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2010年9月24日 第33回社会保障審議会介護保険部会議事録

老健局総務課

○日時

平成22年9月24日(金)14:00〜17:13


○場所

厚生労働省 低層棟2階 講堂


○出席者

山崎、岩村、貝塚、石川、井部、天神、勝田、川合、河原、北村、木村、
久保田(代理:酒向代理人)、小西、木間、小林、齊藤(秀)、齊藤(正)、田中、土居、
野呂(代理:青木参考人)、橋本、藤原(代理:久保参考人)、桝田、三上、結城、
吉田の各委員

○議題

1.介護人材の確保と処遇の改善策について
2.情報公表制度の在り方について
3.介護保険制度における指導監督について

○議事

○大澤総務課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第33回「社会保
障審議会介護保険部会」を開催させていただきます。
 初めに、今回から正式に委員として御出席をいただきます委員がおられますので、
御紹介をさせていただきたいと思います。
 健康保険組合連合会常務理事の天神敏門委員でございます。

○天神委員 健保連の常務理事を務めさせていただいております。日立製作所健保組
合の天神と申します。よろしくお願いします。

○大澤総務課長 なお、本日は、櫻井委員、葛原委員が御都合により御欠席との連絡
をいただいております。
 また、本日御議論いただきますテーマに関連がありますことから、社会・援護局、
職業安定局及び職業能力開発局の方から担当者が出席をしておりますので、紹介をさ
せていただきます。
 社会援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長の泉でございます。
 職業安定局地域雇用対策室課長補佐の田村でございます。
 職業安定局派遣・有期労働対策部企画課課長補佐の佐藤でございます。
 職業能力開発局能力開発課課長補佐の小野寺でございます。
 それでは、山崎部会長、議事進行方、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)

○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は「1.介護人材の確保と処遇の改善策について」。
 「2.情報公開制度の在り方について」。
 「3.介護保険制度における指導監督について」。
 以上の3項目を御議論いただきます。
 まず、前半として「1.介護人材の確保と処遇の改善策について」の説明と御議論
をお願いいたします。
 それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○川又振興課長 振興課長でございます。人材の資料の資料1に入ります前に、資料
の御紹介をしておきたいと思うんですが、外していただきますと中に「参考」と右側
に文字がありまして「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会」における議論
の経過報告という資料がございます。本日は説明いたしませんけれども、前回議論が
ございました24時間巡回型訪問サービスについて、検討会での議論の状況を、まだ
とりまとめということではなくて、どのような議論が行われているかということをま
とめた経過報告でございます。最終的には10月下旬を目途にとりまとめをいただい
て、今、モデル事業などをやっていますので、その成果を踏まえてとりまとめいただ
いて、この部会の方に最終的には御報告をお願いすることになっていますので、御承
知をいただければと思います。
 それでは、資料1「介護人材の確保と処遇の改善策について」をお願いします。
 3ページ、介護職員数の全体の推移でございます。ここでいう介護職員は、直接介
護を行う職員でございまして、訪問看護も含んでおりますが、看護師さんであります
とか、ケアマネ、OT/PTなどの職員は含んでおりません。128万人ということで、
介護保険制度発足から倍以上という状況でございます。
 4ページは、それを施設、居宅サービス事業所ごとに分けたものでございます。特
に居宅サービスに関連します従事者の伸びが大きくなっております。また、居宅サー
ビスの方法では、非常勤の方が半分ぐらいいらっしゃる状況でございます。
 5ページは、介護従事者の推移ということで、こちらの従事者の定義は、直接介護
職員のみならず、医師、看護師、ケアマネジャー等々を含んだ数字でございますが、
傾向としては同様でございまして、平成12年から倍以上の伸びになっております。
 6ページは、この介護従事者を、施設、居宅サービス事業所ごとに見たものでござ
います。傾向としては、先ほどの介護職員と同様の傾向になっております。
 7ページは、平成20年度におきます、先ほどの218万人の職種別の内訳となって
おります。
 8ページは、介護労働者を属性別に見たものでございます。性別、就業形態、年齢
構成を見てみますと、全体的に女性が多い、非正規雇用が多いという傾向にございま
す。また、施設等の介護職員と訪問介護員ということで比較いたしますと、訪問介護
員の方が女性が多い、非正規雇用が多い、より年齢の高い方が多いという傾向にござ
います。
 9ページは、有効求人倍率と失業率の動向ということで、青い線が全体の失業率、
赤い線が介護分野における有効求人倍率となっておりまして、一時に比べて有効求人
倍率は低下してきている状況にございます。
 10ページは、離職率と入職率の状況でございます。左の棒グラフですが、産業計と
介護職員を比べますと、離職率においては16.4と17.0ということで、それほど大き
く介護職員の方が離職率が高いという状況ではありません。右側の方に、各職種ごと
の離職率(右)と入職率(左)のグラフがございます。
 11ページは、常勤労働者と短時間労働者に分けてみたものでございます。常勤労働
者を見ると、介護職員の方がやや離職率が高くなっておりますが、一方、短時間労働
者を見ますと、産業計に比べまして介護職員の方は、むしろ離職率は低い状況にござ
います。
 時系列的に見ますと、右側の上の折れ線グラフですけれども、離職率は平成19年
度におきましては21.6でございましたが、平成21年度は17という形で、ここ数年
大幅に下がってきている状況が見られます。
 12ページからは、介護職員の賃金ということですが、12ページは常勤労働者につ
いてでございます。産業計の平均賃金は、31万8,000円に比べますと、下の方のホー
ムヘルパー、福祉施設介護員につきましては、平均賃金としては低い傾向にございま
す。また、男女別に見ますと、女性の介護職員については、産業計との差が男性より
は小さい状況でございます。
 なお、ここで留意しなければいけないのは、勤続年数を見ますと、ホームヘルパー、
福祉施設介護員とも、産業計に比べて非常に短い、半分ぐらいという状況になってい
るということでございます。
 13ページは、所定内給与につきまして、先ほどの12ページは平均値でございまし
たが、中位数、賃金の低い順番に並べて真ん中の方の給与で比べたのが13ページで
ございます。中位数というところをごらんになっていただきたいと思うんですけれど
も、平均と比べて差が小さくなります。ホームヘルパーとか福祉施設介護員について
は、平均も中位数もそんなに大差はありませんけれども、産業計の方におきましては、
中位数が大幅に下がって、低い数字になっているということで、結果的に産業計と介
護職員との差が中位数で見ると少し縮まっている状況でございます。
 14ページは、短時間労働者についての、1時間当たり所定内給与の比較となってお
ります。男女計で見ていただきますと、産業計が1,302円、ホームヘルパーが1,271
円、福祉施設介護員が971円という状況になっております。こちらで見ると、それほ
ど低い状況ではないと言えるかと思います。
 15ページは、職種別に賃金構造基本統計調査によりまして、ボーナスを足して年収
を推計したものでございます。左が男性、右側が女性のグラフでございまして、それ
ぞれ一番左の棒グラフが全産業の計、ピンク色にしておりますが、介護支援専門員、
福祉施設介護員、ホームヘルパーがこの辺りの位置にあります。この統計では120〜
130の職種があるんですけれども、ヘルパーと介護福祉施設職員のそれぞれの近い前
後3つずつを取って、ここに掲載しております。前後の職種がどんなものがあるかと
いうのを見て取るための資料でございます。
 16ページは、時間当たり賃金が800円未満の労働者数の割合ということで、それぞ
れの業種におきまして、時間賃金が800円未満の労働者がどれぐらいの割合いるかと
いう状況でございますけれども、社会保険、社会福祉介護事業という部分におきまし
ては、その割合が低いということで、800円未満の労働者の割合が低いという状況に
なっております。
 17ページは、各介護サービスにおける介護職員の給与ということで、それぞれの事
業別に、左側のボックスが介護福祉士の資格を有している方、右側が介護福祉士の資
格を有していない方の、それぞれ常勤・非常勤の給与額の状況でございます。介護福
祉士の資格を持っている方の方が比較的高めの給与となっていることがわかると思
います。
 18ページは、法人種類別の給与等でございますけれども、給与を比較いたしますと、
社会福祉法人と営利法人を比較いたしますと、社会福祉法人の方が若干高めの給与と
なっております。また、労働組合の組織率を見ますと、社会保険・社会福祉・介護事
業は4.7%ということで、かなり低い状況になっています。右側は、介護職員処遇改
善交付金の申請率でございまして、営利法人とか、NPO、社団、財団の申請率が低
くなっております。
 19ページは、事業所ごとの離職率の分布を見たものですけれども、左側は離職率を
横軸にとっておりますが、離職率の低いところと高いところに二極化している状況が
見られます。また、右側は事業所規模別でございますが、事業所規模が大きくなるほ
ど離職率が低くなる傾向が見られます。
 20ページは、事業所規模別の賃金の状況でございます。事業所規模が大きい方が平
均月収が高い傾向にあります。
 21ページは、人材育成のためにどのような方策を行っているかということで、事業
所規模別に棒グラフが並んでおりますけれども、事業所規模が大きいほど、教育・研
修等に力を入れている状況が見られます。
 22ページは、事業所の規模でございますが、介護の事業所は従業員規模20人未満
のところで50%以上ということで、小規模な事業所が多く、また、法人規模として見
ても比較的小さい状況です。
 23ページ、介護職員として働く理由ということですけれども「働きがいのある仕事
だと思ったから」あるいは「人や社会に役に立ちたいから」というところが多くなっ
ております。
 24ページは、働く上での悩み、不安、不満ということでございます。仕事の割に賃
金が低い、人手が足りない、身体的負担が大きい、精神的にきつい等の中身がござい
ます。利用者に対しても適切にケアができているか不安があるなどの悩みが示されて
おります。
 25ページは、直前の介護の仕事を辞めた、あるいは転職した理由でございます。「事
業所等の理念や運営のあり方に不満」あるいは「職場の人間関係に問題があった」と
いうところが多くなっております。
 26ページは、早期離職防止、定着促進のための方策でございます。それぞれサービ
スごとに若干差異はありますけれども「賃金・労働時間等の労働条件を改善する」あ
るいはコミュニケーションの円滑化を図る、特にホームヘルパーにおきましては、労
働時間の希望を聞くなどというところが多くなっております。
 27ページからは、地域別という視点でございますが、地域別の離職率を見ますと、
都市部ほど離職率が高くなる傾向にございます。
 28ページは、都道府県別の有効求人倍率でございます。ピンク色の方が介護関係職
種、青色が職業計でございます。地域ごとに大きな差がございます。地方より都市部
が高くなっている。それから、介護職種におきましても、北海道、東北、九州、沖縄
などでは、1.0を下回っている状況にございます。
 29ページは、介護事業に従事する介護職員と看護職員の数の推移でございますけれ
ども、介護職員の方は伸びてきておりますけれども、看護師・准看護師の伸びが小さ
くなっております。
 30ページは、社会保障国民会議におきまして推計を行いました今後の介護職員等の
見通しでございます。今後、2025年にかけまして、生産年齢人口が減少するのに対し
まして、必要となる介護職員は倍増という状況でございます。
 31ページは、医療も加えまして医療・介護分野ということで試算をしたもので、同
様の傾向になっております。
 32ページは、そのシミュレーションの内訳でございます。
 次の項目は、これまでに講じられた主な施策ということです。
 34ページからは、介護関係の職業訓練制度等でございます。補正予算等を通じまし
て、介護分野において職業訓練を通じた参入支援策を講じております。
 34ページは、その全体の項目でございまして、35ページに実習型の雇用支援事業、
36ページに基金訓練・公共職業訓練、37ページに介護雇用プログラムということで、
雇用しながら資格を取る、あるいは働いてもらって就職につなげていくという政策が
行われているところでございます。
 38ページは、21年度の介護報酬改定、3%改定の内容でございますけれども、介
護従事者の人材確保、処遇改善という点に着目した改定の中身が含まれております。
 39ページは、処遇改善臨時特例交付金の概要。
 40ページは、21年度の報酬改定の影響を調査したデータ。全体で見ると8,930円
の増額という状況になっております。
 41ページは、介護職員処遇改善交付金の概要。なお、この交付金につきましては、
来月からキャリアパスの要件が開始されます。
 42ページは、22年度介護従事者処遇状況調査ということで、21年度の報酬改定、
あるいは介護職員処遇改善交付金の影響につきまして、現在調査中でございます。12
月を目途に給付費分科会等に報告されるということでございます。
 43ページは、これまでの指摘ということで、地域包括ケア研究会におきましては、
規模の拡大でありますとか、経営安定化・効率化等々の提言がございます。
 44ページは、介護クラフトユニオンあるいは経済同友会さんからの提言となってお
ります。
 45ページは、人材をめぐる論点ということでございます。左側の現状は、これまで
のデータのおさらいでございますが、右側の論点というところで、先ほどの処遇改善
交付金などの効果を検証しつつ、財源の制約も考慮しながら、これまで講じてきた施
策の取扱いを検討する。あるいは就業形態・事業所・地域ごとの差異に応じた対応、
事業者による人材育成、雇用管理の取組みの促進、介護事業者の規模の拡大について、
どう考えるか。
 46ページは、中核的な役割を担うことを希望する介護職員のキャリアアップ、ある
いは人材の量的確保と資質向上のためのキャリアアップとか、医療・介護人材の役割
分担の在り方等々が、検討課題として挙げられております。
 引き続きまして、2番の項目でございます。
 48ページは、労働基準法の遵守状況でございます。全産業と比較いたしまして社会
福祉施設は、この中には在宅の事業も含まれておりますけれども、違反事業所の割合
が高くなっております。
 49ページは、介護サービス事業者の指定拒否事由でございますけれども、現在、介
護保険法とか老人福祉法等々の法律に違反して、罰金を受けた場合には、指定拒否と
いうことになっておりますけれども、現在におきましては、労働基準法という点にお
きましては含まれていないということでございます。
 50ページは、先ほどもありましたが、処遇改善交付金のキャリアパス要件の概要で
ございます。今年の10月から、来月から適用されます。
 51ページは、代替職員の確保ということで、研修あるいはその研修の講師として職
員を派遣した場合に、代替職員を雇用する事業、緊急雇用創出事業の中で実施されて
いるものの紹介でございます。
 52ページからは、介護福祉士あるいはホームヘルパーの資格・研修でございます。
 52ページは、全体の状況。
 53ページは、それぞれの資格のカリキュラム等の中身の紹介でございます。
 54ページから3ページにわたりまして、今年の8月13日にまとめられました「今
後の介護人材養成の在り方に関する検討会」の中間まとめの概要を付けてございます。
 55ページの上から2つ目の○にありますが、介護福祉士を取得する場合の実務経験
者からのルート、600時間の過程を24年度から予定どおり施行することに対応できな
い事業者、従業者が多いということ。
 3つ目の○ですけれども、これらの課程と介護職員基礎研修あるいはホームヘルパ
ー2級研修等との関係を見直し。
 一番下の○ですけれども、これは後ほど出てきますが、たんの吸引等の医療的ケア
の実施についても検討課題という指摘です。
 56ページの下から2つ目の○で、施行時期というところで、介護福祉士の実務経験
ルートについては見直した上で、その施行は平成24年度から3年程度延期すべきと
いう指摘がございます。
 57ページは、介護福祉士の資格ルートの全体像でございまして、赤い点々で囲って
いるところが、24年度から実施予定となっているところでございますが、3年程度延
期という方向性が示されたところでございます。
 58ページは、これまでの主な指摘事項ということで、新成長戦略あるいは経済対策
におきまして、社会全体を通じた職業能力開発評価制度を構築するための日本版のN
VQへと発展させていくということで、介護分野におきましても、キャリアアップ戦
略ということでキャリア段位を検討するということで、内閣府と話をしているところ
でございます。具体的な検討が、これから始まるという状況でございます。
 59ページ、これまでの指摘事項の2つ目ということで、地域包括ケア研究会の報告
書でございます。先ほどの労働法規の遵守という点については、罰則を受けた者は、
例えば指定を行わないという措置を検討してはどうかでありますとか、介護福祉士に
よる基礎的な医療ケアを実施できるようにしてはどうかという指摘がございます。
 60ページも続きでございます。各種団体からの御指摘でございます。
 61ページは「論点」、労働法規の遵守やキャリアアップ等の促進方策、あるいは事
業者における雇用管理の取組み促進、事業者におけるキャリアアップの仕組み等の検
討課題がございます。
 引き続きまして3番目の柱でございますが「介護職員等によるたんの吸引等の実施
について」でございます。
 63ページ、現在これらの行為につきましては、実質的違法性阻却ということで、通
知によりまして一定の行為を認めている現状にございます。
 64ページにその詳細がございますけれども、在宅、特別支援学校、あるいは特別養
護老人ホームにおきまして、たんの吸引、経管栄養、○の付いているところの行為が
できるということで、さまざまな要件が下に記載しております。
 この点につきましては、このような運用上の扱いが不安定であるということで、65
ページにございますけれども「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の
在り方に関する検討会」を7月から開催しております。今、試行事業をやっていると
ころでございまして、それらの結果を踏まえて、また秋以降、制度の在り方について
検討いただく予定となっております。
 66ページからは、その検討会の直近の8月9日の第4回検討会におきまして議論さ
れた資料、あるいは議論を基にまとめたものでございます。試行事業を実施するに当
たっての考え方を整理しております。
 67ページに、実施可能な行為の範囲、たんの吸引、経管栄養ということで、これま
で運用により許容されていた範囲が縮小されないようにということでございます。ま
た、実施可能な介護職員等の範囲を、一定の追加的な研修を修了した介護職員等とし
ております。また、実施可能な場所として、介護関係施設、障害者の施設、特別支援
学校、在宅ということでございます。
 68ページは、医療との連携体制の確保、あるいは教育・研修の在り方ということで、
介護福祉士を含め、追加的な研修等を行った者に認めるということでございます。
 69ページは、現在、準備をしておりますけれども、このたんの吸引等の試行事業の
概要でございます。基本研修、実地研修を経て試行していくというステップを踏んで
行われることになっております。
 70ページは、これまでの主な指摘事項でございます。新成長戦略あるいは規制・制
度改革に係る対処方針ということで、介護職による医療行為についての提言がなされ
ております。
 71ページの地域包括ケア研究会報告におきましても、要介護者に対する基礎的な医
療的ケアについて、介護職が行えるようにしていくことが指摘されております。
 最後、72ページでございますけれども、今、検討会で議論されておりますけれども、
介護職員が実施するたんの吸引等につきまして、介護保険法などの位置づけも明確に
していく必要があるのではないかと考えられます。例えば現在の訪問介護の定義規定
の中では、こうした行為が読めないのではないかと思われます。このような論点もあ
るということでございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、
御意見をいただきたいと思います。
 河原委員、どうぞ。

