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2014年7月7日 第1回ストレスチェック項目等に関する専門検討会 議事録

労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室

○日時

7月7日(月)15:30〜17:30


○場所

中央合同庁舎第4号館共用108会議室


○出席者

検討会参集者(50音順、敬称略)

相澤 好治 岩崎 明夫 川上 憲人
黒木 宣夫 下光 輝一 中村 純
南 良武 諸岡 信裕 渡辺 洋一郎

厚生労働省

半田 有通 (安全衛生部長) 泉 陽子 (労働衛生課長)
井上 仁 (産業保健支援室長) 伊藤 秀一 (産業保健支援室長補佐)
寺島 友子 (中央労働衛生専門官)

○議題

(1)ストレスチェックの項目、ストレスチェックの結果の評価等
(2)その他

○議事

○伊藤産業保健支援室長補佐 本日は大変お忙しい中御参集をいただきまして、まことにありがとうございます。定刻より若干早うございますが、皆様おそろいでございますので、ただいまより第1回「ストレスチェック項目等に関する専門検討会」を開催いたします。

 カメラ等の撮影はここで終了をお願いいたします。

(報道関係者退室)

○伊藤産業保健支援室長補佐 それでは、初めに、厚生労働省安全衛生部長、半田から御挨拶を申し上げます。

○半田安全衛生部長 本日は先生方お忙しい中この検討会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。また、日ごろより、私ども労働安全衛生行政の推進に対しまして、御理解、御協力をいただいておりますことに、改めて厚くお礼を申し上げます。

 さて、既に御承知のとおりと存じますけれども、労働安全衛生法の一部を改正する法律でございますが、6月19日に可決成立いたしまして、25日に公布されたところでございます。この改正の内容には、ストレスチェック制度の創設のほかに化学物質管理制度のあり方ですとか、受動喫煙防止対策、重大な労働災害を繰り返す企業への対応といったことも含まれておりまして、多岐にわたるものでございます。8年ぶりの大改正と言ってよろしいかと思います。

 中でもストレスチェック制度の創設に関しましては、労働者のストレスへの気づきを促すということ。それから、原因となっている職場環境の改善につなげるということによって、労働者がメンタルヘルス不調に陥ることを未然に防止するという非常に重要な意味を持つものと考えてございます。

 このストレスチェック制度のもととなった労働政策審議会安全衛生分科会における平成2512月の建議がございます。ここにおいては、労働者のストレスの状況を把握するための検査の項目に関しましては、各事業場で既に行われている取り組みにも十分勘案する必要があるというようなこと、そういったことを十分勘案して、専門家の御意見もお聞きしながら、さらに中小規模事業場でも十分に取り組むことができるようなものとする必要があるだろうと、そういうことにも配慮した上で、国において標準的な項目を示すべきであるとされております。

 さらに、衆議院における附帯決議においても、検査項目につきましては、その信頼性、妥当性を十分に検討しまして、検査の実施が職場の混乱や労働者の不利益を招くことがないようにしなさいと、こういうことを言われてございます。こういった趣旨を踏まえまして、今回の検討会では、産業保健、精神分野といった専門の先生方にお集まりいただきまして、ストレスチェックとして適切な項目あるいはそのストレスチェックの結果の評価の仕方、制度の鍵となる事項につきまして、専門的な観点から御議論いただきたいと考えてございます。

 なお、この検討会での御意見は、この夏以降に予定してございますストレスチェック制度全体の運用方法に関する検討の場に反映させる予定としているところでございます。今回のストレスチェック制度は社会の関心が非常に高く、先生方には大変な御心労をおかけするかと存じますが、ぜひとも忌憚のない御意見を賜りまして、よりよいものをつくっていけるように御協力いただきたいと思ってございます。

 以上、お願い申し上げまして私の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤産業保健支援室長補佐 続きまして、出席者を御紹介いたします。

 資料1の裏側のほうに参集者名簿がございます。この名簿の順に紹介させていただきます。

 北里大学名誉教授の相澤先生です。

 産業医科大学作業関連疾患予防学講座非常勤助教の岩崎先生です。

 東京大学大学院精神保健学分野教授の川上先生です。

 東邦大学医学部精神神経医学講座教授の黒木先生です。

 東京医科大学医学部公衆衛生学名誉教授の下光先生です。

 日本精神神経学会理事の中村先生です。

 日本精神科病院協会常務理事の南先生です。

 茨城県医師会副会長の諸岡先生です。

 日本精神神経科診療所協会会長の渡辺先生です。

 次に、事務局のほうを紹介いたします。

 先ほど御挨拶申し上げました、安全衛生部長の半田です。

 労働衛生課長の泉です。

 産業保健支援室長の井上です。

 主任中央労働衛生専門官の濱本です。

 中央労働衛生専門官の寺島です。

 私、本日の司会を務めております産業保健支援室の伊藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、配付資料を確認させていただきます。

 議事次第を1枚めくっていただきまして、資料1、ストレスチェック項目等に関する専門検討会開催要綱。

 資料2、労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の概要。

 資料3「ストレスチェック制度の趣旨・目的について」。

 資料4「ストレスチェック制度に係る今後のスケジュール(案)」。

 資料5「本検討会の論点について(案)」。

 資料6「第1回検討会の論点について(案)」。

 資料7、職業性ストレス簡易調査票の項目を基にした調査研究書の提案内容。

 資料8、精神的健康に着目した職場リスクの評価方法の取り入れ等に関する調査研究報告書。

 資料9「ストレスチェックに関する主な研究経緯等」ということになります。

 あとファイルのほうに参考資料をつづってございます。

 参考資料1、労働安全衛生法の一部を改正する法律。

 参考資料2、労働安全衛生法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の抜粋です。

 参考資料3、労働の場におけるストレス及びその健康影響に関する調査研究報告書。

 参考資料4、職業性ストレス簡易調査票を用いたストレスの現状把握のためのマニュアル。

 参考資料5、健診におけるメンタルヘルスチェックから事後指導。

 参考資料6、ストレスに関連する症状・不調として確認することが適当な項目等に関する調査研究。

 参考資料7「ストレスに関連する症状不調の確認項目の試行的実施」。

 参考資料8、ストレスチェックが職場の産業保健に与える影響等に関する実証研究。

 参考資料9、労働者のメンタルヘルス不調の第一次予防の浸透手法に関する調査研究。

 参考資料10「『精神的健康に着目した職場のリスク評価手法の取り入れ等に関する事業』に係るデータ解析報告書」。

 これ以外に、本日机上配付として渡辺委員から資料を御提出いただいてございます。

 資料はございますでしょうか。

 それでは、次に、本検討会には座長を置くことになってございます。事務局といたしましては、座長は北里大学名誉教授の相澤先生にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○伊藤産業保健支援室長補佐 それでは、今後の議事進行につきましては、相澤先生にお願いいたします。

(相澤委員、座長席へ移動)

○相澤座長 それでは、相澤でございますが、座長を指名されましたので、この会が有意義になるように、皆さんの御尽力をよろしくお願い申し上げます。

 きょうは大変足元の悪い中おいでいただきまして、九州地方からもおいでいただきまして、ありがとうございました。

 それでは、議事1でございますけれども、配付資料を先ほど確認いたしましたが、その説明をお願いしたいと思います。

○井上産業保健支援室長 それでは、私のほうから資料を説明させていただきます。

 まず、資料1でございますけれども、これは開催要綱と参集者名簿ということで、今回9人の先生方にお集まりいただきまして、議論をしていただくということになっております。

 続きまして、既に御案内のこととは存じますが、今回、6月25日に公布されました改正労働安全衛生法におけますストレスチェックの制度につきまして、簡単に御説明したいと思います。

 まず、改正の趣旨・目的でございますけれども、資料3をごらんいただければと思います。これまで厚生労働省のほうでは、事業場におきます一〜三次の予防につきまして、総合的なメンタルヘルス対策を推進してきたところでございます。

○相澤座長 井上室長、騒音が聞こえますけれども、傍聴席、大丈夫ですか。聞こえますか。大丈夫そうですか。

 では、なるべく大きな声でお願いいたします。

○井上産業保健支援室長 今回の改正につきましては、特にメンタルヘルスの不調の未然防止、一次予防というところの対策を強化することを主な目的としております。労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するためには、労働者のストレスマネジメントの向上、それから、職場環境の把握と改善というのが非常に重要になっておると思います。このため、今回ストレスチェック及び面接指導というような制度を設けることとなったということでございます。

 制度の概要でございますけれども、資料2のほうにお戻りいただければと思います。

 まず、常時使用する労働者に対しまして、医師、保健師等によりますストレスチェックというものを実施する。心理的な負担の程度を把握するというようなことをまず行うということでございます。

 その結果につきましては、本人には通知されますけれども、事業者には本人の同意がなければ提供されないということになってございます。結果を通知されました労働者には、自分のストレスに気づいてセルフケアを促すというようなことになります。ストレスが高いと判断された方などにつきましては、申し出によりまして医師による面接指導を受けることができる。事業者はこの面接指導を実施しなければなりませんし、この指導の結果に基づきまして、医師の意見を聞いて必要に応じて作業の転換などの措置を講じることになります。

 このストレスチェックでございますけれども、労働者数50人未満の事業所におきましては、当分の間、努力義務ということで50人以上の義務づけということになっております。また、施行につきまして、来年、平成271225日までの施行日を今後定めることになってございます。その施行までの今後のスケジュールでございますけれども、資料4のほうをごらんいただきたいと思います。

 資料4につきましては、現時点でのスケジュールの案でございますけれども、1年半後の円滑な施行を目指しまして、ストレスチェック制度の運用につきまして検討を行い、省令、指針などを策定して、それをお示しするということで考えています。その内容につきましては、周知を図って関係者の研修を実施していくというようなスケジュールになってございます。

 詳細につきましては、まず7月中に3回程度、今回お集まりいただきました専門検討会を開催いたしまして、先ほど部長からもございましたけれども、制度の鍵となりますようなストレスチェックの項目などにつきまして御検討いただきたいと思っております。

 この後、8月下旬ごろから11月ごろまで、項目以外の事項も含めました制度の運用全般につきまして、この専門検討会とは別に2つの検討会を開催いたしまして、制度の運用の具体的な事項について御検討いただく予定にしております。

 1つの検討会としましては、ストレスチェックの面接指導の実施方法など、産業保健面を中心とした事項につきまして。それから、もう一つの検討会におきましては、同意の取得であるとか、不利益の取り扱い、情報提供など、人事労務面を中心とした事項につきまして、それぞれ関係者の方、専門家の方、そういった方々にお集まりいただきまして検討いただくという予定にしております。

 その後、労働政策審議会での議論を経まして、省令、指針等を年度内には策定をし、その後、周知徹底を図るというようなスケジュールの案でございます。また、ストレスチェックを実施していただきます医師、保健師等に対する研修につきましては、27年4月以降を予定しておりまして、そのテキスト等の準備につきましては、本年度内に実施するというスケジュールとなってございます。

