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2010年11月19日 平成22年11月19日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会議事録

医薬食品局

○日時

平成22年11月19日(金)


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

出席委員(13名):五十音順 敬省略

 天 笠 光 雄、○荒 井 保 明、  荒 川 義 弘、 石 井 明 子、

 石 山 陽 事、◎笠 貫   宏、 北 村 惣一郎、 塩 川 芳 昭、

 正 田 良 介、 勝 呂   徹、  鈴 木 邦 彦、 寺 崎 浩 子、

 松 岡 厚 子

(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(4名):五十音順 敬省略

小 田   豊、 川 上 正 舒、  倉 根 一 郎、 武 谷 雄 二 

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 成 田 昌 稔 (審査管理課長)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 関 野 秀 人 (医療機器審査管理室長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 丸 山   浩 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)

 重 藤 和 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○医療機器審査管理室長 定刻になりましたので、ただ今より医療機器・体外診断薬部会
を開会します。委員の先生方におかれましては、御多忙の中、御出席いただきまして、ど
うもありがとうございます。本日の出欠状況ですが、委員数17名に対し、現時点で13名
の委員に御出席いただいております。御欠席の委員は、小田委員、川上委員、倉根委員、
武谷委員の4名です。13名の御出席によりまして、薬事・食品衛生審議会令に基づく定
足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 次に、本日の議事の進行でございますが、議題の公開・非公開の取扱いにつきましては、
平成13年に決めました薬事・食品衛生審議会の決議に基づき、議題1〜3までは、会議
を公開とさせていただき、議題4以降につきましては、医療機器の審査に関する議題で、
企業情報に関する内容が含まれておりますので、非公開にて審議をすることといたしま
す。
 議事に入ります。傍聴の方におかれましては、頭撮りはここまでとさせていただきます
ので、御協力のほどよろしくお願いします。
 それでは、部会長、以後の進行をお願いいたします。
○笠貫部会長 それでは初めに、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。
○医療機器審査管理室長 お手元の資料で、公開案件に絡みます資料につきまして確認を
いただきたいと思います。
 最初に議事次第、資料1-1です。そして、参考資料1-1、次が資料2-1です。議題2の
関係です。その関連の参考資料2-1が付いています。その下に資料3-1〜資料3-4、4種
類ほど別々で綴じてある資料を御用意させていただいております。資料3関係は、議題3
の関係資料ということになります。まず、公開の資料は以上でございますが、過不足等ご
ざいましたらお申出ください。
○笠貫部会長 資料の方はお揃いでしょうか。それでは、議題の方に入りたいと思います。
議題1「医療機器の承認基準について」、事務局の方から御報告をお願いいたします。
○事務局 議題1「医療機器の承認基準について」御報告をさせていただきます。お手元
の資料は、資料1-1「医療機器の承認基準案について」、参考資料1-1「医療機器の承認
基準に関する基本的考え方について」この2冊をもちまして、御報告をさせていただきま
す。
 資料1-1ですが、一部訂正がございます。表紙の4番ですが、「日本工業規格が改正さ
れる認証基準」となっていますが、これは「承認基準」の誤りですので、訂正させていた
だきます。本日先生方に御報告させていただきます承認基準案は、制定するものが3基準、
改正されるものが3基準となっています。この承認基準ですが、参考資料1-1を御覧くだ
さい。こちらの方にもありますように「承認基準」とは、その基準への適合性を確認する
ことにより承認審査を行う医療機器に関する基準をいうということです。こちらの基準案
の中身につきましては、後ほど医薬品医療機器総合機構の方から御説明させていただきま
すが、今回御報告させていただく基準につきましては、本日先生方に御報告を申し上げた
後、パブリックコメントを経て最終的に承認基準ということで発出させていただきたいと
考えています。それでは、内容につきましては、医薬品医療機器総合機構から御説明を申
し上げます。
○機構 医薬品医療機器総合機構から御説明申し上げます。資料1-1を御覧ください。1
〜19ページが1番目の「カテーテルイントロデューサ承認基準(案)」、20〜48ページが
2番目の「水頭症治療用シャント承認基準(案)」、49〜69ページが3番目の「緊急時ブ
ラッドアクセス留置用カテーテル承認基準(案)」の説明資料です。また、70ページは、
4番目の「日本工業規格が改正される承認基準」の資料となっています。
 まず、1番目の「カテーテルイントロデューサ承認基準(案)」について御説明します。
1ページを御覧ください。カテーテルイントロデューサは1ページの写真にもあるよう
に、シースイントロデューサとダイレータを組み合わせて使用する機器で、血管造影用の
カテーテルなど、体へ経皮的に挿入する際に、挿入部位を確保するために使用される機器
です。一般的名称の定義は、1ページの下段に記載していますが、対象となる範囲を明確
にするために、記載の内容をこちらに記載されたように改正させていただきたいと思って
います。3〜7ページにカテーテルイントロデューサ証認基準における技術基準が記載さ
れています。本技術基準は、カテーテルイントロデューサの国際規格ISO11070を基礎
としまして作成された日本工業規格JIST3261の規定を引用し、コーティングに関す
る規定を設けた内容となっています。ただし、生物由来原料を使用した抗血栓性を発現さ
せるコーティングには適用しません。8〜19ページは、カテーテルイントロデューサ基
準の基本要件適合性チェックリストとなっています。一番右側の特定文書の記載欄に記載
したとおり、基本要件については、技術基準の要求事項で適合性を示すようにしています。
 続きまして、2番目の「水頭症治療用シャント承認基準(案)」につきまして御説明しま
す。20〜21ページを御覧ください。水頭用治療用シャントは、水頭症の治療を目的に、
体内に留置し、髄液短絡術により頭蓋内圧を正常に保つために使用される機器です。この
機器は、21ページに示す部品から構成されているだけではなく、22ページに示しました
埋植する際に用いる機器もこの基準の対象となっています。また、水頭症治療用シャント
の一般的名称の定義は、22ページの下段の記載のとおりです。24〜36ページまでが、水
頭症治療用シャント承認基準における技術基準となっています。本技術基準は、水頭症治
療用シャント用バルブの国際規格であるISO7197を基本としまして、さらに、AST
Mなどの国際関連規格、こちらの方を取り込んだ技術基準となっています。37〜48ペー
ジまでが、水頭症治療用シャント承認基準の基本要件適合性チェックリストとなっていま
す。先ほどのカテーテルイントロデューサ承認基準と同様に、基本要件につきましては、
技術基準の要求事項で適合性を示すようにしています。
 続きまして、3番目の「緊急時ブラッドアクセス留置用カテーテル承認基準(案)」につ
きまして御説明します。49ページを御覧ください。緊急時ブラッドアクセス留置用カテ
ーテルは、人工腎臓透析及び血液浄化療法における血液の出入口にある静脈に留置するカ
テーテルで、写真のような形状の機器となっています。下段に一般的名称の定義を記載し
ていますが、現状の使用状況を踏まえ、定義を記載のように改正させていただきたいと考
えています。51〜56ページまでが緊急時ブラッドアクセス留置用カテーテル承認基準に
おける技術基準となっています。当該品目に関わる規格類が存在しないため、使用時の条
件や破断強度に関する構造的リスクは中心静脈カテーテルと同一であることから、血管用
カテーテルの一般的要求事項を規定したISO10555-1と、中心静脈用カテーテルの要求
事項を規定したISO10555-3を参考として作成しています。58〜69ページまでが、緊急
時ブラッドアクセス留置用カテーテル承認基準の基本要件適合性チェックリストとなっ
ています。こちらも、先ほどと同様に、基本要件につきましては、技術基準の要求事項で
適合性を示すということとしています。
 続きまして、4番目の「日本工業規格が改正される予定の承認基準」について説明しま
す。70ページを御覧ください。日本工業規格が改正される予定の承認基準は、記載され
ているとおり、3基準があります。JIS改正による規格内容の変更事項は、JIS内で
引用された通知の変更や、誤植等の修正でありまして、表示項目の表示を薬事法の規制事
項の表示と整合させる等、そういったものです。したがって、評価項目が変更される等の
技術要件に関わる変更はありませんので、こちらの方は技術的なものは一切変更はないと
いうことを報告させていただきます。承認基準の説明は以上です。
○笠貫部会長 ありがとうございました。クラスIVに分類されます二つの医療機器、そ
れから、クラスIIIに属する一つの医療機器等についての承認基準(案)について御説明い
ただきましたが、委員の先生方の方から御質問、御意見ございますでしょうか。
○北村委員 今の資料1-1の1ページの所の、この心臓用カテーテルイントロデューサの
キットの承認の件ですが、これディスポーザブルの分類だと思うのですが、クラス分類が
IVになっているのですが、これは何か意味があるのですか。例えば、後の透析の方のブ
ラッドアクセスのようなものはIIIですね。それから、体内留置のシャントはIVで、こ
れは理解できます。しかし、このディスポのものがなぜここだけクラスIVになっている
のですか。
○機構 これは、心臓や中心循環系にも使用されるということで、クラス分類が上がって
いると認識しています。
○北村委員 理屈が通らないような気がするし、なぜブラッドアクセスというか、透析の
ような場合のがIVでなくて、心臓に近い所にこれを入れるからIVになるのですか。いず
れもディスポーザブルの器具ですね。
○機構 はい、そうです。
○北村委員 そういう判断基準の取決めが従来からあるのですか。
○機構 国際整合化で、GHTFのクラス分類のルールによって、こちらのカテーテルイ
ントロデューサというのが、やはりクラスIVに分類されると。
○北村委員 それは、従来からなってきているわけですか。
○機構 はい。
○審査マネジメント部長 GHTFの考え方というのがいくつかあって、例えば、医薬品
と同じように体内で溶けてしまうとか、それから部位によって、例えば、中枢系とか心臓
とか、何か不具合が起こったときにすぐに生命の危険に陥ると、そういう部位に使えると
いうことは、いくつかそういった要素があって、それに基づいてやるというのは、国際的
にもう作ったものですから、それをどう当てはめるかは実はこの前身の部会のときにもい
ろいろ議論もあって、こういうものはどうするかと決めて。
○北村委員 しかし、これは心臓に入れる器具ではないのですよ。器具を入れるためのア
クセスのイントロデューサですよ。
○審査マネジメント部長 はい。
○北村委員 ですから、心臓に入るカテーテルそのものを言っているのではないのです
よ、これは。これはどこから入れるかと言えば、末梢血管に入れるだけですよ。
○機構 こちらの方は、中心循環系ということで、大動脈まで到達するということもあり
ますので。
○北村委員 この写真から見ると、1ページは、とても心臓に入るものではないですね。
心臓まで入れる管を導入するためのアクセス。イントロデューサというのは、アクセスと
一緒のことですよ。
○機構 写真の方では、少しショートのように認識されますが、実際は、この1ページの
