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2010年8月3日 第62回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会議事録

職業安定局雇用保険課

○日時

平成22年8月3日(火) 17:00〜19:00


○場所

中央合同庁舎第5号館(厚生労働省)6階 共用第8会議室


○議題

・求職者支援制度について
・その他

○議事

○清家部会長 ただいまから第62回雇用保険部会を開催いたします。本日の出欠状況でございますが、豊島委員がご欠席でございます。なお、本日は資料の関連で職業能力開発局総務課の松本企画官、職業能力開発局能力開発課の渡部補佐にご出席いただいております。 議事に移ります。本日の議題は、「求職者支援制度について」でございます。本日は私と事務局とで相談いたしました上、前回までのご意見を踏まえまして、今後の検討事項を記載いたしました「求職者支援制度の創設に係る論点の整理(案)」を準備しております。今後はこれに沿って議論を進めさせていただきたいと思っておりますが、まずは事務局からご説明をいただき、その後、質疑に入りたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。
○坂井雇用保険課課長補佐 説明させていただきます。まずお手元の資料の確認をお願いします。資料1が「求職者支援制度の創設に係る論点の整理(案)」になります。それに加えまして、資料2が参考資料、7月28日に職業能力開発分科会において提出されました求職者支援制度における新たな職業訓練の在り方について、議論の中間的整理としてまとまったもの、その際、第52回職業能力開発分科会ですが、委員からのご指摘をいただいておりますので、そちらをまとめたものが15頁に、そちらを踏まえまして分科会長に一任された後、修正された求職者支援制度における新たな職業訓練の在り方についてが、16頁からまとめられています。お手元にございますでしょうか。
 資料1から説明させていただきます。清家部会長からお話がありましたように、検討事項について加えさせていただいています。また、これまでの主な議論について、前回、指摘いただいた点もありますので、その2点を中心に私から説明させていただきたいと思っております。
 まず「制度の趣旨・目的について」。[1]求職者支援制度の趣旨・目的についてどのように考えるか。これまでの主な議論はあったわけですが、検討事項として大きな○として、求職者支援制度の趣旨・目的についてということで、雇用保険を受給できない求職者を対象としたセーフティネット、対象者が就職をするために必要な能力を高めるための訓練の実施。訓練期間中の生活の安定を図るための給付金の支給。これらの者の就職を促進するための制度が検討事項になるかと思われます。
 前回、新たにご指摘いただいたこととして、「求職者の早期就職だけではなく、安定的な就職を実現することも重要である」ということを加えています。
 2つ目、「訓練について」ということで、検討事項を「求職者支援制度の訓練の対象者の範囲について」ということでまとめています。具体的には雇用保険を受給できない求職者のうち、離職した後において、雇用保険の受給が終了したこと、雇用保険の適用がなかったこと又は受給資格要件を満たさなかったことにより、雇用保険を受給できない求職者、自営廃業者など、離職者ではないが、これに準じて支援が必要な者、学卒未就職者、その他の就業経験のない者、また、65歳以上の者を制度の対象とすべきか否かについてということを、検討事項とさせていただいています。
 これまでの主な議論のところで、3点付け加えさせていただいています。訓練の対象者についてですが、1点目、雇用保険受給者の中に失業手当の額が月10万円に満たない者もいることから、雇用保険受給者を訓練の対象者の段階から除外することの是非について議論が必要である。もう1点、雇用保険受給者については、給付の対象者にはしなくても、訓練の対象者にすることは検討してもよいのではないかということです。4つ目のポツとして、学卒未就職者についても加えております。新規学卒者の就職状況が厳しい現状を踏まえると、学卒未就職者も対象とすることが必要であるということです。
 [2]求職者支援制度における訓練について、どのように考えるかということで検討事項を6つまとめさせていただきました。1つ目は訓練コースの内容・設定について、2つ目は訓練の規模について、3つ目は訓練実施機関の属性について、4つ目は訓練への適切な誘導について、5つ目はより効果的な訓練実施のための方策について、6つ目は訓練実施効果の評価指標についてです。
