ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 新型インフルエンザ専門家会議> 第12回新型インフルエンザ専門家会議議事録




2010年9月15日 第12回 新型インフルエンザ専門家会議 議事録

健康局結核感染症課

○日時

平成22年9月15日(水)
15時~17時


○場所

厚生労働省 省議室


○議事

10/09/15 第12回新型インフルエンザ専門家会議

第12回 新型インフルエンザ専門家会議 議事録

【日時】平成22年9月15日(水) 15:00~17:00
【場所】厚生労働省 省議室
【出席委員】(50音順)
伊藤委員、岡部委員、川名委員、吉川委員、笹井委員、澁谷委員、田代委員、
永井委員、保坂委員、丸井委員
【行政関係出席者】
≪政務≫
足立厚生労働大臣政務官
≪健康局≫
外山局長、松岡総務課長、亀井結核感染症課長、
神ノ田新型インフルエンザ対策推進室長、中嶋感染症情報管理室長、
≪医薬食品局≫
間杉局長、平山大臣官房審議官(医薬担当)、三宅血液対策課長
≪食品安全部≫
坂本検疫所業務管理室長
≪大臣官房≫
塚原厚生科学課長、佐々木健康危機管理官



○新型インフルエンザ対策推進室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第12回
の「新型インフルエンザ専門家会議」を開催したいと思います。
 会議構成員の皆様方には、御多忙の折、お集まりをいただきまして、厚く御礼を申し上げます。
 私は、新型インフルエンザ対策推進室長の神ノ田でございます。どうぞ、よろしくお願い申し
上げます。
 開会に当たりまして、足立政務官よりごあいさつを申し上げます。
○厚生労働大臣政務官 皆さん、こんにちは。世の中といいますか、外は大分涼しい陽気ではご
ざいますけれども、こうなると厚生労働省の中が冷房が切れているという状況になって、部屋は
非常に暑い。ただ、今日はこの部屋は少しはいいのかなという気がしますけれども、お集まりく
ださいまして、ありがとうございます。
 昨年の4月以来という形になると思いますが、4月24日に新型インフルエンザ宣言がなされた。
それからはそのシーズンというものは、新型インフルエンザ対策、H1N1についてやってこら
れたわけです。8月10日にWHOから「ポストパンデミック声明」というものがなされました。
しかし、皆さんもう御案内のように、これはポストパンデミック期に入ったということであって、
当然、当初のころはまだまだH1N1に対する対策が必要である。特にサーベイランスやワクチ
ン接種、医療提供に努めるよう勧告も出ております。したがいまして、H1N1に対する対策は
勿論、この10月から始まりますワクチン接種につきましても、関係の皆さんの御協力、御理解を
得ながら進めていきたいと思っております。
 そのような中で、H5N1がブタに感染したという話もございましたし、やはり高病原性とい
うものに対してしっかり行動計画をつくるために、第12回の専門家会議を開かせていただきたい
と思いました。
 そんな中で、私が1つだけお願いしたいのは、これは総括会議の議論、そしてとりまとめを踏
まえて決めていただくわけですけれども、その中でも書かれていると思いますが、弱毒性と高病
原性、低病原性と高病原性といいますか、これを分けた対策を練るというのは、私は非現実的で
あって、正しいやり方とは思いません。最初からその病原性がわかる事態はないわけでございま
すから、最初は当然のことながら高病原性を意識しながらやる。しかし、途中でその状態がわか
ってきたら順次、シャンとといいますか、乗り越えていって次の段階に進むという形での対策が、
行動計画としては一番現実的なものだろうと思っております。そのような点も踏まえて、御議論
をしっかりしていただきたい。これは内閣全体としての危機管理の面でも非常に重要な問題です
ので、よろしくお願いしたいと思います。
 その内閣の件ですが、昨日、御案内のように新しい代表が決まりました。明日、明後日で組閣
という情報になっております。これは、実際に政務三役あるいは厚生労働大臣がどなたになった
としても、国家、国民の危機管理ということで重要な問題ですから、どうか議論をよろしくお願
いいたします。
 本日はありがとうございます。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それでは、委員の改選がございましたので、本会議の設置
趣旨につきまして、改めて御説明を申し上げます。
 資料の2ページをごらんいただきたいと思います。資料2ということで「新型インフルエンザ
専門家会議設置要綱」を用意させていただいておりますが、こちらにありますように、この会議
は、平成17年に設置された会議でございますが、このたび、委員を新たに委嘱させていただきま
して、開催をさせていただくことになったわけでございます。
 本会議の所掌事務といたしましては「2.会議の所掌事務」に書かれておりますように、(1)
として新型インフルエンザ出現時の専門的技術的事項(サーベイランス、予防と封じ込め、医療、
情報提供・共有その他の専門の事項)について調査審議すること。これが1点でございます。
 (2)といたしまして、その他新型インフルエンザ出現時の対策について意見を述べること。
 以上の2点となっております。
 また、本会議の位置づけでございますが「3.組織」(1)のところにありますように、新型イ
ンフルエンザ対策推進本部幹事会、幹事長である健康局長の下に設置された会議であるというこ
とであります。
 次に、委員改選後、初めての会議でありますので、本日御出席の構成員の皆様方を資料1に基
づきまして、五十音順で御紹介をさせていただきます。
 まず、医療ジャーナリストの伊藤隼也様でございます。
 続きまして、国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部信彦様でございます。
 防衛医科大学内科学教授の川名明彦様でございます。
 慶應義塾大学商学部准教授の吉川肇子様でございます。
 大阪府健康福祉部長、また、全国衛生部長会の代表でもあります、笹井康典様でございます。
 続きまして、愛知県半田保健所長、また、全国保健所長会会長でもあります、澁谷いづみ様で
ございます。
 国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長の田代眞人様でございます。
 東京女子医大病院長、また、日本呼吸器学会の理事長でもあります、永井厚志様でございます。
 日本医師会常任理事の保坂シゲリ様でございます。
 順天堂大学医学部教授の丸井英二様でございます。
 なお、本日は、欠席されておりますが、名簿にありますように、国立病院機構三重県病院長の
庵原俊昭様。
 東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授の押谷仁様。
 国立感染症研究所感染症情報センター第一室長の谷口清州様。
 一橋大学大学院法学研究科教授の高橋滋様にも、この会議に御参画をいただいておりますので、
御紹介を申し上げます。
 続きまして、事務局職員の紹介をさせていただきます。
 先ほど足立政務官からごあいさついただきましたが、その隣に座っておりますのが、外山千也
健康局長でございます。
 塚原太郎厚生科学課長でございます。
 松岡正樹健康局総務課長でございます。
 亀井美登里結核感染症課長でございます。
 中嶋建介感染症情報管理室長でございます。
 私の隣が佐々木裕介健康危機管理官でございます。
 足立政務官の隣になりますが、三宅智血液対策課長でございます。
 その隣が木村博承大臣官房参事官でございます。
 最後になりますが、坂本浩享検疫所業務管理室長でございます。
 それでは、続きまして、本会議を進行するに当たりまして、議長を選任させていただきたいと
思います。
 議長につきましては、資料2の設置要綱3の(3)によりまして、健康局長が選任することと
なっておりますので、外山局長から指名をさせていただきたいと思います。
○健康局長 では、本会議の議長につきましては、岡部様にお願いしたいと考えております。よ
ろしくお願いします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それでは、よろしくお願いします。
 続きまして、設置要綱の3の(3)によりまして、議長に事故があるとき、あらかじめ議長の
指名する委員がその職務を代理するとなっておりますので、岡部議長から議長代理の御指名をい
ただきたいと存じます。
○岡部議長 議長代理につきましては、もし、よろしければ、田代委員、それから丸井委員のお
二人にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。どちらがというのは、そのときに応じて
決めさせていただければと思いますが。
○新型インフルエンザ対策推進室長 ありがとうございます。ここで訂正を申し上げます。先ほ
ど笹井委員の所属につきまして、大阪府健康福祉部長と御紹介をさせていただきましたが、正し
くは健康医療部長ということでございます。おわびして訂正をさせていただきます。
 それでは、ただいま選任されました岡部議長、また、田代議長代理、丸井議長代理には、前の
方の席に移動をお願いいたします。
 それでは、以降の議事進行につきましては、岡部議長にお願いしたいと思います。よろしくお
願いします。
○岡部議長 先ほどもごあいさつしましたけれども、感染症研究所の岡部です。どうぞ、よろし
くお願いいたします。
