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2010年12月27日 第6回目安制度のあり方に関する全員協議会議事録

労働基準局労働条件政策課賃金時間室

○日時

平成22年12月27日(月)
13:00~14:30


○場所

厚生労働省専用第14会議室


○出席者

公益委員

今野会長、武石委員、中窪委員、野寺委員

労働者委員

石黒委員、木住野委員、北田委員、團野委員、萩原委員

使用者委員

池田委員、小林委員、山崎委員、横山委員、吉岡委員

事務局

森岡大臣官房審議官、本多大臣官房参事官(併)賃金時間室長、藤永主任中央賃金指導官
伊津野副主任中央賃金指導官、亀井賃金時間室長補佐

○議事

○今野会長
  それでは、時間ですので、ただ今から第6回目安制度のあり方に関する全員協議会を開催いたします。本日は、勝委員、藤村委員、高橋委員、田村委員が御欠席です。
  本日は、前回の議論で了承していただいた3つの議題のうち、20指標によるランク区分の見直し、もう1つは、賃金改定状況調査等参考資料のあり方、この2つの点について議論いただきたいと思っております。
  それでは、まず20指標によるランク区分の見直しに関して、事務局から資料を説明いただいて議論したいと思います。よろしくお願いします。

○亀井室長補佐
  賃金時間室長補佐の亀井と申します。よろしくお願い申し上げます。それでは、私の方から、本日お配りしております資料のうち、まず20指標に係る資料について御説明させていただきます。お手元にお配りしております資料の目次で申し上げますと、資料1~10となります。お手元の資料でございますけれども、資料ごとにホチキス綴じにしておりますので、適宜ばらして御利用いただければと思います。
  それでは、資料1について御説明させていただきます。資料1「ランク振分けの方法(平成16年)」でございますけれども、平成16年に行われました各都道府県のランクの振分けの方法の原則をまとめたものでございます。
  資料の1つ目から3つ目の○の部分には、ランクの振分けの基礎となります総合指数の出し方がまとめられております。平成16年の際にはおられなかった委員もおられますので、この総合指数の出し方の御説明の前提といたしまして、総合指数とは何かということをまず簡単に御説明いたします。
  ランクの振分けは、各都道府県の経済実態を基に行われることとなっておりますけれども、総合指数とは、各都道府県の経済実態を比べるための指数でございます。総合指数を出すためには、最低賃金に特に関係が深いと考えられる20の指標、通称「20指標」を用いることとされております。
  20指標でございますけれども、1つ目の○にございますように、「所得・消費に関する指標」、「給与に関する指標」及び「企業経営に関する指標」という3つのグループがございまして、「所得・消費に関する指標」が5つ、「給与に関する指標」が10、「企業経営に関する指標」が5つの合計20指標から構成されております。以上が総合指数の簡単な御説明でございます。
  続きまして、総合指数の出し方でございますけれども、資料には「平成11年から16年まで」となっておりますが、これは15年の誤りでございます。直近5年間の平均値をとるということになっております。
  続きまして、この平均値を基にいたしまして、東京の値を100とし、その他の道府県は東京との比較で値を決める。これによって20の指数を作成いたします。
  最後に20の指数を単純平均、すなわちすべて足して20で割るという方法でございます。単純平均した数字が各都道府県の総合指数となります。この総合指数を基に4つ目の○でございますけれども、3つの考え方に基づいて都道府県をAからDまでの4ランクに分割する。
  読み上げさせていただきますと、「(1)総合指数を順番に並べ、指数の差が比較的大きいところに着目する。」とは、都道府県間の指数の格差に注目するということです。
  「(2)個々の都道府県のランク間の移動やランクごとの都道府県の数の変動を極力抑える。」とは、安定性を重視するということです。
  「(3)特にB、Cランクについては、各ランクにおける総合指数の分散の度合いをできる限り小さくすることにも留意する。」とあり、この3つの原則によりまして、平成16年のランクの振分けが行われております。ちなみに平成12年及び平成7年においても、同様の考え方でランクの振分けが行われました。以上、資料1の御説明でございます。
  3頁目の資料2でございますけれども、こちらの資料は平成16年当時のランク区分の見直しの基礎とした20の指標をまとめたものでございます。
  先ほど、20指標は3つのグループから成ると申し上げましたが、所得・消費関係が5指標、給与に関するものが10指標、企業経営に関するものが5指標ということです。
  Iが所得・消費関係の5指標でございます。指標1と指標2は所得に関する指標でございまして、その他、指標32人以上の世帯の1ヵ月当たりの支出、指標4消費者物価地域差指数、指標5標準生計費から選んでおります。
  II が給与関係の10指標でございまして、調査対象の事業所の規模でありますとか、調査対象の労働者の属性を異にするデータを用いて、主に時間当たりの給与額を見ることとしております。指標6と指標7が5人以上の規模の事業所あるいは企業の1人1時間当たりの所定内給与額を賃金構造基本統計調査と毎月勤労統計調査の地方調査という2つの統計調査によって見ることとしております。
  指標8と指標9は小規模な事業所の給与額を最低賃金に関する基礎調査と毎月勤労統計調査の特別調査によって見ることとしております。
  指標10でございますけれども、これはパートタイムの女性の労働者の1人1時間当たりの所定内給与額を賃金構造基本統計調査によって見ることとしております。
  4頁に移りまして指標11から13までは小規模な事業所の低賃金な労働者の層の方々の給与を見ることになっております。具体的に申し上げますと、いずれも第1・二十分位数を見ることとなっておりまして、給与水準の低い方から5%ということでございますが、この第1・二十分位数を指標11が毎月勤労統計調査の特別調査、指標12が賃金構造基本統計調査の特別集計結果、指標13が最低賃金に関する基礎調査によって見ることとしております。
  指標14は10人以上の規模の企業の新規高卒学卒者の初任給を見ることとしております。
  指標15は中小・中堅企業春季賃上げ妥結額を厚生労働省の中小企業労働情報によって見ることとしております。
  最後にIIIが企業経営関係の5指標でございます。指標16は製造業、指標17は建設業、指標18は卸売業と小売業、指標19は一般飲食店、指標20はサービス業でございますけれども、これらの業種について、それぞれ1就業者当たりの年間出荷額でありますとか、年間出来高でありますとか、年間販売額等を選んで、主な産業の生産性を見ることとしております。
