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2011年2月3日 第3回地域保健対策検討会議事録

健康局総務課地域保健室

○日時

平成23年2月3日(木)10:00〜12:00


○場所

合同庁舎第5号館専用第23会議室


○出席者

構成員

五十里 明 (愛知県健康福祉部健康担当局長)
大井田 隆 (日本大学医学部教授)
大場 エミ (横浜市南福祉保健センター長)
岡部 信彦 (国立感染症研究所感染症情報センター長)
曽根 智史 (国立保健医療科学院公衆衛生政策部長)
中 由美 (大阪府藤井寺保健所地域保健課主査)
羽佐田 武 (静岡県駿東郡小山町住民福祉部健康課長)
秦 榮子 (愛媛県食生活改善推進連絡協議会会長)
林 謙治 (国立保健医療科学院長)
廣田 洋子 (北海道空知総合振興局技監(北海道岩見沢保健所長))
松崎 順子 (千葉県市川市保健スポーツ部保健センター健康支援課長)
山本 都 (国立医薬品食品衛生研究所安全情報部研究員)
吉田 和仁 (愛知県尾張旭市健康福祉部健康課長)

事務局

外山 千也 (健康局長)
木村 博承 (大臣官房参事官)
堀江 裕 (生活衛生課長)
宮嵜 雅則 (生活習慣病対策室長)
大橋 正芳 (総務課地域保健室長)
勝又 浜子 (総務課保健指導室長)
後藤 謙和 (総務課地域保健室室長補佐)

○議題

1 開会
2 議事
(1)「地域保健対策検討会」の議題及び論点(案)について
(2)市町村における質の高い保健福祉サービスの提供体制について
(3)その他

○議事

○大橋地域保健室長 皆さん、おはようございます。定刻の10時よりちょっと早いですけれども、皆さんおそろいになりましたので、ただいまから「第3回地域保健対策検討会」を開催したいと思います。
 皆様方におかれましては、お忙しいところ、御出席いただきましてありがとうございました。
 今日の出席状況でございますけれども、岡構成員、小澤構成員、尾形構成員から事前に欠席の御連絡を受けております。したがいまして、今日は13名の出席の状況になっております。
 開催に先立ちまして、外山健康局長より御挨拶申し上げます。
○外山健康局長 おはようございます。第3回の検討会に御出席賜りまして誠にありがとうございます。
 実は、第2回は8月に行われまして、私が着任してから第2回の検討会に出させてもらったわけでありますけれども、それから5か月間が過ぎたわけであります。随分時間がたちまして、今回開催をお願いしたこともありまして、そういった意味で、理由を一言申し上げたいと思っております。
 これまで、この地域保健対策検討会は、資料の中にもありますけれども、4個の検討事項ということで議論を開始していただいたところです。今後の指針の見直しを考えた場合には、厚労省側の今までの問題提起のやり方では不十分ではないかという認識を持つようになりまして、地域保健の近年のいろんな問題につきましては、種々の制度改正がありまして、国民の意識の変化であるとか、いろいろ変わってきたわけでございまして、地域保健法が制定された平成6年当時に比べまして大きく変わってきたということでございます。
 そういうことで、昨年8月に行われました第2回の検討会以降、新たに省内にプロジェクトチームを設けまして、各関係部局であるとか、課・室におきまして、横断的に検討してまいりました。そして、それなりに分析し、検討した結果、後で御説明いたしますけれども、資料1「『地域保健対策検討会』の議題及び論点(案)」のような、幾つかの新しい切り口を明確にした中で議論していただくのがよいのではないかというのが、事務局が到達した結論でございます。
 今日は、その中で、市町村における質の高い保健福祉サービスの提供体制について、どのようにすればよいかということを皆様に御議論いただくことになっております。ここで、例えばということで私どもが着目いたしておりますのは、ソーシャル・キャピタルという概念でありますけれども、そういったことも提案しております。
 いずれにいたしましても、地域保健という横軸でものを見るときに、個別の個々の政策を束ねるといいますか、全体で推し進めることにつきまして、どういった共通のコンセプトで現代の広い意味での地域保健対策をとらまえていったらいいのかということが非常に重要だと考えております。そんなことで、最終的にどういう絵姿、結論にたどり着くか、まだそこまでわかりませんけれども、精いっぱい事務局で分析し、検討いたしましたので、それに限ることはございませんけれども、それを土台にして、現場であるとか、専門的な立場からの御提言をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○大橋地域保健室長 本日は、議題といたしまして2点ございます。1つが「『地域保健対策検討会』の議題及び論点(案)」でございます。2つ目が「市町村における質の高い保健サービスの提供体制について」でございます。
 今後の進行につきましては、林座長、よろしくお願いいたします。
○林座長 おはようございます。ただいま御説明がございましたように、そういうような趣旨を踏まえて、本日の議事に入っていきたいと思います。
 報道関係者いらっしゃいますでしょうか。頭撮りはここまでといたしまして、関係者の方々の撮影はここで中断していただきたいと思います。
 それでは、まず、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○後藤室長補佐 資料の確認をさせていただきます。
 お手元にあります一連の資料をクリップで止めておりますが、まず、頭の方で、議事次第、座席表、検討会構成員の名簿。
 そして、資料1「『地域保健対策検討会』の議題及び論点(案)」。
 資料2「地域保健に関連する主な法律の制定時期と地域保健活動」。
 資料3「市町村における地域保健活動を取り巻く現状について」。
 資料4「人口規模別自治体の地域保健事業例」。
 資料5「市町村における質の高い保健福祉サービス提供体制について」。
 資料6「広域連携」。
 資料7「ソーシャル・キャピタル」。
 資料8「アウトソーシング(外部委託)」。
 そして、委員限りの参考資料といたしまして「市町村における主な地域保健関連施策」となります。
 あと、ファイルに綴じ込んである参考資料と報告書も、前回同様、委員限りということで提示させていただいております。
 あと、資料3の1ページ目の「我が国の人口の推移」の1枚、付録として出しております。
 書類に不備、不足等ございましたら、事務局におっしゃってください。
 以上です。
○林座長 ただいまの資料の確認でございますけれども、よろしいでしょうか。すべて整っているようですので、議事の1番目として「『地域保健対策検討会』の議題及び論点(案)について」に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 それでは、私の方から御説明させていただきたいと思います。資料1を開いてください。「『地域保健対策検討会』の議題及び論点(案)」でございます。これまでの議論の経過、その後の省内における検討につきましては、先ほど局長から説明があったところでございますので、その辺りは省略させていただきますが、この検討会において地域保健における現在の立ち位置、そして今後の方向性や在り方を検討して、報告書にまとめさせていただきたいと思ってございます。
 そしてまた、「地域保健に関する基本的な指針」が地域保健法の第4条で定められておりますが、その見直しについても今後対応させていただきたいと考えております。この指針は、平成15年までは抜本的な改正があったわけですが、その後は法律改正に伴う語句の訂正等だけにとどまっております。現在の状況とも齟齬が出てきているところもございますので、その辺りを考慮して、主な議題を再設定させていただき、それらについて議論していただきたいと思ってございます。
 具体的には、別紙をお開きいただきたいと思います。3ページから4ページにかけて、議題をこのような形で再設定して出させていただいております。
 地域の自立に基づいた地域保健対策の推進については、昨今の国と地方の関係の中で、それぞれの役割について、どうあるべきかという点を中心に議論していただければと思います。
 そしてまた、健康危機管理のあり方につきましても、健康管理事案が発生した場合には、迅速な対応、適切な対応が必要となりますが、その際における国と地方の連携のあり方、あるいはまた地方間同士の連携について、御議論いただければと思ってございます。
 次に、市町村における質の高い保健福祉サービス提供体制についてでございますが、これが本日のテーマになりますけれども、市町村への支援方策について、また、市町村の広域連携のあり方について、そして、その中の方策の1つとして、先ほど局長から話がございましたソーシャル・キャピタルの活用、また外部機関への委託等による活用のあり方、こういったようなものを本日は御議論いただければと思っております。
 そのほかに、社会福祉等の関連施策との連携ということで、ここは特に保健、医療、福祉関係の連携や、あるいは地域保健と産業保健とか、学校保健とか、関連のある分野との連携のあり方はどうあるべきかという御議論を賜ればと思っております。
 そして、一番下の快適で安心できる生活環境の確保については、いわゆる対物関係の課題ということで、環境衛生の推進方策、あるいはまた食品衛生の推進方策はいかにあるべきかということが論点になるものと考えております。
 そして、4ページにまいりまして、ここからは、それらの推進方策を更にサポートするような周辺の分野になりますけれども、地域保健に係る人材の確保や育成、あるいは質の向上はいかにあるべきかということが論点となります。
