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2010年10月25日 第45回労働政策審議会安全衛生分科会議事録

労働基準局安全衛生部計画課

○日時

平成22年10月25日(月)


○場所

厚生労働省専用第12会議室(12階)


○出席者

<委員:五十音順、敬称略>

相澤好治、明石祐二、市川佳子、関口氏(伊藤雅人代理)、犬飼米男、今田幸子、瀬戸実、高橋孝行、谷口元、露木保、豊田耕二、内藤恵、中原俊隆、中村聡子、名古屋俊士、古市良洋、三浦武男、芳野友子

<事務局>

平野良雄 (安全衛生部長)
高崎真一 (計画課長)
田中正晴 (安全課長)
鈴木幸雄 (労働衛生課長)
半田有通 (化学物質対策課長)
亀澤典子 (環境改善室長)

○議題

・職場におけるメンタルヘルス対策について(1)
・その他

○議事

○分科会長(相澤) 全員お揃いですので始めさせていただきます。第45回労働
政策審議会の安全衛生分科会を開催いたします。本日は土橋委員、伊藤委員、高
橋信雄委員、眞部委員が欠席されています。伊藤委員の代理として東京商工会議
所の関口様が出席されております。
 それでは議事を進めます。本日の議題は、「職場における受動喫煙対策について
の公聴会での意見発表者について」及び「職場におけるメンタルヘルス対策につ
いて」となっております。初めに11月10日に開催予定の公聴会で意見を発表し
ていただく方について決定したいと思います。前回お諮りいたしましたように、
私が候補者選定の考え方を整理して、事務局に一覧表にまとめていただきました。
これについて私から選定に当たっての考え方をご説明いたします。
 ご説明の前にご留意いただきたいことがあります。この資料には公聴会当日の
意見発表者となられている方だけでなく、候補の方も含まれております。個人名
は伏せていますが、所属名などが書かれておりますので、本資料については委員
の方のみにお配りしております。また本日の会議の後は、事務局が回収させてい
ただきます。取り扱いについてはご留意いただきますようお願い申し上げます。
 それではご説明いたします。意見発表される方は、先週21日に締め切りました
が、全部で94名の方から希望が出ております。そのうち必要事項の記載のないも
の、求めている意見項目に対する意見のないものは選考対象から外しております。
次に分科会としても十分に検討を行う必要があると考えているような業種、そこ
で働く方も含め幅広くご意見を伺うために、意見発表者を8つに分類しました。
具体的には、ご覧いただいている資料がありますが、1が飲食店等、2が宿泊業、
3が交通機関、4が労働者、5が医療関係者と学界等です。6がその他の関係団
体、7が情報提供事業、8がその他となっております。飲食店と宿泊業、交通機
関については分科会でも議論がなされておりますが、「顧客が喫煙する飲食店や宿
泊業」、それから「分煙等の対策を取るための経済的・技術的基盤が弱い中小企業」
の実態についてご意見を伺う観点から、選ばせていただきました。4の労働者、
5の医療関係者・学界等は、実際に現場で働いている立場、受動喫煙の健康影響
などを研究している立場から、それぞれご意見を伺う観点から、選ばせていただ
きました。6のその他の関係団体については、喫煙問題を専門に扱う民間の団体
の立場から、選ばせていたただきました。また7の情報提供事業については、飲
食店や喫茶店、ビル経営の業界誌の方々から、それぞれの業界の実態を踏まえた
ご意見を伺う観点から選ばせていただきました。
 最後に8その他として、弁護士、宗教関係者、個人の方をまとめておりますが、
基本的には個人、一国民の立場からのご意見を伺う観点からということです。
 以上の8つの分類から、それぞれ1名の方を選んでいただき、合計8名の方か
ら意見を発表していただきたいと思います。なお、資料の左の欄に○を付けてい
ますが、これは私が予め意見の内容を見させていただき、発言者のご都合だけで
なく、幅広い意見を述べられると思われる方、それから2番目に同じような趣旨
の意見が複数ある場合は、意見の内容がより明確に記載されている方。3番目に
専門家と思われる方に関しては、受動喫煙防止対策に関する過去の検討などの場
で、ご意見をいただいたことのない方といった観点から、候補者を選ばせていた
だきました。これはあくまでも審議を効率的に行うためのものであり、私個人の
意見ですので、委員の皆様におかれては、資料にあるご意見の内容などをご確認
いただき、候補者を選定していただければと思います。なお、意見についてはな
るべく多くの方から発表していただきたいと考えておりますが、公聴会の開催時
間、それぞれの発表時間を考えますと、8人が限度ですので、この点はご理解下
さい。ご質問などがありましたら、それぞれの候補者に番号が振ってありますの
で、どの方か特定できますので、その数字でご発言いただければと思います。そ
れではいかがでしょうか、何かご意見がございましたらお願いいたします。

○明石委員 43番の弁護士さんですが、この方は例えば係争されているなどとい
うことはありませんか。

○分科会長 それはありません。

○環境改善室長 資料を読んでいるかぎりでは、特にそのようなことは書かれて
いませんでした。

○分科会長 ほかにはご意見はいかがですか。

○関口氏(伊藤委員代理) 17番ですが、この業種はかなりの部分で禁煙が進ん
でいると思います。この職種を見ると、限られた労働者ということもありますし、
あまり公聴会で国民の皆さん全体に関わるということでの意見とは少し違うかな
と。ここまで聞く必要はあるのかなと思っています。むしろ37番の方は、禁煙に
影響を与えないということを言われるようですが、他の飲食業の方々がたくさん
候補に挙がっておりますが、かなり経営に影響があるという声が多いように見え
ますので、むしろそういう方から出したほうがいいのではないかと思います。

○分科会長 これは交通機関という1つの個人的に、お客さんが乗るとなかなか
断われないということで、ご意見を伺おうかということで選んだのですが、37番
は選ばれていますね。

○関口氏 選ばれているのですが、あまり経営に影響を与えないというようなご
意見のように見えます。それからいうと、他の飲食業の方々が大勢応募されてい
るわけですが、やはり奨励される点が多く、影響が大きいという声が大多数です
ので、もし37番を選ばれるのであれば、もう1人は飲食店で影響があるという方
の意見を聴いたほうが、公平性があると思います。

○分科会長 なるほど。飲食店は1番の所、全国飲食業生活衛生同業組合連合会
で、この辺が非常に小さな小規模な飲食店で、経営のことなど十分言っていただ
けるのではないかなということでございますが。

○関口氏 概要に書いてあることだけでは、読み取れなかったものですから。

○分科会長 詳しい資料がありますか。この37番のグループはIT、情報提供者
ということで選ばれておりますので、飲食店が主なのですが、比較的影響を与え
ていないということです。

○計画課長 交通機関も1つの大きな分野ではあったのですが、禁煙に反対する
というエントリーがなかったので、こういう形を取っておりましたが、当初は委
員から慎重な意見ということで、飲食店から多数出てきているので、もう1社選
んでもというお話だったかと思います。そういう意味からすると、例えば8番に
ついては、ファミリーレストラン等の事情に非常に詳しいということもあるので、
例えば交通機関除くということであれば、1番と8番ということで、飲食店から
はお二方からご意見をいただくということもあるのではないかとは思います。も
ちろんご同意いただければということです。

○分科会長 というご意見ですが、いかがでしょうか。交通関係はよろしいです
か。飲食関係は15ありますので、関口委員からご提案がありましたのでどれにい
たしますか。

○計画課長 17番をやめて、その代りに8ということです。数は8つというのは
基本的に維持したいと思います。

○分科会長 そうです。どれか取り下げる必要があります。

○計画課長 17番を。

○分科会長 17番をやめて、8番でいいですか。

○内藤委員 質問させていただいてよろしいでしょうか。たまたま私もこの前段
階の受動喫煙に関する検討会の委員として参加しておりましたが、おそらく先ほ
どの分類では、今回例えば分煙もしくは禁煙という形で対策を検討考慮するに当
たって、関係する各業界から代表を選考して、お話を伺った経緯があります。飲
食店業界のどなたかに代表でいらしていただきたいと考える際に、ある特定の業
界、業態の中から何人もの方々のご発言をいただくよりは、広くあまねく他業種
からもご発言をいただいたほうが、ある意味では国民全体の現在の動向が理解で
きるという配慮であると、私は思料する次第です。ほかの委員の方のご意見を承
れればと思います。