 スケジュールについては以上でございます。

 続きまして、資料5でございます。本検討会での論点となる事項につきましてでございます。

 ストレスチェックの実施について、検討する必要のある専門的な事項としまして、ここに6点ほど挙げてございます。

 まず、1つ目としまして、ストレスチェックの実施方法について。

 2つ目としまして、ストレスチェックの項目について。

 3番目といたしまして、ストレスチェック結果の評価について。

 4番目といたしまして、ストレスチェックに含めることが不適当な項目について。

 5番目といたしまして、ストレスチェック項目と一般定期健康診断項目との関係について。

 6点目としまして、その他ということでストレスチェック効果に関する今後の評価の方法等についてということで6点挙げさせていただいております。いずれもストレスチェック制度の鍵となる事項であると考えております。

 これらの論点の項目の一部につきましては、ストレスチェックの項目であるとか、結果の評価などにつきましては、本専門検討会に先立ちまして、昨年度、国からの委託による調査研究を実施しております。その報告書を資料8のほうにつけさせていただいております。今回の専門検討会の先生方は、この調査研究のほうにも携わっていただきました方々に集まっていただきましたので、これを議論の土台として参照しつつ議論を深めていただければと考えております。

 報告書の中では、ストレスチェックを活用した職場環境改善の事例であるとか、諸外国における状況なども記載されております。報告書の内容につきましては、後ほど論点とともに記載の箇所を御紹介したいと思っております。

 また、続きまして、資料9は、ストレスチェックに関する主な研究の経緯やこれまでの調査報告などを記載したものでございます。ご覧いただければと思っております。

 あと、資料6と7でございますが、後ほどそれぞれ論点の御議論の前に御説明をいたしたいと思います。

 以上でございます。

○相澤座長 ありがとうございました。

 資料6と7以外の資料について御説明いただきましたが、委員の先生方から今までのところで何か御質問があったら、あるいは御意見があったらお願いいたします。よろしいでしょうか。

 それでは、具体的な議論に入らせていただきたいと思います。

 今回は、第1回目でございますので、先ほど資料5で説明がございました論点のうち、1〜3までについて意見交換をしていただきまして、ストレスチェック項目として適当な項目について意見集約を図っていきたいと考えております。

 最初がストレスチェックの方法についてでございますけれども、事務局から御説明をお願いいたします。

○井上産業保健支援室長 それでは、資料6の1ページ目をごらんいただきたいと思います。

 論点1としまして、ストレスチェックの実施方法についてということでございます。

 まず、基本的な考え方といたしまして、方向性がほぼ決まっております事項につきまして説明をしまして、その後、御議論いただきます具体的な論点というものを説明したいと思います。

 基本的な考え方でございますけれども、医師、保健師その他省令で定める者が実施するということでございます。ストレスチェック実施のための事務につきましては、実施者、先ほど言いました医師、保健師等でございますけれども、そういった方がみずから、またはほかの者に指示して実施することになろうかと思います。

 ストレスチェックにつきましては、1年以内ごとに1回以上定期に実施する。ストレスチェックにつきましては、質問紙法によることを基本といたしまして、面接による方法を必須とはしないということでございます。

 一般定期健診と同時に実施することは可能である。ただ、労働者に検査を受ける義務がないこと、それから、結果につきましては、本人に通知する。本人の同意なく事業者には通知できないということに留意する必要があろうかと思います。

 実施に当たっては、産業医が関与するとともに、事前に労働者に対し、目的や情報の取り扱いについて十分説明し、理解を得ることが望ましいと考えております。

 このストレスチェックの実施方法について、具体的な論点といたしまして、1つ目といたしまして、実施者の役割についてということがございます。実施者の役割というものは最低限、当該事業所におけるストレスチェックの企画及び評価等を行うこととしてはどうか。その場合、企画及び評価として具体的にどのような内容が想定されるのか。このあたりが1つの論点となろうかと思います。

 続きまして、ストレスチェックの結果、これは原票でございますけれども、そういったものは、実施者が一定期間、個人情報の保護及び秘密の保持に留意しつつ保管することが適当ではないか。実施者のほうで保管することが適当ではないかということでございます。

 もう一つの論点としまして、当該事業所における情報管理がなされ、実施者の役割が適切に果たされていれば、質問紙への回答をネット上のICTを活用して得ることも可能かどうか。可能な場合、必ず実施者が確認・評価する、そういった必要な事項というものが何かあるかどうか。このあたりが論点になってくるかと思ってございます。

 この実施方法についての2つ目でございますけれども、新たに定めますストレスチェック制度、ストレスチェック及び面接指導でございますけれども、こういった制度と事業所の総合的なメンタルヘルス対策との連携についてでございます。事業者につきましては、法に基づくストレスチェックの実施に当たりまして、これをその事業者における総合的なメンタルヘルス対策の一環として位置づけることが適当ではないかというようなこと。

 具体的には、ストレスチェックを受ける労働者に対しまして、セルフケアに関する情報提供や保健指導、ストレスチェック結果の集団的な分析に基づく職場改善の取り組み、職場改善に関する管理監督者向けの研修などを含めた総合的な対応を行うことが望ましいのではないか。

 これらの取り組みにつきましては、衛生委員会の中で調査・審議することが適当ではないかということでございます。このあたりがストレスチェックの実施方法についての論点と考えております。

 以上でございます。

○相澤座長 ありがとうございました。

 論点1のストレスチェックの実施方法についてということでございますけれども、基本的な考え方と具体的な論点、1つ、2つを挙げております。これについて御意見がありましたらお願いしたいと思います。

 それでは、実施者の基本的な考え方をまず。5つの●がありますけれども、医師、保健師その他省令で定める者が実施するということですね。1年以内ごとに1回以上、定期に実施する。

 質問紙法によることを基本として、面接による方法を必須とはしない。

 一般定期健診と同時に実施することは可能である。

 実施に当たっては、産業医が関与するとともに、事前に労働者に対して、その目的や情報の取り扱いについて十分説明し、理解を得ることが望ましいということでございます。この辺、いかがでしょうか。基本的な考え、非常に大事なところでございます。

 川上先生、よろしく。

○川上委員 論点の整理、ありがとうございました。論点なので事務局のほうで回答を持ってらっしゃらないかもしれませんが、一応どういう理由で書いたか教えていただきたいのですが、一番最後の産業医が関与するとともにというのはとても大事な点で、ぜひこのような形で整理ができればと思うのですが、法でいきますと、結果は本人に通知し、同意なく事業者には通知できないことになっている点で、産業医が事業者の安全配慮義務の代行者であるという形で、事業者と一体ではないかという視点もあって、そのあたりの法的な整理はどのようになっている、あるいは今後されるような予定になっていらっしゃいますでしょうか。

○相澤座長 井上室長、どうぞ。

○井上産業保健支援室長 この辺につきましては、情報の管理、このあたりをもう一度整理しなくてはならないと考えておりますし、あと、そのあたり、指針なりで示していければと考えております。

○川上委員 ありがとうございます。これができるとできないとでちょっと検討会への本腰の入れ方が変わるものですから、ぜひ入れる方向でお願いしたいと思います。

○相澤座長 下光委員、どうぞ。

○下光委員 実施者ということの定義ですけれども、ここでは医師、保健師その他省令で定めるものとなっております、大きな企業ですと、産業医が中心にないなってストレスチェックをやることができると思うのです。中小余り規模の大きくない事業所ですと外部委託になると思うのですが、そういうときは実施者というのは実施機関のことを言うのでしょうか。それとも、やはり実施する医師や保健師のことを言うのでしょうか。その場合は、産業医資格を持たない医師である可能性もありますが、例えば眼科とか、皮膚科とか、産業医の資格を持たない方でもいいというようなことになるのでしょうか。その辺、お聞かせいただければと思います。

○相澤座長 どうぞ。

○井上産業保健支援室長 このあたりは、一般の定期健康診断につきましても医師が行うということになっています。そのあたりと同じような考え方でございます。健康診断につきましても、産業医の関与が望ましいことは当然でございますので、そのあたりと考え方としては同じような考え方でおります。

○相澤座長 渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員 今のお二人の意見と似た話なのですけれども、端的にいいますと、産業医、その企業の嘱託産業医なり専属産業医が実施者になるということは、基本的には不可という考え方なのか、それとも産業医が実施してもいいということなのか、それとも、それを今から論議するということなのか、そこがまだ不明確なような気がしますが、いかがでしょうか。

○相澤座長 どうぞ。

○井上産業保健支援室長 産業医の方が実施することは望ましいと我々は考えております。ただ、産業医以外の医師が実施することを排除しないというようなことでございます。

○相澤座長 先ほどの川上先生のお話で、産業医が結果を持つことになりますから、いわゆる体の健診であると、産業医の持っている結果というのは企業のほうが見ることができますね。そのあたりとの整合性をどうするかというのがこれからの検討課題かと思います。

○井上産業保健支援室長 今も健診の生データであるとか、そういったものにつきましては産業保健スタッフのほうで、産業医のほうで持っていることは望ましいというようなことで示しておりますので、もう少しストレスチェックの情報については機微な情報でございますので、そのあたりにつきましては、どういうふうな情報管理をするかにつきましては、また検討していく必要があろうかと考えております。

○相澤座長 南委員、どうぞ。

○南委員 同じ項目ですけれども、実施者のほうですが、医師、保健師、その次ですけれども「その他の省令で定める者(以下『実施者』という。)」、この省令で定めるということは、今後の省令をつくっていく中で定めると思うのですけれども、どのようなもの、人たちを予定しているのでしょうか。

○井上産業保健支援室長 現在のところ、看護師、それから精神保健福祉士、こういった方が想定されているところでございまして、今後省令のほうで定めてまいるということになります。

○南委員 その際には、国家資格を持った看護師ということでよろしいのですか。准看護士はだめということですね。

○井上産業保健支援室長 そうですね。看護師、精神保健福祉士、そういった方に一定の研修を受けていただきまして、そういった方が実施するというようなことを想定しております。具体的には、また省令の段階で検討していくことになろうかと思います。

○南委員 今後のことになると思うのですが、現段階では難しいと思うのですけれども、話を少しよろしいですか。職種のことなのですけれども、臨床心理士の国家資格化ということで公認心理師が国会のほうに上がってきて、次期国会あたりで成立する可能性がかなり高いということなのですが、そういう人たちも視野に入れているのでしょうか。まだ資格化していないので難しいかもわからないですけれどもね。

○井上産業保健支援室長 まだ国家資格となっていないものですから、どのような方がそういった公認心理師の方になるかということもありますので、そのあたり、成立したあと検討していくことになろうかと思います。

○相澤座長 これから検討するべきところもあるようでございますけれども、今のところではそういうことでよろしいでしょうか。岩崎委員、どうぞ。

○岩崎委員 一番最後のところで、これも恐らく今後の行政の検討会のほうでの課題になるのかもしれませんけれども、ストレスチェック制度の労働者への理解を得るというのは非常に重要なことだと思うのですが、これは実施のときに個別に同意をとるような形態を推定されているのか、あるいは衛生委員会の調査審議というのが今後出てきますけれども、衛生委員会でこういう制度を事業所でやりますよという全体的な周知というか、理解でよろしいのか。何かございましたら。

○井上産業保健支援室長 今のところ個別に同意を得るのではないかと考えております。ただ、同意の得方につきましては、今後、検討会のほうでも検討していくということになろうかと思います。

