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2011年6月30日 第7回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会 議事録

労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室

○日時

平成23年6月30日(木)14:00〜16:00


○場所

中央労働委員会第612会議室(労働委員会会館6階)
(東京都港区芝公園1−5−32)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

荒井稔、岡崎祐士、織英子、黒木宣夫、清水栄司、鈴木庄亮、山口浩一郎、良永彌太郎

(厚生労働省:事務局)

尾澤英夫、河合智則、神保裕臣、渡辺輝生、倉持清子、板垣正、西川聡子

○議事

○板垣中央職業病認定調査官 初めに、本検討会は原則公開としておりますが、傍聴される方におかれましては、別途配布しております留意事項をよくお読みいただき、静粛に傍聴いただくとともに、参集者の自由な意見の交換を旨とする検討会の趣旨を損なわないよう、会議の開始前後を問わず、ご留意をお願いします。
 定刻になりましたので、ただいまから第7回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催します。先生方におかれましては、ご多忙中のところご出席いただきまして、誠にありがとうございます。なお、阿部先生は所用によりご欠席との連絡をいただいています。また、労災補償部長は、公務の都合で多少遅れる予定です。
 検討会を始めるに当たり、資料の確認をさせていただきます。本日用意させていただきました資料は、1頁から資料1「セクシュアルハラスメント事案に係る分科会報告書」。15頁から資料2「心理的負荷評価表に関する論点」。19頁から資料3-1「職場における心理的負荷評価表に係る出来事の追加・修正・削除(たたき台)」。27頁から資料3-2「心理的負荷の強度の修正の具体例(イメージ・一部)」。31頁から資料4「心理的負荷評価表に関する第2回の議論の概要」。33頁から(参考)「団体からの意見要望」。以上です。資料の欠落等ありましたらお申し出ください。写真撮影は以上とさせていただきますので、ご協力お願いします。
 それでは座長の岡崎先生、よろしくお願いします。
○岡崎座長 ただいまから議事に入ります。先ほども説明がありましたように、2月に分科会を設置して、セクシュアルハラスメントに係る事案についてご検討いただいて、本日、その報告書が資料1として出されています。最初に分科会からの報告書の内容について説明いただき、確認をします。事務局からよろしくお願いします。
○西川職業病認定業務第一係長 まず、資料1のセクシュアルハラスメント事案に係る分科会報告書についてご説明します。先ほど岡崎座長からご説明がありましたとおり、本年2月からセクシュアルハラスメント事案に係る分科会をこの専門検討会の下に開催して、セクシュアルハラスメント事案の特有の事情を踏まえて、いろいろとご検討いただいたところです。
 資料の頁番号1頁についているのは、報告書の全体内容を事務局で1枚紙に取りまとめたものです。報告書は3頁からです。5頁に開催状況が書いてあります。初回を2月2日に開催し、第5回の最終回を6月23日にご検討いただきました。その結果を多少の調整を経て、6月28日付けで取りまとめたものです。本専門検討会からは、山口先生と黒木先生にご参加いただきました。また、女性問題の専門家の先生方などにもご出席いただいて、取りまとめました。座長を山口先生にお願いしました。
 報告書の内容について説明します。報告書の頁が真ん中に打ってありまして、今回の資料の頁が右下に打ってありますが、右下の資料頁番号で説明させていただきます。認定の基準について検討していただき、その後運用についてご検討いただいています。認定の基準に関しては、1つ目としてセクシュアルハラスメントの心理的負荷を基本的には「II」と表でもしていまして、調査の結果も大体そういったところになっていますが、平均的にはIIとしても、こういったものは強い心理的負荷に当たるといったものを示すべきだという提言をいただき、またその具体例をお示ししています。資料の8頁のいちばん上の段落にそういう趣旨が書かれています。
 具体的な例としては、10頁に「III(強い心理的負荷)に修正するものの例」ということで、セクシュアルハラスメントへの対応や、繰り返し行なわれた事実、その後の本人からの申し出をどう評価するか、会社の対応をどう評価するかも含めて、具体例を示しています。
 例えば1番目のポツで、胸や腰への身体接触、身体を触られたことを含むセクシュアルハラスメントで継続して行われたような事案は、強い心理的負荷と考えていいのではないか。あるいは4つ目のポツで、発言のみのセクシュアルハラスメントであったとしても、そういった発言がずっと続いてなされて、会社がセクシュアルハラスメントがあると把握していたにもかかわらず、適切な対応がなく、改善がなされなかった事案などは、全体として心理的負荷が強いと評価してもいいのではないかとまとめています。
 8頁に戻ってイです。特に心理的負荷が強いセクシュアルハラスメントの取扱いで、いただいている労災請求の事案中には、強姦や、本人の意思を抑圧して行われた強制わいせつに近いような行為など、特にひどいものも実際にあります。そういったものについては、現行の「特別な出来事等」に該当することを明確に定めることが適当であるというご提言をいただいています。ウとエは、先ほどの例に集約していますので、進ませていただきます。
 11頁は、評価期間に関する事情です。セクシュアルハラスメントは非常に長い期間続くケースも多いので、「発病前おおむね6か月」の評価期間を維持しつつ、発病の6か月よりも前に開始され、発病前6か月以内までずっと続いているものについては、開始時から発病時までの行為を一体の出来事として評価することが適当ではないかというご提言をいただいています。また、解離性の反応などのために受診時期が遅れた場合には、発病時期を適切に判断することに注意すべきであるということも記しています。(3)は併発する出来事に関する事情です。セクシュアルハラスメントにいじめ、嫌がらせが伴っている場合は、心理的負荷をより強いものに修正できるというご提言です。
 12頁の(4)では、評価に当たり留意すべき事項を4点挙げています。アでは、セクシュアルハラスメントの被害を受けた方は、被害を受けていても働き続けたい、どうにかこの被害が少しでも緩和されないか、行為者がそれをやめるような気持ちになってくれないかという心理から、やむを得ず行為者に迎合するような、例えば「誘われて楽しかったです」というメールを送ることや、誘いを受け入れるようなことがありますが、これらの事実から被害者の同意があったと安易に判断すべきではないというご提言です。あるいはエの、行為者と被害者の立場が正規、非正規であったり、上司、部下であったりという立場について、行為者が被害者に対して雇用関係上優越的な地位にある事実は考慮の対象にすべきだということを示しています。
 (5)で、本日の評価表での議論にかかわってきますが、現行の心理的負荷評価表全体において、セクシュアルハラスメントを受けた出来事は、「対人関係のトラブル」の中の1つの出来事に分類されています。しかしながら、セクシュアルハラスメントは、被害者にとってみれば一方的な被害であるということから、対人関係のトラブルの分類から想定される、相互性の中で生じるものとは違うのではないかという事情を考慮して、独立した項目とすることも検討すべきであるというご提言をいただいています。
 次に、運用についてです。運用に当たり監督署の調査や相談窓口で注意すべきところをいくつか示しています。1つ目に相談・請求段階での対応です。資料13頁のいちばん上からです。被害者の方はセクシュアルハラスメント行為の詳細を他人に知られたくないため、実際に発病されても労災請求や相談を控える場合があるので、こういった事態を解消するために次のようなことをやっていくべきだとしています。わかりやすいパンフレットを作り、医療機関や関係団体にも配布すること、窓口での懇切・丁寧な対応、あるいは聴取に当たっては、職員への研修の充実や専門的知識を有する者を育成・配置することが重要ではないか。あるいは、こういった事案の調査の主要部分は聴取になるわけです。調査、聴取に当たっての留意事項として、13頁の(2)イ、関係者からの聴取では被害者や行為者等のプライバシー保護に留意しなければいけない。あるいは、いちばん下のポツには聴取時間、聴取側の人数、担当者の性別とあります。さらに1枚めくっていただいて、1つ目のポツの聴取の内容等とあります。聴取のやり方、聞く内容において、被害者の負担軽減等に留意しなければいけないことを示しています。
 ウでは、当事者にしか事実関係が明らかでない場合に、こういった方法が有効な場合もあるのではないのかというご提言や、エでは、認定基準を変えた場合には、職員の研修をきちんとやらなければいけないとともに、適時、事後評価を行うことが望ましいというご意見をいただいています。こういった内容で、分科会での報告書としてまとめていただきました。今後、本専門検討会において、この報告書を踏まえてこの内容の判断指針への反映についてご検討いただきたいと思います。資料1については以上です。
○岡崎座長 ありがとうございました。わかりやすくご説明いただきましたので、特に質問等はないかと思います。大変重要なことで、この報告書を基本的に尊重して今後の検討会における作業に反映させていきたいと思っています。評価表を今後作成していく中で、ほかの項目とのバランスにも注意をしながら活かしていきたいと思います。分科会の座長を山口先生に務めていただき、委員として黒木先生がご努力いただいたので、何かございましたらお願いします。
○山口先生 内容的には、ただいま事務局から報告があったとおりで、とくにつけ加えることはありません。事柄の性質上、1回ほど非公開で会議を開催させていただきました。どうしても個々の事案を検討する必要が出てまいりまして、事案によっては当事者がわかってしまうということがありましたので、事務局で用意をしていただき、非公開で会議をしました。かなり実りのある会議で、これが基になっています。内容は、認定の基準が重要ですが、先ほど事務局からご指摘があったように、労災の認定の申請がありますと、どうしても調査が必要になってまいりますので、運用にも気をつけていただきたいというのが委員の方の強いご意見でした。副大臣も何回もご出席いただき、最後にもまとめの言葉を述べていただきました。ご提出した形でまとまりましたので、ご検討をいただきます。よろしくお願いします。
○岡崎座長 ありがとうございました。黒木先生、お願いします。よろしいですか。ご質問等もあるかと思いますが、今後評価表作成の議事の中で、報告書を十分尊重しながら活かしていきたいと思っています。どうもありがとうございました。
 本日の討論に移ります。資料2に示されている「心理的負荷評価表に関する論点」について、事務局から説明をお願いします。
