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2010年7月5日 機械譲渡時における機械の危険情報の提供のあり方等に関する検討会

労働基準局安全衛生部安全課

○日時

平成22年7月5日(月)15:00〜


○場所

三田共用会議所第3特別会議室


○議題

○安達副主任中央産業安全専門官 定刻より早いですが、既に委員の皆様がお揃いですので、開会させていただきます。本日は大変蒸し暑い中ご参集いただきまして、ありがとうございます。第3回の検討会をこれから開催したいと思います。本日は委員全員のご参加をいただいております。それでは、向殿先生、どうぞよろしくお願いします。
○向殿座長 お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。また、素晴らしい会議室ですので、今日は議事もスムーズにいくのではないかと期待して進めさせていただきたいと思います。
 それでは、資料の確認をお願いします。
○安達副主任中央産業安全専門官 お手元の資料ですが、議事次第が1枚あります。次に資料1としてちょっと厚いですけども、前回の第2回の検討会議事録があります。資料2としまして、検討会報告書(案)を付けさせていただいています。あと参考資料としまして、2つあります。前回同様、参考資料1としまして、本検討会開催要綱、参考資料2としまして、本検討会参集者名簿を添付させていただいています。
○向殿座長 どうもありがとうございました。それでは始めたいと思います。まず、資料1で前回の議事録の報告があります。大事な議論は資料2ですので、簡単にご説明をお願いします。
○安達副主任中央産業安全専門官 資料1は前回の議事録です。ここで詳細なご説明は割愛させていただきますが、論点の整理ということで情報提供の内容ですとか、情報提供の方法ですとか、支援方策について全般的にご意見をいただいております。いただいたご意見等につきましては、後ほどご説明します資料2のほうに反映させておりますので、そちらのほうで、見ていただければと思います。また、こちらの議事録につきましてはまた後日ホームページで公開いたしますので、さらにお気付きの点があれば事務局のほうにお知らせ願えればと思います。以上です。
○向殿座長 どうもありがとうございました。もう一度、自宅に帰ってじっくりと確認してください。発言者の名前も一緒に公開とのことですのできちんとチェックしていただきたいと思います。
 それでは、今日のメインでありますこの検討会の報告書(案)の資料2の説明をお願いします。
○安達副主任中央産業安全専門官 お手元の資料2につきまして簡単にご説明いたします。第1回と第2回と非常に活発なご議論をいただきまして、ありがとうございました。今までのご議論ですとか、各委員から頂きました意見を元に報告書(案)を取りまとめています。簡単にご説明したいと思います。
第1に「はじめに」があります。また、第2に「機械安全に係る現状と課題」があります。こちらについては、背景事情等ですので説明は割愛させていただきます。
資料2の5頁の第3「今後の機械の危険情報の提供のあり方について」から順次ご説明いたします。まず「1 基本的方向」というところです。ご議論を踏まえまして3行目にありますが、当該リスクマネジメントに必要な情報をメーカーがユーザーに適切に提供することが必要であるとされました。ユーザーにおいても、この提供された機械の危険情報を活用し、リスクアセスメント及びリスク低減措置を実施することによって、労働災害の一層の減少が見込めるとされました。このため、ユーザーにおけるリスクアセスメントの取組を促進し、機械労働災害の一層の防止を図るためには、メーカーによる機械の危険情報の提供に取り組む仕組みを確立することが必要であるということでした。「また」のところですが、取組が進んでいないメーカー、ユーザーに対する支援方策も重ねて講じることが必要であるということでした。「なお」のところにありますけれども、実効性のある仕組みが必要であるということで、前回までの議論では、この実効性を確保するということがかなり重要なキーワードでした。「さらに」のところですが、この情報提供の取組を展開するに当たり、先進的な取組を行っているメーカーなどにおいては、機械包括安全指針別表第5(「使用上の情報」)に基づく情報提供の取組も推進していくことは言うまでもないということでした。全般的な機械包括安全指針に基づく取組と、今回検討するようなユーザーに必須の情報を提供していく取組を両立しつつ、全体の底上げを図っていくということでした。
2のユーザーがリスクアセスメントを実施するために必要な情報というところです。こちらは前回も活発なご議論いただきました。
(1)概要というところに包括的に書いていますが、ユーザーのリスクアセスメントに資するもの情報として、?@「必須の情報」、リスクアセスメントの実施について最低限必要と考えられる情報と、?Aユーザーの要求等に応じた「必須の情報以外の情報」という2段階に区別して整理してはどうか、ということでした。この?@については、最低限必要なものとしてユーザーに分かりやすい方法で提供するということが必要であるということと、この?Aについては、使用目的に応じた提供が行われることが適当という議論がありました。
(2)で必要な情報としての「残留リスク情報」ですが、これは提供すべき情報を危険源の情報、あるいは残留リスク情報とすべきかとの議論がありましたけれども、前回のご議論ですとJIS等に規定する「危険源の危害のひどさ」と、「その危害の発生確率」を組み合わせたリスク情報、特にメーカー段階での保護方策を講じた後に残る情報、そういったものを取扱うべきではないかということでした。
こういったリスク情報のうち(3)の「必須の情報」とはどういうものかということでした。これは、ユーザーにおいて保護方策を講じることが必要なリスクとメーカーの段階で判断した残留リスク情報という言い方もできるということです。またユーザーにおいては、この情報を活用してリスクの大きさに応じて追加の設備対策ですとか、あるいは適切な作業管理、これは保護具の着用ですとか、安全教育の実施、あるいは資格者による機械の取扱い、そういった措置が必要となるものであり、このためユーザーにおいて対策を講じるために必要な情報であるということでした。この情報の中身としては、当該残留リスクに係る危険源、例えば、刃部、重量物に係るもの、騒音、あるいは感電に係る充電部ですとか、そういった危険源の情報、どういった作業時に生じるかという作業の内容、また想定される危害のひどさ、そういった情報がこの中に含まれるのではないかということです。これにつきましては、また後でご議論いただきたいと思います。また、死亡や重篤な危害を引き起こす危険源や、あるいは見た目ではなかなか判別できないエネルギーを持つものですとか、メーカーでしかわからないような危険源については、危険の回避の可能性も考慮しつつ、危害のひどさも含めて優先して提供すべきであることでした。また、この情報の作り方ですけども、基本的にメーカーが機械の使用条件等について標準的な前提条件を設定した上で決定されるものとされました。あと「さらに」というところですが、機械包括安全指針では、例えば機械の廃棄ですとか解体、そういった作業も含めたものとしています。現行のメーカーの取組事例からして、機械の譲渡時にこの必須の情報としてどこまで含めていくかということでした。例えば、通常の運転作業ですとか点検保全作業ですとか、通常ユーザーの労働者が危害にさらされる頻度が高いと想定される作業は、逆にいうと、必ず含めておくことが必要との意見もありました。これが、必須の情報の位置付けでした。
 (4)は必須の情報以外の必要な情報についてです。これはユーザーにおいて利用することを前提にメーカーに対して要求することにより提供がなされたり、あるいはメーカーの判断で追加的に提供されるものと位置付けられました。この情報の範囲につきましては、いろいろとご議論がありまして、例えば1つ目の○ですが、本質的安全設計方策の施された危険源に対する情報、これはユーザーにおいて使用目的があるのであれば要求により提供されるべきではないかというご意見がありました。2つ目の○で、ユーザーが講ずべき方策の内容ということでした。これはユーザーが講じる保護方策はいろんな形を取り得るが、リスクアセスメントの取組が進んでいないユーザーにとっては、メーカーから推奨される保護方策の情報を提供されることが非常に効果的であるということで、これについてはできるだけ提供すべきであるということでした。7頁目ですが、現行では、負傷に関するハザード情報に注目が集まるのですが、頸肩腕症候群といったエルゴノミクス系の中長期的に発症する恐れのあるようなリスクについて、どう考えるかというご意見もありました。これは、今後、メーカー段階での情報作成の対象として含めていくよう留意していく必要があるのではないかということでした。あと、ユーザーにとって必要となる情報が、企業機密に係るものがある場合ですとか、あるいは情報を要求された場合でメーカーの負担が相当大きい場合もあるのではないかということでした。この場合は、適切な代償、あるいは守秘義務を課すといった当事者間の契約等に基づき、メーカー、ユーザー双方の一定の合意の上で提供することが適当ではないかということでした。さらに、機械に関わるすべての段階、製造から廃棄に至るまでいろんなステージに応じて必要となる情報が生じるということでした。先ほど、必須の情報のところでは、通常、ユーザーの労働者が係わる頻度の高いものがありましたけれども、それ以外のものであってもユーザーにおいて必要となる場合には、あらかじめ、こういった情報に含めておくべきではないかということでした。以上が情報の内容でした。
 3番目として、機械の危険情報の提供の方法についてです。これについては、概ねユーザーにとって明瞭に情報が一覧できるように提供するという形で、ユーザーが使いやすく活用しやすい方法ということで意見が一致しているところですけど、具体的にどのように提供するかということです。(2)がその具体的な情報提供のイメージについてですが、2のところで記載のあった「必須の情報」を含む情報提供の様式を準備しておく必要があるということでした。これは、柔軟で使いやすいひな型という言い方もあったと思います。一例としまして、「例えば」というところに化学物質の情報提供としてMSDS(化学物質等安全データシート)があります。これは必須の情報の項目を定めて、文書等によって明瞭な情報提供がなされていることから参照できるのではないかということでした。ただし、機械につきましては、化学物質と違いまして、機械の種類ですとか、あるいは機械自体が有するリスクというのが非常に幅広くありますので、主要な機械の分類ごとに特徴を踏まえた参考例を示していくことが望まれるということです。これについては、あとで第4の支援方策のところにも関連するものです。
 (3)は明瞭な情報の提供方法についてです。第1回検討会で紹介したアンケート調査においては、メーカーは何かしら機械危険情報を出しているが、ユーザーの方ではそういった危険情報を受け取ったという認識が非常に少ないという結果でした。そういった意味からも、ユーザーが明確に認識できるような提供の方法が必要であろうということでした。これについては取扱説明書と別途にするということもありました。これは、取扱説明書というのが主に機械のオペレーター向けのものであるのに対し、今回、検討している情報というものがユーザーのリスクアセスメントを行う者が利用するということも考慮しまして、使いやすいように残留リスク情報をバラバラではなくて一覧の状態で提供することが適当ではないかということでした。
