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2010年12月16日 第69回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成22年12月16日(木) 18:00〜20:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)5階 共用第7会議室


○議題

・求職者支援制度について
・雇用保険制度について

○議事

○岩村部会長代理 ただ今から、第69回雇用保険部会を開催いたします。
 今日は清家部会長がご欠席でございますので、部会長代理である私が議事を進行させていただきます。よろしくお願いいたします。
 今日の委員の出欠状況でございますけれども、清家部会長、野川委員、塩野委員、小林委員がご欠席でございます。それから、古川委員は少し遅れて到着されるということです。なお、今日は資料の関係で、職業安定局総務課首席職業指導官室の中村補佐、職業能力開発局総務課の松本企画官はまだ到着されていませんが、能力開発課の渡部補佐にご出席いただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは早速、議事に移ることにいたします。お手元の議事次第に沿って進めてまいりたいと思います。最初は「求職者支援制度について」ということでございます。前回までの議論を踏まえまして、今回は部会長と事務局でご相談いただき、素案を事務局でご用意いただいております。そこで、事務局から素案である資料No.1について説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○坂井企画課長補佐 それでは、最初に資料の確認をさせていただきます。資料No.1-1としまして「求職者支援制度について(素案)」、資料No.1-2としまして「参考資料」、資料No.2-1としまして「雇用保険制度について(素案)」、資料No.2-2としまして「雇用保険制度関係資料」、資料No.2-3としまして「雇用保険二事業について」でございます。お手元にございますでしょうか。
 まず、資料No.1-1「求職者支援制度について(素案)」を説明させていただきたいと思います。こちらの素案は、前回の議論を踏まえまして「たたき台」を修正し、作成しております。たたき台で示した方向で一定の議論の集約があったと考えられるものについては、その方向で「〜とする」、「〜が適当である」「〜すべきである」という終わり方をしておりまして、議論が集約されていないと考えられるものについては、たたき台のままとしております。また、新たな論点が提示され議論が集約されたと考えられるものについては「〜とする」としましたが、今まで議論になっていない点などで、新たに事務局として追加している点については「〜としてはどうか」と、議論をお願いしたいということで記述しております。
 それでは、内容について説明させていただきます。1ページを開いていただきますと、最初に第1としまして「現状及び課題」を書かせていただいております。最初の二つの丸については現状認識でございます。一つ目ですけれども「現下の雇用失業情勢は、持ち直しの動きが見られるものの、依然として厳しい状況にある」。
 二つ目ですが「労働市場においては、パートタイム労働者、派遣労働者、契約社員等の非正規労働者が雇用者に占める割合が3割を超え、失業者に占める長期失業者の割合も、すう勢的には上昇している」。
 三つ目からは課題を書かせていただきました。最初に、これまでの平成21年、22年の雇用保険法改正について書いておりますけれども、先ほど述べました雇用失業情勢を踏まえまして、特に非正規労働者に対するセーフティネット強化のために雇用保険法を改正しました。この中では、雇用保険の適用範囲の拡大や受給資格要件の緩和等を行ってきたわけですけれども、短期に離職することにより受給資格を満たさない者、受給期間が終了しても再就職できない者が依然存在することがございます。さらに、週20時間未満の短時間労働者や自営廃業者など雇用保険の適用にならない者も存在します。
 こういった方々の中には、失業後に再就職できない方がいらっしゃいます。そういった方が生活に困窮した場合、最後のセーフティネットとして生活保護制度があるわけですけれども、この制度においては、その困窮の程度に応じて必要な保護を受け、最低限度の生活を保障されるという制度の趣旨から、利用し得る資産・能力等すべてを活用した上で、それでもなお困窮していなければ対象にはならないということになっております。
 五つ目の丸です。このため、雇用保険と生活保護の間にあるセーフティネットが必要であり、政府は平成21年度から、雇用保険を受給できない者(非正規労働者であった離職者、長期失業者など)等に対する新たなセーフティネットとして基金を造成し、ハローワークが中心となりまして職業訓練及び訓練期間中の生活給付を行うことを内容としました緊急人材育成支援事業を実施しているところでございます。しかしながら、この事業は緊急の時限措置であるため、平成22年6月に閣議決定された「新成長戦略」においては、「『第二セーフティネット』の整備(求職者支援制度の創設等)や雇用保険制度の機能強化に取り組む」とされ、求職者支援制度の創設は「新成長戦略」の工程表を含めて、平成23年度に実施すべき事項とされたところでございます。
 こういった状況を踏まえまして、「非正規労働者への新たなセーフティネットを恒久制度として創設することは、今すぐに実施すべき最重要課題であることから、次のとおり、求職者支援制度を創設することとすべきである」とまとめさせていただいております。
 第2「求職者支援制度の方向性」でございます。1ページおめくりいただきますと、「求職者支援制度の趣旨・目的について」となっております。先日と同じものではありますが、最後に「〜すべきである」と書かせていただいておりまして、議論の集約があったものと考えております。
 2番の「求職者支援制度の対象者について」でございます。一つ目の丸ですが「求職者支援制度は、雇用保険を受給できない求職者の就職を支援する制度であることから、就職を希望し、支援を受けようとする雇用保険の被保険者及び受給資格者でない者を対象者とすべきである」としております。具体的には、「雇用保険の受給終了者や受給資格要件を満たさなかった者のほか、雇用保険の適用対象ではなかった離職者、学卒未就職者、自営廃業者等離職者ではないが求職している者等が対象者となる」ということでございます。
 3番の「訓練について」ですけれども、求職者支援制度の趣旨・目的を実現するためには、公共職業訓練などとは別の新たな訓練を設定する必要があり、その訓練は対象者にとって真に就職に結びつくような訓練である必要がある」ということでございます。
 そのためにも「労使の意見も反映し、ニーズのある訓練が認定されるような仕組みを設けること。例えば、労働局を中心として労使団体等の関係者が協議する場を設け、実情を踏まえた訓練実施計画を取りまとめる仕組みを構築することが必要である」となっております。
 また、「就職支援に当たっては、ハローワークが中心となって訓練実施機関と緊密な連携を図りつつ、一貫した支援を行う必要がある」ということでございます。
 次の四つ目で全体を追加させていただいております。職業能力開発分科会でも訓練についての具体的な内容をご検討いただいているところでございますので「新たな訓練の具体的内容等については、職業能力開発分科会において検討が行われており、そのとりまとめに沿った訓練が実施されることが適当である」としております。
 4番の「給付について」でございます。1ページおめくりいただきまして、(1)「給付の目的・位置付けについて」ということで、こちらは先日のところで既に議論が集約されているため二つとも「〜すべきである」とまとめさせていただいております。一つ目の丸は「給付については、対象者が就職するために必要な職業能力を高めるための訓練を受講する期間中の生活を支援するための給付とすべきである」。二つ目の丸ですけれども「生活を支援するための給付という趣旨から、個人に対する給付と位置付けつつも、世帯の状況を勘案したものとすべきである」となっております。
 次の(2)「給付要件について」でございますけれども、こちらは「〜としてはどうか」というような提案であるもの、またはまだ議論の集約がなされていないことから「どのように考えるか」というものがございます。一つ目の丸は対象者が公共職業安定所長の指示する訓練を受講する場合であって、以下の要件を満たすことが確認できた場合に支給するものとすべきである」となっております。
 二つ目の丸ですけれども「対象者本人に訓練期間中に一定の収入があれば、その生活を支援する給付を支給する必要性が低いことから、訓練期間中に一定の収入がないことを要件とすべきである。その水準は、雇用保険の被保険者とならない程度の働き方を勘案したものとすることが適当である」となっています。
 三つ目ですけれども「給付の必要性については、世帯(同居の親・子・配偶者)の支援が期待できるか否かまで含めて判断すべきである。具体的には、世帯で一定の収入や資産があればその生活を支援する給付を支給する必要性は低いことから、世帯に一定の収入がないこと及び資産が一定の水準を超えないことを要件とすべきである」としております。世帯の収入要件の水準ですけれども、「複数人員世帯における標準生計費を踏まえたものとすることが適当である」とさせていただいております。また、「世帯の資産要件の水準については、例えば世帯に年間の標準生計費程度の預貯金があれば、その生活を支援する給付を支給する必要性は低いと考えられることから、これを踏まえたものとしてはどうか」という提案をさせていただいております。なお、「現行の緊急人材育成支援事業においては、居住する土地・建物以外に対象者本人が土地・建物を所有していないことが要件となっているが、土地・建物の換金性等の面からどのように考えるか」という点でご議論いただいたところでございます。
