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2010年10月13日 第3回 足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課建設安全対策室

○日時

平成22年10月13日(水) 13:00から15:30


○場所

厚生労働省 労働基準局 第1・2会議室


○出席者

検討会参集者

大幢勝利
小林謙二
田村幸雄

厚生労働省

田中正晴
田中敏章
吉田哲
丹羽啓達
船井雄一郎

○議題

足場からの墜落防止措置の効果についての検証及び評価について

○議事

○野上係長 定刻になりましたので、ただいまから第3回「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」を開催いたします。本日、司会を務めさせていただきます厚生労働省建設安全対策室の野上と申します。よろしくお願いします。
 初めに注意事項を何点かご説明いたします。本日お配りしている資料の座席表の裏面になりますが、傍聴者の皆様と記者の皆様に対する注意事項ということで、何点か挙げさせていただいています。主要な点としましては、いまお座りになっている場所以外の席に行くことはできませんので、よろしくお願いします。またアラーム付の時計や携帯電話など、音が出る機器については議事進行の妨げになりますので、マナーモード等、音の出ないような形にしていただきますよう、お願い申し上げます。また写真撮影、ビデオカメラ等の使用につきましては、冒頭、マスコミの皆様の写真撮影、カメラ撮りは可能ですが、以降、写真撮影等必要な場合は事務局がこちらに控えていますので、ご相談の上、指示に従っていただきますよう、お願い申し上げます。
 またヒアリングの時間を長く設けていますけれども、そういった言論に対して傍聴または記者の皆様は賛否、もしくは何らかの発言は控えていただくよう、お願い申し上げます。また発言のみならず拍手といった行為についても控えていただきますよう、お願い申し上げます。傍聴の方の飲食等はご遠慮ください。議事の進行の妨げにならないように、なるべく静かな形での傍聴をお願いしたいと思います。その他、ご不明な点がございましたら、こちらに控えています事務局まで、議事の進行の妨げにならないようにお問合せいただければと思います。
 それでは早速、議事に移りたいと思いますので、これからの進行を小林座長にお願いしたいと思います。なお、本日は臼井委員は所用のため欠席とのご連絡をいただいています。小林座長、よろしくお願いします。
○小林座長 小林です。座長の役目として議事の進行を務めさせていただきたいと思います。議事次第についてはお手元に届いていると思いますが、2番目になりますけれども、前回の議事要旨の確認等について、ご説明いただけますか。
○船井技術審査官 事務局からご説明させていただきます。資料1に基づいてご説明させていただく前に、今日、配付している資料の全体について確認させていただきます。いちばん上に座席表があり、裏側に注意事項が書いてあります。その後ろに本日の議事次第が1枚紙であります。その後に資料1〜3まであり、資料1が前回の議事要旨、資料2が業界団体等ヒアリングについて、資料3がヒアリング項目です。最後に参考資料として、これは第1回、第2回にも配付していますが、「改正労働安全衛生規則等に基づく足場からの墜落防止措置の効果の分析について」ということで、ヒアリングないしは質疑応答の際に参考としていただく資料として配付しています。
 資料1を見ていただいて、これは前回の検討会の議事要旨となっています。前回は9月29日(水)の2〜4時、同じ建物の18階で開きました。出席者は3にありますように、小林座長ほか、臼井委員、大幢委員で、今日、ご出席いただいている田村委員は所用のため欠席されていました。事務局は記載のとおりです。当日実施事項としては業界団体等ヒアリングということで、第2回においては、ここに書いている社団法人住宅生産団体連合会からお二方、もう1つは社団法人全国建設業協会及び社団法人日本建設業団体連合会の2団体を代表して、記載されているお一方。合計3団体からヒアリングを行っています。
 ヒアリングの具体的な内容については、議事要旨の5以降に3頁ほどにわたって書いていますが、これについては詳細な説明は省略させていただきます。社団法人住宅生産団体連合会と、社団法人全国建設業協会及び社団法人日本建設業団体連合会に分けて、それぞれコメントをまとめています。この内容については事務局で作成の上、各ヒアリング対象とした団体にも確認していただいた上で、資料としてまとめました。また当日、ご出席いただいた委員の皆様におかれましても、また今日配付させていただきましたので目を通していただき、ご不明な点、もしくはおかしな点がございましたら、事務局に随時ご連絡いただければと思います。資料1の前回議事要旨については以上です。
 また今日、ヒアリングを行いますけれども、その中で参考資料1として付けた分析について、また今日ヒアリングした中で出てきた視点で、こういう視点についてもう少し追加で分析したほうがいいのではないか、というご指導がありましたら、委員の皆様方は随時、事務局にご連絡いただければと思います。私からは以上です。
○小林座長 ありがとうございました。議事録あるいは議事要旨に関しては委員の方に読んでいただいて、適宜、何かおかしなところがありましたらお寄せいただきたいと思います。よろしくお願いします。議事録に関してはそういうこととして、本日の次第にありますヒアリングですが、今日は大勢の方にお出でいただいています。全国仮設安全事業協同組合と建設産業専門団体連合会の2つの団体、それから実際に仕事をされている方々に細かいお話を伺うことを予定しています。始める前に事務局から、前回もご説明いただきましたけれども、ヒアリングについての趣旨をご説明いただきたいと思います。
○田中建設安全対策室長 それでは私のほうから、次第の3にあります業界団体等ヒアリング趣旨につきまして、説明させていただきます。資料2を見ていただきたいと思います。本日は業界団体等ヒアリングの第2回目として、足場メーカー、リース業者の団体として全国仮設安全事業協同組合、また足場の組立、解体、使用する団体として社団法人建設産業専門団体連合会の2団体と、社団法人建設産業専門団体連合会のご推薦で、実際に足場を組み立てておられる職人さん、実際に足場を使用して作業されている職人さんにご出席いただいています。本検討会でのヒアリングは、本日お配りしている資料3で示していますように、現行の規則、改正した規則、また部長通達に基づく措置の効果とその問題点などについて、皆さん方からのご意見を委員の先生方にご説明願う場でありますので、よろしくお願いしたいと思います。
 全国仮設安全事業協同組合からは、小野理事長、篠田専務、杉森課長の3名にご出席いただいています。ヒアリングの時間につきましては、全国仮設安全事業協同組合からのご説明を20分、先生方からのご質問は30分を目処にしていますので、よろしくお願いします。また建設産業専門団体連合会からは才賀会長にご出席いただいています。よろしくお願いします。
 先生方から現場の生の声を聞きたいというご要望がございましたので、才賀会長から資料3の各ヒアリング事項について、関連の深い現場で作業されている職長さんから、直接ご説明いただいたほうがいいのではないかというご提案があり、議事次第の4の(2)(3)の部分ですが、分けてご説明するのではなく、本日ご出席いただいた鳶の方、型枠大工の方、鉄筋工の方、左官工のそれぞれの職人の皆様方に、関連するヒアリング事項を手分けしてご説明いただき、才賀会長には職人さん方の説明をまとめてお話いただくことで、議事次第の4の(2)(3)の部分を一体として、80分間の時間帯で実施させていただきたいと思います。4名の職人さんに手分けしてご説明いただくことになることから、後でまとめて先生方からご質問をお願いするのも難しいと思いますので、説明に合わせ随時、ご質問をしていただければと思っています。以上で私からの説明を終わります。
○小林座長 ありがとうございました。こういう趣旨で2団体、それから実際に作業に当たられている方々からお話を伺うということです。もう既に席に着かれているアクセスさんから、まずはお話を伺いたいと思います。よろしいでしょうか。それでは始めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○小野理事長(全国仮設安全事業協同組合) 私は全国仮設安全事業協同組合理事長の小野辰雄と申します。実は昨日、国会の衆議院の予算委員会で、この建設職人の墜落災害についての討論がなされました。細川大臣からもいろいろ返答がありまして、本検討会がかなり鍵を握るというようなご発言がありました。いずれにしても本検討会の経過を見て、厚労大臣として判断しますというようなご返答がありましたので、本検討会がいかに重要であるかという位置づけにあると思います。わずか1人の人の命であっても、これを本当に重く受け止めて私たちはいきたいと思います。検討会の委員の皆さんも、是非この件を重大視していただきまして、建設業界から災害がなくなるような方向を探っていただきたいと思う次第です。
 いま、お配りした資料(全国仮設安全事業協同組合提出資料参照)ですが、これは先月、10月7日、民主党による「墜落災害による建設職人の『命の人権』を考える議員の会」が開かれ、私たちがこの書類を持って要望したその内容です。つきましては、この資料一式を本検討会の私たちの要望発言ということで、是非、議事録に載せていただきたいと思う次第です。
 ちょっと説明させていただきます。いちばん最初の大きな紙が要旨で、「『政治主導』により、『法の下の平等で』建設職人の『命の人権』を救ってください!!」という標題です。これに資料1、2、3が添付されています。参考資料1がその後に付いてます。この参考資料1が本会の「足場からの墜落防止措置の効果検証・評価検討会」の小林座長様宛と、厚生労働省労働基準局安全衛生部長の平野良雄様宛の、公開質問状という形でお出ししました。これも併せて全部、私たちの要望ということで、是非議事録に載せていただきたいと思います。
 この公開質問状の意味は非常に大切な問題で、人命に関わる問題が、今まで国会でほとんど討議されてこなかった。建設職人の命の重さというものが本当に軽視されてきたという経過を踏まえ、私たちは、どうしてもこの問題を国会で取り上げてもらわなければ間尺に合わないという形なのです。そこで今回、国会で取り上げていただくことを前提に、質問と回答のやり取りを公にすることとし、公開質問状を提出することといたしました。つきましては、下記の「今回、敢えて公開質問状を提出するに至った背景」を踏まえ、以下の質問について真摯にご検討の上、文書にてご回答を賜りたく宜しくお願い申し上げます、ということでお願い申し上げております。本検討会の委員の皆様、安全衛生部長様、私たちの質問について、是非文書でご回答いただきたいと思う次第です。
 それからいちばん最後の頁ですが、これは私たち全国仮設安全事業協同組合が、過去10年余にわたって活動してきた実績をご披露させていただきます。いちばん上に「仮設安全監理者資格取得者数の推移」とあります。これは過去10年間に合計6,200名余の仮設安全監理者、足場を点検する人ですね、この人たちを養成してまいりました。その結果、その人たちの現場のチェックリストによる、第三者の立場での仮設安全監理検査の活動実績が下に載っています。建築、土木、プラント・造船、他ということで、全部で7万2,000現場ということです。その現場において改善依頼を行って、未然に事故を防いだ件数が16.9%です。その結果、この点検をやった足場からは死亡災害ゼロということです。「死んだよ」「事故が起きたよ」という報告は、1件もなかったということです。
 いちばん下の表ですが、「発注者及び災防団体等の依頼による足場安全研修会開催状況」です。私たち協同組合が行った足場安全の研修会です。これは労働局、監督署、国交省、災防団体、建設会社から要望があり、足場の安全研修会を行った件数が全部で延べ538回です。研修を受けた人数は4万余名です。これは過去10年の実績です。
 私たちは、これらの安全活動は全部ボランティアでやっています。私たちはよく言われます。「お前たちは足場を売りたいから、こういう活動をしているんだろう」といつも言われて、本当に足を引っ張られています。にもかかわらず私たちはそういうのに負けずに、この安全活動をひたすらやってきました。なぜかというと、私たちの目的は経済的ステータスを得ようということが、本来なら事業協同組合ですからあるのですけれども、それは全然やっていないです。いまやっているのは、私たちがいかに世の中で存在価値のある仕事として生き残れるか、という部分にあるわけです。墜落災害を阻止し撲滅するというのが私たちの使命なので、どうしてもその使命をクローズアップしたいということなのです。そのため、この安全活動だけやっているということが実態です。このことを是非、おわかりいただきたいのです。「お前たちは足場を売りたいから」と言って、かき消さないでいただきたいということを訴えたいと思います。本当に真摯な気持でやっています。