 次頁の上から4つ目から6つ目について加えています。読ませていただきます。「新卒未就職者に対しては、一般のコースとは別のコースとするなど、きめ細かなコース設定が必要である」。次のポツ、「公共職業訓練の委託訓練と同様の内容の訓練を新たに作る必要はないので、これらのすみ分けを行う必要がある」。もう1点ですが、「訓練期間中は、資格取得などを目標として掲げたり、達成度を測る試験を行うなど、漫然と訓練を受講することのないようにすることが必要」であるということを加えています。下から3つ目になりますが、「訓練終了後の就職状況の報告については義務付けることが必要」である。次のポツは、「訓練内容に沿った就職先となっているか、雇用期間の定めのある就職先かという点についても、訓練終了後の状況把握を行うべきではないか」、こういった点を追加させていただきました。
 3番、「給付について」です。給付要件の話ですが、検討事項について5点書かせていただいています。1つ目は世帯の主たる生計者要件を設けることについて。2つ目は年収要件、こちらは個人年収と世帯年収の2つありますが、この2つを設けること及びその水準はどの程度とすべきか、また金融資産要件を設けること及びその水準についてどうするのか。土地・建物の所有の要件を設けることについて、最後に出席率の要件を設けること及びその水準についてを、検討事項としてまとめさせていただきました。
 次頁、[2]の給付額についてどのように考えるかということで、検討事項を5つ書かせていただいています。1つ目、給付額の水準について、2つ目、給付額に地域差を付けることについて、3つ目、雇用保険の基本手当の額との関係について、4つ目、給付の種類について、5つ目、融資制度の必要性についてです。
 これまでの主な議論について3点を付け加えさせていただいています。上から4つ目のポツと5つ目のポツになりますが、地域差に関して2点加えています。給付額については、地域差のある最低賃金を根拠とするか否かを含め、議論を深める必要がある。地域差を付けるか否かを検討するに当たっては、制度の運用コストも考慮する必要があるという2点です。
 最後になりますが、融資制度について加えさせていただきました。融資制度を組み込むことについても議論を行う必要があるという点です。
 [3]給付期間についてどのように考えるかということで、検討事項をまとめました。就職を促進するとの観点から、給付期間に限定を付すること及びその仕組みについて。こちらについてこれまでの主な議論として1点加えさせていただきましたが、給付期間については早期の就職を目的とする制度である以上、いたずらに長くすることは適当でないので、原則1年分までとしつつ、1年を超える訓練を受講する場合は例外とするということも含めて、検討していくべきであるという1点です。
 [4]適正な給付のための措置についてどのように考えるかという点です。検討事項としては、繰り返し受給を防止する観点から、給付を受けた者がその後一定期間は受給できない仕組みを導入することについて。もう1点、不正受給を防止する方策についてです。
 これまでの主な議論ですが、3点付け加えさせていただきました。1点目、2つ目のポツですが、給付期間のインターバルは是非とも必要である。その上で正当な事由がなくても求職活動を行わない求職者に対するペナルティとして、当該期間を延長するなどの措置を検討してもよいのではないのか。2点目が給付のインターバルと訓練のインターバルを区別した上で、整理が必要ではないか。3点目、不正受給の件ですが、不正受給を行った場合における給付金の返還などの仕組みが必要であるという点です。
 4番は、訓練受講者に対する就職支援についてということになっています。検討事項ですが、訓練受講中及び訓練終了後の就職支援の方策についてということでまとめさせていただいています。
 これまでの主な議論として、2点目に加えています。就職支援については、訓練受講中及び訓練終了後に、キャリア・コンサルティングを行うことが重要ではないかという点を追加しています。
 5番、その他になりますが、[1]として、持続可能な制度とするための財源の確保についてです。これまでの主な議論として付け加えさせていただきましたが、財源については社会全体で支えるという趣旨から、一般財源とすべきであるという点です。
 次頁、[2]です。検討事項として、緊急人材育成支援事業との切れ目ない支援を行うための方策についてということで、まとめさせていただいています。
 加えたところですが、[3]求職者支援制度の実施体制についてどのように考えるかです。検討事項としましては、求職者支援制度の実施体制についてということです。主な議論で2点前回ご発言いただきましたので加えています。1点目、求職者支援制度は、ユニバーサルサービスとして、国のネットワークを使い、全国ネットで支援を受けられるようにすることが重要である。2点目、制度を運用するに当たっては、過去における訓練の受講歴や給付期間のインターバルを管理できるような電子システムの構築を検討すべきだということになります。
