ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ > チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第7回議事録




2010年11月15日 チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第7回議事録

医政局看護課看護サービス推進室

○日時

平成22年11月15日(月)14:00〜16:00


○場所

厚生労働省5階共用第7会議室


○出席者

秋山 正子 (ケアーズ白十字訪問看護ステーション 統括所長)
有賀 徹 (昭和大学医学部救急医学講座 教授)
井上 智子 (東京医科歯科大学大学院 教授)
大滝 純司 (東京医科大学医学教育学講座 教授)
川上 純一 (浜松医科大学附属病院 教授・薬剤部長)
神野 正博 (社会医療法人財団董仙会 理事長)
小松 浩子 (慶應義塾大学看護医療学部 教授)
真田 弘美 (東京大学大学院医学系研究科 教授 )
竹股喜代子 (医療法人鉄蕉会 医療管理本部 看護管理部長)
英 裕雄 (医療法人社団 三育会 理事長)
星 北斗 (財団法人星総合病院 理事長)
前原 正明 (防衛医科大学校外科学講座 教授)
山本 隆司 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)

○議題

1)医療現場における看護師の教育・研修について
2)その他

○議事

○田母神就業支援専門官 
 ただいまより「第7回チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ」を開催いたします。
 委員の先生方におかれましては、御多忙中のところ、当ワーキンググループに御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日、秋山委員が少し遅れて御到着との連絡を受けております。
 また、本日は、日本医師会の行った「看護職員が行う医行為の範囲に関する調査」について御説明いただきますために、日本医師会常任理事、藤川謙二先生にお越しいただいております。
 また、医療現場での看護師の教育・研修の話題提供をいただきますために、医療法人鉄蕉会亀田総合病院救命救急センター副センター長兼看護師長、鴇田猛先生にお越しいただいております。
 次に、配付資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、1枚おめくりいただきまして、座席表。
 資料1「日本医師会調査『看護職員が行う医行為の範囲に関する調査』結果」。日本医師会常任理事、藤川謙二参考人資料で、最後のページが、16ページになっております。
 資料2「神野委員ヒアリング資料」。最後のスライドの番号が29になっております。
 資料3「竹股委員ヒアリング資料」。最後のスライドの番号が40でございます。
 資料4「星委員ヒアリング資料」。最後のスライドが18になっております。
 参考資料「日本医師会調査『看護職員が行う医行為の範囲に関する調査』調査票」。最後のページが16ページになっております。
 資料については、以上でございます。
 乱丁、落丁ございましたら、事務局にお申し付けくださいますようお願いいたします。
 カメラはここまでとさせていただきます。
 それでは、座長、議事の進行をお願いいたします。
○有賀座長 
 先生方、皆々様、こんにちは。もう第7回ということで、勉強プロセスがそこそこ進んで、また今日も一生懸命勉強したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、そこにありますように、藤川先生、神野先生、以下、御発表は全部で4つということになります。1つにもし30分使うと全部使っちゃうということになりますので、本当はじとっとどれもやりたいというところになるのかもしれませんが、手短にさっさといって、議論をたくさんしたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、最初に、藤川先生から資料の御説明等よろしいでしょうか。お願いいたします。
○藤川参考人 
 日本医師会の藤川と申します。よろしくお願いいたします。
 お手元の資料1と参考資料とありますが、参考資料の調査票で今回、日本医師会の調査を行いました。看護職員が行う医行為の範囲に関する調査結果が10月にまとまり、すでに公表しております。親会議の方でも説明をさせていただいておりますが、今回、ワーキンググループで説明をするようにと座長から御指示をいただきましたので、参りました。
 では、結果の説明をいたします。まず、1ページからお開けください。
 回答者の属性については、医師、看護職員、9,120名を対象に回答をお願いしましたところ、7,031名の回答をいただきました。回答率としては、医師が77.3%で、看護職員が76.8%、トータル77%という非常に高い回答率でありました。
 厚生労働省の研究班の調査の回答率は16.9%、約17%ということで、非常に低い数字でありましたので、残りの8割部分のところを今回、日本医師会の調査が補完できたような形になったのではないかと思っております。
 2番、医療機関の種別としては、病院、診療所、診療所は有床、無床も含めてですが、ほぼ半々の割合でした。研究班の調査では、調査の設定段階で、対象や施設で日医調査とは差があるが、回答数の83.3%、6,747名が病院で、診療所は3.1%、253名であり、病院中心の回答となっていることが明らかでありました。
 3番、病院の病床規模を見てみますと、日医の調査では、病院回答のうち199床以下が約6割を占めていました。回答者は全国の病院の病床規模別割合から見ても、平均的に抽出した形となっております。
 右の表の左側に病床規模で括弧内に書いてあるのは、現在の全国の病院の割合を示しておりますが、その比率と右側の医師、看護職員の回答の比率がほぼ一致しておりましたので、平均的に抽出できたのではないかと思っております。
 研究班の調査は、病院医師回答の65.2%、病院看護師回答の59.7%が500床以上の病院であり、大病院中心の回答となっているというのが明らかでありました。
 次のページ。年齢区分を見てみますと、医師については50歳以上が84.5%を占めておりました。これは開業医の年齢が平均50歳代になってきますので、どうしても高くなってきます。研究班の調査は、医師については40代が37.1%、50歳以上が38.3%、40代、50代が主流になっております。
 5番、管理者・勤務医の別、管理職の別を見てみますと、医師においては、管理者、いわゆる院長や理事長が約8割を占め、看護職員については、看護師長や管理職が6割を占めていました。
 それから、6番、主たる診療科、所属する診療科について見てみると、医師、看護職員とも内科系が5割を超えていました。外科系が4割、医師で4割、看護職員で3割ぐらいを占めていました。
 厚生労働科学研究班の調査対象にも選ばれ、回答したか。我々の調査とダブって、厚生労働省の研究班からのアンケートにも答えたかということを調べてみますと、医師が114名、看護職員が175名が両方の調査に協力して答えておりました。
 それでは、3ページを見てみますと、「現在看護職員が実施している」30%以上を超える医師の回答を見てみますと、そこにありますように、29項目ありますが、上から見ると、安全性の高い医行為については、日医の調査、研究班の調査とも、ほぼ同じような割合でございましたが、6番を見ていただくと、「手術時の臓器や手術器械の把持及び保持(気管切開等の小手術の助手)」というところでは、日医の調査では、医師の回答で51.8%、研究班の方は16.1%と非常に少なかった。これは、500床以上の病院では医師が潤沢にいますので、こういうところで医師がきちっと助手を務めているという表れだと思います。
 同じように、15番のところでも「手術の第一助手、第二助手」を、日医の調査では42.3%が看護職員がして、研究班の方では10.8%であったという、ここにも表れていると思います。
 それから、23番「動脈ラインからの採血」については、研究班の方が63.4%看護職員がやっている。日医の調査では35.1%、やはり少しリスクの高いものは、日医の調査では少ないですが、研究班の方では積極的にやらせている。非常にリスクのある医行為でも頻度が高いのもありますけれども、そういう数字が出ております。
 それから、27番「心肺停止患者への気道確保、マスク換気」などは、1割程度研究班の方が多いようでしたが、日医の調査でも32%行われておりました。
 次に、薬関係の選択や使用について見てみても、28番、29番では、日医の調査の方が研究班の調査よりも約1割積極的に看護職員がやられているということで、我々の予想とはちょっと違った結果でしたが、日医の調査の方がより積極的に医行為をやられているというのが明らかになりました。
 次、看護職員の回答を見てみますと、先ほどと同じような数値が出ております。現在看護職員がやっていることに関しては、医師であれ、看護職員であれ、回答の内容に余り差はなかったということです。
 5ページ、今後看護職員の実施が可能であるかどうか。「看護職員が可能」が「医師がすべき」を上回るもの、いわゆる医師がしなくても看護職員でもできるんじゃないかという回答ですが、研究班の調査では、当該医療処置が現在行われていない場合は、今後については回答できない仕組みになっていましたが、日医の調査では、現在行われていても、いなくても、全員に回答を求めました。医師、看護師の見解を求めたということです。「今後看護職員(一般)+特定看護師(仮称)の実施が可能」と答えた割合が50%を超える項目は、日医の調査では、医師の回答で38項目、看護職員の回答で36項目であった。研究班の調査では、医師の回答で112項目、看護職員の回答で84項目であった。いわゆる大病院の勤務医の希望としては、やや多めに看護職員にしていただきたいということがアンケートの結果に表れています。医師の雑務といいますか、さまざまな仕事が非常に過剰になっているということで、こういう回答になっているのではないかと思います。
 結果の中身を見てみますと、「看護職員が可能」というのが39項目、48.9%から83.7%まで、こういう数字が出ております。研究班の調査でも、それより1割ぐらい多いような数字が表れております。
 次、お願いします。看護職員に同じような項目で答えてもらっていますが、これもほぼ同じような数字が出ております。
 今後特定看護師(仮称)の実施が可能であるかどうか。20%以上超える項目を挙げてみました。29項目ということでありますが、「今後特定看護師(仮称)の実施が可能」と答えた割合で一番高かったのは、日医調査では「患者・家族・医療従事者の教育」であるが、最高で28%にすぎなかった。ただし、これについても「看護職員(一般)が可能」とする割合の方が37.2%と多かった。
 一方、研究班の調査では、「特定看護師(仮称)が可能」が4割を超えるものも多く、日医調査とは対照的であった。
 2以降についても、ほとんどが「医師が実施すべき」であるが、「医師より看護職員(一般)が可能」が大幅に上回るのは、「日々の病状、経過の補足説明(時間をかけた説明)」などでした。安全なものは看護師さんで十分できるということです。「看護職員(一般)が可能」より「特定看護師(仮称)が可能」が大きく上回るのは、「腹部超音波の実施」や「人工呼吸器モードの設定の判断・実施」、「心臓超音波検査の実施」であるが、これらについても、医師が実施すべきという回答が6割を超えていた。
 左の項目の医療処置の緑の項目は、「看護職員可能」が「特定看護師(仮称)が可能」の方が割合が高い項目に色を付けております。
 表を見ていただくと、日医の調査では、真ん中の「看護職員が可能」が4項目あり、ほとんどが「医師がすべき」という項目が圧倒的に多かったのですが、研究班の調査では、「医師がすべき」というのは4項目で、「看護師一般が可能」であるというのが8項目でありますが、ほとんどが特定看護師(仮称)を作ってでもさせたいという意向が強い傾向がありました。
 次をお願いします。今度、看護職員に同じような項目を聞いてみますと、日医調査ではほぼ同じような結果が出ておりますが、研究班の調査では違うのが、「医師がすべき」というものが10項目あるんですね。リスクを伴うものは看護師ではなくて医師がすべきだろうというのが、医師以上に看護職員の方が医療安全の方を真剣に考えているのかなと思いました。医療事故につながるので、できるだけ医師にしてもらった方が安全だろうという意見だと思います。
