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2011年8月29日 独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会(第11回)議事録

○日時

平成23年8月29日(月)13:00~14:30


○場所

厚生労働省専用第15・16会議室


○出席者

   永井部会長、猿田部会長代理、内山委員、夏目委員、花井委員、三好委員、和田委員


○議事

○永井部会長
 定刻には少し早いですが、皆さんおそろいのようですので、ただいまから第11回独立行政法人評価委員会高度専門医療研究部会を開催します。委員の皆さまにはお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。本日は、祖父江委員と本田委員が欠席の連絡をいただいています。初めに事務局から議事について説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 本日は議事次第のとおり、国立成育医療研究センター及び国立国際医療研究センターに関して、財務諸表に関する意見及び総合評価について審議をしていただきます。
 審議案件の進め方について説明します。?財務諸表に関する意見については、担当委員である和田委員からヒアリングの結果をご報告いただき、それを踏まえてご審議していただきます。?総合評価については、8月10日の個別評価の結果に基づき、起草委員において起草していただいた総合評価の案及び評価シートの「委員会としての評定理由」案等についてご審議をしていただきます。個別評価時にご記入いただいた評定記入用紙についてはご参照していただきますようお手元に置かせていただいています。後ほど、本日の審議等を踏まえ、評定記入用紙を確定していただく時間を設けさせていただいていますので、よろしくお願いします。議事については以上です。

○永井部会長
 ありがとうございました。まず、総合評価書、財務諸表に関する意見について起草委員の方々にお忙しい中ご尽力いただきありがとうございました。財務諸表に関する意見について、独立行政法人通則法第38条に基づいて、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で厚生労働大臣が承認することになっています。和田委員からご説明をお願いします。

○和田委員
 独立行政法人国立成育医療研究センターの財務諸表について財務諸表の分析並びにヒアリングの結果についてご報告申し上げます。お手元にある財務諸表等に関するご意見です。当該財務諸表等については、新日本有限責任監査法人の監査並びに監事監査ともに適正であるというご意見がついています。また、新日本有限責任監査法人からは別途監査結果説明書をご提出いただいています。それらを参考に見させていただいて、当該財務諸表は適正に作成されていると思量されます。
 国立成育医療研究センター当該財務諸表等の全体の概要を申し上げると、実績は事業費用が189億5,400万円、事業収益は201億7,200万円、事業損益は差し引きして12億1,700万円の利益となっています。事業収支比率は106.43%です。事業費用、事業収益、事業損益とも対計画を大幅に上回っています。セグメント別の事業損益を拝見すると、研究事業で3,900万円の損失を、教育研修事業で4,500万円の損失を計上していますが、臨床研究事業で3億6,600万円、診療事業で8億8,800万円、その他情報発信事業の2,900万円、法人共通でも1,800万円、それぞれ利益を計上して、トータルで先ほど申し上げた事業損益は12億1,700万円でした。
 この結果、貸借対照表を見ると、資産合計が551億1,500万円、純資産合計が395億2,200万円、純資産比率は71.715%です。負債のうち、長期借入金は95億6,300万円、したがいまして借入金比率は17.35%です。長期借入金の期首残高は101億9,800万円でしたが、返済が6億3,400万円、当期末残高は95億6,300万円と減少しています。以上、総合して国立成育医療研究センターの財務諸表は適正であり、かつ財政状態、経営成績とも大変優良な数値でした。また、利益処分案も新日本有限責任監査法人並びに監事の方の適正であるというご意見ですので、私も特に問題はないと判断しました。以上です。

○永井部会長
 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見ありますか。よろしいですか。もしありませんでしたら、平成22年度の財務諸表に関する意見として、資料1-1の案のとおりに修正意見はないということで、これを厚生労働大臣に提出したいと思います。よろしいですか。
(各委員了承)

○永井部会長
 ありがとうございました。そのように取り扱わせていただきます。
 続いて、国立成育医療研究センターの総合評価についての審議です。起草委員である内山委員からご報告をお願いします。

