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2011年6月28日 第3回社会保障審議会生活保護基準部会議事録

社会・援護局

○日時

平成23年 6月28日(火)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省省議室


○出席者

駒村 康平 (部会長)
岩田 正美 (部会長代理)
阿部 彩 (委員)
栃本 一三郎 (委員)
林  徹 (委員)
道中 隆 (委員)
山田 篤裕 (委員)

○議題

・生活保護制度における地域差等について
・その他

○議事

○駒村部会長 おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから第3回「社会保障審議会生活保護基準部会」を開催いたします。
 まず、本日の委員の出欠状況について、事務局よりお願いいたします。
○三石課長 本日の委員の御出欠の状況でございますけれども、本日は、庄司委員が急遽御欠席ということでございます。
 それでは、部会長、議事進行をよろしくお願いいたします。
○駒村部会長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。
 まず事務局より、本日提出された資料1と参考資料1〜2について、併せて御報告をお願いしたいと思います。
○三石課長 まず事務局より、本日提出された資料1、参考資料1〜2を併せて御報告させていただきたいと思います。
 資料1は、前々回あるいは前回、委員の方々から御指摘あるいは御依頼のあった資料をまとめたものでございます。
 2ページは、扶助種類別扶助費の世帯類型別内訳ということで、これはたしか前々回、栃本委員から御依頼のあったものでございます。いわゆる生活扶助、住宅扶助、教育扶助につきまして、それぞれ高齢者、母子、傷病・障害者、その他世帯でどのような分布になっているかを見たものでございます。
 出典のところをごらんいただくとわかるように、被保護者の全国一斉調査を使ったものでございまして、各世帯の個別データを積み上げたものではなく、マクロベースで行った収入認定に基づく推計ということでございます。その点、御承知おきいただければと思います。
 なお、教育扶助のところを見ますと、その大半を占めますのが母子世帯であるということでございます。
 3ページは、医療扶助費の構成割合の推移で、11年度、16年度、21年度を取り上げております。たしかこれは阿部委員からの御指摘だったかと思いますけれども、まず一番上の1.は、診療種別に見たケースでございます。入院の割合はやや減少傾向にございますけれども、21年度におきましても6割程度になっているということでございます。
 逆に増えておりますのは調剤ということでございまして、これは院外処方が進んでいる関係かと考えられます。
 2.は、年齢階級別に見たケースでございます。医療扶助につきましても、高齢化の影響を受けておりまして、21年度につきましては、60歳以上分が全体の7割近くを占めることとなっております。
 3.は、主な傷病分類で見たケースでございます。入院と入院外の合計でございますけれども、ごらんいただきますと、最もシェアの高いのが精神関連疾患あるいは循環器系の疾患。例えばここには高血圧などが入りますが、こういったものの割合が高いことがおわかりかと思います。
 4ページは、栃本委員、駒村部会長から御指摘のあったものでございます。いわゆる生活保護と市町村国保あるいは後期高齢者分の医療費の月額について、分布を比較してみたらどうなっているかということをお示ししたものでございます。
 4ページが入院、5ページが入院外となっておりますが、まず4ページの入院のところをごらんいただきますと、ピークを迎える階級等が若干異なりますけれども、分布の形状はある程度似通った形状になっております。
 なお、下のところをごらんいただきますと、特定の上位レセプト点数が全体に占める割合というものもお示ししておりますけれども、むしろ入院の場合につきましては、市町村国保等のケースの方が上位2割、あるいは上位3割、いずれも多少高い集中度になっているということがおわかりかと思います。
 5ページは、入院外のケースでございます。分布の形状は、先ほどの入院よりもやや複雑になっておりますけれども、その形状は、やはり生活保護あるいは国保等と比較しますと、おおむね同様の傾向になっておりますし、また、上位2割あるいは上位3割のレセプト点数が全体に占める割合を見ますと、生活保護と国保等でほぼ同じような割合になっているということがおわかりかと思います。
 6ページは、諸外国の公的扶助制度の比較をお示ししたものでございます。特に勤労控除との関係で諸外国の制度はどうなっているのかということで、たしかこれも駒村部会長からの御指摘だったかと思いますけれども、フランス、ドイツ、スウェーデン、イギリス、日本を取り上げたものでございます。
 何分、諸外国のことでございますので、情報等の制約、あるいはいろいろな制度の違いがございますので、単純な比較はなかなか難しいわけでございますけれども、できるだけシンプルにまとめさせていただいたものでございます。
 なお、大変恐縮でございますが、誤植がございますので、この場で訂正をさせていただきたいと思います。
 まず、左上のフランスの制度の名前でございますが、RSAは「参入最低所得」となっておりますけれども、実はフランスの場合には、7ページの(注1)にございますように、2009年6月から制度が変わりまして、RSAは「積極的連帯所得」という制度に変わっておりますので、恐縮でございますが、訂正をさせていただきたいと思います。
 また6ページに戻っていただきますけれども、対象者につきましては、日本と同様年齢制限のあるもの、あるいは高齢者については社会扶助制度の対象から除いて、別途の制度を置いているようなものものございます。
 その実施機関につきましても、各国によって異なっております。
 財源につきましても、全額国負担、全額自治体負担、あるいはその中間という形でさまざまでございます。
 基準設定につきましては、日本と同様に全国統一基準というものを示していますのが、フランス、イギリスです。ドイツの場合には、連邦政府が全国標準を示して、それに従って各自治体が独自の基準を設定するという形をとっているようでございます。スウェーデンにつきましては、食費、衣料費相当については全国統一基準、あるいはそれ以外の経費については、各自治体が設定という形になっております。
 所得調査、資産調査につきましては、ごらんのとおりでございます。
 7ページ、就労収入との関係でございます。日本の制度につきましては、詳細は次回のときに述べさせていただきたいと思いますが、スウェーデンを除きます各国におきましても、一定率あるいは一定額を就労収入から控除するという仕組みをとっているようでございます。
 扶養義務の範囲、資産の保有限度につきましても、各国によって範囲、限度額はそれぞれの額となっております。
 なお、一番下の所得保障水準につきましては、注7をごらんいただきたいと思いますが、各年齢によって水準が異なってまいりますので、ここでは30代単身世帯で、日本の生活扶助の1類費、2類費に相当する給付水準を比較しております。
 また、ドイツ、スウェーデン、イギリスにつきましては、これとは別に光熱費が支給されるということで、この中には含まれていないということとなっております。なお、この場合の為替レートにつきましては、日本銀行の4月の実勢相場の平均値を使っております。
 8ページは、前回、山田委員から御指摘のあったものでございます。家計調査における消費支出の定義・項目内訳ということで、こちらの方にその一覧を書かせていただいているところでございます。
 9ページは、前回、平成15年当時の生活保護制度の在り方に関する専門委員会に提出された変曲点の導出について御説明をさせていただきました。たしかこれも山田委員など何人かの先生方から御指摘があったかと思いますけれども、その導出方法について確認をさせていただきます。
 昭和58年当時と同様の形式の変曲点について、この15年当時、直近で入手可能な家計調査のデータに基づき作成をしたものでございます。具体的な導出方法は、左のところにございますように、まずx軸は収入階級分位、y軸は各収入階級分位における平均の消費支出としております。この時点では、平成8〜12年の平均を使っております。
 そのデータにつきましては、10ページに掲載をさせていただいております。また、右側のグラフは平成8〜12年平均の年間収入分位別消費支出でございますが、この時点では、変曲点は第3〜5・五十分位の辺りにあると仮定してシミュレーションを行っております。
 9ページに戻っていただきますけれども、変曲点は第3〜5分位辺りにあるということで、変曲点の前後で傾向線の傾きが異なるはずであるという前提に立って、各第3〜5分位の前後で別々に傾向線(回帰直線)を引きまして、その交点を変曲点という形で導出を試みております。
 ただ、そのときの意見といたしましては、ここで当時の八田委員の御意見を掲載させていただいておりますけれども、例えば個表のデータがあるのであれば、そういう所得と消費の関係についてさまざまな属性をコントロールした上ではじけば、より正確に出るのではないかという御意見がありました。あるいは家を持っているかどうか、単身かどうか、その方は何歳であるかと、すべてコントロールした上で、なおかつそこに変曲点があるというと非常に説得力があるわけなんですけれども、収入以外の変数が代理変数になっているのではないかということも考えると、たちまちこのデータだけでは説得力が薄れてしまうということで、これだけをもって変曲点がここであるということを結論づけるのは時期尚早ではないかという議論が出てくるという御意見もございまして、前回、岩田先生からも御紹介がありましたように、この時点では、この点が変曲点であるという結論には至らなかったと伺っております。