 次の丸ですけれども「訓練にはすべて出席することが当然であるが、病気等欠席せざるを得ない場合もあることから、そうした場合を除き、訓練にすべて出席することを要件とすべきである。なお、病気等の正当な理由がある場合の出席は、8割以上とすべきである」と書かせていただいております。前回と異なりまして「以上」という点を明記させていただいております。
 その次ですが、「世帯において同時に複数の者が受給することは、世帯の者全てが同時にこの給付を受給し生活を賄うなど、社会通念上適当とは考えられない場合も生じ得るため、 どういう方法で、どの程度制限すべきか」ということで、ご議論いただきたいくくりになっております。こちらは以前「複数受給について、どのように考えるか」ということでございましたが、もう少し論点を明確にしたところでございます。
 次のページをお開きください。「給付額・種類について」です。こちらにも議論をお願いしたい点が幾つかございます。一つ目の丸ですが「給付額については、就労しないというモラルハザードとなるものであってはならないが、訓練期間中の生活を支援するための給付として一定の水準とすべきである」でございます。
 ここからが議論していただきたいところとなりますが、「具体的な水準については、現行の緊急人材育成支援事業の給付水準は高いのではないかという意見がある一方、生活を支援する給付として現行と同様の水準とすべきという意見があるが、現行の水準を踏まえてどのように考えるか」。
 三つ目ですが「また、賃金や生活水準については地域差があり、地域ごとに異なる給付額とすべきという意見がある一方、個々のさまざまに異なる生活そのものを保障するものではなく、訓練期間中の生活を支援するものとして全国一律とし、地域差については貸付によって対応すべきという意見がある。給付額について地域差を設けるべきか、全国一律とすべきか」。
 四つ目ですけれども「地域によっては、訓練の実施場所によって交通費負担が重くなり、これが訓練受講の妨げとなることから、生活を支援するための手当に加え、交通費も支給することとすべきである」とさせていただきました。
 五つ目ですけれども「なお、雇用保険の給付が求職者支援制度の給付と比較して低い額となる者が存在し得るが、このような点について制度の整合性をどう考え、どのように対応するか」としているところでございます。
 (4)としまして「給付期間について」でございます。こちらは前回ご議論いただいた点もございまして、反映させていただいております。「給付を受給できる日数には制限を設けるべきである。この場合、原則1年とし、資格取得のために1年を超える訓練が必要なもの等は例外的に2年まで認めることとすることが適当である」としております。
 二つ目ですけれども「また、循環的に受給することを防止する必要がある一方、給付を受給後、就職、その後離職し再度訓練が必要となる場合も考えられる。このため、いったん給付を受給すれば、一定期間経過してはじめて再度受給することができるような仕組みを設定すべきである。その場合、対象者が給付を受給した後は通常就職することを想定して、上記の一定期間を設定することとし、非正規労働者も平均的には5年を超える勤続年数があることから、これを勘案したものとしてはどうか」ということで提案させていただいております。
 (5)の「融資について」ですけれども、一つ目「対象者については、地域差や家族構成等さまざまに異なり、必要に応じて融資が利用できる仕組みを設けるべきである」。
 めくっていただきまして、二つ目ですけれども「その場合、給付で不足する部分を補完するものと位置付け、給付受給者が受給期間中に給付に上乗せして融資が受けられる制度とすべきである」。
 三つ目ですけれども「また、融資額については、現行の緊急人材育成支援事業や他の融資制度とのバランスも考慮して設定すべきである」とさせていただいております。
 (6)の「適正な給付のための措置について」でございます。一つ目の丸は全体として追加させていただいております。「適正に給付が行われることは、制度が社会的に必要なものとして評価されるために欠かすことができないものである。このため、適正な給付を確保するために、一定の措置が設定されることが適当である」でございます。
 二つ目ですけれども「具体的には、ハローワークでの就職支援を拒む場合については、一定期間給付が受けられないようにすべきである」としております。
 三つ目ですけれども「また、偽りその他不正の行為により給付を受けた者は、一定期間給付が受けられないこととするとともに、当該不正により支給を受けたものの全部又は一部の返還をさせる等のペナルティを科すべきである。その際、雇用保険制度においては、一定の場合には受給額の3倍に相当する額の金額の返還・納付を命ずることができることとなっていることを参考にすべきである」としています。
 5番「訓練受講者に対する就職支援について」でございます。一つ目の丸ですが「効果的に就職につなげていくためには、訓練開始前、訓練期間中、訓練修了後と、一貫して就職支援が行われることが必要である。このため、ハローワークが中心となり、訓練実施機関と緊密な連携を図りつつ、支援していくことが求められる」。
 二つ目ですが「そのためには、ハローワークにおいて訓練受講者ごとに個別に支援計画を作成し、訓練期間中及び訓練修了後に定期的な来所を求め、個々の実情に応じた支援を行う仕組みとすべきである」。ここからが追加でございますが「またその際、必要に応じて、担当者制による就職支援を実施すべきである」となっています。
 三つ目の丸ですけれども、こちらも丸全体を追加しております。「訓練受講者が支援計画に従わず、ハローワークに来所しない等の場合には、上記(6)のペナルティを科すべきである」。
 四つ目です。「就職状況については、訓練受講者本人がハローワークに報告する仕組みを設けるとともに、訓練実施機関も、効果的な就職支援を行い、訓練受講者を就職につなげるような訓練を行っていくという観点から、その就職状況について把握することとすべきである」ということです。
 1ページめくっていただきまして、6番の「その他」です。「求職者支援制度の創設後、これに円滑に移行できるよう、必要な施行準備ができるようにするとともに、求職者や訓練実施機関に対して十分に周知を行うこととすべきである」でございます。
 次のページ以降には、以前お示しさせていただきました「たたき台」を見え消しで修正したものでございますので、参考にしていただければと思います。
 また、資料No.1-2として「参考資料」を付けておりますが、こちらはいつものデータをリバイスしたものでございますので、説明は省かせていただきます。
 最後に「財源について」ですが、政府レベルも含めて調整を続けております。しかしながら、ペイアズユーゴー原則があるわけですけれども、この趣旨を踏まえる必要があることから、現在は非常に厳しい状況となっております。「求職者支援制度について」の説明は以上でございます。
○岩村部会長代理 どうもありがとうございました。それでは、ただ今ご説明いただきました「求職支援制度について」の素案に関しまして、ご意見あるいはご質問がありましたら、お願いしたいと思います。
 古川委員、どうぞ。
○古川委員 給付要件についてですけれども、世帯の資産要件の水準については、「年間の標準生計費程度の預貯金」とありますが、具体的な金額としては大体どれぐらいを想定していらっしゃるのでしょうか。
○坂井企画課長補佐 お答えいたします。先日、部会の資料でもお示しさせていただいたところですが、約300万円程度ということでございます。
○岩村部会長代理 その他、いかがでしょうか。遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 ただ今のご質問に関連して、おたずねさせていただければと思います。資産要件の部分について「預貯金」という形で、ある意味限定的になっていますけれども、基金事業の場合の「金融資産」から預貯金に変わった背景を、まず教えていただけますでしょうか。
○岩村部会長代理 では課長、お願いします。
○土屋企画課長 資産要件の今ご質問の点ですが、私どもはこれを恒久的な制度として考えたときに実務上、確認できる手段があるかどうかということも含めて要件の立て方を考えていく必要があると思っております。その際に、この分について考えますと、預貯金であれば金融機関に照会をかけることによって、基本的には最終的にも押さえ得るという面があるので、その範囲では押さえ得るだろうということがございます。
 それから、もう1点。資産の活用が十分に可能かどうかという点がありますので、その意味でも預貯金の方が即時に活用できるという意味での違いがあるかと思っております。
 そういった点を踏まえて、今回は恒久的な制度の中で要件を立てていくという観点から、資産の要件を具体的には「預貯金」というところで押さえることにしてはどうかと考えております。
○岩村部会長代理 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 ご説明ありがとうございました。例えば換金性ということで申し上げると、即日換金ではないにせよ、例えば債券や株式も一定期間後には現金に変わり得るということがあるかと思います。
