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2014年7月24日 第3回医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会議事録

政策統括官付情報政策担当参事官室

○日時

平成26年7月24日(火)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省共用第8会議室


○出席者

構成員

飯山幸雄構成員 石川広己構成員 大道道大構成員
大山永昭構成員 貝谷伸構成員 金子郁容座長
佐藤慶浩構成員 霜鳥一彦構成員 新保史生構成員
田尻泰典構成員 冨山雅史構成員 馬袋秀男構成員
樋口範雄構成員 南砂構成員 森田朗構成員
山口育子構成員 山本隆一構成員

事務局

今別府敏雄 (政策統括官)
安藤英作 (情報政策・政策評価審議官)
鯨井佳則 (政策統括官付情報政策担当参事官)
高木有生 (政策統括官付情報政策担当参事官室政策企画官)
金崎健太郎 (参事官(内閣官房社会保障改革担当室))

○議題

(1)利用場面について
(2)諸外国の状況について
(3)意見交換

○配布資料

資料1 医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会構成員名簿
資料2 第2回 医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会プレゼンテーション概要及び各構成員の主な意見(未定稿)
資料3 情報連携における「視認性のある番号」と「電磁的な符号」の違い
資料4 日本電気株式会社ご説明資料
資料5 日立コンサルティングご説明資料
資料6 樋口委員ご説明資料

○議事

○金子座長 皆様、お暑い中お集まりいただきましてありがとうございます。私のお隣の構成員は沖縄から帰ってきたとのことで夏らしい格好ですけれども、フォーマルウエアだそうです。(笑)

 定刻になりましたので、第3回「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」を開催したいと思います。

 最初に、新しいメンバーの御紹介です。今回から、土屋日本薬剤師会副会長にかわりまして、田尻日本薬剤師会常務理事に新たに本研究会の構成員として加わっていただくことになりましたので御紹介いたします。

○田尻構成員 田尻です。よろしくお願いします。

○金子座長 よろしくお願いいたします。

 また、事務局にも人事異動がございました。唐沢政策統括官にかわりまして今別府政策統括官が着任し、山沖審議官にかわりまして安藤審議官が着任いたしました。

 それでは、今別府政策統括官より一言御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いします。

○今別府政策統括官 今別府でございます。この8年間で8回目という記録的な人事異動を経験しておりまして、去年も実はネット販売でお世話になった先生がおられますし、その前の社会保険庁時代にはシステム関係でお世話になった先生もおられます。

10年前には珍しく2年間同じポストで、保険課長というのをやっておりました。前任の保険課長、更に3代前の保険課長もおられるのですが、当時、保険証の電子化というものを進めておりまして、コストが問題なのでクレジットカードに載せればいいじゃないかというような議論をしてモデル事業をやって引き継いだのですが、きょうの活用例というものを見ますと最初にその話が出てくるので、番号と離れた話なのでいわばケースゼロだと思いますが、その話が出ておりました。当時は先頭を走っていたつもりなのですが、いつの間にかマイナンバーとも離れた軌跡を歩んでいるということでございます。

 私ももう58歳になりまして、世が世ならば年金通知がくる年齢になりましたが、これはあと半年、年内である程度の結論を得ると伺っておりますので、一応年内でできることを決めていただいて、それに確実にけりをつけていきたいと思います。

 きょうを含めて何回かの貴重な機会、議論が有益に行われて、私どもにきっちりとした宿題を投げかけていただけるようにお願いをいたしまして、冒頭の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○金子座長 ありがとうございました。

 今日の説明の中でも出てくると思いますけれども、これからいよいよ審議が具体的に入りいろいろと論点が出てきますが、半年でうまくまとまるかどうか、皆様方の御協力次第でございますのでよろしくお願いいたします。

 次に、事務局より配付資料についての御説明をお願いします。

○高木企画官 事務局でございます。お手元の資料を御確認いただきたいと思います。

 まず、先ほど御紹介がありましたとおり、構成員に変更がございましたので、資料1に改めまして構成員の名簿をお配りしています。

 資料2につきましては第2回、前回の研究会のプレゼンテーションの概要、それと構成員の主な意見の未定稿でございます。

 資料3といたしまして、「情報連携における「視認性のある番号」と「電磁的な符号」の違い」。

 資料4といたしまして、日本電気株式会社御提出の「想定するユースケース(案)」でございます。

 資料5といたしまして、日立コンサルティング御提出の「諸外国における医療分野におけるID活用状況について」でございます。

 最後に資料の6といたしまして、樋口構成員御提出の「アメリカの社会保障番号と医療」についての資料でございます。以上でございます。

○金子座長 ありがとうございました。

 報道陣の皆様がいらっしゃいましたら、頭撮りはここまでということでございますのでよろしくお願いします。特におられないようなので、続けさせていただきます。

 それでは、本日の議題に入りたいと思います。最初に、第1の議題である、先ほど統括審議官も少し言及されましたユースケースについてでございますが、具体的な議論に入る前に事務局より全体を眺める資料2と3について御配付させていただきましたので、その説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

○鯨井参事官 では、資料2と3について御説明いたします。このたび留年しまして、3年目に入りました参事官の鯨井でございます。よろしくお願いします。

 資料2でございますが、これは前回の議論の主な意見をまとめたものでございます。前回は3人の構成員、大山構成員、森田構成員、山本構成員からそれぞれ御発表いただきましたので、その内容につきまして簡単に概要をまとめたものが1枚目の表側でございます。

 裏側は、前回の各構成員から出されました主な意見をまとめたものでございます。ICカードの関係について、番号と符号の関係について、それからプライバシー保護の関係について、それぞれ委員から出されました主な意見をまとめたものでございます。

 次に、資料3でございます。これは、前回大山構成員と山本構成員から御説明いただきましたが、情報連携において視認できる、目に見える番号、それから電磁的な符号との違いについて、おさらいのために簡単なポンチ絵をつくったものでございます。

 一番左側は、目に見える視認性のある番号を情報連携に直接用いた場合の例でございます。目に見える番号で、一番上の機関から下の機関に対してこのように直接目に見える番号で連携をするというケースを書いてございます。これは最も単純で仕組み的には一番簡単なんですけれども、ただ、セキュリティーの問題としまして途中で見える番号を使いますので、番号が盗み見られるおそれがある。番号が漏れる、漏洩リスクが最も高いということがございます。

 真ん中は、これにかわりまして「電磁的な符号」を使う場合、これは見える番号、例えば住民票コード、住民登録コードなどから電磁的な符号、これは何百桁という電子的にコンピューターにしか認識できないような符号を用いる場合です。この場合ですと、途中で番号を盗み見られるおそれは低減できるということでございますが、ただ、システム上、それからネットワークの構築コスト、あとはコストに幾らかかってくるという問題もございます。

 一番右側が、さらにこの符号を機関別符号という形で機関ごとに、例えば鯨井という同じ人間であっても機関ごとに違う符号を割り振っているという方法があります。これはマイナンバーで用いられている方法ですけれども、真ん中の絵にコンピューターシステムがありますが、これはコアシステムと言われるもので、それぞれ機関別の符号をひもづけしまして、Aという符号とBという符号は同じ人間をあらわすんだということをこのコアシステムを使ってひもづけをして情報連携をするという仕組みも構築できるということです。

 ここまでやりますと、一つの機関で情報が漏れた場合であっても芋づる式に情報がとられるということはありませんので、セキュリティー上は非常に高いセキュリティー、ハッキングされる被害を低減できるということがございます。

 ただ、この場合ですと、さらにコアシステムの構築費用とか、あとは付番のテーブルをひもづけするテーブル管理コストがかかってきますので、さらにコストがかかってしまうというような形の類型がございます。以上でございます。

○金子座長 ありがとうございました。この絵は私にとってはとてもわかりやすくて、多分細かいことはいろいろまだあると思いますけれども、基本になるのかなと思いつつ、多分これからも参照することになるのではないかということで、ありがとうございます。

 さて、ユースケースのほうに入りたいと思います。次に、日本電気株式会社のほうから資料4について御説明いただきます。少しだけお願いがあります。きょうはかなりたくさんの説明がございます。ユースケース4だけでも、いろいろなケースが出てきます。もちろん発表時間は守っていただきますが、御議論もどんどんやっていただきたいんですが、なるべく簡潔にお願いしたいと思いますのでよろしくお願いします。

 それでは、資料4についての御説明をお願いします。20分程度ということです。

○日本電気(株) 日本電気の岡田と申します。それでは、資料4につきまして説明させていただきます。

 まず、1枚おめくりください。「目次」となっております。医療分野で番号を活用するケースとして、代表的な場面を幾つかピックアップさせていただきました。

 最初の4つですが、まず1つ目は医療事務の場面です。2つ目は医療連携、医療介護連携の場面です。3つ目は、研究分野から選びました。4つ目は、国・治体の政策立案にかかわる場面でございます。さらに、その他のケースとして幾つか記載しております。

 次の3ページをごらんください。まず、最初は「医療事務における番号制度の利活用」の具体例として、医療保険の資格確認をオンラインで行う場合について御説明をします。現状につきましては時間の都合で省略させていただきまして、次の4ページの課題のところから御説明したいと思います。

 現状、窓口でリアルタイムで資格の有効性確認ができないということがございまして、資格の審査の支払機関に送った診療報酬の請求が資格の不備で返戻させてくる。そのタイミングで初めて資格の情報の誤りが明らかになる場合があったり、あとは保険医療機関等の窓口に提示された被保険者証がもう失効しているというような場合があったりして、それは返戻発生の原因となっているという実態がございます。

 これに対しまして、番号を活用することで、リアルタイムで医療保険資格の有効性をオンラインで確認できるという仕組みが構築できれば、これらの保険資格の不備による返戻を削減することが可能であろうということでございます。

 改善案については、次の5ページの図をごらんください。患者さんが来院して、個人番号が記載されたカードを窓口で提示します。窓口の職員の方は本人確認を行った後で、患者さんの保険資格を確認するためにカードの券の表に書かれている番号を入力して医療保険資格確認サービスという、これは仮に置いたのですが、ここに問い合わせを行うということをします。

 それで、この医療保険資格確認サービスでは最新の資格情報が保持されていて、個人番号とひもづけがされているということを前提としております。この医療保険資格確認サービスからの資格情報をもとに、保険資格の確認が完了したら診療行為を行って費用処理を行うという流れになります。

