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2011年9月8日 平成23年度第1回肝炎治療戦略会議

○議事

平成23年度第1回肝炎治療戦略会議

日時 平成23年9月8日(木)13:00〜
場所 中央合同庁舎第5号館12階専用第14会議室

○三島肝炎対策専門官 それでは、おそろいですので、ただいまから平成23年度第1回肝炎治療戦略会議を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、現時点で8名の委員に御参集いただいており、会議の定足数に達しておりますことを御報告いたします。脇田委員におかれましては、御欠席の御連絡をいただいております。
 会議の開催に当たりまして、外山健康局長からごあいさつを申し上げます。

○外山健康局長 健康局長の外山でございます。本日はお忙しいところ、平成23年度第1回肝炎治療戦略会議に御参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 現在、肝炎対策につきましては、インターフェロン治療、核酸アナログ製剤治療に対する医療費助成を初めといたしまして、肝炎ウイルス検査の無料化、肝疾患診療連携拠点病院の整備、普及啓発、研究の推進など、総合的に取り組んでいるところでございます。
 本年5月16日には、肝炎対策基本指針を策定・告示いたしました。今後は、本指針に基づく取り組みを順次実施してまいり、一層の肝炎対策を推進していく所存でございます。
 先日の肝炎対策推進協議会でも御報告がありましたが、肝炎に対する新しい治療法としてB型慢性活動性肝炎に対するペグインターフェロン療法とC型慢性肝炎に対するプロテアーゼ阻害剤を含む3剤併用療法が、薬事・食品衛生審議会の医薬品部会において審議され、承認することが了承されたと聞いております。本日の会議では、これらの治療法のうち、既に薬価収載されておりますペグインターフェロン療法につきまして、有効性・安全性について御議論いただき、今後の政策決定の参考にさせていただきたいと考えております。
 それから、平成20年に取りまとめました肝炎研究7か年戦略も中間見直しを行う時期となりました。これまでの研究の成果、今後の方向性につきましても、幅広く御議論いただき、今後の我が国の肝炎研究の方向性について、先生方の忌憚のない御意見をちょうだいしたいと考えております。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。

○三島肝炎対策専門官 撮影はここまでとさせていただきますので、御退室をお願いいたします。
 それでは、議事に入ります前に、配付資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第と座席表、配付資料一覧がございます。
 資料1「ウイルス性肝疾患に対する新規治療法に関する検討について」。
 資料2「B型慢性活動性肝炎に対するペグインターフェロン療法の有効性、安全性について(案)」。
 資料3「肝炎研究7カ年戦略の中間見直しに係る検討事項」。
 資料4「B型肝炎研究推進に関する経緯」。
 資料5「肝炎研究7カ年戦略事前評価結果」。
 続きまして、参考資料1「肝炎研究7カ年戦略」。
 参考資料2「年度別肝炎等克服緊急対策研究事業新規採択課題一覧」。
 参考資料3「肝炎等克服緊急対策研究事業採択課題の推移(分野別)」。
 参考資料4「肝炎等克服緊急対策研究事業予算の推移」。
 参考資料5「肝炎治療戦略会議開催要領」。
 参考資料6「肝炎治療戦略会議名簿」となっております。
 配付資料は以上でございますが、不足等はございませんでしょうか。何かございましたら、事務局へお申し出いただきたいと存じます。
 また、前回に引き続き、座長は林先生にお願いしたいと思いますので、ここからの議事の進行は林座長にお願いいたします。

○林座長 それでは、議事の進行を進めさせていただきます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事は、ウイルス性肝疾患に対する新規治療法について。2番目が、肝炎研究7カ年戦略の中間見直しについて。3番目が、その他でございます。
 まず、1番目のウイルス性肝疾患に対する新規治療法についてございますが、先月の医薬品部会で2つの新規治療法について承認が了承されました。これに関しまして、本日の検討事項について事務局より御説明をよろしくお願いいたします。

○神ノ田肝炎対策推進室長 それでは、御説明を申し上げます。資料1を御用意いただきたいと思います。
 背景でございますけれども、先ほど局長のあいさつにもありましたとおり、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会及び医薬品第二部会におきまして、2つの治療法について承認することが了承されております。この2つのうち、プロテアーゼ阻害剤につきましては、今後、薬価をどうするかという議論が残っておりますけれども、(1)ペグインターフェロン療法につきましては既に薬価収載されておりますので、薬事承認後、保険適用もされるということになりますので、健康局で所管しております医療費助成制度においてペグインターフェロン療法を対象にするかどうかを検討する必要があります。
 検討に当たっては、検討事項にございます1、医療費助成制度の対象とすべきかどうか。また、2、対象とする場合、条件を設定する必要があるかどうか。対象患者の条件をどうするか、また、治療回数についてどうするか、その辺を整理しておく必要があるかと考えておりまして、本日はその点について戦略会議において御議論いただきたいと考えております。
 以上でございます。

○林座長 どうもありがとうございました。
 まず、プロテアーゼ阻害剤はまだ薬価収載されていないということでございますので、B型慢性肝炎に対するペグインターフェロン療法の検討事項、1、医療費助成の対象とすべきかどうか、2、対象とする場合、その条件をどのようにするかということをまず議論させていただきたいと思います。
 まず、私の方からB型慢性肝炎に対するペグインターフェロン療法の有効性と安全性につきまして御説明をさせていただきまして、その後、事務局から資料に沿ってデータの説明をしていただくということで進めさせていただきたいと思います。
(PP)
 それでは、B型慢性肝炎に対するペグインターフェロン療法の有効性・安全性ということでお話しさせていただきます。
(PP)
 ペグインターフェロンアルファ−は、アメリカとヨーロッパ、アジアの学会のB型肝炎に対するマネジメントガイドラインが既に第一選択として推奨しております。ただ、日本では保険で使用はできませんので、今回試験を行ったということになります。
(PP)
 まず、欧米のデータでございますが、欧米のHBe抗原陽性での検討です。HBe抗原陽性のB型慢性肝炎患者さんに対してペガシス180μgとプラセボ180μgと核酸アナログ製剤のラミブジン100mg、それから、ラミブジン100mgの3アームの比較試験になっています。投与期間は48週です。
(PP)
 これはHBe抗原のセロコンバージョンを一応の目標にしておりますので、その数値を示しておりますが、コントロールのラミブジン単独で19%に対して、ペガシスとプラセボで32%、ペガシスとラミブジン併用で27%ということで、HBe抗原のセロコンバージョンレートはペガシス単独あるいは併用群の方が有意に高いということになります。
(PP)
 欧米と日本の比較で一番問題になるのがジェノタイプですが、ジェノタイプはA、B、C、Dと書いてあります。日本の患者さんはジェノタイプBとCですので、ここだけをごらんいただきますと、ジェノタイプBとCでもラミブジン単独よりは他の2群のアームの方がHBe抗原のセロコンバージョンレートは高いということになります。
(PP)
 もう一つのスタディはHBe抗原陽性例での投与量と投与期間の検討、これはネプチューン・スタディと言っていますけれども、これはB型慢性肝炎、HBe抗原陽性者524名を対象に、投与量は先ほどのものと同じで90μgと180μg。こちらは投与期間が24週、こちらは投与期間が48週の4群比較になっています。
(PP)
 これがHBe抗原のセロコンバージョン率ですけれども、90μg24週、180μg24週に対して、投与期間が48週の方がHBe抗原のセロコンバージョンレートは高くなっています。特に90μgよりも180μgの方がセロコンバージョンレートは高いということになります。
(PP)
 一方、HBe抗原陰性例での検討です。HBe抗原陰性の537例です。同じように180μgとプラセボ、180μgと100mgのラミブジンの併用、それから、ラミブジン単独で48週となっています。
(PP)
 このときのプライマリーエンドポイントは2つございまして、1つは、ALTの正常化で、ラミブジン単独の44%に対してペガシス・プラセボ、ペガシス・ラミブジンは約60%と高いということです。
(PP)
 もう一つは、ウイルスのDNA量で、2万コピー/mL以下になる率ですが、ラミブジン単独の29%に対して、ほか2群では40%を超えるということで両群とも高くなっています。
(PP)
 両方の条件を満たす率ですが、ラミブジン単独23%に対して、ほか2群では36%、38%ということになっています。
(PP)
 これは最近出たデータで、HBe抗原陰性例での長期フォローのデータです。
(PP)
 HBs抗原の陰性化率をフォローしておりますが、終了後1年、2年、3年、4年、5年となっています。各年度ごとにHBs抗原の消失率は高くなってきています。特に、日本の対象のジェノタイプCだけをとりますと、3年後で9%、5年後で16%となっております。
(PP)
 ここからが日本での成績で、日本では既に天然型インターフェロン(HLBI)が認可されておりますので、これを対象にしてペグインターフェロンアルファ−2aの非劣性を証明するというのがこのスタディになっています。
(PP)
 これは5群比較になっています。欧米の投与と同じように、ペグインターフェロンアルファ−2a180μg48週、90μg48週、それぞれ24週の4群とコントロールのHLBI週3回24週をコントロールした非劣性試験になっております。
(PP)
 対象はHBs抗原陽性、HBs抗体陰性で、6か月以上前にHBe抗原、HBs抗原、HBV-DNA、DNAポリメラーゼのいずれかが陽性であるということなっています。
(PP)
 主要評価項目ですが、投与終了24週時のHBe抗原セロコンバージョンかつウイルスのDNA陰性、これは5.0Logコピー/mL未満、かつALT正常化40IU/mL以下の複合評価になっています。
(PP)
 これは患者の背景、各群間でばらつきはございません。
(PP)
 これが投与終了6か月後の先ほどの複合評価を満たした率ですが、コントロールであるHLBIの7%に対して、90μg24週は4.9、180μg24週は9.8、90μg48週が17.1、180μg48週が19.5ということで、投与期間が48週間の方がHLBIに対して有効性が高いということになります。
(PP)
 これは、もともと24週と48週投与とHLBIを比較するという設定になっていますので、その検討です。非劣性試験ですので非劣性マージンですが、95%CI値の下限値がマイナス7%になりますので、48週投与は満たしますが、24週投与は満たさないということになります。
(PP)
 副次評価項目ですが、HBe抗原のセロコンバージョン率がコントロール14%に対して、やはり48週投与の方が高い値になっています。DNA陰性化率もコントロール11%に対して48週投与ではそれぞれ36%、36%。HBs抗原のセロコンバージョンですが、180μg24週で1例、180μg48週で1例の計2例ございます。
(PP)
 副作用でございますが、高度・重篤または中止を有した有害事象ですが、コントロールのHLBIに比較して特に認められる有害事象はございませんでした。
(PP)
 自他覚的の有害事象で発現率30%以上をとっておりますが、これも各4群はコントロールに対して有意に高い副作用発現率はございませんでした。
(PP)
 臨床検査異常ですが、これも発現率20%以上をとっておりますが、HLBIのコントロールに対して特に有意なものは認められませんでした。
(PP)
 次は、HBe抗原陰性例に対する試験でございますが、これはコントロールを設定しておりません。HBe抗原陰性61例に対してペグインターフェロンアルファ−2a180μgと90μgを48週投与するという設定になっています。
(PP)
 ウイルスのDNA陰性化率4.3Logコピー以下でございますが、それぞれ投与期間が48週で37%、ALT正常化率が大体60%台ということになっています。これは投与期間中のDNAの推移を見たものですが、90μgよりは180μgの方がより低下するという値です。
(PP)
 まとめですが、ペグインターフェロンアルファ−2aはHBe抗原陽性のB型慢性肝炎患者に対し、投与量及び投与期間に応じた有効性を示した。HBe抗原陽性のB型慢性肝炎患者に対して、ペグインターフェロンアルファ−2a48週投与群では18%の有効率を示し、天然型インターフェロン24週群の7%に対して非劣性であることが検証された。ペグインターフェロンアルファ−2aは投与量・投与期間にかかわらず、忍容性は良好であった。
 以上でございます。
 それでは、事務局から資料の御説明をよろしくお願いいたします。

