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2010年10月26日 第82回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

労働基準局労働条件政策課

○日時

平成22年10月26日(月)
10時00分〜12時00分


○場所

中央合同庁舎第5号館
厚生労働省専用第21会議室(17階)


○議題

2010年10月26日 第82回労働政策審議会労働条件分科会 議事録

・日時
 平成22年10月26日(火)10時00分〜12時00分

・場所
 厚生労働省専用第21会議室(17階)

・出席者
【公益代表委員】
 荒木委員、岩村委員、田島委員、廣見委員、村中委員

【労働者代表委員】
 工藤委員、島田委員、新谷委員、中島委員、八野委員、宮本委員、安永委員

【使用者代表委員】
 伊丹委員、高尾委員、田中委員、三浦委員、輪島委員、渡邊委員

【事務局】
 金子労働基準局長、渡延審議官、前田総務課長、田中労働条件政策課長、
青山労働条件政策課調査官

・議題
 1 有期労働契約について
 2 その他

・議事
○岩村会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第82回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催させていただきます。
 今日は公益代表委員の大沢委員、守島委員、使用者代表委員の近藤委員が御欠席でございます。
 今日の議題に入る前に、前回当分科会を開催しまして以来、委員及び事務局に異動、組織の改編がございました。そこで定足数と併せまして、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 前回分科会以降、新しく委員に御就任された方を御紹介させていただきます。なお、資料No.1として委員名簿をお配りしておりますので、御参照願います。
 公益委員代表として、岡部喜代子委員に代わりまして、さわやか法律事務所弁護士の田島優子委員が就任されております。
○田島委員 弁護士の田島でございます。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 次に労働者代表として、基幹労連中央執行委員長の神津里季生委員に代わり、基幹労連事務局長の工藤智司委員が御就任にされております。
○工藤委員 基幹労連の工藤です。どうぞよろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それから、JAM副書記長の小山正樹委員に代わり、JAM副書記長の宮本礼一委員が御就任されております。
○宮本委員 宮本でございます。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 次に定足数の確認でございますが、労働政策審議会令第9条により、委員全体の3分の2以上の出席または公労使各側委員の3分の1以上の出席が必要とされておりますが、本日はいずれの数も上回っております。定足数は満たされておりますことを御報告申し上げます。
 また、今般、8月5日付組織改編に伴う人事異動によりまして、労働条件政策課長を拝命いたしました私、田中が事務局として加わることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 組織改編については、総務課長から説明します。
○前田総務課長 労働基準局総務課長でございます。
 組織の改編についてお配りしております資料の後ろから2枚目の参考No.1というものをご覧いただきたいと存じます。
 8月5日付で厚生労働省の内部組織が一部改正され、職業安定局に派遣・有期労働対策部という、いわゆる非正規労働者全体のとりまとめを行うような組織ができております。併せて、労働基準局において一部組織が変更になっております。
 今、田中課長が申しましたように、労働条件政策課が新たにできまして、労働条件分科会の事務は労働条件政策課で扱うということでありますが、労働条件政策課におきましては、労働基準法の企画立案とか今日の議題にあります有期労働契約あるいは労働契約法に関すること、従来勤労者生活部企画課でやっておりました労働時間等の設定の改善に関する特別措置法に関することなど、最低労働条件あるいはそれを上回るものも含めて労働条件に関する政策の企画立案を扱うこととしたということです。
 併せて、勤労者生活課において、財形とか中退とか労働金庫を扱う、それから、労働保険徴収課は労災補償部の中に移るという形になっています。なお、職業安定局に派遣・有期労働対策部ができましたが、最初に申し上げましたように、特に非正規について全体のとりまとめ的なことを行うということで、これから御議論いただきます有期労働契約に関する締結とか終了の問題、処遇の問題などについては、基本的には労働条件分科会で御議論いただくという形で考えております。
 次に参考No.2でございますが、労働基準監督署の内部組織の課の名称変更ということで、全国に労働基準監督署が321ございますが、そのうち比較的規模が小さいところは3課ないし2課の体制でありまして、課制のところが全国に183ございます。
 これまで3課ないし2課の監督署については、課の名称が1課、2課、3課あるいは1課、2課ということで、実際にその課で何を扱っているのかがわかりにくいという御意見もありました。10月1日からそれぞれが行っている業務がわかりやすいようにということで、名称を変更したということでございまして、3課の場合、第1課については監督課、第2課については安全衛生課、第3課については労災課ということです。2課体制の場合には第1課を監督課、第2課を労災・安衛課としました。監督署によって若干違っている場合があるわけですが、それぞれ実際に取り扱っている業務をその課の名称につけて、利用者からわかりやすいようにということで変更させていただいたということでございます。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、議事に入ることにいたします。お手元の議事次第にございますように、今日の議事の1番目は「(1)有期労働契約について」でございます。この件につきまして、まずこれまでの経過に関して事務局から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それでは、資料No.2−1、資料No.2−2、資料No.2−3によりまして、御説明をいたします。有期労働契約についてのこれまでの経緯についてでございます。
 まず資料No.2−1でございますが、平成15年の労働基準法の一部改正は、下の※にありますように、有期労働契約の期間の上限の延長、解雇に係る規定の整備等を措置したものですけれども、労働基準法の一部改正によりまして、それまで原則1年であった有期労働契約の期間の上限が原則3年、職務によりましては5年という形で延長されたわけでございますが、その際の改正法附則にごらんのような検討規定が設けられております。「政府は、この法律の施行後3年を経過した場合において、この法律による改正後の労働基準法第14条の規定について、その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされております。
 労働基準法第14条の規定につきましては、資料No.2−3の参照条文に付けさせていただいております。冒頭にございますが、労働基準法第14条でございます。第14条の1項に労働契約の期間は3年あるいは次のいずれかに該当する労働契約にあっては5年という形で現在定まっておりますけれども、この部分についての見直し、検討規定でございます。この法律が施行されたのが平成16年1月でございますので、平成19年1月をもって3年を経過しております。そういう状況でありますので、現在、当該規定について検討を必要とする状況となっております。
 次に資料No.2−2でございます。これは労働政策審議会答申、過去の当分科会報告の抜粋でございますけれども、平成18年12月27日に、今後の労働契約法制及び労働時間法制の在り方について御答申をいただいた際のものでございます。
 ここに抜粋を掲げておりますけれども、労働契約法制のうち期間の定めのある労働契約について(1)〜(3)まで具体的な方向性をお示しいただくとともに、それ以外の点について「また書き」が加えられております。「また、有期契約労働者については、今回講ずることとなる上記(1)から(3)までの施策以外の事項については、就業構造全体に及ぼす影響も考慮し、有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるようにするという観点も踏まえつつ、引き続き検討することが適当である。」とされております。
 また、「なお書き」は労働者代表委員からの意見について記載されているものでございます。
 備考は事務局で付加させていただきましたけれども、上の(1)(2)につきましては、既に労働契約法第17条に規定を置いております。法文化されております。上記の(3)につきましては、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(厚生労働省告示)」の改正をもって措置されておる状況でございます。
