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2010年8月17日 独立行政法人評価委員会医療・福祉部会(第50回)議事録

○日時

平成22年8月17日(火) 13:30~16:45


○場所

厚生労働省専用第21会議室


○出席者

   上野谷部会長、大島部会長代理、平井委員、真野委員、五十嵐委員、浅野委員、松原委員


○議事

(以下、議事録)
 
[1]医薬品医療機器総合機構

○上野谷部会長
 定刻になりましたので、ただいまから第50回「独立行政法人評価委員会医療・福祉部会」を開催いたします。委員の皆様方、また、本日同席していただきます関係各位におかれましては、本当に暑い中、お忙しい中をお集まりいただきましたことを感謝申し上げます。誠にありがとうございます。
 本日は關委員、宗林委員が欠席です。また、浅野委員はのぞみの園の審議が終わりましたら退席することとなっております。初めに、事務局から本日の議事についての説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 ご説明の前に、7月30日に政策評価官室に異動がありまして、7月30日付で新政策評価官となりました篠原からご挨拶を申し上げます。

○政策評価官
 7月30日付で、新しく政策評価官を拝命いたしました篠原です。よろしくお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 本日の議事ですが、法人ごとに、平成21年度の財務諸表に関する意見について、次に、業務実績に関する総合評価を行います。このほか、役員退職に係る業績勘案率の決定、それから役員給与規程の変更の審議等があります。これに伴い、部会の途中で法人及び所管課の入れ替えがあります。最後にその他として、独立行政法人の役員退職金に係る業績勘案率の決定の方法の変更、それから、独立行政法人の不要財産の処分に係る独立行政法人評価委員会の意見の取扱いについて、事務局からお諮りいたします。
 次は、3法人に共通する審議の進め方についてです。財務諸表に関する意見については、各法人財務諸表について、独立行政法人通則法第38条に基づき、独立行政法人評価委員会の意見を聞いた上で、厚生労働大臣が承認することになっております。評価委員会としての意見(案)については、担当委員であります五十嵐委員からご発言をいただき、それを踏まえてご審議いただきます。
 平成21年度業務実績については、前回までの個別評価の結果に基づいて、起草委員において起草していただいた総合評価(案)について審議をしていただきます。なお、各委員のお手元には、記入していただいた評定記入用紙の原本と各委員の評定結果の一覧を置いております。個別評価における評定結果については、今回の審議を踏まえて修正していただくことも可能となっております。後ほど、評定を修正・確定させる時間を設けておりますのでよろしくお願いいたします。
 本日の議題とは直接関係はありませんが、お手元に参考資料として「独立行政法人評価委員会における『独立行政法人の役員の報酬等及び職員の給与水準』の活用について」をお配りしております。これは毎年度同様に送付がありますが、評価に際して参考となるよう総務省行政管理局から各省の独立行政法人評価委員会宛に送付があったもので、役職員の給与等の水準をまとめた資料です。これについては、当部会においても前回までにご審議いただいた中で、法人から特にラスパイレス指数について説明をさせていただいているところです。
 特に留意していただきたいところとして、3枚めくっていただいたところに資料1「職員の給与水準」というのが6頁にあります。右の上のほうにありますように、対国家公務員指数(年齢勘案)として、平成20年度と平成21年度を比較した数値、それから、対国家公務員指数(年齢・地域・学歴勘案)として、平成20年度と平成21年度とを比較した数値を整理してあります。総務省において、全独立行政法人について一斉に整理したものです。
 議事については以上です。

○上野谷部会長
 それでは、医薬品医療機器総合機構についての審議に入ります。まず初めに、財務諸表に関する意見について審議に入ります。PMDAの財務諸表については、8月10日に差し替えの申請がなされたということですので、その内容について法人から説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)
 PMDA理事の川尻です。資料1-1に基づき、財務諸表の一部修正についてご説明いたします。この財務諸表については、7月22日のこの部会で、修正前のもので一度ご審議していただいたわけですが、その一部について8月10日付で、PMDAとして修正をするということで、大臣のほうに提出させていただいております。
 中身は?@にあるように、私どもには6つの勘定があります。そのうちの「審査等勘定に係る貸借対照表の一部改正」です。後で実物をご覧いただきますけれども、その中で「純資産の部」の前中期、要するに第一期ということですが、目標期間繰越積立金を8億円余と表記しておりましたけれども、この金額は審査等勘定全体ではなくて、セグメントが2つあるうちの安全セグメントに係る金額だけを書かせていただきました。勘定全体ではそこにありますように、むしろ欠損金が11億円余生じていることから、法人の中でもいろいろ検討いたしましたけれども、表記をよりわかりやすくするという観点から、前中期目標期間繰越積立金の表記を削除するという修正を行いました。
 それから?Aにありますように、それとの関連で附属明細書の一部についても、いくつかの修正を行っております。1枚めくりまして、左頁が修正前、右頁が修正後です。左頁の右端の利益剰余金のところを見ますと、いま申し上げました前中期目標期間繰越積立金の項があります。右頁の同じぐらいの箇所には、いま申し上げました項がなくなっております。その関係で、当期未処分利益が右左それぞれ金額が動いているところがあります。
 ただ、このバランスシート全体で、例えば資産合計、負債の部、純資産の部のトータルが違っているわけではありません。一部内訳の表記について修正をさせていただいたということです。簡単ですが、説明は以上です。

○上野谷部会長
 続いて、五十嵐委員から説明をお願いいたします。

○五十嵐委員
 財務諸表に関しては、平成22年7月20日に説明を受け、その後財務諸表についてレビューをしておりました。前回の部会に間に合わなかったのですが、その後レビューした結果の疑問点について質問させていただきました。
 具体的な疑問点は、資料1-1の修正前と修正後、もう1つ、差し替え後の財務諸表の66頁の利益の処分に関する書類案というのは、以前からこのままになっていた部分です。疑問があって質問したのは、修正前にあるように、貸借対照表では当期未処理損失となっているのに、どうしてこの利益処分に関する書類は、当期未処分利益からスタートして利益処分になるのか。利益があるから利益処分するわけですから、なぜなのかという素朴な疑問を質問させていただきました。
 その後、いま説明がありましたように、法人のほうで検討していただき、やはり結果は、ここは整合させるほうがよろしかろうということになり、いまの説明にありましたとおりに修正をしていただくという結論に至りました。したがって、資料1-2にありますように、評価委員会としては、この差し替え後の財務諸表について承認することが適当であると考えております。以上です。

○上野谷部会長
 ただいまご報告いただきましたが、PMDAの財務諸表について、ご意見等がありましたらお願いいたします。これでよろしいようであれば、平成21年度の財務諸表に対する意見としては、資料1-1の案のとおりで修正意見はないようですので、これを取りまとめて厚生労働大臣に提出したいと思います。

(各委員了承)

○上野谷部会長
 次に、医薬品医療機器総合機構の総合評価についての審議をいたします。事務局から、平成21年度業務実績全般の評価、総論部分で結構ですのでご紹介いただき、その上で起草委員であります平井委員から講評を行うという形で進めさせていただきます。

○政策評価官室長補佐
 資料1-3「独立行政法人医薬品医療機器総合機構平成21年度の業務実績の評価結果(案)」です。1頁の1.平成21年度業務実績のところから読ませていただきます。
 (1)評価の視点。独立行政法人医薬品医療機器総合機構は、認可法人医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構及び国立医薬品食品衛生研究所医薬品医療機器審査センターの業務並びに財団法人医療機器センターで行われていた医療機器の同一性調査業務を統合し、平成16年4月に新たに独立行政法人として発足したものである。
 今年度のPMDAの業務実績の評価は、平成21年2月に厚生労働大臣が定めた第二期中期目標(平成21年度~25年度)の初年度(平成21年4月~22年3月)の達成度についての評価である。
 当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」等に基づき、平成20年度までの業務実績の評価において示した課題等のほか、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」や「平成20年度における厚生労働省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について」等も踏まえ、評価を実施した。
 なお、PMDAは、欧米に比べて審査及び安全対策に従事する人員の少なさが指摘されており、欧米に比べて新医薬品及び新医療機器が上市されるのに数年遅れている、いわゆる「ドラッグ・ラグ」、「デバイス・ラグ」の解消及び安全対策の体制強化のために平成19年度から第二期中期目標期間にかけて増員が認められており、体制強化が図られているところであることを特記しておきたい。
 (2)平成21年度業務実績全般の評価。PMDAは医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染等による健康被害に対して、迅速な救済を図り、医薬品や医療機器などの品質、有効性及び安全について、治験前から承認までを一貫した体制で指導・審査し、市販後における安全性に関する情報の収集、分析、提供を行うことを通じて、国民保健の向上に貢献することを目的としており、これらの事業を公正かつ効率的に運営していかなければならない。
 業務運営に関しては、平成20年度に引き続き、PMDAの業務運営に関する連絡調整を行う「幹部会」等、理事長が業務の進捗状況を直接把握し、必要な指示を行う場の設置及びPMDA全般の連絡調整の強化を行うことにより、理事長のトップマネジメントによる組織体制が確立されている。一方、理事長をはじめとする幹部が職員から意見を聴く環境も整備されており、役職員が一体となり業務を行う体制が作られていると評価する。さらに、学識経験者等による審議機関である「運営評議会」等を定期的に開催するなど、効率的かつ機動的な業務運営や、業務の公正性、透明性の確保等のための取組が有効に機能しており、中期計画に照らし十分な成果を上げている。
 課題となっていた人員不足については、専門性の高い有能な人材の確保が進み、新薬審査部門を中心に増員が行われたが、平成19年度から3カ年での236名の増員については、平成21年度に医薬品審査部門や安全対策部門の増員が認められたことも重なって達成できなかった。医療機器審査部門については、平成21年度の計画分は増員が達成されたが、安全対策部門については新薬審査部門同様未達成のため、引き続き、積極的な公募による人材の確保がなされることを期待する。
 財務状況については、平成19年度に策定した「随意契約見直し計画」の着実な実施、事務所借料の削減、一般競争入札の推進等により、経費の削減が図られた。その結果、一般管理費及び事業費の経費節減については、中期目標期間終了時に達成すべき所要の節減を見込んだ平成21年度予算から欠員分の人件費を除いた額と比較して、それぞれ20.9%減、6.8%減という更なる削減を達成し、平成20年度に引き続き、中期計画を大きく上回る実績を上げることができたことを評価する。
 人件費については、増員により医薬品の承認審査等を担当する優秀な人材を確保するに当たり、給与水準の高い製薬企業等と競合関係にあるという特殊事情がある中、対国家公務員指数(地域・学歴勘案)が前年度の104.4から当年度は104.0と低くなっていることを評価する。
 個別の各事業のうち、副作用救済給付業務については、請求件数の増加にもかかわらず、標準的事務処理期間8カ月以内の達成率について、中期計画で掲げた平成21年度の目標の70%を上回る74%となっており、目標を達成したことを評価する。今後は、標準的事務処理期間6カ月以内を60%以上という第二期中期計画で掲げた目標を達成するようその道筋を明らかにした年度計画等を策定するとともに一層の努力を期待する。
 審査等業務については、新医薬品審査部門においては、当初の増員計画を達成できなかったが、審査期間については概ね目標を達成できたと評価する。今後は、平成23年度のドラッグ・ラグの解消に向け、増員の達成と新規採用者の系統的な教育を行いながら、より一層の審査期間の短縮を期待する。
 医薬品医療機器審査部門については、新医療機器審査においては大幅に審査期間が短縮されたが、改良医療機器等その他においては目標とする審査期間を下回った。これは、平成20年度以前の申請分を集中的に処理したことにより、審査期間が延びたものである。医療機器審査部門の増員計画は、平成21年度から5年間で段階的に増員させる計画になっているが、初年度である平成21年度は計画的に増員されたことから、今後も審査期間の短縮と併せて、計画的に達成されることを期待する。
 安全対策業務については、審査と併せ「車の両輪」としてリスクマネジメントの機能を発揮するよう、その充実が求められている。このため、安全対策のチーム編成を5チームとし、そのうち3チームに審査チームとともに審査中の新薬の安全性評価等を実施するための「リスクマネージャー」を配置し、審査期間の短縮の一方で、安全対策の強化にも力を入れている。また、医療機関からの副作用等報告に係るフォローアップ調査をPMDAが自ら行う体制整備を中期計画に掲げているが、平成21年度は新型インフルエンザの流行期にインフルエンザワクチンの副反応報告に対する詳細調査を行うなど、安全対策の強化体制の整備について段階的に行われていると評価する。ただし、平成21年度に100人の増員を行うとした計画は未達成であり、引き続き達成に向けて取り組むことを期待する。
 これらを踏まえると、平成21年度の業務実績については、全体としてPMDAの設立目的に資するものであり、評価をすることができる。今後とも、審査、安全対策及び救済給付の3つの業務が一体となって円滑に進むことを期待する。
 なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、個別項目に関する評価結果については、別紙として添付した。
 具体的な評価内容については省略させていただきます。以上です。

