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2011年5月10日 平成22年度第1回化学物質のリスク評価検討会

労働基準局安全衛生部

○日時

平成23年5月10日(火)16:00〜18:00


○場所

経済産業省別館1020号会議室


○議事

○寺島化学物質情報管理官 本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。定刻になりましたので、ただいまから第1回化学物質のリスク評価検討会を開催させていただきます。
 今回、合同検討会の初回ということでございますので、昨年から引き続いて、この検討会に御参集いただいているところではございますが、簡単に紹介をさせていただきたいと思います。資料1の2枚目に参集者、皆様方の名簿がございますので、併せてごらんいただければと思います。
 資料1に従いまして御紹介申し上げます。横浜薬科大学臨床薬学科教授、池田先生。
 京都大学名誉教授、内山先生。
 労働者健康福祉機構関西労災病院産業中毒センター長、圓藤先生。
 それから、慶應義塾大学医学部教授、大前先生は、少し遅れて来られます。(事務局注:欠席)
 独立行政法人労働安全衛生総合研究所環境計測管理研究グループ主任研究員の小嶋先生。
 中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センターの所長、清水先生。
 聖マリアンナ医科大学医学部予防医学教室教授、高田先生は本日御欠席でございます。
 早稲田大学理工学術院教授、名古屋先生。
 国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター長、西川先生。
 独立行政法人産業技術総合研究所客員研究員、花井先生。
○花井委員 よろしくお願いします。3月まで日本化学工業協会非常勤嘱託というのもありましたけど、それは終わりましたので。
○寺島化学物質情報管理官 次に、帝京平成大学地域医療学部教授、原先生はきょうは御欠席でございます。
 それから、独立行政法人労働安全衛生総合研究所健康障害予防研究グループ部長の宮川先生も遅れて来られます。
 そして、追加の参集者といたしまして、これまでこのリスク評価企画検討会の座長をしていただいております中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センター技術顧問の櫻井先生、よろしくお願いいたします。
 事務局の方も御紹介をさせていただきます。中央労働災害防止協会化学物質管理支援センターの棗田様。
 そして、化学物質評価室の室長、松井です。補佐の瀧ヶ平です。有害性調査機関査察官の大淵です。
 最後に、化学物質情報管理官をさせていただいています寺島です。よろしくお願いいたします。
 きょうは、課長と調査官が、所用により欠席となる見込みです。
 次に、初回ということでございますので、座長の選出をさせていただきたいと思います。有害性評価小検討会の座長は大前先生にお願いしておりまして、ばく露評価小検討会の座長は名古屋先生にお願いしております。合同検討会の座長として、事務局としては名古屋先生に引き続きお願いしたいと存じますが、いかがでございましょうか。
                 (異議なし)
○寺島化学物質情報管理官 ありがとうございます。
 それでは、名古屋先生に座長をお願いすることといたします。
 早速ですが、以下の議事進行をお願いいたします。
○名古屋座長 それでは、引き続きまして、座長を仰せつかりました名古屋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局から資料の確認等、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料の座席表の次に議事次第がございまして、その裏面に配付資料一覧がございます。
 まず、資料1として、化学物質のリスク評価検討委員会開催要綱、資料2としまして、22年度リスク評価の進捗状況、資料3といたしまして、リスク評価書の案でございますが、資料3−1、初期リスク評価書オルト−ニトロアニソール、資料3−2、初期リスク評価書カテコール、資料3−3、初期リスク評価書1,3-ジクロロプロペン、資料3−4、初期リスク評価書ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイト、資料3−5、初期リスク評価書ナフタレン、資料4として、今後の予定。
 参考1として、これまでのリスク評価の進捗状況一覧、参考2のばく露評価ガイドラインでございますが、机上のみ配付とさせていただいておりますので、傍聴の皆様は、必要に応じてインターネットの方で参照していただければと思います。参考3としまして、リスク評価の手法、参考4として、机上のみ配付とさせていただいております平成22年度ばく露実態調査の結果となっております。
 以上です。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 そうしましたら、これから議事に入る前に、リスク評価の進捗状況ということで、資料2に従いまして、説明をよろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 では、資料2の横の図の方をごらんいただければと思います。平成22年度リスク評価としまして、22年度中にばく露実態調査等を行いました化学物質につきまして、本リスク評価検討会におきまして、リスク評価書の取りまとめ、リスク評価を行っていただく予定にしておりますけれども、その進捗状況を示したものがこの図になります。
 細かく説明を申し上げますと長くなりますので、平成20年に選定されて報告を受けております44物質のうちの一部と、平成21年の20物質のうちの一部につきまして、22年度というところをごらんいただきますと、詳細リスク評価(5物質)、下の方の囲いにあります初期リスク評価(9物質)、合計14物質につきまして、リスク評価書の作成取りまとめというのを予定しております。今回は、下の枠囲いの方にあります初期リスク評価、着手とありますのは平成22年にばく露実態調査等を行ったということでございますが、このうちにあります?、?、?、?、?、この物質について本日は御検討いただきたいと考えております。その他、ばく露実態調査が未了であったものがアンチモン、キシリジン、ニトロベンゼンがございまして、また上の方にもフェニルヒドラジンがございますので、こういった物質については、また来年度以降、リスク評価を行っていく予定としております。
 簡単ですが、以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見・御質問等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