 まとめのところですが、日医の調査は、全国の医療機関、種別、病院の病床規模を平均的に抽出した回答結果となっている。これは全国の都道府県医師会並びに800以上の郡市区医師会、全国津々浦々の医師会までこの調査をお願いしましたので、大きな病院のない、非常に過疎地の医師会にもこの問題を投げかけて回答していますので、全国的な回答が得られたと考えられます。
 一方、研究班の調査は500床以上の病院が中心で、認定看護師、専門看護師も対象とするなど、回答者の背景が異なっていた。現場では一定程度、我々の予想以上に診療の補助行為として看護職員が実施していることが分かりました。これは、厚労省も日医も予想以上に行われているんだなということです。
 「今後看護職員(看護職員(一般)+特定看護師(仮称))の実施が可能」と答えた割合が50%を超える項目は、日医調査では、医師の回答で38項目、看護職員の回答で36項目であった。研究班調査では、医師の回答で112項目、看護職員の回答で84項目であった。日医調査では、看護職員が実施可能な医行為の範囲をより狭く考えていることが分かった。つまり、より安全に考えているということです。
 「医師がすべき」より「今後看護職員の実施が可能」が上回る項目について、「看護職員(一般)が実施可能」より「特定看護師(仮称)が実施可能」が上回るものは1つもなかった。いわゆる一般の看護職員で十分できる項目をしっかりやっているということです。
 「今後特定看護師(仮称)の実施が可能」と答えた割合は、最も高いものでも、医師・看護職員とも「患者・家族・医療従事者教育」で、医師回答28%、看護職員30.7%にすぎなかった。
 一方、研究班の調査結果では、最も高いもので5割を超え、対照的な結果となった。
 今回の調査結果から、現場では既に多くの医行為が医師の指示に基づいて診療の補助として看護職員に実施されていることが分かった。
 また、「今後特定看護師(仮称)が実施可能」とする回答は少なかった。したがって、新たな業務独占資格である特定看護師(仮称)を創設することは、一般の看護職員の業務縮小につながることになり、現場が混乱するという理由で、その必要性はないと考えております。
 15ページを見ていただくと、現在、看護職員が実施していない医行為について聞いております。看護職員が医行為を実施していない理由に、「技術や知識が不足しているから」というのが58%。「法律の問題」、これはしてはいけないのではないだろうかと。例えば看護師が1人で勝手にするのはいけないのではないかというので78.8%。「マンパワーの問題」13.6%。「必要と思わないから」が20%あります。
 現在、看護職員が実施している医行為について、「系統だった院内教育や実習などを経た上で行っている」というのが62.6%。何となく、心電図をとるにしても、安全な行為に関しては3割ぐらいは当然と考えて行われていた。
 医療事故等の問題が生じたときの責任問題はどうなっているかということを聞いてみると、「明確になっている」というのが66.7%。「明確ではない」というのが30.1%。
 責任の所在はどこにあると考えるか。「医師の責任」であるというのが58.1%。中でも医師は69.2%はやはり医師の責任であろうと考えている。看護職員が、自分で事故が起こったら、医師の責任と考えるのは45.1%。「看護職員の責任」は11.4%。医師は「看護職員の責任」と考えるのは1.9%しかない。指示を出した医師と看護職員両方の責任ではないかと考えているのは、医師は24.9%で、看護職員は33.2%が共同責任という意識を持っていた。
 医行為を実施している場合の給与面でのインセンティブについて、ややリスクを伴うような医行為を行った場合に、給与面で差があるかといったら、6.3%ぐらい。ほとんど9割はないという意見である。
 一番最後のページで、これはチーム医療に関することで、他職種と連携してどういうことを行っているかということを11項目程度聞いております。薬剤師の件、リハビリの件、事務職の件、給食、厨房、いわゆる栄養士とか調理師の件で聞いておりますが、看護師が他職種がやってもいいことを看護職員でやっているという項目がこれだけあるわけです。
 それから、介護施設で問題になっているたんの吸引についても聞いてみましたが、約85%が医師も看護師も、介護職員が実施可能ではないかという答えが出ている。
 以上です。
○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 ただいまの御発表に関連して、参考資料ともども、御質問等ございましたら、いかがでしょうか。どうぞ。
○前原委員 
 厚労省の研究班の班長の前原です。藤川先生も御存じだと思いますけれども、この調査は、研究班で作った質問項目等をこのワーキングでもお認めいただいて、ほぼ同じ時期に同時にやられたということで、私としては、私に何の断りもなくやられたので、僕としては非常に初めは立腹して、アンフェアだと思っていました。今、藤川理事が説明されましたように、確かに回答者のところが診療所を中心に約50%ぐらいの人が答えて、我々の研究班の方は、大病院、特定機能病院の回答が60%ということでありまして、何も研究班としては、あえてそこを選んだわけじゃなくて、無作為に、大体均等に抽出して行ったわけですけれども、回答がそうであったと。日医の検査とぶつかったということもあるんでしょう。
 それで、日医の7,000名の答えというのは、私たちとしても補完的なデータとして使えると。使わせていただきたいと思っていますけれども、今のまとめのところから、一つ一つはあれですけれども、回答者の属性、職場の環境、特定看護師の必要度の違いということで、こういうデータが出てきた。僕、全部を見て、概観して、それほど大きな違いはないという認識を持っています。
 ただ、参考資料にもありますように、特定看護師創設に対する日医の反対理由、反対声明を明記の上での検査だということで、少しこれはバイアスがかかっているんだろうと僕は認識しておりまして、このことが、特定看護師が実施可能の割合、パーセンテージが、我々の研究班の調査よりも低かったということと、医師がすべきであるという回答が高値であったということもそういう結果かなと思っております。
 それから、先ほど藤川理事が言われましたように、当該部署で現在実施されていない医行為項目について、今後についても全部の人に回答を求めたと。研究班では、やっていなければ、今後のことについても余り詳しく分からないでしょうし、その項目については知識がないということで、あえて求めませんでした。実施していない各行為を正確に理解した上での回答でないため、正確性を欠くということが生じるということですね。
 それから、203項目、これをごらんになってみんな理解できるかというと、的確に理解して、今後についてだれが実施するのが適当かということを回答するのは非常に困難です。私もやっていましたけれども、なかなか困難なので、特定看護師の創設に否定的な回答者であれば、なおさら将来、今後この医行為はどうするかといった場合には、医師がすべきだという回答になりやすいのではないかという印象を持ちました。
 でも、しかしながら、日医の調査の中で、30%前後の医師、看護師の方が、特定看護師の実施が可能という答えをされているということは、その存在を容認していただいているんだろうなと感じました。それは、特に看護師さんの回答で多かったと思います。
 余り長くなってあれですけれども、藤川先生にお聞きしたいんですけれども、看護師業務拡大を目指す中で、修士課程で医学教育とか、実践臨床研修をする特定看護師創設はだめであって、系統的な教育を受けず、経験則でやられている、やらされているというのか、実地としてやっている一般看護師の業務拡大でやっていくんだということに関しては、少し矛盾が生じるのではないかなと思っております。
 そして、研究班としては、今の日本の医療が抱えている諸問題を解決するためにも、医療の質だとか安全性、効率性をアップするために、チーム医療は推進していきたいと。研究班のデータ、それから、日医のデータを補完的に使わせていただいて、80%前後がオッケーだというようなもの(医行為)は一般看護師で、それから、10%前後以下のものは医師が実施する。その間のもの(20〜70%)は選別して、今行われている調査試行事業の過程、結果を踏まえながら、一般看護師でない特定看護師が行う医行為を決定していくことを考えていきたいと思っております。これが印象でございます。
○有賀座長 
 ありがとうございます。
 印象とは言いながら、少し藤川先生にもお答えいただいた方がいいのかもしれませんね。すごく単純な話なんですけれども、参考資料のところでありますように、もともと反対していますと言ってアンケートに答えてくださいというのは、同じ結果を導くにしても、ちょっと変な感じがしますんですよね。そこら辺のことをちょっと。
○藤川参考人 
 そもそも論として、特定看護師(仮称)なるものが何であるかというのが日本医師会の会員はほとんど知らないわけです。何でそういう話が起こってきたのかも分からないし、専門看護師、認定看護師は聞いたことがあるけれども、特定看護師(仮称)と何が違うのかということです。いろんなことが厚生科学研究班の調査が来たときに、8割の人が答えていないというのは、必要性がないどころか、その特定看護師(仮称)なるものがどんなものであるかということが理解できない。それに対して、我々は中央におりますから、こういう議論に入りますけれども、どういうふうなものを称して特定看護師(仮称)と言っているのか、何でそれが地域の医療でもすべて必要になるのかということです。
 例えば、私もこちらに来て、専門看護師なるものはどんなものかと知りました。がんであれ、新生児であれ、そういう専門の看護師がいること自体は分かっていますけれども、「その人でなければしてはいけない」という業務独占にするのかというと、それは違うんではないかと思います。やはり専門的な業務のところで活躍している看護師さん、いわゆる専門行為を行う専門医とそれを行う看護師は、当然専門的なことを現場でしっかり教育をされた上でされているんだろうと、医師側も国民も思っていると思うんですね。より安全に行うためには、そういう訓練をせずにすることはないわけですから。
 では、今、看護大学でやっているような専門的な行為をやっているんだったら、それをきちんと勉強した後、現場でもそれを続けてやられれば、どうして新たな業務独占をするような名前を付けてまでやる必要があるのかと理解できません。
 そうすると、厚労科学研究班が全国の医療機関に質問を投げたときに、答えなかったことに対する、私は検証も反省もないと思うんですね。やはり本当に国民の医療安全を考えるならば、少なくとも過半数の答えが返ってくるようなアンケート調査をすべきであって、我々がやってみたところ、77%の回答があったというのは、特定看護師(仮称)なるものがどんなものであって、もしできたときにはどういうふうな障害があるのか、メリットがあるのかということをきちっと説明を十分にやったから、回答率が高まったのではないかと思います。
○有賀座長 
 だから、そういうふうなことが分かるようなアンケートなり説明をしてから、それから、最終的に私たちはこう考えるというふうな話になるんじゃないかなと僕は思ったものですから。全く同じアンケートを第2部で付けるにしても、第1部で、こういうふうな社会状況についてどう思いますかということが分かるような、そういうふうなアンケートを作っていくというのが、多分、アンケートしながら物事を進めていくのであれば、その方が話の筋としてはいいのかなと思ったものですから。最初から、このボールは黒ですと。何色に見えますかというようなアンケートでは、話はこんがらがっちゃうんじゃないですかと思ったので。
○藤川参考人 
 それは違って、どうして専門看護師や認定看護師に答えさせるようにしたかですよ。そこの施設のトップの師長だけが答えればいいのであって、それを全部専門看護師や認定看護師に答えるようにするというのは、それを目標に教育されている人たちがノーとは言えません。それは先生、対象が偏り過ぎていませんか。
○有賀座長 
 それは研究班の研究のプロセスとしてそれがあるわけで、日本医師会は日本医師会のプロセスとして、そういうふうなものを支援するのがいいのではないかなと僕は思ったもので、それで単純な質問ですけれどもと言ってお聞きしたわけです。
○藤川参考人 
