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2011年6月22日 第1回産業保健への支援の在り方に関する検討会

○日時

平成23年6月22日(水)
13:30〜15:30


○場所

財務省三田共用会議所大会議室


○議事

○古田職業性疾病分析官 定刻より早いですが、お揃いですので始めさせていただきます。本日は大変お忙しい中、ご参集いただきましてありがとうございます。ただいまより「第1回産業保健への支援の在り方に関する検討会」を開催します。初めに厚生労働省安全衛生部長、平野良雄よりご挨拶を申し上げます。
○平野安全衛生部長 厚生労働省安全衛生部長の平野です。委員の皆様方には大変お忙しい中、この「産業保健への支援の在り方に関する検討会」にご参集いただきまして、誠にありがとうございます。私ども労働安全衛生行政におきましては、労働者の健康の確保、これが極めて重要なテーマでして、特に職場におけるメンタルヘルス対策が近年大きな課題となっています。このような課題に適切に対処するために、昨年12月に労働政策審議会から今後の安全衛生対策について、ストレス症状を有する労働者に対する、医師による面接指導制度の導入など、対策の充実について建議もなされているところです。
 労働者の健康の確保を図るためには、事業場における産業保健活動の充実が欠かせないわけですが、このため厚生労働省では、産業医と産業保健スタッフへの研修や情報提供を行う産業保健推進センター、また、労働者50人未満の小規模事業場へ産業医サービスを提供する地域産業保健センター、さらに事業場のメンタルヘルス対策を支援するためのメンタルヘルス対策支援センターの設置など、産業保健への支援の充実に努めてきたところです。このような中で昨年行われました、いわゆる事業仕分けの結果、産業保健推進センターの統合等の、運営の効率化が求められていまして、このことがサービスの低下に繋がらないようにすることが重要な課題と考えています。
 一方、職場におけるメンタルヘルスが大きな課題となる中で、相談のニーズは増大しています。こうした産業保健を巡る最近の環境の変化に対応して、今後の労働者、あるいは事業場に対する支援を、効果的・効率的に実施するため、今後の産業保健推進センター、それとメンタルヘルス対策支援センターなどによる支援の在り方が議論されるべきだと考えています。本検討会におきましては、このような検討課題についてご検討いただきまして、とりまとめをお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
○古田職業性疾病分析官 続きまして出席者委員の方々をご紹介します。お配りしている資料1の裏側に、参集者名簿があります。この名簿の順にご紹介させていただきます。まず最初に北里大学副学長の相澤委員です。続きまして日本労働組合総連合会総合労働局雇用法制対策局局長、市川委員です。社団法人日本医師会常任理事、今村委員です。続きまして三菱化学株式会社健康支援センターグループマネージャー、武田委員です。本日はご都合により、どうしてもということでご欠席ですが、三井化学株式会社本社健康管理室長・統括産業医の土肥先生に委員をお願いしています。続きまして社団法人岡山県医師会理事、道明委員です。社団法人大阪府医師会理事、藤森委員です。そして産業医科大学産業生態科学研究所所長、堀江委員です。
 この後、ヒアリングを予定しているのですが、産業保健推進センターを運営しておられる労働者健康福祉機構からも、今日お越しいただいております。労働者健康福祉機構産業保健部長の佐々木部長です。同じく産業保健部の濱本調査役です。私は事務局を担当いたします、労働衛生課の古田と申します。よろしくお願いします。今日、武田委員はやむを得ない所用のため、途中でご退席されるということです。
 続きまして、今日配付している資料の確認をさせていただきます。お手元に資料をお配りしています。最初に議事次第のペーパーが1枚あります。それから資料1、開催要綱があります。1枚ものです。それから資料2、何枚かの資料ですが、「産業保健を取り巻く現状」です。それから資料3、「産業保健への支援体制の現状」があります。それから資料4、「事業仕分けの結果(産業保健推進センター業務)」です。それから資料5、「今後の職場における安全衛生対策について 平成22年12月22日 労働政策審議会建議」という1枚ものがあります。それから資料6、「産業保健への支援の在り方に関する検討会 検討項目」です。
 それと、今村委員からご提出の「『産業保健支援の現状と課題及び今後の在り方』に関する関係都道府県医師会ヒアリング結果(概要)」という資料があります。お配りしている資料は以上です。ご確認いただければと思います。
 続きまして、この検討会には座長を置くこととなっています。座長は北里大学の相澤先生にお願いしています。よろしくお願いいたします。ここで安全衛生部長は所用のために退席させていただきます。それでは、今後の議事進行につきましては、相澤先生、よろしくお願いいたします。
 なお、今日、労働衛生課長はもちろん出席する予定でしたが、東京電力福島第一原子力発電所の急な対応、どうしても外せない用事が入りまして、出席できませんのでお詫び申し上げます。
○相澤座長 では、活発なご議論をよろしくお願い申し上げます。それでは本日の議題に入りますが、まず検討の趣旨等について、事務局が用意している資料の説明をお願いします。
○古田職業性疾病分析官 それでは、先ほどご確認をお願いしました資料について、順次ご説明いたします。まず資料1の検討会の開催要綱ですが、この1番の趣旨については、先ほど部長からご挨拶でお話申し上げたとおりです。産業保健推進センターの事務・事業の見直しによる統廃合で効率化が求められている一方、メンタルヘルスへのニーズが増大している中で、今後の産業保健への支援を効果的・効率的に実施するため、推進センター、メンタルセンターによる支援の在り方について検討することとしています。
 それから、資料2は産業保健を取り巻く現状というものです。傍聴者の方々の資料は、委員がお持ちの資料と頁数が少し異なっております。右下にそれぞれ小さなスライドの番号が書いてあると思いますので、そちらのほうで見ていただくようにお願いします。2頁ですが、「事業場数及び労働者数」。我が国の事業場の規模別の事業場数、それから労働者数の表と3頁はそのグラフです。小規模事業場が圧倒的に多いということです。4頁ですが、「業務上疾病者数の推移」です。ここ10数年、大体8,000人前後で推移していて、そんなに増加も減少もしていないという状況にあるということです。5頁は「年次別業務上疾病者数」です。多くが負傷に起因する疾病ということです。6頁は、同じ「業務上疾病者数」の平成22年の内訳です。右の四角は「業務上疾病者数H21」となっていますが、これは「H22」の間違いです。ご訂正願います。7頁は、同じ平成22年の「業務上疾病者数」の、疾病別の内訳です。
 それから8頁ですが、平成19年労働者健康状況調査による「労働者のストレス等の状況」ということです。5年に1回の調査ですが、毎回ストレスの状況、ストレスを有する労働者の割合が増え、最近は若干減っていますが、それでも大体60%前後であるということです。9頁、「脳・心臓疾患の労災補償状況」です。平成14年以降、特に平成18〜19年辺りに大変増加していますが、300件前後でずっと推移しているということです。ここ2年間は若干減少しているということです。10頁、「精神障害等の労災補償状況」です。ご覧のように、特に平成18年以降、かなり増加傾向にあり、平成22年は308件となっています。11頁、50人以上の事業場から提出された「一般定期健康診断結果」のまとめですが、有所見率を表しています。項目別の有所見率。それから、いずれかに所見のある方の割合です。52.5%になっているということです。12頁は、その有所見率の推移です。ご覧のように年々増加し、平成22年は52.5%になっているということです。
 13頁ですが、「一般定期健康診断等実施状況」です。これは平成19年労働者健康状況調査によるものですが、事業場の規模別の健康診断の実施状況です。50人以上、100人以上の所は、ほぼ100%近く実施されていますが、10人から50人辺りはまだ実施されていない所も残っているということです。14頁と15頁は、その細かい数字です。健診の実施状況、それから事後措置などに関する数値です。16頁、「産業医・衛生管理者選任等状況」です。これは平成17年の労働安全衛生基本調査、ちょっと古いのですが、その結果です。50人以上の事業所では、産業医・衛生管理者の選任をする必要がありますが、特に50〜99人の規模の事業所では、まだ選任されていない事業所もかなりあるということです。17頁は、その内訳の数字です。18頁は安全衛生委員会等の設置の数字です。19頁、これは昨年、独立行政法人労働安全衛生総合研究所で行われた調査です。「長時間労働者に対する面接指導制度の認知度」の結果です。左側のグラフが事業場側の認識、右側は労働者側ということです。まだまだ、特に50人未満の小さな事業場では、長時間労働者の面接指導制度の周知が行き渡っていないという状況があります。
 続きまして資料3の2頁ですが、「産業保健への支援体制」の現状です。現在、産業保健への支援の仕組みとして、一部は今年度より連絡事務所となっていますが、産業保健推進センター、それからメンタルヘルス対策支援センター、それと地域産業保健センターというものがあります。産業保健推進センターは労働者健康福祉機構が設置・運営しています。メンタルヘルス対策支援センターは、国の委託事業として実施しています。それから左の地域産業保健センターも、国の委託事業として実施しています。それぞれの事業の目的はここに書いてあります。産業保健推進センターは産業医と産業保健スタッフに対する研修・相談。そういった方々を支援する機能を有しています。メンタルヘルス対策支援センターは、事業場に対し相談対応をしたり、あるいは訪問支援をしたりといった、メンタルヘルスに関する支援をする所です。地域産業保健センターは、50人未満の規模の事業場に、産業医による産業保健サービスを提供する機能を有しているということです。現在、こういった形で動いているということです。
