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2011年4月19日 社会保障審議会年金数理部会(第47回)議事録

○出席者

山崎部会長、宮武部会長代理、牛丸委員、翁委員、駒村委員、佐々木委員、田中委員、林委員

○議題

(1)平成21年度財政状況について
-国家公務員共済組合・地方公務員共済組合・私立学校教職員共済制度-
(2)その他

○議事

○石原首席年金数理官
 定刻になりましたので、ただいまより「第47回社会保障審議会年金数理部会」を開催させていただきます。
 審議に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。座席図、議事次第のほか、次のとおりでございます。
 資料1は、「平成21年度財政状況-国家公務員共済組合-」でございます
 資料2は、「平成21年度財政状況-地方公務員共済組合-」でございます。
 資料3は、「平成21年度財政状況-私立学校教職員共済制度-」でございます。
 このほか、参考資料といたしまして、平成21年度の「公的年金制度の財政収支状況」をお配りしております。
 配付資料は以上でございます。
 次に、本日の委員
の出欠状況について御報告いたします。本日は、野上委員が御都合により御欠席とのことでございます。御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 なお、年金局長及び審議官につきましては、所用にて本日は欠席させていただいております。
 それでは、以後の進行につきましては山崎部会長にお願いいたします。

○山崎部会長
 委員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただきましてありがとうございます。
 本日の議題は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度の平成21年度の財政状況についてでございます。
 今回は、それぞれの共済の財政状況について御報告いただくため、財務省、総務省、文部科学省の方々に御出席をお願いいたしております。ありがとうございます。
 それでは、初めに、国家公務員共済組合の平成21年度の財政状況について報告を聴取いたします。

(鎌田共済計理官 報告者席へ移動)