 11ページは、被保護世帯数(保護開始の理由別、平成12年度及び21年度)でございます。
 保護開始理由のうち「働きによる収入の減少・喪失」あるいは「貯金等の減少・喪失」の占める割合が12年度と21年度を比較しますと、飛躍的に増加しています。特にその他世帯では、この両方を理由に保護開始された方が7割以上を占めるということでございます。勿論、貯蓄等の減少・喪失というのは、必ずしも稼得収入の減少だけにとどまるものではございませんけれども、働きによる収入の減少・喪失だけを見ても、やはり12年度から21年度を比較しましても、相当な割合で増えてきているということで、いわゆる失業などで保護を開始される世帯の割合が大変高くなっている。特にその他世帯では、その傾向が顕著であるということが言えるかと思います。
 12ページは、前回、その他世帯についてさまざまなデータをクロス集計して、もう少し細かく見てみたいというお話があったかと思います。そこで、まず年齢階級と世帯人員数の階級をクロスしたもの、上が全世帯、下がその他の世帯ということになっております。
 被保護世帯全体としては、世帯主の年齢が高くなるにつれて単身世帯の割合が増える傾向にございます。特に40歳代までの各世帯主の年代で見ますと、その他世帯は全体の中でも単身世帯の割合が高いということがここから言えるかと思います。
 13ページは、世帯主の年齢階級と受給期間の階級をクロスしたものでございます。
 まず、上の段の被保護世帯全体としては、世帯主の年齢が上がりますと、受給3年以上や5年以上の割合が増える傾向がございます。その他世帯にも同様の傾向はありますけれども、10歳代を除く各世帯主年代で全体の中でも受給3年以上、あるいは5年以上の割合は低いということが言えようかと思います。
 なお、その他世帯について、受給期間が全世帯に比べると必ずしも長くないというのは、まさに最近、その他世帯が増えてきておりますので、そういう意味では、新規保護開始の方々が多い影響であろうと考えております。
 14ページは、たしか道中委員から御指摘があった点だと思いますが、生活扶助基準における多人数世帯の適正化を平成17年から行っておりますけれども、その背景あるいは具体的なやり方についてでございます。
 生活扶助基準については、御案内のように、第1類費と第2類費で構成されておりますけれども、平成16年に検証した際には、かねてより多人数世帯ほど基準額が割高になっているということで、17年度から改善を図ったところでございます。
 平成16年の検証データといたしましては、一番左の表が一般世帯の第1・五分位、真ん中の表が一般世帯の第1・十分位、そして一番右の表が生活扶助基準、この場合は14年度でございますけれども、それを世帯人員別に換算率、いわゆるモデル3人世帯を100として多人数世帯がどのような指数になるかというものを示したものでございます。
 これをごらんいただきますと、第1・五分位あるいは第1・十分位における第1類費、第2類費の増え方に比べまして、14年度における生活扶助基準の世帯人員別換算率の増え方の方が急激であるということから調整を行ったものでございます。
 このときの専門委員会の考え方といたしましては、その下に16年12月15日の報告書の抜粋がございますけれども、多人数世帯基準の是正ということで、「生活扶助基準は多人数になるほど割高になるとの指摘がなされているが、これは人数が増すにつれ、第1類費の比重が高くなり、スケールメリット効果が薄れるためである。このため、中間とりまとめにおいて指摘した第2類費の構成割合及び多人数世帯の換算率に関する見直しのほか、世帯規模の経済性を高めるような設定等について検討する必要がある」という報告がなされたところでございます。
 実際の見直しといたしましては、17年度からということでございまして、まず第1類費につきましては、4人世帯の場合には0.95、5人以上世帯の場合には0.9の逓減率をかけるという形にしております。一気にかけますと減額幅が大きくなってしまいますので、これを3年間段階的に実施するということで、3年間かけて0.95又は0.9という逓減率をかけることにしておりました。
 そして、第2類費につきましては、4人以上の世帯の場合に基準額を抑制するということで、ちょうど平成16年検証時の第1・五分位の指数と大体同程度になるように、4人世帯あるいは5人以上世帯については一定額を減額するという基準額の抑制をとっておりました。
 15ページは、前回、各種加算の考え方について御説明をさせていただきました。あるいは教育扶助についても同様でございます。たしか阿部委員からの御指摘だったかと思いますけれども、そもそもその金額の根拠はどういうことなっているのかということでございますが、もともとの加算額そのものにつきましては、それぞれ制度創設、ものによっては昭和20年代あるいは30年代にさかのぼりまして、その時々のマーケット・バスケットやさまざまな考え方で設定がなされております。ここでは、現在の改定方式について述べさせていただいておりますけれども、基本的には物価の伸び率で改定を行っております。ただし、一番下の注釈にございますように、生活扶助基準が据え置きの場合には、物価が伸びていても据え置きという取扱いとなっております。
 ただ、若干例外がございまして、いわゆる他制度並びで入れられたような加算については、他制度に連動するような形になっております。例えば放射線障害者加算。これは被爆者の健康管理手当の額に連動するという形です。児童養育加算については、かつてであれば児童手当、現在であれば子ども手当の額と連動するという形となっております。
 また、右側の教育扶助の改定方式でございますけれども、こちらは文部科学省の就学奨励法に基づく要保護児童生徒に対する学用品費の改定率並びになっております。なお、学級費などにつきましては、文科省の子どもの学習費調査による実態料金というものが発表されておりますので、これに準じた形で改定を行っているということでございます。
 16ページも、阿部委員から御指摘があった点でございます。今後の作業スケジュールについてどうなっているのかということでございます。前回のとき、口頭でお話をさせていただきましたけれども、文書で整理をさせていただきました。
 ちょうど本日が第3回ということで、地域差などを中心に御議論いただきますけれども、来月(7月)には、残された勤労控除などについて御議論いただきたいと思っております。夏休みを挟みまして、9月以降につきましては、かねがねお願いしておりますように、各先生方のさまざまなこれまでの研究成果の御報告、あるいはこの11月以降に総務省の全国消費実態調査のデータが入手できることになりますので、その特別集計をするに当たっての作業の考え方などについて御意見あるいは御提言をいただけたらと考えております。そして、それらを踏まえまして、データを入手できる11月から特別集計の作業を開始させていただきたいと考えております。
 なお、総務省のデータ入手につきましては、かなり細かい手続が必要になりまして、どういうデータをどういう目的で使うかということをかなり細かく問われるものですから、9〜11月の作業方針を確認する際には、先生方から具体的な御提言をできるだけ詳しく、こういうデータをこういうふうに集計できないかということも含めて、御提言をいただけたらと考えております。
 その作業期間にもよりますけれども、来年度の24年後半には、最終的な報告書をとりまとめていただきたいと考えております。勿論、それまでの間におきましても、必要に応じては論点整理などの中間的なとりまとめをお願いすることもあろうかと考えております。
 以上のスケジュール案を考えているところでございます。
 続いて、参考資料につきまして御説明をさせていただきたいと思います。いずれも最近の生活保護の動向ということで、まず参考資料1でございます。こちらは6月14日に公表させていただいた資料でございまして、今回の大震災に伴う被災者からの保護の相談等の動向についてでございます。
 この場合の被災者という定義でございますけれども、下の注1にございますように、あくまでも御本人の申告によるものということで、この中には、いわゆる原発からの自主避難の方も含まれております。
 なお、注2にございますように、被災地である宮城県石巻市を始め、幾つかの自治体からは、どうしても事務作業ができないということで、そのデータは提出をされていないということでございます。
 3月と4月の被災者からの保護の相談、あるいは保護の開始決定などの数字を並べたものでございます。
 まず、生活保護の相談件数ですけれども、全国では2,019件ございました。そのうち、4月末現在で申請に至った件数は757件ございました。そして、4月末現在で実際に保護が開始された世帯が549世帯でございます。
 では、どこで被災をされたかということで、被災地別を見ますとごらんのとおりでございますけれども、特に福島県の335が最も多い数字となっております。
また、世帯類型別に見ますと、生活保護全体では、約半分弱が高齢者世帯ということになるわけでございますが、今回の開始世帯数を見ますと、ごらんのとおり、その他世帯が268ということで半分近くを占めるという形になっております。
 なお、保護を開始されたときの避難先を分類いたしますと、最も多いのがアパート、公営住宅などの、いわゆる賃貸住宅が189。そして、知人・親族宅が102ということで、避難所につきましては、101という形になっております。
