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2010年7月15日 独立行政法人評価委員会労働部会(第61回)議事録

○日時

平成22年7月15日(木)13:00~19:00


○場所

専用第21会議室


○出席者

   井原部会長、篠原部会長代理、川端委員、堺委員、寺山委員、松田委員、宮本委員、本寺委員



○議事

(以下、議事録)
 
○井原部会長
 ただいまから第61回「独立行政法人評価委員会労働部会」を開催します。本日は高齢・障害者雇用支援機構と雇用・能力開発機構の審議で、個別評価は今日で最後です。長丁場となりますが、委員の皆様方はご審議をよろしくお願いします。本日は今村委員、小畑委員が欠席です。堺委員が15時、本寺委員は16時を目処に、途中退席されます。
 高齢・障害者雇用支援機構の個別評価に入ります。最初に戸苅理事長からご挨拶と、平成21年度における業務実績概要の説明をお願いします。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 理事長の戸苅です。いつもお世話になっておりまして、ありがとうございます。本日は、平成21年度の個別評価をいただくということで、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 景気は着実に持ち直してきているというところでありますけれども、雇用情勢につきましては、5月の完全失業率が5.2%ということで高水準が続いていますし、有効求人倍率も0.5倍に留まっているということで、依然厳しい状況にあるわけであります。
 こうした中、高齢者の雇用につきましては、平成18年4月の改正高年齢者雇用安定法の施行後上昇が続いてまいりました60歳から64歳の就業率が、昨年5月以降、前年比マイナスに転じまして、12月からは横ばいあるいは前年比若干の上下という状況になってございます。昨年いっぱいで団塊世代の全員が60歳代になりまして、2年後には65歳に到達し始めるということを考えますと、65歳を超えまして、70歳まで働くことができます職場を早急に実現するということが重要であります。政府目標である希望者全員が65歳まで働ける企業の割合を50%、現在は43.4%でございます。70歳まで働ける企業の割合は20%、現在は16.3%でございますが、政府目標の達成に向けて、残り8カ月余でございますが、厚生労働省と連携、協力して、効果的な事業の実施に努めてまいりたいと考えております。
 障害者雇用につきましては、障害のある人たちの就業意欲は、引き続き高まってきておりまして、平成21年度のハローワークの新規求職申込件数は、前年度比5.1%の増加ということでございますが、厳しい雇用失業情勢の中、就職率は36.0%ということで、前年度に比べて1.1ポイント低下しています。
 こうした中で、政府の障がい者制度改革推進本部におきましては、国連の障害者権利条約の締結に向けた審議の中で、雇用分野についても基本的な論点として議論が進められておりますし、また6月18日に発表された新成長戦略におきましても、2020年までに実雇用率1.8%達成を目標に掲げられるなど、障害者雇用の新たな局面を迎えているというところです。当機構としても、こうした政府の取組を踏まえまして、障害のある人たちの職業的自立に向けて、業務の質を高め、サービスの一層の充実に努めてまいりたいと考えています。
 当機構におきましては、年齢あるいは障害の有無にかかわらず、誰もが安心し、意欲を持って働ける社会の実現に向けまして、高齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進のために、資料1-1の1~2頁にあるように、高齢者の雇用に関する相談・援助、障害者の職業リハビリテーションをはじめといたしまして、高齢者、障害者、事業主等の利用者の立場に立った懇切かつ効果的なサービスの実施と、不断の事業の見直し、無駄の削減による効率的な業務運営に、全役職員を挙げて取り組んでいるところであります。
 平成21年度の業務運営につきましては、厳しい雇用失業情勢の中で、地域センターを利用し、あるいは訓練校で職業訓練を受けておられる障害のある人たちが、1人でも多く就職できますように、機構本部と地域センター、訓練校によります対策本部の設置、事業主団体、企業等に対します求人確保要請、短期の職場実習の追加実施など、特別対策を講じまして、先ほど申し上げました、ハローワークの就職率が低下する中で、地域センターの職業準備支援修了者の就職率は、前年度より4.5ポイント上昇ということで、過去最高の56.7%となりました。訓練生の就職件数も218人で、これも昨年度実績を25名上回ったところであります。
 また、企業の経営環境の厳しい中で、障害者雇用納付金の収納率の低下を防止すべく、納付督励の前倒し実施などをいたしまして、ほぼ前年並みの収納率を実現いたしたところであります。
 併せて、昨年度末に変更認可されました中期計画におきまして、新たに行うことになりました地域の関係機関に対する職業リハビリテーションに関する助言・援助等の、新たな3業務の的確な実施に努めますとともに、引き続き各業務の効率的・効果的な運営に取り組んできたところであります。
 まず、業務運営の効率化です。全国5カ所にある駐在事務所を廃止しました。納付金等の調査、就労支援機器の貸出については、本部に一元化しました。地域センターの管理事務の集約化について、新たに3ブロックで実施しました。本年度中には、すべてのセンターを集約化する予定にしています。
 さらに、給付金・助成金業務の効率化について、処理の遅滞あるいは申請件数の増減に対応しまして、1週間単位での機動的な人員再配置などの対策を講じまして、1件当たりの平均処理期間は、平成19年度比で12.4%の短縮ということで、中期目標の5年間の目標が5%ですが、2年目にして大幅に目標を上回る短縮をいたしたところです。
 高齢者関係の事業については、都道府県労働局と共同し、個別の訪問計画を作成し、アドバイザーがハローワークと同行訪問するなど、行政と連携しての小規模企業を重点とする、雇用確保措置の効果的な相談・援助を行うなど、目標の3万件を上回る32,893件の実施をしたところです。
 障害者関係事業については、地域センターにおいては、就職あるいは職場適応が困難な発達障害者あるいは精神障害者といった方々の利用が、それぞれ23%、10%強と、引き続き大幅に増加しました。厳しい雇用失業情勢の中で、先ほど申し上げましたように、所長あるいはジョブコーチ等による経営者団体、企業への求人要請、ハローワークにも参加いただいての具体的な求人情報に基づくケース会議の積極的開催等の、就職実現特別対策を実施しまして、就職率が過去最高の56.7%となるなど、全指標で目標を達成しまして、12指標中、9指標は過去最高ということになりました。
 また、うつ病等の精神障害者について、休職と復職を繰り返す方、あるいは休職期間が長期化するといった方々、そういった困難事案の割合が高まっておりますので、これに対応すべく、個々の状況に応じて、復帰後の新たな職務、環境に対する対応力の向上に関する支援を加え、個別実践型リワークプログラムと呼んでおりますけれども、これを全国の地域センターで実施しますとともに、支援待機者を多数抱えているセンターでのリワークカウンセラーの配置等々による実施体制の拡大を進めました。この結果、最大4カ月の待機期間をほぼゼロにしますとともに、復職・雇用継続率も80.8%と過去最高になりました。
 障害者職業能力開発校においては、精神障害者、視覚障害者の方々の定員の拡大、発達障害者の方の定員を上回る受入拡大により、特別支援障害者の方の割合が47.2%と目標を大きく上回りました。また、就業環境が変わると業務の円滑な遂行が困難になる方、身体動作の制約があり、職業訓練を行う上で特別の機器による訓練が必要な方、そういった方々のために、特注型の企業連携訓練、受入可能性のある企業と一体となった新たな訓練に取り組みました。17名に対して実施して、訓練を修了した16名の方のうち12名が就職しています。
 納付金については、先ほど申し上げましたように、景気の急激な悪化による収納率の低下を防止するために、未納付企業リストを受託法人に送付するのですが、これを前倒しし、早期からの粘り強い納付督励を行い、厳しい経営状況の続く中で収納率は99.74%で、前年度と同水準を達成しました。
 併せて納付金制度が改正され、この7月から制度の適用対象が201人以上の中小企業に拡大されるということで、平成21年度については、新たに対象となる雇用率未達成の201人以上の中小企業すべてを対象に、延べ9,000件余の個別訪問を実施するとともに、その結果を受けた企業の理解度に応じて、さらに戦略的な再訪問を実施しました。
 障害者の技能競技大会ですが、知的障害者を対象とした種目のウエイトを高めるなどの競技定員の見直し、あるいはビルクリーニングの競技種目への採用、こういったことの重点化を図るとともに、開催市の都合で会場が3会場に分かれたことから、複数会場開催のメリットを活かす工夫と、複数会場開催によるネック解消のための対策を実施しました。併せて、ワード・プロセッサなどの手元作業のわかりにくい種目の競技内容、審査のポイントなどを紹介したDVDの作成・上映も行いました。
 地方業務の委託です。11月に厚生労働大臣から平成22年度の地方業務委託については、一般競争入札によるべしという方針が示されました。そういった状況の中で、競争性や透明性を高めるべく取組を加速しまして、平成22年度の契約から一般競争入札、最低価格落札方式を実施しました。実施に当たっては、透明性・競争性の確保に可能な限りの取組をしたと、私どもは思っているところです。
 最後ですが、本年4月に厚生労働省省内事業仕分け、行政刷新会議の事業仕分けを受けました。省内事業仕分けにおいては、障害者職業センターにおける職業リハビリテーション、職業能力開発校の2事業については、6名の評価者中4名から、改革案妥当ということになりました。障害者雇用納付金制度に関する業務については、改革案が妥当が2名、機構で事業継続をするが更なる見直しが必要が2名、高齢者支援関係業務については、改革案妥当が1名、当機構で実施するが更なる見直しが必要が3名という結果でした。
 また、行政刷新会議における事業仕分けでは、地域障害者職業センターの設置運営について、16名の評価者のうち、当法人の実施が11名という評価でした。
 以上、申し上げましたように、いずれの業務についても、これは行政刷新会議の取りまとめのコメントにもありますが、大変多くの評価者の方から機構の取組を評価いただき、あるいは更なる改善についての期待をいただいたところです。人口・労働力の減少、高齢化が一層進行し、障害のある人たちの就労意欲が高まっている中で、当機構の役割は引き続き重大であると認識いたしまして、役職員一同、使命を的確に果たすべく全力を挙げて取り組みたいと考えていますので、よろしくお願い申し上げます。

○井原部会長
 続いて、評価の参考に資するために、4月15日に行われた省内事業仕分け、4月23日に行われた行政刷新会議事業仕分けにおける、高齢・障害者雇用支援機構に関する審議の概要と結果について、事務局から説明をしていただきます。

○政策評価官室長補佐
 説明いたします。本日事務局からは、参考資料1-1、参考資料1-2、参考資料1-3を配付していますので、そちらの資料についてご説明します。
 まず参考資料1-1です。こちらは省内事業仕分けの結果です。理事長からのご説明もありましたが、省内事業仕分けは、「高年齢者雇用支援業務」「障害者職業センターにおける職業リハビリテーション」、障害者の「職業能力開発校」「障害者雇用納付金制度に関する業務」の4つの業務、「組織・運営体制」ということで、この5つのポイントで議論を行っていただきました。当日配りました資料は、参考資料1-1の2頁以降に付けていますので、そちらもご参照ください。審査の結果については、先ほど理事長から読み上げていただきましたので、割愛させていただきます。
 参考資料1-2が、行政刷新会議の結果です。行政刷新会議ではワーキンググループBということで、事業番号B-4とされ、労働者健康福祉機構とともに議論になりました。お配りしている参考資料1-2ですと、(4)の事業が該当するところです。結論は2頁です。当該法人が実施し、事業規模は縮減ということで結論が出されています。当日使用した資料は、次の頁に付いていますので、参考にしていただければと思います。これらの省内事業仕分け、行政刷新会議の事業仕分け等を含めた更なる対応については、現在検討を進めているところです。
 参考資料1-3です。こちらは「政・独委からの2次意見」で、前回の部会でもお配りしたかと思います。高齢・障害者雇用支援機構について個別に指摘がありましたものを、参考として付けています。指摘された事項の対応状況等も備考にまとめていますので、参考にしていただければと思います。

○井原部会長
 これからの進め方ですが、高齢・障害者雇用支援機構の個別評価については、評価シートの個別項目を3つのグループに分け、グループごとに評価を行っていきます。
 まずグループ1で、「業務運営の効率化」、「業務の質の向上への取組」、「高齢者事業」の項目について評価を行います。所要時間は、法人からの説明に35分、委員の評定と質疑に20分、合計55分です。法人からの説明をお願いします。

○高齢・障害者雇用支援機構企画部長
 平成21年度の業務実績について、先ほど紹介のありました資料1-1「平成21年度業務実績説明資料」に沿ってご説明します。この資料は資料1-2「平成21年度業務実績評価シート」をわかりやすく説明したもので、各評価区分ごとに自己評価及び業務実績を記載しています。なお、当機構では業績評価を厳正、公正に行うため、この労働部会の審議に先立ちまして、雇用、福祉、医療の専門家といった、外部の有識者からなる外部評価委員会において、労働部会と同様の方法、基準により評価をいただいており、その評価結果を評価シートの自己評価欄に記載しています。まず、評価シートの1から7までを続けてご説明します。
 3頁をご覧下さい。評価シート1「業務運営の効率化」です。1枚めくっていただき5頁をご覧ください。「効果的・効率的な業務運営体制の確立」です。1点目は左上の「駐在事務所の廃止」です。全国5カ所の駐在事務所を平成21年度末に廃止し、納付金等調査、就労支援機器の貸出などの業務については本部に集約化して実施するとともに、図書・パネルの貸出等については廃止しました。駐在事務所定員については、本部の効率的・専門的な納付金等調査体制へ振替え、嘱託職員数も大幅に削減しました。
 2点目は「せき損センターの廃止」です。平成20年度末にせき損センターを廃止し、平成21年4月からは、福岡センターによるせき損センター利用者の引継ぎ、入・通院者に対する出張職業評価・職業指導等を実施しました。
 3点目は「地域センターの管理事務の集約化」です。平成21年度は、平成20年度の北東北ブロックの集約化に続いて、新たに南東北、東海、四国の3ブロックを集約化しました。さらに、平成22年4月からは北陸など3ブロックで集約化しており、平成22年度内にはすべてのセンターの集約化を実現することとしています。また、平成20年度の集約化に伴う問題点の把握・分析、解決方策の検討を踏まえ、新たに事務用消耗品、レンタカーの本部一括契約などの、本部と地域センターの契約事務配分の見直し。また専門職員以外でも理解・実施できる経理マニュアルの新規作成。担当者、所長への事前研修の実施等により、円滑・的確な管理事務を実現しました。
 次の頁をご覧ください。「業務運営の効率化に伴う経費節減等」です。左上の「一般管理費・業務経費の節減」ですが、一般管理費は予算上で平成20年度と比較して目標を上回る3.1%を節減した上で、さらに予算執行の経費の節減として省資源・省エネ意識の徹底、事務所借料の引下げ等により10.7%の節減をし、合わせて決算額では13.4%の大幅な節減を実現しました。
 その右の業務経費も同様で、予算上目標を上回る3.1%を節減した上で、さらに予算執行段階で一般競争入札の積極的な実施等、自主的な事業見直し・廃止により15.7%の節減をし、合わせて18.2%と大幅な節減を図ったところです。
 左上の「随意契約見直し計画の着実な実施」ですが、総合評価方式の拡充及び複数年度契約の拡大により、随意契約見直し計画を着実に実施しました。また、個々の契約については、監事監査、会計監査人による監査、契約監視委員会によるチェックを受け、監事監査では合規性を損なう事象は発見されず、また会計監査人監査では、無限定適正意見を受け、契約監視委員会でも適切であるとの評価を得たところです。
 次に「受託法人の契約形態の企画競争への移行」です。機構では、給付金・助成金の申請受付、相談・援助等の業務を受託法人に委託していますが、この委託については、外部の学識経験者等からなる審査委員会の審議を経まして、7月に企画競争入札の公告を実施しました。その後、厚生労働大臣の指示により、改めて最低価格落札方式の一般競争入札を実施したところ、12協会については大臣認可がなされず、5月に再入札を実施したところです。
 その結果、3区域については認可を受けた法人が実施していまして、再入札で入札のなかった9区域については、10月から機構が直接実施で対応したいと考えています。また、平成23年度からは、全47区域で、機構が直接実施することとしています。
 次に、右上の「業務・システムの最適化」です。障害者雇用支援システムを平成21年4月から運用開始することにより、処理時間の大幅な短縮を図るとともに、約5,500万円のシステム経費の削減を実現しました。
 最後は、右下にある「高齢期雇用就業支援コーナーの市場化テスト導入」です。東京、愛知、広島の3カ所について、公共サービス改革基本方針に従い、平成22年1月から民間事業者による事業を開始すべく入札公告を実施しました。その後、厚生労働大臣よりコーナー廃止の方針が示されたことから、入札手続を中止し、3コーナーを12月末に、残りの11コーナーを平成21年度末に廃止したところです。
 下の頁をご覧ください。「給付金及び助成金業務の効率化」です。給付金・助成金の1件当たりの平均処理期間については、上段中央の吹出しにあるように、中期計画の最終年度である平成24年度に平成19年度比で5%の短縮する目標に対し、平成21年度ですでに12.4%短縮と、2年目にして目標を大きく上回る短縮を実現したところです。
 その下の「事務手続の効率化」です。高齢給付金については、処理の遅滞や申請件数の増減に対応した週単位での機動的な人員配置、また処理期間20日以内ルールの15日への短縮など、効率化対策を実施しました。
 また、右側の障害助成金についても、窓口での事前相談の徹底、十分な説明による無駄な事務の削減、添付書類の簡素合理化、疑義照会への回答状況の常時管理と、週単位の定期的な督促により、平均処理期間のさらなる短縮を実現したところです。
 以上が評価シート1で、給付金・助成金の処理期間の大幅な短縮等が評価され、当機構の外部評価委員会より「S」と評価されたところですが、受託法人への委託に係る入札手続について、先ほど申し上げましたような状況になったことを踏まえ、自己評価は「A」としたところです。
 8頁をご覧ください。評価シート2「業務の質の向上への取組」です。さらに次の頁「関係者のニーズ等の把握・業績評価の実施及び公表」についてです。当機構では、関係者の皆様のニーズを幅広く把握し、業務の改善につなげていくため、関係各方面を代表される方々による「評議員会」を開催するとともに、各種の支援サービス利用者及びその所属長に対し、サービス終了時における有用度調査と、具体的な課題改善効果に関する追跡調査を積極的に行い、自由記述欄を含めて結果を分析し、現場へのフィードバックと改善指導を行っているところです。
 その下の「業績評価」です。機構においては「内部評価委員会」と「外部評価委員会」の2本立てで業績評価を行い、PDCAサイクルの徹底を図っています。機構本部の部長を構成員とする内部評価委員会においては、重点テーマの設定による業務進捗状況の把握分析を行い、進捗の思わしくない業務の改善や取組の遅れている地域センター、受託法人への指導の徹底を図っています。さらに、厳正・公正な業績評価の観点から、雇用・福祉・医療の専門家といった外部の有識者5名で構成される外部評価委員会を設け、評価をお願いしています。「職業リハビリテーション業務」については、より専門的な見地から評価を行っていただくため、職業リハビリテーション分野の学者、専門家8名による評価をお願いしています。外部評価委員会での評価の方法・基準については、この労働部会と同様になっておりまして、外部評価委員会で評価いただいた評価項目については、評定評価を機構の自己評価とし、本日提出させていただいています。この独法評価委員会の評価結果については、機構内LANにより全職員に周知しているところです。
 さらに、右側の中段にあるように、夏に重要課題について理事長ヒアリング(サマーレビュー)を実施し、目標達成の意識向上、効果的な業務推進を図っています。
 次に下の頁の「内部統制の在り方・高年齢者等及び障害者雇用支援業務の連携によるサービスの充実」です。当機構では、内部統制の向上に意欲的に取り組みました。左上の図にあるように、左のコンプライアンスを担当する総務部と、右のコンプライアンスに関して厳正な監査を行う監査室による2元構造のコンプライアンス体制の下、内部監査を実施しました。
 次に、さらなる内部統制の向上を図るため、役職員の行動理念を「行動規範」として策定し、全役職員に携帯させています。行動規範の策定に当たっては、全役職員から意見を募集するとともに、研修の実施、社内報への解説記事の掲載等により、コンプライアンス意識の全役職員への浸透を図りました。また、コンプライアンス推進規程による推進体制の整備、推進責任者の配置、推進計画の策定を行うとともに、公益通報窓口の設置、処理体制の構築を図りました。
 さらに、いちばん下ですが、業務運営の参考となる意見等を幅広く募集し、業務改善につなげるため、モニターを100名体制に増員し、モニター制度を本格実施したところです。
 右側については、高齢者業務と障害者業務の連携です。まず「高年齢者雇用アドバイザー・障害者雇用アドバイザーの連携」です。いずれのアドバイザーが事業主相談を行っても、基礎的事項については即時対応するとともに、相談内容を担当者へ確実に伝達し、さらに担当者による専門的支援を実施しました。その結果、パート社員の70歳雇用制度導入支援につながったなどの成果が得られたところです。
 次に「給付金業務及び助成金業務の連携」です。給付金・助成金双方を代表的な活用事例を用いて具体的に説明するリーフレットの作成。不正受給事案、未然防止事案の情報共有化による不正受給防止の徹底などに取り組みました。
 いちばん下の「実旋的手法の開発・提供の連携」でも、「高齢者と障害者がともに働きやすい職場推進に関する調査研究会」を新たに設置し、高齢・障害者雇用の相乗効果、双方に適用できる改善手法などを解明しています。また、高年齢者雇用開発コンテストにおいては「高齢者と障害者がともに働きやすい職場部門」を設け、表彰したところです。
 次の頁をご覧ください。ホームページによる「高年齢者等や障害者の雇用情報等の提供等」です。平成20年度は、月平均5.7回の更新、動画形式によるコンテンツの配信等、コンテンツの充実を図りました。また、左下の「積極的な広報の実施」にあるように、「エルダー」「働く広場」については、当労働部会でのご指摘も踏まえ、書店での試行販売を開始するとともに、ホームページでも閲覧できることを記載した周知用チラシを、産業団体あるいは文部科学省の協力を得て特別支援学校へ配布するなど積極的な広報を実施しました。これらの結果、ホームページへのアクセス件数は約1,386万件と、平成20年度比で3割強増加したところです。
 下の頁は、「ホームページの利用しやすさの向上に向けた取組」です。代表的なものを紹介しますと、画面読み上げソフトを利用する視覚障害者の利便性の向上を図るため、全文を読み上げる方式から、見出しを大、中、小の3段階で読み上げ、迅速に目的の文書を見つけることができるようHTMLの構造化を図ったところです。
 以上が評価シート2で、自己評価は「A」です。
 次の頁からが「高齢者事業」です。評価シート3は「給付金の支給業務」です。17頁です。「効果的な活用に向けた周知・広報、事務手続の簡素合理化」について、まずホームページ等による迅速な情報提供として、改正の6日後、3日後にホームページに掲載し、目標を達成しました。新規の取組として、周知の重点企業リスト及び集団的な周知広報の方針・手法を受託法人に指示するとともに、機構本部においても、全国規模の業種団体に対して傘下企業への周知の協力を依頼しました。さらに、事務手続の簡素合理化として、申請書類のA4サイズへの統一、添付書類の省略化などの合理化を進めたところです。
 その下は「不正受給防止対策の強化」です。調査実施件数の目標値を受託法人ごとに設定し、2,986件について厳正な調査を行いました。また、10人未満事業所に対する事業所調査の重点実施、労働保険適用事業所データの添付の義務付けによる従業員の在籍確認の厳正実施に取り組みました。以上が評価シート3で、自己評価は「A」です。
 18頁の評価シート4は、「高齢者雇用に関する相談・援助」です。20頁をご覧ください。「高年齢者雇用アドバイザー等による相談・援助」については、平成21年度は高齢者雇用確保措置の実施が特に遅れている小規模企業に対する導入支援を重点に取り組みました。労働局と受託法人の共同作成による個別訪問計画に基づき、アドバイザーがハローワークと同行訪問するなど、行政と連携して効果的な相談・援助を行いました。これにより、31~50人企業への相談・援助が5,423件と増加したところです。
 さらに「『70歳まで働ける企業』の普及・促進」を図るため、同業種・同規模で雇用を実現している事例の紹介、企業のメリットの説明、職場改善の提案など、企業の実情に応じた相談・援助を実施しました。これらの結果、平成21年度の相談・援助件数については、目標の3万件に対し32,893件、達成度は109.6%となりました。そのうち「70歳まで働ける企業」の相談・援助については14,098件と、平成20年度から3割増となっているところです。
 さらに、下段中ほどの囲みにあるように、アドバイザーを機構本部が直接委嘱することにより、適切な人選、活動方針・内容の全国共通性の確保等により、効果的な活動を実現したところです。さらにその左にあるように、スキルアップのための多彩な研修、ブロック別経験交流会において、「小規模企業への具体的提案」、「70歳まで働ける企業」に的を絞った事例検討を積極的に行うなど、アドバイザーの質的向上に取り組んだところです。
 これらの結果、相談・援助6カ月後の追跡調査では、課題改善効果があったとの回答が83.0%と、目標の70%を上回る高い評価を得ることができました。具体的には、「希望者全員を70歳以上まで継続雇用する就業規則の変更ができた」といった評価をいただいています。
 「企業診断システム」の活用については、目標の2,100件に対して2,795件で、達成度は133.1%です。職場活性化研修についても、目標の260回以上に対して416回、達成度は160%と目標を大きく上回りました。右下の受講者に対するアンケート調査では、「高齢者を含めた職場をまとめる上で管理者として不足している部分を認識できた」など、96.6%から、有効との回答をいただいています。
 下の頁で、「高年齢者等の雇用に関する各種講習等」です。左中央の「講習内容の改善・充実」の囲みです。「70歳まで働ける企業」の普及・促進の観点から、「高齢職員戦力化への条件整備の流れ」等、テーマを設定するとともに、受講者に対するアンケート結果を各受託法人にフィードバックし、今後の研修計画に活かすよう指導しました。
 その結果、受講者数は目標の24,000人に対し、27,098人となり、達成度は112.9%となりました。受講者に対するアンケート調査では、「高齢従業員がますます多くなる中で人事管理・仕事の内容の見直しの必要性を痛感した」「高齢者活用に向けた当社の問題点がよくわかった」など、目標の85%を上回る89.8%から「有用だった」との回答を得ました。
 さらに左下になりますが、平成20年度に講習を受講した事業所を対象に、雇用管理の改善状況について追跡調査を実施しました。その結果、「改善が進んだ」「取組が進んだ」など、雇用管理改善に効果があったとの回答が85.4%となり、目標の80%を上回る成果が得られました。調査の結果、取組の進んでいない事業所に対しては、アドバイザーがフォローアップを行うなど、継続的な支援を実施しているところです。
 以上が評価シート4で、自己評価は「A」です。
 次に22頁の評価シート5で、「高齢者雇用に関する実践的手法の開発・提供」です。24頁をご覧ください。左上の「『70歳まで働ける企業』実現に向けた雇用力評価チェックリストの開発」です。これは個別企業の70歳雇用に向けた人事管理制度や推進体制等の実態について、全国の5,200社のデータに基づき設定した評価指標と比較し、その特徴や課題を把握するものです。チェックリストの回答を基に、「結果の活用方針・風土作り」など、雇用力6要素をレーダーチャートでわかりやすく表示し、これを活用してアドバイザーが課題解決に向けた相談・援助を実施するものです。
 次に左下です。平成20年度に続く、第2段の「70歳いきいき企業100選」、そのうちの先進的な20事例について、具体的な取組内容を詳しく紹介する「70歳雇用先進事例集」、都道府県ごとの「地域版事例集」をそれぞれ作成しました。作成に当たっては、60歳以前・以降別の取組の掲載、70歳従業員のインタビューを加えるなど、新たな工夫を行いました。これらはアドバイザーの必携資料として企業訪問に持参し、相談・援助活動に活用されるとともに、地方紙46紙に紹介されたことで多数の問合せ・資料請求など大きな反響があったところです。
 また、これらの開発成果も活用し、70歳雇用に向けたシンポジウムを開催しました。経済情勢が厳しい中にあっても多くの参加があり、「70歳まで働ける企業を増やすことがいかに重要かを感じた」など、70歳雇用に対する認識を広める一助となったところです。
 下の頁で、共同研究です。これは高齢者が能力発揮しやすい職場づくりに向け、先駆的なモデルを企業と機構が共同で構築するものです。10件の目標に対し、11件実施しました。
 右側に金属塗装企業の取組事例を示しています。ソフト面では、技能習得度により昇級できる賃金制度の創設、ハード面では、大型製品・小型製品の両方に対応できる高齢者向け作業ラインの改善により、65歳定年の70歳までの引上げを実現しています。
 下の「産業別高齢者雇用のガイドライン策定支援」です。産業別団体が業界が抱える課題等を改善し、高齢者雇用を促進するため、自らガイドラインを策定して傘下企業に普及することを支援する事業です。平成21年度については、目標どおり15団体に対し実施しました。このうち事業の最終年度を迎えた10団体についてガイドラインを作成し、企業への配布、団体主催セミナーの開催等により普及を図りました。アンケートでは94.8%が「満足」と回答したところです。
 以上が評価シート5で、自己評価は「A」です。
 次の頁の評価シート6、「高齢者雇用に関する啓発事業」です。28頁、「高齢者雇用フェスタ2009」です。平成21年度は「働く喜び、活かす経験-70歳の現役力-」をテーマに、70歳を超えてのいきいき元気な働き方を展望すべく、70歳現役時代の働き方や生き方について総合的な理解を図る「公開シンポジウム」、70歳代を積極的に雇用し、業績を上げている企業事例に焦点を当てた「高年齢者雇用開発フォーラム」を開催しました。特に特別企画として、「参加型トークセッション」と銘打ち、70歳代現役労働者の発表、大臣表彰企業の事例紹介、会場参加者との意見交換等の立体的な企画により、会場全体が参加するものとしました。
 さらに、いちばん下にあるように、健康運動指導士などを講師とするセミナーなど、多彩な手法による効果的な情報提供を行い、高齢者雇用確保の重要性を、参加者に十分理解してもらう総合的なイベントとしたところです。特に今回は、厳しい雇用情勢の下、就業希望高齢者の来場の大幅増加に対応し、就業カウンセリングサービスの充実を図りました。
 こうした取組の結果、来場者数は過去最多の2,724人、「先進的な企業の取組事例が役に立った」など、高齢者雇用問題の理解度は93.1%と目標の80%を大きく上回りました。
 下の頁は、「エルダーの発行その他啓発広報活動の実施」です。発行部数については、目標の6万部を達成しております。左下の囲みにあるように、編集委員、読者アンケート等の広範な意見を踏まえまして、企業先進事例、70歳時代の多様な働き方、産業保健人間工学に基づく「ワークアビリティとは」など、高齢者雇用に関する具体的なノウハウを中心に紹介し、企業が現実的な課題を解決できるよう取り組んだところです。この結果、読者アンケートでは、「エルダーは生きた指導書である」など、92.6%から「非常に役立つ・参考になる」との評価をいただきました。
 右上の「更なる啓発広報活動」として、新聞広告のほか、インターネット検索サイトでのバナー広告、企業経営者をターゲットとした空港、機内誌での広告を実施しました。以上が評価シート6で、自己評価は「A」です。
次の頁で、評価シート7「在職者を中心とした相談・援助」です。32頁をご覧ください。平成21年度は、「利用ニーズに対応した業務実施体制等の整備」に取り組みました。1点目は、相談業務とセミナー業務の密接な連携の下、相談・セミナーの一体的運営を図りました。2点目は、情報共有によるサービス向上として、利用者アンケートの集計・分析結果を受託法人へフィードバックし個別改善指導を行うとともに、好事例のフィードバックを実施しています。3点目は、新たに「業務編」「事例編」「参考資料集」からなる、コーナー業務マニュアルを作成・配布し、地域の実情に応じて一層の改善を図りました。
 また、民間競争の導入については、目標どおり、東京、愛知、広島の3コーナーを対象に入札を実施しましたが、その後大臣の方針により中止となっています。
 その下です。「利用者サービスの重点取組」として、土日・夜間相談、セミナーを積極的に実施するとともに、出張セミナーと出張相談をセットで実施するなど、ニーズに積極的に対応し、利用者の利便性向上を図りました。また、セカンドキャリア支援講習については、2日コースと同様のカリキュラムを1日に凝縮した1日コースの受講者が前年度比269.5%に達し、非常に多くの利用を得ました。そのほかにも、起業者やU・Iターン者などのセカンドキャリアサポーターによる支援でも、前年度を大きく上回る実績を上げたところです。
 その結果、3カ所で12月末に業務を終了したにもかかわらず、相談・援助件数は41,285件と目標を上回り、セミナー受講者数は164,042名、達成率は136.7%と目標を大きく上回りました。
 利用者アンケートでは、相談・援助について「効果があった」が96.2%、セミナーについて「有用だった」が94.9%と、いずれも目標を大きく上回る高い評価を得たところです。また、「目標とする職種に役立つ資格についての資料と適切な助言をもらえた」「求職に当たり実践的なアピールポイントや起業に関する情報を得られた」との声が寄せられています。
 以上が評価シート7で、自己評価は「A」です。以上でグループ1についての説明を終わります。