○分科会長 いかがでしょうか。

○市川委員 私もさまざまな業界からご意見を伺うことには賛成したいと思いま
す。内藤委員がおっしゃることも理解できますが、この交通関係というのは業界
団体というよりはひとつの会社ですね。もちろんいろいろな業界の方がいること
は望ましいと思いますが17番は少し代表しているものが狭いと考えます。労働側
としては敢えて強く要望するほどのことではありません。

○分科会長 数から言えば確かに飲食店が多いです。

○内藤委員 わかりました。

○市川委員 8番を選ぶ理由は。

○分科会長 8番は協会であるということですか。比較的大きい業界ですね。

○市川委員 8番を選ばれた理由は何でしょうか。

○計画課長 要するにファミリーレストランを所管されている協会ですから、あ
る意味マスコミ等を見ていても、非常に影響が大きい業態として報道もされてい
るので、たぶんいちばん上は飲食店の関係の話を聞けば、少し業態としては違う
かなという気はします。後があるのでいいのですが、どちらかと言えば個別の企
業が多いのでということも考えました。

○分科会長 では8番でよろしいですか。

○環境改善室長 先ほど明石委員からのご質問で、裁判のことを気にしていらっ
しゃいましたので、見落としていたので書いてあるものをそこだけ読み上げさせ
ていただきたいと思います。弁護士として4年前に受動喫煙の相談に応じる弁護
士のホームページを開設し、インターネットを通じて、全国から受動喫煙被害に
関するメール相談を受けてきました。というようなことが書いてあります。その
中でどのような相談が多いか紹介してあるのですが、裁判上の受任事件は現在5
件。これは氷山の一角で、裁判外で職場と交渉・紛争化するケースはもっと多い。
というようなことが書かれております。先ほどご懸念されていたことと少し関係
するのかなと思いますが、ご紹介申し上げました。

○分科会長 そうすると係争中のものがあるということですか。

○環境改善室長 この方が担当しているかどうかは不明ですが、裁判上の受任事
件は現在5件と書いてあります。

○内藤委員 よろしいでしょうか。たまたま私も専門が法律ですので、参考まで
に意見を申し上げたいのですが。おそらくこの受動喫煙のケースについて現在議
論するのはたぶんどの程度まで受動喫煙に対して、一種の規制と言いましょうか、
多少の抑制がかけられるかという話です。しかしそれが法律上の問題になった際
に、今度は職場環境をいかに保全するかというところから、場合によっては使用
者側の安全配慮義務の違反になるかどうかの形で訴訟は生じます。そう考えると
当該弁護士の方がどのようなスタイルのケースを現在受任中であるとおっしゃる
かはわかりませんが、ただいま関口様、明石委員などからご質問が出たのは、バ
イアスがかかるのではないかというようなご心配ではなかろうかと推測いたしま
す。もしそうだとすると、逆に現実の裁判例の中でどのような形で紛争が生ずる
かをご存じの専門家が発言するのは、決して意味のないことではありません。そ
のように私には思うのですが、いかがでしょうか。

○分科会長 明石委員いかがでしょうか。

○明石委員 そういうことがなければいいと思うのですが、もし、この方が係争
中の件に関わっていて、その主張をここでされるのは趣旨としては違うのではな
いかなと思っています。この方を少し確認していただいたほうがよろしいのでは
ないかと思います。

○瀬戸委員 先ほど意見希望が94件とおっしゃいました。これは50件ですが、
それ以外の方々はどこからきたのかは委員かぎりにしてもいいのですが、開示い
ただくことは可能なのでしょうか。

○環境改善室長 全体で意見発表希望者は94名いらっしゃったのですが、必要事
項が書いていない、意見発表をしてほしい項目が3項目ありました。その3項目
のいずれにも当てはまらないご意見については、対象外としております。その結
果、意見発表をどなたにしていただくかを検討する候補としては50名であったと
いうことです。

○瀬戸委員 それ以外の方々がどこからきたか、その要件に当てはまらなかった
のだけれども、どこからきたのかのお知らせは不可能なのでしょうか。

○計画課長 できます。個人名は隠しますが。

○分科会長 よろしいでしょうか。8名の方については、異議がなければこれで
印刷していただきたいと思います。そうすると8番の方が加わって、17番の方に
はご遠慮いただくことになり、8名になります。よろしいでしょうか。それでは
ただいまのご審議を踏まえ、意見を発表していただく8名の方が決定しました。8
名へのご連絡など、今後の準備をするよう事務局はお願いします。また公聴会に
出席いただく委員の皆様方には、ご多忙のところ恐縮ですが、よろしくお願いし
ます。発表希望者から提出された50名すべての意見については、委員の皆様方に
もまとめてお送りいたします。8名の方だけではなく、ほかの方のご意見も参考
になるようにということです。今後の審議の参考にしていただきたいと思います。
この件についてはよろしいでしょうか。それでは次の議題、「職場におけるメンタ
ルヘルス対策について」進めたいと思います。始めに今回の職場におけるメンタ
ルヘルス対策の検討の背景として、今年5月に厚生労働省の自殺・うつ病等対策
プロジェクトチームの報告がまとめられています。これは高橋信雄委員から前回
ご希望があり、このことについて事務局からご説明をお願いします。

○労働衛生課長 資料1をご覧ください。省内にあります「自殺・うつ病等対策
プロジェクトチーム」の5月28日時点での取りまとめについてご説明いたします。
前回高橋委員から説明をするようにということで、本日はご欠席ですが、事前に
高橋委員に確認し、これからご説明申しますポイントで、了解をいただいており
ます。
 最初に、飛びますが、18頁をご覧いただきたいと思います。18頁に省内にで
きましたプロジェクトチームの構成が書いてあります。政務三役ご出席の下に、
基本的には行政メンバーが専門家のヒアリングを行いながら今後の施策を決めて
いくということですが、特に、昨今の自殺問題と、自殺に至るにはうつ病を経過
してからというようなルートも考えますと、その自殺、うつ病について、迅速性
をもって厚生労働省として対応していくということと、それから当時の長妻大臣
とトップダウンで部局横断的に政策を構築していくというようなことが特色かと
思います。特に十分な実態把握に基づく、それぞれに対応した施策を決めていく
ということがやはり1つの特徴であったかと思っております。
 元に戻りまして、まず初めにという1頁の2段落目に、現政権では昨年11月に
『自殺対策100日プラン』を、本年2月に『命を守る自殺対策緊急プラン』をま
とめ、3月を「自殺対策強化月間」として、睡眠キャンペーンを中心とする取組
みを集中的に行ったということです。これは内閣府が省庁全体の取りまとめを行
っておりますので、こういった取組みを政権として行ってきたということであり
ますが、特にこの頁の4段落目の最後の「自殺に至るには」で始まっている最後
のところに「厚生労働省は医療、福祉、労働、年金など、一人の人間の一生をト
ータルに支える責務も有しており、自殺対策を行う上で果たすべき役割は重い」
と。いろいろな研究機関ももっていますし、国立病院等の資源もあると。また都
道府県との連携体制もありますので、政権全体としては、内閣等が取りまとめる
わけですが、厚生労働省は特にいろいろなノウハウをもっているということで、
具体的な施策を打ち出していこうというようなことであります。
 最初の成果として、いちばん下の段落の、3月30日に「自殺対策強化のための
基礎資料」の公表。4月9日のナショナルミニマム研究会において、生活保護受
給者の自殺数についての資料を公表したということで、いろいろな専門家のヒア
リングを経て、一定の議論がまとまったものから逐一取りまとめて提供をしてい
くということで、この報告書は5月時点のものですが、その後もうつ病の治療な
どで多剤投薬などの問題点等について取りまとめて公表したりしております。先
ほど言いましたように自殺の実態を的確に捉えて対策を取っていくということで
あり、具体的にはこの2頁から「自殺の実態等」と書いてありますが、これは省
略しまして、4頁のいちばん最後のところの「今回のプロジェクトチームでは内
閣府及び厚生労働省が連携して分析を行い、より詳細な実態が明らかとなった」
と。これまで十分な実態が一部把握できていなかったということですので、こう
いった実態が明らかになったので、それに対応できる政策を取りまとめたことが
いちばんの特徴です。具体的な内容は多岐にわたりますので、いちばん最後の前
の頁で概念図、ポンチ絵の、「誰もが安心して生きられる温かい社会づくりを目指
して」ということで、サブタイトルが「厚生労働省における自殺・うつ病等への
対策」となっています。大きく柱が5本あります。1「普及啓発の重点的実施」、2
「ゲートキーパー機能の充実と地域連携体制の構築」として、悩みのある人が相
談するような場所でそういったメンタルヘルス対策も一早く捉えて、必要な支援
につなげていくというようなことが特徴です。
 柱の3は「職場におけるメンタルヘルス対策・職場復帰支援の充実」として、
特にこの分科会に密接に関係のある部分です。
 次に4「アウトリーチ(訪問支援)の充実」。5「精神保健医療改革の推進」と
いうことで、医療機関の体制整備等が含まれております。
 こういったことで、いちばん最後のところにさらに詳しく書いてあります。柱
の3には職場におけるメンタルヘルス対策等で、管理職に対する教育の促進等、
いくつか挙げておりますが、この中から例えば下から3つ目の「労災申請に対す
る支給決定手続きの迅速化」のように、明らかにこの分科会の所管事項でないも
のは除いて構築しましたのが以前の分科会に提示しました、このメンタルヘルス
対策の論点となっております。
 実は第39回、4月22日の分科会ではまだこのプロジェクトチームの取りまと
めができておりませんでしたので、当時は新成長戦略の基本方針などを基に、「職
場におけるメンタルヘルス対策」、特に健診の機会を活用した、新たな枠組みなど
について検討するというご了解を分科会にいただいておりましたが、その流れと
ともに、将来のプロジェクトチームの流れがあって、この中で特に柱の3の3つ
目、「職場におけるメンタルヘルス不調者の把握及び対応」について、検討会を立
ち上げて議論をしていただいたという流れになっています。以上です。