 以上、過去の経緯について御説明申し上げました。
○岩村会長 今、事務局から御説明いただきましたように、有期労働契約につきましては就業構造全体に及ぼす影響も考慮し、有期労働契約が良好な雇用形態として活用されるようにするという観点も踏まえつつ、引き続き検討することが適当であるということで、この分科会に引き続き議論が託されている。そういう検討課題になります。
 有期労働契約につきましては、そのルールづくりの必要性などにつきまして、世間からも強い関心が寄せられている課題であると私自身も思っております。ただ、この課題は論点が多岐にわたるものである上、労働市場に与える影響も大きいものであると思います。そこで、この分科会としましては、少し腰を据えて検討を進めていくことになると考えております。
 議論に入ります前に、検討のスケジュール(案)について、私から事務局にお願いをしましてつくっていただいたものがございますので、それについてまず先に事務局から説明をいただきます。その後で皆様から御意見をちょうだいするということで進めさせていただきたいと思います。
 それでは、検討のスケジュール(案)につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それでは、資料No.3をごらんいただきたいと思います。「検討のスケジュール(案)」ということで、次回以降のスケジュールの案として作成させていただいております。
 まず次回につきましては、11月下旬から12月に1回設定するということで、その際の議題については有期労働契約の現状等(総論)についてということであります。具体的には有期労働契約がどのように国内で使われているかという実態、諸外国の有期労働契約法制など現状を中心に御説明をさせていただきたいと思っております。
 次々回につきましては、年明けの1月にしてはどうかということでございます。有期労働契約をめぐる課題等(総論)ということで、現状を踏まえた有期労働契約をめぐる課題について全体的に御議論をいただければと思います。併せて、その次以降に具体的にどのような項目について検討すべきかという各論の項目についても一定の御議論をいただければと思います。
 3つ目の○は平成23年2月以降でございますが、各論の検討項目について順次検討を行っていただいてはどうかと考えております。
 4つ目の○は平成23年夏ごろとさせていただいておりますけれども、検討項目に関する議論が一巡した辺りに、議論の中間的整理をしてはどうかと考えております。
 最後に平成23年12月ごろとして、有期労働契約に関する議論のとりまとめを建議という形でいただきたいと考えております。
 以上が検討のスケジュール(案)でございます。
○岩村会長 課長、新成長戦略についてもお願いします。
○田中労働条件政策課長 すみません。裏をごらんいただきたいと思います。これは本年6月18日に閣議決定をした新成長戦略、内閣としての今後の成長戦略をまとめた文書でございます。その中に有期労働契約に関する検討の工程が含まれておりますので、御説明をいたします。
 成長戦略実行計画(工程表)の中の雇用・人材戦略の中に同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇の推進というパートがあり、その中に2010年に実施する事項として「有期労働契約に係る労働政策審議会での検討開始」ということが掲げられ、次の2011年度に実施すべき事項として「労働政策審議会において結論、所要の見直し措置」ということが掲げられております。
 事務局としては、こうした閣議決定の内容も考慮しながらスケジュール(案)を作成させていただきました。よろしくお願いいたします。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、今、事務局から御説明いただきました有期労働契約についての検討を開始すること、そして、その際のスケジュール(案)について御意見などがございましたら、お願いをしたいと思います。
 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 まず質問ですけれども、今の事務局の御説明の資料No.3の2枚目の新成長戦略に書かれている2010年度に実施する事項ということで検討開始と書かれているものが、今日といいますか、これからというか、これで検討を開始するということを意味していて、次の左側の枠の2011年度で結論、所要の見直しの措置ということを踏まえて資料No.3の1ページ目を分科会長の御指導でつくったという意味と理解してよろしいんですか。
○岩村会長 事務局お願いします。
○田中労働条件政策課長 さようでございます。
○輪島委員 6月18日に閣議決定をされているものでございまして、それはいかがなものかという位置づけでもないと思いますが、多少外堀が埋まっているという感じがあって、スケジュール感がリジットに決まっているというのは違和感がないわけではありませんけれども、それに従って議論を進めていくということについては、それで対応してまいりたいと思っております。
 ただ、1点お願いをしたいのは、今、分科会長から御説明があったとおり、有期の関係は大分いろんな論点があるのではないかと思います。ここに示されているスケジュール感でありますけれども、私どもとしても全体として協力をして議論に参画をしてまいりたいと思いますが、多少スケジュール的な柔軟性といいますか、臨機応変な御対応というものが将来的にあり得るようであれば、その点も含んで見守っていただきたいというお願いでございます。
 以上でございます。
○岩村会長 後段は御意見ということで承ります。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今回の労働条件分科会におきまして、有期労働契約についての審議をスタートするに当たって、労働者側からも意見を一言申し上げたいと思っております。
 有期労働契約は後ほど御説明があるかと思いますけれども、研究会でも研究をまとめられていますし、それに伴ってアンケート調査等々も実施されています。有期契約労働者は、数が増えているということもありますし、有期労働契約で働いておられる労働者の方については雇用の不安定さであるとか、処遇の低さが問題だと思っております。特に有期労働契約はまさしく雇用期間が定まっておりますので、その期間が満了したときに、次に雇われるか、雇われないかといういわゆる雇い止めの問題も大きな問題をはらんでおります。有期労働契約の方々は雇い止めを恐れて、まさしく労働者の正当な権利である、例えば年次有給休暇であるとか産休や育児休業などについても取れないといった問題もございます。
 私どもの方に寄せられている相談の事例などを見ても、憲法28条で守られている労働基本権である団結権についても、これを行使しようとしたところ、それをもって雇い止めをされるといった事例もございます。
 厚生労働省の有期労働契約のアンケート結果でも、自分または同僚が雇い止めに遭ったことがあるという回答は50%に達していますし、年収が100万から200万以下という方が31%ということになっております。有期労働契約で働いている理由も、正社員としての働き口がなかったという方が4割近くおられるという状況にございまして、有期労働契約は、本当にさまざまな問題をはらんでいると私どもは認識しております。
 ただ、有期労働契約で働いておられる方も多様な類型の方がおられると思いますので、そういったさまざまな類型ごとにきめの細かな対応が必要ではないかと思っているところでございます。そういった意味では、今回、労働条件分科会において有期労働契約の論議を行うということについては、私どもとしては前向きにとらえたいと思っております。勿論、有期労働契約の存在であるとか必要性そのものをすべて否定することではございませんけれども、私ども労働側といたしましては、雇用の原則というものはやはり期間の定めのない直接雇用であるべきだと考えております。
 現在の有期労働契約の企業における活用のされ方を見ますと、需要変動のリスクとリターン、処遇について、普通はリスクとリターンはバランスをするということでありますけれども、現在はリスクもリターンもどちらも労働者側がリスクを負っているという現状ではないかと思っております。働く者がそれぞれの能力を高めながら安心して働き続けられる基盤をいかにつくっていくかということが、この審議会に期待されていることだと思います。非常に難しい課題をはらんでいると思いますけれども、今後こういう視点から有期労働契約の規律の在り方について真摯な論議を私どももさせていただきたいと思っております。
 以上であります。
○岩村会長 ありがとうございました。
 渡邊委員、お願いいたします。
○渡邊委員 政府の閣議決定にとやかく言うことはないんですけれども、若干違和感があるのはほとんど結論が出ているような書き方があるのと、もう一つは雇用が成長を生むという感じで書かれているんですが、これは逆ではないでしょうか。成長が雇用を生むのではないかと思うんですが、その辺は若干の意見ということです。
