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2010年7月2日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第47回)議事録

○日時

平成22年7月2日(金)17:00~20:00


○場所

経済産業省別館1012会議室


○出席者

   上野谷部会長、大島部会長代理、浅野委員、宗林委員、松原委員、關委員


○議事

(以下、議事録)
 
○上野谷部会長
 定刻になりましたので、ただ今から第47回「独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、本当にお忙しい中、またこの時間になりましてお集まりいただきましたことお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。本日を含めまして8月17日まで計4回、この部会の開催を予定しております。例年暑い中、それもやや遅くからの開催という時刻になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。国民の関心が非常に高まっております中の、独立行政法人評価ということですので、信頼される評価ということで、例年どおりではありますが、さらに充実したご審議をお願いいたしたいと思っております。
 本日は、五十嵐委員、平井委員、真野委員がご欠席ということです。
 本日の議題ですが、お手元の議事次第に沿いまして、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成21年度の業務実績に関する個別評価を行います。それでは事務局から評価の進め方について説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、個別評価の進め方につきましてご説明します。資料1-1-?@というもの、これは資料1-1から1-4までが1つのホチキス留めになっていますのでよろしくお願いします。
 進め方は昨年と同じなのですけれども、まず理事長から法人全体の業務実績を説明していただき、その後、個別項目を4つ程度のパートに分け、法人から実績と自己評価を説明していただきます。それから、各パートごとに委員の先生方から質疑応答を行っていただき、先生方にはS~Dの評価とその評定理由について、評定記入用紙というものを去年から設けていますのでそれにご記入いただきたいと思います。それでその4つのパートを順次進めてまいりたいと思っています。
 今年度の評価につきましては、昨年12月16日の独法評価委員会の総会におきまして長妻大臣から、これが資料1-1-?@のいちばん下の囲みになりますが、業務経費に冗費が生じていないか、法人の諸手当・法定外福利費が適切か、サービスの質を高める努力をしているか等につきまして、厳正な評価を行っていただきたいという要請を申し上げたところです。
 こうした要請に対する法人の実績につきましては、「業務実績評価別添資料」ということで取りまとめておりまして、この別添資料に記載されております事項を評価するチェックポイントというものをこちらで作っております。それが1-1-?Aで、こういう点をチェックしていただきたいと取りまとめたものです。
 これに対する評価につきましては、今回のぞみの園ですと、評価シート、評定記入用紙、資料2-5がありますが、それをまた見ていただきたいと思います。評価項目1「効率的な業務運営体制の確立」や、評価項目2「内部統制・ガバナンス強化への取組」、評価項目3「業務運営体制の効率化に伴う経費節減」などのところに評価をご記入いただくことになります。
 法人の評価、今回の個別評価が終わりましたら、各委員の評価を踏まえまして評価書案を起草委員に作成いただきます。各委員の起草担当の法人につきましては、資料1-1-?@の4枚目、資料1-2に「起草委員一覧」がございます。これは昨年に引き続いて、このままのご担当でお願いいたします。評価書案の作成につきましては、各法人の所管課室と起草委員とで調整しながら案文の作成を行っていただきます。これも去年と同様です。起草委員によって作成いただきました評価書案につきましては、8月17日13時30分から予定しております総合評価の部会で各委員にご審議いただきます。
 最後に、個別評価をご欠席された場合の取扱いですが、資料1-1-?@の表紙の裏に3「個別評価の部会を御欠席された場合の取扱いについて」ということで書かせてもらっています。原則として、法人の評価を欠席の場合は個別のレクは必要ないのですが、起草委員の場合はどうしても起草していただかなくてはならないということがありまして、法人の評価を欠席の場合には個別にレクを行って評価いただきます。起草委員以外の法人の評価を欠席の場合は、いま言いましたように評価不要としておりますけれども、ご自宅等で資料を基に評価していただける場合は評価結果に反映しますので、欠席された部会の開催日から大体3日後ぐらいまでに政策評価官室まで評定記入用紙のご提出をいただければ、評価に反映させていきたいと思っております。
 続きになりますが、資料1-3につきましては、医療・福祉部会で評価する3法人について、予め法人の大体の実績を踏まえた上で評価いただいたほうが評価のばらつきがなくなるのではないかということで、自己評定の一覧を付けております。それから、資料1-4としまして、過去3年の評価結果をグラフ化したもの、これは厚生労働省所管の全法人の自己評価の状況と部会での評価結果を付けております。この辺も参考にしていただきながら、他の法人とか部会内での平準をとっていただきたいと思います。事務局からは以上でございます。