○上野谷部会長
 続いて、平井委員から講評をお願いいたします。

○平井委員
 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下PMDAと呼ぶ)の平成21年度の業務実績の評価結果に関する講評を行わせていただきます。
 健康被害救済給付業務について、請求件数、処理件数ともに前年度と比較して増加しております。そういう状況の中、事務処理期間8カ月以内の処理を70%以上達成するという年度目標に対し、実績は74%と目標を超えていることを評価しております。しかし、PMDAの第二期中期計画では、平成25年度までに事務処理期間6カ月以内の処理を60%以上にするという目標を掲げておられますので、今後とも一層の事務処理期間の短縮に向けて取り組まれることを期待しております。
 相談件数は前年度の2倍、ホームページのアクセス数は29%増ということで着実に伸びており、広報の成果であると評価しております。しかし、健康被害救済制度に対する国民の認知度は、内容まで知っている割合がまだ低いということで、「名前を知っている」割合を合わせても4割程度ですから、利用者である国民の認知度が高いとはまだまだ言えないのが現状だと思います。ですから、更なる広報の強化、あるいは認知度を高めるための取組をしていただきますことを期待いたします。
 審査等業務については、新医薬品の総審査期間が、優先品目、通常品目ともに目標を概ね達成と評価できると思います。承認件数が、優先品目では前年度の24件から15件となりましたが、通常品目で前年度の53件から92件へと大幅増加して、全体として非常に大きく増加しています。審査体制がより強化されていると評価されると思います。しかし、新医薬品審査部門の増員計画については先ほども説明がありましたように、まだ未達成の部分があるということですので、平成23年度のドラッグ・ラグ解消に向けて、更なる審査期間の短縮に取り組んでいただく必要があるということですので、増員計画の達成と審査員の質の向上は必須であると考えます。管理職あるいは中堅審査員におかれましては、新人教育と審査期間の短縮ということで、非常に大きな労力、負荷がかかっていると思いますが、国民の健康・安全の向上に積極的に貢献するというPMDAの理念に基づいて、より審査体制の強化を図っていただきたいと思います。
 新医療機器の総審査期間については、目標を上回っていて、承認件数は、優先品目で前年度の4件から3件ですが、通常品目で前年度の12件から33件と、全体として大きく増加している点については評価ができると考えます。なお、医療機器審査部門においても平成25年度のデバイス・ラグの解消に向けて、段階的に増員する計画になっているために、新薬部門と同様に、着実に増員計画を達成していただき、一層、審査体制を強化していただくことを希望いたします。
 安全対策業務については、より有効な医薬品・医療機器がより早く国民の手に届くことと同時に、より安全な医薬品・医療機器も求められており、審査と併せて「車の両輪」としてリスクマネジメント機能の発揮が期待されております。平成21年度は、安全対策のチーム編成を5チームとして、そのうち3チームに、審査チームとともに審査中の新薬の安全性評価等を実施するための「リスクマネージャー」を配置するなど、リスクマネジメント機能の強化が一層図られていたことを評価したいと思います。安全対策部門についても、増員計画は現在途上ですが増員を達成していただき、今後も安全対策の一層の強化を図っていただきたいと思います。
 組織体制ですが、幹部会をはじめ、理事長の経営判断が迅速に業務運営に反映できる組織体制が確立されており、また、職員の意見を聴く場を設けて、業務に反映させる取組も行っておられます。役職員一体となり業務に当たる体制が作られていると評価したいと思います。
 財務状況に関しては、コスト削減、競争入札の促進などにより目標を大きく上回る経費削減がなされている上で、業務についても適切に運営されており、効率的な予算執行がなされたと評価したいと思います。
 PMDAに対して、国民あるいは我々医療関係者も非常に期待しております。いろいろ苦言も呈させていただきましたが、全般的には「医薬品の副作用又は生物由来製品を介した感染等による健康被害の迅速な救済を図り、並びに医薬品の品質、有効性及び安全性の向上に資する審査等の業務も行い、もって国民保健の向上に資することを目的とする」というPMDAの設立目的に従って、適切に運営されていると評価し、私の講評とさせていただきます。

○上野谷部会長
 ただいまご報告をいただきました総合評価書(案)についてご意見がありましたらお願いいたします。これは事務局にお尋ねしたいのですけれども、個別項目に関する評価結果を、いまの時点で、いまの報告を聞きながら変えるわけですね。それも含め、確認のためにご質問がありましたらお願いいたします。

○真野委員
 私の質問は、評価を変えるというほど大きなものではないです。例えば7番とか17番について、平成19年度、平成20年度の自己評価はSであったのが、今回、平成21年度はAでした。前回も全体的な説明は伺っているのですが、このSがAになったことについて、何か理由があったかどうかを教えてください。

○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)
 手元に資料はないのですが、救済関係の、例えば事務処理期間については、第一期の途中で非常に期間が短縮されたことがあります。その短縮した年にまずS評価をさせていただいて、その後もそれが続いているということでSの評価を私どもとしてはしたのですが、評価委員会としては、それは1回評価したから次の年からはそれを維持してもSとしては評価しないというような流れではなかったかと思います。手元に資料がないので恐縮ですが、そのような経緯だったかと思います。

○真野委員
 予算収支のほうも、Sが2回だったのですけれども今回はAになっていますが、これも同じでしたか。

○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)
 予算の関係については、平成21年度も効率化によって成果を上げたのですが、私どもとすると平成20年度もそれなりの成果を上げたつもりだったのですが、この部会でもかなり厳し目の評価をされたので、自己評点もどちらかというときつめにしたということです。平成20年度の自己評価と同じような点数だとすれば、財務関係もSであったかと思いますが、私どものほうが基準を変えたといいますか、気持を変えたというところです。

○真野委員
 わかりました。それでは客観的には特に問題はなくて、むしろ気持的な部分が大きいという理解でよろしいですか。

○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)
 はい。

○真野委員
 ありがとうございました。

○上野谷部会長
 むしろ評価委員会のほうに少し気を寄せていただいたような感じがいたします。ほかによろしければ、ただいま評価がありましたように、内容的にはこの文章でと。ただ、少してにをはを含めて誤字脱字、あるいは事実確認でもう少し修正しなければならないことがありましたら、部会長の責任でやらせていただくということで、ご一任いただきたいと思います。
 全体の評価が変わるか変わらないかは別として、評点を付けていただいている個別の表をお返ししておりますので変えていただくことは結構ですので、よろしくお願いいたします。
 最後に、近藤理事長からコメントをお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構理事長
 本日は、平成21年度の業務実績について温かいご意見、並びにご評価をいただきまして、誠にありがとうございました。いろいろご指摘をいただきました点を踏まえ、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消、それから市販後の安全対策、国際標準化へ向けての国際活動に、引き続き全力で取り組み、目標達成に向けて最大限努力してまいりたいと思います。
 そのためにも、PMDAの機能強化のために、研修等の一層の充実を図るとともに、更なる業務改善に全力を尽くし、より有効で安全な医薬品や医療機器をいち早く国民に届けるために、職員が一丸となって業務を遂行していく所存です。今後とも委員の皆様におかれましては、ご指導、ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。本日は、お暑い中を本当にどうもありがとうございました。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。それでは、いままでの意見・報告を踏まえ、先ほど申し上げましたように修正・確定に入りたいと思いますので、事務局から改めて説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 修正方法等について説明させていただきます。修正は、お手元の赤鉛筆でお願いいたします。評定理由の修正・加筆も可能です。修正箇所がわかるように手元の付箋を貼っていただければと思います。
 それから、机上配付しております「個別項目に関する評価結果(未定稿)」については、現時点でいただいている評定をSが5点、Aが4点、Bが3点という形で点数化し平均したものになっております。なお、委員名欄についてはご自分の名前だけがわかるようになっていて、その他の委員の評定結果欄の名前の部分は空欄となっております。それから修正に当たり、これまで個別評価に係る資料をご覧になりたいという場合には、事務局にお申し付けいただければ、すぐにご用意いたします。以上です。

○上野谷部会長
 ご本人の分だけがわかるように、他の委員は評点だけになっておりますので、比べていただきながら、修正がありましたら赤鉛筆で書いていただき、評定記入用紙のほうも併せて修正をお願いいたします。

○真野委員
 評点記入後の話なのですが、これは個別意見も出るのですよね。個別に我々がコメントさせていただいたものの中で、今回もあったのですけれども、その他の意見がいくつかあったと思うのです。その他の意見という書き方なのだけれども、私もそういうのがあったのですが、提案といいますか、提言っぽいのもありました。もちろんその他と言えばその他なのですが、前向きに改善提案を我々もしておりますので、PMDAだけではないのですが、そのような表現方法にしたほうがいいのかなと思っております。

○上野谷部会長
 その辺について、事務局はどうお考えですか。

○政策評価官室長補佐
 部会としてそのような位置付けで決めていただくのであれば、それでも結構だと思います。いままではその他の意見としていたものを、改善提案という形で。

○真野委員
 そうです。本当に意見だけのものもありますし、若干こういうふうにしていただいたらというような内容も入っております。

○政策評価官室長補佐
 改善提案などの意見とか、そういう言葉でもよろしければ。

○真野委員
 なんとなくイメージとして、その他の意見に改善が入っていると、改善が無視されているような、そんなことはないのですけれども、文章だけが独り歩きするといけないと思います。

○上野谷部会長
 何か工夫ができれば、該当のところにそれとの関連で出てきている事柄は、できるだけ該当のところに入れていただき、本当にその他の場合はその他としていただく工夫をしつつ、できるだけ改善に結び付くような書き方について工夫をしていただけますでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 評価シートの中で使い分けるというような形ですかね。

○上野谷部会長
 そうですね、そうさせていただくということで、これは部会長に一任していただき。

○政策評価官室長補佐
 そうしたら、医療・福祉部会ののぞみの園と、WAMの福祉医療機構のほうも同じような形で対応させていただいてよろしいでしょうか。

○上野谷部会長
 そうですね。

○政策評価官室長補佐
 そこの部分については、また部会長には最終的に相談させていただきます。

○上野谷部会長
 そうですね。特にないというところと、その他がたくさんあって、ちょっとバランスを欠くところもなきにしもあらずですので、全体を通してということにしたいと思います。
 これは四捨五入ですから、Sに近いAもありますので、点数として客観的に出すというやり方を採っております。その結果をご覧いただき、改善あるいはご努力いただきますことをお願い申し上げます。皆様方の後の反映した評価シートを見せていただき、評点が変わるようでしたらその旨を修正していただき、公開していただくことになると思います。これで、医薬品医療機器総合機構の評価を終わらせていただきます。
 続いて、役員の退職に係る業績勘案率の決定について、事務局から試算結果についての説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 医薬品医療機器総合機構理事長から、独立行政法人評価委員長宛に、役員の退職に係る業績勘案率の算定について依頼がありました。独立行政法人の役員の退職金については、平成15年12月19日の閣議決定により、在職期間に応じて算出した金額に0.0から2.0の範囲内で定める業績勘案率を乗じた金額とされております。
 このため、法人からの依頼を受け、事務局において、当該評価委員会が定めております「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の決定方法について」に基づき、業績勘案率を試算いたしましたのでその結果をご説明し、次に、委員各位に試算結果についてご審議をいただきます。
 今回算定した数値については、部会の決定を評価委員会の決定として、総務省政策評価独立行政法人評価委員会に通知します。同委員会から意見があれば、改めてこの部会でご審議いただくことになりますけれども、意見がない場合には部会長にご報告し、最終決定という手続とさせていただきます。
 資料1-4「独立行政法人医薬品医療機器総合機構の役員の退職金に係る業績勘案率の算定について」です。退職役員が2名いて、1名は豊島聰氏、この方は理事です。平成16年4月1日から平成22年3月31日までの6年間役員として勤務しておりました。業績勘案率については、平成21年がいまのところ1.5、平成16年から平成20年度の5年間については、それぞれ1.0となっております。在職月数は全体で72カ月です。業績評価が未実施の期間はありません。これを評価委員会の規定に基づいて、72カ月で全体を加重平均ということで平均すると1.0。それから役員の在籍期間における目的積立金については積んでいません。退職役員に係る職責事項について、法人からの申出はありません。(1)~(5)を勘案し、計算上も1.0ですが、最終事務局案としては、1.0としたいということです。
 次の頁です。橋本泰次氏で、この方は監事です。平成18年4月から平成22年3月31日まで、4年間の勤務です。業績勘案率の算定については、平成18年から平成21年度分として、平成21年度は先ほどと同じように1.5、平成18年から平成20年度も同じく1.0、在職月数が48カ月、年度評価の未実施期間はありません。それぞれ月数で加重平均すると1.1になります。目的積立金は積んでいません。医薬品医療機器総合機構のほうからの申請はないということもあり、算定の結果は1.0になるということで、事務局案としては1.0としたいと思います。
 次の頁は、平成16年から平成20年度までの評価結果です。その次は非公開資料ということで、参考に付けさせていただきましたので、ご議論の参考にしていただければと思います。以上です。

○上野谷部会長
 資料1-4については、後ろに氏名、金額等が載っておりますので、ご発言、ご質問の際には少し考慮してご発言いただきますように、委員の方々にはよろしくお願いいたします。
 続いて、在任期間中のこの理事、監事の担当職務、あるいは退職理由等を法人のほうから説明をお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構理事(総合調整・救済担当)
 2人の元役員についてご説明させていただきます。豊島審査担当理事については、PMDAの前身である国立衛研の医薬品医療機器審査センター長から、この審査業務にかかわってまいりました。PMDAが独立行政法人になるときに、審査センター長兼審査担当理事という形になり、3期6年間理事に在職し、この3月31日付で退職したという流れです。豊島理事の業績は、PMDA発足以来の審査部門の業績そのものという形になるわけですが、医薬品医療機器の審査の迅速化、その体制の整備に加え、国際業務であるとか、医薬品などの評価のベースになるレギュラトリーサイエンスの法人内外への普及・発展にも寄与しました。審査期間の短縮、ドラッグ・ラグに向けた取組が特筆すべきものかと考えております。
 橋本監事については、平成18年4月から2期4年間の任期を満了し、3月31日に退職しました。職務内容は、常勤の監事として、法人業務全般の監査をしました。法人の外からはなかなか見えにくいわけですが、特に平成18年度ごろというのは、私ども審査部門の会計、これは先ほど少しご議論いただきました審査等勘定において、非常に収支とも先行き不透明な状況にありました。例えば、審査手数料が、当初の予定ほど入ってこない、あるいは事務所の家賃が高いので移転も検討しなければいけないということで、財政的に非常に不安定な状況にありました。そういう中で、理事会や幹部会で、橋本監事がいろいろ注意喚起をしたり、改善意見を言っていただいて、そして法人のほうでも改善をしてきたということです。現在は勘定的にもかなり改善してきておりますけれども、今日に至った要因としては、橋本監事の適切な提案や意見があったのではないかと法人としては考えています。以上です。