 それから3頁は、産業保健推進センターの業務・機能を説明しています。4頁は「メンタルヘルス対策支援センター」の趣旨・目的、それから事業内容です。5頁は「地域産業保健センター」の事業内容です。6頁ですが、地域産業保健センターは、今年は地震の関係でまだ集計できていませんので平成21年度ですが、それぞれ3つのセンターの事業の実績の数値をお示ししています。
 続きまして資料4です。昨年、厚生労働省の省内事業仕分け、行政刷新会議の事業仕分けがありました。その事業仕分けの関係についてのご説明の資料です。1頁ですが、「行政刷新会議における事業仕分けの基本的考え方」ということで、これは平成22年3月の第6回行政刷新会議資料より抜粋したものです。事業仕分けがどういう考え方で行われたのかということを、記載してあります。1番目として、独立行政法人、政府系の公益法人が行う事業の見直し。2番目として、類似の事業の横断的な見直し。3番目として、制度・規制等の見直しということで、それぞれここに書いてあるような考え方で行われたということです。事業の必要性・有効性だとか、あるいは誰がやるのか等の見直しであったということです。
 それから2頁ですが、「行政刷新会議に示した改革案」ということで、産業保健推進センターの業務の重点化・効率化、組織の集約化、財政支出等の削減ということで、こういった見直し、改革案が提示されたということです。3頁は同じものですが、産業保健推進センターと地域産業保健事業の見直しについての説明図です。これは、いずれも昨年の事業仕分けの際の資料です。4頁、「行政刷新会議における仕分け結果について」ということで、当該法人が実施し、事業規模は縮減。省内仕分け結果1/3縮減にとらわれない更なる削減を求める、ということでした。6頁、この仕分けを経て、昨年12月7日の閣議決定で、独立行政法人の事務・事業の見直しの基本方針の中で、産業保健推進センターについて、ここに書いてあるような方針が定められたということです。1番目、2/3を上回る統廃合。2番目、業務の縮減、管理部門の集約化、効率化。3番目、専門的・実践的研修助言等の業務に特化。4番目、窓口を設けての相談業務の廃止ということです。次頁はそれを受けまして、現在進んでいる「産業保健推進センター事業の見直し(まとめ)」ということです。左側が見直し前、右側が見直し後ということですが、実施主体、事業概要は変わりませんが、拠点が1/3程度に集約。それから事業内容ですが、研修はそのままですが、窓口相談につきましては、通信方式、予約面談方式の相談となっています。次頁で、地域産業保健事業についても、左側は平成22年度まで、右側は平成23年度ということで、この図にあるような見直しをしているということです。従来の健康相談・個別訪問による産業保健指導について、右側の重点分野という枠に囲ってあるような内容の、これも健康相談ですが、こういった分野に重点化するとしたところです。いちばん下の情報提供については、推進センターのほうで実施しているので、そちらのほうに移行するということです。以上が仕分けの結果です。
 それから資料5ですが、昨年12月の労働政策審議会建議です。最近のメンタルヘルスの状況を受け、それに対処するために、今後の在り方についての建議がなされたということです。4の(1)の中にあらましが出ていますが、労働者のストレスに関する症状・不調を確認し、労働者が申し出を行った場合には、長時間労働者の面接指導制度と同様に医師による面接指導を行う。そういった制度を導入することが適当であるという趣旨の建議です。
 資料の内容の説明は以上です。資料6については、後ほどまたご説明します。それから、今村委員がご提出の資料については、議論の中で委員からご説明があろうかと思います。以上です。
○相澤座長 ありがとうございました。後ほど議論はいただきますが、いまの説明について何かご質問がありましたら、お願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
○藤森委員 すみません、教えていただけますか。資料2の2頁目ですが、事業場数及び労働者数ですが、平成18年の総務省の統計では、これよりもまだ小規模事業場の数が多いので、小規模事業場数がだんだん少なくなってきているのです。例えば、50人未満の事業場数を見ますと、これでは事業場数は96.2%です。労働者数は56%なのです。ところが平成18年度は事業場数は73%、労働者数は73.8%です。だから労働者も企業数も50人未満は減っているのですが、これはもうそれでいいのですね。これはいつの統計かわからないですが。
○古田職業性疾病分析官 事業所企業統計調査というのは総務省の統計なのですが、それを基に、別途少し数値を計算し直した資料がありまして、そちらからもってきていますので、事業所企業統計調査そのままではありません。
○藤森委員 もう1つ質問させてください。定期健診をされておられるというのが15頁ぐらいでしょうか、小規模のところでは、例えば14頁、15頁ですが、実施しなかったというのが29人までの所が17.3%と書いてあるのですが、それでだんだんと大規模になるほど実施されておられる。普通にリーズナブルなのですが、しなかったのがこんなに少ないのですか。n数が少ないとは思うのですが。
○古田職業性疾病分析官 真実の値がどうなのかと言われると難しいのですが、一応平成19年に行った労働者健康状況調査、これは全国のサンプルの事業場を抜き出して調査票を送って、ご返送いただいた結果の数値ということです。
○藤森委員 有所見率は大体50人未満で大体どのくらいなのですか。
○古田職業性疾病分析官 有所見率でなくて実施率です。
○藤森委員 だから、そこで有所見率はどのくらいになるのですか。
○古田職業性疾病分析官 50人未満ですか。
○藤森委員 はい。
○古田職業性疾病分析官 いまデータを持っていないのですが。
○藤森委員 下のほうには異常の所見のあった労働者がいるというのは10〜29人で73.6という話にはなっているのですが、実際はどのくらいなのか。普通52というのがいまは平均になっています。基本的にあれは50人以上のそういうような届け出た所だけの合計だと思いますので、50人未満のデータはほとんどないのか、あってもn数が非常に少ないのかと思っております。たぶんそのほうがおそらく平均よりも、もっと有所見率は悪いのかと思うのですが、それはどうなのでしょうか。いいのでしょうか。
○古田職業性疾病分析官 すみません、いまそのデータを持ち合わせていませんので、また、調べてみたいと思います。通常の定期健康診断の結果、50人以上の事業場からしか報告義務はありませんので、そういう形でのデータがないのですが、ほかでこういった調査があるかもしれませんので、また、調べてみたいと思います。
○藤森委員 それに関連して15頁のところが異常の所見のあった労働者がいるというのが、29人までが73.6%で、多い企業の所は非常に高く、100とかがあるのですが、ここだけ、うちは73人しかいないよという話なのですね。ちょっと奇異に感じましたので。
○古田職業性疾病分析官 奇異というか、人数が多くなれば、誰かが有所見なので、当然高くはなってくると思います。
○藤森委員 それで、有所見率がわかればもう少しはっきりすると思ったものですから。
○古田職業性疾病分析官 いまおっしゃったのは、左から2つ目の項目のところですね。
○藤森委員 そうですね。
○古田職業性疾病分析官 ここは有所見率というのではなくて。
○藤森委員 いや、だから、これは有所見率ではないので、それがわかればもう少しはっきりしたものが出るのかなと、こういうことです。
○古田職業性疾病分析官 あるかないかを含めて調べてみたいと思います。
○相澤座長 いまのを宿題にしていただきましょう。ほかに、藤森先生よろしいですか。
○藤森委員 はい。
○相澤座長 ほかにはよろしいでしょうか。それではまた後ほど、もしご指摘がありましたらお願いいたします。産業保健への支援の現状等について、独立行政法人の労働者健康福祉機構から本日はヒアリングを行う予定です。労働者健康福祉機構は産業医と産業保健スタッフへの研修や相談、情報提供を行っている都道府県産業保健推進センターを運営するとともに、メンタルヘルス対策支援センター事業を受託して、ほぼ全国で展開しておられるわけです。これらの事業について、最近の事情についてご説明をいただきまして、その後、質疑応答をしていただければと思います。
 本日は先ほどもご紹介がありましたが、佐々木産業保健部長においでいただいておりますので、よろしくご説明をお願いいたします。
○佐々木産業保健部長 それでは産業保健推進センター事業を運営費交付金で実施しており、併せまして、メンタルヘルス対策支援センター事業を厚生労働省からの委託事業で実施しているということで、今回の検討会の主要な課題である2つの事業にかかわっているという立場から、この現状や課題について、簡単にご説明させていただければと思います。
 まず、産業保健推進センター事業の最近の状況です。先ほど厚生労働省からの説明にもありましたように、昨年、平成22年12月7日に閣議決定がなされまして、それによりますと、平成22年度から産業保健推進センターの2/3を上回る統廃合を図っていくということになっています。これを受けまして、労働者健康福祉機構においては、厚生労働省の指導の下に、平成22年度については6つの推進センターを廃止することにしたところです。
 一方、こういった廃止地域においても産業保健にかかわる支援体制を維持して、その提供を行っていくことは非常に重要なことですので、厚生労働省と協議し、その地域において産業保健推進連絡事務所を設置することとしたところです。その産業保健推進連絡事務所については、これを支援する近隣の推進センター、通常支援センターと呼んでおりますが、その下で嘱託職員で運営することにしているものです。したがって、6つの廃止した推進センターに連絡事務所をそれぞれ置きまして、さらにその近隣の支援センターの支援を受けるという構図になっています。平成23年度からこういった形でスタートするということに併せて、その準備として、産業保健推進連絡事務所の代表、そこで実務の中心を担う産業保健推進員、事務補助員の職員の確保を今年の2月から3月にかけて進めました。そして、先ほど説明したこの事務所の経理事務や後方支援を担当する近隣の推進センターの職員の増員も進めたということになっています。推進センターの廃止、あるいは産業保健推進連絡事務所の設置といったことについて、関係方面の理解を得るということで説明に非常に時間を要したということもあり、最終的に形が整うというか、特に連絡事務所の実務の中心となる産業保健推進員の確保については、3月末まで時間を要したという状況になっています。
