益になります。営業利益と営業費用と営業外の損益を足した形になりますので、経常損益になります。
 更にこの調査では特別損失を計上しています。これは通常の企業会計では経常の外にあるものでありますけれども、利益の方は入れておりませんが、特別損失の方は入れています。この特別損失への計上はここに書いてありますけれども、本部費繰入れというのがありますので、法人組織の場合の本部組織です。そこに対しての費用が確かに事業をする場合に発生いたしますので、そこまで入れています。
 更に収益で、特別収益と特別損失まで入れれば、先ほど企画官が申しましたように最終利益と言いますか、最終損失になるわけでございまして、したがって、この表の中では最後に出ております収支差は経常の利益、経常損失から更にそれに加えて最終の損失に大体近いところを示しておると思います。
 先ほど、企業会計の他産業の経常利益を出していますけれども、ここで経常利益を引いてここで比較するようにしたのは、我々の経営実調の大体収支差というのが、それに近い概念だということで出したということがございます。
 ただ、先ほど御質問あるいは御意見がありましたように、特別損失の本部費繰入れなりがきれいに書けているかどうかという問題は、確かにあるだろうということではないかと思います。

○大森分科会長 ほかの問題にいきましょうか。

○武久委員 いや、同じ問題で。

○大森分科会長 それでは、どうぞ。

○武久委員 多分、他産業のものを出されたのはそんなに回数はないと思うんですけれども、毎回出されているこの統計は同じ条件で出しているということですね。この介護保険については。
 今回、他の産業ということですが、他の産業と介護、医療の関係は全然産業構造が違いますから、例えば増資によって資金を得るとか、要するに借入金の割合が違ったり、価格設定が自由にできるということもありますし、いろいろな面で医療、福祉産業は他の産業と違う面がございます。
 それを単純に他の産業はこれが低いから介護保険の実調でここが高いから、ここが他の産業より有利だとは結論付けるのは難しいとは思うんですけれども、一応の参考値だということで見るようにした方がいいと思います。
 だから、単純には3年前の実調と6年前の実調と今と比べると、特養が9.3%だったのが前は何%だったかということで、改定のたびに実調の結果がどのようになっているかということで単純に比べていただいた方がよかったと思います。
 前のときのものは忘れたのですけれども、前のときのものは、たしか9.3%より低かったです。そういうふうに前の21年と18年と比べていただいた方が、わかりやすかったかなと思います。

○高橋企画官 前回調査との比較につきましては、先ほどの資料1−3の2ページ目でございますけれども、真ん中の欄、前回との収支差の比較ということで、特養ですと9.3%で、前回と比べて5.8%よくなっているということでことでございます。

○大森分科会長 それ以外のことで議論いたしましょうか。よろしいでしょうか。
 どうぞ。

○木村委員 先ほど田中委員長の方から御報告があったのですけれども、平均値の出し方なのですが、例えば今、総務課長がたまたま説明された17ページに収支差率の分布がありますけれども、ここを全部入れて平均値を出しているのか、それともプラス50の外とか3,000から上のところをカットして出しているのかとか、その辺のところはどうなっているかというのを教えていただきたいです。

○大森分科会長 それでは、どうぞ。

○宇都宮老人保健課長 今のお話でございますが、一見外れ値に見えるようなデータもあるではないかという御質問だと思うのですけれども、今回のデータについては電話等により記入不備等の修正を行っていて、回答が得られなかったものあるいはそういった異常値、統計学的に正常値として取り扱う範囲を超えているものについてはすべて除外しているので、こちらに残っているものとしては集計の対象としてすべて平均の中に入れております。

○木村委員 理解しましたけれども、これで議論していいのかなというのが意見です。

○大森分科会長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 3点ありますが、まず資料1−2の59ページを見ていただきたい。居宅介護支援のところ、ここだけがマイナスになっています。この読み方についてですが、マイナスになっているから介護報酬を上げろという議論には、必ずしもつながらないと思います。
 それはなぜかと言うと、介護支援専門員常勤換算1人当たりの利用者数を見ていただくと26.8人なのです。平成20年の調査が26.9人ですから、ほとんど変わっていません。たしかケアマネ協会の方からでは30人を標準にしてほしいという議論があったかのように記憶しておりますし、現在の実際の介護報酬は35人程度を標準として見ていて、39人までは減算なしということになっています。
 単純に言うと、ケアマネジャーが過剰状態になっていて、1人当たりの生産性がすごく落ちている。これを例えば30件やったらどうなるのか、35件やったらどうなのかというシミュレーションが欲しいんです。
 私、個人的にやってみましたけれども、30人を超えますと黒字になります。35人になりますと、かなり大きい黒字になります。ここで数字を出すと独り歩きするので言いませんけれども、そこを考えないと大変誤解を招くのではないかということが、第1点目の指摘ということになります。
 2つ目は1−(マル1)。特別養護老人ホームが一番最初にあるものですから、いつも代表格で取り上げしまうのですが、人件費の動きが変なのです。例えば「33 看護・介護職員(常勤換算)1人当たり給与」というのが平成20年では31万5,891円で、それが23年調査では30万3,443円と下がっているのです。もちろん、新規採用が増えれば、平均給与が下がりますから、そのこと辞退は変ではないかも知れません。
 しかし、給与費は7にありますけれども、15237千円から15271千円、ほとんど増えていないのです。しかも収益は増えているわけです。これは簡単に言えば経営の取り分が増えたということなのです。
 だから、利用料は別にして介護報酬の労使の配分は一体どうなっているのだという解明が実は必要ではないかということなのです。この給付費分科会を通じて、私が非常に不満に思うのは、経営側と労働側の利害が一致して介護報酬を上げろという方向に走っている。経営側が上げろということはわかります。それは当たり前でしょう。
 けれども、その前に例えば労働側の場合は、一体労働分配率がどうなっているのということをきちんと調査すべきです。あたかも介護報酬が低いから経営が悪く、なおかつ賃金が低いというのは実は真実ではありません。かなり中間搾取的あるいは無能な経営による無駄なコストがあるということは間違いないのです。
 経営実調では、収入に対する給与費の割合というのがずっと出ていますが、施設居住系と在宅経営では、まるで意味が違うのです。なぜかと言えば、施設には食費も居住費も入っているからです。これを介護報酬のうち人件費に回されたのは何%ですかと見ていくと、結構横並びになって、どうしてこうなのだということがわかってくるのではないか。
 そういう計算の方法を1つはお願いしたいのと、標準的な経営モデルは本来は業界がつくるべきだと思うのですけれども、もしも業界がつくれない、つくらないとするのであれば、行政的にではなくて研究プロジェクトでいいと思うのですが、そこで出すべきです。そうでないと非常に判断がしにくい。これが2点目でございます。
 3点目は、先ほどの馬袋委員のおっしゃっていることはよくわかるのですけれども、他方で介護保険事業というのは自由市場ではございません。クアジマーケット、つまり準市場、擬似市場の中で動いているわけです。
 9割は保険給付という形で保険者が支払います。利用者はたったの1割を払えばいい。しかも、高額介護サービス費がありますから、実効給付率はもっと高い。しかも、価格は介護報酬という上限公定価格ですから、ある意味でこれは守られた市場なのです。純粋な競争市場ではないのです。
 とするならば、先ほど民間の収益率がどうであるかという議論で、それぞれの皆さんの御意見はそれぞれ根拠があるとは思うのですけれども、もう一つ勘案しなければいけないのは、守られた市場と本当の自由競争の市場というのは、意味が違いますよということなのです。自由市場で競争にさらされた民間がやってこれだけの収益なのです。他方、介護報酬や9割給付で守られた準市場である介護保険サービスの収益が、これでいいのだろうかという発想は片方で持たなくてはいけないと思うのです。
 そういった意味では3%が妥当かどうかという議論もあるのでしょうけれども、5%を超えるのはいかがなものか。10%を超えるというのは想定外ではないか。そう発想していかないと野放図になってしまう。
 という3点を意見として申し上げたいと思います。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 勝田委員、どうぞ。

○勝田委員 逆に言いますと、現場ではこの数字を見てどうなのかということで若干聞きましたところ、いや、こんなにはなっていないなと。ただ、数字的にはここに上がっているのですが、その裏側に何があるかというと、例えば在宅介護を支えるヘルパーさんの状態を見ますと、サービス提供責任者は常勤であるけれども、そのほかのほとんどがパートや登録という状態の中でこういう数字が出ているのではないか。
 例えば全部常勤でやったとしたら、ほとんどが赤字になるという訴えもあります。また、特にケアマネさんについては専門の木村委員も出ておられるのですが、赤字になっているということを今、池田委員がおっしゃいましたが、逆になぜこうなるのか。例えば赤字でやっていけるのはなぜなのか。併設するサービスの補てんで何とか賄っているのか。
 一方、ケアマネジメントをやるというところでは自立支援型のケアマネジメントとか、公正中立とか独立型を目指しているわけですが、逆に言うと、それだけだと完全に赤字になるわけです。ですから、どうしてこうなっているのか。今、件数が28件とか少ないのではないかというお話が出ましたが、実際に本当に丁寧に対応しているときは、なかなか30件以上はやれないのだという声も聞いております。
 また、例えば医療系のケアマネさんがこれからもっと必要なのだということでありますが、看護師さんがケアマネとして働く場合には給与体系から言いますと、看護師さんをケアマネにするということは経営悪化につながるのだと。だから、やれないのだという声も聞いております。そういうことについての分析は、事務方はどのようにされているのでしょうか。

○大森分科会長 御質問です。

○宇都宮老人保健課長 ケアマネ事業所の収支差がマイナスということですけれども、木村委員からまた補足していただければと思います。
 この調査については併設する事業所などがある場合に、例えば管理部門の費用などはそれぞれ按分をして、こちらにお答えいただいているのですけれども、特にケアマネ事業所の場合にはそういった併設というケースが非常に多い。かつ、併設の相手方の規模の方が大きいと。そうすると、相対的に、按分したときにケアマネ事業所の方に管理の費用が大きめで出てきてしまうということがあるということで、全体として見てみるとマイナスに出てしまう、そういうことがあるのではないかと我々は考えてございます。
 ケアマネの方を看護師さんにした場合にどうなるか、そういったことについてのシミュレーションのようなものはやってございません。

○高橋企画官 補足させていただいてよろしいでしょうか。
 池田先生から、ケアマネ1人当たり受け持ちを30件にした場合のシミュレーションをしてはどうだろうかということですけれども、お手元の資料で61〜62ページを見ていただきますと、居宅介護支援の実利用者数別集計表というのがございます。
 61〜62ページの一番下の欄に、ケアマネ1人当たりの利用者数が書いてありまして、左から右にいくほど、最初14.5人だったのが右の方にいくにつれて、1人当たりの受け持ち利用者数が増えてございます。その場合の収支差がどう変わっているかというのが上の「16 差引」を見ていただきますと、1人当たりの利用者数が左のところでは−24.6。これが右の方にいくにつれてだんだんとマイナスが減っていきまして、62ページに入ったところ、受け持ちが30人を超えたところで収支差が黒になっている。更にいくと、4.9。その次に1回マイナスになっていますけれども、更に収支差が黒になっています。おおむね30人を超える収支は黒になるのではないかということは、大体は見てとれるかと思います。
 もう一点、介護料収入に占める給与費の割合は施設でも訪問系、在宅系でも一緒ではないのかということで試算してみましたけれども、施設系ですと介護料収入に占める給与費の割合は大体60%台でございます。訪問系ですと80%台。
 どうして差が出るかと言いますと、施設系は利用者負担、ホテルコストはもらっていますけれども、それを取れていない共用部分、廊下ですとか談話室、食堂、機能訓練室、こういうところは介護料収入から減価償却費を出していますので、その分は人件費、給与費割合が低くなっているということかと思います。