 8頁目の(4)ですが、情報提供が必要となる場面というところです。リスクアセスメントに係る基本的な指針としまして、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」が平成18年の労働安全衛生法改正時に策定されております。ここで、ユーザーがリスクアセスメントを実施する時期の一つとしまして、「設備を新たに採用し又は変更するとき」があります。ですから、今回の情報の提供については、基本的には機械の譲渡時にメーカーが提供することを中心に考えています。一方で、前回議論にありましたが、例えば機械の中古品を譲渡する場合ですとか、あるいはリース業者が更にエンドユーザーに対して機械を貸与するような場合、そういった場合にこのような機械の危険情報の提供をどうするかということがありました。これらについては、メーカーからの機械譲渡時に入手した情報を更にエンドユーザーのほうに提供していくことが必要であろうかと考えています。このことについても、ご意見をいただきたいと思います。
 4番目の対象とする機械の範囲についてです。これは概ね、労働現場で使われる機械ということでご議論いただいたところです。ただし書きにありますけども、主として一般消費者の用に供する機械については除外して、労働安全のため労働者が使う機械に限ることが妥当であるということでした。これは、先ほど申し上げた化学物質のMSDSにつきましても、法令上、同種の規定がありますので、今回の機械の対象というのも同じような考えにすべきではないかということでした。
 5番目に実効性のある情報提供とするための配慮についてです。第1回と第2回とご議論いただいた中で、この実効性という視点でのご意見をいただきました。2行目に書いてありますが、法第28条の2を実施する上で具体的なリスク低減に活用できるものであるかという実効性と、あるいはユーザーが十分使いこなせるものであるかという実行可能性の2点をよく見極めたものとして、うまく仕組んでいく必要があるということでした。この下の○のところに2点、留意事項が書いてありますけれども、1つ目の○については、前回、直近のリスクアセスメントの実施状況をご報告させていただきました。全国約4,000事業場を調査したところ、実施中が38%、実施準備中が14.2%、実施予定が25.6%ということでした。全体の4割が何かしら取組に向けて進行形ということでした。こういった事業場の取組を推進させるという観点からも、ある程度、実施意欲のある事業者の取組を促進させるために、こういった情報提供が必要であるというご意見もいただいたところです。
 9頁の○のところですが、実行可能性というところでいくと、あまり多くの情報で消化不良になってもいけないということから、「使いこなせる情報」という言葉でも表現されるということでした。この点については、提供側のみならず、情報の受け手もしっかりと情報を使いこなせる体制がないといけないということでした。この点については、支援措置を講じる等によって段階的に全体の底上げ、レベルアップを図ることも必要ということです。以上が情報提供の仕組みについてでした。
 第4のところでは、このような機械の危険情報の提供を円滑に運営するための支援方策についてご議論いただきました。基本的には取組がまだ十分でないところを底上げして、こういった仕組みをうまく回していくことが必要であるということでした。メーカーへの支援というところは、これはいろんな意見もいただきまして、1つは第3のところに書いてある情報提供の仕組みをうまく回していくということもありますし、この残留リスク情報のプロセスに係る一連のガイドライン、できるだけ具体的な手順を示していくことが必要であるし、また好事例を提供していくことが必要であろうということでした。また、「また書き」のところにありますけれども、機械災害に係るリスク要因を含む、利用しやすいデータベースの整備が求められるということでした。これについても、具体的にどのようなデータベースが必要であるか、ご意見をいただければと思います。次の段落は、人材の問題についてです。こういった情報の提供に係る必要な人材の育成、あるいは意欲のある中小企業に対する個別的な支援、こういったことも有効であるということでした。
 3番目のユーザーに求められる取組、あるいはユーザーに必要な支援というところです。当然、メーカーが情報提供を行った場合は、情報の受け手のユーザーがいます。ですからユーザーで情報がうまく活用されないとせっかくの仕組みがうまく回らないということです。また書きにありますけど、例えばユーザーから機械の発注時に安全の仕様をメーカーに提示するとか、そういった情報が流れてくるだけじゃなくて、情報を求めたり、提供していくということで両者のリスクコミュニケーションをうまく回していくことが望まれるということです。「このため」というところですが、やはり同様に人材の問題もここで必要であろうということです。必要な人材を育成する研修等の機会ですとか、あるいは取組意欲のある中小企業に対する個別の支援ですとか、企業内の取組だけではどうしても難しいというところには、外部の専門機関が利用できる環境整備も必要ではないかということでした。また、「さらに」というところにありますが、こういった機械安全の妥当性を適切に行う人材が評価される仕組みを構築することも望まれるということで、そういった社会的な評価の仕組みも非常にインセンティブになるのではないかということでした。
 11頁のまた書きですが、これは繰り返しになりますが、これはユーザーのほうからも機械の使用条件等の情報をあらかじめメーカーにフィードバックしておくことが重要ということでした。
 4番目の機械のリスク情報のメーカーへのフィードバックについてです。前回、例えば機械の災害情報1つ取りましても、我が国ではメーカーに対して、機械でどういった事故が起きたというフィードバックが低調だということでした。一方、メーカーが情報を受けた場合は、設計段階に有効活用されているということでしたので、こういった取組も促していく必要があるとともに、先ほど出ましたけれども、機械災害のデータベース、こういったものを整備しておくと設計段階でのリスクアセスメントや情報提供のための情報作成に非常に役立つのではないかということでした。
 あと、12頁以降は関係資料です。これは第1回、第2回でお示しした資料の範囲で、参考資料として添付してあるものです。簡単ですが以上です。
○向殿座長 どうもありがとうございました。この報告書のメインであります第3章の危険情報の提供のあり方と、それから第4章の支援方策と大きくわけることができると思います。順番にいきたいと思いますので第3章の「危険情報の提供のあり方」からまず、ご質問、ご意見を出していただいて、有効性のある報告書になるようにご努力を願いたいと思います。どなたか、ご質問等、ご意見等ありましたらどうぞ。では、高岡委員お願いします。
○高岡委員 5頁の中段の「さらに情報提供の取組を展開するにあたり」のところですけれども、機械包括安全指針の別表第5に基づく情報提供の取組も推進していくことはいうまでもない、という表現があるのですけれども、機械包括安全指針とは別のことを提案しようとしているのでしょうか。
○安達副主任中央産業安全専門官 ここの表現ですが、今回検討している情報提供は、必須の情報ですとか、一覧性による情報提供方法ですとか、明瞭に提供するという流れがあるのに対し、機械包括安全指針の別表第5というのは、包括的な取組として、警告ラベルとか警報ですとか取扱説明書ですとか機械の危険情報をより全体的に提供するものですから、どっちか1つの方法でなければいけないということではなく、今回検討しているのはかなり重要度が高いものは必ずやってくださいというニュアンスで、ここは書かせていただいております。
○高岡委員 別表第5のその下位に属するものという位置付けでないと、やっぱりこの指針というのは2001年から既に世の中に出ていますので、これとまた別という受け取り方をされるのはちょっとまずいと思いますので、この別表第5には網羅的に書いてありますけれども、それをより具体的にした表などで提供するという位置付けのほうがいいのかなという気がしますね。
○向殿座長 よろしいですかね。確かにいま、宮川さんが前からおっしゃっている話につながることですね。
○宮川委員 言葉じりではないのですが、残留リスクという言葉についてですが、例えば前回の3-1みたいな資料は、いままでもメーカーも大なり小なりあの類のものは出てきているわけです。一層のリスク低減を進める為に意識を変えるためには、残留リスク情報は許容できないリスクについて出しているのだという表現が非常に重要だと思うのです。許容できないのだけれども、どうしようもなくて、ユーザーの危険回避方策に委ねているのですというところが重要だと思うし、そこに対して、メーカーは忸怩たる思いを持って研究開発に取り組んでほしいし、またユーザーは許容不可のリスクを受入れたというこしを真剣に考えなくてはいけないということで、許容できないリスクであることを明確にしておきたいということです。
○向殿座長 よろしいですか。特にISO12100を見ていると、許容可能なリスクしか残してはいけないと書いてあると、現実はそうはいかないという話で、メーカーがユーザーも許容できない、そういう残留リスクはある。これはメーカーも注意するし、ユーザーもきちんと意識すると、そこをきちんとはっきりしろ、その意識だけきちんとはっきりして分かるようにしておくということですね。
○宮川委員 そういうことです。
○向殿座長 ほかに、せっかくですから。大枠でこの方向でいこうということであり、具体的にはこれはまずこの場で決まると思うのですが、大枠としてこういう方向で、この報告書を出すということで。
○畑委員 確認ですが、いま、ここにある別表の項目は、我々メーカーサイドでいえば、使用の情報としてざっと出しますよね。その中で必須情報、これは危ないというのと必要情報に分類するという感覚等を持ってよろしいのですかね、いまの進め方としては。何かそういうふうに分けて、きちんと必須情報、必要情報を、それぞれの項目、別表に従って分類すればいいのかと私は思っているのですが、その点はどうですか。
○安達副主任中央産業安全専門官 先ほどの高岡委員のご意見とも同じであると思うのですが、イメージとしては機械包括安全指針に基づいて包括的に情報を出すことも別途あると思うのですが、今回は、いま座長からおっしゃっていただいた必須の情報、あるいはその提供の方法も含めて、ユーザーのリスクアセスメントに活用できるものに着目しています。この情報以外にも表示等の方法により、いろいろなものは、従来の別表第5による提供の方法で全体的な提供がなされていくという2段階のものとして、包含関係の中にあるイメージがわかりやすいのではないかと考えています。
○向殿座長 畑委員の言いたいことは、ほかの機械包括安全指針のあるものはまず全部対象づけ、その中で必須のものとそうでないものに分けると、それのほうが分かりやすいのではないかと、そういう意味ですか。
○畑委員 そうです。
○向殿座長 包含関係ということでいくと、まさにそのことになろうかと。
○安達副主任中央産業安全専門官 まさしくそうです。
○畑委員 メーカーサイドからいえば、あれは1つの非常によい使用上の情報のチェックリストになっていると思っているのです。だから、そこで全部洗い出して出したものに対してその必須、必要と分ければ、非常にユーザーもわかりやすくなるのではないかと考えています。
○向殿座長 基本的にそのような考えでいいですね。
