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2010年6月29日 第8回職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会議事録

労働基準局

○日時

平成22年6月29日(火)14:00〜17:00


○場所

経済産業省別館 11階 1111号室


○議事

○奥野安全専門官 ただいまより、第8回職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会を開催します。
 資料の確認をします。議事次第の下に、「配布資料一覧」があります。次の頁から1頁となっていて、資料8-1「前回の議事概要(案)」、資料8-2「検討会報告書の概要(案)」、資料8-3「検討会報告書(案)」です。落丁等がありましたら、事務局にお知らせください。名古屋先生、よろしくお願いします。
○名古屋座長 議事に入る前に、前回の議事録概要(案)について、事務局から説明をお願いします。
○奥村調査官 資料8-1です。第7回職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会ですが、4「議事概要」の(1)「はじめに」です。1リスクに基づく化学物質管理が時代の流れであることを明記すべき。2リスクとするだけでは定義が曖昧になるので、リスク評価としてはどうか。これについては、我が国では、リスク評価に基づく体系が整っていないので、明記については慎重に検討する必要がある、ということです。3最後の段落は、WSSDでの「化学物質の製造と使用による人の健康と環境への悪影響を平成32年までに最小化する」という目標の合意に基づいて、目標実現のためのロードマップであるSAICMが採択されたという背景を踏まえての対応という流れがわかるように記載してはどうか。
 (2)「現状」の1「災害発生状況」です。労働災害発生状況については、事業場規模別、業種別のデータも記載し、規模、業種ごとに応じた対策を検討すべきではないか。例えばCO中毒は、サービス業等で多く発生しており、労働者も事業者も化学物質を取り扱っているという自覚がないことが多い。製造業と同じような対策では災害が減らないのではないか。廃棄物処理業者についても対策を検討する必要がある。業種や規模に関わらず、労働災害発生原因については、危険有害な化学物質の情報伝達及び活用が不十分であったと思われ、今後それらの仕組みを確立することが重要である。ただし一般消費者は対象から除く。2「事業者が行う化学物質リスクアセスメントを取り巻く状況」です。リスクアセスメント実施率43%というアンケート調査は、化学物質を取り扱っている自覚があり、管理に対しても意欲のある事業者を対象としており、また、リスクアセスメントのとらえ方が事業者によってまちまちであるため、つまりMSDSを収集しただけで、リスクアセスメントを実施したという事業者もあり得るということで、実態を反映した結果となっていない可能性もあり、また数字が一人歩きする恐れもあることから削除する。コントロール・バンディングはコンピュータを利用しない方法もある。3「GHS分類に基づくラベル表示、MSDS交付の仕組みについての普及や教育が不足してること及びその活用の充実が望ましいという内容を盛り込むべきではないか」。
 (3)「職場における化学物質管理のあり方」、1「危険有害性情報の伝達・活用の促進」。「すべての危険有害な化学物質」とあるが、危険有害な化学物質の危険有害性情報だけではなく、危険有害ではない化学物質を含めすべての化学物質の危険有害性情報を伝達するとしたほうがよいのではないか。これに対しては、ここですべての危険有害性とは、GHS分類を行った結果、危険有害とされるという意味で使っている。GHSでは、危険有害ではない化学物質については情報伝達の対象としておらず、原案のままでよいのではないか。GHS勧告書だけでは、GHS分類を進めることは困難であり、特にGHS分類を実施することが難しい一部の中小事業者を支援することも含め、GHS分類のためのインフラ整備、つまりJIS化、分類ガイドラインの作成や分類ツールの開発等に注力してきたが、これに関しては引き続き継続すべきである。「GHS分類を行う主体について明記する必要があるのではないか」については、分類はEUや国等が実施することもある。また、EUでは、製造業者や輸入業者が分類をし、ラベル表示をするのは販売業者ということになっている。主体については検討が必要。事業場内表示については、表示をすることが困難な場合、GHSの代替手段等の使用も含め、具体的な表示方法のガイドラインを作成する等、実施する前に十分な期間を設けるなど普及の推進が必要。労働者教育の充実については、正規、非正規労働者を問わずあらゆる形態を対象とする必要があるのではないか。情報伝達と言っても、ハザードとリスクの2つがあるので、区別する必要がある。本検討会で議論している情報伝達・活用は、主としてハザード情報のほうである。健康診断と同様に、作業環境測定の結果を労働者だけではなく、労働安全衛生を担う担当者にも伝達する仕組みを構築し、活用していくことが重要。本提案の危険有害性情報の伝達・活用を円滑に機能させるためには、「GHSの普及やMSDSの活用・教育に関する仕組み」を確立することが極めて重要であり、これを「エ」のタイトルにして、労働者教育の充実もその1つとして盛り込む。
 2「リスクに基づく合理的な化学物質管理の促進」です。最終行の「一定の高いレベルの管理を達成している事業者が、さらに一層高い水準での管理を促進するために検討」となっているが、これではあまりにもハードルが高く事業者のやる気が削がれるのではないか。「一定のレベルの」を「リスクに応じた」に修正したい。「本来のリスクアセスメント」とは、危険有害性だけリスクアセスメントを行うことではないと明確にすべきではないか。「本来のリスクアセスメント」とは、「許容濃度とばく露濃度の比較を行う定量的なリスクアセスメント」ということではないか。
 【個人サンプラーによる測定について】労働者が安全かどうかの指標はばく露限界値であり、個人サンプラーによる測定が世界標準となっている。我が国においても広く利用されるべきである。作業によっては、作業環境測定のほうが適切な場合がある。作業環境測定と個人サンプラーによる測定の両輪で動かしていく必要があるのではないか。事業者が選択できる余地を残すことも必要。測定者の育成と測定・評価基準も検討する必要がある。個人サンプラーによる測定(短時間測定)と個人ばく露測定(8時間測定)で書き分けが必要。個人サンプラーによる測定と、測定と言ってもさまざまな方法がある。作業環境測定結果は、個々の労働者の健康状況を確認するデータとして活用することが非常に難しい。個人サンプラーによる測定を行えば、個々の労働者等のデータとして利用できるので活用の幅が広がるのではないか。個人サンプラーによる測定を行った結果、ばく露が低いということが判明した労働者については、特殊健康診断の対象から除外するなど、リスク評価に基づく措置を進めてはどうか。これらについては、所管課において、健康診断のあり方について検討中です。
 【局所排気装置等以外の発散抑制方法の導入について】専門家により大きな責任を持たせた上で、管理濃度第一管理区分等の結果が出れば、柔軟な管理を可能とする仕組みを構築することが必要。
 3「専門人材の育成・専門機関による管理の促進」です。報告書の流れとして、まずGHSに基づくラベル表示、MSDSの交付等の情報伝達・活用の促進という論点があり、次にそういった情報を活用したリスクアセスメントの実施の促進という論点があり、最後にリスクアセスメントを実施するために専門家の活用ということになっている。このような趣旨を盛り込むべきではないか。資格制度の弊害として、資格を持っているだけで実務能力がないという場合があるので、新たな資格を作ることについては慎重に検討する必要がある。資格にこだわらず、どういう能力がある人かということを具体的に規定してはどうか。以上です。
○名古屋座長 ご質問等はありますか。
○福岡委員 2頁の4行目に「業種や規模に関わらず、労働災害発生原因については、危険有害な化学物質の」となっていますが、ここは「化学物質の危険有害性の情報の伝達」という表現のほうが正確ではないかと思います。
 つまり、ある化学物質が危険有害性があるかどうかをどう判断するかという話はあとに出てきますが、この時点では取り扱う化学物質に、危険有害性があるのかないのかを含めた情報の伝達が足りなかったと、大きく拾っておくほうがいいのではないかと思うので、「危険有害な」という言葉を「化学物質」のあとに持ってきて、「化学物質の危険有害性の情報伝達活動が不十分だった」という表現にしたほうが、広く捉えられるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○名古屋座長 ほかによろしいですか。
                 (特になし)
○名古屋座長 本日の議題に入ります。本日は報告書(案)についてご議論いただきますが、その前に資料8-2の報告書概要について、前回に引き続いて検討をお願いします。事務局から説明をお願いします。
○半田化学物質対策課長 資料8-2です。前回資料7-2として概要(案)を出していまして、ご議論いただきました。その議論を踏まえて直しています。このあとの報告書(案)でいろいろご議論いただいたことを反映しています。大きく変わっているところを中心にご説明します。
 構成として、「現状と課題」「今後のあり方」となっています。左の「現状と課題」に、●と◇とがあります。これは前回の概要(案)でも骨子(案)でも、「現状」ということでまとめていました。そして、右側に「化学物質管理のあり方」として整理していましたが、実際に書き下していくと、左側の「現状」の中で全部書いてしまうと座りの悪い部分がありまして、一部を「今後のあり方」の中のそれぞれの項目の前段の部分で書いています。そういうことで少し位置が変わっているので、報告書の構成としては、3節に移っているものが◇の部分です。ただ、概要をご説明するに当たっては、課題と今後の方策と並べたほうがいいかと思いましたので、並べ方はこのようにしています。◇の部分は3節に移したということで、それが構成上の大きな違いです。
 まず「現状と課題」です。危険有害性情報の伝達に関するものと、リスクに基づく管理の部分と、大きく2つあります。危険有害性情報の伝達のところで、前回は「危険有害性情報の伝達が不十分」としていたのですが、情報伝達に関しては、伝達と活用はセットであるという指摘を多々いただいていますので、この標題も「伝達及び活用が不十分である」と直しています。
 その下です。災害発生状況なども書いていますが、2つ目の●に「業種によっては化学物質の云々」とあります。安全衛生に関する認識が十分でないという業種もあるということです。この辺りも、前回は「サービス業などを」と書いていまして、骨子(案)でも、そのように書いていたのですが、これも書き下してみるとサービス業というのが、名指しで問題だと言っているように聞こえますが、サービス業だけというわけではありませんので、「業種によっては」と表現ぶりをトーンダウンしています。
 事業場内での表示の問題で、3つ目の●が容器等に表示がなかったための災害の発生状況です。「作業環境測定結果の伝達」となっていましたが、「その評価の結果の伝達」ということで、一部直しています。この部分は解釈の中の前振りで書き直しています。
 課題の2.「リスクに基づく自主的化学物質管理」の部分で、ここは「普及が低調である」と書いていましたが、「低調」は適切でなかろうということで、「不十分である」と書き直しています。
 最初の●の化学物質についてのリスクアセスメントの実施率が低い、事業場の規模が小さい所で低いなど、こういった実態はそのままです。以下、3つ項目がありましたが、現行法令に基づくA測定・B測定の問題、局所排気装置の屋外排気の問題、そもそも発散抑制装置は局排などに限られているのであるけれども、もう少し見直したほうがいいのではないかといった課題があります。この辺は変わっていませんが、いずれも3節のそれぞれの対策の中の前振りで書いています。それから、「3.その他の化学物質災害」のところで、CO中毒や一部の屋外作業における中毒災害の話がありまして、この辺は変わりはありません。