○河原委員 ありがとうございます。今日の大きなテーマの1つが、介護人材と処遇
のことでございますので、私の方からトップを切ってお話をさせていただきます。
 今日はペーパーを用意し、介護人材のこと、あるいは処遇のことに関して、私ども
クラフトユニオンが日ごろ考えていることを、簡単にまとめてまいりました。介護保
険制度の健全な発展のためのキーワードは「財政」と「人材」ということを書かせて
いただきました。人材の側から、制度を絶対に壊してはならないということでござい
ます。これは、介護保険制度からできてからずっと狂ってないんですけれども、私は
「財政」と「人材」が制度の持続のためのキーワードだろうと思っていたんですが、
介護保険部会も含めましていろんな議論の中で、人材に関わることが極めて少ないも
のだと思って残念だったんですけれども、今回こういった場に出させていただいて、
今日、私どもの軸になるテーマでございますので、少しお話をさせていただきます。
 まず、誤解があってはいけないんですが、テーマなんですけれども、介護人材の確
保となってきますと、これで間違いはないんですが、現場では確保よりも持続あるい
は継続の方がより問題だと思っております。これは離職率等のことにも関係いたしま
すけれども、そういった確保と括弧づけで持続・継続ということも是非入れていただ
きたいと思っております。
 持続するためには、あるいは継続するためには何が必要かということで、下の(4)
に書かせていただきました。私は組合の活動に19年間関わっておりますが、今まで
も私自身が労務相談、あるいは苦情処理の対応をしている中で、データ的ではなくて
感触として確信に近いものですが、経験上こういったことなんだろうと思っておりま
す。今日も資料の23〜25ページに書かれておりますが、私はこの?@?A?Bに書かれて
あることが、すべからくそろっているのであれば、ほとんどの方が辞めないだろうと
思いますけれども、いずれにしましても介護の現場、?@〜?Bまで非常に厳しい状況だ
ということでございます。案外見落としがちなのが、?Aの休日が取りやすい職場とい
うことですが、特に連続して取れないということで、やりがいはあるんだけれども続
けられないということもございます。
 私、ときどき不思議に思うんですが、よく事業者からのアンケートなど見ますと、
今、人は足りていますかという質問に対して、割と足りているという数字がだんだん
上がってきているんですけれども、それは間違いではないと思うんですが、ひょっと
したら事業者の目から見れば、10人工の業務を、例えば10人そろえていることに対
して満足しているのではないかと思ったりもいたします。10人工の業務は10人でや
ったら、その方たちは風邪も引きますし、緊急の用事もございますので休まなければ
なりません。そうすると、10人工にはやはり12〜13人の人員が要るわけです。そう
いったこともきちっと認識されて、アンケートに答えられているのか、ちょっと不思
議なところがございます。
 ?Bのコミュニケーションがよい職場。これは、もう言わずと知れたことですけれど
も、案外これはできそうでできないところです。私の経験上、これのかぎを握ってい
るのは管理職です。管理職が、どのような方たちなのか、あるいはどのように事業者
から教育されているのか、管理職として何をしなければならないのかということが、
配置をされただけでその後教育をされていない。管理職にとっても悲劇でございます
けれども、こういった管理職の方が往々にしていらっしゃって、コミュニケーション
がよくなっていかないということで、離職に結び付いていくということがあります。
 介護現場では、恐らくいろんなゆとりのない職場になっていて、気持ちに余裕がな
いがゆえに弊害になっていることがいくつもあります。これが(4)に書かせていた
だいたことなんです。
 賃金のことは?@でございます。今までも何とかしなければいけないとか、1万5,000
円だとか、2万円相当だと言われましたけれども、一番抜けている議論が、一体どれ
ぐらいの水準がいいんだろうかということです。この議論がございませんでした。そ
れは一番大切なことだと思いますので、できる、できないは別にして、相応しい賃金
というものを、まずは政労使が共有することが大切だろうということで?@に書かせて
いただきました。
 私どもクラフトユニオンとしては、なかなかそういった数字が出てこないので、思
い切って?Bにも書きましたけれども、全産業平均というものを1つの目安にして、そ
れを下回ってはならない。これが希望と誇りを持って働き続けるための賃金の一つの
水準であるととらえさせていただきました。
 今、具体的に450万、どのような印象をお持ちかわかりませんけれども、これは大
体30万かける12か月、賞与が3か月です。28万に落としまして12か月、そして賞
与が4か月です。そういった数字で大体450万円でございます。
 この450万円という数字は、よく全産業を平均すると、男性が幾らで、女性が幾ら
と出ますが、これは労働組合ですから当たり前ですけれども、女性も男性も一切ござ
いませんので、女性平均と男性平均を足して2で割った年収が450万です。
 1,800円というのは、勿論高いと思われる方が多いと思いますけれども、これは所
定労働時間平均で割りますとこの数字になるということで書かせていただきました。
ちなみに、1,800円の時間給を取っている方は、派遣とかパートの看護師さんがそう
です。それから、薬局の薬剤師さんの時給が大体これぐらいですので、社会的な地位
の高い職業の方に、私たちも是非並びたいものだということでございます。
 (3)ですけれども、もう一つの処遇の改善策として、組合としてはやはりキャリ
アパス、今、国の方も一生懸命されようとしていることに対しまして応援したいと思
います。そういった昇給システムをしっかりと組み立ててキャリアパスをさせていく
んだということでございます。
 ?@、これは定義の話ですけれども、能力アップの道筋ということで書かせていただ
きました。ここでも認識しておかなければいけないのは、私たちは、安い、安いとい
うことをよく言いますが、実際の現場からすると、安いということよりも昇給してい
かないということの方がより大きな問題だという認識を是非皆さんの方にも御理解
をしていただきたいと思います。勿論、事業者も経営に優れた方がいらっしゃいます
ので、苦しい中でもそんなシステムをしっかりつくっていらっしゃるところはあると
思いますけれども、往々にして昇給していかないというのが、私たちが取っているデ
ータでもございますので、ここが水準が低いということよりも大きな問題だというこ
とです。その問題を解決するために、こういったシステムをつくれないかということ
です。
 毎回こういうことを事業者に言いますと、組合が言うとおりシステムをつくりたい、
だけれども、その原資はどこにあるのかという話になります。堂々巡りをするところ
でございますけれども、一応考え方としてこのように書かせていただきました。
 国は、私たちの提言でも書きましたが、キャリアパスにしっかり取り組んでいる事
業者を何らかの形で評価していただきたいということでございます。
 ?Bにつきましては、今日の資料の58ページにも書いてございますけれども、キャ
リア段位制度につきましては、私たちも今まで培ってきた能力とか資格がしっかり、
例えば在宅から施設、施設から在宅、あるいは同業他社に転職しても、そういったも
のがしっかり評価してついていくシステムが欲しいものだと考えておりました。そう
いった趣旨だと理解しておりますので、キャリア段位制度については非常に歓迎した
いと思っております。
 それから、介護職員処遇改善交付金でございますけれども、これはもうできた当初
から緊急だから、それは私たちも受け入れざるを得ないし、ありがたい話だとは思い
ましたけれども、やはり国が直接、事業者を通じてといえども、労働者に賃金を支払
うシステムは違和感がある。組合の立場から言わせていただきますと、賃金というの
はそもそも事業者の収益の配分の話であって、そういうことからすると本来交付金と
いうのは、介護報酬の基本単価に組み入れてしかるべきだろうと思います。
 さっき課長の方から、介護職員と介護従事者の定義がされておりましたので、それ
はそれで了解はしておりますけれども、私たちにとっては介護職員と言おうが、介護
スタッフと言おうが、介護労働者と言おうが、介護保険制度の下で働くすべての人た
ちのことを指します。チームワークでやっております。したがって、?Cに書かせてい
ただきましたように、今後、処遇改善交付金としてやむを得ず継続する場合であって
も、適用する人材の範囲は是非拡大をしていただきたいということでございます。
 長くなりましたけれども、最後です。私が知る限り、本でも読み、あるいは先生方
の講演を聞いても、介護あるいは福祉関係の処遇は世界的にも水準は望ましいもので
はない。どちらかというと低いと勉強させていただきました。私たちは、介護従事者
に対するすぐれた処遇のモデルが、こういった議論を通じて構築されましたら、すべ
からく諸外国に発信できるような、自慢のできるシステムができればいいと思ってお
ります。
 私の方からは、以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。三上委員、どうぞ。

○三上委員 介護従事者の処遇の原資につきましては、基本的には介護報酬になろう
かと思いますし、それは公定価格ということで公的に決まった価格であると思います。
 その中で、12ページに産業計と介護事業等との比較、あるいは職業別の比較が書い
てございますけれども、これとは別に、いわゆる開設主体別の賃金の比較をしていた
だきたい。といいますのは、当然、一般の医療法人であるとか、あるいは営利法人も
そうですけれども、税金を払うところと、あるいは社会福祉法人のように税金は払な
い、固定資産税等も減免されるところ、あるいは公的な市町村立のように、税とか保
険料が投入されるようなところというように3種類あろうかと思うんですけれども、
いわゆるその部分で賃金の原資が変わってくる可能性がございますので、それによる
差があるのかどうかを少し見ていただきたいと思います。
 喀痰吸引の問題なんですけれども、これは私もこの会議に出ているんですけれども、
ここで確認をしておきたいんですが、現在、試行事業を行うことが決定されておりま
すけれども、この中で私たちが新しい資格、医行為を業務独占資格をつくることには
反対であるという旨を申し上げ、今回の試行事業はそれを前提としないと、単なる質
の向上を図るための研修の試行事業であるということですけれども、何となく新しい
資格ができるんではないか、喀痰吸引のできる、いわゆる医行為もできる新しい医療
資格ができるんではないかという流れがありますので、ここでそれを前提としていな
いかどうかということについて再確認をしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 後でお答えいただくことにして、勝田委員、どうぞ。

○勝田委員 利用者の立場からですが、私たちはさきにお示しした2012年介護保険
制度改正への提言の中の基本的な考え方として、介護に従事する人材の育成と確保の
ために待遇改善を継続的に図ることとしています。介護に従事する人材を育成・確保
して、介護の社会化を実現するために、介護従事者の生活が保障され、安心して仕事
に取り組めるよう待遇改善を継続的に図ることとしています。
 一方、介護家族のアンケートでは、介護職員がよく代わる。慣れたと思って喜んで
も介護職員が代わって、利用者も戸惑って落ち着かなくなる。深夜・早朝の介護サー
ビスが必要なのに、提供する事業者がいない。これでは、在宅介護を継続したくても
家族が倒れてしまう。また、ヘルパーさんや介護事業所に働く人たちの賃金の低さに
胸が痛みます。仕事は好きだけれども、これでは子どもを養っていけない。という若
い人の声に、もっと耳を傾けるべきです。生活設計が描ける給与体制にしなければ、
今後の介護人材の確保は困難だと思います。これが利用者の率直な声です。
 私たちは、先般、介護保険ホットラインの電話相談を行いました。ヘルパーだが移
動時間がカウントされない。残業代が支払われない。記録する時間の賃金が支払われ
ていない。そういう声が寄せられておりますし、また、実際に1日のヘルパーさんの
実働時間の中で、移動する距離が15キロに及ぶ、拘束時間が10時間になっている。
暑い今年の夏は、待機時間も喫茶店に入るとコーヒー代がかかるということで、近く
の公的なところだとか図書館などを利用しながら待機時間を過ごしている。1日10
時間拘束で得られた介護報酬は6,400円だった。時給にすれば本当のわずかでしかな
いという痛切な声も寄せられています。
 特に在宅介護を支えるヘルパーの状況については、本当に今日示された。例えば8
ページにあるように、非常勤の方が70%、年齢構成では50歳以上が56%となってい
ます。では今後、例えば30ページに示してある、今後の介護の担い手、介護職員の
見通しとして、労働力人口が減少する2025年に、約250万人、今の2倍の介護労働
者が必要となっていると示されています。一体これをどうやって確保していくのか。
 一方、今いろいろと給料が示されましたが、介護労働安定センターの調査では、2009
年度のヘルパーさんの常勤は9万2,000人、非常勤は29万3,000人となっています。
その訪問介護を受けている利用者は168万3,000人となっています。やはりこれだけ
多くの方々が利用している。そして在宅介護を支えているヘルパーさんの現状は、そ
の調査は今ここに示されている数字とは大きく乖離しています。同じく労働安定セン
ターの調査では、常勤は19万400円、非常勤は10万1,700円となっています。これ
は調査のどこを取るかということだと思いますが、同時に時間外サービスや残業代が
支払われていないという現実に対して、例えば労働法規関係では一体どうなっている
のか。今日はいろんな関係部署からもおいでになっていますので、是非お示しいただ
きたい。
 30代の方で特養に勤める介護職員の方からお手紙をいただきました。今、キャリア
パスとかいろいろ言われているが、法定どおりの休憩時間さえ取れない中で、変則勤
務において体調管理がとても難しい、サービス残業が常態化している、また、介護職
員が妊娠した場合に、保護策が現場では全然取られていない。キャリアパスとかキャ
リアを積む前に辞めていってしまう。現場で働いている処遇改善もとても大切だが、
それよりも実態を把握して、賃金ばかりではなくて、現場で働いている介護職員が安
心して働き続けられるような労働環境の確立こそが急務ではないかというお手紙を
いただきました。
 今、クラフトユニオンの河原さんからも御指摘がありましたが、若い人たちが生活
設計を描ける。結婚しても、今後子育てもできるという生活設計を描けるような継続
的な給料体制が必要ではないかと思います。私たち利用者にとっても、介護職の人た
ちが安心して働くことができなければ、良い介護は受けられない。そういう立場で、
働く人たちが継続的に安心して働ける労働条件を是非つくっていただきたい。特に
2025年までに250万人の介護職員を、どのように確保するのか、当局のお考えを具体
的にお示しいただきたい。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 結城委員、どうぞ。