 引続き資料2について私からご説明させていただきます。参考資料は先ほど申し上げましたとおり、平成22年7月28日、第52回職業能力開発分科会提出資料があります。15頁、第52回職業能力開発分科会における委員からの指摘事項とありますが、能開局でまとめさせていただいていますので、若干説明させていただきます。
 まず対象者の範囲ですが、新卒者向け訓練のコース設定についてです。長期のキャリア・コンサルティングが可能なコース設定とすべきだということ。2つ目、雇用保険受給者の中には、失業給付の額が10万円に満たない者が12%程度存在する。こういった差額について求職者支援制度で補填すべきと考えるということ。また、その中間整理案が既に出ているわけですが、そもそも「対象としないことが適当」とすることには懸念があるという意見です。
 訓練コースの設定です。合宿型自立支援プログラムは、新たな制度の訓練としてふさわしいとは言えないのではないか。
 訓練実施の効果・適切な訓練実施のための措置ですが、訓練実施の効果を測るためなのですが、その評価のためには、就職状況を把握する必要があることを明確にすべきである。受講生による適正な訓練受講のための方策についてということですが、訓練そのものは真面目に受講するけれども、自分に向いていない分野と感じて就職活動をしないというケースが多いということで、問題意識を感じている。
 「その他」になります。職業能力開発分科会で議論すべき事項ではないのかもしれないが、求職者支援制度における給付の在り方については、雇用保険や最低賃金等、ほかの既存の制度との関係をどのように考えるのか、という論点が存在する。もう1つ、基金訓練を実施したことによって明らかになった課題がありまして、今後さらに検討すべきであるということを明記しておくべきだという点です。
 次頁、この点を踏まえまして、分科会長に一任された上で修正された「求職者支援制度における新たな職業訓練の在り方について」ということでまとまったものがこちらです。簡単に説明させていただきます。
 第1、新訓練も目的ですが、新訓練は、雇用保険を受給できない求職者に対する雇用のセーフティネットとして、早期就職・安定雇用への移行等を目指すものとすべきであるということを掲げています。
 第2、対象者の範囲です。新訓練については、雇用保険の受給資格がない者を対象とすることが適当であること。2つ目の○ですが、65歳以上の求職者は新訓練の対象外とすること。3つ目、受講者には訓練・就職への意欲・能力が認められることが必要であるということを求めています。
 第3、新訓練の内容と実施機関の確保になりますが、1つ目の○に書かれているのは、新訓練は、コミュニケーション能力等を含めた基礎的能力から実践的能力の付与までを実施すべきであるということです。2つ目に書いていますが、訓練コースは、政府の新成長戦略等における成長分野、地域の産業動向等、求人ニーズを踏まえて設定することが重要であるということです。3つ目、新訓練は民間教育訓練機関の創意工夫や柔軟なアイディアを尊重すべきということです。
 第4、1つ目の○ですが、ハローワークにおいて受講希望者に対し、ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングを行い、その際に受講の目的や意欲の確認も行うべきということ。3つ目の○になりますが、訓練開始後にあっても、万一受講態度に問題が生じる場合については、是正に向けて十分な指導を行う等、適切な措置を講ずることも検討すべきである。(訓練受講者への就職支援について)ですが、訓練修了後、ハローワークや訓練実施機関が連携しての就職支援が重要であると書かれています。
 第5、訓練の評価と効果的な訓練の実施のための措置についてです。1つ目、2つ目の○に書かれていますが、新訓練の効果測定に当たっては、原則として、受講者の就職率を評価指標とすべき。また、そのためには訓練コースごとの就職・定着等の状況を明確に把握すべきということです。次頁、1つ目、新訓練においては、就職実績に応じた財政的支援を行うことが適当であると書かれています。3つ目、「新規訓練設定奨励金」のような特別な支援措置は行わないことが適当であるとまとめられています。
 (受講生による適正な訓練受講のための方策について)のところで、漫然と訓練受講を繰り返さないよう、同種の訓練の連続受講は認めないこととするということが書かれています。
 第6、訓練の事業運営体制の確保についてで、1つ目の○に、全国一律のサービスを実施するため、能開局やハローワークの活用が適当であると書かれています。2つ目の○には、民間教育訓練機関の開拓やカリキュラムの指導等に当たって、職業訓練の実施に関する知見やノウハウを有する、雇用・能力開発機構の活用等を含めた実施体制の構築が重要であるとまとめられています。