 右側にいきまして、「今後のあり方」の部分です。最初の項目の1.「危険有害性情報の伝達」のあとに「活用の促進」と入れています。ここの対策としては、1「GHSに従って分類を行い、危険有害とされる物質について情報を伝達する仕組みを作る必要がある」としていて、変わりありません。2「事業場内表示」、3はそういった表示、ラベルに関しての教育など、教育普及のための取組みを行うことも、変わりありません。
 前回は4に「作業環境の測定結果を労働者等へ周知する必要がある」と入れていましたが、ここは1がハザードに関するもの、2はリスクに関するものという整理でいくと、4が1に入っているのは座りが悪いのではないかといったご意見が多数でしたので、これを2の3に移しています。3に移して、「作業環境の測定結果」は「作業環境の評価結果」に直して、これを「労働者等へ周知することが望ましい」としています。
 2.の1「より簡便なリスクアセスメント手法の普及を図っていく」は変わりありません。2「個人サンプラーによる測定の導入を検討する」も特段の変更はありません。3はただいま申し上げたとおりです。4、5、6は局排の要件、局排以外の発散抑制方法の検討、リスク低減に応じた合理化を可能とするインセンティブといった辺りは前回と変わりませんが、それぞれ3、4、5を4、5、6と繰り下げています。3.「専門人材の育成・専門機関による管理の促進」は変わりありません。
 左側の「その他の化学物質災害」に対応して、4のところにCO中毒、一部の屋外作業における中毒災害の防止対策について言及しています。ここも前回と変わりありません。概要並びに前回からの変更点は、ただいま申し上げたとおりです。
○名古屋座長 ご質問等はありますか。
○市川委員 前回欠席して、議論があったのかもしれませんが、資料8-2と前回の資料7-2の概要についての主な変更点を含めてのご説明がありました。1つが、右の「今後のあり方」の1の箱の3の「必要がある」が「望ましい」に変わっているとか、2の箱に移した「作業環境の評価結果の周知」についても、「必要がある」が「望ましい」と表現が変わっていますが、その経過を教えていただけますか。
○半田化学物質対策課長 今回のご検討を踏まえて将来の法令改正も想定しているわけですが、「必要である」ということになると、義務なり、それなりのものに書かなければいけないのかなと考えています。そういったことが直ちに可能か、あるいは適切かといった辺りも勘案しまして、是非ともやらなければいけないというものと、そうあるべきであるという辺りを、少し使い分けて書き分けています。
 ですから、例えばラベル表示の云々のところは、元は「仕組みを構築する必要がある」となっていたのですが、「必要がある」というと、何か義務を課すとか、そういったことになってくるという誤解もありますので、これは推奨の話ですので、文字どおり、「そういったことが望ましい」という表現のほうが妥当ではないかということで変更したものです。本文の中でもそういった変更点がありますので、必要に応じてご議論いただければと思います。
○市川委員 それはこの検討会でそういうご意見があって、そのようなことになったという理解でよろしいですか。
○半田化学物質対策課長 検討会でのご意見もあった部分はあると思いますが、これは検討会での素案ですがいろいろなところにも協議しますので、そういった中でのご意見も踏まえています。
○福岡委員 この資料は、1枚の概要ということで、将来皆さんに配付されることになるわけですね。
○半田化学物質対策課長 はい。
○福岡委員 この使い方ですが、「現状と課題」の3行目辺りですが、労働安全衛生はもともと事業者責任をかなり重くみてスタートしているわけですが、左側の4行目の辺りにいくと「労働者への教育が足りない」とあるのですが、その前に「化学物質の危険有害性について十分認識せず」とありまして、これは一体誰が認識していないのか。これは事業者が認識していないから、自分の会社の労働者に十分な教育ができていないという文脈だと思うのですが、どこかに事業者にも責任のあることを明確に書くほうがいいのではないかという気がします。
○半田化学物質対策課長 事業者、労働者ということを明確に書いたほうがよろしいということですね。
○福岡委員 それは安衛法からいってもそうだと思います。
○半田化学物質対策課長 この資料の使い方ですが、各方面にご説明しますときに、本文はもちろんお付けするのですが、概要ペーパーを通常は1枚紙を付けますので、そういったことに使う予定です。福岡委員のご指摘の点も踏まえまして、この部分も少し修正しておきたいと思います。
○福岡委員 先ほどの作業環境測定の結果の活用の話で、衛生委員会の付議事項の中に、作業環境測定についても取り上げなさいと規則に書いてあったと思うのですが、そこにあるのに。
○名古屋座長 委員会で報告したとしても労働者の所までにいくかどうかはわかりません。諸外国は、測定したときその結果は必ずその労働者に伝えなさいとなっているから、もう少し踏み込んで、労働者にということだから、ここはあったほうがいいと思います。
○橋本委員 いまの付議事項であるということも本文では述べていて、さらに掲示するとか、そういった方法で労働者に直接情報提供するのが望ましいと本文に書いてあったと思うので、ここで「直接周知する」といったら、その状況がよくわかるのではないかと思います。要するに、間接的にはすでにやっていたのだけれども、直接周知することが大事であろうと言ったらどうでしょうか。
○半田化学物質対策課長 名古屋座長からお話があったかもしれませんが、以前の議論のときも、委員会がある場合はそれでいいのですが、ない場合にどうするかということもありますので、これは1つ明確に書く必要があるだろうという結論だったと理解しておりまして、書いてございます。
 いま橋本委員から補足していただきましたように、その辺は本文の中でも書いていますので、改めて表現についてはご議論いただければありがたいと思います。
○豊田委員 前回も言ったと思うのですが、本文をやったあとに、文言が変わるかもしれないので、もう一度議論させていただいたほうがいいと思います。
○名古屋座長 いまのところはこのような形で、また本文が変わったら戻って概要をそれに合わせて修正するということで。先ほど言いましたように、概要があって、そのあとに本文が付くということですから、中が違ってしまうといけませんので、もう一度戻るという形にしまして、一応ここで閉じまして、次に進みます。
 次に、検討会報告書(案)についてです。前回の骨子(案)の議論を踏まえて、事務局に作成してもらったものです。まず事務局から説明をお願いします。
○半田化学物質対策課長 10頁からが本文です。前回骨子ということでお出ししていました。今回書き下すに当たり、当然ながら文言等だいぶ変わっている部分があります。こちらで判断して、接続詞を入れたり、ちょっと文末を変えたり、語順を入れ換えたり、本質に関係しない部分は、特に変更点としては明記していません。そのことをご承知おきください。それですので、アンダーラインの部分は、今回趣旨などが変わって、明確に追加された部分です。削除された部分は、趣旨等の違いから、明確に削除した部分です。軽微な語句の一部の入換えについては、特段見え消しにしていませんので、ご承知いただければと思います。
○奥村調査官 報告(案)の概要を簡単にご説明します。「はじめに」です。冒頭に「化学物質はあらゆる分野に利用されており」ということで、裾野の広がり、あらゆる業種の問題となっていることを明らかにしました。
 続いて「情報の活用は、化学物質管理の基本であり」から始まって、譲渡提供時のラベル表示、あるいはいままでMSDSの交付という規則があったことを簡単に振り返っています。
 「一方」から始まりまして、災害発生状況を見ると、「情報が適切に伝達及び活用されていれば防げたものが少なくない」と申し上げています。また、業種によっては、取り扱っている化学物質の危険有害性に対する認識が不十分であった事例もあり、取組みの強化が必要である、ということを書いています。
 続いて、「リスクに基づく化学物質管理が内外において求められている。我が国においても例外ではない。そのためにも、より柔軟で合理的な化学物質管理が可能となる規制への見直しと同時に一層の自主管理の促進の必要性が指摘されている」とつなげています。「さらに、中小企業では、一般に化学物質管理についての専門的人材が不足しているため、リスクに基づく適切な管理を行うことが未だ不十分である」と述べています。
 続いてWSSD、SAICMという国際的な動向を記述しています。これについては、資料の29、30頁です。29頁にWSSD、SAICMが書いてあります。これを簡単に言葉でまとめたという整理です。これが10頁の終わりまで続きます。
 11頁は、「現状」として、災害発生状況をまとめています。これについては、主な変更点はありませんが、イで「新規化学物質の届出も10年前の2倍に達しており、いろいろな新しい化学物質がどんどん増えていて、職場における適切な化学物質管理の重要性がますます高まっている」と総括しています。
 (2)では、情報伝達の状況を簡単にまとめています。ラベル表示やMSDSの規制が義務づけられているという点ですが、対象物質が100物質、640物質と限られている。他方、ヨーロッパの「化学品の分類、表示、包装に関する規則」(CLP)では、2009年に発効されていますが、純物質についての施行は今年の12月からで、混合物については2015年6月からとなっています。混合物は作業として分類、表示が大変なので、このように経過措置を置いています。このようなことで、アンダーラインの部分で、「このように国際的な動向をみると、すべての危険有害な化学物質にラベル等を付し、労働者を含む利用者に危険有害性情報を提供することを定着させる動きがある」と世界の流れを総活しています。
 イは「化学物質による中毒等の労働災害は多様な業種で発生している。また、業種によっては、取り扱っている化学物質の有害性について十分に認識しないで、また労働者への教育も不十分であるために、災害を起こしていることがみられる」ということです。
 ウは「ラベル表示がなく、情報伝達・活用が不十分であったため、労働者の不安全な取扱いを誘発したと思われる災害が、年30件程度発生している」としています。この30件というのは、休業日数などにかかわらず、中毒災害として監督署が報告を受け、災害調査を実施したものの年間の平均数です。12頁に移り、冒頭で、「事業場において労働者が直接取り扱う容器への名称等の表示は、義務づけられていない」としています。
 エは「職場で使用されている化学物質の中には、その危険有害性が未確認であるものも多く存在している」としています。何万とある化学物質ですが、危険有害性が明らかになっているものは思ったよりも少なくて、そのほかについてはグレーゾーンのものがあります。これについては後半で示しますが、教育というところでつなげていきたいと考えています。
 (3)「事業場が行う化学物質リスクアセスメントを取り巻く状況」です。12頁下の注釈で、化学物質リスクアセスメントとはどういうものかという定義を記載しています。これが努力義務とされていますが、厚生労働省の行った労働環境調査報告では、リスクアセスメントを実施しているという回答は半分以下で、事業場の規模が小さいほど実施されていないことを記述しています。その理由をアンケート調査で見ますと、「人材がいない」「よくわからない」「時間がない」という回答が多いということです。
 ウです。ヨーロッパを中心に、化学物質を取り扱う作業場ごとに、物質的性状、有害性情報、取扱量等の情報に基づいて、測定を行わずにリスクアセスメントを実施するという、簡便なリスクアセスメント手法、この検討会では「コントロール・バンディング」という言葉で使われていましたが、それが開発され、導入されているところだということです。
 (4)は、CO中毒、また一部の屋外作業の記述です。ここに書いてあるのは、どちらかというと事故型というような化学物質による災害でして、いままで述べてきたリスクアセスメントからというアプローチでは、対策が講じにくいというものです。発電機等の内燃機関、厨房のガス機器から発生する物質により、年間40件程度発生していて、COは化学物質管理の中毒災害全体の3割を占めている状況です。