○井原部会長
 どうもありがとうございました。ここで、中村委員が出席の予定だったのですが、欠席となりましたのでお知らせいたします。
 それでは委員の皆様は評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。質問等がありましたらご発言いただきたいと思います。

○松田委員
 随意契約についてお尋ねします。資料の1-3の37頁に、競争性のない随意契約は165件、45.5%、金額にすると71億7,000万円、74.5%、すごく高いですね。これは去年も出ましたよ、全くこれ変わっていませんね。しかも、その主なものはほとんど雇用開発協会、雇用開発協会に使っているお金が60億円ありますよ。そのほかで、これ71億円でしょう。しかも天下りが270人いるというふうに新聞に出ていますよ。これはどういうふうにするのですか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 これは昨年度も申し上げましたが、本年度から競争性のある契約形態に移行するということで申し上げました。先ほど部長からの説明の中で申し上げましたけれども、当初は企画競争でということで取り組んだのでございます。その後、大臣からのお話で、最低価格方式の一般競争入札ということで取り組みまして、再入札という結果になったのですが、この4月から47県中の38県につきましては、一般競争入札になりました。残りの9県につきましては、応札者がいなかったということがありまして、この10月から私どもで直接実施ということで考えています。さらにいま申し上げた38県につきましても、来年の4月から私どもで直接実施ということになりますので、来年度になりますと随意契約は30ないし40件台に下がるというふうに考えています。 

○松田委員
 パーセンテージで言うと、何パーセントぐらいになるのですか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 パーセンテージで言うと、おそらく10%台だと思います。金額で申し上げると、おそらく10%を若干割るということになると思います。

○松田委員
 決まらなかったのは、過去の実績を要件とするなど条件があまりにも厳しいからじゃないですか。あるいは長い付き合いがあって、変な形に結びついているから決まらないと、そういうことがあり得ますよね。  

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 これにつきましては、1つは来年度から私どもで直接実施するということがあったものですから、1年間の契約になってしまうということで、手を挙げるところが少なかった。もう1つは、業務の範囲が非常に広範に渡るということがございます。これについては、当労働部会の先生方からも、障害者の事業と高齢者の事業の一体的運用というお話がかねてからあり、我々もその方向で取り組んでいたということで、高齢者と障害者の事業を一括して包括的に委託することにしたものですから、なかなか手を挙げられなかった。そういうことがあって、では、ジョイントベンチャーでもいいですよと。例えば高齢の得意な企業と障害の得意な企業でやる。あるいは社会保険労務士の団体のように、給付金・助成金の得意な企業と、啓発的なのが得意な企業と、ジョイントベンチャーでもいいですよということとか、いろいろ厚生労働省とも相談して手を挙げやすい条件をやったと我々思っているのですが、結果はいま松田先生がおっしゃったような結果になっているということです。

○松田委員
 資料1-1の20頁。小規模企業を重点化して雇用確保を図る。当機構は小規模企業をやると言っていますが、小規模企業をやっても、これは意味がないのですよ。10人や20~30人の企業を一生懸命アドバイザーが働きかけても、何ら1つの成果は出ませんよ。それよりもどうして500人あるいは1,000人以上の企業をやらないのですか。インパクトが全然違う。これはちょっと間違っていますよ、小規模企業を重点的にするのは。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 これは厚生労働省からあとでコメントをいただくと思いますが、私どもの立場としては厚生労働省の中期目標に基づいて、中期計画、年度計画を作成しているところでございます。65歳までの継続雇用制度の達成状況というのは、規模別に厚生労働省の調査について申し上げますと、先生の認識がひょっとしたら正しいのかもしれませんが、厚生労働省の調査で申し上げますと、300人以上の企業の65歳までの雇用確保措置の実施率のほうが小規模企業よりも高い。ですから、小規模企業を重点に高齢者アドバイザーによる指導をやるようにという中期目標が私どものところにきて、私どもはそれを受けていまやっているというのが1つです。
 もう1点申し上げますと、松田先生がおっしゃるように、70歳ということを射程に入れますと、厚生労働省の調査でも70歳に関しましては、小規模企業のほうが大企業よりかなり高い。そういう意味では、これから重点が70歳になるのだとすると、先生がおっしゃるように大企業にもう少しシフトしていかないといけないということは、おっしゃるとおりかと思います。そこはちょっと厚生労働省の見解があると思いますが、私どもはそう思います。
 
○松田委員
 ですから、有能なアドバイザーを活用するには、1,000人以上の企業を重点的にやれと、そういう方針を出さないと。いまのところ小企業は17、18%はいっていますよ。大企業は7%程度です。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 そうですね。確かにおっしゃるように。

○松田委員
 これ逆ですよ。
 
○井原部会長
 厚生労働省からどうぞ。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長 
 雇用確保措置につきましては、理事長からの説明のとおりでございます。昨年の6月1日現在の雇用確保措置の導入状況、実施済みで言いますと、301人以上規模で98.7%となっているものに対しまして、31~50人層については92.4%という感じで、パーセンテージとして多少遅れている状況があるということです。大企業に対する確保措置の導入につきましては、ハローワークを通じたりして、非常にきめ細かくやっているのですが、なかなかそこは手が回らないというところです。実際の雇用確保措置の導入指導につきまして、法人にご協力いただいているものについては、もちろん大企業をやっていただくことが必要ではありますが、それに加えまして、小規模企業につきましてもやっていただくという形での計画です。

○松田委員
 もう1つ大きな目標がありましたね、20%。先ほどの話で16.2%ですか。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長
 16.3%でございます。

○松田委員
 私は前にもですね、平成22年にこだわらずに2、3年伸ばせと、再三言いましたけどね。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長
 先生がおっしゃるとおり20%の目標、今年度中に20%という目標です。正直チャレンジングな目標であるというのはそのとおりだと思っています。ただ、目標に向かいまして高・障機構の協力も得ながら、ハローワークでの指導などもかなり重点的にやっている状況でございます。16.3%と申しますのは、昨年の6月1日現在での雇用状況報告の数字です。今年度の数字は、おそらく今日までが提出期限になっているかと思いますが、この数字がどうなのかを見定めていく必要があるだろう。
 目標としております平成22年度の数字は、来年の6月1日現在の数字でどうなるかということで考えています。労働局を通じて指導を強化しているところですが、その中で私どもが報告を受ける中では、本年度の6月1日現在の数字は、18%台を超えるのではないかというふうに考えています。16.3%~18%台ということで、1.8%、2%弱は伸びるのではないかと考えています。単純に伸ばせば、ぎりぎり届く数字ではないかと思っています。今後の経済動向等々ありますので、必ず20%にいくかどうかというところはありますが、かなりチャレンジの目標だということは認識しつつ、実現不可能なものではないのではないかというのが、現状の認識でございます。

○松田委員
 いまの経済情勢からいくと、その20%は非常に厳しいですよ。だから私、再三2、3年伸ばせと言ったのです。しかし、皆さんそれにこだわったのでしょう、20%やると。これは達成度を評価するのですよ。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長
 はい。

○松田委員
 いかないものを評価するわけではないのですから。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長
 そういう意味で、今年の6月1日現在でおそらく18%台に乗せるであろうというふうに思っております。これが単純に伸びるかどうかというのは、見通しとしてもあまり安易な見通しをもつべきではないかとは思っているのですが、この2、3年の伸びを考慮すると、全く不可能な目標ではないということで。
 かなりチャレンジな目標だということは、松田先生のおっしゃるとおりだと思っています。前回も同じようなご解答をしたような記憶もございますが、私どもとしては目標自体にこだわっているわけではありません。必要に応じて先生のおっしゃるような形で見直す必要はあるかとは思っていますが、現時点で全く到達不可能だという段階ではまだないのではないかと思っています。何とか達成できるように努力していきたいと考えております。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 かねてから松田先生からそういうご指摘があって、我々も、では何とか頑張りますので、目標を変えずにやらせてくださいと申し上げました。我々いま何をやっているかといいますと、闇雲に企業を回るということではなくて、企業に対するアンケート調査、あるいは企業の高齢者の雇用継続確保措置の実施状況の調査におきまして、65歳を超えた労働者を雇っている企業、あるいは高齢者雇用に意欲をもっている企業、そういうところをリストアップして、そういうところを重点的に回るという取組をいま1ついたしております。
 もう1つは、これは去年も一昨年も松田先生に言われたものですから、70歳のウエイトを高めていこうということで、いま65歳までの継続雇用のためのアドバイザーの企業回りと、それから70歳を目指した企業回りとの比率を、70歳のほうにウエイトを高めています。平成19年は20%弱が70歳以上だったのですが、平成20年度には3分の1に高め、平成21年度は44%まできているということなので、いま課長も言いましたが、我々として何とか達成に向けて、残された期間は短いのですが、ここで目標を下げてしまうとみんな緩んでしまうので、とにかく頑張らすだけ頑張らせてほしいというふうに思っています。

○井原部会長
 そのほかに何かございますか。

○寺山委員
 32頁なのですが、「在職者を中心とした中高年齢者に対する業務」です。これは非常に達成度が高くて、それから利用者の満足度も高いし、ニーズも高いということで、厚生労働大臣からやめろと言われたということですが、正直、納得がいかないという部分があります。ここの評価委員会でも、土日・夜間の相談が非常に高く評価されたし、この事業自体も大いに推進するようにという意見も多かったと思うのです。御下命によって廃止した場合、この事業に対するその後のサービスをどのように持っていくのか。それをちょっと心配していますが、どうでしょうか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 私の立場だとなかなか厚生労働大臣、あるいは厚生労働省の方針にコメントを言いづらいのですが、非常にありがとうございます。実はいま先生からのお話と同じ話が利用者の方から我々のところに届いています。何でやめるのだと、やってほしいのにという企業の声とか、それからアドバイザーに対しても何で今年からやめてしまうのだという話があるのです。
 今年、いま何をやろうとしているのかと申しますと、先ほどの松田先生のお話もあって、なかなか対応が難しいのですが、高齢のアドバイザーが企業を回る際に、いま寺山先生がおっしゃったような要請というのは結構あるものですから、あった場合はもうアドバイザーで応えていこうと。アドバイザーが、いままでセミナーでやっていたようなこと、あるいは巡回相談でやっていたようなことを、アドバイザーが企業に従業員を集めてもらってアドバイザーが行く、あるいはアドバイザーがアレンジして必要な方に講師をしてもらうということで、アドバイザー活動の中で対応可能なものは対応していこう。ただ、それで全部対応できるということにはならないと思いますが、せめてそのくらいのことは当機構の意地としてやっていこうと思っています。

○井原部会長
 ほかにありますか、よろしいでしょうか。次に移りたいと思います。次はグループ2、「職業リハビリテーション業務」の項目についての評価を行います。所要時間は法人からの説明30分、委員の評定と質疑20分の合計50分となっております。法人からの説明をお願いします。