 この画面の留意点について御説明したいと思います。次の6ページをごらんください。6ページの下のほうになりますけれども、「留意点」と書いてございます。医療機関で番号を提示する場合、例えば個人番号であれば本人確認が必要であるとともに、マイナンバー法による特定個人情報の取り扱いの規制や罰則がかかることが想定されます。

 また、医療保険資格確認サービスの構築・運営コストが想定されます。また、医療機関には端末の設置コスト等がかかると思われますし、保険者や医療機関のシステムにも変更が必要となる。ここにもコストが発生するという可能性があると考えております。

 続きまして、7ページをごらんください。これは2つ目のユースケースになりますが、医療連携、医療介護連携の現場での具体例です。ここでは、2つの地域医療連携にまたがった連携、医療連携と医療連携同士の連携の例について御説明したいと思います。

 ここでも現状の説明は省略させていただきまして、課題につきまして次の8ページをごらんください。地域医療情報連携では、各医療機関が個別に管理している患者を識別するための、通常は患者番号というものを名寄せする必要がありますけれども、これは大体手作業によって行われているので、この作業負担が大きいと思われます。地域連携のグループがさらに複数にまたがる場合には、この複雑さが増します。ここで、番号を活用することで名寄せ作業を正確かつ簡素化にして地域医療連携の活用範囲を拡大していくことは可能であろうと考えております。

 次の9ページをごらんください。こちらの図で、もうちょっと具体的に説明をしたいと思います。いろいろ書いてありますけれども、まず左側の上のほうですね。患者さんが来院をして地域連携の説明を受けて、この連携に患者さんが同意をいたします。それで、医療機関の窓口で、ここでは個人番号のICカードを提示するという想定をしております。それで、患者さんがICカードを提示したら、本人確認をするために患者さんにピン番号を入力していただきます。すると、システムはカードのIC部分から利用者証明用の証明書のシリアル番号というものを取得して、ほかの機関にある患者情報の閲覧を要求するために、ここではまず医療等分野の情報連携基盤というものがあるという想定をしております。そちらに問い合わせを行います。

 すると、この情報連携基盤はシリアル番号を医療等分野の符号に変換をします。この符号を、今度は地域医療情報連携サービスというものがあるという想定をしておりますが、ここに問い合わせをして、Aという医療機関以外の医療機関と、その医療機関の中の患者さんの番号を認識します。この例では、Bという医療機関に2222という患者さんがいるということがわかったので、A、B医療機関に2222番の患者情報をA医療機関に送りなさいという指示をする。こういうシステムの例として記載をしております。

 続きまして、10ページをごらんください。この場合の留意点について御説明をしたいと思います。10ページの下のほうですけれども、医療等分野の符号を振り出して、カードのIC部分の証明書、シリアル番号をひもづけるシステム、先ほどの図の例では医療等分野の情報連携基盤と申し上げましたが、ここのシステムの構築と、あとは全国の患者さんの医療等分野の符号と医療機関番号、患者番号をひもづけるシステム、これも先ほどの図では地域医療情報連携サービスというふうに記しました。この部分のシステムの構築と運営のコストというのが課題になるだろうと思っております。

 それから、医療機関のほうに公的個人認証のための端末のコストが想定されます。また、医療機関は番号と符号とは保有をしていないということですので、これらを医療機関側で管理するという措置は生じないというふうに想定をしております。

 続きまして、次の事例を説明します。11ページをごらんください。3つ目は、「研究分野での番号制度の利活用」の具体例ということで「前向きコホート研究」の設定を説明したいと思います。

 これにつきましても課題から説明したいと思いますので、12ページのほうをごらんください。調査研究対象者の住所や氏名などの属性が変化してしまった場合、登録されたデータの突合、突き合わせが難しくなります。それで、その当該データをそのために突き合わせができないということで調査対象から除外しなければならないということが起きるということで、このために研究精度が落ちてしまうというような課題があります。この部分で番号を活用するということで、長期間の追跡調査を途切れさせることなく、研究精度も維持することは可能であると考えております。

13ページで、例を説明したいと思います。ここでは、大学病院が研究機関として複数の保険医療機関と連携して実施するというコホート研究を想定しております。医師が研究対象者に目的や内容を説明して、この研究に参画するという同意を得ます。同意した対象者は個人番号カードを提示して、本人確認のためにピン番号等の番号を入力してもらいます。そうすると、システムはこのカードのIC部分のシリアル番号を情報連携基盤というところがあると想定してそこに問い合わせを行います。すると、この情報連携基盤はここでは見える番号をお医者さんに返すという想定をしています。可視化された見える番号をお医者様に返します。そうしますと、お医者さんは研究対象者の調査データに見える番号を付番して登録を行います。これを行うことで、研究対象者が複数の医療機関から調査データを登録するということになっても調査を継続することができるだろうと考えております。

 次の14ページをごらんください。ここでの留意点について御説明をします。カードのIC部分の証明書、シリアル番号と、見えるようになった可視化された番号とのひもづけを行うシステム、先ほどの図では医療等分野の情報連携基盤と記しましたが、この部分の構築と運営のコストが課題になると思っております。医療機関側に、システムの改修コストが想定されます。また、医療機関が可視化された番号を保持するということになりますので、これについてセキュリティーの確保であるとか、マイナンバー法との関係で法規制や罰則をどうするかが課題になるだろうと考えております。

 続きまして、4つ目の事例を御説明したいと思います。15ページをごらんください。4つ目は、国や自治体の政策立案に係る情報分析の例ということで、「がん登録」を例としたいと思います。

 これにつきましても、次のページの課題のところから御説明をします。16ページをごらんください。がん患者さんのがん患者届出票の重複を確認する照合作業がありますが、ここでユニークな識別子が存在していないためにこの突き合わせ、照合の事務作業の負担が大きいとか、あとは登録されたがん患者さんの生存情報は国や国立がん研究センターががん登録情報と、市町村が提出する死亡者情報票等の照合を行うという作業が必要になります。

 ただ、この際にもその照合に利用できるユニークな識別子というものが存在しないので、事務作業の負担が大きいという課題が現在あります。この部分において番号を活用することで、重複確認の効率化や高い精度での生存情報の入手が可能になるだろうと考えております。

 次の17ページが、具体的な流れになります。患者さんががんと診断されて、医師ががん登録の届出票を都道府県に提出をします。この届出票には患者さんの氏名や性別や生年月日、住所といった情報が記載されているという想定をしております。受け取った都道府県側は、患者さんの氏名、性別、生年月日、住所の情報を使って届出票にマイナンバーを付番します。1人のがん患者さんにおける1つの使用について複数の届出票が提出される場合や、患者さんが複数の医療機関で受診をしていて、それぞれの医療機関から届出票が提出されるという場合がありますので、都道府県で番号を用いて照合作業を行った上で国、国立がん研究センターに提出することができます。国立がん研究センターでは、市町村から死亡者情報票を入手して効率的、かつ高い精度で生存情報を入手することができるという流れになっております。

 これの留意点について、次のページで御説明をします。18ページをごらんください。留意点としては、次のようなことがあります。医療機関において、あらかじめ番号を付番して都道府県に提出するというフローも想定されます。この場合は、その番号をどのようなものとするか。患者さんに対する番号提示の要求とがん告知の問題、あとは適用すべきセキュリティーのレベルですとか、マイナンバー法との関係においての規制・罰則等をどう考えるかといったことが課題になるだろうと思われます。

 続きまして、その他のユースケースということで幾つか御説明させていただきます。20ページをごらんください。このユースケースは、マイポータルのプッシュ型サービスとして予防接種の案内を通知するという場合を例にしております。個人番号を使うことで自治体Aがサービスを行う場合に、ほかの自治体での予防接種履歴があるかどうかを問い合わせて、この例では引っ越し前の自治体Bに予防接種履歴があるという事例ですけれども、その場合には自治体Bの情報と連携するということが可能になるだろうと思います。これは、引っ越しのときだけではなくて海外留学のときに、小さいころに受けていた予防接種の履歴が必要であるとか、あとは里帰り等の事情で滞在先で予防接種を受けたいというような場合にも有効であろうと考えております。

 次の事例です。21ページをごらんください。これは、ナショナルデータベースの管理に番号を使うという例でございます。ナショナルデータベースの突合、長期追跡性のために突合キーを生成するという場合がありますが、下のほうの「匿名化処理」というところに書いてございますが、突合キーを生成する際に氏名とか保険者番号というものを使いますと、氏名が変わったり、保険者が変わって番号が変わるというおそれがあります。その場合に、これらの氏名や保険者番号を使って匿名化すると揺らぎが生じますが、ここで個人番号を使うということで、個人番号を使えば突合の精度が向上して保険者が変わっても同一人物であるという突合が可能であるという例でございます。

 続けて22ページをごらんください。22ページも同じくナショナルデータベースの突合の処理でございますが、これは先ほどの個人番号のかわりにナショナルデータベース管理用の番号を使うという想定をしております。この場合も、突合キーを生成する元データが氏名や被保険者番号にかわることはないので個人の特定が可能です。さらに、万が一このナショナルデータベース用の管理用番号が外部に漏えいするということがあっても、このNDBの利用以外の用途に影響が及ばないというメリットがございます。

 続きまして、23ページをごらんください。これは、保険者を異動した場合の情報連携になります。個人番号があれば保険者が被保険者に保健指導を行う場合などに、従前に所属していた保険者からの情報も活用して的確な指導を行うということが可能になるだろうと考えています。個人番号を利用せずに被保険者番号をキーにして情報連携することも可能ですけれども、この場合は被保険者番号と個人番号との関連づけがされているということが前提になります。

 留意点としては、番号法上の情報連携の対象となるか否かや、保険者の間での本人の同意なしに情報を共有するということに対しての法的整理が必要になってくるだろうと思われます。

 最後のユースケースです。24ページをごらんください。これは、マイポータルを使って個人がプッシュ型の医療費サービス通知を受けたり、自身の医療関連情報を閲覧したい場合の例でございます。この図では、医療保険者や市町村がサービスを提供するという例を記載してあります。

 留意点としては、このサービス提供者が個人番号の利用事務に該当するかどうかというマイナンバー法の法的整理が必要であると思われます。

 以上で、ユースケースの事例の御説明を終わります。ありがとうございました。

○金子座長 ありがとうございました。

 それでは、今の御説明について御質問や御意見をいだたければと思います。20分から25分程度をめどにお願いしたいと思います。

 では、石川構成員からお願いします。

○石川構成員 まず、これをユースケースというんですけれども、これは国民の全てに悉皆性、唯一無二性のナンバーが必要だ。それがなければ、このユースケースはどうなんでしょうか。できるのか、できないのかが1つです。

