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2011年9月5日 第79回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

○議事

23/9/5 第79回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

1 日時及び場所 平成23年9月5日(月)
午後4時00分から午後6時50分
砂防会館 別館会議室(シェーンバッハ・サボー)1階(淀・信濃)

2 出席委員:池田、大西、大島、大森、勝田、木村、久保田(藤原参考人)、高智、木間、小林、齋藤(訓)、齋藤(秀)、佐藤、篠原、武久、田中(滋)、田中(雅)(石橋参考人)、馬袋、藤原、三上、村上、村川、山田(敬称略)

○宇都宮老人保健課長 定刻になりましたので、第79回社会保障審議会介護給付費分科会を開催させていただきます。
本日の委員の出席状況でございますが、志賀委員、福田委員から御欠席の連絡をいただいております。また田中雅子委員にかわり、石橋参考人に御出席いただいております。また久保田委員にかわり藤原参考人が出席予定ですが、藤原参考人は遅れて出席されるとのことです。
以上により、本日は23名の委員に御出席いただいていますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。また、大臣交代の関係で、宮島老健局長は出入りがあると思いますので、よろしくお願いいたします。
では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。

○大森分科会長 御参集いただきましてありがとうございます。
副大臣、政務官も決まりましたか。ちょっとサービスしてくれますか。どなたであるか、知りたい。

○宇都宮老人保健課長 公表ベースで、今、副大臣については牧義夫議員と辻泰弘議員が決定したということのようでございます。政務官は、まだ正式の発表がちょっとということのようですので。

○大森分科会長 そうですか。
それでは、議事に入りたいと思います。本日は「介護サービス利用者に対する医療提供のあり方について」、御議論いただいた後、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する基礎調査」の御報告がございます。それと「特養における認知症ケアに係る調査の結果報告」という段取りでございます。よろしくお願いいたします。
それでは、事務局から資料の確認をお願いいたしましょう。

○宇都宮老人保健課長 資料の確認をさせていただきます。
 まず座席表、議事次第の後に、資料1としまして「介護サービス利用者に対する医療提供のあり方について」。
資料2−1、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する基礎調査について」。
資料2−2、その「管理者調査票」。
資料2−3、「ケアマネジメントについて(参考資料)」がございます。
その後、木村委員の提出資料、村上委員の提出資料、そして名簿の後に机上配付のみだと思いますが、村上委員提出資料の報告書がございます。
以上でございます。不足等ございましたら事務局にお申しつけください。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。それでは、早速、議題1に入ります。「介護サービス利用者に対する医療提供のあり方について」、説明いただきます。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。「介護サービス利用者に対する医療提供のあり方について」ということでございます。
まずスライド番号1番でございますが、「人口推計」が出てございます。非常に高齢化が進み、特に75歳人口の割合が急速に伸びているというような図でございます。
続きまして2でございますが、「医療ニーズ」についての表でございます。これは訪問看護利用者について示してございますけれども、医療処置にかかる看護内容が必要な利用者数が増加しているということでございます。個々の医療処置については、必要な利用者数、割合ともに増加し、医療ニーズの高い利用者が増加していると考えられる、というようなことでございます。
その下は、「救急搬送人員の変化」ということでございまして、特に高齢者において、軽症と中等症の方の搬送が増えているという状況でございます。
続いて資料の4枚目でございますが、死亡数が非常に増えてきているということ。また、さらに増える見込みがあるということ。
その下、死亡の場所につきましては、以前は自宅での死亡が8割ぐらいございましたが、現在ではその状況が急速に変化しまして、病院で亡くなる方が8割くらいを占めているということでございます。
続いて6枚目でございますが、死亡の場所としまして、ヨーロッパのスウェーデン、オランダ、フランスと比べますと日本は病院が8割ぐらい、ナーシングホーム・ケア付住宅等が2.4%というような状況になっているということでございます。
これらの状況をざっと見まして、「医療提供のあり方について」、高齢化の進展に伴い、医療を必要とする要介護高齢者が増加傾向にある。また、比較的経度であるにも関わらず救急搬送される高齢者が多いこと、主たる死亡場所が病院であること、などが指摘されている。
このために、「介護サービス利用者に対する医療提供について」、1.各サービスごとの医療提供のあり方について、2.看取りの対応の強化について、などの検討が必要ではないかということでございます。
 続きまして、8ページ目からでございますが、「1.各サービスごとの医療提供のあり方について」ということで、その下の9ページ目に「介護保険施設等の主な人員配置基準等」が書いてございます。右側の介護3施設については、基本報酬包括ということで行われております。
次の10ページ目でございますが、「介護保険施設等の1施設・事業所当たりの従事者数」、常勤、非常勤を含めた数について、こちらに示されております。
その下は、介護保険施設3施設における入・退所者の状況ということでございまして、医療機関への退所というものが赤で囲われております。また、死亡の中で入院先での死亡も医療機関での死亡ということで囲われております。こういった方々が医療機関のほうへ運ばれているという状況でございます。
続きまして12ページ目でございますが、「利用者に対する医療処置の状況」ということで、特養、老健、介護療養型医療施設、(参考)として在宅がございますが、どういった医療処置が行われているかという表でございます。
その下、「病状の見通しを踏まえて、施設側として最も適切と考える今後の療養・生活の場」、これは以前に分科会のほうでもお出ししたことがある資料でございます。
続いて14ページ目でございますが、「介護保険施設等における一月当たりの診察回数」ということでございます。
それから、その下、「介護保険施設等の入所(居)者の服薬割合」ということで、特養、老健施設、有料老人ホームの比較が書いてございますが、医師配置義務のない有料老人ホームにおいては7種類以上の服薬を行っている入居者が36%ということで、配置医師のいる特養や老健と比べてその割合が多いことが示されてございます。
続いて16ページ目でございますが、「医療関係職種の配置等に係る介護報酬上の評価」と書いてございますが、その加算についての部分の表でございます。
そして、17ページから「医療保険と介護保険の給付調整について」でございます。17ページ目はその定義等が書いてございまして、18ページ目に全体の各施設と給付調整のイメージが書いてございます。
19ページ目がもう少し具体的なものでございます。
20ページ目が、特に医師の診療に係る状況。
21ページ目が訪問看護についての状況。
22ページがリハビリテーションについての状況ということでございます。
23ページ目ですが、「介護老人保健施設における給付調整の主な経緯」として、徐々に医療保険のほうに拡大されてきた状況が示されてございます。
24ページ目に給付調整のイメージとして、上側の赤いほうが医療保険、下の青いほうが介護保険ということでございますが、黄色い吹き出しの中に書いてございますように、こういった薬剤については現在医療保険から給付されているということでございます。
25ページ目は、「介護老人保健施設における緊急時医療の介護報酬上の評価」ということでございます。
そして26ページ目から「2.看取りの対応の強化について」ということで、27ページ目は、先ほどと同じ図でございますが、その死亡の部分について赤で囲ってございます。特養が一番死亡の方が多いということでございます。
それから、28ページ目、29ページに、「看取りに係る介護報酬上の評価について」書いてございます。
30ページ目もその評価でございますが、グループホーム、特養、老健、介護療養についての介護保険と医療保険の給付の状況が書いてございます。
そして最後のページでございますが、「主な論点」として、「介護サービス利用者への医療サービスの提供のあり方についてどのように考えるか」ということで、1番目としまして、「各サービスごとの医療提供のあり方」について、介護老人福祉施設等における医療提供のあり方についてどのように考えるか。
具体的に、「(1)介護老人福祉施設における日常の健康管理、一定の専門性が必要となる医療や緊急時の対応を含めた医療提供及び、配置医の果たす役割などについて、どのように考えるか」。
「介護老人保健施設において提供される医療の範囲をどのように考えるか」ということが示されております。
「(2)小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護における看護職員の配置など看護の提供のあり方についてどのように考えるか」。
「2.看取りの対応の強化について」、「医療機関以外での看取りへの対応の強化について、どのような対応が考えられるか」ということでございます。
説明は以上でございます。

○大森分科会長 しばらく議論いたしましょうか。どなたからでも結構です、御質問、勝田委員。

○勝田委員 利用者の立場から、この介護サービス利用者に対する医療提供のあり方について3点について意見と事務方の考え方についてお聞きします。
まず家族の会では、4月13日に厚生労働大臣に提出し、また、この分科会にもお示しした「認知症の人も家族も安心して暮らせる要望書」の中で、医療の充実と制度改善として、受診・入院で認知症の特性に適切に対応した診療保証を要望しています。その中で、認知症であっても必要な診療が受けられるようにすることを1番に上げています。医療提供のあり方としては、どの施設に入っていても、必要な医療が受けられるようにすべきです。
現状では介護老人保健施設や介護療養型医療施設であってさえも、認知症治療薬の使用を拒まれる例が少なくありません。認知症の本人と家族は新しい認知症治療薬の可能性に大きな期待を寄せています。入所することによって、新薬による改善可能性を試せなくなるのは明らかにおかしなことです。やはり制度の改善が必要と考えていますが、事務方はどのように考えておられるのでしょうか。
次に看取りとの関連で、亡くなる場所としては病院が78.4%となっています。本人や家族にとっては、介護施設や医療施設に入所していても、その多くは在宅での看取りも希望しているのです。ではなぜ実現できないのか。在宅の場合、不安が大きいのです。在宅医療との連携がスムーズであれば不安は和らぎます。また、施設であってもグループホームなどで家族が看取りをともに過ごせるケースも増えています。どの場であっても安らかな最期は人間としての尊厳を守り人権を守ることに直結します。このことについて、事務方としてはどのようにお考えなのでしょうか。
最後になりますが、一方、介護保険制度では御本人が亡くなられた後の遺族に対するグリーフケアの視点が欠けています。遺族への心のケアが大切です。その遺族が何らかの疾患や事故に遭遇し、命を落とすなどの危険が高まることが統計上も明らかであるとされています。多くの訪問介護員や介護支援専門員が自発的に無報酬で遺族のグリーフケアを担っている実態があります。家族支援の1つとして、被保険者の死亡をも途切れ目なくグリーフケアが提供される、そういう体制づくりが必要と考えていますが、事務方はどのようにお考えでしょうか。

○大森分科会長 済みません、私から。3点目は、それを介護保険でやるべきだという考え方に基づいておられるんですか、グリーフケア。

○勝田委員 これは家族支援の1つの形として、現在、介護保険というのは本人に関わることしか給付されないというのが現実です。ただ、やはり家族が元気でなければ在宅介護も進みませんし、逆に介護予防の立場からもグリーフケアをすることで介護予防にもつながるのではないか。その点で、今後、新たな地域包括ケアの中でも含めて、このような視点をぜひ入れていただきたいということも併せて事務方の考え方をお尋ねしたいと思います。

○大森分科会長 わかりました。事務方のほうから。

○宇都宮老人保健課長 まず1点目でございますけれども、老健施設などで薬などが十分提供できるような報酬になってないとか、恐らくそういうことを御指摘になられたのではないかと思いますけれども、そういった声も非常にあることから、まさに今回、一番最後のページの31ページ目に介護老人福祉施設等における医療提供のあり方にどのように考えるかということで、老健施設において提供される医療の範囲をどのように考えるかということも示させていただいておりますが、まさにそういった部分をこちらの分科会の中で御議論いただきたいということでございます。
それから2点目については、在宅の関係で、済みません、ちょっと質問よくわからなかったのですが、申し訳ございません。

○勝田委員 施設に入っていたとしても、在宅であっても、最終的には病院に入ることが多いのですが、それはなぜか。本来ならば、すぐお医者さんとの連携がスムーズにいっておれば最期まで在宅で過ごせる場合も多いのではないか。実態的にもよいかかりつけ医を持っておられる方は最後まで何とか頑張れますし、それからグループホームや特養においても一部のところでは最期の看取りを1週間ぐらい家族もそこの場で一緒に過ごす、そういうことが行われてきていますので、そういうことについてどのようにお考えかということです。

○宇都宮老人保健課長 そこの部分もまさにそういう意見大変多いということで、今、ごらんいただきました一番最後の看取り対応の強化ということで、医療機関以外での看取り対応の強化について、もちろん医療保険の話とか、医政局のほうの話もあると思うんですけれども、介護報酬の中でどういったことが考えられるかということについて、まさに御議論いただければということでございます。
それから、3点目のグリーフケアのお話でございますが、これは大森分科会長のほうからも御質問ありましたけれども、本人というよりも御家族の方に対して、こういった報酬で支給することになりますと、これはかなり制度の根幹に関わる話ではないのかと思います。そこの部分についても、果たして分科会でお話しするのがいいのか、あるいは介護保険部会でお話しいただくのがいいのか、その辺も含めて、事務方でどうというよりは、むしろ委員の皆様方のお考えをお聞きしたいと思います。

○大森分科会長 という回答ですけど、よろしいですか。

○勝田委員 はい。

○武久委員 今の質問について。

○大森分科会長 今の質問について。

○武久委員 臨床家の立場からお話しをさせていただきたいと思いますけれども、老健とか介護療養型とか、まるめの病院とか施設で勤務している医師は、高い薬を使えば収支が悪くなるから使わないということはほとんどないです。まずは効くかどうかということですね。だから、この患者さんの症状がよくなるということがはっきりすれば必ず使います。抗生物質、高血圧、糖尿病の薬。例えば認知症の薬は、イギリスの論文にもありますように効かないという論文もあれば、軽症の場合は効くという論文もあれば、いろんな論文が出ておりまして、それは臨床医が自分で判断して出すわけです。
ところが20年ほど前に、脳代謝賦活剤というのがたくさん出たことがあるんです。お医者さんはわかると思いますけど、薬の名前言いませんけど、無効だということで、それがみんなもうなくなってしまっておりますので、我々医師・臨床家としては、効くのであれば続けて絶対出します。だけど、効果がはっきりわからないものに対してずっと続けると消化器症状とかいろんな副作用もありますし、効果がないのであれば切るという場合もあります。それは臨床家として、そこの先生が自分で判断されることです。以上です。

