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2011年8月1日 第8回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会 議事録

労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室

○日時

平成23年8月1日(月)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省専用第21会議室(中央合同庁舎5号館17階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

荒井稔、岡崎祐士、黒木宣夫、清水栄司、鈴木庄亮、山口浩一郎、良永彌太郎

(厚生労働省:事務局)

鈴木幸雄、河合智則、神保裕臣、渡辺輝生、倉持清子、板垣正、西川聡子

○議事

○板垣中央職業病認定調査官 はじめに、本検討会は原則公開としておりますが、傍聴される方におかれましては、別途配布しております留意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴いただくとともに、参集者の自由な意見の交換を旨とする検討会の趣旨を損なわないよう会議の開始前後を問わずご留意をお願いいたします。
 定刻になりましたので、ただいまから第8回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催いたします。
 先生方におかれましては、ご多忙中のところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。なお、阿部先生及び織先生は所用によりまして、ご欠席との連絡をいただいております。
 また、7月29日付で人事異動がありました。紹介をさせていただきます。労災補償部長の鈴木です。
○鈴木労災補償部長 29日付で労災補償部長を拝命いたしました鈴木です。ここに来る3年間は、同じ労働基準局の安全衛生部労働衛生課で課長をしておりまして、そのときから職場におけるメンタルヘルス対策というのは非常に重要な事項ということで、特に昨年は当時の大臣のもとにできました自殺・うつ病等対策プロジェクトチームでこの課題を受けまして、職場におけるメンタルヘルス対策を強化するということで、労働安全衛生法の改正を目標としたいろいろな検討会、安全衛生分科会における審議を行い、昨年末に建議をいただき準備をしていたところです。この専門検討会についても非常に関連のあるものということで、発足当時からいろいろと資料等を見ていたところですが、途中で地震等があり、私のほうも少し勉強が途絶えていたという時期がございましたが、またこちらで担当させていただくことになりましたので、先生方のご意見を踏まえまして、また今後の対応を的確に図っていきたいと考えている所存です。よろしくお願いいたします。
○板垣中央職業病認定調査官 検討会をはじめるにあたり、資料のご確認をさせていただきます。本日ご用意させていただきました資料は、1頁が資料1心理的負荷の強度の評価表(案)、11頁が資料2、心理的負荷の強度の評価表(案)の考え方、15頁から(参考)として、団体からの意見要望。以上となります。資料の欠落等がございましたらお申し出ください。写真等は以上とさせていただきますので、ご協力お願いいたします。それでは座長の岡崎先生、よろしくお願いいたします。
○岡崎座長 それでは議事に入ります。今日はお忙しいところお越しいただきましてありがとうございました。最初に、事務局のほうから資料1の説明を行い、そのあとに検討を行いたいと思います。
○西川職業病認定業務第一係長 本日の資料について説明いたします。 1頁目からの資料1、心理的負荷評価表(案)の考え方については11頁からの資料2にまとめています。全体的な考え方、すなわち資料2に書いてある考え方について説明し、そのあとに資料1の内容について、主要なところをかいつまんで説明いたします。よろしくお願いいたします。
まず、心理的負荷の強度の評価表(案)で、冒頭に特別な出来事というものを掲げております。これは現在でもあるものですが、出来事自体の心理的負荷が特に大きいため、出来事後の状況の程度に関わらず強い心理的負荷と評価出来るものについては、「心理的負荷が極度のもの」として、冒頭に表とは別掲という形にさせていただいております。また、その下に数週間にわたり生理的な必要な最小限度の睡眠時間を確保出来ない状況を当該期間における労働時間数と示し、「極度の長時間労働」として、強い心理的負荷と評価する出来事とさせていただいております。こういった心理的負荷が極度のものについては、前回示した負荷評価表のイメージでは、表の右端に入れていたところですが、全ての項目について示せないので、冒頭にまとめた形で特掲しました。ここに掲げたものは、ここに該当すればそれぞれいろいろ事情を調べて、それで、「強・中・弱」とどれに当たるかを判断していく必要がない、ここに当たれば、まず強い心理的負荷があったと言って間違いない明確なものです。当然ながら、ここに該当しなければ業務外ということではありません。その点を明確にするため、関連の出来事、何関連の項目かを示し、ここの特別な出来事に該当しなければ更に関連項目のところで、「強」に当るかを検討していただくことになるかと思います。
 また、労働時間については、極度の長時間労働のほかに、出来事としての評価、ほかの出来事としての組み合わせの評価の関係もありますので、後ほど類型③の仕事の量・質を議論いただく際にその直前に併わせて補足で説明させていただきたいと思っております。
 また、現行の判断指針では6か月を超えて療養中の方に発病した精神障害についても、特別な出来事等としております。これは「心理的負荷が極度のもの」のいま冒頭に書いておりますものの、1つ目のポツの括弧書きと、出来事別の評価表のほうの項目1の「重度の病気やケガをした」という中に盛り込んでいます。そういう形で整理をしてます。
 次に、出来事別の評価表に移ります。総合評価の視点と具体例です。出来事別の心理的負荷の総合評価の考え方は次の考え方に基づいて、整理させていただきました。アでは、類型①事故や災害の体験の類型については、出来事自体の心理的負荷の大きさを重視して評価する形にさせていただいております。2頁の心理的負荷の総合評価の視点のところにも、出来事自体の大きさを示すような総合評価の視点を書かせていただいてます。その他の項目については、出来事と出来事後の状況の両者を合わせて評価する形としています。総合評価が「強」と判断されるのはおおむね以下の場合と考えます。その具体例を表の中にそれぞれ示しています。1つ目は、出来事自体の心理的負荷が強く、その後も一定の対応を行っている場合。前回の資料では、ここの考え方については、出来事自体の心理的負荷が非常に強ければ、「出来事後の状況」は通常伴うため、それを別途評価することはしないと書いたところですが、よく考えてみますと、その後が伴うケース、伴わないケースがあることに鑑みまして、出来事後は出来事が非常に大きければ、当然それなりのものが付いてくると考えていますが、何がしか一定の対応を行ったことまでを含めて示させていただいてます。もう1つのパターンとしては、出来事自体の心理的負荷はそこまで強いとはいえず、中程度かもしれないが、「出来事後の状況」は、非常に大変であった、特に過重であったという場合があろうかと思います。出来事別の評価表の2頁以降に、それぞれの出来事ごとの表については、類型2以降、「強」のところにいくつか例を示させていただいてます。なるべく先ほど申し上げました、(ア)、(イ)の両パターンを示すような形にしてますが、例えば(ア)又は(イ)の片方しか示していない項目、(ア)、(イ)のまざったような形、混合例を示している項目もあります。これらについてはあくまでも具体例で、うまく示すことができずに書いてないものもありますが、示されたもの以外はない、あるいは「強」にはならないものではありません。例としては、出来事自体が非常に大きかった例だけを示しておりましても、出来事後の状況が非常に大変だという例が実際にあれば、それは「強」になっていくと考えさせていただいてます。
 この他に、いじめやセクシャルハラスメント等のように、出来事が繰り返されるものについては、繰り返される出来事を一体として、ずっと長いこと起こっているものもあるので、そういったものは最初から最後までを一体として評価するとともに、これが継続しているその状況としては、総合評価を強める要素として考慮するという考え方で表を作らせていただきました。
 こういった評価をしていくわけですが、それぞれの項目で典型的に想定される検討事項については、この表の中の「心理的負荷の総合評価の視点」に各項目別に書かせていただきました。ここにはそれぞれ出来事の大きさに関する視点と、「出来事後の状況」に関する視点を具体的に示させていただいてます。特に出来事後の状況については、事後対応の困難性という表現をしているものが多いですが、これについては仕事の量、仕事の質、職場の人間関係とそういったものが全て事後対応の困難性というところに含まれてくると考えています。
 これ以外に、出来事の状況であって、各出来事に共通して生じることが予想されるものについては、これは特に考慮すべきだという強いものがあった場合、著しい場合に総合評価を強める要素として考慮する事項を1頁に別掲しています。
 1頁の総合評価における共通事項の1のところでは、①の仕事の裁量性、②の職場環境、物的環境の悪化、③職場の支援・協力等の状況、④その他これに準ずることについては何かあるかもわかりませんが、こういったものについては特に著しいものがあれば総合評価を強める要素として考慮することで書いています。表に盛り込んだものと、ここに共通事項として列挙しているもの、いずれにしても現在の判断指針でも出来事後の状況の考慮要素にしているものです。また、恒常的長時間労働が認められる場合の取り扱いについては、2としてここまでご議論いただいた取り扱いをまとめて示しておりますが、これも労働時間についてご議論いただくところで補足をさせていただきます。
