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2010年11月9日 平成22年度第1回管理濃度等検討会議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課環境改善室

○日時

平成22年11月9日(火)13:00~15:00


○場所

経済産業省別館第850会議室


○議事

○徳田副主任 定刻より若干早いのですが、全員お揃いですので、ただいまから「平成22年度第1回管理濃度等検討会」を開催します。座長選出までの間、事務局が進行を務めさせていただきます。
 初めに本日お集まりのメンバーをご紹介いたします。お手元の資料番号-1に名簿がありますが、座席順に左から、慶應義塾大学医学部の大前教授、独立行政法人労働安全衛生総合研究所環境計測管理研究グループの菅野部長、株式会社エフアンドエーテクノロジー研究所の小西代表取締役社長、社団法人日本作業環境測定協会精度管理センターの芹田所長、中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センターの櫻井技術顧問、産業医科大学の田中名誉教授、麻布大学の中明名誉教授、早稲田大学理工学術院創造理工学部環境資源工学科の名古屋教授、社団法人産業安全技術協会の松村参与、産業医科大学の和田学長です。
 続きまして事務局は、化学物質評価室の長山室長補佐、環境改善室の亀澤室長、私は同室の徳田です。そして同室の小西係長です。
 それでは、主催者を代表いたしまして、亀澤からご挨拶を申し上げます。
○亀澤室長 環境改善室の亀澤でございます。委員の皆様方には、日ごろからさまざまな場面でご指導賜っております。この場をお借りいたしまして、厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。
 さて、労働衛生管理の中でも作業環境管理、とりわけ作業環境測定による作業上の管理状況の把握というものは、非常に重要であると認識をしております。管理濃度はその際の評価の指標となるものでございまして、新しい知見、測定技術の変化に伴って、適宜見直される必要があると考えております。
 前回の検討会では、平成19年から平成20年にかけて6回にわたるご検討をいただきまして、ホルムアルデヒド、ニッケル化合物、砒素及びその化合物について、新たに管理濃度を設定していただいたほか、既に管理濃度が設定されている12物質について見直しも行っていただきました。また、局所排気装置の性能要件のあり方などについてもご提言を賜っております。
 今回はその後、新たに化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会において、新たに一定の管理を行う対象とすべきとされた物質などが出てきたことから、管理濃度及び測定方法を検討することが必要になっております。また、新たに管理濃度を設定したり見直したりする必要のある物質もいくつか出てまいりました。このため、新しく検討会を立ち上げまして、ご検討をお願いすることにしたものでございます。先生方のそれぞれのご専門のお立場でご意見を賜りまして、良い検討結果が出ますように、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。
○徳田副主任 議事次第に従いますと、次は座長の選出です。事務局といたしましては、櫻井先生にお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
                 (異議なし)
 ご賛同いただきましたので、ここからの議事については座長にお願いをいたします。それでは、よろしくお願いします。
○櫻井座長 前回に引き続きまして、座長をやるようにということでございます。今回も今日だけではなく、何回かにわたって検討事項があるようです。皆様方、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事進行を務めさせていただきます。議事に入ります前に、配付資料の確認を事務局からお願いします。
○小西係長 お手元に会議次第がありまして、配付資料一覧があります。これをご覧いただきながら確認させていただきます。資料番号-1は「管理濃度等検討会」のメンバーの名簿、資料番号-2は、「管理濃度等検討会」の開催要綱、資料番号-3は管理濃度等の設定・見直しの検討について(案)、資料番号-4はその検討のスケジュール(案)、資料番号-5は検討対象物質の用途の一覧、資料番号-6は現状の作業環境測定対象物質の管理濃度・許容濃度等一覧、資料番号-7は管理濃度の設定物質数の変遷、資料番号-8は検討対象物質の測定技術に係る資料、資料番号-9は管理濃度・抑制濃度等一覧、資料番号-10は許容濃度等が改正された物質についてで、ここまでが1つのホチキスで止められております。
 さらに資料番号-11はACGIHの提案理由説明書、資料番号-12は平成21年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会報告書(抜粋)、資料番号-13は化学物質による労働者の検康障害防止措置に係る検討会報告書(抜粋)です。以上です。足りないもの等はありますか。
○櫻井座長 揃っておられるようです。それでは議事に入ります。今日の議題は議事次第にありますように、(1)当検討会での検討の進め方、(2)酸化プロピレン及びジメチルヒドラジンの管理濃度、測定方法、局排性能要件についてです。次は1,4-ジクロロ-2-ブテンの局排性能要件についてとなっております。
 今日は検討会の第1回ですから「当検討会での検討の進め方について」の設明を事務局からお願いします。
○小西係長 「当検討会での検討の進め方について」、ご説明いたします。資料番号-2の開催要綱に管理濃度や作業環境管理指標について検討する場であるということなどを記載しております。
 資料番号-3で今回検討する物質の整理をしております。まず管理濃度の検討としては、資料番号-3の5頁に表が出ています。右上にリスク評価に基づき順次追加される物質とあり、後ほどご説明いたしますが、リスク評価制度によって特化則の作業環境測定の対象となる物質が今回は2物質あって、具体的には酸化プロピレンとジメチルヒドラジンです。
 中段の丸の1管理濃度を設定していない物質が1物質あって、ベンゾトリクロリドです。前回、前々回に精度よく測定できる方法がないということで、管理濃度の設定を見送っています。
 丸の2ですが、ACGIH、産衛学会の許容濃度等が改正されており、今回検討が必要と思われるものです。こちらを拾い出したところ、8物質が検討が必要なのではないかと考えております。8物質については、第3回目以降、整理していく必要がありますので、データのご教示等をお願いしたいと考えております。
 4頁に戻りまして、局所排気装置の性能要件についても検討をお願いします。管理濃度を設定する物質のほかにリスク評価制度により、特化則において発散抑制措置をとることとなった物質があって、1,4-ジクロロ-2-ブテンです。こちらの性能要件の検討についてお願いしたいと考えております。
 4頁の5の「質量濃度変換係数(K値)についても、新たなデジタル粉じん計が出てきて市販されておりますので、それについてのデータを示して設定をお願いしたいと考えております。
 スケジュールですが、資料番号-4の6頁の特化則の対象となる物質については、4月施行ということもあって、できましたら第2回目の12月に中間報告書という形でとりまとめていただき、第3回目以降、それ以外の物質、事項について検討をお願いしたいと考えております。こちらは第5回まで書いてありますが、4回か5回ぐらいの開催回数になるのではないかと考えています。以上です。
○櫻井座長 ただいまの説明の内容について、ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。続きまして、リスク評価制度についてのご説明をお願いいたします。
○長山補佐 それでは、化学物質のリスク評価制度について説明いたします。資料番号-12、資料番号-13の2つの報告書に基づいて説明したいと思います。申し遅れましたが化学物質対策課の化学物質評価室の長山と申します。