 第7、その他になります。1つ目の○は、緊急人材育成支援事業の実施状況を踏まえ、新訓練の在り方を検討すべきであること。最後になりますが、不正防止策についても、制度設計の中に盛り込むべきという形でまとめられています。以上は事務局からの説明になります。
○清家部会長 ありがとうございました。これからの議論のための求職者支援制度の創設に係る論点の整理の案を、私と事務局とで相談をして、いま事務局からご説明いただいたような形にとりまとめさせていただいておりますが、まず、この内容についてこれまでの皆様方のご意見等も踏まえてこれは作っておりますが、更に何か付け加えたり、あるいはこれはもう要らないのではないかというご意見がございましたら、いただきたいと思います。それから、いまご説明がございました資料1、資料2の内容等についてのご質問も含めてご議論をいただきたいと思います。どなたからでも結構でございますので、よろしくお願いいたします。
○新谷委員 これまでの多様な論議をこのような形でまとめていただいたことに対しまして、敬意を表したいと思います。ありがとうございました。だいぶ論点も詰まってまいりまして、詰めるべき内容もだいぶ固まってきたと思います。いまおまとめいただいた中身のうちの6頁の給付のところで、ちょっと補足なり、考え方を申し上げたいと思います。6頁の給付額のこれまでの主な論議の下から4つ目のポツに、失業給付の基本手当日額の最低額との関係を整理する必要があると書いてあります。この給付額との関係で、仮に10万円という現行の基金訓練の給付額との比較において、雇用保険の基本手当の日額の最低額がいま1,600円ということですから、30日分で4万8,000円。それで仮に現行の基金訓練の水準で、10万円との金額差の問題を指摘させていただいたところです。ここの差額については、例えばですが、その差額部分を求職者支援制度の給付額とするという考え方もあるのではないか。
 それはこの資料2の第52回職業能力開発分科会における委員からの指摘事項の○の2つ目、15頁です。この金額差を求職者支援制度として、補填をするべきではないかという意見。たまたまですが、私、能開分科会の委員もさせていただいておりまして、これは私が発言した内容ですが、実はその発言に対して公益委員の水町委員から、恒久化に当たってはそういう論点が必要だとおっしゃっていただきました。例えば、4万8,000円の失業給付をもらっておられた方が切れた途端に10万円にポンと上がってしまうということを、恒久化に当たっての制度設計としては十分に検討する必要があるのではないかということなど、ご意見をいただいたところです。
 ですから、6頁のこの資料については、雇用保険の給付との関係を整理する必要があると書いてありますが、それはそのとおり、私が発言したと思うのですが、その差額を補填するということについても、これに追加して書いていただくか、ここを修正していただくかはお任せをいたします。趣旨としてはこの差額補填という考え方をこの中に盛り込めるかどうかということについて、ご指摘を申し上げたいと思います。以上です。
○清家部会長 そうしますと差額補填の問題を、少し陽表的に取り上げて議論をしてはいかがかと、そのような形にできないかと。
○新谷委員 はい。
○遠藤委員 いま新谷委員からお話がございましたように、今般いろいろ議論がある中で、今回のおまとめをいただきましたことについて、どうもありがとうございました。論点の整理を今回するということで、基本的な考え方を2、3申し上げさせていただければと存じます。まず財源に関連してです。今回書き込みいただきましたように、やはり社会全体で支えるという趣旨から、一般財源とすべきであることを、重ねて申し上げたく思っております。その上で、一般財源となりますと、将来にわたって安定的な財源等をどう確保するのかという視点も追加するような形で制度の構築をすべきであると考えております。次に、給付の要件あるいは給付の対象者をどうするのかという議論を、今後深めていくことになるわけです。例えば既卒の未就業者の取扱いの問題ですとか、あるいは世帯主の要件、それからいまご指摘がございましたが、給付の種類や給付の水準、こういったものは、まさに制度の根幹をなすものだと考えております。これまでもそうでしたが、現行の基金訓練の実施状況を踏まえる必要があります。とりわけその効果があるのかないのかということも十分踏まえて、今後、慎重な議論を是非お願いいたしたく思っております。私からは以上です。
○清家部会長 わかりました。財源の話はこの8頁に出てきているわけですが、可能であればそこのところで、やはり財源というか、恒久的財源等についても、陽表的に取り上げて議論をすることができるかどうか、その辺も検討させていただきます。ここで恒久的財源の問題まで踏み込んで議論ができるかどうかはまだ定かではありませんが、それも含めて議論をするというような趣旨で。