○大森分科会長 勝田さん、先ほどの御質問よろしかったですか。

○勝田委員 いえ、訪問介護の場合にヘルパーさんのほとんどを登録や非常勤で何とかこれが出されているのではないかという実態について、どのようにこの数字について。

○宇都宮老人保健課長 実態はなかなか我々は把握し切れていない点があるので、むしろ木村委員の方からお答えいただいた方がよいのではないかと思います。

○勝田委員 ヘルパーさんが圧倒的に多いわけですね。非常勤が75%ぐらい占めているわけですから、そういう中で賃金が相当低いから、こういうふうに抑えられているから何とかなっているのではないかというのがあるわけですが、それについてはどのようにお考えなのか。

○大森分科会長 馬袋さんの方から答えていただきましょう。

○馬袋委員 訪問介護事業所の経営のあり方というのは、いろいろな事業所の考え方によって常勤比率を非常に高めて、そして24時間、夜間も対応しながらやっている事業所もありますし、また、平日の9時〜5時、土日お休みという訪問介護事業所もたくさんあるのも実態です。
 では常勤と非常勤の割合はどういうことかというと、当然常勤ですべてやるということがすべていいとは思っていません。訪問介護というのはヘルパーが御自宅に訪問するということで1対1ですので、例えばお昼の11時半から1時半、もしくは2時ぐらいがゴールデンタイムなのですけれども、ここに10人の利用者さんということで常勤10人を雇って、その時間だけケアをするというのは非常に非効率であります。常勤はある程度、例えば3割とか4割いるけれども、残りの7割はその時間、持っているスキルとか技術を地域の中に還元していただくというパートさんになりますが、そこに入っていただくという意味での非常勤の活躍というのは大切です。そういった非常勤の方々のスキル、力量をマネジメントしていくというのが訪問介護の運営であると思います。
 一般的に非常勤が多いとよくないという形よりも、ある一定の常勤が、マネジメントできる常勤、サポートする常勤として、その周辺、時間帯的にぶつかってしまうところを非常勤の方々と一体的になってやっていくというのが訪問介護です。勤務形態の割合で何%がいいかというのは言えませんが、常勤と非常勤が一体的になって事業を運営しているということを御報告したいと思います。

○大森分科会長 では、木村委員。

○木村委員 まず、この−2.6は次に言う分析をしなければわからないと思っていまして、前回改定のときに特定事業所加算の2を新設させていただいて、主任介護支援専門員ほか2人の常勤のケアマネジャーがいるところ、そこが利用者一人に対して3,000円プラスという形にしてもらいました。ですから、特定事業所加算1と2、また加算なしのところと比べてみて分析する必要があると思っています。
 会員から聞いていますと、特定事業所加算のところはかなり収支率が改善しているという話を聞いていますけれども、ただ、数字を見なければわかりませんので、その分析が必要と考えます。
 また、池田委員から御指摘がありましたけれども、35件が基準でございますので、35件で経営が成り立つようにと前回お願いしてあって、その35件で計算をしてプラスが出るという形になっていると思うのですが、ただ、もう一度、先ほど池田委員がおっしゃった数字を出すべきと考えています。
 実態として居宅介護支援事業所が併設サービスがあるか、ないか。他サービスを持っているか、持っていないかでいったときに、完全な独立しているところは10〜15%の間と聞いています。併設のところが悪いというよりは、ケアマネジャーがきちんと公正中立にマネジメントができる、そういうことの基準などをきちんとここで議論していただければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 先ほど田中先生がおっしゃっていますように、一応今日、速報値が出てきまして、大きなトレンドはわかったんですけれども、実際に報酬のことを考えるときにいろいろ留意事項を述べていただいていますので、これからそういうことを念頭に置きながら、具体的にどうすればいいかということを検討するということでございます。

○池田委員 先ほど申し上げるのを忘れてしまったんですけれども、ばらつきなのです。新しく散布グラフを出されたので、ばらつきが非常によくわかるようになりましたが、このばらつきが余りにも広がり過ぎている。これをまとめていくにはどうすればいいかということを考えなくてはいけないのではないかということが1つです。
 関連して、先ほど勝田委員が「現場では」とおっしゃいましたけれども、例えば17ページの訪問介護のばらつきを見てください。その現場というのは一番右側にある現場なのですか、一番左にある現場なのですか、どちらを言ってらっしゃるのでしょうか。右と左とではまるで違うわけですよ。
 一番左側の現場に立って介護報酬を考えたら、はっきり言って一番右側の現場はとんでもない収益を上げることができます。だから、真ん中をとるしかないのです。
 たしかこの分科会の最初の議論の前提として、エビデンスに基づいた議論をしたいということがあったので、任意の現場を持ってきて議論するのは謹んでほしいと思います。

○大森分科会長 では、あなたで最後です。どうぞ。

○伊藤参考人 代理なのですが、発言させていただきまして、ありがとうございます。
 私もこの経営実調の速報値を見て、給料のところで非常に奇異に直観的に感じました。前回改定の目的は処遇改善が大きな目的でありましたし、あと、処遇改善というのも23年のところに入っているわけですけれども、それが1人当たり給与では下がっている。総額の給与費でも下がっているというところで、それがどこに回っているのかというのを詳しくこの場で検討していただきたいと思っております。
 調査票を改めて見てみたのですけれども、調査票との対応で、調査票の方では人件費となっていて、集計では給与費となっていたりして、どういう対応関係になっているのか。この費用項目のところも足しても100にならないとかよくわからないところも、私の読み方が多分悪いのかもしれないのですが、本部費繰入れというものがどういうものなのかとか、そういったのも含めて、収入が増えた分がどのように回っているのかということを是非、この後の期間に詳しく検討していただきたいと思います。
 以上です。

○宇都宮老人保健課長 人件費と給与費はこの場合、イコールの意味で使ってございます。
 今後の分析についてはできるものについては、当然御指摘を受けてやってみたいと思いますが、その辺のところは検討させていただければと思います。

○大森分科会長 それでは、次は地域区分の見直しにつきまして。ここまで一通り終わったら休憩いたしましょう。
 では、説明をお願いいたしましょう。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料2「介護報酬の地域区分の見直しについて」をごらんいただきたいと思います。
 基本的には前回お出しした資料とほとんど変わってございません。
 1ページ目、介護報酬における地域区分の考え方についてという資料を追加させていただいております。
 介護報酬はサービスの内容、事業所の所在する地域等を勘案し、サービス等に要する平均的な費用を勘案して設定するものとされている。
 具体的には、地域ごとの人件費の地域差を調整するため、地域区分を設定し、1単位10円を基本として、地域別・サービス別に1単位当たり単価を割増ししている。
 なお、地域区分は、地域間における人件費の差を勘案して、地域間の介護保険費用の配分方法を調整するものであるため、財政的に増減を生じさせないようにすること(財政中立)が原則である。
 2ページ、介護保険制度の地域区分と国家公務員の地域手当の比較ということで、平成12年、この制度が創設されたときには国家公務員の調整手当と合わせられていたわけでございますが、平成18年に国家公務員の手当が地域手当に変わったときに、介護保険の方は変更がなかったということでございます。
 前回の21年改定のときには、特別区と乙地のみについての見直しが行われたということでございまして、このときに次回の改定では検討するということが宿題となってございます。
 3ページ、地域区分の見直しに関する課題と方針についてということで、こちらに書いてございますように、左側の課題に対しまして見直しの方針について前回了承いただいたということでございますが、地域割りについて国家公務員の地域割りに準拠する。その上で特甲地を3種類に分割するということ。
 適用地域についても国家公務員の手当に準拠しますが、国の官署が存在しないところについては診療報酬の考え方を踏襲するということ。
 上乗せ割合は国家公務員の手当に準拠した見直しを行うこと。
 人件費割合については介護事業経営実態調査を踏まえて、見直しの必要性を検討するということでございます。
 4ページ、適用地域の取扱いということで、原則、国家公務員の地域手当に準拠するということですけれども、この地域手当は当該地域における民間の賃金水準を基礎とし、当該地域における物価等を考慮して、支給地域を指定している。
 これが国家公務員の地域手当の指定ということで、これを反映させることで同じ取扱いにさせていただくということでございます。
 5ページ、先ほど申しました国の官署が存在しない地域について、具体的にどうするかということでございます。
 6ページ、そのような見直しを行った場合に実際、市町村がどのように動くかということでございますが、縦軸が現行の介護保険の地域区分、横軸が見直し後の最終形の地域区分でございまして、黒っぽく網かけしているところが区分上は動かないところです。
 一番右下のところ「その他」から「その他」というところ、これは具体的に市町村名を書いてございませんが、実際に1,285自治体、つまり大部分はこちらにあるということでございます。
 赤い字で書いているところは、国の官署などが存在しないため、基本的にはその他地域ということなのですけれども、今回のいわゆる「準じる地域」のルールをあてはめますと、ここにあてはまるという地域でございます。
 7ページ、経過措置でございます。
 以前の御議論でも激変緩和ということについて考えるべきということでございまして、平成24年度から26年度の3年間は次の経過措置を設けるということで、設定に当たって市町村の意見を確認するということです。
 経過措置の内容としましては、2区分以上乖離することとなる地域について1区分高い、もしくは低い区分に見直すというようなことでございます。
 このような経過措置を適用しますと、8〜9ページの2ページにわたっておりますけれども、先ほどの表に比べまして1区分しか動かさないということでございますので、このような収まり方になってございます。
 10ページ、これは今回追加させていただいた資料でございます。
 具体的に財政影響について試算ということでございます。以前、出させていただいた資料は国家公務員の見直しのときに全体として4.8%下げるという数字を、国家公務員の場合にはそういう下げ方をしたということで示させていただきましたが、今回この介護報酬の方で試算をしましたところ、考え方はこちらに書いてあるとおりなんですけれども、約0.6%の引下げになるということでございます。
 下の表に書いてございますように、上乗せ割合を国家公務員に合わせますと18%から3%まで上乗せ割合ということでございますけれども、この0.6%ということを考慮しますと、括弧内にあるような数値になるということでございます。
 なお、※のところに書いてございますが、今回の試算は昨年9月のサービス分の数値を集計して算出したものでございまして、来年の改定に向けてはまた新しい数値でもう一回計算することになると思いますが、そうしますと0.6%が若干変更になる可能性はあるということをお含みおきいただければと思います。
 説明については、以上でございます。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 それでは、御意見等いただきましょうか。村上委員、どうぞ。

○村上委員 まず、特養でございますけれども、乙地については21年度の報酬改定で5%の上乗せ割合にしたものをまた3%に戻すということですが、こういうことでは現場は大変混乱をいたします。
 該当地域についても外れるところが非常に多いということで、これらについて適用地域の経過措置を設けるということですけれども、上乗せ割合についても経過措置があってもいいのではないかと思っております。
 人件費割合について45%グループ全体ですが、先ほどの実態調査を見ても人件費割合45%というところはないわけで、これを見直す必要があるのではないかということで、実態に即していないのではないかなと思います。
 「その他」で0.6%減でございますけれども、これは1単位10円ということで考えてよろしいのでしょうか。
 以上、お願いいたします。

