ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会医療・福祉部会)> 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第54回)議事録




2011年8月9日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第54回)議事録

○日時

平成23年8月9日(火) 13:00~16:00


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

   真野部会長、大島部会長代理、浅野委員、石渡委員、橋田委員、平井委員、松原委員


○議事

(以下、議事録)
 
○真野部会長
 それでは時間になりましたので始めたいと思います。第54回独立行政法人評価委員会医療・福祉部会です。今日は4時間ではなく3時間ほどの予定で4時ぐらいまで議論していきたいと思います。本日は五十嵐先生と關先生が欠席で、松原先生と石渡先生は少し遅れる旨の連絡が入っています。
 本日の議題は、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の「平成22年度業務実績に関する個別評価」を行います。事務局に人事異動があったということで、よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 7月29日付けで人事異動がありましたので、ご紹介させていただきます。政策評価官の田原です。

○政策評価官
 田原でございます。どうぞよろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 以上です。

○真野部会長
 ありがとうございました。それでは本題ですが、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園、以降、のぞみの園と言いますが、のぞみの園の個別評価に入りたいと思います。
 最初、遠藤理事長からご挨拶と平成22年度における取組みのご説明をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 理事長の遠藤です。よろしくお願いします。
 委員の先生方には大変ご多忙の中、お時間を取っていただき、ありがとうございました。また日頃、当法人の運営につきましてご指導、ご鞭撻をいただいていることに心から御礼を申し上げます。
 早速ですが、お手元の資料1-1で、私のほうから平成22年度の業務実績の要点についてご説明させていただきます。
 資料1-1、平成22年度における取組(概要)となっています。最初に最後の6頁にのぞみの園の事業体系図が載せてありますので、まず体系図をご覧ください。この図は上の3分の2のスペースに当法人の事業について評価項目ごとに自己評価や業務の実績を簡潔にまとめてあります。同じように下の3分の1のスペースには法人の運営の効率化や適正化に関する評価項目についてまとめてあります。この実績などについては後ほどまた触れることにしまして、この体系図ではのぞみの園の事業の全体像について若干、ご説明させていただきます。のぞみの園ではこの上3分の2に色分けしてありますように、5つの事業を柱に展開しています。1つは総合施設の設置・運営。2つ目は調査・研究。3つ目は養成・研修、そして援助・助言、附帯業務と5つの事業です。この総合施設の関係では、重度の知的障害者を主たる対象として、福祉と医療を連携したモデル的な利用者の支援を展開していますが、特に旧国立コロニーが40年前に開設されていますが、その旧国立コロニーにおいて全国から受入れた知的障害のある人たちについてその出身地、あるいはご家族の近くに戻って新しい生活が始められるようにという地域移行の事業に重点的に取り組んでいます。そのほかに障害者福祉を巡る新しい政策課題、例えば刑務所とか少年院などの矯正施設を退所した知的障害のある人たちの地域生活への移行、あるいは地域生活への定着といった事業も展開しているところです。
 第2の柱の調査・研究では障害者福祉行政の政策課題に関するテーマを中心に選定していますが、総合施設をフィールドとして調査・研究を行うことを中心に取り組んでいます。また養成・研修では、総合施設におけるモデル的な支援、また調査・研究事業の成果などを全国の関係施設、関係者に提供しようということで、全国から参加者を募って、主としてセミナー形式により取り組んでいるところです。
 また、附帯業務ですが、こちらでは地域に障害のある人たちに対するいろいろなサービスの提供ということですが、特にのぞみの園の直営の診療所におきまして、地域の発達障害のある人たちに対する医療の提供ということで取り組んでいまして、最近では群馬県内の発達障害児の医療の拠点の役割を果たすようになっています。
 いまご説明したような事業に関連しまして、いろいろ障害者支援施設などから援助・助言の求めがありますので、そういったものに対する援助・助言の事業にも取り組んでいるところです。最近の援助・助言の傾向は、矯正施設を退所した知的障害者の支援の関係で法務関係機関からのいろいろな照会、あるいは発達障害児関係で教育委員会などからの照会なども増えてきているところです。
 以上、大変大雑把ですが、のぞみの園の事業の概要をご説明しまして、1頁に戻り、業務実績の要点だけ私からご説明させていただきます。
 1頁でまず、業務運営の効率化についてまとめてあります。業務運営の効率化では、定年退職者の不補充などにより、常勤の職員数を確実に削減しています。それに伴って人件費総額も対前年度で9,000万円ほど削減し、運営費交付金も約3億5,600万円削減してますので、運営の効率化については着実に成果をあげているところです。ただ、当部会からご指摘もあったように、私どもの業務は障害のある人たちに対する対人サービスの提供が主ですので、そのサービスの水準を確保するとの点については十分に留意しつつ運営の効率化に取り組んでいるところです。
 次の2頁ですが内部統制・ガバナンスの関係の強化です。内部統制については当部会のご指摘もありましたので、のぞみの業務の特殊性、先ほど申し上げましたような障害のある人たちに対する対人サービスの提供を考慮して、リスク一覧を作成して取り組んでいます。また、この内部統制について職員の意識を高めるために平成22年度においては職員研修会を開催したりしています。また、感染症の予防対策などにも取り組んでおりまして、平成22年度においてはインフルエンザ、ノロウイルスとも利用者については発症はなかったという結果になっています。ただ、昨年の当部会でご報告しましたように、昨年4月に入所利用者の死亡事故が発生しました。重度の知的障害のある人が認知症に罹患して、急速に症状が進んだケースでした。紙おむつの一部を口に含んで窒息した事例でしたが、事故後直ちに再発防止の徹底を図っています。詳細については後ほどご説明する予定です。このような再発防止の徹底に努めていますが、やはり重大事故の発生防止のために最大限に努力しなければならないと改めて取り組んでいる状況です。
 次に3頁、地域移行の事業の関係です。丁寧かつきめ細かい取組みを進めており、平成22年度の移行者数は22人です。このほかに移行が決定したあとで重篤な病気にかかったり、あるいは残念ながら死亡したりで実現しなかった事例が4例ほどありました。また、保護者の同意については日頃、意志疎通がなかなか取れない来園の機会の少ない保護者に対しても積極的に働きかけるなどして、33人の同意を得ることができました。移行者数、また同意を得た保護者数共に年度目標を上回ることができました。
 次の4、行動障害を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援です。この中で特に矯正施設を退所した知的障害者の関係で専門家を参事として招聘して、その指導・助言を受けながら支援に取り組みました。平成22年度は法務関係機関との連携の下で新たに4人を受け入れました。また、平成22年度に地域に移った者は2名です。そして本年1月に空いている生活寮を活用しまして、矯正施設を退所した人を対象として、専門性の高い支援に取り組もうということで、定員7名と書いてありますが、「自活訓練ホーム」を開設したところです。
 次に4頁、行動障害を有する者への支援で取組んだ内容に触れています。前年度に引続き、専門家を招聘して、支援の専門性の向上に努めたところです。また在宅で生活をしている自閉症とか行動障害のある人たちの支援のためのサービスとして「行動援護」のサービスがありますが、その行動援護を普及する、あるいはサービスの質を確保するような点についても取り組んでおり、全国的なセミナーなども開催しています。また、入所利用者も年々歳を取り、高齢化が進んでおりますし、機能低下も進んでいます。そのような人に対する専門的な支援を行おうと、これも専門家を招聘して支援の現場で指導・助言などをしていただき、また職員への研修会なども開催していただくことで取組みました。また高齢化によって摂食・嚥下障害などもだんだん増えてきていますので、そのような人たちに対するリハビリなどについても専門家のご指導をいただきながら取り組んでいるところです。
 5、発達障害者の医療的支援について触れています。先ほど申し上げたように地域の発達障害のある人たちの医療的支援で常勤の児童精神科の専門医と臨床心理士がチームを組んで取り組んでいます。外来患者は年々増加しておりまして、地域における発達障害の医療の拠点としてますます重要な役割を担っています。
 最後に5頁で、この度の大震災の関係でのぞみの園としての取組みについて触れさせていただきます。この大震災の関係でのぞみの園の入所利用者、あるいは施設設備について特に被害は発生しませんでした。また東北、関東各県に地域移行した利用者の人たちについても被害は生じなかったことが確認が取れています。他方、被災した障害関係施設に対して国立の施設として積極的に支援しようということで、震災発生直後からいろいろと取り組んでいるところです。特に福島県の福島第一原発から5~6?の距離にある富岡町の施設について、集団避難を望んでいるということがありまして、のぞみの園としてその法人の施設、事業全体を受け入れることで対応したところです。これは受入れを決定したのは3月27日で、平成22年度の最後でしたので、実際の受入れは4月15日でした。受入れといっても、のぞみの園として空いている生活寮を3つと日中活動の場を提供しまして、友愛会という法人ですが、その友愛会が従来の事業を継続して実施できるようにということで対応しているところです。したがいまして、従来、知的障害関係の更生施設、授産施設などをやっていましたけれども、そのような事業をのぞみの園に移ってきても独自の施設で運営しているのが実態です。また同じ福島県富岡町に所在していた他の法人がありまして、そちらが千葉県鴨川市に集団避難していますが、そちらにものぞみの園の職員を2名ずつ交替で派遣して利用者支援に協力しています。このように国立施設として被災した施設の支援に今後とも積極的に取り組んでいくこととしています。
 以上、平成22年度の取組の概要です。どうぞ本日、評価、よろしくお願いします。