○遠藤委員 そうですね。どういう制度を構築するのかというときに、安定的な財源であることを踏まえた議論をしていく必要性を、申し上げたかったのが趣旨です。
○清家部会長 恒久的財源の問題は非常に大きな政治問題を抱えておりますので、どういう形で取り上げられるかはともかくとして、たしかに承りました。
○坪田委員 4番の就職支援についてですが、職業能力開発分科会では記述されているのですが、ジョブ・カードの活用というのを、せっかく政府がやっているので、そのような表現が必要ではないかとも考えることが、必要ではないかと思います。特に訓練終了者をジョブ・カード制度の有期実習型訓練に移行して、企業で実践的な職業訓練を受けてもらうのも有効であると思いますので、その辺のことも触れておいていただければと思います。
○清家部会長 ジョブ・カードの。ほかに何かございますでしょうか。
○新谷委員 9頁の1番上の[2]、現行の基金事業との切れ目のない支援ということで、記述をいただきました。これに関連してですが、現行の基金事業は来年の3月31日で一応終了ということになっております。その関係で、だいぶ日にちも近づいてまいりましたので、ここに書いてある切れ目なく接続をしていただくというのは当然お願いしたい点なのですが、その接続の日が3月31日と4月1日ということで、やはり年度の初めの4月1日にこの新制度が発足するようにしていただきたい。それがズルズルとずれていって、年度中でいいのだということではなくて、来年の4月1日から新制度が発足できるように、それはもちろん国会の状況にもよるわけですが、我々としてはできるだけ年度初めにこの制度が成立することを目指していただきたいと思います。
 そういった意味では、この新法が施行されることを考えますと、いろいろな準備が必要になってくると思います。それはもちろん受託訓練機関に対する周知等々もございますので、その施行日を考えたときに、逆算して諸準備があろうかと思いますので、まだ早い、だいぶ先かと思っても、実は準備期間を考えると、相応の期間が必要な準備があると思いますので、それらについても事務局でのご準備を是非お願いしたいと思っています。以上です。
○遠藤委員 給付に関連してなのですが、例えば受講の姿勢や態度に問題がある場合の対応についても、これは論点に挙げてもよいのかなと思っています。これも皆様のご議論の中でお決めいただいて結構なのですが、一方で給付がされていることが、ややもするとその生活を支援しているとの兼ね合いから、現場サイドでは悩ましい部分があるということも聞いております。当然のことながら、給付の要件の始まりを縛ることも必要でしょうけれども、継続している間に何らかの状況に至ったような場合の対応についても、その仕組みとして必要ではないかと考えます。提案です。
○清家部会長 この4頁の真ん中辺りに、「求職者の就職意欲・能力をしっかり見極めて、適切な訓練に誘導する仕組みが必要」とありますが、更にこの辺りに加えてでしょうか。
○遠藤委員 入口の部分では、ある程度クリアしたのですが、受講が一定期間に及ぶ間でもかわり得ると思います。
○清家部会長 では、それもどこかに少し具体的に入れ込めるかどうか検討いたします。この辺に入れたらどうかとか、何かアイディアがございますか。もし入れるのなら4頁の辺りでしょうか。
○遠藤委員 訓練そのものを受講し続けるという話と、それから給付そのものをどうするのかという話であります。またこれも考え方があるとは思うのですが、まず考えられ得るのは、当然のことながら、効果がないのだとすれば、この訓練を辞めて、自動的に給付もなくなってしまうというのが、1つのパターンだと思うのです。さりとて、一気にそこまではいかないので、給付を一時的に止めて訓練は受講させるパターンもあり得ます。本人がまた意欲を戻してきたり、取組み状況が改善されたとすれば、また給付を復活させることも、考えられるのかなと思うのです。ただ、現状とマッチするかどうかというのは、現場の声も聞きながら対応する必要があると思っています。
○清家部会長 そこの訓練期間中は云々という辺りも、少し具体的に何か書き込めればということでしょうね。はい、分かりました。ほかに何かございますか。
○小林委員 いままでのかなりいろいろな議論を整理いただきましてありがとうございます。若干ここを読んでいて、私も違和感を覚えたのは、新谷委員が以前発言されていたものなので、文句を付けるわけではないのですが、新卒者の件です。雇用保険の受給者ではない、支払っていない方なので、対象にすることはいいのかなとは思うのですが、何か特別のコースを作るというご提案をされていたという箇所がございますよね。その部分についてなのですが、一般のコースとは別のコースとするなどのきめ細かいコースを策定する必要があるというようなことで言われていたのですが、この間のリーマンショックでかなり新卒者が就職できない、こういう緊急事態には緊急の対策をとってやる必要があるとは思うのですが、恒久措置の中で、常時これを対象にしたようなものを設ける必要があるのか、ちょっと疑問があることを一言申し上げたい。