○内山委員
 国立成育医療研究センターの平成22年度の評価結果について講評を述べさせていただきます。評定に当たっては、1.評定の結果、2.各委員の評定コメント、3.また前回8月10日に開催されたおりのご議論の内容などを踏まえて、平成22年度の業務実績について中期目標に掲げた内容に照らして総合評価書を取りまとめています。
 全体の評価としては、独法移行初年度から積極的な業務運営の効率化と収支改善に向けた取組により、中期目標に掲げる経常収支にかかる目標を達成したことに加え、純利益11億8千万円を計上するなど、特段の実績を上げたことは大いに評価されると思います。
 研究・開発においては、臨床研究センターを開設し、産官学の連携を推進し、共同研究の実施数を増加させるとともに、小児専門医療施設の大部分を小児治験ネットワークで結び、治験推進の基盤整備に取り組んだこと。また、ヒト胚性幹細胞、いわゆるES細胞、3株を樹立し、京都大学に続き日本で2施設目となる画期的成果を上げたことは極めて高く評価されると思います。
 医療の提供については、世界最多となる年間小児肝移植症例数を実施し、生存率92%と良好な成績であったとともに、先進医療である「双胎間輸血症候群に対するレーザー手術」は最新のEBMで、双胎間輸血症候群に対する第1選択治療となっておりまして、しかも日本全体の40%の症例を施行したことも極めて高く評価されると思います。
 人材育成については、研究所と病院における人材交流を推進するとともに、大学又は企業との交流も積極的に行った。医師のみではなく看護師及びコメディカル等についての実習の受入れ、センター以外の医療従事者等に向けた研修会を多数実施したことは大いに評価されると思います。
 情報発信については、全国の小児集中治療関係者との共同研究により、小児集中治療の現状と問題点を明確にし、改善すべき点について提言を行ったことは大いに評価されると思います。
 また、平成16年から網羅的に行ってきた遺伝子ネットワークのデータベースを全世界に公表したことや移植手術の技術指導のため生体肝移植チームをエジプトに派遣し、成果を上げるとともに、研究者等の受入れを行うなど、国際貢献に寄与したことも大いに評価されると思います。
 いま申し上げた点などを評価して、全体として、国立成育医療研究センターの設立目的に添って適正に業務を実施したことを評価する内容としています。以上です。

○永井部会長
 ありがとうございました。総合評価書の中で、国民からの意見募集について意見が寄せられています。法人から説明をお願いします。

○国立成育医療研究センター研究所長
 国民の方々からいただいたパブリックコメントにおいて、動物実験に関してのご意見をいただいています。当研究センターの業務実績報告書に対する意見募集の結果について回答させていただきます。当センターにおける動物実験は、平成18年に厚生労働省が定めた厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針を踏まえて、動物実験規程の2項に3Rの原則が明記されています。また、実験動物委員会の設置など適切な対応を行っていますが、今後も動物愛護に配慮しつつ、研究を実施してまいりたいと考えています。
 なお、当研究センターの重要な役割である臨床研究事業の推進に当たって、新たな臨床研究を行う前にその実施可能性を探求するために、前臨床試験である動物実験を行うことは極めて重要な意義を有しており、当研究センターがその役割を適切に果たしていくためにも動物実験を行うことができる環境が整備された施設において、引き続き厳正な手続きの中で、動物実験を行っていくこと自身が大変必要なことと考えています。以上です。

○永井部会長
 ありがとうございました。ご報告いただいた総合評価書案についてご意見、ご質問等ありましたらよろしくお願いします。

○夏目委員
 2点ほど申し上げたいと思います。1点目は、この評価委員会でいつも申し上げるのですが、効率化による収支改善の実績をどう評価するかということに関してですが、当センターは非常に努力されて、先ほどもご説明がありましたように、経常収支率106.4%ということで、5年間累積で収支相償という目標に対して、初年度から6.4%も上回っているということで、大変努力していると思います。私は、個人的には5%を超えれば大幅に上回っているという評価をしてもいいのではないかと思っていまして、評価書を見ると、最終的にはAになっているのがいかがなものかなというのが私の意見です。
 それに関して、この項目については収支だけではなく、例えば材料費、あるいは一般管理費、医業未収金という項目もあるのですが、材料費も24.3%、病院の性格によっても違うのかもしれませんが、非常に高いレベルというか、非常にいいレベルだと聞いています。また、一般管理費は5年間で15%減、最終年度15%減にしろというところを初年度で21.1%減と。これも上回っていると。さらに医業未収金は縮減が中期目標になっていると思うのですが、横這いの0.05%ということだと思います。これも病院の性格によって違うと思いますが、私がほかの病院等の評価をしている際に、0.05%という高水準のところはないように見受けています。そういう意味で、トータルでこの項目の評価についてはもう少し温かくしてもいいのではないかというのが1点目の意見です。
 2点目は今度は逆です。最後のその他の業務運営に関する事項についてですが、最終的に皆さまのご意見ではAとなっているのですが、私は若干意見がありまして、業績評価制度を導入していますが、まだいちばん大事な一般職員に対しては、実質これからということになっていまして、やはり業績評価は一般職員にきちんと入れていくことがいちばん大事なので、そういう意味で上回っているという評価ができるのかというのが1つと、もう1つ、中期目標、中期計画にアクションプラン、センターのミッションを理解し、センターのミッションを実現するために必要なアクションプランを立てて、具体的な行動に移すことができるように努めるというのが中期計画です。中期計画は5年間だから、5年間の間にアクションプランを作ればいいということではいかがなものかと。やはりほかのセンターでももうアクションプランを作られて、職員に具体的な行動計画という形で徹底しているところも多くあります。そういう意味で作成中と聞いていますが、この辺についてはもう少し早く作成していただいたほうがいいのではないかということでありまして、ここは少し評価が若干逆に甘過ぎるのではないかという感じがいたします。以上、2点申し上げます。