 それから、地域保健に関する調査・研究の方法論とそのインフラのあり方について。
 そして最後に、事業を推進するに当たって、地域保健策定ばかりではなく、評価といった概念も必要ではないか。あるいは、策定に当たっても、優先度というような概念も必要ではないかといったことを踏まえた御議論をいただければと思います。
 ここで、従来の保健所とか、そういう個別のセクターのような概念になってございませんけれども、それは議論しないということではなくて、こういう分野はいろいろなところに関わってまいります。それぞれ関連がございますので、こういう切り口の中で、関係の御意見を幅広く賜りたいという形で議題テーマを設定させていただいております。
 なお、対物関係につきましては、議論する方々が少ないということもございますので、対物ワーキンググループを新たに設置させていただき、今後、ここの検討会でやる前さばきの議論をして、整理されたものを本検討会で議論する、そういうやり方をさせていただければと考えております。そのワーキンググループのメンバー等につきましては、次回の検討会でお示しさせていただければと思ってございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明についてでございますが、地域保健全般について、先ほど局長の御挨拶の中にもございましたように、省内で検討をいたしまして、当初の課題も踏まえて更に整理したというところで、新たな論点、新たな議題を設定したということでございますが、その内容については、今、参事官から説明があったとおりでございます。
 それから、もう一つは、この検討会を踏まえて、報告書をまとめるのはいつごろの予定になっておりますか。
○木村大臣官房参事官 現在のところは夏頃をめどに考えてございます。
○林座長 夏ごろをめどにまとめていきたいということでございます。
 それから、対物保健の分野については、別途ワーキンググループの形で詳細に検討した上で、その後、この検討会にお諮りしたいという趣旨かと思いますが、今の説明について、何か御質問ございませんでしょうか。特にないようでございますので、こういうような論点について、これから議論していくということで皆さんのコンセンサスが得られたとしたいと思います。
 それでは、続きまして、議題の2番目でございますが、先ほどの説明にも出てきましたように「市町村における質の高い保健福祉サービスの提供体制について」です。ここから具体的に検討議題になります。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○木村大臣官房参事官 承知いたしました。それでは、資料2をまずお開きいただきたいと思います。これは「地域保健に関連する主な法律の制定時期と地域保健活動」を時代の流れに沿って、いま一度、私ども事務局でまとめ直したものでございます。
 なぜこのようにしたかと申しますと、法律の制定というのは、その時代の社会の要請があってのものでございますので、法律の全体的な流れ、動きを見ると、我が国の社会の要請事項がわかるということで、参考までにつくらせていただきました。
 なお、この資料は、法律が公布された年で表記しております。施行ではなくて、公布の年を入れてございますので、その点、よろしくお願い申し上げます。
 1ページ、2ページをお開きいただきたいと思います。左側が地域保健に関連する主な法律の制定時期の流れでございます。そして右側が、同じ時代の地域保健活動の主な動きを記載させていただいております。地域保健の法律はこれだけではなく、あくまで主なものを記載させていただいたものですが、左側から児童福祉や母子保健、健康、障害保健福祉、老健、公害保健、医政、食品安全、薬事という順で、右側はいわゆる対物的な色彩の強いもので、対人、対物のような分け方の整理もさせていただいて全体の流れをつくってございます。
 真ん中の昭和22年辺り、戦後すぐのところを見ていただければと思いますが、児童福祉辺りでは児童福祉法、健康のところでは保健所法全部改正。それから、対物の方では、食品安全の食品衛生法などがそれぞれ公布されたという状況です。
 以下、医政のところでも、昭和23年以降、医療法、あるいはそれぞれのマンパワーに関する医師法や、保健婦助産婦看護婦法ですとか、歯科医師法という流れになっている状況ということで、いわゆる戦後間もなく、荒廃した日本の中で、地域保健を立ち上げるためのインフラ整備というような色彩の強い法律体系になっているかと思います。
 次のページをお開きいただきたいと思います。3ページ、4ページでございます。昭和35年以降からは、我が国は高度成長期に入り始めてございます。この辺りから、特に昭和42年の公害対策基本法といった形で、我が国の高度成長期に伴うひずみのような部分がこのような法律の中に出てきているかと思います。
 また、昭和48年になりますと、法律ではございませんが、難病対策要綱で施策的に対応していくということで、この時代には難病対策のような時代を反映した施策も登場してきております。
 それから、5ページ、6ページを見ていただきまして、昭和50年代の後半になってまいりますと、高齢者の分野で老人保健法といった形で、高齢者に対する対策が注目されてくる流れになってきてございます。また、この辺りからは、第1次国民健康づくり対策ということで、一般の国民の健康づくりの推進ということも始まってございます。
 昭和62年辺りでは、精神保健法のような形で、従来の精神医療から、もう少し広い分野へと考え方が変わってきております。
 それから、一番下のところ、これは1個ずれていて恐縮でございますけれども、平成5年には障害者基本法のようなもので、身体障害者法や知的障害者法、精神障害者法といった、それぞれの個別の法律から、より全体に共通したものを抽出して整合性をとってやっていこうという動きになってございます。
 ページをおめくりいただきまして、7ページ、8ページを見ていただければと思います。平成6年に、現在、検討しようとしている地域保健法がございます。そして、精神障害者福祉法となり、福祉の分野の施策が入ってきております。
 そして平成9年には介護保険法、平成10年には、いわゆる感染症法というような、それぞれ大きな動きがございました。
 また、平成12年辺りからは、社会のひずみといいましょうか、児童虐待のような児童問題。
 それから、平成17年辺りですと、高齢者虐待といった形で、それぞれ虐待という社会的な問題への対応がございます。
 平成14年には健康増進法、平成15年には次世代育成支援対策推進法といった、子どもの育成ですとか、少子化対策ですとか、あるいは健康づくりといった大きな動きもございました。
 そして、平成18年になりますと、自殺対策基本法と、まさに我が国の経済的な不況から出てくる社会的なひずみに対する対策といったものも、この辺りから出てくるところでございます。
 そして、現在、平成21年、肝炎対策基本法ですとか、医療界において大きな問題になったものが出てきている。
 これらの動向を概括しますと、総じて、復興期のインフラ整備、そして高度成長期時代のより充実した施策、そして、より精神的なものだとか、様々な社会のひずみに対する対応といった大きな流れというものが、これらの法律の制定時期をよく見ますと読み取れるのではないかと思います。
 次に、資料3を見ていただきたいと思います。横長の資料になります。これは、市町村における地域保健活動を取り巻く現状を、もう一度改めて概括するべく作成させていただきました。
 まずは、市町村を取り巻く環境の中で、我が国の人口の推移でございます。2004年に我が国の人口はピークを迎え、その後、減少傾向にある。これは日本の将来推計人口の中位推計で見ております。また高齢化率も、2055年辺りには40%を超すような状況になってくる。このような状況が伺えます。
 そしてまた、下の2ページを見ていただければと思いますが、世帯数につきましては、増大する一方で、昭和28年には170,004世帯ぐらいだったものが、現在では480,004世帯程度までになった。それに逆比例して平均世帯人員が減少し、現在、2.63人が1世帯の平均にまでなっております。
 それをもう少し中身を詳しく見たのが次の3ページでございます。これは、1人世帯〜6人以上の世帯までをそれぞれ敷衍したものでございます。見ていただくとわかりますように、4人以上の世帯、4人、5人、6人世帯はすべて減っていて、1人、2人、3人世帯のところが増えている。要するに、世帯人数の少ないものがどんどん増えている、こういう傾向になって、社会の中の孤立化という状況が見えてきております。
 それから、4ページは市町村数でございます。平成15年ぐらいまでは3,200を超える市町村数がございましたけれども、平成17年辺りで減少しまして、平成18年以降は1,700少しというぐらいの数になってございます。市町村の合併の特例等に関する法律がございまして、特に平成11〜17年の間につきましては、合併特例債ですとか、あるいは合併算定振の大幅な延長という形で手厚い財政的な支援があって、それが切れるということで、駆け込みの市町村合併が進んだ結果によるものと思われます。
 次に、5ページをお開きいただきたいと思います。指定都市、中核市、その他の保健所設置市等の動きでございますけれども、平成9年からは中核市の制度ができまして、それ以降、中核市が増えている。そういう流れの中で、その他の保健所設置市が減っているという状況にございます。
 それをもう少し詳しく見るために、6ページは、人口規模別市町村の中でも、指定都市、中核市、その他の保健所設置市を除く、いわゆる一般市町村といわれるところでございます。その中にありましても、このように、同じ流れになっていることがわかるかと思います。
