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2010年9月22日 独立行政法人評価委員会年金部会(第29回)議事録

○日時

平成22年9月22日(水)15:00~16:30


○場所

厚生労働省共用第7会議室


○出席者

   山口部会長、川北部会長代理、樋口委員、安達委員、大野委員、光多委員


○議事

(以下、議事録)
 
○山口部会長
 定刻になりましたので、ただいまから第29回独立行政法人評価委員会年金部会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は竹原委員がご欠席となっています。
 まず初めに、事務局から本日の議事について説明をお願いします。その後、所管課から独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部改正について、説明をお願いします。よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは本日の議事について、説明させていただきます。本日の議事は議事次第にありますとおり、年金・健康保険福祉施設整理機構の中期目標、中期計画、及び業務方法書の変更について、ご審議をいただきたいと思います。よろしくお願いします。以上です。

○山口部会長
 それでは所管課からお願いします。

○年金局統括管理官
 年金局統括管理官の泉と申します。よろしくお願いします。中期目標などの改定の審議に入る前に、RFOが2年延長になった法律改正の経緯などについて、若干ご説明させていただきます。後ろのクリップを外していただくと、「参考資料」という資料が付いておりますので、こちらをご覧いただければと思います。
 RFOは、病院以外の全ての施設について譲渡、売却を完了したわけですが、病院についてはRFOが設置されたときから、地域医療に支障が生じないようにしなければいけないという別の議論がありました。そういう中で昨年、政権交代に合わせて、これらの病院の受け皿となるような組織を新たに作ろうということで、地域医療機能推進機構という名前の法人を設置する法案を国会に提出していました。昨年の臨時国会に政府提案で提出し、今年の通常国会、5月には衆議院で賛成多数で可決したのですが、6月に十分審議時間が取れずに廃案になってしまったという経緯がありました。法案が通っていれば、病院をRFOから引き継いで運営するという道筋が描けたのですが、法案が廃案になったことにより、いまはそういう姿がないという状況です。
 このような状況下、RFOの設置期限は、法律で今年の9月末までと決まっており、何らかの法的措置を取れないと、RFOが解散してしまい、病院は残っているけれども、法的根拠がはっきりしなくなるという問題に立ち至ってしまう、このような状況に至ってしまったわけです。
 参考資料にもありますが、このような事態は回避しなければならないということで、本年7月末から8月上旬、参議院選挙の後に行われた国会で、超党派の議員立法でRFOの期限を2年延長する内容の法案が可決・成立しました。このような状況の中で、緊急避難といいますか、そういう形で行われたと私どもも理解していますが、2年延長になったということであります。国会の議論の中では、病院も個別に譲渡を進めていけばいいではないかという議論がある一方、他方では早く受け皿となる組織をきちんと作って、病院を安定化させるべきと、両方の意見が交錯していたというのが実際のところです。
 政府としてこれからどうしていくかというところについては、1頁めくっていただくと、平成22年8月11日に大臣が病院の院長に宛てて出したお手紙があります。参考までに載せさせていただきました。前半のほうは、いま申し上げたことが書いてありますが、中段辺りから、RFOは保険料で設置された施設の譲渡を行うことによって、保険財政に資することを目的とした法人。しかしながら病院については、他の施設とは異なり、地域医療に必要な機能が維持されることは不可欠。したがって、譲渡を行うに当たっても、必要な機能が維持されること。それから、地元の住民や自治体の理解が得られること。こういったことがきちんと満たされるということは、どうしても必要であると。そのために、まず速やかに病院が所在する自治体に意向を確認するなど、そういったことを取り組んでいきたいと大臣が書いているものがありまして、私どもも自治体向けのアンケートをすでに実施しておりますし、こういう条件をクリアできるものであれば、譲渡を進めてまいりたいと思います。一方で、受け皿についての検討というのも考えていかなければならないだろうと思っています。
 病院については他の施設と違って、その次の頁に平成21年3月付けの大臣名通知文がありますが、下の2の所をご覧いただくと、病院に関しては厚生労働省において、所在する地域の地方公共団体の意見を聞いた上で、譲渡対象となる病院を選定し、名称を機構に通知する。つまり役所で病院の選定・通知を行い、それを受けてRFOでは譲渡の具体的な手順に入っていく。こういう考え方の整理をしているので、これに基づいて今後も取組みをしていくことかと思っています。
 いずれにしても、2年延長になっても、2年経った後はどうなるということが何も決まっていないということでは、将来についてまだ不安定な状況であるので、それをもう少し明確化していく一方、円満・円滑に譲渡できるものは譲渡していく。この両方を念頭に置いて、私ども行政としては進めてまいりたいと思っています。背景と法案の関係については以上です。

○山口部会長
 ありがとうございました。ただいまの説明について、ご質問等がありましたらよろしくお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは議事に入りたいと思います。中期目標、中期計画、及び業務方法書の変更について、審議をします。まず事務局から中期目標、中期計画、及び業務方法書の変更の流れについて、説明してください。その後、変更案について所管課及び法人から説明していただく。こういう順番で進めたいと思います。それでは、よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは中期目標、中期計画、及び業務方法書の変更について、ご説明します。中期目標は厚生労働大臣が定め、法人に指示をします。法人ではこの指示を受け、中期計画及び業務方法書を作成し、大臣が認可することとなっていまして、これを一部変更する場合にも同様となっています。
 この中期目標の策定、並びに中期計画、及び業務方法書の認可に当たりましては、独立行政法人通則法の第28条第3項、第29条第3項、第30条第3項の規定に基づいて、評価委員会の意見を聞くことになっています。よろしくお願いします。

