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2010年12月8日 第5回石綿による疾病の認定基準に関する検討会 議事録

労働基準局労災補償部補償課職業病認定対策室

○日時

平成22年12月8日(水)17:30〜19:00


○場所

労働基準局会議室(中央合同庁舎第5号館16階)
(東京都千代田区霞が関1−2−2)


○出席者

(参集者:五十音順、敬称略)

岸本卓巳、神山宣彦、篠原也寸志、廣島健三
三浦溥太郎、宮本顕二、森永謙二、由佐俊和

(厚生労働省:事務局)

河合智則、神保裕臣、渡辺輝生、幡野一成、笹川康成

(厚生労働省:安全衛生部)

田原裕之

(環境省)

柳田貴広

○議事

○笹川中央職業病認定調査官 検討会開催前に、傍聴の方にお願いがございます。携帯電話については音の出ないよう電源を切るか、マナーモードに設定してください。その他は別途配付の「傍聴される方へ」というペーパーに留意事項が書いてありますので、ご確認の上、会議の間はこれらの事項を守って傍聴されるようお願いいたします。万が一、留意事項に反するような行為があった場合は退席していただくことがありますので、あらかじめご了承ください。
 それでは、ただいまより「第5回石綿による疾病の認定基準に関する検討会」を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。初めに、今回から当検討会にご参集いただきました先生方のご紹介をいたします。独立行政法人労働安全衛生総合研究所の篠原先生です。「労働衛生(鉱物)」がご専門です。東京女子医科大学八千代医療センターの廣島先生です。「病理」がご専門です。千葉労災病院の由佐先生です。「呼吸器外科」がご専門です。なお、審良先生におかれましては、本日ご欠席の連絡をいただいております。
また、オブザーバーとして、環境省環境保健部石綿健康被害対策室の柳田室長補佐にご出席いただいております。また、安全衛生部労働衛生課の田原中央じん肺審査医にも同席いただいております。
なお、写真撮影等についてはここまでとさせていただきます。これより議事の進行を森永座長にお願いいたします。
○森永座長 議事に入る前に、資料の確認をお願いいたします。
○笹川中央職業病認定調査官 本日の資料は、資料1「平成18年2月9日付けの「石綿による疾病の認定基準について」」、資料2「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方報告書(平成18年2月)」、資料3-1と3-2「ヘルシンキクライテリア コンセンサスレポート」の(原文)と(翻訳版)です。資料4「主要先進国における石綿健康被害者救済制度の概要」です。資料5-1「石綿関連肺がん認定基準の各国一覧表(原文)」、資料5-2「イギリスの認定基準(翻訳版)」、資料5-3「ベルギーの認定基準(翻訳版)」、資料5-4「環境省の認定基準」、資料6「石綿小体に関する計測例の収集事業報告書(抄)」です。不足等があればお申し出いただければと思います。以上です。
○森永座長 今日は肺がんということですが、主に肺がんのことについて資料1から資料5-4が用意されておりますので、事務局より説明をお願いいたします。
○幡野職業病認定対策室長補佐 説明の前に、今回新たにお入りいただいた先生方がいらっしゃいますので、4回までの進行について若干申し上げておきたいと思います。
 本検討会は平成18年2月の「「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書」以降の新たな医学的知見、現行の認定基準による決定例、また、石綿救済法及び諸外国の認定基準の動向等を踏まえて、認定基準改正の必要性を検討するため、本年5月26日から10月6日までに4回開催したところです。その中では、びまん性胸膜肥厚の呼吸機能障害の検査方法及び画像診断方法について検討し、呼吸機能障害の検査方法については報告書をとりまとめ、画像診断方法については文献調査を行っております。以上が経過です。
 次に、資料1は「石綿による疾病の認定基準について」。平成18年2月9日付け厚生労働省労働基準局長通達です。座長から肺がんについてということがありましたが、1頁めくると括弧で囲まれた部分があります。この部分は第2として「石綿による疾病の取扱い」、そのうちの2として「肺がん」ということです。ここでは読み上げさせていただきます。
 (1)として、「石綿ばく露労働者に発症した原発性肺がんであって、次のア又はイに該当する場合には別表第1の2第7号7に該当する業務上の疾病として取り扱うこと」とされております。別表第1の2は労働基準法施行規則の別表です。
 まず、アは「じん肺法に定める胸部エックス線写真の像が第1型以上である石綿肺の所見が得られていること」。イは「次の(ア)又は(イ)の医学的所見が得られ、かつ、石綿ばく露作業への従事期間が10年以上あること。ただし、次の(イ)に掲げる医学的所見が得られたもののうち、肺内の石綿小体又は石綿繊維が一定量以上(乾燥肺重量1g当たり5,000本以上の石綿小体若しくは200万本以上(5μm超。2μm超の場合は500万本以上)の石綿繊維又は気管支肺胞洗浄液1ml中5本以上の石綿小体)認められたものは、石綿ばく露作業への従事期間が10年に満たなくとも、本要件を満たすものとして取り扱うこと」とされております。ここでいう石綿ばく露作業ですが、本通達の第1の2に列記されております。