 次ページ以降では、それぞれの自治体別に集計しております。2、3ページは3月分、4、5ページは4月分ということになりますけれども、いずれの月をごらんいただきましても、必ずしも被災県で保護の相談あるいは開始がされているというよりも、東京、神奈川、埼玉、新潟も含めまして、関東あるいは近隣へ避難されてきて、そこの自治体で保護相談あるいは開始されている方がかなり多いことがおわかりかと思います。
 なお、これは3月、4月分を6月に報告させていただきましたけれども、今後も同様に、5月以降、このデータを毎月毎月把握していくこととしております。
 参考資料2は、生活保護の3月分の速報値でございます。前回のときには2月分を御報告させていただきました。2月分のときには、福島県については郡山市を除いてデータが提出されておりませんでしたけれども、3月分につきましては、全自治体からデータが出てきております。それによりますと、被保護実人員は202万人ということでございまして、保護制度になってから保護人員が最も多かったのが昭和26年度に204万6,000人余りでございましたが、その水準に近づきつつあるということでございます。
 なお、人口に占める保護率は15.8‰、被保護世帯数は145万8,000世帯という形となっております。
 これをよく私どもが整理させていただいている生活保護制度発足以来の年次推移という形で見たものが、裏面にございます。これは3月分の速報値も入れてお示しをしたものでございます。
 現在は、まだ震災から3か月ちょっとということでございますけれども、この後、雇用保険の給付が切れるという事態も出てきますし、また、避難所から仮設住宅に移られる方も多くなります。避難所であれば食事などが提供されておるわけでございますが、仮設住宅に移られて自立をされていくことになりますと、そういったさまざまな諸条件の変化に対応して、保護の相談あるいは保護人員といったものも今後増えてくることが予想されるところでございます。
 以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございます。
 ただいまの事務局の説明について、質問等があればお願いいたします。
 山田先生、お願いします。
○山田委員 私の方からは、2点質問がございます。
 1点目は、最初の資料1の9ページ目に変曲点の話が出ていたと思います。ここでの変曲点は、第3・五十分位か第5・五十分位付近にあると仮定したという御説明だったと思うんですけれども、10ページを見ますと、確かにそういうところに仮定できるなというのはわかるんですが、もう一つ第20〜25・五十分位か、第10〜15・五十分位のところで水平になっているように見えるところもある。これは生活構造の抵抗点、前回も話が出てきたと思うんですが、そういったように見えなくもない。変曲点以外にも、水平になったところについては、前の検討会では何か議論があったのか。もしあったら教えていただきたいというのが1点目でございます。
 2点目につきましては、11ページの保護開始の理由です。例えば失業した、もしくは収入が減少した。その場合に、貯蓄があれば、勿論その貯蓄を取崩しながら生活する。そうしないと、貯蓄がたくさんあっては、保護申請しても却下ということになろうかと思うんですけれども、そう考えると、この貯蓄等の減少・喪失というのは、生活保護に入るために貯蓄等の取崩しを行ったという人たちがかなり含まれているのかどうか。そこら辺がもしおわかりになれば教えていただきたい。勿論、結論的には、もしそうであった場合には、要するに働きによる収入の減少・喪失というのが一番大きい理由だという結論には変わりないと思うんですが、この統計の取り方の問題として、そういうものが含まれているのかどうかというのが、もしおわかりになりましたら教えていただきたいというのが2点目です。
 以上です。
○駒村部会長 事務局からお願いいたします。
○伊沢課長補佐 まず、1点目の10ページの水平のところでございますが、私どもの手元資料に残っている限りでございますが、前々回の平成15、16年のときの検証の際の資料にお示しをさせていただいている資料の中で、第12〜50・五十分位を上回ると消費支出額がしばらくほぼ同じ額で推移する傾向が見られることから、これ以降の分位では、傾向が異なるものと考えて、第3〜第5・五十分位から第12〜50・五十分位が同じ傾向を有していると仮定するという記載がございました。そういうことで、この部分につきましては、傾向の異なることということで、若干無視しているところがあるということでございます。
 2点目でございますが、福祉行政報告例の記載要領等で確認いたしましたところ、貯蓄等の減少・喪失の欄の記入に関しましては、郵便貯金、銀行預金または手持ち現金が減少または消失したことにより保護が開始された世帯数ということで、要因の詳しいところまでの数字は取っていないということでございます。
 以上でございます。
○山田委員 ありがとうございます。
○駒村部会長 ほかにいかがですか。
 岩田先生、お願いします。
○岩田部会長代理 10ページの図なんですけれども、私は余りこれが記憶になくて、もう一回議事録を確認してみますが、多分出たとしたら、これは事務局の御説明だと思います。このことで八田委員や何かの御質問があって、つまり変曲点とは何ぞやみたいな話です。それで58年のときの水準均衡というのをなぞったんです。
というのは、そのときの変曲点の議論で最初に出てきた資料はこれではなくて、その前の平成13〜15年に実施した「社会生活に関する調査」と「社会保障生計調査」の分析があって、そこで作成された社会生活指標と実収入および消費支出との関係を回帰分析して得られた変曲点を議論したはずなんです。しかし、結果的にはその変曲点方式を却下して、全消を使ったわけですから、ここでこれをオーソライズしたわけでも何でもなかったと思います。
私も今、議事録を見て言っていないので不正確ですけれども、問題は第1・十分位の範囲でやるのか、それとも全体の姿の中で、この変曲点を使うのかという問題が多分あったと思うんです。これは後の作業手順の問題と関わるんですが、要するに、分位間の較差の問題というのが確認されなければなりません。ですから、昭和58年時点と今日において、所得階層ごとの較差がどのぐらいの幅が広がってきているか。つまり、下部10%がほかの90%とどのぐらいの開きがあるのかということを確認しないと難しいし、むしろ10ページのような図を最初に書かないと難しいと思うんです。何でこんなにきれいに出ているのかわかりませんけれども、抵抗理論はこういう理論です。山田先生がおっしゃったように、むしろ最初のところで見るという抵抗の理論だと思います。
 それから、山田先生が今、質問された11ページなんですけれども、これは基準部会の議題ではないのですが、その他世帯が増えたということで、生活保護行政においてもこれをどう考えるかということが大事な問題になってきているということを前提にしますと、その他世帯の保護受給理由に傷病というのが一定の割合である。要するに、その他世帯というのは、前回も出していただいたように、残余カテゴリーなので、何となくその他世帯はみんなぴんぴん元気で働けるはずなのだから、自立支援で行こうという方向がかなり強いように思われます。しかし世帯主でその4割は60代以上。しかも、傷病で受給しているのだけれども、完全に働けないわけではないから、その他カテゴリーに入っているということ。定義上そうなるにすぎないわけですね。
それから、障害者世帯になぜ含まれないかというと、障害者世帯の定義は独特なものがあるわけです。だから入らないわけです。そうすると、生活保護統計が持っている、一般の人にはわからない、福祉事務所と保護課しかわからないと言ったら極端ですけれども、私もしょっちゅう間違えるんですが、わからないような定義で出たときに、誤解に基づいた政策決定や方向性が出てくるというのは、余りうまくないように思うんです。だから、自立すべき部分がどのぐらい増えて、そうではなくて、高齢者世帯の予備群と言ったら変ですが、そういう世帯がどのぐらいかというのを割合慎重に見るような統計は、これとは別につくった方がいいのではないかというのは、私も再三統計部会でも前に言ったことがあるんですけれども。世帯構造は、国民生活基礎調査などの世帯類型に併せてみるとかが必要ですね。そのことを保護課としても丁寧に説明されたらどうかなと思います。これはこの部会のミッションとは全然別のことなので、よけいなことではありますが。
○駒村部会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問とか御意見ございますか。林先生、お願いいたします。
○林委員 前回の最後に、5月30日に国と地方の協議が行われるという御案内をいただいたんですけれども、この内容がもしわかるのであれば教えてください。
○駒村部会長 課長、お願いします。
○三石課長 5月30日の国と地方の協議につきまして、前回御報告させていただきました。もし必要であれば、次回のときに更に詳細な資料も御準備させていただきたいと思います。
 口頭で恐縮でございますけれども、申し上げさせていただきますと、生活保護制度につきましては、昭和25年にできて、約60年以上経つという中で、地方自治体の方からも生活保護受給者、特に稼働年齢層と言われるような方々が増えてきている中で、制度全体の見直しを求める御意見が出てまいりました。具体的には、昨年の10月あるいは11月に指定都市長会あるいは市長会などから、具体的な制度改正の提言などが出てまいりました。そういったことを踏まえまして、厚生労働省といたしましても、実際に現場で保護を実施されている自治体、具体的には知事会、市長会、更には町村会の代表の方々と、私ども厚生労働省の大臣以下、政務三役との間で、いわゆるハイレベルの会合を5月30日に持たせていただいたところでございます。