○高齢・障害者雇用支援機構企画部長
 34頁、評価シート8「地域センター業務」です。36頁をご覧ください。平成21年度の地域センターの専門的支援につきましては、上の青い囲みにありますように、他の就労支援機関では対応が困難な精神障害者、発達障害者に対します支援、事業ニーズを踏まえた専門的支援の積極的実施。また、厳しい雇用失業情勢に対応した就職実現特別対策の展開を重点に取り組みました。
 その結果、中段の吹出しにありますように、平成21年度は12の数値目標すべて達成し、さらに12指標中11指標で平成20年度実施を上回るとともに、9指標で過去最高を記録したところです。以下、地域センターの主要な事業につきましてご説明いたします。
 下の頁の「支援を必要としている障害者の積極的な受入の推進、きめ細かな職業リハビリテーション計画の策定」をご覧ください。21年度重点にありますように、ハローワークとの連携、職リハネットワークの活用に加えまして、医療機関、ニート等の自立支援機関、教育機関とも連携強化を図ることによりまして、支援を必要とする障害者を積極的に受け入れました。これにより利用がさらに進み、職リハサービスの対象者は28,428人と過去最高を記録し、就職や職場適応が困難な「発達障害者」「精神障害者」が平成20年度比でそれぞれ22.9%、10.2%と大幅に増加いたしました。精神・その他の障害者の合計の利用者数は5年前の2.2倍に達し、新規利用者では5割強に拡大いたしました。
 左下の帯グラフをご覧いただきますと、ピンク色の「精神障害者」や、青色の「発達障害者」を含みます「その他の障害者」の人数、割合が大きく伸びています。こうした利用者実態を踏まえまして、右上にありますように実際の作業場面を活用した職業評価の徹底により、個々の障害者の特性を的確に把握するとともに、支援の各段階における状況、本人の意思等を確認し、きめ細かな職リハ計画を策定しております。
 特に厳しい雇用情勢の中、就職実現のためのタイムリーな支援を推進すべく、支援期間の中間時点におきましても、計画の積極的な見直しを実施いたしました。また、その下の表にありますように、精神障害者、その他の障害者に対します職業指導等の実施回数が身体・知的障害を大きく上回っており、就職の困難性の高い障害者の方々には、より手厚くきめ細かな支援を行ったところです。その結果、職リハ計画につきましては、目標の17,000件を大きく上回る23,204件、平成20年度比で17.1%増と過去最大の伸び率を達成いたしました。
 利用者アンケートでは、「性格や行動を理解した上で作成された的確な内容だった」など、84.6%から高い評価を受けました。一方、不足、不満等の意見に対しましては、該当地域センターに対して、分析と改善策の実施を指示し、例えば「1回の説明ではよく分からない」との意見に対応しまして、進捗状況に応じて目標や取組事項等についての説明・確認をきめ細かく実施するなどの改善を実施したところです。
 次の頁をご覧ください。「就職等に向かう次の段階への移行の促進」です。地域センターでは、基本的な労働習慣の体得や、職業に関する知識の習得のための職業準備支援を行っております。右側中ほどの緑の囲みにありますように、精神障害者、発達障害者等への支援を効果的に行うため、?@模擬的就労場面での作業支援、?A講話や事業所体験実習などによる職業知識の習得、?B対人技能訓練やグループミーティング等を通じた精神障害者自立支援という3つの支援を組み合わせて個別カリキュラムを策定し、きめ細かな支援を行っているところです。
 さらに厳しい雇用情勢が続く中、中ほどの赤い囲みですが、新たに「就職実現特別対策」を実施いたしまして、ハローワークの参加による具体的な求人情報に基づいたケース会議の実施、所長等の経営者団体・個別企業訪問による求人要請など、積極的に実施をいたしました。
 こうした取組によりまして、他の就労支援機関では支援が困難な発達障害者、その他の障害者の利用が増加する中で、就職等に向かう次の段階への移行率は83.6%と過去最高となり、またハローワークの障害者就職率が37.1%から36%に低下する中で、修了者の就職率は56.7%、就職者数も1,203人といずれも過去最高を達成いたしました。
 右側のアンケート調査結果におきましても、「働くための心構えや、人との接し方を学べた」など、95.1%から「効果があった」との評価を受けています。不足・不満等の意見に対しましては、先ほどと同様に具体的に改善策を講じたところです。
 次に下の頁、「精神障害者、発達障害者に対する支援力の強化」です。平成21年度は発達障害者に対する専門的支援の試行実施を、新潟、愛知、宮崎センターに拡大するとともに、枠の中にありますように発達障害者支援機関との連携方策の検討、家族に対する支援を重点に行いました。
 もう1つの重点は「支援ノウハウの蓄積・共有化」です。職リハ業務研究会を開催し、リワーク支援の事前ガイダンスの内容・効果の報告、意見交換などを行いますとともに、実践的な支援技法の演習等を内容とする研修を実施いたしまして、精神障害者、発達障害者への支援力の向上を図りました。またその右側にありますように、機構内LANを活用し、新たな教材、ツール、工夫例を広く共有・活用し、効果的な支援を実施いたしました。平成21年度につきましては、新たに255件を追加掲載したところです。
 いちばん下にありますように、一人ひとりの状況に対応した創意工夫としまして、就職希望の多い事務職種に関する作業課題の拡充等に取り組んだところです。
 次の頁は「ジョブコーチ支援の推進」です。この事業はジョブコーチを職場に一定期間派遣しまして、障害者・事業主双方に支援を行うことで、障害者の就職・職場定着を促すことを目的としています。ジョブコーチ支援につきましては、地域センターのジョブコーチによる支援と、福祉施設等のジョブコーチによる支援に分けられますが、地域センターでは他の機関では支援が困難な障害者に対する支援を重点的に実施いたしました。
 その下の帯グラフをご覧いただきますと、黄色の知的障害者が減少し、ピンクの精神障害者、青のその他の障害者が増加、全体の支援対象者数は3,087人と目標の2,300人を大幅に上回りました。このように職場適応の困難度が高い精神障害者等が増加していくことに対応しまして、個々の障害者の対応に応じた支援やジョブコーチ支援終了後の職場適応指導にも積極的に取り組みました。
 真ん中の表にあります「障害別1人当たりの適応指導実施回数」では、精神障害者、その他の障害者が身体・知的障害者を大幅に上回るなど、障害特性に応じたきめ細かな対応を図りました。また、支援スキル向上研修を開催しまして、精神障害者、発達障害者に対する支援力向上のためのケーススタディ等を実施いたしました。これらの結果、指標?Eの定着率につきましては、84.8%と目標の80%を上回り、過去最高となりました。利用者アンケート調査でも、「職場とのよいパイプ役になってもらい安心して仕事ができるようになった」など、91.4%から「効果があった」との高い評価を受けております。
 また、知的障害者など福祉施設のジョブコーチで対応可能な支援につきましては、できるかぎり福祉施設等に委ねるべく「ジョブコーチ支援事業推進協議会」を486回と大幅に増加させるなど、支援方法にかかる専門的援助、技法の移転を積極的に行いました。その結果、右下の帯グラフにありますように、福祉施設等のジョブコーチによる単独支援が年々増加しています。
 下の頁は「精神障害者総合雇用支援の実施」です。こちらについては、精神障害者、事業主、主治医の3者での合意形成を図りつつ、職場復帰、雇用の継続、就職の実現に向けた総合的な支援を行うものです。平成21年度は休職と復職を繰り返す、休職期間が長期化するといった復職支援の困難な事案の割合が高まっていることに対応して、個々の対象者の状況に応じて復帰後の新たな職務や、環境に対する対応力の向上に関する支援等を加えた「個別実践型リワークプログラム」を新たに実施いたしました。
 また、休職者の大幅な増加に伴い支援を受けるために待機をしている者が多数発生していたことから、待機者を多数抱える地域センターに新たにリワークカウンセラーの配置、リワークアシスタントの増員を行うなど、実施体制の拡大を図るとともに、スキルアップ、ノウハウ共有のための「経験交流会」を開催いたしました。さらに「精神障害者雇用支援連絡協議会」等の場を活用いたしまして、約3,400の機関へ働きかけを行うとともに、新設されましたメンタルヘルス対策支援センターとの連携関係の構築等によりまして、約1,500の医療機関と連携いたしました。
 これらの取組の結果、支援対象者は目標を大きく上回り、2,023人と過去最高を記録し、最大4カ月あった待機期間がほぼゼロとなりました。また、復職・雇用継続率につきましても80.8%と過去最高となりました。さらに利用者アンケートでは、「考え方のクセや認知の歪みに気づくことができ、適切な自己表現ができるようになった」「企業側にも積極的にサポートしてもらいスムーズに職場復帰できた」と、96.7%から「効果があった」との回答がありまして、目標を大きく上回る評価を得ました。
 次頁は「障害者の雇用管理に関する専門的な支援の実施」です。ハローワークが行う雇用率達成指導への協力、ジョブコーチ支援等によりまして、平成20年度を上回る15,462事業所に対して支援を行いました。また、地域センターの助言の下、共通の問題を抱える企業同士で意見交換等を行います「事業主支援ワークショップ」を128回開催し、企業の自主的取組を促進しました。その結果、支援計画策定数は目標の5,500件を大幅に上回り、平成20年度比138.1%の9,831件と過去最高となりました。この支援計画に基づきまして、採用計画、受入れ準備、具体的受入れ、職場定着・適応の各段階にわたる体系的な支援を積極的に行ったところです。
 支援終了後3カ月後に実施しました追跡調査では、「地域センターの支援により長期的な定着が見込める」など、「効果があった」との回答が91.5%と目標の70%を大きく上回り、過去最高となったところです。
 以上が評価シート8です。数値目標をすべて上回り、しかも12指標中10指標におきまして前年度を上回るとともに、9指標で過去最高を達成したこと。就労が困難な精神障害者、発達障害者への取組に大きな成果を上げていること。精神障害者の復職・雇用継続率が80.8%と過去最高となり、リワーク支援の待機期間もゼロとなっていること。福祉施設や事業主と連携し全体としての取組が進んでいることなどが評価されまして、当機構の外部評価委員会より「S」と評価されたところです。
 次の評価シート9です。「地域の関係機関に対する助言・援助、職リハの専門的な人材の育成」です。45頁をご覧ください。平成21年の4月より地域センターの業務として「地域の関係機関に対する職リハに関する助言・援助」が法的に位置づけられたことを受けまして、平成21年度は新たに地域の関係機関がより効果的な職リハを実践できるよう支援を実施いたしました。地域センターにおいてはケース相談、ケース会議等におけるアドバイス。職リハサービスの見直し、支援ツールの利用方法など技術的事項についての提案・解説。関係機関の職員とカウンセラーが協同して支援を行うことを通じての説明・解説。関係機関職員を実習生として受け入れての支援ノウハウの説明・解説など、さまざまな機会に多様な方法により、積極的に助言・援助を実施いたしました。
 次に「実務的研修等の実施」です。まず総合センター作成の全国共通部分と、地域センター作成によります地域の現状を踏まえた部分の二部構成からなるマニュアル教材を作成し、就業支援基礎研修の受講者や自ら研修を実施する関係機関及び職員に対して、内容や活用方法を解説しながら提供を行いました。また、関係機関の就業支援担当者を対象に「就業支援基礎研修」を目標を大きく上回る66回実施するとともに、一定の実務経験を有するジョブコーチを対象に、「ジョブコーチ支援スキル向上研修」を実施いたしました。
 その結果、助言・援助等を受けた関係機関からは、「就業支援での知識不足を改善・向上できて助かった」など、目標を上回る97.8%から、所属長に対する調査でも、「就労支援の進め方が以前に比べ幅広くなり、就労率のアップにつながっている」など、90.8%から有用との評価を受けております。
 「地域の関係機関との職リハネットワークの形成・整備」です。「地域職リハ推進フォーラム」のほか、連絡会議を77回開催するとともに、他機関主催の会議に1,722回参加し、個別訪問を665機関に対し延べ991回行うなど、地域における職リハネットワークの強化を図ったところです。
 次頁は「職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」です。平成21年度は必要な知識・スキル等の明確化、専門性の向上を図るため、研修内容を見直すとともに、アンケート調査による意見・要望等を踏まえ、改善・充実を図りました。発達障害者就業支援セミナーにつきましては、発達障害者への支援就労ニーズの高まりに対応いたしまして、大学や障害者支援モデル事業実施高等学校にも周知した結果、教育機関からの受講者が拡大するなど、受講者が3割増となりました。また、下の白い囲みにありますように、アンケートを踏まえまして、ハローワークや発達障害者支援センター等の支援内容について、当該機関の職員が講師を務める講座を新設いたしました。
 次に就業・生活支援センターの職員研修です。新任主任就業支援担当者研修については、担当者に対する助言・援助の能力を修得するため、カリキュラムに「スーパービジョン」を新設するなど、内容の拡充を図りました。その右のジョブコーチ養成研修につきましては、アンケートでの高評価を受け、平成21年度は同内容で実施したところです。さらに職リハ実践セミナーですが、ご覧のとおり、「事業主への支援方法」「障害コース別の支援技法の活用方法」等に関する各講座を新たに設定するとともに、アンケート、意見・要望にも対応をしたところです。これらの取組の結果、アンケートでは98.4%、追跡調査では91.1%。所属長アンケートでは92.6%から有用、役立っているとの評価を受け、それぞれ目標を大きく上回りました。
 以上が評価シート9でして、自己評価は「A」です。
 47頁です。評価シート10、「職業リハビリテーションに関する調査・研究」です。49頁をご覧ください。職リハ研究については、幅広く関係者からニーズを把握した上で、「発達障害者、精神障害者等に関する先駆的研究」など、4つの研究に重点を置いて実施をしております。平成21年度は新規テーマが5テーマ、継続テーマが8テーマ、計13テーマの研究を行いまして、6テーマについて報告書を作成いたしました。研究成果については外部の学者からなる研究評価委員会の評価を受け、4段階中上から2段階以上の評価を得ることを目標としていまして、終了6テーマは、すべての報告書で目標を達成しました。うち2テーマについてはすべての評価委員から「優れている」との最高の評価を受けたところです。
 例えば??94の「企業経営に与える障害者雇用の効果等に関する研究」については、「重要なテーマであり、企業のCSRの関係を見るなど障害者雇用に一石を投じるもの」といったコメントをいただいているところです。
 また、サマリーの作成に当たりましては、関心分野の報告書を確実に読んでもらうよう、冒頭にキーワードと活用のポイントを新たに掲載するとともに、新たに就労支援機関や特別支援学校等にも配布いたしました。さらにその他の調査・研究としましては、左下にありますように9テーマの調査・研究を行ったところです。
 次頁は「職業リハビリテーション技法の開発」です。「発達障害者の就労支援技法の開発」「高次脳機能障害者の就労支援技法の開発」「精神障害者の職場再適応支援技法の開発」の3テーマにつきまして、中ほどにお示した重点取組に沿って支援技法の開発を行ない、報告書・マニュアル等を取りまとめました。例えば発達の関係では、支援スキル付与等の場面で障害がどのような発現するか。障害特性の自己理解や自己効力感の向上をどのように進めるかといった、注意欠陥多動性障害のアセスメント技法を新たに開発したところです。
 次に下の頁ですが、職リハ研究におきましては、その成果を福祉・医療・教育・NPO・企業など実践現場において活用していただくことが重要でして、積極的に普及・活用を図ったところです。
 平成21年度の職リハ研究発表会では、初めて統一テーマを設定いたしました。これにより企業関係者の参加が大きく増えるなど、969人が参加し、研究発表は100題と過去最多。アンケート調査では97.9%から「参考になった」との評価を得ています。また、要望に応えて宮城、香川、鹿児島の3地域でも発表会を開催するとともに、ご覧のとおり学会等での発表、各種研修での講議を実施いたしました。また、研究部門ホームページにおきましては、検索機能の強化を図るなどの改善を図りまして、アクセス件数は約400万件に達しました。また、新たな取組といたしまして、関係6学会の大会等に出向き、成果物の展示、サマリーの配布を実施しております。
 右下にアンケート調査の結果が出ています。下の円グラフにありますように、障害者就業・生活支援センター等の94.2%から「わかりやすい」との評価をいただきまして、「事業所への障害の説明に役立った」「対処方法のQ&Aが参考になった」といった報告が寄せられるなど、実践現場で有効に活用されているところです。
 以上が評価シートの10でして、自己評価は「A」です。
 評価シート11「障害者職業能力開発校」です。54頁をご覧ください。左上にありますように平成21年度は「特別支援障害者の受講機会の拡大及び広範な地域からの受入」に向けて、中央校・吉備校の両校で精神障害者、視覚障害者、発達障害者の定員拡大、受入拡大を図りますとともに、吉備でも全盲者の受入を開始したところです。受入れに当たりましては、関係機関への協力要請のほか、訪問施設数を大幅に増やすとともに、新たに募集用DVDを作成し、全国763機関に配付、見学会の開催件数の倍増など募集活動を一層強化いたしました。その結果、特別支援障害者の割合が目標を大きく上回ります47.2%、定員充足率も目標を上回る101.4%と、3年ぶりに定員超過となったところです。
 企業ニーズを把握するために、企業向け見学会の開催等に加えまして、新たに特別支援障害者の採用企業を訪問し、実際の職務内容と就業に必要な具体的な技能等を把握いたしました。これらを通じて把握しました企業ニーズ等を踏まえまして、視覚障害者の情報アクセスコースの設置など、訓練科目の見直しを行うとともに、協調性等を高めるためのグループワークの設定等カリキュラムの充実を図りました。
 さらに右上にありますように、平成21年度は中期目標・中期計画の変更により取り組むこととされました「特注型企業連携訓練」を導入し、積極的に実施したところです。この訓練は、施設内の汎用性のある職業能力を修得するための訓練では就職・職場定着が困難な者、例えば就業環境が変わると業務の円滑的な遂行が困難となる精神障害者などにつきまして、特注型の訓練メニューに基づく企業内訓練と、就業継続のための技術的支援を一体的に実施するものです。17人を対象に実施しまして、修了者16人のうち12人が就職をしています。
 下の頁は特注型企業連携訓練の対象、内容、流れをまとめたものでして、ご覧のとおり両校と企業が密接な連携を図り、訓練開始から就職後のフォローまできめ細かな対応を行っているところです。
 次の頁は「厳しい経済・雇用失業情勢に対応した職業訓練受講者の就職促進対策の実施」です。完全失業率が上昇しハローワークの就職率が低下するなど、厳しい雇用失業情勢の下、機構本部と両校によります「特別対策本部」を設置いたしまして、特別対策を検討、機動的に実施いたしました。企業への積極的働きかけとしましては、新たに就職希望地の事業主団体への求人確保等の協力依頼、就職面接会で訓練生の求職者情報を人事担当者に配付するなど、新たな取組を行いました。また、ハローワーク、地域センターとの連携強化によりまして、さまざまな方法で求人情報、事業所情報の収集、求人開拓に取り組みました。さらに訓練生に対する支援といたしまして、就職面接会に積極的に参加するよう促すとともに、新たに就職経験がない者等を対象とした体験型の短期職場実習の実施、就職活動長期化にともなう意欲低下や心身の不調を回避・軽減するためのグループミーティングの繰り返し開催などを行いました。この結果、厳しい就職環境の中でも86.2%と高い就職率を達成するとともに、就職者数は218人と昨年度を25人上回ったところです。
 下の頁は「障害者に対する指導技法等の開発・普及」です。精神、高次脳機能障害者に対する指導技法の検討を行い、成果を実践報告書にまとめました。開発した技法につきましては、関係機関への配布、ホームページへの掲載等を通じまして普及促進を図り、アクセス件数は約42万件と前年度比40%増となったところです。
 中段になりますが、機構本部におきまして、職業能力開発校を初め、専修学校や企業等において、障害者の職業能力開発に携わる者を対象といたしまして指導者交流会を開催し、グループ討議等を通じ訓練技法の普及を図りました。また、中央校・吉備校におきましても、発達障害者に対する訓練等をテーマに交流集会を開催し、実際の訓練場面を活用して実践的な指導技法等の普及を図り、90%以上から「有用であった」との高い評価を得ております。
 平成20年度に取りまとめました上肢に障害を有する者に対する職業訓練の実践研究報告書につきましても、「掲載事例をもとに訓練カリキュラムを作成した」「早速、訓練に導入している」など、91.4%から「有用であった」と評価されております。
 以上が評価シート11でして、自己評価は「A」でございます。以上でグループ2についての説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○井原部会長
 ありがとうございました。それでは、委員の皆様には、評価シートへ評価等の記入をお願いいたします。質問等がありましたらお願いいたします。

○松田委員
 資料1-1の54頁を開いてください。ハローワークと連携をとるというのは非常にいいことだと思うのですが、それはあくまでも求人だけですか、あるいは職業訓練もやっているのですか。

○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
 すみません、ご質問の趣旨を取りかねたのですけれども、当機構の職業能力開発校で職業訓練をやっています。その職業訓練をやっていく中で、ハローワークと実際に訓練が終了する以前から連携をとりながら、訓練終了後直ちに就職できるような形にしています。訓練が終わってから就職活動を始めていくのではなくて、訓練の実施中からハローワークと連携をとりながらやっていくということです。

○松田委員
 参考資料1-1の左側に問題点として、ハローワーク移管は困難だと思うが、ワンストップサービスを強化すべきだと。全国の知事会でも、33名が地方へ移管しろと言っていますが、どうなるかわかりません。それを考えたら、求人情報だけではなくて、訓練までも一体にやらないと意味がないのではないですか。これは、その吉備校でやるということではなくて、当機構がハローワークを、つまり能力開発機構を吸収するのでしょう。能力開発機構には大変な人数の社員がいますよね。だから、地方へ分散すればいい。どう思いますか。

○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
 すみません、私が先生のご発言の趣旨を十分捉えきれていないのではないかと思うのですけれども、雇用・能力開発機構の業務、特に能力開発関係の業務が、当機構に移管されてくるということで、大枠は決定されておりますが、具体にどのぐらいの規模なりという部分がまだ明らかになっていないところもあります。

○松田委員
 ですから、ハローワークと連携するのは非常にいいことだと私は言っているのです。しかし、それは求人情報だけではなくて、訓練もやれと。訓練をやるためには人が必要でしょう。ですから、雇用・能力開発機構の大多数の人数は地方に分散すればいい、という考え方を持っているのですか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 地方へというのは、自治体にということですか。

○松田委員
 はい、そうです。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 これは、厚生労働省に答えていただくしかないですね。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長
 現時点において、ハローワークと障害者訓練校との連携の状況でありますが、訓練生の募集にあたっては、各ハローワーク等々を通じて、こういう訓練機会があるということで、特に広域のセンターについては、所沢と吉備の2カ所ですが、ここには重い方も含めてこういう訓練ができるということで紹介をする、こういう訓練機会があるということを紹介するという形で連携をとっているところです。
 雇用・能力開発機構の訓練校をどうするのかという議論は、さまざまな議論があります。全体として、都道府県に売却すべきものがあるのではないか。全体として60数個ありますが、都道府県の関係で売却が進んでいない、その1つの要因として、雇用・能力開発機構について、高・障機構に能力開発業務を移管するには法律が必要なのですが、その法律がまだ通っていないということで、移管の条件が都道府県なりに提示できないという問題があります。
 いずれにしても、都道府県で行えるものについては訓練校について売却を進めるということで、現在、担当部局で調整しているというふうに考えております。
 いずれにしてもハローワークと訓練の関係というのは、当然連携を図っていくべきものだと考えております。いま政府内で議論しております求職者訓練のようなものは、まさにハローワークと訓練機関が連携をとらなければなかなか進まないものですので、都道府県でできるものについて、都道府県に進めていくことと併せて、ハローワークと訓練機関との連携をどういう形で確保していくのかというのは、今後とも検討して効果的な実施体制を整えていきたいと考えております。

○松田委員
 まだ検討中ですね。

○職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課長
 はい。

○寺山委員
 関連した質問だと思うのですが、45頁の、地域でのハローワークを中心とした職業リハビリテーションのネットワークの形成と、その成果の進捗状況というのは非常に重要なことだと思います。先ほど、就労関係の関係者だけではなく、地域の中の住民だとか、企業の方とか、学校だとか福祉施設だとか、そういう方たちも巻き込んだ地域リハビリテーションの職業でのネットワークづくりというのは、それが地域活性化にもつながるということで、推進しなければいけないと私は思っております。
 その中で、ここに書いてありますように高・障機構が関与して、形成・整備をするということで、私ども評価委員としては、何の成果を、進捗状況を達成したかというところの評価をするのかという観点です。ここには、会議を何回したとかということが書いてありますが、実際には、それぞれの地域の地域センターが入るのでしょうけれども、それらの人たちがどういう関わりをして、指導・助言というのがいちばんの仕事なのでしょうけれども、何をどのようにして関わって、具体的には就労へと結び付けていったか。中途の段階で職業訓練の話もあるのでしょうけれども、そのようなところのプロセスが見えないのですが、その辺を説明していただけますか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 当機構の職業センターの、地域での果たすべき役割ということだと思うのです。

○寺山委員
 はい、そうです。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 これは、行政刷新会議でも随分ご質問がありました。先ほどの松田先生の議論とも重なる部分はあるのですが、地域の関係機関でできることは地域でやっていただいたほうがいいのではないか、身近な所で、と。例えば、就業・生活支援センターでできる部分は就業・生活支援センターでやっていただく。地方自治体でやれるところは地方自治体でやっていただく。地域の関係機関で対応が困難な人たちは我々でやります。あるいは、地域の関係機関が対応しているのに、対応に苦心しているといったときにアドバイスする。こういうことが我々の1つの仕事ではないか。もう1つは、地域の職業リハビリテーション関係の人材育成に我々が携わっていく。この2点ではないか。
 本当に困ったとき、とにかく難しい人は我々が全部引き受けます。難しい人の対応で、地域の関係機関が苦心しているのだったら、そこは当然アドバイスとか相談はやります。あとは、そういうことを担っている人たちの人材育成も我々がやります。こういうことではないかと思っています。
 実際にどういうことが起きているかというと、私は地域センターをグルグル回っているのですが、そうすると生活・就業支援センターで手に負えない、あるいは就労移行支援事業者が「ちょっとどうにもならないので」と言って、当機構のセンターに移管されてくる人たちがかなりいます。
 もう1つは、先ほど部長が説明しましたように、今度の障対法の改正で、地域の関係機関に対しての職業リハビリテーションの技術的な指導・援助をするということがあります。これは、待っているのではなくて出かけていこうということです。それで、地域の関係機関に集まっていただいて会議をして、何か困ったことがあれば、我々がいろいろお手伝いしますよということをやる。
 それから、地域の関係機関が行うケース会議に出ていって、この障害者にはこうしたほうがいいのではないかというアドバイスをする。職業センターで、実際に我々のカウンセラーがカウンセリングをやっている場に、地域の関係機関の職員に実習で来てもらって、実はこうやってやるのだと、一緒に見てもらってやっています。
 メルクマールとしては、いま先生がおっしゃいましたように、一体それを何をやっているのだというものを取っているのですが、これを取り始めたのは、法改正でやっとやり始めたのです。一昨年12月に法改正になり、それから始めたものですから、どうやったらいいのかまだうまくいっていません。とりあえず回数だけ取っていこうというのが1つです。
 あとは45頁に出ていますけれども、いろいろな支援をした関係機関に対し、我々の支援は役に立ちましたかというアンケートは取ることにしています。これは、年度計画の目標でも80%となっています。これは、随分高くてびっくりするような数字なのですが、97.8%は役に立ったと言われています。我々としては、昨年度から本格的な取組を始めたばかりですから、どういう格好で取っていくのかと。それから、先生がおっしゃったように、どういう経路で来たというのがわかると、どういう効果が上がったというのがわかると思うのです。その辺りをうまくフォローできるようなことをこれから考えて、先生方にもちゃんとご説明できるようにしなければいけないと考えております。

○寺山委員
 是非お願いいたします。重要なお仕事だと思いますし、職業リハというのは量だけではなくて質ですよね。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 はい、そこはこれからの課題だと思います。

○寺山委員
 是非これからご報告をいただけるとうれしいです。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 はい、よく検討してみます。

○宮本委員
 いまのご答弁と関わっていると思うのですけれども、お話を聞いていて大変重要なことをなさっていることは十分よくわかりながら、例えば発達障害に関する記述がいろいろなところにあります。やればやるほど潜在的に出てくるという実態があるということです。私が関わっている中でも、発達障害と認定されていなくて、しかし、いろいろな支援機関で対象にしている人たちが相当な数います。実際には支援困難な状態にあります。
 今年施行になった「子ども・若者育成支援推進法」もこの問題を対象にしています。それから、いま内閣府が中心になって検討しているパーソナルサポーター、これは湯浅誠さんなどが事務局でこれから検討が始まります。職リハという言い方はしていませんけれども、かなりそれに関わっていきます。つまり、ここでいうジョブコーチともかなり隣接した形で、とにかく人材があまりにも足りないということで、いろいろな方面から議論されています。
 本日のご説明を聞くと、地域の中で高・障機構がやっている範囲の中で効果が上がっているということで出てくるのですけれども、全体としてどのぐらい足りなくて、全体としてどのぐらい条件を整えなければならなくて、その中で機構としてはこれをやっているという、その全体像みたいなのが見えてこない感じがするのです。
 それに関わっていくと、54頁で私は十分に理解していない中で少しずれた印象になるかもしれませんが、能力開発校の中央校、吉備校で、発達のところに10人の定員のところを13名、10人のところを18名に拡大したということです。これは、おそらく支援の非常に困難な方を受け入れてということなのだと思います。こういう数字は非常に現実離れしていると思いますのは、数があまりにも少ない。数の少ない中でやったことが、どういう意味を持っているかということを、十分に明らかにしていただかないと、何千人、何万人といるニーズの中で、こういう形で多少の拡大をしたぐらいで意義があるのかという感じが素人にはします。その辺のところをご説明いただけますか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 この議論も、うつ病等で休職している人の職場復帰で何人やっているのだという議論があります。これも行政刷新会議で同じ趣旨の発言がありました。私が答えたのは、本当に当機構にやらせてもらえるということであれば、例えば労福機構とか雇用・能力開発機構から全部うちに移管してもらって、全職員それに当てるというのなら可能かもしれないですが、うちの職員でやるのは無理ですと。それはそのとおりだと、そのときの先生もおっしゃっていました。
 我々は何をやっているかというと、先ほど説明したことにも関連するのですが、要は他の機関の役に立つようなことをやっていこうと。先ほどの松田先生のお話もあるのですが、雇用・能力開発機構とか、いまは県で運営している障害者職業訓練校が8つだか9つだかあります。雇用・能力開発機構でやっている職業訓練校も含め、一般の職業訓練校も、何も障害者を排除するのではなくて、障害者の訓練を当然やってもらうことが必要なのではないかと思っています。
 我々は何をやるかというと、県で運営している障害者訓練校や県立の職業訓練校、それから雇用・能力開発機構運営の職業訓練校で、発達障害者の職業訓練をやるときの訓練技法を開発していこうということではないかと思っています。そういう意味では、まさに先生がおっしゃるとおりで、人数を1人とか2人受け入れたのがなぜ自慢なのだという話になります。これは、ある意味では厚生労働省の目標の立て方の問題で、受入人数が目標に書かれてしまっているので、我々としては目標以上のことをやろうということでやっているだけです。本来重要なのは何かというと、開発した技法を、いかに他の障害者職業訓練校や一般の職業訓練校、あるいは就労移行支援事業者といったところに普及していくかということが重要なのではないかと思っています。