○勝田委員 済みません、今の関連でお願いします。

○大森分科会長 今のこと、どうぞ。

○勝田委員 武久委員がそのようにおっしゃったんですが、例えば老健施設は、本来ならば在宅復帰ということで3か月間ですよね。資料では277日でしょうか、平均的な日数が書かれていますが在宅復帰して、入所前のお医者さんではきちんと出されていた薬が、老健施設に入ったことで、服用できなくなる、家族にすれば、在宅復帰したときに少しでも進行を遅らせたいというのが願いですし、新薬が承認されたのも、ある意味では効用があるからだと私たちは思っています。正直言いまして、家族が従来かかっていたお医者さんから薬を持ってきて、施設に届けて服用させていただいているというのが現実的にはあります。そこにおられるお医者さんが効かないということで出されないケースもあるかと思いますが、そうでないことも多々あるのではないかと考えますが、これは私たちは薬に対しては素人ですので、実態としてはそういうケースが結構あります。

○大森分科会長 山田委員、どうぞ。

○山田委員 老人保健施設を悪い例で立てられましたが、若干、今日の医療のあり方も含めて発言させていただきたいと思いますが、老人保健施設ができた当時に医薬品費の報酬をまるめにして、確かに薬を減らしました。でも現実問題としては、それは医療的な立場で減らしたのであって、その結果として非常にいい効果が出た。利用者にとってはむしろそっちがよかったという実態はあります。そういう意味では、我々は、武久先生が言われている以上に、医師としてのプライドもありますので、当然必要な薬は必要なものとして出す、そういうスタンスで当然多くの医師はやっていると思います。
 それから、確かに今高額の薬が出ていますので、その薬に関しましては、我々の経営的な判断の中で、これからの改定の中で要望は続けていくということでぜひご理解いただきたいと思います。
 続けてよろしいでしょうか。

○大森分科会長 どうぞ。

○山田委員 老人保健施設の医療ということで、パワーポイント14にありますような診察回数、それからパワーポイント12にありますような医療行為が出ております。そういう意味では老健の医師は医療をやってないのではないかと誤解されがちですので、済みませんが、老人保健施設の医師がどういうことをやっているかということを、もちろん多くの方は御理解いただいていると思いますが、御理解いただくために若干説明させていただきたいと思います。
老人保健施設の医師は人員配置上は入所者100人に対して1人でございますが、実は併設の通所リハビリテーションの利用者にも対応しているというのが前提であります。多くの医師は施設長として管理業務もやっております。実態として、私どものところも含めまして、どういう仕事をしているかというのを調べてみますと、診察、指示、処方、処置、あるいは職員からの申し送りや指示受けに対する対応、これで半日以上費やしております。これは毎日のことでございます。毎日ではありませんが、リハビリテーションとか、褥瘡等を含んだ皮疹等の定期的な診察、これが週に1回とか2回とかやっておりますので、これに対して数時間。
それ以外に老人保健施設は御存じのように多職種協働ということでやっておりますので、当然医師もその中に入っております。そういう意味ではケアプラン、あるいは利用者の状態の評価、ケアカンファレンス、栄養ケア、栄養ケアマネジメント、事故防止委員会、感染症対策委員会等の会議、これがかなりの量で行われています。あるいは入・退所判定委員会、これは当然運営基準上義務づけられていますし、そこにも参加をしているし、当然医師として、施設長として、家族等への病状の説明。そのほかにも主治医の意見書、他科受診の紹介状、情報提供の書類作成、職員の教育、管理業務に基づく決裁、会議指示、業者対応とありますので、かなりの業務をやっている。
その中で、例えば診察回数、これは設問にちょっと問題ありかと私は思っているんですが、聴診器を当てた回数とすれば、月3回、よくやっているなというふうにも思います。ただし、これは病症の状態が悪化すれば毎日でも、あるいは1時間置きでも聴診器当てているわけですので、そこはぜひ御理解いただいて、こういうデータを見ていただきたいと思います。
それから、医療行為が少ないということですが、これだけのパワーポイント12だけの項目で医療行為と言っていいかどうかは別といたしまして、老人保健施設は在宅復帰を目指していることもありまして、平均要介護度は低いと、これは御存じのとおりであります。それで、ここに書かれている医療行為を必要とする人が少ないというのも実態だろうと思います。
また、前の分科会でも発言させていただきましたが、老人保健施設には医師又多くの施設では24時間看護職が配置されておりまして、利用者の病像の変化に対する対応が早い。病状の重症化を未然に防いでいるということもあると思いますし、このような早期対応・早期治療を実践することによってADLの低下、病状の悪化の進行を未然に防ぎ急性期病院の転院を極力回避することを続けていると、これも現場の実態であります。
しかしながら近年、利用者の高齢化、重度化に伴いまして、老健から急性期の病院への搬送、転院件数が増加しております。その結果として、地域の救急システムや急性期病院との連携、実は急性期病院の皆さんに大変迷惑かけておりますが、そこに非常に深刻な影響が出てきております。だだ、その搬送の原因となった疾患の一部、例えば1週間程度で治るような肺炎などの呼吸器疾患、消化管感染症、腎盂腎炎等の尿路感染症、あるいは帯状疱疹など、これは老健の医師でも、看護職もちゃんと配置されておりますので治療できると思います。そういう一定の疾患に関しましては、老健で治療できるような報酬上の対応ができれば、これは利用者が病院へうつることもありませんので、利用者に御迷惑をおかけすることもありません。あるいは認知症の悪化を引きおこすこともありませんし、急性期病院側にとっても老健の医療という意味でも望ましいと思いますので、今回の同時改定でぜひこれは実現していただく方向で検討していただきたいと思います。
もう少し具体的に言いますと、当然施設長の、老健の医師の専門分野で治療の範囲は違うこともあると思いますが、有床診療所を例に挙げますと、そこでは医師1人で一定の入院治療が行われているのでありまして、それ相当の医療を老健でも可能とすることも検討していいのではないか。さらには老健療養中に発生した急性期疾患の治療が一定期間に限っても可能となるというようなことから考えますと、ちょっと大胆な考えですが、老健のベッドの一部を有床診療所とみなすというような大胆な制度上の検討もしていただくなどが利用者の実態からすると考えてもいいのではないかと思います。
それから、高額な薬剤についてですが、前回、本分科会で木村委員からも御発言いただきましたが、認知症治療薬、最近新しいのが出てきておりますし、現実、抗腫瘍剤はほとんどが医療保険適用で処方できることになっておりますけれども、一部注射薬でホルモン剤等に分類され、なおかつ抗腫瘍薬として使われている薬、これが現在のところ、まだ保険適用になっておりません。あるいは神経難病治療薬等の多くは高額であります。今の基本報酬に包括された医療費の外で出来高払いしていただいて、経営的にも、利用者の皆さんにとっても信頼され、経営的に削られていると言われますと非常に憤慨ですので、利用者の皆さんにも信頼して治療を受けていただく、そういう関係をつくっていただければと思います。
以上であります。

○齋藤(秀)委員 ありがとうございます。2点について申し上げたいと思います。
医療ニーズのある利用者が、これは在宅であれ、施設であれ、必要な医療が受けられるという仕組みであることが大変重要なことだと考えております。資料にありますように、給付調整などでその都度見直しをしてきた努力は評価いたしますけれども、どうしても、今、山田委員からもお話がありましたように後追いになるという宿命を背負っているわけであります。利用者は医療保険から提供されるか、介護保険から提供されるかというのは問題ではございません。問題はその両者の狭間で不利益が生じないようにするために居場所によって医療提供の制約を受ける仕組みを改善していただきたいと、こういうことであります。
したがって、医師のお二方の委員の方々の申し上げておられることはよく理解できるわけでありますけれども、そういうモラルの問題ではなくて、一定の制約があるというものは改善すべきではないかということを申し上げたいと思います。
2つ目でありますが、グループホームの看取りの評価について申し上げたいと思います。介護老人保健施設での看取り、それからグループホームの看取りによる評価の違いがある。これは本来看取りということで御努力いただいているものについては同じ評価であるべきというふうに考えます。その上で確認といいますか、お考えをお聞かせいただきたいのでありますが、特養におきましては、看取りの要件として、看護職員の24時間連絡体制、指針の策定、個室の要件というものがあるわけですけれども、グループホームについても同等又はそれに近い要件が何らか考えられるというふうに理解していいのかどうか、その点は1点確認をしておきたい。また、お考えがあればお聞かせいただければと思います。以上であります。

○大森分科会長 最後の論点。

○勝又認知症対策室長 認知症のグループホームの点ですけれども、医療連携体制加算の算定が必要というところでは看取り介護加算と同様のところ。

○大森分科会長 もうちょっと大きい声でお願いできますか。

○勝又認知症対策室長 医療連携体制加算の算定と看取り介護加算の、認知症のグループの点ですけれども、医療連携体制加算の算定が必要というところでは看取り介護加算と同様のところで。

○大森分科会長 もうちょっと大きい声でお願いできますか。

○勝又認知症対策室長 医療連携体制加算の算定が必要ということと、看取り介護加算のところでは同等というふうに考えておりまして、それで。

○齋藤(秀)委員 確認ですけれども、要件は同等と考えて理解していいということでしょうか。

○勝又認知症対策室長 そのはずです。

○大森分科会長 よろしいですか。ちょっと不安残りますか。

○齋藤(秀)委員 そうですね。私がなぜ申し上げたかというと、同等であるならば、今まで同等の評価がされてないということが誠に不思議な話になりますよね。したがって、そこの部分をはっきりさせていただかないと、同じ看取りをしているのに場所によって評価が違うということに対しての疑問に十分にお答えいただいてないのではないかと思う、疑問です。

○勝又認知症対策室長 同じなんですけれども、そこのところの単位が違うというところについては課題というように考えております。

○大森分科会長 次回以降もう少しはっきりするような手はずにいたしましょう。高智委員。

○高智委員 スライドの6と7、一番最後のページで御質問をさせていただきたいと思います。「死亡の場所(各国比較)」、欧州の3か国と日本との比較でございます。この図表は、医療経済研究機構がことしの1月21日の中医協総会に出されたものと同じものだと認識しております。
それで、この日本の状況、病院で亡くなる方が81%ということになっておりますけれども、これら上の欧州3か国におきましても、お医者さんには語彙が不適切かもしれませんけれども、濃厚な医療というものをほとんどやらない。ダイアライザーでありますとか、経管栄養というのはある一定のところでもう打ち切ってしまう。生活支援を家族で看取る側でやればそれでよろしい、そういう極めて割り切った考え方がある程度支配していると思います。そういった意味では、特別違和感のある特異性を証明するものではないというふうにも理解しております。
まず、この図表はスウェーデンが1996年、15年前ですか、そしてオランダ、フランスが13年前、日本が2000年ということで、事柄、比較対照の性質からいえば、この十数年たっていてもあまり輪郭的には問題ないのかなと思いますけれども、現状と多少違っている可能性があるということを指摘しておきたいと思います。
それから、この下の7でございますが、医療保険者とも関係いたします。比較的軽度であるにも関わらず救急搬送される高齢者が多い。死亡場所が病院であることなどが指摘されていること以上に現実になっていると理解するわけでございますが、これは国民一般に対する啓蒙活動を横軸の省庁を挙げてさらに推し進めていただきたい。重症の方がはからずも命を落としてしまうことがないような仕組みをぜひますます整備していっていただきたい。
それから、最後のページでございます。本日の論点、「主な論点」ということで、スライド31の一番最後、「看取りの対応の強化について」、意見申し上げたいと思います。このテーマにつきましては、言うまでもなく国民の大きな関心事の1つだと思っております。看取りのあるべき姿をめぐりましては、介護系の各施設のみならず、自宅、居住系、病院、そして有床診療所等々で国民の希望やニーズも広範多岐にわたっていると思います。
そして、質問でございますけれども、こうした看取りが医療保険、そして介護保険の双方で対応が行われているというわけでございますが、看取りの件数、これに要するコストについて大づかみで結構でございますが、把握できるようなエビデンスのあるデータをお持ちでしたら、輪郭だけお示しいただければありがたいと思います。

○大森分科会長 それでは、課長さん。

○宇都宮老人保健課長 看取りの点数というのは、29ページ目にある、こういう意味ではなくて、トータルでどのくらいという意味でございますか。

○高智委員 そうです。鳥瞰的にわかるものがあれば。

○宇都宮老人保健課長 済みません、トータルとしてどのくらいというのはデータがないようでございます。コストというのも、実際にかかるコストとか、そういうことでございますか。

○高智委員 はい。

○宇都宮老人保健課長 そういう調査も我々としては把握してないということでございます。

○大森分科会長 最初の6で、日本が81.0%、病院で亡くなっているということについて比較をされているんですけど、これについて、若干御意見が出たんですが、何かそちらからもコメントありますか。みんな最後は病院で死にたいと思っているのか、搬送されてしまうのか、何のことだろうかって。課長さん、何かあれば、よろしいですか。

○宇都宮老人保健課長 はい。

○大森分科会長 池田委員、今のこと。

○池田委員 2つほどなんですけれども、何か聞いていると、病院で死ぬのはいけないことだという前提条件で話されているような気がします。日本はどっちかというと病院文化です。したがって、家族のほうも自宅で死ぬとおまわりさんが来るしということで病院に持っていく。文化の違いみたいなものを捨象して比較するのは少し公正さに欠けるのではないかという気がいたします。どっちがいいという問題ではないんじゃないかという気がしますね。
もう少し具体的に考えたときに、先ほどもちょっとコストの問題が出ましたが、もし訪問看護が充実したとするならば、かかるコストはどのくらいなのか。現在のところ、訪問看護が行くべきところを通院か搬送で処理しているんですよね。これは私はエビデンスのある数字を持っておりませんので言えないんですが、恐らくは訪問看護のほうが安いはずです。しかもQOL は、はるかに高くなると思います。
ですから、これは当然、今、すぐデータを示せないということは十分に理解いたしますので、少し時間を半年なら半年とか、1年なら1年でもいいんですけれども、かけてそのコスト比較をやって、その分、余りがあるのだったら訪問看護につぎ込めというくらいの大胆な政策誘導をしていくという、そういう考え方にお立ちになったらいかがだろうかと思いました。以上です。