○西川職業病認定業務第一係長 資料2〜資料4、参考資料について説明させていただきます。中心としては、資料2、資料3-1、資料3-2になります。
 資料2は、「心理的負荷評価表」に関する論点ということで、前回までのご議論を踏まえて、心理的負荷評価表の案を今回お示しするようにというご指示のもと、事務局で論点を含め、資料2以下の資料を作成させていただきました。論点の1つ目として、心理的負荷評価表について、「出来事」と「出来事後の状況」を一体的に判断することとし、特別な出来事等についても心理的負荷評価表に盛り込んではどうかということで書かせていただきました。第2回の検討会の概要を資料4で少しまとめています。第2回検討会のご議論を踏まえて、出来事ごとに一般に起こる出来事後の状況をあらかじめ具体的に盛り込んで評価に反映させた、新たな評価表を策定する方向で検討してはどうかということで書いています。
 これだけではやり方がわからないと思いますので、その際、別紙1のような考え方で、いまあるのと似たようなチャートを作っています。いちばん上がいまと変わっています。具体的には下の<考え方>①、②で書いていますが、上のチャートの(1)です。出来事の平均的な心理的負荷の強度の判定を行う。これはI、II、又はIIIで行うと。従来どおりです。
 (2)は、先ほど論点でも申し上げた出来事と出来事後の状況が持続する程度を一体的に判断するということです。当該事案における出来事の程度と出来事後の状況が持続する程度の両者を考慮した心理的負荷の強度の総合評価をワンステップでやってはどうかと。ですから、いまの判断指針では(1)、(2)、(3)となっており、(1)で平均的な当てはめをやって、(2)で事案の出来事の程度を修正して、(3)で出来事後の状況を判断して、総合評価を行うことにしているわけですが、(2)、(3)をまとめて、ツーステップで、事案における出来事と出来事後の状況を一体的に総合評価してはどうかということです。
 総合評価で「強」「中」「弱」という評価をしてはどうかということで、下の<考え方>の②に書いてあります。※で、心理的負荷評価表にそういった心理的負荷の強度ごとの具体例を示す。なお、総合評価を「強」と判断するのは以下の場合ということで、ア出来事自体の心理的負荷が中程度で出来事後の状況が特に過重な場合。あるいは、イ出来事自体の心理的負荷が強い場合。出来事自体の心理的負荷が強ければ、通常は出来事後の状況も相当程度過重である、あるいは特に過重である、相当程度過重以上であると考えられるため、出来事後の状況は別途評価せずとも、おおむね出来事自体の心理的負荷が強ければ、全体として強と考えていいのではないかとしています。
 ③で業務以外の心理的負荷、個体側の評価を全体として総合評価することは、いまと同じと考えています。これはこれでわかりにくいところがあるかと思いますので、イメージということで、27頁、28頁、29頁になります。詳しくは、もう一度あとで説明します。論点1で事務局が言っていることはどういうことかをつかんでいただくための、ざっとのところを最初に見ていただければと思います。
 出来事と出来事後が両方関係あるものは28頁がわかりやすいかと思いますので、28頁を見てください。例えば「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」という出来事があります。いまは平均的な心理的負荷の強度をIIIとしていますが、今後もIIIでいいかはこのあとで検討していただくことになります。とりあえずIIIとして、次のステップで心理的負荷の総合評価をしてはどうかと。ここで出来事自体の大きさ、失敗の大きさ、重大性、損害等の程度を考慮すると。出来事後、それによってどんな社会的反響があって対応しなければいけなかったか。ペナルティ、責任追及がどのようになされて、どの程度のものであったか。あるいは、失敗に対してどういう事後対応をしなければいけなくて、その程度はどうであったかということなどを、全体として評価してはどうかと。それを両方見たときに「強」「中」「弱」のどこに当たるかを考えてはどうかということですが、特に「強」のところです。例えば、解説のポツは、倒産を招きかねないミス、大幅な業績悪化に繋がるミス、会社の名誉・信用を著しく傷つけるミス等、会社の経営に影響するなどの本当に大きな出来事が起こっていれば、こういった場合は強になるのではないかと。ここの含みとしては、こういった大きなミスであれば、それなりの出来事後の状況が当然ついてくるはずだという考え方です。
 もう1つのパターンとしては、それだけではなくて、そこまでのミスとは言えないけれども、ミスをしたあとに、その後の対応が非常に大変であった。その後の対応の中には、懲戒処分やペナルティを課されたこともありますでしょうし、職場の人間関係が非常に悪化したということもあるでしょう。仕事の量が増えたことも当然あるかと思います。全体に労働時間が長くなって100時間以上を超えたというものも含まれるのですが、全出来事に共通する状況までは、ここには入れていません。そういったものを全体として評価して、どちらかのパターンであれば強いと考えてはどうかというイメージです。こちらの表はあとでもう一度説明しますが、そういったやり方で考えていってはどうかというようなことが、論点の1です。
 15頁に戻ってください。論点の2は、それぞれの出来事の平均的強度をどのように定めるかということで、現在の心理的負荷評価表では、出来事ごとに、これはI、これはII、これはIIIと示しています。今回、夏目先生を中心としてストレス評価に関する調査研究をやっていただいて、3月におまとめいただきましたが、その結果を踏まえて、今回見直しに当たっての強度をどのようにしたらよいかということです。
 1つ目のポツは、現在の心理的負荷評価表に示されている平均的強度は、全体としてはおおむねストレス評価に関する調査研究の結果と一致して、妥当なのではないでしょうかと。ただし、平均的強度ごとの結果の分布を見ると、それぞれ分布の端では、いまIIになっているものがIIIになっているものより点数が高かったり、あるいは逆で、IIになっているものがIであるものより点数が低いことがありますので、その辺りについては平均的強度を改める必要があるのではないかと。その際、それが機械的にやれるかどうかということをまたご議論いただかなければいけないのかと思っています。ほかの出来事の評価との整合性等についても考慮する必要があるのではないかと。
 これについては、別紙2ということで17頁を見てください。心理的負荷評価表には、具体的な出来事を全部で43個示しています。平均的な心理的負荷がIIIとされているものが6個、IIとされているものが20個、Iとされているものが17個あります。一番上の点数と書いているところは、今回のストレス調査に関する結果としての点数です。今回の調査結果で一番高かったものは7.1点の「ひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けた」です。一番高かったものは7.1点、一番低かったものは2.8点となっています。
 IIIの出来事の中で一番低かったのは5.8点で、2つの事項が入っています。「労働災害(重大な人身事故、重大事故)の発生に直接関与した」というもの。もう1つは、「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」というもの。そういったものがIIIの中では一番低くて5.8点となっています。IIの中で一番低かったのは「出向した」の4.4点です。IIの中で高かったものとして、6.2点の「上司とのトラブルがあった」、6.3点の「左遷された」というものがあります。また、Iの出来事の中で一番高かったものは、かなりほかの出来事とは飛んで、「同僚とのトラブルがあった」5.7点となっています。
 それぞれ色が濃くなっているところは、いまIIとしているもの、いまIIIとしているもの、いまIとしているものの中で、ほかの分類とひっくり返ってしまっているのではないかというところです。いま具体的に申し上げた6つの項目について、このままの評価がいいのか、それとも平均的な心理的負荷の評価を変える必要があるのかを議論いただく必要があるのかと思っています。事務局として考え方をいくつか出させていただいています。それについては資料3-1に示しています。
 端的に申し上げて、この6つの出来事のうち、左遷された、出向した、同僚とのトラブルがあったについては、それぞれその得点に応じた平均的評価に変更することが適当なのではないか。残りの3つについては、検討する必要があるのではないかということで、表の一番上からいきます。項目番号の3と4です。4が先ほど申し上げた「労働災害(重大な人身事故、重大事故)の発生に直接関与した」ということです。いま平均的にはIIIとなっています。先ほどの表から機械的にやればIIになるかもしれません。1つ上にある3の「交通事故(重大な人身事故、重大事故)を起こした」との違いはどういったところにあるかということが問題になり、これとの整合性が問題になってくるのかと考えています。これについては、重大な人身事故、重大事故を起こしたということではまったく同じものです。それを踏まえて、現在は平均的負荷も同じとなっているのかと思います。これらをそれぞれ独立させて別のものと評価し、平均的負荷も違うことにしてよいのか。重大な人身事故という観点からは統合すべきか。「交通事故(重大な人身事故、重大事故)を起こした」のほうは点数としては6.3点ということで、IIIのところにあっても問題がない点数だったわけですが、統合して、そちらの平均的強度とすることが考えられるのではないかという案を出させていただいています。
 次の項目は、5番目の「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」ということです。これも機械的にやるとIIに下がることになりますが、備考に書かせていただいています。23頁に回答分布があります。0点の回答が17件、5点の回答が70件、4点の回答が22件です。0点〜4点の回答が3割存在すると。「会社の経営に影響するなどの」という例示をしているにもかかわらず、こういった回答になっていまして、「会社の経営に影響するなどの」という例示は、ご回答いただく際に十分理解されていなかったところがあるのではないかということで、こういった例示を前提にするのであれば、IIに下げることが適当かどうかはご議論いただかなければいけないのではないか。事務局としてはIIIのままにしておくということも十分考えられるのではないかと考えています。あるいは、例示を消してIIに下げることも、もしかするとあるかもしれません。その辺りも含めてご議論いただければと思います。