○結城委員 ペーパーに沿って意見を申し上げたいと思います。介護人材の確保につ
いてですが、この間の介護関係の雇用政策は、新規に介護資格を取らせる政策が展開
されていますが、潜在介護士を介護現場に引き戻す政策を優先すべきだと思っていま
す。勿論、新たな介護資格を取ることも大事ですが、資料によると35ページからで
ありますが、これに加えて優先されるべきはその論点だと思います。
 次に、処遇改善交付金については、これは河原委員が言ったとおりで、しかし、1.5
万円のところは昨年の民主党のマニフェストも参考にして、やはり財政措置を講ずる
べきだと思っています。介護現場でもそのような声を耳にいたします。なお、事務手
続を簡素化したり、河原委員が言ったようなことも必要かと思います。
 特に給与以外でいくと、やはり介護士の方が定着していくには、職場環境が大事だ
と思います。特に今、介護士などのストレスがいろいろ上がっています。これは人為
基準の見直しが不可欠だと思います。勿論、法律上は、例えば特養ホームは3対1と
かになっていますが、ユニット型個室と同じようになっている。私は幾つかユニット
型個室の特養を回りましたが、やはり他所室と同じだというのは非常に大変だという
ことを耳にしております。実質、3対1でやっている施設はほとんどないという統計
数値もあります。
 もう一つは、夜間の勤務体制で、特にグループホームなどの小規模施設では、夜勤
が1人体制になっている。これは小規模多機能型や、これから実施されるであろうお
泊りデイなども同じような課題があるかと思います。例えば介護士1人、宿直1人と
いう2人体制にしていかないと、これからますます働いていく人たちのストレスが懸
念されます。
 サービス提供責任者のことは、書かれているとおりでございます。
 裏側ですが、今後、給与の面も含めて、いずれ介護士の専門性をきちっと社会的に
認知していかないと、介護士としての賃金あるいは社会的認知度は高まらないと考え
ております。ここの意見は、私も介護福祉士の一人として強調して申し上げたいと思
います。現状では、2級ヘルパー資格がなくても介護報酬の3対1に算定されるよう
なことで、専門性というものがなかなか社会に認知されないと思っています。キャリ
アアップも含めて、今、加算の問題が介護福祉士とかにありますが、利用者さんにし
てみれば2級ヘルパー資格を持っていても、介護福祉士を持っていても、実際その理
解がなかなかわからないということであれば、将来的に見て介護福祉士、介護関係者
の専門性が問われてくると思っております。
 例えば医療行為の問題についても、いずれこれは介護福祉士や介護士の教育課程を
きちっと見直して、医療行為をできるようにしていくのであれば、ある意味業務独占
的な要素を加えた資格制度を明確にしていった方がいいと思います。
 その意味では、時間のかかることで例外規定や経過措置を設けるべきだと思います
が、賃金の問題や社会的認知度を高める上では、介護士の専門性がまだまだ低いので、
そのような長期ビジョンに立った介護士の専門性を是非構築していただきたいと思
います。
 以上でございます。

○山崎部会長 田中委員、お願いします。

○田中委員 まず、62ページ以降の介護職員等によるたんの吸引等の実施について意
見を申し上げ、次に介護職員をめぐる人材の確保・処遇に関して意見を申し上げたい
と思っております。
 まず、65ページの「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に
関する検討会」に関する資料を見る限りにおきましては、たんの吸引等が必要な者に
対して、必要なケアをより安全に提供にするため、介護職員等によるたんの吸引等の
実施のための制度の在り方等について検討を行うとしております。しかし、その後つ
くられた資料等を見ますと、実際は実質的違法性阻却という中において、介護職員が
たんの吸引等を実施するには、どのような研修を実施するかということを中心に議論
が進められているように思えます。
 現状では、重度で医療ニーズの高い人々に対して的確に対応できるサービスやシス
テム、そして人材が不足していることが、こういった介護を必要とする高齢者の方々
が居宅で安心して暮らすことができない、大きな障壁になっていると言えます。
 地域において、医療ニーズの高い重度の在宅サービス利用者が施設と同様に安心し
て在宅での暮らしを続けるためには、基礎的な医療的ケアを介護福祉士に行わせるこ
とが重要だと考えております。このことは、前回の32回のこの介護保険部会におき
まして、私ども日本介護福祉士会の石橋会長からも意見を述べたところでございます
が、こういった基礎的な医療的ケアを行う職種を介護福祉士と限定し、介護福祉士の
教育課程の中で、医療に関する基礎的な教育を実施し、また国家資格を取得された後
においては、必要な方々に対して基礎的な医療的ケアが行えるように、社会福祉士法
及び介護福祉士法等を改正されることを切に望んでおります。
 次に、私どもが今回出させていただきました資料をごらんいただきたいと思ってお
ります。日本介護福祉士会の方では、厚生労働省同様に、昨年11月に介護報酬を3%
引き上げた効果について調査をいたしました。そこにありますように、実は今回の資
料の40ページには、平成21年度介護従事者処遇状況等調査の結果の概要には、介護
報酬3%効果について述べておりますが、ここでは平成20年と21年を比較した場合、
平均給与が8,930円を増額したとなっております。しかし、この部会ではございませ
んが、さきに介護給付費分科会の示された資料におきましては、8,930円は時給・日
給・月給の者の平均額であり、月給だけの者を見ると9,460円とありました。本日、
部会長に提出いたしました私ども日本介護福祉士会の調査と、この厚生労働省の調査
を比較した結果は、その概要にあるとおりでございますが、日本介護福祉士会調査で
は、平成20年10月と平成21年10月の比較をしましたところ、2,674円で、率にし
て1.5%しか上昇しておりません。厚生労働省の調査は、実際のこういった介護報酬
の給与改善の実態を表してないと言わざるを得ないというのが結果であります。
 介護福祉士の調査におきましては、月給を得ている者の平均給与は18万円余りで
ありました。これも厚生労働調査は29万円弱とありますが、これについても実態と
ほど遠いと言わざるをえません。また、給与以外の職場環境の変化についても、8割
の者は処遇改善に変化はないと応えております。
 今回、提出した資料にありますとおり、介護福祉士の報酬改定後の処遇改善の状況
を見ますと、平成21年4月以降、若干の処遇改善の傾向は見られるものの、当初の
目標である3%にはほど遠いと言わざるをえません。
 戻りまして、資料の48ページをごらんいただければと思います。労働基準法の遵
守状況について、そのデータが出ているところであります。これまでも私どもの職場
環境において、例えば労働基準法にありますところの労働条件の明示や労働時間に対
する遵守について、現場の介護福祉士の意見を聞いてきました。多くの者たちがその
労働条件通知書さえも交付されてないということを、言葉としては受け取りましたけ
れども、今回そのような状況が数値によって示されたことについては、私どもとしま
しては、介護労働者の多くの者がこの職に就き続け、より良いサービスを提供してい
くためには、そういった労働環境の整備についても、この論点にあるとおり是非今後
検討していくべきであると思っております。
 冒頭に申し上げましたけれども、前回の議論にもありましたとおり、今後多くの高
齢者の方々が地域において安心して、24時間暮らすことのできる環境づくりのために
は、介護福祉士がきちんとその行為を行えるような法的な改正を是非求めていきたい
と思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 吉田委員、お願いします。

○吉田委員 今日出していただいた資料に沿って、幾つか質問と意見を述べたいと思
います。
 まず9ページに、介護人材の確保はそれほど困難ではなくなっていると考えられる
と。あと11ページでは、介護職員の離職率は低下傾向にあると。それと13ページで
は、別の産業との賃金格差は縮小傾向にあるという、非常に楽観的といいますか、そ
ういう分析を政府としてはされているんですが、勝田委員もおっしゃったように、こ
れから2025年に向けて倍以上の介護労働者の人材確保をしていかなければならない。
そういう面では、楽観視するのではなく、引き続き政府としても人材確保に取り組ん
でいくべきと思います。
 そこで質問なんですが、新成長戦略に2020年までに医療・介護・健康関連サービ
スの需要に見合った産業規制と人材確保、具体的には新規雇用284万を目標とすると
あるんですが、今日お示しいただいた資料の58ページの3段構えの経済対策、今月
閣議決定された経済対策の中でも、介護における人材確保に言及しているんですが、
いまいち具体的な取組み内容、または工程が見えてこないと私個人としては感じます。
この284万をどのように確保していくか、取り組んでいくかということを、どこで議
論しているのか。そして現在その議論、検討、取組みはどのような状況にあるのかと
いうことが、第一の質問であります。
 人材確保という点では、処遇改善、労働条件の改善が絶対必要でありますが、23
ページにありますように、介護職を選んだ理由としては、働きがいのある仕事、人や
社会に役立ちたいという思いで多くの方がこの介護の分野に入ってくるわけなんで
すが、そのようなやりがいだとか働きがいというものを低い労働条件、処遇を正当化
するために断固利用するべきではないということを、まず申し上げたいと思います。
 そこで、処遇という点では、いろいろな処遇の側面があるんですが、一義的には賃
金であると考えております。賃金については、ほかの産業との乖離が大分縮小されて
いるようですが、今回、平均値ではなくて中央値で示していただいたのですが、ホー
ムヘルパーの所得中位が月額で19万3,300円となっています。年収に直すと、大体
230万ちょっとなんですが、昨年10月に日本政府として初めて発表された相対的貧困
率、そのときに使った2008年の国民生活基礎調査での世帯所得の中央値が448万円
でありました。貧困という点では、50%貧困線をクリアーしている、それもぎりぎり
クリアーしているとなっているんですが、やはり河原委員の方からも提起があったよ
うに、例えば母子家庭の母親であっても、フルタイムでホームヘルパーをやっていれ
ば子ども2人を、例えば社会給付などの二次所得に頼ることなく生活していくことが
できる。また、子どもたちが希望すれば大学まで通わすことができるといった目標と
すべき賃金基準のようなものをつくって、その目標に向けて政労使を含めた社会全体
で取り組んでいくべきだと考えています。
 15ページのほかの産業との男女に分けた賃金の比較ですが、ここで四角の中に女性
の場合は、これらの職種よりも収入が高い傾向にあると述べられております。こうい
うふうに言っていることは事実かもしれませんが、もともと産業全体の中で男女間の
賃金格差があると。また、介護支援専門員を取りましても、男性では400万ちょっと、
女性では370万ぐらいですか、これは男性と女性のX軸のスケールが違うので、なか
なか女性の方が男性よりも低いということがわかりにくいんですが、そういう男女の
賃金格差を前提に、女性にとってはそれほど収入の低い分野ではないということを言
うのは、労働を担当する厚生労働省としては少し問題があるのかなと思います。これ
は感想です。
 ただ、いずれにしましても、ホームヘルパーを例にとっても、250万ちょっととい
うのは、社会的評価としては余りにも低過ぎると考えます。やはりこのような賃金の
水準状態が続くのであれば、なかなか人材は集まらないのではないかと思います。
 論点の45ページですが、ここで規模の拡大を図るということが提案されているん
ですが、確かに規模が大きいほど労働条件、または研修などの機会も多く提供するこ
とができるということは事実であると思います。ただし、今回の資料には入ってない
んですが、介護労働者の多くはまだ小規模、中規模事業所に勤務していると思います。
もしそういうデータがあるならば、次回以降お示ししてほしいということと。もしそ
ういうことが実態であるならば、大規模化を進めていくことも重要でありますが、そ
れと同時に小規模、中規模でもちゃんと処遇、労働条件が一定のものをキープできる。
また、研修などもしていけるような措置も同時に取っていく必要があると思います。
 次の46ページのキャリアアップにつきましても、例えば事業所内でキャリアアッ
プを図っていくことも勿論大事であると思うんですが、新成長戦略では日本版NVQ
ですか、国全体で職業の技能を認証していく制度も提起されているんですが、1つの
事業所だけではなくて事業所を変わる、1つの事業所を辞めて、また養成機関に入り
直して、その間の生活保障なども公的にしっかりやっていくべきだと思うんですが、
そこでまた資格・技能を得て、別の事業所でもより高いポストに就くといった内部労
働市場に頼らずに、社会的なキャリアアップ制度ということも中小で多く介護労働者
がいるという実態を踏まえるならば必要になってくると思います。
 最後にもう一つ質問なんですが、処遇改善交付金の継続、どのようにして処遇改善
を継続していくかということが議論にもなっているんですが、今回は事業者を通して
賃金を上げていくという方法を取っていますが、例えばこれは介護に限ったわけでは
なく、一般的な働く低所得者対策として、諸外国では就労条件付き給付などを導入し
ている例が多くあります。具体的には一定の賃金水準というものを設定して、そこと
実際の収入の差額の60%とか70%を社会給付で埋めるという方法があるんですが、
先ほど河原委員などもおっしゃったように、賃金というのは本来は労使の自主的な交
渉によって決められるべきだと考えるんですが、その特別な制度として、この交付金
制度等を継続していくのであれば、直接労働者の手に行き渡るような方法は可能なの
か、もし可能でないのであれば、それは技術的な要因のために可能でないのか、あと
はそれとは別の理由で、今回の交付金についてはそういう方法を取っていなかったの
か、これが最後の質問です。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 齊藤委員、お願いします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。少し各論の話で恐縮でございますが、1
点だけ申し上げたいと思います。処遇改善のことにつきましては、2回の補正で、こ
れは交付金で対応するということをしてきたわけでありますが、前回の介護報酬改定
におきまして、特にこの介護職員の専門性の評価については加算で対応するという仕
組みが新しくできたわけであります。その際にも私は申し上げたつもりでおりますが、
利用者にとりましては、この加算方式というのはサービスの質の違いというものが非
常にわかりにくい。これが問題だと思っております。事業者の中にも、加算ができる
のだけれども利用者の理解が得にくいということでためらいを持っているというこ
とも伺っておりまして、これは両方にとって少し問題がある方式ではないかと思って
おります。
 有資格者や一定の勤続年数を満たす事業所を評価するという仕組みの在り方が大
事だと思っております。しかし、これは全体から見ますとサービスの質を確保する、
それを普遍化していくという大きな目的があるわけでありますから、やはり利用者も
理解できる、わかりやすい制度としていくことも一方で必要であります。
 そこで、私はそこに書いてありますように、加算方式ということを見直して、ここ
にこそ交付金方式を入れて、そして要件を満たす事業所が一定程度に達するまでは、
そういう方式で底上げを図るべきではないか。そして一定程度の目的が達せられる段
階の見通し、つまり事業所が一定程度増えてまいりました段階で、介護報酬の基準と
なる本体報酬を引き上げるべきではないか。そしてその上で、その要件を満たしてい
ない事業所を減算するという仕組みの方が、利用者にとってみればわかりやすいと思
うわけであります。大所高所からの議論もあるわけでありますが、現実、今、動いて
いるものを有効に使うという方向で御検討いただければありがたいと思います。1点
だけ申し上げさせていただきます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 木村委員、お願いします。