○高岡委員 付け加えていえば、ここに書かれているメーカーがユーザーにおいて保護方策を講じることが必要なリスクと、メーカーが判断した残留リスクだという具合に書かれているわけです。ですから、メーカーから提供するときに、ユーザーが保護方策を講じないと使えない、そういう残留リスク情報ですが、リスクというのは危害のひどさと可能性です。その可能性の中には、接近の頻度とかそういうことが入るのですが、その接近の頻度とか作業頻度はユーザーによっても違いますので、どちらかといえば、この必須の情報は、メーカーサイドで危害の大きさに重点を置いた情報だと、そういう具合に理解してよろしいのですよね。
○向殿座長 これはどうですか。実はそういうイメージが6頁の中段の「必須の情報」の中に「また、死亡又は重篤な危害を引き起こす危険源については、危険回避の可能性を考慮しつつ、その危害のひどさを含めて優先して提供すべきである。」と。この場合は、リスクという概念よりもひどさをメインに置くのだというイメージがここに実は入っていると私は解釈しています。いいのですかね。要するにリスクというのは、ユーザーの使用の仕方によって頻度とかは変わりますから、メーカーが想定できないものもある。だけど、これで事故が起きれば重篤になりますというものは、使い方を何かうまくやることで頻度が下がったとしても、実は出すべきだというイメージがここには入っている、と私は解釈をしています。
○安達副主任中央産業安全専門官 いま座長がご説明いただいたことは、6頁の(3)「必須の情報」のパラグラフの2つ目の「また」の所、ここは特に大きな危険源に着目したものの情報の提供のあり方ということで、一方、大きな危険源をすべてということだけではなくて、この危険回避の可能性といいますか、これは確率的なところも考慮して、死亡とか重篤なハザードについては、提供すべきだというのが、この部分の記述です。
 その下のパラグラフは、これは前回ご意見があったのですが、そうはいってもリスク情報として出そうということになると、ある程度条件は設定をしなければいけないというところでして、ここには基本的にはメーカーが機械の使用条件等について標準的な前提条件を設定した上でというご意見もあり、最終的にはユーザーでもう一度リスクアセスメントをしなければいけない。そこで頻度はもちろん考慮されなければいけないのですが、メーカー段階で出すときには、こういった一定の条件の中でまずは提供をしつつ、あとで出てきますが、本来であればここにリスクコミュニケーションのようなものがより促進されれば精度が上がると、全体としてはそういう構成となっています。
○向殿座長 よろしいですか。
○高岡委員 はい。
○宮川委員 先ほど高岡委員が言われたことに通じると思いますが、6頁のいちばん上の所、「メーカーが保護方策を講じた後に残るリスクを、残留リスク」ということですが、仕事の手順としてはこうなのですが、本当にこういう言い方が適切か、梅崎委員に聞きたいのですが、機械包括安全指針などを見ましたら、私はこう解釈しているのです。残留リスクとは、本来ならば許容不可能なリスクであり保護方策で講じるべきなのだけれど、講じることができなかったらリスクという意味ですよね。だから、作業手順の結果としてはこうなるのだけれども、マネジメントのプロセスからいうと、許容できないのだけれども、保護方策を講じることができなかったリスクと書くべきではないかとは思います、
○梅崎委員 そのとおりだと思いました。結局、ここの一連の話を整理するとき、いま宮川委員が言われた、ともかくこれだけは起きては困るから確実にやっていかなくてはいけない話と、それよりは若干優先順位は低いのだけれども、やはりやらざるを得ない話が、ここでいう「必須の情報」と「必須の情報以外の情報」に分かれるのかと思ったのです。
 結局、労働災害を防ぐための法改正なので、本来であれば設備対策が必要なのだけれども、やむを得ないから情報を提供していく。そのための必須の情報は何かという視点から考えていかなければならないのが、たぶん6頁の1行目であったり、(3)の「必須の情報」かと思うのですが、私自身としてはそういう理解です。
○向殿座長 これは私の解釈ですが、残留リスクというのは、保護方策を施してもまだ残ったリスクが残留リスクが正式の定義ですよね。しかし、いま言ったように、残留リスクを、要するにリスクを減らそうと思って一生懸命に保護方策をやる。実はやれないものもありますと。でも、やってもまだ残っているのもあったと。この残留リスクはやはり両方を含んでいると、そう解釈すべきだと思います。そのときの必須の残留リスクは何かというと、重篤、それからリスクが非常に大きいという判断がここに入っている、という解釈でいいのではないかと思うのですがね。
○梅崎委員 だけど、厳密な、先ほどご指摘にあった機械安全の残留リスクの定義からは少し外れるものではあると思うのですが、そういうものを今回の法改正ではいちばん対象にしなくてはならないのではないか。それを残留リスクと書いていいかどうかということが、先ほど宮川委員が言われたように重要になるかもしれないです。
○向殿座長 これは、両方含んでいて、国際規格でいうと、「残留リスク」と書いたときには、許容を可能にしてはいけないという解釈はないわけではないのですよね。でも、現実、日本の場合はそのようなことをやっていても売れないし、ユーザーも困るということになると、ここまではメーカーはやりました。残った残留リスクをきちんと明確にして、ユーザー側にその制御のあれを取りますと、その流れ。その大きさは、要するに人命にかかると、危害のひどさとか、リスクの大きさを考えて、重大か必須かどうかを分けようというか判断だと、ここまで考えてきていると思います。
○宮川委員 先生が言われた大きな重篤な災害とかそういうものは、私が先ほど言った許容できないリスクと表現したわけでして、基本的には同じかと。だから、逆に手順として言うのではなくて、リスクアセスメント普及の現場からみると、許容可能なリスクとか許容可能でないリスクということが、わかってないのが結構多いのです。作業のリスクアセスメントでも「許容できないリスク」と書きながら、ではこの作業はやらせてないのだねといえば、「やらせています」とか実はそういうところがあります。「リスク」という言葉とか、それを許容するとかということを学んでない日本の社会なのです。だから、そういうことはきちんと言ってあげて、「これが持っている意味は本来許容不可能なのだと。買ってはいけない機械なのだよ。だけど、ここのところは仕方がないからユーザーでやってね」ということを明確にして、しっかり議論し合うことが重要ではないかということです。
○向殿座長 大体流れは一致しているというふうに解釈は。よろしいですか。
○宮川委員 それから、必須の情報ですが、いままでの1、2回の議論を整理してみると、たぶんこのような整理ができるのではないかと思っているのです。それは先ほど言ったように、危険情報とは許容不可能なリスク情報だということで、1つはリスク評価結果の情報と、そのリスクに対する措置内容の情報と、もう1つは高岡委員が言ったように危険源情報です。大きく言ってこの2つが要るのではないかということです。何かこの中で散りばめられているような……、そこのところは明確にする必要があるのではないかと思います。
○安達副主任中央産業安全専門官 いま宮川委員のおっしゃった6頁の(3)の1つ目のパラグラフの最後のほうだと思うのですが、ここは実はご意見をいただきたいと思いまして、「残留リスク情報」のうちの必須の情報についてですが、言い方を変えますとメーカー段階での許容不可な残留リスクの情報について、「その情報の具体的な中身は何ですか」ということです。これはあとでひな形を決めようとするときに役に立つと考えて書いたのですが、「当該残留リスクにかかわる危険源」については、いま宮川委員のおっしゃった内容でもあります。あと、ここでは「作業の内容」とか、「想定させている危害のひどさ」といった情報をここでは書いたのですが、この辺について項目ということで整理すると、どういう項目があるのか、もう少しご意見をいただければと思います。
○向殿座長 具体的にはこれを踏まえて決めることになると思うのですが、いまわかる範囲内で危険源だけではこれとこれだというふうに提案しておいていただけると、あとでまとめるときには相当参考になるということです。
○宮川委員 そうですね、1つは先ほど言ったようにリスク評価結果だと思うのです。いまは最終的に?T〜?Xとか、?T〜?Wに評価するのだけれども、あれはいったいどうなのというのが、先ほども言ったようにわからないままにその点数付けをしているのが実態でして、リスクアセスメントで点数付けをするということは、リスク認識の違いを明確にするということで、そこでは議論が始まっていくのではないかと思っています。そういう意味では、まず防護レス状態でのリスク評価結果があって、それに対してこういう物的措置を講じて、「これぐらいのリスクレベルに低減しました」、どうしても使用上の情報に頼らざるを得ないリスクがまだ残っています、だからユーザーできちんと対応してほしいという趣旨で、評価結果と措置内容。危険源の内容については、リスクにかかわらず基本的には全部欲しいのですかね、高岡委員。
○高岡委員 ここに書かれている危険源で刃部とか、重量物とか、騒音、充電部とありますが、充電部であれば、ガードとかで囲う場合が非常に多いのですが、(3)の一番最後に書かれている運転作業とか、点検・保全作業の中でカバーを外したり、そういう場合も想定をして危険源を明示すると、そういう意味だと思うのです。
○宮川委員 ということは、防護レス状態のリスクが欲しいということですね。
○高岡委員 そうです。
○宮川委員 防護レス状態のリスク評価結果と措置内容、カバーとそういう措置内容に対する話ということだと思います。あと、大きさについていうと、リスクアセスメントの指針の中に「取るに足らない危険源」というのか「軽微なもの」とか「そのようなものは除く」とありますので、それは適用できるかとは思っています。
○石坂委員 また第1、2回の議論を繰り返すことになってしまうのですが、高岡委員や宮川委員の所のように積極的に取り組まれている企業において、そこまで全部防護を取ったときどうなるかの情報を全部出せというのは、いくらでも個別に要求ができると思うのです。要するに、そういう努力なしに、今度の実効性というところの問題ですが、私がもう1つ実効性の意味を加えたと思うのですが、今度、中小でやってない所が多いと。そこをどれだけこういうのに取り組ませるか、ということが大きな狙いではないかと質問もしたと思うのですが、そういうところから言うと、そのところに効果的な情報をまずしっかりとシフトして伝える。そこまで全部機械設備に熟知して、中身まで全部やって、改造もやるかもしれないから、情報が欲しいという所は、個別に要求を出せる力もあるし、やっていけばいいのではないかと思うのですが、これは決してメーカー側に立って、そこまでのことはできるだけ出したくないからということで申し上げているのではなくて、円滑な運用の上にそこまで精緻に何でも出せということが果たしていいのか、という観点で申し上げています。
 まだまだ多くの小企業、零細企業ではそのレベル以下の状況で、リスクアセスメントをやろうと思ったら誰もいない、教育をさせようと思ったら社長しか出てこられないという所も多いわけで、そういう所がよりこういうものに目を向かせて取り組むようにさせるには、どういう制度として提供して使いやすく取り組んでいただけるかということではないかと思っています。
○佐藤委員 いま石坂委員が言われたのと全く同じですが、情報が重要で、その第1段階ということなので、その辺を十分に踏まえてしないと、理想論はよろしいのです。理想論は理想論として、あるステップアップした段階ではそういうことで、大部分のユーザーは実際問題としてそういう認識もないわけで、我々も苦労しているところなのです。理解させるのに苦労している。そういうのが日本の実情です。ですから、そこへいま高岡委員や宮川委員がおっしゃった段階にいきなり行くと、大変なことになってしまって、段階を踏んで、次のステップとか、次の次のステップぐらいにそういうふうに行かないと、なかなか普及という段階には達しないのではないかと思います。