○山崎部会長
 それでは、説明をお願いいたします。

○鎌田共済計理官
 それでは、私から、国家公務員共済組合連合会の21年度の財政状況を報告いたします。私は、財務省主計局給与共済課で共済計理官をしております鎌田です。先生の方からご覧になって私の左側が連合会の担当者でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、1ページ目です。これは、国家公務員共済組合連合会の21年度の財政状況の概要ということで、21年度を含めて過去5年の収入と支出と収支残を掲載したものです。21年度は右から2列目になっておりまして、上から順番に見ていきますけれども、収入総額が1兆9,838億円、時価で見ますと2兆2,976億円となっております。連合会につきましては会計処理を簿価でしておりまして、基本的には簿価ですけれども、幾つかの項目につきまして、数理部会から要望のあったものにつきましては参考値として時価を掲載しているところです。そういうことで、時価としては1兆9,838億円で、前年度と比較しますと、311億円の増。時価ベースで比較しますと、7,832億円の増ということになっております。
 以下は収入の内訳ですけれども、保険料が1兆327億円。国庫・公経済負担は2,464億円。これは前年度に比べて41%増となっておりますが、これは先週、厚生労働省から報告がありましたとおり、基礎年金拠出金の国庫負担の増によるものです。
 追加費用は3,357億円。次いで、運用収入は1,508億円ということで、簿価で見ましても、前年度に比べて203億円の減ですけれども、時価で見ますと4,385億円と大幅な増になっております。以下は、基礎年金交付金、財政調整拠出金収入となっております。
 中ほどの行が支出になっておりますけれども、21年度の支出が2兆1,891億円ということで、67億円の減少となっております。中身を見ますと、給付費が1兆6,775億円。給付費はここ5年、大体1兆6,700億円程度で一定になっております。基礎年金拠出金は4,811億円、318億円の増となっております。年金保険者拠出金はほぼ30億円。28億円となっておりまして、その他が277億円ということで、昨年度と比較しますと6割減となっておりますが、ここの支出のところに運用損の分が入ってきますので、運用損が大分減ったということになります。
 それぞれ収入・支出から収支残が次の行になりまして、簿価で見ますと、2年続いて赤字ではありますけれども、2,053億円の赤字になっております。時価で見ますと1,085億円ということで、前年度に比べまして7,899億円の増となっております。伸び率の算出が20年度がマイナスだったものですから、プラスになったということで△が立っておりますけれども、実質としてはプラスになっています。算出上、マイナスということで赤なのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ここは、20年度が赤だったのでこういう表記になっております。
 年度末積立金を見ますと、8兆3,658億円ということで、2,053億円の減。時価で見ますと1,085億円の増となっております。運用利回りは、簿価で見ますと1.5%、時価で見ますと5.52%ということになっております。
 これが収支状況の概要でございます。
 1枚おめくりいただきまして、これは先ほどのページを絵にしたものですので、説明は省略いたします。
 3ページ目が給付状況になります。上から受給権者ですけれども、受給権者数を見ますと、22年3月末で、全部足しますと113万9,000人ということで、4万5,000人(4.1%)の増になっております。
 種別の内訳を見ますと、通老相当・通退相当というのが伸び率としても高くなっております。これが国共済の特徴かと思っております。
 以下は年金総額ですけれども、年金総額は1兆7,919億円ということで、前年に比べまして194億円の増となっております。
 以下は全額支給、一部支給、全額停止に分けたものでございますので、説明は省略いたします。
 4ページ目ですが、上の表から、減額支給と増額支給それぞれについて5年間の実績を載せております。それぞれ載っていますけれども、減額支給は傾向としてはだんだん減る傾向にありまして、22年3月末では10万9,000人となっております。
 増額支給は、19年4月1日以降、本来の65歳、1年たってから請求できるということになっていますので、実際に出てくるのが20年度からということで、表としては20年度から数字が出ております。ただ、まだ人数が少ないものですから、22年3月末でも増額支給については、金額で見ても3億円というレベルになっております。
 その下は、月額をそれぞれ男女計、男女、老齢相当、通老相当で分けたものになっております。
 4ページの下の方の表ですけれども、老齢・退職年金平均年金月額は22年3月末で16万2,325円ということで、昨年に比べまして2,459円の減。伸び率にしますと、△1.5%の減となっております。この傾向は過去5年間ずっと同じ傾向になっております。その下は、減額支給されたものを除いたもの、減額支給されたものというふうになっております。
 平均加入期間を見ますと、18年3月末は420月とありますけれども、少しずつ増えておりまして、22年3月末では424月ということで、前年と比較しますと1か月増という形になっております。
 下の方は、通老相当や期間の短い方ということですが、これを見ますと、年金月額は18年3月末で2万9,446円でしたけれども、22年3月末では1万8,801円ということで、昨年に比べて約9%の減となっておりまして、平均加入期間も減少する傾向になっております。
 5ページは、それを男女で見たものになっております。先週、厚生労働省から厚生年金の同じような表を出されていたと思いますが、厚生年金との違いで目立つところといえば、通老相当のところが期間がかなり減りつつあるところが国共済の特徴かなと思っております。これは先ほども、人数のところ、3ページの上の方で、通老相当が増えていますというお話をしましたけれども、期間の短い人が受給者になるような傾向がずっと続いていまして、その結果、どんどん期間が短くなるという傾向になっております。それが結果として出ているということになっております。それが5ページまでになっております。
 6ページは、5ページまでは受給者、要は既にもらっている人全体ですけれども、これは、その年その年で新規裁定された方について見たものになっています。6ページの上が男女合計、中ほどが男性・女性となっておりまして、男性も女性も、男女計もですけれども、平均加入期間がだんだん短くなっております。これは、確たる証拠というか、データがあるわけではないので、推測になりますけれども、高学歴化が進んで最初に就職する年齢がだんだん高くなっていたので、期間が少しずつ短くなったのではないかと考えております。
 7ページ目がそれを更に細かく見たものになっております。7ページ目が男女合計ですけれども、これも受給開始の年齢がだんだん引き上がっていると先週、厚生労働省からありましたけれども、それが出ておりますのが、表の中ほど、62歳のところです。18年3月末、19年3月末は大体20万を超えるレベルですけれども、20年3月末から10万円台前半という形になっていまして、この辺で支給開始年齢、定額部分というのが下がっていることが統計表でもあらわれております。
 8ページ目が同じく男性、9ページ目が同じく女性になっておりますが、男性も女性も国共済は同じ引上げのスケジュールで動いておりますので、男性と女性で国共済は同じ傾向、同じ62歳のところで段差があるという結果になっております。これは厚生年金との違いだと思っております。
 10ページからが退職年金受給権者の年齢構成です。これは退職年金相当ですけれども、これを見ますと、男性は平均年齢は73.3歳、20年度は73.2歳でしたので、0.1歳の増となっております。同じく女性は74.8歳、昨年に比べて0.3歳の増。計は73.5歳と、昨年よりも0.1歳の増となっております。これを見ますと、男性であれば若い方、60~65歳が20.5%と一番多くて、次いで多いのが75~80歳となっております。女性は一番多いのは75~80歳ということになっております。
 次いで11ページ目。先ほどは受給者の状況でしたけれども、これは組合員の状況になります。上の表から見ますと、組合員数は22年3月末で104万4,000人ということで、男性は82万3,000人、女性は22万人となっております。男女別で見ますと、男性はだんだん減る傾向にあり、女性はだんだん増える傾向にあるということが見てとれます。組合員の平均年齢は、22年3月末では、男女計では40.7歳、男性は41.7歳、女性は36.9歳ということで、男性は0.2歳増になっています。
 標準報酬月額の平均を見ますと、22年3月末では、男女計では41万279円。男性・女性はそれぞれそこに書いてあるとおりになっています。下の表は、それを更に年度を通して見たものになりますけれども、標準報酬月額の総額、平成21年度では5兆1,945億円ということで、昨年に比べて405億円の減になっております。標準賞与(ボーナス)の総額は1兆6,518億円ということで、948億円の減となっております。それを合わせたもの、総報酬ベースで見ますと6兆8,463億円ということで、昨年に比べて1,352億円の減となっております。
 いろいろ要因はありますけれども、国家公務員の場合ですと、21年度に何が起こったかといいますと、ベースアップのところが△0.22%でしたということと、期末手当が4.5か月だったのが4.15か月になったということがそれぞれ影響して、こういった結果になっていると考えております。
 下の方の備考ですけれども、これはほとんど全数調査なのですが、経済産業省と厚生労働省第二の組合については抽出調査になっております。
 12ページにいきまして、組合員の分布。年齢階級と加入期間をクロスした表になっておりまして、男女合計で見ますと、まず年齢階級で一番多いところは35~40歳、次いで多いのが40~45歳。加入期間で見ますと、一番多いところは5年未満の16.8%、次いで多いのが15~20年未満の14.1%となっております。
 13ページは男性ですが、同じように年齢階級で見て一番多いのは35~40歳、次いで多いのが1つ階級飛んで45~50歳。加入期間で一番多いのは15~20年未満、次いで多いのが20~25年という結果になっております。
 14ページは女性ですけれども、女性の年齢階級で一番多いのは、2つありまして、25~30歳のところと35~40歳のところ。加入期間で一番多いのは、30%が5年未満のところにおりまして、次いで多いのが5~10年未満という分布になっております。
 15ページは、標準報酬月額等級の分布、男女と計です。これで見ますと、男性で一番多いところは、一番上の階級62万円のところで11.9%となっておりますが、昨年は12%を超えておりましたので、少し減ったという結果になっております。女性について一番多いところは、30万円のところ、8.5%となっておりまして、合計で見ますと、一番多いところが62万円のところ、9.8%となっております。これは昨年は10.1%でしたので、若干減っているという結果になっております。
 16ページは、積立金の運用状況となっております。時価で算出できるものについては時価で表示しておりまして、時価で算出できないものはそのまま簿価を掲載しております。大きく分けて流動資産、固定資産、流動負債等とありますけれども、流動資産(簿価ベース)を見ますと、流動資産としては1,346億円で全体の1.6%を占めております。固定資産は簿価で8兆2,526億円、構成割合で見ますと98.7%。大半が固定資産だということになっております。
 更に内訳を見ますと、預託金が4兆3,610億円。これは財政融資資金への預託金ですけれども、これが全体の52.1%で一番多いものになっております。その下は有価証券ということで、3兆3,701億円、全体の4割を占めております。そのうち包括信託ということで、全部包括信託なのですが、それを更に委託運用と自家運用に分けますと、委託運用が1兆4,229億円。内訳が、国内債券が2,032億円、国内株式が7,180億円という感じになっております。自家運用は1兆9,473億円ありますけれども、これは全額国内債券で運用しております。不動産が1,821億円、貸付金が3,394億円。あと流動負債がありまして、合計は8兆3,658億円で、運用利回りは簿価ベースで1.5%、時価ベースでは5.52%ということになっております。
 17ページが、財政再計算における将来見通しとの比較ということになっておりまして、上の段が21年度の実績、中の段が16年の再計算による将来見通しということになっております。
 まず、収入。左側から見ていきますけれども、保険料は実績では1兆327億円となっておりましたが、将来見通しでは1兆1,258億円と見込んでおりました。この要因としては、賃金上昇率によるものと考えております。基礎年金交付金はニアイコール。運用収益を見ますと、実績では1,508億円、時価ベースでは4,385億円となっておりましたが、将来見通しでは2,766億円。ここの要因としては運用利回りの違いだと考えております。実績で、その他の収入としては6,742億円。それに対して将来見通しでは7,375億円となっておりまして、要因としては、財政調整拠出金の収入の違いによるものだと考えております。支出につきましてはそこにあるとおりで、さほど違いはないものと思っております。
 18ページは、組合員数・受給者数の比較、同じく実績と16年再計算を比較したものです。上の表が組合員数と受給者数になっておりまして、それぞれ、そこにあるような結果になっております。
 中の段は、新規加入者数と新規裁定者になっておりまして、実績では、新規加入者数が4万2,000人、将来見通しでは3万8,000人。新規裁定者数は、実績では6万1,000人でしたが、将来見通しでは8万人。若干差はありますが、これは、若干の定義の違いによるものと、将来見通しでは年齢到達で受給者としている、そういった点が異なる要因だと考えております。
 下の段は脱退者数。組合員をやめる方の数と失権者数になっております。
 19ページ以降が財務指標の比較ということで、上の段が決算の実績、下の段が16年再計算の結果になっております。年金扶養比率を見るときは、括弧の方で見ていただいた方がよろしいかと思います。これで見ますと、平成21年度実績ですと1.57でしたが、21年度の再計算では1.55。大体いいところをいっているのではないかと考えております。
 保険に係る年金扶養比率も括弧の方で見ていただくと、実績1.88に対して、16年再計算では1.92と見込んでおりましたので、これもいいところをいっているのではないかと考えております。あとは、それぞれ組合員数ですとか、受給者数、支出額、追加費用とあります。
 この表で見て、追加費用が随分額が違うではないかと思われるかもしれませんが、これは昨年もこの場で説明していると思いますが、20年度は被用者年金の一元化が通るという見込みを立てております。その中で追加費用の削減という項目がございましたので、20年度、21年度は、実績の方ではそれを見込んで予算を立てていたということで、何百億円か減っているということです。そのために額が違っております。
 ただし、御案内のとおり、被用者年金一元化は21年の夏に廃案になりましたので、見込みと実績の差は、21年度の次の年、20年度分は22年度、21年度分は23年度にそれぞれ精算することになっておりますので、来年のこの場で追加費用を、先ほどの最初の1ページ目を説明するときには増えた額で説明することになろうかと思っております。
 次のページは補完する指標ですので、説明は省略します。
 21ページ目が総合費用率です。これを見ますと、上の表の決算結果ですけれども、21年度19.9、財政再計算では18.1と見込んでいたということになっています。実質的な支出は、実績では1兆6,112億円ですけれども、再計算では1兆5,875億円と見込んでいた。そういった結果になっております。
 これを見て一番違うのは何かといいますと、右の方の賃金上昇率と物価上昇率が大きく異なっていまして、実績ですと、賃金上昇率は△か、0.0、その辺の近傍ですが、再計算のときはもう少し高いものを見込んでいた。こういったところが?の標準報酬総額、こういったところに影響していると考えております。
 次の22ページですけれども、これは、厚生年金相当部分に係る総合費用率ということですので、比較のために厚生年金相当部分だけ見るとどうなるかというものになっております。これを見ますと、一番左の厚生年金相当部分に係る総合費用率、21年度ですと18.1ですが、16年の再計算では16.6と見込んでいました。大きな違いは何かというと、先ほどの繰り返しになるかもしれませんけれども、?の標準報酬総額が随分違うというところが見てとれるかと思います。
 23ページは、独自給付費用率です。独自給付費用率はそこに書いてある定義のとおりですけれども、これを見ますと、実績では16.4%(21年度)でしたが、再計算では14.8%と見込んでいました。これも同じですけれども、?の標準報酬総額とは随分違うというのが見てとれるかと思います。
 24ページも、ほぼ同じような結果になっています。
 25ページですが、保険料比率ということで、21年度はそこにある定義のとおりですけれども、実績は75.7%ですが、16年再計算では83.1%と見込んでいました。そういった結果になっております。
 26ページは同じ収支比率になっておりまして、21年度、簿価で見ますと115.3、時価で見ますと92.8となっております。再計算では96.6と見込んでいたということですが、これは、?の運用収入が異なるためというふうに考えております。
 27ページは積立比率でして、21年度は実績は6.3ですけれども、16年の再計算では6.5という形になっております。この理由も今まで述べたような話で、運用と賃金上昇率などの違いによるものだと考えております。
 非常に駆け足ですけれども、説明としては以上です。

