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2014年7月15日 第2回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 議事録

○日時

平成26年7月15日(火)16:00〜18:00


○場所

厚生労働省 共用第7会議室(5階)


○出席者

井出教授 沖倉教授
野沢論説委員 萩原部長
平野教授 藤井障害保健福祉部長
川又企画課長 田中障害福祉課長
竹林障害児・発達障害者支援室長 吉田課長補佐
菅自立支援給付専門官 全国身体障害者施設協議会
社会福祉法人日本盲人会連合 一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
社会福祉法人日本身体障害者団体連合会 一般財団法人全日本ろうあ連盟
公益社団法人全国脊髄損傷者連合会 社会福祉法人全国盲ろう者協会
一般社団法人日本難病・疾病団体協議会

○議題

(1)関係団体ヒアリング1
(2)その他

○議事

○菅自立支援給付専門官 ただいまから、障害福祉サービス等報酬改定検討チームの第 2 回会合を開催いたします。御出席いただいた関係団体、アドバイザーの皆様におかれましては、御多忙のところ、お集まりいただき誠にありがとうございます。

 議事に先立ちまして、本検討チームのアドバイザーの方を御紹介させていただきます。大正大学教授の沖倉智美さんです。毎日新聞論説委員の野沢和弘さんです。川崎市健康福祉局障害保健福祉部長の萩原利昌さんです。立教大学教授の平野方紹さんです。和光大学教授の井出健二郎さんは、所用により遅れて御参加と伺っております。なお、高鳥政務官(注1)は本検討チームの主査ですが、公務により欠席させていただきます。カメラ撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 続いて、厚生労働省の人事異動があった関係で、構成員全員が交代となりましたので、順に御紹介させていただきます。副主査の藤井障害保健福祉部長です。

○藤井障害保健福祉部長 蒲原の後任の藤井でございます。障害部は 4 年のブランクがありますが、また戻ってまいりましたので、どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。

○菅自立支援給付専門官 構成員の川又障害保健福祉部企画課長です。田中障害福祉課長です。竹林障害児・発達障害者支援室長です。精神・障害保健課長も異動があり、冨澤課長ですが、他の用務により欠席させていただいております。

 本日はヒアリングを行うため、関係団体の方々にお越しいただいております。ヒアリングの順番に御紹介いたします。全国身体障害者施設協議会様です。社会福祉法人日本盲人会連合様です。一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会様です。社会福祉法人日本身体障害者団体連合会様です。一般財団法人全日本ろうあ連盟様です。公益社団法人全国脊髄損傷者連合会様です。社会福祉法人全国盲ろう者協会様です。一般社団法人日本難病・疾病団体協議会様です。

 続いて、本日の資料の確認をいたします。座席表、議事次第、ヒアリング資料 1 8 までございます。事前にそれぞれ御提出いただいた意見資料です。併せて青色の冊子が、アドバイザーの方と省側の構成員のみ配布させていただいておりますが、身体障害者施設協議会様から、是非にとのお話がありまして、配布いたしております。資料の過不足等がありましたらお申し付けください。また、アドバイザーの方と構成員には、黄色の参考資料のファイルがございます。これについては前回同様、会議終了後は机上に残したままにしていただき、次回も置かせていただきますので、よろしくお願いいたします。なお、本検討チームの議事は公開として、本検討チームにおける審議内容は皆様に内容の御確認を頂いた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載される予定となっております。あらかじめ御了解いただけますよう、よろしくお願いいたします。

 ヒアリングの進め方ですが、前半は 4 団体から順に御意見を述べていただきますが、そこで一度切らせていただき、アドバイザーの方などから質疑応答の時間を取りたいと思います。その後、後半の 4 団体に同様に御意見を頂き、再びアドバイザーの方等からの質疑応答を行います。そして、最後にもう一度、全体を通して質疑応答がある場合は、それも行う時間配分にしたいと思います。それでは、順に皆様から御意見を賜りたいと思いますが、 2 時間と限られており、 1 団体 5 分程度で意見陳述をお願いいたします。時間が経過した時点で事務局から紙で合図をさせていただきます。

 では、全国身体障害者施設協議会様に御意見を頂きます。

○全国身体障害者施設協議会 全国身体障害者施設協議会の白江と申します。本日、このような機会を与えていただき、感謝申し上げます。

 私どもの施設協議会では、現在、ケアの質の向上の取組を進めております。言うまでもなく、このケアの質の向上のために最も必要なものというと、やはり人材の確保、それから養成、定着にあると私たちは考えております。私たち、施設だけではなく支援に関わる者の最大の使命は、入居者・利用者の自己実現です。更にはスタッフの自己実現に向けた取組が不可欠であり、その先にはコミュニティケアの確立に向けた取組があります。施設対地域というような関わりではなくて、地域の中の施設の位置付けで取組を進めてきました。その意味で、ケアの質を上げることは、コミュニティケア、あるいは地域福祉に大いに貢献していくと信じております。ただ、人材といっても、人数がいればいいというものではありません。最近、私どもの施設協議会の加盟施設では、人工呼吸器の利用者や気管切開の方、それによる喀痰吸引、経管栄養、更には摘便等の医療的ケアに象徴されるような方が大変増えております。重症化、重度化に伴うケアは、かなり高度化・複雑化してきております。

 ちょっと言い方を変えると、科学的なケアと尊厳のあるケアについて、十分理解をし、熟知し、更に技術を備えた人材が必要になってきている。そして、その能力を備えた介護職と医療、栄養、リハビリ、ソーシャルワーカー等の多職種の専門職によるチーム力が絶対的に不可欠な状況になってきております。したがって、ただ単に介護職だけを人材という意味で言っているわけではないということを、まず御確認いただければと思います。

 少し前までは、施設看護師というと、看護師であれば誰でもいいように言われていましたが、最近は、看護師だけではなく栄養士も、あるいはリハビリも、専門職の経験や技量を見なければ、施設では勤まらないという状況になりつつあることを認識いただければと思います。以前とはかなり様変わりしてきていることが申し上げられます。

 前回、 3 年前の報酬改定の折に人員配置体制加算が減額されましたが、私どもは、人材確保、あるいは養成、定着という意味では逆行する判断であろうと思っております。経営実態調査等でその数字が根拠となっていたように伺いましたが、本当にその実態を表している数字なのかどうか。例えば定着率の問題や職員の年齢構成の問題とか、あるいは勤続年数等を考え併せなければ、その辺は見えてこないというように思っています。定着率が低ければ、あるいは若いスタッフが多ければ、勤続年数が短ければ当然、人件費は下がってきますので、収支差額がプラスになって余裕があるかのように見えるかもしれませんが、先ほど冒頭で申しましたが、ケアの質を上げることを私どもは考えているので、そのような考えからすると、極めて不本意な状況になっており、それを基に検討され、更に減額ということになってくると悪循環に陥ることになりますし、その傾向がないとも言えません。

 報酬が何のために、誰のために使われるのか、是非、もう一度その基本となるところを御確認いただき、重度化や重症化、あるいは複雑化・高度化している介護現場における、利用者や入居者、そしてスタッフの自己実現を支援できるような報酬体系の構築を、是非お願いしたいと思っております。今、このことに取り組まなければ後顧に憂いを残すであろうと思いますし、人材確保法が成立しましたが、将来にわたって人材を確保するためには、今ここできちんとした報酬体系を構築しないと、人材を養成、定着していくことはできません。また是非、そういった要請・定着する流れを作るための報酬改定であってほしいと思っております。

 現在、ケアスタッフとして働く多くの人は、低賃金でも仕事に誇りややりがいを持って、それを支えにして頑張ってくれています。入居者や利用者は人手不足の中で、そういったスタッフの様子を見ながら待たされ、我慢しながらスタッフを気遣っています。是非、そのことを御理解いただきたいと思いますし、いろいろな統計等から見ても、他産業との賃金格差が 10 万円近いものがありますので、それを解消していくための手立てというものを考えていただきたいです。そういった実態を基に私たちの要望をまとめました。具体的には 4 点に絞りました。

