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2011年6月20日 第10回社会保障審議会日本年金機構評価部会議事録

○日時

平成23年6月20日(月)15:00~17:06


○場所

全国都市会館3階 第2会議室


○出席者

本田部会長、大山部会長代理、岩瀬委員、木間委員、斎藤委員、長沼委員、西沢委員

○議題

日本年金機構の平成22年度の業務実績報告書(案)について

○議事

○本田部会長
 少し遅刻いたしまして、誠に申し訳ございませんでした。
 ただいまから「社会保障審議会日本年金機構評価部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 では、今日の出席状況を事務局からお願いします。

○事業企画課長
 本日はどうもありがとうございます。
 本日は、石井委員からあらかじめ御欠席ということで、御連絡をいただいております。

○本田部会長
 ありがとうございました。
 それでは、議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。
 本日の主な議題は、日本年金機構の「平成22年度業務実績報告書(案)について」でございます。
 まず、本日の部会の進行につきまして、事務方から御説明をお願いいたします。

○事業企画課長
 それでは、よろしくお願いいたします。
 本日は、日本年金機構の22年度実績報告書(案)について御説明を日本年金機構から差し上げ、それについて委員の御意見をちょうだいするということでございます。
 昨年は、機構の21年度の実績報告書が6月末に提出されまして、その後に部会の御審議が始まるという順番でございましたが、今回の22年度の評価につきましては、(案)の段階で実績報告書(案)、本日の時点では出ていない実績数字などもございますが、それはまた次回以降、報告をさせていただくということにいたしまして、(案)を機構の方からお示しいただき、委員の方にごらんいただくということでございます。
 その上で、委員の御意見を反映できるものをできるだけ反映して、機構の方からは実績報告書の最終版を今月末に仕上げていただきまして、7月の部会での御審議、現在7月15日と7月28日のお時間を調整させていただいておりますが、こちらの御審議で7月中に評価をまとめるという考え方でございます。
 平成22年度の評価につきましての厚生労働省の事務方のたたき台の(案)というのは、次回御提出をさせていただくということを予定しております。
 それでは、よろしくお願い申し上げます。

○本田部会長
 それでは、日本年金機構の平成22年度業務実績報告書につきまして、まず日本年金機構より御説明をお願いいたしたいと思います。
 また、その説明に至りましては、これまで委員から何かといろいろな御指摘等もございましたので、それも踏まえながら御説明をお願いいたしたいと思います。
 なお、委員の皆さんへのお願いですが、大変分厚い資料になっておりますので、一通り説明いただいた後、内容が多岐にわたりますので、質疑に当たりましては分けてやりたいと思います。
 とりあえずは、一応一通り全部御説明いただくことにさせていただきます。
 それでは、日本年金機構より、よろしくお願いいたします。

○日本年金機構理事長
 順を追って御説明させていただく前に、私の方から、主に初めの部分のまとめを申し述べさせていただきたいと存じます。
 1ページ目でございます。
 本日は、私どもの方から、機構の活動に関する実績の評価を御説明いただく機会をいただきまして、御礼を申し上げます。
 こちらにございますように、まさに機構は公的年金制度の信頼回復のための組織ということでございまして、第2段落目と第3段落目にございますように、基本理念を5つ掲げて、かつ4つの運営方針を掲げまして、昨年から運営をしてまいったわけでございますけれども、22年度、実質的には私どもは第1年度目ととらえておりますが、ここにあります理念や運営方針を実現するためのさまざまな内部の仕組みをきちんとつくり上げ、活動をきちんと実践できるような仕掛けをつくる、そこに重点を置いたつもりでございます。
 言うまでもなく、22年度の大きな目標の柱は、記録の回復及びサービスの向上という点にあったと考えておりますけれども、そのためにどういう運営の体制をつくるかというところに力点を置いたつもりでございます。
 実質的に1年目でございましたから、特に大きな制度改革がありました本部、ブロック本部及びブロック本部と事務所、更に事務所と事務センター、それぞれの間のつなぎのところどころが悪かったり、あるいはどういう業務をしていったらいいのか、それぞれの部門の人たちが十分に認識していなかったような事態も生じてまいりました。
 その混乱を回避しながら、この2つの問題に取り組んできたのが22年度であったと思います。
 全体的に申し上げますと、22年度当初に掲げた目標は、さまざまな項目がございます。
 1ページ目の前に計画の概要を柱立てしてございます。
 本日はこの中で、これを多少くくり分けしまして、23の評価をさせていただいておりますけれども、23の項目の中には、非常に成果の悪いものもございますが、全体的に見れば、それなりの成果が上がった部分もあるのかなと評価いたしております。
 特に記録問題における各種送付便の回答処理は特別に難航であると。
 その問題につきましては、かなりの実績を上げてきております。
 勿論、まだ問題は残っておりますが、相応の成果を上げてきたものもの多々あるのかなと思っております。
 更に、サービスの向上という面では、いろいろな仕掛けをつくってまいりました。
 特にお客様のお声をどうやって吸い上げるか、あるいは職員の改善提案をどうやって吸い上げるか、それが機構の中できちんとお客様に返せるような仕掛けをどうやってつくるか、そこに痛心をいたした次第であります。
 具体的には、文書は非常にたくさんのものがございますけれども、その内容をどうやってわかりやすい形にするか、お客様のモニター会議であるとか、あるいは職員からの提案を受け止めるための職員の改善提案の制度であるとか、いろいろな仕掛けをつくってまいりました。
 そういう意味で取り組んだ項目は、かなりたくさん広範囲にわたってきておりまして、それなりのパフォーマンスは実践してきたかと存じます。
 ただし、1ページ目の一番下の段落でございますが、ガバナンスの問題、内部統制の問題がございます。
 コンプライアンスの上で幾つかの問題が出ました。
 これは制度運用の仕組みというよりも、私ども職員の意識の問題に多々根因があると思っております。
 2ページ目の第2段落にも書いてございますけれども、組織の目標を実現するという面で、先ほどの5つの理念や運用方針という問題でございますが、まだまだ成果を上げていない部分がございまして、ここにまだ一歩を踏み出したばかりの段階という評価をしておりますが、これから改革に取り組まなければいけないものも多々ございます。
 そのために、今年の1月からでございますが、22年度の中途になりますが、組織風土の改革にもう一段取り組もうという位置づけをさせていただいております。
 特に中間管理職の人たちの意識改革をどうやって徹底するか。
 そこに今までも、あるいはこれからも力を入れなければいけないと思っておりまして、この部分には多分に反省をしなければいけない要素が多く残っていると考えております。
 そういう意味で、23年1月でございますが、サービス向上の攻めの年、併せて組織風土改革の元年という位置づけをさせていただいているところでございます。
 震災対応でございますけれども、3月11日に勃発いたしましたが、その日に災害対策本部を立ち上げました。
 先週まで30回、この本部を開催してまいりました。
 被災地に対して人的、物的あるいはほかの面での支援もしてまいりまして、それなりの落ち着きを今現在、事務所、事務センターでは見せてきているのではないかと思っております。
 まだここも対応が必要かと存じますけれども、この面でそれなりの対応に努めてまいった次第でございます。
 ごく大ざっぱでございますが、最初のごあいさつにさせていただきます。
 引き続いて、3ページ以下、要点を絞って御説明させていただきたいと存じます。