 それと、ナショナルデータベースの場合には出口のところでハッシュ関数を2回掛けて、それでデータベースを格納するということになっています。それは、この図の中ではどういうふうな扱いになっているのでしょうか。この2点をお願いします。

○日本電気(株) マイナンバーという番号があれば、より便利になるであろうということで、このユースケースについては書かせていただきました。まず、1点目はそういう御回答でよろしいでしょうか。

○石川構成員 その議論は、もう何年も前に終わっているんです。ですから、国民の悉皆性、唯一無二性のある番号が必要なユースケースということでやってもらいたいんです。だから、これはそういうものが必要かどうかということです。あったら便利ということではなくて、それはわかるんですよ。

○日本電気(株) 唯一無二であることで、これらのユースケースがそれぞれ非常に効率的に、正確にということであるという説明をさせていただいたのですが、それでは不十分でしょうか。

○石川構成員 そういうことなんですね。

○日本電気(株) それからもう一点は、ナショナルデータベースのハッシュ関数のところですね。この図は済みませんが、ちょっと簡略化しておりますので、何回ハッシュ化するかとか、そこら辺の技術的なところは省略して記載しております。申し訳ありません。

○石川構成員 そうではなくて、ナショナルデータベースはもう既にハッシュ関数を2回掛けてやっているのを、またいろいろなところで、これはどこで使うんですか。さらに長期追跡の可能性のためにこの符号だとか、そういったものをどう使うというふうに御説明しているんですか。

○日本電気(株) 既にもうハッシュ化しているものが存在している上で、改めてやり直すのかどうかという御質問でしょうか。

○石川構成員 はい。

○金子座長 それでは、特に今の第1点目はすごく大事だと思いますが、2点目も含めて鯨井参事官のほうから御説明いただければと思います。

○鯨井参事官 御質問ありがとうございます。石川構成員から御質問をいただいた2点について、私のほうから我々のほうでわかる範囲で御説明したいと思います。

 要するに、唯一無二性のある番号でないとできないかどうか。代替手段がないのかという御指摘でございますけれども、例えばケース1で挙がっているような保険資格確認に使う場合ですと、保険者ごとに被保険者番号は違いますので、それぞれに異なる被保険者番号を確実にひもづけるという意味では悉皆性のある番号があれば、より効率的かつ確実にひもづけられるということだと思っています。ですから、こういったことを効率的にやろうと思えばやはりこの統一番号がなければ現実にはなかなか実現は難しいんじゃないか。

 それで、絶対なければできないかというと、もちろん代替手段の保険というところは確かに可能だとは思いますけれども、ただ、効率的にできるということが事務のフィージビリティーの点で非常に重要ですので、そういった点を考え合わせれば統一番号がないと現実的になかなか難しいのかなという感じを持っています。

 それから、2点目としましてNDBの突合性の問題ですが、ハッシュ関数を2回掛けるとか、その辺の整理を別に変えようと思って提案しているわけではなくて、現在ハッシュを掛ける前の情報として氏名とか被保険者番号を使ってしまいますと揺らぎがある。つまり、被保険者番号が変わってしまうケースとか、あとは今回の突合が困難になった理由というのは例えば半角にするか、全角にするかの入力が徹底されていなかったということから突合が2割程度ということになっていますけれども、それも個人番号を使えば揺らぎというものがないので、より確実にデータの突合ができる。

 ですから、ハッシュの部分については変えるということではなくて、ハッシュを掛ける前の情報を揺らぎのない番号を使うことによって確実に突合しようという趣旨でございます。

○金子座長 追加がございましたらどうぞ。

○石川構成員 1番目の疑問については、やはり効率性が高いとか、便利だということの議論を超えていないような気がします。これはコメントですので、答えは要りません。

 それから、基本的にはNDBについては高確法に基づいて国や自治体だとか、そういうところは一定使えるということになっていますけれども、基本的にはハッシュ関数を2回掛けてできたNDBについては、いわゆる二次活用だとか、そういったことでできないはずです。これをやった後とか、前とか、いろいろな加工はできないはずです。ですから、これはあくまでも国とか自治体が活用するときにということで考えればいいということですね。

○金子座長 ありがとうございました。

 では、飯山さんどうぞ。

○飯山構成員 5ページのところで、オンラインの資格確認のお話が出ています。それで、ちょっとこのままですといかにもリアルタイムで即資格確認ができるような表現になっていますけれども、国保の場合で申し上げますと資格取得、資格喪失、それぞれ14日以内に届出書を市町村に提出するということになっていますので、実際問題としては2週間タイムラグが生じるおそれがありますので、そこのところは実運用として即そのうちの処理というのは難しいかと思うのですが、そこら辺も考えておかないと本当に瞬時に資格確認ができそうな感じにとられたらちょっとまずいかなということが1つあります。

 それからもう一つ、次の6ページの留意点で枠の中の一番の下なのですが、システムについて「保険者および医療機関のシステムにも変更が必要」と書かれていますけれども、実際には審査支払を受託している審査支払機関のシステムについても変更が生じるおそれがあると思いますので、そこら辺のところも御配慮いただきたいと思います。とりあえず以上です。

○金子座長 ありがとうございました。

 第1点について、鯨井さんから何かございますか。

○鯨井参事官 おっしゃるとおりで、このオンライン資格確認というのはかなり前から検討されてきながらなかなか実現に至らなかった理由の1つは統一番号がなかったということと、もう一つはタイムラグ問題で、14日間の資格を把握するまでの期間がある。

 つまり、せっかくつくってもなかなかタイムラグの解消ができないという問題がありまして、それはおっしゃるとおりですので、そこは制度的にどうするのか。14日間のタイムラグをこのままにするのか。それとも、これは一定のみなしとかをつけて登録されたデータを信じたものを救済するという仕組みまでつくるのかどうか。制度的な問題とセットで考える必要があると言うのは、そのとおりだと思います。

○金子座長 では、ほかにどんどんいきましょう。

 それでは、山本先生お願いします。

○山本構成員 幾つかあるんですけれども、最初に保険証確認の、タイムラグの問題というのは、そもそも保険者間でその資格情報を取り扱う際や、市町村へ届ける場合に紙でやっているから時間がかかっていて、その保険証情報を正しく電子的に扱うことができればかなりスピードアップできる。これは社会保障カードの検討のときに随分議論をして、何日でできるかみたいな具体的な見積もりも出したように思います。

 それから、本日の資料の位置づけですけれども、これは厚労省の公示している事業の説明書から見ると、今回この資料を我々が意見を加えて、さらに再検討してよりよい資料をつくっていただけるという位置づけということでよろしいのですか。

○日本電気(株) はい。

○山本構成員 そういうことですね。さすがにこの資料は再検討が必要ですので、そういう意味ではこれを改善することを言えばいいわけですね。

○日本電気(株) はい。よろしくお願いします。

○山本構成員 まず、ユースケース、ユースケースとおっしゃっていますが、それぞれに前提と言われるところで、個人番号を使うとか、ICカードを使うとか、本来それを議論しているところが前提に入ってしまっているようなユースケースになっているので、これは比較できるように記載をしていただかないと、我々としては参考にならないと言わざるを得ないと思うんです。

 保険証資格確認にマイナンバーを使うということはかなり想定しづらい話ですので、そういうものはそういう場合もあるでしょうけれども、今ここで鯨井さんが説明された資料3にあるような考え方を組み入れて、このどれを使った場合にどうなるのかということが必要だと思うんです。

 それから、石川先生の言われたことは非常に重要で、こうしなければできないことは何なのかがないと、代替手段があるのであれば代替手段を全部洗い出して、そこでコストを我々は考えないといけませんので、まずはこうしなければできないことを明確にしてほしいと思います。

 それから、NDBに関していうと現状を前提にするのか、あるいは、そうではないのか。現状のNDBにとって大変大きな欠陥は、あのデータベースを調べて何か見つけても絶対国民には情報が返らない。つまり、国民個人から見ると全く役に立たないデータベースなんですね。

 例えば、あるお薬の副作用が見つかったときに、このお薬を使った人が誰なのかというのは、本来はあのデータベースを見ればわかるはずなのです。ただし、NDBに完全な個人識別情報を入れるとやはりリスクはある。リスクを軽減しながら国民の利益にもつながるようなデータベースとして、特定健診のデータも含めて何かあった場合に個々の国民に利益を還元できるものとして再構築するのか。改めて別につくるというのはばからしい話ですから、再構築すると考えると、そこに何らかの連結をする仕組みが必要です。

 この番号の話で私はいつも言うのですけれども、今やっている医療連携や企業が便利になるとか、ならないという話をしている限り、この議論は進まないと思っています。そうではなくて、これは国民の権利を保障するのだということが大事で、それ以外に多分この番号を使わないとやれないことは余りないのではないかと思っています。したがって、最後にあるような自分自身の情報を集めてくることが本来は最も重要なことだろうと思うんです。

 とは言いつつ、導入した場合に何がどう変わるかと考えるのも非常に大事ですから、ユースケースを分けていただくのも便利でいいと思いますけれども、さきほど申し上げた観点で少し整理をしていただけるとありがたいと思います。

 それから、分類もこの大きな番号の(4)とNDBをなぜ分けてあるのかがよくわからなくて、がん登録もNBDも同じ目的だと思うんです。それが、一方はその政策目的に入って、もう片方はその他に入っているとか、こういう混乱が大分あって我々もわかりにくいので、その点も再検討していただければと思います。

○日本電気(株) わかりました。ありがとうございます。

○金子座長 発表者として何かありますか。大丈夫ですか。

 それでは、森田先生お願いします。

○森田構成員 私が申し上げたかったことは何点か今、山本先生もおっしゃいましたけれども、1点この資料について、とてもわかりやすいと思うんですが、この留意点についてコストがかかるという表現が随分あるんですが、逆にいいますとメリットの部分もあるはずで、そちらのほうとの比較というのは定量的には難しいと思いますけれども、どういうメリットがあるのかということをもう少し明示した資料を書いていただくか。それが難しければ、その辺についての情報がいただければと思います。

