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2011年2月10日 第5回肝炎対策推進協議会

○議事

第5回 肝炎対策推進協議会
日時 平成23年2月10日(木)15:00~
場所 如水会館3階松風の間

○神ノ田肝炎対策推進室長 定刻前ではありますけれども、ご出席予定の委員の皆様方はおそろいですので、ただいまより第5回「肝炎対策推進協議会」を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日は、現時点で13名の委員の皆様方にご参集いただいておりますので、会議の定足数に達しておりますことをご報告申し上げます。篠原委員、龍岡委員、鳥越委員、平井委員、保坂委員、宮下委員からご欠席の連絡をいただいております。櫻山委員におかれましては若干遅れてご出席との連絡をいただいております。
 会議の開催に当たり、岡本厚生労働大臣政務官からご挨拶を申し上げます。

○岡本厚生労働大臣政務官 皆様大変お忙しい中を、第5回肝炎対策推進協議会にお集まりいただきましてありがとうございます。厚生労働大臣政務官の岡本です。本日は皆様方に一言ご挨拶を申し上げさせていただきます。一昨年の11月に成立した肝炎対策基本法に基づき、この協議会が昨年6月より開催され、これまでに4回開催してきたところです。それぞれの皆様から大変闊達なご意見、それぞれの経験や知識に基づいたご議論をしていただいておりますことに、まず冒頭に敬意を表し、感謝を申し上げます。これまで皆様からいただいたご意見を踏まえつつ、第5回も充実した議論が交わされるものと期待しております。
 政府として、肝炎対策については、昨年末に決定した平成23年度政府予算案で、5歳ごとに希望者が無料で肝炎検査を受けられる事業など、政策コンテストを経て獲得した特別要望枠分の約40億円を含め、総額で238億円を今回の予算案に計上いたしました。今、正に予算の審議の最中であり、この予算案を何としても成立させたいという思いを持っております。そういう意味では、今後も皆様方にしっかりご議論いただきながら、我々の予算審議も見ていただければ、注目していただければと思います。
 大変厳しい財政状況の中でありますけれども、肝炎対策については平成22年度予算より、総額で2億円増ということを皆様方にもお知りいただきつつ、できることであれば予算審議も応援していただきたいと思うところです。
 本日の協議会では、政府予算案の各事業についても反映させた形で、厚生労働省としての基本指針の案を提示させていただく予定です。基本指針は、今後数年間の肝炎対策の方向性を定める大変重要なものであります。基本指針をより良いものにして、ひいては我が国における肝炎対策を一層推進するために、委員の皆様方それぞれのお立場から、本日も活発なご議論をしていただきますよう重ねてお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○神ノ田肝炎対策推進室長 なお、岡本政務官におかれましては、他の公務のためここで中座させていただきますので、ご了承いただければと思います。
 次に資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席表、配布資料一覧があります。資料1-1から資料4まで一括で綴じさせていただいております。1頁が資料1-1「肝炎対策の推進に関する基本的な指針(厚生労働省案)」です。13頁からが資料1-2「厚生労働省案(比較版)」ということで、前回第4回協議会からの変更点をまとめたものです。25頁からが資料2で、岡本政務官の挨拶にもありましたが、昨年末に決定された「平成23年度政府予算案」です。31頁からが資料3で、昨年末に患者委員の皆様方から林会長あてに提出された意見書です。37頁からが資料4「肝臓機能障害に係る障害認定状況に関する調査の結果について」です。
 参考資料1から参考資料8まで用意しております。頁数が多くなりましたので、1頁から74頁までのものと、75頁以降の資料ということで用意させていただきました。用意させていただきました資料は以上です。
 マスコミの方に申し上げます。カメラ撮りはここまでとさせていただきます。ご協力のほどよろしくお願いいたします。以降の議事進行は林会長にお願いいたします。

○林会長 本日は第5回ですが、前々回、前回と提出していただきました基本的な指針案について、委員の皆様方から貴重なご意見をありがとうございました。今回は、その際のご意見・ご議論・その他一部の委員から提出のありましたご意見、後ほど説明のあります平成23年度政府予算案の各種事業の反映、関係行政機関との調整を踏まえ、厚生労働省案を提示していただきましたので、本日はご議論いただきたいと思います。
 本指針案には、平成23年度の政府予算案の各種事業も反映されておりますので、事務局から肝炎対策に係る平成23年度政府予算案の概要について説明をしていただき、それに続いて厚生労働省案についての説明をお願いいたします。

○神ノ田肝炎対策推進室長 25頁からの資料2は、昨年末に決定された政府予算案のうち、肝炎に関するものをまとめたものです。25頁の下の方は、肝炎総合対策の5本柱に沿って、予算案ではどのぐらいの額を計上しているかをまとめたものです。総額では238億円で、平成22年度予算と比べて2億円増となっております。青い部分に記載しておりますが、その内数として特別枠分が40億円計上されております。こちらは、肝炎対策に係る特別枠事業ということで、政策コンテストのプロセスを経て、評価会議の評価を受け、その結果として概算要求時、一律1割程度削減されたわけですが、それを取り戻すような形で計上しております。
 肝炎総合対策の5本柱ごとに見ますと、1つ目の柱である「肝炎治療促進のための環境整備」については、例年予算の不用額を生じている経緯もあり、28億円の減額となっております。その分、2つ目の柱である「検査の促進」が増額になっております。赤い字で記載してある部分が特別枠分ということで、このような各種事業が新規のものとして今後取り組んでいく形になっております。
 26頁の上の方で、それぞれの柱ごとにご説明申し上げます。1本目の柱の「肝炎治療促進のための環境整備」については、肝炎治療特別促進事業として、今年度は180億円でしたが、平成23年度予算案では151億円を計上しております。過去の決算額を見ますと、平成20年度が58億円、平成21年度が71億円ということからすると、予算的には十分確保できていると考えております。この予算をもって、来年度も積極的にこの医療費助成を進めていきたいと考えております。
 その下は表の形で対象者、対象医療、自己負担限度額等々についてまとめてありますが、平成22年度からの変更はありません。
 26頁の下の特別枠分ということで、「肝炎患者支援手帳の作成・配布」が5,000万円ほどの予算となっております。B型・C型肝炎患者等に対して肝炎の病態、治療方法に関する制度等を記載した「肝炎患者支援手帳」を作成・配布し、今後の適切な治療を促進するといった趣旨の事業です。こちらは、患者委員の皆様方からも、ご意見として要望をいただいてきました。
 「地域肝炎治療コーディネーターの養成」ということで7,000万円の予算を計上しております。こちらも、適切な医療につなげていくということで、市町村の保健師と、職域の健康管理者等々も含めて取り組んでまいりますけれども、B型・C型肝炎に関する既存制度の知識などを習得していただき、肝炎患者等が適切な治療を受けられるようにコーディネートしていくそのような人材を養成していくものです。
 27頁の上は、「肝炎ウイルス検査の促進」ということで55億円を計上しております。今年度に引き続き、保健所での特定感染症検査等事業と、市町村における健康増進事業の中での検査ということで対応していくこととしております。特別枠の事業として、[特]と書いてある2つの事業を行うことによって拡充を図っていくこととしております。
 保健所事業については、従来保健所や委託医療機関での検査の実施という形で進めてきたわけですが、そういうものに加えて出張型検診の実施により、受検者の利便性を向上させ、検査の促進を図るものです。また市町村事業についても、40歳以上5歳刻みの方を対象として、無料で検査受検可能な個別勧奨メニューを追加することとしております。
 27頁の下は3つ目の柱です。「診療体制の整備」については、今年度と同様に拠点病院を整備し、患者等からの相談等に対応する体制を整備することとしております。また肝疾患相談センターにおいては、患者・家族等に対する心身両面のケアや、医療従事者に対する研修等を実施するとともに、肝炎情報センターにおいて、肝疾患に関する各種の情報提供等の支援をしていくこととしております。予算額としては7億円を計上しております。
 28頁の上は4つ目の柱です。「正しい知識の普及啓発について」は、肝炎患者等支援対策事業の普及啓発部分については、1.8億円から0.9億円と減額になっておりますが、特別枠ということで、肝炎検査受検状況実態把握事業を、国の事業として実施する予定です。この事業では、検査受検者の年齢や性別等の実態把握を行い、検査の受検促進のための分析等を進めていきたいと考えております。
 こういうものについては、数値目標を定めるべきではないか、というご意見も患者委員からいただいてきたところですが、その基礎となるベースラインのデータ等をしっかりと把握した上で、今後この検査の受検促進につなげていきたいと考えております。
 28頁の下は5つ目の柱です。「研究の推進」についてです。肝炎等克服緊急対策研究事業においては、今年度に引き続き「肝炎研究7カ年戦略」を踏まえた研究開発の推進を図っていくこととしております。また特別枠として、健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーション・プロジェクトの中で、肝炎分として研究費を5億円計上しておりますので、この中で肝炎感染予防ガイドラインの策定などの行政的な研究を実施していくこととしております。
 29頁の上は再掲という形で、元気な日本復活特別枠で確保した事業費を再掲で整理した資料です。特別枠の趣旨については、ピンクの囲みで記載しているとおりで、元気な日本を復活させるための施策に、予算の重点配分を行う仕組みとして設定されております。肝炎患者あるいは感染者の皆さんが安心して暮らせる環境づくりを通じて、元気な日本を復活させることが期待されている事業ですので、この事業の推進を厚労省としてもしっかり進めていきたいと考えております。以上が、政府予算案の概要です。