 意見としては、ここ数年、労働基準法の改正や労働契約法の制定を始め労働に関する法律が次々と強化されておりまして、それぞれの審議会でも申し上げておりますけれども、こうした動きは企業経営に影響を与え、結果として雇用を失うことになりかねないと思っています。これから有期労働契約の在り方について検討するに当たりまして、同じ心配をしております。
 こうした心配は私の関連会社、知っている会社でも一部現実となっておりまして、例えば各地の労働基準監督署の方で有期労働契約を正社員へ転換するという指導が行われておりまして、こうした当社の関連会社では労働派遣法の改正案に製造業務の派遣の禁止が盛り込まれていることから、派遣労働者の正社員化を進めて大半は正社員に転換しておりますけれども、派遣労働者、有期雇用の労働者の2〜3割の方については、契約期間が終わった時点で雇用契約終了ということをせざるを得なかったと思っています。理由は、企業は最大限の需要を想定して人員を配置するということは困難であることに加えて、派遣労働者本人が派遣という働き方を選んだためと聞いております。そういうことで、労働法制の強化ということが、かえって雇用を減らしてしまったのではないかと思っている次第でございます。
 また、幾つかの企業では有期雇用を雇うというのはなかなか厳しいということで、正社員のいわゆる残業で対応するということで、これはこの法律の精神と若干逆行しているのではないかと思っています。有期労働契約についても企業や雇用の実態を十分に踏まえないまま拙速に規制強化を行えば、結果として雇用に悪影響を与えるということは十分に考えられると思っています。
 我が国の経済はこれからも先行きが大変不透明だということで、正社員を幾ら雇うかということは企業も予想がつかないということでございまして、そういう不透明な時代でございますので、是非有期労働の議論を進める際に企業の経営や雇用に与える影響を十分に検討して、慎重な議論を進めていただきたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 八野委員、どうぞ。
○八野委員 今、提起されているのは検討のスケジュールということでよろしいですか。
○岩村会長 そうでございます。
○八野委員 それでは、検討のスケジュールということで少し意見を言わせていただきたいと思います。
 今、各委員からさまざまな意見が出ているように、有期労働契約の規律の在り方については、先ほど分科会長が言われたように論点が多岐にわたっているということだと思います。ただ、ここに集まっているメンバーに課せられているのは、やはり有期労働契約の将来をどのようにしていくのかということだと考えております。
 今の日本社会の雇用労働者のうちの3分の1は非正規が占めています。しかし、有期労働契約の規律の在り方に関しては、まだ不確かである。そういう意味では、ここにいる公労使のメンバーが実態を把握して共通の認識を持って議論することが非常に重要だと思っています。有期労働契約の中でも契約がさまざまに多様化しておりますし、その中で働いているものたちの視点から見れば、労働問題または雇用問題、将来への不安というものを抱いています。そういう人たちが安心して生活できる環境をどのようにつくっていくのかということは非常に重要なことだと認識しています。ですから、共通の認識を持つという部分について、是非時間をかけて議論していただきたいと思っております。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。重要な御指摘だと思います。
 そのほかにいかがでございましょうか。スケジュールなどについてございますか。三浦委員、どうぞ。
○三浦委員 中小企業においても有期労働者というのはかなりの数がおりまして、その労働条件というのは重要な問題だと認識しております。ただ、先ほどの座長のお話にもありましたように、有期労働についての制度変更になるわけなので、それはかなり大きな影響を中小企業に与えるということが考えられます。
 したがいまして、今、実態を把握して共通認識をというお話がありましたけれども、制度変更が与える影響についても十分に実態あるいは影響の大きさというものを把握して、共通認識を持つということで議論をしていくようにしていただきたいと思います。
○岩村会長 ありがとうございます。
 そのほかにスケジュールについてございますか。中島委員、どうぞ。
○中島委員 私から少し違う観点で、今後のスケジュールについて意見を言わせていただきたいと思います。
 次回に提示される予定になっております諸外国の法制等の話なのですが、これは法体系全体の中での有期労働契約の規律の位置づけや運用状況についても全体を見て議論する必要があると思いますので、そのような資料の提示をお願いしたいというのが1点でございます。
 もう一点は、近隣の領域としてパートタイム労働法の施行状況についても併せて教えていただきたいと思っています。特に紛争解決の援助、例えば21条とか、22条とか23条などで調停の仕組みが規定されましたが、その運用状況はその後どうなっているのかということや、8条や9条に関する状況についても是非次回以降情報提供をいただき検討させていただきたいと思います。
 以上です。
○岩村会長 事務局はいかがでしょうか。
○田中労働条件政策課長 資料については、できる限り準備するようにしたいと思います。
○岩村会長 よろしくお願いいたします。
 新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 今、私どもの方からスケジュールの点で何点か申し上げておりますが、資料No.3でいきますと、次回が現状の把握ということで実態について議論しようということになっていて、次々回から各論を含めての論議が始まるというスケジュールになっているわけであります。しかし、私どもからも申し上げておりますように、また座長からお話がありましたように、有期労働契約は雇用システム全体に与える影響も大きく、座長からも腰を据えて論議するべきだという御提案をいただいておりますので、やはり労使が共通認識を持つための現状の把握というところは十分に時間をかけた方が、後々の論議が円滑に進むのではないかと思っております。
 そういった意味では、次回1回限りで現状把握が終わるということではなくて、そこで足りなければ次々回も現状についての論議をするといった柔軟なスケジュール管理をすべきではないかと思っておりますので、進行を見ながら進めていただければありがたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。私も事務局と相談しながら、柔軟にできるところは進めていけるように考えていきたいと思います。
 それでは、輪島委員、八野委員ということでお願いいたします。
○輪島委員 今、新谷委員がおっしゃったとおりで、同じだと思います。
 また、八野委員がおっしゃったとおり、共通の認識を持つことは非常に重要だろう。恐らくこれから議論をしていくと、どこの議論をしているのかというのは、立場が違うのでイメージが違った議論をお互いにして、何を言っているのかとお互いに言い合うということは余り生産的ではないと思います。
 そういう意味では、実態調査をしたものもあります。4つの分類に分けているようですけれども、例えば事由別であるとか、労働時間別であるとか、年収別であるとか、本人の意向別であるとか、いろんなものをクロスしてみて、そこのところのどこが適切に対応しなければならない部分で、どこは多少サポートすればいい部分なのかということの共通認識ができる議論が必要だろう。そのため各論になって、また総論に戻るということもあると思いますので、そういう議事運営をお願いしたいと思います。
 それから、リクエストはいいんですか。資料要求してもいいですか。
○岩村会長 どうぞ。
○輪島委員 そういう意味で、先ほどの実態調査のところはもう少しクロスも含めていろんなものを出していただきたいというのが1つです。
 2つ目は中島委員が外国法制のことをリクエストされたんですけれども、私どももそういうふうに思うんですが、法制的には恐らく理解するんですけれども、実態です。つまり、フランスであるとかドイツであるとかという法制のところで理解するものと、実際にどうなっているのかというのは実は非常にわかりにくいんです。そこのところをどういうふうにフォローするのかは、文献だけではなかなか難しいんですけれども、むしろ法制を踏まえた実態を議論する機会を是非つくっていただきたいと思っています。
 3点目は現行の法制的な整理というものをお願いしたい。後で有期研の報告書が出てから具体的にお願いをしたいと思っていますけれども、特に14条の関係で、例えば有期研の中では誤解とされておりますけれども、本当に誤解なのかどうかということも含めて雇い止め、解雇についての現行の法体系と有期と無期のところのクロスのところが、恐らく企業経営の現場もしくは実務の現場で理解の混乱があるのかどうかも含めて整理した議論をする必要があるのではないかと思っておりますので、その点、事務局には御苦労をおかけしますけれども、お願いしたいと思っています。
 以上です。
○岩村会長 多分事務局でも資料の作成等はできると思いますが、場合によってできないものもあるかもしれませんけれども、できる限り用意をさせたいと思います。
 お待たせしました。八野委員、どうぞ。
○八野委員 今、輪島委員が言われたところと少し重複するところがございます。資料の件で2点ほどお話をしておきたいと思います。
