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2011年10月31日 第2回 除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止に関する専門家検討会議事録

○日時

平成23年10月31日 18:00~


○場所

厚生労働省 労働基準局第1・2会議室


○議事

○椎葉労働衛生課長 本日はお忙しいところご参集頂き、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまより「第2回除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策に関する専門家検討会」を開催させていただきます。
 次に、出席者をご紹介させていただきます。今回から新たに早稲田大学理工学術院の名古屋先生にもご参集いただいております。よろしくお願いします。また、前回に引き続きまして、オブザーバーとして環境省から水環境課の水原補佐に出席いただいております。それから、廣木産業廃棄物課課長にもご出席いただく予定です。
 カメラの撮影につきましては、ここまでにさせていただきたいと思います。
 それでは、今後の議事進行につきましては森座長によろしくお願いします。
○森座長 では、よろしくお願いします。前回、各委員にはかなり宿題が出まして、宿題を精力的にこなしていただいたことを、まず御礼申し上げたいと思います。それから、本日は4回予定されている議論のうち2回目に当たりますので、今回はかなり進んだ一定の方向性を出していくということが目標になります。そのような理解で、円滑な議事進行にご協力いただければと思います。
 それでは、まず議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず、専門家検討会の表紙がありまして、1頁に資料1、3頁目に資料2、5頁目から資料3が始まりまして、11頁に資料3-1、13頁に資料3-2、15頁に資料3-3、25頁に資料3-4、29頁に資料4ですが、何か足りない方がおられましたらどうぞ。よろしいでしょうか。
○森座長 それでは、よろしければ本日の議題に入りたいと思います。まず、前回の検討会の概要について、事務局より資料2に関して説明をお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 3頁の資料2の説明をさせていただきます。これにつきましては、前回は検討会の目的、進め方、それから各委員から除染作業等の内容につきましてご説明をいただきまして、論点についてそれぞれ議論したということです。あと、論点のうち主なものについて列記してありますので、あとでご覧になっていただき、何かご意見等があれば事務局にお寄せいただきたいと思います。以上です。
○森座長 ありがとうございます。特に細かい説明はありませんでしたが、内容は論点に沿って出てきますので、またのちほどご意見等があれば、出していただくということでお願いします。
 よろしければ、本日の検討会の議題の資料4「対策の検討に当たっての論点」について入りたいと思います。資料3はありますが、それぞれの論点のところで出てきますので、そこでそれぞれの項目に触れながら進行していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 前回と同じようにかなり論点の数が多いので、一つずつやりますと、最後で時間が非常に厳しくなる可能性があります。そこで1と2、3と4といったように2つずつまとめて進行していきたいと思いますので、その点ご理解いただければと思います。
 それでは、まず論点の1と2、「被ばく線量管理の対象」及び「被ばく線量管理の方法」の2つの点について進めていきたいと思います。
 それでは、まず事務局より説明をお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 それでは29頁からご説明をさせていただきます。
 まず、1番の「被ばく線量管理の対象」は、前回ご説明しましたが、もう一度簡単に復習させていただきます。まず、関係法令の規定としまして、電離則では、管理区域の設定基準は、3月につき1.3mSv、1週間あたり40時間労働として時間当たりに直しますと2.5μSv/hを超えるおそれがある区域ですが、立ち入る者は作業の内容を問わずに被ばく線量の測定及び管理の対象としています。同じく電離則におきましては、セシウムにつきまして、濃度が10,000Bq/kgを超え、かつ、数量が10,000Bqを超えるものにつきまして「放射性物質」という定義をしています。一方、放射性物質汚染対処特措法における環境省令の基準では、現在、年間1mSv相当の地域を除染の対象となる地域として検討されており、1時間あたりのμSvに直しますと0.23μSv/hというところで、電離則とかなり乖離があります。それから指定廃棄物としても8,000Bq/kgですので電離則とは若干違います。
 検討のポイントといたしまして、アとイとウがありますが、アの被ばく線量管理の対象者については、どう考えるかということです。オプションとしては3つありまして、一定の区域に立入る者は作業に関わりなく、すべて線量管理の対象とする。あるいは、場所は関わらず、一定の作業を行う者は対象とする。あるいは、その両者の組み合わせが考えられます。
 イの「一定の区域」については、先ほど申し上げました電離則の管理区域相当の空間線量という考え方もありますし、放射性物質汚染対処特措法上に定める除染対象の地域という考え方もあるということです。
 ウの「一定の作業」については、電離則での放射性物質10,000Bq/kgを超えるものを取り扱うとの考え方もありますし、放射性物質汚染対処特措法に基づく指定廃棄物8,000Bq/kg以上という基準もあります。濃度は測定することも難しいため、定形的に除染、廃棄物の処理・運搬・処分等の作業という形を抑える考え方もありますし、あるいは、広く一般作業のすべてを入れる考え方もあります。
 30頁です。これは前回もしくはその後、各委員から寄せられたコメントをまとめたものです。まず、作業が一定の場所で行われる廃棄物の処理と、除染のように屋外で移動して行うような場合を分けるべきだとのご意見がありました。それから、予めモニタリングを詳細に行うことは必ずしも簡単ではないことから、適用範囲は広めに取るべきではないか。具体的には「一定の区域に立ち入り、かつ一定の作業を行う者を対象」とすべきではないかとのことで、その一定の作業につきましては「除染、廃棄物の処理・運搬・処分等の作業」が妥当ではないかというご意見がありました。別の委員からは、?の作業、これは除染、廃棄物処理・処分等の作業を対象とすべきで、一時的な立入は計算で良いのではということです。
 エで各規制値の成り立ちを調べたほうが良いというご指摘がありました。これにつきましては、11頁の資料3-1を準備しています。年5mSvの基準と年1mSvの基準があるわけですが、年5mSvの基準につきましては、ICRPの1990年勧告におきまして、管理区域と監視区域という概念が定められたときに、放射線審議会の意見具申の中で管理区域の数字として示されたものということで、国内の同種法令は全部、基本的に同じ数字を使っています。
 この根拠ですが、公衆の特殊な状況下における年線量限度5mSvですが、これを3ヶ月で割り振り、管理区域の設定の下限値にしています。一般の方が受けられるような線量よりも低いものについては、管理を義務づけていないという下限です。
 それから、ICRPが勧告する監視区域につきましては、放射線審議会では年1mSvの値を示していますが、電離則には取り入れられていません。
 それから、年1mSvの基準ですが、これもICRPの1990年勧告以来、一貫して計画被ばく状況における公衆被ばくの上限値として定められているものです。現存被ばく状況、現在のいわゆる東京電力福島第一原発の近辺における状況におきましては、現存被ばく状況ということで、ご案内のとおり参考レベルは1mSvから20mSvの間に設定すべきであると勧告されています。
 30頁に戻っていただきまして、一定地域につきましては環境省の0.23μSv/hではなく、先ほど説明にもありましたように、作業員の被ばくという観点から、管理区域設定基準が最も適切であるというご意見が古田委員からありました。
 立入りにつきましては、定常的な立入りを全部入れるべきではないかとのご意見があります。それから、金子委員からは、電離則に従えば良いということですが、重量ベースのベクレル数ではなく、森林の場合は「単位面積当たりのベクレル数」の管理のほうが適切ではないかとのご意見が出ています。これは深さごとに落葉層、土壌層等で放射性物質の濃度が異なるため、それを輪切りにするような形で考えているということです。
 議論に当たっての留意事項ですが、一定の区域と一定の作業をペアで考える場合、例えば「一定の区域」を広くとった場合、例えば環境省の1mSvを使っていきますと、そこでは通常の商業活動が行われており、除染作業や放射性廃棄物の処理とはまったく関係のない商業、運送業、建設業、サービス業などの労働者がおりますので、これらの労働者を対象とするかどうかの問題が出てきます。おそらく5mSvにすれば、こういった方はおられないと思いますので問題はありませんが、1mSvを使うとそういった問題があります。
 それから、進め方のところでご説明しましたが、ガイドライン、それから義務づけというのを2段階で設定できるような仕組みにしたいと考えていますので、義務づける基準と、念のために線量管理を行うことが望ましいというような2段階の基準を設定することも考えられるのではないかと思います。
 続きまして31頁の2「被ばく線量管理の方法」です。これも簡単に復習させていただきますと、関係法令の規定では、電離則では、管理区域に入っている方については、外部被ばくのみならず、基本的に3月に1回内部被ばくを測定することが義務づけられています。これにつきましては、当然のことながら全員の方に内部被ばく測定をすることが、現実的にできるのかどうかということも含めて考える必要があります。内部被ばく測定の対象者をどう考えるかについては、例えば管理区域に相当する空間線量のある場所で作業をした者にするのか、あるいは管理区域の設定下限である、年5mSvを超える外部被ばくをした者を対象とするのか、あるいは線量管理をすることに決めるのであれば、全員を対象にするのかといった議論があります。
 それから被ばく限度につきましてはICRPより、現存被ばくの状況で職業被ばくの場合は、計画被ばく限度、いわゆる5年100mSv、1年50mSv以下を適用することになっていますが、こういった除染等の作業をしない労働者、先ほど申し上げました商業の方にはどの被ばく限度を適用するのか明確になっていないため、おそらく住民と同じ、一般公衆と同じレベルではないのかということです。これにつきまして、委員からのコメントが多数ありますので、順番にご説明させていただきます。
 まず資料3の?2ですが、土壌等の汚染の状況で、いわゆる含有量、Bq/kgにおいてどれぐらいのレベルの広がりがあるのかということですが、現在のところ、計画的避難区域及び警戒区域を除いた地域では、400,000Bq/kg弱、高く見積もっても500,000Bq/kg程度が最も高いレベルということで承知していますが、例えば、福島第一発電所構内においては3,800,000Bq/kgの数字も出ておりますので、原発に近づいて行けば行くほど高い値が出てくる可能性があります。それから除染作業において土壌を削る場合ですが、これはどれぐらいの厚さを削ればいいのかを実際に測定して、濃度を把握されているということです。
 次に?3で、微粒子として空気中に浮遊する可能性のある汚染物には、どういう微粒子があるのかということですが、これはきちんと分けてやっているわけではなく、ろ紙に捕集された空気中の微粒子を測定・評価するとのことで、想定されるものとしては土壌・砂、セメント・コンクリートの微粉、汚染水の飛沫といったものが考えられます。
 それから発じんの状況ですが、これは粉じんが突発的に高濃度になるのかどうか、あるいは粉じんは、作業でどれぐらい出るのかということです。一般論で申し上げれば、表土のはぎ取り作業等、そういった土を扱う作業につきましては、粉じんが発生することが見込まれます。またそういったほこりが立ちやすい状態で強い風が吹けば、突発的に高濃度になることは十分に想定されることです。こういった状況を避けるために散水等の措置は行うべきことです。
 森林での作業につきましては、金子委員から、土壌の水分状態は季節によって変化する。春から秋にかけては小雨の場合は乾燥しますし、冬季は凍結融解して乾燥するということです。落葉が分解して細片化したものがありますので、これを取り除く際には相当の粉じんが出ることもありますし、枝の剪定や下草を刈るときにも、当然いろいろな粉じんが出るということです。
 農作業につきましては稲ワラとか枯れた雑草を機械で収集される場合に、相当の植物性粉じんが出るということです。それから、当然、表土のはぎ取りをしますので、そういった際に高濃度の粉じんが発生することがあるということです。数字としては、ここで550,000Bq/kgがでたとの報告があります。