 現状ですが、この連絡事務所については事務所代表、あるいは推進員、さらには事務補助員の体制により鋭意実務をやっているわけで、業務の実施にあたっての諸準備や個々の業務を行ってきたということです。ただ、実績を見ますと、6連絡事務所における4月、5月の業務実績を平均すると、昨年の推進センターであった時期と比較し、研修の実施件数でいくと54%程度、相談件数でいくと66%程度、情報提供ということでのホームページの更新件数でいきますと89%程度ということで、若干内容によって違いますが実績は減少してきているというのがいまの状況です。この原因については業務実施にあたっての諸準備に時間を要したことが原因と考えていますが、今後、これらの実績が回復に向かうように努力していきたいと考えております。
 各センター、各事務所においては、それぞれ1名の増員がなされるということは既に説明したとおりですが、4月、5月についてはこの1名が連絡事務所において業務実施にあたっての諸準備や後方支援をやってきたということがあります。さらに連絡事務所において実務の中心を担う産業保健推進員に対しては、本部において業務全般についての研修も行っています。事務所の経費を縮減していく関係で、現在まで6連絡事務所のうち5つの連絡事務所については狭い所、小さい所への移転を終了しています。残りの1つの連絡事務所については、現在新たな場所を探している状況です。
 次に我々が考えている課題やそれに対する対応について、2つの方面から説明します。まず、人の面での課題です。何回も説明していますが、事務所については、従来推進センターであったときには行政出身者の副所長がいたわけですが、そういった副所長が担当してきた業務を、事務所になってからは産業保健推進員が担当するようになってきたということです。従来副所長が担当してきた、特に職員の管理や指導、関係団体との調整、あるいは電話による直接の相談業務といったことについては、現時点では推進員という立場の人がやることになっていますが、こういった業務について円滑な実務の実施が課題になっています。これに対しては先ほどお話しましたように、本部において研修を実施したということですが、さらに今後、連絡事務所や支援センターの業務についてとりまとめた実務マニュアルといったものを策定することにしています。さらに、本部や支援センターが推進員等に対し、指導、支援をより強化していくことにより、体制を充実していきたいと思っております。
業務面での課題ですが、従来から、事務所についてはセンターの相談員や研修を担当する講師は既に確保されているので、今後は先ほど話にも出ましたように待機方式の窓口相談から事前予約方式の相談に移ったということで、この周知を図っていくということ、あるいは後方支援を担当する支援センターの充実を図っていくというようなこと、さらには運営協議会をやることになっていますが、これをできるだけ早く実施し、関係機関の一層の協力の確保を図っていきたいということで考えています。以上、我々が考えている課題等とそれに対する対応といったところです
 次にメンタルヘルス対策支援センターについて、同じように経緯、現状、あるいは課題についてお話したいと思います。このメンタルヘルスの委託事業ですが、平成20年度からやってきており、平成20年度はいわゆる相談機関の登録事務、その他メンタルヘルス対策の周知事業といったものだけであったわけですが、その後、平成21年度からは相談、訪問、支援等を含めてやってきているということです。今年度、平成23年度については全国を6ブロックに区分けしての企画競争が行われたわけで、北海道地区を除く5ブロックについて受託しているということです。この事業については、従来からの推進センター事業の中での相談業務を通じ、いろいろな経験やノウハウを蓄えてきたわけですが、そういったものを踏まえて、円滑な事業実施をやっていると自負しているところです。
 現状ですが、先ほど事務局からの話にもありましたように、メンタルヘルスに関する相談件数が、毎年大幅に増加しています。また、委託事業の中で、平成23年度はその委託額も多くなってきているということで、それに対応した形で個別の支援や管理監督者教育といった実施の目標値も2倍以上と引き上げられています。また、新たに職場復帰プログラムの作成等の職場復帰に関する総合的な支援の業務も加わってきているということがあります。そういったことで、今年度この事業を実施していくためには、各推進センターですとか、連絡事務所において促進員、相談員、担当員といったようなそれぞれの立場の者を増員する必要があります。併せて中身の充実ということで、事務処理マニュアルの整備を図るということで、担当者を集めた研修、具体的にはメンタルヘルス対策促進全国会議というようなものを今日やっているという状況です。これについての課題と対応ですが、先ほども言いましたように、業務が非常に大きくなってきているということで、促進員、相談員の増強を図る必要があるということで、それを行っています。各連絡事務所については非常に体制が弱くなってきていることもあるわけですが、それを補完する意味で、メンタルヘルスについては本事業を担当する嘱託の調整員を配置して、その実施体制の強化を図っているところです。
 今後、この事業を円滑に実施していく観点から、推進センター事業と同様に、本部、あるいは支援センターにおいて、よりこの事業にかかわっていく、あるいは指導・支援を強化していく必要があるのではないかと考えているところです。以上、簡単ではありますが、2つの事業についての経緯、現状、課題、その対応といった点についてご説明いたしました。
○相澤座長 ありがとうございました。佐々木部長から現状について、事業仕分けの後の問題についてご説明いただいております。いかがでしょうか。いまのご説明に対してご質問があればお願いしたいと思います。
○武田委員 地域産業保健事業の見直しで、情報提供セミナー開催を推進センターに委託するという話があったのですが、そういった形での業務の増加はこれからですか。
○佐々木産業保健部長 推進センターについては従来から情報提供をやっておりますので、それを利用してということになるのだろうと思います。地域産業保健の事業については、先ほどは触れませんでしたがごく一部は受託していますが、そこでの情報提供については、推進センター事業の中でやっていくということで理解しています。
○古田職業性疾病分析官 いまのご質問で、地産保で行っていた情報提供の業務を推進センターに移行したのかと。一応そういうことで進めていますが、それぞれ地域に事情がありますので、そのままきれいに移り切れているかどうかというところも一部あろうかと思います。主に地産保で行っていた情報提供というのは、例えば産業医の先生方の名簿の提供とか、そういった情報が主なものだったかと思うのですが、きちんと移っているところもあろうかと思います。調べ切れていませんが、そういうところです。
○濱本調査役 すみません、少し補足をさせていただきます。この情報提供に関して、私どもは国から新たに委託事業として受託するようなことはなく、また、国から具体的に指示というか、要請といいますか、それはまだいただいていないところです。私どもが理解しているのは、推進センター事業としても従来から情報提供を行ってきており、そういった従来の事業の範疇で、地域センターがやっておられる情報提供とダブっていたり、あるいはその部分を多少プラスをして、我々の事業の中で読み込める部分というところで協力していくということです。ただ、具体的にいまお話がありました、例えば産業医の名簿などについては、推進センターでは、まだ収集・公表するような道筋ができていないので、そういった情報提供を行うということになりますと、行政のほうで情報収集・公表を行う道筋をちゃんと付けていただいたうえで、あらためて行うことになろうかと思います。
○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。
○堀江委員 行政刷新会議では、地域産業保健センターと産業保健推進センターがいずれも情報提供事業を行っているということが「重複事業」と指摘されたという経緯があります。そうしますと、メンタルヘルス対策についても、メンタルヘルス対策支援センターと地域産業保健センターにも重複していると指摘されそうな事業があると感じています。そこのところはきれいに整理されているのでしょうか。メンタルヘルス対策について説明している資料4の最後の頁で、行政刷新会議の結果を受けた地域産業保健センター事業の見直しの中で、今度は地産保においてもメンタルヘルス不調を自覚する労働者に対する相談・指導が重点分野になっているわけですが、一方でメンタルヘルス対策支援センターでも当然メンタルヘルスに関する指導をすることになっています。おそらく多くの人が混同しているのではないかと思いますので、両者の違いをわかりやすく説明していただけますでしょうか。
○古田職業性疾病分析官 メンタルヘルス対策支援センターは、事業者向けの支援が主な事業です。地域産業保健事業のほうでやっているのは、もちろん事業者向けのものもあるのですが、労働者に対する相談・指導ですので、直接のかぶりはないと思います。
○堀江委員 ちょっと聞き間違えたかもしれません。事業者向けは両者に同じようにあるということですか。
○古田職業性疾病分析官 労働者を対象にしていると。地産保の事業のうち、重点分野、例えば健診実施後の意見聴取への対応というのは、あくまでも事業者が労働者の健診で有所見であった人の事後措置に向けて意見聴取をするという、事業者に対するものですが、例えば3番は労働者に対する相談・指導です。
○堀江委員 多くの人がわからないと思うのですが。
○古田職業性疾病分析官 資料3の5頁、地域産業保健センターはあくまでも産業医の業務の提供ということが中心です。メンタルヘルス対策支援センターは産業医の業務の提供というわけではなくて、メンタルヘルス対策について事業場を支援するというものです。