○山口部会長
 それでは所管課から、よろしくお願いします。

○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
 中期目標の改正案について、ご説明させていただきます。A3の横の大きい資料に沿って、説明をさせていただきたいと思います。この資料においては、左側半分が、厚生労働省がRFOに示す中期目標の改正案と現行の目標です。それから右側には、中期目標に対応してRFOが作成する中期計画改正案と現行の計画を掲載した資料となっています。中期計画のほうは、後ほどRFOから説明していただくとして、まず中期目標の改正点について説明します。
 まず1点目ですが、前文の所になります。3段落目の3行目からの「中期目標期間の最終の事業年度までに全ての譲渡対象施設」。現行では全ての「出資対象施設」となっていますが、これを「譲渡対象施設」に改めるというものです。この趣旨ですが、これまでRFOが売却を行ってきたサンピア等の保養施設、宿泊施設、会館等のいわゆる年金福祉施設については、中期目標のこの部分において、国、つまり旧社会保険庁がRFOに出資した全ての施設を売却するということをRFOに指示し、この中期目標で示し、実際に全ての売却が完了したわけですが、今後取り組む病院の譲渡については、先ほど統括管理官からも説明がありましたように、譲渡の対象となる病院について、あらかじめ厚生労働省が地方公共団体等との調整を行い、譲渡の対象となる病院を選定し、RFOに個別の病院について譲渡を指示し、これを受けたRFOが譲渡の対応を行うという枠組みにしているところです。
 このため、いまRFOに出資している社会保険病院、厚生年金病院、合計62の病院があるわけですが、この中から厚生労働省が指示した病院の売却を行っていってもらうということで、「譲渡対象」施設と修正しているところです。
 2点目の改正点ですが、第1の「中期目標の期間」という所です。今回の法律改正によるRFO存続期限の2年延長によりまして、中期目標の期間も2年延長し、7年にするというものです。なお、RFO法という法律においても、これまでの存続期限5年から7年に目標期間も延長する旨の改正が行われているところです。
 3点目の改正事項は5頁の左側になります。2の「年金福祉施設等の運営及び資産価値の保全」の(4)の所を追加するというものです。「年金福祉施設等の運営」についてですが、病院も含め、売却するまでの間、RFOはその施設の運営・管理を行うということが法人の目的業務として法律にも規定されています。病院の実際の運営については、全社連や厚生団といった委託先団体に委託されて運営されているわけですが、先ほどの大臣からの病院長へのメッセージにもありましたように、社会保険病院等が地域医療において必要な役割を果たし、また、医療現場で不安や混乱が生じないよう、さまざまな取組みを進めていくということを示しておりますし、今回の法律改正の国会審議において、長妻厚生労働大臣からも病院の運営の改善を図っていくということを答弁しているところです。
 こういった病院の経営をできるだけ良いもの、効率的なものにしていくという観点から、病院運営の委託者であるRFOが、個々の病院の経営状況や資産状況などをよく把握し、その上で病院運営の改善に役立てていく、あるいは必要な助言等を行っていくということが想定されるわけで、今回の改正を契機に、こうしたRFOが取り組むべきことについて、明記していこうというものです。改正点の説明は以上です。

○山口部会長
 それでは法人のほうから、よろしくお願いします。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 それではRFOから中期計画及び業務方法書の改正案について、説明させていただきます。資料1-1の右側になります。現行の中期計画の規定と改正案ということで、並べさせていただいております。まず1頁目ですが、先ほど厚生労働省から説明がありましたとおり、前文において「出資対象施設」の譲渡又は廃止を最終年度までに終了させるという部分について、「譲渡対象施設」について、譲渡又は廃止を完了させるということで、改正をさせていただきたいと考えております。
 続いて5頁の2、「年金福祉施設等の運営及び資産価値の保全」の部分ですが、先ほどの厚生労働省の説明にありましたとおり、(4)の「社会保険病院等」という項を追加するということですので、私どもの中期計画においても(4)として、「病院の経営状況・資産状況の把握等を通じ、適切な運営に努める」という1項を追加させていただきたいと考えています。
 続いて6頁をお開きください。(2)の所ですが、「譲渡の対象となる年金福祉施設等に関する情報提供」という所があります。私ども、300の譲渡対象施設、宿舎も含めると400以上の物件を、一般競争入札により、5年間で公正かつ効率的に売却してきたところです。
 昨今、他の独立行政法人等から、当該独立行政法人等が保有している「こういう資産を売却したいのだけれども、RFOでは、どういう形で売却しているのか」といった照会が多々寄せられているところです。私どもは、あくまで年金福祉施設等の譲渡のために設立された法人ではありますが、公的資産について、かなりの知見を有していると自負していることから、このような照会が外部から寄せられた場合には、これに対して積極的に対応していきたいということで、中期計画においても、譲渡手法に関して外部から照会があった場合には、積極的に情報提供を行うということと改正させていただきたいと考えています。
 続いて8頁をお開きください。今回5年から7年間ということで、中期目標の期間が延長されることに伴いまして、予算のほうも変更させていただきたいと考えています。右側が現行の中期計画予算、左側が今回お諮りする改正後の改正案です。
 まず上段の収入の部分ですが、不動産等売却収入を2,589億円から2,302億円に減額しています。これは、これまで出資を受けた300の福祉施設、それから厚生年金病院について、現行の中期計画における予算が、暫定出資額となっていたことから、これを実際に出資を受けた額に修正し、改正案として提出させていただいたところです。
 また、下段の支出の部分ですが、現行の中期計画において、支出のうち業務経費を251億円から、その枠を超えない形で、私どもで予算の組換えを行いまして、総額としては、改正後において243億円、約7億円の減額ということで、今回、業務経費の支出案としてお諮りしております。
 その下の内訳についてですが、人件費については2年間期間が延長されますので、これに関しては約3億円の増加ということ。それから不動産等売却事業費については、今後の不動産鑑定費用を折り込まないといけなことによりまして、約1億円の増加。それから、その下の不動産等管理事業費については、今後2年間で必要となる病院の整備費、病院にかかる調査費を算定し直した結果として、約18億円の減額ということでお諮りしております。その下の「その他業務経費」については、中期目標期間の2年間延長に伴いまして、約5億円の増加ということで、お諮りしているところです。中期計画については以上です。
 続いてA3の資料1-2をお開きください。業務方法書についてご説明します。右側が現行の業務方法書の規定。今回お諮りするのが、左側の改正案ということです。まず、目次の第3章という所があります。この目次の括弧の中の条数(第15条の2)を、後ほどご説明しますが、今回追加させていただくことから、ここを修正させていただいております。
 続いて2頁、第6条第1項第一号の所です。2行目に中期目標期間として、「5年間」と現行の業務方法書では規定をさせていただいております。今回、中期目標期間が7年に延長されることから、この「5年間」という規定を削除させていただきたいと考えています。
 続いて3頁のいちばん下、第15条の2という所です。先ほど中期目標、中期計画のところでご説明した社会保険病院等に関しての経営状況、資産状況の把握についての規定を追加させていただいております。
 最後に7頁の第36条、情報提供の項です。第二号の下、いちばん下に(4)として、「施設の譲渡手法に係る外部からの照会等に対して、積極的に情報提供を行う」という項目を追加させていただいております。
 業務方法書の改正案については以上のとおりです。よろしくご審議のほど、お願いします。