○上野谷部会長
 それでは、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の個別評価に入ります。最初に遠藤理事長からご挨拶と、平成21年度におけます取組概要の説明をお願いしたいと思います。よろしくどうぞ。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 理事長の遠藤でございます。よろしくお願いいたします。委員の先生方にはご多忙の中、週末のこの時間帯にお時間をいただきまして本当にありがとうございます。また、日頃より当法人の運営についてご指導・ご鞭撻いただいていることに対しまして、心より御礼申し上げます。
 私から法人運営の全般的なご説明と、平成21年度の業務実績の要点をご説明させていただきます。その資料として、お手元に資料2-1を用意しています。「平成21年度における取組(概要)」です。この資料2-1の最後に、事業体系図というカラー刷りの図が付いております。この図に沿いましてご説明させていただきますので、ご覧いただきたいと思います。
 この体系図には、上から3分の2のスペースには当法人の各事業、5色に色分けした5つの事業について、それらの課題とか平成21年度の実績の要点などをまとめてございます。また、下3分の1ぐらいのスペースでは法人運営の効率化・適正化に関する事項をまとめてございます。評価項目が18ありますので項目ごとに1つの枠を作成するということで、それぞれの枠の左上の部分に○で囲ってある数字が評価項目の番号に対応しております。
 次に資料の中身の説明に入ります。評価項目の順番に沿いまして、下3分の1の「適切な事業運営のための組織・予算」の関係からご説明させていただきます。
 法人運営につきましては、最近の独立行政法人をめぐる状況を十分に踏まえまして、平成21年度においても施設利用者へのサービスの水準維持に十分留意しながら、運営の効率化・適正化にできる限り努力したところです。?@の「効率的な業務運営体制の確立」では、定年退職者の不補充などにより正規職員の数を着実に削減しました。また、生活寮については地域移行の推進による入所利用者の減少、また高齢化などによる入所利用者のニーズの変化に的確に対応するために寮の再編成を行いまして、寮の数を19から17へと2つ削減いたしました。
 ?A「内部統制・ガバナンス強化への取組」でありますが、昨年当部会で、のぞみの園の利用者支援という業務の特殊性を踏まえるべきというご指摘をいただきましたので、利用者支援中心のリスク一覧に作り直して取り組んだところです。詳細はまた後ほどご説明いたします。また、感染症の予防対策の徹底にも努めました。ちょうど新型インフルエンザの流行などもございましたが、のぞみの園においては、新型インフルエンザまた、季節性インフルエンザともに感染した利用者はゼロとすることができました。
 ?B「業務運営の効率化に伴う経費節減」の関係ですが、正規職員数の削減、給与水準の見直しなどによりまして、運営費交付金1億円節減、また人件費も3億円節減しております。
 ?C「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」では、関係団体などの活動の場として提供したり、また地域住民と交流するイベントなどを開催しまして、積極的に取り組んだところです。
 ?D「合理化の推進」では、競争性の高い契約方式の採用に努めましたが、水道・電気などの公共料金が随意契約としてカウントされまして、かつ1月の料金支払いごとに1件としてカウントするということで、達成率で見ますと53%でありますけれども、このような公共料金を除けば83%という数字になっております。
 引き続き、?N~?Qの項目が組識・予算の関係ですので、続いて横のほうをご覧ください。?Nの第三者からの意見聴取などにつきましては、計画どおり2回開催いたしました。また、?Oの予算ですとか収支計画などについては、事業収入を1.6億円増加することができまして、その結果として自己収入の比率を45.7%まで高めることができました。以上が組識とか予算の関係でございます。
 次に、この事業体系図上3分の2の事業の関係についてご説明させていただきます。この図にございますように法令上は色分けしてある5つの事業になっておりますけれども、私どもの頭の整理としては、左端の総合施設と右端の附帯業務を合わせまして、福祉と医療との連携した利用者の支援の事業ということで1つと考えております。さらに調査・研究の事業、養成・研修の事業ということで、3つの事業を相互に関連性を持たせながら一体的に実施しているところです。また、援助・助言の業務もありますが、いま申し上げた3つの事業に当然に附随するものでありまして、これら3つの事業の成果を大いに上げて、援助・助言の利用の拡大を図る必要があるということで取り組んでおります。
 これらの事業全体の今後の課題を端的にまとめますと、体系図のいちばん上のほうに白い枠で書いてありますように、第1に、入所利用者について地域移行をさらに推進していくこと、また高齢化による機能低下や医療ニーズの高まりなどに的確に対応していくということです。また第2に、新たな政策課題、例えば矯正施設等を退所した知的障害者をめぐる課題などに積極的に取り組んで、その成果を全国の関係施設に発信していくことなどかと考えているところです。
 以下、項目ごとに説明させていただきます。左端の?Eとして、地域移行の関係の枠があります。地域移行の移行者の数は、平成21年度21人でした。このほかに移行決定後に重篤な病気にかかった人が1人、死亡した人が1人ということで、これらの人を含めると実質23人でありました。?Fの保護者の同意につきましては、新たに来園の機会の少ない保護者に的を絞って重点的に働きかけを行うという取組を行いまして、平成21年度は32人の同意を得ることができました。また、?Gにありますように、移行先の確保のため都道府県に重点的に協力要請をし、移行した人に対しては丁寧にフォローアップをすることにより、移行先での定着に努めたところです。このように地域移行関係の事業では、平成20年度に引き続き年度目標を上回る大きな成果を上げることができたと考えております。
 次に?H「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援」ということで、自閉症ですとか行動障害を有する者への対応、また精神科病院の社会的入院をしている人の対応なども取り組みました。そのほかに矯正施設を退所した知的障害者を平成20年度と21年度で5人受け入れましたけれども、平成21年度に3人を地域に移行させることができました。
 ?Iの調査・研究では、総合施設でのいろいろなモデル的な支援を通じて得られた知見などを集約して、というような研究も行いました。特に矯正施設退所者の福祉施設受入れから地域定着までの支援プログラムを作成して、全国の関係施設に配布いたしました。
 そのほかに、全国の障害福祉の現場で関心が高いと考えられるテーマ、合計11のテーマについて調査・研究を行いまして、その成果については?Jの枠に記載してありますように、研究紀要やニュースレターを作成して配布する、また摂食・嚥下や行動援護については分かりやすいパンフレットを作成して配布し、普及に努めたところです。
 ?K「養成・研修」では、行動援護のサービスについて、都道府県が実施する養成研修会の講師やインストラクターの専門性を高める必要があるということで、インストラクターなどを勤める人を対象として「パワーアップセミナー」というのを新たに開催しました。そのほかに従来から開催している「中央セミナー」を全国3カ所で開催いたしました。行動援護以外でも、矯正施設を退所した知的障害者の地域生活支援や発達障害などをテーマにセミナーを開催したところです。
 ?L「援助・助言」では、積極的な広報に努めました。その結果、平成20年度に比べて約50%増加の138件に対応いたしました。のぞみの園の事業内容が多様化しておりますけれども、これに伴いまして援助・助言を求めてくる相手方も、例えば刑務所や保護観察所などの司法機関、また教育委員会など、かなり多様化しつつございます。
 最後に、?M「附帯業務」につきましては、診療所の運営と地域の障害のある人たちへの支援からなっておりますけれども、入所利用者の高齢化に伴いまして、健康管理や医療のニーズが年々高まっております。また、地域の障害のある人たちの医療ニーズへの対応というのが、さらに求められるようになってきております。特に平成21年度から常勤の精神科の専門医を配置いたしましたので、のぞみの園診療所は地域の発達障害に関する医療の拠点としての役割も担うようになってきたと言うことができると思います。以上がこの体系図の関係の説明でございます。
 最後に、これは平成22年度に入ってからの案件ですが、この機会に本年4月21日に発生した入所利用者の死亡事故について一言触れさせていただきます。詳細は、先週のぞみの園から各委員にお送りした資料に記載してありますが、重度の知的障害のある入所利用者が認知症となって急速に症状が進み、当該利用者の行動を予測することが大変難しいといった事例でした。しかしながら、あってはならない事故でありまして、このような結果を招いてしまったことは大変残念でありまして、このことについて深くお詫び申し上げます。法人としてはこの事故を重く受け止めて、再発防止対策に取り組んでいるところです。以上でございます。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。それでは、個別評価に入らせていただきます。例年と同じように、個別評価は個別項目についてご説明いただきますが、4つのパートに分けてご説明いただき、評価をその都度やっていくというやり方です。委員の方々におかれましては、お話を聞きながら評価をしていただくというやり方です。もちろん、お持ち帰りいただきまして、2、3日中にこちらに出していただくというやり方もありますが、できましたら、例年のように、質問をしながら評価をするという方法でやらせていただきたいと思います。それでは、まずグループ1なのですが「業務運営の効率化」について、項目1~5ですが、法人からのご説明は大体了解していますので、重点的なところだけご報告いただければ幸いです。よろしくお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 それでは、説明させていただきます。法人事務局長の隥本です。よろしくお願いします。説明は、資料2-2のパワーポイントの色刷りのほうをメインとしてやらせていただきたいと思っています。なお、評価シートのほうも同様に頁を示していますので、そちらも一緒にご覧いただければと思います。
 まずPart1「業務運営の効率化に関する事項」の5項目についてご説明します。私どものやっている事業については、ご承知のとおりと思っていますが、かいつまんで説明させていただきます。2頁です。評価シートは1頁から3頁になります。1-(1)効率的な業務運営体制の確立。評価の視点。的確に業務運営を進める観点から、効率的かつ柔軟な組織編成や、適正な人員の配置を行っているか。同様に、数値目標は、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」等を踏まえ、常勤職員数について、平成24年度末までに平成20年度期首に比較して20%を削減するということになっています。
 これにつきましては、「適正な人員の配置」ということで、横に書いてあるとおり、平成20年度期首275人、平成21年度末246人、△29人、削減計画数は52人ですので、約6割ということで削減をしております。十分な目標達成と考えております。
 さらに、その内容につきましても大きく変えております。組織として「寮の再編と効率化」ということを考えております。利用者が減っているということもありますが、利用者自身がお年を召されましたために、障害の内容がだんだんと変わってきています。医療的な配慮が必要な方々、特別支援の方々、高齢者の方々という特に手がかかる方々が増えたということで、寮の再編を行いました。その中で、19か寮があったものを17か寮ということで2か寮を削減。そして、その中で、寮を統合するという考え方をもちまして、統合寮長ということでいままでは1人1寮を持っていましたが、1人が2寮を持つという体制をとりまして、寮長も3人減らすという取組をしています。そのために十分な削減ができたと認識しています。
 3頁になります。評価の視点が、人員の計画的な削減や給与体系の見直し、給与水準の適正化を行うなど、人件費改革に取り組んでいるか。数値目標が、常勤職員数について、期首に対する期末の割合が80%となるよう、平成21年度においても計画的に削減を行う。これは1-(1)に相反する形になりますが、「常勤職員数の削減」は計画の6割を達成、いわゆる29人の減ということです。
 下を見ていただきますとわかるとおり、給与水準を書かせていただいています。給与水準については、国家公務員の給与構造改革を踏まえた新しい給与制度の実施ということで、俸給表の水準については平均4.8%引下げ、特別手当0.35カ月引下げということで、国家公務員に準拠するという形で実施し、常勤職員数の減と合わせて約3億円の削減をしています。
 4頁になります。評価の視点は、国の財政支出割合の大きい法人及び累積欠損金のある法人について、国の財政支出規模や累積欠損の状況を踏まえた給与水準の適切性に関する法人の検証状況をチェックしているか。数値目標は、平成21年度以内にラスパイレス指数を98.1以内とすると。ご覧いただくとわかるとおり、21年度では94.1、他法人と比べた場合でも88.9ということで、十分に目標を達成させていただきました。
 5頁です。人事交流や有能な人材の招聘等、資質の高い人材確保に取り組んでいるかということです。のぞみの園については、重度の知的障害者ということで、お預かりしている利用者の方々の健康の管理、安全・安心な暮らしの保障ということを行っているわけですが、やはりそれだけでは足りないということで、いちばん下にあるとおり、のぞみの園自身は現在360名の利用者が入所していますが、平均年齢が59歳、最高齢が88歳ということですので、高齢者支援ということで、平成21年度に新たに専門家を招聘し、質の高いサービスの提供に努めております。
 次の頁は、国と異なる、又は法人独自の諸手当について、その適切性を検証しているか。法定外福利費の支出について、その適切性を検証しているかということです。国と異なる法人独自の手当は用意してございません。法定外福利費については、健康診断ということで行っております。これは、労働基準法および労働安全衛生法に則り、適切に対応させていただいていると自負しております。
 次は7頁です。国家公務員の再就職者のポストの見直しを図っているか。特に、役員ポストの公募や、平成21年度末までに廃止するよう指導されている嘱託ポストの廃止等は適切に行われたか。独立行政法人職員の再就職者の非人件費ポストの見直しを図っているか。これは、廃止するよう指導されているポストはございません。また、再就職者の非人件費ポストは用意してありませんので、この頁は該当なしという形になります。
 次は8頁になります。1-(2)内部統制・ガバナンス強化への取組ということです。評価の視点が、内部統制の向上、ガバナンス強化に向けて、どのように取り組んでいるか。この内部統制については、昨年来いろいろと委員会のほうでご指導いただきました。そのことも踏まえまして、今年度は相当の見直しを図らせていただきました。
 まず、「のぞみの園の内部統制・ガバナンス強化の取組について(報告書)」ということで、平成21年3月23日、内部統制向上検討委員会ということで、私どものぞみの園法人内において、職員が委員となり、外部からは専門家を招致して、その方の指導を受けながらやっています。監査法人も呼んでいます。その中で「要旨」として書いてあるとおり、のぞみの園に相応しい内部統制・ガバナンスの仕組みを構築することとし、最優先の課題として、業務の有効性・効率性に影響を与える恐れのある阻害要因(リスク)の適正管理に取り組む。今後の方針として、平成21年度においてリスク管理の仕組みの確立を図るほか、併せて、?@内部統制を推進するための教育・研修、?A法令遵守等に関する体制整備、?B既設の各種委員会の整理等に順次取り組んでいくということを受けております。
 今回、平成21年度ののぞみの園の業務の特殊性を加味し、独自の一覧表を作成するため、当初計画になかった阻害要因の見直しを行っております。その結果として、福祉サービス関連のリスクを細分化するということをやっております。
 10頁は、新しい見直しの図です。項目数の欄を見ていただきますと、旧項目では117項目という形で整理をさせていただきました。新たな見直しとしては、利用者本意ということで利用者中心にメニューの見直しをさせていただき、リスクの見直しをさせていただきました。上段に書いてありますように、「業務運営の効率化に関する目標が達成できない阻害要因」については整理・統合させていただきまして、75項目あったものを29項目に見直し、46項目を削除しました。その代わり、次の「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標が達成できない阻害要因」、いわゆる利用者にかかわる部分に関して、のぞみの園独自の案件を出すという考え方に基づきまして、具体的には、いままであった18項目のものを、非常に細分化させていただきまして62項目、44項目を増やして、利用者本意のリスク体制を確立するという考え方で編成をしております。
 調査研究、その他業務、サービス提供に関するものについては前年踏襲、11項目を11項目、業務の電子化、予算、その他主務省令で定める業務については、整理統合をさせていただき、13項目を6項目、△7項目という形で整理させていただき、117あった旧のリスク体制を108のリスク体制に見直しをさせていただきました。
 その流れとしては、前の頁をご覧ください。117項目については「フェーズ1」ということで、平成21年3月21日、阻害要因一覧を作成し、これに基づいたもので「フェーズ2」でリスクの評価、「フェーズ3」でリスク対応計画の作成、「フェーズ4」でリスク対応計画の取組、「フェーズ5」でリスク対応計画の取組状況の調査ということで、117項目についてもまずやりましたが、その間に「フェーズ1」ということで再度元に戻りまして、108項目の阻害要因一覧の見直しという形で、いま取り組んでいる最中でございます。これを、取組の強化ということでやらせていただいています。
 11頁です。業務の進行管理を適正に行うため、モニターと役員等によるモニタリング評価会議を平成21年度中に4回開催し、業務の進行状況の評価を行うとともに、業務に反映させる。評価の視点で、業務の進行管理のため、組織的かつ継続的にモニタリングを行っているか。また、モニタリングの結果を業務に反映させているかということです。
 年4回ということについては、下に書いてあるとおり、6月29日、9月25日、12月24日、3月29日の4回開催させていただきました。数値としては達成させていただいていると思っています。モニターの指摘事項についてということですが、モニターからは、先ほどありました19か寮を17か寮ということで、寮再編をしました。そのことについて、空き寮ができたことについての活用、または地域移行の推進に当たって、縦だけではなく横の連携も必要ということについてご指摘を受けましたので、そのことについて改善をするということで、職員間に周知をし連携をとるという形をとらせていただきました。また、空き寮については、新たな日中活動の場ということで新たな場所を提供するということで整理をさせていただきました。
 12頁は、業務の情報開示や監査機能の強化など、的確な業務遂行をチェックする取組を行っているかということです。「業務の情報開示」については、組織、業務及び財務情報、業務運営の状況に関する評価、監査の結果、調査、研究及びセミナー等の業務内容の紹介等については、すべてホームページで公表させていただいています。また、私どもで発行しているニュースレターというものにおいて、いろいろな研究ですとか、私どもがやってきた内容についてご紹介させていただいているところでございます。
 「監査機能の強化」については、21年度に内部監査を実施するということで、4月に規程等の整備をさせていただき、内部監査を実施する担当部所を設定しております。内部監査計画をすぐさま策定し、7月から12月に監査を実施し、2月に理事長に報告をさせていただき、内容についてはホームページで公表するという形をとらせていただきました。特に今回、監査結果については大きな問題点はございませんでした。ただ、やはり初めて行ったということで、さまざまな細かい問題点、表には出てこないような人と人の関係ですとか、小さなことがいくつか上がってきております。そういったことについては、随時その場での指導の下に改善をさせていただきました。
 次は13頁です。評価の視点のほうで、施設利用者の安全を守り、法人としてのリスク回避・軽減を図るため、?@感染予防や防災対策に対してどのように取り組んでいるか。?A施設利用者の事故防止対策に対して、どのように取り組んでいるか。また、事故が発生した場合に、原因をどのように分析し、どのような再発防止策を講じているかということです。
 これについては、「健康維持対策」としては、定期的な健康診断、新型・季節性インフルエンザの予防接種の実施。高齢化等への対応としましては、21年度から専門家を招致して積極的にやらせていただいています。また、褥瘡、摂食・嚥下、シーティングという形で、やはり高齢になってきたということによることと、動かない利用者がいるということで、褥瘡についても防止委員会を設置して利用者の健康維持対策を図らせていただいています。
 「感染症防止対策」については、感染症予防月間を設定し、手洗いの励行、うがいの励行、消毒の徹底をやらせていただきました。また、新型インフルエンザの流行については、ワクチンの確保を行い、利用者全員および職員に対し予防接種を実施し、先ほど理事長から説明があったとおり、罹患者ゼロという形をとらせていただきました。
 「事故防止対策」です。先ほど理事長から今年度の話は出ましたが、昨年度においては、日常的な危険箇所等の点検。事故防止月間を設定し、期間中に重点的な予防対策の呼びかけ、定期的な防災訓練を実施しております。また、支援職員に対する計画的な研修、園内の連絡体制の整備等を行わせていただきました。
 「事故の再発防止として」は、事故防止対策委員会を定期的に、これは毎月開催しております、発生原因の分析、事故防止対策を検討し、そのことについて周知をし、新たな事故が起きないように取り組ませていただいています。また、事故の再現と検証については、どのような事故が起きたかということについては、現場に赴き、担当の長が確認をした上で検証をしております。リスク管理講習会の実施ということでは、誤与薬の防止等のマニュアルの再認識・徹底ということをやらせていただきました。「事故件数の推移」ですが、事故については昨年度より3件減の51件、ヒヤリハットは103件から73件で30件減という形をとっております。
 14頁は「新型・季節性インフルエンザの対策」ということで、具体的に書かせていただきました。今回、新型インフルエンザということで私どもも非常に危惧したところですが、タミフルの予防投与ということである程度の予防ができた。また、うがい・マスクということで、在庫がないということでしたが、優先的に用意することができまして、何とか今回、感染者ゼロという形をとらせていただきました。職員のほうでは、家族等に罹患者が出ました。その場合に私どもとしては、緊急の措置ということで、職員に対しては出勤停止をかけると、そこまで徹底した管理をさせていただきました。
 次は15頁です。業務改善の取組を適切に講じているか。これは「業務改善の取組」ということで、苦情・指摘についての分析・対応、または目安箱についての構築についてということで、私どもも取り組めということで、21年12月の閣議決定に基づきましていろいろ検討を致しました。21年度中には対応策の検討をし、平成22年度に『国民の声募集制度』を創設するということで、いま取り組んでおります。右側の「職員からの業務改善やムダ削減に関する提案等」については、21年度にシステムの構築に向けた検討を行い、『業務改善提案箱(仮称)制度』を創設するということで、本年の6月1日に設置をしました。
 次は16頁です。1-(3)の業務運営の効率化に伴う経費節減。評価の視点として、一般管理費及び事業費等の経費について、前中期目標期間の最終年度と比較して、どの程度節減が図られているか。数値目標として、一般管理費及び事業費の経費について、中期目標期間の最終年度の額を、前中期目標期間の最終年度(平成19年度)と比べて23%以上削減すること。これについては、運営費交付金の第1期の中期目標では13%以上削減ということには、13.08%で達成をしました。第2期中期目標については、23%ということで、いま順次取り組んでおります。左側の「運営費交付金の節減のイメージ」を見ていただくとわかるとおり、24年度までには目標は達成すると考えています。数字的なもので言いますと、17頁ですが、21年度は1億円の削減をし、4.8%の削減を行ったところです。
 また、次の18頁ですが、「経費の節減」についても、人件費総額の縮減ということで、21年度においては約3億円、2億8,700万円を削減することができています。さらに縮減をすることによって、一般管理費および事業費の経費については23%以上の削減ということについては、十分達成できるものと認識しています。
 次は19頁です。事業収入の増加を図るための取組ということですが、これについては、運営費交付金以外の収入としては、介護給付費、訓練等給付費等の改定がありました。そういうことによって若干数字が増えました。また、診療所についても、新たな医師を雇ったことによって外来の診療が上がり、従前よりも額が増えています。いわゆる障害福祉サービスに係る部分の公費については、14億7,000万円が16億3,000万円という形で、これは増えました。診療収入についても、医師を入れたこと、常勤化したことによって、8,900万円が1億200万円という形で増加を図らせていただきました。その他収入については、実習生の実習料、作業生産物等の売払金ということでやっています。これについては、いろいろな形で上がったり下がったりすることはあるのですが、昨年の場合には、インフルエンザということで実習生の受入れを絞ったために、昨年は4,200万円という形になりました。
 次は20頁です。事業費における冗費を点検し、その削減を図っているか。コスト削減や効率化の観点から、各部所において点検をしましたが、冗費というものは発生していないと考えております。
 21頁です。国民のニーズとずれている事務・事業や費用に対する効果が小さく継続する必要性の乏しい事務・事業がないか等の検証を行い、その結果に基づき、見直しを図っているか。国民のニーズにずれている事務・事業はないと認識しています。ただ、下に書いてありますとおり、費用対効果を考えた場合に非常に厳しい面がございます。高崎市からの受託事業ですが、相談支援事業というものを受けています。700万円という形で受けていますが、これについては職員を3人、また、別途に相談所を用意させていただいています。そういった意味では非常にお金がかかりますが、地域のためにはなくてはならないものということで、法人がお金を出してでもやるべきと考えています。
 次は22頁です。「効率的かつ効果的な施設・設備の利用」ということです。これについては、評価の視点で、保有する建物等の資産について、適時・的確に利用方法等を検討し、有効活用に努めているかということです。これについては、私どもの土地は非常に広うございます。ご覧いただいているとおり、総敷地面積が232万平米、約70万坪ということですが、実際には、右側に書いてあるとおり、保有資産の所在地が、群馬県高崎市を臨む丘陵地、約200mです。その中に、この等高線に書いてあるとおり、起伏の激しい所でして、売りたいと思ってもなかなか買い手がつかないというのが現状です。何とかやりたいという意識はありますが、なかなか難しいというのが正直なところです。また、ここには書いてありませんが、敷地の外れのほうにわりと広い平地部分があったので、その部分も整理を行いました。ただ、行ったのはいいのですが、その地域が砂防地域であったり、市街化調整区域という形で非常に制約を受ける土地であるということもあって、なかなか売却が難しいというものでございます。
 23頁です。施設利用者の減少や能力・障害の状況等を踏まえ、施設・設備等の効率的かつ効果的な利用が図られているかということです。先ほどもお話したとおり、第三次の寮再編により19か寮を17か寮という形で整理をさせていただきました。5か寮を閉鎖し、新たに医療的配慮、特別支援グループ、高齢者支援グループ、これは上から順次、2か寮を3か寮、1か寮を2か寮、1か寮を2か寮にという形で整理のし直しをさせていただきました。空き寮についてということですが、これは、先ほどのモニタリングの委員会からも指摘があったとおり、日中活動の場という形で改めて使用させていただいています。
 24頁です。保有資産の活用について、監事の監査において適切にチェックを受けているか。監事監査においては、指摘事項はございませんでした。
 次は25頁です。施設・設備等について、福祉関係者やボランティアの利用など、地域社会資源・公共財として、地域住民への積極的な施設開放が行われているかということです。「福祉関係者への活動の場としての提供」は、群馬県内の関係団体の研修会場ということで、のぞみの園の文化センターを提供して行っております。また、これだけの広大な敷地、山林を持っております。そこについては、地域の保育所や幼稚園の野外活動の場、また、地域障害者のグループ、ボーイスカウト等のグループ等の活動の場ということで提供させていただきました。
 「地域住民への開放と交流の場」ということでは、右側に書いてあるとおり「のぞみふれあいフェスティバル」、これは第7回になります。7年間続いていますが、毎年約2,000人、ここでは1,900人という形になりますが、2,000人近い方々が、のぞみふれあいフェスティバルに参加いただいています。また、体育館、グラウンド等の開放については、体育館、テニスコート、野球場というものを持っています。地元の育成会というところで、約1,600人に利用していただきました。
 また、施設本体のほうでやらせていただいた事業が、右側の下になります。中学生の職場体験実習、小学校等の親子作業体験、高校生ボランティア講座開催ということで、施設本体を使って地域に貢献するということをやらせていただきました。
 また「診療所の機能の活用」ということについては、今回、児童精神科の常勤医を用意しましたので、療育支援、特別支援教育に関する部分に関して非常に強いものを持っております。群馬県からも、特別支援教育委員会から、わざわざのぞみの園の医師を指名していただきまして、委員会に入って専門委員という形で活躍をさせていただいています。また、診療所の中の機能として、いろいろな所に医師を派遣し講習会を開催するということもやらせていただきまして、施設の職員等に対する研修を行わせていただいています。
 次は26頁です。地域の知的障害者等への医療が適切に提供されているかということです。施設利用者に対する適切な医療については、左側に書いてあるとおり、健康管理、医療的ケアということで、内科健診、健康診断といったことをやらせていただいています。また、行動障害等の著しく支援が困難な者に対しては、精神科医が常勤でいますので、臨床心理士と連携して対応させていただいています。
 地域医療については、診療科目標榜科を、内科、精神科、整形外科、皮膚科、歯科という形で5科標榜させていただいています。特に精神科については、いま常勤で配置されていますので、十分に伸びが見込まれるものと考えています。また、特別外来として、心理相談、機能訓練というものもやらせていただいています。特に心理相談については、精神科から回ってくる患者さんに対して十分な対応をさせていただくと。特に、下に書いてあるとおり、発達障害児の保護者を対象に月1回の家族心理教育ということで、十分に地域医療を補っていると思っています。
 機能訓練については、左側に書いてあります。摂食・嚥下障害リハビリテーションということで、特にこの部分についていま重点を置かせていただいています。高齢化した利用者については、固いものが食べられない、嚥下困難になっているということがあります。それは地域でも同じでして、そういった方々に対する指導ということで、摂食・嚥下のテキストを今回も配布させていただいています。また、児童心理外来ということで、ここに書いてありますが、精神科医は発達障害に関する専門家ですので、県の教育委員会等と結付きを持ってやらせていただいています。
 次は27頁です。「独立行政法人整理合理化計画」で処分等をすることとされた資産ということですが、これについては、処分等に関する指摘はされていません。
 次は、「合理化の推進」になります。28頁。評価の視点が、「随意契約見直し計画」の実施状況はどうか。また、その状況について公表しているか。随意契約見直し計画に基づき競争性のある契約を60%以上とすると。これは、先ほど理事長からもお話があったとおりなのですが、右側をご覧いただくとおり、数字的には私どもは非常に悪くなっています。特に、競争性のない随意契約が31件あります。この31件のうち24件が公共料金、電気料金と上下水道料金です。この部分を除けば83%という形になりますので、その部分では本来は達成していると考えていますが、こういった形で提出するということで、私どもは、ここはやり方を変えていただきたいというのが正直なところです。
 29頁は、一般競争入札の実施状況はどうか。そのうち、企画競争や公募を行う場合には、競争性、透明性が十分に確保されているかということです。また、入札・契約の実施状況について、監事及び会計監査人による徹底的なチェックを受けているかについては、平成21年7月24日付で、「一者応札・一者応募に係る改善方策について」を策定しています。監事監査においては、会計規程31条、32条、33条の規定に基づいた入札・契約の実施状況についてチェックを受けましたが、問題となる指摘は受けていません。また、会計監査人による往査においても関係書類のチェックを受けましたが、問題となる指摘は受けていません。
 30頁です。契約方式等契約に係る規程類について、整備内容や運用の適切性等、必要な評価が行われているか。監事監査において、入札・契約が適正に実施されているか、関係書類等の内容のチェックを受けた後、契約監視委員会においてさらに見直し・点検が行われましたが、問題となる指摘はありませんでした。
 31頁は、法人の特定の業務を独占的に受託している関連法人について、当該法人と関連法人との関係が具体的に明らかにされているか。当該法人の業務委託の妥当性について評価が行われているか。関連法人に対する出資、出えん、負担金等について、法人の政策目的を踏まえた出資等の必要性の評価が行われているかということですが、該当がありません。
 32頁は、契約監視委員会での見直し・点検は適切に行われたか(その後のフォローアップを含む)。また、「随意契約の見直し計画」が計画どおりに進んでいるかということです。平成21年度に、平成22年1月26日、3月5日に当法人の契約監視委員会を開催し、見直し・点検が行われ、また、随意契約見直し計画に基づき、随意契約によることが真にやむを得ないものを除き、一般競争入札の競争性の高い契約方式を実施しております。特に問題点はございませんでした。これで最初の1部を終わらせていただきます。