○真野部会長
 ありがとうございました。
 それでは、評価に入ります。いくつかのグループに分かれていますが、グループ1からお願いします。グループ1は「業務運営の効率化」で、評価項目は5つです。説明が30分、我々から30分の議論という形でお願いしたいと思います。説明をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 理事の篠原でございます。どうぞよろしくお願いします。説明は資料1-2、パワーポイントの色刷りの説明資料をメインにさせていただきますが、本体の評価シートについても対応する頁を申し上げますので、ご覧いただければと思います。なお、この説明資料は、評価の視点や数値目標に対応した実績等で作成しておりますが、時間に限りがありますので、評価の視点や数値目標は読み上げを省略させていただきます。ご容赦お願い申し上げます。
 2頁です。私どもは、法人運営にあたりましては、施設利用者へのサービスの推進・維持に十分留意しながら、運営の効率化、適正化に努力しております。平成22年度においても、柔軟な組織編成ということで、下のブルーの○の4つに取り組みました。1つは「矯正施設等を退所した知的障害者の地域生活支援の充実強化」ということで、その道の専門家を参事としてお迎えし、関係職員の支援技術等の指導・助言体制を整えました。また、平成23年1月に空き寮舎等を活用した「自活訓練ホーム」を立ち上げ、試行的に開設し、いま取り組んでいるところです。平成22年10月には、就労継続支援B型事業を開始し、これを機に、日中活動と就労支援の充実強化のための組織改正を行いました。平成23年4月に、第4次寮再編ということで17か寮を1か寮減らしたわけですが、それに先駆けて、利用者を支援の適正な所へ転寮することについても取り組んだということです。
 常勤職員数につきましては、定年退職者の後補充は原則行わないという取組みで、平成22年度末までに、この3カ年の間にすでに41人、これは52人の削減計画の約8割に当たる数ですが、41人を削減して、234名となっております。
 3頁です。いまもご説明しましたとおり、常勤職員数については、平成22年度末で既に全体の計画の約8割を達成する削減を行っております。そういう中でも、提供するサービスの質を確保するということから、平成22年度においては生活支援員5名、心理療法士1人、理学療法士1人という計7名の方々を採用しております。人件費改革は、国家公務員並びとする給与体系の改革も行いましたし、平成22年度は同じように国家公務員の給与引下げの改定がなされたわけですが、これにリンクしたマイナス改定も実施しております。
 4頁です。平成21年度の欄を見ると、ラスパイレス指数ですが、対国家公務員比96.0、対他法人比90.9ということで、国より低い目標値ですが、それをさらに下回っているという現状です。
 5頁です。平成20年度から、左側に書いております各分野の専門家の方を招聘して、職員の質の確保、人材の確保のための取組みを実施しておりますが、平成20年度はピンクの部分の専門家を招聘し、矯正施設等を退所した知的障害者の支援の充実強化を図ったということです。犯罪に関わった知的障害者の支援の経験を有する専門家をお迎えし、実際の場面で指導や助言を受け、より質の高いサービスの提供を行うことができる体制を整え、質の高いサービスを提供しております。
 6~7頁です。ピンク色の枠に書いてありますように、該当しないものもありますが、該当するものの法定外福利費については、労働基準法及び労働安全衛生法に則り、適切に対応しております。以上、ご説明しましたとおり、評価項目1については、評価シートの2頁の下段の自己評価は、私どもはいずれも計画以上の成果を上げているという評価で、「A」としております。
 8頁です。評価項目2の「内部統制・ガバナンス強化への取組」です。評価シートの4~8頁中段までです。平成20年度の実績評価の折に、この場で委員の先生方からのご指摘を踏まえて平成21年度に改定した阻害要因一覧をもとに、9頁のフェーズ2「リスクの評価、リスクマップの作成」を行い、結果、3つのリスクということで利用者の骨折と誤与薬の発生、当事者意識の欠如について、フェーズ3「リスク対応計画の作成」からフェーズ5「リスク対応計画の取組み状況の調査、評価」まで、継続して取り組んできました。また、総務省の研究会報告で独立行政法人の内部統制の概念等の整理を受け、改めて内部統制にかかる職員研修会を3日間開催し、職員の質の向上を図りました。この内部統制の取組みにつきましては、専門的な知見を有する会計監査人の指導・助言を得つつ、各部所の長をメンバーとする「内部統制向上検討委員会」を設けていますが、この5回の開催における協議等を通じてその実施を推進する体制をとっており、いま推進しているという状況です。
 10頁です。平成22年度もモニタリング評価会議を4回開催しております。モニターから指摘のあった空き寮の活用につきましては、日中活動の場や罪を犯した知的障害者の社会生活支援の訓練の場として活用しておりますし、地域移行の推進に当たって、各部所との連携についても共通の情報を持って地域移行の推進に当たるようにしております。これらのことは、幹部会議や職員向けの園内報等を通じて、周知・反映させるように徹底を図っております。
 11頁です。業務の情報開示ですが、組織、業務及び財務情報等、そこに4点ほど掲げているものについてはホームページで公表しておりますし、監査機能の強化ということで、内部監査についても、下段に流れを書きましたが、この流れで最終的に監査結果について理事長に報告し、その結果をホームページで公表するという取組みをしております。
 12頁です。健康維持対策や感染防止対策として、日ごろからここに書いてありますようなことについて徹底して取り組んでおります。万一、職員や職員の家族等に発生した場合には、速やかに利用者への二次感染防止のために「感染症対策委員会」を開催し、迅速な対応を図っております。一昨年に流行った新型インフルエンザに対しても、引き続き平成22年度も踏襲して、タミフルの予防投与や手洗い、うがい、マスク着用を徹底し、職員や職員の家族等が罹患した場合は出勤停止等の措置を取り、その予防に努めた結果、利用者についてはインフルエンザもノロウイルスも発症者はゼロでした。
 また、防災対策についても、利用者の方の防災等避難訓練を夜間も含めて定期的に実施しており、毎年秋には、役職員も含めた総合防災訓練も実施しております。3.11の大震災のときは、のぞみも先ほどご説明したように震度5の大きな揺れに見舞われましたが、幸い、人的にも建物にも被害はありませんでした。その際に、利用者の皆さんの安否確認がスムーズに行われたことは、このような日ごろの訓練が活きたものと思っております。また、事故の再発防止としましては、「事故防止対策委員会」を毎月開催しており、発生原因を分析し、事故防止策を検討し、そのことを職員に周知し、同じ事故が起きないように取り組んでおります。事故件数は昨年より少なくなっております。事故が47件、ヒヤリハットが50件と減少しております。
 14頁です。しかし、先ほど理事長から申し上げましたように、窒息による死亡事故が発生しました。認知症と診断があって、不眠や物投げなどの行動が顕著となった男性利用者(56歳)が、昨年4月21日未明に、のどに紙おむつの一部を詰らせて窒息死されたというものでした。事故後は変死を疑い、警察署に報告を行った結果、事件性はないということで、警察から保護者の方にご説明され、保護者の方もそのことは納得され、私どもに長年の支援に対しての謝意をいただいたということです。
 この事故後は、速やかに検証し、再発防止策に取り組みました。そこに書きましたように、事故発生時の対応マニュアルを整備し直し、夜間の巡視マニュアルの見直しも行いました。効果的なおむつの装着法等の特別職員研修会も実施し、救急救命講習会も毎月1回実施しております。職員の質の向上を図るということで、特別養護老人ホーム等の外部機関への介護研修等にも行かせております。吸引器、離床センサー等の設備やAEDの増配置も行いました。これとともに、「事故事例検討会議」の開催ということで、支援職員を対象に事故の周知を図り、今後の事故防止の徹底を図ったということです。
 15頁です。広く国民からの要望を取り入れるような形を取るために規則を整備したほか、業務改善のために、職員が理事長に直接業務改善につながる提案や無駄削減に関する提案等ができる仕組みとして、「業務改善提案箱制度」を昨年6月1日に作りました。
 以上が評価項目2の実績です。ご説明しましたとおり、計画どおり、計画以上の取組みもありましたが、死亡事故の発生などから、評価シートの7頁上段の自己評価は全体として「B」とさせていただいております。
 16頁です。評価項目3「業務運営の効率化に伴う経費節減」です。評価シートは、8頁中段から11頁中段までです。第1期においても、運営費交付金の節減の目標が13.0%以上の節減というところを、私どもは13.08%の実績を上げております。第2期においても、23%以上の節減が課せられておりますが、この表にありますように、平成24年度末までに目標は達成すると考えております。数字的に申し上げますと、17頁ですが、平成22年度予算額は前年度比約16.8%減の17億6,400万円になっております。この額は、平成24年度の目標額17億9,700万円をすでに下回っているという状況です。
 18頁、経費の節減の欄をご覧ください。常勤職員数の削減とともに、給与水準の引下げにも取り組んできており、平成22年度においても前年度より9,000万円削減しているということで、経費の節減に取り組んでおります。
 19頁ですが、一方で経費増の取組みも求められており、介護給付費、訓練等給付費等の単価の改定により、平成21年度、平成22年度と収入増もあります。そのほかに、下段の枠の中に収入確保に向けた取組みの主なものを掲げております。このような取組みをした結果、先ほど申し上げましたように、収入は割合として50%になります。また、診療収入の確保についても、精神科の常勤医等を確保したことにより新患が217名増加し、診療所の収入増もありました。
 20、21頁です。いずれもピンクの枠に書いておりますように、各部署で点検した結果、冗費は発生しておらず、事務事業は利用者のニーズに対応したものでした。なお、21頁の薄い黄色の枠に書きましたように、費用対効果を考えた場合に非常に厳しい面もありますが、高崎市から受託事業として相談支援事業を年間700万円で受けております。これについては、職員数3名の人件費や、町中の相談所ということで借家・借地の家賃等の経費が持出しになるわけですが、この相談支援業務のニーズが高く、地域の障害者にとってはなくてはならないものということで、私どもとしてはお金を出してでもやる事業だということから、平成22年度も引き続いて取り組んでおります。
 以上が評価項目3の実績です。ご説明しましたように、いずれも計画を相当上回っていることから、評価シートの10頁の中段ですが、自己評価は「A」とさせていただいております。
 22頁です。評価項目4「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」です。評価シートは11頁中ごろから14頁の半ば過ぎまでです。地域の方や高崎市保護者の代表の方にもメンバーとして参加いただいている「資産利用検討委員会」を開催し、資産の状況の再確認を行い、土地の有効利用を検討しました。地域の方々からは、グラウンド、テニスコート、体育館などの資産について、一層の地域開放を行うようにとのことでした。ご覧いただきますように、広大な敷地ではありますが、約8割が山林で、かつ起伏の激しい所です。正直なところ、買っていただけるのであれば是非にと思いますが、なかなか買い手がつかないというのが現状です。
 23頁です。平成20年度から、活動支援棟サテライトとして、空き寮を活用した多様なメニューの日中活動を展開しております。平成21年12月には、寮再編で新たに2つの空き寮が出ましたので、その活用として、1つは重症化や高齢化の日中活動の場のサテライトとして車いす用のトイレ等の改修を行い、緩衝材の設置等も行って、使いやすくしたということです。もう1つは、自閉症、行動障害のある方の生産的活動の場のサテライトとして、受入環境の整備をして、日中活動の充実を図ってきたということです。
 24頁です。先ほどご説明しました資産の活用のチェックですが、平成22年度監事監査においては、特別の指摘事項はありませんでした。
 25頁です。一覧に書いてありますように、福祉関係者等への研修などの活動の場として、法人所有の施設である文化センターや資料センター、また、地域住民の交流の場として、体育館やテニスコート、グラウンド等を広く開放しております。平成22年度では、8年間続いた「のぞみふれあいフェスティバル」には約1,900人の参加をいただいております。また、体育館、グラウンド等の開放については、地元の育成会等の利用で約2,300人ほど利用していただきました。
 施設本体でやらせていただいている事業が、右下に書いているものです。職場体験実習、親子作業体験、ボランティア講座の開催等です。また、診療所の機能の活用ということで、平成21年度から常勤を採用しましたので、療育支援、特別支援教育に関する部分にも多大な貢献をさせていただいております。
 26頁です。左側の図にありますように、入所利用者に対する適切な医療の提供については、健康管理、医療的ケアということで内科健診等をしております。また、行動障害等の著しく支援が困難な者に対しては、精神科医と臨床心理士が連携して対応しております。地域医療につきましては、標榜科は5科、特別外来として心理相談、機能訓練をしており、心理相談や発達障害に対する相談等が増加しております。下に書いておりますように、発達障害の方の保護者を対象に、平成22年度から月1回を2回に増やして実施しておりますが、保護者向けの家族心理教育を実施しております。また、高齢化した利用者、硬いものが食べられないとか、嚥下困難になっている方が増えてきており、それは地域の方にも同様な傾向ですが、そういった方々に摂食・嚥下指導を行っております。児童思春期外来においては、教育委員会等と連携を取って実施しており、群馬県や高崎市からも喜ばれております。
 27頁です。整理合理化計画において処分することとされた資産ですが、当法人については処分等に関する指摘はされておりません。
 以上が評価項目4の実績です。いずれも計画はクリアしておりますし、かつ地域医療の貢献や地域住民への資産等の開放については昨年を上回る実績を上げているということで、評価シートの13頁の自己評価は「A」とさせていただいております。
 28頁です。評価項目5「合理化の推進」です。評価シートは14頁中ごろから15頁中ごろまでです。「競争性のある契約」の青のマークの平成22年度を見ますと、あまり芳しくない数字が挙がっておりますが、下段の※1、2に書いておりますように、「競争性のない契約」30件中24件は、毎月支払われている電気料金や上下水道料金の公共料金です。この部分を除くと84%になりますので、60%以上は確保していると。本来の競争性のある契約の件数だけで見れば、私どもは数値目標を大きく上回っていると考えております。また、契約の状況については、のぞみの園のホームページで公表もしております。
 29頁です。入札案件については、すべて一般競争等の競争性の高い契約を実施しておりますし、前年度から一者応札・一者応募の改善方策を策定して、透明性、競争性にも留意しております。監事監査においても、会計規定に基づく入札・契約の実施状況のチェックを受けましたが、問題となる指摘はありませんでした。会計監査人による往査においても関係書類等のチェックを受けましたが、問題となる指摘は受けておりません。
 30頁です。監事監査において、入札・契約が適正に実施されているかを、関係書類等の内容のチェックを受けたあとに契約監視委員会の見直し・点検を受けておりますが、結果として問題となる指摘はありませんでした。
 31頁です。関連法人があった場合の関連法人の契約の妥当性等を問うものですが、私どもには関連法人はありませんので、該当なしとしております。
 32頁です。平成22年度においては、平成22年8月4日と12月22日に当法人の契約監視委員会を開催し、見直し・点検を行っていただきました。特に問題点はありませんでした。また、「契約は随意契約見直し計画」に基づいて、随意契約によることが真にやむを得ない公共料金やMRI保守等を除き、すべて一般競争入札等で競争性の高い契約方式で実施しておりますので、私どもは計画以上に実施していると考えております。
 以上が評価項目5の実施状況です。評価シートの14頁中ごろの自己評価欄ですが、いずれも計画を上回っていると考えておりますので、「A」とさせていただいております。Part1の説明を終わります。

