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2010年9月17日 第32回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成22年9月17日 9:00〜11:56


○場所

ホテルメトロポリタンエドモント


○出席者

山崎、岩村、貝塚、石川、井部、天神(代理:斎藤参考人)、勝田、
川合(代理:内藤参考人)、河原、北村、木村、葛原、久保田(代理:藤原参考人)、
小西、木間、小林、齊藤(秀)、齊藤(正)、田中(石橋参考人)、土居、
野呂(代理:青木参考人)、橋本、藤原、桝田、三上、結城、吉田の各委員
櫻井委員は欠席

○議題

(1)保険者の果たすべき役割について
(2)その他

○議事

○大澤総務課長 それでは、定刻となりましたので、若干遅れて来られる委員もいらっしゃるようですけれども、ただいまより第32回「社会保障審議会介護保険部会」を開催させていただきます。本日は、朝早くから御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 なお、本日は櫻井委員が御都合により御欠席との連絡をいただいております。
 また、本日御議論いただくテーマにも関連するということで、本日も経済産業省の商務情報政策局の間宮サービス政策課長に御出席いただいておりますので、御紹介いたします。

○間宮経済産業省商務情報政策局サービス政策課長 経済産業省サービス政策課長間宮でございます。前回に引き続き、今回もよろしくお願いいたします。

○大澤総務課長 それでは、山崎部会長、議事進行方、よろしくお願いいたします。

○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。本日は「保険者の果たすべき役割について」「(1)介護保険事業計画の充実と介護基盤の計画的整備」「(2)必要なサービスを確保するための方策」の2項目を最初に御議論いただきます。そして、休憩を挟み「その他」として「介護療養病床の現状について」を御議論いただくことといたします。
 最初に「保険者の果たすべき役割」につきまして、説明と御議論をお願いしたいと思いますので、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○古川介護保険計画課長 資料1をお開きいただきたいと思います。
 1ページ、1.介護保険事業計画の充実と介護基盤の計画的整備です。時間が限られておりますので、説明が駆け足になる点、御了承いただきたいと思います。
 2ページですけれども、高齢者自身の意向としては、要介護状態になりましても、できる限り住み慣れた地域や自宅で生活したい方が多いということです。
 こうした状況でありますけれども、3ページの65歳以上の方とその子の同居率を見ますと、逐年低下しているということ。2.高齢者の世帯形態を見ましても、高齢者の単独あるいは夫婦のみの世帯がこれから更に増えていくということ。
 4ページですけれども、都市部を中心に高齢者人口が急増することが見込まれていること。こうした状況を踏まえますと、地域で高齢者を社会的に支える体制の整備が急務と言えるということです。
 5ページをお開きください。
 そうした観点に基づきまして、従前より地域包括ケアシステムの整備を推進しているところです。日常生活圏域、30分で駆け付けられる圏域が一つの考え方ですけれども、介護サービスを中心として、医療との連携の強化。できる限り要介護状態とならないための予防の取組み。高齢期になっても住み続けることのできる住まいの整備。更には、介護保険外サービスも含めた、見守り、配食などの多様な生活支援サービスの確保。
 こうしたサービスがトータルで提供されていくことが重要だということです。
 6ページは、地域包括ケアシステムの構築という資料ですが、まず高齢者個別のニーズ、地域でどのようなニーズがあるのかということを正確に把握することが重要になるということです。それを介護保険事業計画に具体的に落とし込んでいただく。そして、それを今申し上げたようなそれぞれの必要な地域のサービスが、言わばネットワークを組んで、相互に連関しながら支援していくことが重要だということです。
 そして、そのコーディネーションを行うのが、下にあります地域包括支援センターの重要な役割であり、地域包括ケアのコーディネートと書いてありますけれども、そうしたサービスをスムーズにつないでいく役割が期待されているということです。
 7ページはイメージですけれども、ある地域に御高齢の方がおられれば、そうした地域の高齢者の状況を踏まえて必要なサービスを地域内に整備していく際の目指すべき一つの姿ということで資料として提出させていただきました。
 8ページは、地域包括ケアの連携フローということです。
 左側に、軽度、重度と書いておりますけれども、軽度の方につきましては、地域的レベルで、例えば見守りとか閉じこもり防止といった支援によって支え、重度な方につきましてはチーム対応、専門職による対応などが必要になるということです。
 いずれにいたしましても、課題を発見する段階にしても、解決を目指す段階にしても、地域のネットワークを確実につくり、それが重要な役割を果たしていくということであります。
 1つ飛ばしまして、10ページをお願いいたします。
 地域の中で、今後どのような論点が重要視されるかということですが、これは既に30回の部会でも提出させていただいた資料です。認知症高齢者が今後増加すると見込まれていることは、皆様御承知のとおりです。
 11ページ、12ページにつきましては、そうしたことを踏まえまして、従来からさまざまな取組みを行っているということの御紹介です。
 また、13ページにつきましては、ある自治体では、介護保険事業計画の中にこうした認知症の取組みを明確に規定し、医療との連携などを含めてさまざまな先駆的な取組みを行っていただいているということを御紹介させていただきます。
 14ページは医療関連ですけれども、例えば2.高齢者の死亡場所です。
 日本の場合は、病院・診療所で亡くなる方が8割以上、在宅の方が11.7%ということですけれども、下の参考のスウェーデンの51%と比較しましても差があるということであり、冒頭申し上げましたように、できる限り住みなれた自宅でという取り組みを進めるのであれば、地域での医療と介護の連携などを強化することが必要だろうということです。
 その一つの取組みといたしまして15ページですけれども、例えば在宅療養支援診療所・病院が真ん中に書いてありますけれども、そうした医療の拠点が、緊急時に入院可能な病院・有床診療所や訪問看護ステーション、薬局、ケアマネジャー等々地域のさまざまな拠点と複合的に連携していただくことによって在宅での生活を支援する、という体制が一つのあり方ではないかと考えております。
 16ページも既に提出させていただいた資料ですけれども、これから重度の方が多くなるにつれ、訪問看護などの医療的ニーズが高まっていくというグラフです。
 17ページも既に出させていただいたものですけれども、医療ニーズが、従前に比べて高まっているというものです。
 18ページは、介護と医療の連携を重要視し、事業計画に明確に位置付けた上で急性期から維持期まで、スムーズに切れ目なくサービスが提供できる仕組みに取組んでおられる自治体の事例です。
 続きまして、住まいの関連です。19ページをお願いいたします。
 特別養護老人ホームの入所申込者の状況です。申込者は全体で42万人、うち在宅の方が約20万人です。
 20ページは、高齢者向けの住宅と施設のストックの状況です。
 高齢者向け住宅、その他の施設・居住系サービス、介護保険3施設とありますけれども、相対的に見ますと、介護保険3施設などに比べまして高齢者向け住宅の数が少ない現状が見てとれるということです。
 21ページ、22ページの各国の介護施設や高齢者住宅の状況を見ますと、いわゆる高齢者住宅の比率が大変高くなっております。
 デンマークにおきましても、施設から住まいへと方針転換し、さまざまな取組みが行われていることは御承知のとおりです。
 こうしたことを踏まえまして、23、24ページですけれども、国土交通省におかれましても、さまざまな高齢者の住まいの整備に取組んでいただいているところであり、2020年を目標として、高齢者人口に対する高齢者向けの住まいの割合を欧米並みとすることを目指し取り組んでいただいているということです。
 また、24ページは、高齢者居住の安定確保に関する法律の一部改正法についてであり、国土交通省と厚生労働省が共管で安定的な高齢者向け住宅供給の促進に向けて取組んでいるところです。
 25ページは先駆的な事例ですけれども、介護保険事業計画の中に住まいの重要性を明確に位置付けて、高齢者住宅の供給拡充に向けて取組んでいただいている自治体を御紹介させていただきます。
 26ページにつきましては、高齢者の見守り、介護予防などを推進していくに当たっては、さまざまなインフォーマルサービスの提供主体があるけれども、現実的には体制が不十分であるなどの理由から連携ができないということが、うまくいかない事由として挙げられているということです。
 こうした生活支援などを進めていくに当たりましては、いわゆる地域力、インフォーマルサービスの強化が大変大事であると思っております。
 27、28ページも既に出させていただいた資料ですけれども、軽度者につきましては生活援助を多く利用されている状況があるということを示したグラフです。
 29ページ以降の4枚ほどは、これも予防なり生活支援の取組みというものを、いろいろな工夫でおやりいただいている先駆的事例ということで自治体の例を添付させていただいております。
 飛びまして、33ページをお願いいたします。
 こうした生活支援の中にはいろいろな取組みがありますけれども、これは経済産業省でお取組みいただいております事例ということです。
 33ページは、中山間地域における生活の見守りサービスということで、健康状況などをITなどを使いながら工夫して見守りをしていただいている事例ですが、これは既に21年度から全国数か所で実施されております。
 また34ページは、過疎地域における買い物などの支援サービスということで、公民館や集会所などを拠点といたしまして、過疎地にお住まいの高齢者などが必要な物資を調達できるための工夫であり、これも生活支援の一つの考え方として御提案いただいているものです。
 35ページも29回の部会で提出させていただいておりますけれども、保険者の判断によりまして地域支援事業を活用して、軽度の方の見守りなり予防サービスなりを一体的に提供することにより、よりきめ細かくシームレスなサービス提供ができるのではないかということで御提案させていただいたものです。
 36ページ以降ですけれども、こうした状況を踏まえまして、地域包括ケアを推進するという前提に立ちまして、具体的に5期の介護保険事業計画をどのように仕組んでいけばいいだろうかということです。
 改めて申し上げますと、介護保険事業(支援)計画は、地方自治体におきまして3年を1期として、それぞれ計画を市町村・都道府県で策定いただいているものです。市町村介護保険事業計画は、各市町村が地域の高齢者の需要や将来必要な介護サービス量を明らかにした上で、日常生活圏域及び市町村全域における計画期間のサービスの見込み量や保険料を決定していただくというものです。
 また、都道府県におきましては、広域的な観点から市町村の取組みを支援していただく計画をおつくりいただいているということです。こうした計画策定のプロセスを通じまして、地域の実情を踏まえた介護サービス基盤の計画的な整備が可能になっているということであり、極めて重要なものだと考えております。
 37ページは、具体的にどのような項目が記載されているかということです。
 また、38ページは、具体的に5期に向けてのスケジュールであり、今年秋ごろから本格的なニーズ調査などに取り組んでいただくことになるということです。
 今申し上げたニーズ調査に関しまして、39ページをごらんいただきたいと思います。
 地域包括ケア推進の前提といたしまして、地域やその地域に居住する方の課題というものを正確に把握することが何より重要です。具体的には、どこに、どのような支援を必要としておられる高齢者が、どのぐらいの数、生活しておられるのかということを正確に踏まえれば、必要な整備量というものもおのずと正確に見込めるということです。
 このため、今般、日常生活圏域ニーズ調査の具体的な手法、より精度の高いニーズを把握できるような手法を今、専門委員会を開催し検討していただいているところでありますので、10月末ごろを目途に自治体の皆様にお示しして、それを踏まえてニーズ調査を行っていただければと考えているところです。
 41ページですけれども、地域の実情を勿論踏まえてということではありますけれども、先ほどから申し上げておりますような課題を踏まえると、5期の介護保険事業計画の中には、例えば認知症支援策の充実、在宅医療の推進、高齢者にふさわしい住まいの計画的な整備、生活支援サービスなどの項目を組み込んでいただくことが意味のあることではないかということで提案させていただいているものです。
 43ページは、論点です。今、申し上げたことと重複する部分がございますけれども、日常生活圏域ごとのニーズ調査を実施し、地域の実情に応じた計画的な整備を進めるべきではないかということ。
 次期計画では、医療との連携、住まいの整備などについても記載することにしたらどうかということです。
 44ページでは、別のテーマといたしまして、参酌標準及び総量規制について御説明申し上げたいと思います。
 いわゆる参酌標準というものは種々ありますけれども、ここで申し上げる参酌標準とは、介護保険法116条に基づき、国が定める指針において、施設などを整備するに当たり参酌すべき標準としてお示ししているものです。
 具体的には、平成26年度において、要介護2から5と認定された方のうち、施設・居住系サービスを利用される方の割合を全体の37%以下とするという考え方です。
 もう一つ、総量規制というものがございます。これは、介護保険事業計画に定めた定員に既に施設整備が達している、あるいは今、申請いただいたものを認めた場合には、それを超えてしまうなど、事業計画に支障を生じると認められる場合は、都道府県なり市町村長はその指定を拒否することができるとされているものであり、その対象は施設居住系のサービスです。
 46ページですけれども、今、申し上げた、施設・居住系サービス整備の参酌であります37%につきましては、既に6月の閣議決定におきまして、地域でどの程度のサービスを目指すかは地域で御判断いただくべきであり、あくまで参酌ではあるとしても、もはや不要という判断の下、廃止することが決定されておりまして、現在その手続に入っているところです。
 他方、総量規制、即ち、計画を超えそうな際に、それを押しとどめるという手法ですが、それにつきましては9月10日に閣議決定されたものの参考資料である「経済対策のとりまとめに当たって検討し、今後引き続き検討する事項」の中に介護総量規制の緩和という項目が入っております。
 これは、先ほど申し上げましたけれども、事業計画が、地域の事情を踏まえて介護サービス基盤を計画的に整備するという意味で、大変重要な役割を持っているということを考えますと、言わばそれを実行上担保する唯一の手段ということですので、厚労省としては意味のある規定だと思っております。いずれにせよ、これから秋以降、引き続き議論されていくことになっているということです。