○外山健康局長 補足させていただきます。予算案の説明は今のとおりなのですけれども、29頁の再掲で「特別枠」ということで挙げましたが、この協議会で言われなくても、本来予算案として挙げなければいけないわけです。今の説明の中で、一部だけこの協議会の意見を聞いたという形になっていますが、ここに特別枠で挙げていますのは、全てこの協議会の意見を政策ということで掲げたと思っております。
 ただ、ここでいただいた意見すべてを盛ることはできませんでしたけれども、ここに掲げてある予算特別枠というのは、すべての根っこは皆さんの議論の過程の中からいただいたものを膨らませるような形で立案したものです。

○神ノ田肝炎対策推進室長 続いて、厚生労働省案についてご説明いたします。資料1-1が厚生労働省案ですが、こちらでは分かりにくいと思いますので、13頁からの資料1-2で、前回との比較でどこが変わったかを中心にご説明させていただきます。大きく3つの視点から変更しております。1点目は、前回第4回協議会でいただいたご意見を踏まえた変更です。2点目は、昨年末に林会長あてに提出された患者委員のご意見を、可能な限り反映させていこうということで整理しております。3点目は、昨年末に決定された政府予算案についても盛り込んでいくということで、大きくはこの3点の視点からの変更です。
 その他細かな修正はありますけれども、内容・趣旨等の変更はありません。こちらの資料で黄色く塗っている部分が内容的に変わったところになりますので、そこを中心にご説明申し上げます。13頁の下の黄色く塗った部分の「ウイルス性肝炎から進行した肝硬変又は肝がんの患者を含む」ということで、これは前回のコメントということで右側に書いてあります。第4回協議会意見ということで、前回天野委員からご意見があったことを踏まえ、肝硬変あるいは肝がんの患者さんも含むのだということをしっかり記載しております。14頁、15頁にもいくつか変更点がありますけれども、文言の修正です。
 16頁の下の黄色く塗ったところの、「従前から実施している肝炎ウイルス検査の受検者数の把握のための調査に加えて」というのを記載しておりますが、これについては患者委員からの意見書の中で要望・意見のあったものを記載しております。コメントのところに「患者委員意見書(2)」の(2)というのは、31頁から意見書がありますけれども、32頁に手書きで丸数字を入れておりますが、この(2)のご意見を踏まえて反映させたものです。「従前実施していた受検者数把握のための調査を継続するとともに」を挿入していただきたいというご意見を踏まえて追記したものです。
 16頁の下の「感染経路は様々であり、本人の自覚なしに感染している可能性があることを含めて、肝炎に関する正しい知識の普及啓発を行い」と記載しております。こちらも患者委員意見書(3)のご意見を踏まえて追加したものです。
 17頁の中ほどの「肝炎ウイルス検査の個別勧奨や出張型検診等を推進することにより、さらなる検査実施を支援する」と記載しております。こちらは、先ほどご説明いたしました政府予算案の中で、こういう事業がその予算の中に盛り込まれておりますので、それについて記載したものです。
 18頁の上のところで「都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドラインに基づき」と記載しております。こちらは、患者委員意見書?に基づいて記載したものです。
 18頁の下で「職域」を追加しております。こちらは前回第4回協議会の中で、保坂委員からの、職域の取組についても記載すべきではないかというご意見を踏まえての記載です。
 その下に「取りまとめた手帳等を」を入れております。こちらは、政府予算案の中でも手帳の作成・配布を行うことになっておりますし、また患者委員意見書?の中でもご要望をいただいております。
 一番下のところで「より効果的な実施方法等について検討し、研修内容の充実を図る」ということです。こちらは、患者委員意見書?の意見を踏まえての修正です。前回は「支援方法について検討する」という形で記載しておりましたが、一歩進めて「研修内容の充実を図る」という記載に改めております。
 19頁の上は「その成果物を活用し、地域の特性に応じた診療連携体制の強化を支援する」ということです。こちらも患者委員意見書?の意見を踏まえ、一歩踏み込んだ形で記載しております。
 20頁の上でエとして追加しておりますが、これは再掲という形になります。「国は、肝炎情報センターが拠点病院の医療従事者を対象として実施する研修を効果的に進めるための技術的支援を行う。また、国及び都道府県は、拠点病院が行う研修について、より効果的な実施方法等について検討し、研修内容の充実を図る」としております。こちらも患者委員意見書?の意見を踏まえての記載です。
 下の方の第6(2)のアに「肝炎研究7カ年戦略に基づく肝炎研究を一層推進するとともに」と記載しております。改めて見てみますと、この研究については「研究の推進」ということが記載されておりませんでしたので、こちらは事務局の判断で記載しております。
 ウのところはかなり大幅な加筆になっております。こちらは、行政研究に関する記載がありました。しかしながら、改めて見てみますと、この指針の中でもバラバラに行政的な研究について記載されておりましたので、それを1カ所にまとめて整理しております。また政府予算案の中でも、この行政研究については進めていくことが盛り込まれましたので、それを受けての追加です。ウ「肝炎研究7カ年戦略に基づく肝炎研究に加え、肝炎対策の推進に資することを目的として、以下の行政的な研究を行う」ということです。(ア)「日常生活上の感染予防の留意点を取りまとめた啓発用の資材や、集団生活が営まれる各施設における感染予防ガイドライン等を作成するための研究」。(イ)「医療機関において、手術前等に行われる肝炎ウイルス検査の結果の説明状況等について、実態を把握するための研究」。(ウ)「地域における診療連携の推進に資する研究」。(エ)「職域における肝炎患者等に対する望ましい配慮の在り方に関する研究」。(オ)は前回も記載しておりました。(カ)「肝炎ウイルス感染者に対する偏見や差別の実態を把握し、その被害の防止のためのガイドラインを作成するための研究」。(キ)「その他肝炎対策の推進に資する研究」としております。
 21頁の中ほどの「他の医薬品に」を削除しています。これは、前回第4回協議会の場での保坂委員からのご意見を踏まえての修正です。
 22頁の上の方で、「従来から実施してきた肝臓週間」と記載しております。これも、前回第4回協議会で熊田委員からのご意見を踏まえての修正です。ウイルス肝炎研究財団としては、従来から肝臓週間はしっかり取り組んできたことがわかるような形での記載に改めております。
 その下のところで「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)等と同じく」を削除しております。こちらは、前回第4回協議会において木村委員からご指摘のあったことを踏まえての修正です。
 その下のカのところで「国は、就労を維持しながら適切な肝炎医療を受けることができる環境の整備について、引き続き、各事業主団体に対し、協力を要請する」というのを追加しております。こちらは、患者委員意見書?のご意見を踏まえての追加です。
 23頁の上の方で、「患者の高齢化が進んでいる現状がある」というのを追加しております。こちらは、患者委員意見書(1)のご意見を踏まえての追加です。
 その下のエのところで、生活実態等に関する調査についても明確に記載をしております。こちらは、前回第4回協議会で天野委員からの、生活実態についてもしっかりと調査してほしいという意見を踏まえての修正です。
 24頁の(5)は「見直し及び定期報告」ということで、項目名を改めております。最後のところでなお書きで「本指針に定められた取組の状況は、肝炎対策推進協議会に定期的に報告するものとする」というのを追加しております。こちらは、患者委員意見書?のご意見を踏まえての追加です。事務局からのご説明は以上です。

○林会長 前回第4回協議会で、委員の先生方からご指摘いただきました点、それから資料3にある患者委員からいただいたご意見をできるだけ反映する形で修正していただきました。かなりの部分のご意見が反映されていると思います。これからは、3部門に分けてご意見をいただきたいと思います。かなり長い文章ですし、第1から第9まで項目がありますので、まず3分の1ずつご意見をお伺いできればと思います。第1、第2、第3の項目でご意見がありましたらお願いいたします。一番分かりやすいのは資料1-2だと思いますので、資料1-2の頁の何行目ぐらいかをご指摘いただくと分かりやすいのではないかと思います。