  先ほど申し上げましたとおり、この20の指標の数値を単純平均したものが各都道府県の総合指数となりますので、I~IIIのウェートが5対10対5となっております。以上が資料2の御説明でございます。
  5頁の資料3、20指標の選定理由でございます。こちらはただ今御説明しました20指標が選ばれた理由について、平成7年4月28日の目安制度のあり方に関する全員協議会において、この20指標を用いるということが定められたのですが、その報告の該当箇所を抜粋したものでございます。内容は今まで御説明した部分と重複いたしますので、省略させていただきます。
  7頁目の資料4は、平成16年のランクの振分けを行った当時の総合指数とその基となった20指標の指数及び原数値でございます。頁の一番左側に都道府県名がございまして、1つ右側の列にそれぞれの総合指数が並べられております。
  その右側から20指標のそれぞれにつきまして、基となった数値と、東京を100として東京との比較で指数化した数値が順次並べられております。
  指標1「1人当たりの県民所得」を例に御説明いたしますと、東京都の1人当たり県民所得は432万4,000円、この値を100といたしますと、その下の神奈川県は315万7,000円、東京都と比較すると73.0ということになります。その下の愛知県は356万8,600円で、指数にいたしますと82.5となります。こうした形で20指標のそれぞれについて一つひとつ指数を出して、すべて足し上げて単純平均したものが総合指数ということでございます。
  ちなみに平成16年のランク振分けの際には、この資料に記しておりませんけれども、千葉県と滋賀県の間で線が入りまして、上から5つがAランク。そのほか栃木県と茨城県の間でまた線が入りまして、BランクとCランクの境目ということになり、和歌山県と徳島県の間でまた線が入りまして、CランクとDランクの境目ということになっております。
  15頁目の資料5は、平成16年の目安制度のあり方に関する全員協議会におきまして、20指標についてどのような御議論がされたのかということを、当時の議事録から抜粋したものでございます。24頁まで続きますけれども、分量がかさみますので、当時の御議論の主なポイントを口頭で御説明したいと思います。
  3頁目の資料2と併せて御覧いただけますでしょうか。資料2の20指標のうち、平成16年当時に御議論のあったものを御説明いたしますと、指標10でございます。女性パートタイム労働者の指標でございますけれども、この指標について当時、使用者側委員の池田委員から、女性だけあえて抜き出す必要があるのか疑問であるという御意見をいただいております。
  また、指標11につきましては、当時、労働側委員の中野委員から、数値の水準が最低賃金の全国水準と比較してあまりにも低過ぎるので、水準の取り方に再考の余地があるのではないかという御意見をいただきました。
  指標の18につきましても、当時、労働側委員の加藤委員から、東京を100とすると神奈川県が34.3、千葉県が30.9、埼玉県が34.8と極端に低く、全体的に東京都と地方の格差が開き過ぎるのが問題ではないかという御意見がございました。
  この指標18につきましては、卸売業の影響によって、都市部と地方の格差が生じておるということになりまして、計算方法の変更が行われました。具体的には、卸売業と小売業のそれぞれについて、別々に指数を出しまして、その平均をもって指標18とするという変更が行われております。
  最後に指標19につきましても、労働側委員の加藤委員から、当時、指標19のデータが平成10年のものと非常に古かったこともありまして、5年後は代替指標を検討するということが課題であると理解してよろしいか、という旨の御意見をいただきまして、事務局より次回に向けた検討課題と認識している旨の説明がなされたところでございます。
  以上、資料5の中身、平成16年のランク振分け当時になされた議論の御紹介でございます。
  続きまして25頁、資料6を御覧いただけますでしょうか。資料5までは前回、平成16年に行われたランクの振分け、当時の資料や議論の御紹介でございましたけれども、この資料6からは今回御議論いただく新たなランクの振分けに関係する資料ということで御説明させていただきます。
  まず、資料6でございますけれども、先ほど申し上げました20指標における19番目の指標について、非常にデータが古いことから代替指標を検討するよう御指示をいただいておったところです。
  内容について御説明いたしますと、資料の2つ目の○を御覧いただきたいのですが、一般飲食店について現行の19番目の指標と類似のデータが取得可能な政府統計でございます。政府統計の他、民間統計も含め網羅的に検討した結果、19の指標の代替候補といたしまして、表に掲げております4つの政府統計があると考えております。表を御覧ください。
  表の見方でございますけれども、一番左側の列は統計の名称とサンプルサイズ及び調査元でございます。中央の列はそれぞれの統計のメリットでございます。一番右側の列がデメリットということでございます。それぞれのメリット、デメリットは資料に記載しているとおりなのですが、かいつまんで紹介いたしますと、1番のサービス業基本調査は、現行の指標19に最も近いと言えますが、5年に1回という周期のため、タイムリーさには欠けるということかと思います。
  2番のサービス産業動向調査は、毎月実施されますので、非常にタイムリーであるけれども、都道府県別のデータが得られない上、調査の対象となる労働者の方々の範囲が異なるという問題がございます。
  3番目の法人企業統計も四半期ごとに実施されるということで、タイムリーではありますけれども、都道府県別データが得られない上に、調査の対象が法人に限定されてしまうというデメリットがございます。
  4番目の県民経済計算は、都道府県別データが得られ、かつ、毎年取りまとめられるということでタイムリーなのですが、デメリットといたしまして、一般飲食店の売上高というデータが抽出できないという大問題がございます。
  事務局といたしましては、代替指標の検討ということで、この4つの政府統計を比較検討いたしましたけれども、以上のメリット、デメリットからして、サービス業基本調査が19の指標の代替候補として最適ではないかと考えております。
  なお書きのところで、19の指標を改めた場合に総合指数がどう変わるかということで、資料9-2及び10-2を参照と記載しておりますが、後ほど御説明させていただきますので、ここでは一旦次にお進みいただければと思います。
  27頁の資料7を御覧ください。20指標の評価方法変更の検討についてということでございますけれども、資料冒頭の「1.趣旨」書きにございますように、16の指標、製造業に関わる指標でございますけれども、こちらの指標について最新のデータに基づくリバイスを行った結果、東京都の値が比較的小さく、全国で30番目になってしまう。他の指数と同様に、東京都を100として他の指数を並べますと、山口県の指数が232.2ということを最高に、千葉県も200を超えますし、和歌山県でありますとか、岡山県でありますとか、そうしたところも180、190といった指数が出てしまう。