○高智委員 池田委員から、病院で死ぬことが云々という御意見ございましたが、そういう御意見もあろうかと思いまして、最後つけ加えましたのが、特別違和感のある特異性を証明するものではない、そういうことを申し上げました。これは文化であり、また都市型集中就労状況とか、いろいろな背景上、環境が支配していることは存じ上げております。ありがとうございます。

○三上委員 今の在宅あるいは施設での看取りを進めたいという流れはあるわけですけれども、これは平成10年、15年、20年と終末期医療に関する調査報告書が出ているわけですが、この中では確かに在宅(自宅)で療養したいのは6割いらっしゃるわけですけれども、最後は病院で看取ってもらいたいという方は8割を超えておりますので、そういう意味からすると結果と国民の意識というのはぴったり合っているのだろうと。これを報酬上で介護施設であるとか在宅での看取りについて加算をして評価をしていくという、いわゆる提供者側のインセンティブをつけていくことについてはいかがなものかという気がしますし、いわゆる報酬が、評価をされたからといって、患者さん、御家族の意向にさからってまでも在宅だと、あるいは病院に転送するのを控えるといったことはなかなかできないということになりますし、その辺のところは皆さんのお考えを伺いたいと思います。

○大森分科会長 ちょっとお待ちください。今のに関係いたしますか。それでは、山田委員いきましょうか。

○山田委員 前回から従来型老健でも看取り加算というのが出ましたが、私のところでも実際に看取り加算をいただいている経験から申しますと、看取りのコストというのをどこからとるか、非常に難しい。これは急性期の疾患が発症してぽこっと亡くなる場合はそれは当然わかります、いつからいつまで。でも高齢者が亡くなるという経過、経過の中で亡くなっていくわけですので、これをコスト評価しようというのは非常に厳しい。どこからスタートすればいいのかということですね。
老健も医療機関の1つですので、確かに加算という評価をいただくのはそれなりに絶対反対とは言いませんが、一連の経過として亡くなる。その方をきちんとした形でお見送りするということが我々の役目でありまして、その中で発生する個別の事象、それにきちんとした報酬をつけていただくということでないと、これを例えば4,500点やるから看取りしなさいとか、あるいは1万点やるのに何でしないのかと言われると、それは問題、問題といいますか、ちょっと違和感があります。私は医者ですので、医師として当然お亡くなりになった方を死亡診断するのは、そこでお金がついたからうちでする、お金がつかないからどこでする、そういう話ではないと私は思います。以上です。

○池田委員 ちょっと一言だけ、誤解を招いてはいけないので。私は死ぬ場所が病院なのか、在宅なのかというのをそんなにこだわる必要がないのではないかということを言いましたが、それまでに至る過程は居宅が一番いいんですよ。私も過日4週間入院しましたけど、個室だって嫌ですね。絶対自宅にいたい。そこをぎりぎりまでやって、でもぎりぎりの後にどうするかという問題とはちょっと違うということなんで、そこは御理解いただきたいと思います。

○大森分科会長 大西委員、どうぞ。

○大西委員 まさに財源は、6年に一度の同時改定ということですので、医療と介護の連携をどうするかを真剣に話し合うことは非常に有意義だと思っております。特に地域では高齢者がどんどん増えてまいりますが、医療の対象者、介護の対象者というのは結局同一人でございますから、その個々人に対していかにサービスを的確に施していくかということを、医療だ、介護だという壁を超えて関係機関が全体として連携しながらやっていかなければならないという必要性を特に感じておるところでございます。
 香川県高松の実情を若干お話ししますと、先ほどから在宅看護サービスの話が出ていますけれども、医療部会のほうで訪問看護サービスの人口当たりのサービス利用者の割合を都道府県別に出したものを見させていただいたのですが、トップは長野県です。最下位が香川県でございます。数字は忘れましたが、4倍ぐらいの開きがあるんですね。それだけ香川県というのは訪問看護サービスの利用者が少ない。非常に県の面積が小さくて、その中に病院がたくさんあるという事情もあります。片方で救急搬送も時間は香川県は全国トップクラスで短いとか、そういう世界もあるわけでございますので、病院は結構充実している。
ただ、その医療機関が比較的充実している香川県高松でも医師不足の問題は深刻でございます。特に公的病院・市立病院などの医師、特に内科医などの当直医が確保できないというのは、これは現実的に深刻な問題でございます。
 したがいまして、単純に介護サービスのほうに医療提供を入れるとして、そのことで医師確保というような方法で義務づけとか、その辺の誘導策というのをやっていただいても、地域において、その辺の医師が確保できるのかどうか。あるいは逆に今でさえ不足している公的病院とか、そういう公的医療に携わっている医師が、そちらのほうにとられるのではないかというような問題もあるわけでございます。
したがいまして、それぞれの地域において、医療資源、介護の資源というのは、付与状況が大分違うと思いますので、そういう状況に応じて医療と介護の連携体制がきちんととれるように、全体の枠組みとしては全国的な枠組みで連携強化の方向で考えていただければいいんでしょうけれども、最後の具体的な連携体制というのはぜひとも地域で判断してとれるような制度的な設計をお願いしたいと思っておるところでございます。以上でございます。

○大森分科会長 木村委員。

○木村委員 31ページの「主な論点」のところで、「1.各サービスごとの医療提供のあり方」、特に(1)の特別養護老人ホーム等における医療提供のあり方のところで、今日は15に「介護保険施設等の入所(居)者の服薬割合」という資料が出ておりますが、このほかに当分科会にいろいろな薬剤管理のことでの資料が出ていました。具体的に言いますと、特別養護老人ホームの夜間の医療ニーズのところで、薬剤管理のところで、夜、看護師さんたちが忙しいとか、そういう資料も過去にあったと思います。この入所している人たちの薬に関しての管理というところで見たときに、今、制度的に老人保健施設は薬剤師の人員配置で300対1になっているので関わりは何とかできると思います。特別養護老人ホームの場合は、今、薬剤師が関われるのは、いわゆる嘱託医が処方せんを発行して、町の薬局で調剤されて、薬が持ち込まれて、施設内のだれかが管理しているという状態なんですね。ですから一番必要だと思うのは、そういう薬剤の問題が施設内にあるのであれば専門職である薬剤師が、関われるという仕組みを考えていただけないかということであります。
ほかのサービスでも、今日は施設ということで限定ですので、薬剤の問題でその薬剤管理の課題を解決するために看護師さんが行くという、そういう提案がされるわけですけど、薬の専門職は、薬剤師ですので、薬剤師がきちんと行けるような仕組みにもう一回きれいにまとめていただきたいと思います。たしか中医協には特別養護老人ホームには薬剤師の関わりがない、老人保健施設には薬剤師配置が300対1になっていてという図が出たと思うんですけど、次回でも結構なので、そういう図を出してもらって、薬剤管理は薬剤師がきちんと関われるという仕組みをもう一回考えてもらいたい、こういうことでございます。よろしくお願いします。

○大森分科会長 村上さん、どうぞ。

○村上委員 まず看取りについてですけれども、特養では、44%ぐらいが看取りに取り組んでいるのではないかということで、21年度の収支実態調査から出ております。また、この資料にもありますように、施設内での死亡が26%ということで、看取りについては、今、特養の中では非常に大事なケアとして進めているところでございます。
それから、家族関係のばらばらだった方が、この看取りを通じて家族関係を修復するなど、さまざまなことが見られると思います。
先ほど三上先生のほうから、病院で亡くなるか、あるいはそのまま特養にいるかという選択の問題ありましたけれども、看取りに入ると、家族、あるいは本人から同意を取ります。同意があっても、最終段階で家族の方が病院を希望すればこの意向については尊重します。また、中には、例えば吸引をすれば、元気になられる方も、特養にいることによって吸引が24時間できない状態の中で、家族がそのまま置いてほしいと言われても、結果的には、窒息死をさせることになってしまいます。こちらが吸引に対応できなければ。このときには病院にいっていただきたいという、お願いをすることもあり、病院と特養の看取りについては、連携をしながらやっていかなければいけないと思っております。
それから、今日の資料のデータからは医療処置の状況や診察回数というものが特養とほかの施設とは大きな違いがある、と見てとれます。特養の医療体制は基本的にはとても弱くて配置医師だけではカバーできない状況があります。その一方で、平成14年、15年の優先的な入所に係る運営基準の一部改正から、重度の方々に対しても優先的な入所を努めるという義務づけがあるわけです。
こういう中で、今、特養の看護、医療体制がどうなっているかといいますと、介護老人福祉施設の看護の役割は、日常の健康管理ということで、老人福祉法自体の最低基準がそのまま生きているわけです。配置実態は定員50名で一応基準は2名ということですけれども、今、平均すると、3.6以上は看護師が要ると思うんですが、実はこれはちょっと古いのですけれども、平成17年、18年に、老施協総研で重度化対応と介護職の医療行為の状況を調査いたしました。この中で看護師あるいは看護職員の業務配分を出したのですが、少ない人数の中で、検温、血圧等のルーチン業務が96.3分ということで24%。それから、処置、機能訓練が23%。服薬、通院、入浴等の介助が27%。一日の中で3分割されています。少ない看護の人数の中で。そんな状況の中で現在は重度化に対応しています。こういう状況もあり、介護老人福祉施設の「主な論点」に特養の医療体制のあり方についても加えていただきたいとおもってます。
それから、医師については、前回の改定で常勤医師の加算が上がって、1日25単位ということで、80名定員で720万円、100名定員で900万円ということになりました。ですけれども、医師をきちんと確保することになれば、この金額では来てくださるのは難しいと思います。ですから一定の専門性が必要となる医療や緊急時の対応を含めた医療体制に関しては、条件整備がさらに高まらないと、十分なことができないと思っています。一方で、胃瘻だとかケア困難者の入所が多くなってきていますし、虐待の方々も非常に多いです。
ですから、そういう役割を特養はきちんと担っていかなければいけないということで、この論点の中にありますように、特養における医療体制、看取り対応の体制をしっかりと位置づけていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 ありがとうございます。

○齋藤(訓)委員 介護サービス利用者の医療提供体制につきまして3点ほど申し上げたいと思います。1つは、特養における医療提供でございますが、今、御指摘がありましたように、看護職員が利用者100人に3人の体制の中で、配置医師の専門外の外来受診に付き添って病状の説明をし、必要な指示をいただいて帰ってくるといったような仕事が増えているところです。しかしながら、そういった少ない配置の中で看護職員が外に出かけてしまうと、中でのサービスが十分に行き届かないといったような状況を招いていく。発熱などへの初期的な対応ができないまま救急車を呼んでしまうといったような状況が出てきているのではないかと思っております。
特養の医療提供体制については、必要なときに必要な医療や看護サービスが受けられることを保障していかないとやっていけない状況でございますので、1つの案としては、外から訪問診療なり訪問看護が入るといったサービスも併せて考えていくことは重要ではないかと思っております。そのことによって、少ない看護配置の中で適切なケアが施設の中で十分にできていく体制も構築できるのではないかと思っています。
それから、看取りのことにつきましても、今認知症グループホームには看護職員の配置要件というのはないわけですね。かつ、現状では訪問看護が介護保険で自由に入ることもできないので、状態が少し悪化してきた、あるいは看取りが間近に近づいているといったときに、グループホームには最後までいられないという実態が既に6月16日の分科会の資料で出ております。医療連携体制加算をとっているグループホームは7割あるけれども、看取りの件数は少なく、結局は精神科を含めた医療機関に逆戻りといったような実態だったかと思います。重度化してきた場合や、グループホームで看取るという御家族の意思が確認できた場合に、訪問看護がきちんと入れる仕組みをつくっていくことが1つあるのではないかと思います。
それから、3点目は、資料7のスライドの中に、論点として各サービスの医療提供のあり方、看取りといったようなことで挙がっているんですけれども、もう一つ、論点として1つ足りないものがあるのではないかと思います。というのは、これから急性期医療の在院日数が短縮してくることが予測されます。高齢者の場合、入院医療が終われば、それは介護保険の入り口ですので、医療機関から退院直後の状態が非常に不安定な高齢者の方々がスムーズに在宅療養に移れるようにするためには、医療保険の訪問看護では回数制限がある。介護保険のプランニングができるまでにはタイムラグがあるといったような状況の中では、制度の合間で落ちていく。そしてその期間にまた悪くなって病院に逆戻りといったようなケースもございます。退院直後、状態が非常に不安定な方々に訪問看護が重点的に入って、介護保険の中で安定的にサービスが提供できて、状態が維持されるといったようなサービス提供体制を構築していかなければならないと思っております。
この同時改定を機に、退院直後の患者さんについては医療保険での訪問看護が回数制限なくいけるような対象者を拡大するのか、あるいは介護保険の区分支給限度額の外に置くのかといったようなことを考えていかないと、なかなか今の問題は解決できないのではないかと思っております。以上です。