 なぜなら、私たちはリース業者、メーカーだと先ほどご紹介がありましたが、私たちの中には施工者がたくさんいます。施工者あるいは設計エンジニアリング会社も入っています。あらゆる足場に関係する人として現場、計画、リース、メーカーも入っています。いろいろな人が入った団体であり、みんな結局、この組合に入っても商売にならないからと、ほとんど抜けて行くのです。自分たちに直接経済的に全然寄与しないということで、いつも損をさせられている。点検をやれ、講習会の先生をやれと言われ、ただでサンプルを出しなさいということで、展示も講習会もその都度やっているのです。500回もやっているのですが、そういうものを私たちはボランティアでやっているわけです。せめて運搬費くらい出してくれと言っているのですが、運搬費も出してもらえない状態です。そういう中で、本当に私たちは公の活動をしてきたつもりです。本当の意味で墜落災害を撲滅するために何が必要なのかを、この検討会を通じて、是非ご議論いただきたいと思うわけです。
 最終的に、被災者の責任にしないような業界の安全文化を築いていかなければいけない。被災者が安全帯を使用していなかった、教育が不足だった、あるいは不安全行動をしたと、そういう帰結の仕方をしないでいただきたい。そう言ってしまえばすべて終わりなのです。過去、そういうことで全部流されてきましたから、そういうことはよしてほしい。まずやるべきことをやって、安全環境をみんなでセットしましょう。その中で自殺行為で死んだ人は別です。とにかく被災者の自己責任にしないような形に持っていくのが、私たちの責任だと思います。そんなことで是非、現場で災害を被る立場にいる人の立場を考えてやっていただきたい。
 私も落ちた経験が2回あります。そういうところから本当に職人の立場から言っているつもりです。私たち協同組合に残って一生懸命活動をやってくれている人は、本当にオーナー経営者が多いのです。オーナーの人は前からやっていて、結局、抜け出せないのです。そして経済活動に最も関係のあるような人は、いま全部組合から抜けて行きました。そういう状況もおわかりいただきたい。経済至上主義に陥ったのでは、私たちの命は守れませんということを訴えたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。これを全部読み上げて議事録にしていただきたいのですが、時間がありませんので是非、これは活字になっていますので、私が要望した、発言したということで、議事録にこれを是非取っていただきたいと思います。座長さん、いかがでしょうか。
○小林座長 いまのお話は了解しましたけれども、時間もありませんから、本題のヒアリングの項目に。
○小野理事長 ですから、これは読みませんので、是非、これは私が発言したということで議事録に残していただきたい。そう思います。いいでしょうか。
○小林座長 はい。
○小野理事長 よろしくお願いします。
○篠田専務理事(全国仮設安全事業協同組合) 専務理事の篠田です。若干、私のほうから補足的に説明申し上げます。先ほど冒頭に理事長のほうから、昨日の衆議院の予算委員会の話がございましたが、この検証・評価検討会は、役割が非常に重要であるということでございます。我々もヒアリングに応じている者として、きちんとした対応をしなければいけないと改めて思っているところです。是非とも委員の先生方にお願いを申し上げたいのですが、今回のこの検証というのは、改正省令あるいは安全衛生部長通達が、いかに効果があったかを検証するということです。それの基になっているのが、ご案内のように平成19年5月からですか、あの10回に及んだ足場からの墜落防止措置に関する調査研究会です。これが、実はいまの改正省令あるいは部長通達の母体になっているわけで、是非とも先生方には、どういう議論の過程でその結論に達したかということについて、この10回にわたる議事録を是非ともお読みいただきたいと思っています。
 それと今回、828件の墜落災害が対象となっていて、いろいろなフィルターをかけて404件が実際は検証の対象になっているわけですが、828件あるいは404件の一つひとつに詳細に当たって、検証する必要があるのではないかと思っています。実は今回、事務当局からいただいた資料を見ると、組立・解体時と通常作業時に分けてありますけれども、改正省令あるいはその省令に基づく措置がないものが約9割近くあります。しかし、84件あるいは276件の詳細が全然わかりません。公開されていませんから、これのどこに、どういう問題があるのか全然わからないわけです。事務当局のほうで分類されたものが、表-7、表-8という形になって分類されていますが、具体的にどこに、どういう問題があるかさっぱりわからないわけです。是非ともこの404件を公開することによって、一緒になってこれを検証していく作業に当たっていければ幸いと思っています。
 私どもは、この調査研究会の結論である、ハード面での「手すり先行工法による二段手すりと幅木の設置」、ソフト面での「十分な知識・経験を有する者によるチェックリストに基づく足場の安全点検」が非常に重要なポイントと考えています。ある意味で今回の検証をするに当たっても、これが分析の視点として据えられるべきであると我々は考えています。そういう点で、この10回にわたった審議は非常に重要ですので、それを十分に精読いただければ幸いと思っているわけです。
 前回、配付された資料の中で、第1回の指摘を踏まえた追加分析結果というのがありました。表-7と表-8の関係ということで、組立・解体時と通常作業時に分けてクロス集計したものが配付され、それを読むと、規則あるいは改正規則に基づく墜落防止措置を実施していないと、不安全行動や足場の構造上の問題はなくても被災する割合が高いと、こういう結論を出しています。私は正直言って、こういうふうに簡単に言えるのかなと思っています。単に改正規則あるいは規則に基づく墜落防止措置の実施状況と、不安全行動、足場の構造上の問題の有り無しとの関係で、簡単にこういうことが言えるのかなと疑問に思っています。
 と申しますのは、確かに不安全行動とか足場の構造上の問題がなくても、墜落災害は発生しているわけですが、その原因は、この規則あるいは改正規則に基づく墜落防止措置を実施しなかったからとは、単純には言えないのではないかと思います。むしろ規則あるいは改正規則による墜落防止措置を実施していたとしても、それらの措置では防ぎえなかった墜落災害というのは、かなりあったのではないか。かなりどころか多かったのではないかと思います。
 例えば規則に基づく墜落防止措置として、この文章の中にも出てきますが、安全帯の問題が出てきます。しかし安全帯というのは労働安全衛生規則上、これはあくまで2次的、補助的な手段であるわけで、安全帯が第1の手段ではない。しかし、その安全帯に依存していたことが墜落の原因と書かれていますし、今回の省令改正による手すりプラス中さん、あるいは交差筋交いプラス下さんを実施していても墜落した事例もあるわけです。細かなことはよくわかりませんけれども、おそらく下部から墜落したのではないかと感じられます。そういうことになると、ヒアリングの対象としては、この規則あるいは改正規則に基づく墜落防止措置だけを問うのでは不十分であると考えます。
 あるべき方策としては、先ほど申しましたように、10回にわたる調査研究会から出た結論以外にないと考えています。ただ、ソフト面の点検については、その当時の結論では第三者による安全点検ということは言っていなかったものですから、十分な知識・経験を有する者による点検となっています。しかし、我々の考えでは今回の具体的な事例を見ても、仮に点検をやっていたとしても、それは組立をした当事者による点検であったのではないか。もしそうであるとするならば、点検の客観性が担保されません。やはり第三者の目で点検をしていくことが非常に重要ですので、この調査研究会の結論において第三者という視点が欠けていましたから、それを付け加えるべきだろうと思っています。
 ハード面の手すり先行工法による二段手すりと幅木の設置については、ご案内かと思いますが、国土交通省の直轄工事においては共通仕様書に位置づけられていて、契約にあたっては、これを守らなければならないと義務化されているわけです。そして昨日の予算委員会においても国土交通省から、この直轄工事においては墜落死亡事故はゼロであるという発表がありました。つまり、ハード面、ソフト面の手段は非常に有効性がある。まさに実証されていると言えるわけで、私ども改正規則あるいは現行規則による措置では不十分と考える者としては、是非ともこの調査研究会によるハード、ソフト両面の結論を、きちっと省令で義務化すべきであると思っています。
 ただ、手すり先行工法と言いましても3つの工法があるわけで、我々はその中で「手すり先送り方式」は非常に問題が多く、危険な作業を余儀無くされるということで、これは認めるべき方式ではないと考えています。そういう点で単に手すり先行工法と申し上げたわけですが、「手すり先送り方式」は認めるべきではないというスタンスに立っています。
 それと事例をいろいろ見ていると、足場を組み立てる前に元方と現場作業員が十分に打合せをして、作業手順を確認していれば防ぎ得た墜落災害が、かなりあるように思います。そういう点で十分な打合せをするためには、現在の10m以上の足場の高さ、あるいは組立から解体まで60日間以上という期間に関係なく、計画を届けさせることを義務づけるべきではないか。そういう点でも現行の規則は大変物足りない、不十分であると思っています。
 若干、個別なことに触れさせてもらいますけれども、「不安全行動」という言葉が随所に出てきます。組立解体時の6件あるいは通常作業時の18件について何が原因かということで、不安全行動という言葉が出てくるわけですけれども、第1回のときに、これはどういう定義かということで田村委員から質問があって、それに対する答えが出ていました。こういうものについてはきちんとした定義の下で分析していくということでないと、誤ってしまうと思います。第1回の検討会では、「通常行わない想定外の行動」とお答えがあったかと思います。そういう点では足場を歩いていてバランスを崩したといったことは、通常起こり得る行動であるので、これは不安全行動として扱うべきものではないと思います。まさにこういうふうな、単にバランスを崩したといった通常起こり得る行動があったとしても、墜落しないようにするのが求められる墜落防止措置であると、我々は考えています。
 災害の分析のところで、改正省令等に基づく措置がないというのが、足場の組立・解体時と通常作業時でそれぞれ約90%あると分析していますが、これは今に始まったことではない。従来から各労働局で一斉監督指導というのが行われていますが、その都度、50%の法違反、そのうちの更に50%が墜落防止違反です。こういうことは毎年毎年続いているわけです。省令が遵守されない。肝心の省令でさえ遵守されないという状態が何年も何年も続いている。今回は90%と、「改正省令に基づく措置なし」の数字が出ているわけですけれども、これは今に始まったことではなく常態化している。これは誠に遺憾なことであり、是非ともこれは行政の立場にある厚生労働省として、これでいいのかということを自らに問うべきではないかと思っています。
 表-7と表-8ですが、これを見たときに私はよくわからないのです。表-7の組立・解体時の墜落防止措置の状況の視点と表-8の通常作業時の墜落防止措置の状況の視点と違うのです。なぜ違うのか私はよくわからない。つまり今回の省令改正というのは、通常作業時、使用時のときだけでなく、組立・解体時においても墜落しないようにということで、例えば交差筋交いの下さん、または幅木をということもなされたわけですから、通常作業時のほうに改正省令があって、組立・解体時のほうは改正省令ではない、現行の規則ということになるのでしょうか、これがどうしてなのかというのが私にはわからないのです。改正省令あるいは部長通達の効果を検証しようということであるならば、この組立・解体時においても表-8と同じような視点で、分析をすべきではないかと思います。
 それと「現行の規則」という言葉が、今日のヒアリングの言葉で出てくるのですが、現行の規則というのも非常に曖昧で、改正省令そのものも現行の規則であるわけですよね。だから、おそらく改正部分を除いた規則という意味かなと思いますが、こういう点も言葉を厳密に使っていただかないと、先ほど申し上げましたように国会でも非常に注目されている検討会として、その辺のことが問われるのではないかという気がしてしようがありません。是非ともそういうことで言葉の厳密な解釈をしていただきたいと思います。
