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2011年7月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第一部会議事録

医薬食品局

○日時

平成23年7月29日(金)15時~


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

出席委員(15名):五十音順 敬省略

 加 藤 総 夫、  佐 藤 田鶴子、 佐 藤 雄一郎、  清 水 秀 行、

 宗 林 さおり、  手 島 玲 子、  野 田 光 彦、  林   邦 彦、

 檜 山 行 雄、  古 川   漸、  増 井   徹、 ◎松 井   陽、

 松 木 則 夫、  本 橋 伸 高、  山 田 清 文

 (注) ◎部会長 ○部会長代理

 他参考人2名

 欠席委員(6名):五十音順 敬省略

 鈴 木 邦 彦、  千 葉    勉、 ○永 井 良 三、 成 冨 博 章、

 西 澤   理、   村 田 美 穂

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 成 田 昌 稔 (審査管理課長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 森   和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

 赤 川 治 郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中御参集いただきありがとうございます。
 本日の委員の出席についてですが、鈴木委員、千葉委員、永井委員、成冨委員、西沢委員、村田委員より御欠席との御連絡をいただいております。また、松木委員は少し遅れるとの御連絡をいただいております。
 現在のところ、当部会委員数21名のうち14名の委員の御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを報告いたします。
 本日のその他事項に関しましては、榊原記念病院小児科の水上先生及び千葉大学医学部附属病院臨床試験部、部長・診療教授の花岡先生を参考人としてお呼びしています。
 続きまして、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。
 安全第二部長の高松です。
○安全第二部長 よろしくお願いいたします。
○審査管理課長 それでは、松井部会長、以後の進行をお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を行ってください。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しています。議事次第に記載されている資料1~5をあらかじめお送りしています。このほか、資料6「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料7「専門委員リスト」、資料8「競合品目・競合企業リスト」を配付しています。
 続きまして、本日の審議事項に関する資料8「競合品目・競合企業リスト」について御報告します。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。
 資料8の1ページをご覧ください。プロイメンド点滴静注用150mgですが、本品目は「抗悪性腫瘍(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)」を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。
 2ページを御覧ください。テリボン皮下注用56.5μgですが、本品目は「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」等を効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。以上です。
○松井部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものとします。それでは、委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。
 議題1「プロイメンド」ですが、退室委員、議決に参加しない委員は共にいらっしゃいません。
 議題2「テリボン」ですが、退室委員はいらっしゃいません。議決に参加しない委員は、加藤委員です。以上です。
○松井部会長 本日は、審議事項は2議題、報告事項が2議題、その他事項が1議題となっています。本日は参考人の先生に来ていただいている、その他事項から行います。
 それでは、その他事項について、参考人の水上先生及び花岡先生より御説明をお願いいたします。
○花岡参考人 その他事項議題1、資料5「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について」です。
 「グラニセトロン塩酸塩」の公知申請への該当性に係る報告書について、検討会議での検討結果を説明いたします。
 まず、3ページをご覧ください。日本放射線腫瘍学会及び日本医学放射線学会から本品目の「放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」(以下「RINV」と略しますが)、この効能を追加する要望書が提出されております。
