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2010年11月4日 第11回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム議事録

社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課

○日時

平成22年11月4日(木) 18:00〜20:00


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

阿式構成員、岡崎構成員、河崎構成員、栗林構成員、柴田構成員、長野構成員、
西田構成員、野澤構成員、野村構成員、東構成員、広田構成員、渕野構成員、
松浦構成員、三上構成員、三根構成員

○議題

(1) 認知症と精神科医療について
(2) 意見交換

○議事

○福田精神・障害保健課長 それでは、定刻となりましたので、まだお見えになっていらっしゃらない構成員の方もいらっしゃいますけれども、ただいまから、第11回「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」を開催いたしたいと思います。
 本日も構成員の皆様方におかれましては、大変御多忙中のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 構成員の出欠状況につきまして、本日は、朝田構成員、河岸構成員、松本構成員から、御欠席との御連絡をいただいております。また、野澤構成員、広田構成員からは、遅れて出席するとの御連絡をいただいております。それでは、早速ですが、議事に入らせていただきたいと存じます。
 議題の1「認知症と精神科医療について」でございます。
 本日は、第5回と第6回の検討チームにおきまして御議論いただきました精神病床における認知症入院患者に関する調査の調査結果が出てまいりましたので、速報値ということで、こちらの御報告をさせていただいた上で、調査の論点について御議論をしていただければと考えております。
 それでは、調査結果につきまして、まず、事務局より説明をいたします。
 事務局からよろしくお願いいたします。

○中谷課長補佐 事務局でございます。資料1、資料2に基づきまして説明をさせていただきます。なお、資料3の論点でも、改めて調査結果のポイントが出てきますので、その点については後ほど説明させていただくということで、全体の概要を、ポイントをお示しします。
 まず、資料1。タイトルが「精神病床における認知症入院患者に関する調査の概要」をご覧ください。こちらについては、調査対象病院は、こちらにありますような北海道から鹿児島県までの計9病院を対象といたしました。対象病棟は、認知症治療病棟入院料の1棟を含めまして、計10個の病棟を対象といたしました。対象患者については、認知症治療病棟入院料の1と2の届出病棟については、認知症を主傷病とする全患者、それ以外の病棟については、主傷病または副傷病に認知症が含まれる全患者ということで、計454名の回答をいただきました。
 こちらの調査は、調査日は平成22年9月15日現在の調査日としまして、アンケート方式によって行いました。調査票につきましては、既にご覧いただいていますが、その2枚目以降に付けさせていただいておりますので、調査結果を見ながら、御不明の点は、また、こちらもご覧ください。
 続きまして、調査結果速報について御説明します。資料の2をご覧ください。題名が「「精神病床における認知症入院患者に関する調査」について」ということで、おめくりいただきまして、まず、パワーポイントの右下にある番号で御説明します。1番は、今申し上げた概要です。
 2番は、病棟別の対象患者数になっておりまして、最も多い認知症治療病棟1が301名の方、認知症治療病棟2が60名ということになっております。
 スライドの3番をご覧ください。診断名ですが、アルツハイマー型認知症が56%と最も多く、次いで脳血管性認知症が29%で、こちらを合わせて約9割弱ということであります。
 スライド4番。平均年齢は78.3歳、男女比はご覧のとおりです。平均在院日数については、合計しますと、944.3日ですが、中央値では336日となっています。長谷川式スケールは7.2点となっています。
 スライドの5番。要介護認定については、「申請なし」という方が25%おります。申請を出されている中で、要介護3、4、5合わせまして半分以上となっています。認知症高齢者の日常生活自立度については、M型の方が34%、次いで4型の方が32%となっております。
 続きまして、精神症状の状態ですが、これは6番の1ページに全体を出しております。こちらが、今回の調査で、どのような精神症状があって、どのような医療が行われているかというところを詳しく見たものであります。こちらは、一番左側の濃い色のところが「ほぼ毎日」、その次の色が「週に2〜3回程度」、その次の色が「週に1回程度」、その次の色が「月に1〜2回程度」で、一番薄いところが「それ以下」ということで月1回未満ということで見ていただきます。左側の項目が、精神症状や異常行動の項目になっておりまして、多く出ているところは、上から6つ目の「意思の疎通困難」というところが「ほぼ毎日」が38%、その後の「不眠」「大声」「徘徊」となっておりますが、その辺りが割と濃い色の部分が大きく出ております。その他は、「ほぼ毎日」のパーセントが多いのが、下から4つ目の「被害妄想」、次が一番下の「幻覚」といった症状が出ているという状況になっております。
 スライドの7番、8番をご覧ください。こちらは調査日から過去3日間のADLです。こちらについては、各項目2つの棒グラフが並んでおりますが、上側が「身体能力として出来るはずのADL」、下側が「身体介護への抵抗などを踏まえた実際のADL」でありまして、いずれの項目も、身体能力としてできるはずのADLよりも抵抗によって実際は困難度が増しているという状況になっています。困難度は、一番右側の薄いところが「全面依存」、その左側のところの面積が多いほど困難度が大きいというように読み取れまして。スライド8番の例えば下側の「トイレの使用」というところは、他の項目より困難度が大きく出ております。
 次、9番目のスライド。入浴と衣服の着脱。こちらの方も「全面依存」という方が4割前後という状況になっています。
 10番目のスライドIADLについては、これは4項目いずれもほとんどの方が非常に困難という状況になっています。
 スライド11番の「調査日における対象者の、認知症以外の合併症」ですが、これは、前回お示しした調査と同様の項目で質問をしておりまして、身体合併症等について、特別な管理(入院治療が適当な程度)の身体合併症があるという方がこの棒グラフの一番上26%となっています。その次に、日常的な管理(外来通院が適当な程度)ですが、こちらは61%。「ない」という方が13%です。これは、最初にこちらで出したときの特別な管理が24%、日常的な管理が40%、「ない」が34%に比べまして、日常的な管理の部分が今回の調査の方が大きく出ております。
 スライドの12番。特別な管理について内訳ですが、多いものは循環器疾患ということで、前回調査とほぼ同様の傾向を示しておりまして、前の調査は、循環器疾患でひとくくりになっていたのですが、今回は高血圧の血管疾患・心疾患と聞いておりまして、脳血管疾患が一番多く出ております。
 13番のスライドについても、こちらは真ん中の日常的な管理の疾病の内訳で、こちらは高血圧が一番多く出ております。
 次14番。「調査日における対象者に行っている身体的管理」ですが、一番下の「行っていない」44.7%が最も多く、次いで「身体疾患に対する薬物療法」がほぼ同じです。44%と出ております。それ以外の項目としては、上から3つ目の「胃瘻・経管栄養管理」、次いで、真ん中辺りの「頻回の血糖検査」、次いで、その2つ上の「喀痰吸引」という項目が出ております。
 15番のスライドです。「過去1か月間の他科受診の有無」というところは、「あり」と答えた方が20%です。その内訳を見ますと、内科が最も多く、約8割。次いで、皮膚科が22%と出ております。
 続きまして、スライド16。「調査日から過去1週間に使用した薬物の有無」であります。濃い色のところが「使用あり」、薄いところが「なし」というところで、多いのは「身体疾患治療薬」が8割を超えています。次いで「抗精神病薬」や「抗精神病薬以外の向精神薬(抗不安薬、睡眠薬など)が半分以上という状況になっています。
 そちらについて17番のスライドですが、これはそれぞれの種類に分けて、何種類使っているかということですが、一番左側が1種類、1つ右が2種類というふうに見ますが、上の「抗精神病薬」「向精神薬」は、半分以上が1種類、2種類まで合わせてもほぼ9割です。身体疾患治療薬が一番下の棒グラフですが、こちらが種類数としては多くなって出ているというところです。
 18番のスライドは、精神科専門療法の実施状況ですが、多いものが「入院生活技能訓練療法」、次に多いのが「音楽療法、回想療法、その他の精神科リハビリテーション」となっています。
 19番は支払い方法ですが、こちらは、後期高齢者医療制度が最も多くなっています。
 20番は、病院と患者の居住地の同じかどうかについて、「同じ」が26%です。
 21番。対象者が入院前にどこにいたかということですが、右側にパーセンテージでまとめていますが、自宅がほぼ半分、医療機関が34%、介護施設が18%となっています。
 スライドの22番。「入院直前の介護サービス、医療、その他の支援の利用状況」ということで、こちらは特に御意見があって項目を立てた調査項目ですが、項目にあります「訪問介護」「訪問入浴介護」等は少なくなっておりまして、多いのは真ん中辺り「通院医療」が139。それから、その5つぐらい下の「家族等による経済的支援」が143ということで多くなっています。その次の「家族等による介護支援」が132で、家族等の支援と通院というところが多くなっております。
 23番のスライド。「入院の理由」ですが、最も多いのは、最初の選択肢であります「精神症状、異常行動が著明となり、在宅療養や介護施設等での対応が困難となったため」が72%となっております。
 24番。対象者の地域との関わり合いで、身近に気軽に相談できる相手がいるかということですが、「ある」という方は25%という状況です。
 25番のスライドです。自宅で介助できる方がいるかどうかということです。「日中、夜間とも介護できる人がいない」という方が52%で半分。それ以外、夜間のみ、あるいは日中のみ、日中、夜間ともということで、それぞれそこにある割合が出ています。介護者がいるといった方も、その健康状態をその次に聞いていますが、「問題なし」という方は半分ぐらいで、34%の方は「健康状態に不安がある」と答えております。
 26番のスライドは、身障手帳、精神障害者手帳の状況ですが、「もっていない」という方がほとんどでした。
 27番のスライドです。こちらは「居住先、支援が整った場合の退院可能性」ということですが、これは前回の調査でも同じ項目を聞いておりまして、今回調査は、現在の状態でも、支援が整えば可能という方が20.3%、近い将来条件が整えば退院可能という方が16.5%、「退院の状態の改善が見込まれず、退院の可能性はない」は62.3%となっています。前回の調査では、この3番目の「近い将来条件が整えば可能」という方が50%ぐらいだったんですが、今回は16.5と少なくなっていまして、前回「退院の可能性はない」というところは4割ぐらいだったのが、今回は62ということで、「可能性がない」というお答えの方が多かったという結果になっております。
 28番のスライド。24番で1か3と答えた方について、適切と考えられる場所はどこかということですが、下にありますように、特養が最も多くて65.3%、次いで、老健と答えたのが47.3%です。このうち33名の方は両方を重複して回答をされておりました。
 続きまして、29番ですが、こちらは退院後に必要な支援を1番から順に挙げてくださいということですが、1番目に必要な支援として挙がった項目、多いものから5つですが、「精神科の定期的な通院」「小規模多機能型居宅介護」「自宅訪問して行われる支援」「訪問診療」「短期入所して行われる支援」といった項目が挙がっております。
 30番のスライドをご覧ください。こちらは、仮に退院するとした場合、家族や友人から支援が得られるかということですが、「支援は得られない」という方が24%、それ以外、次の「助言・精神的な支援」があるという方が半分ぐらい。具体的にADLやIADLの支援があるといった方は4分の1ぐらいとなっておりまして、この支援がもし得られれば退院可能かということを再度聞きますが、「可能」という方は3分の1という状況になっています。
 31番をご覧ください。先ほど、条件が整っても、状態の改善せずに退院可能性がないと答えた方について、その理由を尋ねていますが、多い項目は7番目の37%ですが、「精神症状、異常行動を伴うため、入院による身体合併症のケアが必要」という方が37%で最も多かったです。次いで多いのが4番目の項目で「上記、2、3(他害行為や大声など)以外の迷惑行為を起こす可能性が高い」ということが28%挙がっています。
 32番のスライドですが、転院・入所の順番待ちをしているかということですが、「している」という方が32%、3分の1でした。
 33番のスライドですが、この順番待ちしている方がどこの施設を待っているかということで、多いのが特養で86名、老健が70名となっています。次いでグループホームとなっています。
 次に、34番のスライドですが、転院・入所待ちの期間です。こちらは、1年以上が50%、6か月以上1年未満が30%という状況になっています。転院・入所の順番待ちの予約の箇所数ですが、1か所がほとんどで、2か所まで合わせて3分の4ぐらいということになっています。
 35番をご覧ください。順番待ちをしていないと答えた68%の方に、その理由を尋ねましたが、最も多いのが「治療すべき症状が改善していない」が76%となっております。
 36番以降のスライドは、クロス集計になりまして、こちらは論点3の説明のときに一緒に説明させていただきたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 今までの事務局の説明について、御意見・御質問等があろうかと思いますけれども、次の資料3におきまして、ただいまの御説明させていただきました資料に関する論点をもう少しわかりやすく整理をしておりますので、先にその点を事務局から説明をさせていただいて、その後、論点ごとに質疑の時間を設けたいと思っております。その際に、御意見等も論点ごとに御発言をしていただければ有り難いと思います。
 それでは、引き続き事務局から資料3の部分を御説明していただければと思います。