○分科会長 ありがとうございました。

○分科会長 ただいまのご説明について、何かご質問ございませんでしょうか。

○明石委員 この柱3で起こってきた議論は、何かポイントがあれば教えていた
だきたいと思います。

○労働衛生課長 基本的には行政省内ですので、その各部局で当面、自殺、うつ
病対策に資すると思われる即効性のある施策を最優先し、テーマを挙げていただ
きました。これは各部局全体です。とりあえず本年度中にできるものが優先しま
したが、ただ、本年度中に、なるべく早く検討をして、次のステップにつなげて
いるものもテーマになりましたので、そういう意味では、この「職場におけるメ
ンタルヘルス不調者の把握」というものが挙がってきましたが、基本的には今年
の予算なり、いわゆる通常業務を通じて、何らかの自殺、うつ病対策に資するも
のというものですので、逆に言いますと、検討会を立ち上げて、何かこれからと
いうものは少ないというようなものになっており、ほかの柱の1〜5も基本的には
そういうものになっております。ですから、どこかのワーキングチームでいろい
ろ現状を把握して組み立てたというよりも、とりあえずできるものということで
タマをそれぞれの部局から出したと。ただその中でも、先ほど言いましたように、
実態がわかった中で、それがどれに効果があるかというような観点から整理した
ということもあります。

○分科会長 柱3につきましては、10頁から13頁まで項目を挙げられておりま
す。

○労働衛生課長 一応、波線で囲ってあるところに、いろいろヒアリングで呼ん
だ方とか、内閣府のプロジェクトチームに参加いただいた清水参与などのご意見
がありますので、それぞれ何がきっかけでと言いますと、この波線を見ていただ
くと、それがタマとなって、柱の3を構成したというのがわかるかというふうに
思っております。それに対応できる何があるかというのは、どちらかというと行
政主導でタマ出しをしたということになります。

○市川委員 前回、ご説明があったかもしれませんが、この柱の3に出されてい
る黒ポツと言いますか、これでほかの分科会にも関わること、例えば労災申請、
あるいは長時間労働の抑制などについては違う分科会の管轄だと思うのですが、
これらも同じように、自殺対策という側面から議論が始まるのでしょうか。検討
に手はつけられているのでしょうか、お聞かせいただきたいです。

○労働衛生課長 例えば労災申請に関する、これは迅速化となっておりますが、
労災申請のあり方のような検討会がまた立ち上がっております。どちらかという
と先ほど言いましたように、本年度やるものが中心ですので、基本的にはそれを
進めていっている状況ではないかと思っております。
 また、当分科会に直接と言いますか、関係ないそれぞれ若干濃淡があるものも
ありますが、これについては前回局長から縦割りを排した議論をしていただいて、
他のものに属するものはそういうところにつなげていくというご回答をさせてい
ただいておりますので、やはり密接に関係すると思われるものについては、一通
りご議論をいただくというのも、論点としては一応7点、本日整理させていただ
いておりますが、関係することについても言及していただくのはかまわないので
はないかと思っております。

○市川委員 ということは、確かにそれぞれの分科会が担当する課題があるのは
承知しておりますけれども、労働組合として、例えば長時間労働などは非常に重
要なファクターだと思っていまして、それはまた別のところが担当だろうという
のもわかっておりますが、そうしますとそちらで議論を促すという議論をここで
してほしいということでよろしいのでしょうか。

○計画課長 実際問題、長時間労働の問題であれば労働条件分科会がいちばんメ
インの審議会だろうと思いますが、たまたまと言いますか、幸いにして同じ局で
すので、ご意見、ご発言をいただければ、それは即座に担当のほうには伝えます
し、そういうようなことで議論をするということであれば、そういうことになろ
うかと思います。もし議論してほしいという要望があるとすれば、分科会長のご
了解をいただいた上で、向こうの分科会のほうに、意見としてお伝えするという
ことも可能であろうと思います。あるいは労働側委員のほうで、向こうの労働側
委員のほうに働きかけていただくということもありではないかと思います。
 あと、長時間労働の関係につきましては、環境整備のための新たな認証的なも
のとか、あるいは労使に参加していただいた形での取組み、パワハラなどのいじ
め対策については、私が記憶するところ、労働条件政策課のほうが担当で、23年
度の概算要求に新しい事業なども要求されていたかと記憶しておりますので、多
分そういうような形で、少なくとも各担当のほうで問題意識をもって施策を進め
るべく、準備をしていることだろうとは思います。ただ、それをもって別に議論
することを排除するということではないと思います。

○中村委員 日本の自殺の傾向は特徴があると聞いております。数が多いという
こと、10代、20代、30代と若年層にも多いことです。そのような特徴の分析を
することが、どのような対策をとるべきかを考える上で役に立つと考えますが、
現状ではどのように分析されているのでしょうか。

○労働衛生課長 全般的には内閣府が取りまとめということですので、警察庁の
調査などと連携しながら、さらに実態把握をしていくというように思っておりま
すので、今後の動向については必ずしもまだ我々がしっかりと把握しているもの
ではありません。一応、自殺対策の基礎資料を公表されたものでは、有職者か無
職者かという分析もされつつありますので、まだ、いろいろな調査のデータの迅
速化などは最近始まったばかりですので、この蓄積により新たな事実が出れば、
またそれぞれの関係省庁にいろいろと施策を出すようにという指示がくると思い
ますが、いまのところ厚生労働省内、これは既に方針が決まっていて、本年度予
算などで裏打ちがあるというものについて、特に自殺・うつ病の観点からもう一
工夫できないかということでまとめたものですので、今後の方向性についてはも
う少し内閣府の方針なども確認しませんと、我々だけでは決められないというか、
お話することができないというふうに思っております。

○関口氏 その意味では検討会の報告書でも、労働者のメンタルヘルスの不調は
職場の要因、家庭内で、職場以外の要因が複雑に影響し合う場合が一般的だと、
そういうように触れられているのですが、そうなると厚生労働省だけではなく、
政府全体で、どのように問題に取り組んでいくのか、大枠の仕組みというか、ビ
ジョンが必要だろうと思います。そういったものを内閣府が主体になれば、内閣
府主体で作っていただいて、その中では厚労省なら厚労省の役割として、こうい
うものが必要だと。そういった全体的なものを示して、国民総掛かりで対策を練
っていくことが必要ではないかなと思います。