2番目の●にロングシースというものがありまして、こういう物を使いますと当然なが
ら。
○北村委員 いや、ロングシースという物、ここの大動脈の一番下まで入れるという意味
ですよ。心臓に入れるのではないよ、これは。
○機構 大動脈が中心循環系ということで定義されていますので、一応そこで大動脈に。
○北村委員 長さで末梢血管用IIIと大動脈用IVと分ける。IIIで十分だけですけどね、
普通は。
○機構 そういう定義で分類させていただいております。
○北村委員 そういう意味で、今の1番と3番とは、IIIとIVに分かれるというのが私
からは理解し難いところです。従来からそうやっておられるのだろうとは思うけれど。
○笠貫部会長 グローバルハーモナイゼーションで決められたということですが、今の御
説明については、また北村委員の方に十分御説明していただけたらと思います。そのほか
にございますか。どうぞ。
○塩川委員 言葉尻の話なのですが、この28ページの4.1.10、これはシャントという機
械のMRIの適合性だと思うのですが。MRIを「照射する」というのは言わないので、
これはMRI実施下での状態とか、放射線みたいに何か照射するというものではないの
で、修正された方がよろしいのではないかと思いますので、検討してください。
○笠貫部会長 では、事務局の方でよろしくお願いいたします。
 ほかに御意見ございませんでしょうか。
 特にないようでしたら次の議題に移らせていただきます。議題2「医療機器の認証基準
について」、事務局から御報告をお願いいたします。
○事務局 議題2「医療機器の認証基準案について」御報告をさせていただきます。資料
は、資料2-1、参考資料2-1を御用意ください。先ほど資料1の方で御説明させていただ
いたのが、承認基準、いわゆるPMDAが審査して承認する基準ですが、こちらの認証基
準につきましては、平成17年の改正薬事法の施行によりまして、第三者認証という制度
を導入させていただきました。そのときの第三者認証機関というのは現在我が国に13あ
りますが、大臣が基準を定めたものについて、第三者認証機関、すなわち登録認証機関が
その基準に基づいて、適合性の評価をして認証するというような形になっています。本日
先生方に御報告させていただく認証基準につきましては、改正が37件でして、その内容
につきましても、先ほどと同様に医薬品医療機器総合機構の方から御説明をさせていただ
きたいと考えています。
○機構 医薬品医療機器総合機構から説明を申し上げます。日本工業規格が改正される予
定の認証基準(案)につきましては、資料2-1を御覧ください。1〜7ページに記載されて
いる37基準、こちらがJIS改正される予定になっています。この中で、技術要件の変
更があるJISは、6ページの告示番号98番と101番に使われているJISが、技術要
件の変更が若干あります。それにつきまして、御説明させていただきます。
 こちらのJISですが、98番の血液成分分離バッグです。こちらで使われているJI
SがT3217ですが、こちらの変更内容は、ISOの評価方法も採用できるように一部追
加したことと、それによりまして、その評価方法、具体的に言いますと、流速というもの
を評価していたのですが、それを時間というふうに評価方法を若干変えたということで、
内容的、技術的には大きな変更はないと認識しています。それが1点です。
 次に、101番です。こちらの注射筒用フィルタ、こちらがJISTの3224でして、変
更、改正内容は、適用範囲です。こちらが実際、実情に合っておらず、そちらを実情に合
うために適用範囲の変更をしたものです。したがいまして、本質的には大きく変わるもの
ではありませんので、こちらは十分技術的な評価は問題ないと考えています。
 残りのものがほかに35基準ありますが、こちらのJISの改正が、主に誤植です。J
ISの誤植等の変更でして、内容的には全く変更がありません。また、こちらの改正と同
時に、一部、使用目的、効能効果の記載を実情に整合させるために、1ページの68番、
こちらは「(改正案)」というふうに提案させていただきましたが、こういう記載内容に変
更させていただきたいと思っています。同様に、6ページの101、102、103番、こちらが
やはり使用目的、効能効果の記載を現状に整合させるために変更させていただきたいと考
えています。説明は以上です。
○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見、御質問ご
ざいますでしょうか。
 特に御意見等がございませんでしたら、次の議題の方に移らせていただきます。
 続きまして、議題3「次世代医療機器評価指標について」、事務局の方から御報告をお
願いいたします。
○事務局 議題3「次世代医療機器評価指標について」御報告させていただきます。資料
3-1〜3-4を御確認ください。
 資料3-1を御覧ください。平成17年度から、医療ニーズが高く、実用可能性のある次
世代、今後出てくるであろう医療機器の審査の迅速化、製品開発の円滑化を目的としまし
て、検討分野を選定し、その評価に当たってのポイントをまとめた評価指標を作るという
ことで、次世代医療機器評価指標作成事業という事業を行っています。今般、関節軟骨再
生、神経機能修復装置、整形外科用骨接合材料カスタムメイドインプラントに関する評価
指標の検討が終了しましたので、今回御報告させていただきます。関節軟骨再生につきま
しては資料3-2、神経機能修復装置につきましては資料3-3、整形外科用骨接合材料カス
タムメイドインプラントにつきましては資料3-4です。中身の方は割愛させていただきま
して、資料3-1に戻ります。
 2の評価指標の内容・位置付けです。いわゆる次世代医療機器に関しましては、個別に
試験が行われ審査が行われるというのは通常の医療機器と変わらないわけですが、評価に
当たって着目すべき事項、ポイントをまとめた評価指標というものを作りお示しすること
で、その機器の開発段階における申請資料の収集や、さらには審査の段階が迅速化できな
いかと考え、このような評価指標の作成を行っています。なお、これは承認基準ではなく、
あくまで技術開発の著しい次世代医療機器を対象として、現時点で考えられる評価のポイ
ントについて示した評価に当たっての道しるべというべきもので、法令的な基準とは異な
るものです。これまでに、次世代型人工心臓、DNAチップを用いた遺伝子型判定用診断
薬ですとか、骨折整復支援装置、角膜内皮細胞シートなど、合計八つの評価指標を公表し
ていまして、それに三つ加えるということです。
 3の「その他」の部分です。今後、引き続き再生医療分野の歯根膜、カスタムメイド人
工関節、DNAチップを用いる遺伝子発現解析装置といったところに関して、評価指標の
作成を現在行っています。以上でございます。
○笠貫部会長 ありがとうございます。委員の先生方から御質問、御意見はありますでし
ょうか。
○荒川委員 軟骨の再生にかかる評価ということですが、ほとんど自家移植、オートの細
胞になるのだろうとは思うのですが、ただ、やはり異所性ということがあって、関節炎と
か、そういうことを惹起する可能性は無いと考えてよろしいのでしょうか。II型コラー
ゲンとか、そういうのは実験モデルとしても関節炎を作るときのモデルにもなりますもの
ですから、そういうことは評価として必要ないかということでお伺いしたいのですが。
○事務局 この評価指標自体は、御存知のとおり、自己由来の指針と同主意ぐらいの指針
に追加して、現時点で考えられる特筆すべき事項を挙げさせていただいたものです。専門
家の先生方に検討いただいて作成した際には、特に追記すべきという提案はありませんで
した。資料3ー2、3ページ(3)の確認試験なのですが、少し安全性上の問題として、意
図しない分化や過形成、異常増殖、そういったところの話ですとか、炎症ではないのです
が、軟骨特有の部分につきましては書かせていただいているのですが、その炎症に特化し
て特に議論はなかったというところです。
○笠貫部会長 それでよろしいですか。
○荒川委員 個別にまた御検討いただければと思います。
○笠貫部会長 それでは、また個別に御意見を聞いて専門家の御意見も加えていただいた
らと思います。
 そのほかにご意見はございませんでしょうか。それでは、ありがとうございました。公
開案件は以上でございます。
○医療機器審査管理室長 先生方、ありがとうございました。以後の議題は非公開での進
行になりますので、傍聴の方におかれましては、御退席のほどをお願いいたします。
 今10時34分ぐらいだと思います。非公開案件の審議、報告に関しましては、それほど
準備はかからないと思いますので、もしよろしければ10時37分ぐらいを目標に再開させ
ていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。しばらくお待ちください。
○医療機器審査管理室長 準備が整いましたので、これより医療機器・体外診断薬部会を
再開いたします。
 非公開の議題に関する配付資料の確認をさせていただきます。議題4に関連いたします
資料として資料4-1です。その次に差し替えですが、審査報告書です。それから、資料
4-2としてGCPの実地調査の結果報告書がございます。資料4-3がパワーポイントです。
次が議題5の、資料5-1、資料5-2、資料5-3。次は資料6-1、資料7-1、参考資料7-1で
す。
 それから本日、お手元に置かせていただいた参考資料4-1、参考資料5-1があるかと思
います。また、当日配布資料1、当日配布資料2の2種類を用意させていただいています。
少し量が多いため、確認が難しいかと思いますが、議題中でも過不足等ございましたらお
知らせいただきたいと思います。また、今お気付きの点がございましたらお申し出いただ
きたいと思います。
 それでは部会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○笠貫部会長 資料はおそろいでしょうか。これより非公開案件の審議に入らせていただ
きます。まず、本日の審議事項に関与された委員と利益相反に関する申出状況について、
事務局から御報告をお願いいたします。
○事務局 御報告させていただきます。本日の審議事項に関する影響企業リストは、資料
7-1を御覧下さい。
 議題4「植込み型補助人工心臓EVAHEART」、申請者名は株式会社サンメディカル技術
研究所でございます。企業側から申請がございました競合品目として挙げられていますの
が、本日議題5で審議予定のテルモ株式会社の「DuraHeart」、センチュリーメディカル
株式会社の「Jarvik2000」、ニプロ株式会社の「HeartMate XVE」です。
 それぞれ競合品目を選定した理由としましては、ニーズの高い医療機器の早期導入検討
において、早期導入品目に選定された植込み型の補助人工心臓であることを理由として、
この三つを選定しています。
 続きまして議題5「DuraHeart 左心補助人工心臓システム」申請者はテルモ株式会社の
申請品目です。こちらも競合品目を御覧いただきますと、先ほどのものとほぼ同様で、ニ
プロ株式会社の「HeartMate XVE」、本日議題4で審議予定の株式会社サンメディカル技
術研究所の「EVAHEART」、センチュリーメディカル株式会社の「Jarvik2000」となってお
ります。
 こちらも競合品目を選定した理由としましては、希少疾病用医療機器の指定がされてい
ることに着目しての選定となっていますが、結果的には同じ品目が選定されている状況で
す。
 本日の審議事項に関する影響企業について、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状
況を伺いましたところ、薬事分科会審議参加規定第12条審議不参加の基準又は第13条議
決不参加の基準に基づき、御退室いただく若しくは議決に御参加いただけない委員等はい
らっしゃいませんでした。また、本審議参加規定におきましては、金銭の受取りに係る規
定のほか、申請資料の作成に係る規定もありまして、審議参加規定第5条に「申請資料作
成関与者の取扱い」に基づき、申請品目に係る治験の責任医師や治験調整医師であったり、
申請資料の作成に関わった場合は、審議及び議決が行われている間、原則御退席をお願い
しています。
 今回の審議品目につきましては、北村委員が「EVAHEART」につきまして治験調整医師と
して登録されており、「DuraHeart」については競合品目の治験調整医師ということにな
りますので、御退席を願うこととなります。以上、御報告させていただきます。
○笠貫部会長 ただ今の事務局の説明について、御意見はございませんでしょうか。