 ヒアリング項目は、それぞれ4問ずつあるわけですが、ただいま申し上げたようなことで総括的に、いずれにおいても、改正規則あるいは現行規則に基づく墜落防止措置では不十分であると、私どもは認識しています。そういうことで結論的には、10回にわたって行われた調査研究会の結論を早く省令に格上げすることが、今、いちばん求められている措置ではないかと思っています。時間が経過しましたが、説明を終わらせていただきます。
○小林座長 よろしいですか。ありがとうございました。いまのお話に限らなくてもよろしいと思いますが、ご質問あるいは何かご指摘がありましたら伺いたいと思います。
○大幢委員 ちょっと項目と離れていたので、なかなかうまく質問できないのですが、今回、404件の内容を開示してほしいという要望があったと思います。これに関して厚生労働省のほうとしては、逆に質問して申し訳ないのですが、この404件のソースは何なのでしょうか。
○田中建設安全対策室長 今回まとめた資料の基になったのは、休業4日以上の災害が発生したときに、各事業主から提出される死傷病報告書でして、それは簡単に言うと個人情報の固まりですので、そういうものをフィルターにかけてこういう格好にまとめたという資料です。そういった意味で全数まとめることは可能なのですが、先生方に読んでいただくのも大変だということで、問題が残っていると思われるものをピックアップして、今回まとめたというのが実態です。ですから必要性があればまとめることは可能です。
○大幢委員 その中で、先ほど点検のことがあったのですが、そういう情報というのは記載されているのでしょうか。
○田中建設安全対策室長 そのレベルの情報、点検の情報については非常に情報が少ない。事故がこうやって起こったということは書かれているのですが、その足場を以前に点検してあったかどうかまでは記載がないところです。
○小野理事長 その辺はものすごく大事なのです。検討会の委員の先生方は中身を全部ご存じだと思っていたのです。私たちがサッと見ると、表の中に5〜6行にわたってまとめがありますね。その右に不安全行動であるとか安全帯を付けていなかったということで、みんなこっちに書いているのです。私たちがその5〜6行を見るだけでも、これはおかしいぞと、40?pの下から落ちるのが何で不安全行動と帰結しているのかと思ったりするのです。だからこの内容をもうちょっと見ないと、結局、こういう帰結された形を検討会の先生方が見ると、大きな誤りになるのではないかと私は思うのです。ですから私たちは中身を知りたいということです。帰結の仕方がどうもおかしい部分があったものですから、公開してほしいというのは、そこなのです。先生方だけでなく私たちにも見せてほしいという思いがあったわけです。
○大幢委員 ここに参考資料があるのですが、この中身を見ると、「不安全行動」と書いてあるのは一般的に不安全行動と分類されていることであって、今回、定義はよくないということのようですので、ここに事例がありますから、その辺についても。
○篠田専務理事 前回、田村委員から、不安全行動というのはどういうものなのだという質問があって、先ほど私が紹介したように、通常行わない想定外の行動を言いますよというお答えだったのです。だとすると、こちらに載っている中でおよそそうではない、単にバランスを崩したものが不安全行動と解釈されている。それはちょっとおかしいのではないでしょうか。そういう意味で、厳密にこういうのはチェックしていく必要があると思います。先ほど紹介のあった傷病者報告というのは、もちろんプライバシーが重要ですから、プライバシーを侵してまでということは私は申し上げません。その辺は十分に配慮した上で、これは国民の財産として位置づけるべき筋合いのものではないか。だとするならば、そこら辺に配慮して公開するのが基本的なスタンスだろうと私は思います。
 私どもも正直言って、例えば改正省令に基づく措置をやっていなかった276件についてどう思うかと言われても、中身がわかりませんので評価のしようがないわけです。例えば表-8の「改正前の省令に基づく墜落防止措置は実施していたもの」は72、「改正前の省令に基づく措置も守っていなかったもの」は204、合わせて276について、これを前提とした質問が入っているわけですが、正直言ってこの数字があるだけで、あと我々は何のデータも持ち合わせていませんので評価のしようがない。これは非常にまずいのではないかと思います。
○小野理事長 それと参考までに、私がずっと現場をやっていて国交省の会議でよく言われるのですが、不安全行動だとか、結局、近道行動ですね。今回の中でもありました。足場をよじ登って行ったと、何でよじ登って行ったか背景をわかってください。近くに昇降設備がないからでしょう、遠くまで行かないとない、これなのです。何で必要な適所に昇降設備をたくさん設けないのかということを先に言いたいです。それを、よじ登ったから不安全行動だとやっつける前に、何で適所に昇降設備、階段ぐらい設けないのか。それをまずいちばん言いたいです。不安全行動と言ってやっつけないでほしいと、私は現場の職人の立場から言いたいです。
○田村委員 第1回目に私が出て質問したのは、確かに定義がはっきりしていなかったからです。広い意味の不安全行動と狭い意味の不安全行動があって、しかも狭い意味の不安全行動の中にも、科学的に分析しにくいような表現が入っていたから、その辺はもう少しわかるようなデータにしてほしいという希望はあります。そうでないと科学的に分析しにくい面がありますので、正確に事実関係を明確にしてください。要するにサイエンスでないといけないのです。何となくボワンとしている部分がまだ残っていたので、そこはできるだけはっきりさせて下さい。ただ、すべてのデータをというと時間がかかって、結局、非効率的になりますので、そこは1次処理したもので結構だと思いますけど、科学的な分析処理が可能なものでないといけないと思います。
 狭い意味の不安全行動もなぜとられたのかというのがすごく大事で、それがハードからきているのか、あるいはソフト的な理由からきているのか、それとも本人の責任なのか、その辺の分析もできればしたい。ただ、死亡事故などの場合はなかなかすべてが解明できるとは思いませんけれども、その背景の検討は絶対に必要なのです。要するに安全性というのもお金で買うようなところがありますから、お金をかけて手間をかけていけば、より安全になるのは当たり前なのです。そこで経済性や効率とのすり寄せが絶対必要で、どこかでいちばん効果的なところを探さなければいけないのだと思います。不安全行動がどこから来ているのか。もしハードから来て、それが改正された法令が原因で起きているのであれば、そこは見直さなければいけない。その辺の分析はすごく重要だと思います。
○篠田専務理事 それの回答になるかわかかりませんが、例えば先ほど中さんでしたか、40?pの隙間があって、そこから落ちて亡くなっているわけです。我々の理解では人間の体は30?pだと素通りして落ちてしまう。だから、いかに下さんを設けたとしても40?pという隙間だと、その措置をしたことにならないわけです。その点では高さ15?pの幅木というのは非常に効果的で、人間もストップしますし物の落下もストップする。EU諸国ではすべて、言うところの二段手すりと幅木というのをやっているのです。国内法を改正してそれをやっています。そのおかげでドイツは日本の2分の1、イギリスは日本の3分の1という墜落死亡の実績になっています。そういう点で二段手すりと幅木を設けるのが非常に効果的なことは、それでわかるのではないかと思います。国交省の直轄事業の実績でもわかると思います。
 今回の改正省令は不十分です。部長通達がいい内容を占めているわけですが、これも強制力がないということで活用されていない。今年の4月に発表されましたが、厚生労働省で5,056の現場を実態調査してみたところ、部長通達による手すり先行工法を実施しているのは民間工事で17%です。わずか17%しかやっていない。そういう実態を厚生労働省自身が発表しているわけです。本来守っていれば墜落しなくて済む手当を部長通達で考えていながら、指導が徹底しないために事故につながっていると我々は解釈しています。
○小野理事長 先ほど田村先生が、これはサイエンスだと言われました。私も基本は毎回それなのです。人がすり抜けて落ちる隙間を作ってはいけないというのが基本です。本当にこれは物理的、科学的に当たり前のことです。基本はそこだと思います。
 もう1つ、点検の件ですが、厚労省は5,000現場のチェックをやりましたと。そしたら90%以上の現場で点検をやりましたという報告が上がって、何で90%点検をやった現場から、こんなに法違反が出ているのか。安全衛生法違反50%、そのうちの半分は墜落防止措置違反です。今回もそうですが、点検は本当にやっているのですかということです。ですから点検は第三者の立場でやらなければ点検にならないということです。今まで厚労省は、足場の組立当事者の点検で「よし」としているわけです。これは点検ですかと言いたいと思います。点検をやった結果、こういう墜落災害、法違反が連続している。これは形だけのもので、本当に生きた点検をするような方向に決めていただかなければいけないと私は思います。9割で点検をやっていたというわけです。何で9割でやって。
○篠田専務理事 今年4月、先ほど言いました5,056現場で厚生労働省が実態調査をやった結果を見ると、点検実施者は86%です。一部やっていない所も含めると90%がやっていたと、これは数字で具体的に出ています。
○小野理事長 そのうちの57%が、能力向上教育を受けた当事者ということです。これは逆に調査の結果を重視すべきだと私は思います。
○篠田専務理事 それと、床材の緊結不備等というので分類している項目がありますが、我々がこれを見ると、まさにこここそ第三者の目できちんとした点検をやっていれば、床材の緊結不備ということは防げたはずなのです。まさしく点検の重要性を裏返して表現しているのではないかと思います。床材の緊結不備が直接の原因なのか、何が直接の原因か、点検しなければならないというのは規則で決まっているわけですから、その義務を果たしていない。ただ第三者性とか専門的な知識を有するということは規則に書いていないので、そこは完全な規則違反とは言えないかもしれませんが、床材緊結不備というのは、基本的には点検の不備と読み替えていいのではないかと思っています。
○小林座長 いろいろご意見をいただきましたが、厚労省にまとめていただいたレポートに対しても、ご意見もずいぶんいただきました。その中で不安全行動という括り、あるいは定義に対するご質問、疑義がありました。いま、例えば篠田さんの考える不安全行動というのは、どういうものですか。
○篠田専務理事 それこそ普通はやらない、あえてその行動をとったと、普通は想定しないような行動をあえてとったというのが不安全行動だと、これは第1回のときに当局のほうがそのように定義されて、私もそれが正しいのではないかと思いました。ただ、この中に具体的な例として、不安全行動に分類されている「バランスを崩した、つまづいた」というのは、足場上、そういう作業をやる場合にはあり得る話なのです。それまで不安全行動と言うのか、それは違うのではないか。
○小林座長 まとめ方の話ということですね。
○篠田専務理事 むしろ、不安全行動という定義をはっきりして、この分類をきちんともう一遍し直すことが大切ではないかと思います。
○田村委員 それが前々回に出た話です。
○小林座長 一応、もう1回見直していただけるということでしたと思います。
○船井技術審査官 事務局から補足でご説明いたします。ただいまの件で第1回にご指摘がありましたのは、「不安全行動等」という表現が二重の意味で使われていたというのがまず1つありまして、その部分については整理をしました。いま現在は「不安全行動等」というのは構造上の問題、床材や手すりなどの緊結不備も含めた広い意味で定義にしています。その中で、床材の緊結不備を除いたものは「不安全行動」、「等」がない形で整理しました。
 今日、ヒアリング、質疑の中であった部分については、不安全行動についても、そもそも不安全行動と呼べるのかどうか。想定内の事故的なつまずきとか、そういうものも入っているのではないかということで、更なる精査が必要だと受け止めています。その部分については、いま参考資料として配付した資料にお示しした事例について、我々の分析がどういう視点で不安全行動にしたのかというのをさらに追加で精査を行い、資料として早急に準備をします。ただ、表現として「つまずいたとか」「バランスを崩した」というのを書いているものの中にも、そのバランスを崩すきっかけとなったものが、そもそも「自分が安全帯を掛けていた手すりを外してしまった」といった前提条件があって、バランスを崩したというものもありますので、そこら辺については我々の考え方を細かくというか、もう少し明確にしながら整理をいたします。