○川又振興課長 それでは、引き続きまして、必要なサービスを確保するための方策として、保険者機能との関係で、地域密着サービスの整備方策について説明させていただきます。
 48ページは、地域密着型サービスの概要でございます。
 17年の介護保険制度改革によりまして、住みなれた地域での生活を支えるための地域単位の基盤整備、市町村が指定する地域密着サービスが創設されたところでございます。種類としては、下に書いてありますように、夜間対応型訪問介護あるいは小規模多機能というものがございます。
 49ページは、その1つであります小規模多機能型居宅介護の概要でございます。
 50ページは、その利用状況でございます。
 請求事業所2,303、受給者数が4万1,000人という状況でございます。
 51ページが夜間対応型訪問介護の概要でございます。
 夜間における定期巡回あるいは通報による随時対応を組み合わせた仕組みでございます。
 利用状況が52ページにございます。
 利用者数約5,000人、事業所数95か所ということで、伸び悩んでいる状況にございます。
 53ページは、24時間地域巡回型訪問サービスのイメージで、一度これも8月23日に状況をお話ししてございますけれども、現在、地域巡回型訪問サービスの検討会で検討中でございます。
 下の方に主な論点ということで掲げてございますが、利用効果でありますとか、どのような運営体制でやったらいいのか、あるいはどのような報酬体系にすべきなのか、医療や看護とどのように連携していくのかという点につきまして、モデル事業などを通じて検討しているところでございます。その結果につきましては、また来月にでもこの場に御報告できるのではないかと思っております。
 54ページは、保険者機能という観点から、課題、検討の視点ということでございます。
 右側の黄色い四角が4つございますけれども、日常生活圏域ごとの高齢者のニーズ調査をまず行って、地域の実情に応じた計画を策定するでありますとか、保険者の裁量を強化してはどうか。あるいは競争を通じたサービスの質の確保、利用者の選択の保障を図るために、どのような仕組みが必要か。ニーズに合致するサービスをどのように確保するかという視点があろうかと思います。
 55ページは、先ほど総量規制の話がございましたけれども、現在でも市町村・都道府県が計画量を超えた場合には指定拒否ができるという権限がございます。
 56ページですが、地域密着型サービスの普及策ということで、小規模多機能居宅介護あるいは夜間対応型訪問介護につきまして、介護報酬あるいは予算上の補助で普及策を、そこに書いてありますように講じてきているということでございます。
 57ページは、地域密着型サービスにおける独自報酬・独自基準の設定ということです。
 市町村が指定するサービスでございますので、ある程度地域の実情に応じた独自の加算などができる仕組みになっております。まだまだ活用している自治体は少ないわけでございますけれども、この辺りをうまく活用していくことができないかという問題意識を持っております。
 58ページは、地域包括支援センターの概要でございます。
 59ページは、第5期介護保険事業計画との関係でございますけれども、日常生活圏ごとに例えば日常生活圏域部会を設置して、どのようなニーズがあるかということでサービス方針を決定していく。その際には、地域包括支援センター運営協議会あるいは地域密着型サービス運営委員会等を通じて、地域団体とか地域住民が参加してつくっていくことが必要ではないかということでございます。
 60ページは、関連するこれまでの主な指摘事項でございます。
 61ページ、地域密着型サービスに関する論点でございますけれども、現在不足している小規模多機能あるいは24時間対応型のサービスなどの基盤を整備促進するための方策。
 あるいは、質を確保するために、保険者が主体となって日常生活圏域ごとにサービス拠点を整備することができるようにする仕組みについて。
 あるいは、ニーズに合致するサービスをどう確保するかということでございます。
 その論点との関連で、最後の62ページ、保険者による日常生活圏域ごとのサービス拠点の整備(イメージ)でございますけれども、まずは保険者、市町村が日常生活圏域ごとにニーズを調査する。それに基づいて、その圏域内の体制整備を保険者ができるように、保険者の裁量というものをある程度強化していってはいかがかということでございます。それによりまして、地域内でのサービスというものを市町村が自分で考えて、ある程度コントロールしながら圏域内の体制を整備していくことができるのではないか。
 また、例えば公募あるいは選考を行った上で指定するとか、一定期間経過後に再度、公募・選考を行う。競争を通じたサービスの質の確保ということも可能になるのではないか。また、都道府県が居宅サービスを指定する場合にも、市町村等と相談して協議しながら指定していくことによって、圏域内にバランスのよいサービスの供給体制をつくっていく仕組みを目指すべきではないかという問題提起をさせていただいているところでございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして各委員から御意見をお願いいたします。
それでは、勝田委員、お願いします。

○勝田委員 おはようございます。保険者機能強化の中には、正しい情報発信や啓発活動というものがあると思います。その中で、皆さんも御存じかと思いますが、9月21日が世界アルツハイマーデーということで、世界74か国で認知症に対する正しい理解を広めようということで、国内においても全国で展開されます。私たち認知症の人と家族の会は、この30年間、認知症という病気に対する偏見と差別にも悩まされてきました。そういう中で、正しい病気への理解を保険者がもっと強めてほしいと思います。
 と同時に、例えば介護保険が創設されて10年になりますが、いまだに介護保険の利用についてなかなか理解できない、知らないという方が多くいらっしゃいます。市民団体による介護保険ホットラインというところが5年前から電話相談を全国でやっております。そこに寄せられる内容の多くは、介護保険というものそのものをどこに情報を求めたらいいのかとか、介護保険の届出のことについて知らない、情報が発信されていないということに対する相談がとても多いです。
 そういう中では、保険者機能として、この役割を是非もっと強化してほしい。例えば、私たちは提言の中で認知症のコールセンターを全国に設置してほしいといっています。また予算的な配慮もされているのですが、受託する市町村や県段階では、なかなか盛り込まれていない。今後の計画には、情報発信や相談機能をもっと活用するようなことも入れていただきたいと思っています。
 また、保険者機能の強化の中では、家族の会の提言の基本的な考え方の中で、認知症があっても笑顔で生きられる支援体制を整備することとしています。これは、認知症の人や家族が地域・社会に受け入れられ、笑顔で暮らせるよう、仕事の継続や社会参加を支援する施策、市町村の実情に合った施策、地域の資源づくりなどを積極的に進めるとしております。
 けれども、今般の地域包括ケアの推進の中で、特に私たちが大切にしたいということは、例えば地域包括支援センターの役割のことです。地域包括支援センターがこの業務の中核を担うということですが、私たちはもっとこの地域のケアマネジメントをするためには、介護予防のケアマネジメントは地域包括支援センターの業務から外すべきと考えております。
 また、当局にお尋ねしたいのですが、介護サービスの充実・強化ということで、特別養護老人ホームなどを3年間で16万床、緊急整備するということを計画されています。その場合の人材確保をどのように考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 また、今後ますます増大する認知症の患者に対して、認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクトが数年前に発表されておりますが、どのようにこれが進展しているのか。特に、その中で研究開発の推進ということがうたわれております。私ども当事者団体としては、認知症の進行を遅らせる薬の認可についてはなかなか進まないということ。本人たちは1分でも1秒でも早く、薬の認可や根治薬の開発をお願いしたいと願っています。
 プロジェクトの中でも示されていますが、国内でも既に根治薬が開発されていると聞いておりますが、残念ながら治験がアメリカとか外国でされていて、国内ではされていませんが、このことについてはどのようにお考えなのか。私たちとしては、こういうところも含めた計画をお願いしたいと思っています。
 最後になりますが、介護サービスの基盤整備についてです。
 特に地域密着型サービスの整備については、小規模多機能型介護について、私たちは期待しています。ただ、この事業が余り伸びていません。この伸びていない原因についてもお示しいただきたいのですが、もっと小規模多機能を普及していただきたい。一方、夜間対応型訪問介護はわずか95か所、利用者は5,000人にとどまっています。
 こういうことを基本に、今度、24時間365日の訪問巡回型をするということですが、これを引き受けてくれる事業所が本当にあるのでしょうか。デイサービスにお泊まりを付けるという案がぽっと出てきました。これと小規模多機能の整備とどのようにやっていくのか、そのことについてお聞かせいただきたい。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。後でお答えいただくことにしまして、引き続き御意見ありますでしょうか。
 今日は田中委員の代理でいらっしゃっています石橋参考人、お願いいたします。

○石橋参考人 今日は田中委員の代理で来ました日本介護福祉士会の石橋と申します。よろしくお願いします。
 私たち介護福祉士の現場の立場といたしますと、介護保険制度というのは公的な保険制度であり、この制度が持続可能なものになるためには、高齢者の皆さんたちがどの地域に住んでいようが、一定の介護サービスが受けられるようにすることです。そのためには介護サービスの量と質の担保というものが必要だと思います。したがって保険者の役割・機能を強化するとともに、介護サービスにはばらつきがないように、国が一定の基準を示すことが重要なことだと考えております。
 また、介護サービスの質の担保については、介護現場において安定的に質の高い介護サービスを担っている介護福祉士の役割というのは、今後ますます重要になると思います。特にこれから、先ほどから出てきております地域包括ケア、24時間在宅サービス対応の充実を行っていくためには、医療と介護の連携がますます大切になってきます。別途、今、開かれております「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」においては、介護職員が行える医行為についての検討が行われておりますが、私たち日本介護福祉士会としても、社会福祉士法及び介護福祉士法の改正をお願いして、介護福祉士が基礎的な医行為ができるように望んでいるところでございます。また、特に認知症ケアの問題が大きくなっておりますけれども、医療サイドからの認知症ケアも大切かもわかりませんが、日常生活において介護の果たす役割は非常に大きく、日本介護福祉士会では、認知症の方たちに対してよりよい介護ができるように、認定専門介護福祉士の研修を行っているところでございます。今後は更に専門的な認知症の介護ができる専門介護福祉士養成等についても検討しているところでございます。
 このように、私たち介護福祉士というのは、介護保険制度においてサービスの質を担保するという重要な役割を担っていくわけでございますので、これは次回のテーマになるかもわかりませんが、よりよい人材確保対策にそのことが適切に反映されるようにお願いしたいと思っております。勿論、この介護人材養成についても、国だけではなく、保険者の役割であることも明確化していくことが大切であると思っております。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 齊藤秀樹委員、お願いいたします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。ペーパーを出させていただいております。
 保険者の役割・機能というのは大変重要なものだと思っておりまして、4つの点で申し上げたいと思います。
 まず第1点でありますが、これは8月23日の部会の中でも申し上げたことであります。地域支援事業を私は大変大事なものだと思っておりまして、その際はサービスを利用していない人の介護予防も大事だと申し上げましたけれども、保険者機能の視点から考えますと、国の関与が必要最小限のものであっていいのではないか。裁量権を広げて、その地域で実効性のあるサービス提供ができるような仕組みをつくる。それが私は大事なポイントではないかと思っております。
 今日の資料の35ページにその一つのイメージが出されておりまして、現状と総合的なサービスというものを整理していただいております。基本的には、私はこういう柔軟な考え方を取り入れることは賛成でございます。ただし、左側の介護保険の給付の部分にあります介護予防に関する予防給付でございますが、これは給付の抑制につながるという危惧を抱くところがございまして、これを含めてというのは、いささか私はすぐに乗れない話だなと思っております。この部分については慎重であるべきだと思っております。
 2つ目でございますが、地域住民との合意形成があって初めて介護保険事業計画に反映されるはずでございますが、私は住民との合意形成はまだ十分とは言えないと思っております。仕組みとしてはいろいろございます。地域密着型サービスでありますとか、包括支援センターにおける住民参加型の場というのがあるわけでありますが、どうも形式的になったり、場合によっては形骸化しているということが否めないのではないかと思っておりまして、形も大事でありますが、双方向の意見交換ができることが大事であります。
 その意味で、今日、59ページに一つの提案がなされております。私は、これがいいかどうかは別にいたしまして、いずれにいたしましても非常に幅広い観点で、日常的に関係者と関わっていく、双方向の理解をするということは、今後のこの地域包括ケアを進める上で基本となる部分でありますから、形にとらわれずに、いろいろと実効が上がるような仕組みを保険者に是非お考えいただきたいということでございます。
 次に、地域密着サービスのことであります。
 これは勝田委員からもお話がありましたように、伸び悩んでいる実態があります。介護報酬とか使い勝手の課題が従来から指摘されているわけでありますが、私は保険者の関係の視点から見ましたときに、市町村が主体的にサービス基盤を整備する意欲の強弱を見る一つの指標ではないかと思って、従来から見ております。また、今後、地域包括ケアシステムというものを取り組むことになっていきますと、これを見る指標にもなる大変重要なサービスがこの中に含まれているのではないかと考えております。
 先ほど説明の中で、いろいろとニーズ調査をする手法を検討しているというお話でありましたが、大変私は興味を持っております。将来的に「我がまちの介護力」とここに書いてありますが、私は自分のまちの介護力、介護のレベルというものがどの程度にあるのか。これは、住民からしてみるとよくわかりません。全国レベルではどの程度なのか、同じ県内ではどの程度のレベルなのか、こういったものがわかる。
 そして、そういうものを一つの共通の素材にしながら、自分のまちのあるべき介護の仕組みというものを保険者と一緒に考えられるものがないと、どれが軸となって考えていけばいいのかよくわからない。これは研究者の皆様にもお願いして、こういった幾つかの指標というものが今後できていくことを是非期待したいと思っております。
 最後でありますが、私は今後、市町村の介護におけるサービス基盤の格差が広がっていくのではないかと懸念いたしております。そういう意味で、今日御出席の石川委員の稲城市などは、大変有能な職員の方々が大勢いらっしゃると承っておりまして、介護の現場の実態をよく把握している、更に制度に精通しておられる職員というものが私は不可欠になっているのではないかと思っております。
 そういう職員がいればすべて解決するとは思いませんが、市町村格差を是正する一助として、市町村に専門職を置くことを制度化するような方向も、是非検討していただきたいと思っております。
 以上4つについて申し上げました。ありがとうございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、吉田委員、お願いします。