 続きまして粉じんの測定です。どういった、どれぐらいのレベルの粉じんが出るのかですが、農地除染につきましては資料3-2で小林委員から数字をいただいています。これが13頁で、一般的な農作業時の粉じん量ということで、最初に出ていますが、ロータリとかプラウ耕とかディスクハローとか、この数字を見ていただきますと100mg/m3のように非常に高いものもあるように見られます。あと、下のほうにPM4、これは粉じんの直径が4μm未満の粉じんについての数字です。これはμg/m3になっており、桁が違う数字が出ています。これについて小林委員から追加がありましたらご説明願います。
○小林委員 一般的に農作業粉じんの場合ですと、これまではじん肺が問題ということで発じん量が多い乾燥機ですとか穀物収穫作業が測定対象になっていたものですから、耕うん時の土ぼこりのデータは数多くありませんで、日本国内ではそのような結果となっています。日本国内の値に比べて、欧米のほうがすごく大きな値になっていますが、機械のサイズが大きいことと作業速度が速いということで、これを今回の除染作業のデータとして適用するというのはそこにも書きましたが、参考データとしてこんなものがありますということになります。
 後半の部分は、実際の除染作業時のものデータですが、そこに書いてあるようにPM4対応のサンプラが現地試験が終わったあとで手に入りましたので、現在別の畑を使って作業速度、水分等の異なる条件でデータを取っています。最後のデータがつくばの農業環境技術研究所で測定されたデータですが、これがいちばん作業に近いような形で収集されています。データにばらつきがあるのは、土壌水分や風の状態、あるいは土壌の性質によって発じん量が大きく営業を受けるためです。
○安井中央労働衛生専門官 ありがとうございました。
 6頁の資料3の?5です。一般的な作業環境測定、これは農作業ではなくて、粉じんの作業を行っている所の作業環境測定の結果を松村委員から資料3-3でいただいています。15頁です。数字としてはA測定、B測定とあります。A測定はかなり平均化された値になりますので、屋内と屋外とだいぶ違いますが、B測定は発じん位置でスポット的に捕集した粉じん濃度ですので、これはあまり屋内外は関係ないのではないかということです。その数字を主に見ると0.2~0.5?/m3ですが、いちばん高い濃度は50~100?/m3という数字もあるということです。松村委員、補足がありましたらお願いします。
○松村委員 説明は、大体それで結構だと思います。これは昭和60年ごろに測定したデータですが、粉じん作業の中にはセメントの粉の袋詰めとか、鉱石の破砕とか、相当発じんのある作業が入っていますので、いちばん高濃度の方は相当ひどい状況だと思います。ですから、今回想定するようなひどい発じんがある所に近いというか上限と考えていいかなと思いますが、いまの小林委員からのデータともかなり符合する値かなと思います。
○安井中央労働衛生専門官 ありがとうございました。
 6頁の?6です。だんだん話が詰まってきて、対象として考慮すべき放射性核種、及びその一日摂取許容量はどれぐらいなのかです。粉じんの濃度応じて試算ができないかということで、吸入摂取による人体影響にランクがあるかを考えます。これは電離則第3条3項の規定に基づく告示というのがありまして、ある一定のBqを吸入したときにどれぐらいのSvになるのかを換算するための実効線量係数があります。セシウム、ストロンチウムなど、それぞれの数字があり、セシウム137よりセシウム134のほうが若干実効線量係数は高い形になります。ストロンチウムはセシウムより1桁高いことがわかります。
 もう1つの議論として、ストロンチウム等が検出されている中、管理すべき対象はセシウムだけでよいのかということですが、これについては大気中の原水爆実験を行われた時期の環境中濃度と同じぐらいのレベルのストロンチウムしか検出されていないことと、ストロンチウムが、もともとセシウムの1,000分の1ぐらい検出されていないということですので、これに実効線量係数が若干ストロンチウムは高いですが、大きな影響はないのではないかということです。古田委員、何か付け加える点はありますか。
○古田委員 ここに書いてあるとおりですが、存在する割合がストロンチウムは今回そんなに高くないことと、実効線量の人体に与える影響の比を考えても二百分の1とか、134を考えても百分の1ぐらいで、これぐらいであればメインに管理すべきはセシウムということになろうかと思います。
○安井中央労働衛生専門官 内部被ばくの測定については、ホールボディーカウンターという所有機関が限られている測定機械を使いますので、ホールボディーカウンターの導入というのは十分に慎重に進めるべきだというご意見がありました。
 ?7は許容量を算定してみようということで、資料3-3の16頁以降にあります。17頁の表2に、除染作業者が吸入する可能性のある粉じんの量が載っており、1.8m3/hという数字は、人が1時間に大体吸い込む空気量です。この計算式については、先ほど申し上げましたように10?/m3、30?/m3、100?/m3という粉じんの濃度で、これを掛け合わせると時間あたりの吸引量が18?/h、54?/h、180?/hが出てくる。これに除染対象物のベクレル数が、例えば100,000Bq/kgだったとすると、それぞれ掛け合わせると1時間あたりのBqが出てくる。同じように20万、50万、100万、200万、500万とすると、それぞれの1時間あたりに吸い込むBqの量が出てきます。この計算は100%吸い込むという前提ですので、実際は起こらないと思われる極めて保守的な評価をしています。
 17頁の下に、ここで実効線量係数を掛けますが、ここはセシウム134とセシウム137が50%ずつ存在すると仮定して掛け合わせると、18頁の表4になります。粉じんの吸入量が縦軸で、廃棄物の放射線量が横軸で出ています。この数字は1時間あたりの数字で、極めて小さいため、週40時間、年間52週、年間2,080時間こういう環境に居続けるという極めて保守的な仮定での数字を表5に出しています。いちばん妥当というか現実的と思われる粉じんの吸入量である54?/hで見ていただくと、10万Bqぐらいの濃度ですと1年かかっても0.09mSvぐらいにしかならない。100万Bqになっても、1mSvに届くかどうか。500万Bwというなかなか存在しない濃度でも、5mSvに届くレベルにしかならないという試算結果です。こういった試算に基づいて、マスク等の必要性あるいは内部被ばくの測定の必要性を考えるべきではないかというところです。
 6頁の資料3の?8です。被ばく測定の対象者ということで、年5mSvを超える外部被ばくするおそれのある者の記述については、今後検討するということです。杉浦委員から出張中の場合、滞在線量をどうするのかというご議論がありまして、当然、出張中の場合は、事業者による拘束下にあるということですので、これは足さざるを得ないだろうと考えています。これがいただいたラフなデータです。
○古田委員 出張中で、東京から現地福島のほうに来られている方は、ホテルに滞在しているときも被ばくは職業被ばくということで加算されますが、同じ福島に住んでいて出張ではなくて、毎日通っておられる方の自宅での被ばくは、職業被ばくではないという考えですか。何かおかしいような気がしますが、この辺をもう少し整理されたほうがいいのではないかと思います。
○安井中央労働衛生専門官 労災補償などの考え方です。出張中の事故は補償されますが、ご自宅に帰られたあとは補償されないのと同じ考え方を採用していますが、後ほどご議論をいただければと思います。
 こまごまとした説明をしましたが、31頁に戻ります。こういった議論をいただきまして、31頁(3)の委員からのコメントということですが、キは同じような試算を古田委員からしていただいていて、かなり小さいですがダスト濃度の測定は必要であるということです。クは内部被ばく測定の対象について、作業内容から考えて、内部被ばくと外部被ばくの相関関係は確実でないので、外部被ばくをいくらしたから内部被ばくをどうこうというのは難しいのではないかというご指摘があります。
 (4)議論に当たっての留意事項ですが、吸入による被ばく評価を使って、土壌の濃度により、内部被ばくの測定をすべきかどうかという判断があるのではないか。それから、先ほどのマトリクスですが、どういう作業をしたら粉じんを出しやすいのか、土壌濃度がいくつなのかという2つのマトリクスで考えていくのがいいのではないかということで、そのときの目安をご議論いただければと考えています。長い説明ですが、以上です。
○森座長 ありがとうございました。議論に入りたいと思います。1、2が、以降の議論の基本になるところですので少し時間を取って皆さんと議論をしたいと思います。できるだけ最初は自由にご発言いただければと思います。
 1の「被ばく線量管理の対象」について、ご意見や追加のコメント等がありましたらお願いします。
○大迫委員 私は、労働安全関係は門外漢なので、基本的なことをお聞きしますが、労働安全に関する作業者の被ばく障害防止という考え方は、作業者の健康を守るということだと思います。責任論に関して、これによって何か障害が生じた場合は、その管理者の責任が問われるという、基本的な考え方があるという理解でよろしいですか。
○安井中央労働衛生専門官 労働安全衛生法に基づいて、事業者に基本的に作業の安全な環境を提供するという義務がかかっていて、その範囲内において事業者が責任を負う形になります。
○大迫委員 この被ばく限度が2でも出てきますが、これを超えてしまった場合には補償するということですか。それとも、何かきちんとした健康影響とかが顕在化して、それが証明された場合に補償になるのでしょうかという点です。今回の除染は、雇われているのか、雇われていないのかわからない人や、関東から除染ボランティアの人たちがたくさんやって来る世界です。そういう実際の除染に関わる人たちについて、どういう責任論の中でこの議論をしていいのかがわからなかったものですから、お尋ねしました。
○森座長 いちばん基本的なことだと思いますが、まず作業をする人全体を対象とするのか、それとも労働者性がある人だけなのか、、さらに常時作業に従事しているという定義でいくのかといった、最初の大枠のところのご議論になりますが、どうでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 まず労働安全衛生法と補償の関係ですが、労働安全衛生法というのは、事業者が労働者を保護するために守るべき基準を示す法令で、それを罰則付きで担保する趣旨の法令です。例えば被ばく限度というのを定めた場合、これを超えさせないように管理する責任が事業者にある。超えさせてしまった場合には、罰則の適用もありますよといった特別刑法の考え方です。一方、補償に関しては労災補償法という別の法律がありまして、実際に健康障害が発生してしまった後に、それに業務起因性があるということを申請していただいて、行政のほうで審査をして、業務に起因することが認定された場合について、一定の補償をするというシステムです。これは保険の論理ですので、規制の論理とはだいぶ違うものです。
 労働法上の適用ですが、使用従属関係のある事業者に雇われている人たちだけを対象にするという趣旨ですので、ボランティアの方は労働法上の労働者にはならないですし、農業従事者のように自らの畑を耕すような場合は自営業になりますので、これも労働者にはならない。あるいは、住民の方が自発的にされることも労働者ではないということになりますので、我々の義務づけの対象となるのは、あくまで事業者が除染あるいは廃棄物の処理を請け負って、労働者を使用して行う場合に限られるということです。ただ、ガイドラインとしては労働者のためのガイドラインとは言いつつも、ボランティアや住民の方にも活用できるようにしたいと考えています。
○森座長 規制という意味では、労働安全衛生法が基にあるので労働者性がある場合は規制をせざるを得ないと思います。しかし人体の影響という話においては労働者であろうが一般住民であろうが一緒なので、おそらく多くの方がガイドラインを参考にされるだろうという整理が基本になると思いますが、そのような全体の大枠の中で、論点は一定の区域という考え方と一定の作業という考え方の2つがありまして、その組合せでどのように線量管理の対象を規制するかどうかということと、一定の区域とか一定の作業について、具体的に何を指すのかが、もう一つの論点になっていますが、この点はいかがですか。
○古田委員 今回の場合は、どちらかというと外部放射線が作業に対していちばん効くと考えられますので、管理区域に相当するような一定のエリアに入って、一定の時間、長期間作業される方をきちんと管理すべきではないかなと思います。単に一時的にそのエリアの中に入って、付随的な仕事、荷物を持ってきたといった方は何らかの形で除いて、分けて考える必要があろうかと思います。扱うものについては、特に高いものを扱うときには、内部被ばくも加味したような管理が必要と感じました。
○森座長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。