 そして、これらの市町村の組織の職員の数、いわゆるマンパワーを7ページ、8ページ辺りで見ていただければと思います。まずは7ページ、平成の大合併をする前と後で比較させていただいておりますけれども、政令指定都市のマンパワーは増加傾向にあるのに対し、一般市町村は減少傾向にあるのが見て取れます。
 その中の職種別に見たものでございますが、8ページの一番左が総数でございます。このように、保健師、管理栄養士・栄養士、歯科衛生士、様々な職種があり、またその他と書いてあるのは事務職員の方々と考えていただければと思います。数的には、保健師、あるいは事務職員の方々が非常に多いので、総数は、この2つの職種の方々でほとんど反映されておりますけれども、これらの職種の方々においては、その他政令市、あるいは一般市町村において減少傾向にあるという状況が見て取れます。
 これらをもう少し詳しく分析するために、9ページを見ていただければと思います。数が多いものですから、全体を代表するために保健師の方の数を採って見てございます。左側は保健師の全体の動きでございます。全体としては数が増えているわけであります。しかしながら、通常の保健分野と保健以外、つまり、介護保険ですとか、福祉とか、医療だとか、そういう分野に回っている保健師の方と分けてみますと、狭義の保健分野に携わっている保健師が減って、介護保険や、その他の保健以外のところで活躍している方々が増えているということで、全体数は増えているにもかかわらず、旧来の保健という部分のところは減ってきた、マンパワーが減少している。すなわち活躍分野が拡大したために、一部のところは手厚くなっている、そんな状況が見受けられます。
 10ページは、それぞれの職種を配置している自治体の割合でございます。例えば、保健師ですと、人口規模別に見ても、ほぼ配置している。
 次に、11ページ、12ページは、管理栄養士・栄養士、あるいは歯科衛生士を見ますと、やはり人口規模の少ないところは非常に配置率が悪い、大きいところが多い。このような状況で、地方自治体間の差異もあるのではないかと思います。
 また、13ページをお開きいただきたいと思います。人口規模別の自治体当たり職員数でございます。当然のことながら、人口規模の多いところほど職員数が多いわけでございます。
 14ページは、職種の代表事例であります保健師で見たところでございます。これは、保健師を配置する一般市町村、自治体数でございます。5,000人未満、5,000〜1万人、1〜2万人とありますが、紫が3人、薄い緑色が2人、赤が1人をあらわしておりまして、人口規模の小さいところほど、未設置か、いても1人という割合が相対的に多くなっているという状況が見て取れると思います。すなわち、地方自治体間でかなり規模差があって、小規模な市町村はマンパワーに苦しんでいるという状況でございます。
 しかしながら、机上論ばかりにならないよう、資料4を見ていただきたいと思います。人口規模別に、それぞれの市や町の事例を調査し、どのような事業をやっているのかということを私どもで調べて代表事例を出させていただいた資料でございます。
 まずはA市の特徴でございますけれども、これは中核市でもございまして、人口規模が50万弱、高齢化率は20%少し超えているところでございます。
 B市以降は一般市町村で、人口17〜18万人程度から、2万人、9,000人、3,000人と、非常に小規模な自治体から、そこそこの規模の自治体まで並べてみて、どのような状況なのかということを比べました。
 2ページを見ていただければと思いますが、市町村障害福祉計画ですとか、市町村行動計画、市町村介護保険事業計画、障害者計画、このようなものにつきましては、国の方から法的に計画を策定するようにと示されているものでございまして、その他については任意でございます。
 こういうような形のものを踏まえまして、まずは一番大きな自治体のA市を5〜8ページ辺りにずっと書いてございます。まず、ブルーに塗っているところは、国からの法律ないし通知で事業を実施しなさい、あるいはしてもらいたいという関係の事業でございます。真っ白なところは、市が独自に自ら行っている事業と見ていただければと思います。このように、大半が法律や通知等に基づいてやっている事業でございます。
 はしょった説明で恐縮でございますが、10ページからはB市でございます。ほとんどが国から言われているものでやっているのみという状況です。そしてまた、一番右側にあります●(黒丸)は委託の有無です。地域の実情に応じ、適宜委託できるところがあれば、このように委託をして、全体の業務的なものを円滑に推進している、こういう状況でございます。
 それでは、C町、D町をさっと見ていただきたいと思います。少し白のところもありますけれども、ほとんどは色がついている。それから、E町につきましても、ほとんどが国からのものということでして、業務量自体はすべて、市町村の規模にかかわらず下りてきていて、したがって、小規模な市町村においては、特にその事業をやりくりするのに苦労しているという実態が伺えるのではないかと思います。
 そこで、いよいよ本題になるわけでございますけれども、資料5を見ていただきたいと思います。このような状況の中で、市町村に対する質の高い保健福祉サービスの支援、特に現在では、サービスにあっては質の高いサービスを展開しなければならない、そういう状況になる中で、市町村の中でも小規模な市町村がよりサービスの推進に苦慮している、こういう実態の中で、いかに質の高い保健福祉サービスを展開できるための支援体制が取り得るのかというところで、議論をしていただくための参考資料としてこれを出させていただきました。
 まずは、保健所から市町村に対する技術的、事務的支援を行っていくというのはもとよりでございます。そこの議論もございますが、それ以外にも、例えば、真ん中のように、都道府県と市町村による共同処理方式のようなものをやっていくような方式。左側の共同処理というのは、合併によって飛び地が出てまいりまして、保健所の事業を全部委託して、飛び地の近くの県の中の市町村の事業をやっていくというような共同処理方式などもあります。それから、市町村同士がお互いに共同処理をやっていく。それから、市町村同士が広域連合のようなものをつくって対応していく。いろいろとやり方はございますが、主に広域連携のあり方に関することについての議論の提起でございます。
 2点目が、ソーシャル・キャピタル。ソーシャル・キャピタルの概念については後ほど申し上げますけれども、民間にある、このようなキャピタルをうまく活用して、地域保健に関するサービスに活用していく。そしてまたアウトソーシングといった手法もございます。それぞれについて中身を説明申し上げます。
 それに先立ち、1点言い忘れましたが、右上に国の質の高い人材等と書いてございますけれども、人材の質を高めることも当然、議論の中に入ってきますが、ここは別の機会に改めて設定して議論しますので、今回の議論はここは割愛させていただきたいと思います。
 次に、広域連携の資料を見ていただきたいと思います。資料6でございます。広域連携の仕組みと運用についてですが、共同処理制度としては、左側に書いてあるような法人の設立を要しない簡便な仕組み、あるいは別法人の設立を要する仕組み、それぞれありますが、いずれも地方自治法で規定されたものでございますので、御紹介させていただきたいと思います。
 まずは協議会の制度ですが、これは、地方公共団体が共同して管理執行等を行うための制度でございまして、法人格を有してはございません。したがって、協議会固有の財産だとか職員等も有さない形になります。現在、このようにやっている協議会は200を超えており、主に小中学校の教育関係ですとか、あるいは広域行政計画などの計画策定、また、環境衛生などに活用されてございます。
 それから、2つ目の機関等の共同設置です。これについては、地方公共団体の委員会とか、あるいは執行機関の附属機関、こういったものの協議によって定められる規約で、共同して設置するものでございます。これについては、各地方公共団体の共通の機関としての性格を有しております。したがって、その執行効果については、関係の地方公共団体が自ら行ったことと同等の効能があります。その責任も所属の地方公共団体に帰属するという形になります。400弱の機関があり、代表的なものでは、介護保険認定審査、あるいは障害区分認定審査などに活用されております。
 次は、事務の委託です。これにつきましては、地方公共団体の事務の一部の管理・執行を他の地方公共団体に委ねる制度で、受託したところが処理することによって、委託した側が自らやったのと同様の効果を生ずるというもので、現在、5,000を超える数になってございます。
 次に、別法人を設立する仕組みとしましては、一部事務組合がございます。これは、地方公共団体がその事務の一部を共同して処理するということで、その中身は同じ処理する事業の場合に成り立つものでございます。現在、1,500件強の設置件数がございますが、主にごみ処理とか、し尿処理とか、こういったものに活用されてございます。
 もう一つは、広域連合です。これは、広域にわたり処理することが適当な事務に対して、計画をつくって、それらの処理をするものでございます。これは、中身の事業が違っていてもできます。一例を挙げますと、市町村が一般の家庭のごみ処理。県側は産業廃棄物の処理。全然事業が違う訳ですが、広域連合であれば、これらを一体的に行うことが可能となり、広域連合で一般処理と産業廃棄物とを両方処理をする。こういうことができる形態のものでございます。現在、115の広域連合で、後期高齢者医療、介護保険、障害者福祉といった事業を扱っている状況です。