○宮本委員
 そのご趣旨はわかります。評価の中にも書かれているかと思いますが、いまそういう障害をもった人を扱っている機関は、官民で相当裾野が広くなってきています。その中のかなりは、専門的な知識の点でいうとかなり問題を持っています。しかし、目の前にニーズがあるのでやっています。それに対して機構は責任を持つべきだというか、裾野が広がっている分だけ、そこに広げていく努力を今後とも続けていただきたいと思うのです。これは、私の要望です。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 発達障害者というのは、昔の文科省の調査だと6%いると言われています。6%だとものすごい数だと思うのです。日本の場合は、私どもがよくお世話になっている、職業リハビリテーション関係の大学の先生方がよくおっしゃるのですけれども、学校教育での発達障害者に対する対応が、ヨーロッパとかアメリカに比べると立ち遅れてしまった。そのために、ヨーロッパやアメリカでは学校段階である程度対応できていて、卒業するころには自分が発達障害者で、どういうことを克服しないといけないかということがある程度わかって卒業してくるのに、日本の場合は試験の成績さえよければ卒業できてしまって、卒業してみたら何度面接してもうまくいかない。一旦面接はくぐり抜けたけれども、人間関係がうまくいかなくて駄目だと。これは、この前北海道のセンターへ行って聞いたのですけれども、課長になると途端にうまくいかなくなってしまう人がいる。新しい課題に対応しないといけないので、そこで発達障害者だとわかってやってきたとか、いろいろなケースがあります。
 おっしゃるように、我々の機能は一体どこにあるのかというと、医療機関ではないものですから、発達障害者である自己認識を持っていただいた方に、それを前提にした職業リハビリテーションをどうやっていくかというのが我々の仕事だと思っています。その前の段階となると、これは発達障害者支援センターとか医療分野と連携しながら我々もやっていかないといけないということだと思います。
 就業・生活支援センターも随分整備されてきたものですから、重度でない身体障害者、重度でない知的障害者というのは、我々のところに来なくても、大体ある程度対応できる方が増えています。我々としては、我々が持っているさまざまな資産というか、資源というか、人的資源、あるいはノウハウといったものを、発達・精神のほうに最近は随分振り向けてきているということだと思います。
 正直言って、最近は、独立行政法人に対する政府の予算上・人員上の制約が厳しいものですから、先生がおっしゃるように、我々で全部責任を持ってと言われて、私もやれと言われればやりたい気持は十分あるのですが、厚生労働省なりにもっとご理解をいただいて、人員面、予算面で多大なバックアップをいただかないと、なかなか難しいということではないかと思います。

○井原部会長
 それでは、次にグループ3に移ります。グループ3は、「障害者雇用納付金関係業務」及び「予算、人事等」の項目について評価を行います。所要時間は、法人からの説明を30分、委員の評定と質疑に20分、合計50分となっております。それでは、法人から説明をお願いいたします。

○高齢・障害者雇用支援機構企画部長
 58頁の評価シートの12をご覧ください。「納付金制度」です。納付金制度については、雇用率未達成企業から納付金を徴収し、雇用率を上回っている企業に対して調整金・報奨金を支給する業務を行っております。
 1枚めくりまして上の60頁です。左上は、「納付金制度に対する事業主の理解を促進」するため、事業主説明会を目標の250回以上に対し、296回開催するとともに、パンフレットの作成・配布等を実施いたしました。また、新たな取組として、申告・申請書をより効率的に誤まりなく記入できるよう、記入説明書の大幅改訂等を行い、アンケートでは93.1%から「理解できた」との評価をいただいております。
 2つ目の「調査の効率的かつ的確な実施」です。事業主訪問による調査を1,148件実施いたしました。新たな取組として、東京駐在事務所の調査課を先行して本部へ統合し、ライン組織でない柔軟なスタッフ編成で調査を効率的に実施いたしました。
 3つ目の「電子納付システム」ですが、新たに利用促進リーフレットのホームページへの掲載、「利用促進チーム」による事業主訪問を5大都市圏に拡大実施するなどの取組を行い、利用件数は53.7%増と、初めて1,000件を突破しました。
 4つ目の「事業主の利便性の向上」についてですが、新たにインターネットによって申告できる電子申告システムの開発に着手しました。これらに加えて右側中ほどの赤い吹出しにありますように、急速な景気悪化による収納率の低下を防止すべく、未収納確認後、速やかに事業主リストを受託法人に送付し、より早期から粘り強く訪問、電話による納付督励を実施いたしました。その結果、右上にあるように収納率は99.74%と厳しい経営環境が続く中、ほぼ前年度と同水準の収納率を達成したところです。右下の平成20年度以前の未収納分についても、順調に収納を進め、平成17年度以前についてはすべて納付済みとなり、平成18年度以降も1桁を残すのみとなりました。
 下の頁は、「改正障害者雇用納付金制度の施行に向けた周知の取組状況」です。左上にありますように、平成22年7月から改正納付金制度が施行され、適用対象範囲の200人超の中小企業への拡大、週20時間以上30時間未満の短時間労働者の算入などが行われ、平成23年4月から改正制度による申告・申請の受理が開始されるところです。このため、左側にありますように制度改正のねらいや改正制度の適用、手続スケジュールをわかりやすく解説したパンフレット、リーフレットを作成し、事業主訪問や各種会議等での説明に活用いたしました。
 右側の中ほどにありますように、企業規模180人以上300人以下で、雇用率未達成のすべての事業主を対象として、受託法人の幹部職員を中心に計画的な個別訪問を延べ9,005件実施し、改正内容についてきめ細かな周知説明を行いました。
 また、チェックシートにより、事業主の理解度を統一的に把握・分類し、戦略的な再訪問を実施することにより、理解を得られるよう粘り強く働きかけたところです。
 以上が評価シートの12です。厳しい経営環境が続く中、高い収納率を維持したこと、事業主の利便性・効率化に向けてさまざまな取組を行ったこと、納付金制度の改正に向けきめ細かな対応を行ったことが評価され、当機構の外部評価委員会より「S」と評価されたところです。
 評価シート13は「助成金の支給業務」です。「障害者雇用納付金に基づく助成金の支給業務」です。平成21年度は、効果的活用に向けた周知・広報、適正な支給業務の実施を重点に取り組みました。ホームページの活用では、支給要件等の改正後、1日でホームページに掲載し、目標を達成いたしました。また、パンフレットをPDF化することにより、ホームページからの入手を可能といたしました。
 次の○は、事業主満足度向上のために、受託法人の窓口対応、提出書類の改善についてアンケート調査を実施いたしました。右上の吹出しにありますように、「丁寧にアドバイスいただいた」「障害者と事業主両方の立場に立って提案していただいた」など、窓口対応について高い評価を得るとともに、申請書の記載例、記載の注意点がほしいとの要望に対しては、申請書の改善を検討し、平成22年度に実施することとしているところです。また、ハローワークとの連携強化の好事例を受託法人にフィードバックすることにより、助成金支給につながるケースが増加したところです。このような結果、右側のように、厳しい雇用情勢の悪化の中でも、支給件数が増加し、障害者雇用に貢献することができました。
 次は「適正な支給業務の実施」です。不正受給防止事務実施チェックリストによる窓口での厳正な審査点検の徹底、点検チェックリストによる障害者の実在確認等の徹底、厳正な事業所訪問調査等の実施により、不正受給事案は、4年連続で1件以下となりました。
 以上が評価シート13で、自己評価は「A」です。
 評価シート14は、「障害者雇用に関する相談・援助」です。「事業主に対する雇用相談・援助」については、雇用率未達成の事業主等に対し、雇用管理の改善や助成金の活用等に関する相談を個々の現場の実態に即して行っております。
 平成21年度の重点としては、雇用率未達成企業と雇用水準の低い中小企業等に重点化し、計画的な訪問相談を実施し、障害者雇用の成功事例を含むマニュアルの提供、各種助成金・就労支援機器の活用提案、先進企業の視察のアレンジなど、機構・受託法人が持っている支援ツールを組み合わせ効果的な相談・援助を行いました。
 また、実施に当たっては、新たに運用開始した支援システムを活用し、効果的な企業訪問計画の策定、多様な提案・検討によりサービスの充実を図りました。この結果、目標の22,000件を大幅に上回る25,728件の相談を実施し、相談・援助を行った事業主に対する追跡調査では、「課題改善効果があった」との回答が目標の70%を大きく上回る87.5%と高い評価をいただいたところです。
 「障害者雇用管理等講習」ですが、実務に役立つ実践的講習内容を重点とし、講習の中に事例発表、福祉施設や特別支援学校の訪問、先行企業の見学・ディスカッションを組み入れ、実践的な内容となるようにいたしました。アンケート等を踏まえ、企業に出向いて行う提案型オーダーメイド講習も実施しております。これらの結果、講習実施回数は353回、受講者数は目標を大きく上回る27,898人となりました。アンケート調査結果でも、「事例発表や職場体験が非常に有益だった」など、93.9%から「有用であった」との評価を得たところです。
 次の頁は、「就労支援機器の貸出し」です。「機器の普及」については、新規貸出し機器をトップページの最新情報として掲載するとともに、機器の貸出し状況を即時更新することにより、事業主の利便性を図っております。利用状況やアンケート結果の分析等を踏まえ、機器の入れ替えを行い、事業主のニーズに対応した多様な品揃えを実現しております。これらの結果、貸出し事業所数は平成20年度比13%増の147件、利用率は目標を上回る60.5%となり、ホームページアクセス件数も8.8%増加いたしました。
 アンケート結果では、「本人に実際に使ってもらってから購入を検討でき、非常に助かった」など、「役に立った」との回答が92.1%と高い評価を受けております。さらに利用事業所の約5割で機器の購入・賃借に結び付いたところです。
 以上が、評価シート14で、自己評価は「A」です。
 評価シート15、「障害者雇用に関する実践的手法の開発・提供」です。事業主の雇用管理上の課題解決、職域開発に向けた実践的ノウハウの開発・普及を目的とするものです。71頁の左側にあるように、事業主のニーズ、国の施策動向を踏まえ、「障害者雇用のための企業用自己診断チェックシート」、それから精神障害者を対象とした我が国で初めての本格的事例集である「精神障害者のための職場改善好事例集」など4つの開発を行いました。
 その下のマニュアル・好事例集として、これもおそらく我が国初めてHIVの方の実際の雇用事例を紹介し、その雇用管理のポイントを解説した「HIVによる免疫機能障害者の雇用促進」を作成し、学者・専門家の間で高い評価をいただきました。さらに新たな職域、最新の支援機器の活用を紹介・解説した「視覚障害者の職場定着推進マニュアル」を作成いたしました。
 右側で、各成果物については、利用者にとって「わかりやすい、使いやすい、見やすい、実践的な工夫・編集」を心がけました。例えば、自己診断チェックシートでは、中小企業でも容易に記入できるよう項目を厳選し、A4判1シート内に30項目を整理し、○・△・×でチェックした上で、Q&A集とリンクさせ、課題解決の取組ができるよう2重構成としております。
 「職場改善好事例集」では、改善内容をキーワードで列挙、さらに実際の職場で使用されているマニュアルや計画書等を掲載することで、他社でも改善内容を取り入れやすいよう工夫したところです。
 これらの成果については、さまざまな方法で普及に努めたところです。「障害種類別雇用促進セミナー」等を開催し、合わせて300近い企業等が参加し、満足度が97%と大好評を得たところです。「ホームページを活用した普及」としては、新たに中小企業団体中央会など、団体・企業の協力を得て、当機構で開発したマニュアル等を、当該団体・企業のホームページに掲載し、広く企業等への普及を図ったところです。
 これらの結果、事業主が雇用現場で活用するほか、支援機関の相談場面においても活用されました。活用例1にあるように、「企業が視覚障害者の職場定着推進マニュアルを参考に、視覚障害者をヘルスキーパーとして雇用した事例」、活用例3にあるように、「支援機関がQ&A集を使って、企業に対して障害特性支援制度の説明を行い、職場実施の受入を実現した事例」などが報告されております。利用者アンケートでも、「障害者と初めて一緒に働く社員の不安の軽減、理解の促進に役立った」など、90.5%から「役立った」との評価を得ました。
 以上が評価シート15で、自己評価は「A」です。
 評価シート16は、「障害者雇用の啓発事業」です。75頁の「障害者ワークフェア」の開催です。平成21年度は茨城県ひたちなか市で、第31回アビリンピックと同時開催いたしました。職業と福祉の総合的なイベントで、134の企業・団体が出展しました。今回のポイントは4点です。1点目は、職場改善好事例受賞企業の出展コーナーにおける先進的取組の展示・解説です。初めて受賞企業が一堂に会する出展コーナーを設け、受賞企業が直接来場者に先進的取組の解説を行いました。
 2点目は、筑波研究学園都市コーナーにおける先端技術による就労支援機器の紹介・実演です。地元茨城県の筑波研究学園都市から大学・研究機関・企業の参加を得て、障害者等歩行支援用ロボットスーツや、リアルタイムに発言内容が表示される聴覚障害者向け遠隔支援テレビ会議システムの紹介・実演などを行いました。
 3点目は、職業生活をサポートする補助犬・介助支援機器のデモンストレーションなど、特設ステージでの多様なプログラムを実施し、障害者雇用問題への理解を喚起いたしました。
 4点目は、誰もがアクセスしやすい工夫・配慮です。無料シャトルバスの運行、介助ボランティアの配置等を行いました。これらの結果、来場者数は44,300人と過去最多となり、アンケート調査結果では、「企業の障害者雇用に対する工夫と知恵に感心した」など、97.2%から「障害者の雇用問題について理解が深まった」との評価をいただき、目標の80%を大きく上回りました。
 「障害者雇用優良事業所等表彰式」については、全国6カ所でのポスター原画入賞作品展示会の開催など、支援月間に広く啓発活動を行いました。テレビ番組による啓発では、先進的な障害者雇用企業で活躍する精神障害者等の5事例について、会社や支援機関の支援を盛り込んだ立体的構成の番組を放映し、関東エリアだけで約723,000世帯で視聴されたところです。
 次の頁は、「働く広場」の発行です。目標どおり54,000部を発行し、先ほども申し上げましたが、新たに書店での試行販売を開始するとともに、ホームページでの閲覧の周知用チラシを文部科学省の協力を得て、特別支援学校に配布しております。編集委員会、読者アンケートのニーズ・意見を踏まえ、タイムリーな話題を取り上げるコーナー「NOTE」において、企業の関心が高まっております「発達障害」についてわかりやすく解説した連載を開始するなど、誌面の充実を図りました。
 内閣府主催の「障害者週間連続セミナー」の一環として、公開座談会「精神障害者雇用は、今!」をテーマに開催し、94.4%の方から「参考になった」との評価をいただきました。読者アンケートにおいても、95.2%の方から非常に役立つ、参考になるとの評価をいただいたところです。
 以上が評価シート16で、自己評価は「A」です。
 評価シート17は、「アビリンピックの開催」です。平成21年度は、茨城県ひたちなか市で開催いたしました。今回のポイントは4点あります。1点目は、「新たな競技種目の採用及び競技定員の見直し」です。近年における種目参加状況、障害者の雇用・就業の動向等を勘案し、知的障害者を対象とした種目の定員を増やすなど、定員の見直しを行うとともに、前回大会で技能デモンストレーション種目でした「ビルクリーニング」を新たな競技種目として採用いたしました。
 2点目は、「技能デモンストレーションの新規職種実施」です。先駆的又は雇用拡大が期待される職種として、新たに「製品パッキング」「ベッドメイキング」の2職種を採用し、「IT」と合わせて3職種で実施いたしました。
 3点目は、「複数会場開催のメリットを活かす工夫とネック解消のための対策」です。今回は開催市の関係で、3会場での分散開催となったことから、そのメリットを活かし、パソコン使用競技を同一会場に集約化し、ディスプレイの見やすい競技環境、それから静寂さの確保を図るとともに、手工具等を使用する競技についても、自然光が入る会場に集約して実施するなど、競技に集中できる環境を実現いたしました。また、新たに各会場で競技を午前・午後に分けて開始することにより、いつでもどの会場でも観戦可能とするとともに、各種問合せに大会本部を核とした各会場スタッフとの間の回答ネットワーク形成によって対応することにより、分散会場のネックを解消するための工夫を行ったところです。
 4点目は、「競技内容紹介DVDの作製・上映」です。来場者からの要望を受け、ワード・プロセッサなど、手元作業がわかりにくい種目の競技内容、審査ポイントを紹介したDVDを作製し、競技スペースに設置した紹介ブースで上映し、来場者から大好評を得ました。
 初めて県だけでなく市とも共催をし、協力・連携による大会準備・運営を行いました。共催の県・市と各学校長会の協力により、小学校・特別支援学校が課外授業として見学し、多数の児童・生徒が訪れました。医療専門学校、民間企業など延べ246人のボランティアが参加し、選手の介助・送迎、手話通訳、会場や駅での来場者案内などを行いました。
 さらに本大会は、天皇陛下御在位20年慶祝行事として位置づけられたことから、「御在位20年記念特別展示」として、アビリンピック第1回からの競技種目や参加選手数の変遷等について紹介するパネルの展示を行いました。
 来場者のうち、事業主からは「障害者の指導・育成方法を考えるきっかけとなった」、
障害者からは「みんなすごい技術を持っており、来年は自分も大会に出たいと思った」などの評価をいただきました。参加選手からは「アビリンピックを通じて、技能的にも精神的にも成長した」といった評価や今後の抱負が数多く寄せられました。来場者アンケートでも、「障害者の職業能力・雇用に関して理解が深まった」との回答が、目標の80%を大きく上回る98.1%となり、満足度についても96.3%と高い評価を得ました。NHK・地元テレビによる、事前及び大会中の報道を始め、全国紙、参加選手の地元新聞など、全国規模で大会が紹介され、広く人々の関心と理解を深めることができました。
 地方アビリンピックの開催についても、知的障害者、精神障害者の参加種目数を増加させ、全国で312の種目に過去最多の2,412人が参加いたしました。
 以上が評価シート17で、知的・精神障害者対象種目の定員増など、競技種目、定員の重点化を図ったこと。複数会場運営の工夫。児童・生徒の見学などにより、障害者の仕事、職業に対する一般の方の理解・関心を向上させるのに大きく貢献したことが評価され、当機構の外部評価委員会により「S」と評価されたところです。
 81頁からは「予算、人事等」になります。評価シート18は、「予算、収支計画及び資金計画」です。84頁の左のグラフは、評価シート1の効率化でもご説明したところですが、一般管理費、業務経費ともに目標を上回る水準で予算の節減を図った上に、さらに予算執行においても自主的な事業見直し・廃止等の実施により、相当額の節減を図りました。合わせて一般管理費で13.4%、業務経費で18.2%の大幅節減を図ったところです。
 運営費交付金については、独立行政法人会計基準に定める収益化基準に則り、適正に執行するとともに、平成21年度は新たに一般管理費のうち光熱水料、通信運搬費、土地・建物借料について期間進行基準を採用し、本部事務所の賃借料の引下げ、障害者職業総合センターの電力単価引下げ等に取り組んだ結果、利益として計上することができました。
 予算管理による管理会計により、効率的・効果的な予算執行に努め、経費の節減を図るとともに、随時適切に計画と実績の差異を把握し、発生理由を明らかにいたしました。計画と実績の差異については、さまざまな取組による経費の節減、助成金の実績額が予算額を下回ったこと等によるものであり、合理的理由に基づくものです。
 次の頁は、整理合理化計画を踏まえた高齢期雇用就業支援コーナーの箇所数の削減等、また受託法人への委託業務に係る職員数の見直し・削減等により、運営費交付金予算の節減を図り、その執行においても自主的な事業の廃止・見直しによる広報経費の削減、給与等支給額の見直しによる人件費の削減、無駄削減・業務効率化のための積極的な取組を行った結果、左下のグラフのとおり、運営費交付金債務が大幅に増加し、国庫負担の軽減に寄与したところです。
 右のグラフのとおり、経費節減に向け、一般競争入札の導入、複数年度契約の拡大に取り組んでおります。平成21年度の一般競争入札件数が減少しているのは、複数年度契約の増加によるもので、平成21年度も継続する複数年度契約を含めると223件と前年度比8.8%増となりました。その下のグラフで、平均落札率は75.5%となり、契約額で17.5%の節減となりました。さらに右下で、随意契約は165件と前年度比5.1%増となっておりますけれども、これは高齢期雇用就業支援コーナーの民間競争入札導入等に伴う、平成21年度限りの臨時的なものや宿舎借上契約によるものです。これらを除くと55件ということで、着実に減少させているところです。
 以上が評価シート18で、自己評価は「A」です。
 最後は評価シート19の「人事・人員等」です。「人件費削減の取組」ですが、枠内にありますように数次にわたり給与制度改革を着実に進めてきた結果、緑の吹出しにありますように、地域の関係機関に対する助言・援助等の業務の新たな実施のための増員に係る人件費増が生じる中で、平成18年度から5年間で5%節減の目標に対し、平成21年度で6.1%の節減を実現したところです。ラスパイレス指数については101.4と平成20年度よりさらに1.4ポイント低下しており、平成22年度には100以下といたします。
 「効率的な人員配置」については、大幅に業務量が増加する中、機動的な人員配置により利用者ニーズに的確に対応いたしました。地域センターの管理事務の集約化、せき損センター、駐在事務所の廃止等により人員を捻出し、障害者雇用納付金制度の対象事業主の範囲拡大等に係る業務推進体制の整備を図るとともに、本部に効率的・専門的な納付金等調査体制の確立等を図りました。
 業務量の増加が続く中で、このように組織の効率化、給与の思いきった削減を進めておりますので、障害者・事業主への効果的な支援サービスを実施するためには、優秀な人材の確保、職員一人ひとりの能力の開発、モチベーションの向上がより重要となっております。このため、人材の確保では、新たにカウンセラーの仕事ぶり等を紹介するDVDの作成・説明会での上映、地域センターの体験見学会の時期の前倒し、期間の拡大等に取り組み、面接重視で真に優秀な人材の採用に努めたところです。職員の専門性と意識の向上を図るべく、カウンセラー職、訓練職のための計画的なOJT実施指針に基づくOJT、管理職員のマネジメント力向上のための研修など、職員各層に対する新たな検討項目について検討・実施いたしました。
 「モチベーションの維持・向上等のための取組」として、「利用者の視点に立ったサービスの向上」としては、経営トップの理事長が、あらゆる場を活用して機構のミッションの浸透と、利用者本意のサービス提供の徹底を図るとともに、全国の施設に直接出向いて意見交換、指導を実施いたしました。さらにホームページを活用したモニター制度を本格実施するとともに、本部全施設に「ご意見箱」を設置して意見を受けました。
 「内部統制の向上」については、評価シート2でもご説明いたしましたけれども、2元構造のコンプライアンス体制の下、地域センター17施設等に対して内部監査を実施いたしました。さらに『行動規範』の策定、コンプライアンスの推進に係る規程の策定、責任者の配置、基本方針・推進計画の策定、公益通報窓口の設置など、大きく取組を前進させたところです。
 「職員全員参加の職場活性化」の取組として、職場単位の職員による自発的な改善運動である「E Service運動」を推進いたしました。利用者サービスの向上、経費節減などをテーマに、全国で70件の報告があり、優れた取組を10件表彰し、全国会議で事例発表を行うとともに、機構内LANで全職場で活用できるようにいたしました。
 以上が評価シート19で、自己評価は「A」です。以上で、グループ3についての説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○井原部会長
 ありがとうございました。委員の皆様方は、評価シートへの評定等の記入をお願いいたします。ご意見、ご質問がありましたらお願いいたします。

○本寺委員
 質問なのですが、85頁の運営交付金債務の概念は何なのだろうか。企業でいう内部留保みたいなものなのですか。

○高齢・障害者雇用支援機構経理部長
 私のほうからご説明いたします。1つは職業リハビリテーション業務関係が、ジョブコーチ及びリワークアシスタントの勤務日数の減などで6億円ぐらい計上しております。それから、地方協会の業務委託費関係として、印刷製本費の効率的執行の徹底、セミナーの実施、広報周知経費等において5億5,000万円ぐらいになっております。人件費の関係で3億5,000万円ぐらい、高齢事業の啓発・広報関係で、ポスター等の印刷物の作成部数の見直し等で2億3,000万円ぐらい。職業センターの経費関係が1億9,000万円ぐらい。内容としては、広域及び地域センターに係る経費負担の削減です。一般管理費は、総合センターの使用電気料の単価の競争入札による経費節減の実施等に伴って1億5,000万円ぐらいとなっております。
以上、経費の節減等の実施により21億1,500万円を、運営費交付金の債務として今年度計上している状況です。

○井原部会長
 概念を説明してください。

○事務局
 運営費交付金債務は、本寺委員がご指摘になられたように、企業の内部留保に概念としては近くて、債務といっても借金というような一般的な概念とは違います。運営費交付金を現金で独法が貰った場合には、貸借対照表上は逆に、運営費交付金債務として貰った現金と同額分を計上し、1億円貰えば、運営費交付金債務は1億円という資産計上をして、その1億円の中から3,000万円とか4,000万円とお金を支出していく度に、債務から収益に振り替えて減らしていくということです。言ってしまえば、貰った現金をまだ使い残している額ということになります。
 ここについての収益化のやり方は、かねてから篠原委員からもいろいろご指摘のあるところで、やり方はいろいろあります。費用進行基準と呼ばれている、お金を使う度に債務を収益化していくという場合には、お金が手元に残っている分だけ運営費交付金債務という借金みたいな形のものが同額計上されて、貸借対照表上は、利益が手元に残っているとは見えないという独法の会計基準上の仕組みになっています。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 こういう事業をやれよと。とにかく10億円なら10億円渡すからこの事業をやれと。事業をやるたびにその借金が返ってくるということだと思います。予算として、交付金としてお金が入ってくる。これは事業をやって返すものだと。お金は借りたままでは駄目だと、事業をやることによって返していくのだと。事業をやって、支出する度に借金が減っていくという概念です。一種独特のもので、篠原先生のほうがむしろお詳しいのですけれども。