○大森分科会長 ありがとうございました。

○田中(雅)委員(石橋参考人) 施設に入所されている方の重度化に伴って医療ニーズも拡大してきているわけでございますけれども、その中で看護師の数が絶対的に足りない等ということもあり、この6月に施行された介護保険法の一部改正法の中においては一定の研修を受けた介護福祉士等が、痰の吸引や経管栄養といった医療行為については行えるということになりましたが、このことを広げていくためには、介護職員は一定の研修が必要になるわけですし、また、その行為を行う施設・事業所においても、看護・医療等の連携体制を整えたり、そういう努力をしていくわけでございますが、そのことに対する報酬上の評価を行うことが必要であり、今後の検討の課題の1つではないかということを申し上げたいと思います。

○小林委員 介護サービス利用者に対する医療提供のあり方について、私ども協会けんぽの加入者3,500万人の中にも介護サービスを利用している方がおり、あえて利用者の立場から3点申し上げたいと思います。
1点目は、終の棲家であります介護施設は何らかの疾病を抱える高齢者が多くおられますが、介護事業者は各介護施設において、近隣の診療所や病院と提携して高齢者に対し日常的に医療サービスを提供することを基本とすべきではないかという点。
2点目は、状態の重篤度合いとか緊急度合いに関わらず、高齢者の体調の変化のたびに介護施設から救急車で救急医療機関へ搬送されることが多いとのことでありますが、介護と医療の連携が弱いのではないかという点。
3点目は、退院後の高齢者の行き場がないという問題が高齢者の長期的入院につながっているという点であります。そういった意味で、介護施設や在宅での医療サービスの提供を強化していくことを通じて、地域で安心して高齢者が生活できるよう基盤整備していくべきではないかと考えております。
なお、このことは、介護施設に重装備の医療設備を設置するということを求めているのではなく、地域における既存の医療提供体制とうまく意思疎通を図ることで利用者にとって望ましいサービスを提供すべきではないかということであります。6年に一度の診療報酬、介護報酬の同時改定ということで、以前もこの場で提案があったと思いますが、中医協との合同会議、こういったものも検討すべきではないかと思っております。以上です。

○大森分科会長 三上委員、どうぞ。

○三上委員 老人保健施設に対する医療の提供のあり方について少し御意見申し上げますが、先ほども山田委員からもございましたように、老健施設自体は介護保険施設の中で一番医療提供が不自由な印象を受けておりまして、制限がある。確かに制度が始まってから、その後に出てきた高額な認知症薬等が使われにくいというか、そういう実態があることも事実です。また、一般的によく起こります誤嚥性肺炎でありますとか、尿路感染症が起こると併設の医療機関に転院させるというようなこともよく行われているわけですが、制度上の問題で、あえてDPCも後から出てきた高額抗がん剤のようなものは出来高にして外に出すというような形がされていますので、そういった部分では工夫ができるのではないかということと、それから、500単位×3日間という緊急時治療管理についても、3日間で誤嚥性肺炎が治るというのもなかなか難しいわけですから、その辺のところも工夫ができるのではないかと思います。
もう一つは、この資料が転換老健と従来老健のことが十分に分けて書かれていないと思います。例えば資料の11ページの死亡の場所についても、転換老健はどれに当たるのか。いわゆる介護療養型医療施設と同じような形になるのかということとか、あるいは13ページですが、これの介護療養型老人保健施設について、右側の色のところ、分類分けの中には介護療養型医療施設がないということは介護療養型医療施設のままおりたいと、それがベストだというふうに考えられている、その選択肢がないということなのか、少し事務局で整理をしていただきたいと思います。
それから、19ページですが、給付調整のイメージが書かれていますが、特に感染症、高齢者の場合は誤嚥性肺炎等の感染症が多いわけですけれども、そういった場合、介護施設で医療を提供する場合に、少なくともその施設内で簡単な胸部のレントゲンぐらい撮れないと治療はできないのではないかと。ここで見ますと、老健施設にレントゲンを置いて撮ることが可能なのか。あるいは介護療養型老人保健施設なら可能なのかということについて少し事務局の見解を伺いたいと思います。

○大森分科会長 お話の中に、略して言うと、転換老健の区別みたいのがあいまいになっているのではないかという指摘ですけど、法律が延期されたこととは関係ないかもしれないけど、やっぱり大事ですよね。2つあって、2つ、お答えいただけるか。

○宇都宮老人保健課長 最初の11ページのところなんですけれども、これは平成19年度の調査から持ってきているので、まだ転換老健が多分始まったばかりのところで、そういう統計をとってないのではないかと思います。ですから、そういう意味ではデータが多分存在しないということだと思います。一応確認してみます。
 2点目は、胸部X線のほうの話だと思うんですけれども、これは老健に置けるかどうかというのは、うちのほうというよりも、医療法の関係になりますけれども、これも老健施設、一応医療法上は医療施設ということになっておりますけれども、その辺のところの整理がどうなっているかということについて、これも医政局のほうに確認をさせていただきたいと思います。

○大森分科会長 田中(滋)委員、どうぞ。

○田中(滋)委員 今までの各委員の発言を聞いて、31ページの論点を最後にもう一度書き直すときの視点を申し上げます。細かい論点は別として、ここに指摘されている事柄は、現状の問題点についてはよくとらえられていると思います。ただし、将来を見据えた視点が足りないのではないかと感じました。それは地域包括ケアシステムに向けた論点が入ってないからです。私たちは2025年に向けて日常生活圏域単位で医療・介護提供体制を構築していくことを目標としているはずです。したがって、ここに書かれている各サービスごとに人員配置等の医療提供体制のあり方を細かく規制する体制からは脱却することも考えていかなくてはいけない時期だと思います。すべてを内づけにするのも間違いだし、すべてを勝手に外部サービス利用するというのもおかしくて、連携とか協働に基づいて圏域での包括的なあり方を示すという方向の論点が入ってないと、個別の特養で何が使える、老健で何が使えるという個別テーマだけだと全体像のない論点になってしまうので、地域包括ケアシステムの視点を入れた1行はあるべきだと考えます。

○大森分科会長 そろそろ次に行きたいんですけど、じゃ、お二人、お受けいたしましょう。

○武久委員 この資料の中で非常に重要なのは15スライドです。これで見ていただいたらわかるように、お薬の種類がどの程度かということで書いてありますけれども、老健と特養は5剤程度が8割以上になっておりますが、有料老人ホームは非常に多くの薬剤を使っている方が多いという傾向が出ております。先ほど勝田委員からのお話のときに私が話ししましたけれども、医師として臨床の現場で処方をするときに何を考えるかというと、効果と副作用の差が大きいものから順番に選んでいくというふうに私は少なくともしております。そしてお薬が多ければ多いほどいいということは、日本の国民はそう思うかもしれませんが、お薬が多ければ多いほど副作用の数も多くなるということですね。
日本老年医学会は高齢者に対する薬の処方は大体5剤前後までにするようにという指針も出しておりますし、これから見ますと、老健と特養はほとんど似ています。だけど、この2つで大きく違うことは、特養は出来高払いなんです。要するにお薬をいくらでも出せるというか、出しても出来高の分だけ診療報酬は出した医療機関に出るんですけれども、老健は違います。だけど、それは特養の場合は適切になされていますけど、有料老人ホームの場合はえらく薬は多いです。確かに薬の多い患者さんもいらっしゃいます。
特養の場合でも、勝田さんおっしゃるように、今までずっと出してきた薬、これは大体が診療所で、外来ですから出来高払いになっていますから、ちょっとでも効くかもわからないという薬もどんどん出す先生もいらっしゃいます。そうすると、5剤どころか10剤、20剤、30剤という場合も極端にいえばあります。それを前の医師が出した処方を、例えば特養の顧問医師が見たときに、今のこの患者さんにとってそれは過大であると。副作用のほうが問題だと思えば、当然そこはその先生の考えで、そのとき診た状況によって処方するわけです。それを家族が、時どき、「今まで出ていたのにどうして切ったんや」と、「切って悪くなったらどうしてくれるんや」と、こういうクレームを言って来る人もいます。逆に同じように処方をずっと出し続けた場合に、何か問題が起こったときには、最初に処方したどこかの診療所の先生ではなしに、新しく処方せんを切った、同じ薬の内容を切った処方医が責任をとることになります。したがって、医師というのは、高齢者には1年前に出した処方をそのままずっと出すかというと、毎日、毎日身体は変化しているんですね。それに対して誠実に診た結果で選んでいます。しかも大体5剤前後までにしようとすると、費用対効果じゃなしに、効果のほうが副作用よりも多い薬を選択的に選ぶとなっているわけですね。
この15のスライドでいみじくも出ておりますけれども、有料老人ホームは10剤以上のような薬の出し方をしていると。そうすると副作用もあるけれども、ほかに薬がないと。この病気にはこれしか効くものがないと言われているから出そうかとか、そういう消極的選択法的な処方を行う場合もあります。それがだから悪いわけではありませんが、医学会の指針でもそういうふうにしないと高齢者は逆に副作用が問題になると。
これは特に医療と介護の連携ですので、また来年度は医療と介護の同時改定ですね。医師には処方権というのがありまして、お薬を人によって、30種類出そうが、40種類出そうが、これは無制限に出せる権限があるんですね。果たしてそれが出来高になっていると。逆に言うと、施設ではまるめになっている場合もあるし、また高齢者専門のお医者さんが特養などはいらっしゃいますから、そういう指針を御存じでそのように対応しているのではないかと思いますけれども、家族の思う思いと、例えば利尿剤を1年前と同じようにずっと飲み続けていたらどうなるかということまでほとんどわからない状態に、今までそのままで来たから、そのまま出してくれというのは、現場のそのとき診る医師に対しても、それは冒瀆になりやすいのではないかと思います。ただ、医師としては、そのとき、そのときで誠実に処方を出すということですが、私は処方権がいくらでも出せるということ自身は、これは薬理学的に見て、医師として出したければ出してもいいと思うんですが、少し問題があるので、日本老年学会のような専門の方がいろいろ研究した結果、指針を出された方向に、我々医師も意思を統一していかないといけないかなという気はしております。以上です。

○大森分科会長 お医者さん、処方権のある。患者のほうは、こんなにたくさん薬もらったら、お薬全部飲まないで捨てちゃう。素人判断で、こんなにたくさん飲んだら病気になるんじゃないかと思ってしまう。相当薬を捨てているのではないか。そちらのほうの調査が要るんじゃないかと。お医者さんたちは誠実に処方していると思うんですけど、これ、何か怪しいのではないかと、私なんか思うんですけど、あまり混乱させちゃいけない。大島先生、一言。この件については以上にいたしましょうか。

○大島分科会長代理 今、老年医学会の話もありましたけれども、調べると本当にとんでもなくたくさん処方されているというケースが現実にあるんですね。それによる副作用というのか、有害事象がどれぐらい出ているのかというのは詳しい調査がありまして、それによって、今、正確な数は覚えていませんけれども、7剤以上出ているようなケースでは相当いろんな形での有害事象が顕在化しているというようなデータが出ていまして、高齢者における投薬については相当注意すべきである。もちろん薬剤の種類によっていろいろありますけれども、そういった提案が老年医学会のほうから出ています。
問題は、医療界の中でこういった治療のあり方、診療のあり方について、基本的に守るべきであるという勧告なりそういったものが出てきても、それを知識として、高齢者の診療に当たる場合に持ってないと、有効に機能しないわけですし、もう少し強い言い方をすると、仮にそういった指針が出ていても、それを守らなければいけないというようなことは基本的にはどこにも強制力も何もないわけです。
したがって、そういった知識を持って高齢者の診療に当たるということは、医者として基本的な態度であるという、ある意味では倫理観とか、そういったものに結びついてくるわけですけれども、片一方で、医者であっても経営とか経営効率というのは経営者である限り、どうしても意識しますので、そこに包括医療、あるいは出来高払いというようなことが加わってくると、多剤投与の意味について問題ないだろうというぐらいの軽い気持ちと言ってしまえばちょっと言い過ぎかもわかりませんけれども、そういった診療態度というのか、診療行動が出てしまうというようなことは実際にはあり得ます。この問題は昔から医療界の中でも非常に大きな問題として取り上げられています。何が言いたいかというと、患者さんの側は実際には、この薬がどうなのか、細かいところまではわかりませんから、医療界の中できちんと制御するところはコントロールしなければなりません。
勝田さんが言われたように、あそこのところでは出ているのに、こっちは出てないとか、ああだとかというような話、だから出せと、出さなければいかんぞ、というところまで言い切っちゃうと、これは相当大きな問題になりますので、こういった実態があると。実態があるということについては非常に納得がいきにくいという御指摘をされるのは非常にいいと思いますけれども、出さないところがあるから、だから出せというようなところまで言ってしまうというのはちょっと行き過ぎだと思います。こういった実態があるから、医療界のほうで、それはきちんとわかりやすく説明をしていただきたいというような提案の仕方をしていただければ、医療界のほうから、今、実態こうですよという答えが出てくる背景は十分にあるだろうと思います。

○大森分科会長 藤原委員、さっきお手が挙がって、これで休憩しますので、どうぞ。

○藤原委員 介護も医療も多分都市型と地方では大分内容が違うかと思います。川上村は先ほど大西委員が言われたように、長野県の田舎で本当に医療密度の低いところです。ですから自分たちでしっかり地域を守らなければいけないということが根底にあるので、そのつもりでやっています。在宅死が大体37%、がん、脳対応などは50%近く在宅で看てます。スタッフの少ないところでそれをやると本当にスタッフも大変ですし、医師も大変ですし、特に介護から医療に移ってがん等になりますと、夜の30分置きとか1時間置きに呼び出しがあるわけです。必ず電話があったら現場に行くということが大原則ですので、その労力というのは大変で、非常にその点では苦労をしていますが、しかし最後に看取った時には、本当に家族から近所の皆さんから大変喜ばれています。
そういう点で、都市型と山村型では色々な面で違うというものも、どこかで見直しのときに付加できないか、点数化ができないかということをお願いしたい。。ここでしっかり見ると、医療費が相当安くなってきまして、今、私の村は長野県で77市町村ある中で医療費は、最低です。1人当たり10万円ぐらい違ってますので、それは前段で相当しっかり見ていますので、医療へ逆にはね返って安くなっているということがあろうかと思いますし、何といっても自宅で看取れるということは、本当に家族も子どもたちも含めて、人間の尊厳的なものがしっかり確認できるというようなことでもあります。ですから介護とはまた別に向こう三軒両隣、そういうところの人たちの教育も非常に大事だと思っていまして、できれば介護の中で、そんな教育ができるようなメニューもつくっていただければ、全体的に山村としての看取り方ができるのではないかと思います。
ぜひ、全国一律のスタンドアローン的ではなくて、地域ごとのメニューがあれば、しっかりそういうメニューをつくって対応するというのが、これからの本当の地域の介護のあり方ではないかと思いますので、その点、ぜひ調査の段階で何か取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 ありがとうございました。