○吉田委員 地域包括ケアシステムを構築していくというのは、地域包括支援センターの役割、住民の声を拾い上げてニーズに合ったサービスをつなげていくという点では、非常に機能的な仕組みであると考えています。
 しかし、保険者、市町村がもうちょっと前面に出てくるべきではないかと考えております。地域包括支援センターができて行政の窓口負担が軽減したことは非常によいことだと思のですが、地域住民の保健・福祉・医療の向上、または虐待防止や介護予防のマネージメントといった総合的なサービスを提供する計画を立てて、それを整備する。そういう市町村の保険者機能というものが、それによってもし損なわれているのだったら、ちょっと本末転倒だなと考えています。
 先ほど齊藤委員の方からも、行政の方に専門職を置くべきだという意見もありましたが、まさにそのとおりだと考えております。
 保険者機能という点では、総量規制について意見と質問をしたいと考えます。
 今回、規制改革の流れの中で、国が一律にサービス量を制限すべきではないという理由で参酌標準の撤廃が閣議決定されたわけであります。それを受けて、厚生労働省としては総量規制を撤廃するという話が出てきているわけですが、介護保険制度の仕組みの中で、更には財政的な制約がある中で、本当に総量規制を外してしまっていいのかという疑問、危惧を持っております。
 総量規制を外してしまって、果たして自治体、市町村は従来どおりに保険者機能を発揮していくことができるのか。この点、市町村の方、または地方自治体の方で御意見があればお聞かせ願いたいと思います。
 また、事務局の方には、これまで総量規制が適切なサービス量の確保という点で、一つの障害といいますか、制約になったというエビデンスがあるのかどうか。もしあれば、それを聞かせてほしいと思います。
 また、総量規制を撤廃・廃止した結果、本来の市場によって適切なサービス量が確保されたという、ほかのサービス産業において事例がもしあれば、是非お聞かせ願いたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、石川委員、お願いします。

○石川委員 まず、勝田委員からお話がありました自治体の、特に認知症に関わる情報発信や相談機能については、特にこれから今まで以上に大きな課題になっていくこともありますので、地域包括支援センターを初め、行政も含めて重点的に取組まなければならないと思っております。
 また、専門職の問題でございますけれども、介護保険制度がスタートしてちょうど10年過ぎたところです。実質的には新しい制度ですから、専門職的な職員を置いていかないと回っていかないのが実態かと思っております。それは今も変わらないだろう。ただ、それをより固定的に制度化するのかどうかということについては、これはおのおのの自治体でいろいろな考え方があるのではないか。しかし、専門職的な職員が必要であるということは、これは事実だろうと思っております。
 それから、吉田委員からお話がありました総量規制の問題ですけれども、これは私どももペーパーを用意してきましたので、そちらの方をごらんいただきたいと思います。総論としては、私どもとしては、総量規制の緩和につきましては反対ということを明確に結論から申し上げたいと思います。
 私ども保険者は、介護保険事業計画において、それぞれの地域で必要な介護サービス量などを見込んで必要な介護サービスの整備を促進するほか、負担と給付のバランスを考慮して介護保険料を決めてきているわけであります。ですから、給付のことだけを考えて決定するわけには当然いかないわけでありまして、負担も常にセットでないと保険料そのものも決められないということに当然なっているわけであります。
 介護保険法では、介護保険の給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態になった場合においても、可能な限りその居宅において有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるように配慮することとされておりまして、こうした観点から、居宅での生活が困難となった高齢者のニーズなどを踏まえて、必要な施設サービス量などが見積もられることになります。保険者は、高齢者が安心して地域で暮らし続けることができるように、地域づくりの観点も視野に入れて、それぞれの地域に適した介護保険の運営に努力してきているところであります。
 現在、国において介護総量規制の緩和が検討されておると聞いております。このことについては、保険者として強い懸念を持っております。いわゆる総量規制は、介護保険事業計画に定めた施設定員を既に達成しているなど、必要量を超過する場合に、都道府県知事、市町村長が指定を拒否できる制度であり、これまで過剰な整備による給付費の増嵩を抑制してきているほか、地域的偏在を防止する効果もあったわけであります。保険者機能を発揮する上で非常に重要な権限だと思っております。
 しかし、総量規制が緩和されますと、実質上、過剰整備を容認せざるを得ず、施設を中心とした介護サービスが特定の地域に偏在した整備が進むことになります。既にこういう問題を抱えている地域もあるわけであります。かつて土地の価格が安いことから、施設の建設が容易な地域に高齢者ニーズをはるかに超えた整備が進んで、極めていびつな事態が生じた地域もございます。地域ごとの高齢者ニーズに即した介護保険事業計画を基盤とする整備が求められているものであります。
 問題となっておりますのは、人件費の高さや地価が高いといった理由で整備がされにくいことであって、総量規制を緩和したからといって解決するものではないと思っております。安易に総量規制を緩和して、地域づくりの観点を無視した量の確保を目指す政策は、保険者として容認できないものであります。介護総量規制の緩和につきましては、明確に反対と申し上げたいと思います。
 また、今日の資料に即してちょっと説明させていただきますと、22ページのデンマークの高齢者施設の流れがあるわけですけれども、求められているのは、多様な高齢者の言わば住宅環境をどう整備していくのかということで、必ずしも介護保険3法に定められている施設に重点を置くということよりは、むしろデンマークの例などを見れば、多様化の方向にいかに方向性をしっかりと定めていくのかということが大きな課題になるのではないかと思っております。
 20ページを見ても、既に全体のバランスからしても、高齢者向け住宅等のバランスが余りにも貧弱であり、むしろこの辺りをいかにバランスをとっていくのかという住宅政策が、1つ大きな目標として掲げられるべきではないかなと思っております。
 以上でございます。

○山崎部会長 小林委員、お願いします。

○小林委員 総量規制の緩和についての関連です。
 介護保険という社会的サービスの仕組みの中で、介護サービスの供給を自由に事業者の判断にゆだねることについては問題があるのではないかと考えております。介護サービスを利用する人がいる一方で、その費用を負担する多くの人がいるわけであり、先ほどバランスというお話がありましたが、両者のバランスの上に介護保険制度という仕組みが成り立っております。
 介護サービスの総量、特に施設関連のサービスについては、その総量によって保険料負担に大きく影響が出てくるわけでありまして、その量を一定程度調整する仕組みは不可欠であり、その調整の仕組みを外すようなことについては慎重に考えるべきであると考えております。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、藤原委員、お願いします。

○藤原委員 保険者の立場から意見を述べたいと思います。
 まず、保険制度が住民から信頼され、将来にわたって有効に機能し続けるということが最も重要でありますし、また最も重視すべき視点だと思っております。現在、消費税議論がどのようになっていくか、また新たな恒久財源がない中で、給付を拡大せよとの議論はおのずと一定の制約があってしかるべきではないかと考えております。
 我々保険者は、住民の皆様方の意見を伺いながら、地域で必要な施設や介護サービスの量と、それを賄う保険料を決めております。給付と負担がうまく均衡して初めて住民の理解が得られておりまして、そういうものがよい制度となると思っています。
 先ほど石川委員からも発言がありましたが、総量規制が廃止や緩和された場合には、地域の住民の意向と関係なく、事業者の意向だけで幾らでも施設を建てることが可能となりまして、介護保険事業計画で想定していない給付の増加につながることが予想されます。地域で必要なサービス量を超える場合には、施設の指定を拒否できる総量規制の仕組みを廃止や緩和することなく、是非存続していただければと思っております。
 また、制度の見直しは、地域に沿ったプランや手法で実施できるよう、ローカルモデルみたいなもので実施できれば、非常に地域としてはいいのではないか。また、専門職等の使い方等も非常に今、大変であります。地域性をしっかり見据えた制度ができればと思っております。
 14ページに高齢者の死亡の場所等が出ておりますが、在宅は11%しかないという数値が出ておりますが、我々は既に30%を超しております。特にがん患者等については、50%近く在宅死をしておりまして、家族と医療機関と施設と連携をとりながら、ローカル的な特色を出しながらやっておりまして、地域でもしっかりやればちゃんとできるという経験も持っております。
 ですから、地域も信用していただきまして、地域に任せることは任せてもらって、そこでしっかりケアできるような制度改正をしていただければと思っておりますので、また御検討をよろしくお願いします。

○山崎部会長 それでは、結城委員、お願いします。

○結城委員 今日はペーパーも用意していますので、ごらんいただければと思います。
 介護保険事業計画については、今まで委員の皆さんの御指摘もありましたが、地方分権の理念を重視して、保険者機能、裁量権を拡充していくべきだと私は思っております。例えばアとかイに書いてあります。イは、今、地域支援事業においては、できるだけ保険者の裁量でサービスメニューを増やすことも考えていくべきだと思います。
 なお、任意事業や要望事業がありますけれども、40歳以上の方もサービスが拡充できるようにしていくべきだと思います。ただし、この場合は保険者の皆さんの負担があるので、理解もなかなか難しいと思いますが、その辺は御配慮いただければと思っております。
 いずれにしろ、保険者の判断で地域支援事業をうまくしていかないと、今日資料にありました、いろいろな介護給付以外のサービスを補てんしていく上では、一般財源を投入するという自治体は、できるところはいいですが、できないところは地域支援事業に頼らざるを得ないと思っています。
 2番目は、地域密着型サービスについて、以下のとおりです。
 総量規制ですが、保険者の方々の御意見、私はほぼ賛同できると思います。総量規制についても賛同できると思います。ただし、注意していかなければならないのは、44ページの介護保険事業計画というものが、それぞれの介護現場のニーズに本当に合っているのかどうかということが私は必要かと思います。
 もしかしたら余りお金を出したくないので、本当は定員がもっと必要なのだけれども、いろいろな理由で介護保険事業計画で定員数をここまでにしている自治体もあることも考えられますので、この総量規制の議論というのは、介護保険事業計画がいかに現場のニーズに達しているかどうかを議論して、私はやっていくべきだと思います。
 その意味では、私のペーパーの実施指導などは次回の議論ですけれども、果たして今の市区町村保険者、都道府県も含めて、現場力がきちっとあるのかどうか。現場力はしっかりと勉強なさっている保険者も勿論あると思いますが、措置制度に比べて現場というものをなかなか持っていなくなりました。その意味では、現場力を高めることが介護保険事業計画をしっかりとしたニーズに合ったものにできると思いますので、ある意味、例えば地域包括支援センターなどは、1個は直営でやるとか、ニーズを把握して介護保険事業計画をきちっとつくるというのが私は重要な視点だと思っています。
 以上でございます。

○山崎部会長 橋本委員、お願いします。

○橋本委員 地域包括ケアについて少し発言させていただきたいと思います。
 地域包括ケアはこれから進んでいくべき大事な方向だと思うわけであります。今回、システムとしてはいろいろなお話で示されているわけでありますけれども、実際、これを進めていくソフトの部分がケアマネージメントだと思っています。地域の中でのケアマネージメント、現在の一番の問題点は、予防のケアマネージメントと介護のマネージメントが別々につくられる形に今はなっているところで、これは是非包括的なケアマネージメントが地域の中でできることを確保することが大事なことだと思っています。
 2つ目、この地域包括ケアを進めていく上で、大切な、小規模多機能型の居宅介護のケアマネジメントでございます。小規模多機能のサービスを利用される方は居宅に生活されていますが、ケアプランは小規模多機能がつくることになっております。
 そうすると、地域で生活している人のケアマネージメントを小規模多機能がするわけでありますけれども、小規模多機能としての援助計画はともかくとして、地域で生活すること全体を含めたケアプランをつくることが難しい。そこが、地域包括ケアの中で小規模多機能のサービスを利用しながら、在宅生活を続けていく上で問題があると考えております。
 地域で生活していく上では、小規模多機能サービスだけではない、入退院の支援やインフォーマルサービス利用までしながら地域で生活し、また、そこから施設サービスへの移行ということもございます。
 その辺の支援をしていく上でのケアマネージメントの機能を担保できていないということが、小規模多機能の大きな問題になっていると理解しております。そういう意味でいえば、連携加算とか、小規模多機能にはっきりとケアマネージメントの機能を持たせて費用を積算するということが必要になってくるのではないかなと思っております。
 具体的に申し上げて、小規模多機能を利用する方は、地域で生活しているということに着目して、地域の居宅介護支援事業所のケアマネージメントと、小規模多機能のケアマネージメントと、ケアマネージメントの費用を案分できる形であるとか、あるいは小規模多機能にそういったケアマネージメントのコストを算入するといったことをして、地域での生活がずっと続けていかれるような、ケアマネージメントの支援体制をつくっていくことが大事ではないかなと思っています。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、木間委員、お願いします。