○大森分科会長 勝田委員、どうぞ。

○勝田委員 今回の地域区分の中で「その他」というのは圧倒的に多いわけですが、10ページにあります財政中立とする場合に0.6%の切下げということで、「その他」というところが実際問題今まで10円のところが9.94円になるという考え方なのでしょうか。
 そこがよくわからないのと、この表の見方ですが、この表の中で示された中で0%のところが一気に15%になるところがありますが、例えば千葉県の成田市とかここに書いてありますね。これは実際に経過措置の間は上がって、経過措置が終わったらそのまま上がるというか、1区分だけの上のところをやるという御説明があったのですが、経過措置も含めてですが、「その他」の0.6%というのは圧倒的に多いわけですから、そちらの方をどうするのかということ、どんなふうになるのかということをまず、お聞きしたいです。

○宇都宮老人保健課長 −0.6%ということでございますが、以前、御議論いただいて御了解いただいた財政中立ということを考えますと、まず、上がるところがあれば当然下がるところもあるというようになってしまうことはあると思います。
 具体的に0.6%というのをどうするかということにつきましては、1単位を9.94円という考えもあると思いますけれども、例えば、その他の報酬の単価で反映させるとか、またはその他いろいろ実際には考えられると思いますので、そちらについてはまた今後、いろいろ検討させていただきたいと思います。

○勝田委員 追加というか、実際問題、例えば18%になるところは、そこに住んでいる方たちがそこのサービスを使うときは、限度額が上がらなければ、これは今までもそうなのですけれども、結局サービスを減らすしかないのですが、限度額との連動だとかそういうこととか、実際に使えるということでは、利用料の例えば減免だとか免除だとか、上乗せ地域に住んでいる人たちがそれを使う場合に、そういうことも考えられるのではないかと思います。

○宇都宮老人保健課長 地域区分につきましては、限度額では関係ないということでございまして。

○勝田委員 ただ、上がれば利用料もあがりますね。

○宇都宮老人保健課長 その上がる、あるいは下がるということにつきまして、先ほど村上委員の方からも、このパーセント自体についての激変緩和ということもあるのではないかというお話がございましたけれども、そういったことにつきましてもこちらの分科会の委員の皆様方の御意見を賜って、検討させていただくことかと思っております。

○大森分科会長 ほかにございますか。齊藤委員、お願いします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。
 まず、質問を2つさせていただきたいと思っておりますが、経過措置での区分設定で市町村の意見を確認と書いてございます。これは市町村ごとの対応が異なるということもあり得るのかどうかということを1点質問いたします。
 それから、これは3か年の経過措置ということですから、2区分以上乖離した場合には上か下の1区分の範囲で見直すということが今回の提案でありますけれども、4区分、5区分違うところもあるわけでありまして、この経過措置後の話とはどういう方向になるのかという2つをまず、質問させていただきます。
 その上では関連して意見も申し上げたいと思いますので、今回村上委員からもお話がありましたように、引下げで影響を最も受けるのは乙地でありまして、5%が0.6を加味すると、非常に大きな数字の動きになるということでありますし、全体的には特甲地の3以下はすべてマイナスになるということなのだろうと思います。
 一方、先ほどの実態調査を見ますと、例えば特別区でいろいろ見てまいりますと、N数の少ないところは別にいたしまして、訪問看護では大きなマイナスがあるわけでありますが、訪問介護ではプラス10、通所介護ではプラス7.5というように、地域差というものの影響が相当ばらつきがあるようにも思っております。
 そういう意味では、きれいに今回は特別区のハンディが証明されていないようにも思うわけでありまして、これはこれで今後、これを考える上では大事なポイントではないかと思います。
 その上で今回、国家公務員の地域手当、また診療報酬の地域加算と併せて改正をするという基本的な考え方は大賛成でありますけれども、少し0.6という振れ幅の影響が大きいような気がしますので、地域間の譲歩というものを前提に振れ幅を小さくする工夫ができないのかなと考えますので、そこを提案させていただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 御質問のところがございましたので、お願いします。

○宇都宮老人保健課長 市町村の御意見ということでありますけれども、市町村によって経過措置を必要とするか、しないかとかいろいろあると思うのですが、どのぐらい御意見が出てくるかとか、余りたくさん出てきてそれを配慮するとこの数字自体が変わってしまう可能性もありますし、そこのところはまたどのような御意見が出てくるかということによって、またいろいろと考えさせていただきたいと思います。
 それから、この経過措置の後というお話ですが、先ほどの6ページの表に示させていただいたように、こちらは最終形という形で考えてございますので、その最終形に向けての経過的措置として今回は1区分だけという、一応そういう位置づけではないかなと考えてございます。

○大森分科会長 では、馬袋委員、どうぞ。

○馬袋委員 確認なのですけれども、10ページ目の要は引下げなのですが、基本というのは10円というものをベースにして考えていくのか、それを下げるのか。基本的にはもともと地区割りというのは人件費の内容が非常に地域によって違う、物価比もあるので地域の格差を区分した割合であります。
 そこに一律0.6というのは乱暴過ぎるのではないかというのと、やはり基本は10円でスタートするという、基本から考えていくということをしないと、そもそも地域割りというのは基本に対して地域差を見て考えていったので、基本を重要視しながら考えていくのか、そこの整理は必要だと思います。

○大森分科会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 今までの御発言とかなり重なっているところがあると思いますけれども、意見を言わせていただきます。
 この地域区分の見直しについて、5区分を7区分にするということは実態に合っているということで、前回もその方向性は賛成するという発言をさせていただきました。
 ただ、この資料の1ページの(マル2)にありますように、そもそも地域区分の考えが導入されたときは「その他地域」を1単位10円として、地域の経営実態に合わせて都市部を中心に上乗せを図った。そのときには将来、今回のように「その他地域」1単位10円を下げて調整するという発想は、想定していなかったと理解しています。
 そのような意味で0.6%引き下げた上で調整するといいますか、1単位10円というのは変えないでいただきたいというのが第1点であります。そうなりますと、7区分に変更して同意したのにどうするかという話になると思いますが、当然財源ということになります。
 そうなりますと、一番望ましいのは新たに必要となる費用ということで改定率も出ていませんけれども、副大臣がお見えになっているところで本当に言いづらいのですが、これは新たな予算措置をしていただいて、その地域の見直しに伴う発生する費用を持ってくるという形で是非、努力をしていただきたいと思います。
 たとえそれができなくても、この地域区分の中での財政調整というのではなくて、介護保険財源全体の中での見直し、あるいは報酬全体の見直しをして費用を捻出する。費用が捻出できる範囲で今回は調整を収めるということで、やっていただきたいというのが希望であります。
 そもそも前回も発言しましたが、介護職員処遇改善を中心として現場職員の処遇改善に更に努力を求められているという、私たちの現場の中で人件費に相当する部分を引き下げるというのは、現場の意欲をそぐし、ある意味では理屈に合わないという感じを持っております。
 これ自体を見直す理由はよくわかりますが、そういう考えを含めて新たな考えで引下げをしない方向でお願いしたいと思います。
 我々老人保健施設にもこのままいきますと、ざっくりとですが、約8割程度の施設が引き下げられるということになりまして、その影響はかなり大きくて、今でもさまざまな質問あるいは要望が業界に寄せられておりますので、是非、御配慮をお願いしたい。
 以上であります。

○大森分科会長 藤原委員、どうぞ。

○藤原委員 市町村の立場から申し上げたいと思います。
 今、事務局から案が示されたわけですが、介護報酬の地域区分の見直しについては国家公務員の地域手当に準拠したということで、一定の理解は示しますが、報酬を平均0.6%下げるということは、都市部と山村地域との格差が出てくるのではないかと危惧してます。
 具体的に財政中立の立場から介護報酬を一旦0.6%下げて、また上乗せ割合等を決めていくことになると思いますが、以前提出された資料(第78回給付費分科会)によると、ほとんどの自治体がその他に含まれてしまう。町村だけでも934町村のうち921町村、98.3%がその他の地域となってしまいました。市でも多分360市が対象になるわけで、これらに不利益部分が出てくるような可能性もあろうかと思います。
 現実的に自治体によって18%から0%まで格差が発生しているので、その辺が大変心配される要素になると思います。例えば僻地等への加算があったとしても、影響が出てくる部分があるのではないかと思われます。
 先ほど、池田先生の方からケアマネ等は国内的には充足しているというようなことが言われたのですが、山村地域では人材確保に相当苦労してます。
 そのために都市部、要するに上位等級地域から人材確保をする場合には、どうしてもその他の地域の給与算定では確保できないという実情もあるわけで、その辺の影響が今後、どう出るかということが非常に心配です。
 また、地方では都市部と違い、集合住宅が余りないので、介護サービスを提供できる効率が非常に悪い。例えば都市部では1日に何人もサービス提供できるかと思いますが、山村地域では半日に1人ということもありますので、非常にサービス提供の効率が悪い。このような実態をどこかで考慮していただけるようお願いしたいと思います。
 また、今後、年末に向けて報酬改定の議論を行い、改定率等の決定をしていくと思いますが、全国の都市部と山村地域との地域格差が生じないよう、マイナス地域に何らかの緩和ができる処遇改善等を総合的に考えていただければと思いますので、その辺も考慮して是非、お願いしたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 どうぞ。

○池田委員 地域区分は御提案されたことに関して賛成しますが、1つお聞きしたいのは介護報酬を0.6%下げれば、変な言い方ですが、その他は1単位10円で全部整理できるから見栄えがいいよというだけの話ですね。
 あとは、処遇改善交付金相当の2%をどこから持ってくるのか、持ってこられないのかということで、全体としての介護報酬はある意味でゼロサムかマイナスサムの中で動くわけですから、その調整の中で十分賄えるので、0.6というのは単なる参考値であって介護報酬全体の中で考えればいいと理解をしておりますが、それでよろしいのでしょうかというのが1点目です。
 もう一つ、みんな特別区のように18%上げてほしいとおっしゃるのですが、それは保険料に跳ね返るということを前提にお話していらっしゃるのでしょうね。
 つまり、介護報酬を上げれば給付は上がるわけですから、保険料は当然上がるわけです。そのときに保険者が地元の介護産業振興のために、保険料を上げてもいいから増やしてくれという気持ちがあれば結構なのですけれども、本当にそこのところは切実におわかりになってやっていらっしゃるのだろうかというのが実は疑問でありまして、これは老健局の方にはお答えにくいと思うのですが、市町村は一体何を考えているのだろうということの輪郭でも知りたいなと思っています。
 以上です。

○大森分科会長 第1点目は重要ですので、池田さんのような御理解で事務当局もその理解と同じかどうか。

○宇都宮老人保健課長 先ほど、私はいろいろな方法があると申し上げましたけれども、当然先生のようなお考えというのがあると思いますし、今回ここでどういうやり方でやると決めることではなくて、まさに改定率が12月に多分決まると思うのですが、今の池田先生のお話ですと、そういうところまで見てということも多分あるかと思います。そういうことでございます。余り限定的なことはなかなか言えないのでございますが。

○大森分科会長 ということは、その他10円という単位は変えないで、全体のことが可能になれば、その方向はあると理解しました。
 今日は従来のやり方の試算でやるとこうなるという理解。本日はその理解にとどめるといたします。今後、皆さん方の御意見で。

○三上委員 今、池田委員がおっしゃったように、0.6%に引き下げてそれにプラス改定分を乗せれば、1単位が10円をクリアーできるということは確かにそのとおりだと思いますが、今日は経営実態調査の中でも地域割りによっての収支が出ております。
 これを見ますと先ほど齊藤委員がおっしゃったように、特別区を本当に18%引き上げるということが妥当かどうかということについては、非常に疑問がある。特に稼働率とか、あるいは常勤1人当たりの利用者数等に影響のない、施設系の入所系のサービスについて見ましても、かなりプラスの状態が出ております。逆に言えば、特甲地などが非常にマイナスが出ているということがございますので、本当に妥当かどうか。
 例えば診療報酬等には、こういう特別区18%プラスのようなものは全く入っていないわけですから、公務員の地域手当に準拠しなければならないという、はっきりした根拠はまだないと思うのですけれども、それに対するお考えを少し伺いたいと思います。