 御指名いただきましたので、私が座長ということで議事をまとめることになりましたけれども、
いろいろな議論が彷彿してくるんではないかと思いますので、その都度、どうぞよろしくお願い
いたします。
 それから、ときどき健康上の問題以外にも他の会議等々で、ときに出席が難しいというときが
ありますので、そういったようなときに、田代先生あるいは丸井先生に代理ということでお願い
をいたすことになります。通常座長代理はお一人なんですけれども、この委員の方々、私を含め
て皆さんいろんなことで忙しくなることがあると思いますので、一応二人ということでお願いす
ることにいたしました。
 それでは、まずは、事務局から本日の資料の確認ということでよろしくお願いします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それでは、資料の確認をさせていただきます。資料につき
ましては、一括でとじさせていただいております。
 おめくりいただきまして、1ページ目が新型インフルエンザ専門家会議の委員の名簿でござい
ます。
 2ページが、新型インフルエンザ専門家会議設置要綱。
 3ページが、運営規程ということであります。
 4ページ以降に、新型インフルエンザA/H1N1対策総括会議の報告書を用意しております。
 飛びまして、15ページでございますが、こちらに政府の新型インフルエンザ対策本部がとりま
とめました「新型インフルエンザ(A/H1N1)に対する今後の取組」の資料でございます。
 17ページに資料5といたしまして「高病原性鳥由来新型インフルエンザ対策再構築について」
という資料でございます。
 18ページが資料6ということで「新型インフルエンザ専門家会議の進め方について(案)」で
ございます。
 20ページですが、資料7ということで「プレパンデミックワクチンの製造・備蓄について(案)」
ということでございます。
 なお、委員の皆様方の卓上には、行動計画及びガイドラインのファイルを用意させていただい
ております。
 資料の不足あるいは落丁等がございましたら、事務局の方にお申し付けいただければと思いま
す。よろしいでしょうか。
 作業班の名簿、19ページの説明が落ちましたけれども、19ページのところに別紙ということで、
作業班の名簿ということで付けさせていただいております。
○岡部議長 それでは、議事に入りたいと思いますけれども、この会議は、第12回ということに
なっていますけれども、第11回は随分前にやっております。私は、それまでにも議長をやらさせ
ていただいたんですが、ほとんどパンデミックの真っ最中は、まさに多忙であるということで本
会は一回も開かれていないんですけれども、そのときの経緯についても、本来は開くべきである
とたびたび申し上げていました。現在、ポストパンデミックというWHOのいう位置づけになっ
て本会が開かれましたが、これまでのことを見直し、先を考える、lesson and learnがこの会議
に求められていることだろうと思います。
 名称も本当に「新型」インフルエンザ専門家会議という名称でいいのかどうか、どこか別のと
ころで議論をしておきたいと思うのですが、今日は、一応、新型インフルエンザ専門家会議の第
12回ということでやっていくことになります。
 先ほど政務官からも言葉の定義のことがありましたけれども、あれも医学的な部分と、かなり
行政的な言葉の違いというようなことで、場合によっては、この中で議論をしていく必要がある
んではないかと思います。
 前回と申しますか、先般のパンデミックのときも、その言葉の定義で、実際の動きと行政の動
きと医療の動きというところに、そのために乖離が見られたようなところもあるので、ときにそ
ういったような言葉の定義の話もこの会議の中で入れていった方がいいんではないかと私は思っ
ています。
 それは、本日はさておいて、今日の議事に入っていきたいと思います。
 議題1について、これは事務局の方からも資料に基づいて説明をお願いいたします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それでは、御説明を申し上げます。資料の4ページをお開
きいただきたいと思います。資料3ということで、新型インフルエンザ(A/H1N1)対策総
括会議の報告書を用意させていただいております。
 委員の皆様方、もうほとんど御案内のことかと思いますが、こちらの概要版の方で概略を説明
させていただければと思っております。
 こちらの報告書ですが、6月10日にとりまとめがなされております。全般的な事項としての提
言として、1~5までありますけれども、病原性等に応じた柔軟な対応ということで、感染力だ
けでなく、致死率等健康へのインパクト等を総合的に勘案して、複数の対策の選択肢をあらかじ
め用意し、柔軟に決定するシステムを構築すべきではないか。そのような御提言をいただいてお
ります。
 2つ目としては、迅速、合理的な意思決定システムということで、意思決定プロセスと責任主
体を明確化し、迅速合理的に意思決定できるシステムを構築ということ。
 3点目が、地方との関係と事前準備ということで、発生前の段階から関係者間で対処方針の検
討や訓練を重ねるなどの準備が必要と、そのような御指摘です。
 4つ目が、感染症危機管理に関わる体制の強化ということで、感染症対策に関わる危機管理を
専門に担う組織や人員体制の大幅な強化、関係機関の在り方や相互の役割分担、関係の明確化と
いうような御提言です。
 5つ目が、法整備ということで、感染症対策の全般の在り方について、国際保健規則や地方自
治体、関係学会等の意見を踏まえ、必要に応じて、感染症法や予防接種法の見直しを行うなど、
各種対策の法的根拠の明確化ということが指摘されております。
 あと、各論に入りますが、1つ目のサーベイランスといたしましては、国立感染症研究所、保
健所、地方衛生研究所も含めた日常からのサーベイランス体制の強化ということでございます。
 公衆衛生対策(学校等の臨時休業等)に関しましては、社会的・経済的影響を勘案した学校等
の臨時休業等の運用方法の検討。学校等の臨時休業等の効果や在り方の検討が必要だということ
です。
 広報・リスクコミュニケーションにつきましては、広報やリスクコミュニケーションを専門に
取り扱う組織の設置と人員体制の充実。専任のスポークスパーソンの設置。情報が迅速かつ直接
届くよう情報提供の在り方の検討という指摘がございました。
 医療体制といたしましては、地域の実情を踏まえた医療提供体制の検討、発熱相談センターと
発熱外来の設置の是非や運用方法について再度整理ということです。
 水際対策につきましては、病原性等を踏まえ、専門家の意見を基に機動的に縮小等を可能にす
べきだろうということ。水際対策の効果について、更に知見を収集すべきということです。
 最後ワクチンにつきましては、国内のワクチン生産体制の強化。ワクチン接種ガイドラインの
早急な策定、その中には実施主体、費用負担、集団接種などを検討ということです。
 あと、今回のワクチンの在庫問題の解決に向けて、早急に最大限努力というような御指摘もい
ただいております。
 一番下のところに書いてありますが、この報告書を受けまして、新型インフルエンザ行動計画
やガイドラインの改定等の検討作業に速やかに着手し、実現すべきということ。
 また、発生前の段階からの体制強化の実現を強く要望ということも言われております。
 ちょっと資料を飛びまして、資料4でございますが、15ページをお開きいただきたいと思いま
す。
 こちらの資料につきましては、8月10日にWHOの方からポストパンデミック声明が出された
ことを受けまして、今後、日本としてどう対応していくのかということについて、8月27日に政
府の対策本部が開催され、その検討がなされました。
 その対策本部において決定された資料として用意させていただいております。新型インフルエ
ンザ(A/H1N1)に対する今後の取組みということで、政府全体としては、この資料4に従
って取り組んでいくということでございます。
 本会議に関係するところだけ御説明をさせていただきますが、16ページの一番下の段落のとこ
ろをごらんいただきたいと思います。
 「また」以下でございますが、政府においては、今回の新型インフルエンザ(A/H1N1)
対策の経験等を踏まえ、高病原性の鳥由来新型インフルエンザが発生した場合に備え、水際対策
の体制整備、社会・経済機能維持のための条件整備、ワクチンの接種体制、医療提供体制の整備
等について検討し、行動計画の見直しを行うなど、早期に新型インフルエンザ対策の再構築を図
ることとするということが、この今後の取組みの中に位置づけられているということでございま
す。
 これは、厚生労働省に限らず、政府全体で、この再構築について今後検討していくということ
でありまして、そこを更に具体的に記述したペーパーが17ページの資料5でございます。
 目的のところは重複しますので省略いたしますが、2の事項ということで、再構築するに当た
って検討が必要なものが整理されております。
 1番目には、検疫実施空港等の集約化、直行便運航停止、在外邦人支援など、病原性の程度等
に応じた水際対策の体制整備でございます。
 2点目が、社会機能維持のための法令の弾力運用・見直しなど社会・経済機能維持のための条
件整備。
 3点目が、ワクチンの接種体制、医療提供体制など国・自治体の体制整備でございます。
 4点目が、必要に応じ、法整備ということであります。
 3番の体制等のところでございますが、この行動計画の見直し等対策の再構築について、内閣
官房新型インフルエンザ等対策室、厚生労働省を始め、関係省庁において早急に検討し、関係省