  山口県の例で申し上げますと、山口県の総合指数は84.8でございますが、16の指標の寄与分が11.6も占めるということで、このままでは総合指数に対する影響が非常に大きく出かねないという状況になっております。
  ランク振分けの原則でも御説明させていただきましたが、1つの指標によって総合指数が大きく変動しまして、順位及びランクに影響しかねないということになりますと、安定性の観点から非常に問題ではないかと考えておりまして、1つの指標の影響が大きくなり過ぎることを是正するために、指標の評価の方法を変更することが考えられるのではないかと考えております。
  そこで、事務局におきまして、いくつか対応の方向を検討しましたのが資料の中の「2.対応案」でございまして、3つ掲げております。
  1案は、従来どおり、すべての指数について東京都を100とする。何も変更しないということでございます。
  2案は、緊急避難的に比較的指数が大きくなっている指標16のみ山口県を100として、他の都道府県は山口県との比較で指数を割り振るということでございます。
  3案は、山口県のみ評価方法を変えるという中途半端なことはせずに、東京都以外に最大値を取る道府県がある場合には、その最大値を取る道府県を100として、その他を最大値を取る道府県との比較で指数を決めるという案でございます。
  案の2でありますとか案の3を採用する場合には、ランク振分けの考え方、資料1の2つ目の○に、東京都を100として他の道府県をそれと比較するという文言がございましたけれども、資料1の考え方の部分についても見直しが必要ということになります。
  資料7につきましては、事務局としての問題意識から作成したものでございますので、どの案が最適ではないか、ということは特段言及しておりません。お求めがございましたならば、御説明させていただきたいと考えております。以上、資料7の御説明でございます。
  29頁、資料8は、平成22年のランク区分の見直しの基礎となる20指標の案をまとめたものでございますけれども、括弧書きのところで直近の統計が何年から何年までかということがわかるようになっております。
  30頁を御覧いただきますと、上の指標19は商工業実態基本調査でございますけれども、こちらをサービス業基本調査に置き換えてはどうかという案となっております。
  31頁の資料9、最新のデータに基づいて算出いたしました総合指数と、その基となる20の指数、更に20の指数の基となっておる原数値をまとめたものでございます。
  テーブルの上に本日参考という形で1枚紙をお配りさせていただいていますけれども、この参考資料の性格でございますが、今回、指標の19と16の評価方法について見直しの選択肢を提示させていただいておりますので、この資料9と後に続く資料10について、いくつかのパターンがございます。それぞれのパターンに応じて総合指数も変わるわけですが、資料の枝番同士がどのような関係にあるかということを、一見してわかるように作成させていただいたものでございます。
  資料にお戻りいただきまして、31頁目の資料9-1でございますが、こちらは19の指標について、今回見直しを行わず、平成10年の従来の商工業実態基本調査を基に算出した場合にどうなるかというものでございます。
  総合指数の傾向を平成16年当時と比較いたしますと、最大で3.3ポイント上昇、最低の場合は1.9ポイント下落いたしまして、上昇するものと下落するものの平均をとると0となっております。
  37頁、資料9-2は、19の指標についてサービス業基本調査に基づいて総合指数を算出した場合にどうなるかという資料でございます。
  こちらは平成16年当時の総合指数と比較いたしますと、山口県が最大で2.3ポイント上昇いたします。一方、最低で3.2ポイントの下落、これはBランクの京都府でございます。
  平均値をとりますと、全体で1.1ポイント下落するということになっております。
  39頁、資料9-3は、指標19をサービス業基本調査で見直した上で、指標16について先ほどの資料7の案2の場合でございますが、山口県を100にした場合どうなるかということで総合指数を算出したものでございます。
  こちらの総合指数は平成16年と比較いたしますと、すべての道府県で下落するという結果になります。一番低いところで4.8ポイントの下落が生じまして、平均をとりましても2.4ポイント下落ということで、東京都との格差が拡大するという結果になっております。
  41頁、資料9-4は、指標19をサービス業基本調査に改めるとともに、指標16に限らず、東京都以外の道府県が最大値を取る場合には、その最大値を取る道府県を100として、その他をその最大値との比較で並べた場合でございます。
  今回は指標16以外に資料に掲載されております指標3、5及び11が東京都以外が最高値を取るということでございます。この場合の総合指数でございますけれども、一番左にございまして、先ほどの山口県のみ100とした場合以上に全体として数字が落ちます。傾向を申し上げますと、先ほどの場合と同じく、すべての道府県で数字が下落いたしまして、最低で5.0ポイント下がります。平均を取ると2.5ポイントの下落ということで、こちらも東京都との格差は拡大するということでございます。
  43頁目以降の資料10-1でございますけれども、この資料10の枝番は、今御説明した4つのパターンの組み合わせごとに、総合指数の順位がどのように変わるのかということをまとめたものでございます。
  お配りしております横紙の参考と併せて御覧いただきたいのですが、まず43頁目の資料10-1は、指標19について従来のままとした場合に順位がどう変わるかというものでございます。
  45頁目の資料10-2は、指標19についてサービス業基本調査で見直した場合に、順位がどう変わるかというものでございます。
  47頁の資料10-3は、資料10-1と10-2の見直し後の順位を比較した場合にどうなるかというものを作成いたしました。そう大きくは順位が変動しない、ということが見て取っていただけるかと思います。
  53頁目の資料10-6は、指標19を見直した上で、指標16のみ、山口県を100として総合指数を見直した場合の順位の変動でございます。
  資料10-1や10-2と比べますと、指標16の影響で上昇していた山口県等の順位の大幅な上昇が抑えられているという結果になります。
  55頁、資料10-7は、指標16に限らず最大値を取る道府県を100とする方法を取った場合の順位の変動でございます。49頁目の資料10-4と51頁目の資料10-5は、参考の資料にございますとおり、資料10-4については資料10-2と資料10-6の見直し結果を比較したものでございます。資料10-5につきましては、資料10-6と資料10-7の見直し結果を比較したものでございます。
  少し長くなりましたけれども、以上で資料1~10の御説明を終えさせていただきます。