○木間委員 総量規制と住まいの制度について申し上げます。総量規制を特定施設の側面からとらえてみたいと思います。
 特定施設の中には、介護サービスの質や料金に関する苦情の多いホームがありますが、現在、そのようなホームの既得権益が守られ、新たなホームが参入できないというのであれば、総量規制は撤廃した方がよいのかもしれません。特定施設については、指定を拒否しているとか、あるいは拒否されたという事例は何件も聞いております。
 ただし、参酌標準が撤廃され、総量規制も撤廃されれば、それだけで民間事業者の自由な参入によって競争原理が働き、優良な事業者が残り、そうでない事業者は淘汰されるようになるのでしょうか。淘汰するには、劣悪なサービスを提供する事業者が高齢者住宅市場に参入しにくい仕組みをつくることが不可欠であります。
 私は長年、こうしたことを言い続けてきましたが、その仕組みができていないのです。引き続き検討するという事項になっていますが、本当に総量規制を撤廃していいのだろうかと危惧しております。
 その仕組みづくりのほかに、東京のある区が実施していることを申し上げます。利用者が介護サービス、特定施設などを利用したいときには心身機能が衰えている、判断能力が不十分な人たちが多く、情報は届きにくいということから、サービス選択のための情報を届ける支援が必要です。介護サービス情報の基本情報を分かりやすく読み解いて、質の違いやトラブルの多い料金について、どういうところを見ればよいのかといった情報を届ける試みをしている自治体があります。
 そのほか市町村が果たすべき役割は多々あります。まず本日のテーマに即していえば、市町村が介護サービスのニーズ調査をしっかり行い、それに基づいた介護保険事業計画を策定することであります。市町村には利用者から苦情が寄せられることは少ないのですが、家族、ホームヘルパー、ケアマネジャー、介護職員、住民などから苦情や通報が寄せられているのですから、こうした人々の声に耳を傾けることは非常に重要です。住民が求めているもの、地域の課題がそこから見えてくるはずです。保険者は、介護サービスのニーズ調査とあわせて、住民らの声を分析していただきたいと思います。
 先ほど勝田さんがおっしゃったことですが、市民グループに寄せられた介護サービスに関する相談を見ておりますと、保険者や地域包括支援センターに相談はしたものの、説明を受けたが理解できない、あるいは対応してもらえないといったケースが多く寄せられています。このことは消費生活相談機関に寄せられる相談をみても同じことが言えます。
 心身機能の衰えた人の相談には、相手の訴えを読み取る努力が求められます。ところが、地域包括ケアに欠くことのできない相談と相談対応の重要性について、十分に認識できていない、していない保険者や地域包括支援センターが見られるのも実態であります。
 小規模多機能についても申し上げます。
 小規模多機能を創設したときのことが資料にありますが、中重度となっても生活が継続できるように支援するため創設されたとあります。現在の報酬設定では、経営が成り立たないと事業者は言います。それは、中重度を想定していた創設時と現実はかなりギャップが生じているということであると思います。利用者の平均要介護度は軽いことを事業者が指摘しています。特に要介護1、2の介護報酬が低いということが、経営が成り立たないことの一因であるようであります。
 地域包括ケアを支える重要なサービスである小規模多機能型居宅介護の現状と問題点を踏まえた上でなければ、小規模多機能の普及を加速するということは難しいのではないでしょうか。
小規模多機能の事業者の方々からお聞きした現状と問題点について3点申し上げます。
 1つは、医療依存度が高くなる場合、十分なプランが立てられないということです。小規模多機能は介護度別の定額制ですから、支給限度額から定額分を引いた額の中で訪問看護などの医療系や福祉用具の利用をしなければならないからです。
 2つ目は、泊まりの日数の限度が設けられていないために、一部の事業者の中には年単位の泊まりが見られるそうです。これは当初考えたものと違うのではないでしょうか。
 3つ目は、「24時間365日、可能な限り在宅で」を標榜するフレキシブルなサービスの実現には、現状の人員配置では不可能であると事業者たちは指摘しています。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 川合委員の代理でいらっしゃっております内藤参考人、お願いします。

○内藤参考人 ありがとうございます。うちの川合会長がお休みですので、私、代理を務めさせていただきます。
 今、総量規制ということで給付の過剰ということが言われておりますけれども、給付の不足ということもあるのではないか。そういう意味でいいますと、訪問看護あるいは訪問介護といったものが在宅生活を支える、あるいは終末期を支える、在宅でのみとりを支えるという意味で、訪問系のサービスというものがまだまだ不足していると考えております。
 そういう意味で、訪問系の、特に訪問看護のサービスを考えたときに、私が訪問診療していたときもそうなのですけれども、24時間対応にならざるを得ない。24時間対応するということは、そこに仕事される方の労働環境あるいは事業の継続性ということを考えると、一定の事業規模というものがどうしても必要だろう。今、検討委員会でも恐らく議論されていると思いますけれども、適切な事業規模がどのぐらいなのかということは非常に大切だろうと思います。
 その上で2つほど御質問があります。
 17ページに訪問看護における医療ニーズの高い利用者が増加していると指摘があります。これに追加して、もし事務局の方で訪問看護の滞在時間についてのデータがわかればありがたい。私どもの経験でも、訪問介護と訪問看護の連携がうまくいっていれば、比較的訪問看護も短時間で済むと思いますけれども、どうも実際は残念ながら連携がうまくいかなくて、滞在時間が長くなっている傾向があるのではないかと思いますので、もしその辺のデータがありましたら教えていただきたいということが1つ目の質問であります。
 2つ目の質問としては、医療分野と介護分野の医療職の給与格差があるのではないかということがよく言われます。ある国立の精神神経センターの先生のデータでいいますと、病院の外来の看護職の給与と訪問看護ステーションの看護職の給与は、月4万円、訪問看護ステーションの方が安い。ただ、これは病院というものが何を指しているのか。国公立病院なのか、民間病院なのか、大規模病院なのか、中小病院か。そういった賃金格差もあると思いますけれども、もし事務局の方で医療分野と介護分野の医療職の賃金格差について、資料があるようでしたらお知らせいただければありがたいと考えております。
 その2つ、質問をさせていただきます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 河原委員、お願いします。

○河原委員 保険者の啓発活動ということを勝田委員がおっしゃいましたので、その後に言えばよかったのですが、私の方から、少し違和感があるかもしれませんけれども、介護事業計画の充実と関連付けて、働く者を守る立場から意見を言わせていただきたいと思います。
 5か所ほど、各自治体の介護保険事業計画をネットで拝見させていただきましたけれども、私が確認した限りでは、この5か所には利用者本人や御家族に向けた項目。つまり、制度を利用するに当たっての守るべきルールや守るべきモラルを周知する、啓発活動計画のような項目はありませんでした。
 私は、介護サービスを利用するに当たって、御利用者や御家族の方の制度への正しい理解と利用の仕方、そして守るべきマナーについては、自治体の啓発活動として事業計画の1項目に入れていただきたいと思っております。そうした内容は事業計画に書くべきものではない、あるいは行政が関与すべきものではないといった理解かもしれませんが、介護サービスを利用するに当たってといった内容の啓発活動計画があっていいように私は思います。
 この根底には、現場最前線で働く者の中には、利用者やその家族の制度に対する無理解から来る対応困難事例の報告、人権問題とも言えるセクハラ、パワハラによって心に傷を負い、退職に追い込まれるなどの実態報告が少なからずあるからです。今後、利用者の増加に伴って、ますます被害実態の数も増えるものと思います。サービスを提供する側の者の立場として、やはり看過することはできません。
 働く者の質の向上を言われ続けるのは理解しますが、利用者や家族についても質の向上の議論があってもいいのではないでしょうか。言い方が少々乱暴であるならば、サービスを利用するに当たっての制度の正しい理解とマナーの向上の議論と言いかえます。気に入ったヘルパーしか家に入れない御利用者、身勝手な当日の予定変更、ざらにある、できないサービスの要求、利用者や御家族からのセクハラと暴言、暴力等々。地域包括ケアシステムの推進は推進として、現実に現場最前線が抱えている課題の再認識と解消策を反映した第5期介護保険事業計画であってほしいと思っております。
 私の方からは以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、北村委員、お願いします。

○北村委員 北村でございます。
 まず、総量規制のところで数々のご指摘があり、その中で当然地域のニーズに合わせて計画ありということでございます。例えば現状のグループホーム。開所前には18名、2ユニットのところはほぼ予約でいっぱいになり、ケアの質と入居者の安全を考慮して、1か月、2か月ですぐいっぱいになるという現状があるということをご認識いただきたい。その計画を適切につくっていただいて地域のニーズに合わせているということであれば、総量規制も必要だということになると思いますけれども、現実がニーズに合っていない、検証がないのではないかということが課題だと思います。是非適切にやっていただければ十分に機能していくのではないかということが現実起こっておることであります。
 一方、特養42万人の入所待ちの問題もあると思っております。そういったものを緩和するには、特定施設とか今のグループホームを市場ニーズに合わせてやっていく、設置していくということの提案でございます。
 その中で、先ほど来ご指摘のあった、良識、常識のある事業者は市場のニーズを見ながら、市場に合わせて展開していくのが基本でありまして、むやみやたらにその地域に何でもつくっていくということはありません。また施設稼働率、入居率がよくならないと採算面で合わない。赤字が累積すると言う悪循環となります。そこで撤退するかどうかということでありますけれども、入居者がいれば簡単には撤退は出来ませんし、都道府県に指定権もありますので、双方が納得でき、かつ市場の分析をちゃんとされたものを計画として強化していくというルールをちゃんとつくっていただければ、総量規制などは必要でなく、自由経済原則が機能していくのではないかと考える次第です。
 市場に合わないものは基本的に出ていく、評価されないのが原則だと思っております。そういったところを是非考えていただければと思っております。
 それと、24時間巡回型及び地域密着、小規模多機能の話でございます。
 54ページの競争を通じたサービスの質の確保と、最後の62ページに少し詳細が書かれています。公募及び適正な選考が必須です。そもそも日常生活圏域の中で一体的にやるということでしたら、一定のサービスエリアが決まって、そこに事業者が参画していく。ということは、その地域は利用者の事業者選択ができなくて、一定の事業者しかないということがあることをどう整理するか。課題であると思います。
 それから、この中で一定期間後、再度公募・選考する。確かに質の向上のためには必要な制度だと思いますが、一方で、公募で一定期間過ぎたところで事業者が変わった場合、そこで働いている人たちの雇用、継続をどうするのだという問題もありまして、そういったところもちゃんと整理しながらやっていかなければならないということを考えておる次第でございます。
 適正な競争しながらサービス提供する、また事業を継続する、生き残っていく事業者であるべきだというのは当然のことだと思っておりますけれども、その辺を仕組みとしてちゃんとつくっていくべきだと思っている次第です。
 24時間巡回型の検討会を実施されているということでございますが、あわせてこの部会の中でもさまざまな課題があると思っておりまして、その検討会の最終的な報告をいただけるとペーパーにもなっておりますけれども、今、その内容が全く開示されておりません。中間報告なり、検討内容を開示いただくことを是非、お願いしたいと思っている次第です。
 以上でございます。

○山崎部会長 久保田委員の代理の藤原参考人、お願いします。

○藤原参考人 久保田の代理の藤原でございます。5点申し上げたいと思います。
 まず、事業計画等の問題でございますけれども、地域のニーズを十分踏まえて、医療や住宅整備との連携ということに配慮されることは非常に重要であると思っております。保険者の皆様には、その地域の住民のニーズと保険料設定とのバランスをよく見きわめた上で整備を進めていただきたいと思っております。
 2点目に、これはちょっと質問なのですけれども、38ページに事業計画の策定スケジュールがございます。ニーズ調査の手法というのは、別途御検討されているということでしたけれども、どのような調査設計にするのかということを、簡単に概要を教えていただきたいと思います。
 基本指針の策定に際しては、国がいろいろと決めることになっておりますけれども、これはどこで、だれが決めていくのか、この部会との関係も含めて基本知識として教えていただきたいと思います。
 3点目に、先ほどから話題になっている総量規制の話なのですけれども、これは実務的な質問をさせていただきたいと思います。
 44ページに総量規制の仕組みが書いてあるわけですけれども、ここで定員数に達した場合には指定を拒否することができるということでございます。例えば特養に関しては、整備が当初の計画どおり行っていなくて未達成である。一方、ほかの特定施設で見込み量を超えるような申請があった場合には、例えばその代替措置として、地方自治体の裁量で当初計画とは異なるけれども、特定施設の方を増やすとか拡充するということは、実務的に可能なのかどうかということを教えていただければと思います。
 4点目に、先ほど御指摘のあった62ページでございますけれども、日常生活圏域で独占的にサービス提供できる事業者を指定するという話が挙がっております。私もこの仕組みについては、相当慎重な検討が必要なのではないかと思っております。競争を確保するという観点から、公募・選考を行って、一定期間後、また改めて公募・選考を行うということをイメージされているようですけれども、いったん地域独占が成立した後、公募・選考をして具体的に事業者を変えるということは、かなり至難の技ではないかと思います。
 これは公益法人改革等を見ていれば、なかなか進まないのがおわかりになると思います。この制度設計に当たっては非常に慎重な検討をお願いしたいと思っております。あわせて、このような議論をするときに、特定のサービス類型を保護・育成をするという観点ばかりでなく、例えば、既存の施設がもつ機能を地域へ開放していくという視点でも御検討いただければと思っております。
 最後に、こういう地域支援事業の拡充ということにつきましては、やはり地域の福祉向上ということでございますので、これは以前にも申し上げましたけれども、公費で対応するというのが基本ではないかと思っております。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、土居委員、お願いします。