 4ページから、要望内容における医療上の必要性について御説明いたします。RINVは、悪性腫瘍患者のQOLを損なう不快な症状であり、適切に制御されない場合、日常生活に著しい影響を及ぼします。欧米では、RINVの治療薬として、セロトニン受容体拮抗薬が承認されており、ガイドライン等に標準治療として記載されていますが、本邦ではRINVのうち、「造血幹細胞移植前処置時の放射線全身照射(TBI)に伴う消化器症状」の適用のみがグラニセトロン塩酸塩の注射剤で承認されている状況です。以上の状況を踏まえ、検討会議では本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
 14~24ページにかけて、海外承認申請のために、実際に4つの海外臨床試験やその他の文献情報、国内外のガイドラインの内容、本邦での開発経緯及び使用実態について記載しています。以上を踏まえ、日本人におけるグラニセトロン塩酸塩の有効性及び安全性が検討されました。
 有効性については、成人におけるRINVに対する本邦の予防的投与の適応は、海外において臨床試験成績に基づいて承認されており、本邦における現行の効能・効果、用法・用量や海外の既承認用量との類似性等を踏まえると、有効性は同様に期待できると考えられます。安全性についても、追加予定の適応における安全性は、本邦での既存の情報と大きく異ならないことが想定され、許容可能と考えられます。
 28ページの8.の(1)効能・効果は、経口剤及び注射剤いずれも「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与及び放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」とすることが適切と判断しました。なお、放射線照射部位によっては、RINVが問題とならないこともあり、必ずしも全例に対して本剤を投与する必要はないと考えられることから、添付文書において注意喚起することが適当と判断いたしました。
 続いて、用法・用量についてですが、これについては29ページの(2)に記載していますが、既承認である「抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状」の適用や「TBIに伴う消化器症状」の適応と同一とすることが妥当と考えられました。
 以上のような検討の結果、本要望の内容について、本邦において、医学薬学上の公知に該当すると検討会議で判断されました。以上です。
○松井部会長 ありがとうございます。引き続き、インドシアニングリーンについて、水上参考人、お願いします。
○水上参考人 続きまして、「インドシアニングリーン」の公知申請の該当性に関してです。検討会議での検討結果について説明いたします。
 資料5の35ページ、日本脳神経外科学会から、本品目の「脳主幹動脈の血流状態観察」の効能を追加する要望書が提出されています。
 35ページからの要望内容における医療上の必要性について、御説明いたします。脳主幹動脈の血行再建術後の開存状況等は、患者の生命予後を左右する重要な問題であり、現行の形態や血管ドップラー検査による間接的評価では、手術中のリアルタイムの観察が困難であることを踏まえ、検討会議では、本要望について医療上の必要性が高いと判断されました。
 42ページから、海外での状況について記載しています。要望内容の脳神経外科手術時のICG蛍光血管造影と従来方法との比較について、脳動脈瘤クリッピング術を施行した複数の臨床研究において、従来の方法に比べてクリッピング不全等の検出が高まったという報告があります。海外での総説、教科書及びガイドラインにおいても、本剤を用いた蛍光血管造影の有用性の記載があります。
 国内の状況については、58ページ以降に記載していますが、2011年1月~4月にかけて、要望学会である日本脳神経外科学会より、本要望に関する使用実態調査が実施された結果、回答を得られた268施設中、116施設において、本剤を用いた血流の確認が行われているところが明らかになっています。
 まとめでございますが、59ページ以降に妥当性について書いております。国内外での文献、上述の使用実態調査により、本剤が使用される術式及び用法・用量について、国内外で大きな差違はないことが確認されました。
 また、既存の国内での既承認の用法・用量を超える使い方でもないので、以上より循環器ワーキングでは、本要望に対する有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断しています。
 なお、効能・効果は61ページの8.の(1)に記載しているとおり、「脳神経外科手術時における脳血管の造影(赤外線照射時の蛍光測定による)」とし、用法・用量は62ページに記載しているとおり、海外承認用量と同様に、「通常0.1~0.3mg/kg静脈内投与する。」と設定することが妥当と考えています。以上です。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問がございましたらお願いいたします。最初に、グラニセトロン塩酸塩について、何かありますでしょうか。よろしいですか。それでは、インドシアニングリーンについてはいかがでしょうか。特に御質問はございませんか。
○清水委員 グラニセトロンについて、教えてください。29ページの「用法・用量に関連する使用上の注意」の投与するタイミングについてですが、今回の申請では放射線照射前に投与するという、やや漠とした表記になっています。欧米、あるいはヨーロッパでの承認を見ると、1時間前の投薬であるとかという文言で記載されている国もあろうかと思います。そちらについて、何か御検討の状況があれば教えていただければと思います。