 残り2つの方式は件数もありませんし、今後廃止される方向でございますので、説明は省略させていただきます。
 以上、このような仕組みを用いて、地域の実情に応じてより有効に活用していくこともよいのではないかという説明でございました。
 次に、資料7をお開きいただきたいと思います。ソーシャル・キャピタルでございます。聞き慣れない言葉かもしれませんので、若干御説明を申し上げます。1ページ目をお開きいただきたいと思いますけれども、このソーシャル・キャピタルとは、人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることのできる、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴を有するものでございまして、従来の物的資本(Physical Capital)、あるいは人的資本(Human Capital)などと並ぶ新しい概念です。
 人的資本というのは、人に着目した、その方のスキルとか、資質とか、知識とか、そういうことに着目した資本でありますけれども、ソーシャル・キャピタルはそういう個々のもののネットワーク、つながり、あるいはそれぞれの個々の人的資本の相互の信頼関係や規範といったものに、より着目した新しい概念でございます。
 しかしながら、ソーシャル・キャピタルの「信頼」や「規範」や「ネットワーク」という要素が活発になると、その社会、地域の市民活動もそれに応じて増えてくるということが研究報告にも出ておりまして、いわゆるこれらの正の相関関係があるということで、このソーシャル・キャピタルの利活用は今後の社会の有益な活用につながっていくのではないかという考え方でございます。
 2ページを見ていただきまして、欧州におけるソーシャル・キャピタルの状況でございます。OECDをはじめ、英国、アイルランドといったところのソーシャル・キャピタルの認識でございますが、いずれも共通でございまして、政策効果や経済・社会にとって非常に重要なものであり、持続可能なコミュニティの構築や地域発展のツールといったものに大いに有用であるという認識の下に、特に欧米では、この辺りの研究や施策の活用が進んでいるところでございます。
 その中でも特に進んでいるのが英国でございまして、ここでは、個人レベル、コミュニティレベル、あるいは国家レベルといった、それぞれの分野でソーシャル・キャピタルの活用を進めているところでございます。
 一方、我が国についてですが、3ページ、4ページをお開けいただきたいと思います。我が国でも、ソーシャル・キャピタルを、「つきあい」、「信頼」、「社会参加」といったそれぞれの個別指標をつくり、その総合指数で様々な指標を検討する動きが始まっております。4ページを見ていただきたいと思いますが、ソーシャル・キャピタルと合計特殊出生率の関係において、このように正の相関関係がございまして、ソーシャル・キャピタルの充実したところは、子どもの出生率もより高くなっております。
ソーシャル・キャピタルを担うものの主力はNPO法人、あるいは地域の市民活動、住民活動といった、いわゆるボランティア活動のような方々でございますので、その辺りの今の状況を御説明申し上げます。
 まず5ページでございますが、NPO法に基づくNPO法人の動きで、棒グラフが認証数累計でございます。現在、平成21年で3万9,000弱のNPO法人が設置されているという状況でございます。
 どういう分野のものが活動しているのかということを示したのが6ページでございまして、第1号〜第17号まで、様々な分野を記載してございます。特に保健・医療・福祉などに関係があるところを赤色で示させていただきました。全体が38,997団体に対し、例えば、第1号の「保健・医療又は福祉の増進を図る活動」が22,524団体ということで、大半が第1号の分野であります。これらは複数回答でございます。また、第11号の「子どもの健全育成を図る活動」も16,000団体ぐらいございまして、保健・医療・福祉分野については、NPO法人の活動ができるベースがある、いわゆるソーシャル・キャピタルの量的なものが整いつつあるということでございます。
 7ページにつきましては、厚生労働省におけるNPO法人の活用でございます。いろいろと書いてございますが、例えば、上から2つ目「障害者の就業・生活支援」にNPO法人の方々が活躍されている。また、上から5つ目の「子ども・子育て支援」のところでございますけれども、地域子育て支援の拠点のうち、ある部分についてNPOが実際に運営している。その下の「医療・介護」においても、市町村の事業を実施する場合にNPOを活用していく機会が増えてきている。また「自殺対策」におきましても、NPOの民間ボランティアによる活動で取り組んでいる。そして、一番下の「地域福祉・ホームレス対策等」にも同様のことになってございます。
 こういう動きでございますが、8〜10ページで保健・医療・福祉、それぞれの分野で具体的な事例を御紹介させていただきたいと思います。
 これは保健分野で、T保健総合センターにおける自主グループの取組みということで、特に健康な地域社会のところで「健康ファミリー会」ですとか「元気おやじの会」とか、いろいろ名前はありますけれども、一般住民が自分たちの健康に目覚めて、こういう分野について取り組んでいる事例でございます。
 次の9ページを見ていただければと思いますが、今度は医療関係でございます。兵庫県にあります県立柏原病院の小児科を守る会というところでございまして、病院が閉鎖される可能性があるとの報道をきっかけに運動を始めたわけです。いわゆるコンビニ受診ということついて、安易に住民が小児科にかかるということをしないように、よく理解を深め、住民活動として自主的に展開し、住民の啓発活動をやっていくものでございます。その結果、この会が発足した翌年には病院の小児科の時間外の受診者数は半分以下にまで減少するといった効果も実際に見受けられたということでございます。
 それから、10ページですが、今度は福祉関係でございます。市営ひかりが丘住宅「あんしんネットワーク」という取組みです。初めは、民生委員の方々が疲労困憊で、心配事や不安を聞くことで民生委員の活動を支援していたわけですけれども、更にそれを広げまして、自治会や、民生委員の方々はもとより、宅配業者、商店、郵便局、タクシー会社といった、地域の様々な団体などが推進ネットワーク会議という形で集まって活動して、見守り等をやっている事例でございます。
 以上で、市町村における質の高い保健福祉サービスの支援体制について、ソーシャル・キャピタルについてお話し申し上げました。
 最後に、アウトソーシングについての話をさせていただきたいと思います。資料8をお開きいただきたいと思います。すなわち外部委託でございます。ごく簡単に申し上げますが、主に乳幼児健診、あるいは特定健診・特定保健指導のような事業については、自治体の規模が小さいほど外部委託はしていない状況です。地域にそのための資源がないからだと思われますけれども、逆に資源があるところはより活用できるような形になってございまして、この辺りを今後どのようにするかということの問題提起のために出させていただきました。
 以上で事務局からの本日のテーマに係る資料についての御説明を終わらせていただきます。
○林座長 どうもありがとうございました。
 大変詳細な説明をいただいたわけでございますけれども、一連の資料、それから、説明の流れをもう一度簡単に整理させていただきますと、まず、かつての我が国における地域保健の対策、そのときの状況に応じてどういう法律ができて、どのような活動が行われてきたかということが最初に説明されました。
 それと同時に、社会環境の変遷ですね。高齢化ですとか、単独世帯の増加ですとか、それも大きく変わってきているということが第2点です。
 第3点は、例えば、平成の市町村大合併に見られるように、大変大きなインパクトを与えて、国から都道府県へ権限の移譲ということもありますし、都道府県が更に市町村にいろんな仕事を移していっているという中で、結局は、現在、資源的にも切羽詰まって、人的資源もそうですし、あるいは予算等の資源もそうでございますが、小さい市町村に大変しわ寄せが行って、御苦労なさっているというのが現状である。
 したがって、今後の方向として、弱いところを更に支援していくためには、どういうような方策があるかということを説明されて、1つには、広域連合等、そのようなやり方から、行政側の1つの工夫、あるいは施策を通して支援していこうではないかという考え方だと思います。
 更に、それだけでは十分ではないので、ソーシャル・キャピタルの概念について説明されて、地域の信頼、ネットワーク等、特にそれの担い手となり得るNPOをどのような形で今後支援していけばいいのかというような話の流れだと整理できるかと思います。
 ここにいらっしゃる構成員の皆さんもそれぞれ専門家でございますので、ただいまの説明の意味についてはよく理解できたんではないかと思いますが、更に詳細を詰めていくプロセスの中で、専門家の皆さんから忌憚のない御意見をお伺いしたいところでございますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○大場構成員 ソーシャル・キャピタルですけれども、私は、これから日本の社会には非常に重要な要素というか、進めていかなければいけないものだと考えております。今、少子高齢化の中で、行政のサービスだけではもう支え切れない。であれば、地域の方々が自ら支え合うような、まさにソーシャル・キャピタル的な考え方を進めていく必要があるかなと思います。