○南部委員 17頁の1行目で「全ての国民が少なくとも1回は検査を」という記載になっています。「全ての国民」となると、乳児も対象になるのかと思ってしまいます。例えば「全ての成人国民」とか何か、具体的な表現の方がいいかと思いました。

○林会長 それは、おっしゃるとおりです。私たちは成人を対象にしていましたので、それしか頭にありませんでしたが、ご指摘のとおりだと思います。ここは単純なことですので、事務局の方で表現だけお考えください。

○木村委員 13頁にある前文の部分なのですが、資料3の顛末の我々患者委員意見書の一番最初のところにもあります。これを踏まえた形を取られてはいるのですが、我々としては具体的な項目として、資料3の第1の1行目の終わりのところの括弧から始まる、「そもそもB型肝炎及びC型肝炎に係るウイルスへの感染については、国の責めに帰すべき事由によりもたらされたものも存する」という文言をこの指針の中でも前文で具体的項目として入れていただきたいと思います。
 なぜかというと、最初が肝心ということではないのですが、なぜ肝炎にかかわることがこれだけ重点的に書かれるのかという疑問の意見等も聞かれますので、そういうところをはっきりさせた上で、いろいろな対策をとるべきではないかということです。

○林会長 13頁の一番最初のところに入れていただけたらいいということですか。「肝炎とは」のところですか。13頁の何行目かを教えていただけるとありがたいです。いちばん最初のところですと、肝炎の一般論なのでなかなか入れにくいです。

○天野委員 「いまだ解決すべき課題が多い」の次ですか。

○木村委員 そうですね。

○林会長 「肝炎ウイルスの感染経路等について」の前のところですか。「課題が多い」というところですか。

○木村委員 「課題が多い」の後がいいのかと。

○外山健康局長 本日は国の考え方を協議会に諮って、そしてまたご意見をお聞きした上で最終的にパブリックコメントにかけて判断して、指針を作るというステップになっております。今、ここで私が良いとか悪いと言う立場にありませんけれども、この前文の議論は前回出ましたのでちょっとご説明させていただきます。
 参考資料1に「肝炎対策基本法」があります。肝炎対策基本法の前文を見ていただきますと、まず目次の構成が書いてあって、次に前文が書いてあります。参考資料1の1頁の真ん中ぐらいの3段落目を見ていただきますと、「B型肝炎及びC型肝炎に係るウイルスへの感染については、国の責めに帰すべき事由によりもたらされ、又はその原因が解明されていなかったことによりもたらされたものがある」ということで、ここにそういうものがあるということで、法律の前文に述べてあります。
 もう1つは3頁を見ますと、肝炎対策基本指針を国が作るということです。そして第9条に、指針の項目について総合的な対策ということで縷々項目を法律事項として書いてあります。こういう観点に立って、この基本指針を作って告示するという立場に立っております。
 前回も議論がありましたけれども、木村さんがおっしゃったような、国の責任に帰すべき部分があるということは、法律の前文で謳われております。この肝炎対策基本指針のこの対策というのはそういうものも含みますけれども、感染の原因によらずすべての患者・感染者を対象とする一般対策を作るのだということです。概念的には、いま木村さんがおっしゃったような精神は既に法律の前文に書いてあって、それを受けていることは事実でありますけれども、この基本指針は全てをカバーして、一般対策としてやるという性格を持っておりますので、そのことも含めてご議論いただければと思います。ここで、私が良いとか悪いとか言う立場ではありませんが、そういう性格があるということも知っておいてくださいということです。

○林会長 これは、かなり微妙な問題を含んでいるということなのですが、前回も議論されたところであります。基本的には全ての肝炎患者さんを対象にした対策を書くという論点でこの文章を作らせていただくということで、前回も少し議論があったところです。今おっしゃったところに入れるのが適当かどうかということについては私もちょっと疑問に思っております。
 皆さんが、なかなか肝炎検査を受けていただけない最大の理由というのは、特定の感染経路を書くと、それに該当しない人は肝炎にかからないと理解されることが非常に多くあって、我々はそのことを非常に危惧している点もあります。そういう点も踏まえていろいろご意見をお伺いできればと思います。これは、前回も議論をさせていただいた点です。

○天野委員 ただ現状認識として、今どういう状態にあるかということは書いていただきたいのです。「国に責めがある」ということはちょっと難しいのかもしれませんが、途中の「ウイルス性肝炎患者は高齢化が進み、病気が重篤化し、肝硬変、肝がんに苦しんでいるのであって、重篤化した肝硬変以降の患者に対する支援の在り方を早急に検討する必要がある」というところは、現状認識として入れていただきたいと思います。

○林会長 肝炎対策のところは、肝炎・肝硬変を含むということを言っています。肝炎対策の中には、当然肝硬変、肝がんに対する対策も含んでいるというのは前回も少し議論がありましたし、今回は文章の訂正も少し行われております。いま天野委員がおっしゃったことは、我々も十分認識しているところだと思います。

○天野委員 特に「高齢化、重篤化していて」ということを認識していただきたいと思います。

○林会長 それをどこに入れさせていただいたらよろしいのでしょうか。

○天野委員 先ほど木村さんがおっしゃった、「いまだ解決すべき課題が多い」の後でもいいのかな。「ウイルス性肝炎患者は高齢化が進み」。

○外山健康局長 今修文にかかっているところです。

○林会長 先ほど、後ろのところで高齢者の文章を入れさせていただいた部分があります。

○神ノ田肝炎対策推進室長 23頁です。「肝硬変及び肝がん患者に対するさらなる支援の在り方」という中で、「患者の高齢化が進んでいる現状がある」を追記しております。これは、今議論になっている患者委員意見書(1)を踏まえての追加です。

○林会長 入れさせていただくのだったら、ここの部分に何か文章を追加するということ:追加 :削除になろうかと思います。今天野委員がおっしゃった内容は、おそらくここに書かれているのではないかということです。

○神ノ田肝炎対策推進室長 関係するところですが、13頁の下のところの説明で、天野委員からのご意見を踏まえてと先ほど申し上げましたけれども、肝硬変、肝がんの患者も含むのだということをこの前文の中にもしっかりと記載をしているところです。

○林会長 肝炎ウイルス対策というのは、当然のことながら肝硬変、肝がんというのは、肝炎ウイルス感染から病気が進行して起こるものですので、当然その対策は含むというのは、皆さん共通の認識ではないかということです。そのことについては、一番最初の部分に定義として入れさせていただいております。あとの肝炎対策については、当然肝硬変、肝がん患者さんも含んだ対策になるのだということだと思います。
 高齢者のことについては、23頁のところで文章を膨らますご意見でしたら、そこの部分で文章を膨らますことは可能だと思っております。患者さんの高齢化が進んでいる現状があるということでしたら、一応そこに書かせていただいております。


○天野委員 主人は、自分に全く責任のない感染でC型肝炎に罹患して、肝硬変末期まで進んで、肝がんを5回起こして亡くなっているものですから、やはり国の責めに帰すべき事由によってもたらされて、感染責任、重症化責任というのは国にあると私自身は思っております。ですから、本当は国の責めに帰すべき事由によってもたらされて、それで高齢化、重症化してきているのだということは言いたいという気持があるのです。

○林会長 もちろん、その部分は皆さん認めているわけですが、全てのC型肝炎患者さんがそうとは言い切れない面もあります。これは、すべての患者さんを対象にした文章だということはご理解いただいたほうがいいのではないかと思います。我々も、全ての肝炎患者さんを対象にした、いろいろな施策を今回どうするかという中で議論を進めさせていただいておりますので、その点についてはご理解いただいたほうがいいのではないかと思います。おっしゃっていることは十分よく理解できます。

○天野委員 14頁の第1の(2)「肝炎ウイルスの感染経路は様々であり」と書いてありますが、先ほどは、感染経路を固定するといけないのではないかということだったのですけれども、自覚症状がないのがこの病気の特徴ですので、輸血、血液製剤、予防接種で感染する可能性があるのですよという、具体的な症例を出して注意を喚起するほうが、ウイルス検診を受ける方が増えるのではないかという感じがするのです。具体的に書いていただけないでしょうか。