○神ノ田肝炎対策推進室長 それでは、御説明を申し上げます。資料2を御用意願います。こちらは林先生にも御指導いただきまして、ペグインターフェロン療法の有効性・安全性に関する根拠となる論文を整理し、また、それに基づいてサマリーをつくったという性格の資料でございます。
 有効性につきましては3点のことが言えるかと思います。1点目が、HBe抗原陰性及びHBe抗原陽性の慢性活動性肝疾患に対するペグインターフェロンアルファ−2a投与は、核酸アナログ製剤単独投与より有効であるとの報告が多いということでございます。
 2点目は、ペグインターフェロンアルファ−2aは90μgより180μg投与する方が有効であると報告されている。また、投与期間は24週より48週の方が有効であると報告されている。
 3点目は、HBe抗原が陽性であるか陰性であるかにかかわらず、ペグインターフェロンアルファ−2a単独投与と核酸アナログ製剤併用投与の間で有効性に差は見られないとの報告が多い。
 以上の3点でございます。
 続きまして、「2.安全性について」でございますが、ペグインターフェロンアルファ−2a単独投与及びペグインターフェロンアルファ−2a+ラミブジン併用投与における副作用については、重篤なものは7%以下であり、インターフェロンアルファと同程度かそれ以下と考えられるということが言えます。根拠となる論文は以下につけております。
 こういったエビデンスに基づいて、今後の対応方針の案でございます。3番をごらんいただきたいと思いますが、1点目としては、B型慢性活動性肝炎に対するペグインターフェロンアルファ−2a治療を医療費助成の対象とする。対象患者はHBV−DNA陽性の慢性活動性肝炎で、肝がんの合併のない者とする。3点目として、助成期間は1年以内(48週投与)とし、助成回数は1回までとする。ただし、過去にインターフェロン治療の医療費助成を受けたことのある者も助成の対象とする。
 説明は以上でございます。

○林座長 どうもありがとうございました。
 まず、私のプレゼンあるいは事務局の御説明に何か御質問がございましたら。

○岡上委員 1ページ目の有効性に関してですが、先ほどのデータですと、HBe抗原陰性では180μgと90μgと有意差がございませんでしたよね。実際、HBe抗原陰性例はウイルス量が少ないので、必ずしも180μgの方が90μgよりすぐれているとは言えないと思うので、有効性の2番目はここまで断定するのは少し無理があるように思います。
 それで、最終的に3番目の対応方針というのも、B型肝炎ではHBV DNA量がHBe抗原陽性例では5log未満、陰性例では4log未満になれば肝障害を起こさないので、HBe抗原陰性HBV DNA陽性例をすべてこの補助の対象にするというのは非常にむだと考えます。

○熊田委員 実際に海外のデータも4log未満では起こしていないですから、目的が何かというとHBe抗原の陰性とトランスアミラーゼの正常ということになると、岡上先生のおっしゃるような対象者に限るべきだと思います。

○八橋委員 これは恐らく保険診療上の適応規定が、HBV-DNA陽性の慢性活動性肝炎と記述されているのではないかと思います。今回、その記述以上に助成対象者に更に制限をつけるべきかどうか?

○林座長 今回のものについては私も間接的に聞いているだけなんですが、私が聞いている話では、HBe抗原陽性もHBe抗原陰性も両者認められると。基本的に90μgを認めるということですが、ただ、180μgが必要な患者さんがあれば180μgの投与もオーケーだとお聞きしておりますが、これは私も正式に文書を見ているわけではないので、そこは少しあやふやなお答えをしております。手元に正式の文書があれば。

○神ノ田肝炎対策推進室長 詳細なものは公表されていないので。

○林座長 ただ、そのこととこのこととは関係がないかもわからないので、保険病名と正しい医療費助成がまるっきり同じである必要は確かにないので、保険病名と医療費助成をどうするかは別個の問題だと思っています。恐らく保険病名の認可については、ウイルスの量に関係なく投与することは可能だと思います。ただ、医療費助成は必ずしもそうではありませんので、すべての患者さんにするか、一定の条件をつけるかは、この場で御議論をいただければいいと思います。
 ただ、90μgと180μgは臨床試験をやるときに、既に欧米のデータがかなりある時点で、日本でB型肝炎の患者さんが少ないので、欧米のように比較試験ができないということについては、当局に御理解をいただいた上でHBe抗原陰性についてもコントロールは置いておりませんし、投与症例数も非常に少なく設定をさせていただいています。これは患者さんの御要望もございますので、できるだけ早く認めていただくということなので、欧米に比べると、それほど十分な成績ではございませんが、かなり欧米の成績がありましたので、それを参考にして同じ枠組みでつくっております。その点は御理解をいただければと思っております。

○外山健康局長 ここの医療費助成は行政の事業としてやるわけですけれども、根っこは保険適応の範囲内で、それでもう少し行政として税金を使ってやるんですから、それはこちらからはみ出るような話ではないです。

○林座長 助成対象については、保険で認可されているものをそのまま認めるか、認めないかということになってしまうわけですか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 保険は適応される範囲内で、更に条件をつけるかどうかを御議論いただきたいと思います。

○林座長 今の議論ははみ出ないです。逆にむしろ制限をかけるということなので、はみ出ることはあり得ませんので、制限をかけるかどうかが今の御議論でございます。

○八橋委員 対応方針案の2番目の記述内容が意味するところは、HBVDNA陽性の慢性活動性肝炎であれば、HBe抗原陽性例でも陰性例でも使えますよ。一番目の記述内容の慢性活動性肝炎という表記は、肝機能異常がある症例を意味していると理解したのですが。

○林座長 後ろの活動性のところは私も疑問に思って事務局に申し上げたのですが、もともとのHLBI認可のときが活動性になっていて、その非劣性試験をやっているので、「活動性」という言葉を削除できないということです。今回は非劣性試験で基本的にHLBIと同等であるということの認可ですので、対象がこうなっています。