○堀江委員 繰り返すようですが、産業医の業務にも事業場の支援は入ると思いますが、事業場の健康づくり、あるいは健康診断に関する体制づくりという業務は労働安全衛生法に基づいて行われる産業医の業務だと思います。
○古田職業性疾病分析官 産業医の業務のうち、この5頁に書いてあるような労働者に対する相談・指導を行うというのが、地産保の事業ということです。メンタルヘルス対策支援センターの業務について、担当から簡単にご説明をさせていただきます。
○事務局 すみません、事務局から説明させていただきます。地域産業保健センターについては、小規模事業場において産業医の職務の代わりを行うということを目的としていますが、メンタルヘルス対策支援センターというのは産業医が選任されているいないにかかわらず、事業場内でメンタルヘルス対策の計画や職場復帰の担当者の選任や体制整備、事前の体制整備がメンタルヘルスに対してはすごく重要だということで、労務管理上の注意点、社労士だったり、作業カウンセラーだったり、そういった専門の方々が事業場に行って、事業場ごとの職場内の担当者の選任なりメンタルヘルス対策についての体制整備に対する助言を行う、労務管理上の助言を行うのがメインの業務になっています。
○堀江委員 そうすると、メンタルヘルス対策支援センターについて説明されている資料3の4頁にメンタルヘルス対策支援センターの趣旨・目的がありますが、いまのご説明ですと、1番の職場の「メンタルヘルス対策の中核的機関」ということの一部しか言っていないような気がしますが、それをもって中核的機関と位置づけて体制整備をするのでしょうか。
○事務局 メンタルヘルス対策についても事業者さんが基本的にはやるものと。ただ、事業者さんがやるにあたって、まずどこから取りかかっていいかわからない、メンタルヘルス対策のやり方がわからないと。そういったところで、メンタルヘルスをやるにあたってこうすればいいとか、担当者をまずは選任しなければならないなど、そのような事業者さんが行うべきものを助言を行うというものになっています。あくまでも事業場内に入って行って、その人がメンタルヘルス対策をやるのではなくて、事業者さんが体制整備するものなのですが、それを支援するといったものになっています。
○堀江委員 私はやはり、事業者に対する助言支援も産業医の仕事だと思っています。
 ちょっと質問を変えますが、そうしますと、メンタルヘルス対策支援センターに個別労働者の健康管理等についての相談がきた場合には、それは受けないということになりますか。
○事務局 基本的に個人の労働者からの相談がくることもありますが、そういった場合には適切な相談機関につなぐという形で対応しています。
○藤森委員 私はもう地産保をずっとやってきましたので、今回いろいろ分けたのは理論的にというよりは無理やりに分けているなというのはわかるのです。ただ、いまおっしゃったみたいに、例えば小規模の事業場の管理者なりスタッフが、そのような相談に行くというのはどういうことか。自分の所の事業場をよくしようという人もおられるかもしれませんが、小さければ小さいほど、実際、現実に困っているから推進センターにちょっと行くわけであって、それが非常に相談としては多いわけです。そこでいろいろとスタッフの方にこうしましょうというアドバイスを受ける。実際問題、それはそうだけれども、しかし、やはり聞きたいのは、こういう人がいるのだけれども、どうしたらいいのだろうとか、そういう人と何とか話をしてもらえないだろうかというような要望が裏と表だと、いつも私は思っています。ですから、地産保事業では先年までいわゆる働き盛り層で、メンタルヘルス支援事業というのがあったのです。あれは、シンポジウムとかそのような講演会をして、その後で相談会があったのです。それなりにリーズナブルな役割だと思いましたが、それを今回は切ったのです。スタッフ向け、事業者向け、相談向けはこうですよと切って、非常につながりが悪くなった、個人的にはそのように感じます。そうしないと、大きな所でやれば、4つのケアですとか、復帰のための云々ですとか、それはもうそのようにスタッフがたくさん揃っていますので、それに対して、はい、こうしましょう、はい、こうしましょうというのはもうスパッとできているのはほとんどなのですが、それが小さくなればなるほどできていない。だからこそ、困ったときに行く、行っても個人的な個別の相談は駄目と。こうなると、非常に不合理だなという気がします。
 あとでまた、その辺のところは全体で何とかという話を述べたいのですが、いまのところではちょっと不合理な分け方をしているのではないかなという気が、このメンタルに関してもします。ほかのところでもたくさん不合理があると思うのですが、そのようなことで、ちょっと関連してそういうふうに思います。
○古田職業性疾病分析官 地域産業保健センターについてはあまりきちんと割り切ってしまって、厳密に正しいかというと必ずしもそうではない面があるかもしれませんが、医師や場合によっては保健指導であれば保健師も含まれますが、医師にしか行えないような業務を、労働者に行うということが中心です。医師の意見聴取や労働者に対する相談・指導、面接指導も医師が行うことになっていますので、そういう医師が行う業務を提供するとご理解いただくといいと思います。一部保健師の方にもお願いしています。
○相澤座長 後で議論していただきますが、いまのご説明に対して何か質問がございましたらお願いしたいと思います。
○道明委員 この前もちょっとヒアリングのときに言ったのですが、推進員に関して行政OBが絶対に駄目というのは一体どういうことですか。刷新会議で言ったのですか。この前も言ったのですが、いわゆる労働衛生というのは非常に職場的に専門性の高いところです。そういうところで推進員が全く行政OBでないと、いくら研修するといっても、医師会とも関係が薄くなる、行政とも関係が薄くなる。それでは実際に人数も減ってくるし、お金も減ってくるし、そんなのではいけないでしょう。単なる天下りなら確かにいけないと思うのです。実力のある行政OBは必要なのではないでしょうか、いかがでしょうか。
○佐々木産業保健部長 そこは行政からのご指導がありまして、行政のほうでお答えいただければと。
○道明委員 間違っていることは間違っているのですよね。だけども、せんといけんことはせんといけないわけでしょう。
○道明委員 刷新会議が間違っているのなら間違いを直してもらえばいいわけですよ、どうでしょう。それ以上は言いません。
○古田職業性疾病分析官 そういう政府の一定の方針があって進んでいるというふうなことだということで、ちょっと漠然とした言い方ですが。
○相澤座長 連絡事務所は予算的にはどうなのですか。推進センターと今回の連絡事務所ですか。
○濱本調査役 各地域における研修事業とか相談事業といった産業保健サービス自体の水準は、可能な限り落とさないようにということですから、事業経費については多少効率化により節約したことはあるかもしれませんが、センターと連絡事務所との比較においてはほとんど変わらないものと思います。ただし、事務所の体制としては先ほど部長からお話させていただきましたように、いわゆる正規職員は置いていませんし、事務所の面積も小さくするとか、そういった面で予算を縮減しているという状況です。管理面等集約化できるところは支援センターのほうに持ってきていますが、事業の水準自体は可能な限り下げないように努力したいと考えております。
○相澤座長 ご質問がなければ、次のご議論の時間にしたいと思いますが、事務局から産業保健への支援の在り方についての検討項目のご説明をお願いします。
○古田職業性疾病分析官 資料6に検討項目として3点、挙げております。1番目は「産業保健をとりまく現状と課題」ということで、業務上疾病、健診結果を見て、どのような課題があるか、今後どういう対策を強化・充実すべきかということです。2番目は「産業保健推進センター等産業保健への支援体制の現状と課題」ということですが、推進センターの統廃合の結果の影響をどう考えるか、課題はどういうものがあるかといったことになります。3番目は「1及び2を踏まえた今後の産業保健への支援体制の在り方」ですが、1番、2番を踏まえて、どのような支援を実施することが必要だといった事業内容、連携はどうあるべきかといったことになろうかと思います。以上が検討項目です。
○相澤座長 今回は初回ですので、検討項目については自由に意見交換をしていただきまして、できれば全体的な課題、あるいは方向性、大まかなアウトラインがある程度見えてくればいいと考えております。そのためには、いまのようなご議論を進めていきたいと思いますが、最初に検討項目の1で。
○今村委員 その検討のことについて、よろしいですか。確認なのですが、先ほどからも推進センター、メンタルヘルスセンター、地産保の事業ということで、いまの産業保健のすべての事業について触れられてはいるのですが、いただいた議事を見ると、推進センターとメンタルヘルスセンターを中心とした、効果的・効率的産業保健の支援の仕方と、こういう書きぶりになっていますよね。先ほど道明委員からもありました、そもそも国の事業仕分けの在り方そのものが間違っているというご議論もあって、そういった踏み込んだ抜本的な議論ができるのか、あるいはもう推進センターは縮減は変えられないことなのだから、その中で、どういう効率的な事業展開をするのだみたいな議論をここでするのかと、かなり根本的なことを一応確認したいのです。そうでないと、いまあるものを現状として認めて少しでも良くしましょうみたいな話でいけば、従来もこういった地域の産業保健というのは、課題がいっぱいあったわけです。それがなかなかうまく進まない中で、国が大きな間違った方向でのいろいろな取組みをしたために、いまの混乱が起こっているというのが実態なので、それを前提とした議論にしたくないというのが私の委員としての思いです。そこを確認したい。
○古田職業性疾病分析官 閣議決定というのが、資料4の6頁にあります。先ほど説明したとおりですが、これは昨年の閣議決定ですので、これをひっくり返すというのをここでするのはちょっと現実的ではないのかなと思っています。