 20頁の「上司とのトラブルがあった」という37番目の項目です。これについても25頁の分布を見てください。回答が非常に二極分化しています。5と回答されたところがいちばん多く、10と最高点をつけられた、非常にストレスのあった方も2番目に多いという状況です。高いと回答されたほう、10点とつけられた276件の方については、むしろひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けたと。嫌がらせやいじめ、パワーハラスメントとちまたで呼ばれるようなものが相当程度混じってきてしまっているのではないかということを懸念しています。そういったものであれば、項目35の「ひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けた」は平均的な心理的負荷が現在IIIになっているわけですが、こちらで評価すべきであって、切り分けるべきではないか。そういったものをこちらで評価する前提であれば、上司とのトラブルがあったというのは、むしろIIが適切ではないであろうかということで提案をさせていただいています。
 15頁に戻って、論点の3は、新規に追加・修正すべき出来事は何かということで、具体的出来事への当てはめを容易にする観点から、いまの具体的出来事の追加、統合、削除、表現の適正化を図るべき出来事はないかと。特に当てはめを容易にする観点から、次のようなことに留意する必要があるのではないか。
 例えば、具体的出来事の項目数があまりにも多過ぎると、どこに当てはめていいのか余計に悩んでしまうということがあるのではないか。あるいは、非常に似たような項目があると、どちらでもよさそうだけれども、どちらにしていいかよくわからないことがあるので、類似性の高い項目は統合すべきではないか。あるいは書いている内容がわかりにくい、誤解を生じやすいということは、直すべきではないか。あるいは、今回も調査をしていただいたわけですが、最近の職場環境の変化、最近の情勢によってこういうストレスはよくあるのだということであれば、そういったものは評価表の中に盛り込んでおくべきではないかという観点から、追加、修正、統合、削除などを図る必要がないかということで、具体的には論点の資料の別紙3、18頁をご覧ください。
 今回の調査研究で、いま出来事表にある43件を調査していただいたほかに、15件の新しい出来事について調査をしていただいています。これについては、それぞれほかの出来事でも評価できるものがあったりということで、検討事項を書かせていただいています。
 ※がついているものは、全部同じようなシリーズ、労働時間に関するものです。どれだけ以上の時間外労働を行ったかというものです。これについては、全項目表に挙げることも考えられますが、1項目だけ挙げて、あとは修正として取り扱う。あるいは、IIのもの、IIIのものそれぞれを挙げておいて、そのほかのものについてはそこに含めて、あるいは修正例として考えるということなどが考えられるかと思います。
 そのほか、個別の出来事です。ほかの出来事で評価できるのではないかというものが7番、8番、11番〜15番です。「権限が乏しい店長などの管理職になった」。これは、自分の昇進・昇格があった、あるいは仕事量が変化したなどと考えられるかもしれません。こういったものも、修正ということでもやれるのではなかろうか。あるいは管理職と若手の負担が増加したといったことも、仕事内容、仕事量の変化など、ほかのところでも評価できるのではないか。「訴訟の担当者になった」ということ、「組織の統配合を推進する担当になった」ことも仕事内容の変化ではなかろうか。「同僚の病気により負担が生じた」りということは、仕事量が増えているかもしれませんし、複数名で担当していた業務を一人で担当するようになったというような出来事もありますので、こういった辺りで見ることができるのではないか。「海外勤務になった」も転勤の中に含まれてくるのではないか。「国内で海外に関する業務を行った」も仕事内容の変化に当たってくるのではないか。それぞれ多少、点数の違いがありますので、別の出来事で見れるとしても、例えばそれがIIであれば、IIのままなのか、Iに修正するような例なのかということもあるかと思います。いずれにせよ、ほかのところの出来事で評価することが考えられるのではないかといったものについて示しています。
 番号4などの「上司などの公私混同があった」ことについては、個人の主観がかなり大きな部分を占めてくるのではないか。公私混同の内容によっては、仕事内容の変化であったり、あるいは上司とのトラブルといったことで評価されてくるのではないかと考えています。
 これを踏まえて、追加の関係、あるいは削除の関係で資料3-1に進みます。まず追加を説明します。20頁の一番最後に追加項目案として書かせていただいています。労働時間に関してたくさん項目があったことについては、事務局の案としてはIIIに当たるもの、IIに当たるものをそれぞれ1つずつ追加することでいかがでしょうか。あるいは、2週間以上にわたって連続勤務を行った出来事、非正規社員である自分の契約満了が迫ったことについては、ほかの出来事では評価しにくいと思いますので、これらについては追加してはどうかと。そのほかの出来事については、先ほど説明したような理由から、追加せずにほかの出来事の具体例として示すなり、その中で読んでいくということで処理していってはどうかという案です。
 削除・統合の関係です。ほかの出来事で評価できることを前提に、件数があまり多くないものについては統合する必要があるのではないか。あるいは、出来事の表現ぶりから、どこが違うのかよくわからないということであれば、件数が多いものであっても統合してはどうかということです。その関係で、件数は多いのですけれども、これは統合したほうがいいのではないかと思われるのが17番と18番の関係です。「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」「勤務・拘束時間が長時間化する出来事が生じた」というところです。18番の勤務・拘束時間の長時間化は、17番で言う仕事量の大きな変化に全体として含まれるのではないかということで、統合してどちらもIIとして取扱うことが考えられるのではないかと示しています。
 件数の少ないものの関係です。21頁ですが、平成21年度、平成22年度については、私どもの統計としてどういった出来事があったのかを確認し、分類して示しています。2年間で1件、2件までしかなかったものは、ほかのものに統合することを考えてもよいのではないかということです。19頁の14番目「研修、会議等の参加を強要された」は、ここ2年間で1件あったところです。これも仕事内容の変化で評価してはどうかと考えています。あるいは、項目の21番目は、「職場のOA化が進んだ」。これもここ2年間で1件しか当てはめがなかったところです。OA化が進んだという表現自体も、そろそろ陳腐化してきたのではないかというところもありますし、件数の関係もありますので、これも中身としては仕事内容が変わったということで、ただそんなに心理的負荷の程度は強くないといった例としてはどうかと考えています。
 20頁の「部下が増えた」あるいは「同一事業場内での所属部署が統廃合された」「担当ではない業務として非正規社員のマネージメント、教育を行った」もそれぞれ2年間で1件、2件、1件で、いずれも平成22年度はなかったところです。こういった変化についても仕事内容の変化、あるいは部下が増えたについては仕事量の変化などで評価することができるのではないかと考えています。42番目の「昇進で先を越された」は2年間で1件でした。これについては、すぐ下の「同僚の昇進・昇格があった」という出来事があります。同僚等の昇進・昇格があり、昇進で先を越されたという形で統合することができるのではないかと考えています。そのほか、強度の変更については先ほど説明しましたので、割愛させていただきます。36番目の「セクシュアルハラスメントを受けた」という出来事については、出来事自体の修正ではなく、先ほど分科会の報告書にもありましたので、出来事の類型⑥「対人関係のトラブル」から独立させることを考えてはどうかと備考欄に書かせていただいています。
 こういったことで、全体として、心理的負荷評価表の修正、強度の変更、統合などをご検討いただけないかと思っています。
 最後に、資料3-2についてもう少し詳しくご説明します。27頁をご覧ください。心理的負荷の強度の修正の具体例(イメージ・一部)と書いてあります。先ほどの43項の出来事全部について作っているわけではありません。パターンを分けて、それぞれ代表的と考えられるようなものについて、大体こういう考え方でやっていくことについてはいかがでしょうかということで、イメージの一部です。いろいろな出来事がありますが、3パターンぐらいに分かれるのではと事務局としては考えています。
 27頁は、「事故や災害の体験」のジャンルにあるものを2つ載せています。これらは、出来事の大きさが非常に重要であると。出来事後がどうだということよりも、出来事それ自体が非常に重要で、出来事の大きさによって出来事後が当然に決まってきたり、出来事後があまり意味を持っていなかったりということがあるのではないかという、2つの出来事で考えています。
 こういったものについて、評価の着眼事項として、例えば1番目の「重度の病気やケガをした」については、病気やケガの程度、現職復帰の困難性を着眼事項として、強とできるものについては、重度の病気やケガをしたはストレス調査の結果でも心理的負荷がいまもIIIですし、今後もIIIでいいのではないかというところです。重度の病気やケガをしたに当たるのであれば強ではなかろうか。それが具体的にどういうものであるかと言えば、長期間の休業を要するようなケガや、あるいは後遺障害を残すような病気やケガは、心理的負荷が強いと考えていいのではないか。それよりも軽いものであれば、中なり弱なり、強に至らないところで判断していってはどうかと。あるいは、非常に生死にかかわるような、あるいはものすごく苦痛を伴うような、本当に二度と働けないような後遺障害を残すような病気・ケガであれば、こういったものは極度と考えていいのではないかと。こういった具体例を示して、これを見ながら評価してもらうことにより考えてはどうかということです。
 「悲惨な事故や災害の体験(目撃)をした」については、その出来事自体の心理的負荷の強度は中、II程度ですが、本人の負傷がひどければ先ほどの重度の病気になります。本人の負傷はそれほどでもなくて、悲惨な事件や事故の体験(目撃)をしたもの。強になるようなものを先に説明しますと、そこに書いてあるものよりもひどいようなものであるのかと。本人の負傷は軽かったけれども、あるいはなかったけれども、死ぬかもしれないと思うような事故を体験した、事件に巻き込まれたもの。これはご自分が体験したものです。
 もう1つは、自分は体験していなくて目撃したことだけれども、その事故自体の被災者、目撃されている人が重傷を負う事故。あるいは生死にはかかわらないけれども、多量の出血を伴うとか、体がつぶれてしまうとか、態様が特に悲惨なものを目撃したような場合については、強として考えていいのではないか。そういったものに至らないようなときは中、弱と考えてはどうかと示しています。
 28頁にある2件は、先ほどとは少し違いまして、出来事もそれなりに重要であるけれども、出来事後の状況も非常に重要になってくるのではないかと考えられるものとして挙げています。「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」は、いまはIIIですが、これをどうするか、先ほどご検討いただきたいと示したものです。こういったものについて出来事と出来事後の両方を考えて評価してはどうかと。中身については、先ほど説明しましたので割愛します。
