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2011年7月26日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第53回)議事録

○日時

平成23年7月26日(火) 13:00~16:45


○場所

経済産業省別館946会議室


○出席者

   真野部会長、大島部会長代理、平井委員、浅野委員、松原委員、橋田委員、石渡委員


○議事

(以下、議事録)
 
○真野部会長
 定刻となりましたので第53回医療・福祉部会を開催いたします。今日は五十嵐委員と關委員が欠席です。松原委員はあとで来るとのことですので始めていたいと思います。皆さまお忙しい中、またお暑い中をどうもありがとうございました。議題にもありますように、本日は福祉医療機構の平成22年度の業務報告と業務実績の評価ということになっています。
 前回、部会長代理を指名しておりませんでした。今回、これは部会長の権限ということで決めさせていただきたいと思います。部会長代理は評価委員の会令の第5条第5項、「部会長に事故があるときは」、あまり事故がないほうがいいのですが「当部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する」こととされていますので、先ほど申しましたようにご指名させていただきたいと思います。
 大島先生、部会長代理を引き続きお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○大島部会長代理
 大島でございます。力不足ですけれども、引き続きまして部会長代理をご指名ですのでさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○真野部会長
 大島先生、どうもありがとうございました。それでは、部会長代理は大島先生ということでお願いしたいと思います。
 早速、審議に入りたいと思います。最初に長野理事長からご挨拶と、平成22年度の取組の概要の説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○福祉医療機構理事長
 理事長の長野です、本日はよろしくお願いいたします。
 平成22年度の業務実績の概要につきまして総括的なご報告をさせていただきます。お手元の資料、1-1、「独立行政法人福祉医療機構平成22年度業務実績の概要」に沿い、ご説明申し上げます。
 1頁は「福祉医療機構の概要」となります。ここで説明させていただきたい点は4の役職員数で、平成22年4月から理事を1名削減しています。これにより、当機構の役員における国家公務員の再就職者、いわゆる「天下り役員」は0としたところです。
 2頁をお開きください。私どもの各事業の業務実績が地域の福祉・医療の向上にどのように貢献しているかを整理したものであります。地域における医療施設、福祉施設、さらに民間活動を行うNPO法人、地域で暮らす高齢者や障害者を私どもが矢印のとおり、下から支援をしています。この矢印の下に細長い楕円で囲っている部分が4つありますが、これが私どもの事業を実施する上での柱であります。各柱の下に各事業で行ってきた取組、今回の16個の評価項目を記載しています。
 平成22年度の業務実績については、私どもとしては例年にも増して、非常に充実した実績をあげることができたものと認識しているところであります。したがいまして、自己評価についても16項目中、5つの評価項目をSとさせていただきました。
 この5項目をなぜSと評価したのか、説明申し上げたいと思います。まず、資料左側の福祉貸付事業及び医療貸付事業ですが、介護基盤、保育所及び病院等の耐震化の整備事業、また緊急的な経営資金など、増大する利用者ニーズに迅速かつ的確に対応し、円滑な施設整備、施設の運営を支援することができました。
 次に、資料の中ほどの退職手当共済事業ですが、退職金の給付に係る平均処理期間について中期目標の75日以内を大幅に短縮し、さらに電子届出システムの利用率も増加するなど、利用者サービスの向上、事務負担の軽減を図ることができました。
 続いて、資料の左下にございます効率的かつ効果的な業務運営体制の整備であります。平成22年4月の組織改正において、役員ポストをはじめ、管理職ポストの大幅な見直しを図りました。平成23年4月の組織改正においても管理職ポストの削減をさらに図り、また管理部門を再編し、管理部門から現場部門への人員のシフトを実施いたしました。
 その右の業務管理の充実でありますが、かねてより当機構におきましてISO認証に基づくQMSによる継続的な業務改善、あるいはリスク対応計画の策定など、ガバナンス強化に力を注いできました。平成22年度において、さらにコンプライアンス委員会や「職員意見箱」の設置、また事業継続計画の策定など、さらなるガバナンス態勢の強化を図ったところでございます。これらの5つの評価項目について、計画を大幅に上回る実績をあげる事ができたものと判断し、Sと自己評価をさせていただきました。
 3頁をお願いします。この資料は当機構におけるガバナンス態勢を図にしたものでございます。民間出身の私としては、日ごろから「お客さま目線」と「組織の健全性」の2つの物差しを意識しながら業務を行うよう周知徹底を図っているところであります。平成22年度においては資料の中に3カ所、点線で囲っている新たな取組を実施することにより、さらなるガバナンス態勢の強化を図ったところであります。今後もより一層、お客さま目線に立った、利用者サービスの向上に努めるべく、健全性のある組織づくりを推進していく所存であります。
 4頁をご覧ください。平成22年度における特記事項として、1つ目は福祉貸付事業の基盤整備でございます。左側のグラフのとおり、平成22年度の施設整備資金の審査実績は対前年度比金額で233%、件数で216%と利用者ニーズが大幅に増加しています。この増加する利用者ニーズに迅速かつ的確に対応することにより、介護基盤の緊急整備、保育所等の整備といった事業を円滑に支援することができたと確信しています。
 右側は利用者サービスの向上に関する取組であります。平成23年3月に閣議決定された独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針において、利用者サービスの向上を講ずるよう指摘されたところでございます。これを着実に推進するため、平成23年3月に中期計画を改正し、平成23年度からの目標の中に審査期間を30日以内とすること、書類の簡素化、融資相談の強化及び緊急時への対応等を明記いたしました。これらの取組はいずれも、平成23年度からの取組目標ではございますが、当機構といたしましてはここに記載のとおり、平成22年度から前倒しで取り組んできたところであります。
 5頁をご覧ください、医療貸付事業でございます。福祉貸付事業と同様、施設整備資金は対前年度比金額で249%、件数で147%と大幅に増加しましたが、迅速かつ的確に対応することにより、耐震化整備、介護基盤の緊急整備といった事業を円滑に支援することができたところであります。右側は福祉貸付事業と同様、利用者サービスの向上に関する取組であります。
 続いて、6頁をご覧いただきたいと思います。左側が社会福祉振興助成事業です。平成21年11月の行政刷新会議における事業仕分けの結果に基づき、これまで実施していた旧長寿・子育て・障害者基金事業における基金、2,787億円と債券売却益とを合わせて2,921億円を平成23年3月に国庫返納し、平成22年4月から新たに国庫補助による助成事業をスタートさせたところであります。新たな事業へ移行するということで、利用者の混乱を招くことのないよう、積極的な制度周知に努めてきました結果、助成事業の応募実績は前年度より件数で253件、金額で22億5,300万円多い応募をいただいたところであります。私どもとしては、新制度への円滑な移行を図ることができたものと考えています。
 6頁の右側は適切な業務運営の実施の取組です。組織のスリム化、ガバナンス態勢のさらなる強化を図ってきたところであります。
 続いて、7頁をご覧ください。平成23年3月に発生いたしました東日本大震災に対する私どもの支援の状況を記載しています。資料の左側は、平成22年度中に講じました特別措置の内容であります。災害復旧や経営資金に必要な資金の融資、既往貸付の返済猶予、退職手当共済の掛金の納付期限の延長などを実施してきました。また、お客さまからの相談に対する専用回線、フリーダイヤルによる特別相談窓口を設置し、土・日・祝日でも対応できる体制を整備するなど、円滑、迅速かつきめ細かな対応を図ってきました。
 資料の右側は、平成23年5月2日に成立した第1次補正予算に基づき講じた特別措置の拡充の内容でございます。厚生労働省から100億円の追加出資、また1,700億円の財政融資資金の追加財源を確保していただきました。これらを財源に、当機構においては一定期間の無利子貸付の実施、また融資率100%とするなど、復旧に必要な資金を無利子で提供できる特別措置の拡充を講じたところであります。
 また、昨日成立いたしました第2次補正予算において、さらに40億円の追加出資があり、被災した施設等の再建を支援するため、二重債務となる既往貸付につきまして償還期間の延長等の積極的な条件変更の実施、また災害復旧のための新規貸付については償還期間の延長、無担保貸付額の拡充等、さらなる融資条件の緩和措置を行う特別措置の拡充を講じたところであります。
 私どもは4月末、私をはじめとして、役職員で被災地の貸付先を訪問してまいりました。また、6月には現地で融資相談を開始しております。その中で、お客さまの声を直接伺ってきたわけであります。この声に応えるべく、今後とも厚生労働省をはじめ、関係団体等との連絡を密接に取り、被災した施設等の再建に当たり、丁寧な相談体制の整備など、復旧のために必要な支援に邁進していく所存でございます。
 8頁、9頁には平成22年度末における法人全体の財政状況及び経営状況を記載しています。ここでの説明は省略させていただきますが、後ほどご覧いただければと思います。
 以上、平成22年度業務実績の概要について説明いたしました。既に平成23年度も4カ月を経過しています。平成23年度の福祉医療機構は昨年度の事業仕分け、あるいは独法評価委員会からの指摘事項、そしてお客さまの声等を踏まえ質の良い商品、サービスを提供し、お客さまから選ばれる組織、言い換えますと国民から信頼され、かつ求められる機構でありたいと強く念じておるわけであります。そのため、平成23年度計画を実施するに当たり、職員に示しました重点項目10項目を遂行していく中で、地域の福祉と医療を支援する小回りの効く専門店となるべく、役職員一同、さらに貢献していきたいという所存であります。
 最後になりますが、委員の先生方におかれましては引き続き、私どもの今後の業務運営につきましてご指導・ご鞭撻くださいますよう、お願い申し上げます。以上、平成22年度業務実績の概要の説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○真野部会長
 どうもありがとうございました。いまの震災のことも踏まえ、また直近の第2次補正予算のことも含めて明確に説明いただきました。
 1つだけこだわりというか、細かいことですが、5頁、医療で介護基盤になっているのは医療基盤ですよね。