 よろしければ議事に入らせていただきます。
 北村委員におかれましては、御退室をお願いいたします。
              ──北村委員退室──
○笠貫部会長 議題4「植込み型補助人工心臓EVAHEART」の製造販売承認の可否等につ
いて審議を行います。本議題及び次の議題の審議に当たりましては、参考人として大阪厚
生年金病院心臓血管外科部長の笹子佳門先生、それから、昭和大学病院胸部心臓血管外科
診療科長の手取屋岳夫先生に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 まず、審議品目の概要につきまして事務局から御説明をお願いします。
○事務局 議題4「医療機器『植込み型補助人工心臓EVAHEART』の生物由来製品又は特
定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定について」簡単
に概略を御説明申し上げます。
 本品は末期重症心不全で心臓移植が必要な患者に対し、循環改善を目的として使用する
植込み型左心補助人工心臓システムです。資料4-1の審査報告書の5ページに、システム
の概観と本機器の特徴の一つであるクールシールシステムの模式図があります。また、本
日配付しました参考資料4-1、こちらは昨年の部会でのHeartMate XVEの審議時にも配付
いたしました、「『植込型補助人工心臓』実施基準(案)」です。こちらについては、2ペ
ージ[2.実施施設認定基準]と、[3.実施医基準]が一部改定されています。品目の内
容の詳細については、審査を行った独立行政法人医薬品医療機器総合機構より御説明申し
上げます。
○機構 議題4、資料4「医療機器『植込み型補助人工心臓EVAHEART』の生物由来製品
又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定につい
て」医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。資料4-1を御覧ください。機構で
の審査に当たり、御覧の専門委員の御意見をいただきました。
 品目概要をお示しします。本品は、心臓移植が必要な患者に対し循環改善を目的として
使用する植込み型補助人工心臓システムであり、体内コンポーネント、体外コンポーネン
ト及び付属品から構成されています。体内コンポーネントは血液ポンプ、インフローカニ
ューレ、アウトフローグラフトから構成され、体外コンポーネントはコントローラ、コン
トローラ内部に存在するクールシールユニット、バッテリなどから構成されています。本
品を構成する遠心ポンプは血液シール部での血液凝固による回転障害のリスクを有する
ため、この低減のための機構としてクールシールシステムを備えています。なお、本品は
まだ外国では承認等を取得しておらず、販売されていないのが現状です。本申請ではこれ
らの資料が提出されました。臨床に関する資料については後ほど御説明申し上げます。機
構における審査の結果、いくつかの問題点は認められたものの、審査報告書に記載した議
論を踏まえ、これらの資料について了承いたしました。
 続いて、臨床部分に関する審査の概要を御説明申し上げます。本申請はパイロットスタ
ディ、ピボタルスタディに関する資料が提出されました。また、参考資料として、パイロ
ット継続スタディ、ピボタル継続スタディに関する資料が提出されました。
 まず、パイロットスタディは、国内の2施設で3症例に対して実施され、安全性につい
ては有害事象13件、重篤なものはなく、不具合は外部モニター接続ケーブル破損が2件
発生しました。有効性については、術後3か月では全例生存という結果でした。
 続いてピボタルスタディですが、国内の5施設で15例に対して実施され、有効性のう
ち6か月生存率は86.7%、安全性のうち死亡例については本品との因果関係が否定でき
ない脳出血が1例、本品と関連ありとされた脳梗塞1例の合計2例でした。また、重大な
感染症、神経学的機能障害等を含む有害事象が41件発生し、重篤なものは22件発生しま
した。外部モニターの誤表示等の不具合が32件発生しましたが、重大なものは発生しま
せんでした。
 続いて、パイロット継続スタディ、ピボタル継続スタディです。これまで御説明した各
スタディに参加した患者を対象に、本申請の承認まで現在も継続中の治験です。まず、パ
イロット継続スタディについては、有害事象は37件、うち重篤なものは17件。不具合は
43件、うち重大なものは0件、6か月及び12か月生存率は100%でした。ピボタル継続
スタディについては、12か月生存率は79.4%、24か月生存率は72.2%、本品との関連性
が否定できない脳出血等による死亡例が3例。有害事象は93件、うち重篤なものは47件。
不具合は27件、うち重篤なものは0件でした。
 総合評価の概要を御説明申し上げます。まず、審査報告書に記載した一つ目の論点につ
いてです。「途中で試験へのエントリーが中断され、予定症例数に満たないピボタルスタ
ディの試験成績により、本品の臨床上の有効性及び安全性を評価することは妥当とは言え
ないと考えるが、試験を打ち切って解析を行い、本品の有効性及び安全性を評価する妥当
性」という点ですが、ピボタルスタディの結果から、当初想定していた統計学的な検証を
前向きに実施することは不可能で、バイアス発生の可能性も否定できないと考えます。ま
た、申請者が妥当性の説明に用いたピボタルスタディの治験実施計画書における記載は、
治験へのエントリーを途中で打ち切ることを正当化する記載ではないと考えます。機構
は、本試験において試験途中で症例登録を打ち切ったことに対する妥当性は見い出せない
と判断しました。本治験の臨床評価については次の論点で御説明申し上げます。
 二つ目の論点です。「本邦では心臓移植までの時間が長期化している現状にかんがみ、
術後6か月で評価することは妥当と言えるか」という点です。本邦では平均移植待機期間
は2年程度を想定せざるを得ないのが現状です。その点を踏まえ、6か月よりも長期の成
績についても検討しますと、本スライドの数のうち赤で表示している「生存率」が本品の
全18例に関する成績、一方黒で表示しているものは、既承認品のノバコアの国内治験成
績ですが、本品群の6か月以降の生存率に関する95%信頼区間の下限値は、ノバコアの
場合を下回らないことが示されました。安全性については、本品の治験中に感染、神経学
的機能障害等の重篤な有害事象が発生しましたが、既承認品と比較した場合、有害事象の
発生頻度が高いとは言えないことが示されました。機構は、本品が希少疾病用医療機器で
あること、また、植込み型補助人工心臓が現在日本で供給されていない現状も考慮し、治
験で得られたデータを比較する対照の設定を後ろ向きに実施することは致し方ないと考
え、本品の有効性及び安全性が担保されているとする申請者の見解は妥当と考え、本品が
心臓移植までのブリッジに用いる植込み型補助人工心臓としての有用性は既承認品より
劣るとは言えないと判断しました。ただし、治験における症例数が少なく、長期予後の評
価は十分でないことから、後述の「承認条件1」を付すことが妥当と判断しました。
 次に三つ目の論点です。「本品の適用対象となる患者の体表面積の設定の妥当性」の点
です。治験を実施する前に御献体による検証試験が実施され、体表面積1.4?u相当であれ
ば植込みが可能であることが確認され、さらに本品の約3倍の容積を有するノバコアの日
本治験の除外基準が1.4?u以下とされていたことも考慮して、申請者は1.4?u程度の体表
面積の患者であれば植込み可能と考えています。一方、治験において胃穿孔を生じた患者
については、体表面積が1.4?u程度であり、臓器圧迫が継続的に生じていたと考えられま
すが、胃穿孔は死因である脳出血の直接の原因ではないと考えられます。いずれにしても、
体表面積のみを以て本品の適用を判断することは適切でないと考えます。機構は、胃穿孔
を生じた患者は、胃穿孔手術が脳出血のきっかけになった可能性を否定することはできな
いと考えますが、胃穿孔手術が脳出血の直接の原因ではないものと考えています。また、
体表面積については専門協議における議論を踏まえ、植込みを検討する際の一つの目安で
はあるものの、植込むスペースを確保できることが重要であると考えられることから、添
付文書の禁忌・禁止欄に「充分な経験を有する医師により、患者の体格、体表面積、植込
み予定部位の解剖学的状況等を総合的に判断した結果、適切な植込みができないと判断さ
れた患者」と記載することが妥当と判断しました。
 次に四つ目の論点についてです。「神経学的機能障害発生の原因とその防止策」という
点です。抗凝固・抗血小板療法に関するレジメンが参考の位置付けで各医療機関に提示さ
れていた時期と、その後、参考ではなく統一レジメンとされた時期を比較すると、統一レ
ジメンが制定されてからの方が神経学的機能障害の発現が減少しています。また、ポンプ
回転数と神経学的機能障害発生の影響の関連性について検討したところ、まだ少数例によ
る検討で十分とは言えませんが、ポンプの回転数が高い群の方が発生頻度が高いことが示
唆されました。これらの点を踏まえ、機構としては、適切な抗凝固・抗血小板療法の重要
性を添付文書で注意喚起することが必要と判断しました。また、臨床試験で実施された抗
凝固・抗血小板療法を基本として、各医療機関における適切な抗凝固・抗血小板療法の実
施を徹底するとともに、ポンプ回転数と脳血管障害の発生頻度の関連可能性も含めて取扱
説明書等で情報提供することが妥当と判断しました。さらに、本品の有効性及び安全性確
保の観点から、本品を使用する医師及び医療機関が本品について十分に理解することが必
須と考え、後述の「承認条件2」を付すことが妥当と判断しました。なお、現在関係学会
により、先ほど御説明のありました参考資料4-1にお示しする実施基準が作成されていま
す。
 次に、五つ目の論点についてです。「適切な在宅療養プログラムについて」です。治験
の際、退院前に院内及び院外で患者、介護者に対してトレーニングが実施されました。退
院後もトレーニングは定期的に実施されています。試験中、機器の不適切な取扱いによる
重篤な不具合事象や事故が発生しなかったことから、トレーニングの効果はあったものと
考えられます。機構としては、本品については生命維持に直結する機器であり、また医療
機関外での使用も想定されることから、患者・介護者が医療機関外にいる場合であっても
緊急時に対応が取れるよう、医療従事者、患者、介護者に対するトレーニングを徹底し、
十分なサポート体制を構築することが必要と考えます。また、現時点では、植込み型補助
人工心臓のための確立された在宅療養プログラムは存在しないことから、治験中の在宅療
養中に認められた問題を勘案しつつ、治験で実施された在宅療養プログラムを基本として
在宅療養プログラムを実施することが現時点での対応としては妥当と判断しています。医
療従事者、患者及びその介護者に対するトレーニングを徹底し、十分なサポート体制を構
築し、安全性の確保に努めることが必要と考えることから、後述の「承認条件3」を付す
ことが妥当と判断しました。
 最後に六つ目の論点である、「不具合対策とその妥当性」についてです。試験中、重度
の不具合が発生せず、健康被害も発生しなかったこと、また、報告された全不具合につい
て対策が実施され、適切に対応されています。
○信頼性保証部長 続きまして適合性調査の結果について御説明申し上げます。お手元の
ハンドアウトではスライド13を御覧ください。今回のスライドは、説明のために便宜的
にポイントをまとめたものですので、資料4-1、審査報告書の39ページからが適合性調
査の結果です。また、資料4-2としてGCP実地調査の結果の報告書を配付していますの
で、そちらも御覧ください。この治験に関しましては、当日配布資料1としましてお配り
していますが、厚生労働大臣宛て、医薬品医療機器総合機構の理事長宛ての申入書なども
出されていますので、そちらも併せて御参照いただきたいと思います。
 機構では、薬事法の規定に基づきまして、承認申請資料が薬事法で定める基準に適合す
ることを調べる、承認申請資料の適合性書面調査とGCP実地調査を行いました。GCP
実地調査の結果につきましては、本日お配りしたGCP実地調査結果報告書にまとまって
おりますが、これをまとめるに当たりまして、主要な論点につきましては、こちらの専門
医の意見をお伺いしました。なお、GCP不適合と判断した事項については、医療機器審
査管理室長通知に基づきまして、申請者に内示し、その結果、治験を実施した医療機関か