 2つめは「転勤をした」ということですが、転勤をしたという出来事がどの程度の大きさかということもありますし、どういう転勤にあったかということもありますし、むしろ転勤をしたについては、転勤後どういう状況に至ったのかが非常に重要なのではないかと考えています。評価の着眼事項としては、転勤に伴う職種や職務の変化の程度、転居の有無、単身赴任の有無等、転勤後の業務の困難度、いままでやってきた能力、経験等と仕事内容のギャップといったことが考えられるのではないか。これは平均的にIIですので、転勤をしたら普通想定されることについては、中に当たるのかということです。出来事後の状況がそれなりに過重だけれども、特に過重とまでは言えないようなものや、転勤自体は大した転勤ではなかったけれども、その後が結構大変だったものは、中ぐらいに入ってくるのかと。例えば、初めての場所へ転居を伴う転勤。転勤としては普通あり得るぐらいのことというところで、転勤後の業務も普通だった、特に過重とまでは言えなかった場合は、ほぼ真ん中ぐらいと。あるいは、以前に経験した仕事、場所への転勤で、転勤自体はどちらかと言えば普通の場合より軽いような場合、平均的な場合でも軽微だったと考えられるような場合であったが、転勤後の仕事が過重であった、それなりに大変であったというようなケースも、中程度になってくるのか。
 転勤自体が、転勤したという言葉で普通に考えられるよりも大変であった場合や、普通の転勤で出来事後の状況が非常に大変だった場合には、強いということになってくるのかというところです。転勤自体がかなり大変ではないかと考えられる例として、解説の1つ目のポツの、初めての国への海外赴任であって意志疎通に困難を来す、現地の治案が悪い等、転勤後の仕事に対応することが困難だったというような転勤であれば、当然それなりの出来事後もついてくるだろうという前提で、こういったものは「強」に該当するのではないか。転勤したあと、恒常的な長時間労働をしたということであれば、当然ここに入ってくるかと思います。先ほども申し上げたとおり、全部の出来事に共通する話ですので、表にはいちいち挙げずにどこかにまとめて書くのかということで、書いていません。
 そのほかに、強のところには、ほかの出来事で典型的に起こり得るようなものであって、それと併発すれば大体強と判断していいのではないかというようなことも、表の中に示してはどうかと考えています。転勤したからといって、同僚とトラブル、上司とのトラブルが必ず起こるわけではありませんので、もしそういったことが起これば、別の出来事として捉えるわけです。転勤をしたあとで、それなりの上司とのトラブルが起こってきたことであれば、両方合わせて強いと考えると。これがいいかどうかはともかくとして、そういうふうに典型的に考えられるほかの出来事についても、強の例として書いてはどうかと考えています。軽いほうは軽いほうで、先ほどの中程度より軽ければ、ここに示されることになると考えています。
 29頁は「対人関係のトラブル」、その中でひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けたものと、セクシュアルハラスメントを受けた。「セクシュアルハラスメントを受けた」の類型をどこにするのかは先ほどの検討事項ですので、(P)として書いています。3頁に挙げたものは、出来事が、出来事後がということではなく、出来事が繰り返されるような、継続それ自体が大変だということについて挙げています。ひどい嫌がらせ、いじめ又は暴行を受けたことについては、嫌がらせ、いじめ、暴行の内容、程度がまず着眼事項になるのではないか。
 さらに、継続する状況が着眼事項になるのではないかということで、強のところですが、出来事が反復継続している場合ということで、上司による発言等の内容、程度が業務指導の範囲を逸脱し、人格や人間性を否定するような言動を、ひどいいじめと言っています。こういったものが継続して認められた場合や、同僚等によって多人数が結託しての人格や人間性を否定するような言動もひどいいじめに当たるかと思いますが、こういったものが続いている場合は、ここに当たるのではないか。出来事自体が大変な場合で、暴行を受けた場合は当たるのではないか。そこまで至らないような場合は中なり、弱なりと判断していくべきではないかと考えています。また、セクシュアルハラスメントが継続する状況も非常に重要だということで、こちらの例については、先ほど分科会の報告書で挙げたものをこの中に挙げています。考えるときには、3つのジャンルに分けて、それぞれ事務局で案を考えています。全体としては、具体例を含んでいくような1つの大きな表を作っていくことについて、こういうイメージについてよいのかどうかということでご検討いただければと思います。
 資料4については、いちばん最初にお話したとおり、第2回で多少ご議論いただいていますので、その際の概要をまとめたものです。また、33頁からの参考資料は、過労死弁護団全国連絡会議からいただいている意見書、参考文献です。私からの説明は、長くなりましたが以上です。よろしくお願いします。
○岡崎座長 事務局から本日検討してほしい論点が、大きく3つ示されたと思います。この順番でご検討いただきたいと思います。最初に論点1です。第2回の検討会で出来事の表現と言いますか、出来事の評価について、あらかじめ出来事の状況も盛り込んだ評価表に変えたいという提案がありました。簡便化を図り、その方向に沿ったものではないかということで、そういう方向での評価表を策定しようということできているわけです。今日、その具体的なイメージが資料3-2に示されました。まず、その点についての考え方が別紙1に示されましたけれども、こういった評価をすることについて、最初にご検討いただきたいと思います。こういった方向でよかろうということになりますと、その先に進めると思いますが、いかがでしょうか。別紙1をご覧になりながら、ご検討いただければと思います。
○山口先生 質問しますが、別紙1の表です。表1の四角に囲ってある(2)に、「当該事案における『出来事』及び『出来事後の状況が持続する程度』」となっています。この出来事というのは、出来事の修正の視点ということで、出来事そのものではないんじゃないですか。
○西川職業病認定業務第一係長 その出来事の具体的な程度です。いまで言えば、確かに修正として取り扱っている内容です。
○山口先生 ですから、いまの表の修正の視点を含めた判断ということですね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○山口先生 そうすると下の②も、「出来事自体の程度と出来事後の」の前に、「修正の視点」というのが入っていたほうがわかりやすいのではないかという気がします。これとの関連ですけれども、27頁の表自体は後でご質問したほうがいいですか。
○岡崎座長 後でもう1回聞かざるを得ないとは思いますけれども、いま議論される際にそのイメージを持ちながら、議論をしていただいたほうがいいと思います。要するに、現状は評価表で出来事を特定して、出来事後の状況が持続する程度と個人的なほうも考慮して、2つの修正を行って総合評価をしているわけです。最初の「出来事後の状況」までを含めた評価表にしてしまいたいと。そのイメージとして今日の資料3-2もあり得るのではないかということで、具体例の案が出ているわけです。
○山口先生 方向としては非常にいいと思います。そのほうが見やすいし、わかりやすいと思います。
○岡崎座長 私から質問します。別紙1のフローチャートみたいな図で、弱と中と評価されたものは、もうすべて業務外という図になっているように見えてしまうのです。この中にも業務外でないものも含まれているという図にすべきではないでしょうか。そこで強度の評価をしているので、弱、中となったらすべて業務外となるのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 その点については現在と同じです。現在は平均的に当てはめて、出来事の修正をして、出来事後を評価して、そこで総合評価をするわけです。その段階で強になったものは、個体側要因や業務以外の心理的負荷との総合評価を行う、弱や中になったものは業務上にはならないという、いまと同じやり方です。
○岡崎座長 例えば、いま中が2つあって、総合評価でというのもありますよね。
○西川職業病認定業務第一係長 そこまで含めた総合評価ではあるのですが、ご指摘としては、そういった出来事がいくつかあったときのことが、これでは分からないということですね。
○岡崎座長 1つの出来事については、こうなるということなのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 確かにそういう意味ではたくさんの出来事があって、全体として強いということであれば強に入って、業務上になって然るべきかと思うのですけれども。
○岡崎座長 そこはまたもう1つの総合評価なのですね。
○渡辺職業病認定対策室長 例えばIIの出来事が複数あった場合に、それを総合的に評価して業務の心理的負荷を強とすることはあっても、業務による中の出来事が2つあるということは、いまは想定されていないのです。IIですから、中くらいの出来事として評価した場合、IIである出来事が2つある、あるいは3つあるというケースについては総合的に評価して、それで強か中かを判定してくださいとは言っていますが、中が2つあることはないというのが今の仕組みです。ですから今後もそこはそういう形で考えております。
○岡崎座長 わかりました。いかがでしょうか。問題は、これからどういう項目にするか、その表現がすごく大事です。その案が提示されてから、その議論が非常に大事になってくると思います。いずれにしてもこういった方式を取ることについては、一応第2回のときにご検討いただいたわけですけれども、改めて確認をして先へ進みます。よろしいですか。
                 (異議なし)
○岡崎座長 それではご了解いただけたと思いますので、論点2へ進みます。出来事の平均的強度をどうするかということで、夏目先生から前に詳しくご報告いただいた研究結果が、今のところデータとしてはいちばん大規模なものであると考えられております。それと食い違うものが6項目でしたか。別紙2にある項目について、平均的強度の評価を改める必要があるのではないかという提案です。これについてはいかがでしょうか。該当したのが6項目です。
○清水先生 「出向した」と「左遷された」というのが、ライフイベントの点数で非常に幅が広がっているというお話がありましたね。おそらく言葉として「左遷された」という言葉自体が、一般の人にとっては、もうこの後は退職を強要されるのではないかというところがありますよね。「出向」という表現だと、出向した後はまた本社に戻って昇進の道があるといったニュアンスが取れると思うのです。確かに非常にたくさんの人に協力していただいたアンケートでこういった結果が出るのは、全くうなづけるところはあるのですが、そういった意味では先ほど資料3でおっしゃっていたように、項目数が多すぎない、類似項目がない、記載内容が誤解を生じないといったことがあるのです。