○木村委員 52ページの資料で説明したいと思いますが、キャリアパスについてでご
ざいます。ここを見ていただくと、ヘルパーさん、訪問介護員から2級、1級という
形でいって、介護職員基礎研修があり、最終的に国家資格という形で介護福祉士にな
っていますが、全国で介護支援専門員の試験に合格している人たちの65%が介護福祉
士であります。
 このキャリアパスを考えたときに、今日出ている給与のところを見てもらえばわか
りますが、ホームヘルパーさんよりも介護福祉士の給料が高く、更にその上でケアマ
ネジャーの方が給料が高い。こういう形で、こういうパスでいいのかどうかというこ
とを問題提起したいわけであります。
 ここの部会でずっと議論がありますケアマネジメントを中心的に担うケアマネジ
ャーの資質等々を、ずっと検討してきましたけれども、介護福祉士の上にケアマネジ
ャーということでいいのかどうかということを、もう一回考えていただきたいと思い
ます。
 田中滋先生が説明した、地域包括ケア研究会報告書の中にも、ケアマネジャーの養
成の内容に関して、改めて別に検討会を設けてやるべき等々の提案がありましたので、
ここではこれ以上話をしませんけれども、介護福祉士の上がケアマネジャーというこ
とは、やはりもう一度検討し、国家資格である介護福祉士は介護福祉士としてちゃん
と食べていける仕組みをつくり、ケアマネジャーは基本的なところからケアマネジメ
ント論ということをきちんと学ぶ、そういう養成のプロセスを経るようなことを考え
なければいけないと思います。
 55ページにも、介護福祉士が求められる能力とか、キャリアとか、そういうものを
この在り方検討会で検討するとありますので、介護保険のかなめと言われているケア
マネジャーの養成のところとリンクする話になると思いますので、改めてケアマネジ
ャーのあり方検討会の設置を要望したいと思います。よろしくお願いします。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 川合委員、お願いします。

○川合委員 今の第一議題の章建てもそうなんですが、労働法規遵守という問題が入
っています。それと次の議題の情報公開制度とも関連するんですけれども、私は自由
裁量権を、もっと現場にいただきたい。今の議論は、すべて現場にもっと裁量権をく
ださいということの異なった表現なんです。
 齊藤先生がおっしゃったことは、まさしくそのとおりでありまして、河原委員のご
発言もそうですけれども、介護職員のお給料を特別交付金で出すということ自体が、
我々に自由裁量権がないんです。しかも、私どもが最低限として、介護職員等と「等」
を入れてくださいということも、余り実現性がなかったんです。交付金として使用目
的を限定されてしまいますと、田中さんがおっしゃったように9,000円と言っている
けれども2,000円ではないかという疑念も出てきます。私は現場にもっと自由裁量権、
齊藤さんがおっしゃったように基本療養費を上げていただいて、その中で情報公開を
して、それでここは企業努力が足らないサービス事業所を、よほどの事情がない限り
利用者は選ばないんです。ところが、よほどの事情が多過ぎるんです。それは何かと
いうと、周りにそういう施設が少ないとか、そういうサービスが存立し得ない状況で
ある。時間がかかる作業だと思いますけれども、少なくとも自由裁量権をいただいて、
強制的な市場撤退が、見せしめ的な1社ではなくて、悪いことをすればすべからく市
場から退場だぞということも含めて、現場の活性化をしないことには、かなり厳しい
状態がこれから続いていくんではないかという気がいたします。
 言いたいこといっぱいありますけれども、以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 貝谷参考人、お願いします。

○貝谷参考人 ありがとうございます。私どもは直接介護サービスを実施する立場で
はございませんので、お話を伺う限りは現場の介護職員の方々の処遇改善をきちんと
やっていただく必要があるだろうと思っております。
 ただ一方で、私ども費用を負担している立場からいたしますと、この先どういうこ
とになるのかということをよく考えてみる必要があると思います。2回の補正予算で
国の方で一定の努力をなさって、相当な額の補正予算が今、計上されて、それを活用
しながら第4期をやっている状況なんですね。ですから、実は第4期限りで終わりま
すということをされた場合に、我々として、ではその財源をどうするんですかという
ことをきちんと議論する必要があると思いますし、少なくとも2号被保険者の方々が
費用負担をしている立場から申し上げますと、今、補正予算で交付金等でやってらっ
しゃるものを、5期以降は全部きっちり保険料負担、介護報酬の中での議論というこ
とだと思いますけれども、そういうものでやってくださいということになるかどうか、
そこは非常に重要な議論だと思っております。
 特別対策という趣旨は非常によくわかりますし、したがって、そういう性格上ずっ
とこれを続けていくことは難しいと思うのですが、一方で、費用を負担している加入
者の方々の状況を一言だけ申し上げますと、大変な負担を強いられております。特に
中小企業の方々が私どもの加入者になりますけれども、今回の保険料引上げで医療保
険の負担が大変大きくなっております。したがいまして、介護そのものではございま
せんが、費用負担という意味での中小企業の方々の負担は、医療分で相当大きな負担
をお願いしています。
 その中で、第5期以降、介護保険分も同じように保険料回し、言葉は悪いですけれ
どもそういう形での負担を、あるべき論だけでそちらの方でやってくださいというの
は、果たして現実的だろうかということを私どもは非常に懸念しております。やはり
加入者の方々の負担をトータルで考えますと、一定の公費を配慮措置として考えてい
ただけないかということは、強くお願いしていきたいと思います。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 久保田委員の代理の酒向参考人、お願いします。

○酒向参考人 ありがとうございます。処遇改善交付金につきまして、これはそもそ
も介護報酬でという御意見があったところですが、そのままオンすることになります
と、やはり保険料を払う立場からいいますと、めり張りを付けてお願いしたいという
ことを言わざるを得ないと思っているところでございます。
 重点化ということの中で、質の高いサービスを提供される事業者さんに処遇する中
で、介護従事者の処遇改善やキャリアアップを推進していくという方針が、前回改定
の中で盛り込まれたところでございます。齊藤委員からはそれを加算ではなくという
御意見があったところなんですが、前回改定のときに、サービスの質の評価に当たっ
ての指標について、早急に検討を進めるという方針が示されたところでございますの
で、その方向でお願いしたいと思っており、この進捗状況をお伺いできればと思って
いるところでございます。
 2点目でございますが、ちょっとこの議論とは場違いかもしれませんが、介護従事
者の負担の軽減ですとか、将来の介護従事者の決定的な不足に備えるという点では、
介護ロボットの実用化かというところにもう少し国を挙げて取り組むということも
重要ではないかと考えているところでございます。介護従事者の方は、非常にお忙し
いと思いますで、そういった先進機器を導入するに当たっても御負担があるというこ
ともあろうかと思いますし、また現場で改良を加えていくということも御協力いただ
かなければいけないと思いますので、そういったところの助成とか、うまくいった事
例については国の方でうまく宣伝していただくということで、国を挙げて取り組んで
いただきたいと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 桝田委員、お願いします。

○桝田委員 18ページの資料で、処遇改善交付金の、いわゆる事業所単位で82%と、
ということは18%の事業所ではこれを申請してない。ということは、その18%の事
業所の介護職員さんは、平均1万5,000円の給与アップが行われていない。その中で、
やはり事業者にとって自分が全くお金を払わずに給与アップができるのに、それをし
なかった。その18%の事業所が、なぜ出さなかったか、出せなかったのか、知らなか
ったのか、いろんな問題点があると思うんですけれども、まずそれを調査する必要が
あるんではないかと思います。
 それともう一つ、後のページの方でもいろいろ今回の対策を打たれています。いろ
んな支援がありますけれども、意外と、例えば実習型の雇用支援事業にしても、事業
所によっては知らないところが結構ありまして、いい制度で、確かにいろんな介護職
員さんなりを待遇改善するための原資となる条件設定をしていただいていながら、そ
れが使い切れていない部分がかなりあります。ですから、そこの言わば、ハローワー
クさんにしても、啓蒙運動がどこまでできたか、事業所でどれぐらいの規模のところ
が、言わば制度が使えたのか。
 結構、規模の大きいところでは、それなりの対応策も十分取れる。言わばそれに対
応できる職員さんがおりますから、順次やっていけるんですけれども、規模の小さい
ところではそういう事務処理的な部分に精通している方がいませんので、いろんな新
しい制度があってもそのまま使わずに終わってしまっている。それが規模の大きいと
ころと小さいところの給与差になって表れてきている原因の1つかもしれません。そ
こらの部分の調査をしていただけたらと思っております。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 橋本委員、お願いします。

○橋本委員 介護職員の定着というのは、非常に重要なことであります。そして、こ
れからの高齢者問題の緊急性は、既に高齢化したところよりも都市部における問題が
強く指摘されているところであります。
 資料の27ページを見ますと、政令指定都市部の職員の離職率は非常に高いものに
なっております。町村の方は低いということであります。これは1つの大きな理由は、
やはり賃金の問題だと思います。都会部においては、仕事もたくさんあるし、また給
与ベースも高い。そういう中で、介護保険の仕事を、比較した場合に相対的に低いこ
とが離職の大きな理由だろうと思っております。
 同様に28ページを見てみますと、府県別の有効求人倍率も、やはり当然のことな
がら都会部というか、関東、それから関西、そういうところがここでもわかるように
求人倍率が高いということになっているわけであります。
 この辺の、介護保険で報酬の調整は地域係数でされているわけでありますけれども、
私はそれが必ずしも実態に合ってない。もう少しきめ細かい地域係数の使い方といい
ましょうか、数字の出し方があるし、それをしていかないと、やはり都市部において
はなかなか人を集められない。定着できないということが続いていくだろうと思われ
ます。
 もう一つ、この27ページの表は、政令都市23区と町村と真ん中に他の市・区にな
ってひとまとめにしてございますけれども、関東というか都会部の市と、それから地
方の市ではやはり給与ベースが違うということが想定されます。という意味において
は、これももう少し細かな整理の仕方、分析の仕方をして見ていただきたいし、是非
その地域係数についての見直しが欲しいと考えております。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 野呂委員の代理の青木参考人、お願いします。

○青木参考人 介護人材の確保と処遇改善の推進方策についてでございます。高齢化
の進行等に伴いまして、介護ニーズは今後更に高まり拡大していくことになりますけ
れども、一方、それを支える介護職場につきましては、低い賃金、重労働というイメ
ージもあって、新規就労者の希望も少ないなど、人材が不足する状況にございまして、
介護サービスを担う人材の安定的な確保が喫緊の課題となっていると考えておりま
す。
 このため、賃金を始めとする労働環境の整備やキャリアアップの仕組みの構築、福
祉・介護サービスへの周知・理解などを進めることによりまして、介護職場が働きや
すく、また安心して働ける、働きがいのある職場となるように、介護職員の処遇の改
善を行っていく必要性は高いと考えております。
 このようなことから、現在、介護職員処遇改善交付金事業等によりまして、処遇改
善の取組みが進められているところでございますが、この事業が仮に平成24年度以
降も継続されるのでございましたら、介護職員外の職種への対象等の拡大が望まれる
ところでございます。
 それから、介護報酬自体をアップすることによりまして、職員の処遇改善を図るこ
とも考えられるわけでございますけれども、その際には、保険料の引上げや利用者の
サービス利用抑制につながらないような配慮が必要と考えております。
 それから、事業者の規模拡大につきましては、都市部においては可能であると考え
ておりますが、郡部などのサービス提供者が少ない地域におきましては、小規模の事
業者に頼っているという状況もございますことから、地域の実情に応じて検討すべき
事項と考えます。
 労働法規の遵守、キャリアアップ等の促進策についてでございます。介護サービス
事業者に対して、法令順守等の業務管理体制の整備が義務づけられたところであり、
まずは経営者、法令順守責任者が中心となって遵守すべきものであると考えますけれ
ども、こういった労働法規の遵守が、より確実に図られるよう介護保険法等との整合
性も検討されるべきであると考えます。
 キャリアアップにつきましては、介護職員処遇改善交付金にキャリアパス要件が追
加されたことにより、今後、態勢の整備が進むということになりますけれども、今後
はそれぞれの事業所の規模、職種、勤務形態等の実態に応じたキャリアパスの検討を
進めることなどにより、制度化していくことも含めて、人材の確保と資質の向上を図
っていく必要があると考えております。
 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 土居委員、お願いします。

○土居委員 私は、3点ほど論点を述べさせていただきたいと思います。既に委員の
皆様から待遇改善のお話についてはあったかと思います。私自身も介護職員に関する
待遇改善は、当然必要だと思っています。
 ただ、その中で、全産業平均並みにするという話は、なかなか論理的に考えるター
ゲットとしては難しいのかなと。たとえて言うなら、アキレスとカメのような話で、
介護職員の給与を上げれば、全産業平均も上がるわけでありまして、むしろターゲッ
トとするならば、私も既にこの会合の中で以前話したことがあるのは、ウィリングネ
ス・トゥ・ペイ、支払い意思額というものをきちんと介護サービス利用者に聞いて、
それを参考にしながら、本当にサービスを受けておられる方が、それぐらい払っても
いいと思っておられる金額をベースにしながら、介護職員の方々の給与水準を考えて
いくということであれば、利用者も納得できるということで、負担という意味では快
く負担できるということになると思います。
 そういう意味でいいますと、介護保険の仕組みは公的な負担が大きく伴っておりま
すので、先ほど三上委員もおっしゃったと思いますけれども、公的な施設と私的な施
設といろいろありながら、介護職員の平均給与、ないしは中位の給与というものが計
算されているということなので、そこら辺は注意深く実態を把握していく必要があろ
うかと思います。
 更に32ページの資料によりますと、社会保障国民会議で既にシミュレーションが
なされておりまして、この32ページの資料は、事務局は人員の、マンパワーの数字
のみ示しておりますが、社会保障国民会議では、これに合わせて給付額、更には財源
についてもシミュレーションを併せてしておりまして、その数字を参考にいたします
と、2007年の現状では、大体介護保険に対して7兆円支出していて、2025年になる
とAシナリオだと19兆円で、B−3シナリオだと24兆円という金額の給付が必要に
なるという対応関係を示しておられる。
 勿論、給付費がすべて介護職員に対しての報酬に反映するかどうかというのは、単
純には言えませんけれども、このマンパワーの変化と、今、申し上げた給付費変化と
いうものが、ある程度介護職員の将来の給与にパラレルに変動するということであれ
ば、単純計算すると2007年から比べると2025年には1.6倍ぐらいの給与が介護職員
には与えられるということを想定したシミュレーションになっている。そういうふう
にも解釈できるわけであります。
 そういう意味では、決して今後も引き続き低賃金でいいというふうに考えているわ
けではないでしょうし、更には1.6倍ぐらいに、2025年までになるということだと想
定するならば、それが妥当なのかどうかという、1つのベンチマークとして、それが
妥当かどうかという議論はこれからだと思いますけれども、そういう比較の仕方も介
護職員に対する給与の考え方としてはあるのかなと思います。
 2点目は、簡単に申し上げますけれども、確かに介護職員のキャリアパスというと
ころを考えると、質の向上という意味では重要なことだと思いますが、併せて我が国
の置かれている立場は、介護職員のマンパワーの量的確保ということも、また併せて
考えていかなければいけない。質の向上ばかり追い求めると、なかなかなり手が限ら
れてしまうということにもなりますので、質的向上と量の確保というものを、どうい
うふうに両立させていくかという視点も、議論の中では必要かと思います。
 最後に、45ページの論点の中で、介護施設の事業規模という話、それからそれと給
与との関係という話で出てまいりましたけれども、私が思うには、私も学校法人とい
う非営利組織に勤めておりますので、なかなか営利企業と違って規模拡大というもの
を営利目的で単純にできない、つまり民間企業だと営利目的で合併とか統合は割と進
みやすいという側面があるんですが、非営利組織は営利目的とは全然違う理由で組織
が存立しているということがありますので、それぞれ個別の思いがあってそういう組
織を形成されているということになると、営利組織と比べて合併・統合というのはな
かなかそう単純には難しい。学校法人自体が、実際そういう状況に置かれているわけ
でありまして、よしあしは別としても、少なくともこの介護を取り巻く組織の在り方
との関連でいえば、どういう形で規模のメリットを生かしていくか。単純に合併・統
合は難しいということであれば、場合によっては同業者の中での人材育成について連
携していくなり協力して、そういうある種の組合的な組織を別途つくって、その中で
回していくとか、そういう工夫が必要で、確かに小規模のまま放置しておくと、それ
ぞれにデメリットを受けてしまう、規模のメリットが働かないという点は、さすがに
放置はできないと思いますので、何らかの工夫が必要だと思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 北村委員、お願いします。