 こういった中で、鉄鋼業においては、携帯用COセンサーを労働者に着用させるなどの工夫により、大きな効果を挙げていて、こういったことをほかの業種に拡大するべきではないかと書いています。また、周辺に風よけを設けて行う溶接作業、垂直シートで覆われた建設屋外作業、外壁等の作業でも、中毒が発生しているということです。
 3「職場における化学物質管理のあり方」です。これから提言の部分に入ります。
 (1)「危険有害性情報の伝達及び活用の促進」ということで、まず「化学物質管理の原点は、危険有害性情報を正しく把握することであって、これがなければリスクアセスメントを適切に行うことができない」と書いています。特に、危険有害な化学物質を取り扱っているという認識が不十分な事業場では、リスクアセスメントの必要性さえ認識されていないことが懸念されています。こういったところに対しては、危険有害性情報を伝える、この化学物質は危険有害なのだと伝えることが第一歩となるということで、伝達という意味は大きいとしています。
 「このため、GHS分類を行った結果については、その危険有害性情報は、すべての関係者に伝達され、有効に活用される必要がある」と書いています。これについては、下の注釈で、アメリカではOSHAの規制で、現にハザード・コミュニケーション・スタンダードという規定を制定したところ、仮にこういった周知基準がなければ、休業日数のある疾病が約2万、慢性疾病が6,000件、死亡が4,000件発生するだろうという推計をOSHAがしています。
 「このため、職場においては、次の方向で職場における化学物質の危険有害性情報の伝達と活用を促進する必要がある」としていまして、ア「すべての危険有害な化学物質についての情報伝達及び活用の取組みの定着」と書いています。これについて、「職場において使用されるすべての危険有害な化学物質について、GHS、国連勧告が示すように、譲渡提供者から譲渡提供先の事業者に対し、ラベル表示及びMSDS交付による危険有害性情報を伝達し、さらに提供された情報を事業場内において労働者へ伝達する等、化学物質の危険有害性情報を有効に伝達し活用する取組みを確立し定着する必要がある」としています。これにより、製造業のみならずサービス業等のすべての業種において伝達が進んで、安全な取組みが促進されることが期待されるとしています。
 14頁のイは「譲渡提供時の情報伝達とその活用」です。現行のラベル表示100物質及びMSDS交付640物質については、この物質を追加することにつきましては、対象物質についてのみ情報を伝達すればよく、ほかのものは伝達しなくてもよいと受け止められるおそれがあることを踏まえ、「国は、すべての危険有害な化学物質の譲渡提供時の情報伝達の確立を推進することとする」としています。委員会では「コア理論」と「ステージ理論」という言葉で議論していただきましたが、ステージということです。
 次にラベル表示、MSDS交付は、他の法令にも規定されていまして、情報伝達の考え方については関係省庁と連携しつつ、活用状況の浸透状況を踏まえて引き続き検討する必要があります。つまり、各法令ごとにバラバラのスケジュール、バラバラの考え方で物質を追加されるようでは、事業場、延いては労働者も困るということで、そのための連携が求められているということです。
 ウは「事業場内で使用する容器等への名称等のラベル表示」です。事業場内で使用する容器にラベル表示する取組みを定着させる必要があります。事業場内表示の必要性についてです。ただし、導入に当たっては、事業場内での取扱状況や労働者の化学物質の知識レベル等を考慮する必要があって、容器の大きさによる物理的制約もあります。さらに、過剰な情報の記載は、労働者の感性の低下をもたらし、かえって情報伝達効果を損なうことも懸念されます。こういったことから、事業場内表示については、代替措置を認めるなど一定の柔軟性をもたせる必要がある、とまとめています。
 また、事業場内表示はどのように表示をすればいいのか。事業者が迷わないように、「国は、指針、通達、ガイドライン、パンフレット等により、あるべき措置を示すとともに、支援を行うことが望ましい」と書いています。
 次に「労働者教育の充実」を改めて、「GHSに基づくラベル表示及びMSDS交付による情報伝達・活用の促進普及のための仕組みの構築」です。こういった標題のとおり、このような仕組みが必要であるということを書いています。
 15頁です。ここに少し書き込みがありまして、「管理者と労働者の双方に、教育の内容を充実することが必要であるとともに、表示がないものであっても、危険有害性が確認されていないだけであって、実際は危険有害性を有している場合があり、取扱いに注意することを、教育及び周知することが必要である。この教育と周知の取組みは、取り扱っている化学物質の危険有害性に関する認識が不十分な業種、つまりサービス業等の全業種において行うことが必要である」とまとめています。
 この記述については、骨子には盛り込まれていなかったのですが、委員会でも、GHS分類の表示のないものは、むしろ安全と思われてしまうのではないかというご指摘がありました。GHSというのは、そういったものではなくて、ないものはないで分類するのだということを知らない方は本当に安全と思うかもしれないといったことを踏まえて、教育のときに、何もマークのない化学物質も慎重に取り扱うことを教育していきたいということです。この点は、化学系の産業とその他の業種で、認識に温度差があると思います。化学系の産業の方は、化学物質というと、ある程度危険有害なものという前提で考えておられますが、そうではない業種の方は、事業主も労働者も、心配しなくてもいいのだろうと思っているのではないかという点から、ここで書いています。
 続いて、「データベースの構築、相談窓口の拡充等のインフラ整備、GHS分類に係るインフラ整備を進めるのが望ましい」と書いていまして、それを踏まえて、「以上の取組みにより、化学物質の危険有害性の情報と伝達を確実に定着させるためには、国と産業界の連携が必要である」として、官民連携の必要性について、ここで「不可欠である」と謳っています。
 (2)「リスクに基づく合理的な化学物質管理の促進」です。伝達された情報を、いかに災害防止に結び付けるかというところで、いよいよリスクアセスメントの話になるかと思います。
 16頁のア「より簡便なリスクアセスメント手法の導入、普及及び定着」です。化学物質リスクアセスメント手法としては、従来、労働者のばく露濃度を実測し許容濃度を比較する手法と、(これが議事録では本来の手法ではないかと指摘されている)有害性・取扱量・揮発性・年間作業時間等を基に複数の表を用いてばく露レベルを推定する手法がある。これが、現行の労働安全衛生法令における化学物質リスクアセスメント指針に載っている、2つのやり方です。これら従来の手法は、専門的な知識を有する人材の確保が難しい等の理由により、未だに十分な普及には至っていません。このため、導入が困難な事業場においても、リスクアセスメントの実施を可能とするため、より簡便なリスクアセスメント手法を国の実情に合うように開発する必要があります。その普及に当たっては、インターネット、コンピュータでの使用も可能とすることとして、普及定着を図りたいということです。
 ただし、このより簡便なリスクアセスメント手法は、従来の手法によるリスクアセスメントが実施されていない多くの中小企業や、化学系以外のすべての業種においても、リスクアセスメントを可能とすることが期待されます。なお、「本来の手法」という言葉ですが、「ばく露濃度測定の実測等による手法等の従来の手法は、より確実性が高く、より望ましいものである。このため、より簡便なリスクアセスメント手法は、従来の手法を補完するものとして位置づけることが適当である。すなわち、従来の手法を自ら実施できる事業場については、引き続き、従来の手法を用いてリスクアセスメントを行うことを奨励する必要がある」としています。
 16頁のいちばん下のイは「個人サンプラーによる測定の導入へ向けた検討」です。ここは骨子にあった記述をかなり使っています。A測定、B測定と、個人サンプラーでの測定の、良いところ、悪いところがあるという記述です。「そこで、個人サンプラーによる測定について、当面は、A測定及びB測定による測定では的確な評価が困難と思われる一部の作業を対象に、A測定、B測定に代わる測定として導入することについて検討する必要がある。この検討に当たっては、一定の基準に基づいて、事業者が個人サンプラーによる測定と従来のA測定、B測定を自主的に選択することを可能とすることについて検討する必要がある」ということです。
 ウは「作業環境測定の評価結果の労働者への周知」です。測定結果については、先ほどもご議論がありましたように、衛生委員会の付議事項になっています。また、50人未満の事業場でも、関係労働者の意見を聴くための機会が設けられているということです。しかし、現行法令では、労働者が自らの作業環境の状況、作業環境測定の改善の必要性、計画について知りたいと思っても、衛生委員会を通じて間接的にしか知ることができず、容易に確認できる仕組みとなっていません。このため、労働者が健康障害を受ける可能性があるにもかかわらず、それを知らないまま作業を続けているおそれがあるため、評価結果を直接的に労働者へ周知することが望ましいと書いています。
 18頁です。第2管理区分、第3管理区分の場合には、対処方針についても、きちんと労働者に伝達する必要があります。そのときには、対処方針は衛生委員会での調査審議、専門家、労働者などの意見を聴きながら行うことが望ましいとしています。
 エは「結果を踏まえた労働衛生管理の推進」ということで、「作業環境測定の結果を踏まえ化学物質管理の現状と問題点を明確にしつつ、衛生委員会による調査審議等を行う各事業場の取組みを活性化する必要がある。このとき産業医をはじめとする産業保健スタッフの参画について、さらに促進する必要がある」としています。産業医が作業環境測定結果について知ることがないという指摘もありましたので、このようになっています。
 オは「局所排気装置の要件の柔軟化」です。その要件については、従来から法令に詳細に定められていましたが、リスクアセスメントの規制の見直しの観点から、より自主的な管理を促進するために推進する必要があります。例えば有機則第15条の2、特化則第7条において、局所排気装置の排気口を屋外に設置することが義務づけられています。これは空調エネルギーを過剰に消費させているという問題点が指摘されていますが、これについても、排気を清浄化し、センサーで連続モニタリングすること等を条件に、屋内へ還流を認めることが必要である。ただし、発がん性を有する化学物質については、対象から除外する必要がある。また、局所排気装置の要件につきまして、有機則第15条の制御風速の規定や特化則第8条の抑制濃度の規定がありますが、これらは第1管理区分が継続し、作業環境測定による管理が行われている場合に限り、不要ではないかという指摘がありましたが、本検討会では、これらを撤廃しても労働者の安全性が損なわれないことの根拠が必要であるとの意見を踏まえ、撤廃について、引き続き必要な知見を収集しつつ検討する必要があるとしています。
 19頁で、カ「局所排気装置等以外の発散抑制装置の導入」です。労働安全衛生法令においては、有害物の工学的な発散抑制措置は、原則として発散源を密閉化する設備、局所排気装置及びプッシュプル型換気装置に限られています。このことは我が国の作業環境の改善をもたらしてきたところでありますが、その反面、専門家の創意工夫による自主的な管理の機会が十分に与えられていなかったという指摘もあります。また、そのために発散抑制装置の技術革新が妨げられているとの指摘もあります。このため我が国においては、リスクに基づく合理的な管理を促進するためには、専門家を活用しつつ、作業の実態に応じ、より柔軟な発散抑制方法を導入できる仕組みの構築が必要となる。このため、労働安全衛生法令に基づく有害物の発散抑制対策として、局排等以外の方法についても導入できるよう、規制の柔軟化を推進する必要があるということです。