 ここで具体的な、今後検討すべき課題あるいは進め方というものについて刷り合わせをさせていただきまして、具体的な論点などにつきましては、更に事務方、例えば国であれば私ども、地方であれば各保護担当課長といった事務方で、まず論点等を整理して、できれば8月をめどに、もう一度ハイレベル会合を開いて、そこで何らかの意見のとりまとめができないかということで、現在進めているところでございます。
 実務会合につきましては、現在1回開かれておりまして、随時月に2〜3回ぐらいのペースで開催をさせていただきたいと思っておりますけれども、そこら辺の動きにつきましても、次回ペーパーでお示しができればと思っております。
○駒村部会長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでございましょうか。岩田先生、どうぞ。
○岩田部会長代理 今日の資料1の諸外国との公的扶助制度の比較がありますけれども、これは勤労収入との関係ということで出されたということでしょうか。
○駒村部会長 事務局、お願いします。
○三石課長 たしか1回目のときに駒村部会長の方から、勤労控除の仕組みを御説明したとき、諸外国ではどうなっているのかということもございましたので、いきなり諸外国の就労率の関係だけをピックアップして御説明しても、なかなか御理解できないかということで、制度全体についての資料という形でお出しさせていただいたところでございます。
○岩田部会長代理 外国の制度の比較というのは大変難しいし、なおかつ、今、どこの国もしょっちゅう変えていますので難しいと思いますが、例えばイギリスのインカムサポートの場合などですと、もともと週16時間までの就労しか認めていないんです。これ以上働く人は、この制度に入れない。社会扶助制度自体もカテゴリカルに幾つかあります。ドイツもそうですが、給付水準の点ではどれを出しても同じですから、これでいいと思うんですけれども、そのことがあるので、就労収入の見方というのは、つまり労働時間の制限を持っているところと持っていないところで、もしかすると大分違うかなということです。
 それから、例えばイギリスの改正された最近のインカム・サポートだと、子どもをここから抜いてしまっているんです。子どもはタックスクレジットで出ることになっていて、単身とカップルしか考えていない。母子世帯でも母子世帯のお母さんしか考えていない。これは別の制度で出るので、日本のものとかなり違うことになりますので、なかなか比較は難しいところだと思うんですが、その辺は注意して読んでいただければと思います。
○駒村部会長 ほかにいかがでございましょうか。
 特段なければ、続けて、事務局より、資料2についての御報告をお願いいたします。
○三石課長 お手元の資料2、特に本日の本テーマでございます「生活保護制度における地域差等について」を御説明させていただきたいと思います。
 まず、その中の代表的なものとして、級地制度がございますけれども、その概要について、2ページで御説明をさせていただきたいと思います。
 地域差を設けている理由でございますけれども、生活保護法の第8条の規定がそこにございます。基準について考慮すべき事項がいろいろ書かれている中で「所在地域別」というのが第8条第2項の規定にございます。これは地域における生活様式、あるいは物価差による生活水準の差が見られる実態を踏まえて、最低生活保障の観点から、生活保護基準に地域差を設けているものであると理解しております。
 現行の級地間の較差でございますけれども、現行制度は62年度から今の姿になっておりまして、1級地−1から3級地−2までの、いわゆる6区分の中でそれぞれの較差を4.5%ずつ、したがいまして、全体の較差は1級地−1から3級地−2で22.5%という形になるわけでございますが、そのような形で較差を設定しております。
 そのときの基本的な考え方でございますけれども、その下の枠囲いのところにありますように、各地域の一般世帯の生活実態との均衡を可能な限り確保する見地から、最大地域較差を拡大するとともに、近年のモータリゼーション及び情報伝達手段の発達等による国民の日常生活圏域の拡大傾向を踏まえ、級地区分を細分化し、市町村間の差をよりなだらかにしました。具体的には、現行3級地制は維持しつつ、各級地をそれぞれ2区分、いわゆる1級地にあれば1級地−1、1級地−2と2区分して、合わせて6区分とし、最大較差を100対77.5、級地間較差としては4.5%等差ずつということに設定したものでございます。
 具体的には、3ページでございます。
それまでは、いわゆる3級地制でございました。昭和53年4月1日のところにございますように、18%の較差でございます。そして、各級地間では、9%の較差という形でございました。その経過措置を設けまして、昭和62年〜平成4年までかけまして、9%の半分の4.5%の較差にし、3級地であったものを6区分という形に分けたということでございます。
 現行の級地指定でございますけれども、データを下の欄に挙げさせていただいております。例えば1級地−1は東京都の23区とか、横浜市、大阪市。1級地−2であれば地方の大都市、札幌、千葉、福岡市、あるいは2級地−1であれば地方の中核市等々という形になっております。
 23年4月1日現在の市町村数における分布をお示ししておりますのと、また、被保護世帯数について見ますと、全体の約4割は1級地−1にお住まいということになります。
 昭和62年改定時の級地設定方法について、中央社会福祉審議会の意見具申に基本的な考え方が盛り込まれているわけでございますが、4ページでございます。
 現行級地指定は、指定した各市町村の消費水準に基づいて、全国的な地域差により現行級地の水準に対応させて指定している。ただし、測定した消費水準のみによって指定するものではなく、各市町村の総合特性値、例えば都市化度指標とか、大都市圏の指標あるいは近隣市町村との均衡、各都道府県の意見等を踏まえまして、最終的な決定は総合的な判断によってきて行っているということでございました。
 昭和62年改定における基本的な考え方は、昭和60年12月17日の中央社会福祉審議会の意見具申にあったわけでございますけれども、先ほどの考え方の繰り返しになりますが「1 級地制度のあり方」の(2)でございます。現行の1〜3級地の最大格差(18%)、先ほどの3ページの1級地100、3級地82というところに対応するわけでございますが、この18%は拡大する方向で検討すべきことと盛り込まれております。
 また、(3)でございますが、級地制度による各級地間の保障水準格差はなだらかであるほど望ましいものであるため、国民の日常生活圏が拡大する傾向にあることからも、現行級地区分を細分化すべきことということで盛り込まれたわけでございます。
 その結果、先ほど申し上げましたように、18%につきましては22.5%の較差、区分につきましては3区分から6区分にしたということでございます。
 5〜7ページには、それぞれの6区分につきまして、具体的にどの自治体が属しているかという級地のリストを添付したものでございます。
 9ページは、直近の検証でございます平成19年の生活扶助基準に関する検討会の際に、当時の級地間較差についての検証を行っております。
 まずは、一般世帯の生活扶助相当支出額と生活扶助基準額の地域差の比較をするということで、マル1といたしましては、全国消費実態調査の2人以上の全世帯をとりまして、全収入階級について比較をしたものでございます。
 生活扶助基準額でございますけれども、こちらの方につきましては、先ほども申し上げましたように、1級地−1と3級地−2で22.5%の差がございますので、それを注2にございますように、全国消費実態調査の級地別世帯数によるウェートで加重平均をして算出しております。その結果得られた線が、111から86という形になります。
 一方で、生活扶助相当支出額について、全国平均を100といたしまして、全国消費実態調査のデータ、このときは平成16年でございますけれども、実態調査のデータを使って、1級地−1から3級地−2の回帰直線を出したものが赤いラインということになります。
 なお、この場合の1人当たりの生活扶助相当支出額につきましては、注1にありますように、1世帯当たりの生活扶助相当支出額、これも全消から出ている額でございますが、これを平均世帯人員の平方根で割るという形で算出をしております。これをごらんいただきますと、この傾き具合から、生活扶助基準の地域差は一般世帯の生活扶助相当支出額の地域差よりも大きくなっているということが言えようかと思います。
 今、ごらんいただきましたのは全収入階級でございますけれども、それを幾つかの収入階級に分けまして、分析を続けて行っております。10ページでございます。
2人以上の全世帯について、年間収入、第1〜3・五分位について実施をしております。ラインの引き方については、先ほどの9ページと同様でございます。この場合におきましても、やはり一般世帯の生活扶助相当支出額の地域差よりも基準額の地域差が大きくなっているということが言えようかと思います。
 同様に、11ページでございます。こちらは年間収入第1・五分位を取り出して比較を行っております。傾向としては、やはり同様でございまして、基準額の地域差は一般世帯の生活扶助相当支出額の地域差よりも大きくなっているということが言えようかと思います。
 以上が2人以上の全世帯について比較したものでございます。
 次に、単身世帯ではどうなっているのかということが、12ページでございます。