○北村委員 介護職の不足感は、先ほどのデータでも少し緩和されてきたということ
であると思います。実際、業務の中では、一方で看護職の不足というのは、29ページ
のデータにもありますとおり、ここ数年事業所数は多く、増えておりますけれども、
看護職の方はなかなか確保しずらいという状況があります。
 そんな中で、今後、看護、介護の部分の在り方、連携や業務の整理をしましょうと
いうところが、46ページ辺りにも示されておりますけれども、現状のサービスの中で、
例えば訪問入浴で看護師が健康上のチェックをしていますとか、デイサービス等でも
健康チェックをする業務があります。一方で、勿論、必要なたんの吸引とか経管栄養
の話も重要だと思っておりますけれども、より現場の中から、そういった看護業務と
して言われている部分を介護職が賄えて行ける、先ほど三上委員のご指摘もあります
けれども、研修をするとか、また資格制度にするかというところを考えて、そういっ
た人材を確保していくことを是非、実施していただきたい。
 それによって、今後、看護、介護人材の不足をカバーして、人材の必要な部分の拡
大をしていくことによって対応できるのではないかということを御提案申し上げま
す。
 当然ながら、制度上でいきますと、さまざまな法律、基準の中で介護保険法の人材
の配置基準とか、そういったところの指定基準の見直しということも併せて検討する
ことになると思います。人材の確保、拡大ということで安定的、持続可能な制度とサ
ービスということを目指していきたいということでございます。
 もう一点、処遇改善交付金、当然ながら介護職員全体に給付ということは、さまざ
ま言われているとおりだと思っておりまして、一方で、24年以降については、今まで
の、前大臣とか政務官の御発言もあって、それなりに何らかの形で確保していきます
ということを信じています。その辺については当然政治マターでもあるし、財政、財
源の問題ということもありますが、果たしてそれは確約できているものなのか、その
辺のところを明確にしていただきたいということであります。当然、継続されるとい
うことを要望しておりますし、必要なことだと思っておりますけれども、その辺のと
ころの考え方を明確にしていただければと思っている次第でございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 齊藤委員、手短にお願いします。

○斎藤(正)委員 まず初めに、結城委員の意見に大賛成です。潜在介護職というか、
介護職に限らないんですが、とかく正職員が多いところが質が高いと誤解をされてい
るようなところもあって、非常勤の方でも能力のある方がたくさんいらっしゃるけれ
ども、生活をしていく上でなかなか条件が合わないで非常勤という方もたくさんいら
っしゃいます。そういう人たちがうまく働けるような場ができればいいと、何かそう
いう戦略が立てられないかと思います。
 それともう一つ、人材育成のことで、大規模なところが規模の拡大を図ってそうい
うことを進めていくということは、うちは大規模ではなくて中規模ぐらいかと思いま
すが、そういうところは法人全体の研修とか教育は、それなりによくできているし、
スタッフ数の多い職種についても、結構うまくできるんですが、職種が少なかったり、
どうしても偏った内容になったりするようなことを考えると、すべてがすべてそれで
解決することではない。せっかく地域包括ケアシステムということを唱えていくので
あれば、生活圏域内とか、地域包括ケアシステム内とか、事業所が一緒に同じ研修を
受ける努力をする。そしてそれなりの評価をしていく。せっかく地域を中心でやって
いくのであれば、そういう能力アップを地域で均質化していく方法もあるのではない
かと思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、一通り御発言いただきましたので、事務局の方から御回答をいただき、
その後で休憩に入りたいと思います。

○川又振興課長 幾つかいただきました御質問にお答えしたいと思います。
 三上委員の方から、たんの吸引の制度に関しまして、資格との関係ということでご
ざいますけれども、今、たんの吸引の検討会については、試行事業を実施するに当た
っての前提条件、こういう条件がそろえば実施できるというのをおまとめいただいた
ところで、今、試行事業にこれから入ろうとしているところでございますけれども、
実際、制度的にどのように組み立てていくのか、具体的な制度設計につきましては、
この秋以降の検討会の検討になろうかと思います。介護福祉士との関係を含めて、具
体的な制度設計について御議論をいただきたいと考えております。
 次に、勝田委員の方から、労働法規の遵守ということでございますけれども、48
ページに見られますように、非常に違反しているところが、守られてないところが多
いことは憂慮すべきものであると思います。しっかりその事業主にその制度を理解し
てもらうということ、それからまた地域包括ケア検討会では、指定拒否のようなもの
を検討してはどうかということもうたわれております。今後、具体的にどういうふう
にしていくのか、好ましい状況ではないということはたしかでございますけれども、
その辺も議論を深めていっていただければと思います。
 2025年までの人材確保ということでございますけれども、倍にするということは非
常にハードルは高いと考えておりますけれども、今、進めておりますような処遇改善、
人材育成、医療と介護の役割分担、あるいは業務の効率化、それから、施設やサービ
スの機能分化などを通じて、効率的にやっていく仕組みをつくっていく必要があろう
と思いますし、魅力ある職場にするにはどうするのか。あるいは結城委員、齊藤委員
の方から御指摘がありました、潜在ヘルパーの活用などを含めて、努力していかなけ
ればならないと考えております。
 吉田委員の方から、幾つか御質問がございました。小規模事業所の状況でございま
すけれども、施設事業所の調査におきましては、事業所規模別の人数が取れないよう
でございます。ただ、22ページにお示しいたしましたように、半分以上の事業所が
20人未満の事業所でございますので、小規模の事業所が多いということは言えようと
思います。
 処遇改善交付金に関しまして、直接労働者の手に渡るようにという御提案でござい
ますけれども、今、直接これとは関係ないかもしれませんけれども、発想としては先
ほどイギリスの例をお示しいただきましたけれども、給付つき税額控除というような
議論が税調の方でもなされております。こういう税制全体の問題、あるいは所得保障
政策全体の中で議論されるべき課題だと考えております。介護労働者のみの問題では
ないであろうと考えております。
 私の方からは、以上です。

○古川介護保険計画課長 引き続きまして、何点かお答えを申し上げたいと思います。
吉田委員からご質問のありました、処遇改善交付金をなぜ直接労働者に支払わなかっ
たのかということですけれども、当時の考え方といたしましては、基本的に給与とい
うのは、事業所と働いている方との契約の中で決めていただくことを大原則とした上
で、給与のみならず、研修体制なども含めまして、広い意味での処遇というものを拡
充していくためには、事業者の方の理解と協力も得て進めていくことが必要だろうと
いうこともあり、そうした意味で事業者の方に中に立っていただいて、給料をお支払
いいただく、キャリアアップの仕組みもその中にビルドインさせていただくこととし
たということです。
 桝田委員から御指摘のありました、処遇改善交付金を申請しなかった理由を調査す
べきではないかという御指摘ですけれども、まず実施率は法人単位で82%であります
が、社会福祉法人の実施率が96%という高い率を示しており、実際に職員の方のカバ
ー率は、83%より更に高いだろうと思いますけれども、必ずしも全部の方が対象にな
っているわけではないということは、御指摘のとおりです。
 その理由については、本年3月末の段階で、サンプル調査ではありますけれども、
申請をしていただいていない事業者の方にアンケートを実施いたしました。
 その中で、申請しない理由として一番多かったのは、先ほどもお話がありましたけ
れども、対象者に制約があるため申請が難しいというお答え。それから、事務作業が
煩雑であるということ。それから、交付金終了後の取扱いが不透明である。これが申
請に至っていない三大理由ということです。
 北村委員から、24年度以降の処遇改善をどうしていくのか、スタンスを明確にせよ
というお話がございましたけれども、これは現時点では、前政務三役が何度か申して
いたところですけれども、その手法については、確たることはまだ言えないけれども、
引き続き24年度以降も処遇改善については努力して取り組んでいくということです。

○山崎部会長 もう事務局の方はよろしいですか。まだありますか。

○川又振興課長 済みません。私の方から1点、吉田委員の方から、成長戦略の人材
確保をどうしていくのかという状況でございますけれども、成長戦略は政府全体で取
り組んでおります。来年度の予算要求におきましても、介護・福祉・医療等の分野に
おける雇用創出ということで、必要な予算を要求しておりますし、先ほど御紹介しま
したように、内閣府の方とも協力してキャリア段位という形でステップアップの仕組
みなど、幅広く政府全体でこの問題については取り組んでいるところでございます。

○山崎部会長 それでは、これから10分。まだございますか。失礼しました。

○三上委員 先ほど給与水準等については、公的と私的の違いについて出していただ
けるかどうかを伺ったんですけれども、その資料は出していただけますでしょうか。

○川又振興課長 どこまで細かく分類できるかはわかりませんが、一部今日も社会福
祉法人と営利法人という形ではお示ししていますけれども、区分できるかどうかちょ
っと調べて、あれば提出したいと思います。

○山崎部会長 簡潔にお願いします。

○酒向参考人 先ほどのサービスの質の評価指標についての検討状況について伺い
たいと思います。

○宇都宮老人保健課長 失礼しました。前回の改定のときにも宿題になりました質の
評価についてですけれども、今、研究班の方で検討を進めておりまして、これから施
設の方について実際にどういうものができるかという調査をする状況になってござ
います。

○山崎部会長 岩村委員から御意見があるそうです。

○岩村委員 ちょっとだけコメントですが、先ほど労働法規等の関係で、指定の話が
出ましたけれども、資料の49ページでそのことを触れられていますが、労働法規を
守らなければいけないのは、介護保険の事業所だけではなくて、すべからくすべての
事業所であるので、介護保険だけでこれを考えていいかどうかというのは、非常に考
える余地があると思っています。
 例えば1つの例を挙げれば、訪問介護事業所で介護保険の指定を受け、かつ、障害
者自立支援の指定を受けているというケースを考えて、そして労働法規違反があった
ときに、では介護保険の指定だけ取り消すということでいいのかという問題が、直ち
にあるので、したがって、同様のことは、例えば保健医療機関についても同じような
問題がありますから、一般的にもう少し横並びで考える必要があると思っております。
 それから、吉田委員がおっしゃった賃金等にプラスして社会給付という話ですが、
これは逆に副作用もあって、賃金を下げてしまう効果もあるんです。ですから、その
点も考える必要があると思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、10分、58分まで休憩を取ります。

(休 憩)

○山崎部会長 それでは、着席してください。審議を再開しますが、先ほどのテーマ
につきまして木村委員から補足説明を是非させていただきたいということでありま
すので、御発言をお願いします。

○木村委員 済みません、先ほど早口で話をして飛ばしてしまったので、私が申し上
げたいのは介護福祉士の上級資格がケアマネであるということではない。ケアマネジ
ャーはケアマネジャーである。ですから、そこを切り分けした養成のプロセスをはっ
きりさせるべきであるということを申し上げたかったわけであります。
 それで、ここで議論しても時間がないと思いますので、先ほど言ったように、地域
包括ケア研究会の報告書にあったとおり、ケアマネジャーの養成に関しての、別なと
ころで検討会を立ち上げていただきたいと更に要請したいと思います。お願いします。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、後半の「2.情報公表制度の在り方について」と「3.介護保険制度に
おける指導監督について」につきまして御議論いただきます。
 事務局より資料の説明をお願いいたします。

○川又振興課長 振興課長です。資料2をお願いいたします。「情報公表制度の在り
方について」です。
 2ページをお願いいたします。これは情報公表制度の趣旨で、利用者の選択に資す
る情報を公表するということでございます。
 3ページは、現行制度の仕組みでございます。基本情報と、あと、調査に基づく調
査情報と、2種類ございます。調査情報につきましては調査機関が調査の上、年1回
公表するという形になっております。
 4ページは、基本情報の主な項目でございます。
 5ページは、調査情報の主な項目となっております。
 6ページですが、指定情報公表センター・指定調査機関の概要でございます。指定
情報公表センターの方は社協が多くなっております。また、指定調査機関は合計で264
でございます。NPO、株式会社等々もございます。
 7ページは、左側は調査員の登録状況で、常勤が698人、非常勤が7,545人でござ
います。右側は情報公表対象となっている事業所の数で、24万余りございます。
 8ページは、指定情報公表センターの運営状況で、左側の円グラフが収入で、手数
料が9割を占めておりまして、12億円の手数料。右側が支出でございます。公表シス
テムの維持管理費、あるいは事務管理・運営費でございます。
 9ページは、指定調査機関の運営状況でございます。左側の収入は、ほぼ98%の手
数料収入が33億8,600万円。右側は支出でございまして、調査員人件費、あるいは
調査事務管理・運営費などとなっております。
 10ページは、手数料額の推移で、全国平均の、一件当たりの手数料で、平成18年
度は合計で5万4,886円でしたが、平成22年度は合計で3万3,371円と下がってき
ている状況です。
 11ページからは、この情報公表に関しまして実施しましたアンケート調査の結果で
ございます。
 まず、11ページは利用者・家族に対して聞いた結果でございますが、事業者を選択
するのはだれかということでは、利用者の御家族というのが7割。事業所を選択した
情報源はどこかということでは、ケアマネジャーからの情報が5割となっております。
 12ページですが、これも利用者・家族に聞いたものです。情報の公表の重要性とい
う意味では「重要である」「とても重要である」を合わせて8割が重要と回答いたし
ております。利用者・家族に、この情報公表のホームページを知っているかと尋ねた
ところ、8割が知らないという状況でございました。
 13ページですが、これも利用者・家族への質問で、情報公表のホームページを知っ
たきっかけとしては、ケアマネジャーから聞いて知ったというのが3割。その下です
が、それでは、そのホームページを実際に活用したかと聞いたところ、知っていると
回答した者のうち、活用した方は3割弱という状況になっております。
 14ページは、ケアマネジャーの方に質問したものでございます。情報公表の重要性
については、約8割が重要であると回答しております。この情報公表のホームページ
を知っているかということにつきましては、約9割が知っている。それでは、実際に
活用したかということでありますが、活用した割合は約3割となっております。
 15ページは、この制度に関する最近の各方面からの要望等でございます。利用者の
利便性の向上、あるいは事業者の負担の軽減という観点から、見直すべきであるとい
う意見が多くなっております。
 16ページは、厚労省の方で実施いたしました、介護保険制度に関する書類・事務負
担の見直しに関するアンケート結果で、総数1,255件のうち情報公表については186
件寄せられました。それを個々に掲げております。利用者にとって使い勝手のよいも
のにすべきではないか。あるいは制度を廃止できないか。調査頻度を見直せないか。
調査を廃止できないかというようなものが多くなっております。
 17ページは、今年の7月6日の閣議後の長妻前厚生労働大臣の会見の模様でござい
ますけれども、大臣の方からは「手数料負担を廃止することも含めて抜本的な見直し
を行う」ということで指示をいただいております。下の方では「情報公開そのものの
考え方は正しい方向だと思いますので、なんらかの公表する仕組みは必要だと思って
おります。ただ、今やっているような仕組みそのものをそのまま残して行くことにつ
いては、我々は見直しをする」というふうに述べられております。
 18ページは、見直しの論点でございますけれども、今の大臣からの指示なども踏ま
えて、この公表制度の意義、あるいは情報の項目・内容、費用負担の在り方などが論
点として挙げられます。
 19ページは、それでは、どのような方向で見直すかということで現在のところの考
え方をお示ししたものであります。今日の議論も踏まえまして、10月の初めには各都
道府県にも集まってもらって、意見なども聞いて、成案としていきたいと考えており
ます。
 まず1つは、利用者の視点に立って、わかりやすい公表方法を工夫するということ
で、利用しやすいインターフェースの工夫などをしていきたい。
 2点目としては、事業所等の負担の軽減という観点から、手数料の廃止。それから、
年に1回の調査の義務づけを廃止し、都道府県が必要があると認める場合に調査をす
る。あるいは予防サービスについては、本体サービスと一体的に運営されている場合
には、報告内容を一体化して報告できるようにするというような改善を考えておりま
す。
 また、※にありますが、都道府県の判断によりまして、例えば事業者の質の評価に
関する情報などを、事業者が任意で報告できる。そういう、県がうまく付加的に活用
できるようなことも検討してはどうかと考えております。
 また、事務等の効率化ということで、各都道府県のサーバーを国において一元的に
管理ということで、そこから情報を県の方で引き出して、県の方で公表するという形
にしてはどうか。
 最後に、虚偽報告等に対する対応ということで、もし仮に虚偽報告等の不正行為が
あった場合には、是正等を命じ、命令に従わない場合には、指定取消または停止とい
うことで、これは現行法にも同様の規定がございます。
 次の20ページは、今の中身を、具体的にどこがどう変わるかというのを対照にし
たものでございます。御参照ください。
 21ページは、同じ見直しの中身を絵にしたものでございます。
 情報公表につきましては以上でございます。