 また、出来事の類型及び具体的出来事の統合及び追加等ということで資料2に書いております。各項目で少し説明しますが、次の13頁、現行の出来事と、変更(案)という形で示している出来事の新旧対象表を示させていただいてます。いくつかの出来事を集約して変更(案)で示しています。変更(案)で追加しているものもいくつかあります。それぞれの項目のところで説明いたします。
それでは、具体的に類型ごとに、ご説明させていただきます。先生方には事前に資料をお送りしご覧いただいているかと思います。大量になり時間もありませんので、議論になりそうなところ、特に変わったところについていくつか取り上げてご説明させていただきたいと思います。
 資料の2頁では、類型の①として、「事故や災害の体験」を挙げています。これは先ほど申し上げましたとおり、出来事自体の評価を重視している項目となります。項目の1には、「重度の病気やケガをした」。平均的心理的負荷の強度はIIIで、「強」になってくるものも多いかと思われますが、ここでいう重度の病気やケガがどういったものであるのかを水準を示せないかということで事務局のほうで(案)として、例えば長期間の入院を要する、長期間は例えば大腿骨の複雑骨折のようなひどい骨折等を想定し、概ね2か月以上の入院を要する。あるいは障害年金に該当するような後遺障害を残すといったような水準を参考(案)として示させていただいております。これらが重度になるのは、おそらくよろしいかと思いますが、これでなければ駄目なのかどうかを議論いただければと思います。また、6か月を超えて療養中の方に発病した精神障害については、1月の会議でご議論いただいたかとは思いますが、症状が急変して極度の苦痛が生じたものの他に社会復帰が困難な状況であるのがしみじみわかってしまったとか、そういったこと等も評価の対象にすべきだという指摘もありましたので、ここに盛り込ませていただいております。
 項目2の「悲惨な事故や災害の体験(目撃)をした」については、前回の議論で体験と目撃については、似たような事故を体験したのと、似たような事故を目撃したのとは全然違うのではないかと指摘もありましたので、それぞれ区別して、どういうものであったか、どういうものであれば「強」になるかを書いています。類型の②「仕事の失敗、過重な責任の発生等」では、2頁から5頁にかけて全部で12の項目があります。それぞれの項目では、現行と違うところでは、項目3については、「業務に関連し、重大な人身事故、重大事故を起こした」と書いていますが、現行の重大な交通事故を起こしたというのと、重大な労働災害の発生に直接関与したのを統合し、平均的な強度はIIIにさせていただいています。また、項目4では、「会社の経営に影響する等の重大な仕事上のミスをした」は、これは点数からしてIIに引き下げるかどうかというところもありましたが、会社の経営に影響等の例示を考慮し、IIIのままに据え置いております。この類型②の項目については、総合評価は出来事、出来事後を共に評価するということで、それぞれ「強」のところの例には、2つポツがあるものについては基本的には上が出来事が非常に大きいもの、下が出来事はそこまでではないが、出来事後の状況が非常に大変だったといえるようなものを挙げております。先ほど申し上げたとおり全部に2つ入っているわけではありませんが、書けるところまで書いていきました。
 また、項目別の棲み分けについて、例えば項目5や項目6には、項目4との違いを(注)で示し、判断にあたってなるべく混乱がないようにと考えて書いております。
類型③「仕事の量及び質」では、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」は、従来からある出来事ですが、ここに多数の出来事を集約しております。先ほど新旧対象表のほうで矢印で見ていただいたところで、いろいろな出来事、特に件数の少なかったもの等をここの項目に集約させていただいてます。集約されたものの中で、もともとIであったものについては、今回ここでは「弱」である場合の例として、いくつか示させていただいてます。
 項目16「1か月に80時間以上の時間外労働を行った」17「2週間以上にわたり連続勤務を行った」それぞれの項目を新規に追加させていただいております。これも労働時間の取り扱いについては、後ほどこの③類型を議論いただく前に、この項目16と、極度の長時間労働、恒常的な長時間労働の取り扱いについてを併わせてご説明させていただきたいと考えております。類型④は「役割・地位の変化等」です。前回のご議論を踏まえまして、従来の④身分の変化等と、ここには出向、左遷がありましたが、そういったものと⑤の役割・地位等の変化、ここに配置転換、転勤が入っておりましたが、その2つを統合させていただいて④役割・地位の変化等とさせていただいております。
 具体的な出来事についても、前回のご議論を踏まえ、「左遷された」、「出向した」をそれぞれ「配置転換があった」に統合しております。転勤も法律上の用語として配置転換に含まれるのではないかということでしたが、そのイメージの違いから「配置転換があった」は転居を伴わないもの、「転勤をした」は転居を伴うものとして、こちらの評価表上は分けて、それぞれ別の出来事の形にしております。配置転換の中でも左遷に該当するものは、「強」に該当する例で示しております。明らかな降格で配置転換としては異例なものであり職場内でも孤立した状況になったというようなものは配置転換の中でも「強」になる例にさせていただいております。逆に左遷の軽いものを考えてみますと普通の配置転換と同じではないかとということもあり、これらを統合させていただきました。
 また、出向についても、左遷的出向もあれば、そうでもない通常の異動の中での所属会社が変わったという出向もあり、何が大変だったかを考えても、仕事が変わったことが大変だったこともあり、これは様々だということで、特に出向であればどうだということではなく、この「配置転換があった」の中に含み、その仕事の中身を見て、それぞれ「強・中・弱」になるかを総合評価をしていただければと考えております。転勤については先ほど申し上げたとおり、場所が変わることで別項目に挙げさせていただき、表の例としては、場所が変わることに伴う強い心理的負荷と評価される例、弱いし心理的負荷と評価される例を示させていただいています。当然左遷的な転勤もあれば、転勤により場所が変わったというよりも、仕事の中身が変わって大変だったことも当然あるでしょうから、そういった業務内容の変化についての評価は、「配置転換があった」に準じて判断するというように示させていただいております。
 その他にいろいろな項目がありますが、次に類型の⑤「対人関係」をご説明いたします。これも前回の議論を踏まえ従来の⑥対人関係のトラブルと、⑦対人関係の変化を統合し、「対人関係」としてまとめました。項目31の「同僚とのトラブルがあった」については、平均的な心理的負荷の強度をストレス調査の結果からいまIであるところをIIに引き上げています。また、「上司とのトラブルがあった」の平均的な心理的負荷の強度は、IIIに上げるかどうかもありましたが、いまからご説明するとおり、「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」との棲み分けの関係で、上司とのトラブルで通常想定される叱責等ですが、この叱責がひどくて業務指導の範囲を逸脱したといえるようなものについては、「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」のほうで評価することになることから、「上司とのトラブル」自体は、平均的な心理的負荷の強度はIIに据え置いた形にしております。   
ここで項目29「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」と30「上司とのトラブルがあった」との棲み分けですが、例えば先ほどの叱責等についても業務指導の範囲内であれば、本人がそれがひどいものでトラブルだと認識した場合であっても、これは「上司とのトラブルがあった」という形で評価します。それがもう本当にいきすぎて、業務指導の範囲を逸脱しているという場合には、29「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」のほうで評価する形で整理しております。そもそも業務とは関係のない嫌がらせ等がありましたら、これは程度が重ければ「強」になるか、程度がそこまで至らなければ「中」や「弱」という可能性もあるかと思いますが、そういったものについては、こちらの「ひどい嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」の項目で評価するという考え方で書いています。
また、類型⑥と⑤の関係、従来でいえば⑥「対人関係のトラブル」の関係で、その中で分科会での報告もあることから、セクシュアルハラスメントを受けたという出来事については、次の10頁で、類型の⑥で独立させています。中身については分科会での報告をここの表の中に盛り込んでおります。
 心理的負荷評価表の全体については以上です。先ほどから申し上げているとおり労働時間については、労働時間の議論をする前に改めて説明させていただきたいと思います。この資料1、2については以上です。
 (参考)で、団体からの意見要望ということで、15頁から過労死弁護団の全国連絡会議からのもの、これは前回提出した資料の補足追加になっていますので、前回資料と合わせて見ていただくのがわかりやすいかと思います。あと85頁に2つ目として、いじめ メンタルヘルス労働者支援センター、全国労働安全衛生センター連絡会議からの意見要望もいただいています。こちらのほうは労働時間に関するものです。以上です。
○岡崎座長 ありがとうございました。心理的負荷の強度の評価表の考え方、及び、類型ごとの説明をしていただきました。最初に、全体の評価表の考え方についてご議論いただければと思いますが、いかがでしょうか。特別な出来事を先頭に出して、それで、類型が少し整理される形になっています。項目については、資料2の中に統合ないし新規につけられた項目の一覧が出ています。考え方のほうについてはいかがでしょうか。山口先生、何かありますか。