 それから、先生、先ほど言われたように、やっていなかったら答えるなというのはおかしいと思いますよ。どうしてかというと、勤務医であれ、看護師であれ、地域に降りていくわけですよ。そのときに、過去のことで、当然、君たちは知らないから、答えるなというのはおかしい。私も外科の手術を今でもやっていますけれども、麻酔もかけていますから、分からないわけはないですよね。それはおかしいと思いますよ。自分のところでやっていないからといって、答えるなというのはいけませんね。
○有賀座長 
 それは、前原先生たちのアンケートの骨格がそういうふうになっているという話をしているわけですよね。それで、知らないことには多分答えられないだろうなと僕は思った。それだけの話です。
○藤川参考人 
 それは違うと思いますよ。
○有賀座長 
 だって、知らないことは知らないから。
○藤川参考人 
 いやいや、その人が知っているかどうかが分からないわけですから。
○有賀座長 
 だから、知らないということであれば、それは答えなくていいだろうという話ですよ。
○藤川参考人 
 知らないんじゃないですよ。やっていなかったら答えるな、なんです。現在ですよ。現在その医療機関でやっていなかったら、たとえ知識として知っていても答えるなというのはおかしいじゃないですか。
○有賀座長 
 それは、前原先生のアンケートに関してディスカッションするなら、それはそれでいいです。僕は先生のアンケートに関して、最初に書いてある結論について印象を述べた。先生のアンケートの結論に書いてあることは、最初に書いてあるので、変だなと思ったので、ちょっと聞いたんです。
 どうぞ。
○竹股委員 
 このアンケートについて、実は現場で非常に混乱しました。ほとんど同じ時期に両方から来ましたので。私としては一般的に病院でアンケートを答えるときに、一番答えるのは、日本看護協会から来たもの、それから、医師会とか、あるいは公的な団体等のアンケートは、大体答えます。今回残念だと思ったのは、厚労省の研究班というと、一般的に結構来るんですよね。たくさん来るから、埋もれちゃうってことがあります。うちも実は埋もれていました。来ているのが分かりませんでした。だからすごく残念だと思いました。しかし、医師会の場合には、ほとんど手で持ってくる感じで来ますので、ほぼ答えると思います。日本看護協会の回答率も高いですよ。だから、私も前原先生のがとても残念だと思ったのは、個人の研究のように一般的に思われてしまったので回答率が低くなっちゃったのかなと思いました。
 そして、あと、先ほどの混乱したのは、同じものが同じ時期に来て、これは一体どっちで答えればいいのかと私は厚労省に電話を入れました。困ると。現場を混乱させないでくださいと。事前に両方来ますよ、ならいいんだけれども、同じ時期に同じものが来て、どっちにということになってしまったということだけ申し上げておきます。
○星委員 
 残念ながらうちは前原先生のは来なかったので、医師会のが来ました。看護部長にやっていただきましたけれども。
 それはそれというか、私、これを見て思ったのは、とにかく特定看護師というのは何かすごい人らしいねというのが前提に流れてきていて、どちらの調査もですよ。ですから、そういう人でいいんじゃないのかなというような考え方でやっているので、特定看護師ならできるという答えは、どちらのアンケートにおいても一定程度バイアスがかかっている。つまり、今議論しているんですけれども、一応要件でいうと、大学院で2年間もやって、そうか、そんな立派な人なら何かできるんじゃないかというような意識を医師も看護師も一定程度以上持ったのかもしれない。この議論の、医師会が反対してとかなんとかというのを知っているとか、知らないとかというのとは全く別な次元で、私はそういう一つの大きなバイアスがかかっているなというのが1点。
 それから、その上で申し上げると、そうは言いながら、そして反対をしているという医師会の表紙が付いていたものでありながら、特定看護師云々というところに一定程度○が付いていると。これがどう見るかですけれども、医師会の中にはやっぱり反対分子がいるというふうに見るのか、あるいは、そうではなくて、特定看護師というものに対する理解が十分進んでいない中での回答ということであったのかなというので、この辺のところは読み方をよく心得ればいいのかなと思って、これをやり直すとかなんとかという話ではないのかなというふうに私自身は思います。
 で、決定的なのは、先ほどの話があった回答率の問題が決定的といいますかね。これは「埋もれちゃった」という発言がありましたが、そうなんですね。調査などがいっぱい来るんですね。研究班というのは、厚生労働省の何とか研究班というのは、厚生労働省が思っているほど権威がないというか、受けがよくないというか、やっぱり埋もれちゃうんだろうと思うんですね。その結果が十何%という回答率であって、やはりそこにある程度前にも議論のあったバイアスがかかっている。ですから、これ、比較云々ということよりも、補完的なデータとしてそれぞれバイアスがあるということを前提にどうなんだというふうに見ていかないと、余り入口で、こっちが正しい、あっちが正しいとか、あっちがだめ、こっちがいいとかという話では、私は少なくともなくて、そういうものがありながら答えているというのが、アンケートというのはそんなものですから、そういうものを見ながら、属性とすれば、こういう属性の人たちにはこういう理解があるんだなとか、この間私が申し上げた、前原先生がやっている中でも、病床規模とかで区切って見ると、中小の方がやっているという比率が高いものが少なくなかったなというようなことから考えると、全体を見回すには、この2つの調査は、両方ともバイアスがあると言いながら、よく見ていけば、そこに一定の理解が私は得られるのかなと思います。
 したがって、入口で、ここで余り、医師会がいいとか、前原班がいいとか、そういうことではなくて、しっかりと中身を読み込んでいくという作業と、それから、バイアスがあるという前提での理解というのを進めていくべきだと私は思いますので、是非そのようにお願いいたします。
○有賀座長 
 ほかによろしいですか。
 どうぞ。
○神野委員 
 バイアス論はさておいて、ただ、これ、両方とも正しいんですよね。切り口が違うということだと思いますので、いろんなものを考えていく上で、これはこれで利用させていただくところは利用させていただくべきなのかと思います。特に、先ほど来お話のとおり、医師会の方は中小中心であるし、前原班の方は大中心であるということは、これはそういう属性として見ていくということかなと思います。
 いずれにしても、私もこの会で何回も申し上げておりますように、ある程度業務拡大でいけるところはいくべきだと思うし、その中で最後に残ったところで特定にするのか、特定でもだめなのかということを議論すべきなのでしょう。その抽出のための資料としては、利用させていただいてよろしいんじゃないかなと思います。
 ただ、惜しむらくはといいますか、前回までのこの会で、特に在宅の現場ではやらざるを得ないというのがいっぱいあるという話ですけれども、医師会の方の対象に無床診療所、有床診療所がたくさんあるわけで、その中で、在宅をやっているか、やっていないかというような属性がわかれば、後ほどデータを出していただくと、在宅の風景というのは見やすいのかなと思います。
○有賀座長 
 藤川先生、データそのものについての階層分析というか、別の見方から統計的な処理を加えるという話は続けてやってくださることができるんですよね。日本医師会のシンクタンクというか。
○藤川参考人 
 前向きに検討してみます。
○前原委員 
 藤川理事の先ほどのことですけれども、やっていないところは答えるなという趣旨でありませんで、研究班としては、病院の中でも部署によって違いますから、自分のところでやっているものに対して詳しいことに関しては、これは将来、今後どうですかねという答えの方が一番正確であろうということでやっただけで、やっていないところには答えるなということはしていないということです。
 それから、もう一点だけ、余り時間が長くなってはあれでしょうけれども、日医の方のまとめの中の4番目ですけれども、医師が実施すべきより今後看護職員の実施が可能が上回る項目が39と38、看護職員一般が実施可能より特定看護師が実施可能が上回るものは1つもないというアンダーラインが引いてあるのは、これが一人歩きしますと、特定看護師は必要ないんだというふうに言われてしまう可能性がありますので、これはごもっともなことで、この結果は、私の研究班でもこういう結果です。
 それはなぜかというと、ここに該当する医療行為というものは、比較的やさしいというか、低侵襲な行為でありまして、今でも現在でもやられているような行為がほとんど入っていますから、これは、何も特定看護師がやらなくてもいいということでございますので、そこだけは言わせていただきたいと思います。
 それから、先ほど、訪問看護、在宅のところは、神野先生がおっしゃるとおり、うちもそこのところが余りNが多くないんですね。なので、日医の方のデータでNがあるであれば、それは非常に有意義なデータとして出てくるんじゃないかと思っております。
 以上です。
○有賀座長 
 ありがとうございます。
 恐らくこれから、恵寿ヘルスケアシステム、亀田総合病院などにいろいろお話を賜りますので、藤川先生、最後までいていただけます? いていただければ、議論の中に加わっていただきたいと思いますので、できればよろしくお願いします。
 では、次の順番で、資料の2になります。「恵寿ヘルスケアシステムにおける看護師のキャリアアップ」について。神野先生御自身、よろしくお願いします。
○神野委員 
 それでは、宿題をいただきまして、15分ぐらいということですので、簡単に述べさせていただきます。
 目次としては、少し我々の背景というか、地域医療の姿をちょっとお話しした上で、事例を提示します。社会医療法人董仙会の中に恵寿総合病院というものと、実は目次にありますように、けいじゅパートナーズ心臓血管センターという部署があります。私は理事長ですけれども、院長、所長が別にいます。一部で病院看護部と違う動きもありますので、そこの部分と、本体の総合病院といったところについてお話をしていくということにしたいと思います。
 スライド番号の3ですけれども、能登半島、非常に広大な地域に21.5万人しか人がいない。そこに、ここに書いてありますように、多数の国公立病院、民間病院があるということであります。また、能登北部医療圏、高齢化率が38.5%、能登中部医療圏29.6%ということで、およそ30%、40%ということですので、もう既に日本の20年先、あるいは40年先ぐらいまでいっているといったような地域が我々の場であるというふうに御理解いただきたいなと思います。
 スライド番号4で病院の概要を示します。看護師は334人、これは病院だけでありますけれども、おります。
 平均年齢は、後から出てきますけれども、40代であります。離職率が4.6%ということですので、恐らく全国的な離職率に比べて極めて低いんですね。だから平均年齢が高いというか。平均年齢が高い人に頑張ってもらわないと看護は持たないというのも正直なところであると、そういう背景であるということでございます。
 次のスライド番号5番ですけれども、これは、私ども社会医療法人董仙会と、右手にあります社会福祉法人徳充会という、この両方を勝手にけいじゅヘルスケアシステムと呼んでおりまして、これが施設群の一部だけでありますけれども、オンラインで結んで、いろいろ共同して行っているということであります。その中で、恵寿総合病院の中にもまたハートセンターといった別組織があるというふうに御理解いただきたいと思います。
 スライド番号6番は、運営面での幾つかの差別化といいますか、よそにない試みを挙げさせていただいております。
 まず、心臓の方ですけれども、2007年2月21日、NHHというアメリカの病院さんのグループと私どもは業務技術提携を結んでおります。それに従いまして、2007年の6月に、スライド番号8番でありますけれども、Keiju Partners Cardiovascular Centerという心臓血管センターを作っております。現在、医師5人でやっているといったものであります。
 実はNHHの母体であるAHH(アーカンソーハートホスピタル)との間で、一つの技術協定としまして、医師、看護師、放射線技師、後はMEとか、事務職員も含めて、お互いにアメリカの技術、特に心臓に関しては長けているアメリカの技術を我々の方に導入するということを一つ大きな業務提携の流れにしているということになっています。もう既に当院だけでも三十数名の医師、看護師がアーカンソーの方に行って研修を受けております。と同時に、また、アーカンソーの方からナースプラクティショナーとかナースが私どもの病院に来ていただいて、実際に研修、あるいは医師が来て、実際に手は下しませんが、私どもの病院で指導を行うということであります。