○上野谷部会長
 それでは、委員の方々からのご質問がございましたら、どうぞ。

○松原委員
 資産利用検討委員会は、どのようなメンバーで委員会を開いていらっしゃるのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 筆頭が私で、担当する部所の長を用意させていただいています。私どもは総合施設と法人事務局という2部でやっていまして、その各々から代表を選出してやらせていただいています。

○松原委員
 地域の方を参考として、例えば行政の方でも地域住民でもいいのですが、そのようなことはないのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 私ども、そこでは呼んでいませんが、のぞみの園運営懇談会という形で、地域住民の方に入っていただいて、その場でご意見を聞くようなことはさせていただいています。

○松原委員
 そこでは全く意見が出なかったということでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 はい、その場では出ていません。そこでは出なかったのですが、1つ、のぞみの園は地域に溶け込んでいまして、地域の自治会というところにも参加させていただいています。そちらのほうからの希望がありましたのは、のぞみの園の中でゲートボール、グランドゴルフといったものができないかということで要望がありましたので、使える所を使ってやっていただくということで、今、できる場所を用意しております。

○大島部会長代理
 質問させてもらいます。パワーポイントで大変よくわかりましたが、先ほど、非常に残念な今年の事故もおありだということだったのですが、高齢者のところに、人事交流や有能な人材の招聘というところで、高齢者支援に人材を確保したと書かれていたのですが、高齢者支援の人材の確保というのは、どのような専門家なのか。歴史からいえば、50年ぐらい経ちますね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 38年ぐらいです。

○大島部会長代理
 40年ぐらいですかね。そうすると、そのころにいらした方は、もうどんどん高齢者になっておられると思います。いまここで高齢者支援はどちらかというと専門外なので、専門家をここで人材として招かなければならないというところは、少し疑問に思えたところです。
 今回の事故にしても、知的障害の方の高齢の特色と、そうではない認知症の方の高齢の特色と大きな違いがあるのかないのか、あるいは普通の知的障害者の施設であり、高齢者の施設であり、この辺のことはされているのではないかと思ったものですから、どんな有能な方を入れられたのか、お聞きしたかったのです。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事
 いまのご質問についてですが、どのような方ということについては、宮城県で施設長をしていた方に来ていただき、月に1回、2日間実際に寮の中に入っていただいて、支援の状況についてチェックをしていただいておりました。
 我々のところは確かに高齢の方が多くなって、いま平均年齢は59歳になっておりますが、いままではどちらかというと知的障害という視点でずっと支援をしてきて、もちろん高齢者という視点が少しずつ加わっておりましたが、その辺の見方がちょっと弱いのではないかということで、実際に高齢者支援をしていた方に来ていただいて、高齢者支援はいまこういう形でやっているということを、その専門家から教えていただいています。
 ただ、認知症の問題については、まだそこまで行っていなかったのです。ですから、今年度に入ってからの事故ですが、そこの対応の部分については、まだその時点では触れておりませんでした。

○關委員
 360名の方が59~88歳の年齢構成で、いま平均59歳ということでお聞きしたのですが、皆さんの障害程度は重いのだろうと思います。いまのご質問と重複するかもしれませんが、その方々が認知症を発症しているという事例は何ケースぐらいというか、何割ぐらいあって、それがとても大変だろうとは思います。
 それから、いまの先生のご質問と同じですが、専門家の方が来られて、それですべて解決するわけではなくて、モニタリングなどで。職員の方々がおられて、その方々はかなり詳しくよくわかっておられるのだろうと思います。その方々からの問題提起のようなものは、どういう形で日々の支援に反映されているのかというのは、とても興味があると言っては怒られるかもしれませんが、大変だなと思いながら、どのようにされているのかお聞きしたいと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 いま私どもの施設で認知症として診断されているのは、確か16名で、疑わしい方が30数例です。あとから発表いたしますが、そういった方々を認知症であると診断するツールの研究を、いま私どものほうでやらせていただいているところです。
 モニタリング等の中で、そういった方々のことについて、どうだというお話でしたが、支援の手法については、先ほどうちの渡辺が申したとおり、知的障害ということで支援を行ってまいりました。認知症という形での支援ではありませんので、新たな手法が必要ということは重々話が出ております。そのために高齢者支援、ここに書いてあるとおり、摂食・嚥下であるとか、シーティング、いわゆる高齢のために座位が保持できないというのは、話が上がってきたことによって、こういったものに取り組んできたというのが現実です。

○上野谷部会長 
 よろしいですか。

○浅野委員
 診療所のことですが、精神科の先生を常勤で1人追加されたということですが、これによってサービスの充実が図られているという説明だったと思いますが、収支のほうはいかがになったのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 あとからお話をすることですが、診療所は従前と変わらず赤字です。

○浅野委員
 赤字の幅は拡大したということですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 赤字の幅は61頁の「運営交付金の充当額」のところの平成20年度決算で1億4,733万円だったのが、決算額で1億5,931万円ということで、1,198万4,000円増えています。

○浅野委員
 サービスの充実に比しては、それほど赤字にはなっていないということですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 事業経費のほうですが、新たなものを購入しましたので、そういった意味では、少しは減っていると認識しております。

○浅野委員
 変な話ですが、今後、認知症の方が増えたり、要するに医療ニーズが高まるということで、いずれは1人雇ったことに伴う収支の改善は、将来にわたって見込めると考えてよろしいでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 将来的には見込みたいと思っております。そのための診療機器の整備もやらせていただきました。

