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2010年6月1日 職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会(第7回)

労働基準局

○日時

平成22年6月1日(火)14:00〜17:00


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○議事

○奥野安全専門官 本日は大変お忙しい中ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻
になりましたので、ただいまより「第7回職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会」
を開催します。
 初めに本日、6月1日から9月30日まで軽装期間となっていまして、事務局も上着なし、ネクタイ
なしで済ませているので、ご了承いただければと思います。また、皆様方も暑いですので、どうぞ上
着などを脱いでいただければと思います。
 初めに、本日ご出席いただいた委員の関係ですが、市川委員の代理として金田様にご出席いただい
ております。また、塩崎委員の代理として柳様にご出席いただいております。
 初めに資料の確認をさせていただきます。お手元の資料をご覧ください。最初は議事次第となって
いて、めくっていただいた次に配布資料一覧があります。頁が振られている1頁が資料7-1、前回の議
事概要となっています。2枚先の5頁が資料7-2、職場における化学物質管理の今後のあり方に関する
検討会報告書概要(案)となっています。次の6頁が資料7-3、職場における化学物質管理の今後のあ
り方に関する検討会報告書(骨子案)となっています。14頁まで進んでいただいて、ここからが参考
資料となっています。14頁が参考7-1、15頁が参考7-2。ちなみに、それぞれ「再配布」と付いていま
すが、これは前回までに提出させていただいた資料を、再度配布させていただいているものです。16
頁は7-3などと、頁ごとの資料となっていまして、いちばん後ろが26頁の参考7-13までとなっていま
す。今回の参考資料は、いずれも再配布のものですので、全て「再配布」と付いているところです。
資料としては以上になります。落丁等がありましたらお気づきになり次第、事務局にお知らせいただ
くようお願いします。それでは名古屋座長、よろしくお願いします。
○名古屋座長 それでは議事に入ります。まず議事に入る前に前回の議事録概要ということで、事務
局から説明をお願いします。
○奥野安全専門官 お手元の資料1頁が資料7-1となっています。4番の議事概要からになります。
(1)局所排気装置の要件等の柔軟化。?@事業場単位でなく、全国一律の見直し(適用)を想定してい
る。?A局排の還流の導入について。還流については、リスク評価の実施、作業環境管理区分1、リアル
タイムセンサー等の連続モニタリングの使用等を条件に認めてはどうか。発がん性の化学物質につい
ては、排気の還流の対象から除外する必要がある。リアルタイムセンサー等の開発が必要ではないか。
?B局排の抑制濃度の撤廃について。これまで抑制濃度のあり方については、管理濃度検討会(厚生労
働省環境改善室)にて検討を行ってきたところ。撤廃するに当たっては、安全上問題ないとする根拠
が必要であり、慎重に検討する必要がある。
 (2)局所排気装置等以外の発散抑制方法の導入。?@リスクに基づく合理的な管理の促進について。
局排以外の発散抑制方法については、法令で限定的に認めているが、これ以外の工学的対策が認めら
れていない。このため、「リスクアセスメントに基づく自主的な管理が進まない」「発散抑制対策の
技術革新が妨げられている」等の指摘がある。?A導入の方法・要件について。まずは個別事業上毎に
新たな発散抑制方法の導入を認めることとして、将来、汎用性等が確認されれば、プッシュプルのよ
うに全国一律に使用できるようにすることも考慮したい。新たな発散抑制方法を用いて化学物質の気
中濃度が継続的に一定以下となることを、実測を行って確認することが必要。導入に当たっては、定
期的なメンテナンスと稼働状況の確認のための測定が必要。触媒等の劣化の問題が必須なので、それ
を担保するような仕組みが必要。リアルタイムセンサーで常時確認してはどうか。
 事業場が新たな発散抑制方法を導入する際、その効果が認められるまでの間、労働者のばく露防止
をどのように担保するのか。これに対しまして、呼吸用保護具を着用させるといった方法等が考えら
れる。また、新たな発散抑制方法の効果の検証の間、局排を設置しないことについて法制度上の整備
も必要。?B中小企業事業者が新たな発散抑制方法を採用、導入する場合は、相談し進められる体制が
望まれる。また、新技術の開発には国の支援が必要である。
 (3)一酸化炭素中毒災害等による労働災害防止について。?@COセンサーの携帯が中毒防止のために
は有効。COセンサーは下請や臨時作業員も含めて作業者全員に携帯させることがポイント。COセンサ
ーは、反応速度が遅く、設定濃度を超えても、作動するのに5、6秒かかるという特性がある。COセン
サーは水などで故障することが多い。通常は、半年に1回メーカーが点検するが、点検のためのユーザ
ーからの返品が7割以上ないと聞いており、ユーザーの問題意識が低く、現場で適切に取り扱われてい
るのか不安がある。例えば硫化水素であるが、海外では業者の定期点検に加えて、ユーザー事業場内
における月に1回の自主点検を行っているところもある。COセンサーの携帯についてガイドラインを
出す際には、点検についても検討する必要がある。COセンサーを設備に設置する際、設備位置によっ
て効果が異なる。このため作業者が着用することが必要。
 ?A現場の管理者(安全管理者、衛生管理者等)の認識不足等の管理責任の問題もあるのではないか。
?BCOは化学物質としての認識が低いのではないか。また、臭いも色もない物質であるので、教育等の
対策を行っても効果が低いのではないか。より強い災害防止対策を講じる必要がある。?CCO中毒は、
鋳物業や廃棄物処理業でも多く発生しており、リスクは広範にわたっている。?D廃棄物処理業におい
ては何を扱っているかを知ることが重要で、容器への表示かマニフェストの共有によってばく露防止
が期待される。日本作業環境測定協会の報告書も参考になるのではないか。?ECOセンサーの普及につ
いて、大手ガス会社がガスユーザー事業場にCOセンサーの無償配布を行っている。また、関係省庁間
の連携も図っている。
 (4)検討会報告書(骨子案)の検討。?@「2 現状(5)」のリスクアセスメントの実施率は、化学
物質を取り扱っていると回答した事業所の中での割合なので、実際に化学物質を取り扱っているか否
かの観点で見ると、実態に即した結果となっていないのではないか(少なくとも有害な化学物質を取
り扱っているという自覚のない事業者は、リスクアセスメントを実施していない)。?A「3(1)危険
有害性情報の提供の促進」について。伝達と活用が同じ重みであり、論点のタイトルにもあるように、
「3(1)危険有害性情報の伝達・活用の促進」とすべきではないか。「参考6-5(再配布)」における
「見直しのイメージ」を答申書に織り込む必要があると思う。伝達・活用の促進のためには、「エ 
労働者教育の充実」だけでなく、「GHSの普及、MSDSの活用、教育に関する仕組み及びインフラ整備」
等も必須であり、これらを文書として織り込む必要があるのではないか。
 ?B個人サンプラーによる測定は、長時間、短時間の2つの測定を状況に応じて使い分けて考える必要
がある。?C個人サンプラーによる測定を行った結果、ばく露が低いということが判明した労働者につ
いては、特殊健康診断の対象から除外するなど、リスク評価に基づく措置を進めてはどうか。?DA測定、
B測定による作業環境測定結果が過大評価される場合だけでなく、過小評価される場合もある。個人サ
ンプラーによる測定については、事業者へのインセンティブも考慮して、柔軟に導入する必要がある。
?E作業環境測定の結果をより活用できるような仕組みの構築が必要。
 ?F事業者がリスク評価を行っても、現行の作業環境測定制度では措置が細かく具体的に規定されて
おり、実状に応じた自主的な管理を行うことができない。また、行うべき措置が法令で定められてい
るので、測定士等の専門家も決められたことを行うのみで、専門性を生かす機会がない。個人サンプ
ラーによる測定を導入する際は、事業者がリスクに応じた柔軟なアプローチができ、ひいては専門家
の育成につながるような仕組みとするべきではないか。?G化学物質管理の専門機関の育成について検
討が必要。現行の作業環境測定士は、法律上作業環境測定を行うことだけに限定されているが、専門
知識等を有している作業環境測定士を事業場のリスク低減のために、事業場のばく露防止計画への参
画や助言等を行っていけるような取組みがあってもいいのではないか。化学物質管理者の位置づけを
現行の指針からレベルを上げる必要があるのではないか。以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。ただいまの説明について、ご質問はありますか。前回の議
論をまとめたものですが、よろしいですか。では、また何かありましたら事務局のほうにということ
で、先に進めたいと思います。
 それでは本日の議題に入ります。本日は前回に引き続き、報告書の骨子ということについて、議論
していただくことになっていますが、その前に報告書の概要、資料7-2が新しく出てきたものだと思い
ます。これについて事務局より説明をお願いします。
○半田化学物質対策課長 それでは資料7-2、5頁で全体的な構成を説明します。前回も口頭では申し
上げていますが、この資料は今日初めてお出しします。現状として、1.危険有害性情報の伝達が不十
分であること、2.リスクに基づく自主的な化学物質管理の実施が低調であること、こういったことを
申し述べていました。
 これに対して当初整理していた論点では、アイウエ、特にアの部分が危険有害性情報に関する部分
で、2.の「リスクに基づく自主的な云々」というものに対応して、イの部分でコントロールバンディ
ングなどの導入を主として申し述べたもの。それからウの部分で新しい測定方法の導入ですとか、局
排等の要件の見直しですとか、あるいはそもそものばく露防止対策、発散抑制措置の柔軟化といった3
つくらいのテーマを挙げていたわけです。
 これは前回申し上げたように、大きく変更した部分は、このイとウの部分が、いずれも「リスクに
基づく自主的な化学物質管理の実施が低調である」という課題に対応する、右側の「リスクに基づく
合理的な管理の促進」ということでの一括りにできるのであろうということです。
 ということで今一度申し上げると、今後の化学物質管理のあり方の部分ですが、1.危険有害性情報
の提供と活用の促進、これは前回のアの部分です。2.リスクに基づく合理的な管理の促進、この中で
?@より簡便なリスクアセスメント手法を普及する必要がある、ということで、これはこれまでの論点
のイの部分です。それから、?A個人サンプラーによる作業環境測定の導入を検討する必要がある、?B
局所排気装置の要件等の柔軟化を検討する必要がある、?C局所排気装置以外の発散抑制方法の導入に
ついて検討する必要がある、?Dリスク低減に応じた規制緩和を可能とし、より高水準の化学物質管理
を目指すためのインセンティブの付与を検討する必要がある、この部分がこれまでウとして整理して
いた部分ですが、いずれも2.の中に括っています。
 それから、前回申し上げたところで、今一度ここには明記していませんが、補足させていただきま
すと、?B局所排気装置の要件等の柔軟化、これに関しては全国一律の規制の見直しということで考え
ていたわけですが、これはこの中で抑制濃度、制御風速等については、まずファクトをきちんと集め
てから考えていくべきであるということで、当初ご提言していた抑制濃度の撤廃、制御風速の撤廃と
いったことは、今回は見送るということにしています。ということで、?Bでは還流の部分だけが残っ
ています。
 それから、?C局所排気装置以外の発散抑制方法の導入について、ここの部分に関しては、前回も基
本的には、当面は個別事業場からの申請に応じて、内容を拝見して認めていく。最終的には性能要件
化ということになりますと、ばく露状況を一定以下にしなさいということだけを求めて、やり方は事
業場にお任せするということになるのかもしれませんが、まだ一気にそこまではいけないだろうとい
うことで、今般は局排・密閉装置に限定されているばく露防止措置を、もう少し広げていく。それも
各個別事業場ごとに見せていただいて、広げていくということではどうだろうか、ということをご提
言していたところです。
 それから、もう1つ大きな課題でして、現状の所に「その他の化学物質災害」というのがあります。
これは、この検討会のいちばん最初に申し上げた、今回の検討会は、基本的に化学物質管理のあり方
をどう進めていくかという、中長期的な視点でのご検討をお願いしたいと。その一方で、目の前に起
こっている、ただちに対応が必要とされる大きな課題の1つとして、CO中毒があるということを申し
上げていました。これについても、せっかく各方面の専門・学識経験の先生方がお集まりですので、
この課題についてもご検討いただきたいということをお願いしたわけです。
 これに関して、現状の所で「その他の化学物質災害」という括りの中に、このCO中毒の話を入れて
います。全体のトーンの中でやや異質ですが、いま申し上げたように、私どもにとって重要な課題で
す。
 ここの部分に関しては、先般、西野委員からも鉄鋼業界での取組みなどをご紹介いただきまして、4
の所、CO中毒、一部の屋外作業における中毒災害の防止対策を一層推進すべきということで、整理し
ていただいています。また後ほど、詳しくは骨子の中でご説明したいと思います。
 それから、いまの話の中で抜けている3.専門人材の育成・専門機関による管理の促進、こういった
部分については、前回までの論点ではエの中に整理していましたが、これは1及び2に関係するものと
して、整理しています。
 こういう全体的な構成で、骨子をまとめています。前回ご議論をいただいて修正した部分もありま
すし、事務方でいろいろな検討をして、配置する場所を少し入れ替えたほうがよりクリアになるので
はないかといったところで、こちらは事務方のほうで若干修正させていただいた部分もあります。そ
ういったものも含めて、この後骨子案をご説明させていただきたいと思いますが、概要についてはこ
ういうことでよろしいでしょうか。
○名古屋座長 わかりました、ありがとうございます。ただいまの説明について、質問等はあります
か。
○豊田委員 現状の所の1.に、「危険有害性情報の伝達が不十分である」と書いてありますが、これ
はこの審議会で議論させていただいて、単なる伝達だけではなくて、活用も不十分だからということ
になったと思います。
 それで1.の対策が伝達と活用ということになっていると思うのです。ですから、やはりここも「伝
達・活用が不十分である」とすべきだと思います。
○名古屋座長 ありがとうございました。
○豊田委員 それと2.の「実施が低調」ということは座り心地が悪いので、それでしたら上と同じよ
うな「不十分」とか、そう言ったほうがすっきりするのではないかと思います。
○名古屋座長 表現ですね。
○豊田委員 はい。
○名古屋座長 では、そこは検討してください。
○半田化学物質対策課長 はい。
○名古屋座長 他にありますか。
○堀江委員 1.の現状、それと対応する……というところで、危険有害性情報というものの中に、現
在行われている作業環境測定の結果というものも含まれて、論じられていると理解していますが、そ
の点はそういうことでよろしいですか。
○半田化学物質対策課長 はい。
○堀江委員 そうしますと、作業環境測定の結果についての現状は、労働者がその結果を知らないの
で、そのまま作業をする恐れがある。それに対して労働者に周知すると書いてあるのですが、実際に
現場を見ていたり、あるいは産業医を中心とした現場の、いわゆる現在いる専門職の意見を聞いてお
りますと、作業環境測定の結果に基づいた様々な専門的な判断をあまりしていない。特に医師におい
ては、健康診断の結果のみは見ていますが、それと作業環境測定の結果を関連づけて判断をしていな
いという現状があると思います。
 したがって、それに対応して資料7−2の1の?Cの所で、「労働者へ周知する必要がある」という
ことだけではなくて、現在いる専門職にも、そういった結果をもっと活用していただくような方策を