○福祉医療機構理事長
 医療でも老人保健施設など、介護の関係もありますので。

○真野部会長
 それは介護基盤のままでいいのですね。わかりました。
 評価に入っていきたいと思います。こちらは4つのグループに分けて、評価を順番にしていきたいと思います。説明も順番にいただいて、委員のほうで評価して次の説明に移るという形になっています。
 最初にグループ1、「法人全体の業務運営の改善に関する事項」及び「業務運営の効率化に関する事項」、評価項目の1から4について評価したいと思っています。
 法人からの説明は大体30分、委員の質問や書き込む時間は、ちょっと少ないのですが大体10分ほど、トータル40分でやっていきたいと思います。それでは、最初に法人のほうからご説明をお願いします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 総務企画部企画室長の風間でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 平成22年度の業務実績評価シート、実績評価についてご説明をさせていただきます。資料としては資料1-2、パワーポイントの資料を中心にご説明をさせていただきます。そのほか、資料1-3としてA3の大きい資料になりますけれども、「平成22年度業務実績評価シート」、それから資料1-4、「平成22年度業務実績評価別添資料」ということで、政・独委から示されている視点に沿った形で資料を作成させていただいています。
 それから資料1-5、今回のパワーポイント等の資料の中で参考となるものを添付資料としてお付けしています。後ほどご覧いただければと思います。資料1-6が「事業実績経年資料」ということで、数値目標等を中心にして過去からの推移がご覧いただけるかと思います。これも後ほどご参考にしていただければと思います。そして、資料1-7が「評定記入用紙」となっています。
 まず、資料1-2をお開きください。パワーポイント資料で1頁に2コマ入っているものとなります。まず最初にパート1、評価項目は4つになります。1頁がパート1の4項目という形になります。
 最初の評価項目、「効率的かつ効果的な業務運営体制の整備」、資料は2頁をご覧いただければと思います。ここは自己評価Sとさせていただきました。その理由について簡単に申し上げた後に、各内容について具体的なご説明をさせていただければと思っています。
 まず2頁、平成22年度におきましては、トップマネジメント機能を補佐する経営企画会議を効率的かつ効果的に開催し、理事長の意向が組織運営に反映される統制環境の整備を推進することができました。
 平成22年7月には「お客さまの声」制度を創設、お客さまのニーズに基づく業務改善活動を推進しました。それから、冒頭、理事長からもお話がありましたように役員の減、管理職の大幅削減を行うなど組織のスリム化を図り、効率的かつ効果的な業務運営体制の確立を推進することができました。
 平成23年3月の東日本大震災において被災された皆さまに対し、災害復旧貸付など特別措置を講じるとともに、専用回線による土・日・祝日の電話対応をさせていただくなど、円滑、迅速かつきめ細かな対応をすることができました。以上のことから効果的、効率的な業務運営体制の整備に資する取組を定めた年度計画を大幅に上回るというところでS評価とさせていただいたところです。
 それでは、具体的な内容についてご説明いたします。まず、4頁です。組織のスリム化についてご説明いたします。まず、平成22年4月に何をしたかというところについては理事の削減で、役員ポスト1名減をしています。それから、業務の実態を踏まえつつ、組織のスリム化というところで年金貸付部と大阪支店の再編を行い、課長ポストを2名減をしています。
 さらに、平成22年度中にいろいろ検討を重ねた結果、平成23年4月に大幅な組織改編をさせていただくこととなりました。具体的には左にありますように管理部門の再編ということで、以前は総務部、企画指導部、情報システム部と3部ありましたが、こちらを現在の総務企画部の中に一元化し、部長ポスト2名減しました。これは大きな見直しとなっております。大阪支店の管理部門の縮小というところで、次長ポストを1名減といった形で管理部門を再編しました。
 それから、助成事業部についても課長ポストを1名減、業務の効果的・効率的な体制整備ということで、従前の管理部と企画指導部の中に経営支援室というのがあったのですが、ここを統合することで顧客サポート体制の強化を図りました。
 いちばん最後、(参考)として記載させていただきましたけれども、独法の設立以降、平成15年10月以降になりますが、理事が1名減、部長が4名減、次長2名減、課長10名減ということで、かなり大幅な縮減を図っている状況です。
 次の5頁、経営企画会議等の運営についてです。平成22年度における経営企画会議ですが、回数的には16回開催しております。この中で重要事項への対応というところで、理事長の発案による全役員による平成22年度の重点目標の指示を4月1日に実施しています。それから、事業仕分けを踏まえた機構の改革案の検討をさせていただきました。これと併せて業務推進状況の監視ということで、品質マネジメント・システムの運用によって、定期的な業務進捗状況の確認、プロセスの監視等を行っています。
 この経営企画会議の最後には、毎回理事長所感というものを発信していただいています。理事長の経営姿勢、考え方を役職員に周知を図る。この経営企画会議の場のみならず、経営企画会議終了後、イントラネットにおいて機構の職員がいつでも、理事長がどういった考えを持たれているかを確認できるような対応もさせていただいています。このように、理事長の意向が組織の運営に反映される統制環境の整備が、推進できたと考えています。
 6頁、業務間の連携強化、平成20年10月に経営理念を策定しておりますけれども、こちらを具体化するという意味で、平成22年度に事業仕分けの関係で若干スタートが遅れましたけれども、平成23年1月から2つのプロジェクトを立ち上げ、福祉と医療の民間活動を支援していこうと考えています。
 それから関係各部との連携の強化、左下にあります「お客さまの声」の創設、こういったものについて対応させていただいたというところでございます。
 7頁は省略させていただき、8頁になります。先ほどの「お客さまの声」制度は平成22年7月に創設しています。こちらにつきましては国民、お客さまからのご意見・ご要望をお伺いし、お客さまの声を業務の改善につなげていくという形を取っています。
 改善事例ということで3つほど掲げています。例えば医療貸付事業におきましては、「申込書の一部を電子媒体で提出したい」という声があり、こういったものについては平成23年度から電子での受付が可能となるような対応をさせていただきました。退職手当共済事業におきましては「利用時間、タイムアウトの時間が短い」という声がありましたので、ここは1時間延長するとか、年金担保貸付事業ではリーフレットをホームページに掲載して、いつでもダウンロードできるような体制を取っているのですが、「字が小さ過ぎる」という声もありました。ご利用される方がやはり高齢の方ということもありますので、ここは文字サイズを修正できるような形を取らせていただいております。
 9頁、東日本大震災に係る迅速な対応で、先ほど理事長からもご説明がありましたが特別措置の内容して、福祉医療貸付事業にかかわらず、それ以外の事業でも年金担保貸付、年金住宅融資や退職手当共済といったものについても、福祉医療の専門機関として幅広く、総合的に支援していこうということで特別措置を講じています。
 右をご覧いただきますと、随時、ホームページで公表させていただくとともに、右下にありますように6部門において特別相談窓口を設け、平日は9時から19時まで、土・日につきましても9時から17時まで対応させていただいたというところです。
 評価項目2つ目の「業務管理の充実」、10頁になります。まず自己評定Sとした理由を簡単に申し上げますと、平成22年度におきましてはISO9001に基づく品質マネジメントシステムの運用を通じ、継続的な改善活動を推進するとともに、法人運営に伴い発生する業務上のリスクについて、「リスク対応計画」に基づき適切に対応することができました。
 それから、先ほど理事長からもありました内部統制の取組の一環として、法令の遵守に関する規程の制定やコンプライアンス委員会の設置、職員意見箱の設置、内部通報制度の策定など、ガバナンス態勢のさらなる強化を図ることができました。
 「改善アイデア提案制度」を運用しておりますが、こちらにつきましても職員の創意工夫による改善活動の活性化を図ることができました。これは後ほど、また詳しくご説明をさせていただければと思います。
 平成23年3月に発生しました東日本大震災におきましては、ちょうどその1カ月前に事業継続計画を策定いたしました。これに基づき、緊急対策業務を実施することができました。こういった観点から、年度計画を大幅に上回る実績をあげることができたということでSとさせていただきました。
 具体的な内容は次の11頁からになります。品質マネジメント・システムの運用というところ、平成17年1月に遡りますけれども、ISO9001の認証登録をさせていただきました。3年ごとに更新審査という形になるのですが、平成22年度末において更新審査を受け、その3月に審査登録機関より「非常に水準の高いQMSが構築されている」といった評価をいただいているところです。
 平成22年度の取組としては、全部署を対象に内部監査を実施して是正・予防措置の充実、それから事務リスク等を抽出した上でフォローアップを行うとともに、同監査において業務改善に資する提案を行うことにより、継続的改善活動を推進することができました。PDCAサイクルでぐるぐる回しているという状況です。引続きQMSの運用を通じ、是正・予防措置の充実、事務リスク等を抽出した上でフォローアップなどを行う等、継続的な業務改善活動を推進してまいりたいと考えています。
 12頁はガバナンス態勢の構築です。先ほど理事長からもご説明がありましたので、説明は割愛をさせていただきます。
 少し飛びまして、16頁です。業務改善活動の活性化で、平成19年度から職員の改善アイデア提案制度というものを創設しています。平成22年度も引き続き対応させていただきました。応募件数18件というところなのですが、優良提案の選定や実現に向けた取組をさせていただきました。具体的には点線で書かれていますように機構業務へのGISの活用とあります。このGISというのは地理情報システムで、右をご覧いただきますと、小さくて見にくいのですが、例えばデータの組合わせにより新たな情報の作成・解析の視覚化となります。例えば左上、原発20キロ圏内の施設がどこにあるのかとか、沿岸部の施設がどこにあるのか。中ほどの資料になりますと、今度は等高線別に施設が見られるような形になります。こういったものも、貸付の審査会等に活用しています。そういうことで、職員の創意工夫による改善活動を活性化するとともに、職員の意識改革・意欲向上にもつながっていると考えています。
 17頁、ALMシステムの活用など、金利リスク等の抑制に努めているかというところです。分析の結果、貸付金の回収と借入金の返済というキャッシュフローのミスマッチについては、前年度に比べて縮小しているということで、将来の金利変動リスクによる財務への影響というのは低下しているということを確認させていただきました。
 個人情報保護の徹底、セキュリティ対策の充実では個人情報保護マニュアルの見直し、個人情報保護方針の策定を行っています。それから自己点検調査の実施、e-ラーニング形式による研修といったものを実施させていただきました。
 評価項目の3番目、「業務・システムの効率化と情報化の推進」、18頁をご覧ください。こちらについては自己評定Aとさせていただいています。
 具体的な中身については19頁からです。まず1点目は業務・システムの最適化計画の関係です。評価の視点にありますように経費の節減、随意契約の見直しを図っているかというところになります。中ほどをご覧いただきますと、まず左側の退職手当共済事業です。こちらについては公平性、透明性に配慮した調達をするため、システム運用・補修については複数年の契約、入力作業については単年度契約を前提として、平成23年1月に一般競争とし、業者を選定したというのが1点あります。
 システムの機能の改善という意味では、利用率を向上させる、お客さまの声を聞きながらシステムを改善し利用率が向上しました。ここはまた退職手当共済事業で詳しくご説明をさせていただければと思います。
 中ほどの貸付の関係ですが、事業報告書の電子届出システムの機能改善についても、機能改善をすることにより利用率をアップさせることができました。右の年金担保貸付事業・承継年金住宅の業務も、先ほどの退職手当共済事業と同様、システム運用・補修、入力作業でシステム運用については複数年契約、入力作業については単年度契約ということで、これも同様に平成23年1月に業者選定を一般競争入札で行いました。こういった点で、前年に比べてコスト的には1,500万円ほど削減を図ることができました。
 右下、WAMNETの事業につきましては、事業仕分けの方向に沿った形で見直しをかけているという状況です。
 20頁、業務・システム最適化計画以外のシステムはどうなのか。こちらについても継続的な改善が求められているということで、それぞれ貸付事業システム、経営分析システム、稟議・決裁システムを随時変更させていただき、実施をしているという状況となります。
 その次の21頁、情報化推進体制の強化というところ、中ほどの情報化の進展により変化する諸環境への対応が必要ということで、情報化推進体制の強化、IT技術に精通した人材の育成、ITに関する技能の習得を推進について、CIO、CIO補佐官を中心として平成23年度情報化推進計画を作成するとともに、IT技術に精通した人材の育成、ITに関する技能の習得を推進するなど、情報化の推進に対応できる体制を整備いたしました。
 評価項目4、「経費の節減」、22頁です。こちらにつきましては、随意契約の適正化というところで、随意契約の件数が平成20年度と22年度を比べると大幅に減らすことができました。それから、業務方法の改善による事務の効率化は見直しによってコストを削減いたしました。併せて、職員に対するコスト意識を徹底することで、職員のコストに対する考え方も変わってきたということも挙げられるかと思います。
 一般管理費等の節減、平成22年度予算に比べ21.9%と、目標をはるかに上回る削減をすることができました。それから人件費の削減は、17年度実績に比べ年1%、5年間で5%という削減目標に対し13%の削減をすることができました。
 具体的な内容は次の頁以降になります。まず、23頁の随意契約の適正化についてです。随意契約等見直し計画を平成21年11月17日の閣議決定に基づいて策定しました。他の独法を含めて同様の対応をさせていただいております。下の棒グラフにありますように、今回の随意契約等見直し計画というのは平成20年度実績に対してどうだったかで、平成20年度は22件、24億円ほどの随意契約があったものが、平成22年度におきましては7件、4億4,500万円となり、平成20年度より15件、20億円減少している状況です。
 見直し計画は6件ということで、1件増えています。こちらについては、右のをご覧いただきますと「計画より1件多くなった理由」というところで、平成20年度において契約のなかった大阪支店の事務所の賃借料締結がありました。こういった事務所の部分についてはやむを得ないものだろうと考えています。このように、随意契約の見直し計画に基づく取組を着実に実施して、随意契約の適正化を今後も推進してまいりたいと考えています。
 24頁になります。競争性・透明性の確保・監事等のチェックです。内部によるチェック、外部によるチェックと両方でチェックをかけている。まず上の部分になりますが、福祉医療機構内部によるチェックということで契約審査会を開催させていただいています。ここでは契約方法、仕様書の内容についてこれで良いかを決定する。それとは別に各評価委員会において、具体的な部分では技術点の評価、企画書等の評価といったものを行って契約を締結しています。
 もう1点、下から上に矢印が出ておりますが、機構の監事、外部委員から構成される「契約監視委員会」、これは随意契約等見直し計画の中の目玉となっている部分ではあるのですが、こういった契約監視委員会を設置し、随意契約の見直しの状況や一般競争等の競争性の確保を点検しているという外部からのものがございます。こういったものでチェックをかけながら契約の締結をしている。その結果、先ほど申し上げた随意契約がかなり大幅に減っている状況となります。
 25頁の業務方法の改善等による事務効率化です。評価の視点として業務の方法をどのように改善し、業務の効率化を図っているかという中でいくつか例示を挙げました。例えば、左からご覧いただきますと執務室・社内通路の部分消灯の徹底ということで、金額に換算すると約100万円ほど減少しております。それから、出張におけるパック商品の利用で約690万円ほど、大きなところでは右下の郵便料金の削減で郵便局のレターパックの導入をいたしました。これが意外と金額が大きくて、1,800万円ほど削減することができました。
 リーフレットについても一括発注をかけるとか、部数の見直しをすることで削減する。コピーにつきましても両面コピー、1枚に2枚入れるといったことをさせていただく。上の部分ですと会議資料のペーパレス化、こういったような内容により年間約4,300万円ほどの削減効果が現れています。先ほど申し上げたとおり業務の効率化、経費の節減の観点から各種取組を実施し、コストの削減を図るということで、金額的な削減もさることながら、各職員にコスト意識が徹底されたというところでも大きな効果があがったものと思われます。
 26頁、一般管理費等の節減というところです。評価の視点としては、平成19年度予算と比べて第2期中期目標期間中15.5%、各年度3.1%が目標となっています。そして、左をご覧いただきますと、平成19年度を基準としていますので、平成22年度の実績については21.9%、金額的には13億8,000万円と大幅な削減を図っているという状況です。
 次の27頁は「人件費の削減」です。評価の視点としては、平成18年度以降5年間で、平成17年度に比べて5%以上削減する。それから、機構の給与水準について適切に取り組んでいるかというのが評価の視点となっています。左下、人件費の実績推移をご覧いただきますと、平成21年度は20億9,700万円、これが22年度は20億2,200万円ということで、平成17年度に比べて13%、約4億円減ということで、人件費につきましても大幅な減少となっています。その結果、ラスパイレス指数の推移、右下のグラフをご覧いただきますと、地域・学歴勘案というところで、平成21年度では103.5ポイントが22年度においては102.2ポイントと、1.3ポイントの減という形になります。これにつきましては、6月の末に機構のホームページで公表させていただいているところです。
 次の28頁、給与水準の検証です。現段階においても、国家公務員は地域・学歴勘案でも102.2と上回っていることになります。その理由として、大きく4つ挙げています。中ほどの左、民間の金融部門の給与実態を勘案しているということ、管理職比率が高いということになります。これは特殊法人改革の中で、いろいろな事業を機構に集約をしているということがありますので、若干管理職比率が高くなっている。そうは言っても、平成21年から22年に比べましては、右下にございますように平成21年度19.2%が22年度は18.6%ということで、先ほど挙げた部長、次長、課長等の大幅な減によって減少傾向にあるということです。
 それから、大卒の比率が高いというところで、国家公務員51.6%に対して機構88%、学歴構成による差が出ていること。それから、在勤地が東京や大阪というところで若干高くなっているという状況です。
 右下をご覧いただきますと、給与水準についての説明というところで、平成16年度において全職員の昇給を停止するとか、随時スリム化などさせていただいています。また、国家公務員と同じ率を下げていくと、ラスパイレス指数についてはいつまでたっても縮小しませんので、○の4つ目にありますように、平成22年4月に本俸基準表引下げというところで機構独自の削減措置を図っている。このような結果、102.2%ということで、対前年に比べると1.3ポイント減少しているというところです。これにつきましては、機構のホームページで公表させていただいているという状況です。
 以上がパート1の説明となります。よろしくお願いいたします。

○真野部会長
 ありがとうございました。それでは、以上のご説明に対して、質問はありますでしょうか。シートを記入しながらでお願いします。今回、あまり時間がありませんので、よろしくお願いします。もちろん質問はしていただいていいのですが、記入のほうも時間内にされたい方は、早目にお願いします。何かご質問どうでしょうか。
 では、私のほうから1つ。ポストとか人件費等の削減が非常にうまくいったという部分があると思うのですが、もちろんそうなのですけれども、これは裏を返すと、いまお見えの方々に負荷が増えている可能性もあるのかなという感じもしますので、ここはどのように効率化されたのかというところをお聞かせいただけますか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 効率化については、例えば人の関係では、かなり人件費を削減している。それから、最後の説明にもありましたように、人員を削減している。本来であれば、補充をしてやっていくべきところもあるのですけれども、そういったところで人は補充をしないで本当に真に必要な業務を残していくという取組をしたり、人材派遣を一部、時期的に必要になったときに採用するとか、そういったことをやりながら、かなり厳しい状況ではありますが、対応させていただいている状況です。

○真野部会長
 いろいろな業務が福祉医療機構に混ざってしまったということもあり、その辺も含め、効率化を着実に進行させているという理解でよろしいでしょうかね。他は、いかがですか。

○浅野委員
 2点ほどお尋ねしたいのですが、今回東日本大震災の影響が非常にあり、それに対して迅速に対応されたというお話だったのですけれども、機構自身が事業継続性というところで、今回何か課題が見出されたとか、それに対して新しい組織も何か作られているようなので、その辺についてお伺いしたいのが1点と、それから品質管理システムをISO9001をずっと取られているのですけれども、その中で多分監査のときに報告書が出ると思うのですね。どういう指摘事項があって、どういう対応をいままでされているのかを簡単にお教えいただければと思うのですが。

○福祉医療機構理事
 2つのご質問のうち、はじめのご質問、事業継続性の問題について最初にお答えいたします。3月11日の大震災を受けまして、私どもも5強の揺れで、9階、10階に位置しますので、相当程度の揺れを受けました。損害も書庫のガラスが割れたり、結構いろいろ上から落ちてきたり、ライトが落ちてきたりという損害も受けたわけですが、幸いコンピュータシステムその他も5強の揺れでは問題はなかったわけです。しかし、ご指摘のように、6強、あるいは7というような直下型の地震が起きたときのことを想定して、改めて私どもの内部の業務継続性についての計画を見直している段階であります。中で業務が遂行できる状態にはないというのが、6強、7の想定すべき被害となりますと、機構の外でどうやって現在のお客さまとの関係を維持するかというのが課題になります。幸い私どもは大阪支店がありまして、そちらのほうにバックアップコンピュータを用意しておりますから、それをいかにして早く運用できるように持っていくかということが1つの課題であります。
 また、2番目として、本部にある各種サーバーのダウンをどれだけ抑えることができるのかというのが課題となるかと考えています。そのためには、いま話題のクラウドシステム、コンピュータ分散、外に配置するというのがある意味では、いちばん簡単なわけでありますけれども、本部機能をどこで立ち上げて、今回のように現地で3日から1週間の間に対応しなければならない、対外的な問題のないことを確認していくためには、単にクラウドというような選択だけではできないだろうと。1週間後に大阪の事務所のサポートコンピュータを立ち上げて、それで十分な機能を発揮するまでの間を既存の私どもの事務所、あるいは例えば周辺にある宿舎などの活用などの視点というのが改めてないのかどうか、そういう点も幅広に考えて、事業継続性を維持していくことを現在検討している最中です。

○福祉医療機構総務企画室長
 それでは、2点目のISOの関係ですけれども、もともとISOを認証、取得する際も、独立行政法人ということもあり、規程等がかなり整備されており、最初からあまり大きな指摘はほとんどされていません。ただし、一部軽微なものについてはありまして、具体的な内容を申し上げれば、目標設定に当たっては、数値化してみたらどうかという内容がありました。また、私どもの理事長からも可視化をしなさいと言われておりますので、そういった声を聞きながら可能なかぎり、中期計画や年度計画中に数値化する取組みをしています。平成23年度計画においても、いくつか数値を新たに追加させていただいたというような対応をさせていただいています。