 資料番号-12が、リスク評価の検討会の報告書という平成22年6月にとりまとめられた報告書があります。資料番号-13は、資料番号-12の報告書の結果を踏まえて、健康障害防止措置に係る検討会を引き続き行い、平成22年10月にとりまとめられた報告書で、この2つの作りとなっております。かなりボリュームがありますので、かいつまんで説明したいと思います。
 資料番号-12の1頁に「はじめに」とありますが、化学物質対策については、行政としても法令による義務づけ、事業場に対する支援など、さまざまな対策を行っているところです。「はじめに」の上から3行目にあるとおり、平成16年に化学物質管理のあり方の検討会を行い、報告書がとりまとめられております。事業者自らがリスク評価を行って、必要な措置を講ずる自律的な管理が基本であるとされております。ただし、中小企業などではそのような管理が十分ではないことも考慮して、国自らもリスク評価制度を実施するということで、これに基づいて、平成18年度からこの制度をスタートさせているところです。
 この制度では大きく2つに分けて、化学物質の有害性を調査する、あとは実際に事業場を測定して、ばく露の実態調査を行うという2つを併せて行っていきます。有害性調査では、これを超えたらリスクが高いという評価値を設定して、実態調査で測定した実測値と比較して、その両面を考慮しリスクを評価していくという仕組みになっています。
 この仕組みとしては大きく3つに分かれて、まず1番目のステップとしては、どういう物質を対象にこの制度に乗せていこうかというもの、2番目は、有害性の調査やばく露の調査をして、リスクが高いかそうでないかを判断する。3番目は、そのリスクが高いとされたものに対して、どんな対策が必要かという措置を考え検討する場所ということでリスク評価を行っているところです。
 2頁のリスク評価の経緯ですが、毎年その年その年で一定数の化学物質について選定を行い、その後評価を行っていくという仕組みになっています。主にいままでは発がん性の観点、例えばIARCなどで発がん性が指摘されているものの中から選定してきたところです。現在ではこの3つの大きな仕組みのうち、その物質選定ということで企画検討会を置いて、櫻井委員に座長をお願いしている委員会で選定しています。
 ここで選定されますと、事業場にその物質を周知して、年間500キロ以上使用している事業場から報告をいただき、その情報を基にばく露を調査して、リスク評価を行っていくことになります。ちなみに平成18年度から始まっており、いままでもリスク評価を踏まえて、例えばホルムアルデヒドとか、ニッケル化合物などがリスクが高いと評価されて、特化則と規制の対象となり、こちらの検討会の中でもご議論いただいたところです。
 現在、リスク評価については、1つの物質について2段階のステップで行っております。1年目に、まず初期評価ということで調査をして、その中で、これはリスクが高いのではないかと思われ、さらに評価が必要とされたものについては、2年目に詳細に評価をしていくということで行っています。
 3頁は対象物質の選定の考え方ということで、いままでは主に発がん性の観点から選んできたものが、今回規制、検討していこうかという段階にまできています。
 5頁にリスク評価関係の検討会の参集者ということで、こちらの検討会で評価を行っておりまして、本日の委員の名古屋委員にリスク評価の全体の座長をお願いしています。
 6頁は、その中で有害性とばく露でそれぞれ小検討会を設けておりまして、有害性の検討会においては大前委員に座長をお願いしております。
 このような体制でリスク評価ということで、平成21年度は何回か検討会を行い、とりまとめられたのがこの報告書となっています。
 8頁は詳細リスク評価とか、初期リスク評価をどの物質はやったかということになります。詳細リスク評価については、平成20年度報告の中で、平成21年度の四角のいちばん上に詳細リスク評価を実施(7物質)とありますが、これが平成20年度評価、初期リスクを終わり、平成21年度に詳細リスクをやった7物質となっております。今回はそのうちの4物質について、この検討会の中でいろいろな措置を検討することが必要とされたものとなっています。その評価結果の概要が10頁の(2)から始まります。今回関係のある所だけを抜粋しますと、10頁の下側の丸の2に、詳細リスク評価結果という形で書いてあります。7物質ありますが、今回、この報告書を踏まえて、アとイに掲げる4物質を特化則等、規制の対象として考えております。また個別の詳細リスク評価書については、報告書の後ろに各3物質を添付してあります。今回はこの4物質、ア、イについて措置の検討を行うべきとされました。
 まずアは、酸化プロピレン、1,4-ジクロロ-2-ブテン、ジメチルヒドラジンの3物質ですが、こちらについては二次評価値を超えるばく露が見られます。また要因を解析したところ、作業工程共通のリスクと考えられることから、健康障害防止措置等の対策の検討を行うべきということで報告を受けたものです。
 イは、対象となる4物質のうちの1つで、1,3-プロパンスルトンというのがあります。こちらについては、本検討会における議論とは違うもので、測定結果として、ばく露としては定量下限値未満であったということで、吸入によるリスクは少ないのではないかというものです。ただ、実験などで皮膚に投与すると、極めて強い発がん性を認めることもありますので、対策としては吸入ばく露ではなく、飛沫の皮膚への付着を回避するための措置などを検討していきましょうということで報告を受けたものですので、作業環境測定や発散抑制措置の局排などとは別の検討が必要という形で報告されたものとなっています。アに挙げられている3物質について、後ろに詳細のリスク評価書が個々に付いておりますので、後ほどご覧いただければと思います。
 資料番号-13です。先ほどのリスク評価の検討会の報告を受けて、こちらにおいて実際にどのような対策が有効なのかを、措置の検討会において検討を行っていきます。実際の取組状況、技術的な課題などを考慮し、どのような必要な措置があるのかを検討するものとなっております。
 1頁の下に検討会の開催状況がありますが、本日お集まりの菅野委員に座長をお願いしている検討会です。こちらについて検討を行っていたところです。今回はこちらで4物質の検討を行っておりますが、1,3-プロパンスルトンは説明を省略して、上の3物質について、どういう結果があったかを説明したいと思います。
 2頁の5に、健康障害防止措置の検討結果が挙げられています。また詳細な結果については、後ろに検討シートがそれぞれ付いておりますので、必要に応じてご覧いただければと思いますが、この2頁で説明いたします。
 (1)の酸化プロピレンは、プロピレングリコールの原料など、各種原料に使われております。また常温で液体という物質です。こちらについては、作業工程共通のばく露が見られますし、蒸気圧も高く、そういった評価値を超えるばく露が見られたこともあって、3行目にあるとおり、特化則の対象としていろいろ措置を細かく検討したところ、特定第2類の化学物質に指定することが妥当であるという結果を受けています。すなわち、いろいろな特化則の措置が必要とされており、その中に特化2類として、作業環境測定や発散抑制措置のなどの規制も含めて必要とされました。
 (2)の1,4-ジクロロ-2-ブテンについては、合成ゴムの中間体で出てくるものです。こちらについてはいろいろな製造取扱でリスクが高いというよりは、その中間体をサンプリングする際に、そのサンプリング作業においてリスクが高いとされたものです。よって検討結果としては、作業環境測定が必要という結果ではなかったのです。ただ、発散抑制措置などの規制が必要とされたものです。
 3頁の3のジメチルヒドラジンについても(1)の酸化プロピレンと同様に、作業工程のばく露が認められ、特化則の特定第2類化学物質に指定することが妥当であるということで、こちらについても作業環境測定や発散抑制措置等の規制も含めたものが必要であるとされたものです。
 今回はそういう形で作業環境測定、もしくは発散抑制措置が必要とされたものは3物質ありましたし、いずれも液体が挙げられました。現在、こちらの報告書を踏まえて、行政としては政省令改正などの所要な手続準備を行っている最中で、予定では来年春に施行できるように準備している状況です。資料番号-12、資料番号-13のリスク評価制度についての説明は以上です。
○櫻井座長 ただいま今日の課題である酸化プロピレン、ジメチルヒドラジン、1,4-ジクロロ-2-ブテンが挙がってきた経緯について、リスク評価制度を含めて説明がありましたが、ご質問はありますか。