 その導入に当たっては、当該発散抑制方法のうち、技術が確立されていないため、一般的な技術基準が存在しておらず、法令に定めることができない方法、これがプッシュプルのように、あとから出てきても確立すれば規則になるのですが、そうではない開発途上の技術について記載しています。こういったものは、事業場ごとに是非を判断して、導入を認めることが適当である。このとき、気中濃度が一定以下に抑制できることを確認するとともに、気中の有害物の濃度が継続して一定値以下となることを担保することを条件とする必要がある。具体的には、常時、連続モニタリングによる監視が行われていること、定期的な点検による維持管理が行われていること、これらを維持するための管理体制が整備されていること等が考えられます。例示として、これらが考えられるというまとめです。
 さらに、導入が認められるまでの経過措置として、労働者に呼吸用保護具を着用させる等による、労働者のばく露防止措置を求めることが適当である。つまり、監督署に申請して許可が出るまでの間、マスクを着用させるというようなことです。
 また、導入が認められたあとも、発散抑制効果が継続していることを確認するための仕組みを設ける必要があります。何を言っているかと申しますと、例えば監督署の申請を経て、許可を経て、新たな発散抑制装置を導入したあとで、工程を変えたとか、製造量の取扱い量を変更して、化学物質の量が増えたりした場合には、そのことを届け出て、再度確認するなどの手続きが必要であろうということです。
 次に、キの「リスク低減の取組みに応じたインセンティブの付与」です。リスクに応じた化学物質管理を実施している事業場については、さらに一層高い水準での自主的な管理を行うことを推進するため、何らかのインセンティブを付与することについて、今後の検討が望まれます。本検討会では、具体的には測定の頻度を延ばしてはどうかとか、健康診断の省略をしてはどうかというご意見もありました。ただ、この時点で報告書に明確に書き出すには、影響が大きいのかなと思いまして、こういった表現に留めています。もう少し裏付けデータ等も出るようになれば、もう少し書き込めるのかなと考えています。
 19頁のいちばん下から、(3)「専門人材の育成及び専門機関による管理の促進」ですが、事業場内と事業場外での人材の育成がそれぞれ必要だということを書いております。各事業場において、変わった部分としては、GHSに基づくラベル表示、MSDS交付等の情報伝達のためにも、また、リスクに基づく健康診断、より簡便なリスクアセスメント手法の導入を推進するにあたっても専門人材がいたほうがいいということで、この重要性を解いております。
 20頁です。(4)「CO中毒、一部の屋外作業におけるばく露防止対策の検討」ということで、骨子のときと同じような内容ですが、CO中毒においては測定からリスクアセスメント、その結果を踏まえたばく露防止措置という通常の化学物質管理は、そのまま適用しにくいと。内燃機関等におけるCO防止については、換気の必要性について十分教育を徹底するとともに、鉄鋼業におけるCOセンサーの着用など、これらを参考にして、さらに一層強化すべきであるということです。最近でもCOの災害がニュースで流れておりますが、そういった徹底が必要ではないかと考えております。
 また、一部の特に有害な屋外作業における化学物質による中毒災害においても、同様の対策が必要であると、簡潔にまとめております。報告書の説明は以上です。
○名古屋座長 どうもありがとうございました。全体を通してだとなかなか進みませんので、前からということにしたいと思います。10頁の1「はじめに」、次に2「現状」ということで進めたいと思います。10頁の「はじめに」のところで、何かご意見等ございますか。ここは前から議論されてきていて、それに従って直していただいておりますが、よろしいでしょうか。
 それでは、次に11頁から13頁にかけての「現状」の中で、何かご意見等ございますか。
○福岡委員 11頁の(2)のアの下から4行目の「他方、欧州の」というところで、「すべての」が消されて、「危険有害とされるすべての化学物質」という表現が出ています。その1行下に、「このような国際的な動向をみると、すべての危険有害な化学物質」ということで、同じような場所で上のほうでは「すべて」を消して、「危険有害とされるすべての化学物質」となっているのですが、その1行下では「すべての危険有害の化学物質」ということで微妙な違いがあるのです。私は、上の「危険有害とされるすべての化学物質」という表現が非常にいいと思うので、できればそれに揃えたほうがいいのではないかと思います。1つの意見ですが。
○名古屋座長 要するに、4行の間で上を削って、下が残っているということですね。
○福岡委員 同じような意味のところを、少し文言が違っているのは、何か意味があって変えられたのか。
○半田化学物質対策課長 これは「すべての危険有害な化学物質」と言ってしまうと、我々が知ろうが知るまいが、文字どおりすべて危険有害な化学物質ということになりますので、現実にできることは、分類をやった結果、危険有害であることがわかったすべての化学物質ということで、そういう意味で「危険有害とされるすべての化学物質」と直したものです。
○福岡委員 さらに元に戻したのは。
○半田化学物質対策課長 ご指摘のとおり、その下の「すべての危険有害な化学物質」についても、同じような表現に改めたいと思います。
○名古屋座長 よろしくお願いします。
○福岡委員 それから、先ほどの話なのですが、その次のイの2行目の「業種によっては、取り扱っている化学物質の」云々という所にも、「十分認識せず」と、認識しないのは誰かということですね。最後に「事業者」という言葉を入れてもらうようにお願いしましたが、ここも「業種によっては、事業者が取り扱っている化学物質の危険有害性について十分認識しない」と、事業者の、違う所はわかりませんが、誰がというのを明確に書いたほうがいいのではないかと思います。
○名古屋座長 それもよろしくお願いします。
○塩崎委員 12頁のエですが、この項目は前回までなかったと思うのです。これについて1点目は、これを追加した理由について、2点目はとこの記述で「多く存在している」という表現について、この「多い少ない」の根拠はどこにあるのでしょうか。
 また、この表現は少し過激ではないかと思います。というのは、従来から国も民間も有害性についてはいろいろ努力をしてきて、研究したり調査したりしているわけです。もちろん、ご承知のとおり一部自主活動も含めて、HPVのデータを取ったり、国内では国と民間との共同でやってきたジャパンチャレンジとか、できる努力はずっとしているわけです。その中で、ここにエの項目がポンと出てきて、かつ「未確認であるものが多く存在する」という表現は、有害性が未確認なものはないわけではないでしょうけれど、「多く」という表現は、もう少し柔らかい表現にすべきではないかと思います。これまでの国と民間の努力が全く反映されていないような記述は避けるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○奥村調査官 なぜこの書き方になったかの説明ですが、32頁をお開きください。化学物質管理の現行規制というものがあって、製造禁止から製造許可、特別規則による管理対象物質、MSDS交付対象物質640物質、その他の化学物質というものがあります。環境由来の人の健康等の影響を守る法令と違い、安衛法では労働ばく露による対象となっておりますので、かなり少量のものから対象にしています。新規化学物質の届け出についても、100kg以上から対象にしています。
 ですから、「その他の化学物質」は桁が違ってきて、労働者を取り巻く化学物質というと何万種類もあると。我々は大体5万か6万ぐらいあるのではないかと考えております。毎年、新規化学物質は1,300ずつ増えていることからも、10年経てばそれだけで1万という単位で化学物質が増えています。これらの化学物質がどれだけ危険性がわかっているかというと、十分にはわかっていないということはあります。何万という物質に対してどうしても限られているということを、ここで言及したらこうなるのかなと考えております。
○塩崎委員 確かに毎年、少量新規物質は増えています。しかし、そういうことに対してはきちんとした対応を行うように定められていて、その定めに従ってやっています。リスクという考え方からすれば、リスクを評価してその取扱いを決めていると私は思っていますので、野放図に扱われているという表現は避けるべきではないかと思うのですが、いかがですか。
○名古屋座長 数から言えばそうですね。世界の全体の数から言えばそうですが。
○豊田委員 本件と関連するのですが、11頁の(2)「危険有害性情報の伝達及び活用に関する状況」の章のところに議論しているエが記載されているわけですが、こういう表現をするのでしたら、10頁の「はじめに」の章に「まだそういうものが確認されていない」と、やんわりと入れるほうがいいと思います。ここまで来て、いきなり情報伝達云々の章ところでパッと最後に出て来ると、皆さん非常に奇異に感じ、どうしてここに入るのかなということになるのではないですかね。場所も含めて、こういう文言を入れるのだったら、むしろ最初の箇所に化学物質全般についてその危険有害性が未確認であるものがあると記載した方がよいと思います。
○名古屋座長 普及されるのだったら、新規物質とかそういう形の、きちんと法律で体系化されていないものの中に、こういうものが多く存在するという書き方ということですね。
○豊田委員 そうです。
○名古屋座長 それでは、エのところは少し検討していただけますか。
○福岡委員 いまのエの「未確認であると思われる」というところですが、誰が確認するのかということで、この後のほうにも関係するのですが、もともと化学物質の危険有害性については、出発点は輸入業者、あるいは製造者が、自分たちが譲渡する化学物質についてどのような危険性・有害性があるかを、あるかないかも含めて、GHS分類をした結果を付けて譲渡するというのが第一歩ではないかと思うのです。その中には、当然よくわからないものはあると思うのです。全くわけのわからないものを譲渡するはずはないのです。譲渡するにしても、自分の会社の労働者に扱わせるのに、危険性・有害性が全くわからないものを扱わせて譲渡することはまずあり得ないので、出発点は輸入業者や製造者が取り扱って譲渡する化学物質について、GHS分類に従ってどの程度の、どんな内容の危険性・有害性があるのか、あるのかないのかも含めた判断があって、それから話が始まるのではないかと思うのです。そういう意味で、譲渡する人にどんな責任を負わせるのか、その辺りをもう少しはっきりさせたいのが1つです。
 その次に、譲渡を受けた人がそれを労働者に扱わせるときに、どのように情報を伝達して、労働者が支障を起こさないようにどんな配慮をするべきかについて、ラベルがどうとかいろいろあるわけですが、そういった2つのステップに分けて、ゴチャゴチャ混ざっていてわかりにくいのですが、前段では譲渡する立場の人は何をすべきなのか、後段では譲渡を受けて労働者に扱わせる人はその際に何をすべきなのか、そういう区分けで書くともう少しすっきりするのかなと思います。このエ中でそういうややこしいことが出てきたので、そういった見方をしても、いろいろ見直すことにつながっていくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○西委員 いまの法の概念からいくと、REACHはご存じのとおり事業者、製造業者、輸入業者が、すべての自分のものの有害性等については検証することになっていますが、日本の化審法等においては、既存化学物質は国が官民の連携のもと安全性点検を推進することとなっています。もちろん、ジャパンチャレンジなどで、民間も含めて一緒にやりましょうということになっています。だから、語弊がありますが、既存化学物質であれば、GHS分類とかできるだけのことは努力するとしても、わからなければ分類のしようがないわけですから、そのまま市場に流通してもいいというのが、いまの法体系の中での位置づけだと思うのです。福岡委員は理想的なことをおっしゃっているのかもしれませんが、それを一気にここまで落とし込んでしまうと、問題が拡大しすぎるのかなという気がします。
○福岡委員 いま申し上げたのは、わからないことはわからないとか、ないのはないというのは大事な情報だと思うのです。だから、将来もっと問題がでるかもしれないということ、いろいろな新しいことがわかってきて、従来は発がん性がないと思っていたものが、発がん性があるとわかってきているわけですから、わかっていないならわかっていないということも大事な情報であって、それは情報ゼロではないですよね。情報ゼロと、危険性・有害性もわかっていないという情報とあります、ということを含めた情報を、譲渡する人がしっかり伝えていくことから始まるのではないかと思うのです。理想だとおっしゃるかもしれませんが、事業者が自分の労働者に扱わせる化学物質について、どんな危険性・有害性があるかないかもわからないものを扱わせることはないと思うのです。少し極端すぎますかね。