 今、NPO法人のお話がありましたけれども、実は、日本全国を見てみますと、自治会・町内会組織の活動が非常に脆弱になってきているとはいえ、まだまだ位置づいている都市はたくさんあると思います。私の横浜市でも、自治会・町内会加入率は80%と高い率でありますし、横浜市としても、町内会組織、活動の活性化というのを、今、かなり目指して力を入れているところです。
 今日、事例の中に示されました旭区の事例ですけれども、これに関しましても、やはり自治会・町内会の方たちがまさにソーシャル・キャピタル的な要素で活動して支え合ったという事例です。
 私、課長時代にある区にいまして、子育てに非常に悩んでいるお母さん方がいまして、それを保健師がキャッチして、その後、保健活動推進員で非常に力のある方に相談して御協力いただいて、町内会組織で子育て支援をするのを進めてまいりました。10年たちまして、今、20万の人口ですけれども、37の町内会が自主的に子育て支援の場を設定しているという事例もございます。
 そういう意味では、民生委員もそうですけれども、保健分野で活躍していらっしゃる保健活動推進員とか、今日お見えになっている食生活活動等推進員、そういった方とか、従来ある、いろんな町内会の役員とか組織の方たちを再度活性化させて、このソーシャル・キャピタルという概念をもっと町内会組織で活性化していくというのはとても必要な施策かなと思っております。
 以上です。
○林座長 ありがとうございます。
 「ソーシャル・キャピタル」というと、日本語で何と翻訳するんですかね。特に訳語はないんですか。「社会資本」というと、何か昔のインフラストラクチャーのあれみたいな感じもするんですが。
○曽根構成員 「社会関係資本」ということが多いようです。
○林座長 「社会関係資本」と言うんですか、今。このソーシャルキャピタルを強化していくことに関して、そのほかに何か御意見ございませんか。
 どうぞ。
○大井田構成員 資料を用意してきたので、提出します。私が言いたいのは、ボランティアというと、何となく自然発生的にやっていくのがいいような風潮がありますけれども、決してそうではなくて、行政が少しリードしながら、ボランティア組織をつくっていくべきだと思います。長野県の取組みを出しますが、長野県は有名な健康づくり日本一の県です。これは後で読んでいただきたいと思いますけれども、こういったことは大事ではないか感じます。行政が少し権威を与えることによって、日本人は一生懸命働きますから、そういうことは大事ではないかと思います。
 私は新宿区に住んでいますけれども、サークル活動というのは盛んです。例えば、私はコーラスに入っていましたが、50代、60代の多くの女性が新宿区でコーラスやっているのです。その人たちが少しでも民生活動、衛生活動をやってくれれば、どんなによくなるかなと思っております。比較的時間的余裕のある方がたくさんいる。そして、何かをやりたいと思っている。行政がリードすれば、少しはやってくれるのではないか思います。これだけで100%解決はできませんけれども。
 今、新宿区などは、NHKで報道した「無縁社会」が始まりつつあります。これはすごい問題です。横浜もそうでしょうけれども。認知症・うつ病の相談などは、新宿区ほか23区がやっていますけれども、多くは認知症やうつ病ではないのです。孤独で、何かを言いに来るだけです。話を聞くだけでも立派な公衆衛生活動だと私は思っているのです。こういうことを広げていく必要があるのではないか。高齢化社会、無縁社会。皆さん方も私も、配偶者が亡くなったら無縁社会になっていく可能性だってあるわけです。これは今から対策を打たなければいけないのではないかと常々思っております。
○林座長 どうぞ。
○秦構成員 私、食生活協議会から来たんですが、私たち食生活改善推進協議会は、全国に20万、食育アドバイザーとしてでも約18万は毎月御指導いただいて、ボランティア活動をしているんですが、子育てというと、幼稚園、保育園にも行って、親子の食の大切さを言ったり、いろいろ活動をして、社会福祉関係のボランティア資本が育っていると思うんです。そういう全国にいる、このようなボランティア精神で、30年、40年、50年した団体がおるんです。私たちは食生活とか食育は十分に担っているんですが、横の連携というんですか、皆さんと協調しながらやっていく、そういうのは、日本食生活協会を中心に御指導はいただいて、それから、今は保健所を中心として、それぞれ合併して、すごく少なくなって、それで保健センターを中心に、親子の関係、ひとり暮らしの高齢者とか、いろいろ訪問して、愛の一声運動など続けてきております。今、時代に即応して法律を改正して、地域住民、国民のためにやっていってくださるということがよくわかったんですが、これらを全国民にいかに隅々まで浸透して、みんなでやっていこうという意識づけをどんどんつくっていただいたらいいかなと思います。
○林座長 ありがとうございます。
 どうぞ、廣田構成員。
○廣田構成員 大井田先生から御紹介あった長野県などは、地域活動が盛んなところですね。食生活を中心にいろんな活動をされていて、保健師の活動もすごくやりやすくなっているのではないかと思うんですけれども、地域によって非常に差があるんではないかと思うんです。例えば、食生活改善推進員なども、県によって大分違うんですね。それはどういうところから来ているのでしょうか。
○秦構成員 全国的にきちっと。
○廣田委員 あるところと、ないところがあるのでしょうか。
○秦構成員 いえ、そんなことはないです。公民館とか自治会を中心に、一斉にそれぞれやっておりますので、ちゃんと網羅できているように思うんです。
○廣田委員 保健所でも、従来は養成講座をやっておりましたが、現在は市町村が実施しないと組織できないということと、年齢層が上がっていますね。ですから、若い方に参加していただくためにはどうしたらいいかということがあるんではないかと思います。
○林座長 そういう問題があるでしょうね。若い人はお勤めしていたりします。年配の方は家にいるから、割と時間がある。
 どうぞ、羽佐田構成員。
○羽佐田構成員 私どもの町は、先ほどの資料4に出ていたC町と同規模です。まさに人口2万で、保健師1人当たりの人口4,000人ぐらいの町です。本町では、10年ほど前に医療費が高騰しまして、保健師たちと、どうやって下げたらいいかと考えました。そのときに、地域の絆というか、田舎ですから、隣のお家のおじいさんが調子悪ければ、隣のおばあさんが心配するようなネットワークがありますので、町の国保の医療費分析をしました。調査の結果、糖尿病の罹患率の一番高い地区に行って、行政でやってだめなら、町民の方自ら健康づくりを考えてみたらどうかということで、交付金をお渡しして、行政は一切ノータッチで健康づくりをお願いしました。その地区は、婦人会、子ども会、老人会などの組織がしっかりしている地区で、町の中でも一番コミュニティがあるところです。町としてお願いに行きまして、住民のみなさんから町として何かやれと言われるのかなと思ったら、逆に役所は口を出すなと言われました。3年間取り組んでいただいた結果、中島という金太郎が生まれたという伝説を持っているところですけれども、中島金太郎健康づくりクラブを立ちあげていただきまして、3年間で健診等の受診率も高くなり、医療費も下がりました。
 基本健診やがん検診の受診率も高くなりましたので、味をしめまして、ほかの地区に行きましたが、コミュニティがしっかりしていないとうまくいかない。
 そういう実践をして、そこから保健師たちが考えて、現在、町民が町民を支える保健事業、田舎のネットワーク、人の絆を使った保健事業の展開に取り組んでいます。本町では、今お話があった食育の事業をやっていますが、5歳児のこどもを対象に、すべての幼稚園と保育所で、レッツゴーファームという農業体験をさせ、その収穫野菜を使って、レッツゴーキッチンというものをやっています。そのときに、畑づくりは農業委員会のおじいさんたちにお願いをしています。地元の地域の活動栄養士会の先生が講師となりまして、お助け隊が、今言う食生活推進部の婦人会の皆さんがやってくれています。
 ソーシャル・キャピタルというと、すごく難しいかなと思ったんですが、まさに地域の人たちの地域を支えていただく力を利用して保健事業を展開しています。高齢社会が進展する中で、今では、ウォーキング教室はウォーキングボランティアがいますし、介護予防教室をやれば介護予防サポーターという町民の方々に支えていただく。このような取り組みを始めてから、保健師自ら、保健師が頑張ってもなかなか成果は上がらない。でも、保健師が変われば住民の皆さんも変わっていく、そのようなところがソーシャル・キャピタルの活かし方なのではないかと、10年やってきまして、実感しております。
○林座長 ありがとうございます。
 どうぞ、松?ア構成員。
○松?ア構成員 長野県の事例は私たちもよく拝見しておりまして、私たちも随分頑張って、保健推進員と食生活改善推進員を育成する努力をしてまいりました。60歳定年までという形で構成をしたんですけれども、それまでの若い年齢は、働かなければいけない世代ということで、65歳まで定年を上げてまいりました。それでも成り手がないという現状です。自治会の加入も、横浜は80%ということなんですけれども、80%の地域もあれば、40%の地域もあるということで、なかなかコミュニティがつながらないなというのは、ここ5年間ぐらい育てていて感じています。
 ただ、健康づくりとか、そういったものはずっとやっているんですけれども、自殺対策とか、引きこもりとかいう面で、個別の事例案件を一つひとつ丁寧にやっていくと、NPOの力、それと住民の力は、ある意味、すごく見えてまいりました。それをソーシャル・キャピタルに置き換えれば、どういうふうなところがマネージメントしてうまくソーシャル・キャピタルが動くのかなというのが、私が今やっていて非常に感じるところです。コミュニティのところもそうですし、そうした病変的なところでも、やっていくとどこがマネジメントするのがよいのか壁にぶち当たっています。これからこういったものができ上がれば、指針が見えてくればいいなというところを感じています。