○田中委員 1,3-プロパンスルトンは、測定した事業場が定量下限値未満だったということですが、ほかの事業場も同じように、それ以下になる可能性は検証してあるのですか。
○長山補佐 いくつかの事業場でやりまして、あとは作業工程としても蒸気圧もそれほど高いものではありません。常温ですと固体ですが、少し温めて液体の状態にして取り扱うという工程ですと、たぶんほかの事業場においても、ばく露は高くないのではないかということです。
 実際に測定したところ、定量下限値以下まで、かなり低いものでした。ただ、経皮の付着による障害などを懸念されるということで措置の必要があるという結論に至ったものです。ですから、吸入のほうは必要ないとされております。
○中明委員 大体詳細な検討を2年目にやっているということですが、実測もやっているのですね。
○長山補佐 はい。
○中明委員 実測をやっているというのは、どの程度の範囲でやっているのかというデータは何もありませんね。
○名古屋委員 あります。
○中明委員 いま田中委員が言ったのと同じで、どのぐらいのオーダーで、それぞれこういう作業ではこういうオーダーだとか、そういう説明がないとわからない。
 行政に対していろいろ言ったら申し訳ないのですが、化学物質対策課と改善室との役割分担は私たちは一緒になってもいいのではないかと思います。これはこれでしょうがないと思いますが、実際にどう測るのか。測定法も含めて測るほうはメインは改善室です。測定法を含めて、こういう物質に対してどのようなことを考えていくのですか。どこまで測ればいいのかというのがあるのです。そんなに低い所までやる必要が本当にあるのかというのは、私は最近は疑問に思っていて、その辺も含めて、そんなに時間は必要ないと思いますが、このぐらいのことをやりましたというのがあれば言っていただければと思います。
○名古屋委員 たまたま委員長をやったときのことを申し上げると、一応ルールが決まっていまして、そのルールに従ってということです。ですから、事業場を選定していて、その中のいちばん高いと思われる所。全部測定するのではなくて、高い所、高い所といって、そこのルールに従って統計的処理をしていき、ここは事業場特異なものだったら、それは事業場の管理でしょう。でもこの工程はいろいろな所に関わってきているとしたら、それは規則で決めましょうと。検討委員会でガイドラインがちゃんとできていますので、そのガイドラインに従って測定するので、逆にばく露濃度の測定、A測定、スポット測定というB測定に近い測定をして、そのトータルで評価して、ここに持ってきて、あとは菅野さんがやっている委員会に持っていき、そこで揉んでもらうというルールになっていますので、間違いなく、そこは大丈夫だと思います。
○中明委員 個人ばく露もやっているのですか。
○名古屋委員 個人ばく露主体でやっています。あと濃度については、櫻井先生の委員会で一次評価値、二次評価値を決めてもらって、二次評価値がたぶん管理濃度になるというシステムになっていますので、かなり長い間検討したガイドラインですから、そこは大丈夫だと思います。
○中明委員 そのようなプロセスなどはどこかにあって、出ているわけですか。
○名古屋委員 ホームページに出ております。
○長山補佐 資料番号-12の後ろに、酸化プロピレンとか3物質の詳細リスク評価書が付いています。例えば、酸化プロピレンで説明しますと。
○中明委員 要りません。そのほかのものについてもこれがあるということですね。
○長山補佐 そうです。それぞれの物質について。
○櫻井座長 高い濃度を見逃がさないように最善を尽くしましょうということで、さんざん検討した結果に基づいて進められておりまして、その検討した結果をどこかでまとめて、それも公表されていますよね。
○長山補佐 はい、全部ホームページに載せてあります。
○櫻井座長 NIOSHの測定のドキュメント等も検討の内に含めましたが、あれにもいろいろ欠点があることもわかり、一応日本ではそれなりに最善を尽くしていると思っております。
○中明委員 わかりました。
○櫻井座長 非常に低い濃度でも測定する必要があるかないかという疑問については、1つの課題なのでしょうね。
○田中委員 リスクなどは分かりようがないですね。
○櫻井座長 測定ができないのだったら、それに代わる手段も必要かもしれませんね。
○名古屋委員 例えば、ジメチルヒドラジンみたいに一次評価値は設定できないものがあるし、二次評価できるものもあるということですね。
○田中委員 対策だけをきちんと、どういう対策をしなさいという、それでいいのではないでしょうか。
○櫻井座長 ほかにご質問はありますか。特になければ先へ進みます。それでは酸化プロピレンの管理濃度をどういう値にするかということに移りたいと思います。事務局からそれに関する資料等のご説明をお願いします。
○小西係長 資料番号-5、7頁に検討対象物質の酸化プロピレンとジメチルヒドラジンについて、用途、生産量等、産衛学会、ACGIHの状況をまとめてあります。酸化プロピレンについては先ほども説明がありましたが、用途についてはいろいろな原料になっています。生産量は42万トンぐらいで、輸入量としては315万トンぐらいになっております。産衛学会の設定値はなく、ACGIHは2ppmと設定されています。
 資料番号-8、18頁については、酸化プロピレンとジメチルヒドラジンについて、試料採取方法、分析方法、定量下限値を抜き出して記載してあります。こちらについては、先ほどの資料番号-12と資料番号-13の検討会の報告書からの抜粋となっています。こちらと資料番号-11のACGIHの提案理由説明書を参考にしていただければと考えております。以上です。
○櫻井座長 今日の課題は、いままでの当検討会のやり方はACGIH及び産業衛生学会に準拠するというスタイルを採っておりまして、それのより低い値を原則として採用するということできております。ただし、それに問題があるとするならば、その原則に従わなくてもいいわけです。
 プロピレンオキサイドについては、日本産業衛生学会は勧告はされておりませんで、ACGIHで2ppmという数値が出されている状況ですので、その2ppmを採用したらどうかというのが事務局としての考え方であり、いままでの原則に従った方向性です。
○田中委員 詳細リスク評価書による結果はどういう結果が出たのですか。それも2ppm でよろしいという話ですか。
○長山補佐 こちらも評価値は2ppmで設定いたしまして、それを超える事業場が見られたとなっております。
○櫻井座長 二次評価値の2ppmを設定することについては、有害性評価の小委員会で提案があったものを使用しているわけですね。
○長山補佐 はい。
○田中委員 日本産業衛生学会に代わるような感じですよね。
○櫻井座長 そこまで誰か個人が責任を持って詳細に調べたものについて、さらにみんなで検討するというような、許容濃度等委員会のやり方とはちょっと違うとは思います。
○田中委員 一応はACGIHはちゃんと出ていると。一方で日本でもそういうのがあれば、1つのレベルの設定のときに役に立ちますよね。そのときのデータとしてリスク評価書を活かしていこうという方向で管理濃度等検討会はやっていこうという方向になるわけですよね。
○和田委員 ACGIHが出した年号はいつですか。
○小西係長 提案理由説明書は2001年で、設定したのは2004年だったかと思います。
○和田委員 2004年にしているわけですか。
○小西係長 2004年は平成16年です。
○和田委員 それ以降は同じ値というわけですね。
○小西係長 はい。
○和田委員 新しい知見が出たかどうかだけのことで、出ていれば当然産衛学会でもある程度取り上げることになるのですか。特に問題にしていないということですか。その根拠はないということですか。
○大前委員 いまはまだ提案されておりません。仮に2004年は2ppmですが、これが仮に1ppmに下がったとしても、産衛学会でそれを取り上げるかと言いますと、それはわかりません。産衛学会にあってACGIHにあって、かつACGIHが下げた場合には考えますが、現在ないものにつきましては、特にそういうアクションはとっておりません。
○和田委員 ですから、先ほど櫻井さんが言った特殊な事情はないと考えていいということですね。
○櫻井座長 特殊な事情はないと言っていいと思います。
○和田委員 では、原則どおりでいいということになるのではないですか。