○山口部会長
 ありがとうございました。ただいまのご説明に対して、ご質問等がありましたらお願いします。

○樋口委員
 よくわからないので、質問させていただきます。出資から譲渡に変わったから、予算のところで不動産収入が減額したというご説明をいただいたと思うのですが、それはどういうことなのでしょうか。過去に社会保険庁から出資を受けた分を全部チャラにして、それをもう一回処理し直すということですか。いままでの分は、いままででフィックスしたと考えていいのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 まず中期計画、それから中期目標の前文の所ですが、今回、出資対象施設という所を譲渡対象施設に修正させていただいたのは、病院に関しては譲渡の指示がなければ、私どもは譲渡ができない。ただし、出資は受けているわけですので、病院の取扱いについて誤解がないように、譲渡対象施設と変えさせていただいたということです。

○樋口委員
 そうしますて、この改正された中期目標では、現行の出資と、病院については譲渡とするのですね。それでいいですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 私ども、病院についても出資は受けておりますが、いまのところは、譲渡の指示を受けておりませんので。

○樋口委員
いままでの分は出資なのですね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 いままで出資されていたのは、出資イコール譲渡施設だったのです。

○樋口委員
 そうですね。収入が減額されるというのは、今後病院に関しては、譲渡価格がどこのレベルになるのかわかりませんが、RFOに譲渡されたときの価格よりもマイナスが大きいから、過去の累積が減ってくると、そう考えられるので質問したのですが、何かピント外れなことを申し上げているでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 この収入についての予算額の変更は、現行の中期計画の収入で挙げさせていただいている、現行の額というのは暫定出資額ということで、実際に私どもが出資を受けた額よりも高く設定されていたということがありまして。

○樋口委員
 平成22年度の予算までは、右側の現行の予算は。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 はい、右側の2,589億円というのは、私どもが実際。

○樋口委員
 この予算は当初の出資金で、その後資本剰余金に振り替えた出資金を評価減する部分がありますよね。売る直前に2回、評価減していますよね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 それとは直接関係なくて、要するにいちばん初めにこの中期目標を作ったときに、暫定の数字でこのくらいだろうと置いたのが2,500億円という数字だったわけです。実際に鑑定をして、出資額を固めてみたら、それが2,300億円になったので、その実際の数字に、この数字を合わせたということです。

○樋口委員
 そうすると、不動産売却収入に実績は全然入ってなくて、平成22年までの最初の中期目標の数字に、今度の2年間の数字を上乗せしたと。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 そうです。

○樋口委員
 最初の平成22年までの売却収入は2,589億円という予算を立てましたね。それからマイナスされているというのがよくわからないのです。マイナスされてしまうというのが、実績と関係なければそれでいいのですけれども。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 非常にわかりにくいとは思いますが、まず法律上の規定としまして、今回の法律改正において私どもの中期目標の期間が、5年から7年に延長されているということがあります。

○樋口委員
 はい、わかります。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 本来であれば、私どもは300施設をすでに譲渡いたしましたので、今後2年間は別の中期目標、中期計画とさせていただくのが非常にオーソドックスな考え方かと思うのですが、法律上の規定として、5年を7年に延長するとされておりますので、私どもの今後の中期目標、中期計画の期間も7年としなければならないという制約があります。

○樋口委員
 はい、それはわかっています。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 それに対して収入のところが、暫定出資額ということで、実際に出資を受けた額よりも高うございましたので、今回実際の出資額のほうに変更させていただいているということです。

○樋口委員
 収入だから出資とは直接関係ないですよね。売却収入ですよね。予算の不動産売却収入だから、譲渡した価格よりも売る価格のほうが、マイナスになるということでしょう。そういう数字ですよね。何か難しいことを言っていますか、私が何か勘違いしていますか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 いまお話になっているのは、当初は実際の出資額がわからないから暫定的な価格でこれを作ったと。ところが、その後の推移の中で鑑定評価をして、実際の出資額が判明したので、今回作り直すのを機に、実際の出資額に修正しましたというお話です。だから会計的にそういうことがあるのかどうかということです。

○樋口委員
 それは実際の出資額に修正して、それにプラス、今度の譲渡予定価格を入れているわけですか。実績額、実際額か知りませんけれど、そういうことですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 そういうことですが、実際にはいくらあるのかわからないのです。病院をどれだけ売るかわからないのです。指示がないとわかりませんから。