○今野会長
  ありがとうございました。それでは、資料がわかりにくいので、資料の内容について御質問があったらまずお聞きいたしましょう。いかがでしょうか。内容についてはよろしいですか。
  では、事務局からは16と19の指標の見直しについての考え方が説明されましたので、そちらで御意見があったらお願いいたします。いかがでしょうか。

○横山委員
  わざわざ申し上げるまでもないのですが、事務局の方から出ました原案でよろしいのではなかろうかと使用者側の委員は思っております。

○今野会長
  そうすると、今おっしゃられたのは、19の指標の問題は事務局案のサービス業基本調査を使えばいいではないかということですね。16の指標については、事務局は何も提案していない。

○横山委員
  つまり、今、考え方の話でしょう。その中に入っていく、提案があった資料まで含めての話であればいろいろありますけれども、順番に整理していった方が早いかなと思ったものですから、考え方として、従来の考え方を踏襲してよろしいかというのが前段に来たと思ったので申し上げました。それを前提にして、では指標の取り方はどうしましょうということに入っていくわけです。

○今野会長
  わかりました。私は最初から従来の考え方でいくのかと思っていたものですから、次の御質問に行ったんですが、先へ行き過ぎたようです。
  今、使用者側の委員からの御意見はこの指標全体をどのように構成するかという考え方ですね。例えば5、10、5とか。それについては従来どおりでいいのではないかということでしたので、それはよろしいですか。
  それでは、個々の指標をどうするかということですので、御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。

○横山委員
  では、これにつきましても、まずポイントとして19の指標の代替というお話ですが、他に調査がないということであれば、サービス業基本調査から取ってくる、こういうところでやむを得ないのではないかなと思います。やむを得ないというよりは、それでいくのが一番いいでしょうと考えております。

○今野会長
  労働側委員はいかがですか。とりあえずは19の指標についてですけれども、よろしいですか。

○團野委員
  結構です。

○今野会長
  では、19の指標については、資料6にありますサービス業基本調査でいくということです。当然のことながら、直近データを使うということであります。これは5年に1回ですものね。
  それでは、複雑なのは指標16の方ですので、これについて御意見をいただければと思います。

○池田委員
  この20指標はいずれも東京都の100を定めて導き出されたものということで、指標の出し方を変えることについては慎重な議論が必要と思います。総合指標の順位につきましては、ランク区分の見直しのための基礎データとして活用するものであり、地方最低賃金審議会での金額審議に、総合指標の順位に影響することはないことを確認させていただきたいと思います。

○今野会長
  最後の点はどういう意味でしょうか。

○池田委員
  要するに、地方最低賃金審議会の金額審議に総合指標の順位が影響することはないようにお願いしたいということです。

○今野会長
  でも、総合指標に基づいてランク分けをしているわけですね。そうすると、前半おっしゃられたことは、東京都を100にして指標を出していたという方法の変更については、慎重に議論してほしいということでよろしいですか。

○池田委員
  都道府県に順位がありますね。その順位があまり地方最低賃金審議会の審議に影響を与えないようにしておきたいということです。

○今野会長
  それはもし総合指標の算出方法に変更があったときに、総合指標が動いてランク間の移動が多くなるようなことは困るということでしょうか。

○池田委員
  はい。

○今野会長
  そういうことでいいですか。わかりました。
  東京都を100にして指標を作ってきたこれまでの方法だと、指標16が原因で変動がものすごく大きくなってしまうということで、このままだと県別の総合指標がすごく動いてしまうわけですね。ですから、少し指標の作成方法は考えた方がいいのではないかというのが事務局の提案だと思います。

○團野委員
  指標16ですけれども、平成16年から20年ですね。西暦でいうと2004年からということです。私は鉄鋼業関係の労働組合の出身ですけれども、よく見てみると、鉄鋼が相当影響を与えているのではないかなと思います。山口県は鉄鋼と石油かなと思います。ですから、それまでに比べれば、1人当たりの生産額というか就業者1人当たりの製品出荷額ですけれども、史上最高収益をずっと続いたころなんです。石油の方も油の値段が急激に上がっていた時期と重なるんです。
  そういう目で見ると、数値が高いところはおしなべてそうなんです。神奈川県、愛知県、千葉県、山口県、岡山県、和歌山県、大分県は全部鉄鋼業が存在するところです。おおよそそういうことが言えるのではないかなと思います。
  この時期の、ある意味では相当ぶれる数字が20指標の中に入っている。したがって、東京都を100ということではなくて、一番高い山口県を100ということで見て、大きな変化を少し勘案してみるということは、我々としては受け止められると考えております。
  総合指数そのものを地方最低賃金審議会に提示したことにより、影響を与えるということですが、これまでの地方最低賃金審議会の審議経過を委員に聞きますと影響してこなかったと言っておりますので、これについては特段意見を持ち合せておりません。