○上野谷部会長
 ご質問、ご意見がありましたらお願いいたします。この委員会は、業績勘案率を決定するのが私どもの責任となります。

○浅野委員
 昨今、医薬品の部分で非常に国際化が進んでいます。皆様もご承知のようにジェネリック関係ですと、従来の日本の製薬会社だけではなくて、中国やインド等が日本市場に入ってくるということで、PMDAの活動も非常に国際化が広がって、査察も海外に行く場合があると思うのです。
 その中で、一方、インドの国とか、中国の国では既に米国のFDAの承認を取っている状況もあります。日本の承認を取る場合に、米国のFDAとの承認の差に関して何かクレームが付いたりはしないのか。手続上のことはわからないのですけれども、諸外国に査察に出る場合に、外交特権的なものがあって、ここまでは、例えばインドの国の中でやっていることに関して、PMDAが査察をしようと思ったときに、外交的なあるいは国際的な、外交に絡むような問題で法律上査察が難しいというような問題は生じてこないのか。
 本来、諸外国に査察に行くこと自体法的にどのように位置付けられていくのかとか、その辺についてコメントをいただければと思います。これから、機関としては国際的な活動が非常に多くなるような気がいたしますので、その辺のご意見をいただければと思います。

○上野谷部会長
 その辺の裁量を含めてお願いいたします。

○医薬品医療機器総合機構理事(技監)
 法律に詰めた議論ではないかもしれませんが、私どもが理解しておりますところでは、米国のFDAも、日本やヨーロッパに査察に行く場合もあります。基本的には承認申請に対して、その根拠になったデータの信頼性をチェックさせてもらいますということで、臨床試験なり品質の管理に関するデータなりを、インドとか中国ということになるとジェネリック等の物を作ることになりますので、そこの品質管理の状況のデータを見せてもらうという形で入っていきます。
 これは、強制的な査察ということではなくて、ある程度先方の同意を取った上で行くということです。基本的にはそれを拒んだ場合には、申請自体が駄目になってしまいます。その申請の根拠になったデータをちゃんと示さないわけですので、それはその時点でその申請自体を駄目にするということで対応していると理解しております。
 ただ、少しややっこしいケースの場合にはその国内等において、これは海外においてそういうことまでできるかどうかというのはあると思いますけれども、国内において問題が生じて何か不正などがあったような場合には、申請に基づいてではなくて、ある程度薬事の監視の権限で、強制的に立ち入ることもあり得ないわけではありません。それは、法律の関係上国内に限定されるのではないかと考えております。
 いずれにしても、そういう海外への査察調査というのが非常に大事になってまいりますので、そういうところについては、国際的にも相互に、私どもの所ではGLPといって、動物実験のデータの信頼性を確保する仕組みについては、OECDが中心になり、そこで加盟している国の査察官同士がジョイントして、例えば昨年は韓国の査察官とオランダの査察官が、日本のラボを査察して、日本の査察レベルなり実験のレベルなりをチェックする、といった世界的な査察レベルのチェックという仕組みもあります。
 できれば、いろいろな臨床試験のデータとか、品質を確保するためのデータのチェックというものについて、世界的な一定の基準ができて、それを世界的にメンテナンスするような仕組みができてくればもっといいのかと思います。そこは、いまのところ動物実験のデータ以外のところは模索中といいますか、そういう方向で各国協力している状況かと思います。

○上野谷部会長
 浅野委員の質問の意図は、いまのお答えだけでいいのですか。

○浅野委員
 詳細は非常に細かくなってしまうこともありますし、そのような状況で大体やっていることはわかりました。結論的には、特に外務省ルートを通じたりではなくて、例えば厚生労働省が相手国の厚生労働省のような所を通して査察などが行われるというのが、いまの現状の手続だと考えてよろしいのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構理事(技監)
 申請者に対して、申請者の製品を製造している製造所のほうに、私ども担当官が行かせていただくというような形で通告しています。

○浅野委員
 査察のリクエストは、企業に直接行ってしまうのですか。

○医薬品医療機器総合機構理事(技監)
 行きます。

○浅野委員
 政府を通さずにということですか。

○医薬品医療機器総合機構理事(技監)
 はい、そういうことです。

○浅野委員
 もしそれが拒否されたときには、次のルートとして厚生労働省だとか、あるいはしかるべき行政的なルートを使うということはしないということですか。申請が却下されるということで終わるということですか。

○医薬品医療機器総合機構理事(技監)
 その場合は、申請自体が却下という形になってしまって、承認が取れないという形で終わってしまいます。

○浅野委員
 それに対して、相手国からもう少し強く「なんとかならないのか」ということで、別のルートでするような事例はいまのところはないということですか。

○医薬品医療機器総合機構理事(技監)
 特に相手国政府が絡んできたような事例は聞いておりません。

○浅野委員
 その辺のいろいろな状況がわからないので、どういうルートでとか。

○上野谷部会長
 そういう意味では、理事の職務も非常に大変だということにつながるのでしょうか。これも、その他の意見に載せるのか、質問にするのかはあれですけれども。

○浅野委員
 現状を確認したかっただけです。

○五十嵐委員
 質問なのですけれども、職責事項についての申出とありますが、これはプラスの申出というのもあるのでしょうか。何かあった場合のマイナスではなくて、よりプラスだった場合には、プラスという申出という制度もあるのでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 そこは、どちらでも結構です。今回は、それはなかったという意味です。

○上野谷部会長
 いままで、プラスもマイナスもあまりないですね。

○政策評価官室長補佐
 当省としてはないです。1法人が、目的積立金を積んでいたのでそれをどうするかということの議論がありましたけれども、職責としてプラスしようかとか、マイナスしようということはいままではありません。

○五十嵐委員
 ここの数値というのが、基本的に全体にかかる部分なのです。個人の業績がもし顕著だったような場合には反映のしようがないのはどうかなと。いま、ここで数値について議論と言われても、この数字であれば本当に客観的なものだけなので、どうかなということなのです。ちょうど大変な期間をというお話がありましたので、その辺のメリハリということで、こちらから積極的にというわけにはいかないので、どうかなということで質問させていただきました。

○上野谷部会長
 この点は、後の議案か何かに載りますか。

○政策評価官室長補佐
 最後にその他の案件で、個人業績の部分を今回考慮するような、業績管理室のやり方を事務局のほうで考えておりますので、それを議論していただきたいと思っております。

○上野谷部会長
 最後の議題に、少し関連事項が出てまいります。ただし、いま五十嵐委員がおっしゃいましたように、いつもこの部会でも釈然としないような状況もあります。前回のある理事の方の分は、政・独委のほうで駄目だと言われて、また部会長に返ってまいりましたという、行ったり来たりはありました。そういう意味で、最後の議題で少し補足していただけたらと思います。このお2人に関しては、原案どおり1.0で決定させていただきます。政・独委に通知するわけですが、政・独委から意見がまいりました場合には、また検討していただくことがあるかもわかりませんが、そのまま通知された場合には、この1.0を当委員会の最終決定とさせていただきます。

○真野委員
 たまたま私が出ていなかっただけかもしれませんけれども、政・独委が我々の決定とはちょっと違うことを言われたというのは何か根拠があったのですか。

○上野谷部会長
 それは、いくつかの根拠がありました。

○政策評価官室長補佐
 医療・福祉部会の場合では、福祉医療機構の理事が去年の夏にちょっと問題になりました。補助金の不正の関係です。

○真野委員
 わかりました。特に委員会のことではないのですね。

○上野谷部会長
 委員会のことではないです。個人の別件での事柄に引っかかるのではないかということで、時間を必要としたということです。それでは、1.0ということで最終決定させていただき、機構の理事長に報告する手はずになっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。これで審議はすべて終了いたしました。暑い中をどうもありがとうございました。ここで、法人・所管課の入れ替えがありますのでしばらくお待ちください。

(法人・所管課入れ替え)

?Aのぞみの園

○上野谷部会長 
 それでは、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園についての審議に入らせていただきます。まず最初に、財務諸表に関する意見について審議に入りますが、五十嵐委員から説明をお願いします。

○五十嵐委員
 五十嵐です。財務諸表に関しては、平成22年7月20日に説明を受け、レビューをしました。その結果の不明点についてご質問させていただき、回答を得まして、解消しました。結果、資料2-1にありますように、原案どおり承認することが適当であると考えています。結果に関してはこれで以上なのですが、一言付言したいことがあります。
 お手元に財務諸表の資料2がありますが、いちばん下を見ていただきますと、当期純利益がゼロになっています。なぜこれがゼロになるかといいますと、運営費交付金の収益の経常基準が、費用進行基準を採用しているということです。これは、当然会計基準で認められていますから、適正性には全く問題はありません。しかしながら今期を見ていただきますと、固定資産の除却損という臨時損失が、発生する金額が、そのまま上の経常利益の金額となってしまいます。したがいまして、本来経常利益といいますのは経常的に発生する利益ということですから、例えば年度比較をして、業績がどうなっているかというようなものを評価すべきものなのですが、この費用進行基準を採用している関係上、こういった後ろの損失があるから経常利益が出るというようなことになってしまいますので、例えば年度比較をして財政状態等を評価しようというような場合には、この前提になっているということを留意していただかないと、実態と異なる評価をする可能性があるということです。以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。のぞみの園の財務諸表についてご意見はありますでしょうか。それでは、平成21年度の財務諸表に関する意見としては、ないということですので、これを取りまとめまして、厚生労働大臣に提出したいと思います。よろしいでしょうか。

(各委員了承)

○上野谷部会長
 それでは、そのようにさせていただきます。総合評価に入ります。まず、事務局から「平成21年度業務実績全般の評価」という総論部分を中心にご紹介いただき、その上で起草委員である大島部会長代理から講評を行う形で進めさせていただきます。よろしくお願いします。

○政策評価官室長補佐
 それでは、案文の紹介をさせていただきたいと思います。資料2-2の評価結果を1枚めくっていただきますと、のぞみの園の平成21年度の業務実績の評価結果(案)があります。1頁、平成21年度業務実績についてから読み上げさせていただきます。
 (1)評価の視点。独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園(以下「のぞみの園」という。)は、平成15年10月に新たに独立行政法人として発足し、平成21年度は法人設立後7年度目にあたる。
 今年度ののぞみの園の業務実績の評価は平成20年2月末に厚生労働大臣が定めた第2期中期目標(平成20年度~24年度)の2年度目(平成21年4月~22年3月)の達成度についての評価である。
 当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」及び個別項目ごとの評価の視点等に基づき、平成20年度までの業務実績の評価において示した課題等のほか、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「独立行政法人の業務実績に関する評価の視点」やいわゆる2次意見等も踏まえ、評価を実施した。
 なお、評価に当たっては、のぞみの園が他の独立行政法人と同様に効率的な業務運営への取組が求められる一方で、のぞみの園の設立目的が、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法により、「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ること」とされており、「業務運営の効率化」と「サービスの質の確保」という質の異なる目標を課せられていることも考慮する必要がある。したがって、のぞみの園の業務運営に対する評価の留意点として、単に数値目標の達成状況に着目するのではなく、業務運営の効率化に関しては、効率化を図るための取組が施設利用者に対するサービスの質の低下につながっていないか、重度知的障害者の自立支援のための取組については、地域移行に向けての条件整備全般にわたって、施設利用者一人ひとりに対してどのように取組を行ったか、また、矯正施設等を退所した知的障害者の支援にどのように取り組んでいるのか、調査・研究及び研修については、その内容が障害福祉施設施策の動向や社会的ニーズを踏まえ、障害福祉施策の推進に資するものであり、かつ、その成果が知的障害関係施設等で活用されるなど実効性のあるものとなっているか等の、業務内容の質の面にも力点を置いて評価すべきものであることを特記しておきたい。
 (2)平成21年度業務実績全般の評価。のぞみの園は、法の定める設立目的に沿った業務運営の着実な実施が求められるとともに、他の独立行政法人と同様に効率的な業務運営が求められている。
 こうした課題がある中で、平成21年度は第2期中期目標期間の2年度目であり、地域移行などの継続課題や第2期中期目標に示された、行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者へのモデル的支援、内部統制・ガバナンス強化への取組などの新たな課題に対して的確かつ効率的に対応し、目標を達成することが求められている。
 このような状況の中、効率的な業務運営体制の確立に向けた取組として、平成21年度においては、施設利用者の高齢化や重度化等に対応するため、第三次寮再編を実施することにより組織・実施体制を整備し、一層の業務内容の充実と新しい課題等への対応を図るとともに、これが職員の増につながらないよう、併せて常勤職員数の削減等を行うなど、効率的な人員配置に努めた。また、経費節減にも積極的に取り組み、第2期中期目標に定める「運営費交付金の23%以上節減」を達成するため、国家公務員の給与体系に準拠した給与制度の導入や常勤職員の削減により、人件費総額を縮減すること等により着実にその成果を上げていることを評価する。
 これらを踏まえると、効率的な業務運営の確立に対し、目標達成に向けて確実に進展したものと認められるが、一方で、この効率化に向けた取組が施設利用者に対するサービスの質の低下につながらないよう、より高度な専門性を持つ職員の育成・確保を図るなどの取組を進めることを希望する。
 重度知的障害者の自立(地域移行)に向けた取組については、施設利用者及び保護者・家族等の意向を尊重しつつ、障害特性に合わせたより具体的な地域生活への移行に向けて受入先との調整を行うなど、一人ひとり丁寧に手順を踏んで引き続き取り組んでいる。平成21年度においては、地域移行の更なる進展に向けて、地域移行された方を紹介する「のぞみの園地域移行通信」の定期発行、来園の機会が少ない保護者宅等への訪問を行い、移行への働きかけを行ったこと、総合施設全職員を対象に地域移行に関する研修会を開催し、取組内容の周知を再確認したことなど新たな取組を行い、より効果的な方法を企画・実施して、成果を上げていることを高く評価する。
 これらの取組の結果、平成21年度においては、21名の施設利用者の地域移行を達成するとともに、新しく地域移行に同意した者は過去最大の32名となり、第2期中期目標の達成に向けて、さまざまなプロセスの実践をしっかりと実績に結びつけた点についても、高く評価する。
 また、平成20年度から新規事業である「福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者への支援事業」を引き続き実施しており、性犯罪や累犯窃盗を犯した中軽度の知的障害者など支援が難しい者について、平成20年度に引き受けた2名を含め、合計5名の対象者を受け入れている。その結果、5名のうち3名は就労に結びついたことについて評価するとともに、今後も、この事業の全国的な拡大に向けて、国のモデル施設として必要な役割を十分に果すことを期待したい。
 また、調査・研究及び研修については、のぞみの園の設立目的に沿って重度の知的障害者の地域移行に関すること等をテーマとした多くの調査・研究及び研修を実施したほか、第2期中期目標の新たな課題である行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対する支援に関することや、発達障害などの社会的に関心の高いテーマを選択し調査・研究及び研修に取り組んでいる。平成21年度においては、重度知的障害者の地域移行や高齢・行動障害等の支援が難しい知的障害者の健康や医療・福祉との連携に関する事項など11テーマを取り上げた。
 また、障害者支援サービスのひとつである行動援護事業の普及促進や、福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した知的障害者への支援に関する調査・研究及び研修について、内容・方法を工夫して取り組んだ。
 特に、行動援護の普及に関するセミナーについては、行動援護のサービスが全国的に普及拡大が遅れている状況を踏まえ、全国3か所の中央セミナーを開催するとともに、平成21年度に新たに講師・インストラクターの強化を図るため、都道府県インストラクターパワーアップ編の研修会を開催し、その成果が国の障害福祉施策の推進に対し、一定の貢献を果したことを評価する。
 これらを踏まえると、平成21年度の業務実績については、全体としてはのぞみの園の設立目的である「重度の知的障害者に対する自立のための先導的かつ総合的な支援の提供、知的障害者の支援に関する調査及び研究等を行うことにより、知的障害者の福祉の向上を図ること」に資するものであり、第2期中期目標期間の2年度目として更なる成果を上げたものと評価する。
 なお、第2期中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については、2のとおりである。また、個別項目に関する評価結果については、別紙として添付した。
 2の具体的な評価内容以降については、省略させていただきます。以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。続いて、部会長代理お願いします。