○浅野委員
 その中には高齢者だけではなくて、児童思春期外来とか、要するにお子様方の精神の問題についても、これからはサービスとしては結構拡大していくと見てよろしいですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 はい、結構です。

○浅野委員
 はい、わかりました。ありがとうございました。

○上野谷部会長
 よろしいでしょうか。

○關委員
 もう1点ですが、19頁の(注2)のその他の収入にはということで、作業生産物等の売払いはどういう形で計上されているのか。個人収入みたいなもので、本人たちに支払わなくていいのかという辺りはどうなのですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 作業生産物の収入ということで、私どもが栽培しているシイタケがあります。これは農協等に出荷しており、売り払ったものについては工賃として還付するというやり方です。

○關委員
 個人で。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 はい、個人に作業工賃という形で渡しております。
 
○上野谷部会長
 よろしいですか。それでは、各委員のご記入をお願いいたしまして、認知症の問題は以前から気になっていたところですが、今回、事故を契機にというわけではないにしても、本格的に専門家の投入、また各職員の方たちが積極的にモニタリングに参加するということ。またリスク項目の見直し等も含めて内部統制をより図るというご発言だったと思います。
 それでは、「Part2」に行かせていただきます。評価項目の6~9ということになりますが、ご準備いただきたいと思います。3つの資料を横に見ながらやっていただかなければいけませんので、大変ですが。それでは地域移行からになります。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 それでは、地域移行部分、33頁からということです。資料2-4も同じようなことを書いております。特に……のところで細かく書いております。保有資産の管理・運用等についてどうだということについて、先ほどはサラッとお話をしましたが、こちらには詳しく内容を書いておりますので、あとでご一読いただければと思います。
 それでは、「Part2」をお話させていただきます。34頁、評価シートは15頁から始まります。1-(1)地域移行に向けた取組。「施設利用者の地域移行のスピードアップ」です。評価の視点として、施設利用者数について、独立行政法人移行時と比較して3割縮減する目標に対する進捗状況はどうか。数値目標。重度知的障害者のモデル的支援を行うことにより、施設利用者の地域への移行を積極的に推進し、施設利用者数について、独立行政法人移行時と比較して、3割縮減すること。施設利用者の地域移行の取組について、引き続き丁寧かつきめ細かく進めるとともに、より多くの地域移行の実現に向けて、効率的かつ効果的に取り組み、平成21年度中に15~20人程度の地域移行を目指すということです。
 第1期中期目標期間中に44人の地域移行を行いました。第2期中期目標の平成20年度、平成21年度ですが、24人、21人という形で地域移行の実績を果たしています。年間の15~20人については、十分に達成いたしました。平成15年度以降では89人という累計で地域移行が達成しております。3割縮減についてはどうかということになりますが、平成15年10月1日時点で499人の利用者数に対し、平成21年末では371人、△が128人で、3割には届きませんが、2割5分の縮減を達成しております。
 昨年の委員会でもありましたが、「地域生活移行支援事業の移行が困難な要因・理由と対策」について昨年ご指摘がありました。この部分についてご説明いたしますと、「保護者・家族の同意が得られにくい」ということが第1点です。これについては高齢化した家族が施設から出ることに難色を示しております。移行に同意する方が平成22年6月1日現在で33人、同意の可能性101人、同意困難(拒否・疎遠)235人で、現在の生活の変化を求めない・のぞみの生活がいちばん安心できる。「自分の子は無理」との固定概念・入所時の終身保護の約束ということがあります。
 これに対しては面会時の個別説明、地域移行者紹介の「移行課通信」の発行増、来園の少ない方等の家庭訪問による説明、職員説明会による地域移行の意義の説明、移行先の社会資源の情報提供等を行って、対応を図っております。
 「入所者本人の体験不足」ということです。地域生活のためには順応するための一定の体験が必要。30年以上のぞみの園で暮らしており、地域で暮らしたこがありません。そういった意味では地域というものはどういうものかというのが、絶対に理解できていない状況です。そういった者に対しては、一定の体験が必要ということで、地域生活体験ホーム(施設内外)の体験により、本人・家族の地域生活への自信を得る。移行予定先の見学・納得するまでの体験利用ということで、移行先に体験入所をやらせて対応させていただきます。
 最後は「移行先の確保が困難」ということです。のぞみの園自身は全国の46の都道府県から、いま利用者が入所しています。多くは都市部に重点が置かれているわけですが、都市部の方々については、移行先となる施設がなかなかないというのは現実問題です。東京、埼玉、神奈川といった所から約100名近くの利用者が来ております。そういった所はまだ同じように待機者がいる、施設がないという状況ですので、なかなか移行が進まないのが現状です。
 理由は、都市部を中心にケアホーム等の待機者が多い。重度・重複かつ高齢であることから本人に合った生活の場・日中活動の確保が困難。出身地が全国であり、移行先を捜すこと、体験利用に時間・経費を要する。自治体が、地元待機者の優先、他の自治体出身者の受入拒否ということですので、これについては厚労省のご協力を得ながら、都道府県への協力要請、重点的都道府県という形で、毎年春に行われる厚生労働省の中の障害保健福祉部の主管課長会議等の席においてお願いをし、重点的都道府県に対し、説明をさせていただいております。
 障害程度区分認定調査時の市町村からの情報提供ということで、障害程度区分の認定の時期に市町村から職員が来られた場合に、情報提供をさせていただき、またこちらからもお願いをするということです。
 ?Bの直営ケアホームの定員増については、たまたま今年度において、良い物件が出ておりました。そういったことで今まであったホームの定員を5人から7人に増やすことができましたので、さらに増員ができたということになります。
 先駆的に展開している事業所への協力要請。地域移行はのぞみだけではなく、全国でやっている所もあります。そういったところで、またご紹介をいただき、地域移行を図っているというのが現状です。
 36頁です。施設利用者の地域移行に向けて、施設利用者本人及び保護者等に対して、どのように取り組んでいるか。?@施設利用者及び保護者等への説明と同意の確保に関して、どのように取り組んでいるか。?A施設利用者に対する生活・日中活動支援や、地域生活体験の実施状況はどうか。
 平成21年度中に25人程度の保護者の同意を得るということで、数値目標については、平成21年中に32人を達成することができ、25人を大幅に上回っています。また、平成21年度新規については、?@保護者全員に地域移行した者を紹介する「地域移行通信」を年6回定期発行いたしました。?A来園の機会の少ない保護者37人へ保護者宅等へ訪問を行い、移行の働きかけを行ました。来園の少ない37名というのは、のぞみの園で毎年行っている保護者会の総会とか、寮を単位とする保護者会懇談会も行っております。また、四季を通じて、季節を通じて保護者が面会に来られるのですが、そういうことのない37家族に対して私どものほうから積極的に取組を行いました。そういうことによって移行の同意を得るという取組を行ました。
 「地域移行の同意が得られた者の推移」です。第1期中期目標では66人から得、44人が地域移行が実現しております。平成20年度においては29人が24人、平成21年度は32人で、いま21人が移行を達成しています。
 「施設利用者の自立に向けた効果的な支援の提供」ということで、どのような取組をとっているかというのが38頁です。30数年間のぞみの園におりますので、そういった方々に対して体験ということがまず大事です。のぞみの園の生活寮から地域生活体験ホーム、これは法人の独自事業としてやらせていただいております。これについては資産の利用ということで、法人の持っている世帯宿舎を提供して、地域生活体験ホームを開所しております。
 さらに宿泊体験をし、施設内ですが長期利用という形でやっています。施設外はのぞみの園の施設の外にそういった体験ホームを用意し、そちらでもやるという形をとっております。それが終わった時点で、初めて地元施設、ケアホーム等へ地域移行するという支援の流れを作っています。
 平成20年度の宿泊体験については、実人数が64人、延べ日数で537日。平成21年度では30人、人数が減っていて延べ日数で656日となっています。今後も年々実人数は減るかと思いますが、難しい方が順次残っているのが現状です。この数字については、私どもは少ないとは思っておりません。難しい方が出ていくことができるようになったと自負しております。
 次は「地域移行の段階的支援の実践」です。評価の視点は、施設利用者の地域移行の実現のため、地域移行先の自治体や施設・事業所等との協力・調整について、どのように取り組んでいるか。?@地域移行先を確保するための取組はどのように行っているか。?A移行後の生活について、移行先の協力を得て、本人及び保護者等が安心・信頼できる環境を整備しているかということですが、これは先ほど説明したとおりです。
 出身地方自治体等に対する協力依頼については、平成21年3月12日に行われた「全国障害保健福祉関係主管課長会議」で要請をしました。この中で、平成21年度は大阪、茨城、栃木、岐阜、山口、広島、大分について、重点という形をとらせていただきました。この中は、対象利用者が50人。うちケアホーム3人、施設5人で、移行先決定5人ということで13人が移行をすることが決定しています。それ以外の部分では、市区町村による障害程度区分認定調査時の事業所の情報提供の依頼。
 先ほど言ったケアホームの充実ということで、5人から7人に増やしました。これはのぞみの施設の隣地ですが、近くに老人の認知症グループホームの売りが出て、私どもは見させていただいたところ、バリアフリー化されているということでは非常に良かったのですが、バリアフリーだけでは駄目でしたので、スプリンクラーを整備した上で買取りをし、5~7人という形で整理をしました。
 次の頁は「移行者に対する地域生活の定着支援」です。これは、のぞみの園から出ました、だからいいです、というわけにはまいりません。そのあとのフォローアップが非常に大事になってきます。一旦は出したけれども、戻ってくるということでは困りますので、私どもの職員が事業所に赴いたり、電話等により確認を行っています。
 この表の「平成21年度フォローアップの状況」欄ですが、1~4回が2人を41人、5~9回が10人を21人、10回以上を76人から24人に訂正をお願いします。さらにそこに書いてありませんが、ゼロ回が3人で、89人がそういう形で入替りをさせていただきます。これを間違えたのは「延べ」を入れて、過去の分と増やしながら数字を作りましたので、こういう形になりました。平成20年度まででは62名を対象に、延べ567回のフォローアップを行いました。今回は対象者89人で、うち3人はゼロ回ですが、延べ687回のフォローアップを行い、平成15年10月からの累計で1,819回のフォローアップを行いました。流れとしては、国立のぞみの園から退所時に移行直前の健康診断の実施、診療情報の提供をし、地域移行した者に対してフォローアップをするという流れを作りました。
 フォローアップがゼロの方が3人おられますが、この方については年度末の3月31日に退所された方が1人おり、そのためにできません。死亡された方が2名で、これもできませんでした。そのため、そういった方々以下については、最低1回、それ以上の回数のフォローアップを必ず行いました。
 41頁は、重度・高齢の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援のあり方を検討し、能力・障害の状況等に合わせた効果的な施設入所支援、日中活動支援の提供を行っているかということです。
 これについては、平成17年9月に第一次寮再編にて高齢者寮1か寮を新設し、介護やサテライト等による日中活動の場を提供しました。ただ、年々高齢化、重症化が顕著となってまいりましたので、平成21年12月には第三次寮再編成を行い、高齢者支援グループ、医療的配慮グループをそれぞれ1か寮ずつ増設し、高齢者グループ等の拡充を図りました。さらに平成21年6月には、高齢者支援グループに経験を持つ専門家を招聘し、指導・助言を受けるということで、先ほどの繰り返しになりますが、専門的な支援の寮をさらに増設する形で対応を図っております。
 42頁は、行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援に関して、どのように取り組んでいるかです。「自閉症及び行動障害等を有する者に対する自立支援」については、平成17年9月に男女混合寮で1か寮を用意しましたが、平成20年度において専門家を招聘し、指導助言を受け支援技術の向上に努め、平成21年度に、さらに1か寮を2か寮に増設し、女子寮、男子寮という形で、さらなる充実を図ったところです。
 また、著しく支援が困難な方ということで、「精神科病院に社会的入院する知的障害者に対する自立支援」という新たな取組を行いました。精神科病院に社会的に入院をする知的障害者は有期限ですが、平成21年度に1名を受け入れております。この方については、どのような支援があるのか、今後地域へ移行し、地元にお帰りいただくということについて、いま真剣に取り組んでいるところです。
 さらに「福祉の支援を必要とする矯正施設を退所した知的障害者へのモデル的支援」ということで、平成20年度、21年度で5人を受け入れました。3人が地域移行をすることができました。下の欄をご覧いただきますと、すべて男性ですが、A、B、C、D、Eさんといった方々を受け入れることができました。3人については地域移行ができております。身の回りのことや細かいことはできませんが、大きなことはできるということで、用務員的仕事をしているのが1人、昼間ではなく、夜間のコンビニのお手伝いということで店員として雇われた方、さらに就労継続Bということで入っていただいた方の3人が無事地域移行を果たしております。やはり難しいケースが増えてきておりますので、就労継続Bの予定ということで2人が残っているという現状です。目標的には、すぐに達成ができそうな状況にまで順次支援が整っているという現状です。
 44頁は、全国の知的障害関係施設等の参考となるよう、重度の知的障害者に対する地域移行を図るための支援モデルや、行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対するサービスモデルの構築に向けて、どのように取り組んでいるか。また、他の知的障害関係施設等への情報提供については、どのように取り組んでいるか。
 ここで先ほどお話した「認知症のスクリーニングツールの開発」ということで、高齢で認知症の罹病が原因と考えられる行動障害といった方々を、早期に発見し、適切な支援を早期に開始するということで、そういった障害福祉施設現場で役に立つ認知症のスクリーニングツールを、いま翻訳しているところです。その翻訳した日本語版の信頼性・妥当性の研究を行っており、いま3年次計画の1年目がやっと緒に就いたところです。
 「自閉症・行動障害のある利用者への実践事例」では、自閉症支援者育成プロジェクトを中心に、行動障害のある利用者に対する支援事例をまとめました。多くの障害福祉施設現場で応用できる事例集の作成に向け、編集委員会を設置しハンドブックの出版準備を行っているところです。今年度の上期に完成ということで、間もなく完成をすることとしております。自閉症支援者育成プロジェクトは、のぞみの中に用意したプロジェクトです。各々持ち寄った中で、実践的な事例をもって他の施設に適用できるものを作ろうと思っています。
 「平成21年度福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者の地域生活移行のための効果的な支援プログラムの開発に関する研究」です。これは厚生労働省の障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)による研究事業ですが、(2)の受入れマニュアルの作成です。事業所種別とマニュアル・ポイントをまとめるということで、障害者支援施設、救護施設、グループホーム・ケアホーム、地域生活支援センター、更生保護施設のマニュアルを作りました。これを今後は頒布していくということでやっていきたいと思っています。
 また「啓発活動」ということでは、福祉セミナーという形で参加者299人、法務関係者70人が参加するセミナーを開催しました。以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。ご質問、ご意見をどうぞ。