○浅野委員
 どうも、ありがとうございました。

○真野部会長
 他の先生方、よろしいでしょうか。

○松原委員
 大震災に対しての土日の相談窓口の対応をなさるなど、非常に円滑、迅速な対応をなさって、正に公益的な役割を担いつつ、民間としての迅速な対応を行うということで、独法のあるべき姿を示していただいたと思っています。ただ、この点について、いままでやっていなかったことをなさったということなので、例えば平日働いている人の一部を土日も働くようにしてシフトをしたりしたのか、または一部外注したりしたのか、それによるコスト増もあったと思うのですね。コスト増が悪いというのではなくて、必要なことですから、こういうことでこれぐらいのコスト増があったという情報の共有を、委員でできればと思います。

○福祉医療機構総務企画室長
 対応については、基本的に一切外注はしておりません。内部職員の遣り繰りでさせていただいています。土日の対応についても、必ず代休を取っていただくという形でローテーションを組んで、対応をさせていただいているという状況です。コストと言えるかどうかわかりませんけれども、先ほど理事長からもお話がありましたけれども、4月の連休を含めて役職員が現地に行ってお客さまの声を聞くとか、そういった要望を聞きながら補正予算に繋げて行くとか、被災地に行き、出前の相談会を実施させていただく。そういう意味で、費用がかかっていないということはないのですけれども、それは顧客サービス向上のためにやむを得ないものだろうと考えております。

○松原委員
 ありがとうございました。

○大島委員
 今日の評価なのですが、平成22年度計画に対して、平成22年度の業務実績についての評価でよろしいですよね。ですから、例えば3月の20日間だけですけれども、そこのところは計画になく、そのいろいろなことをされたことは、多分その後おありだったと思うのですが、今日の評価は3月31日までの評価でよろしいということで、確認させていただいていいですか。

○政策評価官室長補佐
 はい。

○福祉医療機構理事
 20日間でしたが、独法の中では、相当早い時点から対応措置を講じまして、まずは被災された顧客の皆さまへの連絡、あるいは債務、支払いが3月末に近づいているものに対しては、自動的に私どものほうから銀行の自動引き落としを停止しまして、支払いを猶予するなど、20日間といえどもやることは大変たくさんありました。一言申し上げます。

○真野部会長
 ありがとうございました。そろそろ時間ともなってまいりましたので、委員の先生方は評価シートのほうの記入は何となくできたように感じています。
 では、次にグループ2、「業務の質の向上に関する事項」、こちらから評価項目の5から8について評価を行いたいと思います。法人の説明は、前回と同じ30分ということで、委員のほうは若干質問も多いかもしれませんが、10分から15分ぐらいで済ませて行きたいと思います。では、よろしくお願いします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 それでは、引き続きまして、パート2、「業務の質の向上に関する事項」ということで、福祉貸付事業、医療貸付事業、共通事項である債権管理、福祉医療経営指導事業の4つの項目についてご説明をしたいと思います。
 まず、31頁、福祉貸付事業です。こちらについては、自己評定Sとしています。Sとした理由ですけれども、平成22年度においては、政策融資の果たすべき役割を踏まえ、介護基盤の緊急整備、耐震化整備、新待機児童ゼロ作戦に伴う保育所等の整備など、増大する利用者ニーズに迅速かつ的確に対応し、円滑な施設整備を支援することができました。
 お客さまからの要望の多かった、ユニット型特養の償還期間は、平成21年度までは20年でしたが、平成22年度からは25年に延長することによって、キャッシュフローを改善させる目的で償還期間の延長をさせていただきました。それから、社会福祉法人における保証人免除制度を創設いたしました。このようなことから、お客さまの目線に立った利用しやすい、融資環境を整備することができたのではないかと考えます。
 それから、先ほどの震災の関係です。3月の20日間ということではありますけれども、機構のホームページにおいて、融資限度額、融資率、償還期間の優遇措置を講じた災害復旧対応についての周知を図りました。
 このようなことから、国の目指す福祉、介護サービスを安定的かつ効果的に提供する基盤整備を支援する取組を定めた年度計画を、大幅に上回る実績を上げることができただろうということで、S評価とさせていただきました。
 具体的な内容については、32頁をご覧いただければと思います。福祉貸付事業の実績で、まず、平成22年度の審査実績は、金額的には老人福祉関係施設が大半を占めております。平成21年度の件数699件に対し、平成22年度においてはトータル1432件となり、対前年度比205%、金額ベースでは、231%で、件数・金額ともに大幅に増加しているという状況です。
 33頁、福祉貸付事業における融資方針の策定です。政策融資制度に即した効果的かつ効率的な政策融資を実施するため、平成22年度の融資方針を策定して、これに基づき事業を実施しました。こちらについては、ホームページ等で公表し、また都道府県等に通知を行うことにより、幅広く周知を図るような対応を取っています。
 34頁、福祉貸付事業に係る政策適合性についてです。ご承知のところではありますけれども、中ほどのところをご覧いただきますと、社会福祉施設等の特徴というところで、小規模零細、担保処分が困難とか、低収益構造など、なかなか資金調達がしにくいという特徴があります。そういった中で、左上にありますように、介護基盤の緊急整備ということで、融資率の引下げ、金利の優遇を行うことによって、支援をさせていただきました。それから、上にある保育所等の整備で、待機児童の解消を推進するために、こういった保育所の整備に対して優遇融資を実施している。こういったことから、国の政策に即して民間の社会福祉施設等の施設運営の支援をしてきたということになります。
 35頁、融資条件の優遇措置の内容と実績で、大きなところでは上の2つになりますが、介護基盤の緊急整備で、融資率の引上げ、金利の引下げといったことを対応させていただいて、555件、1,891億円、保育所の整備で、融資率の引上げをして、542件、332億円を実施させていただきました。政策融資の果たすべき役割を踏まえ、いま申し上げた介護基盤の緊急整備、保育所等の整備で、地域における社会福祉施設の安定的な経営を支援してまいりました。
 36頁です。利用者ニーズに即した融資制度の創設で、大きく2つほど記載しています。先ほど申し上げたとおり、ユニット型特養の償還期間の延長で、いろいろ施設経営者等からの要望がありまして、平成22年4月から償還期間20年を25年に延長したところです。下のグラフをご覧いただきますと、20年で返済した場合より、25年で返済した場合の方が、キャッシュフローが改善しておりまして、施設の安定経営に寄与することとなります。この融資制度の利用率は全体の約66%で、かなり多くの方がご利用されている状況です。右をご覧いただきますと、保証人の免除というのがありますが、やはりこちらも借入れの額がかなりの多額になってまいります。その中で、なかなか厳しいという声が上がっています。そういった意味で、平成22年4月から個人保証を要さない融資制度を創設いたしました。これは、具体的には金利に上乗せするというもので、通常の金利に0.05%とかなり低い金利ですけれども、こちらを上乗せすることによって、保証人を免除するという制度を平成22年度4月から導入させていただきました。利用率は73%で、かなり多くの方がご利用されているという状況です。
 37頁です。地域密着型サービスに対する融資で、小規模な特別養護老人ホームが197件、小規模多機能が24件、認知症グループホーム92件で、このうち介護保険制度の改革に伴い、平成18年度から創設された小規模多機能の部分で対応させていただいて、今後はこちらが伸びてくるものと考えています。
 中ほどの補助採択事業への融資ということで、90%がいわゆる補助裏融資にはなりますけれども、右にありますように、補助なしについても、福祉政策上必要と認められる事業に関しては、ご融資をさせていただいている状況です。
 このように、福祉、介護サービスを安定的かつ効果的に提供するための基盤整備を支援しているという状況です。
 38頁、東日本大震災に対する迅速な対応で、ここは特別措置をご覧いただくと、融資率を引き上げたり、無利子とすることができるとしたところです。
 39頁、利用者サービスの向上で、評価の視点については利用者サービスの向上を図るため、融資相談等を充実しているかという内容です。大きく4項目掲げていますが、事業計画の早期段階から融資相談に応じて、利用者のニーズの把握とか、建物の機能性について助言をするといったことを対応させていただいています。それから、右のほうになりますと、融資のポイント、申込書の手順を整理したものになりますけれども、こういったものを説明させていただいて、事務手続き、審査の要点について周知をするということで、ご利用される方、または私どもを含めて、相互にかなり有益な情報提供をさせていただいているという状況です。それから、左下になりますが、施設整備の支援で、ユニット型特養の融資先に対して調査を実施しました。その内容について稼働状況、ハード、ソフトの両面の有効性とか、反省点などを取りまとめて、それを参考としてご利用されている方に情報提供をさせていただきました。また、借入申込書類の簡素化で、平成23年度から大幅な簡素化を図る計画に対して、前倒しをして、平成22年度中に30%以上の簡素化を実現することができました。
 40頁、協調融資制度の充実というところで、こちらについて社会福祉法人が民間金融機関から資金調達を円滑に行えることを目的として、平成17年度に運用を開始したものです。当時は、介護保険施設に限定しておりましたが、平成20年度から福祉貸付全体について、対象を拡大してきております。現在、協調融資案件が273件あります。その資金構成割合としては機構が約57%、協調融資が10%、補助金が27%という資金構成となっています。さらに、協調融資制度の適切な運用として、取扱っていただける金融機関を増やしていこうということで、いろいろな制度周知をさせていただくとともに、覚書締結金融機関の拡大をさせていただきました。平成21年度の255機関から平成22年度については276機関ということで、21機関ではありますが増加をしています。引き続き制度周知、覚書締結金融機関の拡大を図って、民間資金の活用を促進して行きたいと考えています。
 42頁、審査・資金交付業務の事務処理期間の短縮ということで、75日以内に審査を終えるという目標があります。これについて、実績としては34日ということで、平成19年度以降、30日以内で推移しているという状況です。資金交付については資金交付した1,726件全て請求後15日以内に資金交付を実施するということで、速やかな対応をさせていただいているところです。
 44頁、評価項目の6番目、医療貸付事業は、昨年S評価をいただいたところですけれども、今年度もS評価とさせていただいた理由について、冒頭に述べさせていただきたいと思います。平成22年度においては、政府の推進する耐震化整備事業の支援として、耐震基準を満たすために補強改修工事、建て替え整備を行う病院の融資について、優遇融資を実施するなど、増大するニーズに迅速かつ的確に対応し、円滑な施設整備を支援することができました。経済情勢の急激な悪化等により、一時的に資金不足が生じている医療機関に対する経営安定化資金、出産育児金の直接支払い制度の実施に伴い、一時的な資金不足となる産科医療機関に対する経営安定化資金など、これらについて、融資条件の優遇措置を講じて、機動的な融資を実施することができました。東日本大震災については、福祉貸付と同様に対応させていただきました。こういったことから、国の目指す医療サービスを安定的かつ効果的に提供する基盤整備を支援する取組を定めた年度計画を大幅に上回る実績を上げたというところで、S評価とさせていただきました。
 具体的には、45頁から説明したいと思います。医療貸付事業の実績で、左上の件数ですが、393件で、実は前年度平成21年度については、件数は全体で836件ご融資させていただきました。このことから、836件から393件ということで、大幅に減少しているように見えるのですが、先ほど申し上げた836件の80%が経済情勢の関係、出産育児金の関係の経営安定化資金のご融資で、こちらが670件ほど前年度に含まれている関係上、施設整備に限定した部分からしますと、45頁の下に書かれているように、病院に限定しますが、件数は平成21年度43件が平成22年度118件で、274%の増加となります。金額ベースでご覧いただきますと、対前年度比170%の増加で、件数・金額とも大幅に伸びている状況です。
 46頁は、施設整備に限定した部分で再掲をさせていただいています。いま申し上げた左側の件数ですけれども、全体をご覧いただくと、平成21年度165件が平成22年度242件で、対前年度比147%、金額については、右の棒グラフになりますが、平成21年度788億円が平成22年度1,962億円で、対前年度比249%の増となります。
 47頁、病院の施設整備に対する融資の特徴で、医療の機能分化の推進ということで、特定病院に対する融資をさせていただいています。特定病院は下に書かれているように、地域医療支援病院とか、こういったものについては、限度額を引き上げてご融資をさせていただいています。耐震化整備事業に対する融資では、全体の約8割が耐震化ということになります。中小企業病院に対する融資は、財政基盤が脆弱で資金調達に困難を伴う部分がありますので、融資率を優遇して、対応させていただいています。
 48頁、医療貸付事業に係る政策適合性ですが、中ほどに福祉と同様に医療機関を取り巻く現状・課題について書かせていただいています。民間金融からの貸出態度の悪化とか、これは医療機関も御多分に漏れずこういった状況となっています。それからその下の老朽化対応ということで、耐震化整備がまだ進んでいないということが上げられます。診療報酬のマイナス改定が以前までありましたので、経営体力の低下が見られるという状況になります。こういった中で、一番大きなところは、左になりますが、安心・安全の確保ということから、耐震化整備を推進すること。それから、昨年が特に大きな需要がありましたが、緊急的な経営資金ということで、医療施設の安定経営を支援するために、こういった経営資金をご融資させていただきました。それから出産育児金の制度見直しの関係ですが、これに伴うタイムラグを埋めるということで、経営安定化資金をご融資させていただいています。こういったことで、国の医療政策に即して民間の医療機関等の経営施設運営を支援してまいりました。
 49頁です。医療貸付における融資の特徴ということで、件数・金額で前年とどう違うのかをグラフにしました。まず、左側の件数をご覧いただきますと、平成21年度経営安定化資金が、全体の約8割を占めていました。右をご覧いただきますと、これが、36%、約4割弱ということで半減しています。その代わり、耐震化が平成21年度2.1%だったものが、平成22年度には23%で、件数的には大幅に伸びています。金額的には、右をご覧いただくと、耐震化が平成21年度22%が、金額は65%になっています。経営安定化資金は、若干落ち着いてきたということもあり、平成22年度については6.3%ということで、減少しているという状況です。
 50頁、融資条件の優遇措置の内容と実績で、大きなところでは上の2つになりますが、緊急的な経営資金で、先ほどの医療施設の安定経営を支援して、金利の見直しを図って、調達を変えることによって、金利を優遇したという点、償還期間を延長するということで、キャッシュフローの改善をした点、先ほどの保証人要件の緩和ということで、2名を1名にしている点。こういったことにより、101件、123億円という融資をさせていただきました。耐震化整備ですけれども、医療施設の耐震化推進のため、融資率の引き上げ、優遇金利を適用する。金額についても総事業費から交付金を引いた額を対象とするということで、目一杯借りていただける形を取らせていただきました。こういうことで、94件、1,374億円ということで対応させていただいて、地域における医療施設の安定的な経営を支援させていただいたというところです。
 51頁、経営安定化資金による支援です。政府において策定された「経済危機対策」の一環として、経営安定化資金や出産育児一時金の直接支払制度の実施に伴う経営安定化資金の機動的な融資をさせていただきました。こちらについては、経済情勢の悪化に伴う経営安定化資金101件、123億円、出産育児一時金制度の見直しに伴う経営安定化資金について、タイムラグ部分について48件、10億円ほどご融資をさせていただいたこと。これらにより、医療機関における一時的な資金不足を支援することにより、経営の安定化を支援することができたと考えています。
 52頁、利用者のニーズに即した迅速かつ適切な優遇融資の実施で、いま申し上げた経済情勢の悪化に伴う経営安定化支援ということで、逐次条件改正をさせていただいたこと。中ほどの出産育児金の部分についても、条件の見直しをさせていただいたこと。最後になりますけれども、保証人免除についても、医療貸付についても対応したこと。ただし、医療貸付については、いろいろ貸し倒れ等の問題もありますので、福祉は0.05%のオンコストに対して、医療は0.2%で、福祉に比べると若干金利は高いというのがありますが、個人保証を要しない融資制度を新たに作りました。こちらについては、利用率15%、51件の方がご利用されている状況です。
 53頁、東日本大震災の関係ですが、こちらについてもいろいろな優遇をしました。中身は省略をします。
 54頁、審査・資金交付業務の事務処理期間の短縮で、処理期間45日の目標に対し、22日で、目標を達成しています。資金交付処理期間についても、478件全てにおいて、15日以内に資金交付を実施しており、計画を大きく上回る状況となっています。
 55頁、評価項目7、「福祉医療貸付事業(債権管理)」となっていて、中身的には福祉医療の共通事項に関する内容をここで整理しています。評価項目7の総括、新規融資額の縮減で、利用者ニーズの増大により、平成22年度の新規融資額は3,061億円で、平成21年度に比べると166%の増加となっています。2つ目として、利差益の確保で、安定的な事業運営を図る観点から、利差益を確保する形で結果的には利差益を確保することができました。次に貸付対象の見直しで、基本的にスクラップ・アンド・ビルドでやっていくのですけれども、政策優先度の高い事業に対しては、優遇措置を講じることをしました。リスク管理債権比率ですが、平成22年度においては2.67%で、目標の1.56%は達成できませんでしたが、貸付条件緩和措置を講じて、施設の維持・存続を支援することができたと考えています。
 56頁、具体的な内容は、まず、先ほどお話した、1点目の新規融資額の縮減で、平成17年度の新規融資額の実績と比べて、20%縮減を中期目標に記載しています。取組状況をご覧いただくと、平成17年度実績が4,026億円、平成22年度は3,061億円で、平成17年度に比べると24%の減で、これ自体は目標は達成しているという状況です。新規融資額の縮減の考え方ですけれども、平成18年度の勧告の方向性、平成19年度の整理合理化計画で、新規融資額の縮減が求められています。その後、いろいろ状況が変わってまいりまして、中程にあるように、福祉医療施設を取りまく経営環境の変化で、保育所整備や、介護基盤の緊急整備、耐震化などの政策に基づき、機構の融資が求められている。そういう状況の中で、利用者ニーズの増大について、次に掲げているように、行政刷新会議の事業仕分けのコメントの中にもニーズは多くあることを付記するというコメントが付けられています。機構としては、政策融資の果たすべき役割を踏まえ、福祉医療施設を取りまく経営環境の変化に柔軟に対応し、国の福祉医療政策上、必要な施設整備の支援に支障を来すことのないよう、増大する利用者ニーズに必要な資金を確保することが私どもの役目だと考えております。
 57頁、利差益の確保で、安定的な事業運営を図る観点から、新規契約分の利差額を把握して、最終的に利差益を確保することができました。
 貸付対象の見直しで、先ほど申し上げたスクラップ・アンド・ビルドでやっていくのですが、政策上政策融資の優遇すべきものは優遇していくということで、政策優先度の高い事業に対して優遇措置を講じて効率的な政策融資を実施しているという状況です。
 58頁、福祉医療貸付事業における適切な債権管理で、評価の視点が4つありまして、リスク管理債権の傾向分析をする。債権悪化の未然防止で、貸付関係部と経営支援室が連携して、情報共有をすることで未然防止に努める。リスク管理債権の抑制では、リスク管理債権の現状や新規発生の要因を分析し、関係部、川下から川上に対してフィードバックしていくことをしています。従来福祉の場合には、年賦償還が多かったのですけれども、これを月賦償還に誘導することにより、入金状況を毎月確認していくところで、早期察知、早期段階からのヒアリングを実施することにより、リスク管理債権の抑制を図ることができてきていることになります。
 60頁、リスク管理債権比率の関係で、実績2.67%、前年度に比べると0.18%増で、若干ですが前年度よりも増加しています。要因的には、リスク管理債権そのものが増えていて、53億円増加しています。また貸付残高の減少はグラフにあるように、前年度と比べると、117億円ほど減りました。こういった状況の中で若干昨年よりも増加しています。どこが増加したかという部分で、棒グラフの上の表を見ると、貸付条件緩和債権が増加しています。平成21年度末では1.37%が平成22年度末では1.56%で、0.19%増えています。この結果、全体で0.18%前年度より増えている状況です。
 61頁、医療・介護施設を取り巻く経営環境について3つほど挙げています。診療報酬、介護報酬で、直近はプラスに働いていますが、従前はマイナス改定ということで、医療・介護施設を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあります。2番目として、資金繰りに支障ということで、3カ月に1回出る日銀短観の資料ですが、回復傾向にはありますが、なかなか資金繰りが厳しい状況は引き続きあるのではと考えます。いちばん大きな理由として、3番目、人員の不足で、医師・看護師・介護職員の有効求人倍率というのをご覧いただくと、不足のところでは、医師が5.47%不足していると。看護師も不足の状態の職種であると思います。この3つの部分が経営環境の厳しい状況かと思われます。
 62頁、貸出条件緩和の実施で、ここで申し上げたい点は、全体の折れ線グラフをご覧いただくと、中ほどにある太い折れ線グラフがありますが、これは何かと申しますと、貸出条件緩和を除いたリスク債権比率になります。平成21年度から平成22年度に比べると、1.12%が1.11%で、貸出条件緩和を除けば減少していて、債権額も減少している。そういう意味で、貸出条件緩和が若干増えた結果、上回ったということになります。それは何かと申しますと、福祉医療機構の役割(政策的使命)とありますけれども、貸付条件緩和を積極的に行っていますけれども、これは経営の建直し、医療施設の再建を後押しすることが必要だということで、新たな融資を行うことと並んで、重要な政策的な使命と考えています。
 63頁、平成22年度に発生したリスク管理債権の要因分析をかいつまんで申し上げれば、医療貸付事業の表をご覧いただくと、分析した中でいちばん大きいのは職員の不足、人件費の増加が経営上の問題点というのが伺えます。
 64頁、参考として、他機関のリスク管理債権比率の推移で、平成21年度の状況をご覧いただくと、いちばん下にあるのが都銀で、中程に機構があり、その上に地銀という状況となっています。都銀、地銀のデータについては、8月頃にオープンにされるということで、まだ直近の数値は出ていませんけれども、かなり低いところを推移している状況かと思います。
 65頁、東日本大震災の関係で、特別措置については既に融資しているお客さまに対し6か月間返済融資を実施しているという状況です。
 67頁、評価項目の8番目、福祉医療経営指導事業です。集団経営セミナーを開催した実績です。セミナー延べ受講者数及び満足度が向上しています。診断メニューの多様化で、現在、病院・老健・特養・ケアハウスの4つの分析資料があるのですが、ここに加えて、保育所を平成23年度から対象に加えました。平成22年度においては、データ準備をしたということです。3つ目として、個別経営診断の実績で、年度計画を上回る1,293件、個別経営診断を実施しました。アンケート調査を実施し、97%が参考となったと回答。処理期間も計画の中に納まっています。また、各業務における収支相償で実績を上回る自己収入を確保したことから、A評価としました。
 68頁、具体的な内容です。開催実績については、大きく3項目となっており、1点目は、開催内容の告知で、10週間前までに告知するという目標に対し、今年度においては65.8日で、目標達成できませんでした。これについては、講師の選定、日程調整等の関係があり、若干計画を達成できませんでした。延べ受講者数については、2520人以上に対し、実績は3518人でクリアしています。満足度についても、76ポイント以上で目標を超えている状況です。
 69頁、診断メニューの多様化で、先ほど申し上げた保育所の関係ですが、平成23年4月から簡易経営診断を開始しています。個別経営診断の実績で、目標の280件以上に対して1,293件の実績です。グラフの下ですけれども、アンケート調査において、97%が参考になったと回答いただいている状況です。
 70頁、個別経営診断の事務処理期間の短縮で、処理を32.9日で、中期計画を達成しています。集団経営指導の収支状況ですが、収入と費用で収支差380万円程確保しています。個別経営診断については、収入が費用を大きく上回っている状況になります。以上が、パート2の説明になります。