 有期労働契約の実態ということを先ほど言いました。研究会の報告書を見ますと、平成21年の有期労働契約に関する実態調査結果というものを使いながら、現状を述べられていますが、これは個人調査も行われていると思います。個人調査の結果を見ると、例えば自分または同僚が雇い止めになったことがあるという労働者は50%に達しています。このように、個人で見た場合と事業所で見た場合の認識は違います。同じ厚生労働省の調査なので、両方の調査結果やその違いも明らかにした上で議論をしていく必要があるだろうと思っているのが1点目です。
 2点目、これが最後になりますけれども、今さまざまな個別労使紛争が増加していると私たちはとらえております。有期労働契約についても雇い止めを始めとして、さまざまなトラブルが生じています。総合労働相談コーナーや紛争調整委員会、労働委員会、労働審判や通常の訴訟などでもいろいろな事例があると思います。労働審判や訴訟では費用がかかるということで、なかなか上がってこない部分もあるとも聞いておりますが、最近の判例や相談の具体事例の資料も出していただき実態を見ていく必要があるのではないかと思っております。
 以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。同じく資料のことでございますので、これも事務局に用意させたいと思います。
 スケジュールについては、大体このぐらいでよろしゅうございましょうか。
 それでは、引き続きまして、具体的な検討の範囲などですが、これについては今いろいろ御意見もありましたけれども、それは次回以降に議論することにしまして、当面はこのスケジュール(案)に沿いつつ、ある程度今日御要望がありましたので、柔軟なところも入れつつ検討を始めていきたいと考えますので、よろしくお願いしたいと思います。
 今日はまだ時間がございますので、検討を始めるに当たりまして、厚生労働省で学識経験者にお集まりいただいて、有期労働契約研究会というものを昨年2月から開催しており、今年9月にその研究会の報告書がとりまとめられたところでございます。この報告では有期労働契約に関するさまざまな論点につきまして、選択肢であるとか課題の整理というものがなされたと聞いております。そこで、事務局からこの研究会の報告につきまして説明をお願いしたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
 それでは、事務局から説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○青山調査官 労働条件政策課調査官の青山でございます。
 私から御説明させていただきます。
 資料はNo.4−1〜No.4−5まで、有期労働契約研究会報告書について用意させていただいております。
 中身に入る前に経緯を申しますと、資料No.2でも御説明いたしましたような過去の検討条項や労政審の答申における提言も踏まえまして、有期労働契約の検討の方向性について検討するため、平成21年2月から労働基準局長において学識経験者の参集を求めて有期労働契約研究会を開催いたしました。この研究会は平成22年8月までに18回の会合を開催いたしまして、実態調査やヒアリングによる実態の把握、外国法制の研究などをしながら論点について議論をいただき、今年9月に報告書をとりまとめていただいたところでございます。
 その報告書でございますが、資料No.4のシリーズの中で、本文は資料No.4−2でございますが、分量もございますし、時間の都合上、資料No.4−1の横置きのポイントで御説明させていただきたいと思います。また、資料の中で報告書が示す論点とか論点に関わる施策の選択肢について、有期労働契約のどのような段階に関わるかということについては、資料No.4−3という図の1枚紙で示したものもございますので、御参照いただきながら御説明をお聞きいただければと思います。
 それでは、資料No.4−1に沿いまして、御説明させていただきます。有期労働契約研究会報告書は、総論と各論からなっております。各論の方は各論点の柱ごとに考え得る政策の選択肢を提示しまして、それぞれの選択肢についての課題などを広く整理したものとなっております。
 各論の前の総論でございます。1ページでございます。「1.現状と課題」でございます。有期契約労働者は労使の多様なニーズにより増加して、多様な集団になった。
 多様な集団になったということで関連していることがございます。2つ目の○にありますように、有期研でやりました調査でも4つの職務タイプに分けて調査いたしました。正社員同様職務型、高度技能活用型、職務が違うが同水準型、軽易の職務型ということで、正社員との比較における職務のタイプに区分して実態を調査しましたところ、タイプごとの多様性が明らかになりました。更に年齢とか就業形態、具体的には契約社員、期間工、パート、嘱託等の形態によっても実態が異なることもわかってまいりました。そういう多様性を踏まえた対応の必要性があるということも現状として認識されております。
 そうした中で、特に恒常的な業務にも有期労働契約が活用され、相当の継続をしている人も多い中で、一方で昨今のリーマンショック後の景気低迷の中でも非正規切りと言われた雇止めの頻発による雇用不安といった問題も踏まえて、有期労働契約の課題としては雇用の不安定という問題、正社員との待遇等の格差、それらを背景にした職業能力形成が不十分等の課題があったということでございます。一方、我が国は今後労働力供給が制約されるという時代になりますので、有期労働契約者についても公正な処遇の下で能力形成が促進されて、充実した職業生活を送ることができるようになることが必要と整理されております。
 そういうことを踏まえまして、考え方としましては、四角囲みのところにあるのですが「雇用の安定、公正な待遇等を確保するため、契約の締結時から終了に至るまでを視野に入れて、有期労働契約の不合理・不適正な利用を防止するとの視点を持ちつつ、有期労働契約法制の整備を含め、ルールや雇用・労働条件管理の在り方を検討し、方向性を示すことが課題」という形で1つの総論としての考え方を示しております。
 総論の2は今後各論を検討するに当たっての留意点的な考え方を整理したものでございまして、1つ目の○にありますように、雇用の安定、公正な待遇等というのは先ほども申し上げましたけれども、有期労働契約について安定的雇用へのステップという役割を果たし得る役割等にも留意しましょうということ。
 2番目は、需要変動等に伴う経営リスクへ対応するといった柔軟性への要請が企業側からあるけれども、そういうリスク負担を労使間でどうするかという問題とか、正社員と有期の間での在り方等の公正さにも配慮しましょうという視点。
 あと、多様な正社員の環境整備など有期契約労働者以外の労働者との関係も視野に入れましょうということ。
 ルールをつくるに当たっては、労使にとって予測可能性を向上することが重要であるということ。それによって紛争予防をするということでございますが、そういう視点なども必要だという議論が併せてされております。
 こういう総論を踏まえまして、各論で論点を整理しております。
 各論は2枚目以降でございます。
 各論の1つ目は「【各論1】締結事由の規制、更新回数や利用可能期間に係るルール、雇止め法理(解雇権濫用法理の類推適用の法理)の明確化」とあります。これはタイトルが長いんですが、要すれば有期労働契約の締結の時点と更新や継続という場面、雇止めの場面それぞれでどういうルール化をするかという視点の論点でございます。
 この論点につきましては、?@〜?Bという選択として3つの類型を掲げております。これはあくまでも選択肢ということでございますが、有期労働契約の不合理・不適正な利用を防止するという視点に立ちまして、こうした選択肢について課題、効果、影響を念頭に置きながら、今後政策の立案に関わる関係者において適切に判断されることが望まれると研究会の意思を示しております。
 選択肢を順に御説明いたします。
 選択肢の1番目は、締結事由の規制でございます。これは有期労働契約の締結の時点で利用可能な事由を限定するものでございます。イメージとして1つ例示を申し上げますと、我が国では現在こういう規制はないんですが、外国ではフランスでこういう規制を講じておりまして、一時的な事業活動とか、季節的、一時的な業務などに限り有期労働契約が締結できるとし、それに該当しない場合には無期労働契約でなければならないという規制でございます。
 これについて議論したところ、幾つか課題が出てきております。
 1つ目が我が国における有期労働契約が安定雇用へのステップになり得るなどの機能を踏まえれば、締結事由の規制を講じた場合に新規雇用の抑制にならないか。ひいては企業の海外移転につながらないかという懸念が考えられました。
 実際にフランス以外にもドイツ、スウェーデン等でこういう規制を講じていたところですが、ドイツ、スウェーデン等で労働市場の硬直化等の状況が生じて、締結事由の規制を緩和したという実例も報告されております。
 あと、この規制を講ずる場合に締結事由に該当するとして使用者の方が有期契約を結んだとしても、本当にそれが法律上の事由に該当するのかについて紛争が生じ得るということで、そういう意味で予測可能性の確保の点で課題ではないか等の問題も提起されました。
 1つ目の選択肢は以上のような課題が整理されております。