 追加でもう1点、誤解がないようにご説明したいのですが、先ほど篠田専務からお話があった中で、参考資料として配付した4、5頁に表-7、8があります。表のいちばん左側にある「墜落防止措置の状況等」の分類が異なっているのはおかしいのではないかというご指摘がありました。今回の集計については、「足場の組立・解体時のいちばん上からの墜落」と、「それ以外」という形で分けました。当然、それ以外については組立・解体時ではあるものの、最上層以外から墜落したという災害も含まれています。
 これは、現に全体的に足場を見れば、組立・解体中であったとしても、既にその部分については組立・解体が済んでいるので、しっかりした墜落防止設備が改正規則に基づいて講じられていなければいけないという視点です。そういった観点で言いますと、逆に言うと最上層については、まさにこれからしっかりしたものを作ろうとしているオン・ゴーイングの状態ですので、その措置というのは我々の法令上の適用についても分かれてきまして、参考資料の10、11頁に参考条文として付けています。
 10頁の真ん中より下の労働安全衛生規則の第563条が、昨年6月から改正したものです。これが、作業床の端にはしっかりした墜落防止設備を付けなさいというものです。ただ、まさにオン・ゴーイングで組み立てている足場の最上層については、第563条に基づく措置を作ろうとしているわけですので、この条文は適用し得ない場合があります。それについて、11頁に組立・解体等の作業における安全対策ということで、いろいろな安全帯の使用などの措置が書いてあるといった整理です。
 私どもの表現として、「改正規則」というのは第563条のことを指していて、「現行規則」という表現が不適切ではないかというのは確かにご指摘のとおりですが、現行規則というのは第564条を指して言っていた。改正して施行してしまえば、いずれも現行なので、そういった部分でのご指摘だと思っています。ここら辺の表現については、適正化を図りたいと思います。以上です。
○小林座長 ご説明をどうもありがとうございました。
○田村委員 1つ質問をしていいですか。要するに、改正前であろうが改正後であろうが、省令が守られていない理由をどうお考えでしょうか。かなりの率で守られていないわけですよね。それは、根本的にどこにあるとお考えですか。
○小野理事長 本来なら、墜落の原因が物理的なことを言う前に、なぜ守られていないのか。こんなにたくさん守られていないのがあるよと出ているわけです。なぜ守られていないのかをまずこの検討会が、いちばんやるべき仕事だと私たちは思っているわけです。
○田村委員 もしお考えがあったらお聞きしたいのですが、なぜだとお思いでしょうか。
○小野理事長 一言で言うならば、それで許されるという世の中になっているということです。
○田村委員 基本的には,罰則がないということですか。
○小野理事長 あっても許されるという、なあなあの文化です。これが、私たち職人を被災者、自己責任という形でみんな葬られてきているという部分です。簡単に言いますと、いままでは規則の決め方、法令の決め方も、業界団体と行政ですよね。業界団体とはいいながら、結局経営者資本家側の意向です。あらゆる産業もそうです。国会で決められる法律は、経営資本家側の論理が法律を作っていって、本当に働く労働者のための法律になっていないです。今回も労働災害の防止について、国会でかかるのは戦後初めてです。いかに、私たちの声が届いていないかということです。ですから、これを機会に本当の意味の災害防止のために、それこそサイエンスの立場に立って切り分けてほしいと思うわけです。
 過去10回、足場からの墜落防止措置に関する調査研究会をやりました。この議事録を読んでいただきたいです。ここで、本当に現場で働く者と経営者資本家側の論理が対立して、二進も三進もいかなくて10回もかかりました。違反をしても、とがめられない。
○田村委員 私は風工学の分野での安全性を検討しているのですが、実態と比べ合わせてあまりに厳しすぎる法令、例えば風速の規制を低すぎる風速でかけてしまうと、頻繁に規制がかかるわけですよね。そうすると日常的に起きて、現実には守りにくいわけで,守らなくても安全であった経験を積むと,まったく守らなくなってしまいます。それは安全側の規定だから、それを守れば確かに事故は起きないのですが、現実問題としては守りにくいものであるわけです。
 その辺のギリギリのところを見ていかないといけないのだと思いますが、それがもし、あまりにも現実離れした規定であるから守られていないのであれば、別の方法を考えなければいけないわけで、守られない理由というのも知るべきであると思ったのです。安全側にすればするほど、規制を作る側は確かにそれで安心できるわけで、責任逃れになりますが,それをやらされる側がほとんど守れないというのであれば、それは困るわけです。
○篠田専務理事 これは厚生労働省がお答えになる話かもしれませんが、1つ考えられることは、いちばん末端で現場を指導しているのは労働基準監督官ですね。どうもお話だと行革の一環で、人数がかなり減ってきた。昔だったら、その現場に3回ぐらい行って教育指導しながらそこを直していくことがきめ細かにできたけれども、いまそれができなくなってきているのだということを、私は某県の労働局のある部長から、そういう話を聞きました。そういう点では人数が十分ではない。だから、指導もなかなか徹底できないということを聞きました。
 でも、それが唯一の理由かどうかはわかりませんし、この時代においてガバッと人間を増やすことは不可能である、難しいということならば、次善の策としてどういう策があるのかということは、考えていいのではないかと思います。そこら辺をいまのところ、おそらく考えられていないのではないかなと。だから、違法状態というのがずっと放置されているという考えられないような状態が続いている。これは本当に、その部分をきちんと検証すべき話だろうと思っています。
○小野理事長 もう1つは現場に居合わせますと、不平等がこういう事故につながっている。何が不平等か。結局、法律が制定されていないか規則が制定されていないから、安全側で一生懸命にやろうとする親方、事業主はお金がかかるわけです。手間暇がかかります。結果的に、真面目にやると馬鹿を見る。それで、手抜きしたところが何も事故がなかったら成功だと、勝ち組みになってしまいます。不平等がそこに起きている。規則改正して、現場すべてが平等な安全環境を提供するということになれば不平等が起きません。そこで勝ち負けが起きないのです。それを一定にしてほしいというのが私たちの願いです。
○小林座長 お話を元に戻したいです。先ほどのお話の中で手すり先行の話が出てきて、先送り方式というのは危険だと一言簡単に言われましたが、具体的にはどういう話ですか。
○杉森安全監理部課長(全国仮設安全事業協同組合) よく建災防の委員会の中でもお話しているとおりで、手すり先送り方式のいちばんの問題は、手すりはどんどん上がっていきますので、その下の層は何もない状態になっていきます。同時進行的に、本来ならばそこに足場からの墜落防止対策をとらなければ駄目なのが、それがとられないことと、解体時においては盛り替えしてきますよね。それ以外の墜落防止対策をとっていると、例えば盛り替えしてこられないとか物理的な原因はありますが、もっと端的に言うと邪魔くさいからやらないという話です。いちいち、そんなのを盛り替えてしていくのが大変だという話なのでやらないというのが多いですので、その辺のところが大きい。
 実は、昨年の8月にとある所で災害がありまして、うちの組合のほうにも専門家の目で見てくれということで私も行きました。そこは公共工事の発注工事ですから、手すり先行工法が義務化されていたのですが、実際はやっていませんでした。手すり先送りでどうしていたかというと、全部足場を普通に組んでから、いちばん上に(手すりが)乗っていただけです。その足場を解体するときに、本来は8月ですから法改正になっていましたが、労働安全衛生規則に則ったものは何もしませんでした。その手すり先行も1スパンだけが付いて、残りの5スパンぐらいの足場については全部解体して、ほかの足場を解体したときに一緒に解体置場にあったのです。
 そういう状況の中で作業が進められていまして、いろいろと現場のほうにも事情があるということだったのですが、職人さんに聞きましたら「こんなのはやっていられない」とか、「あとで下げようと思って」「そういうのを付けていると邪魔でできない」とか、あれで外した、これで外した、何だかんだという話もあったのですが、結果的にそういうものの作業的に真面目にやろうと思ってもやれない、あるいは言い訳にできるようなことであれば、公共工事の発注者の方も言われましたが、本来の趣旨を全然曲げてしまうような抜け道みたいな形のものになる。その発注者はいま(現在)はそれを禁止にしています。
○小野理事長 面倒くさいだけではないです。物理的に下へ送れないときもあります。ほかの金物が、単管や何かクランプが付いていますから。そういうものを外さないと、上から降ろせないわけです。送るときはいいのですが、解体のとき、下へ先送りがほとんどされないということです。物理的にも、できない要素がたくさんあります。それから面倒くさいということです。非常に欠陥の手法だと。逆に先送りのときの安全設備も、何もしないでそのまま行ってしまいます。現実に、国会の衆議院会館の足場もそうです。何もしないです。あんな代表的な現場でさえも、ひどいものです。防御パネルさえあれば、何もしなくてもいいという感じ。防御パネルを付けるときも、何も防護柵がない。外すときも、何も防護柵がない状態です。いま、その大きい現場が。
○小林座長 時間もありません、またあとで。
○大幢委員 1つだけ。先ほど、平等に安全な環境をつくってほしいということですが、いまの事例を見ると、なかなか規則を守れない人たちが多いのではないかという結果になっているとは思います。また新しい規則をどんどん作っていくと、例えばコンプライアンスの問題があって、大手さんはしっかりやると思いますが、中小企業と言ってはいけないかもしれませんが、なかなか力のない所はまた対策がとれないという現象が起きてくるのではないかと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
○小野理事長 それを言ったらイタチごっこになるので、決めるべきことはきちんと決める。それで、いまは部長通達である部分を、最低でも規則で決める、みんな平等になるわけです。そうすると、いま規則と通達の境目もわからない人が現場にたくさんおります。どこまでいって、やればいいのか、やらなくてもいいのか。やらないほうが勝ちだということになっていれば、やらない方向になってしまいます。とにかく部長通達のところが、全部規則で格上げしてきちんとする。そうすると、みんな平等になる。そしたら、はっきりするわけです。それで守らないから、またこれで規則を作っても駄目ではないかという論理は別だと思います。それは、行政のあり方だと思います。みんな平等にすれば、みんな1、2の3でなると思います。玉虫色だから適当だという部分があると思います。
 国交省では、きちんとしています。国交省はやる以上は、予算も出しましょうとやっているわけです。実際、やっている人は予算をもらっているかどうかはわかりませんが、付ける人は予算を付けたと言っているわけです。だから、やらなければいけないとなっているから、みんなやっているわけです。
○田村委員 国会議事堂は違うのですか。
○小野理事長 あれは国交省の直轄ではないでしょう。それから、新しい規則の第563条ですか、これを読みますと、本来ならば天辺でも足場の組立中であっても、手すりや何かは設けなければいけないのです。「設けられない場合は、最後は命綱」と書いて、最後の部分です。設けられるものは第563条でも、本来ならもともと手すりは設けるべきです。先ほど事務局から組立解体時の最上層については墜落防止措置が設けられないので安全帯でいいという説明があったが、それは違うんですよ。最上層であっても手すりを設けることが前提で、それが難しい場合に限って安全帯でよいというのが正しい。よく条文を読んでほしい。
○小林座長 全体としてのお話を伺う時間も少しあるとは思います。時間がなくなりました。どうもありがとうございました。
○小野理事長 よろしくお願いします。ありがとうございます。
○小林座長 次の団体として建専連さんと、その他実際に仕事をやっていただく方にお願いしたいと思います。
               (団体入替え)
○小林座長 よろしいですか。今回は建専連として、会長の才賀さんにお出でいただいています。そのほかに鳶の専門職の方、型枠大工の方、鉄筋、左官職人の方、それぞれの働きの中で、いろいろお話を伺えたらと思っています。まずは、才賀さんから全体的な紹介をお願いします。