 そして、コストにしましても最初の導入時のコストと維持のコストとはかなり違うわけでして、導入時の場合のコストはある程度やむを得ないのかもしれませんけれども、維持のコストは現状においてやっている場合とどれぐらい手作業と違うのか。例えば、まさに資格確認の場合はそうですけれども、返戻だけでも数百億に上るという話ですので、その未収金の部分と対比した形でどうなのか。

 そういう議論をしませんと、なかなか権利の問題の次の効率性の問題について詰めた議論ができないのではないかと思いますので、それにつきましては事務局もそうですけれども、このお話を詰めていくときにはぜひそういう情報を出していただきたいと思います。

○金子座長 ありがとうございます。ほかにございますか。

 では、山口構成員、お願いします。

○山口構成員 利用する立場として今、御説明を聞きながら感じていたことですけれども、この医療連携や医療介護連携というのは情報を共有していただくということではとても便利という反面、病気によってはここの医療機関に行ったときはちょっと前の病院の情報は知られたくないなとか、例えば今セカンドオピニオン外来がありますが、紹介状を持って行くんじゃなくて一から診断してもらいたいというときは普通に受診をすることもあると思うんです。そういうときに、初めに情報が見えてしまうと何のための受診かわからないというような場合に、患者が医療機関に伝える情報を選ぶことがシステム上できるのかどうかがちょっとわかりませんでした。

 それから、患者が行く医療機関というのは本当に小さな開業医さんから大きな病院までいろいろあると思うんですけれども、コストがかかるというお話の中で、これが全てに行き渡らないと本当の意味での情報の共有にならないと思うんですが、それが実現する可能性はどれくらいあるのか。その2点を、今の段階で教えていただきたいと思います。

○金子座長 どうでしょうか。今のような質問に全部NECさんに答えていただくことは難しいかと思いますが、皆さんで共有しておくべき事など、事務局も含めて少しフォローしていただきたいと思います。

 今の山口さんのような御発言は、ここで出し切っていただき、それで何が必要なのかを議論したい。山本さん、森田さんのご意見は、今後検討すべき大事なご指摘だと思いますが、今の段階でNECさんに即答していただくのは、やや難しいかと思います。

 そういう意味ではここで論点を出していただき、先ほどの石川先生のお話もそのとおりですけれども、ではシステムが全部なければダメなのか、それとも代替案があるのか、ランニングコストを安くすることは可能かなどのような議論は今日だけではなくしてゆくことが大事だと思います。

そういう意味では済みませんが、今日のNECさんの発表はたたき台として出していただいたということで、今後、どんどん議論いただきたいと思います。

 では、鯨井さんお願いします。

○鯨井参事官 先ほどの森田委員からの御指摘にも一応お答えしたいと思います。発注者の側の意図を御説明したと思いますけれども、実は今回7月と9月の2回、ユースケースの検討をやろうと思っていまして、7月の段階でどこまで出すかというのはかなり悩みまして、山本先生もおっしゃるとおりで、やはり比較するためには符号とか、見える番号を使った場合はどうなのかとか、代替案はどうなのかとか、非常に詳細な分析は確かに必要だと思います。

 ただ、それを1回でいきなり出すのかということがありまして、今回の主眼はむしろユースケースとしてどんなものがあり得て、簡単な言葉でいえばこんなメリットはあり得るんじゃないかという、まずそのわかりやすさを重視して資料をつくっていますのでこういった感じになっています。ですから、まずそのユースケースについての認識をある程度共有するというか、基礎をつくるための資料でございます。今回いただいた御指摘をもとに9月の段階ではより詳細な分析をしたいと思っています。

 それから、山口委員のおっしゃられた情報共有を全国に広げるというのは、これは実はIT戦略本部の医療・健康分科会という別の分科会でも今、議論しています。全国に広げるべく検討を進めているということです。

○金子座長 それにしても、ここで意見をどんどん出していくと、質問を持って行く先がIT戦略本部なのか内閣官房なのかなどいろいろあると思います。要するに、これはたたき台で、たたき台というのはたたかれる台でございますので、そういうことでまだ少し時間をとれますので御意見をお願いします。

 それでは、馬袋さんお願いします。

○馬袋構成員 医療連携、介護連携ということで今、地域包括ケアにおいて連携という言葉が重要になっているのですが、事業者間どうしで連携している中で、月次処理をするとき、例えば制度の単位で請求する内容であるため、サービス毎の利用者の名寄せという問題がかなりの作業として事業者は負担になっています。

 というのは、サービスの単位と利用者、そして提供する内容で、名寄せが違ったり、番号が違うことによってもう一回返戻する内容と調整で、そしてそれが未収になるという問題が大きな問題になっています。それで、連携すれば連携するほど、連携する機関が多いからそれぞれがシステムがばらばらにやっているので、結局全部まとまらないから請求ができないという状態になりつつあります。まして、細かい内容で制度をいじればいじるほど、例えば介護保険の制度などはもう請求コードが5,000パターンくらいになってきています。それを間違えると、当然それは返戻ということになってきます。

 そういうことも含めた上で名寄せという問題、個人がサービスを使って結果として制度の受益を受けるのだから、それに対して名寄せをされる個人情報も必要であることを国民に理解を深めてくことを、この社会保障制度などでは必要と思います。

 それと、先ほど山口さんの言われた個人の情報が他者に知られることに対してやはりプライバシーの問題として整理をする。受けるんだから使われる情報と、受ける前に自分はこうだという意思表示をする情報というのは、連携という中では非常に整理をしておかないといけない内容です。それは全部番号でひもづけられるものなのか。既存でひもづけられるのか。ひもづけられる内容に教育とか倫理とか、そういったものを兼ね合わせる第三者によりチェックを入れるのかということも、今後この議論の中でしておかなければいけないことではないかと思っています。以上です。

○金子座長 ありがとうございます。

 それでは、大山さんお願いします。

○大山構成員 きょう説明いただいた件で確認をしたいことと、あとはお願いを申し上げたいと思います。

 最初に、表題のところに「番号制度の利活用」というのがいろいろ出ていますが、この件についてはマイナンバー、いわゆる個人の社会保障・税番号の利用を必須としているわけではないということを確認させていただきたいと思います。

 あえてこれを言うのは、番号制度と言っても、何を思うかはいろいろあると思うからです。医療分野で番号を導入するというのも一つの番号制度という言い方になるでしょうし、社会保障・税番号制度でつくられるさまざまなインフラとなるようなものを使うのも利活用という言い方になるからです。その辺のところで間違いがないようにする必要があると思いますので確認をさせていただきたいと思います。

 ここからはお願いです。例えば(1)のユースケースの医療事務の話ですが、保険者はマイナンバーを持つことになっているので、視認性のある番号がこの研究会で言っている医療番号であるとすると、保険者はこれら2つの番号を持つように見えます。今まで石川先生を初め皆さんが言っているのを聞いていると、私はちょっと違うのではないかと思うことがあり、ある意味、危険性があるのではないか思うこともあるので、整理が必要と思います。

 それから、2番から4番の例はユースケースとしては確かに違うように見えますが、例えば、生涯にわたる個人の健康情報を物理的ではなくて論理的に一元管理をする、どうアクセスコントロールするかは山口構成員が言っているとおりのこともありますので、それはまた別の話として整理して、もしこれから医療分野でつくっていこうという思いで同意されるのであれば、違いが出るのは4番のがんの場合だけになるのではないでしょうか。4番の場合には本人同意を必ずしもとらないこともあるので、法律があると思います。それ以外は同じになるのではないでしょうか。

 2番から4番は仕掛けの上で似たものになっているとすると、そういう整理の仕方もあるのではないでしょうか。

 それから、その他の項に関してですが、情報連携という言葉が使われていますが、コアシステムのほうは情報提供に変わっているので、情報連携と情報提供の言葉の意味の違いの誤解を避けるためにも、言葉を整理しておく必要があるのではないかと思います。

 特に法的な対応が必要というときに、その対象が番号法、すなわち今の社会保障・税番号法に対する改正案、改正事項なのか、医療分野で何かの新しい法律をつくる、あるいは改正することなのかで、所管も違うことですし、課題として分けて整理しておく必要があるのではないかと思います。

 その意味では、5番のところはその辺を整理する必要があると思います。さらに実はよくわかっていないのですが、20ページの5番にインターネット経由でマイポータル云々のところに、予防接種の履歴情報の提供が書いてありますが、この辺のところももう既に現在の法律の別表2に書かれている116の法定業務に入っているのかが確認できていないので、この件についても確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○金子座長 ありがとうございました。あと1方か2方、いかがですか。

 では、冨山さんお願いします。

○富山構成員 今回のユースケースの件ですけれども、資料2の大山構成員の最後のところで、いわゆる電磁的な符号と視認性のある番号のどちらかを使うのは具体的なユースケースを踏まえて判断すべきという文章が入っています。

 今回の資料では5つのユースケースが出ていますが、それぞれに見えない符号の場合と視認性の番号の場合でしっかり分けて出していただかないと、その有用性は非常に見えづらかったので、整理していただけばありがたいと思います。

○金子座長 わかりました。

 それでは、霜鳥構成員お願いします。

○霜鳥構成員 保険者の観点からしまして、10年後、20年後にそうなっていればいいなと思いました。想定していることができれば、こうなるだろうなという想定はできるのですが、今の情報インフラ、保険者に関する情報インフラも含めてそこはちゃんとやらないと、そこもないのに将来的なことを言われても現実性がないといいますか、足元できちんと何をやるんだということがないとなかなか難しいという感じはしました。

 それから、ここの中でも医療保険資格確認サービスとか、何か組織があるんですけれども、これをつくるということは決まっているというふうに理解していいんでしょうか。これを前提に何かこういうことができると書いてあるので、できればいいんですけれども。

○日本電気(株) 資料上、組織になるのか、仕組みになるのかわからないんですが、そういうものが必要なのではないかということで、図に仮として書かせていただきました。

○金子座長 組織というか、機能と思ってよろしいですか。

○日本電気(株) そうですね。機能ですね。

○金子座長 それらの機能を誰が果たすかはちょっと別にして、何か組織を立ち上げてやるようなものでもないような気も、ケースによってはと思いますので。

○霜鳥構成員 そのケースが個別に、例えば資格確認などはかなり重いので、問題によってはちょっとウエートが違うのかなという感じがします。

○金子座長 基本的にはどれも同じ仕組みのような気もしますし、わかりました。ほかにございますでしょうか。

 それでは、飯山さんどうぞ。

○飯山構成員 23ページのその他のケースの場合の「保険者を異動した際の情報連携」のところに関連してなんですけれども、制度の改善ということと結びつくと思うんですが、例えば高額医療費につきまして、保険者がたとえ変わったとしても高額療養費の計算を通算するというようなことがもし制度的にできれば、これは活用の余地があるんじゃないかと思うんですけれども。