○今野会長
  事務局は指標16についてのみ山口県を100にするというもう一つの案を提案しているのですが、この案ですと、なぜ指標16だけそうするのかということになってしまうので、他の指標についても最大値の県を100にして、指標を全部つくり直したらどうなのかというのが提案で、資料でいくと資料7の案3がそうなっていますね。
  指標16だけ最大県を100にしようというのが資料7の案2になるんですけれども、案3についてはいかがですか。

○團野委員
  使用者側の委員からも言われましたけれども、この指数というのはずっとこれまで大切にしてきた指標の取り方ですので、継続性ということ、その積み上げた指数ですから、あまり変化をしない方が望ましいのではないかということです。したがって、大きな変動要素である指標16のみ東京都を100ではなくて山口県を100にするということでやってはいかがだろうかと思います。それが継続性の観点から言って一番望ましいのかなと労働側としては考えております。

○今野会長
  使用者側はいかがでしょう。

○横山委員
  私どもはここだけというのは説得性というか、納得性というか、この部分でやや難点があるのではないかと思っておりまして、他にもたくさん数字はあるわけです。これ以外のところも一番高いところを100にしましょうという、事務方の案で言えば案3の方が妥当ではなかろうかと思います。多分、團野委員がおっしゃるような理由があって動いた数字ではあろうとは思うんですけれども、ただし、それがなかなか検証しづらいと思います。そういうことであれば、大きく動いた数字、イレギュラーでウェートが高くなり過ぎるところというのを修正するという考えでいくならば、それ以外のところも一番高いところを100に持っていくという形で整理をすれば納得性は高いのではないかと思っておりますけれども、いかがでしょうか。

○今野会長
  今、指標16についてどうするかについて考えるときの基準としては、労働側からは従来からの継続性の重視を、使用者側からは言ってみれば指標の説明力についての御意見でしたが、もう一つ検討する際の基準としましては、指標16のみかあるいは全体に適用するかということです。要するに案2とするか案3とするかというときに、結果として総合指標で県がどれだけ動くのかというのも重要だと思いますので、この点についてはどうですか。どちらが安定性がありますか。

○亀井室長補佐
  すみません。補足させていただきますと、51頁の資料10-5を御覧いただけますでしょうか。安定性については、おそらくどちらをとってもそう変わらないということになるかと思います。資料10-5でございますが、左側の表が案2を採った場合です。右側の表が案3を採った場合ということで、順位の変動は中央に2つある部分のみでございます。先ほど、時間の制限で説明を省略しまして大変失礼いたしました。
  ちなみに、資料10-6は案2を取った場合に平成16年と比較して指数がどう変わるかという資料でございまして、10-7は案3を取った場合に16年と比較した資料、10-5は10-6と10-7を比較した資料という形になります。

○今野会長
  わかりました。今のところ考えるべき基準は説得力、過去との継続性及び県の順位があまり入れ変わらない安定性の3つですが、安定性については、案2であろうと案3であろうとあまり変わらないということですね。
  ついでに事務局に質問しますと、今と同じようにAランク、Bランク、Cランク、Dランクの県の数を固定したときに、ランクをまたぐ変動があるかどうかということについては、案2も案3も変わらないのですか。そちらから見ても安定性は変わらないんですか。

○亀井室長補佐
  はい。

○今野会長
  わかりました。團野さんの御説明だと、鉄を中心にした重化学工業がすごく景気のいい地域の数値が反映されて、今度の指標16に大きな変動が発生したという御説明ですね。

○團野委員
  推定です。

○池田委員
  平成7年の目安制度のあり方に関する全員協議会では、審議する指標の順位は、ランクの中で細かい上下が先ほど言ったように出ておりますね。これがあまり影響するなということは、同じランクの中で細かく順位付けされていても、これは地方最低賃金審議会の審議に影響を与えないということが決められているようなので、各都道府県の順位をこれによって是正するということはしないということが確認されています。
  あくまでもA、B、C、Dのランクなので、それを確認してくださいという旨なんです。
  あと、個人的にはなぜ東京都がいつもトップなのかということがありますね。この指標を見ても都道府県などは神奈川県の方が数値がいいのもあるわけです。ですから、東京都の関係者からは、なぜ常に東京都がリーダーシップをとらなければいけないのかという苦情が出ております。
  そして、47都道府県それぞれ分けずに、いわゆる道州制で決める方法もあると思いますし、そのブロックごとで決めていく方法もあると思います。将来的には47都道府県を細かくデータを取って何の意味があるのかということが個人的にはあります。
  ですので、東京都はAランクの中で常に1位でなくてもいいということも、23区と三多摩地区は景気によって違うわけですから、その辺もあまり細かくして埋める必要があるのかということは個人的には思っています。

○今野会長
  今、2点おっしゃられたんですけれども、後者の方の個人的な意見の方はお聞きしておくということでよろしいですね。前者の方ですけれども、これは別にこの指標の順番で最低賃金が決まらなければいけないとかということはないと思いますし、これはランク分けに使っているだけですので。そうすると、池田さんの発言の御趣旨は、ランクを越えるような移動が多く起きるような指標の見直しは困るという趣旨と考えていいんですか。

○池田委員
  そう思います。

○今野会長
  それでよろしいですか。もう一つは、池田さんがおっしゃられた個人的な意見の中で、東京都がいつも1位なのは気に入らないということについては、先ほど横山委員が言っていたように、その指標の中で最高都道府県を100にしてあげればいいということでよろしいですか。

○池田委員
  はい。

○團野委員
  よろしいですか。一つ言わせていただきますと、総合指数そのものは、ランクの振分けに使われています。総合指数が最低賃金の水準そのものにリンクしてどうのこうのという性格のものではありませんので、16指標以外のその他の指標も含めて最高値のところを100にするという指数を取っていただいて結構です。
  ただ、使用者側の委員にあえて申し上げたいのは、各地方最低賃金審議会のランクが低ければいいという発想は少し考え直していただきたいなと思います。要するにコスト競争力至上主義はそろそろ脱却してもらわないと、国内経済はうまくいきませんよと言いたいと思います。ましてやサービス業を考えたときに、国内経済がこれだけデフレ経済になっているのかというと消費が全然盛り上がらない。どこに原因があるかということをよくお考えいただきたい。そうでなければ、国内経済はどうしようもなくなっていくのではないのかなと思います。直接、最低賃金とはリンクいたしませんけれども、相通じるものがあるのではないかなと思いますし、そろそろ考え方を変えていくべきではないのかなということだけ申し上げておきたいと思います。