 我々のスタッフがアメリカに行った場合には、アーカンソー州政府とこの病院との協定によりまして、私どもの医師が医行為を行う、あるいは、私どもの看護師が向こうで補助業務を行うということも既に行われております。
 9ページに、写真が細かいですけれども、いろんな看護、医師、一番左上の青い服を着ているのは、男性の看護師ですけれども、医師、看護師等が行って研修を受けます。大体1週間から2週間という短期であります。
 スライド番号10番ですけれども、ポスターにございますように、アン・シュバイツァーさんというナースプラクティショナーさんが私どもの病院に来て、アメリカのナースプラクティショナーはこんなことをやっている。あなたたちももっと頑張りなさいというような話をしていただいたわけであります。
 一応看護師の新しいスタイル、「クニリカルスペシャリスト」と書きましたけれども、これは勝手に院内で呼称していくだけでありまして、何ら制度も資格も何もないわけですが、我々が認めた、実際2人のナース、主任級のナースでありますけれども、ナースが医師の包括的指示のもとで患者サービスを行うということであります。
 左手の場合は、患者教育といったところに、医師の指導の後にもう少し詳しい説明を行う、あるいは左のスペシャリストは、例えば地域でABI、血管が閉塞しているかどうかという検査を地域でやった場合の結果について、医師ととともに利用者の方に説明するといった業務を行っておりますし、あるいは、先ほど出しましたように、能登半島ですけれども、非常に医師も少ない、開業医も少ない、あるいは病院医師も非常に少ないところであります。そういうところに我々の医師が、例えば2週間に1回外来を持つことで地域連携を行っており、サテライトクリニックと呼んでおります。そういうところに行くときに、このナースが一緒に付いて行って、そしてそこで見つかった治療の必要な方について、入院の手続とかを現地でやってくるというようなことも行っております。
 12番ですけれども、業務内容として、治療前後の患者情報分析と、そしてそれを集約して医師にアドバイスする、あるいは、インフォームドコンセントを含めてフォローアップします。あるいは退院後のいろんな予約等を行います。それから、サテライトクリニックに医師とともに同行して、ビフォー・アフターについての指導を行うというのが、これは私どものクリニカルスペシャリストということで養成したナースであります。
 次のページからは、今度は、恵寿総合病院の方の院内認定看護師制度というものを作っております。これは最後の方に出てきますけれども、なかなか実績が少ないので、余り大きなことは言えないんですけれども、一応こういう制度を作ったということで御紹介させていただきます。
 14番にありますけれども、院内認定看護師の定義として、特定分野において熟練した看護技術と知識を用いて、水準が高い看護実践ができる看護師を言うということを定義しておりまして、ここに役割が書いてあります。
 その背景というのは、ここがちょっと大きいんですけれども、15番のスライドにあるように、ここは強調したい点でありますけれども、先ほど申し上げましたように、看護師の平均年齢が41.2歳、既婚率80.6%で、未就学児童を有している看護師が18.1%といった事情であります。そして、金沢市までも約70キロ。車ですと、例えば金沢市の看護協会の教育センターに行くには1時間半ぐらいかかるということからすると、研修に来いと言われても、なかなか行けないというのが現状でございます。
 また、長期出張ということになりますと、このように未就学児童を抱えている職員が多い中で、長期出張が家庭的にも困難であるという風土、そして資格取得のための研修先が遠方であるということであります。したがいまして、非常にやる気がある看護師も、キャリアアップを目指しても、それを支援する環境やシステムが整っていないということで、学習へのモチベーションが下がることが懸念されるわけです。そこで、院内だけの資格として認定看護師制度を導入したらどうだということが看護部の方から上がってきたわけであります。
 看護部としては、16番にありますように、看護職員が自己成長して、モチベーションを持っていきいきと看護してほしいということで、2008年度に導入したわけであります。
 17番にございますように、必須条件として、臨床経験5年以上、そして当該領域の臨床経験3年以上。そしてまた、将来はその領域を極めたい。それから、院内認定看護師教育プログラムを受講して合格している。それから、クリニカルラダー3、それは次のページにありますけれども、クリニカルラダーである程度評価をされた、いわゆる優秀な看護師さんになっていただきたいということであります。
 そして、設置分野は、ここにありますように、これは看護協会等の認定看護師とよく似たような話であります。
 18番でありますけれども、自分でまず申請して、委員会でプログラム受講の可否を決定して、所定教育プログラムを行う。そして、病院長による面接を経て、認定看護師とするということであります。
 19、20でありますけれども、教育概要として、院内講師による研修プログラムということですので、先生がだれかということになると、1つは、その分野の専門の医師であり、薬剤師、管理栄養士等のほかのチームの長である。あるいは、看護領域においても、その分野でだれもが認めるような人ということになります。なかなかその辺が難しいところでありますけれども、というメンバーが先生になるわけであります。
 それから、もちろん院内の研修とか、研修会といったものの受講実績といったものも重きを置きます。いわゆる学会等に関しては、年に1回、2回、あるいは先ほど言いました看護協会の研修会といったものに関してはどんどん行ってくださいということでありますけれども、いわゆる認定看護師に必要なカリキュラムまではなかなか行けないということでございます。
 次のページへいきまして、21、22あたりで、当院における教育研修認定看護師研修の位置付けということでありまして、22ページにいわゆるクリニカルラダーと言うんですか、教育の目標レベルによってということで、レベル3が専門分野領域で役割モデルとなれる、医療チーム内でリーダーシップを発揮できる、後輩、看護学生に対して指導に関われるというのがレベル3というところに認定看護師研修受講というものをして、院内で何とか認めてあげようよということであります。
 23は研修計画と、24が実際のがん化学療法のプログラムということになります。
 それから、25は胃ろう管理のプログラムであります。
 26、27でありますけれども、認定後の位置付けと活動ということで、認定された場合には、例えば化学療法ということで認定されれば化学療法室、あるいは化学療法が多い病棟、あるいはストーマだったら、そういったような病棟、あるいは指導的立場になるということをお約束しているわけでありますし、それから、わずかばかりですけれども、お給料面でも上乗せするというお約束にしております。
 で、ここまでは格好いいんですけれども、最後のスライドでありますけれども、なかなかこれすら難しいというところでございます。現状と課題でありますけれども、2008年の公募を実施しまして、現在までに4名の公募がございます。しかし、先ほどの条件を挙げましたけれども、3名というのは非常にやる気があるんだけれども、院内認定看護師必須条件を満たしていなかったということで、例えば、5年以上とか、経験年数がありますので、それから、当該領域の臨床経験3年以上ということでありますので、これは間もなく認定条件に合致する人が出てくるということですので、これでいこうということでありますし、それから、1名は、公的機関の認定看護師研修の受験を行い、結果を待っているということで、1人は頑張って、本当の認定看護師を取りにいったということであります。
 そういった意味で、病院としては、きちんとこういった院内制度というのを作って、看護師のモチベーションのアップを図っていこうというような思いで作っているわけであります。
 ただ、今、募集して、実際に応募してくる看護師さんたちは、こういう制度があるということを承知の上で入ってきますので、これをやめるわけにはいかないというか、やめたら裏切り行為になりますので、ここをきちんと整備した上で、私どもとしては早くこういった認定を作っていこうと思っております。
○有賀座長 
 どうもありがとうございます。
 2008年からルールをお作りになって、それに合致する卒業生はまだこれからだということですね。分かりました。
 御質問等ございますか。多分病院の中でおられる看護師さんたちは、何となくイメージがわくと思うんですが、ラダーの3とか、ラダーがどうしたというと、僕らもうっとか言って、何となく思考が停まるんですが、いかがですか。
 先生、今、専門看護師や認定看護師さんの試験を受けに行く人もいるようだとおっしゃいました。中で働いている看護師さんたちを見ると、まだ卒業生がいないので何とも言えないのかもしれませんけれども、先生のところの看護部や、先生を初めとする病院の執行部から見ると、認定看護師さんと同じような感じなんですか。それとも認定看護師さんよりは勉強の水準は低いところにとどまっているのかなという感じなんですか。そこら辺の感覚的なことで教えていただけますか。
○神野委員 
 感覚的なことを申し上げさせていただくと、私、実は本当の認定看護師の詳しいカリキュラムは分からないですけれども、当院の院内認定の方はどちらかというとOJT的な、できるというか、手が先に出る人を求めていると言った方が正しいのかなと思います。ただ、今、実際にこういう領域で看護研究とかいう発表とか、ペーパーを書いている人間も何人かいますので、恐らくその人たちがきっとなるんだろうなという思いでございます。
○有賀座長 
 ほかにございますか。多分今日は病院の中の勉強プロセスがいっぱいありますので。どうぞ。
○小松委員 
 1つだけ神野先生にお聞きしたいんですが、専門研修を病院内で立てる場合に、実際にそれを立てていく専門分野の看護師というのが必要になってくると思うんですね。そこがすごく難しい部分だろうなと思うので、看護部の教育担当というところで、それぞれのOJTができるところで、だれかそういうコアを募りながら、あるいは医師とのチームを組んでやっていっているのかどうか。継続させていくことは非常に難しいので、専門の看護師と専門の医師のチーム的な部分があると私はいいんじゃないかなと思っているんですが。
○有賀座長 
 最初の最初のところがとてもたくさん大変だという御指摘ですね。
○小松委員 
 はい。
○有賀座長 
 何かありますか。
○神野委員 
 ありがとうございます。おっしゃるとおりでありまして、これは本当にこの会議じゃないですけれども、チーム医療としてチームで育てないといけないという強い思いがあります。
 それから、実は、ここに書いてありませんけれども、東京の某大学の看護学部の先生に来ていただいて、いろいろ指導いただいているというのが事実でございます。
○有賀座長 
 そういうふうな先生には、時々能登半島に足を運んでいただいて、継続的な勉強のプロセスにかんでいただいていると、こんな感じでいいんですよね。
○神野委員 
 そうですね。
○有賀座長 
 ある日、あるとき、ポーンとレクチャーして、はい、さようならだと、ちょっとさびしい。
○神野委員 
 年に数回来ていただいています。
○有賀座長 
 最初の最初は、多分そういうふうな御苦労があるようだということです。
○真田委員 
 神野先生の病院はすごいモデルだというのはずっと伺っていましたし、そのとおりだと思うんですけれども、先生が今回このようないろいろ企画をされる理由というのがよく分からないんです。つまり、医師不足なのか、看護師の能力がまだもっと拡大しなければいけないと思っているのか、そこの先生の根幹の御意見を。なぜこれをしなければいけないのか。
○神野委員 
 もちろん両方ございます。先ほどの心臓の方のクリニカルスペシャリストの話は、全く医師が足らないというか、仕事はたくさんあるけれどもということがあるんですけれども、ただ、こちらの院内認定制度に関しては、医師不足ももちろんあるんだけれども、それ以上に、15番に書いたように、キャリアアップしたいけれどもキャリアアップできない。特に5年目、6年目、7年目、10年以内の方が、ちょうど結婚してお子さんも小さい方が、私たちの病院にいっぱい働いていただいているわけですよね。その方々のモチベーションを下げないというのが一番大きいのかなと思っています。
○真田委員 
 ナースの質の向上を目指しているという。
○神野委員 