 単身世帯につきましては、全国消費実態調査のサンプル数の関係がありますので、2人以上世帯のように直接このような比較ができないということで、単身世帯の消費実態の地域差については、枠囲いにあるような考え方で分析をしております。
 まず、単身世帯、この場合は60歳以上と夫婦子1人世帯を比較いたしまして、生活扶助相当支出に占める品目分類の構成割合をまず比較してみました。そうすると、余り大きな差はないということで、その下の左側が第1・十分位の場合、右側が第1・五分位でございますけれども、いずれも大きな差は見られない。単身世帯の方が、構成割合の大きい品目であり、かつ、構成割合の約半分を占めるのが食料、光熱・水道で、この地域差の推移というものを見てみたということでございます。
 17ページでございます。左上が1人当たりの食費の推移です。この場合には、昭和59年と平成16年を比較しております。そして、右側が光熱・水道費の推移でございます。いずれも昭和59年と平成16年で比較をいたしますと、その地域差が縮小する傾向にあるとこのときには見ております。
 そのことから、12ページにまた戻っていただいて恐縮でございます。繰り返しになりますが、まず単身世帯の方が構成割合の大きい品目であり、かつ構成割合の約半分を占める食料あるいは光熱水費の地域差の年次推移を見てみると、地域差が縮小する傾向にあることから、単身世帯においても2人以上世帯と同様に地域差は縮小しているのではないかということで、直接的にデータでは分析できませんでしたので、このような間接的なやり方で分析あるいは推計をしているところでございます。
 参考までに、13ページでございます。一般世帯における消費支出額の地域差の推移ということで、都市階級別1人当たり消費支出額を、2人以上の全体について、昭和59年と平成16年で比較をしております。この場合にも、地域差は消費支出額あるいは生活扶助相当支出額、いずれも縮小する傾向にあるという分析をしております。
 14ページは、中間年ということで、昭和54年あるいは平成6年も加えて分析をしたものでございます。
 今の数字が消費支出額でございましたけれども、同様のやり方で生活扶助に相当する支出額について、15ページは昭和59年と平成16年を比較し、16ページはそこに更に中間年などを追加して年次推移を比較したものでございます。
 17、18ページは、先ほど申し上げましたように、地域差が縮小する傾向にある費目ということで、1人当たりの食費の推移、1人当たりの光熱・水道費の推移、更には1人当たりの家具・家事用品費の推移というものを分析しております。
 一方で18ページにおきましては、地域差に大きな年次推移の変化が認められない費目ということで、1人当たりの被服及び履物費の推移、交通・通信費の推移、教養娯楽の推移といったもの、これらについては余り大きな変化が認められない費目という形で整理をしております。
 19ページは、各地域の物価差で見た場合に地域差はどうなっているのかということでございます。このグラフの赤い方が生活扶助相当支出額、青い方が消費者物価地域差指数というものであります。消費者物価の方は、平成14年の全国物価統計調査を使っております。いずれも回帰直線を描いたものでございます。
 一般世帯の生活扶助相当支出額で、この場合は注1にございますように、年間収入第1〜3・五分位におけるデータで比較をしておりますけれども、結論としては、上の枠囲いのところにございますように、一般世帯の生活扶助相当支出額と消費者物価地域差指数の地域差はほぼ同様の傾向になっているという整理がなされております。
 20ページは、参考までに、今までは一般世帯について見てまいりましたけれども、こちらは被保護世帯における消費実態の地域差ということで、2人以上の被保護世帯について、1人当たりの生活扶助相当支出額を分析したものでございます。こちらの方のデータは、社会保障生計調査の家計簿調査を使ったもので、平成14〜16年の平均値で分析をしております。
 これらの検証結果を踏まえての整理でございますけれども、21ページでございます。19年11月30日にこの検討会の報告書がまとめられておりますが、その中で地域差についての評価・検証といたしまして「マル2消費実態との比較による評価・検証」とございますが、アンダーラインのところでございますが、「現行の級地制度における地域差を設定した当時(昭和59年(1984)年)の消費実態と、直近(平成16(2006)年)の消費実態を比較すると、地域差が縮小している傾向が見られる。」
 「世帯類型、年齢階層などで実際の生活様式は異なるとしても、平均的には、現行の地域差を設定した当時と比較して、地域間の消費水準の差は縮小してきていると言える」という整理がなされております。
 なお、この地域差につきましては、平成16年の生活保護制度の在り方に関する専門委員会のところでも触れられておりまして、ここでも「現行級地制度については、昭和62年度から最大格差22.5%、6区分制とされているが、現在の一般世帯の生活扶助相当消費支出額を見ると、地域差が縮小する傾向が認められたところである。このため、市町村合併の動向にも配慮しつつ、更に今後詳細なデータによる検証を行った上、級地制度全般について見直しを検討することが必要である」という提言がなされております。
 いずれも地域差が縮小してきているという整理がなされておりますけれども、現時点では、昭和62年以降、級地の在り方についての見直しは、まだなされていないということでございます。
 平成16年の報告書にも「市町村合併の動向にも配慮しつつ」とございましたが、では、市町村が合併したときに級地区分はどうなるのかというルールでございますけれども、22ページにございます。
 これも昭和41年に私どもから自治体に出しています通知でございまして、基本的な考え方といたしましては、市町村合併があった際には、その1番のアンダーラインのところにございますけれども、最も高い級地区分を適用することとなっております。例えば最近の級地変更の例をごらんいただきますと、一番下のところに、平成17年京北町(3級地−1)が京都市(1級地−1)に編入された場合には、京北町は1級地−1になる。同様に、平成22年にも3級地−2から佐世保市に編入されたものもございますが、この場合にも2級地−2に合わせるという扱いになるわけでございます。
 その結果、級地別の市町村数の推移を見ますと、ここでは平成19年4月1日から、直近の23年4月1日を取り上げておりまして、市町村合併の関係で全体の自治体数は1,805から1,731と減ってきておりますが、これをごらんいただきますと、その多くは3級地−2が922から862に減ってきておりますので、これよりも左側の区分のところに上方移動したという形になるわけでございます。
 ここまでが級地設定の考え方、あるいはその検証結果でございました。
 23ページは、こういった地域別の制度といたしまして、冬季加算がございますので、御説明させていただきたいと思います。
 冬季加算は、昭和26年にできたものでございまして、趣旨といたしましては、冬季において増加する光熱費や被服費などの増加需要に対応するものということで、11〜3月の5か月間、生活扶助基準に上乗せして支給をするということとされております。
現在の基準といたしましては、ここの2級地−1の場合を掲載しておりますけれども、それぞれの区域は、ローマ数字1区〜6区まで分かれておりまして、世帯人員あるいは級地別に設定されるということでございます。
 冬季加算の地域区分につきましては、当然寒い地域が1区あるいは2区という形になるわけでございまして、現在1区は、北海道、青森県、秋田県という形でございます。
 しかしながら、6区のところをごらんいただくとおわかりのように、その他の都府県ということで、1〜5区に属さない都府県はすべて6区に入るということで、いずれの自治体においても冬季加算が付けられるということとなっております。
 この冬季加算の基準額の経緯でございますけれども、24ページでございます。もともと昭和26年に創設されたものでございますが、昭和40〜44年におきましては、1区の冬季加算については、国家公務員の寒冷地手当の額に準じて設定をされてきておりました。
 2〜5区の冬季加算については、1区の額を国家公務員の寒冷地手当の区間較差を参考として展開をしております。
 6区、いわゆるその他の都府県につきましては、夏季と冬季の光熱費を実際に調べまして、その差額という形で設定をしております。
 その後、45〜48年に若干変化がございますが、49年から現在に至っては、各区ともに生活扶助基準の改定率を乗ずることによって改定をしてきているところでございます。
 23ページのところで、世帯人員別に額が異なっているということを申し上げましたけれども、その世帯人員別の指数がどうなっているかということでございます。家計調査の昭和52〜54年における勤労者世帯、年間収入第1・五分位の世帯人員別の消費支出額を基礎として設定いたしました。昭和61年には標準4人世帯から標準3人世帯になったということで、現在はこの3人世帯を100として、52〜54年の家計調査における世帯人員別の指数を使っているということでございます。
 級地間較差につきましては、先ほど級地のところで申し上げましたように、6区分の4.5%等差などを設定しているということでございます。
 なお、この冬季加算につきましては、その下にございますように、その冬季における特別な需要はそもそもどういうものなのか。最近であると、むしろ夏の方が猛暑で光熱費などがかかるのではないかという話もあるわけでございまして、冬季における特別な需要というのはどう考えるべきか。また、今は11〜3月という形で期間が設定されておりますが、その期間をどう考えるかということが論点になろうかと思います。