○八橋委員 肝機能異常があるHBVDNA陽性例とは、おのずとHBVDNA量は4.0Log以上になると理解しています。

○泉委員 実際に今、核酸アナログ製剤を使われている患者さんが非常に多いと。ただ、ドラッグフリーで何とか核酸アナログ製剤をやめたいということをにらむと、今はウイルスが消えていてもペグインターフェロンで何とかHBe抗原セロコンバージョンする、あるいはドラッグフリーにするということが今後実際に行われるようになるので、そうすると、余りウイルス量で縛りをつけてしまうと、シークエンシャル療法みたいなことができなくなってしまうということがちょっと懸念されるのではないかと思うんですけれども。

○林座長 熊田先生のガイドラインにALT異常という項目が入っていますよね、入っていませんでしたか。

○熊田委員 31以上ですね、入っています。

○林座長 ALT異常を入れるかどうかというのは一つの参考になるところだと思います。

○熊田委員 今、世界のガイドラインと日本のガイドラインもかなり似ているのは、ウイルス量が限定されているんですね。というのは、前のデータの自然経過でのウイルス量が多いのは悪い、つまり4.0以上は悪いけれども、それ以下の人は発がん率は極めて少ないというか、ほとんどないということなので、日本のガイドラインも慢性肝炎の治療対象者は4.0以上、肝硬変は3.0と出しているんですが、今回それを全部外してしまうということになると、そのガイドラインもみんな変えていくということに実際になってしまうと思いますし、シークエンシャルはまた別の治療ですから、HBe抗原陰性例に関しては続きの治療はまた別だろうと思います。

○林座長 基本的に認められる診療内でこの文章に制限をかけると、ALTのある一定以上という値を書くか、ウイルスのDNA量をある一定以上と書くか、その2つの選択しか恐らくないだろうと思われますが、どちらかを選択するということでよろしいですか。両方書くことはないと思うので、どちらかでいいような気はするのですが。

○岡上委員 熊田先生もおっしゃったように、日本だけ変わったガイドラインをつくるというのは国際的にもおかしな話で、AASLDなども治療適応をウイルス量とALT値で規定しています。ですから、それにある程度合致するような形で、今の熊田班の形のようなものをつくるべきだと思います。というのは、HBe抗体陽性でHBV DNAが4log以下で肝機能異常がある人は脂肪肝を合併しているケースが多かったりし、ウイルス量を規定するのは、副作用や医療経済上の面からも重要と考えます。

○林座長 ALTの数値を書くか、ALT異常と書くか。これは途中で変更するのはなかなか難しいので、正常値も勿論変わることがあるので、ALT異常と書いておけば、それは審査をしますから審査の段階でチェックすることができると思いますけれども、数値を書かない方が基本的にはいいのではないかという気はいたします。

○岡上委員 基準値以上で良いのではないでしょうか。

○林座長 いかがですか。欧米のガイドラインもDNA量については変更される可能性が残されていますので、余りここでDNAの規定を書くと、また後で整合性がとれない場合も起こってくる可能性はあるので、ALT基準値が異常と書けば、どういう状況になっても大きく変わることはないような気はいたしますが、いかがでしょうか。
 熊田先生、どっちがいいですか、異常値と数値を書くのと。

○熊田委員 私は自分で標準化の範囲をやっていますから、あの基準はALTが31、これは前に正常値の全国調査が行われたときに、一応31をとっておけばいいだろうということで、整合性をとると、今回の助成が変わってしまうとそれを全部変えなければおかしなことになると思いますから、やはりALTとHBVは欧米と同じような形をとった方がいいだろうと思うのと、今回の比較試験がラミブジンという、今は実際にファーストチョイスでない薬剤と比較していますからこういうデータになりますけれども、第2世代のエンテカビルになったら、エンテカビルもHBe抗原陰性化率はめちゃくちゃ高いし。

○林座長 これは1年でやめていますから、実際の治療との比較には全然なりません。

○熊田委員 ですから、その辺のことも兼ねて決めないと、何でもかんでも、はい助成するからやりましょうというのは現実には避けた方がいいだろうと思います。

○泉委員 確かに、今、熊田先生がおっしゃったように、B型肝炎の場合はALTが20代でも慢性化あるいは肝硬変までということがあるので、余りALTで縛りをつけるのではなくて、慢性肝炎であることを証明するということでいいんじゃないかと思うんです。ただ、勿論、無症候性キャリアすべてにやられてしまうと大変なことになるので、ALT異常あるいは慢性肝炎の根拠を肝生検なりでしっかりつける方がいいように思いますけれども。

○林座長 これは元の文章で「慢性活動性肝炎」と書いてあるので、それだとこのまま文章でもいけるということですね。ただし、ALT正常で慢性活動性肝炎というのは基本的にはないので、そういう面ではこれで含まれているといえば含まれていることになります。

○八橋委員 要は、保険診療上の適応規定が存在し、また治療ガイドラインというものもあって、ガイドラインは、適正な医療としてのお勧めの医療を意味していると思います。今、議論している助成制度の基準は、その両者の中間に存在すると思います。そこで、ガイドラインに近い助成制度の基準とするのか、もしくは保険診療上の適応規定に近い助成制度の基準とするべきなのかという議論と、また、その一方で助成制度として公的に医療費を投入するという観点から、今までのC型肝炎治療での助成制度の基準との整合性も含めて、今回の基準をどのように位置づけるべきなのかという議論があるように思います。

○林座長 今までの助成制度については、先ほども局長のお話にありましたように、原則上、保険で認可されているものの文書を基にやっています。これは厚生労働省が助成しますので、厚生労働省が認可している条件から外れると無理なので、我々も添付文書に認められていれば原則治療ができるので、よほどおかしくない限り原則上それが基になります。だから、今回も慢性活動性肝炎、今から見れば変な文章なんですが、これは日本のB型肝炎の治療の歴史があって、HLBIしか今のところ認められていなくて、それがこういうものを対象にして認められているので、こういう文章になります。確かに、ずれているところがあるのは我々も認めているのですが、ただ、日本の行政上それは曲げられませんので、この慢性活動性肝炎と書いてあることとALT異常と書くことが両方必要かどうかというところが恐らく議論になろうと思いますが、いかがでしょうか。

○金子委員 慢性活動性肝炎という名前自体が、そもそも病理学的なものから来ていて、ウイルス性の慢性肝炎を考えたときにつけた名前なので、DNA陽性慢性活動性肝炎というのは必ずしもすごくおかしいわけではなくて、これはよく考えられたものではないかと。あえて今の御議論のように、ウイルス量が少なくてもある場合もあるかもしれないとか、トランスアミラーゼが正常であっても肝硬変がある場合みたいな話があるとすれば、あえて余りここでつけない方が十分ではないかと私は思いますけれども。

○林座長 私も、治療方針は医師がガイドラインに基づいて治療するかどうか決めた上で、治療する人に対する助成なので、別にこれはガイドラインとは基本的には矛盾しないのです。医師がその患者さんを治療すると決めた上で、その治療がこれに合致すればいいだけのことなので、そういう面ではこれでもいけるかもしれないという議論もあります。

○坪内委員 班のガイドラインですと、HBe抗原陽性者では5 log/ml以上、HBe 抗体陽性者では4 log/ml以上というように、HBV DNA量が細かく決められていますので、私も助成については、厳密ではなく、少し緩やかに定めておいた方がいいと思います。適正使用については別のルートで徹底することが望ましいと思います。

○林座長 そうすると、このままでもよろしゅうございますか。どういう治療をやるかについては医師と患者さんの相談の上で基本的に決まることなので、これはどういう治療をせよということを言っているわけではないということです。こういう治療の範囲内については助成を認めるということです。

○金子委員 先生が言われるとおりで、医師と患者さんが決められるということと、各県で委員を決めてやっています。石川県の場合は余り変なものは出てきていません。ということで、実際は余り変なものは出ないんじゃないかと私は期待したいと思います。

○八橋委員 「3.対応方針」の3番目には、助成期間は1年以内、助成回数は1回までと明記されています。1度しかない助成のチャンスをいかに有効に使うべきか、ということを考えて、主治医も患者さんも、治療のタイミングを十分に吟味されるはずです。助成の回数は1回までと制限していることで、ある程度、適正な医療が助成制度の中でおこなわれるのではないかと思います
 それと、熊田研究班のガイドラインは、毎年、少しずつより良いものにアップデートされています。適正な使用ということに関しては、熊田研究班の中で毎回、十分吟味されたものを、今後も、それを日本中に普及、浸透させるという方針でいいのではないかと私は思います。

○林座長 そういうことでよろしゅうございますか。
 あとは、これはお金の問題なので事務局と財務省との交渉の問題もありますので、この文章で一応お認めいただいたということで、修正を加えてさせていただくかもわかりませんが、これでよろしゅうございますか。
 あと、助成回数1回もよろしゅうございますか。これは異論が出るかなとちらっと思ったんですが、よろしゅうございますか。

○八橋委員 今、2回目、3回目の治療をおこなった方が良いというデータがないことから、現時点では1回に限定しておくことが妥当ではないかと思います。また、今後、数年経ってから繰り返し治療をおこなった方が良いというデータが出れば、また考えるということで、現時点では助成回数は1回でいいのではないかと思います。

