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2010年8月6日 第32回中央最低賃金審議会 議事録

労働基準局労働条件政策課賃金時間室

○日時

平成22年8月6日(金)
13:00〜13:30


○場所

厚生労働省専用第18,19,20会議室(17階)


○出席者

【公益委員】

今野会長、勝委員、野寺委員

【労働者委員】

石黒委員、木住野委員、田村委員、團野委員、萩原委員

【使用者委員】

池田委員、小林委員、高橋委員、山崎委員、横山委員、吉岡委員

【事務局】

細川厚生労働副大臣、金子労働基準局長、森岡大臣官房審議官
前田総務課長、本多大臣官房参事官(併)賃金時間室長、山本主任中央労働基準監察監督官
藤永主任中央賃金指導官、伊津野副主任賃金指導官
平岡賃金時間室長補佐、亀井賃金時間室長補佐

○議事

○今野会長
  それでは、時間ですので、ただ今から第32回中央最低賃金審議会を開催いたします。本日は、勝委員、北田委員、中窪委員、藤村委員、が御欠席です。
  本日の議題に入る前に、厚生労働省の内部組織等の改正がありましたので、その御報告からお願いいたします。

○前田総務課長
  労働基準局総務課長の前田でございます。私の方から、厚生労働省の内部組織の改編と人事異動について御紹介させていただきます。
  資料として、参考でお配りしております厚生労働省組織令の一部を改正する政令の概要を御覧いただきたいと思います。
  昨日、8月5日付で厚生労働省の内部部局の一部改正があったということでございまして、1頁を御覧いただきますと、職業安定局に非正規対策を扱う派遣・有期労働対策部というものが新設されまして、労働基準局に従来ありました勤労者生活部が廃止されたということでございます。
  最低賃金制度については、従来から、勤労者生活部勤労者生活課で扱ってきたわけですが、勤労者生活部の廃止に伴いまして、担当が変わるということでございます。2、3頁をお開きいただきたいと思います。
  2頁は、従来の機構図でありまして、一番左にあります勤労者生活部勤労者生活課というところが、これまで最低賃金制度を所掌しておりました。
  3頁は、8月5日に変わりました新たな組織でございます。まず、部の廃止によりまして、新たに賃金担当の審議官が設けられております。審議官の2人目のところで「賃金、援護・人道調査担当」と書いてあります。この審議官が最低賃金制度について担当するということです。
  併せて、その横にあります参事官は賃金時間担当と書いております。この参事官が最低賃金を専任で担当するということです。参事官と申しますのは、役所の中でいきますと政令職ということで、課長と同じということでございます。
  従来、勤労者生活課におきましては、この最低賃金のほかに、中小企業の退職金共済制度を扱っていたほか、勤労者福祉事業室が課内にありまして、そこで中小企業の勤労者福祉サービスセンターなど、福祉関係の事業も併せて所掌しておったわけですが、今回改正後は、賃金時間担当の参事官ということで、基本的にはもっぱら最低賃金制度を取扱うという形になりまして、最低賃金制度についての体制は強化されたと考えております。
  併せて、労働条件政策課という課が設けられました。これは労働条件に関わる政策の企画、立案をやるということで、4頁にそれぞれの課の主な所掌を書いております。
  なお、新たな勤労者生活課というものができるわけですが、そちらは勤労者財産形成貯蓄とか中小企業の退職金共済制度、労働金庫などを取り扱うということでございます。
  次に、この組織改正に併せまして人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。