○山口先生 従前使っていた、心理的負荷の評価表は、出来事と修正する視点、それから、総合評価を行うための視点として、出来事の状況が持続する視点というふうに分かれていますが、具体的にその関係をどう判断していったらいいか、素人にはわからなかった点があります。そして、評価表が示されて、それが非常に客観的に扱えるようにはなったのですが、企業の実務担当者などが苦労していたところですので、今回のような、使いやすい表にまとまってきたのは非常にいいことだと私は思います。新しい要素として、労働時間そのものが時間数で入っていますから、それとこの評価表とがなじむのかどうかという点をご議論いただいて、それでいいということになれば非常にいい進歩だと私は思います。
○岡崎座長 他によろしいですか。
○荒井先生 文言の問題なのですが、解説という項目がありますね。この解説は、強度を変化させる視点なわけですね。そうすると、解説の所に、強度を変化させる着眼点ということですね。要するに、解説という言葉だと、これは「強」についての解説をしているのではなくて、「中」になる可能性も「強」になる可能性もあるということが解説の中に入っているわけですね。
○西川職業病認定業務第一係長 表で書かせている解説はそれぞれの項目ごとに入っています。「強」の枠の中に入っている解説は、どちらかというと、「強」の具体例と書いておいたほうがよかったかもわかりません。
○荒井先生 そうですね。そういう意味ですね
○西川職業病認定業務第一係長 すみません。では、そういった感じで修正を。
○荒井先生 具体例のほうがいいですね。言葉よりも、こういった状況であれば「強」という判断になるわけですね。そうであれば、そういうふうに示していただいたほうがわかりやすいのではないのでしょうか。「強」の解説、要するに、「中」の右側にある解説は何かなとなるので、ここにあったら、「強」を抜いてあるという解説というか、状況であるという意味のものを使っていただいたほうがよくないでしょうか。そのほうがわかりやすいかと思います。
○岡崎座長 確かに。解説というのはちょっとわかりにくいかと思いました。
○渡辺職業病認定対策室長 「強」の所に、「強となる具体例」みたいな表現ですね。
○荒井先生 そのようにみなされることに対して、「強」とみなす具体例ということだと思います。いずれにしろ、幅があるというか、IIからIIIになる場合もあるし、「強」になる場合もあるし、「弱」になる場合もあることを示していただいたわけですね。そういうふうにわかったほうがいいのだろうと思います。
○岡崎座長 用語の問題はよろしいですね。他にはいかがでしょうか。先生方、全体の考え方ですので、簡単で結構ですが、お1人ずつコメントをいただければと思います。
○山口先生 具体例にあたる場合が多いように思いますが、解説になっている所もありますね。
○荒井先生 はい。ただ、こういう場合は「強」だという意味合いがほしいのです。解説という言葉だけだと、IIの解説をIIでしているのかという誤解が生じると。例えば、2番の「悲惨な事故や災害の体験をした」で、その右の所に解説という言葉がありますが、それはIII、「強」になるわけですから、こういう場合は「強」になると示していただいたほうがいいのではないでしょうか。
○渡辺職業病認定対策室長 そういう意味では、例えば項目①は、平均的なものがIII「強」で、割と平均的な出来事があって、①の項目で評価できるもので、平均的であると、その後の出来事も通常それに伴って行う、これが「強」です。一方、項目②の場合は、平均的なものとは強度IIですから、中くらいです。「強」になるのは、出来事としても、中くらいよりもかなり強いのだと。つまり、まさにそれが変化だと。そういう意味では、項目①と②では表現が違うかもしれないという気がします。
○岡崎座長 そうですね。確かに難しいですね。表という記述の構造を全部共通にできればしたいのですが、必ずしもそうならない感じもありますね。
○渡辺職業病認定対策室長 ①の場合は、平均的にはIIIになると、IIIというのは、こういうものが想定されていてIIIになるという話だし、IIの場合には、平均的にはこの程度だが、それがここまでいったらIIIになると、そこのニュアンスが違う所を同じ表現で出すのはなかなか難しい気がします。そこは書き方が変わってもいいということで。
○岡崎座長 ちょっと検討を要しますね。その平均的なものを示していますから、それと比べて「強」より強くなるかより弱くなるかを意識した表現を最初に書いて、その後、もう少し具体例を書くとか、記述の構造を同じにしたほうがいいですね。そのことは検討が必要かと思います。考え方、以下についてはいかがでしょうか。これでもって、出来事後の状況を省略できるのではないかということになるわけですね。
○西川職業病認定業務第一係長 1度にやってしまえるわけですね。評価はするのですが。
○岡崎座長 一応そのことも意識しながら。ただし、新しい評価表の考え方をしておいていただければいいのですが。良永先生、いかがでしょうか。よろしいですか。
○良永先生 個別的なことで少しありますが、基本的な考え方としては、もうこれでいいです。
○岡崎座長 鈴木先生、よろしいでしょうか。
○鈴木先生 はい。
○岡崎座長 清水先生、いかがですか。
○清水先生 賛成です。
○岡崎座長 黒木先生、よろしいでしょうか。
○黒木先生 この具体的な表を見ても、非常にわかりやすくなったと思います。それから、先ほど荒井先生がおっしゃった「強」の出来事に関しては、確かにかなり具体的に書いているので、例示みたいな感じですが、表の中に盛り込むときに、解説と例示がごっちゃになっている部分も少しあるかと思います。我々は実際にやっているとき、重度の病気やケガ、それから、会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミス、ここは判断を誤まるというか、どう判断すればいいのかというところで、非常に議論があったのです。この辺の所もかなり具体的に書いていただいているので、非常に判断がしやすくなったのではないかと思います。
○岡崎座長 概ね肯定的なご意見をいただいたかと思います。考え方についても後でまたふれることは出てくるかと思いますが、一応そういうことで、今回のような、評価表の作り方というか、考え方については是として、次の、類型ごとの検討のほうに移りたいと思います。
 類型は、現状のものからどういうように整理されたかというと。「事故や災害の体験」は現行と同じですね。その次が、仕事の。それも、項目名としては同じですが、同じですね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○岡崎座長 類型の②は。
○西川職業病認定業務第一係長 これは同じです。
○岡崎座長 役割と地位の変化が仕事の量・質の変化に統合されたのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 仕事の量・質の変化は、変化でないものが入ったことによって、変化という言葉を落としています。
○岡崎座長 ああ、そうですか。仕事の量・質としているのですね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。枠自体は同じように考えています。先ほどおっしゃった、次の、「身分の変化」等と「役割・地位等の変化」を1つにして、「役割・地位の変化等」という形で統合させています。
○岡崎座長 ああ、そうですか。
○西川職業病認定業務第一係長 すみません。類型の新旧対照を作らなかったもので、申し訳ございません。
○岡崎座長 「役割・地位の変化等」ということで統合されたのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○岡崎座長 次が「対人関係」で、2つに分かれていたものが統合されたと。そうですか。
○西川職業病認定業務第一係長 そうです。
○岡崎座長 そうですね。「トラブル」と「変化」が「対人関係」として統合されている。最後に、「セクシャルハラスメント」が新たに設けられたのですね。それで、類型が6つになっています。それぞれについて検討していただければと思います。
 最初の「事故や災害の体験」ですね。これについてはいかがでしょうか。この中に2つの項目が設けられています。これは、その程度、大きさが視点として評価されていますが、病気やケガの程度についても評価の着眼点になるのではないかと思います。2つの項目を含む「事故や災害の体験」という類型についてはいかがでしょうか。
○良永先生 表の表現がなかなか難しいと思っていたのですが、解説に、重度の度合を示す表現で、障害年金に該当するようなという事項がありますね。それで、障害年金は労働能力喪失の度合を測定する基準として役割を果たしていますね。ところが、ここでは必ずしも労働能力喪失と正比例するような話をしているのではなくて、心理的負荷の強度を議論しているわけですね。そうすると、7級までは年金が出ますが、8級未満14級までの間に、個別、具体的に見ると、労働者にとって当該障害が、一時金相当の障害であったとしても、その方にとっては職業上重大なダメージを受けることがあり得ることをときどき聞きます。ですから、これは運用の問題かもしれませんが。障害年金相当のということなら、それは重度のということですから、それとして、心理的負荷の強度を測定する上で有益かと思いますが、それに相当しないからといって直ちに切り捨てることになると、少し心配な気がしないわけでもないのですね。その辺をうまく掬い取るような表現なり、あるいは運用の方法があればいいと思った次第です。以上です。
○岡崎座長 いかがでしょうね。