○金子座長 ほかはいかがですか。

 では、樋口構成員お願いします。

○樋口構成員 プレゼンテーションありがとうございました。

 ただ、これは注文をつける会だというので、何も知らない素人からすると、今日のユースケースは比較的穏やかなものが多くてあれなんだけれども、逆にダイナミズムに欠けるというんでしょうか。こういう番号を使うとこういうことができるようになるのかと、とにかく今ないものをユースケースとして想定していいんだったら、今日の第1回は少なくとももう少し何か大胆に、例えばですけれども、本当に素人で勝手な注文をつけているだけなんですが、初めだったら医療事務で今、保険組合の関係の方が何回か発言されていますけれども、多分そういうこともやられたんじゃないかと思いますが、NECの方とそちらの現場の方とが話し合って、今これだけのコストがかかっている。これを、番号を用いることによってこんなことができたらいいねという話、さっき森田さんが言ったようにこれだけのコストが数字である程度は出てきていて、こんなに無駄な未収金であれ何であれ、そういうものが今後はすごく少なくなりますよというような話ですね。

 それから、次の医療連携、介護連携みたいな話も、馬袋さんであれ誰であれ、そういう現場の人でそれがないためにこういう点が困っている。しかし、これはそういうことで何かひもづけができるんだったら簡単に調べられて、その患者さんのために、あるいは被介護者のためにこういうことができるようになりますと、これはコストにならないかもしれないんですけれども、そういう話ですね。

 または、研究のほうも研究でこういう前向きコホートで具体的にこういうことを今やっているんだけれども、これがうまくいかないんだよという話をむしろ具体的に持ってきてもらって、これがこんなふうにうまくいくようになったらいいねというような話を聞かせていただけたらありがたいかという感じがしました。

 それで、また御苦労されるということなので、今のような勝手な言い分ですけれども、少しだけはどこかで反映して入れてくださるとありがたいのですが、その中でそれは本当はなかなか無理な相談で、その番号というものが一体何を指しているのかも、ここでもまだ共通理解がない上にあれしているんですけれども、ここで課題とされたものが大きく分けて2種類ありますね。1つはコスト、いろいろなコストが当然かかりますという話と、それからもう一つが番号法その他の規制、罰則という点についてやはり明らかにしておかないといけないというんだったら、今日のユースケースなどは真っ当に使われる限りは別に誰も問題ないんだから、こういうことについては番号法上の罰則はかかりませんというのをどこかで明らかにしてもらいたいというのをつけておけばいい。

 しかし、それもやはり大事なことなので、あるいはその対象にはならないというようなことをどこかではっきりさせておいてもらわないと、現場ではなかなかこういうシステムを動かせませんという話も、つまりこれからの話でプレゼンテーションをするというんだったら本当にそうなるかどうかはともかく、ちょっと余計なことを言い過ぎていると思いますが、本当に穏当なんだけれどももっと大胆さがあったほうが私などはありがたかったという感じがしました。勝手なことを言って、申し訳ありません。

○金子座長 この意見は、とても大事だと思います。コストの比較も全部を完璧にやるのは無理なので、どこかに絞って「ここについては」とか、例えば馬袋さんにお伺いして介護の実際の現場ではこうなるよ、この自治体ではこうなっているけれども、こんなに実は無駄が生じている。もしできたらこうだなど具体的な提示があると、よりつっこんだ議論ができるかもしれないので、次回そういう機会があればと思います。

 それでは、最後に佐藤さんお願します。

○佐藤構成員 報告書文章の表現方法についての意見です。例えば(3)のユースケースが前向きコホート研究になっていて、前向きに限っています。しかし、最後の効果の部分とかを見ると後向きコホート研究にも活用できるのかと思います。もしそうであれば、ユースケースの見出しは広目に書けるものであれば広目に書いていただく。3のケースでいいますとタイトルは前向きコホート研究ではなく、コホート研究とした上で、111213は前向きだけの話をしているので、ここは例えばということにしてしまって、14の最後のところの部分はコホート全般の効果だというような考え方で書いていただくといいかと思います。

 同じ観点で、(4)もがん登録とかなり正確に書いていただいていますが、例えば疾患の登録という見出しにした上で、例示としてがん登録を本文に書くと、何となくこの報告書はユースケースが幅広に見えるのかなと思いますので、意見として出させていただきます。

○金子座長 ありがとうございました。

 この最初の議論はここら辺で、次にいきたいと思います。次は、資料5について日立コンサルティングさんからご説明いただきたいと思いますのでお願いします。時間は15分で、その後、質疑応答を10分ほど予定しております。よろしくお願いします。

○(株)日立コンサルティング それでは、日立コンサルティングの美馬から説明させていただきます。

 昨年度、海外調査を厚労省様から受託しておりまして、その結果として特に医療分野におけるIDの活用状況について御説明させていただきます。時間も限られていますので、足早で説明させていただきます。

 まず1ページ目をごらんください。1ページ目が、今回調査した対象国6か国になっております。調査対象国の選定の観点としましては社会保障制度、あるいは人口や、経済規模、加えてICT化が進んでいるかというところで選定させていただいております。米国が入っていないのは、特に樋口先生と申し合わせていたわけではなくて、ただ単に全国民を対象にした社会保障制度がないので今回対象から外させていただいていたというところでございます。

 それで、一番上にID制度という列があると思いますが、ここに書いてありますように調査対象国は基本的にフラットモデル、いわゆる国民IDが入っていて、それを複数の分野で使っている国か、もしくはセパレートモデルということで、幾つかの分野にそれぞれ別々のIDが入っている国を対象にさせていただいております。

 あと、米印で書かせていただいていますけれども、フランスと韓国に関しましては必ずしも医療全体においてIDが活用されているというわけではございませんので、その部分については後ほど御説明させていただきます。

 足早に2ページ目に移っていただきたいと思います。まず、イギリスの医療ID制度について御説明させていただきます。

 「ID制度の概要」ですけれども、イギリスに関しましては9.11以降、いわゆるナショナルセキュリティーの観点から国民IDを導入しようという機運が高まっておりまして、実は2004年にIDカード法案というものが提出されて2006年に成立しております。

 ただ、2010年にキャメロン政権に政権交代したあおりを受けて、2011年に廃案になっております。それゆえ、今時点でもセパレートモデルになっているという状況がございます。

 医療分野に目を向けますと、NHS番号というものが1996年から整備されていますが、こちらに関しましては調査した範囲では悉皆性、唯一無二性は担保されていないという状況になっております。

 理由としましては、1つは結構付番がいいかげんで重複付番などが存在すると伺っております。さらに、医療機関に行かないと付番してもらえないという仕組みなので、2002年以前に生まれた人でずっと医療機関に行っていない人はNHS番号をいまだにもらっていない場合があります。

IDカードについては、医療カードというものがあるのですが、これに関しましても地域によって発行したり、発行しなかったりということで、その一貫性はなく、しかもIDとしての役割というよりはどちらかというと証明書という形で使われているという状況になっております。

 「医療分野におけるID活用」に関しましては、基本的にNHS番号で医療情報を連携、名寄せ、集約を行っているということで、符号などは用いていません。

 ただ、このNHS番号自体はプライバシーコミッショナーにも聞いたのですが、一応個人情報という扱いにはなっていないという話がありました。しかし、だからといっていろいろなところで使われているかというとそういうことではなくて、あくまでもNHS内の医療情報の範囲において使われているという状況になっております。

 御存じかもしれせんが、NHSではN3というセキュアーなネットワークを構築していますので、下から3番目に書いてありますようにChoose and Bookという病院の予約システムであるとか、EPSという電子処方のシステム、あるいはSCRというSummary Care Recordといういわゆる薬の禁忌であるとかアレルギーといったものを医療機関で共有するようなアプリケーション等がその上で稼働していて、NHS番号で個人を識別して利用しています。

 それ以外に、下から2番目にありますようにEHRに関しても今、整備が進んでいて、Secondary Uses ServicesCare.dateというものが2つ動いており、それぞれNHS番号を使って集約されているという形になっております。

 足早で恐縮ですけれども、今、御説明したようにほかの国に関しましてもID制度と医療分野での利用という2段論法で御説明させていただきたいと思っております。

 いろいろ資料を挟み込んでおりますが、飛んでいただいて6ページ目のスウェーデンに移っていただければと思っております。スウェーデンはフラットモデルということで、PINと呼ばれる国民IDが入っていて、それをいろいろな分野、民間も含めて多様な分野で活用できるという制度構造になっております。それで、IDカードはといいますと、実は決まったIDカードがあるわけではなくて、免許証であるとか、銀行のカードといったものにこのPINが記載されるという形になっておりまして、それをいわゆるIDカードとして利用しているという状況です。

 ただ、銀行カードとか国税庁の発行するICカードに関しましてはeIDという呼び方をしていまして、これに関しましては電子認証機能が付加されて、オンラインサービスに使われております。

 フラットモデルで関心があるのは、PINという番号で名寄せができるのか、医療だけではなくて他の分野とまたがった形で名寄せができるのかということだと思いますが、今回我々が調査した範囲では他の行政情報との連携する仕組みは整備されていないという結果になっております。

 医療分野におけるIDの活用状況ですけれども、こちらに関しましては医療の情報化というものがスウェーデンでは進んでおりまして、基本的に県単位で医療情報のネットワークが整備されております。それに対して、PINで情報の連携を行っているという形になっております。

 加えて、NPOという県をまたがった医療連携の仕組みも現在構築されておりまして、こちらのほうでもPINを用いて医療情報、患者を識別して連携をさせているという形です。

 医療のデータベースという面では、EHRに関してスウェーデンでは大きなナショナルデータベースみたいなものがあるわけではなく、基本的に疾病ごとにデータベースがつくられているという状況で、100種類くらいのデータベースがそれぞれの病院とか研究機関に存在します。こちらに関しましても、このPINを用いて名寄せ、集約されているという形になっております。