○杉浦委員 線量管理の対象ということと測定ということと絡んでくると思いますが、いま放射線関係の法律でも必ずしも測定しなくて、測定が困難なときは計算による評価も認めているわけですね。いまの前段の議論を聞いていると、事業者として雇われている方は一応こういう除染作業に就くということで、広く全員を線量管理の対象にはするけれども、実際にガラスバッヂとか個人線量計器を付けるのはかなり高い、あるいは管理区域という所でよくて、作業環境の粉じんなり空間線量率を測っておいて、滞在時間を考えて線量の評価はして、管理をするという、それこそ2段階の考え方をしているので、そこら辺で何か落ち着きどころを見つける考え方がいいのではないかなと思って聞いていました。
○森座長 そういう意味で対象を少し広めに取って、というご意見ですね。
○杉浦委員 管理は広くやったほうがよろしいと思います。
○森座長 その地域の状況に応じて管理の手法を変えていく、重点を置いていくという考え方だと思います。今回は、かなり現実的な方法を探っていかないといけないところもあります。実際に測定ができれば、いまのご意見は妥当だと思いますが、それぞれ農地とか森林とかで、測定が現実的なのかということに関するご意見を是非いただきたいです。
○小林委員 農地の場合ですと、まず表土を剥ぐ前に土壌のサンプリングを行い、どのくらいの濃度かというのを測ります。そうすると、一枚の農地内でも高いところや低いところがありますが、1枚の畑については大体どのぐらいだというのがわかります。そういった場合に、線量率の高いところでも低い作業現場でも同じ基準が適用されることになりますと、前回も話に出ましたがマスクや防護服の着用は作業者に負担となりますので、汚染度に応じて必要とする装備を何段階かに分けて決めていただきたいと思います。
 もう1つは、ばく露量については個人線量計で結果的にこれだけばく露されたというのはわかりますが、作業中突発的に高濃度になることもありますから、ある程度のモニタリングを同時に行った上で、最終的なばく露量を評価していただければと思います。
○森座長 モニタリングというのは、個人の線量ということですか。
○小林委員 はい、作業者の近傍の線量をいう意味です。
○松村委員 畑1枚について、大体その畑がどのぐらい汚染されているかというのを出すときに、何点ぐらい測定されるのですか。
○小林委員 いまの場合ですと5点。両対角線と真ん中で5点。
○松村委員 相当ばらつくものですか。
○小林委員 圃場によって、ばらつきがあります。例えば水が流れて集まるような凹地があったりする場合、その部分が高くなります。一般的に農地は平らではないことが多いです。○森座長 いまのお話でいくと、一定の区域という指定というのは少なくとも必要だと思いますが、その点についてはよろしいですか。対象についてどこで線を引くかを決めなくてはなりません。
 イに入りたいのですが、年間5mSv相当と年間1mSvで、線量管理も2段階を示してあります。つまり、義務化をする規制の対象にする場合と、広くガイドラインで示す範囲というのもあるし、その中でも少しずつ対象を状況に分けて厳密度を高めていこうという方法もありますが、そういった意味でイの??では2つの基本の候補となる線が示されています。その点について、何かご意見はありますか。
○古田委員 ?のほうは私もコメントしたのですが、これは居住するというシナリオです。それを作業に使ってもいいかというと話が違うと思いますが、作業をしているときにどれだけ被ばくするかという意味では、?のほうが適切かと思います。どうしても1mSvが必要であれば、1mSvで作業時間を考慮し、例えば年間2,000時間とか、それとはまた別途基準を作るとか、そういうことを考えなければいけないと思いますので、?はそういう意味では変かなという気がします。
○森座長 いまのお話は、規制ガイドラインも含めても、そもそも今回のこの議論はここに絞ったほうがいいのではないかということですね。
○古田委員 あくまでも作業に伴う被ばくを管理するというのが趣旨だと思いますが、違いますか。
○安井中央労働衛生専門官 そうです。
○森座長 作業ということであれば、あくまでも年間5mSvという?のほうですね。
○古田委員 ?のほうです。?は居住するという。
○森座長 その基準自体の根幹が全然違うのではないかと。
○古田委員 基準の考え方が違うので、それに沿って仕分けはしないといけないと思います。
○大迫委員 いまの点は、作業の被ばく管理の点での数値を?で言っているわけではなく、ここで除染活動が行われるという意味での数値だと理解したのですが。
○安井中央労働衛生専門官 組合せとして、一定の地域で一定の作業という組合せはできると思っていますので、5mSvの中で、なおかつこの作業という考えもあるでしょうし、若干広めにとって1mSvの中で先ほどおっしゃったように労働時間が長い人を対象とする手もありますし、そこは組合せだとは思います。
○森座長 そうすると1mSv以上という話というのは、基本的には今回の除染作業の対象全部に近い状態で、それについては何らかのガイドライン的なもので、作業の方法とかは示すが、電離則に相当するような規制に関しては、その上のレベルでやるべきであると、いまはそういうご趣旨だと思いますが、どうですか。それ以下でも除染作業自体はありますが。
○古田委員 除染作業はあると思いますが、その人が労働している時間の放射線を管理すべき基準をいま議論しているかと思います。一方で?は、そこに住んだときにこれぐらいの線量を実質追加分で1mSv被ばくしますよということは、作業時間に関する考慮というのは24時間365日全部含めた基準ですから、そういう意味では作業という趣旨からはそぐわないという気がします。
○大迫委員 話されている意味はわかるのですが、区域という意味合いを本当に義務化という意味で、作業上の観点での区域を言うのか、それとも作業が行われるという意味で、そこを広くガイドライン的なところでカバーしていくという意味でのものなのかと。もちろんこれは住んでいる人の数字だということは理解した上で、ここが除染の計画を立て、除染措置が行われるエリアになるということでしょうか。。
○森座長 ?まで入れてしまうと、アの議論が作業を行うもの全体と同じになってしまうという話なので、基本的に作業についての線量管理の規定は?がいいだろうというご意見だと思います。
○大迫委員 賛否は全く私は話しておらず、、先ほどの解釈の仕方を少し申し上げました。
○森座長 この点についてはいかがですか。ほかにご意見はよろしいですか。
○杉浦委員 何を根拠にどこまでやるかということを考える必要があると思いますが、原子力安全委員会が災害廃棄物とかの処理する作業について、1mSv以下にしなさいと言っていることがあって、それをどう考えるかです。それ以下であれば公衆の限度以下だから、作業者と言わなくてもよろしいといって、それを超えているような人は一応そのときに1万Bq/kgで放射線作業に当たるとか、そういうことを書いています。ですので、ここのイの?を取ってくると、とりあえず5mSvになっていますから、若干この整合性を考えると高いのかなと。古田さんも言っていましたが、?は住民というか24時間考えているので、この間を何か考えないといけないのかなと。ですから、あくまで管理の対象にすることと測定をすることは分けて考えて、対象は広めにといったところと原安委が言っている1mSvの整合性は、少し考えたほうが安定というか安全というか、そう思います。
○大迫委員 教えてほしいところがいくつかあり、いま杉浦先生のおっしゃったところもずっと疑問に思っていたのですが、6月に原子力安全委員会が作業者の被ばく限度を1mSv未満にするのが望ましいとの通知を出されて、それによって東京都が廃棄物処理施設に関しての指針を作り、作業者は放射線に関する知識が十分でない方なため、年間1mSvという被ばく限度を入れましたが、この管理の対象という意味での数値と、後ほどの年50mSvとか5年で100mSvという被ばく限度と、いまの5mSvの話とどう関係するのかというのを教えていただきたいのです。
○古田委員 一応、きちんと教育を受けて、それなりの作業をされる方は、いまの従事者と同じような5年間で100mSv、年間だと50mSvということで、計画被ばくの中で管理されるべきだと思います。だから教育も何もしないで、一般公衆と同じような形で作業される方は1mSvでいいのですが、きちんと除染作業をするということで請け負った会社なりが従業員を教育して、それで作業するということであれば、これは完全に放射線業務従事者ということで、その枠の中で管理されて除染の作業をされるべきだと思います。
○大迫委員 5mSvというのは、あくまで電離則上の管理の対象という意味で年間5mSvと。
○古田委員 5mSvというのは、そういう意味ではそのエリアの基準ですから、エリアに入って作業するというエリア管理のほうから来ているので、それは被ばくするという量ではないです。
○安井中央労働衛生専門官 31頁を見ていただきますと、(2)検討のポイントで四角で括っているイで、ICRPで現存被ばく状況といういまの福島のような状態で、除染などを行う方は、古田委員がおっしゃるように教育をきちんと受けていて、放射線業務従事者という場合には職業被ばく限度を使いなさいということが書いてあります。一方、それ以外の方、そばでたまたまサービス業に従事している労働者の被ばく限度が明確になっていないというのは、おそらくここは1mSvを使うということだと思います。そのため、労働者といっても色々で、きちんと教育を受けて放射線業務従事者としてやる人だったら5mSvで、そうでない人は同じ労働者でも一般公衆と同じになると思います。
○大迫委員 5mSvですか。
○安井中央労働衛生専門官 1mSvになります。
○大迫委員 その前の教育を受けた人は5mSv。
○安井中央労働衛生専門官 5mSv。
○大迫委員 5mSvというのは、そのエリアの話としてでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 年間5mSvを線量管理の下限とするということです。
○森座長 古田先生と杉浦先生のおっしゃっていることは食い違っているのではなくて、どちらにしても個人の線量管理をするかどうかということを決めないといけないので、そういう意味ではまず測定をする対象としては広く取って、その結果5mSv/年以上の被ばくの可能性があるということであれば、きちんとした管理をしていくという考えでいいですか。あとはウの「一定の作業」という話で、実はまだ論点が残っていますが、今回の除染作業、廃棄物処理・運搬・処分等という もともとあった環境省の特措法の話の範囲でいくのか、そこにいろいろな宅急便とか、そこで店舗を開くとか、エリアを指定したときに、そこまで今回このガイドラインでカバーをするのかというウの?か?の議論が1つ残っていますが、これはどうですか。全く関係ない作業まで、1つの方法でこれがカバーできるかという技術的な問題もあると思います。
○古田委員 作業エリアをどれぐらい想定しておられるか、皆さんの頭の中がバラバラのような気がしますが、我々が放射線作業をするのであれば一定の区域を取って、それなりの立入制限をして、今回だったら除染の作業をする。そのためには、区域の出入り管理もある程度きちんとしましょうということで、店舗を構えるとか、そういうイメージは私はよくつかめないのですが、そういった例というのはどういうときなのでしょうか。町全体を除染するという感じですか。
○安井中央労働衛生専門官 5mSvの場合は、年間5mSv、2.5μSv/hであれば、いまは概ね立入禁止区域になっているので問題ないと思いますが、1mSvを使うことになれば現地に居住されている方がおられますので、そこで立入禁止措置というのは現実問題として実行できず、一般的な商業活動と同時に除染作業をやるというのが想定されるということです。
○森座長 5mSvのレベルの規制を前提すると、そこには基本的には作業者以外は入らないことを想定してよろしいのですか。
○安井中央労働衛生専門官 2.5μSv/hでやるのであれば、現状では計画的避難区域か警戒区域になっていますので、現時点で人はいないと思います。
○古田委員 例えば、1mSvと5mSvの間をどうするかというお話ですよね。そこで、全く普通の商業活動なりそういうのは、作業中はある程度制限をかけるべきだと思います。例えば汚染されたものを1カ所に集めたり、そのすぐ脇で商業活動をすると、それなりの通常に暮らしている以上の被ばくをする可能性も出てきますよね。そういったところで、普通の商業活動をしていていいかというのは疑問のような気もしますので、限られた方がある程度立ち会っていただくことはあるにしても、除染活動をしている間は全く通常どおりというわけにはいかないのではないかと思います。何らかの制約をかけて、いま言ったような汚染されたものが集まるとか、場合によったらダストが出るとか、そういうことで無用な被ばくは避けなければいけないと思います。
○森座長 そうすると、除染作業を行う期間においてという話ですよね。その周りへの立入りをどこまで制限し得るかという話の議論だと、これはちょっと検討しなければいけませんね。
○杉浦委員 そうしたらアの?は「かつ」ではなくて、「又は」という選択肢はないですか。法律的に私はよくわからないのですが。線量的に高いところもやります。それから作業として?で、8,000Bq/kg以上のものを使う人の両方という。
○森座長 それくらいはできますよね。そういう考え方だったら。
○安井中央労働衛生専門官 ただ、西日本で除染と称する作業をされた場合に何か規制をかけるのかというと、そんなことはないだろうと思いますので、一定の広い意味での区域設定はよいかなと思います。