○黒木先生 この、重度の病気やケガをどう考えるかだと思います。例えば、脳外科あるいは整形、こういうものがあったから重度だと言うのはなかなか難しいですね。例えば脳外科だと、強い意識障害があって、やはり脳の実質が破壊される、あるいは、意識障害がしばらく続いたとか、それで重度となりますね。ところが整形だと、例えば骨折であっても、観血的でない手術をするのもあるし、ギプスをはめると。それは重度とまでは言えない。しかし、開放骨折で、観血的な手術が必要だということになると、これは重度だと。問題は、重度のケガをしたときに、本人がどういうダメージを受けて、そして、この病気のために精神障害が発症したと、あるいは、そういうリスクがある、そこの検討だと思います。先生がおっしゃるように、7級に相当するものが必ずしも全部重度にならないかもしれませんね。
○岡崎座長 もう少しご意見をいただけますか。
○良永先生 だから、こういうふうに書いたらいいよという提案がないから、大変申し訳ないと思います。
○岡崎座長 いまお2人の先生がおっしゃったことを構成しているような表現になればいいかと思いますが、もし具体案でもありましたら。
○渡辺職業病認定対策室長 いまの良永先生のご意見は、例えば、割と特殊な技術を持っている人で、その職業に復帰できないと、普通の事務職に就くのなら全然問題ないが、持っていた特殊技能を生かした職種には戻れないといったケースを想定されているのですか。
○良永先生 そうですね。
○渡辺職業病認定対策室長 一般的に、職場復帰が難しいというのは心理的負荷と考えていますから、当然そこは考慮の対象になると思います。例えば、現職復帰が難しいとか、そういったような項目で、それを強い心理的負荷と評価できるかどうかが1つのポイントかと。本当に特殊な技能で、指先をちょっとでもなくすと、もうその仕事には就けないと、でも、普通の事務をとるには別段何の問題もないと、そういう後遺障害もあるわけです。そういったものについての心理的負荷についてどう評価したらいいのかというところに帰着するような気がしたので、もしご意見を聞かせていただければ有難いと思います。
○岡崎座長 先ほど良永先生がおっしゃったこと、私はこんな例も考えたのですが。実際は身体の機能障害は残らなかった、だけどある時期、それを恐れなくてはいけない、仕事ができなくなるのではないかという、強い心理的負荷状況におかれて、そのために精神障害が発症した、その後、身体的には回復したが、その精神障害は残存した、というようなこともあり得るかと思います。実際あると思います。ただその場合、身体的な障害は、結果的には重度ではなく、完全に元に戻ったが、そのときに、それを喪失してしまう恐れがあると思わせた心理的負荷によって精神障害が発生したとすれば、それは多分、業務上の起因性を考えなければいけないと。そんな例もあると思います。だから、その辺りを救えるような表現があればいいですね。
○良永先生 いま黒木先生がおっしゃったように、障害年金相当だと、非常に大きな心理的ダメージが間違いなくあったか、それを言えないケースだってあると思います。
○岡崎座長 そうですね。
○良永先生 現実には大変難しいと思いながら、気になったもので、発言をしました。
○岡崎座長 よろしいですか。
○良永先生 外貌醜とか、あと、性的不能というのも年金になるのかな。あれは程度が低いのではないですか。ちょっと障害等級表を持ってきていないのですが。
○西川職業病認定業務第一係長 外貌は、ごくひどいものについては年金になりますが、ならないものも。外貌に著しい醜状を残すものは7級になります。
○良永先生 ああ、そうですか。
○西川職業病認定業務第一係長 著しいまでいかなければ一時金で終わってしまうと。また、先ほどの性的機能の関係でいけば、生殖器に著しい障害を残すものだけであれば9級ですが、両側の睾丸を失ったものだと7級、という形で表はなっています。
○黒木先生 室長が先ほど言ったことはどう考えればいいのですか。
○渡辺職業病認定対策室長 そこは精神の先生方にお聞きしたいと思っていたのです。
 それともう1つは、本人の単に勘違いで、本当は主治医も、この病気はそんな後遺症は残さないと思っていたが、本人だけが自己判断で、これは一生働けないと、勝手に思い込む、思い込んだものについてはなかなか難しいと思います。医学的には、その過程ではその可能性も十分考えられるというのであればいいのですが、医学的にはそんなことは考えられないが、本人が勝手に思い込んでそうなったというケースは除外したいと考えています。
○黒木先生 それは後遺障害の話ですね。
○渡辺職業病認定対策室長 そうです。それと、先ほど申し上げたように、普通の仕事はほぼ99%、仕事に就くには何ら問題はないが、いままで持っていた特殊技能は生かせなくなったと。つまりそれで、本当にいままでやっていた仕事は無理だと、でも、それ以外の仕事であれば概ね問題なく就けると、その程度の後遺障害ですね。というものをどういうふうに、心理的な受止め方としてはどうなのか、ご意見をいただければ有難いと思います。
○黒木先生 難しいですね。個別事案では。
○岡崎座長 そこは現状にある個体の要因の中からも検討しているわけですね。
○黒木先生 本人の切替えがうまくいくかどうかというのがありますね。それに、例えば本人が特殊技能を持っていて、それは携われなくなったにしても、あるいはそれを利用した形の何らかの仕事ができるとか、そういうことで落ちついていくこともあります。要はその過重性の問題で、後遺症から見るわけではないですね。そのときの過重性があれば、当然それは業務上と考えてもいいのではないかという気がします。
○渡辺職業病認定対策室長 当然何らかの心理的負荷はあると思いますが、それが重度と呼べるかどうかですね。
○黒木先生 そうですね。それはやはり重度ではないのではないですか。公平に判断するのではないですか。
○渡辺職業病認定対策室長 そういうことはなかなか難しいので、基本的には重度という判断を。要はその人だけがそう思うのですね。このケガで仕事に戻れないというのは、この人の特有の問題かと思います。
○黒木先生 あくまでも客観的に判断せざるを得ないのではないでしょうか。
○山口先生 病気やケガの程度は、普通は身体的能力の損傷で見るわけで、職業とは関係がないですね。だから、先ほどおっしゃったような、その人特有の事情は入ってこいなのではないですか。例えば、ピアニストの人が小指を損傷し、ピアニストとしてはキャリアがまったく駄目になったという場合には、損害賠償では重大な事故だと見なさなければいけないかもしれないが、労災はそういう考え方ではなく、障害を等級化しているのですね。ここはたまたま疾病を扱っていますが、負傷のほうを考えて、そことのバランスが問題ではないですか。
○渡辺職業病認定対策室長 そういう整理、事務局としてもそんな考え方を基本的には持っていますが、それでいいかというような。
○黒木先生 それはケガではないもので取れるのではないですか。状況によってはケガだけではないことも。例えば心理負荷として、何かプラスアルファで取れるかもしれないし。個別事案なので。
○西川職業病認定業務第一係長 この表のどこかに当てはめるとすれば、その事案はここの出来事に当てはまってしまいます。
○黒木先生 これだけになるのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 おそらくですね。他に、仕事が変わったとか、そういうことがあれば見る。
○黒木先生 例えば、会社の組識の中で特殊技能を持っていて、ある部署に配属されていたと、そこで事故に遭ったというと、やはりこれだけになってしまうのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 そこで事故に遭って、戻れなくて配置転換が行われてというところまでをみるということでしょうか。
○黒木先生 だから、それで取られなくても、例えば、そのときに過重性があったと、残業も非常に多かったとか、違うものがプラスアルファであれば、そちらのほうを総合して評価することになりますね。
○西川職業病認定業務第一係長 前のほうの過重性は取れると思います。
○岡崎座長 同じ病気、ケガでも、文脈によって大分違うことがあるので、そこは個別の判断に与かれないところが出てくるのですね。先ほど良永先生がおっしゃったようなことは記述に配慮をするということで、いまは具体的な案としては出ていませんが、そこは確認しておいて。その項目はよろしいですか。
 それから、「悲惨な事故や災害の体験」の項目はいかがでしょうか。目撃をどうするかというのも基本にあったわけです。平均的には「中」と、IIとなっています。
○山口先生 目撃でも、自分の子供だとか夫だったらずい分違うではないかという気がしますが、そういう人的な関係はどうですか。
○渡辺職業病認定対策室長 実際の例として、ここで考えられているのは、同僚労働者のような、一緒に作業をしている人です。いま先生がおっしゃった例は、ないことはない、旦那さんと同じ職場でということがあるかもしれませんが、普通ここでは想定されないだろうと考えています。
○黒木先生 山口先生がおっしゃったのは、自分の子供が亡くなった場合ということですか。
○岡崎座長 職場ですからね。
○渡辺職業病認定対策室長 だから、ケガをされた人と目撃した人との関係が特別な関係の場合には心理的負荷は強くなるだろうと、それはそうかなという気がします。ここで想定しているのは。
○黒木先生 ケガの程度とか。
○山口先生 心理的負荷というか、ショックですね。例えば、そんな例があるかどうか知りませんが、共稼ぎで働いていたと。それで、同じ職場で働いていて、奥さんが事務所の外へ出て行ったときに、交通事故で撥ねられた。それが単なる同僚の労働者ではなくて、奥さんであったと。
○黒木先生 それは目撃ですか。
○岡崎座長 そういうケースは結構あるのではないですか。今回の震災の中でも結構語られているケースがあって、業務命令でどこどこ行ってくれと言ったのに、行く途中に津波に呑まれているのが、見える所で呑まれるのを目撃したという方もいますし、そういった場合はやはり「強」でしょうね。だから、そういう例もあり得るわけですね。
○山口先生 そういう場合を含めて、目撃と自分が直接事故を体験するのとは違うのかと、そういう意味になります。