○櫻井座長 先ほど田中委員からご質問のあった小委員会で評価値を決定しているものを、原則ある意味でACGIHの勧告値を採用することについて、特段の問題を認めてなかったという1つのプロセスがあったことは事実ですが、この場で検討しても別に構わないわけです。このACGIHの提案理由が最大の材料になるのだろうと思います。
 和田委員から、これは何年だという質問がありました。資料番号-11の6頁には2000年に2ppmがプロポーズされて、2001年にACGIHとしてはそれを採用しています。100ppmぐらいから20、5、2と修正されてきて、その後、現在まで2というのは改正されないできているという経緯です。
○和田委員 これは実測はされているのですよね。環境中の実測はされていますよね。その値と比べてどうなのですか。その辺は何かデータがありますか。
○長山補佐 資料番号-13の1にあります。参考1の酸化プロピレンの検討シートです。1枚目の左側にありますが、こちらで中段から下のばく露の評価結果で、いま2ppmということで、(3)の辺りで個人ばく露で5.9という数値が出てきておりますが、2は超えてきています。
○中明委員 いまの資料で急に6ppmですね。平均だか何だか知りませんが、これは最大値ですか。個人ばく露濃度で区間推定値の上限は8。
○長山補佐 8が最大値で、あと分布みたいなものは、その下の円グラフになります。
○櫻井座長 この14の事業場で測定して、最大値が6。その分布から推定した95パーセンタイル値、推定した値が8。
○中明委員 だから、推定するしかないのですが、例えば6ppmで、8時間のばく露でということのようですが、それが繰り返されたときはどうなのかという話です。仕事がそこで終わっていればともかくとして、続いた場合、その働いている作業者が同じ人かどうかは知りませんが、コンスタントに6ppmなら6ppmは毎日といったときに、それが長い年月ではなくても、例えば2ppmに対して3倍の濃度がどの程度続いているのかというのが気になるのです。それでも2ppmでいいのかというのがあるのです。許容濃度もTLVもなっているのだからいいとは思いますが、これでいけば実際には3倍ぐらいの濃度になるよという話です。
○名古屋委員 全体の作業の中で一次評価値で見たときに、高いグループだけから採っていって、そこでまた測っていって、その中で詳細だったら、もっと高いグループだけ採っているので。要するに本当に作業としたら、高いグループだけを採っていって、そのグループがこれだけ超えているというのはまずいということです。それも作業性も共通しているからということになっているから、たぶん大丈夫だと思うのです。
○櫻井座長 特定の作業形態にのみ高いばく露があるということが推定されるならば、必ずしも特化則に入れる必要もないかもしれない。要するに個別の指導でいいだろうと。そうでなくて、どこででも起こり得る要素があるという判断で挙がってきているわけです。中小企業等ではですね。
○和田委員 高いところまで2ppm以下にする手段はあるということですか。
○櫻井座長 それはありますプロピレンオキサイドの提案理由書を見ますと、動物実験でげっ歯類に30ppmばく露したときに、鼻の粘膜の病理組織学的な変化があった。それがLOAELであって、NOAELは不明である。それをどう処理するかということはたぶん問題になります。LOAELだから、30に対して、もし3ppmを取ったら10分の1になるわけです。10分の1でいいのかという意見もあり得ると思います。
○中明委員 ACGIHのスタディだと“No information on level of exposures to propylene・・・”と書いてあって、要するに現場での実測値はないよみたいなことで、エイ、ヤッときているとは思うのです。随分思い切って2にしたなと思います。
○櫻井座長 最初は100だったのが50、だんだん低くして、いまは2で10年弱ですが、まだフォローして。まだはっきりヒトでの障害の報告がありませんね。ほかに特段ご異存がなければ、2ppmという管理濃度はよろしいですか。
                 (異議なし)
○櫻井座長 では、そのように決定とさせていただきます。次に酸化プロピレンの測定方法について、事務局から説明をお願いします。
○小西係長 資料番号-8、18頁に酸化プロピレンの2ppmと試料採取方法、分析方法、定量下限値0.044ppm(採気量1Lとして)ということで、試料採取方法は固体捕集方法、分析方法はガスクロマトグラフ分析方法を記載しております。こちらについては資料番号-12の別添4、26頁に酸化プロピレン測定分析法ということで記載した詳細があって、これを基に抜き出したものです。こちらを見ますと、試料採取方法は粒状活性炭管ですので、固体捕集方法としてあります。以上です。
○櫻井座長 試料採取方法と分析方法について、ご指摘事項はありますか。
○田中委員 ばく露の委員会で測られたのでしょう。
○名古屋委員 だから、委員会に出てくるときには、当然ここも全部チェックしてやっています。
○中明委員 これは中災防か何かでやったのですか。
○名古屋委員 中災防でやっています。新しい物質はあるものをCASナンバーで全部トレースして定量下限値を全部求めて報告しています。
○菅野委員 一言付け加えるならば、NIOSHではヤシガラ活性炭を使っておりまして、定量下限値がずっと高いのです。ですから、特定の活性炭管を使うことが必要であることを明記したほうがいいと思います。
○櫻井座長 特定の活性炭ですか。
○名古屋委員 ヤシガラ使うと個体差が出てきて駄目なのです。やはり粒状活性炭がいいでしょう。
○菅野委員 もともとのデータは、そこまで測れないことになっておりますし、現時点で駄目かどうかはわかりませんが、これでのみ確認されているということですので、ガステックの粒状活性炭を用いたものというように。
○田中委員 銘柄を特定するのは難しいと思いますが。
○名古屋委員 粒状活性炭はいいですね。 
○小西委員 やっていくときには、何種類かのものを検討して見ておく必要があるのでしょうね。
 これはデータがあるのであれば、感度を上げるためにヤシガラではなくて粒状を使ったというときの中災防で何かデータを取られていて、バックデータがあるのであれば、そのことはきちんと出されたほうがいいのではないかという気がします。
○名古屋委員 ヤシガラでやると、3回やったときに、3回いいときもあるし、1回イレギュラーするときもあります。要するに、固体が天然鉱物ですので、個体差があり、そこでイレギュラーが起こる可能性があります。でも、粒状だと人工的に作られているので、その差がないということで扱いやすいということで、いまは粒状活性炭にしましょうという形でやっています。だから、メーカーを別にしても、どこでも売っていますので、粒状活性炭でたぶん大丈夫だと思います。
○松村委員 粒状というか、あれは合成樹脂で作った活性炭でしょう。ヤシガラ活性炭も不定形な粒で粒状活性炭なのです。
○菅野委員 球状と言いますかね。粒状ではまずいですものね。
○松村委員 粒状はもっと一般的な名称になってしまうのです。
○中明委員 高性能活性炭と言っても。要するに、人が作ったものということですね。
○菅野委員 個別の測定では低い濃度が出ても判定不可能ですから、やはり保証というか。
○田中委員 しかし、簡単に見捨てていいところですか。
○松村委員 加熱脱着でもないのです。液体で脱着しているし、そんなに活性炭の不純物と反応しそうもないような気がするのです。
○田中委員 濃度などの問題が起こるわけですね。
○管野委員 活性炭の場合は、数マイクログラムに一旦なると、ヤシガラ活性炭では回収率が下がるというデータがいくつか出ておりまして、どの物質でも下がるということではありませんが、その点は注意しておかないといけないと思います。
○松村委員 合成樹脂活性炭ですね。
○菅野委員 いや、球状活性炭が普通ですよね。
○松村委員 そういう意味では呼び名を統一したほうがいいですよね。
○名古屋委員 粒状だったら球状のほうがいいですか。
○菅野委員 我々が決めても。
○中明委員 一般的に粒状活性炭。
○名古屋委員 普通はヤシガラ活性炭か粒状活性炭、粒状活性炭は人工的に作られているというので分けているので、普通はそこでいいのではないですかと思います。活性炭と言われると2つあるけれども、ヤシガラと付ければ間違いなく粒状活性炭ですよということだと思います。
○櫻井座長 松村先生は不満のようですね。
○松村委員 粒状活性炭だったら全部入ってしまいますから、その中で選択をすればいいのだろうと思います。