考えていただきたい、ということを述べてきたつもりではあったのですが、ここにタイトルとしては
入っていないようですので、?Cの中に含まれているのであれば、もう少しわかりやすく記載していた
だければと思います。
○半田化学物質対策課長 わかりました。後ほどご説明しますが、本文の9頁のキの所では、産業医と
いう言葉自体消えていますが、いまのような趣旨を盛り込んでいるので、この概要については、その
趣旨が見えるように修正しておきます。
○名古屋座長 どうぞ。
○福岡委員 右側の欄の1の?@、「譲渡提供者から譲渡提供先の事業者に対して」という所です。化学
物質の場合は、最後の廃棄のところまで含めて議論する必要があるのですが、ときどき廃棄の辺りに
なると、ちょっとうやむやになりかねないので、この辺りに「廃棄まで含めて」というのを、どこか
に入れておくべきではないかと思います。
○半田化学物質対策課長 わかりました。そこの部分はまた後ほど、そこは本文にもあまり書き込ん
でいないところだと思うので、本文のところでご議論いただければありがたいと思います。
○豊田委員 廃棄までと言い出すと、今回の「職場における化学物質管理の今後のあり方」から、ち
ょっと(趣旨が)外れるのではないでしょうか。そこが議論ではないかと思います。
○半田化学物質対策課長 私どもの問題意識としては、やはり廃棄物処理業に従事しておられる労働
者の方、これも十分重要な問題ですので、そういう意味では課題であると思っています。
 ただ、ここに書ききれないかなと思っているのは、そこの情報伝達の仕組みというのが、やはりGHS
ラベル、あるいはMSDSにしていたものとは違った趣旨になってくるかと思うので、そういう意味で別
途、産業廃棄物等々を念頭に置いた情報伝達のあり方はご議論いただく必要があるのかなと申し上げ
たところです。
○豊田委員 本件は、以前議論がありました消費者等の取扱と同様であり、やはり、慎重に取扱う必
要があると思います。
○半田化学物質対策課長 消費者というところは、私どもの中ではなかなか。縦割りだという批判を
受けそうですが、なかなか申し上げにくいところです。
○豊田委員 いや、そうではなくて、ライフサイクルアセスメント、ライフサイクルという範疇での
議論をし出すと、消費者なども入りますから、そこの言葉の取扱は慎重にやっていただきたいと思い
ます。
○半田化学物質対策課長 わかりました。
○豊田委員 それから資料7-2の報告書概要(案)は、後の骨子案のところ(の議論)を一巡して、も
う一度戻ってみたほうがいいのではないかという気がします。
○半田化学物質対策課長 そうですね。そのようにさせていただきます。
○豊田委員 あと、例えば1.の情報の提供、ここでは「提供」という言葉を、対策では使っています
ね。(他の箇所は「伝達」になっており)「伝達」という言葉に統一したほうがよいと思いますが。
 それから2.の?A、個人サンプラーに関しては、ここは重要だと思うのですが、これはあくまでも事
業者側に選択があるとか、(そのような言葉を)この要点の中でも何か織り込んでおく必要があるの
ではないかという気がします。
 あとのところはまず骨子をやって、また戻っていただいたほうがいいと思います。
○名古屋座長 その案は骨子のやつをまた戻すということで、今日は新しくということで説明ですよ
ね。
○豊田委員 はい。
○名古屋座長 わかりました、よろしくお願いします。他にはよろしいですか。では、豊田委員が言
われましたように、骨子のところでまた変わった部分があったら、この概要のところで直すという形
で、本日は骨子のところを進めていきたいと思います。
 それでは前回の議論を踏まえて、事務局が改めたものが今回出ています。まず事務局から説明をお
願いします。
○奥野安全専門官 それでは6頁、資料7-3でございます。全体的に読み上げ、修正した箇所について
はその都度ご説明させていただきたいと考えています。
 「職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会報告書(骨子案)。1.はじめに。「平
成17年、労働安全衛生法が改正され、法令で定める化学物質について、その危険有害性情報を国連勧
告(GHS)に基づいて分類し、同情報を表示(ラベル)や文書(MSDS)で提供する取組みが我が国に定着
しつつあるところであるが、化学物質による業務上疾病が毎年200〜300件程度(休業4日以上)発生
しており、その発生状況をみると、容器等への危険有害性の表示等により、事業者・労働者に化学物
質の危険有害性情報が伝達されていれば防ぐことができたものが少なくない。」
 基本的に見え消しで修正していますが、この200〜300件というものがどういった被災レベルのもの
か示すために「休業4日以上」と加えています。
 「また、一日(8時間)のばく露量でみると健康影響のリスクが小さい作業であっても、現行の作業
環境測定の手法では過度に有害な作業場に評価され、設備についての過剰な改善等が求められるおそ
れがある場合があるなど、リスクに基づいた規制の見直しとさらに一層の自主管理の促進の必要性が
指摘されている。」
 ここで規制だけでなく、自主管理が含まれるということで反映したものでございます。
 「このような状況に加え、平成14年の持続可能な開発に関する世界サミット(WSSD)において国際的
な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)を取りまとめることとされ、これを達成するため
『世界行動計画』(平成18年2月提案)が示されたところであるが、同計画の項目を踏まえつつ、上
述の課題に対応するため、職場における化学物質管理のあり方について検討を行った。」
 前回、WSSDやSAICMなどを加えると一般的にわかりやすいというご指摘を踏まえたものです。
 「2.現状。(1)災害発生状況。ア.化学物質(危険物、有害物)に起因する労働災害が、年間600件〜
700件程度発生している。イ.化学物質に起因する業務上疾病は年間200件〜300件程度発生しており、
そのうち1/4が特別則の規制対象外物質によるもの(業務上疾病調べ)であり、MSDSの交付対象物質
以外による災害も少なからず発生している。また、新規化学物質の届け出数は10年前の2倍の水準
(約1300件/年)に達しており、職場で使用される化学物質の種類が増加している。」
 イの中で、以前「1500件」としておりました。平成19年は1500件だったのですが、直近はもう少
し少ない数字でしたので1300に直しています。また、前回のご議論で、「新規化学物質すべてが危険
有害というわけではない」ということで「危険有害な」を削除しています。
 「(2)危険有害性情報の伝達に関する状況。ア.我が国の労働安全衛生法令では100物質をラベル表示
の対象とし、640物質をMSDS交付の対象としているように、情報伝達の対象となる物質は限定されて
いる。他方、欧州の『化学品の分類、表示、包装に関する規則』(CLP規則)ではすべての危険有害な化
学物質を情報提供の対象としている。」
 アのところで「!」が付いています。前回の資料では、3の「化学物質管理のあり方」の対策のとこ
ろに含まれていたものを現状に持ってきたものでございます。中身が事実関係やデータになっている
ということで、現状のほうがふさわしいということで移動しているものです。ここに限らず、場所を
移動させたものについては「!」を示しています。
 「イ.化学物質による中毒等の労働災害は、業種別には製造業のみならず多様な業種で発生している。
特にサービス業等においては、化学物質の危険有害性について十分認識せず、労働者への教育もなさ
れずに災害が発生しているケースが見受けられる。事業場の規模別では、中小規模事業場で多く発生
している。ウ.危険有害な化学物質の容器等に表示がなかったため労働者の不安全な取扱いを誘発した
と思われる災害が年間30件程度(注:休業日数に関わらず、中毒災害として報告を受け監督署が災害
調査を実施したもの)発生している。現行規制では譲渡提供時に容器等への名称、取扱い上の注意等
を記載したラベル表示は義務付けられているが、工場等において労働者が直接取り扱う容器等につい
ては、表示は義務づけられていない。」
 ウの中の「30件」のあとに、この30件がどういったレベルの災害かを示したもので、休業4日以上
ではなく、「休業日数に関わらず」ということを注記しています。
 「(3)事業場が行う化学物質リスクアセスメントを取り巻く状況。ア.厚生労働省の労働環境調査報
告では、有害な化学物質を扱っているとする事業所のうち化学物質に関するリスクアセスメントを実
施しているとの回答43.0%であった。この実施率は、事業場の規模が小さいほど低い傾向があり、サ
ービス業においても低い状況となっている。」
 43%が化学物質を取り扱っているという事業所の数字なのですが、化学物質を取り扱っている自覚
のない業種においてはもっと低くなるという懸念を示したものです。
 「イ.リスクアセスメントについてのアンケート調査で1/4の事業場が『実施するに当たって十分な
知識を有する人材がいない又は不足している』と回答し、次いで『時間がない』『よくわからない』
との回答が多い(中央労働災害防止協会調べ)。」
 略称を「中央労働災害防止協会」と、正式な名称に戻したものです。
 「ウ.他方、欧州を中心に、MSDSに記載されている情報の一部や事業場での取扱い状況の概要をコン
ピュータソフトに入力すると、自動的に簡易なリスクアセスメントを実施する、より簡便なリスクア
セスメント手法が開発され、事業場に導入されているところである。」
 「大まか」を「簡易」と改めたものです。
 「(4)CO中毒、一部の特に有害な屋外作業での中毒災害の状況。ア.化学物質による中毒災害をみる
と、発電機等の内燃機関、外食産業や食料品製造業の厨房施設から発生する一酸化炭素(CO)による中
毒災害が年間約40件程度(注:休業日数に関わらず、中毒災害として報告を受け監督署が災害調査を
実施したもの。)発生しており、物質別にみるとCOは化学物質による中毒災害全体の約30%を占めて
いる。このような状況の中、鉄鋼業においては、COセンサーを労働者に着用させる自主的な取組みに
より、CO中毒の大幅な減少を達成している。」
 COに一酸化炭素を追加記入したり、あるいは「災害が多い」と以前示していたのですが、具体的な
数字など示したものです。
 「3.職場における化学物質管理のあり方。(1)危険有害性情報の提供の促進。化学物質管理の原点は、
その化学物質の危険有害性の情報を把握することであり、GHS分類により危険有害とされるすべての化
学物質(以下「すべての危険有害な化学物質」という。)についての危険有害性情報は、すべての関
係者に伝達され、有効に活用される必要がある。このため、職場においては次の方向で職場における
化学物質の危険有害情報の提供と活用を促進する必要がある。」
 すべての危険有害な化学物質について、GHS分類によって危険有害とされるということを追加記入し
ています。また、伝達だけでなく、活用についても触れたものでございます。
 「ア.すべての危険有害な化学物質についての情報提供を確立。●職場において使用されるすべての
危険有害な化学物質について、GHS国連勧告が示すように、譲渡提供者から譲渡提供先の事業者に対し、
ラベル表示及びMSDSによる危険有害性情報の提供制度を確立する必要がある。製造業のみならずサー
ビス産業等のすべての業種において、労働者自身が取り扱うすべての危険有害な化学物質について情
報を認識することにより、職場における化学物質の安全な取扱いが促進されることが期待される。●
ILO170号条約(日本未批准)では、事業者は化学物質にラベル等を付し、労働者にその危険有害性情
報を提供する責任があり、労働者はその物質名、危険有害性情報等を知る権利があると定めている。
イ.譲渡提供時の情報伝達とその活用。●当面、国は、すべての危険有害な化学物質の譲渡提供時の情
報提供の確立を推進することとし、表示・MSDSの交付対象物質を法令のリストに追加することについ
ては、対象物質についてのみ情報を伝達すればよいと受け止められるおそれがあること等も踏まえ、
情報提供制度の浸透状況を踏まえつつ、必要に応じ検討していくべきである。」
 タイトルに「活用」を追加したということと、「引続き慎重に検討」というところをもう少し丁寧
に書いたものでございます。
 「ウ.事業場内で使用する容器への名称等の表示。●化学物質に起因する労働災害の防止を図るため
には、譲渡提供者から譲渡提供先の事業者に対する情報提供の確立と併せて、小分けした化学物質を
直接取り扱う労働者等に情報を提供することが必要であることから、事業場内で使用する容器等へ名
称等を表示する取組みを定着させる必要がある。」
 あとで議論していただくのですが、「制度」という使い方がどうかということでもう少し柔らかく
書いたものです。
 「●事業場内における表示の導入に当たっては、職場に存在する化学物質の種類等の状況、取り扱
う労働者の化学物質についての知識レベル、容器の大きさ等の物理的制約、過剰な情報の記載による
情報伝達効果の低下などに十分配慮し、代替措置を認めるなど一定の柔軟性をもたせる必要がある。
●事業場内表示の円滑な導入のため、国は、表示制度の指針、通達、パンフレット等により、表示制
度の趣旨を踏まえた望ましい表示のあり方、代替措置を含め最低限実施すべき措置を示すべき。また、
事業者への研修等の支援が望ましい。」
 いま、「制度」がいくつか残っておりましたが、これは後ほど削除したいと思っています。また、
法令や指針の改正というよりは、むしろ、支援とか事業のような形で行うものについては「望まし
い」という形で改めています。
 「エ.労働者教育の充実。●提供される情報について、GHSに基づく絵表示の意味等を労働者が理解
しないと情報伝達が行われたことにはならない。化学物質の危険有害性、表示の内容、情報の活用方
法等について、管理者と労働者の双方に対する教育の内容を充実することが望ましい。オ.普及のため
の仕組みの構築。●化学物質の危険有害性情報の伝達・活用の促進のためには、労働者教育の充実だ
けでなく、GHSの普及やMSDSの活用・教育に関する仕組み及びインフラ整備等も進める必要があ
る。」
 前回のご議論で、普及のための仕組みについて検討されましたので、それを追加したものです。
 「カ.作業環境測定の結果の労働者への周知。●現行規制では、作業環境測定の結果については労働
者が自らの作業環境の状況、作業環境改善の必要性、改善の計画等について知りたいと思っても容易
に確認できる仕組みとなっていない。このため労働者が健康障害を受ける可能性があるにも関わらず、
それを知らないまま作業を続けるおそれがあるため、測定結果を労働者へ周知する必要がある。」
 以前、「現状」の中に入っていたものを移動しています。また、作業環境改善などについても追加
しているものです。
 「●周知方法は作業場への掲示やファイルの備え付け等によることとし、その内容は作業環境の評
価結果(管理区分)とする方法で検討する。●この取組みにより、事業者による作業環境の改善が速
やかに行われること、労働者の保護具着用等、作業規程の遵守の徹底等の効果が期待される。●ただ
し、測定の結果第2管理区分又は第3管理区分となり、作業環境の改善が必要となる場合については、
衛生委員会での調査審議や労働者からの意見聴取をしつつ、今後の対応を検討し、対処方針も関係労
働者に伝達する必要がある。●なお、『空気汚染、騒音及び振動に起因する作業環境における職業性
の危害からの労働者の保護に関する勧告』(ILO156号勧告1977年)においても、労働者は作業環境測定
の結果を知る機会が与えられるべきこととしている。」
 前回、「ILO156号勧告」とだけあったものにタイトルを追加したものです。
 「キ.作業環境測定の結果を踏まえた労働衛生管理の推進。(1)●労働衛生管理については、作業環
境測定の結果を踏まえ化学物質管理の現状と問題点を明確にしつつ、衛生委員会による調査審議等を
通じ、一層推進する必要がある。」
 作業環境測定結果を労働者に周知するだけでなく、管理に結びつけていくということを書いたもの
です。
 「(2)リスクに基づく合理的な管理の促進。表示、MSDS、作業環境測定等により提供される危険有害
性に関する情報を踏まえ、リスクアセスメントの結果に応じた合理的な化学物質管理の実施を促進す
るとともに、一定の高いレベルでの化学物質管理を達成している事業場については、さらに一層高い
水準での自主的な管理が行われることを促進するため、何らかのインセンティブを与えることも検討