○篠原部会長代理
 この仕組みはもっと宣伝していいと思っているのです。なぜかというと、役所にいる方は怒ると思うのですが、予算償還型100%といって、3月31日に99.9%か100%やると万才という。これはそういう制度ではなくて、使い残していいよという制度なのです。大体予算は1年ぐらい前に組むから、実際には違うことが多くて、残って当たり前にもかかわらず、こんなことを言うと怒られるけれども、主計官は「俺が決めたものを残すな」とか、そういう感覚だと思うのです。
 私も都道府県を監査すると、10年分の収入印紙があるとか滅茶苦茶だったのです。それは100%償還型だからです。これは残してもよくて、中期目標期間終了後に国に還付するのです。本日の日経新聞に出ていましたけれども、国立大学法人が2,000億円でしたか何千億円残っていて、使い残して返しているのです。この制度を全然宣伝しないで、独法が悪いことというか、変なお金を使っているとか、天下りというところばかり強調されているのです。これは、制度としては非常に良い制度だと思っています。
 もっとうまくやるためには、私がうるさくずっと言ってきた、運営費交付金収益化を、費用進行基準というのは、予算償還型だから、それでも残るのですが、それよりは効率的に使うために、業務達成基準とか、期間進行基準に変えてくださいと。今回はたしか一部やって、だんだん進んでいるのです。だから、少なくともいまの労働部会は褒められはしないけれども、ちゃんとそういう仕組みをやり始めているぞと。より効率的にということは言えますよね。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 いま篠原先生がおっしゃったように、要するに10億円なら10億円貰って、こういう事業をやるということで10億円貰うのですけれども、結果として事業をやらなかったというとお金が余ります。その余ったお金は、5年間の中期計画の最終年度に、毎年累積してきて余ったお金を国に返すということになっています。
 ところがいま先生がおっしゃったのは、結果として余るのではなくて、節約努力を意図的にというか、意欲的に節約努力をして、余ったお金は我々の努力で余ったのだから、それを我々が使えるようにしたらいいではないかという、非常に温かいお話なのです。随分四苦八苦したのですけれども、うちでも今年やりまして微々たるお金なのですけれども、1,000万円弱浮きました。電気代を東電と交渉したりいろいろなことをやりました。いままでだったら、事業で一生懸命努力しようが、サボって事業をやらずにお金が余ろうが、余ったお金は5年後に全部国庫に返すということになっていました。今度は意図的にというか、努力して浮かしたお金は我々が使えるようにしたらいいではないかという、かねてからの先生のご指導で、我々は去年から取り組み始めている状況です。

○篠原部会長代理
 厳しい言葉で言えば、民間なら当たり前のことなのです。官は官の制度があるから、やはり一歩一歩進んでいるというのを、褒めるべきところは褒めて、もっと進むべきだという気はしていますけれども。それは、マスコミに報道してもらいたいと思います。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 財務省相手がなかなか大変です。財務省をどうやってクリアするかというのはあります。

○篠原部会長代理
 質問させていただきます。マネジメントレターというのは、日本語では監査覚書とか監査勧告書といいます。監査を実施した場合は、アウトプットとして監査報告書が必ず出ます。それの対でマネジメントレターを出さないと、本当はちゃんとした監査ではないと世界的には認識されているのです。
 これは民間の場合も官の場合もそうですが、いろいろな問題点があります。監査報告書は適正といっても、いわゆる細かい問題点をきちんと書いて、将来への影響、改善点を書いたものを、正式な文書として、民間では社長に出すことになっています。ただ官の場合、特に独法がやらないのは、情報開示で出ていってしまうのです。こと細かに欠点が書いてあるのが出ていってしまったら大変だということです。おそらく当法人についても、口頭でいろいろ報告をしていると思うのです。
 ただ、正式な文書で出しておいたほうが、いわゆる事業仕分けだとか、いろいろなことがあったときには抗弁できるということで、ずっとこの5、6年言ってきたのですが、労働部会その他の所もなかなかやってくれない。ただ、ほかの法人で国立病院は出しているとか、ちょこちょこ聞くのです。なぜここは出さないのかということでお願いしているのですけれども、どんな状況でしょうか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 私が報告を受けているのは、かねてからグローバルスタンダードというか、公認会計士のグローバルスタンダードであるというお話を受けています。それでは、当機構が契約している監査法人に「出すということはないのかと言ってみろ」と言ったのですけれども、当機構がお願いしている監査法人は、たぶん国立病院機構がお願いしている監査法人とひょっとしたら違うのかもしれませんが、あまり出すことに積極的でないと我々は受け止めています。出したほうがいい、役に立つということであるとすると、我々も強く申入れをしてみる手はあるかと思いますが、どんなものなのですか。

○篠原部会長代理
 おそらく「こんなものであったよ」とか口頭ではされていると思うのです。公でも公式の文書として出しておいたほうが、例えば私ども民間でそれを出していて、非常に危険な状態を指摘しています、改善もこうだと。やってくれなくても、例えば粉飾でばれたときに、ああやっているではないかということで、現実的には監査法人のちゃんとやっていることを証明しているのです。粉飾裁判になったら無理だろうと我々内部では言っていたのですが、そういうことをきちんとやるほうがいいよと。
 例えば内部統制で、これは余分ですよとか、こういうことをやってくださいとか、いろいろなことをやっていれば、もし事故が起きたときには、やはりやっていて、独法も適切に対応していたという証拠になるわけです。だから、私は正式な文書で貰っていたほうがいいと思っているのです。私も独法を監査したときに、出ていってしまうと思うと書けないのです。情報がみんな出ていってしまいますからね。やはり情報公開の時代の書き方というのがあるでしょうと。そんなに欠点ばかり書いているのではなくて、こういうことで話し合ったとか、こういう点はとか、やはり外の人が見ても、この欠点に対しては対応して努力していることがわかるような文書にしておけばいいと思っています。
 おそらく、出さないというのは出ていってしまうという話だと思うのです。だから、それさえ書き方があるだろうと。やはり書いておいたほうが、会計監査人も、もし独法に将来何かあったときにいいのだよと私も認識しています。ただ、口頭でやっているからいいではないかという話ではないような気がします。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 毎年、監査法人の責任者と私と意見交換とか、監査結果の報告とかはやっています。年に2回や3回会っています。

○篠原部会長代理
 情報が行っているなということは認識しているのです。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 ですから、マネジメントレターについて、日本の監査法人というのが全体としてどういう扱いになっているのか。それと、監査法人によって方針が違うのかということはあると思うのです。いまの篠原先生のお話を私は直接承ったものですから、今度機会があるときに、監査法人にその旨はちょっと話をしてみます。いずれにしても先生がおっしゃるように、独法の情報開示の問題というのは確かにあるのはあると思うのです。その辺も含めて、何か知恵があるのかどうかということを含めて検討させていただきます。

○篠原部会長代理
 OA化というか、これを見ているとかなりいろいろな所でいろいろやられています。高齢者とか障害者というのは外に出るのは大変です。そうすると、研修も自宅でできると。私たち公認会計士にもDVDなどを結構送ってきて受けています。対面的な教育は絶対に必要だと思うのですが、ある部分はインターネットでやるとか、DVDでやると。それから職業紹介で、若い人はハローワークへ行かないで、自分で検索してやっています。高齢・障害者も行くのが面倒で、そういうことでやっているのではないかという気がするのです。それからアドバイザー業務で、民間の場合は先ほど言ったようにマネジメントレターとか、いろいろなものは内部的に蓄積してあるデータですから、関係者は全部チェックできるのです。そういういろいろなアドバイザー業務をコンピューターに入れて、外の人が見えるようにするかどうかは別として、まず内部でやれば中の育成について研修が楽になります。
 これを見ていて、そういういろいろな部分でもっとあるのではないか。きめ細かさというのでしょうか、今後はどういう方針でいくのでしょうか。かなりやっていて、私がびっくりするぐらいいろいろな分野でやっているなという認識はしています。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 ありがとうございます。正直言って無駄の削減ということを非常に強く言われていて、我々がいま取り組もうとしているのは、いろいろなマニュアルなどを印刷していますが、これをDVD化しようかと、そのほうがかなり安上がりなのです。特に障害者の場合非常に難しいのは、個人情報が絡む可能性があるものですから、パスワードを与えて大丈夫な人にまでしかできないという制約はあるのですが、なるべく我々が持っている情報というか、蓄積したデータというか、こういうものをほかでも見てもらえるようにという努力はもっとしないといけないと思っています。いろいろな研究報告書の類などは、全部うちのホームページから引けるようにはしています。
 それ以外のものでも、うちで開発した手法を自由に引き出せるようにするというところまでいくかどうか。いまやっているのは、先ほど来話が出ていますけれども、納付金の申請をするのに、うちのホームページから様式をパッと出せて、それで計算できるようにするとか、いろいろなことに取り組んでいます。いまの時代ですし、相手が障害者あるいは高齢者で、外へ出歩くのは面倒だという方も多いでしょうから、そこはもう少しいろいろなことを考えてみたいと思います。いろいろ取り組んではいるということで、そこはご理解いただきたいと思います。

○篠原部会長代理
 3番目はアンケート調査です。今回は非常に満足度が高くて、これは文句の言いようがないです。前から、不満の人が書いたのを分析しているかというのがあったと思うのです。自分が研修を受けたときのことを考えると、満足していても、より質の高いものを書きます。今後もこれだけ高いと、100%満足というのはあり得ないのだから、より上達するための欄でそういうものをきちんと分析しているのだろうと。もう導入段階は過ぎたのだから、これだけ高くなったのだから、いろいろなその一円を集約して、より次へ持っていくという努力が要るのか。それがあまりにも高いから、これで満足しては困るのだという、その辺はどのような感じなのでしょうか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 アンケートを取る際に、自由記述欄を設けています。そこは明けすけに言うと、あの講師の話はわかりづらかったというのが時々出てきますので、これは講師にお願いして改善してもらうか、改善してもらえなければ替えるとかはやっています。特に、研修はかなり細かくアンケートを取っていて、我々はよかれと思ってやるのですけれども、同じグループにしてしまうと、レベルが違うのでレベルに合わせてほしいという意見とか、同じ業態の人たちのグループでグループ討議をしたいという意見が去年は出てきました。グループ討議のときに、どういうグループに入りたいかというアンケートを予め取ってやるかとか、そのぐらいまでの努力はしているのですが、もう少し自由記述欄の書き方を工夫する余地があるのでしょうか。

○高齢・障害者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
 検討させていただきたいと思います。

○篠原部会長代理
 もう1つは教育です。私もいろいろな人に会ってみると、意外と大企業にいた人というか大きな組織。社会が狭いのではないかという感じがしてきます。いろいろな業務で改善とかいろいろなところをやっているときに、意外とルーチンワーク化してしまうというか、頭が固くなっている。前にも言ったけれども、専門職の人は比較的教育を受けられるのですが、事務職で特に上のほうに行くと受けられない。
 私は日経新聞を取っていて、ただで受けられる研修があります。そうすると、結構レベルの高い人が話をしていて、自分の異分野に行けば行くほど、なるほどなということがあります。いわゆる事務職が、そういうものに年間10時間とか行ってもいいというような制度があると、安く、より視野が開けるのではないかという気がするのです。そういう制度はなかなか取り入れられにくいのでしょうか。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 これは、独立行政法人の中で教育訓練福利厚生経費というのを、どこまで独立行政法人の裁量が効くかということだと思うのです。うちでは役員は別にして、なるべくいろいろな研修を受けろということはやっています。いま厚生労働省でやっている、教育訓練給付というのがあり、雇用保険に1年ないし3年以上加入していると、厚生労働省が指定した講座とか大学院のカリキュラムを受けに行くと、入学金と授業料の20%を出すというのがありますが、こういうのはなるべく受けるようにとは言っています。夜行けよという感じなものですから、昼行けよと言うところまでは。有給休暇を取って行くことになりますから。
 いま独法に対する政府の福利厚生、あるいは教育訓練に対する制度の一律的取扱いがかなり強まっていますから、そういう中で独立行政法人としてどこまでやれるかというと、そういう法律にない教育訓練休暇を独立行政法人が、他に先がけてやることが許されるかどうかという辺りになると非常に難しいです。
 だから、行くというのだったら有給休暇を取っていくことを奨励するとか、夜間に行くのを奨励するということになります。ただ、うちは基本的にはなるべくいろいろな所へ行って勉強しろと言っています。うちの経理部の職員には、役所の単純な帳簿でなくて、複式簿記ぐらい読めるようにしろ、財務諸表ぐらい読めるようにしろと言っていて、とにかく簿記学校へ行けということではかなり尻を叩いていて、毎年1人、2人は行っています。本当はもう少しやれるとうれしいのですけれども、最近独立行政法人というのは無駄の塊のように思われていて、前向きなことをやっても、後ろ向きに評価されてしまうものですからなかなか辛いのです。

○井原部会長
 ほかによろしければ、以上ですべての項目が終わりましたので、事務局からこの後の取扱いについて説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 本日お配りしている資料の送付を希望される場合には、部会終了後に事務局までお申し付けください。評価の記入が終わっていない委員の方については、本部会が終了した後、会場にお残りになっていただいて記入していただくことや、評価シート及び評価評定記入用紙をお持ち帰りになって記入していただくことも可能です。お持ち帰りになる場合には、事務局に一言声をかけていただければと思います。またお持ち帰りになった場合は、22日の木曜日までに事務局までお送りいただければと思います。
 1点ご報告です。高・障機構については、先月、業務方法書を変更し、7月1日から適用しております。この変更手続については井原部会長のご了解の下進めさせていただいており、本来この場で委員の皆様にご報告すべきところですが、次の法人の個別評価が控えておりますので、8月19日の部会でご報告させていただくことをご了承いただければと思います。

○井原部会長
 それでは、これで高齢・障害者雇用支援機構の評価は終わります。

○高齢・障害者雇用支援機構理事長
 どうもありがとうございました。

○政策評価官室長補佐
 次の議題に入る前に、法人及び法人所管課の入替を行いますので、ここで10分間休憩を取らせていただきます。開始時刻は4時からといたします。

(法人及び法人所管課入替)

○井原部会長
 それでは、労働部会を再開します。最初に、丸山理事長からご挨拶と平成21年度における業務実績概要の説明をお願いします。

○雇用・能力開発機構理事長
 雇用・能力開発機構理事長の丸山でございます。大変お世話になっております。本日は、私どもの平成21年度業績の自己評価をご説明し、ご審議をいただきたいと思っておりますが、その前に会長からのご指名でございますので、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
 我が国の経済は、まだまだ先行の不透明感が拭えない現状ではありますが、ようやくここに来て回復基調だと言われております。しかし、雇用失業情勢に関しては、平成21年度はずっと一貫し、平成22年度に入ってもなお厳しい状況が続いております。平成21年度の完全失業率の推移を見ると、年度当初の昨年4月には完全失業者比率が5.0%でしたが、だんだん悪化してきまして、昨年7月には5.6%、結果的にはこの7月が最悪の月であったわけです。その後少しずつ持ち直してきたかなと思っていたら、今年の1、2月には4.9%まできたのですが、3月から5月にかけて毎月コンマ1%ぐらいずつ悪化して、この5月は5.2%と、ちょうど昨年の秋ごろのような状況に戻っているのが現状です。
 この5月の有効求人倍率は0.5倍、正社員有効求人倍率が0.26倍でした。これも平成21年度はさらに悪い数字で推移して、大変厳しい状況が続いております。したがって、我が国の雇用のセーフティネットの役割を担っている当機構としましては、平成21年度は役職員一同汗をかいた忙しい1年であったと言えると思います。
 一方では、昨年11月の新政権の行政刷新会議で事業仕分けがありました。今年の4月に厚生労働省の省内事業仕分け等々において、当機構の業務運営のあり方が厳しく問いただされてきたのは、皆様ご高承のとおりです。今後の機構の各施策、いろいろ多岐にわたる施策をやっているわけですが、その施策の基本的なあり方については、厚生労働省で検討され、方向づけをされていくことではありますが、私どもとしては現行の制度を実務上誠実に運営遂行していく立場ですので、自ら率先して業務の有効性、効率性、透明性等々の向上を図るべく、積極的な姿勢で平成21年度も取り組んできたつもりです。結果として、数値に若干不満が残る項目がありますが、当機構の職員はベストを尽くしてくれたと、理事長としては感謝している次第です。
 雇用のセーフティネットの役割を果たしていく中で、最も直接的な施策は離職者訓練だと思いますが、雇用保険を受給しながら受ける公共職業訓練は、うちの機構の施設内のものづくり訓練だけで見ても、受講者は対前年度比8%増と増えております。平成21年度において社会的注目を集めたのは、そうしたオーソドックスな公共職業訓練ではなく、ちょうど失業率の悪化がピークだった昨年7月からスタートし、9月以降本格的に展開してきた、第2のセーフティネットと呼ばれる雇用保険でカバーされない非正規労働の失業者に対する緊急雇用対策の一環としての、いわゆる基金訓練でした。
 当機構は、この基金訓練のコース設定コーディネート業務、あるいはキャリア・コンサルティング業務といった要の業務を、基金を管理する中央職業能力開発協会(JAVADA)から受託して推進してきました。その詳しい説明はのちほどしますが、平成21年度中に10万人分のコース設定という目標には13万7,000人分のコースの設定と大幅に目標を達成し、今年の3月末までには4万8,500人の実受講者を訓練の場に迎えております。JAVADAからは、引き続き平成22年度もその業務を受託しましたが、訓練を実施する民間教育施設等の体制整備もあり、さらにコース設定が進みました。受講者も、6月末現在では延べ10万4,000人に達しております。
 なお、生活支援給付金受給者は現在7万4,000人を超えていると伺っております。JAVADAをはじめ各労働局やハローワークの関係者との協力と取組で、社会的困窮者に対する一応の救済の受皿作りには成功したかなと思っております。
 雇用開発関係業務等々においても、こうした不況の波の中でも中小零細企業の事業主、あるいは従業員の皆様に対して、さまざまな形で改善・向上意欲を高める動機付けを行い、活発な活動を展開してきました。したがって、助成金等の業務も円滑に進められたと思っております。
 さて、ご高承のとおり当機構は廃止され、明年4月からは各機能が分散移管され、新しい体制になることが予定されております。このことは、1年半ほど前の前政権の閣議決定で方向づけられているわけですが、新政権もその方向と聞いております。しかし、当機構の廃止法案が通常国会では上呈されるに至りませんでした。私としては、職員をいつまでも不安定な状態に置いておくことは芳しくないと思っておりますので、早期に国として基本的方向を確定してほしいと願っております。
 お配りしている資料の3~4頁に当機構の事業体系図があります。中期計画の評価をいただく18項目と私どもの自己評価結果が、一覧できるように記載してあります。主な項目ですが、雇用開発業務関係がいちばん左側の列の上から?@、?A、?Lの3項目です。職業能力開発業務関係が真ん中の列で?Bから、左下の3つを含めて?Jまでの9項目です。財形業務がいちばん下の?K。適切な業務運営関係、効率性、有効性、透明性等々の推進が基本ですが、いちばん右の列の?Mから?Qまでの5項目と、このように表示してあります。
 それぞれの項目にS、A、Bと自己評価を赤でお示ししております。この自己評価は、昨年同様、私どもの運営協議会、学会等から4名、経営団体4名、労働団体4名、計12名の委員による外部評価を参考に、理事会で最終的結論をつけたものです。今年度は、外部評価から1ランク落として最終評価としたものが1項目あります。3頁の上段に書いておきましたが、私どもはすべての労働者がその能力を発揮し、雇用及び生活の安定が図られる社会の実現に向けて、今後とも継続は力なりということを心に置いて業務を推進してまいりたいと思います。委員の皆様方のご評価をお願いしたいと思います。私からは以上です。

○井原部会長
 どうもありがとうございました。続きまして、評価の参考にするため、4月12日に行われた省内事業仕分けでの雇用・能力開発機構に関する審議の概要と結果について、事務局から説明してください。

○政策評価官室長補佐
 参考資料2をご覧ください。こちらに省内事業仕分けの結果を付けております。軽くご説明します。職業能力開発総合大学校の関係ですが、1枚目に結果が出ております。「改革案では不十分」が5名、「改革案が妥当」が1名でした。不十分という方5名のうち、3名が「事業そのものを廃止」、1名が「事業の効率性を高めた上で、民間へ譲渡又は委託し実施」、1名が「法人で事業継続するが、更なる見直しが必要」とされております。
 次の頁ですが、職業能力開発促進センター・職業能力開発大学校の関係です。「改革案では不十分」が5名、「改革案が妥当」が1名です。不十分とされた方のうち、2名が「事業そのものを廃止」、1名は「事業の効率性を高めた上で、自治体へ事業を移管し実施」、1名が「事業の効率性を高めた上で、民間へ譲渡又は委託し実施」、1名が「事業を分解し、国、自治体、民間へ譲渡」としております。
 最後に組織・運営体制についてですが、「改革案では不十分」が5名、「改革案が妥当」が1名で、5名のうち2名が「廃止」、3名が「更なる見直しが必要」としております。
 当日使った資料は後ろのほうに付けておりますので、参考にしていただければと思います。以上です。

○井原部会長
 それでは、これからの進め方ですが、雇用・能力開発機構の個別評価については、評価シートの個別項目を4つのグループに分け、グループごとに評価を行っていきます。
 グループ1は、「雇用開発」から「高度技能者養成訓練」までの項目について評価を行います。所要時間は、法人からの説明25分、委員の評定と質疑25分の合計50分となっております。
 それでは、法人から説明をお願いします。