○花岡参考人 御指摘の点ですが、海外での添付文書の書き方と、本邦での書き方は多少違うと思います。本邦では、目安についてガイドライン等を参考にすることとし、このような書き方にさせていただいております。これについては、審査時に検討課題となると思いますが、それほど細かく書く必要はないのではないかということで、このような書き方になっています。
○松井部会長 ほかに、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、その他事項については御確認いただいたものといたします。花岡参考人、水上参考人、どうもありがとうございました。
── 花岡参考人・水上参考人退室 ──
○松井部会長 それでは、議題1に移ります。議題1について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品プロイメンド点滴静注用150mgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」機構より説明いたします。
 シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤を投与すると、消化管粘膜からのセロトニン(5-HT)分泌が亢進し、消化管の5-HT3受容体、又は延髄の化学受容器引金帯を介して嘔吐中枢が刺激されることにより、悪心、嘔吐が発現します。また、抗悪性腫瘍剤投与により、消化管粘膜からのサブスタンスPの分泌が亢進し、中枢神経型のNK1受容体に結合することにより、悪心・嘔吐が発現することが報告されています。これらの悪心・嘔吐は、がん化学療法の継続を断念させる原因の一つとなっています。
 ホスアプレピタントメグルミン(以下、「本薬」と略させていただきます)は、非ペプチド性の選択的NK1受容体拮抗薬であるアプレピタントの水溶性の向上を目的に開発されたリン酸化プロドラッグであり、静脈内投与後、脱リン酸化酵素により、速やかに活性本体であるアプレピタントに代謝されます。本邦では、抗悪性腫瘍剤投与後、5日間程度持続する遅発期の悪心・嘔吐を含む悪心・嘔吐に対して、2009年10月にアプレピタントの経口投与製剤が他の制吐剤との併用の用法で承認され、NK1受容体拮抗薬、5-TH受容体拮抗薬、コルチコステロイドの3剤併用療法が普及しつつあります。しかしながら、アプレピタントの経口投与が困難な患者も存在すること、また、アプレピタントの経口投与が可能な患者でも、がん化学療法のための静脈ルートが確保されていることが多いことから、静注製剤である本薬は治療の選択肢となり得ると考えられ、今般、小野薬品工業株式会社により、本薬の有効性及び安全性を確認するための臨床試験が実施され、本薬の承認申請に至りました。
 なお、本薬は、2010年8月に欧州、2010年11月に米国で承認を取得し、2011年3月現在、世界33か国において、「抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐の予防」の適応で承認されています。なお、欧米では、本申請製剤とは異なるレジメンで使用する本薬の115mg製剤も承認されています。
 本品目の専門協議では、本日の配付資料7に示す専門委員を指名しました。
 以下、本薬の有効性・安全性について、臨床試験成績を中心に説明します。
 本申請に際し、主な臨床試験成績として、国内外の第III相試験2試験が有効性及び安全性の評価資料として提出されました。
 まず、有効性についてですが、審査報告書35ページの表19を御覧ください。国内外の第III相試験の主要評価項目である、抗悪性腫瘍剤投与後、「全期間(約0~120時間)におけるComplete Response(嘔吐なし、かつ救済治療なし)の患者割合」の結果を記載しています。
 主要評価項目について、国内第III相試験では、デキサメタゾン及びグラニセトロン塩酸塩の2剤併用投与群に対する、本薬を含む3剤併用投与群の優越性が検証されました。また、海外第III相試験では、アプレピタントの経口剤を含む3剤併用投与群に対する、本薬を含む3剤投与併用投与群の非劣性が検証されました。以上より、本薬を含む3剤併用療法の有効性が示されていると考えました。
 続きまして、安全性について審査報告書29ページの表13、並びに、審査報告書30ページの表17を御覧ください。国内外の第III相試験における有害事象の発現状況を記載しています。いずれの試験においても、対照群に比べて本薬群で特に問題となる有害事象は認められませんでした。また、国内外の本薬及びアプレピタントの市販後情報でも、これまでに大きな問題は認められていないことから、本薬を含む3剤併用療法の安全性について、臨床上大きな問題が生じる可能性は低いと考えました。
 ただし、審査報告書40ページの表23に、国内外の第III相試験における注射部位で発現した有害事象の発現状況を記載していますが、国内第III相試験で軽度ではあるものの、比較的高頻度に注射部位反応が認められ、海外第III相試験では頻度は低いものの、高度の注入部位疼痛及び血栓性静脈炎が認められていることから、これらに対しては注意が必要であると考え、製造販売後調査の中で確認していく必要があると考えました。
 以上のような機構での審査の結果、本薬の有効性が示され、安全性は許容可能と考えられることから、承認して差し支えないと判断し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
 なお、本薬は新有効成分含有医薬品に該当することから、再審査期間を8年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬に該当せず、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しています。薬事分科会では報告を予定しています。