○才賀会長(社団法人建設産業専門団体連合会) ご指名なので、ご説明したいと思います。今般の改正労働安全衛生規則等に基づく足場からの墜落防止措置の検討会にお呼びいただきまして、ありがとうございます。通常なら、小野さんの言うように一団体で来ればいいのですが、我々は足場というものを掛ける人、使う人ということで、非常に使い勝手が違うのと、この事故の内容を見ましても手すりを外して使ったとか、いろいろなヒューマンエラーみたいなものが多くて事故があると思いますので、本日は4社の方にお出でいただきまして、各社で組む人、使う人ということでご説明させていただきたいと思います。
 また、今般の資料に基づいてチェックをしてみますと、法違反をして事故を起こすのが90%以上あるなと思っています。ですから、この法違反をきちんと守れば、ほとんど従来の法律で間に合うのではないか。新たに法律を作らなくても、なんとかなるのではないかと思います。それと同時に、いまは事故を起こすとゼネコンさんもペナルティ、専門工事会社もペナルティというようなことで、その責任は非常に大きくなっているのも現状です。ただ、実際現場で働く人たちが、例えば会社から出るときに安全教育をし、送出し教育をし、ヘルメットを渡し、安全帯を渡して、こうやるという説明までして現場に出しているにもかかわらず、安全帯を使わずに墜落ということであるならば、少なくともコンプライアンスを守らないということであるならば、私は過失相殺を1回でも2回でもすることで、建設業界の墜落がなくなるのかなと思います。
 それはいま見ていただくように、あのスカイツリーをやっている鳶・土工の業者は、600mも上へ上がって、あれだけの仕事をしていても墜落事故は1件もないです。ということは、落ちたら死ぬというのは働いている人は十分にわかっている。ですから、きちんとした安全帯を使い、安全装置も付けて、使う人も組む人もきちんとやっているわけです。そうすると、5m、10mの安易な気持で仕事をやっておられるので、その辺からの墜落事故が多いという現状ではないかなと思います。
 そんなことを踏まえて、本日は我々の団体の中から選んできました。また、私自身も鳶・土工の業者ですが、私自身が選ぶとマッチポンプだろうと言われるのも嫌ですから、団体としてゼネコンさんから推薦をいただいて、本日この委員に出ていただいています。以上です。よろしくお願いします。
○小林座長 どうぞ、よろしくお願いします。
○水永鳶工職長(株式会社高泰工務店) この商売は、もう30年以上やらせていただいています。親父も鳶だったもので、昔は現場飯場というのがありまして、いろいろな職人が賄い付きの宿舎に泊まってという時代だったもので、いまはほとんどないですが、鉄骨でいえば加締めの時代です。足場は丸太という時代でした。そのあと単管になり、一側足場、ブラケット足場ですね、わく組が登場してきて、いまに至る中で、自分がずっと子どものころから足場を見ながら、実質携わるようになってから思ったことを言わさせていただきます。昔はみんなヘルメットがなくて鉢巻だったり、安全帯はジュッテの縄で縛ってあったりというのが実状でした。しかし、私の周りで落ちた人は誰もいませんでした。みんな、そこの作業に危ないということがわかっていたわけです。これをやったら落ちる。だから、職人動作もそれなりに動いていました。私自身が職人になって行ったときも、ヘルメットはかぶっていましたが、命綱を親綱に掛けることはやりませんでしたし、仕事の邪魔だといって外していました。それが現実です。そのとき、1回18m上でつり足場を掛けている際に、チェーンが引っかかって足を踏み外して落ちそうになりましたが、足でぶら下がって一命を取り留めました。それで、いま生きていますが、そのときも懲りずに安全帯を使おうと思いませんでした。
 安全帯を使うようになったきっかけは、使わないと飯を食わせないぞとか、退場になっちゃうよというところから始まりました。自分が慣れていないものですから、安全帯に絡まって悪い姿勢になるというのが多かったです。ただ、使いこなせていけばそれなりに十分役に立つなと。やはり、それで1回鉄骨を収めているときに弾かれてしまって、ワンフロアぶら下がったことがあります。でも、きちんと緊張して使っていたもので、親綱に掛けていたので柱に叩きつけることもなく、こうやってつかまって器用に元の梁の上に戻りまして、怪我することもありませんでした。だから、きちんと使えば守ってくれる。
 あるゼネコンさんの仕事で、安全帯を仲間同士で使っていたのですが、「使っていない」と本社ビルから直接下りてこられて安全課の方に指導いただいたのです。そのとき初めて、掛け替えているときは動作が一連ではないか、外した空中でお前ら使っていないではないか。そのとき、まだいまの二丁掛けというのがなくて、1歩止まって手前で掛け替えてから動作を起こしましょうというのがあって、いまは二丁掛けになって、掛けてから移動してまた外す形で、私たちは常に安全帯とともに来て、いまに至っているわけです。
 足場に関しても、いま私たちは親綱先行でやっているので、手すり先行では一切ありません。なぜかというと、手すり先行というのは1スパンでぶち切られてしまうので、移動ができない。移動するために掛け替えるということは、材料を持って動けないということです。それは、私たちにとってとてもマイナスなので、必要最低限5スパン単位で人を配置して、そこから手渡しするよというのはありますが、そうすれば安全帯を掛け替えなくていい。掛け替えなくていいということは、掛け忘れがないのです。いちばん大事ですよね。つい掛け忘れても、誰もそんなのを見てくれていませんから、その作業場所に行ったときに最初に掛ければ、そこの作業が終わるまで、ずっと掛けていられるのです。
 私たちは物を持って移動する。たまには重たいものを腰より高く、胸より高く不安定な姿勢になる場面もありますが、基本的にはそういった安全帯を掛けている限り、本人の転落はないだろうと。材料の落下はたまにあるかもしれません。間違って手を外してしまったとか、息が合わなくて外してしまったというのはあるかもしれませんが。そういうことでは、いまのままでいいのかなとも思う。
 今回法改正があるということで、みんなの意識が変わりました。なぜ、こんなになってしまったのだろうみたいな。だんだん事故は減ってきているのに、死亡災害も減ってきているのに、なぜここまでやらなければいけないのだろう。最初に足場の形の話をしましたが、1,800×1,800のマスが何もない状態です。みんな、その中をフリーに動けるのです。大工さんであれば、パネルを持って「うんこらしょ」と伸びる動作。いまはどうですか。ブレスがあります。持ち換えなければ上がっていかない。これは、とても不安定ではないですか。それを3人でワンフロアを上げているわけです。みんなの息がよほど合わなければ、絶対に物が落ちます。釣られて人も落ちます。だから、それをやりたくないから、材料を上げられないから筋交いを外します。あとは左官屋さんたちが、どうしても壁を塗るときに腰掛けて塗りたいといって邪魔だから外してしまうとか、そういう場面はよく見かけます。
 わく組足場は、筋交いで構造的に成り立っているから、あれを外してしまうと倒壊してしまうよねという、そもそもそこなのでしょうけれども、短期だったら持つのではないかという頭もあるので、それは復旧していただければいいのかなと思いますし、きちんと組んだ足場ほどブレスもすぐ外したり戻ったりするし、布枠もスルスル動きますが、レベルを間違ったり金が出ていなかったりしている足場自体はそんなことは絶対に起きませんから、逆に外すとなかなか入らないというのが経験上あるので、私は現行法のままでいてほしい。例えば幅木に関していえば、ますます手が動く可動範囲がなくなってしまうので、せめて40?pでも下で出せるのであれば出せたほうが、仕事ができるわけです。そこが致命傷になる人は結構います。
 石屋さんみたいに重たいものを4人がかりで、比較的大きいものを上げようとすると、いまのわく組足場のいちばん大きい1,800とかのスパンでも、そこに人が4人入って、その作業ができないわけです。では、その建地を跨いでならちょうどよく行けるのかといっても、そううまく組めているかどうかもわからないではないですか。だから、作る側は言われたとおりに作りますが、使う人のことを見ていると、やむを得ないのかなという部分があって、それを黙ってやって。そのまま放置すれば不安全行動かもしれないですが、作業上しょうがないよという作業行動をきちんと分析してもらって、それなりの措置をしてやる分には全然差し支えないと思います。もし、それで問題があるのだったら、根本的にわく組足場の構造改革です。わく組足場をやめたほうがいい。それに取って代わる何かを開発したほうが、よほどいいのではないかと。みんなのためになる。
 私たちは、与えられた材料で与えられた仕事をするから、ものは何でもいいです。もし落下防止に関して幅木というのであれば、外部に関してはメッシュだったり普通の垂直ネットであったり、ネットであればたわみがたくさんあれば結束を多くすればいいと思うし、内側に関していえばゼンダンの水平ヨウジョウでもいいと思います。可動式のブラケットにすれば必要に応じて、例えば躯体工事の最初、RCだったら何もない所ですよね。鉄筋があって、コンクリーを打って初めてその形になるわけだから。足場の離れというのは全然違っているわけだから、ない所に対して鉄筋屋さんが作業するための離れの部分はネットがありますよとか、大工さんの部分には引っ込めますよとか、左官屋さんとかタイル屋さんが糸張るときには、必要な分だけ跳ね上げをして糸を張りますよ。仕事は止まりませんよ。終わったら戻してくださいね。みんながルールを守っていけば、現行法で何でも問題ないと思います。
 あとは、各職の意識づけ。若い職人に言います。「お前、安全帯を使わないと退場だよ。飯食えなくなるよ」、とにかくそこからでもいいから動機づけてもらいます。「ただ、ここでお前が怪我したら、みんな迷惑するんだよ。お前1人が怪我したら、僕らみんな飯食えなくなるんだよ。お前、そのときどうするの。だから自分の行動に対して、考えて行動しろ」。それは安全帯も同じですよ。材料を運ぶのもそうですよと。だから、もっと人間の行動をより良く導く方法もあると思うので、特に安全に関しては動機づけというのは、鳶の場合はほかの職人に比べれば、特に強く言われていると思います。だから、ほかの職人の方ももう少し、この関係の中なので、何か事故を起こしたら責任が個人では済まないよという認識を持ってもらうと、各職方も意識も変わってくると思うし、現場もより良くなっていくと思います。
 足場の第三者点検の話は大反対です。何の責任もない人に現場に来られて、文句を言われても困ります。私は足場で事故があったら、刑事責任を負わなければいけません。作業主任者は、そういう立場です。無関係の第三者が土足で入ってきて、勝手なことを言って何を言っているのだと。ふざけるなと。ただでやっています、冗談じゃないと。はっきり言わせてもらいますが、そんな人は要らない。それは私だけではないです。足場の計画をしているゼネコンの社員も同じ気持だと思います。点検は私たちは組立、完了後、それから例えば解体さんが入ったあと、次回また組み上げる前の下部の点検は日常的にやらせてもらっています。なので、そういうのは大反対です。そんなところです。
○才賀会長 いま水永君は、鳶の組立の中のご意見だとお聞きいただきたいと思います。それでは、足場を実際に使っている大工さん、共栄工業の竹洞さんに話してもらいます。
○竹洞型枠大工工事長(株式会社共営工業) 型枠大工から見た目の足場の件です。大工の場合は、結局足場が邪魔になる機会が多いです。どうしても外さなければならない立場になって、それが復旧してくれればいいけれども、末端までいくとそこまでわからない人もいます。あくまでも、あとで自分で見て歩いて復旧はするけれども、結局数が50人、60人になると、どうしても全然言わないで外す場合もありますので、そこで事故が多くなると思います。これはゼネコンさんと話をして、末端まで耳が痛くなるだけ言って、外す場合は先に了解をもらって外す。外してはまた復旧するというのが、型枠の場合はそういう立場でいまはやっています。
 幅木の場合は、うちのほうではラチェットとか、ああいうのは落ちない落下防止付きだけれども、細々としたパイプとかさん木とかは幅木があるから落ちないのです。その点はいいと思うけれども、あと横に1本ブレスが入るでしょう。あれをすると、外部のパネルを立てるときは、どうしても邪魔なのです。せり上げ、パイプ締め、釘打ち。どうしても半身になってやるから、結局落下するおそれがあるというけれども、一応安全帯は使うようにみんなに言ってあれしているけれども。
 良い点と悪い点は、自分としては幅木のほうはいいと思うし、横ブレスはどうしても作業上あれは邪魔になるのです。だから外すなといっても、作業するときは取る場合のほうが多いもので、その辺をもう1回検討してもらって、やってもらったほうがいいと思います。以上です。
○才賀会長 いま大工さんのほうは、自分たちの仮枠を外部の仮枠を組むときの作業手順の中で、良いもの、悪いものというご意見だと聞いていますが、実際いま大工さんたちが仕事をするにしても、いまはものが大きくなって、仮枠も大きくなっているものですから、だんだん邪魔になる。ただ、我々鳶・土工としては取ったら戻せよという説明を職長会等ではしていると思いますが、なかなか最終的にきちんと取り付けていないのが現状かなと思います。
