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2010年12月17日 年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方に関する検討会(第12回)の議事要旨

年金局総務課

○日時

平成22年12月17日(金)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○出席者

浅野幸弘 植田和男 (座長) 小島茂 小幡績 末吉竹二郎
富田俊基 藤原清明 (代理) 村上正人 山崎養世 米澤康博

【総務省】

内山晃総務大臣政務官

【厚生労働省】

藤村修厚生労働副大臣

○議事

(1)藤村厚生労働副大臣ご挨拶
師走の忙しい中、お集まりいただき感謝申し上げる。
前回の検討会には途中まで出席したが、GPIFのガバナンスの在り方や運用目標などについての、大変熱心な御議論に敬意を表したい。
本日はいよいよとりまとめに向けた御議論をいただくと伺っており、残り少ない時間の中ではあるが、とりまとめに向け、引き続き精力的な御議論をお願いしたい。

(2)年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方について
・最終的な検討会の報告書であれば、この検討会の歴史的な意義や、これまでの公的年金の在り方の中での位置付けについての視点が不可欠。94年から96年の旧年金福祉事業団の改革の際に当時の担当者と共に改革案を作成したが、当時の最大の問題意識は生命保険会社の破綻リスクだった。20兆円の資産のうちの4割、8兆円を生命保険会社の一般勘定に入れていた。94から96年、当時生命保険会社は潰れることはなく安全資産と言われていたが、保険には保険がないこと、団体年金というものは保護されないことを指摘したことにより、旧事業団は生命保険を全額解約、8兆円を現金化し、ポートフォリオを組み直した。97年にほとんどの生命保険会社が破綻したが、何も手を打たなかったら3、4兆円失っていた。これは歴史的な変革の中で、日本の金融システムのリスクにどう対応するかという大きな役割を果たした。
・今後の日本の少子高齢化、生産年齢人口が激減し、更にそれ以上の高齢者が増えていく中で、日本の財政・金融システムがどうなり、その中で年金運用をどうするかという問題意識をきちんと書かなければならない。
・この検討会では「安全」とは何かについてきちんと検討されていなかったように思う。GPIFは伝統的な4資産(国内債券、国内株式、外国債券、外国株式)とキャッシュ、合わせて5資産を運用しているが、国内債券が安全というのはあり得ない。GPIFの場合、国内債券のデュレーションが5.5あり、金利が1%上がると5.5%資産が下落する。金利リスクとインフレリスクを背負っている資産である。これに資産の4分の3を入れているのは、80年代の予定利率に回復して25%下がれば20兆円近い損が出るということ。厚労省だけの問題でなく政府全体の問題になることを認識しているのか。20兆円の損失が出たときに、国会に呼ばれて誰がきちっと説明できるのか。
・国民の貯蓄と政府部門の借金がほぼ同じ金額になり、最低の金利で最高の価格水準である国債に4分の3入れている。現在の財政への問題意識が書かれていないのは大きな問題。
・5年ごとの見直しの意味について考えると、どんな制度であれ、5年経てば綻びが出るが、一方では時代の変化、価値観の変化もある。時代の変化をどのように反映させるかという視点が重要ではないか。企業経営においてもお金だけの世界が終わって、社会的責任をどうやって果たしていくかが現実の企業経営に要求され始めている。狭義のリスクは変わらないが、時代、価値観の変化により、「リスク」要因はどんどん変わってくる。
・単にガバナンスの強化をするのではなく、組織に求められるガバナンスの意味が変わってきている。時代の変化を捉えてどういう視点で見直しをしたのだというコメントが、後から振り返ったときに明示的に分かるように書き込むべき。
・大事なポイントは四つの資産にそれぞれリスクがあり、リスクがないのはキャッシュだけ。これは議論する前に当たり前になっているべきこと。リスク管理、リスク分散化を行うのも当たり前。
・歴史的意義をどこまで表現するかということはあるが、この検討会を設置するに至った問題意識は明確化しておく必要があるのではないか。
・個々の資産のリスクについては詰めた議論はしていないと思う。だが、必ずしも国債にリスクがないという前提の下に議論していたわけではない。リスクの定義は様々であり、負債変動を軸に考えればむしろキャッシュの方がリスクがあるかもしれないし、リスクの計測期間によってもリスクは違ってくる。リスクの定義を明確にしないと、リスクの議論は混乱する。