○今野会長
  それは指標16とは離れて、根本的な問題でございますので、お聞きしておけばよろしいですね。
  多分、研究者は一番高い都道府県を100にすればいいという考えは強いと思うんですけれども、よく考えてみると、指標によって最大値と最小値の幅が全然違うわけですね。大きい指標も小さい指標もあります。それでしたら、すべての数値を偏差値で表してしまうというのが本当にすっきりするんですけれども、そうすると、継続性の問題がありますのでそこまで言えません。偏差値にすると各指標の変動の大きさがすべて調整できるんですけれども、そういうことは私の個人的な意見だということでお聞きいただければと思います。

○萩原委員
  先ほど池田委員が言われたことと関連すると思いますので発言させていただきたいと思います。確かに総合指数については各地域での最低賃金の論議に直接、20指標を使って審議するということはやられていないと思います。ただ、少し気になるのは、この間、直接ではありませんが、生活保護との乖離の関係等で各地域において乖離幅があるところについてはそれなりの引上げが行われたことがあります。そう考えますと、全国の最低賃金の整合性という観点から見ると、それで何か判断するということではないのですが、検証のために4月にいただいた東京最低賃金を100、そして総合指数を100とした場合の経年の変化の検証データをつくっていただければありがたいと思っております。
  それによって整合性という観点から見て、少し課題があればそこからまた次回以降の課題の論議になるのではないかというので、これは事務局に資料の用意をしていただければと思います。

○今野会長
  よろしいですか。それでは、1番目の議題についてはもう一度整理させていただきますと、指標19についてはサービス業基本調査を用いる。指標16については、事務局が出した3つの案のうちの案3の最大値を取る都道府県を100として指数を作るということで御承認いただいたということにさせていただきます。

○團野委員
  1点だけ確認したいのですけれども、11指標の「常用労働者1人1時間当たりきまって支給する現金給与における第1・二十分位(1~4人)」を長年使ってきているのですが、現金給与には残業代も入っているのだと思うのですが、事業所規模が1~4人で極めて小規模といえる零細小規模で、しかも第1・二十分位ですから、実態の金額としては最低賃金を下回っているようなところが多いのではないのかなと受け止めています。それを指標として取ってどういう位置づけをこれまでしてきたのか、どういう意味があるのか、そこだけ確認をしておきたいと思うんです。

○今野会長
  他にどうですか。どうぞ。

○本多賃金時間室長
  ちょうどこれは前回の平成16年のときにも指標11について議論になっておりまして、18頁、資料5を御覧いただけますでしょうか。この際にもここの金額の水準が最低賃金の水準と比べてあまりにも低過ぎるということで御指摘をいただいております。このときにお答えをしておりますのが、非常に低い賃金で払われている方々の中に最低賃金の適用除外をされているような方が含まれているのかどうかということですが、データの性格上、検証できないということをお答えしております。
  一応、この時にもこういうやりとりがあったということを御紹介させていただきまして、詳細はまた調べさせていただきたいと思います。

○今野会長
  よろしいですか。趣旨は先ほども事務局から説明がありましたけれども、小規模企業の低賃金労働者の水準の指標が欲しいということですね。そのときにこの統計が適切かどうかということになります。ただ、事業所規模1~4人の零細規模で県別のデータというのは本当に限られてしまうとは思います。

○團野委員
  これもあえて意見、独り言でも結構ですけれども、第1・二十分位というある意味では相当変動する可能性のある数字なんです。ですから、それを承知で指標としてこれまで用いてきているということですから、そのことそのものについては否定するつもりはないのですが、そういう数字をあえて20指標の中に入れて使ってきたという意味合いについて、どう受け止めておけばいいのかなと確認したかったということです。

○今野会長
  では、事務局は調べておいていただけますか。

○本多賃金時間室長
  承知いたしました。

○今野会長
  ついでに、團野委員が言われたように指標11は、指標として不安定かどうかだけ確認しておいていただければと思います。
  それでは、次のテーマに入りたいと思います。次は賃金改定状況調査等の参考資料のあり方について御議論をいただければと思います。事務局から資料の説明をお願いします。