○大島部会長代理
 私からは、いま評価の全体の視点や内容についてお話いただきましたが、その点について講評をさせていただきたいと思います。重複するところもありますので、簡単にさせていただきたいと思います。
 今年度ののぞみの園の業務実績の評価は、まず評価の視点として、ほかの独立行政法人と異なるところは、業務運営の効率化ということが施設の利用者に対するサービスの質の低下につながらないことが、いちばん大事な点になっているところ。また、重度知的障害者の自立支援のための取組についても、地域移行に向けての条件整備全般にわたって、施設利用者一人ひとりに対してどのような取組を行ったか、また、どのような支援を行ってきたかということが、いちばん大切な点になるかと思います。
 また、調査・研究、研修についても、その内容が障害福祉施策の動向や社会的ニーズを踏まえて障害福祉施策の推進に資するものということで、その成果が関係施設等活用されるものなど実効性のあるものとなっているか等の、業務内容の質の面にも力点を置いて評価すべきものとして評価を行いました。その内容については、何点かありますので簡単に説明申し上げます。
 業務運営の効率化に関する措置です。内容としては、「業務運営体制の整備」、「人件費改革」、「常勤職員数について」、「内部統制・ガバナンス強化について」、「経費の節減について」です。
 まず、業務運営体制の整備については、施設の利用者の方たちの高齢化・重度化に対応した適切なサービスを提供するために、地域移行等による施設利用者の減少に鑑み生活支援部の生活寮の再編、また、地域支援の充実を図るために、地域支援課の新設によりまして、目標達成に向けた組織的な体制が整備されています。
 人件費改革については、非常に厳しい給与制度を導入され、平均4.8%の俸給の引下げを行うことと、さらに、人事院勧告によります国家公務員の給与改定に併せて、平均約0.3%の引下げ、特別手当の0.35カ月の引下げを行うなど努力をされておられます。
 常勤職員数については、平成20年度期首に対して平成21年度は29名を削減しまして、俸給等の見直しと併せて、総額で約3億円程度の人件費の縮減を行ったところです。この結果、人事に関する計画を大きく上回る実績を上げるとともに、数値目標として掲げる、平成24年度末で20%以上を削減するという6割を2年度目で達成したことは、大変評価できることと思われます。
 また、内部統制・ガバナンス強化についても、のぞみの園に相応しい内部統制の仕組みを導入するために、最優先課題として、業務運営に与える影響、業務の有効性・効率性に影響を与える恐れのある阻害要因の適正管理に取り組むこととして、具体的な取組にあたりましては、第三者の専門家による業務支援を受けながら、必要に応じてリスク対応計画の見直しを行うなど、リスクの計画的な対応を段階的に取り組むリスク管理体制を構築されたことを評価いたします。
 経費の節減に関しても、着実に実施するため、入札案件についてはすべて一般競争入札等の競争性の高い契約方式で実施されています。
 次に、「国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する措置について」の講評をさせていただきます。まず、地域移行という自立支援のための取組に関してですが、先ほどの説明にもありましたように、目標を大きく上回っていまして、施設利用者が出身地等での生活に移行すべく退所されています。また、年度目標を上回る人数の移行の同意を得ているところです。このような成果を上げるために、従来から取り組んでいるさまざまな試み、あるいは新たな取組を行った結果、確実に数字として積み上げてきたことを高く評価いたします。
 自立支援のための取組です。今回「行動障害等を有するなど著しく支援が困難な者に対するモデル的支援」ということで、平成20年度から先駆的に取り組んでおられますが、平成21年度も新たに3名を受け入れました。これらの方の中には、中軽度の知的障害を持っており、性犯罪や累犯窃盗等の犯罪に関わった方たちで、出身地に戻れないという事情の利用者の受入れも入っています。就労したり、あるいは地域生活に移行するなど、当初、入所後2年以内の地域移行を想定している中で、半分程度の期間で実現できたことは評価できるものです。さらに、従来から著しい行動障害を有する者に対する支援としても、さまざまな試み、そして、そのための適切な支援ができる職員の育成を図り、効率的な運営を行ったことを評価いたします。
 調査・研究も大きな役割ですが、これについても多くのテーマに基づいた調査・研究、そしてそれを独自の研究発表という形で、全国さまざまな同じような知的障害の方々の施設、あるいは研究の場にその成果を公表しているということで、評価するものです。
 養成・研修に関しても、障害者福祉や保健医療に従事する者の資質向上を図るため、福祉セミナーあるいはさまざまな政策課題をテーマとしたセミナー、それから、法人の独自事業としての福祉セミナー等を実施されて、多くの参加者を得ていることも評価できることです。今後も、国のモデル施設として、国の政策課題に関連する取組を継続するとともに、知的障害関係施設等の支援に従事する者等に対する養成・研修事業の一層の充実に努めていくことを期待するものです。
 最後に、今後も、独立行政法人として業務運営の効率化に取り組む一方、この効率化に向けた取組が施設利用者に対するサービスの質の低下につながらないことを希望し、さらなるご活動、ご活躍をお願いしたいところです。
 一旦ここで講評は終了なのですが、1つ「その他の提案」ということで、先生方にも委員の方々にも、「項目18 施設整備に関する計画」のところで、平成20年度からの繰越事業を実施されたもので、中期計画には予定されていなかったものが入っていました。そのため、評価していただいた委員の方もいらっしゃいますが、今回の評価からは外していただけるようにお願いしたいと思います。この点は部会長にお預けしたいと思います。よろしくお願いします。以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。いちばん最後の点は、「18 施設整備に関する計画」という所なのですが、計画がない所の実施で評価できないとされた委員も何人かおられました。あるいは、計画はないのでBにさせていただくとか、皆さん、計画がないので評価に困られたということですので、今回この18は評価の項目から外すということで調整をさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
(各委員了承)

○上野谷部会長
 皆さん戸惑われたと思います。そのときに申し上げたらよかったのですが。それでは、ただいま報告いただきました総合評価書(案)について、付け加える点あるいはご意見、修正がありましたらお願いします。

○真野委員
 私はこの分野を専門としているわけではないので、ちょっととんちんかんなことをお聞きするかもしれませんが。政権が変わりまして、障害者に対しての考え方も自立支援法も含めて若干変化があったかのような感じがしないでもないのですが、そういう部分はのぞみの園でされている地域移行や、かつてからずっと続いている部分に関して、学問的な意味などでやられていると思いますので、それはあまり変化がないというか、旧来の方針のままされていくと理解してよろしいのでしょうか。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 私どもは現在の制度の下での実践ですので、制度的には大きな変更はないという状況です。そういう意味では、現場としても、従来の取組についてより一層成果を上げる方向でやっているところです。付け加えますと、いずれにしても障害者の制度について新しい検討が加えられていましても、方向としては地域で暮らす、あるいはノーマライゼーションの理念を更に具現化していくという方向での議論と理解していますので、私どもとしては、いまの取組について更に成果を上げるというのがいちばん大事なことだと思っています。

○上野谷部会長
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。更に認識を新たにして、評価を変えていただくということもありますので、ご意見、ご質問がありましたらどうぞ。
 それでは、修正意見がないようですので、この案に関しましてはこのままの総合評価とさせていただき、先ほど部会長代理から出ました18の項目のことに関しましては、取り除くということで取扱いさせていただきたいと思います。それでよろしいですか。

(各委員了承)

○上野谷部会長
 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。最後に、遠藤理事長からコメントをお願いします。

○国立重度知的障害者総合施設のぞみの園理事長
 本当に真夏の暑い盛りに、また、委員の先生方は大変ご多忙の中、この実績評価のために多くの時間を費やしていただきました。本当にありがとうございました。
 7月2日の当部会において、また本日のこの評価結果の中で、委員の先生方々から種々ご指摘をいただいています。これらのご指摘について、この機会に若干触れさせていただけたらと思います。
 まず、効率化の取組とサービス水準の確保についてです。これは、かねてから私どもとしても大変悩ましい問題として受け止めていたわけですが、現実的には非正規職員の比率を徐々に増やす方向で対応すると。他方で、職員の研修を充実するというようなことで対応してまいりました。しかしながら、重度の障害のある人たちに対するサービスが年々大変になってきている、あるいは質の確保についてさらなる努力が求められている状況ですし、また事故の防止対策を徹底するという観点からも、職員の専門性を高めるための研修のあり方、あるいは正規職員の採用について、改めて真剣に検討してまいりたいと考えています。
 次に、地域移行の事業についてですが、今後の見通しなどについてもご質問がありました。現在、高齢化し、医療や介護のニーズが高まっている入所利用者の状況を詳細に調査・分析していまして、その結果を踏まえて今後の地域移行事業の取組についての考え方をまとめてまいりたいと思っています。まとまりましたら、追って関係方面にご報告したいと思っています。
 また、罪を犯した知的障害者を対象とする事業については、全国的な対象者の数も多いということで、のぞみの園の受入れ人数について増加したらどうかといったようなご指摘もいただきました。私どもとしては、今後、職員配置などを工夫して体制を整えたうえで、積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
 最後に、調査・研究の成果の普及や養成研修事業について、経費節減の努力についても指摘がありました。成果の普及や養成研修については、今後も充実、拡大していく方向で取り組んでまいりますが、他方で、経費節減については十分意識して、その点でも知恵を絞ってまいりたいと考えています。
 以上ですが、委員の先生方におかれましては、今後とも当法人の運営についてご指導、ご鞭撻賜りますようによろしくお願いいたします。以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。それではこれをもちまして、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園の平成21年度業務実施評価に関する意見を取りまとめます。先ほど申し上げましたように、評点を変えていただく作業で変化がありました場合に、総合の点数が変わりますが、これは部会長に一任をいただきまして、また個別に確認のご意見も承ることもあるかもわかりませんが、その節はよろしくお願いいたします。

○大島部会長代理
 1つだけ意見を申し上げさせていただきたいのですが、国のモデル事業ということで多くの国民が注目しているところですが、先ほど理事長がおっしゃいましたように、経費節減で非常勤職員を増やすというところが、全国的に社会福祉法人でも、あるいは知的障害に限らず、その方向で経費を節減しようという流れは非常に悩ましいところで、モチベーションも高くなりませんし、専門性も高まりません。そういうモデルとしては、私どもも、逆に、いろいろなところで、そこの部分を減らしてはいけないという発言を微力ながらしていますが、是非その辺りの中心的な役割も担っていただきながら、削れるところは削るけれども、絶対削ってはいけないところ、それが事故につながったり大きなことにつながってくると思いますので、是非その部分は今後お願いしたいと思います。

○上野谷部会長 それでは、のぞみの園の案件は以上です。どうも暑い中ありがとうございました。
(法人及び法人所管課入れ替え)

[2]福祉医療機構

○上野谷部会長
 それでは福祉医療機構の審議に入らせていただきます。暑い中、ありがとうございます。ご苦労さまです。最初に財務諸表に関する意見について、五十嵐委員からご説明をお願いします。

○五十嵐委員
 五十嵐でございます。財務諸表に関しましては、平成22年7月20日に説明を受けまして、財務諸表のレビューもいたしました。不明点につきましては質問させていただき、回答を得ました結果、資料3-1でお配りしてありますように、この原案どおり承認することが適当であると考えています。
 なお、会計基準に従っていますので、財務諸表の適正性には全く問題ないのですが、お手元の決算書にありますように、23頁、24頁の貸借対照表、損益計算書をご覧いただくと、福祉医療機構はたくさんの勘定があります。これら、それぞれの勘定は、利益、その他に表われる前提が異なります。このような異なった前提の数字を足して法人全体の数字になりますので、法人全体の貸借対照表や損益計算書が機構全体のイメージと乖離する結果になっている懸念があります。特に承継債権管理回収勘定は承継債権を資本として受け入れ、利息を全額自己収入とするスキームになっています。このスキームの下では回収された元本を資本の減少とし、当然の帰結として多額に発生する利益額とともに国庫に返納する処理となります。これは通常の独立行政法人の元入れ資本が財政基盤としてあり、運営状況の基準点が損益ゼロという前提とは大きく異なりますので、財政状態等を財務諸表から読む場合には十分に留意する必要があります。以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。いまご報告がございましたが、何かご意見がございましたらどうぞ。平成21年度の財務諸表に対する意見として、資料3-1にございますように修正意見がないということですから、これを取りまとめて厚生労働大臣に提出したいと思いますが、よろしいでしょうか。それではそのようにさせていただきます。ありがとうございました。
 総合評価に入ります。審議をいたしますが、事務局から、平成21年度の業務実績全般の評価という総論部分について特にご紹介をいただき、その上で起草委員である私から、簡単な講評を行う形で進めさせていただきます。お願いします。