○永井部会長
 ありがとうございました。最初の点は11番目の項目ですか。効率化による収支改善という。

○夏目委員
 そうです。

○永井部会長
 次のは14番目の項目のことですね。

○夏目委員
 はい。

○永井部会長
 評価のS、A、B、C、Dは結構幅のあるものだとお考えいただきたいと思います。各センターにご説明していますが、点数をつけて平均が4.5以上の場合にはS、3.5から4.49の場合にはAになっています。Aがたくさん並んでいますが、実際切上げのAと切捨てのAとがあるということで、夏目委員のご指摘の最初の部分のほうは損をした切捨てのAで、最後のところは得をした切上げのAであると。そういう中で、最終的にどの辺に落ち着けるかはもう少し議論が必要かもしれません。ただいまの夏目委員のご意見としていかがですか。前にもお話しましたが、計画どおりはBであると。それを上回った場合にはAで、想定外に近いような大きな前進が見られた場合にはSがつくということです。この辺も多少各委員の点のつけ方においてもばらつきが出ている可能性があるかと思いますが、いかがですか。

○花井委員
 各独法でも同じような意見を申し上げているのですが、基本的に絶対評価に努めると。運営費交付金の額にしても、研究者の数にしても、それぞれ違うところでスタートしていて、規模も違うから純粋に、6独法あって、ミッションが結局似たようなところなので、ついつい相対的に見えてしまうところがあるのですが、そうすると正しい評価にならないだろうということで、絶対評価に努めるというところが基本としてあったと思うのですね。
 一方で、そうなってくると評価の基軸は中期目標並びに年度の最初にどのような1年間の計画を立てて、それが達成したかというところに注目されるわけですが、その中で大きく予想外に達成したものをSということなのですが、夏目委員がおっしゃった11の項目については、確かに中期計画5年間で達成すべきものが初年度で大きく5%を超えて達成してしまったということだからこれをトレビアンにしなければ一体どのくらいやればSになるかということは、いま言った絶対評価を踏まえてもあるのかというところで、11の項目については私もそうかと思います。
 14の項目は、いま部会長も言いましたように、Aの範囲がA+やA-をつけさせてもらうと非常にいいのですが、確かに幅があり過ぎて、ちょっとしたところで変わってしまうというところをどこまで見るかと。よく議論に出るのは、国民がこれを見たときに、ほかの独法が結構甘い評価をしているところと比べられて、あたかも6独法が低く評価されているのではないかとか、相対評価で見て、6並べて、それを見て、ナショセンの中ではここが勝れていて、こちらは勝れていないのだという見られ方をする可能性にも注意しなければいけないという意見が前にも出ていたのですが、評価の基準をきちんと国民に説明するということで対応しないときちんとした評価はできないのだろうと思いますので、そのところはある種評価の幅のあることやそれなりにそれを説明して公表していくことが必要なのかと思います。

○永井部会長
 ありがとうございました。ほかにいかがですか。アクションプランの設定について夏目委員からご意見がありましたが、センター側からご意見ありますか。

○国立成育医療研究センター理事長
 アクションプランは、初年度において理事会が各医長以上又は部長以上の者からヒアリングを行って、ヒアリングを受けた結果を見て、次年度からアクションプランに実際に移していこうという計画を立てました。実際に、平成22年度にはアクションプランは実行されていませんが、内容を反映して、例えば病棟の再編成を行うとか然るべき病棟の医師の数を増やすことや又は看護師の適切な配置又は増員を図るということ、医療クラークの導入といったものを優先度の高いアクションプランとして促えて、結果として平成23年度に出てくるものではなかろうかと思っていまして、平成22年度にはアクションプランの基となるヒアリングを行ったというところで優先順位をつけて平成23年度に向かったというところです。