しつつ、規制の柔軟化・性能要件化を推進するべきである。このため、次の方向で職場におけるリス
クに基づく合理的な管理を推進する必要がある。」
 インセンティブなどについて追加したものでございます。
 「ア.より簡便なリスクアセスメント手法の導入。●化学物質管理についての専門的人材がいない事
業場においても実施可能な、簡便なリスクアセスメント手法(国際的にはコントロール・バンディン
グと呼ばれており、インターネットでの対話型処理やダウンロード可能な表計算ソフトなどがある)
を我が国の実情に合うように開発し、導入・普及することが望ましい。」
 普及について追加しています。
 「●より簡便なリスクアセスメント手法は、本来のリスクアセスメントを補完するものとして位置
づけ、本来の手法を自ら実施できる事業場については引続き本来の手法により実施することとし、専
門的な人材がいないこと等により、本来の手法に対応できない事業場を対象にその導入を図る必要が
ある。●導入に当たり、中小規模事業場やサービス業の事業場等を対象に含め、研修の実施、相談窓
口の設置等の支援を行うことが望ましい。
 イ.個人サンプラーによる作業環境測定の導入に向けた検討。●有害物の発散が1日に数回しかなく、
それ以外は無視できるほどの低濃度となる工程が行われる作業場や、有害物が発散する区域に労働者
は1日数回しか立ち入らず、その外部には有害物が漏洩しない作業場などについては、現行法令に基づ
くA測定・B測定では過度に有害な作業場に評価され、設備についての過剰な改善等が求められるおそ
れがある。一方、これらの作業場に対し、欧米等諸外国で行われている個人サンプラーによる測定を
実施し、8時間加重平均濃度で評価した場合には、健康影響が生じないレベルであることが明らかとな
る場合があるとの指摘がある。また、有害物の発散源に近接して行うような作業等の場合については、
現行のA測定・B測定では作業環境中の濃度が過小に評価されるおそれがあるとの指摘がある。」
 現状に書かれてあったものを移しているものと、過大に評価されるだけでなく、過小に評価される
ということについても記載しています。
 「●個人サンプラーによる測定について、当面はA測定・B測定による測定では的確な評価が困難と
思われる一部の作業を対象に、法定の作業環境測定方法として導入することについて検討するべきで
ある。導入に当たっては、適当な場合には、事業者が合理的な判断に基づいて、従来のA測定・B測定
の選択が可能にするなどについて検討する必要がある。●なお、個人サンプラーによる測定の導入の
ためには、測定・評価基準の整備、個人サンプラーによる測定を適切に実施できる能力を有する者の
養成等が必要。測定・評価基準については、基本ルールを踏まえつつも、測定実施者の合理的な判断
が可能となるものとすることが必要。」
 前の頁の部分と合わせて、合理的な判断を追加しています。
 「ウ.局所排気装置の要件等の柔軟化。●局所排気装置等の要件(制御風速、抑制濃度)について、
第1管理区分が継続している場合、局所排気装置の要件による規制は必要なのかという指摘がある。ま
た、局所排気装置等の屋外排気のためエネルギーを過剰に消費させている等の問題点が指摘されてい
る」
 現状から移動させています。
 「●局所排気装置の要件等については法令において詳細に定めてきたところであるが、作業環境測
定の結果に基づき、より自主的な管理を促進するべきである。このため、例えば局所排気装置の排気
を清浄化し、センサーで連続モニタリングする場合は、排気の屋内への還流を認めるなど、局所排気
装置の要件等についてより柔軟な対応が可能とする必要がある。ただし、発がん性を有する化学物質
については、排気の還流の対象から除外する必要がある。」
 「発がん性」の前にあった「健康リスクの大きな」を削除しています。
 「●なお、局所排気装置の制御風速、抑制濃度の要件は、作業環境測定による管理が行われている
限り不要ではないかとの指摘があったところであるが、これらを撤廃しても労働者の安全性が損なわ
れないことの根拠が必要であるとの意見を踏まえ、その撤廃については、情報収集を行いつつ、引き
続き検討することとする。」
 慎重に対応する中身について記したものです。
 「エ.局所排気装置等以外の発散抑制方法の導入。●労働安全衛生法令においては、局所排気装置等
の要件の詳細が定められている。このことは我が国の作業環境の改善をもたらしたところであるが、
その反面、専門家の創意工夫による自主的な管理の機会が十分与えられてこなかったとの指摘があ
る。」
 専門家の創意工夫について書いています。
 「●労働安全衛生法令が定める有害物の工学的な発散抑制措置は、原則として密閉化か局所排気装
置に限られている。その結果、局所排気装置以外の新たな発散抑制対策については、導入しても法的
な措置義務を履行したこととみなされないため、技術開発が妨げられているとの指摘がある。」
 「現状」から移動させているとともに、「工学的対策は認められていない」を正確に書き直してい
ます。
 「●労働安全衛生法令に基づく有害物質の封じ込め対策として、密閉化の他、局所排気装置とプッ
シュプル型換気装置以外の発散抑制方法が導入できるようにする必要がある。●その導入に当たって
は、当該発散抑制方法のうち、効果の維持のため事業場における管理が難しいものについては、事業
場ごとに導入を認める必要がある。この条件としては、当該発散抑制方法により気中濃度を一定以下
に抑制できることを確認するとともに、連続モニタリングの実施等により気中の有害物の濃度が継続
して一定以下となることを担保できることを条件とする必要がある。さらに、その継続性を担保する
ため、必要に応じ常時連続モニタリングによる監視が行われていること、定期的な点検等による維持
管理が行われていること、これらを実施するための管理体制が整備されていることなどが考えられ
る。」
 前回のご議論を踏まえ、事業場ごとの導入や連続モニタリングなどの記載をしています。
 「オ.リスク低減の取組みに応じたインセンティブの付与。一定の高いレベルでの化学物質管理を達
成している事業場については、さらに一層高い水準での自主的な管理が行われることを促進するため、
何らかのインセンティブを付与することについて、今後の検討が望まれる。」
 インセンティブの付与について追加したものです。
 「(3)専門人材の育成・専門機関による管理の促進。化学物質管理の推進のためには、各事業場にお
いて化学物質管理を担う専門人材を養成するとともに、中小規模事業場、化学工業以外の事業場等が
利用できる化学物質管理の外部専門機関の育成について検討が必要である。」
 前回の議論を踏まえ、「外部専門機関」に改めたものです。
 「(4)CO中毒、一部の屋外作業におけるばく露防止対策の検討。●周囲に風除けを設けての溶接作業、
防音シートで覆われたビル外壁工事など一部の特に有害な屋外作業については、中毒災害も発生して
おり、より充実したばく露防止対策が必要との指摘がある。」
 これは前回、「現状」に入っていたものを移したものです。
 「●化学物質による中毒災害の多くを占めるCO中毒災害や、一部の屋外作業における中毒災害につ
いては、作業環境測定、リスクアセスメント、その結果を踏まえたばく露防止措置という通常の化学
物質管理がそのまま適用しにくい面がある。●厨房・内燃機関におけるCO中毒の防止については、鉄
鋼業におけるCOセンサーの着用による災害の防止事例等を参考にして、さらに一層推進することが必
要である。●また、一部の特に有害な屋外作業における化学物質による中毒災害についても、同様の
対策の推進が必要である。」
 前回のご議論を踏まえ、COセンサーの着用などを対策として挙げています。以上です。
○名古屋座長 どうもありがとうございました。
○半田化学物質対策課長 若干補足させていただきます。まず「現状」のところ、前回、ずらっと並
べていましたけれども、小項目で括ったほうがいいだろうというご指摘がありましたので、(1)災害発
生状況、(2)危険有害性情報の伝達に関する状況、以下(3)、(4)というようにいくつかの固まりで括っ
ています。
 9頁の下のほうにございますキの部分、先ほどの「概要」の部分でも堀江先生からご指摘がありまし
たが、前回、これをお出ししたとき、産業医へもちゃんと伝達するようにということで、さらに「産
業医による作業環境測定の結果を踏まえた適切な産業保健活動」云々という件を入れていたわけです。
 実はここの部分、これを削り、「労働衛生管理については」というように少し大きく括らせていた
だいています。と申しますのも、前回のご議論のときにも申し上げましたけれども、産業医がいま作
業環境測定結果を知り得ないような仕組みにはなっていません。かなり、産業医ご自身の活動の問題
という部分もあります。あまり、その辺を書き過ぎますと、化学物質管理のあり方のところで産業医
のあり方をぎりぎりやっていくような感じにもなってまいります。その辺を避け、「労働衛生管理に
ついては」という言い方で、関係部分にきちんと伝わるようにという格好でふんわりと書いてござい
ます。こういう修正でよろしいかどうか。もし、もう少しはっきり書いたほうがいいということであ
れば、またそれはそのようにしたいと思います。とりあえず、このような修正をやらせていただいて
いますのでご承知おきください。以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。それでは、長いので区切りながら進めていきたいと思いま
す。よろしいでしょうか。まず最初、「はじめに」というところから進めていきたいと思います。こ
こに関して何か、一応修正等はありますが、ほかにありますか。次の「現状」はいかがでしょうか。
○豊田委員 「はじめに」のところ、6行目の「化学物質の危険有害性情報が伝達」、やはりここも
「伝達及び活用されていれば防ぐことができたもの」というように修正していただきたい。
 その下、全体の文章の中で「リスク評価・管理というのは時代の流れだ」という表現がどこにも出
てこないのです。やはり、このはじめのところに、「(リスク評価・管理というのは)時代の趨勢
だ。」ということをどこかに入れるべきだと思っています。強いて言うと「また、」の次に、例えば
「労働安全衛生上においても、リスク評価・管理が時代の流れである中」、そのような言葉を入れて
いただいたほうがいいと思います。
 さらにその下のところ、「リスクに基づいた・・・」という表現がありますが、「リスク評価」と
言ったほうが座り心地が良いのではないかという気がします。ほかのところも全部、「リスクに応じ
た」と言っていますけれども、「リスク評価に応じた」などとやったほうがいいのではないかと思い
ますが。
 それから、最後のWSSD、SAICMあたりの表現なのですが、ここも行政のいろいろな審議会ですと、
WSSDでの合意が最終目標、その目標達成のためのSAICMというのはロードマップであり、目標達成の
ための手段となっています。本案を読みますと、逆に、SAICMを達成するためとなっているので、そこ
は誤解を生むのではないかと思います。また、世界行動計画についてもかなり強調されているようで
もあり、この段落の主旨を捉えると、結局、WSSDの目標(化学物質が人と環境に与える影響を最小限
にする)に向かって、(その目標達成の為にSAICMという)ロードマップを踏まえてやっていくという
表現にしたほうがいいと思います。
○名古屋座長 どうしましょうか、いまのお話にご意見をいただきましょうか。そうしたら、ここの
ところはまた、今のお話に従って組み替えてみて、そこでもう一度議論したいと思います。あと、
「リスク」に評価を付けること、これはいかがでしょうか。
○豊田委員 単に「リスク」で切りますと、定義という議論になりかねないと思います。
○名古屋座長 わかりました。一応、そういう形のものの評価をしている。それに関して作業を行っ
たり、それに基づいた基準を作っているということで、一応「評価」を付けておいてまた議論しまし
ょう。わかりました。
○宮川委員 いまのところですが、「リスク評価に基づいた規制」ということは評価をしなさいとい
うことを命じた上で、それに基づいて規制をするとなるような気がします。「リスク評価をしろ」と
いう文言を明確に入れるのがはたしていいのかどうかというと、必ずしも、そこまで全体がそのよう
な仕組みにはまだなっていないような気もするのです。個人的にはリスクに基づいた、リスクベース
という、ワンフレーズのほうがいいような気がします。
○名古屋座長 健康リスクのところは評価で、下の「リスク評価に基づいた」のところはちょっと引
っかかった。上はたぶん評価があったほうがいいかなと思ったのですが。
○福岡委員 いまの話ですが、化学物質については、リスクアセスメントをすべてにするという義務
づけがされていますので、リスク評価しなさいと、そういう文面ではないかもしれませんが、中身と
してはそういう意味の指定が安衛法の28条の2に入っていたと思います。そのことが、前にも議論が
ありましたように、すべての化学物質について危険有害な情報を提供する必要があるということにつ
ながるだろうと考えて、この間も発言したと思いますが、条文との関連で確認していただいたほうが
いいと思うのです。
○宮川委員 職場の管理は、確かにリスク評価結果に基づいた管理でもいいような気がするのですが、
化学物質規制全般にリスク評価が求められているような。
○福岡委員 リスクアセスメントしなさいという義務になっています。
○宮川委員 それは職場の管理の場合ですね。
○福岡委員 要するに、労働者の安全・健康を確保するための方法として。
○豊田委員 この議論は、9頁の(2)のタイトルで、ここが「リスクに基づく合理的な管理の促進」で
いいのであれば、リスクのままでもいい気がします。
○名古屋座長 戻ってみましょうか。9頁に戻って初めのところを直す形で、いまのところはペンディ
ングにさせてもらいたいと思います。それでは、「現状」に進んでよろしいでしょうか。
○柳様(塩崎委員代理) 9頁に「普及のための仕組みの構築」ということで、これを書き込んでいた
だいて非常にわかりやすくなったと思いますが、「現状」のところに普及がまだ十分できていないと
か、そういう文言を書き込む必要はないのでしょうか。先ほど言いましたように、リスクアセスメン
トとか、そういう仕組みはちゃんとなっていると思いますが、実際の普及、教育とかその辺が不足し
ているという現状認識が必要でしょう。
○名古屋座長 「現状」のどこに書き込んだらいいでしょう。
○柳様 どこがいいのかずっと見ているのですが。
○豊田委員 7頁目のところで指摘しようと思っていたのですが、「現状」に移っているのですか。
○名古屋座長 まだ行っていません。これから「現状」です。
○西委員 最終的には7〜9頁にもつながってきますが、現状認識のところで、どのように認識してい
るかというところをしっかり押さえていかないと、施策等々に十分反映されないということがあり得
るのではないかと思います。化学産業が十分満足な状況にあるということを申し上げるつもりは毛頭
ありませんが、例えば前回出てきたCO中毒の例とか、今回もいちばん最後に事故例が載っていますが、
これらはいわゆる非化学系の方々の例で、このレポートが出たところで事故を起こした業界に渡して、
「これは私たちに関係あるのですか」と思われるようなレポートになってしまうのではないかと思う
のです。
 そうすると、せっかくやっても、もちろん事故は減るのだろうけれど、同じような事故がずっと続
くことになるので、化学物質ではないと認識していると言っては語弊がありますが、そういう人たち
に対する施策や教育をどのように入れ込むか、それを徹底してやっていかないと、いつまで経っても
ペットボトルに変なものが入っていて、それを飲んでしまったとか、中学校の先生が塩素ガスを吸っ
てしまったとか、そういう事故は到底収まらないと思うのです。それがどのように反映されていくの
かは大きな課題だと思うし、総合件数を減らす意味ではそれもやらざるを得ないと思うのです。
○半田化学物質対策課長 わかりました。おっしゃることはよく理解できます。実は、「はじめに」
の部分は、検討会開催要綱の部分をそっくりそのまま持ってきておりましたので、あまりその辺を書
き込んでいなかったのです。例えば、化学物質は化学産業だけではなくて、建設業などさまざまな業
種で広く使われているものであるということを言及してはいかがかと思いますが、よろしいでしょう
か。対策としては、今回ご議論いただいたすべての危険有害物質について情報伝達するための対策で