○真野部会長
 ありがとうございました。委員のほうから何かご質問とかありますか。これは常々話題になる所なのですが、そもそも独法の流れの中で、貸付を減らすとかいう話があり、一方では政策融資だとか、今回の震災であるとか、いろいろな状況からそれなりに貸付も増えたりすることがあると思います。今回、いろいろ増えた理由というのは、要因が2つあるとしたらどちらが高いか、イメージでお答えいただきたいのですが、サービスメニューとか、非常に顧客視点に立たれていろいろやられているので、そちらの要素が大きいのか、経営環境とか、周辺の環境の要素が大きくて増えたのか、割合としてはどちらが高いと思われますか。

○福祉医療機構理事
 お答え申し上げます。56頁に利用者ニーズが増大している要因として、2つの点をご指摘させていただいています。いま部会長からご指摘がありましたように、経営環境の問題というのは平成20年度の段階ではリーマンショックの後を受けて、医療関係で大変なニーズが喚起されました。私どもはその時点で、例えば病院への経営安定化資金の貸出限度額が1億円だったのですが、それを平成20年度に7.2億円へと大幅に増やしたこと、及び診療報酬債権をそのまま手元に置いたまま認めて、2カ月分の範囲で貸出しをすることによって、先ほど申し上げた、平成20年度は経営安定化資金の大幅なニーズが明らかになった、底流としてあったものが表に出てきたのだと考えています。それに比べて平成21年度は、医療に関しては耐震化、介護に関しては様々な介護基盤整備と併せて、保育所の整備へのニーズが大きく表に出てきたのだと思います。
 耐震化については、それまでも国の補助金はあるにはあったのですが、補強工事に対する耐震化の補助金だったわけです。しかし現実には、例えば病院だと、補強するためには片側の病棟を全部閉めなければいけないということで、看護師等を抱えたまま病棟を半分閉めることは大変で、実態として合わなかった。そのことから、病院を耐震化するためには端から建て替えをすることを認めなければいけないということで、こういった点について厚生労働省サイドに注意を喚起して、補助金を改変する。建て替えの補助金を作ると同時に、私どももそれで不足する部分を全面的に、90%ではありますが、面倒を見るという、そういう仕掛けを作ることによって、潜在化していたニーズが表に出てきた。これがもっと早くできていれば、今回の大震災にももう少し被害が少なくて済んだのかもしれませんが、それはそれとして、今後もこれに関しては、いま全国で耐震化に向けての準備が進んでいますので、今年度あるいは来年度に大きく出てくるものと思います。以上でございます。

○真野部会長
 他の先生方、いかがでしょうか。

○松原委員
 貸付事業についてはSで、債権管理がBということに何となく違和感を感じています。貸付は、どんどん貸せばいいものではなくて、当然債権管理もしっかりできて貸付事業がよくなるわけです。福祉医療機構の社会的使命からすれば、優良の所だけに貸すのであれば民間に任せればよく、問題がある所に対しても指導・育成することによって健全化に導くことが大変重要なのです。このリスク管理債権比率が目標のとおり1.5%と、あまりにも低いとかえって社会的使命が果たされているのかと逆に心配します。そもそもこの目標が過去の一時点の平均値で設定してしまったわけですが、この目標値で良いのかというのが私の疑問です。今後、この目標値の妥当性については検討する必要があるのではないかと。他の政策金融機関と比べて著しく低いわけですね。他の政策金融機関はもっと倒産が多いような事業が対象ですので、横並びに比較はできないものの、それにしてもずい分優秀な成績と言える値ではないのかとなと思いますので、この点について一言、これは意見ですね。
 あと、もう1点だけ。ニーズに応じていろいろ対応していることの例として、ユニットケア特養に対して対応しているという例がどちらかに掲載されていました。社会的ニーズとしたら特養も当然ありますが、保育とか障害ということに対してもあると思います。偶々ユニットケアのことしか載っていないのかもしれませんが、予算自体が老人に片寄っていますので、そういう影響も受けるのでしょうが、これは要望として是非、保育とか、障害とか、児童とか、そういうことに対してもニーズに応じた対応があればいいと思います。以上です。

○真野部会長
 ありがとうございました。何かコメントはありますか。

○福祉医療機構理事長
 いまの、後段のほうです。32頁をお開きいただくと、平成18年度から22年度までの施設別の審査の状況が載っています。老人の施設の伸びは大きいのですが、児童も障害も、やはり児童の保育所の関係も、平成20年度はかなり伸びていると言えるのではないかと思います。

○福祉医療機構理事
 追加ですが、いま理事長の申したとおり、平成18年度、19年度は、保育所が年間で大体200件ベースであったのが、平成21年度には300件、そして、平成22年度には572件と、大幅に業務量が増加しています。

○松原委員
 元々あまりにも少な過ぎたのが伸びるのは当然なので、どれだけ伸びたかはあまり問題ではなくて、そもそも保育がすごく足りなかったから、伸びてくれなければ困るのですね。例えば、52頁の「利用者ニーズに即した融資制度の創設」という所で、偶々かもしれませんが、ユニットケア特養と個人保証の免除しかなかったので、こういったことに対して、保育や児童、障害などに関してもご配慮いただけるようにお願いしたいわけです。

○真野部会長
 よくわかりました。

○福祉医療機構理事
 それから、前段のご指摘です。お手元の資料の55頁ですが、債権管理に関しての自己評定がBになる要因は、評価項目の総括として挙げてある4項目に左右されています。すなわち、目標として、新規融資額の縮減が掲げられている。しかし、実態としてはニーズが非常に高くて、ようやくそれが顕在化してきて、政策融資への国民の期待が大きくなってきた。しかし、中期計画の目標はこの縮減になっている。併せて、4番目にある、リスク管理債権比率が1.56%というご指摘がありました。とても低く設定してあります。ご指摘があったように、目標を設定する段階でそこが変だということであったわけですが、私どもの使命を考えると、当然にしてこれが高くなっていくであろうと。それをどうやって、対象に対して勧誘して、いろいろな情報提供をすることで顧客の意識を啓発して、リスク化させない、そういう努力をしていくのが私どものあるべき姿だろうというご指摘はそのとおりだと、大変有難く思いますが、少なくとも中期目標はこのような視点で書かれていますので、評価は止むを得ずBにならざるを得ないわけです。

○社会・援護局福祉基盤課長
 付言いたしますと、目標については行政のほうで設定をしていますので、そうした意味では、新規融資額の縮減、こちらは政策金融全体の改革の中で、最初に中期目標を設定した時期に、政策金融についてはなるべく必要な所に限定してという、総合的な方針があったわけです。一方で、医療・福祉分野は、基盤の緊急整備とか、そういった整備関係のニーズが急速に膨らんできたという、やはりアンビバレントな状況もありまして、よほど増やさなくてはいけないと。一方で、政策金融については、それは確かに言われているという点が56頁の結果に結びついてしまっているのかと思います。いずれにしても、ご意見ということで承らせていただきたいと思います。

○真野部会長
 よろしいですか。何かありますか。

○松原委員
 リスク管理債権比率だけではなくて、56頁の「新規融資額の縮減」についても、これはWAMが作った目標ではないのですが、意見として、ここの見直しが必要ではないのかと。政策金融自体は縮減はいいのですが、まさにいま、社会保障のニーズがこれだけ差し迫っているときに縮減している場合なのかということで、委員の意見として是非留めていただければと思います。

○真野部会長
 ありがとうございました。この問題は最初から、評価自体の在り方も含めて非常に根の深い所でして、政・独委の意向とか、諸々があると思います。意見として重視したいと思います。それと、これは中期計画の目標値で、やはりいまの時代にそぐわない感じのものも散見される。これはWAMに限らないのだが、敢えて中期計画でしか変えられないのですか。途中で変えるのは難しいですか。

○政策評価官室長補佐
 明らかにおかしいものがあれば中期計画を変更等ができます。

○真野部会長
 明らかというのは難しいですね。世の中の流れは必ずしも明らかではないから。違うことを言う人もいるから。そうすると、原則的には変えられるが、それは何か強い意向がどこかから働かないと変えられないという理解でいいのですか。

○政策評価官室長補佐
 そうです。法律が変わったとか、そういったものであれば、目標なり中期計画なり、割と変更はできるかと思いますが、WAMだけではなくて、法人でも痛し痒しじゃないのですが、いいろいろ整合性がありまして。

○松原委員
 今回の大震災によって、いまここで融資しなくてどうするという状況ですね。そんな状態ですから、当然この56頁はおかしいと思います。と言って、どんどんむやみに貸せばいいという話ではなくて、一定の規律が必要というのは付言しますが、前提として、新規融資額の縮減という目標の中で、いま困っている人たち、目の前にして、WAMが困るなどという状況は、職員の働く意欲、モラルの問題からしても、改善する、検討する余地が大だと思います。

○真野部会長
 はい。非常に重要な所ですね。

○大島委員
 少し関連します。新規融資がそのような状況のときに、これは伸びた所は示されているのですが、どのくらいの所がそこに申請できずに認められないという状況に陥り、最悪の段階にいったかという。要するに、負の部分はあまりこの中からは出てこないのですが、そういうようなものは調査されているのですか。