 それでは、矢島さんのほうから。
○矢島専務取締役(矢島鉄筋工業株式会社) 専門工事業で鉄筋工事に携わっています。まず、法改正で足場の件を話します。確かにブレス間の隙間が狭くなったおかげで、墜落の危険は減っていると思います。また幅木の設置により、先ほど大工さんから話もありましたとおり、小物やちょっとした切り端というものが落ちなくなってきているというのは現実だと思います。ただ、私たち専門工事業は、ちょうど足場の中で作業をするとブレスの位置で体が半身になって力を入れているものですから、どうしてもブレスがあると力が入らないというのが現状です。
 私も現役30年やっていまして、ブレスを外して作業をしている1人の作業員でもありました。あとで復旧したりいろいろとしますが、実際本当に作業をするのに力が入らないというのが現状であり、足場又は手すりはなくてはいけないのですが、あるとどうしても作業に支障が来たすという大きな問題も考えてほしいと思います。
 左官屋さんもあとからまた喋ると思いますが、よく足場に腰掛けて作業をする状態もあります。そうすると実際に幅木があると、そういう作業ができなくなってしまって、中腰で作業をして、どうしても力が入らないとか、身を乗り出したときにその勢いで落ちてしまったということも考えられるので、それが座ったままの作業がいいのか悪いのかというのはまた別ですが、身を乗り出すことがまた出てきてしまうというのも、1つ考えられるのではないかなと思います。
 私は、ちょうど2年前にアラブ首長国連邦のドバイで仕事をしてきましたが、法基準がヨーロッパです。驚いたのが幅木が完全に設置されている状態で、私たち日本からは50人ぐらいの作業員を連れていってやってきたわけですが、毎日のようにセーフティスタッフからクレームを受けていました。日本の基準は甘いというクレームを散々受けてまいりました。なぜドバイでこんなことを言われなければならないのかなと思いましたが、ヨーロッパの基準が高くて、そういうルールの中でやられていることを痛感して日本に帰ったわけですが、作業のやり方や状態も考えまして、ひとつより良いものにしていってもらいたいと思います。
 最後に、私がこんなことを言うのもおこがましいですが、実際必要な所にはしっかりお金をかけていただいて、より良い結果につなげる仕組みを作っていくのがいいのかなと思います。日本のバブルの時代には、私が現場にいたころにはセーフティスタッフというものがいたのです。現場に就労している300人ぐらいいる現場には、必ず鳶さんのほうからセーフティスタッフが1人出てきていただいて、安全施設の点検を毎日やっていた記憶もあります。いま世知辛い世の中で、そういうお金もなかなか出ないと思いますが、私たち鉄筋型枠躯体業者がヒューマンエラーか何かは知りませんが、手すりを外してしまったとかブレスを外してしまって、元どおりに戻っていない場所が多々あるかと思います。甘えではないですが、そういうのを日頃点検していけるような仕組みづくりができたら、よりいいことかと思います。少し生意気のようですが、申し訳ありません。以上です。
○才賀会長 ありがとうございました。最後に左官屋さんで浪速組の鶴崎さん、よろしくお願いします。
○鶴崎労務安全部長(浪速組東京本店) 私たちは、足場を利用しての仕上げ作業という仕上げ屋の左官です。従来は、筋交いだけで作業をしてきました。6月法改正ということで、中さん、幅木。これは、うちの職人にもきちんとその趣旨は説明していますが、各個人に聞くと使い勝手が悪い。仕上げとして表面に現れると、どうしても吹付け、タイル下、そういう下地という形で品質について今度評価を受けるときには、そこはちょっと悪いなとか、またやり直すという形のところまで持ってこられると、あの幅木があることで品質の悪さにもつながっていくというのが現状だと思います。
 それと先ほど鳶さんが言ってくれましたが、筋交いではなくて横さん、要はパイプ式の手すりであればやりやすいなと。三段構えの手すり、幅木なしでも、中さんという1つのことを下に付けたようになりましたが、筋交いではなくて中さん3本だったら非常にやりやすいなと実感的には思っています。そうすることによって、モルタルの仕事ですから身を乗り出す。躯体との隙間は必ず30以上ありますので、そうすると怖いなというのは確かにありますが、そこでいまの足場先行だと品質的にも作業性にも悪いというのを実感しています。ただ、先ほど言われましたように安全スタッフ、安全管理するものの経費等の立場で少しでも猶予いただければ、それなりのまた違う形で安全管理、墜落防止。
 おかげさまで左官屋に関しては、いままでの資料の中で墜落死亡というのは、はっきり言ってないです。それだけ、ある程度作業においては慎重に作業をしているのだろうと見ています。その点では、躯体三役の方には非常に申し訳ないですが、仕上げ職としてのタイル屋さんにしても、いろいろな吹付屋さんにしても、足場から墜落した災害というのはまず聞かないなというのが、いまの状況ではないかと思っています。ある程度仕上げに関して欲を言えば、外側は確かに筋交いあるいはネットで保護すれば安心感がありますが、中においては作業ということで1つ考えれば、筋交いよりも単管でも手すり的な形で作業できるほうがいいのではないかと思っています。私としては、そういうことです。
○才賀会長 ありがとうございます。いま、4人の方から各業種によって意見を出しましたが、建設業というのは受注産業ですから、1つとして同じものがないのです。そうしますと、きちんと決まった材料で決まったものを作っている場合はいいですが、いろいろなスタイルで変わってきますので、従来の足場で自由に組める足場、悪い所はすぐに直せるような足場のほうが現場に適応しているのかなと。ただ、最初に言ったように、皆さんがヒューマンエラーとかコンプライアンスを守ることで、まず第1に事故が少なくなることの何かを考える必要があるのかなと思って、本日出席させていただきました。以上、発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○小林座長 いま、現場で働く方も含めてお話いただきました。いかがでしょうか。
○大幢委員 最初の方に質問です。現行法とおっしゃっていたのですが、先ほども改正や現行法と。
○水永鳶工職長 改正です。
○大幢委員 いまの法律ということですね。
○水永鳶工職長 はい。
○大幢委員 皆さんも現行というのは、いまの法律ということで。
○才賀会長 いま新しく出たものを、全部教育されていますので。
○大幢委員 最後の方に質問です。筋交いは良くなくて中さんは良いということですが、それは低層用の足場についてのことであり、わく組足場が良くないというのではなくて、前回住宅団体生産連合会の方がおっしゃっていた、こういう筋交いを低層用のくさびのものに付けるのが使いづらいということですか。
○鶴崎労務安全部長 私たちは、使い勝手は悪いなと。やれないことはないですが、またそこに幅木が付いた、下の中さんが付いたということでは、ちょうどそこの目線の位置というか、仕上げする床側も本当にやりづらい。筋交いのナカトカの部分で壁を仕上げする分には動きは取れますが、ちょうど幅木の部分というのはどうしようかと。狭いし、どうやって手を入れる、小手を入れる、そんな形の作業になるので、逆に危ないかな。外したいなという気持になります。その辺の心情的なもので、ちょっと話しました。仕事は、主に横移動です。
○才賀会長 ですから、ちょうど真ん中にブレスが入っているから、ここで打ってまた動かなければいけないという作業上の問題だと思います。
○鶴崎労務安全部長 安全帯というのがもしあれだったら、足場の下に親綱でも掛けてもらったら、そこに掛けられる状況なので、そのスパンだけはしっかり横移動できる。つなぎ目からまたもう1つというような形では、親綱等で安全帯の義務づけはきちんとできる。単管パイプでもいいのですが、より安全だというのであれば、腰の上に掛けていけるような設置の方法もあるなというふうにはあります。ただ、幸いにも本当に死亡事故は起こっていないので、その辺のところではもうひとつ仕上げという立場では、うまく安全意識があるのかなとは思っています。
○田村委員 すべてを満足するようなものは、なかなか難しいですね。いろいろ職種がありますからね。筋交いを本当になくそうとしたら、構造的にも考え直さなくてはいけないということですよね。
○鶴崎労務安全部長 構造上の問題が出てくるかと思います。
○田村委員 きめ細かい対応さえすれば、安全にはなると思いますが,着脱が容易である必要がありますね。
○大幢委員 3番目の方に質問です。ドバイに行って、ヨーロッパの足場で二段手すりとか幅木ということで、セーフティスタッフみたいな方が非常にチェックされて厳しかったということですが、私もイギリスやドイツに行っていろいろ足場を見てきました。今回は躯体側が邪魔だという話が結構あったのですが、イギリスやドイツではあまり躯体側の手すりというのは見たことがないのですが、その現場ではどうでしたか。
○矢島専務取締役 外部足場とかがあって、先ほどおっしゃられたようにブレスではないのです。全部スリエスの足場で、手すりが横なのです。だから、作業をするのに本当に持ってそのまま横に行けてしまうので、使い勝手はすごくいいです。
○大幢委員 要するに、建物側のほうはどうですか。建物側のほうにも手すりを付けて。
○矢島専務取締役 ほとんど無足場で、一部外部足場はありますが、そういう足場です。
○大幢委員 イギリスの足場を見ると、外側についてはしっかり二段手すり、幅木はしていますが、建物のほうに関しては私も全部調べたわけではないですが、足場について建物側のほうの手すりがほとんどない状態でした。
○矢島専務取締役 いや、していました。内部も全部やっています。
○大幢委員 国内だと、何か甘いのかなという感じもします。
○矢島専務取締役 その現場の大中小もありますが、大型現場はみんなそういう安全管理をしています。
○大幢委員 ほかの事例で、インドネシアでアメリカのOSHAの規則に従って施工する契約をしており、すごく厳しかったという話を聞いたことがあるのですが。
○矢島専務取締役 結局、日本も同じではないですか。例えば大型プロジェクトだと、安全管理がしっかりしている。私がこんなことを言っては何ですが、木造住宅だと中には安全帯もしていなくて、ヘルメットを脱いで仕事をしている人たちもたまに見受けられるではないですか。そういう意味では、どこでも同じだと思います。冒頭でお話されたときに、なぜこういう基準があって、こういうレベルの人もいるの、その差は何なのかという話がありましたが、本当にそういうところに着眼が向いてほしいなという私たちの気持もあります。
○小林座長 ドバイの話は、いわゆる日本でいうゼネコンというのがあって、日本の企業ではなくて。
○矢島専務取締役 日本のゼネコンさんから依頼を受けて、向こうに派遣されました。
○小林座長 いわば元請。
○矢島専務取締役 日本の企業です。
○小林座長 先ほど、才賀さんが冒頭で一言、過失相殺という話がありましたが、もう少し。
○才賀会長 いまの建設業界というのは、どちらにしても専門工事業者だけで飯を食えない。ゼネコンさんだけでも飯を食えない。発注者だけでも仕事はできないという三位一体だと思っています。そうであるならば、働く労働者も自分の持ち場、立場できちんと責任を取るべきだろう。なおかつ、きちんとした給料も稼げるような地位、場所と、そういうものをきちんとお互いに提供していかないと、やりっぱなしに好きなことばかりでは、これから持っていかないと私は思います。それが、いまで言う一人親方になってしまったり、どんどん重層化される。その原因はダンピング受注とも言われていますが、まずその辺の問題を解決していかないと、建設業界というのは直っていかないのではないかなと思っています。
 過失相殺についてはずっとやれと言わないのですよ。そんなふうにやったら、働く労働者がいなくなりますのでね。例えば、半年でも1年でもいいし、また逆に1つでも2つでも事故例を出して、こういうことをしている業者がいて、本人はこういうことをしましたよと。本来ならば、例えば労災保険、上乗せ労災何だとかで3,000万出るものは、過失相殺があって1,000万しか出ない、200万しか出ないとなったものを、例えば三大新聞にでも載れば、建設現場で働く労働者っていうのは、「おい、気をつけなきゃいけない、オイラもやろうや」と急に問題が出てくるのですよ。さっき鳶さんが言ったようにですね。やはり「お前ら、これでは飯食えないよ」と、いいのかというふうな半分脅かしがあれば、一生懸命やるというようなことで。何かそんなことがないと、業界は変わっていかないかな。