○日本年金機構経営企画グループ長
 後ろから失礼いたします。
 経営企画グループ長の長田でございます。
 3ページ以下の御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、説明に入らせていただく前に、この全体構成に関しまして、若干御説明をさせていただきます。
 昨年に引き続きまして、不十分な点はあろうかと思いますが、用語解説でございますとか、丁寧な説明、あるいは図表の活用などによりまして、できる限りわかりやすい内容とするよう心がけたつもりでございます。
 また、この実績報告書の見方というか、構成でございますけれども、左側に22年度計画の内容を記載しておりまして、それに対する形で右側の欄に22年度の実績の内容を記載させていただいております。
 また、厚生労働省から示された全部で23の評価項目というものがございますので、その評価項目の単位のくくりごとに、一通り実績の説明の後に、自己評価欄を位置づけまして、点線囲いをした部分になっておりますが、自己評価を記載させていただいております。
 また、冒頭、厚生労働省の方からもお話がございましたが、一部まだ数字が確定をしておらない部分がございますので、Pと記載をしているものとか、○○という形で数字がプランクになっているものが、本日時点のものとしてはございますことにつきまして、あらかじめ御容赦いただきたいと思います。
 それでは、説明に入らせていただきたいと思いますが、何分100ページ以上にわたる大部なものとなっておりまして、限られた時間の中で相当ポイントを絞った御説明となろうかと思いますので、少々思い切って説明を省略させていただく事項も出てこようかと思います。
 あらかじめ御容赦をいただきまして、説明後の質疑、審議の中で必要に応じ、補足をさせていただければと思っております。
 また、今後評価につきましては、我々は御審議をいただく立場でございますので、本日はあくまでも自己評価の内容というよりは、実績報告部分を中心に御説明をさせていただきたいと思っております。
 早速、まず3ページ以下、大きなくくりの年金記録問題の関係でございます。
 記録問題につきましては、3ページの最初に記載をしてございますとおり、とにかく定期便、特別便の処理を始めといたしまして、さまざまな記録問題解決のための取組みを進めてきております。
 これをいかに計画的に進捗管理をしながらやっていくかということが最大の課題ということで、記録問題の工程表というものを昨年3月に策定いたしまして、22年度に取組みをスタートさせております。
 おかげさまで、この記録問題工程表に基づく取組みにつきましては、おおむね計画どおりの処理を達成できたと認識をしております。
 その他、いろいろさまざまな取組みをしておりますが、5,000万件のいわゆる未統合記録がどうなったかというところの終着点は、13、14ページに資料を付けてございます。
 18年6月時点で5,095万件あった未統合記録につきましては、統合済みの記録が1,563万件、他方で、今後更に解明を進める記録、言わば現時点で手がかりのない記録が976万件ということで、20%弱というラインまできております。
 これを単年度の状況で見ますと、14ページでございます。
 一番上の基礎年金番号統合済みの記録は、1年間では160万件増え、今後解明を進めるべき記録が19万件減少ということで、正直申しまして、この記録問題の解明状況につきましては、現行の取組みとしては岩盤に突き当たっているような側面がございますので、1年間の変化率という意味では、それほど大きな、劇的な差ということにはなっておりませんけれども、定められた事項については着実な実施ができたかなと考えております。
 15ページは、紙台帳とコンピュータ記録の突合せの関係でございます。
 言わばこの5,000万件の解明のさらなる解明の手だてということで、この紙台帳とコンピュータ記録の突合せということに精力を上げて取り組んでいるわけでございますが、本件につきましては、一応22年10月から突合せの開始。
 現時点におきましては、全国29拠点の突合センターにおきまして、高齢の受給者の紙台帳等から優先して突合せを実証しているという状況でございます。
 また、本事業は、15ページの最後の○のところでございますけれども、費用対効果を含めて検証をし、その上で今後の実施方針を検討していくということになってございまして、この22年度におきましては、12月に厚生年金、船員保険に関するサンプル調査を実施し、公表しております。
 その結果につきましては、15~16ページにかけてございますが、年齢階層が高いほど不一致率が高いといった結果が出ております。
 また、22年度中の取組みではございませんが、23年度に入りまして、国年関係のサンプル調査等も実施をしておりまして、その結果も踏まえて、今後の対応を厚生労働省において検討いただくということになってございます。
 なお、紙台帳とコンピュータ記録の突合せに関しましては、16ページの自己評価欄にも記載しておりますとおり、入札に当たりまして、情報漏えいするという大変遺憾な事案が発生をしております。
 ただ、事業の実績というところに関しましては、おおむね当初のつまずきをリカバリーいたしまして、当初想定に近い審査は終了できたと思っております。
 そういう意味で、評価はBとさせていただきました。
 ただ、コンプライアンス上のコンプライアンス上の問題として、別途評価をさせていただいているということでございます。
 17ページ、記録問題の大きなくくりの3つ目、再裁定の関係でございます。
 こちらにつきましては、3つのパーツの表がございますが、とにかくかなり滞留をしていた未処理案件の体制を強化して取り組んでまいりましたということで、この1年間の変化を見ていただきますと、いずれも未処理件数は相当大幅に減をすることができたと思っております。
 また、上2つの事項につきましては、記録問題工程表で設定をした処理目標期間というものを上回る迅速な処理ができたと考えております。
 最後の3つ目の再裁定後の時効特例給付の関係につきましても、残念ながら、記録工程表の処理目標期間は上回ることができませんでしたが、何分、未処理案件が相当多くございましたが、この部分が相当程度減少することができたのかなと考えております。
 19ページ以下が、記録問題のその他の諸事項でございます。
 できるだけ迅速な救済ということで、年金記録確認等第三者委員会に送付することなく、年金事務所段階で記録回復を進めるということで、記録回復基準というものを設けて、処理の迅速化を図っておるわけでございますが、これにつきましては、昨年の当評価部会でも御指摘がございましたが、電話調査でこの回復基準というものは十分窓口で周知、認識がされていないのではないかという御指摘をいただきました。
 そういったことを踏まえまして、記録回復基準についての研修会、あるいは認識点検テストの実施等を通じまして、職員へのさらなる周知徹底に取り組んでまいっております。
 20ページは、国民の皆様に年金記録が常に確認できる仕組みの構築ということで「ねんきんネット」サービスというものを開始しようということで、22年度は取り組んでまいりまして、これにつきましては、予定どおり、本年2月末からサービスを開始ということでスタートしております。
 なお、利用状況でございますが、参考1のIDパスワード発行件数をごらんいただきますと、いわゆる旧来のサービス、これは4月~2月でございますが、おおむね11か月で9万4,000件の発行ということに対しまして、2月末からのおおよそ1か月で5万1,000件という発行件数の状況になっておりますので、「ねんきんネット」サービスの開始によりまして、こういったIDパスワード発行というものがかなり順調に伸びているのかなと考えております。
 また、このネットサービスにつきましては、引き続き、23年秋に向けまして、さらなる機能追加に向けた新開発に着手をしている状況でございます。
 23ページは、いわゆる基礎年金番号の重複付番の解消の取組みでございます。
 これにつきましては、1つ目にございますように、氏名、性別、生年月日、住所のいわゆる4情報というものを機械的に一致するものを抽出して、同一の調査を行うということを通じまして、この重複付番の解消に努めてきております。
 参考2の数字にございますように、こういったいわゆる抽出調査というものを最初に行った段階では、7.8万人という相当程度の数が存在しておりましたが、直近23年2月には3,016人と、昨年同期比としましても340人減ということで、着実な減少を図りつつあると考えております。
 以上が年金記録問題の関係でございます。
 続きまして、27ページ以下が、提供するサービスその他業務の質の向上に関する事項ということで、いわゆる国民年金の適用収納、あるいは厚生年金適用徴収、年金相談、サービスといった、当日本年金機構の基幹業務に関わる部分でございます。
 そのうち、まず国民年金の適用の関係でございますが、27ページの1つ目の○にございますように、いわゆる住基ネットを活用しての20歳到達者をきちんと把握し、届出勧奨をした上で、なお届出がない方につきましては、従来は職権適用という言い方をしておりますが、年金手帳を送付して、資格取得手続を確実に行っているところでございます。
 また、3つ目の○でございますが、市町村連携の関係につきましては、ここに掲げましたような年金被保険者情報の活用事業への協力ですとか、「かけはし」という名前を付けておりますが、昨年の夏から2か月に1回、市町村情報誌ということで発行いたしまして、市区町村に定期的な情報提供を実施しております。
 3号問題につきましては、その下にございますけれども、御案内のとおり、3月8日付で廃止をされたということでございます。
 29ページは、厚生年金の適用業務の関係でございます。
 厚生年金の適用対策につきましては、冒頭にございますように、機構全体及び年金事務所ごとに行動計画を策定するということです。
 具体的に、例えば事業所調査を年間何回やるとか、重点的加入指導を何回やるといったことを事務所ごとに策定し、それを積み上げて進捗管理をするといったことで取り組んでまいっております。
 その実施状況でございますが、33ページに整理をしております。
 重点的加入指導につきましては、当初の目標に対しまして、実績率175.3%、事業所調査件数につきましても164.2%ということで、それ相応に実績を上げることができたなと思っております。
 なお、中ほどの立入検査は低い数字になっております。
 立入検査というのは、当然ながら一定の調査を行い、あるいは重点的加入指導という一連のプロセスを経た後に、初めてこの立入調査を必要に応じて対応するということで、加入指導の開始時期が少し遅れたということもございまして、立入検査の数といたしましては、少し低位な数字になっておりますが、そのような事情によるというものでございます。
 また、実際にこういった取組みを行って、結果どれだけ結び付いたかということが、当然ながら肝心な部分であるわけでございますが、34ページでございます。
 この表のうち、下から3つ目「適用対策を講じた結果、適用した事業所数」という欄がございます。
 申し訳ございません、この数字が22年度の確定数値ではございませんが、4,700程度ということで、21年度の2,567事業所をかなり大きく上回って、一定の成果に結びつけることができたかなと思ってございます。
 ただ、中期計画を通じての目標といたしましては、記録問題が起こる前の18年度実績並みの水準は目指そうというのが中期計画期間中の目標でございます。
 ごらんいただきましたように、18年度の実績は1万883件ということでございますので、なおこの水準の目標に向かって、引き続き努力が必要であろうとは認識をしているところでございます。
 恐縮でございますが、29ページにお戻りいただきまして、未適用事業所の数がどうなっているかということでございます。
 こちらはまだ確定数字が出ておらない状況でございますので、次回に報告をしたいと思っておりますが、括弧書きで書いてございますように、現在、厚生年金と雇用保険の適用事業所前数の突合作業を行っています。
 もともとこれまで旧社会保険庁以来公表してまいりましたが、未適用事業所数は十数万事業所というのが、そもそも実態を反映しているのかということはかねてから御指摘をいただいておりましたが、そこのより的確な把握ということで、このような取組みを進めておりますので、次年度の報告の際には、その結果、潜在的なものが把握をされたという意味において、数字が少し大きくなる可能性があり得ますので、その点はお含みおきをいただければと考えております。
 次は、35ページまで飛んでいただきまして、国民年金保険料の納付率の関係でございます。
 国年納付の数値目標が全部で5つございまして、ちょうど35~36ページにかけての左側の欄にア、イ、ウ、エと書いてある部分でございます。
 まず1つは、御案内のとおり、国民年金保険料というのは、当該年度以降2年間納付ができるということになっておりますので、2年間で収納の努力ができるわけでございます。
 2年前の20年度分の最終納付率というものを、言わば当年度から4、5ポイント何とか上積みをするというのが1つ。
 イは、21年度分の保険料につきましては1年分でございますので、この1年の間に2、3ポイントぐらい上積みをする。
 ウは、平成22年度の減年度納付率を前年度と同等水準を確保する。
 エは、口座振替実施率も前年度と同等以上の水準を確保する。
 オは、コンビニとかクレジットによる納付件数というものを前年度同等以上の水準を確保する。
 この5つの数値目標を設定しておるわけでございますが、このうちアとイ、いわゆる過年度の納付率の積み上げにつきましては、目標が達成できたという状況になっているところです。
 他方、減年度納付率の関係につきましては、36ページの2つ目の○のところでございます。
 この前半部分が過年度納付率のことを書いておりますが、最後「しかしながら」ということで、22年度、直近の減年度納付率は58.7%でございまして、対前年同期を下回る状況でございます。
 なお、3月末となっておりますが、3月末現在は23年2月分までの保険料の納付状況の数値ということになっておりますので、いわゆる22年度全体の納付率というのは3月分、すなわち4月末現在の状況を待って、初めて22年度の納付率になるということでございまして、この数字につきましては、4月の公表に向けまして数字のとりまとめ作業中でございますので、3月末となっていますが、これが22年度の納付率ということではございませんということは御留意をいただければと思っております。
 口座振替の関係につきましては、そのすぐ下にございます。
 0.3ポイントと若干下回るという状況。
また、コンビニ、クレジット納付等の関係につきましては、37ページのところでございますけれども、全体数を上回るということで、こちらにつきましては目標を達成するといった状況になっております。
 済みません、数字的なことだけを先に申し上げましたが、35ページにお戻りをいただきまして、3つ目の○の部分でございます。
 今、国民年金の納付対策は、御案内のとおり、高所得者等に対します強制徴収、中所得層に対する納付勧奨、そして低所得層に対する免除勧奨ということが大きな柱になっているわけでございますが、そのうちの納付勧奨、免除対策という部分につきまして、昨年10月から、全面的に市場化テストによる外部委託により実施をしているという状況になっております。
 ここに書いてございますとおり、市場化テスト導入によりまして、コストは相当程度削減されておりますが、実際のいわゆる業者に求める要求水準未達成の状況ということで、その実績は低迷をしているという状況にございます。
 このため、まず22年10月から委託を開始した事業につきましては、ここに書いております入札方式の見直しを行いまして、できる限り取組みの技術評価というものを遵守した入札方式に変更する。
 また、21年10月開始分につきましては、法律に基づく業務改善計画というものを提出いたしまして、受託業者からの改善状況を提出させるといったことで、いわゆる業者任せにならないような形でのグリップというものに、現在努力をしているという状況でございます。
 少し飛びまして、45ページでございます。
 厚生年金等の徴収対策の関係でございます。
 厚生年金の徴収対策等につきましても、機構全体及び事務所ごとの行動計画というものを策定して、それに基づく取組みを実施しております。
 滞納事業所に対する対応、差押え件数につきましては、かなり積極的に対応して、21年度の差押え件数を上回る実績を上げておりますが、全体としての滞納事業所数につきましては、新規滞納事業者は発生増加ということで、年度当初を若干上回るという状況になっております。
 また、国税庁への委任の関係でございますけれども、ここに書いてございますように、年金事務所における委託候補の選定、あるいは最終催告書の送付などの取組みを行いましたが、22年度中に国税庁委任に至った案件はないという状況でございます。
 4つ目のところでございますが、22年度計画の目標にもなっております口座振替の実施率につきましては、まだ確定数字ではございませんが、定年度実績を上回る見込みということで、目標は達成できる見通しでございます。