1 点目ですが、当協議会所属の施設では、看護師は平均 3.7 名以上の配置をしております。人材の確保をすることはとても大変です。そのために本体報酬の増額に加えて人員配置体制加算、あるいは夜間の看護師の配置体制加算の増額、処遇改善加算の対象を拡大していただきたい。

2 点目は、施設入所における生活介護は、 1 か月 30 日在籍しても、 22 日しかカウントされません。その積算根拠は、平成 18 年に制度が発足して以来、開示をお願いしてきましたが、明確に示されてはおりません。是非その理由を明確にした上で 30 日、フルにカウントされるように改めていただきたいと思います。

3 点目は、向こう 3 年の報酬体系ではなく、利用者や入居者の自己実現、誰もが暮らしやすい、共に生きる社会づくり、すなわち私たちが言う、コミュニティケアの構築を実現する上でターニングポイントになるような見直しを、今回是非お願いしたいと思います。言い換えると、どれだけ本気で人づくりに予算を当てるかということが問われているのだと思います。

 最後に、デフレに伴う見直しがありましたが、インフレ傾向にある現在、インフレに伴う見直し、更には、消費税率引き上げの場合の対応方針などもお示しいただければと思います。

○全国身体障害者施設協議会 全国身体障害者施設協議会・会長の日野です。 2 点補足します。 1 つは、アドバイザーの皆さんのお手元に配付しておりますブルーの報告書について説明いたします。身障協では、地域における施設の機能・役割に関する特別委員会を設置し、有識者の 2 名と身障協の委員 6 名、計 8 名で約 3 年間にわたって協議し、本年 3 月に報告書としてまとめました。この報告書は、決して平成 27 年度の報酬改定と無関係ではなく、むしろ、これからの検討チームの議論に資するものであると認識しております。今、白江副会長からケアの質の話が出ましたが、めざす社会に向けて実施すべきケアの本質であるコミュニティケアのイメージをスペースモデルにたとえて、大局的な視点や個別の視点から、それぞれ会員施設が取り組んでいる事例等も紹介しています。今後、検討されるに当たって、これを活用していただければ大変有り難いと思います。

 もう 1 点は、報酬改定について基本的な考え方です。障害の種別に関わらず、やはり障害をもっておられる全ての方が、それぞれの地域で自分が利用したいサービスを適切に安心・安全に利用できるような制度の仕組みと、それに伴う報酬が重要だと考えます。また、サービスの提供の担い手として期待されている現場の職員が、やはり安心して継続的に働き続けることができるような環境や体制づくりが不可欠だと考えます。これが人材の確保、育成、定着につながるものと思っております。そのような意味で、良質なサービスを提供できるだけの、また安定的な事業ができるだけの運営基準と報酬が、大変重要だと認識を持っております。

○菅自立支援給付専門官 どうもありがとうございました。次に、日本盲人会連合様、よろしくお願いいたします。

○日本盲人会連合 日本盲人会連合の金村から、同行援護のお話をさせていただきます。同行援護の事業所の運営的な不安定さ、そして、ヘルパーさんの慢性的な不足、それらが視覚障害者にとって、多くの社会参加や自立の妨げになっていることを前提にお話いたします。

 同行援護とは、極めて特殊な特性を持っている本質があります。その 1 つとしては、極めて常に危険性を伴うサービスである。先般、 NHK でも放送されましたが、 5 月にヘルパーさんと利用者が車にはねられて死亡した事件があり、それ以降、私も、いつ私がはねられるかと思い、恐怖におののきながら歩いているという状況です。

 続いて、多様な能力が求められるというものです。目が見えない方に目が見える方が見えているように説明を、十分なされないと情報不足となります。その情報提供サービスでは、情報提供が得られないので、非常にスキルが高いものを要求されます。それにもかかわらず、このサービスは、非常に効率性が悪いサービスです。外出を伴う場合に、非常に不規則な外出が多いので、事業所の対応が困難さを増しております。また、手間が掛かります。事前に下見をしたりネットで調べたりするようなことも掛かり、非常に手間が掛かるわりには報酬単価がこのような状態であり、ガイドヘルパーに希望する方が極めて少ないので、事業所が安定できにくく、ヘルパーさんも生活できないというようなことになっております。その結果、私どもは、ヘルパーさんの空いている時間に外出を合わせたりしなくてはならない。非常に本末転倒な状態に陥っております。また、様々な選別が利用者の中で起こっております。単価が高い介護有りの方だけを契約し、サービスをするような状態が起こって困っています。また、養成過程にも難点が生じております。単価が低いがために、ヘルパー養成に受講する方が非常に少ない。少ないがために、指定事業所も講座を開かない。悪循環、負のスパイラルに陥っております。これを解消するために単価を引き上げていただき、今、 2 倍以上離れております身体介護有りと無しの格差を一本化し、非常に困難な利用者に対して、加算を付ける制度の導入を要望します。今回、同行援護が始まって初めての改定になりますので、どうかよろしくお願いいたします。

○日本盲人会連合 続いて、日本盲人会連合の鈴木が補足させていただきます。今の同行援護の所はお話があったとおりですが、特に中山間地域の移動支援においては、人材不足と事業所不足が大きな問題になっております。そういった点で、いわゆる辺地の加算とか、そういったものも加えられれば良いと思います。

 続いて、同行援護以外のサービスについてです。大きく 2 つありますが、介護給付と訓練等給付があります。 2 つ目の訓練等給付の 2 番目の就労移行支援で、視覚障害がある者の適職のあんま、マッサージ、指圧などの養成等もこの事業になっております。至る所で違法な業者の乱立等がある中で、当事者が自ら働いて仕事を持ち、収入を得るための訓練を質の良いものにするためには、是非そこのところの充実をお願いしたいと考えております。

 3 つ目は、共同生活介護、介助、援助ですが、ここでグループホームのことが出ております。視覚障害がある者が一般の入所施設、特に老人ホームやグループホームとか、いろいろな所に行きますが、やはり視覚障害があるがゆえに、きちんとしたケアがなかなか受けられていないというようなことで、やはり情報提供の重要性がここでクローズアップされてくるのではないかと考えています。そういった意味でも、そのところの加算があるとよろしいかと考えております。

 それから、報酬単価の見直しとは若干異なるのですが、自己負担額が現行ではゼロ円、それと、大きく分けて 9,300 円と 3 7,200 円の刻みになっております。 9,300 円を少し超えると、突如、 3 7,200 円の自己負担になっていくということで、やはりそれぞれの所得に応じた負担があるのであれば、 1 万円代、 2 万円代というような、 9,300 円から 3 7,200 円までの間で刻みを作っていただければ、払うほうもいいかなと。払いたくなくて言っているのではなく、払いたくて言っているのです。是非、そこら辺を、報酬単価とは違いますが、見直しをされる際にお願いをしたいと考えています。日本盲人会連合からは以上です。

○菅自立支援給付専門官 ありがとうございました。続いて、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会様からお願いいたします。

○全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 全難聴の高岡です。今回のヒアリングに当たりまして最初に申し上げたいことは、障害者権利条約が批准・発効しているということです。障害者権利条約は、障害を持たない人と同じ権利を障害者が持つことを、締約国が確約するものです。しかも、国際的に日本政府も、国会も、それを承認しているということを、まず御承知いただきたいと思います。障害福祉サービスに関わる制度が社会的な障壁にならないように、その解消を果たす義務が厚生労働省にあると思います。

 私どもの意見は 4 つございます。最初の 1 つは、障害者の範囲と選択の決定に当たっての障害の確認です。どういうことかと言いますと、聴覚障害に関する等級を国際的な水準に合わせてほしいということです。 2006 年の厚生労働省の調査によれば、聴覚言語障害者は約 34 万人です。人口比にすると、 0.3 %しかありません。しかし、世界保健機関の 2005 年の報告では、人口比で 4.3 %、 2013 年の報告では、人口比 5.2 %となっており、非常に少ない数字です。つまり、それだけ多くの難聴者、聴覚障害者が福祉サービスの対象外にされているということです。