 私も20年ぐらい足袋履いて仕事していたものですから、昔は落っこって怪我すれば、もう二足三文で、お前は明日から土方やれとか、材料運び専門だから上に上がってくるなとか脅かされて、やはり先輩にしごかれて育ってきたものですから。やはりいまはそういうものがないものですからね、何かしなきゃいけないのかなというふうに思います。ちょっと過激な発言だと思いますけれども、でも何かしなければ、手をこまねいていては直らないですよ。
○小林座長 言わんとするところはわかるつもりですけれども、ほかによろしいでしょうか。
○大幢委員 さっきアクセスさんから、作業員の立場でいろいろ足場について規則を作ってほしいというような話があったと思います。いまの話では、何で変えるというような意見もあったと思います。足場を開発する上で見て、アクセスさんにお聞きしたいのですが、足場をいろいろ作る上で実際の作業者の意見はどの程度、どういう形で反映させているのか、もしおわかりでしたら。
○小野理事長 いや、作業者もいるのですよ、私たちの団体にたくさんおります。材工でやっている、材料を持ち、あと現場コーチですね。材工という業者もたくさんおりますから。
 先ほど、例えば命綱二丁掛けで、このもりかえしていかなきゃいけないなんてことも、それはそういう機材もあります。それから通過していける機材もあるのです。あるいは通過していけない機材はみんな単独で、1.8mと単独のもの。だけど、その内側に親綱張って、スーっといくのもあるわけですよ。親綱だけでは危ないから、よろめくからというふうで、手すりを付けて。掛替えが面倒くさい場合は、内側に親綱張ってというやり方をされている現場あります。というのは、工夫の仕方です。
 それから点検の件、先ほどここで言われました。確かにね、よその人から点検されるなんて嫌でしょうというのはわかります。しかしながら、いま現状9割以上の所で点検やっていて、結果としていまの惨状が起きていることも、やはり私たちは考えなきゃいけないのではないかということですね。結局私たちは同じ仲間なのですよ、敵対しているわけではありません。いかにしたら本当に安全にいけるか、ということをねらっていかなきゃいけないのであって。
 通常つま先から倒れるようなつま先が工夫されていますよ、いま邪魔ですからね、幅木があると。それはすぐパタっと起倒式になっていたり。手すりも、回転自在とかというのもあります。
○小林座長 それがいろいろな機材がたぶん開発されているのでしょうけれど、いろいろな住宅メーカーなんかも含めて、なかなか市場には出てこないですね。
○小野理事長 いや、住宅関係、死傷者多いですよ。
○小林座長 いや、市場に。
○小野理事長 いや、そうじゃないですよ。やっぱり採用しないからですよ。やっぱり……がこちらできちっと決めれば、みんなそれが当たり前のこととなれば平等になるのです。安全設備はしないほうが勝ちだというような、そういう時代じゃ駄目なのです。
○小林座長 例えば幅木に関して、どんな幅木を使っているのかという、そんなお話を伺ったりなんかすると、いま手に入れられる幅木が例えば足場の部材としてはないから、あるいは自分たちは見つけられないから、だから例えば普通の木製の歩板をそのまま立てて使ってます、ですとかね。
○小野理事長 それでいいのですよ、幅木を使いなさいと。だからバンセンで縛ろうが、何でもいいんですよ。足場板でも何でも、そういう文化が身につけば、それではもうちょっと合理的なものということなのですね。ものが無いから使わないんだというようなことではなくて、やはり需要をきちっと、決まることが決まれば、きちんとみんなやるべきこととなると思いますね。
○才賀会長 いま小野さんが言うように、あるいは我々も、小野さんのところの足場が悪いと言っているわけじゃないのですよ。ですから、それで小野さんのところの足場じゃなければ駄目だという言い方ではなく、手すり先行にしろ、墜落防止にしろ、きちんとした足場なら、場所と物によってどちらでも使えるというふうにしておいていただかないと、何か不公平が出るのかなというふうに思います。それほどいまゼネコンさんも銭があるわけではないのです。やはり持っている材料で何とかしようというのも、我々もお願いしているところではあるのです。その辺はちょっと違うのかなと思います。
○田村委員 やはり作業されている方が自分らの身の安全だから、いちばん安全性に気を使っていらっしゃるし、おそらく安全でありたいと思っているし,いちばん安全に対する要望が強いのだと思うのです。さっき、いちばん最初におっしゃいましたが、人間の行動に適したというか、それを考慮したシステムにまだなっていない部分がかなりあって、そこがやはり問題を起こしている部分がある。作業上やむを得ない何か回避措置みたいなことをどうしても取ってしまい、それが法令を少し破りぎみのことに、瞬間的にでも,そうなっている。それが日常化してしまうとすごく怖いのではないでしょうか。ロングスパンで改善を考えていかなくてはいけない問題と、今できることというのは、整理して考えなくてはいけないですね。
○才賀会長 私がいま思っているのは、例えば、足場組立・解体作業主任者というのがいますよ。その資格を取ったら、少なくとも5年に1回ぐらい書替えをして、再教育をして、法令が変わってくれば、その都度きちんと教育をしていくというようなことをして。それを2回でも3回でも受けて、受けた人間でなければ足場の点検をしてはいけないよというようなことを、やはりしていかないと。1回取ったらもう何もしなくていいよというようなことであると、いつ勉強して、いつやっているかわからないというのがあると思うのです。少なくともそういうことで、再教育が必要かなというふうに思っている。
○水永鳶工職長 逆なこと言わせてもらうと、毎日点検していれば、およそ何が良いか悪いかというのはわかっているわけで。そうすると、学校の先生と一緒で、毎年同じことを言っているようになってしまうのかもしれませんが、身が入らないかもしれないですけれど。現実問題としては、規則というのは繰り返されて覚えるじゃないですか。何が良い悪いなんていうのは、自分の主観が入ってはいけないことだから、それは今ので十分、私たちが日常の続けていけばいい話じゃないのかなと思います。
○才賀会長 ただ、今回のことで死亡件数も出てますが、それでは例えば、この死亡件数の中に中小企業なのか、スーパーゼネコンなのかという内訳もやっていただくと、どの辺のランクを再教育すればいいのかなというのも、わかってくるのではないかなというふうに思います。いまスーパーゼネコンさんでは、命綱使わないで仕事うろうろしていたら、すぐ退場ですよ。朝から来るな、それぐらい厳しくやられていますので、その辺は少ないのではないかなと思いますけれどね。
○小林座長 先ほど水永さんが作業行動の分析が必要だと言われたのですが、それだったらやはり作業に合わない状況というのは随分と経験されるのですか。
○水永鳶工職長 職人さんの、例えば身長ひとつとっても足場を組み直した経験もあるのです。私は173?pあって、そのときの工事主任が180近かったのです。天井を組む仕事があって、ちょうど円形の吹き抜けのホールの天井の足場を組み立てて、2人で、これだったらちょうどランナも見られるし、いいじゃないなんて言って。次の日来た親方が150?pの人で、申し訳ないけど20?p足場のレベルを上げてくださいって言って、2日ぐらいかかりました、そのためだけに。だから条件って、いっぱいあると思うのですよ。いまその簡易式のわく組足場というのは、規定のグリットの中に合う人だけが、だから180?pの人は使いにくいとか、いろいろあると思うのです。
 さっき言った、仕事の内容によって躯体側に関して、鉄筋屋さんがゼロのところ、無の状態から鉄筋を組んでいきます。大工さんは鉄筋のあるところで枠を返していきます。左官屋さんは、その枠がなくなって地肌が出た所を仕上げていきます。そのあと、タイル屋さん入ります、石屋さん入ります。みんな作業内容が違っているものを、同じもので本当にいいのですかという部分なのです。
 だから大工さんは足場は要らないよ。あるゼネコンさんは、躯体工事のときの離れと、仕上げ工事のときの離れが違ったら1回解体して、内装工事になったら、こんな埃が被った材料使えないじゃないかと1回出して、また組み直すというゼネコンさんもあります。そうすると、足場の離れもまたその仕上げによって、あとその組み方も変えていけるというメリットもあるのですが、コストかかるというデメリットもありますね。それはゼネコンさんによるのですけれど、そういう考え方をされるところもあります。
 職人のことを言わせてもらうと、私たちがそういうパイプとかから育った時代なので、いまのわく組足場というのはどちらかというと後から触わっている。いまラチェットとか、インパクトを持っていますけれど、私の子どものころは、うちにクランプ回しといってピストン式のソケットレンチが家に何個もごろごろしていたような家だったので、道具もそれで回せばいいのを、いまのはオーバーワークさせちゃっているから、みんな材料を壊しちゃっている。かえって危なくないのという、そんな状況もあったりとかして見てみるのですが。やはりパイプで育っていると、ものに対して体の預け方というのがあるのです。わく組足場の人、それができない。私らは両手放して、足引っ掛けるだけで、両手で仕事できます。けど、いまの若い子たちは両足ふん張っているしか動けないから、体のバランスも悪くて、バランス崩しやすいし、ちょっとした段差でもつまづく。
 現場に来てもらってよくわかるのは、みんないま安全靴ですね。地下足袋は禁止になりました。つま先見てください、傷だらけです。ということは、どこかぶつけて歩いても平気なのです。昔の職人は、そんなことしたら大怪我しますから、絶対つま先は大事にします。釘踏んだって、踏み抜くまで踏むのは馬鹿ですよ。わかって、足を引き抜きますから。そういう所で育った人間からすると、いまの現場はこんなに汚なくても平気だし、みんなそうやって大雑把なんだなと。
 だから本当に職人として、鳶なんか特にそうですよ。ボディーバランスの悪いやつなんて、おっかないですよ。見てても、材料かついで、こんなになって後ろにひっくり返りそうになったりとかね。平な所でそれですから、ましてや上なんか上げられないじゃないですか。
 個人の資質として、職人としての能力を発揮しようと思うのだったら、私はちょっと過保護すぎるぐらいだと思うのですけど、いまの法律は。だけど、やはりそれでも仲間が怪我するのは嫌なので、私らもいまのルールを守るから、もっとほかの職人さんにも、確かに鳶は墜落多いですけど、やはりいま言ったみたいに、慣れてない人は多いです。私から言わしてもらうと、動作の基本がなっていないのです。はっきり言って。そういう人が多過ぎますよ。やはり特にバブル以降、足袋履かせれば鳶だと言って、現場に連れてきたのが多かった。それがずっと今に至って、残っちゃっている人も何人かいるわけで。
 1つ残念なのですけれど、本来職人としての資質をもっと、私らは向上していかなきゃいけないのかなという部分もあるので、あんまり法律に縛られても動きにくくなってしまうので、ある程度で勘弁してくれないかなと思うのです。本当にできれば、安全靴じゃなくてもいいよと、今でも言ってほしいのですね。そしたら、もう足元のさばきから変わっていきますから、逆に身体能力が上がりますよ。
○小林座長 足場に関してなのですが、建築の仕事、いろいろな職種が入っているということで、仕上げや何かに関して、例えば仕上げの責任をとらなきゃいけない。だけど下地が悪いからだとか、そんな話なんかお聞きしたりしますけれども。例えば、足場に関してだけでいいのですが、この職種間のそうした、簡単に言ってしまうと反目みたいな、そういう話はあるのですか。
○水永鳶工職長 反目というよりは、私が親父に習ったのは、躯体の足場は大工に聞けと、鉄筋屋さんに悪いですけどね。仕上げの足場は石屋か左官屋に聞けと、そういうふうに子どものころに教わったので。どちらが現場として優先するのかなというわけではないのだろうけれど、取りあえずそうしておけば間違いないよというのがあった。だから大工さんは足場要らないと言うし、でも鉄筋屋さんはないと組めない所もたぶんあると思うし、でも全部組んじゃうと仕事できないから、ここは要らないよとかというのがたぶんあるだろうし。みんなそれぞれ、いろいろ思っていると思います。
○小林座長 別に、いつも自分にとって仕事のしにくい、これは極端な話ですが、例えば自分にとって仕事のしにくい足場について、それは足場の職人さんにその原因を求めるみたいな、そんな話はないということですか。
○水永鳶工職長 いや、怒られるときは大体若い人に任せっぱなしで、適当に組んでいるときが多いですね。だから鉄筋が建つ所に建地があったりとか、型枠起こす所に、要は片面開けていれば、そこから物を入れるのを全部囲っちゃったりとかしていれば、使いにくいよねとかいう話はありますね。
 私は基本的にはなるべく作業する人に聞いて。ただ、それが法違反である場合はまずいので、一応断って、そうはできないんだけど、ほかに何かやりようないかいっていう相談はしますよね。それは私らだけで決められないので、当然ゼネコンの社員を交じえて、それは図面届け出しているので、計画変更ありきで。では、もっと良くするにはこうしたほうがいいんじゃないのという意見を聞いて、やるようにはしてますけど。