○今村委員 ここでひっくり返せるなんて思っていませんけれども、つまり委員会は委員会として、関係者がその方向性は間違っているということを、検討会で言えるのかどうかということなのです。お立場としては非常に難しいのでしょうけれども、先ほどもお話があったように、おかしなことはおかしいということをちゃんとまとめることも大事だと思うのです。
○古田職業性疾病分析官 そういうご発言があったということを、この検討会として。
○今村委員 議事録に残していただくということは可能だと。
○古田職業性疾病分析官 報告書にどういう形で書くかということもありますが、こういう意見が出されたという趣旨のことは書けるかと思いますけれども。
○相澤座長 議事録には残るということですね。
○古田職業性疾病分析官 議事録には。
○今村委員 座長にご苦労をかけるのは申し訳ありませんが、意見があったということはちゃんと。
○相澤座長 報告書の中に、できればこういう意見があったということを、それは書いてもいいですね。
○古田職業性疾病分析官 議事録はそのまま残りますから。
○相澤座長 内容は、報告書に載せるかどうかは、またその内容にもよりますので、そういう意見があったということをなるべく載せるような方向でいけるということにしたいと思います。検討事項はよろしいですか。
○今村委員 そういった全体を含めて、議論させていただくということであれば、これで結構です。
○相澤座長 産業保健を取り巻く現状と課題について、ご議論いただければと思います。この中で、先ほど話がありましたが、産業保健を取り巻く状況、業務上疾病、あるいは健診結果、あるいは事業場の活動状況等がどうであるか、あるいはどのような課題があるか。今後どのような対応が必要かということについて、ご議論がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○今村委員 もしお時間をいただけるようだったら、大変恐縮ですが、日本医師会のほうからこの検討会に当たって、事前にこの事業にかかわっている都道府県医師会からヒアリングを行っておりますので、そのことをご紹介させていただいてもよろしいでしょうか。
○相澤座長 そうですね。2番目の議論ですが、いまでも結構です。ほかに最初の1のテーマについてなければ。
○今村委員 1をまずやっていただいて、それからで結構です。
○相澤座長 よろしいですか。
○藤森委員 現状の問題ということになるかと思うのですが、1995年、ILOとWHOの合同会議で、産業保健の目的というのが出ましたね。労働者の心身ともに高度に維持・増進をするということで、最終的にまず取りまとめて言えば、労働者の方と職場を適合させると。いまは残念ながら、労働者の方が職場に適合させられているのが圧倒的大多数であって、それはお互いに何とかマッチングしようということがそこで言われたというように私は記憶しているのです。
 現日本の労働者全員がといいますか、皆さんがそれに適合されているかどうかということを考えますと、企業の大きさ、大・中・小・零細等を考えますと、大企業の労働者の方は産業保健スタッフに守られ、スタッフの方も一生懸命やって、例えば推進センターなどの講演講師、相談者も、みんなその線で参画しているのが多々おられる。中規模というと、そのような大企業の関連企業であったり、研修会に保健師などのスタッフが参画しておられますし、やはり産業医よりも保健師とか衛生管理者のほうが研修会に参画するのが非常に多い、というのが現実にあります。
 そのような方が帰って、自分の所の企業をできるだけ活性化するということであろうと。そのような企業風土も整っているだろうと考えるのですが、小規模・零細はどうなりますかとなりますと、私が地産保事業にずっとかかわってまいりますと、非常に厳しいという現実があります。その中小・零細、50人未満として、その労働者の方は先ほど数の話があって、いま厚生労働省ではちょっと少なめでしているのですが、平成18年のものでは60%強の人が50人未満の労働者、いわゆる事業所に労働者として就業しておられる。
 そのところはどのような産業保健活動などの恩恵を被っているかといいますと、国としては地産保事業と。これを国の労働者の全体の6割強の人にせいというわけで、できるのかなという話です。地産保事業をやっていても、そこに来られるそのような事業所の方は、定期健診はしているし、ある程度事業主が考え方を持っておられるところであって、来ている所はまだいい所で、来ない所は、はっきり言ってもっともっと厳しい。我々が想像するだに厳しい所があるだろうと私は考えております。
 そういう所に対して、日本の国として、例えば今回の東日本大震災においても、その辺のところが見え隠れして、零細とか非正規職員という方が、ちょこちょこと労災的なものであるとか、職場環境等のあまり好ましくない所にたくさんおられているようなことが、こういうことになっても出てくるから、これが目に見えるようにはっきりしたと思うのです。それに対して、もうちょっと国なり制度的に、小規模・零細に対して問題意識を持って、その制度を充実していただきたいということを私はお願いしたいということです。とりあえず1番についてはそこまでです。
○相澤座長 大変大事な指摘ですけれども。
○市川委員 連合の市川でございます。いまの藤森先生のお話にもちょっと関連するのですが、こういったデータに出てこない労働者がいます。例えば派遣労働者の方ですと、登録型の方だと派遣会社の社員でもない。私どもの労働相談や、連合は携帯電話で気軽にワークルール、「あなたは適法に働いていますか」というチェックをやっているのですが、健康診断を受けていないという回答が多いのです。労働相談でも多い。期間が細切れで働いている方、あるいは派遣労働者の方が特に健康診断を受ける機会がない。特にそういう方々が増えていますので、こういったものも現状の問題意識として、きちんとそこにスポットライトが当たるような指摘が必要ではないか。
 もう1つ、たまたま昨日、厚生労働省の監督課が連合にご報告に来てくださって、これは外国人の技能実習生です。外国人の技能実習生のいらっしゃる事業場への臨検の結果が出ましたというのをご報告に来て、指導した件数の中で、いちばん多いのは安全衛生法違反なのです。例えば労働時間の問題とか、賃金の問題がありますが、件数的にいちばん多いのは安全衛生法の違反なのです。そのうちのほぼ半分が安全で、ほぼ半分が衛生なのですが、衛生の違反のほとんどが健康診断をしていないということだったらしいので、そういうことも含め、陰に隠れてしまうような方たちに、もうちょっとライトを当てるような取組みが必要ではないかと思っています。
○堀江委員 3つぐらいに分けて意見を申し上げたいと思います。まず、法令を順守させるという課題です。いま市川委員からご指摘がありましたように、労働安全衛生法が昭和47年にできて、これまで発展してきましたが、そこに罰則が付いていても、いまだに守っていない違反行為が実はたくさんあるという現実が、いちばんの課題ではないかと思います。先ほどもデータがありましたが、健康診断は実施しなければ罰則があるわけですが、これをやっていないところが100人未満の事業場で30%以上に達しているのです。法律としていちばん守らなければいけない罰則付きの条文が、実際にはその法律がうまく社会に浸透していっていない、あるいはいろいろな理由で指導が徹底できていないということだと思いますが、これは見逃してはならないことであり、まず先に努力しなければならないことかと思います。
 しかしながら、もう1つそこに付け加えたいのは、本来であれば罰則を付けなければならないような労働者の保護規定であっても、罰則が付いていないために守られていない条文も、これまたたくさんあるということも見逃してはいけないと思います。そして、50名以下の事業場については、さまざまな罰則がない規定も努力義務の規定もほとんどやられていないというのが実態で、小規模事業場の課題というのは、まずそこに理由の1つが存在すると思います。
 50人というところで切れている規定がたくさんありすぎて、そこで段階的な格差が生じているのは明らかです。そうであれば、この50という数字をなるべく下げるような努力をすることが本来必要と思います。これまで長年かかって地道に社会が推進してきた政策があるのですから、新しい政策を次々に出すのではなくて、ようやく定着してきた政策をより徹底して適用し、さらにもっと広い範囲に適用していくということのほうが社会に馴染みやすいと私は思います。50人に切れ目がある具体的な政策については、改めて言うまでもありませんが、産業医の選任であるとか、衛生管理者の選任であるとか、あるいは一般健康診断の報告の義務であるとか、こういったことは50人未満はしなくてよいという制度になっているわけです。努力義務のあるものもありますが、事実上、罰則がないわけですので、ここに罰則を掛けていくことを努力してはどうかと思います。
 それから、法の条文で50人以上の事業場にも罰則のない例を出しますが、作業環境測定というのは罰則がありまして、これは健康診断よりも厳しい罰則で6カ月の懲役、労働安全衛生法第119条が適用されるのですが、それにもかかわらず、「作業環境測定は何パーセント実施しています」という統計はないと思います。それはなぜかというと、報告の義務がないからです。罰則のより強い規定が既に労働安全衛生法に古くからあるのに、それを報告させる義務を作っていないために、実態は、やられていないことを見逃しているといいますか問題として取り上げていないというのは、またこれが問題だと思います。作業環境測定の報告をさせることを努力してはどうかと思います。あるいは、作業管理という分野がありますが、作業管理に至っては、やり方も整理されていませんし、評価の仕方も整理されていません。作業管理は、本来、日本特徴的な進歩的な考え方のはずなのですが、法制度上は深まっていっていません。昭和47年以降の長年の努力が今日実っていないという気がいたします。