 それから、確認の術がどこまで徹底できるかということも多分重要なポイントではあるかと思いますが、今回は不正受給が行われた場合にペナルティを科す仕組みも新たに入ってくること等を考えていきますと、心理的な抑制効果が十分期待できると思っております。
 そういう意味では、やはり「預貯金」ではなくて「金融資産」ということで広くとらえていく、そのことが国民全体で支えていくということの納得性にもつながっていくのではないかと思っております。以上です。
○岩村部会長代理 坪田委員、どうぞ。
○坪田委員 関連の質問であります。現行制度では資産の確認を、自己申告を基本に行っていると聞いておりますが、制度の恒久化に当たっては、不正受給を防止する観点から、対象者および世帯の収入や資産を厳密に確認できる仕組みをつくっていただきたいと思います。
 例えば、個人の金融資産などは、税務署がかなりのことをやらなければ捕捉できないわけです。それが果たしてこの制度でできるかどうかということには、少し疑問を持ちます。
○岩村部会長代理 ご意見ということで、また事務局で検討していただければと思います。
 他に、いかがでしょうか。
○亀崎委員 これまでも議論してきたところですけれども、求職者支援制度の重要な柱である「給付要件」は、対象者本人が居住する土地・建物以外に資産価値の乏しい山林ということで売れるかどうかわからない不動産を所有しているからということで給付は駄目だということではなく、その辺は今言ったような不動産を持っていても給付の対象にするなど、少し柔軟な対応をするべきだと思います。
○岩村部会長代理 遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 ただ今のご意見は、資産価値がない、なかなか売れないという場合については、それを例外とするというご主張として受け取ってよろしいのでしょうか。
○岩村部会長代理 亀崎委員、いかがでしょうか。
○亀崎委員 はい。
○遠藤委員 その点は、私どももそのように考えております。
 もう1点、前回、居住以外の土地・建物を持っている場合の確認の方法が徹底できないのではないかというご指摘がありました。確かに、その辺はなかなか徹底し切れない部分もあるのかもしれませんが、先ほどから申し上げておりますように、心理的な抑制効果という意味合いがあります。やはりセカンドハウス等を持っている方々についてまで支給していくのかということについては疑問があるところでございますので、現行の基金訓練にあるように居住以外の形で土地・建物を持っている場合については支給しないという要件が必要ではないかと思っております。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。他の方は、いかがでしょうか。坪田委員、どうぞ。
○坪田委員 融資について、現行制度では訓練後6か月以内に就職した場合には貸付分の半分を免除する制度がありますが、モラルハザードの観点から、免除の条件については慎重に検討する必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 少し細かいことに入ってしまうのかもしれませんが、世帯のとらえ方として同居という縛りが新たにかかってきています。例えば現行の基金訓練においても、既卒未就業者については、親元から仕送りを受けている場合についても収入カウントしていると聞いております。恒久的な枠組みを考えていきますと、仕送りを受けているような場合については、その仕送りそのものを収入としてカウントしていく仕組みも必要ではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。
○岩村部会長代理 その点、事務局は何かお考えがありますか。
○土屋企画課長 その点は、まず世帯の範囲をどのように客観的に押さえるかということがございまして、基本的には住民票による確認が一番客観的な確認手段としてはあるのではないかと考えているために、その意味で「同居の親族」と整理をしてはどうかと、この資料の中でも書かせていただいているところでございます。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 まず世帯で「同居」というくくりを置いたことは理解します。個別の例で申し訳ないのですが、学校を卒業しても、まだ続けて親から仕送りを受けている方々について、訓練を受ける場合、働いていないということで収入がなければ支給が続けられるということは、枠組みとしていかがなものかと思いますが、いかがでしょうか。
○岩村部会長代理 私個人の見方ですけれども、今の幾つかの個々の給付要件にかかわる議論というのは、結局一方で雇用保険の社会保険のシステムがあり、実は他方に生活保護があり、この求職者支援の給付を両者の間のどこに位置付けるかということにかかわる議論だという気がいたします。一方では、あまり生活保護に近付けてしまうと、実は生活保護とは違う仕組みをつくろうということの意味がなくなってしまうことがございまして、あまり資産要件なり、その他例えば今の議論でいえば、扶養というか仕送りの議論をきつくやると、実質的には生活保護に近づいてしまうことになって、この制度が持っている意味がどこにあるのかということになってしまうだろうと思います。他方で、これは社会保険のメカニズムには乗っていないので、そのような意味では、社会保険と同じように拠出しているから給付を支給しますとは論理としてはならない。
 そのような意味では、一定の所得要件なり、今日、議論しているような、例えば金融資産なのか預貯金なのかという問題がありますが、そういったところ、あるいは比較的把握できそうな土地と建物くらいまでは見ましょうというところで考えるのかといったところの議論という気はします。今の仕送りの問題が非常に微妙なのは、ではどうやって仕送りをしてもらっているかどうかを把握するのかという話になってしまって、それを厳密にぎりぎり詰めてやろうとすると、結局は生活保護と同じように扶養義務者を調べて、扶養義務者に「仕送りしていますか」ということをさらに聞くことになっていくので、どこかで線を引かざるを得ないだろうし、仕送りしているかしていないかも、最終的には客観的把握が難しいとなると、そこを把握できないものを要件にするのはどうなのかということも考えなければいけないのではないかと個人的には思います。
 その他は、いかがでしょうか。豊島委員、どうぞ。
○豊島委員 今の関連で言うと、(2)「給付要件」についての2番目の丸に「対象者本人に訓練期間中に一定の収入があれば」と書いてあるのですが、仕送りも一定の収入でありまして、例えば極論ですけれども仕送りが15万円ある人に支給するのはいかがなものかと常識的には考えられますし、どうやって把握するかということは難しいというのはそのとおりだと思いますが、先ほどからお話がありますような(6)の「適正な給付のための措置について」の3番目の丸に、「3倍に相当する額の金額の返還・納付を命ずる」というペナルティのこともありますので、なるべくこの人はよいでしょうということがわかるような申告制度があった方がよいという気はしました。意見でございます。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。預貯金の通帳を全部持って来させるという手はあることはあるかもしれませんが。他に、いかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 5ページの5の「訓練受講者に対する就職支援について」をよく見ていたのですが、これは最後の丸に書いています「受講者本人がハローワークに報告する仕組みを設けるとともに、訓練実施機関についても就職状況について把握する」ということでフォローすることになっています。実は今日の午前中にあるポリテクセンターへ視察に行ってきました。ご承知のとおり、離職者訓練において、施設内訓練は就職率が8割近いのです。今、現行の基金訓練は就職率が6割強で、委託訓練は民間に委託していますが就職率が7割弱くらいです。なぜポリテクセンターの就職率がそんなに高いのか。ハローワークに来られている一般の離職者の就職率が23%くらいですから、ポリテクセンターは非常に就職率が高いのです。今日視察したポリテクセンターでお聞きしますと、マッチングを親身になってやっていただいているのです。指導員もそうですし、相談員も訓練の受講生の人の特性なりニーズに合わせて、このような求人が来ている所はどうだと親身になってやっておられて、例えば自宅訪問までされて、アフターフォローもされていると聞いています。例えば面接に行く際も同行して、訓練中の受講者の特性などを相手の社長にきちんと伝えるというきめ細かい体制を取られているというのが今日視察に行ったことでわかりました。
 そうしたことを踏まえると、この新法での求職者支援法というのは、訓練を施すことによって就職につなげるということからいくと、もちろんご本人にハローワークに来ていただくのは当然のことですが、訓練機関が就職支援機能を十分に発揮できるのかというところは、もう少し押さえた方がよくないかと感じた次第です。といいますのは、これは職業能力開発分科会でやるべきことかもしれませんが、今はいろいろな訓練コースが増えていまして、今まで教育をやったことのない産業からも参入してきている状況にあり、就職支援をやったことのない機関も参入してきていると聞いていますので、ここに書いてあるような就職状況だけ訓練修了から3か月経ったときに何分の何という報告だけで、仮にインセンティブとの関係がつくとしても、もう少し就職支援を訓練機関に対しても求めていくようなことが必要ではないかと思います。もう少しここを踏み込んで書き込む必要がないのかと提起申し上げたいと思っております。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。坪田委員、どうぞ。