○西委員 データをもって判断できるか、できないかという意味では、わからないものがいっぱいあるというのが現状だと思うのです。ただ、同じ原子団、活性基、構造類推から言って、Aの物質はこういう有害性等があるから、類似のBは同じような有害性があるでしょうから気をつけましょうとしていると思います。それがまさにリスクアセスメントなのかもしれませんが、そういう形で使用者側はそういうリスクアセスメントをして、労働者に対してこういう注意をしなさいと、こういう保護具を着けなさいと指示するというのが、いまの考え方なのではないかと思います。
○名古屋座長 そうすると、位置づけとしては、エはそういう意味で危険有害性を伝達するということだから、一応ここに置いて、文章を少し変える形でよろしいですか。
○豊田委員 最初のところですね。いいと思いますが。
○名古屋座長 いまの意見を踏まえて、ここのところだけ文章を変えて。
○宮川委員 実際にGHS分類をやってみると、情報なしというのがたくさん出てきますので、確かに情報がないことは多いのですが、逆にエに使われている「未確認である」との表現ですが、それでは確認できるのかと言われると、それはまた難しい話なので、確認とか未確認という言葉はやめて、情報が不十分であるという表現を使った上で、(2)のアの5行目ぐらいに突っ込むのがよろしいかと思います。
○名古屋座長 少し表現を変えて、そういうものもあるけれど、何らかの形で存在しているけれど、情報伝達をうまく活用して、その辺もうまく活かしていきたいという趣旨だと思いますので、そのような文章に直していただければいいかと思います。
○奥村調査官 宮川委員はどこに突っ込むとおっしゃったのですか。
○宮川委員 (2)のアの5行目に、「物質は限定されている。他方、欧州では」とありますが、「物質は限定されている。また、限定されていないものについて見ると、情報の不足しているものが結構存在している。他方、欧州では」、としていただけるとよろしいかと思います。
○豊田委員 いまのでもいいでしょうし、この2行は、化学物質は有用だけれど、取り扱う情報がなくて取扱いを間違ってしまうと、人に危害を与えるおそれもあるというニュアンスを出したいのではないかと思うのです。10頁では、それを始めのところでいっているのですが、この冒頭2行は課題の1つなのです。全産業の課題となっているのです。この辺にやんわりと絡めるようなことを考えていただいたらいいのではないかと思います。それを12頁に引っ張ってきていきなりエに書くと、この2行では表現しきれないのではないかと思うのです。
○名古屋座長 その趣旨を「はじめに」にも少し入れるけれど、いま言われた形でそこに入れ込んで、伝達がうまくいくようにしようという形でよろしいでしょうか。エとして残すのではなくて、少し割り振って。
○半田化学物質対策課長 そうすると、その辺りは「はじめに」に少し書き込むと。(2)のアでもう少し詳しく、情報が不十分な化学物質があると、こういう感じでしょうか。私の周りの皆様方、あるいは私どもは当然だと思いますが、ただいまの宮川委員、福岡委員からご指摘いただいたように、化学物質は薬にも毒にもなるという両面を持っていることと、情報がないことが安全であることを意味するものではないことは、ここにお集まりの皆さんはよくご承知だと思いますが、私どものように行政をやっていると、必ずしもその辺りをよくご理解いただいていないのかなと、一般国民の中ではまだ知られていないのかなと思います。一般国民というのは、裏を返せば労働者ですので、特段情報がないと安全だという誤解もあります。
 私自身過去に経験したのは、石綿が危ないというのはご承知なのですが、代替品になると安心だと思われるのです。石綿の代替品は、有害性がわかっていないだけなのだとご説明しますが、なかなかご理解いただけないという経験を何度もしてきました。そういったところで、化学物質に対する認識をきちんとお持ちいただきたいと。
 ここの部分は裏返しになっていて、15頁で調査官からご説明しましたが、表示がないことが安全だということを保証するものではないのだと、そういうことはきちんと周知する必要があるのだと、ここで書き込んであります。これとセットにしてあったのでエの部分に書き込んだわけですが、先生方のご指摘はよくわかりましたので、「はじめに」の部分に少し、(2)のアの辺りで少し書き込むように工夫したいと思います。
○名古屋座長 ほかにお気づきの点はございますか。
○豊田委員 忘れないうちに、11頁のウのところで、「危険有害な化学物質の容器等にラベル表示がなく、危険有害性情報の伝達及び活用が不十分であったため労働者の云々」とありますが、この文言を、先ほどの5頁の検討会報告書概要(案)「現状と課題」の1.の●3に採用すべきではないかと思います。もともとの原案は、「危険有害な化学物質の容器等に表示がなかったため」だけで終わっていますね。そうではなくて、「なく、危険有害性情報の伝達及び活用が不十分であったため」と書き加えられていますので、そのようにここは改めたほうがいいのではないかと思います。
○名古屋座長 少し詳しくということですね。よろしくお願いします。
○塩崎委員 もう1つ確認なのですが、12頁の(3)のウの表現で、2行目で「測定を行わず」という表現がされています。これは作業環境測定を意味しているものではないでしょうか。そうであれば、作業環境測定と変えたほうがクリアになると思うのですが、それ以外の測定も含んでいるのでしょうか。
○名古屋座長 測定していないですよね。
○奥村調査官 化学物質リスクアセスメント指針では、ばく露濃度を測定しなさいと書いてあります。ですから、必ずしも作業環境測定ではないのです。それを行わないでもいいというやり方も、他方示されているということで、両方示されているのです。
○宮川委員 あとのほうにややこしい所があって、そこにも関係するのですが、ウの最後の行で「簡便なリスクアセスメント手法が開発され」という表現が使われております。これは、いわゆる欧州のコントロール・バンディングを指して「簡便なリスクアセスメント手法」という言葉を使っていると思うのですが、16頁では、これから日本でやるべきというところに、「より簡便なリスクアセスメント手法」という言葉がたくさん出てきます。そうすると、16頁で「日本でやるべき」と言っているものは、ここで言っているヨーロッパのコントロール・バンディングよりも、さらに簡便なものを作れという趣旨で書かれているのであれば、それでもよいのかもしれませんが、そうではなくて、16頁は「本来のばく露基準と実際のばく露を比べる方法」と「コントロール・バンディング」、それに「もう少しきちんと工夫した簡便な日本流のリスクアセスメント」という構成だったと思うのです。いまの表現だと、ヨーロッパ流のコントロール・バンディングよりも、さらに簡単なものを日本でやるのだと読めてしまうので、いわゆるコントロール・バンディングと、これから作ろうとしている簡単でありながら有効な方法と、従来のきちんとした許容基準とばく露を比較する方法が、もう少しわかりやすい表現のラベルを考えていただければよろしいと思います。
○名古屋座長 これだとコントロール・バンディングと間違えてしまうということですね。それはあるかなと思いますが。
○半田化学物質対策課長 この辺はそもそものばく露測定を行って比較する方法と、私どもが示している化学物質リスクアセスメント指針の解説の中にも出てくる、コントロール・バンディングではありませんが、それに近い複数の表を用いて云々という件の簡便な方法と、ヨーロッパで行われているコントロール・バンディングと、この3つがあります。この辺を書き分けた中で言葉が不十分になっていたと思いましたので、難しいところではありますが、工夫してみたいと思います。
○福岡委員 12頁の(4)で、前にも出た話ですが、前半の内燃機関とか厨房設備のガス機器、これは換気不足で中毒が起こるのが主体だと思います。下の2行目からの鉄鋼業の場合は、少し経過が違うと思うのです。しかも、20頁の下から7、8行目に換気の必要性ということが書かれているわけですが、換気の不足によって生ずる中毒の問題と、鉄鋼業における、これは副生の一酸化炭素だと思うので、症状は一緒かもしれませんが、発生の経過が全然違うので、区別しておかないと、厨房などでも関係なしに携帯用のCOセンサーを付けたらいいのかということになってしまうので、そうなると順番が違うのではないかと思うのです。そこは区別しておくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。12頁の下の2行目の最後に、「このような状況の中で、鉄鋼業云々」とありますが、これは段落を分けて書いておかないと、誤解を招くのではないかと思います。
○半田化学物質対策課長 そこは、むしろ誤解ではありません。もちろん、法令で対策を義務づけることができるとは考えておりませんが、センサー等の使用を外食産業においても、できる限り進めていただきたいと考えております。というのは、換気の必要性とか、そういったことは、外食産業で大出力のガス機器をお使いの所では、ご存じないはずはないと思うのです。にもかかわらず、これは毎年何十件と起こっているものです。ですから、対策を講じていくとすれば、教育だ、換気だと口を酸っぱくして言うばかりではなく、センサーの装着もお願いしていかねばならないのではないだろうかと考えております。福岡委員は誤解とおっしゃいましたが、むしろ誤解ではなく、そのように考えておりますが、それが妥当なのかどうかについてもご意見をいただきたいと思います。
○名古屋座長 並列だよという形ですから、そうすると同じ位置づけという文章ですよね。
○福岡委員 20頁の「換気の必要性についての教育を徹底するとともに」というアンダーラインの部分を、12頁にも書くべきではないかと思います。「対策と現状」か。
○名古屋座長 「現状」ですね。
○半田化学物質対策課長 「現状」ならこれでいいのではないですか。書きぶりはいかようにも修文して、誤解のないようにしたいと思いますし、あるいは並びが悪い所は直しますが、むしろ本質的な部分ですね。厨房等でも、最近比較的COセンサーも安いものが出てきているようですので、直ちに義務づけることはできないにしても、そういったものの使用を指導していきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○西委員 換気については、私も数回前にこの場で少しギャップがあるのではないかというお話をしましたが、厨房など大きな内燃機関のある所ではCOセンサーが必要であろうと。それについては私は同意見なのですが、携帯用というのが引っかかってくるのではないかと思うのです。バーナーのある所にセンサーを置いてモニタリングしているとか、そういう形での対策のほうが、少なくとも業者に対してのお願いとしては、ステップとしてはいきやすいのではないかという気がします。
○名古屋座長 難しいですね。置く部分とタイムラグが出てくるから、ばく露は測っておかないといけないというのが趣旨だろうと思います。
○西委員 わかります。ただ、厨房とかそういう所になると、極端な例では、居酒屋みたいな所の厨房にも全員、携帯用のCOセンサーを付けるのかという話にまで発展してしまうと思います。
○奥村調査官 外食産業の厨房では、東京でしたら東京ガスが、大口のお客様にはセンサーを無償で備え付けるのです。大阪ガスもそういったことをしていると聞いていますが、センサーの装着はだんだん浸透していると。
○名古屋座長 それは部屋全体、どこかのポイントに付けるという意味ですね。
○半田化学物質対策課長 携帯ではないですが。携帯用というところは、少し表現を改めたいと思います。
○名古屋座長 携帯用と書いてしまうと問題なのは、警報を出すときに、いまCOの許容濃度は50ppmですね。50ppmに設定していると、作業のときはいつも鳴ってしまいます。そのときに、どのぐらいの濃度で警報を出すかが決まっていないから、あまりきちんと書かれてしまうと、どのぐらいのときにセンサーを鳴らすのかという話になってくると、携帯用が鳴りすぎて作業ができなくなってしまう可能性があります。予備として、防御として使う形のほうがいいかもしれないと思います。