 健康診断に関しては、実施の問題がよく取り上げられていますが、資料2の15頁、1つ注目しなければならないと思うのは、それから2つ右の数字です。「健康管理等について医師又は歯科医師から意見を聴いた」というところです。全体でも27.3%という実施率です。これは努力義務ではなく強制義務の掛かっている労働安全衛生法第66条の4です。これが27.3%というのは放置しておけない数値だと思います。強制義務が掛かっているのに、このままでいいのかと大きな疑問を持ちます。まずここにお金と人材と知恵を投下して、健康診断の結果をきちんと医師に診せるということを地道にやっていくことを努力してはどうかと思います。10年、20年かかるかもしれませんが、これが27.3%というのは、法律だけ作っておいて、実際には動かしていないということを自ら認めているようなものだと思います。こうなっている理由は、これは罰則がないからです。強制義務はあるけれども、罰則がないからだと思います。長時間労働も面接指導の実施と事後措置に関しても、同様に罰則がありません。
 いろいろ申し上げましたが、法律で罰則があるものをやっていないというのは言語道断だと思いますが、罰則がないために法律で強制義務が書いてあってもやられていないというのが多々あるというのが現実です。私はこれらをやらずして、次のステップを踏み出すべきではないと思います。
 次の課題は簡単にいたしますが、職場の有害要因を法令上で整理するという課題です。メンタルヘルス不調の原因となる心理的ストレスとか過重労働という要因は、最近の話題として重要であるのは私もそう思いますが、労働安全衛生法の長年の出来方というのを点検し直しますと、もともとは通達等で粉じんや金属などの化学物質あるいは電離放射線などの物理的要因といったものが、まず、通達ができて、次に特別則になっていくという発展の仕方をしてきたはずだったのですが、ここ数十年できてきた通達が、そのまま発展していっていないものがいくつもあります。例えば、平成4年にできた騒音障害防止のガイドラインであるとか、平成6年の腰痛防止の指針であるとか、あるいは平成8年と平成21年の熱中症の予防通達であるとか、それぞれ基盤となる学問も進歩していますし、対策を推進するための社会的な制度も整ってきているのですが、その後これらを1つの体系として整理していこうという努力があまり見られないような気がします。本来ですと、こういったものを通達ではなくて特別則、省令に格上げしていくということを努力してはどうかと思います。心理的ストレスや過重労働も他の有害要因と同じ体系で整理しておくことが私は重要かと思っています。
 最後に、もう1つ課題があります。これは私ども医師にも責任があると思いますが、産業医というものの位置づけが、まだ社会でよく理解されていないと感じています。たとえば、メンタルヘルスの問題をやるのだったら、産業医も精神科がいいだろうというように、みんなが思ってしまうように依然として誤解している人が大勢いるということです。こういう考え方は、そもそも産業医というものは要らない、あるいは産業医の専門性を理解していない人々から発せられているメッセージだと思います。本来、産業医というのは、職場、あるいは労働者のことをいちばんよく知っている唯一のお医者さんとして、社会制度上も専門分野上も位置づけられているのですから、産業医は職場のことを理解する必要がありますし、法令では産業医に現場を理解させる制度を作る必要があるのです。これはまさに藤森先生がおっしゃいましたが、そういったことによって、産業医にはその人と職場との適合ができるかどうかということの判断をし、適合を促進していくという専門性が備わるわけですので、そこに産業医を活用していくという制度に是非していただきたいと思います。以上です。
○相澤座長 大変広範なご意見をいただきまして、ありがとうございます。時間の関係で、次の議題に移らせていただいてよろしいでしょうか。
○佐々木産業保健部長 先ほど話題になりました非正規労働者関係の対応なのですが、我々がやっていることについてご紹介させていただければと思います。昨年、推進センター事業の中で研修をやっているわけですが、我々も非正規労働者に対する健康管理は非常に重要だという認識を持っておりまして、そういった社会的関心が高い研修を重点と位置づけて、平成22年度については全国で40回、「非正規労働者の健康管理」というテーマで研修をやっているということがあります。平成21年度については11回でしたので、かなり回数を増やして重点的にやってきたということですので、紹介させていただきます。
○相澤座長 次の検討項目2ですが、産業保健推進センター等産業保健への支援体制の現状と課題ということで、先ほどご説明がありました産業保健推進センターの統廃合の結果、その影響をどう考えるか、あるいはメンタルヘルス対策支援センターの事業内容、あるいはその関係に課題はないかということで、今村先生からお願いします。
○今村委員 実はこの「産業保健への支援の在り方に関する検討会」開催に当たりまして、今回の話である推進センター、あるいは地域産業保健事業(前の地産保センター)、それから、メンタルヘルス対策支援センターにかかわっている都道府県医師会に、事前にその影響というか、現状を日本医師会としてヒアリングをさせていただきました。本当に時間がない中なので、簡単なレジュメで恐縮ですが、この2枚の資料、資料番号は付いておりませんが、これで説明させていただきます。対象とさせていただいた医師会は、推進センターが集約されてなくなってしまった廃止県が6県、それから推進センターを支援するために、なくなった県に連絡事務所が置かれたわけですが、そこを支援するためのセンターがある所在都道府県が6県です。これは今後、国の行政刷新会議で書かれたままになると、全国の都道府県の3分の1以上が支援をするほうで、3分の2が廃止されてしまう県になることになるわけです。
 もう1つ、先ほど機構からお話があったメンタルヘルス対策支援センター全国6ブロックのうち、北海道だけが機構が事業を受けられなかった。この辺の経緯については、私どもはよく存じ上げませんが、受託先が別の外部の団体になったということで、そのことによって北海道医師会がどのようなご意見を持っているかということで、2日間にわたって日本医師会館でヒアリングをさせていただきました。その伺った内容は、それぞれの都道府県内における産業保健の現状と課題。いまお話がありました、1番目のお話です。
 2番目の産業保健推進センターとメンタルヘルス対策支援センターについて、それぞれの研修、相談、情報提供、産業医等の活用状況、その評価、それから都道府県医師会が推進センターとどのようにかかわっているか。あるいは、メンタルヘルス対策支援センターとの県医師会のかかわり。推進センターが廃止され連絡事務所へ移行したことによって、研修や相談、情報提供等への事業がどのように影響を受けたか。推進センター廃止後の連絡事務所と医師会の連携状況。推進センター業務に連絡事務所への支援が加わったことによって、推進センターの所在都府県の推進センターの研修等への影響。今後の在り方についての意見・要望をまず聞いております。
 それから、地域産業保健事業、従来の地産保事業の実施状況です。これは地産保事業のことを聞いておりますのは、そもそもこの問題の発端は、ご存じだと思いますが、従来、地産保事業については全国の労働基準監督署347カ所単位で、郡や市や区の医師会、地域の医師会が国から委託されて、この事業を実施したと。それが昨年、都道府県単位の実施ということになって、いきなり県医師会がこの事業の大部分を実施することになったわけですが、10の県医師会では、これはもういきなりの話だったので、とても県医師会が実施することはできないということで、この事業を機構が肩代わりをして行ったと。ですから、全国均一でなくなってしまったわけです。
 そこへもってきて、今度は同じ県の中に似たような地産保事業と産業保健推進センター事業という2つの事業があるのは非効率であるということで事業仕分けになり、結局、推進センターも集約、地産保事業も予算削減というような、非常に不合理なことが起こってしまったのがそもそもの発端ということです。当然、地産保事業も相当大きな影響があるということで、問題点を聞かせていただいています。その他として、一般論で自由意見を聞かせていただいています。
 1頁に戻って、内容については多くの医師会からご意見を伺ったので、重複しているところもありますが、ご容赦いただきたいと思っています。産業保健の現状と課題は、先ほど皆さんからご意見がありましたように、事業場のほとんどは労働者の50人未満の小規模事業場であると。小規模事業場は産業保健が貧弱だと。小規模事業場の産業保健の充実のための対策が重要であると。それから、協力していただく医師が不足している場所もある。これは都道府県によってさまざまだと思います。労働者や事業主は健康問題に対して関心が低い。最近の急激な変更、これは先ほど私が申し上げた一昨年からの変更ですが、事業展開に大変大きな混乱を生じている。かえって効率が非常に悪くなっている。効率性を追求して事業を変えたはずなのに、現場が混乱しているために非常に効率が悪くなっていると。
 それから、1年1年、制度が変わるために、中長期的視点に立った継続的な産業保健活動ができていない。絶えず不安と困難さを抱えていると。事業の質的担保の不透明性により、都道府県での産業保健活動の格差が起こっているのではないか。これは先ほども出ました事業主の産業保健の考え方が浅く、健康管理に目が届いていない。先ほどご指摘がありました事業主健診の実施率が低い。その向上をちゃんと図る必要があると。これらは労働局から現場への指導が必要である。労働行政が主体となって積極的に50人未満の事業場に介入して、労働管理ができるような方向性を作っていただきたいということが現状と課題として挙げられております。
 2番目に、都道府県産業保健推進センター(以下、「推進センター」)です。推進センターの研修は産業医によく活用されている。非常に役立っている。医師会は、推進センターに対して、運営協議会の会長を医師会長が務めるなど、運営に協力をしているのが事実です。推進センターは医師会と連携をとっており、それぞれが実施する研修について、対象、内容、実施時期等の調整がなされている場合が多い。中には、かかわりが薄い例もありました。推進センター廃止後の研修等への影響は、現時点では不明だが、従前どおり実施される見込みである。ただし、マンパワー不足は明らかで、マンパワー不足による研修会開催の調整の遅れなど影響が懸念されている。推進センターが廃止され、連絡事務所となったあとも、従前同様に連携そのものは医師会ととられている。連絡事務所を支援する推進センターは、事務が増加したが、現状、研修等への具体的な影響は出ていない。