 質、まあ、モチベーションですよね。質の向上です。
○有賀座長 
 ナース一人一人のパワーがアップすると、全体のチームのパワーがアップすると。そういうふうな景色だと思いますが。
 じゃ、同じように院内の勉強の話がその後に続きますので、進めさせていただきたいと思います。
 資料の3「臨床看護師の医行為における業務の拡大に向けて」ということで、鉄蕉会亀田総合病院の鴇田先生、よろしく。竹股先生も一緒に、よろしくお願いします。
○竹股委員 
 それでは、私から先に、病院の紹介で時間がかかるといけないので、絵を持ってこなかったので、今、神野先生の病院と比較する意味で、簡単にお話しさせていただきます。
 私どもの病院は、一般病床865、精神60、合計925床の急性期の病院でございます。
 そして、細かくは申し上げませんけれども、人数だけ申し上げると、私どもは医師が多いんですね。今、瞬間風速で4月の段階で420。常勤です。ナースは、瞬間風速ですけれども、750でございます。そして、ナースの平均年齢が27歳です。そして、離職率が直近では12%前後でございます。新人のナースが平均的に毎年、新卒のナースが80から120名入ってきます。こういった背景の中でこれからOJTの話をさせていただきます。
○鴇田参考人 
 鴇田です。よろしくお願いします。より現場からの声をということもあって参加させていただきました。
 それでは、スライドの資料2のところです。
 私が今回皆さんの方にお伝えしたいことが、臨床現場ではどのぐらいの教育で、どのような医行為が可能なのかということで、救急外来で勤務する看護師の状況から検討してみたいと思います。
 次、スライドの3になりますが、発表内容ですが、はじめに、救命救急センターの状況をお伝えします。
 次に、トリアージナース教育を中心とした当施設の看護師教育について御説明します。
 続いて、トリアージナースの実際の業務について。
 救急看護師の成長・発達について。
 トリアージナースが行う医行為としての業務拡大の提案をしたいと思っています。
 その業務拡大に伴う改善点と、最後に課題を伝えるようにしたいと思います。
 スライド4に移りますが、救命救急センターの状況ということになりますが、これは、一般的に言われている1から5に表しているような状況になりますので、読み上げるのは割愛したいと思いますが、その結果、救急外来での患者数の増加となっているということです。
 スライドの5番目にいきますが、患者数は増加しているのですが、救急医療を担う医療機関の減少や医師不足、偏在性によって、救急患者の受入能力に限界を生じてきています。そのため、トリアージを導入する必要性が生じてきているという救急センターの現状です。
 次のスライド6番にいきます。救急外来でトリアージを実施することによって、貴重な医療資源を効率よく効果的に使用できるということです。また、救急外来における患者の流れを管理できますので、患者の重症化を回避し、早期から健康回復に支援できるようになります。
 スライドの7番目になりますが、トリアージという言葉がいろいろなところで使用されていますので、施設内トリアージということを定義しておきたいと思います。まだ日本ではしっかりと定義を打ち出していませんので、日本ではカナダのトリアージシステムを導入する方向性、現に導入をしていますので、カナダでのトリアージの定義を御紹介しておきます。
 資料の方はまた参考にしていただければいいと思いますが、現在の症状を評価し、重症度を決定するとか、トリアージのカテゴリーに当てはめるということが主な業務となります。
 次に、スライド8番目になりますが、当院の救命センターの状況です。
 まず、昭和60年に救命救急センターとして認定されています。そして、認定されたときから、軽症から重症までといういわゆる1次から3次対象患者まで受け入れる施設として行ってきました。
 多い月の患者数ですが、来院患者数としては、月約3,000人、1日約100人となります。
 入院患者数は、月約550人、1日約18人となります。
 救急車台数は、月約450台、1日平均で約15台となります。
 次に、スライドの9番目、診療体制です。
 診療体制としては、日中はウオークイン、歩いてくる方、また、救急車ともに救急科医師が担当します。
 また、夜間はウオークイン担当は内科系、外科系、小児科当直となって、救急車は救急科医師が担当するようになります。
 それでは、スライド10に移ります。次に、当施設における看護師継続教育についてお伝えします。
 当施設は、パトリシア・ベナーが提唱した看護師の成長・発達段階をもとに、2003年からになりますが、発達段階別教育を開始しました。その発達段階別教育をキャリア・アドバンス・システムと呼んでおり、略してCASと呼んでおります。
 このCASですが、個人のニーズと組織のニーズの調和を図りながら、個人のキャリア発達を支援していくシステムです。
 目標ですが、1番目として、ベッドサイドナースの臨床看護実践能力の育成、2番目として、臨床におけるリーダーシップ能力の育成、3として、チーム医療に必要なコミュニケーション能力の育成、4、他の看護師のロールモデルとなる看護師の育成、5、ジェネラリストナースの育成、6、専門的なサイコモータスキルの育成、7、セルフラーニングを奨励するということです。
 次に、11番目のスライドですが、CAS(キャリア・アドバンス・システム)における看護師のキャリアアップをイメージしております。
 レベル1、新人から、レベル4、達人までありますが、レベル3に達した後、ジェネラリスト、スペシャリストに至る力に到達することができるとイメージしているものです。
 次、スライド12番目のものです。キャリア・アドバンス・システム(CAS)を構成する概念になりますが、看護実践、臨床能力項目、臨床能力の段階指標、評価ツール、臨床能力別教育計画の5つになります。そして、臨床能力別教育を看護実践に生かし、看護実践に対する段階指標や評価を行い、再び教育に反映するということになり、トライアングル状に相互関係として進んでいきます。
 スライドの13番目です。CASの縦軸はレベル1からレベル4の4段階となり、横軸に看護師の必要な能力を表しています。
 ナーシングプロセスの中には、アセスメント、計画、介入評価が含まれています。また、教育能力、自己学習能力やリーダーシップ能力、専門職業人としての自覚、行動があります。それをマトリックス状にして段階ごとの特徴や目標を示しています。
 スライド14番目です。少し細かくて見づらいんですが、先ほど御説明しました内容を表したものです。今回御紹介するトリアージナースは、赤枠で囲っている箇所がレベル2に相当します。
 スライドの15番目になりますが、レベル2の全体像としては、同じ、あるいは類似した環境で2年以上仕事をしている看護師、長期目標や計画を立てて意識的に自分の活動ができる。現在及び予測された状況で何が重要か判断できる。一人前の日常業務ができることとなります。
 少し具体的に見ていきたいと思いますが、ナーシングプロセスの項目としましては、アセスメントとして個別的な経営計画を作成するためにデータ収集ができる。
 フィジカルアセスメントを使用し、情報収集ができる。フィジカルアセスメントとしては、マル1呼吸器系、マル2循環器系、マル3神経系、マル4消化器系、マル5皮膚・感覚器系、マル6患者の言動や行動または様相が含まれます。
 また、急変を予測したアセスメントができることとして、経時的なデータから現在起こっていることや今後の予測ができる、患者のモニタリングデータの変化をアセスメントできるとなります。
 続きまして、16番目のスライドの介入の部分ですが、個別性に応じて計画をフレキシブルに修正し実践している。急変時の即時的な対処行動がとれる。危機状態にある患者又は家族への援助ができるなどがあります。
 教育力、自己学習能力としては、長期的な学習計画を立てて実践している。自主的に院内外の研修に参加しているなどがあります。
 次、17番目のスライドになりますが、リーダーシップ能力の項目としては、他のヘルスケアメンバーと効果的なコミュニケーションがとれる。問題が起きた場合、病院の組織・構造を知り、適切なコミュニケーションがとれる。組織が起こしている変革を理解し、行動できる。チームリーダーとして活躍できる。業務の優先順位を考え、調節、遂行ができる。リスクマネジメントの視点で判断ができるとなります。
 このように、各段階に応じて目指すべき項目がありますので、それに向けて看護部内教育や臨床現場での教育が行われます。
 18番目のスライドとしては、CAS(キャリア・アドバンス・システム)の特徴の一つとして評価システムがありますが、CASにおけるレベル認定までの流れを示しています。
 看護師個人がレベルアップ志願をします。そして、6カ月の間に行う看護実践を、同僚、上司、CAS委員長による複数の評価者による第三者評価を受けます。その後、評価内容は点数化され、申請されます。申請された評価内容をCAS認定委員会で認定会議を行い、認定の是非を判断していきます。更に、評価結果は志願した個人に必ずフィードバックされます。
 次に、19番目のスライドです。このスライドは、評価方法の特徴をまとめたものです。
 先ほどお伝えしましたように、この評価方法の特徴は、同僚、上司、委員長など、複数の評価者により評価されるということと、評価内容は点数化されていくということです。
 次、20番目のスライドですが、評価された、点数化した配点とレベル区分の一覧です。トリアージナースの目指すレベル2は、点数によりAからEまでの5段階に分けられています。CASの評価結果をフィードバックされることにより、自分の実践能力のいわゆるデコボコが見えてきます。その結果、個人としてどの部分に力を入れていったらよいか、目標を持つことができます。
 21番目のスライドは、このグラフは、看護部門の教育実績を表しています。
 教育内容はレベル分けされており、2009年度の総時間は409時間でした。
 22番目のスライド、これから救急看護師教育に触れていきます。
 救急看護師も看護師ですから、先ほどから説明していますCASの目標に沿って看護師教育を受けます。更に、救急という部分を現場で学習していくことになります。
 まず、救急看護師として基礎的な知識・技術を学習します。
 次の段階として、トリアージナース教育やチームリーダー教育に進みます。
 そして、トリアージナースを目指す看護師は、CASレベル2を志願するようになります。
 23番目のスライドですが、救急看護師教育として、入職時に救急看護師としての基礎的な知識・技術を習得します。
 そして、1年6カ月ぐらい経過した後、トリアージナース教育が始まります。
 トリアージナース教育には、約半年間の時間をかけますが、講座、机上シミュレーション、模擬患者によるシミュレーション、フォロー付き実践で構成されています。
 模擬患者シミュレーションにはOSCE評価を行います。また、フォロー付き実践の前後にはペーパーテストを行うようにしています。
 入職2年ごろよりチームリーダー教育を受けるようになります。
 そして、3年にはCASレベル2を申請し、受講するような形になります。
 次、24番目のものがトリアージナース教育が始まるまでの具体的な教育内容を示しております。
 救急病態の理解としては、意識障害、急性呼吸不全、急性循環不全、ショックについて行います。また、BLS、ACLSはもちろんのこと、PALSやISLSやJPTEC、JATECなどの外傷についても学習します。救急の初期治療では、フィジカルアセスメントやバーチャルサインは重要ですので、講座でも学習しますが、特に臨床の場で何回も指導を受けながら学習をしていきます。また、救急外来では、医師の診療の介助を頻回に行いますので、フィジカルアセスメントを駆使した診察方法を学習することになります。
 次、25番目のスライドになりますが、また、画像の見方や疾患の学習についても講座で学習するとともに、臨床の現場で医師からのフィードバックを通して学習していきます。非常にここの臨床の場での医師からのフィードバックを重要視しております。看護部門でもフィジカルアセスメントや薬学について学習会がありますので、参加することになります。トリアージナース教育が始まるまでに、時間にして219.5時間の講座を行います。
 次、26のスライドになりますが、トリアージナース育成コースについてです。
 トリアージについてからはじまり、接遇、コミュニケーションや症状別トリアージやトリアージに活かすフィジカルアセスメントなどを学習します。また、リーダーシップや問題解決法なども学習していきます。そして、机上シミュレーション、模擬患者によるシミュレーションを行い、フォロー付き実践に入っていきます。その後、テストを受けて合格すると、看護部内のトリアージナース認定を受けるようになります。時間としては55.5時間を費やすことになります。