ら意見書が提出されたため、この論点についてのみ再度、専門協議を開催しまして、その
際には治験実施医療機関からのヒアリングも行いました。また、専門協議の議論に際しま
しては、本日の当日配布資料1の申入書等も参考としました。
 GCP実地調査における主な論点の一つ目です。同意の取得に関することです。資料
4-1、審査報告書の39ページ、資料4-2、実地調査結果報告書の13ページを御覧くださ
い。GCPでは、治験に継続して参加するかどうかについて被験者の意思に影響を与える
情報を入手した場合には、治験に継続して参加するかどうかを確認することを求めていま
す。その際には、被験者は説明文書の内容を十分に理解した上で同意文書に署名等をしな
ければ、同意の効力は生じないと規定されています。新たな安全性情報に基づく治験継続
についての確認の際に、代諾者の方から提出されました文書には、代諾者の署名・日付の
ほかに、「手術する前に説明された内容と大きく異なります。今回のこの文書に記された
内容を理解(納得)することは出来ません。ですが、生命維持するためには、治験に参加す
るほかないでしょ?」と記載をされていました。この提出された同意の文書ですが、その
写しが当日配布資料1の17ページにもありますので、そちらも併せて御覧いただきたい
と思います。当日配布資料1の17ページのものは、申入書と併せて、代諾者の手元に残
っていたものをコピーしたものですが、GCPではこの文書を提出するときには写しで医
療機関もこの文書を保存することとしていますので機構の調査においては、医療機関にお
いて同じ文書が保存されていることを確認しています。この同意の取扱いについては専門
協議の議論も踏まえまして、機構としてはここに付記されていた文書から判断して、GC
Pで求めている説明文書の内容を十分に理解した上で同意の署名をしたと解することに
は疑問があり、同意の効力を生じているとは認められないとの判断をしました。その結果、
データの一部をGCP不適合と判断しています。そのため、継続の同意を取るための説明
文書が医療機関のIRBで承認された日付以降のデータは、承認申請資料中から削除する
ことが適当と判断いたしました。
 主な論点の二つ目です。一つ目と同一の症例におけるピボタル継続スタディ参加時の同
意についてです。資料4-1の40ページ、1.「継続治験参加時の同意について」の部分、
資料4-2の15ページ、(3)「その他」の部分を御覧ください。被験者の方はピボタルス
タディの際に既に意識のない状態となっており、継続治験のときには代諾者としてのお母
様からの文書による同意を取得しました。このときには、一つ目の論点で説明したような
付記はなく、通常の同意文書が代諾者の方から提出されていました。GCPでは、被験者
となるべき方が同意の能力を欠くことなどにより同意を得ることが困難であるときは代
諾者による同意が認められていますので、この同意取得についてはGCPの規定上、特に
問題はなかったと機構は判断しました。なお、この被験者の方は未成年ですので、初回の
同意のときも代諾者の同意と併せて取っています。
 主な論点の三つ目は、論点の1と2とは別の医療機関、別の症例に関するものでござい
ます。なお、この後説明いたします論点の3〜5までは同じ症例に関するものでございま
す。
 資料4-1の40ページ、資料4-2の9ページを御覧ください。この治験のプロトコール
では、除外基準として「BSA<1.4?uの患者」、また、ベースライン検査として「身長
・体重の測定は、直近、又は入院時のデータで可とする」と規定をされております。入院
時のBSAが1.4?u以上であり、植込み直近に測定された身長・体重により算出されたB
SAが1.4?u未満であった患者さんが被験者として選定されたことにつきましては、専門
協議の議論を踏まえまして、プロトコールの除外基準には当たらず、GCPの規定に照ら
して特段の問題があったとは言えないと判断をいたしました。なお、機構の調査の際にカ
ルテから確認できました身長・体重の推移につきましては、資料4-2の9〜10ページに
経時的にお示ししております。
 次に主な論点の4つ目でございます。これはインフォームド・コンセントの取得経緯に
ついてでございます。資料4-1の41ページの3.、資料4-2の10ページの2.の部分を御
覧ください。
 本治験機器の考案者であり、治験依頼者の役員と血縁関係にある医師が治験分担医師と
なっておりますが、プロトコールでは、この医師は評価判定には一切関与しない旨の規定
が設けられております。また、当日配布資料1としてお配りしております機構理事長宛の
申入書などにおきましては、利益相反の問題からインフォームドコンセントの取得等に当
たって当該医師の関与について問題を指摘する意見も往々寄せられているところでござ
います。機構の調査によりましては、プロトコールの規定に反する行為は確認できず、ま
た、GCPにおいては、開発者の治験への関与に関する特段の規定はないことから、イン
フォームドコンセントの取得経緯について、GCPの規定に照らして特段の問題はないと
判断をいたしました。
 主な論点の五つ目はビデオ撮影の不実施についてです。資料4-1の41ページの4.、資
料4-2の11ページの3.を御覧ください。
 プロトコールでは、全手術過程をビデオ撮影する旨定められておりましたが、この症例
についてはビデオ撮影が行われませんでした。ビデオ撮影が行われなかった理由について
は、資料4-2の11ページの中ほどに記載されているとおりでございます。ビデオ撮影が
行われなかったこと自体はプロトコールからの逸脱に当たりますが、手術の11日後には
治験責任医師から治験依頼者へ文書での逸脱報告が行われ、また、手術当日の治験依頼者
によるモニタリングの報告では逸脱において記録されているなど、GCPで定められてい
る逸脱した場合の手続きがとられていたことから、GCPの規定に照らして特段の問題は
ないものと判断をいたしました。以上を踏まえまして、GCP不適合と判断した論点1に
おける一部のデータを承認申請資料から削除等の措置を講じた上で審査を行うことに支
障はないと判断をいたしました。
 なお、御紹介いたしました論点のほか、GCP不適合とはならないものの、事務的な手
続きの不備など、改善が必要と考えられる事例が認められましたので、資料4-1の40ペ
ージのア〜エにお示ししております。また、書面適合性調査においては、特に問題は発見
されておりません。適合性調査に関する説明は以上でございます。
○機構 それでは審査報告書、43、44ページを御覧ください。
 以上の審査の結果を踏まえ、御覧の承認条件を課すことが妥当と判断いたしました。機
構は、本品の位置付けを明確にするため、こちらにお示しする使用目的で承認することが
妥当であると判断いたしました。なお、本品は新性能医療機器であり、再審査期間は7年
とし、生物由来製品には非該当と考えております。
 以上で御説明は終わりますが、本日御欠席の川上委員より事前にコメントをいただいて
おりますので、御紹介させていただきます。
 「植込み型補助人工心臓EVAHEARTの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、
製造販売承認の可否及び再審査期間の指定についての機構の審査結果に異論はありませ
ん。この機器については、何年か前から数度、開発者である東京女子医大の山崎教授の講
演を聞いて比較的よく知っております。広く応用されることを期待しておりますが、治験
自体は、審査結果にもありますように、いくつかの不備があるようです。対象疾患が致死
的なものであることと、ほかに代替療法がほとんどないことから、臨床現場での使用を許
可することについての機構の御判断に異論はありませんが、治験自体は不十分な点があっ
たことを添付文書あるいは添付文書の付記書類などで明確にしておいた方がよいのでは
ないでしょうか」、というコメントをいただいております。
 こちらの点につきましては、事前に川上先生に御説明を申し上げまして、機構でのその
審査の判断につきましては添付文書のほか、審査報告書にも記載されておりまして、審査
報告書につきましては公開の対象になっておりますことから、どういった判断に基づいて
審査がなされたのかということにつきましては皆様に御理解いただけるものと判断して
おります。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは、参考人の笹子先生から何か加えるこ
とがありましたらお願いいたします。
○笹子参考人 大阪厚生年金病院の笹子と申します。人工心臓というものは、循環不全、
心不全の患者さんで心臓だけが悪い、循環が足りないという方を救命する唯一の方法と言
っていいと思います。いざ、すぐというときに、心臓移植は全く間に合いません。外国で
は間に合う国もあるのですが、日本では全く間に合わない。こういう状況で助けるために
はこういう人工心臓を使う、あるいは諦めてお亡くなりになるのを静観する、選択肢は二
つしかないのです。人工心臓として使いますのは一般的な、古くから使っている、30年
前のコンセプトで作られた東洋紡型の人工心臓があります。体外式です。こういうものを
使いますと、これはかなりいい成績を出して助けられるのですが、全く退院できません。
現在、移植施設を中心とする高度の医療機関の病床を人工心臓の方がたくさん占拠してい
るということで心臓医療というものが滞る状況にまできています。心臓移植が今年から法
律改正に伴ってだいぶ増加してきて助かるべき人をもっともっと助けられるような状況
が出てきて、これに対してその受入れ口に当たる人工心臓がつければ病床が埋まって病院
が動かなくなるという状況のままでは困る、というのが臨床側のニーズです。これに対し
て、退院が可能な植込み型の補助人工心臓のようなものが使えるようになればいいという
ことで、特に技術力で全く信頼できるのは日本の製品ですし、これが二つ出てきていると
いうのは非常にうれしいことなのです。
 臨床側のニーズとしましてはこういう新しい世代の発想で出来てきた、今までの問題点
を完全にクリアして、基本的には死ぬかどうかという人を助けるためのデバイスですから
多少のところは目をつぶってもゴーでいかないといけない部分はあって、脳合併症である
とか出血であるとか、そういう部分はあるのですが、それにしてもこういう、第4世代と
言われるような新しい世代の人工心臓が使える、こうした時代が来るというのは非常にう
れしいことですので、これは何とか認めていかないといけないのではないかと思います。
○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは手取屋先生から、何か御意見がござい
ましたらよろしくお願いします。
○手取屋参考人 昭和大学心臓血管外科の手取屋と申します。心不全治療というのは内科
治療から始まりまして、現在、最終治療と呼べるものは心移植となっているのですが、そ
の様々な段階でいろいろなオプションがあってしかるべき治療の一つです。がんの治療で
抗がん剤や手術があるように、心不全治療においても様々なオプションがあってしかるべ
きなのですが、なかなかその辺がこれまで認めてもらえなかったということで、日本の心
不全治療は非常に片手落ちだったということは否めないと思います。
 本品ですが、私、実際は存じ上げませんが、同等品は世界でも非常に有用に使われてお
ります。特に心不全の場合はちょっとしたきっかけでクラッシュしますので、そういった
場合に緊急手術で人工心臓を植え込み、そして、場合によっては在宅医療にいくために植
込み型に変えていくというような治療の流れが既に確立されております。こういったもの
が日本のメーカーから出てきまして、日本の心不全治療に幅ができると臨床の方も期待し
ております。
○笠貫部会長 ありがとうございました。
○事務局 部会長、申し訳ございません、事務局でございます。1点補足説明をお願いし
たいと思います。機構からJ-MACSの件で担当者から御説明申し上げたいと思います。
○機構 医薬品医療機器総合機構でございます。お手元の参考資料4-1にもございます
「植込型補助人工心臓実施基準」(案)、こちらの中にも記載されておりますJ-MACSへの
参加ということについて、簡単にですが、J-MACSというものは一体どういうものかとい
うのをお話したいと思います。この施設基準の方ですが、J-MACSへの参加が施設認定の
条件になっております。それでは、当日配布資料2を御覧いただければと思います。当日
配布資料2「J-MACSについて」という資料を用意しておりますが、この中から抜粋して
簡単にお話したいと思います。