 確かに、あるゼネコンさんでは躯体部会というのがあって、そこの型枠大工さんが、あの鳶の衆は使えないと言ったら、次は使ってもらえないとか、そういううわさを聞いたこともありますけれど、私はそうならないようにしたいと思っています。
 ただ、作業の特性をわかってないで、そういう仮設物を使ってて、やはりこれって、さっきの品質の問題で言うと、良くないなというのはあります。例えば圧接の場合でも、鉄筋からこんなに近くて距離がとれなくてというのは、良くないじゃないですか。あとは、いまエスゾウなんかで言う、柱のジョイント部分ですよね。作業姿勢を安定させるためには、腰掛けて、ずっとこういう動作を続けて、何10層、何100層と持っていく作業の流れの中だと、この距離がとれないと、腕が萎縮してしまってうまく動かないよというのがあるのですが、現実的にゼネコンさんもやむなくそういう足場を使えないで、既製品の間に合わせでやってしまって、結果どうなのみたいな。品質に関しての危ないよねというのも、多々ありますね。
 確かに東京都庁のときは柱が1,500角だったので、4mで1,500幅の大きいジョイント足場を掛けた覚えがあります。ルートが110とかあるから、3日間ぐらいずっと寝て溶接しますから。必要に応じて最低限のことをやろうとすると、ほかの人から見ると、オーバーなのかもしれないけれども、実際作業する人の本音というのは、やはり全員が全員聞いて計画しないですものね。
 やはり普通つり足場って、足場板2枚敷きなのが4枚敷きとか3枚敷きで、ちょっと2角が取れれば圧接しやすいよ、夏場なんか特に。そんなことを言われた覚えがあります。それぞれの事情があるので、これでみんながいいとは言わないですけれど。
○大幢委員 例えば、いま職種ごとにいろいろな足場が必要だというご意見だったのですが、例えば元請さんとかその辺りが、予め計画段階からリスクアセスメントとか行って、それに最適な足場を選んでいけばいいのかなと、ちょっと思ったのですが。
○才賀会長 大体そうですよ。
○大幢委員 大体そうですか。
○才賀会長 我々鳶が、あの足場この足場と言うことではないのです。現場で打合せをして、きちんとゼネコンさんが決めた足場で仕事するだけであって。
○大幢委員 そのときにゼネコンさんも、当然リスクアセスメントなので、リスクを低減するということなのですが、その辺の作業のことも考えて、最適な安全対策を行えば良いのかなと思います。
○才賀会長 そう思いますね。ただ、それについてはやはり我々がきちんと勉強してやっていかないと、使い勝手が悪い足場だと、事故も起こることかというふうに思います。
○大幢委員 要するに、リスクアセスメントをやる場合は、墜落は防止できてもそれによってそれ以外のリスクが発生するということも防止していくのがリスクアセスメントなので、いま言った使い勝手の悪い足場を付けてしまうと、それによりまたリスクができてしまうということなので。
○田村委員 結局,使い勝手が悪いと、先ほど仰ったように・・・
○才賀会長 安全のこともあるし、仕事の率も高いし、利益も出ないしと、いろいろな問題が出てくるわけです。
○田村委員 それらが事故に関連していくということがあるわけですね。
○才賀会長 はい、何でもかんでも。
○田村委員 自分らで作業性の改善のための提案等をやった経験がおありですか。
○才賀会長 はい。
○水永鳶工職長 例えば、いま大きく分けて、このぐらいの躯体が、これが幅が1mとしますね。1mの躯体に対して、鉄筋はここから40の所にずっと立っています。大工さんは、ここから240から250離れた所で、枠立てますよとかするじゃないですか。そうしたら鉄筋屋さんは、ここ、ここを一遍に組んでしまったら出てこれなくなっちゃいますよ。でも、ここに足場ないと組めませんよとか、こうステップがあったとしたら、それをお互いに、鉄筋屋さんに相談して、じゃ、ここ先にやってもらってここの足場ばらすから、そしたから今度はこことここの梁をやるのにはここの跳出しがあったほうがいいのではないか、とかいう相談をしながらやっていくとうまく流れたりする。
 ステップごと、単位作業をもっと分解していって、同じ鉄筋組むという1つの流れを、ここの面とこの面とか分けるとか、ここの壁の上のある梁をどのタイミングでどう扱うとかというのを分けていくと、あと鉄筋屋さんが終わったときにはもう大工さんのだけにすればいいよとか。そういう一連の流れを作ってあげれば、それなりには安全に、フローができていれば問題なくいくと思うのです。全部を一遍にやろうとすると、何もできなくなっちゃいますけど。
○田村委員 ここに出ている事例を見られたと思うのですが、その辺は、そういう緻密な計画がなくて起きているんだなということが想像できますか。
○水永鳶工職長 そんな感じじゃないですかね、と思います。だから、さっきも言われてましたけど、近道行動をするのはわけがあるんだよ、階段が遠いからだ。確かにそうですね。だから、いまだとたぶん20スパン以内に1カ所とか、2方向避難とかいうことがあって、四角い足場を全部組んで1カ所しかないということはあり得ないわけで。少なくとも、あと躯体側に行けるルートとか、もし躯体側が鉄骨みたいなもので行けない場合でも2方向とか、そういうふうにどんどん法が変わってきているじゃないですか。だから、そういうところで対応していただければいいのかと。でも、階段が設けられないのでは、ハッチ式とかもあるわけだから、昇降路としていくらでもできる。
 やはり筋交いを伝って降りて事故になる人って、昔からいっぱいいるのではないかなと思います。それは、大工さんも話したからわかると思いますが、外しにあいます、付け忘れていました。付けたいのだけどうまく入らないから、こことここ入っているけど、ここ入っていませんよ。降りていってつかみました、つるって抜けました、落ちましたとか。今に比べれば、昔のほうが層間ネットなんか張っていなかったわけだし、下までスッポンポンですよというのは当たり前だったから。外部足場に関しては、グリーンネットが張ってあったかな。つり足場は……の、そこに後からグリーンのネットがちょっとかぶってきたような、そんな時代だったはずだから、今なんか、すごい恵まれていますね。
 高層に行ってみんなが安心して仕事できるのは、ネットで下が見えないからだと言います。現実に、だからあれで恐怖感がなくなると言いますね。メッシュとか張っちゃうと、後ろが見えないじゃないですか。こっちも層間ネット張ったって、下が見えないじゃないですか。恐怖感がない。だから、気が抜けちゃう部分があるのですね。安全帯しない、掛けないに慣れてしまってて、掛ける努力もしてくれないということが1つ問題があるのかなと、逆に思います。
○小林座長 先ほどのいわば単位作業だという、そんな言葉を出されて。すると、そういう方だと、ちょっと感じられたか、あるいは考えていらっしゃるかなと思うのですが、例えば、足場を組むときの足場の種類によって、体に対する負荷がかなり違うなという、そんな感じというのはおありですか。疲労と言い換えてもいいかもしれないけれども。
○水永鳶工職長 それは若いときと比べると、確かに筋力も落ちてますから、一緒にはできませんけど。やはり、その単体のものを持つ持ち方に慣れているときと、慣れていないときというのが自分の中にあって。始めたころというのは、ものの重心をどこに持っていくかがわからないし、重心がどこかもわからないわけです。例えばパイプ1本担ぐにしても、重心が前だったり、後ろだったり、ちゃんとこういない。そのうち慣れてくると、肩に置いたままこうやって歩いている、両手放しでというのもできるようになった。そこで初めて、前に行くときは前にあったほうがいいんだなとか。あと何本か持ったときに、荷崩れしないように手をかけますね。そうしたときは手の重さ分、後ろがちょっと重いほうがずらしたほうがいいのかなというのも覚えました。わく組足場というのは、ここと、ここが重心なんだなというのはやはり初めて持つとわからないじゃないですか。ああ、ここが重心なんだと。
 あと布板を何枚まで担げるかなとかやったときに、どこまで、7枚担いだのかな。そのときはやはりここの指がどこにかかっていれば持ち上げられるとかという、そういう体感、体験をずっとしてくる時間的余裕もあったのですけど。
○小林座長 だから、そういう各部材があって、あるいは持ち方みたいなものもあってということのほかに、例えば単管の足場とわく組の足場という大きく括ったときの違いというのは感じたことはありますか。
○水永鳶工職長 そうですね、今の仲間と、若い子たちと組むときは、やはりわく組のほうが、何も教えなくていいですから。何でかというと、もうパーツが決まっていて、それはそこにしかはまらないじゃないですか。だから、別に何も言わなくていいのですけれど、単管で組む足場って、彼らイメージできないから、何をどうしていいかわからないところから始まって、図面を見せても理解できないし、やって見せて、その理屈がわからないから、なおさらスローモーションになっちゃうというか。インパクト持っていても、うまく進まないですね。それが現実です。まあ、手すり付けるとか、そういうような単純作業はいけるのですけれど、本当に単管で、例えば、いまあまり組まないですけれど地足場と呼ばれる、地中梁のハイキ用の足場とかね、全面的に組むような仕事というのは経験がないので、どういうふうにやっていいかわからないと言う人のほうが多いですね。それ説明するのも面倒くさいし。
○小林座長 そろそろ時間ですが、全体としてのアクセスさんのほうも含めて、質問よろしいでしょうか。いま専門工事の方からもいろいろお話伺いましたけれども、アクセスさんのほうから何か付け加えるようなことはおありですか。
○小野理事長 先ほど才賀さんのほうからスカイツリーね、あんな危ない仕事を無事故だと言われて、私もうれしいのですけれど。私自身もあそこで現場監督やっているし、ええ。あそこは4社でやっているのですよ、鳶3社と。もう常時あれ張り付いてね、空中サーカスまがいの仕事、一切ゼロにしています。すべて足場から足場でも完璧な形で渡れるようにしているし、タバかけ足場まできちんと用意しているし、というか先付工法しているのですね、足場の。発射台があって、それで待ち受け足場があってというようなことですよ。だから、危険作業、あのサーカスまがいのような、あれ一切禁止していますので。
 いずれにしても才賀さんの関係者も入っているでしょうけれど。とにかくみんな一致団結して、安全第一でやっているのですね。ですから確かに危ない仕事です。しかしながら、安全にやっていますということなのですね。やればできるということです。だから安全帯優先じゃないのです、あそこは。安全帯を使うのは当たり前ですけど、安全帯を使う前に安全整備をしようと、そういう環境づくりが先、というのを最初にしています。
○小林座長 質問よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。アクセスのほうも、いろいろと皆さん、ありがとうございました。
 ヒアリングという形は終了させていただきたいと思いますが、事務局から今後のスケジュールについて。
○船井技術審査官 今後のスケジュールといたしまして、次回第4回の検討会ということになりますが、前回と今回で業界団体とのヒアリングをさせていただきましたが、そういった議論について、議事録作成とか、論点の整理とか、あと追加分析もございます。作業の時間をいただきまして、また別途日程については調整をさせていただきまして、開催ということにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○小林座長 ちょっと時間がかかるのですね。その間、また気がついたご指摘、作っていただいている報告書についても何かご意見、あるいは気がついたところがございましたら、事務局に知らせていただきたいと思います。そういうことで、よろしいですね。
○田中建設安全対策室長 はい。
○小林座長 これで終わりになります。本日は、どうもありがとうございました。
○田中安全課長 本日は第2ラウンドのヒアリングということで、関係者の皆さま方、お忙しい中お集まりいただきまして、またご協力いただきまして、本当にありがとうございました。今日いろいろと貴重なお話も伺いました。これを参考にして、先ほども話しましたように、データー等の整理をし、正す点は正して、議論をまた深めていきたいと思っております。次回の検討に少し時間がかかるかもしれませんが、またご参集をお願いしたいと思います。本日は本当にありがとうございました。


(了)
<照会先>

労働基準局安全衛生部安全課

建設安全対策室: 03(5253)1111(内線5489)

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