 それから、多くの県からご指摘があったのが、従来、資料ビデオというものを貸し出ししていたわけですが、著作権の問題ということで、貸し出しの禁止の指示があった。全く貸し出しをされなくなったために、このことをきっかけとして、センターそのものの利用にも大きな影響が出ているというご意見は、すべての所からありました。それから、小さいセンターを潰す。「潰す」という言い方はちょっと表現が悪いのでしょうけれども、なくなった所はそのようにおっしゃっているのです。潰されてしまった所は平等性が担保されないと、こういうご意見をおっしゃっています。非常にモチベーションが下がったと。
 メンタルヘルス対策支援センター(以下、「メンタルセンター」)は、医師会の連携については、このセンターが推進センター内に運営されていたことから、推進センターとの関係と同様であるが、実は状況が、ヒアリングを実施した都道府県医師会によって結構さまざまです。非常に密接な連携がある所と、あまり連携がなかった所があります。北海道では、メンタルヘルス対策の支援事業が他の団体に移行したために、道医師会としては非常に運営について懸念をしていると。そもそも精神科そのものが少ないので、事業を推進するのは困難との認識を持っていらっしゃる所もあります。メンタルヘルス支援センターは、国を挙げて自殺予防、メンタル対策に取り組むことは重要だということですが、国の本気度が薄く疑問がある、というような厳しいご意見もありました。
 4番目は地産保センターについてです。先ほどと重複になりますが、小規模事業場の労働者の健康管理が非常に重要だと。そのために、地産保センターは、地域のニーズを踏まえたきめ細かいサービスを提供できる事業となるような条件整備が必要である。事業が県単位となり、事務処理の多さが都道府県医師会事務局の大変な負担になっている。事業実施にあたっては、行政との連携が重要である。地域の特性に応じた事業内容を我々に構築させてもらいたい。今年度より、個別訪問指導においてもメンタル相談を実施するようになっているが、初めて会う従業員に対して、ストレスチェック票の結果のみでメンタル相談を行うのは無理がある。国の方針がよく見えてこない。長期的にどういう方向性を持っていくのかよくわからない。度重なる制度変更で、実施体制の調整に混乱が生じている。事業所訪問が主たる事業から外されたために、労働衛生の3管理のうち、2管理が手薄になっている。あるいは、労働局が第一義的な責任を持って行うべきであり、労働局がやらないのが今の産業保健が滞っている原因のひとつと考えている。地産保事業は、地域に根付いた活動が必要であり、郡市区医師会が労働局と契約を実施していく従来のスタイルに戻したほうがよい。平成18年4月に労働基準監督の管轄区域変更の際は、誠意ある丁寧な説明がなく地元の医師会の協力が得られなくなった。この事業を進めるにあたって、現場へのきめ細かい配慮をいただき、労働政策を進めていただきたい。監督署ごとに契約を戻してもらいたい。地区医師会と監督署が協力して事業を推進してきたが、都道府県単位になったことで、それが薄れてしまうのではないかと心配している。労働局としての小規模事業所に対する基本的な考え方の中長期的な考え方を示すべき。それを検証しながら、医療者側と協議しながら進めていくことが必要であるということです。
 その他の意見・要望等としては、もともとこの3つのセンターというものが、予算も事業の実施もばらばらである。しかしながら、先ほどご質問にもあったように、事業の中身については必ずしも明確に分けられない性質のものもあるということで、こういったものを、もうちょっと全体として統括的に運用していくことができないのかというご意見もありました。大変長い時間をいただきましたが、これは現場の声ということでご紹介申し上げます。以上です。
○相澤座長 大変重要なヒアリング結果をお示しいただきまして、ありがとうございました。医師会の先生方から追加はどうでしょうか。
○道明委員 先ほど今村常任理事が言われたとおりなのですが、医師会にとっては産業保健活動に関してはボランティアとは言いませんけれども、ボランティアに近い状況です。医院を閉めて行ったり、いろいろなことでやっているわけです。それはなぜかというと、医師会が労働者の健康を守るという使命感でやっているわけです。
 ところが、今回の事業仕分けとかいろいろなことに関しても、岡山の地産保センターにも運営委員として連合の人が来られているのですが、その人に聞いても、「全然、何もわしは聞いとらん」と。そういうことで、何も現場が知らんうちに、勝手にポンポンポンと決められていると。我々にとっては、それが非常に不満の第一です。現場の声をもっと聞いてほしいと、それが第一です。
○藤森委員 先ほどのメンタルの相談の話なのですが、ちょっと言いましたように、今、メンタルセンターはスタッフ関係に対する相談であるとか、訪問して、そこでいろいろ指導されるということ、この2つです。相談と訪問、2つがメンタルセンターの業務ですが、実際問題として、いままではそのようなことは地産保事業もやっていたわけで、それはそれに関連していろいろな労働者からの相談であるとか、それも受けられるような体制で、別の所で相談窓口もしているということがあって、それを分けるというのは実際問題、効率が悪いかなということは非常に思います。できたらそこのところを何らかの方法で1つにまとめて行うと。同じようなことで、推進センターの研修事業で、例えば産業医であるとか、保健師、もしくは衛生管理者に対して研修会、相談会があるのですが、実際、本当に難しい個別相談というのは、ほとんど大阪でもありません。「ここの事業所の排風処理、どないしましょうか」とか、「全体ではあかんので、局排何とかかんとか」いう、そういうのはほとんど実際問題なくて、やはりもうちょっと具体的なことが起こっていると。しかも研修会も、実際に言いますと、医者、もしくは産業医、もしくはそのようなスタッフの参加もどうぞという話を、地産保事業でもやっているということもありました。
 そうなってくると、それを別々に50人以上、50人以下ということで分けるというのも、産業医の選任義務がある・なしということかもしれませんが、いまの現状としますと、効率だけ言ったらいけないのですが、単純に分けられるものではないのではないかと。もうちょっと小規模、例えば100人以下の人に、そういう事業所に先ほど言った地産保事業とか推進センター、もしくはメンタルセンター的なものを、すべてがすべてと申しませんけれども、ある程度共通したところは、ある所に1つ小さい規模の事業所に向けてやっていただくと。そこの所のいろいろな相談も教育も健診も含めてやっていただくというほうが、事業所のほうも非常にうれしいし効率的というものではないか。
 人数というとあれなのですが、50人という話は産業医がいて初めて責任あるそのような指導ができるからということで、従来、医師会が言っていました30人ぐらいに下げてほしいなということも、それに関係してくるだろうし、産業医といっても幽霊みたいな産業医もいるのです。その人はもうお亡くなりになっているというのは実際問題いるわけです。その人がいないと。したいけれども、実際ほとんど判こだけの人も、もちろんいるのですよ。そういうものの洗い出しをしないと。ただ、基準監督署は名簿を出しません。医師会ごときが言ったって出しません。それが実際、ちゃんとした産業医活動をしているかどうかということは、問題が起こって立ち入ったとき分かるかどうかです。それが現実だと私は思っているのですが、手が回らんというのは、たぶん言い訳だと思うのです。
 たくさんの産業医が選任されていたとしても、実際問題やっておられないというような事業所が、50人以上でも多々あります。その辺のところの洗い出しも含めて、50人を30人にしてやると、もうちょっとそのような産業医による産業保健活動ができるとか、さらに小さい所に関しては、3つの事業の共通する所はまとめて投入をしていただくほうが、事業所にとっても労働者にとっても、自分の仕事から起こってくるいろいろな病気などに関して、防ぐことはできるのではということで、そのような方向性で何とかお願いしたいと思っております。
○堀江委員 
いま50人とかいう話が出ていますが、私が調べた範囲では、昭和13年の工場危害予防及衛生規則の改正のときに、「安全管理者を50人以上の工場で選任させる」というところで、初めて50という数字が出て、それから戦後の労働基準法で衛生管理者という言葉も生まれやはり50人以上の事業場で選任されたと理解しています。昭和13年当時は、産業医は工場医という名称で500人という数字だったのですが、これはその後の改正で100人となり、最後は50人になってきたわけです。そういう発展経過を辿ってきたのです。
 そういう73年も前に既にできていた制度が、「その後、日本はどう発展させたんですか」と将来聞かれたときに、いまこの時代を生きている私たちが約70年経ってここまでよくしたと、何か言いたいと思うのです。ちょっと気になっているのは、昭和13年の工場危害予防及衛生規則ですが、工場医の届け出義務とともに、工場医の解任の届け出義務というものが規定されているのです。すなわち、いま藤森先生がご指摘のように、幽霊というのはあり得ないわけです。解任届けを出していなければ違反というような、非常にきめの細かいデータベース管理を当時していたのです。いま産業医のデータベースは、はっきり言ってないわけです。1回、選任されたときに届けただけで、あとは誰がどうしているか、チェックしていない。チェックしたら、いろいろおかしいところが出てきて、実際の選任率がもっと下がるとかいう状態もあるかもしれないのです。これは医師会としても今後、努力していかなければいけないと思いますが、行政としてもできればデータベース化を努力してはどうかと思います。昭和13年にはそれを考えていたのではないかと思うのですが、これからでもいいので、医師会と行政と一緒になって、産業医のデータベースをしっかりさせていくべきではないかと思います。まずそこから始めて、複雑化した政策も整理して行く必要があると思います。現在、すべての業種に産業医の選任義務が適用されていますので、産業医がそれぞれの事業場に関係する政策を専門家として理解して、事業者に助言指導をしていくという方向で検討すべきではないかと思います。
