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9月26日 「第4回産業保健への支援の在り方に関する検討会」議事録

○日時

平成23年9月26日(月)
17:00~


○場所

厚生労働省労働基準局第1・2会議室


○議事

○古田職業性疾病分析官 定刻になりましたので、ただいまより、第4回産業保健への支援の在り方に関する検討会を開催いたします。
 本日、まだ武田委員がお見えでございませんが、間もなく見えるのではないかと思います。そのほかの先生方、全員ご出席でございます。配付資料の確認をさせていただきます。議事次第のほかに、資料1として「産業保健への支援の在り方に関する検討会報告書(案)」、資料2として「産業保健への支援体制(新)」、図の1枚です。資料3として「第3回産業保健への支援の在り方に関する検討会 主な意見」、これは前回の検討会で出た意見の主なものを挙げたものです。配付資料は以上です。この後の議事進行につきましては、相澤座長にお願いいたします。
○相澤座長 皆さん、こんにちは。お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは議事に入らせていただきます。本日は、報告書(案)についてご検討をお願いいたします。前回まで議論いただきましたが、それに基づいて事務局で報告書のドラフトを作成していただきましたので、まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○古田職業性疾病分析官 資料1の報告書(案)について、まずご説明いたします。読み上げると時間がかかりますので、要点だけご紹介させていただく形で、全体についてご説明させていただきます。事前に各先生方にお配りをしておりましたが、その後、ご意見などもいただいたこともあり、少し変わっているところもございますので、ご了承いただきたいと思います。
 2頁は「はじめに」ということで、開催要項、この検討会の要項をほぼそのまま書いています。3頁以降、2の「産業保健の現状と課題」ですが、16頁以降に図表をいくつか付けており、それをまとめて記述しています。簡単に紹介していきます。
 3頁の(1)は事業場数・労働者数を記述しています。(2)業務疾病の発生状況ですが、要点としては顕著な減少傾向が見られないこと、脳・心臓疾患が高い水準で推移していること、精神障害の労災認定件数が増加傾向にあるというようなことです。
 (3)産業医等の選任状況です。産業医の選任率は87%、そのうち100人以上の事業場では95%を超えていますが、50人~100人の事業場では80.9%ということで、少し低くなっていることを書いています。
 4頁の7行目辺りから、衛生管理者の選任率は86%です。100人以上のところでは94%を超えていますが、50~99人のところでは80.4%ということです。
続きまして(4)健康診断の実施状況ですが、有所見率が年々増加して、平成22年は52.5%になったということです。それから平成22年の労働安全衛生基本調査によると、健診の実施率ですが、労働者30人以上のところでは95%を超えていますが、10人~29人の事業場では84.5%になっているということです。健康診断後の措置等ですが、医師の意見聴取をやっておられる所が40.6%、就業上の措置が29.1%、保健指導は38.2%という結果になっています。
 5頁、メンタルヘルス関係です。5頁のいちばん上、職業生活で強い不安、悩み、ストレスがある労働者は6割に達している。メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合が33.6%、1000人以上の事業場では95%を超えていますが、50~99では45.2%、30~49では36.8%、10~29では29.2%と低くなっています。
 (6)パートタイム労働者に対する定期健診の実施状況ですが、一般社員の3/4以上の時間を働いておられるパートタイム労働者がいらっしゃって、そのパートタイム労働者に健康診断を実施しているかどうかという事業場の割合、実施しているという所が85.2%ですが、少し労働時間が短くなって正社員に対して1/2以上3/4未満の場合は62.5%、1/2未満の場合は40.6%となっています。一方、労働者の受診率を見ると、一般社員は93.4%の受診率ですが、契約社員は82.1%、パート労働者は49.2%となっています。
 以上のようなことをまとめますと、5頁のいちばん下の辺りですが、業務上疾病の発生状況の減少傾向が見られないということと、有所見者率が増加しているということで、労働者の健康が憂慮される状況にある。50人未満の小規模事業場が我が国で大多数ですが、労働者数50人を境に急な格差が生じていること、50人未満の小規模事業場は産業保健体制が貧弱であり、健康管理が十分でない。50人以上100人未満の規模の事業場も、産業医や衛生管理者の選任状況が十分とは言えない。非正規労働者についても、健康管理が不十分であることを記述しています。
 6頁の上から3行目辺りからですが、メンタルヘルスへの取組みは規模が小さくなるほど取り組み割合が低くなっている。6頁の次の段ですが、産業医を選任していないなど、労働衛生管理体制に関する法違反の状態は速やかに改善されるべきというようなことを記述しています。
 3「産業保健活動への支援の現状と課題」です。6頁の3の(1)のアに、産業保健推進センターの業務ということで、主に事実関係を記入しています。産業保健推進センターは産業医、衛生管理者等の産業保健スタッフに対する専門的研修や相談、情報提供を行っているというようなこととか、その実績等を記述しています。よく活用されていると書きました。
 7頁、イ、産業保健推進センターの統廃合ということで、平成22年12月7日の閣議決定による「独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針」で、2/3を上回る統廃合や業務の縮減等が決定されていることを書いています。
 ウ、集約化対象県における事業推進状況ですが、そういった県で運営協議会が開催され、地域の産業保健活動の運営方針、企画等が行われ、専門研修等が実施され、その産業保健支援サービスをできるだけ低下させないよう、体制の整備、業務運営の努力がなされている、と書いています。ただ、ウの最後の段落ですが、そういうように取り組まれていますが、マンパワー不足による研修会開催の遅れが懸念されるとか、あるいは地域の産業医のモチベーションが下がったとの指摘がなされているほか、集約化を見直してほしいという要望もあるといったことを書いています。
 メンタルヘルス対策支援センターですが、8頁の6行目辺りから、どういうことをやっているかということで、職場のメンタルヘルス対策を事業場の規模にかかわらず、総合的に事業者に対する支援を行っていること、それから、平成22年度の事業実績を書いています。
 8頁の真ん中辺り、(3)地域産業保健センターですが、最初に経緯等を書いています。第2段落辺りから、従来平成21年度まで郡市区医師会、監督署単位で委託してやっていたのが、平成22年度からは労働局の管轄区域単位に変更されたこととか、平成23年度から事業の重点化が行われて、8頁のいちばん下から2行目辺りから9頁にかけて書いてあるような事業に重点化して実施されているということです。