○櫻井座長 当検討会では、固体捕集方法ということでいいのですか。
○中明委員 試料採取方法としては固体捕集方法ですね。
○櫻井座長 ガイドライン等でもう少し細かくご指示いただいて。
○中明委員 使う活性炭についてはどのように。
○田中委員 捕集材としてこういう注意が必要ですということですね。
○櫻井座長 分析方法はガスクロマトグラフでよろしいですね。では、ほかにいかがですか。なければ、いまのようなことにするということでよろしいですか。
                (異議なし)
○櫻井座長 ありがとうございます。次に酸化プロピレンの抑制濃度について、事務局から説明をお願いします。
○小西係長 こちらは特段資料はありませんが、局所排気装置の性能要件である抑制濃度については、前回の管理濃度検討会での議論において、管理濃度の値と揃えるのがいいのではないかという議論があったと思いますので、こちらについて管理濃度と揃えるということでよろしいかということをご検討いただきたいと思います。
○櫻井座長 はい、特にこれはないですね。
               (異議なし)
○櫻井座長 では、そのような結論となりました。以上で酸化プロピレンについては必要な議論が終わりましたので、次に移ります。ジメチルヒドラジンについて、事務局から資料の説明をお願いします。
○小西係長 ジメチルヒドラジンの管理濃度につきましては、資料番号-5、7頁に用途、生産量等、産衛学会、ACGIHの状況をまとめてあります。ジメチルヒドラジンの用途としては、合成繊維・樹脂安定剤などに使われています。生産量は約200トンです。こちらについても産衛学会での設定はありませんが、ACGIHでは0.01ppmと設定されております。こちらについては資料番号-11の提案理由説明書を添付しております。ジメチルヒドラジンについても資料番号-12に詳細リスク評価書を添付しております。資料の説明は以上です。
○中明委員 ACGIHのこの案でいくと、皮膚吸収があるようですね。
○櫻井座長 そうですね。
○長山補佐 スキンが付いております。
○中明委員 現場では実際に何か皮膚障害があった、皮膚に関する訴えとか何とかはなかったのですか。これもかなり測っているのですよね。どれぐらい測ったのですか。これは参考3ですね。
○長山補佐 そうです。
○中明委員 0.57か。
○長山補佐 二次評価値、これも同じ0.01でやりますと、いちばん下のとおり、二次評価値のほうが75%という形になります。
○櫻井座長 何頁ですか。
○名古屋委員 参考3です。
○中明委員 13の参考3だから、後ろのほう。
○名古屋委員 最後のほうです。ジメチルヒドラジンの参考3ですから、後ろのほうです。
○櫻井座長 参考3の1頁。
○名古屋委員 1頁です。
○中明委員 このところでかなり、最大値が0.6ぐらい。
○櫻井座長 そうですね。
○名古屋委員 これは統計的な処理の0.6ですから、実質は0.57が最大値です。
○中明委員 0.57。こっちは5倍か、いや6倍。
○田中委員 個々で測定した工場の測定は出ていますが、作業者に対する健康状態については調べていないのですか。
○櫻井座長 ないです。
○田中委員 ないということなら、臭気を集めても特段、こういうのが続いた。
○櫻井座長 それはないだろうね。
○中明委員 わからないね。
○櫻井座長 きちっと調べていないから、ないと言い切ることは難しいです。メチルヒドラジンでしたか、日本産業衛生学会で0.1ppmを勧告、そうでしたよね。
○中明委員 これは櫻井先生のころに出したのではなかったですか。そうでもないか、もっと新しいか。
○櫻井座長 疫学の情報に基づいて。
○大前委員 あれはヒドラジンです。
○櫻井座長 ヒドラジンですね。ヒドラジンがあり、メチルヒドラジンがあり、ジメチルヒドラジンがあるので、それぞれ問題はある。みんな揃って大体0.01ぐらい。
○田中委員 ヒドラジンも0.01ですか。
○櫻井座長 ACGIHは0.01です。日本が0.1。
○田中委員 0.1ですか。
○櫻井座長 今この場にないので、もしかすると記憶違いかもしれません。
○中明委員 数値がどこかに出ていなかったですか。ヒドラジンはわからないのですか。
○櫻井座長 0.01に抑えるというのはなかなか難しいことではあるかもしれませんが、やはり発がん性というところを考えて、このような数字になっております。
○松村委員 ちょっと毒性について確認したいのですが。
○櫻井座長 測定はこれからです、これからそちらの話に移ります。
○松村委員 測定ではなくて毒性です。経皮吸収が強いものについて、ACGIHのデータの基礎になっているのは吸入だけで出てくる値で決めていると思うのですが、一般の作業場では、全体の摂取量というのは区別ができないと思うのです。その辺について、経皮吸収の強いものに対する管理濃度の決め方というのは、特に何か一定のフォーマットがあるのでしょうか。日本で経皮吸収があるものに対して使う手袋も、本当に定量的な評価が、測定法はISOで決まっているのですが、きちんと測定している所がない、データがほとんどないのです。それにこれは小さい物質なので、たぶん手袋をしてもしみ込みやすいのではないかという気がするのですが、その辺の配慮はどうなるのかなという気がいたします。
○田中委員 いままでの決定のときは、していませんよね。
○松村委員 していませんね。
○田中委員 ACGIHあるいは産衛学会の値をそのまま持ってきています。
○松村委員 そうですね。
○櫻井座長 吸入だけのばく露でそのように判断するわけ。
○松村委員 吸入を加味すると、空気中の濃度としては何ppmでいいということになるのか、あるいは吸入は吸入だけで0.01ppmと決めて、経皮吸収はまた別の防護をするとか。
○櫻井座長 原則として皆そうなっております。
○松村委員 やろうと思えば、最近は有効な防護服はあるのです。全身を覆ってしまって、空気を吹き込むような形のものがあります。
○櫻井座長 発がん性はIARCだと2Bですか。
○松村委員 動物のほうですね。
○櫻井座長 動物であって、ヒトについてはまだ証明されていないので、そこまで厳重な防護を求めてはいないのです。先ほど話が出た1,3-プロパンスルトンは、あえてそこまで踏み込んで皮膚吸収を予防しようとしているのです。ほかに特にありませんでしょうか。それでは管理濃度は0.01ppmでよろしいですか。
                 (異議なし)
○櫻井座長 それではそのようにいたします。次に、この物質の測定方法のうち、試料採取方法と分析方法についての説明をお願いいたします。
○小西係長 資料番号8、18頁、ジメチルヒドラジン0.01ppm、試料採取方法としてろ過捕集方法、分析方法として高速液体クロマトグラフ分析方法、定量下限値として0.0054ppm(採気量10L)、0.0001ppm(採気量480L)としてあります。こちらは資料番号12の最後の頁の詳細リスク評価書別添4に詳細が記載されております。
○櫻井座長 いかがでしょうか。
○中明委員 分析に使う高速液体クロマトグラフですが、フォトダイオードアレイとは何ですか。これは一般的に使っているのですか。菅野先生、やっているのですか。
○菅野委員 これは全波長で一遍に取れるというものですが、その下に「波長300nm」とありますので、この300nmのモニターで計量できると。
○中明委員 そうすると、問題はないということですね。これ特有のというかこれ用の、液体クロマトグラフもいろいろあるでしょう。
○菅野委員 はい。これが検討されるときにフォトダイオードアレイの検出器を使われたということですが、300nm、つまり普通の。
○中明委員 波長でいけばいいということですか。
○菅野委員 UVの検出器で300nmで出ています。
○中明委員 先ほどの粒状活性炭の話と絡むのですが、どこのメーカーのものでないと駄目ということではないわけですね。つまり、どこの高速液体クロマト計を使ってもいいということですね。
○菅野委員 作業環境測定の場合は、ヒドラジンの類がたくさんあるので、一緒にやれば別かもしれませんが、共存物がなければ特定のカラムでないといけないということもないと思います。ただ、先ほど話があったように、ヒドラジン自体も規制されておりますので、ヒドラジンとジメチルヒドラジンがあると、発色自体は発色試薬のほうの吸収ですので同じですから。カラムで分離しなければいけないということにはなる。
○中明委員 そうか。結構難しいね。この低いレベルでは余計ですね。
○櫻井座長 数字は非常に低いですね。
○中明委員 ろ過捕集というのは何ですか。