庁対策会議で速やかにとりまとめた上、最終的には、閣僚級会合において決定するということで
ございます。
 この関係省庁対策会議は、局長級の会議でございます。まずは、そこで案をとりまとめた上で、
最終的には閣僚級会合において決定するということでございます。
 今後、この専門家会議において、行動計画及びガイドラインの見直しの検討をいただくことに
なるわけでございますが、それに当たってのこれまでの経緯ということで資料3~5までという
ことで御説明を申し上げました。
 説明は、以上でございます。
○岡部議長 どうもありがとうございました。今、神ノ田室長の方から御説明があったわけです
けれども、資料3、4、5についての御意見があれば、どうぞお願いいたします。
 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 これは、ここで聞いてお答えいただけるのかどうか、よくわからないんですが、資
料5の「高病原性鳥由来新型インフルエンザ対策再構築について」という、これは内閣官房新型
インフルエンザ等対策室がお出しになったものだと思うんですけれども、この対策の再構築につ
いては、国として国が主体的に責任を持ってやるもののみではなく、国全体に対して求めるべき
ものについても入っているのかなと思うんですけれども、(3)のところのワクチンの接種体制、
医療提供体制など国・自治体の体制整備ということが書かれておりまして、これは国・自治体の
体制だけを整備するという意味に読み方によっては取れるんですけれども、どうなんでしょうか。
どなたかお答えいただけますでしょうか。
○岡部議長 事務局、どうぞお願いします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 こちらの資料についてですが、主には、これまで既に行動
計画もあるし、ガイドラインも一部まだまとまっていないものもありますけれども、つくられた
ものがあるということで、本日も卓上に用意させていただいておりますが、ただ、これを実際に
動かすということになった段階で、関係省庁でまだ十分調整等がついていなかった事項が残され
ておりまして、それについては、しっかりと整理しておく必要があるだろうということで、主に
は関係省庁の間で調整が必要なものを中心に事項として挙げております。
 ただ、こちらの専門家会議で御議論いただく際には、総括会議において、全般的な御提言等も
いただいておりますので、それも含めて専門家のお立場からいろいろと御意見等をいただきたい
ということで、当然のことながらワクチン接種をやろうとすれば、現場の医療関係者にもいろい
ろとお願いしなければいけないことがございますので、それも当然しっかりと検討はしていかな
ければいけないだろうと考えております。
○岡部議長 続いて、どうぞ。
○保坂委員 今、ワクチンの接種体制ということをおっしゃいましたけれども、医療提供体制も
国と自治体が体制を整備したからできるというものではないと強く感じております。
 そういたしますと、高病原性鳥由来新型インフルエンザ対策再構築についてというのは、でき
れば但し書きを付けていただくべきものであったのかなと、国として直接関わるようなこととい
うことを入れていただいていたらよかったかのかと思います。
 そうでないと、内閣官房では、こういうことだけを考えるということに受け取られかねません
ので、是非その辺は、この文章は文章としてよろしくお願いしたいと思います。
○新型インフルエンザ対策推進室長 御指摘いただきましたので、明確になったかと思いますが、
保坂委員のおっしゃるとおり、たくさんある課題の中で、主に関係省庁で調整が必要なものとい
うようなことで、このような事項が挙がっているということでございますので、そのように御理
解をいただければと思います。
○岡部議長 ほかに御意見はいかがでしょうか。
 これは、私から質問なんですけれども、これは内閣官房から出た資料5ですけれども、高病原
性鳥由来新型インフルエンザ対策の再構築とありますが、この委員会で今後話していく、例えば
ガイドラインの改定なんかにも入ってくると思うんですけれども、それは、「高病原性鳥インフル
エンザ」だけを対象にしているのでしょうか。私はそうではないと思うんです。新型インフルエ
ンザあるいは新型インフルエンザに準ずるような「パンデミックを起こすようなもの」、そういう
重大なイベントに対するガイドラインあるいは対策をやっていくということではないかと思いま
す。ワクチンのことも入ってくるでしょうから、高病原性鳥由来新型インフルエンザ対策再構築
と書いてありますが、そこら辺の対象というのは、事務局側はどういうことを考えておられます
か。
○新型インフルエンザ対策推進室長 資料5のタイトルでございますが、まさに内閣官房の問題
意識が、この表題にも表れているかなと思うんですが、内閣官房の問題意識としては、昨年の新
型インフルエンザは弱毒性のものだったから、まだよかったと、これが強毒性だったらちゃんと
対応できていたかどうかというところで、しっかりと再構築していく必要があるんではないかと。
 ですから、内閣官房としては、足りない部分をもっと強化していかなければいけない部分があ
るんではないか。あるいはまだ整理できていないところ、そこをしっかり早急に詰めろというよ
うな問題意識の下、このような表題になったと認識しておりますが、この行動計画については、
2つに分けることはできませんので、総括会議の中では、弱毒性のものにも柔軟に対応できるよ
うなものにしなさいというような御提言もいただいておりますので、そういったことも含めて、
この専門家会議では御意見をいただきたいと思っております。これは、あくまでも内閣官房とし
ての問題意識が表われたものでございます。
○岡部議長 どうぞ、政務官。
○厚生労働大臣政務官 私がこれを見た解釈を申し上げたいと思うんです。それは、資料5の「3.
体制等」にありますけれども、内閣官房の対策室、そして、厚生労働省を始め、関係省庁におい
て早急に検討するということですから、私はそれぞれが、それぞれの持ち場で、こういう事項に
関連したことを議論してくれと、それから調整するという意味合いにとらえています。
 それで、資料6の「1.検討事項」をこれから話し合っていただくわけですけれども、やはり
厚生労働省としては、行動計画、ガイドラインの見直しがやはり大きくて、その中に、先ほど私
が冒頭に言いましたように、高病原性のものについてもその中に包含されているという形になる
んだろうと。
 ですから、まずは、厚生労働省の中に置いた、この新型インフルエンザ専門家会議で、こうい
った事項を漏れなく検討していただいて、そこで行動計画を見直していく、その中に高病原性の
ものも勿論包含して行う。その後の調整は、また調整で別の場でということだろうと、私は解釈
しています。
○岡部議長 今の政務官の解釈に関して、何かコメントがありましたら、お願いします。
 多分、要は、大きいことを考えながら、そう大きくないものについても対応ができるようにと
いう意味合いでよろしいですか。
○厚生労働大臣政務官 そう思っています。
○岡部議長 そのほかに御意見、いかがでしょうか。
 どうぞ、保坂委員。
○保坂委員 私ばかり質問して済みません。政務官、せっかくいろいろお答えいただいたので、
政府として、今後、インフルエンザの名称についてどのように扱っていくおつもりなのか、新型
インフルエンザという言葉を言うと、2009年A/H1N1を指しているのか、そうではないのか
ということが非常にあいまいな状況で話が進みます。そういたしますと後で話が混乱する可能性
があると思うので、その言葉については、岡部議長もおっしゃいましたけれども、どのようにお
考えなのかということをちょっとお聞きしておきたいと思います。
○厚生労働大臣政務官 8月27日の大臣の会見と、それから厚生労働省のまとめの中でも申し上
げているように、感染症法上、新型インフルエンザと昨年4月にしたわけです。これの宣言を解
除といいますか、それはしないと、しないでポストパンデミック期の初期でありますから、A/
H1N1についても対処していく。できたら今シーズンで、もうそれは終了するような宣言がで
きるような体制をしっかり取っていくと。そして、A/H1N1にできるだけ発症も重症化も死
亡も当然抑えながら終焉を迎えたいと、そういうような意味合いで言っております。
 ですから、現時点では、新型インフルエンザA/H1N1は現在は新型インフルエンザという
ふうに解釈しているということです。
○岡部議長 保坂委員、よろしいですか。
○保坂委員 それは了解していたんですけれども、新型インフルエンザ専門家会議という名前が、
またそこに付いていますので、それは新型インフルエンザ専門家会議であるけれども、A/H1
N1以外の新型のインフルエンザ、高病原性鳥インフルエンザも含むんだということの解釈でよ
ろしゅうございますか。
○厚生労働大臣政務官 そうです。
○岡部議長 それは、多分、全体といいますか、この前身の新型インフルエンザ対策専門家会議
が開かれたときに、H5だけを想定するのかということで、例えばH7であるとか、H9である
とか、あるいはひょっとすると豚ルートもあるかもしれないという議論がそのときやられていま
して、委員としてはH5のみではなくもっと包括的な意味合いで議論をしていたつもりなんです。
しかし、動いてきたときは、これはH5だけについて委員会が議論をして、起きてみたのがH1
であったという図式になってしまったようですけれども、そういうような反省を含めるならば、