 2つ目が更新回数や利用可能期間に係るルールでございます。これは有期契約を何回更新するか、更新して通算何年継続雇用するかという回数や年数についてのルールでございます。具体的には一定年限とか回数で上限を決めまして、その区切りを超える場合に無期労働契約と同様あるいはそれに類するルールを適用しようという考えでございます。そういう区切りを超える場合に、無期労働契約との公平とか雇用の安定等の観点から、無期に近い形にした方がいいのではないかという考えに基づくものでございます。これは?@のルールに比べますと、有期労働契約の利用を基本的に認めた上で、利用状況に応じた濫用を排除するものでございます。
 これにつきましても、種々課題が整理されました。
 1つ目は検討すべき課題ということであると思いますが、今、区切りを超えた場合に無期と類するルールと申しましたが、どういうルールにするのか。イギリス、ドイツ等の外国では区切りを設けたルールを持っておりまして、区切りを超えて引き続き雇用する場合には無期労働契約とみなすという法律になっております。そういう方式がいいのか。ただ、労働者の承諾の余地がある無期労働契約へ変更を申し込んだものとみなすという形にするのかなど、無期労働契約の変更ということではないが、無期に適用されている解雇権濫用法理と同様のルールをその後の雇い止めに用いるなどのさまざまな選択肢を含めて考えるべきだろうという議論がございました。
 もう一点、年数、回数と申し上げていますが、有期労働契約研究会でも何回、何年が適切であるという結論は出しておりません。年数、回数は妥当なものに設定されるべきという議論でございましたが、いろいろ実態などを把握するにつれ、それらの在り方については業種、職種、就業形態等の属性でふさわしいものが多様なのではないかということが判明してきました。短い一定の年限で継続をやめている業態もあれば、かなり長い期間継続していることが常態となっている業態もあるということがわかってきております。そういうことで、これは多様性への対処が必要であるという議論になりました。これは諸外国で講じられているような法律上のルールを集団的な労使合意で、一部修正できるという例も参考にしながら検討しようという提案もされております。
 ?Aのルールの課題の3つ目ですが、何年、何回という条件を設けた場合、企業からその直前に雇い止めを誘発するということが副作用として懸念されるということがありまして、韓国で最近同様の規制を設けて雇い止めの事例もあったということも踏まえて、引き続き検討するということが議論されております。
 2ページは以上でございます。
 3ページにいきまして、各論1の3つ目の選択肢でございます。これは雇止め法理の明確化とありますが、現在の裁判法理として有期労働契約が更新を重ねた場合の雇止めについて、一定の場合には無期の解雇について適用される解雇権濫用法理と同じ考え方を適用して、合理性がない場合には無効とするという考え方が定着しております。これは雇止め法理と呼びますが、今これが判例法理で定着していて、それが実務で用いられているということなんですが、それを法律に規定することによって、より規範性を高めようという議論もされました。
 課題でございますが、現在の雇止め法理が個々の事案に応じて総合的に判断した柔軟な処理をしておりますので、妥当な個々の事案に応じていますが、事前の予測可能性には欠けるという面がありますので、そこをどう補足するかというところが課題として提案されました。
 各論1は以上でございます。
 各論2でございます。均衡待遇、正社員への転換でございます。これは有期労働者と正社員との待遇の均衡等の問題、また、有期労働契約者を正社員への転換を推進するという視点でございます。労働条件の格差やステップアップが見込めないという実態が把握されておりますので、それを基に議論されておりますが、折しもパートタイムにつきましては、既にパートタイム労働法で均衡待遇、正社員への転換を推進する仕組みがございますので、それも参考に議論がなされました。
 1つ目の待遇の部分でございますけれども、正社員との均衡のとれた待遇という場合、正社員と就業の実態が同視し得る者は均等待遇、差別を禁止するようなことはふさわしいが、そうでない人にも一定のバランスのとれた待遇、均衡な待遇を求めるという措置であれば、多様な労働者を対象に実情に即した対応が可能ではないかということでございまして、これがまさにパートタイム労働法でとっている仕組みでございます。
 一方、EU諸国にあるやり方として、有期労働契約者であることを理由にした合理性のない不利益取扱いをしてはならない、それを禁止するということを法律に書き、それを裁判だけで処理させるという方式もあります。ただ、我が国は一般的に職務給体系となっていない点で諸外国と異なることを考えると、何をもって正社員と比較するのか、何をもって差別なのかについて判断に困難を来す等の懸念が示されたところでございます。実行性に懸念が示されたところでございます。
 2つ目の雇用の安定、能力形成促進のための正社員の転換の論点でございます。
 これは雇用の安定等の観点から、正社員になる機会を提供するといった企業による正社員転換措置を義務づけたり、制度導入へのインセンティブを付与することを検討すべきだということに議論がなりました。
 ただ、この場合、正社員というものは直接雇用、無期で、長期雇用で相当の処遇を受けるという正規型の正社員をこれまでは言ってきておりますが、そういう正社員に一挙に転換するということはハードルが高く、労働者が望まない場合もあり得るということで、従来型の正社員への転換のほかに、勤務地限定、職種限定の無期労働契約などの多様な雇用モデルも労使が選択し得るよう視野に入れてもいいのではないかという議論もございまして、そういうことも含めた正社員転換措置の在り方について検討ということで提案されております。
 各論2は以上でございます。
 最後の1枚紙でございますが、各論3でございます。有期労働契約研究会報告書は全体で第2から第6まで論点がありますが、今、申したものの残りをこちらの方にまとめております。
 1つ目は契約締結時の手続等の問題でございまして、現在、有期労働契約の締結に当たっての手続として、更新する可能性があるかどうか、可能性がある場合にはどういう判断基準で更新するかを示すよう、労基法に基づく大臣告示で指導しているところでございます。今これは告示でございますが、法律事項に格上げすることはどうかという検討もなされました。
 同時に締結時点の規制として、使用者が労働条件を労働者に示さなければいけないものの1つに有期労働契約の場合については、契約期間というものがございます。契約期間の書面明示は労基法上の明示義務があり、違反すると罰則がかかりますし、指導されますが、書面明示がない場合、例えば民事的にも一定の無期労働契約とみなすとか推定するといった効果の付与の在り方についても検討されました。これは現状にはない規制でもございますので、書面明示を行うべき時点をすぐにするのか、一定の猶予を置くのかも含めて検討を引き続きするという課題となっております。
 2つ目の○は、主に契約終了時の手続等の問題でございます。先ほどの締結時の手続と同様に雇止め時にも一定の場合には、1か月以内に雇止め予告をするということを告示で規定し指導をしておりますが、これについても法定事項にすることについての検討がございます。
 更に現在の制度にはございませんが、解雇の予告手当が労基法にありますが、それも参考にしつつ予告手当の在り方をどうするかということも議論されましたし、それとは別に有期労働契約の終了をとらまえた手当を使用者に義務づけることはどうかという議論もされております。フランスにおきまして、有期が不安定雇用であるということを踏まえた不安定雇用の保障という趣旨で使用者に義務付けているという事例がありまして、それも参考に議論しておりますが、どういう趣旨で義務付けをするのかも含めた検討が更に必要だということで、課題となっております。
 最後の○でございますが、有期労働契約の1回の契約期間、先ほど言いました労基法14条に基づく原則3年という上限でございますが、これを見直すかどうかにつきましては、有期研での現状把握の時点では延長するニーズというものは労使から把握されておりませんので、現状の上限維持が1つの方向であるという議論がされました。
 労基法14条に関して付けられている暫定措置として、1年経過後は労働者がいつでも退職できるというものがございますが、これについては両者を拘束するという有期契約の本質の観点で役割を終えたものと考えてよいか更に議論すべきと提案しております。
 内容は以上でございます。
 この資料の残りですが、資料No.4−2は先ほど言いました本文でございます。
 資料No.4−3は、有期労働契約の場面でどのように関わってくるのか、それを正規、無期労働契約と比較してどうかというものを図式化したものです。
 資料No.4−4は、有期労働契約研究会の開催要綱で、資料No.4−4の裏に参集者の一覧がございます。鎌田耕一先生を座長とする8名の学識経験者からなっております。
 資料No.4−5は、18回の有期研の開催経過でございますので、御参照いただけば幸いです。
 私からは以上でございます。