○林会長 これも、前から少し議論のある点だと思います。

○田中委員 これは指針への記載です。感染経路は様々あります。ここにC型肝炎ウイルスが発見される以前の輸血であるとか、血液製剤であるとか、を具体的に書くのが指針を基にいろいろな施策を立てるのに妥当かどうかについては、考える必要があります。ここで記載してしまうと、それ以外の感染経路の人が自分が対象ではないとする可能性もあると思います。
 現時点では、新規感染はほとんどなくなっているわけですから、過去についての感染経路をここにいくつか記載してしまうと、ほかの何か自分が思いもよらない感染経路で感染した人の検査の機会を奪うことになってはいけないということがあります。国民全体が1回受けることを推進するためにも、感染経路は様々に考えられるので是非1回は受けてくださいという方向に持っていったほうが、検査の受検者が増えるのではないかと思います。

○林会長 感染経路が100%分かっていると、全てを網羅するというのは非常に論理的なのですけれども、実は感染経路で不明の部分があるところが非常に難しいところなのです。今回のこの文章の中でも、全ての人に1度検査を受けていただきたいという論理展開をするときに、そこのところが少し問題になってくるかということです。
 以前に調査をさせていただいたときに、本人が輸血を受けていない、あるいは血液製剤を投与されていないので検査は受けないのだという人が圧倒的に多かったのです。そのことがあったのでこの感染経路を書くのがいいのかどうか。ほかのパンフレット等に書くのは別なのですけれども、ここの文章に挙げるのがいいのかどうかについては、我々専門家の間では少し違う意見を持っています。

○阿部委員 感染経路がこうだということではなく、今現場で私も検診に行くわけですが、保健師なり病院などでも、「肝炎の検査をなさいますか」と言われますが、輸血を受けているか、手術をしているかということを主に聞いているわけです。そういう方が、節目検診以外にやられているということがあります。
 ここは、我々が提案しているようにもうちょっと広くしたほうが、網をもうちょっと広げるという意味で、ここのところに予防接種なり、極端に言うと注射器の連続使用という項目があれば、誰もが「あったじゃないか」と思いますよね。そういうところも含めて、ウイルス検診を勧奨することを現場でやるためにも、そういう情報提供も含めというように、別にこれに固定してということではありませんので、そういう意味合いで考えていただければと思います。
 現場の都道府県、市町村までこの指針は行くものですから、そこは現場のためにもあったほうがいいと思っています。基本に則って、「こうじゃないか」というようなことで、国の責任をどうとかということで言っていることでもないのです。

○外山健康局長 今のご意見は、林会長に出す資料3の32頁の第2の(2)に書いてある話です。事務局としてこの案を出して個別に書かなかった1つの理由は、ここでは輸血であるとか血液製剤等々書いてあるわけですが、いま田中委員がおっしゃったように、そのほかに感染経路を網羅的に書くとすると、母子感染であるとか、性行為であるとか、入れ墨であるとか、ピアスであるとかその他いろいろあると思います。
 頻度がどの程度かという問題もありますけれども、会長がおっしゃったように、その他いろいろあるということになると、ここでそういうことを網羅的に記載するというよりは、ここで言っているのは、すべての方に検診を受けてもらうという趣旨につなぐのだということのために書いてあるということなので、様々な経路があるというだけでいいのではないかということを検討したということです。参考にしていただきたいと思います。

○南部委員 現場を持っている保健所としてこの案を拝読したときに、「全ての国民」という表現で、1回は検査をすると書いているのは画期的だと思いました。ただ最初に申し上げたように、「全ての国民」と言っても乳児は対象ではないと思いますので、そういう点である程度はっきり書いたほうが、よりその趣旨として、検査を実施していく側では「これだけの意気込みがあるんだな」ということが感じられると思って最初に発言させていただきました。
 わざわざ、感染経路をいろいろ書かなくても、1回は受けましょうということで、多くの方の検査はできていくのではないかと。わざわざという表現は不適切でした。いろいろな感染経路を書かなくても、実行できるのではないかと思います。

○林会長 実際に検査を進めているいろいろな資料を作るときには、阿部委員がおっしゃったように、今分かっている感染経路については当然のことながら書かせていただかないと駄目だと思っております。ここの趣旨が、肝炎ウイルス検査を国民の方に1度は受けていただきたいという趣旨で書かせていただくというのがここの大きな意味です。なぜ皆さんに検査を受けていただけないのかというのをいろいろ調べると、その最大の原因がそれだったので、こういう文章のほうがいいのかなと思ったのです。

○溝上委員 感染ルートを、肝炎ウイルスの遺伝子配列を決めて、データベースを作ってやっているのですが、それでも同定できないのがあります。どこから来たのだろうか、これは外国株に非常に似ている、だけどこの人は外国へ行ったこともないと。そうすると、もう同定できないだろうということは考えられます。
 先ほどの検査についても、今東京都の方で、一生に一度のお願いですという地下鉄のポスターで有名なのがあります。これだけやってすらこうですから、それ以外の人は受けなくなります。ここでは、やはり全国民が1度は受けましょうという趣旨ですので、これでいいかと思います。あとのところの不足などはまた別のことでカバーしたらどうでしょうか。「もしかしたら危険です」と言っているけれども、それでは危険でない人は受けないというのが現実なのです。


○林会長 書くと、それ以外の人は受けないというのが非常に困る現象なのです。なぜ受けないのですかというのを患者さんに聞くと、「いや、その感染経路の中に該当しないから」という答えがかなり多いので、我々も非常に困っております。そのときには、感染経路が分からないのが非常に多いのですという説明をさせていただきます。そういうこともあって、ここの趣旨は、是非1度検査を受けていただきたいということなので、それ以外のところに書くのは我々も当然だと思っております。逆に、ここのところには書かないほうがいいのではないかという気がしております。

○外山健康局長 先ほど予算のときに説明いたしました、肝炎ウイルス検査の促進の出張型検診であるとか、市町村における検診であるとか、そういうときには当然問診の中に、いろいろな事例としてそういうことを書くということです。今先生方がおっしゃいましたように、本人の自覚もなしに感染している例も含めて1回受けてくださいという趣旨ですので、ここには書かなくてもいいと。しかし、事業面のときには、当然問診票の中に、今おっしゃっていたことについてはちゃんと書くということだろうと思います。

○林会長 次に進ませていただきます。18頁の第4から第5、第6というのは修正点の多いところですので、是非ご意見をお伺いしたいと思います。

○武田委員 19頁の第4の(2)のオなのですが、「国は、職域における肝炎患者等に対する理解を深めるため、肝炎の病態、治療方法及び肝炎患者等に対する望ましい配慮について」のところで、「普及啓発を行うとともに、就労を維持しながら治療を受けるための法的支援の可能性についても検討する」というように私としては入れてもらいたいと思います。
 いままで、いろいろなアンケートを取りましても、働きながら治療しているというのはすごく少なかったと思います。私自身も3回治療を行っているのですが、全てが仕事をしながら治療していました。事業主にそれを望むというよりも、ある程度法的にあるほうが休むほうも休みやすいです。副作用がものすごくひどいものですから、今後はそういう法的手段も頭に入れてしていただきたいということです。
 基本法第16条にも「国及び地方公共団体は」のところに、「医療機関、肝炎患者を雇用する者の必要な施策を講ずるとともに」という項目があると思います。そのためにも、普及啓発だけでは駄目だと思っています。以上です。

○林会長 これも、前から継続的な議論がありますが、いかがでしょうか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 この就労しながらの治療については、22頁の中ほど、カで「国は、就労を維持しながら適切な肝炎医療を受けることができる環境の整備について、引き続き、各事業主団体に対し協力を要請する」ということで記載しております。ただ今ご指摘いただいた第4の所は、「肝炎医療を提供する体制の確保に関する事項」ということで、両方に書くかどうかということかと思っております。国としての取組としては、事業主団体に働きかけていくということですので、第8に「肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権の尊重に関する事項」に記載したところです。再掲として書くこともできると思いますが、その辺のご判断をいただければと思います。

○林会長 今の22頁のカに書いております。これは「協力を要請する」ということになっていますが、事業主側がどうするかということなので、どこまでこちらが言及できるか難しい問題も含んでおりますが、こういう書き方でいかがでしょうかということですが。

○武田委員 啓発とか、お願いするというようなのだと、やはり難しいと思うのです。勤めること自体も大変な時代に、治療しながら働くこと自体がものすごく大変な状態なのです。そのときに、「お願いする」では駄目だと私は思います。だから、法的なこともある程度踏まえたいということを今後の課題に載せていただきたいと、そう思っております。した方はお分かりだと思うのですが、副作用を抱えながらずっと第一線で仕事をすることは、ものすごく大変なのです。だから、やはり介護治療休暇みたいな感じで、ある程度入れていただきたいというのを今後の課題にしていただきたいと思います。