 実際に先だっての対策の中で、新卒者が厚労省のいろいろな制度の中で訓練を受けたという状況にもないというのが1点ありますので、その辺は能開分科会で制度の設計の段階で、十分ご検討をいただきたいのが1つお願いでございます。
 それと、政府のほうで失業者・非正規労働者の就職相談を個別に支援をするパーソナル・サポート・サービス検討委員会が開かれたという新聞報道があったのですが、実際求職者支援制度というのは、まさに失業者の方々が対象になるので、その辺の棲み分けですね。どういうようなことをこちらのほうで制度設計をする予定があるのか。その中でこの求職者支援制度、いま検討をしているものがどういうふうに結び付いて機能して、有効にその制度がうまく動く仕組みを狙っているのか等を含めて、何か分かっているようなことがありましたらお話をお伺いしたいのです。
○清家部会長 その点については宮川総務課長お願いします。
○宮川総務課長 これは全く新しい概念でございまして、いままでにない取組みということで、現在内閣府を中心として検討を進めています。具体的には今年度から試行的に、5カ所程度、来年度その5カ所も含めて20カ所程度の自治体でモデル的に取り組むと。具体的内容としてイメージされていますのは、そのパーソナル・サポーターという方が、例えばそういうふうにお困りになっている方、いろいろ問題を抱えている方々に随伴して、いろいろな公的なサービス、具体的に言えば第2のセーフティネット、生活保護も含まれるかもしれません。それからハローワークですね。さまざまな公的機関に一緒に付いて行ってあげて、その人のためにアドバイスなり、あるいは一緒になって相談を聞いて、その点についてアドバイスをしていくというような取組みを、NPO法人等も活用した形で行っていこうという内容でございます。
 求職者支援制度とは、発想とか考え方とか手法とか、かなり違うものですが、ただ、そういう形としていま非正規労働者なりの中で、特に問題を抱えている方々に対する1つの手法として、いま政府として取り組もうとしている内容でございます。
○清家部会長 小林委員よろしいですか。
○小林委員 いろいろ企業の方々に伺っていると、実際に雇用されている非正規の方って差別をするわけではないのですが、非正規の方の中とか、一般の正規の中にもどんなに訓練をしても使いものにならないと言っては失礼かもしれないですが、訓練をしても覚えていただけない方がいらっしゃるというのをよく聞きます。この解雇法理の問題もあって難しいというのがあって、雇用しているところもあれば地域の問題で、やはり企業としての責任で雇用し続けているというのもあるという意見を聞いたりしております。若干この求職者支援制度自体も、訓練することだけで本当にすべて対応できるのかといえば、できない部分もあると思うのです。
 これは雇用保険があり、求職者支援の制度があり、その下に生活保護というのがあるのだったら、その中間にも何かいろいろ支援をする施策というのが、本来あるのだと思うのですね。それがまさにいま言っていたパーソナル・サポーターという方が、どういう見極めをして、どの段階でどういうふうにサポートするのかに機能を果たしていただければ、いちばんいいことだと思います。逆に言って、もう1つはハローワークが適切なキャリア・コンサルタントとして機能して、どの位置にどういう形、いうならば、先ほど言った訓練して本当に覚えていただける方は訓練していただいて、身に付けていただいた能力をもって、キャリアをもって就職していただく。これは企業にとってもありがたい。
 ただ、先ほど言ったように、訓練をしてもモノにならないという方を、訓練をするほうに向かわせるのか、そうではなくて福祉のほうとか、何かそれなりの支援をする仕組みみたいなものも、やはり考える必要があるのかなと。すべてが求職者支援制度で救えるというものではないと思いますので、その辺のものも含めて、政府でご検討をいただくようなことをお願い申し上げたいと思います。
○宮川総務課長 ただいまのご指摘、求職者支援制度がいわゆる第2のセーフティネットの新しいもののメニューとしての役割も、一定のある意味の限界が当然あるわけでしょうし、求職者支援制度にもっていくためのさまざまなツール、パーソナル・サポート・サービスは、まだまだモデル的な段階ということで、ここ1、2年の間にすべてのところでできるというものではございませんので、それ以外のハローワーク、その他の手法、民間等の活用なども考えながら、求職者支援制度を設けた際に、求職者支援制度をより活用できるような形で支えるような支援というかサービスというか、そういうものも併せて検討をさせていただきたいと思っております。
○清家部会長 ありがとうございました。