○亀井室長補佐
  それでは、引き続きまして賃金改定状況調査と参考資料のあり方に係る資料の御説明をさせていただきます。資料番号で申し上げますと、資料11~14になります。これらの資料につきましては、昨年2~6月にかけて行われました第1回から4回目までの目安制度のあり方に関する全員協議会において御審議いただいた際、委員の皆様からいわば宿題としていただいたものについて提出し、御説明させていただくという性格のものでございます。
  まず、57頁目の資料11でございますけれども、横にしていただきますと、この資料は毎年の目安の審議において利用いただいている賃金改定状況調査の第4表でございます。57頁目が見直し案、58頁目が現行の形式ということになってございます。
  第4表の一般労働者及びパートタイム労働者別に内訳を出すかどうかということにつきましては、昨年6月の第4回目安制度のあり方に関する全員協議会において、藤村委員より、男女別の内訳にしても、議論の際にはほぼ使わないので、男女という内訳は除きまして、一般労働者とパートタイム労働者の内訳がわかる方が議論の際には有効なデータとなるということで検討いただきたいという御意見をいただいていたところでございます。
  事務局といたしましては、58頁の現行の男女別のものから、57頁の一般及びパート別に改めた場合でも特段問題は生じないと考えておりまして、この場で御審議いただき、どのようにするかをお決めいただければと思っております。
  59頁の資料12でございます。こちらの資料は、都道府県庁所在都市別標準生計費、20指標の中でも使われておりますけれども、この指標につきまして、同じく昨年の第4回において、萩原委員の方から都道府県の人事委員会によって統一した基準で算出しているのかどうか。あるいは都道府県によって異なった算出をしているのかどうかを確認してほしいという旨のお尋ねをいただいたことを踏まえて作成したものでございます。
  なお、資料の中には記載がありませんが、人事院に統一した基準の有無について照会したところ、通達のような形でお示ししているものはないということでございました。しかしながら、人事院の作成方法を参考として各都道府県の人事委員会にお示しはしているという扱いだそうでございます。おそらく理由は各都道府県の人事委員会は行政委員会として独立しており、人事院の下部組織ではないからということだと思います。
  お尋ねのありました都道府県によって算出の方法が違うのかどうかということでございますが、資料の中の3の実施機関及び実施方法についてと、同じく資料の中の5の対象品目についてというところを御覧いただきたいのですが、各都道府県の人事委員会のホームページなどを確認しましたところ、まず標準生計費の基となるデータ、資料の中の3の部分について、単身の勤労者世帯については「全国消費実態調査」を用い、2人以上の世帯については総務省の「家計調査」を用いるということ、資料の中の5の対象品目でございますけれども、この表に掲げた品目別にデータを取って算出しているという扱いは共通であるということが判明いたしましたので、特段、都道府県によって違う算出方法を取る理由はないのではないかということが推測されます。
  61頁目の資料13でございます。こちらの資料も第4回におきまして、高橋委員の方から、賃金改定状況調査の調査対象事業所であります4,000事業所のうち、県庁所在都市分が3,000、それ以外の地方が1,000ということにつきまして、配分として妥当かどうかという問題意識が示されまして、都道府県ごとに都道府県庁所在地にいくつ事業所があって、県庁所在地以外のところにいくつ事業所があるということがわかるデータをお示しいただきたい、という要請をいただいたことを受けて提出させていただくものでございます。ちなみに、標準産業分類が平成19年11月に改定されておりまして、この改定を踏まえた産業分類に改めております。
  63頁目の資料14でございますが、こちらも同じく第4回におきまして、池田委員から最低賃金周辺の労働者の属性についてのデータのお求めがあり、当時の吉本勤労者生活課長より、御説明として独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)で賃金構造基本統計調査を用いて最低賃金周辺の方々の業種及び職種等を細かく見ることは可能ですので、出来上がり次第、御報告申し上げたいという御説明をさせていただいたところです。
  こちらの報告書の右肩に2009年10月とありますが、正式には昨年11月に冊子として公表されましたので、委員御指摘のデータすべてにお答えするものではありませんが、幅広に集めてお出しさせていただくものでございます。
  該当箇所を省略せずに抜粋いたしましたので、分量が多いのですが、結論の部分が最後にまとめられております。90頁です。
  こちらの1つ目の段落のところで、この調査結果の要約のうち、低賃金労働者の属性に係る結果がまとめられております。結論といたしましては、学会などで行われております低賃金労働者の属性の分析とほぼ同様の結果が出ておるということになりますが、読み上げますと、労働者の属性別の集計では、低賃金労働者の割合は、年齢別には若年及び高年齢者、性別は女性、就業形態別にはパートタイム労働者、勤続年数別には勤続年数の短い者、括弧は省略いたしまして、学歴別には低学歴者、企業規模別には小規模企業で高いということになっておりまして、産業別に申し上げますと、大分類で申せば飲食店、宿泊業、卸売・小売業、女性の製造業、中分類では衣服・その他の繊維製品製造業、飲食料品小売業、その他の小売業、洗濯・理容・美容・浴場業、一般飲食店、遊興飲食店、宗教等で低賃金労働者の割合が高いという結果になっております。
  いただいていた御指摘の中に建設業であるとか運輸業はどうかといったものもございましたけれども、そちらにつきましては、同じ資料の83~84頁にかけて、業種別に低賃金労働者の割合をまとめた表がございます。83頁の表6-2におきまして、産業中分類でございますけれども、建設業における低賃金労働者の割合が明らかにされております。また、84頁の表6-2におきましては、産業中分類のNo.42以降ということになるかと思いますけれども、運送業関連の業における低賃金労働者の割合が明らかにされております。
  道路旅客運送業などにおいて、一部、地域別最低賃金未満の労働者の方がおられるという結果になっておるのですが、トータルとして見たときには、他の業界と比べて特にそうした方々の割合が高いという結果にはなっておりません。以上、資料14の御説明とさせていただきます。
  最後に、91頁目以降の資料15でございますけれども、こちらは前回の御審議の際に、中窪委員より法改正以降の目安の答申についても参考資料として追加すべきであるという旨の御指摘をいただきまして、平成20年から今年の平成22年の答申の部分を添付したものでございます。
  私からの説明は以上でございます。

○今野会長
  ありがとうございました。既に御要望のあった資料について用意していただきました。その説明をしていただきましたので、この件について不十分とか、内容、ここはどうなっているかということがあったら最初にお聞きしておきたいと思います。
  萩原さんからの標準生計費の計算方法の問題と、ちょうどいないですけれども、高橋委員の賃金改定状況調査の関連の御質問と、池田委員からの最低賃金周辺の労働者の特徴はどうかということの御質問だったと思います。よろしいですか。