○木村委員 済みません、木村です。大森先生、一言だけ、薬が残っている問題でで、日本薬剤師会が調査したものがございますので、今度、事務方から出させていただいていいですか。飲み残しの薬剤費が約400億円改善しているとか、あるんですけど。

○大森分科会長 おわかりになっているの。

○木村委員 後で調整させてもらっていいですか。

○大森分科会長 どうぞ。
それでは、5時半ちょっと過ぎまで休憩をさせていただいて、次のテーマに移ります。

(休  憩)

○大森分科会長 そろそろ再開させていただきます。
本日、ケアマネについての基礎調査の一部というか、暫定的な御報告がございます。まず、その御報告をいただきましょうか。

○宇都宮老人保健課長 済みません、ケアマネの報告の前に、一応政務官も決まったということですので、御報告させていただきたいと思います。藤田一枝議員と津田弥太郎議員ということで決まったということでございます。よろしくお願いいたします。

○川又振興課長 それでは、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する基礎調査について」、資料2−1をお願いいたします。
1ページをおめくりいただきまして、この調査は老健事業として委託研究をしております。調査の実施が3月実施ということで、ちょうど調査票の配布が震災直後22日〜31日であったということで、被災地の関係の調査は外しております。被災地には調査票を送っておりませんが、その他の地域もさまざまな影響があったということでやや回収率が落ちるところがあったのがちょっと残念でございますが、かなりの回収ができております。
何を調査したかと申し上げますと、具体的な調査票は資料2−2のほうにございます。後でごらんいただければと思いますけれども、まずケアマネの事業所1万事業所に送付をしております。そのケアマネの事業所がどんな事業所なのか、属性なり、何人いるのか、どれぐらいの利用者を抱えているのかなど、事業所の情報をまずとっております。
各事業所ごとにケアマネジャー3人を抽出していただきまして、そのケアマネジャーがどんな方なのか、基礎資格は何なのか、どんな考え方なのかというようなケアマネジャーに関する情報をとっております。ケアマネジャー3名のおのおのについて、利用者情報を担当のケース3件ずつピックアップを無作為にしていただきまして、その利用者についての属性、ADL、IADLなどの利用者の情報。その利用者に対して、どういう状態の利用者に対して、どういうプランを立てているのかというところまでひもづけをして分析ができるような情報を取得しております。
今回、御報告をしますのは、左から2つ目の四角にありますように、「基礎集計(中間報告)」ということで、まだまだちょっとかゆいところに手が届かない部分がございます。これから、その隣にありますように、「個別ケアプラン分析」、あるいは必要なクロス集計というものをもう少しきめ細かく行って分析を進めて、今後のケアマネジメントのあり方についてつなげていきたいということでございます。
本日は基礎集計の御報告になることをお断りしておきます。なお、分量が多いので、今日絞ってお話しをさせていただきます。
1つはケアマネジャーの基礎資格、いわゆる医療系・福祉系というような話がありますけれども、その基礎資格に関わる部分。それから、特定事業所加算、この給付費分科会という意味では特定事業所加算のとっているところ、とってないところの比較を中心に御紹介をさせていただきます。
まず13ページに飛んでいただきます。ケアマネジャーの保有資格別に、いわゆるアセスメントの入り口ということで、作成時点に認められた心身の状態について、保有資格別にどうとらえているかというものでございます。判例で保有資格の判例がございますが、下に説明がございます。
(1)一番左側の棒は、医師、歯科医師等々、医療職種。
(2)福祉系は社会福祉士、精神保健福祉士。
(3)医療福祉系は1と2の両方に相当する。
(4)介護福祉士は介護福祉士資格のみを持っている者。
(5)医療/福祉系かつ介護福祉士はすべてに該当するもの。
5本棒があって見にくくなっておりますけれども、それぞれの心身の状況をそれぞれの基礎資格の人が見ているかということでございます。若干でこぼこはありますけれども、資格ごとに大きな外れというのはないのかなという感じがいたします。若干のでこぼこはあるということはありますけれども、サンプルの影響などかと思います。
それから、次にアセスメントの続きで、19ページをお願いいたします。
これは利用者の個別票から、利用者のADL をどう把握しているかというものでございます。(マル1)〜(マル6)まで、(マル1)室内移動、(マル2)屋外移動、(マル3)食事、(マル4)入浴、(マル5)着脱衣、(マル6)排泄というものについて、これも資格ごとに、その人が自立なのか、一部介助なのか、全介助なのかということと、改善可能性が高い、低いということのマトリックスで6個の判例がございますが、全部集計してしまったので、個々に見ていくとまた違うと思いますけれども、おおむね職種ごとに大きなADLのアセスメントの差異は見られないのではないか。若干でこぼこはございます。もし大きな差異があるとすると、それぞれの棒グラフの中がでこぼこが大きく出てくるはずでございますが、そんなに大きなでこぼこはない。全部足してしまっていますので、そういう分析の生きる等でないところはあろうかと思います。
次の20ページがIADLということで、掃除、洗濯、買い物、調理、服薬、金銭管理ということで、同じように職種ごとにどう自分の利用者をアセスメントしたかというところがございますけれども、こちらも目立って大きな差異は指摘ができないのかなという状況でございます。
続きまして26ページ、「訪問看護」についてだけ触れたいと思います。これはどのような状態像の人が訪問看護をどのくらい使っているかということで、左側の棒グラフが「心身の状態別」ということで、嚥下困難、発熱の継続、ターミナル期といったところが4割程度の訪問看護の利用状況でございます。
右側は「必要とされた医療ケア別」ということで、経管栄養、喀痰吸引、中心静脈栄養などの方が6割から7割の方が訪問看護を御使用しているという状況でございます。
次に33ページに飛んでいただきまして、ケアマネジャーの保有資格別の勤続年数ということでございます。業務経験年数と今の事業所での継続年数でございますけれども、一番右側に「平均値」とございますが、総じて医療系のケアマネジャーが勤続年数が2年ぐらい長めに出ているという状況でございます。
続きまして35ページ、地域にある介護保険サービスの量が不足をするものは何かということでございます。下の棒グラフでございますが、不足と感じるサービスとして多いのはショートステイ(短期入所生活介護)、短期入所療養介護、リハビリの関係、訪問、通所、夜間対応型訪問看護、訪問看護といったところが不足を感じるサービスとしてケアマネジャーが指摘をしております。
次に36ページが、インフォーマルサービスで不足するもの。7割の人が不足するということを言っていまして、棒グラフにありますように、特に認知症高齢者に対する見守り、話し相手、付き添いといったところが不足しているというところが多く挙げられております。
続きまして38ページ、「ケアマネジメントを実践する上での課題」ということで、これも保有資格分類別で見ております。全体としては「アセスメントに必要な情報が集まらない」というところが多いわけですけれども、ここで白い棒グラフが介護福祉士で、一番上から2番目の細かい点々が入っているのは医療系でございます。「アセスメントに必要な情報が十分集まらない」というところ、介護福祉士のところが多くなっておりますが、これは先ほどの業務経験の年数が若干影響していることもあろうかなという感じがいたしております。その他については、医療系、福祉系、そんなに大きな差はないのかなという感じであります。
次に41ページ、「医療との連携における課題」ということでございます。右側の棒グラフが保有資格別に見たものでございますけれども、課題としては、「自分が持つ医療・リハビリに関する知識がない」というようなもの。「病院・診療所を訪問することにためらいがある」、「医師の協力が得られない」等々ございますけれども、特に2番目の「病院・診療所を訪問することにためらいがある」、「医師の協力が得られない」といったところが医療系より福祉系、介護福祉士の方がこの項目を挙げる割合が、これは有意に高くなっていることがわかると思います。
続きまして、特定事業所加算の関係で47ページでございます。これは事業所内の勉強会やケアプランの検討会をどれぐらいの頻度でやっているかという比較でございますけれども、47ページ、上が勉強会、下がケアプラン検討会ということで、加算の特定事業所加算((ローマ数字1))、((ローマ数字2))をとっているところ、それから加算なしで比較しておりますけれども、加算をとっているほうがかなりの頻度で勉強会、検討会をやっている状況がわかります。
48ページは同様に法定外研修への参加状況、法定外研修への効果についての考え方ということで、こちらも加算をとっているほうが参加状況も多いですし、効果についても、効果があるというような指摘が多い。
一番最後の49ページですが、「日常的に連携している他機関」ということで、これも特定事業所加算((ローマ数字1))、(2)、加算なしでとっております。特に棒グラフの左下のほうですが、「在宅療養支援診療所・病院」、その下の「在宅支援以外の診療所・病院」といったところ、上から2番目の「訪問看護事業所」のあたりを見ても、特定事業所加算をとっている事業所のほうが連携しているということで挙げている割合が高いとが示されていると思います。
以上、駆け足でしたが、ほかのところも細かく見ていくといろいろわかると思いますが、御紹介は以上にさせていただきます。
また、これから今日の御議論なども踏まえて、必要なクロス集計、個別プランの分析を進めていきたいと思っております。
次に資料2−3にケアマネジメントについての参考資料ということでデータがございますが、ピックアップして御紹介をいたします。最初のほうはケアマネジャーの実績等のデータでございますが、2枚めくっていただきましてスライドの9ページにケアマネジャーの従事者がどこにいるかという表がございます。いわゆる居宅介護の支援の事業所に8万1,000人ぐらいということで、あと、その横に表、施設:小規模、老人の介護保険施設ごとにケアマネジャーの配置状況、現在の従事している状況が示されております。
めくっていただきまして、11枚目のスライド、先ほどの「ケアマネジャーの保有資格」の関係でございますが、経年的に見ますと、介護福祉士の割合が高くなって、看護師さんなどの医療系の方の割合は減ってきております。円グラフですけれども、22年度の実務研修の合格者を見ても6割以上が介護福祉士という状況でございます。
その下、12枚目のスライドですが、居宅介護支援事業所が併設の事業所があるか、ないかということですが、現在、独立していて併設施設がない事業所が10.5%ぐらいという状況になっております。
それから、17枚目のスライドでございますけれども、先ほど御紹介いたしました特定事業所加算の((ローマ数字1))と((ローマ数字2))の具体的な要件がございますので、御参考にしていただければと思います。
18ページはその取得状況ということでございます。加算((ローマ数字1))が、受給者ベースで2%ぐらい、加算((ローマ数字2))が38%、黄色いところは事業者数における割合でございます。
以上でございます。