○雇用・能力開発機構企画部長
 資料2-1ですが、ポンチ絵に沿ってご説明します。
1頁をお開きください。機構の概要です。右側には施設の一覧を記載しております。
 2頁です。平成21年度における機構の全体の利用状況についてまとめたものです。労働者支援と事業主支援のカテゴリー別にそれぞれまとめておりますが、左側の労働者支援は146万人、右側の事業主支援では69万4,000人の方がそれぞれ利用しております。中央のオレンジ色の部分ですが、全体では約215万人の利用があったところです。前年度より28万人の増となっております。
 その下に内訳を記載しておりますが、能力開発事業で186万2,000人、全体の87%を占めております。次いで雇用開発業務が21万1,000人という順になっております。これらの事業に対する情報提供としては、ホームページのアクセス件数が1,029万件となっております。
 3~4頁は、先ほど理事長から事業体系図について説明がありました。
 6頁です。ここから個別業務の説明となります。資料の見方ですが、頭の部分には評価区分ごとの事業名を記載しております。その右に自己評価を記載しておりますが、先ほど理事長からもありましたように、外部評価委員会で評価をしていただき、当機構の理事会で決定したものを付けております。その右には該当する評価シートの頁数を記載しております。その下に、当評価委員会が定めた評価の視点を記載しております。その下の左側の青い囲みが、それぞれ評価の視点に内容を要約したものを記載しております。その右側に沿って、評価の視点に対する取組状況、実績という流れで記載しております。前年度の実績は、青色の括弧書きで記載しております。また、資料の最後のほうになりますが、付属資料を添付しておりますので、ご参照いただければと思います。
 「評価シート1」は、「雇用開発業務」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、アンケート調査において、役立った旨の評価が80%以上であったかということです。右側の取組状況ですが、雇用管理相談やセミナーについては、「人材確保」や「職場定着」の重点化を図り実施しました。実績については、相談件数が5万8,474件、前年度より7,398件多く大幅に増加したところです。セミナーの開催回数については、445回となっております。
 右側の満足度調査ですが、目標に対しては相談が99.5%、セミナーでは96.2%と、目標を大幅に上回っております。また、相談業務のアンケート調査において、大変役に立った旨の最上位の評価が、前年度と比較して4.9ポイント高くなっており、改善を図ったところです。
 中段の下に、業務の改善事例を記載しております。アンケート調査において否定的な意見、あるいは参考となる意見については、センター内に設置しているケース会議で検討し、業務の改善に反映しております。なお、改善事例は都道府県センターにフィードバックし、情報の共有化を図り、業務改善の取組を推進しておりますが、満足度についてはこのような業務改善を図りながら、高い水準を維持しているところです。
 その右ですが、セミナーの受講後おおむね3月経過した時点で、事業効果の測定のためのフォローアップ調査をしております。89.9%の事業主から「雇用管理改善の取組を行った又は行う予定」との回答を得たところです。また、その右に求人充足率、離職率の実績を記載しておりますが、いずれも目標を大幅に上回っております。
 次の頁です。「評価の視点2」になります。建設事業主のうち、雇用管理改善を行った者又は行う予定の者の割合が80%以上となったかということです。実績ですが、建設業に対する相談が5万4,167件と、前年度より698件増、雇用管理の研修は228回、受講者が7,143人となっております。相談後の利用後3カ月経過した時点で、雇用管理の改善を行った者又は行う予定の者の調査については、92.5%と目標を大幅に上回っております。
 「評価の視点3」ですが、沖縄県における離職者等に対して援助業務を実施し、80%以上の者から就職活動を進める上で役立った旨の評価を得たかということです。沖縄県を初め、東京など大都市のセンターにおいて再就職の支援を実施しております。実績については、相談件数が1,834件、利用者の満足度調査については、100%の方から役立ったとの回答を得ております。
 8頁です。「評価シート2」は、「雇用開発関係助成金等の業務」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」ですが、制度内容の変更後7日以内にホームページで公表し、周知・説明に努めたかということです。取組状況ですが、各助成金の制度の変更については、同日にホームページに公表し、パンフレットや申請書の手引などを作成し、事業主に配布しました。また、ハローワーク等関係機関においても配布されるよう連携を図ったところです。
 その下に実績を記載しております。説明会は2,253回、説明会終了後に個別相談を実施しておりますが、その件数は6万5,926件と、前年度より3,618件の増となっております。説明会参加者の理解度の調査については、86.8%の方から役立った旨の評価を得ております。また、右側に記載している業務の改善ですが、先ほどの雇用管理相談と同様に、否定的な意見等については業務の改善に活かしているところです。
 9頁です。「評価の視点2」ですが、書類の簡素化等による申請者の負担軽減や不正受給防止対策を行ったかということです。事務手続の合理化については、添付資料の一部簡素化を図ることとして、平成22年度から運用することとしております。また、不正受給防止対策については、不正受給防止マニュアルの徹底や担当職員の研修を753回、事業所訪問は4,334件、疑義がある事業所はすべて訪問することにしており、184件実施したところです。このような不正受給防止対策の取組を行い、助成金の支給件数は約7万6,000件ありますが、そのうち不正受給はわずか1件となっております。
 「評価の視点3」は、建設助成金について、申請者数の対前年度増加率2%以上となったかということです。取組ですが、事業主団体などへの訪問を強化し、積極的な広報活動を実施したところです。実績については5,386事業所、対前年度増加率42.1%と、目標を大幅に上回っております。
 10頁です。「評価シート3」は、「連携及び効果的な訓練の実施」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、個人に応じた訓練コースの選定と訓練成果の客観的な評価・分析を実施したかということです。取組としては、中段にPDCAサイクルによる訓練コースの見直しの手順を記載しております。この手順に従い、離職者訓練、在職者訓練の訓練コースの見直しを行っておりますが、その右側にありますように、就職率の向上や個別コースの質の向上に反映しているところです。
 中央のCheckの欄をご覧ください。実施項目として3点ほど記載しておりますが、3点目の機構版教育訓練ガイドラインです。詳細はのちほどご説明しますが、これは当機構の訓練に関する質の保証システムを体系的に明文化したものです。これに基づき、訓練の水準の維持・向上、あるいは訓練コースの見直しなどを行っております。コースの見直し事例については、下に離職者訓練、あるいは在職者訓練について例示を記載しております。
 11頁です。「評価の視点2」ですが、関係機関との連携を図り、効果的な訓練を実施したかということです。都道府県ごとに就職促進能力開発協議会を設置し、地域の労働市場の動向や直接事業所を訪問することにより、人材ニーズを踏まえた訓練コースの設定に努めているところです。いわば足で稼いでやっているということです。また、就職支援のあり方などについて協議を実施しており、延べ102回実施したところです。なお、平成21年7月、先ほど理事長のお話にありましたように基金訓練を実施しておりますが、この事業に伴う訓練ニーズの把握等を行うため、協議会を47回実施しており、合わせて149回実施したところです。
 「評価の視点3」は、訓練コースの見直しを行い、ホームページに公表したかということです。訓練コースの見直し状況に記載してありますとおり、離職者訓練、在職者訓練とも設置コースの3割強の見直しを行い、ホームページに公表しております。見直しの内容としては、先ほど説明しましたように、地域における訓練ニーズを踏まえたカリキュラムの一部変更が中心となっております。
 12頁です。「評価シート4」は、「離職者訓練」です。雇用のセーフティネットとして、主にポリテクセンターで実施している訓練です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」ですが、施設内訓練の就職率が80%以上、委託訓練にあっては65%以上であったかということです。取組状況ですが、施設内訓練ではものづくり分野を中心とした訓練を実施し、委託訓練では教育訓練資源を活用して多様な訓練を実施したところです。委託訓練の分野はIT分野や介護分野が中心となっております。また、ここには記載しておりませんが、訓練の対象者はハローワークに求職登録した方のうち、職業の転換を図る方などが中心となっており、新たに技能を身に付ける方、あるいは技能の幅を広げる方が中心で、就職困難者が対象となっております。
 実績ですが、施設内訓練の就職率が78.6%、委託訓練が68.1%と、委託訓練については目標に対して上回っております。参考の指標として都道府県の就職率を記載しておりますが、比較すると施設内訓練が19%、委託訓練が13.4%、それぞれ当機構の就職率が上回っております。
 下段に雇用関係指標と訓練実施状況を記載しております。左側のグラフをご覧ください。緑の線が有効求人倍率を示しておりますが、平成20年度の有効求人倍率が0.77倍であるのに対して、平成21年度は0.45倍と、大変厳しい雇用情勢ですが、就職率は一定の水準を維持したところです。右側は月別のデータを記載しております。いちばん下の灰色の線がハローワークでの就職率ですが、20数%で推移しているのに対し、訓練の就職率は右肩上がりで推移しております。なお、資料には記載しておりませんが、21年度は過去に例のないほど厳しい雇用情勢であったわけですが、それと比較的近い年度で見ると、平成11年度の有効求人倍率は0.49倍で、そのときの施設内の就職率は64.3%です。それと比較しても、平成21年度は14.3%高い数値を示しており、単純な比較はできませんが、相当頑張った結果ではないかと思っております。
 13頁です。就職支援の取組です。中ほどに、主な取組として6点ほど記載しております。1つ目は、厳しい雇用情勢に応じた就職支援の重点事項を設定した「就職支援マップ」を作成し、就職支援項目ごとに進捗管理を行ったところです。2つ目は、求人企業の開拓や、素早く訓練生に対して求人情報を提供しました。3つ目は、内定企業が求める課題等に対して追加指導を実施しました。このような就職支援の内容を強化し、就職率の維持・向上に努めたところです。
 「評価の視点2」ですが、キャリア・コンサルティングを実施し、コースの選定や受講者の能力把握等を適切に行ったかということです。取組としては、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングを実施したところです。実績ですが、支援コーナーと相談コーナーによる相談を合わせて78万539件、前年度より9万3,374件多く、大幅に増加しました。訓練希望者、あるいは訓練生に対するジョブ・カードの交付については、前年度より6万1,781件多い13万5,935件という実績となっております。
 14頁です。「評価の視点3」は、委託先の積極的な開拓と委託先へ就職支援の指導・求人情報提供などを適切に行ったかということです。冒頭に申し上げましたが、IT分野や介護分野等民間が進出している教育訓練機関などを積極的に活用して、実績は民間教育訓練機関が1,288機関、事業主及び事業主団体が475機関、それぞれ活用したところです。また、委託先に対しては機構のノウハウを提供したところです。実績については、「プロセス管理手法」のセミナーを実施したところ、408機関、前年度より139機関多い参加となっております。委託先の巡回指導については、1万970件実施したところです。
 「評価の視点4」は、ポリテクセンターで訓練を行う場合、民間では実施できないもののみに限定して実施したかということです。民間では、採算性の問題から進出していないものづくり分野に重点化を図り、平成21年度実施したコースは1,565コースですが、そのうち95%がものづくり分野を実施したところです。
 「評価の視点5」は、地域ごとに人材ニーズを把握した上で、真に必要とされる訓練コースを設定したかということです。右側にありますように、地域ごとに外部の有識者からなる地方運営協議会を設置しておりますが、その下に訓練計画専門部会を設け、都道府県や民間が実施している訓練科と競合がないかなどについて、訓練コースごとに審査をしていただいております。
 15頁です。冒頭に理事長からお話がありましたように、緊急雇用対策に伴う基金訓練を記載しております。真ん中の青色で括っている基金訓練ですが、これは平成21年7月から政府により発動された制度です。訓練の対象者は主に非正規労働者等で、離職された方を対象に民間の教育訓練機関などが中央職業能力開発協会の認定を受けて行う訓練です。この制度については、中央職業能力開発協会に基金が造成され、ハローワークでは求職者に対して受講を勧奨する役割を担っております。当機構との三者による共同事業となるわけですが、その右側に機構の役割を記載しております。1点目は、訓練実施機関の開拓や訓練コースのコーディネート、実施状況の確認です。2点目は、求職者に対するキャリア・コンサルティングの実施です。3点目は、訓練奨励金等の申請書受付・調査確認等です。
 中段に実績を記載しておりますが、政府の緊急雇用対策本部から、平成21年12月末までに5万人分の定員を確保せよという目標に対して、5万7,954人の定員を開拓し、3月末までの10万人分の確保については13万7,732人開拓し、いずれも目標を達成したところです。その下の求職者に対するキャリア・コンサルティングでは、キャリ・コンを9万9,831件、ジョブ・カードの交付を1万9,104件実施したところです。なお、基金訓練の取組にあたっては、当機構としても本部・施設において緊急雇用対策本部を設置し、当機構がこれまで蓄積してきたノウハウ、組織力、機動力をフルに発揮して、役職員一丸となって実施したところです。
 16頁です。「評価シート5」は、「高度技能者養成訓練」です。能開大においては、主に高等学校卒業者を対象に実践技能者養成を目的とする専門課程、その上に生産現場のリーダーの養成を目的とする応用課程と、それぞれ2年課程の訓練を実施しております。自己評価はSを付けております。
 「評価の視点1」は、就職率が95%以上であったかということです。取組の内容としては、実学融合の授業カリキュラム設定を行ったこと、1年次から就職ガイダンスやキャリア・コンサルティングをきめ細かく実施したこと、また、インターンシップやカリキュラムに取り入れながら訓練を実施したことです。実績については、目標に対して96.4%と目標を上回ったところです。左下の囲みに、一般大学との就職率の比較を記載しております。一般大学の就職率が91.8%と、前年度より3.9ポイント落ち込んだのに対して、当機構の能開大は前年度の数値をほぼ維持しております。また、資料には記載しておりませんが、一般短大で就職率が88.4%で、機構の能開大に比べると8ポイント低い状況となっております。
 右側の表ですが、これは4月の修了生のフォローアップ調査の結果です。いわゆる七五三現象と言われているように、3年後の離職率が一般の大学では34.2%、これに対応するのが能開大では応用課程になりますが、15.1%です。また、一般の短大が42.9%、これに対応するのが専門課程で22.7%と、いずれも能開大が低い数値となっております。その下の表ですが、修了生に対する企業の評価では、9割の企業から、一般採用者に比べ技能レベルが「優れている」との回答を得ており、能開大の優位性が認められるのではないかと思っております。
 17頁です。「評価の視点2」は、産学連携など広く地域社会に開かれた施設運営に努めたかということです。取組としては、中小企業等が抱える技術力強化など、課題解決のための支援として、中小企業との共同研究を62件、受託研究を14件実施しました。その下ですが、共同研究と受託研究の事例を記載しております。
 18頁です。能開大の資源を地域社会に開放している状況について記載しております。指導員による工業高校への支援として、合計272件実施しました。前年度より17%アップしたところです。中央には高校生等に対する支援の事例を記載しております。下のほうに青い括りがありますが、地域におけるものづくり振興への支援として、ものづくり体験教室の実施状況を記載しております。参加者数は2万7,538人と、前年度と比べ1,924人増加しており、年々増加傾向になっております。地域におけるものづくりの気運に一役かっているのではないかと考えます。グループ1の説明は以上です。

○井原部会長
 ありがとうございました。それでは、委員の皆様方には評定記入用紙への評定等の記入をお願いします。ご質問がありましたらご発言いただきたいと思います。

○松田委員
 資料の16頁ですが、一般大学との就職率の比較で、能開大が96.4%となっていますが、これは理工系のことですか。

○雇用・能力開発機構企画部長
 全体です。

○松田委員
 全体でしょう。それでは意味はないですよ。理工系だけやってください。理工系はどうなのか。

○雇用・能力開発機構大学校部長
 理工系の就職率は95.2%です。

○松田委員
 そんなに差はないではないですか。

○雇用・能力開発機構大学校部長
 少し補足させていただきますと、就職率の算定の仕方が、文科系の大学と私どもとは少し違っております。文科系の場合は、分母に就職を希望する者だけが入るのですが、私どもは進学する者以外はすべて分母に入ります。ですから、病気だったり、進路を少し変更しようとかいう人も、全部分母に入ってくるというところは違うと思っております。

○松田委員
 専門技能者を一般大学に採れば、この場合は理工系ですから、理工系で比較すればいちばんいい。何もすべてごちゃ混ぜにしてやることはない。採り方がおかしいでしょう。

○雇用・能力開発機構理事長
 そのとおりです。その中でも、多少の優位性はあると。それはお認めいただきたい。

○松田委員
 はい。

○篠原部会長代理
 私は工業高校を出て、工学部を出て会計士になりましたから、それを厚生労働省の依頼主に言ったら税金泥棒と言われましたが、工学系はすごくお金がかかると思うのです。私もお金をかけられたという感謝の気持が多くて、こういうものは常に民間と比較してああだこうだと言われます。ただ、ある部分国がやるというか、感謝の気持ちはあると思うのです。1つは離職者の面で、首になって来たから精神的なダメージはあると思うのですが、そういう部分の授業が中にあるのか、その辺はどうなのでしょうか。

○雇用・能力開発機構理事長
 おっしゃるのは、単なるスキル訓練ではなくて、気持ちのメンテナンスとか、そういう意味ですか。

○篠原部会長代理
 そういうものも要るのではないかと。

○雇用・能力開発機構理事長
 そういう講座があるかどうかですね。これは業務推進部長、別な用語を示しながらお願いします。

○雇用・能力開発機構業務推進部長
 いまの話ですが、我々指導員も現在キャリア・コンサルティングを相当やっており、その中で、訓練中の受講者を対象に集団とか個別のさまざまな相談をやっております。例えば若い方であれば、22頁にありますが、「日本版デュアルシステム」の中でも訓練導入コースというものがあります。職業意識を啓発しながら、企業人としてヒューマンスキルとかビジネスマナーを身に付けさせようと、集団の中で就職意欲を植え付けるような方法を取っています。
 併せて、先ほどの資料の13頁にも就職支援マップを作ったと言いましたが、これについてはそれぞれの訓練の進捗段階でどういうことをやったらいいかの道しるべとしてマップを作ったのです。これを活用し指導員の方々が訓練生と個別相談や講話等をしていきます。いま非常に厳しい雇用情勢の中、何とか78%の就職率があると言いましたが、これは若い指導員も、訓練生も個別の相談をする中で、職業訓練を受けるということは就職をすることだという目標の刷り込みができた結果だと思っています。とにかく、我々としては、緻密で受講者本位の相談で訓練生の方との信頼関係を作ることが、いちばん重要であり、その後、職業訓練によって職業能力を段階的に高めていくのだと思っており、常にそういう方法で取り組んでおります。

○雇用・能力開発機構理事長
 いまの支援マップですが、13頁はえらく見にくいので、52頁に附属資料で大きく表示されております。就職支援の入所前、入所、訓練期間中、修了後と、部長が説明しましたように、その都度就職の講話が入っているということで、だんだんその気になって再就職の意欲を高めると。

○雇用・能力開発機構業務推進部長
 実際、こういう形で俯瞰図があって、24頁にわたってそれぞれの場面が書いてあります。その取組を職員と訓練生の方が相互に行っていくということになります。

○篠原部会長代理
 私の娘が3年目でオーストラリアにワーキングホリデーに行って、役所の人に聞くと、どうも遊びに行ったのではないかという感じなのですが、今年の5月に帰ってきまして、ものすごく逞しくなったのです。韓国とか台湾とか、いろいろな人に会っていると、いかに日本人が甘ったれているかがわかると思うのです。教育でも逞しくするという部分が大事だと思うのです。そのための配慮はあるのでしょうか。そこまで言ってしまうと、それは国しかできないのではないかという話になるのだろうけれど、余裕がないとできないと思うのです。そういう意味で、この辺り、いま言ったことは、国の強調できる部分ではないかなと思うのです。民間だ、民間だと言って、採算ベースでそれ以外の部分をやっているのだと。そういう意味では、その辺の配慮はあるのでしょうか。

○雇用・能力開発機構企画部長
 配慮ということではないのですが、私なども一般大学卒業なのですが、一般大学はどちらかというと学術技芸というか、講座が中心になっているわけです。私どもの能開大では、仮に2年課程であれば、一般短大の約2倍のカリキュラムを組んでおります。相模原にある総合大もそうですが、ほとんどアルバイトなどできない状況です。そういった訓練を継続して行うところが、いちばんの特徴ではないかと思います。

○雇用・能力開発機構理事長
 そういうことで、学卒者訓練も離職者訓練もやっているわけですが、離職者訓練で平成21年度のフォローアップ調査は必ずやりますね。それを見ると、そのデータは今日は出ていませんが、求めていた人材を採用することができたと、事業主の97%が言っていると。97%は少し高すぎるのではないかと、おごりも入っているのではないかと思わないわけでもありませんが、その他必要な基礎的な技能・知識を習得しているというのが92%と。一応の訓練成果は、単にスキルだけではなくて、人物的にも一応の成果は離職者訓練でも上がっていると言えるのではないかと思います。

○雇用・能力開発機構大学校部長
 学卒者訓練において、今年の1月に調査をかけたのですが、669社に対して調査をしました。いまスキルの話が出ていましたが、76%の企業から他の大学の卒業生よりも几帳面で、まじめで忍耐強いという評価をいただいていることを付け加えさせていただきます。

○篠原部会長代理
 私は事業仕分けを傍聴して、不満というか、いま言ったようなことを強調しないと、仕分け人はコストとか民間でできるだろうと言うのです。そういう部分でプラスアルファがあるではないかと、もともとそんなものは関係なく、国の施設は存在価値があると思うのです。事業仕分けは良い面と悪い面があって、少し乱暴な部分と、ある部分切り込んでいかなければ駄目な部分があるのです。そういう意味で、独法側がもう少し強調するというか、特に雇用能力の場合は、一般的に言うと評判が悪いのです。なぜ悪いのか。やっている事業はすごくすばらしいにもかかわらず、いっぱい施設を作ってしまったからかなと。だけど、こういう部分を強調していかないと、我々が友達になっても、この能力はこういうことだと、どうしても低めの評価になってしまうと。

○雇用・能力開発機構理事長
 私は2年前に理事長になってから、ずっとそういうことを言っていまして、実績は正しくエビデンスを持ってアピールしろと、機構の中では言っております。多少はいろいろな実績がわかりやすいようになってきているとは思うのですが、今後とも心がけてやってまいります。

○宮本委員
 2点ほど伺いたいのですが、1つはいまの続きで、12頁の離職者訓練です。上の段の右側に実績が書いてあって、機構の施設内訓練の就職率78%と、離職者訓練だけで見たらいいかと思うのですが、その右端に都道府県の就職率で施設内訓練59.6%とあって、だいぶ差があるのです。どうしてこういう差が出るのかという理由が重要ではないかということですが、いつも評価のときによくわからないのは、離職者が機構の訓練校に入る場合と、都道府県に入る場合と、訓練を受けずに就職する場合と分かれていくわけです。その辺りはどういうメカニズムの中で分かれていくのかが、必ずしも明らかにならない。これで見ると、機構の施設内訓練は非常に成果が上がっているのですが、場合によっては機構の施設内訓練に入った人は、非常に恵まれているということかもしれないわけです。あるいは、もともと訓練の効果が上がる人が入っている可能性があるとも言える。そこが十分はっきりわからないのです。
 その下にある離職者訓練を受けた人の就職率はよく、一般的な就職率は非常に低いと。これは訓練を受ければこうなるけれど、訓練を受けなかった人はどういう人なのかがよくわからないのです。もっと言えば、もっと訓練を受ける機会をたくさん与えれば、就職率はよくなるのではないかということに対して、どう説明するかが毎年よくわからないところがあります。それが1点です。
 もう1つは、15頁に緊急雇用対策、基金訓練がありますが、これで見ると、基金訓練の対象者はかなり当初の目標値よりも上回って実績者が出ているということですが、これは基金訓練の途中で、まだ成果は出ていないということでよろしいでしょうか。訓練中だということですね。

○雇用・能力開発機構理事長
 多分に、最初のほうはハローワークの差配がかなりありますし、基金訓練も含めて、振るわけではないのですが、井上総務課長のほうが適切なご回答がいただけるのではないかと思います。

○職業能力開発局総務課長
 1つ目のご質問ですが、ハローワークに離職した方、失業者の方が来られて、そのときにその方にとって何が必要かについて相談、キャリア・コンサルティングするところから出発します。大きく分けると、訓練を受けず、訓練よりもそのまま求職活動に入ったほうがいい方については、引き続きハローワークで求人を紹介したりという形に持っていきますし、訓練を受講したほうがよい方については、その方の能力、適性、経験、希望などに合った訓練コースを受講勧奨している状況です。
 雇用・能力開発機構の訓練に紹介されるのか、あるいは都道府県の訓練に紹介されるのかについては、理事長のお話にもありましたが、雇用・能力開発機構が行う訓練はものづくり系の科目が中心です。一方で、都道府県においては地場産業ニーズ、あるいは人材育成ニーズに応じた科目ということで、サービス系の訓練とか事務系の訓練といった職種が多く行われております。そうした訓練の受講を希望する方の適性や希望に応じた形で、訓練の職種によって雇用・能力開発機構の訓練をお勧めしたり、都道府県の行う訓練をお勧めしたりというところで分かれてきます。
 雇用・能力開発機構の訓練の修了者のほうが就職率がよいのではないかということですが、これは私どもが伺っている範囲ですが、一般的に雇用・能力開発機構の訓練の場合には、訓練受講中からその後の就職をするための就職支援が、都道府県の行う訓練よりも手厚く行われている実態があるということで、それがこの就職率の大きさに影響しているのではないかと考えております。
 2点目ですが、基金訓練の実績の部分、15頁の部分です。基金訓練については昨年7月に始まり、これは基金という形で実施しておりますが、実施期間は平成22年度いっぱいとなっております。最終的な結果は、平成22年度が終わったところでトータルの数が出てくるということですので、その意味ではここに掲げている数値は途中経過ということです。
 ちなみに、この基金訓練については、今後求職者支援制度の形で法律に基づく恒久的な措置とすべく、平成23年度からそういう制度にする方向で現在検討しております。

○井原部会長
 よろしいですか。

○宮本委員
 12頁のご説明で、1つは機構の訓練と都道府県の施設内訓練の内容が違うということですね。内容が違い、かつ機構の訓練校は県内でもそんなに多くないから、立地的に通えない人は通えないということですね。それもあるので、そこで振分けも行われると。つまり、通えない所に住んでいる人は、機構の恵まれた学校には通えないということがあるだろうと思うです。機構の学校であれば手厚い就職支援が受けられる、そして都道府県はなぜそれができないのか。そうすると、レベルにかなり差があるという問題がある。これは評価になるのかという問題があるように思うのですが、その辺りはいかがでしょうか。

○雇用・能力開発機構理事長
 手厚い就職支援というのは、お金をかけているという意味ではなくて、52頁に大きく示してありますが、先ほど言った就職支援マップ、うちの就職支援のノウハウがだんだん洗練されてきたというか、効率よく効果的な方法が編み出されてきてこうなっている。こういう手法は、県にもだんだん伝わっていくのでしょう。うちが外に出さないで、これをじっと抱え込んでやっているのではなくて、だんだん普遍してこれがいけばあれですが、その前にうちもレベルが上がることがあるかもしれない。

○宮本委員
 言い方が逆なので、機構の訓練のレベルが高すぎると言っているわけではなく、なぜ都道府県がこんなに低いのかということと、機構は国としてやっているのだとすると、高いレベルだとすればそれを広める責任をかなり負っているのではないかということです。

○雇用・能力開発機構業務推進部長
 先ほどの件で、我々の訓練には、就職しやすい人が入るのではないかという話もあったと思うのですが、そういうバイアスはかかっていません。我々は年齢、性別、職歴を一切考慮に入れておりません。平成21年の12月に修了した方々の追跡調査を、施設内で約3,000名やってみたのですが、約7割の人がものづくり訓練と関係ない職種から、例えば広告業とか自動車セールスとか保険の営業、アパレルとか、そういう関係から入っております。我々としては、先ほどのPDCAではありませんが、事業主が求める人材ニーズを拾いながら訓練を行ったということです。また、12頁の雇用関係の表を見ると、右のほうに機構の就職率が出ていますが、7月の情報が出たとき64.8%と非常に低かったのです。それがあって、我々も就職支援マップを作り、10月には就職対策の支援会議、12月、1月にも実績が低調な施設に対する就職支援強化対策の会議を開きました。全国的に職員がさまざまなノウハウを持ち寄ってマップを作り、全国ネットという利点をいかしたことでさまざまな効果的な方法が浸透したのだと思っています。
 もう1つは、いま県等に普及はどうだという話がありましたが、「就職促進能力開発協議会」というものがあって、ここでは県の訓練施設との協力関係がありますので、こういう所で伝えていきたいと思っています。この中で、同一県内の訓練の総合パンフを作ろうとか、全体で合同の企業説明会といったことをやっていますので、ご指摘のノウハウは個別に求められたら、そういう場所で提供できると思います。いずれにしても、我々は全国ネットで、さまざまな指導員の代表が知恵を持ち寄ってマップを作り就職支援をやっているということで、高い就職率としてヒットしたのではないかと思っております。お金をかけたというよりも、知恵をかけたというぐらいに思っています。

○宮本委員
 お金をかけてもらったほうがいいのですが、時節柄非常に厳しいということですので、結構です。

○井原部会長
 ほかにございますか。よろしいですか。
 それでは、次にグループ2に移ります。グループ2は、「在職者訓練」から「訓練コースの開発等」までの項目について評価を行います。所要時間は、法人からの説明25分、委員の評定と質疑25分の合計50分となっております。それでは、法人から説明をお願いします。