今回のこの委員会は、確かにH5N1というのは、ターゲットとして非常に重いものではあるけ
れども、そのほかのものにも対応できるために検討していくんだと、私は思いたいんですが、事
務局の方も、何か資料の説明か何かでございますか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 もし、よろしければ、これは議題2ということで検討の進
め方についてということで準備させていただいておりますが、資料6をまず説明させていただい
て、一括で御議論いただいた方がよろしいかなと思います。そのようなことでよろしいですか。
○岡部議長 それでよろしいかと思いますが、それでは、続けて議題2に移っていくような形で、
資料6の説明をお願いします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 ただいまの質疑の中で、今後の進め方についても話が及び
ましたので、資料6につきまして、事務局から御説明を申し上げます。
 18ページでございますが、こちらは、事務局として今後の進め方として(案)としてまとめさ
せていただいたものであります。
 検討事項といたしましては、先ほど御説明したとおり、1つには、総括会議報告書の提言を踏
まえた行動計画、ガイドラインの見直しということがございます。
 2点目には、政府での動きということで、内閣官房新型インフルエンザ等対策室がまとめてお
ります再構築についての検討と、そういったことで関係省庁での検討を踏まえた行動計画・ガイ
ドラインの見直しということがあるかと思います。
 本専門家会議では、専門的、技術的事項について御意見をいただきたいと、そういう位置づけ
になっておりますので、関係省庁でいろいろと議論する中で、専門的な事項について、また、御
意見等もいただければと思っているところでございます。
 2番目に検討体制でございますが、かなり細かな作業も発生するものですから、この専門家会
議の下に以下の4つの作業班を設置させていただければと思っております。それぞれの担当分野
ごとに検討を進めて、見直し意見案を作成していただくということでございます。
 (2)で作業班メンバーでございますが、これが別紙ということで、隣の19ページにあるとお
り、4つの作業班ごとにメンバーを整理させていただいております。
 (3)でございますが、専門家会議では、作業班での検討結果や、関係省庁での検討状況等を
踏まえて、専門家会議としての見直し意見をとりまとめるということでございます。
 当面の検討スケジュールでございますが、内閣官房とも調整が必要であるわけですが、今のと
ころ聞いておりますのが、関係省庁対策会議、これは局長級の会議でありますけれども、そこで
の見直し案のとりまとめ時期が11月下旬くらいまでと聞いておりますので、それに合わせていく
必要があるということで、かなりタイトなスケジュールを組んでおります。
 本日が、第12回の専門家会議ということで、検討方針等の協議をさせていただくということで、
今後、作業班におきまして検討をしていただきまして、11月上旬くらいまでには作業班において
行動計画の見直し意見案を作成をしていただきたいということであります。
 その後、調整をいたしまして、11月下旬くらいまでには第13回の専門家会議において、行動
計画の見直し意見のとりまとめをしていただければと思います。
 行動計画について、まず、優先的に作業を進めていただいて、11月下旬くらいまでに意見をと
りまとめていただければということでございます。
 ガイドラインの検討につきましては、かなり細部にわたる検討が必要になってまいりますので、
こちらにつきましては、12月以降、また引き続き御検討をいただくようなことでお願いできれば
と思っております。
 あと、注釈で2点ほど記載しておりますが、注1といたしましては、行動計画の見直しは、最
終的には閣僚級会合において決定するものでございます。専門家会議の位置づけといたしまして
は、それに対する専門的、技術的事項にたいする御意見をいただくということでございますので、
この会議でとりまとめていただいた見直し意見のすべてが反映されるものではないということで
ございます。
 注2といたしましては、第13回の専門家会議、これを11月下旬ということで考えております
が、関係省庁における検討状況等によりまして、場合によっては非公開での開催となる可能性も
ありますので、あらかじめ御了承いただければと思っております。
 こちらは厚生労働省だけで決められない部分がございますので、まだ、表に出せないというよ
うなものが残っている場合には、非公開で開催し、御意見をいただくということもあり得るとい
うことでございます。
 資料の2ページの方に戻っていただきまして、3の(4)のところ、作業班の位置づけという
ことでございます。設置要綱の「3.組織」の(4)のところに作業班の位置づけを書いており
ますが、健康局長は、新型インフルエンザに係る個別の分野について検討を深めるため、会議の
下に作業班を設置する。作業班の構成員は、委員及び臨時委員のうちから健康局長が指名すると
しております。
 説明は、以上でございます。
○岡部議長 ありがとうございました。今後の進め方、かなりタイトな部分もあるんですけれど
も、資料6について、御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いします。
 田代委員、どうぞ。
○田代副議長 今のお話ですと、最初に行動計画を見直すということなんですが、これはば、数
年前から始まった議論で、本来ならば、最初にガイドラインをつくるべきだったと思います。
 それに基づいて行動計画、アクションプランができると、当然そういう順番になっていなけれ
ばいけなかったと思いますが、なぜ日本で最初に行動計画ができたかといいますと、これは多分
釜山のときのサミットだと思いますが、ブッシュ大統領が京都に来まして、そのとき小泉さんと
会談をした。そのとき、急にブッシュの方から新型インフルエンザ対策についての話が出るとい
うことで、2か月でつくれということで慌ててつくったのが前の行動計画だったわけです。
 そのときには、ガイドラインというような全体の方向性を検討する十分な時間的余裕がなかっ
たものですから、そういうものができたわけです。
 その後にガイドラインをつくり始めて、それが平成21年2月だったと思いますが、それが内閣
で一応エンドースされたと理解していますけれども、今回も話の筋とすれば、ガイドラインを最
初に再検討すべきではないかと思います。
○岡部議長 いかがでしょうか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 時間が許せば、田代委員の御指摘のとおりの順番で対応で
きればよかったんですが、政府全体のスケジュールの中で、関係閣僚の会合で行動計画について
は早急にとりまとめるという方針が固まっておりますので、それに乗り遅れてしまいますと、厚
生労働省としての意見を入れることができませんので、何とかポイント、必要な部分については、
このタイミングを逃すことなく、しっかりと行動計画の見直しに反映していく必要があるかと思
いますので、ちょっと変則的なスケジュールの組み方になっているかとは思うんですけれども、
まずは、行動計画の見直しの検討について優先的に進めていただければと思っております。
 ただ、行動計画とガイドラインについて、切り離して議論するというのは難しいかと思います
ので、この行動計画の見直しの議論に当たっては、ガイドラインの在り方も併せて意識しながら
検討していただくということは必要になるかと思っております。
 以上でございます。
○岡部議長 いかがですか。具体的なアクションプランよりも総論的なアクションプランであっ
て、それを具体化していくのはガイドラインであるというような考え方でいいですか。
○田代副議長 名前を変えるべきではないですか。最初にガイドラインがあって、こういう方針
でアクションプランをつくりなさいと、合同計画というのは、その担当者がそれを見てどういう
行動を起こすか、緊急対応をするかという、それが行動計画だと思いますけれども、そこでガイ
ドラインを読んで、どうしようかとディスカッションするものではないんです。
○新型インフルエンザ対策推進室長 名前がこれでいいかどうかというのはあると思います。御
指摘、もっともだなと思うんですが、今の内容、お手元のファイルをごらんいただきますと、行
動計画については、骨組みが整理されているという性格のものでございます。
 ガイドラインは、この骨組みに肉付けするというようなことで、もう少し具体化したようなこ
とがガイドラインに細かく書かれていると、そういう整理の仕方をしておりますので、まずは、
この行動計画の見直しの中で、骨組みを固め、その後、肉付けをしていくと、その肉付けの部分
について見直しが必要かどうかの御検討をいただくということかと思います。
 名前については、もし必要があれば、厚生労働省として意見を伝えることはできるかと思いま
す。
○岡部議長 どうぞ。
○厚生労働大臣政務官 先ほど、議長さんがおっしゃったように、やはり病原性とかあるいは感
染力だとか、そういうことが混在しているんです。最初から白黒わかるものだみたいな印象があ
って、それで全体の行動計画と高病原性に限った再構築みたいな話となってきていて、厚生労働
省としては、その考えはそもそも間違っているんではないかという指摘は、私は大事だと思って
いまして、今、田代先生がおっしゃるように、プランがあって、そして行動に対するガイドがあ
るというような考えは、それはそのとおりでまさに正しいんですが、日本語がそういうふうにな