○黒木先生 やはり違うのではないですか。だから、目撃でも。例えば、ある職場で、目の前で転落するのを第三者的に見たと。でも、業務中にそれを目撃したから「強」になるかというと、それは「強」にならないと思います。例えば爆発事故があって、本人も同僚と一緒に巻き込まれてしまった。本人は、傷はあまり大したことはなかったかもしれないが、同僚は死んでしまったと。これは非常に心理負荷が強いと思います。自分も危うく大変な状況になるところだったということであれば、精神疾患が発症する可能性は高い、危険性は十分あると。
○岡崎座長 体験した方と事故で亡くなった方の関係といったものが質を規定するわけです。平均的にはIIとしておいて、強い弱いというものを具体例を示すという形でよろしいですか。では、類型①についてはいろいろとご意見を伺いましたが、そういったことを考慮して。
○鈴木先生 ①の解説の所で、概ね2か月以上、こういう場合、病気やケガで相当重いものだと言っていますが、医療費の関係をもって、急性期病院はあまり長く入院していると点数がどんどん減っていってしまうので、入院を短くしていますから、急性期病棟では2か月以上の入院が非常に少なくなってきたのではないかと思います。ただし、急性期病院では短かいけれども、リハビリ病床のほうに移して長くということもできます。ですから、急性期とリハビリ病床の両方を併せた期間の入院と、これは確認ですが、それを併せて2か月という了解でいいのですか。
○岡崎座長 そうでしょうね。
○鈴木先生 わかりました。
○岡崎座長 この辺りの表現も、ここには後で検討しなくてはいけないことが他にもあると思いますが、いまのはよろしいですね。
 それでは、類型①のほうはいろいろとご意見をいただきましたが、類型②に移りたいと思います。類型②は「仕事の失敗、過重な責任の発生等」という項目になっています。これについて、どうぞご意見をお願いいたします。
 ここに関係した項目で、改廃というか、統合とかはどれが該当しましたか。
○西川職業病認定業務第一係長 統合したものにつきましては、最初、2頁目のいちばん下にある項目の3ですが、「業務に関連し、重大な人身事故・重大事故を起こした」と書いてあります。これは現行でいいますと、「交通事故(重大な人身事故・人身事故)を起こした」というものと、「労働災害(重大な人身事故・人身事故)の発生に直接関与した」という、2つの違う出来事がありますが、これを統合して示したものです。あと、なくなったものはあるのですが、なくなったものは表に出てきませんので、
13頁の新旧対象表でご説明します。類型②の中に「研修、会議等の参加を強要された」と入っているのですが、これが削除されて、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」と。
○岡崎座長 これはかなりいろいろな項目が統合されたのですね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○岡崎座長 この表、別紙を見ていただくと。それで、いかがでしょうか。
○良永先生 ここも先ほど私が発言した表現が入っています。これも関連するかと。だから、難しいと思います。いろいろな問題をフォローしようとすると表現が抽象化せざるを得ない。抽象化すると、実際、それはそれで運用が難しくなるし、困ったことである。明確化すると、入らない部分が出てくることがあって、それをどううまく取り入れるか。難しさは私もよくわかるのです。しかし、「障害年金に該当するような」と書いてあるから、「ような」と書いてあるからいいかと思いますが、やはり気になるのは現場に降りたときなのです。現場で使われる担当職員の方がこれをどう運用されるか。できるだけ明確にしておいたほうがいいし、やはり遺漏はないほうがいいだろう、その狭間なのですね。厄介な議論を持ちかけているようで、大変申し訳ないのですが、ご苦労が多いということはよくわかるのです。私としては、できるだけ漏れがないようにと思います。かつ、迅速な救済というのがあるもので、その兼合いです。抽象的にいえば、その方の職業生活とか日常生活に重大な支障があるような、という感じになると思います。しかし、重大な支障とはどの程度と言われて、これもまた困ったもので、そこをどうにか明確化したいというのはよくわかるのです。手掛かりとしてある程度数値があれば、それはそれで意味がある。だが、数字があるから、それを絶対的に、画一的に扱われると困ったものだと、その辺が。最後は運用の話かと思います。
○岡崎座長 そこは難しいですね。
○渡辺職業病認定対策室長 いちばん根本の話になりますが、ここに出したのはあくまでも例であって、そうすると、ここの例にピタッと当てはまるものはこのとおりにやってくれますが、これから少しずれてきた場合にはどうするか。多分難しいのは、従前どおり部会に諮って、心理的負荷の状況を医学的に推定して決めていくという部分はやはり残ると思います。ですから、それがどこまでかというのは、また難しい問題があるでしょう。
 それとあと、どこまで詳細にここに書けるかが1つあると思います。ここは表の構成上、あまり長くするのも好ましくないと思います。そうすると、それを補足的に示すものとして、何か別の解説文を作るとか、必要があればそういったこともやっていきたいと思います。
○岡崎座長 その他、何かございますか。では、項目が12ありますので、順番にいきましょうか。最初は、いま議論された記述の問題も入っていますが、「業務に関連し、重大な人身事故、重大事故を起こした」という項目です。それから、「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」と。それぞれ何かお気づきの点がありましたら。「会社で起きた事故について責任を問われた」、次が6項目めになりますが、「自分の関係する仕事で多額の損失等が生じた」、「違法行為を強要された」、「達成困難なノルマが課された」、「ノルマが達成できなかった」と。それから、10が「新規事業の担当になった、会社の建て直しの担当になった」と、この項目名は並列していますね。それから、「顧客や取引先から無理な注文を受けた」、「顧客や取引先からクレームを受けた」、それから、「大きな説明会や公式の場での発表を強いられた」、「上司が不在となることにより、その代行を任された」というような項目が入っています。項目の構成やその表現についてはよろしいですか。何かございませんか。よろしいですか。
 項目の大きさから見ると、「顧客や取引先から無理な注文を受けた」という項目と、「クレームを受けた」という項目が独立しているのですね。何か統合のできそうな項目でいただけるよう。こういったことの検討もやると、すごく時間がかかるとは思いますが、とりあえずお気づきの点で。
○渡辺職業病認定対策室長 前回、項目の統廃合についてご議論いただいて、そのときに、事案として、これまであまりない項目についてはやめようというお話がありましたが、それなりに請求数があった項目は、今回はとりあえず残すということで整理したと思います。
○岡崎座長 そういう意味では、残っている項目は一応頻度もあるのですね。そういったことで、項目が選ばれていますので、一応根拠があるわけです。特にご意見がなければ、類型②についてはよろしいですか。
 では、類型③の「仕事の量・質」についてご検討いただければと思います。ここは労働時間の問題が入ってきていますので、事務局のほうから追加のご説明をお願いします。
○西川職業病認定業務第一係長 それでは先ほど後に回させていただきました労働時間の関係についての取扱いを、こちらで併せてご説明させていただきたいと思います。追加させていただきました出来事、6頁の項目16、「1か月に80時間以上の時間外労働を行った」という項目、それと冒頭にありました極度の長時間労働、共通事項としての取扱いとしての恒常的な長時間労働が認められる場合といったものの取扱いを併せてご説明させていただきます。
 こういった時間外労働の取扱いについてはこれまでも何度もご議論をいただいたところですが、前回、ご議論をいただいた際に、こういった極度であったり、出来事であったり、ほかの出来事としての組み合わせであったり、いろいろな場面で労働時間を使っているのでその取扱いをどうやって整理するのか。特に出来事として新たに設けた場合に、その出来事として評価することで具体的出来事のところでは1か月に何か月以上、元の案では何か月以上何か月未満というものを示させていただいて、それで総合評価をしますというご説明をさせていただいたところです。時間数を示したときに、実際にそういった仕事の中身を見ての総合評価ができるのかどうか、時間数を示せば時間数のみで機械的に判断されることになってしまうのではないか。極度についてはそういった割り切りもいいかもしれないけれども、こういった出来事と表示しての評価のときに、それは適当ではないのではないか、あるいは総合評価がやろうと思ってもうまくできないのではないか。特にここで「強」になるような具体例を示したときに、極度の長時間労働を示したのと同じようなことになってしまうのではないか。さはさりながら、どこかで基準を示していかなければいけないわけだから、一種の割り切りも許されるのではないか。いろいろなご意見、ご指摘をいただいたところです。したがって、ここを整理しまして、再度取扱いの案をお示しするというような形で引き取らせていただいたところです。
 まず、この出来事として考えさせていただいたときに、仕事の内容により総合評価するというようなお話をさせていただいたわけですが、そこで前回の案としては、1か月に80時間以上100時間未満のものをIIの例として、120時間以上140時間未満のものをIIIの例として、総合評価として「強・中・弱」を示すことでいかがでしょうかというご提案をさせていただいたわけですが、確かにご指摘のとおり、仕事の中身を見て総合評価をするというのは、考えてみても非常に難しくて、特にほかの出来事に該当すれば、その出来事に該当させた上で、その後100時間とかといった取扱いができるわけですが、ほかの出来事に該当しない、つまり、ずっと最初から最後まで同じような仕事を同じようにやっているというようなときに、この仕事であればすごく大変で、例えば80時間がずっと続いていて、それが「強」になるような例というのをうまく示せるものがあるかどうかと考えたときに、なかなか難しいかなというところを、事務局でも改めて整理させていただいたときに、確かにご指摘のとおりだというところは考えたところです。