○山崎部会長
 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 牛丸委員。

○牛丸委員
 ありがとうございました。3つ教えていただきたいと思います。
 1つは、簡単な確認です。2ページ、説明は省かれましたが、図が書いてあります。一番左側に「組合員及び事業主」、そこから保険料収入が入ってくる。それから、上に「公経済及び事業主としての国」とあって「公経済負担金」と書いてあります。確認したいのは、この図では事業主というのが両方入っていますので、いわゆる事業主としての国の貢献度はどっちに入っているのですか。まず、これが1点です。
 2点目は、16ページの資産構成です。国共済ですから厚年とは違いますし、先ほど説明がありましたように預託金は財投ということですが、厚生年金も国年もいわゆる財投改革で運用が変わりまして、残る部分だけになってきていると思いますが、この割合を見ると非常に高いです。共済の場合、残高で現在、52%を占めている。これは残りなのか、この辺はどうなっているか、これの御説明をお願いいたします。
 3点目は、ちょっと聞き逃したのですが、先ほど、どれかの説明の中で学歴によって短くなってきたと。これは平均加入期間ということでしょうか。お聞きしたいのは、平均加入期間というのはあくまでも国共済の平均加入期間。というのは、勤める前に学生であっても何かに入っていますね。そういうような加入期間というのはこの中では全く考慮されない、こういうことでしょうか。
 以上、3点、よろしくお願いいたします。

○鎌田共済計理官
 では、順番にお答えします。
 まず、2ページの、事業主としての国の貢献度というのは、それは金額で知りたいということですか。

○牛丸委員
 それもありますけれども、事業主としての国がこの図では両方に位置づけられています。

○鎌田共済計理官
 追加費用というのは、恩給期間相当ですので、そういった意味もあって「事業主としての国」と。

○牛丸委員
 保険料という意味ではなくて。

○鎌田共済計理官
 左の「組合員及び事業主」というのは、まさしく文字どおりの事業主ですけれども、上のは意味合いが少し異なるということです。

○牛丸委員
 わかりました。

○長谷川資金運用部長
 次は、16ページの財投の預託金の件に関する御質問でございました。国共済におきましては、現状の資産運用の法令上も義務預託というのがいまだに残っておりまして、これは34%です。したがって、これは何が何でも積まなくてはいけないというものでございます。そのほかに別途、任意預託というものも法令上、手当てされてございます。我々は、これを有効に活用させていただいているということでございます。
 何となれば、これは昨年も御説明させていただいたのでございますが、平成17年度以降、年金給付債務を重視した運用ということでALMを採用させていただいております。そうすると、比較的長い超長期債を多めに持っておいた方が我々の運用には好ましいというふうな結論になってございまして、その結果、ここでいきますと8割弱ほどの、これは国内債券も入れてでございますが、債券中心のポートフォリオになっている。これは、基本ポートフォリオの定めが実は22年から若干変わっているのですが、21年度までの基本ポートフォリオは国内債券が78%というウエートでございます。その結果でございます。

○鎌田共済計理官
 また戻りますけれども、先ほど高学歴と言いましたのは、6ページの老齢・退職年金平均加入期間の加入期間20年以上の人というところで、これは組合員期間ですので、国共済の分だけです。
 ついでに説明しますと、これがだんだん短くなっているのが6ページになっていまして、それに対して5ページですと、例えば男性は18年3月は424月だったのが、22年3月だと老齢・退職で428月と増えているのに、6ページは、新規裁定でだんだん減っているという感じになっている。これは何かなと思ったのですけれども、受給権者全体で見ると長い人が入ってきますので、受給権者ではだんだん長くなるけれども、新しく受給権者になる人だけ取り出したのが6ページで、それを見ますと、高学歴化が進んでいる人々なので、17年とか21年にちょうど60歳ぐらいの方というと、戦後間もなくの方で、その方が18歳というと昭和40年代前半辺りですので、大学進学率も急に上がっている頃ではないかと思っています。実際の国共済のデータで検証したわけではありませんので、確かなことではなく、ほかにも要因はあるかもしれませんけれども、そうではないかと思っているという程度です。

○牛丸委員
 ありがとうございました。

○山崎部会長
 佐々木委員。

○佐々木委員
 27ページのところで、先ほど御説明いただいた分ですが、人員構成とかはそんなに大きな影響はないと思いますが、一番大きな影響が、賃金上昇率が計画ベースですと、合計しますと10%ぐらい上がっています。実績ではほぼゼロになっているということで、いろいろな指標、収支比率とか総合費用率が悪化しているということですね。運用の方も時価ベースで計算してみると、平均年率1.8%ぐらいですが、計画ですと2.5%ぐらい。その辺がいろいろなことで悪化している。今後の展開を見ると、昨年、21年度の財政計算の御説明を受けたわけですけれども、こういう状況のほうが確率的に高いという懸念を持っているのですが、この状況が続くとやはり財政が悪化するというふうに考えていいということでしょうか。
 もう一つは、21年度の財政決算結果に、少なくともこれまでの分は織り込まれているというふうに考えていいのかどうか。その辺をお伺いしたいと思います。

○鎌田共済計理官
 とりあえず2点あるかと思いますが、まず1点目、この傾向が続くとどうなるかということは、それは当然、悪い方向にしか働かないと思っております。では、前提をどう考えるのかという話だと思いますが、これは11月でしたか、我々から再計算のヒアリングの場でも説明させていただいたのですが、賃金上昇率、物価上昇率、運用利回りといった経済前提は厚生労働省の方で定められたものを使うとなっておりますので、国共済独自でどうこうというのはないという状態です。

○山崎部会長
 ほかにいかがでしょうか。
 翁委員。

○翁委員
 16ページの運用のところで、ポートフォリオは全体でご覧になって8割国内債ということでお話いただいたのですけれども、インハウスでやっておられる分とそうでない分というのは、そのシェアはどういう考え方でお決めになっているのかということを教えていただけませんか。

○長谷川資金運用部長
 今の御質問は、国内債券の中でのインハウスと委託運用の比率の決定の在り方ということでございましょうか。

○翁委員
 はい。

○長谷川資金運用部長
 ここに関しましては、明確な定めを基本ポートフォリオの中でしているわけではございません。委託運用につきましては、御案内のとおり、内外4資産につきまして、それぞれ専門の運用機関にそれぞれのタイミングでマネージャーストラクチャーというのをやらせていただいて、委託をしているわけでございます。例えばここでの国内債券が比較的いいものがあれば、資金を厚めに導入するということも場合によってはあるということでございます。明確にこの枠内でなければいけないという決めの仕方ではなく、むしろ、ここでご覧いただいたウエートぐらいのことで過去からやってきているというようなことでございます。
 したがって、預託金と委託運用の国内債券と自家運用の国内債券、大体この合計で78%というのが平成21年度までの基本ポートフォリオです。平成22年度からはこれを80%ジャストということで若干高めてございます。自家運用のところは2兆円程度という格好になっており、大きな変動はございません。
 なお、自家運用の国内債券は、超長期債を主体として、デュレーションリスクをとる方針に対して、委託運用の国内債券は主に専門の運用機関に委託し、クレジットリスクをとることにより、超過収益の獲得を狙った運用となっています。

○山崎部会長
 よろしいでしょうか。
 それでは、以上で、国家公務員共済組合の財政状況についての報告聴取を終了します。報告者の方々、お忙しい中をありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。

(鎌田共済計理官 関係者席へ移動)

○山崎部会長
 次に、地方公務員共済組合の平成21年度の財政状況について報告を聴取いたします。
 本日は御説明のため、高原課長に御出席いただいております。

(高原福利課長 報告者席へ移動)