 1ページ、スライド番号3番目、4番目ですが、J-MACSは、Japanese registry for
Mechanically Assisted Circulatory Supportの略称でございます。これは日本の補助人
工心臓の市販後のデータ収集事業でございまして、VAD植込み型の補助人工心臓を扱う
全植込み施設の参加型の市販後調査でございます。
 こちらの下の方ですが、このJ-MACSの構築に当たりましては、2006年から既に米国の
方でスタートしております同じ植込み型補助人工心臓の市販後レジストリである米国の
INTERMACSというものを参考にしております。こちら、多施設の共同による市販後のデー
タ収集に関しましてはWEB上で入力するシステムで、参加施設からのデータをデータセ
ンターの方へ送っていただくというシステムになっております。また、データセンター等
の外に、第三者による監視ということでOSMBという観察研究のモニタリング委員会を
設置しております。また、このJ-MACSで得られたデータに関しましては、今後、薬事法
により製造販売業者に義務付けられる製造販売後の調査あるいは不具合報告、そういった
ものに関係する企業が自社製品のデータを利用することが可能というようにしておりま
す。
 次のページが米国のINTERMACSのスライドでございます。こちらは産・官・学で始めら
れている米国のレジストリでございまして、FDAや支払基金であるCMS、NIH、ア
ラバマ大学、こういったところが産・官・学で共同して2006年からスタートしている市
販後のレジストリでございます。
 次のページの下にJ-MACSの目的というものを記載させていただいております。目的は
INTERMACSと全く同じでございまして、今後承認される植込み型のVADの性能を把握し
て、患者様の生存期間やQOLに影響を与える因子の探索を行っていって、今後の重症心
不全患者様の臨床評価や臨床管理に役立てていこうと。さらに、今、少しお話がありまし
た第4世代ということですが、今後の次世代のVADの開発にも役立てるデータ収集にし
ようというのが目的でございます。
 次のページの9番のスライドでございます。J-MACSの組織としましては、医療機関の
方からWEBでデータセンターの方にデータを送っていただくという体制にしておりま
す。J-MACSの参加施設は、現在、施設基準をクリアしておりますこの下の6施設でござ
います。
 次のページ、J-MACSの対象予定品目です。現在、昨年承認されておりますHeartMate
XVE(ニプロ社)のものだけでございますが、今後承認されれば、植込み型のVADもどん
どんJ-MACSに取り込まれる予定でございます。
 次はその横の13ページ目のスライドでございますが、J-MACSの組織でございます。
運営委員会をはじめ、組織を構築しておりまして、こちらの組織を外から監視するという
目的で、外部にOSMBの観察研究モニタリング委員会、さらには参加施設で発生した重
篤な有害事象に対して第三者による有害事象の評価判定の委員会を設けております。下が
J-MACSのsteering committee、運営委員会のメンバーでございます。
 次のページ、スライドの15〜18に関しましては、このJ-MACSの調査項目、調査のタイ
ミングを詳細に記載しておりますが、これは米国のINTERMACSの調査のプロトコールとほ
ぼ同様の設定にしております。患者様の同意が得られたら、後は植込み前のデータからず
っとデータを収集していくという事業でございます。
 次のページ、19枚目のスライドにございますが、調査の完了は、患者様が死亡される、
又は心移植でこの製品を抜去されると、その後、心移植から1年を経過した時点までのデ
ータの収集の事業でございます。
 最後のスライドの21番です。J-MACSの特徴としましては、全例登録とWEBデータの
入力でございます。それから、adverse event(有害事象)の定義も統一化しておりますし、
施設訪問データ監査も行うようにしております。また、先ほど御説明したような第三者の
監視機構と外部、第三者のadverse eventの判定委員会も設けております。また、J-MACS
に関与する運営組織のメンバーに関しては、利益相反のルールをきちんと設定しておりま
す。また、このデータに関しましては、参加施設のデータフィードバックと、また、一般
にこの成績を公表していく予定にしております。さらに、少しお話しましたが、企業が行
う市販後の調査、再審査申請というものに対してもデータが利用できるというような特徴
を持っております。以上でJ-MACSの説明を終わらせていただきたいと思います。
○笠貫部会長 どうもありがとうございます。それでは審議に入りたいと思います。  
移植を必要とする極めて重篤な心不全患者様に対して、日本ではなかなかドナーの方がい
らっしゃらないので、そのブリッジとして日本で開発された人工心臓が非常に注目、期待
されていたということは御存じだろうと思います。お二人の参考人の先生からのお話から
もお分かりになるように、日本で開発され、日本で最初に治験をされたという特徴もあり
まして、GCP調査における論点も挙げられ、それに対する詳細な専門家の協議もなされ
ているということで、その御説明も詳しくされたと思います。市販後の安全性については
J-MACS、これは、日本で初めてこういった厳しいシステムを作って安全性を見ていく、と
いう御説明とお伺いいたしました。それでは御質問、御意見のある先生方、いらっしゃい
ましたらどうぞお願いいたします。
○荒川委員 機器としては是非承認していただければと思うのですが、やはりいくつかの
御指摘の中でいろいろな不備などがあるような気がします。私どもの施設で実施しており
ましたが、私自身は、直接の担当者ではないということで発言させていただきます。まず、
いくつか御説明いただいた中でノバコアとの比較をされて、比較にはいろいろ無理がある
ところは私も理解はしますが、これは申請者からのレジストリによるデータということで
すが、実施時期とか、具体的にはどういう収集をされたデータになるのですか。
○機構 今の御質問の点について説明申し上げます。ノバコアのレジストリのデータにつ
きましては、サンメディカル技術研究所が、競合ではありますが、ノバコアの承認を取得
したエドワーズ・ライフサイエンス社からそのレジストリのデータをコンフィデンシャル
なものとして入手して、本申請でそれが提供されたというものです。
○荒川委員 あくまで日本での実績ということですか。
○機構 はい、そのとおりでございます。
○荒川委員 分かりました。それから、先にテクニカルなところで、GCP調査の結果不
同意ということで、データの一部をGCP不適合として削除ということですが、これは、
実際に削除されたのはどういったデータになりますか。
○信頼性保証部長 同意のための文書がIRBを通った日に遡って、それ以降のデータは
すべて削除とする形にいたしましたが、プロトコール上、途中で中止した脱落症例につい
ては全症例を削除するというような取決めになっていますので、GCP上の判断は、再同
意が必要となった日以降のデータがGCP的には不備があったということなのですが、実
際の解析上はその症例の継続治験分は全体が削除される形になっております。
○荒川委員 この事例は重篤な有害事象ということで、安全性の面からはやはり公共の利
益を優先して採用すべきものだと思うのです。その辺は採用されているということでよろ
しいですか。
○機構 御指摘のとおりでございます。
○荒川委員 それから、もう1点よろしいですか。
○笠貫部会長 はい。
○荒川委員 先ほどの御説明の中でスライドの10番のところに在宅療養プログラムとい
うのがございますが、その中で、基本的に在宅の中盤下の方になりますが、治験で実施さ
れた在宅療養プログラムを基本として在宅療養プログラムを実施することが妥当という
ように指摘されていますが、治験のときは消防署等への連絡、実施施設からの距離が時間
で2時間以内というような縛りがございましたが、市販後はその縛りはないということで
よろしいのですか。それから、そういった緊急時の対応はどうされる予定なのですか。
○機構 御指摘の件に関しては、申請者の見解としては、あくまでも治験のときに実施さ
れた在宅療養プログラムを基本として実施すると。ただ、いくつか問題は認められたこと
があるので、それに関してはそのままというわけにはいきませんので、きちんと改善して
やっていくというように説明を受けております。
○荒川委員 実際に2時間などという縛りがあると、患者さんも実施施設からそこの中に
住まわないといけないという制約が付いてくるのですが、それは現実的な対応という認識
でよろしいのでしょうか。
○機構 はい。
○笹子参考人 それに関してですが、今までは実際にこの補助人工心臓を使う施設が非常
に限られた状態で治験をやっていますね。それが市販されるということになりますと、実
施施設を、あるいは使える施設をもう少し広げて認めていこうという形になりますので、
同じ2時間で使える範囲も日本中にかなり広がるということは間違いないと思いますが、
あまりにも田舎でとてもメンテナンスできないという所では少々無理かと思います。
○笠貫部会長 よろしいでしょうか。
○荒川委員 はい。
○笠貫部会長 ほかにはございませんでしょうか。事務局から何か追加がありましたら。
○機構 今、荒川先生から御指摘いただいた点についてですが、当初の予定どおり2時間
という縛りがある状況で最初のプログラムはスタートしますが、それは今後の議論若しく
は検討によって変わっていく可能性があると思います。ですから、当初は安全性が確保で
きる最初のプログラムとして開始すると、そのように御理解いただければと思います。
○笠貫部会長 よろしいでしょうか。
○正田委員 これは機器としては必要なもので重要だと思うのですが、結局、今話を聞い
て一番思ったのは、ここまで承認されるという過程が、40〜50分の話を聞いて、こうい
う問題点があってこういうところがいいところだということが、一般の医師などでもやっ
と理解できるような難しいもので、これをどう説明していくのかと思いました。一番は、
機器が問題かもしれませんが、そうではなくて、患者さんの家族に、こういう機械である
からこういうふうに納得して使用してください、ということをどういう形で、いかに理解
してもらうかという点がすごく大きいと思うのです。機器そのもののことではないので、
ここで話すことかどうか分からないのですが、当日配布資料1の内容というのは、結局、
説明が患者さんにうまく伝わっていなかったという部分が問題になっているような気が
するのです。例えば治験のときはこういう説明をしなさいという書式が決まってやってい
るとは思うのですが、実際これを承認してこの添付文書を見て、この後どういう形で患者
さんの家族にこの機器の内容が説明されていくかということが少し気になっているので
す。それはここで議論するものかどうか分からないのですが、その点をどうするかという
のが医師としては非常に気になるところなのですが、どうなのでしょうか。その点、何か
担保する方法などはあるのでしょうか。
○機構 今の御質問の点でございますが、まず本品を使用する医療機関、医師については、
サンメディカル技術研究所が計画をしている所定のトレーニングプログラムを受けなけ
ればいけないことになっています。それで、先ほども御説明しましたが、実際に患者さん、
介護者については何もトレーニングしなくていいのかというと、全くそういうことはなく
て、治験でも実施されたようなトレーニングを実施して、それでクリアした方のみが退院
することができて在宅療養をすることができるという枠組みになっております。市販後に
ついても、そのような枠組みで実施していただくということになっております。
○正田委員 分かりました。
○笠貫部会長 よろしいでしょうか。参考資料5-1を見ても、これまでの実施基準の中で
は最も系統立ててきちんとまとめられているかとは思います。今、御指摘がありましたよ
うな患者様あるいは御家族への説明の文書、そういったものについても十分配慮をしてい
ただくことをお願いします。そのほかにはございますか。
○鈴木委員 在宅が可能になるというようにかなり強調されているのですが、実際にお聞
きしますと、手術を実施した病院から2時間以内で駆けつけられる所以外は不可能だとい
うことになると、かなり限定された意味での在宅ということになると思うのです。やはり
患者さんは全国にいらっしゃるわけですから、そういった方々も本当の在宅が可能になる
ように、手術した病院との中間に、例えば地域にある基幹病院のような所でとりあえず診