 また、一方でどんな仕事でも同じかというと、それはそうでもないのだろうというところがありまして、特にいままで時間の中身にかかわらず、労働時間の数のみでということで、極度のことはいろいろご議論をいただいていたわけですが、そうではあっても、例えばいわゆる監視・断続労働に当たるような、非常に手待ち時間が長いような労働形態であるときに、それが160時間あったからといって極度だというご議論を、いままで皆さんにいただいていたかというと、それは別段はっきり確認したわけではないけれども、そういったものまで含むという趣旨ではないのではないか。あるいはもう少し長期間にわたって、途中に休日等も入るような、もう少し長いスパンで極度の例と相当するような時間数ということで、1か月当たり120時間のものが2か月続いたとか、あるいは1か月当たり100時間以上のものが3か月続いたというようなことをご議論いただいていたわけですが、そういったものについても普通に100時間、120時間かかっているということであれば、当然これは心理的負荷が強いものとして考えて、これまでのご議論からしてもよいのかと思うのですが、なぜそれだけの時間を要しているのかわからない。普通であればそんなにかかるはずがないのに、こんなにかかっているのはなぜだろうというようなものまでここに含めた趣旨でのご議論であったかというと、そこはやはりそうでもないのではないかということで、少し考えさせていただきまして、仕事の中身としてはネガチェック的なことはすべきであるしできるのではないか。そういった形で逆に総合評価はしていかなければいけないのではないかということで、考えさせていただいたところです。
 これまでご議論いただいたものの中で、これまでこういったものについては心理的負荷が強いと考えてよいだろうというものをいくつかご議論いただいておりまして、そこは3週間120時間であったり、あるいはそれに相当するものとしての1か月160時間であったり、さらにもう少し長期間の間でいけば、2か月で1か月当たり120時間、3か月で1か月当たり100時間ということであったりということですが、この中でもう一度、いま極度の長時間労働で示している生理的に必要な最少限度の睡眠時間を確保できないようなもの、これはごく短期間に本当にもう全然眠れないというような必要最低限の睡眠が取れないというようなものとして、そういったものを極度の長時間労働として示させていただきまして、そこは1か月で主に160時間を超えるような、あるいはこれに満たない期間にこれと同程度の例えば3週間に概ね120時間以上の時間外労働というのは、こういった極度の形、生理的に必要な最少限度の睡眠時間が取れないものとして、極度の長時間労働ということで示させていただきまして、ただ、ネガチェックとして、1頁にあるとおり、休憩時間は少ないが手待ち時間が多い場合等、労働密度が特に低い場合は除くというような形で考えるべきではないか。
 さらにもう少し長期間になったものについては、そういった手待ち時間のようなものだけではなくて、もう少し普通であればこれぐらいかかっているということであれば、もちろんその時間数だけでいいわけですが、普通であればそこまでかからないのではないかと思われるような場合には、そういったなぜ120時間かかっているかわからない、100時間かかっているかわからないというような事情が特にある場合には、「強」の例としては含んでこないほうがよいのではないかということで、逆にそういった事情がなければ強い心理的負荷だという例としてよいのではないかということもあって、6頁の項目16の出来事の中の強い例として、発症直前の連続した2か月間に1か月当たり120時間以上の長時間労働を行い、その内容が通常その程度の労働時間を要するものであったと。ここはネガチェックに当たるようなものはなかったということですが、そういったもの、あるいは3か月間に1か月当たり100時間以上と同じようなものというものは、強いというものの例として挙げることがよいのではないか。
 逆に出来事として2つ、3つを挙げたとしても、結局それぞれ強い例、中ぐらいの例、弱い例と考えていると、同じ形になってしまって、こういった労働時間の量だけで示させていただくものを2項目以上挙げるということはできないというか、意味のないことではないかということで、具体的出来事としては1か月に80時間以上のところも、80時間以上のものを全部含む形で、80時間以上の時間外労働を行ったという項目で挙げさせていただき、これは80時間以上100時間未満のストレス調査の結果から基本的には「中」、平均的にIIであって、それだけであれば「中」程度。それが何か月も続いたら、例えば2か月続いてそれぞれ120時間以上、量的にも期間的にもプラス要素があるということであれば、「強」の例としてなってくるのではないかとお示しをさせていただいたところです。
 また、これが本当に問題になってくるのは、最初に申し上げましたように、ずっとこれが続く場合が中心かなと思っており、特定のところで急に増えて80時間以上になった、急に増えて100時間以上になった、120時間以上になったというような場合には、仕事の量が変化しているわけですから、当然その上の項目15のほうでも評価の対象になってくるのではないか。その変化の内容によって、総合評価が強くなる、あるいは弱くなるということが当然あるでしょうし、さらにその出来事との組み合わせ、共通事項のところで1頁目の総合評価における共通事項の2ですが、恒常的長時間労働が認められる場合の総合評価ということで、これはいままでご議論いただいて、皆さんからご了解をいただいているところかと思うのですが、労働時間に関係なしに心理的負荷の評価が中程度の場合で、出来事の後に恒常的な長時間労働、具体的には月の平均100時間程度となるような時間外労働が認められるような場合には、全体としては総合評価は「強」とすると。あるいは出来事の前に恒常的な長時間労働、つまりやはり同じように100時間程度となるような時間外労働が認められる場合には、このご議論をいただいたときには、出来事後すぐに発病している場合には出来事後は見なくてもいいだろうというようなご指摘があったかと思いますので、出来事後すぐに発病に至っている場合には、総合評価を「強」としてよいだろう。あるいは「弱」程度、いまでいえば1程度ですが、そういった出来事の前と後ろにそれぞれ恒常的な長時間労働がある場合には、全体として総合評価は「強」としてよいだろうという、こういった総合評価も示させていただきまして、これはいままでのご議論のとおり示させていただいたつもりですが、6か月の途中で仕事量が増えて、そういった状態に至っていることであれば、項目15の仕事内容、仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があったというところでも評価して、そういった出来事との組み合わせでも評価していく。実際にずっと続いて問題になるのは、1か月80時間以上の長時間、時間外労働を行ったということですが、そういった何も出来事がない、ずっとこれだけだというときであれば、これは基本的には「中」であって、例えば2か月間に120時間なり、あるいは3か月間に100時間というものであれば、どうしてそれだけかかっているのかわからないということでなければ、「強」として考えていいのではないか。出来事としてはこれを示す。そういった形で総合評価をしていくというような形で考えてはどうかということで、改めて整理し直してお示しをさせていただきました。
 これについてご議論があるかと思いますので、ご検討をいただければと思っております。
○岡崎座長 ありがとうございました。この類型③で大きな変化がありました。労働時間の問題ですね。時間外労働時間の項目についてのご説明でしたが、ほかの項目を含めて、類型③についてはいかがでしょうか。
○山口先生 この類型③はかなりいろいろなケースが出てきて、使われる場面になると思います。それで、お伺いしたいのですが、15の仕事内容、仕事量の変化ですね。これがいちばん上にあって、下は大体労働時間絡みですが、この16の(注)に仕事量に変化があったといえることから、項目15でも評価すると書いてありますね。それで、同じような表現は18と19では15で評価すると書いてあるのですが、この意味はどういうことですか。「でも」というのは、これは何か合体して評価するという意味なのか、累計するという意味なのか、「で評価する」というのは、この項目は関係なく15で見るという意味なのか。この(注)の言葉の意味ですが。
○西川職業病認定業務第一係長 すみません。整理し切れていないというか、項目18や19については、仕事量の変化を伴わなくてもあり得る出来事なのです。仕事量の変化を伴う、勤務形態に変化があったことにより、仕事量の変化も伴ったということであれば、何もわざわざ軽いほうのほうで評価する必要はなくて、重いほうで仕事内容の大きな変化を生じさせる出来事があったの方で評価をすると書かせていただいたところですが。
○山口先生 ということは、15で見て、18、19は関係ないということなのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 両方でやる場合があるはずですね。
○山口先生 かかるときもあるでしょうね。勤務形態に変化はあるけれども、仕事の量は変化がない。これはもう18だけですよね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい、そうですね。
○山口先生 だけど、勤務形態に変化があって、仕事の量にも変化があるというのは。
○黒木先生 プラスで考えるべきでしょうね。
○岡崎座長 そのときは両方を付けるのでしょうね。
○西川職業病認定業務第一係長 両方を合わせて両方を付けてでしょうね。