○畑委員 私も石坂委員と佐藤委員の意見に賛成ですが、ここにあります必須情報として「危険源および作業の内容」「想定される危害のひどさ」、まさにこれは危険源の同定とリスク評価ですね、リスクアセスメント。ここまでをすべての危険源に対して出すと、受け取ったユーザー側はこれには判別しきれなくなって、実効性という点において非常に難しいのではないかと。要するに、「ここだけは危ないからここだけはガードしてよ」「ここは完全だからここだけカバーしてよ」と、実効性という観点からいきますと、そういう的を絞ったところを必須にしないといけないのではないかと思います。
○安達副主任中央産業安全専門官 もう一度6頁の(3)の第1パラグラフを見ていただきたいのですが、「必須の情報とは、メーカーがユーザーにおいて保護方策を講じることが必要なリスクとメーカーが判断した残留リスクである。ユーザーにおいては、この情報を活用して、リスクの大きさに応じて追加の設備対策とか、適切な作業管理が必要となるもの」、いま畑委員がおっしゃったように、もらった情報で何かアクションをしなければいけない情報であり、これ以外の情報とレベル分けを考える必要がある。
 もう1つは、先ほど石坂委員からご紹介のありました点については、資料の15頁、別添4という資料が後ろのほうに付いています。このことをおっしゃったものと思います。前回説明したのですが、15頁の下のほうに「リスクアセスメントの実施状況」という所があります。これは昨年度、全国の労働基準監督署で4,214事業場の50人以上の事業場に面談等で確認したものです。すでに実施している38.1%、これについてはおそらく少しレベルアップした取組みが今後求められるのではないかということです。また、「実施準備中」及び「実施予定」の4割は、まだ取り組んでいない事業場で、こういった所をリスクアセスメントに振り向かせるには、逆にどういう情報が必要かと考える必要がある。いま実効性ということで、報告書では2段階の形で両方とも推進可能な形に書いていますが、少なくとも取組みが遅れている所には、必須な情報をまず提供しておかなくてはということで、報告書では整理をしています。
○向殿座長 何か同じ議論を前回やった気がしますね。
○宮川委員 私と高岡委員が言われていることが、何をもってそれほどたくさん情報を出せと言っているのか、よくわからない。だから、私は許容できないリクス情報と言っているわけです。許容できないリスク情報は、中小企業・大企業を問わず出さなくてはいけないし、逆に佐藤委員が言われるように中小企業には知らないわけですから、特に「これは許容できないので、きちんとした対策をするのですよ。だけど、ここは対策できなかったのですよ」ということをきちんと知らしめてやらなくてはいけないのではないのか、それがまずスタートではないかということで、許容できないリスクと言っているのはそういう意味なのです。そこのところを是非ご理解いただきたいと思います。
○向殿座長 言っている内容は実は同じですね。私のイメージでは同じで、同じ議論をやっていますね。
私は、大企業に比べ中小企業は力がないからそれほどたくさん情報を出していて無駄ですよと聞こえるのです。でも、それは実効性という意味からいうと、大事なものはここだと、それ以外で進んでいるところだとか何かというのは、また次の段階で出しましょうと、この段階を分けるのは、ある意味では妥当かと思います。そのようにこの内容は書いてあるというふうに解釈しましょう。
○宮川委員 6頁の(3)「必須」で「さらに」という所がありますよね。これはあえて書かなくてはいけないのですか。では、どういうことかというと、メーカーの立場でいえば、全般を通じてやらなくてはいけないし、メーカーも特に自分たちが造った機械を据付などを業務委託というか発注する場合は、法的な制約を受けたりする可能性もあるので、それも考慮してリスクアセスメントをしなくてはいけないところもありますし、また、例えば「運転」とか書いてありますが、曝露時間のいちばん長い使用段階におけるリスクについて協議したというぐらいの表現でいいのではないかと思います。書く段階に考慮しなくてはいけないのだけれども、「使用段階について考慮した」と、そういう表現でいいのではないかと思いますが、いかがですか。
○安達副主任中央産業安全専門官 ここでは決して機械包括安全指針にも書いてあります機械の解体・廃棄などに関する情報は、もう必要ないということではありません。初期の機械譲渡時の情報提供の際に、あとで出てきます情報提供の方法によって一覧として出すことを必須と位置づけるとすると、なかなか大変だという話もありました。何かしらの情報は必要と思われますが、最初の段階で、ここで「必須」と書くとかなり負担が大きいというご意見があったので書いたのですが、要らないというふうに捉えるものではありませんので、表現は工夫したいと思います。
○向殿座長 これは先ほど高岡委員が言われたみたいに、機械包括安全指針があって、その中の一部だということを言いたいということでありますので。
 ほかにありませんか。いいですか。相当議論をしても同じ話が何回も出てくる。これは、議論が同じ所だというふうに、同じところに皆さんは注意をしていて、やっと大枠ではあるけれどもこの辺までたどり着いたということでありますので、この報告書としてはこの段階でお認めいただいて、それ以上もし細かいことがあったら、座長にある程度お任せいただいて修正等はしますが、大枠として第3章はお認めいただいたということにしてよろしいですか。
○宮川委員 許容不可能なリスクだけはどこかに入れておいてほしいのです。
○向殿座長 許容不可能なのですね。
○宮川委員 こういう議論が出ないようにですね。
○梅崎委員 それで是非お願いしたいのですが、たぶん(3)のパラグラフで「必要な情報とは、これである」のこの文章を読み限り、どうしてもそこは許容できないという概念が出てこないのです。もう一度ここで「事実とメーカーが判断した許容できないと考えられる残留リスク情報である」とか、何かそういうふうに入れないと、いろいろあとで誤解を招く気がするのです。
 それと、ここで「保護方策を講じることが必要な」と書いてあるのですが、必ずしも保護方策できないものがあるわけです。人の注意力に頼らざるを得ないけれども、絶対やってもらわなくてはならない。それで情報伝達しなくてはならないというのはあるので、ここの最初の1文は若干誤解をしてとられてしまう気がするのです。
○安達副主任中央産業安全専門官 「メーカー段階で許容できないリスク」という表現は、誤解を生じないでしょうか。
○梅崎委員 そのようなのは許容して、要するにそれを許して、そうではなくて、できるだけやりましょうというイメージを。
それは許していいですよということ、これはうまくない。
○石坂委員 ISO12100ではごく一般的にノン・アクセプタブルという表現でやっていますが、実際のB to Bの世界ではトレラブルというのは入りますから、受認できないということがほとんどです、許容というので。それをあっさりと「許容」という言葉を使ってあまり強調し過ぎると、それは本当にどこのレベルの許容性かという判断の問題があって、結局、こういうB to Bでは非常に高いパフォーマンスの機械を入れて、それは高い作業能力を持つ人がやれば、十分トレラブル領域だし、もっと言うとアクセプタブルまでいくかもしれないのだけれども、そうでない、扱いもよくわからない人がやったら、「あっ、危ない」というのがあるので、それは、まさに、そういういろいろなコミュニケーションなしに、極く事務的にやって「はい、渡しました。この書いてあることでやってください。それ以上の説明もコミュニケーションもしません」というのならば話は別ですが、ユーザーもそういう買いたい機械を買うわけで、そういう性能と安全性の問題をしっかり議論していくわけですから、その許容できる、できないという言葉をあまり安易に使うのはどうかと思うのです。それで、いま言ったように、作業柵を設けるだの、侵入禁止にするだの、いろいろなやり方があるけれども、作業者を訓練してその人以外は作業させないとか、いろいろなやり方もユーザーにはあるわけだし、そういうことにつなげていかなければいけないので、そこのところは、くどいようですが、許容できる、できないということを、その許容という言葉をあまり注意しないで使うというのは如何かと思います。
○向殿座長 いかがですか。
○梅崎委員 そういうことですね。入れるとして、せめて重大な残留リスク情報ぐらいですね。
○向殿座長 ここでの文章は、ユーザーによって保護方策を講じることが必要なリスクと書いてあるのですね。この保護方策というのは、ハードウェア的な話だけではなくて、実は、ユーザーに情報を渡していろいろな対策を打つというのも保護方策の1つというふうに考えれば、あまり問題のない話と私は解釈できる。屁理屈かもしれませんけど。
○宮川委員 メーカーがそう判断しましたということでいいと思うのです。第1回で言いましたように、日本では機械安全も含めてユーザー責任でやるわけで、最終的に許容したかどうかはユーザーが決めるのだということを申し上げたと思うのです。機械のリスクアセスメント、その措置を一層促進しましょうということであれば、それくらいのことを言わないとなかなか進まないのではないのかということであります。だから、メーカーが本来は保護方策を付けなければいけないのだけれどもここは悪いけど対策が困難ということも言ってもらえればいいわけで。それで、メーカーの責任だなんて一切言わない。法的にも。何にしても、日本ではユーザー責任ですから。
○向殿座長 それを明確に許容できない残留リスクと明記していいかどうかという話が、いまのポイントですね。宮川委員としては、それはちゃんと明確に書いたほうがわかりやすいしお互いに理解しやすいだろうというのと、一般的にISO12100で国際規格でも適切に軽減されたリスクという言葉に変わってしまっていて、トレラブルという用語が消えているのですよね。許容なんてあるかという話が一方であって、それを許容できる、できないをどうやって判断するのだという話になって、非常に難しい話になるというのがもう一つの意見で、これをどう調整するか。私は、この辺でユーザーにおいて保護方策を講じることが必要なリスクというのはいまの話を表わしているというふうに解釈したのですが、宮川委員、ちょっと弱すぎますかね。
○宮川委員 弱すぎるかというより、わからないのだと思います。そう書いても、表わしてもわからないのだと思います。いま国際規格云々と言われたけれども、それは彼の地の話であって、今、日本の国の中の法律という枠組みの中で何とかしたいという話なものですから、リスクアセスメントはグローバルにはそうやってやりますよという、それはあってもいいと思うのです。だから、基本的には、機械包括安全指針ベースにやるのですよねと。だけど、日本は日本の事情があって遅れているわけだし、それを促進していくとするならばいま言ったようなことをやっていかないとなかなか進まないのではないのかなという話ですよね。そういう趣旨で言ってあるわけだから、ここは日本ですから。