・検討会では、歴史的意義についてほとんど議論していない。
・国債のリスクについてはまだ議論する余地はあるかもしれないが、それを議論するために集まったわけではない。
・この検討会はGPIFの運営の在り方についての議論であり、改善の在り方についてはよくまとまっている。
・国債にリスクがあることは、どう対応すればよいかはすぐ答えが出てこないということも含めてみな分かっている。
・そもそもこの検討会がどういう問題意識で始まったかがクリアではない。
・大前提として、年金制度には積立金だけでなく、巨額の税金を注入して初めて国民が年金として受け取れる。したがって、公的年金の積立金については、財政健全化との関係で議論すべきものではあるが、財政が破綻するから、公的年金は他のもので運用すべきという議論は問題。財政健全化の議論がまず第一であり、積立金は安全運用が大事だという考え方を前提にしておく必要がある。
・いろいろな考え方があるから、慎重な検討が必要というまとめ方で良い。
・歴史的意義はともかく、「少子高齢化に備えて真剣に年金について検討する必要がある」といったことは入れてもよいと思う。
・運用の方向性として国債中心か、その他の資産中心かという点は既に随分議論され、その対立点はそのまま報告書案に残っている、一方、大臣が運用目標を示す際に、リターンとリスクをセットで示すべきとされ、リターン・リスクの判断をそこにある種委ねているから、最終的にそこで決定されるべきものと思う。各資産にどれだけのリスクがあるかについては、ある程度までは書いているものの、これ以上書けるほどの議論はなかった。
・15年前の改革のときには全く課題ではなかった運営の在り方や、組織の在り方が議論の俎上にのぼったこと自体が成果だと思う。
・今の日本の国債の状況は、80年代後半の不動産や株式や、2005年のサブプライムの状況に酷似した状況にある。国債の暴落時に備え、防災計画のシミュレーションプランを真剣に練っておくことが不可欠。
・一般の方にこの報告書をどの程度理解してもらえるかという視点が大切。制度そのものの運用の在り方については国民は怒りもし、懸念もしているが、一方、実際のお金の運用についてはあまり情報が伝わっていない。
・経済の激変を体験し、必ずしも運用がいつも安全でうまくいくとは思っておらず、でも、やはり自分たちの将来の生活設計のためにしかるべき運用をしてほしいという、この運用についての期待と現実の理解とのバランスを国民は各人で取っている。しかし、この検討会がどこまでのことはやって、どこが積み残しとなったか、そもそもそれは運用において限界なのだといったことについて、もう少し説明する必要があるのではないか。例えば、国民は国債が安全だと思っていると思うが、そのあたりの年金運用の可能性と限界についても見せていくべき。
・報告書案では国債のリスクについては説明されている。しかし、そのリスクへどう対応するかはGPIFだけで対応できない問題もあるので、これ以上踏み込むのは難しい。
・財政が破綻して経済が混乱したときに、公的年金だけ安全ということはあり得ないということを、国民に納得していただくことが一番重要。可能な範囲でリスク管理するとしても、公的年金だけリスクを避けるようなことをするのが国民経済的に見て良いのかどうかは疑問がある。
・年金制度が生き残っても財政が破綻しては意味がないというのはまさにそのとおりだが、だからと言って、国債だけで運用すべきものではない。無条件で国債を購入するということが財政破綻を早めるという懸念がある。全額非市場性国債で運用しているアメリカでも、財政規律を緩めることになり好ましくないという議論がある。
・アメリカの戦時国債を5年かけてFRBが全量買取した。その後、インフレが進んで金利が高くなったが、FRBは吸収してお札を刷ることで対応した。イギリスはそれをやらなかったから、イギリス経済の衰退が始まった。
・例えば、特例公債法案が国会を通らず予算が成立しなかったら国債市場に大きな影響があると今から分かっているが、それに対応する防災計画が本当にGPIFにあるのか。
・この検討会の位置付け自体がよく分からないという議論があったが、少なくとも中間とりまとめを見ると、ガバナンスの在り方について、「見直しの必要性については一致している」と書いてあり、ここがすごく重要なところ。中間とりまとめから最終報告までに、基本的にはここを詰めようということだったと思う。残念ながら一つの案にまとまらなかったが、イメージも何種類か出て、様々な議論があった。まとまらないとしても、もう少し具体的な意見を書いてもいいのではないか。