○渡辺職業病認定対策室長 たぶん両方で当てはまるものは、基本的にはどこかで評価しようと考えていますので、ですから例えば18、19であれば平均が「弱」ですので、平均が「中」である項目で評価をしてやると考えて、16は持っていないのですよね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。両方どちらでもありかと思っていましたが、ちょっと整理し切っていません。
○山口先生 16のところの「でも」というのは両方の要素を何か全体として評価するというように理解したらまずいのでしょうか。例えば具体的な例を1つ挙げると、仕事内容・仕事の量に大きな変化があったと。それでこれで心理的負荷の強度はIIですね。
○西川職業病認定業務第一係長 平均的には。
○山口先生 その結果、どうも1か月に85時間以上を時間外労働をしているということになったら、それは15の評価のときにプラスアルファか、一体化して何か評価するようなことにならないのですか。何かこの16で「でも」と書いてあるから、何かなるのかなというように理解をしたのですが。
○西川職業病認定業務第一係長 そのときに15にも該当させて、16でも該当させてということでしょうか。
○山口先生 ええ。だから、必ずしも算数的に答えが出るかどうかはわかりませんが、該当するものの「中」が2つあるわけですね。だから、それは「中」の出来事が2つあるよというようには考えられないですか。どちらかで見てしまうのですか。要するに、元へ戻ると、「でも」という表現なんですが。
○岡崎座長 逆にあれですかね、16で評価するけれども、15で評価しないというのはどういう具体例でしょうかね。
○西川職業病認定業務第一係長 16で評価するけれども、15で評価しない具体例としては、仕事内容が全然変わらず、ずっと80時間なり、ずっと90時間ぐらいなり。
○岡崎座長 時間だけが延びた。
○西川職業病認定業務第一係長 延びたというよりずっとやっていたというものを想定していたのです。
○岡崎座長 でも、それを出来事にしようとしたわけですよね。
○西川職業病認定業務第一係長 そうですね。それで、それは16では拾えるけれども、15ではいまはうまく拾えているかどうかはちょっと。
○岡崎座長 そういう場合が拾えないから出来事として拾おうということで入れたということですね。
○西川職業病認定業務第一係長 そういうことです。
○渡辺職業病認定対策室長 15があって100時間あると、共通のところで評価が「強」になるのですが、100に至らない。仕事量の変化はあったけれども、100には至らないというケースがたぶん15でどこに入るかという、そこだけが問題になるのかなという気がしますが。
○岡崎座長 という趣旨というのか、わかりました。
○渡辺職業病認定対策室長 そうすると、ここに書いてある今「強」の考え方ですよね。ここでいう労働時間だけで見ると、量は100にいっていないというケースが想定されるのですが、100にいかなくても、この「強」に書いてあるような状況があればいいのです。
○岡崎座長 そうですね。
○河合補償課長 これちょっとわかりにくいですよね。中途半端な時間となっていますね。
○山口先生 16の説明である解説の「強」というのに当てはまれば、「強」になるというのは私は何もおかしいと言っているのではないのです。だから、それに当てはまらなくて、仕事の量の変化があって、残業時間が85時間とか90時間とか、そういうのもあり得ると思うのです。それはどういうふうになるのでしょうか。
○河合補償課長 結局それは大幅にはっきりすればいい。
○西川職業病認定業務第一係長 15の「強」の例として、仕事量が著しく増加し、時間外労働が大幅に増えるなどの状況になりという、この大幅にというのは、結果として最終的に90時間であったり80時間であったかはともかく、それまでとその後の、例えばいままでほとんどやっていなかった人がいきなり60時間の残業を毎月させられるようになったということであれば、これは大幅に増えるなどの状況に、おそらく当たるのであろうという想定で考えていたのですが、それと16との関係は整理し切っていないです。
○岡崎座長 でも、この2つの項目が必要だということはわかりますね。
○山口先生 ここがいちばん具体的に、わりとよく出てくる項目になるのではないかと思うので申し上げたのですが。後で整理していただければ幸いです。
○岡崎座長 これは細かな点までは無理だと思いますので、いずれまた整理をした上での議論が必要だと思いますので、項目16を入れることについては必要なのではないでしょうか。
○山口先生 同じ疑問は16と17の場合にもあるのです。それが重複したらどうかということもありますね。
○岡崎座長 確かにそうですね。ほかにはいかがでしょうか。
○河合補償課長 全体に労働時間の考え方自体はいま言いましたように特別な出来事というのと、この「中」として80時間のものと「強」としてのこの2つの例示、こういう形で非常にこれでいい、臨床上こういう表現というか、こういう要件で、経験からいってもおかしくないということでよろしいのですか。
○黒木先生 前回出ていたのに比べると、非常にわかりやすくなったと思います。80時間を基本にして、それからいわゆる労働の過密といいますか、単にそこにいるというだけではなくて、それも考慮しながら、そして連続勤務も一応入っていると。これはだからいろいろ組み合わさってもいいと思うのです。組み合わせなければ評価できないということになりますから、だから一応これは、私はわかりやすいと。
○河合補償課長 臨床経験からしてもこういう形でいいという評価でよろしいのでしょうか。
○黒木先生 80時間以上を中等度として考えるということですよね。
○河合補償課長 それと「強」として特別な出来事を挙げる。
○黒木先生 「強」として特別な出来事を挙げる。これは問題ないというふうに思います。
○岡崎座長 そういった場合に、必ずその上下の項目等の変化も生じていますよね。確かにそれが臨床的な現象ですよね。
○良永先生 表現について私の理解でいいかどうかお伺いします。それは項目16です。解説の「強」にする場合の表現ですが、発症直前の連続した2か月間にとか、そのすぐ下に発症直前の連続した3か月間にとして、1月当たり120時間とか100時間ときていますが、この連続した2か月間にというと、例えば2か月間連続してその間ずっと1月当たりに換算すると120時間以上の時間外勤務が必要という、そういう要件ですか。それとも2か月間内のうちに、あるいつからいつまではわかりませんが、1月切ってみると、そのうち120時間、この場合には120時間を超える時間外労働があったということなのか、どういう理解なのかなと思って、なぜ私がここでこだわっているかというと、夏目先生の調査報告書の中に、この辺のことが何も書かれていなかったのです。1月当たり100時間とか120時間とあって、それに強度のランクが付いていました。2か月間にとか3か月間にというこの意味内容と、もう1つはそれのある程度近接した時期にという趣旨であろうとは思いますが、その理屈が、どういうことだったのかお伺いしたいと思います。
○渡辺職業病認定対策室長 ここに書いてある趣旨は発症直前の発症日から1か月前、あるいは3か月前で、例えば2か月前で見れば、1か月前も120時間、その1か月前も120時間2か月。
○良永先生 という趣旨ですか。ずっと120時間続いていかなくてはいけないわけですね。
○渡辺職業病認定対策室長 2か月120時間続いていっている、あるいは3か月100時間続いていっている。
○良永先生 なるのですね。
○岡崎座長 これは加算平均した値でいいのですね。その平均でね。
○良永先生 そうすると、夏目先生のデータしか私は頭にないので、あれなのですが、2か月とか3か月で切られたのはどういう根拠なのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 その2か月とか3か月と示させていただいた根拠は、これまでの極度のご議論のときに3週間120に相当するものはどんなものかということで、期間が長くなれば1か月当たりを多少それに比べれば短くてもいいのだろうというご議論があったことからですが。
○黒木先生 時間外労働の内容もあると思うのです。例えば100時間以上にしても1か月休日に、連休が重なって休日に出て来ると、当然時間外としてカウントされる。そうすると、100時間はすぐ超えてしまいます。でも、それは連続でやはり2か月とか3か月とかということになると、過重性は高まってくるということもあるので、時間外労働のいわゆる内容とか、そういうことも踏まえてということが、たぶん含んでいるのかなという気がします。それでいいですよね。
○良永先生 すみません、私が十分に理解できていない点がいろいろあって、お伺いしますが、もう1つは、そうすると、1頁に書かれた極度の長時間労働、発症直前の1月に概ね160時間、これは1つの大きな基準だと思います。その次に、またこれに満たない期間、ですから例示としては例えば3週間に概ね120時間以上のとありますね。そうすると、この16の120時間以上のというのは、2か月間にと付いていますが、これはどんな関係ですか。片方は3週間で、片方は2か月間となっていますが、理解がうまくいっていないのですが。
○西川職業病認定業務第一係長 片方は3週間で片方は2か月間の中でも1か月当たりなのですが、当然短い時間で同じ時間をやるほうが大変ですので、極度の長時間労働のほうが負荷がかなり大きい。
○良永先生 ああ、そうですか。
○西川職業病認定業務第一係長 それで、時間数は同じですが期間が短い。
○良永先生 連続ということですね。
○西川職業病認定業務第一係長 そうですね、連続ですね。
○黒木先生 連続なので睡眠時間がほとんど確保できない。
○良永先生 連続3週間でずっと突き当たりすると120時間分の仕事を連続してやったと。
○黒木先生 寝る時間がないと。
○良永先生 寝る時間もない。そうすると、16のほうは少し波があって、密度は濃くないと。
○岡崎座長 大体この仕事の量・質のところはよろしいでしょうか。