 9頁の3行目から、いくつかの地産保の課題を書いています。最近の急激な変更で国の長期的な方針や方向性がわかりにくくなっているという指摘がなされているということ。それから個別訪問産業保健指導というのが主な事業からなくなっていますので、産業医の先生が現場を見ることが少なくなって、健診後の意見を述べる際に職場の理解が不十分となる懸念が生じているということとか、作業環境管理、作業管理は現場で指導することが多いのですが、これらが手薄になっているということ。都道府県の管轄区域単位になったために、郡市区医師会と監督署の協力関係が薄れる懸念がある。こういったことを記述しています。
 9頁の真ん中辺り、4「支援の在り方」ということで、書いています。4の最初の辺りですが、産業保健への支援の事業について、近年さまざまな変更がなされ、急激な変化が生じているということで、現場で中長期的視点に立った継続的な産業保健活動について不安と困難さが生じているということです。今後、支援内容その他、中長期的な基本的な考え方を示して、関係者がそれを検証しながら進めていくことが必要である、と書いています。支援を効果的に進めるために活動の好事例を集約し、より良い活動に変えていくという、総括、検証が不可欠であるとか、下から4行目辺りに、地域の産業保健活動のきめ細かい把握、調査、評価を行っていくことが重要である、こういったことを書いています。
 10頁、特に(1)小規模事業場等への支援ということで、いくつか書いています。まず最初のほうに、小規模事業場の産業保健活動への支援を強化すべきであるということ、小規模事業場に対しては支援内容によって支援を分けずに、いわゆるワンストップサービスで総合的に支援する必要があるということを書いています。上から3分の1くらいに、産業保健活動において地元の特徴をよく理解しながら、きめ細かい支援を行うことが求められているということ。ちょうど真ん中辺りですが、支援を受けていることについて事業者の認識を促し、安全衛生の意識を高める必要があるということです。事業者の負担のことも少し触れています。下から3分の1辺りですが、支援内容に応じて事業者に負担を求めることが相当と考えられる場合には、一定の負担を求めることも必要である。特に、大企業の支店とか営業所といった、いわゆる大企業の出先等についてはちゃんと理解を得た上で、地場の小規模事業場に対する支援が優先的になされるようにすべきであるということを書いています。また、こういった地場の小規模事業場はいろいろ情報が入りにくいということで、広報活動、周知広報について特段の配慮が必要であることを、10頁の最後に書いています。
 11頁の上のほうの3行ですが、非正規労働者について、国の支援事業による産業保健サービスから漏れないような配慮が必要である、と書いています。
 11頁(2)産業保健への支援の各事業の在り方です。アとして、都道府県産業保健推進センターですが、推進センター集約後においても医師会さんの協力を得ながら運営協議会を開催し、地域の産業保健活動の運営方針、企画等を行うなど、できる限り産業保健支援サービスが低下しないような配慮が必要であるということです。推進センターは地産保の支援を行っていますが、地産保が行う健康管理に比べて、小規模事業場への作業環境管理や作業管理について十分とは言えなかったということで、強化する必要がある。具体的には、小規模事業場に対する作業環境管理、作業管理に関する支援は、原則として地産保の産業医が行うということですが、より専門的な相談等の支援が必要な場合には、推進センターが地産保の産業医に対して専門的情報を提供するなどの支援を行い、また地産保の求めに応じて推進センターによる小規模事業場への直接支援ということも考えられる、と書いています。その場合、推進センターと地産保がよく連携して、必要な情報が地産保にも共有されるようにする必要があるということです。こういったことは推進センター側の統廃合の事情もありますので、全国一律ではなく、モデル的に地域を限定して実施する方法も検討すべきであるとしています。貸し出し教材のことを、その2行辺りに書いています。できる限り確保し、その充実に努めることが望まれるとしています。
 11頁の下のほう、メンタルヘルス対策支援センターです。メンタルヘルス対策支援センターは、総合的な支援窓口として事業場の規模にかかわらず支援をしているわけです。11頁の下から2行目辺りから、支援の内容ですが、就業上の問題、人事労務管理に関する専門的な相談機関があって、専門的サポートを行うことは重要である、と書いています。
 12頁のいちばん上、その続きですが、人事労務管理に関する事業者への支援は、労働法や労働問題に精通した専門家によって助言等が行われることが必要であるということです。
 地産保による小規模事業場へのメンタルヘルスの支援が必ずしも十分でないというところもあったということから、メンタルヘルス対策支援センターが地産保に支援するということが必要であるということです。小規模事業場から地産保にメンタルヘルスの相談とか支援の要望があった場合は、基本的には先ほどのワンストップサービスということも書きましたので、地産保がそのような場合には支援を行うことが原則ですが、より専門的な支援が必要になった場合には、地産保の求めに応じてメンタルセンターが当該事業場の支援を行ったり、あるいは地産保の産業医に専門的情報を提供するなどの支援を行うことが必要であるということです。メンタルセンターは、その地産保とは別にメンタルヘルス対策を事業場の規模にかかわらず、総合的に事業者に対する支援を行っていますが、小規模事業場への支援を行う場合には、そのメンタルセンターは地産保とよく連携を行って、重複支援がないようにするとともに、地産保にも情報が共有されるようにする必要がある、と書いています。
 12頁の中ほどから下、地域産業保健センターです。最初のほうに、地域に根づいた活動を行う必要があるということ、地域のニーズを踏まえた無駄のないきめ細かいサービスを提供できるような条件整備が必要である、と書いています。例えば、健康相談において労働者、事業者が利用しやすい日時、場所の設定とか、そういったことが必要ではないかということです。
 12頁のいちばん下のほう、事業の単位です。労働基準監督署の管轄区域で行われていたものが、平成22年度からは都道府県単位になっていますが、前の体制に戻すべきという要望もあることを書いています。
 13頁に移り、それを受けて、例えばですが、大都市を抱える都道府県において実施単位を分けるなど、最も効果的な事業実施単位について検討が必要である、としています。地産保事業の効果的な推進のため、労働局とか監督署、「労働基準行政機関」といいますが、その行政機関による小規模事業場に対する主導的な指導の下、労働基準行政機関との緊密な連携を図りつつ実施することが重要である、としています。最後の段落辺りですが、メンタルヘルスの新たな制度に対応するため、地産保の産業医の研修の充実、保健師の一層の活用を推進することが必要である、と記載しています。
 13頁の中ほど、(3)総合調整の機能の必要性等です。産業保健への支援が効果的に実施されるために、推進センター、メンタルセンター、地産保の3つの事業がよく連携して統括的に運営される必要があることを、最初に記載しています。将来的には労働基準行政機関が加わった形で、そのバックアップの下、都道府県の単位で3つの事業を総合調整して、進行管理や調査、評価などを行うなどのコントロール機能があり、その下に、さまざまな機能が有機的に結合しながらサービスが提供できるような体制で推進する必要がある、としています。
 下から4行目辺りから、総合調整に当たっては、地方自治体などの関係行政機関、地域で労働衛生活動を展開している機関や労使の団体も含め連携する必要がある、としています。
 14頁4行目辺りから、このような総合調整の機能が有効に発揮され、中長期的な展望や方針の下、継続的な産業保健への支援が実施されることが期待される、としています。