 本当に駆け足で恐縮ですけれども、10ページ目まで飛んでいただいてデンマークの状況について御説明させていただきます。デンマークに関しましては、基本的にスウェーデンと類似しております。CPR番号と書いていますけれども、これがスウェーデンでいうところのPINに該当するようなものになっております。フラットモデルで行政だけではなくて民間もこのCPR番号を利用できるという制度になっております。こちらもフラットモデルなので、医療以外の分野とその他の分野を接続しているのかということを調査しました結果、特定の法律を整備して雇用促進の場合のみ医療情報を参照できるようにしているということが明らかになっております。要は、本当に働けないのかどうかということを確認する上で、医療情報が参照できるようになっているところでございます。

 それで、IDカードですけれども、医療保障カードというものが発行されていますが、こちらはICカードではなくてプラスチックのカードで、それにCPR番号が記載されているという形で運用されております。

 医療分野でのIDの活用状況ですけれども、基本的にはこのCPR番号を符号化せずにスウェーデンと同様に生の番号で医療情報を連携、集約させているというのがデンマークの現状になっております。

 下から2番目に書いてありますように、古くはMedComという非営利企業が立ち上がっておりまして、こちらが医療情報、医療機関を連携させるようなアプリケーションを提供していて、その中でCPR番号が使われているという形です。

 それで、データベースに関しましても一番下にありますようにe-journalp-journalというデータベースが県ごとに整備されておりまして、電子処方のデータに関しましては国レベルで大きなデータベースが整備されているという状況になってございます。

 続きまして、ドイツのほうに移っていただきたいと思います。14ページ目になります。ドイツに関しましては一番上に書いてありますように、1970年代に連邦住民登録法案といういわゆる国民IDを整備するという法案が出されております。ただ、これが裁判所で違憲判決を受けて、結局のところ成立せずに現在もセパレートモデルになっているという状況でございます。

 医療分野でどういうIDが使われているかということですが、医療被保険者番号というものが使われておりまして、これは2003年に成立した医療保険近代化法に基づいて整備されているものです。それ以前も保険者ごとに記号番号は使われていたのですが、この2003年の法律制定後、保険者、疾病金庫と呼ばれているのですが、それを横断したような形で個人を識別できる番号が付番されているという状況になっております。

 ただ、ドイツで特徴的なのは悉皆性ではないということがありまして、これは社会保障制度に起因するところですけれども、ドイツではほぼ大半の人は公的保険に加入しているのですが、一部の高所得者とか、あるいは公務員の人というのは実は民間の保険を利用しても良い仕組みになっておりまして、約1割の人がこれを選択しています。

 それで、2003年に成立した法律に基づいて、現在ドイツではeGKと呼ばれる電子健康カード、ICカードが配布されておりまして、今年の2014年でこの配布がほぼ完了する予定です。

 ドイツの医療分野でのID活用という意味では、今ICカードの配布が終わった段階で、これからそのICカードを使っていこうということで、そのICカードで本人を認証して医療データを安全に連携させるということを構想しているところです。まだ構想段階で、実証実験が幾つかの地域で行われているというのが現在ドイツにおけるステータスになっております。それゆえ、今後どういうふうに連携していくのかがまだ明らかになっておらず、この医療被保険者番号を使うのか、符号を使うのかということについても今回の調査では明らかになっておりません。

 足早で恐縮ですが、17ページ目に移っていただきましてフランスの状況について御説明させていただきます。フランスはドイツと類似しておりまして、1970年代に国民IDの議論がありました。それで、ドイツよりもちょっとスキャンダラスな感じでこのSAFARI計画というものが取りざたされ、いわゆる国民IDで個人のプライバシーを侵害することが懸念され、基本的にそれ以降セパレートモデルが採用されております。これを起点として、後ほど御紹介しますけれども、CNILというプライバシーコミッショナーが立ち上がっているという経緯もございます。

 医療分野に関しては2番目に書いてありますように社会保障分野の番号として国民登録番号、NIRというものが整備されております。ただ、これに関しましては社会保障分野でのみ使って良いということで厳しく用途が制限されている状況になっております。

IDカードに関しましてはVitaleカードがあり、これは結構有名なのですが、被保険者のほとんどに対して5,000万枚が配布されております。ただ、NIRは全国民に振られていますが、Vitaleカードは16歳以上ということで、一部の若年層とか赤ちゃんとか、そういう対象にはカードは発行されておりません。

 特徴的なところを1点だけ御紹介すると、真ん中辺に書いてありますようにこのVitaleカードで保険資格の更新というものが行われているのですが、これが毎年1回必要になるという状況がございます。それゆえ、月に600万件の資格更新のトランザクションとして発生しており、そのためにフランス国内の5万か所にそのICカードリーダーが置かれているということが大きな特徴として挙げられます。

 今、御説明したように、NIRというのは基本的に医療保険の保険請求には使えるという形になっておりまして、各保険者で保険データの名寄せを行っていますし、下から4番目にSNIRAMという記述がありますが、これが日本のナショナルデータベースに該当するものでして、いわゆる保険請求データを集約して大きなデータベースとして二次利用しているという形になっております。

 では、医療情報はどうなのかといいますと、実はこのNIRに関しましては医療情報には使ってはいけないという判断をプライバシーコミッショナーであるCNILが出しております。そのため、今フランスでは2番目に書いてあるDMP、いわゆるPHREHRみたいなサービスが国で立ち上げてはいるのですが、こちらのほうではNIRを使えずに代わりにINSといういわゆる符号が使われております。INSを調べたところ、人では何か判別できないと表現されていたので、多分ハッシュか何かでかなり長い符号に変えられているものだと予想され、DMPのサービス上はINSで名寄せ、集約されているという状況です。

 このことが理由かどうかわからないのですが、DMPは全然利用が進んでおらず、利用者が約40万人ということで6,000万人以上国民がいる中で1%にも満たない利用率になっております。

 時間が超過してしまって恐縮ですけれども、最後に韓国の状況について御報告させていただきます。韓国に関しましては御存じの方が多いと思いますけれども、住民登録番号という共通の国民IDが入っております。それで、IDカードに関しましても一応登録証というものがプラスチックのカードですけれども、17歳以上の国民には発行されているという状況です。

 では、フラットモデルで分野をまたがって連携しているのかといいますと、医療情報は連携していないという認識でございます。あくまでも医療保険の請求に係るデータに関しましては、税金とか社会保障に関する合算とかに使いますので、そういう部分の情報に関しましては連携しております。それ以外の医療情報等に関しては連携していないという状況です。

 それで、住民登録番号がスウェーデンとかデンマークの国民IDと異なるのは、民間での利用を許可していないというところで、これが大きな特徴になります。基本的に韓国の医療機関はほとんど民間なので本当はこの住民登録番号を使ってはいけないのですが、ただ、そういうわけにもいかなず、医療保険資格の確認あるいは保険請求にはこの住民登録番号が利用できるという形になっております。患者データベースの主キーとして使わず、医療保険請求にのみ使うという前提において、住民登録番号の利用を多目に見ているというのが韓国の状況になっています。

 それゆえ、医療機関の連携にはこの住民登録番号が利用されていません。オンラインの資格確認、重複受診の排除、そういったチェックには使われています。また、有名かもしれませんけれども、HIRAというレセプト審査機関でナショナルデータベースと同様のものが構築されていますので、そちらの名寄せで住民登録番号が使われているという状況になっております。

 以上、駆け足で各国の状況を紹介させていただきました。

 本当に時間を越えて恐縮なのですが、最後に24ページ目の総括だけ簡単に説明させていただきます。

 まず1番目ですけれども、今回調べた中では医療分野限定のIDを用いている国と国民IDを医療分野に用いている国があります。その中でも、フランスと韓国に関しましては医療情報全体にIDが使われているわけではない、という状況になっております。加えて、国民IDを設けている国においても医療の枠を超えて医療情報とほかの情報を柔軟に連携させているような事例はほとんど見つかりませんでした。先ほど御紹介したようにデンマークの雇用促進等、一部の例が見られただけです。

 3番目、4番目は当たり前かもしれないですけれども、IDを使って地域医療連携とか、あるいはEHRの形成に用いている状況が確認できました。

 以上、足早で紹介して恐縮ですが、説明を終わらせていただきます。

○金子座長 ありがとうございます。それでは、議論は時間的には30分くらいしか時間がございませんが、活発な御議論をいただきたいと思います。

 よその国のことなので余りかと思いますが、それでは霜鳥さんお願いします。

○霜鳥構成員 調べていただきましてありがとうございます。何となくの感じなんですけれども、スウェーデンとかデンマークはいわゆる医療も社会保険方式ではなくて、国が医療を提供するという体制ですので、もともと税と一緒になっているんですね。ですから、そこではそういう仕組みになるという感じはします。

 社会保険方式だとドイツとフランスになるんですけれども、ドイツは日本と似ていますので、そういう意味では今、始まったばかりということですが、被保険者番号はつけていますが、疾病金庫が変わった場合にどういう取り扱いをしているのか。これはこれからの番号のときにちょっと気になりますので、追加的に調べていただければと思います。もしお答えできるならばお願いします。

○(株)日立コンサルティング 今お答えできる範囲で御紹介すると、ドイツは統一の医療被保険者番号というものが振られたのですが、これが2つのパートに分かれておりまして、前半部分が保険者固有で振ることができる番号で、後半部分はどこに移っても変わらない固定番号になっています。基本は、その後半で名寄せを行って本人を識別しているという形で運用するとは聞いております。

 ただ、まだ実際にネットワークが整備されておらず、各医療機関でリーダーにカードをさせば医療被保険者番号が表示されるという運用はされてはいるものの、組織を跨がった活用については今後の話だと認識しております。

○霜鳥構成員 恐らく日本で参考になるかと思いますので、その辺は調べていただければと思います。

○(株)日立コンサルティング はい。

○金子座長 では、冨山委員お願いします。

○富山構成員 お話を伺っていて、やはり国の大きさというか、人口も考えると、やはりイギリスとかドイツ、フランスが参考になると思って聞いていました。いわゆる医療情報と税情報などの連結というのは限定的で、できるだけつなげないほうが多いという感じで聞いておりました。

 もう一つは、前回も検討したいわゆる符号の部分についてはフランスだけが符号を使っているということで、そこら辺のメリットとか、もう少し教えていただければということです。

 もう一点は符号のことで、フランスは民間業者の利用を厳しく制限しているということですけれども、今回日本でも大手企業が個人情報を漏えいした。それが悪意でないとしても、やはり民間企業における取り扱いというのは非常に重要だと思うんです。特に医療等情報、機微性の高い情報についてはある程度規制をしなければいけないと思います。フランスにおける民間企業への厳しさとか、国民性というか、その背景にあるものを教えていただければありがたいと思います。