○政策評価官室長補佐
 お手元の資料3-2です。独立行政法人福祉医療機構の平成21年度の業務実績の評価結果(案)です。1頁からですが、読み上げさせていただきます。
 平成21年度業務実績について。(1)評価の視点。独立行政法人福祉医療機構は、特殊法人社会福祉・医療事業団の業務を承継して、平成15年10月に新たに独立行政法人として発足した。また、平成16年4月より、特殊法人労働福祉事業団の廃止に伴い、その業務の一部である労災年金担保貸付事業を承継し、さらに、平成18年4月より、特殊法人年金資金運用基金の解散に伴い、その業務の一部である承継年金住宅融資等債権管理回収業務及び承継教育資金貸付けあっせん業務を承継したところである。
 当委員会では、「厚生労働省所管独立行政法人の業務実績に関する評価の基準」等に基づき、平成20年度までの業務実績の評価において示した課題等のほか、総務省政策評価・独立行政法人評価委員会から示された「独立行政法人の業務の実績に関する評価の視点」や「平成20年度における厚生労働省所管独立行政法人の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について」等も踏まえ、評価を実施した。
 (2)平成21年度業務実績全般の評価。福祉医療機構は、福祉医療貸付事業をはじめとして、福祉医療経営指導事業、福祉保健医療情報サービス事業、長寿・子育て・障害者基金事業、退職手当共済事業、心身障害者扶養保険事業、年金担保貸付事業、労災年金担保貸付事業及び承継年金住宅融資等債権管理回収業務といった国の福祉・医療政策等に密接に連携した多様な事業を公正かつ効率的に運営していかなければならない。
 こうした中で、法人全体の業務運営を改善する取組みとして、福祉医療機構の経営理念である「民間活動応援宣言」を具現化するため、平成21年4月に理事長を本部長とする組織横断的なプロジェクト「民間活動応援本部」を立上げ、「お客さま目線と健全性」という二つのものさしを念頭に、福祉と医療のネットワークによる地域社会づくりに機動的に対応するとともに、理事長の経営姿勢や考え方等を役職員に発信するため、トップマネジメント機能を補佐する経営企画会議等を効果的に開催し、重要案件の迅速・的確な経営判断と組織内の問題意識の共有化を図ることなどにより、業務の効率的な運営を推進し、利用者サービスの向上に努めていることが認められる。また、平成17年4月に認証取得したISO9001に基づく品質マネジメントシステムに基づき、定期的な業務の進捗状況及び業務プロセスの監視等を通じ業務の適正執行を確保するとともに、業務の質の向上や効率化に関する改善点、事務リスク等を抽出し、継続的な業務改善が図られている。
 具体的には、福祉医療貸付事業及び退職手当共済事業に係る電子システムにおける機能の追加や改善などにより、福祉医療貸付事業の事業報告書システムの利用率が55%(前年度6%)、退職手当共済事業の電子届出システムの利用率が79%(前年度75%)に向上している。随意契約の適正化については、平成18年度において全契約に占める随意契約割合が71.1%あったものが、平成21年度に6.4%までに減少し、平成19年度に策定した随意契約見直し計画の目標を達成している。一般管理費等の節減については、本部ビル賃借料の引下げ、再リースの活用等により、平成21年度予算の縮減幅を上回る12.4%を節減し、業務の効率化が認められる。
 また、医療貸付事業については、経済情勢の急激な悪化等により一時的に資金不足が生じている医療機関に対する経営安定化資金、医療施設の耐震化整備及び出産育児一時金等の直接支払制度の実施に伴い一時的な資金不足となる産科医療機関等に対する経営安定化資金等について、融資条件の優遇措置を講じ機動的な融資を実施するなど、地域における医療機関等の安定経営に臨機応変に対応していることが認められる。
 退職手当共済事業については、退職手当金の給付回数を従来の月2回から月4回に倍増するとともに、事務処理のピーク時において柔軟な人員配置を行うなどの改善を図った結果、平均処理期間が前年度比7.2日を短縮し37.6日となり、中期計画の目標値75日を大幅(37.4日短縮)に上回る実績をあげている。また、平成19年度から運用を開始した電子届出システムについて、機能の追加及び改善を行い更なる操作性の向上を図る取組み等を行った結果、アンケート調査において88%の共済契約者から事務負担が軽減されたとの回答を得る等、利用者の事務負担の軽減が図られていることが認められる。
 これらを踏まえると、平成21年度の業務実績については、全体としては適正に業務を実施したと評価できる。今後も、多岐にわたる業務内容について積極的な周知に努めるとともに、これまでの成果を踏まえつつ、時代の要請に的確に対応した業務展開を期待する。
 なお、中期目標に沿った具体的な評価結果の概要については2のとおりである。また、個別項目に関する評価結果については、別紙として添付した。
 具体的な評価内容につきましては、省略させていただきます。以上です。

○上野谷部会長
 業務実績の評価結果は、案として総論部分と具体的な評価内容部分がありますので、あとで通りましたらそのことを報告しますが、私からは特に強調したい点に絞らせていただきたいと思います。
 福祉医療機構の平成21年度業務実績について評価を行った結果、機構の経営理念である「民間活動応援宣言」、名称もとてもユニークでいいかと思いますが、この民間活動応援宣言に基づき、理事長を本部長とする組織横断的なプロジェクト「民間活動応援本部」を立ち上げ、役職員が一丸となって業務の進捗状況の把握や業務プロセスの監視を行うなど、業務の質の向上、効率化の推進に取り組んでいることが認められました。今後とも、福祉・医療の地域社会づくりを支援するため、利用者サービスの向上と、更なる組織力の向上に努めていただくことを期待いたします。
 本来であれば、個々の事業すべてについて講評すべきところですが、事務局からの説明と重なりますし時間の都合もありますので、評価が高かった、すなわちSですが、評価が高かったポイント2点に絞って述べさせていただきます。
 福祉医療貸付事業です。「経済危機対策」の一環として、経済情勢の急激な悪化等により、一時的に資金が不足している社会福祉施設、医療機関等に対する経営資金の緊急融資、介護基盤の緊急整備、福祉・医療施設の耐震化整備等に対応した融資を行うなど、国の政策目標に沿った融資を効率的かつ効果的に行っていることが認められました。特に、医療機関等からの要望等に呼応する形で行った、出産育児一時金の制度変更に伴う経営安定化資金の柔軟かつ臨機応変な対応は高く評価できます。福祉・医療を取り巻く環境は、経営者の経営体力の後退、整備投資意欲の手控え等から融資額の減少がうかがえるわけですけれども、「経済危機対策」の効果により、貸付の受理件数も増加に転じていると先日の報告でもお聞きしました。今後とも、国民ニーズを敏感に感じ取っていただき、柔軟かつ臨機応変な対応を図っていただくことを期待します。これが1つ目です。
 2つ目は、退職手当共済事業です。昨年、電子届出システムの導入により利用者の事務負担の軽減、機構の事務の効率化等が図られたことを高く評価したところです。平成21年度は、電子届出システムの利用率の更なる向上や退職手当金支給の給付回数の増加等の取組により、退職手当金支給にかかる平均処理期間が昨年度を更に上回る実績を上げ、利用者サービスの向上が図られたことについて高く評価をいたします。今後とも更なる利用者サービスの向上に努めるとともに、当該事業がより安定的な制度となるよう、制度の周知等により加入促進に努めていただくことを期待します。
 最後になりますが、福祉・医療を取り巻く環境も、年々大きく変化していく中で、今後における福祉医療機構の使命は、国民のニーズを踏まえた福祉と医療のネットワークによる地域社会づくりへの貢献だと考えます。このため、国民のニーズに対する柔軟かつ迅速な対応と、常にお客さま目線と、このように理事長以下、職員の方はおっしゃっていますけれども、利用者目線に立ったサービスの提供を心がけ、組織横断的な連携の強化と専門性の向上を図るとともに、我が国の福祉・医療の発展に努めていただくことを期待し、講評とさせていただきます。以上です。
 いま、事務局と私から簡単な講評をさせていただきましたが、案についてご意見がございましたら、よろしくお願いします。いかがでしょうか。いつも機構は複雑な仕事を多岐にわたっておやりになっているということで、評価が非常に難しいわけですが、しかし、実数が出ているというところで、評価もかなり客観的にできる部分も多くあるということですが、何かございますか。よろしいですか。それでは修正意見がないようですから、誤字、脱字で修正が必要となった場合はご一任いただくということで、文章の案に関してはこれで了承されたということにさせていただきます。よろしいでしょうか。それでは長野理事長からコメントをお願いします。

○福祉医療機構理事長
 理事長の長野です、よろしくお願いします。いま、お話がございましたように各委員の先生方におかれましては、私どもの多岐にわたる事業の実績につきまして、適切な助言と評価をいただきまして本当にありがとうございます。私どもは、平成21年度におきましても、私から役職員に対して周知徹底を図っております、お客さま目線に立ったサービスの提供の実現に向けまして、全職員が一丸となって邁進してきたところでございます。まだまだ利用者のサービスの向上を図るという改革の途中でございまして、引き続きお客さまの声を聞きながら、福祉と医療の専門店としてお客さまのお役に立てるよう、常に自己改革に向けて汗をかいていく所存でございます。
 ただいま、部会長からもお話がございましたけれども、今回の平成21年度の評価結果におきまして、委員の先生方から、私どもの医療貸付事業、退職手当共済事業の2事業につきまして、S評価をいただくことができました。このことは今後、私も含めて全職員が業務運営を進めていく上で大きな励みとなるところであり、また原動力にもなると思っています。私どもの努力に対して、Sという最高の評価をいただけたことにつきまして感謝申し上げたいと思います。
 また昨年の11月、そして今年の4月の行政刷新会議の事業仕分け等における、ご意見等につきましては、私どもの事務・事業のあり方を改めて見直す、よい機会であったというふうに私は認識しています。さらに、国の厳しい財政状況を踏まえますと、今後、私どもは更なる業務の効率化を図ることが必要であると、重ねて認識しているところでございます。今回、各委員の先生方からいただきました適切なご意見を、しっかりと私どもは受け止めまして、独立行政法人にふさわしい効率的かつ効果的な業務運営を実施し、地域の福祉と医療の向上に貢献していく所存でございます。引き続き先生方のご指導、ご鞭撻を頂戴いたしたく、お願いいたします。
 最後になりましたけれども、各委員の先生方におかれましては、大変お暑い中、貴重なお時間を割いて当機構のご評価をいただきまして、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。今までの報告、意見、個別評定の修正がもしございましたら、修正をお願いしたいと思います。追加されたことによりSが変わることはないと思いますが、評価が変わることがございましたら、これも私に一任していただき、また個別委員の方々にご意見を伺うこともあるかもしれません。もし評価を変えることがありましたら評定記入用紙とともにお加えください。よろしいですか。それでは次に進みます。役員の退職に係る業績勘案率の決定です。これも事務局からご説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 福祉医療機構理事長から、独立行政法人評価委員会委員長宛に、退職役員に係る業績勘案率の算定について、こちらも依頼がございました。手続につきましては先ほどの医薬品医療機器総合機構と同じですので、そこは省略させていただき、お手元の資料3-3です。福祉医療機構につきましても2人ございます。1頁で、1人目が青柳親房氏、理事です。平成21年9月3日から平成22年3月31日の7か月間ですが、理事として就任していました。
 業績勘案率の算定について、平成21年度は、ただいまいただいた評定により1.5になるということですので、(2)で、在職期間のうち、法人の評価が行われていない期間はありません。1.5を加重平均すると1.5になるということです。ただ、目的積立金は積んでいないということ。退職役員に係る職責事項についての申出等については法人からもありません。それで(1)~(5)を勘案し、目的積立金を積んでいないところを踏まえ、事務局案としては1.0とさせていただきたいと思います。
 2頁で、藤田十三夫氏、こちらも理事です。平成18年7月から平成22年3月31日まで3年9か月です。勘案率の算定については、平成21年度が先ほど申しましたように1.5、平成18年度から平成20年度については1.0ということで、45か月間です。この方についても未実施期間はありませんので、業績勘案率全体を1.5と1.0で加重平均すると、平均で1.1という形に単純計算では出てきます。目的積立金については同じく積んでいないということ。職責事項についての申出も法人から特になしということですので、事務局案としては1.0という形で、ご提案させていただきたいと思います。
 3頁が、いま申し上げたように過去の評定の結果です。4頁、5頁については先ほどと同じように非公開ですから、退職金等に係る見込額等の参考資料を付けています。お取扱いにご留意いただければと思います。よろしくお願いします。

○上野谷部会長
 ただいま説明がございましたが、続いて理事の方の退職中の情報が何かありましたら、あるいは退職理由のご説明をお願いします。

○福祉医療機構総務部長
 総務部長の藤?アと申します。私からご説明させていただきます。資料3-3の(案1)、青柳理事についてです。青柳理事は、いまご紹介がありましたように平成21年9月に当機構の理事に就任され、平成22年3月末で一身上の都合により退任されています。在任期間は7か月です。在任期間中は理事として総務部、企画指導部、基金事業部を担当されました。業務の内容としてはリスク管理体制の構築、人事評価制度の充実、経営理念の実現化に向けた取組み、長寿・子育て・障害者基金事業における民間福祉活動の支援強化を図るためのプロジェクトチームの立上げ等にご尽力いただきました。
 次は2頁の(案2)、藤田十三夫理事についてです。藤田理事は平成18年7月に、当機構として初めてプロパー職員から理事に就任され、平成22年3月に一身上の都合により退任されています。在任期間は3年9か月です。在任期間中は経理部、管理部、共済部、年金貸付部、福祉貸付部、基金事業部、それぞれの担当理事として機構の一般管理費等の経費節減の計画の達成、退職手当共済事業において電子届出システムの利用率の向上、退職手当金の給付までの期間を大幅に短縮されました。また、心身障害者扶養共済制度の見直しへの対応、福祉貸付においては福祉基盤整備の推進等にご尽力をいただいています。以上で私からの説明を終わります。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。ご質問、ご意見がございましたらどうぞ。