○土居委員 私は、地域包括ケアに関してと、それから総量規制の話について、それぞれ意見と質問を述べさせていただきたいと思います。
 第5期介護保険事業計画をつくるに当たって、私は勿論いろいろなものが大事だと思っていますけれども、特に第4期に比べて思うのは、医療・介護の連携強化という話と、ある意味での官民の役割分担といいましょうか、保険と保険外の役割分担というものを、より明確にしていくということが重要なのではないかと考えております。
 今回、事務局に御用意いただいた資料の中でも、そういう取組み、先駆的事例をいろいろ出されていて、その中でもこれはより全国的に展開されていくのがいいのではないかというアイデアもいろいろありますけれども、1つちょっと懸念したところで申し上げます。33、34ページ、これは経済産業省の方がいらっしゃっているので、ある意味で質問ということになるかもしれません。
 必ずしも介護保険の中でこれを取り込むとか、そういう必要のないような、極端にいえば民間の自発的な取組みで対応できる話でいいのではないか。勿論、条例とかの柔軟運用は公的な役割としてありますけれども、基本的には民間の自発的な取組みでいいのではないか。こういう話は、必ずしも介護保険財政に負担をかけることなく、こういうものも地域包括ケアの中に取り込みながら展開していくことができると思いますけれども、その点はどのようにお考えになっておられるのかをちょっとお聞かせいただければと思います。
 それから、医療と介護の連携強化ということで、実例として18ページに取組みが出されていて、こういう連携は私としても評価できると思っております。単にシームレスに介護から医療というところはいいのですけれども、願わくば私はもう一段踏み込んで、財政面からも重複の排除といいましょうか、質を落とさずに医療・介護が連携することで費用節約的になるところにも、もっと取組みを深めていくことが今後必要なのではないかと思っております。
 それから、医療と介護の連携強化に関連しては、38ページのこれからの第5期の計画策定に向けてのスケジュールという中で、私が思いますのは、特に医療計画は県レベルで策定されているということでありますけれども、介護は市町村。そういうことになりますと、介護保険事業計画を策定するという話と、都道府県レベルでの医療提供体制を整えるというところでの医療計画と、今のスケジュールにあるような段階から積極的に連携を深めていかないといけないのではないか。
 第5期が始まってから連携しますと言っても、計画に盛り込まれていないことをなかなか深く進められないということがあるので、こういう意味では、まさに来年、積極的な計画策定段階の取組みも大事であると思います。
 次に、総量規制に関連するところでありますけれども、確かに保険者の方々からの総量規制緩和の懸念ということは、私も理解できるところがあります。ただ、結城委員、木間委員、北村委員も御懸念を示されたように、必ずしも総量規制が実情に合った形で規制がされているかどうかというところは、要点検なのだろうと思います。
 その意味で、少し事務局に御質問させていただきたいのは、46ページの閣議決定されたとされている総量規制にまつわる方針ですけれども、私がこう読めるというだけの話かもしれませんが、対処方針で参酌標準を撤廃し、地域の実情に応じて策定可能にするということなので、直接的に規制緩和と言っているのは、参酌標準の撤廃というところだけと理解していいのかどうか。
 もっとより具体的に申しますと、今、地方自治体にある指定拒否権限をなくすということまでは、この閣議決定の中には含まれていないと理解してもいいのかどうかについては、少しお答えをいただければありがたいと思います。といいますのは、仮に参酌標準が撤廃されても、指定拒否の権限が自治体にあれば、ある意味で最後の最後、自治体の裁量で踏みとどまれるところがある。
 つまり、総量規制が緩和されたということに、参酌標準が撤廃されると一見するとなるのですけれども、地域の実情に応じていろいろ対応できるという意味では、指定拒否権限を行使することも可能になってくるということであれば、その部分では完全に総量規制が撤廃されるという、ある種の自由化というところまでは、いきなりはいかないとなるのかなと思ったものですから、その辺り、どういう関係になっているかということを少しお伺いしたいと思います。
 更に、規制をどう位置付けるかということです。残すのか、撤廃するのかということは、どちらにせよ、39ページ、40ページにある、今、取組まれているという日常生活圏域ニーズ調査の取組みというのは、これは非常に大事なことで、こういうニーズを把握するということは、行く行くは地域でどういう提供体制を整えていくかということに関わる部分では、重要な点であろうと思いますので、これは是非とも積極的に取組みを進めていただきたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 野呂委員の代理の青木参考人、お願いします。

○青木参考人 それでは、論点に沿いまして御意見を申し上げたいと思います。
 まず、日常生活圏域ごとの介護拠点のケア整備の点でございます。
 住みなれた地域である日常生活圏域ごとに高齢者の状況やニーズを調査して、介護基盤等についての地域の実情に応じたきめ細かな整備等を計画的に進めていくということは、介護サービスを的確に提供していくためには有効であると考えております。日常生活圏域における介護基盤といたしまして、今後、地域密着型サービスの果たす役割がますます増大することが見込まれるということから、保険者の判断により、地域の実情に応じた指定基準の設定を可能とするなど、介護拠点の整備をより進めやすくするような方策もあわせて講じていく必要があるのではないかと考えております。
 また、日常生活圏をベースとして介護拠点等の基盤整備を進めることにつきましては、高齢者がより身近な地域で介護保険サービスを受けることが可能となる反面、給付費が増大して、第1号被保険者の保険料の引き上げにもつながるということとなります。このため保険者におきましては、介護保険事業計画の策定に当たり、ニーズや現状をきちんと把握して、計画策定段階から住民に対して、整備するサービス基盤と、それに対する保険料の負担の見込みなどについて十分に説明し、理解を求めていくこと等が重要になると考えております。
 それから、2点目の他の計画との整合性の点でございます。
 高齢者が住みなれた地域で暮らし続けていくには、保健・医療・福祉を初めとして、住まいや交通手段などの確保など、生活に関連するさまざまな施策やインフォーマルなサービスなどを通じて、高齢者の生活全般を地域で支えていく必要があると考えております。このため、市町村の総合計画や関連分野の諸計画との調整を図り、地域の実情やその課題に応じて、重点的な取組事項をこの介護保険事業計画に位置付けるということで、他の計画との調和がとれたものとしていくことが重要であると考えております。
 なお、今般、地方分権の趣旨等を踏まえて参酌標準の撤廃が決定されたことによりまして、それぞれの地域において、地域の実情に応じて在宅サービスと施設サービスの調和のとれた介護基盤の整備が可能となりますが、その反面、保険財政上の理由等から、介護基盤整備に関して保険者間での不均衡が生じてしまうことも懸念されることから、このような不均衡が生じないよう慎重に検討していく必要があると考えております。
 続きまして、小規模多機能等の介護基盤を政策的に整備促進するための方策についての点でございます。
 保険者におきましては、地域に暮らす高齢者の課題やニーズを詳細に把握することが求められており、その上で必要なサービスの提供体制を整備していくことが重要と考えております。高齢化の一層の進行や住みなれた地域での暮らしを確保していく上では、小規模多機能型サービスや24時間対応サービスなど、さまざまな介護基盤の整備が重要と考えております。
 しかしながら、地理的な制約などから介護人材の確保や事業経営が難しく、事業者の参入や介護拠点の整備が困難な場合も想定されるということから、このような地域における基盤整備等につきましては、事業者が参入しやすいような環境を整備することが必要と思います。
 また、これと併せまして、サービス利用に際しての制限がございますけれども、この制限をできるだけ少なくして、利用者の使い勝手がよいサービスとしていくとともに、先ほども御意見がございましたが、サービス内容等につきましても、住民に対して周知・啓発していくことが大変重要であると考えております。
 それから、ニーズに合致するサービス確保策の点でございます。第4期介護保険事業計画の策定に当たりましては、本県でも保健・医療関係者、介護事業者等の福祉関係者、被保険者の代表者などが参画した協議・検討組織を設け、諮問等をして、その意見を聞いた上でこの事業計画を策定している市町村が大部分でございます。
 次期の事業計画の策定におきましても、圏域内で必要となるサービスをより的確に確保していくという観点から、さまざまな意見がこの計画に反映できますよう、このような協議・検討組織の有効活用を図っていくとともに、各市町村の実情に応じまして、地域の課題やニーズを把握するための住民のアンケート、パブリック・コメント、意見交換会などを実施するなど、そういったさまざまな方法によりまして、より的確にニーズの把握を行い、情報共有を図っていく必要があると考えております。
 以上でございます。

○山崎部会長 桝田委員、お願いします。

○桝田委員 まず、35ページの軽度者に対する予防・生活支援ですけれども、29回部会の資料が再度出ていますので、少しここについてお伺いしたいというか、意見です。
 このペーパーをじっくり見ますと、いわゆる予防給付をなくすのを前提でつくられているのではないか。総合的なサービスを地域支援事業を活用して行う。それはよくわかります。いろいろな利点もございますけれども、予防給付をなくして、それの手法として、これを使うためのペーパーであれば、予防給付をなくす云々の議論を再度しないと動けないのではないか。こちらの方が先に走ってしまうのは、少しおかしいのではないかと思います。
 それと、各自治体の役割の問題ですけれども、介護保険の事業計画。まず、参酌標準の問題ですけれども、今回、参酌標準をなくすという方向で動いています。それで、45ページ、参酌標準の最初につくられた41%という数字があって、それが1割カットの37%が決まって、各自治体の介護保険事業計画自体は機械的に37%の数値をつくっていった。それで、各県の状況、今、全国平均値37%。高いところでは48%とか50%という都道府県もございます。
 高いところは、整備がかなり進んでいるから十分である。大都市部周辺はかなり低いので、まだまだだと。低いところはこれから整備すればいい話なのですけれども、では、高いところはもう十分なのかという話になってくる。一番高い40%、45%を超えているところでも、特別養護老人ホームの入所申込者はすべての都道府県でそれなりの人数がおられる。そもそも参酌標準は何かというと、機械的ではなくて、自治体によってそれぞれがどの程度必要かという数量を出すべきである。
 その際に、機械的に高齢者の人数はどうなる、需要はどの程度というパーセントではなくて、今の状況を把握していただいて検討していただきたい。アンケート調査をしますと、今日も2ページに特別養護老人ホームで生活を続けたいというアンケートから来る数字と、入所希望の数字。いざ自分が、または自分の家族の方が要介護4になった、5になったときに選ぶ数字と今、考えている数字はかなり違いがある。そこを考えた計画を各事業計画の中でしていただきたい。
 もう一つは、市町村合併によって市町村がかなり広域化しています。都市部があるけれども、一方、合併によって僻地が含まれてきた。そうしますと、今までの地域の考え方が事業体によってかなり変わってきていますので、日常生活圏域の考え方をもう少し充実して、それぞれの積み上げによって計画を練っていく重要性が非常に高まってきている。今回のペーパーでもかなり出ていますが、そこを重点的に行っていただきたい。
 もう一つ、日常生活圏域ごとのサービス拠点の問題。1つの事業所を指定するというのは、非常に危険性をはらんでいます。いいところが頑張ればいいのですけれども、費用対効果の問題で費用面を考えていった場合に、それこそ一定の指定期間が終わって違う事業所になった。サービスを提供している実際に働いている方がもし総入れかえになれば、利用者の方に大変迷惑をかける。ここはかなり慎重に考えなければ、一定の事業者にお任せするというのはちょっと無理があるのではないかと思います。
 以上です。