○分科会長 全体像はまだですね。

○労働衛生課長 必要な部分について、適宜、また分科会で説明をしたいと思い
ますが、1つ、やはり自殺というのは結果からして非常に悲惨なものですし、い
ろいろ手立てを講じなければいけないという、緊急性もあり重要性も非常に高い
ものですが、我々は自殺対策だけでやっているわけではありませんので、メンタ
ルヘルス対策全般ということになると、それが自殺のどの部分なのか、貢献でき
ることはあっても、あまり自殺対策だけに指向して対策をしているわけではあり
ませんので、ご指摘のように必要なものについてはまたご提供させていただきた
いとは思います。

○分科会長 具体的なデータ等については後ほど、またいくつか出てくると思い
ますが、今回はこの資料で背景をご理解いただくということにしたいと思います、
よろしいでしょうか。
                 (了承)
○分科会長 ありがとうございました。
 次に「職場におけるメンタルヘルス対策」について、労働政策研究研修機構に
おいて実施しました、緊急調査結果の中間集計がまとまっておりますので、その
概要について事務局からご説明をお願いいたします。

○労働衛生課長 資料2をご覧ください。独立行政法人労働政策研究・研修機構
が実施しました「職場におけるメンタルヘルス対策に関する緊急調査結果の概要」
についてご報告いたします。(中間集計)となっておりますが、この件はあとでご
説明いたします。調査時期は本年9月18日〜10月5日です。調査方法及び対象
は、帝国データバンクの事業所データベースから農業、漁業など、一部業種を除
いて抽出した事業所1万5,000ヶ所に調査表を郵送しております。なお、申し遅
れましたが「労働者健康状況調査」は5年に1回行っておりまして、前回が平成
19年ですので、今回の分科会の議論に資するために、次回調査を待たずに緊急に
行ったというものです。それで1万5,000ヶ所ですが、平成19年に行った調査で
は1万3,609の事業所ということで、送付した事業所の数としてはかなり多くな
っております。回答(中間集計)については、10月6日までに回答のあった3,435
事業所で、回答率が22.9%とまだ低い状況に留まっております。ちなみに平成19
年の健康状況調査では、13,609ヶ所のうち回答は9,634ということで、70.8%の、
約7割からいただいておりますので、それに比べますと回答率が低い段階での集
計ですので、そこはご了承と言いますか、そこには注意して読んでいただければ
と思います。なお、最終的には5,000ヶ所以上の事業所の回収を見込んでいると
いうことですので、また若干最終的な数字が動くということをご了承ください。
 3の「調査表の解析方法」は、事業所数が産業別、規模別に抽出母集団である
帝国データバンク事業所データベースの事業所数に一致するように復元を行った
と。要するに規模別に補正は行っているということです。
 4以降が「結果の概要」です。まずメンタルヘルス対策への取組み状況は、心
の健康対策に取り組んでいる事業所の割合は、右側が19年のデータです。「取り
組んでいる」が33.6%。先ほどのような事情で単純に比較はできませんが、今回
の取り組んでいるという割合は49.7%で、約5割と増えています。
 2頁(2)のいま回答で「取り組んでいる」とした事業所で、具体的な取組み内
容は何かということで、複数回答になっています。伸び率が高いものから見てい
きますと、いちばん左の「メンタルヘルスケア対策について、衛生委員会等での
調査審議」を行っている。これが参考※となっています枠外に書いてあるものが
19年のデータで、17.6から32.7と大きく増えております。次に増え方が多いの
が左から5つ目の「管理監督者への教育研修・情報提供」で、34.5から49.3%。
伸び率は少なくなっていますが、左から3つ目の「メンタルヘルスケアの実務を
行う担当者の選任」で、19.4から24.6%となっています。新しい項目を聞いてお
りますが、真ん中から少し右の「労働者のストレスの状況などについて調査表を
用いて調査しているかどうか」ということで、これが20%ということでまだ少な
いですが、それでも2割取り組んでいるという状況です。逆にパーセントが減っ
たものについて解釈をどうするかというのがありますが、左から4番目の「労働
者への教育研修・情報提供」が、49.3から38に減っておりますが、先ほど言い
ましたように、管理監督者への研修は増えておりますので、例えば想定されるこ
ととして、一般労働者への研修は一通り済んだけれども、さらに重要な管理監督
者への教育研修にシフトしつつあるのか、この辺りは、このデータだけでははっ
きりしませんが、そういった推察も成り立つのかなというように考えております。
 「その他」の左の「他の外部機関を活用した対策の実施」も、パーセントは減
っておりますが、一旦利用が終わったということなのか、この辺りの解釈も微妙
です。(3)のメンタルヘルス対策に取り組んでいない事業所での取り組んでいない
理由は、従来、「取組み方がわからない」と「専門スタッフがいない」という2大
要因でした。今回いちばん左の取組み方がわからないというものについては、前
回の、同じく枠外の42.2から27.7%とかなり減っています。これはいろいろなメ
ンタルヘルス対策支援センターなどを活用した支援や、トータルサイトで情報提
供などを行ってきましたが、ノウハウについてはそれなりに浸透しつつあるとい
う成果、と捉えることもできるかと思います。また、専門スタッフがいないとい
うことについても44.3から33.3%と減っております。これについてもそれなりに
専門スタッフが確保されて取り組んでいるというような状況なのか。そうすると
「必要性を感じない」というものが逆に28.9から44.3%と、割合としては非常に
増えておりますが、そういう意味ではいろいろな技術的な問題やスタッフについ
ては克服されて、それは取り組んでいるという事業所に、シフトとして残って、
まだ取り組んでいないというところについては、やはり必要性を感じないという
ことで取り組んでいただいていないというようなところだけ残ってきたかという、
1つの解釈が成り立つかというように思っております。
 4-2「専門スタッフの配置状況」で、専門スタッフがいると答えたのが58.1%で、
これは19年の52%から少し上昇しています。
 3頁は「専門スタッフがいる事業所での専門スタッフの配置状況別事業所割合」
です。産業医が専門スタッフとして配置されているものが56.5から76.2%と増え
ています。「衛生管理者または衛生推進者」も30.7から39.2%と増えています。
逆に「保健師または看護師」については若干減っておりますが、これは誤差なの
か、全体の事業所で割りますと、割合としては増えておりますので、たまたこの
専門スタッフがいる事業所というものを分母にしますと、若干減ったような数字
なのか、あるいは誤差なのかというところは、ちょっと解釈が分かれるとこかと
思います。
 4-3「メンタルヘルス上の理由により休業・退職した労働者」では、過去1年間
にメンタルヘルス上の理由により連続1か月以上休職または退職した労働者がい
る事業所割合は、19年の7.6から26.2%に急増しておりますが、これについては
次回、事前にご説明したときに、規模別のデータも提示するようにというように
ご要望ありましたが、それは次回に用意させていただきますが、そういった規模
別の抽出なり、回答の隔たりと言いますか、偏りで、例えば大企業の影響が出ま
すとこういう数字になる可能性もありますので、少しその辺りは結論と言います
か、それは保留した状況で評価するのがいいのではないかと思っております。
 4頁の「メンタルヘルスに問題を抱えて休職した労働者の職場復帰の状況」は、
「全員復職できた」が、27.2%で、あとご覧のとおりですが、「全員復職しなかっ
た」も17.9%ということでかなりパーセントとしては多くなっています。休職者
の職場復帰のルールの状況で、いちばん多いのが、「人事担当者がその都度相談し
てやり方を決めている」が42.9で、次に「社内で復職に関する手続きルールが定
められている」が32.7%という状況です。
 4-6「メンタルヘルスの問題に対する認識」のうち、認識別事業所割合で、今後
「深刻になる」と答えている事業所の割合が13.5、「やや深刻になる」が33.8%、
合わせて5割弱ですが、ほぼ現状のままにある、「やや改善をする」というところ
も45%強ありますので、拮抗しているのかなというような状況です。
 5頁(2)のメンタルヘルスの問題と生産性の低下や重大事故の発生など、企業パ
フォーマンスへのマイナス影響について、「密接に関係がある」が21、「関係があ
る」が43と非常に多くなっており、「どちらかと言えば関係がある」というもの
を合わせて、85.2%と、メンタルヘルスの問題が企業のパフォーマンスに大きい
マイナス影響を及ぼすという認識をもっているところが非常に多いということが
言えると思います。(3)メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所のうち、メン
タルヘルスケアの効果があると考えている事業所の割合が、「あると思う」が
70.3%と、非常に大きい数字です。以上でございます。