 その理由は何かと言いますと、世界保健機関は純音聴力レベル 41dB 以下を聴覚障害としていますが、我が国の身体障害者福祉法では、両耳で 70dB 以上を聴覚障害としているからです。非常に大きな幅があります。

 この認定の基準によって、生活に、あるいは就労に必要な支援が得られないばかりか、社会の理解を妨げる大きな要因になっています。お手元の資料にありますように、私どもは今年の 3 10 日、厚生労働大臣あてに、聴覚障害認定に関わる要望書を提出しております。

 要望の具体的な内容は、身体障害者福祉法別表の規定を国際水準に合うように、等級基準を改めていただくこと。 2 つ目に、難病と指定された特発性両側性感音性難聴、突発性難聴の一定の障害も、医師の診断書、意見書をその基準に合うように明示していただくこと。それ以外の疾病による難聴も加えていただきたいことです。 3 つ目に、聴覚障害の認定は純音の聴力検査だけではなく、聞こえに困っている人の日常的な生活の困難さを加えていただきたい。例えばテレビが視聴できるか、電話ができるか、多くの人の集まった会議に参加できるか、それが実際の聴覚障害者の生活の困難さです。純音の聴力レベルではないということを再度強調したいと思います。

 2 つ目の要望は、補装具給付事業の補聴器についてです。現在の制度上、補聴器の給付の判定は各都道府県の更生相談所の判定に任されています。その多くは、片耳の補聴器の給付です。しかし、両耳の補聴器の給付を受けると、格段に生活のレベル、 QOL が上がることが確認されています。厚生労働省から各県の更生相談所に、両耳の補聴器の装用を積極的に評価していただきたいと思います。

 3 つ目は、支援サービス体系についてです。意思疎通支援事業は現在、地域生活支援事業で行われているため、地域格差が非常に大きなものです。私たち障害者は、全国どこでも同じように暮らす、同じように社会参加する権利があると思います。この意思疎通支援事業及び日常生活用具給付事業を全国共通の仕組みで提供される支援、つまり今の自立支援給付で、かつ自己負担のない制度に移行していただきたいということです。

 4 つ目は、要約の 2 ページ目です。障害者総合福祉法の策定及び実施のための調査です。 1 つは、先ほど申し上げましたように、難聴者の生活の困難度を測る調査を実施していただきたいと思います。 2 年前に行われた厚生労働省の谷間の障害をなくすという調査は、聴覚障害についてはたった 1 項目しか書かれていません。どういう理由で聴覚障害になったのかということであります。これでは何の調査もしていないことになります。今までの実態調査では、何が原因で聞こえなくなったのか、どういうコミュニケーション手段をしているのかも調査していました。それすらなくなってしまった、余りにもひどい調査です。聴覚障害者の実態を本当に把握する気があるのかどうかということを問いたいと思います。 2 つ目に、障害者総合福祉法をはじめとする障害者施策は、国勢調査などの調査のデータに基づくよう、法に明記していただきたいということです。以上です。よろしくお願いします。

○菅自立支援給付専門官 どうもありがとうございました。 続いて、日本身体障害者団体連合会様、よろしくお願いいたします。

○日本身体障害者団体連合会 日本身体障害者団体連合会の森です。本日はこのような機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。私からは大きく分けて 5 点のお話をしたいと思っております。障害福祉サービス等報酬改定に伴うこれにつきましては、制度も含めてお話をさせていただきます。

 1 点目が、障害者制度改革推進会議の総合福祉部会の骨格提言があるわけですが、これはこれから、いわゆる附則 3 条で論議されることだと思いますが、可能な限り骨格提言に反映していただきたい。 2 番目が、地域生活支援事業の財政あるいはサービスの地域格差が出ているので、これを解消するようなことを前提にしていただきたい。 3 番目は個別給付です。これについては、原則、日払いでもよろしいわけですが、人件費、事務経費等は月払いにしていただければと思っています。 4 番目は、介護保険対象年齢になった場合でも、従来から受けている障害のサービスを継続して受けられるようにしていただきたい。これは総合支援法第 7 条の問題です。

 最後ですが、報酬単価の問題です。報酬単価の引上げと加算制度が一緒になっているわけですが、両方の見直しをしていただきたいということです。 1 つは基本報酬単価の引上げです。これは事業者の運営の安定、あるいは福祉・介護処遇の改善の確保ができるように、全般的にやってもらいたい。これは先の改正のときにいろいろと配慮していただいたわけですが、まだ足りないと思っています。特に、訪問系、基本報酬の引上げをお願いしたい。その中でも、重度訪問介護の単価が大変問題になっているわけですので、これを是非考えていただきたい。

 次にグループホームですが、平成 26 4 月から、ケアホームとグループホームが一緒になりました。特に、私はグループホームにつきましては、小規模のグループホームの単価というのは、もう少し見てもらわなければならないのではないかと思っております。また、ケアホームについては、一番大変なことは夜間の体制だと思っております。そういう面から言いますと、夜間体制につきましては、夜勤の単価から見て、宿直等については大変低くなっております。これについては見直していただければと思っています。

 次に、単独型の短期入所単価の引上げです。これについても、 130 から 320 のように、大変見ていただいたわけですが、これについてももう少し配慮してもらいたいと思っております。

 次に、サービス等の利用計画制度の単価の引上げです。これについては、新たにサービスの利用支援制度を作っていただいたわけですが、重度の方の問題等を含めて、もう一度見直してもらいたいと思っています。

 もう 1 つは加算制度の見直しです。職員の報酬単価については先ほどお話をしましたとおり、見直していただいたわけですが、どうしても正規の職員が安定するためには、経験あるいは年齢の加味も加算制度の中で考えていただいたらどうかと思っております。次に、新規利用に係る初回加算が出ているわけですが、事業費は申請したときにすぐにお金が入るわけではありませんし、また、新規の人たちをすぐに全員入れるということについては、大分かかるわけです。こういうことを考えたときに、一応これについても事業開始というか、加算制度を創設していただければ幸いと思っております。

○菅自立支援給付専門官 ありがとうございました。それでは、これまでの 4 団体からの御意見に対し、アドバイザーの皆様などから、御質問等がありましたらお願いいたします。

○野沢論説委員 まず、日本盲人会連合の皆さんにお聞きします。ヘルパー不足ということで、現在ヘルパーとして働いている方々、あるいは新しくヘルパーになる方々のバックボーンと言いますか、どのような方々がヘルパーになってきているのかを知りたいと思うのです。

○日本盲人会連合 現在、応募でこられる方は高齢の方が多いというのが第一印象です。現役、 30 代、 40 代の方がこれで生活するのは極めて厳しい状況にありますので、年齢が高齢化している部分で危険性が伴うというのが、非常に課題を抱えている状況になっています。

○野沢論説委員 どちらかというと、退職した後の方ぐらいでしょうか。

○日本盲人会連合 はい。 50 代、 60 代、 70 前後の方もいらっしゃいますので、先ほど言いました安全性の面からいうと、微妙なところがあるという言い回しにしておきます。

○日本盲人会連合 補足させていただきます。従来ですと、移動支援の時代、平成 15 年頃から支援費になってきた頃は、ガイドさんになる人たちは録音ボランティア、点訳ボランティアと兼ねている人たちが多かったわけですが、時代が流れてきて、その人たちが高齢化する。それで新たな平成 23 年からできた同行援護という制度で研修を受けるということの中では、ただいまお話をしたように、割と年齢の高い人たちの参加が多い。それも、都市部は多いわけですが、地方にいくほどそれが少なくなっているという現実はございます。それも報酬単価の関係で、 1 人に対する賃金が若干少ないので、どうしてもガイドで資格を取ったにしても、ホームヘルパーなどに流れるという傾向が強くなってきているところです。