○山崎部会長 三上委員、お願いします。

○三上委員 総量規制の問題ですけれども、参酌標準が撤廃されるのが閣議決定されたということなので、この総量規制についてはどうなるのかわからないのですが、第5期介護保険事業計画の策定というのがこれからされるわけで、本来は総量規制、指定権限が残れば、これを基に全体の整備数を規制するのだろうと理解します。
 その中で、ニーズ調査というか、高齢者の実態調査が行われると思いますが、医療依存度についても十分調査していただきたいと思います。先ほどから保険者の方は、費用を減らすために総量規制を厳しくやっているのではないか。それに対する反論として、在宅のみとりも十分あるのだ。がんの終末期の場合には、相当の数、在宅でみとっているのだという話がありました。
 私たちは、平成12年の介護保険スタート以来、10年間経ったわけですが、患者層も変わっておりますし、その人たちを介護する家族の状態も変わっている。社会構造も非常に大きくなっておりますので、その辺を十分に踏まえていく必要があろうかと思います。
 先ほど小規模多機能の問題で、中には医療依存度のかなり高い人があり、今の人員配置では見切れないということもございました。これははっきり申せば、医療依存度の高い人を小規模多機能で見るということ自体が、ケアマネージメントの上から見るとミスマッチである。だから、どういうニーズがあるかということは、きちっとしたケアプランを立てた上で、必要な施設はどういうものか、必要なサービスはどういうものかということで整備目標を立てる、これが非常に大切なのではないかと思っております。

○山崎部会長 葛原委員、お願いします。

○葛原委員 4点、御質問と御意見を申し上げます。
 第1番は、20ページから22ページ、高齢者住宅について、今後は施設の方から地域の住宅での在宅介護。これは私も非常にいいことだと思いますけれども、具体的に高齢者用の住宅というのはどういうことを考えていらっしゃるかについて教えていただきたいと思います。
 例えば老人だけを集めるような住宅を考えていらっしゃるのか。それとも、一時期東京都などでやっていたと思いますが、公営住宅の1階、2階、3階という低層部分はバリアフリーでつくるとか、そういう形を考えているのか、そこら辺がイメージとしてわからないので教えていただきたい。北欧、特にデンマークでは非常に進んでいるというご説明ですが、これはどういう住宅の形で進んでいるのかということについて教えていただきたいと思います。
 第2点は、38ページから40ページ、今度の地域全体の介護のことについて、市町村と都道府県の役割が出ております。けれども、現実的なことを考えますと、例えば現在の交通とか医療圏というのは、市町村単位というよりは、中核都市を中心とした広域圏になっており、病院や商業施設を中心に広がっていると思います。
 そういうことからいいますと、現在の2次医療圏とか3次医療圏のような、県と市町村との中間的な医療圏のような形で考えないと機能しないのではないか。しかも、現在日本ではほとんどの方が病院で亡くなられますので、最期は多分そういう地域中核病院に入院されると思います。そういう現状認識が、特に今後24時間介護体制などを考える時に必要ではないかと思いますので、その辺での御意見があるなら教えていただきたい。
 第3点は、51ページから53ページに夜間対応とか24時間体制についてです。これができれば非常に進歩だと思いますけれども、これは今の医療における救急とか24時間体制と同じで、昼間だけやるのとは全く事情が違って、職員数にしても、規模にしてもすごく大きなものをつくらないとできないと思います。
 そうしますと、例えば小規模多機能というもので、これが担えるとは私はとても思えません。幾つかの施設あるいは幾つかの地域が連帯しないと、特に夜間の見回りとか24時間対応というのはできないと思います。ですから、どういうシステムをつくって24時間体制ということを考えていらっしゃるのか。これは非常に大きな規模で考えないと対応できないのではないかと思っています。
 最後は、何人かの委員もおっしゃっていましたが、特に介護の予防ということでは、利用者とか家族への啓発活動というものを非常に重視していただきたい。たとえば医療機関で見ておりますと、一晩で物すごく大きな褥瘡ができる原因は、寝床のマットや体位交換が不適切な場合が非常に多い。障害を作らない啓発を本人、家族によく教育しておかないと、できてから医療機関というのでは手遅れです。転倒による骨折の予防のためには、家屋の中に入り込んで段差をなくすような指導までしないと、予防はできないわけです。
 介護保険の中に入るかどうかわかりませんけれども、介護予防の啓発活動と生活の場に入り込んで点検するということを是非取り入れていただきたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 齊藤委員、手短にお願いします。

○齊藤(正)委員 資料を拝見して、私の立場ではリハビリテーションという言葉が2か所しか出ていなくて、1か所は回復期リハビリテーション病棟で、あとはほとんどリハビリについては触れられていないので、そこのところを手短に話します。
 介護保険事業計画を策定する上で、個別のニーズ及び地域の課題を把握していくわけですけれども、そのときに生活期の医療・介護のリハビリテーションの必要量とか提供量も把握するべきではないかと思っています。訪問リハビリの拡充等を推進していくのは非常にうれしいことですけれども、具体的に訪問とか通所のリハが、地域特性や利用者の様態を踏まえた上でどれくらい必要なのか、データとして見たことがほとんどない。
 例えば回復期リハビリテーション病棟退院後、どのようなリハサービスを、どの程度受けているのか、あるいは受けたくても受けられないのかというデータが必要だと考えています。参考になる指標を示すことが必要なのではないかなと思います。
 もう一点は、必要なサービスを確保するための計画を立てる上で、地域特性を踏まえた分析が重要だろう。この地域特性というのは、例えばですが、施設だけではなくて、地域の一般病床の数とか療養病床の数とか、そういうところに長期に入っていらっしゃる方々が多いところでは、実は在宅サービスが思ったより増えていない地域があるということは、以前から言われていることです。
 ですから、先ほど土居委員も言われましたが、医療・介護のサービスを、介護保険事業計画には保険医療の事業計画とのすり合わせとか整合性をとっていかないと、本当のところは見えてこないのかなと。十分に検討していく必要があると思っています。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、木村委員、お願いします。

○木村委員 今日の保険者の果たす役割ということです。
 まず、先ほど老人クラブの齊藤委員の方から、自治体に専門職を置くという話がありました。これは、具体的に話すと、私は基幹型の地域包括支援センターを直営で整備するべきだと考えます。本来、保険者が地域包括支援センターを開設する、管理するということでございますので、専門職を置くという17年改革のときの3職種、介護保険がしっかりわかった人を置くという意味での地域包括支援センターの設置だったということで、基幹型の直営ということをまず提案したいと思います。
 次に、今回は第5期の事業計画の策定ということで大変重要な提案があったと思います。39ページ、40ページに記載されていることを約1,600の自治体が本当にやっていただければ、前に進むと思います。過去、私も地元青森市、青森県でこれに関わってきましたけれども、ほとんど科学的分析がされず、39ページの下から3行目に書いてありますが、何となく市民に介護サービス利用意向アンケートをとって、こんなことが欲しい。だから、こうするのだと、全然科学が入っていない形でやってきました。
 今やられているでしょうけれども、日常生活圏域のニーズ調査による計画策定のフロー。先ほど三上委員からもありましたが、利用ニーズも含めたことがしっかりあぶり出されて、その上で策定されることが必要だと思います。そうしますと、地域密着型サービス等々が、どこに、どれだけ必要なのかということがはっきりすることになると思います。
 また、この関連で、59ページで、これはお願いベースでございますが、下の真ん中の日常生活圏域部会から始まって、本来、市町村介護保険事業計画の策定委員会、それと都道府県の支援計画に行きますけれども、今まですべての市町村介護保険事業計画策定と、それから介護保険事業支援計画に介護支援専門員の代表者がすべて入っているとは聞いていません。
 逆にいいますと、地域の実情をよく知っている介護支援専門員の職能団体の代表をすべて構成員として入れていただかないと、議論が出ていますケアマネジメントを進めていく中での必要なサービス。それがどれぐらい、どこに必要なのかというのは、地域で仕事をしているケアマネジャーたちがよく知っているわけです。そこの意見をしっかり入れる形で、これらの委員会の構成員として入れていただきたいと思います。
 最後に質問でございますが、62ページ、地域密着型のサービスの指定に当たっては、私の認識では、もともと公募を通じて適正な選考をしてやってきたという認識があります。逆にいいますと、一歩進んで、先ほど出ました、一定期間経過後、指定を外していくことを今後進めていくことを明確にしたいという提案なのかどうかを、後で事務局の方から教えていただければと思います。
 以上でございます。よろしくお願いします。

○山崎部会長 井部委員、お願いします。

○井部委員 今回は医療と介護の連携がとても重要だと認識しております。齊藤委員と違いまして、今回の資料の中にはたくさん看護という言葉が出てきておりまして、私の立場では看護の充実ということがキーになっていると思います。
 土居委員もおっしゃいましたけれども、医療制度と介護制度のバランスのとれた見直しがきちんと行われるべきだということについては、私もそのように思っております。例えば17ページ、訪問看護における医療ニーズで、ここに項目が示されております。いずれも医療ニーズが増加していると記されているのですけれども、見る限り、例えば胃ろうとか点滴、経管栄養、中心静脈栄養。
 先ほども褥瘡ということも指摘されましたけれども、このようなことが医療の質あるいは適正な医療というところで検討される必要があると、在宅をやっている看護職がよく言うことであります。結局病院を短期に退院させなければならないので、胃ろうをつくるということが起きている状況もあります。医療と介護の単なる連携だけではなくて、医療の質ということをどのように担保するのかという見直しというか、点検の機能が必要ではないかと思います。
 介護保険制度の理念であります人間の尊厳という点で、現在行われているさまざまな高齢者に対する医療処置というものが適切かどうかという点では、検討する必要があると思います。
 それから、第5期介護保険事業計画の策定におきましては、先ほどから出ております日常生活圏域ごとのサービスのニーズをよく把握した上で、計画を立てていくことがとても重要であると思います。このようなことが新たに市町村にかかわってきますと、事務負担が過度にならないようにしていく必要があると思います。私が後で確認させていただきたいのは、日常生活圏域部会(仮称)が制度の中に組み込まれると考えてよろしいのかどうか、教えていただきたいと思います。
 それから、小規模多機能についてさまざまな御意見がありまして、私は木間委員がおっしゃったように、医療依存度の高い方を小規模多機能では困難である。三上委員は、だからだめなのだとおっしゃいましたけれども、ここはもう少し在宅サービスの整備が進められていくものと期待しております。小規模多機能は、訪問、通い、泊まりというフレキシブルなサービスができますので、在宅生活の継続を支援するというコンセプトでは大変すぐれていると思います。しかし、日常生活圏域の中で利用するには、まだ数がかなり不足していると思います。
 それから、利用者の状態像として、がん末期やターミナルの時期であったり、複数の医療処置が必要な方などの、いわゆる医療依存度の高い利用者の泊まりに対応できるところは限られているのが現状であります。ここで1年も泊まっている人がいるというのは、ケアマネージメントの問題があると思います。
 いずれにしましても、小規模多機能の利便性と個別性を生かしつつ、医療依存度の高い利用者が最後まで在宅療養を継続できるような、そのための仕組みと24時間の体制を整えた看護サービスが、小規模多機能のこの居宅介護施設においても実現できるような新たなサービスを是非検討していただきたいと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、岩村委員、お願いします。

○岩村委員 簡単に。
 今日の資料の62ページに出てきている地域の日常生活圏での指定というのと、一定期間が過ぎたらもう一度というものについては、メリットもあると思いますけれども、デメリットも多いので、既に何人かの委員が指摘されたように慎重に考えるべきだと思っています。
 それから、総量規制ですけれども、法学的な観点から、つまりちょっと違った角度から考えますと、資料44ページにあるように参酌標準というものが今あって、そして46ページで、閣議決定で参酌標準は撤廃するということになっている。そこからいろいろな懸念もあるでしょうし、また先ほどありましたように、そもそも総量規制と言ったときの、その総量というものがちゃんと算定されているのかという問題の御指摘もありました。
 一つの考え方としては、現在の介護保険法では見込み量をどうやって算定するかということについては、法律上、規定がないのです。ですので、考え方としてあり得るのは、見込み量をどうやって算定したのかという、その算定方法なり算定の基準というのを計画上明確にせよと条文で書き込むということでしょう。
 もう一つの考え方としては、これとリンクするのですが、例えばある事業者が指定の申請をしたところ、もう総量に達しているということで指定を拒否されたときに、それを争う訴訟の中で、その事業者が、そもそも計画で定めている総量自体のつくり方が間違っているということを援用、主張できるように制度を仕組んでおくこともあると思います。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。たくさん御意見をいただきましたし、御質問もいただきました。事務局の方で手分けをしていただくことになると思いますが、質問にはきちっとお答えいただきたいと思います。御意見についても、補足的な説明が必要であればお願いしたいと思います。