○山崎部会長
 それでは、よろしくお願いします。

○高原福利課長
 総務省福利課長の高原でございます。何とぞよろしくお願いいたします。私から、資料2の地共済の平成21年度財政状況について御説明申し上げたいと存じます。本日は、地方公務員共済組合連合会の年金数理の責任者も同席させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料の表紙をおめくりいただきまして、1ページ目でございますが、1の収支状況でございます。地共済の収支状況につきまして、過去5年間の推移を記載したものでございます。平成21年度の欄について御説明を申し上げます。
 まず、収入でございますが、保険料が2兆9,499億円で、前年度に比べまして690億円(2.3%)の減少でございます。公的負担が6,368億円で、前年度に比べ1,738億円(37.5%)の増加となってございます。公的負担につきましては、負担割合が平成21年度から2分の1に引き上げられましたことから大幅に増加いたしております。それから、追加費用は9,658億円で、前年度に比べまして214億円(2.3%)の増でございます。運用収入は5,014億円で、前年度に比べ228億円(4.4%)の減少でございます。また、有価証券売却損等の費用を除いた正味の運用収入は4,091億円となっており、更に、正味の運用収入に評価損益を加味した時価ベースでの運用収入は2兆4,130億円でございます。基礎年金交付金は2,751億円で、前年度に比べ160億円(5.5%)の減少でございます。
 財政調整拠出金収入でございますが、平成16年度から行われている地共済と国共済の財政調整に係る拠出金でございます。平成21年度につきましては、平成20年度と同様、地共済から国共済に財政調整拠出金を拠出しておりますので、収入はゼロということでございます。その他の50億円を合わせまして、一番上の欄の収入総額が5兆3,340億円、前年度に比べ823億円(1.6%)の増加でございます。なお、時価ベースの収入総額は7兆3,379億円となってございます。
 次に支出でございますが、給付費が4兆4,694億円で、前年度に比べ776億円(1.8%)の増加でございます。基礎年金拠出金が1兆2,560億円で、前年度に比べ566億円(4.7%)の増加でございます。年金保険者拠出金が145億円で、前年度に比べ77億円(34.7%)の減。それから、先ほども申し上げましたが、地共済、国共済の間の財政調整でございますが、財政調整拠出金として地共済から国共済に884億円を拠出しております。前年度に比べ170億円(23.9%)の増加でございます。その他が1,002億円で、前年度に比べ994億円(49.8%)の減少となっております。
 以上、合わせまして支出総額は5兆9,285億円、前年度に比べ442億円(0.8%)の増加でございます。
 収入総額から支出総額を差し引いた収支残はマイナス5,945億円、前年度に比べ382億円、マイナス幅が縮小いたしております。なお、時価ベースでの収支残は1兆4,094億円となってございます。
 その下の年度末の積立金は38兆9,255億円でございます。積立金運用利回りは1.05%と、前年度0.2ポイント上回っているということでございます。時価ベースの年度末積立金は37兆6,161億円、同じく時価ベースの積立金運用利回りは6.73%となってございます。
 以上が、地方公務員共済組合の平成21年度財政状況の概要でございます。
 2ページ目は、ただいまの収支状況を図式化したものでございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、3ページの給付状況についてでございます。平成22年3月末の欄をご覧いただきますと、受給権者数のうち退年相当は181万8,000人、通退相当は19万人、障害年金は4万4,000人、遺族年金は59万3,000人、合計で264万5,000人となっております。前年度に比べ、10万3,000人(4.0%)の増加でございます。
 また、年金総額につきましては、退年相当給付が3兆7,845億円で、以下、ご覧のような額となっているところでございます。合計で4兆8,274億円で、前年度に比べ1,095億円(2.3%)の増加でございます。
 4ページの上の表は、退職給付について減額・増額別にあらわしたものでございます。減額給付の受給者は平成22年3月末で6万6,000人、その年金総額は退年相当給付の1,046億円となっております。増額支給は若干名該当がございまして、合計で6億円でございます。
 その下の表でございますが、退職年金平均年金月額は17万3,490円で、前年度に比べ3,048円(1.7%)の減少となっております。3段下をご覧いただきますと、基礎年金を含めた平均年金月額を記載しております。金額は20万9,745円、前年度に比べ2,484円(1.2%)の減少となっております。
 もう一つ飛びまして、退職年金平均組合員期間につきましては、420月ということでございます。その下は通年相当でございますが、老齢基礎年金を含めずに計算した平均年金月額は3万3,014円となっております。また、平均加入期間は111月となってございます。
 なお、5ページでございますが、これは今、御説明申し上げました男女計の平均年金月額、また平均組合員期間につきまして、それぞれ男女別にあらわしたものでございます。
 次に、6ページでございますが、加入期間20年以上の新規裁定に係る表でございます。平成21年度における退職年金平均年金月額は13万5,826円、前年度に比べ843円(0.6%)の減少となってございます。そこから3段下の退職年金平均組合員期間は430月でございます。以下は男性・女性に分けた資料でございます。
 続いて7ページでございますが、退年相当について、支給区分別、年齢別にあらわしたものでございます。右から2番目の平成22年3月末の欄をご覧いただきますと、62歳の平均年金月額が14万6,142円となっているのに対しまして、定額部分が支給される63歳の平均年金月額が20万3,509円になっているということでございます。
 8ページ、9ページはそれぞれ男性・女性に分けた資料でございますので、説明は省略させていただきます。
 次に、10ページでございますが、退年相当の受給権者について年齢階級別にあらわしたものでございます。男性・女性ともに60歳~64歳までの階級が一番多く、男性では年齢階級が高くなるにつれて減少しております。また、女性では65歳~69歳まで、75歳~79歳までの順になっているという形でございます。平均年齢は男性が72.4歳、女性が72.9歳、男女合計で72.6歳となってございます。
 次に、11ページから15ページまでは組合員の状況ということでございます。まず、組合員数でございますが、平成22年3月末現在で290万8,000人。前年度に比べて3万8,000人(1.3%)の減少でございます。また、平均年齢は男性が44.9歳、女性が42.6歳となっており、全体では44.0歳でございまして、前年度に比べ0.1歳減少しております。
 平均給料月額につきましては、34万8,417円となっております。男性と女性の平均給料月額を比べますと、女性の方が若干低くなっておりますが、これは、女性の平均年齢が男性よりも2.3歳低くなっているためと考えられます。
 下の表に移りまして、標準報酬月額総額ということで、標準報酬ベースに換算して15兆1,471億円、前年度と比べまして4,109億円(2.6%)の減少でございます。標準賞与総額は4兆7,124億円で、前年度と比べ5,212億円(10.0%)の減少でございます。総報酬ベースの標準報酬総額は19兆8,596億円で、前年度と比べ9,320億円(4.5%)の減でございます。
 組合員数の年度間平均は男性が181万9,000人、女性が109万3,000人、合計で291万2,000人でございます。
 総報酬ベースの標準報酬総額の年度間平均は、男性が58万5,952円、女性が53万9,076円で、全体で56万8,361円でございます。
 次に、12ページは、組合員数を年齢階級別、組合員期間別に区分したクロス表でございます。年齢階級別に見ますと、右側の合計のところで、45~50歳未満が42万7,000人、50~55歳未満が47万2,000人、55~60歳未満が44万8,000人ということで、45~60歳未満の範囲に人数が集中しておりまして、この3つの階級で全体の46.4%を占めております。一方で、若い世代では20歳代が34万8,000人で12%、30歳代が73万1,000人で25.1%という状況でございます。
 また、組合員期間別で見ますと、15~20年未満の範囲が最も多く全体の14.3%でございます。次いで、25~30年未満が14.2%、30~35年未満が13.3%という状況でございます。
 13ページと14ページは男女別に区分したものでございますので、省略させていただきます。
 次に、15ページの給料月額の分布でございます。地方公務員共済組合の場合は標準報酬制ではなく本俸制を採用しておりますので、従来から基本給の1万円単位の数字で提出しております。先ほども申し上げました平均給料月額でございますが、一番下の欄にありますとおり、男性が35万6,000円程度、女性が33万5,000円程度、男女合わせて34万8,000程度ということでございます。
 分布を見ますと、男性では41万円以上42万円未満の範囲が最も多く、12万1,000人で6.7%でございます。女性の場合は39万円以上40万円未満が6万5,000人で6.0%と、最も多く分布しているということでございます。全体で見ますと、41万円以上42万円未満の階層が最も多く、17万8,000人で6.1%という状況でございます。
 続いて、16ページは、積立金の運用状況についてあらわしたものでございます。まず、年金資産の資産構成でございます。平成21年度末における長期給付積立金の総額は、簿価ベースで38兆9,255億円、時価ベースで37兆6,161億円となっております。
 主な内訳をご覧いただきますと、有価証券等が簿価ベースで34兆6,587億円、時価ベースで33兆3,493億円となっておりまして、これが資産全体の約89%を占めております。この有価証券等のうちで包括信託が簿価ベースで30兆3,536億円、時価ベースで28兆9,077億円でございます。また、その一段下の有価証券が、簿価ベースで3兆5,736億円、時価ベースで3兆7,101億円となっております。更に、有価証券のうち国内債券が簿価ベースで2兆3,344億円、時価ベースで2兆4,952億円となっております。以下、外国の債券等はご覧のとおりでございます。
 なお、有価証券等の資産区分別の簿価及び時価の額につきましては特記事項欄に記載しておりますので、ご覧いただければというふうに思います。
 次に、17ページ以降が、平成21年度の決算実績と平成16年財政再計算における将来見通しとを比較した数字でございます。
 まず、17ページの収支状況の比較について申し上げます。収入につきましては、保険料の将来見通しを3兆5,756億円としておりましたところ、実績が2兆9,499億円ということでございます。この乖離は、組合員数の減少や賃金上昇率の影響等により発生したものと考えております。運用収益は、将来見通し1兆2,421億円に対して実績は5,014億円でございます。このようなことから、収入総額は、将来見通しの6兆7,480億円に対して実績は5兆3,340億円となっております。
 続いて、表の右側の支出でございます。給付費の将来見通しを4兆7,722億円としていたところ、実績では4兆4,694億円となっております。これは、主に受給者数の実績が将来見通しよりも少なかったためであると考えられます。基礎年金拠出金は、将来見通しの1兆2,081億円に対して実績は1兆2,560億円でございます。
 以上のようなことから、支出総額で将来見通しの6兆1,014億円に対し実績では5兆9,285億円となってございます。
 次に18ページが、組合員数及び受給者数について比較した表でございます。組合員数は、将来見通しを293万8,000人としておりましたところ、実績では290万8,000人となっております。これは、脱退者数の実績が将来見通しを上回ったことなどによるものでございます。受給者数は、将来見通しを263万5,000人としておりましたところ、実績は252万人でございます。
 新規加入者及び脱退者数につきましては、新規加入者の見通しを10万5,000人、脱退者数の見通しを14万4,000人としておりましたところ、実績では新規加入者が11万5,000人、脱退者数が15万3,000人となっております。新規裁定者数は、将来見通しの26万5,000人に対して実績は25万5,000人、失権者数は、将来見通しの15万4,000人に対して実績は16万人となっております。年金種別ごとの数字は、それぞれ右に記載しているとおりでございます。
 19ページ以降は、各種の財政指標につきまして、平成21年度の実績と平成16年の財政再計算との比較を示したものでございます。
 まず、年金扶養比率でございます。上の表の実績をご覧いただきますと、平成21年度の年金扶養比率は1.60となっております。前年度に比べ0.09ポイントの減でございます。また、追加費用を考慮した保険に係る年金扶養比率は1.94で、前年度に比べ0.11ポイント減少しております。括弧内は受給者ベースによる年金扶養比率でございます。再計算では受給者ベースによる年金扶養比率を作成しておりますので、受給者ベースで比較いたしますと、年金扶養比率は将来見通しの1.64に対して括弧内の実績は1.66となっております。また、保険に係る年金扶養比率は、将来見通しの2.03に対し実績は2.02でございます。
 20ページでございますが、年金種別費用率でございます。平成21年度は老齢費用率が12.8、障害費用率が0.1、遺族費用率が2.4となっており、総合費用率に対する構成割合は、それぞれ64.4%、0.7%、12.2%となってございます。
 次に21ページでございますが、総合費用率でございます。上の表にございます平成21年度における総合費用率の実績は、総報酬制ベースで19.9、前年度に比べ0.7ポイント上昇しております。また、標準報酬月額ベースでは26.1で、前年度に比べ0.5ポイント上昇しております。下の表の将来見通しと比較いたしますと、平成21年度は17.4と見込んでおりましたが、実績は19.9となっております。
 22ページは、厚生年金相当部分に係る総合費用率でございます。厚生年金相当部分に限って総合費用率を見ますと、将来見通しが15.8であるのに対して実績が17.9となってございます。
 次に、23ページは独自給付費用率でございます。上の表をご覧いただきますと、平成21年度の実績は総報酬ベースで16.7となっております。前年度に比べ1.2ポイント上昇でございます。なお、標準報酬月額ベースでは21.9でございます。将来見通しと比較いたしますと、将来見通しの14.8に対して実績は16.7となってございます。
 続いて、24ページは厚生年金相当部分に係る独自給付費用率でございます。将来見通しを13.2としていたところ、実績推計は14.7となってございます。
 25ページは、今回からの新たな資料でございますが、保険料比率でございます。平成21年度の実績は74.7でございます。
 26ページは収支比率でございます。平成21年度の実績は114.5で、前年度に比べ2.0ポイント上昇しております。時価ベースでは73.7でございます。将来見通しは86.6ということでございます。
 最後に27ページでございますが、積立比率について申し上げます。平成21年度の実績は10.0で、前年度に比べ0.1ポイント減でございます。時価ベースでは9.2でございます。将来見通しは9.4ということになっております。
 地方公務員共済組合の平成21年度財政状況の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