○宇都宮老人保健課長 今、おっしゃった公務員の給与に準拠する根拠がないということについては、以前から繰り返しお話させていただいておりますが、資料2の4ページですけれども、そもそも国家公務員の地域手当の区分の考え方は、人事院の方で1の(マル1)、「当該地域における民間の賃金水準を基礎とし、当該地域における物価等を考慮して、支給地域を指定している。」
 ですから、それぞれの市町村における給与水準なり物価なりを反映させてということであれば、これが国として使っている物指しというか、そういうことでございますので、これを適用させていただくということであって、国家公務員の給料にすべて合わせるためということではないということだけは、御理解いただければと思います。

○三上委員 よく理解しておりますけれども、せっかく今日、経営実態調査が出て地域格差についても一応発表されたということですので、こちらを参考にしながらそれぞれの地域で経営がきちんと成り立って、サービスが適切に提供される形にするというのが本来の姿ではないかと思うのですが、どうなのでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 勿論、そのとおりでございますけれども、地域差の問題というものについてもかねがね指摘されてございますということで、そちらについては当然我々としては、この物差しいうことで以前も御同意いただいたということでございますので、ただ、いきなり18%にするかとか、その辺のところは先ほどからこちらについての激変緩和も考えるべきではないかという御意見も賜っておりますので、そういう御意見を踏まえて検討していくことかなと思います。

○大森分科会長 どうぞ。

○武久委員 私の口から言うのが適切かどうかわかりませんが、診療報酬上は地域格差がないというところは、おむつ代とか衛生材とかほかの保険外負担等でカバーしている部分もあると思います。特養についてはユニットケア以外はその辺の介護保険外負担はある程度厳しく管理されておりますけれども、介護療養型医療施設や一部の都会の老健では、介護保険分以外のいろいろな衛生諸費について徴収をすることによって、この地域格差、すなわち土地代が高いとか人件費が高いとか、そういう部分を補ってやっているところもあると思うのです。
 そういう意味では、コストがかかっているところに地域区分を入れるということは非常に公平でいいと思うのですけれども、一方、僻地ではどういうことが起こるかというと、実際の国家資格者が周辺にいないということによって、給与をかなり上げないといけないという面もありまして、必ずしも人事院勧告の公務員の給与の割合で単純に割り切るようなことができない。むしろ過疎地の方が人件費が高くていろいろなコストがかかるということもありますので、こういう手法でそのままいくかどうか。
 もう一つは、これほど上げるのであれば、私の口から言うのもおかしいのですが、厳密に保険外負担は取れないようにするとか、何かしないと上がったままで保険外負担は同じように取っていくということになるとまずいと思うのですけれども、診療報酬と介護報酬との違いはその辺の管理もあると思うのですが、これは診療報酬でも地域区分というのは将来考えるのでしょうか。保険局との話し合いとかというのはあるのでしょうか。介護保険だけでやるのでしょうか。
 その辺のところが少しクリアーにならないと、普通のところよりも十何%もたくさん上げて、その上に何か付加でいただくということが横行するということでは、まずいかなと思います。
 現場としては非常に言いにくいことですけれども、その辺はクリアーにしていただきたいなと思います。

○宇都宮老人保健課長 診療報酬につきましては計算のやり方は違うのですけれども、地域区分については既に人事院に準拠する適用地域も含めて7区分になってございます。
 今回、同時改定ということもございまして、介護保険についてもそちらに合わせる方向ではないかなということでございます。

○福本総務課長 今、三上委員あるいは武久委員からお話があった件についてなのですが、資料2の4ページでございます。
 先ほど御説明しましたけれども、地域区分を国家公務員の地域手当に準拠すると書いてあります。制度創設当初からこの考え方を持っているということなのですが、確かに地域ごとに経営に収支の差が出るという話は、今日の実調でも出ております。
 先ほども議論にありましたように、地域ごとに経営に収支の差ができる背景としては、人件費の差もありますけれども、それに加えて、ケアマネがそうでしたが、利用者数が違う。利用者数が違うことによって、利用者数が多ければ損益分岐点を超えてプラスになるところが、利用者数が少ないので赤字になってしまう。これは都市と地方とで違うということもあろうと思います。
 また、都市と地方とで経営主体が違うというのもサービスによってはあるかもしれません。株式会社が経営しているところが多いところと、社会福祉協議会のようなところが経営するところが多いところと、特に在宅の関係ではそういう差も出てくる。
 結局、その地域ごとに経営差ということに関して言うと、いろいろなファクターが入ってくるということはあり得ると思うのです。そういう中で、ただ、その地域で介護の事業として客観的に見て是正するべきものがあるのではないかということを制度創設当初に考えたときに、医療・福祉のサービスは確かに人件費率の大きいものでありますから、その人件費の差というのは見るべき。
 ただ、その人件費の差というのは何に準拠するかということを、4ページでございますが、国家公務員の地域手当に準拠するということなのですけれども、それを更にさかのぼりますと、1の(マル2)、要は民間の平均的な賃金の差ということなのです。賃金構造基本統計調査と出ていますけれども、国家公務員の地域差は、民間の平均的な賃金の差という数値がございまして、それを用いて国家公務員の傾斜というのはかかっています。
 民間というのは一般賃金水準です。ある意味で一般賃金水準の地域の差。これは介護の中に持ち込んでも妥当なのではないか、あるいはそれに合わせるという考え方が当初からあるし、途中でずれておるわけですけれども、それを今回直すということが妥当ではないか。
 制度創設当時からの考え方を引き継ぎながら、ずれているところを直すというのが考え方の背景にあるわけでありますが、地域差というもの、あるいは地域ごとの経営の差をどう是正するかということについては、先ほど来、意見が出ておりますように、いろいろな見方があることは事実だと思います。
 補足的に申し上げました。

○大森分科会長 どうぞ。

○山田委員 ただいまの御説明について質問なのですが、民間賃金の水準に準拠するということになりますと、今、引き下げるということは介護サービスに従事している職員の給与は高いということでしょうか。直接的にそういうふうに理解しました。

○福本総務課長 ここの話は、絶対的な水準というよりは傾斜の話なのです。都市部と地方を比べた場合に、民間にはこれぐらいの傾斜がある、それが介護の世界でもそうあるべきかどうかという話です。

○山田委員 介護の給与自体はまだそんなに高くないと理解していて、だから、処遇改善という話があると理解してよろしいですね。

○大森分科会長 どうぞ。

○馬袋委員 人件費は確かに地域区分差があるのですが、民間企業でもそうですけれども、必要な人材を確保するため不足地域では人件費が上がり、そして、人材が異動する、需給とのバランスです。
 例えば都市部と地域との差は前回にも報告があった有効求人倍率の全国平均値と都市部と見ると、圧倒的に都市部の有効求人倍率の方が高い。すなわち高いところは高い給与で競争し合って、人材を集めているというところがあります。そういったところを踏まえると、一般の民間と比べてどうかというところだけではないものも考慮しなければいけないし、考えの中に入れていただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 どうぞ。

○三上委員 今の需給のバランスの問題は非常に多くて、特に医療や介護の世界では都市部の方が雇用しやすい状況がある。特に医師の場合は、大都市の場合には若い先生だと非常に低い人件費で雇用ができるけれども、地方に行けば非常に高額な費用を払わなければ雇用できないという状況もございますので、一般的な民間の賃金の問題と少し医療、介護のところは違う可能性がある。
 そういうことを考えると、経営実態調査の方をある程度重視しながら地域区分を見ていく必要があるのではないかということを申し上げているので、その上で先ほどケアマネジャーの利用者数の話が出ましたけれども、そういったものに影響のされない入所系サービス、例えば特養、老健、療養病床、グループホーム、小規模多機能、ショートステイといったようなものについて見ますと、ほとんど特別区はよくて特甲地が悪いということが出ています。本来、民間賃金の人件費の高さに影響されるものではないと思うのですけれども、いかがでしょうか。

○大森分科会長 上乗せ割合についてどうすればいいか。一応今日はある試算で出ていますけれども、これは別に確定するわけではないでしょう。決定しているわけではないから、今のような御意見を勘案、総合して決める以外にないと思っているんですけれども、それでよろしいですか。

○宇都宮老人保健課長 まだ確定ということではございません。

○大森分科会長 ただ、それぞれの個別の事情を個別に配慮していくと、全体がまた少し崩れるのですよ。だから、経過措置みたいなことをお願いするという話になっているので、少しずつ皆さん方に御理解を得ながらソフトランディングする以外にないのではないかと思っています。
 本日はどういうことが問題点であるかということがクリアーになりました。それから、皆さん方のいろいろ御意見がございますので、それをこれから集約していくということになろうかと思いますけれども、この問題はいろいろそれぞれの当事者としての市町村側の方々に御関心がございますので、私としては丹念に説明して、こういうことですという御理解をいただくということが何よりも大事ではないかと思っていますので、それは事務方の方によろしくお願いしたいと思います。
 それでは、しばらくこれで休憩させていただきまして、45分再開とさせていただきます。

(休 憩)

○大森分科会長 では、そろそろ再開をさせていただきます。
 3番目は「介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会」の検討結果が出ておりますので、本日はその委員長をお願いしてございます、武藤正樹さんがおいでくだっていますので、御報告をいただきます。
 よろしくお願いします。