○岩村会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明いただきました有期労働契約研究会の報告につきまして、御質問あるいは御意見などがございましたら、お願いしたいと思います。
 島田委員、どうぞ。
○島田委員 質問する前に1つ確認なんですが、研究会の報告の内容的としては、両論併記だったり問題点がいろいろと指摘されていると理解しました。ただ、先ほどのスケジュール、進め方にもあったように、あるいは今までの議論の仕方も含めてそうなんですけれども、労働基準局長の諮問機関の報告書が基本的にはベースになりつつあったり、問題点はこの点だからここから議論しましょう、あるいは解決策の方策はここで言われているのは3つだけれども、皆さんどう思われますかという進め方をされていくような気もします。今回の報告書はそこまでも書いてないような気もするんですけれども、一応確認としてお願いしたいのは、これを議論のベースではなくて、法律も含めたいろんな実態において学者の方々が言われている今の現実を見たときの参考資料の1つであるという位置づけだけは確認をしておいてほしい。まずこの報告書があってこの論議を進めていく、スタートする、ということではないということだけは確認をお願いしたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 事務局お願いします。
○田中労働条件政策課長 今、内容を御説明させていただきましたけれども、この研究会報告書は契約締結事由の規制、更新回数や利用可能期間に係るルール、雇い止めに係るルール、有期契約労働者と正社員との均衡待遇、正社員への転換など、もろもろ有期労働契約の締結から終了にわたる幅広い論点につきまして、学識経験者の方に、とり得る選択肢とその課題等について丁寧に整理をいただいたものとなっております。この報告書の内容にこの分科会の議論が拘束されるものではありませんけれども、こういった趣旨、内容の報告書につきましては、今後の分科会における議論において御参考としていただける内容のを含むものではないかと考えております。
○岩村会長 私自身も報告書を拝見させていただきましたけれども、内容としては有期契約に関するさまざまな論点の主なものを基本的にはきちっと挙げて、それについて実態の調査と諸外国の状況も踏まえてどういう解決策が考えられるか。これでやれということではなくて、どの解決策だとどういうメリットがあり、どういうデメリットがあるかという言わば一種の考え方の筋道みたいなものは示していただいているので、今、課長からも説明があったように、分科会がこれに拘束されるわけではありませんけれども、今後議論していく上でポイントとなる論点というのは、そういう意味では参考になるし、そうやって議論した方が効率的ではないかと私自身も思っております。
 ほかにいかがでございましょうか。輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございます。
 今の島田委員の御指摘の点は私どもも全く同じ気持ちで、参考にさせていただいて、ほかの論点もできれば出して幅広に議論をしたいと思っています。
 そこで、スケジュールからいうと次回からが議論なので、そんなに本格的に意見を言うつもりはないんですけれども、2〜3つ教えていただければという意味合いで、軽い気持ちで申し上げます。
 1つは一番最初に新谷委員が御指摘になった点で、私もそういうふうに思っていたんですけれども、一番最初もしくは中間とりまとめまでは雇用の不安定さということが非常に強調されていて、それについてどういう手立てがあるのかというところが議論の中心で、いわゆるどうやって救い上げていきましょうか、労働者保護をどういうふうにするのかというところだったという印象があります。
 本文のところでいうと5ページ目です。先ほど御説明があったように、5ページの「このような」というところ、少し協調して間があいているパラグラフでございますけれども、政策的に対応することが今は求められているというところを踏まえた上で、結果的に生じたという面もあることを踏まえて、今後契約の締結から終了に至るまでを視野に入れて、いかにして有期労働契約の不合理・不適正な利用がなされないようにするかという視点が重要となっていて、中間とりまとめには不合理・不適正という表現がなくて、最終とりまとめのところでこの言葉が出てきて、かつ報告書の中には不合理・不適正な利用という意味合いでの表現が付いていますけれども、不合理・不適正な利用というところからすると、どちらかというと雇用の不安定さというよりは、それをあのルールで、もしくは規律していきましょうということを強く感じます。つまり、中間とりまとめと最終とりまとめのところで雰囲気が変わったのか、またはプラスオンされたのかどうかというところがよくわからない点です。
 その点で事務局にお願いをしたいと思うのですが、不合理・不適正な利用という意味合いのものがどういったものなのか。これが前段の共通認識という点に通じるものだと思うんですけれども、どこが不合理・不適正なのかということをきちんと議論する必要があるのではないかと思っておりますので、そういう意味で資料的なものの整理をお願いしたいと思っております。
 2つ目ですけれども、本文では8ページ目です。「3.検討に当たっての留意事項」の1つ前の段落で、民法のところです。新谷委員は今日の午前中はこの会議で、午後はこちらの会議だと伺っておりまして、大変御苦労様でございますが、民法の議論がどういう影響になるのかというところの物の整理です。特にスケジュール感と内容、今日の午後の議論は民法の623条から633条ぐらいの雇用の部分のところが中心になるとスケジュールでは伺っていますけれども、民法の改正の施行とこちらの労働政策審議会の議論とのタイミングのずれとか、その結果によるもの、特に629条のことがありますが、629条のずれをどういうふうにするのかというスケジュール感とどちらが基本法でどちらが特別法なのかというところの議論の整理が多分必要だと思います。
 その点について、今度の有期労働契約法制の見直しと民放の改正の見直しとでもし仮に違いがあったときに現場が混乱しないようにお願いしたいという意味合いで、どういう間になるのかということを一度整理していただきたいと思っております。
 それから、先ほどの法的なものということで申し上げた点は、本文の3ページの「一方」という2つ目の段落ですけれども「我が国の現行法制を見ると」というところの整理をしていただきたいという趣旨でございます。先ほど申しましたので繰り返しはしません。
 それから、文章の中に「多様な正社員」という表現が出てきておりますけれども、研究会での議論というのは余り深まった議論をしていないのではないか思っております。その点についてはこちらで議論をするということになると思いますけれども、大分時間がかかるのではないかという気がするので、その点も現行法制などの意味合いで十分な資料の提供をお願いしたいと思っております。
 とりあえず以上です。
○岩村会長 ありがとうございます。
 事務局でお答えいただけるところがあればお願いします。例えば不合理・不適正というのは、むしろ次回以降議論していただく方がいいのかもしれませんけれども、差し当たりお答えいただけるところはお願いしたいと思います。
○渡延審議官 ただいま輪島委員から御提起がありました点のうち1点目は、特に18回にわたる研究会の検討の過程に関わるお尋ねでございます。21年の年明けから始めまして時間が経っておりますので、その間、事務局として関わってきた立場で御説明をいたします。
 本日の資料でいきますと、資料No.4−5に18回の開催で、いつ何をやったかということを付けております。外国法制の整備なり実態の調査等をやった上で中間まとめを一旦行っております。中間まとめの表現との差ということで、今、御提起がございました。中間まとめはその時点での一定の到達点をまとめまして、この経過にも明らかなとおり、各側のヒアリングのためのものという性格もございまして、これは座長の御意向で極力学識経験者の検討といえども、現実遊離するなということで一定の中間まとめの後、各側からの御意見を賜ったわけでございます。
 そういった中で各側がそれぞれ把握している実態について、多様性は既に指摘されているけれども、更に自分たちが持っているデータ、自分たちの認識では多様であるという御提起もございました。そういった点で更に課題があるという認識が深まったわけでございますが、この間の検討を通して、これは研究会自体フルオープンでやっておりますので、傍聴の方々も含めてトーンが途中で変わったということはないと思います。事務局としてはそういう認識ではございませんでしたし、座長以下、先生方もそうだったかと思います。
 ただ、いずれにしましても、雇用の不安定さという問題を輪島委員は御提起になりましたが、考えみれば有期契約である以上は契約期間の間はお互いを拘束すると同時に義務を負う。そのかわり期間が満了したら自動的に雇用は終了する。これは逃れ難い有期契約の性格でございます。自動終了すること、解雇によらず雇い止めで終了することをもって雇用の不安だと言うならば、それこそ先ほど御意見がございましたが、有期契約自体を廃絶しない限り、その不安というのは解消できないわけでございます。