○新谷委員 小林委員からのご指摘をいただきましたので、私も新卒未就職者に対する考え方を、改めて申し上げておきたいと思います。私どもとしても新卒未就職者の取扱いについては、当初は求職者支援制度に馴染むかどうかということ自体から論議を始めまして、これは非常に扱いが難しいというのは、最初に思っていたのです。
 ひょっとしたら新卒未就職者については、求職者支援制度とは別の政策的なアプローチが必要ではないかと思っておりましたが、今年の春の就職状況を見たとき、目の前に10万人規模の職を得なかった若者が出現している中で、では、ほかに制度として何か救えるものがあるのかというと、やはりにわかには私どもも思いつきませんで、やはりこれは雇用保険が受給できない方という枠組みの中で、救う対象とするべきではないかという考え方に方向転換させていただいた次第なのです。
 ただ、そうはいっても、求職者支援制度で想定しております受給対象者を考えたときに、その属性は非常に多様であるというのも事実だと思います。長期に失業されている方もいれば、雇用保険が切れたばかりという方もいる。年齢層もかなり幅があると思います。その中で高校なり大学を出たばかりの若者を、その方々と一緒に一般的なコースの中に入って行って、労働市場に結び付けていくよりも、新卒未就職者の方だけのコースの中で、ここに記載していただいたような、きめの細かなキャリア・コンサルティングなりをやっていただいて、そういう細かなコース設定の中で、この若者を労働市場に誘導していくことが必要ではないかということで、一般コースとは違うコース設定の中で、この新卒者の取扱いをしてはどうかというのが、私どもの考え方です。その考え方自体は小林委員にもご理解いただいていると思うのですが、私どもとしてはそのように考えているということを申し上げておきたいと思います。
○小林委員 喧嘩するわけではないのですが、一般的に企業に勤めたあらゆる年代層の先輩方の中に飛び込むわけですし、新人だけで、ましてや中小企業に入れば、1人、2人、3人とか。まあ、1人しか入れない中で現場に入って来るわけですよね。ですから、訓練もそういう中であっても別に私はいいのではないかなと。いうなればもう社会人なわけですから、年代層をそれほど、新卒者とひとまとめにやるというのは、なかなか難しいのかなというのは、現実に感じることであり、ましてや、中卒、高卒、大卒と分けた形の違ったコースを作るのかとかいう話になるのであれば、全くもってほかの方々と一緒のある特定の分野の訓練を学ぶというのであれば、特別なものを設けなくても、私は既存に作られた中で、いろいろなバラエティの訓練コースが想定されるのではないかなと考えております。その中で訓練を受けていただくのも、1つの方法かなというのを感じているので申し上げました。別に対象として除外するとかいうわけではなくて、対象としてもいいのですが、特別のコースがあることが逆に何か過保護的になり過ぎる面が出てきたりすることもあるのではないのかなという懸念もあるということで、ご理解いただければと思います。
○清家部会長 いまのご両者のご意見のようなものも含めて、これを検討項目に含めて議論させていただくということでよろしいでしょうか。ほかに何かございますか。
○遠藤委員 これはお尋ねでございます。今回資料1、資料2ということでご用意いただきました。資料2は能力開発分科会の提出資料でした。そうなりますと、今後、議論を深めていく過程で、訓練そのものの在り方について、これまでやってきたように能力開発分科会は分科会として、雇用保険部会は雇用保険部会としてどのような形を考えていらっしゃるのか。それとも当初あった話では、私の記憶違いなのかもしれないのですが、訓練の在り方については、能力開発分科会で取りまとめていき、もちろんそこにないような視点について何か指摘することがあればこの部会でも行うというような位置付けであったかと理解しています。その辺は今後の議論の中で、どのようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○清家部会長 それは事務局からお答えいただけますか。
○坂口雇用保険課課長 いまの点につきまして、それぞれ安定分科会、雇用保険部会、能力開発分科会で、これまでもご議論をしていただいて、この中間的な整理を一度行っているわけです。能力開発分科会でも中間的整理に沿って、まだまだ検討をさらに深めていくことをやっていただく中で、能力開発分科会の中では訓練の部分が中心的な課題でありますけれども、この部会の中でもまさしくいまの学卒未就職の問題にあるように、訓練の関係が全体の制度設計の中で、全然度外視されているというわけでもないものですから、そこはより訓練の分野について訓練コースの設定とかを深めた訓練基準の問題とかは能力開発分科会が中心となるわけですが、そういった議論の状況はまた事務局のほうでもフィードバックをさせていただきながら、全体の制度設計の中で訓練の関係についてもご議論をいただければと思っております。