○川上委員 私の理解が間違っていなければ、今のお話ですが、法で決まっているので、受けるときに労働者から同意を取る必要はないですね。その情報を事業者に渡すか渡さないかの同意の話をされたのでしょうか。

○井上産業保健支援室長 はい。

○相澤座長 ほかにはよろしいでしょうか。

 それでは、具体的な論点の1で、実施者の役割についてというところを御討議いただきたいと思います。実施者の役割は、最低限、当該事業者におけるストレスチェックの企画及び評価を行うこととしてはどうか。

 2番目が、ストレスチェックの結果は、実施者が、一定期間、個人情報の保護及び秘密の保持に留意して保管することが適当ではないか。

 3番目が、当該事業者における情報管理がなされ、実施者の役割が適切に果たされていれば、質問紙への回答をネット上などICTを活用していることも可能かどうかということでございます。これについてはいかがでしょうか。

 川上先生、どうぞ。

○川上委員 質問です。論点もきちんとまとめていただいてありがとうございます。おおむね賛成なのですが、2番目の原票の保管というのはどういう理由で保管することが適当でないかというような論点整理になっているか、もし理由があったら教えていただけたらと思います。単に健康診断等の記録を保管するのと同じようなラインでということでしょうか。それとも、特に理由があって保管をということでしょうか。

○井上産業保健支援室長 特に健診と一緒ということではなくて、今回につきましては、労働者の本人の同意がないと事業者に行かないということですので、このあたりの保管について、実施者が責任を持って保管する必要があるのではないかということでこういう論点にさせていただいております。

○相澤座長 わかりました。事業者ではなくて、実施者が保管するというところもありますね。

○川上委員 実施者がきちんと保管するということを担保せよということですね。わかりました。

○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。

 どうぞ。

○川上委員 先生、これは深掘をしなくていいのですか。例えばICTを活用するときにどんな条件が必要かとか、そういうのはやらなくてよろしいですか。申しわけありません。しゃべり過ぎかもしれません。

 意見だけ述べさせていただきます。1番上の実施者の役割で、企画、評価として具体的にどのような内容が想定されるかについては、実施者の役割としては、ストレスチェックをどの時期にどのような方法でどの項目でするかの企画をすることと、ストレスチェックを実施して、そのストレスチェックの結果の高ストレスを判断するというだけではなくて、ストレスチェック自体が事業者としてちゃんと回せているかどうかという、そういうPDCAサイクルの視点からも評価するようなことが必要ではないかと思います。

 3番目のICTを活用するというのは、既に先進的な事業所では行っておりますので、ぜひお認めいただくような方向で整理をしていただければと思いますが、ただ、2点確かに懸念はございまして、1つは、ネットへの回答がどのぐらいプライバシーが保てるかというシステム自体の守秘性の問題と、もう一つは、システムで集められた情報を誰が見ることができるかという点の、この2点について、やはり何らかの質を担保するとか、あるいは規定などをつくるとかといったようなことは求めていったほうがいいのではないかと思います。

○相澤座長 ネット上でやる場合は、セキュリティについてきちっとやるならばいいだろうという御意見だと思います。

 渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員 今のネット上云々の話なのですが、大前提にもつながるのですけれども、この制度自体は労働者の健康を守るためにというのが一番根本にあるので、やはり健康の管理、医療の分野の話だと思います。ネット上で下手にされると、健康の管理、健康のためにというような目的が少しわかりにくくなって、下手すると労務管理あるいは人事管理的なニュアンスで労働者に受け取られてしまう。そうすると、労働者がなかなか正直に回答しにくくなってしまうというおそれがあると思うのです。これは労働者の方が正直に回答してくれなければ全く意味がないので、そういった意味でいうと、労働者の方が正直に安心して回答できるようなシステムを考えなければいけないと思います。

 そういう意味で、ネットを使った場合には、これが医療の問題で、本人の健康のために行うということがきちっとわかるような仕組みにしないと全く意味のないものになってしまうという危惧を感じています。

○相澤座長 川上先生がおっしゃった、誰が見られるかということにも通じると思います。特に事業者が勝手にといいますか、自由に見られるということだとまずい。大変重要なことだと思います。ほかには何かお気づきの点がございませんでしょうか。一応、この委員会としてはネットを使っての回答もある程度制限つきで推進していいという考え方でよろしいでしょうか。反対の方はおられませんか。

 どうぞ。

○黒木委員 今のネットの話なのですけれども、これは例えば事業所の規模によってどういうふうなシステムを入れるかとか、あるいは全く小さなところがネットでやるという場合に、誰がどういうふうにそこの保存あるいは見るのかという、その辺のところがあると思います。

 だから、例えば大企業で今やっているところは、多分ネット上のものというのは産業保健担当者に限るということにされているのでそこはいいのですけれども、中小企業とかが外部に委託をしたり、そういった場合に誰を窓口にするのかとか、その辺のところはこれから詰めるということでよろしいでしょうか。

○井上産業保健支援室長 ネット上などでやるという場合の留意点につきましては、もしやることが可能ということでしたら、そのあたりにつきましては指針などで示してまいることにしたいと思います。

○泉労働衛生課長 ネット上のシステムでやる場合に、入力したら結果がぽんと返ってきてしまうシステムが組めるわけです。その場合に、実施者が企画評価をしたということを担保するには、どういう要素を実施者として行う必要があると考えればよろしいでしょうか。

○黒木委員 ウエブ上で例えばやった場合に、それが本人には、例えばこちらのほうでいろんな57項目で「心身のストレス反応」とか、その辺で点数を決めておきますので、そうすると、例えば上にいくとストレスがかかっているとかうつが強いとか、それが本人に自動的に返信される。我々のほうは、それを全体のデータを私どものところでは2人しか見られないのですけれども、その高い人だけに連絡をしてまず相談に来なさいということで現状はやっているのです。だから、パスワードもかけていますし、本人しか見られないということになっていますので、多分担保できるのではないかという気がします。

○泉労働衛生課長 セキュリティの問題とともに、自動的に結果が返ってしまって、それでおしまいということでは今回の制度の目的と違ってきますので、そういう意味で、実施者の役割というのをもう少しお聞きしたいのです。

○中村委員 もし可能であれば、システム上、職場全体の評価といいますか、職場全体のある特定のところが非常にストレスが高いとか、低いとかというコメントが産業医の先生なりができれば一次予防的に非常に有用だろうと思います。ですから、それは質問票をネットに限らず全てそういう活用をしていかないと、この法案としては全く意味がないのではないかと思います。

○相澤座長 泉課長が心配されているのは、労働者の人が回答をして、その点数が出てきますね。それを産業医が見る。それを見たという証拠を残したほうがいいということだと思うのですけれども、それはネット上でやっているところが随分ありますね。産業医が回答するというような形にすればよろしいですね。

 どうぞ。

○岩崎委員 システムで今やっているところというのは、現状では大きく2つのパターンがあると思うのですけれども、1つは、健康診断の問診票自体をネット化していて、そこでメンタルヘルスの症状項目、自覚症状などをチェックして、場合によっては一緒に面接に持っていくというようなやり方、この場合は、入力する労働者にとっては余りリアルタイム性はなくて、ほかの健診機関と同じぐらいの時期ですから、2週間〜1カ月ぐらいの間に戻ってくるという形。

 もう一つは、やはり独立したシステムをとって、そこだとチェックの項目を入れると、ピッとやるとその時点で評価が出て、あなたはストレスが高いので相談に行ったほうがいいですよとコメントもつくという大きく2つのパターンが既に先行企業ではあると思うのです。それをどちらのシステムが有効かなと思っておりまして、今のお話の中で評価が、研修のほうはもちろん産業医が見るわけですけれども、独立したシステムでもシステム管理者が見ますので、そういう意味では、産業医を設定すれば産業医が見られるということにはなりますけれども、今回の実施者の役割という点で申し上げれば、要するに、御本人が面接を希望するというトリガーがなければ、産業医が知ったとしてもアクションを起こせないという流れであれば、評価をしなければいけないというのにこだわる意味合いは余りないようにも感じておりまして、要するにシステムを組みますと、自動的なロジックで、あなたはこのポイントですからストレス高いですよ、面談を行ったほうがいいですよというところまでロジックを組めますので。

○黒木委員 先生、そこは例えば低くても、本人が面談を希望するという項目を入れておくとか、それはシステムの中に入れられると思うのです。

○岩崎委員 それがいいと思います。11項目であれば11項目に加えて面談を希望しますかというのを入れておくと、より確実かと思います。ですので、例えば「企画と評価」の評価の部分でいえば、産業医、医師が評価をしたときに、いわゆる一般的に先行企業では呼び出すということをやっていると思うのですけれども、面接を医師なり保健師のほうから声をかけて来ていただくということをやっていると思うのですけれども、それを制度としてどこまで可能にするのか、あるいはストレスチェックという制度の中でそれは難しいですよという形にするのかが1つのキーになってくるのかなと思います。

○黒木委員 なかなか例えば面接に呼び出すと、ウエブでみんなそのアドレスを持っているので、個別にやるのですけれども、そこで今大丈夫だという人はもちろんいるのですけれども、来ない人も結構いるのです。そういう人にどうアプローチするかというのは大きな課題で、そこは今、私のところの病院ですから、結構1,000人ぐらいいるので、衛生委員会なり執行部の会議で、そこをどういうふうにすればいいのかということを今議論している最中です。

○相澤座長 どうぞ。

○南委員 今ネットの話なのですけれども、その前にもう一回戻っていいですか。

 実施方法のところで、基本的な考え方の4つ目に書いてあるのですけれども、事業者にこのストレスチェックを行う義務があるということになっていると思うのですけれども、括弧の中に、労働者に、事業者にはストレスチェックを実施する義務があって、労働者に検査を受ける義務がないと書いてあるのですけれども、これは例えば単純に自分は受けたくないと思ったら受けなくてよろしいということでしょうか。

○井上産業保健支援室長 法律上も労働者が受ける義務がございませんので、どうしても受けたくないということでしたら受けなくてよいということです。

○南委員 そこで、そういう場合を想定して、私、ネットの話なのですけれども、そういうような事業所が行うストレスチェックは受けない。でも、自宅に帰ればネット上で既にこういうものはありますから、自分で操作的にやってみれば、大体どのぐらいのレベルになるというのはすぐわかりますので、多分に操作的に自分が判断して、高ストレスだからやめろとか、独自に本人の自己診断といいますか、そういうようなことで抜けていく人が出るのではないかなと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。

○黒木委員 それは質問紙票の限界ではないでしょうか。本人が意図的にやれば、それはどういうふうな結果がこうなろうと、それは避けることがこの質問票では無理だと思うのです。でも、ある程度の指標にはなると思うので、それをどう生かすかという方向に持っていけばいいのではないかと思います。

○南委員 そうしますと、続けてよろしいですか。その事業所が例えば健康診断の実施率などが、私の事業所なども病院ですけれども、100%しなさいと、義務があるので100%実施しているわけですけれども、このストレスチェックは何パーセントぐらい受けたとかというのは割と把握するわけですか。それによって指導ということも考えているのでしょうか。

○井上産業保健支援室長 ストレスチェックの実施の実績につきましては把握したいと思っていますけれども、それによって100%ではないから指導ということにはならないと思います。