○豊田委員 12頁では、「発電機の内燃機関及び厨房施設のガス機器」という記載になっていますが、20頁で、結論では厨房は消されて、「内燃機関等における」と書かれているだけです。厨房というのは、最初に書くぐらいの重みがあるというご認識でしょうか。20頁で消すのなら、最初の12頁の厨房も消したほうがいいと思うのですが。
○半田化学物質対策課長 これは事務方であれこれ修正しているうちにそうなってしまったので、復活させておきます。
○名古屋座長 同じ扱いということですね。
○福岡委員 20頁の厨房は、生きですね。
○半田化学物質対策課長 厨房は、生きるということです。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。
 時間もありませんので、13頁の3「職場における化学物質管理のあり方」についてご議論いただきたいと思います。ここでお気づきの点はございますか。
○豊田委員 13頁のアの「すべての危険有害な化学物質についての情報伝達及び活用の取組の定着」として、1パラグラフあって、すべての化学物質について取組みを確立して定着させる必要があるという文にしています。全体の文自身はそれでいいと思うのですが、若干気になるのは、11頁の欧州のCLPの例が出ていたと思うのですが、実際すべての物質を対象とする場合でも、一遍にできない訳です。純物質の分類結果データが出て初めて混合物の分類ができるので、欧州でもその所要期間として5年の期間を設けています。韓国でも2010年純物質で、2013年混合物ということで所要期間3年間置いています。
 そういう意味では、このような趣旨の文言を本文に入れるのも難しいので、2番の脚注みたいに、13頁を見ると「定着させる必要がある」となっていますが、そこに小さな3を付けて、下の脚注3とした上で、混合物と純物質に時間差を持たせるような文言を付けていただいたほうがいいと思います。
○名古屋座長 それは可能ですよね。
○半田化学物質対策課長 承りました。
○名古屋座長 要するに、純物質と混合物の違いを、多少分けたほうがいいということですね。
○豊田委員 時間差があるのが普通ですよということですね。
○名古屋座長 そこはよろしくお願いします。(1)だけですが、どうでしょうか。15までですが、よろしいでしょうか。
○廣川委員 14頁のいちばん上のところでILO条約のことが削除されていて、30頁の別添の資料には記載されているのですが、「はじめに」でSAICMのことにも触れておりますので、ILO条約についても文言を残していただいたほうがいいのかなと思っております。本文として書くのが難しければ、13頁の下にあるような欄外のような注記で、同じ頁にあるほうがわかりやすいのかなと思うのですが。
○名古屋座長 行政のほうはどうしましょうか。あったほうがよろしいですか。消されたのは。
○半田化学物質対策課長 これは、そこにももともと括弧書きで書いてあったのですが、まだ未批准な条約なものですから、批准していない条約を金科玉条にするのもいかがなものかなという思いがありまして、削除したところです。ただ、こういう条約が採択されたのは事実で、我々も当然それは理解しておりますので、参考には入れた次第です。そういうご説明でご納得いただければこのままにしますし、脚注か何かを入れたほうがよろしければ、実際出すときはこの資料も付ける予定です。
○廣川委員 29頁にもありましたように、世界行動計画の142番目の行動項目の中で、ILO条約の批准を実施すべきという文言が出ております。SAICMを意識してこの文書を作っているということがあるとすれば、別添ではなくて、同じ頁の欄外にでも書いていただくほうがいいのではないかと思います。未批准というのは重々承知していますが、世界的な流れを意識する意味では、書いておくほうがいいのではないかと思います。
○半田化学物質対策課長 検討させていただきます。
○橋本委員 14頁のイの少し下で、「ラベル表示」以下の4行目で「関係省庁等とも連携しつつ」とあります。この場でだいぶ議論が出たと思いますが、MSDS制度が3省庁で管轄されていて、それぞれ改定が起きて、産業界としてはそれについていくのが複雑で大変だという意見があったと思います。ここで、例えば関係省庁等とも連携し、より効率的なMSDS交付制度を見据えてとか、3省庁間でより連携を保って、より効率的な制度にしていくということを入れていただけると、大変ありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○半田化学物質対策課長 そういう気持ちは重々持っております。報告書でこのような所に「関係省庁と連携しつつ」と書くことも、普通はあまり書かないところを盛り込んでおり、それに加えて「より効率的」というところまで踏み込むには、それこそ関係省庁とも協議をしてということにもなりますので、気持ちは十分持っておりますが、ここではこれぐらいの表現でお許しいただけるとありがたいと思います。
○市川委員 同じ所なのですが、関係省庁という書きぶりについてはいまお伺いしましたが、「引き続き検討していく必要がある」という結びになっております。これの主語は、ラベル表示、MSDS交付制度はということになるのでしょうが。何をどのように検討するのか。この前のところでは対象物質を増やす話をしているのか、何を検討するのか、連携しつつというのは制度のあり方そのものなのか。
○半田化学物質対策課長 ここで直接的に言っているのは、これまでにも何度かご説明しているように、現在も表示制度については法令でかっちりと定めた部分と、いわゆる指導・勧奨ベースで広くやっている部分と2つあります。ここのご議論で、広く指導・勧奨でやっていたものに対して、もう少しきちんとした枠を労働安全衛生法体系の中で作りましょうというのが今回のご議論だったと思います。そうしたときに、残った法令で定める物質を指定して、いわゆる義務としてラベルなりMSDSでやっている部分をどうするかということが残るわけですが、ここは橋本委員からご質問がありましたように、他の関係法令等との調整なども踏まえてやっていく必要があるだろうと。
 そういうことを書いているのがこの件ですが、当然議論をしていく中では、こういう情報伝達制度そのものを安全衛生法体系ではこうだと、他法令ではこうだというわけにはいかないと考えており、現にそういう議論を関係省庁の皆さんとしております。その辺りをどう作っていくかということは、もちろん視野に入っております。ただ、この文章で一義的に申し上げているのは、法令で物質を指定して義務づけると。そういった対象については、今回は直ちに増やすということは結論になっていないけれど、どういうタイミングでどのように広げていくかは、関係法令の所管部局とよく協議しながら、関係業界あるいは労働組合の皆様のご意見も承りながらやっていくべきであるということを述べたつもりです。
○豊田委員 ここについては、私は縦割行政のところでいろいろ言ったことがこのような形で反映されているのではないかと思っております。表現としてはこの辺りが限度かなと思いますが、引き続きこういうご議論は関係省庁で深めていただけたらと思います。
○半田化学物質対策課長 議論は業界からもご参画いただいておりますので、業界のご協力も引き続きよろしくお願いします。
○福岡委員 14頁の9行目に、「国は、すべての危険有害な化学物質の譲渡提供時の情報伝達」のところですが、先ほど出た話で、11頁のアで「すべての危険有害な」というのが修正されて、「危険有害とされるすべての化学物質」となっているということですが、ここも「国は危険有害とされるすべての化学物質の」と直すべきではないかと思います。
○半田化学物質対策課長 いまの部分は私自身もうっかりしていましたが、13頁の(1)の第2パラグラフ「このため」のところで、こういう読替えがいいかどうかわかりませんが、正確に言うと「GHSに従って分類を行った結果、危険有害とされるすべての化学物質」を改めて、「すべての危険有害な化学物質」と定義し直しております。以下これを使っているということでご理解いただきたいと思います。
○奥村調査官 GHSが、直訳すると「すべての危険有害な化学物質」という言葉をずっと使っているのです。それをそのまま読替えせずに直輸入したということです。GHSでは「All hazardous chemicals」と言っておりまして、それをそのまま標準フレーズにしたということです。
○名古屋座長 ここでは定義がされていると。
○福岡委員 前後があるとわかるのですが、このポンチ絵で出された資料1枚だけ見ると、GHSというのは、危険有害性があるのかないのかを分類できる方法かなという誤解を招きかねないという懸念があって、この表現は気を遣わなければいけないという感じがします。13頁のあとだからそのままでいくと、私が質問したのは13頁のいまの定義のあとだから、このままでいくという話ですね。
○塩崎委員 最初に豊田委員がおっしゃったことの意味の確認というか、範囲という意味で、何度も申し上げているように、民間にとっては純物質、混合物の問題、及び実施時期の問題は非常に大きな問題です。最初に豊田委員がアに関してそういうことを言われたのですが、アだけではなくて、この項の中のイとウもそういう意味を含んでいると考えます、また、含むべきと思っております。もし、そういう注記をするのであれば、豊田委員のご発言にプラスして、イとウにもそういう意味を含めてほしいと思います。
○豊田委員 私はアのところさえ入れておけば、イ、ウにもかかるのではないかという解釈で言ったのですが、もし、かからないという解釈だったら、何か工夫をしていただかなければいけないと思います。
○名古屋座長 あったほうが分かりやすいかもしれません。その違いを理解していただくためには、あったほうがいいのかなという気もします。事務局のほうでよろしくお願いします。
○橋本委員 15頁の上から6行目の辺りで、5行目までで事業者はこういった教育や周知をしっかり行いなさいと言っているわけです。それまでは事業者が危険有害性の周知・教育を行いなさいと言っているのですが、ここの議論で、アメリカのハザード・コミュニケーション・スタンダードではそういった周知・教育が義務づけられていて、立入りをして教育記録をチェックするといった話も出たと思うのです。一気にそこまで行くということではないのですが、「国は事業者に上記のような教育を一層強く要請する必要がある」とか、国としてもさらに積極的にそれを義務づけるとまでは言いにくいと思いますが、強く要請すると、それが重要であるということを、ここに盛り込むのがいいのではないかと思うのです。
○半田化学物質対策課長 一般論として、事業者にこうしていただくということが多々出てきます。そういった部分は、最終的にはまた別の審議会などの検討にもよりますが、私どもが想定しているのは、きちんとした大臣の告示としてお出しするものの中でお示ししたいと考えております。そうなりますと、当然告示に書かれたものを、通常の基準行政、安全衛生行政の中で事業者にお邪魔した折には、そういったところについてやっておられるかどうか伺って、必要に応じて指導することができるような法的根拠にもなってくるわけです。明確に書かなくとも、事業者は云々という部分はみんなそうなってくるわけですが、そういう状況であることをご説明した上で、なお教育の問題は重要だということで、強く明確に書くべきであるということであれば、そうしたいと思います。それぐらい書くに値するお話であるというご認識でよろしいですか。
○名古屋座長 教育が非常に重要であるというのが多々出てきていると思いますので。
○奥村調査官 わかりました。教育を特に強く要請すると、そのように書けるかどうか。
○半田化学物質対策課長 法令で事業者に義務づける、努力義務を含めて課すということがいろいろ出てきます。例えば危険有害性情報の伝達とか、もちろん教育もそうですけれども。あるいはリスクアセスメントによる管理の実施とか、すべてそれは努力義務として書かれているものですので。それはすべて国が本来、黙っていても指導しているものです。ですから国の指導とか、監督とかという言葉を入れだすと、およそ全部の項目に、当然国が監督するとかしないとかという話が出てきてしまうという点も、ちょっと気になりながらいまのお話を聞いていたのですが。