○真野部会長
 評価項目の記入をしつつ、質問などありましたらお願いいたします。

○大島部会長代理
 質問させていただきます。非常にわかりやすい説明資料で、よく理解することができたのですが、最初に、いま現在の入所されている方の人数、その他基礎資料はどこに書いてあるのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 34頁にありまして、平成22年度末で342名の利用者数です。また、その後地域移行等しておりますので、現在では328名ぐらいの利用者がいらっしゃいます。

○大島部会長代理
 320数名ということと、予算規模がいちばん最初のほうに言われたものでいくと、例えばこの規模で社会福祉法人の場合でしたら、大体どのぐらいの予算の規模で運営しているのか、国がやっていることが高いのかそうではないのかがよく理解できないのです。
 と言いますのは、最近のように社会保障の関連の費用がどんどんかかるようになったときに、例えばこれだけ高齢の知的の方が増えているときに、これは、のぞみの園さんに申し上げてもどうかと思うのですが、もう少し組替えというか、1人の方が高齢であり、知的な障害を持っていらしたということで、もう少し全体を考える仕組みというか、枠組み作りから考え直すことはできないのかどうかも、私としては思われるところなのです。一つひとつの評価としては、大変努力されていることがわかるのですが、これだけの予算規模を、この国は、これだけの方にずっと使い続けることができるのだろうかという心配がありまして、そちらのほうがいまは頭に占めるところで、今後どのように利用者の方が地域移行するときに考えられるのか、いつも着地点をどうされるのかというのは、毎年質問させていただいているのですが、今年も同じように、そこら辺をお聞きしたいのが、まず 最初です。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 最初のご質問ですが、民間施設でしたら、これぐらいの規模の施設運営にどれぐらいの収入があるか、どれぐらいの規模で運営しているのだろうかということですが、この資料の19頁に、のぞみの園の事業収入の内訳が書いてあります。表がありまして、障害福祉サービス提供に係る公費収入というのが、いわゆる障害者自立支援法に基づく介護給付などの収入の合計です。のぞみの園の場合、平成22年度においては、大体350名程度の入所利用者で、そのほかに50名程度の通所の利用者がございます。そういった、入所、通所利用者について、さまざまなサービス提供をした結果として、平成22年度は16億7,100万円ほど収入があったということです。民間法人であれば、この収入の中でやり繰りをして、何とか採算を合わせているということだと思います。
 ただ、のぞみの園の場合には、そもそもの出発が知的障害の重い人たち、また身体障害を併せ持つような人たちを全国的に募集して、特に必要度の高い人を受け入れたという意味では、通常の障害者自立支援法の介護給付などの単価でやっていけるかどうかという問題もございます。
 そのほかに、のぞみの園としては、最初に事業としてご説明しましたように、調査・研究、養成・研修など、採算の取れないような事業にも取り組んでいるところです。
 そのような結果として、運営費交付金としてということで、17頁に運営費交付金の平成22年度の額が書いてありまして、17億6,400万円ほど受入れをしているということです。この点については、そういった利用者の障害の状況あるいは沿革的に手厚いサービスを提供してきたということを踏襲していること、さらに採算の取れないような事業にも、国立の施設としてさまざまな調査・研究、あるいは先駆的事業に取り組んできて、その結果としての運営費交付金です。
 このようなことで、国立の施設として運営してきている裏腹としての、こういった運営費交付金というものを特別にいただいているわけですが、のぞみの園の将来としては、障害者福祉をめぐるいろいろな政策課題に応えていく。それについていろいろな貢献をしていく。そのために総合施設をフィールドとして、モデル的な支援を行う、あるいは調査・研究なりを行う、さらにその成果を全国的に普及するための養成・研修事業も行うということで、全体の規模としてはだんだん小さくなってはいるのですが、収入・支出の構造としては、いまのような構造が続いていくのだと思います。私どもとしては、その中でいかに自己収入の比率を上げていくかということで、現在取り組んでいるということです。
 ということで、のぞみの園としてお答えできるのはここまでかと思うのですが、いずれ近いうちに、第3期の中期目標などの議論があるかと思いますので、その中で、のぞみの園として果たすべき役割、そういう大きな観点から、いろいろご議論いただけたらと思っております。

○大島部会長代理
 ありがとうございました。

○真野部会長
 他の先生方から何かございますか。

○松原委員
 「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」について教えていただきたいのですが、毎年私が質問させていただいている項目で、MRIだったか機器の種類は忘れましたが、かなり高額な医療検査機器をご購入なさっていて、それの利用回数がどの程度なのか、それがまさに効果的に使われているのかという点を、毎年ご質問させていただいております。それについてのデータが、どこにあるのかということです。
 あと、のぞみの園に入所なさっている方のほかに、外からどのくらいの利用があるのかという点を教えていただければと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 資料の61頁ですが、MRIのリース料は平成21年度で終わりまして、平成22年度はその分が、事業経費の欄の右側の増減要因ですが、730万円ほど減額となっています。これはリースしていたMRIですが、リース料は減額していて、その後は私どもが機器として利用できるものですから、使わせていただいているところですが、年間100件強の利用をしている状況です。
 地域の方々の診療所の利用状況は、58頁にあります。あとでご説明する予定ですが、58、59、60頁のそれぞれ患者数を見ていただきますと、精神科医が常勤化されたこと等により、それぞれ患者数も増えています。特に、児童精神科医というのは、なかなかいらっしゃらないということで、その患者も増えている状況です。この頁のことは、また後ほどご説明させていただきます。

○松原委員
 確認ですが、以前に何度かここで検討項目になったと思うのですが、その医療検査機器は、このMRIだということでよろしいですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 はい。

○松原委員
 以前にご購入なさったと思ったのですが、リースだったということですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 はい、購入ではなくてリースです。

○松原委員
 わかりました。

○大島部会長代理
 14頁の死亡事故に関してです。その前に行方不明者がいらしたということで、今回私がこちらに伺うようになって2件目なのですが、なかなか理解がしにくいのは、従来、夜でも、夜中でも、巡回が必要な高齢者の施設、あるいは認知症の方の施設であれば、夜中の巡回は必ず行うということなのですが、起床のために入った際に、喉に詰まらせていたらかなり苦しいでしょうし、「体が冷たく、反応がなかった」ということは、死亡されてからだいぶ経っているということで、その間誰も見に行かなかったのだろうか、この辺のことが、次の「検討の周知と再発防止」のところでは、これは項目だけが書いてあるので、どのように具体的に、どう改善、何が原因で、どのような点がいままでは足りなくて、それをこうしたというのは、どこかに書いてあったり、説明があればいいのですが、そうではないと、図を読むだけでは非常に不思議な感じがするものですから。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(渡辺)
 夜間の巡回は2時間ごとにしておりました。ただ、この人の場合に、夜間不眠ということがありまして、床の上で横になっていたのですが、部屋の外から、窓からは確認はしているのですが、その場所に行って、呼吸をしているかどうかとか、その辺の確認はその時点ではしておりませんでした。
 不眠で、かなり日中もつらいような状態もあったということで、寝ているのかなということで、起こさないようにするために、直接その場に行っての確認はしなかったということが、問題であったと思っております。
 今後の対策につきましては、巡回につきましては、きちんと一人ひとりの状況を確認するという対応をするようにいたしました。
 それから、夜間巡視マニュアルの見直しということでは、2番目に書いてありますとおり、いま申し上げましたように、呼吸状態の確認等を必要な者については行うとしてあります。それから、おむつの付け方に問題があったのではないかということもありまして、適切なおむつの仕方について、研修を行っております。
 それから、何かあって気がついたときに、すぐに対応できるようにAEDの使い方についての研修等も行っております。それから、必要なところには吸引器を揃える、あるいは離床センサーというもので、ベッドの足元にマットを置いておきまして、そこに降りると生活支援員が夜間にいる場所で、誰が動いたというのがわかるようなものですが、そういう対応が必要な人、例えば夜間にトイレで起きて、転倒するということもありますので、事故防止も兼ねて、そのような対応の必要のある人については、離床センサーをベッドの周りに置くという対応をしております。
 職員については、事例検討会議を開催し、なぜこのような事故が起きたのか、再びこの事故を起こさないためにはどうしたらいいのかということを検討するとともに、必要な研修をそれぞれのセクションで行っています。対応としては、そのような対応をしてございます。

○石渡委員
 今年度から評価委員をやらせていただくので、見当違いがあるかもしれませんが、石渡と申します。いまの事故との関連で、12頁に事故件数、ヒヤリハットの一覧表があります。普通は、ヒヤリハットというレベルで、かなり緻密なチェックをしていて、事故等を減らすという流れで、皆さんリスクマネジメントをやっていると思うのですが、ヒヤリハットの件数がとても少なくて、本当にこれで必要なことがチェックしきれているのだろうかという印象を数字から受けたのです。ヒヤリハット、事故ということをどのような捉え方をしていらっしゃるのか、細かいところはいいのですが、むしろ緻密なチェックというものを、本来日常的にやるべきではないかという印象をこの数字から受けたのですが、いかがでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(渡辺)
 ヒヤリハットの件数については、年々減ってきているというのが現状で、ただ、これは民間等の一般の施設から比べると、相当数が少ないのは事実です。この辺については、対応の仕方について、さらに改良していく必要があると考えております。
 事故件数については、多少は減ってきてはいるのですが、高齢化に伴ってやむを得ない事故というものも、中にはあると思います。つまり、転倒による創傷、骨折というのはここに入っておりますが、そのようなやむを得ない部分も何件かございます。ただ、そのほかに、この中には誤与薬が入っているので、これについては完全に職員のミスであると思っています。
 利用者の事故については、利用者自身が起こす事故というか、職員の配慮が足りない部分もあるのかもしれませんが、その辺については、1か寮は大体20名前後いらっしゃるのですが、常に全員を目の届く範囲内に置くということは不可能に近いものですから、そういう中で、できるだけ危険に至らない、あるいは事故に至らないような、周りの環境の工夫はしているのですが、残念ながら0という数字に持っていくのは難しいというのが現状です。これから、さらにその辺の対応の仕方については、工夫をしていく必要があると思っております。