 これは私の意見にすぎないのですけれども、例えば「出向した」とか「左遷された」という部分を、それぞれ強、弱といったように、内部でそれが分けられるのではないかと思います。「転勤をした」とか「配置転換があった」というのも、転勤と配置転換はもちろん違うことですが、ある部分では類似していて、「転勤」が「左遷」という表現になったり、「転勤」が「出向」という表現になったりするかと思います。そういったところで項目数を多すぎなくする、少なくするということが、やはり「心理的負荷評価表」が一般の人にすごく周知されるというか、認知される上で非常に大事なポイントだと思うのです。なるべく項目数を減らすためには、「出向した」「左遷された」というのを、例えば「転勤をした」とか「配置転換があった」にまとめて、もしそれが後から明らかに左遷だったら強とする、明らかに出向だったら弱とするという方法もできるのではないかと思った次第です。
○岡崎座長 いまの具体的なご意見について、事務局はいかがですか。項目の中に場合を設けて、負荷評価の程度を変えるという表現の仕方です。
○渡辺職業病認定対策室長 基本的な考え方は、事務局の考え方と同じです。本当におっしゃるように、「配置転換」という言葉はいろいろなものを全部包含しているので、これ1つでいいという考え方も、もちろん成り立つと思います。もし、それで身分の異動や勤務場所の異動などを全部包含する形で置けるのであれば、そういう方向性はいいと思っております。
○岡崎座長 そうですね。資料3-2のような形式であれば、「配置転換」で左遷的なものから単なる出向と言いますか、そうではないものというスペクトルを弱、中、強で表現できるので、統合できる可能性のある項目についてはまとめていくというのが、1つの方向ではないかと思います。
○黒木先生 いまは「身分の変化」になっていますけれども、いまの話は大項目に「配置転換」を置くということですか。
○清水先生 そうですね。項目としては、黒木先生におっしゃっていただいたので、さらに言わせていただくと、いまは「出来事の類型」も7つありますが、できればIIIやIIがない対人関係の変化みたいな項目が⑦として存在するより、それは対人関係の問題というような言い方で、⑥と⑦が一緒になっているほうがいい。対人関係というのはIII、II、Iというようにしたほうが、ひどい嫌がらせから同僚の昇進があったというところまで、スペクトルとして理解されやすいと思うのです。
 そういう意味では④と⑤というのも、「身分の変化と役割・地位の変化」というのも、できれば、IIIが存在しないので、退職を強要されるに向けてIII、II、Iとあるほうがわかりやすいのではないか。退職を強要される手前に、たぶん左遷というものがある。左遷というのは、これは必ず左遷のコースというものが分かっていればそうなのでしょうけれども、一般的には「配置転換」という言い方になっていると思うのです。ですから④と⑤のカテゴリーも1つにできないか。そういう意味ではこの7つある類型も少し大きく捉えられると、一般の方にもすごく分かりやすくなるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○岡崎座長 「出来事の類型」の整理・統合が必要ではないかということですね。それでなるべく少なくして、類似の項目については統合して、整理した類型に位置づけることがよろしいのではないか、理解を促進するためにも必要ではないかというのが、清水先生のご意見だと思います。「出来事の類型」では最初にご了承いただいたように、セクハラが独立することが想定されるわけですので、確かにこの類型も、できるだけ類似のものは統合することが望ましいのだろうと思いますが、いかがでしょうか。
○黒木先生 出来事がいっぱいあって、確かにいまの事務局の話からいくと、2年で1回とか0回とか、適用されていないものもあると。そういったものを抜いたシンプルな形にした上で、また全体を見直す形にしていけば、統合できるかどうかも検討できるのではないでしょうか。
○山口先生 率直に申し上げると、私は清水先生の考え方は、いままでの評価表で認定してきたやり方に合わないと思います。というのは、元にライフイベント方式によるストレスの測定というものがあって、そこで取り上げてきた出来事に、評価表は拘束されているわけです。その強度がいくらかということできていますから、項目がわかりやすいとか非論理的であるということで、勝手に整理することはできないのです。表だけは合理的になりますけれども、全然根拠のないきれいな表だけを作っているということになりますから。やはり根本は、ライフイベント方式でストレスの測定をやってきたので、これを利用している限り、その仕組みと限界はこの評価表が引きずっていかなければいけない、やむを得ない制約だと思います。今後も調査を繰り返すことによって、現実の職場に当てはめやすくしていく努力は必要ですけれども、項目がわかりにくいから集めてしまうというのは、私は問題が大きいと思います。
○岡崎座長 先生のおっしゃることはよく分かりましたけれども、どちらが先にあったのですか。この評価表ができる前にライフイベントの調査データがあって、そこで使用されてデータが裏付けられているから、その項目のとおりというか、項目の表現を使うべきであるというのが、当初のあれだったのでしょうか。
○山口先生 その辺の議論は私もわかりませんが、この調査の前に東大の山崎先生がおやりになった調査があります。それは明らかにライフイベント方式で、いまの評価表にもその言葉が入っていますから、それに基づいてこの評価表ができているということは、言えるのではないかと思います。
○岡崎座長 確かにそう言われると、そのとおりだと思いますが。
○清水先生 その件に関しては私も自分自身が研究者であり科学者ですので、夏目先生のやっていらっしゃる「ライフイベントストレス調査」が基本だと思っていますし、それが根拠だとは思っているのです。ただ、その根拠の部分は、今回ご提言いただいた心理的負荷の強度ごとの具体例に弱、中、強といったもの、あるいは極度といったものがありますので、こういったほうに反映させるという考え方があると思うのです。
 実際に「ライフイベントストレス調査」は、基本的には平均的な強度というものです。「左遷された」という言葉から、多くの人が平均的にどうストレスを感じるかというものですので、やはりそれは具体例として落とし込んでいかなければいけない。ある人にとっては、私はどこどこへ転勤した、配置転換になったということが、ある会社ではそれは左遷ということになっていますけれども、それはその会社内でわかることであって、ほかの人から見ると、それはただの出向なのかもしれません。
 あるいは、今回の調査で強度が変更されたのも、時代が変わって、いままでは左遷されてもまた戻ってこられるというのがあったり、出向されてもまた同じように戻ってこられるということがあって、出向も左遷もあまり心理的ストレスの強度の差がなかったのかもしれません。現代的には「左遷」と言うと、もうそこで終わり、退職を強要されるのが次に待っているというニュアンスが非常に強いわけです。出向はそうではない。ひょっとしたらエリートコースに乗るための前ステップだということが、一般の人たちの捉え方だと思うのです。ですから、どうしても「心理的負荷評価表」は平均的なものを取っていると思いますので、こういった具体的な例として落とし込むときにも活用できると思います。私もこの「ライフイベントストレス調査」が非常に重要なものだと思っており、別にそれをただ簡単にするわけではなくて、弱、中、強といったところを活かしていくというのが重要かと思っております。
○岡崎座長 この議論をやりますと長引きそうですので、一旦、論点2のほうに行きます。論点2の議論の中で、より整理していこうとすると、論点3も含めて出来事の類型の議論もしないといけないという課題が提起されたと思うのです。これについて今日は準備をしておりませんので、清水先生からご提案いただいたことについては、今後必ず検討するということを踏まえて、本日はデータで出てきた2番目の6項目についてどうするかということを、まずご検討いただきます。
 確かに、これについては修正の必要があるということが確認できましたら論点3に移します。追加・修正の出来事の提案もありますので、これをやりますと、おそらく類型の問題も結果的に出てくると思うのです。一応その順番で、まずは今日事務局から提案された論点についてご検討及びご確認をいただければと思いますが、いかがでしょうか。別紙2の6項目です。今回の夏目先生のデータで外れた6項目については、やはり評価を、出来事の点数を見直すということで、基本的によろしいのではないかと思うのです。
○黒木先生 6項目を具体的にどういうように変えたいかというのを、もう1回確認したいのです。
○岡崎座長 高すぎるもの、低すぎるものというか。
○山口先生 IIとIIIをご確認くださると、先ほどの所に入っているでしょう。
○渡辺職業病認定対策室長 現在、IIIの評価が与えられている項目として、19頁の表で申し上げますと、項目番号4、「労働災害(重大な人身事故、重大事故の発生に直接関与した)」というのがあります。これがいまはIIIですが、今回の「ライフイベントストレス調査」のポイントは5.8になった。5.8というポイントであれば、いままでIIの評価をしていたグループのポイントになってくるので、「ライフイベントストレス調査」の結果をそのまま認めるとすれば、IIに格下げになるのではないかというのが、いま出てきている問題です。
 併せて、労働災害のことについては、19頁の表でいきますと3の「交通事故を起こした」とほとんど同義であろうから、これを統合してはどうかということです。ここで点数の話と統合の話が一緒になってしまうとわかりにくいかと思いますが、そういう話があります。
 もう1つ、「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミス」というのが5番にあります。このストレスの強度がIIIという評価になっているのが、今度の調査では同じように5.8となっています。5.8というのはIIの評価です。このストレス評価の点数をそのまま採用すると、IIに格下げということになります。先ほどこの調査の分布などを見ていただきましたが、その分布からすると「会社の経営に重大な影響を及ぼす」というのは、つまり倒産の危機に遭ったとか、会社が本当に大赤字になってしまったとか、そういったことをそもそも想定してIIIの評価だったのが、どうもそこまでではなくて、もうちょっと単純なミスをしてしまったようなことも含んだ結果になっているのではないかと。そうしますと、どうもIIに単純に格下げするのは問題があるのではないかというのが、事務局の考え方です。
○岡崎座長 それは変えないという案ですね。
○渡辺職業病認定対策室長 このままもうちょっと様子を見て、次回の調査のときに。「ライフイベントストレス調査」のときにも、これは相当すごいミスだというものを、もうちょっと明示していただくような形を取らないと、そもそも想定していたイベントがちゃんと理解されないのではないかという気がしましたので、これは一旦保留して、そのままでいいのではないかというのが、事務局としての考え方です。