っていないという認識があるので、この際、これは厚生労働省としては、今、私が申し上げたよ
うなことを踏まえて議論していくんだというような姿勢で私はいいと思いますし、もし、これで
閣僚も代わるかもしれませんし、そこら辺は主張した方がいいと、私はむしろ思っています。
○岡部議長 議論の方向性かあるいは内容としては、今、議論されたことだと思うんですけれど
も、言葉との多少乖離があるようですけれども、ある程度言葉が先行しているところはあるけれ
ども、できるだけそれに負けないようにやりたいとは思うんですが、田代委員、どうぞ。
○田代副議長 別に名前を変えろと強いことを言っているわけではなくて、最初に総論といいま
すか、柔軟な話をまずしていくと、その方針はそれで当然いいと思います。
 もう一つ別のことですけれども、このガイドラインですけれども、平成21年2月に内閣で一応
承認された文書として、厚労省の文書ではないと理解していますけれども、これについて、今回
改定をするというのは、各省庁がこの会と同じようなものを組織して、そこでディスカッション
されて、最終的に内閣がそれをまとめると、そういうことなんでしょうか。それとも、厚労省が
主にパブリック・ヘルス、それから医療対応、こういうことについてだけを、まず、やるのか、
その辺をはっきり方針を示していただきたいと思います。
○新型インフルエンザ対策推進室長 関係省庁で、このような専門家会議を設置するかどうかと
いうのは、それぞれの省の判断になるかと思いますが、今のところ、厚生労働省のこのような組
織をほかの省で設けるという話は聞いておりません。
 ですから、主には、感染症対策は厚生労働省で担っておりますし、技術的な事項もたくさんご
ざいますので、経緯を申し上げると、前回の改定の際には、まず、専門家会議でとりまとめてい
ただいた行動計画の(案)を各省に投げて、それで了解を得たものが、21年2月に関係省庁対策
会議という名前でとりまとめられたということでございます。
○岡部議長 前回のときは、そのとおりだと思います。田代委員の御質問は、もう一回関係省庁
でこれに関する会議が行われるかどうかということだと思うんですが、それはいかがですか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 例えば国土交通省の中でやるとか、そういうことですか。
○岡部議長 はい。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それは、今のところ聞いていないんですが、内閣官房の仕
切りで、いろいろと検討課題がありますので、一つひとつ関係する省を集めて、それで協議する
ような作業は、今後進められていきます。それは、まさに行政判断みたいなところがメインにな
ってくるかと思いますけれども、ほかの省で専門家を集めた組織をつくるという話は、私の知る
限りは聞いておりません。
○岡部議長 どうぞ。
○田代副議長 今までのこの会議でディスカッションされてきたのは、パブリック・ヘルスとか、
医療対応とか、そういうことだけではなくて、社会の危機管理、危機対応についても議題にして
きたわけです。
 例えば物流をどうやって確保するとか、エネルギーをどうやって確保しなければいけないとか、
食糧の確保とか、そういうようなことを、具体的な話までは進みませんでしたけれども、大筋と
して、ここの場でしかなかったものですから、そこでやってきたわけですけれども、こういうの
は、厚労省の守備範囲を超える、国全体でやるべきことだと思うんですが、そういうことを抜き
にして、パンデミック対策全体を構築することは不可能だと思いますので、それをどこがやるの
かということです。
○健康局長 健康局長ですけれども、ですから、そういった大きな話が出てきたら、これはここ
で制限することなく先生方に議論していただきまして、全体の調整は、さっきの説明にあったと
思いますけれども、内閣官房の方で同時並行でやりますので、それで次回、場合によっては非公
開の開催の可能性もあると書きましたのも、そういった中で、なかなかオープンにできないよう
な話も出てくるかもしれないと、こういう趣旨でございます。
 ですから、内閣官房の方で、関係する国土交通省であるとか関係省庁、外務省であるとか、そ
ういったところとの調整も踏まえながら同時並行で作業を進めていくということでありまして、
我が方は一方で、また厚生労働省の立場でありますけれども、厚生労働省の分野だけではなくて、
先生方の見識でいろんな分野に幅広く意見がおありになれば、それはまた内閣官房の方と調整を
図りながら進めていくと、こういったやり方になると思っております。
○岡部議長 必要な部分については、この委員会の方でも提言、提案、原案として持っていくこ
とができるというようなことでよろしいですね。
○健康局長 そう思っております。
○岡部議長 ありがとうございます。どうぞ、澁谷委員。
○澁谷委員 検討体制は、見直しの意見ということで、別表のメンバーになっているのですが、
では、今の話だと、ガイドラインについても同じような体制で検討するということなんでしょう
か。
○新型インフルエンザ対策推進室長 そのようにお願いできたらと思っております。
○澁谷委員 ガイドラインは、何本かテーマごとに現在あるわけですけれども、それも4つで対
応ということなんですか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 作業班としては4つでありますが、例えば公衆衛生対策作
業班では、サーベイランス、水際対策、自治体、企業職場対策等の複数のガイドラインを担当し
ていただくことになりますので、それをこの公衆衛生対策作業班の中で御検討いただければとい
うことでございます。
 あとは、1対1で対応しているかと思いますので、ワクチン作業班は、ワクチンのガイドライ
ン、また、医療体制は医療対策ガイドラインということで対応しているかと思います。
○岡部議長 それぞれのところ、特に公衆衛生対策の部分の宿題が一番多くなると思うんですけ
れども、全体的には、最後に包括的に議論することになるだろうと思いますので、笹井委員、ど
うぞ。
○笹井委員 各論をこういうふうに4つの作業班でやるというのはわかるんですが、結局、総論
の部分で、今の行動計画はH5N1を想定しているんですけれども、先ほど来の議論でやると、
もう少し幅広で、包括的にやるとすると、被害想定とか、あるいは基本方針、目的、この辺りが、
今の行動計画で妥当かどうか、この総論部分をきちんとまず押さえるべきだと思うんです。
 昨年の経験で言えば、最初どういうものか全然わからないときには、強く抑制するような対策
しかなかったわけで、それを緩めていくということが諮問会議だったか、あそこで決められて対
策が移行していったという経緯があったと思うんですけれども、やはり諮問会議は諮問会議でい
いと思いますけれども、こういう専門家会議で、もう少し専門的に、最初はこういう対策を打つ
けれども、それはこういう場合になれば、こういうことを幾つかのオプションを考えながら移し
ていくということを、もう少し専門家の立場で出していってもいいと思うので、そういう意味で
は、現在の行動計画の総論部分をどういうチームでやるかはちょっと別にして、やっていただき
たいと思います。それに基づいて、各個別のグループは、基本方針に基づいて考えていくと、そ
ういう手順はどうかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○岡部議長 事務局、どうぞ。
○新型インフルエンザ対策推進室長 今後の作業の進め方にも関わってくるかなと思いますが、
総論部分は、すべての作業班に関わってくる部分ですので、今の事務局の考えとしては、事務局
として、ある程度そこら辺は調整を取りながら進めていく必要があるかなと考えております。
 ですから、まずは、事務局として総論部分の考え方をまとめて、それぞれの作業班にお諮りし
ながら調整していくような段取りで進めていければということでございます。
 総括会議の中で、いろいろ御提言いただいておりますので、方向性については、もう専門家の
先生方からの御意見は、まとめられているのかなと思いますので、それを踏まえて、どういう形
で整理するかを事務局で練って、それをまた作業班で問題のあるところがないかどうか、それぞ
れの担当する分野について確認をしていただくと、そんなことでいかがかなと思いますが、どう
でしょうか。
○岡部議長 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 今の笹井委員のお話に共通するんですが、総論の部分で強弱、例えば病原性につい
ても強弱について、どれくらいのパターンを持つかという議論をなしに、例えば具体的に、私が
担当しているリスクコミュニケーションのところで、当然発表すべき内容が、その強弱に非常に
よってくる部分があると思うんです。
 そうすると、ある程度総論で何かお示しいただかないと、各論でリスクコミュニケーションな
んていう話になったときには、ちょっと総花的な議論しかできないんではないかという気がして
いるんです。
 そういう意味では、今、笹井委員がおっしゃったように、総論の部分できちんとある程度の方
向性を含めて我々委員が全員確認する必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょう
か。
○岡部議長 どうぞ。
○厚生労働大臣政務官 今の話なんですけれども、私は、かなり強気の発言をしているんですけ