 最後、「おわりに」ということで、こういった本報告書が産業保健への支援体制の充実に資するものとなり、労働者の健康管理の充実、福祉の向上が図られることを期待する、と結んでいます。
 15頁は名簿、16頁以降にいろいろな統計資料を付けており、23頁に事業場における産業保健活動の体制図を付けています。労働衛生管理体制と、それから事業者による具体的な取組事項を分類して、記載しています。この図で、バックがちょっと暗いところと、中ぐらい、薄いグレーのところがありますが、一応主として産業保健推進センターと地産保が現在主に担当しているところということで書いていますが、必ずしもこのようにぴったりというのが正しいというわけでもないので、このバックは事業場でどういうふうなことをどういう体制でやっていただくことになっているかという参考図として付けているということです。このバックの色を、灰色とか、若干問題もあるので、その色はなくしたいと思っています。以上が報告書(案)です。
 資料2、1枚ものの横長の図があります。報告書(案)で記載しておりますようなことを図にすると、体制の部分だけ、中身のことは書けないのですが、こういった体制になることを、資料2で示しているということです。特に、こちらのバックは 暗くなっている部分が現在とは少し違っているところです。こういったところが付け加わるという感じになるということです。
 資料3は、前回の検討会で出ました主な意見です。特にご説明いたしませんが、こういったご意見が前回出たということです。かなり省略していますので、抜けている箇所があるかもしれません。資料説明は以上です。
○相澤座長 かなり長い報告書になりましたけれども、後ほど逐次ご意見をいただきますが、全体的にご質問がありましたらお願いいたします。
(特に発言なし)
○相澤座長 ないようでしたら議論に入らせていただきます。各項目ごとにご意見をいただければと思います。まず、2頁の「はじめに」のところでお気づきの点はありますか。
○武田委員 もともと、この会の趣旨から引用されていると思うのですが、実際に報告書になると地産保についてもかなりの部分で触れるようになっています。ここにも地産保のことを触れるようになった経緯について加えたらどうでしょうか。
○相澤座長 確かに推進センターのことがありますね。これは加筆をしていただいて。
○武田委員 はい。
○今村委員 前回は、そういうのは駄目だみたいな話がありましたが。
○相澤座長 どうなのですかね、少し加えるならいいでしょう。
○今村委員 これは、もうこれは変えられませんというお話をいただきました。それが可能なら、そのほうが私はありがたいです。
○古田職業性疾病分析官 そういう説明をさせていただいたのが、その経緯です。
○今村委員 是非そうしてください。
○相澤座長 要望が強いようですので是非そうしてください。ほかによろしければ、3頁から6頁の3の前のところまでです。3頁の2「産業保健の現状と課題」の(1)(2)(3)と、4頁の(4)(5)(6)でいかがでしょうか。
○武田委員  3頁の業務上疾病の発生状況で、「脳・心臓疾患の労災認定件数は年間300件前後の」ということなのですけれども、18頁の図表では、この2年ぐらいはメンタルと違って低いというかどうかわからないのですけれども、300件を下回るような状況で来ています。高い水準でずうっと来ているというのとはちょっと違うのではないかと思いました。
○相澤座長 平成20年までは300件ぐらいですね。
○古田職業性疾病分析官 この2年間は少し減ってきているということですね。
○相澤座長 そうです。それでは正確に記載してください。
○今村委員 今のはそのとおりだと思うのですが、これは「300件前後」という記載になっています。平成14年で317件で、その後は300件を切っていることもあります。「ここ2年は減少傾向はあるものの、300件前後で高い水準」という言い方のほうがよろしいのではないかと思うのです。決して低くなっているとは言い切れないと思います。
○相澤座長 正確に記載するようにいたしましょう。
○市川委員 報告書に、我々の問題意識を意見として残しておきたいと思うことが1点あります。5頁のいちばん下のパラグラフの「我が国の事業場の多くは」というところですけれども、50人未満を境に、急に産業保健に対しては差が出る要因として、小規模事業場は概して対応が不十分、産業保健体制が貧弱、労働者の健康管理が十分でないということなのです。我々労働組合の認識としては、安衛法の様々な規定が、50人を境に義務だったり、義務でなかったりするため、結果として取組みが不十分になる。これは結果であって、原因ではないと思うのです。ですから、そういうところも本来問題意識として触れておく必要があるのではないかと思います。
○椎葉労働衛生課長 いまのご指摘については、3頁の2の2行目の「特に」からですけれども、「50人未満の事業場においては、同法が規定する産業医や」。
○市川委員 3頁のどこですか。
○椎葉労働衛生課長 3頁の上のほうの、第1パラグラフの「特に」のところからです。そういう法の義務がないことから、産業保健活動が活性化されにくいという指摘をして、問題認識はあるということを書いております。
○武田委員 「急な格差」と書いてあるのですけれども、急ではなくて、人数規模によって徐々に活動が減っていっています。50人で急激に下がっているわけではないと思うのです。やはり、人数規模に応じて低下しているとか、そういう形ではないかと思います。
○相澤座長 解釈が違っているようですね。
○古田職業性疾病分析官 以前は、「50人を境に段階的な」と表現していたのですけれども。
○相澤座長 変えたのですか。
○古田職業性疾病分析官 ええ、そうです、そのほうがいいですか。戻しますか。
○武田委員 事業場規模によって、もう少し大きい所からですかね。100人規模から下がっているし。
○相澤座長 下がってはいます。
○今村委員 「50人」と書いてしまうので、「急に」という表現になって、その前のところから実質的に下がってきています。
○市川委員 送っていただいたいちばん最初の案では「段階的な」という表現だったのですが、このときには50人未満のことしか触れてなかったです。今回はこの後に、「50人以上100人未満の事業場も」と触れています。そうすると「急な」という。いちばん最初に貰った案文では「段階的」と言いつつ、50人未満のものしか触れていなかったので、段階的というのはどういう意味かという質問をさせてもらいました。このように、50人以上100人未満の所も十分とはいえないということに触れているのであれば、書きぶりは「急」というよりは、「段階的」でいいのかという気もいたします。
○相澤座長 前のはどうだったでしょうか。50人以上とか、そういう人数というのは。
○市川委員 「を境に段階的な格差が生じている」というような表現だったような気がします。
○相澤座長 それだけだったですね。「境に急な格差が生じている」という表現はちょっとマイルドにしましょうか。
○古田職業性疾病分析官 はい。
○藤森委員 19頁の図表6を見ていただいてそのことなのですけれども、衛生管理者選任を見ていただくと、全体が86、1,000人が98.8、500が98.2、300は98、100~299は94、50~99が80.4。衛生推進者「30~49が52.4とがなっています。これが段階的な、スムーズなというイメージなのですか。
○武田委員 衛生管理者の選任は確かにそうです。ただしメンタルヘルスの活動だとか、ほかの活動を見ていただくと、例えば21頁のところでメンタルヘルスの活動を見ても、人数規模に応じてグーッと下がってきていて、21頁の下の表では人数規模で下がってきています。衛生管理者の選任について言っていただくのであれば、それは急激でも結構だと思います。