 また、地域区分につきましても、先ほど申し上げましたように、47都道府県すべてについて何らかの冬季加算が付いておりますが、そういった地域区分といったものが実態と合っているのかどうかという点も、今後御議論をいただく点になろうかと考えております。
 26ページは、期末一時扶助についてでございます。これも季節性のあるものでございますけれども、趣旨といたしましては、上段にございますように、年末年始における食費、被服費、家具什器などの一時的な特別生活需要、いわゆるもち代等の越年資金に対応すべく、12月に支給されるということとなっております。
 その額につきましては、居宅の1級地−1のケースを挙げておりますけれども、単身世帯については1万4,180円ということで、単純に2人世帯、3人世帯はそれをそれぞれ掛ける2、掛ける3という形で、世帯人員×1万4,180円という形で算定をしております。
 この経緯でございますが、昭和35年に創設されておりまして、この当時はマーケット・バスケット方式により算定するということで、具体的にバスケットの中身としましては、もち米代とか、もちつき代、あるいは年によって多少違うようでございますが、まさにもち代等の越年資金という形で算定をされたということでございます。
 昭和39年に社会保障生計調査における低所得階層の4人世帯について、実際に11月と12月の消費支出を比較して、12月に著しく増加する費目として容認されるものについて算定をしました。米類とか服飾品、あるいは嗜好品等々といったようなもので算定を39年に行っております。
 昭和48年以降から現在に至るまで、生活扶助基準改定率で改定を行っております。
 しかしながら、いわゆる生活様式の変化によりまして、年末年始において、このような越年資金といったような特別事情を現時点でどう考えるのか。あるいは世帯人員×1万4,180円という算定方式について、これまでさまざまな人員増による逓減というスケールメリットをどういうふうに考慮するのかという点も、今後御議論のテーマになろうかと考えております。
 最後に「4 住宅扶助について」でございます。
 27ページは、住宅扶助の概要でございます。家賃、間代、地代等や補修費など、住宅維持費を給付するものということとなっております。基準額は、そちらにございますように、1・2級地、3級地という形で、一般基準が設定されておりますけれども、実際のところは、(2)特別基準額が適用されているということでございます。
 この特別基準額については、こういった家賃などについて、その費用が一般基準を超えるときには、都道府県、指定都市、中核市ごとに、厚生労働大臣が別に定める限度額の範囲内の額とするという形で、それが末尾の29ページにございます。現実的には、この特別基準額が実際の住宅扶助の上限額になっているということでございます。
 29ページの表をごらんいただきますと、まず特別基準の限度額、左側の1・2級地の限度額と書いていますが、これが単身世帯の上限額ということになります。北海道であれば2万9,000円。東京都であれば5万3,700円という額になります。
 更に、複数人世帯等の特別基準というものもございまして、2〜6人世帯については、この限度額×1.3の額というものが設定されております。北海道であれば3万7,000円、東京都であれば6万9,800円ということになります。
 更に、7人以上の世帯については、その1.3倍額の更に1.2倍額という形が上限額となっておりまして、1・2級地は、北海道であれば4万5,000円、東京都であれば8万3,800円という額となっているところでございます。
 27ページに戻っていただきますけれども、今、申し上げたのが(2)特別基準額の考え方でございます。この特別基準額の改定につきましては、家賃物価指数、いわゆる家賃CPIを使いまして、持家の帰属家賃を除く家賃物価指数の伸びを乗じて得た額を改定額とし、原則これに基づいての改定を行うという形をとっております。
 住宅扶助には、更にはその他の経費もございます。28ページでございますけれども、敷金・礼金等ということで、病院・施設から退院・退所する際に住居がない場合、あるいは退職等により社宅から転居する場合といったケースにつきまして、先ほどの27ページの(2)で見ていただいたような額の3倍の範囲内で設定するというのが一般的な基準でございます。
 契約更新料等ということで、被保護者が居住する借家などの契約更新に際して、更新料あるいは火災保険料等を必要とする場合には、やはり27ページの(2)に定める額の範囲内で認定することができるということとなっております。
 更には、住宅維持費という形で、家屋の畳、建具、水道設備等々の修理、あるいは家屋の補修等を要する場合に給付をするという形となっております。
 なお、住宅の状況別の被保護世帯数が参考の表にございます。これは平成21年7月1日現在の総世帯121万世帯について、まず借家等以外の世帯としては全体の17.7%で、残りの82.3%は借家ということになるわけでございますが、そのうちの公営住宅、あるいは公的機関が提供するような住宅にお住まいの方というのは17.2%になります。公営住宅等以外、すなわち民間のアパートなどに居住される方々は65.1%ということで、このいわゆる民間等に居住される方々の数というのは、近年増えてきているという傾向がございます。
 こういった住宅扶助の基準につきましても、被保護世帯や地域の実態に見合ったものになっているかどうか等、今後検証していくことが必要かと考えております。
 以上でございます。
○駒村部会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局の説明について、質問等がありましたらお願いいたします。
 岩田先生、お願いいたします。
○岩田部会長代理 細かいところで恐縮なんですが、12ページに消費実態の地域差についてということで、単身の第1・十分位と第1・五分位、夫婦子1人の生活扶助相当支出額の品目構成の割合が出ているわけですが、例えば住居費というのは、今、御説明にあったように、住宅扶助で修理までカバーしていますね。そうすると、ここにはどういうものが入るんでしょうか。保健医療費の場合だと、売薬をたまたま買ったとか、ばんそうこうを買ったとか、そういうことだろうと思うんです。
○三石課長 今、確認をいたしますので、ちょっとお時間をいただければと思います。
 今、確認をしましたところ、住居の対象品目の中には、修繕材料費といったものを含めてあります。
具体的には、ベニヤ板とかペンキとかくぎとか、そういったものということになっております。
○岩田部会長代理 修理のための道具というか。
○三石課長 材料ですね。
○岩田部会長代理 それは住宅扶助外なんですか。家具・家事用品ではなくて、修理だからここに入ってしまったということですか。
○三石課長 そうです。
○駒村部会長 栃本先生、お願いします。
○栃本委員 住宅扶助は最後の説明の方でも出てきたんだけれども、地域に応じて上限設定が出されていますね。ただ、基本は実額ですね。そういった場合、生活扶助の級地ごとの区分けの中で、およそ住宅扶助が実額であるとするんだったら、どのぐらいというとあれなんだけれども、場合によっては、上限額の可能なところはみんな借りているのかどうかわからないんだが、一方で、地域ごとの実額で済んでいるという実態があるとするなら、級地ごとで実額の平均というと変なんだが、そういうものはわかるものなんですか。わからないですかね。言っている意味はわかりますか。
○三石課長 要は、上限に張り付いているのがどのぐらいか、あるいは上限に張り付かずに、例えば実額の平均というのはどのぐらいなのかといったデータですか。
○栃本委員 実額ですよ。つまり、変な話だけれども、上限額がこれだけあるからといって、済むとは高齢者とか、高齢者に限らないんだが、そういうものがあるものだからね。
○三石課長 実額の平均値などは、調査で取っておりますので、それは次回にお示しをしたいと思います。
○栃本委員 級地ごとに見させてもらえればいいと思います。
○三石課長 自治体別になるかもしれません。そこは精査をさせていただいて、何らかの形でお出ししたいと思います。
○駒村部会長 道中委員、お願いいたします。
○道中委員 御報告いただいた逆からお話をさせていただきます。
 まず、住宅の方なんですが、指定都市市長会とかいろいろなところから住宅扶助基準あるいは敷金の設定額とか、いろいろ要望が出ているかなと思うんですけれども、今、栃本先生にもおっしゃっていただいたんですが、そもそも単身世帯に対して複数世帯は1.3倍です。あるいは更に7人以上が1.2倍とされているところの根拠と申しますか、何か説明する材料といったものはどういう根拠なのかということをお示しできれば、示していただきたいということです。
 それから、冬季加算の方にまたさかのぼっていきますけれども、1区〜5区までがそれぞれ都道府県別にあります。23ページです。そこで、6区辺りなんですが、その他の他府県というのは、この6区の中で寒くはないだろうという地域。例えば沖縄県でありますとか、九州の暖かい地域などは、ここの6区のその他の都府県の中に入っているのかどうかということです。冬季加算がそもそもそういった暖かい地域のところも必要であるかどうかという検証ですね。やはり6区といえども、どうしてもそこに入って必要なんだということが言えるのかどうかということがあります。それが2つ目です。