○南委員 ありがとうございます。

○相澤座長 どうぞ。

○渡辺委員 後の論点2のストレスチェックの項目のところでお話しようと思っておるのですが、今までの議論では「ストレスチェックの結果」ということになっていますが、ストレス反応すなわち症状のチェックという部分と、ストレス因子のチェックの部分と分けておかなければいけないと思います。

 ストレス症状のほうのチェックということで考えれば、高得点の方に対して面談をする云々ということでいいと思うのですが、では、ストレス因子のほうのチェックに関してはどう対応するのかということを企画していかなければいけない。それが実施者の役割だろうと思います。

 症状のほうが高かった人は面談ということですけれども、面談を希望しなかった人に対してどう対応していくのかというのも実施者がきちんと企画しておかなければいけない。そういった責任を持った対応というのは企画ということになってくるのではないか。それは実施者が絶対やらなければいけないことだろうと思っております。

○相澤座長 どうぞ。

○諸岡委員 産業医の立場として、このストレスチェック制度というのは、本当に個人のストレスの度合いを見るというのは非常に大事だと思うのですけれども、これはマンツーマンの個人的なメンタルヘルスがあると思うのです。我々、産業医で現場に行きますと、職場全体の雰囲気というのはメンタルでおかしいというようなこともありますし、ハラスメントみたいなこともかなりあるので、このメンタルヘルスのチェックが先ほど言いましたように、集団的に分析を行う。それはコンピュータを使ってもいいと思うのですけれども、職場改善とか職場環境、ほかの職場と奇異な感じというか、かなり問題があるというようなところをチェックするという意味でも大事だと思うので、いわゆる個人のストレスのチェックということもあり得ると思うのですけれども、職場全体のチェックというか、それを検討するというのも大事だと思うので、そのあたりも含めて、ぜひ制度をきちんと活用したほうがいいのかなと思います。

○相澤座長 どうぞ。

○川上委員 とてもいい意見が出ていて、私は今の議論の流れに賛成ですが、少し細かいことでICTの件ですが、少し前のお話を伺っていて、今の法案だけをなぞるのであれば、ネットにストレスチェックの仕組みを用意して、無記名で来させて、その場だけ結果を表示させて、出てきたデータを蓄えないという方法も今の法でできるような気がするのですが、そうするとストレスチェックを実施したかどうかさえ確認が難しくなるので、データの保管というものが多分発生してきて、ICTを使った場合でも、個人を同定して、○○さんがこのデータを例えば何年、1年前に入れました、2年前に入れましたみたいなものを持つような仕組みでないと許可ができないというような論調かなと思いましたが、そこだけほかに御意見があれば確認しておきたいと思います。

○黒木委員 無記名というのはないのではないですか。

○川上委員 ありまして、今、幾つかの企業でストレスチェックを無記名で実施して。

○黒木委員 名前を書かないということですか。

○川上委員 はい。書かなくて職場名だけで実施して、本人には画面でストレスがありますねとか、ありませんねとか出てくるのですが、個人名はなくて、データサーバーのほうには職場別のパターンしか出てこないということをやっているところもあるのです。

○黒木委員 アドレスでアクセスするから本人は特定できますね。

○川上委員 それは、どのパソコンからアクセスしているかはもうばらばらですので。

○黒木委員 ばらばらだけれども、本人のデータベースがあるので特定できるのではないですか。

○川上委員 でも、それは本筋と外れていませんか。IPとかで特定とかの話ではなくて、そういう会社は匿名でやっているのです。始めから匿名だと言ってやっているので、そういう形のものは今回のストレスチェック制度ではないなということを確認だけしておきます。

○相澤座長 それはよろしいでしょうか。無記名ではまずいということですね。その段階では、全体で統計をとるときは記名がなくてもいいわけですけれども、ストレスチェックですから、個人の特定ができないとまずい。

○黒木委員 アドレスは全員配付されていますね。

○川上委員 私が申し上げたのは、先生のような良心的な解釈ではなくて、ストレスチェック、ウエブにみんなアクセスしてやっておけばいいやというような会社が出て、みんな勝手に中災防のホームページに行ってストレスチェックをやったらそれでよしみたいなところはまずいだろうなと思った。

○黒木委員 それは事業者としてですか。

○川上委員 実施者として。

○黒木委員 実施者としてね。それをやっていればいいという。

○相澤座長 それについてはいかがでしょうか。川上先生の確認。

 渡辺先生、どうぞ。

○渡辺委員 今のことにも関係すると思うのですが、このストレスチェックということをやったか、やっていないかということすら今の制度ではわかりませんね。この企業がやったかどうか。そこらあたり、何か制度をきちっとつくって、このストレスチェックをきちんと実施したかどうかがまずわからなければいけないと思いますし、ストレスチェックをやったとしたら、どういう質問票でやったか。そして、どう判定したかということも何かわかるようにしておかないと、今おっしゃったように各企業が自分のところ独自の質問票をつくって、しかも自分のところでカットオフを非常に上げてしまって誰も引っかかりませんでしたというような、悪く考えればですが、そういったこともあり得ますので、少なくともどういう制度でやったのかということがどこかで引っかかるようにしておかないと、非常に悪いことが起こりそうな気配も考えてしまいます。

○相澤座長 事業者責任でやるということになっていますから、それは残しておかないといけないと思いますし、個人のはどうですか。個人の同定ができるようにしておかないとまずいということでした。回答者がわかるようにすべきではないかという御意見だと思います。

○渡辺委員 回答者が、少なくとも自分の結果がわかって、そして、その結果によって自分がどうしたらいいのかというところに対してきちんとアドバイスができていなければいけないと思うのです。その事業者に面談を希望するかどうかは別として、これは医療を受けたほうがいいとか、少し相談をしたほうがいいとか、少なくとも自分のがどうしたらいいのか、対応法をアドバイスできるところまでしなければ意味がないだろうと思います。一方、ストレス因子のところに関しては、職場のほうの問題になりますから、これをどう扱うかというのは非常に難しい検討する要素だと思います。

○相澤座長 特定者の場合は面接があるわけですから、個人を同定しておかないとわかりませんね。

○川上委員 私も余り法に詳しくなくて、法律を読む限りでは個人同定をすることは書いていないので、従業員が全員ストレスチェックを何らかの形で受ければよいので、その個人同定したデータを保管しなくてもいいような気もするのですが、ただ、去年、おととしに果たして従業員を誰が受けたかみたいなことを監査しようとすると、そういう個人同定可能なデータというのは残しておく必要があるかなと。私にもどちらがいいのかよくわからなくなっております。

○相澤座長 非常に大事なところだと思うのです。

 岩崎先生、どうぞ。

○岩崎委員 匿名かどうかというところですけれども、多分、この流れの中では、匿名でないから個人に返すわけで事業者には返さないというのが最初のスタートのように感じますので、システムを使っても、紙面でやっても、前提としては匿名でないところがスタートしているのだろうなという理解をしております。

○泉労働衛生課長 補足いたしますが、個人の結果を事業者に通知することについて個人の同意が要るということですが、その会社の中で誰が受けたかどうかということの情報を事業者に返すことは、恐らく個人個人の同意がなくても、できるのだろうと想定しています。もう少し細かい議論が必要ですが。

 それから、実施の状況について、現在、健康診断について監督署に報告していただいておりますが、今回の制度では、先ほど室長から申し上げたとおり、何人やって何人受けましたぐらいの情報を報告していただくことは必要だろうと思っています。ただ、どういうやり方をして、何点の人が何人いましたというところまでを報告させるのは無理だろうと思っていまして、そういったことはむしろ衛生委員会の中で、先ほど川上先生がおっしゃったPDCAサイクルのところですが、どういうやり方をして、こういう結果で次をどうしましょうということは衛生委員会で議論していただいていくべきことなのかなとは想定しています。

○相澤座長 ありがとうございます。

 先ほど気になったのは、この議論ではないのですけれども、回答の中に面接を希望するというところをチェックするという内容があったと思うのですけれども、それはそれでいいのですか。

○川上委員 ただ、それはこの後のストレスチェックにどんな項目を入れるかということの議論と関係していると思いますし、後で申し上げようと思いますが、私自身はできるだけ事業所が選べるようにできたらいいなと思っています。議論が多分あると思います。

○相澤座長 実施者の役割という話に飛んでいます。後ほど議論していただければと思います。

 2番目のストレスチェック制度と事業所の総合的なメンタルヘルス対策との連携についてというところで3つ挙げられておりますが、総合的なメンタルヘルス対策の一環として位置づけることが適当ではないかということと、2番目が、ストレスチェックを受ける労働者に対してセルフケアに関する情報提供や保健指導、ストレスチェック結果の集団的分析に基づく職場改善の取り組み、あるいは職場の改善に関する管理者向け研修等を含めた総合的な対応を行うことが望ましいのではないか。

 3番目は、衛生委員会で調査、審議することが適当ではないかということで3点挙げられておりますが、これはいかがでしょうか。

 どうぞ。

○下光委員 先ほどの議論になってしまうかもしれません、先ほど岩崎先生が言われたように、今、ストレスチェックを先進的にやっている企業では産業医がある程度基準をつくって、問題がありそうな人をどんどん呼び出して面談しているところがほとんどだと思うのです。こちらは労働者の申し出がないと産業医につなげないということになると、では、今やっているところはそういうシステムをやってはいけないのかということになってしまう。そういう不安があるのですが、その辺はいかがでしょうか。

○泉労働衛生課長 法で言う面接指導は、その後の事後措置につながるところ、ここにつながる面接指導は、やはり本人同意があっての面接指導だと思っています。ただ、きょうの最初のポンチ絵にあるように、そこまで至らないストレスチェックの後の保健指導という場面があるだろうと思っていますので、先ほど出たどこまで声をかけていいかとかというところはもう少し詰める必要があるかと思います。いずれにせよ、法に基づく面接指導に至らない保健指導というのもあり得ると思っています。

○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。この3点ですが、よろしいでしょうか。

 どうぞ。

○川上委員 とてもうるさいことを聞いているので嫌がられるかもしれませんが、事務局ですけれども、ストレスチェックの結果の集団的な分析なのですが、後で渡辺先生に言わせると調査票とか別の名前をつけたほうがいいという話で、調査票のデータを集計して職場別に点数を出すということは、本人、厳密に言うと法の流れ以外の流れなので本人同意が必要な気がしますが、それは本人同意がなくても構わないだろうという整理を確か安全衛生分科会でされていたと思うのです。三柴先生も確か参考人招致のようにそういうことをお答えになっていましたが、その整理はそういう理解でよろしいですか。それは法的整理が可能だと考えてよろしいですか。

○泉労働衛生課長 個人情報に該当しないものは可能だと考えていますが、ただ、すごく小さな集団になってしまって個人が同定されるという恐れがあると、難しくなってきますので、その意味で、集団のサイズは考慮する必要があると思っています。

○相澤座長 よろしいでしょうか。

 それでは、どうぞ。

○渡辺委員 確認ですが、その2つ目の規模のところで、ストレスチェック結果の集団的分析に基づく職場環境の改善と取り組み、これが一次予防としてポイントになるのですが、集団的分析は行うということは義務化されているのですか。されていないのですね。では、集団的分析まで基本的にしなさい、できるだけするようにということなのですね。集団的分析を返されたら、その後、職場環境改善の取り組みというのは、実施者が職場の人事労務担当者とやりとりしていくということになりますね。産業医がいない場合、実施者がこれをやることになるのですね。