○(株)日立コンサルティング まず符号の点からですけれども、今回符号というものに大きく焦点を当てて調査はしていなかったのですが、御紹介したように医療に閉じたIDの利用がほとんどであり、医療従事者の認証を行っているケースが結構多いという理由もあって、ほとんどの国では符号化せずに、要は番号そのもので医療情報の連携等が行われておりました。

 韓国のように医療情報の連携を推進していないところは別なのですが、欧州に関しては、医療情報連携の環境を厳し目にセットアップし、そのかわりに符号を用いずに番号で医療情報の連携をさせているというふうに私のほうでは認識しております。

 もう一つ、フランスの状況ですけれども、先ほど御紹介したようにCNILというプライバシーコミッショナーがあって、その中に医療専門のチームも存在し、そこが厳しく医療情報の活用についても審査しているという状況がありますこのチームがNIRはあくまでも社会保障の分野の番号なので医療分野の利用はだめであるという判断をされたのではないかと想定しております。

○金子座長 では、森田構成員お願いします。

○森田構成員 ありがとうございました。海外の状態というのは歴史的な背景とかもあるものですからなかなかわからなくて、私も幾つかのところで調べてきたんですけれども、どういうふうにするか。つまみ食い的な評価というのは難しいと思います。

 ただ、きょうのところでは情報がというか、そこまでお調べになったかどうか知りませんけれども、最近この番号制度がかなり使われているといいますか、使う方の問題関心になっているのは何かといいますと、やはり保険の支払いのほうの診療報酬のあり方でこの番号制度を活用するという動きがかなり出てきていると思います。

 といいますのは、次第に診療報酬の形が包括化の方向へ世界的に向かっていると思いますけれども、その包括化の場合の医療行為についての評価をどうするかというときに、やはりかなり詳細な診療行為の内容がわからないと比較できないということだと思いますし、特に最近、これは聞いた話ですが、イギリスのNHSが非常に改革が進んでいるという場合もGPですね。そちらのほうの診療報酬体系に、いわゆるアウトカム評価を入れるようになってきた。そのアウトカムをきちんと把握するためには、どうしても患者さんごとの詳細なデータを集めて、それを集計しなければいけない。そういう必要性があって、だんだん進んできたということがいわれていると思います。

 ドイツにしてもフランスにしても、そちらの保険者の観点から、保険財政の観点からいうとそういう方向へ向かいたいんだけれども、なかなか国の規模もあってというふうに私は聞いております。

 それで、1点この中でちょっと私が聞いたといいますか、持っている情報と違うのはスウェーデンの場合です。スウェーデンの場合は今の診療報酬の評価もそうですけれども、我が国でも導入を目指して今、取り組んでいるところですが、いわゆる保険収載の場合の費用対効果をきちんとチェックしていこうというときに、スウェーデンの場合にはかなり医療機関ごとのアウトカム評価というのは厳しくやっているようですけれども、その場合にいわゆる費用対効果の場合の効果について、患者さんの勤労状態ですね。どれくらい仕事を休んだかという労働上のデータとリンクしてその効果を評価しているというので、これはたしか4月くらいの『NHKスペシャル』か、『クローズアップ現代』でかなり詳細に報告されたところです。

 その意味でいいますと、これは恐らく医療関係だけに閉ざされているわけではなくて関連したそうした分野、あの場合にはその労働によってどれくらいの税収が増えるかというところまで評価をしている、評価の対象に入れているというふうに報道されていたと思いますけれども、そういうところもあろうかと思いますので、今から注文して調べてくださいということを言えるのかどうか知りませんけれども、そうした側面について御存じのところがあれば補足していただければと思います。

○(株)日立コンサルティング 診療報酬との関連性については調べておりまして、今回の資料はオーバーフローしていますので入れてはいないのですが、先ほど森田先生から御指摘があったように、イギリスに関しましてはNICEという医療評価をする機関が立ち上がっておりまして、そちらで名寄せしたデータを評価して、評価結果がGPの報酬に反映されるという仕組みになっております。

 スウェーデンに関しましては先ほど御指摘のあった部分について我々もまだ十分に掘り下げられていない部分があるので、今後もし機会があれば調査したいと考えております。

○金子座長 ありがとうございます。

 今日の議論についての私の感想としては、NECさんの最初の発表のときもそうでしたが、ここはやはり参考にすべきというより具体的な数字や具体的状況のようなものがあるといいかなと思います。

 時間は、大体予定どおりで御協力いただいています。次は、先ほどちょっと出ましたアメリカの状態でございます。これについて樋口構成員のほうから御発表をいただきたいと思います。10分間でお願いしたいと思います。これは冗談ですが、私を含めて大学の人は話が長くなることがあるので、樋口先生は違うと思いますけれども、よろしくお願いします。(笑)

○樋口構成員 だらだらと話す樋口ですけれども、真面目な話、それは本当にそうなんです。

 アメリカの話で、もしかしたらこの中には御存じの方が多いのかもしれないんです。ただ、私は知らなかったものだから、私自身はちょっと調べさせていただいておもしろかった。ただし、NECさんのプレゼンテーションに注文をつけましたけれども、こうやって言い訳から始めるのはいけないんですが、私のこれからのプレゼンも踏み込み不足なんです。ただ、おもしろかったものだからということで、8分になったかもしれないですけれども、それだけをちょっと語らせていただきます。

 これが、私のソーシャルセキュリティーナンバーです。この紙っぺらを三十何年間持っているわけだけれども、一体これは何なんだろうと思っていたものだから、私自身にとってはおもしろかったということです。

 それで、すぐはぐっていただいて、本当に簡単な報告です。社会保障番号というものがある。SSNといっている。アメリカで唯一の共通番号である。対象は全国民及びほかにもちょっといます。

 それで、Social Security Actというのが1935年、これは1929年に大恐慌が起きまして、アメリカは初めて社会主義的な話を入れたんです。Social Security Actなどと、まさに社会という言葉を入れるような法律をつくってしまったわけですから、アメリカにとっては大変革だったわけです。そこで、Social Security Taxという税金を稼ぎからは必ず納めさせて、退職後には公的年金の形で最後の保障もするという体制を初めてつくった。

 それで、193511月から発行を初めて3か月で2,500万枚を配布、こういう紙切れで9桁の数字、私のも9桁です。Area code Group number Serial Number、紙のカードで目的は社会保障税、タックスを集めた結果、それは退職の後に公的給付となって返ってきますよと、それが計算できて本人にもわかるようにするためだから、1930年代なんですけれども、我々の年金の改革のところと非常に似ているんです。

 それで、「退職給付の確定という目的」なんだ。アメリカ人は、退職後は一体何で生きていくのかというとSocial Security、社会保障年金といっているのか、自分が納めた税金の対価、それから大きな企業、中規模以上だと企業年金を持っています。これは別にないところもいっぱいあるのですが、企業年金、それからPrivate savings、つまり自分のお金ということなんですね。だから、自立して退職後も生きていかないといけない。それで、社会保障分が社会保障税支払いに見合うものだ。それが幾らになるかを知らせるためには、この番号を知っていると返事が返ってきますよというシステムをつくっていたわけです。

 ただ、初めは14歳未満にはこのナンバーは発行されていないで、ただ、税金のときには子供がいる場合には扶養控除をしていて、これで5歳を超えると発行したものだから、本当は子供がいないということがこの年にわかった。今までは扶養している子供がいると、アメリカの場合は全部確定申告しますから、それがSSNを拡大したために実は子供たちはいなかったということで、消えた子供たち、消えた年金ではなくて消えた子供たちという現象が発生した。

 それで、1990年には1歳、現在はという話なので、35年から始めると紙ではあっても全国民に配布するのに半世紀以上かかっているんですね。それはアメリカなりの事情があると思いますが、これが事実上の共通番号、IDになっています。本来の目的はさっきの目的なんですが、本人の所得が移動するたびにこのSSNというものが全部につけられますから、それは全部わかるということですけれども、それでタックスが課される。

 しかし、ほかの多様な目的に実際には利用されて、従業員を雇うときの従業員ファイルであるとか、医療記録とか、医療保険の番号とか、クレジットであるとか、銀行に口座を開くときとか、大学のIDであったり、これは学生証番号という意味ですけれども、電気、ガスなどの公共料金の支払いなどにも多面のところで使われている。

 問題になったのは、「なりすまし」というのが出てきて、特に経済的なところでこれを使ってクレジットであるとか何とかという話が出てきている。それで、これは見える番号ですし、しかも番号がいろいろなことで要求されているからどこから漏れていくかわからないという話になる。写真も入っていないし、生年月日すらないわけですから、なりすましで銀行口座を開設してローン申請とかいろいろなことがあるので、この十数年ですけれども、現在はソーシャルセキュリティーナンバーを多様することは控えようという方針になっている。

 しかし、医療では実際には病院に行って医者にかかると、やはりソーシャルセキュリティーナンバーを求められる例が多い。なぜかというと、これは診療費支払いとの関係でいろいろ書いてありますけれども、結局一番大きいのはメディケアという65歳以上の高齢者医療についてはこの番号を使っているんですね。そうすると、高齢者だけにそれを要求するなどということは窓口ではできませんから、全員に要求するという話になっている。だから、結局診療費支払いが確実に行われるようにという病院側の意図があるわけです。

 患者のほうで、これは自分の情報だからとか何とかという場合には、だからいろいろな施設がありますけれども、医療費を現金払いにするとかですが、だけどこれは実際にはできないわけですね。それから、他のIDで代替して、せめて最後の4桁だけ提供して本人確認のかわりにするというようなことがある。しかし、診察を断られるケースもある。要するに、医療の場面で実際には広く使われているわけです。

 しかし、現在やはり普遍的な利用ができるIDが医療でも必要だという議論も強い。それで、ある患者の医療情報全体を知った上でちゃんとした臨床ができる。アレルギーなどの情報は、患者の安全に直結する。検査の重複等による患者負担というか、しかし、これは保険であれば社会負担でもあるわけですね。