○樋口委員
 去年の決算のときの説明で、60何施設というのは出資でしたよね。あの時点では出資で処理されていましたよね。それも全部チャラになって譲渡になるのですか。それは出資でいいのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 譲渡対象施設には、その62施設の中からいくつかが譲渡対象施設になるわけです。
○樋口委員
 でもRFOは出資を受けていますよね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 従来は出資イコール譲渡だったわけですが、今度は出資イコール譲渡ではないということなのです。出資は受けていますけれども、そのうち譲渡すべきものは厚生労働省が決めて指示をしてきたものについて、我々は譲渡対象施設とするということになります。こういうことです。

○樋口委員
それでどうやって計画を立てたのですか。要は、あとで2年間の評価をするに当たって、どれだけ譲渡されるか、まだ五里霧中ですよと、そんなことはないと思いますが、五里霧中という状態のときに、どうしてこうした数字が出てくるのかが私には理解できないのですが。少なくともいまはもう確定しているのですよね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 確定していません。ですから置きの数字です。

○樋口委員
そういうものを議論して、それで決算のときに実績と目標と比較して議論ができるのでしょうか。それはRFOへお尋ねするのが間違いなのか、厚労省に質問するのがいいのかわかりませんけれども、こういう会議を開く前提条件が成り立ってないような気がするのですが。むしろ数字が全然出ないで、いまこういう状況でと、言葉になるのかどうかわかりませんけれども、これで少なくとも次年度の事業計画というか、それはRFOとしては立てなければならないのですよね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 来年度は立てなければなりません。

○樋口委員
 決して行き当たりばったりだとは思いませんけれども、言われたものをやりましたよと、そういうことになるわけですよね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 譲渡についてはそういうことです。

○樋口委員
 だからここで、もっともらしく出されている資金計画や収支計画とか、この予算はそんなにじっくり見てもあまり意味のないものだと。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 どう申し上げたらいいのでしょうか。

○樋口委員
 それは私の考え方ですが。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 当機構の機能は譲渡並びに廃止ですから、本来は、私どもに出資されている部分については、全て譲渡対象施設なのです。ですから、いま出資されているものについて、譲渡収入に計画上挙げるのが本来の姿だと思います。ただし、全てを挙げた場合に、病院は全て売るということになってしまいますね、計画上は。しかし現在は、62病院を全て売ることにはなっていないわけです。でも0というわけにはいきませんね。ですから、取りあえずここで置いている数字は、厚生年金病院の出資額を譲渡額として置いたということなのです。
 しかし、おっしゃるとおり、この計画に対して誰がどういうふうに責任を持つのかという問題はもちろんあります。これは、これから何を譲渡するのかを決めていった場合に、この中味は確定してくるということです。この数字をいくら売るかということが、要するに決まってないということです。ですから決められないということです。

○樋口委員
 わかりました。そういうことでしたら、私としては、左側の24年度の予算では22年度までの予算を修正してあると。それはどれだけ修正されて、それから2年間足した分がどうなって、結果としてこの計の数字になるのですよ、という内訳を一度示していただいたほうが、今後の2年間の評価において、参考にできる資料になるのではないかと思います。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 それはできないです。売る施設が決まっているのが本来の姿だと思いますが、売る施設が決まってないから予算が立てられないのです。

○樋口委員
 それはわかります。いま申し上げてはっきりしているのは、平成22年度の右側の予算がありますね。平成17年度から22年度の予算の数字も見直したとおっしゃいましたよね。だから、この見直した部分というのは。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 この計画上は出資額そのものを置いているのです。実際の決算とは違うのです。

○樋口委員
 実際の決算とは違うけれども、それを見直したとおっしゃいましたよね。それは見直してないのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 ですから一番初めに置きの数字、いまと同じで仮定の数字として置いたものがあったわけです。

○樋口委員
 わかりました。そうすると、平成17年度から22年度の予算は、左側の17年度から24年度の予算を、22年度の予算プラス2年度の予算と考えていいですか。数値は、旧来の数字は動いてないと。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 いや、支出のほうは動いてないです。

○樋口委員
 収入の部でも収支の部でも何でもいいですけれども。

○年金・健康保険福祉施設整理機構総務部長代理
 繰り返しになって大変恐縮なのですが、収入のほうは先ほど理事長がご説明申し上げたとおり、積算の根拠となっている対象物は同じです。平成17年当時の2,589億円という額は、とりあえずの暫定の出資だったと。実際に出資を受けてみて、今回同じものを積算をしたところ、2,302億円に変わっていますということですので、実際に私どもが出資を受けた額に修正させていただきたいということです。

○樋口委員
 そうすると、平成22年度のあとの23、24年度の数字は、2,302億円の中に入ってこないということですか。私が伺っているのは、17年から22年までの数字プラス23、24年でこの計画が作られているのでしょうとお尋ねしているのです。それでなくて、17年から22年の数字はもう全部見直して、それでプラスにしたと、そういうことですか。

○年金局統括管理官
 中期計画ですが、私のほうから補足的に申し上げますと、平成22年までの5年分に2年分を乗せたということではないです。変わっていません。なぜ収入額2,589億円が2,302億円になったかというと、2,589億円を算定した時期においては出資額がまだ未定だったからです。その後この計画が策定されたあと、出資額が決まっています。17年度が始まったあとで国のほうで出資額を確定させています。その数字に今回置き換えたという、そこの修正だけだということです。

○樋口委員
 わからない。

○山口部会長
 先ほど、理事長は厚生年金病院の分を入れたとおっしゃったのですよね。
○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 3月の2,589億円というのは、これは私の理解ですが、301施設と、厚生年金病院を平成17年、我々がまだ来る前に、この部会が開かれたと思いますけれども、そのときに出資額を想定して、2,589億円という数字をこちらの委員会に事務局が出したのだと思います。実はこの2,589億円というのは301施設プラス厚生年金病院で、その出資予想総額だったわけです。今度の2,302億円は、厚生年金病院を除いた301施設と宿舎の実出資額2,015億円に厚生年金病院の現状の出資額を売る額と仮定して、これらを合算した実出資額なのです。2,015億円というのはいままで売った額です。