 (ア)は「胸部エックス線検査、胸部CT検査等により、胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)が認められること」。(イ)は「肺内に石綿小体又は石綿繊維が認められること」。(2)ですが、「石綿ばく露作業への従事期間が10年に満たない事案であっても、上記(1)のイの(ア)又は(イ)に掲げる医学的所見が得られているものについては、本省に協議すること」となっております。簡単にまとめると、医学的所見の石綿肺所見が1つ目の要件で、2つ目の要件として、石綿作業従事歴10年以上で、かつ、胸膜プラークが認められるもの、つまり従事歴及び医学的所見で認めるものです。石綿ばく露作業従事歴10年以上で、肺内石綿小体又は石綿繊維、つまり従事歴プラス医学的所見で認めるものです。さらに、肺内乾燥肺1g当たり石綿小体5,000本以上、又は石綿繊維5μm超200万本以上又は2μm超500万本以上、又は気管支肺胞洗浄液1ml当たり石綿小体5本以上で認める。これも医学的所見です。特徴としては、すべての要件に医学的所見が必要とされているということです。以上が認定基準です。
 資料2は、この認定基準の基となった医学的所見を示している「「石綿による健康被害に係る医学的判断に関する考え方」報告書」ですが、平成18年2月に出ております。併せて、資料3-1、3-2として、ヘルシンキクライテリアの英文と翻訳文があります。資料2と資料3-2の翻訳文を用いて説明したいと思います。
 まず、「肺がん」については、資料2の報告書9頁から掲げられております。9頁は「成因、診断等」とありますが、主なものとして、10頁の「(イ)石綿が原因であるとみなす考え方」をご覧ください。とりまとめて申し上げますと、肺がんの原因は石綿以外にも多くある。石綿以外の原因による肺がんを医学的に区別できない。したがって、肺がんの発症リスク(相対リスク)を2倍以上に高める石綿ばく露があった場合をもって、石綿に起因するものとみなすことが妥当とされております。これについては11頁の(イ)のいちばん後ろの部分に記載があります。
 次に、ヘルシンキクライテリアについては資料3-2の6頁から「肺がん」についての記載があります。「一般集団において肺がんの発生率が高いため、石綿が存在しているとしても、石綿が個々の肺がん患者の原因であるかどうかを正確に証明することは不可能であるが、確率に基づいた累積ばく露量は、石綿が肺がんリスクの実質的な原因となったことを示す大きな基準であるとみなすべきとし、相対リスクが2倍となることをもって原因の指標としている」。これは7頁のいちばん下の段落にあります。このようにヘルシンキクライテリアにしても、報告書にしても、肺がん発症リスクを2倍以上に高める石綿ばく露があったことをもって、石綿に起因する肺がんという考え方を取っているところです。
 次は「(ウ)肺がん発症リスクが2倍となるばく露量の程度」です。先ほどの報告書11頁(ウ)で説明しますと、ヘルシンキクライテリアの石綿繊維25本/ml×年が発症リスク2倍にするばく露量であるとの見解から、繊維年についてはこれを採用しているところです。また、繊維年については資料6の末尾の20頁に、資料2として「繊維年について」にその計算式がありますので、参考にしていただければと思います。報告書に戻りますが、この25繊維年について相当する指標とありますが、報告書としては、胸膜プラークの画像所見、肺内石綿繊維数(石綿小体を含む)、石綿肺所見、石綿ばく露作業従事期間を示しており、ヘルシンキクライテリアも同様です。
 次は、いま述べたそれぞれの指標についてです。まず、胸膜プラークについては3頁と11頁のいちばん下の①に考え方が示されております。要約すると、ばく露開始から年数が経過。10年以上、おおむね15〜30年で出現することによって発生。さらに、低濃度ばく露で発生することがある。画像上の胸膜プラークがある場合は肺がんの発症リスクが高まるといった知見を基に、画像上の胸膜プラークがある人の肺がんの発症リスクは、疫学調査では1.3倍〜3.7倍と幅がある。調査対象集団が最も大きいHillerdalの1994年調査では1.4倍とされている。こういったことを踏まえ、胸膜プラークがあることだけをもって肺がん発症リスクが2倍になる石綿ばく露があったとはいえないとされているところです。
 さらに、Hillerdalの胸部エックス線写真等で明確な胸膜プラーク所見がある集団のうち、1/0以上、肺の線維化の所見が出現した群においては、肺がんのリスクが2倍以上あったとの報告により、画像上明らかな胸膜プラークの所見がある場合で、胸部エックス線写真でじん肺法上第1型以上相当の所見があり、CT画像で肺の線維化所見が認められるものについては、肺がんの発症リスクが2倍以上になると言えるとしております。
 次に、胸膜プラークについてのヘルシンキクライテリアです。胸膜プラークは「ばく露のインジケーター」という表現をしております。インジケーターにはいろいろなものがあるかと思いますが、ここでは指標ないしは1つの証拠という形で考えていきたいと思っております。もう1つは、胸膜プラークは低濃度ばく露に関連している可能性があることが記載されております。そこで、肺がんの発症原因を石綿ばく露と考える場合には、実質的に石綿ばく露をした職業歴の有無、もしくは石綿繊維負荷量の計測によって事実の裏付けが必要であるとしております。要は、胸膜プラークに加え、事実の裏付けが必要という見解が示されているということです。また、両側性のびまん性胸膜肥厚は石綿肺の症例で見られるように、しばしば中度、又は重度のばく露が原因であることがあり、原因特定の観点から考慮されるべきといった記載があります。