○浅野委員
 効率的な運営ということで、目標を達成されて、常勤職員の削減計画の8割を達成ということです。それから、人件費も国家公務員よりも低い水準で抑えてきているということで、効率的の面では、非常にいい結果になっていると思います。
 この反面としては、例えば職員の労働負担が増えている、あるいはそういった負担の中で給与がどうしても上がらない、そういった不満、これからモチベーションの維持が重要になると思うのですが、その辺については、いまどのような状況でしょうか。それと、今後こういった士気を維持していくには、どういう形の対応をお考えでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 職員のモチベーションについては、独立行政法人に移行したときは国家公務員よりも14%高いという給与水準だったのです。その水準から、段階的に引下げを行ってきて、事実上、いまは公務員よりも低いということになっています。
 この点について、職員から見れば、仕事がだんだんきつくなってくる、それに対して給与が下がってくるという点については、確かにモチベーションの点で、何らかの思いはあると思います。しかしながら、独立行政法人になって新しい業務に取り組むことになって、その新しい業務というのが、国の障害者政策の中で直面している大変重要な課題であり、その一翼を職員が担って、取り組んでいるという点で、職員の意識というのはだいぶ変わってきております。給与の問題もありますが、他方で、年々新しい課題に取り組んでいく、法人が変わっていく、それが全国の障害者政策の中に、一部反映されていくという点に、いわば仕事のやり甲斐を見出すということが、だいぶ強くなってきているのだと思います。
 そういう意味で、私どもとしては、限られた財源の中で職員の給与を公務員より上げるとか、それはいまの状況としてはできないという前提の下に、職員の士気を上げるためには、実際の業務の面で新しい課題に取り組むという点で、法人一体となってやっていくことが重要だと考えております。

○浅野委員
 追加ですが、そういう中で、調査・研究を非常に活発にやってこられたり、新しい矯正施設からの退所者の支援ということ、そういうようなことも士気には結び付いているということでよろしいのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 これは内輪な話になりますが、こういう新しい課題について、非常に積極的に取り組んでいるのが若手の職員でして、そういう意味で、若い職員としてはいろいろな課題に積極的に取り組んでいく、それが法人の将来を切り開いていくのだ、そういう問題意識を強く持っていると感じております。

○真野部会長
 小さなことですが、どこかに「MRIの保守料」という言葉があったと思うのですが、リースはいま終わって、保守は当然必要なので、これは随意契約になっていましたが、これはどういうことでしょうか。保守もいろいろな会社があるような気もしますが。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 これはドイツの製品でして、ドイツの代理店の指定がありまして、そこでないと機器の修理はできないということで、私どももそういう意味で、ここしか駄目だという世界になっているものですから。本来であれば、代理店がいくつかあって、そこからという手もあるかもしれませんが、私どもの機器の場合はそういうことになっております。

○真野部会長
 ほかはよろしいでしょうか。そうしましたら、次のグループ2に移ります。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 評価項目6から評価項目9までご説明させていただきます。34頁の評価項目6「地域移行に向けた取組」の地域移行のスピードアップです。評価シートは15頁の中の下から、17頁の中の下です。地域移行の実績は、第2期の中期目標の各年度は、24名、21名、22名と実績を果たしています。なお、括弧書きの数は、移行が決定したあと亡くなられた、あるいは病気になられたということで、断念せざるを得なかった数です。
 地域移行の数は年度目標の15人から20人を十分に達成しています。平成15年度から見ますと、累計で111名になりました。
 利用者数の3割縮減という面で見てどうかということは、これも平成22年度末で342名ということで、157名の減ですから、3割1分の縮減をしています。
 35頁は移行が困難な要因や理由は、どのようなことがあるかを整理させていただいた表です。1つは、保護者家族の同意が得られにくいということで、平成23年1月の保護者のアンケート調査結果では、移行に同意している方が39人、同意の可能性のある方が43人、困難な方が260人という結果でした。困難な方の理由は、「現在の生活の変化を求めない」「のぞみの生活がいちばん安心できる」「自分の子は無理との固定概念」「入所時の終身保護の約束」ということです。
 このような困難な方に対して、私どもは、いちばん右の表に掲げていることですが、面会時の個別説明、地域移行紹介の「移行課通信」の増発行、来園の少ない家族への家庭訪問等による説明、地域移行して5年を経過した者の生活を紹介するDVDを作成し、その意義を説明する、移行先の社会資源の情報提供をして見学や体験利用につなげる、このような対応を取っております。
 2点目は、入所者本人の体験不足です。のぞみの園に30年以上暮らされているものですから、地域というものを理解されていない状況です。そういった方に対して、一定の体験が必要だということで、施設内外の地域生活体験ホームでの体験を実施して、本人や家族の地域生活への自信を得るようにすると。移行予定先が決まるとか、予定があった段階で、移行予定先の事業所に出向いて、見学や体験利用をするという対応をしています。
 3点目は、移行先の確保が困難ということです。このような事情というのは、私どもは42都道府県から入所者はいらっしゃいますが、その多くは関東圏の都市部で、大体は東京、埼玉、神奈川で、約100名の方がおられます。このような都市部は、もともと施設やケアホーム数が少なく、地元でも待機者が多いという状況がありまして、とても私どもからの受入れは無理だというスタンスです。
 したがいまして、私どもはそれに対しましては、厚生労働省からの都道府県の協力要請なり、障害程度区分認定調査時に、私どものところにお見えになったときに、情報を提供していただくなり、お願いするなりをして、つながりを持たせていただいて、受入先の確保につなげています。このような対応を進めた結果が、平成22年度は22名、累計で111名の移行者につながっていると考えております。このような実績がありますから、17頁の評価シートの自己評価は「S」とさせていただいております。
 次に36頁、評価項目7「地域移行の段階的支援の実践」ア、本人及び保護者の同意を得るための取組です。評価シートは17頁の下位から20頁の下位までです。平成22年度中に、33人の保護者の同意が得られました。目標では25人程度ですので、これを大幅に上回っております。
 平成22年度の重点的な取組みとしては、保護者全員に、地域移行した人を紹介する『地域移行通信』(年6回)を、定期発行しています。来園機会の少ない保護者39人には、保護者宅へ直に訪問するなり、また来園を促し、移行への働き掛けを行いました。
 加えて、平成22年度の新たな事業としては、地域移行をして5年経過した利用者の現在の暮らしぶりを紹介するため、DVDの『地域移行あれから5年』を作成し、これを寮単位の保護者懇談会で視聴していただき、理解を得るということをさせていただきました。
 37頁です。同意が得られた方の推移です。第1期は66名の方の同意を得て、44名の方が地域移行されました。平成20年度は29人で24名、平成21年度は32名で21名、平成22年度は33人で22人の方が移行されています。
 38頁です。自立に向けた効果的な支援の提供ということで、どのような取組みを行っているかの流れです。30数年間、のぞみの園におられたわけなので、地域の生活を体験することが大事だということで、のぞみの園の生活寮から地域生活体験ホーム、これは私どもの独自事業でやらせていただいておりますが、資産の活用ということもありまして、法人の施設内にある所帯宿舎、施設外にある古い役員宿舎をバリアフリーに改装しまして、それにプラスして借家1軒を地域生活体験ホームとして、利用者にサービス提供しております。
 そして、施設内では、短期の宿泊体験、次に施設内での長期の体験を経て、施設外の長期の体験をするという段取りで、体験をする流れをつくっています。
 平成22年度の宿泊体験の状況は、右の表です。この他に、19頁のシートには載せていますが、長期の体験者は延べ19人いまして、この方々の延べ日数で見ますと、6,501日の体験になります。
 以上ですが、これも計画を大きく上回っていますので、評価シート20頁の自己評価は、「S」とさせていただきました。
 39頁、評価項目8、イ、移行先の確保、移行者に対する地域生活の定着支援です。評価シートは、20頁の下位から23頁の上位までです。先ほど、35頁でもご説明しましたが、出身自治体に対する協力依頼ですが、これは平成22年3月4日の全国障害保健福祉関係主管課長会議で、障害保健福祉部から、のぞみの園の地域移行の取組みの理解と協力要請を行っていただきました。その後、当方で重点と定めた、そこに書いてある1都1道6県1市に、個別に、直接移行先確保の協力を要請いたしました。この重点都道府県の対象の利用者は162人ですが、このうち移行が決定したのが、ケアホームへ4名、移行先は決定したけれども待機している方が9名という結果です。
 このような取組みを通じて、培ってきた結果、地域のキーパーソンとなる福祉関係者の方の紹介で、14都道府県26事業所が、新たな協力事業所として確保できております。また、本人や家族の、移行予定施設のケアホーム見学の機会も拡大し、平成22年度は延べ42回ほど行っております。
 40頁です。移行後の生活も見守っているということで、移行者に対する地域生活の定着支援です。地域移行されたから、私どもとの縁は切れましたではなくて、私どもとしては、移行されたあともフォローアップが大事だと思っております。移行された人が安定して地域生活を送っているかを、事業所に直接出向いて面談をしたり、電話等により、その状況の確認をさせていただいております。平成22年度に実施したフォローアップの状況は、この表にあるとおりです。対象者は90人、延べ回数では891回、直接訪問が延べで53人でした。
 支援の流れとしては、地域移行に向けた支援内容の情報提供、移行直前の健康診断の実施、診療情報の提供ということで、地域移行後にフォローアップをしておりまして、移行したあとも、いまご説明したような取組みをやっています。以上が評価項目8の実績です。これも新たに26カ所の協力事業所が得られるなど、計画を大きく上回っているということから、評価シートの22頁の自己評価は「S」としております。
 41頁、評価項目9「行動障害を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援」です。評価シートは23頁の上位から26頁までです。身体機能の低下や高齢化を踏まえて、平成17年9月の第1次寮再編で、医療的配慮グループの寮を2か寮、高齢者支援グループの寮を1か寮新設しまして、効果的な入所者支援と、空き寮を活用した日中活動支援を提供しております。その後も、経年による高齢化を踏まえ、平成21年12月の第3次寮再編で、医療的配慮グループの寮と、高齢者支援グループの寮を、それぞれ1か寮増設し、専門的な支援の充実を図ってきております。
 加えて、支援の質を高めるため、一昨年の6月以降、高齢者支援の専門家を招聘しまして、実地に指導、助言を受けております。そこに書いていますように、県内外の特別養護老人ホームでの実務研修も実施しておりますし、加えて高齢化等による機能低下で、日中活動に困難をきたしている利用者を対象に、身体機能の維持を図るプログラムの開発を目的としまして、5月に生活支援員や理学療法士等による介護予防プロジェクトチームを設置しまして、指導者の身振りと音楽に合わせて、身体各部を動かし、身体機能の維持を図るメニューの開発を行いました。
 また、認知症と疑われる高齢知的障害者への適切な支援に対して、認知症ケアチームを設けまして、これらの知的障害者を対象に、認知症罹患前後の行動変容、その支援方法の変化について記録しその分析を行い、認知症罹患後の支援方法について、検討を行うことにも取り組みました。また、入所利用者の心身の状況に応じ、適宜転寮等、その方々の支援に適切な寮を提供することも実施しています。
 次に42頁で、自閉症や行動障害等を有する者に対する支援の寮として、特別支援グループの寮を、平成17年9月に1か寮設けました。その後、平成21年12月に1か寮増やしまして、いま現在は2か寮で専門的な支援を行っています。
 平成20年4月からは、自閉症支援の専門家の有識者を参事として招聘しまして、特別支援グループを中心に、支援技術の指導や助言を受けました。また、自閉症支援者育成プロジェクト2ということで、プロジェクトチームを設けまして、参事の指導の下、自閉症や行動障害の適切な支援のできる職員の育成にも取り組みました。また、精神科医や臨床心理士等とも連携を図っております。平成22年度からは、地域生活移行を目的として、段階的に地域生活体験も実施しております。
 43頁で、福祉の支援を必要とする矯正施設を退所した知的障害者へのモデル支援です。この矯正施設等を退所した知的障害者の中には、福祉サービスを受けていないケースが多々ありまして、このことが再犯を繰り返す一因だと考えられることから、福祉の支援を必要とする知的障害者が、地域社会での生活が円滑に行える支援手法を確立しまして、全国の福祉施設等における当該支援事業の取組みの普及拡大に資するということで、私どもは平成20年度から、先駆的に取り組んでいる事業です。この受入実績は、平成20年度が2人、平成21年度が3人、平成22年度が4人、計9人になっております。
 ここには受入れの実績者の一覧は載せておりません。評価シートの34頁に載せていますが、これらの人は、性犯罪、累犯、窃盗を犯した中程度の知的障害者で、人間関係が作れずに、出身地に戻れないような、いずれも支援が難しい事例の方です。この方のうち、5人の方は地域生活に移行していただいております。
 43頁は、この支援の全体の流れ図です。平成22年度の新たな取組みとしては、この方々に専門的な支援が必要で、よりそれが効果的だろうということで、いままでは寮を定めずに、数か寮で分散して支援を行っていたのを、平成23年1月から変更しまして、空き寮を活用し、自活訓練ホームを試行的に立ち上げまして、そこで支援を行っています。夜間には職員と利用者の方々が、ともにミーティングなどを行うという支援の方法をとっております。
 44、45頁です。この取組みの実践は、ただいま説明したとおりですが、これをどう知的障害者関係施設へ情報提供をしているかです。重度高齢知的障害者の地域移行については、その推進に資するよう職員ハンドブックを作成し、発行しました。また、矯正施設を退所した知的障害者の地域移行に関する支援プログラムを、関係する施設ごとに5編にまとめ、作成・発行しています。自閉症、行動障害等を有する人の実践の支援事例を取りまとめ、刊行することもいたしました。また、認知症の判断の参考となるような、認知症スクリーニングスケールという翻訳作成にも取り組みました。
 45頁です。矯正施設等を退所した知的障害者等の地域生活移行のための効果的な研修プログラムの開発ということで、国からの補助事業として、補助金を受けて取り組みました。その啓発活動として、報告書の作成、配付とともに、福祉セミナーということで、今年の2月23日、24日に高崎市で開催しております。これには法務省関係者73名ほどご参加いただいております。
 以上が評価項目9の実績です。いずれも計画を大きく上回っているということで、評価シート25頁の下位にある自己評価は「S」としています。Part2は以上です。