もありますので、対策はあると思いますが、課題の部分は明瞭に、「はじめに」で書くのか「現状」
で書くのか少し工夫してみますが、その辺で言及してみたいと思います。
○西委員 災害発生状況についても、総合件数だけではなくて、分析できるかどうかは別ですが、小
規模な業種において化学物質の管理が不十分で事故が多いとか、100件なら100件あるうちの大手の化
学や鉄鋼の件数と小規模の業種との件数だとか、それによって対策の考え方は当然違うと思うのです。
そこが7〜9頁の施策のほうに反映していくのではないかと思うのです。
○名古屋座長 書き込むかどうかですね。
○西委員 例えば、9頁の「労働者教育の充実」とか「普及のための仕組みの構築」とか、そういうこ
とがあるわけですが、そこも非化学系というのは変な言い方ですが、そういう所にも配慮をしていく
とか、そういう働きかけをしていかないと、先ほど言ったようにCO中毒などもなくなっていかないの
ではないかという気がするのです。
○半田化学物質対策課長 そうしましたら、業種的な広がりはおっしゃるとおりですので、できれば
「はじめに」の辺りでそういう趣旨を書き込むことにしたいと思います。ただ、おっしゃった中小企
業は。
○西委員 表現はお任せしますが。
○半田化学物質対策課長 これは化学物質に限らず、労働安全衛生、あるいは労働行政が常に抱えて
いる課題で、今回そこの部分を十分に対策のほうでそこまでご議論いただいたと言えるのかどうか、
それが少し考えあぐねていたところです。その辺も、「はじめに」の中でうまく書けるか自信がない
のですが、工夫してみたいと思いますので、そういうことでよろしいでしょうか。
○名古屋座長 職場における化学管理の守備範囲をどこまで書き込むかということをこの中に入れ込
んで、そこから次へ行こうという形で。
○半田化学物質対策課長 広くカバーしているのだということがわかるように書くように致します。
○名古屋座長 わかりました。そこはよろしくお願いします。
○福岡委員 いまの関連で、7頁の(4)で一酸化炭素のことが書いてあるのですが、上の5行ほどは、
先ほど言われた化学物質を扱っているとはあまり意識していないところで起こるような災害が書いて
あって、その下に鉄鋼業とありますが、上の4行と下の2行は同じ一酸化炭素だけれど、CO発生状況
が少し違うので、行を改める配慮が要るかなという感じがします。
○堀江委員 先ほどの業種的な広がりということで、少し観点が違うのですが、現状で「化学物質管
理」という言葉が、労働衛生管理という労働衛生活動の基本となる考え方の中における広がりがある
ことについても、「はじめに」で記載していただけないかと思いました。というのは、どうしてもい
ままで長年労働衛生管理には5つあるのだというところから、現場でのきちんとした対策を構築してい
たところに化学物質管理と言うと、何とかなく現場では物質を管理している人だけの仕事のような捉
え方をしてしまっている現状があると思います。
 後半で、先ほども産業医のところはもっと広く、労働衛生管理なのだというご発言があったように、
そこにつなげるためにもこれは作業環境管理だけの話ではなくて、管理体制から教育の話まで広がっ
ているのだということを、一言「はじめに」で触れていただきたいと思いました。特に産業医の立場
から申し上げると、化学物質管理が場の管理に帰結してしまっていて、それが労働者の健康管理に結
びついていないのでは困りますので、そこの連携をとりわけ促進していただきたいと思っております。
○豊田委員 (2)からなのですが、2行目の辺りは「情報伝達」ということですね。ところが、7頁の冒
頭は「情報提供」となっています。先ほど言ったように「伝達」と「提供」という言葉が、ごちゃ混
ぜに使われていて、少し気になるのですが。「伝達」に統一されたほうがいいのではないかと思いま
す。
 それと、7頁の3行目のイですが、「労働者への教育もなされずに」という所は、「教育も不十分な
ために」というのが適切ではないかと思います。
 ウの「危険有害な化学物質の容器等に表示がなかったため」とありますが、ここが先ほど来言って
いるとおり、もう少し厳密に言うと「危険有害性の情報伝達及び活用が不十分であったと思われるた
め」と、丁寧に修復していただいたほうがいいのではないかと思います。
 (3)のアの2行目に43%ということが例として出ているのですが、ここの議論ではこれを高いと見る
か低いと見るか、いろいろ、捉え方もありますし、この数字はここに出して意味があるのかないのか、
もう一度お考えいただいたほうがいいのではないかと。むしろ、結論としてはこういうものはなくて、
事業規模の小さいほうが(実施率が)低いとか、サービス業において低い状況というようなことを言
いたいのだと思うのです。この数字を出さずに、サラッとそう言ったほうがすっきりした表現になる
のではないかと思います。
 ウの簡易手法の表現なのですが、コンピュータソフトの入力云々というの入れてしまうと、中小の
方はアレルギーがあるのではないかと思うので、あまり細かく言わなくても、簡易なリスク評価は流
行っていて、そういうものを入れたらどうかというような、簡単な表現にしたほうがいいと思います。
○橋本委員 いまの(3)のウですが、この部分だけ読むと、コンピュータソフトを使うから簡便なリス
クアセスメントだと受け取る可能性が大だと思うのです。手で行っても簡便な方法は基本としてある
わけなので、MSDSに記載された情報の一部や事業場での取扱い状況などに基づく簡便なリスクアセス
メント方法が開発されて、実際活用もされていて、さらにそれをコンピュータで使うとより簡易に使
うことができると。こういうものがありますよという紹介にすれば、状況がより正しく伝わるのでは
ないかと思うのです。
○名古屋座長 前の議論のときは、イギリスかドイツのどちらかの国でインターネットでリスクアセ
スメントをしている報告がありました、そうしたやり方をしていると楽ですが、日本はそういったシ
ステムがないということで、ここに参加されている委員の方々にはわかるのだけれど文書を読んでな
かなかわかりにくいということですね。
○橋本委員 いまでも、企業によってドイツの方法みたいな類似したものを、すでに開発してやって
いる所もあるのです。それはいいことではあると思いますが。
○名古屋座長 そこをわかるような形でお願いします。
 それから、いま豊田委員が言われたように、「伝達」と「提供」のところは直していただければと
思います。また、「労働者の教育もなされずに」というのは厳しいかなと思うので、その辺もお願い
します。43%はどうしましょうか。
○福岡委員 現状の(1)の最初なのですが、(1)のアで「化学物質(危険物、有害物)に起因」という
表現になっているのです。化学物質のすべてが危険物、有害物と言えるかもしれませんが、ここはむ
しろ「化学物質の危険性または有害性に起因する労働災害」という丁寧な表現にしたほうが、ここだ
け(危険物・有害物)とはっきり書いてあって、ほかは出てこないのですが、表現を少し考えたほう
がいいかと思います。例えば、言いましたように「化学物質の危険性または有害性に起因する労働災
害」のほうが正確みたいな感じがするのです。
○名古屋座長 わかりました。事務局でよろしくお願いします。
○福岡委員 7頁の上のウですが、「危険有害な化学物質の容器等に表示がなかったため」の3〜4行
目に、「現行の規制では譲渡提供時に容器等への名称、取扱い上の注意等を記載したラベル表示は義
務付けられている」ということですが、義務付けにはもう1つ、譲渡提供時に情報の提供も義務付けに
なっているわけですね。化学物質を提供するときに、その化学物質についての危険性・有害性につい
て情報を提供する義務付けがあって、そのあとに容器への名称と。事業者間のところで情報の提供の
義務付けがまずあって、それを場内で労働者に知らせるときに名称も義務付けると、そうつながって
いると思うのです。
○豊田委員 福岡委員のご指摘は、「危険有害な化学物質の容器等に表示がなかったため・・・」と
いう箇所はまずいというご指摘かと理解しましたが、その意味では、「危険有害な化学物質の容器等
に表示がなく、危険有害性情報の伝達及び活用が不十分であったため・・・」とそこを変えれば、
(裏を返すと)そういう義務にもつながると思います。
○福岡委員 事業者間で情報の伝達があって、その中に容器への名称の表示の義務も含まれると思う
のですが、それがあって足らない所は、事業者が自分の会社の労働者にちゃんと伝達すると、そうい
う2段階で達成されると思うのです。前半の情報提供のところも変えて、それが災害につながると、そ
ういう流れを書いたほうがいいのではないかと。
○名古屋座長 1つだけではないということですね。あと、「表示がなかったため」のところの表現を
少し変えようということですが。
○城内委員 いま福岡委員からご指摘があったところですが、私が前回から気になっているのは、
「現状」の(2)のアの文章とウの文章が、ちゃんと対応しているかというのが気になっているのです。
それは、いまご指摘があった現行規制というのは、57条のことだけ言っているのかそうでないのかと
いうことで、相当方向性が違ってくると思いますので、まずそれを確認したいのです。これは57条の
ことを言っていると理解してよろしいのでしょうか。
○半田化学物質対策課長 57条及び57条の2を言っておりますが、少し乱暴にしすぎたかなと思いま
すので、書き下す中で丁寧に書いていきたいと思います。
○城内委員 というのは、ウだけ見ると、譲渡提供時に容器への名称とか注意事項を書くことになっ
ていますが、あとのほうでは全物質を対象にしますということだと、条文を知らない人にはわからな
い文章になっていると思いますので、そこも含めてアとウの整合性を取っていただきたいと思ったの
が1点です。
 先ほど話題になった43%についてですが、私がよくわからないのは、化学物質管理の話をしていて、
情報が十分あるとかリスクアセスメントをちゃんとしているという話を突き詰めていくと、それは法
規制対象物質だけやっていたという話がかなりあるのです。そうすると、従来の危険有害なものをす
べて洗って、リスクアセスメントをしましょうという話とは少し違うことが多々あるので、そういう
こともちゃんとわかっていないと、43%という数字を出していいかどうかはちょっと疑問だと思うの
です。ですから、調査がどういう趣旨でどういう中身でやられたかを確認して、数字を出されたほう
がいいと思います。
○半田化学物質対策課長 この43%は、いわゆるリスクアセスメントをやっていますかという質問に
対する回答で、これは一部に限定されたものではないように聞いているのですが、その辺が十分伝わ
っているのかどうかご指摘のようなこともありますので、少し検討したいと思います。
○名古屋座長 たぶん、リスクアセスメントの実施の内容に温度差があって、43%の所がちゃんとや
っているのか、ただやっているのかということがあるので、そうすると43%の所は内容が違ってしま
うということだと思います。なるべく削除されたほうがいいかなと思います。
○豊田委員 たしか資料としては講習会に来られた方の中で聞いておりますからね。講習会に来てい
る方はそれなりに関心がある方で、その中で、43%という数値はどうかということになります。
○橋本委員 たしか、わかっているのはMSDSを集めましたと、それをリスクアセスメントと捉えてい
る人も20〜25%ぐらいいたと思うのです。だから、表面上43%と出てしまうと、結構やっているでは
ないかと思うので、実際とだいぶ違ってしまうと。
○半田化学物質対策課長 それと同じようなご指摘は、前回福岡委員からもありましたので、フワッ
と43%ではなくて、限定をつけて43%と書いたつもりなのですが、書いてもかなりやれているなと見
えるかもしれませんね。そういう趣旨で検討させていただきます。
○福岡委員 前になかった有害な化学物質を扱っているとする事業場が分母になっているので、前よ
りは若干丁寧に書かれているのですが、いまお話があったように、本当にちゃんとこれで分母が表現
できているかということだと思うのです。しかも、たしか指針が出てから半年か1年後のデータで、指
針が出たから半年でよくなったというのも少しお話されましたが、それから見てもこの数字は一人歩
きするといろいろ誤解を招く数字だと思います。
○名古屋座長 聞けば聞くほど、確かな数字ではないなという気はしますね。ここは取った形で表現
を変えたいと思います。あとはコンピュータのところも少し直していただければありがたいと思いま
す。
○福岡委員 先ほどの7頁のウの根拠のある条文の話で、57条と57条の2という話がありましたが、
もう1つリスクアセスメントの義務付けの28条の2を一緒に考えていただいたほうがいいのではない
かと思います。前にも申し上げましたように、かなり厳しい条文だと思うのですが、28条の2ではリ
スクアセスメント実施を化学物質に関して言うと、業種とか規模の縛りはないと読める、非常に厳し
い内容になっています。そのことがベースで、すべての化学物質について危険有害性があるかないか
も含めて、化学物質の危険性または有害性の情報提供をする義務が生じているという読み方もできる
のではないかと思います。その辺も、どのような表現にするかは難しいところですが、ベースにこの
条文があるということです。
○名古屋座長 わかりました。
○宮川委員 7頁の(4)ですが、「CO中毒、一部の特に有害な屋外作業での」と、これに相当するもの
は下の文から読めますか。
○名古屋座長 「特に」がね。
○宮川委員 「一部の特に有害な屋外作業」についての記述がないような気がするのです。
○名古屋座長 わかりました。「一部の」でいいですね。あと、お気づきの点はありますか。先ほど
宮川委員が言われたように、57条のイ、ウの書きぶりのところで、少し工夫されるのだと思いますが、
よろしくお願いします。
 それでは、7頁の3「職場における化学物質のあり方」の危険有害性情報の提供ですが、(1)までで何
かお気づきの点はありますか。主に8〜9頁になりますが、何かありますか。
○福岡委員 8頁のアのところで、「すべての危険有害な化学物質についての情報提供を確立」という
表現ですが、先ほどの話とも関係があるのですが、すべての化学物質について危険有害性の情報と。
つまり、単にアの説明でいくと、化学物質について危険性があるか、有害性があるかという議論が先
にあって、その次に危険性、有害性が認められたものについての情報提供という読み方がされるおそ
れがあるのです。望ましいのは、すべての化学物質について危険性があるかないかも含めた情報提供
が必要ではないかという感じがしますので、ここはすべての化学物質についての危険性及び有害性の
情報という表現にしたほうがいいのではないかと思います。
○名古屋座長 それは先ほどのところと関わってきますかね。
○福岡委員 それはイの2行目の登録のところにも、「国は、すべての危険有害な化学物質」も同じか
と思います。
○半田化学物質対策課長 いまの部分は、前回宮川委員、西委員、城内委員からもいろいろご意見が
出た部分だったかと思います。つまり、すべての化学物質について危険であるかないかまで含めてや
るのかという話と、危険有害なものをやるのかと。こういうご議論があった中で一応落ち着いたとこ
ろは、8頁の上の2行目に書いてありますように、GHS分類により危険有害とされる化学物質について
はきちんとお伝えしましょうと、こういうところが落ち着き所であったかと理解しております。こう
いう意味を、以下、「すべての危険有害な化学物質」ということで、使うということで括弧書きして
いるのですが、こういう整理でよろしいのかどうか、いま一度ご確認をお願いします。
○福岡委員 私の言い方がまずいのかもしれませんが、「譲渡するすべての化学物質」という表現に
すれば締まるのですかね。
○半田化学物質対策課長 この書き方は、いかにも役人的で申し訳ないのですが、上の2行目で「すべ
ての危険有害な化学物質」の定義として、「GHS分類により危険有害とされる化学物質」と定義し直し
てということなのです。書き方はともかくとして、趣旨としてはそういうことでよろしいでしょうか、
というお尋ねです。
○名古屋座長 これはこれのほうがいいと思います。いままでになかった進んだ考え方だと思います
ので、私個人としましては。
○橋本委員 確認なのですが、現在、すべての危険有害な化学物質がGHS分類で言う危険有害分類がさ
れているのか、任意の化学物質を取ったときに、GHS分類上の判断でそれが危険有害とされているのか
いないのか。されているのですか。そこを確認したいのですが。
○城内委員 現状されているのかどうかというのはわかりませんが、しなければいけないと。