 収納率は、直接的には22年度計画そのものの目標にはなってございませんが、行動計画上は前年度の収納率を上回るという目標を掲げてございます。
 こちらにつきましては、まだ数字を精査中でございますが、全体としては若干下回る見通し。
 ただし、例の震災によりまして、保険料納付期限の延長ということも影響を受けてございますので、その影響を除いた実質的な納付率につきましては、ほぼ前年度並みの水準となる見通しでございます。
 以上が厚生年金の徴収の関係でございます。
 50ページに飛んでいただきまして、年金給付の関係でございます。
 年金給付につきましては、サービススタンダードということで、書類をお受けしてから、実際に年金をお支払いするまでのサービスの目標期間、標準処理期間をサービススタンダードという形で定めております。
 そのサービススタンダードの達成状況をまとめたものが、51ページの表でございます。
 基本的には、この中期計画期間中、このサービススタンダード達成率というものを着実に前年度から上回るような形で右肩上がりにして、中期計画の最終年度には90%ラインに持っていくというのが中期計画全体としての目標になっておりますが、いろいろな給付の種別でございますとか、加入状況の再確認を要する、要しないによって幾つかのパターンがございます。
 括弧書きが前年度の実績で、括弧が付いていないものが22年度の実績でございますが、前年度を上回ったもの、上回っていないものさまざまでございますが、一番件数の多い全体の4分の3を占めております老齢厚生年金につきましては、一応昨年度の実績を上回ることができております。
 他方、これも昨年の評価部会でも御指摘をいただきました障害厚生年金につきましては、昨年10%から、更に7.7%ということで、大変低い達成率の状況となってございます。
 ここにつきましては、50ページにも記載させていただきましたとおり、昨年の年度当初には、職員を大幅に増員いたしまして、計画的な言わばたまり分の処理というものを行ってきておりまして、22年5月末にやりました処理件数を年度末時点で大体半減させているという状況でございますが、54ページをごらんいただきまして、22年度の月ごとのサービススタンダードの状況をお示ししております。
 サービススタンダードの構造といたしまして、一旦書類が滞留をいたしますと、当然その滞留分から、順次言わば山を崩して処理をしていくことになりますので、どうしても新規受付分につきましては、着手してから処理完了するまでという通常のサイクルになったといたしましても、山崩しができるまでの間はずっとサービススタンダードが達成できないという構造的な状況を抱えておりますので、そういう意味でずっと低飛行を続けているような状況でございますが、例えば22年6月末の平均所要日数を見ていただきますと、これがピークでございますが213.5日かかっております。
 これは年度末の23年3月末時点で173.5日ということで、40日ぐらい短縮を図っておりまして、もともと言わばマイナスからのスタートだったわけでございますが、山崩しとしては一定の成果を上げることができたのかなと思っております。
 このペースで改善に努め、23年度中には何とか正常化できる見通しを持っておるという状況でございます。
 サービススタンダードの関係は、以上でございます。
 52ページは、所在不明高齢者問題への対応につきましては、現況報告書を34万人に送付いたしまして、2月定期の時点で572人の差止めを行うという対応を行っているところでございます。
 57ページは、年金相談の関係でございます。
 こちらにつきましては、勿論、年金相談の質の向上等ももとよりでございますけれども、大きな目標といたしましては、年金相談の待ち時間、お客様への約束10か条というのも掲げておりますが、通常期30分、混雑期でも1時間はお待たせをしないということ。
 それから、コールセンターの応答率というものを毎年毎年改善を図り、中期計画の最終年度には70%ラインに持ってくるといったようなものが大きな目標でございます。
 この事務所の待ち時間が実際22年度はどうなったかというのが、62ページでございます。
 ここに月次の推移を載せておりますが、一昨年度、機構発足の3か月といいますのは、上段にございますように、1時間以上の待ち時間の年金事務所は98か所、68か所、45か所といったような状況からスタートしたわけでございますが、22年度は、4月はまだ28か所ということでございましたが、5月以降は一けたの事務所数ということで、年間を通じて4か所ぐらいという状況に改善をしてきております。
 なお、下に相談件数という数を入れておりまして、前回これも御指摘をいただきましたように、いわゆる団塊の世代の相談が一息をついたということで、相談件数そのものが落ち着いてきているということもございます。
 この相談件数が減ったということで、一見この待ち時間が減ったということは当たり前ではないかという味方もあろうかと思いますが、例えばでございますが、21年9月に58万件ぐらいの相談件数に対しまして、39か所の1時間以上の待ち時間。
 同じようなレベルの相談件数が22年3月にございますが、同じく58万件に対しまして、1時間以上の待ち時間はゼロか所といった状況でございますので、単に相談件数の減というだけではない効果はあったのかなと思っております。
 特に待ち時間対策で力を注ぎましたのが、57ページに戻ってまいりますが、相談担当者のスキルアップでございますとか、管理運営マニュアルというものを制定いたしまして、できるだけ相談者の属性に応じた効果的な相談をやろうということで、窓口仕分けというものを実施いたしておりまして、そういった効果も併せ、このような実績になっているのかなと考えております。
 また、コールセンターの関係でございますが、63ページに応答率の推移をお示ししております。
 全体を通じていいますと、21年度の44.3%から57.1%ということで、改善をしております。
 また、応答率を見ていただくと一見してわかりますとおり、大量の文書発送があった月にどうしても問い合わせが集中するということで、かなり月ごとの応答率のばらつきがございますが、これにつきましては、特にそういった問い合わせが多くなる時期にオペレーターの増席を行う対応を行うとか、そもそも御案内する文書そのものがわかりやすければ、こういった問い合わせ件数が減るということにもつながってまいりますので、そういった努力なども行ってきているといった状況でございます。
 72ページ以下、お客様サービスの向上の関係の取組みでございます。
 冒頭、理事長の紀陸からも御説明をいたしましたとおり、特に力を入れてきたものの1つが、わかりやすい文書の作成ということでございまして、ここは旧社会保険庁と大きく異なった点だと思っております。
 従来の組織では、こういった文書も担当者任せで、その文書の重要性というものを組織として十分用意できていなかったかなと思っておりますが、ここに書いてございますように、内部的にはお客様向け文書審査チーム、外部には一般の御視点からいろいろな御指摘をいただく文書モニター会議というものを定期的に開催をし、高いレベルで内部的にも文書の審査チェックというものを行って、順次計画的に文書の改善に取り組んできておるところでございます。
 また、さまざまな形でお客様の声というものを把握、吸収していくということで、意見箱の設置でございますとか、お客様モニター会議の開催などに取り組んでまいりましたし、また、74ページでございますけれども、職員提案制度、身近な業務改善の取組、あるいはサービス・業務改善コンテストといった取組みを行っております。
 職員提案制度につきましては、旧来の社会保険庁組織でも存在はしていた仕組みではございますが、従来は提案された内容をきちんとフィードバックができていないという状況でございましたが、機構になって以降、こういった提案をきちんとすべて評価をし、フィードバックをするということの徹底を図り、実際にその結果、一定の事項につきまして、サービス改善なり、業務改善に結びつけることができておる状況でございます。
 また、75ページは、なかなかお客様からいただく要望、声の中でも、制度に関するものというのは相当程度ございます。
 そういったものにつきましては、年金局には情報提供をしておりますが、単に横流しをするというだけではなく、機構としてお客様の声を踏まえて、あるべき制度改善要望ということをとりまとめして、提出をさせていただいております。
 また、こういったサービスの状況の把握を計測するために、お客様満足アンケート調査の実施でございますとか、76ページにございますように、民間業者による覆面調査、いわゆるミシュランの調査なども実施をしております。
 なお、この結果につきましては、現在集計中でございまして、とりまとめ次第、公表の予定としておるところでございます。
 85ページ以下で、業務運営の効率化に関する事項でございます。
 ここにつきましては、冒頭に記載をしておりますとおり、業務改善工程表というものを昨年4月に策定をしております。
 当然ながら、私どもはさまざまな業務運営上の課題を抱えておりますが、そういった事項につきまして、従来の組織では何となく現場から上がった声も、言わば上げた切りで、本庁の側もそれを組織的に受け止めるということが不十分でございました。
 これを今回、業務改善工程表という形で、現場からの改善提案、その他もろもろいろんなものを受けまして、きちんと組織として共有すべき課題を明確にするとともに、その対策につきましてきちんとスケジュール管理をしていくというベースになる業務改善工程表を策定したというのが非常に大きなタイプではなかったかなと思っております。
 また、事務処理誤りにつきましても同様に、職員の改善提案、あるいは特別監査などの結果も踏まえまして、再発防止策というものをとりまとめて、順次取組みを行っているところでございます。
 この中にはシステム改善に関わる事項なども含んでおるところでございます。
 88ページは、業務運営の効率化に関する事項でございます。
 3つ目、4つ目にそれぞれ一般管理費、業務経費の執行状況をお示ししております。
 昨年も議論がございましたが、要は執行残の要素というものが、事業を実施しなかったことによる減の部分、実際に入札だとか、さまざまな工夫によってコスト減をした要素を分けて整理するようにという御指示がございましたが、そのような書き分けをしております。
 ごらんいただいたとおりですが、例えば業務経費につきましては、いわゆる効率化による減が約260億、当初予算に対して14.6%減といった状況になってございます。
 駆け足で恐縮でございますが、92ページでございます。
 オンラインシステムの関係につきましては、いわゆる基本設計の保管工程に関する調達の見直し等の作業ということで「また」以下に書いてございますが、3つの業務についての調達を行っております。
 いずれも社会保険オンラインシステムとしては、厚生労働省の持ち物という整理になっておりますので、厚生労働省が契約主体となってございます。
 このうちの○2の業務につきまして、3つ目の○に書いてございますように、業者の履行能力が十分でないということで、契約の解除という事態に至ってございます。
 そういう意味におきまして、事業の進捗が十分図れなかったということがございます。
 95ページは、業務運営の効率化の関係でございます。
 契約関係の効率化でございます。
 競争入札の割合を80%以上、あるいは調達額を調達計画額に対して10%削減するという目標につきましては、表に記載のとおり、いずれもその目標を達成するといった状況でございます。
 なお、96ページの2つ目の○でございますけれども、紙台帳とコンピュータ記録の入札事案の反省を踏まえまして、事業者との接触に関するルールづくりといったようなことに取り組んでございます。
 最後、97ページ以下、内部統制の関係でございます。
 いろいろ計画上はコンプライアンス意識の徹底であるとか、そういったことを掲げておりますが、やはりこういった結局内部統制の仕組みというものを機構発足当初、いろんな形で整備をいたしてまいりましたが、それが機能するためには、やはり風通しのいい、透明性のある組織であるということは非常に重要だろうと考えております。
 そういったことから、組織風土改革というものは先ほど理事長からの説明をさせていただきましたが、そういった取組みを進めております。
済みません、2つ目、平成22年と書いて、22年の間違いでございますが、組織風土改革実践プロジェクトチームといったプロジェクトチームを設けて、さまざまな風通しのいい組織づくりに向けた取組みなどに取り組んでいるといったところでございます。
コンプライアンスの確保等の関係につきましては、97~98ページにかけてございますようなさまざまな機会をとらえての研修等を行っておりますが、御案内のとおり、残念ながら幾つかのコンプライアンス事案というものが発生をしているという状況でございます。意識啓発をしっかりやっていくことは当然重要なことでございますけれども、不正というものは一定起こり得るという前提の下で、内部牽制を働かせることが重要であろうと思っております。
 幾つか見られた事案は、やはり俗人的に処理をしているというケースが大変多くございましたので、そういった仕組みとしてきちんとチェックができる仕組みをつくる。
 そして、その仕組みがきちんと機能しているかということを内部監査できちんとチェックしていくといったことが重要ではないかと考えて、そのような形で取り組んでいるという状況でございます。
 なお、コンプライアンスの再発防止につきましては、99ページの下の○にございますように、例の入札事案を踏まえて、第三者検証会議というものを設けまして、再発防止策の提言をいただき、それに基づくアクションプランの取組みなどを実施しているという状況でございます。
 また、事務処理誤りの関係でございますが、100ページでございます。
 上から4つ目の○のところでございますが、事務処理誤りの再発防止のためのきちんとした分析管理を行うための基盤となるデータベース化が重要であろうということで、そのデータベース化に向けた基本計画書の策定に取り組んでおります。
 なお、なかなか事務処理誤りの公表件数につきましては、発生時期をとらえるのが難しい面がございますので、なかなか比較ができにくい面がございますが、なお多くの件数が発生をしているという状況には違いございませんので、なおこの点については一層の努力が必要だと考えております。
 内部監査につきましは、先ほど言いましたように、きちんと内部監査をし、その状況をチェックすることが重要であるという認識をしておりまして、細部は省略をいたしますが、102ページの2つ目の○でございますが、とにかく是正状況をしつこくフォローするということで、まず1か月に改善状況の報告をいただき、報告を提出させる。
 その時点で確認できない場合には、3か月ごとに改善状況を追いかけていくというサイクルを確立しております。
 執務対応の関係につきましては、システム再構築工程表というものを策定し、言わば業者の言いなりにならない一定の業者とのやりとりができるような力をつけていこうということで、システム内製化を取り組んでいるという状況でございます。
 106ページ、情報公開につきましては、昨年秋の評価部会でも御報告をさせていただきましたが、初めての試みといたしましてアニュアルレポートといったものの発行に取り組んで、一定の評価をいただけたのかなと思っております。
 また、視覚障害者の方への配慮ということで、音声版などの作成、公表などもしております。
 109ページ、人事、人材育成の関係でございます。
 冒頭にございますように、全国異動を行いながら、さまざまな業務を経験してキャリア形成をしていくというキャリア形成のパターンというものを昨年末にとりまとめております。
 ただ、この1年3か月といいますのは、機構を立ち上げの基盤整備の時期ということもございましたので、このルールに基づく本格的な人事異動というのは、今年の秋に予定をしておるところでございます。
 また、いわゆる有期雇用職員からの正規登用制度というものを導入いたしまして、実際7月の時点で120人ぐらい登用の予定となっております。
 111ページ、人材育成でございますが、特に力を入れましたのは、当然ながら、階層別研修なり、業務研修ということを体系的にやっていくというのはもとよりでございますけれども、中間管理職の意識啓発といいますか、やはりマネジメント能力の向上というものが大変な課題ということでございますので、管理者研修というものをプログラムの策定、モデル実習などに取り組んでいるところでございまして、今年度も重点課題としていくところでございます。
 最後、個人情報の関係でございますけれども、116~117ページにかけてございます。
 こちらにつきましても、管理職員が個人情報の漏えいをするといった事案が発生しております。
 これも牽制効果が働いていなかったということでございまして、管理職のチェック内容を他の職員がチェックをする仕組みの導入。
 また、そもそものインフラ整備といたしまして、保管庫や机の施錠の対応などに取り組んできたといった状況でございます。
 最後119ページでございますが、業務ごとの予算の執行状況というものをとりまとめております。
 駆け足で、かつ、長い説明になりまして、恐縮でございます。
 以上でございます。