○夏目委員
 できるだけ早く作ってくださいという意味です。

○永井部会長
 ほかにいかがですか。

○内山委員
 先ほどから夏目委員や花井委員からご意見が出ていましたが、評価にあたって難しいのは、ほかのナショナルセンターと比べてもいけないし、中期計画、中期目標に沿った年次計画が達成されているかにつきるわけです。その中で、例えば11番が問題になっていましたが、効率化による収支改善、電子化の推進は想定外ではないかというご意見もあり、確かによくやっていると思いました。私も大いに評価します。とはいえ、昨年の診療報酬改定の影響が大きいことも触れられています。比べてはいけないのかもしれませんが、国立大学法人42大学の収支状況と比べると平均的な伸びだと思います。ですから、ここで想定外と言い切ることができなかったことが正直なところで、私個人としては是非来年度以降、想定外に伸びてほしいと思っています。個人的な意見としては、収支はA評価で十分であって、他の部分でナショナルセンターとして成育医療研究センターの役割を十分に果たしていると思っていますので、このまま頑張っていただきたいと思います。

○永井部会長
 ありがとうございました。ほかにいかがですか。研究実績については、S評価になって非常にご同慶の至りですが、今回あまり行われていない試みとしてハイインパクトジャーナルの論文数だけではなく、総英文論文数とサイテーションの調査をお願いしましたが、現場に何か刺激になりましたか。ただ面倒なだけなのか、この辺についてご印象をお聞かせいただければありがたいのですが。

○国立成育医療研究センター研究所長
 いままでサイテーションを調べて、各研究者にフィードバックすることはやっていませんでした。1つに、ツールの問題がありまして、この度ウェブ・オブ・サイエンスのツールを組織として導入して、各研究者はサイテーションの結果を共有しています。サイテーションは、あまり短期間でも評価が難しいという思いはしています。3年から5年ぐらいのところでの1つの研究成果に対してのサイテーションがその研究に対するある程度フィックスした評価と思っていますので、毎年の評価等の時間のずれをどうしたらいいか考えています。

○永井部会長
 最近は大学の人事、教授選考などでも実はサイテーションのデータが出てくるものですから、どう使うかは別にして、例えばセンターから応募されたときに自分の位置付けやほかの人との関係、あるいは評価について研究者自ら知っておくというのは悪くないと思うのですね。そういう意味で多少、外を意識した研究者の姿勢が何か意識改革になっていけばいいと思うのですね。確かにおっしゃるとおり、短期間にはとてもわかりませんし、最終年度、第1期が終わったときに、こういう指標が意味があるのか、どうかを総合的にご一緒に議論させていただければと思います。

○猿田部会長代理
 いろいろ皆さんのご意見が出ましたが、今度の評価は非常に妥当な評価がなされたのではないかと私は思います。先ほどありました11の評価項目は確かに非常に高い実績がありましたが、私が見ているのは、医業未収金の問題で、新しいカード導入、そのほか、新しい試みをやっていると。これがこれでさらにどう出てくるだろうかということを期待をしてAをつけたということで、いま見ますと11番はAの中でもいちばん上です。14番はいちばん下のAということですので、そういった点から見ても私は皆様方がいろいろな点を考えて妥当な形での評価をされたのではないかと思います。

○永井部会長
 ほかにいかがですか。材料費の縮減はどういう形で進められたのですか。医療材料費ですね。これはどこも非常に大きな問題になっていると思いますし、少し努力すれば案外効果が上がるということも聞いていますが。

○国立成育医療研究センター財務経理部長
 共同購入をしたことがいちばん大きいと判断しています。また、いままでの材料費は国の時代と計算式が多少違ったということもあると思いますので、平成23年度の結果を平成22年度のものと比較するとさらにご回答ができるかと思っています。結果としては、6NCによる共同購入が大きく反映したと理解しています。

○永井部会長
 財務状況は毎月出るようになっているわけですか。

○国立成育医療研究センター財務経理部長
 はい。

○永井部会長
 よろしいですか。そうすると、ご意見もおよそいただけたと思いますので、ただいまのご意見を反映した形で修正を加えて、平成22年度の勤務実績の評価結果として、法人及び政・独委に通知するとともに、これを公表することにします。具体的な修正については私が事務局と調整して最終的に決めさせていただく形でご一任いただければと思います。よろしいですか。
(各委員了承)