○泉労働衛生課長 もし、その実施者が全く外注されて外だとすれば、実施者は結果を返すまでです。そこから先は事業者が。

○渡辺委員 事業者が取り組みをするということですね。実施者は集団的な結果、集団分析までは返しなさいという、できるだけ返しなさいということですね。

○相澤座長 後ほどまた振り返っても結構ですので、次に進ませていただきます。論点2であります。基本的な考え方と具体的な論点、これは御説明いただけますか。

○井上産業保健支援室長 論点2のストレスチェックの項目でございます。

 基本的な考え方といたしまして、法に基づくストレスチェックとして最低限必要な領域や標準的な質問項目等につきましては国が示すということです。標準的な質問項目につきましては、これまでの研究成果を踏まえまして、科学的に妥当、適切なものとしたいと思います。業種、職位、事業所の規模にかかわらず実施可能なものをこの質問項目としたいと思います。

 各事業場において実施する際の具体的な質問項目につきましては、標準的な質問項目や制度の趣旨に沿って、個人のストレスの気づきと職場環境改善、双方に活用できるものとするということでございます。

 制度の趣旨に沿った形で、事業所独自の創意工夫を行うことは可能であろうということでございます。独自の質問項目に対してどういった評価をするかというようなことについては留意が必要だろうと思われます。この辺につきましては、論点3のほうにも絡む部分であろうかと思います。

 調査票につきましては、自記式で労働者が過大な負担なく記入することができ、かつ、わかりやすい質問項目とするということでございます。基本的な考え方につきましては以上でございますけれども、ストレスのチェック項目につきましては、資料8の報告書のほうでも提案がなされております。報告書の提案内容ですけれども、検査項目につきましては、資料7のほうにまとめてございます。

 資料7のほうをごらんいただければと思います。まず、報告書の提案でございますけれども、可能であれば望ましい項目としては、これまで信頼性、妥当性が統計学的に確認されている職業性ストレス簡易調査票の57項目が適当ではないかということでございます。

 資料7の真ん中あたりの広い欄の、上から非常にたくさんの仕事をしなければならないであるとか、そういった項目を合わせまして計57項目ありますけれども、この職業性ストレス簡易調査票の57項目というのが可能であれば望ましい項目であろうというようなことが報告書の中では提案されております。

 ストレスチェックの趣旨、セルフケアであるとか、職場環境の改善というところから考えて必要という項目としましては、本人の気づきを促進するための「心身のストレス反応」の29項目から、項目の全体の得点の相関などの関係から、疲労感、不安感、抑うつ感の9項目と、それから、臨床的にメンタルヘルス不調と密接に関連があるなどの、食欲がないであるとか、よく眠れない、食欲、睡眠の2項目を合わせて11項目、これが本人の気づきを促進するための項目。それから、職場環境の改善への活用をするためのストレス要因、「仕事のストレス要因」です。上の欄です。それから、下の「周囲のサポート」、こういったところから、職場のストレスの特徴を的確に把握するものとしてそれぞれ6項目。資料7の囲んであります仕事の負担の量であるとか、仕事のコントロール量、それから、「周囲のサポート」としまして、上司と職場の同僚からのサポートというようなことで、この6項目。これらを合わせました23項目が必要と考えられると。こういうことが報告書の中で書かれております。

 それから、このうち「心身のストレス反応」の項目の11項目につきましては、職場環境に関する項目がないということで、これのみとすることは積極的には推奨されないということにされております。

 この研究報告書の提案内容も踏まえまして、具体的な論点としまして、資料6の2枚目にお戻りいただきたいと思いますが、具体的な論点としまして、1つ目としまして、これまでの研究の蓄積及び使用の実績のある職業性ストレス簡易調査票を現時点では最も望ましいものと考えてよいかという論点があると思います。その調査票の科学的評価、使用実績の評価についてを勘案しながらどうかということでございます。

 2つ目といたしまして、標準的な推奨項目としては、事業所における実施可能性なども考慮しまして「職業性ストレス簡易調査票」をさらに簡略したものを検討してはどうかという論点がございます。その際に、その場合、簡易ストレス調査票の「心身のストレス反応」、「仕事のストレス要因」、「周囲のサポート」、この3領域を全て含むことは必要ではないか。

 資料7に示す報告書提案にある23項目、ただいま説明をしました23項目を推奨項目として考えるが、そのあたりはどうかというようなことでございます。

 以上でございます。

○相澤座長 ありがとうございました。

 渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員 その点について、私、読んでいただきながらしゃべったほうがわかりやすいかと思いまして紙を配らせていただきましたが、今のところに関しての確認事項ということで質問させていただきます。ただ、今お話をお聞きしていますと、私が考えて疑問に思ったことがほぼ論点と同じ方向だったので随分安心したのです。

 まず、前提としての確認事項ですが、今回の法案における「心理的な負担の程度を把握するための検査」の目的が以下のいずれかを明確にする必要があるのではないかと思います。

 まず1つは、メンタルヘルス不調者の早期発見と適切な対処、いわゆる二次予防的な見地のものか、あるいは、職場のストレス因子の検証と職場環境改善という一次予防的見地なものか、あるいはその両方を含んだものなのかということです。二次予防なのか、一次予防なのか、その両者なのかというのをはっきりしておかないと質問項目の選定というのがうまくいかないのだろうと思っています。今まで問題になっておりました9+2の11項目というのは、全て「心身のストレス反応」ですから、これは二次予防ですね。症状として早期発見の二次予防になります。追加された12項目が「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」ということで、ストレス因子のほうの項目になりますから、これが一次予防的な見地ということになります。

 したがって、二次予防、一次予防、両方の見地から、両方を目的とするのであれば、当然11項目と12項目の23項目が必要となるのではないかと思っております。これまでの議論では、両者を包含するのが望ましいということであったと思いますが、そう理解してよろしいでしょうかということです。そうであれば、これまで検討された11項目と12項目の両者が必須となると思います。

 巷では9項目だけ、あるいは11項目だけでストレスチェックと理解されているような節があるのですが、これは全くその一部だけでしかあらわしていなくて、今回の法案であれば、この11項目のみでは法の趣旨と矛盾が生じると考えております。

 あと、私見ですが、(1)、(2)の両者を目的とすれば、本制度の流れは、以下のごとくと考えます。これは次の論点3のほうの話になってしまうかもしれません。一応参考にざっと。

 まずは、この質問票の施行をする。これは23項目なら23項目全部やっていただいて、どうやって面談の対象者などをピックアップするかということですけれども、やはり先に症状のほうでチェックするということになるかと思います。11項目のほうのメンタルヘルス不調の人のチェックをして、症状のチェックをする。そして、メンタルヘルス不調症状の高得点者に対する対処、医師の面談による対処法の判断であるとか、面談を希望しない者に対する対処などを検討する。それから、職場ストレス因子です。後半の12項目の結果を参照しながら、医師の面談による判断をしていく。ただし、この面談を希望しなかった方において12項目、ストレス因子のほうの結果をどう扱っていくのかということはこれから検討しなければいけないかなと思っています。

 そして、最後に、必要に応じて職場環境改善を行う。医師の面談結果を踏まえた職場担当者の調整。ここまで行わなければ本制度の趣旨が反映されないことになるのではないかなと私見的に思っております。

 もう一つ、ストレス項目とは関係ないのですけれども、先ほど川上先生にちょっとおっしゃっていただいたのですが、一度、ここでもう一回再検討、再確認していただきたい基本事項として、今回の制度及び質問票をストレスチェックと名づけることが適当かどうかということであります。本来、医学的にはストレスというと、通常ストレッサーを意味しており、原因のほうになります。原因のチェックをするという意味合いになって、二次予防的な意義が感じにくくなってしまいます。

 ストレスチェック制度という名称では、仕事の負担をどの程度感じているか調べるなど、会社に調べられるといった人事管理的なニュアンスを感じやすくて正直な回答が得られにくいのではないかと思います。

 3つ目としては、既に検討された11項目が全て心身の反応、すなわち、メンタルヘルス不調を疑わせる症状のリストであり、これはストレッサーのリストではないと思います。

 私見になりますが、受ける方、労働者の気持ちを考慮したネーミングが望ましくて、健康診断における問診票的な意味合いのほうが、本人の健康のためといったニュアンスが伝わって回答しやすくなるのではないかと考えます。

 したがって、メンタルヘルス健診制度とかメンタルヘルス問診票といったようなネーミングのほうがふさわしいのではないかと考えております。私見を交えて発表させていただきました。

○相澤座長 ありがとうございました。

 大変重要な視点だと思います。名称については、内容が決まってからにいたしましょうか。今、議論されていたことでストレスのことと、ストレッサーの面も十分考慮するということでございますので、今の流れとしては、先生の御意見に沿ったものではないかと思います。

 ほかにいかがですか。

 川上先生、どうぞ。

○川上委員 渡辺先生の整理もとてもよかったと思います。このラインでお話が先に進む前に議論、問題提起をさせていただきたいことがあるのですが、前回の検討会も踏まえて私自身もいろいろな産業保健スタッフにかなり意見を聞いて歩いたりいたしましたが、産業保健スタッフは、やはり事業所でできるだけ質問票を選びたいと言っています。それは幾つか理由があるのですが、既に先進事例をやっているところで使っている質問票もあり、昔からの比較もできるのでそれでしたいというところもありますし、自分たちで考えて自分たちでPDCAサイクルを回すというところが大事だと考えているような面もありますし、また、日本産業衛生会の理事長の圓藤先生も参考人のときにそのような発言をして、できるだけ事業所で選べるようにしたらいいと思いますということを言っておいでになりました。

 というわけで、できるだけ事業所で選べるというオプションを残していただくような議論ができないかと思っています。ただ、一方で、多くの委員の方が御懸念になるのは、最低限はつくっておかないと骨抜きのことをされるのではないかというのがあって、これのどこでうまく調整できるかというのを少し議論させていただけないかと思うのです。この後、多分出てくる、ただ、これは推奨ですよとか、これは標準的なものですよというのは結構だと思うのですが、最低限、これはしていないとストレスチェックの実施とは言わないというような項目をもしここで決めるのであれば、それができる限り事業所の自主性を損なわないようなところに落とせればいいなと思っています。

 それはすごく難しいなと思っていろいろ考えていたのですが、例えば質問票の最低要件ですね。基本的な考え方の●の一番上のところにあるのは、最低限必要な領域という部分について、例えば法には心理的な負担の程度を把握すると書いていますので、心理的負担については最低限聞いていること。

 それから、3問以上であること。これは私の勝手な考えですが、通常、3問以上ないと測定誤差が大きくて、余り測定方法として認められない。論文などで信頼性妥当性の担保があることというような、そのぐらいの基準を最低限にして、あとはもちろん推奨とか標準は出てきても構わないと思うのですが、事業所が選べるチャンスをふやしていただけないかなと思っているので、この点を少し先生方の御意見を伺ってもいいでしょうか。