 それから「左遷された」「上司とのトラブルがあった」というのは、今回の調査ではかなり高い点数です。6ポイント以上になっていますので、これをそのまま採用するとすれば、IIIの評価に上げなくてはいけなくなるのですが、そこをそのまま採用するかどうか。ここについては先ほどの清水先生のお話にもありましたように、「左遷」という言葉の意味がかなり幅広く使われたり、かなり主観的であったり、会社によってだいぶ意味づけが違っていたりということがあるのかもしれませんが、一般的に受ける左遷というものがそうであるのであれば、しようがないというか、そのまま採用するということでいいのかなと思っています。
 「上司とのトラブルがあった」と答えた人たちは、上司からのいじめ、いわゆるパワハラみたいなものを全部この中に含めて回答されている傾向が窺えます。私どもは、上司のいじめというのは別の所で評価するようになっているので、どうもここに疑問がありますから、「上司とのトラブルがあった」をIIIに格上げするのは、今回は見合わせたほうがよろしいのではないかという考え方です。
 「出向した」というのは左遷とは反対の話で、とりあえずIの評価であれば、それはそのままでいいのではないかと。「同僚とのトラブル」はいまはIの評価ですが、今回の「ライフイベントストレス調査」ではIIになっています。同僚とのトラブルというのも、どういうものをイメージして答えたのかというのはあれですが、IIの評価であれば、そのままIIに格上げするということでいいのではないかと。これらが事務局の上げ下げについての考え方です。それ以外については、今回の調査結果が従来の評価とはそれほど矛盾なくできているので、そのまま触らないでいいのではないかというのが事務局の考え方です。
○岡崎座長 以上が、別紙2にある現状の評価とデータとが少し食い違ったものについての処理の案です。そういう6項目の事務局からの案について、ご意見を賜われればと思いますが、いかがでしょうか。
○黒木先生 出向は下げるのですか。
○渡辺職業病認定対策室長 出向は、はい。この辺の話というのは、受け取る人の問題、あるいは会社での言葉の意味づけの問題などいろいろあって、なかなか難しいだろうとは思うのですが。
○黒木先生 転勤はIIのままですか。
○岡崎座長 織先生、いかがでしょうか。
○織先生 出向についてはまず第一に、一般の方が正しく理解しているのかどうか。出向というのは法律用語にもあるのです。法律用語だと現状の雇用契約を維持したまま、就業場所、具体的な指揮命令を受ける対象が変わることで、元の雇用先に在籍しながら子会社や関連会社に一時的に行くことを言うのですが、それを一般の人が正しく理解しているかどうかというのが、一つ疑問です。わかりにくいから使われていなかったのではないかというのが、一つ懸念されることです。
 また、左遷的な出向もあり得ると思うのです。子会社や関連会社へ出されて、2、3年雇用条件が維持された後、「じゃあお前さん、それじゃあ他社へ出てくれ」というような左遷的な出向もあると思います。一般の人は、左遷というのは同一企業内での閉鎖部署、あるいは支店に出されることだけを言っているのか、子会社や関連会社へ行って、具体的に指揮命令を受ける対象が変わる場合までも含んで理解しているのか、その辺は整理する必要があると思います。
 転勤も法律用語だと、配置転換というのはまさに転勤のことを言うのです。一般の人は転勤と言うと住まいが変わる、居住場所が変わる遠方への配置転換を考えていて、そういうことで負担があると思っているのかと思います。法律用語だと、配置転換というのは業務内容及び就業場所が一定期間変わることを言いますので、転勤というのはまさに配置転換のことです。しかし一般の人は「配置転換」と言うと近隣で、働く部署だけが変わるというようなイメージでいらっしゃるのではないかと思うのです。その辺で法律用語の定義と一般用語が混在しているので、工夫が必要ではないかと思います。
○岡崎座長 そうなると難しいですね。
○山口先生 それがなかなか難しいのです。なぜかというと、それを正確に反映するためには夏目先生がやられた調査のときに、出向というのはこういうことですよ、配転というのはこういうことですよと、答える人に詳しい説明書を作って、それを読んで答えてくださいということになるから、誰も嫌がって答えないですよね。ですから、意見調査のときにはそれができない。結局、こちらは調査としてやられたものを解釈して、理解することは可能ですけれども、それを超えてしまいますと、調査ではなくて、こちらで心理的負荷が何ポイントだと決めてしまうのと同じことになって、調査から離れてしまう。そこが難しいところです。おっしゃった問題の所在は重々認識していますが。
○良永先生 いまの山口先生の発言に関連します。夏目先生たちの調査は、あくまでも医学的な因果関係を明らかにしたいということでやれる方法、最良で合理的な方法を採られたと思うのです。ところが、ここに書かれる用語というのは、いわば行政庁で使う場合の用語として理解されますので、先ほど織先生がおっしゃったように、やはり現場は出向や配転となった場合に、それはかなり意識して使うのではないですか。その間にずれが生じるかもしれない。夏目先生たちの調査のときの考え方や意識、調査を受けた方の受け方と、現場でそれが適用される場合は、ずれる可能性があるのではないかと考えたのです。確かに夏目先生たちの調査では、出向のポイントは低くなっていますけれども、だからといってスパッとIに落としていいのか。黒木先生の発言を聞いて「はっ」と思ったのです。私は保留にしておいたほうがいいのではないかと思います。配置転換と出向に、そう大きな違いはありますか。これは私の単なる勘ですけれども、ものによっては出向のほうが身分関係の変化が大きいから、負荷が大きいのかもしれないと思ったりもするのです。
○岡崎座長 実際は随分違う場合があるでしょうね。出向が左遷に近いものも。
○良永先生 この辺は慎重に考えたほうがいいかと思ったのです。
○黒木先生 あと、この調査自体に質問手法の限界があると思うのです。質問の仕方には、過去6か月間に経験したことがあるかどうかをまず聞いています。それである人の場合、そのストレスの強度を聞いています。ところが「大きな病気やケガをした」という回答をした人も1,000人ぐらいいるのです。それはまずあり得ないですよね。だから、過去6か月間に経験したことがあるかどうかを見ないでマルを付けているということも、中にはあるのではないかと思うのです。それが1つです。
 もう1つは、いま左遷や出向という話がありましたけれども、調査の中で調査票が出てきたときにそれを読み取るのに大変苦労するのです。本当にこの人がどういう立場で、表向きはそうだけれど実際は違うとか、それを読み込んでいくことが非常に大切なので、そこは慎重に考えたほうがいいのではないかという気がするのです。
○鈴木先生 それは現実的ですが、もう調査は行われてしまって、結果だけがあるわけです。例えば質問の仕方が予備的、多義的な部分が多々あって、エントロピーが大きい質問だったわけです。致し方ないのです。ですから2本線だったということを頭に入れながら注をたくさん付けて、こういう場合もある、こういう場合もあるということで、中にするか強にするかを分けていくという考えでいいのではないですか。しようがないですよね。
○山口先生 それはおそらく清水先生がおっしゃった方向に行くと思うのです。今度の新しい評価表の案が出ていますと、弱、中、強で各項目を拾うようになりますから、それが拾えるのではないかということですね。
○荒井先生 データクリーニングはしているはずですけれども、当然、アンケート調査という限界がありますし、黒木先生がご指摘になったように、経験した人にマルを付けてくださいと言っているのに、そうでない人もマルを付けている可能性もあるのです。これを見ますと、普通はNが大きくなると中心集中定理が働いて、まず必ず5点にピークがありますよね。5点と10点の間にもう1つのピークがあるというのが、普通に任意で質問したときの強さだと思うのです。
 ところが10点がいちばん多い、あるいは5点に等しいものが10点になっているものについては、やはり回答者の多くが強く感じているということが出ていると思うのです。22頁の左側の2つがそうですし、23頁も同様に10点が多いですよね。ところが24頁は中心集中定理が働いて、10点がそんなに高くない。また、25頁は集中定理を逸脱しているのです。そういう場合はストレス度をある程度高めに考えておかないと。ですから、いまご議論のあったほかの項目の分布を見ていただいて、もし中心集中定理に従って動いているのであれば、平均点で下げることも可能でしょうし、高い回答が多ければ、そのまま止めておくというのが、質問の限定はあるにせよ、科学的な判断だと思います。10点が多くないというのを根拠に、もし下げるのであればそれを見ていただいて、分布のパターンによって判断できる可能性はあると思うのです。
○岡崎座長 そういうデータに基づいてという。今までやってきた、今回のデータをどういうように使うかという点で、特定の分布のパターンが参考になるのではないかというご意見だと思います。たぶん事務局の処理にも、そういったことが反映しているだろうと思います。いかがでしょうか。6項目については一応そういうデータに基づいて、しかしデータの分布については違うパターンもありますので、それも参考にした上で変更を加えるか、まだ保留にしておくか、つまり現状を保つか、そういった処理を加えることについては、ご了解いただけると思います。個々の6項目について、確認する必要はありますか。それについては、たぶんいいですよね。そういうことで修正を加えることにはご同意いただけるかと思います。
 結局6項目にとどまらなくなる議論ですので、2番目の論点は一応そういうご了解をいただいたということで、3番目の「追加・修正すべき出来事」へ移らせていただこうと思います。それが3-1の追加項目案に集約されます。それと3-1の「追加・修正・削除」というこの両方にかかわることですけれども、こちらのほうに議論を移したいと思います。先ほどの繰返しになりますが、論点3に留意するということで、4項目の留意事項が挙がっております。そういったことを考慮して、3-1の表の追加・修正・削除の案が出されたわけですが、今度は個々の具体的な項目についてご検討いただければと思います。
○織先生 長時間労働について追加していただけるということで、とてもいいことだと思います。ただ1つ気になるのが、120時間以上の長時間労働については強度IIIにしていただくことでいいのですが、100時間以上120時間未満の者については、どういうようにやられるのですか。IIとIIIの間については、どういう扱いになるのかお聞かせください。
○西川職業病認定業務第一係長 18頁を見ていただきますと、ご指摘の100時間以上120時間未満というのが5.8点です。先ほどの別紙2のご議論と一部はかかわってくるのですけれども、このままいきますと5.8点はIIの範疇に入ると考えられます。例の追加項目案で示している80時間以上の5.3点も、IIの範疇に入ります。そういうことであれば2つ上げなくても片方だけ、要は80時間以上100時間未満もそうです。「100時間未満」と書くのが適当でないということもあるのかもしれませんけれども、そういうことですかね。