○藤森委員 ただ、メンタルヘルスは非常に新しいことで、これはまだまだ上のほうでも十分にできていないからそれは言えるのだと思うのですけれども、それ以外のことについては「急」というほうが適切な表現ではないですか。メンタルは50とか、100とか、200~300でも、それはあまり率は高くないのではないですか。
○武田委員 例えば健康診断の受診状況を見ても、50で急激に下がることはないと思います。
○相澤座長 20頁の図表10ですね。産業保健のあれですから、主語は産業保健で格差が生じているかどうかです。衛生管理体制は、当然法律があるから格差は生じるでしょうけれども。
○椎葉労働衛生課長 いまいただいたご意見を踏まえて、管理体制とか、サービスとか細かく丁寧に書きましょうか。
○相澤座長 そうすればよろしいですか。それでは、両方のご意見を参考にして修文をさせていただきます。
○堀江委員 「50」という数字は、法制度が違うところということで明確だと思います。一方で5頁のいちばん下に「100」という数字が出ていますが、これは表の解釈によって、人によっては100に段階があるという人もいれば、ないという人もいて、意味づけが難しいと思います。逆に100をここに出さないと、この文章全体のつながりが悪いということがあるのでしょうか。100という数字を出せば、後半でどこかこの100という数字が引用されて、特にそこで支援の在り方を変更するという話があるのであればわかるのですけれども、さっと見た感じでは特に出ていないようです。そうすると、人によって解釈が違う数字を出すのはどうか。「正確には図をご覧ください」というぐらいで、定量的なものを、わざわざここで形容詞にしてしまうと誤解を生じる危険を排除できるのではないかと思います。
○相澤座長 「段階的な」ということですかね。
○椎葉労働衛生課長 ここも、先ほどの体制の書き分けで整理をさせていただきたいと思います。
○相澤座長 それでは、あまり数字を出さないような感じでということで、市川委員もよろしいですか。
○市川委員 はい。
○武田委員 6頁のところで「非正規労働者についても健康管理が不十分である」と書いてあります。非正規労働者について触れている部分は(6)の部分だけで、健康診断のことだけなのです。「不十分である」と言い切ってしまっていいのかどうか。短時間労働者の実態調査というのを、労働政策研究・研修機構が出しています。これを見ると正社員との差で、格差があると感じている方は健康管理面ではそれほどないのです。「非正規労働者についても健康管理に配慮すべきである」とか、もう少し違う書き方ができないかと思いました。
○相澤座長 これは現状ですね。配慮すべきであるということか、なるほど。
○市川委員 非正規労働者というのは幅が広くて、短時間労働者だけではないです。まだ直接雇用の短時間労働者というのは、その企業の産業保健でカバーされやすいのです。カバーされにくいのは、間接雇用の派遣労働者とか請負、一人親方的な人たちなどのところが不十分なのです。ただ、有意な役所の統計にそういうのがあるのかどうか。連合が実施した調査にはそういうのもありますが、こういう報告書で使える有意な調査があれば、そういうものを出していただいて、書いていただければと思います。比較的短時間労働、パートタイマーはまだいいほうと我々は認識しています。そこをもうちょっと書いていただきたいという要望は前から出していたのですが、もしそういう調査がないとすると難しいのかと思います。
○藤森委員 
いま市川委員がどこどこの調査でという話をされましたし、先ほどの調査もそうですが、実際問題として50人未満のデータが出てこないのが非常に多いのです。N数に入ってこないのが。だから、それは別に上と変わりないのだと言ってしまう方が非常に危険なのです。いま非正規労働者の話も出ましたが、パートとか、ある程度の企業に就職していて、所属している人は、確かに数字には出てくるのですけれども、いまおっしゃったように数字に出てこない人はたくさんおられると思うのですが、その人はどのようにやっているかどうかということは全くわからないわけです。
 それを付け加えるのであれば、その人のことをどのように思いやって書くか。それは「調査するべき」なり、はたまた「それはもっと悪いのではないかと想像される」なり、推定はあまりよくないとは思うのですけれども、普通の常識で言ったらそんなに高いはずはないと思うのです。その辺のところまで、ただ単にあるものだけでというのではなく、出てくるN数は良いものだけですから、それだけをつかまえて、そんなに変わらないというのはいかがなものなのでしょうかという気がするのです。
○堀江委員 私も賛成です。ここは課題を書いているところですから、「実態がわからないのが課題だ」と書いてしまったらどうかと思います。
○藤森委員 「それをさらに調査するべきである」とか。
○相澤座長 調査すべきであるとか、そうですね。分からないことは分からないので、分かるようにしたほうがいいということです。6頁の現状のところはそれでよろしいでしょうか、ご指摘の点がありましたら、また後でお願いいたします。次は6頁から9頁にかけて「産業保健活動への支援の現状と課題」で、(1)都道府県産業保健推進センターのア、イ、ウ。(2)メンタルヘルス対策支援センター。(3)地域産業保健センターのところです。6頁のところでお気づきの点はありますか。
(特に発言なし)
○相澤座長 ないようでしたら、7頁のところはどうでしょうか。
○今村委員 本質的なことではないから恐縮なのですが、「はじめに」のところで「以下略語」と書いてあって、前回までは全部略語で項目が書いてあったのですが、これは何か意味があって変えたのですか。
○古田職業性疾病分析官 見出しだけは略さないように直しました。
○今村委員 前はそこも略してあったので気になっていたのですが、逆にこのほうがいいと思うのです。
○古田職業性疾病分析官 見出しだけはちゃんと略さないで記載しました。
○今村委員 わかりました、結構です。そこを、ちゃんとはっきり整理されたということですね。
○道明委員 地域の産業医のモチベーションが下がったということなのですが、これは医師会のほうのモチベーションも下がっていますので、その辺のこともあれしてくださったらいいのではないでしょうか。医師会側のほうをしないと、結局はうまくいかないのではないかと思うのです。例えば推進センターだけ、福祉事業団だけでということはちょっと不可能だと思いますので、その辺のこともちょっと書いていただきたいと思います。
○相澤座長 7頁の下のほうですね。
○道明委員 下のほうです。地域の産業医のモチベーションも下がったのですけれども、それは医師会のモチベーションが下がっているから、産業医のモチベーションが下がっているわけです。つながっていますので、よろしくお願いいたします。
○相澤座長 医師会もですね。ほかによろしいようでしたら、8頁の地域産保についてはいかがですか。
(特に発言なし)
○相澤座長 ないようでしたら、また後でご指摘いただければと思います。9頁から11頁にかけて、4「支援の在り方」です。10頁の(1)小規模事業場等への支援です。
○武田委員 9頁の下のほうにある、地域産業保健活動の調査の部分ですが、これは、誰がどういう目的でやるかというところが不明確です。重点とする対象とか支援内容を決めるためにこういうことをやる、という理解でよろしいのでしょうか。これは行政がやるということですか。
○古田職業性疾病分析官 いろいろあると思います。例えば後で出てきます、総合調整の機能の中でやるとか、そういうことも考えられると思います。
○相澤座長 主語を入れますか。