○花井委員 ちょっと一つ質問です。これを見ると、左の方に縦で、平成20年(44物質)、それから、21年(20物質)とあって、そうすると、22年にはこういうものはなかったということになるわけですか。
○寺島化学物質情報管理官 ばく露作業報告の枠組みを変えたことがございまして、22年1月から3月の報告物質というのはございません。
○花井委員 なかったわけですね。
○寺島化学物質情報管理官 23年1月から3月、つい先ほど終わった期間のものについて、また出てくる予定になっております。
○花井委員 次に、23年度とやると、新しくそこに入ってくる。
○寺島化学物質情報管理官 はい。
○花井委員 そうですか。それで、ちょっといつも何か注文というか、そういうことばっかりなんですが、大体これで状況はわかると思うんですが、全体として、例えばこういう考え方で、発がん性から始まって、生殖毒性ですか、そういう危険度の高いものと思われるものを評価していて、それで大体、全体観というんですか、どのくらい対象になる物質がありそうで、七、八割終わったのか、あるいはこれからも五年、十年続くのか。そういった全体観というんですかね、その辺をどこか、1枚と言わなくても、半ページでもいいですけど、ちょっと何か書いていただいた方が何かわかりやすいかなと思うんですけど。全体像がなかなか見えないというか、見にくいというのが、やっぱり余りいいことじゃないと思うんですが、今度の原発のいろいろな問題に関しても、非常に具体的なデータとか何だかんだというのはいろいろ出てくるんですけど、全体としてどうなんだというのがちっともわからないという面があるんですけども、その辺、ぜひ何か、そんなに時間とることでもないと思うので、工夫していただきたいなと思いますが、注文ばっかりで済みませんけど、よろしくお願いします。
○名古屋座長 前、リスクコミュニケーションのときの、ことしの1月にあったときに、大体、今までのが発がん性が終わっていて、この次はどういうものをやりますよという、あの1枚のパワーポイントがありますから、それで見せてあげると、そこでこれからはこういう物質についてやりましょうというのはあそこに書いてあるので、その辺でもわかるかもしれない。ぜひお願いします。
○寺島化学物質情報管理官 はい、ありがとうございます。
○名古屋座長 あと、よろしいでしょうか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 そうしましたら、本日の資料3に入りたいと思いますけれど、一番最初のところ、一物質ずつ区別つけていきたいと思います。
 まず最初に、資料3−1のオルト−ニトロアニソールということで、これも事務局、説明をよろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 そうしましたら、資料3−1、オルト−ニトロアニソールにつきまして説明をさせていただきます。
 1枚目、1ページ目からでございますが、物理的性状については、オルト−ニトロアニソールとしまして、分子量が153、CASナンバーがここに書いてあるとおりで、名称を通知すべき有害物MSDSの124号に指定されている物質です。
 (2)として、物理的化学的性状でございますが、外観が無色〜黄色−赤色の液体ということで、比重が1.25、沸点277℃、融点が10℃と液体ということでございまして、蒸気圧が0.004kPaというものでございます。
 生産・輸入量、使用量ですが、生産量として、2006年に800トン(推定)となっておりまして、輸入量は情報なし。用途としては、有機合成、染料、医薬品中間体、ジアニシジン原料というふうになっております。
 有害性の評価ですが、有害性評価の小検討会の方で御検討いただいたとおりでございますけれども、詳しい内容は後ろの別添1、別添2の総合評価表、有害性評価書の方に具体的な有害性の情報が記載されておりますが、これをまとめたところ、(1)発がん性としまして、IARCは2B、参考としてEUでは2。閾値の有無ですが、閾値はなしと考えられるということでございます。リスクレベルの算出ですが、閾値がないということで、ここに記載されているような検索を行ったけれども、スロープファクターに関する記載が認められなかったと。よって、ばく露濃度、リスクレベルの算出はできないということとしております。
 (2)として、発がん性以外の有害性ですが、急性毒性はあり。済みません、これは昨年、西川委員等からの指摘がございまして、吸入毒性のデータはないということではありますが、経口毒性等のデータを追記させていただいて、次回、出したいというふうに思います。急性毒性がありということで、生殖・発生毒性もありとされています。
 次に、許容濃度でございますが、ACGIH、日本産衛学会ともに設定なし。
 これらを踏まえまして、(4)評価値としまして、一次評価値は評価値なし、二次評価値が、オルト−アニシジンのACGIHの値の10分の1を引用しまして、0.01ppmということで定めております。
 ばく露評価の方ですが、(1)にございますように、平成20年における有害物ばく露作業報告は、合計1事業場から2作業についてのみなされまして、労働者の合計は延べで20人となっています。取扱量合計は370トンでございました。主な用途としましては、このオルト−ニトロアニソールを使ったほかの製剤の製造でございまして、作業の種類としましては、このオルト−ニトロアニソールを反応槽に注入する作業、そして、サンプリング、分析等の作業ということでございます。2作業ともに、作業時間は20時間以下、局排の設置はなく、いずれの作業でも防毒マスク、保護手袋の着用がなされていたということです。
 ばく露実態調査の結果でございますが、この有害物ばく露作業報告のあった1事業場に対して行っております。オルト−ニトロアニソールは合成の段階で消費されてしまうということですので、このオルト−ニトロアニソールをドラム缶からタンクで反応させる前までの労働者の1人のばく露測定を行うとともに、A測定、スポット測定を実施しております。
 次の3ページ目の測定結果のところですが、対象労働者お一方ですけれども、この方の個人ばく露測定結果は8時間TWAとして0.0030ppmでございまして、二次評価値を下回るということです。
 対象労働者が作業した作業場は、オルト−ニトロアニソールをドラム缶から液送用ポンプでタンクに移送する場であり、当該作業場所において行ったA測定の測定結果の幾何平均値は0.0097、最大値は0.023ppmとなっております。当該作業場は四方に壁がなく、法令上、屋外ということでございますので、局所排気装置は設置されておらず、周りにタンク等の障害物が多く、通風が不十分となっている状況が認められまして、このため、A測定で部分的に高い値となった原因と考えられます。呼吸用保護具として防じんマスクを使用しているため、ばく露防止の効果はないが、保護手袋、保護眼鏡を使用し、経皮ばく露を防止しているということです。