○大島部会長代理
 人様の退職金について、あまり申し上げたくないとは思いますが、一般国民感情としまして、7か月で一身上のご都合により退職された方が、多額とは言いませんけれども、このような退職金をもらうということが、公務員の中ではというか、法人の中では普通なのでしょうか。一般的に会社とか団体ですと、どのように立派な方でも半年では結論が出る仕事をなさったとは思えませんし、また、一身上の理由ということで辞めた場合には、それによる損失も非常に大きいように思いますが、これは普通のことなのでしょうか。私はあまり公務員あるいは公務員に準じたこういう役員の退職金制度について存じ上げないので、単純に国民の一人として質問させていただきたいと思います。

○福祉医療機構総務部長
 お答えさせていただきます。確かに私どもの役員の任期、理事の任期は2年ということで通則法で定められています。いろいろな事情がありまして、7か月という短い期間で青柳理事はお辞めになっていますが、独立行政法人の役員の退職金につきましては、平成15年12月に政府において閣議決定が行われていて、その計算方法が決められています。したがって、1年未満であっても、所定の計算方式によって退職金が支給されることが決められていますので、それに則って計算をさせていただいています。

○福祉医療機構理事長
 補足させていただきます。一身上の都合ということで説明しておりますが、この青柳理事のポストについては9月末で任期が満了となるポストでありました。また、国家公務員のOBが役員に就任しているポストについては、公募によって決めるということとされましたので、その公募の結果、退職を余儀なくされたという経緯がございます。1年未満で退職するケースは少ないと思いますが、今回の場合には国家公務員OBのポストが公募になったということが背景にあることも、ご理解いただきたいところです。

○上野谷部会長
 新政権になりまして、公募扱いのポストになったということから、お辞めになっていただいたということです。

○五十嵐委員
 いまの確認ですが、公募になってご本人は応募したけれども、ほかの候補者が選定されたということでしょうか。

○福祉医療機構理事長
 人事上のことでありますので、本人が応募したかどうかは申し上げられないのですが、公募した結果、該当者がいなかったという結果になったところです。また、この委員会の席上で役員の減少というお話も、部会長代理からかつてあったと思います。役員の定数を1名減じるということで、この4月から7名体制から6名体制になりました。したがいまして、ほかの者が後任に就いたということはありません。

○上野谷部会長
 という事情でございます。情報提供として公務員の場合はどうなのですか。国家公務員は7か月でも6か月でも出るのですか。本審議とは関係ありませんが、誤解があってはいけませんので。

○事務局
 ご参考までに申し上げますと、国家公務員の場合は、国家公務員退職手当法に基づき、6月を超えて勤務した場合は支給されるという規定になっています。

○上野谷部会長
 ということでございます。法律に基づいて粛々と、私どもが1.0にするかどうかを決めさせていただくという委員会ですので、よろしいですか。国民感情としては、そういう言葉も出てくるかもしれないということを踏まえた上で、仕事に邁進するということです。

○真野委員
 これも全然、お金には関係ない話ですが、この評価が7か月で1.5ということですね。このあたりも何か具体的に、7か月の間に何らかの目に見えるアウトプットがあったという理解で、よろしいのでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 一応、法人の業績として1.5ということで、先ほどもありましたが、個人の業績ということではありません。法人全体として1.5という結果が、今回出ているということです。それを1か月単位に置き換えればという計算になりますので、個人の方がということではありません。

○上野谷部会長
 計算の仕方は、法人の評価に関わって計算させていただいているということです。私どもとしては、申請のあった業績勘案率で1.0と決定させていただくということで、お願いしたいと思います。よろしいですか。先ほど同様、政・独委に通知するなどの手続を進めさせていただきます。ありがとうございました。
 続きまして、役員給与規程の変更ですが、事務局から説明していただき、そして法人のほうから説明をしてください。

○政策評価官室長補佐
 福祉医療機構理事長から厚生労働大臣に対して、役員給与規程の変更について届け出がありました。独立行政法人通則法第53条第1項で、厚生労働大臣は、届け出に係る報酬等の支給基準を評価委員会に通知することとされており、同条第2項で、評価委員会は、その通知に係る報酬等の基準が、社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、厚生労働大臣に対して意見を申し出ることができるとなっています。つきましては、このたびの役員給与規程の変更が、社会一般の情勢に適合したものであるかどうかについて、ご意見を伺うということです。よろしくお願いします。法人から変更内容の説明をお願いします。

○福祉医療機構総務部長
 資料3-4-?@の新旧対照表で、ご説明させていただきます。福祉医療機構の役員給与規程につきましては、昨年の人事院勧告に基づき改定を行い、当部会に3月の時点で報告をさせていただいていますが、改めて福祉医療機構独自の給与水準の適正化を着実に進めていくことを踏まえ、2つの措置を講じました。1点目は理事長の給与についてです。年収ベースで約100万円を減ずるということで、報酬月額で言うと約5%引き下げる措置を講じました。また併せて、この表で言う第4条の(2)にあります、「理事(理事長が指定した者)」ということで、指定理事というのを設定していましたが、これを廃止して通常の常勤理事一本という形にさせていただいています。また第7条では、国家公務員の指定職の期末手当、ボーナスですけれども、この支給率と同様の改正を今回、行っています。以上です。

○上野谷部会長
 いま、説明がございましたとおりですけれども、ご質問等がありましたら、よろしくお願いします。

○五十嵐委員
 いまの期末手当の支給率で、6月と12月の乖離率が今までは5%だったのが、今度10%になるわけですけれども、もともと公務員のほうがこんなように変わったということなのでしょうか。

○福祉医療機構総務部長
 これは公務員に準じた形になっています。

○五十嵐委員
 そうすると、どうなのでしょうか。在職時に支給ですから、乖離することが本当に実態に合うのかというのは疑問なのですが、それは合わせなければいけないという意識ですか。

○福祉医療機構総務部長
 実は昨年の人事院勧告は、一応、給与を下げるということで、12月1日の実施ということになりましたが、政府の決定で4月から11月分も減額するという形をとり、それを12月のボーナスで調整することにしましたので、若干、率が変な形になっています。それを平成22年度は、こういう改正をするということで、6月期のボーナスの率と12月のボーナスの率を均した形になります。実質、期末手当の支給月数は変化がないことになります。

○真野委員
 下げるということですが、私の理解不足かもしれませんけれども、例えば厚生労働省所管の独立行政法人の、いくつかの長の方の報酬リストがあるわけです。その中で現段階でも、もちろん福祉医療機構は低いほうではないのかもしれませんが、さりとて、めちゃくちゃ高いわけでもないわけです。ここで約100万円下げるということですが、私もよくわからないし、もしかすると厚労省の方にお答えいただいたほうがいいかもしれませんが、そもそもお互いの法人の俸給というのは、特にこういうことをしているから高い、安いというのは、そもそもないという話だったと思います。そうすると今回、福祉医療機構は下げるという申出があったわけですが、ほかはそういう申出はないのでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 いまのところは、ほかはございません。

○真野委員
 福祉医療機構が、あえて下げるというのは、もちろん下げるなと私どもが言うべきではないかもしれませんが、よくわからないですけれども。

○福祉医療機構理事長
 私からご説明します。これは何らかの要請があったということではなくて、私の思いとして引き下げるものです。私ども福祉医療機構の職員については、ラスパイレス指数を平成24年度に100にするということで、行政刷新会議等の場面でも申し上げているところです。職員の給与の引き下げについては、これから段階的に行っていくわけですが、その中で職員には、そういう意味での厳しさを負ってもらうことになりますので、まずは、私自身約5%強になりますが、自分の給与を下げて、職員にもこういう負担をかけることになるというメッセージを発信すると同時に、自分も引き締めようという私個人としての判断です。これを基にして、ほかの法人がどうあるべきだということは全く考えていません。私ども機構の職員全体が一致して、これからこの困難な時期を進んで行こうというメッセージです。

○真野委員
 よくわかりました。そういうことだろうという想像はついたのですが、一方で、評価について先ほど私は勘違いしましたけれども、業績勘案率などは福祉医療機構は比較的高いのですよね。だから事業仕分けでの判断はわかりませんが、独法としては比較的いい評価をいただいている法人なわけです。そのあたりが、民間企業で経営が悪くて引き締めるためにするのは非常にリーズナブルなのですが、別に下げるなと言っているわけではありませんけれども。

○福祉医療機構理事長
 内部ではいろいろな議論もあったところですが、業績の善し悪しに関係なく、先ほどの繰り返しになりますけれども、ラスパイレス指数をはじめとするいろいろな困難がこれから伴うということで、私としての判断ということです。

○上野谷部会長
 ご意見、いかがでしょう。難しいところですけれども、厚労省管轄の法人と他省の独立行政法人の比較を見ても、かなりの差があって、厚労省関係は何をしてもボランタリーな感覚を残すのかなというのが、感覚としてあるものですから、その中でも率先してやっていただくことは、私どもの立場からするといいわけですけれども、いま、ご質問がありましたように、業績との関係で理事長のご意向はわかりますが、職員にも影響を及ぼしたり、年金にも影響を及ぼすことですから、一丸となってというのはよくわかりますが、そうだねというのが言いにくい立場にもあります。これは私どもの立場としては、そうしましょうということをここで決定するわけですね。

○政策評価官室長補佐
 意見等があれば、出していただければと思います。

○上野谷部会長
 私どもに決定権があるというのではなく、意見がないかどうか、適切かどうかを聞いているという立場だと。事務局、それでいいですか。

○政策評価官室長補佐
 はい、よろしいです。

○上野谷部会長
 そういう立場だそうですから、どうぞ、いろいろなことをおっしゃってください。

○真野委員
 これはあくまで参考ですが、いま上野谷先生も言われましたように、全体の独法のラスパイレス指数はよくわかっていますが、法人の役員の報酬に対してトータルでの意見というのは、政・独委からあるのですか。いま言われたように厚労省管轄と、ほかとの差が若干あるように、ざっと見ただけでも感じるのです。

○政策評価官室長補佐
 そこでは何年後に支出を抑えるとか、いま言われたラスパイレスの関係は言われていますが、法人の手当についてどうだという意見は特にはございません。

○真野委員
 法人の役員の報酬に関しては。

○政策評価官室長補佐
 全体の人件費として、ラスパイレス指数をあまり上回らないようにというか、そこが超えている法人に対しては、超えているという形の意見はありますけれども。

○上野谷部会長
 私などは、本俸と退職金の先ほど議論になったことは違うと考えているのです。本俸に関わる部分は、とりわけ生活給としてきっちりやらなければなりませんし、ほかのことにも関係してきますので、5か月、6か月、7か月で出すのかという先ほどの厳しい意見と、少しこのことがどうなのか。理事長の気持はわかりますし、職員の方に波及していくことにより、その他生活がありますから、その辺がどうかなと気持的には申し上げたいと思いますが、特に駄目という意見は、どうぞ。

○大島部会長代理
 私は、いまの理事長さんの意見を聞いて、非常に信用できるところだと逆に思いました。こういう時世ですし、自分のところからまず始めることによって、多少事業仕分けで厳しい意見も出ており、いろいろな面で批判が多い部分もあると思いますので、そこが身を正すというところから始まると、また内部でもさまざま話合いながら厳粛に、前向きに取り組んでいることが外にも伝わります。そういう点で私は納得できました。

○真野委員
 前々から福祉医療機構もそうですし、この前にやったPMDAも外部との比較ということで、これは役員の話でなく一般の方で、いい方をリクルートする視点を持たなければいけない。一方ではラスパイレスでの非常に厳しい制約があるということで、そもそもそこ自体に私は矛盾があると思っている部分があります。そういう中で、いま初めて気づいたのですが、役員のトータルの報酬などは、いま上場企業でしたらある程度開示という、個別の開示という話も最近はあるかもしれません。そういうところもあるので、従業員の方だけにご負担をかけるのではなく、今回、福祉医療機構はそういう視点をお持ちだと思いますが、役員のトータルの報酬や、個別までいくのは乱暴かもしれませんが、我々だけでなく、場合によっては全体でそういう議論をしていただいたほうが、政・独委に関わる問題かもしれませんけれども、個人的な意見として、そのほうがいいような気がすると言わせていただきたいと思います。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。さまざまなご意見が出ました。どの時点で何のためにするのかということを考えないと、なかなか部分で改革はできないということもあり、天下りの問題から、こんなに取っていいのかという議論と、そうではなく公募であるとか、かなりお力を持った人を引き抜いたりリクルートするとなると、他の民間のいろいろな所との関係はどうなんだとか、学校法人であるとか、その他諸々との関係がどうなのか関係してきます。いま、部会長代理が言われましたように、理事長の姿勢によって非常に信頼のある所だということが特に評価できることを、できる限り私どもも皆さん方に公表することによって、逆に仕分けの問題を何とか乗り切ると、こういうことだと高く評価したいと思います。
 変更については意見がないということで、いっぱい言いましたけれども、結論に関しては意見がないと、1行で終わってしまいますか。いま委員がおっしゃったことは記録上は残りますね。議事録に残りますね。

○政策評価官室長補佐
 議事録には当然残ります。

○上野谷部会長
 そちらに返すときには、そういうことで、結果としては意見はございませんということで扱いたいと思います。
 続いて、長期借入金計画の変更、実績の報告をいただき、事務局からの説明と法人からの説明をお願いします。

○政策評価官室長補佐
 資料3-5-?@をご覧いただきたいと思います。「医療・福祉部会における福祉医療機構の長期借入金及び債券発行に係る意見の取扱いについて」です。年度を通じた長期借入金及び債券発行計画につきましては部会の了解事項として、当該計画に基づく長期借入金又は債券発行の個別の認可については、部会長の一任事項とさせてもらっています。部会には事後報告する形になっています。福祉医療機構の平成22年度長期借入金及び債券発行計画並びに償還計画は、今年3月に本部会の了解をいただいています。このたび、この計画に基づく平成22年度の第1・四半期の長期借入金及び平成22年度の債券発行実績の報告、それから昨年度3月の本部会において暫定的に報告していた、平成21年度第4・四半期の長期借入金についても実績が確定していますので、併せて報告をさせていただきます。それでは法人のほうから説明報告をお願いします。