○坪田委員 先ほどの事務局からの説明で、財源問題については、ペイアズユーゴー原則の趣旨を踏まえる必要があることから、非常に厳しい状況にあるというお話がありました。昨日、官邸で開催されました第6回雇用戦略対話にて、私どもの岡村会頭からも申し上げさせていただきましたが、雇用のセーフティネットの観点から、求職者支援制度は重要であると考えておりますが、財源については一般会計で手当てすべきと考えます。
○岩村部会長代理 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今、坪田委員から財源問題を出していただいたので、我々も全く同じ思いであるということをお伝えしたいと思います。事務局からペイアズユーゴーの原則があって、今非常に厳しいという話もお聞きしましたが、第一のセーフティネットからこぼれた人を対象にした制度でありますので、そこは国の責任できちんと一般財源を付けて制度化を図るべきだと考えておりますので、労働側としても意見を申し上げておきたいと思います。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。豊島委員、どうぞ。
○豊島委員 今の関係でいうと、本当に雇用保険の給付が求職者支援制度の給付と比較して低い額になる者が存在し得るということに絡んできて、片方で雇用保険に入っていて、片方に入っていなくて、もし万が一ということと申し上げたいですが、一般会計から出せないとなると、それは何なのですかということで、長い間議論してきたことを根っ子からやり直さなければいけないことになると思います。ですから、今のお二方の発言は本当に重く受け止めていただいて、ぜひそれは実現してもらいたいということを申し上げた上で、質問ですが、(4)の「給付期間について」の2番目の丸ですが、「循環的に受給することを防止する必要がある」ということについては同感でありますし、給付のインターバルを設けることは理解するところでありますけれども、一番下に書いておられます「非正規労働者も平均的には5年を超える勤続年数があることから、これを勘案したものとしてはどうか」ということについて、平均的には5年ということですが、今の基金訓練の受給者はどのような年齢層になっているのかをお伺いしたいと思います。
○岩村部会長代理 事務局でお願いできますか。渡部補佐お願いします。
○渡部課長補佐  基金訓練の訓練・生活支援給付をもらっている方の年齢分布ですが、30〜40代が一番多いわけですけれども、若い方もお年の方もそれなりにいるという形です。12月7日現在の訓練・生活支援給付の受給資格の認定を受けた方全体で11万6,000人ほどいらっしゃいます。20代までの方が2万5,000人くらいです。30代の方が3万5,000人、40代の方が3万1,000人、50代の方が1万8,000人、60歳以降の方が6,600人という分布になっております。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。では豊島委員、どうぞ。
○豊島委員 そうなると、私の手元に賃金構造基本統計調査の表があって、勤続年数が25〜29歳で2.7年。今3万数千人とおっしゃった30〜34歳で3.5年、35〜39歳で4.3年、40〜44歳で5.0年という分布になっているようですが、もう少し大くくりで非正規労働者も平均的には5年の勤続年数があるからといわれても、この言い方だけでは少し乱暴な気がします。印象で大変恐縮ですけれども、もう少し丁寧に「なぜ5年なのか」ということも、今後の課題でも結構ですから説明していただきたいと思います。
○岩村部会長代理 それはまた事務局でご検討いただくということで、お願いしたいと思います。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 4ページの(4)の今のところで関連ですが、ここは「いったん受給すれば」と記述されていますので、起点は受給開始から5年と読めるのですけれども、訓練期間は今の論点ですと例外的にしろ2年まで認めるということになると、普通はインターバルというと、終わってから次のスタートまでがインターバルだと思いますけれども、受給を開始してからということになりますと、その辺の不公平感がどうしても出てくると思います。この辺について、ご意見があれば事務局に伺いたいと思います。
○岩村部会長代理 ここは事務局の趣旨はいかがでしょうか。
○土屋企画課長 今ご指摘がありましたように、インターバルの起算点は受給の開始時点で押さえるという俯瞰を持ちながら書かせていただいたということでございます。趣旨としては結局一定の連続して受講する方がいらっしゃる場合があるわけですが、その場合1回目2回目とあった場合に訓練の終了点をどのように押さえるのかが実務的には難しい面がありまして、給付のインターバルという意味では開始点を押さえた方が、より客観的に押さえられると考えております。

○岩村部会長代理 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今のご回答の中で終了点を押さえるのが難しいというのが私は全然理解できません。先ほど申し上げたように、就職につなげるため、ハローワークに来ていただいて訓練機関からも報告をもらうという体制をつくるわけですから、終了時点が把握できないということでは、これから制度をつくろうというのに事務的な管理体制として本当に大丈夫なのかと疑問に感じるのですけれども、何かありましたら再答弁をお願いします。よろしくお願いします。
○土屋企画課長 今おっしゃったような趣旨で、終了点は押さえにくいというよりは、2回目があるかどうかがわからないときに1回目を終了点として起算点とするかどうかがはっきりしないという趣旨でございます。
○岩村部会長代理 議論を踏まえて、事務局でも検討いただきたいと思います。課長の言われることも確かにそう言われればそうかなという気もいたします。
 先ほど、新谷委員から質問がありました就職に向けての取組の件は、何か現時点でお考えなりお答えいただくことがあればと思います。今の時点で難しいということであれば、またご検討いただくということだと思います。課長、お願いします。
○土屋企画課長 就職支援のところは、今の基金の事業以上にしっかり取り組んでいきたいと私どもも考えていまして、その意味でまずハローワークをしっかりやるということだと思っておりますが、加えて訓練実施機関にもそこの対応をきちんと図っていただくように、ハローワークとの連携も含めてやっていきたいと思っております。職業能力開発分科会でも議論をしていただいていると思いますが、訓練実施機関にどのようにその部分を取り組んでいただく仕掛けをつくるかというのは、職業能力開発分科会でのご議論を踏まえながら、制度全体の中にビルトインしていきたいと思っております。
○岩村部会長代理 そういうことでしたら、今日の雇用保険部会で先ほどの新谷委員のようなご指摘があったということ、特にノウハウのない新しい訓練実施機関が入ってきた場合の問題ということについても職業能力開発分科会に取り次いでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 他は、いかがでしょうか。栗田委員、どうぞ。
○栗田委員 戻ってしまうかもしれないのですけれども、給付要件についての3ページの同一世帯においての複数受給について、これについて同時に世帯全員がなった場合ということで、どのような方法で、どの程度制限すべきかという議論点があるわけですけれども、基本的には個人に対する訓練期間中の生活支援からすると、人数などの制限は基本的にはするべきではないと考えます。ただし、所得制限ということであれば、世帯の上段に書いてある年間の年収、家族としての標準生計費といったものを給付も収入と考えて、すべて世帯全員の収入ということを考えるのであれば制限できるのではないかと考えます。方法についてはいろいろ難しい問題もあるのでしょうけれど、申告制、それから納税の部分でもチェックできるのではないかと考えます。以上です。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。では遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 ただ今の複数受給の対応について、目指しているところは多分同じだと思います。事務方におたずねしたいのですが、3ページの書きぶりを見ますと、それぞれ収入要件というのが個人と世帯にかかっています。収入を見る場合どういう状況を見ていくのか。例えば(2)の二つ目の丸を見ると、訓練期間中に一定の収入があればということですので、恐らく個人の方については受講期間中の動きを見ていくということだと思います。それに対して世帯年収というのは、同じような形で当該者が受給している期間、あるいは訓練を受けている期間の年収を見ていくのか。それとも、現行の基金訓練が行っているような形で、訓練が始まる前の1年間の部分を見ていくのかということについては、どうでしょうか。
○岩村部会長代理 では課長、お願いします。
○土屋企画課長 いろいろご議論いただいた上で決めていくことだとは思っていますが、とりあえず私どもが今、念頭に置いておりますのは、本人の収入要件につきましては、ここにも記載しておりますように訓練期間中の収入を見ると考えておりまして、一方の世帯収入については明確にここには書いておりませんが、世帯の収入を押さえる方法としては市町村が発行する所得証明などで押さえるのが客観的に押さえられる手段としても公的なものでもあるということもございますので、そういったもので押さえる方法があるのではないかと考えております。