○林会長 分かりました。事務局のこれより強めて書くことが可能かどうかというのが、私もちょっと判断が。

○阿部委員 職域の治療ということですが、これは検査・健診も、健保さんのほうは健診はほぼ100%近くいっているのに、ウイルス検診は非常に低いという現実があって、田中純子先生も今後の検診率を上げるために、いわゆる職域のほうの検診・受診の勧奨とか普及啓発を図ることが必要ですということを前におっしゃっているわけです。そのようなことからすると、第6項の「職域における肝炎患者等に対する望ましい配慮の在り方に関する研究」というのがあります。私はここは患者からすると、なじまないなと。むしろ、やはり職域において、肝炎患者の検診とか治療の在り方がどうしたらいいのかというのは、私自身もずっと職場で働きながら治療もしてきたし、インターフェロンの治療も働きながらやったわけですが、非常に難しい問題があるわけですよ。ましてや大きな企業と、まるっきり小さな企業というのも、また大きな違いがありますので、もっとここの研究を膨らませて、そういう検診・治療の在り方を患者、事業者、労働組合なども入れた研究をしていただくというのが私はいいのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

○林会長 それは、おっしゃることはよく分かります。検査の機会は17頁の(2)のエの所で記載があります。先ほどの点もありますし、今阿部委員のご指摘があった所でもあります。研究を膨らませるということは、厚生労働省の方でできる内容のことかもわかりません。

○外山健康局長 この行政研究というのは、通常の医者や研究者が試験管を振って何かやる研究ではなくて、やはり一連のこの協議会の精神というか、患者の立場に立って、どういった施策を進めていくかといった趣旨の行政研究ですので、今後の話になりますが、私としてはこういった研究班の班員の中に患者団体の方であるとか、当事者の方に入ってもらって、そういったよく知っている方の着眼点に立って研究を進めるべきだと思っておりますので、そのようにしたいと思っています。
 最初の就労しながらという話ですが、22頁に書いてある、国は労働も所管している厚生労働省、そういった役所、国がきちんと各事業主団体に対して協力を要請することは、それなりの行政手法をもって要請することになりますので、今どういう権限で何をやるかと細かく申し上げられませんが、こういう基本指針に書いてあることが書かれれば、それは当然重いものとして対応することになりますので、精一杯この指針を踏まえてやるのだろうと思います。

○林会長 おそらく、これは具体的にやっていただくというのはかなり難しい問題も含んでおりますが、実際やっていただかないと効果が出ません。おっしゃるように、今そのことを実際に書くのはなかなか厳しい状況かもわかりません。ということで、各種事業団体に対して協力を要請するということで、具体的な対応をお考えいただく、あるいはそれを研究するのは非常に重要なことだという気はいたしますが、それでよろしいでしょうか。おっしゃることは重々よく分かります。。ほかはいかがでしょうか。

○阿部委員 18頁の第4の(1)「今後の取組の方針について」ということで、私はガイドラインについて非常に高く買っているので、これを入れていただいたというのは非常に感謝をしております。ただ、(2)の手帳を配布するという所がありますが、ここの文章を見ますと、手帳だけで言えば、「また、肝炎の病態、治療方法、肝炎医療に関する制度等の情報を取りまとめた手帳等を肝炎患者等に対して配布する」となっているのですが、肝炎の支援手帳ということで特別枠でも認められているのですが、本来の手帳の役割は、要はいま進めている肝疾患の診療体制の専門医とかかりつけ医を結ぶための手帳であって、従来それがこの手帳の大きな役割というように私は思っているのです。
 ですから、手帳の役割について、そこの部分は先ほどの文章はいいのですが、そのあとに「情報を肝炎患者に伝えるとともに、かかりつけ医と専門医療機関との連絡用として活用できる手帳を肝炎患者に配布する」というような形で、できれば付け加えていただければと思います。

○林会長 手帳の前の修飾語の所に、その文章を入れていただくほうがいいですということです。これはちょっと検討していただきますし、おっしゃることはごもっともで、実際今一番使われている手帳はそれですよね。

○外山健康局長 我が方がやりたいことは、そういう趣旨で資料の26頁に手帳と、下にコーディネーターの要請と書いてありますが、手帳だけではなくて、分からない場合はコーディネーターが仲介して、主治医と連携すると。その趣旨を18頁に書いてある手帳の上の行に、「人材の育成を推進する。また、手帳を」と書いてあるのは、そういう一連の流れですので、それは会長の所でいろいろ修文していただければと思いますけれども。

○林会長 これはおっしゃることは、治療とかそういうことで含んでいると我々も思っていたのですが、そこを少し具体的に書かせていただいたほうがより明確だというのは、おっしゃるとおりだと思いますので、ご検討いただけますでしょうか。ほかにいかがでしょうか。

○武田委員 20頁の第6の(2)のエなのですが、「国は肝炎研究について」の所が「周知を図る」というところで終わっているのです。ここは差別とか偏見に配慮して周知を図るということを、もう一度入れていただけたらと思います。私は施設に勤めているのですけれども。

○林会長 どこに入れたらいいですか。

○武田委員 20頁の第6の一番下、エの国は、肝炎研究について国民が理解を得られるように公表して周知を図るという所に、「差別・偏見に配慮して周知を図る」ということで、「差別・偏見」というのを入れてもらえたらなと思うのですが、いかがでしょうか。

○林会長 差別のことをほかの所でも記載しておりますが、ここに入れさせていただくかどうかです。いかがでしょうか。ほかの場所にそのことは書かせていただいております。

○阿部委員 ここの前の(ア)の研究の内容が、患者の立場で考えたときに、どうなのかなと感じます。日常生活上の感染予防の留意点を取りまとめた啓発用の資材というか、これはツールなのですかね。「集団生活が営まれる各施設における感染予防ガイドライン等を作成するための研究」となっているのですが、確かに良いようなのですが、そこでは感染を隠して働いている方もいらっしゃるので、そういう意味でこれを表に出して、何かガイドラインを作ることは、説明をしたり、あるいはそこの上司になられる方がいろいろこうなんだよという説明をされたりするようなツールだと思うのです。そういう意味で、啓発するのはいいのだけれども、ちょっと偏見とか差別にならないのかなということで、これはこれとしていいのですが、下の部分にそういう文言を加えていただきたいということでした。

○林会長 なるほど、分かりました。下に入れさせていただくということで、よろしいでしょうか。おそらく皆さん、当然それは配慮しながらやられるとは思います。

○田中委員 研究の成果ですね。疫学研究、臨床研究倫理指針が厚生労働省とか文部科学省から決められていて、その指針に従って研究を行うことになっています。その中で、公表のときには偏見とか差別とか、個人が特定できないようにという留意がちゃんと書いてあり、それを守った上で研究などが今日本中で行われていると考えますので、通常そういうことはないと思いますが、ここで追記することについては判断されて。当然やって。

○林会長 非常に重要なことなので、そのことをより明確に記載させていただくのはいかがでしょうか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 1点、確認なのですが、こちらは研究成果の公表について記載しています。公表に当たって配慮するということなのか、成果物を差別・偏見に配慮したものにするのかというところの確認なのですが、当然この研究項目の中で、差別・偏見についても記載しているぐらいですので、成果物を出すことによって、その中身の中に偏見を助長してしまうような、当然そういうものがないように研究されるのだろうと思っていたのですが、この研究の成果物を公表する際に配慮というところも記載したほうがよろしいかどうか。その議論をお願いいたします。

○林会長 特に公表の所に、それを記載させていただくのが一番よろしいのでしょうかね。

○神ノ田肝炎対策推進室長 「なお書き」みたいな形でよろしいでしょうか。

○林会長 ここはちょっとその言葉を入れさせていただく。

○神ノ田肝炎対策推進室長 エの所で「周知を図る。なお、その際には配慮する」といった文言を入れるということで、修正させていただきます。

○林会長 ほかにいかがでしょうか。

○阿部委員 前に戻ってしまうのですが、第4項の(1)、18頁の上の赤い所よりちょっと下で、受診勧奨とかウイルス検査後のフォローアップを実施することによりということで、「肝炎患者等の適切な医療機関への受診を勧める必要がある」と書いているわけですが、実際今までもフォローアップはかなりのパーセンテージでやってこられていますよね。だけど、実際は2年ぐらい前の肝臓学会の大会などでも、いろいろな先生が受診率を出しておりますが、25%とか30%に満たない状態になっているわけですね。そういう意味で、私は受診率の低さに対して、指針として何か先生方のこういうものが必要でないかというメッセージがなければならないのではないのかなと思うのです。
 1つは、今私の県などもそうなのですが、研究目的もあったのですが、受診勧奨というか、そういうもので率まで出してやっているわけです。こんなことを言うと行政の方には怒られますが、結構大変だとは思うのですが、実際やっておられるわけです。手帳などにも手紙を入れて、すぐ返すようなお手紙と、あるいは1年後に返すようなお手紙を入れて、それであとを追いかけているわけです。そんなことで、今度コーディネーターなども出てくれば、そういう受診勧奨もできますし、その実態を把握することがここの部分にあっていいのではないかと思います。各都道府県でいろいろな実態があるとは思うのですが、それに合わせた受診者数の把握をすることを検討していただけないのかなと思います。