 27のスライドとして、トリアージナースの業務になりますが、ウオークインで来院する患者へのトリアージ判定を行い、診療の優先順位を決めていきます。そして、チームリーダー看護師や医師へ情報提供を行います。また、当施設では循環器内科プロトコロールがあり、そのプロトコロールに沿って、該当する患者に対しては、十二誘導心電図を施行し、直接循環器内科医をコールするシステムになっております。トリアージ判定後は待合室で待っている患者への再評価と必要な看護介入を行っていきます。
 28番目のものは参考資料で入れておきましたが、トリアージナースの基本的な業務の流れを示しております。
 29番目のスライドは、トリアージを判定するときにガイドラインとして使用しているものです。CTASというカナダのトリアージスケールを翻訳したJTASというものを参照にして行っています。しかし、現在、JTASはCTASを翻訳したままになっていますので、そのまま活用できないところもあり、そのため、JTASのガイドラインを取り入れて、実際の患者に合わせてフローをいろいろ作成し活用しているものです。
 29から30、31がJTASのものになります。それに基づいて、当院の患者へいろいろ試行錯誤して作っているものが32、33のトリアージフローの一部を抜粋してきたものです。
 34のものですが、これは、循環器内科医師コールのプロトコロールです。ちょっと見づらいんですが、循環器内科医師コールのガイドラインや十二誘導心電図実施のためのガイドラインというものを入れ込みながら、通常であればウオークイン担当の医師が診療するところを十二誘導心電図を行い、直接循環器内科医師をコールすることになります。それによって心臓カテーテル検査を決定し、執行するまでの時間は平均ですが、40分と、以前に比較して短縮しております。
 35番目のスライドは、行ったトリアージ評価ですが、1.医師が診療するまでの時間、2.再アセスメント施行時間、3.医師が診療するまでの時間に対し診療を受けることができた割合、4.トリアージレベルごとの入院率を行っています。
 これは、スライド36に示していますが、CTASというカナダのシステムの中では、それぞれ基準を打ち出していますので、参考にしています。当院でも現在このようなデータを収集してまとめている最中です。
 37番目のスライドになります。今まで御説明してきましたが、救急看護師は救急看護師としての学習と看護師としてのキャリア・アドバンス・システムでの段階別教育や評価を受けるようになります。その結果、次のような成長・発達をしていきます。
 まず、1)救急病態を学習し、救急疾患に対する知識を習得していきます。
 2)トリアージナース育成コースを通して臨床推論や批判的思考を学習し、焦点的なフィジカルアセスメントを習得していきます。
 3)画像検査や血液検査に対する学習をするとともに、医師の診察に立会い、画像検査結果や血液検査に対するフィードバックを受けるなど、学習する機会を多く持っています。
 4)看護師継続教育の中で、リーダーシップや自己学習能力を高めることができます。
 38番目のスライドですが、以上のような教育内容と成長・発達を示すトリアージナースは、トリアージ判定後に診察を待っている患者に対して、次の2点を医行為として業務拡大していくことを提案したいと思っています。
 1番目ですが、採血や画像オーダーを医師の包括指示としてプロトコロールにまとめておき、診察を待っている間に待っている患者にプロトコロールに沿って採血や画像検査を実施する。
 2番目として、患者が待っている間に血液検査や画像検査結果が出た場合は、それを一定の範囲内になりますが、評価し、医師に伝えるなど、再トリアージ判断に活用する、です。
 39番目のスライドになりますが、提案した2点をもし実施することになった場合には、救急診療時間の短縮、救急外来滞在時間の短縮、医師の負担軽減、トリアージ判定の精度向上、患者だけではなく医療従事者の満足度の向上になるのではないでしょうか。
 最後に、提案した業務拡大を実施するためには、1つ目として、医師との共同作業としてプロトコロールを作成していくことが重要です。また、作成したプロトコロールは続けて検証していく必要があります。
 2つ目として、血液検査や画像検査に対する学習会を進めていきますが、更に臨床の場で医師からフィードバックを受ける体制を構築していく必要があると思います。
 以上、今回、トリアージナースの育成について御報告しましたが、救急外来のナースとしての医行為は、当院は現在幸いにも医師数に恵まれていますので、多くはありませんが、画像検査結果を見て医師に伝えることや、あと、トリアージしたときのパルスオキシメーターの数値によって酸素投与の開始をする、また、動脈ラインを採血したり、留置バルーンカテーテルの操縦などを行っているのが現状であります。
 以上です。
○有賀座長 
 どうもありがとうございました。貴重な御発表ありがとうございます。
 御質問等ございますでしょうか。
 ちょっと確認ですけれども、CASというクリティカルレベル、クリティカル領域のCASにレベル2という、17番目のスライドがございますが、この教育の枠組みというのは、トリアージに関する勉強よりも広い概念なんですね。
○竹股委員 
 そうです。基本的には、まず、どのナースにも当てはまる概念です。そして、現在はこれをベースにして、急性期と回復期と分けています。
○有賀座長 
 急性期のCASのレベル2と。
○竹股委員 
 そうです。
○有賀座長 
 このレベル2というのは、さっきの神野先生のお話のスライド22のレベル1、2、3、4とありますけれども、このレベル2とおおよそ相同的だと考えていいんですか。
○竹股委員 
 違います。
○有賀座長 
 全く違うんですか。
○竹股委員 
 はい。今、看護の業界の中でも、このレベルを日本の中で統一しているわけではございませんので、病院の中で病院の中なりのもので決めているのが実態になっております。
○有賀座長 
 分かりました。
 ちなみに、僕らの業界のことで恐縮ですが、JTASという今のものは、いずれJTASを作りたいということで、CTAS(JTASプロトタイプ)というふうな位置付けでございますので。
○小松委員 
 非常に綿密に立てられ教育プランだなと思うんですが、年間にどれぐらいの方がトリアージナースとして誕生しておられるのか。あるいは、1つ、いわゆるOJTの中で専門研修を受けていても、部署が変わっていくということが基本的な現場の状況だと思うんですけれども、その辺のところはどうなっているのかということ。
○鴇田参考人 
 まず、どのぐらいの人員を輩出しているかということですが、今も半分以上の人たちはトリアージナースの認定を修了していますので、まる2年以上の人たちが対象でどんどんトリアージナースの研修を受けるという形になっています。
○有賀座長 
 そうすると、年間何人ぐらいが新たに。
○鴇田参考人 
 年間ですと、大体3名から4名ぐらいになります。
○有賀座長 
 救急外来のナースは何人ぐらいおられて。
○鴇田参考人 
 今現在は18名。救急外来の単位としては18名のナースですね。
○有賀座長 
 何年前からこれをやっておられるかというと。
○鴇田参考人 
 このシステムできっちり認定しているのが3年前からになります。
○有賀座長 
 じゃ、三三が九、半分ですね。
○鴇田参考人 
 はい。
○有賀座長 
 分かりました。
 よろしいですか。
○小松委員 
 あと、部署を変わっていくということが看護師の場合はあるわけですけれども、それはどうなんですか。
○鴇田参考人 
 もし救急外来から始めた場合には、1年間半を目安にトリアージコースに乗っかっていくんですが、一般病棟や救急病棟から来た場合は、3年以上の経験を有して、救急外来を半年経験してもらった後にこのコースに乗っていくという形になりますので、今現在は、何人かのローテーションの方はいますが、それに沿って行っているということになります。
○小松委員 
 多くの人はここにとどまってキャリアを積んで、スペシャリストとしてキャリアを積んでいくというふうなことですか。
○鴇田参考人 
 ことが多いですね。
○有賀座長 
 ほかにございますか。
 じゃ、ついでに。救急看護認定看護師さんは、今の9名とはどういう関係になるんでしょうか。
○鴇田参考人 
 認定看護師は5年からのキャリアを持った認定看護師制度に進むんですが、当然ながら、私たちが今行っているトリアージナースもパスしているというか、受けている人たちで、更に看護協会の認定へ行って進めて、もっともっと広い範囲でのいろんな活動をしているということになります。
○有賀座長 
 よろしいですか。僕ばかり質問しちゃいましたけれども。
○星委員 
 救急認定看護師もいらっしゃるんですね。
○鴇田参考人 
 はい。
○星委員 
 何人ぐらいいらっしゃいますか。
○鴇田参考人 
 今現在は、救急認定としては1名で、来年度になると2名行くことになりますが、今現在としては1名になります。
○有賀座長 
 救急認定看護師さんは即トリアージができるという水準では今のところないですよね、確か。要するに、資格そのものがそのままトリアージナースとしての業務をやらせるという話にはなっていませんよね。
○鴇田参考人 
 そうですね。認定看護師イコール、トリアージオッケーというようなことではないんですが、当院の認定看護師に行くような人たちは、既にこの教育のあれを受けていますということになります。
○有賀座長 
 分かりました。
 先だって、日本看護協会の救急認定看護師のプレゼンテーションがございましたので。
 どうぞ。
○井上委員 
 38のスライドでお伺いします。まさにこれが業務拡大に関して今いろいろ論議しているところだと思うのですが、この提案されている2つは、どのレベルで実施可能なのか。亀田病院での教育なのか、それとも、それ以後5年の認定看護師教育か、いや、もっと先なのかというところを率直に教えてください。
○鴇田参考人 
 まず、今回出した2点についてですが、現在の看護部全体の教育の枠、あとは救急外来での教育とトリアージナースコースというレベルぐらいのものであれば、医師とのしっかりとした共同的なプロトコロールを作成していれば、このレベルは可能だと思っています。
○井上委員 
 院内。
○鴇田参考人 
 院内。ただし、2番目の画像結果を見るということに関しては、一定範囲の、例えばCT上の出血と見分けができるとかいうことをしっかり学習し、臨床の中で医師とフィードバックして、その学習成果を持った上で。ですから、一定の範囲という枠組みは必要になってくると思います。
○有賀座長 
 よろしいですか。一緒に一生懸命働いていれば、そのうち何とかなるという気がしないでもありませんが、それはちょっとよけいなことを言いました。
 実際、この1と2は、信頼関係の賜物としては実体験が全くないわけはないというふうなことを言いたかったのです。体系的にやろうと思うとこうだという話は分かりました。
 では、その次の資料4は、星総合病院、星先生によろしくお願いします。
○星委員 
 それでは、発表させていただきます。
 2つの病院に比べますとちょっと有名度が落ちますので、少しリラックスをして聞いていただきたいと思うんですが、まず、一番後ろのスライドを見てほしいんですが、17、18はちょっと大きく拡大してもらいました。これはあわてて作ったスライドなので、余り出来がよくはないんですが、星総合病院の教育プログラムというのがどういうものかを示しています。その前に病院はどんな病院かというと、実際には440床ぐらいの運用で、ナースが300ちょっとですかね。医師が70人程度。離職率、平均年齢は、両病院の間ぐらい。6%、7%。そして平均年齢が30代半ばぐらいというところだと思います。
 教育研修センターというのが今現時点では立ち上がっておりまして、大きく3つの研修をしている、あるいは教育をしているというのが17番のスライドであります。
 今日お話をするのは、グリーンのところでありまして、施設別研修、委員会研修、それから、専門別研修、ここは専門別とあえて書いています。職種別ではなくて、できるだけ相互に乗り入れるということで専門別研修という書き方をしております。それから、院外医療従事者の研修というもので、今日は大まかに言いますと、この3つのことであります。話とすれば、褥瘡に関することをメインで今日はお伝えするということになっております。