○山崎部会長
 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問等ございますでしょうか。
 牛丸委員。

○牛丸委員
 ありがとうございました。お聞きしながら、疑問に思ったというのでしょうか、前に質問したことがあったかなと思いました。昨年の20年度の財政状況の御説明を受けたときにやはり同じ質問をしておりましたので、今年も2つ同じ質問をさせていただきたいと思います。
 1つは、1ページの収支表。これは、今日も御説明があって私が聞き逃したのかもしれませんが、収入、支出両方とも「その他」があります。この「その他」というのはどういうものなのか、この内容について御説明をお願いいたします。これが1点です。
 もう1点は14ページ、これは今、申しましたように、昨年も感心して発表の方にもお話ししたのですけれども、14ページは女性の組合員の組合員期間別、年齢別の分布ですが、国共済とか、その他のものに比べて非常にきれいにというか、組合員期間も年齢も同じぐらいに分布している。これが地共済の特に女性の特徴かなと感心しました。というのは、去年、たしか同じように申し上げたのですけれども、こういうことが今後の地共済の年金財政に何らかの影響があるのか。そういうことについてもしおわかりになればと、感心したついでにお聞きしたいと思います。
 以上、2点です。よろしくお願いいたします。

○村上数理官
 「その他」のまず収入の方ですが、これは、退職一時金の返還というのがありまして、ほとんどそれでございます。それと、「その他」の支出の方ですが、こちらは運用損の関係のものがほとんどでございまして、信託の運用損とか、有価証券の売却損のようなものがここに入っております。

○牛丸委員
 運用収入とは別に。運用収入はネットで、要するにここにこれが乗ってくるというのはどういうことなのでしょうか。

○村上数理官
 収入は収入で入ってくるのですが、それにかかる売却損みたいなものはその他の支出の方に出てくるということになります。経理上、そういうことになっていますので。

○牛丸委員
 支出の方はほとんどそれだということですね。

○村上数理官
 そうです。そう思っていただいて結構でございます。

○牛丸委員
 わかりました。

○荒井数理審議役
 地共済連合会の荒井と申します。
 昨年度も大体同じようなことをお話ししたのですけれども、女性の場合の財政的なプラスマイナスというのがございまして、一般的には、平均余命が長いと受給期間が長くて、財政的には費用が多くかかるということになります。ただ、一方では、男性の場合は被扶養配偶者がおられますので、基礎年金拠出金の負担というのが出てまいります。女性の場合は、被扶養配偶者の方がおられるとは思いますけれども、かなり少ないものですので、そういったものは費用的なマイナス、負担減というところになってございます。また、女性の場合は、遺族年金への転給というのでしょうか、これが被扶養配偶者と同じようにないということも財政的なプラスの面がありますので、それをトータルすると、男性・女性を財政的に区分してみますと、プラスマイナスはそんなに費用的な差はないのではないかというふうに思ってございます。
 年齢構成とかそういうところで一番インパクトがあるのは、大きな山ができて、それが急に崩れてというようなところですので、このような各年齢層がきれいな形の分布というところは、財政的にはほとんど影響がないのではないかというふうに認識してございます。

○牛丸委員
 わかりました。

○山崎部会長
 あと、給与はほとんど男女差がないですね。これも大きいですね。プラスの要因のような気がいたします。

○荒井数理審議役
 そうですね。

○山崎部会長
 宮武委員。

○宮武部会長代理
 御発表の順番のページでいきますが、1ページ目で言うと、追加費用というのは普通は自然に少なくなっていくのですが、この年は珍しく前年よりも多いというのは、何か特別な要因があったのかということをお聞きしたいのと、次は、13ページ辺りに組合員の年齢構成が書いてありますけれども、65歳以上の方も若干おいでになります。国家公務員ですと、例えば裁判官などはおいでになりますが、地方公務員で65歳以降も働いておられる方は、どんな職種がおありになるのかということが知りたいです。
 それから、16ページのところで言いますと、資産構成の中で、「未収収益・未収金等」と書いて、世帯がでかいのでかさんでいるのだと思いますが、4,400億円近い未収収益・未収金、これはどんな内容のものなのかということ。
 この3点をお聞きしたいです。

○村上数理官
 3点でございますが、まず、追加費用の方でございます。これは、基本的に毎年下がってはいくのですが、前々年度の精算分というのも入ってきますので、多分それの影響でたまたま増加したものだというふうに思います。

○宮武部会長代理
 これは、職域部分も含めた形の総額の追加費用ですね。

○村上数理官
 そうです。
 それから、65歳以上の者ですが、これはほとんどが首長さんだというふうに思っております。
 未収金ですが、まず、未収収益は3,700億円ぐらいございまして、未収金の方が約680億円というふうになっております。それの項目としては、信託の未収収益とか債券の未収収益がございます。未収金については、市町村職員共済組合が各県にございます。それの年金業務を行っている全国市町村職員共済組合連合会というのがございまして、負担金といいますか、地方公共団体から各組合に入ってくるのですが、各県の組合から市町村連合会の方に資金が回ってくるのが少し遅れますので、それで未収金扱いになっているということでございます。