 また、当該作業場でのスポット測定の幾何平均値は0.13ということで、最大値は仕込み作業で、幾つかのドラム缶をどんどん仕込んでいって、そのドラム缶に残った残液をほかの容器に集めて、再度、そこからポンプでタンクに注入するという作業をされているんですが、この作業で0.16ということで高い値となっておりますけれども、当該従事した労働者の個人ばく露測定の結果は二次評価値を下回っているということでございます。
 今後のリスクの判定としましては、一次評価値の設定がないけれども、二次評価値0.01ppmを下回ったと。事業場が1カ所のみであるため、リスクの範囲は限定的であり、また、本調査結果から見ても二次評価値を超える高いばく露が発生するリスクは低いと考える。
 ただし、当該物質は発がん性が疑われる物質であり、特にオルト−ニトロアニソールを原料として仕込む作業についてはばく露が認められているので、当該労働者を対象として、自主的なリスク管理を行うことが必要と考えるという形でまとめております。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御意見・御質問等ありますでしょうか。
 このままですと、ガイドラインルールに従うと、自主的な管理ということで、初期評価はこれで終わりですよという形になります。終了という形になりますが。よろしいでしょうか。どうぞ。
○西川委員 発がん性ありということで、別添2の4ページ目からこれについて記載があります。
 単核球性白血病がふえたということだけが発がん性ありという根拠となるのですか。というのは、これは結構フィッシャーラットに特異的に出てくる腫瘍ですね。別添2を見ると、何かいっぱいほかにも腫瘍が出ているようにも読めるんですが。
 別添1の2ページ目には、単核球性白血病の発生率がふえたことしか載っていないので。
○名古屋座長 添付1のところと添付2の資料ですよね。
○西川委員 そうです。IARCでこのデータを当然含めて総合評価をしていると思われるので、2Bということはいいとは思うんですが、その記載が正確かどうかはちょっと気になりますので、確認をいただければと思います。
○松井化学物質評価室長 わかりました。
○名古屋座長 では、その添付資料1のところの括弧の中のところのキのところの発がん性というところですね。そこのところで、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 済みません、ちょっと確認をさせていただければと思うんですが、ここの有害性評価書の4ページ目あたりにある発がん性データのまとめ方がということですか。
○西川委員 いや、これはこれでいいと思うのですけれども、別添1の2ページに……
○寺島化学物質情報管理官 2ページ目に移す作業のまとめ方でしょうか。
○西川委員 単核球性白血病の他には、記載がないですね。
○松井化学物質評価室長 発がん性の根拠が書いていなくて、閾値の判断に用いたデータをたくさん書いてあるので、ちょっと余り適切ではないかもしれませんので、ちょっと見直させていただきます。
○棗田(中災防) 別添のキの発がん性のところは、値をとるためのデータをここに抽出して書いていますので、これはまとめでは別にないんですね。あくまでも数値を出すための、評価値を出すためのまとめ値なので、そうすると、発がん性のここのところについては、一応、閾値のある場合のところでの最小投与量といった形で書いてあって、別添2の方が本来の有害性評価書なので、ちょっとどうすればよろしいですかね。
○西川委員 その別添1の2ページのところですけども、単核球性白血病は、対照群が50分の14で、その次の低い群が50分の11、対照群よりも低いですね。その次の666は50分の14で、これはコントロールと同じですね。でも、なぜかLOAELが666になっています。これもおかしいと思います。
○松井化学物質評価室長 そこはちょっと確認をして、言いわけではございませんが、これは一応、閾値のない場合に整理しておりますので、先生のおっしゃるように、正確性はちょっと確認をさせていただいて。
○西川委員 閾値がないというのは、恐らく遺伝毒性があるということだと思いますので、発がん性とは少し違うと思いますので、お願いします。
○名古屋座長 じゃあ、それはお願いいたします。はい、どうぞ。
○花井委員 ちょっと一つ確認、教えてほしいんですが、これはリスクレベルの算出云々というところで、ほかの機関からのスロープファクター等のデータがないんでできないというふうな記述になっておりますが、こういう今あったようなデータがあった場合に、それを使ってベンチマークとか、何かそういうのを使って算出するという、そういうことはもうここではやらないというのが大原則ですか。
○松井化学物質評価室長 一応、整理上、閾値がある場合は、先ほどのLOAELなりNOAELから求めるけれども、閾値がないと整理した場合には、このユニットリスク等のものがなければ、一応、今のところ、算出をしないとしています。
○花井委員 もうそこで終わりと。
○松井化学物質評価室長 そこはちょっと議論はあるかもしれませんけども、とりあえず、整理上、そのようにしております。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。ほかによろしいでしょうか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 そうしましたら、方向といたしましては、先ほどでの詳細評価で、初期リスク評価で終わりという形で、ただし、発がん性があるということで、事業場に対しては、やはり個別指導はするよという形でまとめたいと。どうもありがとうございました。
 そうしましたら、次の物質ということで、カテコールということで、また事務局、よろしくお願いいたします。
○瀧ヶ平室長補佐 資料3−2のカテコールになります。
 1ページ目を開いていただきまして、別名としてピロカテコール、1,2-ジヒドロキシベンゼン、ベンゼン環上オルト位にヒドロキシ基が2個ついているという物質ということでございます。
 外観としては、特徴的な臭気のある無色の結晶。沸点が245.5℃、通常使われるばく露の想定される形態としては、溶液に含まれている状態での取り扱い、もしくは固体が考えられるということになります。
 3番目の生産・輸入、使用用途ですが、生産量1,600トン、輸入量500トン、医薬原料等の各種原料に使われるというふうな用途ということのようでございます。
 別添1・2の方に細かいことが書いてありますけれども、毒性の方からいきますと、発がん性については、ヒトに対して発がん性が疑われるということで、IARCにおいて2B、ACGIHでA3、産衛学会でも第2群のBになっていると。閾値についてはないと。ユニットリスクに関する情報もないということで、2ページ目を見ていただきまして、発がん性以外の有害の情報でございますが、急性毒性、皮膚腐食性/刺激性、眼に対する重篤な損傷性/刺激性ですとか、さまざまな有害性を有するというふうな物質にはなっているところです。