○櫻井座長 硫酸。
○名古屋委員 SKCを使います。
○松村委員 サンプリング用1Lで10L引くと10分ですが、そうすると定量下限が管理濃度となる値の0.5ぐらいまでしか測れないですから、1桁下までの定量はできない。
○小西委員 480L。
○名古屋委員 採気量は480Lにしないと駄目、ゴォーとなって。
○中明委員 480。
○名古屋委員 そういう現象が。480Lにすると落ちますから、そうしたら大丈夫ですよという意味です。
○松村委員 そうすると時間は長くなるでしょう。
○中明委員 480L。
○松村委員 480L引くためには。
○中明委員 480分。
○小西委員 やはり、10分間で減るための10分の1という考えは捨てないと駄目ですね。
○名古屋委員 捨てないと駄目です。
○小西委員 それをやっていると、もうできないということになってしまいますから、反応体や関係ないものについては10分間ということではなくて、それが必要な量まで時間をサンプリングするという考え方にしておかないと、おそらく測定濃度がどんどん下がって、できないものが多くなってしまうような気がします。
○名古屋委員 そういうことです。
○小西委員 NIOSHのほうはバッファになっているのですよね。
○中明委員 そうか。
○小西委員 ただ、バッファならば、時間を長くしないと問題が起きると思います。
○中明委員 困ってしまうからね。ろ過方式のほうがいいと思うけど。
○小西委員 これのほうが扱いはしやすいと思います。
○中明委員 しかし、480Lまで取れと言われたら、これだってきついのではないか。
○菅野委員 現時点では0.01ppmでやっている所は少ないので。
○中明委員 そうか。
○菅野委員 実際には濃度が。
○中明委員 もっと高いですか。
○名古屋委員 高いです。
○中明委員 先ほどのあれでいけば、6倍ぐらい高い、MAXで。
○菅野委員 これは50倍。
○中明委員 50倍、そうか。
○松村委員 50倍高かったらどうするのですか。いけないわけですよね。
○菅野委員 ええ。すぐに対策を取らなくては。
○松村委員 やはりマスクを使ってください。
○田中委員 先ほども見ましたが、酸で捕集して、他のコンタミの影響はないのですか。
○菅野委員 酸で捕集した後、ヒドラジンの反応を使って発色を行っているのです。
○田中委員 これだけ特異的に取り出すことはできるのですか。
○菅野委員 はい。ですから、ヒドラジン以外のもの、場合によってはアルデヒドとか何かだとまずいかもしれないですが、ある程度ヒドラジン類に特異的な反応ということにはなると思っています。
○中明委員 ここに使うフルフラールだって、ちょっと厳しい、分析に使うフルフラールなんて。分析している技術者の方にとっては、我々に言わせれば、フルフラールは嫌ですよね。
○名古屋委員 それは二硫炭も全く一緒です。全くそのとおりで、分析者が有害物にいちばんばく露するということです。
○田中委員 そのような危ないもので測りなさいというのも、おかしな話です。安全な測定法を考えましょうと言うのも、あれでは無理です。
○中明委員 二硫炭か。
○名古屋委員 二硫炭のほうは加熱脱着でも解決するから全然問題はないですが、ここはちょっと、これはまだ分からないから駄目です。
○田中委員 フルフラールは嫌だな。そういうコンタミの影響がなければ。
○小西委員 いずれ低濃度化していったときに、その物質だけを使っているならいいのですが、それを混ぜて何か他のものとして使っているような場合は、混ぜて一緒に出てくるものを計測して、それに対応するという考え方も入れておかなければ無理ではないかという気がします。
○田中委員 それで値が、片一方は大した影響がないのに、0.01というのをクリアしなさいと言ったら、逆に言うと。
○小西委員 ですから、例えばメチルオキソなどで炭酸ガスとか、あのようなものが一緒に出てくるのであれば、そちらの濃度でどれぐらいに対応していくかというのは、計測のやりやすさとして将来はそのようなことも考えていかなければいけないのではないかという気がします。そのものだけを追いかけていくと、本当に微量なところをやらなければいけなくなってきて、精度によってすぐ変わってしまうので、別の方法も少し考えていかなければいけないのではないかという気がします。
○田中委員 大腸菌群みたいにね。
○小西委員 そうですね。
○中明委員 今日のとはまた別の話だから。ただ、管理濃度はちょっと厳しいのではないかなと思うのです。実際にこれを決めてしまって、これで管理しろというのが。そうかと言って、いままでやってきた形でいくと、これを無視するというわけにもいかない。
○小西委員 ただ、先ほどの管理濃度の10分の1まできちんと測れる空気を取りなさいということを徹底していくということが非常に大事だと思います。
○櫻井座長 ジメチルヒドラジンの測定方法について、試料採取方法はろ過捕集方法、分析方法は高速液体クロマトグラフ分析方法ということでよろしいですか。
                 (異議なし)
○櫻井座長 ありがとうございました。
○田中委員 資料番号8の欄外に「許容濃度の10/1」と書いてありますが、これは逆で、「1/10」ではないでしょうか。
○櫻井座長 そうですね。「1/10」です。
○長山補佐 はい、そうです。
○田中委員 許容濃度ではなく、管理濃度。
○名古屋委員 管理濃度です。許容濃度は関係ないです。
○櫻井座長 「許容濃度等」と書いてありますが、これは「管理濃度」に直しますか。決めたら管理濃度と言えるわけです。それからジメチルヒドラジンの局排の性能要件である抑制濃度をどうするかということですが、事務局いかがですか。
○小西係長 こちらも前回の管理濃度検討会の議論を踏まえて、管理濃度の値と揃えるということでいいかということをお伺いいたします。
○櫻井座長 これはよろしいですか。
                (異議なし)
○櫻井座長 検討の余地なくと言いますか、そうしましょうということで。
○小西委員 専門的対策自体は。
○名古屋委員 これはあり方委員会で否決されましたから駄目です。このままいくしかないのです。制御風速の撤廃と抑制濃度はここで検討するのですが、あり方委員会の中で検討されましたけれども、今後検討するということだから、残念ながらそのままです。
○櫻井座長 将来の課題はまだ何かあるのかもしれませんが、当面は原則を曲げることはないだろうということで、管理濃度と同じ数字で異議ないということでした。それでは、最後の議題である1,4-ジクロロ-2-ブテンの局排の性能について、事務局からお願いいたします。
○小西係長 1,4-ジクロロ-2-ブテンについては作業環境測定の対象にはなっておりませんが、局所排気装置等による発散抑制措置を取ることとなる予定です。この物質について、性能要件ですので抑制濃度方式と制御風速方式があります。1,4-ジクロロ-2-ブテンについても、資料番号-12と資料番号-13に詳細リスク評価書と検討シートを添付しております。こちらは管理濃度を定めておりませんので、事務局としては抑制濃度方式、制御風速方式でもよろしいのではないかと考えているところです。制御風速方式とした場合は、ガス状の物質は0.5m/s、抑制濃度とした場合は、ACGIHから0.005ppmという数字が出ております。
○櫻井座長 今回、これについては測定を義務づけないということで管理濃度は決定しないけれども、ACGIHでは0.005ppmというTLV、数値を勧告しています。事務局としては制御風速0.5m/secではどうかということですが、いかがでしょうか。
○田中委員 今日決めなければいけないということですか。
○小西係長 そうですね、できることならば。
○田中委員 そういうのもありますかね、管理濃度を使わないで制御風速だけ決めたというのが。
○小西係長 今まではありませんで、大抵管理濃度を決めて、そのまま抑制濃度も決めてという流れでした。
○田中委員 要するにガス状物質だから、いわゆる有機則のところを持ってきて0.5という値を持ってきたわけですね。
○小西係長 そうですね。特化則の中でもガス状物質の場合というのがありまして、その場合は0.5となっております。
○田中委員 そうであれば、即座に決めることはないですね。要するに、特化則のガス状物質だから0.5を守りなさいということで済むのではないかという気がします。