○樋口委員
 300施設プラス厚生年金病院。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 301施設プラス宿舎です。それが2,015億円です。あと厚生年金病院の出資額が約300億円弱あるのです。これをいくつ売るのか決まっていませんし、まだ指示も受けていませんので数字としてわかりませんから、とりあえずその実出資額を乗せて2,300億円にしましたと、こういうことです。

○樋口委員
 ですから右と左では平成22年度までの数字が変わっているのでね。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 そうです。

○樋口委員
 そうおっしゃっていただければ私も早くわかりました。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 それをいままでご説明していたのです。

○樋口委員
 わかりました。変わっていますね、そうすると、ここのところの新しい予算のこれから2年の分がどういう数字なのかはわからないとおっしゃっても、ここに入れているわけでしょう。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 厚生年金病院の約300億円分が載っているということです。

○樋口委員
 そうですよね。ですからそこを明記していただいたほうがよろしいのではないでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 どの病院を売るか現時点ではわからないから、一旦ここに置ける数字だということを申しているわけで、それはどう置いてもいいです。どう置いてもいいけれども、とりあえずこれで置いたということです。
 ですからこの数字の意味が何かというと、これをベースにして評価をすることがどうなのかということに関して言えば、それは指示が出たときに出資総額はいくらになりましたと、これに対してどういうふうにやりましたということをこちらにご報告するということです。

○樋口委員
そうするとRFOとしては、来年の決算は、大変失礼な言い方ですけれども、行き当たりばったりだという話でよろしいのですか。しかし行き当たりばったりとはもちろん現実にはないでしょうから。RFOとしては計画が立てられないですね。1カ月か2カ月先しか、と考えていいのでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 現時点では、譲渡という意味で行動計画を立てることはできません。指示がありませんから。

○樋口委員
 維持保全とか、今後病院の経営にいろいろ指導するという、先ほどご説明があったのですが、そういうことに対して責任は持てるのですか。大変失礼な質問を承知の上でしているのですが。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 責任を持たなければならないということです。

○樋口委員
 どんなやり方ですか。病院経営などに特化されたコンサルタントとか、そういった人たちを駆使するのですか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 まず、ルーティンの仕事としましては、病院の整備に関して一定のルールに基づいて申請が上がってまいりますので、その病院の整備が妥当な整備であるかどうかを検証し承認を与えるという仕事があります。これがルーティンの仕事になります。10月以降に何をやるか、これも具体的に決めていきます。現在の病院が今後自力で運営されていくために、どのような基盤が作られなければならないかということは、いずれにしても検討されていかなければならないわけです。そのために我々として、できることをやっていくということです。

○年金局統括管理官
 今後2年間ということでいいますと、これまでの5年間と仕事の中身が大きく変わるだろうと思います。これまでは、とにかく病院以外の施設譲渡を完了させようということが最大の眼目だったわけですが、そちらは区切りがついたわけです。病院については再三話題に出ていますように、RFOさんが判断して売っていくのではなくて、役所のほうから、この病院は譲渡できるというものを売ってくださいと、1つひとつの具体の指示をしてやっていくということなので、RFOさんから見れば、いつどれだけの指示がくるか、いまの時点ではわからない状態だというのは事実です。ですから、おそらく評価ということになると、終わったあとでどれだけ指示が出て、それをどのように売ったかをご評価いただくのだろうと思います。
 もう1つは、今回の中期目標、中期計画に追加しているところですが、「病院の経営状況・資産状況の把握等を通じ、適切な運営に努める」、この文言に基づいて具体的にRFOさんに何をやっていただくかということは、さらに細部はこれから詰めますが、病院の運営を直接やっているのは、運営委託先団体、全社連、厚生団などですが、直接的にはそちらが運営しているものの、病院保有者という立場であるRFOの立場から、いまいくつかお話がありましたけれども、耐震にも問題がある病院などの耐震改修工事などについて、適切に中身をチェックしていくですとか、あるいはそのほかに、いまコンサルという話でありましたけれども、経営状況のチェックなどを、具体的にどういうやり方をしていくかはこれからですが、そういう面についてもこの2年間に取り組んでいただきたいというふうに思っております。

○樋口委員
 最後に1つだけお伺いいたしますが、厚労省のほうからRFOに譲渡すると、先ほどから譲渡とおっしゃっていますが、その譲渡というのは以前の施設の出資と価格の算定というのは異なりますか。

○年金局統括管理官
 出資されているということ自体は。

○樋口委員
 出資価格の話です。いままで出資するときに、その出資時点の、いままでのご説明を伺っている範囲では、妥当な評価額で譲渡されたと聞いておりますが、その譲渡価格はどうやってお決めになるご予定ですか。

○年金局統括管理官
 すでに出資されておりますので、出資価格は決まっておりますけれども、譲渡価格というのも最終的には鑑定評価していただいた上で価格を決めていくことになります。鑑定評価の具体的な手法の中で、病院の場合には病院としての用途が決められているとか、いろいろな用途が決められていないことに比べて制約条件が多いわけですから、そういう制約条件も踏まえた鑑定評価を不動産鑑定士の方々にしていただいたものが目安になっていくということだと思います。