○林会長 これは非常に重要なことで、我々も明確な答えが見出せなくて困っている点なのですが、今の点はいかがでしょうか。これはもう皆さんも重要だということで、十分効果はお分かりいただいていると思いますが、田中先生、何か方策はありますか。

○田中委員 先ほどご発言があったように肝臓学会などで発表される検査後の受診率は25、30%と低い所もあり、岩手県、広島県、岡山県、石川県のように高い所があり、地域ごとに受診率が違うのですが、なかなか把握ができていません。そこで、受診率を把握して、検査後の調査しています。それから、受診していない方を治療に結び付ける方策というのを研究班の中で検討しており、全国で通用するプロトコールのようなものが提示できる可能性を検討している最中です。治療への導入を、医療機関受診率を上げながら勧奨している県もありますが、全く進んでいない県もありますので、県ごとの事情を考えながらやっているところです。
 また、先ほどご説明があったように、追加予算でこれに関する調査の予算枠が取られたとのことですが。


○外山健康局長 私のほうから説明しますが、いま縷々言われたことは非常に重要なことで、なかなかよく分からない。どういう率なのか、あるいはどういう率で設定しているのかというのは、政府の予算案のときも大問題になりました。いろいろすったもんだありまして、結果的に資料の28頁、最初は肝炎ウイルスの検査の促進事業の中で、そういう事業を促進する中で、受診率を把握していこうと考えていたのですが、いろいろな把握の仕方があるということなので、28頁の4の上のほうに[特]と書いてあり、「肝炎検査受検状況実態把握事業」ということで、1億円と書いてあります。これは特別にいろいろな方法論を検討中ですが、実態把握を行う。
 こういうことを踏まえて、指針のほうでは、20頁で、今田中委員がおっしゃったところの研究にも絡むのですが、第6の研究の(2)のウの中の(オ)で、黒字になっていますが、実態について把握するための調査研究。この目標設定の中に受診率も入ると思いますが、そこのところをもうちょっと明確に書くということであれば、ここのところを膨らませることによって担保できるのではないかと思っておりますけれども。

○林会長 我々も大阪府でやったことがあるのですが、個別に具体的に検討はしたこともありますが、それで受診率を上げるのはかなり厳しいので、我々はなかなか良い方策が見つからないのですが、非常に重要なことですので、これは少し具体的なことを書けるならばお書きいただくということで、よろしいでしょうか。

○溝上委員 それに関係することですが、情報センターのほうでは、コーディネーターの養成ということも踏まえて、実は今年から相談員の研修を開始します。そういう形で、どんどんそういう方向で、準備は進めております。やっと今年から3月にそれができるようになりました。さらに、それに合わせて薬剤師、栄養士などの研修にと次につなげていきたいと思っております。

○阿部委員 昨年末に日肝協という私たちの患者の団体の全国大会があって、パネルディスカッションに溝上雅史先生もいらしていただきました。そこに同じパネリストとして出席した私の町の保健師もコーディネーターのような役割を町で今やっているわけです。今私の町で把握している肝炎患者の方の88%が通院をなさっているという実績がありますので、是非コーディネーターをうまく活用していただきたいなと思います。

○林会長 ほかによろしいですか。またあとで戻らせていただきますので、とりあえず次の7、8、9の所はいかがですか。第7項、21頁からですが、「肝炎医療のための医薬品の研究開発の推進に関する事項」以降です。

○松岡委員 23頁の(2)「肝硬変及び肝がん患者に対する更なる支援の在り方」のウ、身体障害者の認定というのは、資料4に調査の結果について出ています。これをネットで見せてもらったのですが、ウの文章だけを読むと、この措置を継続するというだけになっていますが、この調査結果を読んでみても、Child-Pugh分類で10点以上というのは厳しすぎるのではないかと。死にかけた状態のときにしかという意見が出ていて、この措置で継続するというのでは、重い肝臓病の患者さんの支援には到底追い付かないなと。もうちょっと支援を強める方向での文章にしていただきたいなと思うのですけれども。

○林会長 これは前回もご指摘がありまして、違う担当課のことなので。

○外山健康局長 会長、資料4の説明を先にしたほうが丁寧だと思いますので。

○江浪企画課長補佐 お手元の資料の37頁、資料4に基づいて説明をさせていただきます。私は障害保健福祉部企画課で課長補佐をしております江浪と申します。よろしくお願いいたします。肝機能障害に関する認定状況に関する調査に関しては、昨年10月25日の会議において、こういった調査を行うということをご説明させていただいております。その調査の結果を年内に取りまとめて公表するということでしたので、年末になってしまいましたが、12月27日に厚生労働省のホームページで公表させていただいたというものです。
 また、この公表に合わせてこの会議の委員の皆様には、こういった公表を行った旨のご連絡をさせていただいているということです。この概要ですが、資料4に調査の趣旨、調査内容というものがあります。四角の中に、今回の調査結果の中のメインの所ですが、肝機能障害に関する障害認定を昨年の4月から開始したわけですが、4月から9月末までの半年間に5,697件の手帳が交付されていることを確認しております。括弧内に申請件数と却下件数を書いておりますが、申請件数6,974件のうち、却下になったものが565件あります。そういった中で、理由はどういうものだったのかということですが、この障害認定の基準となっているものの1つである、国際的な肝機能障害の重症度分類であるChild-Pugh分類の点数が10点に満たなかったことを理由とする却下が、そのうちの507件を占めていたということです。調査の内容の細部については、次頁の38頁以降に掲載をしております。
 38頁の3の「結果概要」ですが、申請件数、却下件数の記載があります。
 39頁の右上に(申請却下となった理由)ということで、今説明申し上げたようなことの概要が書いてあります。また、39頁の右下に(制度開始に当たっての指定医への制度の周知の取組)ということで、基本的には全ての自治体で周知はされているのですが、その中でも研修会などを行った自治体もあるということです。
 40頁にあるのが、今委員がご指摘の点かなと思います。この調査に当たり、肝機能障害について、指定医からどういったご意見があったのかということで、記載をしていただいております。106自治体のうち34の自治体、全体の32%ですが、その中で意見の記載があったということです。そういった記載があったものの中でどういったご意見があったのかということですが、「Child-Pugh分類の合計点数が10点以上」としている現行の基準について、「厳しすぎるのではないか」というご意見が27自治体からあった一方で、「妥当であると考える」という意見も4自治体からありました。また、少し事務的なところですが、「診断書の書き方で分かりにくいところがあるのではないか」ということとか、検査の間隔のことに関してもご意見があったということです。
 肝機能障害の認定基準に関しては、専門家の先生方に公開の会議で集まっていただいて、身体障害者福祉法に基づく身体障害の定義、それは永続する障害ということで言われているわけですが、そういったものに該当する状態はどういう状態かということで、公開でご議論いただきました。その結果、設定された基準に基づいて設定をされているというものです。
 この調査のことですが、制度半年で、今申し上げたような形で認定が進んでいるということですので、まずは現段階においては、今の基準の認定に基づいて適切に認定をしていただくことが基本かなと考えております。簡単ですが、私からの説明は以上です。

○林会長 ご質問をどうぞ。

○天野委員 38頁の下のほうの表にある手帳所持者数なのですが、肝臓移植後に抗免疫療法を実施している場合は無条件で1級に認定されます。そして、重症度が高い方もこの中に入っていると思うのですが、重症度による認定状況を考えるときは、1級の中から肝臓移植後の数を引いて考えなければいけないのですが、1級の中での内訳は分かりますでしょうか。

○林会長 4,400だから、移植関係者が何名おられるかというのが分かりますか。

○江浪企画課長補佐 この調査においては、肝機能障害に係る手帳の交付状況がどうなっているかということで数値を集計しておりますので、この表においては1級の手帳ということで、交付になった件数を記載しております。
 その内訳なのですが、一応、調査の際にはこの1級の認定の中で、肝移植による方がどのぐらいいらっしゃるかということを併せて聞いております。今手元で資料を探しておりますので、今しばらくお待ちいただければと思います。