○武田委員 いや、厚生労働省がやりやすいようにやっていただいて構いません。
○土肥委員 10頁の中段で、「国の支援による意義は」という文章があります。「小規模事業場の事業者に産業保健サービスを提供することにより」となっておりますが、これは「小規模事業場の事業者や労働者に産業保健サービスを提供する」のほうがよろしいのではないかと思います。両方サービスを提供しておりますので……になっています。
○相澤座長 そうですね、おっしゃるとおりです。事業者と労働者、あるいは小規模事業場でもですね。
○土肥委員 はい。はっきり「労働者」と入れたほうがよろしいのではないでしょうか。
○相澤座長 はい、それでは加筆いたしましょう。
○土肥委員 11頁の上段の部分の短時間労働者のところです。「事業者による労働者の健康確保の枠組みからはずれやすい」というのは、ここは「健康確保の枠組みからはずれやすい」となっていて、以下のところでは「産業保健サービスから漏れないように」という言葉遣いになっておりますので、やはり「産業保健の枠組みからはずれやすい」ということではないかと思います。
 一方で、ここで非正規労働者も漏れないように配慮が必要であるというのは当然そうなのですが、具体的に何とかのようなというようなことが何か盛り込めるのであれば、何か少しないかという気もするのです。難しいのですけれども、これで配慮だけをすればいいと言い放ってしまうことで妥当なのかという、いままで大きな問題になっていた部分がという気が少しするのです。良い案がないのですが、何か少し書きませんか。
○椎葉労働衛生課長 先ほども、実態が不明だということを課題として挙げるようにという指摘がありましたので、そういう実態がわかるような調査をし、必要な配慮をすべきだということを盛り込ませていただきます。
○相澤座長 そうですね、それがいいです。
○藤森委員 10頁の中段辺りのところで、「本来、安全衛生の確保は事業者の責務であることから」云々と書いてありますが、前回もここは事業者の責務だから云々というのがあって、それは逆に「責務だけれども、やはりこういうふうに労働者の産業保健は担保する」と書くべきということが前回議論になったような気がするのです。責務であるから、環境を考慮しつつ認識を促し、意識を高めるというようなことで止まらずに、できれば「責務であるが、支援に当たっては」ということで「認識を高めて、労働者の産業保健を担保する」なり、「サービスに努めるべきである」なり、高めてそれが最終的には労働者なり、事業場の産業保健のサービスを確保するということまで言っていただいたらいかがかと思うのです。
○土肥委員 いまの部分は、言葉遣いの中でかなり気をつけないと、担保の責任者が誰かということに関して議論を呼ぶ部分があります。当然推進することは必要だと思うのですが、後段で「一定の負担を求めることも必要である」と書いているのでよろしいかと思うのです。当然、労働者の健康、産業保健サービスを推進することは必要だと思うのですが、それを誰が担保するかという部分について、ここで言及してしまうことはどうかという疑念を持つのですが、いかがでしょうか。
○藤森委員 
10頁の7行目に「労働災害の防止、労働者の健康の確保及び快適職場の形成促進を図るためには、国、事業者、労働者等の関係者は、それぞれの立場で、積極的に取り組むことが求められている」という文章があります。「求められている」というのはどういうことなのですか。法的根拠があると言うことなのでしょうか。私も、これは非常にいい言葉だと思いながら、主語はというか、どうあれで。私も、これはスッと通ったので非常にいいことばだから記憶に残ったのです。
 それと私が言っているのは「担保する」は、私の感覚としては国でもあり、事業主もありだと思うのです。だから担保するというのは、その言葉遣いはよくわかるのですが、「国はするべきである」と書いてもいいと思うのですが、労働者の問題があるが、大きいところは事業場に力があるからいいのだけれども、中小規模事業所に関してはそれを推進して、最終的に労働者に迷惑をかけない、それは担保するように国が推進するべきであると考えます。最終的にどういう言葉でぼやかすかは別にしても、私の気持としてそのようなところをお願いしたいと思います。土肥先生はいかがですか。
○土肥委員 お気持は十分理解できます。
○椎葉労働衛生課長 6頁の「国、事業者、労働者等の関係者は、それぞれの立場で、積極的に取り組むことが求められている」という言葉は、実は11次の用語に出てきた言葉で、いい言葉だと思ったのです。
○藤森委員 そうですね、私もいい言葉だと思いました。
○椎葉労働衛生課長 それぞれの立場でやっていくべきだと。労働安全衛生法もそういう趣旨です。10頁の(1)では、まず、小規模事業場は本当に大変で困難だということで、産業保健活動への支援を強化すべきだと言って、それから小規模作業場についてはワンストップサービスで総合的にやりますと。そして、なお地元の特徴を理解しながら、きめ細かい支援をやることが大事ですよと言って、支援、支援、支援と、ただ支援ばかりしすぎると自立できないので、こういう意識も高めつつやるのですよ、という感じで書いてきたもので、ここの部分だけを強調したつもりはないということを一応言っておきます。
○相澤座長 流れがあるのですね。藤森委員どうでしょうか。
○藤森委員 これが、前回の「中小規模事業所に支援は必要であるが、本来は事業主の責務である」を、「責務では有るけれども、支援をするべきである」にしてほしいという話を前回させていただきました。「責務だけれども、支援するよ」と、なんとかなりませんかという話を前回お願いしたというか、発言させていただいたつもりなのです。もちろん本人、あるいは事業主もちゃんと意識を高めていただかないと困るわけです。しかし、最終的には産業保健に結び付けないと、意識だけで止まってもらっても困るわけです。その辺の文章をよろしくお願いいたします。
○相澤座長 それでは、ちょっと考えてみましょう。
○堀江委員 いまの点で、労働安全衛生法第1条が、労働者の安全と健康の確保及び快適な職場環境の形成の促進を目的にしていることを謳っていて、同法が規定する多くの事項は第一義的な責務は事業者にあるとしています。労働者は事業者に協力する立場で、国はその背後にある体制づくりを支援するという関係だと思うのです。分解していけば、そういう立場で各関係者の位置づけを理解すべきところなので、「担保」とか、「責務」とか、「義務」とかいろいろな言葉が出てくるとだんだんややこしくなります。
 もし明確にしろというのであれば、ここは「事業者の責務である」と1回切っておいて、「国はそれを支援する」「労働者はそれに協力する」ということが、それぞれの立場で積極的な取組みをすることなのですよということを解説すれば明確になると思います。あえてそれを書かずに、労働安全衛生法第1条をよく理解していただければ済むということもよいと思います。
○藤森委員 事業者だけではなくて、後ろで国がそれを積極的に支援していく体制をどこかに書いてほしいと思います。
○市川委員 ここのところは私も気になっていたのですが、上の2つのパラグラフで支援強化を言って、それで「本来」云々と来ると、これが結論みたいに見えてしまうのです。
○藤森委員 そこはそうですね。
○市川委員 何かいい接続語を付けることで対応できるのかもしれませんが、結局支援の在り方というと、まず安全衛生の確保は事業主の責務であるという結論に、事業者に一定の負担を求めることが結語みたいに取れてしまうのです。そうは言っても小規模には支援が必要だということを言っているので、つまりパラグラフとパラグラフのつなぎに工夫が必要ではないか。これだと、「本来」というパラグラフと、「国による支援の意義は」というところが結論と取れてしまう感じがします。