○岩村部会長代理 では遠藤委員、どうぞ。
○遠藤委員 所得証明ということになると、訓練開始前という理解でよろしいですか。
○土屋企画課長 証明が出るという意味では、前年の所得という押さえ方になると思います。
○遠藤委員 そうなってくると、組み合わせをどのような形にしていくのか。運用の中でうまくいくのか、もう少し整理をしなければいけないと思っています。ただ、複数の方が同時に受けることによって手厚感が出てしまうことは否定できないものでありますので、前回の会議で藤原委員から提案させていただいたように、簡単に言えば2人目以降は減額していく。その場合は、なぜ減額するのか、同居という形で生計を一にするとみなして、仮に減額しても、世帯の中で助け合ってくださいということで見ていく考え方が一つあり得るのではないかと思います。
 続けて、私の頭の整理ができていないものでお恥ずかしいのですが、2ページ目の対象者のところです。前半の議論では65歳以上の方々の取扱いについてどうするのかが、明示的に書かれていたと思います。当然、訓練ありきの給付でありますから、まず訓練を受講する場合の65歳以上の取扱いについてどのようになっているのかというのが、1点目の質問であります。
 2点目としては、3ページ目に戻って恐縮ですが、(2)の給付要件の二つ目の丸です。「雇用保険の被保険者とならない程度の働き方を勘案したものとすることが適当である」、この含意はよく理解しているつもりです。ですから逆に、雇用保険の被保険者となるような働き方をしている場合には、月1回来所が義務付けられると聞いておりますので、ハローワークに行くときにその辺のチェックが可能な仕組みになるのかどうか。これが2点目であります。
○岩村部会長代理 事務局でお願いできればと思います。
○土屋企画課長 前者のご質問には後ほど、職業能力開発局から答えさせていただきたいと思います。後者の方ですが、ご趣旨は雇用保険の被保険者になっているかどうかの確認をするということだと思いますが、それは確かにハローワークに出頭する、ないしは給付の申請をする、認定の手続きをする際には確認すべき事項だと思いますが、確認させていただきたいと思います。
○松本企画官(職業能力開発局総務課) 65歳以上の方の訓練の受講についてでございますけれども、求職者支援制度について職業能力開発分科会での議論では、今のところ原則として65歳以上の求職者は対象外という案になっております。ここは「原則として」ということが付いておりますので、個人の必要性・緊急性によって受講することを妨げられないのではないかという議論でございました。
○遠藤委員 まず、65歳以上に関連してですが、例外的に訓練を受ける方がいる。そうなると、その方については年金受給の世代に入ってくるわけですけれども、その方について支援給付を行うかどうかということが論点としてあるのではないかと思っております。今の段階では年金をもらいながら、その人に対して支援給付を行っていくことについては、疑問なしとしないということかと思います。
 それから、先ほどの申告・申請、チェックですけれども、そもそも雇用保険の被保険者については、2ページ目の2の対象者の最初の丸で「支援を受けようとする雇用保険の被保険者及び受給資格者でない者を対象者とすべきである」ということでありますので、雇用保険の被保険者になった時点で、この求職者支援制度の対象者ではないという理解でよろしいのでしょうか。
○土屋企画課長 結構でございます。
○岩村部会長代理 もう一つ、雇用保険制度本体の話も実は今日の議題でございますので、もしよろしければ、あとお一方くらいにお願いしたいと思います。労側の委員、どちらにされますか。できればお一人に絞っていただけるとありがたいのですが。
 では新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 一人で二つ申し上げます。一つは給付額を全国一律とするかどうかという問題でございます。これは前回も論議になりましたけれども、いろいろな根拠がそれぞれあって、取り方もそれぞれありますが、これは安心して訓練していただくための給付金でありますので、それだけをもって生活全てを支えるものではありませんので、全国一律で決定してはどうかということを、まず申し上げておきたいと思います。
 もう一つは、今回の検討が始まる際からずっと申し上げたところで、4ページの(4)のすぐ上のところに記載されております、恒久化するに際して雇用保険の給付の額と生活給付金との逆転の問題です。これについては、どう対応するのかということで書かれているのですけれども、これは前から申し上げているように、隣近所で仲の良い方がいて無職の方が申し込んだら10万円もらえて、パートで働いて雇用保険料を払っている方が7〜8万円しかなかったという逆転をどうするか。これについては、雇用保険制度からこぼれた人というのはわかるのですが、要するに申請の併合というか競合をどのように調整するかということだと思います。それは例えば選択制にして、雇用保険から受給するのか、求職者支援制度の給付を先にもらうのかという選択制度を入れたら、かなり調整できるのではないかと思っています。そのときに、例えば勤続期間の長いパートで働いている方がおられて、仮に300日もらえるとしたときに、例えば先に求職者支援制度で3か月の訓練をしたならば雇用保険の給付日数が残りますので、残りの部分については300日なら300日の給付日数から求職者支援制度から受給した日数を差し引いた残日数分を雇用保険からもらえるようにする。それを選択させるという制度を検討していただけないかということで、調整を図っていただけないかと思っております。以上です。
○岩村部会長代理 ありがとうございました。それでは、まだ多々ご意見もあろうかと思いますが、今日は素案ということですので、また議論は続けさせていただくことになると思います。いずれにしましても今日の議論を踏まえまして、当然、議事録を基にまた部会長と事務局で相談し、その上で次回に報告書の案をご用意いただくことになります。そのようなことで、今日のところは「求職者支援制度について」は、いったんここで議論を閉じさせていただきたいと思います。
 ここで、職業安定局総務課の首席職業指導官室の中村室長補佐、そして職業能力開発局総務課の松本企画官、能力開発課の渡部課長補佐は退席されます。どうもありがとうございました。
 では、次の議題の「雇用保険制度について」に移らせていただきたいと思います。この雇用保険制度につきましても、部会長と事務局で相談していただきまして、事務局で素案をご用意いただいております。まず事務局から、資料No.2の素案について説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○篠崎課長補佐 それでは資料No.2-1の素案から説明させていただきたいと思います。素案の中で、適宜、資料No.2-2、資料No.2-3も参照いただきながら説明させていただきたいと思っております。まず、素案の1ページの第1です。ここでは「雇用保険制度の現状等」ということで、最近の法改正など取り組んできたこと、それから直近の雇用失業情勢などの現状ということで書かせていただいております。読ませていただきます。
 第1の「雇用保険制度の現状等」です。「雇用保険制度においては、平成20年度後半から雇用失業情勢が急激に悪化したこと及び厳しい雇用失業情勢が特に非正規労働者の雇用の安定に大きく影響を与えたことに対応し、平成21年及び22年において、雇用保険法改正等を行い、非正規労働者に対する適用の拡大、有期契約労働者の受給資格要件の緩和、個別延長給付の創設、再就職手当の給付率の引上げ等を行ったところである。
 また、厳しい経済・雇用状況を踏まえ、雇用保険の財政基盤を強化するため、平成21年度において失業等給付に一般財源を投入するとともに、安定財源を確保した上で平成23年度から国庫負担を法律の原則に戻す旨を雇用保険法の附則に規定したほか、雇用保険二事業についても、平成22年度及び23年度の雇用調整助成金等のために必要な額について、失業等給付に係る積立金から借入を可能とする暫定措置を講じたところである。
 このような中、最近の雇用失業情勢は完全失業率が5%台、有効求人倍率が0.4倍台から0.5倍台で推移するなど、依然として厳しい状況にある。
 一方、雇用保険の財政収支については、雇用保険部会報告書(平成21年12月)における平成21年度の積立金の取り崩しは8,000億円の見込みであったものの、実際の取り崩しは約2,000億円に止まったほか、雇用保険受給者実人員についても、依然として高い水準で推移しているものの、平成22年3月以降、8か月連続で対前年比で減少しているところである」ということで現状を書かせていただいております。
 それから、第2が見直しの方向性です。はじめは本年9月以降に議論を開始してきたということで、昨年12月28日の部会報告で「今後の課題」とされた[1]から次ページの[5]までについて議論してきました。また、これに加えまして2ページですが、「財政運営について議論を進めてきたところであり、以下の結論を得た」と。報告書の案ということで「結論を得た」という表現にさせていただいております。
 まず、2ページの1「失業等給付について」です。(1)が「基本手当の水準の見直し」です。一つ目の丸は、「失業者に対して支給する基本手当の算定の基礎となる賃金日額について、その下限額は、制度創設時に、地域別最低賃金の全国加重平均額等を勘案して決定された額を、これまで、平均給与額の変化に応じて自動変更してきたものであり、法定の額の改正を要する際にも、平均給与額による自動変更に基づき額を設定してきた。また、これまで実態として、賃金日額の下限額は、最低賃金の全国加重平均の額を常に上回ってきたところである」。