○大森分科会長 これに関連して、木村委員から資料が出ておりますので、簡潔に御説明いただきましょうか。

○木村委員 今日は「ケアマネジメントをめぐる論点について」、出すようにということがあり、当協会で検討した内容について少し説明させていただきます。資料にありますが、今回のこの論点を箇条書きにしたものは、自立支援型のケアマネジメントを推進するために、報酬と基準を議論するということでの項目立てになっています。それから、もう一つは、介護支援専門員が置かれた環境、ケアマネジメントをどうするべきかというのもありますけれども、介護報酬は事業所と施設に給付されるということで、あくまでも介護支援専門員がその中に配置されている。ですから事業所・施設ごとに論点をまとめさせていただきました。
それから、ただいま川又課長からの説明のありましたケアマネジメントの質の問題、介護支援専門員の資質向上や資格制度等々は、別なところでの議論がされることを伺っていますので割愛させていただきます。
では項目に入ります。
まず「居宅介護支援事業所」、中立性・公平性の確保ということで、今、特定事業所集中減算等々で、このことを確保しようとしています。本件についてどうするか。
それから、医療・介護連携の強化ということで、利用者・患者が移動する際の情報共有に関してどういうようにこれからさらに評価するかということです。それから、先ほど看護協会の齋藤(訓)委員から話がありましたけど、医療保険から介護保険に移っていったところのつなぎのところ、そこのところをどのように考えるかということで、ざっくり暫定ケアプランの報酬化等々についてということで記載させていただきました。
また、退院した後に在宅側の医療チームとこのケアマネジメントをしていく上でどのように連携をとるかということです。具体にはリハビリテーション、居宅療養管理指導。訪問看護などいろいろあると思います。
それと利用者の状態像と住まう場所のマッチングということで、今日も資料が出ておりましたが、介護保険施設など、どこから入所してきて、どこへ行ったのかのところで、しっかりその状態像に合わせた形でマネジメントをしていくことが大事ではないか。
次に特定事業所加算の検証ということで、今ほど数字等々も示されました。
また、介護事業所における個別介護計画とケアプランの関係ということで、ケアマネジャーがケアプランをつくって各サービス提供事業所に渡すわけでございますが、個別介護計画が実際きちんと行われているかどうかというその関係性のことも議論するべきではないかということであります。
また、ケアマネジメントにおけるショートステイのあり方は、今、説明のありました不足しているサービスのところで、短期入所療養と短期入所生活介護のそこのサービス量の問題とマネジメントの問題、ここがきちんとされるべきではないかということであります。
2ページにまいりまして、「介護保険施設」であります。ここは前から話をしておりますが、この介護給付費分科会で前回の報告、まとめの中での宿題事項でありまして、施設介護支援専門員の役割と評価のあり方ということで、それぞれ老人保健施設、特別養護老人ホーム、病院、それぞれのところでの役割と評価。支援相談員、生活相談員等との役割分担等々位置づけの明確化。それから、その中には3施設の機能とケアマネジメントのあり方ということも議論になるでしょうということであります。
また、次のテーマで「地域包括支援センター・介護予防支援事業者」、これはよく誤解されて議論されるのですが、地域包括支援センターは二枚看板がありまして、要支援1、2の介護予防支援というのは介護予防支援事業者の評価という形になります。そこにおいて、両方の話でありますが、二次予防対象者のケアマネジメント、これはもともと地域包括支援センターの3職種ということです。2つ目の「・」で介護予防支援(要支援1・2)のほうですので、介護予防支援事業者のケアマネジメントのあり方をどうするかということで、法律が通りまして、保険者がオーケーであれば介護予防・日常生活支援総合事業も一緒にマネジメントしていいということでありますが、それらの関係をどうするか。それから、この要支援のところのケアマネジメントを居宅介護支援事業所に委託することが可能になっております。今、1人/8件という上限がありますが、このことについてどう考えるか、こういうことであります。
次にグループホームのところであります。いろんな議論がありまして、ケアマネジメントをしていく中で、9人/2ユニットで介護支援専門員を1人配置ということで、実際、介護支援専門員は入浴の介助等々介護職員と同じようなこともやっているわけで、そのときに介護支援専門員(外付けか内付けか)等々のいろんな団体からの議論を聞いているところであります。まず、その中での役割と評価ということであります。それから、グループホームに入所又は退所というか、出て行ったときの情報共有をどのように考えるかということであります。
次に「小規模多機能型居宅介護事業所」でございますが、現在小規模多機能はケアマネジャーは事業所の中に配置になっておりまして、そのケアマネジャーがケアマネジメントをするわけでありますが、いろんな声の中で外付けでもいいのではないかという議論があるということも伺っています。また、どっちにしても介護支援専門員の役割と評価。それから、先ほどと同じで、ほかの施設・事業所との情報共有をどのように考えるか。
それから「特定施設入所者生活介護」の場合は、外部サービス利用型はこれに該当しませんが、そもそも内付けに、介護支援専門員のいるところのケアマネジメントをどうするかということであります。
「その他」として、サービス付き高齢者住宅等の問題があり、集合住宅におけるケアマネジメントやサービス提供体制の在り方ということで、利用者の自己選択推進、囲い込み防止策など、こういうふうなことを考えながら基準報酬を考えなければいけないのではないかということでありまして、今日、論点の提案ということでありまして、後日、介護給付費分科会に、協会の、こうするべきではないかというのは出したいと考えておりますので、今日の議論の項目としてお考えいただければと思います。以上であります。

○大森分科会長 最初の基礎調査については、今日のメンバーの方から何か発言がほしいんですか。報告を伺っておけばいいですか。

○川又振興課長 こういう分析もあったらいいんじゃないかというようなのがあったら、ぜひお伺いできたらと思います。

○大森分科会長 そうですか。それでは、池田委員、どうぞ。

○池田委員 このような大規模なケアマネ調査を実施されたことに関しては敬意を表したいと思います。読んでいくと、同居者がいるのは4分の3だとか、要介護3から5は、9割が同居者いないともたないとか、完璧に家族依存型のケアマネジメントということはよくわかりました。
 でも、このデータはほとんど役に立ちません。資料の2−1の3ページ目を見ていただきたいと思います。一番下でございます。有効回収率、管理者票が18.6%、介護支援専門員票は10.9%ですよ。さらに個別ケース票は9.3%、1割切っています。普通こんなアンケート調査の回収率なんてあり得ない。普通4割か5割いくものです。しかも、実は経営概況調査が前に発表されておりますね。あれの回収率もたったの12%です。概況調査のときは特定施設が非常に低いという数字を出しましたけれども、それを除外すれば、最もケアマネジャーの回収率が低い。1割程度の回収率というのは非常にバイアスがかかるんです。つまり問題点はどこにあるかというと、恐らく回答した1割の人たちはあまり問題がない人たちなんです。一番問題ある人は9割の回答しない人たちに隠されています。それが読めないということなんです。
そういった意味では、この程度の回収率ではデータとしてとても扱うことができない。したがって、クロス集計をどうしろこうしろということを私も考えましたけれども、それ以前の問題ではないか。
何でこんなに低いんですか。震災の問題があったことはわかりますよ。でも概況調査も12%でした。これは異常です。さらに危惧されるのは、9月末ぐらいになるかと思いますけれども、今度は経営実態調査が出てきますよね。経営実態調査の回収率もあまり高いものとは言えないにしてもそれなりの数字は出しておりますが、また12%だったら読みようがないんですよ。
今日はケアマネジャーのあり方についての議論はしないということですから、私はそれについては議論は申し上げません。ただ、個人的に言えば、ケアマネジャーの今置かれた存在というのはリセットも含めて極めて深刻な状況にあると私はとらえております。そういう中でケアマネジャーそのものが9割の人が回答してこないというのは恐らく危機感が全くないことだと思うんですね。そういった意味でどうしてなんだろうかということを教えていただきたい。
それより重要なのは、経営実態調査がこの数字だったら使えないんです。しかし、使えないでは済まないんです。そうすると、ほかのサービスに波及してはこれはまずいんですけれども、ケアマネジャーについては独自調査やらなければいけないということも起きてくるのではないか、抽出で。というのが、老健局に対する御質問でございます。
2つ目は申し訳ないんだけど、木村委員にお聞きしたい。何でこんなに低いんですか。しかも、このように低い数字であるとするならば、ケアマネジャーが置かれている立場のとらえ方は違うと思いますから、それを争うつもりはここではありません。しかし、あまりに非協力的だと思いませんか。このように非協力的な態度で進めば、委員全体はどう考えるでしょうか。今、木村委員がおっしゃった論点があります。そういう論点を聞き流して、では介護報酬というのはデータがないんだから、こちらのほうで組み立てますと言われたとき、反論のしようがないんです。
そういった意味では、この中身の問題についてはさることながら、それ以前の問題として、このような低回収率というものをそのままほうっておけば、調査の意味がなくなります。以上、さっき言ったように、老健局に対する御質問と木村委員に対する御質問、2つ申し上げました。御回答願いたいと思います。

○大森分科会長 事務方。

○川又推進課長 先ほども申し上げましたが、調査票を配布したのが3月22日から31日という、そういう時期であったというのが大きかったかなと思います。あと若干、回答用紙ごらんになっていただくとわかりますが、かなり細かく調査をしているということでございます。あと、事業所の回収率としては18.6ございます。支援専門員とか個別ケースが少なくなっているのは、各事業所3つ出してくれといったところが2つしか出てこないとか、1つしか出てこないとかというところがあったので、率としては落ちていますけれども、事業所としては18.6%の回収をして、1,864の事業所、ケアマネジャー3,284名、個別ケース8,425件の利用者の個別プランを収集しておりますので、何とかこのデータでわかる部分は分析をしていきたいと思っております。

○池田委員 いいですけど、20%というのも、きわめて低いんですよ。

○大森分科会長 これは一応民間の方にお願いして調査するので、そのときに、これは厚労省振興課が事務局でやっているもので、御協力いただきたいというような、何か添え書きみたいのをするんでしょう、普通は。

○川又振興課長 私からのお願いと、それからケアマネ協会も協力してということで、木村会長さんのお名前での提案等を入れさせていただきました。

○大森分科会長 木村委員にも質問が行っているんですけど。

○木村委員 今の回答にならないかもしれませんが、実態としてお聞きいただきたいのですけど、まず、概況調査のほうは事業所に対して答えてくださいと言っています。それで私どもの協会は個人の会員ですから、事業所のオーナーもいるかもしれませんけど、そこを全部捕捉できていません。いろんなところに勤めている介護支援専門員が入会しており約3万人という名簿があり、その中で居宅介護支援事業所に登録されている人たちに、これに答えてほしいということの啓発はしています。ですが、3万事業所すべてに対して、それが届いてないということがまずあります。
さらに経営者側の状況として、先ほどありましたとおり、独立型が1割、残り9割併設です。ですから、それぞれの経営者側にもっと普及啓発することを私どもの力でもしなければいけないのかなと、こういうように思っています。
それから、意識をもっと上げるようにということはずっと協会としても会員には普及啓発してきたところでありますが、結果としてこういうようになっておりますので、評価をどうだ、こうだではなく、こういう実態にあるということだけお知らせします。

○大島分科会長代理 ちょっと念のために確認しておきたいんですが、株式会社日本総合研究所とはどういう契約関係になっていて、いくらぐらいのお金が入っているのですか。

○川又振興課長 厚労省の老健事業の委託研究として株式会社日本総合研究所に委託しております。計算としては2,000万円ということでございます。

○大島分科会長代理 研究事業ですか。

○川又振興課長 研究事業なんで調査だけではありません。この調査をして、今、個別ケアプランの分析とか、ほかのもっと詳細な分析も併せて。

○大島分科会長代理 出てきたデータを解析するというような話と質をどこまでアンケート調査として担保するかという話は、池田委員が言ったようにある一定以上の回収率がないと意味がないと言われたときに、こういった研究では当たり前にわかっているわけです。そうすると、回収率を高めるために一体どういう努力をするのかというのは当たり前の話としてやらなければいけないことなんですが。

○川又振興課長 アンケート送付されたところに催促等々も行いましたが、いかんせん時期が3月22日から31日というところで、かなりいろんなところで影響があったところは大きかったのかなという気がしております。被災地は外しておりますけれども、被災地以外でもかなり停電でありますとか、あと被災地への応援とか、いろんな形で影響があったというふうに聞いております。

○大森分科会長 どうしましょうか。これに基づいて、今日物を言うのは難しそうに思うし、せっかく資料が出ているので、その限定限り御発言いただくかどうか。武久委員、どうぞ。

○武久委員 大島先生おっしゃったとおりに、回答した数によって委託費用が変わるのであれば一生懸命やるんだろうと思うんですけれども、ただ、やったら2,000万というと、結果は知らないよというふうになりやすいかなという、これはうがった見方ですけど、当然担当者は一生懸命やられていると思いますが、問題はケアプランの上で出てきたデータで、この会でも出ましたように、これじゃ御用聞きケアマネじゃないかと。生活介護が非常に多いと。そのうちの掃除が多いとか、いろいろケアマネジャーに関する問題は結構ここの席でもいっぱい出ているんですね。それはケアプランという実態として、実証の証拠に基づいて行われていますけど、これはアンケートですけれども、日本介護支援専門員協会の組織率とか、介護支援専門員の専門性とか独自性とか、本当に担保されているのかということ。
これは、川又課長おっしゃったように、震災のときだからこうなのか、それともここ過去十何年間、いつやってもこうなのかというのをちょっと知りたいところですけれども、非常に介護支援専門員としての意識が低いのか、御用聞きケアマネと言われるのがばれるのが嫌で出してないのか、これは私はよくわからないんですけど、というのは、医療系のケアマネと福祉系のケアマネで明らかにケアプランでいうと、事実として差が出ているのに、こういうアンケートをとるとほとんど差がないと。どう見てもおかしなことであって、これは日本介護支援専門員協会に責任持たせるというのはちょっと酷ではないかと思うんですけれども、介護支援専門員の専門性や独自性をもう少し確立してあげるような方向性がないと、介護保険制度自身がケアマネジャーというのはキーパーソンなんですね。だけど、これで家族の言いなりだと、こうなってくると、介護保険は家族の言いなり保険ですか。こうなってくると、非常にこの会でも、この話をしていく上で問題が大きいと思うんですね。
そういう意味で、事務局もいろいろ頭を悩まされていらっしゃると思うんですけれども、委員の方々もこの結果を見て、だれが悪いとか、かれが悪いんじゃなしに、こういうお寒い状況だということを何とかして改善しないといけないと多分皆さん思っていると思うので、私はこれをもとに建設的な意見を出し合ったほうがいいと思います。

○大森分科会長 私が言いたかったことを今言っていただきましたので、一応木村さんから、もうちょっと広い観点でいくつか、今後、検討すべき論点が出ていますので、それについて、何か今日この場で御意見があれば伺うということにいたしましょうか。どなたか、御発言あれば、どうぞ、勝田委員。

○勝田委員 済みません、基礎調査についてのこの設問の中で、6ページなんですが、「要介護者と同居している子が介護可能なケースは3分の1、別居の家族が介護可能なケースは半数弱」だというふうに、これはだれが介護可能なケースと判断したのか。判断基準というのは何なのか。介護家族の立場からの聞き取りを行ったのか。アセスメントですから聞いてはいると思うんですが、同居している介護可能なケースは3分の1で、別居の家族が半分というのはどうも理解しかねるんですね。この設問そのものがどういう意味なのか、これを見ながらおかしいなと、実態とはちょっと違うのではないかと思ったんですが、今の段階で、報告された方はどのようにこの設問については、まとめられたのでしょうか。

○川又振興課長 済みません、判断しているのはケアマネジャーの各個別ケース票ですので、それぞれのケアマネジャーが担当している利用者に対して判断して回答しておりまして、資料2−2に個別の調査票がございますけれども、その5ページに《個別調査票(1ケース目)》というのがございますけれども、その左の上のほうに黄色くなっているかと思いますけれども、同居の配偶者がいるのか、子どもがいるか云々のところで、それぞれの人が介護が可能なのかどうかというところも含めてとっておる。ここの回答の集計したものということになります。