○岡上委員 副作用などで12週とか24週投与後に一旦中断したら、それで1回になって、それ以降は出来ないでしょうか。

○林座長 恐らくこの文章ではそうなってしまう可能性がありますね。

○岡上委員 ウイルス量と肝機能にこだわるのは、B型肝炎の治療効果というのは最終的にウイルス量とALT値で規定されるからです。それなしに基準をつくったら、有効なのか、無効なのかという判定ができない事になりある一定の基準は必要と思います。ここにいらっしゃる先生方はみんな超専門家であり、良く理解できていますが、肝臓の専門家がたくさんいる県ばかりではないので、ある程度の基準をつくっておかないと混乱が生じる可能性が高いと思います。

○林座長 それは先生のおっしゃるとおりだと思います。今のところ各都道府県の対象の選択が少し違うので、ある程度緩やかにしておかないと、各都道府県で不整合が出てくると思います。原則的にフォローアップ事業で各都道府県でどういう事例をやっているかを検証しようという動きもあるので、それは各都道府県の肝炎協議会でやっていただかなければならないのではないかという気はします。これは単に、助成をするかしないかだけで、別に適正な治療が行われているかどうかをこの文章が決めるというものではないとお考えいただければと思います。
 とりあえず、助成回数も1回でよろしゅうございますか。

○泉委員 この文章自体がよく考えられているなと今の議論の中で思いました。
 それと、助成についてはC型肝炎のときに2か月何らかの理由で休薬した場合に、2か月後ろに延長できるということがありましたよね。ああいう運用が可能であれば、今おっしゃったような副作用で中止になった場合も弾力的に運営できるのかなと考えました。

○林座長 それでは、一応この案で最後いろいろなことがございますので、また修正をかけさせていただくかもわかりませんが。

○神ノ田肝炎対策推進室長 今の議論の中で、有効性の2つ目の○は、陽性の場合ということで限った方がよいかどうかという点を確認させてください。

○林座長 陰性は絶対無理ですから、陽性なおかつ量の議論になっています。

○神ノ田肝炎対策推進室長 では、そこは修正させていただくということで。

○林座長 陽性を修正するということですか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 陽性を明記するということです。

○林座長 ここには「陽性」と書いてありますから、これはこれでいいと思います。

○三島肝炎対策専門官 「1.有効性について」の2つ目の○です。

○岡上委員 今のデータですと、HBe抗原が陽性例のみ。

○林座長 前の文章ですね。前の文章は変えていただいた方がいいと思います。
 それで進めさせていただきたいと思います。

○外山健康局長 それでは、薬食審の方で承認されましたけれども、行政的にまだ薬事法で承認されておりませんので、手続は大臣として済み次第、自動的に保険適用になりますので、今言った前段条件が整いますので、私どもとしては直ちにペグインターフェロンについて今いただいたような条件のもとに医療費助成の対象にすべくやっていきたいと思います。

○林座長 それでは、続きまして、肝炎研究7カ年戦略の中間見直しについての議論に入りたいと思います。この議題につきましては、まず事務局から御説明をお願いいたします。

○神ノ田肝炎対策推進室長 それでは、御説明申し上げます。資料3を御用意願います。
 「肝炎研究7カ年戦略の中間見直しに係る検討事項」ということでまとめさせていただきました。
 まず、研究課題の設定について見直す必要があるかどうかということでございます。1、7カ年戦略前半の研究成果がどうだったか。2、後半の取り組みの方向性についてどうするか。3、B型肝炎の新規治療薬の開発についてということでございますけれども、こちらは国会でも議論がございまして、資料4でございますが、国会の議事録をそのままとってきております。福田議員からの質問の中で、菅総理がブログに記載したことを基にして質問されておりますが、下線を引いた部分でございます。「B型肝炎の発症を抑える治療薬の研究開発に対する強い要望も受け、早速その場で、厚生労働大臣に強く指示しました」と書かれていたということで、これについて厚生労働大臣としてどう考えているかという御質問でございます。それに対して細川大臣から下線部に書いてありますとおり「この治療研究に取り組むようにということで指示がございましたので、私の方では、最新の医科学の進歩を踏まえつつ、関係省庁ともいろいろと連携いたしまして、肝炎研究の推進に鋭意取り組んでまいりたい」、このような形で前向きにこういった治療研究に取り組むという答弁がなされております。
 ということで厚生労働省としては、資料3の3に書いてありますようなB型肝炎の新規治療薬の開発につながるような基盤研究等について今後、取り組んでいく必要があると考えているところでございます。
 「2.戦略期間の設定について」でございますが、普通でいけば中間見直しということですので、現行どおり平成20〜26年度までとするのが案1として考えられるかということでございます。案2としては、来年度(平成24年度)を初年度とする7カ年戦略。また、案3としては戦略期間も延ばして、来年度を初年度とする10カ年戦略とするという3つの案を用意させていただきました。
 これも先ほどのB型肝炎の新規治療薬の開発についてということに取り組むとすれば、やはり一定程度長期的な取り組みが必要になってくるかと思いますので、10カ年ぐらい必要ではないかということからすると案3ということで、来年度からの10カ年ということで、新規治療薬の開発につながるような基盤研究を進めていくことになるのではないかと考えているところでございます。このB型肝炎の新規治療薬の開発を戦略に位置づけるかどうかも、この戦略期間の設定にかかわってくるかと思います。
 この戦略期間とも関連しますが、「3.数値目標の設定について」。10年後ということになれば、またそれに合わせた目標の設定も必要になってくるかと思います。
 こういった3点について、この場で御検討いただければと思います。
 以上でございます。