○杉浦委員 そうするとウの?の濃度でやっておけば、西日本はいつでも作業しても大丈夫だという。
○安井中央労働衛生専門官 そういう考え方もあろうかと思います。ただ、濃度は測ってみないとわからないというのがありますので、規制はしにくいという実態はあります。
○森座長 先ほど、まずは測ってというところの範囲をどうするかというのと、管理をどうするか。測って5mSv以上であればまず人は入らないけれども、1mSvと5mSvの間だったらほかの人が入ることをどこまで制限をするのか、また作業中においてはという議論があるということですね。
○安井中央労働衛生専門官 いままでの議論を伺っている限り、5mSv以上は線量管理すべきだというのは一致されていますので、あとは1mSvから5mSvの間をどうしたらいいのかというところかと思います。
○森座長 ここばかりに留どまると他の項目が議論できませんので、大枠について皆さんの合意ができたようですので、1mSvから5mSvの間の技術的な話は次回以降に行うこととして、少し進めていくことにしたいと思います。
 2に行きます。そういう意味で管理をする方の場合は、年間5mSvを超える外部被ばくという形になりますが、その上で内部被ばくの測定の対象者をどうするかという部分です。先ほど出たデータによると、内部被ばくというのは必ずしも高いBq数の粉じんを相当量吸わないと1mSvには行かないというデータも示されていますが、この点はいかがですか。
○安井中央労働衛生専門官 松村先生、何かそうした関係であればお願いします。
○松村委員 私は、外部被ばくでmSv/年と、土壌なり対象物焼却灰なりがBq/kgというのが結び付かないのです。だから、外部被ばくの可能性のある地域に入って行って、そこの土壌を扱ったら何Bq/kgかということが、ある程度相関関係がわかれば非常に理解しやすいのですが、そうもいかないのかなという気がして、そこが混乱しています。
○安井中央労働衛生専門官 基本的に、外部被ばくと土壌の濃度というのはある程度相関関係はあると思いますが、ただばらつきはある程度あると思います。
○森座長 このばらつきも、測ってみないとわからないですよね。
○松村委員 ですから測るときに、Bq/kgの測り方と何Svを測るのと、全然測定機が違いますよね。それをどう測定するのかなと。両方測ればいいのでしょうけれども。Bq/kgを測るのは、その場では測れないのではないですか。
○安井中央労働衛生専門官 測れないです。サンプリングして持って帰らないといけないです。
○松村委員 だから、その辺をどう対応するのかという。
○安井中央労働衛生専門官 ただ一般論としてですが、BqとSvというのは相関関係がありますので、表面線量が高いBqのところは当然高いSvが出るようになります。
○松村委員 いまは、まだそのデータを提出していただいてないですね。
○金子委員 実際、放射性物質を森林で測ると、地面と樹木に半々あるわけです。BqとSvは大体パラレルでいくという話はありましたが、森林ではそれほど単純にはいかないので、実際には空間線量率とかで管理するほうが適当ではないかという気がします。森林以外では、地面の表面にだけにあると想定してよいと思いますが、森林の中では放射線物質が空間的にばらついて存在していますから、その辺は難しいかなと思います。それで1kgあたりのベクレル量で管理していくのは難しそうな気がします。
○森座長 外部被ばくの管理をどうしていくかという話と、内部被ばくの測定対象を除染作業員全員とするわけにはいかないが、ただ一方で誰にも実施しないという選択肢も厳しいときに、何らかのデータに基づいて、ホールボディーカウンターの対象者を決めないといけないと思います。その数字の考え方はいろいろあると思いますが、その判断を何のデータに基づいてきめるのかということが論点としてあると思います。
○金子委員 私は外部被ばくが妥当ではないかという気がします。
○森座長 それで、どこかで線を引くということですか。
○金子委員 はい。
○森座長 ほかに意見はありませんか。
○古田委員 粉じんの発生量とかいろいろなデータがありました。それと、土壌中の埃が立つぐらいのときの濃度がわかれば先ほどの試算があったので、内部被ばくというのはSv単位の被ばく量に直せばそんなに効いてこないかなという気はしています。粉じんの発生を抑制する方法、撒水とかいろいろすれば、そんなにたくさんは出てこないかなと。ただし、そういうのは測定によってきちんと確認しておけば、場合によっては内部被ばくについては簡単な手当、簡単な防じんマスクをするぐらいでも十分防げるのではないかという感触はありますが、何せデータが全然ないので、エビデンスだけはきちんと取っておいて、あとはそれに基づいて簡便な管理で十分ではないかなと思います。
○名古屋委員 お聞きしますが、そのときの粉じんの濃度を測るときに、何を対象に測るのかなというのがどこにも書いていないのです。資料3-2で出されているのは、パーティクルカウンターで測っていて、個数濃度に比重1をかけているから、実態とはかなり違うデータになっていますよね。それから、PM2.5を使って内部被ばくを考えたときに、PM2.5はあくまでも気管支炎や肺ガンを対象にしていますよね。そうではなくて線量の付着した粉じんは、粒径により鼻腔や気管支に付着するし、より小さな粉じんは吸入性粉じんとして肺胞に入ってくるので、インハラブルを測るのか総粉じんを測るのか、これによって粉じんの測定方法が違ってきますよね。そこをきちんと決めておかないと、簡単に粉じん濃度を測って換算できたとしても、どの粒径を対象に測るかを決めておかないと、測定法によって作業で出てくる粉じんの量に違いがでてくるので、どうなのでしょうか。
○森座長 外部被ばくを測ったり、粉じん量とか粉じんに含まれる放射線量を測定して、内部被ばくの測定対象を決めるということのほかに、もし粉じん量を基本とすれば、どこまでの粒径の粉じんを含めるかという、2つの議論があるということですね。
○名古屋委員 例えば除染土壌表面線量がわかっていて、作業をしたときに発生してくる粉じん濃度を測っておけばある程度粉じん濃度から線量を換算できるので、相対濃度計である程度の換算はできると思います。でも、そのときに小さい粒子を対象にすると、分粒装置のない相対濃度計では、正確な吸入性粉じん濃度が測れないから、インハラブルのような吸引性粉じんを測った方が、また正確な粉じん濃度が測れると思います。換算係数を用いるので、ある程度の範囲の中ではばらつきはあるかもしれないけれども、線量計を使うときより簡単に測定はできると思います。
○森座長 内部被ばくの測定をする対象者ということになるとと、粉じんを測ったほうが外部被ばくの値を参考にするより実測に近いので、それが現実的な測定方法であればそういったことをやってみてはどうかというご意見になるかと思いますが、そういう考え方でよろしいですか。
○杉浦委員 ICRPが出している線量換算係数は、作業者の場合5μの粒径を考えています。ですから、それが作業環境を測られるところの考え方と合っているかどうかというところもあると思います。
○名古屋委員 吸入性粉じん定義は、1994年までは5μだったのです。1994年以降は4μに定義が変更されました。吸入性粉じんの定義は変わっているので、たぶん古いデータではないかなと。それから、呼吸域を対象にした粉じんを測るのか。内部被ばくを対象とした粉じんを測るのか。大きな粒子であるインハラブル粉じんを測っておくほうが安全なのかなと思います。その場合、オープンフェース型ローポリュームサンプラーで測定した方が安全なのかなという気はします。測り方そのもの自体は難しくないです。どちらを測っておけばいいかということは決めておかれたほうがいいのかなと。
○松村委員 ICRPがμ以下を対象としたということは、一応その範囲の中ですよね。だから気道とか、その辺のものはカウントしていない。それはどうなのでしょうね。
○名古屋委員 その辺はわからない。
○森座長 大きな粒径のものを含めてやったほうがいいだろうということですね。
○安井中央労働衛生専門官 今回お示しした試算は極めて保守的なもので、100%全部吸引されるという極めてラフな試算になっていますので。
○松村委員 でも、作業環境測定では当然サンプリングするときに、分粒計を前に付けています。だから、大体が吸入性の粉じんです。非常に粗大なものはカットしているはずです。一応、鼻から入ってくる程度。昭和60年ごろのは、7μより下の範囲で4μが50%ですか。
○名古屋委員 5μm、50%cutで7μm以下。いまは4μm、50%cutで10μm以下になって、最大粒径は大きくなっています。
○松村委員 これは、その粒子を取っているデータです。
○名古屋委員 だから鼻まで議論するのと、いままでの吸入性粉じん4μm、50%cutが、インハラブル粉じん10μm、50%cutになります。かなり大きな範囲まで入ってきます。内部被ばくという形になると、大きな粒子で測定しておいたほうが安全かなという気はしています。そうすると、質量濃度粉じん計ではない相対濃度計の場合、何も分粒装置を付けずにそのままの値が使えるので、換算するほうも計測する方も楽なのかなという気はしますが、ただそこはどちらをするかによってケースが違ってくる。
○森座長 ここでサイズの問題まで決めるのは難しいので、そのような論点はあるということにして、基本的には粉じんの濃度を前提にして内部被ばく測定の対象をどうするか、という話でいいだろうということですね。
○名古屋委員 要するに土壌汚染のときに表面汚染ベクレルを測っておいて、それが出てきたときにどのぐらいの粉じん濃度で、それをあとでフィルターを持って帰って、フィルターの捕集された粉じんに付着した線量をはかれば、ある程度粉じん濃度から線量が換算できるかなと思います。
○小林委員 私どもは、いま分粒装置を付けて測定しているところです。4μm、50%カットと7μm、100%の両方をやっていますが、いまの先生のお話だと、分粒装置を取ってしまって総粉じんとして測定しなさいということであると思います。その場合、流速が定められていたと思いますが、設定条件を教えていただけると、それに合わせた測定をしてみたいと思います。
○名古屋委員 日本の総粉じんの定義は、許容濃度で面速80から50(cm/s)とかなり幅があります。でも、ヨーロッパではインハラブルの定義は、面側を19(?/s)で測りなさいと。そうすると、呼吸器系統の内、インハラブルで鼻腔や気道まで測定できるので、是非オープンで取って面側を19?/sで測っておけば安心ですよということになります。
○小林委員 もう1つ、資料に50万Bq/kgという数値がありますが、私どもがやった中でも10万Bq/kgという値のものがあります。それは表層1?のところを平均して求めています。ですから、土壌表面でいくと、かなり濃いものが舞っていると思いますが、この場合の50万Bq/kgというのは例えば1?の平均なのか、本当に表面の濃いところがホコリとして舞っているようなケースなのかというのはわかりますか。31頁です。
○安井中央労働衛生専門官 これは純粋な試算ですので、本当は50万Bq/kgというものが均質に粉じんとなっているという想定で、それが100%全部吸入されたという極めて保守的な評価です。
○森座長 次に行きます。細かい論点は整理をして次回以降に検討するということでお願いします。イの被ばく限度についてということで、あくまでも限度ですが、いかがでしょうか。電離則相当で5年間100mSv以下、年50mSv以下という範囲でやるか、それより低い基準。これより高い基準というのはあり得ないと思うのですが。
○松村委員 最近、原子力発電所の事故で250mSv/年がまた100mSvに戻ったということがありますが、私は一般住民と労働者とで放射能に対する感受性が違うという理由がよくわからないのです。化学物質に対しては、労働者が働く環境で受けるものというのは時間が限定されていますし、健康な成人だけが対象になって、子どもとかそういうものがないからというのはわかりますが、放射線の影響に差をつける理由が根拠として医学的にあるのですか。
○杉浦委員 労働者の限度が定められているのは、線量管理をし、健康管理をしというところで、その作業に就く労働者を守るという観点であって、公衆の限度は全く別な所で決まっているので、感受性が違うからというのであれば0歳から18歳の感受性の高いグループも入っているというのはあるかもしれませんが、基本的に働く人が放射線に強いということはないと思います。線量限度をそこにしてよい管理をしているからということで決まっているのだと理解しています。
○松村委員 では、管理をしなければいけないですね。
○森座長 この論点は上限をどこまでにするかという話ですよね。これについて古田先生、何かありますか。
○古田委員 緊急時の被ばく限度が250mSvから100mSvになったという話の大前提で、それは被ばくをする緊急事態、現場がどのような状況下かが第1前提だと思います。250mSvで被ばくするような作業がないぐらいのプラントの状態だということが大前提にあると思います。そういう意味では復旧作業ということであれば、現存被ばくの中でも計画的に作業をすることがICRPの中でも謳われていますので、計画被ばくの中のいまの電離則の基準を使って、教育すべき人はきちんと教育して、従事者として指定して、法大系の中で作業をすればいいと思います。そういう方と先ほど出てきたエリア外で作業をする人はまた別な考えかと思いますが、きちんと従事者として作業される方は従来の法大系の中で計画的な被ばくで十分かと思います。