○勝田委員 そうしますと、これはそれぞれ調査されたケアマネさんが回答されたものをここに集計したということですね。ただ、逆に実態として、同居の家族が3分の1で、別居の家族が半数というこの考え方、こういう設問そのものというか、ここへ出てきたことについては今の段階でどのように思われますか。私たち当事者としては実態とは随分違うのではないかと思います。もちろん回答数が少ないから、そのような結果かと思いますが、どうもちょっと違うのではないかと思います。

○川又振興課長 これは単純に集計しただけですので、ちょっとコメントはなかなかしがたいんですけれども、集計結果はこのような形であったということでございます。

○大森分科会長 基礎調査の粗集計みたいなものが出てきたことはいいことなんです、情報。だけど、これを我々が今日見せられて、ここから何かやれって、ちょっと乱暴なので、若干クロス集計もされるとおっしゃっているから、もう一度、今回の調査のねらいと趣旨と、今のような、どういう観点で、何が出てきたかということを整理してもう一度出していただくということで、今日はこの基礎調査についての議論は打ち止めにいたしたいのですけど、よろしいでしょうか。その上でちょっと。

○木村委員 済みません、一言だけ。

○大森分科会長 打ち止めについて、お二人から、田中(滋)委員。

○田中(滋)委員 報酬に議論を結びつけるのは絶対に無理です。どう見ても代表性がありませんから。しかし、これの資料の1ページ目に書いてあるピンクで塗ってあるところ、これは池田委員も、あるいはほかの先生方も御指摘になったように、恐らく上積みのところのいい事業所のデータだと思います。そこからケアプランの中身を見るとか、実践に関する提案を事例として発信するとか、こういう読み方をすることはできます。これを報酬に結びつけるのは代表性がないから無理だけれども、恐らく想定されるいいほうの1割でケアプランがこんなふうなものだとか、その中で役に立つようなケアプラン事例を見つけるとか、そういう意味で使えるところもあると理解してよいと思います。

○大森分科会長 そういうふうなサゼッションですから、そういう観点で次回に整理してもらう。木村委員、何か今のことで。

○木村委員 私も関連して、今ほど出た「御用聞きケアマネ」とか、そういう言われ方は私は一番嫌ですので、はっきり申し上げます。3ページの上にある黄色いマルが5個並んでおりますけど、ケアマネジメントを行う環境もいろいろな問題があるのではないかということ、そういうことも調査するようになっていると伺っています。それから、個人のスキル(能力)ですね。そこから、今ほど田中(滋)先生がおっしゃったように、どのように行動をとっていっているかとか、そしてあるべき姿というか、それがここから見えてきて、それでそこを目指すじゃなく、そこになってもらわなければ困ると言うようにこの調査は分析、活用できると思います。先程来言われるようなこういう形で個人のスキルだけで語るということを、やめていただきたいということだけはお伝えしておきます。以上です。

○大森分科会長 それではもうこの話はいたしません。

○三上委員 今度クロス集計やるんですか。

○大森分科会長 その点ですか、御注文。

○三上委員 医療系の基礎資格については非常に幅広く書かれているんですが、介護のほうは介護福祉士だけ切り出してあるんですけど、ここは看護職という部分だけを切り出していただいて、看護職と介護職という形の比較をしていただくと、先ほど武久先生言われたように、全く差がないのか、本当に差があるのかということだけ、よろしくお願いします。

○大森分科会長 今のことに関連して、木間委員、どうぞ。

○木間委員 クロス集計のことでいいですか。

○大森分科会長 どうぞ。

○木間委員 その前に有効回収率ですが、管理者票の有効回収率はこのとおりですが、介護支援専門員の有効回収率は、実際は、少し上がると思います。回収した事業所のうち1人事業所が19.2%、2人の事業所が18.8%ですが、介護支援専門員が3人いるという前提で3万84票の中の3,284で計算していますので、少しですが、回収率は上がります。
介護サービス情報公表のデータを活用すれば、1人事業所、2人の事業所はわかるわけですから、3人の回答がほしかったら、3人以上いる事業所に出せば、介護支援専門員票の回収率は、上がったのではないかと思っております。
クロスをなさるのであれば、ケアマネの人数と、例えばケアプランの作成時に相談できる相手や、ケアマネジメントを実施する上での課題、検討会や研修への参加状況などとのクロスをしていただきたいと思っております。身もふたもないというような感じの議論がなされましたので、言いにくいのですが、もう一つは、併設事業所とケアプラン作成時に相談できる相手やケアマネジメントを実践する上での課題などとのクロスをしていただきたいと思います。
といいますのは、東京都のある区の例ですが、200近く居宅介護支援事業所のある区ですが、1人事業所が3割近くあります。2人の事業所も3割近くあります。この2人というのは実数でありまして、常勤換算ではありません。こうした事業所をさらに見ていきますと、併設事業所の有無などに違いがありますので、ケアマネ数とのクロスと併設事業所とのクロスを行っていただきたいと思います。

○大森分科会長 この件、以上でよろしいでしょうか。ちょっと今日生煮えのものが出てきたものですから、皆さん方がいろいろ反応していますので、これはこれとしてのデータ、数は少ないんですけれども、こういうある種の情報が全部生で伝わってきましたので、それはそれといたしたいと思っています。
それでは、次へまいります。次は特養について、かなり重要な調査が行われていまして、これは村上委員から今日は御報告、簡潔にお願いいたします。

○村上委員 それでは報告させていただきたいと思います。皆様方のところに「報告書サマリ」と、本になりました報告書がお手元にあると思います。それを参考にお聞きをいただきたいと思います。
まず最初に、この事業でございますが、昨年22年の11月15日から23年の1月11日まで行った事業でございまして、テーマは「特別養護老人ホームにおける認知症高齢者の原因疾患別アプローチとケアの在り方調査研究」でございます。事業目的はこのサマリの中にありますように、特養における認知症の原因疾患の診断の有無等、それが認知症ケアへどのように反映されているかという調査を行って、医療、介護の両側面からそれぞれの果たすべき役割と機能の在り方について提言することを目的とした研究でございます。
事業内容については、このサマリに書いてあるとおりでございます。
事業の結果でございますが、1つは、特別養護老人ホームにおける実態調査、これはアンケート調査でございます。調査対象が600施設で230施設から1,143の回収がございました。
もう一つは、このサマリの10ページに(ローマ数字2)がありまして、「(ローマ数字2) モデル施設による個別ケースの再診断及び定期的なカンファレンスによる検証事業から」がございます。これは全国の北海道、愛知、九州から3施設を抽出いたしまして、対象ケース:8ケースについて、具体的にどういう状況になったかということについて検証したものでございまして、これは後から報告をさせていただきたいと思います。
では報告をさせていただきたいと思いますけれども、まず特養においては、認知症の正確な診断や治療に関する情報共有がなされていませんで、BPSDの提言に主眼を置いたケアに頼らざるを得ないのが今の特養の現状でございます。その一方で、認知症医療と介護の連携モデル地域でもある熊本県では、先駆的に特養の認知症高齢者の服用している薬の調査、あるいは認知症専門医との連携によってケアの計画の見直し等に取り組んでおって一定の成果が出ているわけでございます。
本会では、この熊本県の取り組みを参考に、全国の特養を対象に認知症高齢者の実態把握、特に医療との連携、情報の継続と共有、背景となる疾患の特定と薬の服薬状況とケア計画との相関性を調査して、現状把握と課題の抽出を行いました。と同時に、それらの条件を整えるために、認知症専門医の協力を得て全国で3か所のモデル施設を指定して、個別ケースの診断、薬の処方等を踏まえたケア計画の見直しと原因疾患の特徴を踏まえたアプローチの成果を検証いたしました。
その実施方法と成果の詳細については、今、皆様方のお手元にあるサマリと、それから報告書を見ていただきたいと思います。
それではこの研究から得られたものについて、今後の認知症ケアのあり方について、以下3点をこの調査研究事業の成果として提言をいたしたいと思います。
1つ目は、「認知症専門医の数、それから、質の早急な確保及び認知症介護との連携・協働体制の構築」を急いでいただきたいということでございます。これは認知症の早期発見、早期治療が予後に大きく関与するとともに、正確な診断が受けられていることによって、重度化してからも科学的な根拠に基づいたケアが可能となるからでございます。
もう一つは、認知症の初期に専門医による正確な診断がなされ、その情報が入所先まできちんと伝わるような医療と介護の連携システムの標準化、これから急いでつくっていかなければならないのではないかということでございます。
2つ目は、「認知症の正確な診断と脳画像診断による情報の積極的な評価」というものです。これの内容は、脳画像診断が行われていたのは、2割程度ととどまっているんですが、脳画像診断を行うことによってサマリの3ページにグラフがありますけれども、グラフのように疾患名が特定されるケースが1.5倍になることから、医療情報として有効性が期待されると思います。
また、脳画像診断によって治療が可能とされる正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫等の認知症の診断が可能となり、より精度の高い認知症の診断が可能になるということがわかりました。
以上の2つから、3つ目で、「『原因疾患を踏まえた個別ケア』の確立」というものが見えてまいりました。これは介護職、看護職が認知症の原因疾患とその特徴に対する知識を習得し理解した上で個々の事例を科学的に考えて、実践することが可能になってきたということです。
また、医療との適切な連携を進めるには、介護職の記録、観察、変化への気づき等が大きな判断材料となるということがわかりました。それが利用者の尊厳を守る生活支援の視点においても必要不可欠な役割を果たしていることから、常にそういう情報を医療にフィードバックすることによって、その関係性を維持することが非常に大事だということで、これによって原因疾患を踏まえた個別ケアというものが確立されるのではないかと思います。
この3つを認知症ケアに導入することよって、認知症のケアが著しく高まるとともに、認知症の人の尊厳ある生活の維持が図られることから、「医療・介護連携加算」という何らかの評価に値するものではないかと思っております。
次に10ページ以降からのものでございますが、個別ケースのモデル検証について、今言いましたように、全国、北海道、愛知、九州の3施設から20ケースを抽出いたしました。その際、これまでケア方法や生活環境を何度も見直して、投薬の調整等も行ったけれども、BPSDの改善が非常に難しいという対応困難事例を意図的に選んで実施をいたしました。これらのケースに対して、認知症専門医とケアスタッフが3か月にわたって定期的にカンファレンスを行って脳画像診断を含む認知症の再検査を行いました。結果として、8ケースを報告書に記載しております。本の報告書に8ケースが記載されていますが、診断名の変更や確定、再診断とBPSDの照合等による薬の処方やケア計画の見直し、ケア方法の再検討等を行った結果、取り組んだ20ケース、ほぼすべてでADLの改善、あるいは向精神病薬の減少、中止等によってBPSDが軽減するという大きな改善が見られました。
例えばEさんのケース、これまで脳血管性の認知症と診断されていましたけれども、脳画像診断を含む診察、BPSDの状況からレビー小体型認知症と再診断されました。脳画像診断を行うことによって脳萎縮や血管障害が見られないことがはっきりしたケースです。レビー小体型認知症は、幻視や心身の状態の変動、パーキンソン症状が出て、転びやすい等の特徴もあり非常にケアが難しいことがわかっております。
また、薬に対する過敏反応が顕著であることから、症状に合致すれば非常に有効な結果が出ますけれども、その微調整は個人差も大きく、認知症専門医等も大変高度なものを必要とすると聞いております。このケースでは介護職員が2か月間にわたり、24時間体制で状態変化を記録し、そのパターンの把握とケア計画の見直しを行いながら認知症専門医が薬の調整を行い、1か月目は自力で寝返りも打てなかったEさんが3か月目には車いすでスタッフのお手伝いができるところまで改善をいたしております。
レビー小体型認知症の特徴である時間帯による状態変化はあるけれども、そのサイクルパターンを把握できたこと、これは報告書の中に詳細に出ております。それから改善可能な状態と不可能な状態を理解したことで、ケアのメリハリや、あるいは原因疾患を理解したことからくる看護職員の心理的負担度が大きく改善されました。
Fさんのケースも再診断により診断名が変更になって、処方されていた薬を減量することで、それまで困難であった意思疎通が可能になったばかりでなく、感情表出とか活動性の向上とQOLに大きな変化が出たということもあります。
これらのケースはいずれもが認知症専門医による的確な診断、特に脳のCT画像の解析によってケアのポイントや投薬の調整に大きな影響があります。
脳画像診断のもう一つの特徴が、正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫といった、手術等の治療によって改善する認知症の診断に非常に有効であるという点も出てまいりました。今回の報告書には記載されていませんが、直近の事例では、歩行障害、尿失禁が非常に起こりやすいというような症状がある80歳代の地域入所者の脳画像診断から、正常圧水頭症の診断を確定し、シャント手術を行ったところ、歩行も改善してコミュニケーションが可能になったとの報告もあります。認知症症状の原因となる疾患及び原因は千差万別であり、当然生活歴とか環境の影響もあることから、有効なケアの手法の定形化は難しいと思われますけれども、今回の調査研究で明らかになったとおり、原因疾患とBPSDの特徴、薬の投与とBPSDとの関連性を順次整備していくことによって、真に尊厳あるケアの確立の1つの手順として有効活用が重要であると思います。
今回は引き続き認知症医療と介護の連携、協働によるシームレスな認知症高齢者の支援体制構築を目指すとともに、原因疾患を踏まえた根拠あるケアの手法の研究に継続して取り組む予定でございます。以上でございます。

○大森分科会長 ありがとうございました。しばらく御質問等あれば伺いましょうか。
 先ほどの提言3つございましたけど、これは特養に即した提言になっている。一般的な提言ではなくて、特養に限定した提言になっているんですか、12ページは。