○林座長 どうもありがとうございました。
 2番目の戦略期間の設定、3番目の数値目標の設定は後ほど議論させていただきたいと思いますが、まず、1番の研究課題の設定ということで、3、B型肝炎の新規治療薬の件について何か御質問がございましたら、先にお受けさせていただいてから議論を進めさせていただきたいと思います。今の事務局の御説明でおわかりいただけましたか。よろしゅうございますか。
 それでは、私からウイルス肝炎治療の現状と新薬の開発の方向性ということでプレゼンをさせていただきましてから、議論をさせていただきたいと思います。
(PP)
 まず、B型肝炎でございますが、キャリアから慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する病気です。
(PP)
 先ほども議論がございましたが、国際的に病気の進行についてはウイルスのDNA量に依存するということが言われています。こちらは肝硬変への進行、こちらは肝がんの発症ですが、これが患者さんのウイルスのDNA量で分けています。ここは先ほどから議論がございます10の5乗、10の4乗ですが、10の5乗以上の患者さんで肝硬変の進行率が高いあるいは肝がんの発症率が高いということで、現在B型肝炎の治療はウイルスのDNA量をできるだけ低値に保つというのが治療目標になっています。
(PP)
 これが日本のB型肝炎の抗ウイルス剤の状況ですが、核酸アナログ製剤とインターフェロン製剤が現在認められています。2000年にラミブジン、アデホビル、エンテカビル、それから、アデホのナイーブ症例が認められてきています。インターフェロンは先ほどもお話ししましたが、インターフェロンの28日投与、今年にペグインターフェロンの48週投与が認められています。
 それから、核酸アナログ製剤は現在、これ以後で欧米では多くの薬剤の開発が行われていますが、日本でストップしておりましたが、現在テノホビルの臨床試験が始まろうとしています。現在メインはエンテカビルが使われておりますが、あと、テノホビルというのがラインに乗ってくる可能性があります。
(PP)
 これはラミブジンあるいはエンテカビルの抗ウイルス活性を見たものですが、圧倒的にエンテカビルは抗ウイルス活性が高いので、現在これがファーストチョイスになっています。
(PP)
 核酸アナログ製剤の問題は、途中ウイルスに変異が起こってブレイクスルーが起こってくるというのが一番の問題になります。
(PP)
 それぞれ薬剤ごとにミューテーションが起こる場所は決まっております。
(PP)
 ただ、ラミブジンは4年経ちますと70%にミューテーションが起こっておりますが、現在日本のファーストチョイスのエンテカビルでナイーブ例では3年経っても1%以下ということで、最近のエンテカビルというのは圧倒的にミューテーションレートが低いですし、抗ウイルス活性も高いということになります。ただ、ミューテーションがゼロでもございませんので、欧米はそれ以外のラインを持っておりますので、日本でもテノホビルを認めていただくと、現在欧米で認められているB型肝炎の治療薬は日本でも大体それに類するラインがそろうということになります。
(PP)
 これが先ほど申し上げましたペグインターフェロンの1年投与の複合評価で、それを満足するのが19%ぐらいということです。
(PP)
 これがテノホビルですけれども、ラミブジン耐性症例に対して現在アデホビルを使っておりますが、アデホとテノホの抗ウイルス効果を見たものです。緑の方がテノホで、黄色がアデホです。これらのウイルスの低下率を見ておりますが、アデホに比べるとテノホは抗ウイルス活性が非常に高いということがわかっています。欧米では既にナイーブ症例にも使われておりまして、テノホとアデホのマーケットはフィフティー・フィフティーか、テノホが少し多いぐらいのシェアになっていますので、テノホを日本で承認してもらうというのも非常に重要ではないかと思っています。
 ただ、B型肝炎の治療薬で、先ほどB型肝炎の新規薬剤開発の話がございましたが、やはり重要なのは核酸アナログ製剤の服用中はウイルスを抑え込めるのですが、やめると元に戻るということで非常に投与期間が長くなります。患者さんの経済的な負担も大きいので、一定期間の投与によりウイルスレベルを下げるような薬剤が出てくれば、患者さんにとっては非常に有益だろうと思われます。
(PP)
 一方、C型肝炎です。
(PP)
 C型肝炎は同じように慢性肝炎、肝硬変と進みますが、こちらの治療目標というのはウイルスの排除ということになります。
(PP)
 最初にインターフェロンが認められたときはウイルスの排除率は14%ぐらいですが、現在使われているペグインターフェロン、リバビリンを48週使うと50%台のウイルスの排除率になっています。この場合、1型の高ウイルス患者さんを対象にしたものです。
(PP)
 ただ、C型肝炎については、いろいろな薬剤が現在、国際的に開発が行われています。
(PP)
 今、世界で一番臨床研究が進んでいるのは、C型肝炎ウイルスを特異的に抑制する薬剤で、プロテアーゼのところ、それから、ポリメラーゼのところ、NS5Aのところをターゲットにした薬剤の開発が圧倒的に進んでいます。ここに現在、日本で臨床試験をしている薬剤を書いております。
(PP)
 プロテアーゼ阻害剤は多くございますが、青で書いておりますのが現在、日本で臨床試験が行われている薬剤。テラプレビルは部会で承認が了承されたというプロテアーゼ阻害剤です。残りの薬剤が現在、臨床試験中です。
 NS5A阻害剤はブリストルマイヤーズの790052というのが現在、日本でかなり臨床試験が進んでいます。
 ポリメラーゼ阻害剤は今のところ日本で臨床試験は余り進んでいません。ただ、欧米では最近ここの開発が非常に進んできています。恐らく日本もここは大きく今後、進んでくるだろうと思います。
 それから、新しいインターフェロン製剤、ペグインターフェロンラムダについては日本でも臨床試験が始まっています。したがって、日本で臨床試験が進んでいるのは、プロテアーゼ阻害のテラプレビル、TMC435、MK7009、BI201335、BMS650032、それからNS5A阻害剤ということになります。
(PP)
 今現在、ペグインターフェロンとリバビリンの2剤の併用ですが、それに新しい抗ウイルス剤をつけ加えてとりあえず3剤でやろうというのが次のステップになります。これは今年中に日本でもできるということになります。
 その後は、インターフェロンを除いたものでうまくできないかということで、国際的にはプロテアーゼ阻害剤をベースにして、それにポリメラーゼ阻害剤かNS5A阻害剤を選択するという組み合わせです。
 ただ、これだけでは不十分な条件もありまして、それにはそれ以外の薬剤を追加するということが想定されています。
(PP)
 まず、ペグインターフェロン、リバビリンにもう1剤つけ加える、プロテアーゼ阻害剤かポリメラーゼ阻害剤かNS5A阻害剤ですが、今のところ国際的にもプロテアーゼ阻害剤をつけ加えるか、NS5A阻害剤をつけ加えるかということになっています。
(PP)
 これが現在、日本で承認が了承された、又は日本で臨床試験を進めている薬剤の著効率です。これは欧米の成績をそのままとってきております。これが近々日本で使えるテラプレビルですけれども、750mg一日3回12週、こちらが8週間ですが、著効率が大体75%、69%。ペグ・リバ(ペグインターフェロン、リバビリン)で50%ですが、大体20〜30%弱著効率が上積みになります。
 その後、ここに書いてあるTMC435とBI201335というのは、第2世代と言われているプロテアーゼ阻害剤でして、TMCの方が150mgで80%台、BIも240mgで大体80%台ぐらいです。これはNS5A阻害剤で、欧米では10mgで92%、60mgで83%ですが、これは日本でも臨床試験が一部終わっておりまして、ペグインターフェロンとの組み合わせでは10mgでは著効率は高くないんですが、60mgは非常に高くなっています。これが欧米と違うところです。
(PP)
 これがテラプレビルですが、日本国内の3相試験の結果です。3剤を12週間併用した後、もう12週間ペグ・リバを投与する方法です。こちらは、現在のペグインターフェロン、リバビリンをコントロールに置いています。現在のペグ・リバ49%に対して、初めて治療した方の著効率は73%。ペグ・リバで一度治療して再燃型になった人の著効率は88%。全治療が無効例については34%ということになります。特に、再燃例とナイーブ例については著効率が高いということになります。
 一番大きな問題は、副作用で貧血が高率に起こるということと、皮膚病変が起こるということで、その対策を今後どのようにとっていくかが非常に重要です。
 もう一つの大きなポイントは、無効例の著効率が30%台だということです。ペグ・リバで無効になった方にこの薬剤を追加も著効率が非常に高いということではないということを御理解いただければいいのではないかと思っています。
(PP)
 その理由は何かというと、プロテアーゼ阻害剤を投与しても、ウイルスの変異が高率に起こってまいります。こちらが現在の薬剤で、こちらがミューテーションの起こる位置を書いています。これはテラプレビルです。これは日本で現在臨床試験が行われている第2世代のプロテアーゼ阻害剤ですが、やはり複数の箇所にミューテーションが起こってくるということになります。
(PP)
 どのくらいの頻度で起こるかということで、これは欧米の臨床試験の成績ですが、ジェノタイプの1aと1bで投与されていますが、1aと1bでミューテーションの位置が違うということと、その位置によって率が大分変わってまいります。1aですと10〜46%、1bで16〜13%ウイルスにミューテーションが起こってくるということです。
(PP)
 なぜペグ・リバ無効例でこの薬剤の有効率が上がらないかについて、欧米の考え方が少し統一されてきました。その考え方というのは、この薬剤を投与するとウイルスはすぐ下がるんですが、早い時期からウイルス側にミューテーションが起こってきます。テラプレビルとペグ・リバを併用しますと、こちらの2つがウイルスのミューテーションが起こらないウイルスの状態。こちらがミューテーションが起こったウイルスの状態でして、ペグ・リバが入っていないとテラプレビルだけですとミューテーションのウイルスの割合がどんどん増えていきます。ただ、その患者さんがペグ・リバに感受性だと、このミューテーションのウイルスはペグ・リバで抑え込めますので、うまくウイルスの排除が起こってきます。だから、ペグ・リバ無効例がなぜ効かないかというのは、ペグ・リバ無効例についてはミューテーションのウイルスをペグ・リバで抑え込めないので著効に持っていけないというのが大体の合意事項になってきています。ペグ・リバ無効例で著効率を上げようとすると、最初にウイルスを急激に落としておかなければだめだということになります。
(PP)
 これが第2世代の薬剤ですが、著効率は大体共通しておりますので、いろいろな制約でお見せできないデータもありますので、代表例としてTMCのデータをお見せします。TMCは日本の臨床試験ですが、50mgと100mgで欧米と投与量が違っています。併用期間は3か月併用で、あと12週ペグ・リバ、先ほどのテラプレビルと同じ投与法です。もう2群は、50mgと100mgを24週間3剤併用する。コントロールはペグ・リバのコントロールになっています。