○本田部会長
 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明内容につきましては、かなり膨大でございますけれども、まず資料の1~26ページまでの「はじめに」及び「年金記録問題への対応に関する事項」の2つにつきまして、御質問なり御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 岩瀬委員、どうぞ。

○岩瀬委員
 「はじめに」の部分で、理事長のお話をお伺いしていまして、非常にわかりにくいという感じを持ちました。
 全体的にこんな方針を立てたということの御説明があって、その後に業務実績の結果を、こういうことをやってきたんだということの関連性はあるとは思うんですけれども、目標を立てた後、それぞれのやるべき業務の柱において、方針を立てただけではなく、どんな具体的な数値目標を立てて、それに取り組んだのかということをもう少し説明していただかないと、この資料だけだとすごくわかりにくい気がします。
 だから、初めの部分で、今年はこういう方針でやりますと、それに当たって、それぞれの柱においてどういう数値目標を立てて、どう取り組んだのか、その際に、達成できたものはいいとしても、達成できなかったものに対して、やはりきちんとした反省総括をした上で、責任の所在がどこにあったのかということをきちんとしてほしいんです。
 これは責任があいまいだと、次に生きてこない気がしますので、なぜできなかったのかということと、どんなプロセスを経て改善に取り組んでいるのか、それとだれが責任があるのかということを、きちんとしていただきたい。
 それが一つお願いとしてあります。
 以上です。

○本田部会長
 ただいまの件について、何かございますか。
 どうぞ。

○日本年金機構理事長
 私の方からも説明が足らなかったと存じますが、1ページ目の真ん中の段落のところに「具体的には」という記述がございますが、この中で記録問題の工程表ですね、1つだけ掲げておりますが、このほかに具体的に年次の目標を実践し、かつ、改善の中身も含めて動かすために、工程表というものをつくっております。
 ここにある記録の工程表のほかに、業務改善工程表、先ほど少し御説明しましたけれどもシステムの再構築工程表、この中にどういう事柄を、だれが、どういうスケジュールで行うかを細かく、目標の数字だとか年次まで入れて掲げてございます。
 これは、特に去年から走らせておりますが、今年はもう一段、本当の意味で終わったものを後ろの方に送って、もう少し重点事項を絞って、実は機構の理事会の中でも重点事項を表に出して、その実現と責任を明らかにするという形で、一つひとつ掲げたものをクリアーするものをオープンにしていきたいと思っております。
 項目としては非常にたくさんございますが、その中でこれから更に取り組まなければいけないものを重点事項として再構築しまして、これはそれぞれの記録であり、業務改善であり、システムの再構築であり、今、先生から御指摘のあった点を明らかにしたものを随時整理して表に出していきたいと考えております。

○本田部会長
 どうぞ。

○岩瀬委員
 そういうものがあるのであれば、それをこの実績報告書の中に書いていただいた方がよろしいんではないかと思うんです。
 その都度その都度公表するということではなくて、1年間の結果報告なわけですから、この中の評価の中にAという評価を付けるのであれば、こういう工程表に基づいてやった結果Aであると。
 あるいはCと付いた場合は、なぜCと付いたのか反省総括をきちんとしていただいた上で、だれが責任者なのか。
 それは勿論担当理事の責任だと思いますけれども、だけれども担当理事だけの問題ではなくて現場が悪かったのか、中間管理職が悪かったのか、その辺もきちんと書いていただかないと、一般の国民の方はなかなかわかりにくいと思うので、そこら辺は是非やっていただけないかとお願いしておきたいと思います。