 ですから私が申しましたように、その中で特に教育は重要な問題をやって特出しするに値するというご判断であれば、そういう方とできるかもしれません。工夫してみたいと思います。むしろ委員会としてはどういうご意見か承りたいと思います。
○橋本委員 例えば14頁の上から9行目に、「国は譲渡提供時の情報伝達の確立を推進することとする」と。ここは特に強調されて書かれているとは思うのですが。
○半田化学物質対策課長 それは予算措置ですとか、あるいは事業的なことで、そうですね、確かにこう書いてありますね。
○豊田委員 この「エ」のところは、私のほうからご提案させていただいたのですが、今回「ア、イ、ウ」と大きく舵を切るわけですけれども、これをうまく円滑に機能、定着させるためには「エ」が必要だと私は思っています。ア、イ、ウとエは車の両輪みたいなものではないかなと思います。それぐらい、この「エ」は重みがあるのではないかと思います。ここをうまくやらないとア、イ、ウというのは書いただけで終わってしまうのではないかというぐらいに心配しています。
 これは実際にGHSが2006年12月に導入されて、製品の譲渡提供のときもそうだったのですが、現実にGHSの普及に当たって、厚労省も一生懸命頑張ったと思うのです。ただ、それでも末端まで行き渡ってないところも現実にあるわけですね。そういったときに我々産業界も、例えば厚労省の技官、専門官の方々と、日化協のGHSを知っている方たちで、キャラバンを組んで地方にいろいろ講演とか、そういうことをやらせていただきました。具体的には産業界との連携というのはそういった普及への努力をやってきた訳です。今回、化学物質の認識の低い方やGHSというのは全く知らない方等を念頭に置いて普及等の対策を打っていこうということを謳われています。その意味で、相当の覚悟をもって、ここのエ「普及の為の仕組みの構築」のところはやっていかないと、この車の両輪自体はうまく回っていかないのではないかという思いがここに込められているというふうにご理解いただければいいのではないでしょうか。
○名古屋座長 そうすると、教育の自由性はついてくると。
○豊田委員 我々も精一杯それは協力させていただきますけれど、厚労省のほうも、ここの普及とか教育というのは車の両輪の一つで大事だということをご理解願いたいと思います。
○半田化学物質対策課長 はい、わかりました。教育の問題は、直ちに強く要請するかどうかという表現ぶりになるかわかりませんが、少し教育の点を特出ししたような表現ぶりを工夫してみたいと思います。
○名古屋座長 少し強調した文章を入れていただければありがたいかと思います。
○豊田委員 そういう意味では、15頁の上から最後のまとめに「以上の取組みにより」とありますが、「以上の取組みにより」というところを、先ほど言いましたア、イ、ウが円滑に機能して定着するためにというような文言にうまく表現を変えて、この教育にいかに重み、意味があるかというところを、細かいところはお任せいたしますが、表現上出して戴ければありがたいと思います。
○名古屋座長 よろしくお願いします。次に、15頁の「リスクに基づく合理的な化学物質管理の促進」について。
○福岡委員 読み落としたのかもしれませんが、前の議論で、化学物質管理者の育成という話があったと思いますけれども、13頁の「職場における化学物質のあり方」の中に、そういった化学物質管理者の育成という類のことは。
○名古屋座長 (3)「専門人材」のところで、19頁でお願いします。
 15頁の「リスクに基づく合理的な化学物質管理の促進」というところで、何かお気づきの点ありますでしょうか。先ほど「より簡便なリスク」というところを宮川委員が言われましたので、これは少し直すという形にしたいと思いますけれど。
○宮川委員 その点に関して言いますと、ここは16頁のアで、「より簡便なリスクアセスメント手法」とあり、第2パラグラフのところでは、「ばく露濃度を実測し許容濃度等と比較する手法」が出てきます。次は「複数の表を用いてばく露レベルを推定する手法」となって、これを一まとめにして、従来の手法と呼んでいると思いますが、そうすると、あとで通じなくなるところがありまして、最後のパラグラフのところでは、ばく露濃度の実測による手法等の従来の手法というのが、より簡便な手法と比べてどうかと書いてあり、ちょっと混乱していますので、すみません、いまのところトータルで呼び方を考えていただければと思います。
○名古屋座長 また、事務局と文章を直すということで、いまの話を入れてもらい、まとめるという形でよろしくお願いします。あとはよろしいですか。
○市川委員 15頁から、リスクに応じた達成している事業場についてというところの16頁のほうですが、前回もそういうふうになっていて、そのときには意見を言えなかったのですが、そういう事業場については、さらに一層高い水準の促進、インセンティブを与えることも検討しつつ、規制の柔軟化及び性能要件化を推進するということは、一定のレベルの事業場ではなく、全体の規制と読むのですか。
○奥村調査官 そうです、全体です。
○市川委員 インセンティブも与えながら規制自体も柔軟化すると。
○奥村調査官 インセンティブは絞り込んで、一定の水準以上というようなことを言っておりますが、後段の規制の柔軟化というのはそういう絞り込みがなくて、すべての事業場にということです。
○市川委員 最初もそういう議論でしたね。何らかのインセンティブを与えるということは、そういう事業場には一定の手続きを免除したりとか、そういうことだと思うのですが、それ以外に全体の規制も柔軟化する、そういう意味になりますか。
○半田化学物質対策課長 いつかもお話したと思いますが、これは中長期的にはそもそも仕様基準から性能要件化へという流れがあるのかと思っておりますが、ただ、我が国は我が国の国情もありまして、一気にそこには行けないであろうということで、今回は、一定レベル以上の管理がちゃんと行われた所に対して柔軟化をやっていきましょう、というようなことで書いているつもりです。
 ここの中でも出てまいりますが、例えば発散抑制装置というのは、その他の方法を認める場合にはすべてにおいて認めるというよりも、一定の管理がちゃんとできる事業場に対してということで書いておりますので、この辺が中長期的な視野と、今回実際にやろうとしていることが少し混然としているかもしれませんが、ここの中の結論としては一定レベル以上の管理ができる事業場に対する、一定のといいますか、どういう格好で取りあえず導入していこうかという考え方です。
○市川委員 並べてありますと、一方でインセンティブを与えて、他方で規制自体もゆるめて、というように読めましたので。そうではないという理解でいいですか。一定のレベルの所に対して柔軟に対応するのではなくて、何か規制自体もゆるめるとは読まないということですか。
○半田化学物質対策課長 リスクに応じた対応、管理をきちんと達成しているといいますか、実施している事業場についてということを全部頭につけているつもりです。
○市川委員 インセンティブを与えるということは、ある意味、規制を柔軟化するという意味ですよね。インセンティブのひとつとしては。
○半田化学物質対策課長 そうですね、そこの辺がちょっと重なっている面も。
○市川委員 インセンティブを与えることも検討して、さらに規制の柔軟化というふうに取れるのですね。書きぶりの話だと思いますけれど。私の理解が不足なのかもしれません、すみません。
○豊田委員 規制の柔軟化を上手にできるようにインセンティブの一つとしてそれを与えるではないのですか。ここはそのために(2)のタイトルが「リスクに基づく合理的な管理の促進」となっていると思うのですが。これがキーワードです。この結果として、こういうものがありますよということだけですから。そこが、そういうふうに取れるなら、もう少しこの「リスクに基づく」というところを強調するかどうかだと思います。
○名古屋座長 ここはいままでなかった、要するにリスク評価をし、よかったらそれに対して何か特権を与えようということで、それによりリスクに基づく管理が促進されるのであれば、それを見習う企業も出てくる。そうした事に向かうという気運も流れてくるし、インセンティブをもらうことによってそれは進んでくるよ、ということはものすごく大切なことなので。
○豊田委員 リスクベースというのも時代の流れだと、そういうふうに舵を切りましょうということで。
○名古屋座長 そういうことです。それがいちばん大きいとこだと思うのです。
○豊田委員 それがタイトルに現れていると、そこが誤解されるのであれば・・・。
○名古屋座長 表現はいいかもしれませんが、本質的な流れとしては。
○市川委員 そういう場においての柔軟化ということだということなら理解しますが、もう少しそれが読みとれるようにしていただければと思います。
○名古屋座長 そういうことです。誤解しないような文章にしたほうがいいということですね。気持ちはたぶん賛成していただけるのではないかと思います。
○豊田委員 アウトプットのところだけ強調されているという意味ですね。
○市川委員 そうですね。
○名古屋座長 ここのところは文章をちょっと直していただいて、全員の意見、気持ちは一緒になっていると思いますので、そこは大丈夫だと思うのですが、ただ、読まれたときに誤解を受けないような形の表現にしていただければありがたいと思います。
○福岡委員 いまの16頁の1、2行目の辺りの議論だと思いますが、前の頁からくる、化学物質管理を実施している事業場については、何らかのインセンティブを与えると。それによって一層高い水準の自主的な管理が行われることを促進したいというふうにちょっと前後を変えてみたらわかりやすいのではないでしょうか。ここに「更に一層高い水準」というのがここにポンと入ったものだから、そのあとにインセンティブがくるような印象を受けて、そうではなしに、インセンティブを与えることによって、一層高い水準の自主的な管理が行われることを促進したいと、そういう意味ですよね。ちょっと入れ替えるだけで随分感じが違うかという気がします。
○名古屋座長 いずれにしても、ここのところは皆さんの気持ちが読まれてもわかるような形の表現に少し直すということでよろしいでしょうか。
 それでは、19頁の「専門人材の育成」と「CO中毒」のところを2つまとめて時間の関係でやってしまいますが、ここのところで何かお気づきの点ありませんでしょうか。
○橋本委員 20頁4行目の「化学物質管理を担う専門人材」のところですが、この場の議論で従来、例えば化学物質管理者というようなものは、そういう人を職場で指名してやりなさいというのがあったのですが、それはわりと初歩的なトレーニングでできるような人材なわけですけれども、そうでなくて、課長が言われたのは「コンピテンシー」という言葉を使ったと思うのですけれども、そういうかなり高度な人材というニュアンスがあると思うのです。それなので、例えば化学物質管理を担う十分な専門知識を備えた人材とか、もっといい言葉があるかもしれませんが、そういう意味合いをつけたほうがいいのではないかと思います。
○名古屋座長 もう少しグレードを上げる形ですよね。
○橋本委員 はい。
○名古屋座長 そうしましたら、一応ここまでということで、まだ先ほど全体について、もう一度何かありますでしょうか。それと先ほど豊田委員が言われたように、概要のところの図を合わせたところの中で、最後になりますけれども、何かありましたら、そこで最終的な議論をしておきたいと思いますので、よろしいでしょうか。
○豊田委員 報告書概要(案)に戻って、先ほど言いました1.の?Bは前述の通りの見直しをお願いしたいと思います。
○名古屋座長 はい、そうですね。
○豊田委員 報告書概要(案)の「今後のあり方」のところで、1.の?@に、「・」がありまして、ここの2行目に「情報の伝達の仕組みを確立」と、ここは「仕組み」という言葉を使っていて、上の?@の2行目は「取組を確立し定着させる」というように「取組」という言葉を用いています。また、報告書本文は全部「取組」で統一されています。ですからこの「仕組み」というのは「取組」と同様だと思うので、「取組」ということに統一したほうがいいのではないかと思います。
○名古屋座長 はい、これは事務局、よろしくお願いします。
○豊田委員 2.の?C、これも市川委員などのほうで誤解を受けるのではないかということで、局所排気装置の要件等のリスクに基づいた例えば合理化とか、そういう文言にしたほうがいいのではないかと思います。柔軟化というのは結果としてのアウトプットだけですから。