 それで、HIPPA法というのがあるのですが、医療IDの必要性が説かれたんですけれども、連邦議会は医療IDというものをつくることを見送り、あるいは現在止めているんですね。ただ、議論としては私が読んだものが偏っているのかもしれないんですが、それは申し上げておきますけれども、情報保護技術の進展でプライバシーの懸念は逆に対処できるから医療ID、ユニバーサルIDというものをつくったらどうかという議論が、後でランド財団の報告書というものを紹介しますが、こういうような個人を識別する氏名、生年月日、その他いっぱいありますけれども、アメリカ人の場合、名前を変えることも自由なんですね。私は明日から金子郁容さんにもなれるんです。郁容さんだとまずいですか。ちょっといい名前が、本当に難しい名前だから出ないですね。

 それから、同一氏名である場合もあるし、性別の記載間違い、最近は性転換すらあるという話で、住所はもちろんそうです。だから、信頼できるのはやはりSSNです。

 しかし、やはりそれがいろいろなところでどんどん使われるのは問題ですよと。下4桁を使うなどということが行われているんだけれども、そうすると逆に病院外その他の情報連携には完全に安全でなくなるというわけです。

 それで、写真もないし、いろいろな問題があるから、ちゃんとしたものをつくったらどうかという議論の代表として「ランド財団の研究」というものが出てきました。これは2008年なんです。それで、これが取り入れられていないんです。要するに、医療IDがあると医療安全の向上やデータ連携、個人的にも利益があるし、ビッグデータの活用もできます。それから、EHRですね。いわゆるエレクトリック・ヘルス・レコーズを合理化して簡素化し、それから医療の効率性を向上させるはずだし、かえって患者のプライバシー保護にも寄与するはずだという立場からの報告書です。ランド財団というのは立派な財団だとは思うけれども、こういう立場とは逆のものもきっとあるんだろうと思います。

 それで、ここではなりすましとかというのは医療については、例えば私も患者ですけれども、私にかわって患者になりたいという人はなかなかいないので、クレジットとか銀行の経済的情報と違ってなりすましのほうはリスクは少ないのではないかと言われている。

 しかし、プライバシー、つまり医療情報が発見されて漏えいして差別とかという問題は一つあるし、日本などではやはり弱い人、高齢者で病にある人などをターゲットにして悪いやつが狙うということもありますので、では医療IDだから全然大丈夫などという話はもちろんないわけです。

 しかし、そのプライバシーも先回あったように大山先生その他、いわゆる技術がわかっている人が入って、しかも一応リーズナブルなコストでできれば、今は一定の対処はできるのではないのだろうかと、これは何の根拠もなく私はそう思っているということです。

 最後ですが、アメリカでは社会保障番号が医療IDとして利用されてきたけれども、それが1930年代、昭和の初期ですから、もはや欠陥があるということは明らかだ。それにかわる医療のユニバーサルIDをつくれという議論があるけれども、それがやはりアメリカでは実現しない。プライバシーに配慮しながら、本当に患者本人に直結し、その医療情報を共有、連携、活用する策が提案されてはいるが、多分、2009年以後この5年間で急にオバマケアの中でこれが入っているという話はまだ聞いていないので、これから私も勉強してみますけれども、知り合いもいるので、こういう話はどうなっているんだろうかということが何かわかればまた追加で御報告したいと思います。

 それで、おくれてきた青年である我が国は今、日立さんのほうからも、ドイツであれフランスであれ、いろいろな制度をやっているわけですから、そういうものを見比べながら新たな技術的な保障を伴う番号制度を創設できるチャンスなんじゃないかと考えております。以上です。

○金子座長 ありがとうございました。

 まさにそう思いますね。いろいろな制度の歴史のあるところを見て、いいところを取り入れ、危ないところはやめてということは今、逆にいうと日本だからこそできるのかもしれません。

 私もアメリカに長年住んでおりましてウィスコンシン大学で9年間教え、今は年金をもらっています。その手続きには、ぺらぺらの紙のソーシャルセキュリティーカードを提示することから始まりました。

 皆さんの御協力で、きょうの発表は全てしていただきました。発表者にはかなり急がせてしまいましたけれども、あと10分程度まだ時間がございます。今の樋口さんのお話も含めまして、ほかにありましたらどんどんお願いします。

 それでは、どうぞ。

○石川構成員 今の樋口先生のお話を聞きまして、最後におくれてきた青年である我が国はというふうなことであります。これは、今の状況を見ますと私たちも医療とIDについて長年さんざん検討してきたわけですね。メリットといえば、いっぱいあります。しかし、今の日本ではベネッセであったように、必ずしも個人情報についてタイトな国であるとは言いがたいわけです。それで、例えば今メリットを言っても国民は相当疑心暗鬼になっているに違いないし、おくれてきた青年である我が国はいっそIDをつくらないで、個人情報もこの程度でありますから、そういうほうの選び方もあるのではないかと私は思います。

 では、逆にそうでないとするならば、6月24日のパーソナルデータの利活用の大綱で書かれているように、利活用ありきでやって、要するに国民だとかそういったもののデータを国民の承諾なしに使うということもありだ。しかも、そのルールは利活用する人たちがつくってもいい。こんな勝手な国のパーソナルデータの利活用の方策みたいなものが出ているようなところでやるのではなくて、きちんとその辺は医療とIDに対してやるのであれば個人情報の別法だとか、そういったものを樋口先生が座長をやったときのようにやるというのも、我々はおくれてきた青年としてこういうチャンスもあると思います。そこのところをきちんとやっていただきたいと思うんです。それは特に事務局には何回も要求していることでありますので、ぜひそういうふうな方向でやっていただきたいと思います。

 それから、資料3番の3つのポンチ絵にありました最後のところで、今までの議論ではもう一つあるんです。この横に「電磁的な符号」として、それからこの上と下が結びつかない。結びつけない。結びつけたら罰するというフランスのやり方というのがあるんです。それももう一つ書いてもらって、それで選べると思います。

 要するに、よほどのことがなければこのマイナンバーと医療の番号というのは結びつけない。この間にこういうものを置くのではなくて、そういうやり方もあるんだと思います。符号でやったとしても、別箇にということです。それも今度は入れてもらいたいと思います。以上です。

○金子座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

 冨山さん、お願いします。

○富山構成員 今、石川構成員からのお話もありましたけれども、パーソナルデータの大綱の件で、センシティブデータについての規定も詳しいルールも決まっていないという中で、これで本当に来年の通常国会に出すというのは時期尚早ではないかと思います。今回資料2の裏の最後のところにも「パーソナルデータ大綱策定後の個人情報保護改正に向けた検討状況について、内閣官房に都度説明を行うよう求めるべき。」という文言も入っています。パーソナルデータの保護が前提での利活用だと我々は思っていますので、そこについての進め方について事務局のほうから教えていただきたいと思います。十分な議論の場もなく進んで改正案が出てしまうのでは国民の理解は得られるわけがないと思いますけれども、いかがなものでしょうか。

○金子座長 では、鯨井さんのほうからお願いします。

○鯨井参事官 第1回に、内閣官房の瓜生参事官に御出席いただいてパーソナルデータ検討会での検討状況、それから個人情報保護改正に向けた検討状況を御説明いただきました。それで、これも第1回に御説明があったとおり、今後継続的に検討状況はウオッチしていこうということを考えていまして、節目、節目でまた検討状況を御報告いただくということは可能だと思っていますので、これは内閣官房と相談して決めたいと思っています。

 ただ、いずれにしても、この研究会でのテーマは番号制度の必要性と活用場面というところを中心に検討したいと思っています。ただ、個人情報保護のあり方をどうするかということはこれを検討する上での重要な情報だと思いますから、そこは内閣官房とも相談したいと思っています。

○金子座長 新保構成員からお願いします。

○新保構成員 パーソナルデータの件については、もう残り10分で本日24日締切のパブコメが期限となっておりますので、今からパブコメをいただくということは難しい状況ではありますけれども、本日の日立コンサルティングの医療分野におけるID制度の概要ということで、例えばフランスがCNILを設置した理由というのは強力な監督機関が必要であるということで設置をして、我が国も今年ようやく特定個人情報保護委員会を設置したということになっているわけですけれども、この一連の議論において医療情報の問題とか、センシティブデータの取り扱いとか、いろいろ各論で不足しているということは当然、今の段階で国際標準にも合っていない国の制度でありますので、そもそも基本となる第三者機関が設置されていない段階で細かい議論ができるとは私は思っておりません。

 ですから、今回の法改正において細かなところについてかなり抜け落ちているという指摘は、抜け落ちていて当然でありまして、今回の改正というのはあくまでも国際標準の最初のスタートラインにようやく立てるという段階における第三者機関の設置というものが最も大きな課題となっているところであります。

 そこで、本日最後に申し上げておきたいところとしては、医療番号の取り扱いも含めて、この情報の取り扱いというのは民間部門と官民双方が取り扱うことが不可欠になってくるわけでありますけれども、現状、特定個人情報保護委員会は番号については官民双方が対象になっておりますが、今後、個人情報保護委員会が設置されるに当たっては、公的部門への監督というものについて現状どのようになるのかがまだ不透明な段階であります。

 ですから、最低限度、国際標準に適合する官民双方を監督できる第三者機関を設置して、初めて本日のこの各国における制度とともに比較できる日本の制度を構築できると考えておりますので、その点も踏まえて引き続きこのパーソナルデータの個人情報保護法の改正に向けた検討状況については、こちらの検討を委員会でも適宜その状況について今後御確認をいただければと思っております。

○金子座長 ありがとうございます。時間が残り少なくなりましたが、ほかはいかがでしょうか。

 では、霜鳥さんお願いします。

○霜鳥構成員 これはどちらかというと意見ではないんですけれども、9月から委員会が続けられるんですが、全て18時以降になっているんです。厚生労働省という少子化とか労働問題に関与している省が、事前に就業規則以外の時間を設定しているということについて、私どもとしてはちょっといかがなものかと感じておりますので、意見だけ申し上げさせていただきます。

○金子座長 御意見としていただいておきます。ほかはよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、これで多分議論が終わったということではなくて、これから始まるということかと思いますが、本日はこの辺で議論をおしまいにしたいと思います。

 次回の開催について、事務局から御連絡があればお願いします。

○高木企画官 次回第4回でございますが、今、御意見をいただいた中ではございますけれども、ただいまのところ9月3018時から開催を予定しております。詳細につきましては、追って御連絡させていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○金子座長 きょうはなかなか厳しい意見がたくさん出たというところで、それもまた重要なことかなと思います。

 それでは、きょうはこれでおしまいにしたいと思います。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

政策統括官付情報政策担当参事官室
室長補佐 芝(7671)
      武田(7439)

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