○中谷課長補佐 では、資料3をご覧ください。大分早足で資料2を説明してしまったので、少しおさらいですが、今回この調査を行った目的は、退院可能性が、条件が整えばというところで、どんな条件ということや、その退院がなかなかできない方が実際にどのような医療を受けていらっしゃるか、あるいはどのような症状をどのくらいのものなのかということを詳しく見たいということで、前回調査にはない項目などを追加して見ております。実際に、退院可能性の有無と関係すると思われますのが、どのような症状か、あるいはどのような医療をやっているか。あるいは、受け皿や家族の支援がどうかといったことですので、今回のこの調査を踏まえた論点として4点挙げさせていただきました。その論点1が、まず、「精神症状・異常行動と治療の状況」であります。
 まず1ページ目の論点1のまとめですが、精神症状・異常行動があった割合は、先ほどお示しした問8で、ほとんどの方があります。その頻度は、「ほぼ毎日」という方は「意思疎通困難」38%、「徘徊」3割、「大声」18%。「月1〜2回程度よりも少ない」という方の割合は、そこにあるとおりでありまして。「徘徊」や「大声」で見ると、「月1回未満」という方が半分以上という状況であります。
 3つ目の○ですが、過去1週間に薬物を使用している患者の割合は、身体疾患が8割で、抗精神病薬などが半分ぐらい、抗認知症薬は7%でした。
 4つ目の○で、過去1か月間の精神科専門療法については、6割ぐらいの方が訓練療法なりをやっているということでありました。
 精神症状・異常行動の状況につきまして、退院の可能性がある方とない方でクロス集計をとっております。こちらは、先ほどの資料2のスライドの36番にお戻りください。36番のスライドです。このスライド以降のクロス集計は、問24について、こちらのスライド36番にありますように、上の3つの回答者、こちらが条件が整えば、あるいは、整わなくてもという方は一部いらっしゃいますが、この整えば可能という方、Nで言うと171名の方、これを「退院可能性あり」の方とひとくくりにします。それと、もう一つが、下側の62.3%、退院の条件を整えても退院の可能性はないという方を、Nで言うと283名の方、これを「退院可能性なし」というふうに、上3つと、下の4つ目ということで、この2つのグループについてそれ以外の項目との差があるかどうかを見ております。
 次の37番、38番をご覧ください。こちらは、その2つに分けたグループごとに、これは精神症状や異常行動の頻度について見たものです。全体的に似たような傾向を示しているのですが、真ん中辺りの「大声」の部分について見ると、この右側が37番のスライドですが、「ほぼ毎日」というところが12%で、一方、左側の38番のスライドを見ると、「大声」は「ほぼ毎日」が22%で、退院可能性がない人の方が「大声」の「ほぼ毎日」は多いというふうには出ておりますが、「徘徊」について見ると、どちらも30%ということで、変わりがないというようなことで出ておりますので、ここでまた、資料3の論点に戻りますが、この状況について、精神症状・異常行動の出方、治療の状況等、実際、退院可能性が、条件が整えば退院可能であるという判断とないという判断はどのように受け取ったらいいかというところをひとつ論点の1とさせていただきました。
 続きまして、資料3の論点の2をご覧ください。
 続きまして、精神症状に対する医療のみならず、ほとんどの方が身体合併症を有しておりますので、その身体合併症に対する医療の状況がどうかということで、これは先ほど来、9割の方が合併症があって、特別な管理が要る方が4分の1、日常的な管理が要る方が6割ということ。また、薬物治療を行っている方が4割ぐらい。一方、他科受診について見ると2割ぐらいでしたというようなことがありましたが、これについても、医療の状況についてクロスをとっておりまして。こちらは、資料2のスライド番号でいきますと、41番と42番。最後から1枚めくっていただいたところになります。
 今度は、上下に2つのグラフがあると思います。こちらが、上側が条件が整えば退院可能性があるという方についての調査日の身体的管理の状況で、下側42番のスライドが、条件を整えても退院可能性がないという方の身体的管理の実施状況になります。上下を見てみますと、大きいのが行っていないと、身体疾患に対する薬物療法、こちらはどちらも半分弱ぐらい行われています。下側の退院可能性ないという方の方が多く出ていますのが、このグラフで言うと、上から例えば3つ目の「胃瘻・経管栄養管理」については、下側は7.1%に対して、上の可能性あるという方は3.5%ぐらい。それから、上から6つ目の「喀痰吸引」についても、可能性がないという方の方が多く出ています。それから、「頻回の血糖検査」についても、同じように4.6ということで、この辺りの医療行為になると、退院可能性ない方の方が少し多く出ているというクロス結果が出ました。
 論点2に戻っていただいて、このような身体合併症や治療の状況と退院可能性の判断というところについてどのように考えるか、どう見るかというところが論点の2とさせていただいています。
 続きまして、論点の3をご覧ください。
 こちらについては、「意思の疎通困難等の精神症状を有する患者様へのケア」というところですが、先ほど「できるはずの」ADLと実際のADLは、抵抗があることによって、実際のADL困難度が増えておりましたが、こちらについて、困難度が退院可能性のある・なしで変化があるかというところを見ましたが、こちらは、スライドで言いますと、39と40をご覧ください。
 こちら39番のスライドは、これは入浴の項目についてクロスをしています。39番の上側2つが退院可能性があるという方で、下の2本が退院可能性がないという方になります。全体として、退院可能性ある方よりもない方の方が一番右側の「全面依存」という面積が多くなっていることが見受けられますが、どちらにしても、「できるはず」よりも実際のADLの方が困難度は増えるという傾向はどちらにも見られているということであります。
 その下、40番のスライドは、今度は衣服の着脱について同じようなクロスをさせていただきまして、同様に上2本の退院可能性あるという方よりも、下2本の退院可能性がないという方の方が困難度は増しているという結果になりました。
 もう一つクロスをしておりまして、スライドの43番です。最後のスライドをご覧ください。これと実際の要介護度認定の分布の状況が、その退院の有無で差があるかと見たのですが、43番のスライドの上側が退院可能性がある方で、下側がないという方ですが、分布の状況はほとんど変わらないということで、要介護度と実際の抵抗を踏まえたものとは少し差があるということであります。
 論点3に戻っていただきまして。以上のことから、認知症患者に対するケアの困難度といったことや要介護認定といったことと退院可能性がある・ないという判断について、どのような関係とか影響を与えているかということについてどう考えるかというのを論点3として整理をさせていただいています。
 最後の論点4についてですが、これは「適切な生活・療養の場と退院後に望まれる支援」ということで、こちらは資料2の問24〜27番につきまして、先ほどお示ししたとおりですが、今回の調査結果を踏まえて、患者様が退院できるために必要な居住先や支援・サービスをどのように考えるかということを論点の4として整理をさせていただきました。
 資料3の説明は、以上です。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 それでは、残り1時間半弱でございますけれども、各論点ごとにこれから御議論をいただければと思います。
 まず、論点1について、ただいまの事務局の説明、及び、先ほどありましたが、資料2、資料1、それ以前に説明したバックグラウンドのデータにつきましても、この際あわせて御質問等がありましたら、いただければと思っております。
 それでは、まず論点1から、御意見、または、御質問をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員 すみません。ちょっと基本的なことの確認で恐縮ですけれども、この調査対象の454名の方は、この対象になった病院に入院される認知症患者さんの全数ということでよろしかったのでしょうか。