 なお、事前に檜山委員から、御質問をいただいております。資料2の製剤の2.3.P.5.6.5項の44ページを御覧ください。ここに記載されている製剤中に含まれる類縁物質の規格に関して、製剤中で類縁物質である□□□の□□□□□□□が溶解する量と、□□□□□□□の規格値が近接していることから、使用時に速やか、かつ確実に□□するのか懸念があるという点について、また、審査報告書の5ページに記載しています、原薬の保存条件である-20℃に関して、□□□□から製剤の製造所である□□までの原薬移送の管理について、ご質問をいただいております。
 1点目に関しては、本剤は製剤中で分解生成した□□□の□□□□□□□を□□させるため、処方中に□□□□として、ポリソルベート80を添加しており、ポリソルベート80の添加量は規格上限の□□□□□□□が確実に溶解し、かつ安全性上の問題を低減するために、最小限の量として設定されております。□□□□□□□の規格値は、原薬における規格、製剤の製造中の増加量及び安定性試験期間中の増加量を考慮して設定されています。製剤の□□については、長期保存試験及び加速試験の保存品において、薬液調整時の□□はいずれも速やかであったことが確認されております。
 2点目に関しては、-20℃以下で120時間保持できることが保障された梱包形態で、原薬を□□□□から□□へ輸送し、その際、常に-20℃以下であることを保障するため、温度記録計で梱包内温度をモニターしております。以上です。
 御審議のほど、お願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見お願いいたします。
○松木委員 三種混合ということなのですが、配合薬はいろいろと議論があります。今までの二種混合よりも、これを加えることによって有効性が示されたということですが、こちらのエンドポイントは、恐らく嘔吐するのかどうかで調べているのだと思います。NK1拮抗薬が登場した時に、嘔吐を抑えるということから、非常に期待されていたのですが、残念ながら悪心に対しては余り効かないということで、患者さんにとっては嘔吐よりも悪心を抑える方が、QOLとしては良いのではないかというところだったのですが、今までのセロトニン3と、ステロイドの配合に比べて、これを加えることによって、悪心に対しても効果があるというデータはありますか。
○機構 機構より説明いたします。悪心に関しては、副次評価項目として、検討されている審査報告書の36ページの表20を御覧ください。こちらの表の一番上はComplete Responseということで、主要評価項目になりますが、その下にComplete Protectionということで、「嘔吐なし」、「救済治療なし」、かつ「有意な悪心なし」という評価項目があり、個別にそれぞれ見ていますので、有意な悪心なしといった項目も確認しております。主要評価項目ではないので、決して統計的な意味合いを持つ数値ではありませんが、悪心についても、Complete Responseほどの差が付いているかというと、そこまで付いていないところもありますが、本薬群をのせて3剤併用にすることで、少なくとも2剤併用よりは効果がある方向に働いているのではと考えられます。
○松井部会長 Complete Protectionですか。これは「嘔吐なし」、「救済治療なし」、かつ「優位な悪心なし」ということですね。
○機構 そうです。
○松井部会長 よろしいでしょうか。
○松木委員 基本的には良いかもしれませんが、比較する時にどのセロトニン3拮抗薬を使うかによって、かなり違う可能性があります。グラニセトロンを対象にした時は、そのようになるのかもしれませんが、ほかのセロトニン3を使った時にステロイドを組み合わせれば、それで完全に効く可能性もあります。そのため、最初から3剤配合が良いということで、3剤配合でスタートするというところは、少し引っかかるところがあります。グラニセトロンを対象にして臨床試験が行われており、それで良いのかもしれませんが、なるべく配合を減らすという考えと配合を認める時のそれなりの優位性を考えた場合の組合せも、最初からPMDAの方で指導する等、グラニセトロンを対象にしたということに何か意義はあるのですか。
○機構 グラニセトロンを選択した背景として、34ページにセロトニン受容体拮抗剤の種類についてという議論を起こしています。ここで起こした背景として、国内外でセロトニン受容体拮抗薬を使っている者が、国内の試験と海外の試験で違っていたということで、その違いがどれだけ試験成績に影響しているかという点で議論を記載しました。国内でグラニセトロンを試験の中で選択した背景として、それまでのがん化学療法に対する悪心、嘔吐に対して、2剤併用はステロイドとセロトニン受容体拮抗薬が併用されていまして、その際に一般的によく使われていたものがグラニセトロンであったということです。この試験実施当時には、特段国内においてはガイドライン等もなく、どのセロトニン受容体拮抗剤が適切なのかというところも、まだ明確にもなっていなかった段階ですので、一般的に使用されているグラニセトロンが選択されたというところです。いろいろ議論はあるところかと思いますが、海外のNCCNのガイドライン等では、セロトニン受容体拮抗剤の違いで大きな有効性の差違が認められ難いというところも言及はされていますので、この領域で実際の実臨床の現場ではセロトニン受容体拮抗剤の違いが影響を及ぼす可能性は低いのではと考えております。
○松井部会長 よろしいでしょうか。ほかには、御質問等ありますか。檜山委員は何かありますか。