○宗林委員
 1点伺います。矯正施設を退所した知的障害者へのモデル的支援という項目がありますが、これはもし受け入れられるのだったら、たくさんの対象となる人が実際にはいらっしゃるのでしょうか。あるいはこれだけの人しかいないという状態なのか。もっとたくさんいて、のぞみの園では受け入れられるのはこのぐらいの方という意味でしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 利用者はたくさんおられます。ただ、のぞみの園として専門的にできる人数といえば、たぶん1桁台だろうというところです。これだけ特別な支援をやり、多くの職員をそこに配置するという形をとりますので、いまののぞみの園の容量では、たぶん1桁台だと思っております。

○宗林委員
 これは選定というか、それの判断があるのでしょうか。例えばIQはこのぐらいとか、年齢だとかということで、特異的に選んでいらっしゃるのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 担当部長のほうから説明させます。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園地域支援部長
 高齢者も含めて福祉のサービスが必要になっているのは、厚労省の数字では全国で年間1,000人という数字が出ております。その中で知的障害者はどのぐらいいるかというと、具体的な数字は出ていないのですが、のぞみの園として、現在受け入れている方は寄住先がないという点と、所持金がほとんどないということを基準にしています。刑務所から出る段階で1万円以下という数字が出ております。
 私どもは主に就職ということを前提にしておりますので、2年間の有効期限のあとの就職で、圏域として関東地方を中心とした出身者、帰りたいという場合は関東地域、群馬県を中心にという形で選定しております。まずはその辺から進めています。

○宗林委員
 これまでの入所者の方たちを、どんどん地域に移行していくという業務を推進させておられると思いますので、例えば、この辺りはニーズが非常に大きいのであれば、ここを増やしていくという感じで、ニーズとか位置づけという全体像の判断が必要でしょうが、そういうつもりは一応ないのでしょうか。いま1桁というお話がありましたが。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 この事業は1人受け入れたときの職員の体制、あるいは受入れから地域定着までの支援の内容を考えますと、のぞみの園であっても、年間1桁が限度と考えております。私どもとしては、むしろこういう人たちを受け入れるときのマニュアル、あるいは受け入れてから地域に定着するまでの支援のプログラムのわかりやすいものを作って、全国の関係施設に配布して、全国の意欲的な施設がそれぞれ1人でも受け入れてくれれば、全国的な状況はだいぶ変わると考えております。そのようなことで平成21年度は支援のプログラムを作って、関係施設に配布しました。平成22年度は受け入れる福祉施設で中心的な役割を担う職員を養成するという観点から、研修を行うということで取組を開始しているところです。
 従って、こういう人たちの問題は、のぞみの園だけではなくて、むしろ全国的に積極的に取り組んでくれる施設がどんどん増える方向で、私どもとしていろいろなノウハウを提供する、あるいはそういう職員研修を行うということで貢献していきたいと考えております。

○大島部会長代理
 やはりいまのことですが、先ほど常勤職員をかなり減らされて、その中でいろいろな業務があると思いますが、その常勤の職員を減らしていったことと、これが非常にニーズが多いにもかかわらず、なかなか1桁以上を受けられないというか、そういうこととのつながりもあるのでしょうか。
 というのは、全国的に受入れの場がないということで非常に困っているので、そういう点では人員削減だけがいいわけではなくて、適正な配置や、それなりの常勤の人は手厚くする必要があるのではないかと思うのですが。どうしても数値目標が先に行くと、本末転倒にならないかという心配もするのですが、いかがでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 私どもはちゃんとした支援をやりたいということで考えれば、この数値目標を外していただくのが一番いいことだと思っております。職員についても、正規の常勤の職員であるほうがやりがいもありますので、そういった方々が多くなればなるほど、こういった受入れについても、まだ増やすことは可能かと考えております。ただ、実際に独立行政法人にかけられた命題、いわゆる中期計画、中期目標という数字がある以上は、そこは「はい」という言葉はなかなか言いづらいのかと思っています。

○大島部会長代理
 予算のかけ方というか、そこのところで工夫されたり、この成果によってその要望を出していくということは、考えておられるのですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 そのことについて、いま私どもの中期計画、中期目標の中の23%削減という大きな命題がかかっているわけですから、そこをいま大きく切り返すことは、非常に厳しいと思っております。この計画が終わった段階で、新たな計画を作る時点でそういったことをご命令いただければ、私どもはそこに取り組むことは可能かと思っております。

○大島部会長代理
 どちらかというとその5名の中で、先ほど所持金がないとか、就職を考えているとか、帰省先というか、関東に限るという話がありましたが、成功率を高くする人を、まず最初にやっていくということもありますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 逆に成功率ということで言いますと、私どのほうがよく関わりができるということで関東近県を選んでいます。九州の出身の方ということになると、九州まで行って、その土地の行政側と対応し、その方に対する福祉の措置をしてあげなければいけないわけです。例えば、知的障害であれば、その方に療育手帳を交付してもらう、生活保護が必要であれば生活保護を付けていただく。そういったことをやる場合に、のぞみの園から北海道に行くとか鹿児島へ行くよりも、近場であれば私どももフォローアップもしやすいという形で近県を選んでおります。やり方的には難しい事例も全部入っており、簡単な事例ということでは考えていません。

○大島部会長代理
 刑の内容というか、どういう犯罪でということもさまざまでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 刑の内容については、いまは殺人以外は全て入っていると思います。

○宗林委員
 少し違いますが、地域移行のスピードアップのところを全体像で伺いたいのですが、34頁です。これは差引き128人で、実際は89名が地域移行ということですので、その差になっている方は亡くなったということの数字でよろしいですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 はい。

○宗林委員 
 それから、根本的な疑問というか、お考えを伺いたいのですが、全部の方が最終的には地域移行ができるのかどうかと思っています。なかなか難しい方が残っているのだろうと思うのです。のぞみの園のお考えとしては、目標とかいろいろありますが、もうどのぐらいまできたら、あとは終の住処でなければならないということというのがあるのか。あればそれはきちんと打ち出していかなければいけないときが来るのかとも思うのですか、いかがですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 大変難しいご質問ですが、私どもとしてはとにかく今の中期目標の期間は、1人でも多くということで取り組んでいます。しかしながら、先ほどご説明しましたように、まず保護者の同意というところで第一のハードルがあって、だんだん保護者が高齢化する、あるいは代替わりしていくことによって、そういう同意が得られない。むしろ施設入所している人との関わりをできるだけ持ちたくないという方も、少なからず出てくるようになってきております。そういう中で、私どもとしては、どんなに頑張っても年間20人ぐらいずつ、ここ当面3年、4年進めても、その先はほとんど難しい状況に直面するのではないかと思っています。
 他方で、障害者の制度について、今いろいろ議論されており、制度自体がだいぶ変わる可能性もあります。そういう中で、このような入所の施設に長年入っている人たちについての国としての方針、あるいは障害者福祉の理念としてのあるべき論が、またいろいろ示されて、それに基づいて、のぞみの園としての目標が設定されることも大いに考えられると思っております。
 そのような意味で直接のお答えにはならないのですが、私どもとしてはとにかく当面は1人でも多くということで頑張りますが、次の中期目標の期間に向けての目標設定というときに、そういう制度面も含めて大きな変更もあり得るとは考えております。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 それと数字のほうです。先ほど人数の差ということで、39名差が出ておりますが、実際は死亡が45名、新たな利用の入所者が6名あります。罪を犯した方が5名、精神科病院の方が1名、6名が入所しております。45名は死亡、入所が6名、地域移行が89名で、トータルすると128名となります。

○關委員
 地域移行で、地域移行先が施設であるというのは本末転倒というのか、また同じことを繰り返して、結果的には地域移行というよりも、地域移動みたいになってしまわないかというのは、とても切ないなと思うのです。そうではなくて、例えば本当に地域で何らかの活動に参加されるとか、そういうケースというのはどんなものなのでしょうか。それは理想論にすぎないのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 まず移行先に施設がもちろん含まれております。それも少なからずの数ですが、その中には地域移行を前提として、とりあえず施設を移っていただく。移った先の施設で、地域移行に向けて引き続きいろいろな取組をしていただくという話合いの結果として、移った方がかなりおられます。またケアホーム、グループホームについては、数が足りませんので、直接そちらに移行できない。まずはその地域の施設に入って、そこでケアホーム、グループホームの空きを待つという待機中の意味を込めての施設への移動もあります。他方で、保護者、ご家族の希望なども含めて、施設ならということでやむを得ず、まず施設を移っていただくことになったケースもあります。
 私どもが1つ考えているのは、とにかく北海道とか九州など、遠く離れた所からのぞみの園にやむを得ず施設入所して、だんだん保護者との面会の回数も減ってくる。しかし、入所利用者は、家族を思う気持を常に強く持っていて、そういう思いを何とか実現させてあげたいというか、家族との面会の回数を増やしてあげたいということを考えますと、ご家族の近くに移る。移る場合に家族のほうがそれを希望し、なおかつ、これからは面会にも頻繁に行くようにしますというような話合いの中で移行を決めているということです。また移った先での日中活動などについては、十分にこちらでも協議させていただいて、移った先で少なくとものぞみの園と同等ぐらいの日中活動ができるようにということで取り組んでいるところです。

○上野谷部会長
 毎年ここの項目にきますと、双方とも頭の痛いことでして、国立のぞみの園という独法が、特別法で出来てしまっているということ。そして社会福祉法人でしたら、犯罪を犯して知的障害を併せ持つ人に対する、先駆的な開拓的なサービスとしての展開はまた別の論理から出てくるでしょうが、国立のぞみの園の場合は、国民に対して提供するサービスということから、どういう責任を取るかという。
 社会福祉法人の志でいろいろなことをなさる。例えば、ちょっと逸れるかもわかりませんが、法人の中に障害を抱える人の親の施設を逆につくることによって、親と子どもが同じ敷地に、社会福祉法人の場合はいくつか別に土地を持っておられる大手法人がありますので、有料老人ホームもつくれるわけです。あるいはグループホームをつくって、その親が安心して知的障害者の50歳代、40歳代の人の同じ敷地の中に逆に行ける。発想を逆転させて地域移行ではないが、地域生活の真似事みたいなことをするのだとか、いろいろなことができるわけです。
 しかし、国立のぞみの園は制約がある中で、全国から非常に重度な方たちを集めて、ここまで国の方針としておやりになったというジレンマがありますから、ここは毎年言っていますが、国として地域移行というよりも、地域生活らしいものを地域の中で、お持ちの売れないと言われている山や土地の中で、どのようにするかということを考えて、先生方がおっしゃっている地域移行何人というのは、あと5年ぐらいで考えを変えていただくほうが生産的だと思います。
 ただし、地域移行というのは、地域生活移行ということの意味だったわけですから、こういう施設と同じように、ユニットケアとか、いろいろやっているのと同じようなことを考えるべきです。大阪で昔、金剛コロニーの話で私もずっと委員をしていましたが、そのときなどはコロニーの中の土地を部分的に売って、結果的に地域と交わるようなことを、意識的に良い所を住宅地として安く売るわけです。そんな話にまで委員会として15年ぐらい前にしていました。笑い話として、そういう対応しかできないのではないかという乱暴な話まで出ました。今日的に考えますと、そういうことも含めて、国として売る場所もこの辺を売ってというようなことも考えてやっていただく。これはいつもここでお互いに悩んでいますから、AにするかSにするか、いつも難しいところで、そちらがAにされたら、委員のほうはSを付けてみたり、そういう意味では、ここはとても悩むところです。
 それでは、先生方の評価はとても難しいと思いますが、事情も汲み取っていただき、しかし、かつ、国民を代行しているようなところですので、もっともっとやっていただかなければいけないところも多々ありますしというところで評価をお願いします。
 それでは休まないでいきます。「Part3」です。 少し急ぎましょう。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 それでは、「評価の視点」と「数値目標」の欄は読まないようにさせていただければと思います。