○永井部会長
 ありがとうございました。理事長からコメントをいただきます。

○国立成育医療研究センター理事長
 各評価委員の先生におかれては、ご評価いただき誠にありがとうございました。極めて高いご評価をいただきました。ことに実績評価シートにおいて、S評価をいただいた項目については、今後もますます職員の士気が上がることと思います。その他の項目についても高い評価をいただき、この評価を糧に高度先駆的研究医療のさらなる発展に鋭意努力しまして、着実に成果を出せるように致したい所存です。どうもありがとうございました。

○永井部会長
 ありがとうございました。ただいままでのご意見、ご報告を踏まえて個別評定を修正されたい方は、ここで修正、確定の時間を設けます。修正にあたって事務局より留意事項の説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 修正される場合は、赤鉛筆で修正をお願いします。また、修正頁には付せんを貼ってください。机上に配付している個別項目に関する評定結果については、現時点でいただいている評定を点数化したものです。委員各自にはご自身のお名前しかわからないようになっていますので、修正される際の参考としてください。以上です。

○永井部会長
 5分ほど時間を取らせていただきますので、評定記入用紙の確認、修正をお願いします。
(評定用紙記入中)

○永井部会長
 よろしいですか。もしよろしければここまでとさせていただきます。これをもちまして、国立成育医療研究センターの平成22年度の意見の取りまとめとさせていただきます。各評価書には、評価結果の別添として、評価シートの集約版が添付されていますが、本日評価記入用紙の確認、修正を行っていただいたことによって、当部会全体としてSからDの評定及び評定理由が変更になった場合、また各委員のコメントが修正、追加された場合はこれらを反映して、評価シートの集約版を変更し、添付させていただくことにします。集約版についてSからDの評定が変更になる場合には、委員会全体としての評定理由も併せて変更する必要が出てくるということで、その文書については部会長にご一任いただければと思います。場合によっては、各委員にご意見をいただくこともあるかもしれませんので、その節はよろしくお願いします。国立成育医療研究センターはこれで終わります。どうもありがとうございました。

○政策評価官室長補佐
 ここで休憩に入っていただきます。国際医療研究センターについては、50分からスタートということでお願いします。

○永井部会長
 どうもありがとうございました。

(休憩・法人入れ替え)

○永井部会長
 では時間になりましたので、次に国立国際医療研究センターについての審議を始めます。最初に財務諸表について和田委員から説明をお願いいたします。

○和田委員
 それでは独立行政法人国立国際医療研究センターの財務諸表等がお手元にございますが、これについてヒアリングをし、財務分析をいたしました。結果をご報告申し上げます。
 まず当該財務諸表ですが、監事監査報告書、会計監査人の監査報告書ともに適正である旨の意見をいただいております。さらに、会計監査人である新日本有限責任監査法人から提出されております、監査結果説明書についても拝見いたしました。十二分な監査が行われ、特に財務諸表の適否について意見を申し述べる事項はないとのことですので、本財務諸表は適正なものと判断いたしました。
 さらに財務諸表等について、若干の説明を申し上げますと全体の実績は319億1,800万円の事業費用に対し事業収益は318億6,400万円。差し引き事業損益は5,300万円のマイナスになっております。これをセグメント別で見ますと、研究事業が2,300万円、教育研修事業が4億6,500万円。そして法人共通で9,800万円のマイナスですが、臨床研究事業で1億3,500万円と、診療事業で1億5,300万円の黒字。情報発信事業の国際協力事業、国立看護大学校事業それぞれ3,000万円から1億円の利益を計上。通算で5,300万円の赤字です。実はこれは対計画で見ると、事業収益は年度計画を8億6,400万円上回り、反対に事業費用は1億6,500万円計画よりも少なく抑えることができたので、事業損益は計画よりも10億3,000万円改善。その結果5,300万円の赤字です。つまり年度計画では、平成22年度は10億8,300万円ほどの事業損益はマイナスが出る計画でしたが、10億3,000万円改善したので、5,300万円の赤字でした。
 なお、事業損益について、財務諸表等の3頁の損益計算書を見ると、経常損失として5,300万円の赤字ですが、最終的には当期純損失は、7億5,000万円の赤字になっています。これは会計上の処理の問題で原因は、臨時損失として、固定資産除却費が7億7,200万円計上ということになります。これは、国から昨年建物の建て替え経費のために受けた出資で除却費用として損失に計上されていましたので、建設仮勘定の整理時に臨時損失として扱ったために7億5,000万円の赤字になったということです。本来この国際医療研究センターの事業損失としては、5,300万円の赤字で、10億の損益改善に努めたので一応評価できるものと判断いたしました。この結果、貸借対照表のいまの財務諸表の1頁で、資産合計が970億円。負債合計は268億4,900万円。差し引き正味財産が701億6,800万円、純資産比率は72.32%です。長期借入金が出資時繰越された金額は185億6,800万円で、約定どおりの返済3億2,500万円支出し、期末残高182億4,200万円。同年度は新規の借入れはしておりません。以上の結果、事業損益が特別な除却費用が発生したために赤字ですが、経営成績、収支改善には十分に努められた。健全な財政状態を維持していると判断しました。以上です。