○森座長 先ほどありましたが、年間5mSv以上の管理エリアの人であれば、いままでの電離則の基準でいいのではないかというご意見だということで。よろしいですか。それが上限になるわけですが。
○金子委員 実際に働く人の教育というお話も出てきたのですが、現場で働く林業労働者に急に教育といっても、きちんとしたものを短期間にやることは現実には難しいと思います。そう考えると、先ほどの議論からありますがもう少し低めに設定して、それほど教育を受けられない人であっても、ある程度作業できるようにすることを前提にしていかないと、現実には難しい気がします。
○森座長 ですから、先ほどは規則の範囲をどうするかの話で、次に行ったのは被ばくの可能性によってどのような管理をするかというまた別の議論です。また、今の議論は、一定のレベル以上の被ばくがあるときに、作業中の個人の被ばく線量をモニタリングすることを前提に、これ以上働いてはいけないというストップをするかという基準の話です。いまお話があったような方であっても管理エリアでモニタリングを基本的にしているのであれば、上限で止められるように思うのですが。
○金子委員 ですから、一般の人の気持からすると、これはもっと低くしたほうがいいのではないかというのが。
○森座長 上限をですね。
○金子委員 上限をです。
○安井中央労働衛生専門官 まさに大迫委員がおっしゃったように、例えば下水処理場などで働く方は放射線業務をする前提で雇われていません。賃金体系も、そうなっていません。その中でどうするかという議論はあって、おっしゃるように年間1mSvという、公衆と変わらないレベルでやらざるを得ない結論になったという東京都の例は聞いています。そのため、同じようなことが林業の世界でもあるかもしれないですし、農業の世界でもあるかもしれません。そのため、そこはレベルを分けるということはあるかもしれません。放射線業務を前提としないような賃金雇用体系になっている方と、「私は放射線業務従事者で行きます」という方を、両者ともICRPで言う職業被ばくの状況に適用するのか、あるいは一般の労働者としての扱いにするのかを分けて考えるのはあるかなと思います。こちらにも、一般の方からいろいろな電話が多く寄せられますが、放射線のことがよくわからない方から、「私はいまは下水処理場で働いている者ですが不安です」という話の後に、「あなたは被ばく限度は年間50mSvです」と言っても、なかなか理解が得られない実態はあります。
○松村委員 除染作業の労働者として雇われた人が、以後どのぐらいずっと健康管理をしてもらえるかというのは全く保障がないような気がします。だから、低めのほうが安全だろうと思います。
○森座長 いまの話はあとでも出てきますが、健康診断とかその後の健康管理をどこまでやるかという話や、作業期間にあった被ばく量によって対応を分けてやるのかという話が、確かにかなり残りますね。
○松村委員 本人に、きちんと記録が渡るような手帳なり何なりで管理できるのかとか、その辺がいまは何もないと思うので。
○森座長 わかりました。少なくとも、本当に放射線作業という形でいくのであれば、上限はこれ以上の上はないという考え方ですが、それ以外の人の立場によって上限の設定というものを少し変え得るということでいいですか、いまのお話は。それは、規則として義務化するものとガイドライン区別に関わる話かもわかりませんが。
○安井中央労働衛生専門官 そうかもしれないです。逆に言うと、業務の限定になるかと思います。高い被ばくが予想される作業の方には、特定の放射線業務従事者のような、きちんと教育を受けた人以外はやらせないといった考え方があるかもしれないです。
○杉浦委員 限度を決めるということは、それを超えたら罰則を掛けるということですよね。ですので、低いところに定めると除染が進まなくなるおそれがあるわけです。ですから、おっしゃられたとおり、作業をする線量が高くなるような人には、それなりの管理をした上で認めておかないと、この法律を決める意味がないような気がします。
○森座長 今回の議論は、いままでと違って法律を決めて法律の解釈のためのガイドラインを作るのではなくて、緩く幅広いガイドラインと厳しい規制の問題が常に同時に議論をするという話になっているので、そこが混乱しやすいのだと思いますが、まさにそういう話ですよね。
○杉浦委員 だから、いちばん初めから言っているように、いちばん上はあれかもしれませんが、管理をする対象はやり方はいろいろあるかもしれませんが、下から拾いましょうということを私は言っているつもりで、いちばん上はここで適当に5分の1とか2分の1とか、なぜそんな数値を決めたのだと言われるとかなり難しいと思います。これをいちばん上に取っておけばいいのではないかなと思います。
○松村委員 それでしたら、現状で1mSvとか5mSvに該当する地域が、どのぐらいの面積あるのか。その辺の情報がないと、見積りができないですね。
○森座長 それは前回地図が示されていましたが。
○安井中央労働衛生専門官 前回資料の参考資料1をもしお持ちであればあれですが、年間1μSvを24時間換算すると0.23μSv/hとなりますが、それは大体この黄色いエリアと言われており、相当広いです。
○森座長 少なくとも上限はということと、それ以下についてはガイドラインのレベルにおいてはいろいろな考え方があるということで、ここの枠、限度については現時点での方向性ということにさせていただきたいと思います。残り40分なので、次に進みたいと思います。
 3と4について、事務局からご説明いただけますか。
○安井中央労働衛生専門官 33頁、被ばく低減のための措置です。これにつきましては、作業計画、作業手順、作業指揮者を定性的には定めるわけです。具体的には例えば、作業の前にモニタリングをするときにどういう測り方をするのか、あるいは先ほどもだいぶご議論に出ましたけれども、空気中濃度の測り方をどうするのか。あるいはもっと細かな話としては、例えばどれぐらい作業場所から離れた所に着替えとかスクリーニングポイントや休憩場所を置くのか。また、被ばく線量の推定と推定目標値、被ばく管理は基本的にこういうことをするのですが、どう行うのかというかなり技術的な問題があります。これにつきましてはいろいろとコメントが寄せられていまして、資料3のNo.10からご説明させていただきます。
 7頁です。そもそもモニタリングをどういう作業単位でやるのかにつきましては、中山委員からまず1拠点の想定範囲を50ヘクタールとしている。今後考えていくことになりますが、作業単位は一回又は一まとまりの除染作業は状態によるため、それぞれの作業によるということです。それから空気中の濃度測定については、パーソナルエアサンプラーよりもどこかのモリタリングのサンプラーのほうがいいのではないかというご意見です。またモニタリングのタイミングにつきましては、モデル事業では毎日やるということになってはいますが、では具体的にいつやるのかについては今後、受注者の提案ということになっていることです。
 それから、大迫委員から測定器の確保が難しいときはどうしたらいいかについてですが、測定の専門業者、例えば作業環境測定登録機関というのがありますというご紹介です。除染作業者に汚染の状況を事前に通知されているか、作業計画を立てることができるかにつきましては、まずは事業者が作業計画を立てられるようにガイドライン上、組み込んでおきたい。したがって事前に調査をしてから作業計画を立てて、それから作業を始めるという一連の流れを規定せざるを得ないのではないかと考えています。
 34頁の本文に戻らせていただきます。作業場所のレイアウトについては、作業によって発じんの恐れがある場所と、バックグラウンドの場所を想定して、スクリーニングポイントや休憩場所を選んでいけばいいのではないかというご意見があります。それから、ダスト濃度については先ほどの試算もございますけれども、それほど厳しいマスクを義務付けなくてもいいのではないかという議論もあります。あるいは、粉じんの濃度がさほど高くないのであれば、除染終了場所、これはどこを言うのか微妙ですが、それほど離れなくてもいいのではないかというご意見もございます。被ばくの線量の推定については、線量測定結果と作業時間から単純に計算すればいいのではないかというご意見です。我々の留意事項としましては、休憩場所やスクリーニングポイントは、やはり粉じんの空気濃度を1つの目安として決めざるを得ないのではないかということです。これは、そもそもどれぐらい作業場所から離れればいいのかという議論になろうと思いますので、知見があれば教えていただきたいと思います。さらにスクリーニング基準につきましても、既に決まっている計画被ばく上のスクリーニング基準はかなり厳しい数字であり、それをこの現存被ばくのように、実際に既に汚染がある場所でやるのはどうなのかという議論があろうかと思います。
 35頁の4番、「汚染拡大防止、内部被ばく防止のための措置」です。汚染拡大防止としては、当然、飛散防止や作業者による汚染拡大防止や物品の搬入・搬出、高濃度汚染物の取扱い等を定めることになります。ここでは、例えば、密閉ハウスのようなかなり厳しい管理をする基準があるのかどうか、あるいは養生、これは例えば、飛散防止をするような作業の基準をどうするか。スクリーニング、物品持ち出しの基準、マスクの種類、捕集効率及び使用すべき保護衣の性能です。これにつきましては、資料3のNo.14を見ていただきたいと思います。
 例えば身体汚染のスクリーニングは7頁のNo.14にありますが、これにつきましては、計算はできまして、皮膚の被ばくで、皮膚の等価線量を実効線量に直すときに0.01を掛けます。セシウムを取り扱う作業状態で等価線量が実効線量の10倍を超えるとは考えられないので、評価は不要ではないのかというご意見を古田委員からいただいています。スクリーニング基準につきましては、電離則31条におきましては4Bq/?2と極めて低い数字がありますが、これはおそらく土壌のBqより低いため、この基準は実行不能であり、測定することもできないという実態があります。それから経口摂取につきましては、経口摂取の実効線量係数は吸入の実効線量係数より高いため、食事による経口摂取は非常に警戒すべきものであることが言えます。
 資料4に戻っていただきまして36頁です。古田委員からは、このほかに密閉ハウスでは、局所排気装置が必要とされるほどの高いレベルのものはないのではないかというご意見があります。それから、スクリーニングレベルにつきましては、バックグラウンドの関係がありますので、実行可能なものでなくてはならないということです。
 我々の留意事項としましては、マスクの種類あるいは保護衣の性能につきましては、土壌の放射性物質の濃度と作業内容、これは発じんのしやすさですが、この組合せで決めるものではないかと考えております。それから、当然、養生や密閉ハウスを設置するかどうかにつきましても、同じように土壌の放射性物質の濃度と作業の内容によって組み合わせることではないかと考えております。また、高濃度汚染物を何らかの特別扱いをする場合は、表面線量率というのが1つあるのではないかと考えております。説明は以上でございます。
○森座長 ありがとうございます。細かいところまでいきますと、かなり議論をしなければいけないところがありますが、今回は検討のポイントに沿って、まとめて話をしていきたいと思います。まず被ばく低減のための措置のところで、モニタリングの実施方法がありますが、これについて何かご意見ございますでしょうか。33頁の検討ポイントのアについてです。
○大迫委員 質問です。これは管理区域的なものの中、5mSv以上の話をしておられるという理解でよろしいでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 そのとおりです。これは、あくまでも管理をされる中でする場合です。
○大迫委員 管理をされる中でということですか。
○安井中央労働衛生専門官 はい。
○大迫委員 頭の中ではいつもガイドラインで広くという、1から5という部分と5以上の所を分けて考えていますが、これはあくまでも5以上だということでの議論ということですね。
○安井中央労働衛生専門官 モニタリングについては、1から測るのではなくです。
○大迫委員 もちろん共通の所もあると思います。
○安井中央労働衛生専門官 先ほどの小林委員の5点測るというのは濃度ですか。
○小林委員 それは、土壌の濃度です。ですから、表土をどのぐらいまで削り取ったらいいのかを判定するときにも関係してくるのですけれども、土壌をコアで抜き取って、そこがどのぐらいの除染が必要となるかを前もって調べておくことになります。
○安井中央労働衛生専門官 何か、空間線量の測り方というのはございませんか。具体的にこういう測り方をしますとか、どういうポイントで何点ぐらい測りますとか。
○森座長 測定のデザインですね。
○安井中央労働衛生専門官 はい、デザインというか、測る所で数字はまちまちになりますよね。それを場の線量として捉えるときには、どうされるのでしょうか。
○中山委員 我々は、いままで試験としてやってきたものですから、経験から言うと、いわゆるメッシュを切ってということになります。その理由は、1つは、作業の前後で正確に同じ個所で測らなくてはいけないということ。それから、もう1点は、ある程度恣意性がないように、単純に何メートル間隔と決め手ということです。さらにそれにプラスして危なそうな所ということで測定点を決めていまして、その数字からこの値はどの程度のμSvかということを見ているだけです。