○相澤座長 パラグラフの順番をもう1回考え直して、意の通じるようにするということで。いま直すとまた……になってしまうと困りますので。委員のご意見は十分理解できたと思います。
○武田委員 10頁の下から2行目で、情報を届けるのはより多くの事業場ではなくて、本来はすべての事業場なのだろうと思うのです。でも、すべての事業場は無理なので、難しいので、「本来はすべての事業場に支援に関する情報が届けられるべきであり」くらいにしておいたらどうでしょうか。
○相澤座長 最初の言葉ですか。
○武田委員 いや、より多くの所です。
○今村委員 私も同じところなのですが、「特段の配慮」というのはどういう意味なのでしょうか。具体的に、誰が誰に配慮するのかという、先ほどの主語の話なのですけれども、大事なので、是非書いていただきたいのです。ちょっと具体的ではないのではないかという感じがしています。
 後のほうに出てくる総合調整のところでまたお話をしようと思っていたのですが、厚労省の他の会でも、事業場にこういうサービスがあることが知られていないということで、広報の重要性は前から言われています。
 ちょっと先走って恐縮なのですが、後の総合調整のところでも、労働の関係機関のところで、今回の検討会の中でも、社会保険労務士みたいなことをイメージされているのだと思うのですが、言葉が2カ所ぐらい出ています。私も社会保険労務士の連合会に行って、連携できないかという話をしたときに、地産保のことを全然ご存じなかったのです。それですごいショックを受けて、向こうもびっくりしていて、そんなことがあるのですかみたいな感じなのです。
 つまり、関係機関の間でも、こういうサービスそのものが十分に知られていないという実態があること自体が問題であって、あとの関係機関というところをもう少し具体的に書き込んだほうがいいのではないかと思ったのです。先走って恐縮なのですが、この辺の「特段の配慮」というところは、もうちょっとなんとか詳しく書いていただけるといいと思いました。
○相澤座長 ほかによろしいようでしたら、11頁から13頁にかけて、(2)産業保健への支援の各事業の在り方ということで、推進センターとメンタルセンター、12頁の地産保です。11頁辺りはいかがですか。
○堀江委員 11頁の(2)のアの推進センターの真ん中辺に、「作業環境管理、作業管理等に関する支援」とあり、これは小規模事業場に対するとなっていますが、この前辺りでしょうか。産業医があまり得意でない分野に関して、推進センターが産業医を支援するというのが、典型的な推進センターの活動だと思うのです。まさに作業環境管理や作業管理がそうではないかと思っていました。
 実際、推進センターには作業環境測定のための器具などが展示してあります。こういう物は、普段デパートへ行っても、どこへ行ってもなかなか見ることがない、非常に特殊な物が整備されていて大変助かっていました。ところが、もはや10年以上前の機械ばかりで、1度もキャリブレーションされていなくて、陳腐化していて、測った数字を信用していいかどうかもわからない。プリンターに接続しようと思っても、今は繋がるプリンターがないような状態の物もあります。
 メンタルヘルスも大事な課題ですけれども、そういう作業環境測定機器の整備は、今後も支援してほしいと思っている部分です。このことについては、これまで意見として述べていませんでしたけれども、何か書き加えていただけないかと思います。
 併せて、作業環境測定機器のほかに、労働衛生保護具というものがあるのですが、これもデパートなどへ行ってもなかなかなくて、実際には大企業でしたら直接業者に頼んで取り寄せたりしたらいいのでしょうけれども、なかなかそこまでできない所は、推進センターへ行くと最新の保護具が置いてあるというようなことになれば、非常に良い産業保健の支援サービスができるのではないかと思っております。作業環境管理や作業管理が関係する機材、特に作業環境測定機器や保護具等については、なるべく新しい物というか、現在の規格といいますか、現在発売されている物がちゃんと揃っていて整備されている状況を今後もつくっていただきたいと思います。
○相澤座長 大事なところですので、その辺の機器の整備とか備えるとか。
○椎葉労働衛生課長 前のほうの課題にも挙げつつ。
○相澤座長 そうですね。
○堀江委員 ありがとうございます。6頁に加筆いただければありがたいですね。
○椎葉労働衛生課長 6頁の推進センターのところに、そういう作業環境測定や保護具などが劣化と、古くなったということなどを踏まえてという形になるのかと思います。
○堀江委員 ちょっと付け加えますと、もともと機材を買ったときに、作業環境測定機器として実際に使われては困るという議論があって、キャリブレーションはしないというポリシーがあったと聞いています。1台程度であれば、それを使って勝手にどんどん測定することはしないと思いますので、1台ぐらいはちゃんとキャリブレーションした物を置いておいてほしいと思うのです。正しく動かなければ機械ではないと思うのです。従来はキャリブレーションする予算がなかったみたいなのですが、今後はそういうものを付けていただくとありがたいと思います。
○椎葉労働衛生課長 検討いたします。
○市川委員 ちょっと細かすぎる指摘かもしれませんが、11頁のアの推進センターのところの4行目に、集約されて、「集約後においても」云々で、「現在の産業保健支援サービスができる限り低下しないような配慮」と書いてあります。「できる限り」と入ると、低下が前提だという、低下が前提なのだけれども、その低下をできるだけ押さえてというふうに取れるのです。集約したら、サービスが低下することが前提というのもいかがかと思います。ただ単に普通に「低下しないよう」ということでいいのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
○相澤座長 そうですね、これは取りましょう。
○椎葉労働衛生課長 あらゆるところで、「できる限り」という用語を使ってあります。
○市川委員 ほかにも、「できる限り」というのが出てきたなと。
○椎葉労働衛生課長 あまりにやりすぎでしたか。「できる限り」を取るということですね。
○市川委員 いやいや、ほかの先生方のご意見も。
○相澤座長 低下しないような配慮が必要だということでよろしいですね。
○椎葉労働衛生課長 はい。
○相澤座長 「できる限り」を、ほかのところも取るということで。
○椎葉労働衛生課長 何カ所も出てくるものですから。
○相澤座長 もう一度後で見直してみましょう。ほかによろしければ12頁はいかがでしょうか。
(特に発言なし)
○相澤座長 13頁はいかがでしょうか。
(特に発言なし)
○相澤座長 それでは、次に13頁から14頁の終わりまでですが、「総合調整の機能の必要性等」と、14頁には「おわりに」がありますが、いかがでしょうか。
○武田委員 13頁の下から4行目です。総合調整に当たっては、いろいろな機関、団体を含めて連携する必要があるのですが、すべてにわたって連携する必要もないので、例えばテーマに応じてとか、条件を付けないとすべてを網羅するのはちょっと無理だろうと思います。
○相澤座長 テーマに応じて連携する必要がありますね。今村委員の先ほどのご指摘のところも、この辺のところですか。
○今村委員 はい。いま武田先生がおっしゃったように、何でもかんでもということではないのですけれども、少なくとも先ほど具体的に名前を挙げた社会保険労務士は、国家資格の中で労働衛生というのも仕事の中に入っています。そうだとすれば、そういう具体的な個別の、あるいは「等」でも結構なのです。ただ「関係機関」と言われると、それぞれの地方によって入れるものがバラバラになってもいけないので、確実にそういうものがある程度仕事として位置づけられているような団体については、具体名を書いていただいてもいいのではないかと思ったので、先ほど申し上げました。