 3つ目に、全消の地域間較差のサンプリングの問題だろうと思うんですが、恐らく市町村合併とかいうことの数値では反映されていない部分が出てくるかなと思うんですが、全消の数値をベースにしたところで、さまざまな家計調査とかを総じて全体的な総合判断ですという級地間較差の現行制度になっているんですが、例えば10万市の場合と20万、30万、あるいは特例市、政令市の抽出されているサンプリング数というのが、恐らく推計値として妥当な統計上の信頼性あるいは妥当性というところではじき出されている数字だろうと思うんですが、例えば10万市の場合だったら、具体的にどれぐらいのサンプリング数が出てきているのかということですね。大都市圏の場合は、それなりの数値があるんです。特に小さい自治体になるほど、その辺のゆがみというものがひょっとしたら出てきてはいないかなという気がするものですから、実際の例えば10万市でどれぐらいのサンプリング数が抽出されているのかという実数的なものをお示しいただいたらありがたいと思います。
 以上、3点でございます。
○駒村部会長 事務局より、今の点をお願いいたします。
○三石課長 今、3点御質問がございました。
 まず、第1点目の2〜6人までの1.3倍額、7人以上の更にそれの1.2倍額、それぞれの根拠でございますけれども、1.3倍額については、昭和37年度に改正、創設されたものなんですが、なぜ1.3なのかという点については、私どももはっきりした確認がとれておりません。
 ただ、さまざまな資料などを拝見しますと、特別基準に1.3倍した額によって、その当時の被保護者の実態家賃のほとんどがカバーできるということで、1.3にしたという資料が残っておりますので、むしろそういった実態がカバーできるということで、1.3にしたのではなかろうかと考えております。
 1.2倍額の方でございますけれども、これも昭和51年の改正で創設されたものでございます。まず、世帯人員が著しく多い場合、現行でしたら7人以上ということになるわけでございますが、そうすると相当の居住面積を必要とするため、1.3倍額では居住を確保し得ないという問題がその当時あったということでございます。こうした場合に対応するために、1.3倍額に更に2割増しの特別基準を新設したという記述が残っておりまして、7人以上の世帯については、その当時の民間のアパート、貸家の実態等を勘案して、1.3倍の更に2割増しの特例を設けるということで、結果的に1.2倍額にしたということです。こちらの方も、なぜ2割増しなのかという点は、民間アパートのその当時の実態を勘案してという記述が残っております。
 いずれにしても、当時の記述から推測するしかないものですから、十分な説明になっているかどうかわかりませんけれども、そのような記録がございます。
○伊沢課長補佐 3点目の御質問でございますが、資料の13ページにございます全消の都市階級区分ということで、データ上の制限がございます。大都市、中都市、小都市A、B、町村ということで、昭和59年と平成16年の各都市階級におきます集計世帯数が下の欄に、例えば大都市であれば4,757世帯が昭和59年、平成16年が5,751世帯ということで、19年度におきましては、このサンプル数で分析をいたしております。
 62年の改定時の級地設定の際の全国消費実態調査のサンプル数でございますが、全体で1,112市区町村、世帯数で申し上げますと約5万世帯で集計をいたしております。
○三石課長 順番が前後になって恐縮ですが、2点目の23ページの冬季加算の区分のところの6区その他の都府県に九州、沖縄などが入るかどうかでございますが、先ほども申し上げましたように、ここには1〜5区に入らない自治体はすべて入るということでございますので、沖縄、九州あるいは東京都、大阪府などもここに含まれるということでございます。
○駒村部会長 道中先生、よろしいでしょうか。
○道中委員 結構です。
○駒村部会長 ほかの委員からはございますか。
 岩田先生、お願いします。
○岩田部会長代理 先ほど栃本委員から出た住宅扶助の実際の金額ですけれども、これは平均だと余り何もわからないので、全部ではなくていいので、地域の分布ですね。当然、公営住宅は安いですから、公営住宅と民間に分けないと意味がないと思うので、公営住宅だと安くなっています。
要するに、住宅扶助の狙いは、地域でそれを下回ると住宅が確保できないという事態は避けないといけないですね。ですから、その問題が下回る場合もありますけれども、上回っている場合も現実にはあって、そうすると生活扶助も来る形に当然なるわけですから、その辺りがどの程度含めているのかというのを分布で拝見した方がはるかにいいと思います。
 もう一点なんですけれども、そういうことを言っておいて何なんですが、この基準部会というのは、何をもってここで基準として議論するかということなんです。今の期末一時扶助から、加算から、住宅扶助、級地は生活扶助に関わることですので、今まで基準改定とか、基準という場合は、生活扶助に関わってなされてきたと思うんですけれども、どこまでがここの課題かということですね。
生活扶助基準の検証方法については、それなりの変遷があって、そういうものを摂取しながら検討すればいいわけですけれども、今の期末や何かについても、いろいろな歴史的経緯も何となくわかるようでわからないというか、しかも、沖縄などの場合、恐らく冬季加算は夏季加算のような意味合いを同時に持ってくるといいますかね。そういうことがあったんだと思いますが、そういうのを同じ場でどうやって議論していいかというのが、私にはよくわからないところがあって、例えば生活扶助基準と住宅扶助特別基準についてやるという話なのか、それとも生活扶助に付いているいろいろな加算や、あるいは期末とか、そういうところまでやるという話なのかというのは、どう考えればいいんでしょうか。
○駒村部会長 栃本先生、お願いします。
○栃本委員 事務局の方に、岩田委員から質問していただいたことにお答えいただく前に、今、住宅扶助は基本的に実額ということになったではないですか。その上で級地較差とか1.3とか1.2とか理屈を付けてやっているわけなんだけれども、実際に生活保護を受けて、住宅扶助を使って、自分はどこそこに住みたいということで選んで、実際その額が出ているわけですね。すなわち、基準額の設定というのは、一.何倍にするとか何とか、理屈というとあれなんだが、理屈をつくってやるということでしょう。なおかつ、実態調査とかそういうものにレファーする形でやるということで、それはそれで当然のことですが、その一方で、実際の被保護者が消費行動というか、住宅を選ぶ場合、どの程度の額を使っているのかという乖離値というとあれなんだが、実情というか、それを知りたかったということです。
 平均というのは、勿論、事務局のお手をわずらわせると気の毒なので、それなりに言っただけなんだけれども、私が言いたかったのは、基準額があるから全部使ってしまうとか、全部ある種のフィクションというか、消費実態調査がこうだから、生活保護を受けている人がこうこうこうでというのは、理屈が通っているようで、ある種のフィクションみたいなものなわけですよ。そのフィクションではない部分というのが実費。変更はするんだけれども、そういうものがあるものだから、ちょっと見てみたいということで申し上げて、あくまでも私の場合は、生活扶助基準をどう考えるというところにあります。
 もう一つ、最初のころにお尋ねしたんだけれども、これは岩田委員もおっしゃったことですが、生活扶助だけ見ても、見てもと言ったらあれだけれども、事前に例えば医療とかそういうのがぼんと出るわけではないですか。だから、生活扶助の部分だけというとあれだけれども、精緻化しても、その持つ意味というのは考えなければいけないわけで、その場合は、生活扶助以外のものについて、多少なりとも、多少なりともと言うとあれなんだが、視野の中に置いて議論することが大切だと思います。
 先生に対して申し上げているわけではないです。
○駒村部会長 どうぞ。
○岩田部会長代理 前半の件ですけれども、それは生活保護世帯の家計の調査があるんですよ。
○三石課長 先ほど岩田委員が言われた、全自治体というわけにはいきませんが、サンプル的に代表的な自治体における分布状況というものも把握しておりますので、しかも民間と公営で分けてという数字もございますので、それは次回御用意をさせていただきたいと思います。
 あと、岩田先生からお話のございました、この部会の中でどこまで議論をするのかということでございますけれども、私どもはこれまで御説明をしてきた制度あるいは各扶助について、例えば生活扶助であれば、やはり加算、それから、今、お話をいたしました冬季加算も含めまして、こういったものについても、できれば御議論をいただきたいと思っております。
特に冬季加算の問題につきましては、昨年来、一方で夏季についてどうなのかということも国会等でも議論になっておりますので、果たして私どもでどこまでデータが御用意できるかという制約条件は勿論ございますけれども、できればこの部会でも、これまでどちらかというと、生活扶助の本体については、19年の検証も含めてさまざまな検証をなされておりましたが、こういった冬季加算、一時扶助あるいは各種の加算といったものについても、一応視野に入れた上で御議論をいただけたらと考えております。
○駒村部会長 岩田委員、いかがでしょうか。
○岩田部会長代理 この基準部会の意味というのは、なるべく専門的な見地から、みんなが納得いくかどうかはわかりませんけれども、手順をはっきりした検証をやろうということだと思うんです。勿論、生活保護の基準というのは、そういういろんなアクセサリーがついてといいますか、そういうものとしてありまして、しかも栃本先生がおっしゃったように、特別基準のようなフィクションと実態というものもあるし、収入のある方は、自前でやる部分と給付されている部分の割合というのも当然違うわけですから、なかなか難しいことですけれども、しかし、基準というのは、要するに最低生活保障の中核をどういうふうに決めるかというのが、まずあると思うんです。それで、さまざまな加算やこういう期末一時扶助というのは、いろんな歴史的経緯の中でつくられてきますから、当然そのこと自体は何とかしなければならないということはあると思いますが、それをどうやるかという手法が非常に難しいですね。