○樋口委員
 いままで出資されているものだけが譲渡の対象ですか。新たなものはないのですか。

○年金局統括管理官
 新たに出資するというアクションはないです。

○樋口委員
 出資ではなくて、すでに平成22年3月末の決算の時点で出資されていた60いくつ施設ですか、ものが全部対象ですか、それ以外に広がることはないのですか。

○年金局統括管理官
 病院については平成17年ではなくて、20年10月に出資をいたしました。

○樋口委員
 平成22年3月の決算のときに載っているというか、出資されていた。

○年金局統括管理官
 はい、すでに出資されているもの以外に、新たに出資をするという予定はありません。

○樋口委員
 出資ではなくて、言葉が譲渡になるのでしょうけれども、RFOに移る予定の病院はないのですか。

○年金局統括管理官
 譲渡という言葉が、RFOに国から移すという意味であれば、そういうものはないです。

○樋口委員
 ないのですか。

○年金局統括管理官
 はい。いまRFOが所有している病院のうちのどれだけを譲渡するようにという指示をするということです。

○樋口委員
いま所有しているのはRFOですよね。

○年金局統括管理官
 そうです。

○樋口委員
厚労省が譲渡するというのはどういう手続きですか。

○年金局統括管理官
 いま「譲渡」という言葉を使っているのは、厚労省が譲渡するのではなくて、RFOが別の方に譲渡するということです。病院を運営する別の方に、「売却」と言ってもいいですけれども。

○樋口委員
 そうすると、その譲渡の権限というのは厚労省にあるから、RFOとしては指示が出るまで行動に移せないということになるのですか。

○年金局統括管理官
 それは先ほど、参考資料でご覧いただきましたけれども、去年の3月に舛添大臣名で出した通知といいますか、そのときに具体的にどういうやり方を病院でやるのかということを役所の中で、当時の政治の方面ともいろいろ相談した上で、そういう枠組みでいままでやってきていると。その枠組みで譲渡というか売却と言ってもいいですが、RFOが別の方に病院を譲り渡すということが行われた実績としては、浜松の病院、こういうことです。今後2年間のうちに、さらに別の病院についてもそういうことを取り組んでいくことになろうと思います。

○樋口委員
 すみません長い時間使ってしまい。

○山口部会長
 ほかの委員の方、どうでしょうか。

○川北部会長代理
 いままでの例としては浜松の病院があったと思うのですが、もうすでにこの病院を譲渡されて、漕ぎ着けられているわけです。そこはかなり役に立つ、それが1つの事例というか、今後の踏み台みたいな形になると考えてよろしいのでしょうか。

○年金・健康保険福祉施設整理機構理事長
 それはそうですね。ただ、浜松病院の場合はすでに廃止され、健康管理センターを除いてはほとんど廃止されておりましたので、廃止された病院を譲渡したという点では、本格的な譲渡ではなかったと思います。ですから病院を譲渡する場合、単なる不動産の譲渡とは全く異なっていまして、それをどういうふうに引き継いでいくかということは、極めて幅広いことがあります。したがって、病院の譲渡はそう簡単ではありません。1件を譲渡するのに、最低でも半年、1年という時間はかかるものです。健康管理センターを併設しているものについては、大体、年度で回っておりますので、譲渡で所有権が移転する時期というのは年度末でないとできないというのがあります。私どもの期間は2年です。そういうような意味で、年度末に譲渡が完了するという機会、チャンスと言いますか、平成24年3月末に、いくつ引き渡しができるかというのが現実的なことだと思います。
 先ほど来のご指摘は「引き受けて大丈夫なのか」とこういうことだと思います。我々もそういう予定でできあがった機構ではありませんし、そもそもそういう体制も、いま樋口委員のご指摘もありましたけれども、「コンサルタントを使うのですか」ということでしたが、そういうところも使っていかなければいけないのでしょうね。ただ、私どもはある意味、行きがかりでこうなってしまったと、いうところがありまして、そうなってしまったという状況の中で、何ができるかということを真剣に考えているのです。
 やはり病院を潰してしまうわけにはいかないですから、可能な限りその地域医療が守られるように我々も努力していきたいと。守られるように、譲渡していく努力をしたいということが1つ。
 これらの病院をいつまでも放置するわけにはいかないので、可能な限り我々はこの環境の中で努力をしますということを皆様にお約束するしかないと、それだけはご理解いただきたいということです。よろしいですか。

○樋口委員
 いや、私は別に批判しているわけでも何でもないです。ただ、数字がこうやってきちっと出てくると理解できないということで、何度もくどくど申し上げたのです。数字に結び付かないということであれば、むしろそういうことを具体的に目標として挙げるほうがずっとわかりやすいのではないですか。

○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長
 ここが空欄でよければ、我々としては、もちろんここは空欄です。わからないですから。そういうことです。

○大野委員
 どの病院を譲渡の対象にするかということが、厚生労働省からの指示を待たなければいけないというお話でした。ただ、病院の状態を最もよく理解していらっしゃるのがRFOであるので、譲渡といっても、譲渡できる、譲渡の可能性がどのぐらいあるのかをいちばんよく知っていらっしゃるのがRFOであるとするならば、一方的に厚生労働省からこれを売れという指示があっても、それが果たして最適な選択になっているのかどうか、それはわからないと。
 ですから、一方的な指示を待つということだけではなくて、RFOから厚生労働省へのフィードバックといいますか、2年間持っていらっしゃるわけで、その中でいろいろな情報が入ってくると。病院の状態だけではなくて買受けマーケットの情報とか、いろいろな情報が収集できる機会があるはずですから、そういった情報を厚生労働省にフィードバックして、地域医療を守らなくてはいけないという別の観点ももう1つありますが、いろいろな観点から総合的に最適な状態を達成させるためのスキームもあり得るのではないかとは思えるのですが、そういったことはいま前提としてはあるのですか。