 許容濃度につきましては、ACGIHのTWAで5ppmということで、評価値につきましては、ユニットリスクの情報がないということで、一次評価値はなし、二次評価値につきましては、ACGIHの提言されている5ppmを使ったということになっています。
 ばく露実態評価の方ですが、詳細は別添3の方になりますが、平成21年におけるカテコールの有害物ばく露作業報告は、合計27事業場から、54作業場についてなされております。作業従事労働者の延べは588人、取扱量が1万6,000トンということでございました。
 主な用途にしましては、量的に多いのはカテコールを製造している事業場、もしくは他の製剤等の製造を目的とした原料としての使用ということになっておりまして、製造過程から、でき上がった製品の袋詰めの作業というところになっております。
 設備等につきましては、局所排気装置の設置が93%、防毒マスクも61%着用されているということで、管理はかなりよくされているというふうなことでございます。
 ばく露調査の結果でございますけれども、8事業場、12名の方について実施と。それと、A測定を9単位作業場、スポット測定を22地点で行っております。
 先ほどの参考4−2の方に細かいのが書いてありますけれども、本文の先ほどの3ページを見ていただきまして、労働者12人の個人ばく露測定の結果、8時間TWAの幾何平均値、そこは「0.04」と書いていますが、これは8時間じゃない方の数字なものですから「0.03」。ここの数字は5ページ目にまとめた表がございますので、そこの数字でございますが、8時間TWAは「0.03」で、最大値でこれまた「0.039」と書いていますが、済みません、四捨五入の関係ですと、もう一度、有効けた数を確認して数字をきちんと直しますが、「0.04」という程度ところとなっています。
 また、全データを用いての信頼率90%区間で推定した上限値、上側5%も「0.035」ということになっております。
 いずれにしろ、二次評価値が5ppmですけれども、それに比べると非常に少ない濃度ということと、労働者に対する管理として、局所排気装置や呼吸用保護具等の設置等がかなりされておるというふうな状況の物質というふうなことでございまして、測定結果から考えて、物質としては発がん性が疑われる物質であるので、自主的なリスク管理は当然必要ですけれども、そういった形で対応するのがよろしいんじゃないかというようなことで取りまとめをしております。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見・御質問等ありますでしょうか。
 先ほどに比べますと、スポットもA測定のところも二次評価値が著しく小さいということで、このまま何もありませんと、従来どおりルールにのっとりますと、初期評価で終了という形になりますが、よろしいでしょうか。
○西川委員 一つだけ確認ですけれども、別添1の生殖細胞変異原性は「やや疑われる」ということですが、結論は陽性であって、発がん性の閾値がなしと、そういう結論になっているんですけれども、そのあたり、よろしいでしょうか。
○瀧ヶ平室長補佐 有害性小委員会でもそういったふうな検討がなされて、閾値なしというふうな結論にいたっております。
○西川委員 結論的には陽性ということですか。
○瀧ヶ平室長補佐 ええ。そのような議論でございました。
○花井委員 わかりました。それから、細かいことですけれども、その別添1の変異原性のところで、下から2行目に「試験で得られた(NOEL、NOAEL、LOAEL)」と書いてある。これはどういう意味ですか。
○名古屋座長 「試験で得られた」と、ここのところですね、この表現。
○西川委員 そもそも変異原性でNOELとかNOAELという、そういう判定はしないですよね。
○松井化学物質評価室長 おっしゃるように、ちょっと表現が不適切ですね。済みません。
○名古屋座長 根拠の後も、何か書きそうで書いていない。済みません、これは事務局にまた対応をお願いします。
○松井化学物質評価室長 これは確認してみます。
○名古屋座長 あと、何かありますか。よろしいですか。かなり低いということで、ばく露濃度と考えますと、このまま初期評価で終了ということでよろしいでしょうか。
(はい)
○名古屋座長 ありがとうございました。
 そうしましたら、次の物質に、また事務局からよろしくお願いします。1,3-ジクロロプロペン、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 1,3-ジクロロプロペンですが、資料3−3です。物理的性状の部分ですが、(1)として基本情報です。別名、D−Dと呼ばれている農薬に使われている物質でございまして、分子量が111の物質です。
 (2)の物理的化学的性状の部分ですが、刺激臭のある、無色の液体ということで、比重は1.22、沸点は108℃、蒸気圧3.7kPaという物質です。
 (3)生産・輸入量、使用量ですが、生産量が6,360トン、原体として。農薬の部分で9,103トン、製剤としてというふうになっています。このほか、輸入量として、原体として、農薬ですが、4,142トンということで、比較的多く使われているということかと思います。用途は、せんちゅう、土壌害虫の殺虫剤原料として使われております。
 2番の有害性評価でございますが、(1)発がん性、発がん性についてはIARC:2B、ACGIH:A3、産衛学会で第2群のB(工業用)ということで、ヒトに対する発がん性が疑われるというところに分類されています。閾値の有無ですが、閾値なしとしています。根拠としては、遺伝子突然変異を、培養細胞での試験で染色体異常を認めまして、DNA傷害が認められていると。このことから、遺伝毒性を有するとして閾値なしとしております。
 リスクレベルの算出ですが、EPAの試験によりまして、ユニットリスクが、URが4×10-6というのが導き出されておりまして、ここから導き出されるリスクレベルとしまして、25μg/m3としております。これに労働補正を行いまして、労働補正後のリスクレベル「10-4」ですが、これが0.13mg/m3。ppmにしますと、0.029ppmというのがリスクレベルということになります。
 (2)としまして、発がん性以外の有害性ですが、急性毒性、吸入毒性として、LC50が3,320ppm、それから、皮膚の刺激性とか眼に対する重篤な損傷性/刺激性がありということでございます。皮膚の感作性あり、変異原性ありということで、生殖毒性としましては、ここに示しますような母体重増加抑制、それから同腹児数の減少、吸収胚の増加というようなことで、生殖毒性がラットの吸入ばく露試験で認められています。特定標的臓器の反復ばく露毒性としましては、腎臓の尿細管上皮の混濁腫脹ということで、ラットの吸入ばく露試験で認められています。
 (3)として、許容濃度ですが、ACGIHのTWAをとりまして、1ppm Skinというのがついています。産衛学会等は設定なしです。