○武藤報告人 国際医療福祉大学の武藤です。
 10分ほどお時間をいただきまして、介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会報告をしたいと思います。お手元の資料3、この概要版をかいつまんで御説明したいと思います。
 経緯ですけれども、これは皆さん御承知のように21年介護報酬改定で介護人材の確保、処遇改善を目的にして介護従事者の専門的なキャリアに注目した、特定事業所加算とかサービス提供体制加算が行われました。
 その際、介護給付費分科会の審議過程で1の3段落目にあるように、本来は質の高いサービスを提供する事業所への適切な評価を行うことによって処遇改善すべきと、そうした御意見が出されました。そうした経緯から、介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会が設置されたというわけであります。
 メンバー表は、18ページに委員会名簿がございます。
 1ページに戻っていただき「2.検討対象」なのですが、今回は施設サービス、老健、特養に限定して行いました。
 2ページ、検討委員会では、まずは既に行われている介護サービスの質の評価に関してレビューを行いました。
 3番で挙げるように、もう既に既存の評価システムがございまして、例えば介護サービスの情報公表制度あるいは自己評価、外部評価、福祉サービスの概算評価、こうした制度的な枠組みが既にございます。
 あと、介護報酬に関しても幾つかの評価体系がありまして、ドナベディアンの質モデルと言うんですけれども、要するに、医療の質評価に関しては非常に常套手段なのですが、ストラクチャー、プロセス、アウトカム、この整理の仕方に沿って、既にある介護報酬の評価の仕組みを整理いたしました。
 簡単に言いますと、ストラクチャーというのは人員の配置とか、そうしたことになります。
 2つ目のプロセス、これは介護のケアプロセス、いろいろな計画の実施状況とか、そうしたことであります。
 3つ目のアウトカム、これに我々は着目しているのですけれども、もう既に老健、特養において退所者の在宅復帰率、これも1つの結果指標でありますが、こうした結果指標に応じた評価体系というのが既にございます。
 今後、例えばこの調査にも出てきますけれども、日常生活自立度の改善とか要介護度の維持、改善あるいは悪化、そうした結果指標に関して評価の可能性がないかということを検討していったわけであります。
 3ページ、4番ですけれども、実は介護保険以外に医療保険分野でもこうした結果に対する評価というのが比較的最近ですが、取り入れられております。
 例えば慢性期入院医療の評価、例えば褥瘡、ADLの低下とか尿路感染、身体拘束、こうしたことを報告することにインセンティブを与えているということだとか、あるいは回復期リハにおいては例えば日常生活機能が改善した割合とか、そうした結果指標に対して診療報酬を与えている、そうしたことであります。
 ただ、海外においては表1に示しますように、主に入所者評価の報告義務あるいは監査のシステムを組み合わせて評価を行っているということが現状であります。
 4ページ、調査は平成21〜22年にわたって行われました。平成21年度調査は、ここにありますように全国の市町村の介護保険担当者に関して、こうしたいろいろな指標があるけれども、その妥当性とかそうしたことの御意見をいただきました。
 4ページの下の方の(4)で見ますと、例えば先ほど言いましたアウトカム指標の有効性、妥当性はどうかと聞きましたら、老健の方は要介護度が改善した割合などを評価するのではないかという御意見がありました。
 5ページ、下の段の方なのですけれども、全体を並べてみますとアウトカム評価というのは賛否両論ありまして、肯定的な評価ある一方で、それを報酬とリンクさせることについて慎重な意見も提出されました。
 6ページ「6.平成22年度調査」について御説明します。
 2つの調査からなっておりまして、先ほどの自治体の調査と同じように、今度は老健、特養の現場の職員の方に、こうした指標の妥当性、有効性について御意見をいただいたのと、もう一つは実際に入所者の方のアウトカム調査を行って、実際にアウトカムが変化したかどうか、そうしたことを行いました。
 調査対象は老健が444、特養が792施設で行わせていただきました。
 7ページ、先ほど言いましたように、1番目の指標の妥当性、有効性の現場の職員の方々の調査では(マル1)にありますように、プロセス・ストラクチャー評価としては、老健、特養ともに職員のキャリア開発に向けた支援、認知症ケアの技術の向上、介護技術の習得、院内事故防止等については有効であるとお答えをいただきました。
 8〜9ページに関しては細かいのですけれども、今の評価の実際の結果が示されております。
 10ページ、アウトカム評価に関しては、現場の職員の皆様方の御意見ですけれども、例えば老健、特養ともに褥瘡重症度が改善した者の割合については「有効である」「やや有効である」という回答が比較的多かったです。
 ただ、転倒とか身体拘束に関しては「有効ではない」「あまり有効ではない」という御意見が多かったように思います。
 12ページ、実際に入所者のアウトカム指標を調査いたしました。
 ただ、今回の研究は老健では3か月及び5か月時点をとりました。特養では5か月間の前後のポイントをとりまして、短いのです。ですから、この調査だけではなかなか難しいと思いましたが、表2でアウトカム指標の変化を見ております。
 アウトカム指標を縦軸に見ますと、例えば要介護度とか認知症高齢者の日常生活自立度とか、そうしたアウトカム指標が縦に並んでおりまして、そして横軸に老健、特養、各ポイントごとの変化率を見ております。
 概要を言いますと、変化があったのは大体1割ぐらい。残りの9割は変化がなかった、そうした結果であります。
 ただ、これだけの結果ですとなかなか詳細がわかりませんから、次にアウトカム指標を入所者さんの個人要因と施設要因に分類しまして、マルチレベルで分析を行いました。
 その結果が14ページ、この横の表を見ていただきますと、その結果が付いております。
 横軸に先ほど言いましたアウトカム指標の列、縦軸に2つにレベルが分かれまして、個人要因、施設要因に関して見ております。
 そして、内容は*が1つ、2つというのは有意差があったということなのですが、×は有意差がなかったということであります。
 概して見ますと、個人要因の方は若干*が多い。施設要因の方は非常に*が少ない。つまり、有意差がなかったということなのですけれども、これを見てみますと、施設要因の上から6番目の「平均在所日数」に関しては、平均在所日数が長くなればえん下とか食事摂取、排尿、排便が悪化したという、これはあくまでも傾向ですが、そうしたことが読み取れます。
 その下の方の「サービス提供体制強化加算」と関連のあったのは、これを取得している施設ほど排尿、排便の改善率が高かった。これもあくまでも傾向ですけれども、そうしたことが読み取れると思います。
 最後に15ページ以降のまとめですけれども、今回の行いましたストラクチャー指標、プロセス指標に関しては、先ほど言いましたように、現場職員のアンケート調査から主にストラクチャー、プロセス指標に関しては報酬体系で評価することが「有効である」という回答が複数見られました。
 (2)アウトカム指標の評価に関しましては、要介護度に関しては関連要因が非常に複雑に関連しております。あと、調査期間が短かったこともありまして、特に要介護度認定をアウトカム指標にとった場合、認定を受けていないと実際に評価することができないという限界もありました。
 このために特に要介護度とか自立度に影響を与える下位項目的の項目、例えばえん下とか排泄、褥瘡あるいはそのほかの中間評価項目を取り上げて評価することが必要ではないかと考えました。
 16ページ、中段の方からお話しますと、結果的にはなかなかアウトカム指標を直接ダイレクトに評価することは、なかなか問題点が多いということが考えられました。ただ、それを間接的に評価することは可能である。また、今後の検討の課題であると思っております。
 間接評価の方法として2つが考えられまして、1つはアウトカムに影響を与える要因、下位の要因について評価を行っていく。例えば特養では排尿、排便、老健ではえん下、食事、排尿、排便といった下位項目を評価していくことが考えられます。
 2番目は、既存の情報公表制度を利用してはどうかという御提案であります。
 こうした指標を情報公表制度に盛り込むことによって、そうした報告することにインセンティブを与える。いわゆるPay for Reporting、報告に対する支払いといった方式を導入してはどうかということを御提案したいと思います。
 17ページ、今回のアウトカム指標の変化を介護報酬上ダイレクトに評価する。こういうことはなかなか課題が多いということがわかりました。ただ、今後はさまざまなデータ蓄積、例えば要介護認定のデータと介護レセプトのデータをリンクして、そうしたデータベースから今後の検討を行っていくということは有意義ではないか、そう感じた次第であります。
 以上です。

○大森分科会長 どうもありがとうございました。
 しばらく御質問等あれば。どうぞ、村上委員。

○村上委員 大変貴重な御報告、ありがとうございました。
今、老健との比較でいろいろありましたけれども、私たちの特養の中で例えば高齢障害者、介護度4〜5で極端なことを言うと、寝たきりの方も歩くようになっている方がたくさんいらっしゃるのです。そういう取組みを今、全国で始めています。
 自立した食事摂取という中でもミキサーだとかペーストの人が常食になっているという方がたくさんいる。あるいは胃ろうや経管の方が常食に戻ってきているという方も出ているのです。
 自立した排泄ということでは、全国でまだまだ少ないですけれども、二十数か所は日中おむつを付けておりません。夜間もおむつを取っているところが幾つかあるのです。
 これを今、全国老施協は科学的な根拠あるケアをしていこうということで、どんどん進めていこうということを考えております。残念ながら今はまだデータとしてきちんと出しておりませんが、機会があればデータとして出していきたいと思います。
 また、今日の報告にあるような本当に根拠に基づいた報告ができるように、私たちも頑張っていきたいなと思っておりますけれども、今、特養のケアの内容はどんどん変わってきていると私は見ておりまして、これからそれをもっともっと広げていきたいと思いますので、これをまた参考にさせていただきながら質の向上に向かって進めていきたいなと思っております。
 ありがとうございました。

○大森分科会長 ほかに何かございますか。
 では、木間委員、どうぞ。

○木間委員 御報告ありがとうございました。木間と申します。
 3ページの4について、3点、お尋ねいたします。
 慢性期入院医療の評価において、褥瘡、ADLの低下、身体拘束など4項目を毎日評価し、評価結果をレセプトに添付し報告することとされた、とあります。先生は先ほど、これにインセンティブを与えているとおっしゃいました。
 1つ目の質問は、病院内ではどのような方が毎日評価しておられるのかということと、このことによってどのような効果が表れているのかということです。
 2つ目の質問は、同じく3ページの表1についてです。海外のナーシングホームにおける質の評価制度に関する質問です。
 海外における介護サービスの質の評価については、監査を組み合わせて実施している例が多いようですが、介護サービスの質の評価と監査を組み合わせることについて、検討委員会では御議論はなされたのでしょうか。
 3つ目の質問です。やはり表1に関することです。
 評価と支払いは連動していないようですが、この点については、どのような御議論がなされたのでしょうか。もし御議論がなされていない場合は、武藤先生のお考えをお聞かせいただけたらと思います。

○大森分科会長 お願いしましょう。

○武藤報告人 最初の慢性期医療に関しては、記録は看護師さんがとられて、それをレポーティングするということです。それの結果どうなったか、済みませんが、勉強不足でわかりません。
 もう一つは、監査と入所者評価の報告に関して。特に委員の中に米国の調査を行った者がおりまして、その報告によりますと、米国の場合はミニマムデータセットという評価システムと公表制度、非常に徹底した監査制度、その組み合わせで質を担保するという報告がございました。
 あとは、報酬制度とのリンク。これも実は米国でもまだデモンストレーションといいますか、モデル事業的な規模で行っているのですけれども、幾つかのナーシングホームでは質評価指標を設定しまして、それを報酬にリンクした場合とリンクしていない場合との比較検討を現状、行っている段階であります。
 以上です。

○大森分科会長 齋藤委員、どうぞ。

○齋藤(訓)委員 1点質問なのですが、この調査票の記入はどなたがしたのかなということを1つ伺いたいと思います。老健にも特養にも介護職員もいれば看護職員もいれば、さまざまな方々が働いているので、入所者の状態を見ている人の職種や経験によって評価が違ってくるのではないかなというのが1点。
 意見ですが、こちらの提案にございますように、改善したものに対してそれなりの評価をしていくという方向性は今後、検討すべきだと思っております。まだまだあいまいな部分等はごさいますけれども、今後いろいろな改良を重ねて、今後の評価に反映させていく方向は少し見えてくるのではないかと思っています。

○武藤報告人 記録者に関しては確かにまちまちでして、経験年数もまちまちでありますから、その点は確かに検討委員会の中でも話題にはなりましたけれども、そうした状況です。
 御指摘のように維持、改善に関して評価していくというのが、今後の大きな方針だと思います。

○大森分科会長 どうぞ。

○山田委員 御報告ありがとうございました。
 21年度調査ですけれども、4〜5ページのグラフで出ていますように、要介護度の改善とか自立度の改善、あるいは食事摂取、排泄、こういう生活機能の改善のためのリハビリテーションの提供の努力の方向性を評価していただいているというのは、我々の努力の方向と一致しているので非常にありがたいことなのですが、それが今回の調査で表に出てこなかったというのは残念です。
 1つだけ教えてほしいのですが、16ページの中段のコマに「老健では、えん下、食事摂取、排尿、排便が在所日数の長い施設ほど悪化していた」という記述がございますけれども、在所日数の長い施設ほどこういう悪化傾向があるということですが、この逆も真なりなのか。えん下、食事摂取、排尿、排便が悪化しているから、在所日数が延びているということが言えるのかどうか、是非教えていただきたい。