○真野部会長
 何かご質問はありますか。

○石渡委員
 ここは、のぞみの園の真骨頂と言えるところで、地域移行の実績についてはいろいろなところから注目をされて、成果が上がっているのは素晴らしいとお聞きしていました。
 ただ、先ほども基礎資料という話が出たのですが、移行された方たちの具体的なイメージが、いただいた資料からだと掴めなくて、実際にどのような方たちが移行できているのか。地域生活の体験というようなことが書かれているのですが、この辺りのところはハンドブックなどに詳細に書いていただいているので、今回の資料には見えないのか、そこが1点です。
 それから、移行の同意を保護者については見えるのですが、ご本人への同意はどのようになされているのか。先ほど66人という数字があったかと思うのですが、ご本人への同意は、同意のできる方、難しい方というような、そういうところもおありかなと思うのですが、ご本人の同意確認はどのようにされていたのかがよく見えないのですが、ご説明いただけるでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
 ご本人の同意確認ですが、重度とはいえ、表情とか、それなりの会話の中で、地域移行したいかについての同意は比較的確認しやすいと言えます。。というのは、地域生活体験ということで、施設内の団体生活から地域生活体験ホームを通して、町の中の暮らしを体験していただきます。そうしますと、様々な経験の中で活き活きとした生活をおくり、その期間が終わっても、「また行きたい、そこで暮らしたい」ということを、きちんと自分の意思で表現していただけます。
 それから、実際に移行するに当たっては、必ずその施設の見学、ケアホームの見学をさせていただいて、さらに2泊3日、1週間なりの体験利用をさせていただいております。そうすると、その体験している表情を見て、まず保護者の皆さんがびっくりして、これなら幸せな生活ができるのではないかということで、同意をしていただきます。帰ろう、もう終わりだよと言ったときに、本人が「嫌です。ここにいたいです」と本人が表現していただいているというのが、同意として言えるのではないかと思っております。

○石渡委員
 そういう意向の確認というのは、表情等でほとんどの方に可能なのか、どれぐらいの方が難しいのかというのは、ある程度押さえていらっしゃいますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
 確かに、すべての方々が文字で書いたり、「私はここに行きたい」と表現するという形にはならないのかと思いますが、ほとんど確認できるのではないかと思っております。

○石渡委員
 むしろそういうことを国民向けに発信していただくことが、とても大事なのかなという気がするのですが、マニュアルを拝見しきれていないのですが、それはマニュアルなどできちんと発信しているのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
 いままで、30数年のぞみの園で平和な暮らしをして、それまであったさまざまな問題行動はほとんど減少されて、静かに生活なさっているのですが、ここでもう1つ地域移行ということに挑戦しようというところから始めます。まず地域生活体験ホームで、1泊2日から1週間程度、一旦移動していただいて、町での暮らしを経験をする中で、徐々に自分たちが変わっていくという姿やここでの生活が楽しいということが、本人もわかるのではないでしょうか。ご家族の皆さんは、30年も過ぎて環境を変えるのはかわいそうだとおっしゃるのですが、比較的利用者のほうが順応しやすくて、生活しやすいという状況にあります。これは、これまでの生活支援部における、長年の生活の安定のための支援というものが基本になって、いまの地域移行につながっていると認識しております。こういったことが、ガイドブックに細かく記載されておりますので、是非お読みいただければ幸いと思います。

○石渡委員
 そういうことを、ここの場でも強調していただくことが、いまの福祉の流れからは大事かなと思いますので、是非それもご検討いただければと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
 ありがとうございます。それから、最初のご質問の地域移行の皆様の状況ですが、入所者全体のもともと障害程度区分で言いますと、5、6の方々が8割以上を占めているところです。地域移行している方は、平成20年度は障害程度区分5、6の方が37.5%で、平成22年度は68.3%となっており、それだけ重度の方々にも挑戦しているということです。
 また、生活の環境が、いままではグループホーム、ケアホームという住まいの場を重視していたのですが、現在は重度・高齢な方の日中活動をどう保障するか、見つけられるかというのが大きな問題となっています。そのため、全国の仲間の中で、キーパーソンとなる方々のご協力を得て移行先を確保することは、移行したことが幸せなのではなくて、移行して、そこで日中活動が幸せになるということですので、そうした仲間を作っていくこと、ネットワーク作りの取組みをさせていただいております。

○石渡委員
 私は軽度の方の移行だなどということは思ってもおりません。ですから、そういうところを伝えていくことというのが、のぞみの園の役割ではないかという気がしますので、本当に当事者主体でやっているのだというのが、評価の場でもわかるようなメッセージがほしいと改めて思います。本当にそういう実績があるところを、どう広めていくかというのが、本当にこれからますます重要になってくると思いますので、是非お願いしたいと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 全くそのとおりで、資料を作る過程で、その点を見落としておりました。来年度のこの会では、そういうものを十分に盛り込んだ資料とさせていただきます。どうもすみませんでした。

○真野部会長
 期待しております。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 16頁の評価シートにはいまの部分が載っているのですが、説明資料ではそこの強調すべき点が漏れていましたので、申し訳ありませんでした。

○橋田委員
 私も初めてですので、十分に理解できていない点が多いと思うのですが、資料の34頁からご質問させていただきます。中期目標のところで、入所の方の縮減が出ています。これは今日の評価とは話が違うとは思いますが、縮減というのは、どのような背景で出てきた目標なのでしょうか。私は初めにスピードアップの話を伺ったときには、入所されてから治療が行われ、社会復帰のためのトレーニングが行われ、全体の期間が短縮されてという話かと思ったのですが、現実に先ほどから、30年という話が何度も出てきますが、長くおられた方が出ていかれることが、当面増えていることが結果なのか、あるいは中で治療を受けられる期間が、全体として早くなっていることも含めてなのか、その辺の内容をご説明していただけますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 まず地域移行の事業ですが、かつて旧国立コロニーというものが開設されて、それは昭和46年ですので、40年前です。そのときに、非常に障害の重い方たちの受入れをしまして、そのときの前提として、終の住処ということで受入れをしました。
 しかしながら、その後障害福祉の理念も変わってきまして、こういう方たちも、地域で、できるだけ普通の生活をできるようにということで、モデル的な地域移行の事業をやるというのが、私どもの法人に課せられた1つの大きな課題でした。
 そのようなことで、独立行政法人に移行したときが平成15年ですので、30年以上経過しておりましたので、のぞみの園で30年も生活している人たち、その人たちを地域に出していくときに、どのように事前のトレーニング、調整を行って、どのような準備をして、地域に出したらいいのかというのが、大変大きな課題でした。その点、私どもとして、地域で生活できるような、生活力のようなものを付けていただくことが大事だということで、地域生活を体験するような施設を作ったり、そのためのトレーニングプログラムを作ったりということで取り組んできました。
 ただ、独立行政法人に移行した当時、なかなか地域における基盤整備も十分でなかったということもありまして、移行者の数自体が、ほんの数人という年度が何年か続きまして、私ども、確かに地域の基盤整備が不十分であるとしても、のぞみの園として、どうしたら人数を増やすことができるか、そういう意味でのスピードアップに取り組みました。それが第2期の中期目標の期間になって、34頁に書いてありますように、1年度で20人を超えるような移行者を実現することができてきた、という意味では、かなりスピードアップが図られてきたということです。
 もう1点ですが、これはまた別の問題であるのですが、矯正施設を退所した人たち、刑務所、少年院を退所して、そのまますぐに地域に定着できるかどうかという点について、いろいろな条件整備、環境整備が必要だろうという方たちを受け入れていく事業を平成20年度から開始しております。この人たちについても、のぞみの園で受入れをしても、有期で、1年、2年という目標の期間を作って、その期間内に、できるだけ地域に出て定着できるように、そういった目標の下に、取り組んでいこうということで、これはこの資料に直接「スピードアップ」という書き方はしていないのですが、私どもの日頃の事業の中では、もう1つのスピードアップということで、できるだけ短い期間で地域に出て、定着できるということで、取り組んでいるということです。

○橋田委員
 非常によくわかりました。いまの矯正施設の方は、さらに新しい方も加わっておられるのだと思うのですが、一般の障害者の方も、そういう意味では新しく入所ということもあって、治療、社会復帰も受け入れておられるのでしょうか、あるいはもともとおられた方だけの中で動いているのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 平成13年度から新規の入所者の受入れは止めております。矯正施設の関係などもありまして、平成20年度以降、新規の受入れを年間数人単位で行っております。これは、こういった障害のある人たちの入所の施設というのは、入所自体やむを得ない場合ということなのですが、入所する場合も、その施設はできるだけ身近な施設に、小規模のものが望ましいという方向性がはっきりと出ておりますので、私どもの施設というのは、そういう意味では大規模であり、時間はかかりますが、地域の中の施設ということを目指して、段階的に規模を縮小していく方向性の下に、一貫して取り組んできております。