○永井部会長
 ありがとうございました。ただいまの報告について、何かご意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは平成22年度の財務諸表に対する意見としては、資料2-1の(案)のとおりで修正意見はないものとして、これを厚生労働大臣に提出したいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○永井部会長
 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。
 次に国立国際医療研究センターの総合評価の審議です。起草委員であります私のほうから説明させていただきます。
 国立国際医療研究センターの22年度の評価結果について公表を述べさせていただきます。評価に当たりましては評定の結果、各委員の評定コメント、また、前回8月10日の議論の内容等を踏まえ平成22年度の業務実績について、中期目標に掲げた内容に照らして総合評価を取りまとめております。全体の評価としては第1に、独法以降初年度から積極的な財務運営の効率化と収支改善に向けた取組みにより、年度計画に掲げる経常収支を上回る成果、計画では96.6%だったものが実績99.8%、3.2%の改善を上げたということは高く評価されてしかるべきだと思います。
 研究・開発については、研究所に糖尿病研究センター、肝炎・免疫研究センターを設置。臨床研究支援体制を強化するとともに、倫理審査体制、臨床研究認定制度等を倫理性、透明性が確保された研究開発の推進、感染症、代謝性疾患、肝炎、免疫疾患、国際医療教育協力等の各分野における研究・開発が着実に実施されていると評価されております。医療の提供については、HIV・エイズ患者に対して個々人の病態に即した医療の提供、新興感染症に対する治療法開発の推進、先進医療の取組みを行い、他職種連携および診療科横断によるチーム医療の推進が行われたことも評価されております。人材育成については、医師臨床研修指導養成講習会を開催され指導体制の強化を図り、質の高い看護師育成のための看護部教育計画も策定され、教育体制を明確にされた上でローテーション教育を開始し、卒後臨床研修を行ったことも評価されております。
 情報発信については、HIVに関しブロック拠点病院協議会を全国8ブロックの各ブロックにて開催されました。首都圏の中核ブロックとの連携会議も開催され、国府台病院においては、児童精神科地域連携会議を通じて地域の医療・福祉・教育領域の専門機関が地域医療ネットワーク会議において情報共有を行い、事例のデータベースの作成に取りかかり100例以上のデータが蓄積されたことも評価されております。
 また、東日本大震災に際してセンター病院から発生直後にDMATを派遣するとともに医療支援チームを継続的に派遣され、また、国府台病院からこころのケアチームを派遣され、避難所を中心に巡回して、被災者の心の諸問題の解決を支援する等、国の危機管理対応に大きく貢献されました。以上の点を評価し、全体として国立国際医療研究センターの設立目的に沿って適正に業務を実施されていたということを評価する内容としております。以上です。
 ただいまの説明に関しまして委員の方々から、ご意見等をいただければと思います。その前に総合評価書の中で国民からの意見募集について、意見が寄せられていると伺っております、法人からご説明をお願いしたいと思います。

○国立国際医療研究センター企画戦略室長
 それでは企画戦略室松本から、パブリックコメントに寄せられました意見についての説明を申し上げます。当研究センターの業務実績報告書に対する意見募集の結果、動物実験に関する意見が寄せられたことに関して説明します。
 当センターにおける動物実験は、平成18年に厚生労働省が定めた厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針を踏まえて、動物実験規程作成、動物実験委員会の設置等を適切に対応しており、今後も動物愛護に配慮しつつ実施してまいりたいと考えております。
 なお、当研究センターの重要な役割であります臨床研究事業の推進に当たって、新たな臨床研究を行う前に、その実施可能性を探求するために前臨床研究の動物実験を行うことは極めて重要な意義を有しており、当研究センターがその役割を適切に果たしていくためにも動物実験を行う環境が整備された施設において、引き続き厳正な手続きの中で行っていくことは必要と考えております。以上です。

○永井部会長
 ありがとうございました。それではただいま報告いたしました総合評価書(案)について、委員の先生方から、ご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。はい夏目委員どうぞ。