○菱川介護保険指導室長 介護保険指導室長でございます。引き続き、資料3の指導
監督について説明いたします。
 まず1ページは、指導・監査に係る改正の概要でございます。
 資料の左側ですけれども、平成12年度から平成17年度までの実地指導につきまし
ては、主に人員・設備・運営基準というものを重点的に見ておりまして、その際、不
正等が疑われる場合には監査に切り替えるという方法によって行っておりました。
 その後、真ん中にありますように、平成17年に法改正がございまして、事後規制
が強化され、人員・設備・運営基準の是正につきましては改善勧告あるいは改善命令
が、また、指定につきましては効力の一部または全部停止が法律上新たに規定されま
したので、指導と監査を明確に区分して行っているところでございます。
 それから、法律上に高齢者の尊厳の保持ということも位置づけられ、新たに事業者
の更新制の導入、更には高齢者虐待防止法の施行がありまして、右側にありますよう
に、実地指導の内容もサービスの質の確保に重点を置いた指導に転換しております。
 2ページは、指導監督の内容でございます。
 まず、指導は集団指導と実地指導に分けられまして、集団指導につきましては講習
方式によりまして、主に指導で多く認められた問題点を注意喚起する、あるいは制度
改正が行われた場合には、その内容を御説明するということで、不祥事案の未然防止
を図ることとしております。
 それから、実地指導につきましては現地に実際に出向いていきまして、利用者に一
連のケアマネジメントプロセスに基づいたサービス提供がなされているか、また、身
体拘束の廃止に向けた取組などのケアの質の向上の指導を行いますとともに、各種加
算の要件等を確認して、適切な介護報酬請求がなされているかについて指導を行って
おります。
 一方、監査につきましては、各種通報等の情報を基に、速やかに現地に入りまして、
不正請求など悪質な行為を行っている事業者に対しましては、一定の手続を踏みまし
て指定取消というような行政処分を行うこととしています。
 3ページは、自治事務であります介護保険の指導・監査につきまして、社会保障審
議会などから、自治体間において少なからずばらつきあるいは格差というものがある
のではないかという御指摘を受け、指導・監査の標準化が求められるところでござい
ます。
 4ページは、指摘を受けまして、現在、私どもが取り組んでいる標準化方策をとり
まとめたものでございます。
 具体的な取組みの?@で、これは自治体の指導監督に役立てていただくために、制度
発足から平成21年度までのQ&Aをサービス種類ごとに体系的に整理しまして、今
年の4月にQ&A集として発出して周知を図ったところでございます。
 その後、いろいろQ&Aが出ておりますが、これにつきましては厚労省のホームペ
ージに載せているところでございます。
 それから、?Aにつきましては、平成19年2月に実地指導マニュアルというものを
発出しましたが、その後、状況の変化がございましたので、全体的な見直しを行って、
サービスの質の向上を図るための指導方法の基本的な考え方をまとめた改訂版を自
治体の事業所指導の参考として昨年度末に発出し、周知を行ったところでございます。
 次に5ページは、1つは自治体間の標準化の推進ということで、昨年2月に全国7
か所でブロック会議を開催いたしました。指導・監査の実施方法などのテーマにつき
まして意見交換を行いますとともに、国と自治体間の相互の情報の共有を図って、標
準化への取組みを行っているところでございます。
 また、研修の重要性に鑑みまして、従来から初任者研修というものを行っておりま
したけれども、昨年度から中堅職員を対象としました研修を行っているところでござ
います。特に中堅職員研修におきましては、指導や監査に関する具体的な事例報告、
あるいはグループ別の自治体間の意見交換といったものを研修にふんだんに取り入
れて、自治体間の業務の共有を図っているところでございます。
 こういった取組みを一つひとつ着実に行っていくことが標準化につながっていく
ものであると私どもは考えております。
 6ページ以降でございますが、監査を行った結果、指定取消等の状況が整理されて
おります。
 6ページは、制度創設以降、平成20年度までの9年間に延べ699事業所が指定取
消等の行政処分を受けております。平成14年度以降で見ますと、毎年70〜110事業
所前後で推移しているという状況でございます。
 7ページにつきましては、これを法人種類別・設置主体別に見たものでございます。
これを見ますと営利法人が非常に多いんですが、ただし、多い少ないを見るには事業
所数に対する指定取消の件数で見る必要がありますけれども、全体の平均が0.3%に
対し、営利法人は0.6%で、やや高いということが言えようかと思います。
 8ページは、サービス種類別に見たものでございます。こちらの方も訪問介護、あ
るいはケアマネ事業所といったところが非常に多くなっておりますが、こちらの方も
出現率で見ますと、全体が先ほど言ったように0.3%に対して、訪問介護については
0.6%、居宅介護支援については0.5%、若干高くなっているということでございます。
 9ページは、どのような事由によって平成20年度中に行政処分がなされたのかを
サービス別に整理したものでございます。取消事由の内容としましては、勤務実態の
ない職員とか退職した職員を従業員として装った虚偽の指定申請、あるいは水増しと
か架空請求といったものが大半を占めております。最近では1つの事由に留まらず、
複数の事由により取り消しを受けるという事業所も目立っております。
 10ページは、年度別の返還金の状況です。不正請求の場合には返還させる額に40%
の加算金を上乗せして返還を求めております。返還額の請求額は毎年10億円程度で
ございます。なお、平成19年度の返還額は、コムスンの影響もあり、21億円と非常
に多くなっています。
 11ページでは、論点として、1つは利用者に対するサービスの質の向上を一層図る
観点から、事業所の指導・監査の在り方をどのように考えていくのかということ、
 2つ目は、都道府県の指導監督体制を整備・強化する観点から、実地指導の一部に
ついて指定法人に委託できるよう制度の拡充を行うことを検討してはどうかという
ことで御議論いただければと考えております。
 最後の12ページは、指定市町村事務受託法人の概要を付けております。市町村に
つきましては、既にこの制度が導入されております。平成18年に市町村には地域密
着型サービスの指導権が付与され、そして、認定につきましても、新規の認定調査に
ついては市町村が行うというようなことで改正がありまして、市町村の事務負担が相
当増えたということもございましたので、こういった受託法人制度を設けたところで
ございます。
 都道府県につきましては、全事業所の9割以上が都道府県の対象事業所になってお
りますし、また、事業所数もどんどん増えているという状況です。それから、都道府
県の指導監督体制の強化が難しいという状況の中で、やはりこういった事務負担の軽
減を図っていくということが今後求められるのではないかということで考えたわけ
でございます。
 説明につきましては以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして御
発言をお願いいたします。
 勝田委員、お願いします。

○勝田委員 まず情報公表制度について、利用者の立場としては、現在の介護サービ
スの情報の公表制度については廃止するということを提言でうたっています。なぜな
ら、資料2で示された12〜13ページにもありますように、情報の公表は重要である
としつつも、その約8割がホームページの存在そのものを知らないという現状にあり
ますし、利用者の活用に至っては1,500件も満たしていない。これだけのたくさんの
中で利用されていない。
 そして、何よりも高齢者の多くはインターネットを活用していませんし、また、一
番大切なことは、事業所を選ぶ基本的な選択できるシステムで本来はあるべきなんで
すが、選択できない現状があります。そういう中で、ある意味では今の情報公表では
あるなしだけですので、その中の状況が全く把握できません。
 例えば、私自身も情報公表制度の調査員をしていますが、現在のあるなしの内容と
いえば、例えば認知症のマニュアルがあるかどうかといった場合に、1枚のペーパー
なり1冊の本があればそれであるとしています。これでは、あまりにも形式的な制度
ですし、内容的には、例えば県が行う指導監査などの方でほとんど情報は得られてい
ますので、これを活用するということもいいのではないかと思います。
 ただし、現在行われているグループホームなどが義務化されている第三者評価では、
その生活の質や中身もわかります。例えば、もし私たちは今の情報公表なら要らない。
しかし、第三者評価的な、利用者によってより大切な情報が得られたり、生活が見え
るような情報公表なら、一本化するということであれば、それは見直しを含めてもい
いのではないか。今の情報公表のあるなしだけでは選べないというふうな観点から、
情報公表の廃止に至りました。
 また、もう一つは次の指導監査です。例えば10ページなんですが、お尋ねしたい
ことがあります。それは返還金の状況について、今ほど4割上乗せしながらというこ
とですが、既に介護保険が始まってすぐ、平成13年度からまた返済金額が、未済額
というんでしょうか、欠損額というものはその事業所がつぶれてしまったということ
かもしれませんが、この未済額というものは、例えば毎年4割ずつ上乗せをしている
のか。今、これだけの大きな金額が計画的にきちっと返済されているのかどうか。そ
のことについてお尋ねしたい。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 木間委員、お願いします。

○木間委員 いつも勝田さんと私は助け合っているのですが、今日は、勝田さんは利
用者の視点、私は消費者の視点で介護サービス情報公表について申し上げます。
 今、勝田さんがおっしゃった廃止の理由、8割が知らない、インターネットを活用
していない、選択できない現状がある。すべて、そのとおりですが、1つ違うのは、
調査情報はありなしをみますが、調査情報ではなく、基本情報で消費者は事業所を選
択ができるということです。そのことを今から申し上げます。
 もう一点、少し誤解なさっているのではないかと思いますのは、ほとんどの情報が
行政から提供されているということでありますが、基本情報にある情報はほとんど提
供されていません。
 それでは、本日、資料を提出しておりますので、お開けいただけますでしょうか。
消費者の視点で介護サービス情報公表をどう見るのかというお話をいたします。
 介護サービスの利用者は、判断能力が十分ではない人が少なくない上に、情報量は
少なく、交渉力は極めて弱いと言えます。そのような消費者と事業者が対等な地位で
契約を締結するためには、サービスの情報を持つという点で非常に優位な地位に立つ
事業者には、消費者に対して表示義務が課せられていると言えます。消費者が知る権
利と選ぶ権利を行使するには、介護サービスの質、料金、安全性に関わる表示が取り
分け重要です。介護サービス情報公表には、これらに関する情報がほとんど掲載され
ております。
 
 提出資料の2番をごらんいただきたいのですが「2 介護サービス情報に公表され
ている事業所選びのポイント」です。だれが、幾らで、どのような質の介護を提供す
るのか。具体的には、職員数、退職者数、資格などが公表されています。それから、
消費者(利用者)の意見を把握する取組みをしているのか。利用できる時間やキャン
セル料などが公表されています。
 これら選択のポイントを契約前に知っておけば、介護サービスの質の高い事業所を
選択することに役立つほか、料金や有料老人ホームやグループホームなどについては
入居金や退去をめぐるトラブルの未然防止になります。しかし、介護を要する高齢者
には情報は届きにくく、届いても自分で介護事業者を選ぶことは困難な人が少なくあ
りません。加えて、公表されている情報は大量であるために活用しにくいという問題
があります。
 そこで世田谷区では、介護サービス情報の読み解きと、世田谷区内の介護事業所の
情報の比較表から成る報告書を作成しました。今年で3年目になりまして、今、3冊
目に取りかかっているところです。
 報告書は284ページです。9サービス、今年は10サービスになりますが、私はこ
の報告書の読み解きを行っています。1ページに世田谷区の2つから3つの事業所を
比較しております。介護サービスの質はこれほど事業所により大きな差があるのかと
驚きました。
 3番をごらんいただきたいのですが、「介護サービス情報ガイド−介護サービス情
報公表から事業所を比較する」というタイトルで報告書を作成いたしました。
 この報告書は現在、世田谷区や地域包括支援センター、民生委員、区民成年後見人
等々、この4番に書いてある多くの人々によって相談・支援に活用されています。
 5番をごらんいただきたいのですが、スウェーデンは2008年から高齢者福祉・高
齢者住宅情報をウェブサイトに公開しています。公開しているタイトルが「高齢者ガ
イド−高齢者のための看護と介護を比較する」とあります。3番のところにある世田
谷区の報告書のタイトルは私が付けたのですが、随分似たタイトルだと思います。お
互い内容を素直に表現するとこういうタイトルになるのだと思います。
 どういうことを比較しているかといいますと、利用者の参画です。これは2番の?C
です。ほとんど同じですが、中身は少し違います。ほとんど同じ項目とは、職員数・
定着率・資格などです。一人の職員が何人の人たちと接しているのかという点も見て
います。これも日本で公表されています。自立して暮らせる可能性とか、高齢者のケ
アの品質について比較しておりまして、スウェーデンでは5段階で評価を実施してい
ます。これらについてスウェーデンの新聞記事を見ましたところ、高齢者ケアの品質
ではほとんどすべての分野において大きな違いがあることが明らかとなったとあり
ました。
 2ページをお開けいただけますでしょうか。2ページと3ページを併せて見ていた
だきたいのですが、介護つき有料老人ホームの選び方、基本情報から見る選択のポイ
ントであります。このチェックポイントのうち、料金の項目以外は特養も老健も介護
療養型医療施設、グループホームにもほとんど共通した項目です。介護サービスの質
に関する部分は、訪問看護や通所介護などに共通する項目です。
 例えば、3ページの表に「?B 前年度退居者数(退居後の行き先等別)」とありま
す。これは非常に重要なチェックポイントでありまして、退居者が多いところはもし
かしたら介護に手がかかるようになると、最後までお世話しないおそれがあるという
ように読めます。
 「?C 入居率」と、この表に掲載していませんが、定員と入居者、入居期間も併せ
て見ますと、ホームの経営の健全度の目安になります。
 「?E 入居一時金」の初期償却率や返還金の算定方法などを見れば、トラブルの未
然防止になるということです。
 5ページの表の?I〜?Oをごらんいただきますと、ホーム全体の介護のサービスの質
がうかがえます。
 6ページには、訪問介護事業所。7ページには介護老人保健施設の表を付けており
ます。報告書ではこれらについても読み解きを行っております。
 本日の厚労省の資料2の20ページにあります「制度見直しの内容(案)」であり
ますが、私はこれでよろしいと思っております。ただ、注文したいのは、虚偽報告の
疑いがある場合は、都道府県は速やかに対応し、悪質な事業者については市場からの
排除も辞さないという姿勢で臨んでいただきたいということです。
 それから、少し気になるのが公表時期なのですが、統一化を図るということによっ
てかえって公表が遅くなるようなことはないようにしていただきたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、結城委員、お願いします。

