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2010年11月5日 年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方に関する検討会(第10回)の議事要旨

年金局総務課

○日時

平成22年11月5日(金)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○出席者

【メンバー(敬称略)】

浅野幸弘 植田和男 (座長) 小幡績 富田俊基 村上正人
山崎元 山崎養世 米澤康博

【総務省】

内山晃総務大臣政務官

○議事

(1)内山総務大臣政務官ご挨拶
  年金の大変貴重な資金を安全に、かつ有効に運用していただき、そして国民の保険料の上昇を抑えるというのがGPIFの1つの大きな目的。皆さんの忌憚のない意見を出していただき、よりよい制度をつくっていただきたい。

(2)山崎(養)委員提出資料について
○山崎(養)委員より、OECD金融・企業局金融課統括責任者フォオナ・スチュワート
氏及びフアン・イエルモ氏作成の「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガ
バナンス及び資産運用方針改善案」について説明

・GPIFの在り方については、公的な第三者の意見を聴く必要がある。日本政府はOECDに加盟し、OECDのガイドラインは日本も批准しているということで、OECDにGPIFの評価を依頼。日本の公的年金の運用の在り方について、国際的な機関からレビューを受けるのは初めての試みだろう。
・日本の世の中では記録問題などが大きく騒がれたが、積立金の運用は財政的な影響がはるかに大きい。
・GPIFのガバナンスは依然として国際的なベスト・プラクティスに沿ったものではなく、いくつかの点で「年金基金のガバナンスのためのOECDガイドライン」に盛り込まれている基本的な基準を満たしていない。
・ガバナンスをめぐる主な懸念点は、まずはやはり独立性の問題。本レポートにおいても、独立性の問題がまずクローズアップされており、厚生労働省からの独立性がどのようになっているのかが不明な点が多いとされている。
・二点目は、独立行政法人としての性格。GPIFは独法の中でも桁外れに規模の大きい業務を扱っており、世界最大の年金積立金運用機関でもある。その資金の増減の影響は、国民生活への影響のみならず、政治的なインパクトが大きく、ある意味では日本銀行よりも大きな影響がある。しかし、多くの特殊法人が独法へ移行した際に、GPIFも一緒に独法に移行し、独法という在り方がGPIFに適合しているかどうかについての議論はほとんど行われていなかった。
・OECDのガイドラインでは、GPIFが厚生労働省から独立しているのみならず、GPIFの組織内でも理事長と運用機関が独立を保つこと、かつ合議的な意思決定を要求しているが、コスト削減が主眼に置かれる独法の枠組みに非常に大きな制約を受けており、ほとんどの業務を理事長が専決をしなくてはいけない。
・独法自体の枠組みではあるが、理事長の任命について特段の規定が存在しない。経済・金融業務の経験や、どういう任命プロセスが行われ、あるいは政府が介入するときはどういう基準なのかというプロセスの明定化、透明化、国民に対する説明責任が行われていない。
・運用委員会が常勤の運用責任者ではないということは特に大きな問題。全員が常勤である必要があるかについてはまだ議論はあるが、リーマンショックのような急激な変動に耐えられるような制度になっていない。独法に一律に課せられる経費抑制により、運用の責任がある120兆円に対して経費の割合が非常に小さく、バランスを欠いている。
・内部管理や監査がどの程度効果的に実施されているかが不明。どのようなものであるかが少なくとも明定化されていない。
・理事長の行動規範や利益相反、運用方針に対する文書の作成・公開といった説明責任とコンプライアンスの点についても問題指摘されている。
・本レポートの意見ではあるが、運用目標を賃金上昇にリンクさせている現行の慣行に見直しが必要なのではないかということも指摘されている。
・組織がしっかりしてこそ、運用がしっかりする。組織改革がされなければ、運用の改革をしても長期的・永続的なものとならない。本レポートでは、資産運用の中身を議論する前に、GPIFが国民に対する責任を負うのにふさわしいガバナンスに脱皮するということを先に求めている。