 以上を踏まえて、(4)評価値としまして、一次評価値は0.029ppm、二次評価値として1ppm、ACGIHのTLV−TWAを採用しています。
 次に、ばく露実態調査でございますが、(1)の部分にございますように、有害物ばく露作業報告は、6事業場から、11の作業について行われておりまして、労働者延べ94人で、取扱量合計は1.9万トンということで報告となっております。
 主な用途としましては、充てん、袋詰めの作業、サンプリング等の作業でございます。
 11作業のうち、20時間、短時間の作業が55%、局排の設置が73%、防毒マスクが91%で着用とのことでした。
 ばく露実態調査は、このばく露作業報告を踏まえまして、このうちの取り扱っている事業場のうちからコントロールバンディング等に従いまして、3事業場を選定しております。
 この3事業場の用途は、対象物質の製造及びほかの物質を製造するための原料としての使用でございまして、主な作業は充てん、サンプリング等でございます。
 21人の個人ばく露測定を行い、A測定は二つ、スポットが19ということで行っております。
 25行目のところへちょっと飛びますが、測定結果については、21人の個人ばく露測定は8時間TWAの幾何平均値として0.0605、最大値は1.13ということで、この作業は製造した1,3-ジクロロプロペンをタンクからペール缶に充てんする作業で見られたものです。すべてのデータを用いて、信頼率90%でデータを区間推定した上限値ですが、これは0.718ということで、二次評価値は下回っておりました。このことから、ばく露最大値は高い方をとるということになっておりますので、個人ばく露測定の実測値であるところの1.13ppmとなりまして、二次評価値を超えているということでございます。
 この1.134ppmを示した労働者が、そこの作業場のA測定の結果は、幾何平均値として0.475、最大値は0.907ppmとなっています。当該事業場では、囲い式の局排が設置されておりまして、有効性も確認されたということですが、充てん口に近接した場所での作業であったため、高いばく露が確認されたものではないかと考えております。この作業場では防毒マスクを使っております。
 この作業は、一番高い値が認められたものと同種の作業、同じように製造して、それをペール缶に受けるという作業を別の事業場でも行っておりまして、その別の事業場では、3人のうち2人はばく露レベルが低かったんですが、残りの1人は二次評価値をわずかに下回っているものの、比較的高いばく露が見られました。これは、この労働者の作業場所の局排が有効に機能していなかったことが要因ではないかと考えられました。
 この最大値1.13が測定された作業場の別の作業、サンプリングをする作業でのスポット測定では、最大値が18.4という極めて高い値が出ています。屋外ではございますが、風下側で著しく高い値となっておりまして、個人ばく露測定の結果は低いレベルにとどまっていますけれども、呼吸用保護具がなくてばく露リスクが高いのではないかと、注意が必要かということです。
 リスクの判定としまして、1,3-ジクロロプロペンについては、21人のうち、1人が二次評価値を超えておりまして、ペール缶への充てんの作業であったんですが、同種の作業に従事するほかの事業場でも二次評価値を超えてはいなかったんだけれども、比較的高いばく露が見られたということです。スポット測定でも高い値が見られたということですので、以上から、1,3-ジクロロプロペンについては、今後、さらに詳細なリスク評価が必要である。
 その際、1事業場のみが二次評価値を超えていたことを勘案し、その対象物質の製造、特にペール缶の充てん作業、サンプリング作業を行う事業場に対して追加調査を行い、作業工程に共通した問題であるかをより詳細に分析する必要があると。
 また、このリスク評価の結論を待たずに、発がん性が疑われる物質であるため、対象物質の製造の作業のみならず、ほかの作業についても製造取り扱いに従事する労働者を対象として、自主的なリスク管理を行うことが必要と考えるという形でまとめております。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見・御質問等ありますでしょうか。
 ばく露濃度も高いのと、あと、A測、B測の中でも高いところにいるので、従来のルールに従いますと、詳細評価ということでいいのかなと。ただ、この後、詳細評価を行ったときに、事業場の共通性ということが加味されてきて、濃度を決めなくちゃとか、どういうふうにして管理していくかを決めないといけないので、そこで追加的に共通性があるかどうかということを、よりきちっと詳細の中で追求してほしいという形でまとめましたということでございますけれども、どうでしょうか。よろしいでしょうか。ほかにありますか。よろしいですか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 そうしましたら、詳細評価にということと、あとは追加のときに、ここに書かれましたことを注意して、追加調査をしてほしいということでまとめたいと。どうもありがとうございました。
 そうしましたら、次、資料3−4というところで、これもまた事務局、よろしくお願いいたします。
○松井化学物質評価室長 資料3−4でございます。
 ジメチル-2,2-ジクロロビニルホスフェイトということで、表紙の裏を見ていただきますと、名称で、括弧書きで別名、DDVP、それから、農薬としてのISOの一般名としまして、ジクロルボスでございます。有機リン系の殺虫剤でございます。
 (2)の物理的化学的性状のところをごらんいただきますと、常温で液体でございます。
 それから、(3)の生産量等を見ていただきますと、畑にまく乳剤ですとか、事務所や家庭用で室内に置いて、あるいはビニールハウスの中に置いて燻煙あるいは薫蒸というような形で使われているものでございます。
 それから、有害性評価でございますが、発がん性はIARCの2Bに分類されております。発がん性の閾値でございますけれども、微生物を用いた多くの試験で突然変異の誘発等が報告されているということで、閾値なしということでございますが、ユニットリスクについての情報もございません、というようなことでございます。
 次のページの一番上のところを見ていただきますと、有機リン系の薬剤でございますので、コリンエステラーゼ活性の阻害をする神経毒でございます。
 (3)の許容濃度を見ていただきますと、ACGIHで0.1mg/m3ということでございます。
 (4)の評価値で、一次評価値は、ユニットリスクの情報がございませんので、評価値なし、それから、二次評価値につきましては、先ほどのACGIHで0.1mg/m3でございますので、ppmで0.01ppmということでございます。
 ばく露実態評価でございますけれども、まず、ばく露作業報告の状況ですけれども、平成21年に13の事業場から報告がございました。