○今村委員 先ほど長々とお時間をいただいて、さらに補足で恐縮です。「産業保健の現状と課題」の所で、平均的には小規模事業場がどの県も多いのが実態なのですが、産業構造というか、業種が全くそれぞれの地域で違っているのです。だから、産業保健の提供のあり方についても、相当その都道府県によって差があると。国が行政の中で、全部同じ仕組みで均一にやろうというのは、国の方向性としては理解できますが、先ほど私がご紹介した意見の中にも、もうちょっと地域の実情に合わせた裁量を持って取組みをさせていただきたいという声が非常に強かったということだけ、改めて申し上げさせていただきたいと思います。
○相澤座長 検討課題3のほうにまで入っておりますので、これについてもご意見がありましたらお願いしたいと思います。
○堀江委員 日本医師会でも、いま議論しているところですが、今後の方向性として、どのようなことになったにせよ医療に関しては最終的に医師が責任を持つ制度ということは当たり前のことと思います。ここで、国民皆保険制度というのは、日本が世界に誇る1つの医療制度ですが、同様に産業保健に関しても、「すべての労働者に産業医が関与できる制度」を目指すべきだと思います。それも含めて、現在の産業医の状況について、まずデータベースを作って、50人未満はどうするのですかという点について、ここにどのように産業医を絡ませるかということの
アイディアを出していくことを検討すべきであると思います。例えば、工業団地などでしたら小規模事業場をそこの地域でまとめるとか、あるいは系列のメーカーでしたら連結決算対象の企業ごとにまとめるとか、小規模といってもいろいろなやり方があると思います。現在、地域産業保健センターに相談に来ている人たちが、実際には大企業の小規模事業場という報告もよく聞かれますので、そういったところは企業ごとにちゃんと医師が関与しているわけですから、そこにやらせる方法があると思います。アイディアはいっぱいありますので、産業医を効率的に関与させることは不可能ではないと思います。
 認定産業医の登録数は8万2,000人を超えていますので、十分、1人の産業医ですべての事業場をカバーできるような人数の産業医が既に養成されているのですから、上手にやればすべての事業場に産業医を関与させられると思っています。
○相澤座長 ほかに追加のご議論がありましたらお願いしたいと思いますが、そろそろ時間が近付いております。
○市川委員 この検討会は何回やって、それなりに突っ込んだ議論をして、報告書をまとめることができるのかどうか。わずか1、2回とかいうのであったら、今日ちゃんと言っておかなければいけないし、もう少し突っ込んで議論する場があるならば、私どもも地方連合会、地方組織に一斉に調査をかけて、もっとニーズを掘り起こさないといけない。そんな短期間ではなくて、本当はそうさせていただきたいのです。その辺のスケジュール感をちょっと確認したいのですけれども。
○古田職業性疾病分析官 最後にご説明する予定でしたが、節電の関係で7月、8月、9月の開催が難しいという側面もあるのですが、重要な会議なので、7月に1回開催する方向で、内部的調整を進めたいと思っています。その後、検討を進めて、秋ぐらいにはまとめたいなとは思っていると、事務局の考えですけれども。7月中ぐらいには、大雑把な骨子といいますか、方向性みたいなものは出せればいいのかなと思っております。
○相澤座長 2回か3回ぐらいですか。
○古田職業性疾病分析官 そうですね。2回ということはないと思います。
○今村委員 あと3回。
○古田職業性疾病分析官 全部で3回。必要あれば。
○藤森委員 7月はありますか。
○古田職業性疾病分析官 まだその辺はきちんと決まっているわけではないのですが、次回は7月に開催する方向で調整したいと思っているということです。
○藤森委員 話の内容がちょっと変わるかもしれませんが、私は堺に住んでいるのですが、堺のほうもいろいろと産業保健の担当をしております。そこを見ますと、いろいろな健診機関があって、健診機関の先生方がいろいろな事業所の産業医になっておられる所が多々あるのです。それに対して、ちゃんとその先生が事業所へ行って、産業保健としての活動をしていただいて、定期健診の事業所であるとか、職場巡視するとかをやっていただいて、ちゃんとしていただいたらいいのですが、必ずしもそうではないということがいろいろな所で出てくるのです。例えば我々が開業しておりますと、実際、診療しておりますと、患者さんが定期健診を持ってくるのです。「これ、ちょっと教えてくれ」というわけです。「どないしたん」と言うと、「これ、定期健診したんやけども」、「産業医とか、そういうふうな健診機関の人はどういうふうな話をしてるの」、「いや、何も聞いとらへん。紙だけその結果に入れて、紙だけ持ってきてるんや」と。だから、結果は全く説明を受けていない。その中で、紙見て、こういうときはこういう意味ですよという意味の説明がありますよ。あなた、ここはちょっと精査であるとか、再検であるとか、そういうときであれば、いついつ自分らがやっている健診機関の所へ来れば、これは保険で精査しますよというふうな紙も入って、これで終わりだと。そのような、どこでどう悪いのかちょっと教えてくれと、こういう話が来るわけです。
 我々は別に健診でやったあとの事後措置を指導するためにやっているわけではないと、いつも心に憤まんがあるのです。やはり企業は、ちょっとでも安い所にひょいと動くわけですね。産業保健というものは、ある程度一定のところで、経年ごとに変化を追うというのは非常に大切なことだと思うのです。毎年違う所に行っても、安ければよいということが目に見えて我々の所に来るわけです。
 そのことに関して非常に憤りを感じるのですが、そのような所もあれば、それと同じことがさらに健診機関の産業医とそのグループが、ある企業と産業医契約をすれば、それで産業医的なもの、健診機関と普通の健診を受ける機関、事業所が契約さえすれば、それでもう産業医はいますよということを言ってもいいということが、どこかで法律化されるとか、されんとか、いろいろなことが出ているみたいです。そうなりますと、その辺のところはそのような企業の中にいる労働者の産業保健のメリットが、ますますそがれるのではないかと。健診はしなければいけないというからするのだけれども、毎年いろいろな所にするから、データも全くてんでんばらばらで、一定化しない。誰もはっきり言って読まずに、ただ単に「はい、ちょっとまたおかしいから、ちょっとうちの保険でやるから、再検にしなさいよ」という話です。
 さらには、そのような健診機関とそこの企業、事業所が契約さえすれば、そこに産業医1人がいたら、もうここは産業医が認定されていますよ的な、ちょっとどうなるのかわかりませんが、そうなってくると、最終的にそのような事業所の労働者は産業保健活動が本当に担保されるのかどうか。それがグローバルスタンダードなのかどうか知りませんし、市場原理はわかりませんが、単に安ければ何でもそちらに流れていくということで、労働者の産業保健というか、そのようなものが担保されなくなってくるという流れがあるような状況かなと考えています。それはよくよく検討していただいて、本当にそれはそのようなことが担保できる制度であるかどうかということを見ていただきたい。
 例えば私が知っている産業医、産業医大を出られて、自分で産業医として事務所を構えている人にお聞きしますと、「私は何ぼ頑張っても10ちょっとしか受けられませんね」と。全く何もしないで、事業所ばかり行っているわけです。事業所も週1遍行く所もあれば、月1遍行く所もあるのかもしれませんが、実際真面目にやっておられる先生だとお見受けしたのです。その辺のところで、産業医といえど、上限なり、ある程度の担保ということも必要ではないかなという気がしまして、健診機関であれば産業医1人置いて、あとは代わりの保健師なり、メンタルヘルスなり、生活習慣病の内科医なり、何人かそのような派遣的な人間と契約さえすれば、極端な話ですが何十件でも何百件でもOKと。そのようなことはちょっと考えなければ、労働者の健康の維持・増進が図られないのではないかということで、よくよく検討していただきたいと思います。
○相澤座長 市川委員はよろしいですか。
○市川委員 いちばん最初に今村先生がおっしゃったこととも関連するのですが、実は連合でも、地方連合会からこの問題について、不満が噴出しております。中身も姿もよく見えないということで、1回、全国の事務局長を集めた会議に衛生課長に来ていただいて、この経過を説明していただいたのです。やはり不満が出たのですが、課長が「今後、検討会を作って、効率的な在り方を検討します」ということをおっしゃったので、ようやく収まったという経緯があります。
 そういう意味でいくと、今村先生がおっしゃったように、いまの現状を是とした上だけでの報告だと、不十分かと思います。やはりもう少し踏み込んだ議論も必要なのではないかと思っていますし、肝心なのは、安全衛生の問題について予算があまりないということです。これはほとんどが労災保険勘定、労災保険のお金ですよね。一般会計、すなわち税金から投入されているお金などというのは、ほとんどないのです。本来はもっと公費も入れて、財政的な担保もした上で、考える必要がある。先生方のボランティアで任せておいていい問題だと労働側も思っておりませんので、その辺も含めて、幅広な意見交換ができればと思っております。
○相澤座長 次回7月にやるときに、もう少し深めて、基本的な小規模事業所に対する産業保健の在り方ということも含めて、議論を進めるような形にしたいと思います。事務局、よろしいですね。
 大変貴重なご意見をたくさんいただきまして、ありがとうございました。今日の議論を踏まえて、次回また議論を続けさせていただきたいと思います。先ほど7月ごろということがありましたが、次の会議は。
○古田職業性疾病分析官 日程は追って調整させていただきますので、よろしくお願いします。
○相澤座長 それでは、第1回目の「産業保健への支援の在り方に関する検討会」をこれで閉会させていただきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。


(了)

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