○森岡大臣官房審議官
  賃金、援護・人道調査担当審議官の森岡でございます。

○本多大臣官房参事官
  賃金時間担当参事官の本多でございます。

○藤永主任中央賃金指導官
  主任中央賃金指導官の藤永でございます。

○前田総務課長
  私からは、以上でございます。

○今野会長
  ありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。
  本日の議題は「平成22年度地域別最低賃金額改定の目安について」です。平成22年度地域別最低賃金額改定の目安については、去る7月2日に厚生労働大臣から当審議会に対し諮問が行われておりましたが、その後、目安に関する小委員会において、熱心に検討をしていただきました。その結果、先日の目安に関する小委員会において報告が取りまとめられましたので、小委員会委員長を務めました私から報告したいと思います。
  今年度の目安審議については、去る7月2日の総会において諮問があり、目安に関する小委員会に付託されました。
  その後、目安に関する小委員会においては、7月2日、7月14日、7月20日、7月27日、8月2日、8月4日に会議を開催し、委員の皆さんに熱心に御議論をいただきました。例年と違いまして、第4回から第6回にわたって小委員会の報告をまとめるべく、公益委員と労使委員との個別の打ち合わせを幾度にもわたり開催いたしました。特に第6回においては、朝まで議論をしていただきましたが、労使の意見の一致を得ることができませんでした。しかしながら、結果として、公益委員見解を地方最低賃金審議会に示すよう、本審議会に報告することとされ、お手元に配付してあります報告をまとめた次第でございます。
  それでは、この小委員会報告を事務局に朗読してもらいます。