○夏目委員
 1つだけ評価書等について特に意見があるわけではなく、非常によくまとまってできていると思いますので、私もこのとおりで何ら意義をはさむものではありません。1つだけ要望というか意見として申し上げたいと思います。この前の成育医療研究センターでも申し上げましたが、最後の評価項目であるその他の業務運営に関する事項に関しまして、職員に対し、センターのミッションを理解し、実現するためにアクションプランを立ててというのが中期計画等に掲げられて、これはどこのセンターも同じですが、具体的にアクションプランを作り、行動計画に移されて職員にその趣旨、内容を徹底して実際にアクションを起こされているセンターもありますが、当国際医療センターは、職員の意見を聴取する投書箱等を設けたり、企画戦略室会議等でその意見について検討することで職員との意思疎通については、いろいろな形で努力されているということは十二分にわかりますが、やはりアクションプランの作成をすることも大事ではないかなという感じがします。必ずしもアクションプランを作るか、作らないかは、いまのところまだこの評価シートを見ると明確になってはいないようなので、具体的に目に見える形で職員の意識改革あるいは具体的な行動を促すという形を意見として要望しておきたいと思います。以上です。

○永井部会長
 ただいまの点について、センターからご説明はございますか。

○国立国際医療研究センター理事長
 ご指摘のとおりだと思います。特に国立から独法になったことはいろいろな意味で、カルチャーが変わるようなところがありますので、是非やらなければならないと、我々もよくわかっております。ただ少し言い訳ぎみですが、1年目は病院の移転とか、業務が重なっているために少し遅れております。今おっしゃられたようなことは是非次年度に考えさせていただいて出来るだけ早い時期に実行に移すようにさせていただきたいと考えております。

○夏目委員
 よろしくお願いいたします。

○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。項目15の予算収支計画および資金計画について、ちょっと評価が分かれましたが、委員の先生方から、何かご意見はございますか。

○和田委員
 実はこの当初にお出しした評価結果の私の判断は、収支決算書における予算と実績とにおいて、特に設備投資、施設設備の取得の乖離があまりに大きかったのです。内容をちょっとお聴きしたところ、施設設備の建設が遅れていると、これはなるべく早く施設設備を建設し、早く国民の医療に用いられるべきであり、その遅れについて評価を少し厳しめにしたわけです。その後国際医療センターから詳細な説明をいただき22年度中の完成を見込んでいた新病棟、研修棟等が工事の都合で遅れた。これもやむを得ない事情と判断しましたので、最終的にはこの厳し目の支出、施設設備の施行が予算を大幅に下回っていることは、削除し修正させていただこうと考えております。

○永井部会長
 ありがとうございます。ほかにご意見、ご追加、ご質問等はございますか。いかがでしょうか。はい、花井委員どうぞ。

○花井委員
 これはどこでも言っているのですが、この評価に当たっては独法ごとに規模も予算も、例えば税金の運営交付金の額も違うので、絶対的な評価で横並びの相対的な評価はなるべく避けるようにしたところです。特に国立国際医療センターはよく私も行くものだから、そこの心象があまり入らないように苦労したところです。意見ですが、今ちょっとお話をされたように工事とか大変な作業が進行していて中期計画を達成するための遅れが出ていると。かなり大きな組織でけっこう複雑な体制とは思いますが、それがガバナンスとして独法になって変わったという形になるために各職員の方々、先ほどアクションプランの話がありましたが、横並びでいうと若干巨大な戦艦が動き出すときにゆったりと動き出すような感じなのとは思うのですけれども。是非一刻も早く国立国際医療センターが変わったのだと国民が感じるように次年度からまたよろしくお願いいたします。意見です。

○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。いろいろと臨床研究の基盤整備が進んでいるようですが、これは臨床研究として成果が上がるのはもう少し先になると思いますが、状況はいかがでしょうか。

○国立国際医療研究センター理事長
 臨床研究センターというのは、研究所の中に小規模に以前からあったことはあったのです。しかし実際的に動くための人が十分に充当されておらずに、併任という形でずいぶん凌いできたというところがあります。それを法人化以降にいくつかの組織を新たに設け、特に具体的にいいますと、臨床研究支援部を新たに立ち上げて、病棟に移転した跡地を使って当支援部の部屋を作り、そこで活動を開始しています。まず行ったことは、法人化前には少なくても若手に対して教育を早く開始することが必要と考え、臨床研究に関するコースを全ての初期臨床研修医がグループで、7つか8つのコースを通って必ず行くようにすることはやってきました。彼らが実際にごく小規模ですが、研究費をもらって研究をサポートする組織が十分ではないので、それを現在形成しており、ある程度は出来ました。それから、生物統計の専門家がほぼ決まっており、今年末頃の着任が見込まれるのでかなり充実していくと私は考えております。