 二つ目の丸です。「しかしながら、最低賃金の引き上げが図られる一方、下限額は、直近の改正(平成15年)以降、ほぼ毎年マイナスの自動変更となった結果、平成22年度、初めて、下限額が最低賃金を下回る状態となった。こうした逆転現象は、制度の趣旨に鑑み、早急に解決すべき課題であり、上限額が直近の賃金分布をもとに決定されてきた経緯を踏まえ、下限額についても、賃金分布に基づいた新たなルールを設定して引上げを図るべきである」。
 三つ目の丸。「また、過去の改正において、上限額、下限額等は、常に一体で法定の額の見直しが実施されてきたため、今回も、下限額の見直しと併せて上限額等の見直しを実施する必要がある」。
 四つ目の丸。「こうした観点から、上限額、下限額等については、法定の額を、賃金構造基本統計調査の賃金分布を踏まえ、以下のとおり見直すべきである」ということで、具体的な年齢分布ごとの上限額と下限額を記載させていただいておりますが、その前に資料No.2-2で説明させていただきます。
 資料No.2-2の1ページ目は下限額・上限額の推移です。前回の部会で直近10年ぐらいの推移ということもありましたので、10年間を付けさせていただいておりますが、下限・上限共に基本的にはスライド等により額が下がってきている傾向を示しております。
 2ページをお開きください。こちらが先ほどの具体的な見直しの考え方ということで、下の方に現行の考え方と改正案の考え方を記載させていただいております。まず、上ですが、基本手当というのは賃金日額に給付率を掛けて実際に受け取る額が決まるということで、これまでも説明させていただいたように、賃金の低い方には給付率8割と手厚く、そして賃金の高めの方については給付率50%ということで低めに設定させていただいております。80%から50%の間は徐々に給付率が逓減していくことになっております。そのような形になっておりますので、下限と80%から逓減していく形の屈折点と呼んでおりますが、その低い方と屈折点の高い方、それから上限額という点があります。それぞれについて額を定めることになります。また、この屈折点の上限を変えることによりまして、全体の逓減率の線自体もシフトしますので、この間の方々についても給付率が変わりますので基本手当の額が変わることになります。
 そして現行の考え方ですが、まず上限から説明させていただきたいと思います。上限の現行は賃金分布の第3四分位、賃金構造基本統計調査によります賃金分布の第3四分位以上の中位数の金額ということで、具体的に言えば賃金水準の高い方から12.5%の水準の金額にしてきました。
 それから上限に近い屈折点については、賃金分布の第3四分位の金額ということで賃金水準の高い方から25%の金額とそれ以下を分ける金額ということです。今回、上限額と屈折点の高い方につきましては、従前と同じような考え方で直近が把握できる平成21年度の賃金構造基本統計調査を基に設定したいと考えております。
 それから下限額ですが、まず下限額に近い屈折点の屈折点(低)というところですが、ここはこの法制の創設時に、最低賃金の全国の加重平均なども勘案して、連動しているわけではないのですが、そういったことも勘案して計算しておりました。その額について、毎月勤労統計調査でスライドしてくるということで、いったん決めた額をスライドさせてきたということです。下限額というのは、その屈折点の2分の1という考え方で設定しておりました。雇用保険は、週20時間以上で適用ということですので、半分というのは通常の労働者の40時間労働に比べて半分ぐらいということで額も半分。屈折点の低い方の2分の1という決め方をしておりました。これにつきまして報告書の案の中では、下限額についての賃金分布に基づいた新たなルールを設定して引き上げを図るべきであるという案にさせていただいておりますので、上限が賃金構造基本統計調査の賃金分布を使うということでしたので、下限につきましてもこの賃金分布を基に設定するということで、具体的には屈折点の低い方を賃金分布の第1十部位以下の中位数の金額とするということ。具体的には賃金の低い方から5%とそれ以下を分ける金額ということになります。そして下限額についてはこの半分ということで賃金分布の第1十分位以下の中位数の金額の2分の1とするということで設定したいと考えております。これが考え方です。
 3ページです。上限、下限、屈折点とありますが、ここでは上限と下限だけ抜いていますが、上限は年齢ごと、下限は統一です。現在は平成15年改正で法律上記載された額が一番左側です。これがスライドしておりますので、実際に適用されている平成22年現在の金額。それから改正案による額、増加額。これは平成22年現在からの増加額ということで記載させていただいております。先ほどの考え方に基づいて見直しますと、上限額の30歳未満が12,870円で増加額580円。30歳〜45歳未満が14,300円で増加額650円。45歳〜60歳未満の改正後(案)が15,730円で増加額720円。60歳〜65歳未満が15,020円で増加額480円。それから下限額につきましては現行の2,000円が増加額320円ということで賃金日額がそれぞれ増加するという案で提示させていただいております。なお、これは賃金日額ですので、注にありますように求職者が受給できる額は、この賃金日額に50〜80%、60歳以上の方については45〜80%という給付率を掛けて算出することになります。一番下は例えばということですが、賃金分布2,000円の下限の求職者が受給できる額は、単純計算で言いますと月当たり7,680円増えるというものです。
 報告書の素案の2ページにお戻りください。そういった形で上限額と屈折点それぞれをここで決めさせていただいております。上限額は先ほど申し上げた通りですが、2ページの下の上限に近い方の屈折点につきましては、11,740円に設定する。それから60歳以上65歳未満の屈折点につきましては10,570円に設定する。それから次ページです。屈折点の下限に近い方につきましては4,640円にするということで、案を示させていただいております。
 それから3ページの次の丸ですが、日額の改正をしますと、これに連動して見直したりと連動するもの等がありますので、「これまで賃金日額の上限額、下限額とあわせて設定してきた高年齢雇用継続給付金など他の給付の限度額等についても、上記見直しと併せて見直すべきである」ということで、他の給付につきましても同じように見直しをすべきであるとさせていただいております。
 続きまして、次の丸は基本手当に係る給付率、給付日数の関係です。こちらにつきましては「過去の改正経緯も踏まえつつ、給付率が低所得者に対しては十分な保護を図るとともに、高所得者に対しては再就職意欲を阻害することのないように設定されていること、給付率や給付日数は労働市場の変化や雇用就業形態の多様化に対応するとともに、求職者の意識、行動に大きな影響を与えることも考慮して、平成23年度末まで暫定的に講じることとしている個別延長給付等の取扱いと併せて、引き続き検討すべきである」ということで、給付率や所定給付日数等につきましては、平成23年度末までに講じております個別延長給付等の暫定措置がありますので、そちらと併せて引き続き検討すべきであるとさせていただいております。
 それから(2)の「安定した再就職に向けたインセンティブの強化、恒久化」です。一つ目の丸です。「失業者の再就職を促進することは、未だ失業率が5%台で推移する中で喫緊の課題であるとともに、今後、雇用情勢が回復していく途上においても重要な課題であるから、安定した再就職支援に向けたインセンティブを強化する措置を講ずるべきである」ということで、具体的に書かせていただいております。
 再就職手当の給付率の引き上げ等につきましては平成23年度末まで暫定的に講じているところであるが、[1]として記載しておりますが、当該措置により厳しい雇用失業情勢の中でも再就職者数が相当程度増加する等の効果が現れていること。それから[2]としましては前段で議論していただきましたが雇用保険を受給できない方に対しては、求職者支援制度を創設して就職支援していくということがありますので、雇用保険を受給している方に対しても受給中の早期再就職のインセンティブを与えることにより支給終了まで未就職の者を減らすことが期待されることを踏まえて具体的な案は「再就職手当については引き続き「所定給付日数の3分の1以上」の残日数があれば受給資格を満たすこととするとともに、給付率も、暫定措置では支給残日数が3分の2以上の場合に50%、3分の1以上の場合に40%となっているものを、それぞれ、60%、50%へ引き上げた上で、恒久化すべきである」と提示させていただいております。
 それから「また」ということで、就職困難者に対しては暫定措置がこちらも講じられておりますが、「支給残日数が3分の1以上ない場合に、再就職の際の初期費用を支援する「常用就職支度手当」についても、安定した再就職を一層推進する観点から給付率40%を恒久化するべきである。なお、「常用就職支度手当」の対象を年長フリーター等の「40歳未満の者」にまで拡大する暫定措置の取扱いについては、平成23年度末まで講じている個別延長給付等の他の暫定措置の取扱いと併せて検討すべきである」ということで、再就職手当は3分の2以上残しの場合は6割、3分の1以上残しの場合を5割としましたが、これとは差を付ける形で3分の1以上ない場合に、初期費用を支援するこの「常用就職者支度手当」については給付率を40%と差を付けた上で恒久化すべきであるということで案を提示させていただいております。