 うちの病院の特徴的なところをちょろっとお話をしますと、院内研修の段階別研修と社会人教養講座云々と書いてありまして、10年目、管理監督者とあります。これは、入職以来、医師も看護師も事務職員も基本的には同じ研修を受けるということでやられているものでありまして、後でちょっと説明をさせていただきます。こういう教育体系を持っている全体像ということであります。
 それから、看護部の教育ということで、余り格好よくないですが、星病院キャリアアップ支援グランドデザインと書いてありますが、下から見ていただきますと、基本的にはどこも同じような仕組みだと思うんですけれども、4つの必要とされる能力を順番に積み上げていこうという形でありまして、これもクリニカルラダーのようなものでありまして、1年目から3年目まで。そして、修了認定を受けて4年目以降のレベル3、そして、その上、レベル4ということで、エキスパートコースということになります。我々がこういう形でやっているということです。
 中途入職者については、左側に青い箱で示しておりますし、横に書いてありますが、進学をしたいという者に対する支援なども行っています。
 どこでもそうだと思いますけれども、上に屋根の付いた矢印みたいものがありますが、スペシャリストの研修、教育研究者の研修、そしてマネジメント研修ということで、看護学校を併設しておりますので、看護学校の教員、あるいは大学の研究科などにも、休職をしたり、あるいは働きながら進んで勉強しているという者もおります。専門看護師が間もなく認定されるのかな、精神科領域で1名、認定看護師が6名おります。
 管理者につきましては、ベースとしては看護協会がやっているファーストレベル、セカンドレベルというようなことでやっている形であります。
 戻っていただきまして、1ページ目のところですが、私ども、大体新入職員が多いときで60名から70名、少ないとき、去年ではこのぐらいでありますが、3月、4月、5月ということで、新入職者の研修と1年目の研修をそれぞれやります。それから、3年目研修、これは座学でありますが、こんな形でやっていくということでありまして、ごらんのようにだんだん数は減っていくということにはなりますけれども、10年目の研修、そして海外研修などにも行っております。
 先ほど申し上げた社会人教養講座というのは、こういうのをやっていますよということで、いろんなことを書いておきました。一見関係なさそうですけれども、我々の社会人としてのキャリア、それから、医療者としての基本的なマナーというものは継続的にやる必要があるということであります。
 さあ、それで褥瘡対策であります。我が方の褥瘡対策について、ちょっとだけ簡単に述べます。
 平成14年、これはどこの病院もそうだと思います。悪名高きといいますか、厚生省の保険局が決めた診療報酬で何とか褥瘡管理をしていないとだめ減算というのがありまして、そのあたりがスタート地点ではありますが、委員会の開催、体圧分散のマットの購入、これにまさにぎりぎり間に合わせてやったというところですが、15年の8月には排泄ケア、認定看護師が1名誕生、そして18年4月、このようになっています。ドックの話は後ほどさせていただきたいと思います。
 次のスライドにいっていただきます。これは、専門家の真田先生がいるので、ちょっと恥ずかしいんですが、トータルケアということで、褥瘡については、かなりいろんなアプローチが必要だということで示させていただきました。話題になっておりますデブリードメンというのは、ごくごくその一部だということを理解していただくために、専門家でない人もおいでなので、ちょっと出したというだけであります。
 褥瘡教育につきましては、段階的に実施するということになっておりまして、0の基礎教育、これは学生ですね。新人、中堅、ベテラン、それから、リンクナース、これは各病棟に配置しております経験5年以上の看護師でありますし、その上に訪問看護、あるいは専門病棟における教育、そして、7番として院外医療者向けの教育とございます。それぞれ説明してまいります。
 新人看護師の教育につきましては、基本的には座学で4時間、そして演習を2時間ということで、4月、5月、6月にそれぞれリスクアセスメント、発生機序、予防、あるいは看護ケアの演習そのものをやります。
 中堅につきましては、目的が褥瘡ケアに取り組むことができるということで、褥瘡予防と褥瘡治療ということで、7月に大体2時間、演習を含めて集合教育をやってございます。
 続きまして、ベテラン、これはこういう言い方をしておりますが、褥瘡発生原因を追求し、治療に向けた看護計画を立案・実施、実践できるということでございます。実施時期は今年の場合9月で、アセスメントと看護計画、褥瘡を見て発生原因をアセスメントするということであります。これも集合教育でありますが、2時間程度とあります。
 ここからがより具体的になります。褥瘡リンクナース教育ということで、リンクナースを、各病棟に2名ずつ配置をさせていただきまして、月1回の1時間の集合教育をしています。これは、褥瘡委員会の後に大体実施をするものでありまして、最新のものについて1時間程度の主に座学の講習、研修をしております。
 褥瘡委員会主催の勉強会というのもやっておりまして、これは、リンクナースには限らないわけですけれども、口腔ケアについて、あるいは創傷被覆材についてということで、多くの職員たちにそれぞれやっております。口腔ケアが何で褥瘡委員会なのかというのは、分かっている方は分かっていますが、要は栄養状態というのが非常に褥瘡の発生や治療に大きな影響があり、その関連からこういったことに取り組んでいるということであります。
 褥瘡リンクナース教育のページに写真が出ております(1)、(2)のところにありますのが、写真。10番の方が回診の様子、そして11番の方がカンファレンスの様子でありまして、順番が行き来しましたけれども、(1)の方に内訳として戻っていただきますと、リンクナースの教育ということで、症例検討会が1回約2時間、褥瘡回診に約1時間半、症例検討会に約30分から50分ということでありまして、このぐらいやっております。
 褥瘡回診は、このようなメンバーで参ります。
 形成外科の担当医師が2名ございまして、それがついて回っていきます。
 現実に傷口、褥瘡の面について、デブリードメンを看護師がするかというと、我が病院では今していないということでありまして、必要な場合には形成外科の医師が必要な場所でやるべき場所でやっているというのが現状であります。
 その先、12番にいきますが、訪問看護師の教育をしております。これにつきましては、訪問看護ステーションがございまして、看護師6名、理学療法士1名ということで、こういう体制であります。利用者としては150名、登録者ですね。そして、延べ件数とすれば450件でございます。
 目的としては、褥瘡に関する知識・技術を高め、予防・早期発見・対応できるということでありまして、症例検討会や褥瘡に関する勉強会、あるいはWOCの認定看護師への相談・症例検討会などをやっております。
 言い忘れましたが、褥瘡リンクナース教育のところでの褥瘡回診でありますが、リンクナースは、12病棟ありますので24名います。そのうちの2名が2週間回って症例の提示などをするということでありまして、1週ずつずれておりますので、1人の看護師さんが2週続けてリンクナースとして褥瘡回診に関わるという形であります。
 それから、褥瘡ドック、専門病棟です。褥瘡のいろんな基本的な仕事をした人たち、あるいは勉強した人たちが、今、褥瘡ドックということで、8床で現実的にはOJTを中心にトレーニングをしております。12のケア、これも専門家がいるので言いにくいんですが、こういったことで体圧分散寝具の選択、こういったことをやっているということで、御存じの方は、パッと見れば、どんなことをやっているかというのは想像できると思います。私も知らなかったんですが、バブ浴というのは入浴剤。炭酸ガスが出るというやつですね。あれを入れたお湯に足を浸しておくと、皆さん実験してみれば分かりますが、全身大汗をかくということで、血行の改善などにもかなり効くらしいです。この辺は真田先生に後で補足をしていただく必要があるかもしれません。
 専門病棟ではどんな教育をやっているかということを分りやすくしたつもりで書いたのが14番目のものであります。リスクアセスメント、あるいはDESIGN−Rの評価などを入院の時点でさせていただきまして、入院中には、先ほど13番で示しました12の実践の標準ケアというのを実践をし、あるいはカンファレンス、回診その他に同行する、あるいはカンファレンスするということであります。
 退院に向けては、ドックの報告書を作りまして、退院後の教育、患者さん、家族への教育なども退院に向けて実施するということでありまして、それをOJTなどを中心にしているということであります。
 ちなみに、褥瘡の報告書というのを持ってきましたが、ドックの報告書ですね。例えばこういうものでありまして、1人の患者さんにつき、こんな感じで7〜8枚のレポートになっているようであります。実際、どんな治療を行ったのか、どんな体位をとると褥瘡の予防ができるのか、あるいは治癒に貢献するのかということについて示されています。傷口の様子などもお知らせをして、送っていただきました医療機関にお返しするというスタイルでやってございます。
 ただ、ここが問題でありまして、我が病院で数週間から数カ月、長いものになると2カ月以上になりますけれども、集中的に褥瘡のケアをさせていただいて、最後には、もちろん先ほどお話をしましたとおり、植皮をしたり、皮弁を作ってというようなこともございます。しかし、戻られると、またできるということがしばしばあります。
 ということで、地域全体で褥瘡の教育をしなければいけないということで、7番目のことを考えました。院外医療従事者向けの研修会ということでありまして、今年は3回を予定しています。7月、10月、そして11月、多分今週だと思いますが、3回目をやる予定になっております。
 医療安全について、そして褥瘡予防とスキンケアということで、認定看護師などはこういった形で40医療機関、施設から来ていただいた方々に教育をしているということです。
 それをまとめますと16番ということになります。私どもは、褥瘡だけをやっているわけではありませんが、今回、さまざまな領域の中から褥瘡のトレーニングをどんなふうにしているのかということを御紹介いたしましたが、私も知らないので勉強させていただきました。
 1つは、外に向けた教育については非常に感謝をされております。ある施設からは、うちでの褥瘡発生は0になったという、非常にうれしい声も届いております。それから、我が病院のスタッフがかなり褥瘡と激しく闘っている様子、そしてまさにチーム医療ですね。栄養士やPTや、その他のいろんな専門家とチーム医療で向き合っているというようなことで、大変に私も感激いたしまして、ここで発表できることを大変うれしく思いました。我が病院での取組みを簡単に説明しました。
 以上でございます。
○有賀座長 
 どうもありがとうございました。
 御質問等ございましょうか。真田先生の名前が何回か出ましたけれども、その前に先生、褥瘡ドックと時々出てきますけれども、これはイメージとしてはどういう感じなんですか。病棟じゃないですよね。
○星委員 
 病棟の中に8床分の寝具その他を備えた病床を用意しております。ほぼいつもいっぱいで、お断りするような状況になっております。
○有賀座長 
 そうすると、各病棟に8床ずつの。
○星委員 
 いや、そうではない。1つの病棟に8床のドック専用といいますか、ドックを中心に取り扱う病床を準備していると。
○有賀座長 
 それを褥瘡と。
○星委員 
 ドックと呼んでいます。というのは、褥瘡ができて、治療方針を決めて、一定程度改善をした上でお返しをするということで、つまり、預けられて、私どもに全部やってください、褥瘡の患者さんをお願いしますということではなくて、お預かりした患者さんをきちんとお返しするということから、適当な名称がなかったので、こういう言い方をしています。
○有賀座長 
 ありがとうございます。
 ほかに御質問ございませんか。
 では、せっかくの時間がもったいないので。先生のところには、褥瘡委員会担当師長さんと褥瘡のリンクナース、12掛けると24人と先生おっしゃいました。それから、皮膚排泄ケアの認定看護師さんがおられるということになるんですね。そうすると、別に兵隊の位という感じではないんですけれども、勉強プロセスとしては、認定看護師さんが一番たくさん勉強されていて、その次に婦長さんがいて、それからリンクナース、こんな層構造になっているんですか。
○星委員 