○日本年金機構理事長
 承りまして、また工夫を重ねてまいりたいと存じます。

○本田部会長
 ほか、何かございますか。
 長沼委員、どうぞ。

○長沼委員
 1点だけお伺いいたします。
 14ページの「未統合記録の解明」で、先程、「岩盤に突き当たっている」というお話がありました。
 「現時点で手がかりのない記録」、つまり「・今後解明を進め、一定の時点において開示等を検討する記録」(14ページ)が、976万件まで減少してきたという御説明でした。
 この「一定の時点」というのは、どの時点を指すのか。
 また、これは日本年金機構で判断するのか、それとも厚生労働省で判断するのか。
 記録されている厚生年金保険の年金手帳の記号番号について、氏名や、生年月日、住所を検索し、いろいろと調べたが、今の基礎年金番号となかなか統合が難しい状態になっているという意味合いで、「岩盤に突き当たっている」と認識している。
 従って、「一定の時点において開示」するというのは、どういう形で、開示するということなのか。
 先程述べたように、こういう理由で、今の基礎年金番号には統合できないということで、開示の理由とするのか。
 あわせて、最終的にそれを判断するのは、日本年金機構なのか、厚生労働省なのか、その点について教えていただきたい。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 少し全体的な説明もさせていただきたいと思いますが、記録問題のツールとして今やっていますのは、1つは紙とコンピュータの突合ということで、これをやっていく作業で、データの間違いもそうなんですが、未統合の記録が見つかってくるケースもございます。
 これにつきましては、当面、今、全力でフル稼働してやっていこうと思っています。
 ただ、今後、紙とコンピュータの突合問題をどういうふうにやっていくかというのは、ある意味ポリティカル・イシューでもありまして、今後の段取りについてはまた年金局からの指示を承ってやっていこうと思っています。
 あと、いろいろな特別便とか各種便につきましては、おおむね工程表どおり進んではきてございますけれども、まだ都市部を中心に受給者の方への、いわゆる受給者便というのは、まだ滞留がございますので、これもなるべく今年度できる限りやっていこうと思っています。
 その上で、なかなかそれ以上進まない面がありまして、それにつきましては、この資料の12ページをごらんいただきたいと思いますけれども、下の方で「『ねんきんネット』を通じた年金情報の提供」のところに○2がございます。
 「年金記録問題への活用」ということで、これは勿論年金局からの御指示を踏まえて、あるいは記録回復委員会というものがございまして、そこでの御検討も踏まえて今後取り組むことになろうと思いますが、そこにポツが2つございますが、下の方の「24年度以降、約5000万件の未統合記録」まだなかなかわからないものについて、このねんきんネットを活用しまして検索できるような準備を事務的には進めていきたいということを、今年度の目標にしておるところでございます。
 また、具体的にどういうやり方で、いつごろかということは、いろいろな年金局からの指示、あるいは年金記録回復委員会での御検討を踏まえてやっていきたいと思います。

○本田部会長
 長沼委員、只今の回答でわかりましたか。
 先ほどの長沼委員からの質問は、14ページの一番最後、「今後解明を進め、一定の時点において開示等を検討する記録」は976万件ありますと、この場合の一定の時点にどういう開示をするか。
 その判断は、機構でおやりになるんですか。
 それとも、厚労省の年金局でおやりになるんですか、といったご質問であったと思います。
 また、岩盤にぶつかってしまっているということでしたが、これをどうやって進めていくか、という質問だったと思います。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 今、申し上げましたように、具体的なツールとしては、ねんきんネットというツールを使うことになりますけれども、どの時点で、どのような開示の仕方をしていくかということは、まさに今後、年金局や記録回復委員会での御検討を踏まえて、それに従って対応していくということであります。

○本田部会長
 どうぞ。

○大山部会長代理
 言葉の勘違いがあるといけないので、確認させてください。
 今までの説明では、年金ネットは個人向けのサービスと聞いていました。
 今の件は、だれだかわからないから個人向けはできないので、ねんきんネットではなくて単なるネットでこういう方がいると出すのか、その辺のところがわかりにくかったと思うのですが、どちらなんですか。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 勿論、今後ねんきんネット自体のサービス面を、どういうふうに拡充していくかということは一つの課題だと思っておりまして、今のねんきんネットというのは個々人の方、自分の加入履歴ですとか納付記録を見るということで使っているんですが、今後このツールを使って、どこまで開示するかというのはあるんですが、例えば御自身なり、あるいは御自身の親御さんが、いつぐらいに、こういうところに勤めていたはずだけれども、そういうものがどこかに記録としてありますかというのをたたけば、どのぐらいあるのかとか、そういうものがわかるようなサービスを今後考えていこうということです。
 最終的には、勿論ネットだけではわかりませんので、そういう情報を基に年金事務所に来ていただいて、これはいろいろ直接お話しをお聞きして記録をさがしていくことになります。
 御自身は、そのころどこそこに勤めていたとおっしゃっても、例えば仙台市だけれども何とか地区ですかとか、どんな会社でしたかとか、いろいろ会話をして間違った記録を結び付けてはいけないわけですから、最終的には年金事務所でお話をしながら、今もやっておりますけれども、確認していくというプロセスが必要だと思います。
 その取りかかりとして、どんなものが、言わば未統合記録としてあるのかということがアクセスできやすいような、そういった仕組みを考えていきたいということです。

○本田部会長
 長沼委員、お願いします。

○長沼委員
 そうすると、ここでいう「一定の開示」というのは、忘れ物を預かっておくような場所にアクセスしてもらうというイメージなのでしょうか。
 私の昔の記録がありませんか、とか、私のお父さんの、あるいはおじさんの記録が、どこかに‘紛失届’が出ていませんか、ということで、「一定の開示」がされている場所に、「ねんきんネット」でアクセスする、「ねんきんネット」で探すというイメージですか。
 私のイメージでは、「ねんきんネット」というのは、いま、大山部会長代理からお話があったように、自分の記録を見て繰り上げ受給した場合、あるいは働きながら年金をもらおうとした場合、どの程度年金が支給停止になるのかを知ることができるツールというイメージでした。
 しかしながら、いま、お話を伺うと、ここでいう「一定の開示」という意味は、忘れ物一覧表のようなところに開示されて、そこにアクセスするというふうに理解されるのですが。

○日本年金機構記録問題対策部長
 記録問題対策部長です。
 まず、大山先生から御指摘いただきましたように、本来、ねんきんネットでなくても日本年金機構か厚生労働省のホームページで、5,000万件の記録あるいは976万件の記録はこういうものですという形で開示する方法があり得るんです。
 ただ、他人の記録を見ていくとなりますと、プライバシーやセキュリティの問題から、だれがどう見たかということをログとして残していく必要があるだろうと考えています。
 ねんきんネットではIDも確保できていますし、だれが見たかということもきちっと把握できる仕組みですから、これを使って、例えば私という人間の記録が976万件の中にあるかどうかについて、氏名と生年月日等の情報を入力して、その存否を開示したいというのが、今の我々の構想であります。
 ただ、実施時期に関しましては、やはり今、最後の手段としての紙台帳とコンピュータ記録の突き合わせというのを未統合記録についてもやっておりますので、この実施時期等を総合的勘案して、年金局の方で御判断いただくのかなと思っております。

○本田部会長
 どうぞ。

○長沼委員
 ただ、住所ですとか、氏名、生年月日、性別のいわゆる4情報の突合は、すでに、いろいろとやっていると思うんです。
 何もヒットしないものが、いま、「岩盤に突き当たっている」ものと認識している。
 そうすると、どこかの段階で、「岩盤に突き当たっている」記録というのは、ある意味で、これはなかなか見つからない年金記録です、という形で公表するのか、それとも、時効はない、永遠に探して究明に当たります、という意味で開示をするのか。

○日本年金機構記録問題対策部長
 恐らく両面あると思います。
 実際、976万件の中は、1つは、もしかしたら入力を間違えた可能性があるものがあるかもしれませんし、一部は御本人が事情があって名前とか生年月日を偽られたケースもあるかもしれません。
 そういう意味で言うと、やはり御自身が名前と生年月日を入れていただいて、それであるか、ないかを確かめていただくことが必要だろうと思っています。
 それが、今後いつでも確認できるというのが、このねんきんネットを活用した開示方式ではないかと思っております。
 期限を設けていつまでとか、これが最後ですというよりは、むしろいつでもそういうものを確認できるような形に残していくことが、一つの開示の方法ではないかと思っております。

○本田部会長
 よろしいですか。
 大山先生、どうぞ。

○大山部会長代理
 今のお話、まだすっと入ってこないので、意見を申し上げます。
 トライアルをいろいろ試みるのはいいと思いますが、まず用語をちゃんと定義することが必要です。
 ねんきんネットは、ねんきん通帳からずっと来ている流れで出てきた用語であったと記憶しています。
 私の理解がそうなっていたので、ねんきんネットで今回のような新たなサービスというと、何か全然違うもののように聞こえます。
 ですから、この辺は用語を明確にしていただきたいと思います。
 厚生労働省のホームページとの違いはID・パスワードという話であれば、ねんきんネット用のID・パスワードか、厚生労働省でもID・パスワードを使わないと閲覧できない情報であるというのか、その辺の違いも整理しておく方がいいと思います。
 今のお話は、あくまでも今後の話です。
 今回の評価には直接関係しない話と思っていいですね。
 そこも整理しておかないと、この先の心配は非常によくわかりますが、今日の話を超えていると思います。
 今度の計画か何かで出てくるということですか。

○日本年金機構記録問題対策部長
 まず、今年度、23年度は、5,000万件ではありませんけれども、国民年金の特殊台帳という記録が3,000万件ありまして、その中で5万件ほど死亡者の記録があります。
 この死亡者の記録について今年の10月、秋に、ねんきんネットにおいて開示する予定です。
 そして5,000万件の、今、御議論が出ましたテーマについては、来年度以降実施していくと考えております。
 では来年度なのか、再来年度になるのかについては、回復委員会なり厚生労働省の方からの指示を待ちたいと思っております。

○大山部会長代理
 次に私の質問をさせていただきます。
 15ページにあります紙コンの話ですが、これまでいろいろと御努力なさってきているのはわかります。
 しかしながら、以前に指摘があった電子的なデータの方に修正が加えられていて、紙の方はそこまで修正をしていなかったということについて、今回の場合どのようになさったのでしょうか。
 一応15ページですと4,093件と出ていますが、4,093件の話は、金額が増えた方が出てきているのか、今一つわかりません。
 要は違いがあることは多分ここの数字としては全数、すなわち電子的な記録と紙の記録を比べて違ったものが1件あれば、そのまま1件と数えたのでしょうか。
 私が記憶している限りでは、電子データの方は本人との話で直したものもあるので、もしこのことを勘案しているとすれば、それは省いているのでしょうか。
 その辺の説明がここにないので、詳しく書いていただく、ないしは説明をいただければと思います。