○雇用・能力開発機構企画部長
 19頁の「評価シート6」は、「在職者訓練」です。在職者訓練は中小企業の従業員を対象にして、平均3日間のコース設定し、従業員が受講しやすいよう、夜間あるいは土日も含めて実施している訓練で、自己評価はSを付けております。「評価の視点1」は、受講者と事業主に対するアンケート調査において、役立った旨の評価が80%以上であったかということです。中段に満足度調査を記載しております。受講者が98.3%、事業主のほうが97.6%と、目標を大幅に上回っております。また、大変役に立った旨の最上位の評価については、受講者のほうが0.7ポイント、事業主のほうが3ポイント高くなっており、改善を図ったところです。
 その下に訓練カルテ方式の運用を記載しております。先ほども話が出ましたように、私どもはこういったものを開発して、都道府県のほうに普及していくという役割を担っていると思っております。このカルテ方式については、在職者訓練の品質保証を図るために、受講者アンケート等のデータをPPMチャートやレーダーチャートで分析して、訓練コースを評価改善する仕組みです。これを平成21年度から全国で運用しています。54頁に大きな図を付けておりますので、後ほどご参照していただければと思います。
 「評価の視点2」は、訓練開始時と終了時の能力をそれぞれ把握して比較することにより、習得した能力を測定して評価したかということです。習得度測定は受講生と事業主に対して行っているものですが、受講生に対しては訓練の理解状況と活用状況について、事業主に対しては活用状況について、それぞれ測定を実施しており、在職者訓練の質の向上に反映しています。
 20頁の「評価の視点3」は、中小企業等を主な対象として、ものづくり分野を中心に訓練を実施したかということです。上段の緑色の囲みですが、人材育成のニーズを踏まえたコースの設定に当たって、4点ほど掲げております。1点目は現場力強化、2点目は技能承継、3点目は生産性向上、4点目は品質向上や新製品開発という点です。その下になりますが、訓練の基準については、外部専門家を構成員とする在職者訓練設定基準に関する専門委員会を設置して、審議決定した上で、ホームページで公表しているところです。その下に在職者訓練の実施状況を記載しております。受講者数は4万2,367人、うち中小企業の従業員が受講している比率は69%という状況になっております。その下のピンク色の囲みに、在職者訓練コースの見直し状況を記載しております。平成20年度は非ものづくり分野が1.8%ありましたが、平成21年度はすべてものづくり分野の訓練を実施しました。
 「評価の視点4」は、中小企業に配慮しつつ、適切な費用負担を求めたかということです。在職者訓練は有料で行っておりますが、中小や零細企業を対象に実施していること、あるいは厳しい経済状況を踏まえて、料金を設定して実施しています。
 21頁の「評価シート7」は、「若年者対策、キャリア・コンサルティング」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、「日本版デュアルシステム」を積極的に実施したかということです。絵図面は訓練の流れを記載しております。左側からフリーター等を対象に、当機構のアドバイザーがハローワークなどを巡回して、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングを実施し、訓練が必要な方に対して訓練形態ごとに、個人に応じた訓練を受講していただきます。デュアルシステムによる訓練の特徴は、企業実習との組合わせです。平成21年度は景気の影響もあって、引き受けてくれる企業を探すのに大変苦労したという状況にあったわけですが、3万7,386人を実施し、前年度より4,375人多く実施いたしました。就職率については経済情勢の影響もあってか、前年度より若干低くなっておりますが、一般の訓練よりは総じて高い数値となっております。
 22頁にデュアルシステムの事例を記載しております。左側に訓練生の特徴を記載しております。いちばん共通している点は、マナーや心構えが十分でない、自主性と積極性が乏しい、コミュニケーション能力に欠けるということで、挨拶ができない、挨拶をしても声が小さいといったことが、指導員から多く寄せられている意見です。その右に、機構での訓練の内容を記載しております。まず、訓練導入講習として、社会人マナーの習得や職業意識の向上といった訓練を実施した後に、技能訓練を実施するということで、一般の方を対象に実施している訓練より手間がかかる訓練ではありますが、終了後はほとんどの受講生が、一人前の職業人として就職しています。
 23頁の「評価の視点2」は、「実践型人材養成システム」あるいは「有期実習型訓練」の導入や施策を実施したかということです。この訓練はジョブ・カード制度の一環として行うプログラムで、フリーターや母子家庭の母などを対象に、企業が主体となって行う訓練です。当機構はこのプログラムに対して支援を行っていて、その支援の内容を記載しております。民間事業者へのカリキュラムの作成、OJTの評価シート作成の支援などを実施しております。実績としては、実践型人材養成システムの実施計画認定申請書の取次が1,555件ということで、前年度より1,037件の増となっております。また、有期実習型訓練に係る訓練基準適合の確認は3,712件ということで、前年度より3,182件の増と、いずれも大幅に増加しました。
 「評価の視点3」は、職業意識を啓発するための取組などにより、若年者のキャリア形成を支援したかということです。ジョブ・カフェや地域若年サポートステーションなどの支援機関との連携を図り、職業意識の啓発に努めております。
 「評価の視点4」は、「私のしごと館」について運営を包括的に民間に委託するに当たり、設定した目標を上回ったかということです。若年者のキャリア形成を総合的支援として、現地体験事業や相談・援助事業などを実施しました。右側の実績にありますように、職業体験利用者は23万8,742人、満足度などの調査においては80%以上と、すべての調査において目標を上回りました。なお、私のしごと館については、平成21年度末をもって廃止します。
 24頁の「評価の視点5」は、アドバイザーを各センター等に配置し、労働者等へのキャリア・コンサルティングの充実を図ったかということです。労働者と事業主に対する支援内容をそれぞれ記載しております。右側に実績を記載しております。労働者への支援が123万4,748件ということで、前年度より25万353件の増加となっております。事業主への支援は7万2,593件ということで、前年度より5,627件の増加となっております。いずれも前年度と比較しますと、大幅に増加しています。
 「評価の視点6」は、アンケート調査において、職業能力の向上等を図られた旨の評価が80%以上であったかということです。利用者の満足度については、99.3%の方から役立った旨の評価を得ており、目標に対して大幅に上回っております。アンケート調査においては、利用者からの要望・意見等を分析しながら、業務の改善に反映し、高い満足度を維持しています。右側になりますが、キャリア・コンサルティング実施後3カ月時点で、事業効果を測定するためにフォローアップ調査を実施しております。87.8%の方から、「就職・能力開発等の具体的な取組等が図られた」との回答を得ております。
 25頁の「評価シート8」は、「事業主等との連携・支援、新分野展開」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、事業主等が効果的に職業訓練を実施できるよう、連携・支援を行ったかということです。取組内容ですが、事業主が行う人材育成を支援するために、指導員の派遣、設備の貸与、あるいは事業主等の人材育成計画の作成支援などを行っております。右側の実績ですが、訓練延べ人員は39万1,669人と、前年度より3万5,218人の増となっております。指導員の派遣数は延べ4,878人、設備の貸与は1万4,671件実施しました。下段のほうに、政府の「経済危機対策」として、事業主への積極的な支援を記載しております。これは、経済状況の悪化に伴う政府の雇用対策に迅速に対応するため、雇用調整助成金等を活用した教育訓練の実施を希望する事業主に対して、「緊急雇用対策講習」を新たに設置しました。210コースを設定し、3,735人の受講がありました。
 26頁に、実績のグラフを載せております。左側のグラフをご覧ください。赤色の部分ですが、雇用調整を行う事業主に対する相談件数については、平成20年度が398件だったのが、平成21年度は1万2,206件と相当増加した状況になっており、景気の悪化に伴い、いかに雇用調整を行った事業所が増大したかということが伺えると思います。ちなみに雇用調整助成金は、6,536億円支給されており、平成20年度の約10倍の支給額となっております。右側のグラフですが、在職者訓練を入れた事業主への支援としては43万7,771人と、前年度より3万7,517人の増となっております。
 「評価の視点2」は、新規成長分野における、専門的な相談・情報提供、人材養成のための訓練などを行ったかということです。右側に支援の状況について記載しております。専門的な相談・情報提供の件数としては6,548件、公開講座が128コース、4,061人が受講しました。在職者訓練は11コースを実施して、交流の場は90回開催し、985人が参加しました。
 27頁の「評価シート9」は、「職業能力開発関係助成金等の業務」です。自己評価はSを付けております。「評価の視点1」は、制度内容等の変更後7日以内にホームページで公表する等により、利用者への十分な制度の周知・説明に努めたかということです。キャリア形成促進助成金の制度内容等の変更については、改正と同日にホームページに公表しております。また、パンフレット等を作成し、事業主等に配布するとともに、ハローワーク等の関係機関においても配布されるよう連携を図っております。その下に実績を記載しております。説明会の開催が1,908回、開催の後に個別相談などを実施しますが、個別相談の件数が4万1,533件と、前年度より1万836件の増となっております。その右の説明会参加者に対する満足度調査については、88.3%と目標を上回っております。その下になりますが、利用した事業主・労働者に対してフォローアップ調査を実施した結果、98.7%の労働者からキャリアアップが図られたとの評価を得て、98.2%の事業主から訓練等の実施につながったとの評価を得ております。
 「評価の視点2」は、書類の簡素化による申請者の負担軽減を図ったか、不正受給防止対策を行ったかということです。「事務手続の合理化」については、毎年見直しを行っており、実施した内容を2点ほど記載しております。その右には不正受給防止対策の取組状況について記載しております。職員の研修が506回、できる限り事業所を直接訪問した件数が前年度の倍近く多く、1,834件訪問し、疑義のある事業所についてはすべて訪問しました。能開関係の助成金の支給件数は約1万3,000件となっておりますが、不正受給件数は0件という状況です。
 28頁の「評価の視点3」は、新規返還者の初年度返還率が94%以上となったかということです。この制度については、経済的困窮者に対して資金を貸し付ける制度として、技能者育成資金制度を設けております。取組内容として記載しておりますが、その中でも中段の黄色の囲みに、回収業務の強化内容を記載しております。滞納者に対する電話督促が8,379件です。電話でつかまらない方に対しては、夜間や土日を使って連絡を取りました。その件数が1,929件と、前年度より倍近く多い件数となっております。督促状の送付件数は、1万1,028件という状況になっております。このような取組を強化して、右上の返還率の実績は目標に対して96.2%と、目標を上回った結果となっております。
 29頁の「評価シート10」は、「指導員養成、訓練コースの開発等」です。相模原に設置している総合大の業務になりますが、自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、幅広い能力を有する人材を養成したかということです。産業構造の変化や指導員に求められる能力の変化に対して、教育の内容の充実としては、企業でのインターンシップを実施したことや、複数の訓練科での指導員免許が取得できるよう、カリキュラムなどの見直しを行いました。就職支援の強化としては、就職支援センターの設置や先輩OBとの連携などを行うことにより、求人情報の早期把握や求人確保に努めました。また、実務実習の早期実施などにより、指導員就職の意欲と醸成の強化に努めました。
 このような取組を通じて、指導員の求人数が昨年度より43.5%と大幅に伸び、指導員の就職者数は72人と、卒業者の41.4%という状況になりました。下段に総合大のカリキュラムの特徴を記載しております。カリキュラムについては、国立大の工学部の約2倍の5,784時間を組んでおります。その中で、ものづくり関係として4,010時間、全体の69.3%のカリキュラム編成となっているのが特徴です。
 30頁では指導員の再研修について記載しております。研修の対象者は都道府県、機構の指導員、認定訓練校の指導員、企業の教育訓練の担当者に対して行っております。実施状況を記載しております。166コースを実施して、受講者は前年度より282名多い1,900人となっております。研修課程については形態別にコース設定を行っており、訓練技法開発等研修、実践研修、テーマ別研修ごとに行っております。特に、平成21年度は都道府県への出前型訓練を強化して取組み、昨年度と比べ67%の増となったところです。
 31頁の「評価の視点2」は、効果的・効率的な訓練の実施に資する調査・研究を実施し、その成果を自ら活用する他、民間教育訓練機関や地方公共団体に提供したかということです。訓練コースの開発としては、離職者訓練では再チャレンジコースとして14コース開発いたしました。高度技能者養成訓練では、「生産電子情報システム技術科」の標準カリキュラムの開発を行いました。調査研究のテーマ設定については、政策上必要とされるテーマと、訓練を実施する上で必要なテーマについて行っておりますが、実施方法については外部の学識経験者や、産業界などの有識者との委員会方式で行っております。
 中段に、平成21年度に実施したテーマと実績を記載しております。中でも4点目の総合的かつ体系的な職務分析の推進としては、6業種の職業能力体系をモデルデータとして整備しました。そのうち、3業種については後継者問題などから担い手不足で、社会的問題になっている農業分野について整備しました。普及状況については右側に記載しております。総合大のホームページでも公開しておりますが、アクセス件数は前年度より13%アップの124万6,692件、ダウンロード件数は2%アップの3万7,999件となっております。また、教育機関への配布は、1,807機関に配布しました。
 32頁では、ISO29990の経過と機構の果たした役割について記載しております。10頁のPDCAサイクルの際に、ガイドラインについて若干触れましたが、2006年2月にドイツの標準化機関から、教育訓練サービスの標準化に関する提案がなされました。右側のほうにありますように、背景としては、グローバルに比較可能な教育訓練の国際規格が必要との観点から、EUを中心に取組が進められたことに対し、我が国の対応は遅れており、大変不利な立場だったわけです。
 このような状況の中で国際規格が発行された場合、我が国の基盤となる人材育成システムのあり方にさまざまな影響を及ぼすことが懸念されたわけですが、当機構のガイドラインが国内審査委員会でも、我が国において官民を含め、ほかに例のないものと認められました。赤色で記載してありますように、2008年11月にはシドニーの会合において、ガイドラインの骨子が我が国唯一の教育訓練に関する質の保証システムとして、報告されました。ガイドラインの概要については、その下のほうに記載しております。グループ2の説明は以上です。

○井原部会長
 委員の皆様は評定記入用紙への評定の記入をお願いします。ご質問等もありましたらお願いします。

○篠原部会長代理
 たしか今日の新聞に、いわゆる離職者の教育の生活保障のことが出ていたのです。先ほどの宮本委員のにも関係するのですが、へき地と言ったら悪いけれども、訓練校が離れている場合、交通費や宿泊費というのは出ないのですか。やはり遠くの人というのは、受けるチャンスが難しいのかなと思うのです。私たちのように東京に住んでいるとどこでも行けるというか、多少時間的余裕があるのですが、その辺の配慮はされているのですか。

○職業能力開発局総務課長
 本日の朝刊の記事だと思います。あそこにかなり具体的な数字なども書かれておりましたが、この制度を検討している厚生労働省において、記事にあるような形で具体的な検討を行っているという事実は現在ありません。いま委員からご質問のあった、今後の制度において交通費等々をどうするかといったことについては、現在、労働政策審議会において制度設計を検討いただいているところです。まだ、そこまで具体的な議論には至っていないのですが、今後、審議会の議論の中でそうした制度設計についてご議論いただくことを考えております。

○井原部会長
 ほかにありますか。

○宮本委員
 今ずっと訓練のことが出ているので、少し戻ってしまって申し訳ないのですが、関係すると思うので申し上げます。15頁の基金訓練の実施の問題についてです。これには私も結構いろいろな形でかかわっています。もともと労働市場は厳しい状況なので、基金訓練に入ることでその期間は何とか救われている、というところが現にあるのです。その成果は簡単には言えないところがあるのですけれども、例えば基金訓練で月10万円出してそのまま放置。こういう言い方はおかしいですね。もちろん訓練をして支援をして、速やかに就職させていかなければいけないのですけれども、実態としては相当いろいろな形で出しているだけというようになるところが、かなりあるのではないかという懸念があるのです。機構の場合には、基金訓練の受入先を確保するというところまで書いてあるのですけれども、その後の具体的な支援というのは、機構はどういうように関与していらっしゃるのですか。

○雇用・能力開発機構理事長
 今おっしゃるのは、訓練を受けた後の人の就職支援のケアとか、いわゆる出口管理みたいなお話ですか。

○宮本委員
 ええ。それから、訓練のプロセスもそうですよね。出先をゴールにして支援をしながら、出先の所も見ていくということをやらない限り、訓練の成果は上がっていかないわけです。実際のところ、この10万円というのはこれまでの訓練制度の中では、かなり大きな前進と言えば前進なのですけれども、本当に訓練としての成果が上がるかどうかというのは、かなり大きな課題ではないかという感じがします。

○雇用・能力開発機構理事長
 生活支援給付金という事業自体は、機構は全くノータッチです。しかし訓練期間におけるいろいろなもの。基本的には民間の教育施設に委託するような形ですよね。あれは月に一遍ぐらいは巡回してチェックしているのではないかと思います。担当の部長から。

○雇用・能力開発機構業務推進部長
 我々は実施機関の管理と監視が仕事になっています。先ほど言った15頁では何をやったかと言いますと、中ほどにあるように、ワークガイダンス講習・指導者養成講座というのがあります。基金の訓練にはさまざまなバリエーションがあって、基礎演習コースという導入的な訓練があり、それを指導する人に対して、働き方や基礎的な導入的な訓練の指導方法の教育を行います。これが31テーマあり、それをここで習得したということで、訓練生との対峙がしやすくなるということです。併せて下のほうに、85コースというのがあります。これは基金訓練として乗り出しやすいように、民間の教育訓練機関に85の事例コースを提供していったということです。
 あと、我々は、実施機関が訓練を実際に適切にやっているか否か監視をします。また、1つの訓練コースが終わった場合に、とりあえず今のところの基準としては、就職率が60%というのがあります。いろいろな取り方があって、次の訓練に移る人は除くのですけれども、60%を下回るコースがあって、もう1回同じコースで申請してきた場合には、指導方法やカリキュラムの見直しの指導をすることで、訓練のレベルを上げさせるということを常にやって、訓練コースの改善に努めているところです。

○雇用・能力開発機構大学校部長
 先生のご質問の参考になればと思います。28頁のいちばん下をご覧ください。平成20年の11月から22年の1月末まで、基金訓練に移行する前に訓練期間中の生活給付をしていた制度がありました。ここで472件の貸付がありまして、これを追跡調査しました。その結果、67%が就職しているという状況が得られております。ここで、就職すれば10万円は免除されて、就職活動を一生懸命やっていた場合は、8割免除されるという制度になっているのです。それも平成20年度分については、9割が10割免除です。平成21年度に入ってからは若干就職状況が悪化したこともあり、7割が10割免除になっております。まとめますと、472名の追跡調査では、就職率としては67%という結果が出ております。

○雇用・能力開発機構雇用管理部長
 基金訓練の実施機関のほうでは、基本的にはキャリア形成相談をやっていただくのですけれども、そこでそういう実施体制が整っていない場合に、能力開発支援アドバイザーというキャリア・コンサルティンングを専門に担当される方を、実施機関の要望に応じて、要請に応じて、うちのほうから派遣することで、そういった生徒さんたちのキャリア形成相談、ジョブ・カードの交付といったことも行っています。また、実施機関に対する技術的な支援も行っております。

○雇用・能力開発機構理事長
 この基金訓練というのは、去年の7月から雇用情勢が悪化して、雇用保険の受給もない人に何とかしなければいけないということで、ある意味では緊急的につくったもので、制度的には少し粗っぽいものがあるかもしれません。ただ、大学校部、雇用管理部、業務推進部がそれぞれお答えしましたけれども、うちの機構ができることはJAVADAとの契約の条項でなくても一応対応して、とにかく円滑に動かしていこうという現状ではあります。先ほど総務課長も言っておられましたが、これを本式の制度にしていくとしたら、いま先生がおっしゃる、ちょうどつなぎ目の部分も含めて、もっと円滑なやり方にしていかなければいけないと思います。

○宮本委員
 ありがとうございました。

○井原部会長
 よろしいでしょうか。それでは次のグループ3に移ります。グループ3は「公共職業能力開発施設等」から「組織・人員体制」までの項目についての評価です。所要時間は、法人からの説明が15分、委員の評定と質疑が15分、合計30分となっております。それでは法人からの説明をお願いします。

○雇用・能力開発機構企画部長
 33頁の「評価シート11」は、「公共職業能力開発施設等」です。自己評価はBを付けております。「評価の視点1」は、ポリテクセンターについて、雇用失業情勢に配慮しつつ、各施設の訓練内容及び実施規模の縮小を図ったかということです。ものづくり分野に特化して、離職者訓練については95%、在職者訓練については100%訓練コースを設定して実施しました。
 「評価の視点2」は、能開大の訓練定員の見直しや訓練科の整理・縮小を実施したかということです。専門課程の訓練科については109科から87科に再編し、定員を2,380人から2,010人に削減を行いました。
 「評価の視点3」は、総合大の養成定員の削減を行ったかということです。外部有識者で構成する委員会を設置して、指導員需要の予測をしていただき、その結果を踏まえて7科の訓練科を4科に再編し、定員を200人から120人に削減を行いました。
 「評価の視点4」は、業務量に応じた適切な人員やコストになっているかを検討し、必要な措置を講じたかということです。これについては離職者訓練、在職者訓練など、訓練生1人当たりの経費を算出して、施設のあり方の見直しの検討に活用しました。また資金管理に当たっては、PDCAサイクルによる業務目標や業務実績の達成状況を見据えながら実施しました。
 34頁の「評価シート12」は、「財形業務」です。自己評価はBを付けております。「評価の視点1」は、制度の内容の変更後7日以内にホームページで公表し、十分な制度の周知・説明に努めたかということです。貸付金の変更については、確定した当日にホームページに公開しました。その3つ下になりますが、ホームページ上の財形資料請求コーナーを活用して、利用者の資料請求に迅速に対応しました。ホームページのアクセス件数については、前年度より8,658件多い13万8,205件となっております。
 「評価の視点2」は、外部委託の活用や関係機関との連携により、制度の周知・利用の促進を図ったかということです。民間広告代理店にインターネット等を活用した広告を委託して、ホームページのアクセス件数は対前年度同月比で35.3%増となったところです。
 「評価の視点3」は、説明会参加者から、制度の理解に役立った旨の評価が80%以上だったかということです。実績ですが、説明会開催回数を590回、事業所訪問件数を3,410件、相談業務を9,550件実施しました。説明会に参加した者に対する理解度の調査では、88.3%の方から役立った旨の評価を得ました。またアンケート調査については、利用者からの意見等を検討して、業務改善に活かしながら高い数値を維持しているところです。
 35頁の「評価の視点4」は、財形融資の審査能力の向上と適正な貸付金利の設定です。審査能力の向上については、住宅金融支援機構等と必要な情報交換を行い、短期座学講座の受講や図書等の活用により、担当者の審査能力の向上に努めました。またマニュアルを作成して、金融機関、都道府県センターにそれぞれ配布しました。金利の設定については、貸付金利を確定するため、住宅金融支援機構、厚生労働省と毎月調整を行い、適正な貸付金利の設定を行いました。
 「評価の視点5」は、外部委託や競争入札の活用による業務の効率化や経費の削減に努めたかということです。広報資料の作成や広報の外部委託については内容の見直しなどを行い、経費については対前年度比で4.6%の削減を行いました。
 36頁の「評価シート13」は、「助成金等の平均処理期間の短縮、特例業務」です。自己評価はSを付けております。「評価の視点1」は、1件当たりの平均処理期間について、平成18年度実績と比べて5%以上短縮したかということです。取組状況ですが、助成金制度の周知については、ホームページを活用した周知や、利用者の意見等を踏まえて、わかりやすいパンフレットなどを作成しました。説明会については、説明会の後に個別相談の実施などをして、助成金申請に当たっての理解を深めていただくよう、説明内容などを改善しながら実施しました。審査能力の向上については、職員研修の実施、あるいは本部による業務指導を徹底して行ったほか、疑義案件の早期抽出と対処の強化を図りました。このような取組を通じて、1件当たりの処理期間は目標に対して25%と、大幅に目標を上回りました。また、下段の表になりますが、助成金全体の支給件数は、雇用開発と能力開発を合わせて9万3,074件です。平成20年度と比較して1万8,264件多い支給状況になったにもかかわらず、処理期間としては3日の短縮を行いました。
 37頁を開いてください。ここには特例業務を2つほど載せております。1つ目はジョブ・カード制度の実施です。この制度は先ほども出ましたが、内閣府の成長力底上げ戦略の一環として、平成20年度から始まった事業です。ジョブ・カードの交付については求職者等に対して、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングの実施を踏まえて、プログラムへの誘導を行うわけですが、ジョブ・カードの交付については、13万5,935件という状況になっております。右側に記載しておりますように、制度発足時から累計で21万89件交付しており、国全体の約90%を機構が担っています。実績の下に赤色で括っていますが、機構のジョブ・カード制度の取組み内容としては、ジョブ・カードの交付以外に、事業主が行う雇用型訓練にかかる支援として、訓練実施計画やカリキュラムの作成支援を行っております。また、委託訓練としてはデュアルシステムや企業実習先行型訓練システムによる訓練の実施をしております。
 2点目は、政府間技術協力です。毎年、職員が120~130名削減されているわけですが、このような状況の中で、国やJICAからの要請に対して、できる限り要請に応えるべく国際協力を行っております。内容としては、開発途上国から研修員として受け入れて研修を実施することや、指導員を開発途上国に派遣して、技術の移転や訓練制度の整備などを行っているところです。実績ですが、研修の受入れは主に総合大において受け入れております。3コース18名、視察型研修員の受入れについては60カ国204名を受け入れました。専門家の派遣については、メキシコ、スリランカなどに6名の派遣を行っております。また、ここには記載しておりませんが、総合大においては国費による留学生の受入れを行っております。現在、63名を受け入れております。卒業後は国に帰って能力開発の行政機関などに勤務しており、中には高官になっている方も相当いるとのことです。いわばアジアに架ける橋として、大いに貢献しているのではないかと考えております。
 38頁の「評価シート14」は、「組織・人員体制」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、業務の効率的・効果的実施の観点から検討を行い、見直しを図ったかということです。取組としては、機構本部職員からなる委員会で本部組織の見直しの検討を行い、資産管理、譲渡等業務のための組織の再編や支援センター・私のしごと館の廃止に伴う見直しを実施しました。
 「評価の視点2」は、職員の専門性を高めるための計画的研修を実施したかということです。下段に「職業訓練指導員人材養成システム'09」について記載しております。毎年度、目標を設定しており、PDCAによる確かなステップアップを図るために、各階層に応じた研修を実施しております。実績については、980名に対して実施しました。
 39頁の「評価の視点3」は、社会ニーズに機動的に対応できる指導員体制を実現したかということです。訓練の実施に当たっては、必要に応じ外部の教育機関や企業などから講師を招聘して活用するほか、民間等から任期付き雇用により21名の受入れを行いました。
 「評価の視点4」は、「役員ポストの公募や嘱託ポストの廃止による国家公務員の再就職ポストの見直しを図ったかということです。理事のポストについては、2つ削減いたしました。また、公務員の再就職ポストの廃止としては、常勤職員が9つ、非常勤職員としては27のポストを全廃しました。次は、内部統制に係る体制整備について記載しております。新たに内部通報処理に関する規程を定め、適正な運営に努めているところです。
 以上がグループ3の説明です。