○レポートにおける提言の概要は以下の通り。
  ◆GPIF内の業務機能と監督機能を分離した上で、役員会を設置。また、役員会が選任
するCEOとCIOをトップとする別個の業務執行チームを設置。
 ◆独法の枠組みとは違う人事処遇。
 ◆役員として専門家以外の各界の代表のメンバーの任命。
 ◆役員会のメンバーは、金融及び投資の知識が必要。
 ◆ガイドラインの透明性確保。
 ◆GPIFに対する政府の責任の明確化。
  (運用目標を決定する際にGPIFとの協議を行うことを明定すべき。)
 ◆運用委員会をGPIFの統治主体に組み込むこと。
 ◆ガバナンスが改善された後に、運用手法の面で
・国債への高いエクスポージャーの検討
・少額の資金について、長期のより流動性の低い手段(ベンチャーキャピタル、不動産
投資、プライベート・エクイティ)への配分の検討
・環境、コーポレートガバナンスの要素の考慮。


(3)年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方について

・前回の議論では、理事長専管から、何らかの形で複数のメンバーの合議制にすべきという意見が多かったが、そのメンバーが常勤か非常勤であるべきかは必ずしも一致が見られなかった。
・そもそもこの運用組織が何について決定を行うか、意思決定の対象を明らかにしないといけない。
・今までの検討会の議論は、国民の虎の子である年金を積極運用するために、運用組織の自由度を高めていきたいとしか聞こえない。国民の一番大事な財産について、安全・確実に運用してもらえるのかどうかということについて、議論の危うさを感じる。
・運用の結果については政治しか責任が取れない。そこに対して適切な意見を述べることはあるかもしれないが、政治が決めた運用を自由に裁量的に行うために組織の権限を強くするというのは、どういうリスクが将来発生するか分からない。
・実際、19年度と20年度は大きなロスが発生した。これは基本ポートフォリオに従った結果であり、その責任は一義的に基本ポートフォリオを決めたところにある。
・世界最大の組織であるということは、世界最大のリスクを抱えているということ。今も充分に大きなリスクを取って運用しており、そういうことを国民は知る必要がある。
・損失が出たから運用をもっとうまくしなければならないという議論があるが、そういうことではなく、機械的(パッシブ)運用であることを前提としたとき、合議制にするべきかとか理事長の権限を増大させるなどの議論の前に、何を目標とする組織なのかを考えないと、国民のために運用を弾力化するということになって、国民が余計リスクを被ることにもなりかねない。
・国債だけでパッシブ運用するのであれば、1%の収益しか上げられない。その際に即座に保険料を上げるなどの対応ができる制度であればいいが、そうではない。
・長期国債は市場変動性商品。「国債=安全」だからそこに全て入れておけばいいという議論は生産的ではない。
・積立金を運用するにあたって、リスクをゼロにすることはできないので、それを管理していく専門性が必要。それは国民の代表の政治家が担うのではなく、政府の中からさらにそれを受託している専門的な機関が独立性をもって担うべき。日銀の政策金利決定に独立性を持たせているのと同じ。
・アメリカは全額非市場性の国債で運用している。
・アメリカと日本では年金制度の財政方式が異なるので、比較するのは意味がない。OECDがレポートで言及している、積立金がある組織はどのようにあるべきかを議論しているのであって、そこにアメリカは入ってない。
・アメリカは怪しげな人たちから国民の年金を守るために、全額非市場性国債で運用することを政治が決定した。そして、その規模は日本よりもはるかに大きい。
・GPIFが基本ポートフォリオを弾力的に運用できるようにするためにガバナンスを強化するという意見には反対である。
・我々が今まで議論してきた、運用委員会委員が非常勤で権限や責任が曖昧なのに実質的な決定をしていることや、理事長専管の危うさをOECDも指摘している。
・旧年金資金運用基金の体制の方が、我々が今まで議論してきたことやOECDの指摘に応えているのではないか。ただ、理事の任命が理事長になっており、理事が理事長に意見を言えなくなるなど、理事の独立性の問題はある。