○山崎部会長
 佐々木委員、お願いします。

○佐々木委員
 3点お伺いしたいのですが、1つは運用の面です。これは去年もたしかお聞きしたのかもわかりませんが、基本ポートフォリオというのは、厚生年金本体と同じポートフォリオをベースにつくっておられるのかどうかということが一つ。
 それから、先ほどの国共済の方の御説明の中で、年金ALMを実施して、義務運用ということもあったのですが、比較的長いポートフォリオ、債券構成をつくっておられるというふうにお聞きしたのですが、地共済の場合はそれはどういうふうになっているのか。例えば債券のデュレーションとか、そういうものがどんな程度を目途にされているのかということを御説明いただきたいと思います。あと、義務運用というのは地共済さんの場合はないのかどうか。それもお聞かせいただければと思います。それが運用面の質問です。
 もう一つは、賃金上昇率。いろいろなページに載っておりまして、例えば21ページに載っていますが、これはすべて将来前提は同じ前提で、約5年間で10ポイントぐらいですが、地共済の場合マイナスの実績が非常に大きいんですね、特に21年度はマイナス3%ぐらいということで。先ほどの国共済の部分を見ると、5年間で±0%ぐらいでした。非常に落ち込み幅が大きいのですが、財政の状況として賃金上昇率の影響は大きいと思いますが、この落ち込み幅の大きい原因が何なのかというのをお聞きしたいと思います。
 もう1点は、12ページの人員構成です。60~65歳は3%ぐらい占めておられるのですが、民間の場合は65歳定年法で60歳以上の雇用義務がありますが、公務員の場合どういうふうになっているのか、お聞かせいただければと思います。
 この3点です。

○荒井数理審議役
 原則的には厚生年金のポートフォリオをにらみながらというところでございますが、私どもは、国共連とこの後の私学さんと違いまして、年金を支払っている単位が全国に16に分かれております。そして、地共済の中は財政調整を行うということで、地共済連合会というようなものもございまして、資金の運用面でいきますと、17の単位に分かれてやってございます。その中で、それぞれの組合の収支の状況などで、非常に厳しい組合も出ているところでございます。全体的に見て、基本ポートフォリオというものがどのような形でそれぞれやられているのかというのは、100%把握していない状態ですが、私どもは地共連ですが、地共連においては今のところ、それほど支出が多くありませんものですから、厚生年金のところを基本にしながら見てございます。
 2番目のALMの関係ですけれども、これも16に分かれており、地共済の中での収支で黒字の組合は2単位ぐらいにしかなっておりません。将来の推計というのでしょうか、組合単位で給付額を推計して、各年度ごと、そして、それにフィットさせるように運用するというところですが、組合においても自分の組合だけの給付額を将来推計するということもやっておらないと聞いておりますものですから、ALM的な発想では運用をやっていないということです。
 義務運用につきましては、地共済の場合は、昔の公営企業法で財投債というのでしょうか、今、そちらの方が3割の義務運用があります。
 あと、賃金上昇率ですけれども、例えば21ページのところで見ますと、21年度がかなり大きくて、マイナス3.2%になってございます。これは総報酬ベースのもので、その下にマイナス1.2というのがございます。これは標準報酬ベース。すなわち期末手当、ボーナスを除いたところになってございまして、私どもの場合は本俸ベースでやっておりますので、給料が下がりますと保険料収入に直接影響いたします。標準報酬ベースにしていますと、この給料の階級の中から出なければ標準報酬月額は変わらないとか、少しマイルドな効き方をしますので、そのようなところが国共済とは違っているのではないか。期末手当等のところの減り方が今回はかなりウエートが高くなってございます。支給月でも4.5か月から4.15か月と、0.35か月ぐらい減少しておりますので、それが大きく響いているのではないかというところで、標準報酬制の関係で賃金上昇率がマイルドにかかるのか、それとも直接影響するのかというところが 。影響しているのではないかと思います。
 あと、人員構成のところの60歳定年の関係ですが、私どもは民間と違いまして、60歳になったときに退職ではなく、年度末まで勤務期間になりますので、3月31日に60歳の方がこの中に結構おられるということで、年度末でとりますと、年度末にはいるのですけれども、すぐ4月1日には退職されてしまう。そのような60歳の方が現職者としてカウントされるために、少し多めになっているのかなと思っております。

○佐々木委員
 62歳とか63歳というのは基本的にはおられないということですか。

○高原福利課長
 地方公務員の雇用の関係で基本的には60歳定年ですが、年金支給開始年齢が65に引き上がっていくということで、再任用制度とか、短時間の再雇用制度みたいなものは地方公共団体の独自の判断ではできるということになっています。仄聞するところによると、徐々にそういった方も増えつつあるやに聞いていますが、地方公共団体が、60歳代前半層を極めて積極的に採用される状況にはまだ至っていないのではないかという状況ですので、そういった意味では62~63歳の人も勿論含まれていますし、先ほども申し上げましたが、知事さんとか市長さんも勿論入っている。そんな状況でございます。

○山崎部会長
 実は私、65歳まで地方公務員でございました。宮武さんもそうです。

○宮武部会長代理
 いえ、私は早く辞めたんです。

○山崎部会長
 今、地方の公立大学がたくさん増えておりますから、それがまとまった集団だろうと。

○高原福利課長
 大学の先生とか、お医者さんとかですね。

○山崎部会長
 そうですね。病院とか。
 翁委員。

○翁委員
 一つだけです。固定資産の中で貸付金というのが2兆円ぐらいありますが、これはどこへの貸付金ですか。

○村上数理官
 貸付金の件ですが、共済組合で組合員への貸付というのがあります。それの原資を年金の資金から借りて、それを組合員に貸しているというものがほとんどでございました。

○山崎部会長
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。以上で、地方公務員共済組合の財政状況についての報告聴取を終了します。報告者の方々にはお忙しい中、ありがとうございました。御退席していただいて結構でございます。

(高原福利課長 関係者席へ移動)

○山崎部会長
 最後に、私立学校教職員共済制度の平成21年度の財政状況についての報告を聴取いたします。本日は、御説明のため戸松室長に御出席いただいております。ありがとうございます。

(戸松私学共済室長 報告者席へ移動)