○村上委員 先ほどの提言についてはそのとおりでございます。

○大森分科会長 わかりました。どうぞ、勝田委員。

○勝田委員 まず御質問したいのですが、12ページに、今後の課題の中で、例えば「認知症の正確な診断と脳画像診断により情報の積極的な評価」とされていますが、脳画像診断が行われていたのは2割程度にとどまるという、入所前のことですね。そうすると入所される判断材料として、特養に入所されている方の多くは認知症の方だと思うんですが、入所される基準の中で、画像診断がされてない。きちんとした診断がされてなかったのかなと、これだけ読んだ場合にはそう思ったんです。
というのは、私たちが電話相談を行っていますが、30年間電話相談している中で、これだったら、素人ですが、アルツハイマーだなとか大体わかります。出されているお薬が、1か月漢方薬にしますとか、診断名をおっしゃらない、変だなと思うことがよくあるんです。
今、これを見ていまして、実態としてはそうなのか。こちらにはお医者さんが何人もおられますから、本当にそうなのか。鑑別診断は確かに難しいんですが、実態としてこうなのかなと思うことと、今、いただいたこの報告書の中の例えば15ページに、これも数が随分少ないなと。それはそういう個別の事例を集めたからだとおっしゃるんですが、ここの服薬中の薬が、素人目に見てもすごい数が出ているんだなと。先ほどの老健施設のお話とは随分違うんだなということを率直に思いました。
ただ、何かと比較するということではないのですが、これは今この調査された中で、実態の数としては8名ぐらいの症例で、その中で出ているんですが、私たちにとっては素人ですから、例えば御専門の先生方から見て、これは妥当なものなのか、どうなのか。正直言って驚きました。まだ全部見てないのでわかりませんが、どうなんでしょうか。

○村上委員 確かに対象になっている方々の実態を見ると、15ページにあるような、薬の服薬内容は、出ています。それから、脳画像診断が非常に少ないということについても、これも実態でございます。
私たちは、実際にそういう中で、診断があって、診断に基づいて必要な薬が出ていて、その状態を見ながら、ケアをすることによって、その診断、薬が正しいかどうか。そのお年寄りにマッチしているかどうかを見ながらそれを看護、医療にフィードバックすることが求められます。今、全国の状況から言うと、診断をされていて、それに基づく薬が出ているけれども、その診断が実際に合っているかどうかということが、わかりません。それから、その診断に基づく薬が、現在の状態に合っているかにということもわかりません。
というようなことで、実際には、今、私たちが調査研究をやってみて、改めてしっかりした診断と、それに基づく服薬が、私たちのケアの中では非常に大事であるということが見えてきたと思っていまして、今おっしゃったことについては、まさにここに書いてあるとおりでございます。
この実態がこうであるか、どうであるか、あるいはなぜそうであるかということについては、専門の先生からお聞きできればと思います。

○大森分科会長 専門の先生、御指定ですけど、どなたからでもいいですけど、武久委員から。

○武久委員 15ページの先ほどのお薬のことで、私も大島先生も言いましたけど、やっぱり10種類から15〜16種類出ておりますので、明らかに整理ができてないなと思います。これについて、後で出てきた症例については注視したい症例も出てきておりまして、やっぱり特養の顧問医がそれなりに取捨選択して御自分で処方されたと思いますけれども、こういう状況というのは、特養へ来る前に一体どこへいたのかということが問題になる。急性期病院にいたのか、それとも開業医からこの薬が出たのかということを一回お調べいただいたほうがいいと。だけど、7例だけじゃなしに、一般的な場合として言いますと、高度急性期病院は臓器別専門医になっていますから、お年寄りだと5つも6つも専門の臓器がありますので、そうするとそれぞれの先生がそれぞれに出されますと、それを足しますと非常に多くなると。それをだれかコーディネーターがいて、各科の薬をバランスよく調整するという役がいないですね。それぞれの専門医がいいと思って全部出しちゃって、本当は高度急性期病院の薬剤師さんが各科から出てきたのを整理して何かおっしゃればいいんですけど、そこがうまく働いてないというところがあります。
今、勝田さんが見たように、これは明らかに多いということだけは言えますので、ちょっと問題点、ただ、上位7人ですから、普遍的な問題はないというふうに思います。

○木村委員 今、15ページの薬剤のところで、黄色とか色がついているところがありますね。下に説明がありますけれども、黄色いほうはせん妄症状と認知機能の低下の原因になりやすいとか、水色のところは、過鎮静ということは、動きが止まってくるという形のことになります。先ほど前半のほうで私が申し上げたのは、少なくともこの薬剤だとこういう可能性あるというのを薬剤師は見つけることはできるます。ですから、そのことを、先ほど提案のありました介護日記的なところと薬剤師の情報などすべてかかりつけの先生というか、専門の先生にお伝えして、こういう可能性がありますよということをやるような仕組みをつくらなければまずいと思います。
在宅での話ですけど、尾道市ではDBCシートというのを使って、食欲がない、動きがおかしいとか、小刻み歩行とかになっているとか、本人、家族、専門職みんなでモニタリングして、それが薬剤の影響かどうかをチェックすることを行っています。このようなことを施設の中でもやることが必要だというふうに思います。以上です。

○大森分科会長 池田委員、どうぞ。

○池田委員 この老施協の調査は、私、高く評価いたします。認知症ケアはここから始まるんです。なお、これは全国の実態がどうなっているかという調査と何の関係もありませんので、サンプル数は少なくて、それを深く突っ込んでいくという調査の仕方は正しいし、別に数が少なくたって一向に構わない。
もう一つ、お願いしたいのは、前に老施協が、これも私、高く評価する調査なんですけれども、実際に入居者で診断を受けていて、認知症という診断が4割ぐらいあるという調査がありました。認知症というのは状態像であって、あれは鑑別診断と関係ない。実際上鑑別診断が行われているのは45%ぐらいでしたか。あれが実態に近いと思うわけで、それが恐らくまとめの提言の中の(マル1)につながってくるだろう。これは私は非常に強調すべきことだと思うんです。これが認知症ケアの中で忘れられてきたんです。
ただし、実はこういうふうに突っ込んでいくと医療が非常に強くなるんです。医療が強くなるというのはいいかもしれないんですけれども、認知症ケアというのは医療だけの世界ではないわけであって、これに具体的にどのようなケアというものを展開していくか。つまり医療というのはある意味で玄関なわけですよね。お座敷がケアの世界じゃないですか。そういうふうに、これを基礎にしながら1つの体系みたいなものを形づくっていくと、認知症ケアというのは、現在のレベルでも大きく前へ進むだろう。そういった方向でさらにまとめ上げていただくとありがたいなと、そういう感じを受けました。

○大森分科会長 ほかに、どうぞ。

○村上委員 ありがとうございました。医療が強くなるというのは、確かにそのとおりだと思うんですが、実際に診断があり薬が出て、その後の日常の生活を見るのは、介護職員及び私たちです。明らかに薬によって転倒が多いとか、あるいはせん妄が出ているとか、こういうことを医師から御指導と考えていただきます。その状態から医療は、薬が合ってないかもしれない。ドクターは、薬を変える。それで介護はケアで日常の生活の様子をみていく。こういう相関の関係がないと、認知症のお年寄りに対する尊厳あるケアというのはできないだろうと思っております。これが先ほど医療・介護連携に関する何らかの評価があったらいいということでございます。もう一つは、これを中心的に進めるのは施設においてはケアマネジャーがつくるケアプランです。これをしっかりとやっておかないと、認知症だからといって総花的なケアをしていく、これはお年寄りにとってはつらいと思います。
ですから観点を絞って、認知症のお年寄りが、日常の尊厳あるケアを続けていけるような、プランをつくっていく。この役割ケアマネジャーだと思っておりまして、ケアマネジャーの役割と認知症のケアとともにしっかりと形づくっていかないと認知症の人は、結果的にはつらい思いをすると思っております。
もう一つは、鑑別診断のことですけれども、先ほど勝田さんもおっしゃったように、入ってくる前の、できれば、これは難しいことなのかもしれませんが、段階で、もし画像診断が撮れるのであれば、もっと早く認知症の人はつらい思いをしないで生活できるという可能性が大いにあると思っております。今現在は、服薬性のBPSDというのもたくさんあるという感じがしないでもないです。
ですから、今後は、医療との連携が絶対必要であり、特養においては、介護職員の日常の状態把握能力を高めること。看護師の認知症、薬の知識のレベルアップが必要だと思っておりますので、ぜひ力をかしていただきたいと思います。ありがとうございます。

○山田委員 今回のこの報告に書いてあります、これからの提言、これはまさにこれからの方向性、あるいは我々がこの方向に向かって充実していかなければならないことを端的にあらわしていただいていると思います。そういう意味で非常にいい報告書だと思いますが、勝田委員が、これくらいしか画像診断やられてないのかということをおっしゃいましたので若干私なりの意見を述べさせていただきますと、現実問題として、CT、MRI、スペクト、そんなにたくさんあるわけではありませんし、これがすべて認知症に対応しているわけではございません。
熊本県は、私、熊本ですが、熊本県方式ということで、認知症疾患医療センター、基幹型、地域型分けて整備されていまして、全国のモデルということを言われていますが、それでも圏域によりましては、今年度初めて全医療圏域、地域型そろいましたけれども、CTがなければならないというこの要件で認知症疾患医療センターが指定できなかったということがここ数年ありました。そういう意味では、画像診断は大変重要で必要だと私思いますが、これはこれからの方向性ということで言っていただかないと、これぐらいしかやっていないのかと言われるとちょっと現場としては違和感がございます。
それから、もう一つ、医療サイドですが、私は老人保健施設ですけれども、当然都道府県医師会が協力して認知症サポート医を養成し、認知症対応力向上研修で一般の開業の先生まで、こういう時代だから認知症に対してきちんとした知識を整えていきましょうという努力をやっているわけですので、そういう努力の成果と相まみえて画像診断も含めて、将来充実していくということが大事だろうと思いますし、我々老人保健施設も認知症の利用者の方いっぱいいらっしゃいます。まさにこの提言のとおりですが、認知症のリハビリテーションをやっているという立場からも、施設の医師に対する認知症に関する医師研修というのを充実してやらせていただいていまして、この数年でほぼ全施設長に近いところまで研修を修了しています。そして最近は複数回、毎年追加研修を受けられる先生が出てきていますので、そういう意味では、こういう方向性を我々がどう充実させていくかということが大事な視点だろうと思います。以上です。

○大森分科会長 大島先生。

○大島分科会長代理 村上さんどうもありがとうございました。非常にすばらしいデータを示していただいたと思うんですが、画像によるMRIとかスペクトとかいろいろ出されましたけど、まだ確定診断がそれでできるという段階には来てなくて、相当研究が今進みつつあるというレベルだと理解をしていただくのが正しい。二十数%が多いのか少ないのかという議論はちょっと別にして、だから画像診断をすればそれで認知症の確定診断ができるという、そんな段階ではないということだけは押さえておいていただきたいと思います。
それから、村上さんのお話の中にもあったんですが、確定診断はもちろん医師・医療が入り口であるという話は池田先生からも出されましたけれども、何か変化が起こったときに、医療として、その判断をきちんとするというのは極めて重要なんですね。だから入り口でどう診断をするのか。これは限界があっても、そこをきちんとやるということ。それから、当然診ていく間に変化が起こるわけですから、その変化のときに医師がどういう判断をしていくのかというのは極めて重要で、そういったところで医療側がどう関わっていくかというのは物すごく大事なんですが、いろんな話の中のところに、ひょっとすると医療側のレベルがそこまで行ってないのではないかというような不信感といえば言い過ぎかもわかりませんけど、なかなか追いついてないのではないかというようなニュアンスの感じの言葉が実はいろんなところから聞こえてきます。今日も出ているんですが、実際にそれはこの認知症の話になると、医療レベルというのは、どれぐらいの多くの医者が、どれぐらいのレベルで認知症の診療に当たっているのかということに対して、ひょっとしたら相当レベルが低いんじゃないかというような感じの雰囲気というのか、はっきりはなかなか言われませんから、そういう雰囲気を感じます。
実は、長寿医療研究センターでもそういった議論をずっとしていまして、どうも実態についてはよくわからないと。わからないけれども、しかし、これだけいろんな問題が出てきている以上、そのことについても、国も一生懸命レベルを上げるためにいろいろやってきていますし、我々はもちろんそういったレベル上げるためにいろんな努力はしてきているんですが、しかし実態がどうなのかということについては今のところわからない。ひょっとすると思っているよりも相当低いかもわからないという可能性も否定できないと思っています。
したがって、この状況の実態をどうやって調べていくのかということと、それから、それに合わせて実態がわかれば研修体制をどういうふうに組んでいくのかということ、これは不可分ですから、そういう作業を早急に進めなければいけないという話は、勝又室長とも今していまして、どういう対策をとっていくのがよいか考えているところです。

○大森分科会長 ありがとうございました。

○村上委員 ありがとうございました。この研究の最中に大切なことを気づかせていただきました。診断も合っているし、それに対する薬も間違っていない。ところがお年寄りが状態変化していく。そうすると、例えば興奮が多くなったとすると、それに対して興奮を抑える薬を多くするというのがドクターの一般的な方法だと思うんですが、このときドクターが、あなたたちはどういうケアをしたいんですか。この人はどういう生活をしたいと思っていますか。それによって薬を考えましょう、と言ってくれました。
私たちは当然のことながら、薬を増やせば寝てる、あるいは動かなくなるので、このお年寄りが、たまに興奮したとしても表情よく生活してほしいと思いましたので、そのように薬の調整をしてもらいいます。ですから、ケア現場でのお年寄りの様子をきちんと把握できること、そのお年寄りに対してどういう生活をしてほしいかということ。これをなくして認知症のケアはないと思いますし、そこに医療との関わりをしっかりと持っていくことが大事だと思います。

○大森分科会長 本日、以上にさせていただきますけど、よろしいでしょうか。大事なデータが出てまいりましたので、今後、私どもいろいろ考えていきたいと思います。
次回についてのお話。

○宇都宮老人保健課長 次回の日程が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 本日は以上でございます。ありがとうございました。


(了)

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