○結城委員 引き続いて、ペーパーに沿って意見を申し上げたいと思います。
 情報公表制度の在り方について、情報公表制度は理念としては非常に正しいと思い
ます。需給間の情報格差を是正する意味で非常に大事な事業であると思っております。
しかし、これまでの情報公表制度は、本日のアンケート調査から見ても、利用者側の
活用度など、費用対効果から考えても全く無駄な事業だったのではないでしょうか。
正直申し上げると、これまでの情報公表制度は、理念は正しいかもしれませんが、方
法論としては間違っていたと私は感じております。
 そこで、実は介護現場、特に大都市に行くと介護情報誌などが普及していまして、
私もケアマネ時代にはこのような民間の介護情報誌などを活用したのが実質のとこ
ろであります。民間会社のノウハウなどを参考に、いかにして情報公表がうまくいく
かをもう一度立ち戻って考えるべきであると思います。無駄な経費をこのまま、今回
の制度見直しの内容を見ていただくと、アンケートのものと、今回の見直しの内容が
果たして本当に反映されているのかどうかは疑問です。特にネットでの公開というの
は、一部の熱心な自治体は紙媒体にして一生懸命やっていらっしゃいますけれども、
結果的には数年やってほとんど紙媒体は普及しておらず、ネットでの公開になってい
ます。
 ここで事務局にお伺いしたいんですが、1点目は、高齢者世帯において実際にネッ
トでプロバイダとつないで契約している、そういうものをちゃんと調べて、今、情報
公表制度をやっているのかどうかをお伺いしたいと思います。単身高齢者世帯や老老
介護世帯において、果たしてパソコンを見る機会があるのかどうかも私は非常に疑問
です。
 なぜ、私がこのことをきちっと言うかといいますと、私は千葉県でも情報公表セン
ターの外部委員として責任を持って仕事をしているつもりですけれども、日々、情報
公表については疑問を呈しているからでございます。
 次に、指導監督についてはペーパーのように、悪質な業者は多々あります。不正な
事業所もありますし、非常にこの指導監督及び実地指導は大事なもので、健全な市場
をやる意味では非常に大事ですが、やはり監査や実地指導に当たる職員の質というも
のもきちっと考えていくべきであると私は思います。特に実地指導や指導監督という
ものは、現場に沿った指導が適切に行われないと、事業者側の負担にもつながるかと
思います。
 それで、指導監督の資料の1ページで、第2点の質問として、実地指導に当たって、
もし報酬において、指導側で不適正な取扱いがあった場合、これは法的には、この段
階では自主返還もしくは過誤の扱いで、やはりちゃんと請求を返さなければいけない
のかどうかということを少し法的な位置づけで御教授いただければと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、三上委員、お願いします。

○三上委員 今回のこの介護サービス情報の公表制度の見直し、案が資料2の19〜20
ページに出していただいたことについては非常に感謝いたします。この件に関しまし
ては、介護給付費分科会等におきまして2年以上にわたりましてずっと訴え続けてき
たんですが、ここでの検討の場ではない、介護保険部会のマターであるということで、
ずっとそのままに捨て置かれてきたということで、今回初めてこういう形で聞き届け
ていただいたということに感謝いたします。
 もともと、介護保険部会におきましてこの情報公表制度が決まったわけですけれど
も、その予備の検討会であります、シルバーサービス振興会の中にある、この検討会
の中で、これが決まった経緯においては自主的公表を前提に事業主負担、事業者負担
が適当であるということがあって、今回のような手数料が発生したという経緯がある
わけですが、これは基本的には義務的公表に変わったわけであり、これが事業主負担
はおかしいんだということをずっと申し上げてまいりました。
 医療の方につきましては、医療機関情報というものは行政負担であり、それについ
ての差別化の自主的公表については医療機能評価機構における病院機能評価におけ
る公表がある。介護保険の方につきましてはシルバーサービス振興会のシルバーマー
ク制度が自主的公表の中で、差別化のための公表制度というものが1つあるので、そ
の問題と、この義務的公表の介護サービスの情報公表制度との位置づけというものが
非常にはっきりしなかったので、今回、これが手数料が廃止され、行政負担で公表さ
れるということは非常にいいと思います。
 もう一つは利用者の視点ということで、実際の高齢者が、このネット上でうまくこ
れを利用できないという事態はずっと指摘され続けてきたわけですけれども、紙媒体
での公表についてどうなのか、利用できるのかといえば、先ほど結城委員の方から、
それもうまくいっていない、広がっていないということがありましたので、ここは是
非、検討していただきたいと思います。この義務的公表の内容につきましては、基本
情報、すなわち実地指導等において出てくるもの、あるいは届け出において出てくる
ような基本情報のみに限れば、非常に経費としては安く上がるのではないかと考えて
おります。
 それから、指導・監査について少し結城委員の資料を見させていただいて、上から
目線で対応しがちな人がいるというふうなことですが、この問題につきましては医療
の方の指導というんでしょうか、そちらの方でもこういった問題が出ておりまして、
これに対するいわゆる問題提起というのか、こちらからの訴えがどのように届くのか
というふうなことについてもよくお考えいただきたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 桝田委員、お願いします。

○桝田委員 まず、実地指導の点で少し質問としてお聞きしたいんですけれども、平
成12〜17年の間というのは、施設系の場合は2年に1回、居宅系の場合は3年に1
回という目安があって実地指導が行われていた。それで、平成18年度以降、同じよ
うな実地指導という部分のかなり内容的に変えて実地指導が始まったわけなんです
が、どの程度の頻度で、今、実施できているのか。もし調査がありましたら、お示し
願いたい。
 といいますのは、やはり都道府県、市町村にとっても、事業者数の多いところは実
際に現場に行って指導するのが難しいという意見が、物理的にできないというところ
も結構聞いています。それで、施設系サービスと併設の居宅系サービスのところはそ
のとき同時にするので何年か1回に行っているんですけれども、それ以外のところ、
単独の例えばヘルパーステーションなどの場合は全く行ったことがないという事例
も出ていますので、少しそこら辺でもしデータがありましたらお示し願いたいんです。
 もう一つ、この実地指導の問題で、実際に頻度を上げていただいて、指導をして、
未然に不正を防いでいくというのがやはり一番有効なはずなんですが、逆にある市町
村においては、その実地指導のときが、逆に言いますと、いわゆる保険給付を抑える
ための加算体系などを細かく調べて、少しの落ち度があれば自主返還を迫るというの
を多用される都道府県、市町村が出てきています。そこでは実地指導というよりも、
返還命令をかけるためにノルマがかかっているがごとく振る舞われるというふうな
ところがございまして、やはり標準化という問題と、実地指導というものはあくまで
指導であって、健全な事業者をつくるための指導であってほしい。それでも許せない
不正があれば監査に切り替えるという目的につくられている部分を、自主返還という
形が、先ほど結城委員も法的な問題がありましたけれども、それを多用するというの
はいかがなものか。それがごく一部の市町村ですので、特にそこが一番嫌われている
市町村であるというふうな状況も起こってきている。
 やはり全国一律的に指導的な部分というものをしていただいて、未然に不正を防ぐ
手法が実地指導ではないかと思いますので、よろしくお願いします。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 青木参考人、お願いします。

○青木参考人 それでは、まず情報公表制度の在り方について申し上げたいと思いま
す。
 この情報公表制度につきましては、利用者本人による選択を基本とする介護保険制
度におきましては、利用者が適切に介護サービスを選択することができるよう、事業
者や各施設の情報を正確かつわかりやすく公表していくことは制度上欠かせないも
のであると考えております。
 しかしながら、現行の情報公表制度につきましては、先ほどもございましたように、
利用者や家族等に活用されていないというような状況にございまして、その理由とい
たしましては、この情報公表制度の存在自体が全く知られていないということ、利用
者が公表された情報を基に比較検討・選択がしにくいことなどが考えられると思いま
す。
 それから、制度の運営面におきましては、公表される情報の内容は、現行では事業
者からの報告と、指定調査機関による調査を基に作成されまして、作成等に要する経
費につきましては事業者の負担となっておりますけれども、こういった事業者の手間
と負担がかかる割には、この制度が利用されていないということから、事業者の努力
が適切に評価され、利用者から選択されることを支援するという、この制度の意義が
事業者には理解されにくい状況となっているのではないかと考えます。
 このようなことから、現状の情報公表制度は有効に機能・活用されているとは言い
にくい状況にございまして、制度の在り方自体を抜本的に見直す必要があると考えて
おります。
 それでは、この公表対象となる情報の項目・内容についてどう考えるかという点で
ございますけれども、公表内容に関しましては介護保険の利用者が求める情報をわか
りやすく的確に公表するということがまず肝要であると考えております。このため、
基本情報につきましては圏域内の類似施設の比較や検討が容易にできますように一
覧機能等を追加いたしまして、自分が知りたい項目について事業所がどのような状況
にあるかを容易に確認できるようにするなど、利用者の立場に立った表示方法を工夫
する必要があると考えます。
 また、専門用語がたくさん使われているということから、利用者が理解しやすいよ
うに用語や項目についての解説や説明を併せて表示する必要があるということも大
事であると思います。
 それから、さまざまな方が利用できますように、インターネット以外の公表方法に
つきましても検討する必要があると考えます。
 事務負担や手数料負担についてどう考えるかということでございますけれども、公
表する情報につきましては、資料2の19ページの見直しの方向性(案)等にも記載
されていますように、事業者からの報告を基本として、調査員による調査を廃止し、
都道府県の判断により、必要に応じて任意に調査することに改めるということでよい
のではないかと思います。
 それから、実地指導や監査の際に事業者が公表情報の内容を正確に報告しているか
どうか等を確認するということを同時にやってはどうかと考えます。
 それから、事業者の手数料負担は廃止いたしまして、データ管理費用等につきまし
てはサーバーを設置して情報を一元的に管理する国で負担いただくのが妥当ではな
いかと考えております。
 続きまして、サービスの質の確保を図る観点から事業所の指導・監査の在り方をど
う考えるかという点でございます。
 介護保険法では、社会福祉法人以外の営利法人等も介護サービスに参入することが
できるようになったということから、サービスの供給量は格段に増加しましたものの、
一部の事業者には利益優先の経営姿勢や、介護保険制度に関する理解不足などから、
法令等に違反する事例も見受けられるというような状況にございます。今後、参入事
業者の増加が見込まれますことから、介護保険制度の適正な運用を確保するための実
地指導や監査につきましては、より一層の強化が求められるというところでございま
す。
 しかしながら、指導監督を行います市町村や都道府県におきましては、行政改革に
よる職員定数の削減や事務の効率化などが進められておりまして、また、この複雑な
制度に関して専門的な知識を有する職員の確保が困難になってきているなど、従来の
きめ細かい実地指導や監査の実施体制の維持が困難な状況となっております。このた
め、都道府県と市町村の役割分担を明確にして、指導につきましては事業者により身
近な存在である市町村が行い、それから、市町村に対する指導・助言、地域密着型以
外の事務所・事業所の監査につきましては都道府県が行うこととするなど、効率的な
体制の確保に向けまして監査事務の整理をする必要があると考えます。
 市町村によるきめの細かい実地指導が実施されますれば、法令等の理解の不足から
来る違反事例につきましてはかなりの点で改善が見込まれますし、それ以外の違反事
例につきましては、都道府県が特化して行うことによりまして、効率的・効果的に介
護保険制度の適正化を保つことできるものと考えます。
 それから、監査につきましては、それを担当する職員の質の向上、指摘内容につい
ての平準化が求められていることから、現在実施されております市町村や都道府県の
監査担当職員の研修を更に充実するとともに、ブロック会議等による都道府県間の情
報交換や連携などを強化することが必要となっております。
 監査手法につきましても監査対象事業所選定基準を作成するとともに、介護保険事
業所に係る情報収集を行った結果をその基準に反映させ、監査が必要な事業所等から
順次監査を実施するなど、効率的かつ効果的な監査を行っていくことが必要であると
考えております。
 なお、介護保険施設につきましては、社会福祉法第72条に基づきまして指導・監
査を実施しておりますけれども、内容面としましては介護保険法に基づきます実地指
導とほとんど重複しているということから、事務の効率化や事業者の負担軽減を図る
観点から、この両方の整理を行う必要があるのではないかと考えております。
 それから、都道府県の指導・監査体制を整備する観点から、実地指導の一部を指定
法人に委託するということに関しましては、当該指定法人が実施する指導業務につき
まして公平・公正性の担保が前提になると考えます。
 それから、実地指導と監査とが別の機関によって実施されるということから、指導
と監査の内容に齟齬がないように十分配慮する必要があると考えております。
 長くなりましたが、以上でございます。

○山崎部会長 田中委員、お願いします。

○田中委員 介護サービス情報の公表につきましては、実は私ども日本介護福祉士会
も、47都道府県すべてではございませんが、一部の都府県におきましては指定を受け
て、調査機関としてこの制度に関わっております。実際、私自身も所属します富山県
介護福祉士会の調査員としてこの調査に出向いている者でございますが、そういった
立場から2つの点で質問と意見を述べさせていただきたいと思っております。
 まず、資料2の11〜14ページにはアンケート調査結果の概要ということで出てお
ります。そこには、利用者や家族はこの情報公表について、8割は重要であると思い、
しかし一方、ホームページの認知度では、8割が知らず、ケアマネジャーから情報を
得ているというのは3割であるというように出ております。
 14ページにありますように、介護支援専門員の方々が「介護サービス情報の公表」
のホームページの活用度については、活用したのは3割であるというようなデータも
出ているわけですけれども、活用しなかった理由は何かについて調査されているかど
うかお知らせいただければと思っております。
 もう一点は意見でございますが、この「介護サービス情報の公表」は、利用者にと
っては使いにくい。インターネットでの公表は活用しにくいというふうにおっしゃる
かもしれませんが、これまでの高齢者がなかなか、そもそもパソコンやインターネッ
トになじまないので当然であったかと思っております。
 そういう意味において、今後の世代を考えますならば、利用者及び家族がこういっ
たインターネット上で制度を活用することは可能になる、そういう時代が間もなくや
ってまいります。そうなるとそもそものこの制度の導入でありました介護サービス事
業所を選択する際に活用するということの効用が出てくるのではないかと思ってお
ります。従いまして、今回大きな見直しをされることはある意味では残念なことであ
ると感じております。
 一方、事業所側にとっても、第三者である調査員が直接出向き、少なくとも運営基
準上の最低条件の書類等を確認することによって、ある意味では緊張感を持ってサー
ビスの質の確保に当たることができると考えております。
 その上で意見を述べさせていただきますが、サービスの質の確保という観点から、
例えば都道府県国保連のホームページ上に苦情を寄せることは可能になっておりま
す。ただし、私ども日本介護福祉士会も、そこに寄せられました苦情・相談、あるい
は調査の結果等を見ながら自らが提供するサービスの質の改善に努めてございます
が、47都道府県の国保連の実際のホームページ上を見ますならば、ばらつき・格差が
あるというのが現状でございます。一番充実しているのは東京都国保連であったり大
阪府国保連でございます。
 実は、こういった国保連や都道府県社協での運営適正化委員会、あるいは保険者等
に直接寄せられております苦情や相談といったものが、その結果、どのように処置さ
れているかについてお知らせいただきたい。多くの場合、その件数について公表され
ているのですが、何よりもその内容と結果について公表することが大事ではないかと
思っております。
 いずれにいたしましても、今回、大きな見直しをということを言っておりますけれ
ども、勿論、そこにおいては事業者負担の問題があろうかと思っております。しかし、
利用する側の立場から申し上げますならば、やはりサービスの質、どのような事業所
がどのような人材、あるいはどのような人たちが関わっているかという情報を知ると
いうことは今後ますます重要になります。特に言われますところの2025年、団塊の
世代が75歳以上になることを考えますならば、これからもホームページがわからな
い、見えない、家族も知らないということはないと考えております。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、天神委員、お願いします。

○天神委員 時間もないので、簡潔に意見を述べたいと思います。
 指導監督についてなんですが、介護保険の適正な運営を図るということからは、都
道府県あるいは保険者である市町村が事業所を指導・監査していくという仕組みは不
可欠であると思っております。
 それで、実地指導の一部を指定法人に委託できるようにするということについては、
指導・監査業務の標準化、効率性、あるいは専門性を深めていくという観点から進め
る方向でよいのではないかと思いますが、ただ、その場合において、委託法人に対し
て全部任せっきりにするということではなくて、行政としてきちんとガバナンスがき
くような仕組み、それと、委託業務と費用との関係は妥当なものであるかという辺り
をチェックできるような仕組みを担保しておくことが必要ではないかと考えます。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、川合委員、お願いします。