 したがいまして、雇用の不安定さについては一定の手当ての必要性は認めつつも、片方で有期契約というものを根絶しない以上それは必ず残る。そうすると、その間の調和なりをとるに当たって何らかのキーになる概念はないかということを多様な実態を踏まえて考えていく過程で、最終まとめに当たっては不合理・不適正というキーワードが出てきたわけでございます。
 具体的に不合理・不適正とは何かということになりますと、これはまさに冒頭おっしゃいましたように、次回以降、また実態も踏まえての御議論になろうかと思いますが、ヒアリングなり実態調査の過程では極めて短い2か月とか、極論1か月の有期契約を10回、20回と更新しているケース等もさまざまな形で報告があったところでございます。どこが合理、適正なのかというのはなかなか線が引きにくいが、逆に世間常識で見て、これはさすがに矩をこえているのではないかというものはあるのではなかろうか。多様性から何か合理、何が適正というのは直ちに引けない中で、裏から書いたといえばあれですけれども、こういった考え方が出てきたということです。
 以上が事務局としてまとめに関わった立場からの御報告でございます。
 残りの点につきましては、課長からお答えします。
○田中労働条件政策課長 第2点の民法の債権法の見直しの関係でございます。民法の債権法の見直しにつきましては、昨年10月の法制審議会において全体的な見直しについて諮問が行われました。そこで民法(債権関係)部会という新しい部会が設けられ、昨年11月から先般10月19日まで16回既に開催されておりまして、債権法の各項目について順次議論されております。17回目が今日の午後行われることになりまして、予定では「雇用」に関して初めての議論がここでされると聞いております。
 こういう形で民法全体の見直しの検討が進められておりますけれども、民法の雇用の部分と労働契約法を始めとする労働法制につきましては、一般法と特別法の関係にございますので、民法の雇用の規定の改正内容が労働契約法等の法制に影響が及ぶことも想定されます。内容によっては大きな影響が及ぶことも考えられますから、その検討状況については私どもとしても今後とも注視するとともに、状況に応じてこの分科会にも御報告、御相談させていただきたいと考えております。
 なお、法務省が示すスケジュールでございますけれども、今後のスケジュールは来年3月、4月ごろに中間試案をとりまとめ、パブリック・コメントをし、更に部会での議論を経て最終答申をとりまとめるという予定でございますけれども、最終答申の時期については未定と聞いております。こういったスケジュールについても十分留意して、議論の状況を注視してまいりたいと考えております。
 3点目、4点目については、資料の作成の点でございますので、十分に対応したいと考えております。
○岩村会長 輪島委員、どうぞ。
○輪島委員 ありがとうございました。
 1点だけ私どもの理解の点で、今、渡延さんからいただいた点で整理をしていだたきたいと思っているのは、労働法の教科書を読むと、解雇権濫用法理の類推適用について、どうして類推適用という法理が出てきたのかというところの解説を見ると、いわゆる不合理・不適正な利用について何がしかの対応が必要だから雇い止め法理が確立されていると書いてある教科書があります。そういう意味では、その手立てというのはこれまでの積み重ねの中でずっとやられてきている部分と、現状の不合理・不適正なもののプラスαの不合理・不適正なものは何なのかということを整理する必要があるのではないかという意味合いなので、プラスαのところがどういう意味合いでこういうふうに書かれているのかということも含めて、是非問題の整理をしていただきたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 御意見ということで、事務局の方でまた検討していただければと思います。
 安永委員、どうぞ。
○安永委員 参考資料だという前提で、中身に関する意見は次回以降ということにしたとしても、少し言葉遣いの点などで違和感を覚える点が2点ほどございます。
 1つは、有期労働契約が労使の多様なニーズにより増加という表現がされております点でございますが、労使というひとくくりで表現をされておりまして、あたかも共通認識の下でこのような実態になっているととられると思いますが、それは違うと言わざるを得ないと思います。
 また、労使の労を労働組合ではなく、個人の労働者ととらえたとして、私どもは情報産業で働く労働者の集まりですが、特にITに関わる労働者の中で、一時期ITバブルと言われた時代もございますが、そのような時代の中で産業自体が未成熟であったこともあって、会社を転々とすることがスキルアップ、キャリアが上がっていくという風潮があったことは間違いないことだと思っています。その点が私ども労使の大きな課題であったこともたしかでございます。
 ITの技術者がさまざまな産業にいらっしゃるものですから、それがさまざまな産業にも広がっている時期があったと思っておりますが、現在の経済状況や雇用の危機的状況の中で、その方々の認識、気持ちなども大きく変化しているのではないか。やむを得ず有期労働契約で働かざるを得ない方が大きく増えているのではないか。自ら有期を選択するとアンケートに答えている人の精神状況も含めて、さまざまな職場実態からすると変化があるのではないかと思っておりますので、定点だけではなくて、変化があるとすればそのような資料も是非出していただければありがたいと思います。
 2点目ですが、有期労働契約が安定雇用へのステップとしての役割を果たし得るかどうかという表現がございます。先ほども委員から話がありましたが、確かに有期契約労働者が正社員登用されている事例もございますし、私どもの中にも成果を上げている会社もございます。しかし、かなり限られた事例ではないかと思っておるところでございまして、安定雇用へのステップとしての役割を果たすという表現は少し過大なのではないかと思っております。逆にそういうルールをつくったということが、今後有期が増えることにつながらないかということも心配しておく必要があるのではないかと思います。現状をどうにかするということではステップアップする仕組みも有効なものだと思っておりますが、将来に向けたものと区分けをする必要もあると思います。
 諸外国では、非正規労働者が3年後にはかなり正規雇用になっている割合が多いというOECDの資料もありますが、日本は非正規労働のままという方の方が圧倒的に多いという状況でございます。それらの表現についても、今後、現状の打破とこれからのことについて区分けをしながら論議に参加をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 そのほかにいかがでございましょうか。新谷委員、どうぞ。
○新谷委員 先ほど民法の債権法の審議の関係について意見が出ましたけれども、輪島委員におっしゃっていただいたように、今日の午後、債権法の部会で雇用に関わる部分を論議することになっております。民法は一般則として特別法で労働関係の諸法が定められていますが、私も委員としてその場で発言をしておりますけれども、やはり一般則を変える、それが特別法に影響を与えるところがかなり出てくる場合には、法制審議会での論議だけではなくて労働政策審議会での論議を経るべきです。これはILOの条約の件もございますし、まさしく労使がユーザーとなって使う法律ですから、現場を一番よくわかっている人間が審議会の中で十分に論議を尽くすべきであります。労働法には労働法特有のプロセスがあるので、そこを念頭に論議を進めてほしいということは私も意見として申し上げているところであります。
 そういった前提において民法の債権法の検討がなされているんですけれども、実は前回、役務提供契約が論議になっておりまして、その関連で有期の点でも申し上げたいことがございます。この研究会の報告の視点は、有期労働契約と正社員といいますか無期労働契約との関係において論議が構成されているように思います。ところが、視点を有期の方々を中心に置いて考えるときに、今、問題になっている労働者性の概念も関係があるはずだと思っております。
 これは何を申し上げているかというと、私どもの労働相談にもたくさん事例が寄せられているんですけれども、有期の労働契約からいわゆる業務委託契約への切り替えが進められているという実態がございます。例えば具体的に相談のあった事例などで申し上げますと、寮の管理業務を請け負う会社で、それまで有期契約で契約社員として契約されていた方に対して、業務委託契約、いわゆる雇用関係ではないという形で契約の変更を迫る。その契約変更をのまなければ、違う施設に変わってもらうからという迫り方をする企業もある。
 あるいはそういった脅迫的な迫り方ではなくて、逆に働く側の心をくすぐるというやり方もありまして、先ほど安永委員がおっしゃった件ですが、IT関連の情報サービスなどですと、それまで契約社員、有期労働契約で働いておられた労働者に対して、これはシステムエンジニアなんですけれども、あなたのエンジニアとしてのスキルがあれば自立をされてはどうでしょうかという迫り方をしてくるわけです。同じ職場で働きながら手取りも増えますということで、働き方はそのままに雇用契約からいわゆる業務委託契約に変更させていく。