・ガバナンスの問題や、運用目標に関連してその設定プロセスをもう少しきちんとしたものにすべきではないかという点は中心的に議論され、かなり御意見の一致が見られたと思う。そこを強調するために、報告書の一番最初の「1.はじめに」に、「本年6月の中間とりまとめ以降は運用目標の在り方やGPIFのガバナンスを中心に議論を重ね」という文言を入れて、そこにポイントがあるということを明示している。
・P.4(2)2つ目の○の?@の後半にある「一方、合議制としても〜」の記載は、前半の部分を具体的に書かないのであれば、ここだけ一部の意見をクローズアップして書いているように見える。「主な意見」に移しても十分ではないか。
・大方の賛同を得られたものは本文に、明示的な対立点として議論が平行したものは本文の中で両論併記、一人ないしごく少数の意見は「主な意見」とするのが、まとめ方の方針。この方針に照らして考えるとどうか。
・厚労大臣が基本ポートフォリオを策定するとしても、実際の運用には様々な問題がある。例えば、国債だけで運用するということになったとしても、どの国債にするか、物価連動国債を買うのかといった問題がある。理事長一人の思い込みで意思決定されないように、きちんと議論を尽くし、いろいろな問題を検討していただくようにと考えれば、厚労大臣が基本ポートフォリオを策定したとしても、合議制にしなくていいわけではない。
・旧年金福祉事業団のときは厚労大臣が基本ポートフォリオを策定していた。基本ポートフォリオの策定という重要な事を政治の責任以外のところで行うことに疑問がある。そこまで全権を運用組織に委任することについては民主主義の考え方からどうなのかという疑問から、基本ポートフォリオの策定権限を厚労大臣に戻すべきという考え方に立てば、それは合議制ではなしに、ヘッドが権限を持っていていいのではないかということ。
・この検討会のミッションはどこにあるのだろうと不安なところもあったが、とりあえずGPIFの運営の在り方という標題があって、そこに集中して議論し、合意できる内容を整理したということであるので、今回の検討会の役割は果たせたのではないか。
・さらに、旧基金から独法に移行した際、ポートフォリオの策定権限を厚労大臣からGPIFに移行した。大臣がポートフォリオを策定していたときは年金資金運用分科会で年金制度の在り方を前提とした議論がされ、そこでの議論を踏まえ大臣が策定していたが、そういう場がなくなってしまったことに以前から問題意識を持っていた。年金制度・財政と運用を一体的に議論する場を設けると明記したことが、この検討会の意義であり、評価したい。また、この議論の場に、保険料拠出者を参加するとしたことについても評価できる。
・たとえポートフォリオの策定権限を厚労大臣に戻したとしても、実際の運用について理事長一人が判断する体制で本当にいいのかどうかは疑問がある。
・この検討会の趣旨は、平成21年度末に第1期中期目標が終了することから、「今後のGPIFの運営の在り方について有識者により検討することとし、その結果を、新中期目標をはじめとするGPIFの今後の運営に反映させる」ということだった。次期中期目標は、必ずしもこの検討会の検討結果、あるいは検討の経緯と十分にリンクできなくなってしまったが、要綱に書かれている検討事項である運用の基本方針、運用委員会の責任・権限、手数料の効率化や運用委員会の透明化等は、今回のとりまとめでだいたい答えている。
・制度・財政と運用を一体的に議論する場を設けるとしたことは、非常に高く評価したい。このような場がなければ困ると思っていた。更に、その議論にGPIFのメンバーも正式に参加できるとしたことも非常に大きい。検討会のミッションはともかく、出てきた報告書としては意義が高いと思う。
・合議制については、独法制度見直しの動きもあり、これ以上細かくまとめることは不要ではないか。新たな法人制度が見えてきたら、その制度に乗るか乗らないかをその時に議論すればいい。この報告書では基本的な我々のスタンスが分かったということで、この書き方でいいと思う。
・P.6(3)運用対象資産の在り方の2つ目の○は、二つの意見はまったく別の意見なので、「一方〜」以下を独立させた方がいいのではないか。
・P.7全額国債のイの意見とロの意見は大体同じような話でダブっている気がするので、一つにまとめることが可能ではないか。
・P.7組織分割については、「安全運用部分」と「積極運用部分」ではなく、いわゆる「キャッシュマネジメント部分」と「運用部分」に分けるということではないか。「積極運用部分」とすると何かすごい運用を始めそうに見えるが、そうではなくて、年金は一時的に積立金を預かって積立てと支払いをやっているので、いわゆるキャッシュマネジメントをやらなければいけない部分があり、そこは現金または短期国債などを中心に運用すると思うが、そういう分け方ではなかったか。