○相澤座長 地域で労働衛生活動を展開している社労士等の機関とか、そういうことでしょうか。
○今村委員 本文中にも、2カ所ぐらいそういうものを想定している文章がありましたので。
○相澤座長 社労士のほうはよろしいですか。
○古田職業性疾病分析官 はい、わかりました。
○今村委員 いくつか本当に必要な関係団体があれば。
○古田職業性疾病分析官 そうですね、主な、特に関連の深そうな所。
○市川委員 いまの所は、災防団体も入るのですか。
○古田職業性疾病分析官 もちろん。
○市川委員 関係行政機関、行政機関ではないか。
○相澤座長 いろいろたくさんありそうですね。でも、たくさん挙げておいてもいいですよね。それから下のところも関係。
○古田職業性疾病分析官 何か別表でリストに挙げてもいいかもしれません。
○相澤座長 そうですね、知らないと困る。
○土肥委員 挙げるのに、調整しないといけないかもしれません。
○相澤座長 挙げられては困るとか。
○今村委員 先ほど申し上げたように、少なくとも資格の中で要件に入っているようなものは挙げていただくということで。
○市川委員 それは、本文の中にどこまで書くかという話はなかなか難しいのかもしれないなと。漏れるときに、法律でいろいろな意味でなっているのを全部洗い出せればいいのだけれども、たまたま気がついたのだけ固有名詞を本文中に挙げるとなると難しいのではないかという感じはします。
○土肥委員 いまのご意見は私も思っていたところです。資料2の右の括弧の枠の中を大きくするのがよろしいのかなと思っております。ここの中に、関係するものをある程度何か書けば、もう少しわかりやすいものになるかと思います。
 ここでもう1つ気になる点は、総合調整するということと、小さな枠組みと大きな枠組みが書かれているのですが、もちろん大きな枠組みでたくさん集まってくることは非常にいいことだと思うのですが、小さな枠組みのときはそういうことがあまり書かれていないのです。あまり大きくなりすぎて協議会をやると、結局何も討議されないということが起こることがあります。資料2のところでも、ここに矢印が付いていると、すべてこういう全体をいつも呼んでいるような、呼ばなければいけないのかという誤解を招かないように、その辺はきちんと分けていただく。これは、総合調整ということなので、大きな枠組みのことを書かれているということだと思うのですが、分けておいたほうがよろしいかと思います。
○今村委員 協議会に関しては全く同感です。ただ私が申し上げたかったのは、自分たちが当事者だという意識がないと困るので、そのリストに入っていると、ああそうなのだと自覚させる意味で、なるべくということを申し上げました。
○椎葉労働衛生課長 事務局から申し上げますと、資料2の図は、本文の13頁の(3)の総合調整の中の第3パラグラフに、総合調整には大きな枠組みの調整と、小さな枠組みの調整があるというのを図示しただけで、あくまでも本文の補完資料です。
○土肥委員 先ほど申し上げましたように、総合調整が大きな枠組みと、小さな枠組みの全体を指しているので、この事務局がされるときに、いつも非常に大きなメンバーでやってしまうと、それは技術的な問題だということではそうなのかもしれませんが、ちょっと注意を促しておいたほうが、具体的な行動に移るときにはやりやすいのかという気がします。
○市川委員 同感なのですが、往々にしてほかの分野でも、このような地域でのさまざまな協議会というと、会議をやればいいというふうに済ませてしまっている例も多々ありますが、これは違うということを言いたいのです。会議体ではなくて、機能を果たすのだというところを明確に示していただければいいのではないかと思います。
○土肥委員 併せてもう1つですが、せっかく資料2のところに「都道府県産業保健・メンタルヘルス対策総合推進会議(仮称)」と書かれておられるのですが、これは本文のどこにも出てこないのです。図表のタイトルが一切本文に出てこないというのもあれなので、仮称でいいので何か入れたほうがはっきりするのではないかという気がするのですが、いかがでしょうか。
○相澤座長 そうですね、ちょっとうっかりしました。これは、いちばん大事な鍵のところですから、これは入れないといけないです。
○土肥委員 (3)に入ってくるべきものではないかという気がするのです。
○相澤座長 (3)のところですね、大変大事なご指摘をいただきました。
○今村委員 いまの先生のお話というのは、この会議をつくるという話になってしまわないですか。つまり、機能の話というのはそのとおりだと思います。だから、そこに公の報告書に「会議」と書くと、本当に会議をつくることがまた目的になり兼ねないので、そこはちょっと注意をして書いていただければありがたいと思います。
○土肥委員 たぶん小さな枠組みでやるときには、そういう題目のある会議でないほうがいいと思うのですが、大きなものをやるときには、やはり何か名目があったほうが、具体的に実際には集まりやすいかもしれないと思います。おっしゃるとおりだと思うのですけれども。
○椎葉労働衛生課長 具体的にはこういう会議をつくって、大きな枠組みのことをやったり、それとも部会をつくって、関係者を集めて個別のあれをやるとか、そういうことを各都道府県の実情に合わせて弾力的にやれとか、そういうことを記載させていただこうかと思います。
○相澤座長 説明は必要ですね。
○堀江委員 いまのは会議を書くかどうかの議論でしたけれども、この名称は、メンタルヘルス対策は産業保健に入らない、ということを国が認めている、定義しているような気がして、どうも納得できないのですが、やはりこう書かないとまずいのですか。メンタルヘルスは、当然、産業保健の一部だと思います。「・」で結ぶ単語の関係は、「and」又は「or」ということでつながる別の事象を指すことになると思うのです。産業保健の枠組みに入らないメンタルヘルスまで職場でやるというのだったら別ですけれども、そうではないと思うのです。もしこれが自殺対策とかだったらわかるのですが、いままでメンタルヘルス対策といったら、産業保健の枠組みの中でずっと語ってきたのですが、これは外に出しているので、これを正式名称にされるのであればご一考いただきたいと思います。
○椎葉労働衛生課長 実は、これは言葉の足らない図です。実は全部「事業」を入れております、「メンタルヘルスセンター事業」とか、「地産保事業」と。推進センターだけは事業ではないので入れなかったのですが、要するに3事業を調整する会議だということです。
○堀江委員 そういうことですか、一般名詞ではないということですね。
○椎葉労働衛生課長 はい、事業の調整の会議だということです。
○堀江委員 それならばわかりました。3事業の調整会議ですね。
○椎葉労働衛生課長 はい。
○相澤座長 ネーミングには気をつけないといけないですね。「総合調整」のところと、「おわりに」のところはよろしいでしょうか。だいぶご議論していただいたので良くなってきていると思います。それでは全体にわたって何かありましたらお願いいたします。
○武田委員 途中で話が出ていたように覚えているのですが、産保センターとメンタルヘルスセンターの統合はないのでしょうか。やはり分けた状態がこれから先の形であるわけですか。
○椎葉労働衛生課長 センター自体は、福祉機構の箱があります。メンタルヘルスセンター事業は、46都府県では産保センターがやっているのですが、北海道は別の所がやっていますので別だという理解なのです。