○分科会長 ありがとうございました。ただいまのご説明について、質問等あり
ましたらお願いします。

○明石委員 4-4の「休職した労働者の職場復帰の状況」で、これは人数を割合
で表したものだと思うのですが、基本は原職復帰とされていますが、どれくらい
が原職復帰したか、そのほかで就業の措置をどれくらいやったというのはわかり
ますでしょうか。

○労働衛生課長 すぐにはわかりませんので、もう1回調査表を確認して、次回
に回答いたします。

○分科会長 ほかに何かありますか。

○市川委員 同じかもしれませんが、復職の定義はなんでしょうか。よく私の職
場にあるのは、1回復職をしたとしても休職を繰り返すのです。よくなって頑張
ってよかったなと思っても、また何か月か後には不調になってしまうというケー
スが多々ありまして、ここで言っている「全員復職できた」というのは、例えば
復帰後一定期間、1年は続いているというような聞き方をしたのか、とりあえず
は復帰したという質問なのかを、お聞きしたかったのです。回答は次回でも結構
です。

○労働衛生課長 それも調べて、わかりましたらお答えいたします。

○明石委員 4-5休職者の職場復帰のルールの状況に「社内で復職に関する手続
きルール」とありますが、この手続きルールというのは休職規定の話なのか、そ
れとも誰かが判断するというルールなのか、その辺りはわかりますか。

○労働衛生課長 すみません、市川委員のご質問を先にお答えいたします。この
復職の定義自体は書いてないのですが、一応、原文のまま読みます。「ここ3年間
でメンタルヘルスに問題を抱えて休職した従業員で休職を終えた後に復職ができ
たものの割合はどのくらいでしたか」。そのあとに、「復職後すぐの退職は復職に
含まれずにお答えください」。ということで、ちょっと曖昧な表現になっています
が、要は2、3か月で退職した方は多分、復職した、と入れていないとご理解いた
だきたいと思います。
 すみませんこれも質問のことですが、ルールという明確な定義をせずに聞いて
おりますので、この解釈は、一般的な規定と言いますか、そういったものがある
かどうかというようにご理解いただきたいと思います。

○分科会長 ほかにはどうでしょうか。よろしいですか。
 それでは先ほどの質問については後ほど、次回にご回答いただくということに
したいと思います。
 資料3「職場におけるメンタルヘルス対策の論点について」のご議論をお願い
します。本項目については論点も多くありますので、何回かに分けてご議論して
いく必要があるかと思います。
 資料3の検討項目の一覧には7つの項目が挙げられています。今回、事務局か
ら資料を一通りご説明いただきますが、そのうち検討項目の(3)については、スト
レスに関連する症状、不調を確認するための問診項目等について、別途専門家に
よる検討を行っているということですので、次回以降にご議論いただくことにし
まして、今回はそれ以外の項目についてご議論いただきます。まず、事務局から
検討項目についてご説明をお願いします。