○山崎部会長
 それでは、説明をお願いいたします。

○戸松私学共済室長
 文部科学省私学共済室長の戸松と申します。本日は日本私立学校振興・共済事業団の方も同席しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 資料は3でございます。私学共済年金の平成21年度財政状況の概要を御説明申し上げたいと思います。
 1ページの収支状況についてでございます。過去5年間の推移を記載しております。右から2番目の平成21年度分を中心に御説明申し上げたいと思います。
 収入総額は、対前年度比308億円増の4,869億円となっております。内訳としましては、掛金でございますけれども、110億円増の3,299億円で全体の約68%を占めております。
 この主な要因については加入者数の増が挙げられるわけですが、今年度は昨年度に引き続き、大学や幼稚園等で加入者数が増えておりまして、大学については5,659人の増加、幼稚園については679人の増加になっております。この辺が主たる要因として考えられることでございます。これらのことについては、後ほど11ページのところで再度ご説明申し上げたいと思っております。
 次に、国庫負担でございますが、これについては基礎年金拠出金増により、対前年度比288億円増の925億円でございます。これは、基礎年金の国庫補助率が引き上げられた影響と考えております。
 運用収入でございますが、簿価ベースで対前年度比73億円減の440億円となっております。正味運用収入は、信託運用損等が630億円ございましたので、マイナス190億円となっております。これにつきましては後ほど説明させてもらいますけれども、リーマンショック以前から持っていた株等について評価額が簿価まで戻らないと見込まれるものを整理したものでございます。時価ベースにつきましては、国内の企業業績回復などで概ね金融危機前に回復しておりまして、プラス2,542億円となっております。
 基礎年金交付金については、対前年度比20億円減少し、125億円となっております。年々、これについては対象者数が減少しているところでございます。
 その他につきましては、学校法人及び加入者の掛金負担に対する都道府県の補助や、退職一時金の返還分等がございまして、対前年度比3億円増の79億円となっております。平成19年度のところで298億円という額が記載されておりますが、これについては、固定資産売却益があったものでございまして、これを除けば大体同じペースで来ているところでございます。
 支出総額でございますけれども、対前年度比290億円増の5,162億円でございます。内訳としては、給付費については、年金者の増加により対前年度比71億円増の2,579億円でございます。基礎年金拠出金については、基礎年金給付費の増により拠出金も増加しておりまして、対前年度比160億円増の1,851億円となっております。年金保険者拠出金については、対前年度比16億円増の96億円となっております。その他の635億円でございますけれども、このうち信託運用損が605億円、有価証券売却損が26億円等でございます。
 その結果、収支残としましては、対前年度比18億円増のマイナス293億円でございます。これにより年度末積立金につきましては、簿価べースで3兆4,073億円、時価ベースで3兆3,963億円となっております。
 特記事項のところでございます。平成18年度から固定資産については会計基準上、損益外減損処理を行っておりまして、年度末の積立金と一致しない場合もございます。特に、先ほど申し上げた19年度分がそうだったわけでございますが、21年度については前年度と減損処理の額が同額であったため、前年度の積立金に今年度の収支残を加えたものとなっております。
 次の2ページでございます。これについては先ほど説明した内容を図式化したものでございますので、省略させていただきたいと思います。
 次の3ページでございます。受給権者数、年金総額等について記載しております。21年度末の受給権者数は、対前年度比1万9,200人増加して34万7,800人でございます。年金総額は、対前年度比107億円増加して3,142億円でございます。これらについては、例年とほぼ同様な伸び率と考えております。
 次に4ページでございます。上の表は、退職給付について減額、増額支給をあらわしたものでございます。減額支給の通退相当に該当する者がおりませんので、この部分は空欄になっております。減額支給になっている者は退年相当で900人でございまして、その年金額は11億円でございます。また、増額支給となっている者は300人で、20年度に発生した者100名に200名ほどプラスされた形になっておりまして、その年金額は6億円でございます。
 下段の男女合計の欄でございます。私学共済から支給されます加入期間20年以上の退年相当の平均年金月額は、前年度と比較して、2,395円減少して15万6,894円となっております。また、基礎年金を含めた退年相当の平均年金月額につきましては、前年度と比較して、1,934円減少して19万5,534円。なお、平均加入期間は385月となっております。更に通退相当の平均年金月額は、前年度と比較して、1,186円減少して2万8,452円。平均加入期間は82月となっております。
 次の5ページは、ただいま説明した男女合計の平均年金月額及び平均加入期間について、男女別にあらわしたものでございます。男性の退年相当の平均年金月額は、前年度と比較して、2,638円減少して17万5,278円。平均加入期間は397月となっております。女性の退年相当平均年金月額は、前年度と比較しまして、1,983円減少して12万8,374円。平均加入期間は367月となっております。
 次の6ページでございます。こちらについては新規裁定者に係る分になっております。加入期間20年以上の新規裁定者の退年相当の平均年金月額は、対前年度比1,615円減少しまして14万209円。平均加入期間は399月でございます。
 男女別で見ますと、男性の新規裁定の退年相当の平均年金月額は、前年度と比較しまして、1,945円減少しまして15万6,641円。平均加入期間は405月でございます。また、女性の新規裁定の退年相当の平均年金月額は、前年度と比較して、1,549円減少して10万8,845円。平均加入期間は388月でございます。
 次の7ページでございます。退年相当受給権者の給付状況を年齢別に示しております。上から1行目、3行目の退年相当の平均年金月額と基礎年金の推計値を加算した平均年金月額は4ページで説明したとおりですので、割愛させていただきまして、特別支給分の定額部分及び加給年金部分の額については、60歳の18年3月末から22年3月末、61歳の同時期及び62歳の20年3月末以降が他の受給権者と比べて極めて少額となっております。これらについては、支給開始年齢が引き上げられているということで他制度と同様でございます。
 8ページ、9ページについては、今説明したところを男女に分けたものでございますので、省略させていただきたいと思います。
 10ページでございます。退職年金受給権者の年齢構成でございます。平均年齢は男性で70.6歳。19年度70.3歳、20年度70.4歳でございましたので、昨年よりは0.2歳、一昨年よりは0.3歳引き上がっているという状況でございます。女性につきましては72.1歳でございまして、19年度は71.9歳、20年度は72.0歳でございましたので、昨年よりは0.1歳、一昨年よりも0.2歳引き上がっているということで、男女とも若干の高齢化は進んでいるという状況でございます。
 構成割合を見ますと、男性は、60歳以上から65歳未満の年齢層が28.6%と最も高くなっております。次は65歳以上70歳未満の年齢層となっているところでございます。また、女性についても、60歳以上65歳未満の年齢層が24.6%と最も高く、次が65歳以上70歳未満となっているところでございます。
 次の11ページ、加入者状況でございます。ここには、加入者数、加入者の平均年齢、標準給与月額の平均等を記載しております。加入者数については平成21年度も増加しておりますので、ちょっと詳しめに説明させてもらいたいと思います。
 21年3月末と比較して、6,200人増の47万8,200人となっております。男性は1,000人増の22万2,400人。一方、女性の伸びの方が多くなっておりまして、5,200人増の25万5,900人となっております。参考までに加入者数の増減を学種別に申し上げたいと思います。大学で5,659人、幼稚園で679人の増でございます。これが加入者増の89%を占めている状況でございます。それ以外の増加については、小学校・中学校等で新設校もございまして、若干の増加をしているところでございます。
 減少しておりますのは、短大、専修学校、高等学校等でございます。特に短大の減については、大学への改組等もございまして、最近の傾向といえます。
 大学については18歳人口の減少がある中で、大学の新設、学部・学科の新設、増設などにより教員等の増がございます。特に新設の大学では、看護学や理学療法士などの保健学部で学生数が伸びているところでございます。また、幼稚園教員や保育士を育てる学部の新設も多くなっておりまして、その影響で教職員数が、特に女性の加入者数が伸びている要素ではないかと考えております。
 一方で幼稚園につきましては、学校法人が設立している幼稚園の保育所的な機能を持つ「認定こども園」というのがあります。これらについて、増減はありますが、トータルで30校増えているという状況がございます。この辺が、特に女性の加入者数が伸びている要素と私どもは分析しているところでございます。加入者数については以上でございます。
加入者の平均年齢については、前年度と比較して、0.1歳上昇して41.7歳でございます。標準給与の給与月額の平均は、前年度と比較して、919円減少して36万8,098円でございます。
 下段の表の標準給与月額総額は、加入者数の増の影響によるものと分析しておりますが、前年度と比較して248億円増加して、2兆1,094億円でございます。一方、賞与を含めた標準給与総額については、前年度と比較して、138億円増加して2兆7,600億円でございます。
 12ページでございます。これ以降、14ページまでは加入者の年齢別の加入期間分布でございます。まずは12ページ、一番高いのは25歳以上30歳未満で15.6%となっております。次に高い割合は、30歳以上35歳未満で12.3%となっております。それ以外については、20歳以上25歳未満、更には35歳以上60歳未満まで、満遍なく9%台~11%台で推移しているという状況でございます。また、60歳以上65歳未満については団塊の世代の影響もあり、昨年度7.7%が、0.4%増加して8.1%となったことが挙げられます。この影響もありますが、55歳以上60歳未満については、昨年度9.3%が0.3%減少しまして、9.0%という状況でございます。
 一方、加入期間の分布としましては、5年未満の割合が最も多く、38.2%となっております。加入期間が長くなるほど徐々に低下していく傾向でございます。これについては、例年とほぼ同様な傾向でございます。
 13ページの男性の加入者の年齢別の加入期間分布でございますが、14ページの女性の加入者の年齢別の加入期間分布と比較しますと、男性の20歳以上~25歳未満の割合は1.9%と、割合が低くなっているのに対しまして、女性の20歳以上~25歳未満の割合は16.8%という高い割合になっています。更に、25歳以上30歳未満の女性の割合についても22.1%と、男性の8.1%よりも14ポイント高い割合になっている状況でございます。
 また、加入期間別で見ますと、女性の5年未満の者が46.1%、5年以上10年未満の者が21.8%。これらを加算すると、全体で10年未満が67.9%ということで高くなっております。これは、大学、幼稚園など、女性の加入者が5,200人増えていることも一つの要因ではないかと考えております。
 15ページでございます。標準給与月額別分布でございます。男性については、上限の62万円のところが24.2%と最も多くなっております。分析しますと、60歳を中心に上限該当者が2,000人以上いる年齢が51歳~63歳となっております。また、女性につきましては20万円台を中心に分布しておりまして、分析しますと、標準給与が18万円以上30万円以下の者が、23歳~24歳が中心となっておりまして、2,000人以上いる年齢が21歳~38歳となっております。なお、標準給与月額の平均は、男性が44万6,299円、女性が30万131円でございます。
 16ページ、積立金の運用状況でございます。表の中ほどに合計欄がございます。21年度末積立金でございますが、簿価ベースで3兆4,073億円、時価ベースで3兆3,963億円でございまして、簿価ベースで81.3%を包括信託と有価証券で運用しております。また、簿価と時価の差110億円が含み損になっているわけでございます。その下の不動産につきましては、私学事業団が持っている宿泊施設や病院等の土地財産でございます。
 貸付金につきましては年金勘定から繰り入れておりまして、2つございます。1つは、加入者が住宅建築等に資金を必要な場合の貸付等が1,334億円、もう1つは、私学の施設整備等を行う際の事業資金の貸付が2,915億円となっております。いずれにしても元本、利子については滞りなく返済されている状況でございます。
 なお、特記事項の欄につきましては、有価証券等における資産区分状況を記載しておりまして、国内債券については簿価が1兆6,340億円、時価が1兆6,883億円でございます。包括信託は、1兆1,376億円で内訳はここに記載しているとおりでございます。簿価は3兆4,073億円に対して時価は3兆3,963億円で、含み損は20年度は2,843億円ございましたが、21年度は、110億円と大幅に減少しているということで、かなり回復したと考えているところでございます。
 次の17ページでございます。このページ以降は、平成16年財政再計算における将来見通しと平成21年度の実績の比較でございます。
 収支状況の比較でございます。収入欄につきましては、特に運用収入が440億円と将来見通しの1,098億円と比べてかなり少なくなっているのは、簿価ベースの運用利回りが低かったことが要因でございます。また、その他につきましては、国庫補助金や都道府県補助があるわけでございますが、特に基礎年金拠出金に対する国庫補助額の差が結果として反映されていると考えております。
 支出の方につきましては、基礎年金拠出金が21年度実績1,851億円に対し、将来見通しは1,585億円と266億円上回っております。これについては、加入者数の増加に伴い基礎年金拠出金対象者数が増加したことの影響と考えております。また、その他の支出については、実績が732億円で、将来見通しの62億円を大きく上回っております。これは、信託運用損等で630億円計上していることや、年金保険者拠出金が96億円で、将来見通しより34億円増えたことが要因と考えております。
 次に18ページ、加入者数及び受給者数の比較でございます。加入者数については、将来見通しは、平成16年度末から平成19年度末までは一定で、その後、減少すると見込んでいたわけでございますが、実績は、先ほど申し上げたとおり加入者数が増えているという結果が反映されております。また、受給者数については、それらの者が在職支給に該当した場合や、一方で、高齢者で採用され、短期間で退職したことにより通退相当の受給者数が多くなったと考えております。
 19ページ以降、最後までは財政指標の比較でございます。
 まずは、年金扶養比率でございますが、21年度の実績は4.32となっております。これは退職年金受給権者数を分母に置いたものでございまして、退職年金受給者数を分母にしますと、括弧書きの5.01となり、将来見通しの4.40を上回っております。これについては、団塊の世代の増というのもありますが、加入者数の増が将来見通しよりも大きかったと考えているところでございます。
 次の20ページでございます。こちらは年金扶養比率を補完する資料でございますので、省略させていただきます。
 21ページ、総合費用率でございます。平成21年度の実績で12.6%となっておりまして、将来見通しの12.0%より高くなっております。これは、平成17年度以降の賃金上昇率の実績が将来見通しに比べて低かったことが要因と考えております。実際の給与総額も2兆7,600億円と、将来見通しの2兆8,104億円よりも低くなっているところでございます。
 次の22ページでございます。厚生年金相当部分に係る総合費用率につきましては、平成21年度は11.4%となっており、将来見通しの10.8%より高くなっております。これは、先ほどの総合費用率の場合と同様の理由と考えております。
 23ページは独自給付費用率でございますが、21年度の実績で9.2%となっておりまして、将来見通しと同率となっております。
 24ページの厚生年金相当部分に係る独自給付費用率につきましては、21年度の実績が8.0%となっておりまして、これも将来見通しと同率となっているところでございます。
 25ページは保険料比率でございます。今回からの掲載でございますが、21年度実績で96.9%、将来見通しは100.7%でございます。いずれも前年度に比べ大幅に増加していますのは、基礎年金拠出金に対する国庫補助率の引上げの影響と考えているところでございます。
 26ページの収支比率につきましては、平成21年度の実績で91.3%となっておりまして、前年度と比較して1.5ポイント減っております。また、平成21年度の実績が、将来見通しの75%に比べて16.3ポイント上回ったのは、簿価上の運用収入が少なかったのが影響していると考えております。
 最後でございますが、27ページの積立比率につきましては、平成21年度実績で9.9となっております。将来見通し10.2よりも、0.3下回った状況となっております。
 以上で説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○山崎部会長
 ありがとうございました。
 それでは、御質問等ございますでしょうか。
 佐々木委員。