○野沢論説委員 日本身体障害者団体連合会にお聞きします。グループホームについてですが、身体障害の方のグループホームのニーズというのは高まってきているのでしょうか。どのような方々がグループホームを、居住というのは非常に重要だと思っているのですが、最近のニーズの現状というか、そのようなことを教えていただきたいのですが。

○日本身体障害者団体連合会 今日お話をしたのは、身体障害者だけの問題ではなく、知的障害も含めての話です。身体障害者の場合は、初めは重度の方々だけはやりましょうというのは、大臣の回答でありました。それで我々も期待していたわけですが、なかなかできなくて。結局、今は身体障害者の場合は、福祉ホームというのがあったわけです。それでやったわけですが、もうそれは古くなってきています。それで、身体障害者の場合でも、こういうグループホームを使いたいという要望が出てきているという形だと思っております。

○野沢論説委員 ここに挙げた幾つかのものは、特に身体障害のということではなくて、全体的なということなのですね。分かりました。

○平野教授  1 番の身障施設協議会の方にお伺いします。人材の確保と定着ということなのですが、今の職員の定着状況、例えば平均勤務年数が伸びているとか縮んでいるとか、どういう傾向にあるのでしょうか。

○全国身体障害者施設協議会 伸びているかどうかということで言いますと、伸びてはいません。正確な勤続年数のアンケートを採っているわけではないのですが、いずれの施設においても、人材確保に困難を来していることは間違いなく出てきております。

○平野教授 都市部と地方では、どちらが厳しいでしょうか。

○全国身体障害者施設協議会 地方ではほかに職がないということが影響して、いいところもあったりしますが、都市部は同じ福祉関係の仕事が多いということもあって、難しいという傾向もあります。

○沖倉教授 引き続き身体障害者施設協議会の方に御質問させていただきます。頂いた概要版の「意見」の「コミュニティケアを目指す改定」に「チャレンジ応援プラン」と仮称でお書きになっています。具体的なことというより、私は前回のこの会議で、施設から地域へ移行していくに当たって、思いのほか進んでいないという現実の中で、どのような仕掛けがあればそれが進んでいくのかについて関心があるというお話をして、皆さんからアイディアを頂きたいということで発言させていただいたので、これが 1 つ何かあるのかなと思ったので、もし御意見や御提案がありましたらお願いしたいのですが。

○全国身体障害者施設協議会 今、 1 施設当たり年間 1.5 1.6 人ぐらいが地域生活に移行しているという数字が出ているのですが、応援プランというのは、施設に在籍したまま体験的にアパートを借りて暮らす、施設の職員がそれをカバーしていくというようなイメージなのです。

 ところが、今はそういう仕組みがありませんので、相談支援事業所を通して、地域体験という形をとらなければならない。そうしますと、入居者は施設に在籍したまま、施設側は空室が 1 室できた状態ですがそのままの報酬を得て体験生活を支援し、施設が地域移行に向けた取組をしていくという仕組みとお考えいただければと思います。

○全国身体障害者施設協議会 補足します。いわゆるグループホームを本体住居としてのサテライト型の住居というのは認められていますが、障害者支援施設を本体とする形態は認められていないわけです。この間大阪に勉強に行ったのですが、措置制度の中で、施設に籍を残したまま、 6 か月間地域のマンション、アパートで、居宅生活訓練事業という事業を利用しながら、地域移行に向けて取り組んでいるという事例があったのです。その場合、措置費は減算されずに支援するという取組ですので、障害者支援施設としても、そういった、籍を残したままチャレンジできるような仕組みを導入して支援したいということで、提案しました。

○沖倉教授 引き続きお願いします。全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の高岡さんに御質問させていただきます。資料の説明をしていただいたのですが、 1 か所「サービス利用計画と支援ガイドライン」の所の御説明がなかったのですが、 3 の2の「想定されるサービス利用計画は現行制度以上に利用しやすいものとなるよう」とお書きいただいているのですが、何か具体的なアイディアはあるのでしょうか。

○全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 これは、以前の相談支援事業が現在の地域生活支援事業であるのですが、これが全国共通の制度に移行した場合に、どのようなサービスを提供するか、つまりコミュニケーション支援にしても、リハビリテーションにしても、そうした計画を作るのに当事者の意見を聴いてほしいということと、単純に障害の程度、区分といったときに、聴力だけで決めないでくださいと。先ほど申し上げましたように、実際の生活の困難度を基に、支援計画を作ってくださいということを申し上げるのが漏れました。御指摘ありがとうございます。

○沖倉教授 ありがとうございました。

○萩原部長 全国身体障害者施設協議会様から、医療的ケアについての御発言があったかと思います。頂いた御意見の中に研修の体制等の記載もあるのですが、協議会様のほうで現状と言いますか、ニーズあるいは研修を受けている方たちとか、状況のような情報はお持ちでしょうか。

○全国身体障害者施設協議会 特定研修、不特定研修のことを指されているのかと思いますが、その数字は今は持ち合わせておりません。ただ、利用されている入居者の 4 分の 1 ぐらいが喀痰吸引を必要としているという実態はありますので、各施設ともそれに対応しないといけない状況になります。

○萩原部長 ありがとうございました。

○平野教授 日本身体障害者団体連合会さんにお伺いしたいのですが、出された御意見の中の 5 番目の (1) の「基本報酬単価の引上げ」の中の4に「サービス等利用計画支援の単価の引上げ」というのがあるのですが、介護保険のケアマネジメントに比べて、障害のほうのケアマネはこういうところが難しいとか、障害者のケアマネの特殊性みたいなものはございますか。

○日本身体障害者団体連合会 これは障害者の問題と老人介護の問題に焦点がいってしまうと思うのです。介護の場合というのは、大体老人という形で来ていますが、障害者の場合はみんな個性を持っていますので、支援の方法も違うし、程度の問題もみんな違うということではないかなと思っております。

○平野教授 介護の場合は 30 1 でしたが、そういう人数的な問題はどうでしょうか。そういうところも多少は障害のほうが配慮が必要だということはお考えですか。

○日本身体障害者団体連合会 それぞれの人によって大分違うと思うのです。今日は、後で脊損の方々がおりますから、その話が出てくると思いますけれども、介護の人たちと重度の人たち、脊損の人たちの問題というのは、介護の程度は違うのではないでしょうか。

○平野教授 もう 1 つお伺いしたいのは、そういうところで言えば、障害の場合はもっと適切な、手厚いケアマネを作れば、地域生活がもっと進む、可能かという展望はどうですか。

○日本身体障害者団体連合会  1 つは報酬単価の問題はあると思います。それと、障害が重いと、業者がなかなか見付からないというのが現状ではないでしょうか。そのように私は理解しております。

○菅自立支援給付専門官 ここで後半の部に入ります。後半の 4 団体から順に、御意見を頂きたいと思います。まず、全日本ろうあ連盟様、よろしくお願いいたします。

○全日本ろうあ連盟 まず司会の方にお願いがあります。聞こえる方の場合は声で話しますが、手話の場合にはこのように表現をして、少し時間差が出てくると思いますので、その辺は御配慮いただければ幸いです。よろしいでしょうか。