れども、なぜかというと、本来H1N1のときにも、対策の総括会議というのは、政府全体とし
てやるべきことなんですが、厚生労働省だけで時間をかけてやったわけです。この中にも多くの
メンバーがいらっしゃいますけれども、そこで提言も含めた報告をしているわけです。それを政
府の本部としては、報告をいただいたと、了承したという形になっているわけですから、ですか
ら、ここでそれを踏まえた、今、総論という話は、まさにそこに今の病原性についても提言の中
で何度も出てきましたし、H1N1について対策を取ったことが、強毒性と言われるものの場合
には、こうだろうなという議論も、私も議論に参加していて何度も出てきました。そういうこと
をもう踏まえているという前提の下に、だからこの会議から全体の行動計画、病原性が最初わか
らない段階から、わかってくる段階へ移るときも含めてやる必要があると思って、私は内閣府の
仕切りでやる必要はないと、大胆に言いますとね、こちらの方がむしろ提言、提案も含めてやっ
ていくべきだと思っているということを、ちょっと中座しなければいけないので、済みません、
座長、申し訳ありません。
○岡部議長 いえ、ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。
 笹井委員、どうぞ。
○笹井委員 今の御意見等を踏まえると、一応、厚労省のこの会議の事務局で総論部分を一度き
ちんと原案といいますか、とりあえずつくっていただいて、それを各委員が担当するパーツの考
え方も含めて、また、お返しをしてまとめていく、そういうイメージの作業と理解していいんで
しょうか。
○岡部議長 事務局、いかがでしょうか。私もそういうふうに思っているんですけれども。
○新型インフルエンザ対策推進室長 そのようなことで。
○岡部議長 先ほどからの繰り返しにもなりますけれども、最初から病原体の持ついわゆる毒性
の強弱がわかっているわけがない。病原性の強い、弱いもわかっているわけではないわけですか
ら、そういう不明な段階がわかってきた段階で、強いものなのか、真ん中なのか、弱いものかと
いったような形での決め方くらいが、総論のところにちゃんと示されるべきであるというような
形で進められればと思うんですが、それでよろしいでしょうか。事務局の方もその辺を踏まえて。
どうぞ、丸井委員。
○丸井副議長 小さいことですが、総論の部分は、かなり大きく書き換えられると思った方がよ
いのでしょうか。それとも余り変わらないのでしょうか。どちらの想定で作業グループは待って
いたらいいでしょうか。
○岡部議長 今の丸井委員の質問も含めて、さっきの資料で幾つか補足的な説明があるようです
から、どうぞ。
○新型インフルエンザ対策推進室長 お手元の資料では、5ページ以降に報告書の本体を用意さ
せていただいております。
 まさに総論的なところというのは、5ページの下の全般的事項というところに主に記述されて
いるんだろうと思います。
 7ページの「3.サーベイランス」以降は各論についてと、そういう構成になっているかと思
いますので、こちらの報告書の5ページから7ページの前半くらい、そこら辺に書かれているこ
とを踏まえて、総論部分について、これを具体化するような見直し案みたいなものを事務局とし
て、まずは用意させていただきたいと思っております。
 やり方は、いろいろとあるかと思いますが、細かく分けるのかとか、大まかに方向性を示すの
かとか、そこら辺はあるかと思いますけれども、1つの案を提示させていただいて、また、各作
業班で、そんなことでは、この担当分野はうまくいかないということであれば、また、調整をさ
せていただきたいと思っております。
○岡部議長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 今のお話を聞いていると、スケジュール感が全くない。最後のスケジュールは決ま
っていて、ここまでに内閣官房でやるから決めなければいけないということはあって、そういう
ものをいつか出すから、それに沿って作業班をやってくれと、全くおかしいと思います。
 ですから、実際にこれはやらなければいけないわけですから、文句を言ってもしようがないわ
けですけれども、その辺のことをよく考えて、事務局の方がもう少しスピーディーにやっていた
だかないと、結局、幾ら作業班が一生懸命やろうと思ってもいいものはできない。
 もう今の時点で総括会議の話が出てから、長い長い空白があるわけですね。それは理由がいろ
いろあるかもしれませんけれども、そういうことでやっていたら、国民の要望に応えられるもの
は何もできないと思いますので、一つこのことは是非申し上げておきたいと思います。スケジュ
ール感を持ってやってください。
○岡部議長 それは、事務局に対する要望だと思いますから、よろしくお願いします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 御指摘のとおり、もっと早く開催できたらよかったなと思
っていますし、御指摘は真摯に受け止めたいと思っておりますが、一応、内部的には、この総括
会議の報告書がまとまって以降、何もしていなかったということではなくて、分野ごとに、この
提言をどういう形で行動計画に反映させるかというような事務的な検討は、作業としては内々進
めておりますので、そういったものをまたベースにして作業班でいろいろと御意見をいただけれ
ばということで、タイトなスケジュールではありますが、是非よろしくお願いしたいと思います。
○岡部議長 恐らくは大分準備が下で進んでいたんではないかという期待を持って、検討をこの
委員会でもやるというふうにしていきたいと思います。大分進め方あるいは内容について少し理
解が出てきたんではないかと思いますので、もし、ほかに御意見がなければ、少し次に進めたい
と思うんですが、いかがでしょうか。
 どうぞ、田代委員。
○田代副議長 要望ですけれども、今の政務官と局長のお話で、大体全体の内閣における考え方
と、ここの位置関係というのが大体理解できたと思いますけれども、是非お願いしたいのは、17
ページの下に書いてありますけれども、体制というところで、インフルエンザ等対策室、それか
ら厚生労働省を始め関係省庁において早急に検討し、そういうことをお互いにインディペンデン
トにやって最後にまとめるというのでは整合性が取れないと思いますので、是非ここの間の情報
共有を頻繁にお願いしたいと思います。要望です。
○岡部議長 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 ついでですけれども、内閣官房の中の諮問委員会というのは、これでなくなっているわけです
から、最終的というか、現在、新型インフルエンザ対策の計画あるいはガイドラインについてデ
ィスカッションを進めていくのは、主にこの委員会であるということでよろしいですね。
○新型インフルエンザ対策推進室長 専門的な観点からの御意見をいただくということでは、こ
のチャンネルしかないかなと思っております。
○岡部議長 ということで、よろしくお願いいたします。
 それでは、特にほかになければ、次に進めさせていただきたいと思うんですが、この次は、プ
レパンデミックワクチンの話になっていくと思うんですが、これはいかがでしょうか。検討の進
め方は、今までのところですから、この次の段階としてはプレパンデミックワクチンのワクチン
株の選定ということも、1つの今回の話題になりますので、よろしくお願いいたします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それでは、御説明を申し上げます。資料7の20ページをお
開きいただきたいと思います。「プレパンデミックワクチンの製造・備蓄について(案)」という
ことでございますが、現状、まず、先生方、もう御案内のことかと思いますけれども、備蓄の現
状ということで、1番のところでまとめさせていただいております。
 平成18年から20年度の3年間にわたりまして、医療従事者及び社会機能の維持に関わるのも
のへの接種を念頭に、こちらの表のとおり毎年約1,000万人分ずつプレパンデミックワクチンの
備蓄を行ってきたという経緯でございます。
 18年度は、ベトナム株とインドネシア株、約1,000万人分、19年度はアンフィー株、20年度
はチンハイ株ということで、それぞれ備蓄してまいりました。
 昨年度につきましては、新型インフルエンザA/H1N1ワクチンを製造する必要からこちらの
プレパンデミックワクチンについては備蓄をしておりません。
 次の○のところでございますが、平成22年5月19日に開催されました第8回予防接種部会に
おきまして、今後、プレパンデミックワクチンの補充をしていくべきであると、そのような意見
がとりまとめられております。今後、実際にこれに対応していくに当たりまして、どの株を補充
するかということが懸案になっておりまして、それを早急に決めなければいけないという状況で
あるわけでございます。
 2番目のところで、候補となるワクチン株の例とその特性ということでまとめさせていただい
ております。勿論、これだけではありません。ほかにも候補となるものはあるかと思いますが、
例として3つほど挙げさせていただきました。
 ベトナム株につきましては、その特性といたしまして、ほかのワクチン株との交叉反応が確認
されており、変異株が出現した場合でも一定の効果が期待できるという特性があります。
 しかしながら、他の既存のワクチン株と比較して、製造効率は低いというような欠点があると
いうことであります。
 インドネシア株でございますが、出現する可能性は比較的高いと考えられております。また、