○中谷課長補佐 対象病院の対象病棟の全数ということです。認知症の方、全数になります。

○福田精神・障害保健課長 その他、御質問・御意見はございますでしょうか。
 三根構成員、お願いします。

○三根構成員 このように、問8の精神症状と異常行動がどのようなものがあるかという、○を付けるというアンケート調査の限界がいわゆる論点1だろうと思います。それの同じようなことは、要介護認定で認知症を把握できてないとか、あるいは、今回の調査でも、退院できる人・できない人の要介護認定上の差はないわけですし、要介護認定上でそれが表現されていないという議論は随分されているわけでして。いわゆるああいう要介護認定も含めたこういうアンケート調査に対する、本当に拾いにくいという一つのあらわれではないでしょうか。
 毎日診ている医師の立場から言うと、ちょっと徘徊する方も「徘徊」は○がつくでしょうし、その中で、この人はちょっと現状では無理かと思う徘徊は、まっすぐ歩いて行ってドアにぶち当たったら、かぎを壊すまでがちゃがちゃやるとかいう場合は、これは非常に難しいなということにもなるのでしょうが、どっちとも同じ「徘徊」ということになるでしょうから、このような調査の一つの限界かなというふうに思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見・御質問はありますでしょうか。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 とりあえず、精神症状・異常行動と治療の状況についての論点の部分ということでございますけれども、確かに、問8の結果を見まして、いろいろな症状、あるいは問題行動をお持ちの方はかなりの率はおるということは明らかには出ているのだろうと思いますけれども、1つは、それの症状の程度、あるいは、問題行動の程度が、これではちょっとわかりづらいというところから、先ほどの三根構成員の発言なんかにも多分そういう意味合いがおありなんだろうというふうには思うんですね。
 それと、精神症状及び異常行動、このことと退院の可能性だけを論議をすると、非常に見えづらくなってくるというのが、今回の調査で逆にはっきりしているのかなというような感じがするのですね。ですから、これは速報というような先ほど最初に御説明があったと思うんですが、もう少しいろいろなクロスをなされたりすることによって、問題点がもう少し抽出されてくる可能性はあるのではないかというような印象を受けました。
 それと、今回の論点のところにはあまり出てこなかったかなと思うのですが、例えば今回、薬物療法のことを調べられまして、問14、あるいは問14の14−1でしょうか、この辺りを見て、私たち実際薬物を使って治療をする立場からの印象が非常にここによく出ているなと思っております。つまり、1点は、精神科病院へ入院中の認知症の患者さんは、非常にいろいろな薬物、特に抗精神病薬を使用されて治療されている患者さんが多いのだという印象をお持ちの方たちが結構多いのかなとふだん思っているのですね。この14のデータを見ていただいても、抗精神病薬を使っていられる方が6割弱、この数字をどう見るかというのは、それぞれの立場によっては違うでしょうが、いわゆる抗精神病薬を使っている方は、多分印象的には大部分使っていられるのではないかなと思っている方もおられるかもしれませんが、現実的には、症例を、あるいは必要な方に対しては使うと。逆に言いますと、それぐらいの数の方にはこういう抗精神病薬が必要だということが出ていると思います。ですから、例えば身体疾患治療薬が8割超えています。これは合併症。先ほどの合併症のところでも出ておりましたけれども、身体合併症を治療が必要な方がかなりの率がおることを示しているということだろうと思います。
 それと、もう一点は、次の問14−1ですけれども、これもよく現状の精神科病院での認知症の方に対するお薬の使い方の反映がしっかりされているのかなと思いますけれども、例えば抗精神病薬、あるいは向精神病薬以外の抗精神薬を見ていただきますと、単剤で治療をさせていただいている方たちが6割近くあるわけですね。2剤までを見ましても、それでも9割の方がそれぐらいのお薬の種類で対応ができている。今回、この4月から、これは統合失調症の方に対する評価ですけれども、2剤以下であればそれを評価しましょうという診療報酬上の仕組みができました。これを見ていただきましても、精神科は非常に多剤併用、特にそれは抗精神病薬に対してそういうことが言われますが、認知症の方に対する抗精神病薬、あるいは向精神薬の使い方は、かなりシンプルな形で投与されていることが今回の調査でもはっきり出たのかなと思っております。ですから、それに比べまして、勿論、身体疾患治療薬はいろいろな薬が必要になってくるということで、かなり多剤の患者さんもあるのは事実ですけれども、ここは非常に明らかな対比が出ていると思います。
 ちょっと印象も含めての発言でした。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 とらえ難い部分と、ある程度臨床の実感と近いデータといろいろ出てきているということ。さらに、もう少し突っ込んだクロスみたいなところも御提案をいただきました。また、具体的なクロスの仕方とかについて、また御意見がございましたら、後ほどいただければ有り難いと思います。
 その他。
 長野構成員、お願いします。

○長野構成員 論点1に関して。速報ということなので、これからかなり整理をして、これだけでは議論できないにしても、整理が必要なのかなとは思っているのですが、1つ印象として驚いているのは、問8に関して、臨床現場の感覚からいくと、左の黒いところがもう少し伸びるのかなという印象だったのですが、あまりに低く出ているのはアンケートの問題なのか、実際の入院の現状がこうなのかということは精査がどうしても必要だろうと思います。
 個人的に意見として思うのは、意思の疎通困難とかは、徘徊とかというのは、精神科入院の理由にはあまりならないと思っていますので。そうすると、最大、精神科の入院の必要性、治療の必要性ということだけで見ると、被害妄想のところが最大でも40%弱ぐらいのところになってくると、あとの60%の方はどう見るべきかというふうなところは議論が必要だろうと思います。その退院の可能性、やはりこの調査の限界、介護度で認知症の方をあらわされないのは、やりながら痛感をしていますので、退院の可能性は、調査の限界もあるかもしれないのですけれども、精神科病院の中での退院の可能性の判断の仕方ですね。これが世間の介護現場とか、そういうところから乖離をしていないかという検証も必要なのではないかなと思います。
 あと、ここは重大な問題のような気もするし、精査が要るのだと思うんですが、入院生活技能訓練療法(SST)が60%に使われているというところですが、認知症の方にSSTの有効性というエビデンスはあまり聞いたことがないのですけれども、どんなものかなと。ただ、考えられるのは、あまりに手薄い診療報酬の範疇の中で、認知症の方用にアレンジをして施されて診療報酬が請求されていることは十分可能性はあると思うのですけれども、SSTが認知症の方の治療に主力になるのはちょっと考えづらいなというふうな感じがあって、取り組みを知らないだけかもしれないのですけれども、ここら辺りは少し教えていただけると有り難いなと思いました。そもそも行動療法の一環なので、SSTがどういう位置づけなのかと。「まるめ」の病棟の中の厳しさみたいなものはあると思うのですけれども、抗痴呆薬の投与も5%ぐらいだったと思うんですが、老健でも同じようなデータが出ていたような気がしますが、経済論理と治療ということがあまり大きく影響が出るような仕組みであると、患者さんに不利益が行ってしまうから、これは是正をするべきだと思いますので、これは少し精査をして、状況を教えていただけると有り難いなと思います。
 あと、論点4になるかもしれないのですけれども、退院前の介護保険サービスの利用の件数が圧倒的に少ないなというのはイメージとしてあるので、例えばデイサービスが480のうち36人しか事前に使われていない。退院可能性といったときに、介護保険のサービスがそもそもあまり考えられないままにできないというふうに判断されていることもあるかなと思うと、ここもかなり精査が要るのかなというふうな気がします。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見ございますでしょうか。
 柴田構成員、お願いします。

○柴田構成員 今、長野構成員が問8から含めていろいろ御意見を述べていただいたのですが、私も病院の中をよく知らない状況で感想を述べさせていただきたいと思うのですが、この問8から見ると、「それ以下」「月に1〜2回程度」という割合が非常に高いと思うのですね。それをどう精査するかは、今後一つ期待はしたいとは思うのですけれども、こういう状況、単にこの資料から読んでみると、本当にこういう人たちが入院治療が必要なんだろうかと、在宅から見ると思ってしまうのですね。医療行為の抵抗84%だとか、自傷行為97%だとか、スタッフへの暴力が81%、それも月1以下であるとしたら、かかわり方によっては、在宅でもどこでもあり得ることなんですね。これを問題行動とするのかどうかだと思います。「ほぼ毎日」とか、「週に2〜3回程度」が多く出てくるのかなと思ったのですが、意外性で、場合によっては、もっと在宅ケアが進んでいくと、在宅の中でケアをすることの可能性が高い人たちが実際の評価の割合よりも高い可能性があるのかなと思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員 今の柴田構成員の御発言と関係しますけれども、この異常行動の頻度は、暴力等も含めて、思ったよりも非常に少ない頻度であるということを私も思いましたけれども、にもかかわらず、退院可能性が見込めないという回答が非常に多くて、そもそもこの調査の対象の方々の平均在院日数が900日は非常に長い値になっている。中央値が336ということですけれども、以前のこの検討会における資料においては、この数値は在院日数の高いグループを対象にしている、そういう病院が多いのかもしれないと思うのですが、これについても、在院日数が長い病院だと、必然的に退院できる可能性はないのではないかと思うスタッフも多いかもしれませんし、この中で、もし二方分布等をしていれば、在院日数が短いところと在院日数が長いところで二分分けをして、そこで本当に退院可能性がどうしてもないというふうに見るのかどうか、それは違いが出る可能性があると思いますので、その辺の検討が必要ではないかと思います。
 まとめますと、思ったより異常行動の頻度が入院患者さんの評価で少ないにもかかわらず、退院の可能性はないという答えが多過ぎて、その要因としてちょっと推測したのは、在院日数がそもそも長いところをかなり対象としているところの特徴なのかもしれず、そこは在院日数の長短で分けて解析をして見ていく必要があるのではないかと感じました。
 そういったことで、一番問題なのは、看護師長さんたちがこの退院可能性について評価をしているということだと思いますので、その限界も勿論あると思いますけれども、そういった判断が施設の特徴でどういうふうに違うかということも検討する必要があるのではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございました。
 三上構成員、お願いします。