○名古屋委員 でも、二次評価値が非常に低いじゃないですか。そのときに本当に制御風速でこれを維持できるかどうかは分からないと思うのです。そうすると、いままでのように濃度が高いところであれば、別段、制御風速だけで議論してもいいのですが、0.005ですから、こんな低いのが本当に制御風速だけで漏れずに、引っかかってこないのかどうかというのが非常に心配なのと、もう1つは、この後ここで議論していいかどうかわからないのですが、いまの抑制濃度の測定点でこの濃度を担保できるのかどうかということです。そこの検証は1回もされていないので、是非してもらえるとありがたいかなと思います。ここでなくても、いつかで結構なので、やはりあったほうがいいかなと。濃度が低いから抑制濃度だけではちょっと心配かなとは思うのです。これが5とか6であったら、何も問題はないのですが、0.005ですから、漏れないですかね。
○中明委員 うまく引けないかもしれないです。
○名古屋委員 区間最大値というのはあくまで推定ですから、母集団が少ないから1.42というのは、これはあくまで参考値なのですが、1ぐらいは出る可能性があるということは、0.005に比べると100倍とか200倍濃い濃度が出る可能性があることを示唆しているにもかかわらず、抑制濃度というのはどうなのかとちょっと不安に思うところはあります。
○櫻井座長 蒸気圧は高いのでしょうか。どこかに書いてありますか。
○名古屋委員 見ればわかります。
○櫻井座長 12頁、別添2ですね。0.4KPa。
○田中委員 蒸気圧は資料番号12の詳細リスク評価書のところに、物理化学的性状として0.4KPa。
○櫻井座長 沸点が156℃。
○菅野委員 これですと、蒸気圧と管理すべき濃度と言いますか、それの比率は。
○名古屋委員 ないです。
○菅野委員 1,4-ジクロロ-2-ブテンとジメチルヒドラジン、同じぐらいですか。桁数としては大雑把な比較ですが、ppm割るKPaとすると、100分の1ぐらいですので、普通の有機溶剤に比べると、1桁以上小さい。
○名古屋委員 小さいです。
○櫻井座長 しかし、0.5m/secで0.005という数字を目標としたとすると、ちょっと難しそうだなと思いますね。どうなのでしょうか。
○田中委員 流れが減っていれば、合わすだけだったら取れる気がします。何か粉じんみたいに重たければ危ないけれども。
○菅野委員 ですから、気流が一定でその平衡状態にあれば、発生速度がそう速くない限り大丈夫だと思うのですが、通常これを問題にするのは何か乱れがあったときにどうなるかということで、これを問題にしなければいけないのではないでしょうか。
○田中委員 いわゆるパッと出てくる、初速を持って出てくる可能性があるわけですか。
○菅野委員 そういう場合もありますし。
○名古屋委員 たぶん、もともと抑制濃度と制御風速がダブルで設定してあるのは、特に発がん系のものが危ないから制御風速だけで管理できないと。抑制濃度というのはもともと設定の根拠がありますから、それと同じことを考えると、やっておいたほうが危なくない。要するに、通常何も置かないでおけば、たぶん取ってくれるのですが、何かに対して些少で入ったときに、それがきっかけで出てくる可能性があります。非常に低い濃度ですから、もしかしたら発がんだから嫌だなとちょっと思うのです。
○菅野委員 通常はこの10倍とかで、濃度自体は1000倍ぐらい高いわけですから、通常のフードで支えられるとしても、その10倍以上性能が高くないといかんということになるのではないか。ですから、先ほど比の値が同じと申し上げたのは、このブテンでも、ヒドラジンでも同じぐらいの比の値ですので、危険性は同じではないかと思います。飽和蒸気圧というのは、別に発生速度と関係が直接あるわけではありませんが。
○櫻井座長 速度とは直接関係があるわけではありませんが、大きな影響はあると。
○菅野委員 飽和蒸気圧に対して実際に望ましい濃度の比率を計算すると、その比率が小さければ小さいほど、フードなどで制御するのは困難と考えることもできると思うのです。通常の有機溶剤とこれは、2桁まではいかないかもしれませんが1桁以上差がありますから、先ほど名古屋先生が言われたフードの流速だけで規定しただけでは難しいかもしれない。
○名古屋委員 作業環境測定があれば、別段抑制濃度を決めなくても管理しますからいいのですが、今回は作業環境測定がないので、制御風速だけ守っていれば、漏れているかどうか濃度のチェックはどこにもないですから、そのときが恐いのかなと。そこが濃度をチェックしようかと。作業環境測定があるならば、別段なくても全部環境を測れば済むことですが、ないので逆に風速だけではなくて、やはりチェックは必要なのかなと。特に、これだけ低い発がん性物質なのだからと思うわけです。
○小西委員 濃度を決めるということになると測定方法も、もしかしたらやらなければいけないです。
○名古屋委員 前々回、抑制濃度を検討したときには、測定点も合わせてもう一度検討しましょうということになって、抑制濃度は取り除くことはできなかったから、それが生きるのだとしたら、測定点も測定方法も検討しないと、昭和54年に決めた測定点ですし、作業環境測定のないときの測定点ですから、もっときちっとばく露と漏えいと合わせた測定方法という形の新しい考え方の抑制濃度の測り方というのを提示してあげないといけないかなと思います。
○櫻井座長 そもそもこの物質は測定は必要ないという判断になっているわけですよね。
○長山補佐 そうです。サンプリング作業なので、短時間です。そう長い時間ではないです。
○櫻井座長 そのようなことが前提としてあるわけですね。
○長山補佐 はい。
○櫻井座長 サンプリング作業で0.5m/secというのは現実的ですか。サンプリングと言ったら、ちょっと蓋を開けて取るだけではないですか。
○長山補佐 こちらにもあるとおり、たまたま実態調査に行った所は両方ともサンプリングも屋外の場合だったので、防毒マスクは着用しているというパターンではやっていたのです。ただ、場面としては、たぶん屋外のほうが想定されるかなと思うのですが、屋内であったり、局排のほうでやりたいという所があった場合は、設定はしておかないとと思っております。
○櫻井座長 その場所に非常に特徴的な、サンプリングでも本当に局排をきちっと作れという考え方ですね。
○長山補佐 屋内であれば。
○松村委員 屋外装置の場合の制御風速というのは、意味がないですよね。
○長山補佐 屋外の場合、たぶん著しく困難な場合ということでマスクのほうに。
○松村委員 ですから、防毒マスクになるのだと思うのです。
○長山補佐 行った所もそのようなパターンでした。
○松村委員 屋内でそういうものを取り扱うことを想定すると、普通の有機物が、ジクロロブテンと同じぐらいの沸点の有機物の許容濃度が数ppmぐらいのところで管理されているとすると、これは相当低く管理しなければいけないので、同じような態様で使うと、物性だけから言うと、とても無理な話です。同じような態様で屋内で使う状態を考えたら、沸点が同じぐらい、分子量が同じぐらいのものを想定すると、他の有機物は数ppmのところで管理ができていても、0.005ppmで管理しなければいけないというのは、同じぐらいの制御風速で管理できると考えるほうが無理ではないかという気がちょっとします。
○櫻井座長 ただ、連続8時間を生涯にわたってばく露するわけではないですね。サンプリングという比較的限定された時間なわけですから、たぶん、本当は0.005を常時超えてはいけないということではないと思うのです。それを要求するのは、やや過剰な要求であって。
○小西委員 ここで言うと、今言われたとおり屋外でサンプリングするということになると、逆に言うと、そのような場合は屋外装置のガイドラインに従って個人サンプラーを付けて測定してというのにつながっていくということではないですか。抑制濃度とは意味がちょっと違いますね。
○松村委員 ちょっと違いますね。
○小西委員 ですから、そのような場合はそういう形のものをきちっと出してあげる。屋外でやれば、ガイドラインには引っかかるわけですよね。
○櫻井座長 サンプリングというのは、当然発生源も非常に小さいですよね。ですから、局排を持ってきたときに、吸引口の面積もそれほど大きくはないのだから、風速をもう少し上げても簡単だと思います。0.5ではなくて、1ぐらいは簡単でしょう。そのぐらい持っていって。
○松村委員 屋外でサンプリングをするとき。
○櫻井座長 屋外ではなく、いま屋内のことを考えているのです。
○松村委員 屋内でどのような作業があり得るかということですが、屋内でも全自動のパイプラインでできたような装置で、サンプリングだけが対象作業なのかどうかというのはよく分からないのですが、もしそれ以外の使い方があるとすれば、普通の有機物と同じ条件で管理をして0.005ppmというのは厳しくないかなと。