○古川介護保険計画課長 それでは、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 まず、介護保険制度の利用というものが、まだまだ利用者の方によく知られていない。周知されていないがゆえに、利用について少し無理な要求があるなどの御意見がございました。また、事業計画その他を策定するに当たっても、住民の方がもっと実質的に参加できるような仕組みにすべきだという御意見もございました。
 こうした点につきましては、介護保険事業計画におきましても、そもそも住民の方に参加していただく形で計画を作成して頂くなど、介護保険制度に地域の方に参画していただくというのが基本的な考え方としてありますけれども、そうしたことを更に周知していくことの重要性は言うまでもないことでありますので、引き続き5期計画策定に際しても、私どもも自治体の皆様とお目にかかる機会が多くありますので、改めてこうした御意見があったことを説明したいと思っております。
 それから、総量規制の関係で、総量規制があったがゆえにサービスが阻害されたことがあったのかということでありますけれども、条文としては、指定を拒否することができるということになっておりますので、まさに自治体が、サービス量が仮にその事業計画を超えるものであっても、それが必要だと判断されれば実際に指定されるということになります。多くの自治体では、計画を超えて指定しているケースがあります。そうした意味では、必然性が認められる地域の事情があれば、それは自治体の御判断でサービス量が計画を超えて増えていくということも多々あるところです。
 他のサービス事例というのは、正確な情報は持ち合わせておりませんけれども、例えば地域ごとのタクシーの参入規制が制度としてはあるように承知しております。そうした規制についても一時緩和して、余りにも競争が厳しくなり過ぎて、結果として方針を少し転換したやには、聞いたことがあります。こうした制度は、類似しているかもしれません。
 それから、ニーズ調査に関して、今回の特徴は何かということであります。
 今回は、地域ニーズをより正確に見込んでいただこうということで、今回のニーズ調査項目としては単にトレンドを伸ばすということではなくて、実際に世帯構成、所得レベル、単身なのかどうか、お住まいの状況は持ち家か借家かということ。更には、ADL・IADLの状況、疾病状況等々も含めまして、その方の現状がどうなっているのかというのをできる限り把握させていただきたいということでございます。
 勿論余り過度に調査いたしますと、御本人の負担になりますし、自治体にも負担になりますので、今回は最初の試みということでございますので、本当のニーズをできるだけ把握できるような、しかし関係者の御負担も余り重くならないように、悉皆調査でなくサンプル調査でもいいといった点も配慮しながら取組んでいきたいと思っております。
 また、先ほど日程のところで、38ページの右側に基本指針改正の提示とあるが、基本指針はどこで定めるのかという御質問がございました。これは、国の告示において、5期であれば5期の事業計画を定める際の基本的な考え方を示させていただくということです。
 例えば本日の部会で、認知症、医療との連携、住まいというものを書かせていただいたらどうかと提案をさせていただいておりますけれども、本日の議論を踏まえまして、その方向でよいのではないかということでおおむねの御支持をいただけるということであれば、そうしたものを基本指針に記載させていただいて、計画を策定する際に各自治体に考慮いただくということになります。
 あと、交通なり医療圏なりが県単位、市町村単位である一方、計画の単位は市町村単位では少し狭過ぎるのではないかという点であります。介護保険制度は基本的には市町村単位ということでございますので、それをベースにするのが基本的な考え方だろうとは思っております。
 ただし、先ほど医療の関係の資料にも添付させていただきましたけれども、在宅療養支援診療所は地域にあって、そこが中心になってお取組みいただくとしても、例えば、圏域外の病院と連携をとっていただく等、必ずしも必要なものすべて、その圏域内で、市町村内で完結させるという趣旨で申し上げているわけではございません。

○川又振興課長 振興課長です。4点お答えします。
 勝田委員、木間委員ほか何名かの方から、小規模多機能居宅介護についての御指摘がございました。このサービスについては我々としても伸ばしていきたいと思っておりますが、御指摘のように、登録制の問題、報酬の問題、それから橋本委員からございましたケアマネの問題、さまざまな検討課題があると考えておりますので、今後議論していきたいと思います。
 それから、桝田委員の方から宿泊付きのデイサービスとの関連がございましたけれども、こちらにつきましても運営方法、基準等々、さまざまな意見を今、聞いているところでございまして、今後どのような形で進めていくか、検討していきたいと思っております。
 2点目ですが、35ページの図につきまして、桝田委員の方から予防給付をなくすのが前提かという御指摘がございましたけれども、これは軽度者に対して、介護予防、生活支援、見守り、配食といったシームレスなサービスをパッケージで提供するにはどうしたらいいかということでの問題提起のイメージでございます。具体的な制度的な仕組みをどうしていくかにつきましては、今後検討していきたいと考えております。
 3点目ですが、北村委員、葛原委員ほかから24時間の地域巡回型の訪問サービスについての御指摘がございましたが、こちらは今、検討会で検討中でございますが、本日、研究委託先のシンクタンクの方から、議論の中間的な経過ということで、どんな議論がされているかというのが公表されると承知しております。また、皆様方の方にも情報提供させていただきたいと思います。ホームページにも掲載される予定でございます。
 4点目ですが、資料の最後の62ページの図についてでございます。木村委員、岩村委員ほかから公募・選考の仕組みということで御指摘がございました。これは、保険者としての市町村の権限とか裁量をどう高めていくかという問題提起でございます。具体的にどのような形で仕組みをつくっていくのか、今後、議論、検討していきたいと考えております。
 以上でございます。

○宇都宮老人保健課長 老人保健課長でございます。
 内藤参考人から訪問看護についての御質問をいただきました。訪問看護の滞在時間別あるいは要介護度別の回数あるいは単位数というデータはございますが、看護と介護の連携が進んでいるところであれば時間が短くなるという分析ができるようなデータについては、ございません。
 もう一つ、医療分野と介護分野の看護師の給与の格差について比較できるようなデータということでございますが、そのようなものはこちらの方では持ち合わせてございません。
 以上でございます。

○水津高齢者支援課長 葛原委員の方から、高齢者住宅のイメージとして、高齢者だけの住宅なのか、あるいは東京都の例をおっしゃっていましたけれども、高齢者と、そうでない方がいろいろ入っているような住宅なのかというお尋ねがあったかと思います。
 基本的には、今、国土交通省と連携してやろうと思っております対策の趣旨は、今日の資料にもありましたけれども、高齢者の方がバリアフリーの住宅で必要なサービス、介護なり医療なりが提供される。そういう住宅が少ないということなので、そういう住宅の数を増やしていこうということを主目的としています。
 ただ、おっしゃるように、そういう住宅が本当に高齢者の住宅だけでいいのかどうかという議論は、当然出てくるだろうと思います。恐らくは、例えば医療法人であっても、社会福祉法人であっても、あるいは普通の純粋な民間住宅、不動産事業者であっても、そういった事業者だけにお任せすると、当然高齢者だけの住まいということになるのでしょうが、今日の資料にも論点としてお示ししていますように、介護保険事業計画でも住まいの整備を任意事項として書くようにしたらどうかということがあります。
 あとは、各公共団体、特に首長のリーダーシップなりが大きいと思いますけれども、福祉・住宅部局がきちんと連携し、更に企画とか都市まちづくりがきちんと連携してやっていけば、まちづくりという観点からしても、よりレベルが高いというか、いいものができるのかなと思っています。
○千葉認知症・虐待防止対策推進室長 最後になりました。認知症室長でございます。
 勝田委員の方から冒頭の方で、認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクトの進捗状況について、アルツハイマーなどの根本的治療薬の開発を中心に御質問があったかと思います。根治薬につきましては、このプロジェクトにおきましても10年といった長期スパンで検討を進めている状況でございまして、今の段階で具体的に例えば進捗状況がどうかということを申し上げるのは難しい面があろうかと思います。
 ただ、こういった薬の開発を含めました治療方法の開発、あるいは発症予防の対策といった施策をいろいろ打っていく必要性は、このプロジェクトの中にも書かれているように非常に重要なことであると認識しておりますので、引き続き進めてまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○水津高齢者支援課長 済みません、御質問をもう一つ、葛原委員の方からデンマークはどうかというお話があったかと思います。
 松岡洋子さんが書かれた本を読んでの知識ですけれども、デンマークでは基本的に施設はやめた、廃止したということでございます。したがって、デンマークの住宅というのは、その施設が住宅に切りかわったものでございます。松岡先生の本を読みますと、福祉の分野も勿論ですけれども、住宅の分野も、日本に比べると、国とか公共団体、公の関与が非常に強いということになっておりますので、国あるいは自治体の取組みとして、全体としてうまく地域になじんだというか、地域に溶け込んだ住宅に変わっていっているのだろうと思います。
○山崎部会長 あと、総量規制をめぐって、たしか藤原参考人から施設間の代替が可能かどうか。
○古川介護保険計画課長 総量規制につきましては、先ほど申し上げましたとおり、いわゆる指定を拒否することができるという規定でございますので、ほかの施設・居住系サービスについて必要だということが保険者の御判断、都道府県の御判断としてあるのであれば、それについて計画を上回って指定するということは、制度上、問題はございません。
 また、土居委員から参酌標準と総量規制について御指摘がございましたけれども、参酌標準は6月の閣議決定で廃止されました。これは閣議決定でございますので、それを踏まえて、告示の関連部分は間もなく削除することとしております。
 総量規制につきましては、法律上、明確な規定として現存しておりますが、これについては、これからの規制緩和の議論の中で、緩和に向けて見直していったらどうかという項目の一つとして提案されているということであり、これから議論されていくということであります。
 最後でございますが、日常生活圏域部会につきましては、自治体の負担軽減の観点と、できる限り地域のニーズを吸収していただくということの両方を考えて、強制ということではなくてあくまで任意ということで考えております。
○木村経済産業省商務情報政策局サービス政策課長補佐 経済産業省でございます。
 土居先生から、買い物とか見守りサービスの話についてございましたが、基本的にはこれらのサービスは現段階では民間の創意工夫の基にやっているということでございます。ただ、こういうサービスを広めるに当たって、介護保険もしくは自治体の方々と連携を進めていくというのは、一つの大いにあり得る基本政策でございますので、その点、厚労省の皆様と勉強しながら進めていきたいと考えております。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、一通り御議論いただきましたので、これから10分間休憩をとります。26分まで休憩といたします。

(休 憩)

○山崎部会長 それでは、審議を再開します。
 後半は、その他として「介護療養病床の現状について」、説明と御議論をお願いいたします。
 それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料2をごらんください。この資料は、基本的に以前お出しした資料ですので、時間の関係もございますので、少しはしょって説明させていただきたいと思います。
 5ページをごらんいただきたいと思いますが、介護療養病床につきまして、これまで転換施策を進めてきたところでございますが、平成18年4月に比べまして、今年4月は8万7,000床余りに減少しているところでございます。
 6ページ目に書いてございますように、平成18年7月から今年8月までに報告があった、これは医療療養も入ってございますが、療養病床から転換した状況については、こちらに示したとおり、7,000床弱が介護関係施設に転換しているということでございます。
 7ページにございますように、今後議論するに当たって調査を行うということで、8ページに示されました調査を行った結果、最後の9ページ目でございますが、本日初めて出た紙でございますけれども、再編成の調査の結果について、概要として示させていただいてございます。
 もう一つ、別添1と2がございますが、この9ページと別添1を並べて見ていただくとわかりやすいかと思います。
 まず、これまでの転換状況としまして、先ほどごらんいただきましたように、介護療養病床が12万床から約8万7,000床に減少したところでございますけれども、別添1の一番下の表の第2回にございますように、今回は8万4,787床について回答をいただいたところでございます。
 そして、今回の転換についての内容でございますが、別添1の2ページの一番下の表でございます。
 こちらに書いてございますように、約2万1,000床の転換でございますが、1万7,765床が医療療養病床に転換、介護老人保健施設には1,112床、廃止が457床でございます。
 3ページの上に図で示しているところでございます。
 続きまして、別添1の8ページをごらんいただきたいと思います。
 こちらの図表にございますように、今後の転換意向としては、未定が約6割で一番多く、医療療養に転換が約2割、介護老人保健施設へ転換が約1割という状況でございました。
 続きまして、別添2は、医療施設・介護施設の利用者についての横断調査でございます。
 2ページをごらんいただきますと、図1がございます。この図1の一番左側が医療区分1、真ん中が医療区分2、右側が医療区分3となってございまして、医療区分3が医療必要度が高い、1が低いということでございます。ごらんいただきますと、介護療養病棟につきまして医療区分1の方が非常に多い。医療療養病棟と比べますと、その差が非常にわかると思います。
 3ページの上の図2をごらんいただきたいと思います。
 平成17年の調査のときには、医療療養病棟と介護療養病棟に入っていらっしゃる方の医療区分はほとんど差がございませんでしたが、その後、医療療養病棟の方が傾向が変わってまいりまして、平成22年の今回の調査では医療区分2、3の方が非常に多くなったということで、介護療養病棟と医療療養病棟の機能分化が進んでいるのではないかということでございます。
 続きまして、4ページの上の表に医療の提供状況がございますが、介護療養病棟で提供されている医療処置につきましては、医療療養病棟と比較しまして、人工呼吸器、中心静脈栄養などの高度な医療処置の割合が低くて、明らかな差が見られたということでございます。
 下の2つの喀痰吸引あるいは経鼻経管・胃ろうにつきましては、一定の割合で実施されているといった状況がございます。
 それから、5ページの右上の図でございますが、病状の見通しを踏まえて、施設が最も適切と考える今後の療養・生活の場として、黄色の介護療養病棟がふさわしい、つまり現状維持が一番多いのですが、赤い点線で囲ってございます「老健・特養・その他の介護施設・自宅」が適切という回答も大体3分の1あったということでございます。
 それから、この調査結果を踏まえまして、大臣の方から国会で、「平成23年度末までに介護療養病床を廃止するというのは困難であると考えざるを得ない。来年の通常国会での法改正が必要になると思っており、今後、猶予も含めて方針を決定したい」という答弁をしているところでございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。いかがでしょうか。
勝田委員、お願いします。