○檜山委員 以前の質問に関して、□□□□□成分のものがどうなるかということの懸念から、2点お聞きしたわけですが、両方とも関連した原薬からの分解物と最終製剤の中で出てくるものは同じですので、それでお聞きしたところです。回答は了解しました。ありがとうございました。
○松井部会長 ほかに、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題2に移ります。議題2について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題2、資料2「医薬品テリボン皮下注用56.5μgの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」機構より説明いたします。
 本剤の有効成分であるテリパラチド酢酸塩は、ヒト副甲状腺ホルモン(以下PTH)の1~34番目のアミノ酸に相当する合成ペプチドであり、PTH負荷試験に用いる体内診断用医薬品として「テリパラチド酢酸塩静注用100『旭化成』」の販売名で1987年に承認されています。今般、骨粗鬆症治療薬としての開発が行われ、承認申請されました。本剤は国内のみで開発されたため海外では承認されておりませんが、類薬のテリパラチド(遺伝子組換え)製剤が国内外で骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果として承認されており、国内では「フォルテオ皮下注キット600μg」の販売名で上市されております。
 本品目の専門協議では、資料7に示す先生方を専門委員として指名させていただいております。以下、本剤の有効性及び安全性について、臨床試験成績を中心に説明させていただきます。
 有効性については、審査報告書47ページを御覧ください。骨折試験(2)において主要評価項目とされた新規椎体骨折発生率は、図1及び表16に示しましたように、プラセボ群と比べて有意に低いことが検証されました。
 安全性については、56~63ページに示しましたように、腫瘍発生との関連性、高カルシウム血症、胃腸障害等について評価し、許容可能と判断いたしました。
 製造販売後調査については、68ページに示しましたように、調査症例数3,000例、観察期間72週間の使用成績調査が計画され、安全性及び有効性について情報収集される予定です。
 なお、4~5ページに示しましたように、本剤の骨粗鬆症に関する開発過程において、ラットがん原性試験で骨肉腫の発生が疑われたため、臨床試験が自主的に中止され、その後、投与対象を骨折の危険性の高い骨粗鬆症患者に限定し、投与期間や1回当たりの投与量を再検討した上で開発が再開された経緯があります。以上の経緯を踏まえ、本剤についてもフォルテオ皮下注と同様に投与期間の上限を設定する必要があると考え、臨床試験成績に基づき、本剤の投与は72週間までとする旨を用法・用量として明記しました。
 以上のとおり、機構での審査の結果、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果として、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、医薬品第一部会で審議されることが適当と判断いたしました。
 本剤は新投与経路医薬品であることから、再審査期間は6年が適当であると判断しております。原体及び製剤は毒薬・劇薬のいずれにも該当せず、生物由来製品又は特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。
 薬事分科会では報告を予定しております。以上です。
 御審議のほど、お願いいたします。
○松井部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。
○清水委員 投与の上限を決める72週の数値の出どころですが、46ページに記載されておりますように、2)骨質試験は48週で試験が行われ、3)骨折試験(2)は72週で行われています。72週については、どういった意味合いでこの数値が設定されたのでしょうか。
○機構 この品目と同じような形で先に承認された品目についても、同じような状況になっていましたので、先に承認された方は海外で既に承認されております。米国は当時、臨床試験の最大の投与期間を基に2年間ということで承認されていましたが、これは類薬の話ですが、欧州ではその時は18か月で、あとで2年間承認されたということがありました。ですから、同じような類薬がそのような開発状況だということも、恐らく勘案されたと思います。類薬とは用法・用量は違いますので、量的な違いもあることから、同じようには考えられない部分もあります。恐らく、そのような状況が勘案されたと思います。
○清水委員 もう1点ですが、今度は72週間という設定についてです。今、説明の中にも18か月という言葉が出てきましたが、類薬は24か月上限、18か月にするか72週にするかでは日数にすると30日ちょっと違いが出てきます。上限72週間と言われた時に、この方はもう何週経っているんだという認識を持つのは、なかなか難しいと思います。18か月と言われると、いつから投与を始められたのか、今は何か月なのかと通常の会話の中で理解することができ、18か月をモニターすることは可能だと思います。しかし、72週間継続しているか、今70週目だとか、68週目だとかというモニターは、分かりづらく現場ではなかなか難しいのではないかと思うところがありました。30日間ほど違ってしまうのですが、18か月とした方がモニターが行いやすいのではないかということで、少し御意見をいただきたいと思いました。
○松井部会長 いかがですか。