○三上構成員 退院の可能性がないと答えた方が非常に多かったということと、実際の精神症状のギャップがあるということですが、24の質問で、4と答えた方の内訳を見ますと、「精神症状・異常行動を伴うため、入院による身体合併症の医療ケアが必要」とするものが37%を占めておりますので、1つだけで比べるとなかなか難しいと思います。また、条件が整えばといいますか、どの程度支援が得られるかというような条件も、答える方のとらえ方によって相当変わるのではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 私ちょっと最初に言いましたように、問8だけで退院の可能性に対していろいろな御意見が出るのは勿論そうだろうとは思いますが、そこだけで論議をしていくことの問題点を一番最初にちょっと指摘をさせていただいたというふうに認識しています。
 今の三上先生のおっしゃられた部分はまさしくそうだと思います。例えば、問28を見ていただきますと、パワーポイントの31番目なんでしょうが。退院の可能性がない理由の40%近くがそこに書かれておりますように、「精神症状・異常行動が伴うため、入院による身体合併症の医療ケアが必要」ということで、かなり合併症が一つの理由としては出てきているのかなと思うのですね。ですので、そのときの精神症状・異常行動がどういうものであるのかということと、身体合併症の程度、あるいはその重症度の組み合わせによっても随分違ってくるというふうにも思いますので、今回のデータの内容から見て、確かに思ったよりは精神症状や異常行動の頻度は低いのは、それはこのデータからではそうかもしれませんが、その部分だけでなかなか判断しづらいような要素が随分あるのだろうというようなことだと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 スライドの37、38なども、クロス集計をすると、退院可能性のあるという人とないという人のいわゆる精神的な症状のパターンがかなり似ているというようなところもあって、それが一体どういう要因によるものなのかと。ここに隠されたさらなる要因は何なんだろうというところも含めて、さらに追求が必要になってくるのかなというような、全体的にいくとそういうようなところが、さらなる分析をしていかなくてはいけない。そのときには幾つかの切り口を今御示唆をいただいているというようなことかなというふうに理解をしているところでありますが。
 内容的には、論点2の身体合併症と医学的管理の状況の方に一部入ってきておりますので、これからは、論点1に加えまして、論点2を中心に、また、少し御意見をいただければと思っておりますので、ここからは論点2を中心にということで御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
 渕野構成員、お願いします。

○渕野構成員 論点2にも少し入りますけれども、先ほどの論点1の皆さんの問8のことがかなり問題になっているみたいなんですけど。要は、入院して間もなく、いわゆる1か月、2か月の状況と、それから、半年ぐらい経っての1か月と、この辺の差もあるのかなと思うのですね。これは、逆にさかのぼって過去1か月間の症状ということなので、僕は入院のときの症状はこんなものではないと思います。多分、調べ方によれば、パーセンテージはもっと上がっているはずです。ただ、精神科の専門病棟なんかに入院することよって1か月が過ぎ、2か月が過ぎますと、かなり落ち着いてくるのですね。そこで多分拾いだすと少なくなる。そうすると、3か月目、6か月目と、もし1年目ということを比べたときには、差はないというふうに僕は考えています。だから、この統計のとり方に大きな問題があるのだと思うんですね。そのことが1つです。入院した時点で一遍とると、かなりの高率で出てきたのではなかろうかと思います。
 それから、問14の入院生活技能訓練療法ということの御質問が少しあったようですけれども、我々は認知症の専門病棟でSSTなどは一切やっておりません。多分、これはいわゆる認知症の専門病棟の施設基準のところに、生活の何か指導みたいな項目が、OTによる何かあるのですけれども、そのことと何かちょっと間違ったような回答をしたのかもしれないのですけれども、三根先生、そこはどうですか。

○三根構成員 多分、生活機能回復訓練と生活技能訓練を間違っているのではないかと思います。私も間違って、むしろ6割が多いと感じたんじゃなくて、私は6割しかないのと感じたのです。よく見たら、日常生活機能回復訓練ではなくて、生活技能訓練になっているのですね。だから、私も間違ったくらいなので、間違っておられるのではないかなと。

○渕野構成員 だから、要するに、OTを配置して、日常生活訓練を行ってくださいよ、認知症の専門病棟は6時間か何かでしたか、4時間ですかね。行ってくださいというやつだけですので、我々はSTTなんかをやりませんし、やったとしても、請求はできないということです。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見。
 長野構成員、お願いします。

○長野構成員 重大な間違いだと思います。大分違うので。本当にそうだとすると、6割がどうなんだという話だろうと思います。

○福田精神・障害保健課長 そこのところはそうですね。

○長野構成員 突っこむべきかどうかなんですけれども、精神療法に関しても、実は精査が要る課題だろうと思っています。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見。
 松浦構成員、お願いします。

○松浦構成員 論点1に関係することでございますが、認知症の人自体が精神症状とか異常行動を示すという、そういう病態をもともと持っていらっしゃる人ですね。ですから、自分の力だけでは生活のできない病気である認知症の人をどう医療なり介護なりで支えていくかということだと私は思うのですが、この論点1の中で、意思の疎通性が困難はほとんど当たり前の状態なので、敢えて、これが4割というふうに出てくること自体が不思議なのと。私は、このデータを見させていただいたときに、私も精神科の病院があまり細かくわからない立場からなんですけれども、先ほど河崎構成員がおっしゃいましたように、ちょっと色眼鏡的に見ているところも確かにございました。ここのデータを見たときに、非常に精神症状・異常行動の頻度が少ないことをこのデータで見たときに、薬物療法が適切に行われている結果であるのかなというふうに私は読み込みました。先ほど、河崎先生の方からは、多剤使用をせずに、精神科の病院の中の治療の薬物の6割であり、使用している薬剤は1剤か2剤なんだという御説明をいただいたときに、そうすると、精神科の病棟における薬剤治療はどうなんだろうかというような実は疑問を思いましたので、その辺を少し御説明いただけると有り難いと思うのですが。

○河崎構成員 今の松浦構成員の方からの御質問の精神科における薬物療法の疑問とおっしゃるのは、どういう部分の疑問でございましょうか。

○松浦構成員 精神科薬を使用することによる認知症の人が示す精神症状や異常行動をコントロールすることが治療の目的というふうにとらえてよろしいのでしょうかという質問です。質問が変ですか。

○河崎構成員 勿論、そういう精神症状とか問題行動を呈している方に対して、適切に抗精神病薬で治療を行うということは非常に重要なことですので、それをできるだけ単剤で行っているという状況が今ここに反映されているのかなというような私のコメントでございました。

○福田精神・障害保健課長 松浦構成員、お願いします。

○松浦構成員 ありがとうございます。
 そうすると、先ほど渕野構成員が御意見述べましたように、入院のときにどのような状態があり、実際に服薬治療が行われ、その数か月後にどのような症状の変化があったのかとかというデータがあると、治療効果とそういう内容がもう少し見えてくるのかなと思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 渕野構成員、お願いします。

○渕野構成員 では、河崎先生の付け加えですけれども、私が先ほど言いましたように、入院のときのいわゆるBPSDは、これは多分高いと思うのですね。半数以上あると思うんです。そのときに我々は何をするかといいますと、幻覚妄想とか、興奮等に対しては薬物は使用します。その使用して、不眠で徘徊でなんていうのを状態を診ていくわけですね。診ていって、ある評価をずっとしていきますけど。2週間、1か月、3か月と診ていくうちに、ある程度の不安定性はあるけれども、入院時の症状を軽減したと思えば、当然、抗精神薬は減らしていくわけです。3か月から半年もしますと、かなり減ってきます。1年も経ったときには精神薬はなくなっている人もいっぱいいて、身体の薬しか残ってないということも多々あるわけです。だから、どの時点でこのアンケートのこれにひっかかったかによってかなり違ってくるのだと僕は思っています。

○福田精神・障害保健課長 もともとの調査が退院の可能性の有無という中での現状なり、症状なり、治療の中身なりというようなところからの分析であるということで、勿論、おっしゃられたように、症状が強くて、それを一連の治療の中でそれが治まってきているというところは、当然医療現場ですので、ある意味では前提と言えば前提なんですが、そういう意味では時点、時点というところで、今回は出口のところで、出られる人と出られない人の差がどこにあるのかというところがポイントであるということで、こういうとり方に当初なったのだろうとは思いますけれども。
 その他、御意見。
 三上構成員。

○三上構成員 問題なのは、BPSD、精神症状、身体合併症、それぞれ単独で診ても入院が必要な方たち、また、それぞれ外来でコントロールできるようなものであっても、これらが重なったときに入院治療が必要である方たちへの対応が一番問題であろうと思います。入院に関しては、約70%の方がいわゆる精神症状のために入院されているわけですけれども、退院できる段階になった場合には、精神症状はかなりコントロールされているわけですが、身体合併症があるということで、外来通院でも対応できそうな合併症であっても、幾分か精神症状が残っておれば退院できない答えておられるのではないかと判断します。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見はありますでしょうか。
 阿式構成員。

○阿式構成員 私は、論点1の方で、精神科の認知症の治療病棟をやっていましたので。先ほど先生が言われたように、入院の初期には精神症状とかもすごくきつくて、徘徊する人も本当にドアを探して歩き回って、夜も寝ないでという状態があります。薬物療法である程度かかわりがしやすくなるのですね。それからは、看護もうまく怒らせないように介助していくかということで、すごく力を注いでいくのですけれども、本当に3か月ぐらいすると、落ち着かれる人は落ち着かれますので。ここで退院の可能性がないと言っていますけれども、そういう方が入院されるときに、入院の時点で、家族が「うちへは連れて帰れません、見られません」と言う方がすごく多いんですね。そうなった場合に、その時点で施設にお申込をしていただいたりはするのですけれども、施設もすぐには順番が来なくて、施設も、身体合併症とかがあるとなかなかとっていただけないというのもありますし、そういう意味で退院が難しくなっているというふうに解釈をして答えを出したのかなとは思いますね。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他ございますでしょうか。
 長野構成員。

○長野構成員 合併症に関してなんですが、合併症の方で、本当にたくさん病気を持たれている方で、どうしても在宅管理できない方とかいらっしゃるのも現場で目の当たりにしつつなんですけど。合併症のカテゴリーの中で少し気になるのが、脳血管疾患の合併症が特別な管理・入院が必要だというふうな理由になっていて、そもそも脳血管性認知症の原因だったり、慢性期の脳血管疾患を合併症としてとらえるものなのかなというふうな気がしていて、また、それが一番多いものですから、どういう解釈で脳血管疾患を合併症としてとらえて、これが特別な管理を必要とするというふうにされているのか、わかれば教えていただけたらなと思います。