○福祉医療機構経理部長
 経理部長の川上でございます。平成21年度第4・四半期及び平成22年度第1・四半期の長期借入金実績、並びに平成22年度の債券発行実績についてご報告します。資料3-5-?Aです。
 まず、平成21年度第4・四半期借入金について、ご報告します。平成21年度計画は、一般勘定で財政融資資金2,828億円、民間借入金42億円、年金担保貸付勘定で民間借入金287億円となっており、第4・四半期で認可をいただいた額は、一般勘定で財政融資資金508億円、民間借入金42億円、年金担保貸付勘定で民間借入金287億円です。
 それに対する実績ですが、下の表をご覧いただくと、一般勘定においては、財政融資資金で、平成22年3月26日に固定金利での借入れとして465億9,800万円、10年経過後、金利見直し制度分として42億200万円、合計508億円となっています。また、民間借入金が42億円となっています。これについては、出産育児一時金等の見直しに伴う経営安定化資金貸付に対応する借入れで、7年間の借入れとなっています。年金担保貸付勘定においては、民間借入金259億5,000万円となっています。これについては年度を越える短期の借入金で、16日間の借入れとなっています。
 次頁をお開きください。次に、平成22年度第1・四半期借入金についてご報告します。平成22年度計画額は、一般勘定で財政融資資金の20年もの1,699億円、5年もの384億、合計2,083億円、年金担保貸付勘定で民間借入金398億円となっています。第1・四半期に認可いただいている額は、一般勘定で財政融資資金20年もの513億円、5年もの122億円、合計635億円です。
 それに対する実績ですが、下の表をご覧いただくと、一般勘定の財政融資資金20年もので、6月21日に固定金利分472億9,000万円、10年経過後、金利見直し制度分40億1,000万円、合計513億円、財政融資資金5年ものとしては、5月24日に72億円、6月21日に34億円、合計106億円となっています。なお、平成21年度第4・四半期借入金は3月2日付で、平成22年度1・四半期借入金は4月27日付で、部会長より了承の旨をいただき、厚生労働大臣の認可をいただいていることをご報告申し上げます。
 次頁をお開きください。続きまして、平成22年度独立行政法人福祉医療機構債券発行について、ご説明申し上げます。頁の下半分で年度計画をご覧ください。ここで一般勘定、年金担保貸付勘定がありますが、そこの自己資金の行です。平成22年度は一般勘定330億円、年金担保貸付勘定590億円、合わせて920億円の発行を予定しています。それに対する第1・四半期の実績ですが、資料上段です。平成22年6月16日に第22回債として、年金担保貸付勘定3年もの300億円、第23回債として、一般勘定10年もの100億円、合計400億円を資料上段に記載している条件で発行しています。この400億円の資金については、福祉医療貸付事業及び年金担保貸付事業の貸付原資に充てています。
 なお、機関債残額520億円、これは年金担保貸付勘定3年もの290億円、一般勘定10年もの230億円ですが、この520億円については今後、起債環境や資金需要を考慮しながら、発行時期、発行金額等を検討していく予定としています。また、この第22回、第23回の債券発行に関しては、5月17日付で部会長より了承の旨をいただき、厚生労働大臣の認可をいただいていることをご報告申し上げます。
 次の頁以降に、平成13年度の第1回社会福祉・医療事業団債券から、平成22年度第23回福祉医療機構債券までの発行実績を一覧として載せています。説明は以上です。

○上野谷部会長
 ありがとうございました。いかがでしょう、ご質問をどうぞ。五十嵐委員、よろしいですか。それでは報告を承ったということで、次に進みます。持回りで議決した件の報告です。

○政策評価官室長補佐
 今年3月に部会を開催して以降、福祉医療機構の業務方法書の変更について、部会を開かず書面にて変更(案)をお諮りした案件がありました。内容は、昨年10月から行っている出産育児一時金等の見直しに係る経営安定化資金についてです。利用者ニーズを踏まえ貸付条件の更なる緩和等を図るため、法人において速やかに業務方法書等の変更を行い、4月1日から実施に移していくため書面にてお諮りしたものです。これにつきましては、本部会として了承するとして厚生労働大臣に意見を提出し、その後、業務方法書の変更認可がされています。業務方法書の変更の状況等については法人のほうから説明をお願いします。

○福祉医療機構企画指導部長
 企画指導部長の長門でございます。前回、3月に部会がありました以降、業務方法書の変更を3月29日付で行っております。資料3-6をご覧いただければと思います。出産育児一時金等の見直しに係る経営安定化資金については、本日、冒頭に部会長からも評価いただきましたように、年度内で回を重ねて弾力的な見直しを行って、その需要に応えたところでございます。この出産育児一時金等の支給の見直しの実施時期につきましては、前回3月の部会において、平成21年10月の実施が平成22年の4月からに一旦延長されたと報告させていただいたところですが、その後、再度、国と関係者との間で調整が図られた結果、更にもう1年延ばして平成23年4月から完全な移行をしていくという方針が出されたところです。それを踏まえまして、前回3月の部会以降、業務方法書の変更を行い、出産育児一時金の適用期間を平成22年6月30日までとしておりましたが、これを平成23年3月31日まで再延長するという改正を行っております。この内容については、先ほど政策評価官室からも説明がありましたように、書面で別途決裁をいただき、それを踏まえて改正を行っております。以上です。

○上野谷部会長
 ご質問ございましたらどうぞ。よろしいですか。報告を承ったとしたいと思います。
 これで福祉医療機構関係はすべて終了いたしました。ありがとうございました。暑い中どうもご苦労様でした。
 法人・所管課が退室いたしますので、委員の方々はもう少しお待ちください。

(法人及び法人所管課退室)

○上野谷部会長
 それではもう一息です。どうぞよろしくお願いいたします。「独立行政法人の役員の退職金に係る業績勘案率の算定方法の変更」です。これから審議をいたしますので事務局から説明をお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 資料4-1-?@です。本日も業績勘案率の審議をいただきましたが、その算定方式から導かれる勘案率は1.5、1.0、0.5の3パターンになっていまして、実際の勘案率は1.2なり1.0で、他府省の例を含めてみましても1.2~0.9と、算定方式と実際の導き出される業績勘案率の間にも乖離があること。それから、委員の方から法人全体の業績だけをもって勘案率を決めるのではなく、個人業績に着目して決めるべきではないかというご意見もありましたので、事務局において検討してまいりました。それがこの度の資料4-1-?@と4-1-?Aです。これが事務局案として作成したものです。委員各位のご意見を賜りたいと考えています。
 なお、業績勘案率の決定方法の変更については、8月27日に予定しております総会で審議し決定となります。その前に各部会でのご意見をいただいて、それを踏まえて総会に諮りたく今回審議をお願いするものです。それでは、事務局案について簡単に説明させていただきます。資料4-1-?@です。
 これまでの算定式では1.5、1.0、0.5の3通りとなっているものを0.1刻みとなるように変更したいということ。法人業績率と個人貢献率を足したものが業績勘案率となるように変更していきたいと。ただし、目的積立金を計上している等財務状況が好調でない場合には、1.0を超えないものとする扱いはこれまでと同様です。
 このほか、監事は、内部牽制が役割であり、法人の業績に直結するものではないことから、個人貢献率を加算しない形をとらせていただきたい。在職期間が1年未満の場合には、業績勘案率をすべからく約1.0以下とすること。法人の業務負担等を考え、年度途中に退任した場合の業績勘案率の決定方法については、9月までの退任であれば前年度までの業績を基に勘案率を算定させていただきたい。10月以降の退任であれば翌年度の業績評価の結果を待ってそのものを勘案率として使いたいとしております。
 なお、事務局案どおりに改定した場合、どのような業績勘案率になるか試算したものを次の概要に付けております。3頁ですが、参考として「現行と改定案との業績勘案率比較表」でまとめております。医療・福祉部会の場合は、3頁のいちばん下に医薬品医療機器総合機構、その次にのぞみの園と福祉医療機構が続いて入っております。PMDAの場合は1.0、現行直接計算しますと、20年度までですが1.0。仮定で、理事長の個人業績を含めた場合は1.2という形。のぞみの園についても18、19、20と1.1あるいは1.2と。福祉医療機構についても1.2。個人業績を勘案した場合はこのような形になるということです。ただ、目的積立金はどの法人も積まれていないのです。そこの部分がクリアされないと1.0は超えることはないということは変わらないです。今後目的積立金どのような形になるかはわからないですし、必要に応じて個人の業績を勘案していたり、0.5刻みでやるところは、ほかにはあまり例がなかったかと思いますので。その辺も検討した結果、このような形にさせていただきたいということです。説明のほうは以上です。

○上野谷部会長
 何かご質問ございますか。

○真野委員
 さっきからの議論にちょっと関係しますけれども、結局これは厚労省管轄の独法について厚労省のアイディアでこれを諮っていると、こういうことなのですね。全体の大枠でこんな方向でというのも政・独委からも出ていないわけですね。つまり、全体の方向というのは、個人業績を勘案するようにしなさいというような方向性は何も出ていないですね。

○政策評価官室長補佐
 政・独委のほうからは、法人の業績をもとに。個人業績はあまり上乗せしないようにという形のものは過去にあります。個人業績だけ見て付けるのではなくて、主に法人の業績を勘案すると。それに基づいて厚労省はそもそも作っていたのです。ただ、ほかの省庁ではある程度個人の業績を見積って追加するなりその中に入れ込んでるようなところもございます。そういうのも、ほかのところも参考にしつつこういうような形にさせていただければと思っております。

○真野委員
 法人の業績をメインにして、個人の業績を勘案しないようにというのは、これはどういう意図でそういうふうに言っているのですか。

○政策評価官室長補佐
 個人の業績をあまり大きく見積らないということで、勘案するなということではございません。厚生労働省の場合は、先ほどもちょっとありましたが、職責事項ということで、法人から特別に申出があればそこも見ましょうということで、点数化する代わりにそういう定性的なところで申請していただくという形をとっておりましたので。数値化して個人業績をのっけるというのが今回の取組というか改定にしたいなと。いままでは、法人の業績だけをとりあえず数値化して出してもらって、個人の業績については、先ほど紹介いただいたような形で説明していただいて、あと、プラスしますか、マイナスしますかと委員会のほうで決定していただいていた部分について、個人の業績もある程度いままでご報告いただいている評価シートの点数から導き出せないかというところです。

○上野谷部会長
 理事の中で業務を分担されていますね。その業務がかなり功績が上がったというようなものに遭遇した場合に、そうした個人業績は高いということですか。

○政策評価官室長補佐
 そうですね。それが後の2頁にありますが、S評定が付いているところ、A評定が付いているところ、それぞれ部分があって、仮にここで3番、4番ですと、担当理事が2人いるとすれば、そこは半分づつの評定をかけるとか、按分したうえで加算させていただくと。Sが結構ついたところばっかりにいらっしゃる方であれば、ある程度その個人の部分については多くなると。

○上野谷部会長
 いつも問題になっていますこの医療・福祉部会は、Sを付けるのが他法人より少ないのです。その辺りがすごく責任になるということでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 ただ、SというよりAが付けば0.1プラスされることになります。あと、平均しますと数値的には少なくなります。結局部会として決定される場合、Sを付けてないからということではないかと思いますけど。

○上野谷部会長
 そうですね。ただ、年金・健康保険福祉施設整理機構とか、刷新会議でも言われている高齢・障害者雇用支援機構などは、従来から結構Sを付けておられたのです。ここと比べますと、Sの数が、私どもが関わっています3つの法人は適正に付けるという形をとっているのですが、いつもほかと比べられて。総会に出ましたときに、いつも、ほかは結構付けているんだなということを。今回、退職金がほかと関係してくるとなると何やら。

○政策評価官室長補佐
 第1の部分は、一応目的積立金とか財政状況の部分がいちばんネックになっていて、いままでは1.0以上が付かなかったということもあるのです。今後そういう目的積立金を積むような形になってくれば、Sが付いているところと付いていないところで差が出てくるかもわからないですけれども。

○上野谷部会長
 これは、何人かいままで退職なさった人の例で試算もされて、わりと適正にいくと。個別の、今回お辞めになられた方とか、以前お辞めになられた方たちを当てはめてやってみても、まあまあ適正に動くわけですか。

○政策評価官室長補佐
 そうですね。いままではSが付くと2ポイント付けていたというのもあって、Aですと1.5というふうな計算を。資料集の158頁をちょっとご覧ください。法人全体ということだったので。Sが2.0、こういう計算で先ほど1.5というか、年度、年度が1.5、1.0、0.5刻みにはなりますけれども、年度の評価も全部0.1刻みです。それと、今回、ここのいちばん上の囲みの中の真ん中のほうに、オールSが付いても1.5を超えない設定としております。いままでほかの国病ですと1.2というのが最高で付いたこともあって、その辺とも遜色がないだろうということで計算をさせてもらっています。

○五十嵐委員
 ちょっといいですか。気になるところが2点ばかりあるのですが。当然、客観的な評価というのは非常に大事だと思うのですが、それとは別に、こういうふうに積算を決まり事によってしてみたら、どうも全体として適切ではないというようなケースが多いような気がするのです。そのためにさっき話がありましたが、個々に事情を加味する減算要因だとか加算すべき要因とか、その辺のバッファーはある程度用意しておいたほうがいいかなと思うのです。そうすると、いまこれを仮に試算したときに、仮業績に沿っていけば、今日もそうでしたけれど、いままでは大体1.0になるのに対して1.2とか1.1ですから、このままで、特に説明でこれだけのことをしましたという説明は上がってこないですよね。むしろ仮算定自体ではもうちょっと低く出るようにして、積極的に何をやったかというのを上げてもらって、それを評価して上げるという仕組みのほうが、いいのではないかなというのが1つです。
 もう1つそれとの絡みで、1.0以下の場合には、この加算をしないというイメージですけれど、これは別に1.0以下であっても、たまたまいろいろな不幸な偶然が重なってゼロ点代になってしまって、ご本人にとってはそうではないという場合だって当然あると思うので、1.0を下回ったからといって検証をしなくてもいいということはないのではないかと思うのです。

○政策評価官室長補佐
 そうですね。いま言われたように、なるべくちょっと上に大きく行かないようにということで、※マークが付いている先ほど言いましたオールSで1.5を超えないということで、ある程度こちらでは抑えぎみの数値にしたつもりではあります。これが、もう少し上げてくれというふうなところもあるぐらいで、これが高いかどうかというのはもうちょっと議論しなくてはいけないかもわからないですけれど。
 法人からの申出という形ですと、9頁の第2節の(業績勘案率の算定)というところで、そこに再検証とか、こういうことを見ますよということで、特段の加算要因の検証とか、9頁、10頁辺りである程度は見ていくのかなというふうに考えているのです。