 次に、肺内石綿繊維数です。これについては報告書12頁の②です。ここではヘルシンキクライテリアの見解を採用して、25繊維年に相当する数値を示しておりますが、石綿小体については乾燥肺1g当たり、気管支肺胞洗浄液ともにヘルシンキクライテリアで示された数値を採用しております。ヘルシンキクライテリアについては、乾燥肺1g当たり5μm以上で200万本、1μm以上で500万本以上の石綿繊維数、5,000〜15,000本の石綿小体数、気管支肺胞洗浄液1ml当たり5〜15本の石綿小体を肺がんリスク2倍と示しているところです。先ほど申し上げたとおり、そのうち石綿小体については5,000本、気管支肺胞洗浄液1ml当たりについては5本と報告書はいちばん低いところを採用しております。
 次は石綿肺所見ですが、12頁の一番下の③から13頁にかけてあります。これは、Roggliの2000年の石綿肺を伴う肺がん症例の肺内石綿繊維数についての報告、Wilkinsonの原発性肺がん患者の1/0以上の石綿肺の肺がんリスクが2.03倍であり、0/1以下の石綿肺の肺がんリスクが1.56倍であったとする症例、Morinagaらの我が国の石綿肺認定患者を対象とした疫学調査で、肺がんリスクが非常に高い値であったことを引用して、じん肺法上の第1型以上の石綿肺は肺がんリスクを2倍に高める。すなわち25繊維年に相当する所見であると判断して差し支えないとしております。
ヘルシンキクライテリアについては、石綿肺の発症は石綿への高濃度のばく露を示すインジケーターであり、臨床的、放射線学的・組織学的な石綿肺の診断を行えば、関連する肺がんの実質的な原因、若しくは肺がんに石綿がどのように寄与したかを検討できるとしております。
 次は石綿作業従事期間ですが、13頁の④からです。繊維数の本/ml×年、いわゆる繊維年を単位とする石綿累積ばく露量を算定するには、ばく露濃度とそのばく露期間の情報が必要であることの前提を示した上で、ドイツの例を引用して、我が国においては、職業別等のばく露濃度の程度は数値化できないとしつつ、ヘルシンキクライテリアの25繊維年程度の累積ばく露量となるためには、高濃度ばく露(石綿製品製造作業、断熱工事作業、石綿吹付作業)1年、中濃度ばく露(造船作業、建設作業)5〜10年であり、フランス、フィンランド及びベルギーの石綿肺がんの認定要件を引用して、10年以上のばく露期間をもって肺がん発症リスクを2倍に高める指標とすることは妥当としながらも、従事期間だけを判断することは、我が国の状態においては、ばく露濃度等が不明であることから、石綿作業の内容、頻度、程度によって、必ずしも25繊維年に該当するとは言えないことから、胸膜プラーク等の医学的所見を併せて評価する必要があるとしております。
 以上が肺がんについての主要な部分ですが、その他として、低濃度ばく露や一般環境ばく露について報告書14頁の(エ)に示しております。(エ)は「一般環境ばく露と肺がん発症リスク」について、「IPCS報告書及び環境省が設定している敷地境界基準値から、一般環境ばく露のみによって肺がんの発症リスクが2倍になることはない」としております。また、ヘルシンキクライテリアの8頁では、「極めて低いレベルの石綿ばく露では肺がんの発症リスクは検知不可能なほどに低い」としております。
 また、潜伏期間については、報告書15頁のエに示してあるように、「石綿による肺がんは高濃度の石綿ばく露によって発生し、20年以上の潜伏期間を経て発症する」との報告等を紹介しているところです。ヘルシンキクライテリアでは翻訳版8頁に、「肺がんの原因を石綿とする場合、最初の石綿ばく露から最低10年の潜伏期間が必要である」としております。
 報告書の肺がんについてのまとめとして、報告書28頁以降をご覧ください。ここではそれぞれの疾病についてのまとめが示されておりまして、四角で囲ってある部分に「肺がんについて」とあります。ここはまとめですので読み上げます。
 (1)として「肺がんは喫煙をはじめとしてさまざまな原因が指摘されている中で、石綿を原因とするものとみなせるのは、肺がんの発症リスクを2倍以上に高める量の石綿ばく露があった場合とするのが妥当である」。
(2)として「肺がんの発症リスクを2倍以上にする石綿のばく露量は、累積石綿ばく露量25本/ml×年以上と考えられる」。
(3)として「肺がん発症リスクが2倍以上又は累積石綿ばく露量が25本/ml×年以上を判断するばく露量の医学的指標としては、胸膜プラーク画像所見等による指標及び肺内石綿繊維数、又は石綿小体数による指標があり、職業ばく露歴に関連した指標としては、石綿肺の所見による指標及び石綿ばく露作業従事期間等による指標がある」。
 (4)として、「職業ばく露歴が不明な場合の胸膜プラーク画像所見等を指標とする考え方については、胸部エックス線写真の像又はCT画像により明らかな胸膜プラークが認められ、かつ、じん肺法に定める胸部エックス線写真の像で第1型以上と同様の肺線維化所見があり、胸部CT画像においても肺線維化所見が認められた場合には、肺がんの発症リスクが2倍以上であると判断できる」。
(5)として、「肺内石綿繊維数又は石綿小体数による指標については、乾燥肺重量1g当たり石綿小体5,000本以上又は石綿繊維200万本以上(5μm超。2μm超なら500万本以上)、気管支肺胞洗浄液(BALF)1ml当たり石綿小体5本以上が存在する場合には、25本/ml×年以上の累積ばく露があったと判断できる。なお、石綿小体、石綿繊維の計測に関する信頼性の高いデータを得るためには、一定の設備を備え、かつ、トレーニングを受けたスタッフのいる専門の施設で実施する必要がある」。
 (6)として、「石綿肺の所見による指標については、客観的な石綿ばく露作業従事歴がある者に石綿肺の所見が認められた場合には、肺がんリスクが2倍以上であると判断できる」。