○林座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○吉田構成員 尾張旭市ですが、まず、今回、いろいろな資料をまとめていただきまして、実は私、「これからの地域保健」(地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律のポイント 中央法規出版)という平成6年のときのものを再度読み直しまして、まさにこの年表とか、見事にその辺を整理していただいて、ありがたいなと思っております。その中で注目されるのは、この年表の7ページ、8ページのところでございますが、先ほど御説明あったように、感染症の予防、虐待とか、そういうのがどんどん増えていますというところで、同時に、国もそうでしょうけれども、市町村としては、財政が厳しいということが起こっております。そして、人材が減っている。
 そういう苦しい中で、では、行政手法としてどうするのかということで、よく言われているのが、市民協働です。手法としてそれを取り入れるというのがあります。実際は住民も、参加ではなく、参画をしていただいて、より内容を濃く、質を高く、豊かにという内容で本来やるべきだということでやっているわけです。
 保健事業というのは、更にヘルスプロモーションの理念がありますので、そのヘルスプロモーションの理念と市民協働を併せていきますと、必然的にそういう必要性が出てくるのかなというところです。また、尾張旭市は市川市と同じようにWHO健康都市連合に入っておりまして、そういった全体の雰囲気も助けまして、ヘルスプロモーションをダイナミックなものにしていくということでやっています。
 その中で、何が言いたいかというと、長野県と同じように、まずやったことは、健康づくり推進員というのを新たにつくりました。自治会にお願いしましたが、自治会は、もうこれ以上の仕事はやめてほしいということになりましたので、公募という手段を取りました。全くどうなるかわからないでやりましたけれども、平成16年、25人の方がいまして、やりました。そこで何をやるかといいますと、市が筋力トレーニング事業を始めるところに、私たちもやります。それとウォーキングをやってまいります。もう一つ、行政ではなかなかやれないところ、笑いと健康、この3つの柱でやりますということでやってまいりました。
 養成すると同時に、尾張旭というユニフォームとか看板を差し上げて、地域のリーダーになるようにということで、それが非常に功を奏しまして、筋力トレーニング事業、17年度に25人から始めたのが、今、640人。各公民館、集会所等でやっています。それをやっていく中で、どんどん広がっていきますと、会場がないとなると、今度は自治会が逆に応援をしていただけるということで、自治会の中に筋力トレーニングの健康部門をつくるというような場所も出てきまして、本来のヘルスプロモーションの理念をきちっと考えて、市民協働、ソーシャルキャピタルですか。尾張旭近辺にはNPOとかいう団体が余りないものですから、自ら行政と市民でつくり上げたという1つの事例ですが、そういった手法でやっていかないといけないだろう。
 今度は、負の部分です。虐待とか、そういうのに関しても、当然、そういう手法を使っていかないと、とても今の行政体制、財政、人員では難しいということで、逆にそういうことが求められてくると思っております。
 もう一つ、余談ですが、尾張旭の場合の食生活改善推進員でございますが、組織が全国組織です。保健所が絡んでいましたので、非常に市が加わりにくかったのですが、最近、市がやっと加わるようになりまして、非常に友好になりまして、食育の部分を助けていただいているということで、信頼関係が大事ではないかと思っています。
 とりとめのない話で、どうも済みません。
○林座長 ただいまの指摘は大変重要だと思います。話をお伺いしていますと、構成員の皆さんは、ソーシャル・キャピタルをつくっていく重要性については同意されていると思うんです。ただ、今の御指摘にあるように、それをつくっていくためには行政との接点、先ほど大井田先生も少し触れられましたけれども、その接点をどうやってつくっていくか。NPOなり、あるいは住民団体なり、それと行政が、どういうような関わり方でそれを育てていくかということがキーになる話でございますし、この検討会でも是非そういう御意見を出していただければありがたいと思いますが、その点について、いかがでしょう。
 どうぞ、五十里構成員。
○五十里構成員 先ほどから市町村の事例をいろいろお伺いしたわけですけれども、国からの事業でNPOへの委託可能な事業が増えてきておりますように、都道府県も、いわゆる企画コンペのような形で、虐待関係だとか、子育て関係、そういうものについて、いろいろアイデアを募って、それを委託していくということはかなり進められてきております。1つには、行政として、財政的な支援も非常に重要ではないかと思います。一方で、1つの課題について、さまざまな検討会が行われるわけですけれども、その中に、最近、NPOだとか、民間の方たちが参画するようになってきた。そういう形での関係をつくって、決して行政の補完ではなくて、自主的な活動として、自らのアイデアをいろいろ御提案をしていただいて事業を進めていく、こういう形がこれから本当に必要になってくるんではないか。
 今、都道府県は別に健康福祉ばかりではなくて、あらゆる行政の中で、新しい公という観点でものを進めていくというのが計画を立てるときには必ず必要になってきておりますので、私どもとしても、ソーシャル・キャピタル、行政との連携というのは非常に重要なことだと認識をして、これからも広げていきたいと考えております。
○林座長 曽根構成員。
○曽根構成員 今のお話は大変重要だと思います。どう推進していくかです。行政の下請みたいなとらえ方をするのは大きな間違いです。地域の方、NPOの方、それぞれ志を持っている方が集まっているわけです。以前、そういうのを「志縁」という言葉であらわされた本を読んだことがございますけれども、それぞれの志を大切にして、それをつなぎ合わせていくような取組みを、財政的支援も含めてやっていくことが必要なのではないかと思います。社会のそういう緩やかな結びつき、ウィークタイズと呼びますけれども、そういうものが地域に張りめぐらされると、人々は孤立化を防げるし、将来に対する希望を持てる社会になっていくという本も読んだことがございますので、そういう意味でも、とても重要な、推進すべきところかと思います。そのアプローチの方法はやはりきちんと考えないといけないと思います。
○林座長 多分、パブリックセクター、例えば、保健所とか、あるいは自治体から直接住民に働きかける場合もあるだろうし、逆に住民の中で自然発生的にできたものを自治体が見い出した場合に、むしろ行政がそれにのっかっていく、いろんなバリエーションがあるんではないかという気はします。
 どうぞ。
○秦構成員 ただいま大勢の先生方から、全国の食生活改善推進員の活動をお認めいただいて、心から感謝します。私たちは、30年、40年、50年もやっている人は、ひたすらボランティア活動を中心に御指導いただいてやっておるんですが、常日ごろ思いますことは、他団体では、市や、県の、3年間とか5年間とかいう補助金がついて、助成がついたときは皆さん一生懸命やるんですが、それから以後どうなったか、加わった人を今後どう生かしていくかというケアというか、御指導がないんです。予算をもらったときは、花火のようにぱぱっと、ものすごく目立つようにするけれども。私たち食生活改善推進協議会は、運動の方にも、介護の方にも、それから、介護職の方にも、便利屋ではないんですが、声がかかったら全国各地で一生懸命ボランティア活動等しようと思っている仲間、ヘルスメイトでございますので、新しい事業の中にも、食生活改善協議会、全国にいるんだということを、資源ではないけれども、皆様で私たちを上手にと言ったらおかしいんですけれども、生かしていただく方式、今後、評価をした後、地域にボランティアがいっぱい育っている人をどう長続きさせていくかということをお考えになっていただいたら大変ありがたいと思います。
○林座長 最近、テレビを見ていますと、冬なものですから、北海道とか日本海側はやたらに雪が降って、雪かきをしなければならないんで、お年寄りが非常に困っている。転げて亡くなるような方もいらっしゃるようなんですけれども、住民がお互いに助け合う、屋根の雪下ろしをお互いに助け合うような運動というのは、北海道などはどうですか。
○廣田委員 豪雪で有名になった岩見沢ですけれども、市の職員も除雪の手伝いには行っています。それから、学生がボランティアに行ったりとかしているんですけれども、すぐそばの人が助け合うという体制はもともとあると思うんです。隣の方が高齢だということになれば、自分の家の雪かきをするときにお隣の家も少し手伝ってあげるというのは日ごろからやっているんではないかと思うんです。少し前に地震のあった地域で、地域ぐるみで避難する時に、体の不自由な方も一緒に避難できるように、最初のときにきちっと声かけをされたという話を聞いていますので、日ごろからの支え合いみたいなものが基盤になるんではないかと思うんです。勿論、大がかりな除雪については、町内会ごとに事業者を頼んだりということをやっておりますけれども、それはお金がかかることですので、お金をかけないで支え合うというのは、日ごろからの地域の活動で支え合っているのもあるんではないかと思います。