○伊津野副主任中央賃金指導官
  副主任中央賃金指導官の伊津野でございます。朗読させていただきます。
  中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告。平成22年8月4日。
  1、はじめに。平成22年度の地域別最低賃金額改定の目安については、累次にわたり会議を開催し、目安額についてそれぞれ真摯な議論が展開されるなど、十分審議を尽くしたところである。
  2、労働者側見解。労働者側委員は、勤労者の所得格差が拡大し、生活そのものに困難を極める人たちが拡大していることを指摘し、ナショナルミニマムとして「生活できる最低賃金水準」を早急に確立することが必要不可欠と指摘した。
  また、日本経済は、アジアを中心とした輸出入の回復によって景気回復の兆しが見られるものの、配分構造は歪んだままであり、雇用や消費関連の指標の改善は見られず、内需は弱いままとなっている。今後、日本経済が回復へと向かうためには、勤労者生活の安心・安定を確保し、個人消費の落込みに歯止めをかけ、消費拡大へ反転させる必要があると主張した。
  さらに、最低賃金の水準は一般労働者の賃金実態からみて依然として低く、先進国の中ではもっとも低い水準となっており、賃金の底上げにつながる最低賃金を確立することが急務となっていると主張した。
  次に、雇用戦略対話において、最低賃金の具体的な目標金額の水準について合意がなされたことを高く評価し、政労使による初めての目標金額の水準の確認であり、極めて重い合意であると主張した。  
  こうした状況を踏まえれば、雇用戦略対話の合意に掲げられた目標の達成に向け、着実な一歩となる目安を具体的に示すことが必要であると主張した。具体的には、勤労者生活や最低賃金の現状を踏まえれば、本年度をスタートとして3年程度でこの目標を実現することが必要であり、とりわけ800円との乖離が大きいC、Dランクについて、この目標を踏まえた大幅な引上げを行うべきであると最後まで強く主張した。
  また、生活保護との乖離解消については、最低賃金法上も要請されており、生活保護との乖離がある地域においては、一気に解消することを強く求めると主張した。
  3、使用者側見解。使用者側委員は、日本経済は、着実に持直しの動きが続いているが、設備投資に力強さが見られないなど、民間主導の自律的な景気回復過程に入っているとは言い難い状況にあり、とりわけ、中小零細企業の多くは、いまだに景気回復の実感すら持てないところが多いのが実態であると主張した。
  また、完全失業率は4カ月連続の上昇となり、有効求人倍率も依然として低水準であり、雇用情勢も依然として厳しい状況が続いていると主張した。
  さらに、雇用戦略対話における合意については、数値目標の部分だけでなく、その前提条件である事項(経済成長、中小企業の生産性、中小企業支援策)のすべてをパッケージとして合意されたものであり、数値目標だけ取り出して検討できない。とりわけ、「2020年度までの平均で、名目3%、実質2%を上回る成長」が重要であるが、当面、この達成は極めて困難である。また、中小企業の生産性は停滞ないしマイナス傾向にあり、中小企業の具体的な支援策は未だ決まっていない。こうした状況の中で、最低賃金だけを引き上げれば、中小零細企業にもたらす影響は測りしれず、企業の存続をおびやかすだけでなく、地域の雇用情勢の更なる悪化を招くおそれがあると最後まで強く主張した。
  以上の点を踏まえれば、今年度の目安審議に当たっては、全てのランクでマイナスとなっている賃金改定状況調査結果を十分に踏まえて議論を行うべきであり、経済成長の前提を満たしていないだけでなく、パッケージとして合意された事項のいずれも達成されていない現状においては、とりわけCDランクの大幅な引上げは困難であると主張した。
  また、生活保護との乖離解消については、生活保護の基準年度の変更により、乖離額が拡大し、再び乖離が生じた。乖離額が拡大した地域については、地域の経済状況や賃金の分布状況を踏まえながら、昨年同様に乖離解消の方法について見直しが必要と主張した。また、乖離額の変動問題については、今後、早急に検討を行うべきと主張した。
  4、意見の不一致。本小委員会としては、これらの意見を踏まえ目安を取りまとめるべく努めたところであるが、労使の意見の隔たりが大きく、遺憾ながら目安を定めるに至らなかった。
  5、公益委員見解及びこれに対する労使の意見。公益委員としては、賃金改定状況調査結果を重要な参考資料とするとともに、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係にも配慮しつつ、加えて、生活保護に係る施策との整合性にも配慮することとする規定が新たに加えられた最低賃金法改正法の趣旨及び雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意(平成22年6月3日 雇用戦略対話第4回会合。以下「雇用戦略対話合意」という。)を踏まえ、平成20年度の公益委員見解で示した、一定の前提の下での生活保護と最低賃金との比較(直近データによる比較は、別添グラフ参照。)を行い、また、上記の労使の小規模企業の経営実態等への配慮及びそこに働く労働者の労働条件の改善の必要性に関する意見等にも表れた諸般の事情を総合的に勘案し、公益委員による見解を下記1のとおり取りまとめた。なお、公益委員としては、雇用戦略対話合意については、できる限り早期に全国最低800円を確保すること、経済成長、中小企業の生産性、中小企業支援策の実施状況に配慮すべきものと考える。
  本小委員会としては、地方最低賃金審議会における円滑な審議に資するため、下記1を公益委員見解として同審議会に示すよう総会に報告することとした。
  また、審議の際の留意点等に関し、下記2以下のとおり示し、併せて総会に報告することとした。 
なお、下記の公益委員見解については、労使双方ともそれぞれ主張と離れた内容となっているとし、不満の意を表明した。また、使用者側の全部は、下記1の公益委員見解を地方最低賃金審議会に示すよう総会に報告することは適当でないとの意見を表明した。
  さらに、雇用戦略対話合意において、当該合意における最低賃金引上げの目標の円滑な達成を支援するため、最低賃金引上げにより最も影響を受ける中小企業に対する支援等の取組を講じることを検討すべきとされており、本小委員会としては、政府において必要な検討が行われることを要望する。また、行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。
  記。平成22年度地域別最低賃金額改定の目安に関する公益委員見解。
  1 、平成22年度地域別最低賃金額改定の引上げ額の目安は、表1中で下線が付されていない県については、同表に掲げる金額とし、下線が付された都道府県(利用可能な直近の平成20年度データに基づく生活保護水準との乖離額から、平成21年度の地域別最低賃金引上げ額を控除してもなお生活保護水準を下回っている都道府県)については、以下に掲げる金額と、表1に掲げる金額とを比較して大きい方の金額とする。