・キャッシュマネジメント部分と運用部分に分けるということは、実態的にはGPIFは組織内でそのようなことを考えて行っていること。ただ、この検討会で議論したのはあくまで「積極運用部分」を分割することではないか。
・「安全運用部分」と「積極運用部分」は、国債で運用する部分とそれ以外で運用する部分という意味で議論が進んでいた。それには反対であるが、議論としてはここで書いてあるようなことだったかと思う。
・「キャッシュマネジメント部分」でなくとも良いが、表現に違和感がある。「国債部分」と「その他の運用部分」か。
・P.7全額国債のイとロは方向性としてはリスクを少なくすべきであるということを言っているが、理由は違う気がする。
・国債は相対的に安全、リスクが少ないという表現がある一方、財政悪化に伴う増発による下落リスクが大きいという記述もある。国家予算にはすごく厳しい監視の目がある一方で、年金積立金を通じて余り国民の関心のない形で国債を通じて国の財政に入っていく。そういった場合に、国債のリスクはどう見れば良いのか。リスクアセットとして見て安全という議論だけでいいのか。あるいは、余り関心のない予算的な存在として大量のお金が国債を通じて使われていることに対する国民の目から見たリスク感という議論はないのか。
・現在のGPIFの国債での運用は、財投のように新しく始まる公共事業のファイナンスとして国債を買うわけではない。既に出ている国債を資産運用として買っているだけなので、それをGPIFが全く買わないとなると、出回っている国債の利率が上がるということに反映される。
・金利はそうかもしれないが、比較的に安全な商品としての国債があるから、受け身的に投資していくというだけで良いのか。そのお金の使われ方というところまでは議論しなくて良いのか、という単純な疑問である。
・日本がこれだけ国債を発行していて金利が低いのは、郵貯・簡保・GPIFがたくさん保有しているから。財政当局に対してガバナンスが働いているかと言ったら、そうではなく、これだけ発行しても金利が低いということで更なる発行を助長し、財政規律上はマイナス。だが、これだけ発行してもこれだけ低金利というのは、そのような機能を持っているということ。
・積立金の性格から言えば将来取り崩すことになるので、それを国債に投資していたらどういうことが起きるかというと、その分は借換えや増税で賄われることになる。しかし、それがスムースにできるのかという問題が将来起こる懸念はある。
・財政が破綻すれば金利が上がり、年金そのものがもらえなくなってしまっている状態になる。財政が危ないから株式で運用するという議論よりも前に、財政健全化をしなければならない。
・完全なパッシブ運用なら問題ないが、株式で運用することによる政治的恣意性の問題もある。GPIFも政府であり、政府が株式を運用することで株式制度自体が空洞化する危険がある。
・市場性国債である限りにおいて金利変動リスクはあるが、信用リスクはない。
・国債も信用リスクはゼロではない。財政規律が危ないと運用リスクに反映される可能性が出てくるので、投資家としては国債を余り持たないという対応はあり得るかもしれない。
・いくつか修文の意見はあったが、概ね各委員の了解が得られたと思うので、具体的な修文については一任いただき、修正後の報告書については、後日各委員に送付した上で公表することとしたい。
・本検討会は本日で終了となる。委員の皆様には昨年11月から12回にわたり幅広い論点につき精力的な議論をいただき感謝。

(3)藤村厚生労働副大臣ご挨拶
細川大臣は実は出席する予定であったが、出席できなかったことをお詫び申し上げる。
委員の皆様におかれては、大変お忙しい中、昨年11月以来非常に御熱心な検討をいただき、今日こうしてほぼ取りまとめが行われたということについて、皆様方に感謝申し上げ、敬意を表したい。
今後、厚生労働省としては、これまでの御議論を踏まえ、また新年金制度や独立行政法人制度の見直しの動きと歩調を合わせつつ、年金積立金の運用のより望ましい在り方、GPIFの運営の在り方について、引き続き検討を行ってまいりたい。

(4)内山総務大臣政務官ご挨拶
ほぼ1年にわたり、検討・審議をいただいた各委員の皆様には、これまでの御尽力に心より感謝申し上げる。
途中からの参加であったが、国民の大切な年金資産をどう運用するか、組織、ガバナンスをどうするかについて、大変熱のこもった御議論があり、様々な課題があると感じた。
各委員の皆様には、これからも国民の視点に立った、よりよい年金制度の実現に御尽力いただきたい。

以上


年金局総務課 企画調査係

TEL: 03−5253−1111(内線3358)

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