・旧基金時代のように、厚生労働大臣直属の資金運用分科会の議を経て基本ポートフォリオを決めるのであれば、GPIFに丸投げしているわけではないので、こちらの姿の方が良いのではないか。
・旧基金の体制についても監視と執行の体制の分離が明確ではない。
・基本ポートフォリオまで主務大臣が決めてしまったら、GPIFの根源業務がなくなってしまう。基本ポートフォリオはどうあるべきかということを自分たちの調査・研究に基づき策定するのがGPIFの最大の価値。主務大臣が基本ポートフォリオを策定するとなると、主務大臣の下に経済分析を行い運用を研究する専門的な組織を新たに設ける必要が生じ、二重の行政となってしまう。主務大臣はあくまで国民への責任の観点から果たすべき運用目標をGPIFに提示し、それへの回答として基本ポートフォリオ作成という形が良い。
・理事会がCEO等の執行を監視するという、監視と執行を分離する形が、今後の在り方として望ましいのではないか。
・経済前提についてある程度の合意ができていれば、運用目標を決めるということは、どの程度リスクテイクをするか、すなわち、基本ポートフォリオを決めるということにつながる。それとは別に、実際に運用する際、環境が変化した場合にどのように対応するかという問題はあるが、それは、基本ポートフォリオのアローワンスをどれだけ見ておくかということ。
・国債であろうが株式であろうが将来的に利回りが未確定な中で、一番運用にとって重要なのは、経済分析による予測の精度を上げていくことによって、長期的な資産クラスから得られるリターンがどれだけで、リスクはどれくらいかということを分析すること。この分析機能がGPIFにないと、運用組織にならず、そこにGPIFの存在意義がある。運用目標を与えて基本ポートフォリオが自動的に決まるというのであれば、厚労大臣は常に経済状況を把握している必要がある。
・予定利率が決まる段階で、どのような運用になって、その運用がどれだけのリスクを持つのかということが反映されていないのが一番の問題。
・主務大臣が運用目標と一緒に基本ポートフォリオも与えるのか、基本ポートフォリオはGPIFが決めるのか、いずれにせよ、その基本ポートフォリオがどれだけのリスクを取ることを前提とするかが現実的に反映された運用目標とする必要。リターン充足のための運用ということになると、運用目標の決定がリスクテイクを振り回すことになり問題。
・例えば単年度でいうと、どのくらいの損失の可能性のある運用を行うことによって、どの程度のリターンを求めて、それが予定利率に反映されている、という構造にしないといけない。必要なリターンだけ決めて運用方針が振り回されると、例えば企業年金が5.5%というリターンを決めて、どんどんリスクテイクして運用が上手く行かなくなってしまったというのと同じ轍を踏むことになる。リスクを反映した運用目標の設定ということが非常に重要。
・政府部内の監査、政府外からの監査、会計検査院の監査など、ガバナンス面での旧基金とGPIFの違いをもう少し議論する必要がある。
・国民から強制徴収されたお金なので、政府部内や政府外からきっちりとチェックされる必要がある。
・運用組織に対して「めちゃくちゃやるなよ」ということを何らかの形で枠にはめる必要があり、旧基金時代は基本ポートフォリオでその枠をはめてきた。だが、今は時代が進んで、投資カテゴリーが継続的に変化している中で、5年に1度決めるという枠組みは運用上むしろ危険。何らかの枠に投資カテゴリーを入れることはかえってリスクを取ってしまったりするなど、危険なのではないか。
・GPIFと旧基金を比較すると、旧基金の方が、運用目標と基本ポートフォリオの策定まで厚労大臣が担っていたため、負債サイドを見ながら決めることができたので良かった。負債があるからリスクを取って稼ぐということではなく、負債があるからリスクは取れないという、負債を見ながらの議論ができる。今のようにいきなり目標だけ設定ということだと、負債と直に結びつかない。
・経済変動がありポートフォリオを変える必要が生じた場合、どちらの体制がよりリスク管理しやすいかがポイント。
・OECDの提案は、GPIFで基本ポートフォリオを策定すべきであると言っている。