○大森分科会長 お願いします。

○武藤報告人 今のデータの基になっているのが14ページの表3の「施設要因」の在所日数のところなのですが、確かにこうした傾向があったというだけのものですから、更に進んだ要因分析までは行っていないということであります。

○大森分科会長 勝田委員、どうぞ。

○勝田委員 これは16ページに書かれているように、現在、日本で行われている情報の公表制度と将来的には関連付けて、情報の公表制度に合わせていくということも書いてあるわけですが、これは今後、今、実際にやられているサービスの情報公表制度と新たに介護の質の評価ということで考えていけばいいのか。そういう仕組みを新たに今後、導入していくということなのか、これは先生というよりは事務方にお聞きしたい。
 もう一つ、3ページにありますように、海外のナーシングホームにおける質の評価制度ということで出ていますが、報告することでそれだけでも効果があるのだということをおっしゃっているのですが、例えば外国の質の評価の基準になっているのは何なのか、例えば入所者の人権を守るのだとか、そういうことがとても大切にされているように思います。
 例えば日本の場合は、勿論、それにつながるのですが、排泄とかえん下とか、そういう生活のこまごまとしたことなのですが、入所されている方の人権を守るという評価の仕方ということについては、何か皆さんでお話されましたでしょうか。

○大森分科会長 お願いします。

○武藤報告人 海外の事例に関して、どちらかというと臨床的な指標が多かったです。例えばADLの問題だとか褥瘡、急性期病院への入院率、そうした臨床指標が多くて人権に関しては見ていませんでした。わかりませんでした。
○川又振興課長 事務局から

 サービスの情報公表に関して御質問がございましたけれども、前回の介護保険制度の改正の中で、都道府県の知事の判断なのですが、今、ある公表項目に加えてサービスの質に関する情報でありますとか、労働介護職員の処遇に関する情報とか、そういうものを県の判断で付け加えて公表することができる仕組みもございますので、そんなものの活用も1つの方法としてあろうかと思います。

○勝田委員 今、第三者評価についてはグループホームとか地域密着型には義務づけられていますが、特養とか老健は任意ですね。それについては今後、何かお考えがあるでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 質の評価という観点で言えば、そういったどういう情報を公表すれば質が上がる、あるいは確保されるという、そのようなエビデンスが今後、出てくれば当然それは検討の対象にはなると思います。現時点ではまだそこまではっきりしたものはないのではないかと思います。

○大森分科会長 どうぞ。

○藤原参考人 この報告書の今後の扱いについて確認したいと思います。例えば14ページの表を拝見すると、サービス提供に係る施設要因の指標について、要介護度や利用者の変化等いろいろなアウトカムについて、余り影響がないということしか見えないわけです。
 特にサービス提供体制強化加算などは、勤続年数とか資格を代替指標として加算したわけですけれども、その結果について、排尿、排便には若干影響があったかもしれないが、ほかのところは余り影響がないとの結果が出たわけです。調査期間が短かったという点は考慮するにしても、現在加算で評価している体制と利用者のアウトカムとは関係がないという報告が出てきたときに、これをこれからの報酬設定の議論にどのように結び付けていくのか。それとも、今回の報告書は、単に実験的にやってみただけなので、報酬設定の議論には結び付けないつもりなのか。そういうところを御議論いただければと思います。

○大森分科会長 関連してですか。では、お願いしましょう。

○齊藤(秀)委員 私も全く同じところを見ていたわけでありますが、海外の資料を見させていただきますと、質の悪い事業所を淘汰するという仕組みが大変充実しているという印象を受けました。
 先生に後でお教えいただきたいのは、海外の質の評価に学ぶべき点があるとすると、どういうところなのか。その上で、支払いと連動していないというのか今回の海外の資料で全部共通している部分なのです。
 日本の場合には加算ということで、ある条件をいろいろ考えながらこういう仕組みをつくってきたわけですが、今回は今、委員が御指摘のとおりに、どうも余り関連性がうまく説明できていないということも含めて、加算の在り方や海外の支払いとの連動性のなさみたいなものを先生はどうお考えになっているのか。

○武藤報告人 海外の場合は先ほども申し上げましたように、情報の公表あるいは公開、それに対して評価の方は例えばレイティング、監査。この組み合わせなのです。
 診療報酬にリンクするというのは海外でも実験的なことですので、今回もそうした海外の事情を合わせて考えましても、すぐにこのアウトカムをダイレクトに報酬にリンクするということは、まだまだ時期尚早かもしれません。
 ただ、今後、先ほどお話したようなデータベースが充実して、そこからデータが取れるようになりますと、その段階で再度また検討の価値はあると思います。

○大森分科会長 この調査は今後も継続されるふうになっているのでしょうか。
 田中委員、どうぞ。

○田中(滋)委員 私も委員でありましたので、武藤先生を少し応援しなくてはいけないと思いました。
 最初そもそもこの研究をするに当たっては、どこかに魔法の指標があって、何か調べれば立ち所に質とリンクしているのがないかという過剰な期待があったわけです。ないことがわかっただけ、これはすごく科学的な研究なのです。
 海外文献を見ても、先ほど言われたように監査を通じて質の低い、市場から退出しなければいけない事業所を見つけることはできます。A、B、C、Dで言えば、Dランクを見つける役割が監査の話です。
 ところが、何がAかを見つける指標はそう簡単ではありません。急性期医療のように短い期間ならばいいですが、いろいろなインプットがアウトカムにどうつながるかは介護の場合、とても長期に及びます。
 要介護の対象者の方々自体が加齢によって、自然に状況はどうしても悪くなっていく中での介入ですから、このデータでも1割程度しか出なかった。アウトカム指標をどうしていくかはそう簡単ではないです。
 報告書にも書いてありますが、海外でPay for Reportingなる言い方があります。簡単にPay for Performance、よいところには報酬を付けようという前に、まずはデータをきちんと標準化し、その分析をするプロセスが必要です。
 先行分野である医療でも、要は標準的なデータが取れるようになって初めて分析が進み始めました。皆様方が御存じのように、日本でもDPCはデータを標準化して分析できるようになったのです。1回の研究でできたわけではありません。あちらも十何年の歴史があります。
 大森先生の御質問に答えるを、私の意見を申し上げると、この研究は今1回目なのであって、これで質の研究はできないではなくて、質は難しいことがわかったわけです。なぜかというと、利用者の方々の像の影響の方が大きいから、もっとデータを標準化するところを含めて更に研究を進めなければ、この分野は進まない。
 その上で、それを報酬に反映されるかどうかは研究者の立場ではなく、こういう分科会で皆様の意見で決めるべきことです。A、B、C、Dを見分ける指標になり得るかを更に検討していただく段階にあるとのまとめが、私の意見でございます。

○大森分科会長 どうぞ。

○武久委員 先ほどの3ページの慢性期医療の説明ですけれども、武藤先生より現場の私の方が少し詳しいかと思います。
 この医療保険における慢性期入院医療の治療ケアの内容の評価表ですけれども、実は医療区分というのがあって、1、2、3とあるのですが、それ以外に褥瘡、ADLの低下、尿路感染症、身体抑制の4項目でやっているのですけれども、現実には診療の質のほとんど手助けにはなっておりません。
 要するに、病棟ごとに何人いるかということの集積でありまして、途中で褥瘡の人が入ってくれば、その月は多い。尿路感染症が増えれば多いし、減れば少ないということで、単なる調査に終わっております。
 先ほど田中先生が指標を見つけるのが難しいとおっしゃったように、慢性期においては指標の補助にはなっていないということを申し添えておきます。
 また、武藤先生を中心にP4Pというのがやられておりまして、医療につきましては慢性期医療の方も診療の質というのをもっと詳しく出しておりますし、介護というものにつきましての質が、ここを見ておりますとかなり難しいなということがわかりまして、やはり医療の方が少し出しやすいなと思います。
 だけれども、その医療の慢性期医療の中でもここに書かれている分については、実際はやられているのですが、単なる調査統計に終わっているというのが現状でございまして、それを行う事務の者が非常に難儀をしているということで、実際にはうまく反映していないという現状がありますということをお伝えしておきます。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 前回のときはこのサービスの質を評価した上で、どういうふうに報酬に反映すればいいかということが難しくて、したがって、そうではないのだけれども、できだけいいサービスを行ってもらうための手立ての1つとして、幾つかの質の条件を加味すれば加算したらどうかというふうに踏み切っている。
 だから、1つは田中先生がおっしゃっているように、これでとどまらずに半歩か一歩ぐらい前進したと考えれば、もうしばらくアウトカムに影響を及ぼすようなものを少し調べていくことと同時に、従来私どもがやってきた加算がどのぐらいの意味を持っているかということについても少し疑問が起こり得るものですから、そのことも直ちに言い切れるかどうかわかりませんけれども、少し考えていかなければいけない。
 どうすれば施設も在宅の方もいいサービスを行ってくれるかという、そこは推進すべきだと思っております。その手立てについて少しいろいろ考えなくてはいけなくなる可能性もございますので、直ちにではないのですけれども、そういう意味合いが少し出てきたかなと私は思います。

○三上委員 どうもありがとうございました。
 これは本当に非常にフェアな報告書だなと思っています。医療の世界と介護の世界はかなり違うと思うのですが、介護のところではアウトカムについては維持をさせるというか、悪化させないことも自体も評価されるべきということも思いますので、いわゆるP4Pのいつも武藤先生が医療の世界でやっておられるのと、少し見方を変える必要があるのではないかと思います。
 結果としては個人要因がアウトカムに影響するということになりますと、逆にアウトカムを評価するということは、利用者というか患者さんの選別をすることが起こりかねないような気もしますので、ここで非常に慎重に検討すると書いていただいているのは、ありがたいなと思います。

○大森分科会長 よろしゅうございましょうか。田中委員、どうぞ。

○田中(雅)委員 この報告書、ざっとしか目を通してなくて、ドナベディアンの質の評価モデルは19ページにありますように、プロセスやアウトカムと比較すると、ストラクチャーは医療の質の指標としての有用性は低いとしてきたということの指摘をして、ストラクチャーやプロセスに対するよりも、アウトカム評価を重視している見方なのかなと思いました。
 一方、7ページの施設の意向調査結果をみますと当然プロセス・ストラクチャー指標としての例えば職員のキャリア開発に向けた支援、介護におけるということですが、介護というのは皆さんも御承知のように、介護従事者はその入口のところの教育というのはさまざまなのが実態なのです。そういう意味において働きながら更に質を向上するという努力を求めるところです。
要するに、これはそのことを認めるのかというのは現実の問題としますと、医療や看護のように、一定の教育と一定のスキルを持った人たちによるサービスの提供というものと違って、介護の場合は入口がいろんな教育課程があったり、価値を持った人たちによってサービスを提供されているという特徴を持っていると思っています。
 そういう意味において例えば7ページにありますのは、施設側は、職員のキャリア開発に向けた支援だとか、認知症ケアの技術向上、介護技術の習得などが有効だと意向を持っているし、それが効果的なものだと認識しているんですが、その辺りについては今後もドナベディアンの質の評価モデルの基本的な考えであるストラクチャーやプロセスの指標を、これからも有用性が低いと考えていくのでしょうか。この辺りがどうしてもわからないというか、教えていただければと思います。