○林会長 ちょっと調べていただきますので、それ以外にいかがでしょうか。移植例はあとでお答えいただきますが、それ以外はとりあえずよろしいでしょうか。

○武田委員 障害者認定の3級などというのは、厚生年金の障害者のも入っているのですか。以前、私は肝数値がずっと3桁が続いていて、それで3級をもらっていたのです。それで、Child-Pughの認定だけで、今3級も行われているのでしょうか。

○林会長 それは関係ありません。

○武田委員 関係ないのですね。それは入っていないのですね。

○林会長 はい。よろしいでしょうか。これで先ほどの元に戻らせていただいて、23頁の中ほどのウの「当該措置を継続する」という文章で入れさせていただいたほうがいい、変えさせていただいたほうがいいのかという議論に戻ります。ただ、これはおそらく当該障害者手帳のところで、もう一度この議論はなされるはずですね。これは障害者手帳を決めた委員会で、この扱いをどうするかについてはもう一度議論をされる予定はありますでしょうか。

○江浪企画課長補佐 この肝機能障害に関しては、昨年、肝臓機能障害というものを身体障害として捉えられるかということで、専門家にご議論いただきました。その結果を受けて、これは疾病・障害認定審査会の身体障害認定分科会でご議論いただいて、この基準ができているものです。ただ、実際にこの基準で運用したときに、いわゆる身体障害者福祉法上、永続する障害として捉えられる範囲は医学的にはこういう範囲だということで、今回こういう定義をいただいているわけです。その場合に、対象とならない方がいらっしゃるという問題に関しては、今障害者福祉制度全般のことに関して、谷間のない福祉制度という議論を、これは内閣府に「障がい者制度改革推進会議」というものがあって、その下にある総合福祉部会という所で、そういった福祉制度の検討を、今正にやっていただいて、今年の夏を目処にその議論を取りまとめていただくという流れになっているところです。

○林会長 という状況です。だから、この場でどうこうせよというのは言いにくい状況にあります。

○天野委員 23頁の(2)「肝硬変及び肝がん患者に対する更なる支援の在り方について」で、アからエまでありますが、エの「国は、肝炎から進行した肝硬変及び肝がんの患者に対する更なる支援の在り方について検討する上で」とありますが、この「更なる支援」というのは、ア、イ、ウ、この全てに対してのアからウに対しての支援と考えていいのでしょうか。ですから、全部を含んだ支援の在り方を考える。

○林会長 そうだと思います。事務局、それでよろしいですよね。

○外山健康局長 「更なる」というのはそれ以外も含むと。現行の提供しているもの以外、全てということです。

○天野委員 それ以上も含むということですね。そうすると、生活実態等に関する現状を把握することを加えていただいたのですが、これがウの身体障害者の認定と、かなり関係してくると思うのです。障害者認定を受けるために生活はどういう状況にあるかということも調べるのだと思うので、そうしますとこの現状を把握するための調査・研究を行うということです。一番最後の所に「本指針に定められた取組の状況は、肝炎対策推進協議会に定期的に報告するものとする」。ということは、この身体障害者手帳の認定についても、報告が上がるということと納得してよろしいでしょうか。

○外山健康局長 定期的に報告するものは、手帳どころか、ここに書いてあることのすべてです。すべての進捗状況について、この場に報告するということです。ただ、今障害保健福祉部のほうから来ておりますが、肝炎の重症度における手帳の交付の仕方については、別途そのことについて、制度設計について、多角的に審議をする審議会があるものですから、ここで今その方向をこのようにするということはできません。したがって、現行の制度についてはこれを継続する。しかしながら、それが直ちに制度設計に結び付くかどうか分かりませんが、生活実態についても、きちんと調査するということをもって、我が方から発信すると言ったら、厚生労働大臣1人ですけれども、そういう切り口の中でフォローなり、ちゃんとチェックしていきたいと、こういう趣旨です。

○林会長 今天野委員のおっしゃったことは、そうされるということだと思います。

○天野委員 一番最後の所で、「本指針に定められた取組の状況は、肝炎対策推進協議会に定期的に報告する」とありますが、報告した上で協議して意見を言うことはできるということで、納得してよろしいでしょうか。

○林会長 そうなのですね。これは協議会なので、開催されているところに報告がされてくると思います。

○外山健康局長 狭く言うと、厚生労働大臣はこの指針を作るときに肝炎対策協議会の意見を聞かなければならないと固く書いてありますが、ここで指針でさらにこの報告するということは、報告した上でご意見を伺って、必要であればまたそれを見直すという方向になるのは当たり前のことだと思いますので、そういう形でやっていきたいと思います。

○林会長 先ほど阿部委員が。これでよろしいですか。

○江浪企画課長補佐 今手元にあります数字が最終的な数字かどうかというのが難しいものですから、少し曖昧な発言で申し訳ないと思います。今回、手帳を1級で認定されている方の数は、38頁に4,467という数字があります。そのうち肝臓移植によるものとされている方の数が約3,370です。末尾の数字は少し違うのかもしれませんけれども、一応そのぐらいの数です。ですので、4,400のうち1,100人ぐらいの方は肝臓移植ではなくて、この基準に該当している方、ということになろうかと思います。

○林会長 1から9全体で、ほかにありますか。

○天野委員 24頁の一番最後なのですが、「定期的に報告するものとする」ということで、定期的というのは、どのぐらいのインターバルで実施する予定でいらっしゃいますでしょうか。

○外山健康局長 それはまだ決めていませんで、あまり疎遠にならないように、ちゃんと参じる。実態が出てくれば、ちゃんとやりたいと思っていますが、それは今後、会長と協議しながらやっていきたいと思いますが、例えば事業が進まなければ、進まなければというのは執行されなければ、また反応もありませんので、年に何回かやっていきたいと思っています。毎月という形でないと思いますが、この肝炎対策推進協議会も年4回ぐらいやっていますから、3、4回はやるのではないかと思いますけれども。

○天野委員 約四半期に1回ぐらいというように予定していらっしゃるということでしょうか。

○外山健康局長 そこまで断定できませんけれども、それに近い形で普通はやるのだろうと思います。

○天野委員 よろしくお願いいたします。

○外山健康局長 ただ、事業が何も進んでいないのに、評価は何もできないときにはあれなので、やはりある程度最初はこういった指針に基づく事業を地方公共団体なり国なりがやって、あるいはそういった受け手がどのように感じたかというのを踏まえて、その成果について評価してもらうという形でやるものですから、最初は直ちにやるということでも、少し時間が経つのではないかと思いますが、ちゃんとやりたいと思います。

○天野委員 調査研究とか研究とか、項目がいっぱいありますので、どれかは進んでくるのではないかとは期待しております。然るべきインターバルで開催していただくことをお願いいたします。

○外山健康局長 かしこまりました。

○阿部委員 どこで言おうかなと思って、言わないで時間が経ってしまいました。18頁の都道府県における肝炎検査後肝疾患診療体制に関するガイドラインで、先ほどお礼を申し上げたのですが、実はこれは平成19年に出されて、平成18年度に出されているわけですが、各県においては実態にそぐわないというか、現実に合わせるのが相当難しいというところがあります。
 1つは、溝上先生も肝臓学会のほうでお話されているのですが、東京などは十分と言えるけれども、専門医が2、3人しかいない県もあって、2、3人という所があるのかどうか分からないですが、12、13人ではないかと私は思うのです。現在、私の近くにも13人ぐらいの県があって、患者会がないということで、その県の会員も25人ぐらいうちの患者会に入っておられるわけです。その県では全然肝炎治療の対応ができていないのです。そんなことで、私はどこにどう入れるかというのはちょっと考えてこなかったのですが、もうちょっと専門医のいない地域とか、常勤の専門医がいない専門医療機関。私の県でもそうですが、3分の2の専門医療機関が常勤の専門医がいないという状況になっています。ですから、専門医が、言ってみれば肝臓で言えば無医村のような医療圏が、全国には相当あるのだろうと思うのです。そこのところをこの指針にどのように入れたらよいのか、ご苦労なさっている溝上先生から、そのようなことと、また今後どうしたらいいのかお聞きしたいと思います。