○橋本委員 それはそう思いますが、いまされていないような気がするのです。私もすべての物質が
どうかわかりませんが、こう決めてしまっていいのですか。
○西委員 GHS制度という面から見れば、それは事業者、製造者といった人たちが分類をするわけであ
って、たまたま1,500物質は国がモデルでやりましたというだけなわけです。だから、製造業者等が自
ら分類をして、危険有害と分類されれば何らかのマークが付くということなわけです。だから、この
文章からいけば、そうやってGHSの何らかのマークを付けなければいけない物質については情報伝達を
しましょう、という趣旨だと私は理解しました。
○宮川委員 私も、その点は非常に重要で、多少センシティブなところもありますが、あくまでもGHS
に示されているのは、判断の基準で、わかっているデータを調べて、その基準に照らして判断をして、
合致すれば有害だというのがGHSの分類だと思います。それを前提にこの文章を考えると、これが適切
な表現だと思います。つまり、その段階で情報を調べ、有害性情報が出てきたものをGHSの基準に当て
はめて分類したということですので、すべての化学物質が有害であるか有害ではないかがあらかじめ
全部わかっているはずもありませんし、国が全部決めることもできないと思いますので、これは現状
がよろしいと思います。
○豊田委員 宮川委員の表現が的確だと思います。また、実際橋本委員のご質問にお答えしますと、
2006年12月の安衛法に製品の譲渡提供時におけるラベル表示義務化が導入されたときに、国連の勧告
書のGHS分類を読んだだけでは、事業者は分類できないわけです。実際、導入後、会員企業にアンケー
ト調査をやったところ、特に中小企業では、あのGHS勧告書を読んだだけでは分類がなかなかできない
ということが判明しましたので、それを踏まえ、(今後GHSの普及を促進するためには、)GHSの分類
に関するインフラの基盤整備に注力しないと(GHSの普及が進まないと)いうことを、業界は相当強く
意見具申しました。その結果、行政当局にも協力を願って、インフラの基盤整備を政府と連携しやっ
ていきましょうということになりました。例えばGHS分類のJIS化、事業者用、行政用のGHS分類マニ
ュアル及びラベル表示のJIS化等をやっていますが、そういうことを一生懸命進めてきて、そういうツ
ールを揃えて、(事業者が、GHS普及を)自主的にやっていこうというのが、いま進行中というところ
だと思います。その前提の下に、この文章(及び宮川委員の表現)が正しいのではないかということ
です。
○名古屋座長 そうしましたら、ここはそのままでいいかなと思います。ほかにありますか。
○福岡委員 8頁の2行目の「GHS分類により危険有害とされる」というときに、GHS分類により危険
有害性を判定するのを誰がやるというのは、主語はどのようになると考えたらよろしいですか。ある
部分については国がやるべきというのはあるかもしれませんが、もちろん国が全部できるわけではな
いので、譲渡する立場の人の義務になるのかなという感じがしますが、その辺はどのように読んだら
よろしいですか。
○奥野安全専門官 GHSの考え方からすると、譲渡提供する事業者が分類をして提供するということで
すので、主語は事業者になろうかと考えます。
○福岡委員 すると、すべてのという頭には、譲渡の対象になる物質ということになるわけですね。
○奥野安全専門官 おっしゃるとおりです。
○福岡委員 譲渡の対象になる化学物質ということですね。すべてというと譲渡されるか関係なしに
なるけれど、譲渡の対象になる化学物質についてすべてという意味ですね。
○奥野安全専門官 そうですね。
○豊田委員 そこは、いまのところは100物質が義務化されているわけですね。
○福岡委員 私は中小と接触していると、譲渡者にMSDSも請求してももらえない場合があると。場合
によると企業秘密ということを建前にして、もらえない場合があると。特に弱い関係の立場だと、そ
れ以上強くは言えないということが現実にはあるようなのです。そういう意味で、ここは化学物質を
提供する側もそれなりのGHS分類を行って、できないものもあるかもしれないけれど、できる範囲でや
って、その情報は提供する義務があるのだということをはっきりと書くことから始めないと、なかな
か末端に情報が流れない。大本で握られているということにならないようなことが大事だと思います。
○宮川委員 いまの部分は非常に重要というか、この答申の原点の部分がこの4行に凝縮されていると
思います。その意味では、これは「化学物質管理の原点は」という言葉で始まっていて、ここが要点
だと素直に読んで、しかも「なければならない」が「必要がある」に修正されたことも踏まえてこれ
を考えると、基本的には譲渡提供する側がGHS基準に従っていろいろ調べた結果、有害性があることが
わかっているときには、それがきちんと情報提供される必要があるという、私の感覚としてはかなり
適切な表現に落ち着いていると思います。
 そこを細かく言うと、法律論まではわかりませんが、この辺りが適当な表現ではないかと思います。
かつ重要なところで、ここをどう考えるかについては、単なる言葉ではなくてある程度中身を確認し
た上で、これを最終的な文言としてよろしいのかなと思います。
○西委員 すべての危険有害な物質に対して、MSDSなりラベルをしなさいと法的に強制するというこ
とではなくて、精神論として本来すべて物質についてMSDSを提供すべきですねと、それに向かって努
力しましょうという、精神論と言うと言いすぎかもしれませんが、そういう提言をこの検討会でしま
しょうと、その趣旨の報告書ですと私も捉えたのですが。
○宮川委員 精神論というか、望ましい姿として。
○名古屋座長 従来の安衛法の枠を少し超えて、GHSの本来の意義に変えていきましょうということで、
精神論をこれではいちばん大切にしましょうということになった。
○豊田委員 それをイメージ図として表現すると、参考の7-3(再配布)の資料になりますね。
○名古屋座長 そうですね。
○豊田委員 点線が実践になったというところが、いまの議論の部分ですね。
○橋本委員 いまの宮川委員の趣旨ですと、「事業者が」とか主語を入れたほうが、よりはっきりし
て良いのではないかと思います。
○名古屋座長 GHSの前にですね。
○橋本委員 事業者が有害を判断し、さらにその伝達をすると。そういう責任を持っているというこ
とを明確に書いたほうがよいのではないかと思います。
○豊田委員 いま議論されているところに関わるのが、イの次の●のところだと思うのです。「当面、
国は、すべての危険有害な化学物質の譲渡提供時の情報提供の確立を推進することとし、表示・MSDS
の交付対象物質を法令のリストに追加することについては・・・踏まえ」と。次の「情報提供制度の浸透
状況を踏まえつつ」というのが、今後導入するいま議論されているところのことをおっしゃっている
のですね。もう少しあとで言おうと思ったのですが、ここの情報提供制度において、制度とまで言い
切れるのかどうか、制度と言うと義務になりますね。ここの表現と絡むと思うのですが。
○名古屋座長 制度にするかどうかは別にしても、この委員会としては制度までしたいという話を盛
り込んだように思っていましたが。
○豊田委員 例えば、言葉では努力義務とかいう表現が使われたと思うのですが。だから、そこの点
をみなさんで共有しないといけないと思うのです。
○城内委員 主語を入れるかどうかというのは、分類を誰が行うかということだと思うのですが、情
報そのものの提供、ラベルとかMSDSについては、アの●の1番目に「譲渡提供者から譲渡提供先の」
と書いてあるのでそれでいいと思いますが、分類に関してはいろいろな情報を集めて事業者がやるの
ですが、国で決めた、特にEUで決めたものに従うということもあるわけです。そうすると、分類の主
体を無理やりここに入れるのはどうかなという気がします。日本では、国でやった分類もボランタリ
ーなものだからということで、事業者と入れてもいいかもしれませんが。
 別の観点で言うと、EUではたしか製造者と輸入業者が分類することになっていて、売る人がラベル
とかMSDSを作るというように言葉上分けていたと思います。日本では、それが一括して譲渡提供者に
なっているのかなと思っていますので、その辺の言葉の整理をしてから考えてもいいかなと。結論か
ら言うと、少しわからないかもしれないけれど、現状でもいいかなと思います。
○名古屋座長 橋本委員、事業者を入れなくても、いまのところこれでOKにしてよろしいですか。あ
とは、先ほど豊田委員が言われたところの「情報提供の制度の浸透」の「制度」のところが若干ある
のかなと。この委員会としてはどうなのかということで、いかがでしょうか。段階的に進めていくと
いうことが書かれているのだと思いますが。
○半田化学物質対策課長 これを受けて、私どもの次のアクションは、以前もご説明したように法律
に根拠を持った指針として危険有害性周知基準が作れたらいいなと考えております。先ほど豊田委員
からもご指摘がありましたが、16頁の7-3の点線になっている所を、きちんと根拠のある、法律に根
拠を持ったものにしていきたいと。いまは全く根拠なくやっておりますので、そのように少し堅めに
していくということで、そういう意味でよければ言ってよろしいのかなと。それがこれぐらいのもの
で制度化というのは言いすぎだとおっしゃるのであれば、また表現を考えるようにして、中身はそう
いうことで。
○豊田委員 先ほど、表示制度のところで制度がきついかもわからないから、省くと言っていました
ね。その釣り合いから言うと、ここでは、制度を使わずに、「情報伝達の確立・促進の浸透状況を踏
まえつつ」とか、いう表現にした方がよいと思います。
○半田化学物質対策課長 中身はこういう趣旨で、これを共有していただいているという理解でよろ
しいですか。
○豊田委員 7頁目の(1)も、「危険有害性情報の提供」は「伝達・活用」ですね。
○半田化学物質対策課長 はい。
○豊田委員 8頁のアも、先ほど言ったとおり「情報提供」は「伝達」とごちゃ混ぜになっています。
イの●は先ほど議論したとおりですね。ウの「事業場内で使用する容器への名称等」というのは、ど
ういうものを想定されているのでしょうか。「事業場内で使用する容器への名称等の表示」の「等」
というのは、どういうものを意図されて言われているのでしょうか。
○奥野安全専門官 通常は譲渡提供時のラベルが基本になるわけですが、代替手段を講じていくとい
うことで、名称とそれ以外の情報、それ以外の情報については場合によっては掲示などでもいいとい
うことになるのですが、表示される内容とした名称だけに限らないということで「等」を付けており
ます。
○豊田委員 代替措置のことを含めて、そういうことを書かれていると。
○奥野安全専門官 そうですね。
○豊田委員 このラベルというのは、GHSのラベルということだと思いますが、報告書では、「GHSラ
ベル」という言葉が出てこないのですが。議論の中では、GHS分類してこのラベルということは、ここ
の委員の方の中では共有していると思いますが、文書ではGHSのラベルというのが出て来なく、そうい
う表現でいいのか。初めて読んだ人は、たぶんわからないと思うのですが。
○橋本委員 同じ趣旨なのですが、アの1つ目の●で「GHS国連勧告が示すように」とあるのですが、
従来のMSDSの表示内容ではなくて、いわゆるGHS分類とか絵表示(ピクトグラム)とか、そういう情
報も広く使ってほしいという議論をずっとしてきたと思うので、豊田委員と同じ趣旨ですが、そうい
ったことをもう少し盛り込んだほうがいいのではないかと思うのです。
○名古屋座長 特に表示のところはですね。
○西委員 ウのいまの名称等のところは、私の記憶では、略称とかピクトグラムとか、そういうもの
を含めてと記憶しています。GHSのマークとか、ラベル要素を全部付けることに越したことはないのだ
けれど、重量を測ったら即移すとか、ごく短時間の仮置きするといったときには、事業場の中ではむ
しろ略語を使っているケースが多いのです。例えばABCと書くとか、そういう例も結構多いと思うので
す。それも許してあげないと、事業者は大変なのかなという気がします。
○豊田委員 西委員がおっしゃったのは、代替措置に含まれると私は理解しているのですが、それで
いい訳ですね。
○奥野安全専門官 名称に限らず、略称、記号番号などでもいいという議論もございました。ただ、
容器に表示するのが記号番号だけでいいというものではなくて、代替手段を含めてラベルの情報を伝
えるというのがもともとの目的と考えております。
○豊田委員 名称の略語とか、その容器中に何が入っているかというデータ表は、ちゃんと現地に常
置するということであればいいということになっていると理解しているのですが。
○奥野安全専門官 そうです。
○豊田委員 8頁の下から2行目に「パンフレット等」と書いてありますが、これは前から言っていた
と思いますが、ガイドラインを作ってあげないと、先ほどのタンクの略称などはいいのかどうかとか、
(GHSの事業場表示をいざ実施するとなると、)そういうことが絡んでくると思うのです。ですから、
(GHSの分類の基盤整備を行ったのと同様に、事業場表示の細かい運用ルール等を解説した)ガイドラ
インを作って、それを事業者に普及させ、講習会等で全国津々浦々に周知徹底しないと、事業場内表
示はうまく機能しないと思うのです。そういう意味で、ガイドラインを報告書に是非とも付け加えて
いただきたいと思います。
○宮川委員 そもそも表示対象物質で表示しなければいけないものというところで、「名称等」を表
示するという書き方がしてあったと思うのです。「名称等」の表示といった場合には、それと同じも
のを指していると見るのかどうなのか。使う場所によって、先ほどの通常のラベルとは違う代替措置
のことも含めてということにすると、同じような「名称等」の表示をしなければいけないといったと
きに、片方ではいま決まっている化学物質について行うラベル表示と同じものという意味になります
し、別のところでは代替措置も含めた表示ということになってしまうので、代替措置も含めるという
ことであれば、それがわかるように、表示対象物質についての文言と少し違う表現をしたほうがよろ
しいと思います。現行のラベル表示内容そのもののことを示すのであれば、同じ表現をしたほうがよ
ろしいと思います。
○豊田委員 そもそも、このウのタイトルなのですが、ここは本当はイの「譲渡提供時の情報伝達」
ということを受けると、事業場内における情報伝達(使用する容器への名称等の表示)とかにする方
がいいと思うのです。前の資料も、確かそういう表現をされているのではないかと思うのですが。
○名古屋座長 そこは確認してください。
○豊田委員 9頁目のオに、「普及のための仕組みの構築」を入れていただいたのは非常にありがたい
のですが、前から言っているとおり、先ほどの参考7-2の資料におけるイメージ図の通りGHS分類によ
り危険有害とされるすべての化学物質を対象とする場合、これが本当に機能するためには、GHSの普及
やMSDSの活用教育に関する仕組みの構築とセットで成立するものだと思うのです。そういう意味でこ
れを入れていただいたのですが、欲を言えば、この構築の範囲は非常に大きいと思うのです。ですか
ら、タイトルとしては「GHSの普及やMSDSの活用教育に関する仕組みの構築」としていただいて、こ
れをいちばん上に持っていって、その中に労働者教育の充実などもOne Of Themであるとして戴いた方
がよいと思います。それぐらい、オの項目は大きいのではないかと思いますので、できたらそういう
表現にしていただきたいと思います。
○名古屋座長 エの所、労働者の所を少し下げると。
○豊田委員 はい。労働者教育も、オの中に入れると。そのぐらいの重みがあるのではないかと思う
のです。
○名古屋座長 普及の仕組みの中に教育が入ってこないと駄目ですよということですね。そういう形
で組み替えてもらいましょう。
○豊田委員 もう1点、カにおける真ん中の「周知方法云々」というところですが、これも審議会の席
上で言ったと思いますが、周知するときにリスクコミュニケーションの観点から、「慎重に」という
言葉をどこかに入れていただいたほうがいいのではないかと思うのです。下手に変な周知の仕方をす
ると、かえって誤解を生みますし、そこはリスクコミュニケーションの観点から慎重に行うとして戴
ければと思います。
○名古屋座長 では、そこは。
○山本委員 9頁のエで、労働者教育の充実の文末が「望ましい」ということですが、前回の論議でも
ありましたように、1つの事業場で多様な形態の労働者が働いております。周知が大事だと思いますの