○林座長 多分、それを全部行政任せにすると猛烈にお金がかかってしまって支え切れない。
○廣田構成員 例えば、国道の除雪の予算も国は削っています。今までは5センチ降ったら除雪車が出動したのが、今年から10センチになったとか、そういう話もあるんですけれども、お金のレベルでないところでみんな自衛しているというか都会の人よりも田舎の人の方が助け合いというのをやっているんではないかと思うんです。ちょっと余計なことでした。
○林座長 いえいえ。
 どうぞ。
○大場構成員 ソーシャル・キャピタルを育成するための行政の役割というお話が今、課題になっていますけれども、1つ例として御紹介したいのは、今、横浜市で、地域力推進担当課長というのが、区役所の総務部門に、1人ずつ配置されていまして、まさにソーシャル・キャピタルを育てる役割的なポジションです。その課長は、従来からあります保健師の活動とか、地域のさまざまなNPOだとか、学校だとか、保健福祉に限らず、生涯学習だとか、教育だとか、さまざまなところを結びつけるという形で、まだまだ不十分ではありますけれども、地域づくりという視点で少し動き出しているというのを御紹介したいと思います。
○林座長 もう大分前になるんですけれども、町田市のある住民活動家とお話しする機会があったんです。市は老健施設をつくろうとしたんですけれども、市が設計した老健施設では大変お金がかかってしまって、しかも銀行からお金も借りなければならないということで、金利もばかにならない。設計料だけで建築費の1割取られるとか、とにかくコストが非常に高いということで、市民のグループが、全部俺たちに任せろという感じで、市民の中には建築士もいるし、看護師もいる、いろんな人がいるんです。その建築士の人が皆さんの意見を聞いて設計図を描いたりした。結局は住民のグループが運営して、自治体がサポートするという形になって、今も続いていると思うんですけれども、そのきっかけは、いきなりヘルスの問題ではなくて、自宅の前のごみ集めの問題をどうするかということで皆さんがけんかされていたらしいんです。だれの家の前に置けばいいのか、汚したらだれが掃除するのか、そういう些細な話から始まっているらしいんです。そのけんかが熟成して、自分たちの困ったことは自分たちで処理しようではないかということで、行政は随分コスト削減できたと聞いております。そういう意味で、上の方からこれをやれと言って育つものではないような気もするし、そういう自発的なところをどうやって見出していくかが継続性の1つの大きな要素かなという気がします。
 先ほど大井田構成員から民生委員の話が出ましたけれども、今の民生委員を見ていますと高齢者が多いですね。歩行にも困難なような人も見かけますし、どうなんですかね。
○大井田構成員 成り手がないと聞きますけれども、親戚のところに来た民生委員は公衆衛生を一生懸命やってくれました。あなた、血圧どうなのと。公衆衛生ですよね。
○林座長 声かけですね。
○大井田構成員 問いかけてくれるわけです。糖尿病どうなのと言ってくれました。私も見ていて、これを何とかしなければいけないと思っていましてね。成り手がないというのは、さっきの話の続きだけれども、都市はサークル活動というのはすごいですよ。先ほどの吉田課長ではないけれども、筋肉運動でも何でもいいから、少しずつ行政が手を入れて発信させていく。文化活動は、新宿区の場合、コーラスの人を募るわけです。やりたい人が集まってくる。団をつくったら、行政は放すわけです。自分でやる。潰れるところもあります。それを毎年のようにやっていって、どんどん生まれていくわけです。当然、潰れるところも出てくる。これを10%でもいいから民生部分にシフトできないかなと私は思っています。そこにシフトするためには、そのサークルに行政が入り込んで、こういうことをやらないかと働きかけたらどうか。これは私の個人的な案ですけれども、区長ではないからできないけれども、なることはありませんが新宿区長になったらやりたいなと思っています。
○林座長 例えば、インフルエンザがはやったようなとき、学校との関係ですけれども、岡部先生、どうですか。例えば、健康教育という面で、PTAとか、親のグループと学校との関係で、何かアイデアございませんか。ソーシャル・キャピタルに絡めて。
○岡部委員 非常に漠然とした言い方になるんですが、今回、新型インフルエンザが発生して、日本ではかなり致死率が低かった。しかし、重症化がなかったかというと、そうではないんです。重い方もおられた。ただ、早めに手を尽くすとか、あの病気への理解があったというのは、相当いろんなところで話が浸透していたんではないかと思うんです。時間的な問題はあったけれども、自治体で住民の方への連絡とか、そういうようなところが出ている中で、病気ですから、ボランティア活動というところまではいかないと思うんです。ただ、医療とどういう対話を持っているかというのがキーポイントで、そこがつながっていれば、いろんなことがうまくいくんではないかと思います。そういう意味では、日本の場合は、今のところレベルが高かったけれども、これがいかにおっこちないようにしていくかということが大切ではないか。これは普段思っていることなんです。今のソーシャル・キャピタルに直接関連があるかどうかわかりませんけれども、ボトムアップしておくことが必要だろう。そこは、上から押しつけることではなくて、情報提供というのが我々の役目ではないかと思うんです。
○林座長 どうぞ。
○吉田構成員 先ほどに更に加えまして、市町村は意識していますのが地方分権でございます。自分たちでやらなければならないというのに追い詰められておりますので、何らかの知恵を絞っていくということで、そこで市民ニーズです。市町村がより市民ニーズを取っていきますと、保健所の悪口を言うわけではありませんが、何となく保健所と感覚がずれてくるというのがあるんです。保健所というのは、技術支援とか、そういうのをきちっとやって役割をつけて、母子保健とかを充実させて、市町村に力をつけさせていただきましたが、そこから市町村が更に地方分権で独自の市民ニーズとか、そういうのに合わせて仕事をしていくとなりますと、今度は感覚がちょっとずれてくるというところがあるのかなということで、保健所に支援を求めたいのですが、我々も何を求めたらいいのかわからないというのが正直な現状でございます。
 それと、今回、本当によくまとめていただきまして、資料4、自治体の地域の保健事業例を見ますと、ほとんどが独自の事業ではなく、国の事業です。しかし、これを市民ニーズに合わせ、行政ニーズにも照らし合わせて、よりよいものにしていくというのが、今、我々に求められていることで、まさにそれを進めています。ただ、その辺が、市町村、保健所、県、国とのずれが出てくるのではないかということで、我々がどう支援をいただいたらいいのかというのも、ちょっと疑問があります。
 今回の議題も、質の高い体制というのは、非常に悩んで、どういうことかなと思ったんですが、我々としては、地方分権の一自治体として市民ニーズに応えていく、なおかつヘルスプロモーションに沿った保健活動をしていこうというところでありまして、そのところが1つの課題ではないかと思います。市町村だけではできない部分は十分あると思います。先ほど岡部先生が言われたように、本当にすばらしい情報を保健所、県は持っていますので、そういった情報提供を常にいただく、それを生かせるというのが、今、私たち市町村が質を高めるものになるんではないかと思います。
 ちょっと抽象的ですけれども、以上です。
○林座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○廣田構成員 ちょっと耳の痛いお話もありましたが、保健所とか、都道府県の方から見て気がかりなのは、小さな規模の、特に町村部で、今、吉田さんが言われたように、事業をやるのに精いっぱいという状況があると思うんです。先ほどの資料の中で、保健師の数は増えているはずなのに、なかなか保健福祉の方に人数が割けないというのは、例えば、4人の保健師がいたとしても、地域包括支援センターにも1人出さなければいけないし、介護保険福祉の方にも1人出さないといけないということになると、保健事業をやっているのは2人ぐらいになってしまうんです。事業はやっているけれども、全体の自分たちの活動の評価はなかなかできてこない。
 それと、もう一つ、とても困るのが人材育成だと思うんです。私が少し情報を集めたところによると、どうしても地域包括支援センターの方にはベテランを出さなければいけないので、若手の保健師が母子保健とかをやっている。ここにお集まりの方のところのように、きちんと自治体として保健師を育てるというふうになっていればいいんですけれども、支援がないまま行き詰まってきて、辞めてしまうということがあります。人材育成についてはまた別な議論があるとは思うんですけれども、そこのところと、ほかの自治体でどうやっているかという情報の共有とかがこれから重要になってくるのではないかと思います。ですから、事業をこなすことについては、義務的なものなのでやっているけれども、それより質を高めていく、あるいは先般問題になったように、健診に来ない人がどうなっているのかというところまでなかなか頭が行かないというところが小さな自治体では問題なんではないかと思っております。
○林座長 人材育成は違う回にまた議論になりますけれども、ソーシャル・キャピタルを育てる意味で、保健所サイド、あるいは行政サイドにいて、どういうスキルが必要だと考えますか。どういうような技術があれば、NPOを育てたり、住民活動を盛んにするという。