  (1)表2中の下線が付されていない都道府県(昨年度の地方最低賃金審議会において、今年度以降も引き続き乖離額を解消することとされていた都道府県)については、原則として、それぞれ同表のC欄に掲げる乖離額を、昨年度において乖離額を解消するための期間として同審議会が定めた予定解消年数(以下「予定解消年数」という。)から1年を控除した年数(以下「乖離解消予定残年数」という。)で除して得た金額とする。ただし、そうした場合に、今年度の引上げ額がこれまでに例を見ないほどに大幅になるケースや、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係等を勘案して地域の経済や雇用に著しい影響を及ぼすと考えられるケースについては、当該金額を原則としつつ、同表のC欄に掲げる乖離額を乖離解消予定残年数に1年を加えた年数で除して得た金額も踏まえて、地方最低賃金審議会において審議を行うものとする。
  (2)表2中の下線が付された県(昨年度に乖離額を一旦解消したが、最新のデータに基づいて比較を行った結果、新たに乖離額が生じた県)については、それぞれ同表のC欄に掲げる乖離額を、当該乖離額を解消するための期間として地方最低賃金審議会で定める年数で除して得た金額とする。
  (表1)、ランク、都道府県、金額。A、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、10円。B、栃木、埼玉、富山、長野、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島、10円。C、北海道、宮城、福島、茨城、群馬、新潟、石川、福井、山梨、岐阜、奈良、和歌山、岡山、山口、香川、福岡、10円。D、青森、岩手、秋田、山形、鳥取、島根、徳島、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄、10円。
  (表2)都道府県、平成20年度データに基づく乖離額(A)、平成21年度地域別最低賃金引上げ額(B)、残された乖離額(C)(=A−B)。北海道、50円、11円、39円。青森、9円、3円、6円。宮城、23円、9円、14円。秋田、8円、3円、5円。埼玉、27円、13円、14円。千葉、10円、5円、5円。東京、65円、25円、40円。神奈川、70円、23円、47円。京都、32円、12円、20円。大阪、31円、14円、17円。兵庫、22円、9円、13円。広島、22円、9円、13円。
  2、(1)目安小委員会は本年の目安の審議に当たっては、平成16年12月15日に中央最低賃金審議会において了承された「中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会報告」を踏まえ、特に地方最低賃金審議会における合理的な自主性発揮が確保できるよう整備充実に努めてきた資料を基にするとともに、「雇用戦略対話における最低賃金の引上げに関する合意(平成22年6月3日 雇用戦略対話第4回会合)を踏まえた」調査審議が求められたことに特段の配慮をした上で、諸般の事情を総合的に勘案して審議してきたところである。
  目安小委員会の公益委員としては、地方最低賃金審議会においては最低賃金の審議に際し、上記資料を活用されることを希望する。
  (2)昨年度の地方最低賃金審議会において、今年度以降も引き続き乖離額を解消することとされていた都道府県については、今年度の解消額は、これまでの公益委員見解で示した考え方に基づけば、本来、最新のデータに基づいて算出された乖離額を、乖離解消予定残年数で解消することを前提に定められるものである。
  しかし、最低賃金と生活保護の比較について、最新のデータに基づいてこれを行った結果、昨年度の地方最低賃金審議会において最低賃金が生活保護水準を下回っているとされた都道府県の大部分において、乖離額が昨年度と比較して拡大するといった状況が見られるところである。
  このため、最低賃金額は、労働者の生計費なかんずく生活保護のみによって定められるものではなく、労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力も含めて総合的に勘案して決定されるべきであることにかんがみ、各地域の経済・企業・雇用動向等の実態を踏まえ、今年度においては、上記のこれまでの公益委員見解で示した考え方に基づく解消方法を見直すこともやむを得ないものと考える。
  具体的には、今年度の解消額の目安については、乖離額を乖離解消予定残年数で除して得た金額を原則とすることが適当である。ただし、そうした場合に、今年度の引上げ額がこれまでに例を見ないほどに大幅になるケースや、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係等を勘案して地域の経済や雇用に著しい影響を及ぼすと考えられるケースについては、当該金額を原則としつつ、乖離解消予定残年数に1年を加えた年数で除して得た金額も踏まえて、地方最低賃金審議会において審議を行うことが適当である。(3)上記の見直しに伴い、残された乖離額を解消するための期間について、昨年度の地方最低賃金審議会の答申において、原則として今年度で乖離額を解消するとしたケース(埼玉、東京、神奈川、京都、大阪、兵庫、広島)のうち、今年度で乖離額を解消するとした場合、引上げ額がこれまでに例を見ないほどに大幅になるものや、地域別最低賃金と実際の賃金分布との関係等を勘案して地域の経済や雇用に著しい影響を及ぼすと考えられるものについては、乖離解消予定残年数に1年を加えた年数までと見直すことが適当と考える。
  一方、昨年度の地方最低賃金審議会の答申において、昨年度で乖離額を解消するとしたケース(秋田、千葉)については、今年度新たに発生した乖離額について、これまでの公益委員見解で示した考え方を踏まえると原則として2年以内で解消することになるが、できるだけ速やかな解消を図ることが適当と考える。
  なお、具体的な解消期間については、地域の経済・企業・雇用動向等も踏まえ、地方最低賃金審議会がその自主性を発揮することを期待する。
  (4)また、今後の最低賃金と生活保護の具体的な比較については、その時点における最新のデータに基づいて行うことが適当と考える。ただし、解消すべき生活保護との乖離額が年々大きく変動しうるという問題については、別途対応を検討することが適当である。
  (5)目安小委員会の公益委員としては、中央最低賃金審議会が本年度の地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることを要望する。
  別添、生活保護(生活扶助基準(1類費+2類費+期末一時扶助費)+住宅扶助)と最低賃金。以上でございます。