○井原部会長
 それでは委員の皆様、評定記入用紙への評定等の記入をお願いいたします。ご質問等があった場合には、ご発言いただければと思います。

○篠原部会長代理
 全般というか、「評価シート14」というか。独法がスタートしたときには、ご存じのように予算がどんどん小さくなっていくと、先行き暗いということで、たしかここの委員会でもモチベーションの維持ということを、皆さんえらく気にしていたのです。最近はあまり気にしなくて、当法人においては気にしなくてはいけないと。モチベーションの向上よりは維持か、なるべく下かという意味での対応策というのは、何か考えられているのでしょうか。

○雇用・能力開発機構理事長
 そういった意味では非常にしっかりしている職員構成になっていると、実は私は感心しているのです。あれだけぼろくそに言われて、よく真面目にここまでやるなと思っています。やはり最大のあれは、OJT、off-JTにおける職員に対する教育でしょうね。OJTのほうはうちの職業訓練に関する50年近い実績で、日常的にモラルを維持する管理が非常によくできています。それがまた訓練を受ける人に対する指導にもあって、よく6カ月であそこまで技能者として成長していくものだと思うぐらいです。前にも申し上げたかもしれませんが、実際に現場を視察すると、私はいつも感激する、感動するぐらい、ピリッとした雰囲気の中でよくもやっていると思うのです。
 off-JTにもいろいろな研修があって、階層別研修もあれば、毎年夏に労務研修と言うのでしょうか、テーマごとに集まってやります。そういう中で必ずモラル維持の動機づけをお互いにするということが、実によくできていると思います。全国に100カ所近くあるけれども、私も理事長になって70何カ所、8割ぐらいは回りました。そこで皆さんとうちの職員と話をすると、ある意味でよく理解してもらっているなと思います。今おっしゃるような心配を非常にして回るわけですが、よくやってくれているなと思います。
 その基本は何かといったら、やはり職員の7割ちょっとが先生なのです。指導員なのです。その6割ちょっとが、総合大で鍛えられた先輩後輩の指導員です。同一の大学を出た人間が7割近く指導員にいる組織というのは、ほかではない。ですから、ある意味で内部的なモラル構造はかなり維持できている構造になっているというように、自分自身では思って分析というか、そういう判断でいるのです。これだけいろいろな課題を与えて、結構動かしておいて、世間でぼろくそに言われているというのはあまり芳しくないし、先ほども申し上げたように、中途半端に置いておくのがいちばんまずいので、早く今後のうちの組織活動の動向をはっきり確定して、みんなに「今度はここで頑張れ」というような形にしたいと思っております。

○篠原部会長代理
 独法がスタートしたときに総務省の管轄の人が、「大体予算を少なくしていくけれども、評価委員会でこれが必要と言ったら、やはり予算増ということを言うべきである」と言ったのです。我々は言ったことがないけれども、事業評価でもほんのいくつかは、たしか予算アップをしろと。ここを見ていると、非常に重要な業務をやっていますよね。今後もものすごく大事だと。しかし積極的に、この予算はほしいと。我々は十分需要を満たしていないのではないか、執行機関ではあるけれども、状況を見るともうちょっとやりたいというところはあるのですか。それとも今の雰囲気では到底言えないのですか。

○雇用・能力開発機構理事長
 言えない面は確かにあるのですが、私が危惧するのは、職業訓練に関してこれだけの専門スタッフと、これだけのノウハウと施設設備を持っている集団の活動の幅を、民にできるものは民に任せろ、民業圧迫はいけない、県にできるものは県に任せろということです。基金訓練がどうなるかはわかりませんが、たぶん、うちは民間の委託訓練もだんだん減って、来年辺りからなくなります。そうなっていくと、これだけのリソースを持ち、これだけの力のある集団の活動する範囲が、どんどん、どんどん制約されていくということが、大きな社会的損失ではないかと思います。
 そういう危惧の念は能開局長さんにも申し上げたり、いろいろしていますが、今はとにかく、あの組織は駄目だ、あれは縮小するということで、予算を縮小することが正しいというような変な政治主導になっています。これは民主党だけではなく、自民党の時代からそうなのです。その辺はどこかで考え方をもう一遍見直しをしてもらわないと。私自身は大変大きな社会的損失をしていくだろうという危惧の念を持っております。それは予算を減らされるだけではない。金がないと何もできませんから、そういう活動の範囲の制約をこれだけ受ける必要が本当にあるのかという気持があります。

○井原部会長
 そのほかに何かありますか。よろしいでしょうか。それでは最後になりますが、第4グループに入ります。グループ4は「業績評価」から、「その他業務運営に関する重要事項」までの項目についての評価を行います。所要時間は法人からの説明が15分、委員の評定と質疑が15分の合計30分となっております。まずは法人から説明をお願いいたします。

○雇用・能力開発機構企画部長
 40頁の「評価シート15」は、「業績評価」です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、各事業について評価・分析し、その結果を事業選択や業務運営の効率化に反映させたかということです。業績評価の仕組みについては平成20年度の実績から黄色の囲みのとおり、業績評価の仕組みを変更しました。はじめに本部部長で構成する内部評価委員会を開催し、次に学識経験者から4名、経済界から4名、労働界から4名、合計12名からなる外部評価委員会を開催して、最終的にはその外部評価委員会の評価結果をもって、理事会で自己評価を決定しています。なお、当機構は多くの施設を有しておりますので、各事業の計画や目標については、施設ごとに年度当初に配分して、その実績を本部が取りまとめ、進捗管理を行っています。
 「評価の視点2」は、国民のニーズや費用対効果の検証により、事務・事業の見直しを行っているかということです。取組状況ですが、可能なものはできるだけ地方や民間に委ねていくことや、業務・施設については、真に必要かどうかを検証した上で、不要なものは廃止するという閣議決定を踏まえて、右側にありますように、厚労省が設置した「資産第三者委員会」開催に当たっての資料の作成や委員会への参画、地方運営協議会への中小企業団体の参画、あるいは情報処理養成施設、地域職業訓練センターなどの廃止に伴う地方自治体への説明・調整などを行いました。
 41頁の「評価の視点3」は、業務の改善の取組を適切に講じているかということです。フォローアップ調査のフローを記載しております。満足度や理解度などの調査は、10事業について行っております。また、事業効果の測定を行うために、フォローアップ調査を3事業について行っております。その調査については、単に役立った旨の調査のみならず、各事業の属性に関する調査も併せて行っており、否定的な意見あるいは参考となる意見については、ケース会議において検討し、業務改善に活かしているところです。
 「評価の視点4」は、業績評価の結果や業務内容について、ホームページ等において積極的に、かつ分かりやすく公表したかということです。平成20年度の業績評価の結果をホームページで公表するとともに、業務の活用事例を定期的に更新し、リニューアルを行いました。
 42頁の「評価シート16」は、「経費削減等、情報提供」です。自己評価はSを付けております。「評価の視点1」は、国家公務員の改革を踏まえた人件費改革の継続的な取組です。実績ですが、一般管理費、業務経費の削減については、中期計画最終年度までに、17.8%以上の削減に対して、20.6%の削減を行い、目標を大幅に上回りました。内訳については人件費が23億円の削減、施設の修繕や整備を縮小したことなどにより30億円の削減、また、冗費の削減については、事務用消耗品などは施設ごとに購入しておりましたが、それを本部が一括購入するなどして経費削減に努めました。
 43頁の「評価の視点2」は、国家公務員の給与構造改革やラスパイレス指数を踏まえた役職員給与の見直しです。実績ですが、人件費の削減は平成17年度を基準として、5%以上の削減に対して20.9%と、目標を大幅に上回りました。ラスパイレス指数については、前年度より2.5ポイント減の106.6ポイントとなっております。詳細については別の資料の2-3のほうに記載してありますが、学歴換算で申しますと102.7ポイントとなっております。見直しについては職務手当を定率制から定額制に、勤勉手当の成績率を4区分に設定するなどの見直しを行いました。
 「評価の視点3」は、ラスパイレス指数が100を上回る場合は、その理由を説明しているかということです。要因としては、私どもは全国転勤となっているために、住宅手当などの手当を支給される者の占める割合が、国の22.6%に対して39%となっております。2つ目は、大卒者の占める割合が国の50%に対して86.4%と、大幅に上回っております。これらのことが高い要因となっています。
 44頁の「評価の視点4」は、「随意契約の見直し計画」を踏まえた、一般競争入札への移行と取組状況の公表です。一般競争入札へ着実に移行し、見直し計画のフォローアップや契約情報等をホームページで公表しました。実績ですが、施設の数が多いこともあり、ポリテクセンターの土地借料や電気・ガス・水道料など、ほとんどが随意契約によらざるを得ないもので、件数は850件から703件と改善を図りました。また、一般競争入札件数は全体の88.4%で、5,369件となっております。
 「評価の視点5」は、契約の透明性・競争性の確保です。1者応札、1者応募に係る改善、随意契約の適正化、自主点検の仕組の整備などに取り組んで実施しました。
 「評価の視点6」は、契約監視委員会での適切な見直しと点検です。外部委員を含めた監視委員会の設置をして、随意契約の妥当性や契約価格の妥当性などを審議いただき、結果については下段にありますように、機構が実施した点検、見直しの内容などは、適切である旨の意見をいただきました。また、一般競争入札の競争性をより高めるため、好事例・要改善事例を分析することという意見も、併せていただいております。
 45頁の「評価の視点7」は、平成18年度と比べ、ホームページのアクセス件数が10%以上の増加となったかということです。取組ですが、訓練コースの紹介については画像を織り混ぜながら、わかりやすく提供いたしました。ホームページの充実については、若者がよく使用する携帯サイトのQRコードや、デジタルパンフレットをトップに掲載して、業務の周知を図りました。実績ですが、ホームページのアクセス件数は平成18年度と比べて67%増の1,029万件と、前年度より224万件の増となっており、目標を大幅に上回りました。なお、アクセス件数の内訳については、職業訓練や助成金関係が7割、教育訓練機関、コース情報が2割、その他が1割という状況になっております。
 「評価の視点8」は、施設の有効活用、保有資産の見直しです。私のしごと館は平成21年度末に廃止し、ホワイトカラー層に対する訓練を実施した、錦糸町にあった生涯能力開発促進センターは売却を行いました。施設設備の開放実績ですが、3,476件と、前年度より376件の増となっております。
 「評価の視点9」は、決算情報・セグメント情報の公表の充実を図ったかということです。1つ目は、支出経費のセグメント情報としては、施設ごとに主要な業務を単位として作成をし公表しました。2つ目は、「平成20年度財務諸表の概要」「独立行政法人の会計処理」を作成し、ホームページで公表しました。3つ目は、財務諸表とその科目の説明について、記載内容の充実を図りました。
 46頁の「評価シート17」は、「予算」関連です。自己評価はAを付けております。「評価の視点1」は、財形融資に係る累積欠損金の解消に向けた計画の作成と実行です。実績ですが、当期利益の55億円を計上し、累積欠損金は前年度32%減の175億円から、120億円に減少しました。
 「評価の視点2」は、雇用促進融資における債権管理と財政投融資への着実な償還」です。雇用促進融資については、新規の融資はすでに廃止しており、現在残っている業務は債権管理のみとなっております。実績ですが、財政投融資への償還は、約定どおり元金23億円、利息9億円を償還しました。
 47頁の「評価の視点3」は、雇用促進住宅です。平成33年度までに譲渡・廃止業務を完了するため、雇用促進住宅の譲渡等の着実な推進ということです。実績ですが、平成20年度は9住宅の譲渡に対して、平成21年度は79住宅の譲渡を実施しました。
 「評価の視点4」は、雇用促進住宅について、独立採算による合理的な運営に努めたかということです。委託契約については、7ブロック単位での企画競争から、47都道府県単位で一般競争入札を実施しました。委託費については、平成20年度は208億円だったものが、平成21年度には176億円と、32億円の削減となりました。
 「評価の視点5」は、公務員入居者の速やかな退去です。1名が病気療養中で退去していないのですが、それ以外はすべて退去しているということです。
 48頁の「評価の視点6」は、求職者への支援策としての住宅の最大限の活用です。政府の決定により、非正規労働者等の解雇等により住宅を喪失した方へ、住宅を貸与することになったわけですが、実績としては、入居決定が9,037戸、3月末に入居している方が5,026戸という状況になっております。ちなみに家賃の滞納が非常に多いという状況になっております。
 49頁の「評価の視点7」は、運営費交付金の収益化基準による適正な執行です。一般管理費の一部について期間進行基準を導入して、適正な執行に努めました。
 「評価の視点8」は、公益法人との関係の見直しです。財務諸表附属明細書により関連公益法人等に関する情報をホームページなどに公表しています。
 「評価の視点9」は、短期借入金の限度額内の借入れと適切な借入理由です。財形業務については、資金繰り、発生した資金不足に対するつなぎ資金として、借入限度額の範囲内で借入れを行いました。
 「評価の視点10」は、中期計画に基づく予算作成及び当該予算範囲内での予算執行です。予算執行等の実績については、決算報告書あるいは財務諸表のとおり、予算の範囲内で執行しました。
 「評価の視点11」は、剰余金の使途の適正化です。剰余金の使用実績はありませんでした。
 最後に、50頁の「評価シート18」は、「人員」関係です。自己評価はBを付けております。「評価の視点1」は、平成18年度末と比べて、平成23年度末までに600名削減したかということです。平成21年度末までに410名の削減計画に対して、413名削減しました。
 「評価の視点2」は、老朽化等を踏まえた計画的な修繕を実施したかということです。実績ですが、現況調査を踏まえて、施設設備の建替えを6件、更新等を21件実施しました。
 「評価の視点3」は、積立金の処分です。雇用促進融資業務の積立金は、業務経費に充てて、宿舎等業務積立金については取り崩しを行っておりません。
 グループ4の説明は以上です。

○井原部会長
 それでは委員の皆様は、評定記入用紙への評定等の記入をお願いいたします。ご質問がありましたら、ご発言いただければと思います。

○篠原部会長代理
 私のしごと館に関係しているのですが、マスコミ等の報道だと、すぐに赤字という話になってしまいます。これは我々会計関係の努力不足でもあるし、マスコミの勉強不足でもあるのです。公の仕事というのは、コストを100%回収するということはほとんどなくて、政治が「これは5割コストを回収しなさい」というように努力目標を付けて、それに努力をするしか私はないと思うのです。それをいきなり「赤字」と言われると、ほとんどの民間人は「何をやっているんだ」という話になってしまうと思います。
 最近、私も資産の処分にかかわって、はたと気が付いて自分自体頭が悪いなと思ったのは、官の資産の施設の評価というのは、減価償却後再調達価格なのです。これを民間に売る場合は処分価格で、ほとんどが建物をやってマンションを建てる。そうなると、うんと安くなるのです。雇用能力のスタート時はたしか2,000施設処分して、その後週刊誌に踊ったのが「1万円で売った」とか、ものすごく安かったのです。官から官に売る場合、私は安くてもいいだろうと思っていたのです。ただ、やはりコストとしては買ったほうが、コスト管理をする場合は減価償却後再調達価格であるべきで、現金は別の話だろうと。それをきちんとやれば、あれほどの悪評は出なかったのではないかと思います。
 ただ、いま厚生労働省の中でも一生懸命施設を処分しているところがあって、官などに再調達価格で売るのはなかなか難しくて、大学などならまあまあかなと。それでも大学なら低くとか。その辺の情報の開示というのですか、会計のあれを我々も努力しなかったし、官もきちんとやらなかったなという反省が私にもあるのです。私のしごと館は努力しても無理だったのかもしれないけれども、行政の何かの設備にやれば、もうちょっと評価は高かったのではないか。あれをつぶすのだったら、つぶす費用とかいろいろなものがあるなという気がして、やはり努力しても無理だったような気もするのですが、その辺の評価をもう少しきちんとすべきだったのではないか。

○雇用・能力開発機構理事長
 いま篠原さんのおっしゃるような、そういう科学的分析の結果非難されたのではなくて、当初かかった費用が581億円だったか、その巨大さについてヒステリックになられて、ああだこうだと。その前にもいくつか前科があって、それもまたやられたという流れできたのです。ただ、当初の投入のコストの巨大さだけは否定できないです。それを責められると「そのとおりですね」と、私もそのとおり、そう思いました。

○篠原部会長代理
 20年ぐらい前から、公共、いわゆる国などの財務諸表が、オーストラリアやニュージーランドなどですごく流行ったのは、民間並みの財務諸表だということだったのです。ただ、この10年以上にわたって官と民の違いの会計処理というのが、いろいろ出てきているのですよ。だから、それをきちんとしないと。独法の監査も、監査をやっている人はほとんどが民間出身の方だから、そういう目で見てしまうのです。やはり官特有の概念というのが教育し尽くされていないものですから、我々が見ているといろいろと不都合な処理がされているなと。今回、独法の見直しというのが出たときに、独法の制度や会計にかかわった人に私は、「こういう特有の会計処理があるから、これが根底にあれば、あとは民間でいいのですよ」と。そういう部分がほとんどの人にないのです。ですから独法も独立行政法人通則法に、「企業会計原則を原則とする」と書いてあるから、みんな民間のものだろうということになる。しかし海外でも、明らかに官特有の概念はありますよね。

○雇用・能力開発機構理事長
 そうですよね。

○篠原部会長代理
 もう少しそれを普及しないと、やはり叩くだけだねという話になってしまう。

○雇用・能力開発機構理事長
 もうあれは廃止してしまいましたから。

○篠原部会長代理
 そうですね。やはりものすごく無駄で、前にも言ったフランク・シナトラの映画で、穴を掘って埋めても……と。これはケインズも言っているようですね。不況対策ならそれは立派な対策で、何もやらないよりは景気はよくなるぞと。しかし景気がよくなったとたんに、あんなものは無駄ではないかと。やはり景気対策というのは前もって立てておかないと、そのときにバタバタして、「それやれ、それやれ。いま有効需要が足りない」などと言ってやれば、私なども田舎で見ていれば、橋のすぐそばに人しか通れない橋を造ってみたりしているのに、それはあまり叩かれていないのです。やはり私のしごと館は象徴的に叩かれたのかなという気がしないでもないのです。

○井原部会長
 あとはよろしいでしょうか。

○寺山委員
 どうしても引っかかって質問したいのです。32頁の教えてくださいというところで、ISO29990成立までのことが書いてありますけれども、この文面だけでは理解できないのです。これがどういう経過で、ここの機構が果たした役割は、たぶん基準づくりで大きな役割を果たして、これからこの基準を基に、国内的にも評価が、ほかのISOと同じような形で行くのかなと思っています。そういう意味では公的な機関の役割の1つだと思っているのですけれども、これをご説明いただけますか。

○雇用・能力開発機構理事長
 このISOという国際基準は、公の教育、学校教育とは別の教育の質の維持の基準を、国際的に決めていきましょうというものです。これはまだ出来上がっていません。専門家に任せると、非常に複雑に言うかもしれませんが、簡単に言ってください。

○雇用・能力開発機構業務推進部長
 このISO29990は、先ほどの説明にもあったように、ISO/TC232という委員会のほうで、教育訓練の国際基準をつくろうではないかということからできたわけです。今年の下旬には発行されるということで、我々の職員もこの審議委員会に加わって、さまざまな提案等もしております。
 真ん中辺りの赤い所で、平成21年度より機構も日本のコメント案の作成にかかわったということを書いております。3割が機構からのコメントだということも書いていますよね。何があったかというと、こういう基準は国際的なものですから、非常にわかりにくい表現や日本にそぐわない表現もあったということです。例えば学習サービスを利用しようとする者については、そういう「組織が学習サービスを利用する」というように、国際機関は規格の中で書いたらしいのです。しかし日本の場合はそうではなくて、これは非公式教育ですから「個人が教育サービスを利用する場合もある」のだと提言しました。そういう表現を変えさせるとか、用語の中でも、「教育サービスの協力者」という表現があり、日本の場合、いまは「キャリア・カウンセラー」とか「キャリア・コンサルタント」という職員がいます。ですから日本流にこういう表現も入れてくれとか、そういうことを取り入れていったということです。
 結局、これができますといちばん下の29990の概要にも書いてありますように、学習塾だけではなくて、さまざまな民間の教育訓練機関、いま我々が委託訓練や基金訓練に携わっている所も該当してくるのですが、ここに対して我々は29990が出たときに何をするかというと、彼らが実際にこの認証を受けるときの基準なり解釈なり、それを作るときの品質モデルに関する支援なりを、総合大の能力開発研究センターを中心にしながら手伝っていきたいと考えております。

○寺山委員
 これは2011年にできるそうですけれども、継続して支援していくということでよろしいのですね。

○雇用・能力開発機構業務推進部長
 厚生労働省ともども、そういう具合に考えていきたいと思います。

○雇用・能力開発機構理事長
 支援していくというか、これは総合大のグループにしかできない。そういうノウハウもなければ、知識や識見を一手に持っている所は総合大しかないというのが日本の国の実情ですね。

○寺山委員
 私の想像ですが、先生が先ほどおっしゃった、なぜモラルが崩れないかというのは、総合大の出身の方たちが教育訓練者として7割以上を占めている。それは統一した教育基準の下に生産されていた教育人材だからというふうに、非常に重要だと思いました。やはりそういう仕事をしてきたという、ハードものだけではなくてソフトな部分への貢献というのも強調されたほうがいいのではないかと思いますね。

○雇用・能力開発機構理事長
 大きいと思います。ご存じのとおり、ISO14000だの9000だのとやったときに、民間企業はそれをフォローするために大変でした。民間のいろいろな教育施設がありますが、ISO29990ができてこれをフォローすると、なかなか大変ではあるでしょうね。

○寺山委員
 大変ではあるけれども、質の底上げにはなりますよね。

○雇用・能力開発機構理事長
 はい。だからそれが定着すると、ものすごい貢献になってくると思います。

○寺山委員
 いま、福祉施設などでもISOを取るのに非常に一生懸命やっておられますので、やはりそういうようになっていくのかなと思っていたものですから。

○雇用・能力開発機構理事長
 これはそもそもドイツがオリジンだから、ヨーロッパのあれですけれども、日本の意見も言っておかないと、変な基準に作られてしまうので、いま担当部門が必死になってやっているところです。

○寺山委員
 そうです。ありがとうございました。

○井原部会長
 よろしいでしょうか。以上ですべての項目が終わりました。事務局からこの後の取扱いについて、説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 本日お配りしている資料の配布をご希望される場合には、部会終了後に事務局にお申しつけください。また評価の記入が終わっていない委員については、本部会が終了した後に会場に残って記入いただいても結構ですし、記入シート及び評定記入用紙をお持ち帰りになっても結構です。お持ち帰りになる場合は22日木曜日までに、事務局に評定記入用紙をお送りいただければと思います。
 次回の開催のご案内ですが、次回は、8月19日の木曜日、午後2時からです。場所は経済産業省別館10階の1012会議室となっております。議題は、勤労者退職金共済機構、労働者健康福祉機構、高齢・障害者雇用支援機構の総合評価その他となっております。次々回は、8月24日の火曜日、午後2時からです。場所はここと同じく、厚生労働省の17階の専用第21会議室となっております。議題は、労働政策研究・研修機構、雇用・能力開発機構の総合評価その他となっております。これらの開催案内をお配りしているかと思います。ご出欠について、マルを付けて机に置いていただければと思います。お持ち帰りになる場合には事務局に一声かけていただいて、評価記入用紙の提出の期限と一緒で、22日の木曜日までに事務局宛にお送りいただければと思います。

○井原部会長
 それでは、本日は以上とさせていただきます。長時間にわたり熱心なご審議をいただきまして、本当にありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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