○上野谷部会長
 評価の視点は見ればわかります。中身を言ってください。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 それでは「Part3」を説明いたします。「国民に対して提供するサービスその他業務の質に関する事項」です。のぞみの園では研究会議を年2回開催するということで、6月5日、3月26日にいたしました。この委員会については委員6人、外部有識者4人、内部委員2人ということでやっておりますが、平成21年度には、いままで外部有識者が3人だったのを4人にし、新たに体制を変えております。中身は年間研究テーマに関する助言・指導、研究結果に関する助言・講評ということで、大いに意義があったものと思っております。
 次の頁は、調査・研究テーマの内容をもっと本数を増やせということで、6本以上ということで?@~?Eが6本というテーマになり、これについてはやりました。ただ、それ以上のもの、その他として「入所施設から地域生活に移行した知的障害に及ぼす影響」「重介護を必要とする知的障害者の地域生活について」「高齢知的障害者の摂食・嚥下障害に関する研究」「広汎性発達障害における併存精神障害に関する研究」「重度知的障害者施設における相談援助実習プログラム開発に関する基礎研究」ということで、目標を大きく上回る11本の研究を実施しました。
 49頁は、設定されたテーマ等に対しての取組ですが、のぞみの園の中で「調査・研究調整会議」をやっております。これは年4回、役員、参与、参事、診療所、生活支援部、活動支援部、地域支援部の責任者により、研究テーマごとに各部所と連携をとりながら、研究テーマというのは上の頁の11項目ですが、こういったテーマに沿った形で各々の担当者が出席し、調査・研究調整会議を行っています。同時に、研究の妥当性や成果について意見交換を行うという形をとっております。
 さらに「調査・研究プロジェクト」ですが、外部の研究者・関係機関が参加したプロジェクトチームを設置して行っています。これは厚生労働省から補助金をいただいた事業ですが、行動援護サービスの標準化に関する調査・研究、矯正施設等を退所した障害者の地域生活移行に関する調査・研究ということで、外部の人間をお呼びしてプロジェクトを行い、研究をやっております。
 「外部研究協力員」ということで、上記調査・研究プロジェクト設置以外の研究についても、外部研究協力者7人、研究協力団体4団体の協力を得て研究を実施しております。これは上の11項目の中で専門性がある分野では、私どもの職員だけでは間に合いません。外部研究員、協力員を用意して対応しております。
 50頁は「成果の積極的な普及・活用」です。研究報告については研究紀要という形でやっています。これは、社会福祉関係学部のある大学・専門学校・都道府県・知的障害者福祉協会・育成会、これは手をつなぐ親の会といった関係機関等に送付させていただいて、600部を発行しました。平成21年度の研究については、今年の6月に600部発行予定ですが、今日の時点ではまだ発行していません。7月中には発行するということで、いまやっています。配布先については同様です。
 関係団体・学会に対する発表も、併せて行っています。前の頁に出てくる調査・研究テーマについては、日本社会福祉学会、日本発達障害学会、群馬県にあります知的障害者福祉協会の研究発表会等に13件の発表を行い、抄録集等に資料掲載をさせていただき、普及活動に努めています。
 51頁は「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」です。こういった中身では、どのような形で普及していくのかということです。いまやっているのは、私どもホームページでは十分にやらせていただいていますが、それ以外にニュースレターを年4回発行しています。これは1回ごとに3,200部ですが、調査の内容や研究の発表といった概要を報告しています。また、調査・研究の中で行った「摂食・嚥下指導のガイドブック」ということで、障害者施設で働く人のため「摂食・嚥下の基礎知識」を作成し、1,000部を発行しました。関係機関等にお配りしたところ、非常に好評で、まだ欲しいと言われる所も出てきています。特に、いままでそういったものがなかったマニュアル的なものも、のぞみの園として今後とも作っていかなければならない。このマニュアル自身は、写真、絵が入った形で、非常に見やすいものを作りました。
 「行動援護啓発パンフレット」ですが、行動援護については平成18年の障害者自立支援法の制定時に、新しくできた事業です。そういった意味では、なかなか周知されていないということもありましたし、いま私どもがやっている研修事業の中でも、まだまだ認知は十分でないということもありましたので、パンフレットを作成し、この部分は1万2,000部発行しました。また、パンフレットの内容自身は私どものホームページに掲載をし、PDF化し、ダウンロードができることまで取組をやっています。こういった質の根幹ですが、私どもは何かをやる度にアンケートを取らせていただいています。そのアンケートの内容については、厳しい評価もあります。よく内容がわからないと言われる部分もあるわけですが、概ねは好評というご意見をいただいています。
 52頁は「養成・研修、ボランティアの養成」です。養成・研修については、厚生労働省からいただいている補助金で行った事業と、のぞみ独自の事業の合わせ技でやらせていただいている部分があります。特に、厚生労働省の助成事業として開催しているのは、行動援護従業者養成研修中央セミナー、さらに「福祉サービスを必要とする罪を犯した知的障害者等の地域生活支援に向けて」ということでのセミナーが、厚生労働省の助成事業を受けています。合わせ技として、のぞみの園自身も「福祉サービスを必要とする罪を犯した知的障害者等の地域生活支援に向けて」、また単独では「発達障害~ライフステージに基づいた支援と理解」といった養成・研修を行っています。
 特に、福祉サービスを必要とする罪を犯した知的障害者等の地域生活支援は、先ほどもお話を申し上げていましたが、2泊3日の研修ですが、38都道府県から299名の受講がありました。厚生労働省ということではなく、法務省関係者も70名が参加する形で、大変意義のあったものと思っています。また、発達障害児(者)の支援については、のぞみ単独で行いましたが、発達障害には関心が深いようで、22都道府県から212名の受講ということで、教育関係者も多数参加し、良い成果が上がったものと思っています。
 53頁は「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」で、セミナーを実施するということでやらせていただいています。研修等の話になりますが、実績としては全部で8のセミナーをやりました。薄い水色がかかっている部分は、厚生労働省からの助成事業を受けたものです。
 1は厚生労働省からの助成が一部入っていますが、厚生労働省の目的とするもの以上という形で、「行動援護従業者養成研修中央セミナー」ということで、単なる従業者養成研修ではなく、都道府県のインストラクターのパワーアップ、いままで受けた方々をさらにもう一段上げる研修をやりました。場所は東京都で開催しまして、101名が受講しています。通常の「行動援護従業者養成研修中央セミナー」は、宮城、京都、福岡で行いました。337名が参加しています。「国立のぞみの園福祉セミナー2010」として、福祉サービスを必要とする罪を犯した知的障害者等への地域生活支援を高崎市でやっています。299名でした。6、7、8はのぞみ単独でやらせていただき、発達障害のライフステージということでこれをやらせていただいたもので、高崎市でやったものに212名、障害医療セミナーの理解と支援195名、認知症の理解と支援125名で、全8回に1,269名が参加しています。
 54頁は「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」の、ここはボランティア、実習生といった形になります。最初にお話したとおり、昨年は新型インフルエンザということで、実習生の受入れについて若干絞りました。また、ボランティアについても絞っております。外部からの協力ということで私どもは求めますが、新型が入ってくれば利用者に対する健康の管理が一切できませんので、そういった意味で絞りました。特にボランティアの場合ですと、平成20年度は978名が平成21年度は694名と、大幅な減をしています。これは、やむを得ないと考えています。実習生は絞りましたが、いわゆる資格を取らなければならない、実習をしなければならないということで、若干絞って922名が905名になっています。
 55頁は「国民に対して提供するサービスの業務の質の向上に関する事項」の中の、「援助・助言」です。これは、障害者自立支援法に対して援助・助言を行う形になります。新たに移行するために、どのようなことが行われるべきかということの相談があったものの件数です。昨年は91件でしたが、今年度は138件ということで、大幅な増加をしています。新体系移行ということで、慌てている施設が多いことが窺えると思っています。このほかにも、他に福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者への支援事業に関する刑務所、児童相談所、福祉施設等から別の相談が34件来ています。
 援助・助言のほうですが、どのような取組をやっていますかということで、先ほど大幅な増の138件ですが、「対応方法」は56頁にあるとおり、資料の提供が64件、職員の派遣は34件です。メール等というのは、電話、メール等で、内容を確認して回答する形で対応しています。「援助・助言の要請者」です。いちばん多いのは、障害者の支援施設。その次は、各種の相談機関から来ています。「利用促進への取組」についてはいろいろな形がありますが、ニュースレターという私どもの季刊誌に掲載をしています。
 57頁は「その他の業務」ということで、診療所の附帯業務です。診療所については、どういったことをやっているのか。前のほうの頁でもありましたが、診療所自身が地域に貢献しているペーパー、同じものを記載していますので、ここは説明を省略します。
 診療所自身の具体的な中身は、いったいどうだったのかは昨年もご質問がありましたので、細かく整理をしたのが58頁です。昨年度は精神科の常勤医師を雇い入れたことによって、精神科外来が1,324人から2,300人と、大きな伸びになっています。そのために、診療報酬等の収入も増えています。
 診療所の利用者は、医師を常駐したことによって、1日平均の入床が10.8から11.8。のぞみの園自身は13ベッドのうち、回転するのは11.8ということですので、回転率としては非常に高い割合をやらせていただいていると思っています。診療収入の増も、8,900万円から1億円を超えています。この増えた原因も11.8につながるもので、診療所に入院すると3カ月間は介護給付金をいただけますが、3カ月を過ぎると医療費だけという形になっています。そういった意味で、入院の回転率を上げることも取り組みました。
 収支の推移は60頁です。医科と歯科があります。具体的な内容は61頁です。先ほど浅野委員からもお話がありましたが、決算の方の関係でいいますと、事業収入は8,900万円が1億円を超えました。これについては、外来の部分が1,000万円増えています。外来は2,930万円が3,900万円ということで、これは医師を雇ったことによる増と理解しています。歯科については、単純な増と考えています。また、医療のほうですが、4,241万円が4,460万円ということで、10.8が11.8に伸びたということでの増加と考えています。
 反対に支出経費です。事業経費が膨らんでいます。人件費が1億2,594万円が1億3,600万円という形になっています。これは、精神科の医師を雇い入れたことによる1,000万円の増という形になっています。物件費が1億1,100万円に対し、1億2,500万円と、1,500万円ほど増えています。これは、今後の診療所報酬を伸ばすためということで、備考欄に※で書いていますが、内視鏡をやっと整備しました。これによる診療収入のアップを図りたい。また、喉の部分を内視鏡で見ることによって、摂食・嚥下の動作訓練を行うこともできるようになりましたので、診療収入が上がるものと思っています。これが500万円かかりました。
 突発的な事故ですが、MRIが故障しました。これはドイツメーカーの機械で、保守点検を結んでいる中では対応が不可能ということになりまして、急遽300万円の修理代がかかって臨時出費をしています。また、今回、新型インフルエンザではワクチンに50万円がかかりました。のぞみの場合には、このワクチンについてはほぼ全部使いきることができました。そういったもので、物件費も1,400万円増えましたが、大きなものはこういった500万円、300万円と増えたために、経費が膨らんだものと思っています。
 決算を見ていただきますと、運営費交付金の充当は1億4,730万円から1億5,930万円という形で増えてはいますが、実質的にはそれほど伸びていない。内容的なものを見れば1,000万円近くはまだ落ちるはずですので、横這いの状態ではあるのではないかと考えています。診療所については、このように考えています。
 62頁は、地域の障害者に対する支援ということで、「地域の障害者支援の充実」です。のぞみの園自身で、地域の障害者ということでは相談支援事業を行っている部分と日中活動、短期利用、ショートステイといったものについてやらせていただいています。特に、相談については高崎市からの委託を受けていまして、4,000件を超える相談を受けています。高崎市からは700万円しかいただいていませんが、重要な事項ということで、のぞみとして積極的に取り組んでいます。
 「短期入所」、ショートステイについては、昨年若干減っています。というのも、長期短期という言葉がありまして、短期利用の長期利用。短期という形で1カ月、2カ月という形で利用される方がおられますが、そういった方々が他の施設に入所することができたということで、そういった方々の部分が落ちております。ただ、それでものぞみの園自身は105人、延べ795日のショートステイで、地域に貢献しています。
 また「日中一時支援事業」ということで、障害者等を一時的に預かるということで市町村事業ですが、これについても受託をやらせていただいています。平成21年度は54人、延べ79日を預かって、家族のご負担の軽減に努めました。
 「法人独自事業」として、フリースペースを用意しまして、余暇活動をやることと自立生活の体験、トレーニングルームをやらせていただいています。
 「地域の障害者を支援する法人の事業」として新たなものとして、「施設外事業所」というものを用意しました。63頁になります。施設外事業所、さんぽみち(生活介護事業所)です。日中活動の場として、障害者自立支援法で定められます生活介護事業は、入所型の施設だけで行うものではありません。地域でもできるということで、さんぽみちを開設しました。定員は20名でやっています。具体的な中身は、毎日の創作活動、余暇活動になります。障害者が望むようなメニューを用意し、開設をしています。現在定員は20名ですが、1日の需要は約10名少しという悩みがありますが、来ておられる方にとってみれば余暇、創作という意味では非常に喜ばれております。
 64頁は「サービス提供等に関する第三者から意見等を聴取する機会の確保」です。これについては、のぞみの園ではいろいろなものを第三者の方から意見を伺っています。地域の福祉、医療、司法、労働等の関係者から構成される「国立のぞみの園運営懇談会」を平成20年9月に設置し、第三者の意見と事業計画に反映させることにより、第2期中期目標等の課題に的確に対応。平成21年度は、9月25日と平成22年3月25日の2回開催しました。議題は、第1回目は業務実績に関する評価結果、平成21年度事業報告。第2回目は、平成21年度事業報告及び平成22年度事業計画。また、現在独立行政法人を取り巻く状況ということで、運営懇談会のメンバーに対し、私どもから議題を提供し、説明しました。
 特段のご意見等はありませんでしたが、のぞみの園自身のあり様については皆さんご心配をされております。特に、この懇談会の中に入っておられるメンバーの中には、のぞみの園の関係者である通所施設の利用者の親御さんにも入っていただいています。やはり、いろいろな形で心配をいただいたことは間違いない事実だと思います。特に、独立行政法人を取り巻く環境では、どうなるのかというお話もありました。どうなるのかというよりも、のぞみの園で頑張るというお話をしています。
 次は「第三者機関による評価の実施」で、これは3年に1回実施しています。私どもが第三者機関を選定するに当たりまして、群馬県の指定されている機関をやっています。群馬県では5つの事業所が認証されていますが、その中で唯一医療の項目について評価ができる機関が、有限会社プログレ総合研究所です。これは平成16年に厚労省が出しました指針に基づいて、群馬県が設置しています。認証を受けた事業所です。このプログレ研究所の評価を受けました。
 これについては、第三者機関評価結果を見ていただくとわかりますが、A評価の数が増えています。ただ、これも我々が出した自己評価の結果を第三者機関であるプログレのほうが、また面接、ヒアリングをやり直した上で、そういった項目はどうだという形でやっていただきました。特に高い点をいただいた部分は、都道府県の福祉サービス第三者評価項目に比べて3倍以上の項目数に基づき実施され、提供するサービス内容に関する評価の質・量ともに規範的なシステムであるということで、高い評価をいただきました。
 改善に向けて、いろいろな形をやっています。「改善への取組」として、次代の福祉の担い手を養成するためのプログラム策定といったことを、評価の改善の取組として認めていただきましたが、これ以外にも経費の節減に向けて中期計画に基づく節減をきちんとやっているということにも評価をいただき、またボランティアに対する実践の場の提供といったことも評価をいただいています。ここまでが「Part3」です。以上です。