○黒澤委員 「許容可能なリスク」の許容という言葉、その具体的にイメージが伝わっていないのだと思うのです。皆さんに共通に理解されていない。例えば、許容できないというのは死亡はもちろん許容できないですよね。それから、足がなくなるというような事故もね。それから、指もなくなってはいけない。こういうことになっているのですよ。許容されるというのは、赤チン災害と言われるものぐらいしかないのですよ。だから、リスクアセスメントを具体的にやっている方々がその辺を非常に苦労しておられるのです。赤チン災害は許容しようという発想でやっている所もあるのです。打ち身程度の打撲ならばいいというふうにね。そうしないと具体的には対応できないという場合が非常に多いのですよね。そういう現場的には、赤チン災害は許容しよう、というのはあるのです。例えば、かつて、指シュレッダー事故というのがありましたね。家庭用のシュレッダー、紙を裁断する機械ですが、あの中に指が入ると、6?oがいいとか4?oがいいとかといろいろやりましたけれども、隙間が許容できるというのはどこまで許容できるのか。3?oならば許容できるのかとか6?oなら許容できるのかとか、具体的各論的にはそういう話になってしまうのです。だから、機械はみんな各論ベースで判断するとそういう問題が必ず起こってくる。それゆえに曖昧な定性的表現より、定量的な表現や記述が重要で必要なのです。本質安全の問題もそうなのです。本質的安全と本質安全の違いというのはどこにあるのだと、私はいつも質問するのです。ところが、答えてくれる人は誰もいないのです。わかっていないのです。現実の災害の程度にしろ、基本的にその辺がちょっと曖昧なのですね。許容可能性の問題もそうです。許容可能というのは、実際の災害が起こったときにどこまでなのか。アセスメントの体系の中では、たしか、現実に起こった災害のひどさの程度ではなく、最も重いと想定される災害の評価レベルを出しなさい、リストアップしなさいと言われているわけです。ですから、最後は死亡なのです。すべての災害は死亡につながるということになってしまう。だから、解釈でその辺をどうするか。私は、具体的にリスクアセスメントをやると必ずその問題が起こってくるということを感じますね。
○向殿座長 そもそも論はそのとおりでありまして、実はこのレベルで言うと、機械のことを想定しないとどこまでとは言えないというのは当然でありますが、文章として機械包括安全指針まで適切に低減されたかという言葉が出てきています。
○宮川委員 いま言われた意見はあるのです。ただ、機械は絶対安全はあり得ないから、どこかで対策するかしないか線引きをしなければいけないのです。そこのレベルの判断の話をしているのであって。作業の段階では軽微なリスクといえども許容できないのです、赤チンでも許容できないです。この考え方は認めていかなければいけないのだと思います。それで、そのための判断をしたいが故にいろいろな情報が欲しいという気持もあるものだから、石坂委員や皆さんが「たくさん情報を要求している」というような話になってしまうので、私は、作業のリスクアセスメント、機械のリスクアセスメントを分けなければいけないし、そこを混同すると、機械安全はリスクの低減を目指すもので、ゼロを目指すものではない。ゼロにならない、ではなぜリスクアセスメントをやるのだ、というような話になってしまうので、そこは明確に分けてやらなければ機会の安全化は進まないかなというふうに思います。
○黒澤委員 メーカーが保護方策を講じることができる可能性があるというのは具体的に何だろうと。保護方策でメーカーがとり得る方法というのは一体何かということですよ。メカ的な手段など設計的な方法でできるものならばメーカーはやれると思う。ところが、ユーザー側で取り得る方法というのは多くは管理手法なのです。管理手法でしか保護ができないということが現実にあるのです。それにはメーカーが対応できないわけです。何とも言いようがないわけです。それはユーザーの機械側のレイアウトだったり、配置だったり、ユーザー側のレベルよって、いろいろ要件があるわけです。管理手法によるのですからね。その辺がはっきりしないのがこの議論がまとまらない最大の理由だろうと私は思っています。
○向殿座長 これもそもそも論に戻りまして、いま言ったように、ユーザーは情報を提供されて、この提供された情報でもって決めた運用作業のリスクアセスメント、それは設計のリスクアセスメントと違うという話です。そのときに流れるのは何かというと残留リスクと。この情報が非常に重要である。最後は管理的手法に落とすにあたっても、どことどこを管理すればいいかというのがこの残留リスクの情報ですので。そういうことを踏まえながらここまできておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○安達副主任中央産業安全専門官 第3の議論の間に8頁の(4)の所をご覧になってください。今回、こういった危険情報の提供ということをメーカーとユーザーの話に着目したのですが、2つ目のパラの「ここで」の所で、これは1回目の議論があって少し考えなければいけないということで、例えば、機械をユーザー間で譲渡していく場合とかリース業者とか、皆さん、実際の商取引とか現場の状況を見てこういう危険情報の提供ということを同じように考えるか、どう考えるかということでもしコメントがあればいただきたいと思います。
○向殿座長 譲渡、途中で中古を誰かに売る、そのときに、ここでの提案は残留リスクも一緒に提供しなさいということになっていますが、何かうまいアイディアとか、こんなことが本当にできるのか、忘れて渡してしまった、ということがあるのではないかという。どなたか、これについてご意見ありますか。
○宮川委員 これは表現をもう少し整理された方がよい、メーカーは量産品と言うのですかね、そういう設備と発注品というのがありますよね。たぶん、量産品というのは、ある意味では、ユーザーが欲しいと言ったときにすぐ出てこなければおかしい情報なものですから、これは譲渡前とか、そういう条件でいいと思います。ただ、発注品みたいなケースの場合は、ユーザーが最終仕様決定するまでに情報を提供してほしいわけですね。そうしないと、本質安全化みたいなものはなかなかできませんので、仕様決定前に情報提供が欲しいということですね。それを踏まえて、最終的に決定して、メーカーが設計図を起こして製造、製作という、そういうストーリーになっていくのかなと思います。
○向殿座長 いまのは引き渡しのとき、いつかという話ですね。譲渡ですね。これは中古品を譲渡する場合という話になって、一品ものの譲渡というのはあるのですかね。
○宮川委員 これはありますね。
○向殿座長 そのときの残留リスク情報というのはどう引き渡すべきかという。この場合はリース業者も頭に置いていて。
○井上委員 ここで、たぶん、安達さんが気にされていたことかなと思うのは、造ったメーカーがなくなるとか、そういうことは当然あり得る話だと思うのです。うちの会社も、50年前の機械とかがまだ動いていたりすることもありますので、そういう情報が残っているということはまずあり得ないことだと思いますし、その保存期間、時間的なものも、機械の補修の部品の期間というのは製品ごとに決まっていますので、ここの文章の中で何年とかいうことを規定する必要はないと思うのですが、そういう期間というのは追々つくっていく必要はあるのかなというのは私も少し感じました。
○向殿座長 製品安全でやったように、10年とか何年とか、ある程度想定してやらないと情報というのは。
○佐藤委員 耐用年数が長いという機械があるのですね。ですから、そういうときには定期点検とか、一部では定期点検時にリニュアルするということが行われているようです。ですから、当然、中古品の譲渡時には警告から全部、情報関係はリニュアルするということですね。
○向殿座長 この文章はいかがですか。8頁目の(4)の下から3行目、ここで「中古品を譲渡する場合、リース業者がユーザー」云々というときに、メーカーからの機械譲渡時に入手した機械の危険情報は適切に提供して、次のリース会社も中古販売者もするべきだという文章になっているのですけど、これでいいですかね。これが可能かということです。
○高岡委員 可能か不可能かではなくて、これはやるべきだと思いますね。機械に付けて取扱い説明書も譲渡すべきです。それと、危険源リスト、あるいは危険情報が一緒になって譲渡されるべきだと思います。
○向殿座長 私の頭の中のイメージはそうなのです。MSDSのように、メーカー、設計者がずっと残留リスクがあるということがユーザーまで、どこかに転売してもそこに付いて回る。しかし、それをどう利用するかはそのユーザーの条件と違うから、どこに残留リスクがあるかということをきちんと知っていることが重要だと。それが必ず付いて回るという、そういうイメージからするとこれでいいのではないかという気はするのです。いまの高岡委員の話でいいですか。安達さん、いいですか。
○安達副主任中央産業安全専門官 はい。
○黒澤委員 これは、リース業者にも義務付けられればそれがいちばんいいと思います。ただ、現実にはこれは守られにくいケースが多いのではないでしょうか。だからどの様な仕組みで行うか、例えばITの活用など問題が多いと思います。
○向殿座長 方向としてはこの方向でいくべきだということですね。
○黒澤委員 方針としてはこの方向でやるべきということでしょうね。
○畑委員 もう一つ、このリース業者が「メーカーからの情報」となっていますが、リース業者自体が判断した情報というのは必要ないでしょうか。例えば中古品の場合、そのメーカーからの情報の下、またはその機械情報の下に、リース業者及び中古品を販売する業者自体がこの機械に対するリスクを適切に伝えるというような文言が必要かなというふうに思いましたけど。
○宮川委員 そうですね。いま言われたように、ここの問題はこの譲渡時期よりも対象者だと思うのです。だから、中古品といった場合に、たぶん、ここで議論されているユーザーも含まれるのですよね。時期は表現だけの問題で、譲渡時にするのか譲渡時前までという表現するかというぐらいで、むしろ対象者だと思います。ここでメーカーと言われたら、いま佐藤委員が言われたように、保証期限もありますのでね。それ以外のときには情報を持てないという話も出てくると思うのです。
○佐藤委員 メーカーではないですね。「メーカー等」ですかね。「リース業者等」。
○向殿座長 リース業者もリスクアセスメントを知っているわけですね。いまのお話は、そういう情報は追加しろというイメージですね。メーカーだけではなくて、メーカー及びこの中間に入ったリース業者とか中古業者も、ある程度リスクアセスメントをした経験があったり、こういう事故が起きたということを知っているとするとその残留リスクも追加すべきだと。そういう一部があっていいのではないかということですね。
○高岡委員 そのリース業者にリスクアセスメントをやらせるというのはちょっと無理だと思います。
○向殿座長 能力がない。
○高岡委員 だから、ここはメーカーから機械譲渡時に入手したデータでいいと思いますよ。それがなくなったらいけないのであって、それをきちんと保管をして次のユーザーに渡すということが必要ではないかと思います。
○向殿座長 わかりました。「これらのものが少なくとも」くらいを入れますか。
○佐藤委員 ただ、現実の問題として、なくなってしまうのです。そこが問題なのです。だから、そのときに、その業者がユーザーかもしれない。それがきちっとメーカーから情報を得なければ売れないというシステムにしないと、ないために後でメーカーがやられるという例は多々あるのです。
○向殿座長 確かに、ありますね。アメリカなどにはあるね。
○佐藤委員 その辺をきっちりルール化していかないと、特に畑委員の所とかは大変になるかもしれない。
○向殿座長 誰かに転売されてしまってね。
○佐藤委員 ええ。そういう問題は多々あるのです。
○畑委員 結局、いまのをまとめると、最終的な機械の状態を判断している所が適切な情報を与えるような何かの制約みたいなものが必要かなと。要するに、どういう改造がされているかとか、そういうのは出したメーカー自体ではもうわからなくなっている。そうすると、リース業者、中古業者、そこのさらに追加情報をプラスしたものとして最終的なユーザーにお渡しする必要があるのかなと。