○労働衛生課長 資料3です。論点は7つあります。先ほど、自殺・うつ病等対
策プロジェクトチームの柱の3から、当分科会に関係するものを持ってきたと言
いましたが、(7)については、前回市川委員から、「職場環境等についても所管横
断的に議論すべき」とありましたので、それは加えています。
 2頁です。検討項目1、管理職に対する教育についてです。現状については、現
行制度を説明していまして、(1)は、いわゆるメンタルヘルス指針の中で「職場の
管理者は『ラインによるケア』の中心的な役割を担うとされている」となってい
ます。(2)です。いちばん最後に、「職場環境等の把握と改善、労働者からの相談
対応を行うことが必要」とされています。
 事業場の取組み等の現状です。先ほどご紹介したように、今回の緊急調査で、
取り組んでいるという事業場の実施率が、34.5から49.3に伸びています。
 (4)です。行政の支援であるメンタルヘルス対策支援センターにおいては、平成
22年度から新たに、事業者が行う職場の管理職に対する教育への支援を実施して
いまして、9月までの実績で666事業所となっています。
 2の今後の方針です。これは自殺・うつ病等対策プロジェクトチームの報告書
から引用していますが、この時点では、委員から「中小企業の、特に管理職に対
する教育を促進すべきである」というご発言がありましたので、PTの報告書では
そういった記述になっていますが、ここは大企業でも、特に大人数の労働者を抱
えている管理職についても、教育の支援が必要ではないかということは、ご議論
があろうかと思っています。
 3頁の検討項目2「メンタルヘルス対策に関する情報提供の充実」です。これも
1の現状として、先ほどもご紹介しましたが、今回の緊急調査では、いわゆるノ
ウハウがわからないということで、取り組んでいないところは42から27.7と減
っています。これまで行ってきた行政の施策としては、(2)にあるように、昨年10
月にホームページ上に、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
を開設し、さまざまな情報提供を行ってきました。
 2番目の今後の方針です。これもプロジェクトチームの報告書からの抜粋です
が、メンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」にeラーニングの機能を付
加するなど、内容の充実を図るということを挙げています。
 4頁の検討項目3です。(1)は労働者のメンタルヘルス不調を把握する方策とし
て、何が考えられるかです。これはプロジェクトチームの報告の時点では、健診
の機会を捉えてメンタルヘルス不調者を把握するという方向性でした。それが検
討会の途中で、ストレスの確認を行うと方向が変わったので、その辺りの経緯を
ご説明します。
 まず、1の現状です。現行の健康診断項目においては、自覚症状及び他覚症状
の有無の検査には、メンタルヘルス不調から生じる症状を含む場合があるとされ
ています。ただ、その具体的な手法は医師の判断に委ねられていますので、結果
としては、系統的なメンタルヘルス不調の把握が、いまの健診の中で行われてい
るとは言えないと思います。
 次に、メンタルヘルスに関する調査票についてです。いわゆる質問票のような
ものですが、旧労働省時代に作成した職業性ストレス簡易調査票がありますが、
これ自体は、うつ病等のいわゆる病気の早期発見を目的としたものではなく、自
覚症状に早期に気づくこと、あるいは職場環境を含め、ストレスの要因を総合的
に把握することなどにより、いわゆる発生防止、1次予防に活用することを目的
として作成されたものです。
 そのほか、国内でさまざまな調査票が活用されています。中には、うつ病等の
発見のために使われているものもありますが、いずれの調査票でも一定の精度は
有していると評価されていますが、調査票で陽性となった者には、メンタルヘル
ス不調でない者が多く含まれ、いわゆる偽陽性がかなりあるということです。ま
た、適切な対応が行われない場合には十分な効果が期待できない。要は、専門医
がそれを用いてやらないと混乱するとか、そういったことも考えられますし、ま
た、調査の結果ストレスがあるといっても、その後の対応がなければ、結局何の
効果もないと。そのようなことに留意すべきであるということです。
 2の今後のあり方についてです。これはいわゆるメンタルヘルス検討会から引
いています。先ほど言いましたが、最初はメンタルヘルス不調者を把握する目的
で議論してきましたが、1から3にあるような理由で、現時点ではさまざまな困
難を伴うということの結論になっています。具体的には、健診結果が事業者に通
知されること、あるいは事業者がメンタルヘルス不調の理解が十分でない場合に
は、不利益な取扱いが行われる恐れがあること、また、調査票は結局は専門家の
関与が必要であり、多大なコストを要することから、さまざまな困難を伴うとい
うことで、検討会の途中の方向性としては、病気の早期発見ではなく、職場にお
けるストレスの要因について、産業保健スタッフにより適切な対応が実施される
ために、健診の機会を捉えてストレスを確認しようという方向になりました。
 その際の基本方針として、5頁のアからカまでにまとめられています。すでに
何回かご説明していますので、簡単に言いますが、プライバシーの保護、事業者
にとって容易に導入でき、労働者にとっても安心して参加できる、必要な場合に
は専門家につなげること、基盤整備を図ること、人事、処遇面で不利益を被らな
い、正しい知識の普及を図る。このようなことです。
 参考資料3-3をご覧ください。9頁の上のほうに、「一般定期健康診断のしくみ」
ということで、左上に「自覚症状及び他覚症状の有無の検査」とあります。ここ
では、医師の裁量権に委ねられるということで、実質行われていないということ
になっています。ここでは、健診結果が事業者に知らされるということで、プラ
イバシーの面で問題があるということです。
 また資料に戻っていただいて、5頁の(2)です。ストレスに関連する症状、不調
の確認といったことから、一般定期健康診断における自他覚症状の有無の検査に
併せて、例えば食欲がない、よく眠れないなどの身体的な症状、憂欝だ、いらい
らしているなどの心理的な症状不調等、ストレスに関連する症状、不調について、
医師が適切に確認するようにするという結論に、検討会の報告書では至っていま
す。
 6頁の検討項目3の(2)です。こうしたこのテーマですが、健診の機会を活用し
把握されたストレスの強い方にどう対応するかと読み替えていただければと思い
ます。これは自殺・うつ対策プロジェクトチームの時点の表現をそのまま引用し
ていますが、検討会の結論としては、メンタルヘルス不調の労働者を把握すると
いうことではなく、労働者のストレスを確認し、特に強いストレスを有している
方について面接につなげるという結論になっていますので、そのように読み替え
ていただきたいと思います。
 1の現状です。先進的な企業を2例ほど紹介しています。1は、同意した労働
者を対象にストレス調査を行い、労働者個人のみに結果を通知する。また、リス
クの高い労働者には専門家による面談を行うということです。それから、ここは
事業者に対しては、当該事業所全体の状況や職場環境の改善方法をフィードバッ
クするという事例があります。
 2は、ストレス調査を行うところまでは同様ですが、専門家という表現ではな
く、産業医などの産業保健スタッフによる面談や受診勧奨を行っているという事
例です。これは、特段事業者は情報を入手できないという仕組みのものでした。
 今後のあり方は、これも先ほどの参考資料3-3をご覧ください。「新たな枠組み」
の下のほうです。一般定期健康診断の仕組みは変更しないということで、先ほど
言いました、食欲がない、よく眠れないなどのストレスを確認し、これを事業者
を経由せずに健診を行った医師が、強いストレスがあるということで面接が必要
と判断した場合には、労働者に直接通知するという仕組みが、検討会では提言さ
れています。そして、労働者は、あらかじめ事業者が指定した面接する医師のと
ころに面接に行きます。ということで、医師が必要と判断した場合には、就業上
の措置として、時間外労働の制限や作業の転換など、要休業等について意見を述
べる、あるいは必要に応じて受診勧奨するということです。
 7頁の検討項目3の(3)です。メンタルヘルス不調に関する情報は、実態として
労働者にとって不利益な取扱いにつながりやすいことから、特に慎重な対応が必
要ではないか。また、事業者は不利益な取扱いを行わないようにするには何をす
べきか。
 1の現状には、大きく2つに分けて記載しています。1つは、いわゆる個人情報
の保護ということで、健康情報の保護です。労働者の健康情報の取扱いについて
は、安衛法の第104条に秘密を漏らしてはならないという規定があります。また、
医師、保健師については、それぞれ刑法や保助看法において、守秘義務が課され
ているところです。また、(2)(3)の留意事項あるいは指針において、いわゆる医療
スタッフが生データの取扱いを行うのが望ましいとか、それ以外の者に取り扱わ
せる場合には利用目的の達成に必要な範囲に限定するとか、必要に応じて適切に
加工した上で提供する、このようなことが規定されています。
 もう1つは不利益取扱いの防止に関する現状です。これはメンタルヘルス検討
会などで委員から発言のあったことで、特に医療関係者以外には知られたくない
事項もあるので、慎重にすべきものだと。また、事業所によっては、うつ病であ
ることがわかった途端に解雇されることも懸念されているということです。
 一般的な健康診断の措置に関する指針においては、事業者が就業上の措置を決
定する場合には、あらかじめ労働者の意見を聞き、十分な話合いを通じて了解が
得られるように努めるとされています。また、健康の保持に必要な措置を超えた
措置を講ずるべきではないと規定されています。また、医師等の意見を理由に、
安易に解雇等をすることは避けるべきことを規定しています。(5)はメンタルヘル
ス検討会で紹介された研究結果です。公務員を対象にして行ったものですが、う
つ病のスクリーニングが職場で実施されることを希望する労働者が、公務員でも
5割に留まっているということで、病気の発見は抵抗感があるという現状があり
ます。
 2の今後のあり方です。これもメンタルヘルス検討会の報告書から取っていま
す。先ほどから参考資料3-3でご説明しているように、個人情報の観点からは、
面接が必要になったかどうかについては、この検討会の提言では事業者に伝えな
いということになっています。また、就業上の措置については、労働者の同意を
得た上で事業者に知らせるということになっています。また、不利益取扱い防止
のための措置については、労働者がメンタルヘルス不調であることのみをもって、
客観的に合理的理由なく労働者を解雇する等の不利益な取扱いを行うことはあっ
てはならないものであるとされています。具体的には、そのために手順を示して
いまして、健康管理の観点から適切な手順、内容を踏まえて実施されるよう、医
師の意見の具体的内容であるもの、またあらかじめ労働者の意見を聞き、了解を
得るための話合いを実施すること、当該話合いにおいては医師の意見の内容を労
働者に明示することが必要であるとされています。また、労働者は健康保持に必
要な措置を超えた不利益な取扱いを行ってはならないとすることが必要であるこ
とも述べられています。また、幅広く大前提としては、メンタルヘルス不調に関
する正しい知識の普及が図られることが必要であるともされています。
 10頁の検討項目4です。産業保健スタッフの養成及び活用についてです。1の
現状については、先ほど紹介しましたように、取り組まない理由として、従来高
かった専門スタッフがいないというものは、44.3から33.3に減っています。(2)
は緊急調査の結果ですので、省略します。
 次の産業医、保健師の状況です。嘱託産業医において専門としている診療科は、
内科、外科が大部分を占めまして、精神科、心療内科というのは、5%、0.3%と
なっています。(4)の保健師の就業状況については、市町村が全体の6割を占め、
事業場では1割に満たない状況です。産業医のメンタルヘルスに関する研修の状
況は、これまですでに委託事業として実施していまして、昨年度までに1万8,000
人の産業医に対して、研修が行われています。
 11頁の今後のあり方ですが、これもメンタルヘルス検討会の報告書から抜粋し
ています。職場におけるメンタルヘルス等に関する研修を、産業医や意見を述べ
る医師に実施し、必要な場合には適切に専門医につなぐことができるようにする
ことが必要、また、先進的な取組みを行っている事業場では、保健師が重要な役
割を担っていることから、これらの人材の確保が必要であるとされています。
 検討項目5で、配置転換後などのハイリスク時における取組みの強化について
です。1の現状は、労災支給において、職場の変化の件数です。それから、自殺
対策支援センターの行っているもので、被雇用者の主な自殺に至る経路としては、
この3つのパターンが代表的だったと言われています。
 2の今後の方針です。そういった状況から、配置転換後のハイリスク期におけ
るメンタルヘルスに関する取組みを強化し、問題が悪化する前に支援へとつなげ
ることが重要としています。
 13頁の検討項目6です。うつ病等による休職者の職場復帰のための支援の実施
についてです。現状の(1)(2)(3)については、先ほど紹介しましたので省略します。
 (4)で、メンタルヘルス対策支援センターにおいては、メンタルヘルスに関する
総合相談、訪問支援等を実施していまして、平成21年度においては、職場復帰に
関する相談が1,089件、訪問支援が3,038件です。
 2の今後の方針です。プロジェクトチームの報告書からの抜粋で、医療機関と
職場の十分な連携の下、休業者の回復状況に的確に対応したプランの策定や取組
みを広く普及するため、事業者の取組みに対する支援を行うとされています。
 14頁の検討項目7で、労働者がメンタルヘルス不調にならないための職場環境
についてです。現状について、(1)は皆さんがよくご存じのものです。(2)の具体的
なストレスの内容については、人間関係、仕事の質や量、将来性、これが従来か
ら代表的なものです。労災認定の状況については、全支給決定234件のうち、関
与したと思われる出来事については、仕事の量や質の変化が80件、事故や災害の
体験が53件、仕事の失敗、過重な責任の発生等が31件となっています。事業場
の取組み状況についてですが、これは先ほどの資料と重複するので、ご覧いただ
ければと思います。(5)も同じです。
 今後のあり方については、ストレスの少ない職場環境を実現し、予防をすると
いう観点からは、労働時間や仕事の量や質、職場の人間関係等の職場環境等を的
確に評価し、改善を行うなど、メンタルヘルス指針に基づく取組みの促進を図る
ことが1つ大事です。また、職場のメンタルヘルス対策に関する情報提供の充実
や産業保健スタッフの養成、良好な人間関係の実現等を通じて、ストレスの要因
の改善が継続的に行われるようにする必要があるということです。以上です。