○上野谷部会長
 ここまでがグループ3です。先生方は、評価をしながらご質問をお願いします。

○宗林委員
 62頁の入所者ではない人たちに対するサービスというところだろうと思いますが、私も全体像がよくわからないのですが、短期入所や日中一時支援事業というもので一時的に預かるものに関しては、費用はどういう感じですか。もちろん有料ですよね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 はい、有料です。日中一時支援については、市町村からの委託事業になりまして、お一人お預かりするといくらと、市町村からお金をいただく形を取っています。ショートステイも同様です。

○宗林委員
 もう1つ、費用という観点で、研修や講習事業をいろいろやっておられますよね。例えば52、53頁あたりは受講者数が書いてありますが、これは無料でしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 国のほうから補助金をいただいたものは、無料でやらせていただいています。のぞみ単独事業についても、基本的に無料という形を取っています。ただ、資料代でいくらかをいただくこともあります。もう1つ言ってよろしければ、正直申し上げて、今年度も研究の補助金の申請をしています。これをいただかないと、のぞみのほうから全額持ち出しということになりますので、その場合にはこういった研修の経費について、のぞみが出していいのかどうかということも、また国とご相談をしながら決めていきたいと思っています。

○宗林委員
 逆に、補助金をいただくと有料にしてはいけないのですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 ある程度は、取ることができます。

○宗林委員
 有料だと、見える方が少なくなるから有料にしないという意味ですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 正直なところ、それが本音です。1回のセミナーで、大体350万円から500万円かかります。それをすべてを賄おうと思えば、3万5,000円から5万円の参加費という形になってしまいます。それを施設の職員の方、県の職員の方が自己負担でというと、それは非常に厳しいものがあるのかなと思っています。

○宗林委員
 それほど高額でないまでも、一定の有料の講習会という形でそれなりのクオリティーがおありになると思いますので、収入につなげていくような第一歩を始められたほうがいいかなと。国としてのイニシアティブを取る施設でありますので、そういうお考えもどうかなと思いました。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 今年度から新たな連続セミナーというものを、のぞみの園で開催をさせていただいています。これについては、資料代ということで1回500円の費用を取る形でやらせていただきます。

○松原委員
 診療所の事業収入と事業経費のことで教えてください。21決算額を見ますと、事業収入以上に人件費がかかっていまして、普通企業だったら大赤字で、これを続けていくと確実に倒産になってしまいます。運営交付金も毎年約1億5,000万円ぐらい入っているわけで、地域の高齢者でも特養の入所者でも誰でもいいのですが、普通は地域の方々は何かあれば、医療機関に通ったり救急で行ったりするわけですが、ここまでのコストをかけて、これは1人当たり患者にとっては素晴らしいけれども、ものすごいコストがかかっているわけですよね。例えば、どれほど近くかわかりませんが、病院で診ていただくことができないものなのか。つまり、こののぞみの園でここまでコストをかけて、医療を提供しなければいけない理由を教えていただけると大変ありがたいです。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 まず沿革的に言いますと、のぞみの園というのはもともと医療ニーズの比較的高い人たちを受け入れたという経緯があります。そして、そういう人たちが高齢化するに伴って、機能低下や生活習慣病ということもあって、医療ニーズもだんだん高まっているということです。そして、この診療所については、当初は全く保険診療を行わない施設内の診療所としてスタートしまして、昭和53年度に入院治療もできる施設も整備しました。そのときに、大体いまと同じぐらいの職員を配置しています。そういうことで、実は30年以上前から入所利用者の医療に対応するために、保険診療なしで全額国費で医療ニーズに対応していたということでした。それが、平成7年に通院関係は保険診療しようということに、さらに平成14年から入院についても保険診療するということで、だんだん事業収入を増やす方向で努力してきた経緯があります。
 近くの病院でということですが、実は重い知的障害があって、また行動障害などもありますので、なかなか診療をしてもらえないということもあります。それは、全部が全部ということではないのですが、診療を受けにくい環境にあることはたしかですし、そういう病院に通院する場合には職員が付いていかなければいけないのですが、予約診療みたいなことがなかなかできませんので、職員が一緒に付いて通院治療をすることになると半日つぶれてしまいます。そうなってくると、職員の実際の職務まで手が回らないことがあります。
 ちなみに、通院治療がどれぐらいあるのかというと、のぞみの園の診療所でいうと、今年の3月のある週で数えてみますと、1週間の延べで医科の外来にかかった入所利用者は579人、歯科が62人です。こういうことで外部の医療機関を利用すると、それに職員がいちいち一緒に付いて行かなければいけないことも考えますと、のぞみの園の診療所として診療したほうが非常に何かと便利ですし、そこで節約できた時間を利用者の日中活動に大いに利用するとか、職員から見れば本来の利用者支援の専門性のある仕事をすることで、事業展開していけたらと考えています。

○松原委員
 よくわかりました。ありがとうございました。ちなみにMRIの利用はどんなものなのか、今回でなくても結構ですが、教えてもらえるとありがたいです。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 MRIは年間の件数でいいますと、いま100件を切っています。正確な数字ですと、平成21年度は93件、平成20年度は83件です。

○松原委員
 減価償却はいくらぐらいですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 減価償却でいいますと、年間1,500万円です。

○松原委員
 これは、他の地域で障害の方に対しても使えるようになっていますよね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 ご照会があれば、お受けするようにしています。

○大島部会長代理
 いくつかあります。1つは、成果の積極的な普及活用で、印刷物が非常に多いように思います。どこでもいま経営が非常に苦しくなって、できるだけ紙媒体にしないで少しPDFを使われたところもあるようですが、そういう形で。また、のぞみの園さんから送られてきたものは非常にカラーがきれいだったり、紙がしっかりしていたり、素晴らしいものがいつも届いてありがたいのですが、お金が潤沢にあれば非常にいいものと思います。しかし、その辺で発想の転換が必要なのではないかと思うのは、その印刷物にしても、いまの医療関係のことも、本当に必要とされている先ほどの刑務所や矯正施設から入られた方とか、国でなければできないのではないかというところに力を注いでいただいて、できるだけ貧弱でもいいところは貧弱にということをしないと、どこかで破綻してしまうのではないかと思います。そういう意味での発想の転換。
 主催のセミナーも、例えば81人、147人、109人、299人の受講者数で、大体1カ所で350万円ぐらいかかるとしたら、民間はどこもできないと思います。ですから、その辺は講師料が高すぎるのではないかとか、会場費用が非常に高いとか、そんなにこの人数に対してかけていたら、なかなか。国が豊かならいいけれど。本当に人に手厚く、物にはできるだけ財源を使わないというふうにできたらと思います。
 もう1つは、日中一時支援等が高崎市その他の受託ということですが、少しでも自己収入がというのはよくわかりますが、もともとこれは地域でやらなければいけないことなのではないか。高崎市なら、高崎市でやらなければならないというようなことをのぞみさんでやっていただくと、そちらも育たないのではないか、もう任せておけばいいと思われないかというのもありまして、全体を広い視野で見ていただくと、まだまだ改善点がたくさんあるようにも思いますが、いかがでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 セミナーの関係で、先ほど350万円から500万円と申しましたが、下の6、7、8は私どもの法人の中の文化センターを利用していまして、講師は私どもの職員が行うということで、経費的にはそのときの電気代と資料代ということで、非常に安価にやらせていただいています。逆に高いのは、地方で行う場合の旅費。行動援護についてはインストラクターという形で、多くの人数の講師を必要とする形をとっています。そういった謝金等で、非常に高くなってきているのは間違いないと思っています。ただ、経費の節減・節約ということでは、会場等についても都道府県が持っている県のホールをなるべく活用するような形をとっています。今回、補助金がもし入らなければ、そういったことを踏まえながら経費を節減してまいりたいと思っています。
 図書、パンフレットといったものについて、のぞみの中でもそういったお話はありました。そういった意味では若干質を落としていくことと、のぞみが配布するものについても有償は有償という形をすべきと考えています。そういった意味での規程等の見直しを先月行いました。
 市町村が行うべき事業については、先生のおっしゃるとおりです。のぞみが、そこに手を出す必要はないと思っていますが、のぞみを退所された方、もしくはのぞみをと希望される方がどうしてもおられます。そのために、僅かながらの門戸を開いています。実際には、市町村のほうで日中一時支援等が行われているわけですが、のぞみのほうがいいという方もございますので、そこについて無理に駄目ということはしていません。そういったことをご検討いただければと思います。

○關委員
 私も、いま先生のおっしゃられた意見と同じで、素晴らしい冊子が送られてきていいなと思いながら、「金、取ったらええのん、ちがうやろかいな」と思ったりしたのが1点。それから、こんなことを言ったら本当に怒られるかもしれませんが、理想的な研究ができたことを、現実にのぞみの日々の事業の中にどんなふうに活かされてきたのか。もしそうであるなら、360名もの人たちが、ここに残留しなくてよかったのではないかみたいなこと、嫌らしいことを考えました。研究は研究であって、それが日々の実践にどう活かされているのかをふと思ってしまいました。持たざるものが変なことを言っているのかもしれませんが、いまの先生のご意見に合わせて、私は良いものを販売されればいいのではないかと思っています。以上です。

○上野谷部会長
 どうもありがとうございました。毎年かなり頑張っておられるのは認めますが、一般の水準が変わってきています。例えば300人おられる職員の方たちが、個々に研究と称してどうされているのか。普通、施設は大変ですからあまりしませんが、自分たちで自主研究会をしている施設もあります。だから、外部からの研究者を招くのは、どんどんしてくださいと以前も申し上げましたし、やっていただきたいし、成果物も外に向かって出してほしいけれども、内なる研究会を本当に2週間に1回とか月1にカンファレンスしているとか、このごろの福祉職は自主研究会をよくやっておいでになります。やる時代になってまいりました。そんなのはどうですか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 自分たちの中でグループを立ち上げてやっております。今回もテーマが11本ということで報告をしましたが、今年度は12本という研究テーマでやらせていただいています。それも各々のグループが、月に1回もしくは2回集まった形で細々とやっている。ただ、それを最後にまとめたときには、大きく打ち出すやり方です。

○上野谷部会長
 研究の質も、非常に良くなっている感じがします。この2、3年の成果はすごいですね。私も同じです。立派に一段と目立っています。素晴らしい。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 一言ご説明させていただきますが、一応、立派な報告書を作りましたが、それを一般に配布する場合には今回は有償ということで、特に矯正施設を退所した知的障害者の関係については5分冊のものを作りまして、1冊2,000円、5冊セットで8,000円で有償で頒布することにしています。それから、確かに種々ご指摘いただいたように、私どもはさらに節減すべきところがあると思いますので、そういった点については、今年度以降きちんとやっていきたいと思っています。

○大島部会長代理
 逆に、もう少し評価が良くてもいいのではないかというところは、64頁の「サービス提供等に関する第三者からの意見等を聴取する機会の確保」は、最低1回と。年1回以上、2回されているわけですよね。そうだとすれば、この辺はBでなくてAでもいいのかと思いました。
 もう1つは「援助・助言」ですが、1カ月当たりが10件になります。もともとは評価としては高いのですが、例えば相談を受けやすい体制づくりというか、特に診療所で児童精神科というのは、全国的にも非常に数が足りなくて、わざわざ高崎まで行かなくても相談ができるような診療所として、インターネットでもどういう形であれ、ニーズは全国からの高いニーズがあるのではないかと思います。この辺がもっとされないと、1カ月10件というのはA評価になっていますが、大幅と言えるのかどうかが疑問でした。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 一言ご説明しますと、「援助・助言」といったとき、どういう場合が援助・助言に該当して、1件としてカウントするのかということがあります。私どもとしては、施設とか相談所とか、いまお話のあった発達障害や児童精神科の関係でいえば教育委員会とか、法人組織あるいは団体などから援助・助言の依頼があって、それに対して私どもが対応して、その結果が個人ではなくて、相手方の団体などで全体的に活用されるような場合を1件として数えるという内部の約束事をしています。したがって、個々にはいろいろな問合せなり相談が来ています。そういうものについては1件として数えれば、もっと増えるかと思いますが、法令上、障害者支援施設からの求めに応じて云々と書いてありますので、そういう意味で個人というよりは組織、団体などからの依頼に応じ、かつ、私どもが提供するものが個人ではなくて、組織、団体の中で共有され、活用されるものを援助・助言として数えようということでやっている結果です。