 第2段落にございます主な用途が、「他の製剤等の製造を目的とした原料としての使用」となっておりますけれども、これはこのDDVPという対象物質を有効成分として用いた殺虫剤の製造ということでございます。
 それから、三つ目の段落を見ていただきまして、作業時間が月20時間以下の作業が85%、それから、局所排気装置は100%設置されているというふうな報告でございます。あと、防毒マスクの着用が74%ということでございました。
 (2)のばく露実態調査結果でございますけれども、ばく露作業報告のありました事業場からコントロールバンディングの手法を用いまして、ばく露レベルが高いと推定される事業場を選定してまいりましたが、このばく露作業報告の後にDDVPの製造を中止したという事業場が選定した事業場の中にございまして、結果として二つの事業場において実態調査ができたというような状況でございます。次のページに参りまして、一番上にございますけれども、調査を実施できたのは2事業場でございます。
 それから、測定分析法はそこにございますとおりでございまして、次の○の作業の概要ですけれども、この二つの事業場はいずれも、事務所用などの室内に固体の板状の殺虫剤を置いて、蒸散させて殺虫するという製品がございますが、これをつくっている事業場ということでございます。このDDVPはもともと、先ほどございましたように、常温で液体でございます。これにほかの原料を加えて、固体の室内で蒸散をするような殺虫剤をつくるということで、ばく露の可能性のある主な作業として、原料の投入ですとか、製造途中の先端部を巻き取って廃棄する作業など、手作業のものがかなりございまして、一部は局所排気装置が設置されていない場所で行われているというようなことでございます。
 ちょっとここに書いてございませんけれども、ほかの原料とまぜて、100℃ちょっとに加温をしまして、でき上がりは固体ではございますけれども、報告によると半固体というような状態で最初は流れていって、最後に固体で包装されるというようなことでございます。
 測定結果が次のページのグラフにございますが、最大値が0.316mg/m3ということで、二次評価値の0.1mg/m3を相当上回っております。データ数が少ないですけれども、上側5%の区間推定をすると、0.4ちょっとというようなことでございます。
 それで、棒グラフの下にa1とかb1とか書いてございますけれども、これがすべてのデータでございまして、片方のaという事業場で、二次評価値を上回っている8時間TWAの数値が得られておりますが、もう片方のbという事業場においても、スポット測定では一部の作業場で0.441という最大値が得られるなど、かなり高い数値がスポット測定では得られていると。ただし、ここの作業場の作業時間、ばく露のおそれのある作業時間というのが4分で終わっているということがございまして、8時間TWAにすると、このbの方の作業場の測定値は二次評価値を下回るというような状況でございます。
 4に参りまして、リスクの判定及び今後の対応でございますけれども、今申し上げましたように、二つの事業場のうち、一つの事業場で二次評価値を超える人が3人おられたということと、もう一つの事業場もスポット測定ではかなり高い数字が出ているということ。
 それから、今回の調査は2事業場にとどまっておりますが、かなり高いばく露の可能性が示唆されましたので、今回、初期リスク評価ということで、さらに詳細なリスク評価を行って、今回は事務所等のための板状の固体の殺虫剤をつくる事業場だけだったんですが、それ以外の事業場も含めて実態調査を行って、詳細にリスク評価を行ってはどうかというようなことでございます。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
 それでは、ジクロルボスにつきまして、ただいまの説明に御意見・御質問等ありますでしょうか。
 これもルールに従うと、間違いなく詳細評価という形になりますけれども、記載等にありましたら何か。どうぞ。
○西川委員 これは農薬に使われていて、どこかで見た覚えがあるんですけれども、遺伝毒性ありという評価なのですが、別添2の6ページから結構たくさんの試験がやられていて、プラス・マイナス混在しているんですけども、これを総合評価して、遺伝毒性ありとした最も大きな根拠となる試験というのは何でしょうか。
○松井化学物質評価室長 これは、有害性小検討会の先生方はいかがでしょうか。
○清水委員 In vitroではかなり、いろいろな試験方法が陽性ですね。In vivoは、少なくともここで調べられる限りにおいては、陽性のものは少ないんですけれども、ある程度、陽性になるものもあるし、陰性のものもあるけれども、総合して多分ありと評価したんだと思うんですね。
○西川委員 例えば染色体異常であるかどうかは、小核試験がネガティブであれば、同じライン上の試験だからネガティブだろうという、そういう評価をしないのでしょうか。
○清水委員 これだけで、染色体異常はネガティブと評価するのはやっぱり言い過ぎかと。
○西川委員 わかりました。
○名古屋座長 じゃあ、ちょっとこの後はまた、この表現だけよろしくお願いいたします。
 あと、よろしいでしょうか。はい、どうぞ。
○花井委員 ちょっと一つ質問で、ばく露の実態調査の結果で、幾つか選んで調べたけれども、2事業場しかなかったという。これは製造業者を見ると、非常にたくさんありますよね。これも全国で大体どのくらいの事業場が扱っていて、大体こんな状況であろうというのは、それは厚生労働省の方ではつかんでいるんですか。事業者と数、量というものは。
○松井化学物質評価室長 はい。ばく露作業報告の方は、500キロ以上の取り扱いがあるところは出てきますので、これが13ございまして、今の、どうしてもコントロールバンティングをすると、製品の濃度が高いですとか、あるいはこういった作業の状況で、どうしても板状のものと、それから農薬の原体に近い濃度の高いものをつくられているところからとっているんですけれども、この板状のもの以外に、畑にまく乳剤と言っている50%とか75%に界面活性剤で液体にした製品、これをつくっているところ、それから原体をつくっているところがございます。
○花井委員 そうすると、そういうのも、用途か何かを広くとれば、もっとデータはふえてくると、そういうことですね。
○松井化学物質評価室長 そうですね、はい。
○花井委員 わかりました。
○名古屋座長 要するに、事業場が13で作業場39、延べ数が223いますから、多分、詳細評価になったら、もう少しふやしていって詳細評価はできるかなと。たったこれだけでもこれだけ危ないというのは、やっぱり詳細評価によってきちっとやっていただきたいなということだと思います。よろしいでしょうか。
 では、ジクロルボスにつきましては、詳細評価に行ってよろしいでしょうか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 ありがとうございます。