○中谷課長補佐 アンケート調査の限界で、そこまではわからないです。

○福田精神・障害保健課長 その他ございますでしょうか。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員 先ほど、精神症状によって退院の可能性がないということは少しギャップがあるという話が幾つか出ていましたけれども、42番目のスライドを見ますと、問24で4と回答した人の身体的管理ということが出ていますが、退院可能性が見込めないというところでありながら、例えば酸素療法とか、こういう非常に大変な管理の要するものが意外に少なくて、身体疾患に対する薬物療法が39.9%、行っていないというのは46.6%になっているのですけれども、これを見ると、退院の可能性が見込めないという人の中でも、入院によって身体管理しない人は必ずしもマジョリティーではないというか、非常に一部なのではないかという印象を受けたのですけれども、その辺りはどうなんでしょうか。

○福田精神・障害保健課長 三根構成員、お願いします。

○三根構成員 この調査対象が、精神科のいわゆる精神症状を主に診る病棟ですので、そうなるのではないかと思います。
 それと、この41、42の上と下の差ですが、数字上大きく見えるのは、下の2つが大きく見えるのですが、細かく見ると、胃瘻・経管、あるいは、喀痰吸引、頻回の血糖検査、これは倍ですので、倍は大きな変化ではなかろうかなと思いますし、この辺を見てみると、身体合併症として病状として思い浮かぶのは、嚥下障害が出てきて、肺炎を繰り返して、喀痰吸引をして、そして、なおかつ、三上先生がおっしゃったように、複合して他の精神症状もあったりして、大声を出したり、そういういわゆるCランクに近い状態でさえもそういう精神症状があって行き場がないという、そういうものが見えてくるのではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 長野構成員お願いします。

○長野構成員 この胃瘻・経管、喀痰吸引に関しては、一般的な介護現場の行く場所を失っている療養病棟などと同じような数値が出てくるような気がするのですが、老人施設内の医療行為の問題で、胃瘻の方が行く場所がないのはとてもあれだろうと思うし、その一部の方で精神症状のある方が精神科で処遇をせざるを得なくなっているというようなところも含めて、ここは胃瘻の方が比較的生活に近いところでケアできる状況はつくっていかなければいけないような気がします。他のところと同じようなデータのような気がします。
 喀痰の問題は、もう議論が始まっていますので、勿論、慎重にやらなければいけないとは思うのですけれども、精神科だけの問題がここにクローズアップされているような気はしなかったですけど。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 それでは、栗林構成員、お願いします。

○栗林構成員 何か場違いなことを言ってしまうと申し訳ないのですけれども、この数字をずっと見ておりますと、今の置かれている特養とそれほど変わりのないような数字が出ているのではないのかなということを正直思っているのですよ。意思疎通から、大声とか、こういうふうな状況を見ますと、むしろ特養の方がこれ以上の数字が出てくるのではないのかなというのは、状況を知らない私が言うのは大変失礼かなと思うのですが、特養の実態はこんなようなものではないだろうなというようなことを思っています。ただ、介護度が付いていますので、これに関して言いますと、徘徊というようなことに関してとらえていきますと、それが歩くことができないのにベッド上から立ち上がろうとしてけがをするというふうな行為の方々と、かなり認知症が進んでいるということで介護度が上がりまして、延々と遠くまで歩いて行くというふうな方々がいらっしゃったりはするのですが、この徘徊というところのとらえ方はそれぞれあるかもしれませんが、見ていると、意思疎通の困難なんていうものは38%という数字どころではなくて、先ほど言われましたけれども、もうほとんどと言っていいぐらいの状況が今の特養かなと思うんです。
 あわせまして、医療行為に関してはかなり慎重にいかなければいけないというようなことを言われているのですが、特養に関しては、喀痰とか、経管とか、胃瘻とか、その辺のところの範囲はあるのですけれども、かなりの分野までやらざるを得ない状況で、追認するような格好で認められているというふうなことが今回出てきていると。我々がやりたいとか、やれないとかではなくて、やらざるを得ない状況は相当に出てきているのだと。
 したがいまして、受け皿としての特養はこの辺のところに関しましては、やっていると。ただ、それを地域でどのように見るかというようなことになりますと、受け皿的なところで、在宅というふうなところがなかなか見えてこないなということは感じるのですが、介護度を見たり、それから、この数字を見たりすると、ある程度の方々は、先ほど出てきた小規模多機能という言葉と一緒に、地域で相当のところまで粘って頑張ることができるのかなと。その背景の中には、老老であるとか、老単身であるとかというふうなところが大きいのかなというようなことを思いながら、何か場違いなことを言ったような感じがするのですけれども、そこら辺の受け皿的なところが、世帯構成というか、身の回りにそういうことがないというところがむしろ私はポイントかなというふうに思って聞いておりました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他ございますでしょうか。
 柴田構成員、お願いします。

○柴田構成員 繰り返し、繰り返しというような感じになるのかもしれません。私は全体をまだ見れていないのかもしれませんが、問8のところではすごく気になるのですね。先ほど、栗林構成員がおっしゃってくださったように、在宅サービスの中でも、意思疎通困難、そして、スタッフへの暴力だとか、症状の程度が明確でありませんが、こういう方々を受け入れていると思います。在宅サービスでは非常に困難性の強い方をどう受け入れるかというのはこれからの一つの課題で、この分析の結果、何か形が出てくるといいのですが。
 それと、もう一方で、先ほどおっしゃってくださった入院をしたとき、それから、3か月、半年、1年経ったとき、この数字が落ち着いた状況を示すのであれば、逆に、分析の仕方はあるかもしれないけど、在宅に戻る可能性は率として非常に高くなる。私はここは間違ってないのではないかと思いまして、再度申し上げたいと思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見。
 松浦構成員、お願いします。

○松浦構成員 身体合併症のところですが、この数値を見てみますと、これは、私の老健での看護管理者の今までの経験からなんですが、胃瘻・経管とか、喀痰吸引、このような行為が必要な認知症の人はほとんどBPSDはその段階ではもう消えてしまう。どちらかというと精神症状よりも体の管理の方が優先される状況ですのでね。私は、BPSDと身体合併症を、当然両方重なっている人も全くないわけではないのですけれども、その辺を少し整理してみることも必要なのかなとも思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三上構成員、お願いします。

○三上構成員 41番、42番のスライドですが、これを受けて、身体合併症は退院の可能性とあまり関連がないのではないかというお話だったのですが、基本的に、数字の高低と入院が必要かどうかは直接関係がないのではないかと思います。といいますのは、例えば人口呼吸器にて管理されている方はゼロということですけれども、実際には、もしベンチレーターが入っているような状態では、在宅での管理はなかなか難しいということになるわけです。これは、たまたま対象者がいなかったということになりますし、薬物療法につきましても、退院できるとされた方のほうが多いとのことですが、薬物療法の程度については、ここでは全く書かれていませんので、同じ薬物療法かどうかということについての差があるのではないでしょうか。例えば喀痰吸引の問題にしても、回数等についての違いまでは、ここではあらわれてこないので、そのようなところでこの数値の高低があるのではないかと思われます。したがいまして、この数値が低いからといって、身体合併症はほとんど問題ないとは言えないのではないかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他。
 阿式構成員、お願いします。

○阿式構成員 身体合併症ですけれども、特養でも、胃瘻の人も、経管栄養の人も、皆さんとっているのですけれども、精神科にいる認知症の病棟の人とはちょっと程度が違うのですね。胃瘻をしていても、精神科の認知症の病棟に入っている人は、胃瘻を入れている途中でもう抜いてしまうし、歩いて、スタンドも倒してしまうので、いつもついておかないといけないし、夜中に胃瘻を全部引き抜いて、放り投げていたり、そういう本当に目が離せないような人。特養の中で言うと、胃瘻の間は、注入の場合は、誰かが見ていればできるような、程度がすごく違うと思うんですね。点滴でも、ついていても動かしてできるし。特養では、なかなか拘束とかそういうことも全くできませんので、なかなか難しい。対応はできる人はみんな特養でもとっているのですけれども、そういう精神科の認知症の病棟の中でいる人は、なかなかどこもとっていただけない人が残ってはいっていますね。同じ胃瘻の人でも、随分程度が違うと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 西田構成員、お願いします。

○西田構成員 いろいろなデータの見方があるとは思うのですけれども、退院見込がなかなか見込めない人、見込める人というのを変数にして、それらを何が予測するかという統計解析で強い要因は出てくると思いますし、その要因が何%ぐらいの全体のうちの説明をするかということも、統計解析をかければわかると思いますので、そういったことは、是非、次回以降の検討で分析をしていただければ、また、議論の的が絞れるのではないかと思いました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 N数の問題があるので、どこまでというのはあるのですけれども、私どもとしても、その可能性については議論をしていきたいと思います。
 その他に、御意見・御質問はございませんでしょうか。
 御意見の中身が一部論点3の方にも入ってきておりますので、論点3ですね。いわゆるケアの困難度の部分のところも含めまして、今まで医療的なところから、今度はだんだんとケアの部分、受け皿の部分になってきますけれども、そういった点、論点3まで含めて御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
 岡崎構成員。

○岡崎構成員 すみません。遅れて参ったものですから、既にもう御質問、議論も終わったのかもしれませんが、調査結果で、平均在院日数が944日ということについては、何か疑問とか、あるいは、この長期になっている説明とかはあったのでしょうか。

○中谷課長補佐 入院期間に関して、少し分析をした方がいいという御指摘をいただきましたので、これから見たいと思います。

○福田精神・障害保健課長 よろしいですか。
 その他、御質問・御意見ございますでしょうか。
 柴田構成員、よろしくお願いします。

○柴田構成員 問9の辺りになるかと思います。病院の生活の状況がよく見えない中で、的外れなことなのかもしれませんが、認知症を抱えている方々は、いろいろな本人の思いと違う行為をされる場合は、抵抗することが当たり前なんですね。それを落ち着いてもらえるようにどうするかというのがケアの現場の醍醐味であって、ここにある、ベッド上の移動、あるいは移乗だとか、そういうところを見たときに、果たしてこのパーセントが大きな差なのかどうなのか。ここのところは、これだけではよくわからないのですね。病院でこういうふうな数値が出てくるけれども、もしかしたら在宅とか特養とか老健の中では、この差があまり大きな問題にならないような気がするんですが、その辺りも含めて、これからもう少し細かく見ていただけるといいかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 松浦構成員、お願いします。