○分科会長 (1)から順番にご議論いただきます。まず、2頁の検討項目1で、管
理職に対する教育についてです。ご意見はございますか。

○芳野委員 2の今後の方針についてです。最後に「中小規模事業場等の職場の
管理職に対する教育を促進する」とありますが、ここについては企業規模ではな
く、職場の規模という観点も必要ではないかと考えます。職場の実態としては、2
人、3人の部下を抱えている管理職もいれば、10人、20人とたくさんの部下を抱
えている管理職もいます。このような実態から、企業規模をベースに区切るとい
うのは、職場の実態に合っていないのではないかと考えます。
 また、管理職に対する教育も重要なのですが、管理職本人に対するメンタルヘ
ルスも検討していくべきではないかということで、ラインによるケアの中心的役
割を担う管理職の負荷がますます高まっている中で、部下のケアも大切ですが、
同時に管理職に対するケアも重要ではないかと考えます。管理職の知識を増やす
ことのみならず、管理職本人に対するケアも併せて議論していくべきではないか
と考えます。よろしくお願いします。

○労働衛生課長 先ほどご紹介しましたように、自殺・うつ病対策プロジェクト
チームでは、たまたま中小規模についてというご発言があったので、そのような
表現になりましたが、ご指摘のように、大規模のところでも、管理職1人が多人
数を担当しているような場合には、相当いろいろなノウハウなり、難しい部分が
あるかと思います。ニーズに応じて、先ほど言いました管理職研修を開始したと
ころですが、そういったところについても、対応していきたいと思います。
 2つ目の点についても、部下に関するいろいろな注意あるいは職場環境を改善
する役割がありますが、その管理職本人についても、仕事の質の面などからいろ
いろなストレスが加わるというのはありますので、例えば先ほど言いました管理
職の研修において、本人のセルフケアの仕方、あるいは組織として、そういった
人たちは、特にどういったことに気をつけたらいいかについても情報収集をして、
研修等に反映できればと思います。

○分科会長 ほかにいかがですか。またあとで戻ってもいいので、次に進みます。
3頁の職場のメンタルヘルス対策に対する情報提供の充実についてです。

○市川委員 緊急調査の結果で、取組み方がわからないというのが徐々に減って、
必要性を感じないという部分が割合として大きく出ています。ここが非常に問題
ではないかと感じています。情報提供の充実のところも、必要性を感じていない
企業に対して、取り組むことが大事だという広報活働も必要ではないかと思いま
す。
 例えばここに出てくる「こころの耳」などありますが、そこに自らアクセスし
てくる企業の方は問題意識のある方です。そういう方たちだけではなく、問題意
識を持つことが大事だというアピールも、併せてこの場に取り入れていただきた
いと思います。

○労働衛生課長 次回、規模別のデータもご提示しますので、必要性を感じてい
ない企業が中小なのか、大企業でもあるのかというのは、問題になろうかと思い
ますので、その辺も次回ご議論いただきたいと思います。
 いまのご指摘の件については、確かに、アクセスしないところに、どう必要性
なりをアピールしていくかということで、難しい問題だと思います。

○市川委員 幅広く訴えるような取組みも必要ではないかと思います。

○労働衛生課長 情報の提供の仕方の工夫について検討したいと思います。

○関口氏 私どもで会員企業にヒアリングをしたところ、最も大切なのが予防の
ための措置だと。予防方法をもっと広く周知すべきではないか。あるいは予防の
観点に立てば、経営者、管理職、それ以外の従業員とともに、セルフケアについ
ての意識を高め、かつ実行することが最も大切だといった意見が寄せられていま
す。やはり中小企業においても、会社全体でそういった意識を高めていくことが
必要なことは、声として寄せられています。

○分科会長 ほかにございますか。次に進みます。10頁の検討項目4のメンタル
ヘルス不調に適切に対応できる産業保健スタッフの養成及び活用についてです。
いかがでしょうか。
                 (特になし)
○分科会長 次に進みます。12頁の検討項目5の配置転換後等のハイリスク期に
おける取組みの強化についてです。いかがでしょうか。

○市川委員 質問です。今後の方針をPTの報告書より抜粋されていますが、後
ろから3行目に「そうした実態を踏まえて、配置転換後等のハイリスク期等にお
けるメンタルヘルスに関する取組みを強化し、問題が悪化する前に支援へとつな
げる」とあります。この主語は事業者ということでしょうか。誰が取組みを強化
し、支援へとつなげるのか。問題が悪化するというのは、配置転換等直後の方々
の問題で、そういう方々に、誰がどうつなげるのか。

○労働衛生課長 原文も確認しましたが、このとおりになっています。先ほど言
いましたように、このプロジェクトチームの性格からすれば、行政が行うべきこ
とということですが、この表現ですと事業者がと読めます。当然、事業者がその
ようにできるように行政がさらに支援をするというように解釈していただければ
と思います。

○市川委員 ということは、事業者の方々が、そのような取組みを強化していく
ことができるような、さまざまな施策を行政として行うと解釈すればいいのです
か。

○労働衛生課長 これは市川委員もご存じのように、清水参与が内閣府の会議な
どでも、職場転換、引継ぎのときに十分に行われなくて、その直後にいろいろな
プレッシャーがかかってしまうといったことが根拠にありますので、その当時か
ら、いわゆる労働分野に投げ掛けられていたテーマです。ただ、このプロジェク
トチームでも、データやできる施策を提示した上で書かれたとはなっていないの
ですが、当時の認識としては、そういった転換直後について、例えば上司が注意
をして見守る、特に気をつけて見てあげることはできるのではないかと思ってい
ます。
 ただ、当時の参与の発言では、十分な期間を置いた引継ぎも提案されていまし
た。少なくとも、当分科会には馴染まないテーマですので、なかなかそこの議論
は進まなかった状況でした。ですから、少なくともこの表現から読み取れるもの
は、本人もそういうものに気をつけるような機会を事業者がつくる、セルフケア
のほうでも上司が普段より気をつけて見られるのではないかと思っています。

○関口氏 いまの質問に関連しますが、そうすると取組みを強化するというのは、
具体的にどのような取組みをどう強化するという話はないということですね。

○労働衛生課長 はい。この時点において、特段これをやればというのは持ち合
わせておりません。ただ、例えば異動直後のチェックのあり方など、事例を収集
して紹介するくらいのことはできるのかと思っています。

○瀬戸委員 今後の方針に、民間団体が行っている自殺の実態調査で、「職場環境
の変化」がきっかけとなってうつになり、自殺する人が少なくないとあります。
これが、この実態調査でいうところの自殺の要因のパーセントですが、数字とし
て持っていれば教えていただけますか。

○労働衛生課長 これは経路もいくつか要素がありまして、いくつも枝分かれし
ていますので、1が配置転換をきっかけに自殺に至る典型的なものですが、ライ
フリンクのデータで数字がありますので、確認した上で次回ご提示させていただ
きます。複雑な経路をまとめたものですので、数字はありますが、念のために確
認した上で提示させていただきます。

○分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○明石委員 NPOがやられた遺族への聴取調査だと思うのですが、うつ病が自殺
を引き起こす医学的なエビデンスはあるのですか。

○労働衛生課長 うつ病の経過として自殺に至るというのは、明らかなものだと
思っています。ただ、自殺の要因となる精神疾患は統合失調症など、うつでも典
型的な生真面目な体質からくるもののほかに、非典型のものでも起こりますので、
逆についてはいろいろなバリエーションがありますが、少なくともうつの中で、
最重症になってから、治療で少し軽快したときに自殺の危険性があると言われる
ので、そういった経路が一定の割合でいるのは間違いない事実で、医学的によく
経験されていることだと思います。