で、「望ましい」よりは「必要」とかそういう意味合いの文章のほうが、この趣旨に合っているので
はないかと思うのです。正社員と企業という関係ではそれがいいかもわかりませんが、いろいろ多層
化した現場を持っていますので、あらゆる人が安全配慮に対して参画できるという意味を出していた
だければと思います。
○金田様(市川委員代理) キの「労働衛生管理の推進」なのですが、前回のいちばん最後の文章の
「産業医による云々」が消されているわけですが、先ほど冒頭の概要の中にもありましたように、衛
生委員会が機能しているのかということもありますし、ここは産業医もきちんと活用していくという
ところを残すべきではないかと考えます。
○堀江委員 いまのところにも関係があるのですが、全体的にいまディスカッションしている(1)「危
険有害性情報の伝達と活用の促進」の中で、ア〜オまでは主にハザードの情報の話をしていると思う
のです。しかし、カとキはリスクアセスメントの結果について論じるべきところだと思うのです。先
ほど、概要のところでもご質問したのですが、本当に危険有害性情報はリスクアセスメントまで含ん
だ情報のことを言っているのか、それともハザードの情報に限定しているのかを明確にし直したほう
がいいのではないかと思いました。カやキは、リスクを見積もるための1つの伝統的にやられている作
業環境測定の結果を利用したリスクアセスメントの推進ということではないかと思うのです。
 ハザードの情報については現場に表示する、あるいはGHSについて教育すると。これはいいのですが、
それに基づいてリスクの見積りをした結果を、今後どのようにして事業場で活用していきますかとい
ったときに、ここで決定的に欠けているのが専門家をどのように活用するかというところだと思うの
です。先ほどのリスクコミュニケーションも、専門家がやらなければ間違うと思います。
 また、先ほどの衛生委員会でも、会議にかけてそこに専門家がいなければ何も出てこないと。対策
も出てこないと思いますので、そこは現場にいる専門家の名前を出していく必要があるのではないか
と思いますし、そういう議論をしておけば、あとのほうに出てくるリスクアセスメントに関する専門
家の要請、化学物質管理の専門家の要請といったところにもつながるのではないかと思います。
 ですから、カやキにおいて、現在ある労働衛生管理体制の中で誰にこれをさせようとしているのか
がもう少し具体的に見えないと、本当の意味での普及ができないのではないかという危惧があります。
○名古屋座長 わかりました。行政は、先ほど言ったように産業医に、あえてそこに書かなくてもそ
の中で読み切れるから入れないと言ったのだけれど、それをするためのレベルが高くなってくるから、
あえて入れたほうがいいということですよね。
○堀江委員 いま申し上げる中の1つはそれなのですが、まず全体的な枠組みが、「危険有害性情報」
という言葉を、リスクアセスメントを含んだ用語として使って適切かを明確にしたほうがいいと思い
ます。事務局というよりも、委員の先生方はどちらがよろしいでしょうか。私はハザード情報のこと
を言っているような気がします。
○宮川委員 いまの点について言えば、当然GHS・JISラベルに基づいた表示・MSDS記載は基本的には
ハザード情報なので、この8頁の記載ぶりでは当然ながらハザードを基本にしていると読めますし、そ
うでないと根本的に考え直さなければいけないと思います。
○福岡委員 まずハザード情報がちゃんと与えられていないと、事業者もリスク評価ができないわけ
です。リスク評価の場合は、作業ごとにリスクが変わってくるわけなので、リスクを評価する場合の
ベースとして、ハザード情報がちゃんと伝わっていないと先に進まない。そういう観点でハザード情
報をきちんと伝える。
 ハザード情報は、まず最初に誰がというところで、先ほどは輸入者と製造者とありました。これは
日本の法律でも、安衛法の前のほうにも、事業者責任の一部に「物の輸入者、製造者」というのが頭
にあった文があったと思います。そこから始まって、ハザード情報が伝わっていく。そして、事業者
の各段階で、どのような取扱作業をするかによってリスクが変わってくるわけで、それは事業者のと
ころでリスクアセスメントをして、評価して、対応していく。そのような手順の前提を、ここで押さ
えようとしていると。そのような読み方でいいのではないかと思います、ア〜オに関しては。
 だから、カ、キについては作業環境測定の結果ですが、キについては、たしか安全衛生委員会の調
査審議事項に挙げられていたと思いますが、書かれたことが実行されていないとしたら、いくら書き
足しても、現に衛生委員会でこういうことを議題にしようと書いてあることが実行されていないこと
を取り上げて、どうしようこうしようというのでは。書かれていることは実行されて、それでも足り
ないところをどうするかという議論に持っていかないと、話が前に進まないと思います。
 そういう意味でカの1つ目に、「現行規制では、作業環境測定の結果について・・・、知りたいと思
っても容易に確認できる仕組みとなっていない」というのも、これは正確なのかどうか。キの点と併
せると、カは正確ではないような気がするのですが、法律の文面と照らし合わせないと全然わからな
い話になってくるのですが。
○名古屋座長 そうすると、この中に評価をするのに誰を入れたらいいかという中で、現在国家試験
の資格を持った人が、判定する。現状ではどこを入れたらいいとお考えですか。
○堀江委員 私は、次の(2)が「合理的な管理の促進」になってしまっているので、ここにいく1つ前
の段階が必要ではないかと思いました。例えば、「化学物質管理に関するリスクアセスメントの推
進」というようなことを項目として起こして、化学物質管理のリスクアセスメントをどうやっていく
のかと。事業者がハザード情報をもらって、事業者がどのようにしてそれをアセスメントにつなげて
いくかの1つの方法として、確かに作業環境測定というのは活用すべきリスクの見積りの結果だと思い
ますので、それを論じる項があっていいと思いますし、作業環境測定以外のものについても、そちら
に移せるものがあればそこにまとめる。その次に、いまの(2)を(3)として、「合理的な」と言ってい
るのは、表現は難しいですが、現状の無駄を省くとか、ここで取り上げられている個人サンプリング、
あるいは広い意味でのリスクアセスメントの推進のために役立つインセンティブのようなことを、そ
こで述べるというのはいかがかなと思いました。
 無理をして危険有害情報の何々、あるいはそこに「等」を入れるという手もあるのかもしれません
が、ハザードとリスクというのは、いつも読む人が混乱しかねない情報なので、ここはきっちりと分
けて、ハザードとリスクを明確に分けた論じ方のほうが、リスクアセスメント全体の構造がわかるの
ではないかと思いました。
○名古屋座長 先生は、カのところに1つタイトルを入れて、評価を入れたほうがいいと。要するに、
(2)にいくまでの前段階として、カからキの辺りに、タイトルを入れたほうがいいということでしょう
か。
○堀江委員 「化学物質管理に関するリスクアセスメントの推進」といった文言はどうでしょうか。
○名古屋座長 この流れだと、やはり不十分ですか。段落がないと読みにくいですか。
○堀江委員 このタイトルが、「危険有害性情報」で始まっているので、カとキは納まらないと思う
のです。
○名古屋座長 それはどうしましょうか。
○半田化学物質対策課長 これはもともと抑制濃度等の撤廃の議論をしている中で、こういうものは
やる、こういうものはやめるという中で、この測定結果の周知は抑制濃度の撤廃と並べて入ってきた
ところでした。ご議論いただく中で、抑制濃度の撤廃は不可となりまして、この測定結果の周知のみ
が残りまして、測定結果あるいはそういったものを伝達することのみが出てきて、どうも座りが悪い
と。
 それで整理をしていく中で、情報伝達の括りの中で入れると、ちょうどいいということで、こちら
に入れたのですが、おっしゃるように、ハザードの話とリスクの話が渾然となっている部分がありま
す。今日ご意見を承りまして、私どものほうでも検討させていただきたいと思いますが、少なくとも
ア、イ、ウ、エ、オとカ、キは、区分したいと思います。
 カ、キを先ほどから何度も見ているのですが、(2)に直ちに入れるとすると、またあちらが立たず、
こちらが立たずになってしまうので、今日のところは先生方のご意見を拝聴いたしまして、検討させ
ていただきたいと思います。
○豊田委員 私も、そういう意味で訂正したいのですが。半田課長が言ったとおり、途中で周知方法
というのが入ってしまったために、混同したところがあります。それで、私も先ほどリスクコミュニ
ケーションという言葉を使いましたが、これは厳密にはハザードコミュニケーションということで理
解願いたいと思います。ですから、ハザードコミュニケーションということで区切ったほうがいいと
思います。
○名古屋座長 移すか段落を付けるかは、次回以降に検討しましょう。
 そうしましたら、9頁以降の「リスクに基づく合理的な管理の促進」の中で、皆さんにご意見をいた
だければということです。どうでしょうか。
○福岡委員 9頁の下から4行目です。これも先ほどの話では、リスク評価に基づくということなので
しょうか。
○名古屋座長 それはそうです。そこはいいです。
○半田化学物質対策課長 そこはちょっとどうかなと思っていまして。例えば11頁のエで、局排以外
の発散抑制方法の導入ということで、ここは言うなれば、これまではすべてCO基準で、「何をしなく
てはいけない、してはいけない」、もっと具体的に言いますと、「密閉設備、局所排気装置」という
のが、きちんと法令で定められていたところを、少し柔軟な対応に変えていこうという趣旨でした。
 そのときの考え方として、リスクをきちんとコントロールできるのであれば、どのような方法でも
いいのではないかという思想が根本にあるわけです。もちろんリスクをコントロールできればいいと
いうからには、リスクが低いことを確認できなければいけません。そういう意味ではリスク評価なの
ですが、いわゆる第28条の2のリスクアセスメントをやってから、どうのこうのという話とは違うの
です。
 ですから、ここを一括りにリスク評価に基づくとしてしまうと、エの考え方が、硬直的になってし
まわないかということを恐れるのです。よろしゅうございましょうか。
○橋本委員 「リスクに基づく」という言葉はとても大事な言葉で、私はこのとおりでいいと思うの
です。逆に言うと、ハザードに基づく管理というものがあったとします。ハザードがあるところは、
すべて同じような管理をしなさい。例えば作業環境管理というのは、ほぼそうなっていると思われる
のです。決まった頻度で必ずやらなければいけない。
 そういうことでなくて、リスクの大小に応じた合理的な判断で柔軟に管理をしましょうという意味
で、これは非常に大事な言葉でして、このままでいいと思います。
○名古屋座長 それではこのままにします。あとお気づきの点はございますか。
○豊田委員 9頁の線の引いてある「とともに、一定の高いレベルでの」とありますが、これはとても
高いことを要求されているような感じがします。ここで、一定の高いレベルを達成している事業場に
ついては、さらに一層高い水準でとなります。読んでいて、ものすごくハードルが高いような気もし
ますし、そういった意味で、9頁目の最後のところを「促進するとともに、リスクに基づく化学物質管
理を行っている事業場については、さらに一層高い水準での自主的な管理が行われることを促進する
ため」とか、そのぐらいの表現にしたほうがいいと思います。すでに高いレベルがあるのに、さらに
一層高いものを要求するわりには、いちばん最初に出てくるアは、「簡便なリスクアセスメント」で
すので、その辺がつながらないと思います。そういう意味では、できるだけそのような方向に向かっ
ているという事業者に関しては、インセンティブを与えるというほうがいいと思います。
○名古屋座長 ほかにございますか。
○城内委員 10頁のアの●に「より簡便なリスクアセスメント手法は、本来のリスクアセスメント」
とありますが、「本来のリスクアセスメント」というのは、どのような意味ですか。
○半田化学物質対策課長 「本来のリスクアセスメント」と言ってしまっていいのかどうかという疑
問があるのですが、一応リスクアセスメント指針の中では、作業環境測定、個人ばく露を測るように
なっていまして、そういった手間のかかることをお願いしています。そういったことが、本来のリス
クアセスメントなのかなと。それは書きづらいものですから、「そのような手間のかかるさまざまな
リスクアセスメントの手法に代えて」というぐらいのつもりで、これを入れていまして、そこをどの
ようにいうかで、「本来のリスクアセスメント」という言葉で逃げているわけですが、もう少しきち
んと書き下すべきでしょうか。
○宮川委員 もし説明の言葉を入れるとすると、「許容濃度等とばく露濃度の比較を行う本来の」と
か、「定量的なリスクアセスメント」とか、1フレーズ入れば、指針が想定しているもののほうだとい
うことはわかると思います。
○半田化学物質対策課長 わかりました。ヒントをいただきましたので、いずれにしてもこのままで
は足りないと思いますので、書き下す中で工夫してみます。
○城内委員 私がわからないのは、リスクアセスメントは危険有害な化学物質について全部やってく
ださいと言っているわけですね。だけれども、「本来の」という意味が、ある指標があるものだけを
見て言っているのだとすると、そこにものすごくギャップがあって、それはいちばん最初の会議のと
きに発言したと思うのですが、もともとリスクアセスメントはどのような方法でもいいから、やれる
ことがこれだけあるという中で、法規制対象物質はこのような方法があるというのでなければわから
ないと思うのに、発想として逆なので、そこを埋める文章を作らないと、矛盾が残る懸念があるので、
意地悪な質問をしました。
○橋本委員 イの所ですが、ここでは個人サンプラーによる測定を導入するということなのですが、
私はその前言として、個人サンプラーによる測定は今後広く使用されるべきで、奨励するということ
を盛り込んだらどうかと思うのです。
 先ほど「本来の手法」というところで、宮川委員が「許容濃度に基づくばく露測定の結果」とおっ
しゃったのですが、私もそれに賛成です。化学物質を扱う労働者が安全かどうかという基準は、ばく
露限界値であって、それを化学的に評価する方法というのは、個人ばく露測定であるというのは、世
界的に認められた方法であって、ある意味で日本はそれに対して遅れているのが現状です。「遅れて
いる」までは書かなくていいとは思うのですが、そのような意味で、個人ばく露測定は今後大いに奨
励されるものであるということを盛り込んだらどうかと思います。
○半田化学物質対策課長 ただいまのご指摘は大変よくわかるのですが、この素案を作るに当たり、
いろいろな方面と協議、意見交換をしています。そういった中で、私どもの認識では、いま橋本委員
がおっしゃったように、個人ばく露を測るというのが、最も確実な方法だと思っているのですが、多
くの方と意見交換する中では、必ずしもそのようなお考えの方ばかりではないということです。
 作業環境測定が確立して何十年も経っているので、これこそ優れているのだというお考えもござい
ます。そういう中で、いろいろ折り合いの付いたところが、個人サンプラー方式の導入に向かって検
討を始めましょうというところで、このことには、どなたも異存がなかったように思います。そうい
ったことで、このような書き方にしています。
 委員の先生方の総意から見ると、まだまだ足りないかもしれませんが、私ども、このあとこれを外
に出して、各方面と法令レベルで調整しなくてはいけませんので、そのことも考えますと、いまのと
ころこの辺りかなという感覚なのですが。
○豊田委員 私も半田課長の意見に近いのです。いろいろ聞いていますと、個人サンプラーの意図は
わかるのですが、作業実態に応じては、固定式の場合もいいところがあるようですし、それは個々の
作業実態に合わせて、事業者が選択できる余地を残しておく表現がいいと思います。
 それから、この項でいうと、「より簡易なリスクアセスメントの手法の導入」というのは、もとも
と自主的管理の促進の議論の中で出てきたと思います。ですから、どこかに化学物質管理の自主的管
理の促進ということを入れていただいたほうがいいと思います。例えばアのタイトルを「化学物質管
理の自主的管理の促進」として、サブタイトルに「より簡易なリスクアセスメントの手法の導入」と
してもいいのではないかと思います。