○大島部会長代理
 このパワーポイントにそういうことはなかったものですから、国民に対して提供するサービスというのがいちばん上にあったので、国民というと一人ひとりの国民なのかと思って、それでは非常に少ないという印象を持ったものですから、ここは多少強調されたほうがいいかもしれません。

○上野谷部会長
 今後は、その辺りを工夫されて、せっかくしていらっしゃるのだから、業績を正確にお伝えください。
 次のパートにいきます。16からです。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 最終パートです。資料は66頁から、評価シートは38頁からです。中身は「予算、収支計画及び資金計画その他の業務運営に関する事項」ということでお話をします。「予算、収支計画及び資金計画等」については、数値目標にありますとおり、自己収入の比率を40%以上にすることということです。これについては45.7%と、大幅な達成をしました。
 「自己収入割合の推移」は68頁です。平成17年度以降40%台をキープしていましたが、平成21年度は45.7%と大きく上回りました。
 「人事に関する計画」は、平成21年度は昨年を大幅に上回って達成ということで、「Part1」の中でもお話したとおりですが、大きく職員数を減らすことができました。さらに人件費総額についても3億円を削るということで、順当にやっていると思っています。
 資金計画の「施設・設備に関する計画」です。平成21年度の「施設・設備に関する計画」はありませんでした。しかしながら、平成20年度に行った第2次補正計画が明許繰越、いわゆる理由のある繰越という形になりまして、控除を行いました。スプリンクラーと特定寮のバリアフリー化改修工事を行いました。以上です。

○宗林委員
 人件費ですが、10人削減で約3億円を縮減はどうしてなのかを、もう少しお話を伺えますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 10人の削減で減る部分は、約8,000万円から1億円です。それ以外に給与の見直しを行ったのと、一時金も0.35カ月分カットするといった取組をやらせていただいて、大きく給与を下げています。

○宗林委員
 人件費ですから、一時的な事務補助員といったものの人件費はないですよね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 ないです。一般職員が250人近くですので、1人大きく減らせば、本俸自身も4%減らす考え方でやっていますので、大きく動いています。

○宗林委員
 わかりました。

○關委員
 施設を見せていただくと施設の老朽化が進んでいて、職員の人たちが悲しくないかなと思ったり、言いすぎですが、お金がないというのは大前提だろうと思いますが、何かに向かっていっているものをこれからどういうふうに表現されるのか。
 もう1点は、私は少し意見が違って、群馬県の事業をお取りになりながら、それがどの程度全体の事業運営に役立っているのかなと思ったりしたのですが、そこも併せてお聞かせいただければと思います。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 まず群馬県の事業は、高崎市のお話ですか。

○關委員
 高崎市です。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 高崎市からの事業として、相談支援事業を受けています。年間4,000件近くの相談件数を受けていますが、これは私どもののぞみ本体について言えば、一切プラスメリットはありません。ただ、のぞみという名前が出てくることによって、地域に対しての貢献はできていると思っています。のぞみ自身が高崎市の中の一角に構えている以上は、それをきちんとお返しするものとしては必要なものだと認識しています。あと、のぞみの建物等が古いことについて、これは如何せん、国のほうからお金をいただかなければできないと思っています。そこは今後とも、予算折衝でやりたいと思っています。

○上野谷部会長
 励ましとお取りいただきたいと思います。よろしいですか。委員の方々は、評価をそれぞれお付けいただくということで。
 さて、一応全部のご説明が終わりましたので、このあとの扱いを事務局から。

○政策評価官室長補佐
 本日お配りしている資料の送付をご希望される方については、終了後に事務局にお申し付けください。評価の記入が終わっていない委員の方は、この部会が終了したあとに会場にお残りいただいて記入いただいても構いませんし、評価シート及び評定記入用紙をお持ち帰りになっていただいて、自宅のほうでご記入していただくことも可能です。その場合には、7月9日(金)までに、事務局に評定用紙をお送りいただければと思います。来週もWAMの評価がありますので、持ってきていただいても結構です。

○大島部会長代理
 質問です。120何頁を読んでくるようにという話が書いてあったり、今日も長妻大臣からの要請というのが書いてありますが、評定理由や特記事項というのは、そのままの場合は別に書くことというのはそれほどないわけです。そうすると去年と同じになってしまうので、特にどこを変えなければいけないというのがありますか。

○政策評価官室長補佐
 気がついたところがあれば書いていただいて結構ですし、特に問題ないと思われればそのままでも結構です。それから、また起草された総合評価書の中でどれだけ書かれているかが政・独委との関係ではありますので、お気付きのところがあれば書いてもらっても結構です。

○宗林委員
 具体的に、この法人に関してとか私どもに対して、政・独委からの指摘項目などはないのですか。この部会に関して、ここの評価の具体的な記述がないとか。

○上野谷部会長
 ないでしょう。随意契約のところだけが何か出ていましたね。

○政策評価官室長補佐
 そこは、個々の先生方が書かれたものと、最後に総合評価書の中にある程度書き込んでいるところとで見てもらえるので、足りない部分があればそれは起草委員の先生と相談して入れていくとか方法はあるので、一言一句全部入っているか、入っていないかというのを個別に見ていただくと大変なのかなと思っています。

○大島部会長代理
 例えば先ほど80……セットが、公共料金の随意契約でしたっけ。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 31件中24件が、水道料金と電気代の話。

○大島部会長代理
 逆に言えば、何を指摘してくれたのかなと思いますよね。公共料金はそんなに選べるものではないですから。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 のぞみの場合、施設が大きいものですから、100万円以上の契約になってしまいます。だから、他の法人では電気代、水道代というのは、そこまでいかないということで上がってこないケースがあるわけです。

○大島部会長代理
 でも、完全に前提が間違って出てくるのはおかしいですよね。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 おかしいです。そこを私どもは今回、評価の関係で記載をさせていただきました。それがなければ83%という数字になるということで、残りの7件についてはご指摘を受けるようなものもあります。それはどうしようもない話なのですが、MRIという機械を買いました。これはドイツメーカーです。ドイツメーカーであって、このメーカーでの保守しかやらせないという形を取っていますので、随意をやらざるを得なかったといったものもあります。

○宗林委員
 代理店入札とかはあり得ますか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 代理店入札もありますが、代理店自身は指定されてしまいました。

○事務局
 補足しますと、契約に関してのぞみの園が基本的に指摘されているのは、まず契約の規程類が、独法で統一的に求めている内容があります。例えば、委託先がさらに第三者に再委託をしている場合には承諾を取らなければいけないので、承諾書を取るような契約書を作れといった規程の未整備があるなどがありまして、そういったところを二次意見で指摘されました。
 随意契約については、若干補足説明をしますと、見直し計画を立てた当時に存在した契約が、競争入札に移行しますということができているかどうかを見るのが厳密な意味で、割合を達成したかどうかではないのです。そういったところで、個々の契約がまだ競争入札に移行できないものがあったという観点で、のぞみの園については達成ができていないという指摘があったということです。

○上野谷部会長
 一つひとつ丁寧に見える化をするという時代だそうです。それさえしていただければ大丈夫だと思いますので、ご指摘はそれほどなかったとは思います。ただ、わかるようにしなければなりませんので、減り張りをつけて報告をせねばならないということで、私もまずは長妻大臣がどうこうよりも、政・独委からいつも叱られていまして、部会長としていつも謝らないといけないということで、今回は減り張りをつけてきちんと報告をさせていただきたいと思っています。ここは、行政刷新会議と仕分けもあまり関係ないかもわかりませんが、この辺の情報がありましたらどうぞ。

○政策評価官室長補佐
 4月から省内の事業仕分けを厚生労働省が自ら改革を実施するということで、行政刷新会議の事業仕分けと別に、独自に事務事業あるいは所管する独立行政法人なり公益法人等の事業などのあり方について、公開かつ外部の視点を入れた議論を行うということで事業仕分けを行っています。最終的な改革案は政務三役で決定するということで、独法の法人も改革案について、概算要求にどう反映していくかという部分も含めまして、いま検討中で、それを4月12日から実施している。その資料と仕分け結果を参考資料1で付けています。
 それから、行政刷新会議の事業仕分けは独立行政法人を対象にして、4月23日から28日までの4日間で、厚生労働省の法人が対象となっております。それが参考資料2で、これも資料と仕分け結果について付けています。この部会では福祉医療機構と医薬品医療機器総合機構が仕分け対象になっていましたので、その結果を両法人の個別評価を行う際にご報告させていただきたいと思いますので、今回は資料をお持ち帰りになっていただいて、目を通していただければと思います。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。

○大島部会長代理
 事故の件が送られてきたのですが、どうしてこれが亡くなる事故になったのか。つなぎを着ていらして、しかも2時間前に見ていてこのような状態だとわかっていて、どうして亡くなられたのかが理解できないのです。例えば、今回の評価には入らないのですね、翌年の評価でしょうけれども。いろいろな勉強もされていて、対応もされていて、高齢者施設でも認知症の進んだ方は、こういうことは往々にしてあり得ることですし、その辺でもし何か追加説明があれば。これを読んだだけだと「なぜだろう」と、よくわからないので。ほんの短時間で結構ですので。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 私どもの事故防止対策委員会の中でも、この件については3回話をしました。なぜこのようなことが起こったのかというのは、当事者意識のほうの低さもあったのかと思われます。
 夜間の巡視見回りということで、2時間置きに見回りをすることをルールとしてマニュアル化しています。このマニュアルに則った形で職員は見回りをしたのですが、最初の12時の時点では利用者が支援員のほうを見て向かってきたので、大丈夫という形をとった。ところが、2回目に行ったときには横になっていた。というのは、この方自身が認知症が急速に進行していまして、昼夜逆転の状況になっていました。だから、夜間の支援について無理な過敏な感情を出してはいけないということで、起こしては可哀想というイメージのほうが強くなってきた。そこで、チェックがなかなかできなかった。
 いわゆる、横になって寝ているものという意識で動いてしまった。だから、その時点でもし発見されていれば、早めの対応ができて窒息には至らずに、吸引で取ることができたかもしれませんが、そうではなく、大きなネックの1つはそういったことがある。それと、私どもの職員の中にも「ああ、寝てるんだ」という意識があったこと。この2つが大きな要因だろうなと思っています。
 特に認知症ということについて、いままで異食をしたことがなかった方だったのです。常時、異食の習慣がある利用者であれば、そういったことを注意して見ます。それが、急にこういった異食の行動をとられたこともあって防ぎようがなかったのかなということは、事故防止委員会でもその点については重々話をしました。そのため、これからの対応として、起こしてはいけないではなく、安全を確認するのだというルールに変更することを、今回の事故防止委員会では決定しました。

○大島部会長代理
 つなぎを着ていたから、どうしてという、ふと見ると事故なのか事件なのかと思ったりもしたものですから。ありがとうございます。

○浅野委員
 それに関して事故調査委員会があって、議論をなされたと思いますが、結局こういう形で事故調査報告書ができるということで、それはホームページ上で公表したりはされるのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 やっと間に合いまして、今日アップしました。

○浅野委員
 変な話ですが、こういうことでこの前も不明の方が出たりして、ある意味で人が減っていく中で質の低下ということが関連してくるのかということと、いろいろな規則をマニュアル化していますよね。そうすると、これもそうですが、マニュアルを守ることや規則を守ることだけに精一杯になってしまう。ある意味でISOや評価の質の基準というのは、そういうところがあって、本来の入居者を見る見方は、たぶん経験的にあったような、そんなものが阻害されていったりすることもあるので、その辺はこれから是非また、たぶん、いろいろな事故、想定外のことが起きることを前提に活動しなければいけない。これは別に、そういった施設が悪いという意味ではないですよ。リスク管理の考え方だと思いますが、そういうことが必要かなと感じました。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 その点については、事故防止対策委員会でも十分考えました。いまのマニュアルがすべてパーフェクトではないし、利用者にそれによって制約を与えてはいけない。それが、いちばん大事な点だろう。そういった意味では利用者の人権を守りつつ、自分たちができる最大限のサービスをするような形ができないかということを日々研鑽すべきだということで。

○浅野委員
 施設のこともあったと思いますが、300人から200人の方をあれだけの広い施設、それも低層の施設で見ておられるので、本来だったら建て替えて、病院でいえば中規模病院の施設のような形で集約できると思います。そういうことをすれば、いちばんいろいろな問題が解決して新しい方向も見られると思いますが、それも財源的に難しいということであれば、どうしようもない。でも、長い目で見ると、もしかしたらそういう青写真も、あるときに必要になってくるときもあるかもしれないというお考えで、何か隠し球ではないですが、そんな案を持っていただいてもいいのかなということが、若干……感じでした。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法人事務局長
 今回は本当に事故を踏まえまして、私どもがいままで入れていなかった離床センサー、ベッドから離れたらわかるというセンサーも用意するようにしました。また、今回の事故は、たまたま喉に詰まらせたということです。過去から私どもは喉に詰まった場合には吸引をする、掃除器を使ってするのだということもやっていたのですが、改めて職員自身ができる救命救急措置について、6月から全職員が受けられる救命救急の講習会を開くこともやらせていただいています。高齢者の支援ということで専門家を招致もしましたが、そうではなく、高齢者の支援を見に行くこともこれからは必要なのだろうなということで、若干ずつでも対策を講じていきたいと考えています。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。それでは、今日の議事はこれで終了します。遅くまで、どうもありがとうございました。次回の開催についてお願いします。

○政策評価官室長補佐
 次回の開催は、7月9日(金)の17時からで、場所は経済産業省別館1021会議室になります。議題は、福祉医療機構の個別評価と、その他のご報告案件になっていますので、よろしくお願いします。

○上野谷部会長
 遅くまで、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室 

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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