○浅野委員
 過去に独立行政法人化されて、のぞみの園が今後どうしていくのだろうかという議論を、いろいろと委員会としても模索してきたところでして、それで、特に地域移行して、入所者の方の数は縮減するという方向の中で、そのまま縮減していくだけではどうなのかということで、できれば過去に培ったいろいろな知財、例えば知的障害の方の福祉あるいは介護福祉の中で、もっと重度の方の福祉の新しい方向に役立つのではないか、そういう中で、調査・研究機能も付加したらどうかという話があったと思っています。
 特に、新しい矯正施設を退所した知的障害者のモデル事業というのは、そういう意味では、やっと新しい1つの方向性が見えてきたのではないかということを感じています。
 と言いますのは、調査・研究も、かつていろいろこの分野に関してやられて、それを実際に入所者を受け入れて、モデル事業として、ある意味では社会実証研究みたいな形をやられております。社会に実際のサービスとして実現させる橋渡しをしているということで、新しい役割が出てきたのではないかと思っております。これが今後どのように発展したかを、1つお伺いしたいと思っていまして、さらにこれが規模を拡大していって、新しいのぞみの園の新しい役割になっていくのか、あるいは場合によっては、啓蒙施設として、ほかの地域、自治体の施設に、こういった新しいモデルを浸透させていくとか、いろいろなやり方はあると思うのですが、そういったところの将来展望をお伺いできればと思っていまして、この新しいモデル事業に関しては、そういう意味では新しい方向性が出たのではないかということで、私自身は過去を含めて評価してみたいと思っているところです。今後の方向について、意見を伺えればと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 これもかつて、同じようなご指摘なりご質問があって、お答えしてきたことではあるのですが、独立行政法人として個別法がありまして、その目的、業務、そして5年をタームとする中期目標を示されて、その目標達成のために取り組むというのが、私ども法人の役割ですので、こういうことを将来やるのだということをはっきり、具体的に申し上げるのがいいのかなという問題がございます。
 ただ、これもこれまで申し上げてきたことなのですが、独立行政法人というのは、こういう障害者福祉関係のいろいろな課題、その課題に積極的に取り組んで、それについて成果を上げて、全国の関係者にその成果を提供していくということが、重要な役割と考えています。そのような意味で、今回矯正施設の関係の事業というのは、柱として内容が伴ってきたという意味では、まさにご指摘のとおりです。
 これからの課題というのは、またいろいろとあるかと思います。1つは、認知症を発症した知的障害者ということがありましたが、全国の知的障害の関係施設では、高齢化、機能低下がどんどん進んでおりまして、そうかといって介護保険の世界にすぐに移れるかというと、必ずしもそうでなくて、障害者福祉の世界の中で、高齢化、機能低下に対応していかなければならないというのが、現実です。そのような意味で、高齢化云々について、私どもは力を入れておりますが、それについて、ある程度成果をまとめて提供していくということがあります。
 さらに、現在障害者自立支援法に代わる新しい総合福祉法制ということで、議論が鋭意進められております。その中で、新しいサービス体系がどうなるかというのは、まだよくわかりませんが、必ず地域生活を重視した新しいサービスというものが提案されてくるはずだと思っています。そのような中で、のぞみの園としては、いつまでも大きな施設ということで、モデル的な支援に限るということではなく、もっと地域に展開して、地域の中で、そういう障害のある人たちに地域生活を実現していくという方向での事業の進め方を考えていくことが大事だと思っております。
 そのような意味で、のぞみの園として、現在総合施設ということで、なお300人を超えて入所しておりますが、これをどんどん減らしていく一方で、地域の中で、そのような障害のある人たちに新しいサービス体系でのサービスを提供していくという方向で、新しい事業を作り上げていけたらなと思っております。それは、まだ新しい総合法制自体がはっきりしていませんので、具体的に申し上げられないのですが、私どもの問題意識としては、そういう方向で、今後是非事業を展開していきたいと考えております。

○浅野委員
 いろいろな法的な枠組みの中であるということは理解しているのですが、独立行政法人ということなので、時代のニーズに合わせた柔軟な取組みも少しはしてもいいのではないかということで、いろいろ情報発信していただければというのが、私なりの考え方です。どうもありがとうございました。

○真野部会長
 時間もだいぶ押しておりますので、次にいきたいと思います。次はグループ3で、先ほどから議論になっている調査・研究を中心とした項目です。よろしくお願いいたします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 Part3の評価項目10から15までをご説明します。
 47頁の評価項目10「調査・研究のテーマ、実施体制等」です。評価シートの27~29頁です。研究会議は平成22年6月18日に第1回を開催して、平成22年度調査・研究のテーマ、内容等について審議評価が行われ、適切な助言指導を受けました。第2回は3月30日に、2月のうちにセッティングしていましたが3.11の大震災の影響によりまして、外部委員の先生方の出席が急遽困難となりましたので中止としました。
 48頁です。??の研究は、国からの補助事業の研究です。?の調査・研究の移動支援事業に関しての全国の自治体の実態調査は国に代わって行ったもので、その結果は総合福祉部会の訪問部会系の資料として活用されました。また、これらの研究の中には海外の文献研究として、知的障害者入所施設から地域生活に移行した際の効果をまとめるなど、地域移行に関する研究テーマを3本、最近注目され始めた高齢知的障害者の認知症に関するテーマを2本など、いずれも全国の障害福祉の現場の支援に関係する12の研究テーマを取り上げて、目標の6テーマ以上を大きく上回る調査・研究に取り組んでいます。
 49頁です。実施体制については、年4回開催の調査・研究調整会議において、12の研究テーマごとに主任研究担当者が研究内容等を説明し、会議メンバーで各部所間との連携方法や研究の進行チェックを行い、同時に研究の妥当性や成果について意見交換を行うやり方で取り組んでいます。外部の研究者等との連携についてもここに書いているとおり、研究プロジェクトチームの委員としてご参加いただいたり、外部研究協力員としてご参加いただいて指導助言を受けていて、研究の質を高めるように努めています。以上が、評価項目10の実績です。ご説明したとおり、計画を上回って取り組んでいると考えていて、評価シートの29頁の中頃の自己評価は「A」としています。
 50頁の評価項目11「成果の積極的な普及・活用」です。評価シートの30~32頁中頃までです。調査・研究の成果については研究紀要第3号を発行し、ほかにも51頁に掲げているように、福祉施設等で活用しやすいようにガイドブックやハンドブックの形で研究成果をまとめて作成し、資料の提供を行っています。また、群馬県知的障害者福祉協会研修会ほかの関係団体や関係学会の場を活用して研究成果を発表し、広く普及に努めています。
 51頁は、ニュースレターについて年4回調査・研究の概要版を、ホームページでは研究紀要の全文を掲載し、報告しています。研究成果の評価は統計的な把握はしていませんが、研究会議の外部の有識者の先生からは高い評価を得ている研究もありました。また、当法人が主催する研修会等で発表する方法において、アンケート等を取っている結果においては概ね9割以上の方から、満足度が高かったという評価を得ています。以上が、評価項目11の実績です。これも計画を上回る取組みを行っているということで、評価シート31頁の下位にありますが、自己評価は「A」としています。
 52、53頁です。評価項目12「養成・研修、ボランティアの養成」です。評価シートの32頁中位から36頁上位までです。この養成・研修事業に関しては、障害者福祉や保健医療に従事する者の資質向上を図るため、福祉セミナー等を積極的に実施しています。平成22年度においても、行動援護事業の従業者の養成セミナーや福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者の支援等、国の政策課題をテーマに国から補助金を受けて行っているものと、のぞみの園独自で行っているものとがありますが、国の予算が厳しくなっていて、平成22年度は国の補助金で行っていた53頁の??の行動援護の研究の中央セミナーは独自事業になっています。52頁に記載しているように、福祉セミナーを2回実施しています。行動援護従業者中央セミナーも2回開催しています。53頁に記しているように、最先端の医学知識の紹介と普及を目的とした障害医療セミナーを平成22年に2回実施しています。
 この資料で誤りがありますので、ご訂正をお願いします。53頁の開催場所の?の宮城県を石川県にご訂正と、3、4のセミナーの受講者数の339名と258名が逆転していますので、ご訂正をお願いしたいと思います。
 54頁です。私どものぞみの園では、保育士、社会福祉士の各種養成機関等の実施場所として、多くの実習生も受け入れていて、受入数はそこに書いているとおりです。また、実習の充実にも取り組んでいて、平成21年度に大学との共同研究により開発した相談援助実習プログラムは、アンケート調査による効果測定も行いました。そして、実習プログラムの検証を行いました。実習のしおりの改定も行いました。右側ですが、ボランティアの受入れについても昨年の場合は新型インフルエンザの流行の関係で受入れを絞ったものですから数が落ちていますが、平成22年度は昨年より概ね400名ほど多く受け入れています。例年1,000名前後の受入れです。以上が、評価項目12の実績です。これも全体として計画を上回っていますので、評価シート34頁下位の自己評価は「A」としています。
 55頁の評価項目13「援助・助言」です。評価シート36頁上位から37頁中位までです。障害者支援施設等の求めに応じて、その要請に応える援助・助言の取組みについては、件数は昨年より増加し、175件です。
 56頁です。援助・助言の提供に当たっては、援助・助言の要請者の希望に沿った効果的な方法を選択して実施しています。利用促進の取組みとしては、ニュースレターに広報記事を掲載すると同時にPR用のリーフレットを作成して、これを研修会等の場で広く配付しています。こういうことで、援助・助言の利用促進に取り組んでいます。以上が、評価項目13の実績です。これも計画を上回っていることから、評価シート37頁頭の自己評価は「A」としています。
 57頁からは、評価項目14「その他の業務」です。評価シートの37頁中位から40頁上位までです。57頁は、附帯業務としての診療所の取組みの図です。施設利用者への健康管理については、健康診断やインフルエンザ予防接種、高齢化に対応した摂食・嚥下障害への対応のほか、シーティング指導等を実施しています。さらに、医療的ケアが必要な施設利用者に対しては、入院や外来診療で約2万5,000件の提供を行ったほか、必要に応じて寮への往診等も行っています。地域医療への貢献は外来診療の提供に加えて、平成21年度より児童精神科医専門医が常勤として着任以来、知的障害、発達障害児・者の専門外来診療を実施し、特に思春期児童の診療が大幅に増加してきています。また、発達障害児・者の家族を支える取組みとして、障害児・者の家族に対する支援、エスポワールを毎月1回の開催でやったところ、毎月2回に増やすなど、積極的に取り組みました。
 58~61頁は、診療所の外来患者や入院患者の推移等診療収入の状況を示したもので、いずれも増加傾向ですし、収支も好転してきています。なお、58頁に誤りがありましたので、ご訂正をお願いします。心理相談の患者数の1,727名は利用者数が入っていません。利用者数を入れると2,220名で、平成21年度の1,861名に対応する数になります。申し訳ありません。
 診療所のほうの説明は61頁ですが、決算額を見ていただいても事業収入は1,883万円ほど。事業経費は418万円ほど減っていて、運営費交付金の充当金としても平成21年度よりも約2,300万円ほど少なくて済んだという結果になっています。
 62頁は、診療所以外の附帯業務です。高崎市から委託を受けて障害者相談支援センターとして、地域の障害者や家族に対して障害者サービス全般に関する相談支援を実施しました。これが5,203件です。さらに、地域の障害者等の利用希望に応じて、短期入所や日中一時支援を提供し、ご家族の負担の軽減にも努めています。63頁に支援の図があるように、地域の中にも生活介護事業所「さんぽみち」を平成21年度に開所して、その日中活動のメニューの拡大にも取り組みました。利用者数も平成21年に比べて、1日平均で6人ほど増えて、メニュー等の拡大が反映されているという結果をもたらしています。以上が評価項目14の取組みですが、いずれも昨年以上に実施しているので、評価シートの39頁中位の自己評価は「A」としています。
 64頁の評価項目15「サービス提供等に関する第三者から意見等を聴取する機会の確保」です。評価シートの40頁上位から41頁上位までです。第三者の意見を聴取する機会として、「国立のぞみの園運営懇談会」を平成22年度は3回開催しました。第1回は、利用者の死亡事故と再発防止策の徹底について説明して、その法人の対応や利用者支援、再発防止対策について議論されて、再発防止対策を積極的に推進するようにご意見をいただきました。第2回は、平成21年度の業務実績評価に関する結果等についてご議論いただきました。第3回は、東日本大震災の被害状況等を報告し、平成23年度予算、平成23年度4月の組織改正について議論されました。この懇談会の議事要旨はホームページに掲載し、公表しています。
 65頁は、第三者評価機関による評価で、概ね3年に1回実施ですが、平成21年度に実施していますから、平成22年度は実施していません。以上が、評価項目15の取組みです。評価シートの40頁の下位の自己評価は「B」としています。以上までがPart3でした。