○菅自立支援給付専門官 結構でございます。

○全日本ろうあ連盟 ありがとうございます。先ほど意見書を出しましたが、長文ですので、ポイントを絞って短く説明させていただきます。

 1 つ目。障害者総合福祉法の骨格提言に沿った形、これは非常に重要な要素です。必ずその提言に沿った形で検討を進めていただきたいということが 1 点です。 2 つ目。サービス利用計画の報酬単価については、例えば相談支援事業においては、相談支援事業所が安定的な運営ができるような単価に改定していただきたい。 3 つ目は、聴覚障害者が必要とするコミュニケーション支援の加算というものを、新たに設けていただきたい。現行においては、視覚・聴覚障害者支援体制加算というものがあります。ここは聴覚障害者 1 人からの対象の適用をお願いしたい。 4 番目。平成 21 年度に改定された介護福祉士等の資格を有する人たちが、一定の割合で事業所に雇用された場合には、サービス等について報酬上の評価を加算するということがありますが、この資格を有する者の中に、手話通訳士 ( ) の有資格者等も含めていただきたい。 5 番目。日中活動に対応する視聴覚障害者の支援体制加算については、グループホームにも是非適用をお願いしたい。 6 番目。グループホームにおいて、日中のヘルパー派遣が利用できるような制度の見直しを図っていただきたい。 7 番目。グループホームに情報設備機器等が必要な場合、特にその充実化を図るためには、国の補助等についての御配慮を頂きたい。また、明確に要綱の中にも追加をお願いしたい。 8 番目。通院、入院等における場合、手話のできるホームヘルパー等の利用が可能なように、施設入所者及び在宅の方々全てに対して、制度を認めていただきたい。 9 番目。入院や外泊等においても、加算期間について、今まで 8 日間を限度にしていましたが、それを更に延長し、施設入所の支援について、月額払いという形での配慮をお願いしたい。 10 番目。施設入所の支援については、利用定員、定数の削減等をしている施設は、一定期間の間、例えば報酬の緩和策等の措置を設けていただきたい。 11 番目。障害者権利条約、また老人福祉法におきましても、高齢障害者に関する一定の規定というものがないために、高齢障害者に対する総合的な支援を更に検討を要望します。

○菅自立支援給付専門官 ありがとうございました。次に、全国脊髄損傷者連合会様、よろしくお願いいたします。

○全国脊髄損傷者連合会 脊損連合会の大濱です。このような機会を与えていただき、ありがとうございます。

 平成 27 年度基準報酬の改定に当たって、 1 点目は、重度訪問介護の事業者報酬の基本単価をかなり引き上げてもらわないと駄目でしょうということです。これは私自身の話にもなりますが、この 1 年ほど、介護者が 1 人足りないとなっても、なかなか事業所が見つけられなくて、本当に困っています。私は 1 24 時間プラスαの重度訪問介護を受けていますが、どうしても介護者が足りなくて、特定の介護者にすごく負担を掛けているのが現状です。

 資料注 1 にあるように、身体介護の単価は 1 時間で 4,040 円、重度訪問介護は 1 時間 1,820 円で、 2.22 倍の差があります。したがって、重度訪問介護の単価を 1.5 倍から 1.7 倍程度引き上げてもらわないと、重度訪問介護の利用者は、なかなか地域で暮らせないという現状が変わりません。その結果として、グループホームなどを選ばざるを得ないような状況になっています。これが、 1 点目です。

2 点目として、特に地方では重度訪問介護を提供してくれる事業所がないという大きな問題があります。そのせいで東京都などの大都市部に出てきて暮らす重度障害者が非常に多いわけです。そうすると、大都市部の一部の市町村では、国庫負担基準をかなりオーバーしてしまって、その持ち出し負担をどうしようかという話が毎年のように起こっています。ですから、地方での事業所新設に補助金を 3 年程度付けるといった対策を打っていく必要があります。

3 点目は喀痰吸引等支援体制加算についてです。これは介護保険並びで 1 1,000 円の加算が付いているのですが、これでは全くやっていけないので、最低でも 5,000 円ぐらい、できれば加算ではなく本体報酬の中できちんと反映してもらわないと、喀痰吸引や経管栄養を引き受けてくれる事業者はほとんどないという現状を変えられないのではないかというような趣旨です。

4 点目は、短時間の重度訪問介護は身体介護と同単価にすべきであるということです。これは何を意味しているかというと、一部の市区町村では、まず重度訪問介護を 1 時間利用して、その後は 1 時間休みで、その後また 1 時間利用してと、かなり変形的な支給決定がされています。 2.22 倍の単価差がありますから、単価の高い身体介護ではなく、安上がりな重度訪問介護を細切れで利用してくださいねというのが実態です。ですから、本来は連続長時間の利用を前提とした重度訪問介護を細切れに利用させるのであれば、身体介護並みの報酬をきちんと出してもらいたいということが 4 点目です。

5 番目は、重度訪問介護の場合、 2 名体制で長期の同行訪問の期間が必要ですから、その人件費の助成をお願いしたい。医療的ケアの研修コストを助成していただきたい。求人費用を助成していただきたい。事業所でも頻繁に広告を出しているようで、かなり経営を圧迫しているという話を聞いています。それから、利用者が入院、死亡、契約解除などで、急にヘルパーの仕事がなくなったというときに、ヘルパーの給与補償がすべて事業所の負担になってしまいますので、こういったリスクに備えた助成金を創設してもらいたいというのが 5 点目です。これについては、かつての基金事業で求人コストや研修コストが補助対象とされていた経緯がありました。

 次の大項目は、訪問系サービスの国庫負担基準についてです。資料に書いてあるように、現在の水準では、障害支援区分 6 の重度訪問介護利用者の基準額が 44 万円です。ところが、実際の利用額を見ると平成 25 年度では 50 万円です。つまり、利用者 1 人につき毎月差し引き 6 万円を市町村が全部負担しているということです。したがって、国庫負担基準も 1.5 倍から 1.7 倍は引き上げてもらわないと、市町村の持ち出し負担が解消されないということが 2 点目です。

3 つ目の大項目は、重度障害者等包括支援についてです。過去の実績を調べてみると、全国で利用者が 37 名で、 6 年前から 10 人しか増えていません。事業所も 10 カ所しかありません。このような、あってなきような制度がまだ存在しています。重度障害者等包括支援については、根本的な見直しをしていただきたいと思います。

○菅自立支援給付専門官 ありがとうございました。次に、全国盲ろう者協会様、よろしくお願いします。

○全国盲ろう者協会 全国盲ろう者協会事務局長の山下と申します。本日は、このような機会を与えていただきましてありがとうございます。

 盲ろう者についての簡単なお話からさせていただきます。視覚と聴覚に二重の障害を持つ盲ろう者が、全国で大体 1 4,000 人程度と推計されております。このような盲ろう者は、いわゆるコミュニケーション、移動、情報の取得といったところに重大な困難を持っております。また、この盲ろう者の状況も、全く聞こえない全盲ろう、あるいは若干聞こえて全く見えない者、逆に全く聞こえないで若干見える者といったように、いろいろな聞こえ方、見え方もあります。お分かりのように、そういう具体的な状況の中で、盲ろう者のコミュニケーション方法も、指点字や触手話、弱視手話、指文字など、多種多様なコミュニケーション方法を取っており、一人一人の盲ろう者に各々のコミュニケーション方法があります。そういったコミュニケーション方法は、基本的に「 1 1 」の対応でないと、コミュニケーションを取ることができないという状況があります。

 このような特性を持つ盲ろう者が、障害福祉サービスを利用するに当たってどういう問題が出るかというと、例えば日中活動系のサービスを利用するためには、まずコミュニケーション支援の体制が必要です。また、盲ろう者は人数が少ないということで、日中活動系サービスを利用するに当たって、遠距離からの通所がどうしても必要になります。実態調査によれば、先ほど 1 4,000 人と言いましたが、人口 10 万人に対して 11 名程度、人口 30 万人の都市になって初めて 30 人程度の盲ろう者という状況ですので、これは日中活動の何らかの場を作ろうとすれば、必ず広域利用が必要になります。

 訪問系のサービスを利用するに当たっても、具体的にヘルパーと意思疎通ができないと、十分なサービスを受けることができません。グループホームや入所施設などにおいては、支援職員とのコミュニケーションも当然ですが、同居している方とのコミュニケーションも全く取れない状況の中で、具体的には食事をしたりお風呂に入ったりすることは可能であっても、それ以外のことが全くできない状況に陥っている障害者が結構います。もちろん、全ての施設がそうだとは申しません。一部の施設においては、きちんとしたコミュニケーション体制を取っている所はありますが、それは制度ではなく、その施設の独自の努力によって行われているということです。