(4)運用目標について

・運用目標をリターンだけで定義するのは不適切。リターン目標とリスク許容度をセットで提示するのを称して運用目標というのが、年金の委託と受託業務の通常の在り方。さらにそのリスク許容度の前提となる情報、条件をきちんと開示する必要がある。
・リターン目標とリスク許容度をセットとして与えられた運用目標の範囲の中で、GPIFが推計をし、このような基本ポートフォリオに至ったと答えを出していく形が望ましい。
・運用目標とリスクをきちっと押さえることが重要。
・運用目標は年金財政と密接に関わっている。年金財政の計算がどのようになっているのか、そこの意思決定を明瞭にし、ガバナンスを機能させる必要。
・名目運用利回り4.1%がとんでもない数字であることに異論はないはず。名目利回り4.1%、名目長期金利3.7%に対して、名目GDPの成長率は1.8%に過ぎない。年金のGDPの成長率と金利との関係の前に、一般会計の財政再建の議論の際には、名目GDP成長率よりも名目金利の方が低いという数字を政府が出していた。年金制度で出てくる数字が異常であることが分かる。
・平成16年度再計算の際に、マクロ経済スライドが財政健全化の切り札として登場したが、デフレが続いたために、一度も発動されていない。標準世帯の所得代替率は、59%が5年経てば57%くらいに下がるはずだったのが、逆に62%くらいまで上がってしまい、財政を悪化させた。
・財政を悪化させた原因には目を向けずに、運用利回りを上げるということで解決しようとしたことが問題。そこのところをチェックできるようなシステムにならない限りは、運用の方をいくら頑張ったとしても、年金の運用という意味では改革にはならない。
・社会保障審議会のチェック機能は働かなかったのか。ただ、社会保障審議会の方でも今日の資料にも、名目GDP成長率の数字が出てこない。名目GDP成長率の数字さえ出てくれば、名目長期金利3.7%と名目GDP成長率1.8%の矛盾が議論されたのではないか。
・年金財政の意思決定の透明性を高めることが、GPIFのガバナンスを議論する上での前提。
・金融的な前提の基礎に、マクロの前提がなければいけない。マクロのリスクと金融資産のリターンとリスクの両方を合わせると、年金財政がどのように動いていくかということを幅を持って計算できる。これは全部セットで議論しなければ、正しいプロセスにならない。
・使い方がよくなかったというのはあるかもしれないが、財政検証時には、マクロは全て使っている。年金財政の調整機能は名目のところでしか働かないので、全部実質ベースで数字を固め、最後に名目にする際、物価上昇率がどのくらいあるかを見込んだときに、結果として一番大きな間違いがあったのかもしれない。このときは、日銀のデータで1%というのを使った。
・かつてはそれぞれもそんなに大きな影響はなかったが、今はスライド調整があるので、それができていないというのはそのとおりだと思う。
・実質的な運用利回りが1.1%から1.6%になったことには最後までGPIFの抵抗があった。結果として、リーマン・ショック後、経済が弱含みになっていたにもかかわらず0.5を乗せたということでハードルが相当高くなったが、現在の制度ではGPIFが文句を言う仕組みがない。
・年金制度が担う役割と年金制度の中で運用が担う役割、年金の運用に期待するものについて、あらかじめ長期的な方針が決められていないと、突然運用の責任とされても手に負えなくなる可能性がある。
・制度の前提となっている経済前提から足下の経済状況が変わっているときに、運用目標は可変的であるべきかということも含め、運用の基本的な考え方から固めていかないといけない。
・10年国債を保有していた場合のリターンは購入時の金利レベルであり、現在であれば1。それにも関わらず、名目長期金利を1ではなく、3.0や3.7と置くのは過大で恣意的。しかも、物価が上昇すれば金利が上昇して債券価格は下落するが、トータルリターンという考え方がない。
・政治サイドで給付を下げたり負担を上げたりすることができないから、運用にしわ寄せが行き、非常に高い運用目標が出てきて実態とかけ離れている。
・2020年までの中期の経済の展望は二つあり、一つは新経済成長戦略で言っている3%。もう一つは政権交代後にプルーデントな見通しを作ろうということで置かれた堅実な前提で1.7〜1.8%。100年単位の年金の計算だと、できるだけ給付を減らさずに、リターンを高くするためにということで経済見通しを設定しがちなので、それぞれの制度の前提を各府省が設定するのではなく、全体で議論する場が必要。
・年金財政という点から反省すべきは、デフレにおいてマクロ経済スライドが実行できなかったことと上乗せの実質的なリターンが高く設定されたこと。
・年金財政の計算においても、それが適切に行われているのかということについてガバナンスが必要。