○今野会長
  ありがとうございました。関係者の皆さんの御協力と御努力によって、今報告させていただきました小委員会報告をまとめることができました。改めて、私の方から感謝を申し上げたいと思います。
  なお、最後に付け加えたい点がございます。報告にもありましたとおり、小委員会としては、政府が最低賃金引上げにより最も大きな影響を受ける中小企業に対する支援等の取組みの実施を検討することなど、幾つかの要望をさせていただいたところでございます。本審議会における答申においても、この趣旨を盛り込んでいただければと考えております。
  ただ今の小委員会の報告の説明について、何かございますでしょうか。いかがでしょうか。

○小林委員
  使用者側としては、小委員会報告にもあるとおり、公益委員見解を地方最低賃金審議会に示すことは適当ではないというのが意見です。
  また、私から幾つかの意見、お願いを申し上げたいと思います。
  1つは、来年度以降の目安審議のあり方についてです。小委員会でも申し上げておりますとおり、使用者側の雇用戦略対話の合意についての考え方は、数値目標だけではなく、その前提となる新成長戦略で掲げている2020年度までの平均で名目3%、実質2%を上回る成長、中小企業の生産性向上、中小企業支援策など、これら前提条件を含めたパッケージとして合意したものだととらえております。今後これら要素については、毎年、関連データが積み重ねられていくわけですから、その評価についても、データに基づき適正に分析、検証した上で目安審議をお願いしたいと考えております。
  前提となる成長率などの達成なくして、最低賃金の引上げを行うことは、企業経営の圧迫にしかならないと考えております。特にC、Dランクの大幅かつ急激な最低賃金の引上げは、地域の中小企業、経済に大きなマイナスの影響を与えるものだと考えております。新成長戦略で掲げている名目3%、実質2%を上回る成長の実現に向けては、労使ともに努力することが必要だと思っておりますが、政府が掲げた目標ですから、政府の責任でしっかりと目標を上回るための政策の実現をお願いしたいと思います。
  6月18日に閣議決定された中小企業憲章の前文には、どんな問題も中小企業の立場で考えていくと記載されております。最低賃金の引上げによって影響を最も受けるのは中小零細企業で、中小企業支援策の検討に当たっては、特に中小零細企業の立場で考えた有効な支援策の検討と予算化をお願いします。そして、支援策実施後は、その支援策の効果がどのようだったか、分析、検証を行い、より効果のある施策に仕上げていくよう要望いたします。
  最後ですけれども、前回の中央最低賃金審議会でも申し上げましたが、目安制度のランク区分のあり方、生活保護との乖離解消方法のあり方の検討をするため、目安制度のあり方に関する全員協議会の重ねての開催をお願い申し上げます。
  以上でございます。

○今野会長
  ありがとうございました。御意見として伺っておきます。
  他にございますでしょうか。

○田村委員
  最後の方は同じ意見ですけれども、1つは、やはり雇用戦略対話の合意の影響というのは、総合的に考えれば、私どもはプラスと考えているという御認識をまずお願いしたいと思います。
  小林委員が言われたように、私どもの方としても、最低賃金と生活保護の乖離解消のために、A、B、C、Dというランクの境目というのがあいまいになってきたというところがございまして、昨年、目安制度のあり方に関する全員協議会で結論を出すことができませんでしたので、この辺は是非早急な会議の開催をお願いしたいと思いますし、今日の小委員会報告にもございますけれども、最低賃金と生活保護との具体的な比較の方法についても、労使で幾つか差がございますので、この検討を進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