○福祉医療機構理事
 福祉貸付と医療貸付について、基本的に違うので、別々に申し上げます。これまで福祉貸付は対象が地方自治体で、補助金、交付金の対象になった案件を融資対象とするということが明記されてきました。今回、それ以外のも、対象になっていないのも救っていこうということで付記されたところですが、そういう意味では、ニーズとして、地元にある声が地方自治体の所で圧縮された状態で初めて私どもの窓口に来ますので、福祉に関しては、先生のご指摘の数は把握できない状態です。
 医療に関してはご相談という段階で、ご相談というステージと受理というステージがあります。そのご相談というのは、改築等を思い立った段階でご相談に来られて、それから、計画づくりをして、設計図を書いて、それで、形になったものを私どもの所で改めて、具体的な資金調達計画としてお来しになる。相談の段階で、初回相談から実際に貸付の申込みの段階までに至る、早いものが3カ月、遅いものが3年かかっています。その3年間でも、2回目以上がその後に続いているという数字です。その間に、2回目が来ないで初回で消えているのが、平成19年の段階で全体の仕込み件数に対する、3年前までの初回がどのくらいあったかという点で追いかけたところ、20%ぐらいは消えている可能性があるという数字ですが、正確なことはわかりません。皆さまは、計画がずさんで、資金調達がなかなか困難だということであきらめている、あるいは、民間金融機関で全部借りることが可能だということで来なかったというように、サンプルでいくつか伺ってみると、ご意見としてはそういうところがあります。現時点では私どもの窓口が高くて、敷居が高くて、それ以上は相談できないというのはないと考えています。

○橋田委員
 初めてこの評価委員会に入れていただいたので、質問させていただきます。最後の経営指導事業です。非常に大事な事業だと思いますが、イメージが涌きにくいということで。それから、事務処理期間という形で、評価が件数とアンケートの結果でされています。例えば、実際に経営指導をされたことが反映された結果が、経営改善につながったとか、医療や福祉介護の質の向上がもたらされたとか、何かそういう形の指標というか、データをお持ちではありませんか。

○福祉医療機構事務局
 まず、経営診断指導事業の中に大きく分けて、セミナー事業と個別経営診断指導事業とに分けてあります。セミナー事業は、もうご理解いただけるとおり、一般的な情報提供でして、個別経営診断事業のほうで、単純な決算分析で、こういった所を注意されたほうがいいというものがあります。それについては、施設経営者のほうでそこの所を注意されて、役に立った、役に立たないというものがアンケート的なもので来る。あと、施設のほうに直接お邪魔しまして、諸々の経営状況を拝見して、こういったところを改善されたほうがいいと申し上げる。私の過去に経験のある少ない例としては、例えば、延滞状況にあったが、こういったところを改善されたらどうかと申し上げることによって、新たな患者さんの確保ができるようになり、それで、収入も改善して延滞状況から脱却できたという例があります。ただ、年度ごとの統計という形ではそういったものは作られていません。

○福祉医療機構理事
 先生のご質問は経営指導事業の観点でしたが、病院経営安定化資金をご利用いただくにあたり、病院の理事長、院長と面接をして、そこで経営改善計画を示していただき、それに関してディスカッションする。その経営改善計画の評価に関して、私どもで作っている経営相談あるいは経営診断の数値を基に理解を深めていただいて、経営改善に拍車をかける。その上で、そういう方向性で、この2年間に私どもの経営安定化資金を使っていただいてきています。

○橋田委員
 ありがとうございました。そういう意味で、アウトプットといいますか、それが見えたら事業の意義もより明確になるかと思って、質問をさせていただきました。

○真野部会長
 当初はこれで休憩をとろうかと考えていたのですが、相当に時間が延びてしまっていて、もしかすると、今後の進行次第では当初の予定の17時までに終わらないかもしれません。すみませんが、休憩なしで、引き続き、3グループ目の「業務の質の向上に関する事項」について評価をさせていただきたいと思います。こちらのほうも、法人からの説明が30分、議論が15分、トータル45分でお願いしたいと思います。それではお願いします。

○総務企画部企画室長
 それでは、引き続きパート3、評価項目9~12について説明させていただきます。まず、「社会福祉振興助成事業」で、評価項目9になります。72頁で、社会福祉振興助成事業の業務実績についてご説明させていただきたいと思います。この事業につきましては、平成21年11月に実施された行政刷新会議の事業仕分けの評決を受けて、助成制度が大きく変わったと、その辺りからご説明をさせていただきます。この事業につきましては、平成21年度までは、長寿・子育て・障害者基金事業として、政府から出資された約2,800億円の基金の運用益をもって助成をしていくと、そして、社会福祉の振興を図る事業を行う法人、団体に助成をしてきたという状況です。しかしながら、この平成21年11月の刷新会議の仕分けにおきまして、国から出資された約2,800億円全額を国庫納付して、新たな助成財源については毎年度に補助金として予算要求をするという仕分けの結果が出ています。そういったところで、72頁の左側にありますように、先進的・独創的活動支援事業、地域活動支援事業、障害者スポーツ支援事業に対して、新たな助成対象等事業として、平成22年4月からスタートを切ったものです。
 74ページになりますが、この事業については自己評定をAとさせていただきました。その理由につきましては、ここに書かれている5点となります。計画を大幅に上回るということでA評価とさせていただきました。具体的な内容については76頁をご覧ください。
 こちらが平成22年度助成事業、平成23年度助成事業の募集、採択に関する手続きの状況を一覧にしたものです。左の3/4が平成22年度、右の1/4が平成23年度という形で、時系列的に流れを記載しています。左側の平成22年度助成事業につきましては、4月に一次募集の採択を実施しています。一次募集につきましては、平成21年9月から10月ということで、前年度に基金として募集をしたものですが、厚生労働省と協議した上で、既に募集を行ったものについては、新たな国庫補助による助成制度に募集があったものと見なして、平成22年4月に採択を行っています。その後、平成22年6月には、新たな助成制度として、改めて二次募集を行いまして、8月に採択をしています。さらに、8月には、貧困対策など社会的支援が必要な方々に対する支援事業として、これに特化した形で第三次募集をさせていただきました。これについては10月に採択を実施するなど、直近の政策課題、それから、多様化する国民ニーズを反映した助成事業を積極的に行っています。そして、右のほうになりますが、平成23年度助成事業については平成23年2月から4月の間に募集を行いまして、今年6月に採択をしたという状況です。
 77頁です。募集要領の策定です。まず、左側の平成22年度募集要領につきましては、?にある助成対象事業として、さらに?に記載されている4つの事項を重点助成分野として募集を行っています。平成22年度から新たな事業へ移行することから、利用者手続きに混乱を招くことがないよう、積極的な制度周知を行った結果、対前年度比253件、22億円増となりまして、結果的に円滑な移行を図ることができたと考えています。右の平成23年度募集要領につきましては、平成22年12月に閣議決定された独法の事務・事業見直しの方針において、政策動向、国民ニーズ、地方との役割分担を踏まえて、国として行うべきものに限定した助成テーマを設定するなど、見直しを行いました。この右下、初めての取組となりますが、全国9カ所で、助成事業に関する説明会、個別相談会を実施することなどによりまして、各地の民間福祉団体に対して、この助成制度をわかりやすく、また、応募しやすい制度となるように積極的に取り組み、助成制度の利用者の混乱の回避に努めてきました。
 78頁の助成事業の審査・採択で、外部有識者からなる委員会を設けています。ここの場において、平成22年度選定方針を策定しました。中身的には、審査項目、審査基準の見直しについて、それから、限りある資源ですので、広くという意味で、固定化回避に取組んでいます。平成22年度の助成採択につきましては、要望2,421件に対して採択は1,063件で、採択率は件数で44%です。金額については、92億円の要望に対して、採択で31億円と、採択率は34%になります。このように、外部有識者からなる、社会福祉振興助成事業審査・評価委員会におきまして、選定方針を策定するとともに、選定方針に基づく採択をして、公平性、透明性を確保したというところです。
 79頁になります。特定非営利活動法人への助成という所です。国とか他の助成団体において、助成が受けにくいNPOとか任意団体といった所に対する助成という意味で、非営利の任意団体が実施する助成件数の割合が80%以上となる目標設定をさせていただきます。これにつきましては、全助成件数1,063件のうち872件、82%ということで、国とか他の団体から受けにくいNPO等に対する助成を行うことができました。
 それから、助成事業の事後評価の実施、事後評価の結果の反映です。ここはPDCAサイクルで、こちらについても回しているところですが、審査・評価委員会において事後評価方針を策定して、事後評価を実施しています。速やかに事後評価の結果を公表するとともに、平成23年度助成事業の選定方針等に反映して、助成事業のPDCAサイクルによる改善を実施している状況です。
 80頁、助成先団体への相談・助言等です。新しい助成制度になって、平成22年度においては助成団体に対する留意点の周知を行いました。右のほうになりますが、的確な助言や情報提供という所で、ヒント集というのを作っています。これは、いままで助成をしてきた中で、役に立つものを集めて、こういったものを冊子としてお配りしています。左下になりますが、現場とのネットワークづくり・助言として、助成団体を訪問して、ネットワークづくりや助言等を実施する、それから、訪問レポートを作成して、情報の共有化を図っています。
 次の81頁、助成事業による新たな連携の効果という所です。平成22年度全助成事業のうち91%の事業について、助成事業を通じて、新たに他団体・関係機関等との連携等の効果があったという回答をいただいています。(参考)に書かせていただいていますように、助成事業が団体組織に与えた効果として、信用度が大きく向上したとか、組織の活性化だとか、会員が増えたとか、NPOの法人資格を取得したとか、こういったところでいろいろな波及効果が出てきています。それから、中ほどになりますが、助成事業の利用者満足度です。助成事業が対象とした利用者、これはエンドユーザーになりますが、満足しているとの回答を70%以上の利用者から得られているかについては、95.3%のエンドユーザーから「満足した」という回答を得ています。
 82頁の左側、助成事業報告会の開催という所です。事業効果の高い優れた助成事業の成果を普及するために、助成効果の高かった事業について、全国3カ所でこれらの事業を紹介する報告会を開催させていただいた。また、社会的問題となっている児童虐待防止について、民間福祉活動団体による取組を広く社会に啓発、普及するためのシンポジウムを開催させていただきました。
 次に、評価項目10退職手当共済事業です。84頁をお開きください。この退職手当共済事業については昨年度もS評価をいただいています。今年度のポイントとしましても、平均処理期間については、資金交付回数の増加、都道府県に対する補助金の早期入金を働きかけまして、実務研修会で積極的な指導をするとか、事務処理のピーク時における柔軟な人員配置に取り組んだことによりまして、退職手当金の請求受付から給付まで39日と、大幅に中期計画を下回っているということで、利用者サービスの向上に貢献できたことがアピールできる点かと思います。
 もう1点は、電子届出システムです。これは平成23年度から新たに454法人が登録するということで、利用者につきましては、前年度を上回る81%という利用率になっています。このシステム利用者アンケートに寄せられた意見を踏まえて、システムの改善を図るというところで、さらなる利用率の向上という形につながっていることになります。このようなことから、平成22年度における業務実績におきましても、目標を大きく上回るところで昨年度に引き続きS評価をさせていただきました。
 85頁、これが具体的な退職手当給付の事務処理期間の短縮となります。いま申し上げた、平成22年度に4つの取組をさせていただいたことによりまして、退職手当支給に関する事務処理期間の短縮を図ることができました。右のグラフをご覧いただきますと、平成18年度から20年度と、大幅に短縮をさせていただいて、平成20年度からは概ね30日の後半で推移しているという状況です。
 86頁、提出書類の電子届出化等という所です。平成22年度における利用促進策として、利用者アンケートに基づくシステム改善を図りました。それから、システム操作説明会、WAMNETに合わせて説明をさせていただいています。その結果、電子届出システムの利用状況については81%ということで、かなり順調に増加しています。(参考)をご覧いただきますと、「平成21年度における行政手続きオンライン利用状況」で、国は31%ですので、これに比べると81%はかなり大きく上回っています。未利用の方につきましては、保育所等の小さな社会福祉法人が占めるということもあって、これ以上は利用率はなかなか高まらないかという気もしますが、今後も引き続き、利用者の意向も踏まえながら対応させていただきたいと思います。右のほうをご覧いただくと、「プラスの相乗効果」とありますが、電子届出をすることによって、お客さまの事務負担も相当に軽減することになります。例えば、エラーがあると送れない仕組みになっていますので、記入漏れが減り、こちらから再照会する電話代とか郵便料金が減りますし、お客さまにとってもそういった照会がなくなるわけで、双方にとってかなりメリットがあると。機構にとっても、事務照会等が減ることによりまして、支給事務に人を回すということで、良い方向にグルグル回ることとなり、平均処理期間が短縮されています。
 87頁、利用者への制度内容の周知・業務指導等の強化です。平成22年度における取組で、利用者への制度内容の周知では、実務研修会へ職員を派遣する。それから、個別事務指導ということで、共済契約者に対して訪問しまして、いろいろと意見交換等を実施して、それをまた事業のほうに反映させています。さらに、業務委託先への業務指導もさせていただいています。右のほうの加入促進のための制度周知につきましては、平成22年度は新たに144法人が加入し、職員の人数としては2,400人ほどが新たに加入しております。このように安定的な運営を図るために、引き続き、いろいろと周知活動を実施させていただきたいと考えます。
 88頁、東日本大震災の関係です。こちらにつきましては、本来は5月末までに施設経営者の方が支払う掛金の納付期限を延長する措置をとらせていただいています。
 評価項目11「心身障害者扶養保険事業」です。90頁になりますが、財務状況の検証と公表ということで、関係者に対して周知を図っております。また、運用の基本的な考え方としましては、ポートフォーリオに基づいて運用を実施することで対応させていただきました。目標収益率は2.8%とかなり下回りましたが、各資産のベンチマーク収益率は概ね確保されました。
 また、事務担当者会議を開催させていただいたと。詳しい内容については91頁にあります。財務状況の検証と公表という所で、外部有識者からなる財務状況検討会において、財務状況の将来予測を実施しています。10月にこの結果を厚生労働省に報告し、加入者についてはやはり10月にホームページで公表させていただいていて、都道府県についても報告書を送付し、障害者関係団体についても併せて説明をさせていただいています。
 92頁、運用の基本的な考え方です。まず左側の基本ポートフォーリオで、資産運用委員会の議を経た上で基本ポートフォーリオを策定しています。その結果、右のほうになりますが、平成22年度末においても基本ポートフォーリオに基づき、適切に運用することができました。
 93頁になりますが、各資産ごとの対ベンチマーク超過収益率です。1個目の評価の視点になりますが、「各年度において、各資産ごとのベンチマーク収益率を確保するよう努めているか」という評価の視点があります。その次に書いてある平成22年度の運用環境についてコメントさせていただきました。平成22年度前半は、ギリシャ国債の格下げによる欧州債務問題等を背景とした世界的な金利低下、株安、円高傾向、後半は米国の景況感を背景とした国内外の金利・株価上昇、こういった特殊事情がありました。右のほうのベンチマーク収益率の比較をご覧いただくと、いちばん下になりますが、ベンチマークに対して0.18%と、資産の合計では上回っています。しかしながら、その2つ上の外国株式ですが、これはベンチマーク2.41%に対して機構実績2.17%と、0.23%ということで唯一下回っています。評価の視点からしますと、各資産ごとのベンチマーク収益率を確保しているかという部分からすると、この外国株式について、先ほど申し上げました、運用環境の状況によって確保はできませんでした。
 94頁、繰越欠損金です。右の棒グラフをご覧ください。扶養保険資産の将来支給額の財源構成という所で、いちばん下にありますように、平成21年度末では繰越欠損金が96億円だったものが平成22年度末には15億円ほど増えて111億円と。これは収益率が確保できなかったもので、欠損金が増えてしまったわけです。引き続き外部専門家からなる資産運用委員会の助言を受けまして、資金の安全かつ効率的な運用に努めていきたいと考えています。
 97頁をお開きください。事務担当者会議の開催という所です。平成22年度の取組については、東京で1回、事務担当者会議を開催させていただいています。それから、地方公共団体との意見交換をそれぞれ開催させていただいたと。また、制度周知のパンフレットを作成しています。以上が心身障害者扶養保険事業となります。
 評価項目12WAMNET事業について、99頁をお開きください。WAMNET事業の総括部分ですが、情報提供の質の向上という所で、介護関係情報、障害者福祉関係情報、医療関係情報等について、概要コラムを作成の上、情報をわかりやすく提供するとともに、外部機関との連携を図りつつ提供する情報の質の向上を図りました。それから利用者数及び利用者満足度の向上で、積極的なPR等によって、満足度を確保していると。ヒット件数等が大幅に増加している状況です。いちばん下の広告収入等の自己収入の拡大は、セミナー等において、バナー広告の募集のPRを積極的にした結果、前年度を大きく上回る自己収入を確保することができました。以上のことから、計画を上回るということでA評価とさせていただきました。
 100頁の提供情報の質の向上です。情報をわかりやすく提供という意味で、経営支援室と連携して、機構開催のセミナーの内容だとか、病院、特別養護老人ホーム等に関する経営状況や厚生労働省の審議会の概要コラムを掲載させていただいたと。また、医療、介護、障害福祉等に関する情報について、外部機関と連携して充実を図っています。
 102頁をお開きください。利用者数及び利用者満足度の向上です。左側のほうが、目標アクセス件数ということですが、アクセス件数ではショートカットされるとなかなかカウントされないこともありますので、ここではアクセス件数とヒット件数を併記させていただいています。ヒット件数については、平成21年度が2億1,610万件です。これが平成22年度においては2億4,334万件で、前年度に比べると2,700万件ほど増えています。それから、右のほうをご覧いただきますと、利用機関登録数の目標が8万2,000件に対して実績は8万3,000件と、順調に伸びています。満足度指数につきましても、ご利用されている方に確認したところ、90.2%ということで、高水準を維持しています。
 104頁、WAMNET基盤の活用です。評価の視点としては、機構業務の効率的実施を推進するためにWAMNET基盤を活用しているのかとあります。こちらにつきましては、退職手当共済制度の電子届出システム、こちらはWAMNET基盤を使って対応させていただいています。先ほど申し上げた、利用率は81%で、高水準な取扱いになっています。それから、事業報告書の電子報告システムです。貸付先から毎年送っていただく事業報告書を電子報告していただいて、こちらについても64%の貸付先が活用をされているなど、WAMNET基盤を活用して、機構業務の効率的な実施を推進しています。
 105頁、広告収入等の自己収入の拡大です。左側をご覧いただくと、WAMNETにおける自己収入の確保額の推移とあります。平成24年度は目標の1,500万円となっていますが、平成21年度までは概ね1,000万円で推移していた所が、平成22年度においては350万円ほど、対前年度比33%の増額となっています。この段階ではかなり大幅に伸びていると。それにつきまして、右をご覧いただくと、広告収入確保の取組という所で、機構のホームページで、バナー広告をPRするとか、セミナーでPRするとか、さらに、広告の掲載スペースを増やすといった取組をするとともに、民間企業とタイアップして企業の特集コーナーを立ち上げるなど、様々な取組をすることによりまして、対前年比33%と、大きく自己収入を増やしました。以上になります。