○溝上委員 平成18年から始まっており、平成19年度にこういう形になっています。全国の拠点病院は、実は平成19年度は10県11病院でした。現在、全都道府県決まりました。そういうことで、順調に進んでおりますし、問題のある県についても、県のほうにお願いして、進んでいると思っております。もちろん医師不足、それから肝臓学会についても熊田先生、林先生にお願いして、いろいろな形での専門医のレベルアップ、さらに専門医をちゃんと取るようにという指導はしてもらっていますし、少しずつは進んでいるというところでとりあえずご理解いただければと思います。そのために情報センターを最大限に活用して、現在進めているところです。どうかよろしくお願いします。

○外山健康局長 今のご指摘の箇所ですが、指針の18頁の第4の先ほどのガイドラインの次に、拠点病院、専門医療機関というようにネットワークを進めるという記載があります。そこで、今言った人材の養成については、18頁の下のほうにウと書いてありますが、今先生がおっしゃった肝炎情報センターが拠点病院と医療従事者を対象として実施する研修を効果的にするための技術的支援を行うということで、国・都道府県は研修内容の充実を図るという形で書いてあります。19頁の第5「今後取組が必要な事項」についての、ウで再掲して肝炎情報センターについては、国立国際医療研究センターの中期目標及び中期計画に基づいて、指導的な立場にある医療従事者に対して、最新の治験を踏まえた研修を行うよう要請すると。またエにも書いてありますが、何カ所かに書いてあります。
 ただ、しかし人の教育とか人材の養成というのは本当に時間がかかるものですので、なかなか一挙にはいかないと思いますが、先ほど説明した予算の中にも入れており、指針の中でも丁寧に書きながら実現したいと思っております。

○林会長 これは肝炎情報センターだけにお願いするのは、とても無理な事業だと思っております。肝臓学会も、現在会員が1万人強おりますが、専門医については今後、学会も教育研修会を義務付けるようにいたしました。専門医の更新のときにそういうのを受講していただかないと、専門医の更新をできないような制度変更も、かなり厳しいのですが、そういう設定もしておりますので、肝臓学会のほうもそこの点については、いろいろな制度変更を行いながら、できるだけ多くの肝臓の専門家を育てると頑張っております。ただ、1万人以上の会員数を増やすというのは、今の医療情勢の中で、我々もそれについてはそう簡単に増えるものだと思っていませんので、1万人の肝臓学会の会員で、できるだけ肝炎のことについて多く知っていただこうということについては、学会レベルでもできるだけ取り組んでいこうと思っております。肝炎情報センターと協力しながら、いろいろな施策は、ここに書いておりませんが、そういう努力も今後とも続けていかないと、そう簡単にはいかないだろうと思っております。ほかにいかがでしょうか。

○瀬戸委員 予算の確認なのですが、政府予算案は法律の制定、あるいは改正に伴うもの、あるいは改正を伴わない予算措置だけのものというのがあると思うのですが、ここに掲げている25頁以下の肝炎対策関連の政府予算案は、法律の改正とか制定は伴わないものと理解をしてよろしいのかどうかということです。

○神ノ田肝炎対策推進室長 法改正は必要ありません。

○林会長 ほかにありませんでしたら、よろしいでしょうか。これで本日の肝炎対策基本指針案の意見交換を終わらせていただこうと思っております。本日は委員の皆様方からいただきましたご意見、先ほどの修正等については修正すると決めておりますので、事務局のほうでもう一度そこの検討をさせていただきたいと思っております。これで5回目ですので、先ほどの修正点については私と事務局との調整でご一任をいただいてもよろしいでしょうか。事務局で修正したものを私が拝見させていただいて、最終の案を取りまとめたいと思っております。よろしいでしょうか。

○武田委員 3月18日とおっしゃっていたのは変わらないのでしょうか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 今後どう進めていくかということを説明しますが、今会長預かりということでご承認いただいたかと思いますので、会長にご相談の上で、最終案を取りまとめていきたいと考えております。その結果については、また委員の皆様方にもお送りしたいと思っております。そのあとは、行政上の手続ということになるかと思いますので、関係の行政機関とも協議をする必要がありますし、またそのあとパブリックコメントということで、広く国民の皆様からご意見をいただく機会を作っていく必要がある。そういったことを進めてまいります。また、最終的にはパブリックコメントのコメントを踏まえて、必要に応じて修正を行った上で大臣告示といったことで手続を進めていくことになります。基本指針の策定までの間、この協議会については、本日が最後ということになるかと思います。

○林会長 ということで、よろしいでしょうか。

○松岡委員 そうしたら、3月18日は何かあるのですか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 3月18日は、今日うまくまとまらなかった場合の予備日として日程を押さえていただいたところですが、今日、会長預かりという形になりましたので、その日は開催する必要はないかと考えております。

○林会長 本日まとまるかどうか不明でしたので、委員の皆様方にご予定をお聞きして、設定をさせていただいております。先ほどの修正点等ありますので、それについては事務局のほうでご検討いただいて、拝見をさせていただこうと思っておりますが、いかがですか。

○阿部委員 最終案はいつごろ出るのですか。

○神ノ田肝炎対策推進室長 このパブリックコメントについては、1カ月ぐらい期間を設けるということで進めていくことになるかと思います。まだどうなるか見えないところはあるのですが、ちょっと年度を超えてしまうかなとは思います。いろいろと告示の手続とか、事務的な時間も必要ですので。

○外山健康局長 今おっしゃったのは違いますね。パブリックコメントにかける案はいつごろまで。

○神ノ田肝炎対策推進室長 これは早急に、会長ともご相談の上。

○外山健康局長 相談ではなくて、私どもは今回、厚生労働省の案を示して、もう意見を聞いたわけです。その聞く聞き方として、我が方は説明しましたが、修文の意見があったということで、我が方としてはこの協議会の答えといいますか、それはもう会長に一任されていますので、会長からお聞きする。それをもって、この協議会としての最終案はそこだと思います。ですから、それは近々日を置かずに、会長のほうからいただくという形になろうと思います。

○林会長 ただ、一度委員にその文書が回りますよね。

○外山健康局長 それは会長のご指示で、事務局機能としては。

○林会長 だから、修正案を事務局でお作りいただいて拝見したものを最終案として、一度委員の皆様にはもちろん文書を回させていただきますので。

○外山健康局長 あとは、それが柱であって、その後はほとんど変わらないと思いますが、行政手続として関係省庁の意見を聴いたり、あるいは国民の意見を聴くために、行政手続的にパブリックコメントにかけて、多くの国民に見てもらって、その意見を踏まえるという手続を踏んだ上で、あとは厚生労働大臣というか、国の意思として、この基本指針を発効する、示すという形になります。

○天野委員 とすると、パブリックコメントで国民の意見を聴いて、それで良い意見があったら、それを反映させることもあり得るわけですよね。そうしたら、それが3月18日の協議会以降ということはあり得る。国民のパブリックコメントで良い意見が出たら反映させるというのは、3月18日以降になる可能性があるということですか。

○外山健康局長 3月18日というのはどういう意味か分かりませんけれども。
○林会長 おそらく、今回のこの会議の予定を事務局から問い合わせて、もう1日設定されている日のことですよね。

○外山健康局長 ですから、それはなくて、先ほどどういうところを修文するかというのは大体決まったと思いますし、修文の方向性もあって、あとは文言上の整理だと思いますので、それは我々も事務局として補佐しますが、会長に一任されたその趣旨を踏まえて、我々は忠実にそのご意見をいただくということになろうかと思っています。
 ですから、それを踏まえた上で、そこで大体決まる。しかしながら、行政手続的には国民の意見を聞くというのがありますので、パブリックコメントにかける。この段階でパブリックコメントをかける前に、パブリックコメントをかけても何も変わらないというわけにいきませんので、ちゃんと国民の声を聞くということは手続的に決まっておりますので、それは聞くということです。ただ、聞いたら、もう一度この協議会にかけるということではありません。

○天野委員 分かりました。

○林会長 ということで、よろしいですか。局長のほうから、実際にいろいろな報告がまたこういう場に上がってくるとは思っておりますが、とりあえず今回の指針案の作成については、そういうことで本日を最後にしたいと思っておりますので、ご了解をいただければと思います。合計5回にわたり、いろいろご協力をいただきまして、本当にありがとうございました。これは非常に難しい問題も含んでおりますし、実際に実行する上で非常に難しい問題も多々あります。関係者の方はかなりいろいろな立場で努力をしても、実行ができるかどうかという点も含んでおりますが、何回も申されておりましたが、肝炎患者さんも非常に高齢化しておりますので、いろいろな対策が急がれております。そういうことで、いろいろなことで協力をさせていただきながら、できるだけ実効のあるものにしていきたいと思っております。本当に最後までご協力いただきまして、どうもありがとうございました。これで終わらせていただきます。


(了)
<(照会先)>

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