 (7)として、「石綿ばく露作業従事期間による指標については、胸膜プラーク等の石綿ばく露所見が認められ、石綿ばく露作業に概ね10年以上従事したことが確認された場合には、25本/ml×年以上の累積ばく露があったとみなすことができる。なお、業種別のばく露量を採用することは困難であるが、特定化学物質等障害予防規則により作業環境測定記録が保存されている場合には、これも参考にすべきである」。
(8)として、「石綿による肺がんは、その多くがばく露開始から発症まで30年から40年程度といった、潜伏期間の長い疾患である」。
(9)として「肺がんは、一般に予後の非常に悪い疾患である」。
 報告書とヘルシンキクライテリアについては以上のとおりです。
 次に、諸外国の制度、認定基準等については資料4及び5で説明いたします。資料4は「主要先進国における石綿健康被害者救済制度」、これには職業ばく露・非職業ばく露を合わせた概要が載っております。これは「平成20年度主要先進国における石綿健康被害救済に関する調査報告書」からの出典でして、資料5-1は「石綿関連肺がん認定基準の各国一覧表」です。こちらは平成19年度の厚生労働省委託研究である「石綿による疾病に係る臨床・病理・疫学等に関する調査研究」が引用した、「労働災害・業務上疾病に対する保険に関する欧州フォーラム」からの資料です。資料5-2は「イギリスの認定基準」、資料5-3は「ベルギーの認定基準」、資料5-4は「環境省の認定基準」となっております。これらを併せて、資料4の順番によって説明いたします。
 まず日本についてですが、労災保険制度における肺がん部分は、先ほど申し上げたとおりです。対象疾病としては、他に石綿肺、中皮腫、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚があります。非職業ばく露については、石綿健康被害救済制度があって、労災で補償されない者(一人親方、環境ばく露被害者等)を対象とした救済制度があります。ここでの対象疾病は、中皮腫と肺がんとなっておりますが、この調査は平成18年、19年での調査ですので、現在はびまん性胸膜肥厚及び著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺も加わっております。
 次にドイツですが、労災保険制度の特徴としては、非職業ばく露についての制度はなく、訴訟手続によること。また、肺がんについては、石綿肺及び石綿に起因する胸膜の重大な変性、及びヘルシンキクライテリア同様、25繊維年のばく露を採用しております。潜伏期間については、石綿による肺がんは最低10年の潜伏期間という要件を置いております。これらについては資料5-1のいちばん上のGermanyの欄に記載されており、“Lung cancer associated with an asbestosis”の部分が石綿肺の関係です。important以下が重大な胸膜の変性という所です。いま述べたのがMedical criteria、つまり医学的な要件で、その隣にcriteriaがあります。こちらはばく露要件のcriteriaでして、“exposure of 25fibres/ml-year”要は25繊維年に達したものについては要件を満たすという作りとなっております。
オーストリアについては、資料5-1のGermanyの下にAustriaがあります。オーストリアもドイツと同じ作りとなっておりまして、異なるところは潜伏期間の要件を置いていないということです。資料4のイタリアをご覧いただくと、労災補償制度は法律に列挙する対象職業に従事する被雇用者に対して、労働災害と職業病に保険金が自動給付されており、社会保険機構が運営、対象疾病は中皮腫、石綿肺となっております。非職業ばく露については制度自体がないという報告がなされております。
 次頁の上からオーストラリア、アメリカ、カナダがありますが、これらについては各州で定められておりますので、ここでは省略いたします。
 次頁のいちばん下のフランスですが、石綿ばく露による疾病も補償されるが、一般の労災事故に比べ、職業病としての補償額は小さいとされております。被災者の大半はFIVAによる補償を選択しております。労災補償制度における対象疾病としては、中皮腫、原発性肺がん、石綿肺、胸膜プラーク、湿性胸膜炎、胸膜肥厚、その他石綿ばく露との関連性が認められた疾病という定めがあります。先ほど述べたFIVAに基づく補償制度とは、労働者、自営業者、非職業ばく露による被害者をすべて含む対象者の広い救済制度とされております。
 具体的なものとしては、資料5-1の裏面のいちばん上にフランスの制度がありまして、簡単に説明しますと、まず組織学的検査ですが、これができない場合は臨床学的な進展、画像解析に基づく診断によることとされております。ばく露歴のcriteriaは、exposure of 10years+restrictive list of jobsですので、限定された職業リストということです。潜伏期間ですが、これは潜伏期間と言うよりは補償期間ということで、最終ばく露から40年を補償期間としております。
 ベルギーについては資料5-3に認定基準そのものが詳しく載っております。資料4の次頁ですが、制度的な面では、職業病基金による労災補償制度があり、対象疾病としては、石綿肺、胸膜プラーク、両側びまん性胸膜肥厚、中皮腫、肺がん、喉頭がんが挙げられております。また、一般ばく露のAFAによる補償制度も存在しますが、この中での対象疾病としては中皮腫、石綿肺(びまん性胸膜肥厚を含む)としておりますので、肺がんについてのものはこの労災補償制度の認定基準ということになります。