人での有効性、安全性が一定程度確認されております。
 エジプト株につきましては、出現する可能性は比較的高い。世界的に人での臨床試験の結果が
報告されていないと、そのような欠点がある。
 ここで言いたかったのは、ワクチン株にもいろいろあって、それぞれ長所、短所あるというこ
とでございます。
 3番目、今後の対応案ということでありますが、この上記の2のところで整理したように、候
補となるワクチン株にはさまざまな特性があることから、今後、ワクチン作業班において技術的
な検討を行い、製造・備蓄するワクチン株を決定すると、そのような方針で対応させていただけ
ればということで、お諮りをさせていただきたいと思います。
 説明は、以上でございます。
○岡部議長 ありがとうございました。これについての御意見、コメントがございましたら、お
願いします。
 何といっても、田代先生、コメントがありましたら、お願いします。
○田代副議長 これは、日本で備蓄していた3,000万人分のプレパンデミックワクチンですけれ
ども、有効期限が既に切れたのが1,000万人分、それから今年の11月、更に1,000万人分が有効
期限が切れる。本当にそれが効かないかどうかということは、まだ検証していませんけれども、
承認の条件からすると、そういうことになります。それを補充する必要があるということで、実
際に3年前に製造・備蓄したときと現時点で流行状況、疫学状況、それぞれ変わってきています
ので、その間に臨床試験も世界中でかなり行われましたので、どの株を選択していくかというこ
とを新たに専門的な観点から検討する必要があるというふうに考えています。
 ここで、1つ大事な問題は備蓄ワクチンをどういうふうに使うかということに、目的によって
どういう株を選ぶかというのも、かなり変わってくる可能性がありますので、それも含めた検討
をしていきたいと思っています。
○岡部議長 ありがとうございます。そのほかに御質問はありますでしょうか。
 だれを対象にしていくかというのは、いろいろな社会的なニーズその他もあるんですけれども、
やはりどのワクチン株が一番製造に適しているか、あるいは有効性も含めたバランスを取って考
えなければいけないのか。これについては、かなり専門的な議論が必要ではないかと思うんです。
 これは、私からの提案なんですけれども、そこのところの議論は、今日、ここで決めるという
のは、余りにもちょっと早計過ぎるので、できたら、ここは専門の人たちの集まりである作業班
の方で検討していただいて、時期的なこともあるでしょうし、いずれもワクチンは卵でつくるわ
けですから、卵の時期もあるんではないかと思うので、そういうことを総合的に作業班の方でま
とめていただければと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 方針だけ、今、岡部議長にお話をいただいたような方針で
よろしいかどうか、その確認でございます。
○岡部議長 いかがでしょう。特に御異論がなければ、田代先生、いかがですか。田代先生も含
まれている作業班の方で検討していただく。勿論、その報告は、この親委員会といいますか、こ
ちらの方でそれぞれの委員の方には報告をしていただいて、オープンにもなるということでお願
いしたいと思います。
 では、今のような方針でお願いしたいと思うんですけれども、その次は、その他ですか。事務
局の方から、その他にはどんな議題がありましたでしょうか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 特に事務局の方では用意しておりませんので、この際、何
か委員の方々からご発言等があればお願いします。
○岡部議長 では、少しフリーディスカッションみたいにしたいと思います。今日はキックオフ
みたいなところもありますから、先ほどのブレーンストーミング的なことも含めて、もし、御意
見あるいはコメントがありましたら、どうぞお願いいたします。これまでのインフルエンザ専門
家会議に関わられていた先生もおられるし、新たに入ってきた先生もおられるわけですから、前
の反省あるいはそうではなくて新しい目で見るというところがミックスになってくると思います
ので、もし、御意見がありましたら、どうぞお願いします。
 どうぞ、笹井委員。
○笹井委員 各論的なことでもよろしいでしょうか。総括会議の報告の12ページにも書かれてい
るんですけれども、12ページの医療体制の6番目、抗インフルエンザ薬の備蓄、使用方法等につ
いてというところですが、実は、これは非常に大きなお金がかかりまして、23年度までは方針が
決まっているんだけれども、各都道府県すべてが、議会において、やはり物すごい議論になるん
です。額が大きいこともあるし、更にはなぜ廃棄をするんだということが、やはりなかなか皆さ
んの理解が得られないという実態がございます。
 それで、ここには書いてございますが、例えば新しい薬も出てきていますし、もう一度違う観
点から、すべてを廃棄するということではなくて、もっと方法がないのかということを真剣に考
えるべきだと思っております。それは、毎回我々も議会からそういう要請をすべきだという話も
出ておりますので、我々も現場から見て、こういう方法はどうかという提案もしたいと思います
ので、是非よろしくお願いしたいと思います。
○岡部議長 今は、ストックパイルの方の現状は、どういうふうになっているんですか。○新型
インフルエンザ対策推進室長 済みません、ちょっと手元に資料はないんですが。
○岡部議長 具体的なところは結構だと思いますけれども。
○新型インフルエンザ対策推進室長 国と都道府県でそれぞれ必要数を定め。
○笹井委員 45%備蓄するので、大体半々ですね。それを有効期限7年、これはひょっとしたら
10年になるのかもしれないといううわさ、意見もあるんですけれども、いずれにしても廃棄をす
るという方法は変わっていないわけで、それとタミフル、リレンザ、2種類しかありませんので、
2種類新しいのも出ましたし、そういうのも取り入れるべきなのか、やはり必要ないのかという
ところも含めて、もう一度議論をお願いできればと思います。
○岡部議長 三宅課長、どうぞ。
○血液対策課長 今日、審査管理課が来ておりませんので、正確なことを申し上げられないんで
すけれども、私の知る限りでは、たしか有効期限については、いろいろ見直しも含めて、検討さ
れていると聞いております。また、今日の御意見を担当方に伝えまして、また、検討していただ
こうと思います。
○岡部議長 では、ストックパイルの在り方については、また、どこかで、少なくともその方向
性についてお答えをいただくということにしたいと思うんですが、田代先生、どうぞ。
○田代副議長 これは、総括会議で議題にならなかったんですけれども、今回の新型インフルエ
ンザの流行のときに、備蓄されていた抗インフルエンザ薬というのは、どういうふうな取扱いを
受けたのでしょうか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 契約上、市場で入手が難しくなった際でないと放出できな
いというような縛りがかかっているようです。今回は、そのような事態がなかったと理解してお
りますけれども、つまり、備蓄しているタミフルを出さなければいけないような事態にはならな
かったということで、備蓄分は使わなかったと。
○岡部議長 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 ある地方では、備蓄しているものと、いわゆる市場流通しているものと、包装とい
いますか、違う。その包装の違うものが出たということは聞いています。ですから、全く使われ
なかったということでは恐らくないと思います。
○岡部議長 多分初期の段階も国の方針で、最初の例えば予防や何かは備蓄を使ったのもありま
したね。
 どうぞ、田代委員。
○田代副議長 これはこの会議の何年か前にも同じようなディスカッションがさんざんされたと
記憶しておりますけれども、これは国家備蓄というか、備蓄しているものはディスカウントして
買ったわけですね。それで契約上、商法の縛りで、市場にはそのまま出せないというようなこと
だったと私は理解していますけれども、これは例えば、昨年のようなときには、備蓄しているの
を先に使って、その分だけを新たに備蓄していくと、そういうようなことだって可能だったと思
うんです。そうしますと、更に備蓄薬の期限が延びるわけですから、それを毎年季節性の薬につ
いても同じようなことを可能ではないかと素人で考えますけれども、こういうことも、是非この
会で検討していただきたいと思います。
○岡部議長 どうぞ、保坂委員。
○保坂委員 この作業班でいろいろ決めていくということですけれども、例えば、今の抗ウイル
ス薬の備蓄については、医療体制のところに(抗ウイルス薬、医用品等を含む)と書いてありま
すので、その作業班でやるのでしょうか。
 というのは、この総括会議の報告書では、もう少し細かくいろいろ分かれているのをまとめて
4つに、余り多くてもしょうがないということで4つにしたんだと思うんですけれども、どこの
ところで何をやるかということが、ちょっとはっきりわからないんですけれども、今の抗ウイル
ス薬の備蓄については、医療体制のところの作業班でやるということでございますか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 さようでございます。
○岡部議長 よろしいですか。どうぞ。
○保坂委員 ですから、この4つに分けるしかなかったという中で、この専門家会議の作業班の
委員といいますか、それをお選びになったから仕方がないのかなと思うんですけれども、例えば