○清家部会長 よろしいですか。いまの遠藤委員のご質問もそうだと思うのですが、特に求職者支援制度における訓練について、どのように考えるかという場合に、我々の部会でいろいろ議論をして一定の方向が出たときに、例えばそれと能力開発分科会のご議論の結果とギャップが出た場合、その摺り合わせみたいなものが必要になるかと思うのですが、それはどのようにお考えですか。
○坂口雇用保険課課長 そこは私ども事務局としても、できるだけそういうことが生じないように、今日も能力開発分科会の状況については、こういう形でご紹介をさせていただいていますが、能力開発分科会のほうでも雇用保険部会の議論の状況であったり、資料のようなものはご提示をさせていただいていて、お互いどういう議論がされているかということもご理解いただきつつ、議論をしていただいていると。
 その中であまりに温度差が激しくなれば、議論の整理をまた一度しなければいけないということかと思いますが、ある程度それぞれの中間的整理でも、全体の制度の向かうべき方向ということでは、両分科会、部会でもそんなに大きくかけ離れてはいないかと思いますので、そこはまた事務局で間に立たせていただきながら、両者の議論がかけ離れたものにならないように、なりそうであればまたいろいろ議論のご調整をさせていただきながらという形で進めさせていただければと思います。
○清家部会長 ほかにご意見は。
○岩村委員 付け加える項目があるとかいうことではなくて、1、2コメントをさせていただきます。雇用保険の基本手当を受け取っているけれども、額が低い人をどうするかというのは、結局のところ求職者支援制度の趣旨なり目的というものをどう考えるかということと結び付いているかなという気がします。訓練をして就職に結び付けるというところにウエイトがあるのか、それとも生活保障というところにウエイトがあるのかという、そこの考え方なのかなという気がしますので、いずれにしても、そういう趣旨・目的のことをある程度詰めて考える必要があるのかもしれないというように思います。
 新卒未就職者については、確かにどれだけ数がいるかということもありますが、なかなかアプリオリに排斥するというのも難しいのかなという気もしますが、ただ、これも制度設計上はいろいろ難しいところはあるのではないかという気はしています。ある意味でどういう新卒未就職者を対象にするのかという意味で、例えば受給要件のところが他の人たちと同じでいいのか、あるいは訓練内容がどういうものが適しているのかということも、少し考えるべきなのかもしれない。
 若干危惧するのは、例えば専門学校とかいうところには、うちに入ればこの給付金が使えますというような形でやられると、かつての教育訓練給付みたいになってしまうとか、あるいはモラトリアム的に使われるとかいうことも、危惧はされないのかもしれないという気もしますので、いずれにしろ、ここも誰をターゲットとして、どういう訓練をして、どういう方向に向かってもらうのかということを、少し細かく考える必要があるのかという気がします。
 もう既に議論が出ましたが、第2のセーフティネットということとの関係で言うと、生活保護との関連をどうするのかというのは、非常に重要な問題でそこも踏まえつつ、今後、具体的な制度設計を考えていく必要があるだろうと思っています。以上です。
○清家部会長 ありがとうございました。ほかによろしいでしょうか。それでは本日いただきましたご意見も踏まえまして、私と事務局で必要な修正をさせていただきたいと思いますが、その内容については、私に一任いただくということでよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきます。それをもって「求職者支援制度の創設に係わる論点の整理」といたしまして、次回以降、議論を深めてまいりたいと思います。先ほど新谷委員からもお話がございましたように、時間的なスケジュール等も考えますと、併せていろいろな準備もしていただいたほうがよろしいかと思いますし、また、いろいろな委員から資料についてのご要望等も出ておりますのて、その辺も併せて事務局のほうでよろしくお願いしたいと思います。
 以上をもちまして、第62回の雇用保険部会を終了させていただきます。本日の署名委員は雇用主代表は塩野委員にお願いいたします。労働者代表は新谷委員にお願いいたします。本日はお暑い中またお忙しい中ありがとうございました。次回の日程につきましては、また事務局において改めて各委員にご連絡をさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省職業安定局雇用保険課企画係
(TEL)03-5253-1111(内線5763)

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