○真野部会長
 ありがとうございました。ご質問やご意見はありますか。お願いします。

○松原委員
 その他の業務について教えていただきたいです。評価シート用説明資料の61頁に、「診療所の事業収入及び事業経費について」とあります。この資料で診療所の収支が改善というようなお話だったのかなと思いますが、それでよろしいですか。見方がよくわかりませんが、収入が120,954千円、人件費が141,042千円ですので、収入以上の人件費が、人件費比率が100%を超えているという異常な状況です。そして物件費も、事業収入程度の物件費もかかっているということで、診療所の事業収入は大変に悪いと読めますが。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 この人件費の一部は退職手当の人件費も入っていますので、平成21年度決算額よりも増えていますが、この増えた金額は退職手当分ということで、臨時的なものだと見ていただければ。

○松原委員
 それを差し引いても、収入以上の人件費がかかっているということですが。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 全くご指摘のとおりです。これは、沿革的に重度の障害の人たちを全国から受入れをしたときに、医療的なケアも当然必要になってくるだろうということで直営の診療所を設けたわけです。それに入院機能も付して、運営してきました。当初というか平成5年か7年ぐらいに、保険診療機関としての指定を受けるまでは保険診療も行わないで、全体の運営費の中で医療部門を見ているということで、全く採算を考えない診療所として長年運営してきたわけです。その点について、地域の障害のある人たちに対してそれなりに医療も貢献できるようにということもあって、保険診療できるようにという方向性で群馬県知事の指定を受けて、保険診療を開始したという経緯があります。そのような意味で、重度の障害のある人たちに対する診療所、なおかつ13ベッドという中途半端なベッド数で運営する有床診療所として、この収支だけでご指摘のようなことはまさにそのとおりではありますが、そうかといって沿革的にも、実態としても採算を取るのは非常に難しいものだということを是非ご理解いただきたいと思います。
 そのような中で、先ほどもご指摘いただいたように、このような診療所にMRIを置くことはどうか、そのMRIの稼働率がどうかということも当然ご指摘いただくわけですが、MRIの購入については独立行政法人に移行する前にセットされていて、当時としては新型のものを導入したわけですが、既に8年も経ってMRI自体も非常に陳腐化してきたことと、近隣の医療機関はみなMRIを持っていますので、そういう意味で私どもはなんとか有効活用しようということでいろいろ知恵を絞ったのですが、どうもうまくいかないというのが実態です。そのような意味でご指摘いただいて、それに対するきちんとした回答ができないのは申し訳ないですが、地域の医療の事情としては発達障害の関係とか、そういったもののニーズが非常に高いわけです。したがって、常勤の精神科医、しかも児童精神科の専門医がおりますので、専門医が地域の発達障害関係の医療のニーズにできるだけ応える意味で、外来の新規患者についても、傍から見ているとほとんど限界に近いような患者数の外来診療を行っています。そういうことで、診療所全体として地域のニーズに合った医療を提供する、もちろん、施設利用者の健康管理や医療にも対応することの全体でお考えいただいて、なんとかご理解いただけたらと思っています。ご指摘の点は重々、申し訳ないと思っていますが、実状としてはそういうことがあるということも是非ご理解いただけたらと思います。

○松原委員
 是非、そういった趣旨のことをもう少し丁寧にご説明いただくと、大変こちらもわかりやすいなと思います。これだけを見ると非常にびっくりする。ものすごい異常事態が起きているなと見える数字ですので、収支が改善しているという一言ぐらいの説明だったのかなと感じましたので、そういう実状について補足しながらご説明いただければと思います。
 もう1点は、これだけ財政の厳しい中で、先ほども先生からもご指摘がありましたが、続けられるのかなという不安も傍から見て感じまして、これだけの運営費交付金を得る必要がある事業なのだということを外から見てわかりやすいものにしていく努力、また障害の方々にとって、ここは検査もプロがいて、普通のMRIよりも受けやすいということのPRとか、もう少し改善点があるのではないかなとも思いました。以上です。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 ご指摘の点をよく踏まえて、来年度は資料の作り方あるいはご説明の仕方を工夫させていただき、なおかつ診療所の有効活用をさらに努力するということで、やっていきたいと思っています。

○真野部会長
 弁護するわけではないですが、資料もだいぶ前に比べると診療所の資料が詳しくなったり、調査・研究が詳しくなったり、若干流れはあるとは思いますが、逆に診療所が詳しく出たものだから、細かいところまで指摘が行くところはあるような感じはします。私も1回行かせていただきましたが、最初から見える委員は現地を訪問した方もあると思いますが、機会があればまた。1回行った人は行かなくてもいいかもしれませんが、百聞は一見にしかずというところもありますし、診療所はかなり広いですし、しっかりしたことをされていますが、山のほうだから町の人が風邪で来る診療所ではないので、習慣の努力がしにくい環境にはあることはあります。
 ほかの先生はどうですか。

○平井委員
 教えていただきたいです。いまのに関連しますが、入院の方というのはどういう疾患というか、どういう入院のタイプの患者が多いわけですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 入院している患者のほとんどは、入所利用者です。高齢化して機能低下して、胃ろうとか痰の吸引とか、日常的な医療ケアが必要な方が何名かいるのと、そのほかに生活習慣病なりで急性期の治療は外部の専門の医療機関にお願いして、ある程度治療に一区切りがついたらこちらの診療所に入院していただいて、生活寮に戻るまで静養というか療養していただく機能も持っています。

○平井委員
 通常の病院の収入とは違って、慢性期でドラスティックな治療をするわけではない場合は、どうしても保険診療の収入というのは少なくなるということなので、別に弁護するわけではないと思いますが、収支という面から考えると通常の診療所あるいは病院と同じようにはいかないのかなとは思いました。
 精神科の専門の先生がいらっしゃるということですが、内科の先生、歯科も書いてありますが、あとはどういうドクターがいらっしゃいますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 常勤医としては、精神科1名、内科、外科の両方をやりますが1名、歯科医師が1名です。その他の診療科は非常勤ということで、曜日と診療時間を決めて来ていただいています。

○平井委員
 ありがとうございます。

○大島部会長代理
 いくつかあります。子どもの診療科、児童精神科医もいらっしゃって、前は心理の方がいて、そこのニーズが大変多くなっているということを伺ったのですが、これを見ると子どもあるいは親御さんの利用の件数と、大人の方の利用の件数がちょっとわからなかったので、子どもの部分をどのように増やしていって力を入れているのかがわかるとありがたいということが1つです。
 それから、調査・研究プロジェクトに外部の研究者がいろいろ入っていますが、随分長くやっていらっしゃるので、内部の方もものすごく専門性の高い方ばかりだと思いますが、外部の方を入れていくというプロジェクトは、どんなようなタイプというか研究者を入れていっているのか。要するに、中にいらっしゃる方たちがカバーできない部分を外から入れているのか、そこら辺がわかりにくいので、これも謝礼を支払っているわけですから有効に研究者が使えているのかどうかがわかるとありがたいと思います。
 それから来年度の目標になると思いますが、矯正施設に関しての新しい意義というのもありますが、最後のところに震災関係の方を集団で受け入れられた。これからは、その方たちへの影響とか次なる地域移行という部分であるとか、さまざま出てくると思いますが、いまはこれは前年度なので、最後のところではまだそれどころではないと思いますが、何かご意見があればお願いしたいと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 まず研究の関係で、研究部の研究担当の職員の大半は一般公募で、一応3年とか期間を限って来ていただくことでやっています。それは、研究者はこういう施設にずっと留まって研究するよりは、自分の志しているテーマの中で、のぞみの園ではこんな研究をやりたい。でも、次はこういう所でこういう研究をやりたいとか、いろいろなご希望があるようで、常勤職員として期間を定めず採用するという話を出しても、3年とか、そういうことをご希望される方のほうが多いです。そういう意味で、研究担当の職員がある程度入れ替わっているのが実態です。
 新しい研究テーマに取り組むということで、例えば平成22年度は地域移行関係の海外情報をいろいろ整理することにしましたが、その場合に知的障害関係の地域移行などについて、ある程度取り組んでおられる研究者に年に何回か来ていただいて、いろいろアドバイスをいただきながら研究を進めたとか、そのような活用の仕方をしています。
 これからの研究テーマですが、震災関係で私ども1つの法人を丸ごと受入れして、そこで事業をしていただいていますが、大きな災害が発生したときに地域にどのような機能を持った施設があったら望ましいのか。そのような視点から、実際に避難されてきた社会福祉法人友愛会の人たちのご意見やご希望を伺いながら、モデル的な災害対応の施設みたいなものができないか。そういうことを検討してみようということで、いま友愛会という法人といろいろ相談しながら、研究としてどう進めていくかなどを検討している最中です。そのようなことで、ご指摘いただいたような観点から、新しいテーマにもっと積極的に取り組んでいきたいと思っています。
 最初の診療所の子ども関係の外来患者数は、確かに資料で特に年齢で区分をしていませんのでわかりませんが、冒頭で平成22年度の新患の患者が210何名というのがありましたが、その大半は発達障害の子どもの関係です。そのような意味で、地域におけるニーズは高い。ニーズは高いというのは、結局発達障害の親御さんたちは、いろいろな医療機関や相談所を回って、なかなか思うような治療を受けられない。あるいは思うような診断を受けられないということで、最後に専門医がいるのぞみの園の診療所に来るケースも少なくありません。そういう意味で、私どもとしては発達障害という括りの中で子ども中心ではありますが、診療機能はできるだけ充実して対応していかなければならないと考えています。

○大島部会長代理
 ありがとうございました。

○石渡委員
 これまで、重度あるいは身体障害との重複というところで機能の大きな役割を果たしてきたのぞみの園だと思いますが、いま児童の分野で話題になっている診療所にいらっしゃる発達障害の方とか、発達障害のセミナーあたりにすごく参加者が多いこと。そして、新しい事業として始めている罪を犯したという矯正施設を出た方の支援のあたりも、もしかすると発達障害が絡んでくるのかな。多くのほかの実践をやっていらっしゃる所では、そういう報告も聞くわけですが、そうすると新しい地域のニーズも含めて、発達障害に今後どんな展開をするかみたいなところをお聞かせいただければと思います。高崎市から委託されて相談支援をやっていらっしゃるということですが、こういう相談の中にもそんな発達障害絡みのことが多いのかなということなども含めて教えていただければと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 発達障害関係はニーズが高くて、非常に積極的に対応しているということですが、私どもの法人の目的とか業務などから来る制約はありまして、どうしても重度の知的障害者というのが柱になります。そのような中で、発達障害ということにも当然取り組んではきていますが、そこら辺は第3期の中期目標なりの中で、どういう位置づけをするかについて、私どもも厚生労働省ともご相談させていただきたいなと思っています。
 もう1つはご指摘にありましたように、矯正施設を退所した人の中に少年院を退院して受け入れている人は2人いて、今度3人目になります。その方たちは発達障害という問題がありまして、矯正施設の関係の事業を進めていく上でも、発達障害関係の専門性を持っていないと支援の効果は上げられないことも、最近大変実感しています。そのような意味で、ご指摘にあったような点も十分踏まえてやっていきたいと思っています。