 それから3.の3行目の「相談窓口の設置」のあとに、この辺はまた今後いろいろ議論があるのではないかと思いますので、設置の次に「等」というのを入れておいたほうがいいのではないかという気がいたします。
○名古屋座長 わかりました。あとはよろしいですか。
○福岡委員 20頁の下から4行目に、「同様の対策の推進が必要である」という、この同様のというのはどれを指すのですか。
○名古屋座長 屋外作業でしょう。
○奥村調査官 これはCOセンサーの着用を意識しています。
○福岡委員 センサーの利用というのはどういう意味ですか。
○奥村調査官 換気等とか、COセンサー、おそらく対策は同じになると思うのです、結局。
○福岡委員 例えば溶接の作業が屋外でも換気の風の弱い所でやっていると結構問題な箇所がある、と前にあったと思います。そのようなことを想定しているわけでもないのですか。
○奥村調査官 ここは「同様の」ではちょっとわかりにくいので、有効なとかと、言葉を変えたほうがいいですね。
○福岡委員 その前の「特に有害な屋外作業の云々」というところの、特に有害な屋外作業とは具体的にどのようなことを想定しているのかということですが、たぶんこれはただの一酸化炭素に関係のない方も。
○奥村調査官 外壁工事と前に言っていましたけれども、そういったものですとか。
○福岡委員 同様というのは、そういうCOセンサーの着用のようなことですか。
○奥村調査官 あと保護具も考えられます。
○名古屋座長 もう少し具体的に書かれたほうがいいのかということで、いま言われたとおりですね。
○奥村調査官 例示してみたいと思います。
○福岡委員 内燃機関による一酸化炭素中毒の中で、事例の中で、室内で内燃機関を扱っていて、寒いから換気を止めたという事例があったりしまして、それは間に合わないのですね。一酸化炭素中毒の事例の中で、そのような場合もありましたので、センサーというのはあくまでも補助的なものであって、換気をすることをもっと前にもってこないと、現場というのは問題が残るのではないかということがあります。そういう意味で、同じ一酸化炭素中毒の問題でも、厨房とか内燃機関における場合と、鉄鋼業とはかなり意識をはっきりして、区別して考えていかないと、原因は同じ物質でも状況がかなり違うことがあり、なかなか、特に厨房とか内燃機関は、冬寒いから換気を止めてやったという事例などがありますと、このセンサーを着けても、ひっくり返った本人は何もできないですからね。手段としてはかなり後手に回るケースが多くなる心配があるのではないかと懸念しますけれど。その辺でCOセンサー云々も鉄鋼業の場合は、大手で十分効果を発するかもしれませんが、厨房とか内燃機関の場合ですと、COセンサーは無駄とは言いませんけれど、優先順位としてはかなり後にくるのだという考え方を入れておかないと、なかなか現場的には難しいのではないかという感じがします。
○半田化学物質対策課長 福岡委員はご承知と思いますけれど、密閉された空間での内燃機関での処理については既に明確な規定がなされているわけですね。にもかかわらずですが、これも先ほど厨房施設のところで申しましたが、皆さんご承知だと思うのです。ご承知であってこうなるのですから、やはり危険を目に見えるようにするということがひとつ大事なのではないかと。もう規定があります、教育を徹底してもらいますと、これをずっと繰り返して毎年何十件と起こっているわけですので、これを防ぐには、直接的な手段ではありませんが、そういったものも備え付けて目に見えるようにしていただくということがひとつ行動につながる契機になるのではないかと期待したところであります。
○山本委員 19頁いちばん最後の「専門人材管理の促進」では、文章の解釈をどうするかということになるかと思うのですが、「そこで」とありまして、各事業場において化学物質管理を担う専門人材を養成するということは、この各事業場というのは事業主体を言っているわけですか。それとも、いろいろな所で化学物質の管理をする人を養成するというどちらにかかるのかなと。
○奥村調査官 事業ではないです。
○山本委員 では、各事業者がやるわけですか。
○奥村調査官 そうです。後段が事業場を外から利用できる外部専門機関ということです。
○山本委員 それはかなり組み込まれるというか、やらなければいけないとか、義務的とかそういうイメージになるのですか。すると、そういうことが実際に人材のゆとりとか、資金的なものとか、かなり難しいのですが、いろいろな各事業者が遍くやって、そこで自前型でやるのか、イメージの問題で、ある程度集中的にいろいろなキャリアの人を集めてきて必要があった、いわゆるオン・デマンドで配置するのかという、自前型なのか、オン・デマンド型なのかという、その辺のイメージがちょっと不明確なもので。
○半田化学物質対策課長 いまの山本委員のお言葉をお借りすれば、そのオン・デマンドも自前も双方ともということで、これを書いているつもりですが、ただ、ILOの考え方としまして、基本的には事業者が自身のところでは、まず必要な専門人材を用意していただくということですので、その上で、自ら養成されるか、外に委託されるのか、それはどちらでもかまわないのですが、やはり自分のところできちんと知識専門的な人材をもっていただくというのが第一です。
 ただ、それが難しい場合が多々あるわけですので、そういったときに対して、いまの外部の専門家を活用する、それがおっしゃるところのオン・デマンドということになろうかと思いますが、そういった仕組みも検討していく必要があるのではないだろうかと。事業者はやらなくてはいけないのだと、事業者の義務だと、それを繰り返し言っても現実には、おっしゃるように、小規模事業場などにおきましては、あれもこれもというわけにはいかないと思いますので、そういったときには、外部の専門家を活用できるような仕組みの検討も必要かと考えているところです。
○山本委員 先ほどの厨房のお話にもありますが、化学という、そういう感覚とか、認識が非常に薄い、あるいはほとんどないという現場実態が当然あるわけでして、そこで、ではあなたは化学のことをちょっと専門人材としてやってくれというようなことが本当に成り立つかどうかですよね。現にいろいろ災害とか起きているところは、バックグラウンドの少ない所で。私はむしろ、もしこれを有効に機能させようとするのならば、やはり外から見て、こういう必要があるのだよということが指摘できるような、そういう人材がいろいろ見てちゃんとそれなりの措置を取るというほうが現実的な気がします。
 あらゆる厨房を含めた屋外性とか、そういうところで化学人材と言ってもなかなか人材養成というふうにいかないだろうし、あと、動いている人がいっぱいいるという状況の中で雇用実態とか、就業実態とか、その辺の具体的なイメージを、有効に、私は大事なところだと思いますので、ちゃんと機能するような絵姿と言いますかイメージを是非作ったほうがいいと思います。それで各事業場というのを拘ったわけですけれど。
○名古屋座長 ありがとうございました。ここでは2つと書いてありますけれど、そこのところもわかるような形で書いていただければありがたいと思います。よろしいでしょうか。
○西野委員 ひょっとしたらご指摘があったかもしれませんが、資料8-2の3「専門人材」の、「相談窓口の設置について」とありますが、本文の20頁のいちばん最後には「外部専門機関の育成」しかないので、本文のほうにも。
○名古屋座長 相談窓口ですか。
○西野委員 はい。この相談窓口というのは、公的イメージ、タダで聞けるというようなイメージをもっていますけれど、違うのですかね。
○半田化学物質対策課長 私どもとしては、そういうふうな裁量行為もしていきたいところですが、現実にどうなるのか。そういう方向はもっております。
○名古屋座長 そこは付け加えていただければと思います。
○豊田委員 いま議論しているところは、例えば改正化審法でも今回リスク評価ということで大きく舵を切った結果、こういうリスク評価者というのをどう育成していこうかということは審議会でも議論されまして、さらにまた、分科会において認定制度をやったらどうだとか、私も委員として出席し議論したのですが、結論は出ておりません。本件の専門人材は、それと似たような点があるので、この辺はまた縦割りにならないように、そこはひとつ連携を取って取り進めていただきたいことと、やはりこれは先ほど言いましたア、イ、ウ、エの「エ」の教育・普及ということに非常に関わってきますので、その点も含めて今後いろいろご相談させていただけたらというふうに思っています。
○西委員 実行段階においては、これはたぶん1つでは対応できないと思うのです。先ほど厨房などの話がありましたけれど、化学物質という認識のない人たちに対しては、失礼だけれども、化学物質対策課で、全部そこまでやるのはかなり難しいわけであって、この前も言いましたが、例えば保健所とか、そういう所を管轄している所とタイアップしてやるとか、「皆さんは化学物質と思ってなかったかもしれないけれど、化学物質で危険ですよ。」というような形でやる必要があろうかと思います。逆により詳しいところになると、それは正に事業者がしっかりやらなければならないところですが、逆に第三者が介入するのは物質そのものが秘密の問題もありますので、来てもらっては困るというケースもあり得ると思うのです。だから1つの形で全部解決するというのはたぶん私は無理だと思います。
○半田化学物質対策課長 例えば厨房のガス施設の問題に関しても、私どもの中の健康局が所管しているのと同じで、そこと連携は当然やっておりますが、ほかにも経産省のガス保安課、この辺りとも連携しておりまして、最近霞が関も随分変わってまいりました、横の連携もだいぶよくなってまいりましたが、その辺りも十分配慮しながらやっていきたいと思います。ご指摘ありがとうございました。
○名古屋座長 よろしいでしょうか。そうしましたら、どうもいろいろとありがとうございました。最後ということで時間が過ぎましたけれども、大変貴重なご意見、ご指摘ありがとうございました。
 本日のご議論を踏まえまして、事務局には報告案につきまして必要な修正をお願いしたいと思います。それでは事務局、何かありますでしょうか。
○奥野安全専門官 ただいまのご議論を踏まえて、必要な修正をさせていただいて、修正した案については後日、各委員に送付させていただきたいと思います。
○名古屋座長 事務局と調整しまして、座長である私に一任ということでよろしいでしょうか。
               (了承)
○名古屋座長 どうも長い間に渡りまして、ありがとうございました。それではその2ということで事務局から何かありますでしょうか。
○奥野安全専門官 検討会につきましては、今回で終了となります。最後に、化学物質対策課長からご挨拶がございます。
○半田化学物質対策課長 先生方、1月の寒い最中からご検討いただきまして、いつの間にか「春過ぎて夏来るらし」という状況でございますが、長い間のご検討ありがとうございました。一応、今回のご検討をいただいて、ひとまとまりできましたので、これを基に引き続きさらに具体的な落とし込みについての検討もやってまいりたいと思います。つきましては、一旦この検討会はここで閉めさせていただきますけど、また細部の事項、いろいろな組み立てなどもございまして、いま一度のご検討をお願いすることもあろうかと存じますので、改めてその際にはご協力をお願いしたいと思います。
 また、今回いろいろとご検討いただきまして、一歩前進かと思っておりますけれども、なお、まだ課題山積という状況でございます。そういった課題にどうミートしていくかということも引き続き検討していかねばなりませんので、これにつきましても今後ともよろしくご指導、ご協力をお願いしたいと存じます。本当にありがとうございました。
○名古屋座長 第8回ということで、結構長い間多岐に渡りまして、ご検討いただきましてありがとうございました。
 それでは本検討会をこれで終了させていただきます。皆さまどうもありがとうございました。


(了)
<厚生労働省>

労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 奥野

〒100−8916
東京都千代田区霞が関1−2−2

TEL: 03-5253-1111(内線5516)
FAX: 03-3502-1598

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