○織先生 一般の方が見たときに、100時間は超えているけれども、120時間は超えていないのでどこに当たるのかと思うので、もし分かりやすくするなら、80時間以上120時間未満のほうが分かりやすいです。120時間未満でもIIでいいかどうかというのは、私としては厳しい結果ですが。
○西川職業病認定業務第一係長 それがまたご議論の分かれる。
○岡崎座長 いまの時間の問題で、ご意見はいかがでしょうか。あえて記載しないということは、ボーダーライン的な性格があるというように位置づけていると言えるのでしょうか。
○黒木先生 前に検討された、3週で120時間以上というのはどこに入るのですか。
○岡崎座長 これは入っていない。
○黒木先生 これはもう「特別な出来事」に入れてしまうということですね。単発でも認めると。連続で3週ということでよろしいでしょうか。
○岡崎座長 それは例示として出るかもしれませんね。
○山口先生 質問しますが、ここに時間が書いてあるでしょう。それで総合評価の所では、特別な継続的な状況を評価すると言うのですが、時間をここでこういうように書いてしまったら、総合評価では何をやるのですか。
○西川職業病認定業務第一係長 ここに書いてあるのは、まず1か月の出来事を聞いているという前提になろうかと思います。例えばずっと続いていれば上げる、しかも仕事の内容を見て上げたり下げたりということが、総合評価の所ではあるのではないかと思っておりました。
○岡崎座長 前回ですか、時間の議論のときに時間外労働を長時間行うような変化が生じたということで、項目としてみなすというようになったと思うので、表現上もそういう変化が生じたという表現のほうが妥当ではないかと思うのです。それは表現の問題かもしれませんけれども、「1か月120時間以上140時間未満の時間外労働を行うような変化があった」というような表現で、出来事としてまず評価するということではなかったのでしたか。
○西川職業病認定業務第一係長 前回の資料でお示ししたのは、変化と言うより、前回の資料の書きぶりを申し上げますと、「1か月に一定時間数以上の時間外労働を行ったこと自体を出来事として、『心理的負荷評価表』に位置づける」と。先ほどの山口先生のご回答としては、これが継続している状況と業務の内容、職場の支援・協力等の状況を合わせて、総合評価をしてはどうかということでお示しさせていただきました。
○岡崎座長 ですから出来事として捉えるということですよね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○岡崎座長 やはり総合評価は行われるわけですけれども。
○山口先生 仕事の量を指しているのなら、私もさして疑問は持ちません。ここは仕事の量の項目ですから。確かに労働時間は仕事の量の代理指標ですけれども、同じ指標とは言えないですから、労働時間だけで仕事の量を機械的に測るというのだったら、別の意味が出てきてしまいます。「特別な出来事」はあれだけで判断するということだから、ほかの要素は何も考えなくていいのです。ここで労働時間の時間数を挙げますと、総合評価ではそれが持続しているかどうか、状況を見てみると言うのですけれども、状況を見ても結局、時間だけの要素になってしまいますから、どういう基準になるのだろうかというのが疑問です。
○西川職業病認定業務第一係長 それは当然、仕事の内容も合わせて評価していかなければいけないということで、前回の資料もそういった形にしているわけですけれども、そこに留意すべきというか。ものすごく密度の薄い仕事とものすごく密度の高い仕事が、時間数が同じだからといって、全く同じ評価になるのは妥当ではないのではないかというご指摘ですか。
○山口先生 それだったら、仕事の量だけを挙げておけば済むことではないでしょうか。
○西川職業病認定業務第一係長 仕事の量をどうやって見るかということに。
○山口先生 この基準は意味がよく理解されないと、考えていないような形に使われてしまう心配もあるから、私は数字でこういうように挙げるのがいいのか疑問です。「特別な出来事」は、あれでいいのですが。
○河合補償課長 さすがにいま回答するのは厳しいと思いますので、ご指摘を踏まえて、もう少し考えさせてください。
○良永先生 誤解があるかもしれませんが、私の理解の仕方では、この検討会が立ち上がるときには、できるだけ迅速に認定業務が遂行できるようにということが眼目だったと思っています。そのときにかなり早い段階で、過去の認定事例についてのデータが出ました。その事例を見たところ、120時間以上あるいは140時間以上、1か月の時間外労働が行われている場合はほとんど全件認定されていて、認定されなかったケースはゼロというデータが出ていました。
 問題は、100時間と120時間の間だったと思います。あそこには若干業務外というのがあって私は気になって、「どうしてそういう事情になったんですか」と言いました。それは調査の上、ここでお答えいただきました。いろいろややこしいことはしないで、これも一種の割切りだと思うのです。黒木先生から睡眠時間のことで、かなり分かりやすくご説明がありましたけれども、一定時間以上の時間外労働をなされた方が精神障害になられた場合は、よほど特段の事情でもない限り、もう認定するという方向を私は考えていたのです。ですから、ほかのことはいろいろ調査検討する必要はないと私は理解していたのです。あとはどこの時間数が最も適正かの判断はあると思っていました。
○鈴木先生 やはり時間数をちゃんと決めるというのが、大きな進歩をもたらしますね。
○良永先生 あとはそれを出来事と見るかどうか。理屈の上では従来の出来事概念からは少し違うのではないかとは思いますけれども、全然違うと言う必要もないかなと思ったり、出来事概念を多少拡張したか。そのような理解をしておりました。
○岡崎座長 それで間違いないと思います。そのとおり進んできていると思います。それが出来事として評価され、時間が明示されていますので、それで強度の確定をするということに近いと思うのです。総合評価やそのほかのことは、もちろん多少はありますけれども、そのことがはっきりしてIIIという強度だということがはっきりするようなものであれば、その後の判断は速やかにできるようになると考えておりました。その時間について、事務局は再考するのですか。
○渡辺職業病認定対策室長 この前議論した極度のものとの関係などもありますので、その点はちょっと。
○岡崎座長 それはいま出ている案の120時間以上のあれですから、当然入ってしまうのではないでしょうか。
○渡辺職業病認定対策室長 その関係もありますので、労働時間の出来事をどうするかと。これはわりと単純にライフイベントの中で出てきたものをIII、II、Iに加えてはどうかということで考えましたけれども、極度の長時間との関係とか、総合評価の修正項目としての労働時間との関係とか、もうちょっと整理しなければいけない所がありそうなので、そこは整理した上で次回にまたお示しさせていただければと思っています。労働時間以外の所でも統合や削除がありますので、そこについてはもうちょっと議論をしていただければと思っています。
○山口先生 ほかの追加項目は、仕事の量も、身分の変化も私は賛成ですが、なぜ時間で疑問を出しているのかということだけご理解いただきたいのです。追加の2に、「1か月に120時間以上、140時間未満の時間外労働を行った」ということで、1か月で130時間の時間外労働をやったとします。そうしたら、それは強度がIIIになるわけで、もう自動的に強になるでしょう。総合的判断など、何もすることはない。「その後の状況」などと言っても、判断すべきその後の状況など何かありますか。自動的に強になるなら、これは実務上、「特別な出来事」の極度の数字を定めたことと全く同じことになってしまう。それでいいかというのが私の疑問なのです。それ以外の項目は全く異論ありません。
○岡崎座長 そうだと思いますが。
○良永先生 時間の話から少しずれますが、項目番号の5の「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」というのは、ランクIIIは変えないということでしたけれども、その場合、備考のデータでは0〜4点であったものが3割程度あった、115件あったとありました。これをそのままするともう少しでIIになるかもしれないけれども、それには誤解があったからではないかというのがありますね。仮に誤解があったとすれば、この規定の適用に問題があるということですので、この点については事務局のほうで、例えば運用の解説か何かで誤解が生じないような記述をちゃんとお書きになって、現場に周知されるということが前提なのでしょうか。
○渡辺職業病認定対策室長 先ほどイメージということで出した中にも、少し記載しました。つまり、このミスによって会社が倒産の危機を迎えたとか、業績がものすごく悪くなることにつながるようなミスだということです。そういうミスを起こしたのだから、当然その後はものすごく大変な状況になったことは容易に想像できるので、そういうミスをしてしまったことで強度IIIというか、強だと。そこに至らないようなミスであれば強まではいかない。あるいはミス自体はそれほど大きくなかったけれども、その後それなりに損害が出て、それについていろいろな訴訟問題が起きて、そういったことをやらされて大変だったといったことがあれば、それは強になることがある。そういったことを先ほどイメージとして示した評価表の中に、できるだけ書き込めればいいのではないかというのが今の考え方です。
○良永先生 これは何もこの件だけではなくて、ほかにも類似の用語がたくさんありますので、平均的強度というもので想定している状況はこういうことですよということを現場でもちゃんとわかってもらう。あるいは現場だけではなくて、働いている方々も労災の請求をされるわけですから、請求される場合にこの基準を見られると思うのです。そのときにちゃんと理解していただけるように、できるだけ簡潔・明瞭に工夫していただけるといいなと思っております。誤解が生じたからではないかという一文があったもので、少し気になったところです。
○岡崎座長 項目番号5番については、先ほど荒井先生もデータの解釈の仕方についておっしゃいましたけれども、23頁に「会社の経営に影響するなどの重大な仕事上のミスをした」というのがあります。やはり10が結構高い値を示しておりますし、9は低くなっていますけれども、7、8といった得点の分布は、かなり指示的な結果だということも解釈できますので、あえて低める必要はない結果ではないかという解釈も可能ですよね。その上で項目番号3と4を統合するというご提案もありました。削除ということではその下に14番があって、18番も17と統合。17に統合する項目がすごく多く出されているのです。「仕事内容、仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」に統合したらどうかという提案で、18がありますし、21もありますし、32「部下が増えた」、33、34、42。