 こちらの関係で資料No.2-2の4ページをご覧ください。「制度改正に伴う財政影響について(試算)」です。これは前回、財政影響というご質問もありましたので試算させていただきました。こちらは施行日がまだ決まっておりませんので、一応平年度ベースで1年間講じたらということで、試算させていただいております。まず、基本手当の日額、先ほどの上限・下限の引き上げや、その他の給付も改正したらということですが、こちらは日額の引き上げに伴う増ということで、約210億円と試算しております。注1にありますように、施行日が変わればそれによってまた変わるということで、これは平年度ベースの試算です。
 それから再就職手当です。まず、制度改正に伴う支出の増としまして、制度改正を行ったことによって再就職手当の支出が増えるということで、一応幅を持った試算にしておりますが、約370〜500億円の再就職手当に伴う支出が増えるだろうということで試算しております。一方で、再就職手当を受けた方については、求職者給付はもらい切らないということですので、こちらが抑制されるだろうということで、再就職促進による求職者給付抑制も試算に入れております。これも上記と連動して幅がありますが、約270〜500億円。差し引きでいいますと、約100〜0億円の歳出増ということで試算しております。これも注4にありますが、施行日により当然変動します。また、これは試算には入れてはおりませんが、注3にありますように、早期に再就職すれば当然被保険者が増える。また、それによって被保険料を納めていただくのも当然効果があるのではないかと思いますが、それはこの試算の中には入れてはおりません。以上が「制度改正に伴う財政影響について」の試算です。
 恐縮ですが、また報告書にお戻りください。資料No.2-1の4ページです。2の「財政運営について」の(1)「失業等給付に係る国庫負担について」です。これは、これまでもご議論いただいておりますし、たたき台にもあるとおりですが、「失業等給付に係る国庫負担については、平成19年度から暫定措置として法律の本則(1/4)の55%(13.75%)とされているが、平成22年度雇用保険法改正により、平成21年度に一般財源を投入するとともに、同法附則において「平成22年度中に検討し、平成23年度において、安定した財源を確保した上で国庫負担に関する暫定措置を廃止するものとする」とされたところである。
 「雇用保険の保険事故である失業は、政府の経済対策、雇用対策とも関係が深く、政府もその責任を担うべきであるから、上記の法附則の規定に基づき、国庫負担に関する暫定措置を廃止すべきである」ということで記載させていただいております。
 それから、(2)「平成23年度の失業等給付に係る雇用保険料率について」です。「平成23年度の失業等給付に係る雇用保険料率については、現下の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあるものの、雇用保険受給者実人員の状況や積立金の状況を勘案し、原則16/1000であるところ、平成22年度に引き続き、弾力条項による下限の12/1000に引き下げることとすべきである」。これまでの審議会の意見を踏まえて、このようにさせていただいております。
 なお前回、こちらは平成23年度の料率ということですが、平成24年度以降の料率についても議論してはというご意見がありましたので、資料を用意しております。資料No.2-2の5ページをお開きください。ページ番号が少し見づらいですが、5ページはいつも出させていただいております保険料率の推移です。
 それから、6ページが「雇用保険料率の弾力条項について」ということで、雇用保険はまず基本となる料率が失業等給付ですと1000分の16ということですが、これについて積立金の状況を勘案しましてプラスマイナス0.4%にできるということで、積立金がある場合には1000分の12まで引き下げる、積立金がない場合には1000分の20まで引き上げることができることになっております。これが現行の仕組みです。
 それから1ページ飛んで8ページです。こちらは線になっている部分が実際の保険料率の推移です。基本料率と弾力条項による上限と下限を点線の網掛けで記載させていただいております。平成10年から平成12年までは法律で1000分の8にするということで0.8%になっておりましたが、平成13年度以降は基本料率が1.2%で、これについて弾力条項により実際は1.2%、1.2%、1.4%なっておりました。そして、平成15年度以降は、基本料率を1.6%に引き上げております。その後の平成19年度には上下限幅をプラスマイナス0.2%から0.4%にするという改正で、引き上げる、引き下げる幅を広げているということです。実際の料率はここにある通りですが、1000分の16、1.6%にしましたが、1.6%の水準になったのは平成17年度、18年度のみで、平成19年度以降、近年は平成21年度を除き基本的に1.2%で推移しています。平成23年度についても1.2%としてはどうかと現在ご議論いただいているところですので、1.6%という基本料率はこの流れから見ると少し上にあるということを示させていただいております。
 9ページ以降は、以前の部会で出させていただきましたシミュレーションを参考にこれを付けさせていただいております。以上が雇用保険料率の関係です。
 また資料にお戻りいただきまして、4ページの(3)です。「雇用保険二事業に係る財政運営について」です。読ませていただきます。「雇用調整助成金をはじめとする雇用保険二事業については、失業の予防を図る観点から、その機動的な運用を図ってきたことは適切であり、雇用失業情勢に対応して、引き続き機動的かつ適切な雇用対策を実施していく必要がある。一方で、平成22年度、平成23年度と、失業等給付の積立金からの借入を可能とする暫定措置を2年間に限り実施している状況を踏まえ、平成24年度以降に、借入の返還が確実に可能となるような事業規模・内容にしていくべきである」。
 「このため、雇用保険二事業について、これまでのPDCAサイクルによる目標管理を更に徹底強化することにより、必要性や効率性の観点から、事業内容を精査するなど、不断の見直しを更に推進していくべきである」とさせていただいております。
 この関係で資料を用意しております。資料No.2-3です。分厚くて恐縮ですが、資料のご紹介だけさせていただきます。現行の雇用保険二事業につきまして、1ページは概要で、雇用安定事業と能力開発事業があるということですが、3ページは現行のPDCAサイクルのイメージです。目標設定をして実際の事業をする。その上でその評価をし、評価を踏まえまして事業の見直しを繰り返していくことということです。
 具体的にどうしているかということは4ページをご覧ください。雇用保険二事業のPDCA、評価の考え方としては、目標達成度が達成か未達成かということで、横軸があります。事業の執行率ということで、これが高いか低いかということを縦軸にしておりまして、この目標達成度と基準を8割に置いております事業執行率によって、A、B、C、Dという評価をしています。その上でBについては適切な予算の水準にする。C、Dについては立てた目標に達成しなかったということですので、事業の廃止または見直しということを図っていくことで見直しを行っていきます。
 そして6ページが平成21年度の評価を平成23年度の概算要求段階ですが、どう反映したかということで、それぞれの政策が幾つあって、それぞれどのような見直しをしたかという全体像が付けてあります。
 資料の紹介だけで恐縮ですが、7ページ以降はそれぞれの事業につきまして、事業名、事業概要、そして平成21年度の評価がどうであったか。それから平成23年度概算要求にどのような見直しをしたかということで、記載しております。また先日来、議論がありました行政刷新会議の仕分けに関係する評決結果があるものについては、この評決結果の欄に記載させていただいております。
 また資料が分厚くて恐縮ですが、27ページ以降に平成21年度の実際の評価一覧を付けさせていただいております。これは既にホームページにも掲載しておりますが、こういった形で評価をし、また公表もすることで対応しております。
 具体的に33ページをお開きいただきますと、例えば早期再就職専任支援員による再就職支援のプログラムの実施につきまして事業概要や予算額、また、雇用保険二事業以外の財源を使っているものについては他勘定の予算額、例えば平成21年度であれば、再就職支援のプログラム開始件数を72,000件以上にする。また、就職率は70%以上にするという目標を平成21年度に立てました。実績が達成か未達成かということで、この場合であればそれぞれ達成。また事業執行率が計画したプログラムの開始件数よりも上回ったということで達成状況がこの場合ですとAということです。こういった形で、すべて個別に目標と実績を記載しているものをホームページに掲載させていただいております。
 それから、最後のページをご覧ください。昨日の12月15日に行われた「雇用戦略対話」の中でまとめられたものを紹介させていただいております。「雇用戦略対話」は雇用戦略に関する重要事項について総理大臣主導の下で労働界、産業界をはじめとした各界のリーダーや有識者に参加していただいて、意見交換と合意形成を図ることを目的として行われているものですが、この中でまとまりました合意を紹介させていただいております。下の具体的なところですが「労働保険特別会計による事業」ということで、労働保険特別会計の雇用保険二事業、以下は労働者保護や雇用のセーフティネット対策として重要な役割や労使の議論を積み重ねてきた経緯を踏まえるとともに、行政刷新会議の指摘を踏まえた無駄の排除の徹底の観点から点検を行い、より効率的・効果的な事業として必要な見直しを行った上で、今後とも実施するとされたところでございます。以上、雇用保険二事業の関係を紹介させていただきました。