 1番目の●の「導入・普及」ですが、もう少ししつこく言うなら、「定着」を入れるべきかと思いま
す。
 そういった意味では、次の●の最後の行の「手法に対応できない事業場を対象に」の次に、「事業
者の自主的管理活動としてその導入を図る必要がある」という言葉を入れていただけたらいいのでは
ないかと思います。
 それから、冒頭に「インセンティブ」という言葉が出てくるのですが、この辺で具体的にコントロ
ール・バンディングというか、簡易なリスクアセスメントで、具体的にインセンティブがあれば、何
かそういう表現をここに入れていただけたら、読んだ人がわかりやすいのではないかと思います。
 先ほど申しました最後の●には、事業者が選択というのは、ここがわかりにくいのですが、事業者
が作業実態に応じて選択できるとわかりやすくしていただけたらと思います。
○橋本委員 先ほどの半田課長の話がありましたが、どう表現するかはある程度お任せせざるを得な
いと思うのですが、例えば韓国の実情などを聞きますと、30年ぐらい前の日本のやり方をコピーして、
作業環境測定を導入したということです。15年ぐらい前に個人ばく露測定に切り替えようという意見
が出てきて、法律を全部切り替えてしまったということです。ただ、場の測定も否定はしていなくて、
使うことはできるということです。ただ、個人ばく露測定が優先という法律になっているということ
です。
 だから、日本も10年、20年後を考えると、世界の潮流や合理性を考えて、個人ばく露測定がメイン
になっていく部分であって、場の測定ももちろんオプションとしてあっていいのですが、そのような
姿を目指すべきだと思うので、可能な範囲でそういった趣旨を入れていただければと思います。
○半田化学物質対策課長 わかりました。工夫してみます。
○名古屋座長 作業環境の測定も場の測定も、結局は目的は同じなのです。ただ、場では少しイレギ
ュラーする部分はあるし、個人ばく露もイレギュラーする部分はあります。それは補填して、両輪で
いくべきものであって、片方がいいという話ではないです。ただ、いまは片方しか動いていないけれ
ども、もう1つが、今度は導入するシステムを作っていって、両輪でうまく動かしていく形のほうが合
っていると思います。
 韓国は、多分にODAで日本のお金が投入されているから日本の測定が基準をいっていたのです。とこ
ろが、トップにいる人たちは留学をして、みんなアメリカに行ってきました。帰ってきてアメリカの
ものが導入されていると。国情が少し違っていて、要するに援助するときの主体がどこにあったか、
あとトップがどこに留学しているかです。昔は日本に留学していた方が多かったのですが、いまはア
メリカに留学して帰ってくると、ばく露という形になって、そこが少し違うかなと思います。
 いままでは片輪しかいっていなかったのですが、ここでは両輪を併用して、いいところを取って、
作業者がいちばんばく露しない方法に持っていくほうがいいと私は思っています。
○橋本委員 導入は両輪でいいと思います。ただ、最初に言ったばく露限界値というのは、もともと
安全性を判断する国際的な基準ですので、そこを考えると、個人ばく露測定というほうにいくのでは
ないかということです。
○名古屋座長 そのためには、測定者の技量が上がってこないと。
○橋本委員 それはあります。あと評価方法ですね。
○堀江委員 現場に暫くいたときのことをベースに申し上げます。産業医側の視点かもしれませんが、
作業環境測定を一生懸命やっていきますと、労働者のデータに還元しようとするときに非常に難しい
面があります。これは場の測定の話です。しかし、そこも無理ではありません。
 どのようなことをしているかというと、1人の労働者があちこちに行って作業をする、あるいは日に
よって違う所へ行くという方々をずっと追跡し、どこの現場にどのくらいいたか。そのときのB測定の
結果を全部時間ごとに加重して、足していけば、ばく露は出るので、そのようにやっていけば、1人の
ばく露濃度を場の測定側から導き出せると考え、それをやり始めた時期があります。
 実際にそれでシステムを作って、運用したのですが、そうしますと、かなり大変なマトリックスが
できるわけです。同じ部署の1人ずつの労働者が違う所に行って、違う濃度で何時間いてというのを、
全部計算して、最終的にその人がばく露した濃度を見て、それで本人の健康状態を評価して、そこで
初めて判断ができるわけです。
 従来、場の測定をやっていた頃に比べて何が違うかというと、人が減ってきて、しかも人が移動し
て、いろいろな方がそこに入ってくる。こうなったために、おそらく場の測定をそのまま突き進めて
いくことに、かなり煩雑さが出てきた。そこで個人ばく露測定のほうが、かえって合理的ではないか
と自然に考えつくのだろうと思うのです。
 ですから、例えばこの文脈を、私は(2)の最初にコントロール・バンディングが出てくるのは反対で、
きっちりとした1人ずつのばく露濃度をつかまえるために、いちばんいい方法は何かを一生懸命考えて
いくと、現在の場の測定の中で、そういう時間管理を付け加えたデータに落として、人のデータまで
持っていく換算が必要で、それをやるのだったら、もっと合理的な方法があって、それは個人にサン
プラーを付けておけばいいではないかと考えられないか、と書けないでしょうか。そうしたら、イを、
現在行われている作業環境測定の場の測定から、いちいち計算する、タイムスタディーをして、誰が
どこに何分いるということをやることに比べたら、イのほうが合理的だということで、このタイトル
にある合理的なリスクアセスメントができる。その測定がいちいち難しい場合には、アの最初の●に
あるような、コントロール・バンディングがあると。
 こういうリスクの見積りをする際には、誰に相談したらいいか。中に専門職を抱えるのか、アウト
ソースにするかはわかりませんが、その辺のことまで書かないと、いきなりアの最初の2つの●には、
専門的な人材がいない場合を書いてあるのですが、いる場合はどうするかということが書いていない
ので、それを先に書いて、次に専門家がいない場合とか、コントロール・バンディングという話に並
んでいけば、わかりやすいのではないかと思いました。
○宮川委員 いまの点について多少の違和感があるのは、個人個人の管理を最終的にしようというと
ころに重点を置いて考ええる場合と、とりあえず作業場を適切な条件に持っていくことに重点を置い
たときの考え方と、多少ニュアンスがずれるところがあります。いまの堀江先生の発言は、その前者
のほうで、最終的に労働者や一人ひとりの健康をきちんと見るところに重点を置いた考え方だと思う
のですが、全体の流れで見ると、個人の健康を守るため以前の、作業環境をいまの規制で適切に保っ
ているところを、より合理的にしようというところに、この答申の全体の目的は重点がかかっている
気がします。
 その面から見ると、リスクアセスメントのコントロール・バンディングが頭にあるために、リスク
アセスメントを中心に考えていくこととなり、個々の労働者のことも考えるほうにいってしまいがち
なのですが、イの個人サンプラーによるというところは、これは「個人サンプラーによる作業環境測
定の導入」ということなので、個人サンプラーによる作業環境測定も、そのあとの局排云々も、基本
的には、まず全体として場の管理のことに言及している部分だと思います。
 そうすると多少ニュアンスが違ってきて、私としては一人ひとりの労働者のリスクをアセスメント
するところを前面に出すとすると、いままでの議論と少し外れるのかなと思います。環境をきちんと
することからいうと、作業環境測定の改善方法としての個人サンプラーの導入というのが、現状程度
の書きぶりでも、トータルで見ると、後の局排の性能云々というところと並べて見て、全体としては
環境を合理的に保つためのことに相当力が入って書いているということで、それには一定の合理性が
あるかなと。そのような感じがしています。
 もしそこをはっきりさせるのであれば、リスクアセスメントというアの部分と、作業環境の測定の
部分あるいは局排部分と、3つそれぞれ違うところを目指しているような気がするので、分けて記載す
べきです。そこが分かれていなくて、ア、イ、ウ、エ、オでつながっているために、こちらのほうに
重点を置くべきではないかとか、順番を逆にするべきではないかとか、いろいろと意見が出てくるの
だと思うので、リスクアセスメント、作業環境測定、局排、コントロールするためのツールの話を全
体として3つぐらいに分けていただくと、すっきりして、個人サンプラーによる作業環境測定というの
が、それなりに落ち着きがあって見えるような気がするのです。
○豊田委員 宮川委員に賛成です。いままでの論点を見ていただいたら、そのとおりになっていると
思います。アがハザードコミュニケーションの伝達の促進、イが自主的化学物質管理の促進で、その
コントロール・バンディングなどの議論をしていたのです。ウでより柔軟な規制ということで、いま
出ているような個人サンプラー、局排となっていましたので、いま宮川委員がおっしゃるように、そ
ういった意味で私も言ったのですが、コントロール・バンディングというか、簡易なリスクというの
を「自主的化学物質管理の促進」というようなタイトルに焼き直して、分けて言わないと、いまのよ
うな意見が出てくると思うのです。
○名古屋座長 いちばん最初の提案理由の流れに沿ったほうがいいということですね。いまは骨子に
なっているから、文書で入れ込んできている部分があって。
○宮川委員 局排、リスクアセスメントという、トータルでリスクを管理するツール全体を議論して
いるのであって、リスクアセスメントを中心に議論しているのではないと。
○名古屋座長 それは概要案のところが、1、2、3の括りで、イとウが入ってしまいました。従来の括
りで括ってくれているほうが流れはよかったと思います。それをこのようにして、これで骨子をつい
ているから、いまのような議論が起こってくるのだと思います。だから、前の流れのほうがわかりや
すいということです。そうすると、(1)が流れとしてはわかりやすかったと思います。
 そうすると、リスク評価をすれば、当然抑制ノウハウ、そういう形のものはOKなのだけれども、リ
スクはそれに使うわけではなくて、もっと違うほかに使う部分であって、それからそれを使えば、規
制緩和できる流れだと。そこの案の位置づけを、今日は(2)に全部入れ込んでしまったために、そこの
議論が出てくるのではないかと思います。できたら最初に立ち返って検討してもらうと、流れはよく
なる気がします。
○橋本委員 イのタイトルが「個人サンプラーによる作業環境測定の導入」なのですが、いまの話を
伺っていて思ったのですが、我々以外の人がこの文書を読んだときに、作業環境測定というのは、下
のほうでは「A測定・B測定」と書いてあるのですが、普通に読む人は作業環境測定というのは場の測
定、すなわちA・B測定のことという概念が出来上がっていると思うので、個人サンプラーによる作業
環境測定というのは何なのだという混乱を招くと思うのです。
 事務局では、第65条などを変えないつもりで、その中に個人ばく露測定を入れるという趣旨だと理
解しているのですが、読む人の混乱を招かないように、説明が要るのではないかと思います。
○名古屋座長 これは行政やほかのところでお願いしているのですが、個人サンプラーによる測定は2
通りあって、作業管理を目的としたガイドラインのような測定と、個人サンプラーを使って作業環境
管理を行う測定があり、今議論にあがっているのは
作業環境管理を目的としたばく露濃度測定だと思います。「個人ばく露濃度」が付いたときは測定時
間が8時間で、「ばく露濃度」は、個人サンプラーを使った曝露濃度測定のことで、その測定目的が違
います。屋外ガイドラインの測定は、作業管理以外に、改善の確認のための測定にも応用出来ます。
だから、あくまでも「個人ばく露」なのか、「ばく露」なのかということで、測定法は違うのだけれ
ども、個人サンプラーを付ける測定と同じと思われている節がありますので、そこはこれからちゃん
と分けて議論及び記述していかないと誤解すると思います。
 ここで書く個人サンプラーはあくまでも8時間測定を行う個人ばく露濃度の評価です。我々が思っ
ているのは、環境改善を評価するするための個人ばく露濃度測定ではなくて、個人サンプラーを付け
た曝露濃度測定をしたほうが、改善対策に役立つと思っている部分があって、その辺の使い分けをき
ちんとしておかないと、間違える部分はあるかなと思いました。ここで意識されているのは、個人ば
く露濃度測定だと思います。
○城内委員 イについてです。作業環境測定法を作ったときに、A測定で、B測定は後で付け加わった
わけです。これこれのために日本では作業環境測定法でこのような測定をするという理由がありまし
た。それとここで言っている理由で、これだから個人サンプラーを導入したいという理由が乖離して
いるような気がします。
 乖離というのは、作業環境測定法を作るときの理由というのは、できるだけ個人サンプラーによる
測定には触れないでやってきたわけです。それで、いきなりこれが出てきて、8時間加重平均濃度で評
価すると、健康影響が生じないレベルであるから、ここに乖離があるから、こういう測定法を入れる
べきだというのは、作業環境測定をしている人がこれを読んだときに、一体これは何だと思うと思う
のです。それは行政が逃げてきたところなので、仕様がないかなという気がしますが、少なくともA測
定、B測定と比べるのだったら、8時間加重平均濃度ではなくて、例えばアクションレベルと入れると
か、そのような親切があってもいいかなと思うのです。難しいとは思いますが、個人サンプラーを導
入するなら、それなりの文書を書かないと、いま携わっている人たちが混乱すると感じました。
○名古屋座長 ただ、個人サンプラーだと、1人の作業者について、その人の濃度を測定して許容濃度
と比較する、それは作業環境管理になりません。あくまでも、作業環境管理に個人サンプラーを用い
るなら、数人の作業者から得られた測定結果を統計処理して、その中でいずれかの評価法により評価
する必要があります。個人サンプラーの使い方というのは作業者に装着するだけで結果が得られるの
で一見簡単に思えるのですが、奥が深く幅広いのに、ただ単に個人サンプラーを用いて測定するとい
う形で書かれているから誤解を招くのであって、本来はもっと奥の深いものなのです。そのことを認
識してもらえるとありがたいと思います。
 だからそういったところから考えると、日本は意外と個人サンプラーによる評価方法は確立してい
ないから、使い切れていない部分があるということです。ただ単に、個人ばく露を8時間測って、許容
濃度を測ることが、個人サンプラーのばく露濃度測定だと思われている方はたくさんいるけれども、
それは対策にも結び付きません。それは、単にその日に作業者がどのくらいばく露したかを知るため
の手段でしかなくて、それは何に使えるかといったら、次の日に使えるかといったら使えません。そ
の辺については、個人サンプラーの扱いをきちんとしておいたほうがいいかと思います。
○半田化学物質対策課長 正直に申し上げまして、この部分は部内あるいは関係者の間でも、まだ事
務的にも収斂していないところで、このようになっているわけです。いまのお話を伺っていますと、
最低限言えることは、これまでの場の測定での効能もあるけれども、限界もある。そういう中で、少
し個人サンプラーを活用したような測定の検討に道を開く。このくらいなのでしょうか。
○豊田委員 道を開くというより、先ほど名古屋先生がおっしゃったことで、固定式だけでは足りな
いところを補うよさもあるという形で、付け加えるというか。そうするとより精度が高まるというか、
現場の実態が把握できるとかのようないい方はできないのでしょうか。
○半田化学物質対策課長 そのように書いてしまうと、多くの方が、場の測定の上にこれをやらなけ
ればいけないのかと。
○豊田委員 そこは但し書で、これは選択ですと。
○半田化学物質対策課長 いまのような趣旨のことを、骨子ではなく丁寧に書き下して、また先生方
に見ていただくようにします。
○名古屋座長 あと(2)のところで。
○豊田委員 発散抑制の文章全体ですが、こういうものを今後は認めましょうといって、ただし、そ
れをやるには相当の歯止めがかかると12頁目には書いています。これを読んで事業者側としたら、こ
ういうものが認められたら頑張ってやってみようかという気にはならないのではないかと思います。
 この前も言いましたように、こういうこと進める場合、大半の関係者が、あればよいと思う対策上
の共通的な技術要素があると思います。このような業界に非常に貢献する共通技術的要素については、