○今野会長
  ありがとうございます。他にございますか。よろしいでしょうか。
  それでは、当審議会として答申を取りまとめたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○今野会長
  それでは、事務局から答申案を配付してください。

(答申案配布)

○今野会長
  それでは、事務局から朗読してもらいます。お願いします。

○伊津野副主任中央賃金指導官
  朗読させていただきます。
  (案)、平成22年8月6日、厚生労働大臣長妻昭殿、中央最低賃金審議会会長今野浩一郎、平成22年度地域別最低賃金額改定の目安について(答申)。平成22年7月2日に諮問のあった平成22年度地域別最低賃金額改定の目安について、下記のとおり答申する。
  記。1、平成22年度地域別最低賃金額改定の目安については、その金額に関し意見の一致をみるに至らなかった。
  2、地方最低賃金審議会における審議に資するため、上記目安に関する公益委員見解(別紙1)及び中央最低賃金審議会目安に関する小委員会報告(別紙2)を地方最低賃金審議会に提示するものとする。
  3、地方最低賃金審議会の審議の結果を重大な関心をもって見守ることとし、同審議会において、別紙1の2以下に示されている公益委員の見解を十分参酌され、自主性を発揮されることを強く期待するものである。
  4、本年6月の雇用戦略対話の最低賃金引上げの合意において、当該合意における最低賃金引上げの目標の円滑な達成を支援するため、最低賃金引上げにより最も影響を受ける中小企業に対する支援等の取組を講じることを検討すべきとされており、政府において必要な検討が行われることを要望する。また、行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金改定によって当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注時における特段の配慮を要望する。
  別紙1及び別紙2につきましては、先ほど朗読させていただきましたので、省略させていただきます。

○今野会長
  ありがとうございました。ただ今の答申案について、何かございますか。よろしいでしょうか。
  それでは、この答申案のとおり、答申を取りまとめたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。

(異議なし)

○今野会長
  それでは、了承したものとさせていただきます。
  次に、ただ今の答申を細川副大臣にお渡ししたいと思います。

(答申文手交)

○今野会長
  それでは、細川副大臣から御挨拶がございます。お願いいたします。

○細川厚生労働副大臣
  ただ今地域別最低賃金額改定の目安につきまして御答申をいただきました。ありがとうございました。深く御礼を申し上げます。
  今日の答申につきましては、長妻大臣が諮問のときに御挨拶を申し上げましたけれども、その御挨拶を踏まえまして、取りまとめをいただいたものと理解いたしておりまして、その点につきましても、厚く御礼を申し上げます。
  目安に関する御審議をいただきました委員の皆様方のいろんな御意見につきましては、私どもも強く受け止めまして、これからの中小企業の支援策などにつきましても、経済産業省とも連携を図りながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
  今回の御審議に当たっては、特に目安に関する小委員会では、6回という大変多くの回数を重ねて、熱心に御議論をいただいたところでございます。先ほど、今野会長からもお話がありましたように、最後の6回目などは徹夜の議論ということにもなったようでありまして、本当にこの間の委員の皆様方の熱心な最低賃金の目安についての御議論につきましては、私どもとしましても大変感謝、そして敬意を表するものでございます。
  皆様方の今回の答申を受けまして、私どもも更にしっかりと厚生労働行政、特に労働行政について頑張ってまいりたいと思います。
  今後ともまた御協力をよろしくお願い申し上げまして、簡単ではありますけれども、御礼の御挨拶にさせていただきます。本当に委員の皆様、ありがとうございました。

○今野会長
  ありがとうございました。他に何かございますか。よろしいですか。
  それでは、これで第32回中央最低賃金審議会を終了いたします。本日の議事録の署名は、木住野委員と吉岡委員でお願いいたします。
  それでは、終わりたいと思います。本日はお疲れ様でした。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労働条件政策課賃金時間室 最低賃金係 (内線5532) (代表番号)03-5253-1111

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