○日本年金機構記録問題対策部長
 いわゆる紙コン事業につきましては、年金記録回復委員会で実施要領というルールを御議論いただいて決めております。
 そうした中で、実施要領でどうなっているかと申しますと、御本人に通知するのは基本的に増額になる案件となっています。
 それから、減額になるケースとか額が変わらないケースについては、事跡を残してコンピュータ上に登録することになっております。
 御本人から後日申請があれば、それを開示することになります。
 したがいまして、ここにあります記録訂正に係る通知発送件数というのは、あくまでも御本人の年金額が増えるケースの数でございます。
 2番目に、いわゆるコンピュータの記録の方だけ訂正していて、紙台帳に履歴を残してない事例があるのではないかと。
 それは、あり得ます。
 したがいまして、今回の審査では二次審査と呼ばれるセカンドステップのところで、コンピュータ上の訂正履歴を確認することにしております。
 訂正履歴がある場合には、コンピュータ上の記録の方が正しいのではないかということを推定いたしまして、それ以上誤りという扱いにはしておりません。

○大山部会長代理
 あと不一致の件数は、総数で出ているのでしょうか。
 それとも今のことを勘案した後の、本当に影響するものだけで出ているのでしょうか。

○日本年金機構記録問題対策部長
 不一致件数は、先ほど申しました減額とか、そういうものも含めての件数になります。

○本田部会長
 西沢委員、どうぞ。

○西沢委員
 20ページで、ねんきんネットについてなんですが、ねんきんネットはいい仕組みだと思うんですけれども、5万1,454件の実績のところで、順調に伸びているという御評価だったんですが、総被保険者からしますと、この5万1,454件が順調に伸びていると評価できるのか。
 私はよくわからないんですけれども、スタート時点から時間が経つと周知が薄れて伸びが鈍くなったりする可能性もありますので、あるいは今後周知徹底を図っていくという御展開を織り込んいるのでしょうか。
 参考2で、市区町村数147、郵便局数204とあるのは、母集団からするとそれほどでもないと思いますが、これは今後増えるのか、あるいはこのまま推移するのかというところも書き込んでいただくといいと思います。
 今、御回答いただかなくても書き込んでいただくといいかと思います。

○日本年金機構理事(事業企画部門担当)
 1点目のねんきんネット普及についてですが、今日は22年度までの話ですが、我々としてもこれはもっと普及に力を入れていかなければいけないと思っていまして、なかなか予算もないものですから、例えば職員がつくる名刺に、このねんきんネットのものを入れて、来た方あるいは地域で配っていくとか、そういった地道な努力もしています。
 また、多分、将来的には今後の高齢者の方というのは、もうネットを自由に使える方がどんどん増えてくると思いますので、裁定請求に来られたときにもPRするといった取組みも必要だと思います。
 あるいは事業主向けにいろいろな通知を出す際にも、そういうものにねんきんネットの情報も載せていく取組みもしていきます。
 それから、定期便で現役の方にもお知らせを誕生日ごとに送りますけれども、そんな中にもねんきんネットの情報をアクセスキー等を入れて送りはじめておりまして、そういった形で今後とも引き続きこの普及に向けて努力をしていきたいと思います。
 市町村等での取組みについては、担当部長からお答えします。

○日本年金機構記録問題対策部長
 今の関連で市町村数と郵便局数の話が出ておりましたけれども、実は今回インターネットのアクセス数を見ますと、御自宅からのケースが圧倒的に多くて、市町村とか郵便局での窓口交付件数は、余り多くありません。
 そういう意味で、やはりよくニーズを見極めていく必要があるだろうと思っております。
 ただ、市町村に関しましては、年金事務所に代わる窓口として、より積極的にやっていただきたいと思っていますので、増やしていこうと考えております。
 郵便局につきましては、日本郵政側とよく御相談する必要があると考えておりますが、今、我々として議論しておりますのは、年金事務所もない、あるいは市町村の窓口もないような辺りでニーズはあるんではないかということで、その辺、よく郵便局側と相談していきたいと考えております。
 1点だけ補足させていただきます。
 この5万1,000件はどうなのかということですが、4月、5月の状況でいきますと、大体毎週1万件ぐらいずつ増えておりまして、この5万件というトレンドは、今も続いております。
 その理由としましては、定期便にアクセスキーというものを入れておりまして、これをごらんいただいて入力される方がいらっしゃるということだと思います。
 ただ、担当者として申し上げますと、ねんきんネットはもともとは、先ほど大山先生からもご指摘がありましたが、年金通帳の提案をはじめとする記録の確認への対応から始まっておりますが、今の様子を見ますと、記録の確認に対するニーズは随分国民の中には落ち着いてきているような感じがいたします。
 そういう意味で、むしろ年金機構としましては、ホームページを利用される方が最近随分増えてきていることもあり、今後は年金機構の窓口として使っていきたい。
 そういう意味では、記録確認だけではなくて、年金額の見込み額試算、自分の年金が幾らもらえるかとか、こういうことに是非使っていきたいと考えております。
 秋から、10月からはそういう機能も付加されますので、今までのような記録問題というだけではなくて、機構の業務ツールとして育てていきたいと思っております。

○本田部会長
 木間委員、どうぞ。

○木間委員
 年金見込み額のお知らせのシステム開発は、大いに期待いたしております。
 申し上げたいことは、23ページの基礎年金番号の重複についてです。
 23ページの一番下に「用語解説」とあり、基礎年金番号の有無の照会に対して、基礎年金番号なしと回答があったとあります。
 次のページに、基礎年金番号有無調査の改善とありますが、基礎年金番号の有無を照会した文書の意味が理解できないということが一因ではないかと思います。
 20歳の若者がわかりやすい文章になっているのかどうか、見直した方がよろしいのではないかと思います。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構理事(全国一括業務担当)
 今の御指摘、大変ありがとうございます。
 今後更に改善をしていきたいと思っております。
 私どもも基礎年金番号を万が一お持ちではございませんかという有無調査を、できるだけわかりやすくお伝えしなければいけないという問題意識を持っております。
 言葉の使い方もまず基本だと思っておりますが、もう一つは、今、改善を検討しております内容として、以前お勤めであった可能性のある期間、いつからいつまで厚生年金の事業所にお勤めではございませんでしたかということを、コンピュータの情報をそこに印字しまして、思い出す手がかりにしていただくような形にできないかという改善も今、内部で検討しておりまして、できるだけきちんと私どもの意図を理解した上で御回答いただく形に改善していきたいと思っております。

○本田部会長
 まだあるかもしれませんが、一応進めて、その後にさせていただきたいと思います。
 続けて、資料の27~84ページまでの「提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」、まさに年金機構の業務そのものに関する事項だと思いますけれども、それにつきまして、御質問なり御意見等があれば、よろしくお願いいたします。
 斎藤委員、お願いします。

○斎藤委員
 今、部会長がおっしゃられたように、これは業務の質を見ていくわけですが、評価のところで定量的な分析も必要であるとしていました。
 数字に関してかなり細かく、先ほども御説明をいただいたとおりです。
 しかしながら、数値だけでは問題があります。
 例えば41ページの別表10を見ますと、毎年毎年数字が下がっているわけです。
 数字が下がっているにもかかわらず、プラスの評価はいかがなものかと感じます。
 確かに建付けといたしましては、何%を目標にして、それに対して達成いたしましたということ。
 確かにそうなんですけれども、その中身を見て、なぜこれがこんなに低いのか、そして努力してこれは上がったけれども、やはりこういう問題があるので、これはこれ以上上がりませんとか、もう少し定性的な面から質に関しての評価をしていただきたかったと思います。

○本田部会長
 今の点について、もし何かございましたら、数字は上がった上がったというのは、すべて年度計画に対してですね。
 全体的に見ると下がっている。
 そこをどう考えるかということだと思います。
 何か機構の方からございますか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 今たまたま国民年金の納付率の話が例として挙げられましたので、国民年金に関して1つの例ということでお伝えしたいと思います。
 今のは国民年金の現年度納付率の話だと思いますが、最終的な4月末の数字を7月の公開に向けて精査している最中でございまして、またその要因についても、どんな要因で前年に届かなかったのか、定性的あるいは定量的な分析、年金局のお知恵も借りて局と機構で連名で7月に国民年金の最終的な数値については分析した資料を毎年公表する段取りになっていますので、そういう中でできるだけ今、御指摘のようなことも踏まえた分析をしていきたいと考えております。

○本田部会長
 斎藤さん、わかりましたか。

○斎藤委員
 国民年金のことに関しましては、今、御説明を承りましたが、例えば違う見方をしますと口座の振替え、これはとても便利なものです。
 お金がかかるわけでもないし、100%になってもしかるべき数字ですが、3分の1という大変低い数字になっています。
 ということは、振替えができないくらい定収入のない人たちが増えているのではないかとか、そういったところをもう少し踏み込んでコメントしていただくと、よりわかりやすいし、皆さんがこれだけ努力をなさっても3分の1でしかないということがわかりやすい。
 そういう意味で定性的なコメントが欲しいということを申し上げた次第です。