○向殿座長 改造した場合の改造情報というのはメーカーはわからないですね。
○宮川委員 わからないですね。中古品なんかわからないですね。ですから、私は、どちらかというと畑委員が言われたような意見に近いのです。最終的にやる所が責任を持って、危険有害情報も含めて開示するのだと。その情報が、メーカーがある情報については当然それを含んでやりなさいという話ではないのかなと思うのです。また逆に、それ以外に、その前に出したユーザーの段階でこんなことがありましたようという情報も要るでしょうし、先ほど言った改造時の情報もあるでしょうというようなことで、情報のどこからが対象みたいな話と、誰が責任を持ってその情報を開示するかというような、どちらかというと畑さんが言われたような意見のほうが近いのかなという気がします。
○石坂委員 これはここで議論しきれないほどのいろいろな複雑な問題が入っているのですね。耐用年数ぎりぎりになったところでは、一部部材の磨耗もあるだろうし、非常なそういうところの危険も増えているわけですよね。だから、それを当初メーカーが想定した耐用年数、あるいは部品交換をこの時期ではきちんとするはずであったといのを超えてまだ使用している部品とか、そういうものはメーカーとしてはどうしようもないですね。そうすると、そういうのをリース業者なり転売業者が、理想を言えばそういうところまでしっかり点検して、これは大丈夫だと保障を与えるほどの能力のある所ならばいいけれども、必ずしもそういう所ばかりではない。そうすると、今度は、それでも欲しいというユーザーがいれば、ユーザーの責任においてそれを点検整備した上で購入しないとどうしようもないですよね。そうすると、ユーザーとしてはそれだけの能力があるのかどうか。いちばん不幸なのは、売るほうも全くそういうところがわからなくて、買うほうもよくわからなくて、それで事故が起こったときには労働者だけが災害を被るという、これがいちばん不幸なわけです。どうも、そこの議論をしていくと、この中古品の流通、リースの流通という使用という問題に関しては、ここでは適格なここを押さえる表現にはできないので、それはまた別途検討することが必要だというようなことを付け加えるかどうかですね。
○向殿座長 では、こうしましょう。いまの話は相当難しい問題を含んでいるけれども、最後はユーザーがもらった残留リスクでもってリスクアセスメントするというのが最後のユーザーの責任だというふうに考えれば、中古品とかリースの業者は、これらのものがメーカーからの機械譲渡時に入手した情報とともに機械の危険情報で自分でも見つけたものとかという、そういう言葉にすれば、かなり大ざっぱですけれども、いいのではないかというふうに思います。
○石坂委員 要するに、リスクはメーカーが最初につくったときに考えたリスク以外に、経年劣化のリスクというのが追加されてきたり、以前に使ったユーザーによる過酷な使用とか、いろいろな誤使用とか、そういうことによる損傷とかのリスクも加わってくるわけです。ですから、当初のメーカーが考えていた設計上のリスクだけでやったらまずいという要素が入ってきてしまいますよね。
○向殿座長 メーカーの最初のものは有効期限などが入っているとしても、改造などがあるとこれはうまくないという、そういうことでいきましょう。よろしいですかね。だいぶ議論をしていただきましたので、次に、第4章、10頁目の支援方策について先ほどいろいろご紹介いただきましたが、これについてご質問、ご意見、ご提案がありましたらよろしくお願いします。これは人材育成とか、いろいろ入っています。ここはある意味では非常にまともな提案が多くて、残留リスク作成プロセスにかかわるガイドラインみたいなものも作成して公表して、グッドプラクティスとか、これもきちんと収集して提供するのがいいとか。データベースをきちんと整備して、それが実際のいろいろなリスクアセスメントの役に立ちますよとか、そのためには必要な人材をきちんと育成しろと言っているけれども、実際はどうやってやるかはあまり書いてないけれども、やるべきだと。研修その他でやれと。しかも、妥当性を適切に行う人材をきちんと評価して、会社の中で優遇しろということも書いてあるのですね。
○石坂委員 10頁の3項のユーザーに求められる取組み、必要な支援方策の所が、ユーザーにおける効果的なリスクアセスメントの方法というのはユーザーの体制や業種によっても随分違うので、そこには事例の提供とか、それをやるためのもう少し突っ込んだガイドとか、そういうものの整備・提供ということが必要ではないでしょうか。単に個別に専門家が行ってご支援しますよという個々の対応ばかりではなくてですね。実は、そこが非常に難しくて、振って申し訳ないですが、梅崎委員の所でもその問題はなかなか難しいと認識していて取り組めていないと思いますが、なぜそんなことを言うかと申しますと、今回のメーカーの情報提供というのが全体のこの仕組みのために前進すること、効果があることはわかっているわけです。ただし、枠組みが、宮川委員がおっしゃるように、労働安全衛生法第28条の2という枠組みの中でやり、そしてそれの関連指針に基づいてやると。そうすると、全体がユーザー側で進まないのを、メーカーからの情報を提供すればメーカー側が進むであろうというのは、そういう効果もあるけれども、もっと単刀直入に、ユーザー側がもう少しやるように強力な方策がどうして打てないのか。あの円グラフで見ても、なかなか進まない。それはいろいろ問題があって、このときももう少し議論を整理していかなければいけないのは、宮川委員の所とか高岡委員の所のようなある程度大手あるいは中堅企業での取組みの問題と小企業・零細企業ができない問題とはまた状況・条件が違うわけです。そういうものをしっかりと整理・分析して、それに合った施策をしっかりと打っていくということがユーザーサイドの取組みをやり、それにメーカー側のほうから適切な情報を提供するという仕組みがうまく噛み合っていくわけです。どうも、メーカー側のほうに出してもらえばユーザーのほうも何とかやってもらえるのではないかというような期待を込めたこの今回のあれなのですが、もう少しユーザーサイドの問題を掘り下げて、そこのリスクアセスメントがなかなか難しいのですよ。私のわずかな経験ですが、現場で安全管理をやっていたことがありますけれども、こういう設備安全の問題は難しさがよくわかりますが、そこのところを具体的にどうやったらいいかというのを、もう少し彼らの取組みの共有できる知見や基盤整備というものでしていく必要がある。そこのところの表現が少し弱いと思います。
○向殿座長 はい。要するに、ユーザー側がきちんとリスクアセスメントをやると、それだからこそ初めてメーカー側に要求できるしメーカー側もそれに応えると。ユーザー側がしっかりしないと、メーカーだってそんなに一生懸命やらない可能性があるから、まずユーザーのリスクアセスメントがきちんとできる。
○石坂委員 それで、1つ、これは宮川さんに振って申し訳ないのですが、宮川さんのおられる所の名古屋地区はトヨタの指導、関係者のご指導もあって非常にレベルが高くなっている。もともとあそこは当初から高かったのかというと必ずしもそういうわけではないと思うので、それなりの努力をして引っ張ってきてあの地域があるレベルになった。全国でみても非常にレベルの高い地域なのです。ではどうしてほかの地域はそうできないのかというようなこともよく踏まえて方策を打ったほうがいいと思います。ちょっと宮川さんに振ることになりますが。
○向殿座長 はい、いかがですか。
○宮川委員 愛知の地区は結構真面目な会社が多いものですから、特に国が言われたことなので一生懸命にやろうというところがありまして、そういう部分もある。そういう中で、今、愛知の中で14の監督署があるのですが、7署がリスクアセスメントの推進というものを特別な自主テーマとして挙げてやっております。とっかかりは豊田署の取組みです、向殿先生にも来て講演をやっていただきましたけれども、そこでやっているのは自分たちの仕事、自分たちの機械を良くしましょうということをキーワードにやっていまして、やり方としてもリスクアセスメントはそんなに違和感はないのです。いちばん阻害しているのが、先ほどもありましたけれども、今までは作業安全ですから、絶対安全の要求なのですが、機械安全はリスクは許容しなさい、というところのギャップがなかなかありまして、そこの動機付けを豊田労基署が事業者に向かってやってもらって、具体的なハウツーは豊田労基協会がやるという仕組みでやっています。その中で、先ほど石坂委員から言われましたように、機械安全向けのマニュアルをつくりました。ほとんどが作業安全向けのマニュアルになっていまして、機械安全向けのリスクアセスメントマニュアルというのは少ないものですから、ですから、豊田労働基準協会の中では機械安全のリスクアセスメントと作業のリスクアセスメントをきちんと分けてやっております。そんなような格好でやって、行政の人たちの中でも理解される方が増えて輪がだんだん広がっているというようなこと、そんな状況にあるということです。ですから、そういう意味から言うと、専門家による個別支援ということで、2年か3年前ですか、中災防が委託事業として1回やられましたが、あれだと全国の需要に対応しきれないので、そういう意味では、相談員制度と言うのか、あるいはそういう研修機関みたいなものも、登録教習機関と言ったら語弊があるかもしれませんが、何らかの形できちっとしたリスクアセスメントができるような、広げるような体制というのは要るのかなという気はします。今は紛いもののリスクアセスメントですかね、リスクアセスメントKYと言った様な訳のわからないものが結構増えていますので、そういうことは1つ要るのかなというふうに思います。
○安達副主任中央産業安全専門官 先ほど石坂委員からのご指摘もありましたが、決してメーカーだけにすべてを委ねているというわけではありませんで、平成18年に法第28条の2ということでユーザーサイドに法令上義務付けられたものですから、第一線機関においても普及定着を図っていますし、宮川委員もおっしゃったように、愛知は非常に活発にやっていただいて、先ほどのアンケート調査にもありますけれども、全国で数千事業場を第一線のほうでも個別に指導しているということで、もちろんまだまだ取組みが十分でない部分もありますけれども、ユーザーについても一層の普及定着も図っていきます。今回の10頁の所で、もう少し具体的にやるにはどうしたらいいかというのもまたご意見をいただければ、厚生労働省としても少しバックアップは進めていきたいなというふうには考えております。
○向殿座長 いかがですか、もう少し具体的にこうやるという。
○高岡委員 石坂委員がおっしゃったことは実にそうだと思いますね。私の会社も全国に、全国といっても西日本に偏っていますけれども、工場を持っていまして、愛知の半田に労基署があるのですが、そこの労基署はきちんと愛知工場に調査に来たらしいのです。ほかの所ではあまりそういうことは聞かないので、労基署の働きかけというのは非常に大きいと思います。それから、法第88条で、計画の届出のときにリスクアセスメントの状況を確認する労基署が結構増えてきたのです。高砂でもそういうことが言われていますし、関西地区でも言われていますし、横浜でも言われていますし、もちろん愛知でも言われているのですが、そういうことを働きかけると、レベルは今はそんなに高くはないと思いますが、リスクアセスメントをやるということが義務付けられるというか、インセンティブになって働きかけられるとかなり普及していくと思いますので、労基署の役割が非常に大きいと思います。