○分科会長 ほかによろしいですか。次に進みます。検討項目6で、うつ病等に
よる休職者の職場復帰のための支援の実施についてです。何かございますか。

○市川委員 今後の方針はPT報告書からの抜粋ですが、私の周りあるいは加盟
組合等からの報告でも、いちばん大変なのが、休業された方の復帰をどう提示し
ていくのかです。今後の方向性としては、事業者の取組みに対する支援を行うと
いうのは、厚生労働省のPTの報告書ですから、このような書きぶりですが、も
う少し復帰プログラムの重要性、あるいは事業者がそういったものを作っておく
ことが大事、その方向性をもっと打ち出してもらいたいと思います。

○労働衛生課長 職場復帰については、厚生労働省としても手引きなどの普及に
努めていますが、就業規則等の関係もあって、定形的なものが提示できない部分
もあります。ただ、個別具体的なケースについて、それぞれどのようにしたらい
いのかというのは、それぞれのノウハウが一定程度あるので、例えば支援センタ
ー、地産保などでも、対応できるスタッフを増やすことによって支援することは、
今後可能だと思います。
 それから、先ほどの明石委員からの質問に少し関連するのですが、平成21年中
の自殺の概要資料があります。警察庁からの報告で、自殺全体が3万3,987です。
そのうち健康問題を理由とするものが1万5,867です。健康問題のうち、病気の
悩みや影響ということで、うつ病という項目がありまして、6,949となっていま
す。ちなみに、統合失調症は1,394となっていますので、うつ病は精神疾患の中
でも、かなり自殺との関連が高いと言えると思います。これは重複回答だと思い
ますが、そのような割合になっています。

○分科会長 休業者の回復状況に的確に対応したプログラムについて、もう少し
重要性を書いたらどうかと。

○計画課長 いまの点に関連しますが、報告書の段階ではそのような表現に留ま
っていますが、私どもはそのような報告なりを踏まえて、平成23年度の概算要求
の中で、これに関する予算も要求させていただいています。それが最終的に付く
か付かないかはありますが、そういう意味で、審議会で何らかの提言なり、ご意
見を取りまとめていただく際には、それなりの予算の状況等も見えてきますので、
そこは具体的な中身なり、事業の中身として書き込んでいく形で、事務局として
の案はご提示あるいはご説明させていただくことはできると思います。

○分科会長 ほかにはいかがですか。

○関口氏(伊藤委員代理) 職場復帰支援制度の今後の方針のところです。厚生
労働省の作った支援の手引きでも、試し出勤制度が有効だという指摘もあります。
私どもも、昨年2月に中小企業のためのメンタルヘルス対策ガイドブックを発行
しまして、マスコミにもだいぶ取り上げられました。そこでも、段階的な復職の
ための有効な手段として、私どもでは「休職中におけるリワーク支援」という言
い方をしています。
 そのガイドブックをまとめる段階でも議論は出たのですが、休職中の従業員に
ついては、労務の提供がないということで、例えば労災の適用除外といったこと
もあるようですので、そういったリワーク等に取り組んで、労働者の法的な位置
づけについても、今後検討が必要なのではないかと思います。

○計画課長 ご提示いただいた問題点は、まさにそのとおりだと思います。それ
が、非常に難しいものを抱えていることも事実です。位置づけという話になりま
すと、先ほどの話ではないですが、関係するところにご審議していただくことも
あろうかと思いますので、こちらでも一定の議論をしていただくにしても、各方
面にも検討していただくようにお願いしたいと思います。

○分科会長 ほかにございませんか。次に進みます。14頁の検討項目7で、労働
者がメンタルヘルス不調にならないための職場環境についてです。何かございま
すか。

○豊田委員 全体的なところでの質問です。各検討項目の2について、自殺・う
つ病対策プロジェクトチーム報告書から引いたものについては、「今後の方針」と
いう書き方をされています。それで、結論めいた形でこうするというような表記
になっています。検討会報告書から引用したものについては、「今後のあり方」と
書かれていて、最後の文書のところでは、「・・・する必要がある」と書かれてい
ますが、ここは強さの加減があるのでしょうか。

○労働衛生課長 先ほどご説明したように、自殺・うつ病等対策プロジェクトチ
ームは5月の取りまとめの時点で、予算的裏づけや既定の方針があるものを並べ
たものです。そういう意味では、例外的にメンタルヘルス不調の把握が宿題とし
て残っています。そういう性格ですので、プロジェクトチームの報告書から抜粋
して、2の「今後の」では、もう方針が決まって、やることもあるというものが
中心になっています。
 メンタルヘルス検討会を経たものは、まさにここでさらにご議論いただくとい
うことですので、方向性だけが定まっていて、こうするという表現にはそもそも
なっていませんので、その辺りで表現の違いが出ている状況です。

○分科会長 ほかにはよろしいですか。全体で何か言い残したところなどがあり
ましたら、お願いします。
                 (特になし)

○分科会長 それでは検討項目3を除いた7までについては、今後のあり方とい
うことで進めさせていただきます。
 3については次回に検討しますが、必要な資料、データなどがありましたら、
お願いします。

○瀬戸委員 14頁の今後のあり方の最後の行に、「職場の人間関係等の職場環境
を的確に評価し云々」とあります。職場の人間関係の評価というのは、どのよう
にするのですか。

○労働衛生課長 先ほど先進事例を紹介しましたが、その中には、職場全体につ
いては、いわゆる職業性の要因なども聞いた上で、事業所にはフィードバックし
ていますので、そうなると、例えば人間関係で悩んでいるということが、ある程
度定量的に把握できるという事例もあります。
 また、EUでは、最近EUの国内で統一したモデル的な取組みとして、メンタ
ルヘルスにおける職場環境測定的なもので、職場環境の項目をある程度盛り込ん
だ質問項目を労働者に対して行って、それは全く個人に還元するということでは
なくて、職場の全体、部門別の特性として評価して、事業者が把握するというも
のです。そういった方法を任意でやることによって、人間関係についても捉える
ことは可能ではないかと思っています。
 指針では、職場環境等の把握と改善という中で、労働時間、仕事の量や質のほ
かに、セクシュアル・ハラスメント等、職場のそういった人間関係、組織、人事、
労務管理体制が、メンタルヘルスに影響を与えることが記述にあるので、こうい
った観点から、職場環境の改善に積極的に取り組むということはあります。
 そのための評価として、職場環境等の評価と問題点の把握という記述の中に、
チェックリスト等を用いることによって、人間関係、職場組織等を含めた評価を
行うことが望ましいとしています。先ほど言いましたような、事例の任意のもの
として、メンタルヘルス指針には書いています。

○計画課長 補足します。先ほどご紹介しましたが、来年度から職場の環境問題
を総合的に評価し、もしかしたら認証するような、ヨーロッパの先進的な取組み
なども参考にしながら、我が国でも導入の可否について検討する予算も要求しよ
うと、ほかの部局でしています。例えば安全衛生分科会でいう、いままでの快適
職場という概念で、温度や明るさなどをやってきましたが、それも1つの考え方
であり、一方で働き方関系の部署では、労働時間というものがありました。
 それとは別に、最初に新しい課題として、セクハラという昔からの問題はあっ
たのですが、最近非常に問題視されているパワハラなど、そういったものを全部
寄せ集めて、そういうような中で人間関係も捉えて、総合的に職場の働きやすさ
なのか何なのかは難しいですが、そのようなことを指標で評価していけないかと
いうことを考えています。
 そこは当然労使の皆様方のお知恵をお借りしながら、中身を詰めていくことに
なろうかと思います。その中でなるべく実現可能な制度として、予算が付けば導
入していくことになっていくと思います。

○分科会長 本日の議論はここまでにします。次回は、本日ご議論いただかなか
った検討項目3について議論しますので、事務局は議論のたたき台になるような
資料、データ等の準備をお願いします。事務局から連絡事項をお願いします。

○計画課長 次回は11月4日(木)の午後3時から、専用15、16会議室で行い
ます。よろしくお願いします。

○分科会長 これで終了します。議事録署名は、労働側は犬飼委員、使用者側は
瀬戸委員にお願いします。本日はありがとうございました。


(了)

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