○松浦構成員 私どものところでも、先ほど申しましたように、認知症の病態の特徴として、生活が難しくなるのは当たり前なんだと。本人ができなくなっている生活を我々がどう支援するかということが、介護の中でかなり普及されてきておりますので、そのかかわる側の困難感ということよりも、利用者を主語とした困難感を見ようというのが今主流になってきていると思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 岡崎構成員。

○岡崎構成員 私も、こういった調査は非常に難しくて、そこでどういった治療というかケアをなさっているところではどうか、違う方法でやっているところではどうかということを比較しないと、今後の指針がなかなか出てこないと思うんですね。今おっしゃったように、先ほど柴田構成員もおっしゃいましたけれども、認知症を発症しているわけですから、いろいろなことに抵抗されたりとか、通常の接し方ではうまくいかないことは当たり前なわけですけど、そういう方々との交流の仕方等について技術的にも開発をされているし、そういったことはスタッフがきちんと教育をされ、理解をされてやっているところとそうでないところを比較しないと、では、どうしたらいいかということについてデータは出てこないと思うんですね。その辺りがこのいただいた資料の中でははっきりしないなというのが1つあります。
 それから、入院されて、平均在院日数が944日ですから、かなり長くなって、私は、この対象は入院したことによる変化も付け加わっていると思うのですが、そこだけの分析では見えてこないところが非常に大きいと思うのですね。ですから、今後の追加の調査を加える場合には、そういったことを配慮したことが必要なのではないかと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 今、論点1、2、3というところまで、今、最後の4も一部入ってきていますけれども、基本的には論点3までのところで各構成員の皆さんから、御質問・御意見をいただいているという、そういう状況でございますが、その他ございますでしょうか。
 長野構成員。

○長野構成員 3のところで、経験からのところなんですが、データとの照らし合わせでは、例えば43の要介護度認定と退院の可能性がありとなしが相関をしないというアンケートの限界、データの限界はあるかもしれないのですが、繰り返し言いますが、その退院の可能性あるかないかという判断基準の問題は精査は絶対必要だなと思います。私たちが地域でやっていくときに、長年の中で精神科病棟にいらっしゃる方を、さあ、どうしようかと考えたときに、まず、寝たきりの方は他の施設で見てもらえるなというところからスタートして、他の施設とリエゾンをしながら、通いながら、そういうふうにしながら、さらに、他のところで処遇ができないかということで、老人施設でカンファレンスなどをしながらサポートをさせていただきながらする中で、10年間の中で、精神科、今回は病棟師長さんということなので、特に看護だと思いますが、精神科の看護師の退院ができるとかできないという価値観に関しては、180度変わったというふうに現場から実感をしています。なので、データ云々だけのところではなくて、私たちは、本当は今回自宅が47%もいらっしゃって、出口のところが順番待ちをしているか、しないかという選択肢になってしまっていますけれども、地域で支えることを考えると、そこの価値観に関しては、今は向き合ってもいいのではないかなという気がしていて、そこを繰り返し発言をさせていただきます。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 その退院の可能性の判断が果たしてどうなのかということに関しては、非常に悩ましい問題の御提案をしていただいているなと思います。これは非常に難しい問題ですし、今回、この調査に協力をしていただいた医療機関が、果たして退院の可能性の判断ということに関して、何か今日御出席の構成員の皆様方のそういう認識とかなり違った判断しているのではないかという疑問に関する御発言かなというふうに思うんですが、その辺りはどういうような形で検証をするのか。これは非常に難しいですし、もし、それが検証できる御提案があれば、逆にお聞きをしたいなという印象を受けました。
 それと、先ほどからのADLのことに関しても御発言があったかと思いますが、確かにこのADLの評価に関するこの分布をどう見るのかということに関しても、まさしく同じことだろうと思っているのですね。ですので、例えば先ほどから問題になった問8の精神症状・異常行動の頻度に関して、もしそういう見方で見ていくのであれば、これは、この医療機関が非常に積極的にいい治療をなされて、こういうような精神症状・異常行動がかなり低く出ているんだという見方だって出てくるのではないかなと。もう少しこのデータそのものを、これだけでは論議するのはなかなか難しい問題点が今非常にたくさん指摘されているのかなという印象を持って、今聞いております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三上構成員、お願いします。

○三上構成員 問26につきまして、29のスライドですけれども、ここに出てくるものは、自宅におられる方が、いわゆる通院、通所をされたり、訪問診療を受けたりすることが前提のものです。ここでは、問24で1あるいは3と回答されたということで、支援が整えば退院ができるということですが、自宅での在宅療養を行うための支援が整えば退院可能との条件で答えられたのではないかと思われます。問21等を見ましても、「日中、夜間とも介護ができる人がいない」ですとか、在宅での支援体制がほとんど望めない方が多いということで、このような結果が出たのではないかと考えられます。問26の設問の受けとり方によって答えが大きく変わってくるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○中谷課長補佐 問24の設問については、前回調査と同じ聞き方をしたのですが。例えば施設ごとに偏りがないかであるとか、実際、例えば問26をお答えになった人が、先ほどの介助者の有無でどう答えているかということなどのクロスなどを少し見てみたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 今、大体論点4の方にも入ってきておりますので、論点1から論点4の全体にわたりまして、これからは御議論をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
 野村構成員、お願いします。

○野村構成員 この調査は、支援している医療機関の立場に立っての調査ですけれども、入院している方本人の願いといいますか、そのことに関する調査があってもいいのではないかと思います。入院している方は一体どういう暮らしをしたいのか、どこで暮らしたいのか、どんな支援を受けたいのかということを御本人に確認して調査ができないものでしょうか。その調査結果に基づいて、今後、地域でもってどういう生活を整えていったらいいのかということに関して、暮らしの場を整備したり、あるいは精神医療の在り方を変えて、訪問して支援する形に変えていったり、そのような地域全体で、その御本人の希望をもとにして生活を支え、実現していく、組み立てていくことを考えなければいけないのではないかと思います。今は、家族の立場から、この人と一緒に暮らせないとか、行く場がないから精神科に入院してもらうしかないとか、どこも受け取ってくれないからそこで暮らすということでありまして、本人の意見とか願いはなんにも考えられてないような気がするんですね。ですから、大変難しい問題ではありますが、御本人の願いをもとにして、これから生活支援をどのようにしていくかということの中に医療が入ってきて、そして、地域で暮らす方向、御本人の希望に基づいて支援をしていく。御家族との生活も、家族は無理だとおっしゃるのであれば、部分的にでもかかわりながら、地域において家族がともに一緒に生きていく方法はないものであろうか。そのような在り方を、全ての地域の機能を総動員して、あるいは新しい制度を考えながら、入院生活をなるべく減らす方向で、御本人の希望に基づいて支援をしていくことをこれから考えなければいけないのではないかと感じております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 三根構成員、お願いします。

○三根構成員 今おっしゃったことは非常に重要なことだと思います。認知症の方の終末といいますか、そこら辺をどう見るかということなので。ただし、それは外来レベルで話すべきことでして。御家族はそこら辺はどっぷり、本人がどうしたいかということをいろいろ判断能力があるうちに聞かれるところもありますけれども、避けられるところもありますので、そこら辺は、外来レベルのところで将来のことを考えることも1つでしょうが。ただ、これは精神科の認知症病棟に入院している方ですので、今、このアンケートの中でそれを聞くというのは、設問としてはどうかなという気がいたします。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見ございますでしょうか。
 野村構成員。

○野村構成員 現在、地域で重い認知症の方を支援していらっしゃる方たちに接していただいて、お気持ちを聞くということになると、多分、御本人からいろいろなことがわかってくると思うんですね。医療で難しければ、入院している方に関しても、介護で一生懸命かかわっていらっしゃる方たちを通して情報を得るという方法もあると思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他、御意見ございますでしょうか。
 広田構成員。

○広田構成員 御意見というか、今、民主党PTから帰ってきたんですけど。ごめんなさい。論点1の精神症状とか、異常行動の発生頻度はと書いてあるのですけど。これは認知症に限らず精神科の患者の場合も、いわゆる異常行動と絶えず言われるのですけれど、私から見れば異常行動でなくても、狭い許容範囲だと異常行動にされてしまうのですけれど、何をもって異常行動というのかは、この資料のどこかに出ているんですか。広田和子が精神障害者だから異常行動だと。例えば福田課長がやれば、それは課長だから性格だと、こうなるわけですよ。精神というのはそんなものなんですよ。

○中谷課長補佐 こちらは、資料1の2枚目以降に付いております調査票でやったアンケート調査になりまして、ここの問8の選択肢に、「幻覚」「嫉妬妄想」「物盗られ妄想」と挙がっているのですが、この挙がっている項目を総称して「精神症状・異常行動」というまとめた呼び方をこの調査の中ではさせていただいています。

○広田構成員 精神症状・異常行動にしているわけですか。

○中谷課長補佐 この調査に限っては。

○広田構成員 何で精神症状だけにしないで、異常行動にしているんですか。

○川島課長補佐 例えば「徘徊」であるとかというのは、行動であって、それが精神症状かどうかというのはわからないので、一応総称として「行動」という今回便宜的につけさせていただいたという形になっております。

○広田構成員 徘徊は異常なのかしらね。
 なぜ言うかというと、精神疾患者イコール異常とか、認知症イコール異常みたいな取られ方がすごくここで出ているじゃないですか、啓発をするとかって。私、紙芝居と言ったんですけど。だから、そういうふうなこういうところに出てくる言葉遣いは、本当に気をつけないと、それがひとり歩きしちゃうから。本当に徘徊なら徘徊、精神症状プラス徘徊とかがいいと思いますけど。だって、徘徊だと思っていても異常だと思わないから。話し相手がいれば止まる場合もありますよ。認知症の人とよく話しているけど。

○福田精神・障害保健課長 御指摘の趣旨は非常によくわかりますので、そういった点も含めて、これからはいろいろなところに配慮しながらということで考えたいと思います。御指摘ありがとうございます。
 その他。
 柴田構成員、お願いします。