 これはどういうことが起こっているのかということをよく考えなければいけないと思っています。有期からいわゆる雇用契約以外の契約に切り替えをされている。これによって、労働保護法の規制が全部外れてくる。賃金の支払いも労基法の基準が適用されませんし、労働時間の管理もなくなってくる。勿論、労働災害が起こったときの保障も外れてくる。使用主にとっては社会保険料の負担が回避される。こういったことが起こっているわけでございます。ですから、有期契約労働者というものを中心に据えたときに、勿論正社員との関係で有期研の報告の中では御論議されているんですけれども、業務委託契約などになってしまうことをどのように防止するかというところも論点の1つとして今後検討していくべきだと思っておりますので、その点について冒頭に申し上げておきたいと思っております。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。田中委員、どうぞ。
○田中委員 ありがとうございます。
 次回のスケジュールに諸外国の法制等の検討というものが入っておりまして、先ほど中島委員からも諸外国の法制全体を見てというお話がありました。調査官の御報告や今回の検討会の報告書等を拝見させていただいていても、諸外国というのがどこを指すかということを拝見しておりますと、大きな本ですと41ページぐらいに一覧表がありますが、アメリカ、デンマーク、イギリス、スウェーデン、フランス、ドイツ、韓国などが挙げられております。多分労働法制を検討するに当たっては、こういった国々の法制を勉強させていただくあるいは比較させていただくということは非常に大事なことだと思うんですが、一方で今回の議論が新成長戦略ということになりますと、雇用と新成長戦略あるいは成長ということを併せて考えていったときに、その成長の中に幾らかでも経済成長あるいは企業活動にある経済成長というものがあった場合、我々企業は企業の規模を問わず、今、成長競争をしておりますところはVISTAあるいはBRICsという呼称で呼ばれるような国々のいろいろなマーケットであったり、あるいは労働法制であったりというところと成長を競うという状況になっております。
 そういう意味で、諸外国といったときになかなか難しい問題があることは重々承知しておりますけれども、有期労働法制を考えるときにも、グローバルな中でどういうところと成長競争をしていくのかという視点を入れていただいて、特にBRICs、VISTA全部ということはちょっと難しいかと思うんですけれども、幾つかのそういう国々がどういう雇用政策をとられているのかといったところの検討も踏まえながら、日本の中で有期というものをどう考えていくのか。こんな議論もさせていただけることができないかと考えております。
 意見というか、もし可能であれば資料のリクエストということでお聞きいただければと思います。
 以上でございます。
○岩村会長 なかなか難しいという気はいたします。そこは検討させていただければと思います。
 ほかはいかがでございましょうか。伊丹委員、どうぞ。
○伊丹委員 やはり今後の実態の共有化という意味で、先ほど出た海外の調査に当たっては有期労働契約法制、あるいはそれを取り巻く法制全体ということからの理解は当然大事なんですが、この研究会の報告書でも多々触れられているように、例えば社会保障全体の在り方がどうなっているかというところとの連関において、広義の雇用の安定の問題と言ったようなところをとらえていかないといけないと思います。勿論、有期雇用そのものから見た雇用の安定論というのは大事なんですけれども、社会全体でどう雇用が守られたり、あるいはつくられたりしているのかということを成長戦略との関係で理解しないとならないので、特に諸外国の調査のときには有期雇用の論点だけの整理以上の理解の共有化を図らせていただければありがたいと思います。
 以上です。
○岩村会長 ありがとうございました。可能な限り事務局で工夫していただきたいと思います。
 そのほかにいかがでございましょうか。公益の先生方から何かございますか。よろしいでしょうか。
 既に各委員から問題提起等もございましたが、この件につきましては、次回以降、引き続き御議論をいただくということにさせていただければと思います。
 今日はもう一つ「(2)その他」ということでございますが、次の議題が用意されておりますので、そちらに移らせていただきたいと存じます。これは労働時間等設定改善指針についての報告案件でございます。
 それでは、事務局から資料を出していただいておりますので、それについて御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田中労働条件政策課長 それでは、資料No.5によりまして、御説明をいたします。「労働時間等設定改善指針について」という表題でございます。
 労働時間等設定改善指針は、既に御承知のとおり、労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の規定に基づきまして、労働時間等の設定改善につき事業主及び事業主団体のとるべき措置について指針として示したものでございます。本日はこの指針の形式的な整備についての御報告です。労働時間等設定改善指針におきましては、その指針の中で政府の目標を引用しておりますけれども、政府目標が本年6月に改定されたことから、本指針における引用部分を新たな目標数値に差し替えるための規定の整備を行います。
 上の2つの○に政府目標の改定について概略を書かせていただいております。平成22年6月18日に閣議決定されました新成長戦略において、2020年までに実現すべき成果目標としてかなりの数値目標が挙げられておりますけれども、設定改善指針の関係では年次有給休暇取得率70%及び週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5割減にするということが定められております。これは閣議決定でございます。
 その直後、6月29日に仕事と生活の調和推進官民トップ会議が開催されまして、同会議において仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章と仕事と生活の調和推進のための行動指針が改定されまして、行動指針の数値目標については新成長戦略と同じ数値目標が盛り込まれました。
 この内容については別紙1、1枚めくって裏側でございます。仕事と生活の調和推進のための行動指針の数値目標ということで、?@〜?Mまでの数値目標が掲げられております。本指針との関係では?D?Eの数値目標がございますけれども、本指針では社会全体としての目標を引用するということで、この表全体を引用しております。
 そういう関係でもう一回元に戻っていただきますと、矢印の下でございます。労働時間等設定改善指針の別表においては、行動指針の数値目標がそのまま掲げられております。平成19年12月の目標が掲げられております。
 改善指針の文言をここに引用しておりますけれども、行動指針においては、社会全体の目標として別表のとおり定められているところであります。別表として引用しておるわけでございますので、この別表の内容を行動指針の新たな数値目標に差し替え、両指針の整合を図るものでございます。
 もう一回見ていただきますと、別紙1の次に別紙2−1というものがございます。新と書いておりますが、内容としては左の表と全く同じものでございます。新しい表を労働時間等設定改善指針の別表として差し替えるということでございます。
 なお、旧の別表につきましては、更に次のページ、別紙2−2に掲げてあります。旧の目標は真ん中辺りにありますけれども、週労働時間60時間以上の雇用者の割合については2017年に半減ということになっておりますけれども、これを2020年の目標に差し替える。年次有給休暇の取得率は2017年に完全取得ということになっておりますけれども、これも2020年の目標として70%という数値に差し替えることにいたしております。
 具体的な新成長戦略の目標設定の考え方については、既に4月の本分科会でも御説明をさせていただいているとおりでございまして、その内容に沿って成長戦略の内容が定められ、今回、形式的に整備をして整合を図るという御報告をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○岩村会長 ありがとうございました。
 本件は報告案件ということでございますけれども、これにつきまして、御質問あるいは御意見などがございましたら、お願いしたいと思います。よろしゅうございましょうか。
 ありがとうございます。当分科会としては、ただいまの御報告を了承することにさせていただきたいと思います。
 最後に事務局からほかに何かございますでしょうか。
○田中労働条件政策課長 次回の労働条件分科会の日程につきましては、調整の上、委員の皆様にお知らせしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○岩村会長 それでは、今日の分科会はこれで終了とさせていただきたいと思います。
 なお、議事録の署名につきましては、労働者代表委員は中島委員、使用者代表委員は高尾委員にお願いをしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 今日はお忙しい中ありがとうございました。これで散会といたします。

(了)

労働条件政策課
企画係(内線5353)

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