・経済的見通しは、実際にはよく外れるし、不確か。仮に確かに当てることができたとしても、その経済前提と各資産のリターンとの関係も不確か。不確かであることを前提に意思決定しなければならない。不確実性があるということは、利回りを高くするというよりは、むしろ低く保守的に見積もるべき性質のもの。
・財政計算に設定された利回りは、基本ポートフォリオとセットで説明されないといけない。マクロの前提から見てこれくらいのリターンなんだということがいきなり現れて、それに対応するリスクを適当に取ってつじつまを合わせましょうという格好になっていることが、全体の不幸を招く。
・社会保障審議会のようなところで財政と運用を一体で議論する場を作るのか、大臣の下で決める体制に戻すのか。審議会は集まって意見を言うだけなので、「年金制度理事会」のようなものを作って、財政計算もグリップし、運用についても議論するのはどうか。
・GPIFに日銀の政策委員会のような理事会を作ってしまうと、そこで年金財政についてまで議論を拡大して行うことになるのではないか。
・財政検証は100年間の予測ではなく、5年ごとに見直すという位置付けのもの。5年ごとに見直すということが一番重要。見直してまずいということであれば、掛け金や給付を修正していくというのがそもそも論。
・年金財政における利回りは、経済が良いとき、普通のとき、悪いときという3つの案で出ている。たまたま中央値が4.1であったので、それを使っているが、場合によっては10くらいのケースがあり、それがどうなっていくかを見せてもらえれば十分。
・GPIFの組織が今と変わらないのであれば、年金財政の数字は参考にはするが、GPIFで運用する利回りは多少自由度を持って決めることができるようにするというのも一つの案。今の制度をあまりいじらなくても代えられる部分なのではないか。
・委託されるサイドのGPIFは、与えられた運用目標とリスク許容度が運用の観点から実現可能であるのかどうか、どの程度まで拒否権や変更権などがあるかどうかはともかく、少なくとも協議することができる場が必要。
・運用目標については、賃金上昇率インデックス債券のようなものがないので、長期国債の現行金利にリスクプレミアムをどれだけ与えるか、という形で与える方が、運用サイドとしての現実性は高まる。しかし、年金財政の方から見ると不確実性があるので、相関係数なりで推計をし、その目標を与える方が適切か検討する必要はある。
・そこは物価連動債を活用できる余地があれば、多少のリスク引下げができるということだと思う。
・目標の設定へのGPIFの関与について、専門的な分析をしているからノウハウは使いたい。その一方で、目標を運用組織が自分で決めるということが変という意見もある。
・少なくともあまりにも非現実的な目標に対して、GPIFがきちんと意見を言え、それを公表できる権利が必要。
・目標が非現実的であれば仕事を受けないというのは普通の契約関係と同じ。受けたのであれば、あとは理事長の責任。
・仕事を受ける受けないという権利が理事長側にあって、そこでそれに対する意見を述べる機会が理事長になる前、あるいは目標を受けるときに与えられることが重要。
・目標を財政と一緒に議論するのが難しいとしても、財政で前提とした経済の条件の下であれば4.1なのだ、というような目標の与え方、前提条件を基とした与え方でないと、4.1だけが一人歩きするという変なことになる。
・利回りを前提とするときは、必ず何らかのリスクを取っているはず。そのリスクと運用利回りの前提がどれだけ現実的かを判断するためには、例えばこのポートフォリオであればこれくらいのリスクで、1年間あるいは5年間でこれくらいの損失があり得るが、大体これくらいの利回りが妥当、という形で説明される必要がある。このようにリスクが一緒に説明されなければならないことを考えれば、ポートフォリオと財政計算の前提条件はセットで議論されなければならない。
・経済前提と利回り目標はセットで与えるものだろうが、それだけではリスクが一義的には決まらない。運用目標だけを与えると、それを是が非でも達成するために、大きなリスクを取るかもしれない。主務省を中心に内閣全体で、運用組織に対し、運用目標と基本ポートフォリオをセットで与えないといけない。今でもGPIFは基本ポートフォリオがあって、その先の運用については、GPIFの判断で運用先を決めるなどしており、かなり大きな裁量がある。数値目標だけでは足りない。
・GPIFは、運用目標がリスクとの兼ね合いで達成できないからといって、運用を拒否することはできないから、運用目標を決める段階で議論へ参画し、現実的な目標を設定する必要。
・運用目標だけでなくリスクやリスク許容度まで与えるとなるとかなり専門的。GPIFがどこかで参画する必要があるか、あるいは、別途専門部隊が必要かもしれない。
・GPIFの運用目標の議論の参加については、投票権はないが参加するといったイメージか。


以上


年金局総務課 企画調査係

TEL: 03−5253−1111(内線3358)

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