○黒木先生 部下が増えたはここに入れるのですよね。部下が増えたは仕事内容、仕事量の大きな変化を生じさせる出来事、これに統合するのですよね。部下が減った、これは。
○西川職業病認定業務第一係長 部下が減ったは部下が増えたよりも実際に評価している数が多かったものですから、それで統合の対象に入らなかったという、それだけです。


○岡崎座長 よろしいですか。それでは一応類型③は終わらせていただきまして、類型④の「役割・地位の変化等」というところですが、この類型についてのご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○黒木先生 出向も、この配置転換に入るということでいいですね。出向、配置転換でいいですか。
○西川職業病認定業務第一係長 配置転換があっての「中」に出向が入る。
○岡崎座長 中に統合されていますね。
○西川職業病認定業務第一係長 「中」で。
○岡崎座長 配置転換、そうですね。いかがでしょうか。「退職を強要された」がIII。「配置転換があった」がII。「転勤をした」がII。「複数名で担当していた業務を1人で担当するようになった」がII。「非正規社員であるとの理由等により仕事上の差別、不利益取扱いを受けた」がII。あとIですが、「自分の昇格・昇進があった」、「部下が減った」、「早期退職制度の対象となった」、「正規社員である自分の契約満了が迫った」ということで、最後の項目は追加でしたかね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○岡崎座長 という項目構成ですが、特にご意見は。
○山口先生 ちょっと確かめたいだけですが、この20の「退職を強要された」というところに、この中を見てみるともちろん解雇も入っているわけですね。それで、28を見てみますと、非正規社員で期間の定めのある契約の場合も考えられているということがわかりますから、そうすると、この解雇退職だけでなく、期間の定めのある契約でも、反複継続してずっと雇われているというような人には、更新拒否とか、何かそういうのもここに入れておかないと、どうかなというか、バランスがとれないというような気がしますが。
○渡辺職業病認定対策室長 事実上の継続雇用になっているものの更新拒否はこれと同じに扱うというようなことを書いておくべきだということですね。
○山口先生 そうですね、更新拒絶とか、更新拒否とか、そういう言葉が入っていれば。
○渡辺職業病認定対策室長 はい。
○岡崎座長 その必要はありそうですね。ほかはいかがでしょうか。鈴木先生、清水先生、何かございますか。
○鈴木先生 特にないです。
○清水先生 特にございません。
○岡崎座長 それではこの類型の項目は大体よろしいですか。
                 (異議なし)
○岡崎座長 また、後でありましたらどうぞおっしゃってください。それでは類型の⑤「対人関係」にまいりたいと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○清水先生 今回⑥にセクシャルハラスメントは独立いたしましたので、特に女性の労働者に対してそういったセクハラが行われた場合は、特に評価ができるということになってきましたが、男性の労働者に対してのひどい嫌がらせ、いじめというようなところで、例えば29番のところに解説として部下に対する上司の言動が業務指導の範囲を逸脱しており、その中に人格や人間性を否定するような言動が含まれ、かつこれが執拗に行われたというような書き方がされておりまして、こういったのは、いわゆる昨今ではパワーハラスメントですとか、あるいはモラルハラスメントなどという言葉があったりしますが、ここにハラスメントというような言葉を入れるかどうかというところがあるかと思うのです。女性の場合はそういったセクハラというような相談部署が必要だというようなこともあるかと思いますが、男性に対してもそういったハラスメントを受けた、もちろんひどい嫌がらせを受けたという言い方でかまわないかと思うのですが、そういった解説のところに括弧して、「ハラスメント」という言葉を入れるかどうかというようなことを考えました。
○岡崎座長 いかがでしょうか。これは事務局にお聞きしましょう。
○渡辺職業病認定対策室長 この項目については平成21年の検討会で新たにこの項目を付け加えた。その当時もたぶんパワハラとか、そういう言葉がいろいろな形で出てきていたと思いますが、その当時、パワハラという言葉がかなり不明瞭というか、使う時と場所によってかなりあれなので、こういうひどいいじめ、嫌がらせという言葉を使ったと思いますので、そのときに整理された考え方を踏襲したほうがいいだろうというのが事務局の考え方です。
○岡崎座長 表現自体はこれでいいけれども。
○清水先生 そうですね、たぶんこういった労災が起こらないように予防するという意味では、ハラスメント対策をしているかというような言い方が、もちろんセクハラ対策をしているかという言い方もあると思うのですが、ひどい嫌がらせ対策をしているかというのも、それはそれで定着すればいいと思っているのですが、そういった確かにまだまだ定着していない用語だから、パワハラなのか、あるいはそうではない嫌がらせもいっぱいあると思うので、難しいところですが、今後の課題ということで。
○荒井先生 これは法律用語で、ひどい嫌がらせという言葉が使われたのではなかったでしたっけ。判例でひどい嫌がらせ。
○渡辺職業病認定対策室長 確かに判例の中にはパワハラという言葉を使っているものもありますが、その判例ごとに意味がある、微妙に異なっていますので、なかなかパワハラと言って、1つの概念でなるものでもないような気がします。一応セクハラについては私どものほうで法律上なり、いろいろな指針の中でこういうものをセクハラというというのをはっきり謳っていますから、そこはセクハラという言葉を盛り込んでも、何ら支障はないと思います。パワハラとかモラルハラスメントとか、その辺についてはなかなかその言葉を生で出す、あるいはそれも含むといっても、かなり概念に相当幅があって、それも難しいかなというものがあります。
○岡崎座長 まだ公的な文書等ではあまりきちんと定義されて使われていないのですか。
○黒木先生 きりがなくなってしまいますね。いやいや、アカハラというか。
○岡崎座長 でも、だいぶ最近は使われていますよね。
○良永先生 このままの方がいいような気がします。いまの清水先生もご自身おっしゃいましたが、上司によるのも入っていますし、同僚間のも入っています。そしてパワー何とかというと、やはり権力を持っている人がその部下に対して業務の範囲を超えていろいろひどいことをするというように思いがちですが、ここはもうはっきり同僚間のものも入っていますので、その要がつかまえられると非常に威力を発揮するということはセクハラでもそうでしたが、できるだけそういう用語で表現できるものがあればそれに超したことはないのですが、検討課題ではないですか。
○岡崎座長 ありがとうございました。
○山口先生 いまのは後半は入れるということですか。
○岡崎座長 いやいや、要らないのではないか。
○良永先生 もう少し検討してみたほうがいいかなと。
○山口先生 私も同意見です。というのは、セクシャルハラスメントはもう各国で使う用語になっているし、大体国際的にもきちんと定義自身があります。パワハラというのは和製英語でしょう。和製英語にすら、まだなっていないのではないかと思います。大体はっきり定義できないから、いまの状況では難しいのではないか。
○荒井先生 bullyingがなぜか使われないですね。その和製英語で。
○西川職業病認定業務第一係長 そうですね、いじめと書いています。
○荒井先生 英語でいえばbullyingという言葉が一般的だと思うのですが、それがなかなか認知されないですね。
○山口先生 和製英語でもわりと素性のいい英語だったら、私はいいと思いますが、わりと最近、韓国とか中国とかが、こういう日本の議論を見て参考にしていますから、何か日本は英語ができないと思われたら困りますね。
○荒井先生 bullyingはいっぱい論文はありますし、そういう意味では公的な資格を持っている言葉だと思いますけども、日本では使われないのです。だからそれは使われていないから、何のことやということになってしまうので、使わないということはわかるのです。
○岡崎座長 それでは、そこのところはそのようにさせていただくことにして、ほかの項目はいかがでしょうか。トラブル等の対人関係の変化を含んだ項目ですが、よろしいですか。では、特にないようでしたら、この類型は一応終わらせていただきまして、最後にセクシャルハラスメントは分科会でご検討いただいたものが反映されたものですが、いかがでしょうか。ここは解説等が長いですね。
○西川職業病認定業務第一係長 分科会でじっくりご議論いただいたものですから。
○岡崎座長 詳しく。
○西川職業病認定業務第一係長 特にこの項目を独立させるということでよろしいかということについて、こちらの専門検討会のほうで、よろしければそのように私どもも。
○岡崎座長 前回、一応ご了承いただいたと思いますが、独立した類型として入れるということでよろしいですか。特にないようですので、一応今日は心的負荷評価表の考え方と、6つの類型についてご検討いただいて、おおよそ事務局の提案の方向でいいのではないかというようにご了解いただいたかと思います。本日、個々には参考にする意見をたくさんいただきましたので、心的負荷評価表を修正して、作成をいただいて、また、次に検討できればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは事務局にお渡しいたします。どうもありがとうございました。
○板垣中央職業病認定調査官 次回の日程ですが、9月8日(木)15時からを予定しております。これをもちまして、本日の検討会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部
補償課職業病認定対策室

電話: 03(5253)1111(内線5570、5572)

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