○半田安全衛生部長 1点、気になるところがあるのです。先ほどの渡辺先生の御指摘なのですけれども、目的は一次予防、二次予防、両方目的とするのだという御理解をいただいているのですが、実はそこの部分は法案審議でも随分いろんなところがあるので、誤解のないようにいま一度申し上げますが、目的は一次予防でございます。結果的に二次予防的な効果が出てくる。二次予防的な観点からの効果、側面が出てくることは否定いたしませんけれども、目的は一次予防であるということ。つまり、御本人の気づきを与えるというのが一番の大事なポイントだというところが、これは国会審議でも繰り返し繰り返し問われ、私どもも答弁しているところでございますので、ぜひその点は御理解をいただければと思っております。

○相澤座長 どうぞ。

○渡辺委員 ありがとうございます。私も今回、この委員会に先立って、いろいろもう一回調べてみて、確かにそうだなと思ったのです。ところが、今までの検討の流れが、その9項目の選び方からして、症状の項目ばかり選ばれたわけですね。ということは、むしろ二次予防のほうが流れになってきてしまっているということなのです。したがって、えらくそこが矛盾しているなと思いまして、もう一回整理が必要だと思ったわけです。

○中村委員 結局、私の理解では、個々の個人の労働者に質問をしないと、どのくらいの方がメンタルヘルスの不調に陥っているかわからないので、結果的に企業全体の評価ができないという観点だろうと理解しました。

 入り口は二次予防、渡辺先生の御指摘のとおりだと思っています。症状で聞いているわけですから。しかし、一次予防ということを今部長が強調されたということは、それにするためには、やはり9項目だけは非常に不十分であって、今、少なくとも出された23項目ぐらいは必要だということになるのではないかなと思いました。

 ただ、川上先生の御懸念というのもあって、既に自由に先進的な取り組みをしているところはうまくいっているはずですから、ミニマムリクワイアメントしないと、日本全体の中小企業などがほとんどですから、そこをどうするかということを考えると、最低限はこのぐらいだと。しかし、例示としては、このくらいのこと、9項目だけでは二次予防、早期発見のことしかできていないのではないかという批判がなされるのではないかと思いました。

○川上委員 済みません、1点だけ。これは本論ではないのですが、一応整理だけですけれども、実は症状項目だけでも一次予防できないことはなくて、今、抑うつ症状の高い方は数年たつうちにうつ病になるリスクというのは低い人よりも2〜3倍になりますので、そういう方たちに先にお話を聞いて、何か困ったことがあれば対処するというのが1つの一次予防かなと思うので、症状項目でもできないことはないのですが、私も渡辺先生と同じ意見で、職場環境を聞かないと本当の一次予防にはならないなというのは全くそのとおりなので、そこだけ公的な会なので発言を残しておいていただければと思います。

 ありがとうございます。どうでしょう。最低限、必要な領域というもの今の事情で勘案して御検討いただけるかどうかというのが私の一番の関心事なのです。

○相澤座長 それについてはいかがでしょうか。例えば11項目とか、あるいは23項目というお話が出てまいりましたが、もっと絞ってやりたいですか。

○川上委員 ですので、そもそも9項目とか11ではなくて、計6という6項目のものを使っていたり、CES-Dという20項目を使ったり、既に別の質問票でスタートしているところがあって、そういう方たちを全部だめというのは少し厳しいなと思います。

○黒木委員 だから、例えばその項目は、あるいは評価がある程度固定されているというものであれば、それは考慮の余地はあると思うのです。ただ、どれくらい使っていて、今までもちゃんとした客観的な評価、これが一番大事ではないかなという気がします。

 それと、先ほど渡辺先生は貴重な御意見を述べられたのですけれども、このストレスというのがストレッサーということだけではなくて、ストレスはストレス状態ということも言えますので、ストレッサーによって引き起こされた心理的な反応とか、そういうものを含めてストレスということでいいのではないかという気がします。

○渡辺委員 もちろん、それも理解しておりますが、ただ、今回の法案は心理的な負担の程度ということをはっきり書いていますので、心理的な負担、しかも職場でやるということは職場の心理的負担ということですね。職場以外のストレッサーを意味していないわけですね。それから、先ほど一次予防はおっしゃるとおりなのですが、一次予防といいますと、内因性のものであれば内因のほうが大きいわけですから、今回の法案は心理的な負担、しかも職場の心理的負担ということになると思うので、となると、職場の心理的な負担にかかわる質問が入っていないと、法案の趣旨を生かしたことにならないと思うのです。ただ、入り口をどこにするかなのです。症状のある人を入り口にして、症状のある人の中で心理的な負担をどの程度持っているのかということを調べていくのかどうか、その入り口をどちらにするかだと思うのです。

 したがって、もし一般健診の中で二次予防的なことが十分メンタルなことに対しても二次予防がなされているような企業であれば、いきなり心理的な負担ということだけで、心理的因子、職場の心理的因子の質問項目でもいいと思うのです。ただ、そうなると、9項目云々というよりも、後半の質問のほうが主体になるということになりますね。そういった整理が必要かなという気はします。

○相澤座長 いかがでしょうか。ほかに御意見はございますか。川上先生の提案がございまして。

○岩崎委員 一次予防か二次予防かというところですけれども、確かに項目だけ見ると二次予防的な印象を持つのですけれども、やはりセルフケアという視点であれば同時に提供する教育研修、教育研修というか集合研修みたいになってしまいますけれども、ストレスチェック項目をやっていただくときのフィードバックの返し方とか、その辺にセルフケアにつながるような要素を取り入れるということは1つあるかなとは思いますので、ぜひそういうのを実務に入っていくときには、あわせてツールというか、教材というか、使えるものを提示していけるような形でよろしいかなと思います。

○相澤座長 ほかにはいかがでしょうか。項目と話がありましたが。

○下光委員 23項目についてですけれども、57項目は既に信頼性、妥当性とか検証されていますし、9項目については前回の委員会でいろいろ解析してストレッサーとの関連性とか見ていますけれども、23項目については、職場のストレスの12項目と、それから9あるいは11項目を足したものということなので、これを1つの質問票として提示するにはそれなりの理論的根拠とかデータとか解析がないとまずいので、それはできれば早急にやっていただきたいということ。特に57 項目との関連はどうなっているかというのは見ておく必要があると思います

 ストレッサーについては判定図、デマンドコントロールサポートってきていますけれども、実は職場のストレスのアンケートで一番高いのは、対人関係人間関係でのストレスです。ですから、対人関係のストレスを落としていいのかなというのは私の個人的な疑問です。ただ、上司、同僚のサポートが入っているので、それで対人関係ストレスを代用できるかどうか多分大丈夫だとは思うのです、その辺のところについて、例えば中災防などは20万ぐらいのデータを持っていますから、この間の9項目の解析をやったときのように解析をしてみて、大丈夫かどうかというのを確認していただければと思います。

 川上先生、どうでしょうか。判定図だけですと、ストレッサーのデマンドコントロールは大事なところですけれども、それ以外のストレッサーはたくさんあって、実際使っているときには、人間関係とか、物理的なストレッサーとか、いろいろ見ながら面談していることが多いのですけれども、いかがでしょうかね。

○川上委員 それは先ほどのミニマム要件の次にお話をしようと思っていたのですが、いろいろな産業保健スタッフの方にお話を聞いてまいりますと、2年間ずっと9項目、9項目と言われてきたのに、今さらなぜまだ追加をするのかという声が割と高くございまして、追加するならば、それ相応の理由を示してもらわないと納得がつかないという意見が比較的多く出ますので、23項目にするのであれば、やはりそれ相応の、先ほど申し上げられたように、データとかロジックをきちんと示すことはかなり求められているのではないかと思います。

 その意味で、9項目については既にある程度検討ができたと思っていいのかなと思っていますし、作業量、仕事の負担とコントロールとサポートについても、長年もう使われた実績がありますのでまずまずかと思うのですが、食欲と睡眠を取り出してどうするかをやはり科学的根拠とロジックを少しどなたかに、かなり一生懸命つくっていただく必要があるのかなという気がいたします。

○黒木委員 その睡眠と食欲不振ということの統計学的という意味ですか。

○川上委員 簡単に申しますと、先ほど黒木先生が質問票を選ぶときに、論文などになっているものがいいだろうというお話でしたが、論文になっているでしょうか。報告書になっているでしょうかということです。

○黒木委員 例えば過労自殺とか、あるいはそういった集団に対しての調査はあります。労働衛生課の精神障害等いよる労働災害を踏まえた職場環境等の改善によりメンタルヘルス不調の予防を推進するための事業です。労災認定された自殺事案の初期兆候として多いのは、最初に出てくるのは不眠なのです。その辺は最初の兆候として出てくるので、それをキャッチするということは、私は大事だと思います。

○川上委員 大事なのはすごくよくわかるのですが、私が申し上げたのは、この聞き方をしたときにどう得点化するのか、どこから切るのか。

○黒木委員 そこが問題なのです。

○川上委員 切った場合に、果たして有用な切り方なのかとか、そういった検討が何か報告書で出る必要がある。

○黒木委員 ということは、この全体で考えるのか、あるいは不眠と食欲不振を別だてにしてチェックするのかということですね。

○相澤座長 どうぞ。

○渡辺委員 今の川上先生のお話ですけれども、二次予防、精神症状の早期発見という切り口で見れば、不眠が必要だという論文はいっぱいあるわけですね。したがって、精神症状の早期発見のために睡眠障害が必要だという論文はいっぱいあると思います。

○川上委員 その睡眠障害一般の話ではなくて、この項目、この調査票を今23項目提案しようというので、これに関してどのぐらい科学的根拠と論文が示せるかという作業が必要ではないかと思っている。もちろん、睡眠が大事なことはよくわかりますが、睡眠をどこから切ると一番ストレスマネジメントが効きやすいのか、どこを超えると病気になりやすいかということは大体わかっていると思うのですが、どこで切るかをよくわかっていませんので、一般的な理屈として睡眠は大事だというのはわかりますけれども、この質問票のどこで切ったらいいかという情報が必要。

○渡辺委員 それは決めていかなければいけないと思うのですが、それはある意味、二次的な話ですね。まず、大事なのは、症状のある人をきちっとピックアップするということだと思います。

○川上委員 でも、二次的な話でも、これをもうすぐに指針とかに入れていくわけですから、指針でこれはリコメンデーションをするというのではなくて、それなりの論拠を示していかないと、たしかヒアリングのときに、エビデンスのない調査票はだめだという話を中村先生がされたと思うのですけれども、ここできちんとそれに見合うだけのものをしていく必要がある。

○黒木委員 先生としては、どうすればいいとお考えですか。前に中災防でいろいろやって、結果的には睡眠と食欲不振は余り有意差が出なかったということでしょうか?