○柴田構成員 問21の辺りですが、先ほども御意見ありましたけれども、52%が「日中、夜間とも介護ができる人がいない」ということで在宅は難しいというような、そういうものがあるのですが、そういうふうにとらえるものなのでしょうか。そうではなくて、この先、5年、10年を考えたときに、在宅の支援をどう強めていくかというところまで考えていく必要があるんだろうなと思います。誰もいなければ、病院しかないうちへ帰れないということは、先ほどから言っている本人主体と本人の幸せは全く無視されたような状況になりますので、これをどう進めていくのかというところまで制度改正のところで検討が必要なのではないかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 遅れて来て、すみません。私も広田さんと一緒に民主党のPTへ行って、ちょうど相談支援の重要性についてあれこれ話してきたのですけれども。先ほど野村さんがおっしゃったことは僕もすごく重要だなと思って聞いているのですね。よく患者調査とかというと、患者さんから聞いているのかなと思うと、そうではなくて、医療スタッフから聞いているのですね。医療スタッフから見た患者さんの気持ちと患者さん本人の語る気持ちとかなり違うのですね。
 私は、重い自閉症の言葉のない知的障害の子を持っています。彼と24年間同じ屋根の下で暮らしてきましたけど、なかなか彼の思いをこちらでくみとることは難しいですね。ただ、自閉症についていろいろ勉強をしたり、一緒にいろいろな場面を体験したり、心を震わせて交流させたりしていると、彼の思いは言葉にならなくてもくみとれると思っているのですね。いわゆる判断能力がハンディがある、不十分だからというところで、本人には判断できないと、ばさっとそこで切り捨ててしまうことの恐ろしさみたいなものを私は今物すごく感じていて、入院されている認知症の患者さんは、果たしてそういうことで本人の意見をくみとらなくていいのかなと、これは本気で考えた方がいいのではないかなと私は思いますね。この辺に何かこの問題の一番の根本的な問題があると最近感じています。なので、野村さんの意見は私大賛成です。いろいろな形で封じているのかもしれませんけれども、彼らの本心をくみとっていくという努力をそこで放棄してしまっては、一体何のためにこの会をやっているのかすらわからなくなるような感じを抱いております。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 広田構成員、お願いします。

○広田構成員 私も大賛成です。紙芝居と啓発のときに言ったんですけど。高齢者福祉施設にボランティアに行かせていただいていると、本当に私たちの先輩が歩んできた心のすごく豊かな時代です、物は貧しかったけど。そういうお話を伺って、とても敬意と感謝を持つんですね。ですから、たとえ認知症になった方でも、先輩として敬うような、そういう啓発の仕方をする中で、今お二人が言われたような、人間としての尊厳をもって接すれば、私はいろいろな場面でいっぱい認知症の方とお会いしますから。だから、言葉として、自分の電話番号がわからないときに、紙とペンを出して「好きな番号を書いて」と言うと電話番号が出てきたりするわけですよ。そういう意味で絶えず自分たちの先に生きてきた人たちに敬意を持たれるような啓発で、こんな症状があるから。ましてや、さっきの異常行動なんて出ちゃったらとんでもなくて、そういうふうにやっていけば、社会全体が、かつての韓国の儒教ではなくてもいいんですけど、そういうふうに先輩を敬い、もっと豊かな社会になると思うんですね。そういうふうな視点でやった方がいいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 三根構成員、お願いします。

○三根構成員 議論の中で非常につらいのですけれども、我々、例えば認知症病棟、うちの場合ですと、在宅から3分の1ぐらい、病院から3分の1ぐらい、施設から3分の1ぐらい頼まれて入るわけでして。在宅も「もう、家では」というところで、そのときに「もうちょっと見ましょうね」と説得しながらやっているわけでして。その中で、本人が認知症、アルツハイマーなんだけど、最後どんな生き方をしたいかというのは、精神科医が聞きながら、それを家族に伝えながら、そんな話をしながら診ているのですね。入院して、症状がある程度落ち着いても、段階で、認知症病棟は定期的に多職種で協議しなければいけませんので、その中で言えば、絶えず「介護保険と絡めてこういう支援があれば在宅でできるんじゃないですか」というようなことを説得しながら、あるいは、時には見学に行ってもらいながら、体験入所をさせてもらいながらということを繰り返して御家族の気持ちを変えながら何とかやっているというのはひとつ御理解していただけないでしょうかということが1点。
 本人の意見をむしろ精神科の医師が一番くみとろうとして努力している。これは私だけではないと思います。かなりの方がそう思いながら診ているということをひとつ忘れないでいてほしいというか、理解していただきたいなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 野村構成員。

○野村構成員 お医者様たちも本当によく理解してくださっていて、家族の知らないことを御存知だと思いますが、家族から見ると、お医者様は本当に患者のことをわかっていただいてないなということが多々あるんです。本当にあるんです。ですから、そのことはお医者様もちゃんと理解しておいていただきたいと思います。よくわかっていただいている部分と、全くわかっていただけない部分があるということは、ちゃんと理解しておいて、お仕事に臨んでいただきたいと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 長野構成員。

○長野構成員 今、精神科医が認知症の方の御本人の意をくみとるのは、本当に技術的に弱いなと思うというか、自分自身は、やりながら、始めは認知症の方はわからない方だというところからスタートして十数年のおつき合いの中で、全くわからなくなる方はいらっしゃらないところに自分自身は随分変わってきたし、これからも変わっていけるのだと思うんですが。先生は、私本当に目に浮かぶというか、そうされているのはよくわかるし、そういう病院にこれから全国の精神科病院がならなければいけないのだと思うんですね。
 その中で、全体がそうなってない構造になっているのは、問18などに如実にあらわれていると思うんですが、453人の入院の方がいらっしゃって、もともと通院されている方さえがわずかに139人ということは、突然いらっしゃって、何か他で破綻したりとかいろいろあって、即入院というケースがほとんどというか、3分の1が即入院というケースなんだろうと思うんですね。453人入院されている方の中で、事前に先生のおっしゃったような、何か手はないかと訪問看護、デイサービスへ行ってみたらどうか、ショートステイを使ったらどうかというふうにトライをできている方が、この通所介護でも最大35人、わずか10%に満たない数の方が事前に介護保険のサービスは導入されていなくて、かつ、通院医療に関しても139人という数ですので、本来とても大事だなと思うのは、早期からおつき合いをさせていただいて、その進行とともに予想され得ることを少しずつでも何とかお手伝いをさせていただいて、その中で、これは手はないか、これは手はないかと、手が尽きたときにどうしてもという最終選択肢で精神科の精神科病棟があるんだというふうに思ってやっていると、このデータを見ると、全体像としては、退院後に望まれる支援もあるのですけれども、退院前にもっとやるべきことがあるのではないかという読み方をしています。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 確かに、今の問18でそういう見方もできるのかなとは思いますけれども、それは精神科病院がもっとやるべきことがあるんだというような見方の部分と、それと同じ程度、勿論、その地域での高齢者あるいは認知症の方たちに対するサービスの体制がしっかりと構築される必要があるということは同じことを意味しているというふうに私はこれを見て思います。
 ですので、この辺りのデータに関しても非常に強く思うのですけれども、これは地域によっても随分違うでしょうし、あるいは、このことは精神科病院だけの努力でこの問18のデータが、今、長野先生がおっしゃったような形に変化するのか。勿論、変化する部分もあるでしょうけれども、それと同時に、地域の認知症の方を支える体制の充実も、一緒に我々は主張をしていかなければいけないのではないかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 渕野構成員、お願いします。

○渕野構成員 いろいろな意見を聞かせていただきまして、精神医療の中で、要するに、この検討チームはいわゆる認知症と精神医療ということなので、精神医療の中で認知症を診ていくことについては、僕は異論はないのではないかと思います。その見方の問題なんだというふうに考えています。
 先ほど来いろいろ意見は聞いていますけれども、私前回も言いましたけれども、初期の早い段階で認知症の診断を受けて、そして、長いおつき合いをしていく、そういう過程で治療やいろいろなサービスを使って、入院は極力避けなければいけない。しかし、入院せざるを得ないときには、入院の目的をきちんとして、何か月ぐらいの予測を立てて、そして、出て行くという、この流れをみんなが持てば、入院はそんなに要らないのかもしれません。ただ、ポーンと突然来まして、「もう、どうにもならないから診てくれ」と言って、それで、私らも悪いのかもしれないけれども、ぽっと受けてしまう。そうすると、ついつい「いや、知りません、知りません」で退院する機会を逸してしまう。そうすると、だんだんBPSDも少なくなって、単なるいわゆる特養と同じような症状ぐらいを診ているんじゃないかと、こういう御批判をいつも受けているわけですね。だから、その辺をきちんと精神医療としては確固たるものを打ち出していかないと、世の中の人には理解していただけないんだなということを感じております。ただ、特養とか老健に入っている人が、果たしてその人の本来の意思かどうかは、やはり僕も疑問だと思います。精神科の病院に入っているから、いわゆる本人の意見というのではなくて、老健にも本当に入りたかったのかどうか、特養だって入りたくなかったのではないかというふうに僕は考えています。だから、それは精神病院だけの問題ではなくて、認知症を全部見ている人全てに問えることだと思います。
 それから、特養にいろいろな症状があると思います。精神病院に入っているのと同じぐらいのBPSDがあるとかいう話が出ていましたけど。逆に、それは医療をもう少し受けたらどうでしょうか。精神科医療をはなからそういうふうに否定するのではなくて、精神科医療でそういうターゲットになる症状はあるわけですから、特養に入られても、老健に入っている人たちにも、精神医療の専門的な診断と治療を少し受けさせるという気持ちもあると、介護の人が少し楽になるのではないでしょうか。もう限界まで来ているように思います。施設介護の限界、それから、在宅の限界、これはもう我々以上に、医療だけでなくて、国が考えることですけれども、何とかしないと、みんな共倒れになってしまうのではないかなというふうに思っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 西田構成員。

○西田構成員 問17のところですけれども、今、渕野構成員のお話にもありましたように、介護施設と医療との関係というところが非常に重要になってくると思いますけれども、この問17の答えを見ますと、介護施設から来られる方も18%いらっしゃると。他の病院、診療所、これは精神科以外のところから来られるという方も104人と非常に多いということだと思うんですけれども、ここに対して、医療がバックアップすることは非常に重要なところに来ていると思うんですが、その医療といったときに、入院医療そのものに来ていただくのか、この検討会でも参考人としてお話しされました上野先生のお話などを伺っていますと、出向いて、そこで施設を支えたり、在宅で家族や患者さんを支えたりすることで、ほとんど入院が発生しなくなってしまうというお話もあったと思うんです。渕野先生がおっしゃったように、早期の診断の後に長いおつき合いになると。その入院させないように、できるだけ地域で慣れた環境で、患者さんが望まれる場所で必要な医療を受けられるようにすることによって、これからの認知症の入院医療の役割とかというものも非常に変わってくるのではないかと思いました。入院医療というものの役割は非常に重要だと思いますので、その本当の役割を考えていくときに、今の認知症の在宅医療とか、訪問医療、外来医療で何が変わるべきなのかというところもあわせて議論をする必要があるというふうに、このデータからも感じました。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 長野構成員、お願いします。