 資料5-3の7頁に、「2.職業上のリスクによるばく露基準」があります。2.1に「原則」があって、累積ばく露のレベルは疾病に応じて異なる。中皮腫あるいは胸膜プラークは、石綿肺あるいは肺がんの進行に必要なばく露レベルよりも低いばく露レベルで発症する可能性がある。肺がんの特徴は完全に非特異的であるため、ばく露は、明確に定義された量的基準に合致していなければならない。事実、肺がんの数多くの症例はその他の原因と関連しており、中でも顕著なものはタバコであるとされております。要は、肺がんについては明確な定義が必要ということで、判断要件、認定要件が定められているということです。具体的には2.2ですが、要約すると、ばく露が発症の10年以上前に始まっていることが前提ということです。
 次は、石綿肺又は石綿による左右両側のびまん性胸膜肥厚の存在です。1985年以前に10年以上限定的業務リスト掲示の作業に従事したこと。3点目として、職業上の累積ばく露量が25繊維年以上。すなわち、25繊維年の考え方及び計算方法、従事期間が明示されております。いま申し上げたのは、8頁の終わりから9頁、10頁にかけての所です。4点目として、乾燥肺1g当たり5,000本以上の石綿小体、又は気管支肺胞洗浄液1ml当たり5本以上の石綿小体。これは私どもの認定基準と同様です。また、乾燥肺1g当たり1μm超の石綿繊維500万本以上、又は5μm超の石綿繊維200万本以上という定めとなっております。以上がベルギーです。
 次のオランダについては、対象疾病が中皮腫のみですので省略いたします。
 資料5-2はイギリスの認定基準を示しております。イギリスについては労災補償制度(IIDB)、これは社会保障法に基づく、全被用者を対象とする全額国庫負担の制度です。対象疾病としては、じん肺症、中皮腫、石綿起因の肺がん、びまん性胸膜肥厚です。また、1979年のじん肺法は、中皮腫を含む粉じん関連の特定の疾病に罹患している者で、使用者から損害賠償を受けられなかった者に対し、一時金の形で上乗せの補償を提供する仕組みです。対象疾病としては、石綿肺を含むじん肺症、中皮腫、石綿起因の肺がん、びまん性胸膜肥厚となっております。非職業性ばく露については、2008年の中皮腫補償制度というのがありまして、対象疾病は中皮腫です。資料5-2はIIDBの認定基準とご理解ください。
 イギリスの認定基準ですが、12頁に勧告をする前の現行の認定基準があって、産業災害諮問委員会が労働年金大臣宛に勧告をしているところですが、2〜11頁にはその勧告の内容が出ております。2003年の勧告に基づいて変更された認定基準が16頁以降という作りになっております。12頁からが勧告前の認定要件となっております。疾患番号はD1から振ってありますが、D8は原発性肺がん、14頁上から2段目となります。原発性肺がんで石綿肺であるか、肥厚が5mm以上の厚さに達した胸壁の50%に広がっている片側性のびまん性胸膜肥厚、又は肥厚が5mm以上の厚さに達した胸膜の25%以上に広がっている両側性のびまん性胸膜肥厚を伴う原発性肺がんであって、右側のばく露の所の石綿又は石綿混合物の加工について所定のものを満たしている、ここでは(a)(b)(c)(d)を満たしているものが要件ということになります。
 勧告についてですが、びまん性胸膜肥厚については5頁の項目58にあり、「委員会に提示された近年の証拠は、びまん性胸膜肥厚の発現に要するばく露量は、以前に考えられていたよりも少ないことを示唆している。また、これらの証拠では、必ずしもばく露量と胸膜疾患の重篤度との十分な相関関係が認められるとは限らないのである。びまん性胸膜肥厚は障害を引き起こす可能性があり、今後も指定疾病としていかなければならないが、相当な石綿ばく露の指標としては信頼性が高いものではない」としております。
 また、6頁の項目63では、石綿肺を伴わない肺がんを認定するための職業ばく露の条件を示しておりまして、63の最後に、「従って、委員会では、以下に挙げる職業、すなわち石綿繊維労働者、石綿吹き付け工、造船において石綿含有資材の取り付けや取り外しを行う人を含めた石綿断熱作業者において、1975年以前に5年以上雇用されていた人、並びに、1975年以降では10年以上雇用されていた人の肺がんを、本制度に指定するよう勧告するものである」としております。
 7頁の項目65にこれらの要約がありますので読み上げます。「労働者が石綿に相当にばく露された職業を、肺がんの原因として特定できる場合がある。石綿に相当にばく露された労働者に石綿肺が認められる場合、あるいは次のような職種、すなわち石綿紡織労働者、石綿吹き付け工、造船において石綿含有資材の取り付けや取り外しを行う人など、石綿断熱作業者のケースである。委員会では、上記に挙げた職種において、1975年以前では5年以上、1975年以降では10年以上、労働者が石綿にばく露されているケースを、条件を満たすものとして認定するよう勧告する。近年得られた証拠は、びまん性胸膜肥厚が石綿へのばく露を示す信頼性の高い指標ではないことを示唆していることから、委員会では、びまん性胸膜肥厚への罹患をPD D8(原発性肺がん)の認定要件から抹消するよう勧告するものである」という勧告がされているところです。
 その勧告を受けて、勧告後の認定要件は18頁にあります。びまん性胸膜肥厚は抹消されておりますので、疾病としては「石綿肺を伴う肺の原発がん」、このD8を2つに分類してD8aとし、「石綿肺を伴わない肺の原発がん」をD8bとしております。D8aの職種としてはi)〜iv)が示されておりますが、勧告前の認定基準と同様であり、びまん性胸膜肥厚を伴う肺の原発がんを外したということです。D8bは新しく設けられたもので、「石綿肺を伴わない肺の原発がん」、つまり職種、ばく露要件のみで認めるということで、「次の職業において、1975年以前では5年以上、1975年以降では10年以上に及ぶ石綿へのばく露」。i)が石綿繊維の製造に関わる労働者、ii)が石綿吹き付け工、iii)が造船において石綿含有資材の取り付けと撤去に従事する人を含む、石綿断熱作業者」という形で定められております。