○川上委員 厳密に言うと、睡眠と食欲は9項目とは別のものを測っているのではないかという結論になっただけで、だめということにはならないと思います。

○黒木委員 ただ、母集団にもよるのではないですか。

○川上委員 そうですね。母集団にもよりますね。ですので、本来は複数の研究者が並行して1年ぐらい研究をして、それぞれの結論を出して、どこで点数を切るかが適切かという議論をして決め、かつ、私の試みですと、この点数以上で切った場合にストレスマネジメントをすると効果的だとか、ここの点数を超えていると将来うつ病になる可能性が3倍になるのでここからは対処しましょうとか、そういう科学的根拠がそろうとすごくいいなと思います。反対しているわけではなくて、9項目と言ってきたのに、何か追加するのだったら、それ相応のものを示してほしいというのが世の中の声だというお話、お伝えをしました。

○相澤座長 どうぞ。

○泉労働衛生課長 これまでの議論に補足させていただきたいのですが、1つは法律の条文の心理的な負担を把握するというところの意味ですけれども、私たち事務局としては、この心理的な負担を把握するということの中に、「ストレス要因」の部分と「心身のストレス反応」と両方含む言葉だと理解して、この条文にしています。

 それから、あと9項目と言ってきたではないかということですが、やはり2年前と前提が変わってきていることがあります。1つは、対象が前回は小規模も含めて全ての事業場と言ったのが、今回50人以上が義務化されているので、産業医がいるはずだと。一定の産業保健的なかかわりができるはずだというところですので、最低限の項目という考え方が少し変わってきたということがあります。 2つめは、今回の国会審議でも、事業場の環境改善につなげるということについてたびたび質疑があり、その重要性が非常に強調されました。そこは前回と前提が違う。やはり、環境改善に使える制度でないといけないと考えています。

○相澤座長 ということですね。

○川上委員 ただ、私はミニマムな基準を何かと申し上げたのは、事業所の規模という話ではなくて、むしろ既にやっている先進事業者が多いので、そこを何とかカバーしていただきたいという意味で申し上げているので、今おっしゃられたように、標準的なもの、推奨版というのは当然あってしかるべきで、多くの事業者がそれを使うようになるのは望ましいと思っています。課長のほうから、心理的負担の程度というのにはストレッサーもストレスもストレス反応も両方入るのだというのはとてもすばらしい御意見だと私は思いました。

○相澤座長 どうぞ。

○中村委員 先生の意図はよく理解できているつもりなのですけれども、確かに57項目では、食欲と不眠についての項目が有意な差がなかった、出なかったということは理解していますけれども、臨床的に、例えば今職場のメンタル不調者の方がどういう人がいるかというと、大部分がうつ状態なのです。いろんなうつ状態があって非常に多様化していますし、精神科医側の責任もかなり大きいと思っていますけれども、そうなると、そういうのを早期に二次的に見つけようとする、早期発見しようとするときに一番簡便な労働者にお尋ねして、最近、眠れなくなったとか食欲が落ちたというのは、一般的に最も簡便な質問ではないかなと思いますし、眠れないということで、あるいは眠れないことだけで、いわゆる生活習慣病が悪化するというような論文も出ていますし、不眠の睡眠学会などではたくさんそういう論文を出していると思います。だから、先生が言われたように、下光先生の調査票の中の項目には合わなかったとはいえ、やはり私は重要だと思っています。

○川上委員 私もそれについて反対しているわけではなくて、厚生労働委員会の附帯決議にも信頼性、妥当性のある調査票を使うようにと書いていますので、この睡眠の項目について信頼性、妥当性があるとして使えるものだということを急いで示す必要があると思います。

○相澤座長 ありがとうございます。

 評価のところに関係してくると思うのですが、これを数値化して点数化するか、あるいは別な独立したものとして産業医が面接をするかどうかを評価するときに必要にするかどうかということもあり得るとは思うのです。先生は、数値化するとなると根拠が必要だということですね。もう一回やり直さなければいけないということなのですが、その辺、どうでしょうか。3の評価にも入ってきます。精神科の先生、いかがでしょうか。

 渡辺先生、どうぞ。

○渡辺委員 もう一度確認したいのですが、川上先生の御意見でも最初の切り口は、やはりある程度症状のある人を面接するという、ピックアップするという意味合いでよろしいのですか。

○川上委員 私、法律をそのまま読んでおりまして、心理的負担というのは、心理的な負担なのでストレス反応のことだと思っておりましたので、そういう切り口の考えで読みましたが、先ほど課長が両方含んでいるというお話でしたので、今は広がった気持ちでいます。

○渡辺委員 そうすると、心理的反応ということでおっしゃっているのは症状のほうですね。症状がある程度ある人を高得点者と御理解されているということですね。

○川上委員 そうですね。10分ぐらい前はそうでした。

○渡辺委員 そうすると、症状のある人というのは、精神、メンタルヘルスの不調者という意味ですね。

○川上委員 メンタルヘルスの不調リスクが高い方で、現時点では病気のない方です。

○中村委員 いるかもわかりませんね。それは二次的な目的として対応すればいいと思います。

○渡辺委員 現時点で症状がなければ点数が低くなってしまいます。

○川上委員 現時点で、病気ではないが、症状がある方ですね。

○渡辺委員 ということですね。そういうときに不眠の問題というのは非常に大きいと思うのです。先生は、57項目の中で因果関係がはっきりしないとおっしゃっていますが、先ほどから何度も出ているように、例えばいろんなメンタルヘルス不調の症状として睡眠障害が非常に重要であるという、診断の問診として睡眠が重要であるというのは、いっぱい根拠は幾らでも論文を出せると思います。

○川上委員 先生、私はその点について何ら反論していなくて、なぜ簡易版なのですか、なぜアテネ不眠尺度とか、不眠が大事ならもっと別のエスタブリッシュした不眠尺度を使わないのですかといったときに何と答えればいいかというために根拠が必要で、使ってもらうときには説明責任があると思うのです。それを申し上げているだけで、この後、誰かが頑張ってちゃんと研究してくれれば何の問題もないと思います。

○渡辺委員 では、睡眠が大事だという根拠を示せばいいということですね。

○川上委員 この項目はですね。

○渡辺委員 睡眠についての項目が大事だという根拠ですね。

○川上委員 はい。

○渡辺委員 多分それは幾らでもありますね。メンタルヘルス不調の発見のために睡眠が大事だということ。

○黒木委員 川上先生が言っているのは、睡眠を入れた項目の中でということですね。普通の論文に書いてあったり、いろんな例えばうつの患者さんの調査とか、それはいっぱいあるのです。実際に過労とかうつとかそういった論文を見たり、あるいは調査を見ても睡眠というのは一番に出てくるわけですね。ヒットするわけですし、これが大事だということは、それはいろんな論文に書かれているわけです。でも、川上先生がおっしゃっているのは、この調査票でどれくらいの意義があるかということを言ってらっしゃるのですか。

○渡辺委員 この57項目が前提でということですね。

○川上委員 それを推奨するというのはそういうことですね。

○中村委員 しかし、先生、そういうお話だと、新たにされた9項目だけで検証された論文というのはたくさんあるのですか。これは中災防が何十万人かを調査した項目の中で有意差があったものを選ばれたわけです。だけれども、この9項目だけでやった論文というのはあるのですか。

○川上委員 この9項目の科学的根拠は、現時点では測定誤差がそれほど大きくないということが解析の分析でわかっているのが1点。何パーセントの人が決めた基準以上でプラスになるかというのがわかっていて、それ以外は実はこの9項目についてもわかっていないと思います。

○中村委員 この9項目はないでしょう。

○川上委員 食欲がないというのは誤差です。測定誤差が幾らあるかもわかっていないという問題がある。

○中村委員 そうかもしれませんけれども、この9項目だけで健診をやったという論文を見たことがないわけです。

○川上委員 そういう意味では、厳密な意味での9項目も。

○中村委員 ないのです。だから、これは新たな項目だと思うのです。

○川上委員 欠けている根拠があるとか、ゼロではないです。

○中村委員 もちろんそうです。だから、実際は、もう前に話に戻るけれども、私はモデル事業か何かでやるべきではないかということをずっと言っていたわけです。

○川上委員 でも、モデル事業をするだけの時間がなさそうですけれども、これを早急に。

○中村委員 だから、この9項目が本当にいいかどうかは動き出さないとわからないという話ではないですか。

○川上委員 ただ、研究は事前に行うべきではないかと思いますし、一応産業医でこうしたものを使っている方も多いので、そういう方に頼めば、ある程度根拠データを集めることはできるかもしれないですね。

○渡辺委員 先生、済みません。そうしますと、先生のおっしゃっている根拠を示すということになると、不眠、食欲のみならず、今の23項目という話、全てが先生は根拠がないということになりますね。

○川上委員 逆に言うと、職場環境を測定している12項目は割とテストされているものでして、これは根拠があるのですが、それ以外のものが曖昧というところです。私は間違っているかもしれませんが、最初の見方だとそんな感じに見えます。

○泉労働衛生課長 資料9の2ページ目に、一応今おっしゃった9項目のエビデンスのことは少し引用しています。

○渡辺委員 12項目の評価に関しては、どういう評価があるのですか。12項目で職場のストレス因子を反映するという。

○川上委員 はい。12項目でほかのストレス因子を評価できて、それはほかのもう少し長い調査票ともよく一致していて、かつ、そこの得点が高い方は将来的に病気になりやすいという状況がそろっています。ですので、こういうストレスが高い方はですね。仕事量が多く、かつコントロールが低く、サポートが低い方は将来的に病気を発症しやすいという、ストレスマネジメントに大事なグループだという、そういうデータは出ています。

○黒木委員 この9項目にしても、評価は1尺度1尺度でやるということもありましたね。あるいはこれを足してやるのか。それもまだわからないですね。これからの話ですね。

○泉労働衛生課長 もう論点3にいっているようなので、もし2を閉めていただくのだったら閉めて、3を説明させていただいてからのほうがいいかと思います。

○相澤座長 時間の関係もあるのですけれども、これは項目数の問題があるので、ここで議論してもいいのですけれども、調査の評価のところにいってからもう一回やったほうがいいかと思いますので、とりあえず評価にいきましょうか。ペンディングしておきましょうか。論点3の説明をお願いします。

○井上産業保健支援室長 論点3の結果の評価につきまして御説明したいと思います。

 まず、結果の評価につきましても、資料8の報告書のほうで提案がなされております。資料8の22ページのところの「(2)結果の評価」というところです。こちらのほうでは、原則として4段階回答を選択肢として評価の尺度は1〜4点方式とする。

 各項目の重みづけはしない。

 ストレス反応に関する簡易な項目の評価基準の目安は、抑うつ10点以上、または不安11点以上、または疲労12点以上とする方法と、9項目の総得点が27点以上とする方法であると。なお、睡眠及び食欲の項目が高値の者については、結果の評価において十分留意をすべきである。また、面接指導の方法については、基準を参考にしつつ、各事業場の事情も踏まえ判断するものとする。

 仕事の負荷・周囲のサポートに関する項目は、ストレス反応の項目とは別途評価する。評価方法は既に確立されている仕事のストレス判定図等の方法を考慮するというようなことが提言されております。

 これも踏まえまして具体的な論点ということで、資料6にお戻りいただきたいと思います。

 具体的な論点としまして、1つ目として、標準的な質問項目を用いた場合。先ほどの23ということですけれども、23ということになれば、それが標準的な項目ということですけれども、評価基準の目安を示すことが適当かどうか。また、事業者独自の評価基準を設けることについてはどうかというような論点でございます。

 目安を示す場合「心身のストレス反応」と「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」、この2つを分けて検討するのでよいのかということ。