○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長
 これは、私がお答えする問題かどうかというのはあるのですが、結局、何を売るかということは、今後どういう組織をつくっていくかと関係しますよね。要するに、今後、社会保険病院や厚生年金病院という病院群がどういう形で運営されていくのかによって、その運営形態の中で、必要な病院なのか必要な病院ではないのかと、まずそこは将来像というのが1つあるのだと思うのです。
 それから地域医療にとって必要か必要でないかという考え方、売れるか売れないかということ。我々は、売れるか売れないかはわかります。だけど、売れる病院はいい病院なのです。だから、我々が勝手に売っていったら、いい病院がどんどん売れて、悪い病院だけ残ります。これは、好ましくないでしょうね。ですから、どの病院を売るべきかに関しては、将来も含めて総合的な判断がなされなければならないのではないかと我々は思っていて、そのために我々ができる情報はお渡ししますと。その上で、総合的な観点から厚生労働省において責任を持って判断をしていただいて、我々に指示をしてください、というのがいまのスキーム、こういうことですね。

○年金局統括管理官
 いま理事長からあったとおりで、役所からRFOに指示というのも、一方的とおっしゃいましたが、一方的ではありません。よく情報交換をしながら指示をするということになりますので、いま理事長からもあったように、RFOでいろいろ情報収集をした上でのことや、むしろ私ども、地方自治体との意見交換と言っていますが、病院の譲渡、売却というのは、ある面、理屈抜きで、地域ではすぐに政治問題化して手がつけられないことになるというのが、あまた起きています。地方議会などからは存続という要望書が、これも積み上げるとすごい高さになるぐらい、すでに来たりしています。そういう状況はあるものの、譲渡が結局いまの組織形態ではなくて、地域毎でしっかり地域医療を担える主体がそれぞれあり得るわけです。民間の医療法人の場合もあれば、地方自治体が自らやろうというケースもあれば、まさにケース・バイ・ケースであるわけです。そういうものが、具体的なストーリーとしてできそうなものかどうかを詰めていくと。その中では、もちろんRFOとさまざまな情報交換も行いながら詰めていくと。そしていけると厚生労働大臣が見定めたら譲渡指示を出すと、こういう形になると思います。

○安達委員
 RFOは課題を解決されて仕事が終わられたのに、全く違う形でこういう病院の譲渡というような、譲渡でなくて、私は何か経営管理をやる感じで説明を聞いていたのですが、そのような全く内容が違う仕事をされるということだと思うのです。評価の仕方についても、そういう意味ではいくら売ったか、効率よく仕事ができたかという形よりも、評価の仕方そのものを変えないと駄目なのかと思います。病院をいくらで売ったかという、これまでのような整理機構の評価の仕方ではなくて、いかに病院を管理し、どうやって効率よく運営できる仕組みに移行できるのかというところでの評価だと思いますので、全く仕事が違いますが頑張っていただければと。我々もそういう評価をすべきでないのかと思います。
 特に病院については、売却とか譲渡とかいう形ではなくて、地域において医療は、特に我々のように田舎にいますと、医療機関がなくなるのは、生活権が奪われることになるのです。そういう意味で非常に重要な役割を果たしているのだと思います。だから、すべて売却すればいいというものではないと思いますので、厚生労働省ももう一度、国が負担しないで病院を経営できる方法ということになるのでしょうが、そういう方向に向けて、売却だけ、譲渡だけではなくて、これからの経営も視野に入れた考え方で物事を進めていただければと思います。そのような形で、RFOは全く仕事の内容が違う、相撲取りが野球をやれという感じの件だと思いますが、その辺で私たちも評価をさせていただければいいのではないかと思いますので、頑張っていただきたいとそう思います。

○光多委員
 理事長、本当に引き続きご苦労さまです。質問と意見ですが、1つは、3月6日の通達は生きているわけですね。厚労省がRFOに通知するとありますが、その場合に譲渡の相手方は地方公共団体、公益性がある法人、医療法人とありますが、これはパラレルですか。要するに、地方公共団体を優先することはないでしょうか、というのが1つです。
 もう1つは、いま譲渡の話で、これは勉強しておられると思いますが、いちばん有名で参考になるのは、横浜市がみなとみらい病院を売りましたね。あれがたぶんいちばん参考になる話ではないかと思います。

○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長
 譲渡の方法については、いまは一般競争入札というスキームになっていますので、もちろん医療法人とか医療を担える法人でないといけませんが、そこに地方公共団体が入っていらっしゃれば、地方公共団体もそこに入札に参加なさるというのが原則になるでしょうね。ただ、果たしてそれでうまくいくのかという問題がありますので、その点も含めて、さらにどういう病院を売っていくのか、どういうふうに売っていくのかということを、要するに単に高く売ればいいという議論はもうないと思いますので、いかに地域医療を守るかということなのだと思います。そういう観点から、どのように公正かつ透明性を確保すべきかということについて、よく議論を進めてなくてはいけないと思うのです。

○光多委員
 グリーンピアのときには、地方公共団体のほうを優先しましたよね。だから、今回そこは一応パラレルに考えるとして、ただ地方公共団体とどこかの医療法人とを競争させたとき、させることが現実的に可能かどうかは、これからの課題かもしれませんね。

○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長
 そうですね。もしそういうことが起きた場合に、それは非常に難しい課題でしょうね。

○山口部会長
 私から質問させていただければありがたいのですが、これは所管課のマターだと思うのですが、中期目標の前文ですが、今回、7年に延びているわけですが、この中に文章として「このため5年間に限って」という当初の表現がそのまま継続されておられますが、先ほどのご説明の中に、今回、業務の内容が変わると。従来は売却をする、譲渡をすることが最大の目標でやってこられて、これから病院の管理運営といったことで変わっていくのだと。そういう意味で、5年というのとこれからの2年というのは違うというニュアンスかと思うのですが、これからの2年についての言及が、「譲渡対象施設」という表現が変わっただけで、「出資対象施設」が「譲渡対象施設」に変わっただけで、これから2年、先ほどご説明があった、社会保険病院等の適切な運営をやっていくといったことがもう少し入っているほうが、こういう趣旨としてよろしいのではないかという感じが少ししたのですが、「5年間に限って」とそのまま使われた辺りのお考えをご説明いただければと思います。