 資料5-1にはその他の国もいくつか載っておりますが、特徴的なところとしては、北欧諸国において、ヘルシンキクライテリアに定められているばく露基準を採用している国が見られるということがあります。
最後に、資料5-4の「環境省の認定基準」ですが、肺がん等については6頁をご覧下さい。6頁の②が認定要件ですので、読み上げます。
 「肺がんについては、原発性肺がんであって、肺がんの発症リスクを2倍以上に高める量の石綿ばく露があったとみなされる場合に、石綿を吸入することによりかかったものと判定するものであること。肺がんの発症リスクを2倍に高める量の石綿ばく露があったとみなされる場合とは、国際的にも、25本/ml×年程度のばく露があった場合であると認められており、また、これに該当する医学的所見としては、次のア又はイに該当する場合が考えられること」。アとして「胸部エックス線検査又は胸部CT検査により、胸膜プラーク(肥厚斑)が認められ、かつ、胸部エックス線検査でじん肺法(昭和35年法律第30号)第4条第1項に定める第1型以上と同様の肺線維化所見(いわゆる不整形陰影)があって胸部CT検査においても肺線維化所見が認められること」。イとして「肺内石綿小体又は石綿繊維の量が一定量以上(乾燥肺重量1g当たり5,000本以上の石綿小体若しくは200万本以上(5μm超。2μm超の場合は500万本以上)の石綿繊維、又は気管支肺胞洗浄液1ml当たり5本以上の石綿小体)が認められること。
 なお、アでいう「じん肺法(昭和35年法律第30号)第4条第1項に定める第1型以上と同様の肺線維化所見」とは、あくまでも画像上の所見であり、じん肺法において「石綿肺」と診断することとは異なるものである」。
以上が資料の説明です。
○森永座長 平成18年度の時は急いでまとめろということで大変苦労してまとめて、ようやくこのように諸外国の状況も把握できるような状況になったということで、もう一度全体を見ようという中で、今回、肺がんも取り上げましょうという理解をしていただいたらいいと思います。何か、いまの説明の中で質問なりご意見なりございますか。
○神山委員 ちょっと訂正になると思うのですが、資料2の報告書の12頁で、「肺内石綿繊維数を指標とする考え方」が②にあります。そのaで、「乾燥肺重量1g当たりの石綿繊維200万本」、これは長さ5μm超ということです。その次なのですが、「又は500万本(2μm超)」となっていますが、これは「1μm超」の間違いです。これはすべてほかでも、いちばん最後に紹介のあった環境省のも2μmとなっていましたが、1μmの間違いです。コンセンサスレポートでも1μm、それから諸外国でも大体のところで1μm以上ということで統一がとれています。これは単純な1μm超の間違いです。現実のこの石綿繊維の計測というのは労災あるいは救済においても、ほとんど現在、労働安全衛生総合研究所で、そこで篠原さんが一手に引き受けてくれているということです。実際には1μm超で評価しておりますので、実際には誤差はないのですが、印刷物の間違いということで、ここだけ訂正していただきたいと思います。
○森永座長 ちょっと私がこれ最後にチェックができなかったので、当時の座長として非常に申し訳ないとは思っております。実際の運用上は1μm超ですべてやっています。それは労災も救済も当初から1μm超でやっています。報告書でミスがあったのは、座長として責任があったので申し訳ないと思います。この場を借りてお詫びと同時に、1μm超ですべて判断していることの説明をさせていただきたいと思います。どうしても慌ててやって、ここをミスってしまったのです。本当に申し訳なかったと思ってはおりますが、実際上の運用はすべて1μm超で判断しております。
 ほかに何かご意見ありますか。今回、諸外国の認定基準もこういう形で紹介していただいて、5-1がまだ日本語に訳されていませんが、いつか訳はできますか。
○渡辺職業病認定対策室長 はい、仮訳はあるのですが、実はいろいろ難しい単語があったりするので。
○森永座長 そうですね。できる限りまたどこかで、仮訳でもいいですから、チェックした仮訳を出せるようにしていただくことにして、よろしいですか。一応、この資料2ですが、25繊維年という考え方でまとめたと。諸外国も見ると、そういう考え方が多いという確認は、よろしいですね。岸本委員、よろしいですか。
○岸本委員 はい、よろしいと思います。
○森永座長 これは、前の時のメンバーはそれで皆OKしているのです。新しい先生方も、これでよろしいですか。
 それでは、資料6も用意していただいておりますので、この報告書の主任研究者だった篠原委員から簡単に説明していただけますか。
○篠原委員 資料6ですが、これは平成21年度に厚生労働省からの委託業務として、石綿小体計測例の収集調査を行った報告書の抜粋で、小体計測収集作業の結果が主な部分です。この資料での収集例としては1頁下のほうに91例、肺がんに関係した例を収集しています。この91例は石綿のばく露職歴が確認されている、あるいは確認できた例について、小体数としておおむね、乾燥組織1g当たり3,000本から5,000本以上あるものについて整理を行ったものです。100例に満たないので、資料の7頁から18頁まで10の職種に分けて、個別の事例をある程度例示したものです。注意としては、この表は個別の例を出しておりますので、情報保護の面から小体数としては計測本数そのものではなく、石綿にばく露した職業の従事年数で割った値を示しています。表では石綿ばく露年数と書いてありますが、これは正確に申しますと、「石綿ばく露をした職業に従事していた年数」ということになります。そうした形で表に示しているものです。