○大島部会長代理
 素朴な質問というか意見なのですが、今までは例えば積極的にこういう点で事業内容を進めてほしいとか、業務の内容に関しての評価をしていたところが、今日退職金のことがあって初めて私たちが評価していることが、この退職金につながるということが分かりました。それ自体が何かこう腑に落ちないというか、そしてしかも基準というのが、いま部会長がおっしゃったように、甘いところとそうではないところ、法人の内容によっては、例えばのぞみの園みたいに、利用者との関わりが非常に大きいところにはなかなか評価が高く出ないとか、いろんな面での要素があると思うのです。それが1.5から1.0、あるいは短期間勤めている役員に関してもそれが使われるということがなかなか納得できる内容ではないのですが、これがこの独立行政法人評価委員会の仕事でもあるわけですか。もともと国家公務員というのは、例えば文部科学省の退職金と厚生労働省の退職金は違うということはあるのですか。個人評価が換算されたりとか。文部科学省はちょっと評価が高くて、何とか省はちょっと低い。あるいはその中でも活躍したか、しないか、どんな仕事をしたかという評価が全部付け加えられて退職金というのは決まるのでしょうか。

○政策評価官室長補佐
 国家公務員の退職金の場合は、いま言われたように、退職するまでの間にどういう功績を残したかで、最終的に何号俸とか何等級というレベルがあります。それがほかの人よりもちょっと高いか、ある程度処分とか受けて低いかとか。

○大島部会長代理
 昇進との関係がある。

○政策評価官室長補佐
 そうですね。そういうものにかける何倍だとか。あと、詳しくわからないですけれど、退職されるときに1.何倍だとか。いま多分ほとんど平均的にならされていると思いますけれど、以前ですとよく言われてました勧奨退職といって、定年前の退職であれば、何倍かプラスされるということもありましたけれども。その辺はあまり公務員と、どっちかというと独法法人の場合は、業績を残して、うまくいけばご褒美あげますというふうな形のところが当初あって、こういう業績勘案率を使いましょうということで、評価委員会のほうで算定していただいて、法人のほうの励みにもなりますし、その倍率の退職金を払おうということで、そもそもこういう形にはなっているのですけれども、なかなか1.5倍というところは、やはりこのご時世です、世間からなかなか認められないということもあって、政・独委のほうではそういうのはほとんど認めませんということで、目的積立金等、財務状況が相当よくなければ出しませんよというふうな形にいまなっているところで、なかなか。

○大島部会長代理
 2か所で1.0と1.5でしたよね。

○政策評価官室長補佐
 計算上は1.5、1.0、1.1という形では出るのですけれども、こちらの規程なり政・独委のほうからは、目的積立金が積んでないとか、財務状況を見るということになっていますので、事務局の試算として1.0とさせてもらっているところです。

○上野谷部会長
 やってみないとわからないでしょうけれども、なかなか個人評価というのはどこの時点においても難しいですから、それの材料を出されるのが、誰がどのようなルートで出されるのか、理事長が辞めるときの個人評価は、理事がなさるのか、どなたから出てくるのですか。人事評価委員会から出てくるのですか。

○政策評価官室長補佐
 そこは一応法人からになります。

○上野谷部会長
 いかがでしょう。あまり私も得意な分野ではありませんので。

○真野委員
 私、そろそろ失礼しなければいけないので、最後に言い置いていきます。やはり大島先生も気にされていることだと思うのですが、最終的に職員のあるいは理事のお金に反映するというところが、先ほどの話ではないですが、公務員だったら、わかりませんが、人事院とか、企業でも人事部とか、そういうところがある意味同列の基準をもって評価すると思うのです。いままでは最終的に1.0なのであまり我々の評価が直接反映してなかったと思うのですが、それが反映するとなると、先ほど上野谷先生が言われましたように、我々のところは、Sが少ないとか、そういう部分が直接反映してきちゃうと、何といいますか、別にいい加減にやっているというわけではないのですが、我々が厳しいのか、ほかが緩いのかどうかはわからないけれども、ちょっと違和感があると、そういうことだと思います。

○大島部会長代理
 おかしいです、これは。釈然としません。そんなところまで求められているとは思いませんでした。

○上野谷部会長
 釈然としないというか、そんなに。

○政策評価官室長補佐
 そこはステップ2というところで、業績を再検証と書いていますが、これは先ほど言いましたけども、9頁、10頁で、その方の功績とか業績を特に見て、上げるべきところはプラスするべきではないかというところもございます。これは評価委員会からの申出ということもしていただいても結構なので。その法人が自分のところから出してこなかったから駄目だというわけではなくて、これは現状でも一応、業績勘案率を算定する上で考慮とすべき事由があると認められる場合には、評価委員会としての意見を出していただいて、0.5の範囲で助言できるとなっていまして、それは今回もそのまま引き継いだ形にしております。そのもともとの算定で低いか、高いかはちょっとなかなかあれかなとは思います。

○上野谷部会長
 さて、この扱いなのですが、これは実は総会事項になっているのです。総会事項なので部会としてこの方針でいいのかどうか。総会では各部会のほうからいろんなご意見が出されるとは思いますので、大方のご意見を頂戴しておかないと。実は、私は総会には出られないものですから、部会長代理が意見を求められましたら、このいくつかの課題だけでも話をせざるを得ない。他の部会がどういう形になるのか。特に国立病院機構なんかはかなりこういうお金に関しては特に厳しく、国立大学の附属病院との関係もあったりしますので、いろいろおっしゃると思います。この扱いですが、これはいくつかの意見があったということを総会では報告する。

○政策評価官室長補佐
 ちょっといま意見をいただいたのを、少し簡単にまとめてメモなりを作成させていただいて。

○上野谷部会長
 これは今度の総会で決めるのですか。

○政策評価官室長補佐
 できれば決めたいなと思っております。総会の中でどういうご意見が出て、まとまる、まとまらないがあるかとは思いますが、できればまとめたいなとは思っています。

○上野谷部会長
 ということなのですが、モデル的にどこかの法人に実施してもらうこともできない事項なので。いろいろ厚労省の中でも練られた結果だとは思いますけれども。いまのところではいくつか意見が出ました、不安材料がありますということで、賛成する、反対するという立場ではそこまでいかないというので、五十嵐委員いいですか。

○五十嵐委員
 そうですね、小刻みにと、あと、先ほどありましたように、特別な事情についてきちんと審議するということはやはり必要だと思うので、前進であるとは思います。最初のスタートのところをここへバサッと色分けしてしまう辺りは、少し私は気にはなるなと。全体をとおして調整ができるというか、個々の事情を判断できるようなことにしておかないと。先ほどの例えば福祉医療機構の理事長のように、自ら報酬を下げたという形になったときに、下げた報酬を基準に倍率が決まるわけですから、多分それが順調に効果があったとしたら、退職金のところの倍率で評価してあげないといけないのではないのかなと思いますし。そういうときに機械的にAとSだけではたぶん評価できない部分だと思いますので、その部分を残してというか、そういう形で設計できればいいかなと思います。

○上野谷部会長
 いまの理事長は評価はしないと。どなたか記録に残して覚えておかないと。総会に委員として出られる先生も何人かはおられるとは思いますので、是非そこでおっしゃっていただくか、様子を見て。27日は、うちからは先生だけですか。平井先生もお出になりますか。何人かは出られますので、申し訳ないですが。

○平井委員
 基本的なことがよくわかっていないのですが、プラスにするのは、もともとのレベルが決して高くないからという意味合いですか。

○政策評価官室長補佐
 業績がよかったらということです。

○平井委員
 そういうのはわかるのです。やはり業績から見ると、よほどのことがない限りそんなマイナスのほうには、1を下回るようには付けないですよね。付けにくいです。

○政策評価官室長補佐
 だいたい0.9とかになっているところは不祥事だとか、何か問題があってそういうふうに0.1減算されているというのがほとんどで、通常にやっていて、ちょっと業績が高くても1.0になるのが普通だと思います。目的積立金を積むというところがほとんどないので、そこを見て。

○平井委員
 やはり多少はプラスアルファ。

○政策評価官室長補佐
 現状ですと、文科省で1.1が1人と、国病機構で1.2が2人と。いまのところはそれだけです。あとの方は皆さん1.0で、あと、0.9という方が27名ぐらいいらっしゃいますが、その方々はすべて不祥事とか法人のほうで何かあったり、個人的に何かをやったりとかいうところだと思います。

○上野谷部会長
 この新しい計算方式にしても、いままでの分とそれほど変わらない。特に個人業績が高い人は高くなるということですか。

○政策評価官室長補佐
 そうですね、目的積立金が最終的に積まれてないと1.1とか1.2という決定にはならないです。そこは変わらない。

○上野谷部会長
 1.0ですね。何があってもそれしか出ない。そういうことで、全体の部会が決められそうであれば決めるということで、あとは個人業績あるいは法人業績率、法人業績率は私どもが評価した部分で出ますので、これをどうするかという問題もありますが、個人貢献率というのをどういうふうにデータを出していただくのかということによって、熱心な法人は、個人貢献率を出してきて、ある法人は知らんぷりということもあったりすると、こちらとしても、さっきおっしゃったように、個人貢献率をといっても、なかなか出せませんので、その辺り慎重にとか、見直しの期間を設けるとか。決まっても大体見直しの期間を3年後に設けるとか何かを付けていただくことによって、人様の賃金に関わることでありますので、お金に関わることですから、慎重にということをおっしゃっていただければいいのではないのかなと思います。これはこういう扱いをさせていただくということで、了承いただくということで、申し訳ないですが、部会長代理並びに平井先生にお願いいたします。
 次に、不要財産の扱いです。

○政策評価官室長補佐
 こちらについては、資料4-2のほうです。独立行政法人通則法の一部を改正する法律が先の通常国会で成立しまして、年内に施行される不要財産の処分にかかる国庫納付ですけれども、この施行が予定されています。この改正法によって独立行政法人の保有する財産で、将来にわたって業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合には、当該不要財産を処分しなければならないとされておりまして、その不要財産は、遅滞なく国庫に納付することになっています。この財産の国庫納付にあたっては、当該不要財産の処分を厚生労働大臣が認可する必要があります。その際にあらかじめ評価委員会の意見を聴かなければならないということになっていまして、法改正の施行日によってはすぐに部会を開催して審議をしていただくことが困難になるということも予想されます。
 不要財産については、次の頁にありますが、この部会担当のところでは、福祉医療機構の長寿・子育て・障害者基金の全部が該当します。部会における了承の下に、この資料4-2の1頁の下のほうにあります【不要財産処分に係る各部会の意見の取扱い】についてのとこで、その別表で予定されている不要財産処分を行うことについて、あらかじめこの部会で了承をいただいておいて、施行されて、その認可申請を行う前に部会長に不要財産を確認いただいて了承を得ると。その了承を得たものについては部会の意見をいただいたという取扱いにさせていただき、また、そのあと直近の部会でその旨をご報告させていただければと思っています。法の施行がもしかしたら9月末になって、その場合にまた持ち回りだとか、急にしなくてはならなくなるという可能性もあります。基金の財産についてはここに特定されていますので、この部分について、後に不要財産として国庫納付してよいかということを、あらかじめ了承いただければということです。

○上野谷部会長
 いまのご説明ですが、長寿・子育て・障害者基金ですね。私どもの部会で関係します。これはお返しすることを前提にこの間部会が開かれているわけですが、正式に法的な措置が通りました後、これだけのお金を返却するということを了解をしておいていただき、法律が決まりましたら、本当に返しますと部会長として言わせていただくということですが、いまさら反対しても仕方がないのでしょう。

○大島部会長代理
 事業仕分けですね。仕分けされてしまったのですね。

○政策評価官室長補佐
 はい、そうです。

○上野谷部会長
 そのとおりいくという法律ができるということですね。どうですか。基本的には私は反対をしている人間ですけれども、返さなくてもいいという。しかし、返していただいて、この必要なお金をまた補助金として、1つ1つな毎年上げていただいてということで、滞りなく長寿・子育て・障害者の研究ないしは事業に使っていただく、それをしていただくことを前提にお返しをすると。お返しというのは変ですが、不要財産だそうですから。

○大島部長代理
 どうなのですか。

○上野谷部会長
 それに関しては、やはり補助金になることと自由に企画できることとは意味合いが違いますから、かなりの書類を出すとか、現場では少し混乱されています。しかしそういうことです。了承したということで、よろしくお願いをいたします。

○大島部会長代理
 了承せざるを得ないですが、ずいぶん乱暴な話です。

○政策評価官室長補佐
 そこを補助金で賄うのでということも1つあるかとは思います。部会長が言われたように、自由度がなくなってしまうというのは、法人にとっても辛いところではあると思います。

○上野谷部会長
 様々な市民活動に自由度がなくなったり、書類が多いということはもう大変なのです、現場をやっている人間にとっては。

○大島部会長代理
 小さいところはこれでやっていましたから。

○上野谷部会長
 ものすごくいい活動ができたのですが、適正に。その文化を閉ざさないようにしながらやっていただくという工夫を。いまの人は覚えていますが、5年経ったときに忘れて単なる補助金になってしまうから。
 それでは時間が10分過ぎましたが、予定の案件はすべて終了いたしました。今日いただきました総合評価と財務諸表についてのご意見は、厚生労働省独立行政法人評価委員会運営規程第3条の規定に基づいて、当部会の決定が評価委員会の決定となりますので、政・独委への通知、公表の手続が行われるということです。本当にありがとうございました。今後の予定を事務局からお願いいたします。

○政策評価官室長補佐
 今後の予定について連絡いたします。本日審議いただきました法人の総合評価書については、事務手続を進めさせていただき、後日、委員の皆様に確定版を送付させていただきます。なお総会については、8月27日金曜日、午後2時から、ここと同じ専用21会議室となっておりますので、総会メンバーの方についてはご出席をよろしくお願いいたします。以上です。

○上野谷部会長
 本日は、長時間にわたりありがとうございました。




(了)
<照会先>

政策統括官付政策評価官室

独立行政法人評価係: 03-5253-1111(内線7790)

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