○向殿座長 労基署は確かに非常に重要な役割を果たしている。しかし、労基署においてもリスクアセスメントを理解する技術系の人間がちゃんといることが必要ですが、この辺は誰に聞いたらいいのですか。
○高岡委員 それについては労基署の方々が旭硝子の工場にもリスクアセスメントの調査に来られているようです。労基署で調査・研究して、その労基署を使って広めていくことをやっていくのがいちばん近道ではないかと思います。
○安達副主任中央産業安全専門官 行政のほうでも研修等もしていますし、この部分は、一生懸命取り組んで参りたいと思います。
○宮川委員 監督署がありますけれども、それは安達さんのほうにお任せして、14署のうち7署だという実態も踏まえてよろしくご検討いただきたいなと思います。だから、ここのところは、1つは機械安全のリスクアセスメント向けのものをきちっと何らかの形のもので出すことが1つ要ると思うのです。それから、先ほど言いましたように、広がりを持たせるためにどうするのかという制度的なものも1つ要るのかなと思います。それプラス、11頁の4番の所ですが、ここは災害情報の定義を書いてあるのですが、これは別に間違っていることを書いているわけではないのですが、少し問題意識を感じているのは、ある意味では、災害情報というのはたくさん出ているわけですね。労働安全衛生規則の危害防止、健康防止に関するところなどはほとんどこの災害を基にしてつくられたものだと思いますね。それから、いろいろな10何項目ある規則類も、おそらく、健康障害とか、そういうものをベースにしてつくられているのですが、これが意外と知られていないのです。ここのところが大きな問題のような気がしますし、また、そういったものに対してこのリスクアセスメントできる芽を育てていかないと、将来的には本当にリスクアセスメントが定着しないのではないかなというふうに思います。だから、例えばプレスでいろいろな方策を決めてあります、安全金型と自動化はそのリスクアセスメントのどこに影響を及ぼすのかとか、安全プレスと安全装置を付けたプレスはこのリスクアセスメントの評価のどこに影響を及ぼすのかとか、そういうことを知っていかないと、リスクアセスメントは最終的に主張し議論しお互いに納得してというか、妥協してという部分かもしれませんが、認めあって決めるものというところがありますので、研修などもそういうスタンスでの研修が要るのではないかと思います。だから、法律を使いこなせない人が災害情報もうまく使いこなせるのかなというところがあります。
○安達副主任中央産業安全専門官 昨年度の中央労働災害防止協会の基礎調査を行ったときに、この災害情報をより突っ込んだ分析をしてデータベースとすれば、メーカー設計時のリスクの見積りなどに役立つのではないかと、そういう声をメーカーから結構いただいたのですが、その辺はどうでしょうか。こういうデータベースがすごく有用であるならば少し後押しをしていきたいなと考えているということで、この4の所に書かせていただいたのです。
○宮川委員 それはもちろんそうだと思います。必要だと思います。豊田労働基準協会のリスクアセスメントの推進委員会というものがあるわけですが、今年の1つの計画テーマは、いま言ったように、起きた災害をリスクの定義に従って検証してみようねというやり方を考えています。データを集めるようなところまでは考えていないのですが、そういう目で、この危険源は何だったの、どういう危険状態が発生したの、危険事象は何だったの、なぜ起きたの、なぜ何故回避できなかったか、どういう傷害がどの部位に発生してどうなったのという、このストーリーで見てみようという、そのようなことをやっておりまして、それがうまくできればデータベース化みたいなものができるのかなというふうには思っています。
○高岡委員 災害情報はいろいろなところに出ているのですが、災害情報の分析は人に頼る安全に偏っているのではないかと思うのです。最後のところに「機械が不備だった」とか書いてあるのですが、まず機械安全の観点から分析をして、原因を究明していく。それにリスクアセスメントのリスク評価もあれば広まっていくのではないかなという具合に思うのです。
○向殿座長 いかがですか。私の個人的な意見ですが、確かに、事故情報を見ると、最後は「人間の不注意」と書いてあったり、本来、施設設備のほうにいくべきなのに、そこが設計までフィードバックできないのではないかという気はします。また勝手な意見ですけど。
○石坂委員 宮川委員がその必要性を説いていただいてありがたいのですが、一方では、メーカーのほうがポリシーとしてしっかりそういうものに取り組むというポリシーがあって、それが設計まで反映されると、しっかりと事故情報に関してものすごい感受性を持って求めていくと思うのです。今でも、メーカーの設計者がそういう事故情報に対して自分の機械に関係があるといって本当に把握しようとする努力が十分かというと、まだまだ不十分なところのメーカーもあると思うのです。ですから、そういう面で、事故情報を提供するのはもっとやっていく必要があるし、なくてはいけないですけれども、メーカーのほうの意識も変わってきてそういうものもどんどん取っていくといいのではないかというふうに思います。それから、これはメーカーへの情報のフィードバックばかりではなくて、ユーザー相互間のフィードバックというか、共有があるのです。大手の企業だと、工場がたくさんありますから、事故が起こると、どこの企業でもそうでしょうけれども、事故情報をやって、横にパッと展開して分析も踏まえて共有をする。ですから、自分の所が事故を起こさなくても、我が事と思う情報にしょっちゅう触れることができるのです。ところが、小企業になると、滅多に起こらない。そして、外からの情報でないと共有できない。何年か前に1度あったよな、というぐらいの所では、危機感もなかなかならない。そうすると、大企業の中で各工場で起こった些細なものも含めて共有したような仕組みが、中小企業のところで他社の例も、これは企業秘密もあるからすべてという理想まではいかないけれども、共有できて自分たちの安全管理体制の中にそれが利用できるということが非常に効果的ではないかと思います。
○向殿座長 前回もありましたが、結局、中小企業のほうが事故が多いといいながら、人数が少ないから経験するのは何十年に1回、大手は少ないといいながらも人数が多いから毎年経験している。そういう意味では、大手は一生懸命に水平展開もできるけれども、中小になるとその情報はほとんどないということで、情報のフィードバック、設計へもそうですけれども、自分たち横への情報提供というのも非常に重要だというのがいまのご意見だと思います。
○黒澤委員 私どもはコンサルタントの世界で中小企業を対象にやっているのです。そういうことで考えると、確かに、いまおっしゃるように、中小規模事業場全体の災害率は高いものの、一企業単位で起こる回数は非常に少ないのです。ところが、起こったときは大変なダメージのある重篤な災害が多いのです。そこら辺が、むしろ、中小企業が持つ悩みの最大のポイントだと思うのです。私の知る死亡災害事例があるのですが、具体的に言うといろいろ差し障りがあるから言いませんけれども、そういう重篤なケースが非常に多いということは事実です。ですから、中小企業の災害の実態の把握が重要です。
中小企業といってもユーザーもあるしメーカーもあるのですが、その関係と、大手のユーザーと大手のメーカーとの関係ですね。これが、実は、日本的な取引関係では非常に複雑な要素を持っていまして、大企業と中小企業の関係というのは2次下請、3次下請、4次まであるのですが、そういう関係の中で中小メーカーをどちらの側として位置づけるかというのは非常に悩ましいと思います。ユーザーなのかメーカーなのかよくわからないというようなケースが現実にあるのです。
例えば、小さい企業でも、システムハウスとか自動化ハウスと呼ばれているところが大企業にたくさん機械を納めているのです。ところが、直接納めているのではないのです。技術系の商社を通して納めたりしていますので、それがメーカーと言えるかどうかです。実は、ユーザーサイドとしての大手のユーザーのほうがはるかにメーカー的なシステムインテグレーションをやっているというケースが非常に多いのです。そういうことを考えると、両方のやり取りをどういうふうに位置づけたら、中小企業からの情報がうまく伝わるか。これは非常に悩ましいなと思っているのです。だから、この辺の実態を分析していただきたい。大手と中小との関係がユーザーなのかメーカーなのか、発注元はたいてい大手なのです、そしてユーザーなのです。そうすると、その大手のユーザーが発注元であって、そこにはかなり大きな工機部門がありまして、いろいろな仕様を決めて発注している。そうすると、現実にはかなりメーカー的な機能をやっているのです。そして、最終的には物は中小企業がつくる、形としてまとめるのは中小企業なのです。そうすると、最終的にどちらに責任があるかということがなかなか難しい問題があるなということを常々感じています。
ですから、大企業のユーザー、大企業のメーカーという関係だけではなくて、中小企業のユーザー、メーカーの関係ももう少し具体的に分析されるといいのではないかと思います。そうしないと機械災害と機械安全の本質が見えないということを私は常々感じています。
○宮川委員 座長や石坂委員が言われたように、情報はたくさん公開しないといけないと思っています。その公開をするためにも、一般解にして公開しないといけない。一般解にするキーワードは、リスクの定義に基づいてやるということではないか。それをやるということは、災害が起きたら監督署から毎回聞かれるというようなことで、リスクの定義が周知でき、リスクアセスメントの入口を刺激する効果にもなるのではないかということで、リスクの定義に基づいて災害を一般解で調査をして一般解にして提供するということが必要ではないかなと思います。
○向殿座長 そういう意味では、事故の情報というのも、データも、リスクアセスメントに入ったような、最後は施設設備まできちんと対応できるような事故情報のフォーマットにしておくことが非常に重要だという話だと思います。ほかにありますか。人材育成の話がありましたが、これはどうですか。
○黒澤委員 私も人材育成というのは非常に大事だと思っていますが、技術者を例えば機械系のエンジニアを安全エンジニアとして育てるためには、どうしても知識経験が偏っていることなのです。最近の機械は、電子制御、コンピューター制御なしには成り立ちません。機械そのもののメカニズム設計や構造設計もあるわけです。それと同時に、利用技術もあります。メカ技術と共に、計測制御とか電子技術とか、そういう3つぐらいの要素技術が複雑に絡み合って現在の先端技術というものが構成されていますから、そういうものをすべて網羅的にわかっていないとよく対応できない。
特に、アセスメントをやっているとよくわかるのですが、制御系のエンジニアがいないといま動いている機械の中身がわからない。特に、ソフトウェアで動いているような機械がありますね。そうすると、これは何のためにどうやって動いているのということがよく理解されていないということがあります。ですから、この辺は非常に難しいのです。見える化が非常に難しい分野ですからね。特に最近話題になっている機能安全、この問題と非常に絡みがあるのですが、制御の安全と関係しているのです。機械安全とは非常に密接なのです。特に、動力で動いている機械はすべて制御で動いていますから、殆どコンピューター・プログラムで動いている。そういう時代になっているのです。昔の機械と性格が少なからず変わってきているということがあります。
ですから、安全エンジニアを養成するには、またそれなりの流動的な対応が必要で、新しい切り口から安全エンジニアを養成していかなければいけないなというふうに感じます。また、そうしないと実際的で、効果的な機械安全は実現できないと思います。