○川合委員 私、今日、2つの点で感激しております。
 1つは、先ほど三上委員もおっしゃったように、介護給付費分科会で口を酸っぱく
してこの介護情報云々を議論しておりましたけれども、座長様がそれはというような
ことをおっしゃいまして、これは非常に物を申しにくい世界だなと思ったんです。こ
のようにオープンに話ができるというのは山崎部会長の力量の多さに感服いたしま
す。
 もう一つ感激したのは、実は木間さんがあたかも私を対象のように、勝田さんの援
護に回りますと今日おっしゃいましたけれども、木間さんが出された資料の7ページ
の、7ページの「A 介護老人保健施設」というのは私の老健竜間之郷らしくて、非
常にいい施設であるというふうに御紹介いただいたものですから、これはありがたい
話で、少し頭がぽうっとしております。
 それはともかくとして、やはりいろんな方がおっしゃいましたように、この機会に
介護情報を、2年前、デジャ・ブ的感覚ですけれども、三上さんと私が申し上げたの
は、都道府県の実地指導があって、その当時、まだ第三者機能評価あるいはピアレビ
ューがあって、それは現在はなくなりましたが、その上に、地方公務員の天下り先の
ような機関をつくってこういうふうなことをするということ自体が私はわからない。
 それはともかくとして、私はやはりピアレビューか第三者評価を、先ほども申しま
したが、現場に自由裁量権をくれ。それで、うそを書いたり、あるいは実施していな
いようなことをやったら市場からペナルティーで退出するというようなものをやは
り取り入れるべきだと私は思います。何か9万円も10万円も出して定年の方を養っ
ているようで。どうしてこれだけ減額できたのかという意味がわかりません。

○山崎部会長 北村委員、お願いします。

○北村委員 介護保険制度の指導監督について一言お願いです。先ほど来、上から目
線でという対応をしがちであるというような御指摘もありましたけれども、都道府
県・市町村の指導監督について、現状でも明らかに行き過ぎているとか、それから、
誤っている指導があるというような場合に、それを調停いただくような第三者機関が
今はないということで、是非そういったものをつくっていただきたいというお願いで
ございます。現状は都道府県の指導に対しまして意見を述べる機会が当然ありません
し、また指導監督が適正に行われているかどうかというところの評価もできませんし、
また指導の効果測定というようなところも基本的にされていないのではないかとい
うことで、是非そういったところを工夫していただきたい。
 それで、不適切な指導といいますか、これはどうなのかというような思うところが
あるんですが、例えば利用者全員に個人情報の保護の同意書を取ってきなさいという
ようなことであったり、訪問介護サービスの、当然、直行・直帰していますヘルパー
さんに、事前・事後に必ず連絡をして、それを必ず文書で保管しなさいというような
ことの御指導をいただいたり、また一方で、一部の県のデイサービスにおきまして、
当然、個別の介護計画があるんですが、スタートと終わりが全員そろっていないと認
定しない、認めないという話がありまして、そういったところをどういうふうに考え
ていただくかというところと、そういったところの訴えをしたいというようなところ
の機関を是非考えていただきたい。
 今後、地方主権が進むことによって、ますます制度が複雑化していきますし、指導・
監査もそういった状況になっていくと思いますので、さらなる事務手続の簡素化であ
ったり、それから、ローカルルールを、どういった形でばらつきを必要最低限にして
いただくかということを是非お願いしたいのと、この点について考え方とかを御回答
いただければと思っている次第でございます。
 以上です。

○山崎部会長 木間委員、お願いします。

○木間委員 介護サービス情報公表のことですが、なぜ私がここだわるのかというこ
とを申し上げておきたいのです。
 私は、1998年に介護サービスの表示項目を作成いたしました。それ以降、情報開示
の必要性を訴えてきました。やっと実現した介護サービス情報公表制度です。これら
は消費者問題の分野からすれば当然のことでありまして、消費者問題の分野では昭和
30年代ごろから、中身のわかりにくい商品やサービスについて、適正な表示の義務づ
けを行政に働きかけてきました。事業者には自主的に表示をするように求めてきたと
いう流れがあります。私は、介護は契約になるのであれば、表示項目が必要になると
思いつくってみたのです。
 これまでの何人かの御指摘に対して、どうしても私は申し上げたいことがあります。
 介護サービスの利用者の特性を考えれば、インターネットを活用しないのは当たり
前です。そんなことは最初からわかっていたのです。アクセス件数もパソコンの普及
率も、それは問題ではないのです。ネットで公開しなければ何に公開すればいいので
しょうか。私は1998年のときはインターネットに気がつきませんで、ペーパーに表
示すると言っていましたが、インターネットで公開するということを聞き、これは何
とすばらしい媒体かと思いました。公開された情報を情報の届きにくい人に届ける。
そうした支援が必要なのです。利用されていないということは、その地域では情報を
届けるという支援が余りなされていないのではないかと思います。
 私はこういうことを言い続けてきて、介護の分野ではこうした情報を届ける支援と
いうことはなじまないのかと思うようになりまして、現在は各地の消費生活相談員の
人たちを対象に読み解きや比較表の作成について話をしています。昭和30年代から
の歴史、流れがありますので、消費者問題の人たちは素直に受け入れてくれています。
 利用されていないのではなくて、支援の努力が足りないのではないかと思います。

○山崎部会長 齊藤秀樹委員、お願いします。

○齊藤(秀)委員 大分時間が過ぎておりますので、簡単に済ませたいと思います。
 第三者が客観的に評価する仕組みがあるということは大事なことであると思いま
す。ただ御指摘のとおり、現行の情報公表は余り評判がよろしくないということはは
っきりしておりますから、これが活用に資するものにしていかなければいけないとい
うことは共通する認識であると思います。
 それで今日、私は情報の質の問題を申し上げようと思いましたが、多くの委員から
監査の質の問題が指摘されておりますから、それは情報の質以前の問題でありますの
で、ここに関しては情報を問う前に、その指導・監査体制の質という問題について先
に十分な対応をしていただきたいと思います。
 指導・監査のほかに、ペーパーにも書いてありますけれども、福祉サービスにおけ
る第三者評価、先ほど勝田委員からお話がありました、外部評価など公的な仕組みの
中でチェックする機能があるわけでありますが、私はどれも、介護情報に限らず、利
用者の認知度は低いのではないか。活用が十分にされているとは思っておりません。
基本となるのは、やはり県の指導・監査というものが強化されるべきであると思いま
すが、どうも、それがうまくかなわないというお話が先ほど来からありましたので、
利用者からすれば、それをたらい回しにするような話ではないんだろうと思いますの
で、しっかりと行政間における役割分担というものは御検討いただきたい。
 更に、類似制度に関してはこのままでいいのかどうかということを再度検討してい
ただいて、整理・再編をするということも視野に入れた検討を行っていただきたいと
思います。最終的には事業者の負担というものが少ないこと、それから、やはり費用
をかけただけの効果のある、効果があるというのはやはり利用される制度でなければ
ならないと思いますから、そういう視点での見直しが必要であると思います。
 特に利用者の問題が出ましたけれども、利用者がこういうものを使えるかどうかと
いうのは今の媒体の問題だけではなくて、特に利用者に寄り添っていただくケアマネ
ジャーの方々が大変重要な役割を担っていると私は思います。しかし、アンケートに
ありましたように、ケアマネジャーそのものの利用が3割しかないというところがそ
もそもの問題でありますので、どんないい制度でありましても、努力をしてつくった
ものでありましても、それが使われないというのは一番不幸な話でありますので、使
われることを前提とした、そういう意味で、紙媒体であろうが、インターネット媒体
であろうが、そこを多くの方々が共有して、この情報公表制度を育てていくというこ
とが大事ではないかと思います。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、木村委員、手短にお願いします。

○木村委員 ただいまケアマネジャーのことでの御指摘がありましたので、まず19
ページにありますことは本当にありがたいことですが、平成24年度からではなく、
もっと早くできないものかなと希望します。
 2つほど申し上げたいんですが、言い訳ではなく、この情報公表のそれぞれのサー
ビスを活用された方はわかると思いますけれども、検索機能が付いていないんです。
つまり、探し出すところが付いていないんです。ですから、そこのところの改善はと
にかく早くやっていただきたいこと。
 それから、この調査に関わった委員、我々の協会からも出ていますので聞きますと、
そもそも介護保険が始まってからWAMNETをずっと使ってきた経緯もあって、そ
の転換が図れていなかった等々、いろいろあります。しかし利用者の代弁者でありま
すし、プレゼンテーションをすることがしっかりできなければいけませんので、更に
協会挙げて、この活用を進めていきたいと思います。
 もう一点、よい点を言いますと、少なくとも居宅介護支援のサービスのところはケ
アマネジメントプロセスがしっかり回るということのチェックが入っているので、あ
る意味で第三者のチェック機構というものが働いている制度でございますので、これ
はやはり堅持していくべきと思います。
 時間がありませんけれども、指導監督のところはやはり各都道府県から一方的に指
導されて、気持ち的にも非常に負担感がすごく強い等々がありますので、前よりは大
分よくなったと思いますけれども、更に指導監督する職員の質のばらつきをなくした
りとか、指導のやり方を均一化していっていただきたいと思います。これは要望です。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、桝田委員、手短にお願いします。

○桝田委員 追加でございますけれども、情報公表とか外部評価、第三者評価、実地
指導を含めて、事業者とすれば、内容はともかく、まとめて1つのものにしていただ
きたい。それぞれがそれぞれに来るというのが非常に事務的にも煩雑になりますし、
1年中、何かにかかっている職員を置いておくような感じになります。まとめていた
だくというのが一番かなと思っていますので、その点、よろしくお願いします。

○山崎部会長 岩村委員、お願いします。

○岩村委員 手短に。介護情報サービスについては、木間委員もおっしゃったように、
これは非常に有益なものであると私は思いますし、それから、利用者として、御本人
や家族だけではなくて、より広く御本人や家族をお手伝いしている方、情報を伝える
方がもっとこれを活用することができるような仕組みにする必要があるだろうと思
っています。
 ただ、私自身も実は使ったことがあるんですが、非常に使いにくいんです。載って
いる情報自体は非常に有益で、ある程度知識のある人が見ると極めて有益な情報が載
っているんですけれども、多分、知識のない人が見ると全然意味がわからないという
のが今の実情だと思います。それから、当該事業者の情報にたどり着くまでが非常に
手間暇がかかって、今のGoogleとかそういったものの検索機能に全然対応して
いない。今後の課題としては、これをもっと使いやすく、インターフェースを改善し
ていくということが必要だろうと思います。
 あと一点だけ、資料2の19ページのところで運営方法の整理ということが出てい
ますが、年1回の調査の義務づけを廃止して、都道府県が必要と認める場合に調査を
行うということ自体、そうなのかなという気もしますが、ただ、都道府県がある程度
定期的に調査をきちっとやらないと、情報がアップデートされないまま、古い情報の
ままでずっと載っているというようなことになりかねないので、ここはやはり少し工
夫が必要かなという気がいたします。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、事務局の方からまとめて御回答をお願いします。

○川又振興課長 幾つか御質問がございました。
 結城委員の方から高齢者は実際にネットで情報を得ているのかというような御質
問がございましたが、私ども、先ほど御紹介したアンケートをとりまとめました利活
用促進研究会の報告書の中のデータを踏まえております。データソース自体は総務省
の社会生活基本調査でございます。
 ちなみに、過去1年間、ニュース等の情報入手でインターネットを利用した人とい
うことで年代別に取っております。利用した人の割合が、30歳代が67.1%、40歳代
が57.6%、50歳代が34.9%、60歳代が17.2%、70歳代以上が4.5%という状況にな
っております。確かに高齢者の方は少ないわけですけれども、御家族の利用、ケアマ
ネさんの利用なども考えますと、意味はないとは言えないのかなと考えております。
 また、先ほどの私どもの資料2の12ページの、情報公表を知っているかという認
知度を年代別に下のグラフで示していますけれども、40歳代になりますと19.4%と
いうことで、今後こうしたものを活用できる方は増えてくるのかなと考えております。
 2つ目は、田中委員の方からケアマネジャーが活用しなかった理由につきましては、
今回の調査では理由までは調査しておりません。
 また、木村委員の方から検索機能のお話がございましたけれども、検索機能、それ
から、専門用語の解説など、インターフェースの改善については現在作業中でありま
して、今後、利用者にわかりやすい情報ということで工夫をしていきたいと考えてお
ります。
 以上です。

○菱川介護保険指導室長 指導監督の関係でございます。
 まず、勝田委員から返還請求額についてでございますが、返還請求額については先
ほど申し上げたとおり、不正請求額と、その不正請求額の40%を加算した額が請求さ
れるわけですけれども、返還につきましては事業者の返済能力というものがございま
すので、当然一括返済される場合もありますし、場合によっては分割返済ということ
で、それぞれの状況に応じて保険者が決定していますが、保険者はできる限り回収で
きるように努力しているとに聞いております。
 それから、桝田委員からですが、平成18年度以降、実施指導の頻度が把握できて
いるのかということでございますけれども、制度創設の平成12年以降は大体、施設
は2年に1回、在宅については3年に1回という頻度でお願いしていたところでござ
いますが、自治体の指導監督体制の問題、あるいは所管する事業者数の問題もあって、
現在は頻度についてはお願いをしておりません。地域の実情に応じて行っていただい
ているところでございます。
 それで、私どもが自治体指導に行きますと、おおむね施設については2〜3年に1
回、それから、在宅サービスについては3〜6年に1回の自治体が多いようでござい
ます。ちなみに平成20年度の全体の総数でいきますと、指導・監査の対象となる事
業所数は23万事業所ございますが、指導を約5万件、監査を1万件実施しており、
これでいきますと、約4分の1が当該年度に監査なり指導を受けているという状況で
ございます。
 それから、結城委員から不適切な取扱いがあった場合の報酬の返還についてでござ
いますが、不適切な内容がどういうものかにもよりますけれども、単なる事務のミス
であれば過誤調整、そして、明らかに不正請求というような事実がわかれば返還請求
になりますけれども、これはやはりケース・バイ・ケースで総合的な判断をして行う
ということになろうかと思います。
 あと、北村委員あるいは結城委員からローカルルールの廃止についてでございます
が、このローカルルールの問題につきましては、まさにこの部会でも以前から御指摘
をされ、そして、その解決に向けて、先ほど資料3の4〜5ページにもありますよう
な対策を取っているところでございます。
 昨年、ブロック会議でも自治体の方々の実地指導の方法についても意見交換をしま
したけれども、基本的には改善項目がある場合には、その根拠なり考え方を事業者側
にきちんと説明して、事業者側が納得をした上で改善をお願いしているという状況で
ございました。したがいまして、事業者側の方も確認とか疑問があれば指導・監査担
当職員の方に確認をしていただければと思います。こういったことにつきましては今
後、担当者会議等がございますので、更に周知をしていきたいと考えております。
 あと、上から目線という話もございましたけれども、これについては先般、実地指
導マニュアル見直しでも監査に入る前の心構えということで、やはり事業所との信頼
関係、そういうコミュニケーションをきちんと取る。それから、指導については摘発
ではないということで、いろいろそういう留意をしてくださいということも書き込ん
でおりますので、そういったものについても自治体の職員に見ていただいていると思
いますけれども、この点についても更に周知を徹底していきたいと考えております。
 以上でございます。

○山崎部会長 あと、どうしてもという方はいらっしゃいますか。
 それでは、予定より少々超過しておりますので、本日の部会はこれで終了させてい
ただきたいと思います。
 次回の議題につきましては、追って連絡させていただきたいと考えております。
 事務局の方から何かございますでしょうか。

○大澤総務課長 本日はどうもありがとうございました。
 次回は10月7日木曜日ですけれども、15時から砂防会館別館で開催する予定でご
ざいます。なお、文書で御意見等を提出していただく場合には、恐れ入りますけれど
も、2日前までには事務局に御登録をお願いいたしたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、本日はこれで終了します。どうもお疲れ様でした。


(了)

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