○永井部会長
 おそらく研究の内容は他のセンターよりも多彩になるのだろうと思います。いろいろな疾患に対応しないといけないという意味でも大学病院と同じような体制の構築が望まれるのが1つ国際医療センターの特徴ではないかと思います。
 何かご意見はございますか。

○猿田部会長代理
 総人件費の問題です。やはり医師、看護師の確保はいまのような給与体系でしっかりと人数は維持できるのでしょうか。

○国立国際医療研究センター総務部長
 医師、看護師については、特に国時代には枠が決まっており、その範疇でやってまいりましたが、22年度はかなり大幅に人数が増えております。現状でいけば、診療部門については、医者はかなり確保されています。看護師問題については、専門的な部門でニーズが増えていまして、機能の充実、安全面からまだ数的には必要な面があると思ってます。一方、やはり技能職とか事務部門のところは、抑制を図って進めるべきだと考えております。

○猿田部会長代理
 厳しいですよね。国からの全体的な要求と、各病院が持っている医師・看護師の確保がいちばんきついのではないかと思います。

○国立国際医療研究センター理事長
 ちょっと追加しますが、医師、看護師確保の問題については、既に私立の大学病院は昔からかなり努力しておられるし、国立大学病院も法人化以降特に7対1を実現するため、どれだけ努力されたかを私は目で見てよく知ってますので、それに比べるとまだ1年目で努力の余地があると思います。
 やはり看護師の生活環境の充実等も少し遅れていると思います。例えば看護師の宿舎がかなり古い仕様のままになっているのを現在、改善する方向で計画を立てて進めており、こういう面も含めて改善していく必要があると考えております。

○猿田部会長代理
 特に国家試験も100%ということで、看護師さんは非常にしっかりやられているので、数を維持するということが非常に大変かと思います。そこのところはいつも気になっております。

○永井部会長
 ほかにご意見はありますか。よろしいでしょうか。もしよろしければ総合評価書についておおよそご意見をいただけたのではないかと思います。いただいたご意見を反映した形で修正を加え、平成22年度の業務実績の評価結果として、法人および政・独委に通知するとともにこれを公表するということにしたいと思います。最終的に具体的な修正については、事務局と調整させていただいて、その上で部会長にご一任いただければということを考えております。よろしくお願いしたいと思います。
(各委員了承)

○永井部会長
  では桐野理事長からコメントをいただけますか。

○国立国際医療研究センター理事長
 平成22年度1年間の私どもの業務実績に対して、非常に詳しくご評価いただきまして、誠にありがとうございました。私たちは、既に始まっております平成23年度の業務改善、業務の効率化に向けて本日伺いましたいろいろな評価点を参考にいたしまして、ますます努力させていただきたいと考えております。どうもありがとうございました。

○永井部会長
 ありがとうございました。では現在までのご意見、報告等を踏まえまして個別評価の修正を行いたいと思います。ここで評定記入用紙の修正、確定の時間を設けさせていただきます。5分程で確認、修正をお願いしたいと思います。
(評定用紙記入中)

○永井部会長
 よろしいでしょうか。それではこれをもちまして、国立国際医療研究センターの平成22年度業務実績評価に関する意見の取りまとめといたします。先ほど同様に評価シートの集約版について修正が必要になった場合の対応については、部会長にご一任いただければと存じます。
 本日の議事は以上です。ご審議いただいた総合評価と財務諸表についての意見については、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規程に基づき、当部会の決定が評価委員会の決定となります。また、政・独委への通知、公表の手続きが行われることになります。
 事務局から今後の予定、連絡事項等についてご説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 今後の予定等につきましてご連絡いたします。本日ご審議いただきました法人の総合評価書は、事務手続を進めさせていただき、後日、委員の皆様方に確定版を郵送いたします。また、総会メンバーの皆様には、8月31日(水)午後2時から省内の専用第21会議室におきまして、評価委員会の総会が予定されております。内容については、国立健康栄養研究所と労働安全衛生総合研究所の最終評価、あと、労働政策研究研修機構の暫定評価と組織業務全般の見直し(案)になっております。部会終了後に事務局におきまして、先ほど修正・確定をしていただきました評定記入用紙を回収いたしますので、机の上に置いてお帰りください。以上でございます。

○永井部会長
 ありがとうございます。それではこれで終了させていただきます。長時間ご審議ありがとうございました。


(了)
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独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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