○石坂委員 メーカーにおいては、いま黒澤委員がおっしゃったように、機能安全とかがかなり高度で、今はよほどのある程度の規模でないと、それだけの専門人材をそろえて本当に新しい国際規格に準拠したものをやろうというと大変な時代になってしまいました。それほど安全というのは高度の技術になってきました。そうなると、今、長岡技科大の設計者用の安全専門人材の資格認証制度がありますが、あれなどを取れるぐらいの人でないと駄目だということです。一方、現場の設備安全のほうになると、そこまでわかって生産技術の辺りでわかっている人もいる所もあろうかと思いますが、今の現実レベルから考えれば、いきなりそこというよりももっと手前でやるべき人材が必要で、それで日本認証がやっているような安全の資格制度というものがレベルアップに貢献していると思います。
○向殿座長 アセッサーですね。
○石坂委員 アセッサーですね。一方、そういう人材を自分たちがお金を払って育てられない中小企業のそこをどうやってサポートするかというと、1つは既存の枠組みをうまく利用すると労働安全コンサルタントだと思うのです。それで、黒澤委員がおられるところで本当に私みたいなものが言っていいかどうかなのですが、労働安全コンサルタントの中でも作業安全レベルを出ていないような人もたくさんいて、そこを十把一絡げに労働安全コンサルタントが支援しますといっても、間違った支援をする可能性もあるし、そこをもう一度この機械設備のリスクアセスメントができるような知見というのはどういうことを持った人なのかと。労働安全コンサルタントの中でも、さらにそこができる人と仕分けして、そういう人に労基署も協力し合って中小企業の支援をするというのもいろいろな枠組みとしては有効な、実効性のある方策かなと思います。いま私はこれは思いつきで言っているので、単に一つの思いつきですから、それが良いという提案というよりも、そういうことも検討していったらどうかということです。
○黒澤委員 私どもは安全コンサルタントをやっているのですが、実は、機械と電気と化学の受験者がものすごく少ないのです。合格者も少ないのです。現在は建築とか土木は非常にたくさんいるのです。ところが、残念ながら、機械とか電気、化学、これは新しい先端的な分野をみんな担っている分野なのですが、そういう人材が非常に少ない。ですから、皆さんメーカーに是非お願いしたいと思っているのは、そういう機械系の人とか電気系の方、あるいは化学系の方は是非コンサルタント試験を大いに受けてくださいというのが私のPRです。新しいニーズが沢山ありますので、よろしくお願いします。
○向殿座長 私のイメージは、安全設計という設計の段階での技術者、これは長岡技科大とか、そういう所できちんと育成する。それから、もう一つは、今までやっていた作業安全、作業におけるリスクアセスメントの真ん中に機械運用安全というか、生産技術者とか、ここの技術者が安全者が少なくて、いちばん重要なのです。安全設計は、機能安全で相当高度なことをやらなければいけないと思うのですが、当面、我々が狙っているのは、機械運用安全というか、ここの技術者、ここのリスクアセスメントをどうやってつくっていくかというところがいちばん重要で、それは厚生労働省が一番ねらわなければいけない。今までは、どちらかというと、作業安全のところを一生懸命やっていたけれども、そうではなくて、もう一つ上の設備、設計、ある意味では生産設備、そこのところだと思いますので、人材育成はそこにこれから重点を置いていただきたいと私は思います。
○石坂委員 もう一つ加えて申し上げますが、ユーザーへのリスク情報提供ということで議論をしているのですが、ユーザーと十把一絡げで言っていますが、ユーザーとはどこのことかと。例えば、取扱い説明書というのは、実際、作業をするオペレーターがよく承知していなければいけないことが多く含まれています。安全マニュアルは、オペレーターも承知している必要はあるかもしれないけれども、設備の安全を確保する現場の生産技術者とか、そういう人たちがリスクアセスメントをするために安全マニュアルというものを持って、その中でまた情報を整理してリスク情報として提供しようと。だから、オペレーターの人がそれをアセスメントを全部やる人もいるかもしれませんが、そのために提供するというのとは違って、要するに、何のために誰が使うためにそれをつくるのかということをよく押さえながらやっていかないと、ユーザーという言葉でいつまでもただ単純にユーザーと言っているだけでは、これの促進策としての打ち手としては少しまだいけないのではないかと思います。
○畑委員 石坂委員の話もあるのですが、こちらの10頁の所に「メーカー側に対しては機械安全の専門家による取組みに意欲のある中小企業に対する個別支援」、ユーザーに対してはいちばん下の所にある「機械安全の妥当性を適切に行う人材の評価」、まさにこれが表わしているのだと思うのです。適切に機械安全に対してのJISとか国際規格に合わせての評価ができる。このレベルまでにすればリスクは低減されたと判断できるという評価ができる人。こういうものに対する支援というものを何か考えていかないといけないのではないか。まさに、これは適切な文章だなと思っています。
○向殿座長 この文章は、まさしくそこを狙って書いてあるのです。
○佐藤委員 今、ユーザーとメーカーをよく考えてみると、要するに、ユーザーとメーカーというのは同じなのだと。メーカーというのはユーザーがいてメーカーがある。設計者がいて、現場の生産技術、現場の作業者がいて設計者がいるわけです。1つの企業というのはユーザーでありメーカーであるわけです。重要なのは、そこで何か普及しないかというと、ユーザーが普及しないと我々は言っているのですが、結局のところ、それは企業の中の人材の配分が良くないからなのです。要はレベルの問題です。優秀な人間は設計に行っているわけです。生産技術に行くのはその他の人とか、基本的にはそこに問題があるわけで、人材の配分をもう少し各企業が適切にしないと、こういう問題は現場サイドとしていつまでも解決しないです。その辺を国としてももう少し考えないといけない。それは、当然、企業も考えなければいけない。経営者が考えなければいけない。そこが議論として一番落ちているところだと思います。
○高岡委員 厚生労働省の範囲を超えてしまうのですが、企業が苦労しているのは機械とか電気の設計として入ってくる新卒の人が、機械安全とか、JISとかISO、IECの規格を学んでいないことがいちばん問題です。
○向殿座長 すみません、大学で教えていません。
○高岡委員 明治大学の卒業生は素晴らしいのですけど、そこをきちんと押さえていかないと、これからの日本の機械安全というのはなかなか育っていかないのだろうと思うのです。先ほど労働安全コンサルタントの話がありましたが、労働安全コンサルタントの人が勉強をするよりも、機械安全コンサルタントみたいなものを新しくつくって、そういう人たちを増やしていくとか、今は労働安全コンサルタントと労働衛生コンサルタントとありますよね。それに加えて機械安全コンサルタントみたいなものを新設して、中小企業とかを指導していく。そういったことが必要なのではないかと思っているのです。
○宮川委員 佐藤委員が言われたのはそのとおりだと思っています。なぜそうなったのかといろいろ考えてみると、日本の安全衛生管理は本当に第一線の目線に向かってやっていたのかなという反省をする必要があるのではないかと思います。どちらかというと、行事をやることが安全、手段を講じることが安全みたいな話になっていて、結局、監督署等に見てもらうもの、言われてやるもの、そういう話になっているのです。自らの問題としてどう考えさせるのかというところが最大のキーワードではないかと思っています。ですから、例えば機械を止めるには、いろいろな止め方があります、これも前回か前々回に言ったかもしれませんが、私は厚生労働省の特別国家公務員(労災防止指導員)の作業衣を着て、現場に行きますが、その私たちの目の前で止めずに機内作業をしている。指摘をすると、マニュアルモードに切り替えているのだからいいのだとか、そういうようなところがあります。本当に真剣に、かつ論理的に自分たちの安全を考えるということをやっていかないといけないのではないかと思います。そこがわかれば、結果的に人が増えると思います。
○向殿座長 人材育成についても、皆さん相当ご提案がありますが、ここに書いてあることは全くそのとおりだと思うのです。どこに重点を置いてやるかということが非常に重要で、日本のこれからの安全、特に生産現場、ものづくりの安全というのはこれの人材育成にかかっているというふうに思いますので、これ以上これをやると終わりそうもないので、皆さんの意見をいただいたと。それでは不満とか、要望がたくさん出ているということであります。もうそろそろ時間で、3回目になりまして皆さんの積極的なご提案、ご審議で、やっとこの報告書の原案がまとまりましたので、今日の議論を踏まえまして報告書、多少の修正を今日の議論でいたしますけれども、細かいものは座長にご一任願って、大きな修正があればメールその他でまたご相談申し上げますが、小さい修正はお任せいただいて、一応、報告書の原案をこの方向でまとめさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。いろいろとご協力ありがとうございました。では、私の役割は終わったので安達さんにお返しします。
○安達副主任中央産業安全専門官 ありがとうございました。事務局から何点か事務連絡ですが、いま座長からお話がありましたとおり、今後は座長とご相談しまして報告書を最終的に取りまとめたいと思います。また、本日の議事録もまた後日お渡ししますので、最終的にご確認いただいて、厚生労働省のホームページに公開していきたいと思います。
○向殿座長 この報告書はどうやって発表するのかについてご報告願いたい。
○安達副主任中央産業安全専門官 報告書につきましても、最終的に取りまとめまして、できれば今月中にはプレス発表を行いまして、厚生労働省として具体的な施策の展開を今後行っていきたいということで考えております。どうぞよろしくお願いします。本日は最終回ということで、平野安全衛生部長より閉会のご挨拶を申し上げます。
○平野安全衛生部長 今日は遅れてまいりまして申し訳ございませんでした。一言御礼を申し上げたいと思います。この度はこの検討会におきまして、向殿座長をはじめまして委員の皆様方におかれましては非常に短い期間でしたが大変活発なご議論をいただきまして誠にありがとうございました。機械の危険情報の提供のあり方につきまして、今後進めるべき方向性をお示しいただけたのではないかというふうに考えております。今後、この検討会での報告書を受けまして、これから労働政策審議会にも諮るなど、その具体的な施策に反映させるよう取組みを進めまして、機械安全の推進のためにリスクアセスメントの普及定着、あるいはそのレベルアップを図っていきたいというふうに考えております。また、本日のご参集の皆様方にはさらにご協力もいただきながら進めてまいりたいというふうに考えておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。本当にどうもありがとうございました。
○向殿座長 どうもありがとうございました。ご協力感謝申し上げます。

(了)
<照会先>

厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課
〒100-100-8916 東京都千代田区霞が関1−2−2
TEL 03-5253-1111(内線5486,5504)
FAX 03-3502-1598

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