○今村委員 いま武田先生からご指摘いただいて改めて思ったのですが、6つのブロックに分けるという考え方そのものの合理性については、ここでは何も触れられていないのですが、それはどうなのかなと思います。それは基底でこれからもずっと続くという考え方でよろしいのでしょうか。
○椎葉労働衛生課長 7頁のイのところに、一応閣議決定された統廃合閣議が。
○今村委員 いいえ、そうではなくてメンタルのほうが委託事業になって、全国を6つに分けましたよね。それで北海道は、たまたま1ブロックが1道なので46都府県という形になっています。今後はそのブロックによって違う団体が受けると、推進センターとは離れた形になるので、そこの記載が全くないまま報告書が出ることになるので、ちょっと気になったのです。いま武田先生に言われて、ハッと思ったのです。
○相澤座長 この辺はどうなのかな。
○古田職業性疾病分析官 6つに分けていますが、その前の年は、全体を一本でやっていました。
○今村委員 ですから、これは厚労省の考え方ひとつで、来年はまたということになるのですかということなのです。そこが結構大きいと思うのです。どういう事業の実施の仕方をするかによって、ここが大きく影響してしまいます。
○土肥委員 これまでの議論ではどういう議論だったのでしょうか。
○今村委員 ここは、あまり議論しなかったのです。だから、いま言われて改めて私もハッとして、いまさら言うのもナニだと思いながらも。
○椎葉労働衛生課長 これまでいただいた議論を集約したのが、今回の報告書です。
○今村委員 実はこの会の始まりの第1回でヒアリング結果を申し上げたのですけれども、そのときは私のほうから申し上げています。北海道だけが違う団体が受けることになったために混乱が起こっている、という報告は申し上げています。6つのブロックのうち、残り5つは全部同じ所が受けたので今回はよかったのですけれどもという話なのです。いまさら最後に入れられないのか、しようがないとは思いますけれども、武田先生がおっしゃったので、ハッと思ったので言っておかなければと思いました。
○椎葉労働衛生課長 こういう総合調整、3事業を調整する機能を付けて、連携して、有機的にやっていただければということです。
○今村委員 いいという整理なのですね、わかりました。
○相澤座長 武田先生はいいですか。
○武田委員 はい。
○相澤座長 はっきりわからないことなのでしょうね。
○道明委員 地産保も、最初10の都道府県の医師会が切りました。その後、今回は大阪も……危なく、いずれにしても増えたことは確かです。それはどうしてかというと、医師会のモチベーションが下がっていることは確かです。ある程度医師会も一生懸命しないと、産業医活動はできないわけですから、もう少し医師会にとってのインセンティブというか、そういうものがないと医師会も受けません。そうすると、また同じようなことが起こるのではないかと思います。その辺のことはきちんとしておいてもらいたいと思います。それは前から申し上げているとおりですので、よろしくお願いいたします。
○相澤座長 全体を通してご意見がないようでしたら、議論はこれで終了させていただきます。非常に多岐にわたるご議論をいただきましてどうもありがとうございました。本日出たご意見をまとめますか。
○古田職業性疾病分析官 本日のご意見を踏まえ、必要な修正をさせていただき、後日各委員に送付させていただきます。
○相澤座長 それでは、もう1回確認する機会がありますので、もし修正がありましたらどの程度の議論ができるかはわかりませんけれども、一応委員会としては本日が最終ということになります。
○市川委員 取扱いについてですが、ここの報告の中で、様々な意見があったことを受けて、次にどういうアクションがあるのですか。これを実現するに当たって、この報告書の内容を実現するステップを、スケジュール感も含めてお聞かせいただけますか。
○椎葉労働衛生課長 14頁の「おわりに」のところですが、課題として挙げられた事項については、引き続き本省で検討させていただきたいということです。それからこの報告書を受けて、実際の予算要求であるとか、これは議事録に残ると怒られますけれども、また仕分けがあった際には、委員会できちんと議論してこういうことをやったのでということで、武器にもなるものです。こういうものがあると、我々事務局としても、すごく前に進みやすいので、これから予算要求であるとか、あらゆる所でこの報告書を活かさせていただくつもりです。このいただいた内容を深め、今後も引き続き検討させていただきたいということです。決して貰って終わりということではありません。
○武田委員 予算要求されるときに、是非特別会計だけに頼らないことも是非ご検討ください。
○藤森委員 予算要求という話でピッと来たのは、10頁のいちばん上の欄に「無駄を省いた上で、予算面も含めた支援の強化が望まれる」ということで、以前に今村委員が、補助金も含めてという話があって、昨今では難しいと思うのですが、大阪も今年度は受託はしないという話になりましたが、その辺のところで大阪はなかなか手挙げができなかったことがあります。いままでの組織ではちょっと難しく、運用しにくいというのがあってその辺のところを、私個人的な意見としては、支援の強化が、さらに強化なり、強い強化なりという言葉を付けていただけるとうれしいと思います。地産保事業が受け入れられるような予算支援のところをよろしくお願いいたします。
○相澤座長 これから修正をし、先生方に見ていただきますが、最終的には事務局と調整をいたしますけれども、座長である私にご一任いただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○相澤座長 ありがとうございました。次は「その他」ですけれども、事務局から連絡はありますか。
○古田職業性疾病分析官 ただいま座長からお話がありましたように、会議としては本日で終了となりますので、労働衛生課長からご挨拶させていただきます。
○椎葉労働衛生課長 委員の皆様方におかれましては、6月22日の第1回検討会から4回にわたり、精力的にご議論いただきました。本当にご多忙の中ありがとうございました。私は、7月29日に来たばかりで、第3回と第4回と後半戦にしか出席できませんでしたけれども、大変実りの多い会議だったと考えております。特に、事前に関係者のヒアリングを実施していただいたり、地方から広く意見を聴取していただいたりして、本当に熱心にご討議いただきまして本当にありがとうございます。
 今回の議論の中にもありましたけれども、産業保健を取り巻く現状には多くの課題があり、また小規模事業場の健康の3管理の問題や、メンタルヘルス対策などは本当に重要で、これらの一層の充実を図る必要があると考えております。今後、最終的な報告書の取りまとめを行い、この検討会でご検討いただいた内容を、今後の産業保健の支援の充実に着実につなげたいと思っております。そして労働者の健康管理、3管理の充実強化を図っていきたいと考えております。
 繰り返しになりますけれども、いただきました報告書は、今後仕分けがあった際にはこれを武器に使っていきたいと思います。財務省に対しては、予算の獲得に向けて、これを武器に頑張っていきたいと思っております。いままでは丸腰でしたが、本日は8人の侍から武器をいただいたということで頑張りたいと思いますが、引き続き委員の皆様方には、今後とも私どもに、それぞれの立場から叱咤激励、ご協力をお願いいたします。本当にありがとうございました。
○相澤座長 どうもありがとうございました。それでは本検討委員会を終了いたします。皆様ご協力をありがとうございました。


(了)

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