○松村委員 地表からどのぐらいの高さの所かなどは決めていないのですか。
○中山委員 それは決めています。地表と、50?と、1mと。
○森座長 環境モニタリングというのは、先ほどの話だと、土壌を測るのと、粉じんを測るのと、空間の線量を測るのと3つあるということですね。
○安井中央労働衛生専門官 そうですね。
○森座長 土壌に関しては、最初のときに測ればいいものと、終わった後と、定期的に作業期間中測っていかなければいけないものもあるということですね。
○小林委員 基本的には最初と最後を測定し、きれいになったかどうかを確認することになりますので。
○森座長 除染の効果という意味ではそうですけれども、作業者に対する問題とすると途中でも測らないといけない。
○小林委員 そうです。除染の効果を判定するのは水田であれば表層15cmの平均値ですが、粉じんとして問題となるのは表面の高濃度部分で、作業中にも線量率は変化しますから計測は必要であると思います。それが1つ。あと空間線量の場合ですと、我々も当初、測定器が統一されていなかったものですから、いろいろな測定器が並存する中で測定を行いましたが、測定値そのものがバラつくことがありました。例えば、線量率を測る場合の測定器について言うと、この規格に合った物を使いなさいという指示は何かあるのでしょうか。
○安井中央労働衛生専門官 私が答えるのは何か変かもしれませんが、規格はJISとISOしかありませんので、それに基づいてきちんと校正された機械を使ってくださいとしか言いようがないのですが。
○森座長 これだけメンバーが集まっても、実は誰もあまり経験がない話で、機械の話と値の話はできても、どのように測定のデザインを行うかという話が非常に難しいですね。
○中山委員 今度、我々が行うのは試験ですので、モデル除染実証試験ですので、その中である程度試してみることはできます。空間線量の測定法とか、土の中のセシウムの濃度を測るとか、それはもう個々の方法は決まっているので、あとは場所をどうするのかだろうと思うのです。それは、それぞれの汚染場所で決めていけばいいのだろうと思うのです。ある程度、大まかな考えだけで。ただ、やっておかなければいけないのだろうなと思っているのは、今回我々も除染のエリアに行って見ているのですけれども、地震があって汚染がありましたので、除染作業によって壊れそうな建家というものがあるのです。高圧水で除染しようとしたら壁が崩れてきそうだとか。そうすると、思わぬ粉じんが、きっと出るのです。その場その場で、ダストを集める専門の人に聞いて、どこで何時間ぐらい測ったらいいかなど決めていかなければならない話なので。そういったことも考えなければいけないことを書いておかないといけないのかなと思っています。
○森座長 そういう意味で、不可抗力で生じる問題は少し別にして、測定方法の問題と言うより、どこでどう測るかという測定のデザインの問題と、前後で測る土壌の話や作業中の測定頻度をどうするかという話を決めていかないといけないという、枠はそういうことになるのだろうと思うのです。
○松村委員 いまお話を伺っていますと、作業環境測定で、その場の、作業場の中の測定をするのに、やはり、等間隔で区切ったスクリーニングサンプリングと、発生源のそばでのスポットサンプリングでやっているのですけれど、同じような考え方ができるのかなという印象を持ちました。
○森座長 面積が広いと、その間隔をもう少し広く取らないといけないということもあると思います。
○松村委員 そうですね、広くですね。
○森座長 考え方としては、そのような方法が現実的であると思いました。あと、高さを決めてという話がありますね。
○名古屋委員 作業環境を、屋外作業に当てはめた場合、そういう測り方をしていないのです。要するに、屋外をA測定のような形で等間隔で測定するのはまず無理であろうと屋外ガイトラインを作成するときに結論をだしました。なぜかと言うと、風の影響を強く受けて、画一的な方法はできない。そこで、屋外測定では、個人サンプラーを作業者に装着して、濃度が高くなると思われる時間帯で、となっています。10分以上の継続した時間で測定すると決められています。もし作業者を中心に測るのだったら、そういう屋外ガイドラインに相当する測定法が、現実的かなと思います。○森座長 そうなったら、管理区域をどうするかという問題があるので。
○名古屋委員 だから、そうすると。
○古田委員 除染の効果を確認するための測定と、ここで作業者を守るための被ばく管理の測定と、ちょっと議論が混乱しているような気がするのです。今回は、作業者がどれだけ被ばくするか、作業エリアをどう測定するか、それが議論になっているという理解でよろしいですね。
○森座長 そのとおりなのですね。先ほど少し出て、これは多少使えるという話は、土壌中の線量はもちろん除染の効果を見るために測定されるが、土壌の放射線量の結果は、作業者がどのぐらい内部被ばくする可能性があるという予測にも使えるという話です。その際、今回の議論は古田委員がおっしゃるとおり、労働者をどう守るかというほうが基本になるべきであるというのは間違いありません。
○古田委員 そうすると、やはり、測定の高さはですね、作業者の体幹部を代表するような1mの高さとか、そういう所で測るべきですし、そういう意味では、作業者が行動する範囲ですか、そこを重点的に測ればいいと思うのです。
○松村委員 もう1つ、いま名古屋委員が、作業環境測定の屋外作業では風の向きを見てとおっしゃいまして、確かにそうなのですけれども、外部放射線、地面全体が広く汚染されているようなときに、風が影響するかどうかというのは、ちょっと私はわからないのですけれども。あまりしなさそうな気もするのですけれど。
○名古屋委員 除染するときは、地面を重機により地面をはぎ取りますよね。それは当然、その時飛散した粉じんは、風の影響は受けるのではないですか。要するに、作業をしていないときは、何も影響しないかもしれない。でも、除染するときは必ず舞い上がる粉じんが出てくるわけです。そうすると風の影響が出てくる可能性があるし、それから、エリアで何メートル間隔で取るかというと、ものすごく大きな範囲になってきて、1つの測定点がどのぐらい粉じん濃度をカバーできるかということが分かっていないと思います。何も方法がないときにそこをやってしまうと、例えば、田んぼや森林のようなものすごい広い面積のときには、比較的難しいのかなと思うのです。
○松村委員 ただ、今回の管理の基準に測定値の許容範囲などを出す必要がある場合には、やはり、そこの地面の汚染状況を代表する値になるのかなという気がいたします。
○古田委員 研究目的でいろいろなデータを取るのは、いろいろありかと思うのですけれども、例えば、今回、内部被ばくがどれぐらいの限度に近づくかということを考えると、そんなに近づかないような、皆さんがイメージでおっしゃるとおりだと思いますので、ある程度余裕を持って、ちゃんと評価なりをしておけば、そんなに何点も取らなくても十分かなという気がするのです。例えば、線量も、高そうなところだけ測っておいてですね、それで、作業時間を掛けて、これぐらいだねと。それで実際、最終的には個人被ばくの結果を見れば、たぶんそれよりも低くなっていると思うのです。だから、そういうものを確認して、かつ、それが逆転するような場合があれば、そこでまたPDCAを回して見積り方法をいろいろ改善するとか、そういうことをすればいいのです。あくまでも実際にどういうことをやるかを考えると、そんなに細かいことでなくても、高そうな所をしっかりと押えておけば大丈夫なような気がします。
○森座長 線量の高い所を代表値としてやっていけば安全ではないかというお話ですね。
○古田委員 ええ、そうです。
○安井中央労働衛生専門官 例えば空間線量でありますと、世間で言われているいわゆるホットスポット、例えば雨樋の所の線量は高くなっていますが、一番高い所で代表するということですか。
○古田委員 いえ。例えば高い所と平均的な所と両方測って、高い所での作業時間はこれぐらい、平均的ではこれぐらい、そういった考えでいいと思うのですけれども。もともとそんなに高くない所では、高い所を代表としてもいいと思いますが、それぞれの作業単位で、やはり、どれぐらい被ばくするかという計画書をきちっと作って、それで結果と比べてPDCAを回すことが、作業管理という上では大事だと思います。
○杉浦委員 名古屋委員がおっしゃられたように、何と言うのですか、化学物質のものだとA測定、B測定など決まっていると思うのですが、放射線の場合は、外部線量はもう個人モニターを付けるのがいちばん簡単であって、いわゆるエア・サンプラーのようなことをおっしゃられましたけれども、ガラスバッヂなり、もう1つの個人線量計でよろしいと思うのです。それで、いろいろ試算もしていただいているように、外部被ばくと内部被ばくを比べると内部被ばくはかなり線量的には低いということですので、線量計を付けて外部被ばくは管理することでよろしいのではないかなと思います。大きく、場として、どういう場で働いているかを押える意味でのモニタリングでよろしいのかなと思います。内部被ばくについては、ダスト濃度なり、あるいは、先ほど言った広く作業を管理するような所については、代表点を押えるような空間線量率モニタリングと。かなり段階的にやったほうが現実的かなとは思います。
○森座長 そのような意味では、事前に行うべきことと、作業中については基本的には管理区域の測定と作業者の個人被ばくの測定の、2段階でやっていきましょうということですね。
○杉浦委員 放射線の場合、本当に、外部線量は付ければわかりますよね。
○森座長 そのような整理の中で、具体的にどのような方法をやっていくかを詰めていきたいと思います。
○安井中央労働衛生専門官 おそらく、一番難しいのは、空気中の濃度、粉じん量だと思いますので、これを名古屋委員のおっしゃるように作業者の近傍で測る。事前に測るのかあるいは作業中に測るのかといった問題はあろうかと思いますが、おっしゃるように、空間線量は測定基準が徐々にわかってきました。あと、路上のほうは対角線に取れればいいこともあろうと思います。また、空気中線量につきましては名古屋委員とまたご相談させていただきたいと思います。
○森座長 特に触れておかないといけないこととして、着替えのポイントとか、スクーリングポイントとか、作業場から空間的にまたは時間的に離れたところをどのように設定するが、またどのような形でスクリーニングして作業を終わりにするのかがあります。これらは現場の様子がわからないと、どのように線を引くかもよくわからないことになります。この辺について、既にテスト的にされている事例ではどのように区別されているのですか。
○小林委員 発じんの場合については、通常、作業をしていなければ、ほこりはそんなに立ちません。例えば、表土を削るときのオペレーターや削った土を袋に詰めている所は確かに発じん量が多いのですが、それ以外の作業を止めているときは、そんなにほこり自体が問題になることはありません。私たちの場合ですと、そばにワゴン車を持ってきまして、そこの中で休んだりしています。そうしないと作業現場の周囲に屋根があるような所がなかなかないものですから。それがいいのかどうかはちょっとわかりませんが。
○森座長 1つの案として、作業場から十分に離れるという方法と、そのような形で閉鎖的な人工的な環境を作るという2つの方法があるということですね。
○松村委員 アメリカの、Hazardous Waste Operationという法律を見ると、やはり、シャワーなどが書いてあるのです。アスベスト災害でも日本はシャワーを使っていないのですけれども、アメリカの法律ではシャワーが書いてあるのです。なかなか、これは辺鄙な地域もあるわけですから困難だろうとは思うのですけれども、作業着やそういう物は各自が勝手に持って行って洗っているわけですよね、たぶん。
○小林委員 それか、使い捨てか、どちらかですね。
○森座長 これも、先ほどの段階的にどうするかという、保護具全体の議論と同じですね。
○松村委員 そうですね。
○森座長 高線量の所は、カートリッジを使い捨てにするといったようなことは、当然必要になってきますね。
○松村委員 使い捨ての防護服は相当使われているのですけれど、密閉服という名前なのですけれども、あれは決して完全に密閉するものではなくて相当中に入るのです。JISそのものが完全に密閉することを全然決めていないので。ただ、大きな汚れはカットしますけれども、細かい粒子は中に相当入ります。その程度は普通の家庭で洗濯してしまえばいいということでしょうかね。
○森座長 後で出てくる、スクリーニングですね、汚染のレベルを。
○安井中央労働衛生専門官 汚染を測って、汚染が高い物はもう捨ててしまうことだと思います。それは家庭に持ち帰らないほうがいいと思います。スクリーニングで表面線量、カウント数を測って考えることだと思いますが、それではそのカウント数をどうするのかという問題があります。
○森座長 基本的には、少なくとも粉じんが舞っていない所でスクリーニングをしなければいけないということはありますが、それでは、スクリーニングをしたときに、当然、どこで汚染とするのか、予洗しなければいけないのかという基準を決めておかなければいけないけれども、いまは、非常に低い値で4Bq/hということで、バックグラウンドではとても測定ができないレベルなので、それを10倍の40程度だったらどうかとか、そういう話ですね。