○櫻井座長 他のものと同列に扱って0.5というのは、ちょっとどうかという意見が多いですね。
○中明委員 やればね、その場合に少し強く引いてもらおうと。それか、先ほど田中委員が言ったように、今回はパスさせて。今日は決めないとという方向から。実際にはあまりデータがないので、ある意味判断の仕様がない。
○菅野委員 これは、たしか事業場が少ないですよね。
○名古屋委員 少ないです。2事業場しかないのです。
○菅野委員 たぶん両方とも屋外で。
○長山補佐 サンプリングと言っても、櫻井座長が言われたとおり、そんな大きなものではないです。
○櫻井座長 そうですね。
○松村委員 そのものに対して制御風速を決めるのですか、屋外が。
○亀澤室長 屋外ではなくて屋内で。ですから、仮に作業する場合は局所排気装置等の設置が義務づけられて、そうすると何かその要件を決めないといけないという。
○中明委員 どうしてもと言うのだったら、先生がおっしゃるように、倍ぐらいにしたら。
○櫻井座長 1m/sぐらいですね。無理な注文かどうかです。決して無理な注文でないように義務づける。でも、今日決めなくてもいい。
○小西係長 そうですね。4月施行ですので、次回決めていただければ。
○中明委員 同じだね。
○小西委員 基本的にそういう作業で、少ないのかもしれないですが、その作業はどんな作業があるのかという、もう少し詳しい情報をいただけると、考えやすいのではないかという気がするのです。本当にちょっとした時間だけで、サンプリングすることだけしかないのかどうか、晒される時間が。そこだけ明確にすれば、もう少し的を絞れるのではないかという気がします。
○名古屋委員 6頁に書いている以上の資料は、たぶんないと思います。これが目一杯の資料ですから。
○芹田委員 サンプリングというのは、要するにパイプラインからサンプリングして抜いたものの分析操作はあるわけですよね。結局、ラボに行って注入という操作はあるわけでしょう。そちらのほうのばく露というのは調べていないのですか。
○長山補佐 ラボのほうはもう、そこから先はドラフトチャンバー内でやってしまうと。
○芹田委員 その場合の制御風速という考え方はないのですか。基本的にパイプラインが屋外だとすれば、逆に言うと、持ってきた物質を取り扱うほうが心配のような気もするのです。
○名古屋委員 いや、サンプリングはない。
○芹田委員 分析も入っているのでしょう、現場でやる。
○名古屋委員 現場ではなく、持ってきて。
○芹田委員 そうですよね。
○名古屋委員 サンプリングと分析等と書いてある。
○小西委員 分析も入っているのですね。
○名古屋委員 そうです。「分析等」と書いてあるから。
○芹田委員 1頁目のデータの所は。ということは、抜き取りをするのは屋外かもしれないけれど、その後処理をするのは屋内ということだから、やはりドラフトを使うという考え方よりも、作業環境測定という考え方をしないといけないということではないかと。
○名古屋委員 仮にサンプリングが短くても、0.074なのです。ということは、短かったら、例えば6時間しかやらなかったら、8時間で割っていて0.64にしているから、サンプリングが短いとは言いながら、高い濃度にばく露されているのです。
○櫻井座長 そうですね。これはもう既に割った値なのですね。
○名古屋委員 そうです。ですから、そういうところでも0.074にしているから、サンプリングが短くても、トータルとしてやらないときをゼロに考えても、これだけばく露しているということは、高い濃度にばく露されているということだから、やはりきちっとしてあげないとまずいということです。
○菅野委員 2つ作らないとすれば、取り扱うときにフードではなくてグローブボックスを使うと。たぶんフードで制御風速をきつめに決めたとしても、保証することは相当難しいのではないか。グローブボックスでしたら、フードよりずっと性能がいいことは確かです。
○長山補佐 事業場はもう2つ選んで、その辺りにまたちょっと聞いて、あとは関連の業界に聞いて、やり方として工夫して他のパターンがあり得るかどうか、その辺を次回までに。
○櫻井座長 そういった情報も少し集めて、必ずしも制御風速で管理するのではない、本当の現場の管理のやり方でいい方法が提示できればいいのでしょうから、そういうことですよね。
○松村委員 屋外でやっているだけだったら、防毒マスクは必要でしょうか。
○櫻井座長 そういうことを言ったっていいわけです。
○松村委員 ええ、そういうことを言ってもいいと思います。
○名古屋委員 ただ、防毒マスクのメーカーにも、これに対して本当に取れるかというデータというのはどこにもないのです。
○松村委員 このものについてはないかもしれませんが、これは結構類似物質はある。
○名古屋委員 そういうのがいっぱい出てきていて、活性炭で本当に取れているのかという、非常に低い濃度なのにやっているのかと。逆に言うと、このような物質についてはメーカーがきちっと、この物質は取れるのだというデータが本当はほしいのです。
○松村委員 でも、活性炭の有機物の吸着というのは大体傾向的にいくので、大きめのを使って使い捨てにすればいいわけですから、たぶん、それは大丈夫だと思います。
○小西委員 同じことで言うと、いま排気装置で抑制濃度を決めて、あるいは風速を決めるということ、結局このような装置というのは空気をそのまま引っ張って外へ出すわけではなくて、空気清浄機の問題が出てくるわけです。これだけの濃度のものが本当に取れるか、どのような空気清浄機の中を通さなければいけないかということとセットにしておかないと、数値を決めても良くないのではないかという気がします。吸着なり何なりというのは、おそらくサンプリングなどと全く同じことです。
○松村委員 空気中に出てしまえば、とにかくもう何万倍に薄まってしまうわけでしょう。そういうことを言っていたら乱暴かもしれませんが。それに酸化すると徐々に分解していくとは思いますが。
○中明委員 工場の中に循環させろという話になってくる。
○小西委員 将来的には、サンプリングそのものの行為を自動化できないかどうかということですね。そうしていけば、被曝するチャンスが少なくなるのであれば。
○櫻井座長 具体的にはなかなか判断が難しいテーマだったかと思いますが、忌憚のないいろいろなご意見をいただきまして、ありがとうございました。そういったことも含めて、事務局のほうで集められる情報等を次回またお示しいただいて検討するか、次回かその次かわかりませんが、そのような方向で、今日はペンディングということにさせていただきます。今日の議題は以上ですが、事務局から事務連絡があると思いますので、お願いいたします。
○小西係長 2点あります。次回の管理濃度検討会は第1回と同時に日程調整させていただきまして、12月6日(月)、10時から12時とさせていただきたいと思います。場所は厚生労働省が入っている中央合同庁舎5号館を予定しておりますが、会議場所については正式に取れておりませんので、決まり次第、ご連絡を差し上げます。
○田中委員 この近所であることは決まっていますか。
○小西係長 そうですね。
○田中委員 飛行機の都合があるものですから。
○小西係長 参集者の委員の皆様には、別途ご案内を差し上げますと同時に、厚生労働省ホームページに掲載する予定です。第2回はK値の検討、特化則対象となる物質についての中間報告の案、ベンゾトリクロリドの管理濃度等の検討を予定しております。2点目は資料番号10ですが、許容濃度等が改正された8物質について、日本産業衛生学会とACGIHの経過を整理したものを付けております。この8物質については第3回以降検討いただきたいと考えておりますが、先生方にはいろいろとご教示いただくことがあると思いますので、この場をお借りいたしまして、よろしくお願いいたします。以上です。
○櫻井座長 たぶん、次回はそこまでは入らないかもしれないと。その先ぐらい、来年1月から2月ぐらいにということですか。
○小西係長 はい、第3回以降です。
○櫻井座長 ということで、また皆様方のお力に依存することになろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。本日は以上で終了いたします。お忙しい中、ありがとうございました。


(了)

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