○真野部会長
 ありがとうございました。委員のほうから質問等はございますでしょうか。

○石渡委員
 79頁辺りをお聞きします。NPOなどの新しい組織に、積極的に助成をしてくださって成果を上げているというのは本当にありがたいと思うのです。その助成事業の事後評価を実施して、適正な運営をしている所、反映をしている所は結構なのですけれども、NPOというのは結構思いはあっても、いろいろなノウハウを持っていないみたいな所で、実際の目的を達成していないようなNPOに出会うことも多々あります。むしろ負の評価みたいなものを蓄積する中で、NPOの課題としてWAMから提言できるようなものなどが、見出せそうなデータはあるのかどうかを教えてください。

○福祉医療機構事務局
 助成事業に関しては、毎年全助成事業について事後評価をしております。ヒアリングは100件で、1割前後実施しております。それ以外については書面評価という形で事業報告書の内容を見て、事業関連報告書にある成果物を見て評価をしております。書面評価については事務局で実施していて、ヒアリングについては審査・評価委員会の委員の方々に分担をしていただいて、事務局もヒアリングをしますし、評価の先生方にも評価をしていただくという形でやっていて、基本的には全部の事業を評価しております。
 それを年度末の3月になって、半年から10カ月かけて評価をした結果を、評価報告書という形でまとめています。例えば平成22年度であれば平成21年度事業の評価をしているわけです。その中には助成事業の成果もありますし、成果が上がらなかった部分もあります。そういうことを分析をして、評価報告書という形で公表させていただいております。100件、1割程度にヒアリングを実施しておりますけれども、その中で委員の評価のコメント、事務局のコメントを合わせてこういう点が良かったとか、こういう点はもう少しでしたということを助成先にフィードバックさせていただいて、今後の事業に反映をさせていただければという形でやっております。

○石渡委員
 私が質問した意図からすると、むしろフィードバックの結果を、NPOを認可する都道府県等に伝達するみたいなことはやっているのでしょうか。

○福祉医療機構事務局
 実施しておりません。実質的に私どもの助成事業により、NPO法人化したというケースは毎年何十件かあるわけですが、私どもが評価結果を提供したことによってというのは、いまのところできていない状況です。

○石渡委員
 これから、NPOに対しての期待は大きいのですけれども、逆に予想外のいろいろな課題に出くわすことも結構あります。これだけWAMでいろいろな情報・データを蓄積しているのであれば、今後のNPOの在り方みたいなところを、行政と連携して整理するというのか、きちんと目的を達するようなシステムはどうしたらいいかみたいなところをご検討いただけるとありがたいかと考えております。

○福祉医療機構理事
 ご指摘いただきましたことですが、添付資料1-5の76頁です。ただいま担当部長が説明申し上げましたことに関して、総合評価の得点表が出ております。全体として「極めて高い」、あるいは「高い」というのが86%、「普通」が11.9%に対し、D評価の「不十分」が1.7%、幸い皆さん大変高い評価をいただいております。そういう意味で、ご指摘のネガティブな部分の経験を活かす試みというのは、いまの段階ではまだできておりませんが、「普通」あるいは「不十分」という所の改善をするべき課題があれば、それを事前説明会等でフィードバックをかけていくということは、今後の課題として十分検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。

○大島委員
 昨年同様WAMNETのことについてお伺いします。非常にお金をかけてやっていると思うのですが、私も本日ここに出るためにWAMNETを開いてみましたが、必要な所になかなか行き着かなかったり、あるいは地域のリンクになっていて、各地方自治体のほうに繋いで見るようにというものがあったりします。そういうことでしたら、最初から地方自治体のほうに直接アクセスしたほうがいいのではないかと思ったり、なかなか難しい面があります。業者を変えてみるというお話が、去年だったか一昨年にあったと思いましたが、その辺で改善されたのかどうか。もちろん一本化できるというのは非常にいいことだと思うのですが、これだけ情報があふれている中で、機構がする意味がどのぐらいあるのかどうかというのが、見た結果あまり感じられなかったということが1つあります。
 もう1つは広告収入についてです。これも昨年度に申し上げたと思うのですが、精査していないと、お金を出してくれている所は広告をする。広告をする所が福祉医療機構だとすれば、内容の保証もするだろうというふうに一般国民は考えると思うのです。そうではなくて、お金を出してくれる、優良かどうかわかりませんけれども、そういう所の広告が中心になってしまうと、何の情報もない国民の判断としては、なかなか難しい面があるのではないか。逆に言えば、広告収入は全くなくて、公平な立場で福祉医療機構がこういうWAMNETをやるのでしたら意味があると思うのですが、かなり辛口で申し訳ないのですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 現在、システムについては昨年の行政事業仕分けの結果を踏まえ、一旦中断させていただいております。大島委員にご覧いただいたのは、まだ以前のものだということがあるかと思います。そうは言っても事業仕分けの中で、国と重複するものについてはやめなさいとか、民間と重複するものについてもやめなさいという話がありました。行政資料なども、WAMNETに掲載していたものについては基本的に廃止するということで進めさせていただいて、それは4月の段階で廃止させていただいております。
 ただし、利用者の利便性を損なってはいけないということで、国等にリンクを張って見られるような形はとらせていただいているということで、今後システムの大きな見直しについては、これからスタートさせていただきたいと考えております。その中で、金額的にも数年前まで9億円ほどかかっていたものが、今回の事業仕分けの結果を踏まえて見直したことにより、平成24年の秋ぐらいにはできるような形で進めています。これは介護保険法の改正に伴い、そこに併せて作り換えていこうと。そうした場合、平年度化する平成25年度には、3億円ぐらいにまで経費を圧縮する予定です。もう少し先に評価をしていただければと思っております。

○福祉医療機構理事
 広告の問題ですが、ご指摘のように信用の問題、その他大変大事なことだと私どもも考えております。さまざまな方法で、その対象企業の企業評価を加味して選定しようという努力をさせていただきましたが、介護という新しい領域のものに関して、その評価が定まっていないこともあり、十分な企業評価ができておりません。そこで、ネガティブな問題を起こした所は拒否をするという、現時点では何らかの問題を起こした所を、例えば国民生活センターなどの情報なども参照して、問題のある所はお断りするという態度は取っております。いまのところ、幸いにして私どものそういう評価の視点から見て、ネガティブな所はかかってきておりません。

○福祉医療機構理事長
 収入の目標をやめてはどうかというお話ですが、先ほどもリスク管理債権比率でこれが目標として適当かどうかというご意見がありましたが、いま現在では広告収入等の自己収入の拡大に努めることが中期計画の1つの目標になっていますので、これらを含めて次期以降の課題であると承りました。

○真野部会長
 ここも理事長が言われましたように本質的なところで、大学も含めて稼げというお話ですので、そことの整合性ということになるかと思いますが、ちょっと違和感があるということだけは承りました。ほかによろしいようでしたら、最後になりますがグループ4の「業務の質の向上に関する事項」のうち、最後のところと、財務の内容の改善に関する事項、人事に関する事項と4つになりますが、評価項目13から評価項目16までの評価をさせていただきます。法人からの説明が20分、あとの議論が10分ということで30分を予定しております。

○福祉医療機構企画部企画室長
 パート4、評価項目13から評価項目16で4つの項目となります。107頁で、「年金担保貸付事業及び労災年金担保貸付事業」、概要を先に申し上げます。右のグラフは融資実績で、年金担保貸付は、単年度の融資は21万人が利用しています。金額は年間1,792億円です。残高は、件数ベースで36万人が利用していて、金額は1,900億円という状況になっております。労災年金担保貸付は3,000件で、40数億円ということで推移しております。
 108頁は年金担保貸付事業の自己評定です。利率設定の見直しについては、2つ目の○にあるように、中期目標期間中の損益を均衡するよう配慮しつつ、貸付金利を設定できているかどうかということで、中期目標期間中において適正な金利となるよう設定しております。それから、無理のない返済に配慮した制度の運用に対しては、平成22年2月に制度変更をしておりますけれども、この内容について、利用者に必要な資金を融資し、無理のない返済となるよう配慮した審査を実施しています。また、返済期間中に返済困窮に陥った者に対し、年間3,500件ほど条件緩和を承認し、利用者の生活の安定を支援しています。また、アンケート調査の実施、貸付制度の周知といったことを実施し、計画を上回るということでA評定とさせていただいております。
 詳しくは109頁からご説明させていただきます。先ほどの利率設定方式の見直しということで、運営費交付金については既に廃止し、現在これは利用されている方に金利としてご負担していただいております。このように、国からの財源措置は入っていない状況です。そういうことで、左側の年金担保貸付事業については、考え方の右にありますように、中期目標期間中の損益が均衡するよう配慮した金利設定をするという考え方に立っております。損益均衡のイメージを見ますと、平成20年度は黒字、平成21年度も3億8,000万円の黒字という形になります。その部分について、平成22年度以降、いままでの黒字部分を充当していって、5年間で金利が均衡するような金利設定しており、平成22年度においても、平成24年度までの金利を視野に入れながら金利設定をさせていただいて、現在貸し付金利は1.6%と設定させていただいている状況です。労災年金担保貸付事業については、平成21年度と平成22年度ともほぼ均衡して0.9%という金利設定を維持しています。
 110頁の無理のない返済に配慮した制度の運用です。平成22年2月に取扱いを変更させていただきました。内容は、資金の必要額等の確認強化ということを、金融機関の窓口でお願いしています。また、年金の全額を返済に充てるという部分については廃止させていただきました。返済回数の増加については、薄く少し長くさせていただいております。これらの結果、1件当たりの貸付金額が、年金担保については84万5,000円、前年に比べると3万円程度ではありますが減少しています。労災担保については130万円ということで、これは、もともと年金の額が違いますので金額は違いますけれども、双方とも減額をしているということで、この制度変更の効果が現れているのだろうと考えています。右のほうですが、返済期間中に生活困窮に陥った方に対して、年間3,556件の条件緩和を承認し、利用者の生活の安定を支援させていただきました。
 111頁は、それをグラフにしたものです。年金担保を例に取ってご説明させていただきます。いちばん右の250万円というのは、貸付の上限が250万円になっているということです。ここに濃い黒と、薄いグレーがあります。平成22年度が黒い棒で、平成21年度がグレーの棒です。250万円の上限を借りている方は、平成22年には減少しています。逆に100万円の所を見ると、平成22年度が増えて、平成21年度は減っているということで、全体的に高い所から低いほうへシフトしてきていることが窺えるのではないかと考えております。
 112頁は利用者アンケート調査結果の報告です。平成22年12月に、利用している方にアンケートを取らせていただきました。中ほどにありますように、年金担保貸付制度の満足度を確認させていただきました。「満足」と「まあ満足」を加えると93%の方が満足しています。その下の、仮に年金担保貸付制度がない場合はどうでしょうかという質問に対しては、「支出を抑えることができない」という回答が約70%弱あります。さらに、その場合にどう対応するかという質問に対しては、このグラフの右を見ますと「家計を切り詰めて対応するけれども、生活がなかなか難しい」という回答が76%でした。このようなアンケート結果も、今後の制度改正に反映させていきたいと考えております。
 113頁は貸付制度の周知です。利用者に対して、ホームページやリーフレット等による制度周知を図っているかという部分について、機構のホームページで広報というのは当然ながらしておりますけれども、これに加えて受託金融機関が全国で約2万店舗ほどありますが、そこの店舗に対してリーフレットを96万部配布しております。さらに、地方公共団体、福祉関係・司法関係、多重債務等の問題もありますので、法テラス等にもこういう制度の周知を図っています。
 受託金融機関に対する事務取扱の周知ということで、制度改正がある度に、こういう点については注意してくださいという、注意喚起も込めて毎年こういった説明会を開催させていただいております。この開催に当たっては、これからご説明いたします承継年金住宅というのもありますので、こちらの業務と併せて、効率的に制度の周知を図っている状況です。
 114頁は東日本大震災の関係です。特別措置の内容については、返済の一律猶予、元利金の返済猶予、返済額の変更といったものを実施させていただいています。
 115頁は承継年金住宅融資等債権管理回収業務といった回収業務を実施しております。年金資金運用基金が、平成18年4月から運用に特化した法人に移行しましたので、いままで行っていた住宅の回収業務を当機構で引き受けております。既に平成17年1月から新規貸付は停止しておりますので、それ以降回収業務だけを行っている状況です。
 116頁は事業の概況です。平成18年4月1日から私どもに業務が移管されてまいりました。移管時においては、この棒グラフの左にありますように件数は70万件、貸付金額は3兆7,000億円ほどありました。これを毎年回収を行ってきて、平成22年度末においては37万6,000件、残高は1兆7,000億円で、件数、金額とも約半減している状況です。こちらで毎年回収した元金、貸付金利息については、右下にあるように国庫へ納付するということで、平成23年7月8日に元金3,140億円、利息668億円、合計3,809億円を国庫に納付させていただきました。
 117頁は、評価項目14の内容です。いま申し上げましたように、基本的には新規の貸付がないということで、回収をしっかりやっていくことになります。こちらについても、そこに記載のとおり計画を上回っているということで、自己評定はAにさせていただいております。
 具体的な内容については118頁のように、貸付先の財務分析・保証機関等の評価です。貸付先の財務状況の分析を行い、すべての転貸法人へのヒアリング及び指導を実施するとともに、保証機関の保証履行能力を評価するなど適切に債権を保全している、財務状況等を勘案した自己査定を実施しているという状況です。
 119頁は適時的確な債権回収です。適時的確に債権回収を行うことにより、延滞債権の発生を抑制するとともに、ローン返済困窮者に対し、返済条件の変更措置を講じ、生活の安定を支援しつつ、将来の元利金の返済を確保する。それから中ほどにある、延滞債権への対応のところで、受託金融機関に対する適切な指示を行うとともに、必要に応じて、保証履行請求、担保処分を実施してまいりました。
 120頁は東日本大震災の関係です。こちらは、住宅支援機構と横並びで特別措置を対応させていただいている状況です。
 121頁は承継教育資金貸付けあっせん業務です。こちらについては、平成20年度から業務を休止しております。
 評価項目15財務内容の改善に関する事項です。2つ目の○で、運営費交付金以外の収入の確保のところで、運営費交付金以外の収入については、先ほどの経営指導事業、WAMNET事業の2つが収入を受けるものになりますが、こちらについては予算額を上回る自己収入を確保することができました。財投機関債の発行による資金調達は、IR活動を積極的に実施したことにより、スプレッドがかなり低く抑えられ、円滑な資金調達を実施することができました。保有資産の見直しは戸塚宿舎、基金の国庫納付、そのほかについても事務・事業の見直しの基本方針に基づいて適切に実施させていただいたということです。
 具体的な内容は123頁の法人全体の収支状況です。平成22年度においては、当期損失金が一般勘定、保険勘定、年金担保貸付勘定で発生しました。しかしながら、法人全体の収益としては650億円のプラスになっています。
 124頁は平成22年度財務状況です。右を見ますと、資産構成割合として、法人全体の資産5兆4,000億円という中で、そのうち貸付事業における長期貸付金が90%を占めていて、長短含めて約5兆円が貸付の資産になっています。
 125頁は平成22年度の経営状況です。先ほどの赤字が発生している勘定がありますが、トータル650億円の当期利益を確保しています。
 126頁は運営費交付金以外の収入の確保です。経営指導収入は、予算3,900万円に対して実績は4,900万円、WAMNET収入については予算2,000万円に対して実績は2,700万円ということで、右のグラフで合計1,100万円ほど増えております。平成22年度はトータル7,600万円という状況です。
 127頁は財投機関債の発行等による資金調達です。福祉医療貸付事業、年金担保貸付事業において、財投機関債を発行しております。平成22年度においては、福祉医療貸付事業で200億円、年金担保貸付事業で590億円、合計790億円を機関債として発行しております。こちらについては、IR活動を積極的に実施したということで、市場において優位性の確保を図り、適切な発行条件で、円滑な資金調達を実施することができました。
 128頁は保有資産の見直しです。評価の視点として、戸塚宿舎等の売却については計画どおり適切に実施しているかという視点があります。平成22年度においては、事務・事業の見直しの基本方針に基づく取組ということで、横浜にある戸塚宿舎を売却し、売却益2.1億円を3月30日に国庫納付しています。先ほど冒頭に話がありましたように、基金の元金部分2,787億円、債券を売却することによって利益が上がった分が109億円、いままで溜まっている利益剰余金24億円、これら合計2,921億3,000万円を3月24日に国庫納付いたしました。そのほかにもいくつか宿舎はありますが、こちらについても順次国庫納付していく方向になっています。
 評価項目16は人事に関する事項です。人事評価制度の運用のところで、人事評価制度の適切な運用により評価結果を昇給賞与に反映する。そして、職員が高い意識を持って職務に励んでいくことを推進させていただきました。無駄を削減し、業務をより効率的に行う取組を職員の評価に一層反映させるための仕組みとして、人事評価方法の見直しを行いました。また、職員研修の充実、人員に関する指標で期初の100%以内ということで計画を上回っておりますので、これらを総合してA評価とさせていただきました。
 130頁は職員の人事に関する計画です。平成15年度からこういう人事評価制度を運用しておりますが、毎年いろいろなことをさせていただいております。平成22年度においては、評価結果を昇給賞与に反映というのは平成21年度と一緒なのですが、そのうちのコンピテンシー評価の部分で、コスト意識、無駄排除、制度改善に関する取組を2倍に評価するというところで、メリハリを付けて評価をすることとし、職員が高い意識を持って職務に励んでいくことを推進しております。
 131頁は研修の充実です。福祉医療分野における第一線の専門家を招いて、12回の研修を開催し、若手職員の育成、専門性の向上を図るなど、担当業務に必要な知識、技術の習得等を目的として、各種研修を実施しています。
 132頁は人員に関する指標です。下を見ますと、平成21年度末から平成22年度にかけて、常勤職員数はマイナス6名ということで、指標の範囲内になっております。説明は以上です。