○西川職業病認定業務第一係長 42は43と統合したらどうかということです。
○岡崎座長 そうですね。そういう項目の統合の提案もあります。その辺りはいかがでしょうか。確かに3-2のような形式の評価表ですと、統合してその中に強度が位置づけられると思うのです。ただ、それで山口先生がご指摘になられたように、調査データとの乖離があまり生じるべきではなかろうということも、確かに考慮すべきことですので、その辺りをお考えいただいてご発言いただければと思います。
○山口先生 前に山崎先生がおやりになったのは、平成11年に指針が出たその前ですから、もう10年以上経っていますので、夏目先生が同じ場所でおやりになっても、変化が出てくるのは当然でしょう。変化でやはり根拠があると思われるものは、新しいものを採用するのがいいのではないでしょうか。
○荒井先生 頭に入っていますけれども、対照表がないと現場の人間は迷うかもしれません。
○山口先生 いや、見たらもっと迷うと思います。
○荒井先生 いやいや、これはここへ吸収されたという新旧の対照表があれば、記載があればそこに行けるということはあります。
○山口先生 それはきっと作られるでしょう。
○荒井先生 それがあれば、頭に入っていたものを、例えば32番だったら17番に行くという指示があれば行ける。
○良永先生 単純に消えたのではなく、吸収されたという。
○岡崎座長 項目では先ほど出向と左遷についてのご議論をいただいて、出向の強度を低めるという提案はどうかというご議論をいただきましたが、逆に強めるのが39番の「同僚とのトラブルがあった」です。この強度の変更についてはいかがでしょうか。この辺は確認ないしご意見をいただければと思います。
○山口先生 このクエスチョネアーをどう読んで回答されたかによりけりですが、先ほどご意見がありましたように、出向にもいろいろなタイプのものがあります。人減らしのための出向と言いますか、子会社へ行って行きっきりのものもあります。ですから左遷とどちらが重いのかという問題はありますが、一般的に「出向」と言われている現象は、たぶん10年前に山崎先生が調査されたころから、ものすごく増えていると思います。ですから働いている人の間では、出向というのはそう珍しくなくて、周りにいっぱい見られる現象になってきている。そういう解釈ができれば、みんなが慣れてきて強度が下がってきているのかという気はします。
○荒井先生 10点はやはりそんなに高くないのです。出向について10点を付けている方は、そんなに多くないのです。左遷については、10点を付けているのが相当多い。
○山口先生 いや、調査ではなくて、世間全体で行われている出向です。
○荒井先生 この調査でも、先ほど先生のおっしゃったことが確認できると思います。
○山口先生 わかりました。
○岡崎座長 出向の強度の変更については、妥当性もあると考えてよろしいでしょうか。「同僚とのトラブルがあった」を強めることについては、いかがでしょうか。これも変化を反映していることではないかと思います。
○荒井先生 やはり高くなって、10点が高く出ております。
○岡崎座長 高くするということですね。17への統合の項目が複数ありましたけれども、これについても大体妥当ですか。よろしいでしょうか。
○黒木先生 資料3-2に、「心理負荷の強度ごとの具体例」というのが書いてあります。「悲惨な事故や災害の体験(目撃)をした」というのは、中等度でよろしいですよね。
○西川職業病認定業務第一係長 はい。
○黒木先生 右側の強の下に書いてあるのは、中の説明ということでよろしいですか。
○西川職業病認定業務第一係長 強の下に書いてあるのは、これは強にしてもよいのではないかということの例として書いております。
○黒木先生 そうすると、目撃をどう考えるかです。例えば、悲惨な事故や災害を体験したと。遺体を確認する作業に従事した場合に、ただ見た、ただ目撃したということではなくて、実際に腐乱しかかっている遺体の歯型を確認するためにハサミで切ったとか、実際に従事するような内容があったということは必要だと思うのです。ですから、そこは目撃が強ではなくて、もし(目撃)とするのであれば、その辺の運用面の説明をしていただきたいのです。
○岡崎座長 そうですね。目撃と実際にかかわったこととの区別が、表現できるような項目になるといいと思うのです。あと何かありますか。
○山口先生 表はあれでいいのですか。表をこういうように分かりやすくすることには賛成です。ただ、この表の作り方です。例えば、27頁の「事故や災害の体験」というのは類型ですね。それで具体的な出来事として、「重度の病気やケガをした」というのがあるので、これは強度IIIに位置づけられています。そして展開するところで弱、中、強となっています。弱というのが載っていますけれども、これは重度に至らない病気やケガをしたということだから、書いてあっても意味がないわけです。ですから、もし心理的負荷の強度をここで書くとしたら、それがIIならIIに該当すると。それは例えばどういうものかという例示を書いて、それをさらに強めなければいけないものだけ右側に書いておけばいいので、あとは要らないのではないかという気がします。
○河合補償課長 先生がおっしゃっているのは、もともと強だから弱や中の説明は要らないということでしょうか。
○山口先生 強だから弱や中は要らないわけです。強で総合評価がありますから、さらに強く見なければいけないものがあれば、右側に書くということです。
○河合補償課長 そうすると、中の場合は当然右は要りますね。
○山口先生 ええ、要ります。
○河合補償課長 左側の場合は要らない。
○山口先生 左は要りませんよね。刑法で言えば構成要件みたいなものだけが書いてあって、あとは特別の加重理由が書いてあれば足りるのです。これだと下がってしまう場合があり得て見にくいし、理屈的に合わないのではないかと思います。
○岡崎座長 これは「心理的負荷評価表」の簡便化を図ろうとしているわけで、こういうスペクトルにして強度を評価するという方式なのです。いま山口先生がおっしゃったのも、弱というのはないでしょうけれども、強か中か弱かということを表現して、その項目名だけで済ませるというお考えですか。
○山口先生 いいえ、そうではなくて。
○岡崎座長 こういう表にして。
○山口先生 例えばいちばん上に、「重度の病気やケガをした」という具体的な出来事がありますね。これはIIIですから、ここに書いてある弱とか中というのは、これには当てはまらないわけです。
○西川職業病認定業務第一係長 ただ、その出来事をどこかに当てはめて判断しています。本当に軽度のケガをした場合、「重度の病気やケガをした」ではないので、まったく出来事がないというやり方でやっているかというと、そうではないのです。では、どこに当てはめるかというと、いちばん近いのはたぶんこれしかないので、とりあえず「重度の病気やケガをした」という枠に当てはめて、しかし重度ではないから強までいかない、IIIまでいかない、IIまでいかないということで、IIだったりIだったりしているのです。どちらにしても先生がおっしゃったのは、これは重度だけを書いておけば、それに至らないものはそれにはまらないのだから、わざわざ書いても意味がないだろうというご指摘ですよね。
○山口先生 はい。しかしそういう使い方をしているので、書いておいたほうが分かりやすいというのだったら反対はしません。そうすると、この強というのが総合判断の強と同じ言葉だから。
○西川職業病認定業務第一係長 まさにここの「強」は、総合判断の強というつもりです。
○山口先生 そうですか。
○岡崎座長 それは先ほど山口先生のおっしゃった、過去に「ライフイベントストレス調査」をやってできたものだから、あまり変えるべきではないというのを活かしていこうとすると、項目では中程度とか弱という項目も入っているわけです。しかし概念的にきちんと整理していって、清水先生がおっしゃったように出来事の類型も整理していくようになりますと、概念上はきちんとなると思うのです。ただ、そのデータがないという問題があります。たぶん変えるとしても、その中間的なものしかできないのではないかと思うのです。
○山口先生 座長のお考えはよくわかりました。ただ表の見方です。「重度の病気やケガをした」というのは、強度IIIですよね。
○西川職業病認定業務第一係長 ええ、いまは出来事だけです。
○山口先生 それが強で、即総合判断になってしまうというのは変ではないですか。総合的判断というのが何も行われないまま、総合的判断の答えが出てしまっているのではないですか。
○西川職業病認定業務第一係長 最初にご説明したとおり、1頁は出来事自体のほうが出来事後よりも重要であろうということです。いまの総合判断というのは出来事の評価をして、その後に出来事後の評価をして、それをガッチャンコして総合判断ということですけれども、特に1頁にある2つの出来事については、まずは出来事を一生懸命見ていけば、例えばこれで言えば「重度の病気やケガをした」というその病気の程度、ケガの程度を見れば、そこが重ければ当然休業が必要、後遺障害が残るというのはある意味、「出来事後」とも言えるわけですし、災害それ自体の大きさ、出来事の大きさともどちらとも言えるわけです。これは自動的にくっついてくるものなので、出来事と言いますか、病気やケガの程度を見れば、全体としての総合評価ができるのではないかということで、こういう示し方にしているわけです。わかりにくいですか。
○山口先生 わかりました。
○渡辺職業病認定対策室長 そういう意味で①の類型は、ちょっとイレギュラーかもしれません。①の類型についてはほとんど出来事だけで、その人のストレスが評価できるのではないかという考え方で、こんな形になっています。それ以外の部分、次の頁などは出来事とその後の状況の両方とも、かなりストレスのかかるような状態でなければ強までいかないというもので、我々も整理するときに考え方を変えています。逆に①は、出来事のほうに完全に重きを置いているという作りにしています。
○岡崎座長 簡便化というところで見ると、出来事だけでというのが導入されることで、簡便化が図れる点が増えると。従来の総合判断をしなければいけないものも残っているというようにならざるを得ないという感じですよね。それで両方があると思います。ありがとうございました。
 時間もまいりましたので、議事は終わりにしたいと思います。途中で事務局から、提案の再検討があるということも出ましたけれども、今日ご検討いただいた内容に基づいて、「心理的負荷評価表」の形式も含めて、次回にご提案いただいて作成していくことになるかと思います。そういうことで事務局に作成をお願いしたいと思います。
○板垣中央職業病認定調査官 次回の日程は追って調整したいと存じます。できれば7月中に1回開催したいと考えております。これをもちまして本日の検討会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部
補償課職業病認定対策室

電話: 03(5253)1111(内線5570、5572)

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