○萩原委員
  はい。ありがとうございました。

○今野会長
  池田委員はどうですか。

○池田委員
  ありがとうございました。57頁を見ますと、今までの表と大幅につくり方が変わっています。実態的にはパートタイム労働者の賃金と一般労働者の賃金が別々に出されておりますので、パートタイム労働者の実態がわかると思うんですけれども、ただ、心配しておりますのは、労働側は一般労働者の賃金と同じようにパートタイム労働者の賃金を引き上げろということおっしゃっています。この表では格差が歴然とわかるわけです。それに伴い、パートタイム労働者の人たちの賃金に影響を及ぼす部分が大きいわけです。
  また、資料73頁を見ましても地域別最低賃金×1.05未満の欄ですが、東京都は0.67%と数値としては低いですが、労働者数は約2万4,000人いるわけですから、東京都がAランクだからといえども、決して影響を与えないわけではありません。東京都は業種別に見ても小売など消費者と接する業種が多いということがあります。普通の会社であれば賃金の上昇分を生産コストに上乗せしていけばいいのですが、消費者が直接金を払って買わなければいけないところの業種というのはそれができず、賃金の低い労働者が多いような感じもするので、それは実際に賃金を上げたからといってそれだけ景気に影響するのか、実際に景気の足を引っ張る材料にもなるということもこの数値から見ればわかるのではないかと思いますので、今後、逆にこの辺の調査結果を大いに参考にして、目安を決める材料にしていただきたいなと思います。
  そして、なるべく直近の調査でこういうものを参考にされて、既にここ4年間で40円以上の最低賃金が引き上がったわけですから、相当な影響が出ている産業なり地域があると思いますので、その辺も大いにこれからの目安審議の参考にしていただきたいと思います。

○今野会長
  それでは、関連の資料についてはよろしいようですので、一番重要なのは、池田委員も触れられましたが、資料11にあります資料を正式な資料として採用するかどうかということだと思うんです。従来は男女別の表だったのですが、この点についていかがでしょうか。

○小林委員
  第4表を従来男女別のものを一般労働者及びパートタイム労働者別に変えるということになるのかどうかわからないですけれども、先ほど池田委員が要求した資料の中で、資料14の結論の90頁のところで属性についてコメントがありますけれども、その属性でいうと性別では女性というのが低賃金労働者の割合が高いというような指摘もあるので、なおかつ、パートタイム労働者という就業形態も出ているわけですから、資料11の話に戻れば、男女別のものを一般労働者及びパートタイム労働者に替えるのではなくて、両方提示するような形で対応していただければいいのではないかなという感じがするんです。

○今野会長
  いかがですか。

○團野委員
  同感です。

○今野会長
  よろしいですか。事務局、何か問題があるということはないですか。

○本多賃金時間室長
  表の番号がずれてしまっても使い勝手が悪くなるかなと思いますので、男女別がこれまで第4表でした。それに一般パートを第5表にするのか、あるいは第4表の2にするのか、そこは工夫をさせていただきます。

○今野会長
  第5表はないでしょう。第4表でという言葉で通じるわけですから。第4表の1とか4表の2でしょうか。そういう表示しかないと思います。

○本多賃金時間室長
  承知しました。

○今野会長
  では、そういう形でお願いします。

○團野委員
  最低賃金制度、JILPTの研究書ですからこれはこれで尊重するんですけれども、業種別で見たときにどうなのかということで、中分類では細かい実態までわかるのかなと思います。

○今野会長
  御趣旨は小分類までの資料を提出してほしいということですか。大分類でいいということですか。

○團野委員
  池田委員がおっしゃった建設業だとか運送業の実態はどうなのか。その関係から言うと、例えば医療、介護の分野はどうなのかというのは見たいんだけれども、これでは見られません。
  ですから、実態上、本当にどこに課題があるのかという視点で見たときに、この表で見られるかというとまだ見られないなという感じがするんです。

○今野会長
  これはJILPTがやったのでこれ以上はないけれども、どうなんですか。私もよくわからないんですけれども、サンプルの問題はあるのかな。

○小林委員
  これは多分属性に関する池田委員の質問に対しての回答で追記をしたものですので、今年度の厚生労働省の委託事業で中小企業の最低賃金の実態調査をしましたね。先週発表されたところですので、その調査は特に影響のある13業種と影響のある地域というのを選んで調査をしていますので、目安の審議をするに当たっても参考になりますし、地方最低賃金審議会にも参考になるデータだと思いますので、その資料もまた御提供いただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○今野会長
  どうですか。

○本多賃金時間室長
  今、御紹介いただいた調査ですけれども、24日に発表いたしましたので、後ほど委員にメールでホームページのURLをお知らせしたいと思います。この調査は建設は取り上げてはないのですが、運送関係は詳細に取り上げております。

○今野会長
  ついでにJILPTの担当者は藤井さんですね。多分、難しいと思いますけれども、もっと細かくならないのかということを聞いておいていただきたいと思います。

○本多賃金時間室長
  そちらも確認いたします。

○今野会長
  電話ででも聞いていただければと思います。

○池田委員
  こういう調査が出た場合に、これをどう影響させるかということも十分検討したいと思うんです。これは前にも申し上げたとおり、例えば高年齢層などは特に賃金はそんなに高くなくてもいいから働きたいという人はたくさんいるわけですし、それを十把一からげでやっているわけですから、本当の雇用を守るのであれば、そういうところの配慮もこれからしていかなければならないと思います。

○今野会長
  少なくとも今回出していただいた資料10の最低賃金付近の低賃金労働者の状況に関する報告書は多分既存のデータを使うのでは一番これが詳しいとは思いますので、後からゆっくり御覧になっていただければと思います。
  それでは、今日用意した議題はこれで終わりなんですが、他に何かございませんか。よろしいでしょうか。
それでは、今日はこの辺で終わりにさせていただきます。次回以降は「賃金改定状況調査等の参考資料について」と、「生活保護と最低賃金の乖離解消方法について」を議論していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
  次回は1月14日の午後5時からです。場所はまた追って事務局から連絡をさせていただきます。それでは、今日は終了いたします。議事録の署名ですが、萩原委員と山崎委員にお願いしたいと思います。では、終わります。
  何かありますか。

○本多賃金時間室長
  すみません。追加をさせていただきます。次回の協議会の際に、今回ランクの指標について御議論いただきましたけれども、実際の区分の見直しについても御提案させていただきます。

○今野会長
  わかりました。それでは、今日は終わります。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労働条件政策課賃金時間室
最低賃金係(5532)

03-5253-1111

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