○機構 その違いがどれだけ安全性に影響するかというのは、なかなか難しいところではありますが、我々としては実際、有効性もなのですが、安全性が確認された期間で、特に安全性が懸念されて投与期間の上限が設定されるという薬剤ですから、そこは、どちらが覚えやすいか、解釈しやすいかということよりも、成績を重視したというところがあります。では、現実にモニタリングをどうするかという話ですが、この品目については、患者さんに手帳を持っていただいて投与された日にちと1回ごとに日にちを記載していただいて医療機関に提示していただく、投与が終わった後もそれを捨てずに保管していただくという形の患者手帳が今作成されております。いつ投与を開始したのか、正確に覚えるのも現実にはなかなか難しいところがあるかと思いますので、そういった手帳を基に、現場の先生方にもどのぐらいの期間が経っているのかをきちんと認識していただくような形で使われるように進んでおります。
○清水委員 ありがとうございました。
○松井部会長 山田委員、どうぞ。
○山田委員 有害事象についてお尋ねしたいと思います。審査報告書の59~60ページを御覧ください。59ページの表23の有害事象の箇所に記載があるように、悪心が多いということで、60ページには特に高齢者の場合には脱水のリスクが高いと考えられることが記載されています。それらを踏まえ、胃腸障害が発現した場合には休薬等の適切な処置を行う旨を添付文書において注意喚起するというように回答したとありますが、添付文書(案)を見たところ、そこがよく分からなかったのですが、そのように記載されているのでしょうか。あるいは、その下に「機構は、回答を了承するが、製造販売後調査において引き続き胃腸障害に関して情報収集する必要がある」と書いてありますが、市販後調査を見た上で添付文書に書くということになったのでしょうか。この辺りのことをよろしくお願いいたします。
○松井部会長 いかがでしょうか。機構からお願いします。
○機構 添付文書(案)1.8で言いますと、まず高齢者の項というのがあります。
○山田委員 何ページでしょうか。
○機構 1.8-15と下の方にページ数が打ってあります。1.8というタグが付いたところでございます。まず、「5.高齢者への投与」ということで、「一般に高齢者では」と、一般的な注意喚起ということで書かれているのですが、今御指摘の点については、「5.高齢者への投与」の上の「注2)」に少し小さい字で書かれているかと思うのですが、この「注2)」というのが前のページの「(2)その他の副作用」の「消化器」という表の一番上のところですが、「注2)」に連動する形になっております。
○山田委員 非常に小さくて分かりにくいですが、そういうことですか。
○機構 すみません。分かりにくいかと思います。
○山田委員 もう少し医療現場で分かりやすい記載方法にした方が良いと思いました。以上です。
○機構 検討させていただきます。市販後調査については、胃腸障害にかかわらずその他についても、特に高齢者に投与されることが多い薬剤であると我々は考えておりますので、注意してその情報を収集するように指導しております。
○松井部会長 山田委員、よろしいですか。
○山田委員 はい。
○松井部会長 ほかにいかがでしょうか。
○宗林委員 男性患者はもともと少ないと思いますが、男性患者には投与されないという前提なのでしょうか。
○松井部会長 いかがですか。機構からお願いします。
○機構 お答えします。骨粗鬆症自体が女性患者が95%ぐらいというように、女性患者が多いものですから、臨床試験の中で男女を均等に入れてその有効性を証明すること自体が現実に難しいところがございます。どの品目も大体そうなのですが、男性も組み入れたとしても、非常に少数になってしまうということで、データが無いわけではないのですが、足りないデータは市販後調査で補っていただくということで、決して使えないというわけではございません。なかなか十分なデータが取れないのが現実でございます。
○宗林委員 55ページにも、男性のところで有効性を強く疑う結果ではないと記載があります。そういったことが添付文書の方でも、安全性・有効性が確立していないということになっているのだと思います。そうすると、男性が使うこともあり得るということですか。
○機構 実際はあり得ます。患者さんがいないわけではございませんので、将来的の骨折のリスクという点では、決して男性がリスクが低いというわけではございませんので、やはり必要な人には使っていただくということになります。
○松井部会長 ほかには、いかがでしょうか。
○佐藤(田)委員 骨肉腫発生についてお伺いしたいと思います。特に骨肉腫の動物実験ではあり得たということですが、ヒトでは読み取ってみると治験の上ではなさそうだということですが、今後、経過を見ていかなければいけないということが書かれています。本薬については、独特に骨肉腫発生のメカニズムを潜在的に持っている薬剤という考え方で良いのでしょうか。特化して骨肉腫とされていますが、何か意味はあるのでしょうか。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 今回の薬剤は、骨形成促進剤に分類される薬剤です。今回、動物実験で出たラットでは、ヒトと違ってやはり骨代謝の回転自体が速くなっています。ヒトの場合はある程度の年齢になると骨端線が閉鎖しますが、ラットの場合は骨が成長し続けるといったところで、骨代謝回転に影響して、ラットでは骨肉腫が出やすいということです。一方、ヒトにおいて完全にリスクを否定できるかというと、完全に否定するのはなかなか難しいところがございますので、現実的な対策として投与期間を制限するということです。それから、骨端線が閉鎖していないような人たちには、投与禁忌という形で手を打っております。先に承認された製剤も国内外で同じような対策がとられています。