○本田部会長
 今の点につきましては、事業報告書をつくられる段階で、もしその説明が加えられたら加えるということでお願いします。
 ほかに、長沼委員、どうぞ。

○長沼委員
 何点かお伺いします。
 最初に、34ページの【別表7】に、全喪事業所数という欄があります。
 平成22年度は5万4千件余りと、平成21年度までの4万件程度で推移したのと比べると、たいへん多い、事業所数となっています。
 実は昨日、北関東・信越ブロック本部のホームページで、埼玉県に所在している事業所の全喪事業所の一覧表を見ました。
 6月にホームページ上にアップロードされたと記憶していますが、A4で八十数ページぐらいありました。
 名前を出しても差し支えない事業所として、例えば埼玉県福祉部介護保険課、これが平成22年4月1日に全喪年月日となっていました。
 また、埼玉県県民生活部青少年課は、全喪年月日が平成21年11月5日と記載されていました。
 平成22年度前の、過年度に全喪している事業所が多く掲載されておりました。
 【別表7】の平成22年度に全喪事業所というのは、平成22年度中に判明したのがこれだけの事業所という意味なのか、それとも、さかのぼって全喪された場合については、【別表7】に出ている年度の、それぞれ属する年度に記載しているのか、教えていただきたいと思います。
 どうも、平成22年度は全喪の事業所数が多いという印象があります。 
 2点目は、35ページ以降で、保険料納付の関係で、低所得者に対しては免除申請を促していく、高所得者に対しては強制徴収、中所得者に対しては納付の勧奨をしていく、という御説明でした。
 一般論としては、そのような取組みになると認識しております。
 しかしながら、例えば、40ページの【別表9】の資料をみると、差押執行件数は平成22年度、3,379件となっている。
 平成21年度が3,092件なので、平成22年度は、1割くらいしか増えていない。
 あわせて、平成20年度は、5,534件だったので、まだその水準までは、差押執行件数は戻ってないという印象です。
 平成22年度は、何か戦略をもって、差押えの執行を実施したのか。
 例えば、平成20年に実施した、【国民年金被保険者実態調査】をみると、「所得が1,000万以上の人であっても、1号期間滞納者が9.6%いる」と記述されている。
 所得が500万円以上1,000万円未満の方でも、1号期間滞納者が16%いる。
 そういうところにターゲットを絞って実施した結果が、差押執行件数の3,379件という話なのか、それともそういう高額所得者についての把握はしていたが、差押執行の体制が整わなくて3,300件程度にとどまったということなのか、その点についてお伺いする。
 あわせて、平成20年6月に開かれた「社会保障国民会議 所得確保・保障(雇用・年金)分科会」に出された資料をみると、例えば500万円以上の高所得者に対する強制徴収の強化ということで、これを実施すると納付率が6.7%上がると、具体的な数値が記載されている。
 従って、何か戦略をもって、ここにターゲットを絞って強制徴収を実施していけば、数ポイント上がりますとか、あるいは低所得者で全額免除の申請をされてない方々に対して免除の申請をしっかりと実施していけば、数ポイント納付率が高まるとか、一定のデータを踏まえ収納率の向上に取り組まれていたのかどうか、という点についてお伺いします。
 次に、47ページです。
 不能欠損額、収入未済額など、具体的な金額を記載していただいて、たいへんわかりやすくなりました。
 先程の斎藤委員さんの質問とも関連しますが、例えばワースト10社の滞納額、あるいはワーストワンの事業所はいくら滞納しているか、また、業種ではこういう業種が滞納が多いとか、もう少し一般の方々が収納状況の資料を見たときに、関心が高まるような記載方法はできないのか。
 例えば、1社で1億円滞納しているとか、あるいは1億円以上滞納している事業所が全国で15社あるとか、そういう形で記載されると、これはやはり容認できないと、もっとしっかり徴収していかなければならない、となるではないか、と思います。
 もう少し、この滞納の実態がわかるような資料の記載の仕方を工夫していただければと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、52ページで、先程「所在不明高齢者問題」のご説明がありました。
 平成22年度は、そういう状況だったと認識しております。
 少し本論から外れますが、教えていただきたいと思います。
 いま、インターネットで「ハローワークインターネットサービス」というのをみると、北関東・信越ブロック本部のいろいろな年金事務所で、「職種 特定業務契約職員」の募集をしています。
 例えば、越谷年金事務所、川越年金事務所では、「職種 特定業務契約職員」募集、仕事の中身は、「所在不明者に係る個別訪問」。「賃金 日額7,000円、月額14万円」と、アップロードされている。
 これは平成23年度の事業ですが、平成23年度においては、これだけそれぞれの事業所で人を募集して、どのような不在高齢者の調査を実施する予定なのか、教えていただきたい。
 以上です。

○本田部会長
 5点ほどございましたけれども、まず、資料の別表7の御説明からお願いします。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 34ページの全喪事業所の数字ですが、正確に確認して後ほどお答えしたいと思いますが、ここに挙げている全喪事業所数は、たしか当該年度に喪失した事業所数を挙げていると記憶しております。
 もう一回、再度確認した上で正確なところをお答えしたいと思います。
 あと差押件数ですが、年金機構になってからは強制徴収、つまり差し押さえまでいく所得の基準を一応500万というラインを引いております。
 そこより高い階層については強制徴収の、余り事務所ごとにばらつきがあってもいけませんので、500万という所得ラインを基準にして、強制徴収の対象者を選定してやっていこうという取組みを進めております。
 その中で、昨年度の件数が18年度とか19年度に比べて伸びてないのは、1つは、まだ体制が十分に整ってなくて、外回りが十分できていなかったということ。
 もう一つは、実は18年、19年、20年辺りが、相当催告状を出して、その後はいずれ納めますということで債務承認書を取って、ずっと毎年それを更新するということで、昔、催告状を送ったものの最終的な処理が進んでいませんで、言わば古い債権をずっと抱えているような状況ですので、その仕分けを去年は、これはなかなか古い、3年も前に送った話なので、追いかけてもしようがないので、不納欠損ということで処理しようか、これは所得階層も非常に高いし悪質なケースなので差し押さえまでいこうか、そういう振り分け作業を去年1年間時間をかけてやっていたことがあります。
 その2つの要素がありまして、最終的な差し押さえの執行件数について、21年度に比べれば若干伸びましたけれども、18、19年度辺りに比べれば、まだまだその水準にいってないという事情でございます。
 あと戦略というか、6.7%という数字はよく分かりませんが、強制徴収そのものでは、恐らく納付率に換算すると1%上げるのも至難の業だと思いまして、強制徴収の目的というのは、悪質な方にはきちんと最後まで機構が出て行って取ってくるんだという姿勢を示して、その波及効果をねらうという性格のものだと思っております。
 強制徴収は当然コストもかかりますので、単に、件数を10倍、20倍やっていけばいいというものでもないと思っております。
 あと、厚生年金のもう少しわかりやすい数字が出せないのかということですが、決算作業の関係で数字の確定自体が、ぎりぎり6月末の報告書に間に合うかどうかという状況ですので、今回の実績報告書に入れられるのか、あるいはアニュアルレポートというものを別途つくりますので、そういう中で、今おっしゃったような御提案も受けて、もう少しわかりやすいような工夫をするのかも含めて少し検討させていただきたいと思います。
 あと不在高齢者については、昨年、現況申告書を送らせていただいたんですけれども、その方々を対象に個別訪問するための特定業務職員を募集しております。
 どういう人から優先的にやるかというのは、今後、局との相談ですけれども、順次、申告書が返ってきている方も含めて、実際にお宅をお尋ねして、御健在なのかどうかということを個別訪問して確認していく作業を、今年度やっていく形になっております。
 優先順位の高いところから、順次、今年度、回れるだけ回ろうということで今後進めていきたいと思っております。

○長沼委員
 それでは、1点だけ、お伺いします。
 所在不明高齢者の関係では、そうすると、平成23年度については、日本年金機構単独で調査するということで、特に市町村との連携というのは、現段階では予定していないという理解でよろしいのでしょうか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 必要があればまた、昨年いろいろ市町村で把握いただいている所在不明者の情報などをいただいて、それに基づいて年金支給を差し止めするという取組みも昨年はさせていただきました。
 今年度どうするかは年金局とも相談させていただいて、必要があれば再度市町村の御協力、お持ちになっている情報をいただくということも含め、取組みを進めていきたいと考えております。

○本田部会長
 前回の会議でもそうだったんですけれども、こういう問題について市町村との連携をどう強化していくか、記録問題にしても、今の問題にしても、もう少し前向きに、市町村との連携という問題については御検討をいただきたいと感じますので、よろしくお願いします。
 木間委員、どうぞ。

○木間委員
 27ページの3つ目の○ですが、ここに市区町村向けの情報誌『かけはし』のことが書かれていますが、ある年金関係の雑誌に、市の職員の声が毎月掲載されています。
 その中に年金機構や年金事業所から共有すべき情報を積極的に提供していただきたいという声が毎回のように載っています。
 機構から発送される郵便物の概要を事前に知らせてほしいという要望もあります。
 その『かけはし』が充実していくことを期待したいと思いますが、そういう印刷物よりもより早くインターネットを活用して情報を市町村に提供することが求められていると思います。
 端末装置を設置していれば、情報がより早く届くのでしょうか。
 今、設置している市区町村数が少ないようですが、その理由はどういうことでしょうか。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 市町村との関係は、部会長から御意見がありましたけれども、社会保険庁時代と日本年金機構になって大きく変わった点が、実は1つあります。
 社会保険庁時代は、いろいろな届出事務の処理とか、法定受託事務ということで市町村にお願いするための財源である市町村交付金の交付といった役割を、社会保険事務局が中心になって行ったんですけれども、この部分の業務は、年金機構発足のときに、厚生省、具体的には地方厚生局が担うということで、役割分担が変わっています。
 一義的にはいろいろな制度改正の情報などは、地方厚生局を通じて市町村に流していただくというのが、正式のルートとしてありますが、日本年金機構としても、いろいろな日常の実務上の連携を図らなければいけないものですから、この『かけはし』などを通じて、市町村の皆さんにいろいろな形の情報提供をしようということで、取組みを進めさせていただいている状況でございます。
 この『かけはし』は、実は紙ベースではなくて、市町村の担当者のメールアドレスをいただいて、いわゆるメルマガという形で機構本部から各市町村の国民年金担当者の皆様にお送りさせていただいている媒体ですので、こういうツールも活用して、できるだけ多くの情報を市町村の皆さんに提供できるように、今後とも努めていきたいと思っています。
 あとここに書かせていただいた端末装置というのは、いわゆるウィンドマシンのことです。
 年金相談を積極的にやっていただける市町村には、ウィンドマシンを貸し出しまして、市町村の窓口で年金相談をやってもらうということです。
 ウィンドマシンをできるだけ置いていただいて、身近な市町村で相談をお願いしたいのですけれども、ウィンドマシンの操作を十分できる職員の方々がいらっしゃらないということで進まない、ためらう市町村が多いということはお聞きしております。
 あとは、ウィンドマシンを貸し出す際に、できるだけプライバシーを確保するということで、ちゃんと区切った空間をつくってくれとかお願いもしておりますが、そこら辺の条件面の緩和等の取組みはさせていただいているところでございます。

○本田部会長
 長沼委員、どうぞ。

○長沼委員
 市町村の立場で、お話をさせていただきます。
 ウィンドマシンを置いて年金相談を実施するのは、志木市では身近な市役所で相談できるということで、行っています。
 しかしながら、費用面でみると、電話で相談を受けても、市役所に来ていただいて相談を受けても、1件165円です。
 1件あたり165円しか、国からはお金が交付されません。
 これでもよくなったんです。
 以前は111円でした。
 そうすると、志木市は対応していますが、なかなか他の自治体でウィンドマシンを設置して、相談に見えられる市民に対して、相談サービスを充実させるというのは、なかなか他の自治体に広がっていくのは、難しいし、厳しいのかなと思います。