られるようにするとか、あるいは先々はそうなるでしょうけれども、在宅を御希望された
方の、後方の病院のような医療機関を整備することによってさらにもう少し広げるとか。
「手術をする所が広がれば在宅も広がる」というのでは、かなり先の話になるような気が
するので、在宅とおっしゃるのでしたらそういったものが、後方の支援の医療機関も含め
た体制というものがあると本当の在宅に戻れると思うのです。機器そのものは国産の非常
に素晴らしいものだと思うので、その辺の準備なども是非、その恩恵が全国の皆さんに行
き渡るようにしていただきたいと思います。
○笠貫部会長 特に事務局、よろしいですね。それではどうぞ。
○荒川委員 在宅のことで。実際に一番多いケースが導入ケーブル部の感染症です。これ
はかなりの頻度で起こりますので、2時間もかけて来るのではなくて、やはり近医の所で
少しケアもできる体制があった方がいいのではないかという気がします。
○笠貫部会長 これも事務局の方で今の御指摘を含めて十分フォローをお願いします。
○医療機器審査管理室長 今いろいろ御指摘いただきました点については、今日御紹介し
た中でも承認条件でトレーニングをしっかりするということと、在宅プログラムを用意す
るということ、さらにはJ-MACSという非常に厳格な管理の下で使っていくということな
ど、いろいろなことの合わせ技でしっかりとした対策を講じていきたいと思います。加え
て、在宅の部分に関しましては、現状、治験の段階で使われていた患者さんも何人か在宅
に移行したケースもございますので、そういった事例のフォローもしながら、具体的にど
う対処していくかということは、感染症の問題を含めてきちんとフォローしていきたいと
思っています。
○笠貫部会長 心臓移植の適応の患者さんで、ベッドにずっと寝たきりの方の心臓移植ま
でのブリッジとしての機械という位置付けでありながら、このケースも、この機器の2年
間というデータもあると思うのです。そういった意味で先ほどのJ-MACSを含めてトータ
ルとしての十分な適応とそのフォローアップ体制を是非日本で確立していただきたいと
いう御意見だったとお伺いします。
○石山委員 これは非常にいい装置だと思うのですが、一つ伺います。新しい装置として、
クールシールですか、クールシールシステムは今までのとは少し違って溶血を非常に少な
くするという意味で、これは一応は考えられるのですが、このクールシールが止まっても
一応2日間は大丈夫だというデータになっています。このクールシールの温度はどの辺ぐ
らいまでですか。クールシールの液そのものは、リザーバは外にあるわけですね。その温
度の範囲がどの程度までだったらこれは使えるかということをお聞きしたいのですが。
○機構 石山委員が御指摘の点に関しましては、今すぐ御説明申し上げることは困難なと
ころですので、後ほど確認して御説明申し上げます。よろしくお願いいたします。
○石山委員 分かりました。それから、もう一つよろしいですか。
○笠貫部会長 はい。
○石山委員 これは遠心ポンプ、定常流ですが、実際に心機能が若干あれば、末梢部では
必ず拍動流になるわけですね。拍動流になった場合に、実際に酸素飽和度などをモニター
する場合にパルスオキシメーターが使えるかどうかを教えていただければと思います。
○機構 大変申し訳ございません、その点に関しましても、改めて申請者に確認をして、
後ほど併せて御説明申し上げます。
○笹子参考人 よろしいですか。心機能がある程度あれば脈圧がかなり出ますので、使え
ると思います。
○石山委員 パルスオキシメーターは大体の患者さんが使えるわけですね。
○笹子参考人 そうですね、大概使えると思いますが、非常に悪い人は、心臓が全然動い
ていないような人は全く使えません。
○石山委員 使えないですか。
○笹子参考人 はい。
○石山委員 使うとすれば、例えば使用するドクターにその辺を、注意点と言いますか、
そういうことを少し入れた方がいいのではないでしょうか。こういう条件下ではパルスオ
キシメーターは使えるよ、ということにしておかないと、何でも使えるというわけではな
いと。患者さんの条件によっては使えるということですね。分かりました。
○笠貫部会長 特段ほかにございませんでしたら、議決に入ります。
 医療機器「植込み型補助人工心臓EVAHEART」につきまして本部会として審査報告書に
ある条件を付した上で承認を与えて差し支えないものとし、再審査期間は7年間とし、ま
た、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要とするということでよろしいでしょ
うか。
 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果につき
ましては次回の薬事分科会において報告することにいたします。
 それでは、議題5「DuraHeart左心補助人工心臓システム」製造販売承認の可否等につ
いて審議を行います。まず、審議品目の概要につきまして事務局から説明をお願いいたし
ます。
○事務局 議題5、資料5「医療機器『DuraHeart左心補助人工心臓システム』の生物由
来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定に
ついて」概略を御説明申し上げます。
 本品は、先ほどの審議品目EVAHEARTと同様の植込み型左心補助人工心臓システムです。
資料5-1、審査報告書の5ページ目にシステムの構造、外観、ポンプ、送血管、流入管、
アピカルカフの写真がございます。また、当日配布資料の参考資料5-1は、先ほど御紹介
しました参考資料4-1と同様の植込み型補助人工心臓実施基準(案)でございます。本品目
の内容の詳細については、審査を行いました独立行政法人医薬品医療機器総合機構より御
説明申し上げます。
○機構 議題5、資料5「医療機器『DuraHeart左心補助人工心臓システム』の生物由来
製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び再審査期間の指定につ
いて」医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。
 資料5-1を御覧ください。機構での審査に当たり、御覧の専門委員の御意見をいただき
ました。
 それでは品目概要をお示しします。本品は心臓移植が必要な患者に対し循環改善を目的
として使用する植込み左心型補助人工心臓システムであり、体内埋込みポンプ、体外設置
のコントローラ、バッテリ、コンソール、チャージャなどから構成されています。審査報
告書7、8ページに記載しております外国における使用状況については、2007年2月に、
末期心不全で心臓移植が必要な症例の循環改善を目的とした機器としてCEマークを取
得し、2010年8月31日の時点で84台出荷されております。外国での市販後の不具合に
ついては、欧州治験観察期間終了後の症例も含めて、充電器の故障が1件、警報発生時の
コントローラ交換対応の遅れが1件、ポンプ浮上部の故障が3類型5件報告されておりま
す。これら報告された不具合については、不具合分析が実施され、必要な対策が実施され
ております。
 審査報告書8〜15ページに記載しております提出された資料の概要につきまして御説
明申し上げます。本申請ではこれらの資料が提出されました。不具合対策として□□され
たモータの件と臨床に関する資料については、後ほど御説明申し上げます。機構における
審査の結果、モータの□□の妥当性については後述いたしますが、これらの資料について
了承いたしました。
 続きまして、審査報告書15〜40ページに記載しております臨床部分に関する審査の概
要を御説明します。本申請には、欧州治験、国内治験に関する資料が提出されました。ま
た、参考資料として、欧州市販後調査、米国治験、国内継続治験に関する資料が提出され
ました。
 欧州治験は、欧州の4施設で33症例について実施され、33例のうち□例は、後ほど御
説明する□□モータが植え込まれた症例であり、残る□例は、□□されたモータを植え込
まれた症例です。結果については、術後13週の生存率は81.5%、有害事象135件で、そ
のうち重篤なものは96件でした。全有害事象のうち本品と関連ありとされた有害事象は、
感染、出血などが22件発生しました。また、両電源を同時に外してしまう事象が70件発
生しました。
 次に国内治験です。国内治験は、日本で本品を用いたときの施術、術後管理及び在宅療
法の安全性と有効性を確認する目的で5施設6症例で実施され、術後26週の生存率は100
%、有害事象は42件で、そのうち機器との関連性が否定できないものが17件発生し、両
電源を同時に外してしまう事象は3件発生しました。残る3試験は、すべて参考資料とし
て提出されたもので詳細な情報が得られていないものもありますが、心臓移植対象患者を
対象とした欧州市販後調査55例、米国治験28例、国内継続治験6例が本品を用いて実施
されており、スライドのお示しするような結果が得られているところです。
 続きまして、審査報告書29、30、38ページに記載しました総合評価の概要を御説明い
たします。一つ目の論点、□□モータの製造工程の判定基準の妥当性についてです。
 本システムでは、ポンプのモータが回転することによって生じる信号を利用して回転速
度を検出しているため、□□□□□□□があると、回転数を正確に検出することができま
せん。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□であり、その発生原因は□□□□□□□□□□□□□□□によるものであること
も分かったため、□□モータでは、モータ内の□□□□□□□□□□□□□□□□□した
上でその□□□□を確認し、□□□□□もののみを出荷する対策がとられました。この□
□□□□□□□□□□場合と□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□した場合の□
□の例はスライドにお示しするとおりであり、実際の合否判定基準に基づいて申請書の仕
様が設定されていることから、機構は、本品については妥当な対策が講じられているもの
と判断いたしました。
 次に、審査報告書29、30、31、38ページに記載しました二つ目の論点「欧州治験にお
ける□□モータと□□モータの患者の成績を比較すると、その試験成績に大きな差が生じ
ているが、これらを一群として評価することは妥当と言えるのか」という点についてです。
□□モータと□□モータの差異は□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□した点
のみであり、製品仕様は異ならないため、□□モータでポンプ一時停止、自動復帰が発生
する特殊な条件以外では、□□モータと□□モータに差異はないと考えられます。しかし、
欧州治験において、□□モータ群と□□モータ群で生存率、神経機能障害等いくつかの項
目に違いが認められました。各項目について詳細に解析した結果、年齢など血管に影響を
与えることが予想される因子にやや違いが見られたことが分かりました。機構は、□□モ
ータ群と□□モータ群で見られた結果の違いは、モータの違いよりはむしろ患者背景が影
響している可能性があると考えております。ただし、患者選択基準を満たした中でのばら
つきであり、両群を合わせて評価することは妥当であると判断しました。しかし、患者背
景は生存率等の結果に影響することが明らかになったことから、これらの情報を適切に医
療現場に提供することが必要と考えます。
 次に、審査報告書29、31〜36、38、39に記載しました三つ目の論点についてです。欧
州治験の本邦への外挿可能性について、また、本品が既承認品と比較して有用性が許容さ
れると言えるのか、という点についてですが、欧州治験と国内治験との間に体表面積、平
均年齢の差が認められた点については、欧州の移植事情を反映したものと考えられます。
また、本品の市販後の治療対象患者は、欧州治験に比べてむしろ低年齢になることが予想
されます。また、市販後の患者背景は、国内治験の患者背景と大きく異なることはないと
考えられます。体表面積及び年齢の治験結果への影響については、欧州治験と国内治験で
本品を適用された患者の体表面積と生存率を踏まえると、その差異が直接影響することは
ないと考えられます。国内で本品が適用される患者の年齢は、欧州治験よりは低年齢にな
ると考えられ、生存率については、欧州治験よりも良好になる可能性があると考えられま
す。また、ピボタル試験の位置付けである欧州治験の結果と先ほど御説明しました