 この収集の目的は、石綿小体計測については、検体の制約ですとか、実際には小体の計測そのものが行われない場合もありますので、非常に高濃度の肺内石綿小体数から高濃度ばく露が確認できるような状況が明らかにできれば、そういう高濃度職種については、それをもって石綿ばく露が推定できるだろう、その参考となるデータがあればということで集めたものです。高濃度ばく露の基準として5,000本以上ということが示されておりますが、実際の計測例を見ますと、2頁の図1のように、10万本台から、1,000万本近いような例もある状況でした。以下表I〜X]で分けましたが、この職種の分け方は2頁の上のほうでI〜X]までの職種に大別して、整理したものです。この表の中で、石綿小体数の多いものを中心に説明したいと思います。
 例数が多いものとして造船を挙げます。16頁から17頁に20例があります。造船と一口に言いましても、実際の作業内容はさまざまです。小体数そのものの幾何平均値、この20例を取りますと、2万2,634本になり、従事年数は算術平均で23年です。数年程度から40年以上と幅があります。これが造船の特徴です。
 次の18頁に車輌製造の例が4つあります。上から3例が鉄道車輌を製造していた例です。この3例の小体数そのものの幾何平均値は1万9,263本で、従事年数の平均も4年と非常に短いのが特徴だと思います。これは車輌製造に従事した期間が1960年代後半から1970年代初めで、車輌製造の場合、1975年頃には石綿の吹き付けがされなくなったということで、そうした状況が反映されているものと思います。
 前に戻りますが8頁に、石綿製品を製造していた例があります。ここも12例挙げております。細かく見ますと、事例数が少なかったり、厳密に分けることは難しいものもあるのですが、上のほうに4例、紡織に従事されていた方の例ですと、この場合、小体数そのものの幾何平均値は18万9,728本で、従事年数の平均は5年でした。5番、6番にある、古い時代にセメント製品製造あるいは石綿煙突の製造に従事されてきた方ですと、小体数として1万本超えるような例があります。
 7頁に、港湾荷役に従事していた例が5例、うち5番目は検数業務です。上4例の実際に荷物を扱ってきた方の例で見ますと、小体数の幾何平均値で1万2,636本、従事年数としては平均が17年です。
 それ以外に、全体に小体本数が高いのは、吹き付けとか断熱保温作業があります。9頁に吹きつけ作業があります。純粋な吹き付け作業は上から3例であろうと思います。上3例ですと、小体数そのものとしては10万本から数百万本台となります。この8例を単純に平均を取りますと、18万本ぐらいという小体数になります。平均従事年数は18年ですが、10年以下のものも3例あります。
 10頁に断熱保温作業があります。これも6例のうち上から5例が同じような作業内容ではないかと思います。5例ですと、小体数そのものの幾何平均値が43万6,431本、平均従事年数が27年ですが、1例数年の方がありますので、これを除くと、34年という期間になります。
 次頁に配管作業があります。この断熱保温と配管を完全に分けられるのかどうか、その辺はちょっと曖昧なところがあります。仮に、この表IVと表V、これを全部足し上げますと、12例で、小体数の幾何平均値は6万1,778本、従事年数は32年ぐらいとなります。
 それ以外として、あとはなかなかとりまとめが難しいところがあるのですが、14頁と15頁に表VIIIがあります。建築に関係したものですと、この点は19例出しておりますが、このうちの半数以上が小体数1万本を超えています。建築もいろいろな職種といいますか、作業がありますので、こうした分け方が適当かどうかわかりませんが、建材を切断加工されるような大工とか、そうした人では小体数の本数が多いと思います。
 15頁の中ほどに建築(築炉)が3例あります。この場合も小体数が1万本を超えているところがあります。ここに挙げた建築の例ですと、全体として平均従事年数が32年で長いように思います。それ以外に設備保全等の計測例があるというのが、今回行いました91例の小体計測例についての概要です。
○森永座長 この資料6の説明を篠原委員からしていただきましたが、何か質問はありますか。これは平成22年2月の報告書ですね。だから21年の途中ぐらいまでのものをまとめたと、こういう理解でよろしいですね。
○岸本委員 21年度に入ってからの例はそれほど多くないと思います。20年以前ということです。
○森永座長 いまとなっては少し古い。古いといっても1年分ぐらい前ですが、こういうふうにしていろいろ資料が集まってきていますので、そういう例をきちっと一度分析すると、いろいろなことが見えてくるかもわからないと思うのです。ですから、どうでしょうか、事務局のほうでそういうデータ出せますか。
○幡野職業病認定対策室長補佐 平成18年の現行の認定基準ができた後に、肺がんについては決定したもの、要は当認定基準で決定したものは2,871件ほどございます。また石綿救済法のほうが835件ございまして、合計すると3,700件ほどの事例として集積しているところです。ただ、決定自体は労働基準監督署で行っていますので、本省には置かれていない状況にございます。時間をいただければ、それを取り寄せるなりして、調査することは可能かと考えております。
○森永座長 石綿肺合併はいいですね。というのは、このイギリスの認定基準の報告書にも書いてありますが、5頁のいちばん上にあるのですが、既に石綿肺で認定された人は肺がんで亡くなっても、石綿肺でそのままになっているのです。ですが、そこまでするのは大変でしょうからそれはもういい。
○渡辺職業病認定対策室長 たぶん実際やってみないとわからないのですが、肺がんで請求があったものの関係資料を全部取り寄せることになると、たぶんそれも含まれて上がってくる。