 それでは、最後になりますので、3−5のナフタレンというところで、また事務局、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 資料3−5、ナフタレンですけれども、別名ナフタリンということで、(2)の物理的化学的性状のところにありますように、特徴的な臭気のある白色固体ということです。沸点218℃、蒸気圧が11Pa、融点80℃ということで、白色固体です。
 生産・輸入量としましては、生産量が14万8,000トン。用途としては、染料中間体等となっています。防虫剤として使われているというのは、一般的に周知されているところだと思います。
 2番としまして、有害性評価ですが、発がん性は、ヒトに対して発がん性が疑われるとして、IARC:2Bとしております。閾値の有無ですが、不明という判断となっています。根拠としましては、変異原性の有無について評価が分かれているということ。In vitroの試験ではCHO細胞を用いる代謝活性化法及び姉妹染色分体交換試験で陽性を示す一方、Ames試験、復帰突然変異試験等で陰性と報告されていると。それで、In vivoではショウジョウバエを用いる特定座位試験で陽性であるということですが、ほかに報告がないため、この評価はできないということとしています。
 (2)として、発がん性以外の有害性ですが、急性毒性はありということで、LD50がここに示したとおりです。皮膚腐食性、皮膚感作性等については、刺激性の方があり、感作性の報告なし。特定標的臓器に対する単回ばく露の毒性については、ヒトに対し溶血作用・メトヘモグロビン血症を起こすということがよく知られているということでございます。反復ばく露の毒性については、ヒトへの影響として、皮膚、目・咽喉頭の刺激及び炎症、胃腸障害、貧血等、視野狭窄等になっているということです。吸入毒性(マウス)としまして、嗅上皮の慢性炎症及び化生、呼吸上皮の過形成、肺の慢性病変の増加となっています。
 (3)許容濃度ですが、ACGIHの10ppmが採用となっておりまして、TLV−STELの方が15ppmとなっています。
 評価値としましては、一次評価値は評価値なし、二次評価値はACGIHの方を採用しまして、10ppmとしています。
 ばく露実態調査ですが、(1)にありますように、有害物ばく露作業報告は152の事業場から505の作業においてなされまして、労働者数合計は、延べですが、9,151人、取扱量合計は延べ240万トンとなっています。
 主な用途としましては、ほかの製剤等の製造を目的とした原料としての使用、主な作業としては、計量、配合、小分け等の作業、サンプリング等の作業でございました。
 次に、ばく露実態調査結果でございますが、次のページ、3ページの上の方ですが、有害物ばく露作業報告のあった事業場のうちから、ガイドラインに基づきまして、コントロールバンディングを用いて、6事業場を選定しております。
 対象事業場においては、ナフタレンを原料としたほかの製剤の製造またはナフタレンそのものの製造を行っておりまして、ばく露の可能性のある主な作業は、サンプリング、それから袋詰め・充てん等の作業、そして、ポンプストレーナ清掃等でございました。
 対象事業場においては、31人の個人ばく露測定、それから、4カ所の単位作業場においてA測定、35地点のスポット測定を実施しております。
 測定結果です。20行目からですが、労働者31人の個人ばく露測定の幾何平均値は0.3、最大値は2.12、袋詰め等をして開口部をミシンがけする作業でございまして、全データを用いて区間推定した値の上限値は3.91ということで、推定のばく露最大値は3.91ppmとなりました。
 続きまして、同じ最大値を示したA測定の結果ですが、これが幾何平均値として6.69、最大値が8.08となっています。ここにナフタレンのばく露が高くなった異常等が、こういうことで推察されるということで書いてございます。A測定の最大値が、ミシンがけした作業場の隣の倉庫で16.6ということで、かなり高い値となっています。
 そこに事情がいろいろ書いてございますけれども、少し飛ばしまして、次のページの2行目からございますけれども、スポット測定の方は、算術平均で8.5、最大値で9.68となっています。
 8行目にございますところがちょっと問題なんでございますが、今回の測定では、ほとんどのデータで、全部ではなかったと思いますけれども、捕集管の2層目から対象物質が検出されておりまして、1層目に対する割合が平均で36.5%、最大で46%ということで、破過しているということでございます。これを、縷々述べてきましたいろいろな測定値に対して、どのように評価するかということが問題となるわけでございます。取り急ぎ、事務局としましては、この測定データのそのままの値を前提としまして、リスクの判定ということで一応記載をしております。
 ナフタレンについては、30人全員が二次評価値、済みません、これは「31人」です。データは追加をしておりまして、訂正をお願いします。31人全員が二次評価値以下でございました。
 区間推定が3.56とありますが、済みません、これも「3.91」の間違いかと思います。二次評価値を下回っておりますけれども、そういった関係から高いばく露リスクが発生する可能性が低いと考えております。
 それから、追加の情報として、個人ばく露測定で最大値を示した作業、それから、A測定でもかなり高い値だったわけですが、この事業場での同種の作業というのは、今後、行われない。作業として廃止ということでございます。
 以上のことから、リスクが低いと考えられるということで記載はしておりますけれども、この8行目、9行目にありますように、1層目に対する割合が平均で36.5、この値がかなりばらつきがあるということですので、そこをどのように評価するかということがちょっと問題かなというふうに考えております。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問・御意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。
 ちょっと8行目のところ、再現性は、これは結構、物すごく悪いの。これは棗田さんに聞くのかな。
○棗田(中災防) 実際のところ、実際の生のデータを見てみますと、例えばなんですけれども、非常に多量にとったからといって、46%を抜けるわけではなくて、低い濃度でも40何%を抜けているのもあれば、高い濃度でも2%しか抜けていないというのがあるんですね。一応、CV的には、やっぱり15〜16%ぐらいのCVが出てしまっているので、そうすると、平均すれば、やはり濃度が高くなればなるほど抜けるという傾向はあるんですけれども、ただ、一概にそうとも言えないというところで、ちょっとこれに関しては、測定法に若干、やはり我々の方で問題があったというふうに言わざるを得ないかなと思っているんですけれども。