 最後に、5ページの3「その他」でございます。「1及び2で引き続き議論することとされたもののほか、マルチジョブホルダーへの対応、65歳以降への対処、高齢継続給付のあり方、教育訓練給付のあり方については、今後の雇用失業情勢や社会経済情勢、高年齢者雇用を取り巻く状況等を勘案しつつ、労働政策全体の議論も踏まえながら引き続き検討すべきである」ということにさせていただきまして、これらの課題につきましては、引き続き検討ということで提示させていただいております。以上、長くなりましたが、資料の説明でございます。
○岩村部会長代理 ありがとうございました。それでは、ただ今ご説明いただきました報告書の素案につきまして、ご意見あるいはご質問がありましたら、お願いいたします。豊島委員、どうぞ。
○豊島委員 何度も申し上げてきたことで恐縮でございますけれども、基本手当の水準について意見を申し上げたいと思います。2003年の改正のときの雇用保険部会の報告書(概要)をコピーして持ってきたのですが、これも重ねてですが、そこには冒頭に当面する財政破たんを回避するために、あるいは将来にわたる財政制度の安定的運営を確保するため給付負担の両面にわたり見直しを早急に行う必要があるということで苦渋の選択をしたという経過がございます。そのときに、給付率の見直しということで、給付日額60〜80%を今日出していただいている資料にありますが50〜80%に変えたり、給付日数を見直したりしたということでございます。以前にも申し上げましたが、この法改正前の水準に戻すことも含めて検討すべきではないかということを考えておりますので、重ねて申し上げておきたいと思います。
 先ほどの資料の中でもありましたけれども、賃金水準の高い方は高い方なりの生活設計があるわけで、例えばローンを組むとか、あるいは失業した後も前年度の住民税であるとか、いろいろなものがあるわけでございますので、そういうことも考えれば、あのときに苦渋の決断をして切り下げたことを前のことに戻すべきではないか。基本的な考え方としてそのことも検討すべきだと思います。厚生年金や健康保険の場合と違って、賃金の収入に応じて雇用保険は料率があって取られて、片方は上限がなく給付に当たって上限があるということであれば、そこでズレを感じますし、現行の状況を今ここにまとめておられるような最低限、当然のことでしょうが、このようなことではなくて、もっと抜本的な見直しを検討していただきたいと思います。以上でございます。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。その他、いかがでしょうか。栗田委員、どうぞ。
○栗田委員 国庫負担についてです。何度もこの場で言わせていただいているのですが、報告の中で4ページの2の(1)の二つの丸で示されております。ありがたいと思っています。さらにということであれば、二つの丸の中で「国庫負担に関する暫定措置を廃止すべきである」という文言があるのですけれども、さらに「廃止し本則4分の1とするべきである」と、強調していただけると、さらにありがたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤委員 豊島委員のご主張は承っております。ただ、今回の見直しに関しましては、今日ご提示いただきました素案の3ページ目の二つ目の丸の後段に書いてありますように、平成23年度末まで暫定的に講じることとなっている幾つかの取扱い、ここには「個別延長給付等」と書いてありますけれども、そういった取扱いと併せて引き続き検討すべきであるという今回の方向性でよろしいのではないかと思っております。以上であります。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。その他、いかがでしょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど、このたたき台とは別に、資料No.2-2の8ページで、平成24年度以降の保険料率の検討に当たってということで、参考の資料が出てきております。基本料率1.6%に比べて直近では平成21年度の0.8%は除いて、1.2%に張り付いているというのが出されております。それで、先ほど豊島委員が申し上げたように、実は前回の部会の資料の中に雇用保険の失業等給付の長期の収支状況が出ておりまして、長期のトレンドの中でこれをどうとらえるかということは非常に難しいと思います。今言いましたように、例えば積立金が4兆円近くあるというのも、先ほど申し上げたように平成12年、平成15年の大幅な給付の見直しによって、積立金が積み上がってきたということでありますので、こういった背景の下での1.6%と弾力条項による今の1.2%との関係で料率をどうするかということについては、給付を元に戻すのか、料率を検討するのかということは非常に難しい判断になると思いますので、慎重に考えてまいりたいと思っているのが1点です。
 もう1点は、先ほどの二事業の資料No.2-3ということで束になったものをいただきまして、確かに二事業は、こんなにたくさんあるのだなと見た次第です。今回の仕分けの中では二事業については雇用調整助成金を除く必要性の低いものは特別会計で行わないということでありましたが、昨日の雇用戦略対話において末尾に付けていただいていますように、無駄の排除は当然やる必要がありますが、必要な見直しを行った上で、今後とも実施をするというのが政労使で合意されたということでございますので、無駄の排除はこの部会でも個別に事業の検討はどこまでできるかわかりませんが、この部会の中で検討しながら必要な事業は当然続けていくということで、その確認も雇用戦略対話の確認ではありますが、雇用保険部会としても今後必要な事業については継続していくべきだと考えておりますので、あらためて申し上げておきたいと思います。以上です。
○坪田委員 二事業に関連してですが、商工会議所としては、これまでも、雇用保険二事業懇談会において、制度のあり方について意見を申し上げてきましたが、ほとんどの場合が既に実施された事業について説明を受け、それに対して意見を申し上げているのが現状ですので、事業主の意見を事後的にではなく、可能な限り事前に反映するような場にしてほしいと思っております。よろしくお願いします。
○新谷委員 今、坪田委員から雇用保険二事業懇談会という話が出たのですけれども、雇用保険二事業懇談会は今までは当然事業主の全額負担で二事業をやられていましたので、事業主と厚生労働省で多分やられていたと思います。我々労働側には一切それは関係のない話でいたわけです。ところが、ご承知のとおり今、二事業は失業等給付の積立金から4,400億円の借入を行っている状況であり、我々も利害関係者になっていますので、雇用保険二事業懇談会の運営のあり方についても、労働側の関与についてどうあるべきかにつきまして、事務局でも検討をお願いしたいと思います。
○岩村部会長代理 他に、いかがでしょうか。では古川委員、どうぞ。
○古川委員 素案の3ページの一番上の丸ですが、「高年齢雇用継続給付金など他の給付の限度額等についても」とありますが、この「等」の中には、例えば雇用保険二事業にかかわる助成金の上限額もこの「等」に含まれると考えてよろしいのでしょうか。
○篠崎課長補佐 この「等」の中には、例えば高年齢雇用継続給付だけではなくて、育児休業給付や介護休業給付も上限額がありますので、これが変わるということ。それから、今ご質問の雇用保険二事業の関係につきましても、例えば雇用調整助成金につきましては、雇用保険の賃金日額の上限額を上限にしていることがございますので、これに合わせて連動して上がるという部分では、ご質問のとおり雇用保険二事業の助成金についても影響があるものと考えております。
○岩村部会長代理 よろしゅうございますか。では豊島委員、お願いします。
○豊島委員 仕分けについては、本当に仕分けされた方が評決結果を出した後に説明を受けて「うっかりしていた」「忘れていた」という発言があるということも漏れ伝わっておりますので、大変腹立たしいものがあります。仕分けは4月にあり5月にありで、この政権の中で、それを受けて厚生労働省として概算要求を出しておられることもありますし、それも含めて全部再仕分けでやられたと思いますけれども、これから今は予算が大詰めだと思いますが、8月の概算要求で出されたことは自信を持って出されたことだと思いますので、具体的には申し上げませんが、ぜひ最後の最後まで他のこともたくさんあろうかと思いますが、頑張っていただきたいと思います。以上です。
○岩村部会長代理 ありがとうございます。他は、いかがでございましょうか。何となく最後の豊島委員のお言葉で皆元気が出たような感じもいたしますけれども、この辺りでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、雇用保険制度につきましても、次回は今日の議論を踏まえまして、部会長と事務局との間でご相談いただき、報告書の案を準備していただくということで、それを基に議論を進めることにさせていただきたいと思います。
 それでは、以上をもちまして今日は終了させていただきたいと存じます。本日の署名委員でございますが、雇用主代表は坪田委員、労働者代表は栗田委員にお願いいたします。
 委員の皆さま方には、お忙しい中を夜遅くまでありがとうございました。次回の日程につきましては、事務局からあらためて皆さま方に連絡していただくということでございますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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