(PP)
 これはウイルスの下がり方でナイーブ例ですけれども、ペグ・リバに比べるとプロテアーゼ阻害剤を併用すると確実にウイルスを下げられます。大体5Log以上確実にウイルスを下げることができるということになります。途中のブレークスルーは、この薬剤についてはほとんど起こりません。
(PP)
 これは24週の投与終了時のウイルスの陰性化で4群ありましたが、ここで1例だけ陰性化していませんが、残りはすべて陰性化しています。
(PP)
 これが著効率ですが、ペグ・リバの著効率が46%に対して、こちらが50mg12週3剤併用、24週併用、100mg12週併用、100mg24週併用ですが、大体現在70%台、こちらで92%になっています。ここ著効率が下がっている理由ですけれども、この薬剤で投与を終了してウイルスが陰性ですが、それで患者さんが来なくなってしまったというのが治らなかった群に入っています。それから、終了時に陰性でそのままペグ・リバを継続したいという患者さんがおられたということで、少し著効率が低くなっていますが、24週併用すると90%近くの著効率になっています。
(PP)
 この薬剤のもう一つ大きな特徴、第2世代になって抗ウイルス活性が強くなってくると、今現在、治療効果予測に使っているIL28Bのスニップの影響が非常に小さくなってくるということがあります。こちらが欧米のデータですが、コントロール、75mg、100mgです。これはコントロールの4週後、12週後、24週後のウイルスの陰性化を見ていますが、CCというのがIL28Bのメジャー、インターフェロン治療によく効くとしています。この方は12週でほぼ100%ウイルスが陰性化していますが、残りのマイナーと言われる2群についてはウイルスの陰性化率は低いですが、TMCを投与すると75mgでは少しTTは低いんですが、150mg投与すると3群のウイルス陰性化率はほぼ同等になってしまいます。だから、IL28Bマイナーでも十分治療効果が見込めるということになってしまいます。
(PP)
 一方、こちらは欧米のペグ・リバで治療した人の著効率ですが、その成績が少し出てきています。これは6群比較になっていまして、100mgと150mgで12週3剤併用して残りはペグ・リバ、24週3剤併用して残りはペグ・リバ、48週3剤併用の6群比較になっています。
(PP)
 青いところがウイルスの陰性化した割合になりますが、4週、12週、24週で、こちらは100mgと150mg、100mgと150mgでペグ・リバに比べると早くからウイルスが陰性化しています。これは24週時のウイルスの陰性化率ですが、これがコントロール、こちらが残りの4群のウイルスの陰性化率です。
 恐らくペグ・リバ無効例だと思うんですが、無効例はやはり24週間併用しても10〜20%ウイルスが陰性化しない例が存在してきているということになります。
(PP)
 これが著効率なんですが、再燃型とパーシャルレスポンダーとヌルレスポンダーですが、投与期間と投与量ごとの著効率が書いてあります。特にヌルレスポンダーをごらんいただきますと、コントロールが23%に対して、残りこの4群は大体50〜60%ぐらいの著効率になっています。だから、テラプレビルの30%よりは上乗せになっていますが、80%も90%もウイルスが消えるというわけではないということになります。
(PP)
 これはMK7009ですが、今のところ最初の1か月間だけ300mg、600mg、800mgを併用して、残りペグ・リバを併用するというプロトコルでスタディが終わった成績だけをお見せします。
(PP)
 ここだけごらんいただくといいんですが、300mg、600mg、800mgで著効率がかなり高くなっています。最初の1か月間だけ併用するだけでも、残りペグ・リバで48週引っ張るとかなり高い著効率になるということになります。
(PP)
 今度はインターフェロンを除いた薬剤の組み合わせです。プロテアーゼとポリメラーゼ、プロテアーゼとNS5A阻害剤ということになります。
(PP)
 これは最初の薬剤で、ポリメラーゼ阻害剤とプロテアーゼ阻害剤の2剤を併用すると、12日間で確実にウイルスが5Log低下した。ここでほとんどミューテーションが起こっていなかったということで、いろいろな会社が現在、臨床試験をやっています。
(PP)
 これがヨーロッパの4月の肝臓学会で発表された、2剤のいろいろな組み合わせ、会社ごとに自分のところの薬剤を2剤組み合わせていますが、プロテアーゼ阻害剤とポリメラーゼ阻害剤の組み合わせか、プロテアーゼ阻害剤とNS5B阻害剤の組み合わせかということになります。この会社だけがポリメラーゼ阻害剤2剤の組み合わせで行っていますが、この薬剤は今、国際的に非常に注目されています。ポリメラーゼ阻害剤で圧倒的に抗ウイルス活性が強くてミューテーションレートが低いということで、この薬剤をベースにして他の会社のプロテアーゼとの組み合わせの臨床試験が一斉に今、欧米で始まっています。今欧米では恐らくこれが一番抗ウイルス活性が高くなるのではないかと予想されているところです。これ以外にもいろいろな組み合わせが今後どんどん出てくると思われます。
(PP)
 幾つか参考例をお示しします。これは、プロテアーゼ阻害剤とポリメラーゼ阻害剤2剤だけギリア−ドの例です。それにリバビリンを付加する、ペグインターフェロンを追加するというときに抗ウイルス活性がどうなるかを見た成績です。
(PP)
 こちらが2剤だけです。この薬剤の組み合わせは余り抗ウイルス活性が強くないのと、欧米はジェノタイプの1aが半分入っていますので、途中にミューテーションを起こしてブレークスルーが起こってきます。それに、リバビリンを追加しますと、やはり確実にウイルスの抑制効果が出てきます。それにインターフェロンを追加すると、更に抗ウイルス活性が出てくるということになります。だから、欧米の1a症例が入っているものについては、この薬剤の2剤の組み合わせでは不十分ということになります。
(PP)
 これが熊田先生が中心になって日本で現在臨床試験が進んでいるプロテアーゼ阻害剤とNS5A阻害剤の組み合わせです。グループBではペグ・リバを追加した臨床試験が欧米では行われています。24週間投与です。
(PP)
 こちらがプロテアーゼ阻害剤とNS5A阻害剤の2剤だけです。最初下がりますが、途中でブレークスルーが起こってきますけれども、これはほとんどジェノタイプの1aの患者さんで、1bでは今のところ余り起こっていません。だから、1bだけだと2剤でいける可能性はありますが、1aが入ってくると2剤だけでは無理だということになります。
 ところが、それにペグ・リバを入れるときれいにウイルスが抑え込めます。だから、ミューテーションが起こっても、その患者さんがペグ・リバに反応するとミューテーションのウイルスを抑え込めますので、うまく治療効果が出てきます。
(PP)
 これが著効率ですが、青い方がプロテアーゼ阻害剤とNS5A阻害剤の2剤です。黄色がそれに先ほどのペグインターフェロンとリバビリンを追加したときのウイルスの陰性化を見ています。これはRVR1か月後のウイルスの陰性化は両群とも60%ですが、欧米はジェノタイプ1aと1bが半分ありますので、1aがミューテーションを起こしてきますので、治療終了時のウイルスの陰性化率は2剤だけだと46%になります。ところが、それにペグ・リバを追加すると100%ウイルスが陰性化していきます。最終的にSVR24ですが、2剤だけで36%、4剤にすると90%です。ただ、ここで再燃してきたのはジェノタイプ1aがほとんどですので、ジェノタイプ1bだけでは今のところウイルスは消えています。
 ただ、日本の臨床試験でこの2剤で治療すると、きれいにウイルスが消えてくるのですが、1個だけ問題がございまして、ペグインターフェロン、リバビリンが投与できなかった患者さんを対象にやると、なぜか理由はわかりませんが再燃する患者さんが多いという、ちょっと奇異なデータになってきています。
 それと、トランスアミナーゼが上がる患者さんが多いので、それがどのくらい影響を与えるかというのと、ビリルビンが少し上がるというのが問題かもわかりません。ただ、1aに比べると1bの患者さんでは2剤で十分コントロールができる可能性があるということをこのデータは示していると思っています。
(PP)
 今まではすべて1型ですが、2型が全然臨床試験をされていないですけれども、ジェノタイプ2型と3型について、先ほどのポリメラーゼ阻害剤とペグ・リバの治療効果をやった成績があります。終了後12週の著効率ですが96%ということで、2型にはプロテアーゼ阻害剤は効かないんですが、ポリメラーゼ阻害剤を使うと2型についても抗ウイルス効果は十分期待できるだろうということになります。日本ではとりあえず秋にテラプレビルの承認が見込まれまして、その後、何剤かペグ・リバに追加する臨床試験が進んでおりますので、それが恐らく認められてくるのではないかと思います。それとは別に、ペグ・リバ無効例については、インターフェロンを除いた2剤による治療が、日本でも検討されていくのではないかと思っております。
 以上です。
 それでは、次に進ませていただきます。先ほどの7カ年戦略の研究課題の設定ということで、議論をさせていただきたいと思います。お手元に資料5をお配りしてございます。これが先日、委員の皆様方に事前評価をしていただいたもののまとめでございますので、今後の肝炎治療の方向を考えながら、この課題の中間的な評価をさせていただきたいということになります。
 課題数が非常に多いので、1つ1つやっていきますと、とても時間的にカバーできないと思っておりますので、左半分が7カ年戦略前半の研究成果をA〜Fで評価しています。右側が7カ年戦略の取り組みの方向性ということで、今後、重点強化した方がいいか、あるいは縮小した方がいいかを各先生方にお聞きしておりますので、右のDの縮小あるいはEの終了可の多い課題だけ御意見を伺わせていただければと思っております。
 まず最初に、B型肝炎が3題ございますが、この中でDの御意見の人が一番多かったのが3番目の「B型肝炎ジェノタイプに応じたインターフェロン及び逆転写酵素阻害剤の投与基準の標準化に関する研究」でございますが、いかがでしょうか。お二人の方が現状より縮小と書いておられますが、重点強化をおっしゃっている先生もいらっしゃいますけれども、よろしゅうございますか。
 次は、C型肝炎のところで4〜7番までございます。4番目の課題はDが2人、Eが1人、Fが1人です。その次の課題もDが2人、Eが3人ということになります。7番目の課題はEが6人ということなので、一番単純な7番目については、日本でも臨床的価値はありませんし、削除していただいて問題ないと思っておりますが、あとの御意見はいかがでしょうか。先生方の御意見であとの文章を書き換えさせていただくことになりますので、何か言っていただかないと書き換えられませんので。特にこの研究は縮小した方がいいという課題がありましたら、おっしゃっていただければと思います。
 5番目の課題はいかがですか。