○佐藤(田)委員 もっと細かくいうと、成長因子が何か特別にアクセスしてくるというメカニズムで起こってくるのですか。
○機構 いいえ。成長因子という形での考察は、なされておりません。
○松井部会長 これは、むしろ骨を作り出す方の細胞、オステオブラストに作用するということですね。ですから、成長因子というよりは、骨を作り出す細胞を刺激するということだと思います。
○佐藤(田)委員 そこに過剰に増えてくるのですね。
○松井部会長 はい。今の私の説明で間違っていたら教えてください。
○機構 成長因子という表現が正しいかどうかは分かりませんが、一応骨芽細胞系には働くということです。いわゆる骨代謝回転の骨芽細胞等には働くわけですが、ラットはヒトの3倍速いといった骨自体の違いがありますので、骨代謝回転自体は、ヒトでは完全には否定できません。そこは将来的に製造販売後調査等で十分注意して見ていかなければいけないのですが、今のところ、投与期間を制限する、あるいは投与対象を制限するといったところで臨床使用ができるだろうと考えられております。
○松井部会長 よろしいですか。
○佐藤(田)委員 はい。
○松井部会長 ほかにいかがですか。
○手島委員 市販後調査が68ページに記載されているのですが、調査総例数が3,000例となっています。ある意味で副作用の状況などをなるべく早く把握する必要があると思うのですが、これは、大体1年や2年の間にこれぐらいの症例が集まるというようなことなのでしょうか。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 実際にデータが集まる期間ということですか。
○手島委員 はい。
○機構 一応4年間の調査期間ということになっています。実際、やってみないと分からない部分はありますが。
○松井部会長 手島委員、よろしいですか。
○手島委員 はい。
○松井部会長 ほかに、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
 なお、加藤委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、報告事項について、説明をお願いします。
○機構 報告事項議題1、資料3「医薬品レミケード点滴静注用100の製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 本剤は、インフリキシマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗TNFαモノクローナル抗体製剤であり、現在「既存治療で効果不十分な関節リウマチ、乾癬、クローン病」等の効能・効果で承認されております。
 今般、田辺三菱製薬株式会社より、クローン病の効能における新たな用法・用量を追加する新用量医薬品としての製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、申請された用法・用量を承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題2、資料4-1、4-2「医療用医薬品の再審査結果について(硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸)、(塩化マンガン四水和物)」報告いたします。
 これらは、いずれも医薬品再審査確認等結果通知書でございます。資料4-1でございますが、一般的名称は「硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸」、販売名は「ジオン注無痛化剤付及び同生食液付」のもの、資料4-2でございますが、一般的名称は「塩化マンガン四水和物」、販売名は「ボースデル内用液10」のものでございます。
 これらの品目につきまして、製造販売後の使用成績調査及び特定使用成績調査等の成績に基づきまして再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要がない「カテゴリー1」と判定したものでございます。以上です。
○松井部会長 報告事項の議題1と2につきまして、一緒に報告していただきました。委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。
○清水委員 1点、教えていただきたいことがあります。資料3の33ページの一番上のパラグラフの終わりのところですが、「国内増量試験で本薬の10mg/kgの投与が検討された期間は32週まで(観察期間として40週まで)であることから、その旨を添付文書の臨床成績の項において情報提供する必要があると考えた。」とあります。これは、32週までということを臨床成績の項に記載することで、どういった情報提供をしたいのでしょうか。記載の意図が読み取れなかったので、教えていただきたいと思います。
○松井部会長 いかがでしょうか。
○機構 こちらにつきましては、今回増量する試験成績で増量した投与期間が32週までであったということで、例えばほかの試験成績やクローン病での海外の試験成績などですと、52週だけではなく、より長期に延長して継続投与した例などもあったりします。そのような経験がある疾患も多いのですが、クローン病における今回の10mgの検討において、あくまで32週までの投与経験しかないという情報は、きちんと示しておいた方が良いという観点で、臨床成績の項に記載させていただいたというところでございます。
○清水委員 恐らく、臨床成績の項にその一文が入っていても、添付文書を読む人には今の意図が伝わらないと思います。いかがですか。