○武藤報告人 このドナベディアンモデルなのですけれども、これは1つの質の評価の整理の仕方でありまして、特にストラクチャは比較的測定が簡単です。実際に人員とか教育とか比較的簡単にできる。それがプロセス、アウトカムになりますと、なかなか実際にそれを可視化する、目で見て定量化するという作業がなかなか難しいということなのです。
ただ、これは1つの傾向ですけれども、今までストラクチャーだけで評価していただくことから、よりプロセス、アウトカムの方へ評価主軸を移していこうというのは世界的な傾向でありまして、そうした潮流の中でこうした考えが出てきたということです。
 ですから、あくまでもストラクチャー、プロセスをないがしろにするということでは全くないわけであります。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。どうぞ。

○宇都宮老人保健課長 補足的に。だんだんアウトカムの方に流れるという話がございまして、先ほど武藤先生のプレゼンテーションの一番最後に触れていただいたのですが、今、こちら老健局で介護保険総合データベース構築等事業というものを今年度から行ってございまして、これは要介護認定のデータに加えまして、介護保険のレセプトデータ、つまり給付です。どういうサービスを受けているかというデータをリンクさせて、そういったデータベースを今年度着手して、来年度中ぐらいには完成という予定でスケジュールを組んでございます。
そのデータベースができ上がりますと、例えば今、要介護度2とか3の方がどういうサービスを受けて、1年後、2年後にはその要介護度がどういうふうに変わったとか、そういうことがわかってまいりますので、そういうものが活用できるようになれば、もう少しアウトカムの評価に近づいてくるのかなということで、少し明るい話題ということで提供させていただきました。

○大森分科会長 どうぞ。

○大島分科会長代理 質問なのですけれども、ちょっと余分なことかもしれませんが、エンド・オブ・ライフケアについての評価とか、そういったものについての議論というのは全くなかったのでしょうか。

○武藤報告人 残念ながらエンド・オブ・ライフケアについては議論されませんでした。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。それでは、本件は以上といたします。武藤さん、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。
それでは、4点目について私から御説明を申し上げます。
 初めてのお話でございますけれども、中央社会保険医療協議会及び介護給付費分科会の打ち合わせ会についてという議題でございます。
 平成24年度改定は、御存じのとおり診療報酬と介護報酬の同時改定であるため、医療と介護の役割分担、連携強化に関し、共通の課題認識を持った上で改定の検討を進めるべきではないかという趣旨のお話が、中医協側からございました。それを受けるという話になっています。
 そこで、森田中央社会保険医療協議会会長と、介護給付費分科会会長である私を中心にした打ち合わせ会を開催することになりました。今月21日に予定してございます。
 向こうさんの御意向もございますし、会議全体として全員が出席するわけにまいりませんものですから、比較的少人数で打ち合わせ会をするということでございます。恐縮でございますけれども、打ち合わせ会の参加者については私に一任していただきたいと思います。少数でいきたいと思います。
 ただし、向こうさんの考え方もございまして、この打ち合わせ会は公開で行うことになっています。したがいまして、公開の場で行いますから皆さん方のところへも情報が届くかもしれませんけれども、この打ち合わせ会で出た意見については、次の分科会のときに私から御報告申し上げるということでございます。
 ただし、打ち合わせ会でございますので、何でもかんでも話し合うという話ではございませんので、一応打ち合わせ会に向かいまして、個別サービスの報酬の評価を議論するのではなくて、医療と介護の役割分担とか、連携強化の大きな方向性について認識を共有したいというのが趣旨だと思っています。
 しかし、打ち合わせ会に向かいまして、どういうことぐらいは検討したらどうかということについて少し考えまして、事務局の方に資料を作成していただいていますので、それをこれから説明していただきますけれども、なお、私といたしましては今まで医療と介護の連携とか、あるいは医療提供の在り方について既にここで検討してございまして、皆さん方の御意見が出ています。したがって、その御意見の幾つかはとりまとめて、この打ち合わせ会の席に資料として提示することによって、皆さん方がどういう御意見を持っているかということは伝わるというやり方をとらせていただきたいと思っています。その上でこういう検討項目がどうだろうということは先方と少し詰めていますので、事務局から御説明いただきます。お願いします。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料4をごらんいただきたいと思います。これは一昨日、中医協の方に提出されたものと同じものでございます。開催日時は今、大森分科会長からお話がございましたように、10月21日12時ということでございます。
 開催趣旨としましては、団塊の世代が75歳以上になる2025年に向けて、高齢者の尊厳や個別性を尊重するため、できるだけ住み慣れた地域で在宅を基本とした生活を支援できるよう、地域包括ケアシステムの構築が急務。
 この地域包括ケアシステムの構築には、医療と介護の役割分担と連携の強化が不可欠であり、平成24年度における診療報酬・介護報酬の同時改定においても、具体的な対応が必要。このため(マル1)医療・介護施設の機能分化の推進及び地域における連携体制の構築。(マル2)在宅医療・介護の充実といった視点から、森田中央社会保険医療協議会会長及び大森介護給付費分科会会長を中心とした、非公式の打ち合わせ会を開催するということでございます。
 「3.主な検討項目(案)」としては、今の2点につきましてそれぞれ3点ずつ案として提示されているところでございます。
 以上でございます。

○大森分科会長 今のところは非公式が公式に変わったのですか。

○宇都宮老人保健課長 非公式ですが、公開ということです。

○大森分科会長 勘違いしていました。つまりここで何か物事を決めるというようなフォーマルな協議会という話ではなくて、ここでいろいろ御意見を交わした上で、どういう御意見を交わしたかということは公開の席でやり、御報告するという趣旨ですね。そういうことをする羽目になったというか、できるだけ積極的にいろいろいろんなこともございますけれども、忌憚のない意見を交換していきたいと思っています。

○三上委員 頑張ってきていただきたいのですけれども、この主な検討項目の中で、ほとんどが診療報酬と介護報酬に関連したものなのですが、(1)(マル2)の介護療養病床から介護療養型老人保健施設等への転換促進については介護から介護の話で、逆に言えばここは介護療養から医療療養病床等への転換促進と書いていただく方が、中医協と介護給付費分科会の話し合いのテーマとしては妥当ではないかと思いますが。

○大森分科会長 多分、打ち合わせ会に行くとそういう御意見が出るかもしれません。とりあえずこれは先方と少し調整した案になっていますので、とりあえず本日はこれでいきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大森分科会長 では、この件はそういうことで、また御報告申し上げます。
 それでは、その他をお願いします。

○宇都宮老人保健課長 その他でございますが、資料5をごらんいただきたいと思います。「介護給付費分科会における議論の整理(主な論点)」ということでございますが、これは以前にも示させていただきました、これまでのこちらの分科会における議論についての論点整理をさせていただいたものについて、8月に委員の皆様からいろいろ御意見をいただきましたが、そういったものを反映させてございます。それに加えまして8月8日及び9月12日に開催されました、介護保険サービスに関する関係団体懇談会におけるさまざまな関連の業種の方から出された御意見というものも、こちらに反映させてつくらせていただいたというものでございます。
 以上でございます。

○大森分科会長 これは本日、そういう整理したものだということだけでよろしいですか。

○宇都宮老人保健課長 もし、言ったはずなのに漏れているではないかとか、そういう御指摘があればこちらの方にお申し付けいただければと思います。

○大森分科会長 ざっと私も拝見したのですが、大体いろいろなものが入っていると思うのですが、何かございますか。

○村上委員 これまでも何度か発言させていただいているのですが、4ページの介護老人福祉施設についての論点に、重度者ですとか認知症の受入れだとか、あるいはこれから始まる地域包括ケアのバックアップ機能としての施設、今ある特養機能の地域還元等を考えて、この介護老人福祉施設の中に特養機能及び地域拠点の在り方という項目を加えていただけたらということで、お願いをしたいと思っております。
 以上でございます。

○大森分科会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 この論点整理はそれで結構ですというか、リハビリテーション等はちゃんと入っているということを前提として結構だと思いますが、この論点整理の中で医療との関係のところが特養、老人保健施設両方にまたいでいますので、いろいろございます。そういうものは今度の大森先生に御尽力いただく打ち合わせ会で、ある程度この中からも取出してやっていただくということで理解してよろしいでしょうか。

○大森分科会長 今まで出てきた議論でございますので、これは資料として、今日は出ていませんけれども、まとめていただいたものを出すつもりでいます。

○齋藤(訓)委員 私も特段この論点で何か不足しているということではないのですが、訪問看護に関して1点だけお考えいただきたい点がございます。
 今回の事業経営実態調査の結果でも、やはり人件費率の問題はいろいろあるのですが、訪問看護は医療保険の収入分を加味したとしても、恐らく人件費率は7割は超えるということは目に見えています。現在単価計算時の訪問看護の人件費率というのは55%に置かれておりますが、せめてこれを訪問介護並みに70%に引き上げるべきではないかと思っておりますので、この論点に入るのかどうかはわからないのですが、今後の議論の中に含めていただきたいなと思っております。

○大森分科会長 田中委員、どうぞ。

○田中(滋)委員 これまでの議論の整理はこのとおりだと思いますが、もし今後のことを考えると、ゼロ番に地域包括ケアシステムの構築に向けてがないといけません。個別サービスの積み上げが地域包括ケアシステムではないので、これまでの整理はこれで結構ですが、今後話すときには最初にそれが出てくるべきだと考えています。

○大森分科会長 この前もそういう趣旨のことを御発言いただいていますので、少し形を整えましょう。

○武久委員 6ページの介護職員処遇改善交付金のところですけれども、これは今までの論議の中で介護報酬に入れるとか、交付金のままでいくという話が出ておりましたけれども、ここで見ましてもまだ決まっていないという感じと思います。
今、10月でございますので、どういう方向で行くかということですが、これは最初の資料1−3を見てみましても、21年度改定によってかなり収益率が上がっております。各施設9%台になっておりますが、それで介護給付費の交付金、改善の交付金を抜いたとしたらという資料がございましたけれども、まずこの前提に収益の実態調査のところで、社会福祉法人と民間事業と医療法人というのは、当然課税があるかないかというのも非常に大きな差がありまして、いわゆる税引き後の利益ではないと思いますので、結局介護老人福祉施設の9.3%とか、通所介護の11.6%、通所介護は民間事業もありますけれども、社福の場合にはこれがそのまま可処分所得として残った上に減価償却が残りますので、可処分所得はかなりある。しかし、一部を除いた老健や介護療養型というのは、この半分が税引後の所得になる。
そうしたときに資料1−3の2ページ目では、介護療養の収入を入れたとしたら2.1%とか1.2%、0.4%とありますけれども、このままでいくと前回の3%台に比べたらかなり上がっているわけだから、この表から見ると交付金でなくても報酬の中に入れてもいいのではないかという論点に見えるのですけれども、確かにこれでいくと特養は9.3から2.1引いてまだ7.2あって、前回の3.なんぼに比べて倍ぐらいになっている。だから21年改定というのは非常にいい改定ではなかったかと思うのですが、そういったことも言えると思うんです。
 逆に療養とか老健とかほかのところを見ますと、可処分所得はこの半分になっているということで、その辺のところがいつも社会福祉法人と医療法人、民間との大きな差があるのですけれども、これを私はぱっと見て2.1%、1.2%ぐらいだったら報酬にそのまま入れても、前回に比べたらまだ報酬が大分上がっているからいいのではないかという気がするのですが、各サービス事業体によって状況が違うので、単純に報酬に全部入れてもいいのではないかという話には多分ならないかなと思いますが、介護職員の処遇改善交付金について、今、10月ですので、この辺のところをもし報酬に入れるというお気持ちがベースにあるのであれば、入れ方というのは非常に難しい入れ方になるかと思いますし、一部の方には交付金のまま行ってほしいという要望もかなりあると思うのですけれども、この辺のところは短期間に結論が出るのでしょうか。