○金子委員 「新規のカラムを開発中?」というのは私が書いたんですけれども、会社の人のあれなので、風の噂で聞いただけなんですが、移植のときのC型肝炎ウイルスの排除をどうするかというのがありまして、このカラムというのを移植中に使うことが従来のカラムはできなかった、フィブリノゲンは下がってしまって手術が維持できないということで、フィブリノゲンが下がらないカラムを開発して、移植においてウイルスを除去して、移植後C型肝炎の再活性化を抑えようという国際的には非常に珍しい研究なので、こういうものも進行しているということをちょっと書かせていただきました。

○林座長 これは残しておいてよろしゅうございますか。とりあえず、7番目の課題だけは縮小させていただきたいと思います。
 では、肝硬変のところでは2題ございまして、これはDもEも余りございませんので、そのまま継続させていただいていいのではないかと思います。
 次の肝がんですが、10番と11番。評価不能という先生がおられるんですが、D、Eの評価は余りございませんので、よろしゅうございますか。
 次の基礎研究は4題ございます。D、Eが多いのが15番目の「機能性食品によるウイルス性肝炎の病態の改善に関する研究」。これはいかがでしょうか。

○岡上委員 DAAのような原因療法がこれだけ進んでいる状況において、こういうものをシステマティックに国のお金でやると事には疑問を覚えます。

○坪内委員 全く同感です。

○林座長 15番も少し縮小化というところだと思います。
 それから、疫学研究はDもEもございませんので、必要だと思います。
 行政研究もいろいろな患者さんの団体からの御要望も非常に強いところでございますので、全然問題がないと思います。
 次に、臨床研究のB型肝炎です。ジェノタイプA、これはDもEもございませんので問題ありません。
 19番の「免疫抑制・化学療法中に再活性化するB型肝炎の治療に関する研究」は1人だけDがいますが、これは後でも議論になりますが、是非必要ではないかと思っておりますのでよろしゅうございますか。
 次はC型肝炎です。20番でDとEが2人ずつおられます。
 あとは、25番でDが3人おられます。
 20番目は熊田先生いかがですか。

○熊田委員 これは多分、サイクロスポリンのことを指しているのではないかと思うんですが、他の薬剤がこれだけ経過がいいので、サイクロスポリンAとサイクロスポリンという選択はもうないんじゃないかという考えで、私も縮小というか中止でいいと書いたと思います。

○林座長 やるとしたら、後ろの括弧を除いた方がいいかもわかりませんね。無効例と再燃例を対象にした治療法というのは必要なので、括弧のところを除いてしまった方がいいのかもわかりません。

○熊田委員 それであればいいんですけれども、多分皆さんD、Eをこんなにつけているのは、サイクロスポリンに引っかかっているんじゃないかという気がするんです。

○林座長 では、20番については括弧を削除していただくと。あとは重要だと思いますので、それでいいのではないかと思います。よろしゅうございますか。
 25番目「C型肝炎において宿主因子の強化に関する研究」は意見が分かれていて、Bが4人、Dが3人です。

○岡上委員 現在開発中の新しい薬剤効果には宿主因子は関与しておらず、今後GWASに多額の資金を導入して研究を進めても新しい成果がでるかどうか疑問です。

○林座長 ほかはいかがですか。では、これは検討させていただくということにいたします。
 次は、肝硬変で3題ございます。28番、29番はD、Eがございませんが、30番でDが2人で、Eが2人います。「肝硬変における肝線維化の悲観血的な検査法に関する研究」。これはつい最近、研究班が認められたところだと思います。今評価するのは問題だと思いますので、残していただいた方がいいと思います。

○岡上委員 現在の臨床ではこのような事は行われておらず、このような研究の継続には疑問を覚えます。

○林座長 次に、肝がんでございます。31〜38番までございます。Dが2人いるのが32番「肝がんにおける新規画像診断に関する研究」と38番「肝臓の栄養代謝が及ぼす発がん抑止に関する研究」ですが、よろしゅうございますか。何か御意見ありますか。
 次が基礎研究で、39〜44番まであります。43番「感染予防のC型肝炎ワクチン及び免疫グロブリンによる感染阻止に関する研究」で2人Dがございます。これは金子先生、いかがですか。日本でこれをやれる人がいるかどうかという問題ですけれども。

○金子委員 基礎研究が中に入っていると何でもありと思えないわけではないですけれども、ちょっと苦しいかなと。今でも一生懸命ワクチン開発をアメリカでもやっておられるそうですから、基礎研究としては勿論あれなんでしょうけれども、なかなか苦しい。

○林座長 ここはそういう意見を参考にさせていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
 それから、C型肝炎の酸化ストレス、線維化と脂肪化、インスリン抵抗性、データベース構築ですけれども、45番と46番はDが2人いますが、もう少しやられてもいいような気がしますし、ある程度答えが出ているといえば出ているような気もいたします。微妙なところだとは思います。今すぐに縮小しなければならないというほどのことではないような気はいたします。
 次に、疫学研究です。B型のジェノタイプの感染様式で、Dが2人いますが、熊田先生、これはまだやらなければだめですよね。

○熊田委員 これからですよね。

○林座長 これはまだ日本でははっきり答えが出ていないような気がいたします。
 それから、50番目も特に問題はありません。
 行政研究も2人以上D、Eをつけたのがございませんが、56番「医療行為に伴う肝炎ウイルスの新規感染防止に関する研究」ということで、削除するにはいろいろなことを考えまして難しいと思いますので、Dの方が2人おられますが、このまま残しておいていただいた方がいいような気はいたします。
 ということで、以上56番目まで駆け足でざっと見させていただきましたが、何件か中止してもいいのではないかという案件がございましたが、全体を通じて先生方、何かほかに御意見ございますか。

○熊田委員 非常によく似たテーマがあるので、それを少し整理した方がいいかもしれないですね。

○林座長 そうですね、割と内容が近いテーマがかなりありましたので、文章上また整理させていただきたいと思います。
 ほかはよろしゅうございますか。
 続きまして、上記以外で新規に期待される研究課題がありますかということで先生方にお聞きしたのが、その下に12課題出ております。次の治療戦略で文章を書き換えますので、そのときにこういう課題をうまく入れさせていただければいいのではないかと思っておりますが、何か御意見ございますか。この中でなかなか難しいというものがございましたら。

○熊田委員 やはり、最終的には発がんがどれだけ抑えられるかが一番の目的になると、NASHの発がんがもう20%を超えて、パーセンテージ的に言うと10年経つと更に30、40%までいってしまいますから、やはりNASHのところは一回消えてしまっていますけれども、是非、脂肪性肝炎は入れないといけないと思います。

○林座長 ほかによろしいですか。

○坪内委員 私も、熊田先生の発言に全く同感です。ウイルス肝炎に関する班はたくさんありますが、NASH関連の班はない状態です。現時点でも肝がんの約20%がNASH関連と考えられており、しかも問題はその比率が確実に増加しているので、今からきちんと対策を立てないと、10年先、20年先には日本の肝臓病の大きな問題になると思います。
 それと、他の領域では再生医療あるいは再生医学がすごく進んでいますが、肝臓領域では残念ながらその研究が極めて弱いという状況ですので、是非、肝硬変などの再生あるいはiPS細胞や肝幹細胞に関連する再生医療のような革新・先端的な研究についても支援体制の構築が非常に重要ではないかと思います。

○林座長 そういうことを勘案しながら文章を作成させていただきたいと思います。よろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
 次の議事は戦略期間の設定でございます。先ほど事務局から御説明がございましたが、B型肝炎の新規治療薬の開発を戦略の中に取り込む上で、今回は従来の7カ年戦略の中間評価ということなんですが、一度リセットして来年度、平成24年度から10カ年戦略として新たに仕切り直すという意見が出てきております。ということで、まず、今後、戦略期間の設定をどのようにすればいいのかについて御意見をお聞きできればと思っております。いかがでしょうか。来年から10カ年戦略として置き換えるか、今の7カ年戦略はそのまま継続しながら、ここで見直しを行うのかというところになります。

○岡上委員 林先生のプレゼンのようにここ数年で治療は非常に大きく進歩しています。特にC型肝炎というのは恐らくこの数年間で様変わりしてくると思いますので、そういう意味では案2で、新たにスタートするような形で7カ年戦略にされた方が、先ほどの研究テーマの中でも一部除いてもいいようなものもあったわけですので、私は案2の方でよいように思います。

○林座長 置き換える場合も事務局から2つございまして、来年度を初年度とする7カ年戦略とするか、来年度を初年度とする10カ年戦略とするかという選択肢がございます。

○岡上委員 10年は長いですよね。10年ではすごく変わりますよね。

○熊田委員 ただ、Cは岡上先生の言われるとおりだと思うんですが、Bはいまだにde novoの肝炎の問題もありますけれども、HBs抗原をなくすといっても、日本のデータはたかだかまだ4〜5%ですから、そうなると、Bの治癒というか、HBs抗原ということになると10年ぐらいないと、それでも終わらないくらいだろうとは思いますから。

○岡上委員 確かにそうですね。それにNASHが入ってくると、ますます長期も必要になってくるかもわかりませんね。

○熊田委員 次の世代のことを考えると、課題はまだ残っているかなと思います。

○林座長 いかがですか。先ほど事務局から御説明がございましたが、そういうことも勘案すると、岡上先生がおっしゃるように10年先にどうなっているか全然予測がつかないんですけれども、とりあえず10年ぐらいの長期的な方向性を立てていただいて、途中で当然のことながら中間的な見直しは行われますので、そういうことでよろしければ、そういう方向で事務局に御検討いただきますが、よろしゅうございますか。