○安井中央労働衛生専門官 確認ですが、例えば、林業などですとワゴン車の中というわけにはいかないでしょうか。
○金子委員 作業する場所によりますが、いまは生活圏の近くでやることを考えているから可能かとは思うのですが、生活圏から離れていくと、なかなか難しくなっていくとは思いますね。休憩をどう取ったらいいのかなど、いろいろとイメージしていたのですが。そういう中で、経口による汚染が高いという話がどなたかからあったのですが、実際、作業していると非常に汗をかいて、例えば夏場ですと、作業している人は水を4リッターぐらい持って行って、作業している中で飲むといいます。それをやらないと仕事できない状況なので、そういう場合にどうしたらいいのかなと考えていたのです。本当に、いちいち水を飲むために作業を離れなければいけないのか、どうすべきなのかと考えていました。
○森座長 夏場の話だけすると、恐らく、熱中症対策で気温などの状況によって連続作業時間を決めないとどうにもならないので、例えば1時間なり1時間30分として、そのときには、そこで飲食するのではなくて少し距離を置くことを前提とした場合、その距離がどのぐらいだったら現実的かという話ですね。
○金子委員 そうなのです。
○森座長 1kmだったらとても大変だけど100mだったらできるのかとか、そういう話になりますね。
○金子委員 ええ。ただ現場で、放射線量が高い場所でも、ほこりなどは時間が経てばなくなるのですが、10分歩いて行っても空中線量率はさして変わらないので、移動するだけの意味があるのかどうかということです。
○森座長 いまの飲水の話は、あくまでも内部被ばくの話なので。外部被ばくは、個人ごとに線量管理をするという考え方しかできないのではないでしょうか。
○金子委員 なのですけれど。ただ、休憩場所に行く意味が、実際にあるのかということがちょっと理解できません。
○森座長 だからそれは、先ほどあった、粉じんが舞っている所で飲食をすると内部被ばくの危険性があるということが前提ですよね、この議論は。
○金子委員 ですから、粉じんが収まるまで待てば、別にそこから離れなくてもいいのではないかと。現実に作業を行ってみて、そんなに粉じんが出るものではないなという感じがするのです。
○松村委員 その地域全体が汚染されていれば、どれだけ歩いて行ったらいい所に出るのかわからないですよね。
○森座長 距離を明確にするのは難しいですね。
○安井中央労働衛生専門官 林業の方ですと、もともと休憩を休憩場所で取るという習慣はないと思います。その場で休むというのが基本ですから、少し馴染まないとは思います。放射線管理は時間管理であり、作業するときと休憩するときとで、場所と時間を分けることが通常です。
○金子委員 考え方としてはわかるのですけれども。
○安井中央労働衛生専門官 そこは、少し作業の文化的には難しいかもしれませんが、ある程度の管理は必要になると思います。
○森座長 現実的でない規則を決めてしまうと、結果的に決まりを破ってしまいますね。
○金子委員 それか、一斉にやるということになるのですね。
○森座長 いずれにしても、粉じんがもうもうと舞っている所において飲食を許可する話にはならないと思うので、その方法を、それぞれの作業ごとにどう設定をするべきかですね。距離を離すのか、それ以外の方法とするか。
○金子委員 一斉に休むという方法もあると思うのです。粉じんが収まるのにはそんなに時間はかからないので、一方で作業しながら、片方で水を飲んでいるというのはまずいと思うのです。
○森座長 そこのところも、いくつかの選択肢を示すしかないですね。それから、先ほどのスクリーニングに関して、除染をしなければならない基準についてはいかがでしょうか。
○杉浦委員 これは、安全委員会が示している1万3,000cpmしか選択肢はないのではないでしょうか。
○森座長 1万3,000cpm。
○杉浦委員 10万と言っていたのが、先月ぐらいですか、下がりましたね。
○森座長 下がりましたね。
○安井中央労働衛生専門官 1万3,000cpmは40Bq相当でした。
○杉浦委員 一応、そうでしょう。
○安井中央労働衛生専門官 い核種は何かとかありますが、一応、はい。
○森座長 それ以上下げても、もう、何を測っているかわからなくなるのでしょうね。
○杉浦委員 例えば、一時立入など、全部いま世の中は1万3,000cpmで動いていますので、それを別の数字を使うのは、すごく積極的な理由があればと思いますけれども、全体で統一しておいたほうが安定かなと思います。
○森座長 それでは、そういうことで。それ以外に、局所排気装置云々の話ですが、屋外で局所排気装置というのはあまり現実的ではないので、屋外と屋内で分けるのと。それと、議論の中で、この辺は松村委員に今後もかなり指導をいただかなければいけないのですが、どういう作業でどういうばく露の可能性があることに対して、保護具をどうしていくか、そういう段階分けですね、捕集効率も含めて。その辺りを作っていかないといけない。
○松村委員 それも本当に被ばくの程度で、例えば、呼吸を環境の100分の1にしたいときに、マスクとしては選択の余地がどのぐらいあるかということはありますけれども、ただ、単純に、内部被ばくの危険性をどれだけ減らさなければいけないかだけです。ただ、それもある程度、事前にわからないと意味がないのですね。だから、それはもう、どれぐらい発じんするかは、マックスを見積もって、あとはその土壌なり、対象物がどのぐらい汚染されているかで、私が試算したような上限設定で計算して、こういうときはこうだと。作業列挙もあるかもしれませんが、ちょっとそれもしにくいので、どうしたらいいですかね。粉じん濃度を。
○安井中央労働衛生専門官 粉じん濃度をその場で測る機械が常にあるとは限らないと思います。理想から言えば、こういう作業をするときにはこういう対策など、ある程度、作業を類型化してやれればいいと思います。例えば、表土を剥ぐ作業は高粉じん作業、中粉じん作業、低粉じん作業のどれに当たるかというように分類できれば一番いいかなと思います。
○松村委員 作業列挙ということをよくやりますよね。
○安井中央労働衛生専門官 そういうものが何か知見としてないでしょうか。結局、ダスト濃度を測ってみて、その結果から演算しないといけないと思うのです。
○名古屋委員 ただ、マスクの場合、今回のケースはアスベストとかナノと違って、要するに、粒形そのもの自体はそんなに小さくないわけですから、そんなに防護率ハードルが高いマスクではなくてもよくて、防御率99.9%は要らなくて、もっと楽な95%なマスクでも大丈夫と思います。ただ、量が多いときにオーバーフローするかもしれない。あと、装着が悪かったら粉じんはマスク内に入ってくる、そちらのほうが問題であって、それほどマスクをきちっと規定しなくても大丈夫なのかなと思います。マスクのグレードを高くするよりは、やはり、マスクを正しく装着する教育をきちっとするほうが遥かに大事だ、マスクの選定よりはそちらのほうが大事かなと思います。
○松村委員 その辺も含めて、一応、私が試算をしております。マスクというのが、漏れが21頁にプロットがあるのです。これは日本のプロットではなくてアメリカのOSHAが集めたプロットなのです。半面マスクをして、この縦軸が漏れ率の逆数なのです。だから、高いほど漏れがないのです。こんなにバラつくのですね。10で横線が引いてありますのは、10%漏れているという意味です。それから、いちばん上が10万ですけれども、これは10万分の1しか漏れないということです。ですから、半面形面体でも着け方でこれだけ違うし、2.5%ぐらいの人は10%よりももっと漏れているのです。着け方によって50%、70%漏れている人もいるのですね。だから、いま名古屋委員がおっしゃったように、マスクを着けることについては教育して欲しいと思っています。
○森座長 ありがとうございます。後の労働者教育のところでも出てきますが、保護具の着用については実技を含めて教育をしないといけないですね。
○松村委員 そうです。
○森座長 フィットテストも含めてですね。そうしないとマスクを着用しても、意味がなくなってしまうと思っています。それでは、そのような形で類型化をして保護具を決めていくということで行きたいと思います。類型化には、もちろん測定ができればその結果に基づいて対応する方法方法もありますが、それが現実的でなければ、作業区分を作っていく、そういうやり方で、データがあるもの、ないものを集めながら、作業を進めていくことになるかなと思います。それから、残りの項目を考えると、最終的に時間がオーバーすることになりそうですので、その点、ご協力ください。5番、6番、7番について、事務局からご説明をお願いいたします。
○安井中央労働衛生専門官 37頁からご説明いたします。5「労働者教育の内容」につきましては、法令上、雇入れ時・作業変更時の教育は、こういう項目が一般的にあります。また、例示として、原子炉で作業する方の特別教育、これは時間が7時間と決まっている教育ですけれども、そういうものがありますということを示しつつ、除染作業ではどういう教育が必要かということです。委員の方からのコメントとしましては、アイソトープの取扱いを参考とすべきではないか、先ほど森座長がおっしゃったように、保護具の着用の実技であるとか、あるいは基本的な放射線に対する知識は短めにして、もっと具体的な教育を多くなどです。あと、管理監督者教育は労働者教育とはまた別にやるべきではないか、そういったご意見がありました。我々が考えております留意事項としましては、今まで1から4でいろいろと議論を行ってきた内容を、適切に実施できるよう教育内容にフィードバックしていくのが一番現実的かなと考えております。また、教育時間につきましては、先ほどご議論がありましたけれども、5年100mSvとか、そういう数字を本当に使うのであれば、やはり原発と同じぐらいの時間数は要るのかなと考えております。
 6番です。これは「健康管理のための措置」です。これはご案内のとおり、電離放射線特殊健康診断がここの?から?、皮膚の検査まで入れて5つありますが、これを実際に除染のときにどうするのかという議論があります。森座長からは、雇入れ時、あるいは配置前の健診はきちんと電離則に基づいてやったほうがいいのではないかというご意見でした。それから、臨時作業の場合でも、雇用関係に基づき行う場合はやったほうがいいということ。さらに、内部被ばくを含む測定をするのであれば、ばく露レベルによっては、当然、健診項目の省略もあるのではないか。常時性のある労働者につきましては、安衛則45条、これは一般健康診断を半年に1回行うという条文で、要するに、特別な項目ではなく一般健康診断の頻度を上げるというという1つの解決策もあるのではないかということです。それから、古田委員から、今回はセシウムの汚染に特化した健診項目であるべきではないのかというご指摘です。我々がいま考えております留意事項としましては、当然いろいろと議論はあるわけですけれども、例えば原子炉のように、mSv/hの単位で一度に被ばくすることはなかなか考え難い。一方、粉じんによる内部被ばくは比較的大きいのではないかということと、高濃度汚染土壌を扱うことがあるということで、そういった観点から健診項目を選ぶ必要があるのではないかと考えております。
 7番は39頁です。これは全般的なコメントで、安全衛生管理体制全般についてきちっと明記する必要があること。また、一般的な取組みとして行われております、リスクアセスメントを積極的に取り入れるべきだというご意見をいただいています。説明は以上です。
○森座長 それでは、残り時間が短かくなりましたが、5の教育についてご意見をいただきたいと思います。基本的に、作業の具体的な方法に重点を置きながら、一方で、基本的な知識も合わせて相当の時間を実施してはどうかという原案になっています。これについてご意見をいただければと思います。
○古田委員 教育の項目とかその辺は、やはり限定して、今回の作業に限定した教育に特化したような形がいいと思います。あれもこれもでは、たぶん労働者のほうも入っていかないと思いますので、だらだら時間を長くするのではなくて、ポイントを絞って、関係するものだけをきちっと伝えることが大事かと思います。
○森座長 いまのご意見は、場合によっては、現行の電離則の時間よりも短めでも、もっと絞るべきではないかという。
○古田委員 教育内容をきちっと伝えること、例えば、ここに書いてある、原子炉施設において云々かんぬん、これはどちらかと言うと要らないような気がします。これよりも、散らばった放射線物質は集まるとどれぐらいの線量になるかとか、そういった、実際の作業に則したような教育が必要かと思います。
○森座長 ほかに、いかがでしょうか。このイの中にある項目のうち、原子炉に関わる所は基本的に要らないから抜いて、一般的な放射線に関わる一般論の話は、時間は別にして、これはやったほうがいいだろうと。実際の作業の方法について具体的に、先ほどの保護具の問題も含めてやること自体にどのぐらい時間が要るかという話で、考え方としてはトータルの時間が決まってくるということですね。
○金子委員 最初のこととの関係を含め、ゾーニングというか、薄い場所を除染するときにも、ある程度これをやるということになるのでしょうか。
○森座長 この話は先ほどの管理区域内の話だと思います。