○大森分科会長 先ほど私が質問したことの背景も、今の話の一部なのです。

○高橋企画官 事実関係を御説明しますと、介護保険実態調査における収支差の中には、介護事業費用として「その他」という項目を計上していますが、「その他」で税金も費用として見込んでいます。だから、ここの収支差というのは税金を払った後の収支差でございます。ただ、経営主体によって社会福祉法人あるいは営利法人で税金を払っているか払っていないかという差はありますけれども、営利法人等税金を払う団体については、それは税金を払った後での収支差ということで見ていただければと思います。

○大森分科会長 交付金は近々にやらなければいけないです。いずれにいたしましても。それを私どもが決められる話なのかよくわからないのですけれども、やはり議論があると思うんです。もともと交付金は政治的な判断で組み込んだ話ですから。しかも国の方の財政の話も考えなければいけないので、筋として私どもとしてはどうあるべきかということは、議論できると思うのです。そういう議論を近々にやらなければいけなくなるのではないかと私は見ていますので、ただ、本日は整理の段階でこうなっていますけれども、そうせざるを得ないのではないかと思います。何か事務方から発言ありますか。ありませんか。そういうことだそうです。

○山田委員 私はこの委員は4月からですので、ひょっとしたら前に説明がついているのかもしれませんが、それだったら申し訳ないのですけれども、論点整理の中で補足給付の取扱いが載っていない。勿論これは議論もまだほとんど4月以降はされていない。これも本分科会の所掌なのか介護保険部会の所掌なのかわかりませんけれども、そこは補足給付を本当にいわゆる介護財源の中で出すものかどうかも含めまして、この委員会として1回整理していただきたい。
勿論、財源が厳しい中での介護報酬改定に臨んでいますので、本来ならば別途財源は持ってきてもらうべきではないかというのが私の意見ですが、そういうものも論点整理としてあるのではないかと思います。

○大森分科会長 勝田委員、どうぞ。

○勝田委員 認知症への対応について、先般新聞報道で精神科への入院の報告がされておりましたけれども、私たちに対しては中間報告だけだったと思うのですが、この後されるのかどうかということと、多分、大森座長さんが中医協とのお話し合いの中で認知症への対応強化ということの中でお話くださると思うのですが、やはり精神科への入院ということについて、認知症の方がとても増えているということについて、私たちはとても懸念をしております。ケアの部分から言って、そういう点についての診療報酬での体系と介護保険の中でのどんなふうなことにするかということについても、是非この中に多分医療提供の在り方では入るかもしれませんけれども、そのことについてしっかりした論議の時間をこの中に入れていただきたいと思います。

○大森分科会長 村上委員、どうぞ。

○村上委員  私たち老施協は全会員施設を対象にした調査を毎年やっているのですが、決算数字がいつもこちらの国の方から出てくるのと多少違っているのです。今回老施協でやった収支差額は6.8です。これについてはまた次回かその次には正確な資料として出させていただきたいと思いますけれども、一応そのことについてお伝えをさせていただきます。ありがとうございます。

○大森分科会長 三上委員、どうぞ。

○三上委員 4ページの高齢者の住まいのところなのですが、以前から文言の整理をしていただきたいということを申し上げてまいりました。ここでは施設への入所でなくサービス付き高齢者向け住宅においてと書いてございますが、これは介護保険施設での入所ではなくということで、サービス付き高齢者向け住宅というのは居住系施設というくくりになっているかと思うのですけれども、自宅ではないということを明確に書いていただく方がわかりやすいのではないか。
居宅サービスが在宅サービスと全く同じ意味合いで使われているのかどうかということと、居住系施設における訪問系サービスと自宅における訪問系サービスについて、どういう考え方をするのかについて、この文章からは読み取れないので少し書いていただく方がいいのではないかと思います。
 診療報酬の中では同一建物において訪問診療については大きく差をつけておられますし、介護についてもそのような形で考えを統一する方がいいのではないかと思っています。

○大森分科会長 木村委員、どうぞ。

○木村委員 3ページ(マル9)軽度者(予防給付)についての3つ目のポツに、ケアマネジメントのことが記載されておりますけれども、ここの3ポツ目のところ、7ページの8ポツのケアマネジメントについての方に一くくりで入れていただいて、私どもは自立支援型ということで予防給付と本体の介護給付と同じ考え方で、まさに自立支援型でいきたいということで考えておりますので、ケアマネジメントで一くくりに、そちらに移して議論していただいた方がいいかなと思いますので、よろしくお願いします。

○大森分科会長 この軽度者という言い方は前から少し疑問があって、それだったら要支援、要介護と区別されているから、その言葉遣いの方がいいと思うのです。軽度者という概念は危ないと思っていて、ちょっと気がついたので検討してもらえますか。
 ほかにございますか。武久委員、どうぞ。

○武久委員 先ほどの御説明をいただいたのですけれども、資料1−2を見て特養と老健と介護療養型で見ましたけれども、その他のところでほとんどパーセンテージが変わらないのです。所得税を引いているというのであれば、例えば5,000万の事業収支があれば2,500万は税金で引かれますから、大体27〜28%が30%ぐらいまででその他は計上されています。
 基本的に言うと、収入から支出を引いた利益に対して課税されるのであって、この中に費用の中に入れた税金が入るということはあり得ないと思うのですけれども、基本的に言うと例えば介護療養型医療法人が仮に1億の利益を出したとしたら、5,000万近く税金で取られてしまいますので、パーセンテージから言うとこのパーセンテージの差は税金が全部入っているとはとても思いませんけれども、どうなのでしょうか。

○高橋企画官 この3施設間の「その他」の割合については、後でまた精査してみたいと思いますけれども、利益についてはそれは税引き前の利益と税引き後の利益というものがございまして、税引き前のものですと先ほどの経常利益とかあるのですけれども、税引き後で最終利益あるいは純利益というものはありますので、利益に税をかけるということをやって、税引き後もあり得るということであれば。

○武久委員 絶対にそれはあり得ないと思います。そんなばかな話はないのであって、経理上の形として支出の中に税金が入るということは、それは例えば不動産の税金とかそういうものはありますが、事業所特に対しての所得税というのは最後に出てくるものであって、これがその他に入っているという説明は本当に正しいのですか。そんなことはあり得ないと思います。
だから、そこで私が言った方が絶対に正しいと思っていますから、あなたの説明はとても納得できるものではありません。そして、その差によって今ある税引き後の利益でこれは公平に比較をしなければ、この介護職員の交付金の報酬に入れるとか入れないというところで、実際として税引き後で借金を返しているわけですから、そこは全然違いますから、そこを考慮して話をしていただかないと、この辺が9%でずっとそろっているから全部一緒でいいのではないかという話には多分ならないだろう。そこを強く言っておきたいと思います。

○大森分科会長 今のことは、何が真実ですか。

○高橋企画官 利益ということは、ここで言っている介護事業費用のその他には税金の支出も計上してくださいということで、調査をお願いしております。

○山田委員 恐らく100%税金が入っているという前提に立てば、前年度の利益に対する所得税を入れた可能性は否定できませんけれども、少なくとも当年度は決算書ベースでやっているわけではありませんので、当年度決算は終わっていません。あるいは終わっていない段階で予想して、税金で幾ら引かれるかというのは我々民間事業者ではやりませんので、少なくとも当年度のことで物を言うならば、少なくとも所得税は入っていないと理解するのが妥当だと思います。
 ほかの租税はいっぱいあります。例えば車両税も含めまして、そういうものは多分入れているだろうと思います。
 以上です。

○大森分科会長 何かわかったことはありますか。

○宇都宮老人保健課長 今のお話では、そういう場合は前年度の税金が入っているということなのですか。

○山田委員 だからそれがちゃんと理解されて入っているのかどうかというのは。

○武久委員 それは入っていないことは確実です。要するにその他を特養と老健と介護療養型等で施設3つで比べても、その他の割合のパーセントはほとんど変わらないのだから。課税していたらがばっと変わります。それだけでも前年度は一切入っていません。

○高橋企画官 前年度の所得税をベースに、平均割で月平均でこれは費用として見込んでくれということで調査をお願いしているものですから、前年度という。

○武久委員 これは全部決算書を基に調査に答えているわけです。要するに経営指標というのは全部決算書ですから、年期中の資産表は別として、全部決算書を基に資料を書いているわけです。したがって、書いてくれと言っても決算書どおりにしか書けないのです。

○宇都宮老人保健課長 次回までに今の話はちゃんと整理して、また御説明させていただきます。

○大森分科会長 では、次回にこの点を明確にしていただくということで。
では、一応本日は以上とさせていただきますけれども、何か特段に御発言はございますか。

○三上委員 全体のことでよろしいでしょうか。
 今日は経営実態調査結果を出していただいたのですけれども、この調査委員会が公開で分科会をやる前に行われて、そのために分科会が開催されるより前にメディアに結果が公表されているという状況については、少し議論がやりにくくなる部分がございますので、今後はそういうことがないように御配慮をいただきたいということが1つ。
 もう一つは、この実態調査以前から申し上げておりますが、定点での比較が一定程度できるような形の工夫をしていただきたいということで、前回の20年度と23年度の対象施設について重なり合う部分について、少しデータを出していただけないかということをお願いしたいと思います。

○大森分科会長 第一点は配慮を願いたいということだそうです。私ではないですから、そちら側の話ですから。
 2点目はどうですか。

○宇都宮老人保健課長 1点目についても一応。調査委員会の位置づけが、そもそもデータの正確性とか、むしろ田中先生にお答えいただいた方がいいかもしれませんけれども、そういった技術的なことをまずチェックしていただいた上で、こちらに上げるという位置づけになっているので、三上委員の御意見どおりにということになると非公開という話になってくると思うのですけれども、そこについての考え方をどうするかということではないかと思うんですが。

○田中(滋)委員 会合としては先に開いて、調査実施委員会の方はもしお聞きになった方はおわかりだと思うのですけれども、全く政策論ではなくて極めてテクニカルに実務的な話なのです。こちらを先にしないとデータの話が進まないので、それをどういう形でするか、データをいつ公表するかどうかは私どもではなく判断していただくのですが、委員会を先に開かないとここに提出できません。

○大森分科会長 調査委員会はオープンでやっているのでしょう。

○宇都宮老人保健課長 そうです。

○大森分科会長 それ自身がニュートラルな調査の結果数値ですから、我々としてはある意味事前に報道があっても、それにとらわれなくてちゃんと検討するということだと思うのですけれども。

○高橋企画官 先ほどところをちょっと見ていただきたいのですけれども、武久先生の御質問で21ページを見ていただくと、訪問介護で経営主体別の比較したものがございます。そこでその他という欄を見ていただきますと、社協から社会福祉法人、医療法人、営利法人というところでその他の比率が出ています。ここを見ていただきますと営利法人はその他が16.5%、社会福祉協議会が11.6%、社福10.6%ということで、やはりその他で比率に差がついている。これは恐らく税金の差だろうと思われます。

○武久委員 そういう小さなもので比べないで、施設3つで比べたらもっと明らかです。施設3つだと税金が大体何千万になりますから、何千万だったらパーセンテージは10%以上かかりますから。

○大島分科会長代理 その議論は次回に回すということで決まったので、また蒸し返すようなことはやらない方がいいと思います。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 それでは、次回の話をお願いします。

○宇都宮老人保健課長 あと、三上先生からの2点目の、データが重なっている部分ということについては、こちらの方で調べて、できるかどうか確認させていただきたいと思います。
 次回の日程でございますが、10月17日16時から。場所は全社協灘尾ホールを予定してございますので、よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 では、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


(了)

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