 このようなことから、盲ろう者支援ということで、報酬改定についての意見です。まず、日中活動系のサービスを利用するに当たって、遠距離からの通所を考えると、公共交通機関を利用する形態を含めて、個別的な送迎が可能となるような新たな送迎加算を検討していただきたい。状況によっては同行援護、あるいは盲ろう者向けの通訳介助員の派遣事業、これは現在地域生活支援事業で対応しておりますが、こういった事業の併用、そういったものが活用できるようなことも考えていただきたい。また、現行の視覚・聴覚・言語障害者支援加算については、盲ろう者のような「 1 1 」のコミュニケーション支援は対応できません。せいぜい 1 施設に全体手話通訳のような方が 1 人配置できるかどうかということで、盲ろう者のような「 1 1 」のコミュニケーション支援が必要な場合においても、対応可能な加算について考えていただきたい。

 訪問系サービスについては、先ほど申し上げたように、意思疎通ができないことには始まらないので、何らかの形でそういった一定の技能を身に付けた方についてコミュニケーション加算、意思疎通支援加算を考えていただきたい。これは、一部の自治体では、障害のホームヘルパーに盲ろう者の特別の研修を行って、受講証は出しています。ただ、受講証を出していると言っても、それでお金が多くなるわけではないので、決して受講の動機付けにはならないという問題があります。

 最後に、施設やグループホームにおいて、先ほど申し上げたように支援スタッフや同居している、一緒に暮らしている人たちとのコミュニケーションが全く取れない状況での 24 時間の生活は、人間としては耐えられないものです。本当に光と音が全くない状態で、入所している方が、外から風が入ってくる、その風を肌で感じて「ふー」と言っておられるのを見てきた者が、とても胸がいっぱいで、何とも言えなかったと言っておりました。そのような厳しい状況にある盲ろう者の施設やグループホームでのコミュニケーションの支援の加算についても、是非お考えいただきたいと思います。以上です。

○菅自立支援給付専門官 ありがとうございました。次に、日本難病・疾病団体協議会様、よろしくお願いします。

○日本難病・疾病団体協議会 初めにお断りしておきますが、「難病」という病気はありません。非常に多種多様な疾患で、その一つ一つは本当に違うのですが、今回、ここでは「難病」というくくりでお話します。

 昨年 4 月から、障害者手帳のない難病についても、この対象となることになりましたが、現在はまだ制度が始まったばかりです。難病の指定も、来年の 1 月からおよそ 130 疾患、来年の 8 月から 300 疾患程度が対象になり、やがて 500 疾患までとなることが推定されております。しかし、従来この難病対策の中でやっていた「難病患者等居宅生活支援事業」がその当時と比べてどう違ってきているかは、まだ十分に把握されておりません。はっきり言えば、思ったほど利用が伸びていないわけです。そういう中で、報酬ということの前に、この制度がいかに普及していくかが大きな鍵になっております。

 まず、現在の患者の福祉、あるいは障害サービスの利用がどういうカテゴリーに分かれるかですが、およそ 6 つのカテゴリーに分かれると考えられております。 1 つは介護保険の対象で、 65 歳以上からの、従来の介護保険の対象のカテゴリーに入る患者です。高齢発症の方も多いので、これも 1 つのカテゴリーになります。 2 つ目は、同じ介護保険の対象ですが、 40 歳から対象になる「特殊疾病」の領域に入る患者です。 3 つ目は、障害者手帳を持っている難病の患者たちです。 4 つ目は、手帳も何も持たない、純粋なと言うと語弊がありますが、これから制度が始まる「指定難病」の対象の患者たちです。 5 つ目が、その他難病対策にも入らないような難治性希少疾患で生活上の困難を抱えている患者たちです。 6 つ目は、 20 歳で支援が打ち切られる「小児慢性特定疾患」の患者たちです。この 6 つのカテゴリーがあって、それぞれがどういう制度を使ったらいいのかさえ、今はまだ混乱の状況です。御存じのように、認定の仕方、特にヘルパーに限っても、制度利用ができる場合の条件などが介護保険と障害者の制度で大きく変わっていますし、在宅の介護では介護保険適用の介護と医療保険適用の介護、あるいは訪問看護があるので、非常に複雑です。現在は福祉に入ってくると、障害者の認定の中に入りますし、介護保険優先となると介護保険のケアマネージャーの認定になりますが、この方々が現在非常に複雑になっている制度を熟知しているとは到底思えません。地域でも、人によっても様々な判定の仕方で、主にはねられていく。これが、この利用が進まない大きな原因かと思います。

 もう 1 つの利用が進まない原因は、医師の診断書、意見書が求められていますが、これに何をどのように書いたらいいかが書かれていない。これだけでなく、申請書から判定までの書式にも「難病」という項目がないために、何をどういう基準で書いたらいいのかが自治体でも分かっておりません。また、ヘルパーの制度に限っても、「難病」という言葉だけで敬遠されてしまう。事業所にもヘルパーにも、様々な研修を受けても報酬が上がるわけでもないし、難病のほうでヘルパーの研修制度は残ったわけですが、この研修をわざわざ受ける人がいない。非常に少なくなっているわけです。これは時間の問題、報酬の問題、様々にあります。そういう形で、まだまだばらばらに行われているだけでなく、むしろ混乱しているのではないかと受け止めております。

 さらに、この制度が自治体では従来の福祉部局の担当のために、難病に今まで触れたことのないセクションが難病患者の福祉サービス利用の認定や様々な支援に当たるため、極めて大きな地域格差が生じております。 1 つの県で、県内の市町村がどの程度難病のことを理解しているかを調査したところ、極めて少数の市町村しかありませんでした。これだけマスコミにも取り上げられ、厚生労働省からも周知がされていても、実際には理解されていない。こういう状況の中で、地域格差がますます広がることも大変心配されております。せめて福祉サービスは全国共通であってほしい。ここで不公平や不公正があってはならないと思うのですが、これはいかんともし難いのでしょうか、という疑問を持っております。

 ただ、報酬に関して言えば、難しい専門的な知識が必要なところには報酬単価を引き上げるべきではありますが、様々な形で患者の負担が増えております。新しい難病対策でも患者の負担が増えますし、消費税その他でも大きく増えますし、医療費も様々なもので負担が増えている中で、患者の負担が一層増えることがないよう、検討をお願いしたいと思います。以上です。

○菅自立支援給付専門官 ありがとうございました。それでは、後半の 4 団体からの御意見に対して、アドバイザーの皆様方等から御質問等ありましたらお願いします。

○野沢論説委員 全日本ろうあ連盟の方に幾つかお聞きします。 1 つは、視覚・聴覚・言語障害者支援体制加算についてです。今、 30 %以上いる事業所に加算が付くということですが、 30 %以上いる事業所とそれ以下の事業所の比率はどのぐらいなのでしょうか。もし分かれば教えてください。

○全日本ろうあ連盟 長谷川です。正確な数字はまだ確認はしておりませんが、 30 %以上の条件を満たす施設はほとんどありません。

○野沢論説委員 もう 1 つは、グループホームに入っているろう重複障害の入居者は、どのぐらいの数いらっしゃいますか。

○全日本ろうあ連盟 全国的に見ると、グループホームに入居する聴覚障害者は少ないです。福祉サービスが利用しづらい背景として、コミュニケーションが図れる環境がないということがあげられます。そういう社会資源が保障されていないと、ほとんど利用ができないということで、ろう重複障害者について全国的にも利用者が少ないです。

○野沢論説委員 もう 1 点、通院や入院の際に手話ができるヘルパーの利用ということで、これは大変重要なことだと思いますが、逆にある程度の規模のある病院については、病院側に手話のできるスタッフを配置するという考え方はあるのでしょうか。あるいは、そんな運動はされているのでしょうか。