○森永座長 石綿肺で先に認定されていたら、肺がんは後に合併して亡くなっても、それは肺がんで処理されてない可能性もあると思います。
○岸本委員 石綿肺で管理4とか合併症であって肺がんが出れば、いま森永座長が言われたとおりだと思うのですが、石綿肺もPR1型で管理2相当であった場合は、座長のおっしゃった症例に入らないので、出てくる可能性があると思うのですけれども。
○河合補償課長 じん肺肺がん。
○岸本委員 そうですね。
○森永座長 それも含めて一度検討していただいて、どこまでできるかも含めて、それを集めることが可能なら、それをやりましょう。やってどう解説するかという問題が出てくるから、それはこの委員の先生方の誰かにご協力いただいてお願いするということで、どうでしょうか。
○岸本委員 我々もまとめたのですが、現行の石綿肺がんの認定基準は、胸膜プラークがあって、職業歴が10年以上という症例が非常に多いので、職業が何であったかということと、職業性ばく露が何年あったかというところをポイントとして、必ずこの調査をしていただければと思うのです。以上です。
○森永座長 岸本先生のおっしゃるのも大事なことなので、それも含めてやるという理解でいいですね。
○渡辺職業病認定対策室長 始めるとすれば、いま監督署に残っている肺がんの事例に関しての調査書を全部取り寄せて、ある特定の項目について集計するなり、それをピックアップしていくという作業になるのだろうと思います。そこは単純な作業なのですが、医学的な解析になるところについては、先生方にご指導をいただいてということでなければちょっと難しいと思います。
○森永座長 それは神山委員と由佐委員にお願いしてよろしいですか。
○神山委員 はい。
○由佐委員 はい。
○森永座長 では、そういうことで神山委員と由佐委員に指導してもらって、事務局のほうで、まず監督署から本省へ事例を集めることをしてください。それから平成18年2月にまとめたものですから、一応5年ぐらい経過しますので、その間に何か新しい論文で貴重なものが出てきているようであれば、それもまた委員の先生方、こういう論文がありますということを連絡ください。
 あと簡単にパブメドでどこまで調べられるかという問題もあります。ちょっと時間をいただいて、文献のほうも。しかし、主な雑誌だけ当たってみたらいいかな。普段から出ている有名な雑誌だけを当たってみるぐらいはしたほうがいいので。我々がやると有料になってしまうので、大学の先生方にお願いすると。宮本先生、廣島先生、もしそういうのがあったらまたお願いしたいと思います。
○神山委員 確認です。先ほどのばく露状況調査ですが、救済のほうで800数事案あるという、これは職歴等がある者ない者、ないほうが多いかもしれませんが、これの情報も併せていただけますか。
○幡野職業病認定対策室長補佐 私ども特別遺族給付金のほうですので、基本的には職業歴がある、基本的といいますか、職業歴があるものです。
○神山委員 それが835件あると。
○幡野職業病認定対策室長補佐 はい。
○森永座長 かなり詳しい情報はないと考えたほうがいいのではないですか。
○渡辺職業病認定対策室長 特別遺族給付金については、医学的所見が全くない場合の取扱いとして、同じ職場に、同じ時期に、同じ作業をしていた人に労災認定例があれば、それを考慮して決定する場合もありますので、そうすると、もうその人は、この仕事をしていたということ以上の情報はたぶんないと思います。そういうのも含まれていますが、一応集めてみます。中にはかなり詳しい情報があるものもあるかも知れません。いま言ったように、何年頃この仕事していたという以上の情報がないものもあると思います。
○森永座長 分けて扱わないと、具合悪いかもわかりませんよ。
○岸本委員 分けないと駄目な場合はあるでしょう。
○渡辺職業病認定対策室長 集まったもののうちどの情報を正規の情報とするかについても、またいろいろご指導いただきながらやりたいと思っています。
○森永座長 ほかに何か委員の先生方、ご意見ありますか。なければ、大体作業の方向性がわかってきたので、そういう作業を取りあえずやるということです。もう1つは、びまん性胸膜肥厚のほうがまた文献レビューをしなければいけない。今、文献を集める段階なので、いますぐに次の開催日をここで決めるわけにはいかないのですが、どちらかと言うと、そちらもやらなければいけません。次のことはいますぐ決められないということで、よろしいですね。
○渡辺職業病認定対策室長 私どものほうの作業もどのぐらいかかるかというのは、いまなかなか申し上げられないので、またいろいろ作業の進捗を見ながら、別途日程調整をさせていただきたいと思っております。
○森永座長 一応2通りの作業、文献と、監督署で集めた事例を中央へ集める、この2つの作業をやるということで、今日の検討会はこれで終わりたいと思います。進行を事務局に返します。
○笹川中央職業病認定調査官 今申し上げましたが、また労災認定例等の分析の時間を見ながら、また改めて日程調整させていただきたいと思っております。その際、ご協力いただきたいと思います。以上です。
○森永座長 できたら年度内に、びまん性胸膜肥厚やらないといけないですね。
○渡辺職業病認定対策室長 できれば、早くできれば。ですが、そちらのほうも文献レビューのほうの進行の状況だと思いますけれども。
○森永座長 では、これで今日の検討会を終わりたいと思います。皆さん、ご苦労さまでした。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局労災補償部
補償課職業病認定対策室

電話:  03−5253−1111(内線5571)

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