INTERMACSのデータの比較考察については、両データを比較することは容易ではありませ
んが、本品を心臓移植までのブリッジに用いる植込み型補助人工心臓としての有用性は、
既承認品より劣るとは言えないと考えられます。
 機構は、以上の点を踏まえ、欧州治験成績を基に本邦における本品の有効性及び安全性
を評価することは可能と判断いたしました。
 続きまして、審査報告書29、31〜36、38、39に記載した三つ目の論点に関する議論の
続きでございます。抗凝固療法、抗血小板療法についてでございますが、欧州治験におけ
る抗凝固・抗血小板療法に基づき、国内治験で設定したレジメンを推奨される予定です。
機構は、適切な抗凝固療法は本品の安全性を担保することにつながることから、その重要
性については、添付文書で注意喚起することが妥当と判断しました。また、現時点での対
応としては、臨床試験で実施された抗凝固療法を取扱説明書等で情報提供することが妥当
と判断しました。不具合及び有害事象に迅速かつ適切に対処できることが必要と考えられ
ることから、後述の「承認条件2」を付すことが妥当と判断しました。
 なお、先ほどEVAHEARTでも御説明申し上げましたが、関係学会により参考資料5-1に
お示しする実施基準が作成されているところでございます。
 次に長期成績についてでございますが、欧州治験、欧州市販後調査で数年単位の生存に
関する成績が得られているところです。機構は、外国と日本の医療環境差として、本邦の
移植事情に伴う補助期間の長期化は看過できない差であり、本邦での導入に当たり、長期
使用時の有効性及び安全性の確保は重要と考えます。先に御説明した欧州治験等の結果
は、本品が心臓移植対象患者に対する長期使用に耐え得るものであることを補足すると判
断しました。ただし、長期成績が十分に得られているわけではないことから、後述の「承
認条件1」を付すことが妥当と判断しました。
 続きまして、審査報告書29、36、37、39ページに記載した四つ目の論点です。「本品
の適用対象となる患者の体表面積の設定の妥当性」という点についてです。本品の推奨体
表面積は、1.4〜2.5?uとされており、下限値は、御献体による検証、また、欧州治験で
適用となった患者の体表面積から設定され、体表面積の上限値は、本品の最高吐出量、循
環補助時に確保すべき心係数から算出されました。ただし、推奨体表面積を満たすことの
みをもって本品の適用を判断すべきではなく、医師による解剖学的状態の観察等により総
合的に判断して適用の可否を決定することが必要であると考えられます。
 機構は、適用対象となる患者の体格については、臓器穿孔等のリスク及び必要な血流量
を確保する観点から本品を植え込む際に十分考慮しなければならない条件の一つである
と考えます。体表面積については、専門協議における議論を踏まえ、植込みを検討する際
の一つの目安ではあるものの植え込むスペースが確保できることが重要であると考えら
れることから、添付文書の禁忌・禁止欄に「十分な経験を有する医師により、患者の体格、
体表面積、植込み予定部位の解剖学的状況等を総合的に判断した結果、適切な植込みがで
きないと判断された患者」と記載することが妥当と判断しました。
 次に、審査報告書29、37、39ページに記載した五つ目の論点についてです。「欧州治
験、国内治験において、同時に二つの電源を外す事象が発生している。この点に対する対
策の妥当性」についてです。本品のコントローラの電源接続ポートにはロック機構が備え
られており、ロックを外す動作が行われない限り、コネクタを引っ張っただけでは外れな
い仕組みにはなっております。バッテリ交換操作に際して二つの電源を同時に外さないよ
うに医療従事者、患者、介護者に対してトレーニングを実施するだけではなく、取扱説明
書においても注意喚起が行われているところです。とはいえ、欧州治験に引き続き国内治
験でもこの事象が発生したことから、その時点以降の国内治験においては、退院後も継続
的にトレーニングを実施するようにした結果、同事象は再発しておりません。したがって、
引き続き患者及び介護者のトレーニングを継続するとともに、今後の仕様変更あるいは将
来的な次世代製品における課題として対応したいと回答されているところです。
 引き続きまして、五つ目の論点に関する機構の見解でございます。同時に二つの電源を
外すと直ちにポンプが停止してしまうことから、補助中に電源が途絶することは患者生命
維持に直結したハザードであり、当然、発生させてはならない事象と考えられます。欧州
治験終了後に実施された国内治験では、トレーニングによる注意喚起を継続的に実施する
ことにより、その後、同様の事例が発生していないことも踏まえると、両電源を同時に外
すことが可能な現行の仕様によるリスクが、本品の仕様により想定されるベネフィットに
比べて許容できないとまでは言えないと考えますが、電源が途絶するリスクの低減措置を
継続して検討し、仕様の変更も検討するよう申請者に指示することとしました。
 続きまして、審査報告書29、37、38、39、40ページに記載した六つ目の論点について
です。「外出時の緊急事態の対応も含めて患者・介護者をどのように指導するのか」とい
う点についてです。試験中、退院前には自宅復帰プログラムに従って患者及び介護者が医
療スタッフを伴わずに病院外で安全に療養生活が送れるよう、こちらのスライドに記載さ
れているような事項が医療スタッフによって実施されました。自宅復帰プログラムは、既
に本品の販売が行われている欧州で使用されているものと基本は同じであり、国内治験を
通して日本の医療環境にも適用可能な内容であると考えられます。
 機構は、患者・介護者が医療機関外にいる場合であっても、緊急時に対応がとれるよう
医療従事者、患者及びその介護者に対するトレーニングを徹底し、十分なサポート体制を
構築することが必要と判断し、後述の「承認条件3」を付すことが妥当と判断いたしまし
た。以上の審査結果を踏まえ、審査報告書42、43ページに記載しております御覧の承認
条件を課すことが妥当と判断いたしました。
 総合評価です。審査報告書40〜43ページに基づき御説明申し上げます。機構は、本品
の位置付けを明確にするため、こちらにお示しする使用目的で承認することが妥当である
と判断いたしました。なお、本品は、生物由来製品に該当する新性能医療機器であり、再
審査期間は、7年とするのが妥当と考えます。以上で本品の御説明は終わりますが、本日
御欠席の川上委員より事前にいただきましたコメントの御紹介をさせていただきたいと
思います。「DuraHeart左心補助人工心臓システムの生物由来製品又は特定生物由来製品
の指定の要否、製造販売承認の可否についての機構の審査結果に異論はありません。審査
報告書では、2、3の点について添付文書に記載することを求めておりますが、この書類
に付いている添付文書はそれを反映して作られたものでしょうか」という御指摘をいただ
きました。この点につきましては、事前に川上委員と連絡をとり、記載されていないと考
えられた場所について具体的にやりとりをさせていただきまして、実際には添付文書(案)
に反映されているというところを御説明申し上げました。
 ただ、禁忌・禁止欄で1点御指摘があった所として、先ほど御説明申し上げました承認
条件の中の三つ目の、十分な経験を有する医師により適用の可否を判断するという趣旨の
文章を禁忌・禁止欄に記載するという点に関しては、禁忌・禁止欄の適用対象の患者の欄
の一番下に書いておりますので、非常に見づらいとのことでした。重要なメッセージであ
るにもかかわらず位置付けが一番下になっているということで、その点に関しましては、
当該項目の一番上に記載するという方向で今後、申請者に指示を出そうと思っておりま
す。以上で機構の説明を終わります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○笠貫部会長 ありがとうございました。それでは笹子先生から何か、この品目について
加えることがございましたらお願いいたします。
○笹子参考人 基本的にはこの前のものと使用目的、用途、性能、基本的に非常に近いで
す。この製品の特徴としましては、磁気、電磁力によって浮上させて接地面を作らないと
いうことで、人為的なコントロールをしている製品です。そういう意味でメカニカルで自
動的に勝手にすべてがコントロールがつくという製品と比べて「本当に大丈夫なのか」と
いう私見は重要だろうと思うのですが、その点についてヨーロッパでの十分な実績がここ
で提示されているので、結果としては、より良いものが出来ているという印象を持ちます。
そのくらいでしょうか。
○笠貫部会長 ありがとうございます。それでは、手取屋先生から何かございますでしょ
うか。
○手取屋参考人 DuraHeartはヨーロッパの方でかなり長い間の治験を経まして、恐らく
治験期間自体はかなり長かったと思いますし、私もたまたまそのとき欧州におりましたも
ので経験しておりますが、現場からは非常に信頼されている機器の一つです。今、笹子先
生から御指摘がありましたが、ポンプ上の血栓をなるべく作らないようにということで開
発されたシステムなのですが、その点も現場ではかなり有用という印象です。最初はメカ
ニカルに理解できない部分もあったのですが、実際に使ってみますと、今までのセントリ
フューガルよりもかなりいいのではないかと。同時期にJarvikとか、様々な定常流ポン
プが発売されたのですが、そういう意味で競合品から比べますと、信頼度がかなり高いと
いうことです。欧州と日本のいろいろな意味の患者管理、患者背景というのは、先ほどの
御説明からもありましたが、かなり違います。そういった中で、血栓症、出血も含めてこ
れだけの成績を収めているというのは、ある意味驚きと言えるのではないかと思います。
先ほど正田先生からインフォームドコンセントに関してもお話がありましたけれども、や
はり補助心臓はいろいろな治療が全部そうなのですけれども、完壁なものではありません
し、そういう面で本当にぎりぎりのところで使用していくものですから、言い方によって
は、かなり患者サイドの捉え方が違うのではないかと思います。誰がどうするかは分から
ないのですけれども、使用する方も医学的なトレーニングだけではなくて、そういった患
者背景をしっかりと把握できるようなシステムや、何とかリスクコミュニケーションの一
つとして、どこかでチェック機能を持たないと、せっかくお互いが頑張ったのに、先ほど
のような非常に不幸な、とても嫌な思いをするということが起こるのではないかと思いま
す。その辺も含めてこのような製品に対して、我々臨床家がどういうようにして対応すべ
きかを、また専門家の方々の御協力を得ながらアシストしていただくと。その中で、こう
いう製品がますます日本に広まってくれればいいと期待をしています。以上です。
○笠貫部会長 ありがとうございます。委員の先生方から何かありますか。はい、どうぞ。
○石山委員 これは先ほど機構から大変的確な説明があったのですが、この資料を読む限
りでは、電源系統の信頼性がないような気がします。脆弱なという感じがしないわけでも
なかったのですが、17ページのデータを見ますと、欧州で2004年〜2007年に70件中23
例が両電源が外れて、要するに止まっているわけです。国内では、そこから1年後、これ
はほとんど改善がされていないのではないかと思うのですが、割合としまして、国内でそ
の1年後で6例、国内の治験が行われているのですが、そのうちの2〜3例ですか。半分
近くが電源系統で止まっているということで、先ほど機構から説明がありましたように、
確かにこの指摘は大事だと思うのです。今後、電源系統に関して変更を指示したというこ
とですが、これは是非、大変危ないですから、強く申し入れていただきたいと思います。
何となく全体としては電源系統の信頼性とか、それから機械的な脆弱性、そのようなこと
がやや大きい気がします。是非、それはお願いしたいと思います。
○笠貫部会長 どうぞ。
○機構 御指摘の点については、本日、申請者と面会を行う予定ですので、その場でも強
く申し伝えようと思います。
○笠貫部会長 ありがとうございます。では、荒川委員どうぞ。
○荒川委員 実際にバッテリを両方外すというようなケースがどういうときに起こり得
るかということにもなるのですが、この図の方で見ていただいても分かりますけれども、
コントローラのところにコンソールとか、チャージャとかを同じところで繋ぐような構造
になっていて、何故かバッテリを外さないと繋がらないという構造になっているようなの
ですが。そのために別にジャックがあってもいいような気がするのですが、これは何故こ