○機構 お答えさせていただきます。今回、増量投与ということで増量の方が、前回の申請でありました維持投与の方であれば、46週まで投与して54週時点まで確認したという点があるのに対して、増量の方は投与期間がもう少し短かったというところを伝えたかったというところでございます。確かに、先ほどこちらから申し上げましたような内容について、ここだけでは伝わりにくいという点はあるかもしれません。そのような意味で、余り漫然と長期間10mgを続けないようにという点は、やはり何かしらの形で情報提供しなければいけないということを審査の中でも議論させていただきました。そういった中、効能・効果関連の注意の中にクローン病の項で「緩解時投与は漫然と行わず、経過を観察しながら行うこと」という点は、以前より注意喚起させていただいております。ですので、今回の試験成績を踏まえて、改めて注意喚起はせずとも、漫然と長期間は使わないように緩解時投与に対しては長期間使わず経過を観察しながら実施するという点で、注意喚起、情報提供はできているという考えの下、今回、試験成績のところだけを記載させていただいたというところがございます。
○清水委員 資材等を使って十分に情報提供するように御指導いただければと思います。
○機構 分かりました。
○松井部会長 ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、報告事項については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 事務局より、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の件につきまして、簡単に御報告をさせていただきたいと思いますので、資料5にお戻りいただいてもよろしいでしょうか。
 資料5の69ページ辺りを御参照いただければと思います。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議というのは、欧米では使用が認められているものの、国内では承認されていない医薬品適応について医療上の必要性の評価を行って公知申請の該当性や承認申請のために必要な試験の妥当性を確認することによって製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発の促進に資することを目的に行っているものでございます。
 第1回の要望募集につきましては、2009年6月18日~8月17日まで、2か月間にわたり行いました。その際に重複等を取りまとめまして、374件の要望があったというところです。そのうち、69ページの上の表に書いてありますが、医療上の必要性を評価いたしまして、186件について医療上の必要性が高いと評価いただきましたので、これらについて製薬企業における開発を促進するという取組みを行っているところでございます。
 この186件については、順次検討を進め、段階的に企業に開発要請を行ってきたところでございます。69ページの下になりますが、1回目に行いましたのが平成22年5月21日、2回目が平成22年12月13日、3回目が平成23年4月18日となっております。その後の検討状況は70ページに記載しております。上と下の表で分割されておりますので、足し合わせての御説明なので大変恐縮ですが、まず、この検討会議で公知申請が妥当であるという評価をいただいたものが4月の会議時点で31件ございました。これにつきましては、すべて、この部会あるいは医薬品第二部会の方で事前評価をいただきまして、製薬企業より公知申請が行われております。そのうち、残り10件ほどが機構において、まだ承認申請中ということでございます。この医薬品第一部会あるいは医薬品第二部会で申請にあたっての御報告をさせていただきますので、今後、またこういった品目が挙がってくるということでございます。
 さらに前回、6月29日の検討会議で、新たに8件公知申請の妥当性に関する報告書を取りまとめていただいております。本日、この医薬品第一部会におきまして2件、先ほど事前評価をいただきましたので、今後、公知申請が製薬企業より行われて、審査を行い、再度先生方に御報告させていただいて、最終的な承認という形で作業を進めてまいりたいと思っております。
 この検討会議において、実施が必要な試験や公知申請の該当性について検討中のものというのが、上の方の表の7件と下の方の表の18件とを足し合わせて、あと25件ございます。このうち、また公知申請の該当性を取りまとめるものもあると思いますので、こういったものも、検討会議で報告書が取りまとめられましたら、先生方に再度事前評価をいただいて、同じような流れで承認をしてまいりたいと考えております。
 今、申し上げましたのが第1回の要望募集に関する話でございます。実は、第2回の要望募集に関しても事務局の方で手続を進めているところでございます。具体的には、今年の8月ごろを目処に正式の要望募集を開始させていただいて、また同じように検討を進めて承認に向けた取組みを進めてまいりたいと考えております。以上です。
○松井部会長 御質問等はございませんか。よろしいでしょうか。
 事務局より報告をお願いいたします。
○事務局 次回の部会は、既に御案内のように、8月26日(金)午後3時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。
○松井部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。
○事務局 本日はどうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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