 言ってしまえばそうなんですが、認定看護師というのは、主体的に全面的に褥瘡に関わっているかというとそうではなくて、彼女の仕事の一部として褥瘡の回診やリンクナース教育に関わっているというふうに認識していただいた方がいいのかなと思います。
○有賀座長 
 でも、先生、褥瘡の回診というのは、形成外科の先生が2名とあります。毎週という感じなんですよね。
○星委員 
 必ず毎週です。
○有賀座長 
 そのときだけ褥瘡のことを考えているわけではないですよね。
○星委員 
 もちろんそうです。15分放っておくとできるそうですから。
○有賀座長 
 だから、そういう意味では、ほかのこともしながらと先生おっしゃったけれども、結構これに没頭されているんじゃないかなと僕、思ったものですから。それで層構造ですかと聞いたのは、リンクナースは恐らく仕事を病棟で一緒にやりながら、時々と言ったら変ですけれども、自分の能力の何十%かはそっちへいっているかもしれませんけれども、こちらの層構造の上の方にいくと、相当程度にそればかり考えているのかなと思ったものですから、そういう意味での質問です。
○星委員 
 そうではないと思います。ですから、ここにある12の基本ケアというのを病棟全体で実践できるようにということで、褥瘡の担当の師長さんというのも病棟全体の師長と一緒の人なので、病棟全体とすれば、今は混合病棟という扱いですけれども、そこ全体を見ながら、かつ基本的なケアを必ずみんながやるということで、ドック、あるいは病院全体の褥瘡のレベルアップといいますか、対応のレベルアップを図っているという状況になります。
○有賀座長 
 感染管理も結構地域全体で考えていかなくちゃいけないねという議論が時々ありますよね。先生、今、はからずも院外の医療従事者向けのという話を最後におつけなになったので、そういう意味では、本格的にというふうにイメージとして持ったものですから、質問させていただきました。ありがとうございます。
 ほかにございますか。どうぞ。
○秋山委員 
 星先生、訪問看護師の教育をしっかり入れていただいていて、とてもうれしいなと思いながら、訪問看護師は、この病院附属なので、病院からの指示書だけですか。ほかの医療機関もありますか。
○星委員 
 いいことを聞いていただきました。私、しゃべり忘れたので、後で怒られるところでした。
 私どもの訪問看護ステーションは、半分近くは介護保険適用のものに行きます。そして、半分は医療保険でありますし、精神科の訪問看護などもやっています。ちなみに、訪問看護の認定看護師も1人おります。大半は外部の先生からの指示書をいただいております。ですから、その指示書の中には、あるいは指示の中には、えっ、今時? というのがないわけではありません。えっ、今時そんな指示? というような内容が、この間もお話が出ていましたけれども、ないわけではないというのが現実です。ですから、そういう先生方への教育の必要性というのも先ほどの7番の教育につながっておりまして、できるだけそういうきちんとした指示をいただいて、情報提供するということになっています。
 ただ、現実に行った先でかなりひどいのを見つけて大変な目に遭うということもあるようでありまして、その辺はある種地域の先生方との意識のずれというのがあるのかなというのは感じております。
○秋山委員 
 それで、先ほど一たんドックで直しても、帰ってからまた悪化してという状況が地域の中ではあるので、地域の中での教育もしっかりなさっているということなんですが、その辺で、訪問看護自体が、行ったときにその場でせざるを得ないというような状況もあることはあるということですね。
○星委員 
 あることはあるそうです。出血が止まらなくてずっと押さえていたということもあると聞いています。ですから、地域での現状というのは、褥瘡に関してはかなり厳しいものがあるというのは分かりました。
○真田委員 
 星先生ありがとうございました。星先生、御認識は余りないかもしれませんけれども、星総合病院というのは、褥瘡に関しては先駆的な取組みをしている、大変日本でも有名な病院でいらっしゃいます。特に、専門ドックを日本で持っているのは先生のところだけで、日本の褥瘡関係者から注目されているんです。ということを先に言わせていただいて、今回、先生、おっしゃった、きっとWOCナースが、皮膚排泄系認定看護師が、多分ほかのことも仕事をしているとおっしゃったんですが、基本的にはハイリスク加算をお取りになっている時点で専従になっていますから、ほかの仕事はしていないことに一応なっているんですけれども。済みません。
 それで、これは先生、非常にすばらしいプロトコロールで、日本で皆さん注目しているのはもっともだなと思って、先回も講演に行かせていただいたときに、皆さんの熱い視線に私も大変感動いたしました。
 その中で御質問なんですけれども、ナースの仕事の中で、先生のところのWOCは創傷管理は全くしないということになりますか。つまり、専門ドックのところとか、いろいろ見せていただいても、されているのは看護ケアですよね。13番をごらんくださいませ。一般的に皮膚排泄系認定看護師の一番強みというのは、もともと看護ケア、基本的な看護ケアにプラスして、創傷管理ができるというところだと思うんです。ぎりぎりのところでグレーゾーンという話がいつも出てくるんですけれども、在宅にお帰りになる間にも、きっと毎日の創傷ケアは皮膚排泄ケア認定看護師がしていると思うし、在宅ではお家の方がされるので、すべてそこは教育が行き届くと思うんですが、先生のお考えではいかがでしょうか。
○星委員 
 最初のところの話、ちょっと舌をかみましたが、最初の話というのは、リスク加算の云々ですが、この病棟のこのドックに専従的、あるいは回診その他だけにやっているという意味ではないということです。病院全体のハイリスク加算に必要な仕事をしていますからね。よろしくお願いします。
○真田委員 
 分かりました。
○星委員 
 それから、現実にどうかという話でありますが、我が病院の中では、非常に恵まれているんだと思うんですけれども、形成外科の医師が常勤で2人プラスアルファおりますので、何か創自体の処置が必要である。言えば、デブリードメンが必要だというような場合には、その必要性についてのインプットがあれば、医師が行って現実にはやる。その上で、処置自体は形成外科の医師がやっているということでありまして、看護師にこれ、やりたいかと聞くと、やってくれる人がいるのにやる必要はないなということは現実には言っております。ただ、その上で申し上げると、地域に出た場合、あるいは御家庭に帰った場合に、すぐに我々の形成外科の医師の手が届く場面ばかりではないので、その場面についてはかなり厳しい判断と処置の、先ほど言った、どうしようもなくて手を出すということもあるようでありますが、基本的に、創の出血を伴うような医行為については、現時点で私どもは形成外科の専門医がやるというスタイルになっているということです。
○真田委員 
 はい。
○有賀座長 
 ほかにございますですか。
 星先生、形成外科のお二方の監督、教育によって、場合によっては形成外科のお二方と同じようなことがナーシングスタッフにもできる可能性があると。もしそうだとすると、地域全体としては、その面でのクオリティはよくなると。そういうふうな議論は地域の中ではあり得ますか。
○星委員 
 少なくとも私がこのチームと一緒に回診に行ったり、カンファレンスに参加したり、あるいはこれまでの取組みを見ている範囲、あるいはWCOナース、あるいは担当の看護師から聞いている範囲では、あるいはもちろん形成外科の医師もそうですけれども、どうやっても出血してしまうことがある。そうなれば、必ず止血の行為その他が必要になる。場合によっては電メスでやるということになりますので、それなりの施設設備の整っている場所で、それなりの教育を受けた者がやるというのが前提になる。となると、地域に出ていって一定程度のことが、止血を伴う行為としてそうそう簡単にやれるのかというと、決してそうではないなというのが私の少なくとも現時点での印象ですし、少なくともそういう取扱いで我が施設ではやっております。ですから、地域でそういう状況にならないようにという、むしろそっち側のところにエネルギーを注いでいるというところと理解していただけるとありがたいと思います。
○有賀座長 
 ほかにいかがですか。
 僕が質問したのは、もうちょっとプリミティブな発想は、外科医。外科医は、自分が直接手を下さなくても、第一助手がやっても同じ結果が出ると。それが外科医の究極の姿だと言われてきましたので、自分でやるということのその次は、人にやらせるということがあって、その人が場合によってはナーシングスタッフでも、この形成外科の先生はそういうようなことをお考えになっているのかな、どうなのかなと思ったのでお聞きしたんです。荒唐無稽に聞いたわけじゃなくて。
○星委員 
 その意味ではそうではない。少なくとも本人が手を下すことができる範囲において、あえてそれを助手にやらせるということではないと。むしろ看護のケアのところに重点をおいて、予防やその他のことにしっかりと取り組んでもらう。それこそがまさに役割分担であり、チーム医療だという認識だと思います。
○有賀座長 
 ありがとうございます。
 ほかにいかがですか。どうぞ。
○藤川参考人 
 今の有賀先生の話を聞いて、やはり、違うんだなというのは、我々が医師を教育する場合、新人ドクターですが、研修病院や我々の病院に来たとき、第一助手につけるのはナースじゃないんです、新人ドクターがつきます。あくまでも若い医師を育てて一人前の専門医をたくさん作っていかなくてはいけませんから。そして、ナースもスキルアップは必要ですけれども、医師がまずスキルアップをしなくちゃいけないんです。専門医になるためには、出張病院に行ったところでも大学と同じようなスキルアップをしていかないと専門医に到達しません。だから、第一助手に医師がいながら看護師を立てるということは現実の研修病院ではあり得ないことなんです。そういう議論に持っていくと、世の中が混乱していきます。そういう誘導質問ではなくて、医師不足であれば、専門医を増やすために医師を、第一助手、第二助手につけて、研修医のスキルアップ、専門医のスキルアップをしていくことが重要なことです。プロフェッショナルな「神の手」と言われるような先生の前に看護師を立てるということはあり得ないことです。そういう誘導的な質問ではなくて、本当に医師が足らなければ、優秀な医師を増やした方が、現実的にはよいことだと思います。話は違いますが、司法改革の現場で、裁判員制度のモデル事業に私が参加したときに裁判官に言ったのは、これだけ裁判官が少ないんだから、裁判員を増やすよりも、優秀な裁判官をたくさん作ってくださいと提言しましたら、多くの方が賛成していました。だから、プロはプロの技をどんどん自分の後輩に伝授していくというのが、我々の業務独占を任せられた医師の最大の任務ではないかと思います。
○有賀座長 
 僕が星先生を誘導しているとはとても思えないんですけれども、星先生、今のことは、ドクター、ドクターであれば、先生も僕も同じで、ドクターがなかなかうまくアベイラブルじゃないその地域においてということで、場合によってはそういう議論がありますかとお聞きしたわけで、誘導されていると思っていませんよね。
○星委員 
 思っていないです。大丈夫です。
○有賀座長 
 ほかにございましょうか。
 川上先生、よろしいですか。今日は。
○川上委員 
 今日は特にございません。
○有賀座長 
 本日は、藤川先生の御発表から、現場の話がそのまま地べたに足が着いたまま進行していますので、余り、そんなはずはないだろうみたいな話には多分ならないと思ったんですが、そのわりに少し静かだったかなと。いずれにしても、ちょっとだけ時間が過ぎましたが、これで終わりにしたいと思います。よろしいですよね。
 あと、事務局からプラスアルファ、何かございましょうが、よろしく。
○田母神就業支援専門官 
 次回ワーキンググループは、12月6日月曜日、15時からを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。
○有賀座長 
 終わりでいいんですよね。じゃ、終わりにします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局看護課看護サービス推進室

専門官 藤田: 03-5253-1111(代表)(内線4171)
03-3595-2206(直通)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ > チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループ 第7回議事録

ページの先頭へ戻る