 標準的な質問項目の評価基準の目安につきましては、上位から一定の割合、例えば5%とか10%とか、そういった一定の割合とすることでよいかどうか。その際、以下の方法が考えられるがどうかということです。

 「心身のストレス反応」の評価基準の目安については、抑うつ10点以上、または不安11点以上、または疲労12点以上とする方法。

 2番目としましては、抑うつ、不安、疲労の総得点が27点以上とする方法。

 3点目としましては、食欲と睡眠の得点が高いものを評価時に考慮する方法。

 これは先ほどの資料8のほうで提案がありましたようなことを書いてございます。

 「仕事のストレス要因」、「周囲のサポート」の評価基準の目安としまして、尺度の得点から、上位およそ10%以内に入る状態を判定するというようなことが例として考えられるのではないかということでございます。

 個人ごとの結果の評価と、集団の結果の評価をそれぞれどのように考えるかということも1つ論点になろうかと思っています。

 大きな2つ目ですけれども、「心身のストレス反応」の評価方法について。57項目の場合の評価基準をどのように考えるかという点がございます。

 3つ目といたしまして、57項目の場合の仕事のストレス及び周囲のサポートの評価方法についてどのように考えるかということ。

 4つ目といたしまして、事業所独自の質問項目を設ける場合の評価基準について、目安が必要かどうかということでございます。このあたりを具体的な論点として挙げさせていただきました。

 以上です。

○相澤座長 ありがとうございました。

 あと15分ぐらいでございますが、時間が足りないかもしれませんけれども、大分御議論も先ほどいただいていますので、評価のところで具体的な論点について御議論いただきたいと思います。特に1番のところが大事かなと思いますが、いかがでしょうか。何か御意見ございますでしょうか。

 どうぞ。

○川上委員 時間節約的な意見ですが、論点1は急いで誰かがデータをまとめないとわからない、かなりそんな気がいたします。

 2と3は、57項目を使った場合の個人の評価方法は、下光先生が1999年に報告書をつくられたときに既にできていますので、そういった既につくられたものを使うのがよいのかなと思います。

 4番目は、恐らく実施者が何らかの根拠に基づいて独自の質問項目を採用しているはずですので、実施者が責任を持つ、医師とか保健師が責任を持って科学的根拠に基づいて質問項目を設定するので、これは産業保健スタッフに任せていただけるといいかなと思います。それは私の意見ですが、ほかにもぜひ御意見があればと思います。

○相澤座長 2、3、4について、そういった御意見が出ましたが、いかがでしょうか。

 下光先生、2、3については。

○下光委員 2、3については、実際に現場でどういうふうに使われているかというのは、それぞれの事業所の産業医の先生方がそれぞれの基準でやっておられると思います。大阪ガスの産業医であった岡田先生に一度労働衛生課に来ていただいて、いろいろな話をされたと思うのですけれども、1991年の報告書に基づいて、私も昔のことで忘れてしまいましたが、もう一回見直してきちっと出せるようにしたいと思います。やはり現場の産業医の先生がどういうふうに使っているかという情報収集もしたいなと思っていますので、その辺のことは御配慮いただければ、早いうちに回答が出せると思うのです。

○相澤座長 評価基準はある程度確立されたものですので、それでは、4番は先ほど川上先生が言われた、自主的なことでやるというようなことですと、評価基準というのはこの委員会で何か提案するかどうかですね。

○川上委員 はい。ただ、実施者の役割の中にどのような質問票を選んでどのような点数で切るか、それをどんな根拠に基づいて考えたかということについて、例えば労働基準監督署の立ち入りがあれば説明するという責任はあると思いますので、そういう形で適切性を担保するのはどうかと思います。

○相澤座長 渡辺先生、どうぞ。

○渡辺委員 先ほどから出ている得点のところにこだわってしまうと難しいので、総論的な話になりますけれども、やはりここに書かれていますように「心身のストレス反応」と「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」、これは両方にまたがっていないと意味がないということになると思うのです。そうすると、少なくとも、あの9項目あるいはプラス2項目の11項目だけでは、やはり全体にまたがっていないということは確かなので、少なくとも全体にまたがるものでなければいけないとは思います。

○川上委員 私の提案した質問票のミニマムの要件の御回答ですね。つまり、ストレス反応とストレス要因と両方を含んだ質問票でないと最低限とは認められないのではないかという御意見ですね。ほかの先生方の御意見もあるかもしれませんが、それはリーズナブルかなと私自身は思います。

○相澤座長 多分それについては皆さん反論ないと思いますが、よろしいですか。

○渡辺委員 もし、そういうことで確認がとれれば、9項目の得点化というのは余り意味のないことになるのですね。

○相澤座長 それでいいですか。意味がないのですか。

○川上委員 すごい大事な御意見だと思いますけれども、先生方は特に御意見がないのですか。すごく重要な転換的な御意見を言ってらっしゃるのですけれどもね。

○下光委員 基本的にはそうなのですけれども、いろんな事業所がありまして、最低限9か11項目で見て、そして、そこから職場環境へ結びつけていくということも不可能ではないので、そういうことも含めてミニマムと、これは推奨されるものではないというような補足事項をつけて出すのは悪くはないかなと思っているのです。ストレッサーまで評価することになると、またかなり体制が大変になってくると思いますので、中小は努力義務ということで外されましたけれども、やはり中小の人たちにもこのストレスチェックができるだけ広がっていく必要があると思うので、個人的にはちゃんと職場環境を評価すると、これは原則だと思うのですけれども、今までの議論の流れ、それから国会での審議の中でもそういうように、最低9項目あるいは11項目ということで了解を得ている。その項目については、余りディスカッションしていないのですか。この委員会ではそういう流れになっているのですけれどもね。

○相澤座長 内容をまだ。

○泉労働衛生課長 国会でということですか。国会では個別の項目についての議論はなされておりませんが、職場環境評価にということは繰り返し言われています。

○下光委員 私も国会審議のビデオを見たのですけれども、ともかく項目数が多過ぎて、2〜3項目でいいという議員さんもたしかいたような話があって、ですから、余り項目数がくなるとまたクレームが出るかもしれません。これまでの議論の流れでは9か11を最低限にするということ流れだったと思うのですが、ここでひっくり返してもいいとは思うのですけれども、皆さん、いかがでしょうか。

○黒木委員 やはり職場環境改善ということを考えると、この23項目を最低限としたほうがいいのではないでしょうか。

○川上委員 先生、最低限という言われ方をすると、先進的事業所の声が阻害されるので、これは推奨ということでよろしいですか。

○黒木委員 私が別に決めるわけではないです。

○川上委員 先生の御意見で決めていくわけですから。

○相澤座長 課長、どうぞ。

○泉労働衛生課長 補足いたしますが、今後、物の決め方として、省令というレベルで決めるとそれには従っていただかなければいけませんし、さらに指針とかマニュアルとかというのはおすすめというような形で必ずしも全部拘束力を持たないという、何段階かのものを決めていくことになると思います。

 そういうわけで、先ほどの論点2のところで最低限必要な領域と申し上げたのは、資料7の項目の中で、こういった項目を多分具体的に示すと、ミニマムとして示すと、こういう聞き方をしてくださいとまで要件にしてしまうと多分厳しいだろうということで、先ほど川上先生がおっしゃったことと同じなのですが、例えば「心身のストレス反応」と「ストレス要因」と「周囲のサポート」という領域は最低限入れてくださいと。ただ、どういう項目の聞き方をするかまでは義務的には定めません。それをもう少し下のレベルで定める。そういうようなことでグラデーションがつくようなイメージで考えていて、そういうときの最低限の領域というのがどの辺なのかということでありまして、そういう意味では今の御議論の中では、少なくとも「心身のストレス反応」と職場環境がわかる項目は両方あったほうがいいというような御意見だったのかなと思います。

○相澤座長 どうぞ。

○岩崎委員 今のいろいろ議論を伺っていまして感じた点を申し述べたいと思います。

 やはり先行している事業所にとっては、新しい制度の導入自体は非常に喜ばしいものの、非常にやりにくくなることを懸念しているという声は確かにかなり出ております。それを前提に考えますと、やはり先ほど川上先生がおっしゃられたような、ミニマムの要件を少し規定していただいてというやり方が1つあるのかなと本日感じました。

 一方で、50人以上の嘱託で選任されている産業医がいる事業所に展開するというのがもう一つの大きな目的かと思いますので、そういうところではなかなかメンタルヘルスの部分をそこまでやっていないというところがまだ多いというデータもあるかと思いますので、何らかの推奨なのでしょうね。推奨項目にしていただきたいというのが意見でございます。

 その中で考えますと、例えば定期健康診断においても、自覚症状の検査、他覚症状の検査という表現はあっても、具体的に何をするか、何の項目を聞きなさいというのは、実施者といいますか、事業者に任されているという側面もあるかと思いますので、そのような考え方で。一方、過重労働面談などで疲労度チェックシートなどは、こういう標準、推奨的なものがありますけれども、それも使っているところと使っていないところが実際あるかと思いますので、やるところに関しては使えるものを提示し、柔軟な対応もできるようなという形がとれるのかどうかということだと思います。

○相澤座長 現場からはそういう御意見が非常に多いと。川上先生も同じような考え方ですね。どこまでがちっと決めるかどうかということも、この委員会である程度提案しなければいけないですね。比較的緩くやろうという御意見だと思います。それはよろしいですね。

○渡辺委員 もう一つ、最終的に確認ですが、ミニマムという言い方が正しいかどうかわかりませんが、一応ミニマム条件としては、この3領域にまたがる質問票ということでよろしいですね。

○川上委員 結構だと思います。ほかの先生方、どうですか。

○渡辺委員 となると、少なくとも今までの9項目だけでは不完全であるということですね。ということは、大転換ということになると思いますので、一応確認をきちっとしておいたほうがいいと思います。

○相澤座長 論点、何ページですか。論点3の目安とする場合、「心身のストレス反応」と「仕事のストレス要因」と「周囲のサポート」、これを分けて検討するのでよいかについてはよろしいですか。ある程度独立してやって、総合的に判断する。

○川上委員 きょう、ここでデータがないので結論が出にくいと思いますし、私は幾つか心当たりがあって、この種の科学的根拠をまとめていこうかとしていますので、もし間に合えば次回の資料に少しお示しをして参考になるようにとは思います。睡眠、食欲も忘れずに検討してもらうようにします。

○相澤座長 いいですか。きょうはそこまでで、時間がちょうど来てしまいましたけれども、次回、資料を出していただくということで、きょうは初めてでしたのでフリーディスカッションのような形で大変貴重な御意見をいただきましたので、次回まで少し資料をまた集めて検討するということで、項目、論点2と3は、結論はきょうは無理だと思います。ということでよろしいでしょうか。

 それでは、次回の点について、次回は論点4のストレスチェックに含めることが不適当な項目と論点5の一般的健康診断項目との関係についてもあわせて検討したいと思います。きょうの御議論を踏まえて資料を事務局からやっていただければと思います。

 次回の予定については、事務局から御説明をいただきたいと思います。

○伊藤産業保健支援室長補佐 次回の検討会ですが、7月15日火曜日の午前10時から、この会議室で開催をする予定にしております。

○相澤座長 それでは、1回目の「ストレスチェック項目等に関する専門検討会」を閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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