○真野部会長
 ありがとうございました。ご質問等がありましたらお願いいたします。

○大島委員
 年金担保貸付事業のところでお伺いします。2年前に、その分を先に借りて、その後なくなった場合に生活保護が非常に増えたという報道がなされたと思います。今回も112頁のアンケートを見ると、同じような状況が利用者の支出を抑えることのできない場合の対応のところで同様のことが、さらに社会情勢とか経済情勢が悪くなっていますから、厳しいものになっていると思うのです。一般的に考えると113頁のように、ホームページとかリーフレット等によって制度周知を図っているということよりも、逆に言えばそのことからの自立支援というか、どのように年金を使いながら生活を再建したり、その先に年金を使い果たして、その後必要になったときに生活保護にするという方向ではないような形にできるかどうか。個別支援の計画の援助までがつながっていないとなかなか難しい制度ではないかと思うのです。
 その辺について、リーフレットとかホームページだけではなくて、もう一歩専門的な研修もされているということですので、総合的に制度全体で、機構だけではないと思うのですが、どのように考えたらいいのかを計画しているかを教えていただきたいと思います。特に機構には平成23年度の年度計画というのは、東日本大震災のことによって大きく変えていかなければいけないことがたくさん出てくる。期待も大きくなるし、その辺で有効にどう使っていけるのか。これは東日本に限らず、全国的にいま必要になってきていますから、そういう面でも、もう少し利用者に対しての周知だけではなくて、システム化されたものが必要なのではないかと思っているので、その点が1つです。
 もう1つは、銀行で実際にこの業務をしている知人が複数いて、銀行側としては大変困っていることがあって、焦付きが多いということです。例えば短期年金という制度があって、短期年金の取扱いとか、実行前に申請者と連絡を付けようと思ってもなかなかつかまらない、それでも一応出すことにして焦げ付いてしまうとか、いろいろなことで窓口業務とか、実際の所ではかなり銀行が混乱しているという話を聞きました。その辺は専門ではないのでよくわかりませんが、運用がうまくいっているのだろうかということがもう1つの質問です。

○福祉医療機構理事
 私から前段の質問にお答えし、後段の質問については担当部長からお答えさせていただきます。資料1-5の添付資料の103頁です。年金担保貸付事業は昨年4月の仕分け第2弾で、将来的に代替措置を国が設置した上で、私どもの貸付事業は消滅させるようにという国からの指示をいただいている中で、当面の対応措置としての、とりあえずの事務取扱変更の実施状況です。103頁は、その仕分けを受ける前まで、いまいただいたような問題点に対処するために対応したいくつかの事柄です。ご指摘の中にもありました、利用者のさまざまな課題についてのアンケート調査の結果が出ていますが、これは参考にしていただけたらありがたいと思います。
 122頁に、「年金担保貸付制度の廃止に向けた今後の対応方針」、平成23年3月厚生労働省というのがあります。いま問題点として委員にご指摘いただきましたようなことを受けて1番、2番の問題提起がありました。その結果論点として、ご指摘いただいたようなことを踏まえると、4「対応方針」にあるように、「代替措置である生活福祉資金貸付制度の今後の予算規模や実施体制等を見極めつつ、廃止に向けた検討を行い、具体的な計画を立案する」ということです。たぶん廃止になるのだろうと、でもその間私どもは淡々とこの論点の解消へ向けた対応をしていかなければならないということです。
 そういうことで、隣の別添にあるような、貸付限度額の見直し等を当面しながら、リピーター対策、そして生活保護に陥ることのないような対応をしていく。当然のことながら、利用者、あるいは利用する可能性のある方々に対し、きめの細かいPR活動に努力してまいりたいということで、先ほどの説明にありましたように98万部のパンフレット等を作り、さまざまな形で利用者の意識喚起を図るとともに、代理店である各金融機関の窓口で、そうしたことでの説明と支援をしていただけるようなマニュアル等も提供してきています。

○福祉医療機構事務局
 年金貸付部です。いまの委員からのご質問のところですけれども、年金担保貸付についてはいろいろなご指摘を受けてきているところですので、これまでの制度の見直しというか、取扱変更を重ねてきたところです。そういうこともあり、本日お示しした資料にも現れているところですが、1件当たりの単価は下がってきてるということ。それから返済回数も伸びているということですので、必要な資金をご融資する、無理のない返済にしていくことについては着実に成果としては現れてきていると考えております。
 福祉とか専門の機関に対して、着実に困っている多重債務の方、困窮するおそれのある方を紹介するということで、実務的には各金融機関の窓口2万ありますけれども、そういう所に県・地域別の専門機関のリストを配布して情報提供していくことをしてきています。今回は、いま理事からも話がありましたように、12月に制度の見直しがありますけれども、そのときにも福祉制度の紹介を、借り入れている方全員に対して制度を紹介するということを強化することを考えています。
 後段のご質問の、銀行業務の窓口における混乱というか、焦付きの問題もあります。一般的に死亡したようなケースについては保証の世界になります。実行前の死亡となると保証が効かないことになります。この数は少ないですけれども、手間もかかるし、事務負担もかかるということです。これに関しては、貸付の申込みがあって、実際に実行するまでの間に、金融機関から2回連絡先に連絡をして、高齢の方でいらっしゃいますので、ご健在であるかどうかを確認することをお願いしております。
 確かにこれは事務の負担になりますけれども、手間がかかるようなことであれば、経済的に手数料の面で考慮させていただきたいと考えているところです。具体的な取扱いについては、全国各地域で受託金融機関の説明会をいま開催中ですので、ご指摘の事項も含め、効率的な内容にするように説明を徹底しているところです。今後、具体的なマニュアルを作成し、全金融機関に配布する作業を進めているところです。

○浅野委員
 収支と財務のところで確認させていただきます。124頁に貸借対照表が出ております。これは2,900億円の長寿・子育て・障害者基金を返納した後の貸借対照表でよろしいですか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 返納後の貸借対照表です。

○浅野委員
 損益計算書の中で、自己収入が1,900億円ぐらいありますけれども、この内訳はどういうものですか。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 主に貸付金利息です。

○真野部会長
 私から1点、とんちんかんな質問かもしれませんけれども、いわゆる金融業において資産残高も5兆円とか非常に大きい金融業なのですが、職員が200数十名ということで、いままだ減少中ということです。民間から来た方も多いと思うのですが、規模とかやっていることに対して200数十名というのはこんなものなのでしょうか。

○福祉医療機構理事
 実感で申し訳ありません。国からの出向役員として少し法を超えて発言するかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。一応目安として私どもの職員数は290数名ということです。とにかく国からいただいております拠出金を少なくしていかなければいけないということで、実行で250名台の職員でやらせていただいております。しかし、一緒に付き合ってやっておりますけれども、各分野で大変仕事が多くて、真剣にやった上で、なおかつ相当数の残業をやらせざるを得ないということを考えると、また、年休を十分に消費してもらえない現状を考えると、適正な人数はもっと多いところにあるのだろうという率直な感想を持っています。しかしながら、それに対して人件費を増額する手立てを国に対してお願いすることはできない環境にあるということも、やはりやむを得ず理解せざるを得ないところだと思います。

○真野部会長
 福祉医療機構は民間の手法も取り入れて、ISOだとかいろいろなことをされています。お話を聞いている限り非常にリベラルな、別にいままでがどうこうという意味ではないのですけれども、そういう流れになっていると思うのです。そういう意味で民間の視点を入れた上でも、この人数というのは素人ながら少ないという感じがするのです。

○福祉医療機構理事長
 これは何が正しいかというのはなかなか難しいのだろうと思うのです。我々も、いま機構の組織の中で人材ポートフォリオというか、それぞれの業務に応じて、どういうポートフォリオであるべきかの検討を担当部門でやっています。ただ、総量はある意味で決められたところで、これが民間であれば業務が増える、あるいは利益が増大する見込みの所には人を投資する、人を採用するという行動が起こるのが自然なのです。独立行政法人という組織の中では、予算あるいは人員でいけば定員を、しかも中期計画5年の間に減らしていく。人件費を減らしながら、一方で業務量が増えていくところがありますから、そこは1人当たりの業務量のところでは難しいところだろうと思っています。
 それでは、いまのが適当かというのは、私自身もいまの人数は厳しいと思っています。例えば冒頭に申し上げました管理部門から現場部門への人員のシフトということでやり繰りをする。福祉貸付、医療貸付というのも、平たく言えば対前年倍の審査をこなしているわけです。そこは、そういう人を期の途中でも増強することはやっています。それはあくまでも中での話であって、こういう人を増員するというようなことはできるだけしないでやっているということです。

○浅野委員
 最後で財務諸表の話が出てきたのでフッと思ったのですけれども、政策的な金融機関なら当たり前の話なのですが、福祉医療機構はそういう性格を持っているということです。当初、評価の話の中で医療貸付、福祉貸付というサービスの面から入ってきてしまったので、福祉医療機構の本当の原動力といいますか、いわゆるジェネレーターの、エネルギー源の部分はここにあるのではないかと思って見ていました。
 WAMNETの話もあったのですが、WAMNETについてはある意味で独立採算みたいな形で、努力して1,700万円ぐらいの収入を取ってきているという話がありました。実際にこの金融機関であるところを見ると、収支はいまのところいろいろな金融事情があるのでしょうけれども、収支は650億円のプラスになっています。それから自己収入も利息とは言うものの、1,900億円あります。こういう財源全体から見れば、WAMNETをもって情報を提供していくというのは、政策金融機関だからこそやるべきものなので、ここのWAMNETだけを1つ取って収支がどうのこうのという議論はどうなのかと思うのです。そんなことをフッと考えました。
 そうすると逆に言えば、これだけの財源を持って、いまのところ格付けも非常によろしいので安い資金調達で、経済状況は非常に厳しいというのですが、その辺をうまく使えば資金繰り次第では、いろいろな医療に対してプラスになるような活動もできるので、まずここで財源をなるべく黒にして、そういう収支をうまく公共のために使うというような仕組みができるようになればいいのではないかという感想を持ちました。いままででいくと、いろいろな個々のサービスで、これをやってこの収支はどうなのだということがあったと思うのですが、それはあまりにも全体を見ていなかった部分があって、5兆4,383億円と非常に膨大なお金を持っています。先ほど人員の話もありましたが、これだけの人数でこの金額を動かすというのは、普通の金融機関ではあまりないのかと思ったりするところもあります。
 ただ、その一方で債権回収という新しい業務の中でも40%ぐらいは、いままでの医療貸付の中にその部分が加わってきたりして、平成18年ぐらいからこういう事業に変わったので私もうっかりしていたのですけれども、ある意味で福祉医療機構の性格も、単純に医療福祉貸付だけではなくて、随分機能も変わってきているような認識もしなければいけなかったのかと思いました。こういう全体を見て、資金的なお金をうまく回して、是非医療福祉のために何かプラスになるような活動をしていければ、医療福祉における政策金融機関の在り方としては1つのモデルになるようなことなのではないかと思いましたので、感想をコメントさせていただきました。