○名古屋座長 問題はあれだよね、その回収率のところの分析法が確立するまでどうするかということと、逆に確立したときに、ある程度のファクターで回収率があれば、そこのところを今のデータに換算してみて、どう頑張ってもこの二次評価値を超えないよということを確認できれば、そのままでいいんだけども、そこまでほうっておくというのもなかなか大変かなというので、これはちょっと皆さんの意見を聞かないといけないかなと思うんですけれども。どうしましょうか。
 ある意味では、このデータを見る限りでは、自主的な管理で、初期評価のままでいいんですけど、ただし、並行して分析方法の検討をしていただいて、確立したところの今のデータで合わせて、超えていなかったらそのままペンディングする、オーケーと。もしかして、やはり超える可能性があるとしたら、もう一度、初期評価に戻って、ばく露の測定をし直すという形のあり方もあるかと思いますけど。どうでしょうか、この辺のところは。
 再現性がよければオーケーで、ガイドラインに書いたのは、80%以上は回収率にしたんですけど、ただし、悪くても、再現性がよかった場合はそれを採用しましょうというのをガイドラインに書いたんですけど、ちょっと何か、今回余りよくないので、どうしましょうかというのは、特に今、事務局が言われていることだと思いますけれども。濃度的にはかなり低いので。どうぞ、先生。
○櫻井委員 気になるところは、別添1の5ページに、特定標的臓器/全身毒性(反復ばく露)のデータを二つ紹介してあるんですけれども、これはヒトのデータのLOAELが2.1mgだと。それから、その下はマウスか。10ppm、LOAELがですね。これとACGIHの報告とのギャップが非常に大きいわけですよね。ACGIHは10ppmで52mg/m3なので、そのケのところに引用しているヒトのデータの精度といいますか、信頼性を、どうなんだろう。これは有害性評価小委員会で御検討になったのではないかとは思いますけども。
 それで、動物実験の方は恐らく、その下ですね、LOAELが10ppm。これは動物実験のデータそのものを見たときに、やはりACGIHがヒトのデータから10ppmを勧告しているのをどこまで本当に依存しちゃっていいのかなという心配はありますね。
○名古屋座長 濃度が下がると、当然、分析値のばらつきが大きいから、こういう可能性はありますよということですね。10でオーケーだったら、まあとりあえず。
○櫻井委員 そのACGIHをどこまで信用していいのか。それを言い出すと困るんですけれども、ただ、このデータの大きなギャップがあるので、もう一度、詳細をどうせやるんでしょうから。
○名古屋座長 このままだと、先生、詳細で、このままでとまっちゃうんです。
○櫻井委員 いかないんですね。
○名古屋座長 初期評価で終わっちゃいます。
○櫻井委員 もう終わっちゃうんですね。
○名古屋座長 終わっちゃうんです。
○内山委員 よろしいですか。私ももう一つ気になったんですが、昨年、WHOがインドア・エア・クオリティーガイドラインを出したんですけれども、それにナフタレンが載っているんですね。ただ、それは一般のヒトも対象にしたものなんですが。
 このACGIHを見ると、1976年とか65年の水晶体の混濁とか、非常に大ざっぱな指標で、たしかWHOはメトヘモグロビンの精製をして、疫学調査を使っていて、それが何ppmだったか、ちょっと今、はっきり覚えていないんですが、それは多少、普通の一般家庭の室内も考えた値ですので、これよりは低いと思うんですけれども。
 ただ、指標を用いたいときに、ACGIHは1965年という、もう大分前のレンズの混濁とか、網膜変性という、非常に大きな目に見えるような指標を使っているので、先生がおっしゃったギャップはそこら辺にあるんじゃないかと思うんですね。それを、その後、見直していないのかなという気はするんですが。
○名古屋座長 そうしましたら、これは有害評価のところに一度戻していただいて、これはもう一度、そういう意味で両先生の御意見を聞いて、濃度について検討していただくということと、それから、むしろ我々の方としては、その分析方法につきましても、もう少し検討していただいて、再度、もう一度、どういうふうにするかというのを検討するという形のまとめ方でもよろしいですか。そうしませんと、一般的によく使われるものですので、やはりきちんとしておいた方がいいと思いますので。
 ほかに御意見等ありますでしょうか。どうぞ、先生、お願いします。
○西川委員 記載についての細かい点になるかもしれませんけれども、1ページの有害性評価のところで、閾値の有無の判断は不明であるということで、その根拠が書かれています。それで、その別添1の3ページのオのところにも同じような記載があるんですが、別添2を見ますと、7ページですが、このオのところで「報告なし」とあるんですね。それで、それに引き続いて、参考資料として同じような記載があります。
 それで、この資料は「引用文献3」とあるのですが、これは急性毒性も、皮膚腐食性/刺激性も、眼に対する刺激性も同様の文献であるのですが、なぜ、遺伝毒性だけが参考資料になっているかちょっと疑問に思いました。
○名古屋座長 これは事務局、お願いしていいですか。済みません。
 あと、ほかにありますでしょうか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 そうしましたら、これに関しましては、第二評価値につきまして、もう一度、有害性評価のところに戻して、内山先生が言われたように、WHOのことがありますので、もう一度、検討していただくということで。ばく露の方としましては、中災防の人は大変ですけれども、もう一度、検討していただくということで、そこを合わせて、もう一度、初期評価でとめるのか、先に進むのかどうかというのを再度検討したいという形でまとめたいと思います。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 そうしましたら、きょうのところの物質はすべて終わりまして、あと、確認事項が発生していますので、これにつきましては、この点については事務局に確認していただいて、次回、報告するような形でよろしいでしょうか。
(特に発言なし)
○名古屋座長 そうしましたら、最後の資料4のところの説明、よろしくお願いいたします。
○寺島化学物質情報管理官 はい。資料4ですが、今後の予定としまして、第2回目、次回が5月27日、同じ建物で16時から、本日と同じ時間となっています。その次の第3回でございますが、6月15日の午前中、この同じ建物となっています。ちょっと書いてございませんが、第4回として、6月30日にも予定しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、以上、本日予定しました5物質について検討が終わりまして、あと、予定等もできましたので、これで終わりたいと思います。本日はどうもいろいろありがとうございました。またよろしくお願いいたします。


(了)

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