○全日本ろうあ連盟 全日本ろうあ連盟としては、手話が言語であることから、いつでもどこでも、誰でも、どんな時でも自由にコミュニケーションが図れる施設や環境を目指すということで、あらゆる場面、病院でも公民館でも図書館でも、全ての所に配置が望ましいですが、特に、病院の場合は命に関わるケースなどがあります。私の経験で、 2 日間入院したときに、手話ができる看護師が誰もいない状況がありましたので、どういう服薬なのか、医師からの説明が全く分かりませんでした。それも夜間だったのです。よく分からない中で、患者として非常に不安で、精神的に大きな負担と疲労がありました。ですから、手話のできる医師・看護師をもう少し増やすことも必要かとは思いますが、手話を学ぶ医師・看護師が全国的に数が少ないという現状もあります。

○野沢論説委員 続けて、全国盲ろう者協会の方にお伺いします。コミュニケーションの方法にいろいろバリエーションがあるということですが、全体として通訳者数はどのぐらいいらっしゃるのですか。割と若い方をよく見掛けるのですが、どんな方々が通訳になっているのかをお聞きしたいと思います。

○全国盲ろう者協会 盲ろう者の通訳として一応登録している方は、 5,000 6,000 人ぐらいはいらっしゃると思います。ただ、その中で実働している通訳はもう少し少なくなるはずです。

 なお、どういう方かというと、年齢的にもかなり幅はあって、今のお話のように若い方も確かにいらっしゃいますが、全体的には少し高齢の方が多いかと思います。具体的には、手話通訳で一定の経験のある方が、それに加えて盲ろう者のコミュニケーションの方法を学んで、盲ろう者の通訳介助員としても働いておられるとか、そういう事例が多いかと思います。

○野沢論説委員 日本難病・疾病団体協議会の伊藤さんにお尋ねしたいと思います。ホームヘルプ以外の福祉サービスで、難病の方にとってニーズのあるサービスは、ほかにどんなものが考えられるでしょうか。

○日本難病・疾病団体協議会 それは日常生活用具から補装具まで非常に多様にわたっていますが、従来は身障手帳を持っていないということで利用できなかった人たちにも、身体の状況から、例えば心臓が悪いとか、今まで固定した身体障害者しか使えなかったものが、ほかの者でも使えると。ヘルパーもそういう傾向がありますし、そういうことは期待されていますが、一部進んでいる所はありますが、一般的には従来の障害という枠の中から見た認定なり判定なりが行われているのが現実かと思います。例えば、電動車椅子についても、操縦できるのかどうかとなると難しかったり、調子がいいときはできると、できるかできないかの判定では「できる」に判定されてしまう。これは支援区分では変わったはずなのですが、依然として「できる」になっているのではないかというのと、長距離を歩けないとか、継続して家事ができないといったことも制約になっているのです。できるときもあるわけですから。

 また、移動支援や様々なことはあるわけですが、ちょっと立って歩けるだけで支援はできないといったことがたくさんあって、どの程度何ができるかについてはこれから実態調査をしなければならないのではないかと思っております。

○野沢論説委員 難病患者の特性を十分理解しているヘルパーが必要だということで、理解していないがためにどんな不具合があるのか、もし何か具体的な例があれば教えていただければと思います。

○日本難病・疾病団体協議会 例えば、様々な支援を求めに行っても、立って歩いてここまで来たのだから、歩いて来られた人は第一支援の対象にはならないよと言われるとか、しゃがんで行う家事が非常に困難な患者、床掃除とかお風呂の掃除ができなくても、普段は買物をして歩いているとか、いろいろ動いていれば、別にヘルパーは要らないのではないかとか、長距離は歩けなくても、短い距離が歩ければ車椅子は不要ではないかとか、様々なことを言われるわけです。また、バランスが悪い歩行の前でも、杖の場合は安いからいいのですが、対象にならないと。「安いので、御自分で買いに行ったらどうですか」と言われてしまったというのが、今、事例としては寄せられてきております。

○平野教授 ろうあ連盟と全国盲ろう者のお二方にお伺いします。例えば、重複障害の場合、災害時などの場合、一番困難があることが想定されますが、そういう場合の特別な対策は何かしておられるのでしょうか。緊急で避難する場合、自分で逃げることが難しいと思うのですが、その対応については何か特別なことをされているのでしょうか。

○全日本ろうあ連盟 東日本大震災の経験から、非常に反省しなければいけない教訓も多々あります。聴覚障害に加えて知的障害、あるいはその他の障害を持ち合わせているろう重複障害者は、災害が発生したときに情報が全く入らないのです。そのために、判断ができない。結局、避難に間に合わず、犠牲になったということも出てきています。

 また、基本的には重複障害者に対して、施設入所の場合には、入所できる施設が少ないのです。ろう重複の場合は 9 か所で、それ以外は各県レベルでも適用する施設がない状況です。ですから、自宅で生活せざるを得ないので、ほとんど家族の中の援護に頼っている。また、ろう協会が、重複障害者がいることを把握している場合は支援をする形にはなっていますが、技術的には非常に困難な状況で、解決方法を模索中です。

○全国盲ろう者協会 盲ろう者からも同様に、これは本当にどうしたらいいかということで、災害があった時点で災害があったこと、地震で揺れるのは分かるにしても、もうすぐ津波が来るといった情報が全く入らない。まず、 1 人で動けないものですから、危ないと感じたとしても、移動が極めて難しいという状況があります。現実的には、私どもも地域の中でサポートしてくれる人を探して、日常的にそういう体制、避難できるような、あるいは情報を伝えていただけるような体制を作っていく、あるいは IT みたいなことでは、点字情報を携帯電話的な感じで伝えることが、もう少し大きいのですが、いわゆる点字情報端末が少しずつ出てきているので、そういったものを使って、何かの際には点字情報端末による情報伝達も活用していくと。

 ただ、いずれにせよ、こうしたら大丈夫という決め手は全くありません。日常的な災害に対しては、人の手による情報伝達と人の手による避難誘導しか、具体的な対応は難しいのが実態だと思います。

○平野教授 もう 1 点、日本難病・疾病団体協議会さんにお伺いします。大人はここに出てくるのですが、御存じであれば、難病の子供たちの場合はどういうニーズが出てくるのでしょうか。

○日本難病・疾病団体協議会 子供たちも病気によっていろいろ違うので、一概には言えませんが、学校教育が普通に受けにくいとか、入院が長引くと難しいことがあったり、ほかの子たちと同じように交われない。また、これは大人も同じですが、病気だというだけで施設の支援が受けられない、あるいは学校教育でも敬遠されるというか、どうしたらいいのか分からないので、重い医療を必要とする人は難しいとか、重くなくても、遊んでいて突然倒れる子たちもいるので、そういう子は難しいとか、親が付いていなければならないとか、皮膚症状が非常に強い場合には、いじめの対象になるどころか、みんなと同じようにはできないと言われてしまう。

 教育の現場もそうですし、子供の頃からそういう病気を持っていて、医療を中心として生活をしていると、以降の進学や就労など、社会に出てからも大きな影響があるわけです。これは本人だけではなく、病気を持っている子に親の関わりが大きくなっていくと、兄弟・姉妹への親や家庭環境の関わりが薄くなりがちなので、そういう子たちへの支援・配慮も難しいといった様々なものが、長期間重い病気を抱えている患者を中心とした生活の中では起きてくるということです。

○沖倉教授  2 点お願いします。 1 点目は、全国脊髄損傷者連合会の方にお伺いしますが、頂いた資料の 3 「重度障害者等包括支援について」の最後に、現行制度では、この支援は「全く無意味なサービスとなっている」と思い切ってお書きになっています。また、「それを抜本的に改革するために、報酬を大幅に引き上げるなど」とあって、この「など」の辺りをお聞きしたいのですが、もちろんこの検討チームは報酬改定を検討する場であり、与えられた課題だとは分かっていますが、そもそも無意味なサービスになってしまっているのが報酬だけの問題なのか否かも含めて、不勉強なので教えていただきたいと思います。