○金子委員 区域内だけに限るということですか。
○森座長 そうなりますかね、これは。
○安井中央労働衛生専門官 それは、いろいろ考え方があろうかと思います。先ほど来、議論があります5年100mSvという職業性被ばくを適用する方は厳しくし、もっと低い所で管理する前提の方は簡単にするというレベル分けの考え方もあろうかと思います。
○森座長 管理区域の場合は基本的に、先ほどもありましたけれど、何らかの法規制の対象にするわけですから、かなり細かく書かないといけない。しかし、それ以下についても、こういうことに準じてやることが望ましいとか、そういう話のガイドラインになるのかなという感じですね。
○金子委員 ええ。そういうほうが現実でいいとは思います。
○森座長 では、いずれにしても要らない部分ですね、原子炉に関わる所は今回は抜いて、実質的な作業に関わることに重点を置いて、一般の放射線知識はもちろん入れますけれども、合わせてやっていくことで、最終的にそれが時間が何時間になるか、そこで逆算していくことでよろしいでしょうか。
 それから、健康管理のための措置ですが、私が意見をいくつか出してあるので説明します雇入れ時又は配置前の健診云々と書いてあるのは、多くの場合、後でいろいろなことが起きたときに、そもそも前はどうだったのだということが1つ問題になることがあります。これは保護対策とともに補償対策の意味でも必要になるので、こういう考え方はやはりあったほうがいいのではないかということで入れています。低線量とか、高濃度でも、少なくとも急性被ばくが考えられない労働者にも、一方で様々な健康への配慮が必要だとすれば、何らかのものが必要だということです。つまり、電離則でカバーされている労働者も実は電離健診だけをやっているのではなくて、45条健診として一般健診を年2回受けているのが基本になっています。電離則の健診ができなくても、常時このような作業をしている人の場合には特定業務従事者健診の対象にしてはどうかという考え方で、私からこの2点で示してあります。それ以外の範囲をどうするかは、いろいろな考え方があると思います。ただ、古田委員からあるように、不要な内容を続けて行うことは少しおかしな話だということは、その通りだと思います。杉浦委員、何かございますか。
○杉浦委員 はい。今年1月に2007年のICRP勧告の取り入れについて、放射線審議会が中間報告を出していて、これに限らず放射線の特殊健診は要らないと言っているのです。ですので、1回目は確かに基本的な情報を押えることが大事なのですけれども、線量がどのぐらいになるかを考えれば、限度を超えなければ要らないと言っておりますので、基本的には、特殊健診はしないで、有害業務のところで、6カ月に1回ですか、そちらの一般的な健康診断をやっていただくというのが私の意見ではあります。
○森座長 基本的には、同じ意見ということですね。
○杉浦委員 それ以上言わなくてもいいのかもしれませんけれど、そこがすぐには難しいのであれば、是非とも、いま電離則で除外規定・省略規定で言っている5mSvを使っていただいてやることも考えたいと思います。まだ中間報告を出しただけですので、それを真向から取り入れるのも議論があるかもしれませんが、是非、線量による省略規定が現行の電離則にもありますので、その辺の数字を参考にして決めていただければと思います。
○森座長 基本は、雇入れや配置前以外は特殊健診は要らないと思いますが、どうしても電離則を適用するのであれば、省略が積極的にできるようにしたらどうかというご意見ですね、いまのは。基本的にはこういう方向でよろしいですか。
○古田委員 はい。杉浦委員の考えに賛成します。
○森座長 それから、7番です。
○古田委員 すみません。6番のいちばん下ですけれども、議論にあたっての留意事項のアの?「粉じんによる内部被ばくのおそれが比較的大きいこと」、これはmSvはそんなにいかないと思います。その次の「高濃度汚染土壌を扱うことによる局部被ばくのおそれ」、これはβ線についても割合がそんなに高くないです。局部被ばくのおそれが大きいと言われてしまうと、では不均等被ばくの管理をするのですかと変な誤解を生じやすいことと、γ線のエネルギーも0.6MeVで結構高いですので、局部被ばくのおそれは大きくないと思います。そういう意味では、ちょっとこの辺は修文したほうがよろしいかと思います。
○安井中央労働衛生専門官 わかりました。
○杉浦委員 それであれば、皮膚線量だと限度が10倍ありますね、等価線量で。ですから、先ほど5年100mSvだけのような形だったですけれど、皮膚の等価線量も入れておけば10倍を超えないことで、局部被ばくについて、そこまでβ線の被ばくがないということで、そこもクリアできるのではないですか。
○古田委員 実際に我々は汚染土壌、東電さんの構内にあるものを使って、いろいろと実験をやったのですけれども、軍手1枚はめるだけでも半分以下にβ線の線量は下がってしまいます。そういう意味では、β線関係の末端被ばくとか、組織線量である皮膚被ばく、その辺はあまり関係ないかと思います。
○森座長 これは定期的に健診を6カ月に1回やる話なので、もし局所の高線量の被ばくがあったらその段階で何か症状が出て云々という話とは別の話ですね、これは。それから、7番の私のコメントは、これはあくまでもガイドラインでという話なのです。先ほどの、熱中症の問題も含めてですね、作業者は放射線のリスクだけではなくて複合リスクに晒されているので、法律の規制はそうなのですが、実際の作業においてあまりにも1つのリスクだけに特化してやっていくと、ほかのリスクが逆に高まることがあり得るのです。こういうことを是非ガイドラインでは強調して欲しいということです。よろしいでしょうか。福島第一原発の中での作業も、まさしくそのようなことが起こっているので。
○安井中央労働衛生専門官 安全管理体制につきましては、当然、一般的なものがございますので、それはきちんと規定することになると思います。
○森座長 非常に駆け足で、一応、7番までしたということにさせて頂きました今回も、次回に向けて事務局から情報提供の依頼などもあると思います。皆さんには、毎回宿題をお願いする形になってしまって申し訳ありません。残り、少しだけお時間をいただきまして、実は、資料の3でまだ触れていただいていない所がありまするので、その説明を事務局にお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 8頁以降に、主に環境省さんから提出された資料に対する質問と回答がございます。直接説明されますか。
○廣木課長 基本的に、ご覧いただければわかる話だとは思いますけれども。
○安井中央労働衛生専門官 16番からですね。表面線量の所で、「避難区域など人がいないような場所を運搬する場合は運転者の被ばく防護のみでよいでしょうか」に対しては、除外規定を設けることは適切ではないということと、実際に運行計画を作成して周辺への影響を最小限にすることだそうです。
 排ガス・排水口における濃度限度の監視につきましては、今後検討をしてガイドライン等に示すことだそうです。
 それから、即日覆土につきましても、作業員の被ばくを1mSv/年に抑えるという観点から、一日の作業終了後に覆土すること。また、飛散防止や立入防止につきましては、通常の廃掃法でも設けられている措置であること。それから、?の措置は保管の際に行われるということですので、埋立ては少し異なるということです。
 それから、金子委員からご質問のあった、「ガス抜き」とは何か、あるいは、濃度限度を定める際の分母の数字に関してです。まず、ガス抜きにつきましてはガイドラインで今後、明確化する。分母の数字は電離則でも同じ数字を使っておりまして、それぞれ核種ごとに濃度の限度が違いますので、それをキャンセルするための数字で、セシウムだけ考えるときには細かく考える必要はないものです。単純に、2つ足して1万Bqを超えれば規制の対象となるとご理解いただければいいと思います。
 促進的取組みとは何かということについては、先ほどご説明いたしましたように、義務ではなくてガイドラインで、望ましいことをやる場合もあるということです。
 事業者の請負ですが、これはまだ決まっていない所もあろうかと思いますけれども、基本的には、国又は地方自治体からの発注を受けた事業者に限られるという理解です。費用負担につきましては、私はよくわかりませんが、放射性物質汚染対処特措法に基づき講ぜられる措置ではないという解釈を環境省さんは取られているということです。
 除染作業従事者の規模についてですが、これはご回答がなかったのですが、何かございますか。例えば予算の規模など。
○水原補佐 あくまで、除染に関してではありますが、3次補正で要求している除染関係の額としては約400億円、これぐらいの規模で予算も計上している状況です。規模感の意味でご参考までにということです。
○安井中央労働衛生専門官 一般的な公共事業的に言うと大変大きな額ですので、人数としては相当な人数になるという予想はできるかと思います。私の説明からは以上でございます。
○森座長 ありがとうございます。
○安井中央労働衛生専門官 何か追加のご質問等があればお願いします。
○大迫委員 私も国立環境研のため、環境省の廣木さんに聞くのもと思いますが、9頁の22番の質問です。費用負担は、法上はこういう解釈の仕方はあり得るということで、5mSv以上の管理区域的な話は、先ほど話したように、警戒区域の辺りがなるのではないかという話も事務局からありました。そうなると結果的に、除染に関しても、廃棄物の処理に関しても、国が事業を担うエリアになるわけですね。国が発注することになるわけです。そのJVで元請けさんが取って、その元請けさんは、働かせる人に、今回決まるルールに基づいた管理のための責任が生じるわけで、それをそもそも、いろいろな管理費用の中に、当然、事業を進める上では見込むのではないかと思うわけです。それを今回の国が発注する金額の中には入れないことはおかしいと思いますし、そもそも、そういった管理体制が整っている会社が、落札できる、入札する要件として盛り込むべきという議論も、今回の議論の検討上であると思います。もう少し厚労省と調整、議論していただく必要がないでしょうか。
○水原補佐 よろしいでしょうか。ここに回答させていただいた趣旨としましては、例えば、JVで何か作業を請けられた方が除染対策を講じた、その額を直接、費用請求するかどうかと言うと、そうではなくて、あくまでも実態としては、工事を発注した中で一般管理費などそういった所で、防護対策などそういったものが積まれていくので、結果としては事業者の工事の発注額の中には含まれてくることになると思います。あくまで、法律の枠組みの中で事業者がこういったことをしたら国に請求して、それが別枠でお金が下りてくるとか、そういったことではなくて、実態としては工事の額の中には含まれると考えております。
○大迫委員 実態としてはそうなりますね。
○古田委員 ちょっと、1点だけですけれども。18番です。8,000Bq/kgを超える埋立てのときに、毎日覆土しろというような基準があるのですけれども、これは覆土することによって生じる作業者の被ばくについて、そちらのほうが大きいとか、そういうことをちゃんと評価した上でこのルールが決められているのですか。この、毎日覆土する必然性が、聞いていてよくわからなかったのですけれども。
○廣木課長 もともと、毎日覆土をするというのは、作業者が翌日作業をするときの被ばくを抑えるという観点ももちろんそうなのですけれども、周辺住民の被ばくを抑える観点も含めてやるということで設けているわけです。
○古田委員 距離が十分取られていて被ばくの可能性がない場合でも、常にこれをやれという趣旨なのですか。
○廣木課長 結局、放射線防護の話もそうですけれども、基本的には覆土によって放射線被ばくを抑える観点で、毎日行うことを想定しています。ですから、当然、作業者の観点で言えば、作業時間の中できちんと行うことで考えていますので。
○古田委員 即日覆土というのはマストなのですか。毎日必ずやらなくてはいけないというルールですか。
○廣木課長 これは基本的にはそのように考えております。
○古田委員 ちょっとよく理解できないです。
○森座長 ご質問の趣旨もわかりますが、そうなっていますというお答えしか、きっとできないといった話なのだろうと思います。大体これで質問は出尽しましたし、座長の不手際で少し時間をオーバーしてしまいましたが、これで今回の議論は終えたいと思います。最後に、次回以降の予定について事務局からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○安井中央労働衛生専門官 次回は11月14日13時半から15時半を予定しております。以上です。
○森座長 ありがとうございます。ではこれで、第2回の除染作業等に従事する労働者の放射線障害防止対策に関する専門家検討会は、終わりにしたいと思いますが、事務局からは、最後に何かありますか。
○安井中央労働衛生専門官 また前回同様質問等がありましたら2日後の、水曜日ぐらいまでにいただければと思います。
○森座長 ではそういうことで、何かあればお願いします。それでは、これで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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