○真野部会長
 ただ、PLというか、損益でいくと560億円ぐらいの補助金も入っていますよね。

○浅野委員
 そうです、その辺も入っています。そうすると、それは100億円ぐらい。

○真野部会長
 もちろん立派な金額なのです。

○福祉医療機構理事
 大変素晴らしいご指摘をありがとうございました。独立行政法人評価委員会なので余計なことを一言申し上げさせていただきます。ご覧になっていただきました財務諸表を見ますと8勘定あります。一般勘定から、その他7つの特別勘定を持っています。それぞれのセグメントで、そのセグメント間の財の移動はできないという大きな制約があります。浅野委員がご指摘になったことを、もし私どもがこれ全体を1つの勘定として、例えば人件費に関しても、経費に関しても、セグメント間での移動をある範囲で許していただければ、もっと大変効率的な事業の実施ができると思います。残念ながら独立行政法人の通則法のレベルで、そうしたことに対してとりあえず否定はしていないけれども、セグメントで行うものとするという規定になっておりますので、いまはできない状態です。将来の我が国のあるべき姿としては、通則法の改訂時に、その辺にまで細かく目が行き届いていただければ、いまご指摘いただいたことも、非常にうまい方向へ行くのではなかろうかと拝察するところです。

○真野部会長
 非常によくわかりました。我々も科研費などで枠組みが決まっていると、それはなかなか動かせなかったりして困ります。金額は全然違うのですけれどもよくわかりました。時間も過ぎてしまいましたので、評価は一応終わったということでよろしいでしょうか。事務局から、この後の取扱いについて説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 評価について、まだ記入が終わっていない委員の方がいらっしゃいましたら、お持ち帰りになって記入していただくことも可能です。その際には、先日お送りしております電子媒体の様式によって記入していただくことも可能です。お持ち帰りになっていただく場合には、29日(金)までに事務局まで、評定記入用紙を、メールやファクス等でお送りいただければと思います。また、資料の送付をご希望される委員の方がいらっしゃいましたら、部会終了後に事務局にお申し付けください。以上です。

○真野部会長
 ほかにいくつか議事が残っておりますので議事2の?の「業務方法書の変更について」、当部会において審議することが必要となる根拠法令等について事務局から説明していただき、それで法人からどのような変更かを説明していただければと思います。

○政策評価官室長補佐
 水色の「独立行政法人評価関係資料集」の23頁です。独立行政法人通則法の中の第28条に「独立行政法人は業務開始の際、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を得なければならない。これを変更しようとするときも同様である」とあります。第3項に「主務大臣は、認可をしようとする際にはあらかじめ評価委員会の意見を聞かなければならない」となっておりますので、今回お諮りするということです。変更内容については法人から報告をお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 業務方法書の変更についてご説明させていただきます。資料2-1の「業務方法書の変更の概要」をご覧ください。今回は、年金担保貸付制度の見直しに伴う変更です。先ほど、私どもの理事瀬上のほうからご説明させていただきました見直しを、平成23年12月1日から実施させていただきたいと考えています。
 項目的には2つあります。1点目は「貸付金の限度額の引下げ」を行います。こちらについては、平成22年12月7日に閣議決定された独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針に基づいて対応させていただくということです。具体的な内容については、年金担保貸付事業については事業を廃止することとし、十分な代替措置の検討を早急に進め、具体的な工程表を平成22年度中に作成するとともに、現行制度における貸付限度額の引下げ等による、事業規模の縮減方針を取りまとめるという形を受け、今回貸付限度額を引き下げるという対応をさせていただくということです。従前は、年金の額に1.2を乗じた額の範囲内だったものを、年額を限度に改めるという改正をさせていただくというのが1点目です。
 2点目は「生活保護等のリピーター対策の強化」です。こちらは、既に平成18年7月から生活保護制度の適切な実施を図るため、生活保護受給中の方については、年金担保制度を利用できないとしているところですが、生活保護と年金担保貸付を繰り返し利用する方がいます。これは従来から指摘を受けているところでもありますし、昨年の行政刷新会議の事業仕分けにおいても議論になりました。これらを踏まえ、今回の事業規模の適正化を図るという意味で、制度の見直しと併せて、生活保護制度と年金担保貸付制度のさらなる適正化を図るため、このような利用制限を設けることを追加させていただくという内容です。
 この制度変更については、平成23年8月に対外的に発表していくということで対応させていただくことを申し添えておきます。説明は以上です。

○真野部会長
 この件でご質問はございますか。特にないようでしたら、本部会としては、本件については異存はないということを、厚生労働大臣にお伝えすることといたしたいと思います。所管課の方から、厚生労働大臣の認可に向けて手続きを進めていただければと思います。
 本日審議を行った業務方法書の変更案に、もし今後修正が入った場合の取扱いについては、部会長の私が事務局と調整し、委員の皆さまに報告するか、あるいは改めて何かの場を設けたり、持ち回りでご意見をお伺いするかを決めさせていただきますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)

○真野部会長
 ありがとうございました。議事2の?は、業務方法書の持ち回りの案件です。部会を開かずに、書面により議決を行った案件の報告になります。まず事務局から説明をしていただき、続いて法人から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料3です。本来であれば、先ほどの議題と同じように部会を開いて了解をもらうのが筋なのですが、変更の内容や、時間的な余裕を勘案し、業務方法書の変更について、前部会長に相談し、部会を開かずに書面にて変更案をお諮りした案件があります。中身は、東日本大震災に対して、被災した医療施設や薬局、社会福祉施設等に対し、貸付利率を一定期間無利子とし、融資率を100%とするなどの貸付条件の優遇を行うために、業務方法書を変更するものです。
 こちらは第一次補正予算成立の後に、法人において速やかに業務を遂行していただく必要があったため、書面にてお諮りしたものです。これについては、本部会で異存はないということで、厚生労働大臣に意見を出しております。その後、業務方法書の変更認可がされております。これについて、業務方法書の変更後の状況等について、法人から説明をお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部企画室長
 資料3です。持ち回りで議決した案件の報告というところで、業務方法書の変更です。こちらは、第一次補正予算が平成23年5月2日に成立している関係で、ここの部分について業務方法書の附則において、ここに記載の「当分の間、東日本大震災に係る災害復旧資金の貸付けについては、機構の理事長が別に定めるところにより、当該災害に係る特別の貸付けを行うことができることとする」という特例を設けさせていただきました。この内容については、先ほど政策評価官室長補佐から説明がありましたように、一定期間無利子にする、償還期間についても延長するといった制度について、本来業務方法書で定めているものを、別に災害特例として対応させていただきたく附則においてこういう規定を設け、さらに、機構のほうでは災害に係る貸付事務取扱い要領を別途制定し、この中で対応させていただくということで、現在運用させていただいている状況です。

○真野部会長
 ご質問はよろしいでしょうか。特にないようでしたら、当部会としても報告を伺ったことにしたいと思います。議事2の?の、「役員給与規程及び役員退職手当支給規程の変更について」です。これも変更ですので、同じように事務局、それから法人という順で説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 福祉医療機構の理事長より、厚生労働大臣に対し、役員給与規程及び役員退職手当支給規程の変更についての届出がありました。資料集の30頁にある通則法第53条で、「その届出に係る報酬等の支給の基準を評価委員会に通知するものとする」。第2項で「その通知に係る報酬等の支給の基準が、社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、主務大臣に対し意見を申し出ることができる」となっておりますので、今回ご意見を伺うことにいたしております。法人のほうから、変更の内容について説明をお願いいたします。

○福祉医療機構総務企画部長
 役員給与規程、役員退職手当支給規程の改正についてご説明させていただきます。総務企画部長の難波です、よろしくお願いいたします。資料4-1の「役員給与規程新旧対照表」です。第7条のところでは特別手当、ボーナスの規定があります。期末手当については、6月分の支給は100分の65から100分の62.5、12月分の支給は100分の75から100分の77.5。それから第5項の奨励手当は100分の75から100分の77.5ということで、トータルとしては年間支給月数は2.95ということです。これは、国家公務員の指定職の方々と同じ支給割合になっております。それが、役員給与規程改正の関係です。
 資料4-3は、役員退職手当支給規程の改正です。基本的には、平成21年4月に国家公務員の退職手当法が改正され、在職期間中に懲戒免職等処分を受ける行為等があった場合の、退職金返還の規定の改正がありました。したがって、それを受けた形で、当機構においても国家公務員の退職手当法を準用する形で今回の改正を行うものです。
 第9条は、役員が解任された場合、非違の内容等を考慮して退職金の全部又は一部を支給しないことができるという改正を行う。従前の場合であれば、禁固以上の刑があった場合に返還させるということでしたので、その部分を広く捉えているということです。第10条、第11条については、在職期間中に解任処分を受けるべき行為があったと認められた場合、あるいは禁固以上の刑に処せられた場合、これは退職手当の支給制限を行う。従前は、禁固以上の刑に処せられた者について退職金の支給制限をしていましたので、その点の改正です。
 第12条については、退職手当支払い後に、在職期間中に解任処分を受けるべき行為があったと認められる場合について、退職者に対して退職手当の返納命令をかけるものです。これについても、従前は禁固以上の刑に処せられた場合に返納命令をかける形になっていました。
 第13条、第14条のところは、在職期間中に解任処分を受けるべき行為があったと認められる場合で、既に役員が死亡している場合については、退職金を支払っていなければ支給を停止する、支払われている場合については遺族に対して請求することができる規定になっています。第13条、第14条のところでは、これまで全く対応する規定がなかったということです。簡単ですが以上です。

○真野部会長
 私から質問させていただきます。資料4-1のほうで、100分の65が100分の62.5、100分の75が100分の77.5という話で、トータルは一緒だと思うのですけれども、この細かい変更は何か意味があるのですか。

○福祉医療機構総務企画部長
 平成22年の人事院勧告で、年間のボーナス支給数の削減で0.15月落とすという方針が示されました。それを調整するのは、既に8月の人事院勧告なものですから、12月で落とすしかないということで、暫定的に12月の支給率を落としたことになります。それを、通常の6月、12月に置き換えたという作業だけなので、内容的に年間の支給率が変わったわけではありません。

○真野部会長
 もう1つ、これは一般的にあることなのかもしれませんが、遺族に請求するという話なのです。退職金が亡くなられた方に入って、遺族に行くときに相続税とかでその金額が減ったりした場合はどういうふうに請求するのですか。

○福祉医療機構総務企画部長
 基本的には国家公務員の退職手当法に準拠しておりますので、取扱いは一緒です。遺族に請求することになると、税金の関係の処理は個別に対応しなければなりません。遺族のに渡る金額が少なければ税金もかからない話にもなりますので、これは個別の状況になるのではないかと思います。

○真野部会長
 前例はあまりなさそうですね。

○福祉医療機構総務企画部長
 今回変えたわけですから、ないです。

○真野部会長
 他にないようでしたら、この変更について報告を受けたこととさせていただきます。議題2の?の「長期借入金及び債券発行の実績報告」です。最初に長期借入金の実績の報告を事務局、法人の順でお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料5-1です。「医療・福祉部会における福祉医療機構の長期借入金及び債券発行に係る意見の取扱いについて」というものです。福祉医療機構の長期借入金等については、厚生労働大臣が認可しようとするときは、あらかじめ評価委員会の意見を聴かなければいけないことになっております。ただ、通常この借入れというのが、年度内に複数回にわたって行われることから、個別の認可については、その都度部会を開くこともなかなかままならないこともあり、厚生労働省の部会の中では以下のように決めております。これが、資料5-1の下の部分になります。年度を通じた長期借入金計画や、債券発行計画について、あらかじめ部会の了承をいただいておき、それぞれ個別の借入れの際の認可については、部会長において部会が了承した計画の範囲内であることを確認していただき、了承を得ることをもって部会の意見ということにしております。
 仮に計画を超える事態が生じた場合には、改めて部会で協議をしていただくことになっております。また、部会長の了承を得て、厚生労働大臣の認可がなされた案件については、直近で開催される部会で報告することとなっております。
 今回、福祉医療機構の平成23年度の長期借入金及び債券発行計画及び償還計画については、今年3月に計画について了承をいただいております。今回はこの計画に基づく、平成23年度の第1・四半期の長期借入金と、平成23年度の債券発行の実績についての報告をしていただきます。今年の3月に、当部会において暫定的に報告させていただきました、平成22年の第4・四半期の長期借入金についても、実績が確定しておりますので、そちらにつきましても併せて報告をしていただきます。それでは法人からお願いいたします。

○福祉医療機構経理部長
 経理部長の尾形です、よろしくお願いたします。資料5-2です。平成22年度の第4・四半期及び平成23年度第1・四半期の長期借入実績、並びに平成23年度第1・四半期の債券発行実績についてご報告いたします。
 1頁の平成22年度第4・四半期の長期借入金についてご報告いたします。平成22年度の計画額は、一般勘定で財政融資資金2,083億円、年金担保貸付勘定で民間借入金398億円となっており、第4・四半期で認可いただいた額は、一般勘定で財政融資資金800億円、年金担保貸付勘定の民間借入金が398億円です。これに対する実績は、下の段の参考の表です。一般勘定においては、財政融資資金で、平成23年3月28日に、償還期間20年以内の固定金利分590億8,000万円、10年経過後金利見直し制度分173億2,000万円、計764億円。さらに償還期間5年以内の固定金利分36億円、合計800億円の借入れを行っております。年金担保貸付勘定においては、民間借入金で315億9,000万円の借入れを行っております。
 2頁で、平成23年度第1・四半期の長期借入金についてご報告いたします。平成23年度の計画については、一般勘定で当初計画を2,460億円としていたところですが、5月2日に成立いたしました第一次補正予算において、東日本大震災に対する福祉医療貸付の追加貸付枠の財源措置として、一般勘定の財政融資資金借入金が1,700億円追加で計上されました。したがって、平成23年度の計画額は、一般勘定は財政融資資金の償還期間30年以内が791億円、償還期間20年以内が1,978億円、償還期間5年以内が1,391億円、合計4,160億円となっております。年金担保貸付勘定のほうは、当初計画どおり、民間借入金で434億円となっております。このうち、上の表のいちばん下ですが、第1・四半期に認可いただきました一般勘定での財政融資資金は969億円です。
 これに対する第1・四半期の実績は、下の参考の表をご覧ください。償還期間20年以内については、平成23年5月24日、固定金利分72億4,000万円、10年経過後金利見直し制度分55億6,000万円、計128億円です。6月20日に固定金利分645億7,000万円、10年経過後金利見直し分35億3,000万円、計681億円。両方を足して809億円です。償還期間5年以内については、いずれも固定金利分で、平成23年5月24日に37億円、6月20日に26億円、合計63億円の借入れを行っております。今年度から、30年以内の償還期間のものがセットされておりますが、第1・四半期において実績はありません。
 以上について、平成22年度第4・四半期借入金は2月22日付け、平成23年度第1・四半期借入金は5月11日付けで部会長より了承の旨をいただき、それぞれ厚生労働大臣の認可をいただいたことをご報告いたします。
 3頁で、平成23年度の債券発行についてご報告いたします。下半分は、平成23年度計画の欄で、平成23年度の債券発行額については、それぞれ一般勘定、年金担保貸付勘定のところに自己資金(うち財投機関債)とあります。一般勘定で330億円、年金担保貸付勘定で820億円、合わせて1,150億円となっております。
 第1・四半期の実績としては表の上段です。平成23年6月16日に第26回債として、年金担保貸付勘定で、3年債を420億円、第27回債として一般勘定で、10年債100億円の、計520億円を発行いたしました。なお、債券の年度計画の残額630億円がありますが、これについては、今後起債環境や資金需要を考慮しながら、発行時期、発行金額等を検討していく予定にしております。
 また第26回、第27回債の債券発行に関しては、5月13日付けで部会長より了承の旨をいただき、厚生労働大臣の認可をいただいたことをご報告いたします。
 4頁は、平成13年度からの社会福祉医療事業団債、平成23年度第27回の福祉医療機構債券までの発行実績を一覧として示させていただいております。以上です。

○真野部会長
 この件についてご質問のある方はいますか。特にないようでしたら、長期借入金及び債券発行実績については、部会として報告を承ったということにいたします。本日の議事は以上ですが、事務局から今後の予定の連絡をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 今後の予定についてご連絡いたします。開催案内については既にご案内させていただいておりますが、8月9日(火)の13時から16時までで、「のぞみの園」の個別評価があります。場所は、厚生労働省内の専用第23会議室です。次々回は8月22日(月)の13時から17時で、3法人の総合評価を予定しております。場所については、厚生労働省内の専用第15・16会議室となっております。以上です。

○真野部会長
 次回は17時ではなくて、16時までですね。

○政策評価官室長補佐
 はい、そうです。

○真野部会長
 本日は長時間にわたりどうもありがとうございました。これにて終了させていただきます。


(了)
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