○廣田構成員 保健師に限らないですけれども、保健活動をやっていくためには、その地域がどういうところかを把握して、計画を立てて実行していく。それを自分ひとりではなくて、いろいろな人とやっていくということが必要だと思うんですけれども、それは研修会をやったからといって学べるものではないと思うんです。そこのところは保健所が支援することも勿論必要で、広域で、みんなで一緒に考えていくことはできるけれども、最終的には、そこの自治体でやらなければいけないことがあるんで、保健師だけではない、課長なり、首長なりの考えや指導性が大事ではないかと思うんです。きちんと施策の中に、健康というものを上位に位置づけてほしいということです。
○林座長 つまり、自治体側が、自分の地域で何が起きているか、どういう行動があるかをしっかりつかまえない限りは話は進まないということですね。
 どうぞ。
○羽佐田構成員 小山町のひとつの取り組み事例を紹介します。本町の保健師は一生懸命やっているのですけれども、活動内容を組織の中でうまくアピールができなかったんです。それが、医療費や要介護の認定者数の変化などで、保健事業を展開して、どのような効果が出るのかということをまず見せて欲しいと思いました。費用対効果もありますし、行政マネージメントの感覚を保健師にまず持っていただくことが必要だと考えました。
 今まで役所レベルでずっと保健事業を展開してきましたが、今では保健委員さんに住民のみなさんの御用聞きをしていただいて、保健事業の住民のニーズは何があるのかを聞いていただいています。
 田舎ですから、NPOもありませんし、運動指導士とか理学療法士にもかなり遠方から来ていただいています。往復1時間半ぐらいかかるでしょうか。でも、その方々にお話を伺いましたら、行政の方は、教室は担当させてくれるけれども、私たち運動指導士を企画には入れてくれないというご意見をいただきました。では、話し合いましょうということで取り組みはじめて、もう3年ぐらいになりますが、今は企画段階からご意見もいただきますし、評価もやっていただいています。
 このような取り組みを民間の方にやっていただくようになってから、保健師もアウトソーシングをすごく受け入れやすくなってきて、最近では、やる気を出させる、脱落率を防ぐのにどうするのかという話をした時に、学習塾の先生を連れてきました。本当に大丈夫かと考えましたが、とりあえずやってみようということになりました。今、取り組んでいますが、これもかなり好評で、今まで保健師の中では出なかったアイデアも出てくる。本町では、研修をやる余裕もないものですから、このような形で民間の力も取りいれながら、さっき言いましたソーシャル・キャピタルを活用し展開をするために、地元の方の力を使って御用聞き、それから、評価を必ず行うようにしています。健康指標の変化をどこで把握してアピールするのか、そこは事務職がサポートをしてやっています。このように保健師が行政マネージメント能力を高めたことで、お客さまが変わってきたのかなと感じています。
○林座長 そうしますと、行政側も窓口を広くオープンにして、住民から何か語りかけてきた意見を受け止めるような気持ちがないと、なかなか話が。昔、千葉県のどこかの市ですぐやる課というのがありましたね。そういうようなことで評判を取ったところもあります。
 あと、食育の話もされておりましたけれども、ちょっと思い出したのは、保健文化賞という賞がございまして、個人、あるいは団体が地域活動を一生懸命やった場合に、推薦によって表彰されるという賞があるんです。地方にもそれなりのものはたくさんあるんではないかと想像するんですけれども、どうなんですか。余り聞かないですか。
○秦構成員 いただいております。そういう申請をしたときに、全国ではいただいております。愛媛もいただきました。
○林座長 日本も昔、愛育班活動というのが盛んなころがありましたね。あれは、地方で頑張ったグループは、たしか県知事の奥様が表彰される、そういうような制度があったような気がします。それなども1つの振興策で、日本にはそういう伝統があると思うんです。それが、ある時期を境にして、高度成長の中で、国も自治体もお金があるものだから、住民もそれにどっぷり頼るようになってしまって、自らを守る運動をどこかに置き忘れてしまった、そういうような傾向があったかと思うんです。それをもう一回生き返らせなければ、自分たちの地域は守り切れない。それをどうやって取り戻すかというのは、この検討会の1つの議論かなという気がします。
 皆さん、ソーシャル・キャピタル、NPO活動に大変関心が深いということはよく認識できました。私がこの言葉を初めて読んだのは20年ぐらい前なんですけれども、ワールドバンクのレポートに書いてあったんです。世界各国の地域の連帯感、信頼感、ネットワークを指標にした調査で、アメリカのシンクタンクがそれを受けて調査したんです。例えば、旧ソ連で、お互いに密告し合っているために、親子の間ですら信頼感がない、地域の間には勿論ない、そういう状態が社会の崩壊につながる、したがってソ連はやがて崩壊するだろうと予測したレポートだったんです。その当時は余り注目を浴びなかったんですけれども、実際、ソ連が崩壊した後に急にこの話が有名になりまして、ソーシャルキャピタルというのは目に見えないけれども、大事だという話になってきて、そういう流れがあったかと思います。
 どうぞ、曽根構成員。
○曽根構成員 今の話に関係するかもしれませんけれども、政策としてもし進めていくのであれば、何か評価指標をつくらないといけないし、それで自治体ごとにある程度比較もしないといけないと思います。資料7の3ページに国民生活白書での指標が書いてありますけれども、もし保健分野で推進していくのであれば、そういうところも研究や開発を進めていかないといけないと思います。
○林座長 住民が自分たちの問題を自分たちでどうとらえていって解決していくかということがメインであれば、ある意味では、それはデモクラシーの指標としてもいいかと思うんです。市町村議員の投票率なども1つの指標かもしれません。
 どうぞ。
○吉田構成員 今の指標の1つですが、先ほども言いましたWHO健康都市連合の関連から、健康都市推進室というところが、市として全体の健康としての指標は何かないかというと、愛知県でも、長寿愛知ということでやっていまして、健康寿命を出しまして、明確に市民に出すことができた。要は、保健を中心とした全体の取組みが、6年後、女性の場合、国、県よりも1歳近く延びましたということを出したりしました。指標があるということは、取組みを1つ評価できるというんですかね。実際やっている職員も、住民の方にも、それは共有できるのかということであります。保健所とか、専門の方に相談して、指標を出すということを教えていただきました。
 そういったものをまだまだ保健所や県の人は持ってみえると思いますので、そんなところを注目して、場合によっては比較をすることによって、遅れている、進んでいるということになるのかもしれませんが、これも1つの大事なことではないかと思います。私どもの現場はばたばたでして、なかなかそういう余裕がない。ところが、保健所は、もともと統計とか、そういうのに明るいですし、本来の地域保健の中の技術的支援として、近代的に評価できるというものを持っていただくといいんではないかと思っています。
○林座長 なるほど、大変貴重な御意見だったと思います。今までの議論は、ある意味ではちょっと心情的なところもあったんですけれども、客観的な指標をどうつくっていって、地域ごとに自分たちでどう評価して、隣町、大きく言えば、全国的な中でどういう位置づけがあって、自分たちが何が強いのか、何が弱いのかを認識しながら、それは住民サイドというより、保健所サイドで整理すべきものかとも思いますけれども、そういうような整理する能力、適切な指標を選び出す能力は、自治体側、保健所側に求められるのかなという気がします。
 大変活発な意見をいただきまして、ありがとうございました。大変参考になりました。議論は尽きないかと思いますが、今日出たさまざまな意見を参考にさせていただきながら、事務局で更に検討させていただきたいと思います。本日、何か言い残したことがあれば、事務局に御連絡いただきたいと思っております。
 事務局の方で、何か次回等について連絡事項はございませんでしょうか。
○後藤室長補佐 次回以降のスケジュールにつきましては、別途、皆様方の御予定を確認させていただいて、調整の上、また御連絡させていただきたいと思います。
 以上です。
○林座長 何かございますか。
○秦構成員 感謝の気持ちでお礼を言わせていただきたいと思います。私たち、廃止になりましたのが、厚労省や、先生方のご理解を頂き、全国一斉に健康増進プロジェクト事業ができました。今、いかに高血圧と糖尿の人が多いかということで、減塩とメタボについて、一斉に取り組んで、これはよかったと、参加者より大変好評を頂きました。更に、市民が意識を持って自立して、自分で治していかなければいけない、予防もしなければいけない、そういうことを考えながら今後もやっていきたいと思いますので、どうぞ保健所も保健センターもなくしないように、御指導をしていただいたらありがたいと思います。よろしくお願いいたします。と同時に、ありがとうございました。
○林座長 どうぞ頑張ってください。
○大井田構成員 これはまた次回やるわけですね。今日、資料5は何の議論もなかったけれども。
○木村大臣官房参事官 今後どのように、いつ、どの程度やるか、につきましては座長とご相談させていただき、皆様にお話させていただきたいと思います。
○大井田構成員 これ、大事だと思うんで。1つも話が出なかったんで。
○林座長 では、本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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