○全国脊髄損傷者連合会  1 点目ですが、資料に書いたとおり、人工呼吸器をつけていたりコミュニケーションがとれなかったりする重度包括対象者の場合、重度包括であれば 4 時間で 7,990 円、重度訪問介護であれば 8,370 円という単価設定です。そうすると、事業所は、重度包括対象者であってもサービスとしては重度訪問介護で十分だ、あえて重度包括支援の事業所指定を受ける必要はないと考えるのが現状です。利用者が増えていない理由は、その先の事業所が増えていない事情にあると思います。

 ただし、重度包括支援は単に単価が安いだけではなく、特殊な制度になっていて、たとえば資格がなくてもヘルパーとして介護を提供できます。ですから、重度包括支援をきちんと制度として続けていきたいということであれば、厚生労働省の課題としてきちんと片付けていかないと、生きた制度になっていかないのではないでしょうか。それが過去 6 年間で利用者が 10 人しか増えていないという現状に現れていると思います。

○沖倉教授 今のお話では、もちろん報酬の問題は 1 つありますが、資格化というか、参加する事業者を増やすこともそうだし、実際やる方の資格をきちんと考えていくことが重要だということでよろしいですか。

○全国脊髄損傷者連合会 はい。

○沖倉教授 もう 1 つ、先ほども全国盲ろう者協会の所で幾つか御質問があったり、やり取りがあったと思いますが、ここも私の不勉強ですが、補足をお願いしたいと思います。訪問系のサービスのところで、意思疎通支援加算のことが挙げられていて、自治体において研修を実施している事例があるということでしたが、先ほどのお話の中では、手話通訳者がプラスアルファで研修を受けるといったことで対応されている方もおられるということを伺いました。そもそもどんな研修で、どれぐらいの時間を費やして、それで実際に実動できるものなのかという素朴な疑問なのですが、お教えいただければと思います。

○全国盲ろう者協会 具体的には、いわゆる盲ろう者向けの通訳介助員は 1 つの専門性のある職種だと思います。これについては、もちろん一定の養成カリキュラムがあり、一応標準カリキュラムとして 84 時間の養成カリキュラムを持っているわけですが、一方で盲ろう者の周りでヘルパーが何か支援をするときに、必ずしもその方が盲ろう者向け通訳介助員の資格というか、それだけの勉強をする必要はないわけです。極端なことを言えば、ある程度の盲ろう者の障害特性についての理解と、最低限のコミュニケーション方法、よく言われるのは手書き文字、手のひらに「あ・い・う」と書く、あるいはもっと簡便なサインもあります。あるいは、何かの形でこういうことをやってほしいときには背中をたたくとか、本人と最低限の意思疎通ができるようなことを、ある程度研修などで理解していただく。理解していただいた上でヘルパーに行っていただくのと、盲ろう者について何の認識もなく、いきなり行ってこの人は何なのだというのとは、全く違うだろうと思っております。

 そのようなことで、いわゆるヘルパーとしての養成コースをちゃんと修めて、ヘルパーの資格を持っていらっしゃる方に盲ろう者についての一定の知識、あるいは若干のスキルを身に付けていただく程度のことでも、随分変わってくると理解しております。

○沖倉教授 それが一部の自治体で行われているという認識でいいわけですか。

○全国盲ろう者協会 そういうことです。

○菅自立支援給付専門官 ほかの先生方はいかがでしょうか。

○平野教授 脊損連合会にお伺いします。ケアプランでセルフプランとありますが、脊損の方は、比較的自分たちで作っていくというところは大分進んでいるのでしょうか。あるいは、マネージャーに頼んだほうがいいとか、その辺りはいかがでしょうか。

○全国脊髄損傷者連合会 脊損の場合は、確かにケアプランを自分で作ることはできます。ただ、セルフプランとなると、中立性や客観性に欠けてしまいます。ですから、私たちとしては、自分の意見を相談支援専門員にきちんと話して、自分のニーズを理解してもらって、極力、第三者にサービス等利用計画を作ってもらうべきだとアドバイスしています。

○菅自立支援給付専門官 前半に御意見を頂いた 4 団体も含めて、再度御質問等ありましたら、せっかくの機会ですのでお願いします。

○全国身体障害者施設協議会 先ほどの御質問の答えが分かりました。喀痰吸引等の研修修了者の数についてお尋ねがありましたが、大体 1 施設当たり 32 人の介護職員がいて、今現在、特定・不特定を合わせて 10 人ぐらいが研修を終えているというデータがあります。

○日本盲人会連合 先ほど計画相談の話が出ていましたが、視覚障害と聴覚障害の障害特性を踏まえた形での計画相談をできる事業者、人が多くないということで、通常の計画相談の従事者はいろいろな研修を受けるわけですが、特に視覚障害や聴覚障害の障害特性をきちんと理解されていないケースが多いのです。特に高齢で、なおかつ視覚障害や聴覚障害がある場合の計画相談を立ててもらうと、今まで利用していたサービスが利用できなくなるといったことが現実的に起きてきています。そういった意味では、計画相談従事者については、きちんと育成するなり報酬単価を引き上げて研修をさせていかなければいけないと思っています。

○全国脊髄損傷者連合会 先ほど平野先生から、ケアマネジメントについて、高齢者と障害者ではどう違うかというお話があったと思います。障害者の場合は、年齢層にかなり幅があるわけです。そうすると、大学在学中に怪我をした人と、 40 歳で怪我をした人では、生活スタイルが全く違いますから、計画の内容も相当違ってきます。一人一人にかなり個別的なアセスメントが必要になります。場合によっては、就労などの社会参加の現状や意向も聞かなければいけません。ですから、障害者の場合は、計画相談支援に先立つ基本相談支援が重要です。しかし、基本相談支援には、国から全く報酬が出ていません。したがって、私も地元の区役所から、基本相談支援のお金を国から出してもらえないかとか、東京都に予算を取ってもらえないかとか、そういった相談も受けています。

 一方、相談支援専門員がサービス等利用計画を作ると報酬は 1 6,000 円くらいですが、この水準ではほとんどボランティアになってしまいます。 1 人の相談支援専門員が 1 か月に作成できる件数は、きちんと丁寧にやれば 3 人程度、 5 人分を作るのはきついというのが現状です。

○菅自立支援給付専門官 井出先生、役所側の構成員の方から御質問等ありましたらお願いします。

○井出教授 私は特にありません。今日はいろいろ教えていただいてありがとうございました。

○全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 高岡です。私どもの要望は、障害の等級に関するものでした。これは福祉サービス、地域生活支援事業のサービスにかかわらず、サービスを受ける基準になっているのですが、現在の身体障害者の程度等級は、日本では昭和 2 (1927 ) の工場法施行令が改定されたときのまま使われているのです。その中で両耳 70dB 以上などの聴覚障害が 6 級の労働能力喪失程度、 56 %に該当し、 50 %を超えたことから障害者に入ったのです。それ以下の聴力レベルは労働能力損失程度が 50 %以下だったので、障害者とみなされない。その規定が今でも続いているわけです。昭和 2 (1927 ) です。そういった古い規定を、今、障害者権利条約が批准されているときにも使われていることの異常さを、厚生労働省もアドバイザーの方もよく認識していただきたいと思います。

○菅自立支援給付専門官 それでは、ほかに御質問等がないようでしたら、以上をもちまして、本日のヒアリングは終了いたします。次回の検討チームは、 7 25 ( )16 時から 18 時まで、厚生労働省共用第 8 会議室 (19 ) で関係団体ヒアリングの第 2 回目を予定しております。

 本日は、お忙しい中、長時間にわたりましてどうもありがとうございました。これをもちまして、検討チーム第 2 回の会合を閉会とさせていただきます。


(了)

(注1)
「高鳥厚生労働大臣政務官」の「高」の本来の表記は「はしごだか」ですが、システムの制約上表記することができないので、「高」で表記しております。

<照会先>

障害保健福祉部障害福祉課

評価・基準係: 03-5253-1111(内線3036)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 障害保健福祉部が実施する検討会等 > 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(平成27年度報酬改定) > 第2回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 議事録(2014年7月15日)

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