ワクチンのところで、そのワクチンをつくったりすることも非常に重要だと思いますが、ワクチ
ンは液があっても、液をぽんと置いておいたからいいということではなくて、接種されて初めて
生きるわけでございますのに、総括会議のときには、接種体制について相当議論があって、報告
書の中でもワクチンのところでは接種体制のことの方がむしろ書かれている部分があるのにもか
かわらず、このメンバーを見ると、ワクチンをつくる人たちがほとんどであるということで、ち
ょっとそういうことについて、メンバーの選び方が余り適切ではないというか、よい結果が出な
いのではないかと思うところがあります。専門家会議のメンバーは余り増やしても多分どうしよ
うもないということもございましょうけれども、やはり必要な重要な点についてきちんと議論で
きるメンバーをもう少し加えていただけたらと思います。
○岡部議長 どうぞ。
○新型インフルエンザ対策推進室長 受け止めさせていただきます。こちらは健康局長が指名す
るということで対応できるかと思いますので、また、どういう方を入れたらいいかとか、そうい
うことも含めて御意見をいただければ、考えたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○岡部議長 ただ、ワクチンの方のメンバーを拝見しますと、旧国立病院ですけれども、東京病
院の永井先生とか、東京都医師会の所属で開業されている松平先生なんかも入っているので、現
場の声が全く聞こえないということでもないとは思うんですけれども。
 保坂先生、どうぞ。
○保坂委員 全く聞こえないわけではなくて、そのために入れたのはとてもわかるんですが、メ
ンバー全体の人数に対して、そこの部分が少ないということで、恐らくウイルスの専門家の方は
接種体制のことをおわかりにならないと思うんです。そうすると、お二人か、あるいは保健所の
方も多少は勿論関わっていらっしゃるわけだけれども、その人たちだけに議論を任せるというこ
とについて、もう少し違う工夫があってもいいかなと思います。
○岡部議長 どうぞ、局長。
○健康局長 恐縮ですけれども、保坂委員にワクチンの方にも入っていただければありがたいと
思います。よろしいですか。
○保坂委員 ありがとうございます。1人1つと言われて、どうしても1つしかだめと言われた
ので、入れていただければ、入れていただきたいと思います。
○岡部議長 田代先生、どうぞ。
○田代副議長 前回までの専門家委員会ですと、それぞれの作業部会のメンバーは、一応決めら
れていたと思うんですが、ほかの作業部会についても、オブザーバーという形で議論に参加する
ことはオープンだったと理解しています。私もいろんなところに顔を出していろんな意見を言い
ましたし、最終的な議決には加わらなかったと思いますけれども、そういうことを是非やってい
ただきたいと思います。
○新型インフルエンザ対策推進室長 それは、是非よろしくお願いいたします。
○岡部議長 おっしゃるとおりで、相当オーバーラップしているところもあるので、むしろほか
の委員の人に出てきて意見をいただくということもあるかと思うので、そこら辺は事務局の工夫
で、少なくともこの中では、作業班同士で必要な部分については、そのグループの人たちの意思
で会合や何かがあれば、意見を聞くことができて、意見を言うこともできると、ただし、決定の
場合は、ちょっと決めておかなければいけないでしょうから、決定する場合には、ちょっとオブ
ザーバー的な形でいるということをお願いしたいと思うんですけれども、よろしいですか。
 では、是非よろしくお願いします。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 今、岡部委員の発言を補足するんですが、例えばいつもかなり直前に招聘される日
にちが決まるので、できれば、その辺を少し御勘案いただけると、そういうものにも参加しやす
くなるかなと思いますので、私も広報、リスクコミュニケーション担当ではありますけれども、
少し患者としての視点、例えばワクチン接種なんかも非常に興味があるので、そういうときには、
どんな内容で、どういう作業班だということがあれば、事前に手を挙げますので、できれば、そ
ういうことを事務局として御配慮いただければありがたいです。
○岡部議長 よろしくお願いいたします。
 澁谷委員、どうぞ。
○澁谷委員 作業班の委員に任命というと大変だと思いますけれども、決まったものを各省庁で
調整をするというのは勿論手続上必要だと思うんですが、ディスカッションをする場に、例えば
公衆衛生対策であれば学校のことがかなり大きなウエートを占めていますので、文科省の人に事
務局側にでも来ていただいて、一緒に加わっていただくとか、ディスカッションしていただくと
いうようなことは可能なのでしょうか。ほかの省庁なので申し訳ないんですけれども、委員とす
るのは負担が大きいと思うので。
○新型インフルエンザ対策推進室長 ほかの省の話になりますので、相談してみたいと思います。
○岡部議長 どうぞ、局長。
○健康局長 私どもはそういうふうに運用したいと思いますけれども、そういった全体の調整を
内閣官房の方でするかもしれませんので、一応、調整した結果、そういうことでやろうというこ
とになれば、必要に応じて文科省にも来てもらいたいと思っております。
○澁谷委員 全体の話ではなくて、作業班というか、ディスカッションの一番元のところのこと
で、決まった後からの話ではなく元々のディスカッションのところでということなので、恐らく
これは内閣官房と言わなくても健康局長が了解と言えば、事務局にお呼びいただけるのではない
かと思うんですけれども。
○健康局長 私がうんと言っても向こうがうんと言わない。
○新型インフルエンザ対策推進室長 まず、文科省なら文科省に投げかけてみたいと思いますの
で。
○岡部議長 恐らく文科省だけではなくて、そうなってくると、いろんなところになってくるの
で、そこはある程度整理をしなければいけないと思うんですけれども、必要なところがあったら
作業班の方でリクエストを出していただくというようなことはあってもいいんではないかと思い
ます。その結果、どうなるかは、先ほどの向こうの関係もあるでしょうから、ここでは決められ
ないけれども、可能性は残しておくということにしておきたいと思います。
 永井先生、何かございますか。
○永井委員 先ほどのいろんな議論で大体これまでの経過がよくわかりました。それから問題も
そうなんですが、今、ちょうど発言された内容で、やはり縦割り行政というのは申し訳ないんで
すが、こういうものとは関係なしにどんどん広がっていくものに対して、どうもそういったとこ
ろがきちんとした国民に対しての感染予防に対して、あるいは対策に対しても隘路(あいろ)に
なるんではないかと、ちょっとそういう危惧を持ちましたが、調整していただければいいと思い
ます。
○岡部議長 ありがとうございます。吉川委員も何か一言ありましたら。
○吉川委員 特にありません。
○岡部議長 そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○笹井委員 先ほどの話とちょっとダブるんですが、意見を提出したいときに、どうしても来ら
れない場合は、代理が来て代わりに意見を提出するというのは、よろしいでしょうか。
○新型インフルエンザ対策推進室長 柔軟に対応したいと思います。
○岡部議長 一応、可能性としては代理を出せるかどうか、事務局にそのときに相談していただ
くということでしょうか。たしか、前の専門家会議のときも、代理の方が出たことはあったよう
に思いますね。一応、その可能性も検討してみてください。規定や何かの問題もきっとあるでし
ょうから、そのときに相談をしていただいて、具体的にどうするかはそこの分の話をどなたかに
お願いするとかしていただきえればと思います。
○健康局長 その機関の代表のような方であれば、代理という概念がきくと思いますけれども、
超専門家のような田代先生のような方であれば、代理はききませんので、その場合には、例えば
特別に同じような考え方の人で臨時委員にまた発令するとか、ケース・バイ・ケースで柔軟に議
論がうまく進むように調整したいと思います。
○岡部議長 ありがとうございます。そのようにお願いいたします。ほかには、いかがでしょう
か。
 それでは、予定時間、大体前後くらいだと思いますので、この規定に書いてあるよりかは少し
早目ですけれども、議論を進めるということで、今回はこれで終了にしたいと思うんですが、よ
ろしいでしょうか。
 では、事務局の方で、あとはお願いいたします。
○新型インフルエンザ対策推進室長 どうもありがとうございました。次回の予定について申し
上げます。次回は、作業班における検討を踏まえまして、11月下旬ごろに第13回の会議を開催
させていただく予定であります。具体的な日程につきましては、別途調整させていただきますの
で、よろしくお願いいたします。
 本日は、長時間にわたり御議論いただきまして、誠にありがとうございました。これをもちま
して、第12回新型インフルエンザ専門家会議を終了したいと思います。
 本当にありがとうございました。


(紹介先)
厚生労働省健康局結核感染症課
TEL:03-5253-1111(内線2077)
担当 新型インフルエンザ対策推進本部事務局庶務班


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 健康局が実施する検討会等> 新型インフルエンザ専門家会議> 第12回新型インフルエンザ専門家会議議事録

ページの先頭へ戻る