○日本年金機構理事(事業管理部門担当)
 交付金は年金局の方で担当いただいていますから。

○長沼委員
 厚生労働大臣に対して、市町村長が国民年金事務費交付金という書類を申請します。
 そのなかに、「協力・連携に係る経費」という項目があり、先程述べたように、電話相談・来訪相談は、いま、1件165円です。
 「協力・連携に係る経費」は、平成22年度、志木市では、実際は800万円余り費用がかかりましたが、実際に国から交付されたのは、半分以下の400万円程度です。
 基礎年金事務費交付金そのものも、志木市では、実際は3,600万円程度費用を要していますが、実際に交付されるのは、3分の1以下の、1,000万円程度です。
 そうすると、なかなか他の自治体で、積極的に年金相談の業務を実施するのは、難しいのではないか。
 もう少し、実際にかかった費用を厚生労働省が交付すると、市町村も、もう少し厚みのある相談体制を組むことが可能になると思っております。


○本田部会長
 西沢委員、どうぞ。

○西沢委員
 手短に、45ページで、国税庁委任に至った案件はありませんでしたという○の2つ目のところで、今回は国税庁委任のスキーム図などを入れていただいたり、全体像がわかりやすくなっていますけれども、委任に至らなかった理由を、もう少し詳しくレポートしていただくといいと思います。
 もともと委任に至るまでのハードルが高過ぎたのか、あるいはこういった委任手続を取っているうちにもう徴収できないことがわかってしまうのか、あるいは公租公課のうちで税が債権として優先するので、もともと保険料として取り分が取れないのでできなかったのか、あるいは日本年金機構さん自体でやれば済む話であったのか、理由と今後このスキームを活用するのであれば、どういったところを改善すればこのスキームが生きてくるかというところを、報告書の本番でレポートしていただくといいかと思います。

○本田部会長
 今の点、何か解説はありますか。

○事業管理課長
 事業管理課長でございます。
 国税庁の委任のスキームでございますけれども、22年1月に法律が施行されまして、基準を決めて、準備をして臨もうということで進めてきたわけでございますけれども、基本的に機構でちゃんと徴収できる分はしっかり徴収していただくことが基本だと思っているということが、まず1つございます。
 その上で、本当に長期にわたって滞納されているようなところについては、国税庁に委任するというスキームを発動しようということで、今、スキームを決め、国税庁とも調整させていただいた上で、職員に対する研修などもやらせていただいているというのが、今の状況でございます。
 形式的に基準に該当している事業所、あるいは国民年金の保険料、1号被保険者などは発生はするわけでございますけれども、そういった方に機構の方から更に督促をかけ、場合によっては国税庁委任もあり得るということを言ったところ、納付に結び付くような事情もあるということも伺っておりまして、スキームとして実際に発動されておりませんけれども、こうしたスキームが現にあることによって効果が出ている部分も、現実問題としてあるのではないかと考えているところでございます。

○本田部会長
 時間もございますので進めさせていただきたいと思います。
 次に資料の85~121ページまでの「業務運営の効率化に関する事項」から「予算、収支計画及び資金計画」につきまして、御質問・御意見等がありましたらお願いいたします。
 岩瀬委員、お願いします。

○岩瀬委員
 1、2点お尋ねしたいんですけれども、冒頭お話ししたこととダブるんですけれども、これを読んでいて、あるいは説明を受けていて、なかなかしっくり胸の中に入ってこない感じがします。
 説明が非常に抽象的で、結構はしょられている感じがして、わかりやすい文書提供とか、いろいろな取組みをしている、そこの評価はAを付けられていながら、この業務実績報告書はすごくわかりにくいのは何とかしてもらえないかという気はします。
 その中で、とりわけ説明を受けていて気になった点は、研修に関して、どんな効果測定をした上で研修以外のことを何かやろうとしているのか、あるいはその研修の改善をしようとしているのかということが全くなかったので、効果測定をしているのか、してないのかも含めて、それは書き込んでいただきたい。
 それと内部監査に関して通知をして、1か月以内に改善計画書を出させて、それでもだめだったら3か月後に更に出させるという仕組みをつくられたということが書かれていますけれども、私の読み間違いだったら訂正いただきたいんですけれども、355の年金事務所のうち305で是正の確保ができたということは50できてないわけですね。
 あと調達プロセスで21件あって10件是正が対応したと、半分できてない。
 これはなぜできてないのか。
 そのできてないことに対して、どういう対応を取ったのか。
 その辺の責任はどうなのかということを、やはりこの報告書の中に書かないといけないのではないかと思うのですが、その点はどうなんでしょうか。
 私の読み間違いだと、その指摘も含めて教えてください。

○本田部会長
 どうぞ。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 岩瀬委員御指摘がありました研修の件につきまして、研修につきまして人材の育成ということで、22年度の目標につきましては、戦略的な人材育成を追求するため、e-ラーニング、チューター制度等を取り入れた、新たな研修体系を構築するということがございまして、とりあえず、もう23年度が始まっているわけですが、この4月から新卒を採用した研修を始めておりますが、新しい機構の新しい研修体系については、昨年度決めて、今、実施しているところでございます。
 御指摘があったような効果測定の問題につきましては、機構の本来の研修体系が今年度から始まったということで、今年度の中で効果測定などをどうやって行ったらいいか、どういう効果的な研修が行われたのか、それを年度から検討させていただきたいと思っております。
 以上です。

○岩瀬委員
 ということは、効果測定をしてなかったということだと思うんですけれども、してないんだから聞いてもしようがないとは思うんですが、110ページのところで研修センターの稼働状況が、22年度と23年度で飛躍的に上がっているんです。
 なぜこんなに飛躍的に上がったのか、これをきちんとここに書き込まなければ、一般の方はよくわからなくて、何か上がっただけだと、上がったのはよかったねという評価になるとは思うんですけれども、それでいいのか、あるいは機構の中に何か問題があって、非常に低かったのがそこを対応したことによって上がったのか、そこの反省総括が出てないと思うんです。
 これはどうしても書いていただきたいんですけれども、その辺はどうなんでしょうか。

○日本年金機構理事(人事・会計部門担当)
 22年度も、確かにここに書いてある稼働率等を見ますと、低い数字になっておるかと思いますが、これは今、申しましたように、機構の研修体系が昨年度はまだ全くできておらずに、とりあえず、そうは言っても片方で採用だけはやっておりましたので、その採用した人たちをそのまま現場に送り出すわけにはいかないので、いわゆる過渡的に昨年はそういう人たちを研修したということで稼働率が低くなっております。
 今年度は、機構本来の人材育成をどうやっていくべきかを見た上で、どういう研修体系を取ったらいいのかということで、昨年度検討するというのが昨年の目標でございまして、これについては昨年12月に機構の研修体系をつくりまして、今年度4月から始めていく状況でございます。
 ですので稼働率が低いのは、昨年度はあくまでも過渡的な、新たな人たちを採用したとか、あるいは過去、社会保険庁時代に研修を受けてなかった人たちに対する過渡的な研修を行った結果でございまして、本年度、逆に言うと稼働率が昨年の倍近く上がっているのは、本格的な研修体系をつくって、それにのっとってやるとこういうふうになるということでございますので、今年度以降、稼働率はこれ以上に上がっていくと思っております。

○岩瀬委員
 日本年金機構設立委員会で、この研修の問題は結構議論されたと思うんです。
 薄井さんも事務局長だったし、研修はきちんとやらないといけないと、それで研修体系をつくっていたはずだと思うんです。
 そういう、今、御説明があった新人採用、新人だけとか、あるいは社保庁時代に研修を余り受けてない人だけ集中的にやるんだということではなくて、機構の職員全体を研修を通してスキルアップするし、あれだけ問題になった機構の体質改善のために研修をきちんとやるんだということだったと思うんですけれども、設立委員会ではそういう議論はしたけれども、実際そういうプログラムを何もつくってなかったということですか。
 それを教えていただきたいと思います。

○日本年金機構副理事長
 まず研修の話からお答えさせていただきますと、プログラムを全くつくってなかったということではなくて、要は記録問題等でかなり人が割かれている中で、どういう研修計画が組めるのかということで、結果として先ほど坂巻理事の方から申し上げたような形になったということです。
 ただ、研修全体、こういう形でやっていこうという将来の構想を、例えば23年度は初めての新卒採用があって、それから後の研修体系も含めて、例えばe-ラーニングを含めて、これからやっていくという計画をつくり、そういうものをつくるための、いわば準備というか、それを22年度は少しやりながら、一方で新人の研修とか幾つかのテーマ、例えばマネジメントの研修とか、そういうものを始めたということです。
 確かに22年度に準備がもっとできたんではないかという御指摘は、甘んじて受けなければいけないと思っております。
 もう一つ、話は変わりますけれども監査のお話をいただきました。
 監査につきましては、先ほど説明にありましたように、内部監査の後、一月後に改善計画を出し、その後3か月ごとにフォローするという格好でございまして、そういったフォローが終わって、改善できた点を確認できたものが104ページに書かせていただいているところですけれども、年度末までに終わってないものが今どんな状況になっているかというのは、少し私どもで確認をして、また御報告させていただきたいと思います。

○本田部会長
 ほかに、よろしいですか。
 それでは、一応、質疑は終わりにいたしますが、機構の業務実績報告書(案)につきましては、今日も委員からいろいろな御意見なりアドバイスがございましたので、それらの点も踏まえて、是非今後日本年金機構において報告書の検討をお願いいたしたいと思います。
 それでは、本日の議題はすべて終了いたしましたので、次回の日程について事務局からお願いします。

○事業企画課長
 本日は、どうもありがとうございました。
 次回の日程につきましては、委員の皆様方にあらかじめ御相談しておりました、7月15日の金曜日、朝9時半からということで、少し早ようございますが、予定させていただきたいと存じます。
 後日正式な御案内を差し上げますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 以上です。

○本田部会長
 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。
 長時間、どうもありがとうございました。
 次回は随分、朝早いそうですから、よろしくお願いいたします。


(了)

(連絡先)
厚生労働省年金局事業企画課
03-5253-1111(内線3574)

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