○佐々木委員
 1点だけ御質問したいのですが、11ページの人員の増減の傾向です。18年3月の4年間対比でも約3万人(7%)増えておられる。ずっと増加傾向が続いているということで、先ほど御説明があった両共済組合の運用実績とか賃金上昇率の程度は大体同じなのですが、いろいろな財政指標の悪化幅が低いのは、人員が増えている結果だと思いますが、大学の学部の新設とか大学の新設、それは確かにそうなんでしょうけれども、基本的には少子化で人が減りますので、今後、他の大学からの振りかえとか、反動でより厳しい状況が逆に予想されることもあるのではないかということです。今までは順調に増加してきたのですが、今後を見ると、そういったものが逆の反動の現象となって財政がより悪化するという可能性はないのかどうか。見通しですからなかなか難しいのですが、御意見をお聞かせいただければと思います。

○戸松私学共済室長
 今、先生が言われた、いわゆる大学間の統合や募集停止の大学は現状においても数大学ございます。ただし、一方で大学の学部・学科の新設や大学の新設がありまして、加入者数が減少していないというのも一つの要素であります。参考までに、学部・学科を設置するときには大学設置基準による認可を受けることになりますが、これに基づいて学則上の収容定員が決められ、教員数が定められるわけでございます。例えばある学部の入学定員が100人だとしたら、収容定員で数えると4年間で400人になります。例えば1学年が30人減少したとしても、収容定員は370人となり、それに見合う教員数が必要になっているという状況でございますから、18歳人口が減少したことによって、簡単に大学の運営が傾くというわけではなく、必ずしも加入者数減少につながるわけではないのです。
 しかし、大学経営が厳しいところもございますので、18歳人口の減少に対応した経営基盤の安定や経営改善の強化は重要であることから、我が省としても色々考えていかなければならないことだと理解しております。

○佐々木委員
 統廃合とか、最近では法科大学院なども相当厳しくて、それを廃止するとか、そういうことも出てくると思いますが、そういう御意見としてわかりました。

○山崎部会長
 翁委員。

○翁委員
 同じところと、あと11ページで、標準給与総額についても、ほかの2つの共済と比べて総額ベースで伸びているわけですが、これはどういうふうに分析されていて、今後、どういうふうに推移するとご覧になっているのかということについてお伺いしたいと思います。

○戸松私学共済室長
 男性の加入者については、その4分の3を占める大学や高校について、標準給与平均月額を見ますと、男性の加入者の49.6%を占める大学の標準給与平均月額で平成21年3月末と比べて、1,808円減ということで減少傾向にあります。また、24.5%を占める高校についても、2,900円減ということで減少傾向にあります。ただ、一方で加入者数の増もございまして、全体の標準給与総額については、総合評価をするとこういう形になるというふうに理解しているところでございます。

○山崎部会長
 田中委員。

○田中委員
 16ページですが、時価ベースの運用利回りが8.27%ということで、ほかの制度に比べて非常に利回りが高いように見えます。運用のポートフォリオを見ると、債券が中心で、内外の株式・債券ということなので、それほど大きな差がほかの制度と比べてあるわけではないのですが、ほかの制度より高い、この理由があれば教えてください。

○戸松私学共済室長
 直接な理由とは言えないかもしれませんが、もし補足することがあれば事業団から言っていただきますが、基本ポートフォリオについては年2.8%という運用利回りを考えているところでございます。それに基づいて、国内債券が65%、国内株、外国株、外国債券が各々10%、短期資産が5%でそれぞれの運用しているわけでございます。
 運用そのものの在り方については、加入者の長期給付の財源にするということで、事業団の中でも大変留意して運用しているところでございます。特に自家運用の国債部分については、法令の定めもございますので、法令の定めの中で国債について長期・短期という形で、最も合理的なものを選んでいるということでございます。
 信託につきましても、信託運用会社についてしっかりとした形で公募等を行って、経営状況、資産管理状況、そういう面を見た上で選定をしている。その上で適正な評価を行って、適正に運用するように常に心がけている結果というふうに私の方としては考えているところでございます。

○山崎部会長
 ほかに御質問はございますか。
 林委員。

○林委員
 余り常識がないのですけれども、大学等、学校そのものは、調達ということで債券とか出されたりするのでしょうか。そういうのはありますか。そういうのを多分に持っておられますか?

○戸松私学共済室長
 私学助成の方では事業団が債権を発行して資金調達を行っていますし、学校でも私募債として債権により資金を調達しているところがあると聞いていますが、年金財政というか、私学共済の中では持ち合わせていないというところでございます。

○林委員
 わかりました。

○山崎部会長
 よろしいでしょうか。
 それでは、以上で私立学校教職員共済制度の財政状況についての報告聴取を終了いたします。報告者の方々には、お忙しい中、ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。

(戸松私学共済室長 関係者席へ移動)

○山崎部会長
 これで、平成21年度の財政状況についての報告聴取がすべて終了いたしました。
 今後の取扱いですけれども、昨年8月に平成20年度までの聴取をとりまとめた公的年金財政状況報告を作成・公表いたしました。今年も同様に、財政状況報告を作成してはどうかと考えておりますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○山崎部会長
 それでは、今年も財政状況報告を作成することといたします。
 本日はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省年金局総務課首席年金数理官室
(代)03-5253-1111(内線3382)

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