○石渡委員
 厚生労働省とのいろいろなご相談ということに独立行政法人の立場上なってくるのかなと思いますが、重度の方への支援というところではかなり大きな役割を果たしてきて、新しい社会的なニーズに国立の施設としてどう取り組むかのあたりは、とても重要なことになってくるのではないかと思いますので、この何年かの診療所も含めた実績などから発達障害について、是非前向きにという個人的な思いはあります。
 あと、発達障害と虐待を受けた子どもが18歳以上になったときの支援が結構全国的に実績がありますので、成人の支援という中で発達障害のいろいろな複雑な課題にどんなふうに対応していくかに、是非先駆的な役割を果たしていただきたいなという思いを改めて今日の評価の場で感じさせられました。ご検討いただければということになります。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 いまのご意見も踏まえて、やってまいりたいと思います。調査・研究とか養成・研修で取り組んでいる行動援護という新しいサービスについての研究なりセミナーは、実際は発達障害関係のお子さんが利用することが多いサービスでもありますので、調査・研究なり養成・研修の事業の中でも、そういった問題意識を持って積極的に取り組んでいます。ご意見、ご指摘の点も踏まえて、今後検討させていただきます。

○真野部会長
 この医療・福祉部会の特徴かもしれませんが、前回も福祉医療機構のときか、何か少し違う役割もあったほうがいいという議論がありましたね。そのときも、根拠法の問題があるという話だったのですよね。そのあたりはどこまで厚労省がやれることなのかはよくわかりませんが、どうですか。

○政策評価官室長補佐
 そこは、それぞれの中期目標を厚労大臣が定めていますが、そこから中期計画に落とされていって、それがそれぞれの各年度の事業計画になっていきますが、もともとの今回の第2期が終わって第3期を立てるときに中期目標をどのように定めていくかを、これから実態と合わせながら考えていくことになろうかと思います。

○真野部会長
 この間の話だと、もちろん目標で設定できるのもあるし、もう少し法的な変化とか法の後押しがあったほうがいいものもたぶんあって、いまの石渡先生の話はどこの範囲かはわからないけれども、やれる範囲でなるだけ世の中の変化に対応していくのは当たり前ですので、そこはやっていっていただければと思います。もちろん法律を変えることになると、かなり大きな話にはなると思います。よろしいですか。
 最後の予算や収支及び人事といった項目についてのご説明をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 Part4です。67頁の評価項目16「予算、収支計画及び資金計画」です。評価シートの41頁中頃から43頁中頃までです。平成22年度の総事業費は、退職手当を除くと36億円で、自己収入の額は18億3,600万円ですが、その割合は51%となって、40%を大きく上回っています。68頁に自己収入の割合の推移を記していますが、平成18年度から平成20年度までは41%でしたが、平成21年度には45.7%と計画を大きく上回っています。これは、自己収入が平成21年度と平成22年度と増えているというのが、結構反映していると思っています。
 また、平成22年度の予算は、中期目標に定める一般管理費及び事業費等の経費について、中期目標期間の最終年度の額を前中期目標期間の最終年度と比べて23%以上削減する。あるいは、総事業費に占める自己収入比率を40%以上達成することを目標に予算を作成し、予算の範囲内で執行を行いました。執行に当たっては、セグメントごとの収支計画に従い、事業を執行しました。その際の運営費交付金債務の収益化については、費用進行基準を採用しています。平成22年度においては、収益化を予定していた運営費交付金22億6,400万円のうち4億3,600万円を収益化する必要がなくなったことから、平成23年度への運営費交付金債務として繰り越しています。これは、常勤職員数の削減等による人件費総額の縮減とか、業務物件費の節約に努めた結果によるものです。以上が、評価項目16の実績です。計画を上回っていることから、評価シート40頁中位の自己評価は「A」としています。
 69頁の評価項目17の人事に関する計画です。評価シートの43頁中頃から44頁上位までです。年度末の常勤職員数の見込みを246名としていたわけですが、234名という実績でしたので、削減目標を大幅に上回っています。したがって、評価シートの43頁下位の自己評価は「A」としています。
 最終の頁、評価項目18の施設・設備に関する計画です。評価シートの44頁上位から45頁です。これは、昨年暮れの第1次補正予算で施設整備補助金5億5,800万円が、寮舎等空調・給湯設備改修等工事にかかるものとして、新たに認められました。当初予算で、寮舎等の一部を対象とした空調・給湯設備改修工事も含めて、工事全体を見直す必要が生じたことから、その実施が年度内に完了できなくなったものですから明許繰越、いわゆる理由のある繰越ということで、その手続を取らせていただきました。したがって、評価シートの45頁の自己評価は「B」としています。以上です。

○真野部会長
 ありがとうございました。ご質問など、何かありますか。

○浅野委員
 設備の話が出たので、施設とか設備のいまの状況をお伺いします。震災もありましたし、かつては風水害の影響とか、最近ですと空調だと熱中症絡みもあるのかなと思いますが、現状の設備で十分なのか、あるいは今後抜本的に設備をきちんとしないと、入所者の安全という面ではいろいろ問題が出てきそうだというところがあればお伺いしておきたいなと思っていますが、いかがですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 施設・設備関係は昭和46年開設で、当時のものがそのまま残っているというのがかなりあります。そのうち、管理部門はともかくとして、利用者の関係についてはできるだけ安全性や生活の質などを考えて、改善する方向で取り組んでいます。例えば、生活寮の中の暖房とか給水は大きなボイラーでお湯を炊いて、それぞれの生活寮に蒸気を送ってということをやってきましたが、大変効率が悪いとか、あちらこちらで漏れが出ているということで、生活寮ごとに電気やガスを使った冷暖房、給水などに切り替えをしている最中です。熱中症関係でいいますと、いまは入所利用者の居室それぞれに冷房の装置も付けていますので、もちろん職員が日常的に注意深くということですが、そういった心配はないと考えています。
 そのほか、道路関係とか電気関係とか、かなり老朽化してきて、その手直しに相当施設整備費がかかるものもなお残っています。そういった点について、これから果たして多額の整備費を投入して直していったほうがいいのか、ある程度見切りをつけて、当面何年間かを対応できればというようなことでやっていくかについては、それぞれの案件ごとに厚生労働省とも相談してやっていくということで対応しています。

○浅野委員
 耐震性については特に何か。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 この間の震災の前に耐震の診断をそれぞれやりまして、利用者の施設関係では大体耐震関係はクリアしていますが、一部日中活動をする場所の耐震性が弱いとか、体育館の耐震性が足りないといった結果も出ていますので、それらについては対応しています。

○浅野委員
 最近のあれですが、節電や停電の影響は何かありましたか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 震災のあと、輪番停電というのがありましたが、のぞみの園の場合、自家発電の装置がありまして、当時は冷房の必要はなかったものですから、通常の照明などは自家発電で対応できたということです。また、診療所用に自家発電を別に作ろうということで、昨年のうちに工事が始まって、それがようやくこの6月ぐらいに完成して、自家発電の発電量が倍になっていて、そういう意味では仮に輪番停電みたいなものがあったとしても、何時間かの時間帯であれば特に支障なく施設運営、診療所の運営ができるようになっています。

○浅野委員
 どうもありがとうございました。現状がよくわかりました。

○大島部会長代理
 人員削減のところで人事に関する計画ですが、平成20年度の270人から223人まで。退職した人の補充を行わないというお話を伺いましたが、利用者の直接の担当されている職員の方、事務部門の方といろいろおられると思いますが、どのぐらいまでなら可能なのか。要するに、利用者一人ひとりへの十分というか、最低基準のような形でも、どこまでが目標として、減らしていけばA評価になるし、どこかで止めておかなければいけない部分があるわけで、その辺がここに書いていないように思ったので教えていただけますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 確かに、定年退職者のあとは不補充原則としていますが、例えば3頁でご説明しましたように、利用者の支援に直接関わる専門職員は毎年度若干名ずつ採用しています。説明資料の3頁の注で、平成22年度の新規採用職員を生活支援員5人、心理療法士1人、理学療法士1人と採用はしていますが、他方で定年退職なり自己都合で退職していく方が昨年度は20名近くいました。そういう意味で正規の職員は採れませんが、現場の利用者支援を考えたときに、どうしても職員の数が必要になりますので、非常勤の職員で埋めているのが実態です。そのような意味で、常勤職員数の削減ということで目標が設定されていますので、その削減を行いつつ、実際のサービスの水準を落とさないように非常勤職員をそれなりに採用して、その非常勤職員について研修を相当時間かけて行って、なんとか凌いでいるというのが実態です。

○大島部会長代理
 ありがとうございました。

○真野部会長
 ありがとうございました。全体を通して、何か言い忘れたこと等よろしいですか。あとは細かいですが、資料がちょこちょこ間違っていたところもあったり、消していなかったところもあったので、是非よろしくお願いします。
 評価の詳細は皆さんご承知だと思いますのでパスして、給与規定の変更について議論したいと思います。事務局から説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 のぞみの園の理事長から厚生労働大臣に対して、役員給与規定の変更についての届出がありました。届出があった場合は、独立行政法人通則法第53条第1項で、「届出に係る報酬等の支給基準を評価委員会に通知する」とされていて、同条第2項で「評価委員会は、その通知に係る報酬等の基準が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて意見を申し述べることができる」とされていますので、この度の役員給与規定の変更が社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについてご意見を伺うこととしています。
 それでは、法人から変更の内容についてご説明をお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事(篠原)
 この役員給与規程の改正については、昨年12月に国家公務員給与の俸給等特別手当について、引き下げる改正がありました。当法人も、それに倣った改正を行ったというものです。国家公務員の指定職の方の特別手当の支給割合が、これまでの年間3.1月分だったものが0.15月分下がりまして、年間で2.95月分に引き下げる改正がありましたから、私どもの役員の給与においても特別手当について同様に引き下げ、年間2.95月分とする改正を行ったというものです。資料2-1が新旧対照表で、付則がそれに該当する部分です。資料2-2が全体の改正後の給与規程です。以上です。

○真野部会長
 ありがとうございました。何かご質問などはありますか。この件はよろしいですか。部会としては、この変更についての意見は特にないということで、よろしくお願いします。
 ほぼ時間となりましたが、本日の議事は以上です。事務局から今後の予定のご連絡をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 評定記入用紙について、もしお持ち帰りになってご記入される場合には、8月12日(金)までに事務局へ提出していただければと思います。
 今後の予定についてご連絡します。次回は8月22日(月)13時からを予定しています。場所は、省内の専用第15・第16会議室になります。既にご案内してあります。以上です。

○真野部会長
 どうもありがとうございました。本日はいつもより1時間短かったですが、予定どおり終了しました。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 独立行政法人評価委員会(独立行政法人評価委員会医療・福祉部会)> 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第54回)議事録

ページの先頭へ戻る