○勝田委員 利用者の立場から、今ほども御説明ありましたが、先般、23年度末の廃止を延期するという方針が示されたわけです。
 そして、意向調査がされているわけですが、今日の資料2の1ページに、現在の療養病床に入院している患者を退院させず(ベッド数を削減せず)、老人保健施設や特別養護老人ホームなどの介護施設等に転換するものとありますが、これは今、入っている介護療養病床をベッドごとに動かさないということは、それぞれベッドによって老人保健施設対応や特養ホームなどにするということなのか、このことがよく理解できないのです。
 もう一つは、3ページに一覧表があって、医療療養病床、介護療養病床、そして転換型と書いてあるのですが、真ん中の平均的な1人当たりの費用額が,皆さんにアンケートをとってもいまだに6割が未定だというのは、ここで経営的な判断をするということが主な目的なのではないかと思っています。
 私たち利用者の立場としては、安心して療養できる場として療養型が必要だと思っています。ただ、転換を凍結した場合は社会的入院につながるとここに書かれていますが、本当にそうなのでしょうか。いまだに約8万の方が8万のベッドの中で、介護、療養を受けながら過ごされている方たちが、社会的な入院だと認識されているのかどうか。患者は退院させないで、トータルで受け皿数は確保すると言うのですが、ここのところが私たち利用者にとっては、どうしてもよく理解できないのですが、もう一度説明をお願いします。

○山崎部会長 ほかにいかがでしょうか。
石川委員、お願いします。

○石川委員 意見として言わせていただきたいと思います。当初、転換老健ということで、名前も介護療養型老健施設となったわけで、それについてもいろいろな意見があったということを改めて思い出しております。社会的入院等々含めて、医療や介護の効率化を、このことで2,000億円ぐらいの経費の削減になるのではないかという試算等々も出されて、いろいろな議論もあって、そういう方向で進めることになったわけですけれども、実際にはほとんど転換が進んでいないというのは、これはこれでいろいろな評価があるのだろうと思います。
 ただ、行政としてそういうことを決定して、結果としてこのような結末にしかならないというのは、行政に対する不信や、あるいは信頼を損なう結果になっているのではないか。これは政権が変わった云々ということもあるかもしれませんが、それ以前からそういう傾向があったわけで、この点については深刻に受けとめる必要があるのではないかと私自身は思っております。
 以上です。

○山崎部会長 ほかにいかがでしょうか。
それでは、三上委員、お願いします。

○三上委員 介護療養の廃止が一応凍結されたということですが、別添1の9ページ、(2)−2に介護療養から医療療養へというところには、理由として、医療機関として存続させたいが、廃止されるためやむなくということで、やむなく医療療養にいった、あるいはやむなく介護療養型老人保健施設に転換した介護療養病床がございます。これは今後どういう取り扱いにするのか。戻りたいと言ったときに戻れるという形にできるのかということについて、1つお伺いしたいと思います。
 といいますのは、別添2の3ページ、図3、医療区分、ADL区分の分布で、いわゆる転換老健であります介護療養型老人保健施設と、介護療養病床の患者特性、入所者特性が全く同じであるということからしますと、このまままた介護療養型老人保健施設が介護療養病床に戻ることも当然あり得るのかなと感じます。
 先ほど資料2の中で、この転換を凍結した場合に社会的入院につながるのかどうかという話がございました。逆にいえば、転換を進めた場合に、上の方に書いてあります患者の望ましい居場所が確保できるのかということについても大きな問題で、現在、特養においても医行為の必要な人が非常に増えておりまして、介護職に医行為をさせようということですから、医行為が要る人は、3施設の中で医療のあるところを選択するというのが本来ですけれども、それがなくなってきて、すべて介護療養病床がなくなるということであれば、そこでの医療がなかなかできないので介護職にさせるという話が出ているわけです。
 そういうことになりますと、逆にいえば、医療難民的入所みたいな形になりますので、社会的入院という一面もございますけれども、医療難民的入所という一面も当然出てくるわけですから、その辺の考え方を厚労省にお伺いしたいと思います。

○山崎部会長 結城委員、お願いします。

○結城委員 資料を見て質問なのですが、まず別添2の4ページと資料の3ページ、両方見て、別添2の医療行為のパーセントを転換していった場合、例えば喀痰吸引が18.3%、36.8%の方が老人保健施設などに転換したとして、こちらの資料の3ページに、介護療養病床と介護療養型老人保健施設、医師の数が3人から1人になっているのです。
 こうやって医療行為の人が転換していった場合に、医師の数が3人から1人でいいのかどうか。例えば間をとって2人とか、素人的で済みませんけれども、その辺どうなのか、専門家の立場から教えていただきたいと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 小林委員、お願いします。

○小林委員 介護保険制度創設のねらいの一つが、社会的入院への対応として、より介護サービスが必要とされる部分を医療保険から切り出して介護保険で見ようということであったと理解しております。
 資料9ページで御説明がありましたように、介護療養病床から転換が行われた2万1,000床のうち、その85%に当たる約1万8,000床が医療療養病床への転換だったということであり、介護保険の当初の目的、考え方から見て逆の方向に向かっているかのように見えますので、この点はよく議論し、検証する必要があるのではないかと思います。
 まず第1点は、療養病床の適用が介護保険から医療保険に変わったことに伴い、高齢者の方々へのケア、療養の実態が変わったのか変わっていないのかということの検証が必要なのではないかということであります。
 2点目は、トータルの社会的コストとしてどうなったかも明らかにして、議論する必要があるのではないかと思います。医療保険者としましては、介護保険であれ、医療保険であれ、トータルコストとして、より効率的なケアが行われていることが必要だと考えておりますので、その点を具体的な資料に基づいて議論が行われるようにお願いしたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 桝田委員、お願いします。

○桝田委員 資料の3ページで平均的な1人当たり費用額を参考に出していただいていますけれども、例えば介護療養病床と介護療養型老人保健施設と従来の老人保健施設、平均で数値を出していただきますと、要介護度は全く違うのですね。そうすると、同じような状態の方が入っていた場合にどの程度費用が違うかではなくて、平均値が出ますので、非常に大きな差が出てしまう。
 老健施設が31万円で介護療養型が41万円、10万円も違いますよという数値が出ますけれども、介護療養型は今4.4ぐらいの介護度だと思いますので、老健施設より1以上高いですので、同じ状態像の方を比較するデータもこういうときには出していただきたいと思います。それだけの話です。

○山崎部会長 ほかにございますか。
齊藤委員、お願いします。


○齊藤(正)委員 私のところでは、介護療養型も老人保健施設もないのですが、以前は介護療養型医療施設はありました。しかし、病院を経営する立場から考えると、介護療養病床を存続と、今やっていらっしゃる方々は勿論思うでしょう。ただ、経営者の立場で言うと、もう変えたところが176か所あるわけですが、176施設しかないと見るのか、176施設も転換していると考えるのかでは随分違います。
 そうなると、前回もお話しましたけれども、療養病床の取り扱いというのが、医療保険がいいよ、介護保険がいいよと今まで左右に振られてきていることを考えると、もう少しじっくり考えていかないといけないことなのではないかというのと。
 今、桝田委員が言われたのも確かなことで、平均的な1人当たりの費用額、このままうのみにする数字ではないように、入っている方々の状況がちょっと違うかなと感じるので、その辺もあわせてやっていったらいいかなと思います。
 資料の6ページの療養病床からの転換状況を見ると、病床から施設あるいはほかの病床にというデータしか出ていないのですが、以前もお話しましたが、在宅の事業に転換しているところもあるのです。療養病床から在宅サービスへの転換というのも、一つには介護療養型が必要か必要ではないかという議論ではなくて、小規模多機能等の話も出ていますが、在宅のサービスというのは、医療付きの小規模多機能のようなイメージ、そういうものを目指しているところも、私のところに限らず結構あることもわかっておいてほしいと、そう思います。
 利用者にとっては、在宅も含めて、今受けているサービスが決してベストな選択とは言えない、ベストな選択ができているわけではないと思います。仕方なく入院なさっている方もいらっしゃると思います。
 ですが、これはサービスを提供している側も同じような気持ちもあるということも覚えておいてほしいのです。本意ではないと思うこと、それイコール社会的入院ではないですが、今この方がこういう状況でいることはしようがなくてという部分も、いつも背中合わせにあって、本意ではないということを是非理解していただきたいと思います。
 それから、先ほどの介護基盤の計画的な整備をしていく、その最終形は示されますけれども、そこまでの具体的なプロセスが示されていかないと、不安で、動かないのが一番いいとどうしても考えてしまうのではないかと、そんなふうに思っています。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、幾つか質問がありましたので、事務局の方からお答えいただきたいと思います。

○宇都宮老人保健課長 それでは、幾つかご質問いただいたのでお答えいたします。
 まず、勝田委員の方から、患者がいながらにして転換ということについて、ベッドごとに行うのかという御質問がございましたが、これはベッドごとではございません。あくまで病棟単位ということで考えてございますので、その患者の状態を見ながら、可能であればということで転換していくということだと思います。
 それから、その次の社会的入院というお話ですが、これは幾つか御意見いただいておりますが、やはりこちらの論点に書いてありますように、本来、介護保険施設において処遇されるべき患者が、病院である療養病床で処遇されるということは、社会的入院につながるという御意見があるということでございます。
 それから、三上委員の医療療養等から介護療養へ戻れるのかという御質問だったと思いますが、これは制度的に禁止ということはしてございません。ただ、こういった現在の状況の中で、実際にお戻りになるかどうかということだと思います。
 あと、結城委員の方からの御質問は、専門的にということでしたが、事務局というよりは、むしろ委員の先生方への御質問と考えてよろしいでしょうか。

○結城委員 事務局も含めて。私、医師ではないので、どうなのかなと思って。

○宇都宮老人保健課長 医療の内容ということによるのだと思いますが、現在、喀痰吸引あるいは経鼻・経管栄養、胃ろうにつきましては、研修を受けた介護職でもできるようにというモデル事業も行って、そういう流れの中で、医師が3人あるいは2名以上必要であるような医療行為かどうかというところの考え方ではなかろうかと思います。
 あと、桝田委員、齊藤委員の方から、患者の状態像が違うところで1人当たりの費用額の比較をしているという御指摘でございます。確かに療養病床と介護療養型等の老人保健施設等との比較は、若干そういう面もあるかと思いますが、この試算を出している時点では、医療療養病床と介護療養病床、先ほどごらんいただきましたように、平成17年ごろは患者の状態像がほとんど変わっていないという状況でございましたので、そういう意味では医療療養と介護療養についての比較というものは、そんなにおかしいものではないのかなと考えてございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。

○齊藤(正)委員 それでは、一応医者なので。
 介護療養型老人保健施設と従来型の老人保健施設と比べたときに、介護療養型医療施設から老人保健施設に転換していますから、入っている方々あるいはその地域のニーズとしては、重度の方が入所相談は多いと聞いています。それに医師1人で対応できるのかというのは、救急病院ではないので無理ではないと思いますが、かなり負担はかかるだろう。
 もし老人保健施設と介護療養型の老人保健施設が同じような方が入っているなら、区別する必要はないと思いますが、転換した状況では、地域から求められているものは一般的な老人保健施設より少し医療度が高い人。それで果たしてできるかどうか、私はやっていないのでわかりませんが、そこは気になるところです。

○山崎部会長 内藤参考人、どうぞ。

○内藤参考人 今、医療ということで議論になっていますけれども、入所者の方を見ますと、勿論、医療度がだんだん高くなる。あるいはリハビリも非常に必要になってくる。あるいは認知症のBPSD的な問題になったり、利用者の方が多彩になってきています。
 そういう意味で見ますと、資料3ページにありますように、医師が1人で妥当なのかという施設もあれば、あるいは看護職が従来型の老健10人で見られるのかという問題あれば、あるいはリハ職をもっと増やす。地域によって違いはあると思いますけれども、問題は専門職の人員配置というのがそれぞれ個性としてありますので、適切に医者を例えば2人にした場合とか、看護職が今10人なのを15人とか18人にした場合とか、その辺をきちっと評価できる格好にしていただく。
 あるいはそこで行った医療に関して、余り包括するということではなくて、きちっと行った医療は適切に。そういうことによって、介護保険あるいは医療保険トータルのケアの人の削減が多分できるのではないかと考えております。

○山崎部会長 ほかにありますか。

○宇都宮老人保健課長 済みません。先ほどの医療療養病床、介護保険施設の1人当たり費用額の比較の件ですが、大変失礼しました。介護療養病床、介護療養型老人保健施設、それから従来型の老健施設の比較につきましては、要介護度5の金額を出しているということでございます。医療の状態まではそろえてございませんが、少なくとも要介護度につきましては5でそろえた額ということでございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、ほかに特段の御発言がないようでしたら、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。
 次回は「介護人材の確保と処遇の改善策」及び「情報公表制度のあり方」等につきまして事務局に資料を御用意いただき、議論したいと思います。
 このほか事務局から何かございますでしょうか。

○大津総務課長 本日はどうもありがとうございました。
 次回は、来週金曜日、9月24日午後2時から厚生労働省の講堂で開催する予定でございます。文書で御意見がある場合には、従来同様、事前に事務局まで御登録をお願いいたします。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、本日はこれで終了します。どうもお疲れ様でした。


(了)

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