うなっているのですか。
○機構 御質問の点についてお答えいたします。まず申請者の見解としては、教育はして
いるのだけれども、誤操作をしてしまって両電源を外してしまったという原因が一つで
す。後、患者さんの精神錯乱状態によるものというような説明をしてきておるところです。
まず、このものの使い方ですけれども、先ほども御説明しましたとおり、常に二つの電源
を本機に接続して使うということになっておりまして、就寝時には、一方のバッテリは直
接ACの電源、商用電源から電源を取ることになっているという規定になっております。
意図的に誰かが外そうとしない限り外れることはない機構にはなっているのですが、実
際、先ほど石山委員からも御説明がありましたように、非常に多くの症例で意図的にバッ
テリのケーブルを外してしまうという事象が起こりました。この問題については看過でき
ないと思っていますので、仕様の変更も含めて検討していただきたいと考えているところ
です。
○笹子参考人 最初にこれが出てきた時に、申請者側の方は、「電源を切ったら電気製品
が止まるのは当たり前。何が悪いのだ。」という感覚が少しありました。しかし、それは
そうならないようにやはりしておかないと、ということで、かなり強硬にこれを入れても
らったのです。その表現が今ここまできているので、その辺りについては、臨床をやって
いる我々がこういうように言っているということを受け止めて、対応してくれているもの
だと信じています。
○鈴木委員 この製品も我が国で開発されたということで、こういったものが相次いで開
発されているのは、非常に喜ばしいことだと思います。この二例目はヨーロッパで治験を
されているということで、ヨーロッパといいますと、我が国よりも在宅医療が充実してい
る国が多いかと思うのですが、在宅復帰がどのような体制下で可能になっているのか。一
例目だと、2時間以上は駄目だと、そういったことは多分ないのではないかと思うのです
けれども、そういったことは、どの程度のデータがあるのか、在宅についても、是非、教
えていただきたいと思います。
○機構 機構よりお答えします。欧州の場合は、申し訳ないのですけれども、2時間とい
う規定があったかどうか今は分かりませんので、その辺については確認させていただきた
いと思います。ただ、在宅中大きな問題があったというレポートはありませんで、一例一
例拝見させていただきましたけれども、何かあったら来て対応するというような形で対応
はなされていたようです。2時間という規定については、申請者に確認してお答えしたい
と思います。
○塩川委員 非常に大切なものであるということで伺っていました。少々形式的な話です
けれども、先ほどのEVAHEARTというのは、添付文書は全部で1種類で、このDuraHeart
というものが4種類の添付文書が付いていてというのは、何かそういう背景というか、理
由があるのですか。
○機構 そこは大変申し訳ないのですけれども、作業が間に合わなかったということで
す。本来であれば流通する構成品の単位ごとに添付文書を作るということになっているの
で、そういう意味からいうとDuraHeartの方の添付文書の作り方が正しい作り方であるの
ですけれども、EVAHEARTについては、今、鋭意作成してもらっているところですので、
その内容についてはこちらで確認をしていきたいと思っています。
○塩川委員 もう1点よろしいですか。この添付文書はいろいろな時に、特に医療裁判そ
の他で法曹の人たちがこれを精読されるという状況があると思うのです。そうすると今の
DuraHeartも先ほどのEVAHEARTも、私は中身は分かりませんけれども、ほぼ目的も同じ
で機能も同じようなものであって、そして代替治療もないですから、多少いろいろな齟齬
もあってもいいであろうとする時に、添付文書にそういう文言というのは、これは入り得
るものなのですか。そうでないと、法曹の方々がこれを非常に緻密に読まれたら、臨床現
場でのいろいろなトラブルの元になりかねないような気がいたします。本来、添付文書に
そういうものは馴染まない内容かもしれないですけれども、そういう治療の必要性と、様
々な機器の認可もいろいろな難しい問題があると思うのですが、要するに多少、必要性の
高さと緊急性その他で入れたというような趣旨のことというのは、この添付文書に盛り込
み得るものなのでしょうか。
○笠貫部会長 どうぞ。
○機構 この治療の重要性というのは、リスクとベネフィットをよく理解した上で使われ
るべきであろうということもありますし、もちろんこの使われる患者さんというのは重篤
なリスクを持たれている患者さんであるということから、そういうようなリスク・ベネフ
ィットに十分勘案して本品を使うとか、そういうことを添付文書に盛り込むということ
は、通常、デバイスに合わせて行われているところです。本件についても、適切な文言を
検討しなければいけないですけれども、先生のおっしゃっている御趣旨のところに添った
形のもの、というよりは、使われる先生方が正しく判断して使っているにもかかわらず不
幸な結果になった時に、そのことがある程度正当化できるような、そのように判断したの
だということが分かるような内容を盛り込むようにと、そういう御指摘かと思いますの
で、そういった方向で御検討させていただきたいと思います。
○塩川委員 わかりました。
○笠貫部会長 リスクについての情報を十分添付文書の中にも含んでいただきたいとい
うお話だと思います。DuraHeartの方の適応症の中には、最終的な承認条件の「心臓移植
までの」という文字が入っていないのです。これでいくと、destination therapyになっ
てしまうので、これは変更させるということでよろしいですね。この最終的な文書で適応、
使用目的、効能は変更でお願いします。
○機構 今の点につき御説明申し上げます。今日配付されました資料5-1の審査報告書の
次に訂正というところがあります。そちらに正誤表ということで、今御指摘のあった部分
を、簡単な形で申し訳ないのですが、このような形で表示させていただいております。
○笠貫部会長 先ほどのEVAHEARTもDuraHeartも、心臓移植の適応患者さんということ
で、病気の重篤性、緊急性については十分適応について考えていただいたことと、それに
伴って、実施基準が非常に整備されていること、そして、より分かりやすく患者さんに説
明するという意味では、適応のみならず、その後のフォローアップのことまで含めて、十
分御説明をいただくことが御指摘されたと思います。またこれも先ほどのJ-MACSで、十
分な安全対策を条件にするということだと理解させていただきます。では、議決の方に入
りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○石井委員 コーティングに使われているヘパリンについてお伺いしたいのですけれど
も、過ヨウ素酸酸化ヘパリンナトリウムの原料が薬局方適合品ということが添付資料には
記載されております。局方適合品が原材料になるということは、きちんと承認書の方にも
記載される形になっていますでしょうか。
○機構 御指摘のとおりです。
○石井委員 はい、わかりました。ありがとうございます。
○笠貫部会長 それでは、議決に入ります。
 医療機器「DuraHeart左心補助人工心臓システム」については、本部会として、審査報
告書にある条件を付した上で承認して差し支えないものとし、再審査期間は7年間とし、
生物由来製品へ指定することでよろしいでしょうか。
 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果につい
ては、次回の薬事分科会において報告することといたします。
 これで、本議題は終了しましたので、参考人の笹子先生、手取屋先生におかれましては
御退室をお願いいたします。貴重な御意見を頂き本当にありがとうございました。
──笹子参考人、手取屋参考人退室、北村委員入室──
○笠貫部会長 それでは、北村委員にお戻りいただきましたので、報告事項に入ります。
議題6「部会報告品目について」、事務局より御報告をお願いします。
○事務局 資料6-1、本年7月1日〜9月30日までの3か月間に承認された品目のうち、
本部会の報告対象となっている品目についての御報告です。医療機器が13品目、体外診
断用医薬品が7品目です。こちらの方は事前に委員の先生方にお送りさせていただいてい
るということで、詳細な説明は割愛させていただければと存じますので、よろしくお願い
いたします。
○笠貫部会長 ありがとうございました。報告品について何か御質問等はありますでしょ
うか。よろしいですか。特段ありませんでしたら、本議題は終了といたします。本日は、
日本で研究開発された二つの人工心臓の御審査をいただき、少し時間が延びましたことを
おわびいたします。以上で本日の議事はすべて終了いたしました。それでは、事務局の方
から連絡事項の方をお願いいたします。
○医療機器審査第一部長 時間が押しているところ、大変申し訳ないのですけれども、簡
単に1点だけ御報告させていただきたいと思います。5月のこの部会において、部会の先
生から国内臨床試験についてどのような場合に求めるのかというような御質問がありま
した。それで、この度平成21年度の新医療機器として承認された品目について、実際の
報告を元に確認をさせていただきましたので、簡単にここで報告をしたいと思います。
 承認品目は37品目ありましたが、そのうち海外臨床試験が添付されたものが12品目、
国内臨床試験が添付されたものが5品目、海外、国内両方、試験、添付したものが6品目
ありました。海外臨床試験で評価したものについては、人種差、医療環境差が小さく、本
邦への外挿が可能と判断したものがすべてです。
 一方、国内臨床試験が必要と判断したものについては、今回お示ししたような人工心臓
のように移植までの待機期間が違うとか、体格差が違うとか、そういう違いが想定された
ものとか、手技において新規性が認められたもの、それから補完的に国内臨床試験を実施
したもの、それから併用療法の違いなど医療環境差があったものなどについては国内臨床
試験を実施しております。以上、平成21年度の承認品目の分析から、医療機器の場合ほ
とんどのケースで海外臨床試験のみで評価できるというものがあるものの、やはり医療環
境差とか、人種差をかんがみ、一部では国内臨床試験が必要と判断されたものがあったと
いうことが分かります。
 医療機器の多様性にかんがみ、今後も人種差、医療環境差等の個別に、品目の使用目的
とか、特性それから使用方法等を含めて慎重に検討して、個別に国内臨床試験の要否につ
いては判断する必要があると考えております。簡単ですけれども、委員の御質問に対して
お答えしたいと思います。
○笠貫部会長 どうもありがとうございます。その御質問をいただいたのは、どなたでし
たか。それで、よろしいでしょうか。
○荒井部会長代理 御検討いただきありがとうございます。基本的な考え方については良
く理解できましたが、実際に個々の機器について、医療環境がどのように違うかというと、
そこのジャッジはとても難しいと思われます。よって、引き続き、製品によって対応がば
らつかない審議が行われるよう御検討を続けていただければと思います。ありがとうござ
います。
○笠貫部会長 外国データはFDAもEUの方も両方か、どちらかかということは分かり
ますか。
○医療機器審査第一部長 この12品目については今、手持ちのデータがありませんけれ
ども、基本的には日本と同じGCPの基準で行っている場合においては、受け入れること
が可能と考えていますが、よろしいですか。
○笠貫部会長 ありがとうございます。こういったことは、今後も我々に情報として教え
ていただけたらと思います。議題の方は終わります。後は事務局の方にお願いいたします。
○医療機器審査管理室長 本日はどうもありがとうございました。次回についてですが、
2年の任期の改選の時期にも当たりますけれども、一応当初の予定では通常3か月に一度
のペースですので、2月辺りを念頭に、日程調整をさせていただく予定にしております。
また改めて御案内をさせていただきたいと思います。連絡事項は以上です。よろしければ
これをもって部会を閉会とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催され、個別案件以外は公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 医療機器審査管理室 室長補佐 高江(内線 2912)

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