○長野構成員 河崎先生、渕野先生がおっしゃったことは、本当に全く同感で、認知症の地域でお支えする機能が本当は特養も老健も同じのような気がするのです。本当に地域で動き回っていて思うのは、こういう現状が今、地域の認知症の方をお支えするときにあって、それは待ったなしの状況だということだと思うんですね。どこがやる、あそこがやるという話ではもうなくなってきていて、地域包括はこれをやる、精神科はこれを請け負う、どこどこをこれを請け負う、特養はこれを請け負うということを、在宅だけではないにしても、地域でお支えすることに本気で動くという方向を急いで確定をさせて、犯人捜しをしても、これはあまり意味がないかなと思うのですね。どこも不十分だからこういうデータが出てくるというふうにちょっと思ってしまっていて、そこのことは今度の検討チームの最後の結論のところでは、ある程度はっきりさせられないかなということを思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 同じような趣旨での発言になろうかと思いますが、今回、せっかく転院とか入所の順番待ちのことがデータで出ておりまして、今までこれに関しての御意見が全く出なかったかなと思っているのですけれども、これを見てみますと、スライドの34番などを見てみますと、順番待ちをしている人が約3分の1いると。そのうちの半数以上が1年以上待っておられるという状況なんですね。ですから、1年以上ということは、勿論365日を超えているということですので、この辺りが、先ほど御指摘もありましたけれども、平均在院日数にすごく大きな影響を及ぼしているのではないか。つまり、これだけのウエイティングせずに、こういう方たちはできるだけ特養なり老健なり、あるいは地域の中のそういう受け皿の方にということでスムーズにいけば、もっと、先ほどの平均在院日数にしても減少するのだろうと思いますし、この辺りをどう考えていくのか。今、長野先生がおっしゃったように、その地域全体の中のシステムをどうつくり上げて、どれだけの体制をしっかりとつくり上げていくのかということと非常に関係がある1つのデータかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 広田構成員、お願いします。

○広田構成員 疲れているから、もし間違っていたらすみません。何かやたら認知症の方が社会の中で大変そうだから精神科の方へという話に聞こえるんですけど。たまたま今私胃潰瘍になっているんですが。がんの検診も受けています。それはそれで楽しかったんですけど。もともといろいろななった大変な問題が起きたときに、27年前に精神科に行った。22年前に医療ミスの注射を打たれていますが、そのときのことを、この前も言ったように、いわゆるそれは不適切な医療だったと言ったにもかかわらず、主治医は「今の恋愛も、かつての恋愛妄想のように思われますから言わない方がいいですよ」というような、遅れている精神医療が厳然として存在している。では、認知症の患者だけが新しい医療なのかというふうに私はちょっと思うんですね。がんの方に行ったら、本当にインフォームドコンセントがしっかりしていて、家族なんか呼ばないで、リスクも説明し、副作用もきちんと説明し、これが医療だというふうに思えたわけですよ。「それは科学的な医療だから当然だよ」と言ってしまえばそうですし、でも、スタッフの質からして全然違うんですね。それは精神科医療が、4点セットの「社会的入院」を出して、病床を削減して、スタッフをきちんと配置して、診療報酬を上げなければきちんといかないのかもしれないけれど、あまりにもこの歴然とした差に、「あら、私本当に胃潰瘍になってよかったわ」という日が来るんですよ。そのうち胃潰瘍からのサバイバーになれば。そういうふうに本当に一日も早く安心して利用できる精神科医療にならないで、何でもかんでもいつの時代も、社会のなかのごみ箱のように困っている人がいたら受けるわと。そして、行った先の精神科病院で嫌な思いをしたということは、これはここで論議していることは大問題になります。さっき民主党のPTへ行ってきましたけれど、ああいうところでやることが本当にこの国を動かすのかしらという感想を持って帰ってきたんですけど。そういうことを考えれば、国の施策の一翼を私たちも論議させていただいているわけですから、何でもかんでも、いつの時代でも、困ったら精神病院というのは、「ライシャワー事件」で失敗したわけですから、本当に明るくて、本当に行ってよかったというふうに、うちの母は老健に行きましたけど、「老健でよかった」と言っていましたけど。そういうふうなことにしないで呼び込む施策は、私は精神医療の被害者として、つい先日も「恋愛妄想と思われますよ」と言った。その医者のことを「あの先生は明るいだけが取り柄ですから、その他のことは期待しないでください」と、その病院の他の人に言われて、「じゃ、患者が医者を教育するんですね」と言いましたけど、認知症の患者は医者を教育できないのですね。被害者になるしかないわけですから、そんな点のところの配慮をよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 柴田構成員。

○柴田構成員 ちょうど1週間くらい前ですけれども、地域の広域の老人会の方々の研修会を少しさせていただきました。冒頭に、参加者二百数十名で平均年齢が70をとうに超えております方々に「将来、皆さんどこに住みたいですか」という問いかけをしました。先ほど、一人ひとりの思いとか、どこに住みたいかというようなことをおっしゃいましたけれども、その二百数十名の中で、「施設に入所してもいいかな」という方はわずか2名だったんです。ほとんどの方が自分が住んでいる家で暮らしていきたいという願いを実はみんな持っていらっしゃるのですね。それは重度の病気になったり、認知症になられたりすると、本人の意向が考えられないで入院という形になったりしてしまう状況があり、元気なうちから聞けばいいということになるのかもしれませんが、現状として、そういう70を超える方々の二百数十名の中で2名だけがそういう状況であったわけです。
 ですから、恐らくこの入院なさっている方々の中だって、当然、在宅で暮らしていきたいという方々が割合としては非常に高いだろうと予測できますし。だから、もしできることであれば、この統計の中からいろいろなことが予測されるのですけれども、「いや、帰すと、また何があるかがわからない」「家族が受け入れられない」ということよりも、1つは挑戦をしてみる、一度帰してみてほしいのです。帰してみて、そこで、やはり在宅で難しいのであれば、また、施設なのか、病院なのか、もう一度戻っていただくということだってあり得る。まず、その挑戦がこれからは求められてくるのかなと私は思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 その他ございますでしょうか。
 渕野構成員、お願いします。

○渕野構成員 柴田構成員に言うわけではないのですが、努力をしてないわけではないので。精神科病院も一生懸命努力をしていまして、一日も早く出したいというのは事実です。ただ、それがスムーズにいかないシステムが問題だと思うので、是非、そういうシステムをつくっていただいて、流れがいいようにしていただきたいと思います。

○柴田構成員 決してそういう悪気があって意見を言っているわけではありません。多分、その相談機能は、病院側も、在宅の方も、双方が協働しあって可能となるものだと思うんですね。そこの辺りが強くならない限り、どうしたって、どこかが拒否をするという形になってくると思います。私は在宅系の人間ですから、もっと在宅のケア力を強めていかなければいけないし、地域包括だとかいろいろなところとも連携をしていかなければいけない。在宅のケア力を強めていくとともに、一番大事なのは、先ほど野澤委員がおっしゃったように、恐らく相談機能をどう強く働かせていくかというのがすごく重要なのではないかなと思います。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 河崎構成員、お願いします。

○河崎構成員 今の柴田構成員の御発言に関して、たしか2、3回前のこの検討チームでも同じような論議があって、結局は精神科病院の方からの押し出す力と、そして、地域の方でそれをしっかりと受け入れる力、これをどういうふうに構築していくのかということに全て収斂するその話なんだろうなと思っています。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 野澤構成員、お願いします。

○野澤構成員 短く発言させていただきます。
 お話を聞いていて、私、障害者の入所施設の問題とかをやっていて、構図がよく似ているなと思ったんですね。親は大変だから入所施設に預けるわけで、その親の気持ちはやっぱり否定できないし、話を聞いていると本当に大変ですよね。それを受けて一生懸命やっている入所施設、これを責める気はないです。ただ、中に入っている本人の気持ちはどうなのかといったときに、どこを一番重視しなければいけないのかということです。中には一生懸命やっている施設はありますけれども、そうではなくて、親のそういう願いを聞いて安易に抱え込んでいる施設もあるわけですね。これは厳然としてあるわけです。十把一からげにいい・悪いは言えませんけれども。でも、いずれにしても、どんなにいい施設だって、中に入っている本人がどうなのかということを中心に考えていきたいなと思っております。

○福田精神・障害保健課長 ありがとうございます。
 大体予定された時刻になりましたけれども、是非、何かございましたら、お願いしたいと思います。
 非常に重要な話で、事務局から訂正がございます。申し訳ございません。

○中谷課長補佐 資料2のスライド17番、問14−1ですが、一番上の抗精神病薬の種類数のグラフですが、これ、一番左側1種類が54%となっているのですが、絵を見ると67%ぐらいで。すみません。これは、数字が間違いで、この棒グラフの絵の方が正しいです。大変失礼いたしました。

○福田精神・障害保健課長 数字は別途あれですけれども、いずれにしても六十数%に。この絵の方が正しいということだそうです。

○中谷課長補佐 数字が間違いです。

○河崎構成員 非常にいい訂正をありがとうございます。

○福田精神・障害保健課長 その他、特にないようでしたら、次回のテーマと日程について、事務局から説明させたいと思います。よろしくお願いします。

○本後課長補佐 次回の日程ですけれども、再来週11月18日(木)の18時から、場所は、ちょっと変わりまして、厚生労働省の5階国会側になります。共用第7会議室でございます。
 次回ですけれども、大分御議論をいただいてきておりますので、この議論の方向性をまとめていくことに向けた検討をしていきたいと思います。資料につきましては、本日様々いただいた御意見も参考にさせていただきながら、また、まとめていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○福田精神・障害保健課長 どうもありがとうございました。
 本日も大変お忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。以上をもちまして、第11回の検討チームを閉会いたします。
 どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

社会・援護局障害保健福祉部
精神・障害保健課企画法令係

電話: 03-5253-1111(3055)

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