それから、医療扶助は金銭給付ではなくて、サービス給付ですので、医療関係者抜きには議論できないと思います。
○栃本委員 それはそうなんですけれども、いわゆる最低生活扶助というものを見た場合に、いろんな国とか、今のところ日本においても、いろいろ細かく区分けして、全体的な意味で最低生活扶助を満たすというもので仕組みは立っているわけですね。その上で、出入りとか、そういうのもあるわけですね。
 もう一つは、先ほどの海外物というものでは余り反応しなかったんだけれども、海外物の各国の一覧表があったではないですか。例えばこれは現物給付で、これはサービス給付ですよという形での表記になっているんだが、ただ、サービス給付にはなっているんだが、サービス給付も実際には金がかかっているわけで、それは保険から見ているのか、社会扶助から見ているのかというのがあるわけでしょう。
 そういう意味で、サービス給付になっている部分も、ある意味では最低生活扶助の部分なんですよ。だから、それで申し上げただけなので、そういうことなんです。そういうことなんですというのは、要するに、最低生活扶助というのを考えた場合に、私などはちょっと広めに見るということが大事なのかなと思うんです。
○駒村部会長 どうぞ。
○岩田部会長代理 難しい問題ですけれども、サービスの最低限があるかということが問題になってくると思うんですが、医療保険制度から切り離して、生活保護の医療扶助はあるという考え方だと思います。
 よその国の場合は、例えばイギリスですとNHSですね。もともとみんな一緒なんですね。だから、社会扶助の議論もそこには入ってこないわけですし、ほとんどの国は子どもの手当や何かも別途ありますから、入ってこないんです。だから、所得保障にしても、サービス給付にしても、一定の仕掛けの中で公的扶助に入るもの、入らないものがあるわけです。だから、制度論それ自体をやるなら、その仕分けをどうするかという議論は、社会保障審議会なり、今の一体改革でやればいいのでね。ここは基準部会ですから、当然基準としてどう考えるかということになるわけです。
 だから、医療扶助については、勿論一定の制限はありますけれども、かかった分だけ扶助しているわけですね。だから、それをどうするかということになってしまいますね。そうすると、医療における「健康で文化的な生活」という辺りがどういうふうに抵触するかというのは、私たちがここで議論できることか、ということです。
○栃本委員 私はそのことを本格的にここで議論した方がいいと申し上げているのではなくて、基本は基準部会なんだから、その基準について議論するのは当然のことであって、医療領域の最低生活需要というのはどう考えるか、そういうことはここで議論することではないと思います。
 ただと言うとあれだけれども、ちょっとのりしろを増やして議論しても、議論というか、それはどういうことなのか。つまり、他制度によって支えられているというか、他制度でもってサービスが提供されて、なおかつ経費が持たれているわけです。あと、国によっては、それは全く生活保護制度から切り離した形で給付されるということがあるかもしれないけれども、基本的に、最低生活需要というか、そういうものから見たら、それらを含めてというか、含めてというとあれだけれども、サービスというのは、生存のために必要なものなわけです。
 要するに、基準部会だから基準の議論をすればいいというのはそうなんだけれども、多少なりとも、医療について言ったからよくなかったのかもしれないが、住宅でもいいけれども、少し議論することは差し支えないのではないかと思いました。
○駒村部会長 医療扶助を例に挙げると、少し今の話は混乱する部分があると思いますけれども、扶助本体のみならず、いろいろ可能な限りの扶助ですね。ほかの扶助、あるいは加算については、一応そういう根拠が一体どういう根拠によって決定されて、どういう考え方というのか、何年に設定されたのか、どういう改定ルールだったのかというのは、一応全部出して、それが現在の生活様式と比べてどう評価されるのかという作業は、やはりやるべきではないのかと思うんです。
先生も、そのぐらいの幅の広さであれば、まずはリストアップをして、この辺ぐらいまでは、こういうさまざま検証していても、根拠があるような、ないような話はたくさんあるわけですけれども、それをチェックするということでいかがでしょうか。
○岩田部会長代理 加算のときもちょっとやったわけですけれども、勿論、別にやってはいけないということではないんですが、どういう手法でやるか。生活扶助基準も全消のデータは先ほどから御説明もありましたように、どういうふうに手作業をするかというアプローチの仕方をまず決めなければならないと思うんですが、同様に、さまざまな一時扶助の辺りも、それとの関係で決めないといけませんね。
 仮に、一時扶助が今の生活様式とかに合わないとか、つまりそれも相対的に決めるということになるとすると、何と比較して合わないかというか、これでいいんだと考えるかというのは、また方法を考えないといけませんね。だから、すべてを第1・十分位の生活様式とリンクさせるのか、地域ごとにそれをやるのかということにならないかなということなんです。
○駒村部会長 先生が問題提起されたように、守備範囲というんでしょうかね。守備範囲は、そういう意味では、これまで数回発表された辺りが守備範囲なのかなと思います。
 今、事務局から説明のあったようなもので、根拠はどうなのというあいまいなものものあります。いろいろなものがあるわけですけれども、それは一応、リストアップを1回してもらって、あとそれをどう検証するかというのは、また別の話ですね。方法論としてはどう考えていくのかというのは、今後9月以降のいろいろなアプローチの中で議論していった方がいいのではないかと思います。
○岩田部会長代理 そうですね。だから、そこが大事で、本当はこんなに長く説明を聞かなくてよかったと私は思っています。専門委員会ですからね。ですから、もっと早くこの議論をしなければいけないし、それをしなかったら、こんなに何回もやるのはもう無理ですよ。だって全消データは11月でしょう。だから、それで今の医療扶助までやろうとか、住宅はそれとは別ですから、住宅の実勢価格といいますか、そこでの。実勢価格ですから、今、借りるのか、前から借りているのかという問題もありますから、結構大変ですよ。
もう一年やるというなら別ですけれども、まず生活扶助基準をやって、その上でフリンジについてはもう一回やるとか、そのぐらいやらないと難しいんではないでしょうか。
○駒村部会長 そういう意味では、今日の資料1の16ページのスケジュール表にありますけれども、報告書をまとめるというのは来年の後半でやりますが、作業自体は、先生御心配のとおり、もう11月から突入してしまうわけですね。それまでに十分な方法論、単に一番下のところの比較みたいな話を全部くっつけた形でいいのかどうなのかという方法論を少しやっていく必要があるのかなと思います。
 あと、医療扶助はおっしゃるとおり、なかなかそのものをここで議論するというのはハードルが高いのかなと思います。
事務局は、いろいろこれまでも議論があって、まず実態を教えてくれという話で資料要求をしているんですけれども、医療扶助についてはどういう見方をしているのでしょうか。
○三石課長 私どもといたしましては、基本的には医療扶助あるいは介護扶助といった現物給付、サービス給付の部分につきましては、それぞれの保険制度に準拠してやっておりますので、これ自身をこの基準部会で御議論いただくということまでは、私どもは考えておりませんでした。
 ただ、最初の部会のときから、そもそも医療扶助も保護費全体の半分ぐらいを占めているということで、いろいろな先生方から御関心、御依頼事項がありましたので、私どもとしては、持っているデータを出させていただいた次第です。しかし、この基準部会では、サービス給付の部分についての御議論ということは考えておりません。
○駒村部会長 ほかの委員からいかがでしょうか。
 そうしましたら、質疑もそろそろ尽きたと思います。
 それでは、予定の時刻にもなりましたので、本日の審議は終了したいと思います。いろいろと今回も宿題、先ほどの住宅の問題も出ましたので、また宿題があったらと思います。事務局からは、私どももお話があったとおり、地域と家の種類別の分布があった方がいいのではないかと思いますので、その辺がもし可能であれば、次回という形で、そのほか議論の整理として、守備範囲は今、医療扶助みたいなところが含まれていないということではっきりしたわけですけれども、加算を含めて、このぐらいが視野に入っていて、こういう根拠でこれはできているとか、根拠はあいまいだと。この根拠は何々でつくられたんだという一覧表があれば、あるいはまたその留意点ですね。単純な話なのか、留意点は何があるのかということも整理していただければと思います。
 では、次回の開催について、事務局から御連絡をお願いしたいと思います。
○三石課長 7月につきましては、急遽セッティングさせていただいた関係がございまして、一部御日程が取れない委員の先生方がいらっしゃるということで、大変申し訳ございませんが、一番多くお集まりの日程が7月12日の14時からということでございますので、12日の14時からということでお願いしたいと思います。
 場所については、後日、御連絡をさせていただきたいと思います。
○駒村部会長 それでは、本日の議論は以上とさせていただきます。御多忙の中、ありがとうございました。


(了)

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