○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
 前文の2段落目の「5年間に限って」という点についてのご指摘ということでよろしいですか。

○山口部会長
 はい。

○年金局事業企画課社会保険病院等対策室長
 ここにつきましては、そもそもRFOを設置したときには、5年間の有期ということで、設置期限5年間ということで設置をしています。ここであえて、この辺りを修正するということになりますと、改正のときの趣旨が不明確になってしまうこともありますので、設置時は5年間ということを強調するためにあえて改正は行ってないということです。

○年金局統括管理官
 今回もっと趣旨を盛り込んだらというお話でしたが、一方で国会の議員立法で通ったのは、5年を単純に2年延ばすだけであって、RFOの目的なり業務なりというところについては、一切加筆修正をしていないのもまた事実です。法律は単純に2年延びたと。ただ、実際にやることまで見ていくと全く同じではないと。という中で、どう書くかという、両方を相並び立たせる意味合いで、中期目標には5頁に書いた3行の文言を入れたというのが私どもが考えた過程です。

○光多委員
 私も部会長と同じで、違和感を持っていて、国語の文章として続くのかと。5年に限ってやって、下のほうは7年とするということなので、淡々と説明したもので、これは結構です。淡々とその後2年に延長した、そこに感情を入れなければ、今回これを2年に延長したものであるとか、そうしないと算数が合わないのかなという感じがしていたのです。

○安達委員
 おそらくどこかを強調する部分があったら、入れられる部分に入れてもらったほうがいいのではないですか。仕事の内容が大幅に変わらざるを得ないわけですから、それは入れられる部分に入れてもらったほうがいいのではないでしょうか。おそらくこのままで言いますと、2年でいいのかということになると思います。

○光多委員
 実際、なかなか病院経営は難しくて、PFIで病院を経営しているのは、10いくつあります。事例を見ますと、PFIに移行した理由の1つとして、間接部分の人件費が非常に高いということがあります。特に自治体立病院の場合には、かなり経営効率的には効いてくるわけですが、先ほど大野委員がおっしゃったところであれば、どの状態まで効率化し、経営改善をしてこれをやっていくのかがいちばん大きな論点になるのでしょうね。

○年金・健康保健福祉施設整理機構理事長
 論点になるのですが、果たしてどこまで我々がそこに関与できるかということになると、いろいろ難しいと思います。我々は努力するのですが、現実的にこれを運営しているのが全社連であり、厚生年金事業振興団です。我々は持っているに過ぎないわけです。その中で2年間は、そもそも譲渡期間ですから、その中で管理運営についてどこまでできるか、2年間で抜本的に運営が変わるというところまで我々ができるかというと難しいでしょうね。ですから、我々の考え方として、どういう問題点があって、どういう改善が行われるべきかということを可能な限りお示しし、議論の材料を提供するということではないかと思っています。また来年の夏、どこまでやったかは報告しますので、それを踏まえてご評価をいたただきたいと思います。

○年金局統括管理官
 冒頭に申し上げましたが、そもそも病院全体の受け皿となる法案を国会に出して、途中までいったのですが成立しなかった。もし成立して新しい法人をつくるとなれば、おっしゃったようなさまざまな抜本的な改革を、その法人のもとでおそらくやっていくという方向にもっていけたと思うのです。それが国会の状況でそこまでたどり着けずに、別の言い方をすれば、いまは中途半端な状況になっている2年間だと言わざるを得ないのだと思います。その中で、RFOのもとでの抜本改革は、時間的にも立場としても難しい面が多々あると思います。
 私どもとしては、とにかく2年間放っておくのではなくて、同様の法案を国会に出すのかとか、あるいはまた多少別な形を考えるのか、これは私どもというより政治的な判断の問題ですから、明確なことはここでは申し上げきれませんが、当然のことながら必要な病院のきちんとした受け皿が必要だということは当たり前ですので、全体としてはそちらのほうの展開になっていくのだと思います。ただ、そこに引き継ぐ上でも、できる範囲できちんとRFOに管理していただくという部分が当然あろうかと思っているわけです。

○山口部会長
 皆様方からいろいろご意見を頂戴しましたが、いま統括管理官からもご説明がありましたように、政治的な点もあって非常に難しい問題を取り扱っている。そういう意味でRFOにお願いするのは、その途中段階の話として、今後、抜本的にどのように行うかは課題であるというお話であったかと思います。今回の修正点も、ある意味で必要最小限のところを修正したといった趣旨であろうかと理解をしました。
 したがいまして、皆様方からいろいろご意見をいただきましたことは、一応今回の話の内容についてのご確認をいただくご質問であったと考えまして、本部会としては本件について異存はないということで、厚生労働大臣にお伝えするという方向でよろしいですか。
(了承)

○山口部会長
 それでは、そのように取り計らうということで、所管課において厚生労働大臣の認可に向けて手続を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 なお、今後の手続の過程で、ただいま審議を行った中期目標等の内容に修正があった場合の取扱いについては、私が事務局と調整して決めさせていただくという形でご一任をいただけますか。
(了承)

○山口部会長
 ありがとうございます。本日の議事は以上です。事務局から今後の予定等連絡事項についてご説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 今後の予定等について連絡ですが、本日、審議いただきました事項については、法人および所管課において手続を進めてまいります。いま部会長からも言っていただきましたが、今回、ご審議いただいた内容に変更が生じた場合には、部会長にご相談し、必要に応じまして委員の皆様に書面内でお諮りさせていただくことも、もしかしたらあるかもわからないので、よろしくお願いします。次回の開催については、特段の予定はいまのところありません。部会にお諮りする案件が生じた場合には、部会の開催または書面でお伺いをさせていただくこととなりますので、ご了承ください。

○山口部会長
 本日は長時間にわたりありがとうございました。これで終わりにします。


(了)
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