行政主導で補助して、ある程度の技術開発のところまでは推進してあげるという意気込みも織り込ん
でいただけないかなと。そうすると、もう少し業界も元気が出るのではないかと思います。(技術開
発から本格装備まで、)全部自前でチェックをしなければならないとなると、事業者も尻込みすると
思います。
○名古屋座長 こういうものを入れたときに、職場などで使うと、短期間で劣化があって困るからと
いうことがあって、かなり安全的なものが盛り込まれています。
 ただ、ここの思想は、こういうものはいままでは入れられなかったけれども、入れられる形にしま
しょうと。そのときには、必ず安全は確保しなければいけないから、それを入れて、これだけのこと
をやったときのリスクと、入れないでやったときのリスクを考えたときに、事業主さんが、こういう
ものを入れたほうが、経費として安くて運用できるから、こちらを取りましょうということの道を開
くことで、入れているのではないかと思います。いままではそれもできなかったものを、少し弾力的
に運用できる形で入れましょう。ただ入れなさいとしてしまうと、安全が担保できないから、このよ
うな書きぶりになっているのではないかと思います。趣旨としては、導入したいということだと理解
して進めていますが。
○豊田委員 もう少し行政の後押しがいただけたらと思います。
○半田化学物質対策課長 11頁のエで、これまでの説明が少し足りなかったと思いまして、1番目の●
の部分を少し明確に書き込んだつもりです。
 これまでどちらかというと、2番目の●ですが、新たな発散抑制措置、技術開発が阻まれるという言
い方が多かったわけです。もちろんそのような部分もありますが、もう1つの考えは、今回書き込んで
いる1番目のほうです。全く新しい技術でなく、従来の技術であっても、そこで衛生工学衛生管理者も
おられれば、コンサルタントもおられて、そういった方が創意工夫をする中で、レイアウトを変えた
り、いろいろなことをする中で、局所排気装置のようなものであって、正確に法令でいう局所排気装
置でなく、局所排気装置のようなものでも、十分にコントロールすることができる。そのようなこと
もあるのだと思うのです。
 これまでの仕組みでは、そういった専門家が創意工夫をして、何かを達成するという余地がない。
これは何十年と衛生管理者の皆さん、コンサルタントの皆さんとお付き合いしている中で、ずっと言
われていたことでして、その部分を何とか。そういう専門性のないところは、法令どおりにやってい
ただきますが、専門家がおられて、やれるところは、専門家がいたなりのメリットがあるような仕組
みにしていきたい。そういう気持もございました。そこの部分のご説明が過去の議論の中で足りなか
ったかなと思いまして、1番目の●を入れました。説明を補足させていただきたいと存じます。
○堀江委員 いま課長から、労働衛生コンサルタントという言葉も出てきました。難しいかもしれま
せんが、ある程度労働衛生コンサルタントにコンサルトして、こういった方法でもいいだろうとなっ
た場合に、その人の名前を記載した上で、代替案でやらせる仕組みを作ることは難しいでしょうか。
労働衛生コンサルタントにある程度責任を負わせて、法定以外のリスク軽減対策についても許可する
制度を作ることは難しいでしょうか。そういうことを書き込んだら、言いすぎになりますか。
○半田化学物質対策課長 個人的にはそのようなことも書き込みたいと思っていますが、これまで何
十年もやってきた規制の現状からしますと、そこまでは一気には難しいかと思います。常々申し上げ
ていますように、本来なら、ばく露レベルを一定管理することだけを求めて、やり方は各事業所及び
その専門家にお任せするというのが、いまどきの姿かなと思っていますが、現状との間にあまりにも
ギャップがありますので、まず最初の一歩としては、それ以外の方法を、個別にチェックした上で認
めるというところからかと思っています。
 いま堀江先生のおっしゃっていました専門家、労働衛生コンサルタント、衛生管理者、産業医等、
そういった専門家が責任をもってやることはあり得ると思いますが、いずれにしましても、安全衛生
法体系の中では、いまのところすべての措置は事業者の責任ということでやっていますので、専門家
のお名前を書いて、そちらに権限を委譲するという話になると、また大変な話になってきますので、
今回はあくまでも事業者が専門家を活用しながら、少し弾力的な取組みで、従来の規制の枠の外に出
るような取組みをしても、結果さえ出ればいいという道筋を作りたいと考えています。
○堀江委員 産業医の場合を考えてみますと、事業者の費用で健康診断を実施した結果をいただいて、
それに対して医学的見地から判断をして、事業者責任の範囲内ではありますが、一定の責任をもった
判断をして、事業者がその中で必要な就業上の措置等を実施していくという体系があります。
 ですから、前回も申し上げたと思いますが、作業環境測定あるいは個人サンプラーによる測定に基
づいた作業環境の評価の結果も、何らかの専門職が、こういった事後措置を取ったほうがいいという
コメントを出す仕組みは、なるべく作っていくべきではないかと思っています。
 健康診断については、1972年の安全衛生法ができて、実際に事後措置ができたのは24年後の1996
年なのですが、作業環境測定についても時間はかかるかもしれませんが、そちらの方向にいくことが、
場の管理と人の管理の両方が同じような体系で、関連づけて整理できる方向性ではないかと思います。
 もう1つです。今日の資料3頁の?Cに書いていただいた件です。特殊健康診断との関係を、何とかイ
ンセンティブに盛り込めないかと従来から考えています。それは現場にいまして、作業環境測定をす
るのも必要でしょうし、健康診断をするのも必要でしょうし、あれもこれも必要なのですが、当然限
られた資源を使っていかなければなりません。そのために最も効果的なものは何かと考えたときに、
場合によっては闇雲に特殊健康診断を実施していくことではなく、リスクに応じて、必要なリスク低
減対策のほうに資源を回すことは、当然の成り行きだと思いますので、まとめる度にそういったこと
が文書から欠落をしていくことを残念に思っています。それはいろいろな調整等の結果だろうと思う
のですが、私の個人的な気持としては、これは是非入れていただきたいということです。
○半田化学物質対策課長 ただいまの部分は、こちらからのご説明が足りなくて申し訳なく思ってい
ます。ただ、いまご指摘のあったとおりで、この部分に関しては、役所の中の仕組みというのも何な
のですが、衛生課においては、健康診断のあり方について検討を進めているところですので、そこの
検討に何かの枠組みをはめてしまうことを私どものほうでするのは、あまり適当ではありませんので、
そういうことで今回の報告書に明記することは控えさせていただきたいと思います。
 ただ、そういうご指摘がありましたことは、きちんと衛生課の担当部署に伝えていますので、今後
私どもも可能な範囲でフォローしていくようにしますので、そういうことでご承知願いたいと思いま
す。
 なお、こういった先生のご発言がありましたことは全部記録に残っていまして、公的にもオープン
になっていますので、そういうご発言があったことはきちんと残っていくようになっています。そう
いうことでご承知いただければ、ありがたいと思います。
○名古屋座長 改善して名前を付けるとかでなくても、リスク評価をちゃんとすれば、リスクがOKだ
ったら別段代替品を書いてもいいわけですから、そこが具体的に整えばうまく進むのではないかと思
います。
 最後の(3)(4)を進めて、また時間があるようでしたら、質問を受けます。お気づきの点はあります
か。
○橋本委員 (3)の化学物質管理を担う専門人材というのは、リスクアセスメント指針では「化学物質
管理者」という名前が出ていたのですが、それをイメージしているのですか。
○半田化学物質対策課長 ここはむしろ先生方のご意見を承りまして、今後検討していきたいと思っ
ています。今回のあり方検討会の中では、直ちにこういうものをという結論をいただく時間は、今月
の29日を一応の取りまとめの時期に予定していますが、その間にご議論いただくのは難しいかなと思
っていますので、先生方のいろいろなご意見を拝聴したいと思っています。
 ただ、これに関しては前々回だったかと思いますが、福岡委員から同種のご質問をいただきまして、
お答えしたところです。従来の「何とか管理者」とか、「何とか士」だとか、そのような資格に拘わ
らないで、本当にこういうことができる人、例えていうならコンピテンシーという言葉でよろしゅう
ございましょうか、スキルとまた少し違うのですが、つまり、こういうことができる人という形で、
書いていったほうがいいのかなと。何々という資格のようにして書いてしまうと、資格を持つことに
インセンティブが働くというか、そのような方がたくさんおられることを、30年近い労働行政の経験
の中で感じていまして、肩書を持っていればいいという話ではなくて、本当に能力を持った人がいる
べきであると。そのような気持ですので、何々管理者だとか、何々測定士だとか、そういった肩書で
定めたくないという気持がございます。むしろこの辺は先生方のいろいろなご意見をちょうだいした
いと存じます。
○福岡委員 私も大まかには、いまおっしゃったとおりでいいと思います。ただ、例えばリスクアセ
スメント担当者養成研修というものがあります。これは通達の中に出ていると思います。それには、
この科目について教育しなさいと。それを勉強したら、その人は担当者とする。別に法的な資格にな
るわけではないのですが、そのように、少なくとも指針に書かれている化学物質管理者には、どの程
度の、どのような内容をわかってほしいのだと、教育のカリキュラムというか、そのようなことを提
示するのも1つの手立てかもしれません。
 いまのところ、管理する能力がある者という漠然とした表現なので、どのようなことがあったらそ
うなるのかを、もっと具体的に示したものがあってもいいと思います。あるいは通達というレベルで
もいいかもしれませんが、そういうものがあれば事業所のほうも、人材育成するにしても、このよう
な勉強をすればいいということがわかって、一歩前進につながるのではないかと思います。
○豊田委員 本報告書に提案されているいろいろなことをやるには、GHSの普及とMSDSデータの活用、
教育とかについて、まだ普及、浸透の足りない分野、業種にいかに広め、定着していくかということ
があります。それから、簡易なリスクアセスメントをいかに普及、定着するか。これらを推進してい
く意味ではリスク評価者のような人材も必要なのかなと思います。
 この4行は漠然と書いていますが、具体的に何を狙っていくかといいますと、上記のような2点に関
するインフラ基盤整備ではないかと思うのです。そういったことをどのように、行政当局と事業者が
連携して推進していくのか、中小ではそのようなものが持てないなら、外部の専門機関をどうやって
活用するか。もう少し突っ込んで書いたほうがいいのではないかという気はします。
○西委員 (4)の上から3つ目の●ですが、これは先ほど福岡先生のおっしゃった7頁の(4)とも関連す
るのですが、厨房と鉄鋼業におけるCOセンサーは結び付かないと思うのです。先ほど私が申し上げた
ように、セグメントの違うものに対する対策をどうするのかをもう一度整理して、まとめていただけ
ればいいかと思います。
○名古屋座長 わかりました。外部専門機関の育成という中で、名称は付けないとしても、いままで
のMSDSとかGHSはいままで教育されたところのものとは違った位置づけで、これを踏まえて新しく何
を教えたらいいかを新しくいかれれば、うまくいくのかなと思いますが、その辺はこれからだと思い
ます。
○豊田委員 改正化審法においても、今回、ハザードベースから、リスクベースに大きく舵を切りま
した。本改正法においても、各事業場でリスク評価者が潤沢にいるかというと、そうではありません。
それをどのように養成していくかという検討会が経産省主催でありましたが、具体的な方策に至って
いないのが実情です。本リスクを推進するにしても、同様にこれから、それを考えねばならないと思
います。
○名古屋座長 せっかくこれだけ普及し、まだ普及させようというところですから、過去を踏まえな
がら、どのような教育をしていくか、そういうものに対して進めていければという形かと思います。
ほかにはよろしいですか。
○橋本委員 人材のところですが、いまある化学物質管理者、それは1日か2日の講習でなれるから入
門的な資格だと思うのですが、そういう方もあってもいいし、あるいはコントロール・バンディング
とか、個人ばく露測定となっていくと、より高度な人材は必要になってくると思います。ただ、いま
までの資格者とは必ずしもイコールでない。要するに、リスクアセスメントを専門的に行っていける
コンピテンシーを持った人材、そういうところまで見た、今後の育成が必要だという趣旨だと思うの
で、その辺をわかるようにしていただければいいのではないかと思います。
○名古屋座長 測定士でも誰でもいいわけですね。そういう資格を持って、目標になるもう少し高い
位置のものを作りましょうと。
○橋本委員 測定士の方がいろいろ研修してなっていくというのは、1つのいいルートだと思うのです。
それだったら、そのような趣旨を入れていただいたらと思います。
○名古屋座長 ほかはよろしいですか。本日は骨子について議論をやってまいりましたが、次回以降、
たぶん最後になると思いますが、繰り返してみて、ほかに付け加えておく点がありましたら、お願い
します。
○豊田委員 資料7-2に戻ると、相当これは変えなければいけないのではないかと思います。今日はも
う時間がないので、事務局で見直し案を提示願いたいと思います。
○名古屋座長 先ほど言ったように、いちばん最初の思想に戻って組み替えてもらうというのと、今
日議論したことを入れてもらえるとありがたいということです。あとはよろしいですか。
○福岡委員 12頁の一酸化炭素中毒の関係で、つい先立って家庭用の瞬間湯沸かし器の件で、メーカ
ーの責任が問われた事例がありました。あれを見ていると、燃焼装置を業者が販売した場合、それに
一酸化炭素中毒を防止するための安全装置が仕組んであるときに、ユーザーが守ってくれなければい
けないのですが、ユーザーの都合で安全装置を外してほしいといった場合に、メーカー側にも、ユー
ザーの両方とも、危ないということを認識するような仕組みができていなかったことがあると思うの
です。
 ここに出ている厨房とか内燃機関のときにそのような設備があると、中毒の危険があるから、それ
なりの対応をさせているはずなのですが、それが守られていないことについて、マシンの提供側とユ
ーザー側との間で、防止するための手立てがあってもいいのではないかと。そのような感じがするわ
けです。しかも、厨房や内燃機関などで起こる事故の場合は、事業者自身も、自分たちは化学物質を
扱っているという意識はないだろうと。そういうところについては、どうやって防ぐかという話にな
ってくると、それ以外の化学物質とかなり扱いが、対象範囲が広いですし、少し違った場で議論する
必要があるかなという感じもあります。
○名古屋座長 先ほどの、守備範囲をどうするかと併せて、そこもまた書いていただきたいと思いま
す。よろしいですか。多岐にわたりましてご議論ありがとうございました。今後の予定の説明をお願
いします。
○奥野安全専門官 次回、第8回検討会を6月29日(火)の14時〜17時に、経済産業省別館1111号
室で開催したいと考えています。前回お知らせしました日時、場所から変更していまして、ご迷惑を
おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
○半田化学物質対策課長 私どもの事務的なことで、1回抜けてしまいまして申し訳ございません。次
回がとりあえずの取りまとめをお願いすることで考えています。場合によって、その中に残りました
案件については、引き続きご検討をお願いすることも考えていますが、とりあえず次回で一まとめと
させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
○名古屋座長 第7回職場における化学物質管理の今後のあり方に関する検討会を閉会します。どうも
ありがとうございました。


(了)
<厚生労働省>

労働基準局安全衛生部 化学物質対策課 奥野

〒100−8916
東京都千代田区霞が関1−2−2

TEL: 03-5253-1111(内線5516)
FAX: 03-3502-1598

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