○泉委員 さっき林先生からプレゼンがあったように、非常にB型とC型は大きく治療方針が変わってきて、確かに新たに見直していった方がいいんじゃないかということと、課題がむしろたくさん出てきたので、やはり期間としては10年ぐらいにしてNASHまで考えると、長く戦略的に取り組んでいった方がいいのではないかと私は思います。

○林座長 特に、肝がんを発症することについては全然根本的な対策がとれているわけではありませんので、B型もC型も肝がんの問題については非常に大きな問題をまだ残しています。そう数年で簡単に解決される性格のものではないというのは、そのとおりではないかと思います。

○八橋委員 10年は長いというご意見もありますが、私は、長期的に見て、日本の肝疾患患者が今後10年間にどのような動向をたどるのか、その将来像を今から十分に考えることは必要だと思います。10年というスパンで物事を見据えた上で、明確な治療目標を立てた上で、今回のように適宜、中間評価をおこないながら適正に修正するのであれば、10カ年戦略でよいではないかと思います。

○林座長 ということは、戦略期間の設定については、来年度を初年度とする10カ年戦略ということで基本的に考えさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 3番目が、元の戦略に書いております数値目標の設定についてということで、前回非常に悩ましかったことは覚えているのでございますが、これについてはいかがでしょうか。前回も一応いろいろな要素を考えて数値目標の設定を書かせていただきましたが、御存じのように、その根拠となるエビデンスがそれほどあるわけではありません。特に、5年先にどうなっているか、これは非常にわかりにくくて、かなり数値目標の設定には困ったことだけ覚えております。ただ、いろいろなところに戦略をお認めいただくときに、その数値目標の設定が重要なファクターになりますし、どれだけ成果が出るんだということについても問われますので、その辺微妙な問題を含んでおりますが、いかがでしょうか。

○熊田委員 多分、C型の数値は日本のテラプレビルも73ですよね。それでTMCが出てきたら80%と言いますから、それから、内服2剤も今のところレスポンダー100%、ナイーブが8割ですから、ここは70を10%ぐらい上げてもいけるかなという気がしますけれども、残りはなかなか予測不可能だと思います。そこだけ変えるなら、C型の1b高ウイルス型の根治率を現状の70〜80に上げてもいいんじゃないかと私は思っています。

○八橋委員 賛成です。

○林座長 あとのところを変えなくてもいいのだと非常に簡単ですが。
 ほかに御意見がなければ、これはまた事務局と御相談させていただきますので、数値目標を設定するということについてはよろしゅうございますか。一部明らかに変化すると思われるものについては勿論書き換えさせていただくということで。不明確な要素がかなり入る部分については、事務局と検討させていただくということでよろしゅうございますか。どうもありがとうございました。
 その他ですが、何か先生方からございますか。なければ、1件皆さん方から御意見をお聞きしたいんですが、実は今日の朝刊にB型肝炎のリウマチとか抗がん剤治療で劇症化が起こったという記事が出ております。偶然この会がございましたので、今日、委員の先生方の御意見をお聞きしておけばいいなと思っておりましたので、もともとの疫学データをまとめていただきましたのは坪内先生の研究班ですので、偶然今日は坪内先生が御出席ですので、坪内先生の御意見をまずお聞きできればと思いますが、いかがでしょうか。

○坪内委員 私は、この新聞記事をここで初めて見ました。新聞記事の治癒肝炎におけるB型肝炎ですが、治癒肝炎は、以前にB型肝炎に感染して治っている状態、すなわち自覚症状もなくHBs抗原が陰性になっている状態です。こういう人が、他の病気にかかって、たとえば、多いのはリンパ腫ですが、免疫を抑制する治療薬で治療した場合に、肝炎がぶり返してくることがあります。特に、悪性リンパ腫でR−CHOP療法、リツキシマブという薬とステロイドホルモンが含まれた治療をした場合には、肝炎の発症や重症化の頻度が高く、劇症肝炎になることもあります。劇症肝炎になりますと私の班で集計したデータでは、全例亡くなっています。そういうことで、私たちの「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班と熊田班で一緒に対策のガイドラインを2008年に作成し、2009年はじめに雑誌『肝臓』にも掲載してもらっています。
新聞記事にあるような死亡例というのはこのような症例のことだと思います。悪性リンパ腫のような血液悪性腫瘍で免疫抑制・化学療法をする際には、このガイドラインに従って対応していただければ、最近の持田班の研究でも肝炎自体の発症が抑えられ、したがって、確定的ではないのですが、劇症肝炎にもならないことが明らかになりつつあります。
 最近、リウマチや炎症性腸疾患など血液悪性腫瘍以外でも、生物製剤をはじめとして免疫を抑制する薬で治療した際に、このようなHBVの再活性化を起こした症例が報告されるようになってきました。私たちの班のデータでは、リウマチで治癒肝炎ということがはっきりしている人が劇症肝炎になった例は、これまではありません。したがって、治癒肝炎のリウマチ患者さんから劇症肝炎が発症しているという状況ではありません。しかし、もともとB型肝炎ウイルスが陽性の人が、免疫抑制療法を契機に肝炎が悪化することは以前から知れているので、注意が必要です。そういう場合はB型肝炎として肝臓専門医に相談して核酸アナログ投与などの対策をとれば、B型肝炎の再活性化は防げると思います。
リウマチ学会も、最近このことに関して理事長名で提言が出ています。その提言は、私たちがつくったガイドラインが母体になっています。この新聞記事にあります持田教授のコメントも、私たちのガイドラインにしたがって対応して、肝炎の発症予防ができたとなっています。
 最近、HBVの再活性化に関して、リウマチ患者さんの前向き研究の論文がいくつか発表されています。リウマチ患者に、生物製剤を含めた免疫抑制療法を行うと、HBVの再活性化が起こる率は5〜10%程度だと考えられます。非常に興味があることに、HBVの再活性化は起こっていますが、ALTは高くなっていない、すなわち肝炎は起こっていないことも報告されています。まだ、エビデンスが十分でなく確定的なことは言えませんが、リウマチの状況は、白血病、リンパ腫、あるいは固形がんで強力な免疫抑制・化学療法をしたときのような状況とは、発生頻度や重症化の頻度が少し異なるかもしれないと私自身は認識しています。

○林座長 どうもありがとうございます。
 ということで、最近特にリウマチ患者さんから劇症肝炎が多く発症しているというわけではなく、それに対する対策はかなりとられております。ガイドラインもリウマチ学会の方にもお示ししておりますし、最近リウマチの新薬の添付文書の改訂が行われて、チェックするようにというのも今年の春に厚生労働省から出ておりますので、十分対策がとられているのではないかと思っております。
 ただ、1つだけ問題は、実はリウマチの患者さんに治療をするときにB型肝炎のチェックをしなければいけないんですけれども、その保険が通っていないということです。それはリウマチの先生方からも言われています。添付文書に書いているんだけれども、これで検査したら保険で認めてくれるのかということについては少し言われていますが、劇症肝炎患者が急激に増えているというわけではないと認識しております。
 他の先生方から何かありますか。

○坪内委員 林先生の発言にありましたように、ガイドラインではそういう免疫抑制療法の際に、まず、HBVのマーカーをスクリーニングすることから始まっています。すなわち、HBs抗原に加えてHBc抗体とHBs抗体を測定することを提言していますが、それが保険で認められない。また、定期的にHBV−DNAを検査することになっていますが、これも保険で認められない。このガイドラインの話をしますと、そのことをよく質問されます。このことについては、是非早急に対応していただければと思います。

○熊田委員 それに関しては、肝臓学会が平成24年度の医療費改定に要望として既に出していますので、通るか通らないかはわかりませんけれども、一応学会としては重要項目として出しております。

○林座長 それ以外で御意見ございませんか。どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から何かございますか。

○外山健康局長 今日はどうもありがとうございました。
 次回は、プロテアーゼ阻害剤の方が薬価収載された後、もう一度、医療費助成の追加ということで議論させていただきたいと思いますけれども、今日、肝炎研究の7カ年戦略を来年度をまた足場にして10カ年という形で、B型肝炎の新規治療薬の開発も含めて御提言いただきましたので、我が方としては、さっき国会での議論もありましたけれども、これだけ大きな問題になっているわけでございますので、できる限り研究を拡大して裾野を広げていきたいと思っております。そういう方向で予算要求も努力したいと思っております。
 それから、数値目標を入れた7カ年戦略の話につきましては、次回にまた座長と御相談して資料として出しますので、よろしくお願いしたいと思います。

○林座長 そういうことで、次回に10カ年とした形の計画を御提示させていただこうと思いますので、また御検討をよろしくお願いしたいと思います。先生方、よろしゅうございますか。
 それでは、時間もまいりましたので、これで本日の第1回目の会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
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三島・大石
(電話)   03−5253−1111(内線2944)

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